JP2001524941A - 可溶性放射性有毒物質の酵素変換による、癌治療のための方法および組成物 - Google Patents

可溶性放射性有毒物質の酵素変換による、癌治療のための方法および組成物

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Abstract

(57)【要約】 実質的に癌に限定して超致死量の照射が可能な、ホットスポットと呼ばれる癌の治療方法を開示する。本発明では、多段階の治療プロセスを用い、また、新規クラスの化学療法剤を用いる。本発明によると、標的細胞内での酵素反応によって、可溶性の沈殿物質を、標的細胞内において非消化性の沈殿として蓄積させることができることが見いだされた。蓄積は、生きている宿主に、可溶性の沈殿可能な物質である新規化学剤に標的剤を結合させて得られる可溶性の二機能性試薬を投与することにより達成される。この二機能性試薬は、標識細胞上の抗原性レセプターに結合し、該細胞はエンドサイトーシスにより二機能性試薬を取り込み、これをライソゾームに輸送し、ライソゾームでは酵素が可溶性沈殿可能物質を標的剤から引き離し、細胞内での標的剤の沈殿、蓄積を生ぜしめる。二機能性試薬の投与を継続することにより、沈殿の量を増加させて細胞内に蓄積させることができる。蓄積した沈殿は、癌細胞の一部を選択的に殺すことによって、細胞外液に再輸送される。ここにおいて、癌の細胞外液に再輸送された沈殿は、「プラットホーム」として使用され、そこからホットスポットが形成される。沈殿に、非哺乳類酵素部分を有する二特異性試薬を結合させる。可溶性の放射活性物質を投与すると、結合した二特異性試薬の酵素部分で覆われた新たなフォームになり、これは長時間沈殿の近傍に保持され、こうしてホットスポットが形成され、ホットスポットは、癌の細胞外液中の沈殿の近傍の全細胞を非選択的に殺す。

Description

【発明の詳細な説明】 可溶性放射性有毒物質の酵素変換による、 癌治療のための方法および組成物 本発明は、ヒトまたは動物内の特定の細胞もしくは生物につき、生存宿主に導 入すべきターゲティング剤を直接または間接に使用して特定の療法効果を達成す ることを目的とする全般的分野の癌治療方法であって、それらの物質は処置すべ き細胞または生物に対しある種類の不完全な特異性を示し、ターゲット細胞内で 析出する可溶性物質を保有し、癌に対する強力な攻撃を放つプラットフォームと してこの蓄積した析出物を利用する方法に関する。特に本発明は、癌の治療方法 に関する。 発明の背景 1.発明の分野 癌治療における世界中の研究努力は、現在かなりの部分が種々の細胞致死薬を 用いて癌細胞を殺すことに向けられている。多数の薬物、放射性化合物などが癌 細胞を死滅させうることが示されたという事実にもかかわらず、これらの物質は 共通して存在する3つの障害を逃れることができないため、癌の治療に成功して いない:(1)それらの物質は必ずしもすべての癌細胞に対し特異的細胞毒性を 示すわけではないので、すべての癌細胞を死滅させるのではない、(2)それら の物質は癌細胞に対してのみ特異的細胞毒性を示すわけではないので、正常細胞 をも殺す、(3)それらの物質は、耐性癌細胞を殺すのに十分な、または癌細胞 がその細胞致死薬に適応して耐性になる能力を克服するのに十分なほど有効ではない 。現在の治療法が成功しない理由を理解し、かつ本発明の合理性および方法 論を理解するために、これら3つの障害を認識する必要がある。 50年間にわたる多大な研究で、癌細胞において調べたあらゆる特性に広範な 不均一性のあることが示された。これらの特性には、細胞の大きさ、浮力、嫌気 性代謝、酵素組成、増殖速度、遺伝子の誤り、遺伝子発現の相異、染色体の数、 および染色体の誤りが含まれる。これらの不均一性は、いかなる療法薬による死 滅または治療に対しても超感受性である癌細胞、および超耐性である癌細胞が存 在することによっても現れる。同一の腫瘍集団内で、ある細胞画分はある療法薬 に対し感受性であってその薬剤を投与すると死滅し、ある細胞画分はその薬剤に 対し耐性であって死滅せず、またある画分は適応してその後の治療方式に対し次 第に耐性が強くなるであろう。耐性細胞は分裂し続け、体内の離れた場所へ拡散 して転移腫瘍を形成するであろう。 いかなる特定の療法薬に対しても感受性には広範な不均一性があるため、いか なる療法薬の全身投与も超感受性癌細胞を殺すことにより腫瘍を軽減はさせるが 、超耐性癌細胞を殺すことはできないので完全な治癒を達成することはできない という可能性が高い。癌療法における従来の試みは、これら多様な細胞の陰性の 療法結果を一般に無視してきた。初期に部分軽減を達成した方法は微調整したの ちには完全な治癒をもたらすであろうという直観的かつ楽観的な考えがあった。 この楽観論は、細胞または生物のあらゆる大集団は不均一であり、遺伝的不安定 性をもつ癌細胞は特に高い不均一性を示すという、大量のデータが支持する生物 学的原則に反する。したがって、過去の癌療法の歴史が短期的希望の単調な継続 であり、続いて長い失望期間があったことは意外ではない。若干の癌細胞を殺す と軽減するが、若干の癌細胞は生き残って生存宿主内で接種し、増殖し続け、そ の後の治療はこれら転移腫瘍の癌細胞を殺す効力がより低いからである。癌療法 に用いられている最近の癌遺伝子その他の遺伝子操作の分野も、同じパターンを たどるであろう。この推定は、癌細胞集団には遺伝子の誤りや遺伝子発現に不均 一性があり、時間と共に、より多種多様な遺伝子および染色体の誤りをもつ細胞 がより多数、癌細胞集団内に蓄積するであろうという事実に基づく。単純な遺伝 子補正は、たとえ体内で増殖している癌細胞すべてに適用するのに成功したとし ても、あらゆる細胞で修復されると思われる。2.先行技術 現在の癌療法の第1の重大な欠点は、それらが癌細胞集団の不均一性を考慮し ておらず、それに対処できないことである。現在の方法がこの不均一性を逃れ得 ないことは、療法薬を送達するのに癌細胞表面にある抗原受容体に依存した免疫 療法が成功していないことにより示される。 癌療法における現在の試みはすべて(放射性ヨウ素を用いる甲状腺癌の治療以 外)、癌細胞それぞれを個別にすべて、それら個々と候補療法薬または付与した 環境条件との直接相互作用により殺すことに依存している。この直接相互作用の 必要性を言い表すために、これらの方式をおおまかに“狙撃(sniper)致 死法”と呼ぶことができる。すなわち死滅させる個々の細胞を直接にターゲティ ングしなければならない。狙撃致死薬には、細胞毒性薬物、癌ターゲティング剤 を細胞毒性薬物に結合させることにより調製した二成分薬剤、免疫反応の増強、 ホルモン療法、遺伝子工学的生成物(インターフェロンなど)、癌遺伝子操作、 またはこれらの遺伝子がコードする生成物が含まれる。 これらの狙撃式致死方式が癌の治療に成功するためには、その癌細胞がすべて の癌細胞に存在する利用可能な特性をもつこと、その特性がすべての(または少 なくとも大部分の)正常細胞には存在しないこと、かつその特性が適応変化して 利用不能になる場合がないことが必要である。 癌細胞はその表面に、特異性抗体、ホルモンおよびペプチドなど特定の分子が 結合しうる多数の受容体(抗原受容体を含む)を示すことが知られている。抗体 、ホルモンおよびペプチドを、これらの特定の抗原受容体を示す癌細胞に対する ターゲティング剤として使用できる。すべての癌細胞がその受容体を発現し、か つその受容体を発現する非癌細胞の数がきわめて少ないのが理想的である。理想 的モデルにおいては、ターゲティング剤と細胞毒性物質からなる二成分薬剤(狙 撃方式の一例)は優先的に癌細胞へ向かうであろう。しかし実際には二成分薬剤 は細胞毒性物質を腫瘍集団内のすべての癌細胞へ送達するわけではない。ある癌 細胞はその特定の抗原受容体を示さないからである。この二成分莱剤は抗原受容 体をもたないこれらの癌細胞には結合しないので、これらの細胞はこの治療によ り影響を受けず、残存して宿主内で増殖するであろう。高用量での狙撃致死方式 でも(多くの正常細胞をも殺す用量で用いた場合ですら)、すべての癌細胞を殺 すことはできない。ある癌細胞は抗原受容体をもたず、ある癌細胞は治療開始前 から既に超耐性であり、ある癌細胞はその療法薬に適応して生存し、将来の治療 に対し耐性になるからである。この方式は正常細胞も若干はその狙撃致死法のタ ー ゲットである特性を示すという事実に対処できず、また癌細胞に普遍的に存在す る不均一性および適応性に対処できないので、これらの狙撃方式はすべて不成功 であり、将来も成功しない運命にある。 特定の抗原受容体に特異的なターゲティング剤として作用しうる高純度および 高免疫特異性のモノクローナル抗体、ホルモンおよびペプチドが最近開発され、 細胞致死薬を特異的に癌細胞へ向ける能力が大幅に高まり、これにより非癌細胞 への有害な作用が少なくなった。逆説的には、このような高特異性ターゲティン グ剤を単離および製造するというこの現在の方向(そのような抗体およびそれに より運ばれる細胞毒性物質が非癌細胞に結合する可能性を最小限にするために) は、ある意味では逆効果である。このような高特異性ターゲティング剤に親和性 を示す腫瘍集団内の癌細胞の数は減少するからである。 上記のように細胞致死薬をターゲット細胞へ特異的に送達するための高特異性 ターゲティング剤の開発が進み、その送達された薬剤の細胞致死能が証明された にもかかわらず、ターゲティング剤と毒性物質からなる二成分薬剤を用いた療法 は成功しておらず、成功を期待すべきでない。残念ながら実際上、これらの療法 は期待されたよりはるかに成功にはほど遠い。 細胞毒性物質をターゲット癌細胞へ運ぶための二成分薬剤がもつ第2の重大な 欠点は、二成分薬剤を構成するいわゆる“癌ターゲティング剤”が有意数の正常 細胞をもターグティングすることである。二成分薬剤投与により、ターゲティン グされたこれらの正常細胞も同様に死滅し、正常組織が許容できないほど破壊さ れ、患者に重篤な疾病が起き、癌に対し放つことができる攻撃の強さが制限され る。 細胞毒性物質(特に細胞毒性放射性同位体)をターゲット癌細胞へ運ぶための 二成分薬剤がもつ第3の重大な欠点は、細胞毒性物質を運ぶターゲティング剤は 大型分子であるため血液循環中での滞留時間が長く、このため正常細胞が非特異 的に取り込むので、著しい全身毒性を生じることである。 細胞毒性物質を癌細胞へ運ぶための二成分薬剤がもつ第4の重大な欠点は、タ ーゲティング剤が結合した癌細胞ですら完全な癌細胞死滅を達成できない場合が 多いことである。この大部分は、この治療方法が本来もつ限界が原因である。す なわち、ターゲティング剤に結合しうる細胞毒性物質の絶対量が癌細胞を実際に 殺すのに必要な量より少ない(ターゲティング剤のターゲティング能が損なわれ るのを避けるために、かつ宿主内での二成分薬剤の分布が不都合に変化するのを 避けるために、結合しうる細胞毒性物質の量は少なく制限される)。二成分薬剤 の使用により癌細胞に保有させることができる細胞毒性物質の量は、ある細胞に 損傷を与えるのには十分であろうが、その損傷は一時的にすぎず、または実際に は依然として癌性でありかつその細胞毒性物質に対し耐性になった変異細胞を発 現させる結果になるにすぎない場合が多い。 細胞毒性物質を運ぶための二成分薬剤がもつ第5の重大な欠点は、二成分薬剤 を調製するために各患者においてそれぞれの癌に最も適切なターゲティング剤を 有効に選ぶのは不可能であることである。さらに、その二成分薬剤を必要な細胞 毒性用量で投与する前に療法結果を推定できない。 前記の3つの障害および欠点にもかかわらず、放射性ヨウ素を用いた甲状腺癌 の治療は高い割合の症例で成功している。この高い成功率は、甲状腺の癌細胞と 他の組織由来の癌細胞の根本的相異によるものではない。甲状腺癌の治療が成功 しているのは、正常な甲状腺細胞および悪性の甲状腺細胞がヨウ素を蓄積しうる 特異な生物学的機能をもつという事実によるものである。したがって甲状腺癌患 者を放射性ヨウ素で治療すると、一部の癌細胞が、強力な放射能のミクロ領域を 形成して各ミクロ領域内の細胞すべてが死滅するのに十分な量の放射性同位体を 取り込み、それに十分な期間その同位体を蓄積する。ホットスポットと呼ばれる これらの強力な放射能の領域は、正常および悪性の甲状腺組織内にのみ形成され る。ホットスポット内の放射能領域は同位体を取り込んだ細胞を越えて広がり、 数百の隣接細胞を死滅させ、これにより致死量以上の放射能をもつオーバーラッ プしたミクロ領域(オーバーラップしたホットスポット)が、甲状腺組織内にの み形成される。これらのホットスポット内では放射能が強いため、放射性同位体 を取り込まない細胞を含めて腫瘍内のすべての癌細胞が死滅する。 前記の5つの欠点を逃れるために、また甲状腺癌の治療を成功させる操作条件 をまねるために、ターゲット細胞に対する細胞毒性物質の作用を増幅および局在 化する2タイプの方式が採用された。第1方式では細胞毒性物質をターゲット細 胞の内側に蓄積させることを試み、第2方式では細胞毒性物質をターゲット細胞 の外側の、腫瘍細胞外液中に形成および蓄積させることを試みた。 細胞毒性物質の作用をターゲット細胞において増幅および局在化するための第 1方式は、細胞毒性物質を細胞の内側に蓄積させるものである。正常および疾病 状態の多くの場合、療法薬および/またはトレーサー物質を特定の細胞タイプに ターゲティングすることが望ましい。このようなターゲティングに2つの問題が ある。第1の問題は、いかにしてターゲティングを特定の細胞タイプに特異的な ものにするかである。第2の問題は、療法薬および/またはトレーサー物質がタ ーゲット細胞領域から離れて拡散し、非ターゲット細胞領域へ達するのを防ぐこ とにより、ターゲット細胞に対する作用を最大限にし、同時に非ターゲット細胞 に対する作用を最小限にするために、療法薬および/またはトレーサー物質をい かにしてターゲット細胞領域に可能な限り長期間蓄積および保持するかである。 第1の問題については、療法薬および/またはトレーサー物質をターゲット細 胞の内側に蓄積させることにより前進が得られた。これは、ターゲティング剤と して作用するタンパク質、たとえば抗体、ホルモンまたはペプチドに療法薬また はトレーサー物質を共有結合させて二成分薬剤を構築することにより達成された (Ghose T.およびBlair A.H.,1987,CRC Crit ical Reviews of Therapeutic Drug Car rier Systems,3,262−359;Blakelyら,1988 ,Progress in Allergy,45,50−9)。二成分薬剤の タンパク質ターゲテイング剤部分が特定の細胞タイプ(ターゲット細胞と呼ばれ る)上にあるエンドサイトーシス作用性の抗原受容体に結合し、目的のターゲッ ト細胞へ療法薬またはトレーサー物質を送達する。ターゲット細胞上の抗原受容 体にターゲティング剤が結合すると、ターゲット細胞が誘発されて受容体仲介エ ンドサイトーシスを行い、これにより細胞が受容体および結合した二成分薬剤を “飲み込み”、受容体および二成分薬剤をリソソーム液胞へ輸送する。リソソー ム液胞は酸性環境をもち、高濃度の多数のタンパク質分解酵素、グリカン分解酵 素、ヌクレアーゼおよび脂質分解酵素を含有する。受容体がリソソーム内部へ入 ると、二成分薬剤から解離して細胞表面へ戻り、さらに二成分薬剤を結合する。 こうし て受容体仲介エンドサイトーシスプロセスが繰り返される。この様式で各受容体 は毎時5〜10回、再循環できる。リソソーム内部では二成分薬剤のターグティ ング部分は消化され、療法薬またはトレーサー物質が遊離の可溶性分子として放 出される。この遊離状態でこの物質はそのトレーサー作用または薬理療法作用を 発揮する。 この手段で、細胞毒性物質、薬物、毒素、色素、毒性薬物に対する解毒薬、お よび放射性同位体含有分子が送達された(Aliら,1990,Cancer R.Suppl.,50,783−788;Wuら,1985,Hepatol ogy,1985,5,709−713;Wuら,1983,Proc.Nat .Acad.Sci.,80,3078−3080;Firestone Ra ymond,1994,Bioconjugate,5,105−113;C. RushfeldtおよびBrad Smedsrod,1993,Cancer Research,1993,53,658−662;Pittmanら,1 983,Biochem.J.,212,791−800;Jansenら,1 992,Hepatology,18,146−152;Daniel A.V allera,1994,Blood,83,309−317;A.Mukho padhyayおよびS.K.Basu,1990,Biotechnology and Applied Biochem.,12,529−536)。 結合した療法薬および/またはトレーサー物質がターゲット細胞から離脱する という第2の問題に関しても、ある程度の前進が得られた。この第2の問題は、 ターゲット細胞のリソソーム内で放出された物質をトラップすることにより、一 部は解決した。たとえば、報告された細胞内トラップという問題の解決方法のひ とつは、一般的な二糖類であるショ糖を流動エンドサイトーシスのマーカーとし て使用するものである。哺乳動物細胞は必要なグリコシダーゼをもたないのでシ ョ糖は消化されず、またショ糖は細胞膜を速やかに横切ることができないのでシ ョ糖の一部は細胞にトラップされる。したがってトラップされたショ糖の量を、 ショ糖取り込みの適切な尺度として利用できる。 ショ糖がもつこれらの利点を利用し、二成分薬剤を調製するために放射性ショ 糖に共有結合させたタンパク質をターゲティング剤として用いることにより、血 漿タンパク質の分解部位を測定する方法が開発された。二成分薬剤を受容体仲介 エンドサイトーシスによりターゲット細胞内へ導入して、ターゲティング剤であ るタンパク質の分解率を測定する。二成分薬剤の投与および受容体仲介エンドサ イトーシスの後、ニ成分薬剤のタンパク質ターゲティング剤部分が酵素消化され 、可溶性放射性ショ糖分子が遊離分子として放出される。ショ糖は分解されず、 一部は細胞内にトラップされたまま残るので、細胞内に蓄積した量を、ターゲッ ト細胞がタンパク質ターゲティング剤を分解した量の適切な尺度として利用でき る(PittmanおよびSteinberg,1978,Biochem.B iophys.Res.Commun.,81,1254−1259;Pitt manら,1979,J.Bio.Chem.,254,7876−6879; Pittmanら,1979,Proc.Nat.Acad.Sci.USA, 76,5345−5349)。 より最近、可溶性セロビオースをショ糖と同様に使用できることが示された。 セロビオースを非代謝性結合により療法薬またはトレーサー物質に結合させるこ とができ、このため可溶性セロビオースおよび結合した療法薬またはトレーサー 物質がターゲット細胞への結合から離脱すると、ターゲット細胞内に蓄積する( Pittmanら,1983,Biochem.J.,212,791−800 ;Pittman,1984,米国特許第4,466,951号)。このセロビ オース法には、ショ糖の使用に優る一定の利点がある。 それにもかかわらず、可溶性ショ糖およびセロビオース法は両方とも、蓄積し た炭水化物(療法薬が結合したものまたは結合していないもの)が徐々に細胞を 離脱するという点で欠点をもつ。蓄積した炭水化物がターゲット細胞から拡散し てターゲティングしていない細胞へ到達する可能性があるという欠点がある。 細胞毒性薬の効果を増幅して標的細胞に局在化させる第二の戦略は、この細胞 毒性薬を細胞外液中の標的細胞の外側で形成させることである。標的領域の細胞 外液に存在する標的細胞の外側で細胞毒性薬を形成させることは、抗体依存的酵 素プロドラッグ療法(ADEPT)と呼ばれる方法によってプロドラッグを活性薬 へ酵素的に変換することによって達成されてきた。この変換をする酵素は、二重 特異性試薬の1つの成分であり、もう1つの成分は、標的癌細胞の表面にある非 エンドサイトーシス受容体に結合親和性を持つ抗体である。この酵素成分が標的 細胞の表面と結合するので、プロドラッグから活性薬への変換は細胞外液で起こ る。 活性薬は近傍の微小領域へ拡散し、その微小領域に存在する非標的癌細胞に対 してその薬理学的な細胞毒性効果を及ぼす。例えば、アルカリホスファターゼは プロドラッグのリン酸マイトマイシンを活性型マイトマイシンCへ、リン酸エト ポシドを活性型エトポシドへ変換し(Senter等、1989,Cancer Research,49,5789〜5792)、ベータラクタマーゼは、4 −デーサクセチルビンブラスチン−3−カルボキシヒドラジドのセファロスポリ ン誘導体を活性のある細胞毒性薬へ変換し(Meyer等、1993,Canc er Research,53,3956〜3963)、セファロードキソルブ シンを活性化する(Rodrigues等、1995,Cancer Rese arch,55,63〜70)。DTジアホラーゼは、チオエステルとの非酵素 的反応の後に、単一機能的なアルキル化薬CB1954をDNAとの架橋形成に よって細胞毒性を引き起こす活性薬へ活性化する(Knox等、1993,Ca ncer and Metastasis Reviews,12,195〜2 12)。また、カルボキシペプチダーゼG2は、ナイトロジェンマスタードのプ ロドラッグを活性薬へ変換し(SpringerとNiculestu−Duv as、1995,Anticancer Drug Des.10,361〜3 72)、ニトロレダクターゼはCB1954(Knox等、1995,Bioch em.Pharmacol.,49,1641〜1647)及びジニトロベンズ アミド(Anlezark等、1995,Biochem.Pharmacol .,50,609〜618)を活性化し、細胞毒性薬を形成させ、アルファガラ クトシダーゼはアントラサイクリンのプロドラッグを活性化し得る(Azoul ay等、1995,Anticancer Drug Des.,10,441 〜450)。 この3段階的ADEPTアプローチが癌を成功裡に処置できないのは以下の理 由からである。(a)標的薬の成分が癌細胞に対して排他的な細胞毒性特異性を示さない ので、二重特異性試薬が非エンドサイトーシス標的癌細胞だけでなくい くつかの正常細胞に結合すること。このことが、この非哺乳類酵素の局在化及び プロドラッグ変換の腫瘍特異性を減少させる。(b)標的細胞の抗原性受容体が 定常的なフラックス状態にあるために、標的細胞受容体と特異的に結合していな い二重特異性試薬がプロドラッグ投与前に身体から消失されるのに十分な時間、 二重特異性試薬が結合したままでいることができないこと。(c)酵素によって 作られる可溶性の活性薬がその産生部位から拡散し、健全な正常細胞に細胞毒性 作用を及ぼすこと。(d)二重特異性試薬が結合している細胞及び活性薬が形成 される細胞が最初に殺される細胞になること。なぜなら、そこで活性薬が最高濃 度になるからである。これらの細胞が殺されると、酵素はもはやプロドラッグを 活性薬へ変換することはできず、活性薬の産生が自己制限的になる。(e)細胞 を殺す活性薬が最高濃度になる微小領域の形状及び容量が変化し定義困難である こと。なぜなら、可溶性活性薬の拡散係数は癌の血液毛細管及び細胞外構造体の 特殊状態に依存していて、拡散係数が腫瘍の各部分で変化するからである。 上記2つの戦略がホットスポット(Hot−spots)を産生することがで きないのは、デリバリーされる細胞毒性化学薬又は放射性同位体薬の数が少ない ためであるが、その数は標的細胞表面上に存在する抗原性受容体の相対的に少な い数に正比例しているのである。さらに、試薬または同位体は、癌に対する積極 的な攻撃を達成するのに十分な時間正しい位置にとどまらないばかりか、長い時 間血液を循環するので、全身性の毒性を引き起こす。最後に、上記の戦略が腫瘍 特異的に局在化して攻撃することができないのは、試薬または同位体がデリバリ ーされる部位または活性薬が作られる部位が癌細胞表面に存在するある単一の癌 に関連した特徴にのみ依存していて、癌細胞表面に見出されるどんな単一の特徴 もいくつかの正常細胞に見出されるからである。 本発明は、非甲状腺癌を模倣した、甲状腺癌の治療を成功させるホットスポッ ト致死法に関する。しかしながら、他の悪性組織で甲状腺と同じような天然のヨ ード関与プロセスを有するものはないので、この模倣には、非甲状腺癌における 「ホットスポット」を達成するための特別な多段階連続プロセスを構築すること が必要とされる。本発明の基本的な方法は、癌及び正常細胞集団の天然に存在す る特性と独立的にかつ一緒に作用して、重篤な全身毒性を起こすことなく、ほと んど排他的に腫瘍中に存在する部分的に一致したホットスポットを産生するため の連続的な工程を含む。これらホットスポットの内部にある癌細胞は一掃される が、一掃される細胞には、標的でない癌細胞、抵抗的ないしは超抵抗的な癌細胞 、及び他の方法ならば適応して治療抵抗性になってしまう癌細胞が含まれる。 発明の要約 本発明の目的は、ホットスポットと呼ばれる放射線の微小領域という形式で、 超致死量の放射線をほとんど癌特異的に照射する癌の治療方法を提供することで ある。それぞれのホットスポット内部に存在する千単位数の細胞がすべて殺戮さ れるので、本発明の方法は各癌細胞を殺すためにそれぞれの癌細胞を標的とする ことを必要としない。結果として、本発明の方法は癌細胞受容体の異種性及び既 存標的薬の不完全性に妨げられない。ホットスポットはほとんど癌領域にのみ局 在化しているので、本発明は健常細胞を殺すことはないし、重篤な全身毒性を引 き起こさないだろう。 本発明のもうひとつの目的は、標的細胞内部の酵素作用の結果として非消化性 沈殿物のような可溶性の沈殿物質を標的細胞内に蓄積させることである。沈殿物 の蓄積は、標的薬を可溶性の沈殿物質に付着させることによって作られる可溶性 の2成分試薬を投与することによって達成される。この2成分試薬は標的細胞の 抗原性受容体と結合し、それによって細胞はこの2成分試薬を取り込み、細胞中 のリソソームへ運搬する。細胞内のリソソーム酵素は標的薬から可溶性の沈殿物 質を引き離し、その物質を沈殿、蓄積させ、細胞内により長い間滞留させる。蓄 積され得る沈殿物の量は2成分試薬の連続投与とともに増加する。細胞内部に蓄 積した沈殿物は、任意の有毒及び非有毒性の抗癌剤に対して超感受性の癌細胞を 選択的に殺すことにより細胞外液へ再配置され、この細胞外沈殿物がホットスポ ットを産生するための「プラットフォーム」として利用されるのである。非哺乳 類の酵素成分を有する二重特異性試薬がこの沈殿物を結合させられる。結合しな かったすべての二重特異性試薬を体内から除去した後に、可溶性の放射活性毒性 薬である治療薬が生きた宿主へ追加的に投与される。この追加的な治療薬は、結 合した非哺乳類酵素によって新しい形体へ変換されるが、この新しい形体はより 長い間細胞外沈殿物の近傍にとどまって、密な放射線の場、即ちホットスポット を産生し、細胞外沈殿物の近傍にあるすべての細胞を非選択的に殺戮することで 、生きた宿主の体内にあるすべての癌細胞を殺す潜在能力を有する。 本発明のさらなる目的は、任意の細胞集団又は生物体を治療目的のために免疫 学的に処置することである。 本発明の追加的な目的は、標的細胞内部の酵素作用の結果として標的細胞内に 非消化性の沈殿物を形成するように適合された可溶性の沈殿物質を提供すること である。 本発明のさらなる目的は、非哺乳類の酵素成分及び標的薬の成分を有するよう に適合された二重特異性試薬を提供することであり、この二重特異性試薬は上記 の沈殿物と結合することができる。 さらに本発明のさらなる目的は、上記二重特異性試薬の非哺乳類酵素成分によ って新しい形体へ変換されるように適合された可溶性の放射活性のある有毒な薬 剤を提供することであり、この新しい形体はより長い間細胞外沈殿物の近傍にと どまって、密な放射線の場、即ちホットスポットを産生し、細胞外沈殿物の近傍 にあるすべての細胞を非選択的に殺戮する。 図表の簡単な説明 図1は、第一の標的癌細胞を示す。 図2は、第二の標的癌細胞を示す。 図3は、第一の標的正常細胞を示す。 図4は、2成分試薬を示す。 図5は、第一の標的癌細胞に結合した2成分試薬を示す。 図6は、第一の標的正常細胞に結合した2成分試薬を示す。 図7は、第一の標的癌細胞及び第一の標的正常細胞の内部における沈殿物の形 成を示す。 図8は、第一の標的癌細胞に形成している沈殿物の蓄積を示す。 図9は、ベンゼン環が置換されたインドールエステルの一般構造を示す。 図10は、標的薬がリン酸インドキシルに付着する3つの部位を示す。 図11は、2つのインドキシル分子からインジゴが形成されるダイマー化を示 す。 図12は、置換されたインジゴを示す。 図13は、分子Xc、リン酸インドキシルジベンジルエステルを示す。 図14は、ペニシリンのベンゼン環への付着を示す。 図15は、ベンゼン環とペニシリンとの結合が哺乳類の酵素によっては影響さ れない、ペニシリンのベンゼン環への付着を示す。 図16は、セファロスポリンを示す。 図17は、ベンゼン環を介した2つのリン酸インドキシルの付着を示すが、両 端が開裂され得るリン酸基を有することに注目。 図18は、スペーサーを介してベンゼン環で付着した2つのニインドキシル化 合物のダイマー化によって形成された直鎖状ポリマーを示す。 図19は、5位が置換されたヨウ素化(5−ヒドロキシインドキシルリン酸の パラヒドロキシベンジルエーテル)を合成するためにインドキシル化合物を放射 ヨウ素化する方法を示す。 図20は、5位が置換されたヨウ素化(パラヒドロキシフェニル)を合成する ためにインドキシル化合物を放射ヨウ素化する方法を示す。 図21は、1−アセチル−5−ヨード−3−ヒドロキシインドールが放射活性 ヨウ素と交換しているインドキシル化合物を放射ヨウ素化する方法を示す。 図22は、ポリリジンとインドールリン酸の塩を示す。 図23は、インドールリン酸とラクトシル化ポリリジンの塩を示す。 図24は、オピオメラニンの合成工程を示す。 図25は、蓄積された沈殿物及び天然の内部物質を細胞外液へ移動させる第一 の標的癌細胞及び第一の標的正常細胞を殺す第一の治療薬を示す。 図26は、第一の細胞外沈殿物に結合し得る非哺乳類の酵素成分及び標的薬成 分を有する二重特異性試薬を示す。 図27は、第一の細胞外沈殿物の第一の抗原性エピトープに結合する二重特異 性試薬を示す。 図28は、第一の細胞外沈殿物の第二の抗原性エピトープに結合する二重特異 性試薬を示す。 図29は、第一の細胞外沈殿物のネオ抗原性第三エピトープに結合する二重特 異性試薬を示す。 図30は、二重特異性試薬の非哺乳類酵素によって第二の細胞外沈殿物に変換 される第二の治療薬を示す。 図31は、第二の治療薬のダイマー化を示す。 図32は、放射活性のある有毒インジゴ染料である第二の細胞外沈殿物を示す 。 図33は、リン酸インドキシルの3位にリン酸基を介してペニシリンを付着さ せる方法を示す。 図34は、リン酸インドキシルの3位にリン酸基を介して付着したペニシリン を示す。 図35は、リン酸インドキシルをA−B−Cから解離すること及びホスファタ ーゼによってそれを沈積させることを示す。 図36は、ペニシリンを直接インドキシルに付着させ、その後に、ベータラク タマーゼによってインドキシルを解離し、沈殿物を形成させることを示す。 図37は、非可溶性成分の自発的な沈殿をもたらすベータラクタマーゼによっ て可溶性成分が非可溶性成分から開裂された、可溶性沈殿物質の沈積を示す。 図38は、二重特異性試薬の非哺乳類酵素によってその新しい形体に変換され る、第三の治療薬を示す。この新しい形体は可溶性である。 図39は、コンドロイチナーゼによって新しい形体へ変換されるコンドロイチ ン硫酸である、第三の治療薬を示す。 図40は、第三の治療薬の新しい形体への変換を示す。この新しい形体は可溶 性で、沈殿性の抗体によって第三の細胞外沈殿物を形成するように作用される。 図41は、第一の標的正常細胞に結合し、第一の標的正常細胞内に沈殿物が形 成されるのを妨げる第二の2成分試薬を示す。 図42は、第一の標的正常細胞に結合し、第一の標的正常細胞が第一の治療薬 によって殺されることを防ぐ第三の2成分試薬を示す。 図43は、第一の細胞外沈殿物を第二の標的癌細胞につなぐ第二の二重特異性 試薬を示す。 図44は、第一の細胞外沈殿物を癌化した細胞外マトリクスにつなぐ第三の二 重特異性試薬を示す。 図45は、第一の細胞外沈殿物を再配置した天然の細胞内細胞成分につなぐ第 四の二重特異性試薬を示す。 図46は、第二の細胞外沈殿物を第二の標的癌細胞につなぐ第五の二重特異性 試薬を示す。 図47は、第二の細胞外沈殿物を癌化した細胞外マトリクスにつなぐ第六の二 重特異性試薬を示す。 図48は、第二の細胞外沈殿物を再配置した天然の細胞内細胞成分につなぐ第 七の二重特異性試薬を示す。 図49は、可溶性である第三の治療薬の新しい形体を第二の標的癌細胞につな ぐ第八の二重特異性試薬を示す。 図50は、可溶性である第三の治療薬の新しい形体を癌化した細胞外マトリク スにつなぐ第九の二重特異性試薬を示す。 図51は、可溶性である第三の治療薬の新しい形体を再配置した天然の細胞内 細胞成分につなぐ第十の二重特異性試薬を示す。 好ましい実施態様の説明 本発明は、少なくとも第一の治療薬及び追加的な治療薬によって、生きた宿主 に存在している異種の癌細胞集団を処置するための方法である。生きた宿主は、 正常の細胞外マトリクスで成長している正常細胞、少なくともコラーゲン及びフ ィブロネクチンを有する正常な細胞外マトリクス、少なくとも癌化した抗原性エ ピトープ99を有する癌化した細胞外マトリクスで成長している癌細胞(図1) 、少なくとも硫酸グリコサミノグリカン、リソソーム中の天然細胞内酵素、DN A、ヒストン、DNA−ヒストン複合体を含む天然の細胞内物質、DNA、ヒス トン、及び抗原性エピトープ401を有するDNA−ヒストン400複合体を含 む生成物を内因的に合成、含有する異種の癌細胞集団(Epstein等、19 95、Cancer Research 55,2673〜2680;Akao giら、1996,Proc.Natl.Acad.Sci.,93,8384 〜8389)より構成される。異種の癌細胞集団は、少なくとも3つの癌細胞亜 集団を含む。 図1に示すように、第一の癌細胞亜集団は第一の標的癌細胞100であって、 実質的に癌細胞特異的で第一の標的薬と結合することが可能である第一の抗原性 受容体101をそれぞれ有する。第一の抗原性受容体101は、第一の標的薬が 第一の抗原性受容体に結合するときエンドサイトーシスすることが可能である。 第一の標的癌細胞100はまた、生きた宿主の天然システムによって殺されるこ とに対する高い感受性と第一の治療薬によって殺されることに対する高い感受性 とを有している。第一の標的癌細胞100は、硫酸グリコサミノグリカン、リソ ソーム中の天然細胞内酵素、DNA、ヒストン、DNA−ヒストン複合体を含む 天然の細胞内物質、DNA、ヒストン及び抗原性エピトープ401を有するDN A−ヒストン400複合体を少なくとも含む生成物を内因的に合成し、含有する 。図2に示される第二の癌細胞亜集団は第二の標的癌細胞300であって、実質 的に癌細胞特異的で第三の標的薬と結合することが可能である第三の抗原性受容 体301をそれぞれ有する。第三の抗原性受容体301は、エンドサイトーシス することができない。第三の癌細胞亜集団は、癌細胞の残余部分である非標的癌 細胞である。 生きた宿主の正常細胞は、硫酸グリコサミノグリカン、リソソーム中の天然細 胞内酵素、DNA、ヒストン、DNA−ヒストン複合体を含む天然の細胞内物質 、DNA、ヒストン及び抗原性エピトープを有するDNA−ヒストン複合体を少 なくとも含む生成物を内因的に合成し、含有する。正常細胞は少なくとも2つの 正常細胞亜集団を含む。図3aに示すように、第一の正常細胞亜集団は第一の標 的正常細胞200であって、第一の抗原性受容体101を有し、さらに、生きた 宿主の天然システムによって殺されることに対する高い感受性と第一の治療薬に よって殺されることに対する高い感受性とを有している。第一の標的正常細胞は また、実質的に正常細胞特異的で第二の標的薬と結合することが可能である第二 の抗原性受容体201を有する。第二の抗原性受容体は、第二の標的薬が第二の 抗原性受容体に結合するときエンドサイトーシスすることが可能である。第一の 標的正常細胞は、硫酸グリコサミノグリカン、リソソーム中の天然細胞内酵素、 DNA、ヒストン、DNA−ヒストン複合体を含む天然の細胞内物質、DNA、 ヒストン及び抗原性エピトープ401を有するDNA−ヒストン複合体400を 少なくとも含む生成物を内因的に合成し、含有する。第二の正常細胞亜集団は、 正常細胞の残余部分である非標的正常細胞である。 本発明は、生きている宿主に2成分試薬を導入することを少なくとも含む複数 の工程を包含する。図4は生きている宿主に導入される2成分試薬149を示し ており、この2成分試薬は2つの部分を有していて、第1部分は第1の抗原受容 体に対する実質的な親和性を有する第1ターゲッティング剤150であり、この 2成分試薬149の第2部分は第1抗原エピトープ151a及び第1ターゲッテ ィング剤150に結合する第2抗原エピトープ151bを有する可溶性沈殿性物 質151である。 図5に示されるように、2成分試薬149の第1ターゲッティング剤150は 第1標的癌細胞100の抗原受容体101に結合し、それにより2成分試薬14 9が飲食作用により第1標的癌細胞のリソソーム内に取り込まれることが可能と なる。図6は2成分試薬149の第1ターゲッティング剤150が第1標的正常 細胞200の第1抗原受容体に結合し、それにより2成分試薬149が飲食作用 により第1標的正常細胞のリソソーム内に取り込まれることが可能となるところ を示す。 これらの細胞の飲食作用及びリソソーム内の天然細胞内酵素は、図7に示され るように、可溶性沈殿性物質151を第1ターゲット剤から脱着させ、脱着した 可溶性沈殿性物質が抗原エピトープを有する沈殿153を形成するのを可能にす る。沈殿153錠の抗原エピトープは可溶性沈殿性物質と同じ抗原エピトープで あり、第1抗原エピトープ151aである。この沈殿は第2抗原エピトープ15 1b及び、さらには、新抗原性第3エピトープ153cを有し、沈殿153は第 1標的癌細胞100及び第1標的正常細胞200のリソソーム内に蓄積される。 本発明の方法は、2成分試薬を生きている宿主内に導入し続けてこの沈殿の蓄 積量を増加させる工程をさらに包含する。図8は、第1標的癌細胞100内に沈 殿153を蓄積させ、蓄積量に比例する複数の抗原エピトープを形成するところ を示す。沈殿の蓄積は2成分試薬149を生きている宿主に導入し続け、より多 量の可溶性沈殿性物質151を細胞内に蓄積させることにより達成する。沈殿1 53を継続的に形成させることで第1標的癌細胞内に沈殿が蓄積される。沈殿1 53は第1抗原エピトープ151a、第2抗原エピトープ151b、及び新抗原 性第3エピトープ151cを有し、その結果沈殿153の蓄積は複数のエピトー プ151a、151b、153cになる。 2成分試薬の導入、細胞を飲食作用に晒すこと、及び2成分試薬の導入の継続 により、標的細胞内での沈殿の形成並びに第1標的癌細胞及び第1標的正常細胞 内での沈殿の蓄積が生じる。 この蓄積工程は天然に行われている細胞の“飲み込み”プロセスである受容体 介在飲食作用を利用することにより達成され、沈殿それ自体は安定であって哺乳 動物の酵素によって消化されることはない。可溶性化学物質とは異なり、この沈 殿はこれらの細胞を離れることができない。これらの理由から、この沈殿蓄積プ ロセスは累積時間依存性プロセスである。2成分試薬の投与を継続することによ り、所望の量の沈殿を蓄積させることが可能である。例えば、100時間で、い かなるときでも細胞表面上に存在する受容体の100倍の沈殿分子を蓄積させる ことができる。 沈殿の細胞内形成及び蓄積は、ターゲッティング剤から沈殿性物質を脱着させ ることによって沈殿を形成する内在性リソソーム酵素の作用及び/又はリソソー ム内の酸性pH、並びに脱着した沈殿性物質の沈殿への変換に依存する。沈殿は 細胞外体液中では感知し得る量で生じることがなく、これはこの体液が活性リソ ソーム酵素を含まないためである。“偶発的に”細胞外液に入るリソソーム酵素 は、天然に循環するタンパク質アンタゴニスト及び細胞外液において見出される 天然pHによりほとんど不活性化される。 本発明において2成分試薬を作製するのに用いられる、現在利用可能なターゲ ッティング剤は、それらのターゲッティング剤が特異的に結合する受容体に関し て癌細胞が不均一であるため、全ての癌細胞を標的とすることができない。癌細 胞の断片のみを標的とすることに加えて、これらの2成分試薬は幾つかの正常細 胞をも標的とする。前に論じられるように、これらのターゲッティング剤の不完 全性が、2成分試薬を用いる現行の免疫療法が失敗する重大な理由である。提示 されるホット・スポット(Hot-Spot)アプローチはこれらの不完全性を回避する 。癌細胞を殺すのに全ての癌細胞が候補治療薬と直接相互作用することを必要と する現行の治療とは異なり、本発明の方法においては、標的とした各癌細胞の周 囲の数千の癌細胞が殺される。したがって、治療を成功させるのに、各々の癌細 胞を個別に標的とする必要がない。 2つのクラスの沈殿性物質を誘導し、標的細胞のリソソーム内に沈殿の形態で 蓄積させることができる。沈殿性物質の第1のクラスは水性媒体中で本質的に可 溶性であり、水性媒体中で通常の手段によりタンパク質又はペプチドターゲッテ ィング剤に容易に結合させて可溶性2成分試薬を作製することができる。この結 合は非無作為的の制御されたプロセスであり、イオンカ及びファン・デル・ワー ルスカにより、又はペプチド内の官能基、例えば:SH、NH2、及びCO2H による共有結合により、並びにチロシン、トリプトファン、及びヒスチジンの芳 香族部分への置換により達成される。2成分試薬の構造解析は質量分光分析によ り行い、2成分試薬のターゲッティング剤の親和性を測定して、ターゲッティン グ剤への沈殿性物質の結合に必要な化学的操作の間に変化が生じていないかどう かを決定する。水溶性沈殿性物質は、その可溶性沈殿性物質が癌ターゲッティン グ剤との結合から脱着し、かつ脱着した可溶性沈殿性物資が標的細胞のリソソー ム内に蓄積する沈殿に変換される上で、リソソーム酵素及び/又はリソソーム内 での酸性環境を必要とする。 第1のクラスの可溶性沈殿性物質の一例は化学物質Xを可溶性X−Yに変換す ることにより作製され、このX−Yはタンパク質又はペプチドターゲッティング 剤用の反応媒体に適合し、かつ水性媒体中でこのターゲッティング剤に結合して 可溶性2成分試薬を形成することが可能なものである。この可溶性2成分試薬は 、X−Yのターゲッティング剤への結合がXのYへの結合を妨げることがないた め、可溶性のままである。可溶性2成分試薬のターゲッティング剤が標的細胞の 受容体に結合した後、細胞が活性化されて受容体介在飲食作用を生じ、これが可 溶性2成分試薬を細胞のリソソームに輸送する。リソソームの酸性で酵素に富む 環境において、X−Yは、エステラーゼもしくはペプチターゼ及び/又は酸性環 境により、ターゲッティング剤との結合が開裂する。X−Y結合がリソソームの 酵素により開裂し、非常に反応性の可溶性中間体分子Xaが生じる。このXa分 子は容易に、かつ急速に酸化されて可溶性酸化分子Xbを形成し、これは自発的 に、かつ共有結合的に自己縮合もしくは二量体化して新たな分子を生じる。この 新たな分子は不溶性であり、直ちに沈殿する。新たな分子は二量体化により形成 されるため、沈殿の核構造はX−Y、Xa、又はXb上には存在しない新抗原エ ピトープを有する。 この手順の具体的な例はインドキシルの適用であり、ベンゼン環で置換されて いるインドキシルエステルの一般構造が図9に示されている。図9において、R はリン酸、硫酸又は様々な炭水化物を含むミーニー(meany)化学物質の1つで あり得、Yはアリール、ハロゲン、及びアルキルであり得る。X−Yの例として の、自由に溶解し得るリン酸インドキシルは、水性媒体中で、以下の3つの方法 によりタンパク質又はペプチドターゲッティング剤に結合させることができる: (1)非共有結合的なファン・デル・ワールス力により、(2)非共有結合的な イオン力により、又は(3)3つの部位での共有結合により。リン酸インドキシ ル上の共有結合のためのこれらの3つの部位を図10に示す。これらの結合方法 の各々において、リン酸インドキシル(X−Y)がターゲッティング剤から開裂 され、このリン酸インドキシルのリン酸がリソソームのホスファターゼ酵素によ って開裂されて非常に反応性の中間体インドキシルであるインドキシル(Xa) が放出される。このインドキシル(Xa)は容易に、かつ非常に急速に酸化され て(Xb)を形成し、ひとたび酸化形態になると、図10に示されるように、( Xb)は自己縮合又は二量体化して新たな分子を形成する。この新たな分子は不 溶性であり、図12(ここで、Yはアリール、ハロゲン、ヒドロキシ、及びアル キルであり得る)に示されるように、インジゴ染料として自発的に沈殿する。こ の不溶性インジゴ染料(これは、このインジゴ染料が形成されたインドキシル化 合物及びインドキシル中間体とは異なる分子である)はインドキシル化合物又は インドキシル中間体には見出されない抗原エピトープを有する。この抗原エピト ープは新抗原性第3エピトープである。 インドキシルの酸化及び二量体化は、その二量体化が生じるリソソームの小胞 のpH4.5では、中性又はアルカリ性pHでの速度と比較して遅い速度で進行 する。この遅い速度は、可溶性インドキシル分子及びそれらの中間体の幾らかが 細胞内で二量体化及び沈殿する前に細胞外に流出することを可能にし、流出した 分子は自由に二量体化し、細胞外液中に沈殿する。様々な修飾をリン酸インドキ シルに施し、それにより細胞外に流出する可溶性インドキシル分子の速度を大き く低下させ、かつより多くの時間を二量体化及び沈殿の実施に利用可能として細 胞外に流出する遊離インドキシル及び中間体の量を減少させることができる。 第1化学物質、例えばセロビオース、をリン酸インドキシルのベンゼン環に、 ベンゼン環上のアミノ基及びセロビオースの還元性末端(アルデヒド)が関与す る還元性アミノ化により結合させることができる。その結果は、ポリリシンを還 元アミノ化によりラクトシル化する際に形成されるものに類似するアルキルアミ ノ基である。生じる結合は哺乳類の酵素で開裂することは不可能であり、この第 1化学物質が細胞内に部分的に捕捉されたままであるように選択されるため、こ の第1化学物質は可溶性インドキシル分子の流出速度を減少させる。この第1化 学物質のリン酸インドキシルのベンゼン環への結合は、タンパク質結合からのリ ン酸インドキシルの放出、又はリン酸結合を開裂するリソソーム酵素の能力、又 は酸化を受け、二量体化し、かつ沈殿するインドキシルの能力を妨げることがな い。 インドキシホスフェートから形成される沈殿が特定の望ましい特性を有するよ うに、インドキシルホスフェートへの更なる修飾を行うことができる。例えば、 ペニシリンのような抗原性エピトープをもつ第2の化学物質は、インドキシル( X−Y)へ共有結合的に連結することができ、そのため、インディゴ沈殿は、2 量化の結果としてできた新−抗原性(neo-antigenic)第3エピトープに加えて 、第2抗原性エピトープを有すると考えられる。 ペニシリン−インドキシル化合物は、多くの方法によって製造することができ る。第1の方法は、6−アミノ−ペニシリン酸(6−APA)部分が、図13に 示されるようなタイプXcの、置換されたインドキシルホスフェートジベンジル エステルへ連結する。6−アミノ−ペニシリン酸の様々な連結のモードを用いる ことができるが、好ましいモードは、還元アミノ化であり、RがCHOである図 14に記載された非水酸化共有結合(non-hydroxyzable covalent)へ導くもの である。ベータラクタマーゼがペニシリンに作用してラクタム環が開く。これは ペニシリンへ結合するためのアフィニティーを有する抗体及びペプチドが沈殿へ 結合するのを妨げる。第2の方法は、図15に示されるように、ペニシリンはヒ トの酵素によって影響を受けないようベンゼン環へ連結しているが、ベータラク タマーゼによって開裂する。これはペニシリンへ結合するためのアフィニティー を有する抗体及びペプチドが沈殿へ結合するのを妨げる。分子の多くの他のタイ プ、特にいかなるアミノ化合物も、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシル基を通じ てXcへ連結することができる。第2の抗体エピトープを有する第2の化学物質 の連結は、最終沈殿物が生じるために要求されるいかなるステップをも妨げるこ となく達成することができる。第2化学物質の連結は、それのタンパク質連結か らのインドキシルホスフェートの脱離を妨げないであろうし、ホスファターゼ酵 素がリン酸結合を開裂し得るのを妨げないであろうし、そしてインドキシルが沈 殿し得るのを妨げないであろう。図16に示すように、正確に同じ反応をセファ ロスポリンへ応用することができる。インディゴ沈殿上の第2抗体エピトープは 、後に記述する多くの重要な利点を与える。 図17に示すように、更なる修飾は、ベンゼン環上のある位置で一緒に2つの インドキシルホスフェート分子を共有結合的に連結し、ビーインドキシルホスフ ェートを形成することにより成す。両端が共有結合することのできるホスフェー ト基を有することに注意せよ。ビ−インドキシルホスフェートの2つのリン酸結 合の開裂は、2つの他のビ−インドキシル分子を2量化し得るビ−インドキシル 分子、その他を生じ、自己会合した線状ポリマーを生じ得る。2つのインドキシ ルホスフェートの連結は、直接に、又は図18中に記載されるように消化性又は 非消化性のスペーサー分子を介して非直接に成される。スペーサー分子自体は、 抗原性エピトープを有してもよく、その末端にヘテロ−2機能的(hetero-bifun ctional)反応性基をもつポリ(エチレンオキシド)ポリマー(Yokoyama et al. ,1992,Bioconjug.Chem.3,275-276)、非免疫原性でかつ測鎖の繋が りを生じうる可転性の化学作用を有する非分解性共重合体[N−(2−ヒドロキ シプロピル)メタクリルアミド]、並びにラクトース、マンノース、及び放射性 標識されたチロシンアミドのようなペンダント化学物質(pendant chemical)の ような、数種の分子のうちの1つであってもよい。そのような分子は、抗原性エ ピトープを有し、スペーサー(Maeda et al.,1992,Bioconug,Chem.3,351-3 62;Seymour,1992,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems, 9,135-187;Primm et al,1993,J.Drug Target.I,125-131)及び疎水性ヘキ サメチレンスペーサー基(Ouchi et al.,1992,Drug Des.Discov.9,93-105 )へ、更なる抗原性エピトープの追加を導くことができる。不溶性の線状ポリマ ー形態の沈殿の構造は、沈殿が拡散し又は液体の対流によって移動するのを減じ ることにおいて重要な利点を有する。加えて、線状ポリマー上の様々な抗原性エ ピトープは、抗原性エピトープ(沈殿上の第1抗原性エピトープ、沈殿上の第2 抗原性エピトープ、インディゴ沈殿上の新−抗原性第3エピトープ、スペーサー 分子上の抗原性エピトープ、及びスペーサー分子へ連結する化学物質上の抗原性 エピトープを含む、抗原性エピトープ)のいずれかに結合することのできる抗体 又はペプチドの立体障害を除くための秩序だった様式で空間を占めることができ る。 別のインドールを、様々な位置でインドールへ連結する化学物質によって生成 することができる。例えば、(a)グリコシドは3位置で連結することができ、 インドールグリコシドを形成し、グリコシドはヒトの酵素によっては開裂し得ず 、非ヒトの酵素によって開裂し得るセロビオースの1つとなることができる。( b)ヒドロキシル基を含む4、5、6及び7位置のすべての置換基、(c)5位 置のフェニル及びすべてのその誘導体、(d)5位置のベンジルオキシ及びすべ てのその誘導体、並びに(e)スペーサー有り又はスペーサーなしの5,5−ビ −インドキシル。 インドキシルは、放射性ヨウ素又は他の放射性同位体で放射性標識をすること もできる。インドキシル化合物の放射性−ヨウ素化は、3つの方法で達成するこ とができる:(i)図19は、5−ヒドロキシ−インドキシルホスフェートのパ ラ−ヒトロキシベンジルエーテルの放射性ヨウ素化を示し、(ii)図20は5 位置で置換されたパラ−ヒドロキシフェニルを有するインドキシルの放射性ヨウ 素化を示し、(iii)図21は出発物質、1−アセチル−5−ヨード−3−イ ドロキシインドールを示し、これは放射性活性のあるヨウ素で3MのHCI中で 処理するものである。約30分温めた後、放射性活性のあるヨウ素を含むヨード インドールを再単離する。トリチウム標識された化合物を製造するためには、対 応するインドールを3重水素水で、酸条件下、テトラヒドロフラン中で処理する 。インドールを再単離すると、このとき芳香族性水素がトリチウムにより部分的 に置き換わっている。 タンパク質又はペプチドターゲティング薬剤へ可溶性インドキシホスフェート を連結する4つの方法:共有結合、酸不安定共有結合(covalent acid labile b onding)、非共有的ファンデルワールス力、及びイオン結合がある。 インドキシルホスフェートのタンパク質ターゲティング薬剤への共有結合は、 可溶性インドキシルホスフェートをタンパク質又はペプチドターゲティング薬剤 へ連結する方法の1つである。先行技術では、多くの可溶性の、薬物、解毒薬、 毒物、色素、炭水化物及び他の化学物質が多数の方法でターゲティングタンパク 質へ共有結合的に連結していることが知られている(Pittman et al,.1983,Bi ochem.J.212,791-800;Mukhopadhyay and Basu 1990,Biotechnology and App l.Biochem.12,529-536;Ali et al.,1990,Cancer Research Suppl.50,83- 788:Zhong et al.,1992,Biochimica.et Blophysica Acta,1106,311-316;O' hara et al.,1993,J.Drug Target I,217-219)。ターゲティング薬剤の可溶 性の化学物質への連結は、細胞外流体中で相対的に安定であるため、連結した化 学物質はターゲット細胞のリソソーム中で主に放出される。ターゲティング薬剤 への化学物質の連結は、ターゲティング薬剤の結合能力又は脱離後の化学物質の 機能を妨げることなく、達成することができる。実際、タンパク質の主たる部分 が消化された後、アミノ酸又はペプチドの「末端」が化学物質へ連結したままで あっても、脱離化学物質の機能は保たれ得る(Navak-Hofer et al,1995,Cance r Research,55,46-50;Duncan and Welch,1993,J.Nuclear Med.34,1728-1 738)。 本発明に従うと、第1のターゲティング薬剤は、2成分試薬の第1の部分であ り、可溶性のインドキシルホスフェートへ共有結合的に連結することができる。 連結は、インドキシルホスフェートのベンゼン環又はピロール環のいずれかで、 リソソームの酵素及び/又は酸感受性連結によって生じ得る。リソソームの酵素 によりターゲティングタンパク質の重大な量が消化されてしまうと、あるいはタ ーゲティング薬剤とインドキシルホスフェートとの間の連結が消化されてインド キシルホスフェートのリン酸基が酸ホスファターゼにより開裂した後は、遊離の インドキシル分子(直ちに酸化されると考えられる)が形成されると考えられる 。一旦酸化型となると、インドキシルは自発的に2量化し、更なる酵素反応要す ることなく、直ちにそして自発的に沈殿し得る、高度に非溶解性であるインディ ゴ色素を形成すると考えられる。インドキシルホスフェートは次の方法で、タン パク質ターゲティング薬剤へ共有結合的に連結することができる。 1.連結の第1の方法は、(a)でのものである。それは、以下により達成す ることができる。テトラヒドロフラン(10ml)中の3−インドキシルホスフ ェート(0.1m.モル)へ、過剰のチオニルクロリド(10m.モル)を加え 、そして溶液をセ氏40度へ温め、30分間その温度に保つ。次にロータリーエ バポレータで蒸発させ、テトラヒドロフランを加え、そして次に再度蒸発させる 。残留物をテトラヒドロフラン(2ml)に溶解し、pH7で緩衝された水10 mlに溶解したタンパク質(25mg)へ加える。混合物を室温で30分間撹拌 し、次に凍結乾燥してタンパク質に共有結合的に結合した3−インドキシルホス フェートを固守する。この物質は細胞に添加するのに好ましい。 2.連結の第2の方法は、(a)において、第1の方法から異なる工程を用い る。水(3ml)中の3−インドキシルホスフェート(0.1m.モル)へ、水 (2ml)中の可能性のジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3− エチルカルボジイミドヒドロクロリド(0.11m.モル)を加える。溶液を室 温で5分間撹拌し、次いでタンパク質(25mg)の水(5ml)溶液へ加える 。得られた溶液をセ氏35度へ温め、その温度に10分間保ち、そしてセ氏20 度へ冷却する。逆相クロマトグラフィで、水−アセトニトリル−1%トリフルオ ロ酢酸で溶出することにより、純粋な、共有結合的に結合した3−インドリルホ スフェート−タンパク質が得られる。カップリングはまた、3−インドリルホス フェートとタンパク質との間にリンカーを用いることによっても効果的に行うこ とができる。この他法は第3の方法中に記載されている。 3.連結の第3の方法もまた、(a)でのものである。第1の方法のプロトコ ールに続いて、3−インドキシルホスフェート(0.1m.モル)を対応するホ スホリルクロリドへ変換する。これはテトラヒドロフラン(5ml)の最終溶液 (第1の方法を見よ)として得られる。この溶液を水(5ml)に溶解した3− アミノプロピオン酸(0.1m.モル)へ加え、混合物を、30分間セ氏50度 へ温める。蒸発させ、シリカの通常相のクロマトグラフィにより、B−(3−イ ンドリルホスホリル)アミノプロピオン酸を得る。このプロピオン酸を水(5m l)に溶解し、水(3ml)中の1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エ チルカルボジイミドと、10mlの水中で反応させる。カップリングは1時間で 進行できる。溶液は次に凍結乾燥し、残留物を逆相クロマトグラフィにより精製 する。単離された生産物は、3−アミノプロピオン酸のアミノ基へ結合し、次に カルボキシル酸基を介してタンパク質の遊離アミノ酸基へ結合した3−インドリ ルホスフェートである。 4.第4の方法は、(c)における連結である。この例では、リン酸基がジベ ンジルエステルとして存在し、そしてベンゼン環上の置換基はカルボキシである 。この分子は実施例2で処理され、タンパク質とアミノ結合を形成する。ホスフ ェートベンジルエステルを次に、還元分解的(hydrogenolytic)条件によってリ ン酸エステル(phosphate)へ転換する。 他の方法は、タンパク質ターゲティング薬剤へのインドキシルホスフェートの 、共有結合性、酸不安定性結合である。様々なタンパク質ターゲティング薬剤が 、酸に不安定なホスファミド結合連結を介して、5−ヨード2−デオキシウリジ ンホスフェート(Biessen et al.,1994,J.of Hepatology 21,806-815)及び アシクロビルモノホスフエート(Fiume et al.,1989,Naturwissenschaften,7 6,74-76)のような薬物へ結合されている。薬物リン酸エステルは、細胞のリソ ソーム中の、酸性で酵素リッチな環境中で解離した。 本発明によると、インドキシルホスフェートとラクトシル化ポリリシンもしく はタンパク質との間のホスファミド結合による標的剤へのインドキシルホスフェ ートの結合は、実施例Cに示すように3−アミノプロピオン酸を用いて行う。ま ず、β−(3−インドリルホスホリル)アミノプロピオン酸を生成し、これを上 述したラクトシル化ポリリシン、ポリリシンもしくはタンパク質とカップリング する。 インドキシルホスフェート結合の位置で最初に切断することができ、これによ りインドキシルが直接生成し、これが自然に沈殿する。ホスフェートとアミノ基 の間で最初に切断すると、インドキシルホスフェートが放出され、これを次に切 断してインドキシルとしなければならない。タンパク質結合部で最初の切断を行 うこともでき、これによりβ−(3−インドリルホスホリル)アミノプロピオン 酸を放出し、これがさらにインドキシル又はインドキシルホスフェートに切断さ れるであろう。 抗体を可溶性の沈殿可能物質(precipitable material)に直接共有結合する ことはいくつかの不利益を伴う可能性がある。例えば、結合を形成するために必 要な化学操作により、(a)標的剤の特異的結合能を減少又は破壊さえする、( b)生体内の二成分試薬の分布を変更する、又は(c)最終的な沈殿が起きるの を防止しうる結合した沈殿可能物質を変えてしまう、可能性がある。さらに、も しもキャリア標的剤と沈殿可能物質との間の共有結合が切断されず、あるいはも しも標的剤の部分消化後にアミノ酸もしくはペプチド”テイル”が残っている場 合には、沈殿可能物質の沈殿は起こらないであろう。これらの理由のために、沈 殿可能物質も非共有結合のファン・デア・ワールス力とイオン力によって標的剤 と結合した;しかしながら、非共有結合は共有結合ほどには安定でないという不 利な点がある。安定性の低い結合であるという結果として、結合した沈殿可能物 質が細胞外液体中で標的剤から解離して、受容体を介するエンドサイトーシスに よってリソソームまで運ばれた後に沈殿せずに、その前に(そしてその代わりに )沈殿することが起こりうる。 標的剤の結合は、ファン・デア・ワールス力によるインドキシルホスフェート への非共有性の抗体もしくはペプチド結合によって達成することもできる。多数 の可溶性分子がこれとマッチする抗体と結合されて可溶性の二成分試薬を形成す ることが知られている。この方法を用いて、インドキシルホスフェートもしくは その他の可溶性沈殿可能物質と、そのマッチする標的剤とからなる可溶性の第一 の二成分試薬を形成することができる。しかしながら、第一の二成分試薬が第一 の標的癌細胞を標的とし、かつインドキシルホスフェートを担持するという両方 を行うためには、該第一の二成分試薬は2つの異なる結合ドメインをもつ二特異 的(bispecific)試薬を用いて作製しなければならない。二特異的試薬の1つの ドメインは第一の標的癌細胞上のエンドサイトーシス受容体と結合できなければ ならない。二特異的試薬の別のドメインはインドキシルホスフェートもしくはそ の他の可溶性沈殿可能物質と結合できなければならない。二特異的試薬は文献公 知の生物学的方法(Kohler and Milstein,1975,Nature,256,495-497;Milste in and Cuello,1983,Nature,305,537-540;Webb et al.,1985,Cancer Trea tment Reports,69,663-672;Suresh et al.,1986,Proc.of the Nat.Acad. Science USA.,83,7989-7993;Tiebout et al.1987,J.of Immun.139,3402- 3405;Urnovitz et al.,1988,J.of Immun.140,558-563);化学的方法(Nis onoff and Rivers,1961,Arch.of Bioch.and Biophys.,93,460-462;Karpov sky et al.,1984,J.of Expt.Med;160,1686-1701;Brennan et al.,1985,L iu et al.,1985,Proc.of the Natl.Acadm.Science USA.,82,8648-8652;L ansdorp et al.,1986,European J.of Immunol.16,679-683;Glennie et al. ,1987,J.of Immun.139,2367-2375);及び遺伝子工学的方法(Morrison et al.,1984,Proc.of the Natl.Acad.of Sciences USA.,81,6851-6855;Bou lianne et al.,1984,Nature,312,643-646,1984)によって調製できる。 二成分試薬が癌細胞上の受容体と結合すると、受容体媒介性のエンドサイトー シスを誘導し、これによって二成分試薬をリソソームへと運ぶ。リソソームの酸 性環境によって、そして二成分試薬のタンパク質部分を部分的もしくは完全に消 化するエステラーゼもしくはペプチダーゼの助けを受けて、可溶性インドキシル ホスフェートが切断され、二成分試薬の標的剤部分との結合から放出される。ホ スフェート結合はリソソーム中の酸性ホスファターゼによって切断される。ホス フェートの切断によりインドキシルが放出され、これが自然に二量体となり、不 溶性の新しい分子を形成して、インドキシルホスフェートもしくは不溶性インジ ゴ形成前に作られる中間体分子上に存在しない新抗原性(neo-antigenic)の第 三エピトープをもつインジゴ染料として沈殿する。 第四の結合法は、タンパク質標的剤のインドキシルリン酸(indoxylphosphori c acid)へのイオン結合を介するものである。ポリリシンは塩基性なので、イン ドキシルリン酸のような化学物質に結合して塩を形成することができる。この方 法はDNA、アンチセンスDNA及びその他のヌクレオチドをポリリシンと結合 してこれらのヌクレオチド試薬を特定細胞にターゲティングするステップとする のに用いられてきた。 本発明によると、単純なポリ−L−リシン5−ブロモインドキシルホスフェー トコンジュゲートを作製することにより、インドキシルリン酸をラクトシル化ポ リリシンの塩として肝臓癌細胞へ送達するのにイオン法を用いる。分子量500 0−15000(LALLS,9600による粘度を用いて測定した平均分子量は800 0)のポリ−L−リシンHBr塩を陰イオン交換カラム(Dowex 2 -x,50-100メ ッシュ、Cl型から生成したOH型)に通して毒性のブロミドアニオンを除去し た。集めたニンヒドリン陽性分画をEtOAc及びMeOH中のインドキシルリ ン酸溶液と混合後に、沈殿が即座に形成され、これは水及びその他の有機溶媒に 不溶であった。図22はポリリシンとインドキシルリン酸の塩の化学構造を示す 。 インドキシルホスフェートのポリ−L−リシンに対する比率を5モル%:10 0モル%(リシン残基に基づいて)から50モル%:100モル%に徐々に変化 させたときに、水溶性生成物は全く得られなかった。NaClの存在下ではブロ モ−インドキシルの溶解度増加が観察されたが、溶液中にブロモ−インドキシル を溶解するためには大量のNaClが必要であり(0.5MNaCl 10ml 中にブロモ−インドキシル10mg)、従ってこの方法は実際的でない。 ポリ−L−リシン分子上のラクトース残基はそのコンジュゲートの溶解度を増 加する。これを我々のシステムに応用できた。図23に示すように、ポリ−L− リシンをpH5.0でシアノホウ水素化ナトリウムでラクトシル化してラクトシ ル化−ポリリシンの酢酸塩を形成した。遊離のラタトシル化ポリリシン水溶液を EtOAc及びMeOH溶液中のリン酸と混合すると、最終生成物は水溶性の白 色固体であった。分子量15000−30000(LALLS,19200による粘度を用 いて測定した平均分子量は18000)の高分子ポリ−L−リシンを同じ方法で 処理した。最終生成物はなお水溶性であったが、その溶解度は低分子量のポリリ シンからの生成物の溶解度よりも小さかった。 特異的アシアログリコプロテイン受容体をもつことが知られている肝細胞であ るHepG2を組織培養培地で増殖した。ラクトシル化ポリリシン−インドキシ ルホスフェートと反応したウシ胎児血清含有ホスファターゼ酵素が培地中でイン ジゴを沈殿させることがわかったので、細胞をウシ胎児血清の不在化で増殖した 。実験によるとこの条件下では、そしてHepG2細胞の不在下では、沈殿は起 こらなかった。HepG2細胞を、5ミリモル濃度のラクトシル化ポリリシン− インドキシルホスフェートを含む培地中で、37℃、5%二酸化炭素と95%空 気中、プラスチック容器(Falcon)中で5日間培養(二重試験で)した。培養期 間の終わりに、細胞をバランス塩溶液中で3回洗浄し、回収した。細胞を室温で 0.1N水酸化ナトリウムとともに30分インキュベートし、液体シンチレーシ ョン液に溶解し、最後に2mlの遠心管で遠心した。インジゴブルー沈殿が直径 約0.1ミクロンの小さい粒子からなる小さいペレットとして観察された。 この乳酸化されたポリリジンは、正常および悪性肝細胞のアシアログリコプロ テインレセプターの特異的リガンドとして働く。従って、このリガンド−細胞シ ステムでは、ターゲティング薬剤を乳酸化されたポリリジンに付着する必要がな い。しかしながら、もっと一般的なケースにおいては、ターゲティング薬剤はポ リリジン構成部分に共有結合して二成分薬剤を作るであろう(Lu et al.1994, J.of Nuclear Med.35,269 275)。後者の方法は、蛋白ターゲティング薬剤と しての結合能力を損なうことなく、多数の薬をポリリジンに付着することができ ると考えられている。 この可溶性の沈殿可能材料を、二重特異性抗体試薬あるいはイオン結合を介し て、非共有結合的に標的細胞のライソゾーム(lysosomes)に運ぶ方法は共有結 合による方法に比べていくつかの利点を持つ。二重特異性抗体は、構造的に二価 であるが、機能的には各抗原結合部位について一価である。細胞レセプターに対 する抗体の一価の付着は、二価の抗体に対する付着と比べて、抗原性の変調( modulation)を最小限にできる(Glennie et al.,1988,J.of Immunol.,141 ,3662_3670)。変調の一つの現れは結合部位の喪失である(Gordon and Steven son,1981,J.of Immunol.,42,13-17:Cobbold and Waldmann,1984,Nature ,308,460 462).非共有結合は、インドキシル硫酸を化学的に変えることなく 二重特異性抗体の二つの結合部位の結合能を損なうこともない。非共有結合は、 インドキシル硫酸をそれが結合している抗体やペプチドから容易に分離させる。 この解離プロセスは、アミノ酸やペプチド「テイル」を分離されたインドキシル 硫酸に残すことはできないが、これらが残ると、ホスファターゼ酵素の、リン酸 結合を開裂させてインドキシルと沈殿とを形成するという、その後の能力を損な うかもしれない。しかしながら、非共有結合は、共有結合ほど結合が安定してお らず、標的細胞に輸送される前およびレセプターを介してのエンドサイトーシス により標的細胞のライソゾームに輸送される前に、体液中で解離するという欠点 を持つ。 他の可溶性化学物質もこのターゲティング薬剤に付着させることができる。こ れらの他の化学物質が分離されて自由になると、酸化的、温熱的あるいは光化学 的に重合して、不溶性化学物質を形成し沈殿する。例えば、戦略的に置換された ポルフィリンは、光科学的に重合させることができ、5,6−ジハイドロキシイ ンドールは、酸化的に重合して不溶性のメラニンを形成し、フェノチアジンは不 溶性のメチレンブルー様物質に変換できる。 可溶性沈殿可能材料を得る他の方法としては、可溶性ペプチドのドメインある いは可溶性ペプチドのアミノ酸部分を不溶性材料に変換し、未変化のペプチド部 分の可溶化効果により、ペプチドは可溶性のまま残すという方法がある。しかし ながら、もし、未変化のペプチド部分が消化されると、変換された材料は不溶性 で沈殿を生じる。図24は、こうした系の一例を示すものである。オピオドペプ チドをティエオシナーゼ(tyeosinase)触媒により酸化してオピオ−メラニンを形 成するメーソン−ラピー(Mason-Rapier)経路、Rはペプチド鎖を示し、マッシ ュルームのチロシナーゼ(tyrosinase)によりメラニン様化合物に変換されるオ ピオイドペプチドを使用して、ペプチド部分を保持しリンクされたアミノ酸の存 在のために可溶性のオピオーメラニンを作る(Rosei et al 1991,Biochem. Biophys.Res.Commun.179,147-152)。この可溶性エンケファリン(enkephal in)から発生するメラニンは、水溶性媒体中でターゲティング薬剤に共有結合さ せることができ、ターゲティング薬剤が消化されおよび/またはオピオーペプチ ドがカルボペプチダーゼにより開裂されると、不溶性のメラニン様材料が放出さ れ沈殿する。エンケファリンは、アルファ−エンドフィリン(endorphin)、キョ トフィン(kyotorphin)、エソフィン(esorphin)等の他のオピオイドペプチドと同 様に、もし、DOPAおよびチロシナーゼの存在下に酸化されると、容易にDPOA-メ ラニンを受け入れる。得られた混合メラニン(オピオーメラニン プラス DOPA -メラニン)は、最初の実験とは異なり不溶性であり、親水性の溶剤中では可溶 化され(Rosei et al 1994,Biochemica et Biophysica Acta,1199,123-129) 、この溶媒中でターゲティング薬剤に付着する。ターゲティング薬剤とエンケフ ァリンとが消化された後、混合されたメラニンは、沈殿形成性の不溶性材料とし て放出される。これらの材料の利点は、これらが融合蛋白として遺伝子工学によ り得られることであり、ターゲティング薬剤を沈殿可能の材料に付着させる必要 がなくなることである。 標的細胞において沈殿を集積させる他の方法としては、可溶性沈殿可能材料が 、第3および第4の可溶性化学物質である2つの可溶性化学物質を含み、各化学 物質がターゲティング薬剤に付着されており、各可溶性化学物質に対して同じタ ーゲティング薬剤を使用し、この2つの可溶性化学物質が少なくとも1つのライ ソゾーム酵素により分離された状態で互いに反応させられ、標的細胞内で沈殿を 形成する方法がある。こうした2つの可溶性沈殿可能化学物質の例としては、2 つの反対に荷電された合成線状水溶性ポリエレクトロライト、ポリカチオンとし てのポリ−N−エチル−4−ビニルーピリジンをポリアニオンとしてのポリメタ クリレートと反応させて生じた沈殿などがある(Dzantiev et al,1994,Immunol ogy Letters,41,205-211)。他の例としては、容易に酸化される物質同士を、 例えば、ポリフェノールとペルオキシドを、同じターゲティング薬剤に付着させ 両方の機能をブロックする例などがある。ターゲティング薬剤の消化後に、両方 の機能が解放されることで両者が反応し不溶性の物質を形成する。 標的ガン細胞における沈殿の集積は、標的細胞に2成分試薬を導入し、ターゲ ティング薬剤から分離した状態の可溶性沈殿可能材料を、標的ガン細胞から内因 性に生産された生産物と反応させ、不溶性の比較的非消化性のコンプレックスを つくりだすことによっても達成できる。チロロネ(tilorone)、アクリジンオレ ンジおよび他の置換されたジカチオニックな化合物は、グリコシダーゼに比較的 非消化性でライソゾーム内に沈殿する不溶性のコンプレックスを形成することに より、チロロネ、アクリジンオレンジおよび他の置換されたジカチオニックな化 合物と、内因性的に生産されたグリコサミノグリカンの間の反応により形成され たコンプレックスのライソゾームにおける集積を誘導する(Lullmann-Rauch R.e t.al.1995,Biochem,Phermacol,49,1223-12333;Fisscher J,1995,Bioche m.J.312,215-222)。同様にして、アミオダロネはホスホリピッドに対してコ ンプレックスを作り、比較的非消化性で不溶性のアミオダロネ−ホスホリピッド −コンプレックスの集積を起こす。細胞性アミオダロネのレベルとホスホリピッ ドの集積の間にはリニアな対応があり、化学量論的関係を示唆しており、また、 D-アルファトコフェノール(ビタミンD)はアミオダロネに誘導されるホスホリ ピッドの集積を減少する(Honegger U.E.et al,1995,Biochem,Pharmacol.4 9,1741 1745;Palmeri S et al,1995,Life Sci,57,1963-1971)。 可溶性沈殿可能材料の2番目のクラスは、不溶性部分に付着した可溶性部分か らなる。小さな不溶性分子の蛋白、ポリマーあるいは蛋白とポリマーの結合体に 対する共有および非共有結合は、他の場合には不溶性の化学物質を可溶化するこ とが知られている。可溶化プロセスは下記の実施例によって示される。特異的プ ラズマ蛋白は、ステロイド、ビタミンなどの血中の比較的不溶性な分子を可溶化 し運搬し、標的部位において放出することが知られている。例えば、フリーのカ ロテノイドは水性溶媒において不溶性であるが、蛋白とカロテノイドの非共有性 コンプレックスは可溶性でありpH5.0〜8.5で安定である(Zagalsky P,1 995,Carotenoids Volume 1A,Isolation and Analysis,Birkhauser Verlag Ba sel P.287-230)。アルブミンとポリ(アルキレンオキシド)との共有結合体は 、ほかの場合には不溶性であるリボフラビンエステルベンゾフラビンを可溶化す る(Topchieva et al.1993,Biotechnology Appl.Biochem.17,337-348) 。 可溶性沈殿可能材料の2番目のクラスは、不溶性部分に付着した可溶性部分か らなり、水溶性媒体中では可溶性であり、このクラスの可溶性沈殿可能材料は、 蛋白ターゲティング薬剤に、可溶性2成分試薬を作る従来の方法によって付着さ せることができる。最初の方法では、水不溶性部分は、有機溶媒中(この中にお いては水溶性部分も水不溶性部分もどちらも可溶性で安定マある)で可溶性部分 に付着され、コンプレックス材料は水溶性であり可溶性沈殿可能な材料である。 2番目の方法では、水不溶性部分が最初に処理され、不溶性物質のままあるいは 有機溶媒中において不溶化基が除去され、水溶性材料となる。有機溶媒は水性媒 体に置き換えられ、可溶性材料は、今度は可溶性部分に付着させられ、化学的あ るいは酵素的に処理した材料の水溶性を顕著に減ずることなく不溶化基を置換し て、処理した材料を可溶性沈殿可能材料とし、ターゲティング薬剤に付着させ2 成分性の試薬を作れるようにする。2番目のクラスの可溶性沈殿可能材料から、 沈殿を形成するには、可溶性非毒性沈殿可能材料をターゲティング薬剤から分離 するために、ライソゾームに存在する酵素および/あるいは標的細胞のライソゾ ームの酸性環境が必要である。分離された可溶性沈殿可能材料は、ライソゾーム に存在する酵素および/あるいは標的細胞のライソゾームの酸性環境により、作 用され可溶性部分を不溶性部分から分離し、不溶性部分を沈殿させる。不溶性部 分の分離は3つの方法により達成される。第1の方法では、ライソゾームの酵素 が可溶性沈殿可能材料の可溶性部分を消化しこれによりこの可溶性部分の可溶化 効果を消し、残った不溶性材料を自然に沈殿させる。2番目の方法では、ライソ ゾームの酵素が可溶性部分を開裂させ、この可溶性部分の可溶化効果を消し、残 った不溶性材料を自然に沈殿させる。第3の方法では、不溶性部分に対する実質 的な親和性で可溶性沈殿可能材料の可溶性部分がペプチド部分に付着させられ、 このペプチド部分がライソゾームの酵素で部分的に消化されると、ペプチド部分 の可溶性部分への結合親和性が低下し、これにより、可溶性部分が分離されこの 可溶性部分の可溶化効果を消し、残った不溶性材料を自然に沈殿させる。 不溶性、低分子量の、非消化性分子の選択範囲は非常に広く、ポルフィリン、 アルカロイド、多核性化合物、不溶性炭水化物、および天然および合成ポリマー などが挙げられる。 不溶性沈殿材料を扱う2番目の方法の例としては、キチン(X+Yの例として)を 適用することができる。たとえ、重合度(DP)が低くても、キチンは非常に不 溶性の分子である。キチンは、酵素的あるいは化学的に脱アセチル化(Yを取り 除く)してキトサン(X)とすれば可溶性となる。キトサンは天然に豊富に存在 するポリマ−キチン由来のコポリマーであるが、2−アミノ−デオキシ−D−グ ルコースと、2−アセタミド−2−デオキシ−D−グルコース単位からなる。キ トサンは水に溶け亜硝酸で脱重合され(G.Graham Allan and Mark Peyron 1995, Carbohydrate Resaerh、277,257-272)キチナーゼの作用により望みの大きさの オリゴマーとなる(Usui T.et al.1987,Biochim.Bopphys.Acta,923,302-3 05)。重合度10〜14の可溶性キトサン(X)は、従来の方法で、水性媒体中 で十分な分子量のポリプロリン(P)のポリマーに付着させることができる。コ ンプレックス材料(X+Y)は、無水酢酸抵抗性ポリプロリン(P)の可溶化効 果を導くあるいは影響することなく、無水酢酸とともに導くことができる。無水 酢酸は、このコンプレックス(コンプレックス材料のキトサン成分にYを加える )を再度アセチル化し、未変化の親水性ポリプロリン(P)への付着によりその 可溶性を保ったキトサンを形成する。未変化の親水性ポリプロリンの可溶化性に より、このキトサン材料(X+Y)は、たとえキトサン(X)成分がキチン(X +Y)に変換されても可溶性を保つ。ポリプロリン(X+Y+P)に付着した可 溶性沈殿可能材料は、今や、従来の方法で、水性媒体中でターゲティング薬剤に 付着させて2成分性試薬を形成することができる。この可溶性2成分性試薬は、 レセプターに介されるエンドサイトーシスにより標的細胞のライソゾームに運ば れる。可溶化ポリマーとターゲティング薬剤が十分にライソゾーム酵素で消化さ れた後、或いは、キチンと付着された可溶化ポリマーとターゲティング薬剤との 間の結合が破れた後、可溶化効果は消失し、2成分コンプレックスのキチン部位 は、ターゲティング薬剤の不完全消化後にアミノ酸或いはペプチド「テイル」を 残すかどうかに関わりなく、不溶化状態に戻り、不溶化かつ非消化性の状態で、 さらなる酵素の作用の必要なく沈殿する。キチンの修飾により一定の特徴が達成 される。例えば、キトサンのアセチル化の度合いを下げれば、キチンを、さらに 水溶性かつほ乳類および非ほ乳類の酵素によりさらに易消化性にすることができ る。 他の可溶性沈殿可能材料の例としては、無水グルコースユニットをベータ1− 4−グルコースバンドでつないだ線状のポリマーであるセルロースが挙げられる 。不溶性の微結晶性セルロースは、様々のサイズ或いは様々な重合度のセローオ リゴマーに変換できる(Kleman et al.1994 Biochem 3021 463-469)。分子量1 0,000〜15,000の非触媒性のセルロース結合蛋白(CBD)が単離さ れており特徴が明らかにされている。このペプチドをコードする遺伝子は単離さ れており、数種類のタイプの細胞のゲノムに入れて大量に培養されている。CB Dは、事実上、ファンデルフォース力により重合度(DP)の高いセルロースに 結合し、5DP以下のセルロースへの親和性は低い(Tomme P et al 1994,Prote in Engineering,7,117-123;Ferreira L.M.et al.,1993,Biochem.J.204 ,349-355)。 7〜10DPのセルロースは、水に非常に不溶性であるが、DMSOには可溶 性である。CBDは、DMSO中において、7〜10DPのセルロースと結合す る。CBDに共有結合的に付着した可溶化ポリマーのコンプレックスは、DMS O中において小さなDPセルロースとも結合し可溶性コンプレックスを形成する (セルロース+CBD+可溶化ポリマー)。DMSO中において、このコンプレ ックスを形成後、DMSOを水性媒体と置換して、今や、可溶性コンプレックス が、水性媒体中で、蛋白ターゲティング薬剤に共有結合で付着する事ができ、従 来の方法により可溶性2成分性試薬を形成できる。可溶性2成分性試薬は、生き ているホストに投与でき標的細胞のレセプターに結合できる。レセプターを介し たエンドサイトーシスとライソゾーム酵素の処理後、CBDは、部分的或いは完 全に消化され、小さな不溶性のセルロース分子を放出するが、このセルロース分 子は、即座に沈殿して再度CBD蛋白と結合する能力を得る。どんなセルロース 或いはキチンでも、細胞外液において、細胞内にエンドサイトーシスにより取り 込まれることなく沈殿を形成するものであれば、適当なセルラーゼ或いはキチナ ーゼ酵素の投与により消化できる。セルロース或いはキチンの消化は、組織プラ ズミノーゲン活性化因子の投与によりフィブリンを消化する場合と同様である。 不溶性沈降可能物質の別の具体例は、カルボキシル官能末端基を用いて合成さ れた熱可逆性ポリマーのポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)である。該ポ リマーは臨界温度未満では可溶性で、この温度で従来法により水性媒体中でター ゲティング薬剤に結合させて水溶性のバイナリ試薬を生成できる(Chen a nd Hoffman 1994,5,371〜382)。温度を少し上昇させ るとポリマーは不溶性になるが、バイナリ試薬は、結合したポリエチレングリコ ールなどの可溶化ポリマーによる補助の有無にかかわらず、ターゲティング薬剤 の可溶化効果によって可溶性を維持する。可溶性のバイナリ試薬は、標的細胞の リソソームに運ばれ、そこでターゲティング薬剤と可溶化ポリマーの可溶化効果 が消失し、熱可逆性ポリマーが沈降する。 上述の典型例は、標的細胞のリソソームに、比較的非消化性沈降物の蓄積及び 捕獲が達成されることを目指している。このような事例すべてにおいて、第一の 要件は、沈降可能な物質が結合する担体のターゲティング薬剤が、天然タンパク などの標的レセプタに認識され、それに結合することであり、また、標的細胞に は沈降物の適当な蓄積及び保持があるが、非標的細胞には沈降物の再分布が実質 的に全くないことである。 図25に示されているように、本発明の方法によれば、第一の標的がん細胞及 び第一の標的正常細胞内に沈降物を蓄積させた後のステップとして、生存宿主に 第一の治療薬を投与する。この治療薬は、第一の標的がん細胞100と第一の標 的正常細胞200を殺すことができる細胞死滅プロセスを発生させる。これは、 複数の抗原エピトープを有する沈降物153の蓄積を、第一の標的がん細胞及び 第一の標的正常細胞に隣接する細胞外液へ移動させる。移動した沈降物は第一の 細胞外沈降物155となり、第一の抗原エピトープ151a、第二の抗原エピト ープ151b、及び第三の新生抗原153cを有する。これにより、移動した沈 降物155の蓄積は、複数の抗原エピトープを有する。細胞死滅プロセスは、さ らに抗原エピトープ401を有する天然の細胞内物質400を、第一の標的がん 細胞及び第一の標的正常細胞に隣接する細胞外液に移動させる。 本発明によれば、がん細胞画分の選択的死滅は、腫瘍細胞集団の不均質性を利 用して達成される。腫瘍細胞集団にみられる普遍的かつ広範な不均質性はよく知 られている。これは、細胞内で測定されたあらゆるパラメータに表れているが、 不利な環境による死滅に対する感受性又は抵抗性に関する不均質性もその一つで ある。この不利な環境とは、がん細胞を殺す目的で使用されるすべての現行薬剤 、並びに生存宿主のナチュラルシステムによって生ずる環境などである。この不 均質性の結果、いずれの現行治療薬を投与する前にも、死滅に対して抵抗性の非 常に高いがん細胞は必ずいくらか存在する。第一の治療薬の投与に生き残ったが ん細胞は、細胞適応プロセスによってその後の治療薬投与に対して抵抗性を持つ ようになる。これらの超抵抗性細胞が現在の治療的アプローチの主な障害である ので、かなりの研究量がこれらの細胞に費やされてきた。 しかしながら、がん細胞の不均質性は、超抵抗性細胞の存在だけではなく、死 滅に対して非常に感受性の高い細胞の存在によっても表れている。このようなが ん細胞は、低用量の現行治療薬やその他の細胞死滅プロセスによって殺されるよ うな多くの遺伝子エラーを有している。正常細胞はこのような遺伝子エラーを持 たないので、ほとんどの正常細胞は超感受性ではない。従って、正常細胞は、超 感受性がん細胞を死滅させるようなごく低用量の薬剤ではほとんど死滅しない。 現在の研究及び治療方式は、これらの超感受性がん細胞の存在には目を向けて いない。それは、これらの細胞が、現在の治療の背景において何の科学的興味も 実際的価値も持たないからである。これに対し、本発明は超感受性がん細胞の存 在を利用し、細胞死滅プロセスを起こす第一の治療薬を投与することによってそ れらの細胞を選択的に死滅させる。第一の治療薬は、現在入手可能な抗がん剤の 低用量投与である。抗がん剤は、細胞膜溶解を起こせるものが好ましい。 理論及びデータによれば、これらの超感受性細胞の低用量による選択的死滅は 容易に達成できることが裏付けられている。実際、がん組織の組織標本に死滅細 胞が頻繁にみられることから、一部の腫瘍細胞は、非常に感受性が高いために、 担がん患者にみられる生理的低レベルで作用する様々な自然の宿主因子によって 死滅させられたことが示唆される。腫瘍によっては自然の宿主による死滅が非常 に頻繁であるので、超感受性画分の必要な選択的死滅を達成するのに、外部から の薬剤投与は不要なことさえあり得る。超感受性がん細胞の存在は、がん細胞集 団の普遍的な不均質性及び遺伝子の不安定性の反映であるが、すべてのがんの最 も一般的かつ最も特異的な特性であり、本発明の方法に関しては最も利用可能な 特性である。これらの超感受性がん細胞の低用量選択的死滅は、体の防御システ ムによる一部のがん細胞の自然的、連続的、選択的死滅に類似、若しくはその強 調であるとみなすことができる。 細胞が死滅すると、健常細胞の特徴である、分子に対する正常の透過性制限が 排除されるため、トリパンブルー及び抗体などの分子が細胞内物質に接近できる 。例えば、標識抗ミオシン抗体は、心細胞が死滅すると心臓ミオシンと結合でき (Khawら、1987,J.Nuclear Med.,28,1671−16 78)、抗ヒストン−DNA抗体は、がん(又はその他の)細胞が死滅するとヒ ストン−DNA複合体に結合できる。 第一の治療剤は細胞殺傷プロセスであり、選択的に細胞を殺すことができ、実 質的にガン細胞に選択的であるという特徴を有し、そして第一標的癌細胞および 第一標的正常細胞により共有される。この特徴は生きた宿主の天然システムに対 して高度に選択的であり、そして該システムにより殺され、および/または第一 の治療剤に対して高い選択性を有しそして該治療剤により殺される。この細胞殺 傷は細胞内沈殿物を細胞外液中に再配置させ、第一の細胞外沈殿物を生じる。 細胞殺傷方法は、多数の抗癌性の細胞毒性医薬または細胞因子の少なくとも一 つを低用量で投与して、該一の治療剤により殺されることに高い感度を有するこ とを特徴とする細胞のみを殺す様にすることを含む。細胞殺傷方法は、また、ホ ルモンまたは抗ホルモンの様な非毒性薬剤または睾丸切除のような手法も含み、 これは生きた宿主のホルモン状態の変化を生じて、アポトーシスとよばれる細胞 殺傷過程を引き起し、これは生存宿主のホルモン状態に対して感受性の細胞また は特定の細胞子孫のみに生じる。例えば、睾丸切除および/または抗アンドロジ ェンの投与は多数の正常前立腺細胞および変化する数の前立腺癌細胞のアポトー シスによる殺傷を引き起こす。どの細胞殺傷方法を採用するかに関係なく、細胞 殺傷方法は、第一の治療剤による殺傷に高い感受性を有することを特徴とする細 胞を少なくとも選択的に殺す能力を有する。 先に記載したとおり、体の天然の免疫システムによる癌細胞の自然の殺傷は、 十分なホットスポットを生じるのに十分であろう。ホットスポットの数は、殆ど 正常細胞が殺傷されずそして全身毒性を避けることができるほど非常に低いレベ ルの細胞殺傷プロセスの適用により増加させることができる。本発明の方法は、 癌細胞集団の広い均一性を利用し、この均一性の一つの現れは抗ガン剤の一つに 対して感受性のある癌細胞の選択的殺傷を可能にし、細胞は殺傷に対して、過感 受性であり、選択的殺傷は、蓄積された沈殿物をこれら感受性癌細胞から細胞外 液体への選択的再配置を引き起こす。多数の癌細胞の選択的殺傷は、現在におい ては可能でない;しかしながら、非常に少ない過感受性分画の選択的殺傷は可能 であり、上記の様にして達成できる。 過感受性の第一標的癌細胞の殺傷は、好ましくは溶解によるもので、第一標的 正常細胞は、細胞内に蓄積された第一沈殿が細胞外液中へ再配置される原因とな り、そのため、第一沈殿物は細胞外に存在し、したがって、治療方法によって後 に運び込まれる薬に露出されおよび該薬が接触でき、ホットスポットが形成され る。 本発明は生きている宿主に二重特異性の薬を投与する工程を含む。図26は二 つの部分を有する二重特異的試薬600を示し、二重特異的試薬の第一の部分は 非哺乳類酵素部位605であり、二重特異的試薬はさらに第二部分を含み、これ は標的抗原部位601であり、第一の細胞外沈殿物上の抗原性エピトープの少な くとも一つに対して実質的親和性を有する。図27は二つの部分を有する二重特 異的試薬600の一例を示し、この二重特異的試薬の第一部分は非哺乳類酵素部 分605であり、第二部分は、細胞外沈殿物の第一の抗原性エピトープに対する 親和性を有する標的剤部分601aであり、細胞外沈殿物155の第一の抗原性 エピトープ151aに結合している。図28は二つの部分を有する二重特異的試 薬600の一例であり、この二重特異的試薬の第一部分は非哺乳類酵素部分60 5であり、第二部分は細胞外沈殿物の第二の抗原性エピトープに対する親和性を 有する標的剤部分601bであり、細胞外沈殿物155の第二の抗原性エピトー プ151bに結合している。図29は、二つの部分を有する二重特異的試薬60 0の一例であり、この二重特異的試薬の第一部分は非哺乳類口腔内硬化型除放性 製剤部分605であり、第二部分は細胞外沈殿物のネオ抗原性第三エピトープに 対する親和性を有する標的剤部分153cであり、細胞外沈殿物155のネオ抗 原性の第三エピトープ153cに結合している。二重特異的試薬600の投与に 続いて、二重特異的試薬は第一の細胞外沈殿物155の複数の抗原性エピトープ 151a、151b、153cに受け取られて結合する。 図27に示す通り、第一細胞外沈殿物の第一の抗原性エピトープへの二重特異 的試薬の結合は、第一抗原性エピトープが可溶性の沈殿可能材料の天然部分であ るということが該可溶性沈殿可能材料の合成を簡易化するという利点と共に、第 一抗原性エピトープは酵素の投与による開裂が困難または不可能であるという短 所も有する。そのような開裂は、細胞外液中の沈殿物の実質量の形成が、二重特 異的試薬の投与への応答および該細胞外液中のいくらかの細胞内酵素の存在によ るのであれば、価値がある。第一抗原エピトープへの二重特異的試薬の結合のさ らなる短所は、第一抗原エピトープは細胞内の蓄積沈殿物上および第一細胞外沈 殿物上にもまた存在し、そのために細胞外液から全てのバイナリー試薬を除去し た後に二重特異的試薬の投与を行うことが要求される点である。 図28に示す通り、第一細胞外沈殿物の第二抗原エピトープへの二重特異的試 薬の結合の利点は、第二抗原エピトープが可溶性沈殿可能材料へ結合した第二化 学物質部分であり、そして細胞内に蓄積された沈殿物の部分であり、そして第一 細胞外沈殿物の部分であることから、非哺乳類酵素の投与により容易に開裂可能 なように選択することが可能である点である。第二抗原性エピトープの使用もま た、二重特異的試薬の投与は、全てのバイナリー試薬を細胞外液から除去した後 に行うべきことを要求する。 図29に示す通り、二重特異的試薬を、第一細胞外沈殿物のネオ抗原性第三エ ピトープへ結合させる利点は、バイナリー試薬と二重特異的試薬および酵素(ネ オ抗原性の第三エピトープを開裂することができる)を、同じ期間に投与できる 点であり、短所はネオ抗原性の第三エピトープの開裂が困難または不可能な点で ある。 生きている宿主に二重特異的試薬を投与した後、二重特異的試薬のいくらかは 体液中に存在するか又は非標的細胞もしくは細胞外構造に非特異的に結合してい るであろう。時間とともに、循環抗体および非特異的に結合している抗体は、特 異的標的に結合している抗体に比べて、生きている宿主の体からより急速に自然 排出されることが知られている(Henkelら、1985,Clinical Immunology and Immunopathology,35,1 46−155:Goldbergら,1988,Archives of Pa thology Laboratory Medicine,112,580− 587)。したがって、生きている宿主からの二重特異的試薬の排出は、単に時 間の経過により達成できる;二重特異的試薬の排出は、ADEPT法(Shar maら,1994,Cancer Supplement,73,1114−1 120)の第二工程に記載されている様に、該二重特異的試薬の非哺乳類酵素部 分に対して特異的なガラクトシル化抗体の投与により、迅速化することができる 。このガラクトシル化抗体は、該酵素を不活性化し、および/または肝臓におけ るガラクトース特異的リセプターを介して、酵素部分−ガラクトシル化抗体複合 体のクリアランスを促進することができる。 追加の治療剤の投与に先立って、第一細胞外沈殿物に特異的に結合していない 二重特異的試薬を生きている宿主から除去することは、該追加の治療剤が腫瘍以 外の場所において新形状に変換されることを防ぐために必要である。全ての未結 合二重特異的試薬を生きている宿主から除去した後、追加の治療剤は追加的に該 生きている宿主に投与され、体液中を自由に循環し、そして二重特異的試薬の非 哺乳類酵素部分により変換される。 第一の細胞外沈殿物の場所の特定のためには、標的化バイナリー試薬の投与に より、細胞が沈殿を蓄積していること、および第一治療剤の投与により細胞が殺 されていることが必要である。二重特異的試薬は第一細胞外沈殿物の抗原性エピ トープの少なくとも一つに結合するので、二重特異的試薬の非哺乳類酵素部分が 放射性で毒性の追加の治療剤を放射性で毒性の新規形状(これは、第一細胞外沈 殿物のそばに長時間止まって、当該第一細胞外沈殿物のそばの全ての細胞を非選 択的に殺傷することができる)に変換する場所は、腫瘍特異的である。 本発明の方法によれば、全ての未結合の二重特異的試薬が生きた宿主から除去 された後、可溶性の放射性毒剤である追加の治療剤が該生きている宿主に追加的 に投与され、この追加的治療剤は結合している二重特異的試薬の非哺乳類酵素部 分によって放射性で毒性の新規形状に変換され、この新規形状は第一細胞外沈殿 物のそばに長時間止まって、該第一細胞外沈殿物のそばの全細胞を非選択的に殺 傷することができる。第一細胞外沈殿物は細胞外液中に長時間保持され、そして 該沈殿物には二重特異的試薬が結合しているため、追加治療剤を持続的に投与す ると非哺乳類酵素部分が該追加治療剤の実質的量を放射性で毒性の新規形状に変 換することが可能である。放射性で毒性の新規形状は、第一細胞外沈殿物のそば に長時間止まり、強力な放射性領域(ホットスポットと呼ばれる)を作り出し、 これが第一細胞外沈殿物のそばの全ての細胞を非選択的に殺傷する。 追加的治療剤の酵素的変換は細胞外液中でのみ生じるので、追加的治療剤が体 内の細胞内コンパートメントに入る必要がない。追加的治療剤が生きている宿主 の体中の細胞に入ると、追加的治療剤の分布量を増大させ(細胞内コンパートメ ントは細胞外液の少なくとも2〜3倍の容積を有する)、追加治療剤が生きてい る宿主内を循環する時間を増加させ、それらの要因はいずれも追加治療剤による 全身毒性を増大させる。このような理由から、追加的治療剤は細胞に浸透しない ように分子量が1000ダルトンより大きいかおよび/またはアニオン性である ことは大きな利点である。その代わりに、追加的治療剤は、少なくともペプチド またはポリマーであって分子量が1000ダルトンより大きいものを含む多くの 細胞不浸透性分子、およびチオールを含むアニオン化学部分の一つを結合するこ とにより細胞不浸透性にすることもできる。 本発明によれば、追加的治療剤の新規形状を腫瘍領域に保持するために少なく とも三つの方法が存在する。本発明の方法の各々は、生きている宿主に二重特異 的試薬を投与し、そして生きている宿主に追加的に追加的治療剤を投与して、結 合した二重特異的試薬の非哺乳類酵素部分により新規形状に変換させ、これを、 少なくとも三つの異なる方法で長時間第一細胞外沈殿物のそばに保持させる工程 を含んでいる。 図30に示す通り、腫瘍領域に追加的治療剤の新規形状を保持する第一の方法 においては、可溶性で放射性で毒性の追加的治療剤は第二治療剤700であり、 二重特異的試薬600の非哺乳類酵素部分605により新規形状701に変換さ れ、これは不溶性であり、放射性で毒性の沈殿物(第二細胞外沈殿物701であ り、そして第二治療剤700上には見られないネオ抗原性エピトープ702を有 する)を自然に形成し、このネオ抗原性エピトープ702は第二の細胞外沈殿物 701が以前に投与された二重特異的試薬(これは後述するように腫瘍組織の安 定な構造に結合している)によってつながれることを可能にする。このつなぎに より第二細胞外沈殿物が第一細胞外沈殿物のそばへ長時間保持され、そこにおい て放射性で毒性の第二細胞外沈殿物が「ホットスポット」と呼ばれる強力な放射 線の場を生じ、第一細胞外沈殿物のそばの全ての細胞を非選択的に殺滅する。 第一方法において使用すべき第二治療剤は、化学物質Xを可溶性XYに変換する ことにより作成する可溶性放射活性毒性沈澱性剤であってもよい。XにYを接着す る結合は、二重特異的に非哺乳類性酵素成分により切断し、高度に反応性の中間 体分子Xaを作成する。Xa分子はすぐにそして極めて急速に酸化し、Xbを形成する 。酸化型において、Xbは自発性にそして共有結合的に自己凝縮しまたは二量体化 し、不溶性でそしてすぐにおよび自発性に放射活性毒性第二沈殿物である新規分 子を作成する。新規分子は二量体化により形成されるので、第二沈殿物のコア構 造はもともとXY、Xa、Xb上には存在しないかまたは体内のどこにも存在しない、 新規抗原性エピトープを有する。 第一方法において使用すべき第二治療剤の具体例は、可溶性でありそして自由 分子として生物宿主に投与することができる、XYの例のような放射活性インドキ シル-ラクタムの適用である。インドキシル-ラクタム(XY)のラクタム(Y)は 、βラクタマーゼ酵素(結合二重特異的試薬の酵素成分である)により切断され 、高度に反応性の中間体インドキシル(Xa)を遊離する。Fig.31に示すように 、インドキシル(Xa)はすぐにそして極めて急速に酸化しそして一旦酸化型にな ると自発性に自己凝縮しまたは二量体化し、不溶性でそしてYがアリール、ハロ ゲン、ヒドロキシル、およびアルキルであるFig.32に示される放射活性毒性イ ンディゴ色素である放射活性毒性第二細胞外沈澱物として自発的に沈澱する新規 分子を形成する。新規分子は、インドキシル-ラクタムとは異なり、そして中間 体インドキシル分子およびそれによりインドキシル-ラクタムまたはインドキシ ル中間体上には存在しない新規抗原性エピトープを有する。 Yが6位の典型的なペニシリンであり、Xが酸素、硫黄、または炭素であり、Z が標的剤に接着することができるかあるいは標的剤に接着することができるイン ドキシル中の適切な置換体であるFig.33およびFig.34は、Bがリン酸塩であり (リン酸基を伴うまたは伴わない同様な出来事が起こりうることが示されている ような)、そしてCが遊離される場合には二量体化または沈澱する置換インドキ シル部分である、Yを介してもたらされてもよい。これらの図表中に示されるよ うに、ラクタムは、βラクタマーゼにより分離されインドキシルリン酸を形成す る場合には、リン酸基を介してインドキシルリン酸塩の3位に結合することがで きる。Fig.35に示されるように、残存するインドキシルリン酸塩のリン酸基は 、体液中に天然に存在するホスファターゼにより切断され、以前に記載された工 程を行い沈澱を形成する、インドキシルを形成する。Fig.36は、沈澱がβラク タマーゼの直接的な作用により生じる場合に、ラクタムがどのようにインドキシ ルの3位に直接的にも結合することができるかについて記載する。 インドキシルの酸化および二量体化は、腫瘍組織の細胞外体液中ではしばしば そうであるような酸性pHにおいては、正常組織の細胞外体液中で見られるような 相対的に中性のpH中での酸化および二量体化の速度と比較して、よりゆっくりし た速度で進行する。よりゆっくりした速度の酸化および二量体化により、可溶性 インドキシル分子および中間体のいくつかは、結合非哺乳類酵素成分から分散し 、その後インドキシルが酸化、二量体化および沈澱する。結合酵素からの調節さ れた分離は、腫瘍組織全体により均等に放射活性毒性第二沈殿物を分布させると いう利点を有し、したがってホットスポットのサイズが増加しそして腫瘍の不均 一性の問題を減少しうる。一方、結合酵素からの分散が極端すぎると、可溶性イ ンドキシル分子は血管またはリンパ管中に分散し、そこで二量体化、沈澱しおよ び正常組織に放射活性沈殿物を送達し、そして腫瘍に対する放射線量が減少する こととなる。調節された分散という利点を得るために、そして血液中へのインド キシル分散という問題を解決するために、様々な改変をインドキシル-ラクタム に行い、インドキシルの血管への分散速度を大幅に減少することができる。電荷 を帯びた分子が中性分子と比較して細胞外体液中をずっとゆっくりと移動するた め(Clauss and Jain,1990,Cancer Research,50,3487-3493)(正電荷の分 子は負電荷の細胞外構造と相互作用しやすく、そして負電荷の物質は多くの負電 荷の細胞外構造により効率的に反発される。)、電荷を帯びた分子は、イン ドキシルラクタムに共有的に接着し、可溶性インドキシルおよび中間体の分散速 度を減少させることができる。このことは、ベンゼン環のアミノ基および電荷を 帯びた分子の還元末端(アルデヒド)が関与する還元的アミノ化により、電荷を 帯びた分子をインドリルのベンゼン環に接着することにより達成することができ る。ポリリジンを還元的アミノ化によりラクトシル化する場合に形成されるのと 同様に、結果としてアルキルアミノ基ができる。結果としてできる結合は、哺乳 類酵素により切断しえないものであり、そして電荷を帯びた分子は放出されたイ ンドキシルの移動速度を調節し、最大にすることができる。電荷を帯びた分子の インドキシル-ラクタムのベンゼン環への接着は、βラクタマーゼ酵素がインド キシル-ラクタム結合を切断する能力または酸化され二量体化しそして沈澱する インドキシルの能力により阻害されることはない。 2つのインドキシル-ラクタム分子を一緒にベンゼン環上の位置で共有的に接 着し、2-インドリル-ラクタムを形成することにより、さらなる改変を行うこと ができる。2-インドリルーラクタムの2つのラクタム結合をβラクタマーゼによ り切断することにより、2-インドリル分子を作成し、それを2つの他の2-インド リル分子などと二量体化して自己集合性の直鎖不溶性ポリマーを作成する。2つ のインドリル-ラクタムの接着は、直接または消化可能なまたは非消化可能なス ペーサー分子を介する間接の接着のいずれであってもよい。スペーサー分子は、 ヘテロ二機能性反応基を末端に有するポリ(エチレンオキシド)ポリマー(Yoko yama et al.,1992,Bioconjug.Chem.3,275-276)、非免疫原性、非毒性で、 導入すべきラクトース、マンノースおよび放射性標識チロシンアミドなどの側鎖 およびペンダント化学物質の範囲を考慮に入れることができる可変性の化学物質 を有する非分解性コポリマー〔N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド〕 (Maeda et al.,1992,Bioconug.Chem.3,351-362;Seymour,1992,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,9,135-187;Primm et al.,1 993,J.Drug Target.1,125-131)、または疎水性ヘキサメチレンスペーサー 基(Ouchi et al.,1992,Drug Des.Discov.9,93-105)などの数種のうちの 一つであってもよい。不溶性直鎖ポリマーの形成は、物質が腫瘍組織の細胞外体 液中で分散および対流することにより移動する能力を減少するという実 質的な利点を有する。追加のインドキシルは、(a)化学物質を3位に結合し、そ してそれが二重特異的試薬の非哺乳類酵素成分の作用により沈澱しうることによ り、(b)ヒドロキシル基を含む4位、5位、6位および7位のすべての置換基を 接着することにより;(c)5位のフェニルおよびその誘導体すべてを接着すること により、(d)5位のベンジルオキシおよびその誘導体すべてを接着することにより 、および(e)スペーサーを伴うまたは伴わない5,5-2-インドキシルとして作成し てもよい。 可溶性第二治療剤を細胞外体液中で沈澱する不溶性物質に変換する更なる方法 は、第二治療試薬が可溶性成分と不溶性成分とを有し、該可溶性成分が不溶性成 分上にて可溶化効果を有しそして結合二重特異的試薬の非哺乳類酵素により切断 され、それにより該可溶性成分の可溶化効果は消散しそして残存する物質は不溶 性の自発性に沈澱を生ずる様な場合である。Fig.37は、βラクタマーゼが可溶 性成分と不溶性成分との間の結合を切断し不溶性成分を生じさせ、自発性に沈澱 を生じる本願沈殿方法の具体例を示す。 Fig.38に示すように、腫瘍領域中に追加の治療剤の新規型を維持する第二方 法に従い、第三治療剤750である可溶性放射活性毒性追加治療剤は、二重特異的 試薬600の非哺乳類酵素成分605により、可溶性で第三治療剤750上には存在しな い新規抗原性エピトープ752を有する新規型751に変換される。第三治療剤751の 新規型の新規抗原性エピトープ752を後述するように使用して、腫瘍組織中で安 定な構造に結合する、以前に投与された二重特異的試薬を介して第三治療剤751 の新規型を“つなぎとめる”。つなぎとめることにより、長期間にわたり第一細 胞外沈殿物のすぐそばで放射活性毒性第三治療剤の新規型を維持し、それにより 放射活性毒性第三治療剤の該新規型は、第一細胞外沈殿物のすぐそばですべての 細胞を非選択的に殺すホットスポットと呼ばれる放射性の強度の高い領域を生み 出す。 本方法で用いられる非哺乳動物酵素−基質系の具体的な例は、図39に示され ているように、非哺乳動物酵素としてコンドロイチナーゼABC、および第3治 療剤として短いポリペプチドに結合ざれた放射標識コンドロイチン硫酸である。 コンドロイチン硫酸は、コンドロイチン硫酸鎖の繰り返し二糖類部分を切断し、 プロテインコアに結合した末端グルクロン酸残基伴う結合オリゴ糖のみを残すコ ンドロイチナーゼABC酵素によって分解される。コンドロイチン硫酸は、よっ て、コンドロイチナーゼABCによって、可溶性であり未処理コンドロイチン硫 酸上には見出されない新−抗原性エピトープを有する新規な型に変換される(H askall et al.,1972,J.Biol.Chem.,247, 4521−4528;Distler and Jourdian 1973, J.Biol.Chem.,248,6772−6780)。第3治療剤の新規 な型は可溶性であり、そして、腫瘍組織内での構造を安定化させるために結合さ れた、先に投与された二特異性試薬によって、新−抗原性エピトープを介して長 期間つなぎ止められ、ホット−スポットと呼ばれる、放射能の強調された領域を 生じる。これにより、第1細胞外沈降物に近接する全ての細胞を非選択的に殺傷 する。第2治療剤の新規な型のつなぎ止めについては後述する。 図40に図解されているように、腫瘍領域における追加の治療剤の新規な型を 保持する第3の方法において、第3治療剤750である可溶性放射活性毒性追加 治療剤は、二特異性試薬600の非哺乳動物酵素部分605によって、可溶性で あり、かつ新−抗原性エピトープ752を有する新規な型751に変換される。 新−抗原性エピトープ752は、第3治療剤750上には存在しない。第3治療 剤750を投与する前に、新規な型の第3治療剤751の新−抗原性エピトープ 752と反応する活性を有する沈降抗体760を生存宿主に投与する。投与され た沈降抗体760は新規な型の第3治療剤751の新−抗原性エピトープ752 と反応する活性を有し、結合により沈降物が形成され、沈降物は投与された沈降 抗体760が新規な型の第3治療剤751と複合したものからなる、第3細胞外 沈降物770となる。 大きな分子の投与の結果、腫瘍組織中には正常組織と比較して大分子がより高 濃度で存在することとなる(Seymour,1992,Critical R eviews in Therapeutic Drug Carrier S ystems,91,135−187)。従って、投与された沈降抗体の濃度は 、大分子であるため、腫瘍において正常組織よりも高くなるであろう。腫瘍組織 における沈降抗体が高濃度であるため、第3治療剤の新規な型が大量に沈降抗体 に結合して複合体を形成し、よって、長期間腫瘍組織に保持可能な第3細胞外沈 降物である沈降物を形成することが可能となる。 第3の方法において用いられる非哺乳動物酵素−基質系の具体的な例は、非哺 乳動物酵素としてコンドロイチナーゼABC、および第3治療剤として放射標識 コンドロイチン硫酸(CS)である。第2の方法において記載したように、コン ドロイチナーゼABCはコンドロイチン硫酸を、可溶性でありコンドロイチン硫 酸上には見出されない新−抗原性エピトープを有する新規な型に変換する(Ch ristner et al.1980,J.Biol.Chem.,255, 7102−7105)。コンドロイチン硫酸の投与のまえに、コンドロイチン硫 酸の新−抗原性エピトープに結合可能な沈降抗体を生存宿主に投与する。投与さ れた沈降抗体がコンドロイチン硫酸の新−抗原性エピトープに結合することによ って形成された複合体は沈降物を形成する。当該沈降物は、第1細胞外沈降物に 近接する腫瘍領域内に長時間存在する第3沈降物であり、第1細胞外沈降物に近 接する全ての細胞を非特異的に殺傷する。 非哺乳動物酵素部分を用いて追加の治療剤をホット−スポットの生成可能な新 規な型に変換する、上記3種の方法の何れかによって生成された放射領域の強度 は非常に高い。多数の非哺乳動物酵素部分分子、例えばベータ−ラクタマーゼま たはコンドロイチナーゼABC、が第1細胞外沈降物結合されるであろう(酵素 分子の数は、二元性試薬の投与を介して標的細胞内に蓄積された沈降物の量に比 例する;そして、細胞内沈降物は所望の量をいくらでも蓄積できるので、結合し た非哺乳動物酵素の数を大きくすることが可能である)。計算により、蓄積可能 な非哺乳動物酵素部分分子の数は、慣用のADEPT手法によって蓄積された酵 素の量の1000倍も高くすることができる。より多くの非哺乳動物部分が結合 するほど、追加の治療剤が新規な型に変換される速度がより早くなる。変換の速 度が早くなるほど、非哺乳動物酵素部分に近接する放射領域の強度がより高まり 、生存宿主における全身的な毒性レベルがより低くなる。 癌の成功的な治療を構築するための本質的な問題は、異なる患者における癌組 織において、あるいは、一人の患者における1種類の癌の異なる部位においてさ えも、独特の利用可能な特性が存在しないという事実である。癌組織の全ての特 性はまた、ある正常組織とある程度の共通性を有する。これは、癌細胞の特性、 癌中の正常細胞の特性、および癌中の細胞外組織の特性を含む。癌組織と正常組 織との間に1つも独特の相違が存在しないため、ホット−スポット位置の腫瘍特 異性を向上させるための唯一の途は、ホット−スポットの位置を多数の相違点に よって定めることである。個々の相違点自体はホット−スポット位置を完全に癌 特異的にするのに不完全であっても、これらの相違点を併せて利用することによ り、高度の特異性が提供される。 本発明において、2種の主要な特性でホット−スポットの位置を定めるが、ホ ット−スポットが細胞の周囲に形成されるためには、両方の特性が単一の細胞に 、1または0の様式で(all−or−nothing fashion)存在 しなければならない。2種の特性とは以下の通りである:(1)第1の標的癌細 胞が受容体仲介エンドサイトーシスによって沈降物を蓄積するように、細胞は二 元性試薬の第1標的試薬のための第1抗原性受容体を有しなければならない;そ して(2)細胞内沈降物が主要の細胞外流体へと移動し第1細胞外沈降物となる ように、細胞は生存宿主の天然システムによって殺傷される高感受性ならびに第 1治療剤によって殺傷される高感受性を有しなければならない。現在の治療剤の 不完全な状態を考慮すると、癌細胞の超感受性画分の選択的な殺傷が、ホット− スポット位置を腫瘍に特異的に指向させるのにもっとも効果的な特色であろうと 思われる。 沈降物の蓄積はホット−スポットが生成されるのに必須であるため、正常細胞 における沈降物の蓄積を抑制することは腫瘍特異性を向上させる。図41に示さ れるように、標的正常細胞における沈降の抑制は、第1の二元性試薬149の投 与の前におよび投与の間に、第2の二元性試薬849を生存宿主に投与すること によって達成することができる。第2の二元性試薬849は第3の標的試薬85 0によって構成される。これは、標的正常細胞200の第3抗原性受容体201 に対して実質的に特異的な親和性を有し、そして、エンドサイトーシスが可能で ある。第2の二元性849はさらに、第3の標的試薬850に結合した物質85 1を含む。物質851は、分離した場合、第1標的正常細胞200において、受 容体仲介エンドサイトーシスおよび沈降が生じるのを抑制するように採用される 。 細胞内の沈降の抑制は、異なる方法によって、受容体仲介エンドサイトーシス およびリソゾーム工程の異なる段階において機能する非常に多種の化学物質によ って達成することが可能である。下記の物質(これらの各々は標的試薬に結合さ せ、そしてリソゾーム内で乖離させることが可能である)が、受容体仲介エンド サイトーシスを抑制することが示された:ビンブラスチン、モネンシンおよびク ロロキネ(Gueant J.L.et al,1992FEBS.Lett. 297,229−232)、スタウロスポリン、プロテインキナーゼ抑制因子( Fallon R.Jおよびdanaher M,1992,Exp.Cell Res.203,420−426)、プトレシンまたはダンシルカダベリン等 の第1アミン(これらは、継続した時間生理学的条件下で毒性を伴うことなく用 いることができる)。さらに、アミノ酸のメチルエステル(Goldman R およびKaplan A,1973,Biochem.Biophys.Act a318,205−216)、グリシル−L−フェニルアラニン2−ナフチルア ミド(Berg T.O.et al,1994,300,229−236)お よび一定のトリペプチド(Jadot M.et al,1984,Bioch em.J.219,965−970)(これらは、その極性のため、容易に拡散 してリソゾームの外に戻ることのないような遊離のアミノ酸に加水分解され、そ の結果リソゾームの浸透圧が増加する)によって達成されるように、リソゾーム 液胞の浸透圧を増加させる(Bradley J.R.et al.,1993 ,J.Immunology 150,5544−5555)ことによって達成 できる。さらに、沈降可能な物質を標的試薬への結合から垂離させるのに必要な 酵素を抑制できる物質によって、あるいは、乖離された沈降可能な物質を沈降物 へ変換させるために機能する酵素を抑制することによって、沈降を抑制すること が可能である。例えば、細菌性ペプチドのロイペプチンはタンパク質分解酵素を 抑制し(Dunn W.et al,1979,J.Biol.Chem.25 4,4191−4196)、そしてリソゾーム輸送およびリガンドの消化を妨害 して(Tolleshaug HおよびBerg T,1981,Expt.C ell Research,134,207−217)沈降物の形成を抑制す る。他の剤も、乖離した可溶性の沈降可能な物質を沈降物へ変換させるのに必要 な特異的リソゾーム酵素を抑制することが可能である。例えば、擬4糖のアカボ ーズ(acarbose)は、アルファ−グルコシダーゼ(Salehi A. etal,1995,Diabetes,44,830−836)潜在的抑制因 子であり、そして1−デオキシマンノジリマイシンはマンノシダーゼ抑制因子で あり、そしてN−メチル−1−デオキシノルジリマイシンはグルコシダーゼ抑制 因子である(Faber E.D.et al,1994,Pharm.Res .,11,144−150)。 二元性試薬の投与による沈降物の形成は主に標的細胞の内部に限定されるが、 細胞外流体において沈降が生じることもあり、これは、移動した第1細胞外沈降 物の腫瘍特異性を減ずる効果を有しうる。細胞外流体において形成された沈降物 の抗原性エピトープは、遊離の非哺乳動物酵素の投与によって切断されることが できる。一方、蓄積した細胞内沈降物はその細胞内への配置を保持しており、細 胞内への配置は細胞内沈降物を遊離の非哺乳動物酵素の活性から保護する。例え ば、ベータラクタマーゼの投与は、可溶性の沈降可能な物質に結合した物質に結 合しており、そして第1細胞外沈降物の第2抗原性エピトープとなりうるペニシ リンを切断することが可能であり、セルラーゼの投与はセルロース沈降物を消化 し、そして、キチナーゼの投与は、組織プラスミノーゲン活性化因子またはスト レプトキナーゼの投与によるフィブリン血塊のin vivo消化と同様の様式 でキチン沈降物を消化するであろう。 不都合な細胞外沈降物上での遊離(free)非-哺乳類酵素作用が完了したら、酵 素が第1の細胞外沈降物に作用できないように、遊離非-哺乳類酵素を生体宿主 から除去しなければならない。投与した遊離非-哺乳類酵素は、やがて自然に除 去することができ、その除去は、複合体形成して酵素を阻害するか、及び/また は抗体-酵素複合体にADEPT中で使用するのと同様の方法で肝臓により迅速に摂取 させる、酵素特異的なガラクトシル化抗体を投与することにより促進させること ができる。或いは、遊離非-哺乳類酵素は、特異的阻害剤を投与することにより 阻害することができる。酵素の可逆性及び非可逆性阻害剤は公知であり、臨床医 学で多くが使用されている。特に、ペニシリナーゼ及びベータラクタマーゼの多 くの阻害剤が知られており、例えば、クラブラン酸は、ベータラクタマーゼのメ カニズムベースの不可逆的阻害剤である(Barrett,A.J.,及びSalvesen,G.,( 編),1986,”Proteinase Inhibitors,”,Elsevier,Amsterdam;Sandler,M., (編),1980,”Enzyme Inhibitors as Drugs,”Macmillan,London;Sandler,M. ,及びSmith,H.J.,(編),1989,”Design of Enzyme Inhibitors as Drugs,”O xford University Press,Oxford;Smith,H.J.(編),1988,”Introduction to t he Principles of Drugs Design.”第2版.,Wright,London)。 二成分試薬(binary reagent)を投与し、二成分試薬をエンドサイトーシスさせ 、二成分試薬の継続導入する段階後、及び細胞外体液(fluid)中の全ての二成分 試薬を、自然の除去系により除去した後、完全な腫瘍を保持する被験者のスキャ ンを、放射能を検出できる装置により実施し(沈降可能な物質は、予め僅かにラ ベル化した)、非-腫瘍部位の細胞が堆積した沈降物を有するかどうかを、場合に より生検により確認することができる。スキャン及び/または生検が、かなり多 くの通常骨髄細胞が沈降物を堆積したことを示す場合には、多くの部位の骨髄を 除去し、(例えば、セルソーターにより)試験し、堆積した沈降物を有する通常の 骨髄細胞を除去し、沈降物を含む細胞のなくなった残りの骨髄を生体宿主に戻し 、治療を継続する。 アポトーシスと称されるプロセスによって通常細胞の交代(turnover)の一部と して、通常細胞は死んだり、殺壊されたりし、細胞死の後、死んだ細胞の細胞内 含有物は非-浸透性の小胞内に封入される。これらの小胞は、近隣の柔組織また は専門的な食細胞により非常に迅速に食菌され(Kerrら,1972,Br J Cancer,26 ,239-27;Arendsら,1991,Int.J.Expt.Path.,32,223-254;Patel及びGores ,1995,Hepatology,21,1725-1741)、細胞が堆積した、細胞内沈降物を含むそ れらの細胞内含有物が、細胞外体液中に放出しないようにする。細胞を(アポト ーシスとは対照的に)溶解により殺壊した場合、その膜は急速に元の状態を失っ て、透過性となり、沈降物を含む細胞の通常の細胞内含有物は、細胞外の体液中 に放出される。ホットスポットは、細胞外体液中の沈降物の周りにしか発生する ことができないため、ホットスポットは、溶解により殺壊された細胞の周りに発 生するが、アポトーシスにより殺壊された細胞の周りには殆ど発生しない。 ガン細胞の溶解による殺壊は、一成分一特異的(uni-specific)抗体[Ball編,19 95,European J.of Morphol.33,95-100;Phanら,1995,Gasteoenterology,1 08,495-504;Morganら,1995,Immunology,86,319-324;Ballareら,1995,Can cer Immunol.Immunother.41,15-22]、二成分-特異的(bispecific)抗体[Karpo vskyら,1984,J.Experimental Medicine 160,1686-1701;Wong及びColvin,19 87,J.Immunology 139,1369-1374]及び細胞溶解[Suttonら,1994,Therapeuti c Immunology,1,83-93;Kinouchiら,1995,J.Urology,154,288-292;Parker ら,1995,J.Infectious Diseases,171,186-189]により実施されてきた。補 体誘導溶解(complement induced lysis)は、溶解を促進または抑制するように操 作することができる多くの制御因子により調節される[Bjorge及びMatre,1995, Scand.J.Immunology,42,512-516;Brasoveanuら,1995,International J.C ancer,61,548-556;Azumaら.,1995,Scand.J.Immunology,42,202-208]。 さらに、図42に示されているように、第1の治療薬の投与前及び投与時に、生 体宿主に第3の二成分試薬949を投与することによって、特異性を高めることが できる。第3の二成分試薬949は、第1のターゲットの通常細胞200の第2の抗原 受容体201に対して実質的に特異的な親和性を有する第3のターゲット化試薬950 を含み、前記第2の抗原受容体201は、エンドサイトーシスをすることができる 。第3の二成分試薬949は、さらに第3のターゲット化試薬に結合した物質を含 み、分離すると、該物質951は、第1のターゲットの通常細胞が第1の治療薬に より殺壊されないようにする。例えば、投与した二成分試薬による、メトトレキ サートの細胞毒性作用からターゲット細胞の保護は、メトトキサレートに対して 解毒剤であることが報告された、ターゲット化剤及びフォリン酸から構成される (Wuら,1983,Proc Natl.Acad.Sci.USA.80.3078-3080)。通常細胞を第1の 治療薬によって殺壊されないように保護すると、ホットスポット部位の腫瘍特異 性が増加する。 腫瘍特異性を、これらの2つの主要な特徴により得られた以上に増加させるこ とは、追加の試薬により、並びに第1、第2及び第3の細胞外沈降物と、通常組 織中には存在しないが、癌組織中にある第3の治療薬の溶解性の新規形状を維持 するように操作する細胞及び組織レベルでの自然発生的メカニズムにより、ホッ トスポット発生工程の各段階で実施することができる。 第1の治療薬の投与後、且つ二成分特異的試薬の輸送及び/または第2の治療 薬の追加の投与前に、幾つかのメカニズムが働いて、第1の細胞外沈降物がホッ トスポットが発生できるプラットフォームとして作用できない部位に、(癌組織 ではなく)通常組織内に再配置された第1の細胞外沈降物を移動させる。通常細 胞中のマクロファージは、食菌作用により細胞内の部位に第1の細胞外沈降物を 移動させ、これにより、ホットスポットが発現しないようにすることができる。 対照的に、癌組織中のマクロファージは、ガン細胞により作られた異常環境によ って阻害されており(Boetcher及びLeonard,1974,J.Nat.Cancer Inst.52,10 91-1096;Snydermanら,1978,J.Nat.Cancer Inst.60,737-742;Norman,1985 ,Macropharge Biology,p.285-298,Allan R.Liss Inc.;Braunら,1993,Ca ncer Research,53,3362-3368)、第1の細胞外沈降物を効果的に食菌しないだ ろう。 さらに、通常の上皮細胞が殺壊されると、身体の内部及び外部環境の間の境界 を区画化する通常の上皮胞は、内臓の内腔内に落屑する(Ishikawaら,1993,17追 補,pS 104-110;Montefortら,1993,Eur Respir.J.,6,1257-1263;Sissonら ,1994,Am.J.Respir.Crit.Care Med.149,105-213)。これらの細胞の落屑 は、堆積した沈降物を含む細胞内含有物を、沈降物が後にホットスポットを発生 させるプラットフォームとして作用できない部位に移動させる。対照的に、これ らの境界細胞からのガン細胞は、宿主の体内でのみ成長し、外部環境へは落屑し ない。従って、いずれも蓄積して沈降物を形成し、殺壊された、実質的に全ての 癌の上皮細胞(通常の上皮細胞ではない)は、ホットスポットを発生するための正 確な部位にある。 同様に、損傷を受けたり、殺壊された通常の上皮細胞は、分離して、血流に入 り(Diniら,1995,J.Cell.Sci.108,967-73)、蓄積した沈降物を含むその細 胞内含有物は、肝臓及び脾臓の洞様血管を区画化するマクロファージにより直ち に包み込まれ、ホットスポットを発生できない沈降物を形成する。 細胞外体液に注射された粒子は、組織の細胞外体液から、部位リンパ節に排出 されるリンパ排出チャネルに対流により移動し、そこで粒子は迅速且つ効果的に 、リンパ流路を区画化する非常に活性なマクロファージにより包み込まれる。再 配置された第1の細胞外沈降物並びに、第2及び第3の細胞外沈降物も同様に挙 動し、同様の結果となる。沈降物は通常組織内で動くことができ、これにより、 通常組織内で発生したホットスポットの数を減少させることができる。部位リン パ腺のマクロファージにより沈降物を包み込むことができる通常組織内の第1の 細胞外沈降物の動きにより、ホットスポットが通常組織内で発達しないようにし 、放射性の沈降物が部位リンパ腺中のマクロファージにより包み込むようにでき る通常組織内の放射性の第2及び第3の沈降物の動きにより、部位リンパ腺にホ ットスポットが発生するので、通常の柔組織と比較して、放射線による損傷の発 生に対してより望ましく且つ臨床的に安全な部位である。対照的に、癌組織は、 効果的なリンパ排出系を持たず(Jain,1987,Cancer Research,47,3039-3051; Jain及びBaxter,1988,Cancer Reserach,48,7022-7032;Clauss及びJain,199 0,50,3487-3492)、第1、第2及び第3の細胞外沈降物のリンパ系への動きは 、腫瘍組織では発生せず、腫瘍組織内で発生するホットスポットの数は減少しな い。 第一、第二および第三の細胞外沈澱物の動きを局所リンパ腺へと導く可能性が あるリンパ管が(腫瘍組織中に非悪性細胞が存在する不均一性を反映して)腫瘍 組織に存在することもある。この動きは第一および第二の細胞外沈澱物および第 二の治療剤の可溶性の新規の型を、実質的に腫瘍組織により多く存在している安 定構造に「束縛すること(tethering)」により防ぐことが可能である。第一の 治療剤の投与前に、生存宿主に両特異性(bispecific)の試薬を投与し、第二の 標的癌細胞の第三の抗原性受容体、癌改変細胞外マトリックスの抗原性エピトー プ、および再配置された天然細胞内物質の抗原性エピトープを含む、細胞外液中 の3つの異なる安定構造の少なくとも1つに該細胞外沈澱物を束縛することによ り、第一の細胞外沈澱物の束縛を達成してもよい。両特異性試薬は2つの部分を 含み、第一の部分は第一の抗原性エピトープ、第二の抗原性エピトープ、および 細胞外沈澱物の新抗原である第三のエピトープの1つに親和性を有する。第二の 部分は、第二の標的癌細胞の第三の抗原性受容体、癌改変細胞外マトリックスの 抗原性エピトープ、および再配置された天然細胞内物質の抗原性エピトープを含 む、細胞外液内の3つの異なる安定構造の少なくとも1つに親和性を有する。 図43は、第一の細胞外沈澱物155を第二の標的癌細胞300の第三の抗原性受容体 301に束縛する、第二の両特異性試薬1000を示す。第二の両特異性試薬1000は2 つの部分を含み、第一の部分1001は第一の細胞外沈澱物155の第二の抗原性エピ トープ151bに親和性を持つ標的剤である。第二の両特異性試薬の第二の部分1002 は、第二の標的癌細胞300の第三の抗原性受容体301に結合することが可能である 。第二の両特異性試薬はそれにより、第一の細胞外沈澱物155を束縛し、そして 該沈澱物を癌の細胞外液中に保持する。また別に、第二の両特異性試薬1001の第 一の部分は、第一の細胞外沈澱物155の第一の抗原性エピトープ151aに親和性を 有してもよいし、または第一の細胞外沈澱物155の新抗原である第三のエピトー プ153cに親和性を有してもよい。 図44は、第一の細胞外沈澱物155を癌改変細胞外マトリックス99の抗原性エピ トープに束縛する、第三の両特異性試薬1100を示す。第三の両特異性試薬1100は 2つの部分を含み、第一の部分1101は第一の細胞外沈澱物155の第二の抗原性エ ピトープ151bに親和性を持つ標的剤である。第三の両特異性試薬の第二の部分11 02は、癌改変細胞外マトリックス99の抗原性エピトープに結合することが可能で ある。第三の両特異性試薬はそれにより、第一の細胞外沈澱物155を束縛し、そ して該沈澱物を癌の細胞外液に保持する。また別に、第三の両特異性試薬は第一 の細胞外沈澱物155の第一の抗原性エピトープ151aに親和性を有してもよく、ま た第一の細胞外沈澱物155の新規抗原である第三のエピトープ153cに親和性を有 してもよい。 図45は、第一の細胞外沈澱物155を再配置された天然細胞内物質401の抗原性エ ピトープに束縛する、第四の両特異性試薬1200を示す。第四の両特異性試薬1200 は2つの部分を含み、第一の部分1201は第一の細胞外沈澱物155の第二の抗原性 エピトープ151bに親和性を持つ標的剤である。第四の両特異性試薬の 第二の部分1202は、再配置された天然細胞内物質401の抗原性エピトープに結合 することが可能である。第四の両特異性試薬はそれにより、第一の細胞外沈澱物 155を束縛し、そして該沈澱物を癌の細胞外液に保持する。また別に、第四の両 特異性試薬の第一の部分1201は第一の細胞外沈澱物155の第一の抗原性エピトー プ151aに親和性を有してもよく、また第一の細胞外沈澱物155の新規抗原である 第三のエピトープ153cに親和性を有してもよい。 両特異性試薬の結合部分が第一の細胞外沈澱物の抗原性エピトープに結合する ため、特異性もまた増し、そして第一の細胞外沈澱物が体内に天然に存在する物 質でないため、非哺乳動物酵素部分を持つ両特異性試薬の結合部分は、生存宿主 の天然構造にほとんどまたはまったく交差反応を持つことなく、第一の細胞外沈 澱物の抗原性エピトープに高くそして特異的な親和性を有することも可能である 。例えば、セルロース結合ドメインペプチドから非哺乳動物酵素部分を持つ両特 異性試薬を作成してもよいが、該ペプチドは、第一の細胞外沈澱物の1つの候補 物質であるセルロースに事実上不可逆的に結合する。 「ホットスポット(Hot-Spot)」部位への特異性の増加もまた、第二の細胞外 沈澱物を「束縛すること(tethering)」および第一の細胞外沈澱物を束縛する のと同様の方式で新型の第三の治療剤を束縛することにより、得ることが可能で ある。 例えば、図46は、第二の細胞外沈澱物701を第二の標的癌細胞300の第三の抗原 性受容体301に束縛する、第五の両特異性試薬1300を示す。第五の両特異性試薬1 300は2つの部分を含み、第一の部分1301は第二の細胞外沈澱物701のさらなる抗 原性エピトープ702に親和性を持つ標的剤である。第五の両特異性試薬の第二の 部分1302は、第二の標的癌細胞300の第三の抗原性受容体301に結合することが可 能である。第五の両特異性試薬はそれにより、第二の細胞外沈澱物701を束縛し 、そして該沈澱物を癌の細胞外液に保持する。 図47は、第二の細胞外沈澱物700を癌改変細胞外マトリックス99の抗原性エ ピトープに束縛する、第六の両特異性試薬1400を示す。第六の両特異性試薬1400 は2つの部分を含み、第一の部分1401は第二の細胞外沈澱物701のさらなる抗原 性エピトープ702に親和性を持つ標的剤である。第六の両特異性試薬の第二の部 分1402は、癌改変細胞外マトリックス99の抗原性エピトープに結合することが可 能である。第六の両特異性試薬はそれにより、第二の細胞外沈澱物701を束縛し 、そして該沈澱物を癌の細胞外液に保持する。 図48は、第二の細胞外沈澱物701を再配置された天然細胞内物質401に束縛する 、第七の両特異性試薬1500を示す。第七の両特異性試薬1500は2つの部分を含み 、第一の部分1501は第二の細胞外沈澱物701のさらなる抗原性エピトープ702に親 和性を持つ標的剤である。第七の両特異性試薬の第二の部分1502は、再配置され た天然細胞内物質401の抗原性エピトープに結合することが可能である。第七の 両特異性試薬はそれにより、第二の細胞外沈澱物701を束縛し、そして該沈澱物 を癌の細胞外液に保持する。 例えば、図49は、第三の治療剤の可溶性の新規の型751を第二の標的癌細胞300 の第三の抗原性受容体301に束縛する、第八の両特異性試薬1600を示す。第八の 両特異性試薬1600は2つの部分を含み、第一の部分1601は第三の治療剤の可溶性 の新規の型751のさらなる抗原性エピトープ752に親和性を持つ標的剤である。第 八の両特異性試薬1600の第二の部分1602は、第二の標的癌細胞300の第三の抗原 性受容体301に結合することが可能である。第八の両特異性試薬はそれにより、 第三の治療剤の可溶性の新規の型751を束縛し、そして該治療剤を癌の細胞外液 に保持する。 図50は、第二の細胞外沈澱物700を癌改変細胞外マトリックス99の抗原性エピ トープに束縛する、第九の両特異性試薬1700を示す。第九の両特異性試薬1700は 2つの部分を含み、第一の部分1701は第三の治療剤の可溶性の新規の型751のさ らなる抗原性エピトープ752に親和性を持つ標的剤である。第九の両特異性試薬 の第二の部分1752は、癌改変細胞外マトリックス99の抗原性エピトー プに結合することが可能である。第九の両特異性試薬はそれにより、第三の治療 剤の可溶性の新規の型751を束縛し、そして該治療剤を癌の細胞外液に保持する 。 図51は、第三の治療剤の可溶性の新規の型751を再配置された天然細胞内物質4 01に束縛する、第十の両特異性試薬1800を示す。第十の両特異性試薬1800は2つ の部分を含み、第一の部分1801は第三の治療剤の可溶性の新規の型751のさらな る抗原性エピトープ752に親和性を持つ標的剤である。第十の両特異性試薬の第 二の部分1802は、再配置された天然細胞内物質401の抗原性エピトープに結合す ることが可能である。第十の両特異性試薬はそれにより、第三の治療剤の可溶性
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 49/00 A61P 35/00 A61P 35/00 C07K 16/00 C07K 16/00 A61K 37/02

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 87.細胞内で不溶性で消化不能な沈殿物に転化するのに適し、第1ターゲ ッティング剤に結合して、二元試薬を形成するのに適した溶解性で沈殿可能な物 質であり、細胞内に配置されたときに、細胞のエンドサイトーシスと天然細胞内 酵素とによってターゲッティング剤から脱離されて、細胞内に配置される沈殿物 に転化されることができ、オピオ−メラニンを包含するペプチドと、セルロース 、キトサン及びキチンを包含する炭水化物の少なくとも1種類と、合成ポリマー と、分子位置1〜7を有するインドキシル化合物との少なくとも1種類の有機化 学物質を含む溶解性沈殿可能物質であって、該沈殿物が細胞内で蓄積するのに適 し、該沈殿物の構造の不可欠部分であるエピトープである第1抗原エピトープ、 第2抗原エピトープ及びネオ抗原第3エピトープの少なくとも1つを有し、該沈 殿物が後に第1細胞外沈殿物になるのに適した細胞内沈殿物である上記溶解性沈 殿可能物質。 88.溶解性沈殿可能物質が放射性標識されている、請求項87記載の溶解 性沈殿可能物質。 89.溶解性沈殿可能物質が本質的に溶解性の分子である、請求項87記載 の溶解性沈殿可能物質。 90.ターゲッティング剤から脱離されたときの該溶解性沈殿可能物質の転 化が、溶解性中間体分子への該溶解性沈殿可能物質の転化を含み、宿主細胞の天 然環境が該溶解性中間体分子の沈殿物への転化が細胞内で起こるのを可能にする 、請求項87記載の溶解性沈殿可能物質。 91.溶解性沈殿可能物質が宿主細胞内の天然環境によって迅速に酸化され 、酸化された溶解性中間体分子が自然にダイマー化し、それによって、沈殿物を 形成する溶解性沈殿可能物質には存在しないネオ抗原第3エピトープを有する沈 殿物を形成し、該細胞内沈殿物が後に、ネオ抗原第3エピトープを有する第1細 胞外沈殿物になるのに適している、請求項90記載の溶解性沈殿可能物質。 92.インドキシル化合物が、インドキシル化合物の位置3に結合したとき に、リソソーム中の天然細胞内酵素によって切断可能であるスルフェート、ホス フェート、グリコシド等の少なくとも1つを包含し、位置3における切断後に残 留する物質が宿主細胞内の天然環境によって迅速に酸化され、酸化された溶解性 中間体分子が自然にダイマー化し、それによって、沈殿物を形成する溶解性沈殿 可能物質には存在しないネオ抗原第3エピトープを有する沈殿物を形成し、該沈 殿物が後に、ネオ抗原第3エピトープを有する第1細胞外沈殿物になるのに適し ている、請求項87記載の溶解性沈殿可能物質。 93.溶解性沈殿可能物質が沈殿物を形成する前に溶解性沈殿可能物質の細 胞からの排出速度を実質的に減ずるために結合させた第1化学物質を溶解性沈殿 可能物質が有し、該沈殿物が後に第1細胞外沈殿物になるのに適している、請求 項87記載の溶解性沈殿可能物質。 94.インドキシル化合物が、該インドキシル化合物の位置4、5、6及び 7に結合したときに、溶解性沈殿可能物質が沈殿物に転化する前に溶解性インド キシル化合物の排出速度を減ずる、少なくともセロビオースを包含する第1化学 物質を含む、請求項87記載の溶解性沈殿可能物質。 95.溶解性沈殿可能物質が、該溶解性沈殿可能物質に結合した場合に、沈 殿物の第2抗原エピトープになる第2化学物質を包含する、請求項87記載の溶 解性沈殿可能物質。 96.インドキシル化合物の各々が、該インドキシル化合物の位置4、5、 6及び7に結合したときに、沈殿物の第2抗原エピトープになる、少なくともペ ニシリンを包含する第2化学物質を含む、請求項87記載の溶解性沈殿可能物質 。 97.インドキシル化合物の各々が、該インドキシル化合物及びその沈殿物 の特徴を変えるために該インドキシル化合物の位置5に結合したフェニル化合物 を含み、該沈殿物が後に第1細胞外沈殿物になるのに適している、請求項87記 載の溶解性沈殿可能物質。 98.インドキシル化合物の各々が、該インドキシル化合物及びその沈殿物 の特徴を変えるために該インドキシル化合物の位置5に結合したベンジルオキシ 化合物を含み、該沈殿物が後に第1細胞外沈殿物になるのに適している、請求項 87記載の溶解性沈殿可能物質。 99.インドキシル化合物の各々が、該インドキシル化合物及びその沈殿物 の特徴を変えるために該インドキシル化合物の位置5に結合した5,5−ビーイ ンドキシルを含み、該沈殿物が後に第1細胞外沈殿物になるのに適している、請 求項87記載の溶解性沈殿可能物質。 100.溶解性沈殿可能物質が第1及び第2溶解性化学物質から成り、第1 化学物質が少なくとも1種類のポリフェノールであり、第2化学物質が少なくと も過酸化物であり、第1及び第2化学物質の各々がターゲッティング剤に結合し 、エンドサイトーシスと大然細胞内酵素が第1及び第2化学物質をターゲッティ ング剤から脱離させ、第1及び第2化学物質が相互と反応するのを可能にするこ とによって、溶解性沈殿可能物質の沈殿への転化が細胞内で起こるのを可能にし 、該沈殿物が後に第1細胞外沈殿物になるのに適している、請求項87記載の溶 解性沈殿可能物質。 101.溶解性沈殿可能物質が、チロロン及びアクラジンオレンジを包含す るジカチオン両親媒性化合物を包含する少なくとも1種類の化学物質であり、該 溶解性沈殿可能物質がターゲッティング剤から脱離されたときに、細胞によって 内因的に形成された産物と反応し、それによって、溶解性沈殿可能物質の沈殿へ の転化が細胞内で起こるのを可能にし、該沈殿物が後に第4細胞外沈殿物になる のに適している、請求項87記載の溶解性沈殿可能物質。 102.溶解性沈殿可能物質が、例えばポリエチレングリコールのような可 溶化ポリマーを包含する可溶性部分と、セルロース、キチン及び合成ポリマーを 包含する不溶性部分とから成り、天然細胞内酵素が溶解性沈殿可能物質をターゲ ッティング剤から脱離させ、溶解性沈殿可能物質の沈殿への転化が細胞内で起こ るのを可能にし、該沈殿物が後に第1細胞外沈殿物になるのに適した細胞内沈殿 物である、請求項87記載の溶解性沈殿可能物質。 103.溶解性沈殿可能物質が沈殿物へ転化可能であることが、リソソーム 内の天然細胞内酵素による不溶性部分からの可溶性部分の切断と、それによる、 可溶性部分の可溶化効果の消散と、不溶性である残留物質が沈殿物になることを 含み、該沈殿物が後に第1細胞外沈殿物になるのに適している、請求項87記載 の溶解性沈殿可能物質。 104.溶解性沈殿可能物質が沈殿物へ転化可能であることが、リソソーム 内の大然細胞内酵素による不溶性部分からの可溶性部分の少なくとも部分的な消 化、可溶性部分が不溶性部分に対して可溶化効果を有し、該可溶性部分がリソソ ーム内の天然細胞内酵素によって少なくとも部分的に消化されることと、それに よる、可溶性部分の可溶化効果の消散と、不溶性である残留物質が沈殿物になる ことを含み、該沈殿物が後に第1細胞外沈殿物になるのに適している、請求項1 02記載の溶解性沈殿町能物質。 105.可溶性部分が不溶性部分に対して実質的な結合アフィニティを有す るペプチド部分を有し、溶解性沈殿可能物質が沈殿物へ転化可能であることが、 リソソーム内の天然細胞内酵素によるペプチド部分の少なくとも部分的な消化と 、ペプチド部分の結合アフィニティの消散と、それによる可溶性部分の脱離及び 可溶性部分の可溶化効果の除去と、不溶性である残留物質が沈殿物になることと を含み、該沈殿物が後に、不溶性部分に対するアフィニティを有するペプチドを 結合することができる第1細胞外沈殿物になるのに適している、請求項102記 載の溶解性沈殿可能物質。 106.第1化学物質がインドキシル化合物に、哺乳類酵素によっても非哺 乳類酵素によっても切断されることができない結合によって結合している、請求 項94記載の溶解性沈殿可能物質。 107.第1抗原エピトープが第1細胞外沈殿物の一部であり、第1細胞外 沈殿物を形成した溶解性沈殿可能物質の一部である、請求項87記載の溶解性沈 殿可能物質。 108.2個のインドキシル化合物がスペーサー分子によって結合している 、請求項99記載の溶解性沈殿可能物質。 109.沈殿物の第2抗原エピトープが非哺乳類酵素によって切断可能であ るが、哺乳類酵素によって切断不能であり、第1細胞外沈殿物に結合した二重特 異性試薬の非哺乳類酵素部分によって切断不能である、請求項87記載の沈殿物 。 110.沈殿物が代謝不能な物質と、哺乳類酵素及び非哺乳類酵素の少なく とも1種類にによって徐々に代謝される物質との少なくとも1つである、請求項 87記載の沈殿物。 111.沈殿物が沈殿物を形成する物質の性質によって制御可能である速度 で徐々に代謝可能である、請求項110記載の沈殿物。 112.沈殿物がランダムな構造と、例えば線状ポリマーの1種類のような 規則的な構造との少なくとも1つを有する、請求項87記載の沈殿物。 113.沈殿物が、生きている宿主に存在する細胞外流体中に不溶性及び弱 溶解性沈殿物の少なくとも1つである、請求項87記載の沈殿物。 114.第1細胞外沈殿物に隣接して配置されるのに適し、第1細胞外沈殿 物の第1抗原エピトープ、第2抗原エピトープ及びネオ抗原第3エピトープの1 つに受容され、結合されるのに適した二重特異性試薬であって、2部分を有し、 付加的な治療剤新しい形に転化させるのに適した非哺乳類酵素である第1部分と 、さらに、第1細胞外沈殿物の第1抗原エピトープ、第2抗原エピトープ及びネ オ抗原第3エピトープの1つに対して実質的なアフィニティを有するのに適した ターゲッティング剤部分である第2部分とを有する上記二重特異性試薬。 115.ターゲッティング剤部分が第1細胞外沈殿物の第1抗原エピトープ に対して実質的なアフィニティを有する、請求項114記載の二重特異性試薬。 116.ターゲッティング剤部分が第1細胞外沈殿物の第2抗原エピトープ に対して実質的なアフィニティを有する、請求項114記載の二重特異性試薬。 117.ターゲッティング剤部分が第1細胞外沈殿物のネオ抗原第3エピト ープに対して実質的なアフィニティを有する、請求項114記載の二重特異性試 薬。 118.非哺乳類酵素部分がβ−ラクタマーゼである、請求項114記載の 二重特異性試薬。 119.非哺乳類酵素部分がペニシリナーゼである、請求項114記載の二 重特異性試薬。 120.非哺乳類酵素部分がグリコシダーゼである、請求項114記載の二 重特異性試薬。 121.非哺乳類酵素部分がコンドロイチナーゼABCである、請求項11 4記載の二重特異性試薬。 122.それに結合した非哺乳類酵素部分を有する第1細胞外沈殿物の二重 特異性試薬に隣接して配置されるのに適した、可溶性の放射性で毒性の沈殿可能 物質である第2治療剤である付加治療剤であって、第2治療剤が細胞外流体中で 第2細胞外沈殿物である不溶性かつ消化不能な沈殿物に、第1細胞外沈殿物に結 合した二重特異性試薬の非哺乳類酵素部分の作用によって転化されるのに適して おり、第2治療剤が、オピオ−メラニンを包合するペプチドと、セルロース、キ トサン及びキチンを包含する炭水化物と、プロテオグリカンと、合成ポリマーと 、分子位置1〜7を有するインドキシル化合物との少なくとも1種類の有機化学 物質を含み、第2細胞外沈殿物が該第2細胞外沈殿物の構造の不可欠部分である エピトープである第1抗原エピトープ、第2抗原エピトープ及び、第2治療剤に 存在しないネオ抗原エピトープの少なくとも1つを有し、第2細胞外該沈殿物が 第1細胞外沈殿物に隣接して、第1細胞外沈殿物に隣接する全ての細胞を非選択 的に殺すために充分な時間残留する付加治療剤。 123.付加治療剤が本質的に細胞不透過性である、請求項122記載の付 加治療剤。 124.細胞不透過性化学物質が付加治療剤に結合しでおり、該細胞不透過 性化学物質が付加治療剤を細胞不透過性にさせる、請求項122記載の付加治療 剤。 125.細胞不透過性化学物質がチオール、アニオン物質、及び1000ダ ルトンより大きい分子量を有する物質の1つを包含する、請求項124記載の付 加治療剤。 126.本質的に溶解性である、請求項122記載の付加治療剤。 127.付加治療剤の転化が、付加治療剤から溶解性中間体分子への転化を 含み、該溶解性中間体分子が細胞外流体中で第2細胞外沈殿物に自然に転化する のに適している、請求項122記載の付加治療剤。 128.溶解性中間体分子が迅速に酸化されるのに適し、酸化された溶解性 中間体分子が自然にダイマー化されて、第2細胞外沈殿物を形成するのに適して いる、請求項127記載の付加治療剤。 129.インドキシル化合物の各々が、該インドキシル化合物の位置3に結 合したときに二重特異性試薬の非特異性酵素部分によって切断可能である、イン ドキシル−ペニシリン、インドキシル−セファロスポリン、インドキシル−グリ コシド等の少なくとも1つを包含し、位置3における切断後に残留する物質が、 酸化され、ダイマー化されて、第2細胞外沈殿物を形成するのに適した溶解性反 応性中間体分子である、請求項122記載の付加治療剤。 130.インドキシル化合物の各々が、該イシドキシル化合物の位置4、5 、6及び7の少なくとも1つに結合したときに該インドキシル化合物と第2細胞 外沈殿物との特徴を変える物質を包含する、請求項122記載の付加治療剤。 131.インドキシル化合物の各々が、該インドキシル化合物と第2細胞外 沈殿物との特徴を変えるために、該インドキシル化合物の位置5に結合したフェ ニル化合物を包含する、請求項122記載の付加治療剤。 132.イシドキシル化合物の各々が、該インドキシル化合物と第2細胞外 沈殿物との特徴を変えるために、該インドキシル化合物の位置5に結合したベン ジルオキシ化合物及びベンジルオキシの誘導体を包含する、請求項122記載の 付加治療剤。 133.インドギシル化合物の各々が、該インドキシル化合物とその第2細 胞外沈殿物との特徴を変えるために、該インドキシル化合物の位置5に結合した 5,5−ビ−インドキシルを包含する、請求項122記載の付加治療剤。 134.2個のインドキシル化合物がスペーサー分子によって結合している 、請求項133記載の付加治療剤。 135.可溶性部分と不溶性部分とを有し、可溶性部分が不溶性部分に対し て可溶化効果を有し、二重特異性試薬の非哺乳類酵素部分によって不溶性部分か ら切断され、それによって、可溶性部分の可溶化効果が消散し、残留物質が第2 細胞外沈殿物を形成するのに適している、請求項122記載の付加治療剤。 136.それに結合した非哺乳類酵素部分を有する第1細胞外沈殿物の二重 特異性試薬に隣接して配置されるのに適した、可溶性の放射性で毒性の沈殿可能 物質である第3治療剤である付加治療剤であって、第3治療剤が細胞外流体中で 第3治療剤の新しい形である不溶性かつ消化不能な新しい形に、第1細胞外沈殿 物に結合した二重特異性試薬の非哺乳類酵素部分の作用によって転化されるのに 適しており、第3治療剤の新しい形が、ペプチドの少なくとも1種類と、コンド ロイチン硫酸を包含するプロテオグリカンど、合成ポリマーとの少なくとも1つ を含み、第3治療剤の新しい形が第3治療剤の該新しい形の構造の不可欠部分で あるエピトープである第1抗原エピトープ、第2抗原エピトープ及び、第3治療 剤に存在しないネオ抗原エピトープの少なくとも1つを有し、第3治療剤の該新 しい形が第1細胞外沈殿物に隣接して、第1細胞外沈殿物に隣接する全ての細胞 を非選択的に殺すために充分な時間残留する付加治療剤。 137.付加治療剤が本質的に細胞不透過性である、請求項136記載の付 加治療剤。 138.細胞不透過性化学物質が付加治療剤に結合しており、該細胞不透過 性化学物質が付加治療剤を細胞不透過性にさせる、請求項136記載の付加治療 剤。 139.細胞不透過性化学物質がチオール、アニオン物質、及び1000ダ ルトンより大きい分子量を有する物質の1つを包含する、請求項138記載の付 加治療剤。 140.付加治療剤が本質的に溶解性である、請求項136記載の付加治療 剤。 141.第3治療剤の新しい形上のネオ抗原エピトープに対して特異的アフ ィニティを有する、第1細胞外沈殿物に隣接して配置されるのに適した抗体であ って、第3治療剤の新しい形のネオ抗原エピトープに結合するのに適し、第3治 療剤の新しい形のネオ抗原エピトープに結合したときに、第3治療剤の該新しい 形を第3細胞外沈殿物である不溶性沈殿になるようにさせるのにさらに適し、該 第3細胞外沈殿物が第1細胞外沈殿物に隣接して、第1細胞外沈殿物に隣接する 全ての細胞を非選択的に殺すために充分な時間留まるために適する上記抗体。
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