JP2001525808A - フォトクロミック組成物、フォトクロミック化合物(コ)ポリマーマトリクス - Google Patents

フォトクロミック組成物、フォトクロミック化合物(コ)ポリマーマトリクス

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Abstract

(57)【要約】 本発明の目的は、+ 2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)−5−メチル−7,9−ジメトキシ−[2H]−ナフト[1,2−b]ピラン(化合物(I))、および+ 3−(p−メトキシフェニル)−3−フェニル−6−モルフォリノ−3H−ナフト−[2,1−b]ピラン(化合物(II))を含むフォトクロミック組成物にある。本発明はまた、それら化合物(I)および(II)それ自体、好ましくは混合物中に、それらを含有する(コ)ポリマーマトリクス、並びにそのようなマトリクスから全体または一部が構成されたおよび/または前記化合物(I)および(II)の一方および/または他方を含有する完成品に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 フォトクロミック組成物、フォトクロミック化合物 (コ)ポリマーマトリクス 本発明の目的は、二種類のフォトクロミック化合物をマトリクス内に含む特に 効率的なフォトクロミック組成物を製造することにある。本発明は、この二種類 のフォトクロミック化合物を一緒に使用することを含む。本発明は、この二種類 の化合物が、一方でそれらの固有の特性に関して、他方でそれらの相互の相溶性 とそれらの相補性(得られる色について)に関して選択されている限り、二重の 選択に基づいている。 本発明は最終的に、一方または他方、好ましくは、両方のフォトクロミック化 合物を含む(コ)ポリマーマトリクス並びにそのようなマトリクスから全体また は一部が構成された最終製品−板ガラス、光学素子、眼用またはソーラー製品等 に関するものである。 前記フォトクロミック化合物は、多色光または単色光(例えば、紫外線)の影 響下で色を変化させることができ、その光の照射が停止すると、または温度およ び/または最初とは異なる多色光または単色光の影響下で、最初に色に戻ること ができる。 これらフォトクロミック化合物には、様々な分野において、例えば、眼用レン ズ、コンタクトレンズ、ソーラー保護レンズ、フィルタ、カメラの光学部材また は写真装置の光学部材または他の光学素子および観察装置、板ガラス、装飾物品 、証券要素の製造、もしくは光学刻印(コーディング)による情報記憶に関する 用途が見出されている。 眼用光学部材の分野において、特に、眼鏡の業界において、一種類以上のフォ トクロミック化合物を含むフォトクロミックレンズは: − 紫外線に曝されていない状態での高透過率、 − 太陽光線の元での低透過率(高着色適性)、 − 適合された着色および退色速度論、 − 消費者に受け入れられる色合い(好ましくは、グレーまたはブラウン)と 、レンズの着色および退色中における選択された色合いの維持、 − 0-40℃の温度範囲内での性能、特性の維持、 − 求められるこれらの対物レンズが精巧な補正レンズであり、したがって、 高価であるので、著しい耐久性、 を有さなければならない。 これらのレンズの特徴は、実際に、それらレンズが含有する活性フォトクロミ ック化合物、すなわち、レンズを構成する有機または無機基材と完全に相溶性で なければならない化合物により決定される。 さらに、消費者に受け入れられる色合いである、グレーまたはブラウンの色合 いのために、異なる色の、すなわち、可視領域における極大吸収波長が異なる、 少なくとも二種類のフォトクロームを実際に使用する必要があることに留意すべ きである。この関係のために、さらに、フォトクロミック化合物に他の必要条件 が課せられる。特に、この(二種類以上の)関連する活性フォトクロミック化合 物の着色および退色速度論は、実質的に同一でなければならない。時間に関する 安定性と、プラスチックまたは無機基材との相溶性については言うまでもない。 従来技術に記載された数多くのフォトクロミック化合物の中で、米国特許第3, 567,605号、同第3,627,690号、同第4,818,096号、同第4,826,977号、同第5,200, 116号、同第5,238,981号、同第5,458,814号、国際特許出願公開第96/04576号お よび研究報告書第36144号に記載されているベンゾピランおよびナフトピランを 引用してもよい。これらの化合物は、以下の化学式のものである: これらの化合物は、上述した仕様を満たすと主張されている。現実には、これ らの化合物が、紫外線に曝されていないときの高透過率および太陽光線の照射の 元での高着色適性のような、求められている基本特性の一つ以上を実際に有する 場合でも、工業的に製造できる満足な製品の製造に必要とされる、求められてい る特性の完全な組合せは、そのうちのどれもが有していない。 これらの仕様に直面した本出願人は、二重選択に基づく新たな解決策を提案す る。 実際に本出願人は、一方で、まだ公開されていないフランス国特許出願第96 0 9384号に記載された化合物の中のフォトクロミック化合物(紫色を示す本発明の 化合物(I))を、他方で、国際特許出願公開第94/22850号に記載されている化合 物の中のフォトクロミック化合物(黄色を示す本発明の化合物(II))を選択した 。これらの化合物((I)および(II))は、両方ともそれ自体で効果的であり、さ らに、それらの関係が、完全に相溶性であるそれら二つの化合物がグレーの色合 い(消費者に受け入れられる)を示すのに相補的である限り、特に興味深いこと が分かった。 したがって、本発明は、その第一の目的によると、 + 2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)− 5−メチル7,9−ジメトキシ−[2H]−ナフト[1,2−b]ピラン(化合 物(I))、および + 3−(p−メトキシフェニル)−3−フェニル−6−モルフォリノ−3H −ナフト−[2,1−b]ピラン(化合物(II)) を含むフォトクロミック組成物に関するものである。 前記フォトクロミック組成物は、好ましくは、7から10までの間(より好まし くは、8から9までの間)の化合物(I)/化合物(II)の重量比で化合物(I)および (II)を含有する。グレーの色合いを示す最良の結果は、この好ましい変更例の環 境に含まれる。 したがって、本発明は、その第一の目的によると、2−(p−ジメチルアミノ フェニル)−2−(p−メトキシフェニル)−5−メチル7,9−ジメトキシ− [2H]−ナフト[1,2−b]ピラン(化合物(I))および3−(p−メトキ シフェニル)−3−フェニル−6−モルフォリノ−3H−ナフト−[2,1−b ]ピラン(化合物(II))をフォトクロミック剤として一緒に使用することに関す るものである。この二つのフォトクロミック剤は、好ましくは、7から10までの 間 (より好ましくは、8から9までの間)の化合物(I)/化合物(II)の重量比で用 いられる。そのような一緒の使用は、一般的に、フォトクロミック特性を与える ことが望ましいポリマーマトリクス内で行われる。 そのような一緒の使用は、前記フォトクロミック化合物(化合物(I)および化 合物(II))の各々が、相溶性であり(明らかに速度論および熱の観点から)、前 記色に関して相補的である(以下の実施例を参照のこと)興味深いフォトクロミ ック特性を有している限りは、特に興味深いことが分かった。 ここで、本発明のフォトクロミック組成物の化合物(I)および(II)を以下詳細 に説明する。それらの内の各々の一つについて展開した前記化学式、並びにそれ らの合成手段が、本発明の明細書の実施例の項目に記載されている。これらの化 合物が現在クレームされている。 本発明の化合物(I)は、2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メ トキシフェニル)−5−メチル7,9−ジメトキシ−[2H]−ナフト[1,2 −b]ピランからなる。 この化合物は、1996年7月25日に出願されたフランス国特許出願第96 09384号 において本出願人により記載されたフォトクロミックナフトピランの一般化学式 、すなわち、置換基R3からR6の内の少なくとも二つ(好ましくはR3およびR5 )がC1からC6のアルコキシ基(好ましくはメトキシ基)である、一般化学式 : のものである。フランス国特許出願第96 09384号において、R7およびR8は、特 に、少なくとも一つのC1からC5のアルキル、C2からC12のアミン、C6 からC12のアリール、またはCF3基により必要に応じて置換された芳香族基 またはポリ芳香族基として、非常に広い様式で記載されている。フランス国特許 出願第96 09384号において、ナフトピランへの従来の合成経路がさらに記載され ている:適切に置換された1−ナフトール誘導体(置換基R1からR6)およびプ ロ パルギルアルコール誘導体(置換基R7およびR8)の縮合。 本発明の情況において、本出願人は: である上述した一般式の化合物(I)(紫分子)を選択した。 意外なことに、この化合物は、その同族体のフォトクロミック特性より優れた 非常に興味深いフォトクロミック特性を有しており、特に: − 薄い初期色、 − 可視範囲における二つの吸収バンドを有する強い着色適性(以下の表を参 照のこと:λmax1、λmax2)、 − 適合された(求められる用途に)退色速度論、 − 低い熱依存性、 を有している。 本出願人は、特に、この明細書においてさらに明確に述べられる新規のマトリ クス中の特性を評価した。このマトリクスは、短鎖(メタ)アクリレート二官能 モノマーおよび長鎖アルケン二官能モノマーに基づくものである。前記化合物で は、このマトリクス内で0.05重量%で用いられた場合(2mm厚の条件下で)、 以下の表に示された結果が得られる。 * T0:露出前の透過率。** 誘発されたDO=DO−DO0、ここで、DO0は露出前の光学濃度であり 、DOはキセノンランプ(40,000ルクス)に露出した後の光学濃度。***1/2=退色する半分の時間(秒で表されている)。このパラメータは、初 期状態に戻ることの速度論を特徴付けている。上述した条件下で15分間露出した 後(DO15)、露出が停止され、(DO15−DO0)/2に戻るのに必要な時間 を計る;これがt1/2である。 これらの結果を考慮すると、当業者により、フランス国特許出願第96 09384号 の数多くのナフトピランの中から選択された化合物(I)の有益な利点が直ちに把 握される。それにも拘わらず、化合物(I)は、グレーの色合いを提供するために 、相補的な黄色のフォトクロームと組み合わされなければならない。 本発明の化合物(II)は、3−(p−メトキシフェニル)−3−フェニル−6− モルフォリノ−3H−ナフト−[2,1−b]ピランからなる。この化合物は、 国際特許出願公開第94/22850号に記載されたフォトクロミックナフトピランの一 般化学式、すなわち: − R1がアミン基(好ましくは、モルフォリノまたはピペリジノ)を示し; − R4およびR5が、独立して、アルキル、アルケニル、複素環式または炭素 環式(好ましくは、フェニル、p−メトキシフェニルまたはトリフルオロメチル フェニル)を示す、もしくは環または複素環を示すために結合されている; − R6が水素または置換基を示す一般式:のものである。 ナフトピランは、特徴的に、6の位置番号(置換基R1)に置換アミノ基を有 している。これらのナフトピランは、フランス国特許出願第96 09384号に記載さ れた化合物に関して上述したものと類似した合成経路、すなわち、適切に置換さ れ た2−ナフトール誘導体(置換基R1およびR6)およびプロパルギルアルコール 誘導体(置換基R4およびR5)の縮合により得られる。 本発明の情況において、本出願人は: .R1=モルフォリノ .R4=フェニル .R5=p−メトキシフェニル .R6=H である上述した化学式の化合物(II)(黄色分子)を選択した。 化合物(II)は、 − 薄い初期色、 − 高着色適性、 − 退色速度論、および − 熱依存性 に関する折衷案がその化合物により得られる限りは、その同族体よりも優れてい る。 これは、以下の表に示された結果により裏付けられる。国際特許出願公開第94 /22850号による他のナフトピランである、化合物C1、C2、C3は、この明細 書の実施例の部分において展開した化学式により同定される。化合物(II)、C1 、C2、C3の全てを、化合物(I)に関して上述したものと同一の条件下で試験 した。 化合物(II)はさらに、好ましい条件下で(初期色、興味深い着色適性、適合さ れた退色および受け入れられる熱依存性)、消費者に受け入れられる色合い、す なわち、グレーを表すような様式で、化合物(I)に関する選択の相手を構成する ことが分かった。 化合物(II)は、実際に、化合物(I)の効率的な相手のプロフィールを決定する 仕 様を有する。本出願人は、化合物(I)のスペクトル曲線を分析した後、そのよう な仕様を設定した。それが、以下の表に要約されている。 したがって、本出願人は、本発明の文脈内において、個々に、または混合物の いずれかにおいてクレームされている二つの相溶性の効率的なフォトクロミック 化合物を選択した。 一般的に、本発明のフォトクロミック組成物は、求められているグレーの色合 いを得るために最適化された重量比で前記二つの化合物を含有するのみである。 しかしながら、その組成物が、少なくとも一つの他の明らかに相溶性であるフォ トクロミック化合物を含有することが、本発明の情況から除外されることは決し てない。 本発明の化合物およびそれらの混合物((I)、(II)、(I)+(II))を、ポリマー マトリクスの表面上に、またはその塊中に均一に分散させてもよい。本発明の化 合物の最も興味深い用途は、実際に、フォトクロームが、ポリマー、コポリマー またはポリマーの混合物の表面内またはその上に均一に分散されているものであ る。本発明のフォトクローム(化合物(I)、化合物(II))および好ましくは本発 明のフォトクロームの混合物を含む(コ)ポリマーマトリクスは、本発明の別の 目的を構成する。 そのようなマトリクスを得るために予測できる実施方法は、非常に様々である 。当業者に知られている方法の中でも、例として、シリコーン油中、脂肪族また は芳香族炭化水素中、グリコール中のフォトクロームの懸濁液または溶液から、 もしくは別のポリマーマトリクスからの(コ)ポリマー中の拡散を引用してもよ い。この拡散は、通常、そのポリマーマトリクスの性質にしたがって、15分間か ら数時間までの期間に亘り、50から200℃までの温度で行われる。別の実施技術 は、前記フォトクロームを重合性材料の配合物中で混合し、この混合物を表面ま たは金型中に施し、次いで、共重合を行う各工程にある。これらと他の実施技術 が、Applied Photochromic Polymer Systems,Ed.Blackie and Son Ltd-1992に より 発行されたCrano等の文献「Spiroxazine and their use in photochromic lense s」に記載されている。 以下の生成物((コ)ポリマー)を、単独または混合物で、本発明のフォトク ロミック化合物の光学用途のための好ましい高分子材料の例として挙げてもよい : a) 少なくとも一つのエーテルおよび/またはエステルおよび/またはカーボ ネートおよび/またはカルバメートおよび/またはチオカルバメートおよび/ま たは尿素および/またはアミド基を有する、または必要に応じてハロゲン化され た、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルモノ−,ジ−,トリ −またはテトラアクリレートもしくはモノ−,ジ−,トリ−またはテトラメタク リレート、 b) ポリスチレン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリカ ルバメート、ポリエポキシ、ポリウレア、ポリウレタン、ポリチオウレタン、ポ リシロキサン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、脂肪族または芳香族ポリエ ステル、ビニルポリマー、セルロースアセテート、トリセルロースアセテート、 セルロースアセテートプロピオネートまたはポリビニルブチラール、 c) 上述したポリマーの混合物または二種類以上のモノマーのコポリマー、 d) 種類(a)の少なくとも一つ以上の二官能モノマーおよび種類(b)の一つ以上 の二官能モノマーの混合物を含む組成物のラジカル重合により得られたコポリマ ー: * 以下の化学式(A)および(A’)の内の一方または他方を有する種類(a )の二官能モノマー: + 化学式(A): ここで: − R1、R’1、RおよびR’が、同一または異なり、独立して、水素またはメ チル基であり; − mおよびnが、独立して、0から4までの間の整数であり;好ましくは、独 立して1または2であり; − XおよびX’が、同一または異なって、ハロゲンであり、好ましくは、塩素 および/または臭素を表し; − pおよびqが、独立して、0から4までの整数であり; + 化学式(A’): ここで: − R1およびR’1が、同一または異なり、独立して、水素またはメチル基であ り; − Rが、2から8までの炭素原子を有する直鎖または枝分れアルキル基、3か ら6までの炭素原子を有するシクロアルキル基、R’およびR”が、同一または 異なり、独立して、2から4までの炭素原子を有する直鎖または枝分れアルキル 基である化学式(R’−O−R”)のエーテル基であり; * 以下の化学式(B)、(B’)および(B”)の内の一方または他方であ る、種類(b)の二官能モノマー(長鎖アルケン二官能オリゴマー): + 化学式(B): ここで: − R1、R’1、R2およびR’2が、同一または異なり、独立して、水素もしく は直鎖または枝分れアルキル基、好ましくは、1から4までの炭素原子を有する 直鎖のものであり;特に好ましくはメチル基に対応し; − R3およびR4が、異なり、独立して、一方が水素であり、他方が2から6ま での炭素原子、好ましくは2から4までの炭素原子を有するアルケニル基、特に 好ましくはイソプロペニル基であり; − R’3およびR’4が、異なり、独立して、一方が水素であり、他方が2から 6までの炭素原子、好ましくは2から4までの炭素原子を有するアルケニル基、 特に好ましくはイソプロペニル基であり; − Zが、カルバメート官能基(−NH−CO−O−)、チオカルバメート官能 基(−NH−CO−S−)または尿素官能基(−NH−CO−NH−)を表し; − Z’が、Zから独立して、好ましくは上記Zに関してそれぞれ対応して、カ ルバメート官能基(−NH−CO−O−)、チオカルバメート官能基(−NH− CO−S−)または尿素官能基(−NH−CO−NH−)を表し; − R’が2から4までの炭素原子を有する直鎖または枝分れアルキル基を表し ; −Rが、n>=2であるときに同一または異なり、2から4までの炭素原子を有 する直鎖または枝分れアルキル基であり; − Yが、n>=2であるときに同一または異なり、酸素または硫黄であり; − nが、前記二つの部分ZおよびZ’の間に位置する長鎖に含まれる炭素原子 の合計数が、少なくとも18に等しく、好ましくは、18から112までの間となるよ うな様式で定義された整数であり; + 化学式(B’): ここで: − R1、R2、R3、R4、R’1、R’2、R’3、R’4、RおよびYが、化学式 (B)に関して上述したように定義されたものであり; − nが、前記部分(R−Y)nの長鎖中に含まれる炭素原子の合計数が、少な くとも22に等しく、好ましくは、22から104までの間となるような様式で定義さ れた整数であり; + 化学式(B”) ここで: − R1、R2、R3、R4、R’1、R’2、R’3、R’4、R、R’およびYが、 化学式(B)に関して上述したように定義されたものであり; − Z’がカルバメート官能基(−O−CO−NH−)でありまたはZ’がチオ カルバメート官能基(−S−CO−NH−)であり;好ましくはZ’がカルバメ ート官能基であり; − nが、前記部分(R−Y)n−R’の長鎖中に含まれる炭素原子の合計数が 、少なくとも22に等しく、好ましくは、22から104までの間となるような様式で 定義された整数である。 特に、上述した種類(b)のマトリクス中(好ましくは混合物中)に本発明の化 合物を取り込むのが最も推奨される。そのようなマトリクスは良好な光学特性を 示す。その中では、本発明のフォトクロミック化合物は、急速に、そして最良に 、それらの優れたフォトクロミック特性を表す。そのようなマトリクスは、少な くとも一つの長鎖アルケン二官能モノマーの少なくとも一つの短鎖(メタ)アク リルに官能モノマーとのラジカル重合により得られる。そして、得られたマトリ クスは、興味深い特性を付与する微小相構造(nanophasic structure)を有する。 実際に、前記短鎖(メタ)アクリル二官能モノマー(種類(a)のものであり、化 学式(A)、(A’)のもの)が剛性をもたらし、この剛性は、意外な様式で、 前記組成物に優れたフォトクロミック特性を提供することもできる長鎖アルケン 二官能モノマー(種類(b)のものであり、化学式(B)、(B’)、(B”)の もの)の存在により調節される。このように、種類(a)および(b)のモノマーの官 能性の差は、好ましくは、得られる重合性組成物のゲル化を妨げる。そのような マトリクスは、本出願人により平行出願においてクレームされている。その性質 および好ましい変更例を以下に詳しく説明する。 そのようなマトリクスが得られる前記重合性組成物は、種類(a)および(b)の二 二官能モノマーに加えて: (c) 化学式(C): の少なくとも一つの芳香族モノビニルモノマーであって、ここで、R1=Hまた はCH3であり;このモノビニルモノマーは好ましくはスチレンからなり; および/または (d) 化学式(D): の少なくとも一つのジビニルモノマーであって、ここで、R1=HまたはCH3で あり;このジモノビニルモノマーは好ましくはジビニルベンゼンからなり; および/または (e) 化学式(E): CH2=C(R)−COOR’ の少なくとも一つの(メタ)アクリルモノマーであって、ここで、R=Hまたは CH3であり、R’は、4から16までの炭素原子を有する直鎖または枝分れアル キル基、必要に応じて置換された(一般的にC1−C6アルキル基により)メチ ルフェニルまたはメチルフェノキシ基、もしくはnが1から10までの整数であり 、R”=CH3またはC25である化学式−(CH2=CH2−O)nR”のポリオ キシエトキシ基であり;この(メタ)アクリルモノマーが好ましくはエチルヘキ シルメタクリレートからなり; および/または (f) ジアリルフタレート を含有することが可能である。 この重合性組成物は、一般的に、効果的な量の少なくとも一つのラジカル重合 開始剤、および効果的な量の少なくとも一つの重合調節剤を含有し、この重合調 節剤は好ましくは連鎖移動剤である。 存在する化合物または本発明の重合性組成物において存在できる化合物、特に 、本発明の好ましい組成物において、本発明のフォトクロミック化合物(化合物 (I)および/または(II))が好ましくは存在するマトリクス内での共重合により 種類(d)のマトリクスを生成するものの各々の性質および量をここでより詳しく 検討する。 化学式(A)および(A’)の種類(a)のモノマーは、本発明の重合性組成物 の短鎖二官能(メタ)アクリレートモノマー(すなわち、ジアクリレート、ジメ タクリレートまたはその混合物であるアクリレート−メタクリレート)を構成す る。それらモノマーは、顕著な対称性(R/R’、R1/R’1、X/X’)を有 していてもいなくてもよい。それらは、前記重合性組成物から得られた高分子( 樹脂またはマトリクス)に剛性、したがって、機械的性質を与えることができる 。 種類(a)のモノマーは、全てが同一の化学式(A)または(A’)のものであ ってもなくてもよい。したがって、好ましいマトリクスの前駆体である、前記重 合性組成物は: − 同一の化学式(A)のモノマー(少なくとも一つ); − または同一の化学式(A’)のモノマー(少なくとも一つ); − または異なる化学式(A)のモノマーの混合物(非混合); − または異なる化学式(A’)のモノマーの混合物(非混合); − または化学式(A)および化学式(A’)のモノマーの混合物(混合)い ずれかを含有する。 発明の好ましい変更例によれば、種類(a)の一つ以上の対称モノマーが用いら れる。本発明により検討されているように、R1およびR’1基が同一であり、化 学式(A)の化合物に関して、RおよびR’並びにXおよびX’置換基も同一で ある化学式(A)または(A’)の種類(a)のモノマーは、対称であると考えら れる。 化学式(A)の種類(a)の対称モノマーは、既知であり、市販されており、当 業者に容易に入手可能である。実際に、芳香族環上にハロゲンを有さないモノマ ーが、国際特許出願公報第92/05209号の化学式(I)の第一のモノマーに対応する こと に留意するであろう。芳香族環上にハロゲンを有する化学式(A)の種類(a)の モノマーは、芳香族環上が適切に置換された誘導体を用いて、当業者により容易 に得られる。本発明の情況において、RおよびR’が同一であり、ハロゲンまた はメチル基であり、R1およびR’1がメチル基であり、mおよびnが独立して1 または2に等しく、そしてp=q=0である、化学式(A)のモノマーが好まし い。特に好ましい変更例は、さらに、R=R’=Hおよびm=n=2である上述 した種類の化学式(A)のモノマーに対応する。このモノマーは、ジアクリル1 21という名称でアクゾノベル社(オランダ)により販売されている。化学式( A)の非対称モノマーの合成は、当業者にとって特に問題のないものである。 化学式(A’)のモノマーも、よく知られており、脂肪族ジオールまたは短鎖 アルケングリコール(その鎖中において8の炭素原子が最大である)の従来の反 応から得られ、少なくとも一種類の(メタ)アクリル誘導体が、それらの端部で 対称または非対称である化学式(A’)のモノマーを得るのが望ましいか否かに 依存する。 種類(a)のこれらのモノマーは、一般的に、種類(a)および(b)のモノマーの混 合物の100重量部に対して40から99部までの比率で、重合すべき組成物中に存在 する。それらのモノマーがより少ない量で存在する場合には、前記重合性組成物 は、次いで、最終樹脂の光学的性質の低下の原因である早期製造を含む、その重 合中に収縮する傾向を有する。 化学式(B)、(B’)および(B”)のモノマー(b)は、本発明の重合性 組成物の長鎖二官能アルケンモノマーを構成する。これらモノマーは、多少とも 著しい対称性(R1/R’1、R2/R’2、R3/R’3、R4/R’4、Z/Z’) を有していることもあるしないこともある。 種類(b)のこれらのモノマーは、全てが、同一の化学式(B)、(B’)また は(B”)を有していてもいなくてもよい。したがって、本発明は、その上: − 同一の化学式(B)のモノマー(少なくとも一つ); − または同一の化学式(B’)のモノマー(少なくとも一つ); − または同一の化学式(B”)のモノマー(少なくとも一つ); − または異なる化学式(B)のモノマーの混合物(非混合); − または異なる化学式(B’)のモノマーの混合物(非混合); − または異なる化学式(B”)のモノマーの混合物(非混合); − または化学式(B)、化学式(B’)および化学式(B”)のモノマーか ら選択されるモノマーの混合物(混合、二成分または三成分) いずれかを含有する重合性組成物を含む。 本発明の重合性組成物中に種類(b)のモノマーが存在することによって、高分 子の架橋の度合いを同程度低下させずに、高分子網状構造をゆるくすることによ りその網状構造を軟化させることができる。これにより、その材料に、高分子の ゴム状「平坦部」での高弾性率値により特に特徴付けられる、高温での興味深い 機械的性質を与えることができる。 長鎖アルケン二官能オリゴマーであり、その鎖がポリオキシアルケンまたはポ リメルカプトアルキレン鎖であり、混合鎖であってもよい、種類(b)のモノマー が − 化学式Iおよび/またはII: の、アルケニルイソシアネート型の官能基を有する一つまたはいくつかの誘導体 であって、ここで、R1、R2、R3、R4、R’1、R’2、R’3、およびR’4が 上述したようなものである誘導体との間の反応により、有機合成の従来の条件に したがって得られる。本発明の好ましい変更例によれば、使用する種類(b)のモ ノマーは、その端部で対称である。これを実施するために、一種類のアルケニル イソシアネート誘導体(したがって、化学式IおよびIIは同一である)が用いら れる。特に好ましい様式において、R1=R2=CH3(またはR’1=R’2=C H3)、R3(またはR’3)がイソプロペニル基であり、R4(またはR’4)が 水素であり、したがって、3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソ シアネート(上述した一般名称m−TMI(登録商標)のもの)に対応する、ビ ニルイソ シアネート誘導体が用いられる。これらの誘導体から得られるオリゴマー(b)が 好ましい; − そして、本質的に長鎖を有する化合物であって、この化合物は: * その末端官能基の周りで対称であり: + 化学式HO−(R−Y)n−R’−OHのジオール; + または化学式HS−(R−Y)n−R’SHのジチオール; + または化学式H2N−(R−Y)n−R’−NH2のジアミンであって;化 学式(B)(本質的に対称とは、ZおよびZ’基が同一の性質の官能基である化 学式(B)のモノマーを意味する)の前記本質的に対称なオリゴマーを得ること ができるジアミン; + または化学式 のビエポキシであって、その反応が化学式(B’)のオリゴマーの合成となるビ エポキシ に対応する化合物か; * もしくはその末端官能基の周りで非対称である化合物: + その官能基がアルコール、チオールまたはアミン官能基であって差し支え なく;全ての組合せが可能であり:これらの化合物により、化学式(B)(本質 的に非対称とは、ZおよびZ’基が異なる性質の官能基である化学式(B)のモ ノマーを意味する)の他の本質的に非対称である二官能モノマーをえることがで き; + 前記官能基がそれぞれ、エポキシ官能基とアルコール官能基またはエポキ シ官能基とチオール官能基であり、前記化合物が化学式 のものであり、その反応により化学式(B”)のオリゴマーの合成となる いずれかの化合物から得られるオリゴマー(b)も好ましい。 全ての場合において、R、R’、Yおよびnは上述したようなものであり;好 ましくは、Yは酸素である(したがって、前記長鎖はポリオキシアルキレン鎖で ある)。 上述のごとく詳しく説明した化学式(B、B’、B”)における前記(R−Y )n−R’または(R−Y)n基に対応する長いポリオキシアルキレンおよび/ま たはポリメルカプトアルキレン鎖の分子量は、一般的に、少なくとも500g/モ ルと等しく、2000g/モル未満であり;好ましくは、その分子量は、600g/モ ルと900g/モルとの間である。 特に好ましい様式において、化学式(B)の種類(b)の一つまたはいくつかの 本質的に対称なモノマー(上述したような)が存在する: ここで、R、R’、R1、R2、R3、R4、R’1、R’2、R’3、R’4およびY が上述したようなものであり(好ましくは、分子の二つの端部が同一であるよう に;すなわち、R1=R’1、R2=R’2、R3=R’3、R4=R’4であり、より 好ましくは、R1=R’1=R2=R’2=CH3およびR3=R’3およびR4=R’4 であり、R3およびR4のうちの一つが水素であり、他方がイソプロペニル基で ある)、そしてYが上述したようなものであり、好ましくは、酸素(X=O)か らなり、そして: (α) − ZおよびZ’が、それぞれ、化学式(−NH−CO−O−)および (−O−CO−NH−)のカルバメート官能基であり; − nが、二つの部位ZおよびZ’の間に位置する長鎖中に含まれる炭素原子 の合計数が18から112までの間;好ましくは、ポリオキシアルキレン鎖の場合に 、24から112までの間、特に好ましくは、600から900g/モルの分子量のポリオ キシアルキレンの場合に26から50までの間であるような様式で定義された整数で ある; または(β) − ZおよびZ’が、それぞれ、化学式(−NH−CO−S−) および(−S−CO−NH−)のチオカルバメート官能基であり; − nが、二つの部位ZおよびZ’の間に位置する長鎖中に含まれる炭素原子 の合計数が18から108までの間;好ましくは、ポリオキシアルキレン鎖の場合に 、28から108までの間、特に好ましくは、600から900g/モルの分子量のポリオ キシアルキレンの場合に28から46までの間であるような様式で定義された整数で ある; または(γ) − およびZ’が尿素官能基(−NH−CO−NH−)であり、 − nが、二つの部位ZおよびZ’の間に位置する長鎖中に含まれる炭素原子 の合計数が18から112までの間;好ましくは、ポリオキシアルキレン鎖の場合に 、24から112までの間、特に好ましくは、600から900g/モルの分子量のポリオ キシアルキレンの場合に28から50までの間であるような様式で定義された整数で ある。 当業者には、前記長鎖に含まれる炭素原子の数が50である場合(α)において 、化学式(B)を、例えば: として記載してもよいことが理解されよう。 同様に、当業者には、部位(R−Y)n−R’または(R−Y)nの長鎖におけ る炭素原子の数を定義する上述した最小値は、一般的に、ポリメルカプトアルキ レン鎖(Y=S)を有する化合物に対応することが理解されよう。 特に好ましい様式において、種類(b)のモノマーは: − R1、R2、R’1およびR’2が、同一で、メチル基であり;R3およびR’3 がイソプロペニル基であり;R4およびR’4が水素であり、 + ZおよびZ’のいずれかが尿素官能基(−NH−CO−NH−)であり、 − R’がエチレンまたはプロピレン基を表し、 − nが、(R−Y)nがポリオキシエチレン鎖であるときに、28または40であ るZとZ’との間の炭素原子の合計数を定義する13または19に等しい整数であり ;またはnは、(R−Y)nがポリオキシプロピレン鎖であるときに、33または4 5で あるZとZ’との間の炭素原子の合計数を定義する10または14に等しい整数であ り;またはnは、(R−Y)nがポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン混 合鎖であるときに、上述したような下限値(10から13)と上限値(14から19)の 間の整数であり; + またはZまたはZ’が、それぞれ、化学式(−NH−CO−O−)および (−O−CO−NH−)のカルバメート官能基であり、 − R’がエチレン基を表し; −(R−Y)nが長いポリオキシエチレン鎖を表し; − nが、28または40である前記二つの部位ZおよびZ’の間に位置する長鎖に 含まれる炭素原子の合計数を定義する、13または19に等しい整数である 上述したような一般化学式(B)を有する。 種類(b)のモノマーは、一般的に、種類(a)および(b)のモノマーの混合物の100 重量部に関して、1から60重量部の比率で、重合されるべき組成物中に存在する 。 この重合性組成物は、さらに、既に示したように、他のモノマーを含有しても よい。一般的に、種類(a)および(b)のモノマーの混合物の100重量部に関して、 この組成物は、アルケンモノマー(化学式(C)および(D)のモノマー並びに ジアリルフタレート(f)のような)、好ましくは、ビニルとアリル、(メタ)ア クリルモノマー(化学式(E)のモノマーのような)およびそれらの混合物から 選択される1から60重量部(好ましくは、10から50重量部)の少なくとも一種類 のモノマーを含有しても差し支えない。求められる効果の観点から、これらの種 類のモノマーを加える場合、当業者は、各々の種類のモノマーの存在量を決定し 、最適化することを知っている(いずれの場合にも、重合性組成物中に存在する モノマーの合計量は、種類(a)および(b)のモノマーの混合物の1から60重量部ま での間である)。 化学式(C)のビニルモノマー(スチレンおよび/またはメチルスチレン)が 、網状構造をゆるくするために、種類(a)のモノマーと組み合わされて存在する 。スチレンが存在することは、この重合化合物がいくぶん高い屈折率(n=1.59 5)を有する限りは、特に好ましいであろう。スチレンは、この族のモノマーの 特に好ましい化合物を構成する。 化学式(D)の化合物は、ジビニルベンゼン(DVB)またはジ(メチルビニ ル)ベンゼンからなる。ジビニルベンゼンは、化学式(D)の特に好ましい化合 物である。化学式(D)の化合物が少なくとも一つ存在することは、特に、その 化合物が、一般的な様式で、化学式(C)の化合物の効果を和らげる点で好まし いのが分かるであろう。そのような化学式(D)の化合物の有益な作用は、フォ トクロミック特性の表現で特に示された。ジビニルベンゼンに関して、この重合 化合物が比較的高い屈折率(n=1.61)を有する限りは、その化合物が存在する ことは、本発明の高分子の屈折率を増大させる点で有益である。 この重合性化合物は、好ましくは、少なくとも一種類の化学式(E)の化合物 を含有する。その化合物は、上述したような(メタ)アクリルモノマーである。 その化合物は、特に、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルまたは 2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートもしくはエチルトリグリコール(メタ )アクリレートであってもよい。2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA )が化学式(E)の好ましい化合物である。この種類の化合物が存在することが 、重合材料の製造およびその材料の仕上げ処理の実施にとって有利であることが 分かった。 最後に、この重合性組成物は、特に、屈折率および/または他の光学的性質お よび機械的性質を調節できるジアリルフタレートを含有してもよい。 上述したように、化学式(C)および/または(D)および/または(E)の 化合物および/またはジアリルフタレートの存在は、必須ではない。しかしなが ら、そのような存在は、一般的に好ましいことが分かっている。 種類(a)、(b)および(f)並びに化学式(C)、(D)および(E)のモノマー は、本発明のフォトクロミック化合物(I)および/または(II)がその中に存在さ せられる、コポリマーまたは樹脂もしくはマトリクスがそれから生成される重合 性組成物の主成分である(それらが比較的一貫した量で存在するまたは存在して も差し支えない限りは)。それらのコポリマーは、従来のラジカル共重合工程に よりモノマーから得られる。その共重合は、一般的に、効果的な量の少なくとも 一種類の重合調節剤および少なくとも一つのラジカル重合開始剤の存在下で上述 したように行われる。 この重合調節剤は、一般的に、共重合されるべきモノマーの重量に関して、5 重量%の最大比率で、好ましくは、0.01から2重量%の比率で存在する。これに より、前記材料がわずかな厚さ(e<2.0mm)で調製されるとすると、そのよ うな重合調節剤を含有しなくとも差し支えないことに留意する。その場合、熱の 放出に関連する問題には遭遇しない。2.0mmより厚い厚さを有する本発明の樹 脂の調製に関して、上述した量で重合調節剤が存在することは、一般的に都合よ い。調製される材料のガラス転移温度が低くなりすぎるので、上述した5%の最 大含有量を越えないように特に注意する。1.5から20mmまでの厚さの材料(レ ンズ)の調製に関しては、約0.5重量%の重合調節剤の含有量が特に好ましい。 前記マトリクスの着色適性および暗色化速度論が、存在する重合調節剤の量に応 じて増大することに留意する。同様に、この量が増大したときに、機械抵抗が増 大し、光学的品質も改良される。 この重合調節剤が、重合中に、存在するフォトクロミック着色剤を破壊しない および/またはそれ自体の材料の退色を誘発しないことが明らかに適切である。 重合直接剤は、好ましくは連鎖移動剤である。この連鎖移動剤は、直鎖アルカン チオールまたはビス−メルカプト−エチルエーテルのような非ハロゲン化連鎖移 動剤であって差し支えない。ドデカンチオールを、制限するものではなく、直鎖 アルカンチオールの例として引用してもよい。少なくとも一つのアリールまたは アルキル基またはチオフェノールにより置換されたアルカンチオールのような他 の種類の連鎖移動剤を使用することは、排除されるものではない。全てのこれら の化合物は、当業者にとって馴染みがあり、市販されている。 ラジカル重合開始剤または存在する触媒(熱開始剤、光重合開始剤、またはこ れらの組合せであって差し支えない)は、それ自体、存在するフォトクロミック 着色剤に対して実質的に「不活性」でなければならない。この触媒は、一般的に 、存在するモノマーの重量に対して、0.001から1重量%の比率で、好ましくは 、0.005から0.5重量%の比率で用いられる。 熱重合に関して、開始剤は、好ましくは、ジアゾ化合物から選択してもよい。 これらの化合物は、当業者にとって馴染みがあり、市販されている。そのような ジアゾ化合物の例としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)および2 , 2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(AMBN)が挙げられる。その ような触媒が存在しない場合、または少なすぎる量でしか存在しない場合、前記 共重合を高温で行う必要が生じ、このために、反応を制御するのが難しくなって しまう。多すぎる量の触媒が存在すると、過剰のフリーラジカルが生成されるか もしれず、この過剰のフリーラジカルが、必要に応じて存在するフォトクロミッ ク着色剤の破壊を誘発し、最終材料の疲労が加速されてしまう。この後者の仮説 において、行われる反応も加速し、制御するのが難しくなるかもしれない。 前記組成物を重合する別の方法は、紫外線または可視光を使用することである 。この方法において、前記光重合開始剤は、K.Dictlikerによる「Photoinitiato r for Pigmented Systems」/Radiation curing in Polymer Science and Techno logy:Vol 2;photoinitiating systems-FOUASSIER J.P.,RABECK J.F.Elsevier Ap plied Science pp 155.Ch3に記載されているようなこの分野において知られてい る分子から選択しても差し支えない。この場合、熱重合におけるように、この光 重合開始剤は、当然、フォトクロミック染料に対して実質的に「不活性」でなけ ればならない。有用な光重合開始剤の例としては、ベンゾフェノン、チオキサン トン、アルファ−アミノ−アセトフェノン誘導体、アシルホスフィン酸化物、ビ スアシルホスフィン酸化物および当業者に知られているそのような化合物の多く の他のものが挙げられる。そのような化合物の特別な例としては、アシルホスフ ェートおよびアシルジベンゾキサフィン酸化物が挙げられる。アシルホスフィン 酸化物は、単独で用いても、アルファ−ヒドロキシケトンおよびベンジルジメチ ルケタールのような他の族の光重合開始剤と組み合わせて用いても差し支えない 。光重合開始剤の特に有用な例の一つは、イルガキュア819(チバガイギー社 からの)である。二種類の重合(熱および光重合)を独立してまたは組み合わせ て用いて、レンズを得ても差し支えない。 本発明のフォトクロミック化合物が単独でまたは好ましくは混合物でその内部 に存在する、新規の種類の(コ)ポリマーマトリクスが上述したように詳細に記 載されている。前記フォトクロミック化合物と、 − 少なくとも一種類の他のフォトクロミック化合物、(前出参照)、 − および/または少なくとも一種類の非フォトクロミック着色剤、これは、 暗色化状態におけるグレーの色合いを調節するのを目的とする、 − および/または、例えば、酸化防止剤のような、一種類以上の安定剤、 − および/または一種類以上の紫外線防止剤、 − および/または一種類以上のラジカル防止剤、 − および/または一種類以上の、フォトクロミック励起状態の奪活剤、 をそれ自体知られている方法で一緒にしてもよい。 これらの添加剤は、特に、存在するフォトクロミック化合物の耐久性を改良で きるであろう。 別の種類のフォトクロミック化合物、非フォトクロミック着色剤、安定剤は、 当業者に知られた従来技術の製品である。 最後の目的によれば、本発明は、効果的な量の少なくとも一種類のフォトクロ ミック化合物(I)または(II)および好ましくは効果的な量の化合物(I)および(II) の混合物を含有する完成品すなわち製品(特に、建物、乗物、自動車用の、板ガ ラス;光学素子;眼用またはソーラー製品、特にレンズ;装飾製品;ソーラー保 護製品;情報を記憶するために有用な製品等)に関するものである。それらの製 品は、特に、単独でまたは好ましくは、フォトクロミック化合物(I)および(II) の混合物を含有する(コ)ポリマーマトリクスから全体または一部が構成される 。 本発明を、本発明の化合物の合成およびフォトクロミック有効性を示す以下の 実施例により説明する。実施例: 1.化合物(I)の合成 化合物(I)(フランス国特許出願第96 09384号に記載されている)は、p−ト ルエンスルホン酸の存在下で、テトラヒドロフランを還流させながら、1−(p −ジメチルアミノフェニル)−1−フェニル−2−プロピン−1−オールおよび 5,7−ジメトキシ−3−メチル−1−ナフトールの混合物を加熱することによ り得られる。このナフトールは、J.Org.Chem.1986,vol 51,p271-273(Sibi等)に 記載された方法にしたがって調製した。 2.化合物(II)の合成 化合物(II)は、以下の図にしたがって合成される: 使用した合成経路は実質的に、国際特許出願公開第94/22850号に記載されたも のである。 工程(a): J.Chem.Soc.1945,p280に記載された実験計画にしたがって、101g の塩素ガスを、280gの酢酸ナトリウムの存在下で、560mlの酢酸中の100gの 2−ナフトールと反応させた。144gの1,1−ジクロロナフタレン−2(1H) −オンが得られた。 工程(b): 17.9gのモルフォリンおよび20.8gのトリエチルアミンからなる 混合物を、周囲温度で320mlのトルエン中の40gの1,1−ジクロロナフタレ ン−2(1H)−ワンを含有する溶液中に混合した。1.5時間後、その混合物を2 00mlの水中に注ぎ入れた。有機相を回収し、300mlの水を加え、続いて、水 酸化ナトリウムの濃縮溶液(50ml)を加えた。水相を回収し、水酸化ナトリウ ムを、1−クロロ−4−モルフォリノ−2−ナフトールを沈殿させる酢酸により 中和した。濾過、水による洗浄および乾燥の後、42gの生成物を得た。 工程(c): 0.3リットルの鋼製オートクレーブ中において、30mlのエタノー ルおよび150mlの水酸化ナトリウム(2N)中の10.5gの1−クロロ−4−モ ルフォリノ−2−ナフトールを、7時間に亘りチャコール(5%)上の3gのパ ラジウムの存在下で35℃で3バールの圧力下に維持した。次いで、この溶液を濾 過 して、触媒を除去した。次いで、水相を酢酸で酸性にし、次いで、濾過した。沈 殿物を水で洗浄し、次いで、乾燥させた。このようにして、7.1gの4−モルフ ォリノ−2−ナフトールが得られた。 工程(d): ヨーロッパ特許公開第250193号に記載されたように、1−(p− メトキシフェニル)−1−フェニル−2−プロピン−1−オールを、DMSO中 の4−メトキシベンゾフェノンおよびリチウムアセチリド(エチレンジアミン複 合体)から合成した。 工程(e): 0.91gの1−クロロ−4−モルフォリノ−2−ナフトールを、0.7 2gのp−トルエンスルホン酸の存在下で4時間に亘り還流下で30mlのTHF 中の0.95gの1−(p−メトキシフェニル)−1−フェニル−2−プロピン−1 −オールと反応させた。次いで、この溶液を30mlのINの水酸化ナトリウムで 中和させ、そして、30mlのトルエンで二回抽出した。有機相を蒸発させ、次い で、フォトクロームを、酢酸エチル/ジイソプロピルエーテル(10/90)の混合 物で溶離させるアルミナカラムのクロマトグラフィーにより分離した。このよう にして、250mgの3−(p−メトキシフェニル)−3−フェニル−6−モルフ ォリノ−[3H]−ナフト−[2,1−b]ピラン(化合物II)が得られた。そ の構造を1H NMR分光分析法により確認した。 3.対照化合物の合成(種類(II)に類似の化合物) 化合物C1からC3を化合物(II)に関して上述した方法と類似の方法で得た。 化合物(I)、(II)、C1、C2およびC3の構造: 秒で表される退色の中間時を、各々の化合物について以下に示す。このパラメ ータは、初期状態に戻ること(暗色化後の)の速度論を特徴付けている(化合物 (I)の特性をまとめた表を参照して本明細書の先に与えられた正確な定義を参照 のこと)。 化合物(I) 127秒 化合物(II) 88秒 化合物C1 52秒 化合物C2 150秒 化合物C3 165秒 興味深い化合物(II)の、それらの同族体(C2およびC3)よりも優れている のが完全に明白である。 4.フォトクロミックマトリクスの調製: 工程1:化学式(B)のアルケン二官能モノマーの合成: 500gのポリエチレングリコール600(アリドリッヒ)を、窒素流の元で温度調 節された反応器中において45℃で加熱した。この反応器に、2.5gの4−メトキ シフェノール(アルドリッヒ)および3gのスズジブチルジラウレート(アルド リ ッヒ)を加えた。次いで、サイテックインダストリーズ社(CYTEC Industries) からの329gのm−イソプロペニル−α−α−ジメチルベンジルイソシアネート (m−TMI(登録商標))を約300g/時の速度で反応器に加えた。m−TM I(登録商標)の添加が一旦完了したら、その混合物を1時間に亘り50℃で撹拌 した。次いで、得られた生成物を周囲温度まで冷ました。 工程2:(コ)ポリマーの調製:化学式(A)の(メタ)アクリレート二官能 モノマーおよび化学式(B)のアルケン二官能モノマーの混合物。 以前の工程の21gのウレタンモノマーを、20.5gのジビニルベンゼン(アルド リッヒ)、14gのベンジルメタクリレート(アルドリッヒ)および44.5gのテト ラエトキシビスフェノールAジメタクリレート(ジアクリル121−アクゾ社) と混合した。 工程3:マトリクスの調製:フォトクロミック着色剤(二種類の着色剤の組合 せ)の添加および重合条件: このモノマーの混合物に、以下の表に示した比率でフォトクロミック着色剤を 加えた(これらの着色剤の量は、モノマーの混合物100g当たりのグラムで表さ れている)。 0.2g(質量)の、アクゾ社により供給されるAMBN2,2’−(2−メチ ルブチロニトリル)(パーカドックス(登録商標))を各々の組成物中に溶解さ せた。 次いで、2mmの平らな試料をPVC接合により二枚のガラス板の間で成形し た。重合は、8時間に亘り60℃で、2時間に亘り90℃で行った。加工後、これら の試料を120℃で1時間に亘り再度ベーキングした。 5.結果: 190および900nmの間の光透過率を各々の試料について、明るい状態(T0) と、ろ波されたキセノン光源(AM2 Moonに近い分布)の元で紫外線−可 視光に15分間露出した後の暗色化状態(T15)とにおいて測定した。透過率ス ペクトルから、色座標X,Y,ZおよびL,a,bを、ASTM E308−9 0法にしたがって計算した。前記明るい状態での黄色度指数を、ASTM D1 925−70法にしたがってこれらの座標から計算した。試料のフォトクロミッ ク特性が以下の表に示されている。 *T0=明るい状態における560nmで測定した透過率 **TD15=15分間露出した後に560nmで測定した透過率 ad15およびbd15は、15分間の露出後に暗色化状態における色座標を示す ものである。ΔaおよびΔbは、25℃と40℃の間の色の変動を示している。 これらの測定により、試料番号2が、高すぎる黄色度指数および他の試料より もずっと低い40℃での着色適性(TD15)を有することが示された。この試料 の暗色化状態における色は一定ではなく、25℃では紫の傾向にあり、40℃ではブ ラウンであった。 暗色化状態において、試料番号3および4は、25℃では紫かがったグレーであ り、40℃では青みがかったグレーであった。より低い黄色度指数を有する試料番 号1は、25℃では青みがかったグレーであり、40℃では中間色のグレーであった 。 要約すると、試料番号1は、25および40℃の間で最良の色の一貫性(この試料 に関して、ΔaおよびΔbの偏差がより低い)を有し、40℃での高い着色適性お よび比較的低い黄色度指数を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 1/73 503 G03C 1/73 503 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),AL,AM,A T,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA ,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES, FI,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW, MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,S E,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 アンリ,ダヴィド フランス国 F―91150 モリニ リュ ドゥ ラ グランジュ デ ノワイエ 2 (72)発明者 ラフォース,ザヴィエル フランス国 F―92160 アントニ リュ アドルフ パジョー 300

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.+ 2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル) −5−メチル−7,9−ジメトキシ−[2H]−ナフト[1,2−b]ピラン (化合物(I))、 および + 3−(p−メトキシフェニル)−3−フェニル−6−モルフォリノ−3H −ナフト−[2,1−b]ピラン(化合物(II)) を含むことを特徴とするフォトクロミック組成物。 2.前記組成物中の、前記2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メ トキシフェニル)−5−メチル−7,9−ジメトキシ−[2H]−ナフト[1 ,2−b]ピラン(化合物(I))/3−(p−メトキシフェニル)−3−フェ ニル−6−モルフォリノ−3H−ナフト−[2,1−b]ピラン(化合物(II) )の重量比が、7から10までの間、好ましくは、8から9までの間にあること を特徴とする請求の範囲第1項記載のフォトクロミック組成物。 3.フォトクロミック剤として2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p −メトキシフェニル)−5−メチル−7,9−ジメトキシ−[2H]−ナフト [1,2−b]ピラン(化合物(I))および3−(p−メトキシフェニル)− 3−フェニル−6−モルフォリノ−3H−ナフト−[2,1−b]ピラン(化 合物(II))を一緒に使用することであって、該二種類のフォトクロミック剤が 、好ましくは、7から10までの間の化合物(I)/化合物(II)の重量比で用いら れることを特徴とする使用。 4.2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)−5 −メチル−7,9−ジメトキシ−[2H]−ナフト[1,2−b]ピラン。 5.3−(p−メトキシフェニル)−3−フェニル−6−モルフォリノ−3H− ナフト−[2,1−b]ピラン。 6.請求の範囲第4項および第5項記載の化合物のうちの少なくとも一つおよび 好ましくは、請求の範囲第1項または第2項記載の化合物の混合物を含むこと を特徴とする(コ)ポリマーマトリクス。 7.前記(コ)ポリマーが、以下のリスト: a) 少なくとも一つのエーテルおよび/またはエステルおよび/またはカー ボネートおよび/またはカルバメートおよび/またはチオカルバメートおよび /または尿素および/またはアミド基を有する、または必要に応じてハロゲン 化された、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルモノ−,ジ −,トリ−またはテトラアクリレートもしくはモノ−,ジ−,トリ−またはテ トラメタクリレート、 b) ポリスチレン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ カルバメート、ポリエポキシ、ポリウレア、ポリウレタン、ポリチオウレタン 、ポリシロキサン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、脂肪族または芳香族 ポリエステル、ビニルポリマー、セルロースアセテート、トリセルロースアセ テート、セルロースアセテートプロピオネートまたはポリビニルブチラール、 c) 上述したポリマーの混合物または二種類以上のモノマーのコポリマー、 d) 種類(a)の少なくとも一つ以上の二官能モノマーおよび種類(b)の一つ以 上の二官能モノマーの混合物を含む組成物のラジカル重合により得られたコポ リマー: * 以下の化学式(A)および(A’)の内の一方または他方を有する種類 (a)の二官能モノマー: + 化学式(A): ここで: − R1、R’1、RおよびR’が、同一または異なり、独立して、水素または メチル基であり; − mおよびnが、独立して、0から4までの間の整数であり;好ましくは、 独立して1または2であり; − XおよびX’が、同一または異なって、ハロゲンであり、好ましくは、塩 素および/または臭素を表し; − pおよびqが、独立して、0から4までの整数であり; + 化学式(A’): ここで: − R1およびR’1が、同一または異なり、独立して、水素またはメチル基で あり; − Rが、2から8までの炭素原子を有する直鎖または枝分れアルキル基、3 から6までの炭素原子を有するシクロアルキル基、R’およびR”が、同一ま たは異なり、独立して、2から4までの炭素原子を有する直鎖または枝分れア ルキル基である化学式(R’−O−R”)のエーテル基であり; * 以下の化学式(B)、(B’)および(B”)の内の一方または他方で ある、種類(b)の二官能モノマー(長鎖アルケン二官能オリゴマー): + 化学式(B): ここで: − R1、R’1、R2およびR’2が、同一または異なり、独立して、水素もし くは直鎖または枝分れアルキル基、好ましくは、1から4までの炭素原子を有 する直鎖のものであり;特に好ましくはメチル基に対応し; − R3およびR4が、異なり、独立して、一方が水素であり、他方が2から6 までの炭素原子、好ましくは2から4までの炭素原子を有するアルケニル基、 特に好ましくはイソプロペニル基であり; − R’3およびR’4が、異なり、独立して、一方が水素であり、他方が2か ら6までの炭素原子、好ましくは2から4までの炭素原子を有するアルケニル 基、特に好ましくはイソプロペニル基であり; − Zが、カルバメート官能基(−NH−CO−O−)、チオカルバメート官 能基(−NH−CO−S−)または尿素官能基(−NH−CO−NH−)を表 し; − Z’が、Zから独立して、好ましくは上記Zに関してそれぞれ対応して、 カルバメート官能基(−NH−CO−O−)、チオカルバメート官能基(−N H−CO−S−)または尿素官能基(−NH−CO−NH−)を表し; − R’が2から4までの炭素原子を有する直鎖または枝分れアルキル基を表 し; − Rが、n>=2であるときに同一または異なり、2から4までの炭素原子 を有する直鎖または枝分れアルキル基であり; − Yが、n>=2であるときに同一または異なり、酸素または硫黄であり; − nが、前記二つの部分ZおよびZ’の間に位置する長鎖に含まれる炭素原 子の合計数が、少なくとも18に等しく、好ましくは、18から112までの間とな るような様式で定義された整数であり; + 化学式(B’): ここで: − R1、R2、R3、R4、R’1、R’2、R’3、R’4、RおよびYが、化学 式(B)に関して上述したように定義されたものであり; − nが、前記部分(R−Y)nの長鎖中に含まれる炭素原子の合計数が、少 なくとも22に等しく、好ましくは、22から104までの間となる様式で定義され た整数であり; + 化学式(B”) ここで: − R1、R2、R3、R4、R’1、R’2、R’3、R’4、R、R’およびYが 、化学式(B)に関して上述したように定義されたものであり; − Z’がカルバメート官能基(−O−CO−NH−)でありまたはZ’がチ オカルバメート官能基(−S−CO−NH−)であり;好ましくはZ’がカル バメート官能基であり; − nが、前記部分(R−Y)n−R’の長鎖中に含まれる炭素原子の合計数 が、少なくとも22に等しく、好ましくは、22から104までの間となるような様 式で定義された整数である; から選択されることを特徴とする請求の範囲第6項記載の(コ)ポリマーマト リクス。 8.前記コポリマーが項目d)において定義されたような組成物: − R1およびR’1が、同一で、メチル基であり; − RおよびR’が、同一で、水素またはメチル基であり; − mおよびnが独立して1または2であり; − pおよびqが同一で0と等しく; 好ましくは、RおよびR’が水素を示し、m=n=2である化学式(A)を有 する種類(a)の二官能モノマー; および/またはR1、R’1、R2、R’2が同一であり、メチル基を示し、R3 およびR’3が同一で、イソプロペニル基を示し、R4およびR’4が同一で水 素である、化学式(B)および/または化学式(B’)および/または化学式 (B”)の対称長鎖アルケン二官能オリゴマー; のラジカル重合により得られることを特徴とする請求の範囲第7項記載の(コ )ポリマーマトリクス。 9.前記コポリマーが、請求の範囲第7項記載の項目d)において定義されたよ うな組成物; 化学式(B)または化学式(B”)のオリゴマーの場合には、部分(R−Y) n−R’により表され、または化学式(B’)のオリゴマーの場合には、部分 (R−Y)nにより表される、500g/モルおよび2,000g/モルの間の分子量 を 有する、化学式(B)および/または化学式(B’)および/または化学式( B”)のアルケン二官能オリゴマーのラジカル重合により得られ;好ましくは 、前記長鎖の分子量が、少なくとも600g/モルであり、900g/モル未満であ ることを特徴とする請求の範囲第7項または第8項記載の(コ)ポリマーマト リクス。 10.前記コポリマーが、請求の範囲第7項の項目d)に定義されたような組成物 ; − ZおよびZ’が尿素官能基(−NH−CO−NH−)であり; − R1、R2、R3、R4、R’1、R’2、R’3およびR’4が請求の範囲第8 項に定義されたようなものであり; − R’がエチレンまたはプロピレン基を表し; − nが、(R−Y)nがポリオキシエチレン鎖であるときに28または40と等 しい、ZおよびZ’の間の炭素原子の合計数を定義する13または19と等しい整 数であり;またはnが、(R−Y)nがポリオキシプロピレン鎖であるときに3 3または45と等しい、ZおよびZ’の間の炭素原子の合計数を定義する10また は14と等しい整数であり;またはnが、(R−Y)nが混合ポリオキシエチレ ン/ポリオキシプロピレン鎖であるときに、下限値(nが10および13の間)と 上限値(nが14および19の間)の間の整数である、 あるいは、 − ZおよびZ’が、それぞれ、化学式(−NH−CO−O−)および(−O −CO−NH−)のカルバメート官能基であり; − R1、R2、R3、R4、R’1、R’2、R’3およびR’4が請求の範囲第8 項に定義されたようなものであり; − R’がエチレン基を表し; − (R−Y)nが長鎖ポリオキシエチレンを表し; − nが、28または40と等しい、二つの部位ZおよびZ’の間に位置する長鎖 中に含まれる炭素原子の合計数を定義する、13または19と等しい整数である、 化学式(B)を有する種類(b)の二官能オリゴマーのラジカル重合により得ら れることを特徴とする請求の範囲第7項から第9項いずれかに記載の(コ)ポ リ マーマトリクス。 11.前記コポリマーが、請求の範囲第7項の項目d)において定義されたような 組成物のラジカル重合により得られ;種類(a)のモノマーの量が、種類(a)およ び(b)のモノマーの混合物の100重量部に関して、40および99重量部の間にある ことを特徴とする請求の範囲第7項から第10項いずれかに記載の(コ)ポリマ ーマトリクス。 12.効果的な量のラジカル重合開始剤を含有することを特徴とする請求の範囲第 11項記載の(コ)ポリマーマトリクス。 13.前記ラジカル重合開始剤が、熱開始剤、光重合開始剤、およびこれらの混合 物からなる群より選択されることを特徴とする請求の範囲第12項記載の(コ) ポリマーマトリクス。 14.請求の範囲第6項から第13項いずれかに記載のマトリクスから全体または一 部が構成された、および/または請求の範囲第4項および第5項記載の化合物 のうちの少なくとも一種類および好ましくは請求の範囲第1項または第2項記 載の化合物の混合物を含有するレンズから好ましくはなる、板ガラス、光学素 子、眼用またはソーラー製品型の完成品。
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