JP2001520685A - ポリカーボネート含有液体化学調合物及びポリカーボネートフィルムを形成するための方法 - Google Patents

ポリカーボネート含有液体化学調合物及びポリカーボネートフィルムを形成するための方法

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Abstract

(57)【要約】 薄いポリカーボネートフィルムを形成するのに適した液体化学調合物は、ポリカーボネート材料及び典型的には少なくとも1%の濃度までポリカーボネート材料を溶解することができる液体を含む。またその液体は典型的には少なくとも80℃の沸点を有する。液体の例としては、ピリジン、環置換ピリジン誘導体、ピロール、環置換ピロール誘導体、ピロリジン、ピロリジン誘導体、クロロベンゼン及びシクロヘキサノンがある。液体化学調合物の液体フィルム(36A)は、基板(30)上に形成され、液体を除去するために処理される。後続のステップでは、その結果形成される固体ポリカーボネートフィルムは、荷電粒子(70)が通過して荷電粒子跡(72)を形成する痕跡層として機能することができる。アパーチャ(74)が、痕跡に沿ったエッチングを含む処理により、痕跡層を介して形成される。アパーチャを有するポリカーボネート痕跡層は典型的にはゲート型電子放出素子を製造する際に用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】 ポリカーボネート含有液体化学調合物乃びポリカーボネートフィルムを形成する ための方法 関連特許出願への相互参照 本発明は、Brigham等による同時出願の国際特許出願 、弁理士整理 番号CT/C027 PCTに関連し、その内容はここで参照して本明細書の一 部としている。 利用の分野 本発明は、ポリカーボネートフィルムを通過するアパーチャの形成を含む、薄 いポリカーボネートフィルムを形成することに関連する。 背景技術 ポリカーボネートは無色の熱可塑性ポリマであり、例えば加熱により軟化し、 冷却により硬化する。ポリカーボネートは通常、成形ヘルメット、バッテリケー ス、ボトル及びパッケージのような耐衝撃性及び靱性を利用する応用例において 、さらに防弾及び安全ガラス、眼鏡、コンパクトディスク及び自動車用レンズの ような光透過性を要求される応用例において用いられる。薄いフィルム形状では 、ポリカーボネートは高精度フィルタから電子放出デバイスまでの幅広い応用範 囲において用いられる。 商用のフィルタとして用いられるポリカーボネート膜が、Costar社 ージに記載される。その膜は伸長した結晶性ポリカーボネートフィルムを照射処 理し、その後エッチングして細孔を形成することにより形成さ れる。Costar社のプロセスは、Price等による米国特許第3,303,085号 に開示されるプロセスと同様である。商用の膜フィルタの厚さは典型的には6〜 11μmである。 Bassiere等によるPCT特許出願WO94/28569号は、薄いポリカーボ ネート層を電子放出デバイスを製造する際に用いる方法を開示する。一実施例で はBassiere等による特許出願は、上側導体部、絶縁部及びパターン形成された下 側導体部からなる積層体上にポリカーボネート層を形成する。その多層構造体は 重イオンを照射され、ポリカーボネート層を通過する照射痕跡が形成される。そ の痕跡はエッチングされ、ポリカーボネート層を貫通して上側導体部に至る細孔 が形成される。適当なエッチング剤を用いて、ポリカーボネート層内の細孔パタ ーンは上側導体部に、その後絶縁部に転写され、さらにその後絶縁部に形成され た開口部内に円錐形の電子放出素子が形成される。 Bassiere等による特許出願は、ポリカーボネート層の厚さが約2μmであるこ とを示す。これはCostar社製品カタログの商用のポリカーボネート膜フィルタの 厚さより著しく薄い。Bassiere等による特許出願は、その構造体内のポリカーボ ネート層をスピンコーティングにより形成することができるものと明記している が、Bassiere等による特許出願はポリカーボネート層を形成する方法についてさ らに詳しい情報を記載していない。 Macaulay等によるPCT特許出願WO95/07543号は、電子放出デバイ スの電子放出構造が、痕跡層内に形成される荷電粒子跡により画定される同様の 製造技術を開示する。ポリカーボネートは、Macaulay等による特許出願がその痕 跡層として考慮する材料の1つである。Macaulay等による特許出願における痕跡 層の厚さは0.1〜2μmであり、典型的には1μmである。従って、Macaulay 等による特 許出願の痕跡層の厚さは典型的には、Bassiere等による特許出願のポリカーボネ ート層の厚さより20分の1までの範囲で薄くなる。 フィルム厚が減少するに従って、徐々に高品質のポリカーボネートフィルムを 形成するのが難しくなる。フィルム厚の一様性及び密度のような他の特性を制御 及び保持することがより難しくなる。また非常に薄いポリカーボネートフィルム では、構造上及び組成上の欠陥も大きな問題になる。電子エミッタを製造する際 に、厚さ及び他の物理的特性が概ね一様であり、特にフィルム厚が0.1〜2μ mの範囲にある薄いポリカーボネートフィルムを形成するためのプロセスを有す ることが望ましいであろう。フィルムを貫通する小さな平行アパーチャ、特にゲ ート型電子エミッタのゲート層の開口部を画定する際に用いるアパーチャを実現 することが望まれるであろう。 発明の全般的な開示 本発明はポリカーボネートフィルムの調合を含む。より詳細には本発明は、概 ね一様な厚さの薄いポリカーボネートフィルムを形成することができるポリカー ボネート含有液体化学調合物に対する特性及び組成を提供する。また本発明はポ リカーボネートフィルムを形成するための加工技術も提供する。概ね平行な荷電 粒子跡に沿ってエッチングすることにより、その調合されたポリカーボネートフ ィルムを貫通するアパーチャが形成される。アパーチャを含むポリカーボネート フィルムは典型的には、ゲート型電子放出デバイスを製造する際に用いられる。 本発明に従えば、ポリカーボネートフィルムを形成するのに適した液体化学調 合物は、適当な液体中に溶解したポリカーボネート材料を用いて形成される。液 体及びポリカーボネートに加えて、本液体化学形成体は界面活性剤或いは接着剤 又は接着促進剤のような1つ或いはそれ以上 の他の成分も含む。そのような他の成分は典型的にはそれぞれ、ポリカーボネー ト材料の質量部分に比べてより少ない質量部分として存在する。 本液体化学調合物において用いられるポリカーボネート溶解用液体は典型的に は以下の特性を有する。液体内のポリカーボネート材料の最小溶解度は、温度2 0℃及び圧力1気圧において質量比で1%である。液体の沸点は1気圧で少なく とも80℃である。また液体の沸点は約0.001気圧の圧力で(Tg+15℃ )以下であることが好ましい。ここでTgはポリカーボネート材料のガラス遷移 温度である。その液体の陽子添加形態は通常、十分に強いブレンステッド酸、す なわち陽子ドナーであり、水溶液中のその陽子添加液体の酸解離定数が20℃及 び1気圧で10-8より大きい水溶液中に存在する。 ポリカーボネートは、液体化学調合物の質量比で50%までを形成することが できる。ポリカーボネートの分子量は通常少なくとも10,000、好適には3 0,000〜35,000である。本発明の液体調合物は典型的には、20℃及び 1気圧で、その溶液がスピンコーティングに用いられる場合、100センチスト ークス以下、好ましくは2〜25センチストークスの動粘度を有する。 ポリカーボネート、ポリカーボネート溶解用液体及び液体化学調合物を上記特 性を有するように配列することにより、その液体調合物は厚さ0.1〜2μmの ポリカーボネートフィルムを形成するのに特に適している。 種々のポリカーボネート溶剤を用いて、本発明の液体化学調合物のポリカーボ ネート溶解用液体を形成することができる。例えばその液体はピリジン並びにま た環置換ピリジン誘導体を用いて形成することができる。別法では、或いはさら に、その液体はピロール、環置換ピロール誘導体、ピロリジン並びにまたピロリ ジン誘導体を含む場合もある。さら にその液体は別法では、或いはさらにクロロベンゼン並びにまたシクロヘキサノ ンを含む場合もある。これらの任意のポリカーボネート溶剤を用いて構成される 際に、その液体は上記のポリカーボネート溶解性、最小沸点及びブレンステッド 酸特性を有することが好ましい。 本発明によるポリカーボネートフィルムの製造は、最初に上記タイプのポリカ ーボネート含有液体化学調合物を準備することにより達成される。その調合物の 液体フィルムが下部構造体上に形成され、本発明による中間構造体を形成する。 液体フィルムは典型的にはスピンコーティングにより製造される。さらにその液 体フィルムは揮発性成分を除去するために処理される。その処理後に残される材 料が固体ポリカーボネートフィルムである。液体化学調合物の成分により、ポリ カーボネートフィルムは少量成分として、液体調合物の1つ或いはそれ以上の他 の不揮発性成分並びにまたその反応性成物を含む場合がある。 本発明により、ポリカーボネートフィルムを貫通するアパーチャを形成するた めに、そのフィルムは荷電粒子に暴露され、そのフィルムを少なくとも一部分通 る荷電粒子跡を形成する。その後ポリカーボネートフィルムは痕跡層として機能 する。その後その荷電粒子跡をエッチングすることにより、少なくとも一部分、 典型的には完全に痕跡層を貫通する対応するアパーチャが形成される。 典型的な応用例では、下部構造体の電気的非絶縁層がその痕跡層のアパーチャ を通してエッチングされ、非絶縁層の対応する開口部を形成する。その後非絶縁 層の開口部を用いて電子エミッタの電子放出素子に対する位置を画定する。 例えば非絶縁層は、電気的絶縁層の上側をなすゲート層であり、その下に下側 電気的非絶縁エミッタ領域が存在するようになる。絶縁層はゲート層(或いはゲ ート電極)の開口部を通してエッチングされ、絶縁層 内に対応する誘電性開口空間を形成する。その後下側エミッタ領域と接触する電 子放出素子がその誘電性開口空間内に形成される。電子放出素子は、コーン或い はフィラメントのような種々の形状をなすことができる。 0.1〜2μmの厚さのポリカーボネートフィルムを製造するために本発明の 開示内容を用いる場合、そのフィルム厚は概ね一様になる。例えば10cmまで の範囲内で離れた平坦な下部構造体上の任意の2点のフィルム厚を比較すると、 完全に一様なフィルムとの厚さの全偏差のパーセンテージは通常10%未満(す なわち±5%未満)であり、典型的には5%未満(すなわち±2.5%未満)で ある。500nm平均厚のポリカーボネートフィルムの場合、2点間の最大厚さ 偏差は±50nm未満になり、典型的には±25nm未満になる。 上記プロセスによる電子エミッタを製造する際にポリカーボネートフィルムが 痕跡層として機能する場合、その痕跡層に一様な厚さ及び一様な物理的特性を与 えることにより、その荷電粒子跡が等方性エッチングされる。その結果、アパー チャを含むポリカーボネート痕跡層を用いることにより形成されるゲート開口部 の大きさは、開口部間でほとんど変動が生じない。電子エミッタの電子放出領域 に渡る電子の放出は全く一様である。それにより高品質の電子放出デバイスが形 成される。従って本発明は従来技術より優れた実質的な技術的進歩を実現する。 図面の簡単な説明 第1a図及び第1b図は、ポリカーボネート含有溶液の動粘度をポリカーボネ ート濃度の関数として示すグラフである。第1a図は、乾燥ピリジン中に溶解し た異なる分子量を有する2つのポリカーボネートからなる純粋溶液の場合の20 ℃におけるデータを表す。第1b図は、2つ の異なる溶剤中に溶解した1つのポリカーボネートからなる純粋溶液の場合の2 0℃におけるデータを表す。 第2図は、以下にその概要を示す基準に準拠し、本発明によるポリカーボネー ト含有液体化学調合物を形成するのに適した2つの異なるポリカーボネート溶剤 について、温度の関数として対数表示でプロットされた蒸気圧のグラフである。 第3図は、本発明によるポリカーボネート含有液体化学調合物を製造し、その 後その生成された液体調合物を用いて、本発明による固体ポリカーボネートフィ ルムを形成するためのプロセスの流れ図である。 第4図は、平坦な下部構造体上にポリカーボネート含有液体化学調合物をスピ ンコーティングすることにより形成されるポリカーボネートフィルムの場合の下 部構造体の回転速度に対する固体ポリカーボネートフィルム厚の依存関係を示す グラフである。曲線は異なるポリカーボネート濃度からなるが、同じ分子量ポリ マから、かつ同じポリカーボネート含有溶剤を用いて形成される5つの溶液の場 合に示される。 第5図は、本発明による平坦で概ね円形の下部構造体上にポリカーボネート含 有溶液をスピンコーティングすることにより形成されるポリカーボネートフィル ムの場合のサンプリング点の径方向座標に対する固体ポリカーボネートフィルム 厚の依存関係を示すグラフである。 第6a図−第6d図は、第3図のプロセスによるポリカーボネートフィルムを 形成するために下部構造体上で実行される操作を示す断面図である。 第7図は、本発明によるアパーチャを有するフィルムを設けるために、第3図 のポリカーボネートフィルム上で実行可能な一連の処理ステップを示す流れ図で ある。 第8a図及び第8b図は、第7図のさらに別の処理ステップによるア パーチャを有するポリカーボネートフィルムを設けるために、第6d図の構造体 上で実行可能な操作を示す断面図である。 第9a図−第9c図は、電子放出デバイスが本発明による第8b図の構造体か ら形成されるステップの一部を示す断面図である。 第10a図−第10c図は、第9c図の構造体からゲート型電子放出デバイス を形成するために、本発明における開示内容を利用する一連のステップを示す断 面図である。 第11a図−第11c図は、第9c図の構造体からゲート型電子放出デバイス を形成するために、本発明による開示内容を用いる別の一連のステップを示す断 面図である。 第12図は、本発明により製造される第10c図或いは第11c図のようなゲ ート型電界エミッタを組み込むフラットパネルCRTディスプレイの断面図であ る。 図面及び好適な実施例の説明においては、同一或いは非常に類似の構成体を表 すために同様の参照番号が用いられる。 好適な実施例の説明 全般的な検討 ポリカーボネート材料からなる液体化学調合物、そのポリカーボネート材料を 溶解する液体及び標準型で(すなわち標準温度及び圧力において)液体或いは固 体である1つ或いはそれ以上の他の成分が、概ね一様な厚さの薄い固体ポリカー ボネートフィルムを形成するために本発明により提供される。本液体化学調合物 のポリカーボネートを溶解するために用いられる液体は、ここでは「ポリカーボ ネート溶剤」と呼ばれる場合もある。適当なポリカーボネート溶剤を用いて本発 明により形成される際に、ポリカーボネート含有液体化学調合物により、厚さが 0.1〜 2μmの範囲内で概ね一定である固体ポリカーボネートフィルムが生成される。 平坦な下部構造体上で10cmまでの範囲で分離した任意の2点間のフィルム厚 を比較する場合、完全に一様なフィルムからの厚さにおける全偏差のパーセンテ ージは10%未満、すなわち平均厚さから±5%未満である。 そのポリカーボネートフィルムは典型的には、フラットパネル電極線管(「C RT」)デバイスに対する電子放出デバイスを製造する際に用いられる。そのよ うなフラットパネルCRTデバイスは、フラットパネルテレビ或いはパーソナル コンピュータ、ラップトップコンピュータ又はワークステーション用のフラット パネルビデオモニタである。またそのポリカーボネートフィルムは物質フィルタ (physical filter)、光コーティング或いはデバイス及び保護コーティングの ような他の応用例においても用いることができる。 典型的には透明であるポリカーボネートフィルムの成物及び密度は通常フィル ム厚と同様に一様である。従って透明ポリカーボネートフィルムの光学特性も同 様の一様性の基準を満足する。光学的に透過性のポリカーボネートフィルムの場 合、複合屈折率により定義される光学特性も同様の許容度内で一様である。 本発明による薄いポリカーボネートフィルムの製造は通常、下部構造体上に本 液体化学調合物からなる液体フィルムを形成する過程と、そのポリカーボネート 含有液体フィルムからポリカーボネート溶剤及び任意の他の揮発性成分を除去す る過程とを伴う。その後元の液体調合物の不揮発性成分及び元の液体調合物成分 の任意の不揮発性反応生成物が固体ポリカーボネートフィルムを形成する。 以下の説明において用語「電気的絶縁性」(或いは「誘電性」)は概ね1010 Ω・cmより高い抵抗率を有する材料に適用される。従って用 語「電気的非絶縁性」は、1010Ω・cmより低い抵抗率を有する材料に適用さ れる。電気的非絶縁性材料は、(a)抵抗率が1Ω・cm未満の電気的導電性材 料及び(b)抵抗率が1Ω・cm〜1010Ω・cmの範囲にある電気的抵抗性材 料に分けられる。これらの分類は1V/μm以下の電界において確定される。 電気的導電性材料(或いは電気導体)の例は金属、金属半導体化合物(例えば 金属シリサイド)及び金属半導体共晶体である。また電気的導電性材料は中レベ ル或いは高レベルまで(n型或いはp型)ドープされた半導体を含む。電気的抵 抗性材料は真性半導体及び軽くドープされた(n型或いはp型)半導体を含む。 電気的抵抗性材料のさらに別の例は、(a)サーメット(金属粒子を埋め込んだ セラミック)のような金属絶縁体複合材、(b)グラファイト、アモルファスカ ーボン及び改質(例えばドープ或いはレーザ改質された)ダイヤモンドのような 炭素の形成体及び(c)シリコン−炭素−窒素(silicon-carbon-nitrogen)の ようなあるシリコン−炭素化合物である。フィルム基準及び成分 ポリカーボネートフィルムに対する上記厚さ及び一様性の基準を満足する際に 、種々のプロセスに関連する要因が重要となる。必要とされる厚さの一様性を達 成するために、ポリカーボネート含有液体フィルムはある方法、典型的にはスピ ンコーティングを用いて下部構造体上に形成され、それにより液体フィルムが最 終的な固体ポリカーボネートフィルムと同様の一様性を有することができる。ス ピンコーティングは、主に溶液粘度、下部構造体の角速度及び角加速度並びにそ の下部構造体がスピンされる時間の長さにより、本目的に対する十分な精度を有 して制御されることができる。 液体フィルムがスピンコーティングにより形成される際に、本発明のポリカー ボネート含有液体化学調合物の動粘度は温度20℃及び圧力1気圧において10 0センチストークス以下である。ここで1センチストークは1×10-62/s に等しく、1気圧は101,325Paに等しい。通常、スピンコーティング応 用例では、20℃及び1気圧における液体調合物の動粘度は2〜25センチスト ークスの範囲にある。スピンコーティングを用いて液体フィルムを形成する際に 、回転速度は100回転/分(「rpm」)の小さい値から、8,000rpm の大きい値まで有効変更することができる。1000〜3000rpmの範囲の 好適な回転速度の場合、液体調合物の好適な動粘度は20℃及び1気圧において 8〜12センチストークスの範囲にある。 高品質のポリカーボネートフィルムを達成するために、液体化学調合物中の水 の割合は非常に低くなければならない。詳細には液体調合物は、液体調合物の質 量比で1%以下の水しか含まず、0.1%以下であることが好ましい。液体調合 物中の水の質量パーセンテージは典型的には約0.01%以下である。液体調合 物中の水が高濃度になると、ポリカーボネート材料が沈殿するようになり、低品 質のポリカーボネートフィルムを形成することになる。また水の濃度が大きい場 合、一般に不要なポリカーボネートの加水分解が生じる。加水分解の結果、液体 調合物中に溶解したポリカーボネートの平均分子量が変化する。 本発明の液体化学調合物は以下の幅広い特性を有する。 1a.そのポリカーボネート溶剤(すなわちポリカーボネートを溶解するため に用いられる液体)は別として、その液体調合物の主成分は、少なくとも10, 000の分子量を有するポリカーボネートである。ポリカーボネートの分子量は 通常少なくとも20,000であり、標準的には100,000以下である。ポ リカーボネートの分子量は30,0 00〜35,000であることが好ましい。 ポリカーボネートの分子量が大きくなると、所与のポリカーボネート濃度の 場合の液体化学調合物の動粘度も大きくなる。この関係が第1a図に示されてお り、第1a図では実験ポリカーボネート含有溶液の場合の動粘度が、2つの異な る分子量のポリカーボネートに対する溶液中のポリカーボネート質量濃度の関数 としてプロットされる。 詳細には第1a図は、(1A)約33,000の分予量を有するMAKROLON( 登録商標)2608ポリカーボネート(詳細には、MAKROLON2608−1000 Nポリカーボネート)及び(1B)約18,000の分子量を有するMAKROLON CD2005ポリカーボネートの純粋溶液の場合に20℃において得られるデー タを表す。Bayer社により製造されるいずれのポリカーボネートポリマも、 乾燥ピリジン、すなわち非常に低いレベル、典型的には質量比で0.01%以下 まで水含有量を低減するように処理されたピリジンに溶解された。また第1a図 は、予想されるように、ピリジン中のポリカーボネート濃度が増加すると共に、 動粘度が非線形に増加することを示す。 ポリカーボネートの動粘度の同様な変動は他のポリカーボネート溶剤におい ても生じる。これは(1C)ピリジン及び(1D)NMPとして一般に知られる 1−メチルピロリジノンに溶解したMAKROLON2608ポリカーボネートの純粋溶 液の場合に20℃において得られる動粘度/ポリカーボネート質量濃度データに より第1b図に示される。第1a図のデータにより示される溶液の場合と同様に 、第1b図のデータを生成する際に用いられる溶剤は非常に低いレベルまで水含 有量を低減するように処理された。 第1a図及び第1b図のデータは「良好な」溶剤、すなわち溶質−溶剤相互 作用が、溶液中のポリマ鎖を部分的に解き、鎖を比較的自由に 移動させるのに十分な強さの溶剤におけるポリマ溶媒和の簡単で近似的な半経験 的モデルにより十分に説明される。第1a図及び第1b図の曲線は最小自乗回帰 によりデータに当てはめられ、以下のアインシュタインの式の変形により記述さ れる。 ν=νc+ac2 (1) ここでνは溶液の動粘度、νcは純粋溶剤の動粘度、aはポリカーボネートの化 学成分、分子量及び溶剤そのものに依存する定数、並びにcはポリカーボネート の濃度である。第1a図及び第1b図から明らかなように、ポリカーボネート濃 度及び動粘度の好適な範囲は、特定範囲の分子量内でポリカーボネートを含む化 学溶液を調合することにより達成することができる。 1b.ポリカーボネートのガラス遷移温度Tgは通常少なくとも65℃である 。ポリカーボネート溶剤及び本発明のポリカーボネート含有液体化学調合物から 形成される液体フィルムから揮発性成分を除去する処理では、フィルム温度が、 ポリカーボネート溶剤除去プロセスの最後においてポリカーボネートガラス遷移 温度Tgより約15℃大きい値より高い場合には、生成されるポリカーボネート フィルムは不要なゴム状態或いは溶融状態で形成されるであろう。そのゴム−溶 融状態ポリカーボネートフィルムが固体の硬質フィルムを形成するまで冷却され る際には、フィルム厚には許容できない変動が生じてしまうであろう。 この観点から、ポリカーボネートに対する65℃最小Tg値は、さらに以下 に説明される仕様から導かれる。その仕様では、1気圧におけるポリカーボネー ト溶剤の沸点Tb(1atm)は少なくとも80℃であり、20℃付近の遷移温 度Tambにおいて急速にポリカーボネート溶 剤が蒸気になるのを避け、中間液体フィルムをポリカーボネート溶剤の1気圧沸 点Tb(1atm)と同様に低い温度で1気圧状態下で乾燥することができ、例 えば乾燥手順の最後において余分な高温を必要とすることに起因する固体ポリカ ーボネートフィルムにおける不要な厚さの変動を避けると同時に、商用において 許容可能な短い乾燥時間を達成するようになる。 ポリカーボネートのガラス遷移温度Tgは典型的には120−170℃の範 囲にある。MAKROLON2608ポリカーボネートの場合のTgは145±2℃であ る。 1c.ポリカーボネート材料は、液体化学調合物の調合中にポリカーボネート 溶剤に溶解される直前には概ね成分が無い(無成性)。詳細にはポリカーボネー トは0.1%以下の水分を含み、0.01%未満であることが好ましい。最初に ポリカーボネートが高い質量パーセンテージの水を含む場合には、そのポリカー ボネートは適当に乾燥され、この値未満に水含有量を低減する。ポリカーボネー トの水含有量が多い場合、調合される液体調合物の水含有量も多くなる。 1d.液体化学調合物は表面活性剤、すなわち本発明の液体調合物において正 方向の表面余剰濃度を示す石鹸状材料を含む。表面活性剤は液体調合物と下部構 造体との間の接触角を減少させ、それにより液体調合物による下部構造体の湿潤 を改善する。表面活性剤はポリカーボネート溶剤に導入される前には液体或いは 固体状態にある。表面活性剤が不揮発性である場合には、液体フィルムを処理し て揮発性成分を除去した後に、固体ポリカーボネートフィルムの少数成分として の残るであろう。表面活性剤は固体ポリカーボネートフィルムにおいて正方向の 表面余剰濃度を示しても示さなくてもよい。 1e.その液体化学調合物は接着剤或いは接着促進剤、すなわち下部 構造体からポリカーボネートフィルムを分離するのに必要とされる単位面積当た りのエネルギーを増加する材料を含む。表面活性剤と同様に接着剤或いは接着促 進剤は、ポリカーボネート溶剤に導入される前には液体或いは固体のいずれであ ってもよい。接着剤或いは接着促進剤が不揮発性である場合には、液体フィルム を処理して揮発性成分を除去した後に、固体ポリカーボネートフィルムの少数成 分として同様に残される。また接着剤或いは接着促進剤は、下部構造体並びにま たその下部構造体/フィルム境界におけるポリカーボネートフィルムと反応して 、ポリカーボネートフィルムの一部を構成する不揮発性生成物を残す。 1f.液体化学調合物は、ポリカーボネート溶剤に溶解する染料を含む。その 溶解性染料は同様に、液体フィルムを処理して揮発性成分を除去した後に、固体 ポリカーボネートフィルムの一部として残る場合がある。 本発明の液体化学調合物のポリカーボネートは、ポリマ化学式により化学的に 表すことができる。 ここでOは酸素原子を表し、Cは炭素原子を表し、Rは二価基を表し、各接続ラ インが1つの共有化学結合を表しており、さらに複数の整数nはモノマ反復単位 の繰り返し数であり、式2中の括弧内の部分として表される。標準的なポリカー ボネート末端基T1及びT2がポリマ鎖の両端部において存在する。ポリマ分子の 「コア」は、末端基T1及びT2の間に入るn個のモノマ繰返し基の部分である。 各末端基T1及びT2は典型的にはメトキシ(CH3O)、エトキシ(C25O )、T−ブチル(C49O)基であるか、或いはアセテルオキシ(「AcO」) 基であり、末端結合が酸素原子を介して行われる。またT1及びT2は例えば、脂 肪酸アルコールを含むエステル基であってもよい。繰返し数nは通常少なくても 10であり、典型的には少なくとも100である。nを増加すると共にポリカー ボネートの分子量も線形に増加する。 式2では、二価基Rは典型的には以下のように形成される。 −φA−X−φB− (3) ここでφA及びφBはそれぞれフェニレン基或いは環置換フェニレン基を表し、X は典型的にはアルキレン基であるが、エーテル基、スルフィド基或いはスルホン 基であってもよい。Xがアルキレン基である特定の場合には、二価基Rに対する 式3は変更され、以下のようにRを与えることができる。ここでRA及びRBはそれぞれ水素或いは重水素原子、又は一価の炭化水素基を表 す。RA及びRBの少なくとも一方がアルキレン基である場合には、アルキレン基 中の炭素原子の数は典型的には1から4まで変化する。 ポリカーボネートの好適な形態はポリビスフェノールAカーボネート(poly(b isphenol A carbonate))であり、そこではφA及びφBがいずれも無置換1,4 −フェニレン基であり、RA及びRBはいずれもメチル基である。この場合には、 そのポリカーボネートのコアは、以下の様になる。 ここでHは水素原子を表し、CH3はメチル基を表し、さらにφは無置換1,4 −フェニレン基を表す。 式5における好適なポリカーボネートは通常Bayer社により製造されるMA KROLONポリカーボネートである。好ましくはMAKROLONポリカーボネートはMAKROL ON2608であり、分子量は約33,000である。MAKROLON2608の場合、 繰返し単位の数nは約125である。 上記理由により本液体化学調合物の好適な調合物中には表面活性剤が存在する 。好適な表面活性剤はFluorad(登録商標)FC-430表面活性剤であり、Minnesota Mamufacturing and Mining社により製造されるフッ化脂肪族高分子量エステル の粘性液体混合物であり、湿潤剤として作用するのに十分な濃度で存在する。液 体化学調合物中のFluorad FC−430表面活性剤の濃度は0.001 −1g表面活性剤/kgポリカーボネート溶剤、典型的には0.22g表面活性 剤/kgポリカー ボネート溶剤である。ポリカーボネート溶剤基準及び成分 ポリカーボネート溶剤は十分な量のポリカーボネートを溶解することができ、 0.1〜2μmの間の最終的なポリカーボネートフィルム厚及び10cmまでの 範囲内で分離した平坦な下部構造体上の点において厚さを測定した場合に、10 %(±5%)、より好ましくは5%(±2.5%)より高い最終厚さ一様性を達 成することができる。このため溶剤中のポリカーボネートの溶解度は通常、20 ℃及び1気圧において液体化学調合物の質量比で少なくとも1%であるが、0. 5%と同程度に低くてもよい。その溶剤は20℃及び1気圧において質量比で少 なくとも5%のポリカーボネートを溶解できることが好ましい。 液体化学調合物溶液は通常、スピンコーティングを用いてポリカーボネートフ ィルムを形成する際に、液体調合物の質量比で50%以下のポリカーボネートを 含む。高ポリカーボネート濃度、例えば質量比で50%より大きい濃度を有する 液体調合物は粘性突起(viscous fingering)を示し、スピンコーティング中の 表面の湿潤が遅いため、その物理的特性の一様性が劣化したポリカーボネートフ ィルムをもたらすようになる。スピンコーティングに用いられる液体調合物中の ポリカーボネートのパーセンテージは典型的には質量比で20%以下である。質 量比で1〜10%、好ましくは質量比が5〜10%の範囲のポリカーボネート濃 度は、スピンコーティングにより0.1〜2μmの間の最終的な厚さのポリカー ボネートフィルムの形成に特に有用である。 上記溶解性要件に加えて、ポリカーボネート溶剤は以下の特性を有する。 2a.1気圧における溶剤の融点Tm(1atm)は20℃未満であ る。典型的には液体化学調合物がポリカーボネートフィルムを形成するプロセス において下部構造体上にコーティングされる周囲温度Tambは約20℃である。 Tm(1atm)がTamb未満である条件により、本発明の液体化学調合物がその 規定される条件において実際に液体であることを確実にする。 2b.1気圧におけるそのポリカーボネート溶剤の沸点Tb(1atm)は少 なくとも80℃である。その結果、溶剤のTb(1atm)は通常(Tamb+60 ℃)以上である。これは液体化学調合物からのポリカーボネート溶剤の蒸発の速 度が、周囲温度Tambにおいて、ポリカーボネートフィルムを形成するプロセス において下部構造体上に調合物の一様な液体フィルムを形成することができるほ ど十分に遅くなることを確実にする。 2c.0.001気圧におけるポリカーボネート溶剤の沸点Tb(0.001 atm)は(Tg+15℃)以下である。ここでTgはポリカーボネートのガラス 遷移温度であり、0.001気圧はポリカーボネート含有液体フィルムが典型的 には、本発明による固体ポリカーボネートフィルムを形成するために液体フィル ムを処理する際に用いられる製造装置によりかけられる最も低い圧力である。 ポリカーボネートフィルムの粘性は、ポリカーボネートガラス遷移温度Tg より約15℃大きい温度からさらに高い値までフィルム温度が増加するのに応じ て、急激に減少し、フィルムは硬質状態(Tgより約15℃高い温度以下におい て)からゴム状態(Tgより15℃高い温度よりわずかに高い温度で)まで、さ らにその後溶融状態(Tgより15℃高い温度より著しく高い温度で)まで変化 するようになる。そのような高温ではポリカーボネートフィルムは重力、フィル ムの下側をなす構造体の形状及び下側下部構造体の成分の影響により流動する。 多くの商用 の応用例の場合に許容できないほど大きなフィルム厚の変動が流動フィルムにお いて形成され、硬質状態まで冷却された後にそのフィルムに残される。 (Tg+15℃)以下にTb(0.001atm)を設定することにより、そ の液体フィルムはTb(0.001atm)と同様の温度において0.001気 圧条件下で、乾燥手順中にポリカーボネートフィルムの厚さ一様性を著しく変化 させることなく乾燥することができる。それ故ポリカーボネート溶剤は、固体ポ リカーボネートフィルムを形成するために液体フィルムを処理中に典型的に遭遇 する最高温度及び最低圧力の条件において一様な液体フィルムから蒸発して除去 されることができる。 第2図は、純粋なポリカーボネート溶剤の蒸気圧を、温度の関数として対数 表示でプロットすることにより、グラフにおいて条件2b及び2cを表す。詳細 には、条件2bは点2Eに関連し、条件2cは点2Gに関連する。80℃におけ るライン2Aは条件2bにおいて与えられる1気圧における溶剤の沸点Tb(1 atm)に対する低温限界である。160℃におけるライン2Bは、ガラス遷移 温度Tgが約145℃であるMAKROLON2608ポリカーボネートの特定の場合の 条件2cにおいて与えられる0.001気圧の溶剤の沸点Tb(0.001at m)に対する高温限界である。ライン2Cは1気圧、すなわち本発明の溶液が下 部構造体上にコーティングされる典型的な周囲圧力を示す。ライン2Dは0.0 01気圧、そなわち本発明の固体ポリカーボネートフィルムを形成するために液 体フィルムの処理中に典型的に遭遇する最低圧力を示す。 ライン2Iは純粋ピリジンに対する蒸気圧曲線のプロットである。ライン2 Jは純粋1−メチルピロリジノン(NMP)に対する蒸気圧曲 線のプロットである。第2図を参照すると、条件2b及び2cは、蒸気圧曲線が 方形領域{2E 2F 2G 2H}を横切る溶剤により満足される。曲線2I 及び2Jはこの基準を満足する。ピリジン及び1−メチルピロリジノンはいずれ も、この基準において、さらに以下に記載されるような本発明の液体化学調合物 を形成する際に用いるのに適したポリカーボネート溶剤である。 2d.ポリカーボネート溶剤は著しい速度でボリカーボネート材料と重合しな いか、或いは化学的に反応しない。 2e.ポリカーボネート溶剤は概ね水を含まない。その溶剤は質量比で0.1 %以下の水しか含まないことが好ましい。その溶剤が最初により高いパーセンテ ージの水を含む場合には、溶剤は適当に乾燥され、水のパーセンテージを適当な 低レベルまで低減する。 2f.ポリカーボネート溶剤は、ポリカーボネートと水のような液体化学調合 物の他の成分との間の化学反応を著しく促進或いは触媒することはない。 2g.ポリカーボネート溶剤は著しい濃度の水酸化物イオンOH-を形成する ために液体化学調合物において水と反応しない。すなわち溶剤は水酸化物イオン に比べて比較的弱いブレンステッド塩基である。本発明の液体調合物において存 在する際に、水酸化物イオンはポリカーボネートと反応し、ポリマ分子を分割し 、ポリカーボネートの平均分子量を減少させる。 水酸化物イオンを形成するための溶剤と水との反応は従来のブレンステッド 酸残基反応である。 ここでBはブレンステッド基として作用する溶剤を表す。溶剤が水酸化物イオン に比べて比較的弱いブレンステッド塩基である場合には、その溶剤も水溶液状態 の弱いブレンステッド塩基である。すなわち溶剤分子の陽子添加形態BH+は水 溶液状態の弱いブレンステッド酸である。 本発明のポリカーボネート含有液体化学調合物の水酸化物イオンの濃度に対 する好適な上限は約10-3mol/dm3、すなわち1mMである。液体調合物 の水濃度に対して上記した制限を与える場合、溶剤の陽子添加形態は20℃にお いて10-5より大きい水溶液状態の酸解離定数Ka(BH+)を有する必要がある 。Ka(BH+)は、その反応に対する熱力学的平衡定数である。 本発明の化学液体調合物の水酸化物イオンの濃度が高くなるに従って、液体調合 物の有効な保存寿命はより短くなるであろう。 2h.ポリカーボネート溶剤は概ね液体化学調合物がコーティングされる下部 構造体を化学的或いは物理的に変更しない。 2i.ポリカーボネート溶剤は非自燃性である、すなわち空気に暴露する際に 自然に発火しない。空気に暴露する際に、溶剤はほとんど酸化することはないで あろう。 2j.ポリカーボネート溶剤は、下部構造体上の液体化学調合物の湿潤特性を 改善するための表面活性剤成分を含む。その溶剤の表面活性剤成分は、上に与え られる反応及び組成条件2d〜2iに従わなければならない。 ポリカーボネート溶剤は典型的には概ねピリジンからなり、液体は上に与えた ポリカーボネート溶解度要件を満足する。ピリジンは20℃及 び1気圧において質量比で10%より相当大きいポリカーボネートを溶解するこ とができる。例えばMAKROLON2608のようなMAKROLONポリカーボネートの溶解 度は、20℃及び1気圧においてピリジンの質量比で40%を超えるようになる 。 1気圧におけるピリジンの融点Tm(1atm)は約−42℃である。これは 20℃未満であり、そのためピリジンは上記条件2aを満足することができる。 1気圧におけるピリジンの沸点Tb(1atm)は約115℃であり、上記条件 2bに示されるように80℃より大きい。0.001気圧におけるピリジンの沸 点Tb(0.001atm)は約5℃である。これはMAKROLON2608ポリカー ボネートの場合の(Tg+15℃)の160℃値未満であり、それによりMAKROLO N2608の場合の上記条件2cを満足する。 ピリジンは求核剤であり、それゆえポリカーボネートの求電子性成分と反応し 、ポリカーボネート加水分解を触媒することができる。しかしながらこの反応の 速度はわずかであり、液体化学調合物の水含有量が十分に低い場合には、反応の 範囲は20℃の典型的な周囲温度において数ヶ月の時間に渡ってわずかしかない 。20℃未満の温度において本発明の液体化学調合物を貯蔵することにより、液 体調合物の在庫期間が長くなる。 ピリジンは質量比で0.001%未満の水分濃度まで標準的な方法により乾燥 させることができる。吸湿性ではあるが、ピリジンは典型的には、組成物溶液中 の水のパーセンテージが質量比で0.01%未満になる本発明の方法において処 理され、取り扱われる。 水溶液中の陽子添加ピリジン(ピリジンイオン)の酸解離定数Kaは20℃に おいて約6×10-6である。それゆえピリジニウムは、水様液中のポリカーボネ ート溶剤の陽子添加形態の酸解離定数が20℃で10-8 より大きいという条件2gを満足する。 ピリジンは自燃性ではない。それは酸化され、ピリジン N−酸化物を形成す ることができる。しかしながらその反応は強力な酸化剤を必要とし、空気中酸化 の速度は20℃の典型的な周囲温度ではわずかである。 ピリジンは多くの金属、半導体及び絶縁体上で界面活性であり、典型的には腐 食防止剤として作用する。従ってピリジンは、多くの実際の下部構造体材料の物 理的或いは化学的組成物を著しく変更することはない。 別法では或いはさらに(すなわち本発明の開示内容によりポリカーボネートを 溶解するものと以前に特定されたものに加えて)、ポリカーボネート溶剤は1つ 或いはそれ以上の環置換ピリジン誘導体を用いて形成される(これ以降簡単にす るために、概ね環置換ピリジン誘導体として単数形において示される)。環置換 ピリジン誘導体が用いられる際に、同様に溶剤は上に与えられる全てのポリカー ボネート溶剤基準を満足する。ピリジン或いは環置換ピリジン誘導体のいずれか が、両成分が溶剤中に存在する場合に、溶剤の主成分であることができる。 ピリジン及び環置換ピリジン誘導体のいずれも化学的に以下のように表すこと ができる。 ここでNは窒素原子を表し、R1、R2、R3、R4及びR5はそれぞれ芳香環に共 有結合される一価の置換基を表す。R1〜R5はそれぞれ典型的には水素原子、重 水素原子、一価炭化水素基、一価置換炭化水素基、アセチル基、カルボアルデヒ ド(carboxaldehyde)基、ハロゲン原子或い は一価疑似ハロゲン置換基である。置換炭化水素基は少なくとも1つの水素(或 いは重水素)原子が別の化学種に置き換えられた炭化水素基である。一価炭化水 素基の場合、R1からR5のそれぞれに対する炭素原子の数は通常1〜4の範囲に ある。同じ範囲が置換一価炭化水素基にも当てはまる。 R1〜R5がそれぞれ水素或いは重水素である場合に式8はピリジンを生成する 。ピリジンのための実験式は完全に水素置換型分子であるC55Nである。環置 換ピリジン誘導体は、式8のR1〜R5の少なくとも1つが水素或いは重水素以外 の、好ましくは上記リストからの1つで置換される場合に生成される。 いくつかのタイプの環置換ピリジン誘導体は溶剤として用いるための特定の対 象からなる。1つのタイプは、R1〜R5の1つがアルキル基、好ましくは1(ピ コリン)〜4の炭素原子を有するアルキル基の場合である。R1〜R5の残りの部 分は、水素及び重水素を含む上で与えた一価の共有結合置換基の任意のものから なることができる。 特定の対象の第2のタイプのピリジン誘導体は、2つの隣接する置換基位置が 縮合環により占有されるその誘導体、すなわちピリジン環と炭素−炭素結合(窒 素ではない)端部を共有する環置換基からなる。このタイプのピリジン誘導体の 2つのベンズ縮合例は以下に与えられる。 式9或いは10のような化学式の2つ或いはそれ以上の直線の交差部分は炭素 原子の存在を示す。 (例えば)式9或いは10の右側環により表される縮合芳香環置換基では、縮 合端部外側の環内炭素はそれぞれ一価置換基に共有結合される。縮合非芳香環置 換基では、縮合端部外側の環内炭素はそれぞれ、一対の一価置換基に或いは二価 置換基に共有結合される。従ってピリジンの縮合環置換誘導体の環置換基は自ら に置換される場合がある。その置換基位置の残りの部分は、式8におけるR1〜 R5の場合に上記した1つ或いはそれ以上の置換基により占有されても良い。特 定の対象の適当なベンズ縮合誘導体の例は、式9の置換キノリン及び式10の置 換イソキノリンである。 式8のR1〜R5の少なくとも1つがハロゲン原子である場合には、そのハロゲ ンはフッ素、塩素、臭素或いはヨウ素であることができ、フッ素或いは塩素が好 ましい置換基である。一価の疑似ハロゲン置換基の場合には、その置換基は典型 的にはニトリル基である。 詳細には、本液体化学調合物のポリカーボネート溶剤として用いるための対象 のピリジン誘導体は以下の表に与えられる液体を含む。 1気圧におけるポリカーボネート溶剤の沸点Tb(1atm)が表1に与えら れる沸点データにより示されるように少なくとも80℃であるという条件2bを 満足するのに加えて、全ての上記ピリジン誘導体は、1気圧における溶剤の融点 Tm(1atm)が20℃未満であるという条件2aを満足する。ポリカーボネ ートが、ガラス遷移温度Tgが約145℃であるMAKROLON2608の場合には、 表1の全てのピリジン誘導体は同様に、0.001気圧におけるポリカーボネー ト溶剤の沸点Tg(0.001atm)が(Tg+15℃)以下であるという条 件2cを満足する。さらに全てのこれらのピリジン誘導体は、水溶液中のポリカ ーボネート溶剤の陽子添加形態の酸解離定数が20℃及び1気圧において10-8 より大きいという条件2gを満足することが明らかである。 別法では或いはさらにポリカーボネート溶剤は、ピロール並びにまた1つ或い はそれ以上の環置換ピロール誘導体(これ以降簡単にするために概ね環置換ピロ ール誘導体として単数形において表される)を用いて形成される。溶剤がピロー ル並びにまた環置換ピロール誘導体を利用する場合、同様にその溶剤は上で与え られるポリカーボネート溶剤基準全てを満足する。ピロール或いは環置換ピロー ル誘導体のいずれかが、いずれの成分も溶剤中に存在し、任意の他のポリカーボ ネート溶解成分候補が低い割合の質量部分で存在する場合に、その溶剤の主成分 となる。 ピロール及び環置換ピロール誘導体のいずれも化学的に以下のように表すこと ができる。 ここでNは窒素原子を表し、R1、R2、R3、R4及びR5はその環に共有結合さ れる一価の置換基を表す。R1〜R5はそれぞれ典型的には水素原子、重水素原子 、一価炭化水素基、一価置換炭化水素基、アセチル基、カルボアルデヒド基、ハ ロゲン原子或いは一価の疑似ハロゲン置換基である。炭化水素基或いは置換炭化 水素基の場合、R1〜R5のそれぞれの場合の炭素原子の数は通常1〜4の範囲に ある。 R1〜R5がそれぞれ水素或いは重水素である場合に式11はピロールを生成す る。ピロールに対する実験式は完全に水素置換型分子であるC45Nである。ピ リジン誘導体は、R1〜R5の少なくとも1つが水素或いは重水素以外の置換基、 好ましくは上記リストからの1つで置換される際に生成される。 いくつかのタイプの環置換ピロール誘導体はポリカーボネート溶剤として用い るための特定の対象からなる。1つのタイプは、R1がアルキル基、好ましくは 1〜4の炭素原子を有するアルキル基の場合である。R2〜R5の残りの部分は、 水素及び重水素を含む上で与えられた一価の共有結合置換基の任意のものからな ることができる。 例えばR1をアルキル基として有する環置換ピロール誘導体は、アルキル基が メチル基(1つの炭素原子)である1−メチルピロール(或いはN−メチルピロ ール)である。1−メチルピロールに対する実験式は完全に水素原子置換型分子 であるC57Nである。1−メチルピロールは1気圧において約−57℃の融点 Tm(1atm)及び1気圧において約113℃の沸点Tb(1atm)を有する 。従って1−メチルピロールは条件2a及び2bを満足する。 圧力が減少すると共に液体の沸点が減少する。1気圧における1−メチルピロ ールの沸点Tb(1atm)は約113℃であり、それ故ガラス遷移温度Tgが約 145℃であるMAKROLON2608ポリカーボネ ートに対する(Tg+15℃)未満であるため、ポリカーボネートがMAKROLON2 608である場合に、1−メチルピロールは必然的に条件2cを満足する。1− メチルピロールは、ピリジンより非常に弱い塩基であり、上で与えた条件2g及 びポリカーボネート溶解度要件を満足する。 特定の対象の第2のタイプのピロール誘導体は、2つの隣接する置換基位置が 縮合環により占有されるその誘導体、すなわち1つの端部をピロール環と共有す る環置換基からなる。このタイプのピロール誘導体のベンズ縮合例が以下に与え られる。 ピロールの縮合環置換誘導体において縮合端部外側のそれぞれの環内炭素に適 した置換基は、ピリジンの縮合環置換誘導体の場合に上記したものと同じである 。従ってピロールの縮合環置換誘導体の置換環はそれ自身に置換されてもよい。 置換基位置の残りの部分は、式11においてR1〜R5の場合に上記した1つ或い はそれ以上の置換基により占有されてもよい。特定の対象の適当なベンズ縮合誘 導体の例は式12における置換インドールである。 式11のR1〜R5の少なくとも1つがハロゲン原子である場合には、そのハロ ゲンはフッ素、塩素、臭素或いはヨウ素であり、フッ素或いは塩素が好ましい置 換基である。擬似ハロゲン置換基の場合には、その置換基は典型的にはニトリル 基である。 1−メチルピロールは除いて、本発明の液体化学調合物のポリカーボ ネート溶剤として用いるための特定の対象の他のピロール誘導体は以下の表にお いて与えられる液体を含む。 1気圧においてポリカーボネート溶剤の沸点が表2において与えられる沸点デ ータにより示されるように少なくとも80℃であるという条件2bを満足するほ かに、上記ピロール誘導体は、1気圧における溶剤の融点Tm(1atm)が2 0℃未満であるという条件2aを満足する。約145℃のガラス遷移温度Tgを 有するMAKROLON2608ポリカーボネートの場合、表2の全てのピロール誘導体 は、0.001気圧におけるそのポリカーボネート溶剤の沸点Tb(0.001 atm)が(Tg+15℃)以下であるという条件2cを満足する。またこれら 全てのピロール誘導体は、ポリカーボネートの陽子添加形態が、20℃及び1気 圧において10-8未満の酸解離定数を有するという条件2gを満足することが明 らかである。 別法では、或いはさらに、そのポリカーボネート溶剤はピロリジン並びにまた 1つ或いはそれ以上のピロリジン誘導体(これ以降簡単にするために、概ねピロ リジン誘導体として単数形で表される)を用いて形成される。溶剤がピロリジン 並びにまたピロリジン誘導体を利用する場合に、その溶剤は同様に上で与えた全 てのポリカーボネート溶剤基準を満足する。 ピロリジン及びピロリジン誘導体は化学的に概ね以下のように表すことができ る。 ここでNは窒素原子を表し、R1〜R9は共有結合される置換基を表しており、式 13において最大限の可能な数の置換基が示される。その親化 合物ピロリジンでは(その余剰ブレンステッド塩基性のためここでは制限されて 用いられる)、R1〜R9は水素或いは重水素原子である。 式13のR1〜R9に対する置換基は典型的には水素原子、重水素原子、酸素原 子、一価或いは二価の炭化水素基、一価或いは二価の置換炭化水素基、アセチル 基、カルボアルデヒド基、ハロゲン原予或いは一価の擬似ハロゲン置換基から選 択される。各炭化水素基或いは置換炭化水素基の場合、R1〜R9のそれぞれに対 する炭素原子の数は通常1〜4の範囲内にある。環内原子間に1つの環内二重結 合を含むピロリジン誘導体も対象である。 いくつかのピロリジン誘導体は、ポリカーボネート溶剤として用いるための特 定の対象である。例えば特定の対象のピロリジン誘導体は、環内窒素が環内或い は環外の何れかにおいて多くの共有結合に関連する、すなわち多くの共有結合と 共役される誘導体を含む。窒素位置に水素或いは重水素以外の共有置換基(R1 )を有するピロリジン誘導体も特定の対象である。窒素位置に水素或いは重水素 以外の共有結合置換基を有するピロリジン誘導体では、窒素原子も多くの共有結 合と共役される場合がある。これらの全ての状況は親化合物、ピロリジンに比べ て溶剤の塩基性の著しい減少に導く。 二重共有結合を有するそのようなピロリジン誘導体の例が以下に示される。 二重結合により生じる制限は別として、式14〜16のR2〜R9に対する置換基 は、式13に関連して上記したものの任意のものから選択することができる。式 14は環内窒素が二重共有結合に関係する場合を示す。式15及び16は、環内 窒素が環内二重共有結合及び環外二重共有結合とそれぞれ共役される状況を示す 。R1が水素或いは重水素ではない場合には、式15及び16は水素或いは重水 素以外の共有結合置換基が窒素位置に存在するピロリジン誘導体を構成する。 例えば式16により化学的に配列される1つのピロリジン誘導体は1−メチル ピロリジノン(或いは俗名NMPに由来する1−メチルピロリドン或いはN−メ チルピロリドン)であり、その実験式はC59NOである。1−メチルピロリジ ノンは環内窒素上のメチル置換基(R1)を有し、窒素原子に対するα位置の炭 素原子の1つが、以下に示されるような共役環外二重結合を介して酸素原子に結 合される。 1−メチルピロリジノンは1気圧において約−24℃の融点Tm(1atm)及 び1気圧において約220℃の沸点Tb(1atm)を有する。それ故条件2a 及び2bは1−メチルピロリジノンにより満足される。0.018気圧における 1−メチルピロリジノンの沸点は約84℃である。圧力が減少すると共に沸点が 減少するため、0.001気圧における1−メチルピロリジノンの沸点Tb(0 .001atm)は84℃未満である。ガラス遷移温度Tgが約145℃であるM AKROLON2608のようなポリカーボネートを溶解する場合に、1−メチルピロ リジノンは、0.001気圧におけるポリカーボネート溶剤の沸点Tb(0.0 01atm)が(Tg+15℃)以下である上記条件2cを満足する。1−メチ ルピロリジノンはピリジンより非常に弱い塩基であり、上に記載したポリカーボ ネート溶解度要件を満足する。 式13における少なくとも1つの共有結合置換基がハロゲン原子である場合に 、そのハロゲンはフッ素、塩素、臭素或いはヨウ素であり、好ましい置換基はフ ッ素或いは塩素である。擬似ハロゲン置換基の場合には、その置換基は典型的に はニトリル基である。 1−メチルピロリジノン以外に、本液体化学調合物のポリカーボネートとして 用いるための特定の対象の他のピロリジン誘導体は以下の表に与える液体を含む 。1気圧におけるポリカーボネート溶剤の沸点が表3において与えられる沸点デー タにより示されるように少なくとも80℃であるという条件2bを満足するのに 加えて、全ての上記ピロリジン誘導体は、1気圧における溶剤の融点Tm(1a tm)が20℃未満であるという条件2aを満足する。約145℃のTgを有す るMAKROLON2608ポリカーボネートの場合、表3の全てのピロリジン誘導体は 、0.001気圧におけるポリカーボネート溶剤の沸点Tb(0.001atm )が(Tg+15℃)以下であるという条件20を満足する。またこれら全ての ピロリジン誘導体は、ポリカーボネートの陽子添加形態が20℃及び1気圧にお いて10-8より大きい酸解離定数を有するという条件2gを満足することが明ら かである。 別法では、或いはさらにそのポリカーボネート溶剤はクロロベンゼン及びシク ロヘキサノンの何れか或いは両方を用いて形成される。これら2つの液体に対す る実験式はそれぞれC65Cl及びC610Oである。クロロベンゼン及びシク ロヘキサノンは化学的にそれぞれ以下のように表される。 ここで再び2つ或いはそれ以上の線の交差部は炭素原子を表す。 その溶剤がクロロベンゼン或いはシクロヘキサノンを利用する場合に、その溶 剤は上で与えた全てのポリカーボネート溶剤基準を満足する。他の液体がその溶 剤中に存在し、任意の他のポリカーボネート溶解成分候補がより少ない質量比部 分において存在する場合に、これらの液体の何れかが溶剤の主成分であることが できる。 クロロベンゼン、モノハロゲン化ベンゼン環は弱い(軟らかい)塩基である。 クロロベンゼンは概ね不溶性である。それにもかかわらずクロロベンゼンの陽子 添加形態は、20℃において水溶液中で10-8より大きい酸解離定数を有するよ うになる。従ってクロロベンゼンはポリカーボネート溶剤の陽子添加形態の酸解 離定数が水溶液中において20℃で10-8より大きいという条件2gを満足する 。 クロロベンゼンの1気圧融点Tm(1atm)は約−46℃である。それ故ク ロロベンゼンはポリカーボネート溶剤の1気圧融点Tm(1atm)が20℃未 満であるという条件2aを満足する。クロロベンゼンの1気圧沸点Tb(1at m)は約132℃である。従ってクロロベンゼンは溶剤の1気圧沸点Tb(1a tm)が80℃以下であるという条件2bを満足する。0.013気圧における クロロベンゼンの沸点は約22℃である。条件2cは溶剤の0.001気圧沸点 Tb(0.001atm)が(Tg+15℃)以下であるということを規定する。 圧力が減少すると共に沸点が減少するため、クロロベンゼンは、ガラス遷移温 度Tgが約145℃であるMAKROLON2608のようなポリカーボネートの場合に 条件2cを満足する。 またシクロヘキサノンも弱い塩基である。水溶液中のシクロヘキサノンの陽子 添加形態の酸解離定数は、20℃において108より大きくなる。それ故シクロ ヘキサノンは条件2gを満足するようになる。 シクロヘキサノンの1気圧融点Tm(1atm)は約−16℃であり、シクロ ヘキサノンは条件2aを満足するようになる。シクロヘキサノンの1気圧沸点Tb (1atm)は約156℃であり、シクロヘキサノンは条件2bを満足する。 沸点が0.020気圧において47℃である場合、シクロヘキサノンはMAKROLON 2608のようなポリカーボネートの場合の条件2cを満足する。ポリカーボネートフィルム調製 第3図は、本発明によるポリカーボネート含有液体化学調合物を生成し、その 後その液体調合物を用いて、本発明の開示内容による薄い固体ポリカーボネート フィルムを形成する主なステップの流れ図を示す。第3図はポリカーボネート溶 剤が概ねピリジン並びにまた環置換ピリジン誘導体からなる好適な場合を示す。 ポリカーボネートフィルムを形成する際の第1のステップは、第3図のブロック 10、11及び12に示されるように、(a)ポリカーボネート材料、(b)ピ リジン並びにまた環置換ピリジン誘導体を用いて形成されるポリカーボネート溶 剤及び(c)表面活性剤を与えることである。その溶剤は概ね100%ピリジン からなり、概ね水分がないことが好ましい。そのポリカーボネート材料は通常、 粒状MAKROLONポリカーボネートからなり、MAKROLON2608からなることが好ま しい。表面活性剤はFluorad FC−430高分子量エステル混合物であることが 好ましい。 ポリカーボネート材料が水分を含まない場合には、水分のない環境において、 典型的には120℃〜125℃の乾燥窒素を流した状態で一晩乾燥させる。それ がブロック14に示される。それによりポリカーボネートの水分含有量は典型的に は質量比で0.01%未満の値まで低減される。他の固体材料が液体化学調合物 中に存在する場合には、それらも同様に乾燥させる。感水性及び感気性材料を乾 燥し、取り扱うのに適した方法は、Shriver等による「The Manipulation of Air- Sensitive Compounds(John Wiley & Sons)」(1986)に記載される。また「Handling air-sensitive reagents」(Tech.Bull.AL-134,Aldrich Chemical Co.,Dece mber 1994,8pp.)も参照されたい。 そのポリカーボネート溶剤の水分含有量があまりにも大きい場合、その溶剤は 通常乾燥させる(ブロック15)。標準的な方法を用いてもよい。例えば溶剤は 真空乾燥分子ふるい(molecular sieve)を用いて処理され、その後不活性乾燥 大気下で蒸留されてもよい。 表面活性剤及び乾燥したポリカーボネート溶剤の貯蔵液体混合物(概ね溶液) は表面活性剤の重量部分を、不活性大気下で乾燥溶剤の部分標本を配合すること により調製される(ブロック16)。 ここで液体化学調合物は、概ね乾燥したポリカーボネート材料、可能なら1つ 或いはそれ以上の他の乾燥固体材料、貯蔵表面活性剤/溶剤混合物の部分標本及 び概ね乾燥したポリカーボネート溶剤を、全て水分のない環境、典型的には乾燥 窒素内で配合することにより形成される。ポリカーボネートの質量パーセンテー ジは、0.1〜2μmの範囲内にあり、上記厚さ一様性を有する固体ポリカーボ ネートフィルム厚を生成するように選択される。第3図におけるブロック18は このステップを示しており、さらに以下に記載される。 液体化学調合物を調製する際に、乾燥ポリカーボネート溶剤は、典型 的には乾燥窒素下において、Schlenck移送方法を用いる、清浄で乾燥された重り 付き容器に移送される。その容器は重り付きであり、溶剤の質量を確定する。表 面活性剤/溶剤混合物の部分標本もSchlenck法を用いて移送され、その質量は異 なる技術により確定される。最終的に乾燥ポリカーボネート材料は再びSchlenck 移送技術を用いて容器に入れられ、ポリカーボネートの質量が較差技術(differ ence technique)により確定される。任意の他の個体が加えられ、その質量が同 様の方法により確定される。 磁気撹拌を用いて液体化学調合物を混合する場合には、この時点で適当な磁気 撹拌棒が加えられる。最終的にその容器は不活性乾燥ガス、典型的には乾燥窒素 のわずかな正の圧力下で封止される。液体調合物の成分は十分な時間混合され、 均質な液体を形成する。遅い磁気撹拌を用いて20℃の周囲温度Tambにおいて 全ての溶解可能固体材料を溶解するのに、3日間までの日数が必要となる場合が ある。 全てのポリカーボネート及び他の可溶性固体材料が溶解された後、液体化学調 合物の動粘度が確定され、それがブロック20に示される。ブロック21では、 その溶液の動粘度が、より多くの乾燥ポリカーボネート溶剤を加えて粘性を減少 させることにより、或いはより多くの乾燥ポリカーボネートを加えて粘性を増加 させることにより、或いはその液体調合物の温度を変化させることにより、或い は同じポリカーボネート材料から形成される異なる動粘度の2つ又はそれ以上の 液体化学調合物を混合することにより調製されるようになる。その全ての操作は 不活性大気条件下で実行され、その後その結果生じるポリカーボネート含有液体 調合物を完全に混合する。 液体化学調合物の動粘度に任意の必要な変更が施された後、その調合物は、乾 燥不活性ガス、典型的には乾燥窒素のわずかに正の圧力下で、 乾燥容器に移送される。ブロック22はこのステップを示す。容器は気密封止さ れ、その調合物は通常の室温以下において保管され、加水分解或いは他の反応に よるポリカーボネートの化学的な劣化を最小限にする。 ポリカーボネートフィルムの製造は、使用する直前にポリカーボネート含有液 体化学調合物の動粘度を決定することと共に開始する(ブロック24)。保管中 の液体調合物の動粘度の著しい変化は化学的或いは物理的劣化を示す。調合物の 劣化は、その調合物を用いて形成されるポリカーボネートフィルムの品質に影響 を与える場合がある。 動粘度の測定は数日間行われる。例えば液体化学調合物のサンプルが除去及び 検査されるか、動粘度測定装置が液体調合物調製装置内に組み込まれるか、或い は厚さが較正曲線と比較されるポリカーボネートフィルムの参照用サンプルを調 製することにより粘性が間接的に測定されてもよい。 ポリカーボネートフィルムは清浄で乾燥した下部構造体上に形成される。好ま しい方法(ブロック25)では、その下部構造体は表面の汚れ及び粒子を洗浄さ れ、適当な非水性有機溶剤中で洗浄することにより脱脂され、不活性ガス流中で 100℃より高い温度で乾燥される。必要に応じてその表面は酸化され、一度洗 浄され、本発明の有極液体化学調合物による湿潤性を改善する。その液体化学調 合物は、90℃より著しく小さい、好ましくは0℃に近い接触角で下部構造体の 表面を湿潤することが重要である。 その液体化学調合物の動粘度が許容可能であると仮定して、液体調合物の一部 が概ね水分のない環境、典型的には乾燥窒素環境において下部構造体の表面に移 送される。そのように移送された調合物の量は、次のステップにおいて調製され る一様な液体フィルムの量より多くなければならない。その調合物は、その移送 された液体調合物中に気泡が形成或 いは入り込まないように、下部構造体の回転の中心にゆっくりとした流して移送 されなければならない。下部構造体の表面に付着するか或いは移送された調合物 の表面上に浮遊する気泡により、次のステップにおいて生成される液体フィルム 厚が不均一になるため望ましくない。下部構造体は、調合物の配合中に静止して いるか或いはゆっくり回転する。 概ね水分のない環境においてその構造体を保持すると共に、その下部構造体は その表面に垂直な軸上で回転され、下部構造体上の液体化学調合物の部分が薄い ポリカーボネート含有液体フィルムに変換される。第4図は、ポリカーボネート /ピリジン溶液をスピンコーティングすることにより形成されるポリカーボネー トフィルムの場合に、下部構造体の回転速度に固体ポリカーボネートフィルム厚 が依存することを示す。曲線は同じ溶剤ピリジンが異なる濃度で存在する、すな わち(4A)55gポリカーボネート/kgピリジン、(4B)65g/kgピ リジン、(4C)76g/kgピリジン、(4D)87g/kgピリジン及び( 4E)100g/kgピリジンの同じ分子量ポリマ、MAKROLON2608ポリカー ボネートから形成される5つのポリカーボネート溶液の場合を示す。 第4図の点は測定値であり、曲線は最小自乗回帰によりデータ点に適合させた モデル曲線である。そのモデルは、以下の式により定義される拡張されたプラン トル層流体力学モデルである。 d=(mc+b)c(ν/ω)1/2 (20) ここでdは固体ポリカーボネートフィルムの厚さであり、cは再びポリカーボネ ートの濃度であり、m及びbはポリカーボネートの種類、その分子量及びポリカ ーボネート溶剤そのものに依存する実験定数であり、 νは再び液体化学調合物の動粘度であり、さらにωは下部構造体の回転速度であ る。第4図の全ての曲線は、m及びbの最もよく当てはまる同じ値から生成され た。その実験定数aが知られている場合に、式1を用いてポリカーボネートの濃 度から溶液の動粘度を推定することができる。 ポリカーボネートが約75g/kgポリカーボネート溶剤の濃度のMAKROLON2 608であり、ポリカーボネート溶剤がピリジンである場合に、下部構造体の回 転速度ωは1000〜3000rpm、典型的には1100〜1200rpmで あることが好ましい。角加速度dω/dtは、液体調合物の「粘性突起」により 下部構造体上にポリカーボネート含有液体化学調合物が不均一に広がることを防 ぐほど十分に高く、また調製した調合物の周辺部が下部構造体の表面上に広がる に従って、構造体を十分に湿潤させるほど低いことが好ましい。角加速度dω/ dtの好ましい値は、ポリカーボネートがMAKROLON2608であり、ポリカーボ ネート溶剤がピリジンであり、さらにポリカーボネート濃度が約75gポリカー ボネート/kgピリジンである場合に、10rpm/sである。液体調合物の送 達及びスピンコーティング操作は、連続的な流れにおいて行われることが好まし い。第3図のブロック26は、スピンコーティングを用いてポリカーボネート含 有液体フィルムを形成する操作を表す。 第3図のブロック28に示されるように、液体フィルム及び下側をなす下部構 造体は乾燥され、ポリカーボネート溶剤及びそのフィルムの任意の他の揮発性成 分を除去される。乾燥作業は室温或いはより高温並びにまた減圧、典型的には0 .01気圧において実行され、乾燥時間を低減する。典型的にはその構造体は、 MAKROLON2608がピリジン系液体調合物から下部構造体上でスピンコーティン グされた後、30秒間125℃の乾燥空気排気型ホットプレート上に配置される 。 MAKROLON2608のガラス遷移温度Tgが約145℃であるため、乾燥温度はMAK ROLON2608のガラス遷移点より低い。従ってポリカーボネートフィルムは微 結晶性固体として、すなわちガラス状態において生成される。 高温でフィルムを乾燥する場合に、乾燥温度は、ポリカーボネートのガラス遷 移温度Tgより約15℃高い温度を超えないように制御される。これにより生成 されるポリカーボネートフィルムが、(a)望ましくないゴム状態、すなわち乾 燥作業の終了時点で乾燥温度がポリカーボネートTgより約15℃高い温度より わずかに高い値に到達する場合に生じる状態で生成されるのを或いは(b)望ま しくない溶融状態、すなわち乾燥作業の終了時点で乾燥温度がポリカーボネート Tgより15℃高い温度より著しく大きい値に到達する場合に生じる状態で生成 されるのを防ぐ。 揮発性成分がポリカーボネート含有液体フィルムから蒸発する速度は、乾燥圧 力が減少するのに応じて増加する。乾燥手順において減圧を用いて乾燥時間を低 減する場合に、ポリカーボネート含有液体フィルムは適当な真空ポンピングシス テムに取着される真空チャンバ内に配置される。液体フィルムが乾燥作業中に真 空システムによりかけられる最も低いチャンバ圧力は、典型的には上記のように 約0.001気圧である。 0.001気圧で乾燥する場合に、ポリカーボネート溶剤の蒸気圧は、概ね全 ての溶剤が液体フィルムから除去されるのを確実にするために、乾燥温度におい て0.001気圧に少なくとも等しく、通常それよりも大きいという条件を満足 する必要がある。ポリカーボネートフィルムがゴム状態或いは溶融状態で生成さ れないようにするために、乾燥作業の終了時点における乾燥温度は、ポリカーボ ネート材料のガラス遷移温度Tgより約15℃だけ高い温度以下にしなければな らない。これら2つ の条件の結果、0.001気圧におけるポリカーボネート溶剤の沸点Tb(0. 001atm)は、ポリカーボネートガラス遷移温度Tgより約15℃だけ高い 温度以下でなければならない。 その乾燥ステップ後に残されるポリカーボネート材料は、一様で、薄く、通常 微結晶性固体フィルムの形状をなす。またその固体フィルムは、上記のように少 数成分として他の不揮発性固体材料或いは反応生成物を含む場合がある。本液体 化学調合物がある添加剤(例えば黒色染料)を加えられ、固体フィルムが不透明 になる場合を除いて、その固体フィルムは通常透明である。典型的には固体ポリ カーボネートフィルムの厚さ及び厚さ一様性は、そのパラメータが所望の値の範 囲に入るか否かを判定するために検査される。いくつかの応用例では、乾燥及び 検査作業により、ポリカーボネート製造プロセスが完了する。ポリカーボネート 密度において高レベルの一様性が必要とされる場合には、さらに以下のようにフ ィルムの処理が実行される。 他の応用例では、ポリカーボネートフィルムは、いくつかの短距離の分子配列 を有するガラス状固体から、粘性でアモルファスの革状或いは遅延弾性(ここで は集合的に「革状」と呼ぶ)状態にポリカーボネートを変換するほど十分に高い 温度Tannにおいてアニーリングされる(ブロック29)。ポリカーボネートフ ィルムが革状態に変換される際に、フィルムは概ね非短距離或いは長距離分子配 列を有する。 ポリカーボネート構造体においてガラス状態−革状態変換を行うために、アニ ーリング温度Tannは通常、ポリカーボネートのガラス遷移温度Tg以上でなけれ ばならない。しかしながらアニーリング温度Tannは、ゴム状態或いは粘性溶融 状態、すなわちポリカーボネートが著しく流動するようになる状態を形成するほ ど高温にすべきではない。これらの望ましくない状態は、ポリカーボネートがTg より15℃だけ高い温 度より著しく高温になる場合に生じるため、アニーリング温度Tannは、ポリカ ーボネートTgからTgより約15℃だけ高い温度までの範囲にある。典型的には アニーリング温度Tannはポリカーボネートのガラス遷移温度Tgより15℃高い 温度に近いように選択され、ポリカーボネートフィルムが望ましくないゴム状態 にならずに、革状態に変換される割合を最大限にする。 アニーリングステップを終了した後、革状態ポリカーボネートフィルムは急冷 (急速に冷却)され、概ね革状態の非配列分子微細構造体を保持しながら、再び そのフィルムを硬化させる。固体ポリカーボネートフィルムのアニーリング及び 急冷は乾燥作業に含めることができるか或いはフィルム乾燥後に個別のアニーリ ング/急冷作業として実行されることができる。 ポリカーボネートの物理的微細構造体はアニーリング/急冷作業中に変化する 。しかしながらポリカーボネートの化学的組成は概ね同一に保持される。そのフ ィルムが乾燥作業の終了時点で透明であった場合には、フィルムは通常アニーリ ング/急冷ステップを通して透明性を保持される。アニーリング/急冷作業は典 型的には、その下部構造体へのポリカーボネートフィルムの付着を改善し、かつ 複屈折を減少させると共にフィルムの光学的一様性を改善する。下部構造体が完 全に平坦ではない場合には、アニーリング/急冷操作は、フィルム厚の一様性を 犠牲にすることになるが、ポリカーボネートフィルムの表面の平坦度を改善する 。 ホットプレート或いは制御環境下の他の加熱方法が用いられても良いが、フィ ルムを適当なオーブン内でアニーリングすることが好ましい。ポリカーボネート がMAKROLON2608の場合には、アニーリングは典型的には160℃で行われる 。これはMAKROLON2608のガラス遷移温度より約15℃高い。典型的にはその 構造体は160℃において 流動乾燥窒素下で15分間アニーリングされ、その後同じ温度の動的真空(dyna mic vacuum)下で45分間アニーリングされる。 その後ポリカーボネートフィルムは室温まで急速に冷却される。すなわちポリ カーボネートフィルムは急冷される(再びブロック29)。急冷速度は典型的に は0.1℃/sより大きい。構造体がアニーリング用オーブンから取り出される と、冷却は典型的には乾燥窒素或いは45%未満の相対湿度を有する清浄乾燥空 気内にその構造体を配置することにより自然対流下で行われる。そのガラス遷移 温度Tgを通過して急速にポリカーボネートフィルムを冷却することにより、ポ リカーボネート材料は概ね革状態の微細構造を保持しながら、硬質の固体状態に 戻る。最終的なフィルムの結晶性(すなわち短距離及び長距離分子配列)は最小 値に保持される。ポリカーボネートのアニーリング及び急冷は、概ね一様な密度 及びほぼ最低限の複屈折率を有する等方性ガラスを生成する。 第5図は上記平坦な下部構造体上にスピンコーティングにより形成された固体 ポリカーボネートフィルムに対するサンプル点の径方向座標と乾燥フィルム厚と の依存関係を示す。下部構造体は回転の中心、すなわち径方向座標0における溝 を介して下部構造体の背面に真空をかけることによりスピンチャックに固定され た。伸展性のO−リングが、径方向座標2cmにおいて真空チャックと下部構造 体との間に封止部を形成した。それ故領域5Aにおいて測定されるフィルム厚デ ータは、下部構造体のその部分がスピンチャックと堅く機械的接触した場合のも のであり、領域5Bにおいて測定されるデータは下部構造体のその部分がスピン チャックと柔軟に機械的接触した場合ものである。領域5Bにおけるフィルム厚 データは615±6mnの95%信頼区間を有する、すなわち下部構造体のこの 部分は±0.9%のフィルム厚一様性を有する。領域5Bにおけるフィルム厚デ ータは599±9nmの95%信頼区間を有す る、すなわち下部構造体のこの部分は±1.5%のフィルム厚一様性を有する。 2つの領域におけるフィルム厚の平均値は2.7%だけ異なる。両方の領域を共 に考慮することにより、608±20nmのフィルム厚に対する95%信頼区間 が与えられる、すなわち全体として下部構造体は±3.2%のフィルム厚一様性 を有する。 第5図のデータは典型的にはスピンコーティングにより形成される固体ポリカ ーボネートフィルムに対するものである。フィルム間の再現性はコーティング方 法の再現性の関数であるが、平均フィルム厚は典型的には、スピンコーティング を用いてフィルムを調製する際に±2%以下の変動を示し、回転速度は±1%よ り高精度に一定に保持される。 第6a図−第6d図(集合的に「第6図」)は本ポリカーボネート含有液体化 学調合物が下部構造体に加えられ、その後ポリカーボネートフィルムを形成する ために如何に処理されるかを図式的に示す。詳細には第3図のブロック26及び 28の処理ステップが概ね第6図に示される。 第6a図における出発点は、主成分が典型的には電気的非絶縁性材料からなる 本体32である下部構造体であり、すなわち本体32及び下部構造体30は典型 的には電気的導電性並びにまた半導体性材料からなる別法では本体30は部分的 に或いは全体的に、非絶縁性材料でコーティングされる場合もある電気的絶縁性 材料から構成され、すなわち本体30は全体として絶縁材料から構成される。接 着促進或いは湿潤層34は選択的に本体32の上側表面に沿って配置される。い ずれの場合においても下部構造体30は通常概ね平坦な上側表面を有する1枚の プレートの形をなす。 ポリカーボネート含有液体化学調合物の部分36が、第6b図に模式的に示さ れるように下部構造体30の上側に被着される。下部構造体表面32上へのポリ カーボネート含有液体部分36の湿潤は、部分36の 接触角37が図示されるように、概ね90℃未満になるように行われるべきであ る。 液体化学調合物の部分36の移送中或いは移送後のいずれかにおいて、下部構 造体30及び液体部分36により形成される構造体が適当な装置を用いてスピン され、部分36を液体調合物のポリカーボネート含有液体フィルム36Aに変換 する。第6c図を参照されたい。回転の速度、加速度及び持続期間、調合物の動 粘度及びそのポリカーボネート並びに表面活性剤のような他の固体材料の濃度を 適切に制御することにより、液体フィルム36Aは下部構造体に渡って概ね一様 の厚さを達成する。第6c図の構造体では、液体フィルム36Aは本発明の液体 化学調合物の概ね全ての特性を有する。 液体化学調合物はその後ポリカーボネート溶剤及び任意の他の揮発性組成分を 除去するように処理される。このようにして液体フィルム36Aは第6d図に示 されるように固体ポリカーボネートフィルム38に変換される。この変換は上記 乾燥並びにまたアニーリング操作中に実現される。ポリカーボネートフィルム3 8はここで所望の応用例において用いるための準備ができる。実験 本発明の液体化学調合物のサンプルの液体フィルムは、概ね同一のクロム被着 ガラス構造体の上側表面上に形成された。各基板は100cm直径の円形ガラス 基板からなり、クロムからなる上側層はその基板上に約40nmの厚さに蒸着に より被着された。ポリカーボネート材料及びポリカーボネート溶剤を混合する各 場合に、標準的な混合/均質化技術が用いられた。全てのフィルム厚は、Ditak フィルム厚測定システムを用いて測定された。 実験A−MAKROLON2608及びピリジン 本発明の液体化学調合物の5つの異なるサンプルSA1−SA5が、MAKROLON 2608ポリカーボネート及びピリジンを用いて調製され、液体化学調合物の約 5、6、7、8及び9%の各ポリカーボネート質量濃度を達成した。詳細にはMA KROLON2608の0.81、0.97、1.13、1.29及び1.48gがそ れぞれ乾燥した(無水の)ピリジンの14.7、14.8、14.9、14.9 及び14.7gと混合され、調合物SA1−SA5がそれぞれ54.8、65. 2、75.5、86.9及び99.7gポリカーボネート/kgピリジンの安定 溶液として形成された。調合物SA1−SA5の動粘度はそれぞれ6.2、8. 3、10.9、14.4及び19.8センチストークスと測定された。調合物S A1−SA5に対する動粘度データは第1a図に示される。 調合物SA1−SA5の5ml部分がそれぞれ30秒間5つのクロム被着ガラ ス下部構造体上で、それぞれスピン速度1010、1010、1020、105 0及び1000rpmでスピンされ、調合物SA1−SA5から5つの液体フィ ルムを生成した。5つの液体フィルムはホットプレートを用いて120℃におい て10秒間乾燥され、固体ポリカーボネートフィルムを生成した。その後乾燥し たポリカーボネートフィルムは、乾燥窒素下で15分間155℃で、その後約1 0torrの真空下で45分間155℃でアニーリングされた。調合物SA1− SA5から形成された5つのアニーリング後の固体ポリカーボネートフィルム厚 はそれぞれ440、630、800、1000及び1320nmと測定された。 調合物SA1−SA5のさらに別の5ml部分がそれぞれ5つのクロム被着ガ ラス構造体上で30秒間、それぞれ回転速度2010、199 0、1980、2020及び2010rpmでスピンされ、調合物SA1−SA 5から5つのさらに別の液体フィルムを生成した。そのさらなる5つの液体フィ ルムを上記方法において熱処理した後、より高速のスピン速度で調合物SA1− SA5から形成された5つのさらなるアニーリング後の固体ポリカーボネートフ ィルム厚はそれぞれ330、450、570、720及び930nmと測定され た。 調合物SA1−SA5のさらに別の5ml部分がそれぞれ30秒間5つのクロ ム被着ガラス構造体上で、それぞれスピン速度4000rpmでスピンされ、調 合物SA1−SA5から5つのさらに別の液体フィルムを生成した。そのさらな る液体フィルムを上記方法において熱処理した後、さらに高速のスピン速度で調 合物SA1−SA5から形成された5つのさらなるアニーリング後の固体ポリカ ーボネートフィルム厚はそれぞれ240、320、400、510及び660n mと測定された。 第4図は、スピン速度の関数としてこれら15個のMAKROLON2608ポリカー ボネートフィルムに対するフィルム厚データを表す。 実験B−MAKROLON CD2005及びピリジン 本液体化学調合物からなる5つの異なるサンプルSB1−SB5がMAKROLON CD2005ポリカーボネート及びピリジンを用いて調製され、液体化学調合物 の約5、6、7、8及び9%の各ポリカーボネート質量濃度を達成した。詳細に はMAKROLON CD2005の0.81、0.95、1.14、1.28及び1. 46gが乾燥したピリジンの15.1、15.0、15.1、14.9及び15 .0gと混合され、調合物SB1−SB5がそれぞれ53.6、63.4、75 .4、86.2及び97.7gポリカーボネート/kgピリジンの安定溶液とし て形成された。調合物SB1−SB5の動粘度はそれぞれ4.0、4. 9、6.5、8.1及び10.1センチストークスと測定された。調合物SB1 −SB5に対する動粘度データは第1a図に示される。 調合物SB1−SB5の5ml部分がそれぞれ30秒間5つのクロム被着ガラ ス下部構造体上で、それぞれスピン速度1000、1000、1010、990 及び990rpmでスピンされ、調合物SB1−SB5から5つの液体フィルム を生成した。その液体フィルムを実験Aにおいて規定した方法で熱処理した後、 調合物SB1−SB5から形成された5つのアニーリング後の固体ポリカーボネ ートフィルム厚はそれぞれ380、480、640、750及び640nmと測 定された。 調合物SB1−SB4のさらに別の5ml部分がそれぞれ30秒間5つのクロ ム被着ガラス下部構造体上で、それぞれスピン速度1,620、2,000、1 ,980及び1,990rpmでスピンされ、調合物SB1−SB4からさらに 4つの液体フィルムを生成した。実験Aにおいて規定した方法でそのさらなる液 体フィルムを熱処理した後、より高速のスピン速度で調合物SB1−SB4から 形成された4つのさらなるアニーリング後の固体ポリカーボネートフィルム厚は それぞれ290、330、440及び520nmと測定された。 調合物SB1−SB4のさらに別の5ml部分が30秒間4つのクロム被着ガ ラス下部構造体上で、それぞれスピン速度4,020、4,000、4,010 及び3,700rpmでスピンされ、調合物SB1−SB4からさらに4つの液 体フィルムを生成した。そのさらなる液体フィルムを実験Aにおいて規定された 方法において熱処理した後、さらに高速のスピン速度で調合物SB1−SB4か ら形成された4つのさらなるアニーリング後の固体ポリカーボネートフィルム厚 はそれぞれ190、230、310及び420nmと測定された。 実験C−MAKROLON3208及びピリジン 本液体調合物の3つの異なるサンプルSC1−SC3はMAKROLON3208ポリ カーボネート及びピリジンを用いて調製され、それぞれ液体化学調合物の約5、 6及び9%の各ポリカーボネート質量濃度を達成した。Bayer社により製造され たMAKROLON3208は約33,000の分子量を有する。詳細にはMAKROLON32 08の0.79、0.99及び1.50gがそれぞれ乾燥ピリジンの14.7、 15.0及び15.0gと混合され、調合物SC1−SC3はそれぞれ、53. 8、66.2、及び100.1gポリカーボネート/kgピリジンの安定溶液と して形成された。調合物SC1−SC3の動粘度はそれぞれ7.4、9.9及び 25.8センチストークスと測定された。 調合物SC1−SC3の5ml部分がそれぞれ30秒間3つのクロム被着ガラ ス下部構造体上で、それぞれスピン速度650、800及び1,400rpmで スピンされ、調合物SC1−SC3から3つの液体フィルムを生成した。3つの 液体フィルムは実験Aにおいて規定された方法で熱処理された後、調合物SC1 −SC3から形成された3つのアニーリング後の固体ポリカーボネートフィルム 厚はそれぞれ480、520及び930nmと測定された。 調合物SC1及びSC2のさらに別の5ml部分が30秒間2つのクロム被着 ガラス下部構造体上で、それぞれスピン速度1,180及び1,160rpmで スピンされ、調合物SC1及びSC2から2つのさらに別の液体フィルムを生成 した。さらなる液体フィルムを実験Aで規定された方法で熱処理した後、調合物 SC1及びSC2から形成された2つのさらなるアニーリング後の固体ポリカー ボネートフィルム厚はそれぞれ480及び520nmと測定された。 実験D−LEXAN(登録商標)3810−1111及びピリジン 本液体化学調合物のサンプルSD1はLEXAN3810−1111ポリカーボネ ート及びピリジンを用いて調製され、液体化学調合物の約10%のポリカーボネ ート質量濃度を達成した。General Electric社により製造されたLEXAN3810 −1111は約30,000の分子量を有する。詳細にはLEXAN3810−11 11の1.70gが乾燥したピリジンの15.0gと混合され、調合物SD1が 113.6gポリカーボネート/kgピリジンの安定溶液として形成された。 調合物SD1の5ml部分が約30秒間1つのクロム被着ガラス下部構造体上 で、スピン速度1,420rpmでスピンされ、調合物SD1から液体フィルム を生成した。その液体フィルムを実験Aで規定された方法において熱処理した後 、調合物SD1から形成されたそのアニーリング後の固体ポリカーボネートフィ ルム厚は700nmと測定された。 実験E−MAKROLON2608、ピリジン及び表面活性剤 MAKROLON2608ポリカーボネート及び乾燥ピリジンからなる貯蔵溶液が、溶 液の約7%のポリカーボネート質量濃度に、詳細には75gポリカーボネート/ kgピリジンの濃度に調製された。3つの異なる表面活性剤を用いて、表面活性 剤とピリジンの3つの異なる貯蔵混合物ME1−ME3が1.76g表面活性剤 /kg混合物の濃度に調製された。詳細にはFlouradFC−430表面活性剤の 1.77gが乾燥ピリジンの1.01と混合され、混合物ME1を形成した。Fl ouradFC−431表面活性剤の1.77gが乾燥ピリジンの1.01と混合さ れ、混合物ME2を形成した。FlouradFC−740表面活性剤の1.77gが 乾燥ピリジンの1.01と混合され、混合物ME3を形成した。FC−430表 面活性剤の場合と同様に、FC−431及びFC−740 表面活性剤はそれぞれMinnesota Manufacturing and Mining社により製造される フッ化脂肪族高分子量エステルの粘性液体混合物である。 本液体化学調合物の3つのサンプルSE1A−SE1Cは、貯蔵MAKROLON26 08/ピリジン溶液の3つの500ml部分標本にそれぞれ混合物ME1の3. 25、7.5及び10.0gを加えることによりFC−430表面活性剤混合物 を用いて調製された。同様に液体化学調合物の3つのサンプルSE2A−SE2 Cは、貯蔵MAKROLON2608/ピリジン溶液の3つの500ml部分標本にそれ ぞれ混合物ME2の3.25、7.5及び10.0gを加えることによりFC− 431表面活性剤混合物ME2を用いて調製された。液体化学調合物の3つのサ ンプルSE3A−SE3Cは、貯蔵MAKROLON2608/ピリジン溶液の3つの5 00ml部分標本にそれぞれ混合物ME3の3.25、7.5及び10.0gを 加えることによりFC−740表面活性剤混合物ME3を用いて調製された。 調合物SE1A−SE1C、SE2A−SE2C及びSE3A−SE3Cの5 ml部分がそれぞれ9個のクロム被着ガラス下部構造体上で30秒間1,120 rpmでスピンされ、9個の異なる液体フィルムを形成した。実験Aで規定した 熱処理ステップを用いて、調合物SE1A−SE1C、SE2A−SE2C及び SE3A−SE3Cの液体フィルムをそれぞれ9個のアニーリングされた固体ポ リカーボネートフィルムに変換した。調合物SE1A−SE1C、SE2A−S E2C及びSE3A−SE3Cから形成された固体ポリカーボネートフィルムの フィルム厚は全て750nm±35nmと測定された。 実験F−MAKROLON2608及び1−メチルピロリジノン 本液体化学調合物の4つの異なるサンプルSF1−SF4が MAKROLON2608ポリカーボネート及び1−メチルピロリジノン(再びNMP) を用いて調製され、液体化学調合物の約2、5、7及び9%の各ポリカーボネー ト質量濃度を達成した。詳細にはMAKROLON2608の0.44、1.04、1. 55及び2.06gがそれぞれ乾燥1−メチルピロリジノンの20.6、20. 6、20.6及び20.5gと混合され、調合物SF1−SF4がそれぞれ21 .4、50.4、75.3及び100.4gポリカーボネート/kg 1−メチ ルピロリジノンの安定溶液として形成された。調合物SF1−SF4の動粘度は それぞれ2.3、4.8、7.7及び14.3センチストークスと測定された。 第1b図は、調合物SA1−SA5に対する動粘度データと共に調合物SF1− SF4に対する動粘度データを示しているが、調合物SA1−SA5はポリカー ボネート材料としてMAKROLON2608を有するが、ポリカーボネート溶剤とし て1−メチルピロリジノンではなくピリジンを用いている。 調合物SF1−SF4の5ml部分がそれぞれ60秒間4つのクロム被着ガラ ス下部構造体上で、それぞれスピン速度750、1,000、1,500及び2 ,000rpmでスピンされ、調合物SF1−SF4から液体フィルムを生成し た。その液体フィルムを実験Aで規定した方法で熱処理した後、調合物SF1− SF4から形成された4つのアニーリング後の固体ポリカーボネートフィルム厚 はそれぞれ730、370、340及び310nmと測定された。 実験G−MAKROLON2608及びピリジン並びに1−メチルピロリジノン以外のポ リカーボネート溶剤 本液体化学調合物の21の異なるサンプルSG1−SG21がMAKROLON260 8ポリカーボネート及びピリジン並びに1−メチル ピロリジノン以外のポリカーボネート溶剤を用いて調製され、液体化学調合物の 約5%のポリカーボネート質量濃度を達成した。詳細には調合物SG1−SG2 1はそれぞれ標準的な混合均質化技術を用いて21の異なるポリカーボネート溶 剤の1つの15.0gとMAKROLON2608の0.8gとを混合することにより形 成され、各調合物SG1−SG21の安定溶液が53.3gポリカーボネート/ kgポリカーボネート溶剤で形成された。調合物SG1−SG21の動粘度が測 定された。 調合物SG1−SG21に対する21のポリカーボネート溶剤はそれぞれ4− エチルピリジン、2,3−ジメチルピリジン、3,4−ジメチルピリジン、2− エチル−4−メチルピリジン、3−エチル−4−メチルピリジン、5−エチル− 2−メチルピリジン、2−イソプロピルピリジン、2−n−プロピルピリジン、 3−フェニルピリジン、2−フルオロピリジン、2−クロロピリジン、2−ブロ モピリジン、4−メトキシピリジン、1−メチルピロール、2,4−ジメチルピ ロール、2−イソプロピルピリジン、1−プロピルピロール、1−ブチルピロー ル、1−エチル−2−ピロリジノン、1−t−ブチルピロール及び1−シクロヘ キシルピロリジノンである。 調合物SG1−SG21の5ml部分はそれぞれ30秒間21のクロム被着ガ ラス下部構造体上で、1000rpmでスピンされ、調合物SG1−SG21の 21の液体フィルムを生成した。その後21の液体フィルムは実験Aで規定され たように熱処理され、それぞれ21のアニーリングされた固体ポリカーボネート フィルムを生成した。Ditakフィルム厚測定システムを用いて、調合物SG1− SG21から形成された21の固体ポリカーボネートフィルム厚が測定された。アパーチャ形成 第7図は処理ステップの流れ図を表しており、そのステップでは荷電粒子跡の エッチングを用いて、第3図のプロセスにより形成される固体ポリカーボネート フィルム或いは層にアパーチャを形成する。その痕跡エッチング一様性は、ポリ カーボネートがある短距離分子配列を有するガラス状態である場合に比べて、革 状態の微細構造(概ね非短距離或いは長距離分子配列)を有する場合に概ね改善 される。第7図のブロック62は基本的に、ガラス状態から革状態の微細構造を 有する硬質の固体に固体ポリカーボネート層を変換するために第3図のブロック 29を繰り返す。 ポリカーボネート層及び下側をなす下部構造体は、上側ポリカーボネート表面 に概ね垂直な方向において、ポリカーボネート層の上面に衝当するエネルギー性 荷電粒子のビームに晒される。荷電粒子はポリカーボネート層を通過し、その層 に渡ってランダムな位置において直線痕跡を形成するだけの十分なエネルギーを 有する。ブロック64を参照されたい。荷電粒子跡は粒子経路に沿って損傷ポリ カーボネート領域を構成する。より詳細には各荷電粒子跡は概ね損傷されたコア からなり、そのコアは損傷の少ない領域により包囲され、損傷の少ない領域は損 傷のないポリカーボネートに移行する。各荷電粒子跡の概ね損傷されたポリカー ボネートコアは典型的には直径4−10nmである。 荷電粒子跡は概ね互いに平行に延在する。荷電粒子跡はポリカーボネート跡( 或いは痕跡形成)層に渡ってランダムに配置されるが、その痕跡は高精度に画定 された平均間隔を有する。1μmの平均痕跡間隔の場合、痕跡密度は概ね108 痕跡/cm2である。 イオンからなる高精度平行ビームを形成する荷電粒子アクセラレータを用いて 荷電粒子跡を形成する。イオンビームはポリカーボネート層の上面に渡って一様 に走査される。荷電粒子種は2Mevのエネルギーで 一価にイオン化されたアルゴン(Ar+)であることが好ましい。別法では荷電 粒子種は16MeVのエネルギーで4価にイオン化されたキセノン(Xe4+)で あってもよい。また荷電粒子跡は、例えば放射性元素カリホルニウム252から 生成される核分裂粒子の平行源から形成されてもよい。 ポリカーボネート痕跡層の上側表面の湿潤特性を改善する操作が通常この時点 で実行される。ブロック66を参照されたい。詳細には上側表面に沿ったポリカ ーボネート層の化学的性質は、湿潤特性が概ね全上側ポリカーボネート表面に沿 って一様になるように変更される。これは後に荷電粒子跡に沿ってエッチングし て痕跡層を通るアパーチャを形成し、それにより多くの一様なアパーチャを形成 することを容易にする。 湿潤特性を改善するための操作は典型的には、ポリカーボネート層をプラズマ に暴露し、その上側表面に沿ったポリカーボネート層から選択した厚さを除去す ることにより実行される。プラズマは約100Wの電力の酸素プラズマであるこ とが好ましい。ポリカーボネート層及び下側をなす構造体が60℃のプラテン上 に配置される場合、ポリカーボネート層はポリカーボネートから約30nmを除 去するために20秒間酸素プラズマに暴露されることが好ましい。 ポリカーボネート痕跡層の化学的特性を変更する操作は、荷電粒子跡に沿って ポリカーボネート層を通るアパーチャを形成するのに必要とされる時間を低減す るために、痕跡層上で実行することができる。典型的にはこの操作はポリカーボ ネートを紫外光に暴露することを伴う。別法ではポリカーボネートはオゾンに暴 露されてもよい。 ここで荷電粒子跡に沿ってエッチングが実行され、ブロック68に示されるよ うにポリカーボネート痕跡層を通る直線の平行アパーチャを形成する。詳細には 、痕跡を形成する損傷したポリカーボネート材料は、 適当な化学エッチング剤、典型的には損傷していないポリカーボネートより多く 、損傷したポリカーボネートを侵蝕する水酸化カリウムの溶液とポリカーボネー ト層を接触させることにより除去される。エッチング剤は、ポリカーボネート層 の下側をなす構造体に著しい作用を及ぼさないことが好ましい。 エッチング剤は通常ポリカーボネートエッチング中に高温状態にある。エッチ ング手順の一部として、ポリカーボネート(下側下部構造体を含む)は、エッチ ング剤と概ね同じ温度まで上昇させることが好ましい。これは、熱衝撃を避ける ため、エッチング剤の温度の変化を避けるため、及び温度依存エッチング速度を 良好に制御するために行われる。水酸化カリウム溶液を用いて荷電粒子跡に沿っ て損傷した材料をエッチングする際に、エッチング剤/ポリカーボネート温度は 典型的には35℃である。 荷電粒子跡の概ね損傷したポリカーボネートコアは、再び典型的には直径4− 10nmであり、エッチング中に急速に除去されるが、通常露出していない非損 傷ポリカーボネートを著しくエッチングすることはない。概ね損傷したポリカー ボネートコアの非損傷ポリカーボネートに対するエッチング速度選択度は非常に 高く、典型的には約10,000〜1である。エッチングは、概ね損傷したコア の周囲をなす損傷の少ないポリカーボネート領域において継続され、典型的には 、横方向エッチング速度が非損傷ポリカーボネートのエッチング速度まで徐々に 降下するように、損傷の少ない領域を通り周囲をなす非損傷ポリカーボネートま で継続される。荷電粒子跡に沿ってポリカーボネート層を通って形成されるアパ ーチャは通常0.1−2.0μm、典型的には0.12−0.16μmの平均直 径に達する。 痕跡層の上側表面に沿ったポリカーボネートのある部分は、エッチン グプロセス中に、特に損傷の少ない及び損傷のないポリカーボネート材料のエッ チング中に除去される。その結果、ポリカーボネート層の厚さは減少する。一般 に所望の最終痕跡層厚を得るために、湿潤特性を改善するためのプラズマ操作直 後の痕跡層の厚さは、ポリカーボネート層を通るアパーチャの所望の直径の約5 0%だけ所望の最終痕跡層厚より大きくなければならない。例えば、500−n mプラズマ処理後ポリカーボネート痕跡層厚が、アパーチャが200−nmを有 する400−nm最終痕跡層厚を達成するために必要とされる。 荷電粒子跡に沿ってアパーチャを形成するための完全なポリカーボネートエッ チングは通常同じエッチング剤を用いて実行される。別法では、より損傷の少な いポリカーボネート領域及びその損傷の少ない領域の周囲をなす損傷のないポリ カーボネート領域のエッチングは、荷電粒子跡の概ね損傷したコアを除去するた めに用いられるのとは異なるエッチング剤を用いて実行されてもよい。いずれの 場合でも、そのエッチングは、横方向、すなわち荷電粒子跡に垂直な方向におい て概ね一様に行われる。従ってポリカーボネート層を通る最終的な直線平行アパ ーチャは、荷電粒子跡の位置においてそれぞれ中心をなす。 第8a図及び第8b図(集合的に「第8図」)は、乾燥作業及び固体ポリカー ボネートフィルム或いは層38の概ね非配列化微細構造体への変換に後続する時 点で、第6d図の構造体から開始する荷電粒子跡の形成及びエッチングを図式的 に示す。第8a図では、荷電粒子70がポリカーボネート層38に垂直に衝突し 、層38を通る荷電粒子跡72を形成する。第8b図は、層38を通る対応する アパーチャ74を形成するための荷電粒子跡72に沿ったポリカーボネートエッ チングを示す。第8b図の成形体38Aは、ポリカーボネート層38から厚さを 低減した残りの部分である。電子エミッタ製造及び動作 典型的な応用例では、痕跡アパーチャ74は、例えばフラットパネルタイプの 陰極線管に適した電子放出デバイスの電子放出素子を形成するための位置を確定 する際に用いられる。アパーチャ74は、電子放出素子を形成するための種々の 方法により用いることができる。例えば米国特許第5,559,389号及び第 5,564,959号を参照されたい。これら両方の米国特許の内容はここで参 照して本明細書の一部としている。 電子放出素子はアパーチャ74に直接形成することができ、それによりポリカ ーボネート層38Aは典型的にはゲート型電子エミッタの内側電極誘電体として 機能するようになる。別法では、アパーチャ74を用いて、ゲート型電子エミッ タに対する下側ゲート電極層の開口部を画定することができる。第9a図−第9 c図(集合的に「第9図」)は、その後工程製造プロセスの一例のステップの一 部を示す。 第9図のプロセスの下部構造体30は、基板80、下側電気的非絶縁エミッタ 領域82、電気的絶縁層84及び電気的非絶縁ゲート電極層86からなり、それ が第9a図に示される。基板80は、少なくともその上側表面に沿って、電気的 絶縁材料を用いて形成される。第9a図では明確には示されないが、下側非絶縁 エミッタ領域82は、下側電気的導電層、典型的には金属及び上側電気的抵抗層 からなることが好ましい。少なくとも下側導電層は典型的には、行電極と呼ばれ る一群の平行エミッタ電極ラインにパターン形成される。エミッタ領域82がこ のように構成される場合に、最終的な電界放出構造体は、フラットパネルディス プレイの発光体を選択的に励起するのに特に適している。それ以外にも領域82 は種々の他のパターンに配列しても、或いは全くパターン形成 しなくてもよい。 電子放出素子の所望の形状(例えば円錐形或いはフィラメント状)のような検 討により、内側電極誘電体層84に、痕跡層38Aの痕跡72に対応する荷電粒 子跡を設ける必要がある(或いは有利な)場合、ない場合がある。 誘電体層84にそのような痕跡を設ける必要がない場合には、誘電体層84に 対する候補材料は、(a)痕跡形成可能、すなわち適当に荷電粒子を衝突させる 際に、さらに大きな損傷材料−非損傷材料エッチング選択度を有するエッチング 剤が利用可能である、直線の平行荷電粒子跡を容易に設けることができる電気的 絶縁体から、(b)概ね痕跡形成不可であり、並びにまた大きな損傷材料−非損 傷材料比を実現するエッチング剤を容易に用いることができない電気的絶縁体ま での範囲にある。例えばそのような場合に、電気的層84は典型的には、化学気 相成長により堆積する酸化シリコンからなる。酸化シリコンは比較的痕跡形成可 能であるが、荷電粒子に沿って酸化シリコンを通る平行な直線アパーチャをエッ チングするのが困難である。 内側電極誘電体層84にそのような痕跡を設ける必要がある(或いはそれが望 ましい)場合に、誘電体層84は典型的には、痕跡形成可能であり、大きな損傷 材料−非損傷材料エッチング選択度を実現するエッチング剤(例えば水酸化カリ ウム溶液)が利用可能であるポリカーボネートような電気的絶縁体を用いて形成 される。第9a図はこの場合を示す。その後ポリカーボネート痕跡層38(ここ では痕跡層38A)において痕跡72を形成した荷電粒子は、絶縁層84を通る 対応する荷電粒子跡88も形成する。荷電粒子跡88はそれぞれ対応する荷電粒 子跡72と直線をなし、それにより対応するアパーチャ74の中央をなす。 ゲート電極層86は典型的にはクロム或いはタンタルのような金属か らなる。ゲート層86は、下側非絶縁性領域82のエミッタ行電極に垂直に走る 一群のゲートラインにパターン形成される。その後ゲートラインは列電極として 機能する。適当なパターン形成がゲート層86に施される場合に、別法では電界 エミッタはゲート層86の部分と接触し、行電極に垂直に延在する個別の列電極 を設けられる場合もある。このゲートパターン形成及び(含まれる場合には)列 電極形成は第9a図に示される段階に先行して、或いは製造プロセスの後の時点 で行われてもよい。 ゲート層86をパターン形成し、個別の列電極を設けるための典型的な手順で は、以下のステップが第9a図に示される段階に先行して実行される。クロム或 いはニッケルのような列金属のブランケット層が内側電極誘電体層84の上側表 面に堆積される。列金属は典型的には15−250nmの厚さに堆積するニッケ ルである。適当なフォトレジストマスクを用いて、列金属は横方向に分離した平 行列電極にパターン形成される。列金属をパターン形成する際に、ゲート部分が 誘電体層84と接触する所望の位置において、列電極を介して開口部も形成され る。 次にゲート金属のブランケット層が列電極の開口部内を含む構造体の上側表面 に堆積する。ゲート金属は典型的には20−50nmの厚さに堆積するクロムで ある。適当なフォトマスクを用いて、ゲート金属はパターン形成され、ゲート電 極層86が形成される。このステップ中に除去されるゲート金属は、列電極の外 側縁部を画定するために除去されるクロム金属部分に対応する部分を含む。ポリ カーボネート痕跡層38Aの開口部74はその後、上記荷電粒子跡形成/エッチ ング手順を用いて形成され、第9a図の構造体が形成される。 エッチングマスクとしてポリカーボネート痕跡層38Aを用いる場合、ゲート 電極層68がアパーチャ74を介してエッチングされ、ゲート電極86を通る対 応する開口部90を形成する。第9b図はこの時点の構 造体を示す。成形体86Aはゲート層86の残り部分である。各ゲート開口部9 0は痕跡層38Aの対応する開口部と直線をなす。エッテングが異方性に実行さ れる典型的な場合には、各ゲート開口部90は対応するアパーチャ74と概ね同 じ大きさになる。ゲート層エッチングは典型的には、Brigham等による上記国際 特許出願 において開示される手順による高密度プラズマを用いて実行 される。 ポリカーボネート38Aはそのプロセスのある時点において除去される。層3 8Aを除去するための最も遅い時点は、ゲート電極86が利用及び処理される方 法に依存する。第9c図は、痕跡層38Aがゲート開口部90を形成した直後に 除去される典型的な場合を示す。 第9c図の構造体を用いて、種々の形状をなす電子放出素子を形成することが できる。第10a図−第10c図(集合的に「第10図」)は、フィラメント状 電子放出素子が第9c図の構造体から如何に形成されるかを示す。第11a図− 第11c図(集合的に「第11図」)は、第9c図の構造体を用いて、円錐形電 子放出素子を形成する一例を示す。以下の材料は、第10図及び第11図のさら なるステップによるフィラメント状及び円錐形電子放出素子を形成するためのス テップの簡単な説明を表す。さらに多くの情報が上記米国特許第5,559,3 89号及び第5,564,959号において与えられる。 第10図の処理ステップを参照すると、エッチングが荷電粒子跡88に沿って 実行され、内側電極誘電体層84を通る細孔92を形成する。細孔92の平均直 径は、痕跡層38Aを通るアパーチャ74の平均直径より著しく小さい。絶縁層 84がポリカーボネートからなる場合には、細孔92はアパーチャ74を形成す るために用いられる手順と同じ手順により形成されることができるが、ポリカー ボネートエッチングがより短時間に行われる点が異なる。成形体84Aが絶縁層 84の残り部分で ある第10図aを参照されたい。 電気的非絶縁性エミッタフィラメント材料、典型的には金属は、細孔92内に 電気化学的に堆積され、第10b図に示されるような下側非絶縁性領域82と接 触する対応する電子放出フィラメント94を形成する。エッチングマスクとして パターン形成されたゲート電極層86Aを用いて、絶縁性痕跡層84Aの露出部 分がエッチングされ、それぞれ電子放出フィラメント94の周囲をなす空胴部9 6を形成する。第10c図を参照されたい。フィラメント94の上側端部は、鋭 利な電子放出素子94Aを形成するために電気研磨され、鋭利にされる。 最終的にゲート電極86Aの縁部は電気研磨処理ステップを実行することによ り丸みを帯びる。第10c図は電気研磨処理ステップがゲート電極86Aにおい て実行された場合の構造体を示す。成形体84B及び86Bはそれぞれ、第10 c図の構造体におけるポリカーボネート痕跡層84A及びパターン形成されたゲ ート電極86Aの残り部分である。 第11図のさらなる処理ステップでは、パターン形成されたゲート層86Aが 、ゲート開口部90を通って露出する絶縁層84の部分をエッチングするための エッチングマスクとして用いられ、第11a図に示されるような対応する誘電体 開口空間(或いは開口部)100を形成する。エッチングは典型的にはプラズマ エッチングステップからなり、その後化学エッチングステップが実行される。誘 電体開口空間100はそれぞれ下側非絶縁性領域82まで下方に延在し、対応す るゲート開口部90と垂直に整列される。第11a図の成形体84Cは内側電極 絶縁層84の残り部分である。 リフトオフ層102は、低角度、典型的にはゲート層86Aの上側表面に対し て約15−30°にアルミニウムのような適当なリフトオフ材料を蒸着して堆積 することによりゲート層86A上に形成される。第1 1b図を参照されたい。電気的非絶縁性エミッタコーン材料、典型的にはモリブ デンのような金属が、リフトオフ層102の上側表面に、さらにゲート開口部9 0を介して誘電性開口空間100内に蒸着して堆積される。コーン材料堆積は典 型的には、ゲート層86の上側表面に概ね垂直に実行される。 エミッタコーン材料がリフトオフ層102上に蓄積するに従って、コーン材料 が誘電体開口空間100に入る開口部が除々に閉塞する。コーン材料堆積は、完 全に閉塞をするために十分長い時間実行される。それによりコーン材料が誘電体 開口空間100内にそれぞれ円錐形電子放出素子104Aを形成する。コーン材 料の連続層104Bは、第11b図に示されるように構造体の上側表面に同時に 蓄積する。 リフトオフエッチングが典型的には化学エッチング剤を用いて実行され、リフ トオフ層102及び上側をなすコーン材料層104Bを除去する。ゲート電極8 6Bの縁部は電気研磨され、ゲート縁部を丸めることができる。第11c図は電 気研磨処理ステップが実行された最終的な構造体を示す。成形体86Cはゲート 電極86Bの残り部分である。各円錐形電子放出素子104Aは、対応する誘電 体開口空間100内の概ね中央をなし、対応するゲート開口部90に近接して、 好ましくは対応する開口部90の中央部に突出して延在する。 第12図は、第10c図或いは第11c図のような、本発明により製造される エリア電界エミッタを用いるフラットパネルCRTディスプレイのコアアクティ ブ領域の典型的な例を示す。基板80はCRTディスプレイに対するバックプレ ートを形成する。下側非絶縁性領域82はバックプレート80の内側表面に沿っ て配置され、電気的導電層82A及び上側をなす電気的抵抗層82Bからなる。 列電極110は、第12図の平面に垂直に延在しており、ゲート層8 6B或いは86Cの部分の下側をなす。1つの列電極110が第12図に示され る。列電極アパーチャ112は、その1つが第12図に示されており、列電極1 10を通って延在する。各列電極アパーチャ112は、多くの電子放出素子94 A或いは104Aを露出する。 透明な、典型的にはガラスのフェースプレート114がバックプレート80と 対向して配置される。発光蛍光体領域116は、その1つが第12図に示されて おり、対応する列電極アパーチャ112と直接対向するフェースプレート114 の内側表面上に配置される。薄い光反射層118は典型的にはアルミニウムであ り、フェースプレート114の内側表面に沿って発光体領域116の上側をなす 。電子放出素子94A或いは104Aにより放出される電予は光反射層118を 通過し、発光体領域116が、フェースプレート114の外側表面上に視認可能 な画像を生成する光を放出するようになる。 フラットパネルCRTディスプレイのコアアクティブ領域は典型的には第12 図には示されない他の構成要素を含む。例えばフェースプレート114の内側表 面に沿って配置されるブラックマトリックスが典型的には各発光体領域116の 周囲をなし、他の発光体領域116からその発光体領域を横方向に分離する。電 極間誘電体層84B或いは84C上に設けられる集光用リッジ部は電子軌道を制 御する。スペーサ壁が典型的には、バックプレート80とフェースプレート11 4との間の一定間隔を相対的に保持するために用いられる。 第12図に示されるタイプのフラットパネルディスプレイに組み込む場合に、 本発明により製造される電界エミッタは以下のように動作する。光反射層118 が電界放出力ソードに対するアノードとして機能する。アノードはゲート及びエ ミッタラインに対して高い正電圧に保持される。 適当な電圧が、(a)下側非絶縁性領域82の選択されたエミッタ行 電極の1つと、(b)ゲート層86B或いは86Cを用いて形成され、ゲート層 86B或いは86Cの部分で接触する選択された列電極の1つとの間に加えられ る場合に、その選択されたゲート部分は2つの選択された電極の交差部分におい て電子放出素子から電子を抽出し、生じる電子流の大きさを制御する。発光体領 域116が高電圧発光体である際に、フラットパネルCRTディスプレイの発光 体被着フェースプレートにおいて測定する場合に、加えられるゲート−カソード 平行プレート電界が、0.1mA/cm2の電流密度で20V/μm以下に到達 する場合、電子放出の所望レベルが生じる。抽出された電子により衝当される場 合に、発光体領域116は光を放射する。変形例 「下側」及び「上側」のような方向に関する用語が本発明を説明する際に用い られており、読者が本発明の種々の部分が如何に互いに係合するかをより容易に 理解できるようにする座標系を確立する。実際には、電界エミッタの構成要素は ここで用いられる方向に関する用語により表されるのとは異なる姿勢で配置され る場合もある。製造ステップが本発明において実行される場合にも同じことが当 てはまる。方向に関する用語を便宜上用いて説明を容易にしているが、本発明は ここで用いる方向に関する用語により厳密に含まれるのとは姿勢が異なる実装形 態を含む。 種々の電子放出素子及び荷電粒子跡(或いは痕跡部分)は長軸(図示せず)を 有する。各電子放出素子は概ねその長軸の周りに対称をなす。痕跡層を通り荷電 粒子跡に沿ってエッチングが実行される場合、除去される材料が、痕跡層の痕跡 の長軸の少なくとも一部を含む量を占有することを意味する。 本発明は特定の実施例を参照して記載されてきたが、本説明は例示に すぎず、以下に請求される本発明の範囲を制限するものと見なされるべきではな い。例えば第3図及び第6図の処理フローは様々に変更されることができる。下 部構造体30上に液体化学調合物の一部をスピンコーティングすることにより液 体フィルム36Aを形成する代わりに、フィルム36Aは下部構造体30を調合 物内に浸漬することにより形成されてもよい。別法ではフィルム36Aはメニス カスコーティング(meniscus coating)、押出し、噴霧或いはドクターブレート 又は同様のデバイスを用いて液体を塗布することにより形成されてもよい。 本液体化学調合物に用いるのに適したあるポリカーボネート溶剤は一般に調合 物の保管中に許容できない度合まで酸化し、それにより調合物の有効な保存期間 を低減させる。1−メチルピロリジノン(NMP)は酸化可能ポリカーボネート 溶剤である。調合物が酸素或いは反応性金属表面に暴露される際に、典型的には 遊離基の形成により酸化が生じる。 安定剤、例えば1−メチルピロリジノンの場合の4−t−ブチルカテコール或 いはキノンが本ポリカーボネート含有液体化学調合物において用いられ、ポリカ ーボネート溶剤の酸化を防止することができる。安定剤は典型的には遊離基と優 先的に作用することにより機能し、安定な非反応生成物を形成する。安定剤は低 濃度、典型的には調合物の質量比で0.0001%(100万に対して100の 割合)未満において用いられる。 本発明のポリカーボネート溶解液体化学調合物は、上記のように2つ或いはそ れ以上のポリカーボネート溶剤を用いて形成される。多数溶剤調合物を用いて、 押出しコーティング応用例或いは大きな表面積のポリカーボネートフィルムを形 成する際に、ポリカーボネートフィルム形成特性を改善することができる。上記 のポリカーボネート溶剤候補の全てを、多数溶剤調合物において用いることがで きる。 2溶剤調合物の場合、各溶剤に対する溶剤混合パーセンテージは、その調合物 の質量比で1%未満から、その調合物の質量比で99%より大きい割合まで変更 することができる。例えば2溶剤調合物は1−メチルピロリジノンが2に対して ピリジンを1の割合で含む場合がある。 同様に2或いはそれ以上のポリカーボネートを用いて、本液体化学調合物のポ リカーボネート材料を形成することができる。これは、同じ反復単位を有するが 、異なる分子量を有するポリカーボネートを含む。 第11図のプロセスの流れにおいて、リフトオフ層102の形成をなくすこと ができる。コーン及びゲート材料を適切に選択することにより、コーン材料層1 04Bは、Spindt等による1997年3月5日出願の国際特許出願 PCT/U S97/02973に開示される技術を用いて電気化学的に除去することができ る。 下側非絶縁性領域42が構造体を支持するのに十分な厚さの連続層である場合 に、基板40は排除することができる。絶縁性基板40は、薄い絶縁層が構造体 支持をもたらす相対的に厚い非絶縁層の上側をなす複合基板に置き換えられるこ とができる。 本発明により製造される電子エミッタを用いてフラットパネルCRTディスプ レイ以外のフラットパネルディバイスを形成することができる。従って種々の変 更例及び応用例は、添付の請求項により画定される本発明の厳密な範囲及び精神 から逸脱することなく当業者により行われることができる。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成10年9月25日(1998.9.25) 【補正内容】 明細書 ポリカーボネート含有液体化学調合物及びポリカーボネートフィルムを形成する ための方法 関連特許出願への相互参照 本発明は、Brigham等による同時出願の国際特許出願PCT/US98/03 369に関連し、その内容はここで参照して本明細書の一部としている。 利用の分野 本発明は、ポリカーボネートフィルムを通過するアパーチャの形成を含む、薄 いポリカーボネートフィルムを形成することに関連する。 背景技術 ポリカーボネートは無色の熱可塑性ポリマであり、例えば加熱により軟化し、 冷却により硬化する。ポリカーボネートは通常、成形ヘルメット、バッテリケー ス、ボトル及びパッケージのような耐衝撃性及び靱性を利用する応用例において 、さらに防弾及び安全ガラス、眼鏡、コンパクトディスク及び自動車用レンズの ような光透過性を要求される応用例において用いられる。薄いフィルム形状では 、ポリカーボネートは高精度フィルタから電子放出デバイスまでの幅広い応用範 囲において用いられる。 商用のフィルタとして用いられるポリカーボネート膜が、Costar社 ージに記載される。その膜は伸長した結晶性ポリカーボネートフィルムを照射処 理し、その後エッチングして細孔を形成することにより形成さ 造体を示す。成形体86Aはゲート層86の残り部分である。各ゲート開口部9 0は痕跡層38Aの対応する開口部と直線をなす。エッチングが異方性に実行さ れる典型的な場合には、各ゲート開口部90は対応するアパーチャ74と概ね同 じ大きさになる。ゲート層エッチングは典型的には、Brigham等による上記国際 特許出願PCT/US98/03369において開示される手順による高密度プ ラズマを用いて実行される。 ポリカーボネート38Aはそのプロセスのある時点において除去される。層3 8Aを除去するための最も遅い時点は、ゲート電極86が利用及び処理される方 法に依存する。第9c図は、痕跡層38Aがゲート開口部90を形成した直後に 除去される典型的な場合を示す。 第9c図の構造体を用いて、種々の形状をなす電子放出素子を形成することが できる。第10a図−第10c図(集合的に「第10図」)は、フィラメント状 電子放出素子が第9c図の構造体から如何に形成されるかを示す。第11a図− 第11c図(集合的に「第11図」)は、第9c図の構造体を用いて、円錐形電 子放出素子を形成する一例を示す。以下の材料は、第10図及び第11図のさら なるステップによるフィラメント状及び円錐形電子放出素子を形成するためのス テップの簡単な説明を表す。さらに多くの情報が上記米国特許第5,559,3 89号及び第5,564,959号において与えられる。 第10図の処理ステップを参照すると、エッチングが荷電粒子跡88に沿って 実行され、内側電極誘電体層84を通る細孔92を形成する。細孔92の平均直 径は、痕跡層38Aを通るアパーチャ74の平均直径より著しく小さい。絶縁層 84がポリカーボネートからなる場合には、細孔92はアパーチャ74を形成す るために用いられる手順と同じ手順により形成されることができるが、ポリカー ボネートエッチングがより短時間に行われる点が異なる。成形体84Aが絶縁層 84の残り部分で 2溶剤調合物の場合、各溶剤に対する溶剤混合パーセンテージは、その調合物 の質量比で1%未満から、その調合物の質量比で99%より大きい割合まで変更 することができる。例えば2溶剤調合物は1−メチルピロリジノンが2に対して ピリジンを1の割合で含む場合がある。 同様に2或いはそれ以上のポリカーボネートを用いて、本液体化学調合物のポ リカーボネート材料を形成することができる。これは、同じ反復単位を有するが 、異なる分子量を有するポリカーボネートを含む。 第11図のプロ七スの流れにおいて、リフトオフ層102の形成をなくすこと ができる。コーン及びゲート材料を適切に選択することにより、コーン材料層1 04Bは、Spindt等による1997年3月5日出願の国際特許出願 PCT/U S97/02973、現在PCT国際公開WO97/33297に開示される技 術を用いて電気化学的に除去することができる。 下側非絶縁性領域42が構造体を支持するのに十分な厚さの連続層である場合 に、基板40は排除することができる。絶縁性基板40は、薄い絶縁層が構造体 支持をもたらす相対的に厚い非絶縁層の上側をなす複合基板に置き換えられるこ とができる。 本発明により製造される電子エミッタを用いてフラットパネルCRTディスプ レイ以外のフラットパネルディバイスを形成することができる。従って種々の変 更例及び応用例は、添付の請求項により画定される本発明の厳密な範囲及び精神 から逸脱することなく当業者により行われることができる。 【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成11年2月26日(1999.2.26) 【補正内容】 1気圧においてポリカーボネート溶剤の沸点が表2において与えられる沸点デ ータにより示されるように少なくとも80℃であるという条件2bを満足するほ かに、上記ピロール誘導体は、1気圧における溶剤の融点Tm(1atm)が2 0℃未満であるという条件2aを満足する。約145℃のガラス遷移温度Tgを 有するMAKROLON2608ポリカーボネートの場合、表2の全てのピロール誘導体 は、0.001気圧におけるそのポリカーボネート溶剤の沸点Tb(0.001 atm)が(Tg+15℃)以下であるという条件2cを満足する。またこれら 全てのピロール誘導体は、ポリカーボネートの陽子添加形態が、20℃及び1気 圧において10-8未満の酸解離定数を有するという条件2gを満足することが明 らかである。 別法では、或いはさらに、そのポリカーボネート溶剤はピロリジン並びにまた 1つ或いはそれ以上のピロリジン誘導体(これ以降簡単にするために、概ねピロ リジン誘導体として単数形で表される)を用いて形成される。溶剤がピロリジン 並びにまたピロリジン誘導体を利用する場合に、その溶剤は同様に上で与えた全 てのポリカーボネート溶剤基準を満足する。 ピロリジン及びピロリジン誘導体は化学的に概ね以下のように表すことができ る。 ここでNは窒素原子を表し、R1〜R9は共有結合される置換基を表しており、式 13において最大限の可能な数の置換基が示される。その親化 合物ピロリジンでは(その余剰ブレンステッド塩基性のためここでは制限されて 用いられる)、R1〜R9は水素或いは重水素原子である。 式13のR1〜R9に対する置換基は典型的には水素原子、重水素原子、酸素原 子、一価或いは二価の炭化水素基、一価或いは二価の置換炭化水素基、アセチル 基、カルボアルデヒド基、ハロゲン原子或いは一価の擬似ハロゲン置換基から選 択される。各炭化水素基或いは置換炭化水素基の場合、R1〜R9のそれぞれに対 する炭素原子の数は通常1〜4の範囲内にある。環内原子間に1つの環内二重結 合を含むピロリジン誘導体も対象である。 いくつかのピロリジン誘導体は、ポリカーボネート溶剤として用いるための特 定の対象である。例えば特定の対象のピロリジン誘導体は、環内窒素が環内或い は環外の何れかにおいて多くの共有結合に関連する、すなわち多くの共有結合と 共役される誘導体を含む。窒素位置に水素或いは重水素以外の共有置換基(R1 )を有するピロリジン誘導体も特定の対象である。窒素位置に水素或いは重水素 以外の共有結合置換基を有するピロリジン誘導体では、窒素原子も多くの共有結 合と共役される場合がある。これらの全ての状況は親化合物、ピロリジンに比べ て溶剤の塩基性の著しい減少に導く。 二重共有結合を有するそのようなピロリジン誘導体の例が以下に示される。 二重結合により生じる制限は別として、式14〜16のR2〜R9に対する置換基 は、式13に関連して上記したものの任意のものから選択することができる。式 14は環内窒素が二重共有結合に関係する場合を示す。式15及び16は、環内 窒素が環内二重共有結合及び環外二重共有結合とそれぞれ共役される状況を示す 。R1が水素或いは重水素ではない場合には、式15及び16は水素或いは重水 素以外の共有結合置換基が窒素位置に存在するピロリジン誘導体を構成する。 例えば式16により化学的に配列される1つのピロリジン誘導体は1−メチル ピロリジノン(或いは俗名NMPに由来する1−メチルピロリドン或いはN−メ チルピロリドン)であり、その実験式はC59NOである。1−メチルピロリジ ノンは環内窒素上のメチル置換基(R1)を有し、窒素原子に対するα位置の炭 素原子の1つが、以下に示されるような共役環外二重結合を介して酸素原子に結 合される。 請求の範囲 1.液体化学調合物であって、 ポリカーボネート材料と、 (a)20℃及び1気圧において前記液体調合物の質量比で少なくとも1%の 濃度まで前記ポリカーボネート材料を溶解することができ、 (b)1気圧において少なくとも80℃の沸点を有する液体とを有し、前記ポリカ ーボネート材料が前記液体中に存在する任意の他の成分より大きい質量部分をな して、前記液体中に存在するように前記液体中に溶解されることを特徴とする液 体調合物。 2.水溶液状態の前記液体の陽子添加形態が、20℃及び1気圧において10-8 より大きい酸解離定数を有することを特徴とする請求項1に記載の液体調合物。 3.前記ポリカーボネート材料が少なくとも10,000の分子量を有すること を特徴とする請求項1或いは2に記載の液体調合物。 4.前記ポリカーボネート材料の前記分子量が30,000−35,000であ ることを特徴とする請求項3に記載の液体調合物。 5.前記ポリカーボネート材料が前記液体調合物の質量比で1−50%をなすこ とを特徴とする請求項1或いは2に記載の液体調合物。 6.前記液体が、20℃及び1気圧において前記液体調合物の質量比で少なくと も5%の濃度まで前記ポリカーボネート材料を溶解することができることを特徴 とする請求項1或いは2に記載の液体調合物。 7.前記ポリカーボネート材料が少なくとも65℃のガラス遷移温度を有するこ とを特徴とする請求項1或いは2に記載の液体調合物。 8.Tgが前記ポリカーボネート材料の前記ガラス遷移温度である場合に、前記 液体の前記沸点が0.001気圧において(Tg+15℃)以下であることを特 徴とする請求項1或いは2に記載の液体調合物。 9.前記液体調合物が20℃及び1気圧において100センチストークス以下の 動粘度を有することを特徴とする請求項1或いは2に記載の液体調合物。 10.前記液体調合物の前記動粘度が20℃及び1気圧において2−25センチ ストークスであることを特徴とする請求項9に記載の液体調合物。 11.質量比で1%以下の水を含むことを特徴とする請求項1或いは2に記載の 液体調合物。 12.表面活性剤並びにまた接着剤或いは接着促進剤をさらに含むことを特徴と るする請求項1或いは2に記載の液体調合物。 13.液体化学調合物であって、 ポリカーボネート材料と、 ピリジン、環置換ピリジン誘導体、ピロール、環置換ピロール誘導体、ピロリ ジン、ピロリジン誘導体、クロロベンゼン及びシクロヘキサノンの少なくとも1 つを含む液体とを有し、前記ポリカーボネート材料が前記液体中に存在する任意 の他の成分より大きい質量部分をなして、前記液体中に存在するように前記液体 中に溶解されることを特徴とする液体調合物。 14.前記液体が、20℃及び1気圧において前記液体調合物の質量比で少なく とも1%の濃度まで前記ポリカーボネート材料を溶解することができることを特 徴とする請求項13に記載の液体調合物。 15.前記ポリカーボネート材料が前記液体調合物の質量比で0.5−50%を なすことを特徴とする請求項13或いは14に記載の液体調合物。 16.前記ポリカーボネート材料が少なくとも65℃のガラス遷移温度を有する ことを特徴とする請求項13或いは14に記載の液体調合物。 17.前記液体が1気圧において少なくとも80℃の沸点を有することを特徴と する請求項13或いは14に記載の液体調合物。 18.水溶液状態の前記液体の陽子添加形態が、20℃及び1気圧において10-8 より大きい酸解離定数を有することを特徴とする請求項13或いは14に記載 の液体調合物。 19.前記液体が概ねピリジンからなることを特徴とする請求項13或いは14 に記載の液体調合物。 20.ピリジン及びピリジン誘導体の両方が、Nが窒素、Cが炭素、R1がそれ ぞれ一価の共有結合置換基、iが1乃至5の範囲の整数である場合に、以下の式 により表されることを特徴とする請求項13に記載の液体調合物。 21.ピロール及びピロール誘導体の両方が、Nが窒素原子、Cが炭素原子、R2 がそれぞれ一価の共有結合置換基、iが1乃至5の範囲の整数である場合に、 以下の式により表されることを特徴とする請求項13に記載の液体調合物。 22.R1−R5のうちの少なくとも2つの隣接するものが、縮合環或い は縮合環の誘導体を形成することを特徴とする請求項20或いは21に記載の液 体調合物。 23.Nが窒素原子、Cが炭素原子、R1がそれぞれ一価の共有結合置換基、i が1乃至9の範囲の整数である場合に、前記炭素原子の任意のものにおけるR2 −R9の任意の対が前記炭素原子に二重共有結合される1つの以下の置換基に置 き換えられ、並びにまた炭素原子の隣接対におけるR2−R9の1つの対が炭素原 子のその対の間の共有結合に置き換えられて、その間に二重共有結合を形成し、 並びにまたR1及びR2が前記窒素原子とR2に共有結合される前記炭素原子との 間の共有結合に置き換えられて、その間に二重共有結合を形成することを条件と して、ピロリジン及びピロリジン誘導体の両方が概ね、概ね以下のように表され ることを特徴とする請求項13に記載の液体調合物。 24.R3及びR4が共有結合に置き換え可能であり、R1が水素或いは重水素で はないことを特徴とする請求項23に記載の液体調合物。 25.R2及びR3が1つの二価の置換基に置き換えられ、R1が水素或いは重水 素ではないことを特徴とする請求項23に記載の液体調合物。 26.R1−R9の少なくとも1つが水素或いは重水素ではないことを特徴とする 請求項23に記載の液体調合物。 27.R1がそれぞれ水素原子、重水素原子、炭化水素基、置換基炭化水素基、 アセチル基、カルボアルデヒド基、ハロゲン或いは擬似ハロゲン置換基であるこ とを特徴とする請求項20、21及び23のいずれか 一項に記載の液体調合物。 28.1つのRiがアルキル基であることを特徴とする請求項20、21及び2 3のいずれか一項に記載の液体調合物。 29.前記アルキル基が4つまでの炭素原子を有することを特徴とする請求項2 8に記載の液体調合物。 30.少なくとも1つのRiが塩素、フッ素、臭素或いはヨウ素原子であること を特徴とする請求項20、21及び23のいずれか一項に記載の液体調合物。 31.Riの1つがニトリル基として構成される擬似ハロゲン置換基であること を特徴とする請求項20、21及び23のいずれか一項に記載の液体調合物。 32.前記ポリカーボネート材料が、Oが酸素原子、Cが炭素原子、Rが二価基 、T1及びT2がそれぞれ末端基、nが複数の整数であり、 がn回繰り返されるモノマ反復単位である場合に、以下の式により表されること を特徴とする請求項13或いは14に記載の液体調合物。 33.φA及びφBがそれぞれフェニレン基或いは環置換フェニレン基で あり、Xがアルキレン基、エステル基、スルフィド基或いはスルフォン基である 場合に、Rが、 −φA−X−φB− であることを特徴とする請求項32に記載の液体調合物。 34.φA及びφBがそれぞれフェニレン基或いは環置換フェニレン基であり、 RA及びRBがそれぞれ水素原子、重水素原子或いは一価炭化水素基である場合 に、Rが であることを特徴とする請求項32に記載の液体調合物。 35.RA及びRBの少なくとも1つがアルキル基として構成される炭化水素基で あることを特徴とする請求項34に記載の液体調合物。 36.RA及びRBがそれぞれメチル基であり、φA及びφBがそれぞれ無置換1, 4−フェニレン基であることを特徴とする請求項35に記載の液体調合物。 37.前記ポリカーボネート材料が、前記液体中に溶解される概ね全ての固体材 料を構成することを特徴とする請求項1、2、13、14、20、21及び23 乃至26のいずれか一項に記載の液体調合物。 38.方法であって、 (a)20℃及び1気圧において液体調合物の質量比で少なくとも 1%の濃度までポリカーボネート材料を溶解することができ、(b)前記ポリカ ーボネート材料が前記液体中に存在する任意の他の成分より大きな質量部分をな して前記液体中に存在するように1気圧において少なくとも80℃の沸点を有す る液体に前記ポリカーボネート材料を溶解する過程を伴う手順により前記液体化 学調合物を準備する過程と、 下部構造体上に前記液体調合物の液体フィルムを形成する過程と、 前記液体フィルムを処理して前記液体を概ね除去し、前記液体フィルムの前記 ポリカーボネート材料を概ね固体ポリカーボネートフィルムに変換する過程とを 有することを特徴とする方法。 39.方法であって、 ピリジン、環置換ピリジン誘導体、ピロール、環置換ピロール誘導体、ピロリ ジン、ピロリジン誘導体、クロロベンゼン及びシクロヘキサノンの少なくとも1 つを含む液体中にポリカーボネート材料を溶解する過程を含む手順により液体化 学調合物を準備する過程であって、前記ポリカーボネート材料が前記液体中に存 在する任意の他の成分より大きな質量部分なして前記液体中に存在する、該過程 と、 下部構造体上に前記液体調合物の液体フィルムを形成する過程と、 前記液体フィルムを処理して前記液体を概ね除去し、前記液体フィルムの前記 ポリカーボネート材料を概ね固体のポリカーボネートフィルムに変換する過程と を有することを特徴とする方法。 40.前記準備過程が、概ね水分のない環境において前記液体と前記ポリカーボ ネート材料とを配合する過程を含むことを特徴とする請求項38或いは39に記 載の方法。 41.前記準備過程が、前記ポリカーボネート材料並びにまた前記液体を乾燥し て水分を除去する過程を含むことを特徴とする請求項38或いは39に記載の方 法。 42.前記形成過程が、前記下部構造体上に前記液体調合物の少なくとも一部を スピンコーティングする過程を含むことを特徴とする請求項38或いは39に記 載の方法。 43.前記処理過程が前記液体フィルムを乾燥させる過程を含むことを特徴とす る請求項38或いは39に記載の方法。 44.前記ポリカーボネート材料がガラス遷移温度Tgにより特徴をなし、前記 乾燥過程がTgより約15℃高い温度以下の最大温度において実行されることを 特徴とする請求項43に記載の方法。 45.前記乾燥過程中の前記最大温度がTg未満であることを特徴とする請求項 44に記載の方法。 46.前記処理過程が、ある短距離分子配列を有するガラス状微細構造体から、 概ね短距離或いは長距離分子配列を持たない微細構造体に、前記ポリカーボネー ト材料を変換する過程を含むことを特徴とする請求項38或いは39に記載の方 法。 47.前記ポリカーボネート材料がガラス遷移温度Tgにより特徴をなし、前記 変換過程が約TgからTg+15℃までに延在する範囲の最大温度において実行さ れることを特徴とする請求項46に記載の方法。 48.方法であって、 ポリカーボネート材料と、20℃及び1気圧において液体調合物の質量比で少 なくとも1%の濃度まで前記ポリカーボネート材料を溶解することができる液体 とを有する前記液体化学調合物を準備する過程と、 下部構造体上に前記調合物の液体層を形成する過程と、 前記液体層を処理して前記液体を概ね除去し、前記液体層を固体痕跡層に変換 する過程と、 荷電粒子が前記痕跡層内を通過するようにし、少なくともそこを通過する多く の荷電粒子跡経路を形成する過程と、 前記荷電粒子跡に沿って前記痕跡層をエッチングする過程を含む手順により少 なくとも前記痕跡層を通る経路において対応するアパーチャを形成する過程とを 有することを特徴とする方法。 49.前記液体が1気圧において少なくとも80℃の沸点を有することを特徴と する請求項48に記載の方法。 50.前記ポリカーボネート材料が少なくとも65℃のガラス遷移温度を有する ことを特徴とする請求項49に記載の方法。 51.水溶液状態の前記液体の陽子添加形態が、20℃及び1気圧において10-8 より大きい酸解離定数を有することを特徴とする請求項49に記載の方法。 52.方法であって、 ポリカーボネート材料と、ピリジン、環置換ピリジン誘導体、ピロール、環置 換ピロール誘導体、ピロリジン、ピロリジン誘導体、クロロベンゼン及びシクロ ヘキサノンの少なくとも1つを含む液体とを有する液体化学調合物を準備する過 程と、 下部構造体上に前記調合物の液体層を形成する過程と、 前記液体層を処理して前記液体を概ね除去し、前記液体層を固体痕跡層に変換 する過程と、 荷電粒子が前記痕跡層内を通過するようにし、少なくともそこを通る経路にお いて多くの荷電粒子跡を形成する過程と、 前記荷電粒子跡に沿って前記痕跡層をエッチングする過程を含むある手順によ り少なくとも前記痕跡層を通る経路において対応するアパーチャを形成する過程 とを有することを特徴とする方法。 53.前記アパーチャが前記痕跡層を概ね通過することを特徴とする請求項48 乃至52のいずれか一項に記載の方法。 54.前記形成過程が、前記下部構造体上に前記調合物の少なくとも一 部をスピンコーティングする過程を含むことを特徴とする請求項53に記載の方 法。 55.前記処理過程が、ある短距離分子配列を有するガラス状微細構造体から概 ね短距離或いは長距離分子配列を持たない微細構造体に、前記ポリカーボネート 材料を変換する過程を含むことを特徴とする請求項53に記載の方法。 56.前記アパーチャを介して前記下部構造体の電気的非絶縁層をエッチングし 、前記非絶縁層内に対応する開口部を形成する過程をさらに含むことを特徴とす る請求項53に記載の方法。 57.前記非絶縁層内の前記開口部上に概ね中央をなす各電子放出素子を画定す る過程をさらに含むことを特徴とする請求項56に記載の方法。 58.(a)前記非絶縁層がゲート層を備え、(b)電気的絶縁層がゲート層下 側に設けられ、さらに(c)下側電気的非絶縁性エミッタ領域が前記絶縁層下側 に設けられ、前記画定過程がさらに、 前記ゲート層内の前記開口部を介して前記絶縁層をエッチングし、前記絶縁層 を通り前記エミッタ領域に至る対応する誘電性開口空間を形成する過程と、 前記エミッタ領域と接触するように前記誘電体開口空間内に前記電子放出素子 を形成する過程とを有することを特徴とする請求項57に記載の方法。 59.前記電子放出素子が概ねフィラメント状或いは円錐形をなすことを特徴と する請求項58に記載の方法。 60.方法であって、 ポリカーボネート材料を、(a)20℃及び1気圧において液体調合物の質量 比で少なくとも1%の濃度まで前記ポリカーボネート材料を溶解することができ 、(b)1気圧において少なくとも80℃の沸点を有 する液体に溶解する過程含む手順により前記液体化学調合物を準備する過程と、 前記ポリカーボネート材料並びにまた前記液体を乾燥して水分を除去する過程 と、 下部構造体上に前記液体調合物の液体フィルムを形成する過程と、 前記液体フィルムを処理して前記液体を概ね除去し、前記液体フィルムの前記 ポリカーボネート材料を固体フィルムに変換する過程とを有することを特徴とす る方法。 61.前記形成過程が、前記下部構造体上に前記液体調合物の少なくとも一部を スピンコーティングする過程を含むことを特徴とする請求項60に記載の方法。 62.方法であって、 概ね水分のない環境において実行され、ピリジン、環置換ピリジン誘導体、ピ ロール、環置換ピロール誘導体、ピロリジン、ピロリジン誘導体、クロロベンゼ ン及びシクロヘキサノンの少なくとも1つからなる液体中にポリカーボネート材 料を溶解する過程を含む手順により液体化学調合物を準備する過程と、 下部構造体上に前記液体調合物の液体フィルムを形成する過程と、 前記液体フィルムを処理して前記液体を概ね除去し、前記液体フィルムの前記 ポリカーボネート材料を固体フィルムに変換する過程とを有することを特徴とす る方法。 63.方法であって、 ピリジン、環置換ピリジン誘導体、ピロール、環置換ピロール誘導体、ピロリ ジン、ピロリジン誘導体、クロロベンゼン及びシクロヘキサノンの少なくとも1 つを含む液体にポリカーボネート材料を溶解する過程を伴う手順により液体化学 調合物を準備する過程と、 下部構造体上に前記液体調合物の液体フィルムを形成する過程と、 前記ポリカーボネート材料が、ある短距離分子配列を有するガラス状微細構造 体から概ね短距離或いは長距離分子配列を持たない微細構造体に変換されるよう に、前記液体フィルムを処理して前記液体を概ね除去し、前記液体フィルムの前 記ポリカーボネート材料を固体フィルムに変換する過程とを有することを特徴と する方法。 64.前記ポリカーボネート材料が前記液体中に溶解される概ね全ての固体材料 を構成することを特徴とする請求項38、39、48乃至52及び60乃至63 のいずれか一項に記載の方法。 【図4】 【図5】 【手続補正書】 【提出日】平成11年12月3日(1999.12.3) 【補正内容】 (1)明細書の第37頁第24〜25行の式(18) を、 と補正する。 (2)明細書の第39頁第4〜5行の「2O℃において108より大きくなる」 を、 『20℃において10-8より大きくなる』と補正する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),JP,KR (72)発明者 クレーン、スコット・ジェイ アメリカ合衆国カリフォルニア州93907・ プルネデール・モロロード 17980 (72)発明者 オバーグ、ステファニー・ジェイ アメリカ合衆国カリフォルニア州94087・ サニーベイル・コーバリスドライブ 849 (72)発明者 ジョンソン、アンソニー・ダブリュ アメリカ合衆国カリフォルニア州94539・ フリモント・ティンバークリークテラス 41427 (72)発明者 スピンド、クリストファー・ジェイ アメリカ合衆国カリフォルニア州94025・ メンロパーク・ヒルサイドアベニュー 115 (72)発明者 マコーレー、ジョン・エム アメリカ合衆国カリフォルニア州94043・ マウンテンビュー・アンナアベニュー 369

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.液体化学調合物であって、 ポリカーボネート材料と、 (a)20℃及び1気圧において前記液体調合物の質量比で少なくとも1%の 濃度まで前記ポリカーボネート材料を溶解することができ、 (b)1気圧において少なくとも80℃の沸点を有する液体とを有し、前記ポリ カーボネート材料が前記液体中に存在する任意の他の成分より大きい質量部分を なして前記液体中に溶解されることを特徴とする液体調合物。 2.水溶液状態の前記液体の陽子添加形態が、20℃及び1気圧において10-8 より大きい酸解離定数を有することを特徴とする請求項1に記載の液体調合物。 3.前記ポリカーボネート材料が少なくとも10,000の分子量を有すること を特徴とする請求項1或いは2に記載の液体調合物。 4.前記ポリカーボネート材料の前記分子量が30,000−35,000であ ることを特徴とする請求項3に記載の液体調合物。 5.前記ポリカーボネート材料が前記液体調合物の質量比で1−50%をなすこ とを特徴とする請求項1或いは2に記載の液体調合物。 6.前記液体が、20℃及び1気圧において前記液体調合物の質量比で少なくと も5%の濃度まで前記ポリカーボネート材料を溶解することができることを特徴 とする請求項1或いは2に記載の液体調合物。 7.前記ポリカーボネート材料が少なくとも65℃のガラス遷移温度を有するこ とを特徴とする請求項1或いは2に記載の液体調合物。 8.Tgが前記ポリカーボネート材料の前記ガラス遷移温度である場合に、前記 液体の前記沸点が0.001気圧において(Tg+15℃)以下であることを特 徴とする請求項1或いは2に記載の液体調合物。 9.前記液体調合物が20℃及び1気圧において100センチストークス以下の 動粘度を有することを特徴とする請求項1或いは2に記載の液体調合物。 10.前記液体調合物の前記動粘度が20℃及び1気圧において2−25センチ ストークスであることを特徴とする請求項9に記載の液体調合物。 11.質量比で1%以下の水を含むことを特徴とする請求項1或いは2に記載の 液体調合物。 12.表面活性剤並びにまた接着剤或いは接着促進剤をさらに含むことを特徴と るする請求項1或いは2に記載の液体調合物。 13.液体化学調合物であって、 ポリカーボネート材料と、 ピリジン、環置換ピリジン誘導体、ピロール、環置換ピロール誘導体、ピロリ ジン、ピロリジン誘導体、クロロベンゼン及びシクロヘキサノンの少なくとも1 つを含む液体とを有し、前記ポリカーボネート材料が前記液体中に存在する任意 の他の成分より大きい質量部分をなして前記液体中に溶解されることを特徴とす る液体調合物。 14.前記液体が、20℃及び1気圧において前記液体調合物の質量比で少なく とも1%の濃度まで前記ポリカーボネート材料を溶解することができることを特 徴とする請求項13に記載の液体調合物。 15.前記ポリカーボネート材料が前記液体調合物の質量比で0.5−50%を なすことを特徴とする請求項13或いは14に記載の液体調合物。 16.前記ポリカーボネート材料が少なくとも65℃のガラス遷移温度を有する ことを特徴とする請求項13或いは14に記載の液体調合物。 17.前記液体が1気圧において少なくとも80℃の沸点を有すること を特徴とする請求項13或いは14に記載の液体調合物。 18.水溶液状態の前記液体の陽子添加形態が、20℃及び1気圧において10-8 より大きい酸解離定数を有することを特徴とする請求項13或いは14に記載 の液体調合物。 19.前記液体が概ねピリジンからなることを特徴とする請求項13或いは14 に記載の液体調合物。 20.ピリジン及びピリジン誘導体の両方が、Nが窒素、Cが炭素、R1がそれ ぞれ一価の共有結合置換基、iが1乃至5の範囲の整数である場合に、以下の式 により表されることを特徴とする請求項13に記載の液体調合物。21.ピロール及びピロール誘導体の両方が、Nが窒素原子、Cが炭素原子、R2 がそれぞれ一価の共有結合置換基、iが1乃至5の範囲の整数である場合に、 以下の式により表されることを特徴とする請求項13に記載の液体調合物。 22.R1−R5のうちの少なくとも2つの隣接するものが、縮合環或いは縮合環 の誘導体を形成することを特徴とする請求項20或いは21に 記載の液体調合物。 23.Nが窒素原子、Cが炭素原子、R1がそれぞれ一価の共有結合置換基、i が1乃至9の範囲の整数である場合に、前記炭素原子の任意のものにおけるR2 −R9の任意の対が前記炭素原子に二重共有結合される1つの以下の置換基に置 き換えられ、並びにまた炭素原子の隣接対におけるR2−R9の1つの対が炭素原 子のその対の間の共有結合に置き換えられて、その間に二重共有結合を形成し、 並びにまたR1及びR2が前記窒素原子とR2に共有結合される前記炭素原子との 間の共有結合に置き換えられて、その間に二重共有結合を形成することを条件と して、ピロリジン及びピロリジン誘導体の両方が概ね、概ね以下のように表され ることを特徴とする請求項13に記載の液体調合物。 24.R3及びR4が共有結合に置き換え可能であり、R1が水素或いは重水素で はないことを特徴とする請求項23に記載の液体調合物。 25.R2及びR3が1つの二価の置換基に置き換えられ、R1が水素或いは重水 素ではないことを特徴とする請求項23に記載の液体調合物。 26.R1−R9の少なくとも1つが水素或いは重水素ではないことを特徴とする 請求項23に記載の液体調合物。 27.R1がそれぞれ水素原子、重水素原子、炭化水素基、置換基炭化水素基、 アセチル基、カルボアルデヒド基、ハロゲン或いは擬似ハロゲン置換基であるこ とを特徴とする請求項20、21及び23のいずれか一項に記載の液体調合物。 28.1つのRiがアルキル基であることを特徴とする請求項20、21及び2 3のいずれか一項に記載の液体調合物。 29.前記アルキル基が4つまでの炭素原子を有することを特徴とする請求項2 8に記載の液体調合物。 30.少なくとも1つのRiが塩素、フッ素、臭素或いはヨウ素原子であること を特徴とする請求項20、21及び23のいずれか一項に記載の液体調合物。 31.1つのRiがニトリル基として構成される擬似ハロゲンであることを特徴 とする請求項20、21及び23のいずれか一項に記載の液体調合物。 32.前記ポリカーボネート材料が、Oが酸素原子、Cが炭素原子、Rが二価基 、T1及びT2がそれぞれ末端基、nが複数の整数であり、 がn回繰り返されるモノマ反復単位である場合に、以下の式により表されること を特徴とする請求項13或いは14に記載の液体調合物。 33.φA及びφBがそれぞれフェニレン基或いは環置換フェニレン基であり、X がアルキレン基、エステル基、スルフィド基或いはスルフォン 基である場合に、Rが、 −φA−X−φB− であることを特徴とする請求項32に記載の液体調合物。 34.φA及びφBがそれぞれフェニレン基或いは環置換フェニレン基であり、 RA及びRBがそれぞれ水素原子、重水素原子或いは一価炭化水素基である場合 に、Rが であることを特徴とする請求項32に記載の液体調合物。 35.RA及びRBの少なくとも1つがアルキル基として構成される炭化水素基で あることを特徴とする請求項34に記載の液体調合物。 36.RA及びRBがそれぞれメチル基であり、φA及びφBがそれぞれ無置換1, 4−フェニレン基であることを特徴とする請求項35に記載の液体調合物。 37.方法であって、 (a)20℃及び1気圧において液体調合物の質量比で少なくとも1%の濃度 までポリカーボネート材料を溶解することができ、(b)前記ポリカーボネート 材料が前記液体中に存在する任意の他の成分より大きな質量部分をなして前記液 体中に溶解されるように1気圧において少なくとも80℃の沸点を有する液体に 前記ポリカーボネート材料を溶解 する過程を伴う手順により前記液体化学調合物を準備する過程と、 下部構造体上に前記液体調合物の液体フィルムを形成する過程と、 前記液体フィルムを処理して前記液体を概ね除去し、前記液体フィルムの前記 ポリカーボネート材料を概ね固体ポリカーボネートフィルムに変換する過程とを 有することを特徴とする方法。 38.方法であって、 ピリジン、環置換ピリジン誘導体、ピロール、環置換ピロール誘導体、ピロリ ジン、ピロリジン誘導体、クロロベンゼン及びシクロヘキサノンの少なくとも1 つを含む液体中にポリカーボネート材料を溶解する過程を含む手順により液体化 学調合物を準備する過程であって、前記ポリカーボネート材料が前記液体中に存 在する任意の他の成分より大きな質量部分なして前記液体中に溶解される、該過 程と、 下部構造体上に前記液体調合物の液体フィルムを形成する過程と、 前記液体フィルムを処理して前記液体を概ね除去し、前記液体フィルムの前記 ポリカーボネート材料を概ね固体のポリカーボネートフィルムに変換する過程と を有することを特徴とする方法。 39.前記準備過程が、概ね水分のない環境において前記液体と前記ポリカーボ ネート材料とを配合する過程を含むことを特徴とする請求項37或いは38に記 載の方法。 40.前記準備過程が、前記ポリカーボネート材料並びにまた前記液体を乾燥し て水分を除去する過程を含むことを特徴とする請求項37或いは38に記載の方 法。 41.前記形成過程が、前記下部構造体上に前記液体調合物の少なくとも一部を スピンコーティングする過程を含むことを特徴とする請求項37或いは38に記 載の方法。 42.前記処理過程が前記液体フィルムを乾燥させる過程を含むことを 特徴とする請求項37或いは38に記載の方法。 43.前記ポリカーボネート材料がガラス遷移温度Tgにより特徴をなし、前記 乾燥過程がTgより約15℃高い温度以下の最大温度において実行されることを 特徴とする請求項42に記載の方法。 44.前記乾燥過程中の前記最大温度がTg未満であることを特徴とする請求項 43に記載の方法。 45.前記処理過程が、ある短距離分子配列を有するガラス状微細構造体から、 概ね短距離或いは長距離分子配列を持たない微細構造体に、前記ポリカーボネー ト材料を変換する過程を含むことを特徴とする請求項37或いは38に記載の方 法。 46.前記ポリカーボネート材料がガラス遷移温度Tgにより特徴をなし、前記 変換過程が約TgからTg+15℃までに延在する範囲の最大温度において実行さ れることを特徴とする請求項45に記載の方法。 47.方法であって、 ポリカーボネート材料と、20℃及び1気圧において液体調合物の質量比で少 なくとも1%の濃度まで前記ポリカーボネート材料を溶解することができる液体 とを有する前記液体化学調合物を準備する過程と、 下部構造体上に前記調合物の液体層を形成する過程と、 前記液体層を処理して前記液体を概ね除去し、前記液体層を固体痕跡層に変換 する過程と、 荷電粒子が前記痕跡層内を通過するようにし、少なくともそこを通過する多く の荷電粒子跡経路を形成する過程と、 前記荷電粒子跡に沿って前記痕跡層をエッチングする過程を含む手順により少 なくとも前記痕跡層を通る経路において対応するアパーチャを 形成する過程とを有することを特徴とする方法。 48.前記液体が1気圧において少なくとも80℃の沸点を有すること を特徴とする請求項47に記載の方法。 49.前記ポリカーボネート材料が少なくとも65℃のガラス遷移温度を有する ことを特徴とする請求項48に記載の方法。 50.水溶液状態の前記液体の陽子添加形態が、20℃及び1気圧において10-8 より大きい酸解離定数を有することを特徴とする請求項48に記載の方法。 51.方法であって、 ポリカーボネート材料と、ピリジン、環置換ピリジン誘導体、ピロール、環置 換ピロール誘導体、ピロリジン、ピロリジン誘導体、クロロベンゼン及びシクロ ヘキサノンの少なくとも1つを含む液体とを有する液体化学調合物を準備する過 程と、 下部構造体上に前記調合物の液体層を形成する過程と、 前記液体層を処理して前記液体を概ね除去し、前記液体層を固体痕跡層に変換 する過程と、 荷電粒子が前記痕跡層内を通過するようにし、少なくともそこを通る経路にお いて多くの荷電粒子跡を形成する過程と、 前記荷電粒子跡に沿って前記痕跡層をエッチングする過程を含むある手順によ り少なくとも前記痕跡層を通る経路において対応するアパーチャを形成する過程 とを有することを特徴とする方法。 52.前記アパーチャが前記痕跡層を概ね通過することを特徴とする請求項47 乃至51のいずれか一項に記載の方法。 53.前記形成過程が、前記下部構造体上に前記調合物の少なくとも一部をスピ ンコーティングする過程を含むことを特徴とする請求項52に記載の方法。 54.前記処理過程が、ある短距離分子配列を有するガラス状微細構造体から概 ね短距離或いは長距離分子配列を持たない微細構造体に、前記 ポリカーボネート材料を変換する過程を含むことを特徴とする請求項52に記載 の方法。 55.前記アパーチャを介して前記下部構造体の電気的非絶縁層をエッチングし 、前記非絶縁層内に対応する開口部を形成する過程をさらに含むことを特徴とす る請求項52に記載の方法。 56.前記非絶縁層内の前記開口部上に概ね中央をなす各電子放出素子を画定す る過程をさらに含むことを特徴とする請求項55に記載の方法。 57.(a)前記非絶縁層がゲート層を備え、(b)電気的絶縁層がゲート層下 側に設けられ、さらに(c)下側電気的非絶縁性エミッタ領域が前記絶縁層下側 に設けられ、前記画定過程がさらに、 前記ゲート層内の前記開口部を介して前記絶縁層をエッチングし、前記絶縁層 を通り前記エミッタ領域に至る対応する誘電性開口空間を形成する過程と、 前記エミッタ領域と接触するように前記誘電体開口空間内に前記電子放出素子 を形成する過程とを有することを特徴とする請求項56に記載の方法。 58.前記電子放出素子が概ねフィラメント状或いは円錐形をなすことを特徴と する請求項57に記載の方法。
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