JP2001522823A - 高純度脂肪酸低級アルキルエステルの製造方法 - Google Patents

高純度脂肪酸低級アルキルエステルの製造方法

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JP2001522823A JP2000520402A JP2000520402A JP2001522823A JP 2001522823 A JP2001522823 A JP 2001522823A JP 2000520402 A JP2000520402 A JP 2000520402A JP 2000520402 A JP2000520402 A JP 2000520402A JP 2001522823 A JP2001522823 A JP 2001522823A
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Abstract

(57)【要約】 高純度脂肪酸低級アルキルエステルを合成するための方法であって、(a)脂肪酸原料を低級アルキルエステルおよび副生成物を含む生成混合物に変換する工程と、(b)高温高圧で生成混合物を水洗して副生成物を除去する工程と、(c)水洗した生成混合物を分別蒸留して高純度脂肪酸低級アルキルエステルを得る工程とを含む方法。脂肪酸の少なくとも一部が約20〜約24個の炭素原子を有する。高純度低級アルキルエステルは約1.0以下の酸価を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、水洗および分別蒸留を用いて高純度低級アルキルエステルを合成す
るための新規な方法に関する。特に、本発明は、無色でヨウ素価および酸価の低
い高純度C22メチルエステルを合成するための新規な方法に関する。本発明に
従って合成されたC22メチルエステルは、少量のグリセリンおよびグリセリド
を有する。加えて、本発明は、本発明に従って調製された高純度脂肪酸低級アル
キルエステルを用いたポリオールのエステル交換によって、ポリオール脂肪酸ポ
リエステルを調製するための新規な方法に関する。
【0002】 (背景技術) 食品産業は最近、食物製品中の低カロリー脂肪として用いるためのポリオール
ポリエステルに注目している。平均的食品中で消費される全脂肪の約90%をト
リグリセリド(トリアシルグリセロール)が占めている。通常の食用トリグリセ
リド脂肪はヒト系においてほぼ完全に吸収されるため、食用脂のカロリー値を下
げることができる一方法は、消費されるトリグリセリドの量を減らすことである
(Lipid,2,H.J.Deuel,Interscience Publ
ishers,Inc.、ニューヨーク、1955年、215ページ参照)。ト
リグリセリドと交換することのできる低カロリー脂肪がMattsonら、米国
特許第3600186号に記載されている。Mattsonらは、トリグリセリ
ド含量の少なくとも一部が、少なくとも4つの脂肪酸エステル基を有し、各脂肪
酸が8個から22個の炭素原子を有する、ポリオール脂肪酸エステルで置換され
ている低カロリーの脂肪含有食品組成物を開示している。
【0003】 高度にエステル化されたポリオール脂肪酸ポリエステル、特にショ糖ポリエス
テルを調製するためのいくつかの方法が開示されている。これらのポリエステル
を調製するための方法の1つに、無溶媒で、本質的に二段階の、容易に除去可能
な低級アルキルアルコールの脂肪酸エステルを用いたポリオールのエステル交換
が含まれる。第1段階において、ポリオール、脂肪酸低級アルキルエステル、ア
ルカリ金属脂肪酸セッケンおよび塩基性エステル化触媒の混合物を加熱して、融
成物を形成する。脂肪酸低級アルキルエステルの量は、融成物が初めはポリオー
ルの部分的脂肪酸エステル、例えばポリオールの水酸基の約50%未満がエステ
ル化されているエステルを形成するような量とする。第2段階において、過剰の
脂肪酸低級アルキルエステルを融成物に加え、これを次いで加熱して、部分的ポ
リオールポリエステルをより高度にエステル化されたポリオールポリエステル、
例えばポリオールの水酸基の50%より多くがエステル化されているエステルに
変換する。例えば、RizziおよびTaylor、米国特許第3963399
号、ならびにVolpenhein、米国特許第4517360号および米国特
許第4512772号を参照されたい。
【0004】 ポリオールポリエステルを調製するために用いられる低級アルキルエステルは
、アルカリ触媒存在下、トリグリセリド油や脂肪などの脂肪酸原料の低級アルキ
ルアルコールとのエステル交換によって調製することができる。エステル交換反
応後、エステル交換反応中に形成されたグリセリン(グリセロール)、触媒、触
媒によって形成されたセッケン、低級アルキルエステルおよび低級アルキルアル
コールを含む未精製のグリセリン含有層を脂肪酸低級アルキルエステル層から分
離する。この脂肪酸低級アルキルエステル層を次いで、例えば蒸留などの適当な
回収法によって精製する。この型式の方法は米国特許第2383579号、第2
383580号、2383596号、2383599号、2383601号、2
383602号、2383614号、2383632号および2383633号
、ならびに欧州特許第0164643号に記載されている。高純度脂肪酸低級ア
ルキルエステルを高収率で生成するために、回収前であるが、脂肪酸低級アルキ
ルエステル層のグリセロール層からの分離後に、追加のエステル化工程を用いて
もよい。欧州特許第391485号を参照されたい。
【0005】 残念ながら、これら公知の方法のいずれかによって調製された低級アルキルエ
ステルであっても、グリセリン、およびモノ、ジ、またはトリグリセリドなどの
脂肪原料を残渣量で含有する可能性がある。したがって、これらの低級アルキル
エステルを用いてポリオール脂肪酸ポリエステルを調製すると、ポリオールポリ
エステル生成物が望ましくない多量のトリグリセリド脂肪を含有する原因となる
。これらのトリグリセリドはポリオールポリエステルのカロリーを高め、ポリオ
ールポリエステルが完全に無脂肪ではなくなる。
【0006】 メチルエステルを調製するための公知の方法によるもう1つの不都合は、脂肪
酸の長さが異なる脂肪酸メチルエステルがお互いに分離されないことである。液
体ポリオール脂肪酸ポリエステルを製造するには、不飽和C18脂肪酸エステル
が特に適しているが、固体ポリオール脂肪酸ポリエステルを製造するには、C2
2脂肪酸エステルが特に適しているため、脂肪酸低級アルキルエステルを特定の
脂肪酸鎖長の留分に分離することが望ましい。
【0007】 脂肪酸低級アルキルエステルを調製するための公知の方法によるもう1つの不
都合は、蒸留中に望ましくない多量の遊離脂肪酸が形成されることがあり、脂肪
酸低級アルキルエステルが望ましくない高酸価(1.0よりも高い)を有する原
因となることである。このことは、長鎖脂肪酸部分(炭素原子16個以上の脂肪
酸鎖)を有する脂肪酸低級アルキルエステルを蒸留する際に、特に問題である。
脂肪酸低級アルキルエステルの沸点は、脂肪酸の鎖長が長くなるにつれて上がる
傾向があるため、それに合わせて一般に蒸留温度も高くしなければならない。残
念ながら、高い温度では酸価がより高くなる傾向にある。したがって、脂肪酸の
鎖長が長くなるほど、蒸留中により多くの遊離脂肪酸が形成されると考えられる
。その結果、脂肪酸の鎖長が長くなるにつれて、低酸価(約1.0以下)を有す
る脂肪酸低級アルキルエステルの製造がますます困難になる。
【0008】 したがって、脂肪酸低級アルキルエステルを生成する多くの従来技術による方
法では、エステル中にかなりの量のグリセリンおよびモノ、ジ、またはトリグリ
セリドが含まれ、それによって生成物が完全に無脂肪ではなくなるという点で制
限がある。加えて、多くの従来技術による方法は、脂肪酸の鎖長が異なる脂肪酸
低級アルキルエステル間の分別法がないという点で制限がある。また、従来技術
による方法は、脂肪酸低級アルキルエステルが一般に高酸価を有するという点で
も制限がある。
【0009】 (発明の概要) 本発明の目的は、従来技術の様々な問題を解消することである。
【0010】 本発明の別の目的は、高純度低級アルキルエステル、特にポリオール脂肪酸ポ
リエステル合成に用いるための高純度低級アルキルエステルを生成するための新
規な方法を提供することである。
【0011】 本発明のさらに別の目的は、高純度低級アルキルエステルを製造するための新
規な方法であって、アルキルエステル生成物中に残存するグリセリンまたはグリ
セリドの量を最小にする方法を提供することである。
【0012】 本発明の目的はまた、脂肪酸低級アルキルエステルを生成するための新規な方
法であって、鎖長が異なるエステルがお互いに分離される方法を提供することで
ある。
【0013】 本発明の別の目的は、高純度脂肪酸低級アルキルエステルとポリオールのエス
テル交換によってポリオール脂肪酸ポリエステルを合成するための新規な方法を
提供することである。
【0014】 本発明のさらに別の目的は、約1.0以下の酸価を有する脂肪酸低級アルキル
エステルを合成するための新規な方法を提供することである。
【0015】 1つの態様に従い、本発明は高純度脂肪酸低級アルキルエステルを合成するた
めの方法を対象とする。この方法は、脂肪酸原料を低級アルキルエステルおよび
副生成物を含む生成混合物に変換する工程と、高温高圧で生成混合物を水洗して
生成混合物から副生成物を除去する工程とを有する。次いで、水洗した生成混合
物を分別蒸留にかけることにより、脂肪酸の鎖長が異なる高純度脂肪酸低級アル
キルエステルを分離することができる。脂肪酸は約20個から約24個の炭素原
子を有し、脂肪酸低級アルキルエステルは約1.0以下の酸価を有することが好
ましい。
【0016】 別の態様に従い、本発明は、脂肪酸原料を脂肪酸低級アルキルエステルおよび
副生成物を含む生成混合物に変換する工程と、生成混合物を水洗して副生成物の
少なくとも一部を除去する工程と、水洗した生成混合物を分別蒸留して高純度脂
肪酸低級アルキルエステルを得る工程とを有する、高純度脂肪酸低級アルキルエ
ステルを合成するための方法を対象とする。高酸価の発生を避けるために、分別
蒸留は、塩基不在下および低温、または塩基存在下および高温で実施する。脂肪
酸は少なくとも約16個の炭素原子を有し、脂肪酸低級アルキルエステルは約1
.0以下の酸価を有する。
【0017】 別の態様に従い、本発明は、脂肪酸グリセロールエステルを低級アルキルアル
コールと触媒存在下に反応させて、脂肪酸低級アルキルエステル、脂肪酸グリセ
ロールエステル、およびグリセロールの生成混合物を生成する工程と、生成混合
物をグリセロール含有相および脂肪酸低級アルキルエステル含有相に分離する工
程と、脂肪酸低級アルキルエステル含有相を高温高圧で水洗する工程と、得られ
た水洗低級アルキルエステルを分別蒸留にかける工程とを有する、高純度脂肪酸
低級アルキルエステルを調製するための方法を対象とする。高純度脂肪酸低級ア
ルキルエステルは、一般には約1.0以下の酸価を有し、好ましくは約1.0未
満、より好ましくは約0.5未満の酸価を有する。
【0018】 別の態様に従い、本発明は、高純度低級アルキルエステルを用いたポリオール
脂肪酸ポリエステルを調製するための方法であって、ポリオールを高純度脂肪酸
低級アルキルエステルでエステル交換する工程を有する方法に関する。
【0019】 さらに別の態様に従い、本発明は、連結され、エステル化されたアルコキシル
化ポリオール、好ましくは、高分子量の、連結され、エステル化されたプロポキ
シル化グリセリンを高純度低級アルキルエステルを用いて調製するための方法で
あって、連結されたアルコキシル化ポリオールを高純度脂肪酸低級アルキルエス
テルでエステル交換する工程を有する方法に関する。
【0020】 特定の鎖長の高純度脂肪酸低級アルキルエステルが、高温高圧水洗および分別
蒸留の使用によって得られることが明らかにされている。このような高純度低級
アルキルエステルは、ポリオール脂肪酸ポリエステル合成に用いるのに都合よく
適している。特に、本発明は高純度ベヘン酸メチルエステルを合成するための方
法に関する。このような高純度ベヘン酸エステルはヨウ素価が低く(約2以下)
、酸素化が低い(好ましくは約1.0未満、より好ましくは約0.5未満)。
【0021】 前述の、その他の目的および利点が、下記の詳細な説明を読めばより完全に明
らかとなるであろう。
【0022】 (発明の詳細な説明) 本発明は、脂肪酸原料から高純度低級アルキルエステルを合成するための方法
を含む。このような高純度低級アルキルエステルは、多量の飽和官能基、低酸価
、無色の外観、および少量のグリセリン(グリセロール)およびグリセリド(グ
リセロールエステル)を有する。本明細書で用いる「低級アルキルエステル」と
いう用語は、水酸基が脂肪酸のエステルで置換されている低級アルキルアルコー
ルの脂肪酸エステルを含むと意図されている。適当な低級アルキルアルコールに
は、約1個から約6個の炭素原子を有するモノアルコールが含まれる。特に好ま
しい低級アルキルエステルはメチルエステルである。本明細書で用いる「高純度
」という用語は、脂肪酸低級アルキルエステルの量が少なくとも約85重量%、
好ましくは約90重量%であることを意味すると意図されている。高純度脂肪酸
低級アルキルエステルは、脂肪酸部分に好ましくは少なくとも約16個の炭素原
子を有し、より好ましくは約16個から約24個の炭素原子、さらにより好まし
くは約20個から約24個の炭素原子、最も好ましくは約22個から約24個の
炭素原子を含む。
【0023】 低級アルキルエステルを得るために、脂肪酸グリセロールエステル(モノ、ジ
、およびトリグリセリド)、酸塩化物、または酸無水物などの脂肪酸原料を脂肪
酸低級アルキルエステルに変換する。Kenneally、米国特許第5491
226号に記載の方法に従って、脂肪酸低級アルキルエステルは、脂肪酸グリセ
ロールエステルを1価アルコールと、好ましくは適当な触媒存在下で反応させ、
脂肪酸低級アルキルエステル、未反応または部分的に反応した脂肪酸グリセロー
ルエステル(グリセリド)、グリセロール、触媒、セッケン、および低級アルキ
ルアルコールを含む生成混合物を生成することによって調製することができ、前
述の開示を参考として本明細書に組み込む。本発明の方法において用いる低級ア
ルキルエステルを調製する際に用いるための適当な1価低級アルキルアルコール
には、C1〜C6モノアルコールが含まれる。メタノールは、本発明の方法にお
いて用いるために、特に好ましいアルコールである。モノ、ジおよびトリグリセ
リドを含む、適当な脂肪酸グリセロールエステルは、合成または天然の飽和また
は不飽和脂肪酸のいずれも原料とすることができ、位置異性体および幾何異性体
を含む。
【0024】 高純度低級アルキルエステルは、約1.0未満の低い酸価を有する。本明細書
で用いる「酸価」という用語は、低級アルキルエステル中の遊離脂肪酸の量の2
倍を示すと意図されている。酸価(AV)は遊離脂肪酸価(FFA)に2をかけ
た値に等しい(FFA×2=AV)。遊離脂肪酸の量を定量する一つの方法は、
フェノールフタレイン滴定によるものである。例えば、1ミリリットルのフェノ
ールフタレイン指示薬、50±0.2グラムの試料および100mlの温かい中
性変性アルコールを混合する。この溶液を0.01NのNaOHを用いてフェノ
ールフタレイン終点まで滴定する。遊離脂肪酸パーセント(遊離脂肪酸価すなわ
ちFFA)をオレイン酸%で報告し、次式に従って計算する。
【0025】 オレイン酸%としてのFFA = [(NaOHのml)×(NaOHの規定度)×28.21]/試料重 量
【0026】 上式で、NaOHのmlはフェノールフタレイン滴定終点に到達するのに要し
たNaOHの量であり、酸価(AV)はFFA×2=AVとして計算する。一般
に、本発明の高純度低級アルキルエステルの酸価は約1.0以下(遊離脂肪酸価
は0.5以下)である。好ましくは酸価が約1.0未満、より好ましくは約0.
5未満、さらにより好ましくは約0.3未満、最も好ましくは約0.2未満であ
る。
【0027】 低い酸価を得るために、酸性触媒よりも塩基性触媒を用いて低級アルキルエス
テルを形成する。低級アルキルエステルを調製する際に用いる適当な塩基性触媒
には、ナトリウム、リチウムおよびカリウムなどのアルカリ金属、ナトリウム−
リチウムおよびナトリウム−カリウム合金などの2つ以上のアルカリ金属合金、
水素化ナトリウム、リチウムおよびカリウムなどのアルカリ金属水素化物、ブチ
ルリチウムなどのアルカリ金属低級(C1〜C4)アルキル、ならびにリチウム
メトキシド、カリウムt−ブトキシド、カリウムメトキシドおよび/またはナト
リウムメトキシドなどの低級(C1〜C4)アルコールのアルカリ金属アルコキ
シドが含まれる。ナトリウムメトキシドは特に好ましい触媒である。
【0028】 低い酸価を達成するために用いられる技法には、エステル合成法のpHを約7
よりも高く維持することと、蒸留完了前に蒸留容器中の脂肪酸の塩基中和を用い
ることが含まれる。遊離脂肪酸の量を最小限にするために、蒸留容器の温度は、
好ましくは約274℃(華氏525度)未満であり、より好ましくは約246℃
(華氏475度)未満、最も好ましくは約218℃(華氏425度)である。全
バッチ滞留時間は、好ましくは約20時間未満であり、より好ましくは約10時
間未満、最も好ましくは約1時間未満である。
【0029】 脂肪酸グリセロールエステルと1価アルキルアルコールとの間の反応は、通常
のエステル交換の条件を用いて実施することができる。一般に、この反応は高温
で実施される。明確な温度は脂肪酸残基とアルコールの具体的な配合によって異
なり、約20℃(華氏68度)から約160℃(華氏320度)、好ましくは約
30℃(華氏86度)から約120℃(華氏248度)、より好ましくは約40
℃(華氏104度)から約80℃(華氏176度)の範囲である。反応は大気圧
、ならびに大気圧よりも低圧または高圧の下で起こることがあり、通常、圧力は
ほぼ大気圧から約150psigである。例えば反応混合物を撹拌することによ
って、反応物をいくらかかき混ぜることが好ましい。
【0030】 本明細書で用いられる比は全て、特に指定のない限りモル比であり、パーセン
テージは全て、特に指定のない限り重量によるものである。一般に、1価アルキ
ルアルコールは、1つまたは複数の脂肪酸グリセロールエステルの脂肪酸残基に
対して化学量論的過剰に存在する。概して、1価アルキルアルコールのグリセロ
ールエステル脂肪酸残基に対するモル比は3:1よりも大きく、好ましくは5:
1、より好ましくは6:1、さらにより好ましくは約7.2:1よりも大きい。
触媒のグリセロールエステル脂肪酸残基に対するモル比は、一般には約0.00
2:1から約1:1の範囲であり、好ましくは約0.01:1から約0.1:1
、より好ましくは約0.02:1から約0.08:1の範囲である。
【0031】 前述のエステル交換条件を用いた場合、適当な反応時間は約10分から数時間
の範囲であり、好ましくは約30分から約3時間の範囲である。脂肪酸低級アル
キルエステルおよび副生成物を含む生成混合物が得られる。
【0032】 生成混合物を次いで、グリセロールを多く含む下層と脂肪酸低級アルキルエス
テルを多く含む上層とに分離する。分離は重力または遠心力などの通常の手段に
よって達成することができる。グリセロールを多く含む下層を生成混合物から除
去する。残りの生成混合物は脂肪酸低級アルキルエステルを多く含む上層を含む
。生成混合物の脂肪酸低級アルキルエステル含有相は、脂肪酸グリセロールエス
テル、セッケン、低級アルキルアルコール、触媒および残存グリセロールなどの
副生成物も含み得る。生成混合物の脂肪酸低級アルキルエステル含有相は脂肪酸
グリセロールエステル、セッケン、低級アルキルアルコール、触媒および残存グ
リセロールを抽出するために水洗にかける。
【0033】 副生成物を除去するために、脂肪酸低級アルキルエステルを含有する生成混合
物の高温高圧水洗を用いることが好ましい。蒸留前に、水洗によって脂肪酸低級
アルキルエステル中のグリセロールの量を低下させる。一般に、水相中のグリセ
ロールおよび長鎖アルカリセッケン(ナトリウムセッケンなど)の溶解性は温度
の上昇に伴って増大し、相がより分離されやすくなり、グリセリンをより多く除
去できる。水洗温度は約21℃(華氏70度)から約93℃(華氏200度)、
好ましくは約60℃(華氏140度)から約93℃(華氏200度)、より好ま
しくは約77℃(華氏170度)から約93℃(華氏200度)、最も好ましく
は約88℃(華氏190度)から約93℃(華氏200度)である。効果的な相
分離を実現するために、水洗および分離容器を軽度の圧力下、通常は1000m
m/Hg(5psig)に置くことにより、水および残存低級アルキルアルコー
ルの沸騰を最小に抑える。本発明に従って製造されたメチルエステルにおいては
一般に、モノグリセリドの量は約500ppm未満、ジおよびトリグリセリドの
量は検出不可能な量、グリセロールの量は約200ppm未満である。
【0034】 通常は、エステル含有相の約2〜約50重量%の水を脂肪酸低級アルキルエス
テル含有相に加え、撹拌タンク、塔またはインライン固定ミキサー中、加温下、
すなわち約20℃(華氏68度)から約90℃(華氏200度)で約0.1分か
ら約60分にわたって処理する。脂肪酸低級アルキルエステルは一般にその融点
よりもわずかに高い温度で水洗する。例えば、低ヨウ素価(IV)のナタネメチ
ルエステル(融点が約58℃(華氏136度)は、一般に、約60℃(華氏14
0度)から約90℃(華氏194度)の温度で水洗する。水洗は、一般に、加圧
下、すなわち、大気圧または大気圧よりも高い圧力(約760mmHg以上の圧
力)で行う。通常は、水および残存低級アルキルアルコールの沸騰を抑えるため
、必要に応じて圧力を上げる。一般に、約760mmHg(0psig)から約
1000mmHg(約5psig)の圧力を用い、約1000mmHg(5ps
ig)が好ましい。油中水型乳濁液が形成される可能性を最小限にするために緩
やかに撹拌する。好ましくは、脂肪酸低級アルキルエステル含有相を、約5〜約
20重量%の水、より好ましくは約10〜約15重量%の水で洗浄する。水洗相
での滞留時間は、好ましくは約5分から約30分、より好ましくは約5分から約
15分である。
【0035】 蒸留器残留物を最小にすると、蒸留による脂肪酸低級アルキルエステルの収率
を最大にするのに役立つと考えられる。蒸留器残留物は、蒸留容器中の発泡を最
小にし、また蒸留容器中のグリセリドおよび不けん化物の生成を最小にすること
によって、最小とすることができる。発泡はエステルからセッケンを約1000
ppmよりも少ない量、好ましくは約500ppm、より好ましくは約300p
pmよりも少ない量まで洗い去ることによって最小化される。グリセリドの生成
はエステルからグリセリンを約1000ppmよりも少ない量、好ましくは約5
00ppm、より好ましくは約300ppmよりも少ない量まで洗い去ることに
よって最小化される。不けん化物はエステルから塩基性触媒を約100ppmよ
りも少ない量まで洗い去ることによって最小化される。1つのバッチの蒸留器残
留物は次のバッチのエステル合成反応物中に再利用することができる。
【0036】 水相を通常の手段(例えば、重力または遠心力)によってエステル相から分離
する。重力沈降では約2時間も要することがある。好ましい実施形態は約15分
未満、好ましくは約10分未満、最も好ましくは約5分未満の遠心沈降を用いる
【0037】 水洗した脂肪酸低級アルキルエステルを分別蒸留にかける。バッチ(1段階ま
たは多段階)または連続蒸留を用いることができる。バッチ蒸留では、滞留時間
は一般的には約4時間から約30時間の範囲で、好ましくは約6時間から約18
時間、より好ましくは約8時間から約12時間の範囲である。連続蒸留では、滞
留時間は一般的には約0.1から約10分、より一般的には約0.5から約5分
の範囲である。約0.005から約30mmHg、好ましくは約1から約5mm
Hgの圧力を蒸留法で用いる。
【0038】 本発明の特徴は、高酸価(すなわち1.0よりも高い酸価)の発生を避けるよ
うなやり方で蒸留を実施するということである。高酸価は、グリセリドおよびメ
チルエステルで起こり得る高温分解反応の結果生じる。蒸留は、強塩基不在下で
は約163℃(華氏325度)から約246℃(華氏475度)などの低温で、
または強塩基存在下では約246℃(華氏475度)から約277℃(華氏53
0度)などのより高温で行うことができる。強塩基を加えることで、より高温で
の蒸留中に発生する脂肪酸のほとんどが中和されるが、これはGibsonら、
米国特許第4931522号に開示されているとおりであり、この開示を参考と
して本明細書に組み込む。強塩基の添加によって、蒸留分離を促進する、より高
い温度が使用できる。適当な塩基には水酸化ナトリウムおよびナトリウムメトキ
シドが含まれる。一般に、存在する脂肪酸を中和するのに要する最小量の塩基を
用いる。塩基の量は一般に、用いた低級アルキルエスエルの約0.01〜約1重
量%、好ましくは約0.1〜約0.5重量%の範囲である。
【0039】 1つの実施形態において、強塩基存在下、約246℃(華氏475度)から約
277℃(華氏530度)の温度で2段階蒸留を利用する。低級アルキルエステ
ルの一部を低級アルキルエステル含有相から蒸留する。蒸留を止め、さらに強塩
基を加えて脂肪酸低級アルキルエステル含有相の脂肪酸を中和する。脂肪酸低級
アルキルエステル含有相を中和して、酸価を約0.2未満、好ましくは約0とす
る。脂肪酸低級アルキルエステル含有相を第2の蒸留にかけ、低級アルキルエス
テルのさらなる部分を除去する。蒸留した脂肪酸低級アルキルエステルは約1.
0%未満の酸価を有することが好ましい。
【0040】 分別蒸留を真空下でバッチ法により、または連続的に行うことができる。バッ
チ蒸留には約277℃(華氏530度)以下の温度が好ましい。277℃(華氏
530度)よりも高い温度では大量の脂肪酸が生じるため、約277℃(華氏5
30度)よりも高温でのバッチ蒸留は推奨されない。塔における蒸留は一般に、
低級アルキルエステルからグリセリドおよび着色不純物を最もよく分離すること
になるが、還流させないフラッシュ蒸留も用いることができる。
【0041】 1段階、連続蒸留を用いるとき、モノグリセリドが低級アルキルエステルと共
に揮発するのを防ぐために、蒸留前にモノグリセリドをジまたはトリグリセリド
に変換するための熱処理が一般に必要である。熱処理に適した温度は約70℃(
華氏158度)から約120℃(華氏248度)、好ましくは約80℃(華氏1
76度)から約100℃(華氏212度)である。多段階連続蒸留法では熱処理
は必要ない。バッチ蒸留では、加熱および蒸留法の一部として熱処理が起こる。
【0042】 特定の脂肪酸鎖長を有する高純度脂肪酸低級アルキルエステルを、多段階分別
蒸留によって得ることができる。例えば、約86〜95重量%純度のC22脂肪
酸低級アルキルエステルを得、固体ポリオール脂肪酸ポリエステルの合成に用い
ることができる。高純度C22低級アルキルエステルは一般に約0.5%から約
4%、好ましくは約0.5%から約2%、より好ましくは約0.5%から約1%
のC18低級アルキルエステルを含む。分別蒸留によってナタネメチルエステル
からC14〜C18鎖長のものを除去するために、エステルの最初の約45%は
少なくとも約1:1の還流比で蒸留し、次の約15%は少なくとも約3:1の還
流比で蒸留し、最後の約35%は少なくとも1:1の還流比で蒸留する。
【0043】 ヨウ素価(IV)は、脂肪酸の不飽和度の尺度である。油のIVは、100グ
ラムの油中の不飽和炭素−炭素結合と反応するヨウ素のグラム数と定義される。
ナタネ油トリグリセリドを脂肪酸原料として用いるとき、ナタネ油トリグリセリ
ドを精製、脱色、または硬化させてより低いIV、例えば約1〜約4のIVとし
、脱臭することができる。次いで油を低級アルキルエステル、好ましくはメチル
エステルに変換し、高温高圧で水洗する。
【0044】 C22低級アルキルエステルを製造するためにナタネ油を用いるとき、好まし
くはヨウ素価を約4以下、より好ましくは約2以下に硬化させる。1つの実施形
態において、本発明の方法の脂肪酸原料として硬化ナタネ油を用いるとき、低級
アルキルエステルの分別蒸留中に3つの留分を除去する。すなわち、主にC18
の留分、C18/C20/C22の混合留分、および主にC22の留分である。
生じるいかなる脂肪酸をも中和するために、蒸留法の間に強塩基を加えることが
できる。未硬化ナタネ油も用いることができるが、この場合は一般に、主にC2
2のエステル留分を後で硬化させてIVが約1から約4、好ましくは約2以下に
する必要がある。未硬化ナタネ油を用いる場合、主にC18のエステル留分は不
飽和度が高く、液体ポリオール脂肪酸ポリエステルの製造に用いるのに適してい
る。
【0045】 C22脂肪酸またはC22脂肪酸から作られたグリセリドなどの他の油原料も
、C22エステルを製造するために用いることができる。ポリオール脂肪酸ポリ
エステルの製造に低級アルキルエステル生成物を用いるとき、C22留分の純度
はC22低級アルキルエステルが約86〜約95重量%であることが好ましい。
蒸留は、強塩基不在下では約163℃(華氏325度)から約246℃(華氏4
75度)などの低温で、または強塩基存在下では約246℃(華氏475度)か
ら約277℃(華氏530度)などのより高温で行うことができる。高C22低
級アルキルエステル留分は、還流させながら塔において蒸留、または還流させず
にフラッシュ蒸留することができる。低酸価(少ない遊離脂肪酸の量)を達成す
るために、蒸留温度は、好ましくは約274℃(華氏525度)未満、より好ま
しくは約246℃(華氏475度)未満、最も好ましくは約218℃(華氏42
5度)未満である。バッチ法での全滞留時間は、好ましくは約20時間未満、よ
り好ましくは約10時間未満、最も好ましくは約1時間未満である。
【0046】 脂肪酸低級アルキルエステルは外観が無色であることが望ましい。エステルの
色は、好ましくはロヴィボンドによる黄の約0.5以下、より好ましくは約0.
2以下、最も好ましくは0.0である。脂肪酸低級アルキルエステルの色は、エ
ステル中の炭素−炭素および炭素−酸素二重結合が多いこと、ならびに色素およ
び重合エステルなどの微量成分が原因となり得る。
【0047】 エステル中の二重結合は、IVの低い油を用いることによって最小とすること
ができ、低いIVのナタネ油が好ましい。油およびエステルの熱、光、痕跡量の
金属および空気への曝露を避けることにより、二重結合の形成が最小に押さえら
れる。油および低級アルキルエステルの処理において一般的に用いられる2つの
酸化尺度は、過酸化物価およびカルボニル価である。油およびエステルの処理中
、過酸化物価は、好ましくは約2mcq/kg未満、より好ましくは約1mcq
/kg未満に維持する。エステルの処理中、カルボニル価は、好ましくは約20
0ppm未満、より好ましくは約100ppm未満、最も好ましくは約50pp
m未満に維持する。
【0048】 低いカルボニル含有量は、反応前にアルキルエステルをポリオールと前処理す
ることによって達成できる。アルキルエステルを強塩基、好ましくはアルコキシ
ド塩基存在下で蒸留する。低カルボニル脂肪酸低級アルキルエステルを最初の留
出物(第1留分)および蒸留器残留物から分離するが、これらはいずれもカルボ
ニル基含有量が高く、例えばGibsonら、米国特許第4931552号に記
載されているとおりで、この開示を参考として本明細書に組み込む。酸素存在下
でカルボニル含有量が高くなることがあるため、蒸留後アルキルエステルをただ
ちに冷却することによって、またアルキルエステルを密閉容器内、好ましくは窒
素下で保存することによって、その後の空気酸化を最小限にすることが望ましい
【0049】 1段階蒸留を用いることができるとはいうものの、多段階蒸留はアルキルエス
テルからより高分子量の微量成分を効果的に分離するため、多段階蒸留が好まし
い。このような微量成分には、クロロフィル、カロテノイド、およびポリマーが
含まれる。留出路の短い蒸留装置は、微量成分の留出生成物中への同伴または気
化をより引き起こしやすいため、このような装置は用いないことが好ましい。
【0050】 ベヘン酸メチルエステル、すなわちC22メチルエステルが脂肪酸低級アルキ
ルエステルとして好ましい。このようなC22メチルエステルは、固体ポリオー
ル脂肪酸ポリエステルの合成、特に固体ショ糖脂肪酸ポリエステルの合成にとっ
て好ましい。本発明の高純度C22メチルエステルは少なくとも約86%のC2
2の純度を有する。ベヘン酸メチルエステルは、好ましくは約4以下、より好ま
しくは約2以下のIVを有し、外観は無色で、好ましくはロヴィボンドによる黄
の約0.5以下、より好ましくは約0.2以下、最も好ましくは0.0である。
【0051】 ベヘン酸メチルエステルは、一般に、約1.0未満の酸価を有し、好ましくは
約0.5未満、より好ましくは約0.3未満、最も好ましくは約0.2未満の酸
価を有する。遊離脂肪酸は塩基性触媒を中和し、それにより反応速度を低下させ
るため、ポリオール脂肪酸ポリエステルの合成においては低い酸価(少ない遊離
脂肪酸の量)が望ましい。例えば、真空下、撹拌タンク反応器中、0.06モル
触媒/モルショ糖の触媒量で、ショ糖および0.55%の脂肪酸を含有するC2
2メチルエステルを75%オクタエステルに変換するのに要する時間は15時間
である。しかし、C22メチルエステルが0.15%しか脂肪酸を含まないとき
、0.03のモル触媒/モルショ糖により8.5時間で反応を触媒することが可
能である。
【0052】 本発明の方法に従って生成した無色の高純度脂肪酸アルキルエステルを、ポリ
オール脂肪酸ポリエステルを形成するために用いることができる。一般に、この
ようにして生成したポリオール脂肪酸ポリエステルは、純度がより低い低級アル
キルエステルを用いて製造されたポリオールポリエステルよりも脱色の必要が少
ない。加えて、高純度脂肪酸アルキルエステル中のグリセリンおよびグリセリド
の量が低いことによって、ポリオール脂肪酸ポリエステル生成物のカロリーが、
あったとしても非常に低くなることが確実である。本明細書で用いる「ポリオー
ル脂肪酸ポリエステル」という用語は、ポリオール水酸基が脂肪酸のエステルで
置換されているポリオールの脂肪酸エステルを含むと意図されている。好ましい
ポリオール脂肪酸ポリエステルは、ショ糖1モルにつき平均で少なくとも5つの
エステル結合を有し、脂肪酸鎖が約8個から約24個の炭素原子を有する、ショ
糖ポリエステルである。
【0053】 本明細書で用いる「ポリオール」という用語は、少なくとも2つの遊離水酸基
を含むいかなる脂肪族または芳香族化合物をも含むと意図されている。適当なポ
リオールは下記のクラスから選択することができる。すなわち、飽和および不飽
和の直鎖型および分岐鎖型線状脂肪族、複素環式脂肪族を含む飽和および不飽和
環式脂肪族、または複素環式芳香族を含む単環式もしくは多環式芳香族である。
炭水化物および非毒性グリコールが好ましいポリオールである。本明細書におい
て用いるのに適した単糖には、例えばマンノース、ガラクトース、アラビノース
、キシロース、リボース、アピオース、ラムノース、プシコース、フルクトース
、ソルボース、タガトース、リブロース、キシルロース、およびエリトルロース
が含まれる。本明細書において用いるのに適したオリゴ糖には、例えばマルトー
ス、コジビオース、ニゲロース、セロビオース、乳糖、メリビオース、ゲンチオ
ビオース、ツラノース、ルチノース、トレハロース、ショ糖およびラフィノース
が含まれる。本明細書において用いるのに適した多糖には、例えばアミロース、
グリコーゲン、セルロース、キチン、イヌリン、アガロース、ザイランス、マン
ナンおよびガラクタンスが含まれる。糖アルコールは厳密な意味においては炭水
化物ではないが、天然の糖アルコールは炭水化物に非常に密接に関係しているた
め、これらも本明細書における使用に際して好ましい。本明細書において用いる
のに適した天然糖アルコールは、ソルビトール、マンニトール、およびガラクチ
トールである。
【0054】 本明細書において用いるのに適した物質の特に好ましいクラスには、単糖、二
糖および糖アルコールが含まれる。好ましい非エステル化ポリオールには、グル
コース、フルクトース、グリセロール、ポリグリセロール、ショ糖、ザイロトー
ル、および糖エーテルが含まれる。好ましい非エステル化ポリオールにはまた、
アルコキシル化グリセロール、アルコキシル化ポリグリセロール、ソルビトール
アルコキシル化グリセリン、およびアルコキシル化多糖などのアルコキシル化ポ
リオール、ならびに連結されたアルコキシル化グリセリンなどの連結されたアル
コキシル化ポリオールも含まれる。
【0055】 適当なアルコキシル化ポリオールが米国特許第5288884号、第5298
637号、第5362894号、第5387429号、第5446843号、第
5589217号および第5597605号に開示されており、これらの開示を
参考として本明細書に組み込む。適当なアルコキシル化ポリオールにはアルコキ
シル化糖アルコール、アルコキシル化単糖、アルコキシル化二糖、アルコキシル
化多糖、アルコキシル化C2〜C10脂肪族ジオール、およびアルコキシル化C3
12脂肪族トリオールが含まれる。好ましいアルコキシル化C3〜C12脂肪族ト リオールはアルコキシル化グリセロールであり、より好ましいのはプロポキシル
化グリセロール、特に好ましいのはグリセロール1モルあたり約3〜約21モル
のプロピレンオキシドを有するプロポキシル化グリセロールである。好ましいア
ルコキシル化多糖は、無水単糖ユニットを含むアルコキシル化多糖であり、より
好ましいのは米国特許第5273772号に記載の無水単糖ユニットを含むプロ
ポキシル化多糖で、この開示を参考として本明細書に組み込む。好ましい連結さ
れたアルコキシル化グリセリンには、米国特許第5374446号に記載のポリ
エーテルグリコール連結部分を含むもの、ならびに米国特許第5427815号
および第5516544号に記載のカルボン酸エステル連結部分を含むものが含
まれ、これらの開示を参考として本明細書に組み込む。より好ましいものは米国
特許第5516544号に記載のものである。特に好ましいポリオールはショ糖
である。
【0056】 適当な脂肪酸エステルは飽和または不飽和脂肪酸のいずれかから誘導すること
ができる。適当な好ましい脂肪酸には、例えばカプリン酸、ラウリン酸、パルミ
チン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、イソミリスチン酸、イソマルガリン酸、ミリ
スチン酸、カプリル酸、およびアンテイソアラカジン酸が含まれる。適当な好ま
しい不飽和脂肪酸には、例えばマレイン酸、リノール酸、リカン酸、オレイン酸
、リノレン酸、エリトロゲン酸が含まれる。本発明の好ましい実施形態において
、脂肪酸鎖は約2個から約24個の炭素原子を有する。魚油、ダイズ油、パーム
ナッツ油、ヤシ油、ヒマワリ油、サフラワー油、トウモロコシ油、キャノーラ油
、および高エルカ酸ナタネ油から得られる硬化または未硬化低級アルキルエステ
ルが好ましい。より具体的には、固体ポリオール脂肪酸ポリエステルの合成に対
してC22脂肪酸低級アルキルエステルが好ましく、C22脂肪酸メチルエステ
ルが特に好ましい。ナタネ油がC22脂肪酸の好ましい原料である。加えて、液
体ポリオール脂肪酸ポリエステルの合成に対してはC16〜18脂肪酸低級アル
キルエステルが好ましく、C18脂肪酸メチルエステルが特に好ましい。獣脂、
ダイズ油および綿実油がC18脂肪酸の好ましい原料である。低級アルキルエス
テル合成前に植物油の脱色および脱臭を任意に用いることができる。油をアルカ
リ精製することもできる。
【0057】 前述のとおり、本発明に従って合成した高純度低級アルキルエステルは、低級
アルキルエステルを利用するポリオール脂肪酸ポリエステル合成法で用いるのに
有利である。このような方法が米国特許第3963699号、第4517360
号、第4518772号、第4806632号および第5491226号、なら
びに同時係属出願、Schafermeyerら、第08/689119号およ
びCorriganら、第08/683899号に開示されており、これらの開
示の全てを参考として本明細書に組み込む。好ましくは、低級アルキルエステル
はメチルエステルである。本発明に従って製造されたメチルエステルは、一般に
、約500ppm未満の量のモノグリセリド、検出不可能な量のジおよびトリグ
リセリド、および約200ppm未満の量のグリセリンを有する。蒸留前にメチ
ルエステル中に存在するグリセリンの量を最小にすることによって、蒸留中の残
渣量が10%未満、好ましくは5%未満の最小限となる。本発明のメチルエステ
ルを用いて合成したポリオール脂肪酸ポリエステルは一般に、約0.5重量%未
満、好ましくは約0.2重量%未満、より好ましくは約0.1重量%未満のトリ
グリセリドを有する。
【0058】 適当なポリオール脂肪酸ポリエステル合成方法は、無溶媒エステル交換反応で
ある。エステル交換合成方法の第1段階において、ポリオール、脂肪酸低級アル
キルエステル、塩基性反応触媒、および任意にセッケンが混合されて不均質の混
合物を形成する。一般に、不均質な混合物は約5〜約25重量%、好ましくは約
10〜約20重量%のポリオール、約70〜約92重量%、好ましくは約75〜
約85重量%の脂肪酸エステル、約1〜約30重量%、好ましくは約2〜約10
重量%のアルカリ金属脂肪酸セッケン、および約0.01〜約5重量%、好まし
くは約0.01〜約0.5重量%、より好ましくは約0.05〜約0.3重量%
の塩基性触媒を含む。
【0059】 ポリオールのエステル交換に適した塩基性触媒には、ナトリウム、リチウムお
よびカリウムなどのアルカリ金属、ナトリウム−リチウムおよびナトリウム−カ
リウム合金などの2つ以上のアルカリ金属合金、水素化ナトリウム、リチウムお
よびカリウムなどのアルカリ金属水素化物、ブチルリチウムなどのアルカリ金属
低級(C1〜C4)アルキル、ならびにリチウムメトキシド、カリウムt−ブト
キシド、カリウムメトキシドおよび/またはナトリウムメトキシドなどの低級(
C1〜C4)アルコールのアルカリ金属アルコキシドが含まれる。他の適当な塩
基性化合物にはアルカリ金属およびアルカリ土類金属の炭酸塩および重炭酸塩が
含まれる。塩基性触媒の好ましいクラスには、粒子サイズが約100ミクロン未
満、好ましくは約50ミクロン未満の炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸バリ
ウム、またはこれらの化合物の混合物が含まれる。これら特定の化合物を触媒と
して用いるとき、水素化ナトリウム、水素化カリウム、セッケン、またはナトリ
ウムメトキシドなどのより通常の触媒を用いて実施した本質的に同等の反応と比
べて、色の薄い高級ポリオールポリエステルが高収率で得られることが明らかに
されている。これらの好ましい触媒を、前述のより通常の塩基性触媒との混合剤
で用いることができる。炭酸カリウムおよび/またはカリウムメトキシドが好ま
しい触媒である。これらの触媒の使用が米国特許第4517360号(Volp
enhein)にさらに開示されており、この開示を参考として本明細書に組み
込む。
【0060】 ポリオールのエステル交換に適したセッケンには、アルカリ金属脂肪酸セッケ
ンが含まれる。本明細書で用いる「アルカリ金属脂肪酸セッケン」という用語は
、約8個から約24個の炭素原子、好ましくは約8個から約18個の炭素原子を
有する飽和または不飽和脂肪酸のアルカリ金属塩を含むと意図されている。した
がって、適当なアルカリ金属脂肪酸セッケンには、例えば本明細書に記載の脂肪
酸のリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、およびセシウム塩が含まれ
る。ダイズ油、ヒマワリ油、サフラワー油、綿実油、パーム油、およびトウモロ
コシ油由来の脂肪酸混合物が好ましい。したがって、好ましいアルカリ金属脂肪
酸セッケンには、例えばダイズ油脂肪酸から製造したカリウムセッケンが含まれ
る。
【0061】 ポリオール脂肪酸ポリエステルの形成において、不均質混合物を、約0.01
から約2500mmHg、好ましくは約0.01から約1500mmHgの圧力
下で、約110℃(華氏230度)から約180℃(華氏356度)、好ましく
は約127℃(華氏260度)から約145℃(華氏293度)、より好ましく
は約132℃(華氏270度)から約135℃(華氏275度)の温度まで加熱
する。約1時間から約4時間で、部分的にエステル化されたポリオールおよび未
反応の出発物質の均質な融成物が生じる。本明細書で用いる「部分的にエステル
化されたポリオール」という用語は、ポリオール水酸基の約50%までがエステ
ル化されたポリオールのエステルである。ショ糖の場合、主なショ糖脂肪酸部分
エステルはモノ、ジ、および/またはトリエステルである。
【0062】 エステル交換法の第2段階において、第1段階で生じた均質な融成物に過剰の
脂肪酸低級アルキルエステルを加える。本明細書で用いる「過剰」という用語は
、完全にエステル化されたポリオールを形成するのに必要な量を超える量のこと
である。脂肪酸メチルエステルを用いるとき、反応混合物に過剰のエステルを加
えた後、約0.1〜約2500mmHg、好ましくは約0.5〜約1500mm
Hgの圧力で、約120℃(華氏248度)から約160℃(華氏320度)、
好ましくは約135℃(華氏275度)の温度まで加熱することが好ましい。第
2段階の反応時間は約10時間以内であることが好ましく、一般には約2時間か
ら約8時間である。第2段階の間に、部分的にエステル化されたポリオールがさ
らにエステル化され、高度にエステル化されたポリオール脂肪酸ポリエステルが
提供される。本明細書で用いる「高度にエステル化されたポリオール脂肪酸ポリ
エステル」という用語は、少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約70%
、最も好ましくは少なくとも約96%の水酸基がエステル化されているポリオー
ルを意味する。高度にエステル化されたショ糖ポリエステルの場合、これは一般
にはヘキサ、ヘプタ、そして特にオクタエステルを意味する。
【0063】 エステル交換反応の進行に伴い、低級アルコールが副生成物として生じる。反
応を促進するために、アルコール副生成物を除去することが好ましい。多くの除
去法が当技術分野で知られており、これらを用いて効果的かつ効率的に低級アル
キルアルコールを除去することができる。不活性ガス(例えば窒素)スパージン
グを伴うまたは伴わない真空除去を用いることができる。大気圧よりも低いまた
は高い条件で、撹拌を伴うか、または伴わない不活性ガススパージングを用いる
ことができる。
【0064】 特定の触媒およびセッケン:ポリオール比を用いることにより、第1および第
2段階を1つの反応段階に組み合わせることが可能である。このような触媒の使
用は米国特許第4517360号(Volpenhein)にさらに開示され、
このようなセッケン:ポリオール比の使用は米国特許第4518772号(Vo
lpenhein)にさらに開示されており、これら両方の開示を参考として本
明細書に組み込む。この1段階アプローチにおいて、ポリオール、アルカリ金属
脂肪酸セッケン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、および炭酸バリウムから選択
された塩基性触媒、および過剰の脂肪酸低級アルキルエステルの混合物を、約0
.1〜約760mmHgの圧力で、約100℃(華氏212度)から約180℃
(華氏356度)の温度まで加熱する。セッケン:ポリオールのモル比は約0.
1:1から約1:1、好ましくは約0.1:1から約0.75:1、より好まし
くは約0.1:1から約0.5:1、最も好ましくは約0.1:1から約0.2
5:1である。
【0065】 エステル交換法の最終段階において、ポリエステル、副生成物、および未反応
の出発物質を含む反応混合物からポリオール脂肪酸ポリエステルを分離する。分
離は、当技術分野で日常的に用いられるいかなる分離法によっても達成できる。
蒸留、水洗、および通常の精製法または溶媒抽出が好ましい。反応混合物から回
収した未反応の脂肪酸低級アルキルエステルは、同時係属出願、Kenneal
lyら、ポリオール脂肪酸ポリエステル合成における低級アルキルエステル再利
用(Lower Alkyl Ester Recycling in Pol
yol Fatty Acid Polyester Synthesis)、
Case 6506に記載のとおり再利用することができ、この出願を参考とし
て本明細書に組み込む。得られたポリオール脂肪酸ポリエステル生成物は多量の
飽和官能基、低酸価、無色の外観、ならびに少量のグリセリンおよびグリセリド
を有することになる。
【0066】 液体ポリオールポリエステルは身体からの油の受動的な損失を引き起こすこと
がある。しかし、消化不能な固体ポリオールポリエステルは、受動的な油の損失
を引き起こさない。消化不能な液体ポリオールポリエステルと消化不能な固体ポ
リオールポリエステルとの組み合わせによって、受動的な油の損失が少ない、ま
たは損失がない、消化不能で無カロリーの組成物が提供される。このような固体
ポリオールポリエステルと液体ポリオールポリエステルとの組み合わせによって
、体温での十分な粘度と、十分に高い液体/固体安定性が得られ、受動的な油の
損失を制御することができると考えられる。Elsenら、米国特許第5422
131号、Jandacek、米国特許第4005195号、およびJanda
cekら、米国特許第4005196号を参照されたく、これらの開示を参考と
して本明細書に組み込む。本発明のC22メチルエステルを用いて製造した固体
ポリオールポリエステルは有効な結晶化剤である。すなわち、これらは剛化効果
を有効に提供する。しかし、本発明はこの理論によって束縛または制限を受ける
ことはない。
【0067】 下記の実施例は本発明をさらに詳しく説明することだけを目的としており、特
許請求の範囲に定義されている本発明の範囲を限定するものではない。
【0068】 (実施例1) メチルエステルをベヘン酸グリセロール供給材料を用いて合成する。ベヘン酸
グリセロールはヨウ素価0.5のモノ、ジおよびトリグリセリドの混合物で、鎖
長の組成は下記の通りである。
【0069】 C16 1.0% C18 1.3% C20 4.2% C22 90.9% C24 0.9% その他 1.7%
【0070】 高純度ベヘン酸グリセロール(650g)を117gのメタノールおよび9.
1gのナトリウムメチラート溶液(メタノール中25重量%)と1リットル反応
フラスコ中で混合し、70℃(華氏158度)で約1時間にわたって撹拌する。
撹拌を止め、グリセリンを多く含む相を約2時間にわたって沈降させ、次いでデ
カンテーションする。エステル含有相に対して水洗を2回行う。各水洗に際し、
33gの熱脱イオン水をエステル含有相に加え、約5分間にわたって撹拌する。
次いで撹拌を止め、水/メタノール相を約1時間にわたって沈降させ、次いでデ
カンテーションする。
【0071】 1リットルのフラスコ、オーバーヘッド冷却器、受器、および真空ポンプを用
いてエステル含有相のバッチフラッシュ蒸留を行う。エステルを2〜7mmHg
の圧力で華氏440度(227℃)〜華氏480度(248℃)の温度まで加熱
する。蒸留の全時間は2時間である。蒸留温度が中程度で滞留時間が短いため、
酸価を調節するための蒸留中の塩基処理は必要ない。蒸留の物質収支は、およそ
、蒸留されたエステル94%と蒸留器残留物6%である。蒸留されたエステルは
、外観は澄明で、酸価0.14を有し、組成は下記の通りである。
【0072】 C16 0.7% C18 1.4% C20 4.4% C22 91.7% C24 1.5% その他 0.3%
【0073】 (実施例2) メチルエステルをベヘン酸グリセリル供給材料を用いて合成する。ベヘン酸グ
リセロールはヨウ素価0.5のモノ、ジおよびトリグリセリドの混合物で、鎖長
の組成は下記の通りである。
【0074】 C16 0.4% C18 1.5% C20 5.8% C22 90.5% C24 1.8%
【0075】 ベヘン酸グリセロール(3816lbs)を630lbsのメタノールおよび
67ポンドのナトリウムメチラート溶液(メタノール中25重量%)と750ガ
ロンのタンク中で混合し、70℃で約1時間にわたって撹拌する。撹拌を止め、
グリセリンを多く含む相を沈降させ、次いでデカンテーションする。1500l
bsの熱脱イオン水をエステル含有相に加えることによって、エステル含有相の
水洗を1回行う。混合物を約5分間にわたって撹拌する。次いで撹拌を止め、水
/メタノール相を沈降させ、次いでデカンテーションする。1602lbsの水
/メタノール相を除去する。水洗後のエステル含有相のセッケンの量は320p
pmである。
【0076】 蒸留容器として750ガロン、タンク、オーバーヘッド冷却器、受器、および
真空ポンプを用いてエステル含有相のバッチ分別蒸留を行う。エステル含有相を
1mmHgの圧力で華氏350度(177℃)〜華氏400度(204℃)の温
度まで加熱する。蒸留の全時間は18時間である。蒸留温度が低く滞留時間が中
程度であるため、蒸留中の塩基処理は必要ない。
【0077】 蒸留の物質収支は、およそ、蒸留されたエステル97%と蒸留器残留物3%で
ある。蒸留されたエステルは、外観は澄明で、酸価0.1を有し、組成は下記の
通りである。
【0078】 C16 0.5% C18 1.5% C20 6.0% C22 90.0% C24 2.0%
【0079】 (実施例3) 硬化ナタネ油供給材料を用いてメチルエステルを合成する。ナタネ油はヨウ素
価1.2で、鎖長の組成は下記の通りである。
【0080】 C16 3.5% C18 38.0% C20 9.7% C22 47.4% C24 1.4%
【0081】 硬化ナタネ油(42865lbs)を10027lbsのメタノールおよび5
08ポンドのナトリウムメチラート溶液(メタノール中25重量%)と1000
0ガロンのタンク中で混合し、70℃(華氏158度)で約1時間にわたって撹
拌する。撹拌を止め、グリセリンを多く含む相を沈降させ、次いでデカンテーシ
ョンする。エステル含有相に対して水洗を2回行う。各水洗に際し、2280l
bsの熱脱イオン水をエステル含有相に加え、約5分間にわたって撹拌する。次
いで撹拌を止め、水/メタノール相を沈降させ、次いでデカンテーションする。
【0082】 蒸留容器、理論段数10の充填塔、オーバーヘッド冷却器、受器、および真空
ポンプを用いてエステル含有相のバッチ分別蒸留を行う。エステル含有相を5〜
25mmHgの圧力で華氏450度(232℃)〜華氏525度(274℃)の
温度まで加熱する。蒸留の全時間は45時間である。蒸留温度が高く滞留時間が
長いため、酸価を調節するための蒸留中の塩基処理が必要である。下記の重量パ
ーセントの留分を集めた。
【0083】 少量留分 C16〜C20エステル、グリセリン 58% 生成物留分 主にC22メチルエステル 32% 蒸留器残留物 不揮発性物質 10%
【0084】 還流比は少量留分の前半の約1.0から少量留分の後半の3.0、および生成
物留分の1.0に戻るまで変動する。少量留分の留出後、少量留分の酸価は1.
0で、蒸留容器に残っている物質の酸価は2.2である。無水ナトリウムメチラ
ート(112lbs)を華氏300度(149℃)で蒸留容器に加え、脂肪酸を
中和して酸価0.04とする。次いで生成物留分を蒸留し、集める。生成物の酸
価は0.8である。生成物留分の組成は、およそ、92.6%のC22と1.8
%のC18である。生成物の外観は澄明で、残存グリセリンおよび残存モノグリ
セリドの量は150ppm未満である。
【0085】 (実施例4) 固体ショ糖脂肪酸ポリエステルをバッチ方法によって製造する。IVが90の
綿実メチルエステル(302lbs)をIVが1のC22メチルエステル(15
23lbs)、粉末ショ糖(1367lbs)、ステアリン酸カリウムセッケン
(67lbs)、および炭酸カリウム触媒(2.8lbs)と混合する。撹拌機
、オーバーヘッド冷却器、受器、および真空ポンプを備えた750ガロンの反応
器中で反応を行う。撹拌機のインペラーは、固定羽根(固体懸濁用)またはラシ
ュトンタービン(気体分散用)のいずれかである。1.0mmHgの減圧が可能
な4段階真空システムを用いて、反応器からメタノール副生成物を除去する。メ
タノールの除去を補助するためのストリッピング剤として窒素スパージングを用
いる。
【0086】 エステル交換反応の第1段階は、華氏約275度(135℃)、約1〜約9m
mHgで約5時間で進行する。次いで、メチルエステル(321lbsの綿実エ
ステルおよび1619lbsのC22メチルエステル)および炭酸カリウム触媒
(2.8lbs)を追加する。エステル交換反応の第2段階は、華氏約275度
(135℃)、約1〜約9mmHgで約8時間で進行する。一般に75%オクタ
エステルを得るための反応器中での全滞留時間は約10〜約14時間である。
【0087】 生成物を次いで、セッケンを除去するために遠心沈降し、色素体を除去し、痕
跡量の金属をキレート化するために水洗し、最終的なセッケンおよび色素除去の
ためにシリカゲルを用いて脱色する。遠心沈降はディスクスタック遠心機を用い
て行い、一般に約95%のステアリン酸カリウム乳化剤が未精製ポリオールポリ
エステルから除去される。固定羽根撹拌機を備えた撹拌タンク中、未精製ポリオ
ールポリエステルの約18重量%の水の量で、約10〜約30分間にわたって混
合することにより、水洗を行う。水洗温度は華氏約185度(85℃)である。
水相を重力沈降によって分離する。未精製ポリオールポリエステルを次いで、真
空乾燥器内で水分含有量が約0.1%未満になるまで乾燥する。無水シリカを未
精製ポリオールポリエステルと撹拌タンク中で30分間にわたって接触させるこ
とによって、シリカゲル脱色を実施する。シリカの量は未精製ポリオールポリエ
ステルの約1重量%である。シリカゲルはポリオールポリエステルからフィルタ
ープレスで分離する。
【0088】 生成物を次いで蒸発濃縮し、水蒸気蒸留して、過剰のメチルエステルを除去す
る。蒸発はワイプフィルム型エバポレーターで、例えば約1.0mmHgの圧力
下、華氏約475度(246℃)の温度で操作して実施する。ポリオールポリエ
ステルの水蒸気蒸留によってメチルエステルを完全に除去する。水蒸気蒸留は充
填塔を用いて、例えば水蒸気の対向流により、約4.0mmHgの圧力下、華氏
約475度(246℃)の温度でポリオールポリエステルを操作して実施する。
精製したポリオールポリエステルは、残存メチルエステル含有量が約1000p
pm未満で、無刺激性の風味と臭気を有する。
【0089】 固体ショ糖脂肪酸ポリエステルを液体ショ糖脂肪酸ポリエステルと約5.8重
量%の濃度で混和し、体からの受動的な油の損失を制御するための要求を全て満
たし、過度の蝋様食感がない混和生成物を得ることができる。
【0090】 本発明の別の実施形態において、本発明に従って合成した高純度低級アルキル
エステルは、連結され、エステル化されたアルコキシル化ポリオールの合成法に
おいて有利に用いられる。このような方法は米国特許第5374446号、第5
427815号、および第5516544号に開示されており、これらの開示を
参考として本明細書に組み込む。
【0091】 アルコキシル化ポリオールは、例えばポリオールをアルカリ金属などの触媒存
在下、エポキシドと反応させるなどの、当技術分野で知られているアルコキシル
化法によって調製することができる。アルコキシル化ポリオールは連結部分と反
応させて連結されたアルコキシル化ポリオールを形成することができる。ポリカ
ルボニル連結部分を、遊離酸、酸無水物、酸エステル、酸ハロゲン化物、および
それらの混合物を含む酸単位から選択することができる。ポリエーテルグリコー
ル連結部分を、ポリエポキシド官能基を有するポリエーテルグリコールから選択
することができる。本明細書で用いる「ポリエポキシド官能基を有する」という
用語は、開環反応を受けてエーテル結合を形成することができるエポキシド官能
基を2つ以上有することを意味する。連結されたアルコキシル化ポリオールは、
低級アルキルエステルとのエステル交換により反応して、連結され、エステル化
されたアルコキシル化ポリオールを形成することができる。
【0092】 高純度低級アルキルエステルを用いた、連結され、エステル化されたアルコキ
シル化ポリオールを調製するのに適した方法は、脂肪酸原料を脂肪酸低級アルキ
ルエステルおよび副生成物を含む生成混合物に変換する工程と、高温高圧で生成
混合物を水洗して生成混合物から副生成物の少なくとも一部を除去する工程と、
水洗した生成混合物を分別蒸留して酸価が約1.0以下の高純度脂肪酸低級アル
キルエステルを得る工程と、ポリオールをエポキシドと反応させてアルコキシル
化ポリオールを形成する工程と、アルコキシル化ポリオールを連結部分と反応さ
せて連結されたアルコキシル化ポリオールを形成する工程と、連結されたアルコ
キシル化ポリオールの高純度脂肪酸低級アルキルエステルとのエステル交換工程
とを有する。
【0093】 連結され、エステル化され、アルコキシル化された好ましいポリオールは、米
国特許第5373336号に記載の、少なくとも1つのポリエーテルグリコール
連結部分と、それぞれがポリエーテルグリコール連結部分に直接またはエステル
化されていないオキシアルキレン部分を介して結合されている少なくとも2つの
ポリオール部分と、ポリオール部分に結合され、脂肪酸エステルおよび/または
脂肪酸エステル化オキシアルキレン部分から選択される少なくとも1つの脂肪酸
置換基とを含むもの、米国特許第5427815号に記載の、少なくとも1つの
ポリカルボニル連結部分と、それぞれがポリカルボニル連結部分に直接またはオ
キシアルキレン部分を介して結合されている少なくとも2つのポリオール部分と
、ポリオール部分に結合された少なくとも1つの脂肪酸エステル化オキシアルキ
レン部分とを含むもの、または米国特許第5516544号に記載の、少なくと
も2つのポリカルボニル連結部分と、それぞれがポリカルボニル連結部分に直接
またはオキシアルキレン部分を介して結合されている少なくとも3つのポリオー
ル部分と、ポリオール部分に結合された少なくとも1つの脂肪酸エステル化オキ
シアルキレン部分とを含むものである。特に好ましいものは、米国特許第551
6544号に記載の、分子量が6000よりも大きく、少なくとも2つのポリカ
ルボニル連結部分と、少なくとも3つのグリセリル部分と、グリセリル部分に結
合された少なくとも1つのC6〜C24脂肪酸エステル化オキシアルキレン部分と を含む、連結され、エステル化されたアルコキシル化ポリオールである。
【0094】 本発明の好ましい実施形態について述べてきたが、当業者による適当な変更に
よって、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の方法にさらなる
改変を加えることができる。いくつかの別法および変法を本明細書で述べてきた
が、当業者にはその他の方法も明白であろう。したがって、本発明の範囲は添付
の特許請求の範囲によると考えられるべきで、本明細書に記載の方法の詳細に限
定されるものではないことが理解される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U S,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ガンスマラー エリック ウィリアム アメリカ合衆国 45212 オハイオ州 ノ アウッド フォレスト アベニュー 3823 Fターム(参考) 4C057 AA17 BB03 HH03 4H006 AA02 AC48 AD11 AD16 BC51 KA03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高純度脂肪酸低級アルキルエステルを製造するための方法で
    あって、 (a)脂肪酸原料を脂肪酸低級アルキルエステルおよび副生成物を含む生成混
    合物に変換する工程と、 (b)高温、好ましくは華氏約70度(21℃)から華氏約200度(93℃
    )、かつ高圧、好ましくは約760mmHgから約1000mmHgで前記生成
    混合物を水洗して該生成混合物から前記副生成物の少なくとも一部を除去する工
    程と、 (c)前記水洗した生成混合物を分別蒸留して高純度脂肪酸低級アルキルエス
    テルを得る工程とを有し、 前記脂肪酸の少なくとも一部が少なくとも16個の炭素原子、好ましくは約2
    0〜約24個の炭素原子を有し、好ましくは前記水洗した生成混合物が約100
    0ppm以下のセッケン、約1000ppm以下のグリセリド、および約100
    ppm以下の塩基性触媒を含み、さらに前記高純度脂肪酸低級アルキルエステル
    が約1.0以下の酸価を有することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 前記分別蒸留の工程において前記高純度脂肪酸低級アルキル
    エステルの少なくとも1つの留分を集める工程をさらに有し、好ましくは前記高
    純度脂肪酸低級アルキルエステルが約0.5未満の酸価を有し、好ましくは前記
    脂肪酸低級アルキルエステルがベヘン酸メチルエステルを含み、より好ましくは
    前記ベヘン酸メチルエステルの色がロヴィボンドによる黄の約0.5以下である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記分別蒸留の工程が華氏約325度(163℃)から華氏
    約475度(246℃)の温度および塩基不在下で実施されることを特徴とする
    、請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記分別蒸留の工程が華氏約475度(246℃)から華氏
    約530度(277℃)の温度および塩基存在下で実施され、好ましくは前記工
    程(c)が (1)前記水洗した生成混合物を分別蒸留して前記脂肪酸低級アルキルエステル
    の第1部分を得る工程と、 (2)残りの前記水洗した生成混合物を約0.2以下の酸価まで中和する工程と
    、 (3)前記中和した水洗生成混合物をさらに分別蒸留して前記脂肪酸低級アルキ
    ルエステルの第2部分を得る工程と を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記脂肪酸低級アルキルエステルを硬化する工程をさらに有
    することを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記脂肪酸低級アルキルエステルがC18メチルエステル、
    C20メチルエステルおよびC22メチルエステルを含み、かつ前記工程(c)
    が、C18メチルエステルを含む第1留分を集める工程と、C18メチルエステ
    ル、C20メチルエステルおよびC22メチルエステルを含む第2留分を集める
    工程と、好ましくは約86〜約95重量%のC22メチルエステルを含む第3留
    分を集める工程とを有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記脂肪酸原料がベヘン酸グリセロールエステルであり、前
    記脂肪酸低級アルキルエステルがベヘン酸メチルエステルを含み、かつ好ましく
    は前記ベヘン酸メチルエステルの色がロヴィボンドによる黄の約0.5以下であ
    ることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれかに記載の方法によって製造された
    ことを特徴とする高純度脂肪酸低級アルキルエステル。
  9. 【請求項9】 アルキルエステル製品であって (a)脂肪酸原料を脂肪酸低級アルキルエステルおよび副生成物を含む生成混
    合物に変換する工程と、 (b)高温高圧で前記生成混合物を水洗して該生成混合物から前記副生成物の
    少なくとも一部を除去する工程と、 (c)前記水洗した生成混合物を分別蒸留して高純度脂肪酸低級アルキルエス
    テルを得る工程と、 (d)前記高純度脂肪酸低級アルキルエステルを用いてアルキルエステル製品
    を製造する工程と を有する方法によって製造され、 前記脂肪酸の少なくとも一部が少なくとも16個の炭素原子、好ましくは約2
    0〜約24個の炭素原子を有し、さらに前記高純度脂肪酸低級アルキルエステル
    が約1.0以下の酸価を有することを特徴とする、アルキルエステル製品。
  10. 【請求項10】 脂肪酸ポリオールポリエステルを調製するための方法であ
    って、 (a)(1)脂肪酸グリセロールエステル、好ましくはベヘン酸グリセロール
    エステルを低級アルキルアルコール、好ましくはメタノールと、触媒存在下で反
    応させて、脂肪酸低級アルキルエステル、脂肪酸グリセロールエステルおよびグ
    リセロールの生成混合物を生成する工程と、 (2)前記生成混合物をグリセロール含有相と脂肪酸低級アルキルエステル含有
    相に分離する工程と、 (3)前記脂肪酸低級アルキルエステル含有相を高温高圧で水洗して前記脂肪酸
    低級アルキルエステル含有相から副生成物の少なくとも一部を除去する工程と、 (4)前記水洗いした脂肪酸低級アルキルエステルを分別蒸留する工程と、 (5)高度に精製された前記脂肪酸低級アルキルエステルの少なくとも1つの留
    分を集める工程とによって、高純度脂肪酸低級アルキルエステルを調製する工程
    と、 (b)集めた留分の前記高度に精製された脂肪酸低級アルキルエステルをポリ
    オールでエステル交換して脂肪酸ポリオールポリエステルを得る工程と を有し、 前記高純度脂肪酸低級アルキルエステルが約1.0未満の酸価を有し、かつ好
    ましくは前記脂肪酸ポリオールポリエステルが約0.5重量%未満の量のトリグ
    リセリドを有することを特徴とする方法。
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