JP2001527129A - 誘電性ゲル化組成物、その誘電性ゲル化組成物の使用、及びそのゲル化組成物を含浸した絶縁系を含む電気dc−ケーブル - Google Patents

誘電性ゲル化組成物、その誘電性ゲル化組成物の使用、及びそのゲル化組成物を含浸した絶縁系を含む電気dc−ケーブル

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JP2001527129A JP2000525888A JP2000525888A JP2001527129A JP 2001527129 A JP2001527129 A JP 2001527129A JP 2000525888 A JP2000525888 A JP 2000525888A JP 2000525888 A JP2000525888 A JP 2000525888A JP 2001527129 A JP2001527129 A JP 2001527129A
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Abstract

(57)【要約】 転移温度Tにおいて熱可逆的液体−ゲル転移を示す誘電性ゲル化組成物であって、当該ゲル化組成物がオイル及びオレフィンベースのブロックを持つポリマー化合物を含むゲル化剤を含んでなり、前記ポリマー化合物がオレフィンベースのブロックと芳香族環を骨格構造に含む少なくとも1つのさらなるブロックとを含むブロックコポリマーからなり、2つのブロックの各々が3000g/モルより大きな分子量を持ち、骨格構造に芳香族環を持つブロックが硬い骨格構造及びオイルへの温度依存的溶解性を示す誘電性ゲル化組成物が開示される。ゲル化組成物は、ブロックコポリマーを懸濁重合を用いてブロックコポリマーを調製し、続いて得られたコポリマーをゲル化組成物の転移温度より高温でオイルに添加することにより製造される。ゲル化組成物は、少なくとも1つの導体と含浸絶縁系を有する絶縁直流ケーブルの含浸物として使用される。絶縁系は、誘電性ゲル化組成物を含浸した多孔、繊維及び/又は積層構造の固体の絶縁誘電性部材を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、ポリマー化合物を添加した誘電性絶縁オイルを含む誘電性ゲル化組
成物に関する。本出願におけるゲル化剤とは、オイルに添加されたときに相互作
用してオイルを液体状態からゲル化状態を含むゲル化状態に変換させる化合物、
化合物の系又は混合物を意味し、ゲル化状態におけるオイルはオイルに高粘度及
び弾性を付与する3次元構造を含む。特に本発明は、そのようなオイルをベース
とするゲル化組成物であって、自由に流動する液体状態とゲル化状態との間の熱
可逆的転移、熱可逆的液体−ゲル転移を示すものに関する。
【0002】 本発明は他の態様において、このような熱可逆的液体−ゲル転移を持つ誘電性
ゲル化組成物を含むDC-ケーブルなどの絶縁電気装置に関する。
【0003】 (背景技術) 電気絶縁性オイル及び他の誘電性流体は、変圧器、コンデンサ、リアクター、
ケーブル等の装置の電気絶縁系に用いられている。誘電性流体は典型的には、誘
電性流体を含浸させる多孔、繊維及び又は積層固体部材と組み合わせて用いられ
る。含浸された絶縁体の活性部材は固体部材である。オイルは、水分の取り込み
及び全ての孔、空洞、又は他の間隙が満たされることから絶縁体を保護し、それ
により絶縁体中の誘電性の弱い空気がオイルで置換される。含浸は、絶縁体の固
体部材が適用された後に実施される典型的には時間を消費する繊細な工程であり
、注意深く監視し制御する必要がある。例えば、数キロメートルのケーブルが処
理される電力の長距離伝送を意図したDC-ケーブルの含浸は、典型的には日、 週又は月に渡る長い工程サイクルを提示する。さらに、この時間を消費する含浸
工程は、繊維ベースの絶縁体の完全かつ均一な含浸を確実にするために、加熱、
維持及び冷却の間に用いられる含浸容器内において温度と圧力両方の条件を特定
にランピングしながら、注意深く開発され厳密に制御された工程サイクルに従っ
てなされる。変圧器、コンデンサなどの誘電性流体を含む他の絶縁系の含浸は、
DC-ケーブルほどの時間は消費しないが、敏感な工程であり、含浸体、含浸す る媒体、及び含浸に用いられる工程変数に対して特別の要件が課される。
【0004】 良好な含浸結果を確実にするためには、低粘度の流体が望ましい。また流体は
、電気装置の作動条件では多孔絶縁体中への流体の泳動を避けるために粘性であ
るのが好ましいであろう。ダーシーの法則(1)は多孔又は微小管媒体を通る流
体の流動を記述するのにしばしば用いられる。 (1) ν=kΔP μL この法則において、νはいわゆる流体のダーシー速度であり、試料面積で除した
流体容積として定義され、kは多孔媒体の透過性であり、ΔPは試料を横切る圧
力差であり、μは流体の動的粘度であり、そしてLは試料の厚さである。多孔媒
体中での流体の流速は、本質的には粘度に逆比例する。作動温度において低粘度
又は高い温度依存的粘度を示す流体は、作動中に電気装置に自然に発生する温度
変動の影響下で泳動する傾向があり、作動における導体絶縁体を横切って形成さ
れる任意の温度勾配によっても、絶縁体に満たされない空洞が形成されるかもし
れない。温度変動及び温度勾配は高電圧DC-ケーブルに存在し、よって誘電性 流体の泳動に伴う全ての問題は注意深く考慮しなければならない。高電圧直流電
流場で作動する絶縁体中の満たされない空洞は又は満たされない他の間隙又は孔
は、空間電荷が蓄積される傾向があるという欠点をなす。蓄積された空間電荷は
、好ましくない条件下で放電を通して絶縁破壊を起こすかもしれず、それは絶縁
体を劣化させ究極的にはその破壊をもたらすかもしれない。理想的な誘電性流体
は、含浸において低粘度を示し、作動条件下で高粘度のものである。
【0005】 DCケーブルなどの電気装置における多孔、繊維又は積層導体絶縁体を含浸す
るために用いられていた従来の誘電性オイルは、温度が上昇すると本質的に対数
的に低下する粘度を示す。従って含浸温度は、高温での粘度の温度依存性が低い
ため、必要とされる粘度低下を得るためには、作動温度よりかなり高くすべきで
ある。これに比較して、作動条件の間に支配している温度における粘度の温度依
存性は高い。含浸又は作動条件における小さな変動は、誘電性流体及び導体絶縁
体の性能に影響する。従ってオイルは、予想される作動温度においては十分な粘
性であるとともに、作動中に電気装置に起こる温度変動下でも本質的に十分に絶
縁体中に保持されるように選択される。また、保持は、絶縁体に渡って構成され
るあらゆる温度勾配から本質的に影響を受けなてはならない。このことは、典型
的には、高い含浸温度を用いて絶縁体が本質的に完全に含浸されるのを確実にす
ることを導く。しかしながら、高い含浸温度は、絶縁材料、導電体の表面特性に
影響を与え、含浸される装置に存在する材料内又は間での化学反応の促進する危
険性があるので不利である。また、製造中のエネルギー消費及び全製造コストは
、高い含浸温度によって悪影響を受ける。考慮すべき他の側面は、絶縁体の温度
膨張及び収縮であり、それは冷却を制御しながら徐々に行うべき事を意味し、既
に時間を消費する複雑な工程に更なる時間と複雑さを付加する。他の型のオイル
含浸ケーブルは、低粘度オイルを用いる。しかし、これらのケーブルは、作動中
に被る熱サイクルに際してケーブルの絶縁体の十分な含浸を確実にするために、
ケーブルに沿った又はケーブルに付随したタンク又はリザーバを具備する。低粘
度オイルを含浸させたこれらのケーブルでは、破損したケーブルからのオイルの
流出の危険がある。従って、高い温度依存的粘度を示し、作動温度で高粘度を持
つオイルが好ましい。
【0006】 従来の鉱油に対して粘度に好適な向上した温度依存性を付与するために、オイ
ルにポリマー、例えばポリイソブテンを添加することが知られている。これは高
級芳香族オイルについてのみ達成できるが、この種のオイルは典型的にはナフテ
ン性の高いオイルに比較して劣る電気的特性を示す。これら後者は、電気絶縁に
用いるのに適した型のオイルである。より芳香族性のオイルは、許容できる電気
的特性を示すには、典型的には漂白用土類で処理しなけらばならない。このよう
な処理はコストがかかり、この処理の後に注意深く濾過又は分離処理を行わない
と、オイル中に小さなサイズの粘度粒子が残る危険性がある。また、US-A-3 668
128に記載されたような、1から50重量パーセントまでの、3、4又は5の炭
素原子を持ちアルケンから誘導された100−900の範囲の分子量を持つアル
ケンポリマー、例えばポリブテンの添加を含むオイルは、その低温での低粘度の
ために選択することができる。このオイルは低温で低粘度を示し、良好な酸化耐
性及びガス発生、即ち、特にUS-A-3 668 128に示唆されているオイルのような低
芳香族含有量のオイルを電場にさらしたときに起こりうる水素ガス発生に対する
耐性も示す。しかしながら、US-A-3 668 128の開示に従うオイルは、繊維又は積
層絶縁体の含浸のための伝統的な電気絶縁に対しては大きな進歩をもたらしたが
、低粘度オイルが典型的には高温での作動中に保持されないように、作動下で構
成される温度変動及び/又は温度勾配によって生ずるオイルの泳動の危険を未だ
に被る。
【0007】 まだ公開されていない先の国際特許出願PCT/SE97/01095は、オイルなどのゲル
化誘電性流体を含浸させたDC-ケーブルを開示している。誘電性流体は、低温 でのゲル化状態と高温での本質的にニュートンの流動容易な状態との間の熱可逆
性転移を流体に付与するゲル化ポリマー添加剤を含む。この粘度における実質的
な転移は限られた温度範囲に渡って起こる。流体及びゲル化ポリマー添加剤は調
和して、液体−ゲル転移範囲での熱可逆的ゲル化挙動を流体に付与し、含浸及び
作動の両方において所望される特性に適合させる。流体は、高温に置いては液体
状態で、容易に流動するニュートン流体の粘度を示す。低温において流体はゲル
化状態であり、高い粘性の弾性ゲルの粘度を持つ。転移温度は、流体及び添加剤
及び添加剤量の選択によって決定される。このようなケーブルは、含浸に必要と
される時間を短縮する大きな能力を示すが、含浸の間厳格に制御された温度サイ
クルは未だに必要とされる。ゲル化ポリマー添加剤及び誘電性流体は、ケーブル
の含浸及び使用の間の典型的には相反する要求に最も良く合致するように調整又
は最適化される。この分野には、含浸温度を低下させると同時にDC-ケーブル の電流密度を増加させる強い要求がある。電流密度の増加は、同じ導体及び同じ
導体次元を用いている間、DC-ケーブルにおける作動温度の上昇をもたらす。 これら相反する要求の合致は、含浸温度と作動温度との間の間隙を更に減少させ
る。従って、精巧なゲル化系でさえも特定の要求に合致させるのは困難であろう
。ケーブル絶縁体の実質的に全ての空洞及び間隙が流体で満たされるべきである
のみならず、作動中に温度変動及び温度勾配が構成されたときに流体がこの絶縁
体に保持されなければならないことを思い出すべきである。他の目的のためのオ
イル及びポリマーを含む好適なゲル化系は、欧州特許公報EP-A-0 231 402に記載
されている。この文献はゲル形成化合物を開示し、それは、押出しポリマーベー
スの絶縁体などの全ての絶縁系を含むケーブルのあらゆる間隙を良好にシール及
びブロックするのを確実にするためのカプセル化剤として用いることを意図して
徐々に形成され熱可逆的なゲル化特性を持つ。徐々に形成される熱可逆的なゲル
化化合物は、ポリマーのナフテン性又はパラフィン性オイルへの混合を含み、更
にコモノマー及び/又はブロックコポリマーのオイルへの混合を用いた実施態様
が、それらの疎水性、及びそれらがカプセル化剤自身の最高提供温度より低温で
間隙中に膨張することができるという事実によりカプセル化剤として好適と考え
られている。同じ目的、即ちケーブルに水が侵入し長軸方向に拡がることを阻止
するカプセル化剤としての使用のための類似のゲル形成化合物は、欧州特許公報
、EP-A1-0 058 022及びEP-A1-0 586 158からも知ることができる。
【0008】 従って、高温で、かつ狭い温度範囲で熱可逆的な液体−ゲル転移を持つ誘電性
ゲル化組成物を提供することが望まれている。このゲル化組成物は、それによっ
て含浸が促進され含浸時間が短縮される特性を示さなければならない。それは、
装置の作動が意図される高温範囲では高粘度を示し、それにより温度サイクル及
び/又は温度勾配に際しての泳動及び空洞の形成の危険性を低減するべきである
。温度サイクルに当たっての容積変化も減少するべきである。特に重要なのは、
含浸後の冷却時の収縮及びそのような収縮に伴うあらゆる問題が減少されるべき
ことである。さらに、ゲル化組成物は、それが増大した負荷、即ち装置で用いら
れる作動電圧及び電流密度の両方の増大にさらされたとき、熱的、機械的及び電
気的特性及びそれらの特性の安定性を示さなければならない。
【0009】 電力の伝送及び分配のための多くの一次電力供給系はDC技術に基づいていた
。しかしながら、DC系はすぐに交流、ACを用いた系に取って代わられた。A
C系は発生、伝送及び分配電圧の間の容易な変換という望ましい特徴を有してい
る。今世紀前半における新たな電気供給系の開発は、AC伝送系に基づくのみで
あった。1950年代までに、長距離伝送計画が求められ、ある種の環境ではD
Cに基づく系による利益がありうることが明らかになった。予測される利点は、
AC-系の安定性に関連して直面する問題、系の力率が常に一定であるときの装 置のより有効な使用及び与えられた厚さ又はクリアランスを高温で使用する可能
性の低減を含む。これらに対して、重点をおくべき極めて重要な利点は、ACか
らDCへ変換するための及びDCを再びACに変換するためのターミナル装置の
コストである。しかし、与えられた伝送力では、ターミナルコストは一定であり
、従ってDC伝送系は、長距離、例えば離間した電力プラントから消費者への伝
送のみならず離島への伝送を含む計画、及び伝送装置の省力化がターミナルプラ
ントのコストを上回る伝送距離を持つ他の計画にとって経済的である。DC作動
の重要な利点は、誘電損失が現実に排除され、それにより効率及び装置の省力化
においてかなりの向上を与える。DC漏れ電流は、電流定格計算で無視できるほ
ど小さいが、ACケーブル誘電損失は電流定格にかなりの低下を生ずる。このこ
とは、高い系電圧にとってかなり重要である。同様に、高い静電容量はDCケー
ブルにおいてはペナルティーではない。典型的なDC-伝送ケーブルは、導体及 び内部半導体シールド、絶縁体及び外部半導体シールド等の複数の層絶縁系を含
む。このケーブルは典型的にはケース、強化材等を補足され、製造、敷設及び使
用中の水透過及び任意の機械的摩擦又は応力に対して耐性とされる。これまで殆
ど全てのDCケーブル系は、海底横断又はそれらを付随した陸上ケーブルを有し
ていた。圧縮要件による長さの制限が無いので、長い横断には大量に含浸させた
固体紙絶縁型のケーブルが選択される。今日までに、450kVの作動電圧につ
いて供給されている。これらの電圧は近い将来に増大するであろう。今日まで、
電気絶縁性オイルを含浸させた紙絶縁体の実質的に全てが用いられるが、ポリプ
ロピレン紙積層体等の積層材料の適用も確信されている。AC伝送ケーブルの場
合のように、過渡電圧は、DCケーブルの絶縁体厚さを決定する場合に考慮すべ
き要因である。ケーブルに全ての負荷がかかっているときに作動電圧に反対の極
性の過渡電圧が系に印加された場合に最も面倒な状況が発生する事がわかった。
ケーブルが高架線系に接続されている場合、そのような状況は通常電光トランジ
ェント(lightning transient)として発生する。市販の工業用DC電気ケーブル 、例えば高電圧、即ち電圧約100kVでの作動を意図した伝送又は分配ケーブ
ル等は、典型的にはセルロース又は紙繊維に基づく多孔、繊維及び/又は積層固
体絶縁体の巻き又は精紡、及びこのケーブルの含浸を含む工程によって製造され
る。含まれる含浸工程、時間及び制御された処理は、既に前に記載した。
【0010】 従って、含浸温度に近い高作動温度において作動したとき及び/又は作動中に
絶縁体が高電圧直流場を受けて絶縁体内に温度変動及び/又はかなりの温度勾配
が発生する条件下でも安定な誘電特性を確実にする電気絶縁系を持つ絶縁DC- ケーブルを提供するのが望まれている。用いられる誘電性流体は、高い粘性係数
を示し、含浸中は十分に低い粘度、即ち含浸にとって好適で、技術的及び経済的
に好ましいと思われる粘度を持ち、含浸後には高粘度及び弾性、即ち作動中に、
DC-ケーブルの作動が意図される温度範囲内の全ての温度において多孔、繊維 及び/又は積層絶縁体に実質的に保持されるようにすべきである。よってDC- ケーブルは、含浸の前及び最中には、これらの範囲内で安定な流動特性及び流動
挙動を確実にする十分に低い粘度を持ち、含浸に際してかなりの粘度変化、即ち
100Paオーダー又はそれ以上の変化を示す誘電性流体を含むべきである。こ
のような高い粘性係数を示す流体を含浸させたDC-ケーブルは、絶縁系の含浸 のための長時間消費するバッチ処理をかなり短縮する機会を提供し、それにより
製造時間、よって製造コストをかなり低減させる可能性を与える。含浸した紙に
基づく絶縁体を含む従来のDC-ケーブルの信頼性、低い維持要件及び長寿命は 維持又は向上するであろう。即ち、DC-ケーブルは安定で一定な誘電特性及び 高く一定の電気的強度を持ち、特に有利なことに、電気的強度を向上させ、即ち
作動電圧の上昇、取扱性の向上及びケーブルのローバスト性を可能にする。
【0011】 (発明の概要) 本発明にあっては、上記で議論した望ましい特徴を有する、高温での熱可逆的
液体−ゲル転移を示す誘電性ゲルを提供することを目的とする。これは、請求項
1の前文に従う誘電性ゲルに対して、請求項1の特徴部分の特徴によって達成さ
れる。本発明の誘電性ゲルのさらなる改善は付加した請求項2から16の特徴に
よって特徴付けられる。
【0012】 本発明の他の態様によると、そのような誘電性ゲル化組成物の製造方法を提供
することが目的である。これは、請求項17の前文に従う方法に対して、請求項
17の特徴部分の特徴によって達成される。そのような本発明の誘電性ゲル組成
物の製造方法のさらなる改善は付加した請求項18から21の特徴によって特徴
付けられる。
【0013】 本発明のさらに他の態様によると、そのような誘電性ゲル化組成物を含浸した
絶縁系の含浸物として含む絶縁電気装置を提供することを目的とする。これは、
請求項22の前文に従う電気装置に対して、請求項22の特徴部分の特徴によっ
て達成される。本発明の電気装置のさらなる改善は付加した請求項22から26
の特徴によって特徴付けられる。本発明の他の態様によると、そのような電気装
置の製造方法を提供することが目的である。これは、請求項30の前文に従う方
法に対して、請求項30の特徴部分の特徴によって達成される。この方法のさら
なる改善は付加した請求項31から35の特徴によって特徴付けられる
【0014】 (発明の説明) 第1の目的は、転移温度Tにおいて熱可逆的液体−ゲル転移を示すゲル化組
成物で達成され、当該ゲルはオイル及びゲル化剤を含んでなり、そのゲル化剤は
オレフィンベースのブロックと、芳香族環を骨格構造に含む少なくとも1つのさ
らなるブロックとを含むブロックコポリマーを含んでなり、2つのブロックの各
々が3000g/モルより大きな分子量を持ち、骨格構造に芳香族環を持つブロ
ックが硬い骨格構造及びオイルへの温度依存的溶解性を示す。典型的にはブロッ
クコポリマーの基本となるオレフィンベースのブロック(A)と骨格構造に芳香
族環を持つブロック(B)との比率に応じて、ポリマー化合物はジ-ブロックポ リマーか、両側に骨格構造に芳香族環を持つブロック(B)からなる末端ブロッ
クを持つオレフィン性ブロック(A)を内側ブロックとするトリ-ブロックコポ リマーのいずれかである。好ましくは、骨格構造に芳香族環を持つブロックが、
5000から300000g/モルの分子量を持ち、オレフィンベースのブロッ
クが3000から500000g/モルの分子量を持つ。ゲル化組成物は、ゲル
化状態にある場合、典型的には、物理的架橋を有するゲル化網目構造を含み、そ
の架橋は液体−ゲル転移温度Tより低温において芳香族環を持つブロックによ
って形成された領域を含む。これらの架橋は、ゲル化組成物に機械的及び誘電的
強度を与え、従って絶縁系の機械的及び電気的特性の向上及びこれらの特性の安
定性の向上にも貢献する。その物理的架橋を持つゲル化網目構造は、典型的には
転移温度より低温で形成され、本発明のゲル化組成物に対しては120℃より低
く、典型的には液体−ゲル転移温度Tは20℃から120℃の範囲内、好まし
くは30℃から100℃の範囲内である。
【0015】 骨格構造に芳香族環を持つブロック(B)に適したポリマーは次のものである
; ・ポリイミド又はポリイミドベースのポリマー、即ち骨格構造にポリイミド基を
含むポリマー; ・ポリウレタン又はポリウレタンベースのポリマー、即ち骨格構造にポリウレタ
ン基を含むポリマー; ・ポリフェニレン又はポリフェニレンベースのポリマー、即ち骨格構造にポリフ
ェニレン基を含むポリマー; ・芳香族ポリアミド又は芳香族ポリアミドをベースとするポリマー、即ち骨格構
造に芳香族ポリアミド基を含むポリマー; ・ビスフェノール-A-エポキシ又はビスフェノール-A-エポキシをベースとする
ポリマー、即ち骨格構造に芳香族ビスフェノール-A-エポキシ基を含むポリマー
; ・フェノール-ホルムアルデヒド又はフェノール-ホルムアルデヒドをベースとす
るポリマー、即ち骨格構造に芳香族フェノール-ホルムアルデヒド基を含むポリ マー。 典型的には、ブロック(B)のポリマーは、熱的に安定で電気絶縁性であり、誘
電性ゲル化組成物の熱的安定性及び電気的強度の向上に寄与する。さらに、それ
は転移温度Tより低温でオイルへの溶解性は限られているが、転移温度T
り高温では実質的に溶解すべきである。Tは典型的には狭い温度範囲であるこ
とを注記しておく。好ましくは、Bブロックポリマーは、室温ではオイルに限ら
れた溶解性を持ち、これは50℃又は60℃までの場合もあるが、80℃より高
温では実質的に溶解する。即ち、ゲル化組成物は、30℃から100℃の温度範
囲内に転移温度又は狭い転移温度範囲を示すであろう。
【0016】 オレフィンベースのAブロックは、典型的にはエチレン/ブチレンブロックを
含むが、ブタジエンなどの他の適当なオレフィン類を含むこともできる。
【0017】 本発明のゲル化組成物に含まれるコポリマーは、典型的にはヒドロキシル又は
アミン末端のエチレン/ブチレン又はブタジエンと、ヒドロキシル又はアミン基
に向けられた化学的部位を含むポリマーとの懸濁反応によって合成される。この
ようなヒドロキシル又はアミン基に向けた反応性の部位の例は、カルボン酸、酸
塩化物、無水物及びイソシアネートである。即ち、本発明によると、従来技術の
スチレンブロックコポリマーより熱的に安定なブロックコポリマーを得るために
、エチレン/ブチレンブロックを持つジ又はトリブロックポリマーに含有させる
のに適したポリマーは、ポリイミド、ポリフェニレンオキシド、ポリウレタン、
芳香族ポリアミド、ビスフェノール-A-エポキシ、フェノール-ホルムアルデヒ ドなどを含む。懸濁反応に添加されるオレフィンベースのブロック(A)前駆体
とブロック(B)前駆体の比率に応じて、ジ-ブロックコポリマーか、両側に骨 格構造に芳香族環を持つブロック(B)からなる末端ブロックを持つオレフィン
性ブロック(A)を内側ブロックとするトリ-ブロックコポリマーのいずれかを 生成できる。
【0018】 誘電性ゲル化組成物の成分とオイルは相互作用して、転移温度Tより低温で
三次元の物理的に架橋した網目構造を形成する。典型的には、転移温度は20℃
より高温で120℃より低温の狭い範囲であり、好ましくは30℃から100℃
である。物理的架橋を持つゲル化網目構造は、転移温度Tより低温で芳香族環
を持つブロックによって形成された領域を含む。これらの架橋は、ゲル化組成物
に機械的及び電気的強度の両方を与え、よって絶縁系の機械的及び電気的特性の
向上及び特性の安定性の向上にも寄与する。網目構造はオイルの粘性係数を増大
させ、転移温度Tより低温における本発明によるオイル中のゲル化網目構造は
、高粘度弾性又は粘弾性ゲルの特性を示す。本発明で用いられるゲル化組成物の
他の利点は、オイルに添加するブロック又はブロックコポリマーを変えることに
よりゲル化速度を改変できることであり、望まれるならば、かなりゆっくりした
ゲル化に遅延させることができ、これは24時間を超える場合もある。
【0019】 少なくとも1つの導体及び含浸した絶縁系を有し、当該絶縁系が、オイルと、
オレフィンベースのブロックを持つブロックコポリマーを含み転移温度Tにお
いて熱可逆的液体−ゲル転移を示すゲル化剤とを含む誘電性ゲル化組成物を含浸
した多孔、繊維及び/又は積層構造の固体電気絶縁誘電性部材を含み、このゲル
化組成物はTより低温において高粘度のゲル化状態にあり、Tより高温にお
いて液体の容易に流動する実質的にニュートン状態にあるDC-ケーブルなどの 絶縁電気装置は、本発明に従って、オレフィンベースのブロックと、骨格構造に
芳香族環を有する少なくとも1つのさらなるブロックとを含み、2つのブロック
の各々が3000g/モルの分子量を有し、骨格構造に芳香族環を持つブロック
が硬い骨格構造及びオイルへの温度依存的な溶解性を示すブロックコポリマーを
含む。好ましくは、骨格構造に芳香族環を持つブロックは、5000から300
000g/モルの分子量を持ち、オレフィンベースのブロックが3000から5
00000g/モルの分子量を持つ。ゲル化組成物は、ゲル化状態にある場合、
既に詳細に記載したように、転移温度Tより低温で、芳香族環を持つブロック
によって形成された領域を含む物理的架橋を持つゲル化網目構造を含む。転移温
度は、典型的には120℃より低温であり、好ましくは30℃から100℃の範
囲内である。
【0020】 一実施態様によれば、誘電性ゲル化組成物は、多孔及び/又は積層構造の表面
と相互作用する基又はさらなる添加剤を含むように選択される。誘電性ゲル化組
成物と多孔及び/又は積層構造の表面との相互作用は、充填時の多孔及び/又は
積層構造内の空洞及び微小間隙へのオイルの透過を増加させ、高温、温度変動及
び/又は実質的な温度勾配下での作動時の多孔及び/又は積層構造内のオイル保
持を増加させる条件を提供しうる。絶縁体の固体部材との相互作用は、その性質
に応じて濡れ性を向上させ、充填時の多孔及び/又は積層構造内の空洞及び微小
間隙へのオイル透過を増加させることにより含浸時間を短縮することができる。
また、相互作用は他の環境下でも、高温、温度変動及び/又は実質的な温度勾配
下での作動時の多孔及び/又は積層構造内のオイル保持を増加させることができ
る。
【0021】 一実施態様では、絶縁系は、含浸中の濡れ性をさらに向上させるために界面活
性剤を含む。このことは、含浸物を充填すべき、より微細な孔、空洞又は他の間
隙を有する絶縁系の固体部材への含浸時間を更に短縮し、それを使用する機会を
提供する。界面活性剤は、場合毎に望ましいならば、ゲル化組成物、即ち含浸物
か、絶縁すべき固体の多孔、繊維及び/又は積層部材のいずれかに添加すること
ができる。
【0022】 一実施態様によると、ゲル化組成物は、網目構造に捕捉又は結合されるナノメ
ートル範囲の粒子径を持つ微小粒子を含む。
【0023】 装置の絶縁系に含まれる多孔、繊維及び/又は積層構造の固体電気絶縁誘電性
部材が、誘電性流体と、オレフィンベースのブロックを持つブロックコポリマー
を含み転移温度Tにおいて熱可逆的液体−ゲル転移を示すゲル化剤とを含む誘
電性ゲル化組成物で含浸され、前記ゲル化組成物が、Tより低温において高粘
度のゲル化状態にあり、Tより高温において液体の容易に流動する実質的にニ
ュートン状態にある電気絶縁装置は、本発明に従って、オレフィンベースのブロ
ックと、骨格構造に芳香族環を有する少なくとも1つのさらなるブロックとを含
むブロックコポリマーからなり、2つのブロックの各々が3000g/モルの分
子量を有し、骨格構造に芳香族環を持つブロックが硬い骨格構造及びオイルへの
温度依存的な溶解性を示すポリマー化合物を含むゲル化組成物が調製される工程
を含む。ポリマー化合物は、含浸の前にゲル化組成物に添加されか、絶縁系の固
体部材に添加されるが、その固体部材は、典型的には含浸の前にポリマー化合物
で前処理、含浸又は被覆される。
【0024】 本発明のDC-ケーブルは典型的には中心から外側に向けて以下を含む; ・任意の所望の形状及び構造の導体、例えば撚り多繊維ワイヤー導体、固体導体
又は分割導体等; ・導体の外周かつ導体絶縁体の内側に配設された第1の半導体シールド; ・前記のようにオイルを含浸した多孔、繊維及び/又は積層構造を持つ誘電性電
気絶縁性固体部材で本発明に従って巻かれ含浸された体絶縁体; ・導体絶縁体の外側に配設された第2の半導体シールド;及び ・外部保護シース。また、2つの半導体シールドは典型的には、前記のようにオ
イルを含浸した多孔、繊維及び/又は積層構造を持つ誘電性電気絶縁性固体部材
で本発明に従って巻かれ含浸される。適当と思われる場合、ケーブルは、強化及
びシール化合物又は導体内及び周囲の任意の間隙を充填するための水膨潤粉末を
補足でき、他の金属/ポリマー間隙をシールして水がその界面に沿って拡がるの
を防止してもよい。
【0025】 向上した電気及び機械的特性の長時間安定性を確実にするために、絶縁系にガ
ス吸収剤を含有せしめる。好適なガス吸収剤は、1000g/モル未満の分子量
を持つ低分子ポリイソブテンである。
【0026】 本発明のDC-ケーブルは、転移温度より低温で形成されるゲル化網目構造の 電気的及び機械的強度の向上、及び転移温度近くにの高温においてもそれらの向
上した特性が長時間安定であることを通して、そのように含浸した多孔及び/又
は積層体を含む従来ののDC-ケーブルと同等又はそれより良好な長時間安定で 一定な誘電特性及び高く一定の電気的強度を確保する。これは、それらの敷設が
典型的には長寿命を意図していること、及びそのような敷設物の維持のための接
近が限られていることにより特に重要である。ゲル化添加剤として用いられる特
定組成のブロックコポリマー及びオイルはゲル化含浸物を提供し、それは高温、
過度の温度変動及び/又は温度勾配下で用いた場合にも絶縁系の長時間安定な特
性を確実にする。これは、増大した電圧及び電流密度の両方についての作動負荷
を増大させる能力を付与する可能性がある。また、製造中の感温性を、用いるブ
ロックコポリマーの適切な設計及びオイル及びゲル化剤系に添加される他の任意
の成分との適合によってかなり低下させることができ、それはゲル化を遅延でき
、従って後充填工程の感度も低下させることができる可能性がある。 本発明を、図面及び実施例を参照してさらに詳細に説明する。
【0027】 (好ましい実施態様、実施例の説明) 本発明の実施態様のDC-ケーブルを図1に示すが、これは中心から外側に向 けて: ・撚った多繊維ワイヤー導体10; ・導体10の外周かつ導体絶縁体12の内側に配設された第1の半導体シールド
11; ・前記のようなゲル化添加剤を含む巻かれた含浸導体絶縁体12; ・導体絶縁体12の外側に配設された第2の半導体シールド13; ・金属スクリーン14;及び ・金属スクリーン14の外側に配設された保護シース15を具備する。ケーブル
は、さらに、金属、好ましくはスチールのワイヤーの形状で、外側の押し出され
たシールド13の外側に強化材を付加され、シール化合物又は水膨潤粉末を導体
10の中及び周囲の任意の間隙に導入する。
【0028】 本発明の誘電性ゲル化組成物は、誘電性流体又は物質を含浸した固体多孔又は
積層部材を具備する任意のあらゆるDC-ケーブルに適用可能である。本発明の 適用は導体形状にはよらない。また、任意のあらゆる機能的層を含むこの型の絶
縁系を有するDC-ケーブルで、これらの層がどのような配置であるかによらず に用いることができる。この型のDC-ケーブルへのその応用は、ケーブルが意 図する電力伝送のための系の配置にもよらない。
【0029】 本発明のDC-ケーブルは、図1に示すような一本の多ワイヤー導体DC-ケー
ブルとすることも、2本又はそれ以上の導体を持つDC-ケーブルとすることも できる。2本又はそれ以上の導体を持つDC-ケーブルは、平らなケーブル配置 で並列した導体、又は第1の中心導体を同心円上に配置した第2の外側導体が囲
む2本の導体配置を持つ周知の型とすることができる。外側導体は、典型的には
導電性シース、スクリーン又はシールド、典型的にはケーブルの可撓性を制限し
ない金属スクリーン内に配置される。
【0030】 本発明のDC-ケーブルは、二極性及び単極性DC-ケーブルの両方又は電力伝
送用架線に好適に使用できる。二極性系は、典型的には2又はそれ以上の結合し
た1導体ケーブル又は少なくとも1つの多導体ケーブルを具備するが、単極性架
線は少なくとも1本のケーブル及び適当な電流返還経路配置を有する。
【0031】 実施例1 両末端にヒドロキシル基を有するエチレン/ブチレンポリマーをp-キシレン に溶解させ、窒素雰囲気下で撹拌しながら150℃に加熱した。一端を環状酸無
水物で終端させたポリ-(2,6-ジメチル-フェニレンオキシド)を、撹拌しなが ら溶液に添加した。混合物を150℃に60分間維持した。混合物を次いで室温
まで冷却した。ポリマーをメタノール中で析出させ、シクロヘキサンで洗浄して
乾燥させた。得られたポリマー4重量%をナフタレン性鉱油に添加し、混合物を
120℃に加熱して、この温度に60分間維持した。続いて全てのポリマーを溶
解させた。混合物を冷却したところ、この混合物即ちオイル組成物は、50℃か
ら100℃の温度範囲に液体−ゲル転移を示した。
【0032】 実施例2 両末端にヒドロキシル基を有するエチレン/ブチレンポリマーをトリクロロベ
ンゼンに溶解させ、窒素雰囲気下で撹拌しながら150℃に加熱した。一端をエ
ポキシド基で終端させたエポキシプレポリマーを、撹拌しながら溶液に添加した
。混合物を150℃に80分間維持した。混合物を次いで室温まで冷却した。ポ
リマーをメタノール中で析出させ、アセトンで洗浄して乾燥させた。得られたポ
リマー6重量%をナフタレン性鉱油に添加し、混合物を120℃に加熱して、こ
の温度に60分間維持した。続いて全てのポリマーを溶解させた。混合物を冷却
したところ、この混合物即ちオイル組成物は、30℃から100℃の温度範囲に
液体−ゲル転移を示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の巻かれた含浸絶縁体を具備する典型的な電力伝送用DC
-ケーブルの断面図である。
【符号の説明】 10:導体、11:第1の半導体シールド、12:含浸絶
縁体、13:第2の半導体シールド、14:金属スクリーン、15:保護シース
【手続補正書】
【提出日】平成12年7月25日(2000.7.25)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【請求項】 ゲル化組成物が、ゲル化状態にある場合、液体−ゲル転移温
度Tより低温において芳香族環を持つブロックによって形成された領域を含む
物理的架橋を有するゲル化網目構造を含むことを特徴とする、請求項1又は2
記載の誘電性ゲル化組成物。
【請求項】 ゲル化組成物が、ゲル化状態にある場合、120℃までの温
度において芳香族環を持つブロックによって形成された領域を含む物理的架橋を
有するゲル化網目構造を含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項 に記載の誘電性ゲル化組成物。
【請求項】 液体−ゲル転移温度Tが、20℃から120℃の範囲内で
あることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の誘電性ゲル化組
成物。
【請求項】 骨格構造に芳香族環を持つブロックがポリウレタン又はポリ
ウレタンベースのポリマーであることを特徴とする、請求項1からのいずれか
一項に記載の誘電性ゲル化組成物。
【請求項】 骨格構造に芳香族環を持つブロックがポリフェニレン又はポ
リフェニレンベースのポリマーであることを特徴とする、請求項1からのいず
れか一項に記載の誘電性ゲル化組成物。
【請求項】 骨格構造に芳香族環を持つブロックがポリイミド又はポリイ
ミドベースのポリマーであることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項
に記載の誘電性ゲル化組成物。
【請求項】 骨格構造に芳香族環を持つブロックが芳香族ポリアミド又は
芳香族ポリアミドをベースとするポリマーであることを特徴とする、請求項1か
のいずれか一項に記載の誘電性ゲル化組成物。
【請求項10】 骨格構造に芳香族環を持つブロックがビスフェノール-A-
エポキシ又はビスフェノール-A-エポキシをベースとするポリマーであることを
特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の誘電性ゲル化組成物。
【請求項11】 骨格構造に芳香族環を持つブロックがフェノール-ホルム アルデヒド又はフェノール-ホルムアルデヒドをベースとするポリマーであるこ とを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の誘電性ゲル化組成物。
【請求項12】 オレフィンベースのブロックがエチレン/ブチレンブロッ
クであることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の誘電性ゲ
ル化組成物。
【請求項13】 ブロックがブタジエンブロックであることを特徴とする、
請求項1から11のいずれか一項に記載の誘電性ゲル化組成物。
【請求項14】 転移温度Tにおいて熱可逆的液体−ゲル転移を示す誘電
性ゲル化組成物であって、当該ゲル化組成物がオイル及びオレフィンベースのブ
ロックを持つポリマー化合物を含むゲル化剤を含んでなる誘電性ゲル化組成物の
製造方法において、その骨格構造に芳香族環を含み3000g/モルより大きな
分子量を持つブロックを、高温で行われる懸濁反応によって3000g/モルよ
り大きな分子量を持つオレフィンベースのブロックに付加することを特徴とする
方法。
【請求項15】 ・オレフィンベースのブロック又はその前駆体をオイル又
は他の炭化水素ベースの誘電性流体に溶解し、 ・骨格構造に芳香族環を含むブロック又はその前駆体をオレフィンブロック含有
オイル又は他の炭化水素ベースの誘電性流体の混合物に添加し、 ・当該混合物を転移温度より高温に十分な時間維持することにより、骨格構造に
芳香族環を有するブロック及びオレフィンベースのブロックを含むブロックコポ
リマーが懸濁反応により形成されること、及び、混合物がゲル化組成物に変換さ
れ、それが転移温度より低温への冷却時に芳香族環を持つブロックによって形成
される領域を含む物理的架橋を有するゲル化網目構造によってゲル化されること
を特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】 一端又は両端においてヒドロキシル基で終端したオレフィ
ンベースのブロックを溶媒に溶解すること、骨格構造に芳香族環を有し、カルボ
ン酸、酸塩化物、無水物又はイソシアネート等のヒドロキシル基に反応性の官能
基で終端したブロックを前記溶液に添加すること、当該溶液を、骨格構造に芳香
族間を有するブロックがオレフィンベースのブロックに付加される懸濁反応によ
ってブロックコポリマーが形成されるのに十分な温度に十分な時間維持すること
、及び、得られたブロックコポリマーを転移温度より高温でオイルに添加し、こ
の温度をオイルがゲル化組成物に変換され、それが転移温度より低温への冷却時
に芳香族環を持つブロックによって形成される領域を含む物理的架橋を有するゲ
ル化網目構造によってゲル化されるのに十分な時間維持することを特徴とする請
求項14に記載の方法。
【請求項17】 懸濁反応が100℃より高温で行われること、及び両方の
ブロックの前駆体を含む溶液又は混合物がこの温度の30分間以上維持されるこ
とを特徴とする請求項14、15又は16に記載の方法。
【請求項18】 得られたブロックコポリマーが100℃より高温でオイル
に添加されること、及びオイルとポリマーの混合物がこの温度の30分間以上維
持されることを特徴とする請求項14、16又は17に記載の方法。
【請求項19】 少なくとも1つの導体及び含浸した絶縁系を有し、当該絶
縁系が、オイルと、オレフィンベースのブロックを持つブロックコポリマーを含
み転移温度Tにおいて熱可逆的液体−ゲル転移を示すゲル化剤とを含むゲル化
組成物を含浸した多孔、繊維及び/又は積層構造の固体電気絶縁誘電性部材を含
み、前記ゲル化組成物が請求項1から16に従って、Tより低温において高粘
度のゲル化状態にあり、Tより高温において液体の容易に流動する実質的にニ
ュートン状態にある絶縁電気装置において、ブロックコポリマーがオレフィンベ
ースのブロックと、骨格構造に芳香族環を有する少なくとも1つのさらなるブロ
ックとを含み、2つのブロックの各々が3000g/モルの分子量を有し、骨格
構造に芳香族環を持つブロックが硬い骨格構造及びオイルへの温度依存的な溶解
性を示すことを特徴とする絶縁電気装置。
【請求項20】 骨格構造に芳香族間を持つブロックが5000から300
0000g/モルの分子量を持つことを特徴とする、請求項19に記載の絶縁電
気装置。
【請求項21】 ゲル化組成物が、ゲル化状態にある場合、液体−ゲル転移
温度Tより低温において芳香族環を持つブロックによって形成された領域を含
む物理的架橋を持つゲル化網目構造を含むことを特徴とする、請求項19又は2 に記載の絶縁電気装置。
【請求項22】 ゲル化組成物が、ゲル化状態にある場合、120℃までの
温度において芳香族環を持つブロックによって形成された領域を含む物理的架橋
を持つゲル化網目構造を含むことを特徴とする、請求項21に記載の絶縁電気装
置。
【請求項23】 ゲル化組成物が、網目構造に捕捉され又は結合したナノメ
ートル範囲の粒子径を持つ微小誘電性粒子を含むことを特徴とする、請求項19 から22 のいずれか一項に記載の絶縁電気装置。
【請求項24】 ゲル化組成物が界面活性剤を含むことを特徴とする、請求
19から23のいずれか一項に記載の絶縁電気装置。
【請求項25】 装置の絶縁系に含まれる多孔、繊維及び/又は積層構造の
固体電気絶縁誘電性部材が、誘電性流体と、オレフィンベースのブロックを持つ
ブロックコポリマーを含み転移温度Tにおいて熱可逆的液体−ゲル転移を示す
ゲル化剤とを含むゲル化組成物で含浸され、前記ゲル化組成物が、Tより低温
において高粘度のゲル化状態にあり、Tより高温において液体の容易に流動す
る実質的にニュートン状態にある請求項19から24のいずれかの絶縁電気装置
の製造方法において、オレフィンベースのブロックと、骨格構造に芳香族環を有
する少なくとも1つのさらなるブロックとを含むブロックコポリマーからなり、
2つのブロックの各々が3000g/モルの分子量を有し、骨格構造に芳香族環
を持つブロックが硬い骨格構造及びオイルへの温度依存的な溶解性を示すポリマ
ー化合物を含むゲル化組成物が調製されることを特徴とする方法。
【請求項26】 ポリマー化合物が含浸の前にゲル化組成物に添加されるこ
とを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項27】 絶縁系の固体部材が含浸の前にポリマー化合物で前処理さ
れることを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項28】 含浸が界面活性剤の存在下で行われることを特徴とする、
請求項25から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】 界面活性剤が含浸の前にゲル化組成物に添加されることを
特徴とする、請求項28に記載の方法。
【請求項30】 絶縁系の固体部材が含浸の前に界面活性剤で前処理される
ことを特徴とする、請求項28に記載の方法。
【請求項31】 低分子ポリイソブテン等のガス吸収剤によって特徴付けら
れる、請求項1から13のいずれか一項に記載の誘電性ゲル化組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】 (発明の概要) 本発明にあっては、上記で議論した望ましい特徴を有する、高温での熱可逆的
液体−ゲル転移を示す誘電性ゲルを提供することを目的とする。これは、請求項
1の前文に従う誘電性ゲルに対して、請求項1の特徴部分の特徴によって達成さ
れる。本発明の誘電性ゲルのさらなる改善は付加した請求項2から13の特徴に
よって特徴付けられる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】 本発明の他の態様によると、そのような誘電性ゲル化組成物の製造方法を提供
することが目的である。これは、請求項14の前文に従う方法に対して、請求項 14 の特徴部分の特徴によって達成される。そのような本発明の誘電性ゲル組成
物の製造方法のさらなる改善は付加した請求項15から18の特徴によって特徴
付けられる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】 本発明のさらに他の態様によると、そのような誘電性ゲル化組成物を含浸した
絶縁系の含浸物として含む絶縁電気装置を提供することを目的とする。これは、
請求項19の前文に従う電気装置に対して、請求項19の特徴部分の特徴によっ
て達成される。本発明の電気装置のさらなる改善は付加した請求項20から24 の特徴によって特徴付けられる。本発明の他の態様によると、そのような電気装
置の製造方法を提供することが目的である。これは、請求項25の前文に従う方
法に対して、請求項25の特徴部分の特徴によって達成される。この方法のさら
なる改善は付加した請求項26から31の特徴によって特徴付けられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 13/30 H01B 13/30 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ベルグヴィスト, ミカエル スウェーデン国, エス−756 45 ウプ サラ, シャンピンジョンヴェーゲン 8 (72)発明者 ノルドベルグ, ペル スウェーデン国, エス−371 41 カー ルスクローナ, クロノベルグスガタン 44 Fターム(参考) 4J002 AE05X BB18Y BP03W CC03W CD05W CH07W CK02W CL00W CM04W FD116 FD317 GQ00 GQ01 5G305 AA02 AA12 AA20 AB20 AB36 BA09 BA26 CA01 CA02 CA08 CA16 CA18 CA20 CA25 CA52 CA54 CB29 CD08 CD18 CD20 DA01 5G327 DA06 DC01

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転移温度Tにおいて熱可逆的液体−ゲル転移を示す誘電性
    ゲル化組成物であって、当該ゲル化組成物がオイル及びオレフィンベースのブロ
    ックを持つポリマー化合物を含むゲル化剤を含んでなり、前記ポリマー化合物が
    オレフィンベースのブロックと芳香族環を骨格構造に含む少なくとも1つのさら
    なるブロックとを含むブロックコポリマーからなり、2つのブロックの各々が3
    000g/モルより大きな分子量を持ち、骨格構造に芳香族環を持つブロックが
    硬い骨格構造及びオイルへの温度依存的溶解性を示すことを特徴とする誘電性ゲ
    ル化組成物。
  2. 【請求項2】 骨格構造に芳香族環を持つブロックが、5000から300
    000g/モルの分子量を有することを特徴とする、請求項1に記載の誘電性ゲ
    ル化組成物。
  3. 【請求項3】 オレフィンベースのブロックが3000から500000g
    /モルの分子量を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の誘電性ゲル
    化組成物。
  4. 【請求項4】 ゲル化組成物が、ゲル化状態にある場合、液体−ゲル転移温
    度Tより低温において芳香族環を持つブロックによって形成された領域を含む
    物理的架橋を有するゲル化網目構造を含むことを特徴とする、請求項1から3の
    いずれか一項に記載の誘電性ゲル化組成物。
  5. 【請求項5】 ゲル化組成物が、ゲル化状態にある場合、120℃までの温
    度において芳香族環を持つブロックによって形成された領域を含む物理的架橋を
    有するゲル化網目構造を含むことを特徴とする、請求項4に記載の誘電性ゲル化
    組成物。
  6. 【請求項6】 ゲル化組成物が、ゲル化状態にある場合、100℃までの温
    度において芳香族環を持つブロックによって形成された領域を含む物理的架橋を
    有するゲル化網目構造を含むことを特徴とする、請求項5に記載の誘電性ゲル化
    組成物。
  7. 【請求項7】 液体−ゲル転移温度Tが、20℃から120℃の範囲内で
    あることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の誘電性ゲル化組
    成物。
  8. 【請求項8】 液体−ゲル転移温度Tが、30℃から100℃の範囲内で
    あることを特徴とする、請求項7に記載の誘電性ゲル化組成物。
  9. 【請求項9】 骨格構造に芳香族環を持つブロックがポリウレタン又はポリ
    ウレタンベースのポリマーであることを特徴とする、請求項1から8のいずれか
    一項に記載の誘電性ゲル化組成物。
  10. 【請求項10】 骨格構造に芳香族環を持つブロックがポリフェニレン又は
    ポリフェニレンベースのポリマーであることを特徴とする、請求項1から8のい
    ずれか一項に記載の誘電性ゲル化組成物。
  11. 【請求項11】 骨格構造に芳香族環を持つブロックがポリイミド又はポリ
    イミドベースのポリマーであることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一
    項に記載の誘電性ゲル化組成物。
  12. 【請求項12】 骨格構造に芳香族環を持つブロックが芳香族ポリアミド又
    は芳香族ポリアミドをベースとするポリマーであることを特徴とする、請求項1
    から8のいずれか一項に記載の誘電性ゲル化組成物。
  13. 【請求項13】 骨格構造に芳香族環を持つブロックがビスフェノール-A-
    エポキシ又はビスフェノール-A-エポキシをベースとするポリマーであることを
    特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の誘電性ゲル化組成物。
  14. 【請求項14】 骨格構造に芳香族環を持つブロックがフェノール-ホルム アルデヒド又はフェノール-ホルムアルデヒドをベースとするポリマーであるこ とを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の誘電性ゲル化組成物。
  15. 【請求項15】 オレフィンベースのブロックがエチレン/ブチレンブロッ
    クであることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の誘電性ゲ
    ル化組成物。
  16. 【請求項16】 ブロックがブタジエンブロックであることを特徴とする、
    請求項1から14のいずれか一項に記載の誘電性ゲル化組成物。
  17. 【請求項17】 転移温度Tにおいて熱可逆的液体−ゲル転移を示す誘電
    性ゲル化組成物であって、当該ゲル化組成物がオイル及びオレフィンベースのブ
    ロックを持つポリマー化合物を含むゲル化剤を含んでなる誘電性ゲル化組成物の
    製造方法において、その骨格構造に芳香族環を含み3000g/モルより大きな
    分子量を持つブロックを、高温で行われる懸濁反応によって3000g/モルよ
    り大きな分子量を持つオレフィンベースのブロックに付加することを特徴とする
    方法。
  18. 【請求項18】 ・オレフィンベースのブロック又はその前駆体をオイル又
    は他の炭化水素ベースの誘電性流体に溶解し、 ・骨格構造に芳香族環を含むブロック又はその前駆体をオレフィンブロック含有
    オイル又は他の炭化水素ベースの誘電性流体の混合物に添加し、 ・当該混合物を転移温度より高温に十分な時間維持することにより、骨格構造に
    芳香族環を有するブロック及びオレフィンベースのブロックを含むブロックコポ
    リマーが懸濁反応により形成されること、及び、混合物がゲル化組成物に変換さ
    れ、それが転移温度より低温への冷却時に芳香族環を持つブロックによって形成
    される領域を含む物理的架橋を有するゲル化網目構造によってゲル化されること
    を特徴とする請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 一端又は両端においてヒドロキシル基で終端したオレフィンベースのブロックを
    溶媒に溶解すること、骨格構造に芳香族環を有し、カルボン酸、酸塩化物、無水
    物又はイソシアネート等のヒドロキシル基に反応性の官能基で終端したブロック
    を前記溶液に添加すること、当該溶液を、骨格構造に芳香族間を有するブロック
    がオレフィンベースのブロックに付加される懸濁反応によってブロックコポリマ
    ーが形成されるのに十分な温度に十分な時間維持すること、及び、得られたブロ
    ックコポリマーを転移温度より高温でオイルに添加し、この温度をオイルがゲル
    化組成物に変換され、それが転移温度より低温への冷却時に芳香族環を持つブロ
    ックによって形成される領域を含む物理的架橋を有するゲル化網目構造によって
    ゲル化されるのに十分な時間維持することを特徴とする請求項17に記載の方法
  20. 【請求項20】 懸濁反応が100℃より高温で行われること、及び両方の
    ブロックの前駆体を含む溶液又は混合物がこの温度の30分間以上維持されるこ
    とを特徴とする請求項17、18又は19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 得られたブロックコポリマーが100℃より高温でオイル
    に添加されること、及びオイルとポリマーの混合物がこの温度の30分間以上維
    持されることを特徴とする請求項17、19又は20に記載の方法。
  22. 【請求項22】 少なくとも1つの導体及び含浸した絶縁系を有し、当該絶
    縁系が、オイルと、オレフィンベースのブロックを持つブロックコポリマーを含
    み転移温度Tにおいて熱可逆的液体−ゲル転移を示すゲル化剤とを含むゲル化
    組成物を含浸した多孔、繊維及び/又は積層構造の固体電気絶縁誘電性部材を含
    み、前記ゲル化組成物が請求項1から16に従って、Tより低温において高粘
    度のゲル化状態にあり、Tより高温において液体の容易に流動する実質的にニ
    ュートン状態にある絶縁電気装置において、ブロックコポリマーがオレフィンベ
    ースのブロックと、骨格構造に芳香族環を有する少なくとも1つのさらなるブロ
    ックとを含み、2つのブロックの各々が3000g/モルの分子量を有し、骨格
    構造に芳香族環を持つブロックが硬い骨格構造及びオイルへの温度依存的な溶解
    性を示すことを特徴とする絶縁電気装置。
  23. 【請求項23】 骨格構造に芳香族間を持つブロックが5000から300
    0000g/モルの分子量を持つことを特徴とする、請求項22に記載の絶縁電
    気装置。
  24. 【請求項24】 オレフィンベースのブロックが3000から500000
    0g/モルの分子量を持つことを特徴とする、請求項22又は23に記載の絶縁
    電気装置。
  25. 【請求項25】 ゲル化組成物が、ゲル化状態にある場合、液体−ゲル転移
    温度Tより低温において芳香族環を持つブロックによって形成された領域を含
    む物理的架橋を持つゲル化網目構造を含むことを特徴とする、請求項22から2
    4のいずれか一項に記載の絶縁電気装置。
  26. 【請求項26】 ゲル化組成物が、ゲル化状態にある場合、120℃までの
    温度において芳香族環を持つブロックによって形成された領域を含む物理的架橋
    を持つゲル化網目構造を含むことを特徴とする、請求項25に記載の絶縁電気装
    置。
  27. 【請求項27】 液体−ゲル転移温度Tが30℃から100℃の範囲内に
    あることを特徴とする、請求項26に記載の絶縁電気装置。
  28. 【請求項28】 ゲル化組成物が、網目構造に捕捉され又は結合したナノメ
    ートル範囲の粒子径を持つ微小誘電性粒子を含むことを特徴とする、請求項22
    から27のいずれか一項に記載の絶縁電気装置。
  29. 【請求項29】 ゲル化組成物が界面活性剤を含むことを特徴とする、請求
    項22から28のいずれか一項に記載の絶縁電気装置。
  30. 【請求項30】 装置の絶縁系に含まれる多孔、繊維及び/又は積層構造の
    固体電気絶縁誘電性部材が、誘電性流体と、オレフィンベースのブロックを持つ
    ブロックコポリマーを含み転移温度Tにおいて熱可逆的液体−ゲル転移を示す
    ゲル化剤とを含むゲル化組成物で含浸され、前記ゲル化組成物が、Tより低温
    において高粘度のゲル化状態にあり、Tより高温において液体の容易に流動す
    る実質的にニュートン状態にある請求項22から29のいずれかの絶縁電気装置
    の製造方法において、オレフィンベースのブロックと、骨格構造に芳香族環を有
    する少なくとも1つのさらなるブロックとを含むブロックコポリマーからなり、
    2つのブロックの各々が3000g/モルの分子量を有し、骨格構造に芳香族環
    を持つブロックが硬い骨格構造及びオイルへの温度依存的な溶解性を示すポリマ
    ー化合物を含むゲル化組成物が調製されることを特徴とする方法。
  31. 【請求項31】 ポリマー化合物が含浸の前にゲル化組成物に添加されるこ
    とを特徴とする、請求項30に記載の方法。
  32. 【請求項32】 絶縁系の固体部材が含浸の前にポリマー化合物で前処理さ
    れることを特徴とする、請求項30に記載の方法。
  33. 【請求項33】 含浸が界面活性剤の存在下で行われることを特徴とする、
    請求項30から32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 【請求項34】 界面活性剤が含浸の前にゲル化組成物に添加されることを
    特徴とする、請求項33に記載の方法。
  35. 【請求項35】 絶縁系の固体部材が含浸の前に界面活性剤で前処理される
    ことを特徴とする、請求項33に記載の方法。
  36. 【請求項36】 低分子ポリイソブテン等のガス吸収剤によって特徴付けら
    れる、請求項1から16のいずれか一項に記載の誘電性ゲル化組成物。
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