JP2001524308A - ケモカインα−5 - Google Patents

ケモカインα−5

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JP2001524308A JP2000522220A JP2000522220A JP2001524308A JP 2001524308 A JP2001524308 A JP 2001524308A JP 2000522220 A JP2000522220 A JP 2000522220A JP 2000522220 A JP2000522220 A JP 2000522220A JP 2001524308 A JP2001524308 A JP 2001524308A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、αケモカインファミリーのメンバーである新規のCKα−5タンパク質に関する。特に、ヒトCKα−5タンパク質をコードする単離された核酸分子が提供される。CKα−5ポリペプチドもまた提供され、同様に、CKα−5ポリペプチドを産生するためのベクター、宿主細胞、および組換え方法が提供される。本発明は、さらに、CKα−5活性のアゴニストおよびアンタゴニストを同定するためのスクリーニング方法に関する。免疫系関連障害を検出するための診断方法および免疫系関連障害を処置するための治療方法もまた提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、ケモカインファミリーのメンバーであるポリペプチドをコードする
、新規のヒト遺伝子に関する。より詳細には、ケモカインα−5(本明細書にお
いて、以下「CKα−5」という)と命名されたヒトポリペプチドをコードする
単離された核酸分子が提供される。CKα−5ポリペプチドはまた、それらを産
生するためのベクター、宿主細胞および組換え方法と同様に提供される。免疫系
に関連する障害を検出するための診断方法およびこのような障害を処置するため
の治療方法もまた提供される。本発明はさらに、CKα−5活性のアゴニストお
よびアンタゴニストを同定するためのスクリーニング方法に関する。
【0002】 (発明の背景) 種々の細胞型の移動および「輸送(trafficking)」を制御する能
力は、因子の部分集合、またはタンパク質(ケモカインがその例である)により
制御される。
【0003】 ケモカインは、インタークライン(intercrine)サイトカインとも
呼ばれ、構造的かつ機能的に関連する化学走性サイトカインのサブファミリーで
ある。これらの分子は、通常、サイズが8〜10kdであるが、より大きな膜結
合ケモカインポリペプチドが同定されている。一般に、ケモカインは、アミノ酸
レベルで20%〜75%の相同性を示し、そして2つのジスルフィド結合を形成
する4つの保存されたシステイン残基により特徴付けられる。最初の2つのシス
テイン残基の配列に基づき、ケモカインは2つのサブファミリー(αおよびβ)
に分類されている。αサブファミリーにおいて、最初の2つのシステインは、1
つのアミノ酸により分離されており、従って「C−X−C」サブファミリーと呼
ばれる。βサブファミリーにおいて、この2つのシステインは、隣接する位置に
あり、従って「C−C」サブファミリーと呼ばれる。これまでは、このファミリ
ーの少なくとも16の異なるメンバーが、ヒトにおいて同定されている。
【0004】 インタークラインサイトカインは、広範な種類の機能を示す。顕著な特徴は、
別個の細胞型(単球、好中球、Tリンパ球、好塩基球および繊維芽細胞を含む)
の化学走性移動を導くというその能力である。多くのケモカインは、前炎症性活
性を有し、そして炎症反応の間の多数の段階に関与する。これらの活性は以下を
含む;ヒスタミン放出の刺激、リソソーム酵素放出およびロイコトリエン放出、
内皮細胞への標的免疫細胞の付着増大、補体タンパク質の結合増強、顆粒球付着
分子および補体レセプターの発現誘導、および呼吸バースト。炎症におけるケモ
カインの関連に加えて、特定のケモカインは他の活性を示すことが、示されてき
た。例えば、マクロファージ炎症タンパク質1(MIP−1)は造血幹細胞増殖
を抑制し得、血小板第4因子(PF−4)は内皮細胞増殖の強力なインヒビター
であり、インターロイキン8(IL−8)はケラチノサイトの増殖を促進し、そ
してGROは黒色腫細胞に関するオートクライン増殖因子である。
【0005】 種々の生物学的活性を考えると、ケモカインが多数の生理学的状態および疾患
状態(リンパ球の輸送、創傷治癒、造血調節および免疫学的障害(例えば、アレ
ルギー、喘息および関節炎)を含む)に関連していることは、驚くことではない
【0006】 「C−C」ブランチのメンバーは、以下の細胞に対してその効力を発揮する;
寄生生物を破壊することにより、寄生生物感染を弱め、そして呼吸系の気道にお
ける慢性の炎症を引き起こす好酸球;脊椎動物における腫瘍形成を抑制するマク
ロファージ;およびアレルギー性炎症において役割を果たすヒスタミンを放出す
る好塩基球。しかし、1つのブランチのメンバーは、他のブランチのケモカイン
に通常応答性である細胞に対して効果を発揮し得るので、従って、これらブラン
チのメンバーに正確な役割を結び付け得ない。
【0007】 C−Cブランチのメンバーが単核細胞に対して支配的に作用し、そしてC−X
−Cブランチのメンバーが好中球に対して支配的に作用する一方、明確な化学誘
引物質特性を、この指針に基いてケモカインに割り当て得ない。1つのファミリ
ーからのいくつかのケモカインは、他のファミリーの特徴を示す。
【0008】 本発明のポリペプチドは、「C−X−C」領域の保存されたシステイン残基を
有し、そして公知のケモカインに対してアミノ酸配列相同性を有する。
【0009】 従って、別個の細胞型の移動の調節因子、あるいは機能不全および疾患におけ
るそれらの役割の調節因子として機能する、ポリペプチドについての必要性が存
在する。なぜなら、そのような調節の撹乱は、止血、新脈管形成、腫瘍転移、細
胞移動、および排卵、ならびに神経発生に関する障害に関与し得るからである。
従って、そのような障害を、検出、予防、寛解または矯正することにおいて役割
を担い得る、そのようなヒトポリペプチドを同定して、そして特徴付ける必要性
が存在する。
【0010】 (発明の要旨) 本発明は、配列番号2に示される完全アミノ酸配列、または1997年8月2
9日にATCC受託番号209231としてプラスミドDNAとして寄託された
cDNAクローンによってコードされる完全アミノ酸配列、を有するCKα−5
ポリペプチドの少なくとも一部をコードするポリヌクレオチドを含む、単離され
た核酸分子を提供する。ATCCは、10801 University Bo
ulevard、Manassas、Virginia 20110〜2209
にある。寄託されたCKα−5クローンを配列決定することにより決定されるヌ
クレオチド配列(これは、図1(配列番号1)に示される)は、254アミノ酸
残基の完全ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ヌクレオ
チド542〜544位のN末端メチオニンをコードする開始コドンを含む)を含
む。本発明の核酸分子は、配列番号2に示されるN末端メチオニンを除く完全ア
ミノ酸配列、またはATCC受託番号209231に含まれるcDNAクローン
によってコードされるN末端メチオニンを除く完全アミノ酸配列(これらの分子
はまた、CKα−5アミノ酸配列のN末端に融合されたさらなるアミノ酸をコー
ドし得る)をコードする核酸分子を含む。
【0011】 本発明のポリペプチドは、公知のケモカインに対するアミノ酸配列相同性を有
し、これは配列番号2のアミノ末端由来の最初のシステインから始まるという、
αサブファミリーのケモカインの保存されたC−X−Cシステインパターンの特
徴を含む。
【0012】 CKα−5はまた、いくつかのαケモカインにおいて見出される、最初のシス
テイン残基の直前にあるELRモチーフを欠き、このモチーフは好中球および内
皮細胞の化学走性活性、ならびにIL−8の脈管形成活性のために必要であるこ
とが公知である。
【0013】 コードされたポリペプチドは、図1において下線を付けた27アミノ酸の推定
リーダー配列を有し;そして推定成熟CKα−5タンパク質のアミノ酸配列はま
た、図1において、配列番号2におけるアミノ酸残基28〜254およびアミノ
酸残基1〜227として、示される。さらに、このポリペプチドは、図1の残基
28〜205由来の配列(配列番号2の1〜178)を有する細胞外ドメイン、
図1の残基206〜227由来の配列(配列番号2の179〜200)を有する
膜貫通ドメイン、および図1の残基228〜254由来の配列(配列番号2の2
01〜227)を有する細胞内ドメインからなると推定される。
【0014】 従って、本発明の1つの局面は、以下からなる群より選択されるヌクレオチド
配列を含む単離されたポリヌクレオチドを提供する:(a)図1(配列番号2)
の完全なアミノ酸配列を有するCKα−5ポリペプチドをコードする、ヌクレオ
チド配列;(b)N末端メチオニンを除く図1(配列番号2)の完全アミノ酸配
列(すなわち、配列番号2の−26位〜227位)を有するCKα−5ポリペプ
チドをコードするヌクレオチド配列;(c)図1の28位〜254位(配列番号
2の1〜227)のアミノ酸配列を有する推定成熟CKα−5ポリペプチドをコ
ードするヌクレオチド配列;(d)図1の28位〜205位(配列番号2の1〜
178)のアミノ酸配列を有するCKα−5ポリペプチドの推定細胞外ドメイン
をコードするヌクレオチド配列;(e)ATCC受託番号209231に含まれ
るcDNAクローンによりコードされる完全なアミノ酸配列を有するCKα−5
ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(f)ATCC受託番号2092
31に含まれるcDNAクローンによりコードされるN末端メチオニンを除く、
完全なアミノ酸配列を有するCKα−5ポリペプチドをコードするヌクレオチド
配列;(g)ATCC受託番号209231に含まれるcDNAクローンにより
コードされる成熟CKα−5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(h
)ATCC受託番号209231に含まれるcDNAクローンによりコードされ
るCKα−5の細胞外ドメインをコードするヌクレオチド配列;および(i)上
記の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)または(h)の
ヌクレオチド配列のいずれかに相補的なヌクレオチド配列。
【0015】 本発明のさらなる実施態様には、上記の(a)、(b)、(c)、(d)、(
e)、(f)、(g)、(h)または(i)の任意のヌクレオチド配列に、少な
くとも90%同一、およびより好ましくは少なくとも95%、96%、97%、
98%もしくは99%同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド、また
は上記の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)ま
たは(i)のポリヌクレオチドにストリンジェントなハイブリダイゼーション条
件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子が含まれ
る。ハイブリダイズするこのポリヌクレオチドは、A残基のみまたはT残基のみ
からなるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドに、ストリンジェントなハ
イブリダイゼーション条件下でハイブリダイズしない。本発明のさらなる核酸実
施態様は、上記の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、
または(h)のアミノ酸配列を有するCKα−5ポリペプチドのエピトープ保有
部分のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子に
関する。
【0016】 本発明はまた、本発明の単離された核酸分子を含む組換えベクター、およびこ
の組換えベクターを含む宿主細胞、ならびにこのようなベクターおよび宿主細胞
を作製する方法、および組換え技術によるCKα−5ポリペプチドまたはペプチ
ドの産生のためにこれらを用いる方法に関する。
【0017】 本発明はさらに、以下からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む単離され
たCKα−5ポリペプチドを提供する:(a)配列番号2に示される完全なアミ
ノ酸配列、またはATCC受託番号209231に含まれるcDNAクローンに
よりコードされる完全なアミノ配列を有する、完全長CKα−5ポリペプチドの
アミノ酸配列;(b)N末端メチオニンを除く配列番号2に示される完全アミノ
配列(すなわち、配列番号2の−26位〜227位)を有する完全長CKα−5
ポリペプチドのアミノ酸配列、またはATCC受託番号209231に含まれる
cDNAクローンによりコードされるN末端メチオニンを除く完全なアミノ酸配
列;(c)残基1〜227として配列番号2に示されるアミノ酸配列を有する成
熟CKα−5ポリペプチドのアミノ酸配列、またはATCC受託番号20923
1に含まれるcDNAクローンによりコードされる成熟CKα−5のアミノ酸配
列;および(d)残基1〜178として配列番号2に示されるアミノ酸配列を有
するCKα−5ポリペプチドの細胞外ドメインのアミノ酸配列、またはATCC
受託番号209231に含まれるcDNAクローンによりコードされるCKα−
5の細胞外ドメインのアミノ酸配列。本発明のポリペプチドはまた、上記の(a
)、(b)、(c)または(d)に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも
80%同一、より好ましくは少なくとも90%同一、そしてさらにより好ましく
は95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一なアミノ酸配列を有す
るポリペプチド、ならびに上記のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の類似
性、およびより好ましくは少なくとも95%の類似性を有するアミノ酸配列を有
するポリペプチドを含む。上記の(a)、(b)、(c)または(d)に記載さ
れるアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一、より好ましくは少なくとも9
0%同一、そしてさらにより好ましくは95%、96%、97%、98%、もし
くは99%同一なアミノ酸配列を有するポリペプチド、ならびに上記のアミノ酸
配列に対して少なくとも90%の類似性、およびより好ましくは少なくとも95
%の類似性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレ
オチドもまた提供される。
【0018】 本発明のこの局面のさらなる実施態様は、上記の(a)、(b)、(c)また
は(d)に記載されるアミノ酸配列を有する、CKα−5ポリペプチドのエピト
ープ保有部分のアミノ酸配列を含む、ペプチドまたはポリペプチドに関する。本
発明のCKα−5ポリペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列を有するペ
プチドまたはポリペプチドは、少なくとも6または7個、好ましくは少なくとも
9個、そしてより好ましくは少なくとも約30個のアミノ酸〜約50個のアミノ
酸を有する、このようなポリペプチドの部分を含むが、上記の本発明のポリペプ
チドの全アミノ酸配列までおよびこれを含む任意の長さのエピトープ保有ポリペ
プチドもまた、本発明に含まれる。
【0019】 別の実施態様において、本発明は、上記の(a)、(b)、(c)または(d
)に記載されるアミノ酸配列を有するCKα−5ポリペプチドに特異的に結合す
る単離された抗体を提供する。本発明はさらに、本明細書中に記載される通りの
アミノ酸配列を有するCKα−5ポリペプチドに特異的に結合する抗体を単離す
るための方法を提供する。このような抗体は、下記の通りに診断的または治療的
に有用である。
【0020】 本発明はまた、例えば、創傷治癒を刺激するため、固形腫瘍、微生物感染、自
己免疫疾患、肝硬変、変形性関節症および肺線維症を処置するために用いられ得
るCKα−5ポリペプチド、特にヒトCKα−5ポリペプチドを含む薬学的組成
物を提供する。CKα−5ポリペプチドが必要な個体を処置する方法もまた提供
される。
【0021】 本発明はさらに、インビトロの細胞、エクスビボの細胞、およびインビボの細
胞、または多細胞生物への投与のためのCKα−5ポリヌクレオチドまたはCK
α−5ポリペプチドを含む組成物を提供する。本発明のこの局面の特に好ましい
特定の実施態様では、組成物は、疾患の処置のための、宿主生物におけるCKα
−5ポリペプチドの発現のためのCKα−5ポリヌクレオチドを含む。これに関
して特に好ましいのは、CKα−5の異常な内在活性に関連する機能不全の処置
のための、ヒト患者における発現である。
【0022】 本発明はまた、CKα−5ポリペプチドの生物学的活性を増強または阻害し得
る化合物を同定するためのスクリーニング方法を提供する。この方法は、CKα
−5ポリペプチドにより増強されるレセプターを、CKα−5ポリペプチドの存
在下で候補化合物と接触させる工程、候補化合物およびCKα−5ポリペプチド
の存在下におけるこのレセプターを発現する細胞のカルシウム移動または化学走
性活性をアッセイする工程、ならびにレセプター活性を標準レベルの活性と比較
する工程(標準は、接触がレセプターとCKα−5ポリペプチドとの間で、候補
化合物の非存在下で行なわれる場合にアッセイされる)を包含する。このアッセ
イでは、標準を超えるカルシウム移動および化学走性における増加は、候補化合
物がCKα−5活性のアゴニストであることを示し、そして標準と比較したカル
シウム移動および化学走性における減少は、化合物がCKα−5活性のアンタゴ
ニストであることを示す。
【0023】 CKα−5が好中球においてだけではなく、単球、マクロファージ、肝臓、肺
、精巣、小脳および松果体においてもまた発現することが見出されている。従っ
て、本発明の核酸は、生物学的サンプル中に存在する組織または細胞型の差示的
同定のためのハイブリダイゼーションプローブとして有用である。同様に、ポリ
ペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示
的同定のための免疫学的プローブを提供するために有用である。さらに、上記の
(特に、免疫系の)組織または細胞の多くの障害については、「標準」のCKα
−5遺伝子発現レベル(すなわち、免疫系の障害を有さない個体からの健常組織
におけるCKα−5発現レベル)に対して有意に高いかまたは低いレベルのCK
α−5遺伝子発現は、このような障害を有する個体から採取された特定の組織(
例えば、ガン組織および創傷組織)または体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液
、もしくは髄液)において検出され得る。従って、本発明は、このような障害の
診断の間に有用な診断方法を提供する。この方法は以下の工程を包含する:(a
)個体の細胞または体液におけるCKα−5遺伝子の発現レベルをアッセイする
工程:(b)CKα−5遺伝子の発現レベルを、標準のCKα−5遺伝子の発現
レベルと比較し、それによって標準の発現レベルと比較して、アッセイされたC
Kα−5遺伝子の発現レベルの増加または減少は、免疫系における障害を示す、
工程。
【0024】 本発明のさらなる局面は、身体におけるCKα−5活性のレベルの増加が必要
な個体を処置する方法に関する。この方法は、このような個体に、本発明の単離
されたCKα−5ポリペプチドまたはそのアゴニストの治療有効量を含有する組
成物を投与する工程を包含する。
【0025】 本発明のなおさらなる局面は、身体におけるCKα−5活性のレベルの減少が
必要な個体を処置するための方法に関する。この方法は、このような個体に、C
Kα−5アンタゴニストの治療有効量を含有する組成物を投与する工程を包含す
る。本発明において使用するのに好ましいアンタゴニストは、CKα−5特異的
抗体である。
【0026】 (発明の詳細な説明) 本発明は、クローン化されたcDNAを配列決定して決定された、配列番号2
に示されるアミノ酸配列を有するCKα−5ポリペプチドをコードするポリヌク
レオチドを含む、単離された分子を提供する。図1(配列番号1)に示されるヌ
クレオチド配列は、2つのcDNAクローン:HMSCJ62およびHNFEM
05を配列決定することにより得られた。HMSCJ62は、図1に示される全
長配列を含み、そしてHuman Genome Sciences,Inc.
,9410 Key West Ave.,Rockville,MD 208
50に保管される。HNFEM05は、その最初の360ヌクレオチド(コード
領域の全てを含む)を除いた全てを含み、そしてアメリカンタイプカルチャーコ
レクション(「ATCC」)受託番号209231(1997年8月29日付)
として寄託される。ATCCは、10801 University Boul
evard,Manassas,Virginia 20110−2209に位
置する。
【0027】 寄託されたクローンは、pBluescript SK(−)プラスミド(S
tratagene,La,Jolla,CA)中に含まれる。
【0028】 本発明のポリペプチドは、公知のケモカインに対するアミノ酸配列の相同性を
有し、それは配列番号2におけるアミノ末端からの最初のシステインより始まる
、ケモカインのαサブファミリーに特徴的な、保存されたC−X−Cシステイン
パターンを含む。本発明のCKα−5タンパク質はまた、図2に示されるような
MIP1−β(配列番号3)についてのヒトmRNAの翻訳産物を特に含む、他
のケモカインと配列相同性を共有する。
【0029】 αケモカインファミリーの公知のメンバーについて、大部分はELRモチーフ
を含み(例えば、IL−8、ENA−78、GCP2、GRO−α、PBP、C
TAP−IIIおよびNAP−2)、そして他はELRモチーフを欠失している
(例えば、IP−10、PF4およびMIG)。CKα−5は、最初のシステイ
ン残基に直ちに先行するELRモチーフを欠失している。このELRモチーフは
、好中球および内皮細胞の化学走性活性、ならびにIL−8の脈管形成活性に必
要とされることが明らかに示された(Strieterら、J.Biol.Ch
em.,270:27348−27357(1995))。さらに、ELR−C
−X−Cケモカインは、インビトロおよびインビボにおいて、脈管形成活性を有
するが、その一方で、ELRモチーフを欠失しているC−X−Cケモカインは、
実際には、脈管形成静止的(angiostatic)である(Striete
rら、前述;Angiolilloら、J.Exp.Med.,182:155
−162(1995);およびKochら、Science,258:1798
−1801(1992))。腫瘍の脈管形成におけるそのような因子の可能な役
割の点については、Smithら、J.Exp.Med.,179:1409−
1415(1994)は、気管支原生癌腫瘍において、その腫瘍細胞から産生さ
れるようであるIL−8のレベルの上昇を報告した。
【0030】 (核酸分子) 他に示されない限り、本明細書中でDNA分子を配列決定することによって決
定されたすべてのヌクレオチド配列は、自動化DNA配列決定機(例えば、Ap
plied Biosystems,Inc.,Foster City,CA
からのModel 373)を使用して決定され、そして本明細書中で決定され
るDNA分子によってコードされるポリペプチドのすべてのアミノ酸配列は、上
記のように決定されるDNA配列の翻訳によって推定された。従って、この自動
化アプローチによって決定された任意のDNA配列について当該分野において公
知のように、本明細書中で決定される任意のヌクレオチド配列はいくつかの誤差
を含み得る。自動化によって決定されるヌクレオチド配列は、配列決定されるD
NA分子の実際のヌクレオチド配列に対して、代表的には少なくとも約90%同
一、より代表的には少なくとも約95%から少なくとも約99.9%同一である
。実際の配列は、当該分野において周知の手動DNA配列決定方法を含む他のア
プローチによってさらに正確に決定され得る。当該分野においてまた公知のよう
に、実際の配列と比較した、決定されるヌクレオチド配列における単一の挿入ま
たは欠失は、ヌクレオチド配列の翻訳においてフレームシフトを引き起こし、そ
の結果、決定されるヌクレオチド配列によってコードされる推定アミノ酸配列は
、配列決定されるDNA分子によって実際にコードされるアミノ酸配列とは完全
に異なる。このような差異は、このような挿入または欠失の点にて始まる。
【0031】 核酸分子またはポリヌクレオチドの「ヌクレオチド配列」によって、DNA分
子またはポリヌクレオチドについてはデオキシリボヌクレオチドの配列が、そし
てRNA分子またはポリヌクレオチドについては対応するリボヌクレオチド(A
,G,CおよびU)の配列(ここで、特定したデオキシリボヌクレオチド配列中
のそれぞれのチミジンデオキシリボヌクレオチド(T)がリボヌクレオチドウリ
ジン(U)により置換される)が、意図される。
【0032】 本明細書中に提供した情報、例えば、図1(配列番号1)のヌクレオチド配列
を使用して、CKα−5ポリペプチドをコードする本発明の核酸分子は、標準の
クローニングおよびスクリーニング手順(例えば、出発物質としてmRNAを使
用してcDNAをクローン化する手順)を使用して入手され得る。本発明の実例
として、図1(配列番号1)に記述される核酸分子は、主に免疫系組織由来のc
DNAライブラリー中に発見された。クローンHMSCJ62は、単球のcDN
Aライブラリーから単離され、そしてHNFEM05は、好中球cDNAライブ
ラリーから単離された。
【0033】 同じ遺伝子のさらなるクローンもまた、以下のヒト組織:結腸および骨巨細胞
腫由来のcDNAライブラリーにおいて同定された。
【0034】 図1(配列番号1)のCKα−5 cDNAの決定されたヌクレオチド配列は
、254アミノ酸残基のタンパク質(開始コドンを伴う、図1(配列番号1)中
のヌクレオチド配列のヌクレオチドの542〜544位)をコードするオープン
リーディングフレームを含む。配列番号2中に示されるCKα−5タンパク質の
アミノ酸配列は、ラットマクロファージ炎症性タンパク質−1β(図2)(登録
番号gi|459148で、GenBankにアクセスされ得る)と、約51%
類似および約28%同一である。
【0035】 当業者に理解されるように、上記の配列決定の誤差の可能性に起因して、委託
されるcDNAによりコードされる実際の完全CKα−5ポリペプチド(約25
4アミノ酸を含む)は、幾分より長く、またはより短くあり得る。より一般に、
実際のオープンリーディングフレームは、図1(配列番号1)において示される
N末端のメチオニンコドンから推定されるアミノ酸の、±20アミノ酸の範囲内
、より好ましくは±10アミノ酸の範囲内における任意のものであり得る。
【0036】 (リーダー配列および成熟配列) 完全CKα−5タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号2に示されるような、
リーダー配列および成熟タンパク質を含む。より詳細には、本発明は、CKα−
5タンパク質の成熟形態をコードする核酸分子を提供する。従って、シグナル仮
説に従って、一旦、成長するタンパク質鎖の粗面小胞体を横切る輸送が開始され
ると、哺乳動物細胞によって分泌されたタンパク質は、シグナルまたは分泌リー
ダー配列を有し、これは完全ポリペプチドから切断されて、タンパク質の分泌さ
れる「成熟」形態を産生する。ほとんどの哺乳動物細胞、および昆虫細胞さえ、
分泌されたタンパク質を同じ特異性で切断する。しかし、いくつかの場合におい
て、分泌されたタンパク質の切断は、全体的に均一ではなく、タンパク質の2つ
以上の成熟種を生じる。さらに、分泌されたタンパク質の切断特異性は、究極的
には、完全タンパク質の一次構造によって決定されること、すなわち、ポリペプ
チドのアミノ酸配列に固有であることが公知である。それゆえ、本発明は、AT
CC受託番号209231として同定されるcDNAクローンによってコードさ
れるアミノ酸配列を有する、成熟CKα−5ポリペプチドをコードするヌクレオ
チド配列を提供する。「ATCC受託番号209231におけるcDNAクロー
ンによってコードされるアミノ酸配列を有する成熟CKα−5ポリペプチド」に
よって、寄託されたベクターに含まれるクローンのヒトDNA配列によってコー
ドされる完全なオープンリーディングフレームの哺乳動物細胞(例えば、以下に
記載のような、COS細胞)における発現によって産生されるCKα−5タンパ
ク質の成熟形態が意味される。
【0037】 さらに、タンパク質が分泌リーダーならびにリーダー配列の切断点を有するか
否かを推定するための方法が利用可能である。例えば、McGeoch(Vir
us Res.3:271−286(1985))の方法では、完全な(非切断
の)タンパク質の短いN末端荷電領域、および引き続く非荷電領域からの情報が
使用される。von Heinjeの方法(Nucleic Acids Re
s.14:4683−4690(1986))では、切断部位の周囲の残基(代
表的には、残基−13〜+2、ここで、+1は成熟タンパク質のアミノ末端を示
す)からの情報が使用される。これらの方法の各々に関する、公知の哺乳動物分
泌タンパク質の切断点を推定する精度は、75〜80%の範囲にある(von
Heinje、前述)。しかしこの2つの方法は、所定のタンパク質に関して同
じ推定切断点を常に生じるとは限らない。
【0038】 本出願の場合において、完全CKα−5ポリペプチドの推定アミノ酸配列は、
京都大学、化学研究所(Nakai,K.および Kanehisa,M.,G
enomics 14:897−911(1992))のKenta Naka
i博士より入手可能なコンピュータープログラム「PSORT」により解析され
た。PSORTはアミノ酸配列に基づくタンパク質の細胞性局在位置を推定する
ためのエキスパートシステムである。局在化のこのコンピューター推定の一部と
して、McGeochおよびvon Heinjeの方法が取りこまれる。上記
のコンピューター解析は、配列番号2に示される完全アミノ酸配列内で、1つの
可能性のある切断部位を予測し;すなわち、図1における残基27と残基28と
の間、および配列番号2における残基−1と残基1との間である。
【0039】 示されるように、本発明の核酸分子は、RNAの形態(例えばmRNA)で、
またはDNAの形態(例えば、クローニングにより入手または合成的に生成され
るcDNAおよびゲノムDNAを含む)であり得る。このDNAは二本鎖または
一本鎖であり得る。一本鎖DNAまたはRNAは、センス鎖としてもまた知られ
る、コード鎖であり得るか、またはアンチセンス鎖とも言われる非コード鎖であ
り得る。
【0040】 「単離された」核酸分子によって、そのネイティブな環境から取り出された核
酸分子(DNAまたはRNA)が意図される。例えば、ベクター中に含まれる組
換えDNA分子は、本発明の目的のために単離されていると考えられる。単離さ
れたDNA分子のさらなる例は、異種の宿主細胞において維持される組換えDN
A分子、または溶液中の(部分的または実質的に)精製されたDNA分子を含む
。単離されたRNA分子は、本発明のDNA分子のインビボまたはインビトロで
のRNA転写物を含む。本発明に従う単離された核酸分子は、合成的に生成され
たような分子をさらに含む。「単離された」とは、本発明者は、単離された染色
体および酵母人工染色体(YAC)のような、非常に大きい遺伝物質片(200
kb+)を特異的に排除することを意図している。
【0041】 本発明の単離された核酸分子は、図1(配列番号1)に示されるヌクレオチド
配列の542〜544位の開始コドンを有するオープンリーディングフレーム(
ORF)を含むDNA分子を含む。
【0042】 配列番号2の1〜227位に示される推定成熟CKα−5タンパク質に対する
コード配列を含むDNA分子もまた、含まれる。
【0043】 さらに、本発明の単離された核酸分子は、上記の配列とは実質的に異なるが、
遺伝コードの縮重により、なおCKα−5タンパク質をコードする配列を含むD
NA分子を含む。もちろん、遺伝コードおよび種特異的コドン優先度は、当該分
野で周知である。従って、例えば、特定の宿主に関してコドン発現を至適化する
(例えば、ヒトmRNA中のコドンをE.coliのような細菌宿主に好ましい
コドンに変更する)ために、上記の縮重改変体を作製することは当業者にとって
慣用的である。
【0044】 別の局面において、本発明は、ATCC受託番号209231(1997年8
月29日付)として受託されるプラスミドに含まれるcDNAクローンによりコ
ードされるアミノ酸配列を有するCKα−5ポリペプチドをコードしている単離
された核酸分子を提供する。
【0045】 好ましくは、この核酸分子は、上記の寄託されたcDNAクローンによってコ
ードされる成熟ポリペプチドをコードする。
【0046】 本発明は、図1(配列番号1)に示されるヌクレオチド配列もしくは上記の寄
託クローンに含まれるCKα−5 cDNAのヌクレオチド配列を有する単離さ
れた核酸分子、または上記の配列の1つに相補的な配列を有する核酸分子をさら
に提供する。このような単離した分子、特にDNA分子は、染色体とのインサイ
チュハイブリダイゼーションによる遺伝子地図作製に使用するプローブとして、
およびヒト組織におけるCKα−5遺伝子の発現を(例えば、ノーザンブロット
解析によって)検出するために有用である。
【0047】 本発明はさらに、本明細書中に記述されるヌクレオチド配列の一部をコードす
る核酸分子、ならびに本明細書中に記述した単離した核酸分子のフラグメントに
関する。特に本発明は、配列番号1の1〜1303、542〜1303、622
〜1303、625〜1303、628〜1303、631〜1303、634
〜1303、637〜1303、640〜1303、643〜1303、646
〜1303、649〜1303、652〜1303、652〜787、652〜
817、652〜847、652〜877、652〜907、652〜937、
652〜967、652〜997、652〜1027、652〜1057、65
2〜1087、652〜1117、652〜1147、652〜1177、65
2〜1207、652〜1237、または652〜1267位からなる配列番号
1の一部を表しているヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを提供する。
【0048】 さらに、配列番号1の広範な部分に関連したヌクレオチド配列を有する、以下
の核酸分子が同定された:クローンHNFCO09由来のHNFCO09R(配
列番号4);クローンHNEDS26R由来のHNEDS26R(配列番号5)
;。クローンHOABD47由来のHOABD47R(配列番号6);クローン
HTEIR41由来のHTEIR41R(配列番号7);クローンHMNAD3
6由来のHMNAD36R(配列番号8);およびクローンHTEDQ07由来
のHTEDQ07RA(配列番号20)。
【0049】 配列番号1の一部に関連する、以下の公に利用可能なexpressed s
equence tag「EST」もまた同定された:GenBank受託番号
AA130776(配列番号9);GenBank受託番号AA290712(
配列番号10);GenBank受託番号AA366329(配列番号11);
GenBank受託番号AA121716(配列番号12);GenBank受
託番号AA146672(配列番号13);GenBank受託番号AA149
359(配列番号14);GenBank受託番号AA569970(配列番号
21);およびGenBank受託番号AA994552(配列番号22)。
【0050】 本発明のポリヌクレオチドは、好ましくは、1以上の上記の配列1〜14およ
び20〜22ではなく、そしてそれらを含むものではない。
【0051】 さらに本発明は、配列番号1のヌクレオチド542〜1303からの少なくと
も約17ヌクレオチド、好ましくは少なくとも約20、25、または30ヌクレ
オチド、そして最も好ましくは少なくとも約50ヌクレオチドの任意の部分を含
むポリヌクレオチドを含む。
【0052】 本発明はまた、配列番号1の,好ましくは残基542〜1,303からの、少
なくとも約500、好ましくは約600のヌクレオチドの任意の部分を含むポリ
ヌクレオチドを含む。この点において、特に好ましいヌクレオチドフラグメント
は、配列番号1におけるヌクレオチド622〜1,303からのフラグメントを
含む。
【0053】 より一般的には、寄託したcDNAのヌクレオチド配列または図1(配列番号
1)に示されるヌクレオチド配列を有する単離された核酸分子のフラグメントは
、本明細書中に議論したような診断プローブおよびプライマーとして有用である
、少なくとも約15nt、そしてより好ましくは少なくとも約20nt、さらに
より好ましくは少なくとも約30nt、そしてなおより好ましくは、少なくとも
約40nt長のフラグメントを意図する。もちろん、寄託したcDNAの、また
は図1(配列番号1)に示したヌクレオチド配列の全てではないが、ほとんどに
対応するフラグメントとして、50〜1000nt長のより大きなフラグメント
もまた、本発明に従って有用である。少なくとも20nt長のフラグメントは、
例えば、寄託したcDNAのヌクレオチド配列または図1(配列番号1)に示さ
れるようなヌクレオチド配列からの20以上の連続した塩基を含むフラグメント
を意図する。本発明の好ましい核酸フラグメントは、図3に示されるJames
on−Wolf抗原性指数から同定され、そして以下により詳細に記述されるC
Kα−5ポリペプチドのエピトープ保有部分をコードする核酸分子を含む。
【0054】 別の局面において、本発明は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条
件下で、上記の本発明の核酸分子(例えば、ATCC受託番号209231に含
まれるcDNAクローン)中のポリヌクレオチドの一部に対してハイブリダイズ
するポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子を提供する。「ストリンジェン
トなハイブリダイゼーション条件」とは、以下:50%ホルムアミド、5×SS
C(750mM NaCl、75mMクエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸
ナトリウム(pH7.6)、5×デンハート溶液、10%デキストラン硫酸、お
よび20μg/mlの変性剪断サケ精子DNAを含む溶液中での42℃での一晩
のインキュベーション、引き続く約65℃での0.1×SSC中でのフィルター
の洗浄を意図する。
【0055】 ポリヌクレオチドの「部分」にハイブリダイズするポリヌクレオチドとは、参
照ポリヌクレオチドの少なくとも約15ヌクレオチド(nt)、そしてより好ま
しくは少なくとも約20nt、さらにより好ましくは少なくとも約30nt、そ
してなおより好ましくは約30〜70(例えば50)ntにハイブリダイズする
ポリヌクレオチド(DNAまたはRNAのいずれか)を意図する。これらは、上
記で、そして以下でより詳細に議論されるように、診断用プローブおよびプライ
マーとして有用である。
【0056】 例えば、「少なくとも20nt長」のポリヌクレオチドの部分とは、参照ポリ
ヌクレオチドのヌクレオチド配列(例えば、寄託されたcDNA、または図1(
配列番号1)に示されるようなヌクレオチド配列)からの20以上の連続したヌ
クレオチドを意図する。もちろん、ポリA配列(例えば図1(配列番号1)に示
されるCKα−5 cDNAの3’末端ポリ(A)領域に、またはT(もしくは
U)残基の相補的なストレッチのみにハイブリダイズするポリヌクレオチドは、
本発明の核酸の一部にハイブリダイズするために使用される本発明のポリヌクレ
オチドに含まれない。なぜなら、このようなポリヌクレオチドは、ポリ(A)ス
トレッチを含む任意の核酸分子またはその相補体(例えば、現実的には任意の二
本鎖cDNAクローン)にハイブリダイズするからである。
【0057】 示されるように、CKα−5ポリペプチドをコードする本発明の核酸分子は、
それ自体で成熟ポリペプチドのアミノ酸配列をコードする核酸分子;および成熟
ポリペプチドおよび付加配列についてのコード配列、例えば約27アミノ酸のリ
ーダーまたは分泌配列(例えばプレ、またはプロ、またはプレプロタンパク質配
列)をコードするもの;上記の付加コード配列を有する、または有さない成熟ポ
リペプチドのコード配列を含み得るがこれらに限定されない。
【0058】 本発明の核酸によって、例えば、イントロンおよび非コード5’および3’配
列(例えば、転写、mRNAプロセッシング(スプライシングシグナルおよびポ
リアデニル化シグナルを含む)において役割を果すような、、転写されるが翻訳
されない配列(例えば、リボソーム結合およびmRNAの安定性のための))を
含むがこれらに限定されない付加的な非コード配列;付加的アミノ酸をコードす
る追付加的コード配列(例えば付加的な機能性を提供するもの)とともに上記の
タンパク質配列もまたコードされる。
【0059】 従って、ポリペプチドをコードする配列は、マーカー配列(例えば、融合ポリ
ペプチドの精製を容易にするペプチドをコードする配列)と融合され得る。本発
明のこの局面の特定の好ましい実施態様において、このマーカーアミノ酸配列は
、例えば、特にpQEベクター(QIAGEN,Inc.,9259 Eton
Avenue,Chatsworth,CA,91311)に提供されるタグ
のような、ヘキサヒスチジンペプチドであり、多くのものは市販されている。G
entzら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:821−
824(1989)に記述されるように、例えば、ヘキサヒスチジンは融合タン
パク質の簡便な精製のために提供される。「HA」タグは、Wilsonら、C
ell 37:767(1984)に記載されるインフルエンザ血球凝集素タン
パク質に由来するエピトープと対応する、精製に有用な別のペプチドである。以
下に議論するように、他のこのような融合タンパク質は、NまたはC末端でFc
に融合したCKα−5を含む。
【0060】 (改変体および変異体ポリヌクレオチド) 本発明はさらに、本発明の核酸分子の改変体に関し、これはCKα−5タンパ
ク質の一部、アナログまたは誘導体をコードする。改変体は、天然の対立遺伝子
改変体のように天然に存在し得る。「対立遺伝子改変体」とは、生物の染色体上
の所定の遺伝子座を占有する遺伝子のいくつかの代替的な形態のひとつを意図す
る。Genes II,Lewin,B.編、John Wiley & So
ns,New York(1985)。天然に存在しない改変体は、当該分野に
おいて公知の変異誘発技術を使用して産生され得る。
【0061】 そのような改変体は、ヌクレオチドの置換、欠失または付加により産生される
改変体を含む。置換、欠失または付加は1つ以上のヌクレオチドを含み得る。こ
の改変体は、コード領域、非コード領域または両方で変更され得る。コード領域
での変化は、保存的または非保存的のアミノ酸の置換、欠失または付加を産生し
得る。これらの中で特に好ましいものは、サイレントな置換、付加および欠失で
あり、これはCKα−5タンパク質またはその一部の特性および活性を変化させ
ない。この点について、また特に好ましいものは、保存的置換である。
【0062】 最も高度に好ましいものは、アミノ末端メチオニンをコードするように改変さ
れ得るか、または他のN−もしくはC−末端融合ペプチドもしくはポリペプチド
をコードするように改変され得るかのいずれかの配列番号2に示されるアミノ酸
配列を有する成熟タンパク質または、寄託したcDNAクローンによりコードさ
れる成熟CKα−5アミノ酸配列をコードする核酸分子である。
【0063】 さらなる実施態様は、以下ものからなる群から選択される核酸配列と少なくと
も90%同一、そしてより好ましくは少なくとも95%、96%、97%、98
%もしくは99%同一のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチドを
含む:(a)配列番号2として示されるCKα−5ポリペプチドをコードするヌ
クレオチド配列;(b)配列番号2の残基−26〜227として示されるCKα
−5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(c)配列番号2の残基1〜
227として示される推定成熟CKα−5をコードするヌクレオチド配列;(d
)配列番号2の残基1〜178として示されるCKα−5ポリペプチドの推定細
胞外ドメインをコードするヌクレオチド配列;(e)ATCC受託番号2092
31に含まれるcDNAクローンによりコードされる完全アミノ酸配列を有する
CKα−5ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(f)ATCC受託番
号209231に含まれるcDNAクローンによりコードされる、N末端メチオ
ニンを除く完全アミノ酸配列を有するCKα−5ポリペプチドをコードするヌク
レオチド配列;(g)ATCC受託番号209231に含まれるcDNAクロー
ンによりコードされるアミノ酸配列を有する成熟CKα−5ポリペプチドをコー
ドするヌクレオチド配列;(h)ATCC受託番号209231に含まれるcD
NAクローンによりコードされるアミノ酸配列を有するCKα−5ポリペプチド
の細胞外ドメインをコードするヌクレオチド配列;および(i)上記の(a)、
(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)または(h)における任意の
ヌクレオチド配列に対して相補的なヌクレオチド配列。
【0064】 本発明のさらなる実施態様は、上記の(a)、(b)、(c)、(d)、(e
)、(f)、(g)、(h)もしくは(i)の任意のヌクレオチド配列に、少な
くとも90%同一、そしてより好ましくは少なくとも95%、96%、97%、
98%もしくは99%同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド、また
は上記の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)も
しくは(i)のポリヌクレオチドにストリンジェントなハイブリダイゼーション
条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子を含む
。ハイブリダイズするこのポリヌクレオチドは、A残基のみまたはT残基のみか
らなるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドに、ストリンジェントなハイ
ブリダイゼーション条件下でハイブリダイズしない。本発明のさらなる核酸実施
態様は、上記の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、も
しくは(h)のアミノ酸配列を有するCKα−5ポリペプチドのエピトープ保有
部分のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子に
関係する。
【0065】 本発明はまた、本発明の単離された核酸分子を含む組換えベクター、およびこ
の組換えベクターを含む宿主細胞、ならびにそのようなベクターおよび宿主細胞
を作製する方法、および組換え技術によりCKα−5ポリペプチドまたはペプチ
ドを産生するためにそれらを使用するための方法に関する。
【0066】 CKα−5ポリペプチドをコードする参照ヌクレオチド配列に、例えば、少な
くとも95%「同一の」ヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドとは、その
ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が、CKα−5ポリペプチドをコードする
参照ヌクレオチド配列の各100ヌクレオチドあたり5つまでの点変異をポリヌ
クレオチド配列が含み得ることを除いて、参照配列に同一であることを意図する
。換言すれば、参照ヌクレオチド配列に少なくとも95%同一であるヌクレオチ
ド配列を有するポリヌクレオチドを得るために、参照配列における5%までのヌ
クレオチドが欠失され得るか、もしくは別のヌクレオチドで置換され得るか、ま
たは参照配列において全ヌクレオチドの5%までの数のヌクレオチドが、参照配
列中に挿入され得る。参照配列のこれらの変異は、参照ヌクレオチド配列の5’
もしくは3’末端位置において、またはこれらの末端位置の間の任意の位置で、
参照配列中のヌクレオチド間で個々に、もしくは参照配列内の1以上の連続した
群においての、いずれかで散在されて生じ得る。
【0067】 実際問題として、任意の特定の核酸分子が、例えば図1に示されるヌクレオチ
ド配列または寄託されたcDNAクローンのヌクレオチド配列に少なくとも90
%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるか否かは、Bes
tfitプログラム(Wisconsin Sequence Analysi
s Package,Version 8 for Unix,Genetic
s Computer Group,University Research
Park,575 Science Drive,Madison,WI53
711)のような公知のコンピュータープログラムを使用して従来どおり決定さ
れ得る。Bestfitは、SmithおよびWaterman( Advan
ces in Applied Mathematics 2:482−489
(1981))の局所的相同性アルゴリズムを用いて、2つの配列間の最も相同
性の高いセグメントを見出す。特定の配列が、例えば、本発明に従う参照配列と
95%同一か否かを決定するために、Bestfitまたは任意の他の配列整列
化プログラムを使用する場合、パラメーターは、もちろん、参照ヌクレオチド配
列の全長にわたって同一性のパーセンテージが計算されるように、そして参照配
列のヌクレオチドの総数の5%までの、相同性におけるギャップが可能であるよ
うに設定される。
【0068】 本出願は、図1(配列番号1)に示される核酸配列または寄託されたcDNA
の核酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%
同一である核酸分子に関し、それらがCKα−5活性を有するポリペプチドをコ
ードするか否かとは無関係である。これは、特定の核酸分子がCKα−5活性を
有するポリペプチドをコードしない場合でさえ、当業者にはなお、例えばハイブ
リダイゼーションプローブまたはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)プライマーと
しての核酸分子の使用方法が公知であるからである。CKα−5活性を有するポ
リペプチドをコードしない本発明の核酸分子の使用としては、とりわけ、以下が
挙げられる:(1)cDNAライブラリーにおけるCKα−5遺伝子またはその
対立遺伝子改変体の単離;(2)Vermaら,Human Chromoso
mes:A Manual of Basic Techniques,Per
gamon Press,New York(1988)に記載される、CKα
−5遺伝子の正確な染色体位置を提供するための中期染色体展開物に対するイン
サイチュハイブリダイゼーション(例えば、「FISH」);および特定の組織
でのCKα−5 mRNA発現を検出するためのノーザンブロット解析。
【0069】 しかし、図1(配列番号1)に示される核酸配列、または実際に、CKα−5
タンパク質活性を有するポリペプチドをコードする寄託されたcDNAの核酸配
列に対して少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%同
一の配列を有する核酸分子が好ましい。「CKα−5活性を有するポリペプチド
」とは、完全CKα−5タンパク質の細胞外部分の活性に、類似するが同一であ
る必要はない活性を提示するポリペプチドを意図する。そのようなポリペプチド
に保持されると考えられる、そのような1つの活性は、ヒトケモカインHCC−
1が行うような、骨髄前駆細胞のコロニー形成を調節する能力である。骨髄性前
駆細胞の阻害の程度を測定するためのインビトロにおけるコロニー形成アッセイ
は、Youngら、The Journal of Immunology 1
55:2661−2667(1995)に記載される。手短には、アッセイは、
ヒトまたはマウス骨髄細胞を収集し、そして寒天上にそれらをプレートして、1
以上の成長因子、および(1)CKα−5タンパク質(または候補ポリペプチド
)を含むトランスフェクトさせた宿主細胞上清または(2)トランスフェクトさ
れてない宿主細胞上清コントロールのいずれかを添加し、そしてマウスおよびヒ
トのCFU顆粒球マクロファージ(CFU−GM)によるか、ヒトの赤芽球バー
スト形成細胞(BFU−E)によるか、あるいはヒトCFU顆粒球赤血球マクロ
ファージ巨核球(CFU−GEMM)によるコロニー形成の影響を測定すること
を含む。このような活性は、化学療法間の骨髄前駆細胞を保護するために有用で
ある。
【0070】 CKα−5タンパク質は、上記アッセイにおいて用量依存様式で免疫系細胞増
殖および分化を調節する。従って、「CKα−5タンパク質活性を有するポリペ
プチド」は、用量依存様式で、上記アッセイにおいて任意の同じ骨髄性前駆体調
節活性をまた提示するポリペプチドを含む。用量依存活性の程度は、CKα−5
タンパク質の用量依存活性と同一である必要はないが、好ましくは「CKα−5
タンパク質活性を有するポリペプチド」は、CKα−5タンパク質と比較する場
合、所定の活性において実質的に類似の用量依存性を提示する(すなわち、候補
ポリペプチドは、参照CKα−5タンパク質と比較して、より高い活性、または
約25分の1未満でない活性、および好ましくは約10分の1未満でない活性を
提示する)。
【0071】 他のCXCケモカインのように、CKα−5は、例えば、単球、リンパ球、好
中球を含む白血球において活性を示す。この理由のために、CKα−5は、これ
らの細胞型の増殖,分化、移動を指向するにおいて活性である。このような活性
は、免疫増強または抑制、骨髄保護、幹細胞動員、急性および慢性の炎症制御な
らびに白血病の処置に対して有用である。そのような活性を測定するためのアッ
セイは、当該分野で公知である。例えば、Petersら、Immun.Tod
ay 17:273(1996);Youngら、J.Exp.Med.182
:1111(1995);Cauxら、Nature 390:258(199
2);およびSantiago−Schwarzら、Adv.Exp.Med.
Biol.378:7(1995)を参照のこと。上記の学術論文の各々からの
アッセイおよびプロトコールは、本明細書に参考として援用される。
【0072】 もちろん遺伝コードの縮重に起因して、寄託したcDNAの核酸配列または図
1(配列番号1)に示される核酸配列に対して、少なくとも90%、95%、9
6%、97%、98%または99%同一である配列を有する大多数の核酸分子が
「CKα−5タンパク質活性を有する」ポリペプチドをコードすることを、当業
者は直ちに認識する。実際、これらのヌクレオチド配列の縮重改変体は全て同じ
ポリペプチドをコードするので、このことは上記の比較アッセイを実施しなくと
も当業者に明らかである。縮重改変体でない核酸分子についても、妥当な数のも
のがまたCKα−5タンパク質活性を有するポリペプチドをコードすることは、
当該分野においてさらに認識される。これは、以下にさらに記述するように、タ
ンパク質の機能を有意にもたらすようであるか、またはもたらさないようである
かのいずれかのアミノ酸置換(例えば、一つの脂肪族アミノ酸を第二の脂肪族ア
ミノ酸で置換すること)を当業者らは十分に承知しているからである。
【0073】 (ベクターおよび宿主細胞) 本発明はまた、本発明の単離されたDNA分子を含むベクター、この組換えベ
クターで遺伝子操作された宿主細胞、および組換え技術によるCKα−5ポリペ
プチドまたはそのフラグメントの産生に関する。ベクターは、例えば、ファージ
ベクター、プラスミドベクター、ウイルスベクター、またはレトロウイルスベク
ターであり得る。レトロウイルスベクターは、複製コンピテントまたは複製欠損
であり得る。後者の場合、ウイルス増殖は、一般的に相補的な宿主細胞において
のみ起こる。
【0074】 ポリヌクレオチドは、宿主における増殖のために、選択マーカーを含むベクタ
ーに結合され得る。一般的に、プラスミドベクターは、リン酸カルシウム沈澱物
のような沈澱物か、または荷電された脂質との複合体で導入される。ベクターが
ウイルスである場合、ベクターは、適切なパッケージング細胞株を用いてインビ
トロでパッケージングされ得、次いで宿主細胞に形質導入され得る。
【0075】 DNAインサートは、例えば、ファージλPLプロモーター、E.coli
lac、trp、phoA、およびtacプロモーター、SV40初期および後
期プロモーター、ならびにレトロウイルスLTRのプロモーターなどのような、
適切なプロモーターに作動可能に結合されるべきである。他の適切なプロモータ
ーは、当業者に公知である。発現構築物は、転写開始のための部位、終結のため
の部位、および転写された領域において翻訳のためのリボソーム結合部位をさら
に含む。構築物によって発現される転写物のコード部分は、好ましくは、翻訳さ
れるポリペプチドの最初の翻訳開始コドンおよび翻訳されるポリペプチドの最後
に適切に位置する終止コドン(UAA、UGAまたはUAG)を含む。
【0076】 示されたように、発現ベクターは、好ましくは、少なくとも1つの選択マーカ
ーを含む。このようなマーカーとしては、真核生物細胞培養についてはジヒドロ
葉酸レダクターゼ、G418、またはネオマイシン耐性、ならびにE.coli
および他の細菌における培養についてはテトラサイクリン耐性遺伝子、カナマイ
シン耐性遺伝子、またはアンピシリン耐性遺伝子が挙げられる。適切な宿主の代
表的な例としては、細菌細胞(例えば、E.coli細胞、Streptomy
ces細胞、およびSalmonella typhimurium細胞);真
菌細胞(例えば酵母細胞);昆虫細胞(例えば、Drosophila S2細
胞およびSpodoptera Sf9細胞);動物細胞(例えば、CHO細胞
、COS細胞、293細胞、およびBowes黒色腫細胞);ならびに植物細胞
が挙げられるが、これらに限定されない。上記の宿主細胞のための適切な培養培
地および条件は当該分野で公知である。
【0077】 細菌における使用に好ましいベクターの中には、QIAGEN,Inc.前出
から入手可能なpQE70、pQE60、およびpQE−9;Stratage
neから入手可能なpBSベクター、Phagescriptベクター、Blu
escriptベクター、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH4
6A;ならびにPharmaciaから入手可能なptrc99a、pKK22
3−3、pKK233−3、pDR540、pRIT5が含まれる。好ましい真
核生物ベクターの中には、Stratageneから入手可能なpWLNEO、
pSV2CAT、pOG44、pXT1、およびpSG;ならびにPharma
ciaから入手可能なpSVK3、pBPV、pMSG、およびpSVLがある
。他の適切なベクターは、当業者に容易に明らかである。
【0078】 宿主細胞への構築物の導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DE
AE−デキストラン媒介トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トランスフ
ェクション、エレクトロポレーション、形質導入、感染または他の方法によって
もたらされ得る。このような方法は、多くの標準的研究室マニュアルに記載され
ている(例えば、Davisら, Basic Methods In Mol
ecular Biology(1986))。
【0079】 ポリペプチドは、融合タンパク質のような改変された形態で発現され得、そし
て分泌シグナルだけでなく、さらなる異種の機能的領域も含み得る。例えば、さ
らなるアミノ酸、特に荷電アミノ酸の領域が、宿主細胞においてか、精製の間か
、または続く取り扱いおよび保存の間の、安定性および持続性を改善するために
、ポリペプチドのN末端に付加され得る。また、ペプチド部分が、精製を容易に
するためにポリペプチドへ付加され得る。そのような領域は、ポリペプチドの最
終調製の前に除去され得る。とりわけ、分泌または排出を生じるため、安定性を
改善するため、および精製を容易にするためのペプチド部分のポリペプチドへの
付加は、当該分野でよく知られており、そして慣用的な技術である。好ましい融
合タンパク質は、タンパク質の安定化および精製のために有用な免疫グロブリン
由来の異種領域を含む。例えば、EP−A−O 464 533(カナダ対応出
願第2045869号)は、別のヒトタンパク質、またはその一部とともに免疫
グロブリン分子の定常領域の種々の部分を含む融合タンパク質を開示する。多く
の場合、融合タンパク質中のFc部分は、治療および診断における使用に十分に
有利であり、従って、例えば改善された薬物動態学的特性を生じる(EP−A
0232 262)。一方、いくつかの使用について、融合タンパク質が、記載
される有利な様式で、発現され、検出され、そして精製された後に、Fc部分を
欠失し得ることが望ましい。これは、Fc部分が、治療および診断における使用
に対して障害となると判明する場合(例えば、融合タンパク質が免疫のための抗
原として使用されるべき場合)である。薬物探索において、例えば、hIL−5
のようなヒトタンパク質は、hIL−5のアンタゴニストを同定するための高処
理能力スクリーニングアッセイの目的で、Fc部分と融合されている。Benn
ett,D.ら, J. Molecular Recognition 8:
52−58(1995);およびK.Johanson,ら, J. Biol
. Chem. 270:9459−9471(1995)を参照のこと。
【0080】 CKα−5タンパク質は、硫酸アンモニウム沈澱またはエタノール沈澱、酸抽
出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマ
トグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグ
ラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、およびレクチンクロマト
グラフィーを含む周知の方法によって組換え細胞培養物から回収され、そして精
製され得る。最も好ましくは、高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)が
精製のために用いられる。本発明のポリペプチドは以下を含む:天然の供給源か
らの精製産物(直接的に単離されたか、または培養されたかのいずれかの、体液
、組織、および細胞を含む);化学合成手順の産物;および原核生物宿主または
真核生物宿主(例えば、細菌細胞、酵母細胞、高等植物細胞、昆虫細胞、および
哺乳動物細胞を含む)から組換え技術によって産生された産物。組換え産生手順
において用いられる宿主に依存して、本発明のポリペプチドは、グリコシル化さ
れていてもよく、またはグリコシル化されていなくてもよい。さらに、本発明の
ポリペプチドはまた、いくつかの場合、宿主媒介プロセスの結果として、最初の
改変された開始メチオニン残基を含み得る。従って、翻訳開始コドンによってコ
ードされているN末端メチオニンは、一般的に、すべての真核細胞において翻訳
後に任意のタンパク質から高い効率で除去されることが当該分野において周知で
ある。大部分の原核細胞においても、大部分のタンパク質上のN末端メチオニン
はまた、効率的に除去されるが、いくつかのタンパク質では、この原核生物の除
去プロセスは、N末端メチオニンが共有結合しているアミノ酸の性質に依存して
、非効率的である。
【0081】 (ポリペプチドおよびフラグメント) 本発明はさらに、寄託されたcDNAによってコードされるアミノ酸配列、ま
たは配列番号2のアミノ酸配列を有する、単離されたCKα−5ポリペプチド、
あるいは上記ポリペプチドの一部を含むペプチドまたはポリペプチドを提供する
【0082】 (改変体および変異体ポリペプチド) CKα−5ポリペプチドの特徴を改善または変化させるために、タンパク質工
学が利用され得る。当業者に公知である組換えDNA技術が、新規な変異体タン
パク質もしくは「ムテイン」(単一または複数のアミノ酸置換、欠失、付加を含
む)、または融合タンパク質を作製するために使用され得る。このような改変さ
れたポリペプチドは、例えば、活性の増強または安定性の増加を示し得る。さら
に、それらは高収量で精製され得、そして少なくとも特定の精製および貯蔵条件
下で、対応する天然のポリペプチドよりもより良好な可溶性を示す。
【0083】 (N末端およびC末端欠失変異体) 例えば、膜結合タンパク質の細胞外ドメインまたは分泌タンパク質の成熟型を
含む多くのタンパク質について、生物学的な機能の実質的な損失なしにN末端ま
たはC末端から1つ以上のアミノ酸を欠失させ得ることが、当該分野において公
知である。例えば、Ronら(J.Biol.Chem.268:2984−2
988(1993))は、3、8、または27のN末端アミノ酸残基が欠失した
場合でさえ、ヘパリン結合活性を有した改変KGFタンパク質を報告した。今回
の場合、本発明のタンパク質がケモカインポリペプチドファミリーのメンバーで
あるので、ジスルフィド架橋の形成に必要とされる最初の「Cys」までのN末
端アミノ酸の欠失は、レセプター結合または標的細胞活性の調節のようないくら
かの生物学的活性を保持し得る。図1の38位(配列番号2の11位)でのシス
テイン残基を含むさらなるN末端欠失を有するポリペプチドは、このような生物
学的活性を保持することは期待されない。なぜなら、ケモカイン関連ペプチドに
おけるこの残基は、レセプター結合およびシグナル伝達に必要とされる構造安定
性を提供するジスルフィド架橋を形成することに必要とされることが、公知であ
るからである。
【0084】 しかし、タンパク質のN末端からの1つ以上のアミノ酸の欠失が、タンパク質
の1つ以上の生物学的機能の損失の改変を生じるとしても、他の生物学的活性は
なお保持され得る。従って、短縮化されたタンパク質の、タンパク質の完全な形
態または成熟形態を認識する抗体を誘導する能力および/またはその抗体に結合
する能力は、タンパク質の完全な形態または成熟形態の残基の大部分より少ない
残基がN末端から除去された場合には、一般的に保持される。完全なタンパク質
のN末端残基を欠く特定のポリペプチドがこのような免疫学的活性を保持するか
どうかは、本明細書中に記載される慣用的な方法、およびそうでなければ当該分
野において公知の慣用的な方法によって、容易に決定され得る。
【0085】 従って、本発明はさらに、配列番号2に示されるCKα−5タンパク質のアミ
ノ酸配列のアミノ末端から1つ以上の残基(11位のシステイン残基まで)を欠
失したポリペプチド、およびこのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオ
チドを提供する。特に本発明は、配列番号2の残基n〜178のアミノ酸配列を
含むポリペプチドを提供し、ここでnは−4〜11の範囲の整数であり、そして
システイン11は、CKα−5タンパク質のレセプター結合活性に必要とされる
と考えられる、CKα−5ポリペプチド(配列番号2に示される)の細胞外ドメ
インのN末端からの最初の残基の位置である。
【0086】 より詳細には、本発明は、配列番号2の−4〜178、−3〜178、−2〜
178、−1〜178、1〜178、2〜178、3〜178、4〜178、5
〜178、6〜178、7〜178、8〜178、9〜178、10〜178、
および11〜178、全部からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペ
プチドを提供する。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた
、提供される。
【0087】 同様に、生物学的に機能的なC末端欠失ムテインの多くの例が公知である。例
えば、インターフェロンγは、タンパク質のカルボキシ末端から8〜10アミノ
酸残基を欠失することにより10倍まで高い活性を示す(Dobeliら、J.
Biotechnology 7:199−216;(1988))。今回の
場合、本発明のタンパク質がケモカインポリペプチドファミリーのメンバーであ
るので、配列番号2の55位のシステインまでのC末端アミノ酸の欠失は、レセ
プター結合または標的細胞活性の調節のようないくらかの生物学的活性を保持し
得る。図1の82位(配列番号2の55位)のシステイン残基を含むさらなるC
末端欠失を有するポリペプチドは、このような生物学的活性を保持することは期
待されない。なぜなら、ケモカイン関連ポリペプチドにおけるこの残基が、レセ
プター結合およびシグナル伝達に必要とされる構造安定性を提供するジスルフィ
ド架橋を形成するのに必要であることが公知であるからである。
【0088】 しかし、タンパク質のC末端からの1つ以上のアミノ酸の欠失が、タンパク質
の1つ以上の生物学的機能の損失の改変を生じるとしても、他の生物学的活性は
なお保持され得る。従って、短縮化されたタンパク質の、タンパク質の完全な形
態または成熟形態を認識する抗体を誘導する能力および/またはその抗体に結合
する能力は、完全なまたは成熟したタンパク質の残基の大部分より少ない残基が
C末端から除去される場合、一般的に保持される。完全なタンパク質のC末端残
基を欠く特定のポリペプチドが、このような免疫学的活性を保持するかどうかは
、本明細書中に記載される慣用的な方法およびそうでなければ当該分野において
公知の方法によって、容易に決定され得る。
【0089】 従って、本発明はさらに、配列番号2に示されるCKα−5のアミノ酸配列の
カルボキシ末端から1つ以上の残基(配列番号2の55位のシステイン残基まで
)を有するポリペプチド、およびこのようなポリペプチドをコードするポリヌク
レオチドを提供する。特に本発明は、配列番号2のアミノ酸配列の残基−4〜m
のアミノ酸配列を有するポリペプチドを提供し、ここでmは55〜178の範囲
の任意の整数であり、そしてシステイン残基55は、CKα−5タンパク質のレ
セプター結合および標的細胞調節活性に必要とされると考えられる、完全CKα
−5ポリペプチド(配列番号2に示される)のC末端からの最初の残基の位置で
ある。
【0090】 より詳細には、本発明は、配列番号2の残基−4〜55、−4〜56、−4〜
57、−4〜58、−4〜59、−4〜60、−4〜61、−4〜62、−4〜
63、−4〜64、−4〜65、−4〜66、−4〜67、−4〜68、−4〜
69、−4〜70、−4〜71、−4〜72、−4〜73、−4〜74、−4〜
75、−4〜76、−4〜77、−4〜78、−4〜79、−4〜79、−4〜
80、−4〜81、−4〜82、−4〜83、−4〜84、−4〜85、−4〜
86、−4〜87、−4〜88、−4〜89、−4〜90、−4〜91、−4〜
92、−4〜93、−4〜94、−4〜95、−4〜96、−4〜95、−4〜
96、−4〜97、−4〜98、−4〜99、−4〜100、−4〜101、−
4〜102、−4〜103、−4〜104、−4〜105、−4〜106、−4
〜107、−4〜108、−4〜109、−4〜110、−4〜111、−4〜
112、−4〜113、−4〜114、−4〜115、−4〜116、−4〜1
17、−4〜118、−4〜119、−4〜120、−4〜121、−4〜12
2、−4〜123、−4〜124、−4〜125、−4〜126、−4〜127
、−4〜128、−4〜129、−4〜130、−4〜131、−4〜132、
−4〜133、−4〜134、−4〜135、−4〜136、−4〜137、−
4〜138、−4〜139、−4〜140、−4〜141、−4〜142、−4
〜143、−4〜144、−4〜145、−4〜146、−4〜147、−4〜
148、−4〜149、−4〜150、−4〜151、−4〜152、−4〜1
53、−4〜154、−4〜155、−4〜156、−4〜157、−4〜15
8、−4〜159、−4〜160、−4〜161、−4〜162、−4〜163
、−4〜164、−4〜165、−4〜166、−4〜167、−4〜168、
−4〜169、−4〜170、−4〜171、−4〜172、−4〜173、−
4〜174、−4〜175、−4〜176、−4〜177、−4〜178、全部
からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供する。これら
のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供される。
【0091】 本発明はまた、可溶型(細胞外ドメイン)のアミノ末端およびカルボキシ末端
の両方から1つ以上のアミノ酸を欠失したポリペプチドを提供し、これは配列番
号2の残基n〜mを有するものとして一般的に記載され得る。ここでnおよびm
は上記で述べたような整数である。特に好ましくは、配列番号2の11〜55、
11〜56、10〜57、10〜58、10〜59、10〜60、10〜61、
10〜62、9〜63、9〜64、9〜65、9〜66、9〜67、9〜68、
9〜69、9〜70、9〜71、9〜72、9〜73、8〜74、8〜75、8
〜76、8〜77、8〜78、8〜79、8〜79、8〜80、8〜81、8〜
82、8〜83、8〜84、7〜85、7〜86、7〜87、7〜88、7〜8
9、7〜90、7〜91、7〜92、7〜93、7〜94、7〜95、7〜96
、7〜95、7〜96、7〜97、7〜98、7〜99、7〜100、6〜10
1、6〜102、6〜103、6〜104、6〜105、6〜106、6〜10
7、6〜108、6〜109、6〜110、6〜111、6〜112、6〜11
3、6〜114、6〜115、6〜116、6〜117、6〜118、6〜11
9、6〜120、6〜121、6〜122、6〜123、6〜124、6〜12
5、6〜126、6〜127、6〜128、6〜129、6〜130、6〜13
1、6〜132、6〜133、6〜134、6〜135、6〜136、6〜13
7、6〜138、6〜139、6〜140、6〜141、6〜142、6〜14
3、6〜144、6〜145、6〜146、6〜147、6〜148、6〜14
9、6〜150、6〜151、6〜152、6〜153、6〜154、6〜15
5、6〜156、6〜157、5〜158、5〜159、5〜160、5〜16
1、5〜162、5〜163、5〜164、5〜165、5〜166、5〜16
7、5〜168、5〜169、4〜170、4〜171、4〜172、4〜17
3、4〜174、4〜175、4〜176、4〜177、および4〜178、全
部からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドである。これらの
ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0092】 また、ATCC受託番号209231に含まれるcDNAクローンによりコー
ドされる完全なCKα−5のアミノ酸の一部分からなるポリペプチドをコードす
るヌクレオチド配列を含み、ここで、この部分は、ATCC受託番号20923
1に含まれるcDNAクローンによりコードされるCKα−5ポリペプチドの細
胞外ドメインのアミノ末端から23〜約37のアミノ酸、あるいはATCC受託
番号209231に含まれるcDNAクローンによりコードされる細胞外ドメイ
ンのカルボキシ末端から49〜約172アミノ酸、または上記のアミノ末端およ
びカルボキシ末端欠損の任意の組み合わせを除外する。上記の欠失変異ポリペプ
チド形態の全部をコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0093】 (他の変異体) 上記で議論したタンパク質の末端欠失形態に加えて、CKα−5ポリペプチド
のいくつかのアミノ酸配列がタンパク質の構造または機能の顕著な効果なしで改
変され得ることもまた、当業者に認識される。配列におけるこのような差異が意
図される場合、活性を決定するタンパク質の重要な領域が存在するということが
、思い出されるべきである。
【0094】 従って、本発明はさらに、実質的なCKα−5ポリペプチド活性を示すか、ま
たは以下で議論するタンパク質部分のようなCKα−5タンパク質の領域を含む
、CKα−5ポリペプチドのバリエーションを含む。このような変異体は、活性
にほとんど効果を有さないような、当該分野において公知の一般的な規則に従っ
て選択された、欠失、挿入、逆位、反復、およびタイプ置換を含む。例えば、表
現型的にサイレントなアミノ酸置換を作製する方法に関するガイダンスが、Bo
wie.J.U.ら、「Deciphering the Message i
n Protein Sequences:Tolerance to Ami
no Acid Substitutions」Science 247:13
06−1310(1990)に提供されており、その中で著者らは、変化に対す
るアミノ酸配列の寛容性を研究するための2つの主なアプローチが存在すること
を示す。第1の方法は進化の過程に依存し、ここで変異は自然選択によって受け
入れられるか、または拒絶されるかのいずれかである。第2のアプローチは、遺
伝子操作を使用して、クローニングされた遺伝子の特定の位置にアミノ酸の変化
を導入し、そして選択またはスクリーニングを使用して機能性を維持する配列を
同定する。
【0095】 著者らがいうように、これらの研究は、タンパク質がアミノ酸置換に対して驚
くべきほど寛容であることを明らかにしてきた。著者らはさらに、どのアミノ酸
変化がタンパク質の特定の位置において許容的である可能性があるかを示す。例
えば、大部分の埋没したアミノ酸残基は、非極性側鎖を必要とするが、一方、表
面側鎖の特徴は一般的にほとんど保存されていない。他のこのような表現型的に
サイレントな置換は、Bowie,J.U.ら(前出)およびそこに引用される
参考文献中に記載される。代表的には、保存的な置換とみなされるものを表1に
示す。
【0096】 従って、配列番号2のポリペプチドのフラグメント、誘導体またはアナログ、
あるいは寄託されたcDNAによってコードされるものは、(i)1つ以上のア
ミノ酸残基は、保存されたアミノ酸残基または保存されていないアミノ酸残基(
好ましくは保存されたアミノ酸残基)で置換され、そしてそのような置換された
アミノ酸残基は、遺伝コードによってコードされたものであってもよく、または
そうでなくてもよいもの、あるいは(ii)1つ以上のアミノ酸残基が、置換基
を含むもの、あるいは(iii)成熟ポリペプチドが、ポリペプチドの半減期を
増加させる化合物(例えば、ポリエチレングリコール)のような、別の化合物と
融合しているもの、あるいは(iv)IgG Fc融合領域ペプチドまたはリー
ダーもしくは分泌配列、または上記の形態のポリペプチドの精製に利用される配
列、またはプロタンパク質配列のような、さらなるアミノ酸が、ポリペプチドの
上記の形態に融合しているものであり得る。このようなフラグメント、誘導体、
およびアナログは、本明細書中の教示から、当業者の範囲内であるとみなされる
【0097】 従って、本発明のCKα−5は、天然の変異または人為的操作のいずれか由来
の、1つ以上のアミノ酸置換、欠失、または付加を含み得る。示されるように、
変化は、好ましくは、マイナーな性質のものであり、例えばタンパク質のフォー
ルディングまたは活性に顕著な影響を与えない保存的アミノ酸置換である(表1
を参照のこと)。
【0098】
【表1】 本発明のCKα−5タンパク質の機能に必須のアミノ酸は、当該分野で公知の
方法(例えば、部位特異的変異誘発またはアラニンスキャン変異誘発(Cunn
inghamおよびWells、Science 244:1081−1085
(1989))により同定され得る。後者の手順は、分子のすべての残基に単一
のアラニン変異を導入する。次いで、得られた変異体分子は、生物学的活性(例
えば、レセプター結合あるいはインビトロまたはインビトロでの増殖活性)につ
いて試験される。
【0099】 特に興味深いのは、荷電したアミノ酸を、高度に所望の改善された特徴(例え
ば、より少ない凝集)を有するタンパク質を産生し得る、他の荷電したアミノ酸
または中性アミノ酸で置換することである。凝集は、活性を低下させるだけでは
なく、薬学的処方物を調製する場合にもまた問題ともなり得る。なぜなら、凝集
物は免疫原性であり得るからである(Pinckardら、Clin.Exp.
Immunol.2:331−340(1967);Robbinsら、Dia
betes 36:838−845(1987);Clelandら、Crit
.Rev.Therapeutic Drug Carrier System
s 10:307−377(1993))。
【0100】 アミノ酸の置き換えはまた、細胞表面レセプターに対するリガンドの結合の選
択性を変化させ得る。例えば、Ostadeら、Nature 361:266
−268(1993)は2つの公知のタイプのTNFレセプターの1つのみへの
TNF−αの選択的な結合を生じる特定の変異を記載する。リガンド−レセプタ
ー結合について決定的である部位はまた、構造解析(例えば、結晶化、核磁気共
鳴法または光親和性標識)により決定され得る(Smithら、J.Mol.B
iol.224:899−904(1992);およびde Vosら、Sci
ence 255:306−312(1992))。
【0101】 上記のように、CKα−5は、ELRモチーフを欠損する。このようなモチー
フが関連したケモカインにおいて代表的に見出されるような位置で、ELRモチ
ーフを含むように、CKα−5において特定の変異体を作成することにより、C
Kα−5は、アンタゴニストとして作用し、従って、脈管形成活性を有する。従
って、本発明のポリペプチドは、CKα−5−ELR変異体を含む。このような
CKα−5−ELR変異体は、全長CKα−5タンパク質または好ましくは、成
熟CKα−5タンパク質を含む。さらに、CKα−5は、ケモカイン関連タンパ
ク質ファミリーのメンバーであるので、CKα−5の生物学的活性を完全に除去
するよりむしろ調整するために、好ましくは、変異が、CKα−5細胞外ドメイ
ンにおける、すなわち、配列番号2の1〜178位において、より好ましくは、
ケモカインファミリーの全てのメンバーで保存されていないこの領域中の残基に
おいて、アミノ酸をコードする配列中に作成される。当該分野で公知であるよう
に、4つの空間的に保存されたシステインは、全てのケモカインに存在し、CK
α−5の11位、13位、41位、および55位は、2つのジスルフィド架橋の
形成に必要とされる。従って、配列番号2の11位、13位、41位および55
位に位置する4つのシステイン残基のいずれかの改変は、好ましくない。また、
本発明の一部分を形成するものは、上記CKα−5変異体をコードする核酸配列
を含む単離されたポリヌクレオチドである。
【0102】 好ましくは、本発明のポリペプチドは、単離された形態で提供され、そして好
ましくは、実質的に精製される。CKα−5ポリペプチドの組換え的に産生され
たバージョンは、SmithおよびJohnson、Gene 67:31〜4
0(1988)に記載された一工程の方法により実質的に精製され得る。本発明
のポリペプチドはまた、タンパク質精製の分野で周知である方法において、本発
明の抗CKα−5抗体を用いて、天然または組換えの供給源から精製され得る。
【0103】 本発明はさらに、(a)配列番号2に示す完全なアミノ酸配列、またはATC
C受託番号209231に含まれるcDNAクローンにコードされる完全なアミ
ノ酸配列を有する全長CKα−5ポリペプチドのアミノ酸配列;(b)N末端メ
チオニンを除く配列番号2に示す完全なアミノ酸配列(すなわち、配列番号2の
−26〜227位)、またはATCC受託番号209231に含まれるcDNA
クローンにコードされるN末端メチオニンを除く完全なアミノ酸配列を有する全
長CKα−5ポリペプチドのアミノ酸配列;(c)残基1〜227として配列番
号2に示すアミノ酸配列、またはATCC受託番号209231に含まれるcD
NAクローンにコードされる成熟CKα−5のアミノ酸配列を有する成熟CKα
−5ポリペプチドのアミノ酸配列;および(d)残基1〜178として配列番号
2に示すアミノ酸配列、またはATCC受託番号209231に含まれるcDN
AクローンにコードされるCKα−5ポリペプチドの細胞外ドメインのアミノ酸
配列を有するCKα−5ポリペプチドの細胞外ドメインのアミノ酸配列からなる
群より選択されるアミノ酸配列を含む単離されたCKα−5ポリペプチドを提供
する。
【0104】 本発明のさらなるポリぺプチドは、上記のポリペプチドに対して、少なくとも
90%類似性、より好ましくは、少なくとも95%類似性、およびなおより好ま
しくは、少なくとも96%、97%、98%、または99%類似性を有するポリ
ぺプチドを含む。本発明のポリぺプチドはまた、寄託されたcDNAによってコ
ードされるポリぺプチドもしくは配列番号2のポリぺプチドに対して、少なくと
も80%同一、より好ましくは少なくとも90%もしくは95%同一、なおより
好ましくは少なくとも96%、97%、98%、もしくは99%同一であるポリ
ぺプチドを含み、そしてまた、少なくとも30アミノ酸、そしてより好ましくは
少なくとも50アミノ酸を有するこのようなポリぺプチドの一部分を含む。この
ような改変体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0105】 2つのポリぺプチドについての「%類似性」によって、Bestfitプログ
ラム(Wisconsin Sequence Analysis Packa
ge, Version 8 for Unix, Genetics Com
puter Group, University Research Par
k, 575 Science Drive, Madison, WI 53
711)および類似性を決定するためのデフォルト設定を使用して2つのポリぺ
プチドのアミノ酸配列を比較することによって生成される類似性スコアが意図さ
れる。Bestfitは、SmithおよびWaterman(Advance
s in Applied Mathematics 2:482−489,
1981)の局所的相同性アルゴリズムを使用して、2つの配列間の類似性の最
良のセグメントを見い出す。
【0106】 CKα−5ポリペプチドの参照アミノ酸配列に、少なくとも、例えば、95%
「同一」であるアミノ酸配列を有するポリぺプチドにより、ポリぺプチドのアミ
ノ酸配列が、ポリぺプチド配列がCKα−5ポリペプチドの参照アミノ酸の各1
00アミノ酸あたり5アミノ酸の変化までを含み得ることを除いて、参照配列に
同一であることが意図される。換言すれば、参照アミノ酸配列に少なくとも95
%同一であるアミノ酸配列を有するポリぺプチドを得るためには、参照配列のア
ミノ酸残基の5%までが、欠失され得るか、または別のアミノ酸で置換され得る
か、あるいは、参照配列の総アミノ酸残基の5%までの数のアミノ酸が、参照配
列に挿入され得る。参照配列のこれらの改変は、参照アミノ酸配列のアミノ末端
位置もしくはカルボキシ末端位置で、またはこれらの末端位置の間のどこかで、
参照配列中の残基の間に個々に散在してか、または参照配列内で1つ以上の連続
する群の中に散在してかのいずれかで、起こり得る。
【0107】 実際に、任意の特定のポリぺプチドが、例えば、配列番号2に示すアミノ酸配
列に対してか、または寄託されたDNAクローンによってコードされるアミノ酸
配列に対して少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、もしくは9
9%同一であるか否かは、Bestfit program(Wisconsi
n Sequence Analysis Package,Version
8 for Unix,Genetics Computer Group,U
niversity Research Park,575 Science
Drive,Madison,WI 53711)のような公知のコンピュータ
プログラムを使用して従来的に決定され得る。特定の配列が、本発明による参照
配列と、例えば、95%同一であるか否かを決定するためにBestfitまた
は任意の他の配列アラインメントプログラムを使用する場合、当然、パラメータ
は、同一性のパーセンテージが、参照アミノ酸配列の全長にわたって算定される
ように、そして相同性中のギャップが参照配列におけるアミノ酸残基の総数の5
%まで許容するように、設定される。
【0108】 本発明のポリぺプチドは、当業者に周知の方法を使用してSDS−PAGEゲ
ル上でまたは分子ふるいゲルろ過カラム上で分子量マーカーとして、使用され得
る。
【0109】 以下に詳細に記載されるように、本発明のポリぺプチドはまた、以下に記載さ
れるCKα−5タンパク質発現を検出するためのアッセイにおいて、またはCK
α−5タンパク質機能を増強もしくは阻害し得るアゴニストおよびアンタゴニス
トとして有用である、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を惹起する
ために使用され得る。さらに、このようなポリぺプチドは、酵母ツーハイブリッ
ド系において、本発明による候補アゴニストおよびアンタゴニストでもあるCK
α−5タンパク質結合タンパク質を「捕捉」するために使用され得る。酵母ツー
ハイブリッド系は、FieldsおよびSong(Nature 340:24
5−246(1989))に記載される。
【0110】 (エピトープ保有部分) 別の局面において、本発明は、本発明のポリペプチドのエピトープ保有部分を
含むペプチドまたはポリペプチドを提供する。このポリペプチド部分のエピトー
プは、本発明のポリペプチドの免疫原性または抗原性エピトープである。「免疫
原性エピトープ」とは、全体としてのタンパク質が免疫原である場合、抗体応答
を誘発するタンパク質の一部として定義される。一方では、抗体が結合し得るタ
ンパク質分子の領域は、「抗原性エピトープ」と定義される。タンパク質の免疫
原性エピトープの数は、一般には、抗原性エピトープの数よりも少ない。例えば
、Geysenら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:3
998−4002(1983)を参照のこと。
【0111】 抗原性エピトープを保有する(すなわち、抗体が結合し得るタンパク質分子の
領域を含む)ペプチドまたはポリペプチドの選択に関して、タンパク質配列の一
部を模倣する比較的短い合成ペプチドが、部分的に模倣されたタンパク質と反応
する抗血清を慣用的に誘発し得ることが当該分野で周知である。例えば、Sut
cliffe,J.G.、Shinnick,T.M.、Green,N.およ
びLearner,R.A.(1983)「Antibodies that
react with predetermined sites on pr
oteins」Science 219:660−666を参照のこと。タンパ
ク質反応性血清を誘発し得るペプチドは、タンパク質の一次配列で頻繁に示され
、一連の単純な化学的法則により特徴付けられ得、そしてインタクトなタンパク
質の免疫優性領域(すなわち、免疫原性エピトープ)にも、アミノ末端またはカ
ルボキシル末端にも、制限されない。それゆえ、本発明の抗原性エピトープ保有
ペプチドおよびポリペプチドは、本発明のポリペプチドに特異的に結合する抗体
(モノクローナル抗体を含む)を惹起するために有用である。例えば、Wils
onら、Cell 37:767−778(1984)の777頁を参照のこと
【0112】 本発明の抗原性エピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは、本発明のポリ
ペプチドのアミノ酸配列内に含まれる、好ましくは少なくとも7個、より好まし
くは少なくとも9個、そして最も好ましくは約15〜約30個の間のアミノ酸の
配列を含む。CKα−5特異的抗体を生成するために使用され得る抗原性ポリぺ
プチドまたはペプチドの非限定的な例には、以下が含まれる:配列番号2におけ
る約Tyr−12〜約Ser−24のアミノ酸残基を含むポリペプチド、配列番
号2における約Cys−55〜約Val−63のアミノ酸残基を含むポリペプチ
ド;配列番号2における約Thr−91〜約Pro−110のアミノ酸残基を含
むポリペプチド;および約Ser−120〜約Ile145のアミノ酸残基を含
むポリペプチド。これらのポリぺプチドフラグメントは、上記の図3に示すよう
に、Jameson−Wolf抗原性指標の分析によりCKα−5タンパク質の
抗原性エピトープを保有することが決定されている。
【0113】 本発明のエピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは、任意の従来の手段に
より産生され得る。例えば、Houghten R.A.ら(1985)「Ge
neral method for the rapid solid−pha
se synthesis of large numbers of pep
utides:specificity of antigen−antibo
dy interaction at the level of indiv
idual amino acids」Proc.Natl.Acad.Sci
.USA 82:5131−5135;この「Simultaneous Mu
ltiple Peptide Synthesis(SMPS)」プロセスは
、Houghtenら(1986)の米国特許第4,631,211号にさらに
記載されている。
【0114】 本発明のエピトープ保有ペプチドおよびポリぺプチドは、当該分野で周知の方
法に従って抗体を誘導するために使用される。例えば、Sutcliffeら、
前出;Wilsonら、前出;Chow,M.ら、Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA 82:910−914;およびBittle,F.J.ら
、J.Gen.Virol.66:2547−2354(1985)を参照のこ
と。本発明の免疫原性エピトープ保有ペプチド(すなわち、全体としてのタンパ
ク質が免疫原である場合、抗体応答を誘発するタンパク質のその部分)は、当該
分野で公知の方法に従って同定される。例えば、Geysenら(前出)を参照
のこと。さらになお、Geysen(1990)の米国特許第5,194,39
2号は、目的の抗体の特定のパラトープ(抗原結合部位)に相補的であるエピト
ープ(すなわち、「ミモトープ」)の位相幾何学的等価物であるモノマー(アミ
ノ酸または他の化合物)の配列を検出または決定する一般的な方法を記載する。
より一般的には、Geysen(1989)の米国特許第4,433,092号
は、目的の特定のレセプターのリガンド結合部位に相補的なリガンドの位相幾何
学的等価物であるモノマーの配列を検出または決定する方法を記載する。同様に
、Peralkylated Oligopeptide Mixturesの
Houghten,R.A.(1996)らの米国特許第5,480,971号
は、直線状のC1〜C7アルキルペルアルキル化オリゴペプチドならびにこのよ
うなペプチドのセットおよびライブラリー、ならびにこのようなオリゴペプチド
のセットおよびライブラリーを、目的のアクセプター分子に優先的に結合するペ
ルアルキル化オリゴペプチドの配列を決定するために使用する方法を開示する。
従って、本発明のエピトープ保有ペプチドの非ペプチドアナログはまた、これら
の方法によって慣用的に作製され得る。
【0115】 (融合タンパク質) 当業者が理解するように、本発明のCKα−5ポリペプチドおよびその上記の
エピトープ保有フラグメントは、免疫グロブリン(IgG)の定常ドメインの部
分と組み合わせられ得、キメラポリペプチドを生じる。これらの融合タンパク質
は、精製を容易にし、そしてインビボで半減期の増加を示す。これは、例えば、
ヒトCD4−ポリペプチドの最初の2つのドメインおよび哺乳動物免疫グロブリ
ンの重鎖または軽鎖の定常領域の種々のドメインからなるキメラタンパク質につ
いて示されている(EP A 394,827;Trauneckerら、Na
ture 331:84−86(1988))。IgG部分によるジスルフィド
結合二量体構造を有する融合タンパク質はまた、単量体CKα−5タンパク質ま
たはタンパク質フラグメント単独よりも、他の分子の結合および中和においてよ
り効率的であり得る(Fountoulakisら、J.Biochem.27
0:3958−3964(1995)。
【0116】 (抗体) 本発明における使用のためのCKα−5タンパク質特異的抗体は、インタクト
なCKα−5タンパク質またはその抗原性ポリぺプチドフラグメントに対して惹
起され得、これは、アルブミンのようなキャリアタンパク質とともに、またはそ
れが十分に長ければ(少なくとも約25アミノ酸)、キャリアなしに、動物系(
例えば、ウサギまたはマウス)に対して提示され得る。
【0117】 本明細書中で使用される場合、用語「抗体」(Ab)または「モノクローナル
抗体」(Mab)は、インタクトな分子、ならびにCKα−5タンパク質に特異
的に結合し得る抗体フラグメント(例えば、FabおよびF(ab’)2フラグ
メント)を含むことが意図される。FabおよびF(ab’)2フラグメントは
、インタクトな抗体のFcフラグメントを欠失し、循環からより迅速に除去され
、そしてインタクトな抗体のより非特異的でない組織結合を有し得る(Wahl
ら、J.Nucl.Med.24:316−325(1983))。従って、こ
れらのフラグメントが好ましい。
【0118】 本発明の抗体は、任意の種々の方法によって調製され得る。例えば、CKα−
5タンパク質またはその抗原性フラグメントを発現する細胞は、ポリクローナル
抗体を含有する血清の産生を誘導するために動物に投与され得る。好ましい方法
において、CKα−5タンパク質の調製物が、天然の夾雑物を実質的に含まない
ようにするために調製および精製される。次いで、このような調製物は、より比
活性の大きいポリクローナル抗血清を産生するために動物に導入される。
【0119】 最も好ましい方法において、本発明の抗体は、モノクローナル抗体(またはそ
のCKα−5タンパク質結合フラグメント)である。このようなモノクローナル
抗体は、ハイブリドーマ技術を使用して調製され得る(Kohlerら、Nat
ure 256:495(1975);Kohlerら、Eur.J.Immu
nol.6:511(1976);Kohlerら、Eur.J.Immuno
l.6:292(1976);Hammerlingら、Monoclonal
Antibodies and T−Cell Hybridomas,El
sevier,N.Y.(1981)、563〜681頁)。一般に、このよう
な手順は、CKα−5タンパク質抗原またはより好ましくはCKα−5タンパク
質発現細胞を使用した、動物(好ましくはマウス)の免疫を含む。適切な細胞は
、抗CKα−5タンパク質抗体に結合するそれらの能力によって認識され得る。
このような細胞は、任意の適切な組織培養培地において培養され得る;しかし、
10%胎児ウシ血清(約56℃で非働化)を補充し、そして約10g/lの非必
須アミノ酸、約1,000U/mlのペニシリン、および約100μg/mlの
ストレプトマイシンを補充したEarleの改変Eagle培地において細胞を
培養することが好ましい。このようなマウスの脾細胞を抽出し、そして適切なミ
エローマ細胞株と融合する。任意の適切なミエローマ細胞株は、本発明に従って
利用され得る;しかし、American Type Culture Col
lection,Rockville,Marylandから入手可能である親
ミエローマ細胞株(SP2O)を利用することが好ましい。融合後、得られるハ
イブリドーマ細胞を、HAT培地において選択的に維持し、次いで、Wands
(Gastroenterology 80:225−232(1981))に
記載されるように、限界希釈によってクローン化する。次いで、このような選択
によって得られるハイブリドーマ細胞を、CKα−5タンパク質抗原に結合し得
る抗体を分泌するクローンを同定するためにアッセイする。
【0120】 あるいは、CKα−5タンパク質抗原に結合し得るさらなる抗体を、抗イディ
オタイプ抗体の使用を介して2工程手順において産生し得る。このような方法は
、抗体がそれ自身抗原であり、そしてそれゆえ第2の抗体に結合する抗体を得る
ことが可能であるという事実を利用する。この方法に従って、CKα−5タンパ
ク質特異的抗体を、動物(好ましくはマウス)を免疫するために使用する。次い
で、このような動物の脾細胞を、ハイブリドーマ細胞を産生するために使用し、
そしてそのハイブリドーマ細胞を、CKα−5タンパク質特異的抗体に結合する
抗体能力がCKα−5タンパク質抗原によってブロックされ得る抗体を産生する
クローンを同定するためにスクリーニングする。このような抗体は、CKα−5
タンパク質特異的抗体に対する抗イディオタイプ抗体を含み、そして動物を免疫
してさらなるCKα−5タンパク質特異的抗体の形成を誘導するために使用し得
る。
【0121】 本発明の抗体のFabおよびF(ab’)2ならびに他のフラグメントは、本
明細書中で開示される方法に従って使用され得ることが理解される。このような
フラグメントを、代表的には、パパイン(Fabフラグメントを生成するために
)またはペプシン(F(ab’)2フラグメントを生成するために)のような酵
素を用いる、タンパク質分解的切断によって生成する。あるいは、CKα−5タ
ンパク質結合フラグメントを、組換えDNA技術を適用することによって、また
は合成化学によって産生し得る。
【0122】 ヒトにおける抗CKα−5のインビボでの使用のために、「ヒト化」キメラモ
ノクローナル抗体を使用することが好ましくあり得る。このような抗体は、上記
のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞に由来する遺伝子構築物を
使用して産生され得る。キメラ抗体を産生する方法は、当該分野で公知である。
総説について、Morrison、Science 229:1202(198
5);Oiら、BioTechniques 4:214(1986);Cab
illyら、米国特許第4,816,567号;Taniguchiら、EP
171496;Morrisonら、EP 173494;Neuberger
ら、WO 8601533;Robinsonら,WO 8702671;Bo
ulianneら、Nature 312:643(1984);Neuber
gerら、Nature 314:268(1985)を参照のこと。
【0123】 (免疫系関連障害) (診断) 本発明者らは、CKα−5が、好中球および単球において発現されることを発
見した。多くの免疫系関連障害について、「標準」CKα−5遺伝子発現レベル
、すなわち免疫系障害を有さない個体からの免疫系組織または体液におけるCK
α−5発現レベルと比較して、実質的に変化した(増大または減少した)レベル
のCKα−5遺伝子発現が、このような障害を有する個体から採取した免疫系組
織または他の細胞または体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、または髄液)に
おいて、検出され得る。従って、本発明は、免疫系障害の診断の間に有用である
診断方法を提供し、この方法は、個体からの免疫系組織または他の細胞または体
液において、CKα−5タンパク質をコードする遺伝子の発現レベルを測定する
工程、および測定された遺伝子発現レベルを標準的なCKα−5遺伝子発現レベ
ルと比較する工程であって、それにより標準と比較した遺伝子発現レベルの増大
または減少が、免疫系障害の指標である、工程を包含する。
【0124】 特に、ガン(特に、骨肉種)を有する哺乳動物における特定の組織が、対応す
る「標準」レベルと比較した場合に、有意に変化したレベルのCKα−5タンパ
ク質およびCKα−5タンパク質をコードするmRNAを発現すると考えられる
。さらに、変化されたレベルのCKα−5タンパク質は、ガンを有さない同一の
種の哺乳動物からの血清と比較した場合、このようなガンを有する哺乳動物由来
の特定の体液(例えば、血清、血漿、尿、および髄液)において、検出され得る
と考えられている。
【0125】 従って、本発明は、免疫系障害(骨格系および免疫系のガンを含む)の診断の
間に有用である診断方法を提供し、この方法は、個体由来の免疫系組織もしくは
骨格系組織または他の細胞または体液においてCKα−5タンパク質をコードす
る遺伝子の発現レベルを測定する工程、およびその測定された遺伝子発現レベル
を標準的なCKα−5遺伝子発現レべルと比較する工程であって、それにより標
準と比較した遺伝子発現レベルにおける増大または減少が、免疫系障害の指標で
ある、工程、を包含する。
【0126】 腫瘍の診断を含む、免疫系における障害の診断が、従来の方法に従ってすでに
行われている場合、本発明は、予後指標として有用であり、これにより、増強ま
たは抑制されたCKα−5遺伝子発現を示す患者が、標準的なレベルにより近い
レベルで遺伝子を発現する患者に比較して、より悪い臨床的結果を経験する。
【0127】 「CKα−5タンパク質をコードする遺伝子の発現レベルをアッセイする」に
より、第一の生物学的サンプルにおいて、CKα−5タンパク質のレベルまたは
CKα−5タンパク質をコードするmRNAのレベルを、直接的に(例えば、絶
対的タンパク質レベルまたはmRNAレベルを決定または概算することによって
)、あるいは相対的に(例えば、第二の生物学的サンプルにおけるCKα−5タ
ンパク質レベルまたはmRNAレベルに対して比較することによって)、定性的
または定量的に測定するかまたは概算することを意図する。好ましくは、第一の
生物学的サンプルにおけるCKα−5タンパク質レベルまたはmRNAレベルが
測定または概算され、そして標準的なCKα−5タンパク質レベルまたはmRN
Aレベルに対して比較される。この標準は、障害を有さない個体から得られる第
2の生物学的サンプルから採取されるか、または免疫系の障害を有さない個体の
集団からのレベルを平均化することによって決定される。当該分野で理解される
ように、一旦標準的なCKα−5タンパク質レベルまたはmRNAレベルが知ら
れると、それは比較のための標準として反復して使用され得る。
【0128】 「生物学的サンプル」により、個体から得られる任意の生物学的サンプル、体
液、細胞株、組織培養物、またはCKα−5タンパク質もしくはmRNAを含有
する他の供給源が意図される。示されるように、生物学的サンプルは、遊離のC
Kα−5タンパク質を含有する体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、および髄
液)、免疫系組織、骨格系組織および全長成熟CKα−5またはCKα−5レセ
プターを発現することが見出されている他の組織供給源を含む。哺乳動物から組
織生検および体液を得るための方法は、当該分野で周知である。生物学的サンプ
ルがmRNAを含むべきである場合には、組織生検が好ましい供給源である。
【0129】 本発明は、哺乳動物(好ましくはヒト)における種々の免疫系関連障害の診断
または処置のために有用である。このような障害には、腫瘍、ガン、肉腫(例え
ば、骨肉種)、間隙性肺疾患(例えば、ランゲルハンス細胞肉芽腫症)、および
免疫細胞機能の任意の調節障害(自己免疫、関節炎、白血病、リンパ腫、免疫抑
制、免疫、体液性免疫、炎症性腸疾患、骨髄抑制などが含まれるがこれらに限定
されない)が含まれる。
【0130】 細胞総RNAは、ChomczynskiおよびSacchi(Anal.
Biochem. 162:156−159(1987))に記載される一工程
グアニジン−チオシアネート−フェノールクロロホルム法のような任意の適切な
技術を使用して生物学的サンプルから単離され得る。次いで、CKα−5タンパ
ク質をコードするmRNAのレベルは、任意の適切な方法を使用してアッセイさ
れる。これらには、ノーザンブロット分析、S1ヌクレアーゼマッピング、ポリ
メラーゼ連鎖反応(PCR)、ポリメラーゼ連鎖反応と組み合わせた逆転写(R
T−PCR)、およびリガーゼ連鎖反応と組み合わせた逆転写(RT−LCR)
が含まれる。
【0131】 生物学的サンプルにおけるCKα−5タンパク質レベルのアッセイは、抗体に
基づく技術を用いて行い得る。例えば、組織でのCKα−5タンパク質発現は、
古典的な免疫組織学的方法を用いて研究され得る(Jalkanen M.ら、
J. Cell. Biol. 101:976−985(1985); Ja
lkanen M.ら、J. Cell. Biol. 105:3087−3
096(1987))。CKα−5タンパク質遺伝子発現を検出するために有用
なその他の抗体に基づく方法は、イムノアッセイ(例えば、酵素結合免疫吸着ア
ッセイ(ELISA)および放射イムノアッセイ(RIA))を包含する。適切
な抗体アッセイ標識は、当該分野で公知であり、そしてグルコースオキシダーゼ
のような酵素標識、ヨウ素(125I、121I)、炭素(14C)、イオウ(35S)、
トリチウム(3H)、インジウム(112In)、およびテクネチウム(99mTc) のような放射性同位体、ならびにフルオレセインおよびローダミンのような蛍光
標識、ならびにビオチンを含む。
【0132】 個体から得た生物学的サンプルにおいてCKα−5タンパク質レベルをアッセ
イするのに加えて、CKα−5タンパク質はまた、画像化によってインビボで検
出され得る。CKα−5タンパク質のインビボ画像化のための抗体標識またはマ
ーカーは、X線撮影法、NMR、またはESRによって検出可能なものを含む。
X線撮影法について、適切な標識には、検出可能な放射線を放射するが、被験体
には明白に有害ではないバリウムまたはセシウムのような放射性同位体が含まれ
る。NMRおよびESRのための適切なマーカーには、関連するハイブリドーマ
の栄養素を標識することによって抗体中に取り込まれ得る、検出可能特徴を有す
るスピンを有するもの(例えば、重水素)が含まれる。
【0133】 放射性同位体(例えば、131I、112In、99mTc)、放射線不透過性物質、 または核磁気共鳴によって検出可能な物質のような適切な検出可能な画像化部分
で標識したCKα−5タンパク質特異的抗体または抗体フラグメントは、免疫系
障害について検査される哺乳動物中に導入される(例えば、非経口的に、皮下に
、または腹腔内に)。被験体のサイズおよび使用される画像化系が、診断画像を
生成するために必要とされる画像化部分の量を決定することが当該分野において
理解される。放射性同位体部分の場合、ヒト被験体について、注入される放射能
の量は、通常、99mTcの約5〜20ミリキュリーの範囲である。次いで、標識 された抗体または抗体フラグメントは、CKα−5タンパク質を含有する細胞の
位置に優先的に蓄積する。インビボ腫瘍画像化は、S.W.Burchielら
「Immunopharmacokinetics of Radiolabe
led Atibodies and Their Fragments」に記
載されている(Tumor Imaging:The Radiochemic
al Detection of Cancer 第13章、Burchiel
,S.W.およびRhodes,B.A.編、Masson Publishi
ng Inc. (1982))。
【0134】 (処置) 上記のように、CKα−5ポリヌクレオチドおよびポリぺプチドは、CKα−
5活性の異常に高いかまたは低い発現を伴う状態の診断に有用である。CKα−
5が発現される細胞および組織ならびにCKα−5によって調節された活性が与
えられれば、標準的なすなわち「正常な」レベルに比較して、個体における実質
的に変化した(増大または減少した)レベルのCKα−5の発現は、CKα−5
が発現され、および/または活性である身体の系に関連する病理的状態を生じる
ことが容易に明らかである。
【0135】 本発明のCKα−5タンパク質は、ケモカインファミリーのメンバーであるの
で、このタンパク質の成熟分泌形態は、タンパク質分解によってCKα−5を発
現する細胞から可溶性形態で放出され得ることもまた、当業者に理解される。従
って、CKα−5が外因性供給源から、個体の細胞、組織または身体に添加され
る場合、そのタンパク質は、その個体の標的細胞においてその生理的活性を発揮
する。また、この膜貫通タンパク質を発現する細胞は、個体の細胞、組織または
身体に添加され得、そしてこれらの添加された細胞は、CKα−5に対するレセ
プターを発現する細胞に結合し、それによってCKα−5を発現する細胞は、レ
セプターを有する標的細胞に対して作用(例えば、細胞刺激)を生じ得る。
【0136】 それゆえ、個体における標準的または正常なレベルのCKα−5活性における
減少によって引き起こされる状態(特に、免疫系の障害)は、CKα−5ポリぺ
プチドを、可溶性細胞外ドメインの形態、または完全タンパク質を発現する細胞
の形態で投与することによって処置され得ることが理解される。従って、本発明
はまた、増大したレベルのCKα−5活性を必要とする個体の処置の方法を提供
し、この方法は、このような個体に、このような個体においてCKα−5活性レ
ベルを増大させるのに有効な量の本発明の単離されたCKα−5ポリぺプチドを
含む薬学的組成物を投与する工程を包含する。
【0137】 CKα−5は、ELRモチーフを欠いているので、CKα−5はまた、新脈管
形成因子ではなく脈管形成停止(angiostatic)因子でもあるはずで
ある。さらに、CKα−5は、内皮細胞機能を阻害するので、広範な抗炎症活性
を有する。CKα−5は、抗新血管形成因子として使用されて、宿主防禦細胞(
例えば、細胞傷害性T細胞およびマクロファージ)の侵襲および活性化を刺激す
ること、および腫瘍の脈管形成を阻害することによって固形腫瘍を処置し得る。
当業者は、血管増殖が所望されない他の非ガン状態を認識する。また、それらを
使用して、殺菌性白血球の誘引および活性化を介して、耐性の慢性感染および急
性感染(例えば、ミコバクテリア(myobacterial)感染)に対する
宿主防禦を増強し得る。CKα−5をまた使用して、IL−2生合成の阻害によ
って、T細胞媒介自己免疫疾患およびリンパ球白血病の処置のために、T細胞増
殖を阻害し得る。CKα−5をまた使用して、細胞砕片の除去および結合組織促
進炎症性細胞の補充を介して、ならびに過剰なTGF媒介線維症のその制御を介
しての両方で、創傷治癒を刺激し得る。これと同様に、CKα−5をまた使用し
て、肝硬変、変形性関節症、および肺線維症を含む他の線維性障害を処置し得る
。CKα−5は、住血吸虫症、旋毛虫症および回虫症の際に組織に侵入する寄生
生物の幼虫を殺傷する顕著な機能を有する好酸球の存在を増加する。また、これ
を使用して、例えば、種々の造血性前駆細胞の活性化および分化を調節して、化
学療法(すなわち、幹細胞動員)後に骨髄から成熟白血球を放出させることによ
って、造血を調節し得る。また、CKα−5を使用して、敗血症を処置し得る。
また、ELRモチーフを含む特定の変異体を作製することによって、CKα−5
−ELRは、新脈管形成が利益がある(すなわち、創傷治癒、創傷もしくは疾患
からの損傷四肢の再血管生成、当業者に公知の他のものを促進する)場合に、疾
患状態の全てを処置するために有用である。
【0138】 (処方物) CKα−5ポリペプチド組成物は良好な医療行為に一致した様式で、個々の患
者の臨床状態(特に、CKα−5ポリペプチド単独での処置の副作用)、CKα
−5ポリペプチド組成物の送達部位、投与方法、投与計画および当業者に公知の
他の因子を考慮しつつ処方され、そして投与される。従って、本明細書における
目的のためのCKα−5ポリペプチドの「有効量」は、このような考慮事項によ
って決定される。
【0139】 一般的な提案として、1用量あたりに非経口的に投与されるCKα−5ポリペ
プチドの薬学的に有効な総量は、患者の体重あたり約1μg/kg/日〜10m
g/kg/日の範囲であるが、上記のように、これは治療上の裁量を受ける。よ
り好ましくは、この用量は、少なくとも0.01mg/kg/日、そしてヒトに
ついて最も好ましくは、このホルモンについて約0.01と1mg/kg/日と
の間である。連続投与される場合、CKα−5ポリペプチドは、代表的には、約
1μg/kg/時間〜約50μg/kg/時間の用量速度で、1日あたり1〜4
回の注射によって、または、例えば、ミニポンプを使用する継続的皮下注入によ
ってのいずれかで投与される。静脈内点滴用バッグ溶液もまた使用され得る。変
化を観察するに必要な処置の長さ、および応答が生じるための処置の後の間隔は
、所望の効果に応じて変動するようである。
【0140】 本発明のCKα−5を含有する薬学的組成物は、経口、直腸内、非経口、槽内
、腟内、腹腔内、局所(粉末、軟膏、液滴、または経皮パッチによるような)、
口腔に(bucally)、または経口もしくは経鼻スプレーとして投与され得
る。「薬学的に受容可能なキャリア」とは、非毒性固体、半固体、または液体充
填剤、希釈剤、カプセル化材料、または任意の型の処方補助剤を意味する。本明
細書で使用される場合、用語「非経口(的)」とは、静脈内、筋肉内、腹腔内、
胸骨内(intrasternal)、皮下、および関節内の注射および注入を
包含する、投与様式をいう。
【0141】 CKα−5ポリペプチドもまた、徐放系によって適切に投与される。徐放性組
成物の適切な例は、成型製品(例えば、フィルムまたはマイクロカプセル)の形
態における半透過性のポリマーマトリクスを含む。徐放性マトリクスは、ポリラ
クチド(米国特許第3,773,919号、EP58,481号)、L−グルタ
ミン酸およびγ−エチル−L−グルタミン酸のコポリマー(Sidman、U.
ら、Biopolymers 22:547−556(1983))、ポリ(2
−ヒドロキシエチルメタクリレート)(R.Langerら、J.Biomed
.Mater.Res.15:167−277(1981)、およびR.Lan
ger、Chem.Tech.12:98−105(1982))、エチレン酢
酸ビニル(R.Langerら、前出)またはポリ−D−(−)−3−ヒドロキ
シ酪酸(EP133,988)を含む。徐放性CKα−5ポリペプチド組成物は
また、リポソームに捕捉されたCKα−5ポリペプチドを含む。CKα−5ポリ
ペプチドを含むリポソームは、それ自体が公知の方法によって調製される:DE
3,218,121;Epsteinら、Proc.Natl.Acad.Sc
i.(USA)82:3688−3692(1985);Hwangら、Pro
c.Natl.Acad.Sci.(USA)77:4030−4034(19
80);EP52,322;EP36,676;EP88,046;EP143
,949;EP142,641;日本国特許出願83−118008;米国特許
第4,485,045号、および同4,544,545号;およびEP102,
324を参照のこと。通常、リポソームは、小さな(約200〜800Å)単層
型であり、ここで脂質含有率は、約30モル%コレステロールより多く、選択さ
れた部分は、最適なCKα−5ポリペプチド治療について調整される。
【0142】 非経口投与について、1つの実施態様において、CKα−5ポリペプチドは、
一般には、所望の程度の純度で、このポリペプチドを単位用量注入可能な形態(
溶液、懸濁液または乳濁液)で、薬学的に受容可能なキャリア(すなわち、使用
された投薬量および濃度においてレシピエントに対して非毒性であり、そして処
方物の他の成分と適合性であるもの)とを混合することによって処方される。例
えば、この処方物は、好ましくは、酸化剤およびポリペプチドにとって有害であ
ることが公知である他の化合物を含まない。
【0143】 一般に、処方物は、CKα−5ポリペプチドを、液体キャリアまたは細かく粉
砕した固体キャリアまたは両方と、均一にかつしっかりと接触させることによっ
て調製される。次いで、必要である場合、産物は、所望の処方物へと成型される
。好ましくは、キャリアは、非経口キャリアであり、より好ましくは、レシピエ
ントの血液と等張である溶液である。このようなキャリアビヒクルの例は、水、
生理食塩水、リンゲル液、およびデキストロース溶液を含む。非水性ビヒクル(
例えば、不揮発油およびオレイン酸エチル)もまた、本明細書において、リポソ
ームと同様に有用である。
【0144】 キャリアは、等張性および化学的安定性を増強する物質のような微量の添加物
を適宜含む。このような物質は、使用された投薬量および濃度においてレシピエ
ントに対して非毒性であり、そしてリン酸、クエン酸、コハク酸、酢酸、および
他の有機酸またはそれらの塩のような緩衝剤;アスコルビン酸のような抗酸化剤
;低分子量(約10残基未満の)ポリペプチド(例えば、ポリアルギニンまたは
トリペプチド);タンパク質(例えば、血清アルブミン、ゼラチン、またはイム
ノグロブリン);親水性ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン);アミノ酸
(例えば、グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、またはアルギニン);単
糖、二糖および他の炭水化物(セルロースまたはその誘導体、グルコース、マン
ノース、またはデキストリンを含む);キレート剤(例えば、EDTA);糖ア
ルコール(例えば、マンニトールまたはソルビトール);対イオン(例えば、ナ
トリウム);および/または非イオン性界面活性剤(例えば、ポリソルベート、
ポロキサマー)、またはPEGを含む。
【0145】 CKα−5ポリペプチドは、代表的に、このようなビヒクル中で約0.1mg
/ml〜100mg/mlの濃度で、好ましくは1〜10mg/mlの濃度で、
pH約3〜8で処方される。上記の特定の賦形剤、キャリア、または安定化剤の
使用は、CKα−5ポリペプチド塩の形成をもたらすことが理解される。
【0146】 治療的な投与について使用されるCKα−5ポリペプチドは、滅菌されなけれ
ばならない。滅菌性は、滅菌濾過メンブレン(例えば、0.2ミクロンメンブレ
ン)を通しての濾過により容易に達成される。治療的CKα−5ポリペプチド組
成物は、一般に、滅菌アクセスポートを有する容器、例えば、皮下注射針によっ
て穿孔可能なストッパーを有する静脈溶液バッグまたはバイアルへ配置される。
【0147】 CKα−5ポリペプチドは、通常、単位または多用量容器、例えば、密封アン
プルまたはバイアルにおいて、水溶液または再構成のための凍結乾燥処方物とし
て貯蔵される。凍結乾燥処方物の例として、10mlバイアルに、5mlの滅菌
濾過1%(w/v)水性CKα−5ポリペプチド溶液を満たし、そして得られた
混合物を凍結乾燥する。注入溶液を、静菌注射用水を用いて凍結乾燥したCKΑ
−5ポリペプチドを再構成することによって調製する。
【0148】 本発明はまた、本発明の薬学的組成物の1以上の成分を満たした1以上の容器
を含む薬学的パックまたはキットを提供する。薬学的産物または生物学的産物の
製造、使用または販売を規制する政府当局によって規定される形式の通知が、こ
のような容器にともなう。この通知は、ヒトへの投与のための製造、使用または
販売の当局による承認を反映する。さらに、本発明のポリペプチドは、他の治療
化合物とともに使用され得る。
【0149】 (アゴニストおよびアンタゴニスト − アッセイおよび分子) 本発明はまた、レセプター分子のようなCKα−5結合分子との相互作用のよ
うな、細胞に対するCKα−5の作用を増強またはブロックする化合物を同定す
る化合物のスクリーニング方法を提供する。アゴニストは、CKα−5の天然の
生物学的機能を増強させるか、またはCKα−5と類似する様式で機能する化合
物であり、他方、アンタゴニストは、このような機能を減少または消去する。
【0150】 この実施態様の別の局面において、本発明は、CKα−5ポリペプチドに特異
的に結合するレセプタータンパク質または他のリガンド結合タンパク質を同定す
るための方法を提供する。例えば、細胞区画(例えば、メンブレンまたはその調
製物)は、CKα−5を結合する分子を発現する細胞から調製され得る。調製物
は、標識されたCKΑ−5とインキュベートされる。CKΑ−5がレセプターも
しくは他の結合タンパク質に結合した複合体は、当該分野で公知の慣用方法に従
って単離および特徴づけされる。あるいは、CKΑ−5ポリペプチドは、固体支
持体に結合され得、その結果、細胞から可溶化された結合分子は、カラムに結合
し、次いで溶出され、そして慣用方法に従って特徴づけされる。
【0151】 アゴニストまたはアンタゴニストについての本発明のアッセイにおいて、細胞
区画(例えば、メンブレンまたはその調製物)は、CKα−5を結合する分子(
例えば、CKα−5によって調節されるシグナル経路または調節経路の分子)を
発現する細胞から調製され得る。調製物は、CKα−5アゴニストまたはアンタ
ゴニストであり得る候補分子の非存在または存在下で標識されたCKα−5とイ
ンキュベートされる。候補物質が結合分子を結合する能力は、標識されたリガン
ドの結合の減少を反映する。無償に、すなわちCKα−5結合分子との結合に対
するCKα−5の効果を誘導することなく、結合する分子が、おそらく良好なア
ンタゴニストである。良好に結合し、そしてCKα−5と同一または密接に関連
する効果を惹起する分子はアゴニストである。
【0152】 可能性のあるアゴニストおよびアンタゴニストのCKα−5様の効果は、例え
ば、細胞または適切な細胞調製物と候補分子との相互作用後にセカンドメッセン
ジャー系の活性を決定すること、およびCKα−5またはCKα−5と同一の効
果を惹起する分子と効果を比較することによって測定され得る。この点に関して
有用であり得るセカンドメッセンジャー系は、AMPグアニル酸シクラーゼ、イ
オンチャネル、またはホスホイノシチド加水分解物セカンドメッセンジャー系を
含むがこれらに限定されない。
【0153】 CKα−5アンタゴニストについてのアッセイの別の例は、CKα−5および
可能性のあるアンタゴニストと、メンブレン結合CKα−5レセプター分子また
は組換えCKα−5レセプター分子とを、競合阻害アッセイについて適切な条件
下で合わせる競合アッセイである。CKα−5は、レセプター分子に結合したC
Kα−5分子の数を正確に決定して可能性のあるアンタゴニストの有効性を評価
し得るように、例えば、放射能で標識され得る。
【0154】 可能性のあるアンタゴニストは、本発明のポリペプチドに結合し、それによっ
てその活性を阻害するかまたは消去する、有機低分子、ペプチド、ポリペプチド
、および抗体を含む。可能性のあるアンタゴニストはまた、有機低分子、ペプチ
ド、ポリペプチド(例えば、結合分子(例えば、レセプター分子)上の同一の部
位にCKα−5誘導性活性を誘導せずに結合し、それによりCKα−5が結合す
ることを排除することによってCKα−5の作用を妨害する、密接に関連するタ
ンパク質または抗体)であり得る。
【0155】 他の潜在的なアンタゴニストは、アンチセンス分子を含む。アンチセンス技術
を用いて、アンチセンスDNAまたはRNAを介して、あるいは三重らせん形成
を介して遺伝子発現を制御するために使用され得る。アンチセンス技術は、例え
ば以下において考察される:Okano、J.Neurochem.56:56
0(1991);「Oligodeoxynucleotides as An
tisense Inhibitors of Gene Expressio
n.」CRC Press、Boca Raton、FL(1988)。三重ら
せん形成は、例えば以下においてに考察される:Leeら、Nucleic A
cids Research 6:3073(1979);Cooneyら、S
cience 241:456(1988);およびDervanら、Scie
nce 251:1360(1991)。この方法は、相補的DNAまたはRN
Aに対するポリヌクレオチドの結合に基づく。例えば、本発明の成熟ポリペプチ
ドをコードするポリヌクレオチドの5’コード部分を使用して、約10〜40塩
基対長のアンチセンスRNAオリゴヌクレオチドを設計し得る。DNAオリゴヌ
クレオチドを、転写に関与する遺伝子の領域に相補的であるように設計し、それ
により、転写およびCKα−5の産生を妨害する。アンチセンスRNAオリゴヌ
クレオチドは、インビボでmRNAにハイブリダイズし、そしてmRNA分子の
CKα−5ポリペプチドへの翻訳をブロックする。上記のオリゴヌクレオチドは
また、アンチセンスRNAまたはDNAがインビボで発現されてCKα−5タン
パク質の産生を阻害するように細胞へと送達され得る。
【0156】 アゴニストおよびアンタゴニストは、例えば上記のような薬学的に受容可能な
キャリアとの組成物において使用され得る。
【0157】 アンタゴニストは、例えば、特定の自己免疫性および慢性炎症性および感染性
疾患における、マクロファージおよびその前駆体、ならびに好中球、好塩基球、
Bリンパ球およびいくつかのT細胞サブセット(例えば、活性化およびCD8細
胞傷害性T細胞およびナチュラルキラー細胞)の走化性および活性化を阻害する
ために使用され得る。自己免疫疾患の例としては、多発性硬化症、およびインス
リン依存性糖尿病が挙げられる。アンタゴニストはまた、単核食細胞の補充およ
び活性化を防ぐことによる、珪肺症、サルコイドーシス、特発性肺線維症を含む
感染性疾患の処置に使用され得る。アンタゴニストはまた、好酸球産生および移
動を妨げることによって、特発性好酸球増多症候群を処置するために使用され得
る。エンドトキシンショックもまた、アンタゴニストによって、マクロファージ
の移動および本発明のヒトケモカインポリペプチドの産生を妨害することにより
処置され得る。このアンタゴニストはまた、動脈壁において単球侵襲を妨害する
ことによってアテローム性硬化症を処置するために使用され得る。このアンタゴ
ニストはまた、ヒスタミン媒介アレルギー反応および後期アレルギー反応、慢性
蕁麻疹、およびアトピー性皮膚炎を含む免疫学的障害を、ケモカイン誘導マスト
細胞および好塩基球分解およびヒスタミンの放出を阻害することによって処置す
るために用いられ得る。IgE媒介性アレルギー反応(例えば、アレルギー性喘
息、鼻炎、および湿疹)もまた処置され得る。また、アンタゴニストを使用して
、創傷領域への単球の誘引を妨害することによって慢性炎症および急性炎症を処
置し得る。また、アンタゴニストを使用して、正常な肺マクロファージ集団を調
節し得る。なぜなら、慢性炎症性肺疾患および急性炎症性肺疾患は、肺における
単核食細胞の分離と関連するからである。また、アンタゴニストを使用して、患
者の関節における滑液への単球の誘引を妨害することによって慢性関節リウマチ
を処置し得る。単球流入および活性は、変性関節症および炎症性関節症の両方の
病原において重要な役割を果たしている。このアンタゴニストを使用して、IL
−1およびTNFへ主に寄与する有害なカスケードを妨害し得る。これは、他の
炎症性ケモカインの生合成を予防する。このようにして、このアンタゴニストを
使用して炎症を予防し得る。また、このアンタゴニストを使用して、ケモカイン
によって誘発されるプロスタグランジン非依存性の発熱を阻害し得る。また、こ
のアンタゴニストを使用して、骨髄不全(例えば、再生不良性貧血および骨髄形
成異常症候群)の症例を処置し得る。また、このアンタゴニストを使用して、肺
における好酸球蓄積を妨げることによって喘息およびアレルギーを処置し得る。
また、このアンタゴニストを使用して、喘息肺の顕著な特徴である上皮下基底膜
線維症を処置し得る。CKα−5に対する抗体を使用して、CKα−5活性に結
合しそして阻害して、損傷後に肺への好中球の侵襲を予防することによって、A
RDSを処置し得る。上記のアンタゴニストのいずれかを、薬学的に受容可能な
キャリア(例えば、本明細書以下に記載されるようなもの)との組成物中で使用
され得る。
【0158】 (遺伝子マッピング) 本発明の核酸分子はまた、染色体同定に有用である。この配列は、個々のヒト
染色体上の特定の位置に特異的に標的化され、そしてその位置とハイブリダイズ
し得る。さらに、染色体における特定の部位を同定することへの必要性が現在存
在する。実際の配列データ(反復多型性)に基づく染色体マーキング試薬は現在
、染色体位置をマークするのにはほどんと利用可能ではない。本発明に従う染色
体へのDNAのマッピングは、それらの配列を、疾患に関連した遺伝子と相関づ
けることにおいて重要な第一段階である。
【0159】 この点における特定の好ましい実施態様において、本明細書中で開示されるc
DNAは、CKα−5タンパク質遺伝子のゲノムDNAをクローニングするため
に用いられる。これは、一般的に市販されている、種々の周知の技術およびライ
ブラリーを用いて達成され得る。次いで、この目的のための周知の技術を用いて
、インサイチュ染色体マッピングのためにゲノムDNAが用られる。
【0160】 さらに、いくつかの場合において、配列は、cDNAからPCRプライマー(
好ましくは、15〜25bp)を調製することにより、染色体にマッピングされ
得る。遺伝子の3’非翻訳領域のコンピューター分析を用いて、ゲノムDNAに
おいて1より多いエキソンにまたがらず、従って、増幅プロセスを複雑化しない
プライマーを迅速に選択する。次いで、これらのプライマーは、個々のヒト染色
体を含有する体細胞ハイブリッドのPCRスクリーニングのために用いられる。
中期染色体スプレッドに対するcDNAクローンの蛍光インサイチュハイブリダ
イゼーション(「FISH」)を用いて、一工程で、正確な染色体位置を提供し
得る。この技術は、50または60bp程度の短いcDNA由来のプローブと共
に用いられ得る。(この技術の概説については、Vermaら、Human C
hromosomes:A Manual of Basic Techniq
ues, Pergamon Press, New York(1988)を
参照のこと)。
【0161】 一旦、配列が正確な染色体位置にマッピングされると、染色体上の配列の物理
的な位置は、遺伝子マップデータと相関づけられ得る。このようなデータは、例
えば、V. McKusick, Mendelian Inheritanc
e In Man(Johns Hopkins University, W
elch Medical Libraryからオンラインで入手可能である)
に見出される。次いで、同じ染色体領域にマッピングされた遺伝子と疾患との間
の関係が、連鎖解析(物理的に隣接した遺伝子の同時遺伝)によって同定される
【0162】 次に、罹患個体と非罹患個体との間でのcDNAまたはゲノム配列における差
異を決定することが必要である。変異がいくつかまたは全ての罹患個体において
認められるが、いずれの正常個体にも認められない場合、その変異は、疾患の原
因因子である可能性が高い。
【0163】 本発明を一般的に記載してきたが、本発明は、以下の実施例を参照することに
より、より容易に理解されるが、以下の実施例は、例示の目的で提供され、限定
として意図されない。
【0164】 (実施例) (実施例1(a):E.coliにおける「Hisタグ化」CKα−5の発現
および精製) 細菌性発現ベクターpQE60を、本実施例において、細菌性発現のために使
用する(QIAGEN, Inc., 9259 Eton Avenue,
Chatsworth, CA, 91311)。pQE60はアンピシリン抗
生物質耐性(「Ampr」)をコードし、そして細菌の複製起点(「ori」)
、IPTG誘導性プロモーター、リボソーム結合部位(「RBS」)、QUIA
GEN, Inc.,前出から市販されているニッケルニトリロトリ酢酸(「N
i−NTA」)アフィニティー樹脂を使用するアフィニティー精製を可能にする
ヒスチジン残基をコードする6つのコドン、および適切な単一の制限酵素切断部
位を含む。これらのエレメントは、ポリペプチドをコードする挿入されたDNA
フラグメントが、そのポリペプチドのカルボキシル末端に共有結合した6つのH
is残基(すなわち、「6×Hisタグ」)を有するそのポリペプチドを発現す
るように、配置される。
【0165】 疎水性リーダー配列および膜貫通ドメインを欠くCKα−5タンパク質の所望
の部分をコードするDNA配列を、CKα−5タンパク質の所望の部分のアミノ
末端配列およびcDNAコード配列の3’に対する寄託された構築物における配
列にアニールするPCRオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、寄託された
cDNAクローンから増幅する。pQE60ベクターにおけるクローニングを容
易にするために制限部位を含むさらなるヌクレオチドを、それぞれ5’および3
’配列に加える。
【0166】 成熟タンパク質をクローニングするために、5’プライマーは、下線を付した
NcoI制限部位を含む、配列5’GCGCCATGGAATGGCAACGA
GGGCAGC3’(配列番号15)を有する。当業者は、当然ながら、タンパ
ク質コード配列における5’プライマーが開始する点が、タンパク質の成熟形態
よりもより短いかまたはより長い完全CKα−5タンパク質の任意の所望の部分
をコードするDNAセグメントを増幅するよう変化させ得ることを認識する。3
’プライマーは、下線を付したHindIII制限部位を含む、配列5’CGC AAGCTT TTATGTGGCTGATGTCCTGGC3’(配列番号16
)を有する。
【0167】 増幅されたCKα−5 DNAフラグメントおよびベクターpQE60を、N
coIおよびHindIIIで消化し、次いで消化したDNAを互いに連結する
。CKα−5 DNAの制限されたpQE60ベクターへの挿入は、IPTG誘
導性プロモーターから下流の、および開始AUGおよび6つのヒスチジンコドン
にインフレームのCKα−5タンパク質コード配列を配置する。
【0168】 あるいは、好ましい細菌発現ベクターである、アンピシリン耐性遺伝子を含む
「pHE4−5」をこの実施例において使用し得る。pHE4−5/MPIFD
23ベクタープラスミドDNAは、独特の制限酵素部位NdeIとAsp718
との間の充填インサートを含み、そして、アメリカンタイプカルチャーコレクシ
ョン、12301 Park Lawn Drive、Rockeville、
Maryland 20852に、1997年9月30日に寄託し、そして受託
番号209311を付与された。本明細書中で記載されたNdeIおよびAsp
718についての制限酵素部位をそれぞれのプライマーにおいてNcoIおよび
HindIIIに置換した5’プライマーおよび3’プライマーを使用して、p
HE4−5へサブクローニングするためのDNAフラグメントをコードする適切
なCKα−5を増幅し得る。pHE4−5/MPIFD23におけるスタッファ
ーDNAインサートは、CKα−5フラグメントのpHE4−5への連結の前に
除去されるべきである。pHE4−5は、ほとんどの異種タンパク質の高収量を
可能にする強力な細菌プロモーターを含む。
【0169】 連結混合液を、Sambrookら,Molecular Cloning:
a Laboratory Manual, 2nd Ed.; Cold
Spring Harbor Laboratory Press, Cold
Spring Harbor, NY (1989)に記載のような標準的な
手順を使用してコンピテントなE. coli細胞に形質転換する。プラスミド
pREP4(lacリプレッサーを発現し、そしてカナマイシン耐性を付与する
(「Kanr」))の多コピーを含むE. coli株M15/rep4を、本
明細書に記載される例示的な実施例を実行するために使用する。CKα−5タン
パク質を発現するのに適切な多くの内の1つにすぎないこの株は、QIAGEN
, Inc.,前出から市販されている。形質転換体を、アンピシリンおよびカ
ナマイシンの存在下でLBプレート上で生育するそれらの能力によって同定する
。プラスミドDNAを、耐性コロニーから単離し、そしてクローン化されたDN
Aの同一性を、制限分析、PCR、およびDNA配列決定によって確認する。
【0170】 所望の構築物を含むクローンを、アンピシリン(100μg/ml)およびカ
ナマイシン(25μg/ml)を補充したLB培地における液体培養物中で一晩
(「O/N」)増殖させる。O/N培養物を用いて約1:25〜1:250の希
釈率で大規模培養物に接種した。細胞を、0.4と0.6との間の600nmで
の光学密度(「OD600」)にまで増殖させる。次いで、イソプロピル−β−
D−チオガラクトピラノシド(「IPTG」)を添加して1mMの最終濃度にし
、lacIリプレッサーを不活化することにより、lacリプレッサー感受性プ
ロモーターからの転写を誘導する。細胞をさらに3時間から4時間の間引き続き
インキュベートする。次いで細胞を遠心分離により採集する。
【0171】 次いで細胞を3〜4時間4℃にて、6M 塩酸グアニジン、pH 8中で撹拌
する。細胞細片を遠心分離によって除去し、そしてCKα−5を含む上清を、ニ
ッケルニトリロトリ酢酸(「Ni−NTA」)アフィニティー樹脂カラム(QU
IAGEN, INC.,前出から入手可能)にロードする。6×Hisタグを
有するタンパク質は、Ni−NTA樹脂に高いアフィニティーで結合し、そして
簡単な一工程の手順で精製され得る(詳細には、QIAexpressioni
st, 1995, QUIAGEN, Inc., 前出を参照のこと)。簡
潔には、上清を6M 塩酸グアニジン、pH 8中でカラムにロードし、カラム
を最初に10容量の6M 塩酸グアニジン、pH 8で洗浄し、次いで10容量
の6M 塩酸グアニジン、pH 6で洗浄し、そして最後にCKα−5を6M
塩酸グアニジン、pH 5で溶出させる。
【0172】 次いで精製したタンパク質を、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)または50
mM Na−酢酸、pH 6緩衝液および200mM NaClに対して透析す
ることによって再生させる。あるいは、タンパク質を、Ni−NTAカラム上に
固定されている間に首尾よく再折り畳みし得る。推奨される条件は、以下の通り
である:プロテアーゼインヒビターを含む、500mM NaCl、20%グリ
セロール、20 mM Tris/HCl pH 7.4中での直線状6M−1
M尿素グラジエントを用いる再生。再生を1.5時間以上の時間にわたって行う
べきである。再生後、タンパク質を250mMイミダゾールの添加によって溶出
し得る。イミダゾールを、PBSまたは50mM酢酸ナトリウムpH 6緩衝液
および200mM NaClに対する最終透析工程によって除去する。精製した
タンパク質を4℃に保存するか、または−80℃にて凍結させる。
【0173】 以下の代替的な方法は、それが封入体の形態で存在する場合の、E. col
iにおいて発現されたCKα−5を精製するために使用され得る。他に特定され
ない限り、すべての以下の工程は4〜10℃で行われる。
【0174】 E. coli発酵の生産相の完了に際して、細胞培養物を、4〜10℃に冷
却し、そして細胞を15,000rpmにおける連続的な遠心分離(Herae
us Sepatech)によって収穫する。細胞ペーストの単位重量あたりの
タンパク質の予測される収量および必要とされる精製タンパク質の量に基づいて
、細胞ペーストの適切な量(重量による)を、100mM Tris、50mM
EDTA、pH 7.4を含む緩衝溶液中に懸濁する。細胞を、高剪断ミキサ
ーを使用して均質な懸濁液に分散させる。
【0175】 次いで、ミクロフルーダイザー(Microfluidics, Corp.
またはAPV Gaulin, Inc.)に溶液を通過させる(4000〜
6000psi、2回)ことにより、細胞を溶解させる。次いでホモジネートを
、NaCl溶液と混合して最終濃度0.5 M NaClにし、その後7000
×gで15分間遠心分離する。生ずるペレットを、再度0.5 M NaCl、
100mM Tris、50mM EDTA、pH 7.4を用いて洗浄する。
【0176】 得られる洗浄した封入体を、1.5M 塩酸グアニジン(GuHCl)で2〜
4時間可溶化する。7000×gで15分間遠心分離後、ペレットを捨て去り、
そしてCKα−5ポリペプチドを含む上清を4℃で一晩インキュベートし、さら
なるGuHCl抽出を可能にする。
【0177】 不溶性粒子を取り除くための高速遠心分離(30,000×g)の後、GuH
Cl可溶化タンパク質を、GuHCl抽出物と20容量の50mM ナトリウム
、pH 4.5、150mM NaCl、2mM EDTAを含む緩衝液を、激
しく撹拌しながら迅速に混合することによって、再折り畳みさせる。再折り畳み
した希釈タンパク質溶液を、さらなる精製工程の前の12時間、混合することな
く4℃に保つ。
【0178】 再折り畳みしたCKα−5ポリペプチド溶液を清澄化するために、あらかじめ
準備した、適切な表面領域に0.16μmメンブレンフィルターを備える、40
mM 酢酸ナトリウム、pH6.0で平衡化した接線流濾過ユニット装置(例え
ば、Filtron)を使用する。濾過した試料を、陽イオン交換樹脂(例えば
、Poros HS−50, Perseptive Biosystems)
にロードする。カラムを、40mM酢酸ナトリウム、pH 6.0、で洗浄し、
そして同じ緩衝液中の250mM、500mM、1000mM、および1500
mM NaClで、段階的な様式で溶出する。溶出液中の280nmにおける吸
光度を、連続的にモニターする。画分を収集し、そしてSDS−PAGEによっ
てさらに分析する。
【0179】 次いで、CKα−5ポリペプチドを含む画分をプールし、そして4容量の水と
混合する。次いで希釈した試料を、あらかじめ準備した強陰イオン交換樹脂(P
oros HQ−50, Perseptive Biosystems)のカ
ラムおよび弱陰イオン交換樹脂(Poros CM−20, Persepti
ve Biosystems)のカラムの直列のセットにロードする。カラムを
、40mM酢酸ナトリウム、pH 6.0で平衡化する。両方のカラムを、40
mM酢酸ナトリウム、pH 6.0、200mM NaClで洗浄する。次いで
CM−20カラムを、0.2M NaCl、50mM酢酸ナトリウム、pH
6.0〜1.0M NaCl、50mM酢酸ナトリウム、pH 6.5の範囲の
10カラム容量の直線状勾配を用いて溶出する。溶出液の一定のA280モニタリ ング下で画分を回収する。次にCKα−5ポリペプチドを含む画分(例えば、1
6%SDS−PAGEによって決定する)をプールする。
【0180】 得られるCKα−5ポリペプチドは、上記の再折り畳みおよび精製工程後に9
5%より高い純度を示す。5μgの精製タンパク質をロードする場合に、クマシ
ーブルー染色16%SDS−PAGEゲルで主要な混在バンドは観察されない。
精製したタンパク質は、エンドトキシン/LPS混入についてまた試験され、そ
して代表的にはLPS含量は、LALアッセイに従って0.1ng/ml未満で
ある。
【0181】 (実施例2:バキュロウイルス発現系におけるCKα−5タンパク質のクロー
ニングおよび発現) この例示的実施例において、プラスミドシャトルベクターpA2を用いて、そ
の天然に付随する分泌シグナル(リーダー)配列を含む、完全タンパク質をコー
ドするクローニングされたDNAを、成熟CKΑ−5タンパク質を発現するため
にバキュロウイルスに、Summersら、A Manual of Meth
ods for Baculovirus Vectors and Inse
ct Cell Culture Procedures、Texas Agr
icultural Experimental Station Bulle
tin 第1555号(1987)に記載のような標準的な方法を用いて挿入す
る。この発現ベクターは、Autographa californica核多
角体病ウイルス(AcMNPV)の強力なポリヘドリンプロモーターを含み、続
いてBamHI、XbaIおよびAsp718のような都合良い制限部位を含む
。シミアンウイルス40(「SV40」)のポリアデニル化部位を、効率的なポ
リアデニル化のために用いる。組換えウイルスの平易な選択のために、プラスミ
ドは、同じ方向で、弱いDrosophilaプロモーターの制御下で、E.c
oli由来のβガラクトシダーゼ遺伝子を含み、続いて、ポリヘドリン遺伝子の
ポリアデニル化シグナルを含む。挿入された遺伝子には、野生型ウイルスDNA
との細胞媒介性相同組換えのためにウイルス配列が両側に隣接して、クローニン
グされたポリヌクレオチドを発現する生存可能なウイルスを産生する。
【0182】 当業者に容易に理解されるように、構築物が、必要ならば、シグナルペプチド
およびインフレームAUGを含む、転写、翻訳、分泌などのための適切に配置さ
れたシグナルを提供する限り、多くの他のバキュロウイルスベクターを、上記の
ベクターの代わりに用い得る(例えば、pAc373、pVL941、およびp
AcIM1)。このようなベクターは、例えば、Luckowら、Virolo
gy 170:31〜39(1989)に記載される。
【0183】 寄託されたクローン中に、全長CKα−5タンパク質をコードするcDNA配
列(AUG開始コドン、および配列番号2に示される天然に付随するリーダー配
列を含む)を、遺伝子の5’配列および3’配列に対応するPCRオリゴヌクレ
オチドプライマーを用いて増幅する。5’プライマーは、下線を付したBamH
I制限酵素部位、Kozak,M.,J.Mol.Biol.196:947−
950(1987)に記載されるような真核生物細胞において翻訳の開始のため
の効率的なシグナルをむ、配列5’CGCGGATCCGCCATCATGGG
ACGGGACTTGCGG3’(配列番号17)を有する。3’プライマーは
、下線を付したXbaI制限部位を含む、配列5’GCGTCTAGATCAG
GTATTAGAGTCAGG3’(配列番号18)を有する。当業者は、他の
プライマーを使用してより短いポリペプチドをコードする核酸フラグメントを生
成し得ることを認識する。例えば、上記の5’プライマー(配列番号19)と、
以下の3’プライマーとともに使用して、可溶性細胞外ドメインをコードする核
酸フラグメントを増幅し得る: 5’GCGTCTAGATTATGTGGCTGATGTCCTGGC3’(
配列番号19)。3’プライマーは下線を付したXbaI部位を含む。
【0184】 増幅されたフラグメントを、市販のキット(「Geneclean」BIO
101 Inc., La Jolla, Ca)を用いて、1%アガロースゲ
ルから単離する。次いで、このフラグメントを、BamHIおよびXbaIで消
化し、そして、再度1%アガロースゲル上で精製する。
【0185】 このプラスミドを、制限酵素BamHIおよびXbaIで消化し、そして必要
に応じて、当該分野で公知の慣用技術を用いて、仔ウシ腸ホスファターゼを用い
て脱リン酸化し得る。次いで、このDNAを、市販のキット(「Genecle
an」BIO 101 Inc., La Jolla, Ca)を用いて1%
アガロースゲルから単離する。
【0186】 フラグメントおよび脱リン酸化プラスミドを一緒に、T4 DNAリガーゼで
連結する。E.coli HB101またはXL−1 Blue(Strata
gene Cloning Systems, La Jolla, CA)細
胞のような他の適切なE.coli宿主を、連結混合物で形質転換し、そして培
養プレートに塗布する。BamHIおよびXbaIを用いて個々のコロニーから
のDNAを消化すること、次いでゲル電気泳動による消化産物の分析によってヒ
トCKα−5遺伝子を有するプラスミドを含む細菌を同定する。クローニングさ
れたフラグメントの配列を、DNA配列決定によって確認する。このプラスミド
を、本明細書中で、pA2GPCKα−5と称する。
【0187】 5μgのプラスミドpA2GPCKα−5を、Felgnerら、Proc.
Natl.Acad.Sci.USA 84:7413−7417(1987)
によって記載されたリポフェクション法を用いて、1.0μgの市販の線状化バ
キュロウイルスDNA(「BaculoGoldTM baculovirus
DNA」, Pharmingen, San Diego, CA.)ととも
に同時トランスフェクトする。1μgのBaculoGoldTMウイルスDNA
および5μgのプラスミドpA2GPCKα−5を、50μlの無血清グレース
培地(Life Technologies Inc., Gaithersb
urg, MD)を含むマイクロタイタープレートの滅菌ウェル中で混合する。
その後、10μlのリポフェクチンおよび90μlのグレース培地を添加し、混
合し、そして室温にて15分間インキュベートする。次いで、このトランスフェ
クション混合物を、無血清グレース培地1mlを有する35mm組織培養プレー
ト内に播種されたSf9昆虫細胞(ATCC CRL 1711)に滴下する。
次いでプレートを、27℃で5時間インキュベートする。次いで、トランスフェ
クション溶液をプレートから除去し、そして10%ウシ胎児血清を補充した1m
lのグレース昆虫培地を添加する。次いで培養を、27℃で4日間継続する。
【0188】 4日後、上清を収集し、そしてSummersおよびSmith、前出に記載
されるようにプラークアッセイを行う。「Blue Gal」(Life Te
chnologies Inc., Gaithersburg)を有するアガ
ロースゲルを用いて、青色染色されたプラークを生じるgal発現クローンの簡
素な同定および単離を可能にする。(このタイプの「プラークアッセイ」の詳細
な説明はまた、Life Technologies Inc.、 Gaith
ersburg、で配布される昆虫細胞培養およびバキュロウイルス学のための
使用者ガイド(9〜10頁)においても見い出され得る)。適切なインキュベー
ション後、青色染色されたプラークをマイクロピペッター(例えば、Eppen
dorf)のチップで拾う。次いで、組換えウイルスを含む寒天を、200μl
のグレース培地を含む微小遠心管中に再懸濁する。そして、組換えバキュロウイ
ルスを含む懸濁液を用いて、35mmディッシュに播種されたSf9細胞に感染
させる。例えば制限酵素分析を用いてプラスミドpC4に挿入されたフラグメン
トを含む細菌を同定する。
【0189】 活性なDHFR遺伝子を欠如するチャイニーズハムスター卵巣細胞を、トラン
スフェクションのために使用する。5μgの発現プラスミドpC4を、リポフェ
クチン法(Felgnerら、前出)を用いて、0.5μgのプラスミドpSV
neoとともに同時トランスフェクトする。プラスミドpSV2−neoは、優
性選択マーカー(G418を含む一群の抗生物質に対する耐性を与える酵素をコ
ードするTn5由来のneo遺伝子)を含む。細胞を、1mg/mlのG418
を補充したαマイナスMEMに播種する。2日後、細胞をトリプシン処理し、そ
して10、25、または50ng/mlのメトトレキサートおよび1mg/ml
G418を補充したαマイナスMEM中のハイブリドーマクローニングプレー
ト(Greiner, Germany)に播種する。約10〜14日後、単一
のクローンをトリプシン処理し、次いで異なる濃度のメトトレキサート(50n
M、100nM、200nM、400nM、800nM)を用いて、6ウェルペ
トリ皿または10mlフラスコに播種する。次いで、最高濃度のメトトレキサー
トで増殖するクローンを、さらに高濃度のメトトレキサート(1μM、2μM、
5μM、10μM、20μM)を含む新たな6ウェルプレートに移す。同じ手順
を、100〜200μMの濃度で増殖するクローンが得られるまで繰り返す。所
望の遺伝子産物の発現を、例えば、SDS−PAGEおよびウェスタンブロット
分析または逆相HPLC分析によって分析する。
【0190】 (実施例4:CKα−5 mRNA発現の組織分布) ノーザンブロット分析を、とりわけ上記に引用したSambrookらによっ
て記載される方法を用いて行って、ヒト組織におけるCKα−5遺伝子発現の調
査を実施する。CKα−5タンパク質の全ヌクレオチド配列(配列番号1)を含
むcDNAプローブを、rediprimeTM DNA標識系(Amersha
m Life Science)を製造者の説明書に従って使用して32Pで標識
する。標識後、プローブを、CHROMA SPIN−100TMカラム(Clo
ntech Laboratories, Inc.)を製造者のプロトコル番
号PT1200−1に従って使用して精製する。次いで、精製した標識プローブ
を用いて、種々のヒト組織をCKα−5 mRNAについて調べる。
【0191】 種々のヒト組織(H)またはヒト免疫系組織(IM)を含むMultiple
Tissue Northern(MTN)ブロットを、Clontechか
ら入手し、そしてExpressHybTMハイブリダイゼーション溶液(Clo
ntech)を製造者のプロトコル番号PT1190−1に従って使用し標識化
プローブを用いて調べる。ハイブリダイゼーションおよび洗浄後、ブロットをマ
ウントし、そして−70℃にて一晩フィルムに曝し、そして標準的な手順に従っ
て、フィルムを現像する。
【0192】 本発明は前述の詳細な説明および実施例に特に記載されたものとは他の方法で
実施され得ることが明らかである。本発明の多数の改変および変更は、上述の教
示に照らして可能であり、それゆえ添付の請求の範囲の範囲内である。
【0193】 本明細書中に引用した全ての刊行物(特許、特許出願、雑誌論文、実験室マニ
ュアル、本、または他の文書を含む)の全ての開示は、本明細書中に参考として
援用される。
【0194】 さらに、本明細書とともに提出したハードコピーおよびその電子的形態での配
列表は、両方とも本明細書において参考として援用される。 マーカーは、酵素グルタミンシンターゼ(GS)である(Murphyら、Bi
ochem J. 227:277−279(1991);Bebbingto
nら、Bio/Technology 10:169−175(1992))。
これらのマーカーを使用して、哺乳動物細胞を選択培地において増殖させ、そし
て最も高い耐性を有する細胞を選択する。これらの細胞株は染色体に組み込まれ
た増幅された遺伝子を含む。チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞および
NSO細胞は、タンパク質の産生にしばしば使用される。
【0195】 発現ベクターpC1およびpC4は、ラウス肉腫ウイルスの強力なプロモータ
ー(LTR)(Cullenら、Mol. Cell. Biol., 438
−447(1985))およびCMVエンハンサーのフラグメント(Bosha
rtら、Cell 41:521−530(1985))を含む。複数のクロー
ニング部位(例えば、制限酵素切断部位BamHI、XbaI、およびAsp7
18を有する)は、目的の遺伝子のクローニングを容易にする。ベクターはさら
に、ラットプレプロインシュリン遺伝子の3’イントロン、ポリアデニル化シグ
ナル、および終結シグナルを含む。
【0196】 (実施例3(a):COS細胞におけるクローニングおよび発現) 発現プラスミドpCKα−5HAを、CKα−5タンパク質の細胞外ドメイン
をコードするcDNAの一部を発現ベクターpcDNAI/AmpまたはpcD
NAIII(これは、Invitrogen, Inc.から入手し得る)へク
ローニングすることによって作製する。
【0197】 発現ベクターpcDNAI/ampは以下を含む:(1)E.coliおよび
他の原核生物細胞における増殖に有効なE.coli複製起点;(2)プラスミ
ド含有原核生物細胞の選択のためのアンピシリン耐性遺伝子;(3)真核生物細
胞における増殖のためのSV40複製起点;(4)CMVプロモーター、ポリリ
ンカー、SV40イントロン;(5)cDNAが都合良くCMVプロモーターの
発現制御下におかれ、そしてポリリンカーにおける制限部位によってSV40イ
ントロンおよびポリアデニル化シグナルに作動可能に連結され得るように配置さ
れた、赤血球凝集素フラグメントをコードするいくつかのコドン(すなわち、精
製を容易にするための「HA」タグ)に続く終止コドンおよびポリアデニル化シ
グナル。HAタグは、Wilsonら、Cell 37:767(1984)に
よって記載されたインフルエンザ赤血球凝集素タンパク質に由来するエピトープ
に対応する。標的タンパク質へのHAタグの融合は、HAエピトープを認識する
抗体を用いた、組換えタンパク質の容易な検出および回収を可能にする。pcD
NAIIIはさらに、選択可能なネオマイシンマーカーを含む。
【0198】 CKα−5ポリペプチドの可溶性細胞外ドメインをコードするDNAフラグメ
ントを、組換えタンパク質発現がCMVプロモーターによって指向されるように
、ベクターのポリリンカー領域にクローン化する。プラスミド構築戦略は、以下
のとおりである。寄託されたクローンのCKα−5 cDNAを、E.coli
におけるCKα−5発現のためのベクターの構築について先に記載されるのとほ
とんど同じように、都合の良い制限部位を含むプライマーを用いて増幅する。適
切なプライマーは、以下の本実施例に使用されたプライマーを含む。5’プライ
マーは、下線を付したBamHI部位、コザック配列、およびAUG開始コドン
を含み、以下の配列を有する:配列5’CGCGGATCCGCCATCATG
GGACGGGACTTGCGG3’(配列番号17)を有する。3’プライマ
ーは、下線を付したXbaIを含み、以下の配列5’GCGTCTAGATCA
GGTATTAGAGTCAGG3’(配列番号19)を有する。
【0199】 PCR増幅DNAフラグメントおよびベクターpcDNAI/Ampを、Ba
mHIおよびXbaIで消化し、次いで連結する。連結混合物で、E.coli
株SURE(Stratagene Cloning Systems, 11
099 North Torrey Pines Road,La Jolla
, CA 92037より入手可能)に形質転換し、そして形質転換培養物を、
アンピシリン培地プレートへプレーティングし、次いで、インキュベートしてア
ンピシリン耐性コロニーを増殖させる。プラスミドDNAを耐性コロニーから単
離し、そしてCKα−5ポリペプチドの細胞外ドメインをコードするフラグメン
トの存在について制限分析または他の手段によって試験する。
【0200】 組換えCKα−5の発現のために、COS細胞を、例えば、Sambrook
ら, Molecular Cloning: a Laboratory M
anual, Cold Spring Laboratory Press,
Cold Spring Harbor, New York(1989)に
記載のようにDEAE−dextranを用いて、上記のように発現ベクターで
トランスフェクトする。細胞を、ベクターによるCKα−5の発現のための条件
下でインキュベートする。
【0201】 CKα−5−HA融合タンパク質の発現を、例えば、Harlowら, An
tibodies: A Laboratory Manual,第2版; C
old Spring Harbor Laboratory Press,
Cold Spring Harbor, New York(1988)に記
載の方法を用いて放射標識化および免疫沈降法によって検出する。この目的のた
め、トランスフェクションの2日後に、細胞を、35S−システインを含む培地中
で8時間インキュベートすることによって標識する。細胞および培地を採取し、
そして細胞を洗浄し、そしてWilsonら(上記に引用される)に記載される
ように界面活性剤含有RIPA緩衝液:150mM NaCl、1% NP−4
0、0.1% SDS、1% NP−40、0.5% DOC、50mM TR
IS、pH 7.5で溶解する。タンパク質を、HA特異的モノクローナル抗体
を用いて細胞溶解物および培養培地から沈降する。次いで、沈降されたタンパク
質を、SDS−PAGEおよびオートラジオグラフィーによって分析する。期待
されるサイズの発現産物は、細胞溶解物において観察され、これはネガティブコ
ントロールにおいては見られない。
【0202】 (実施例3(b):CHO細胞におけるクローニングおよび発現) 本実施例において、ベクターpC4を、CKα−5ポリペプチドの発現のため
に使用する。プラスミドpC4は、プラスミドpSV2−dhfr(ATCC受
託番号37146)の誘導体である。このプラスミドは、SV40初期プロモー
ターの制御下で、マウスDHFR遺伝子を含む。これらのプラスミドでトランス
フェクトされているジヒドロ葉酸活性を欠如するチャイニーズハムスター卵巣細
胞または他の細胞は、化学療法剤メトトレキサートを補充した選択培地(αマイ
ナスMEM、Life Technologies)中で細胞を増殖させること
によって選択され得る。メトトレキサート(MTX)に耐性である細胞における
DHFR遺伝子の増幅は、十分に考証されている(例えば、Alt,F.W.、
Kellems,R.M.、Bertino,J.R.、およびSchimke
,R.T.、1978,J.Biol.Chem.253:1357−1370
、Hamlin,J.L.およびMa,C. 1990, Biochem.
et Biophys. Acta, 1097:107−143;Page,
M.J.およびSydenham,M.A. 1991, Biotechno
logy 9:64−68を参照のこと)。漸増濃度のMTXにおいて増殖した
細胞は、DHFR遺伝子の増幅の結果として、標的酵素DHFRを過剰産生する
ことによって薬物への耐性を生じる。第2の遺伝子がDHFR遺伝子と連鎖する
場合、通常、同時増幅され、そして過剰発現される。増幅した遺伝子の1,00
0を超えるコピーを有する細胞株を開発するためにこのアプローチを使用し得る
ことは、当該分野において公知である。続いて、メトトレキサートが取り除かれ
ると、宿主細胞の1つ以上の染色体に組み込まれた増幅遺伝子を含む細胞株が得
られる。
【0203】 プラスミドpC4は、目的の遺伝子の発現のために、ラウス肉腫ウイルス(C
ullenら、Mol. Cell. Biol.,1985:438−447
)の長末端反復(LTR)の強力なプロモーター、およびヒトサイトメガロウイ
ルス(CMV)(Boshartら、Cell 41:521−530 (19
85))の前初期遺伝子のエンハンサーから単離されたフラグメントを含む。プ
ロモーターの下流には、遺伝子の組み込みを可能にする以下の単一の制限酵素切
断部位が存在する:BamHI、XbaI、およびAsp718。これらのクロ
ーニング部位の後ろに、プラスミドは、ラットプレプロインスリン遺伝子の3’
イントロンおよびポリアデニル化部位を含む。他の高効率プロモーター(例えば
、ヒトβアクチンプロモーター、SV40初期もしくは後期プロモーター、また
は他のレトロウイルス(例えば、HIVおよびHTLVI)由来の長末端反復)
もまた、発現のために使用され得る。ClontechのTet−Offおよび
Tet−On遺伝子発現系および類似する系は、哺乳動物細胞において調節され
た方法でCKα−5ポリペプチドを発現するために使用され得る(Gossen
,M.およびBujard,H. 1992, Proc.Natl.Acad
.Sci.USA 89:5547−5551)。mRNAのポリアデニル化の
ために、他のシグナル(例えば、ヒト成長ホルモンまたはグロビン遺伝子由来)
も、同様に使用され得る。染色体に組み込まれた目的の遺伝子を有する安定な細
胞株もまた、選択マーカー(例えば、gpt、G418、またはハイグロマイシ
ン)との同時トランスフェクションに際して選択され得る。最初は、1つより多
い選択マーカー(例えば、G418およびメトトレキサート)を使用することが
、有利である。
【0204】 プラスミドpC4を、制限酵素BamHIおよびXbaIで消化し、次いで仔
ウシ腸ホスファターゼを用いて、当該分野で公知の手順によって脱リン酸化する
。次いで、ベクターを、1%アガロースゲルから単離する。
【0205】 CKα−5ポリペプチドの細胞外ドメインをコードするDNA配列を、遺伝子
の所望の部分の5’および3’配列に対応するPCRオリゴヌクレオチドプライ
マーを用いて増幅する。5’プライマーおよび3’プライマーは、上記の実施例
3(a)において使用されたものと同一である。
【0206】 増幅させたフラグメントを、エンドヌクレアーゼであるBamHIおよびXb
aIで消化し、次いで1%アガロースゲルで再度精製する。次いで、単離したフ
ラグメントおよび脱リン酸化ベクターを、T4 DNAリガーゼで連結する。次
いで、E.coli HB101またはXL−1 Blue細胞を形質転換し、
そして例えば制限酵素分析を用いてプラスミドpC4に挿入されたフラグメント
を含む細菌を同定する。
【0207】 活性なDHFR遺伝子を欠如するチャイニーズハムスター卵巣細胞を、トラン
スフェクションのために使用する。5μgの発現プラスミドpC4を、リポフェ
クチン法(Felgnerら、前出)を用いて、0.5μgのプラスミドpSV
neoとともに同時トランスフェクトする。プラスミドpSV2−neoは、優
性選択マーカー(G418を含む一群の抗生物質に対する耐性を与える酵素をコ
ードするTn5由来のneo遺伝子)を含む。細胞を、1mg/mlのG418
を補充したαマイナスMEMに播種する。2日後、細胞をトリプシン処理し、そ
して10ng/ml、25ng/ml、または50ng/mlのメトトレキサー
トおよび1mg/ml G418を補充したαマイナスMEM中のハイブリドー
マクローニングプレート(Greiner, Germany)に播種する。約
10〜14日後、単一のクローンをトリプシン処理し、次いで異なる濃度のメト
トレキサート(50nM、100nM、200nM、400nM、800nM)
を用いて、6ウェルペトリ皿または10mlフラスコに播種する。次いで、最高
濃度のメトトレキサートで増殖するクローンを、さらに高濃度のメトトレキサー
ト(1μM、2μM、5μM、10μM、20μM)を含む新たな6ウェルプレ
ートに移す。同じ手順を、100〜200μMの濃度で増殖するクローンが得ら
れるまで繰り返す。所望の遺伝子産物の発現を、例えば、SDS−PAGEおよ
びウェスタンブロット分析または逆相HPLC分析によって分析する。
【0208】 (実施例4:CKα−5 mRNA発現の組織分布) ノーザンブロット分析を、とりわけ上記に引用したSambrookらによっ
て記載される方法を用いて行って、ヒト組織におけるCKα−5遺伝子発現の調
査を実施する。CKα−5タンパク質の全ヌクレオチド配列(配列番号1)を含
むcDNAプローブを、rediprimeTM DNA標識系(Amersha
m Life Science)を製造者の説明書に従って使用して32Pで標識
する。標識後、プローブを、CHROMA SPIN−100TMカラム(Clo
ntech Laboratories, Inc.)を製造者のプロトコル番
号PT1200−1に従って使用して精製する。次いで、精製した標識プローブ
を用いて、種々のヒト組織をCKα−5 mRNAについて調べる。
【0209】 種々のヒト組織(H)またはヒト免疫系組織(IM)を含むMultiple
Tissue Northern(MTN)ブロットを、Clontechか
ら入手し、そしてExpressHybTMハイブリダイゼーション溶液(Clo
ntech)を製造者のプロトコル番号PT1190−1に従って使用し標識化
プローブを用いて調べる。ハイブリダイゼーションおよび洗浄後、ブロットをマ
ウントし、そして−70℃にて一晩フィルムに曝し、そして標準的な手順に従っ
て、フィルムを現像する。
【0210】 本発明は前述の詳細な説明および実施例に特に記載されたものとは他の方法で
実施され得ることが明らかである。本発明の多数の改変および変更は、上述の教
示に照らして可能であり、それゆえ添付の請求の範囲の範囲内である。
【0211】 本明細書中に引用した全ての刊行物(特許、特許出願、雑誌論文、実験室マニ
ュアル、本、または他の文書を含む)の全ての開示は、本明細書中に参考として
援用される。
【0212】
【表2】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1A〜Cは、CKα−5のヌクレオチド配列(配列番号1)および推定アミ
ノ酸配列(配列番号2)を示す。約27アミノ酸の推定リーダー配列に下線を付
す。図1のリーダー配列の開始メチオニン残基は、位置番号+1で示され、これ
に対し配列番号2の対応する配列中のリーダー位置は、負の位置番号で称される
ことに注意のこと。従って、図1のリーダー配列1〜27位は、配列番号2の−
27〜−1位に対応する。
【図2】 図2は、Bestfit(Wisconsin Sequence Anal
ysis Package、Version 8 for Unix、Gene
tics Computer Group、University Resea
rch Park、575 Science Drive、Madison、W
I 53711)によってデフォールトパラメーターを用いて決定した、CKα
−5タンパク質と、MIP1−βに関するラットmRNAの翻訳産物(配列番号
3)とのアミノ酸配列間の同一性の領域を示す。
【図3】 図3は、CKα−5アミノ酸配列の分析を示す。α、β、ターン、およびコイ
ル領域;親水性および疎水性;両親媒性領域;可撓性領域;抗原性指標、および
表面確率が示されている。「抗原性指標−Jameson−Wolf」のグラフ
において、正のピークは、CKα−5タンパク質の高度に抗原性の領域(すなわ
ち、本発明のエピトープ保有ペプチドが得られ得る領域)の位置を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/52 C12N 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 5/00 A 1/21 A61K 37/02 15/09 ZNA C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U S,UZ,VN,YU,ZW (71)出願人 9410 Key West Avenue, Rockville, Marylan d 20850, United State s of America (72)発明者 ニ, ジアン アメリカ合衆国 メリーランド 20853, ロックビル, マナーフィールド ロー ド 5502 (72)発明者 リ, イ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94086, サニーベール, レイクサイド ドライ ブ ナンバー3034 1247 (72)発明者 ローゼン, グレイグ エイ. アメリカ合衆国 メリーランド 20882, レイトンズビル, ローリング ヒル ロード 22400 (72)発明者 ルーベン, スティーブン エム. アメリカ合衆国 メリーランド 20832, オルニー, ヘリテイジ ヒルズ ドラ イヴ 18528 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA21 BA43 CA01 DA02 DA03 DA06 EA02 EA04 FA02 FA06 GA18 HA11 HA15 4B065 AA26X AA91X AA93X AA93Y AA95X AB04 BA02 CA24 CA25 CA44 CA46 4C084 AA06 BA03 CA53 DC50 NA14 ZA022 ZA452 ZA592 ZB072 ZB112 ZB132 ZB152 ZC132 ZC352 4H045 AA10 AA11 BA10 CA40 DA01 EA22 EA50 FA74

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下からなる群より選択される配列と少なくとも95%同一
    のヌクレオチド配列を含有する単離されたポリヌクレオチド: (a)配列番号2の残基−27〜227をコードするヌクレオチド配列; (b)配列番号2の残基−26〜227をコードするヌクレオチド配列; (c)配列番号2の残基1〜227をコードするヌクレオチド配列; (d)配列番号2の残基1〜178をコードするヌクレオチド配列; (e)ATCC受託番号209231に含まれるcDNAによってコードされ
    る完全長ポリペプチドのアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列; (f)ATCC受託番号209231に含まれるcDNAによってコードされ
    るN末端メチオニンを除く完全なポリペプチドのアミノ酸配列をコードするヌク
    レオチド配列; (g)ATCC受託番号209231に含まれるcDNAによってコードされ
    る成熟ポリペプチドのアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列; (h)ATCC受託番号209231に含まれるcDNAによってコードされ
    るポリペプチドの細胞外ドメインのアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列
    ;および (i)上記の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)また
    は(h)における任意のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列。
  2. 【請求項2】 前記ポリヌクレオチドが、配列番号1として示されるヌクレ
    オチド配列を含有する、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 前記ポリヌクレオチドが、配列番号2の残基−26〜227
    をコードする、配列番号1におけるヌクレオチド配列の部分を有する、請求項1
    に記載のポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 前記ポリヌクレオチドが、配列番号2の残基1〜178をコ
    ードする、配列番号1におけるヌクレオチド配列の部分を有する、請求項1に記
    載のポリヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 以下からなる群より選択される配列と少なくとも95%同一
    のヌクレオチド配列を含有する単離されたポリヌクレオチド: (a)配列番号2の残基n〜178のアミノ酸配列を含有するポリペプチドを
    コードするヌクレオチド配列であって、ここで、nは、−4〜11の範囲の整数
    である、ヌクレオチド配列; (b)配列番号2の残基−4〜mのアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコ
    ードするヌクレオチド配列であって、ここで、mは、55〜178の範囲の整数
    である、ヌクレオチド配列; (c)配列番号2の残基n〜mからなるアミノ酸配列を有するポリペプチドを
    コードするヌクレオチド配列であって、ここで、nおよびmは、それぞれ、上記
    (a)および(b)において規定される整数である、ヌクレオチド配列; (d)ATCC受託番号209231に含まれるcDNAによってコードされ
    る完全CKα−5アミノ酸配列の部分からなるポリペプチドをコードするヌクレ
    オチド配列であって、ここで、該部分は、該完全アミノ酸配列のアミノ末端から
    23〜約38のアミノ酸を除く、ヌクレオチド配列; (e)ATCC受託番号209231に含まれるcDNAによってコードされ
    る完全CKα−5アミノ酸配列の部分からなるポリペプチドをコードするヌクレ
    オチド配列であって、ここで、該部分は、該完全アミノ酸配列のカルボキシ末端
    から24〜約172のアミノ酸を除く、ヌクレオチド配列;および (f)ATCC受託番号209231に含まれるcDNAによってコードされ
    る完全CKα−5アミノ酸配列の部分からなるポリペプチドをコードするヌクレ
    オチド配列であって、ここで、該部分は、上記(d)および(e)における任意
    のアミノ末端欠失およびカルボキシ末端欠失の組み合わせを含む、ヌクレオチド
    配列。
  6. 【請求項6】 前記ポリヌクレオチドが、ATCC受託番号209231に
    含まれるcDNAの完全ヌクレオチド配列を有する、請求項1に記載のポリヌク
    レオチド。
  7. 【請求項7】 前記ポリヌクレオチドが、ATCC受託番号209231に
    含まれるcDNAによってコードされるN末端メチオニンを除く完全アミノ酸配
    列をコードするヌクレオチド配列を有する、請求項1に記載のポリヌクレオチド
  8. 【請求項8】 前記ポリヌクレオチドが、ATCC受託番号209231に
    含まれるcDNAによってコードされるポリペプチドの細胞外ドメインをコード
    するヌクレオチドを有する、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)
    、(f)、(g)、(h)または(i)におけるヌクレオチド配列と同一なヌク
    レオチド配列を有するポリヌクレオチドに、ストリンジェントなハイブリダイゼ
    ーション条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド
    であって、ここでハイブリダイズする前記ポリヌクレオチドは、A残基のみまた
    はT残基のみからなるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドに、ストリン
    ジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズしない、ポリヌクレ
    オチド。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の(a)、(b)、(c)、(d)、(e
    )、(f)、(g)、(h)または(i)におけるアミノ酸配列を有するCKα
    −5ポリペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列をコードするヌクレオチ
    ド配列を含む、単離されたポリヌクレオチド。
  11. 【請求項11】 以下からなる群より選択されるアミノ酸配列をコードする
    ヌクレオチド配列を含む、請求項10に記載の単離されたポリヌクレオチド; (a)配列番号2のTyr−12〜Ser−24; (b)配列番号2のCys−55〜Val−63; (c)配列番号2のThr−91〜Pro−110;および (d)配列番号2のSer−120〜Ile−145。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチドをベクター
    に挿入する工程を包含する、組換えベクターを生成するための方法。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の方法によって生成される、組換えベク
    ター。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の組換えベクターを宿主細胞に導入する
    工程を包含する、組換え宿主細胞を産生するための方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の方法によって産生される、組換え宿主
    細胞。
  16. 【請求項16】 CKα−5ポリペプチドを生成するための組換え方法であ
    って、該ポリペプチドが発現されるような条件下で請求項15に記載の組換え宿
    主細胞を培養する工程、および該ポリペプチドを回収する工程を包含する、方法
  17. 【請求項17】 以下からなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも
    95%同一のアミノ酸配列を含む、単離されたCKα−5ポリペプチド; (a)配列番号2として示されるアミノ酸配列、またはATCC受託番号209
    231に含まれるcDNAによってコードされるアミノ酸配列; (b)配列番号2の残基−26〜227として示されるアミノ酸、またはATC
    C受託番号209231に含まれるcDNAによってコードされるN末端メチオ
    ニンを除く完全アミノ酸配列; (c)配列番号2の残基1〜227として示されるアミノ酸配列、またはATC
    C受託番号209231に含まれるcDNAによってコードされる成熟CKα−
    5のアミノ酸配列;および (d)配列番号2の残基1〜178として示されるアミノ酸配列、またはATC
    C受託番号209231に含まれるcDNAによってコードされるポリペプチド
    の細胞外ドメインのアミノ酸配列。
  18. 【請求項18】 請求項10に記載のポリヌクレオチドによってコードされ
    る、単離されたポリペプチド。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載のポリペプチドに対して特異的に結合す
    る、単離された抗体。
  20. 【請求項20】 CKα−5ポリペプチドを必要とする個体を処置する方法
    であって、該個体に対して請求項17に記載の単離されたポリペプチドを投与す
    る工程を含む、方法。
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