JPH11224542A - 架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル - Google Patents

架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル

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JPH11224542A
JPH11224542A JP2357098A JP2357098A JPH11224542A JP H11224542 A JPH11224542 A JP H11224542A JP 2357098 A JP2357098 A JP 2357098A JP 2357098 A JP2357098 A JP 2357098A JP H11224542 A JPH11224542 A JP H11224542A
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JP
Japan
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insulating layer
insulating
oil
layer
insulating oil
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JP2357098A
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English (en)
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Hiroyuki Miyata
裕之 宮田
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁特性に優れた架橋ポリエチレン絶縁電力
ケーブルを提供する。 【解決手段】 絶縁層8を、該絶縁層8を構成する材料
に対する相溶性を有する絶縁油を含むものとし、該絶縁
油として、20℃における動粘度が5〜50センチスト
ークスであるものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は架橋ポリエチレン絶
縁電力ケーブルに関し、特に、絶縁特性に優れた架橋ポ
リエチレン絶縁電力ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルは、
その絶縁層を架橋ポリエチレンから形成したもので、取
扱いの簡便さから広く用いられている。図1は架橋ポリ
エチレン絶縁電力ケーブルの一例の断面図を示すもの
で、銅線などの素線2を複数本撚り合わせた導体4上に
順次、エチレン−酢酸ビニル共重合体などからなる内部
半電導層6、ポリエチレンをジクルミパーオキサイド
(以下、DCPと記す)などの架橋剤によって架橋させ
た架橋ポリエチレンからなる絶縁層8、前記内部半電導
層6と同様の材料からなる外部半導電層10、銅テープ
などからなる金属遮蔽層12、塩化ビニル樹脂などから
なる防食層14が設けられて、この架橋ポリエチレン絶
縁電力ケーブルが構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような架橋ポリ
エチレン絶縁電力ケーブルのポリエチレンからなる絶縁
層8内には、通常、直径0.1μm以下の微小なフリー
ボリウムと呼ばれる空間が無数に形成されていることが
多い。フリーボリウムが形成された絶縁層8を有するケ
ーブルに通電すると、高電界によって運動する高エネル
ギーの自由電子がフリーボリウム内で加速され、いわゆ
る電子なだれを引き起こし、これによって絶縁層8が局
部的に劣化し、ケーブルの電圧劣化が生じることがあ
る。本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、電圧劣
化が生じにくく、絶縁特性に優れた架橋ポリエチレン絶
縁電力ケーブルを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明においては、架橋
ポリエチレン絶縁電力ケーブルにおいて、絶縁層を、該
絶縁層を構成する材料に対する相溶性を有する絶縁油を
含むものとし、絶縁油として、20℃における動粘度が
5〜50センチストークス(以下、cstということが
ある)であるものを用いることを前記課題の解決手段と
した。また、絶縁層中の絶縁油の含有量は、0.1〜5
重量%とするのが好ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の架橋ポリエチレン絶縁電
力ケーブル(以下、単にケーブルということがある。)
としては、絶縁層を、後述する絶縁油を含むものとする
こと以外は、図1に示した従来の架橋ポリエチレン絶縁
電力ケーブルと同様の構造としたものを例示することが
できる。以下図1を参照して本発明の架橋ポリエチレン
絶縁電力ケーブルの一例を説明する。ここに示す架橋ポ
リエチレン絶縁電力ケーブルは、素線2を複数本撚り合
わせた導体4上に順次、内部半電導層6、絶縁層8、外
部半導電層10、金属遮蔽層12、防食層14が設けら
れて構成されている。
【0006】この架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルで
は、導体4の断面積を5〜2500mm2、内部半導電層
6の厚さを5〜2mm、絶縁層8の厚さを0.5〜13mm
とするのが好ましい。また、外部半導電層10の厚さは
1〜3mm、金属遮蔽層12、防食層14の厚さはそれぞ
れ、0.1〜1.2mm、1.5〜5mmとし、この架橋ポ
リエチレン絶縁電力ケーブルの外径は10〜100mmと
するのが好ましい。この絶縁層を形成する架橋ポリエチ
レンは、一般に架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの絶
縁層に使用されるものであれば特に限定されるものでな
い。
【0007】この例のケーブルでは、上記絶縁層8が絶
縁油を含むものとされている。この絶縁油としては、常
温で液状であり、かつ絶縁層8を構成する材料であるポ
リエチレンに対する相溶性を有するものが用いられ、好
適な具体例としては、ポリブテン油、アルキルベンゼン
油などの炭化水素系合成油、ナフテン系鉱油、パラフィ
ン系鉱油などが挙げられる。これらの中でも特に、ポリ
エチレンに対する相溶性に優れるポリブテン油を用いる
と、絶縁油の絶縁層8からの析出が起こりにくく、絶縁
層8中の絶縁油含有量を高く保ち、ケーブルの絶縁特性
を長期に亙って高く維持することができるため好まし
い。なお、相溶性とは、2つの物質が相分離せずに混和
物を形成する性質をいう。
【0008】また、この絶縁油としては、20℃での動
粘度が5〜50cstであるものが用いられる。この動
粘度が5cst未満である場合には、この絶縁油が絶縁
層8から析出し、これによって絶縁層8中の絶縁油含有
量が低下し、ケーブル絶縁特性の劣化を招くことがあ
る。また上記動粘度が50cstを越えると、ケーブル
製造時において絶縁油を絶縁層に含浸させる際に含浸が
不十分となり、ケーブルの絶縁特性を高める効果が不足
する。
【0009】絶縁層8中の絶縁油の含有量は、0.1〜
5重量%とするのが好ましい。この含有量が0.1重量
%未満であると、絶縁油のフリーボリウムへの充填が不
十分となりケーブルの絶縁特性を高める効果が不足す
る。また含有量が5重量%を越えると、絶縁層8の強度
低下を招くため好ましくない。この絶縁層8には、この
他、酸化防止剤などの添加剤が含まれていてもよい。
【0010】以下、上記架橋ポリエチレン絶縁電力ケー
ブルの製法の一例について、手順を追って説明する。ま
ず、素線2を2〜455本程度撚り合わせて、導体4と
する。この導体4上に、内部半導電層6となる未硬化の
エチレン−酢酸ビニル共重合体などからなる半導電性組
成物、絶縁層8となる未硬化のポリエチレンにDCPな
どの架橋剤を添加したもの、および外部半導電層10と
なる前記内部半電導層6と同様の半導電性組成物を、3
層押出被覆により被覆し、これに、常法に従って水蒸気
架橋、乾式架橋などの処理を施し、絶縁層8の材料であ
るポリエチレンを架橋させ、中間製品とする。この際、
上記絶縁層8となるポリエチレン層内部には、その全体
に亙って無数の微小なフリーボリウムが形成されること
がある。
【0011】次いで、上記中間製品のポリエチレン層
を、1〜5kg/cm2程度の加圧条件下でポリブテン
油などの絶縁油に浸漬し、絶縁油をポリエチレン層に含
浸させ、その全体に行き渡らせる。この際、絶縁油は、
層内のフリーボリウム内に充填される。以下、常法によ
り、この外部半導電層10上に金属遮蔽層16と防食層
18を形成して架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルとす
る。
【0012】上記構成のケーブルにあっては、絶縁層8
を、20℃での動粘度が5〜50cstである絶縁油を
含むものとしたので、この絶縁油が絶縁層8内のフリー
ボリウムに完全に充填され、フリーボリウム内は、通電
によって電界が加わっても自由電子の運動が起こりにく
い状態となる。従って、フリーボリウム内で加速された
自由電子に起因する絶縁層8の局部劣化による電圧劣化
を未然に防ぎ、絶縁特性に優れたケーブルを得ることが
できる。
【0013】なお、上記製法例においては、絶縁油を絶
縁層8に含有させる方法として、絶縁油を上記ポリエチ
レン層に含浸させる方法を採用したが、これに限らず、
絶縁層8の材料となる未硬化のポリエチレンに、予め上
記絶縁油をポリエチレンに対して0.1〜5重量%とな
るよう添加、混合しておく方法を採用してもよい。
【0014】
【実施例】以下、実施例を示して本発明の作用効果を明
確にする。 (実施例1、2)図1に示す構造の架橋ポリエチレン絶
縁電力ケーブルを、次のようにして製造した。断面積6
0mm2の導体4上に、未硬化のエチレン−酢酸ビニル共
重合体からなる半導電性組成物、ポリエチレン、および
エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる半導電性組成物
を、3層押出被覆により被覆し、これに水蒸気架橋処理
を施して上記ポリエチレンを架橋させた中間製品を2つ
作製した。次いで各々のポリエチレン層に、20℃での
動粘度の異なる複数種のポリブテン油を5kg/c
2、80℃、5時間の条件下でそれぞれ含浸させた。
絶縁層8の材料となる上記ポリエチレンとしては、未架
橋の低密度ポリエチレン(MI=1、密度:0.92g
/cc)100重量部に、1.6重量部のDCPおよび
0.2重量部の酸化防止剤を予め添加したものを用い
た。また絶縁層8の厚さは3mmとした。上記ポリブテン
油としては、ブチレン重合体を適当量添加するか、ある
いは重合度を調節することにより動粘度を調節したもの
を用いた。これらのケーブルを10日間放置した後、交
流破壊ストレスを測定し、結果を表1に示した。
【0015】(比較例1、2)上記絶縁層8に含浸させ
る絶縁油の種類を変えること以外は実施例1、2と同様
にしてケーブルを製造した。これらケーブルにつき上記
実施例1、2と同条件で交流破壊ストレスを測定し、結
果を表1に併せて示した。
【0016】
【表1】
【0017】表1より、動粘度が5〜50cstである
絶縁油を含む絶縁層を有するケーブルは、破壊ストレス
が優れたものとなることができることが明らかになっ
た。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように本発明の架橋ポリエ
チレン絶縁電力ケーブルにあっては、絶縁層を、該絶縁
層を構成する材料に対する相溶性を有する絶縁油を含む
ものとし、この絶縁油として、20℃における動粘度が
5〜50センチストークスであるものを用いることによ
って、この絶縁油が、絶縁層内のフリーボリウムに完全
に充填され、フリーボリウム内は、通電によって電界が
加わっても自由電子の運動が起こりにくい状態となる。
従って、電圧劣化を未然に防ぎ、絶縁特性に優れたケー
ブルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル
の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
8・・・絶縁層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁層が、該絶縁層を構成する材料に対
    する相溶性を有する絶縁油を含むものとされ、この絶縁
    油の20℃における動粘度が5〜50センチストークス
    であることを特徴とする架橋ポリエチレン絶縁電力ケー
    ブル。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の架橋ポリエチレン絶縁電
    力ケーブルにおいて、絶縁層中の絶縁油の含有量が、
    0.1〜5重量%であることを特徴とする架橋ポリエチ
    レン絶縁電力ケーブル。
JP2357098A 1998-02-04 1998-02-04 架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル Withdrawn JPH11224542A (ja)

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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140094097A (ko) * 2013-01-21 2014-07-30 엘에스전선 주식회사 전력 케이블
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Effective date: 20050405