JP2001520021A - βアドレナリン受容体多型 - Google Patents

βアドレナリン受容体多型

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JP2001520021A JP2000516063A JP2000516063A JP2001520021A JP 2001520021 A JP2001520021 A JP 2001520021A JP 2000516063 A JP2000516063 A JP 2000516063A JP 2000516063 A JP2000516063 A JP 2000516063A JP 2001520021 A JP2001520021 A JP 2001520021A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、β1アドレナリン受容体およびβ2アドレナリン受容体における多型に関する。本発明はまた、そのような多型を検出するための方法および分子に関する。本発明はさらに、心血管系疾患、肥満、および糖尿病の診断、予後、および治療のためにそのような分子および方法を使用することに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、個体に疾患、肥満、および糖尿病に対する素因を付与する遺伝子変
異に関する。さらに詳しくは、本発明は、β1アドレナリン受容体およびβ2アド
レナリン受容体の遺伝子における特定の多型に関する。本発明はさらに、β1ア ドレナリン受容体またはβ2アドレナリン受容体の遺伝子における1またはそれ 以上の多型を同定するための方法および分子に関する。
【0002】 (背景技術) βアドレナリン受容体(βAR)は、内生のカテコールアミンであるエピネフ
リン(アドレナリン)およびノルエピネフリン(ノルアドレナリン)の受容体で
ある。アドレナリン受容体には少なくとも9つのサブタイプがあり(H. G. Dohl
manら、Annu. Rev. Biochem. 60: 653-688 (1991); S. B. Liggettら、Catechol
amines, Bouloux編、W. B. Sounders、ロンドン (1993))、そのうち少なくとも
3つはβアドレナリン受容体である。
【0003】 β1アドレナリン受容体およびβ2アドレナリン受容体(β1AR、β2AR)は
、心臓、肺、血管組織、および膵臓を含む多くの器官で発現される(S. B. Ligg
et、The Lung: Scientific Foundations、R. G. Crystalら(編)、リッピンコ ット−ラベンパブリッシャーズ、フィラデルフィア (1996); J. R. Carstairsら
、Am. Rev. Respir. Dis. 132: 541-547 (1985); Q. A. Hamidら、Eur. J. Phar
macol. 206: 133-138 (1991))。心臓では、これら受容体の一方または両方が心
拍数およびポンプ機能を制御している。βARは、肺では気道の緊張(airway t
one)を制御しており、脈管系では血管の緊張を制御しており、脂肪組織では脂 質分解を制御しており、膵臓ではインスリンの放出に貢献している。これら受容
体は、アドレナリンやノルアドレナリンの作用を媒体するのみならず、合成アゴ
ニストの宿主をも媒体している。
【0004】 β1アドレナリン受容体はクローニングされ、シークエンシングされている(T
, Frielleら、Proc. Natl. Acad. Sci. (USA) 84: 7920-7924 (1987))。その遺
伝子は、第10染色体の染色体q24−q26に局在化されている(T. L. Yang
-Fengら、Proc. Natl. Acad. Sci. (USA) 87: 1516-1520 (1990))。ヒトのβ1 ARは、477アミノ酸の誘導されたアミノ酸配列を有し、β2ARと多くの点 で構造的に類似している。わずかに一つの多型(制限断片長多型分析(RFLP
)により同定)が、ヒトβ1ARで報告されている(W. H. Berrettiniら、Nucl.
Acids Res. 16: 7754 (1988))。今日まで、β1ARタンパク質においてアミノ
酸の変化という結果となる多型は報告されていない。
【0005】 ヒトβ2ARをコードする遺伝子もまた、クローニングされ、シークエンシン グされている(B. K. Kobilkaら、Proc. Natl. Acad. Sci. (USA) 84: 46-50 (1
987))。それは、第5染色体のq31−q32に局在化されたイントロンを欠く
遺伝子である。誘導されたアミノ酸配列は413のアミノ酸からなり、疎水性残
基の7つのクラスターが膜貫通スパニング(spanning)ドメインを表していると
考えられている。そのN末端は細胞外であり、アスパラギン結合糖付加のための
2つの部位を含む。膜貫通スパニングドメインは、3つの細胞外ループおよび3
つの細胞内ループにより連結されている。C末端は細胞内である。幾つかの多型
がβ2AR遺伝子配列において報告されている(E. Reihsausら、Am. J. Resp. C
ell. Mol. Biol. 8: 334-339 (1993); K.-U. Lentesら、Nucleic Acids Res. 16
: 2359 (1988);およびC. K. McQuittyら、Hum. Genet. 93: 225 (1994))。
【0006】 β2ARにおける多型は、喘息との関連で研究されている(E. Reihsausら、Am
. J. Resp. Cell. Mol. Biol. 8: 334-339 (1993)、参照のため本明細書中に引 用する; K. J. Holroydら、Am. J. Respir. Crit. Care Med. (Abstract) 151:
A673 (1995); D. M. Cooperら、Am. J. Respir. Crit. Care Med. (Abstract) 1
53: A254 (1996); K. S. Tanら、Am. J. Respir. Crit. Care Med. (Abstract)
155: A208 (1997))。喘息を患う個体と正常な個体との間ではβ2AR多型の分 布に差異は認められないように思われる。しかしながら、一つの多型と一層重篤
な喘息との間の関連性に関する証拠が存在する(Reihsausら)。さらに最近では
、これら多型は、夜に起こる喘息の表現型(J. Turkiら、J. Clin. Invest. 95:
1635-1641 (1995))、気管支の過度の反応性(I. P. Hallら、The Lancet 345:
1213-1214 (1995))、およびIgEレベル(J. C. Dewarら、J. Allergy Clin.
Imm. (印刷中))と関係のあることが示されている。部位特異的突然変異誘発お
よび繊維芽細胞での組換え発現を用い、これら変異体の薬理特性がインビトロ(
S. A. Greenら、J. Biol. Chem. 268: 23116-23121 (1993); S. A. Greenら、Bi
ochemistry 33: 9414-9419 (1994))およびトランスジェニックマウスで(J. Tu
rkiら、Proc. Natl. Acad. Sci. (USA) 93: 10483-10488 (1996))評価されてい
る。
【0007】 様々な生理機能を変調するうえでのβ1アドレナリン受容体およびβ2アドレナ
リン受容体の重要性に鑑み、これら多型を同定し、およびこれら多型の同定をβ
アドレナリン受容体の他の機能と相関させるための改良された方法に対する必要
性が技術分野に存在する。本発明は、心血管系疾患、肥満および糖尿病の診断お
よび予後に有用な多型、分子、および方法を提供することにより、これら必要性
と取り組むものである。
【0008】 (発明の要約) 本発明は、β1アドレナリン受容体およびβ2アドレナリン受容体の遺伝子にお
ける1またはそれ以上の多型部位の同定を決定するのに有用な分子に関する。本
発明はまた、β1アドレナリン受容体およびβ2アドレナリン受容体の遺伝子にお
ける1またはそれ以上の多型部位の同定を決定する方法に関する。とりわけ、本
発明は、β1アドレナリン受容体およびβ2アドレナリン受容体の遺伝子における
1またはそれ以上の多型部位の同定を決定し、かかる部位の同定をある疾患に対
する遺伝的素因と関連付けるのに有用な分子および方法に関する。とりわけ、本
発明は、高血圧、欝血性心不全、卒中、心筋梗塞、神経性および閉塞性の末梢血
管疾患および偏頭痛を含む心血管系疾患の遺伝的素因に関する。本発明はまた、
とりわけ、肥満および糖尿病の遺伝的素因に関する。
【0009】 本発明はまた、遺伝子試験に適したキットをも提供する。そのようなキットは
、少なくとも一つの多型が認められる領域を包含するβアドレナリン受容体の核
酸の領域を増幅するためのプライマーを含む。このキットはまた、これら変異体
の少なくとも一つの対立遺伝子の変異体および野生型の両方に対して特異的な、
対立遺伝子特異的なオリゴヌクレオチドをも含む。このキットはまた、正の対照
および負の対照として、「対照」標的ポリヌクレオチド源をも含む。そのような
源は、正および負の対照DNAを含有する患者の核酸試料、クローニングした標
的ポリヌクレオチド、プラスミドまたは細菌株の形態であってよい。
【0010】 詳細には、本発明は、標的ポリヌクレオチドのβ1アドレナリン受容体分子の
多型部位の同定を決定するためのオリゴヌクレオチドであって、 (a)該標的ポリヌクレオチドはβ1アドレナリン受容体分子のセグメントを含
み、 (b)該セグメントは該多型部位を含み、 (c)該オリゴヌクレオチドは該セグメントに相補的である ことを特徴とするオリゴヌクレオチドを提供する。
【0011】 本発明は、とりわけ、該オリゴヌクレオチドが該多型部位を含み、該オリゴヌ
クレオチドが対立遺伝子特異的なオリゴヌクレオチドである態様、または該オリ
ゴヌクレオチドが該多型部位を含まず、該オリゴヌクレオチドがプライマーオリ
ゴヌクレオチドである態様に関する。 本発明はさらに、該β1アドレナリン受容体分子のコード領域のヌクレオチド
位置145または1165であるかまたは含む領域で該標的ポリヌクレオチドに
相補的である、そのような対立遺伝子特異的なオリゴヌクレオチドを提供する。 本発明はさらに、そのようなオリゴヌクレオチドが、放射性標識、蛍光標識、
バイオルミネセンス標識、化学ルミネセンス標識、核酸、ハプテン、または酵素
標識よりなる群から選ばれた標識で標識されている態様に関する。
【0012】 本発明はさらに、標的ポリヌクレオチドの所定の領域を増幅させるためのプラ
イマーオリゴヌクレオチドであって、該領域はβ1アドレナリン受容体分子の多
型部位を含み(とりわけ、β1アドレナリン受容体のコード領域のヌクレオチド
位置145または1165を含むもの)、該プライマーオリゴヌクレオチドは該
標的ポリヌクレオチドに実質的に相補的であり、それによって該標的ポリヌクレ
オチドの該領域の増幅が可能となるプライマーオリゴヌクレオチドを提供する。
【0013】 本発明はさらに、診断目的または予後の目的で個体の少なくとも一つのβアド
レナリン受容体分子を分類する方法であって、 (a)該個体からの生物学的試料から少なくとも一つのβアドレナリン受容体分
子を含む標的ポリヌクレオチドを単離し、 (b)該標的ポリヌクレオチドを少なくとも一つのオリゴヌクレオチドの存在下
でインキュベートし、該オリゴヌクレオチドは該標的ポリヌクレオチドに相補的
であり、該標的ポリヌクレオチドは該βアドレナリン受容体分子の少なくとも一
つの多型部位を含み、その際、該インキュベーションは標的ポリヌクレオチドと
該オリゴヌクレオチドとの間で特異的なハイブリダイゼーションが起こるのに充
分な条件下で行うものであり、それによって該特異的なハイブリダイゼーション
は該標的ポリヌクレオチドの少なくとも一つの多型の同定の決定を可能するもの
であり、 (c)(とりわけジェネティックビットアナリシスTMにより)該標的ポリヌクレ
オチドの少なくとも一つの多型部位の同定を決定し、ついで (d)該多型部位の同定に従って該診断目的または予後の目的のために該βアド
レナリン受容体分子を分類する ことを含む方法を提供する。
【0014】 本発明は、上記方法において、とりわけ、βアドレナリン受容体分子がβ1ア
ドレナリン受容体分子(とりわけ、該β1アドレナリン受容体分子のコード領域
の145または1165)であるかまたはβ2アドレナリン受容体分子(とりわ
け、該多型遺伝子座が、該β2アドレナリン受容体分子のヌクレオチド位置46
、79、100または491を含む場合)のいずれかである態様に関する。
【0015】 本発明はとりわけ、該診断目的および予後目的が、(1)高血圧、欝血性心不
全、卒中、心筋梗塞、神経性末梢血管疾患、糖尿病、肥満、閉塞性末梢血管疾患
および偏頭痛よりなる群から選ばれた心血管系疾患の発病のリスクを決定するこ
と、および/または(2)高血圧、欝血性心不全、卒中、心筋梗塞、神経性末梢
血管疾患、糖尿病、肥満、閉塞性末梢血管疾患および偏頭痛よりなる群から選ば
れた心血管系疾患の臨床経過を予測することである態様に関する。
【0016】 それゆえ、本発明は、患者における心血管疾患、肥満または糖尿病の診断方法
であって、工程: (A)核酸ハイブリダイゼーションが可能な条件下で、オリゴヌクレオチドと該
患者の生物学的試料から得られた相補的な標的ポリヌクレオチドとをインキュベ
ートし、該オリゴヌクレオチドはβアドレナリン受容体分子(とりわけ、β1ア
ドレナリン受容体分子またはβ2アドレナリン受容体分子)を含むポリヌクレオ
チドに特異的にハイブリダイズするポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を含み
、その際、該オリゴヌクレオチドと該患者から得られた該標的ポリヌクレオチド
との間の核酸ハイブリダイゼーションは、該患者でβアドレナリン受容体活性に
影響を及ぼす多型の検出を可能とし、 (B)該オリゴヌクレオチドと該患者から得られた該標的ポリヌクレオチドとの
間でハイブリダイゼーションを起こさせ、ついで (C)該多型の存在を検出し、その際、該多型の検出は心血管系疾患、肥満およ
び糖尿病から選ばれる疾患の診断である を含む方法に関する。
【0017】 本発明はさらに、β1アドレナリン受容体分子またはβ2アドレナリン受容体分
子中の多型を検出するためのキットであって、 (A)β1アドレナリン受容体分子またはβ2アドレナリン受容体分子の領域を増
幅するためのプライマーを収容した第一の容器、および (B)該多型を検出するためのプライマーを収容した第二の容器 を含むキットを提供する。
【0018】 (発明の詳細な記載) 上記のように、βアドレナリン受容体は様々な生理機能を制御するうえで重要
な役割を果たしている。本発明は、β2アドレナリン受容体中のある多型が機能 の変化した受容体分子という結果となるという認識に一部基づいている(S. B.
Liggetら、Molecular Pharmacology of Cell Regulation, Volume 3, M. D. Hou
slay(編)、Wisley & Sons (1994); S. A. Greenら、Biochemistry 33: 9414-9
419 (1994); S. A. Greenら、Am. J. Respir. Cell Mol. Biol. 13: 25-33 (199
5))。同じことは、β1アドレナリン受容体中のある多型についても当てはまる 。これら変化した機能は、心血管系疾患、肥満および糖尿病を含む疾患に対する
個人の傾向および臨床経過の両方に影響を及ぼし得る。これら変化した機能はま
た、合成アゴニストおよびアンタゴニストに対する個人の応答性に影響を及ぼし
得る。
【0019】 ヒトの心臓は、β1ARおよびβ2ARサブタイプのいずれをも発現する(M. R
. Bristowら、Mol. Pharmacol. 35: 296-303 (1988))。各受容体は、内生のカ テコールアミンおよび外から投与したアゴニストに対する陽性の変力性の(inot
ropic)応答および向色性の(chromotropic)応答を媒体する(E. O. Broddeら 、J. Carciovasc. Pharmacol. 8: 1235-1242 (1986); O. E. Broddeら、Z. Kar
diol. 81: 71-78 (1992))。心臓でのβ1ARおよび/またはβ2AR機能の抑圧
は、心不全を悪化する素因となるであろう、なぜなら、両受容体は心臓のポンプ
機能にとって重要だからである。そのようなことは、たとえば、Ile164多
型を含むβ2ARの場合に当てはまる。しかしながら、他の多型も同様に作用す る。
【0020】 興味深いことに、心不全中のある時点では、心臓はβ1ARおよびβ2ARの発
現レベルを低下させることによってβ1ARおよびβ2ARを自ら制御し、おそら
く心臓が過度に刺激されることから保護している。とりわけ、β2AR発現は、 おそらく上昇したカテコールアミンレベルのために、特発性の拡張性(dilated )心筋症を患う患者で顕著に低減していることが認められている(M. R. Bristo
wら、Circ. Res. 59: 297-309 (1986))。慢性の心不全では心臓のβアドレナリ
ン受容体機能は低下しており(おそらく、上昇したカテコールアミンによる内生
の「ダウンレギュレーション」のために)、この低下が該疾患の重篤度と関係し
ている。ある種の多型がこのダウンレギュレーションパターンをインビトロで変
えるとするならば、悪化する心不全のシナリオが予想される。さらに、特発性の
形態を含む欝血性心不全の殆どの形態は、βアゴニストに対する応答性の低下を
特徴とする。
【0021】 ノルアドレナリンはヒトの交感神経系の主要な伝達物質であるので、正常な生
理条件下では、心拍数および心収縮性は心臓のβ1アドレナリン受容体の制御下 にあり、一方、心臓のβ2アドレナリン受容体はマイナーな役割を果たすにすぎ ない。しかしながら、大量のアドレナリン(β1アドレナリン受容体およびβ2
ドレナリン受容体の両受容体に対して同じ親和性で作用する)が副腎髄質から放
出されるストレス状況下では、心臓のβ2アドレナリン受容体の活性化は心拍数 および/または心収縮性のさらなる増大に寄与しうる(O. E. Broddeら、Z. Kar
diol. 81: 71-78 (1992))。
【0022】 同様の制御事象は、心臓組織の喪失がこれら受容体における適応性の変化と関
係する心筋梗塞(心臓発作)の後にも生じる。これらの状況下では、β2ARは 、増大した交感系駆動または外来アゴニストに対する心臓の応答を提供するうえ
で一層大きな役割をさえ果たす。
【0023】 βアドレナリン受容体はまた、血管を拡張することによって血管の緊張をも制
御する。それゆえ、多型受容体、たとえば、Gly16変異体などのためにシグ
ナル伝達が抑制されると、より高い血圧という結果となるであろう。そのような
脳血管の異常な制御は、偏頭痛や卒中に対する素因に導く。同様に、収縮した血
管は、神経性またはアテローム性動脈硬化症性の末梢血管疾患をさらに悪化させ
、血流をさらに制限することが予想される。それゆえ、β1ARおよびβ2ARの
ある種の多型変異体の機能が変化していることは、心血管系疾患に対する個体の
素因または臨床経過に影響を及ぼし得る。
【0024】 β1ARおよびβ2ARはともにグルコース代謝および脂質代謝にとって重要で
ある。両受容体は、脂肪細胞で発現され、脂質分解を増大させる(P. Arner Am.
J. Clin. Nutr. 55: 228S-236S (1992); S. Reynisdottirら、Diabetologia 37
: 428-435 (1994))。それゆえ、たとえば、β2ARのIle164、Gly1 6またはGln27多型変異体で認められるようなβ1ARおよびβ2ARの異常
は、脂質分解を減少させ、肥満に導く。 膵臓におけるインスリン分泌は、グルコース代謝が骨格筋でのβ2ARの発現 のために該受容体の制御下にあるように、β2ARの部分的な制御下にある。そ れゆえ、ある種の多型変異体においてβ2AR機能が変わっていることは、とり わけ肥満と結びついたときに個体に糖尿病に対する素因を与え、あるいは糖尿病
を悪化させる。
【0025】 これら結論は、Turkiらによる最近の刊行物(J. Turkiら、Proc. Natl. Acad.
Sci. (USA) 93: 10483-10488 (1996))によりさらに支持される。Turkiらは、 変異したヒトβ2ARを有するトランスジェニックマウスにおいて心筋のシグナ ル伝達の欠陥を示した。アミノ酸164での多型部位にイソロイシンを含むよう
に部位特異的突然変異誘発を行うことにより変化させたβ2ARを含むトランス ジェニックマウスを作製した。Turkiらは、この変異したβ2ARが受容体カップ
リングに対して有意の影響を及ぼすことを見出した。しかしながら、この研究は
、野生型のβ2ARおよびIle164多型変異体のいずれも内生のマウスβア ドレナリン受容体の背景に対して発現されたという点で若干限界がある。
【0026】 さらに、L. E. Wagonerらは、最近、ある種のβ2AR多型と心不全を患う患者
における運動能力との間にわずかな関連性があることを報告している(L. E. Wa
gonerら、Circulation 94: 8 (Abstract)(1996年10月15日))。心血管 系疾患の発病または臨床経過の予測指標としてのβ1およびβ2多型の有用性につ
いては取り組まれていないが、運動能力は欝血性心不全の臨床経過の要素ではあ
る。
【0027】 最近の論文では、Higashiらは、日本の国民の間でβ3アドレナリン受容体のあ
る種の多型と冠状動脈心疾患との間の見かけの関連性を観察している(Higashi ら、Biochem. Biophys. Res. Comm. 232: 728-730 (1997))。Higashiらは、冠 状動脈疾患を患う患者とβ3アドレナリン受容体の遺伝子におけるTrp64A rg変異との間に統計的に有意な相関関係が存在することを見出した。しかしな
がら、β3アドレナリン受容体はβ1ARおよびβ2ARとは異なる分子であり、 事実、Higashiらはβ1AR、β2AR、これら受容体における多型について検討 しておらず、これら受容体のいずれかと心血管系疾患、肥満または糖尿病との間
の関係については示唆していない。β1ARおよびβ2ARとは対照的に、β3A Rは主としてヒトでは内臓脂肪で発現され、褐色脂肪組織での熱発生および脂質
分解を制御している(S. Kriefら、J. Clin. Invest. 91: 344-349 (1993); N.
J. Rothwellら、Nature 281: 31-35 (1979); P. Trayhurnら、Biochem. Soc. Tr
ans. 14: 236-239 (1986))。β3アドレナリン受容体アゴニストは、抗肥満およ
び抗糖尿病作用を有する(B. Lowellら、J. Clin. Invest. 95: 923 (1995); J.
Himms-Hagenら、Am. J. Physiol. 266: 1371-1382 (1994); S. Tsujiiら、Brai
n Res. 587: 226-232 (1992); T. Yoshidaら、Life Sciences 54: 491-498 (199
4))。
【0028】I.本発明の多型 本発明にとって興味のもたれる特定の遺伝子配列は、β1アドレナリン受容体 (β1AR)およびβ2アドレナリン受容体(β2AR)の遺伝子中に「変異」ま たは「多型」を含む。 動物および植物のゲノムは、天然においてその継続する進化の過程で自然突然
変異を受ける(J. F. Gusella Ann. Rev. Biochem. 55: 831-854 (1986))。こ れら変異は、核酸配列中の特定部位での欠失、挿入、または塩基置換の形態であ
る。この変化した配列および最初の配列は、ある種の集団の中で同時に存在する
。ある場合には、これら変化はその種に対して利点および不利益のいずれをも付
与することなく、その配列の複数の対立遺伝子は安定なまたは準安定な平衡状態
にある。しかしながら、ある場合には、これら変化はその種に生存上または進化
上の有利さを付与し、かくしてこのような変化した対立遺伝子は最終的に(すな
わち、進化的な時間をかけて)その種の多くのメンバーまたは殆どのメンバーの
ゲノム中に組み込まれることになる。他の場合には、この変化した配列は、変異
が個体にある遺伝病を引き起こしたり、ある遺伝病への素因を付与したりする場
合のように、その種に対して不利に働く。本明細書において「変異」または「多
型」なる語は、ある種の幾つかのメンバーの間でDNA配列に変異が存在する状
態をいう。一般に、「変異」なる語は、機能しないタンパク質または機能が実質
的に変化したまたは低減したタンパク質をコードする遺伝子という結果となる多
型、または疾患状態にさらに寄与する多型を意味すべく用いられる。
【0029】 それゆえ、多型は、多型の存在のために、ある種の幾つかのメンバーが一つの
配列を有する遺伝子(たとえば、最初のまたは野生型の「対立遺伝子」)を有し
、一方、他のメンバーは変化した配列(たとえば、変異体または変異した「対立
遺伝子」)を有するという点で「対立遺伝子的」であるといわれる。最も単純な
場合では、ただ一つの配列の変異が存在し、多型は「2対立遺伝子性(dialleli
c)」といわれる。別の変異が生じると「3対立遺伝子(triallelic)」の多型 等を生じ得る。対立遺伝子は、その変異を含むヌクレオチドにより言及できる。
【0030】 それゆえ、「β1アドレナリン受容体」多型または「β1AR」多型なる語は技
術分野の術語であり、β1アドレナリン受容体遺伝子または遺伝子産物の核酸配 列またはアミノ酸配列における多型をいう。参照する目的だけに関し、GenBank 受託番号J03019およびPO8588(ともに参照のため本明細書中に引用
する)は野生型β1アドレナリン受容体遺伝子配列の例である。多型の位置を同 定する目的のためには、β1AR遺伝子のコード領域の開始コドンの第一のヌク レオチド(DNA分子中のATGのアデニンおよびRNA分子中のAUGのアデ
ニン)をヌクレオチド「1」とする。同様に、翻訳されたタンパク質産物の第一
のアミノ酸(メチオニン)をアミノ酸「1」とする。
【0031】 同様に、「β2アドレナリン受容体」多型または「β2AR」多型なる語もまた
技術分野の術語であり、β2アドレナリン受容体遺伝子または遺伝子産物の核酸 配列またはアミノ酸配列における多型をいう。参照する目的だけに関し、GenBan
k受託番号M15169(参照のため本明細書中に引用する)は野生型β2アドレ
ナリン受容体遺伝子配列の例である。多型の位置を同定する目的のためには、β 2 AR遺伝子のコード領域の開始コドンの第一のヌクレオチド(DNA分子中の ATGのアデニンおよびRNA分子中のAUGのアデニン)をヌクレオチド「1
」とする。同様に、翻訳されたタンパク質産物の第一のアミノ酸(メチオニン)
をアミノ酸「1」とする。
【0032】 当業者であれば、核酸分子が二本鎖分子であること、および一方の鎖上の特定
の部位への言及が相補鎖上の対応部位をも言及するものであることを容易に認識
するであろう。それゆえ、多型部位の定義において、ある核酸分子のプラス(セ
ンス)鎖上の特定部位のアデニン、チミン(ウリジン)、シトシンまたはグアニ
ンへの言及はまた、ある核酸分子の相補鎖のマイナス(アンチセンス)鎖上の対
応部位の(それぞれ)チミン(ウリジン)、アデニン、グアニンまたはシトシン
をも包含することを意図する。それゆえ、いずれの鎖に対しても言及してよく、
なお同じ多型部位を含み、オリゴヌクレオチドはいずれの鎖に対してもハイブリ
ダイズすべく設計できる。本明細書において多型部位を同定する際には、単に便
宜上の都合でセンス鎖を言及するものとする。
【0033】 β1ARの遺伝子中において言及した多型および多型部位には、以下のものが 含まれる:
【表1】 β1ARにおける上記多型は、これまでに報告されていないと思われる。野生 型のβ1ARヌクレオチド配列は、一般にヌクレオチド145にアデニンおよび ヌクレオチド1165にグアニンを含む。野生型β1ARタンパク質配列は、一 般にアミノ酸49にセリンおよびアミノ酸389にグリシンを含む。
【0034】 β2ARの遺伝子中において言及した多型および多型部位には、以下のものが 含まれる:
【表2】 β2ARにおいて生じた本発明の好ましい多型は以前に報告されている(E. Re
ihsausら、Am. J. Resp. Cell. Mol. Biol. 8: 334-339 (1993))。野生型のβ2 ARヌクレオチド配列は、一般にヌクレオチド46、79、100、および49
1にそれぞれアデニン、シトシン、グアニン、およびシトシンを含む。野生型の
β2ARタンパク質配列は、一般にアミノ酸16、27、34、および164に それぞれアルギニン、グルタミン、バリン、およびトレオニンを含む。
【0035】本発明の分子 本発明の分子は、とりわけ心血管系疾患、肥満、および糖尿病の診断および予
後に関連する。本明細書において使用する「肥満」および「糖尿病」なる語は当
該技術分野で認識された意味を有する。本明細書において使用する「心血管系疾
患」なる語は、当該技術分野で認識された意味を有し、高血圧、欝血性心不全、
卒中、心筋梗塞、神経性末梢血管疾患、閉塞性末梢血管疾患、および偏頭痛を含
む。本発明の分子は本発明の方法と組み合わせて用いるのが好ましく、本発明の
方法については以下に詳細に説明する。
【0036】 本発明の分子は、ある核酸が他の核酸分子にハイブリダイズしたりプライマー
としてポリメラーゼにより用いられたりする能力などの構造的な寄与に関して「
生物学的に活性」であるのが好ましいであろう。あるいは、そのような寄与は触
媒的なものであってよく、それゆえ薬剤が化学反応または応答を媒体する能力に
関与する。
【0037】 本発明の分子の好ましいクラスは、βアドレナリン受容体分子を含む。好まし
くはβアドレナリン受容体分子はβ1アドレナリン受容体分子またはβ2アドレナ
リン受容体分子であろう。そのような分子は、一本鎖または二本鎖のDNAかま
たはRNAのいずれであってもよい。あるいは、そのような分子はタンパク質お
よび抗体であってよい。そのような分子はまた、βアドレナリン受容体核酸分子
に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドなどの断片、部分およびセグ
メントおよび分子であってよい。そのような分子は、生物学的試料から単離し、
由来し、または増幅させることができる。あるいは、本発明の分子は、化学的に
合成してもよい。本明細書において使用する「単離した」なる語は、βアドレナ
リン受容体分子、標的ポリヌクレオチド、プライマーポリヌクレオチド、または
対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドに結合しているかもしれない、他の物質、
たとえば、核酸、タンパク質、脂質、炭水化物、または他の物質、たとえば、細
胞破砕物または増殖培地を実質的に含んでいない状態をいう。一般に、「単離し
た」なる語は、これら物質が完全に存在しないことをいうわけではない。また、
「単離した」なる語は、一般に本発明の方法を実質的に妨害する量で存在しない
限り、水、緩衝液、または塩を意味するわけでもない。本明細書において使用す
る「生物学的試料」なる語は、一般にDNAかまたはRNAのいずれかの核酸を
含有するあらゆる物質をいう。一般に、そのような物質は、新鮮なものか、固定
化、凍結乾燥、またはパラフィン中に包埋した、血液試料、組織試料、細胞、細
菌、組織切片、または口内スワブ(buccal swab)の形態であってよい。
【0038】 本明細書において「オリゴヌクレオチド」は、約100ヌクレオチド未満から
なるポリヌクレオチド分子として定義される。好ましくは、オリゴヌクレオチド
は長さが10〜35ヌクレオチドである。最も好ましくは、オリゴヌクレオチド
は長さが15〜30ヌクレオチドである。しかしながら、特定のオリゴヌクレオ
チドの正確な長さは多くの因子に依存し、これら多くの因子は今度は該オリゴヌ
クレオチドの最終的な機能または使用に依存するであろう。短いプライマー分子
は、一般に、鋳型と充分安定なハイブリッドを形成するのにより低い温度を必要
とする。
【0039】 プライマーオリゴヌクレオチドなどのオリゴヌクレオチドは一本鎖であるのが
好ましいが、二本鎖であってもよい。二本鎖である場合は、オリゴヌクレオチド
は一般にハイブリダイゼーションの目的に使用する前に、あるいは伸長産物の調
製に使用する前に、まずその鎖を分離するように処理する。好ましくは、オリゴ
ヌクレオチドはオリゴデオキシリボヌクレオチドである。オリゴヌクレオチドは
当該技術分野で知られた適当な手段により化学的に合成することもできるし、ま
たは、たとえば制限消化により生物学的試料から得てもよい。オリゴヌクレオチ
ドの入手源は本発明にとって本質的ではない。オリゴヌクレオチドは、放射性標
識、蛍光標識、酵素標識、タンパク質、ハプテン、抗体、配列タグなどの当該技
術分野で知られた技術に従って標識してよい。本明細書において「ヌクレオチド
」とは、あらゆるリン酸化状態の、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチ
ド、ヌクレオチドの非環状誘導体、およびその機能的等価物をいう。ヌクレオチ
ドの機能的等価物とは、たとえば増幅法において使用するようなポリメラーゼの
基質として働くものをいう。ヌクレオチドの機能的等価物はまた、標的ポリヌク
レオチドに配列特異的な仕方でハイブリダイズする能力を維持しているポリヌク
レオチドに形成されうるものである。
【0040】 そのようなオリゴヌクレオチドは、ゲノムDNA、mRNA、または核酸の他
の適当な源などの核酸試料のプローブとして使用できる。そのような目的のため
には、オリゴヌクレオチドは標的ポリヌクレオチドまたはβAR核酸分子に特異
的にハイブリダイズすることができなければならない。本明細書において、2つ
の核酸分子がハイブリダイズ条件下で逆平行の二本鎖核酸構造を形成することが
できるが、同じ条件下で非βAR核酸分子とインキュベートしたときには二本鎖
構造を実質的に形成できない場合に、2つの核酸分子は互いに特異的にハイブリ
ダイズしうるといわれる。核酸分子は、他の核酸分子に対して完全な相補性を示
すならば、他の核酸分子の「相補体」であるといわれる。本明細書において、一
方の分子のすべてのヌクレオチドが他方の分子のヌクレオチドと相補的であると
きに「完全な相補性」を示すといわれる。2つの分子は、少なくとも通常の「低
ストリンジェント」条件下で互いにアニールすることを可能とするほどに充分な
安定性にて互いにハイブリダイズしうるときに「実質的に相補的」であるといわ
れる。同様に、2つの分子は、通常の「高ストリンジェント」条件下で互いにア
ニールすることを可能とするほどに充分な安定性にて互いにハイブリダイズしう
るときに「相補的」であるといわれる。通常のストリンジェント条件は、たとえ
ば、Sambrook, J.ら(Molecular Cloning, a Laboratory Mannual、第2版、コ ールドスプリングハーバープレス、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク
(1989))、およびHaymes, B. D.ら(Nucleic Acid Hybridization, A Pra
ctical Approach,IRLプレス、ワシントン、DC(1985))(ともに参照
のため本明細書中に引用する)によって記載されている。それゆえ、完全な相補
性にこだわらないことも、分子が二本鎖構造を形成する能力が完全に排除されな
い限り許容しうる。たとえば、プライマーの5'末端に非相補的なヌクレオチド 断片を付加することもでき、該プライマーの配列の残りの部分は鎖に相補的であ
る。あるいは、非相補的な塩基または一層長い配列をプライマー中に分散させる
こともできるが、ただし、そのプライマー配列は使用した目的のためにハイブリ
ダイズさせようとする鎖の配列と充分な相補性を有していなければならない。し
かしながら、検出の目的のためには、とりわけ標識した配列特異的なプローブを
用いた場合、プライマーは一般に最良の結果を得るために正確な相補性を有して
いる。
【0041】 それゆえ、オリゴヌクレオチドが対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドとして
働くためには、一般に使用した特定の環境条件下で標的ポリヌクレオチドと配列
が相補的で、安定な二本鎖構造を形成し得なければならない。「対立遺伝子特異
的なオリゴヌクレオチド」とは、検出しようとする配列、変異または多型を包含
する標的ポリヌクレオチドの領域にはハイブリダイズすることができるが、検出
しようとする配列、変異または多型を含まないかまたは変化した配列、変異また
は多型を含む標的ポリヌクレオチドの対応領域には実質的にハイブリダイズする
ことができないオリゴヌクレオチドをいう。当業者には認識されるであろうよう
に、対立遺伝子特異的であることは絶対的な条件を示すことを意味しない。対立
遺伝子特異性は、塩およびホルムアミドの濃度、ハイブリダイゼーションおよび
洗浄の条件、およびストリンジェンシーを含む様々な環境条件に依存するであろ
う。分析しようとする配列に依存して、1またはそれ以上の対立遺伝子特異的オ
リゴヌクレオチドを各標的ポリヌクレオチドのために使用してよい。好ましくは
、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドは標的ポリヌクレオチドに完全に相補的
であろう。しかしながら、完全な相補性にこだわらないことも許容されうる。
【0042】 しかしながら、オリゴヌクレオチドがプライマーオリゴヌクレオチドとして働
くためには、一般に、使用した特定の環境条件下で安定な二本鎖構造を形成しう
るに充分な配列相補性のみが必要とされる。環境条件の確立には、一般に、溶媒
および塩濃度の選択、インキュベーション温度、およびインキュベーション時間
が関与する。本明細書において「プライマー」または「プライマーオリゴヌクレ
オチド」とは、たとえば、PCR反応におけるように、ある核酸鎖に相補的なプ
ライマー伸長産物の合成が誘発される条件下に置かれたときに合成の開始点とし
て働き得る、本明細書で定義するオリゴヌクレオチドをいう。非プライマーオリ
ゴヌクレオチドと同様に、プライマーオリゴヌクレオチドはまた、放射性標識、
蛍光標識、酵素標識、タンパク質、ハプテン、抗体、配列タグなどの当該技術分
野で知られた技術に従って標識してよい。
【0043】 本発明の方法を行うに際して、オリゴヌクレオチドまたは標的ポリヌクレオチ
ドは溶液中にあるかまたは固相支持体に固定させてよい。一般に、対立遺伝子特
異的オリゴヌクレオチドを固相支持体に付着させるが、本発明のある態様におい
ては、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドが溶液中にあるであろう。そのよう
な幾つかの態様においては、標的ポリヌクレオチドを固相支持体に結合させるの
が好ましい。対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドかまたは標的ポリヌクレオチ
ドを固相支持体に付着させる態様において、付着は共有結合かまたは非共有結合
のいずれかであってよい。付着は、たとえば、抗体−抗原タイプの相互作用、ポ
リL−Lys、ストレプトアビジンまたはアビジン−ビオチン、塩架橋、疎水性
相互作用、化学結合、UV架橋、燒結などにより行ってよい。さらに、対立遺伝
子特異的オリゴヌクレオチドは固相支持体上に直接合成するか、または合成後に
固相支持体上に付着させてよい。好ましい態様においては、対立遺伝子特異的オ
リゴヌクレオチドを、遊離の3'−OHがポリメラーゼ媒体プライマー伸長に利 用できるように固相支持体に付着させる。
【0044】 本発明のために適した固相支持体としては、シリコン(silicon)、ガラス、 プラスチック(ポリスチレン、ナイロン、ポリプロピレンなど)、紙などで構築
された基体が挙げられる。固相支持体は、たとえば、ウエル(96−ウエルディ
ッシュにおけるように)、プレート、スライド、シート、膜、ファイバー、チッ
プ、ディッシュ、およびビーズに形成できる。本発明のある態様においては、対
立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドまたは標的ポリヌクレオチドの固定化を容易
にするために固相支持体を処理し、コーティングし、または誘導体化する。好ま
しい処理としては、ポリL−Lys、ストレプトアビジン、抗体、シラン誘導体
、低塩、または酸を用いたコーティング、処理、または誘導体化が挙げられる。
【0045】本発明の多型および分子の使用 本発明の多型および分子は、最も好ましくは心血管系疾患、肥満、および糖尿
病の診断および予後に用いられる。あるいは、本発明の多型および分子は、合成
アゴニストまたはアンタゴニストに対する個体の応答性を予測するのに用いる、
すなわち、上記疾患に対する適当な治療計画を決定するのを補助するのに用いる
ことができる。
【0046】 好ましくは、βアドレナリン受容体分子中の少なくとも一つの多型の同定を決
定する。一般に、本発明の方法を行うに際して、1を越える多型の同定を決定す
る。幾つかの好ましい態様においては、約2および約6の多型部位の間の同定を
決定するが、他の数の多型部位の同定も可能である。本発明の非常に好ましい態
様においては、β1ARおよびβ2ARの両方の少なくとも一つの多型を同定する
。本発明の他の好ましい態様においては、β1ARまたはβ2ARの両方ではなく
一方の少なくとも一つの多型を同定する。本発明の好ましい態様においては、β 2 ARの4つの多型部位の同定およびβ1ARの2つの多型部位の同定を決定する
【0047】 最も好ましくは、本発明の多型および分子は、β1ARまたはβ2ARの遺伝子
の少なくとも一つの多型部位の同定を決定し、および該同定を少なくとも一つの
心血管系疾患の発病または臨床経過の予測指標として使用するのに利用する。心
血管系疾患の例としては、高血圧、欝血性心不全、卒中、心筋梗塞、神経性およ
び閉塞性の末梢血管疾患および偏頭痛が挙げられる。本発明はさらに、肥満およ
び/または糖尿病の発病または臨床経過の予測指標としてのβ1ARおよびβ2
Rの使用に関する。
【0048】 そのような用途からはかけ離れて、本発明の多型および分子は、合成βARア
ゴニストおよびアンタゴニストの投与に対する個体の感受性または応答性を診断
または予測するのに用いることができる。ある個体は、そのような化合物に対し
て低減した応答性を示す(S. B. Ligget、The Genetics of Asthma, S. B. Ligg
etら(編)(1995))。それゆえ、本発明は、そのような感受性を診断または予測
するため、並びに適切な患者投薬法の選択のガイダンスとして用いることができ
る。
【0049】本発明の方法 本発明の多型は、種々の適当な方法のいずれを用いても特徴付けることができ
る。適当な方法としては、直接または間接シークエンシング法、制限部位分析、
ハイブリダイゼーション法、核酸増幅法、ゲル移動法、多型において異なる対立
遺伝子によってコードされるタンパク質に特異的な抗体の使用が挙げられ、また
は他の適当な手段によることができる。あるいは、多くのそのような方法は当該
技術分野でよく知られており、たとえば、T. Maniatisら、Molecular Cloning,
a Laboratory Manual、第2版、コールドスプリングハーバープレス、コールドス
プリングハーバー、ニューヨーク(1989)、J. W. Zyskindら、Recombinant
DNA Laboratory Manual、アカデミックプレス、ニューヨーク(1988)、お
よびR. Elles, Molecular Diagnosis of Genetic Diseases、ヒューマナプレス 、トトワ、ニュージャージー(1996)(それぞれ参照のため本明細書中に引
用する)に記載されている。
【0050】 同定法は、ポジティブタイプかまたはネガティブタイプのいずれかであってよ
い。ポジティブタイプ法は多型部位に含まれるヌクレオチドの同定を決定するの
に対して、ネガティブタイプ法では多型部位に存在しないヌクレオチドの同定を
決定する。それゆえ、野生型部位は、野生型としてかまたは変異体でないとして
のいずれかで同定される。たとえば、野生型対立遺伝子がアデニンを含み変異体
対立遺伝子がシトシンを含む2対立遺伝子多型では、部位はアデニンまたはシト
シンのいずれかであるとしてポジティブに決定されるか、またはアデニンではな
いか(それゆえシトシンである)またはシトシンではない(それゆえアデニンで
ある)としてネガティブに決定される。他の例として、ハイブリダイゼーション
ベースのアッセイにおいて、変異部位を含む標的ポリヌクレオチドは、該変異部
位を含む対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることによっ
てポジティブに同定されるか、または野生型対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチ
ドにハイブリダイズできないことによりネガティブに同定される。同様に、制限
部位は存在するかまたは欠失するとして決定される。
【0051】本発明の直接シークエンシング法 ジデオキシヌクレオチドシークエンシング(サンガー)、サイクルシークエン
シング、またはマクサム−ギルバートシークエンシングなどの方法による直接シ
ークエンシングが、標的ポリヌクレオチドの多型部位のヌクレオチドの同定を決
定するのに適した方法の例である。そのような方法は当該技術分野において広く
知られており、上記文献に詳細に論述されている。
【0052】 DNAシークエンシングのジデオキシ媒体法およびマクサム−ギルバート法の
両方法とも、配列決定しようとするDNA分子を前以て単離する必要がある。配
列情報は、反応生成物を電気泳動分析(一般にポリアクリルアミドゲルを使用す
る)に供することにより得られる。それゆえ、試料をゲルのレーンに適用し、ゲ
ル上の移動速度により入れ子状断片の様々な種が互いに分離される。単一のレー
ンで分離することのできる入れ子状断片の数は、サンガー法あるいはマクサム−
ギルバート法のいずれを使用するかに関係なく、約200〜300である。それ
ゆえ、標的ポリヌクレオチド中の特定の多型部位のヌクレオチドの同定のために
は、一般に無関係の配列情報が得られる。直接シークエンシングの主要な利点は
、以前には同定されていなかった多型部位の位置決定のために利用できる点にあ
る。
【0053】 遺伝子多型のための有用なアッセイの開発を妨げる問題の一つは、多くの場合
、複数の多型遺伝子座の同定を決定することが望ましいことである。このことに
より、しばしば、ゲノムの有意の領域をシークエンシングするかまたは個々の患
者試料で複数のアッセイを行うことが必要とされる。
【0054】本発明の制限部位分析法 制限酵素は特定のヌクレオチド配列に特異的である。本発明のある態様におい
ては、多型部位のヌクレオチドの同定は、制限酵素部位の存在または不在により
決定される。多数の制限酵素が当該技術分野において知られており、これらを総
合すれば、これら制限酵素は多くの多型の少なくとも一つの対立遺伝子を認識し
うる。制限酵素のこの性質は、多型部位を同定するための様々な方法に利用する
ことができる。制限断片長多型(RFLP)分析は、制限酵素を用いて多型部位
を同定するのに適した方法の一例である(Lentesら、Nucleic Acids Res. 16: 2
359 (1988);およびC. K. McQuittyら、Hum. Genet. 93: 225 (1994))。RFL P分析では、少なくとも一つの標的ポリヌクレオチドを少なくとも一つの制限酵
素で消化し、得られた「制限断片」をゲル中での移動度に基づいて分離する。一
般に、小さな断片の方が大きな断片よりも速やかに移動する。したがって、特定
の制限酵素認識部位を含む標的ポリヌクレオチドは2またはそれ以上の一層小さ
な断片に消化され、これら断片は該制限酵素部位を欠く一層大きな断片よりも速
やかに移動するであろう。標的ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列の知見、多
型部位の性質、および制限酵素認識配列の知見が、そのようなアッセイの設計の
ガイダンスとなるであろう。
【0055】本発明のハイブリダイゼーション法 多型部位のヌクレオチドを同定するための幾つかの適当なハイブリダイゼーシ
ョンベースの方法が記載されている。一般に、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオ
チドはそのようなハイブリダイゼーションベースの方法を行うのに用いられる。
好ましくは、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドは、多型部位を含む領域のβ
AR分子の1つの対立遺伝子のみと特異的にハイブリダイズしうるものを選択す
る。1を超える多型部位を同定する態様においては、完全な相補体にハイブリダ
イズしたときに互いに5℃以内の融解温度を有する対立遺伝子特異的オリゴヌク
レオチドのセットを選択するのが好ましい。最も好ましくは、そのような対立遺
伝子特異的オリゴヌクレオチドのセットは、互いに2℃以内の融解温度を有する
ように選択する。適当なハイブリダイゼーション法の例は、Molecular Cloning,
A Laboratory Manual(第2版、Sambrook, FritschおよびManiatis、コールド スプリングハーバー);およびCurrent Protocols in Molecular Biology(Ausu
bel、Brent、Kingston、More、Feidman、SmithおよびStuhl編、グリーンパブリ ッシングアソシエーション、Wiley-Interscience、ニューヨーク、ニューヨーク
、1992)などの標準マニュアルまたは他の当該技術分野で知られたマニュア
ルに記載されている。好ましいハイブリダイゼーション法の例としては、サザー
ンハイブリダイゼーション、ノーザンハイブリダイゼーション、およびドットブ
ロットハイブリダイゼーション、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドハイブリ
ダイゼーション(Hallら、The Lancet 345: 1213-1214 (1995))、逆ドットブロ
ットハイブリダイゼーション(Sakaiら、Nucl. Acids. Res. 86: 6230-6234 (19
89))、DNAチップハイブリダイゼーション(Drmanacら、米国特許第5,20 2,231号)、および対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドへのハイブリダイ ゼーションが挙げられる。
【0056】 たとえば、Macevicz(米国特許第5,002,867号)は、オリゴヌクレオチ
ドプローブの複数の混合物とのハイブリダイゼーションにより核酸配列情報を得
る方法を記載している。そのような方法によれば、標的ポリヌクレオチドの配列
は、一つの位置に変異していないヌクレオチドを有し他の位置に変異したヌクレ
オチドを有するプローブのセットと該標的ポリヌクレオチドを順次ハイブリダイ
ズさせることにより決定される。Macevicz法では、標的をプローブのセットとハ
イブリダイズさせ、該セットの少なくとも一つの成員が標的にハイブリダイズす
ることのできる部位の数(すなわち、「マッチ」の数)を決定することにより、
標的のヌクレオチド配列を決定する。この手順を、プローブのセットの各成員が
試験されるまで繰り返す。
【0057】本発明のポリメラーゼ媒体プライマー伸長法 Goelet, P.ら(WO92/15712、参照のため本明細書中に引用する)に
よって開示され、以下に議論する「ジェネティックビットアナリシス(Genetic
Bit Analysis)」(「GBA」)法は、標的ポリヌクレオチド中の前以て決定さ
れた多型部位のヌクレオチドの同定を決定するための好ましい方法である。GB
Aは多型部位インテロゲーション(interrogation)法であって、標的核酸配列 中の多型部位の周囲のヌクレオチド配列情報を用い、該標的ポリヌクレオチドの
多型部位中の可変ヌクレオチドに直ぐ隣接しているが該可変ヌクレオチドを含ま
ない領域に相補的なオリゴヌクレオチドプライマーを設計するものである。標的
ポリヌクレオチドを生物学的試料から単離し、インテロゲーション(interrogat
ing)プライマーにハイブリダイズさせる。本発明の幾つかの態様において、標 的ポリヌクレオチドを単離後、インテロゲーションプライマーにハイブリダイズ
させる前に適当な手段により増幅させてよい。プライマーを、しばしば1または
それ以上のチェインターミネーターヌクレオシド三リン酸前駆体(または適当な
アナログ)の存在下、ポリメラーゼを用い、ジデオキシヌクレオチドなどの単一
の標識ターミネーターヌクレオチドにより伸長させる。それにより検出可能なシ
グナルが生成される。本発明の幾つかの態様においては、伸長反応の前にオリゴ
ヌクレオチドを固相支持体に結合させる。他の態様においては、伸長反応は溶液
中で行い、伸長した生成物をその後に固相支持体に結合させる。
【0058】 GBAの他のサブ態様においては、プライマーを検出可能に標識し、伸長した
プライマー生成物の固相支持体への結合を可能とするために伸長したターミネー
ターヌクレオチドを修飾する。これの例は、プライマーが蛍光標識してあり、タ
ーミネーターヌクレオチドがビオチン標識ターミネーターヌクレオチドであり、
固相支持体がアビジンまたはストレプトアビジンでコーティングもしくは誘導体
化されているものである。それゆえ、そのような態様では、伸長したプライマー
は固相支持体に結合できるが、伸長していないプライマーは固相支持体に結合で
きず、そのようにして伸長反応の成功に依存して検出可能なシグナルが生成され
る。
【0059】 リガーゼ/ポリメラーゼ媒体ジェネティックビットアナリシス(米国特許第5
,679,524号、参照のため本明細書中に引用する)は、多型部位のヌクレオ
チドの同定を決定するのに適したポリメラーゼ媒体プライマー伸長法の他の例で
ある。リガーゼ/ポリメラーゼGBAは2つのプライマーを利用する。一般に、
一方のプライマーは検出可能に標識してあり、他方のプライマーは固相支持体に
付着すべく設計されている。リガーゼ/ポリメラーゼGBAの他の態様において
は、伸長したヌクレオチドを検出可能に標識する。リガーゼ/ポリメラーゼGB
Aのプライマーは、多型部位の両側のそれぞれにハイブリダイズし、多型部位を
含む間隙が生ずるように設計する。伸長反応が成功し、その後にライゲーション
反応が成功した場合にのみ、検出可能なシグナルを生成しうる。この方法は、ハ
イブリダイゼーションかまたはプライマー伸長のみを用いる方法により得られる
場合よりも相当低いバックグラウンドにてシグナルを生成するという利点を提供
する。
【0060】 Cohen, D.ら(PCT出願WO91/02087)は、多型部位の同定の決定 に適した方法の他の例を記載しており、これは所望の遺伝子座の配列を決定する
ためにジデオキシヌクレオチドを用いて単一のプライマーを単一のヌクレオチド
により伸長させるものである。Daleら(PCT出願WO90/09455)は、
プライマーを単一のジデオキシヌクレオチド種とともに用いて「可変部位」の配
列決定する方法を開示している。Daleらの方法はさらに、複数のプライマーの使
用および分離要素の使用を開示している。Ritterband, M.ら(PCT出願WO9
5/17676)は、そのような標的分子を液体試料中で分離、濃縮および検出
するための装置を記載している。Cheeseman, P. C. (米国特許第5,302,5 09号)は、一本鎖DNA分子の配列を決定するための関連方法を記載している
。Cheesemanの方法は、蛍光標識し3'ブロックしたヌクレオチド三リン酸を用い
るものであり、各塩基は異なる蛍光標識を有している。
【0061】 Wallaceら(PCT出願WO89/10414)は、対立遺伝子特異的プライ マーを用いることにより標的の複数の領域を同時に増幅するのに用いることので
きるマルチプレックスPCR法を記載している。対立遺伝子特異的プライマーを
用いることにより、特定の対立遺伝子が試料中に存在する場合にのみ増幅が起こ
り得ることになる。
【0062】 DNA中の多型部位をアッセイするための幾つかの他の適当なプライマーを介
したヌクレオチド導入法が記載されている(Komher, J. S.ら、Nucl. Acids. Re
s. 17: 7779-7784 (1989); Sokolov, B. P.、Nucl. Acids Res. 18: 3671 (1990
); Syv舅en, A.-C.ら、Genomics 8: 684-692 (1990); Kuppuswamy, M. N. ら、P
roc. Natl. Acad. Sci. (USA) 88: 1143-1147 (1991); Prezant, T. R. ら、Hum
. Mutat. 1: 159-164 (1992); Ugozzoli, L. ら、GATA 9: 107-112 (1892); Nyr
駭, P. ら、Anal. Biochem. 208: 171-175 (1993))。これら方法はすべて、多 型部位の塩基間で識別するための標識デオキシヌクレオチドの導入に依存してい
る点でGBAと異なる。そのようなフォーマットでは、シグナルは導入されたデ
オキシヌクレオチドの数に比例するので、同じヌクレオチドの泳動(runs)にお
いて生じた多型は、泳動の長さに比例したシグナルという結果となるであろう(
Syv舅en, A.-C.ら、Amer. J. Hum. Genet. 52: 46-59 (1993))。そのような範 囲の遺伝子座特異的なシグナルは、GBA法により生成されるシグナルの単純な
3(2:0、1:1または0:2)クラスに比べて、とりわけへテロ接合体の場
合に解釈が一層複雑でありうる。
【0063】本発明による増幅方法 本発明のある態様において、標的ポリヌクレオチド中の多型部位の検出は、核
酸増幅法を使用することにより容易にできる。そのような方法は、標的ポリヌク
レオチド(すなわち、多型部位にまたがるか、または該部位を包含する配列、お
よび該部位の遠位または近位に位置する配列)の濃度を特異的に増大させるため
に用いる。そのような増幅した分子は、ゲル電気泳動または他の手段により容易
に検出できる。
【0064】 そのような増幅を達成するのに最も好ましい方法はPCR(たとえば、Mullis
ら、米国特許第4,965,188号)を用いるものであり、二本鎖の形態で多型
部位を定めるかまたは多型部位をフランキングする近位配列にハイブリダイズし
うるプライマーペアを用いる。
【0065】 本発明の幾つかの態様においては、たとえば対立遺伝子特異的PCR(J. Tur
kiら、J. Clin. Invest. 95: 1635-1641 (1995))の場合のように、増幅方法そ れ自体が多型部位の同定の決定方法である。対立遺伝子特異的PCRでは、増幅
が所望の多型を含有する投入鋳型核酸に依存するようにプライマーペアを選択す
る。そのような態様においては、少なくとも一つのプライマーが対立遺伝子特異
的なオリゴヌクレオチドプライマーであるようにプライマーペアを選択する。本
発明の幾つかのサブ態様においては、増幅が制限部位を創製し、多型部位の同定
を容易にするように対立遺伝子特異的プライマーを選択する。本発明の他の態様
においては、標識ポリヌクレオチドの増幅をマルチプレックスPCRにより行う
(Wallaceら(PCT出願WO89/10414))。マルチプレックスPCR を用いることにより、標的ポリヌクレオチドの複数の領域を同時に増幅すること
ができる。これは、1を超える多型を検出する態様においては特に有利である。
【0066】 PCRの代わりに、「リガーゼチェイン反応」(「LCR」)(Barany, F. Pro
c. Natl. Acad. Sci. (USA) 88: 189-193 (1991))などの他の方法を用いること
ができる。LCRでは2ペアのオリゴヌクレオチドプローブを用いて特定の標的
を指数関数的に増幅させる。オリゴヌクレオチドの各ペアの配列は、該ペアが標
的の同じ鎖の隣接する(abutting)配列にハイブリダイズすることを可能とする
ように選択する。そのようなハイブリダイゼーションは、鋳型に依存したリガー
ゼの基質を形成する。PCRの場合と同様に、得られた生成物はその後の増幅サ
イクルにおいて鋳型として働き、所望の配列の指数関数的な増幅という結果とな
る。
【0067】 本発明によれば、同じ鎖に由来し多型部位の近位および遠位に位置する配列を
有するオリゴヌクレオチドを用いてLCRを行うことができる。一つの態様にお
いて、いずれかのオリゴヌクレオチドが多型の実際の多型部位を含むように設計
する。そのような態様においては、反応条件は、標的分子がオリゴヌクレオチド
上に存在する多型部位に相補的な多型部位中に特定のヌクレオチドを含む場合に
のみ該オリゴヌクレオチドがライゲートされ得るように選択する。
【0068】 別の態様において、標的分子にハイブリダイズしたときに少なくとも一つのヌ
クレオチドの「間隙」が生成されるように、オリゴヌクレオチドは多型部位を含
まないであろう(Segev, D.、PCT出願WO90/01069参照)。ついで 、この間隙は、相補的なdNTPか(DNAポリメラーゼにより媒体されて)、
またはさらなるオリゴヌクレオチドのペアにより「埋められる」。それゆえ、各
サイクルの終わりには各一本鎖は次サイクルにおいて鋳型として働き得る相補体
を有し、所望の配列の指数関数的な増幅が得られる。
【0069】 「オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ」(「OLA」)(Landegren, U
.ら、Science 241: 1077-1080 (1988))はLCRとある点で類似しており、これ
も多型の分析に適した方法である。OLAプロトコールでは、標的の一本鎖の隣
接する配列にハイブリダイズしうるように設計した2つのオリゴヌクレオチドを
用いる。OLAはLCRと同様、点変異の検出に特に適している。しかしながら
、OLAはLCRと違って標的配列の指数関数的増幅ではなく「線形的な」増幅
という結果となる。
【0070】 Nickerson, D. A.らは、PCRとOLAとの特性を組み合わせた核酸検出アッ
セイを記載している(Nickerson, D. A.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. (USA) 87:
8923-8927 (1990))。この方法では標的DNAの指数関数的な増幅を達成する ためにPCRを用い、ついでOLAを用いて検出している。
【0071】 「ジ−オリゴヌクレオチド」となる配列を有する核酸の存在下で2つの(また
はそれ以上の)オリゴヌクレオチドをライゲーションし、それによりジ−オリゴ
ヌクレオチドを増幅することに基づく方法は知られており(Wu, D. Y.ら、Genom
ics 4: 560 (1989); Adams, C.、WO94/03630)、これもまた本発明の
目的に適した方法である。
【0072】 他の核酸増幅法、たとえば、転写ベースの増幅系(Malek, L. T.ら、米国特許
第5,130,238号;Davey, C.ら、ヨーロッパ特許出願第329,822号;
Schusterら、米国特許第5,169,766号;Miller, H. I.ら、PCT出願W O89/06700;Kwoh, D.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. (USA) 86: 1173 (1
989); Gingeras, T. R.ら、PCT出願WO88/10315)、または等温増 幅法(Walker, G. T.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. (USA) 89: 392-396 (1992))
もまた用いることができる。
【0073】本発明のゲル移動法 一本鎖高次構造多型(SSCP;M. Oritaら、Genomics 5: 874-879 (1989; H
umphriesら、Molecular Diagnosis of Genetic Diseases、R. Elles編、321-340
頁(1996))および温度勾配ゲル電気泳動(TGGE;R. M. Wartellら、Nucl.
Acids Res. 18: 2699-2706 (1990))は、多型部位の同定を決定するのに適した
ゲル移動ベースの方法の例である。SSCPにおいて、一本鎖DNAはその配列
組成に唯一依存した高次構造をとるであろう。この高次構造は単一の塩基でも変
化すれば通常異なる。それゆえ、本発明のある態様において、多型部位を同定す
るためにSSCPを利用することができ、その際、標的ポリヌクレオチドの増幅
産物(またはその制限断片)を変性させ、ついで非変性ゲル上で泳動させる。そ
れゆえ、得られた産物の移動度の変化は塩基変化の指標となる。適当な対照およ
び野生型対立遺伝子の「正常な」移動パターンの知見を用いて多型変異を同定す
る。
【0074】 TGGEは、核酸試料を変性ゲル上で泳動させる他は同類の手順である。多型
部位を同定するのにTGGEを利用する本発明の態様においては、増幅産物(一
般にはPCR産物)を変性ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動させ、その際、
温度勾配を標的ポリヌクレオチドセグメントの分離に最適なものとする(E. Rei
hsausら、Am. J. Respir. Cell Mol. Biol. 8: 334-339 (1993)、参照のため本 明細書中に引用する)。この方法は、標的ポリヌクレオチド配列中の単一塩基変
化を検出することができる。
【0075】 以上、本発明を一般的に記載したので、本発明は下記実施例を参照して一層容
易に理解されるであろう。これら実施例は説明のためにのみ提供されるものであ
って、特に断らない限り本発明を限定することを意図するものではない。実施例I 欝血性心不全(CHF)を患う患者におけるβ1ARおよびβ2AR遺伝子多型の 頻度および分布 正常な被験者および初期および後期CHFを患う患者のグループをβ1ARお よびβ2AR遺伝子の欠陥について分析し、ついで5年間の期間、臨床的に追跡 調査した。これにより、これら遺伝子のどの変異が心血管系疾患の病因において
主要な役割を果たしているか、またはその臨床経過に影響を及ぼすかについて決
定することが可能となる。
【0076】患者の選択 3つのグループの患者を調べた:正常なグループ、初期CHF(N.Y.H.A.
機能クラスI-II)による心不全を患う被験者のグループおよび後期CHFによる
心不全(N.Y.H.A.機能クラスIII-IV)を患う被験者のグループである。対照
グループは、慢性疾患の病歴がなく、高血圧、心臓病または肺疾患の家族歴もな
い正常なボランティアからなる。幾つかの研究においては、移植に用いられなか
った正常な外植ドナー心臓から正常な対照心臓の試料を得た。
【0077】一般的なアプローチ 正常な被験者および初期ないし後期CHFを患う被験者のグループを選択する
。ベースラインの超音波心臓動態図、ECG、運動ストレス試験(exercise str
ess tests)および兆候の評価を得る。実施例IIにおけるようにGBAにより β1ARおよびβ2ARの遺伝子多型を分析するために採血する。ついで、患者お
よび正常被験者を5年間にわたって追跡調査し、兆候の進行および心血管機能の
客観的測定値を経時的に記載する。上記調査および兆候の評価を毎年繰り返して
行う。遺伝子分析に携わる者は最初から患者の臨床状態については知らされてい
ない。上記心臓機能試験および兆候評価を行う者、並びにこれら患者の診療をす
る医師はβ1ARおよびβ2ARの遺伝子型について知らされていない。患者を追
跡調査するにつれ、何人かの患者の状態は重篤に経過する。最初の遺伝子分析か
ら、どのβ1ARおよびβ2AR変異がDCMにおいて特別の病因としての役割を
担っているかを決定する。さらに、特定のβAR遺伝子欠陥の性質を該疾患の臨
床経過と関連付ける。
【0078】実施例II β1アドレナリン受容体およびβ2アドレナリン受容体多型のジェネティックビッ トアナリシス 末梢血リンパ球(PBL)をフィコール/ハイパック遠心によりヒト全血から
単離する。標的ゲノムDNAをSDS/プロテイナーゼK法(Maniatis, T. Mol
ecular Cloning, A Laboratory Manual、コールドスプリングハーバープレス、 コールドスプリングハーバー、1989)を用いてPBLから単離する。オリゴ
ヌクレオチドをSkerraの方法, Vosbergらの方法およびNoronhaらの方法(A. Ske
rra Nucleic Acids Research 20: 3551-3554 (1992); H. P. Vosbergら、Bioche
mistry 16: 3633 (1977); C. M. de Noronhaら、PCR Methods Appl. 2: 131-6 (
1992); T. Nikiforov 米国特許第5,518,900号)に従って固相合成により
調製する。
【0079】 β1AR分子のヌクレオチド145および1165およびβ2AR分子のヌクレ
オチド46、79、100および491を含む領域を増幅するのに充分なプライ
マーを用い、標的ポリヌクレオチドをマルチプレックスPCRにより患者ゲノム
DNAから増幅させる。各多型部位含有領域を増幅するのに2つのプライマーの
セットを一つ用いる。それゆえ、24の異なるPCRプライマーを用いる。増幅
産物がそれぞれ約200ヌクレオチドの長さとなるようにプライマーを選択する
【0080】 それぞれβ1AR中の以下の多型の一つに特異的な対立遺伝子特異的オリゴヌ クレオチドを合成する:Ser49、Gly49、Gly389、Arg389
。それぞれβ2AR中の以下の多型の一つに特異的な対立遺伝子特異的オリゴヌ クレオチドをも合成する:Arg16、Gly16、Gln27、Glu27、
Val34、Met34、Thr164、およびIle164。 各対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(全部で12)を、アミノリンク2(
Applied Biosystems)を用いて製造業者の推奨に従い、5'末端をアミノ誘導体 化する。
【0081】 ついで、各5'末端修飾した対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドを、50μ lの3mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH6、20mM 1−エチル−3−(3−
ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)中で室温にて一夜インキュ ベートすることにより96−ウエルディッシュ(Nunc)の個々のウエルに2つず
つ共有カップリングする。カップリング後、プレートを10mMトリスpH7. 5/150mM NaCl/0.05%トゥイーン20で3回洗浄する。
【0082】 20μlのハイブリダイゼーション緩衝液を幾つかの空のウエルに対照として
加える。20μlのハイブリダイゼーション緩衝液中の標的ポリヌクレオチド溶
液を、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドを結合させた各ウエルおよび幾つか
の空のウエルに加える。さらなる対照として、20μlのハイブリダイゼーショ
ン緩衝液中の標的ポリヌクレオチド溶液を、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチ
ドを結合させていない幾つかのウエルに加える。ディッシュを覆い、55℃で3
0分間インキュベートして標的DNAを固定化オリゴヌクレオチドとハイブリダ
イズさせる。ついでウエルを洗浄する。
【0083】 ついで、4つの識別しうる蛍光標識したジデオキシヌクレオチド三リン酸(d
dATP、ddTTP、ddGTP、ddCTPに対応)、MnCl2、および 修飾T7DNAポリメラーゼを含有する20μlのポリメラーゼ伸長混合物を各
ウエルに加え、反応液を室温でインキュベートする。 結合した各プライマーを、単一の蛍光標識チェインターミネーターddNTP
によりポリメラーゼで伸長させる。ついで、酵素媒体蛍光シグナルが、サイトフ
ルオール(Cytofluor)II蛍光プレートリーダーを用いて得られる。これら結 果は、各多型部位の同定をポジティブに決定する。
【0084】実施例III β2AR多型と死亡または移植のリスク 279人の心不全患者を登録し、実施例Iと同様に臨床的に追跡調査する。各
個体から採血し、β2ARのThr164、Ile164、Arg16、および Gly16多型に特異的なプライマーを用いて実施例IIと同様にして遺伝子型
を決定する。279人の心不全患者の予備的な結果を図1および図2に示す。
【0085】 図1は、生存と本研究に登録してからの追跡調査日数との間の関係を示す。I
le164β2AR多型を有する個体は、Thr164(野生型)受容体を有す る個体と比べたときに死亡または心臓移植の必要性の機会が一層高い。相対リス
クは4.54であり、有意性はp=0.0014である。
【0086】 図2は、Arg16β2AR多型における死亡または移植の相対リスクを示す 。図2において、死亡または移植の相対リスクをArg16β2AR多型につい ての追跡調査日数に対してプロットしてある。ごく初期の時点ではリスクは有意
ではない。しかしながら、時間の経過につれてリスク値は5に近づく。
【0087】実施例IV 心不全を患わない個体においてβAR多型が血圧に及ぼす影響 心不全を患わない20人のボランティアから採血し、β2ARのGly16お よびArg16多型に特異的なプライマーを用いて実施例IIと同様にして遺伝
子型を決定する。ついで、血圧を安静時に測定する。その結果を表3に示す。こ
れから明らかなように、Gly16多型は有意に高い拡張期および平均動脈血圧
(MAP)と関連している。
【表3】 *p<0.01(Arg16を有する個体と比較)
【0088】実施例V βAR遺伝子の欠陥とインビボでの心臓機能との相関 採血し、実施例IIと同様にして患者の遺伝子型を決定する。βAR遺伝子の
欠陥をインビボでの心臓のβAR機能と相関させるため、選択したβAR遺伝子
欠陥を有する患者を血行力学的に調べ、注入したドブタミン(dobutamine)に対
する心臓βARの機能的応答性を決定する。
【0089】実施例VI CHFを患う患者におけるβARの発現および機能 採血し、実施例IIと同様にして患者の遺伝子型を決定する。CHFを患う患
者におけるβ1ARおよびβ2ARの遺伝子変異を、左の心筋心内膜炎生検から得
た組織における受容体の発現および機能と相関させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 心不全を有する患者における経時的な生存を示すグラフであって
、生存とアミノ酸164におけるβ2AR多型の同定との間の関係を示す。心不 全を有する279人の患者を登録した実験を示す。
【図2】 登録からの追跡調査の日数に対してプロットした、死亡かまたは
心臓移植のいずれかの相対リスクのグラフを示す。心不全を有する279人の患
者での実験を示す。

Claims (80)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 標的ポリヌクレオチドのβ1アドレナリン受容体分子の多型
    部位の同定を決定するためのオリゴヌクレオチドであって、 (a)該標的ポリヌクレオチドはβ1アドレナリン受容体分子のセグメントを含
    み、 (b)該セグメントは該多型部位を含み、 (c)該オリゴヌクレオチドは該セグメントに相補的である ことを特徴とするオリゴヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 該多型部位に相補的であり、対立遺伝子特異的オリゴヌクレ
    オチドである、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 該多型部位を含まず、プライマーオリゴヌクレオチドである
    、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 該多型部位が、該β1アドレナリン受容体分子のコード領域
    のヌクレオチド位置145を含む、請求項2に記載の対立遺伝子特異的オリゴヌ
    クレオチド。
  5. 【請求項5】 該β1アドレナリン受容体分子が該β1アドレナリン受容体
    分子のコード領域のヌクレオチド位置145にアデニンを含む、請求項4に記載
    の対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 該β1アドレナリン受容体分子が該β1アドレナリン受容体
    分子のコード領域のヌクレオチド位置145にグアニンを含む、請求項4に記載
    の対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド。
  7. 【請求項7】 該多型部位が、該β1アドレナリン受容体分子のコード領域
    のヌクレオチド位置145を含む、請求項3に記載のプライマーオリゴヌクレオ
    チド。
  8. 【請求項8】 該多型部位が、該β1アドレナリン受容体分子のコード領域
    のヌクレオチド位置1165を含む、請求項2に記載の対立遺伝子特異的オリゴ
    ヌクレオチド。
  9. 【請求項9】 該β1アドレナリン受容体分子が該β1アドレナリン受容体
    分子のコード領域のヌクレオチド位置1165にグアニンを含む、請求項8に記
    載の対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド。
  10. 【請求項10】 該β1アドレナリン受容体分子が該β1アドレナリン受容
    体分子のコード領域のヌクレオチド位置1165にシトシンを含む、請求項8に
    記載の対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド。
  11. 【請求項11】 該多型部位が、該β1アドレナリン受容体分子のコード領
    域のヌクレオチド位置1165を含む、請求項3に記載のプライマーオリゴヌク
    レオチド。
  12. 【請求項12】 放射性標識、蛍光標識、バイオルミネセンス標識、化学ル
    ミネセンス標識、核酸、ハプテン、または酵素標識よりなる群から選ばれた標識
    で標識されている、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
  13. 【請求項13】 標的ポリヌクレオチドの所定の領域を増幅するためのプラ
    イマーオリゴヌクレオチドであって、該領域はβアドレナリン受容体分子の多型
    部位を含み、該プライマーオリゴヌクレオチドは該標的ポリヌクレオチドに実質
    的に相補的であり、それにより該標的ポリヌクレオチドの該領域の増幅を可能と
    することを特徴とする、プライマーオリゴヌクレオチド。
  14. 【請求項14】 該領域がβ1アドレナリン受容体分子のコード領域のヌク
    レオチド位置145を含む、請求項13に記載のプライマーオリゴヌクレオチド
  15. 【請求項15】 該領域がβ1アドレナリン受容体分子のコード領域のヌク
    レオチド位置1165を含む、請求項13に記載のプライマーオリゴヌクレオチ
    ド。
  16. 【請求項16】 診断目的または予後の目的で個体の少なくとも一つのβア
    ドレナリン受容体分子を分類する方法であって、 (a)該個体からの生物学的試料から少なくとも一つのβアドレナリン受容体分
    子を含む標的ポリヌクレオチドを単離し、 (b)該標的ポリヌクレオチドを少なくとも一つのオリゴヌクレオチドの存在下
    でインキュベートし、該オリゴヌクレオチドは該標的ポリヌクレオチドに相補的
    であり、該標的ポリヌクレオチドは該βアドレナリン受容体分子の少なくとも一
    つの多型部位を含み、その際、該インキュベーションは標的ポリヌクレオチドと
    該オリゴヌクレオチドとの間で特異的なハイブリダイゼーションが起こるのに充
    分な条件下で行うものであり、それによって該特異的なハイブリダイゼーション
    は該標的ポリヌクレオチドの少なくとも一つの多型の同定の決定を可能するもの
    であり、 (c)該標的ポリヌクレオチドの少なくとも一つの多型部位の同定を決定し、つ
    いで (d)該多型部位の同定に従って該診断目的または予後の目的のために該βアド
    レナリン受容体分子を分類する ことを含む方法。
  17. 【請求項17】 該ハイブリダイゼーションを行う前に、該標的ポリヌクレ
    オチドの該多型部位の少なくとも一つを含む少なくとも一つの領域を増幅させる
    ことをさらに含む、請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 該βアドレナリン受容体分子がβ1アドレナリン受容体分
    子である、請求項16に記載の方法。
  19. 【請求項19】 該βアドレナリン受容体分子がβ2アドレナリン受容体分
    子である、請求項16に記載の方法。
  20. 【請求項20】 該ハイブリダイゼーションがサザーンブロットハイブリダ
    イゼーションである、請求項16に記載の方法。
  21. 【請求項21】 該ハイブリダイゼーションがドットブロットハイブリダイ
    ゼーションである、請求項16に記載の方法。
  22. 【請求項22】 該ハイブリダイゼーションが逆ドットブロットハイブリダ
    イゼーションである、請求項16に記載の方法。
  23. 【請求項23】 該ハイブリダイゼーションがノーザンブロットハイブリダ
    イゼーションである、請求項16に記載の方法。
  24. 【請求項24】 該ハイブリダイゼーションが対立遺伝子特異的オリゴヌク
    レオチドハイブリダイゼーションである、請求項16に記載の方法。
  25. 【請求項25】 該オリゴヌクレオチドが、放射性標識、蛍光標識、バイオ
    ルミネセンス標識、化学ルミネセンス標識、核酸、ハプテン、または酵素標識よ
    りなる群から選ばれた標識で標識されている、請求項16に記載の方法。
  26. 【請求項26】 ジデオキシシークエンシングを含む方法により該同定を決
    定する、請求項16に記載の方法。
  27. 【請求項27】 制限消化を含む方法により該同定を決定する、請求項16
    に記載の方法。
  28. 【請求項28】 対立遺伝子特異的ポリメラーゼ反応を含む方法により該同
    定を決定する、請求項16に記載の方法。
  29. 【請求項29】 一本鎖高次構造多型分析を含む方法により該同定を決定す
    る、請求項16に記載の方法。
  30. 【請求項30】 ジェネティックビットアナリシスを含む方法により該同定
    を決定する、請求項16に記載の方法。
  31. 【請求項31】 温度勾配ゲル電気泳動を含む方法により該同定を決定する
    、請求項16に記載の方法。
  32. 【請求項32】 リガーゼチェイン反応を含む方法により該同定を決定する
    、請求項16に記載の方法。
  33. 【請求項33】 リガーゼ/ポリメラーゼジェネティックビットアナリシス
    を含む方法により該同定を決定する、請求項16に記載の方法。
  34. 【請求項34】 オリゴヌクレオチドアレイを含む方法により該同定を決定
    する、請求項16に記載の方法。
  35. 【請求項35】 該多型遺伝子座が該β1アドレナリン受容体分子のヌクレ
    オチド位置145を含む、請求項18に記載の方法。
  36. 【請求項36】 該多型遺伝子座が該β1アドレナリン受容体分子のヌクレ
    オチド位置1165を含む、請求項18に記載の方法。
  37. 【請求項37】 該多型遺伝子座が該β2アドレナリン受容体分子のヌクレ
    オチド位置46を含む、請求項19に記載の方法。
  38. 【請求項38】 該多型遺伝子座が該β2アドレナリン受容体分子のヌクレ
    オチド位置79を含む、請求項19に記載の方法。
  39. 【請求項39】 該多型遺伝子座が該β2アドレナリン受容体分子のヌクレ
    オチド位置100を含む、請求項19に記載の方法。
  40. 【請求項40】 該多型遺伝子座が該β2アドレナリン受容体分子のヌクレ
    オチド位置491を含む、請求項19に記載の方法。
  41. 【請求項41】 該診断および予後の目的が、高血圧、欝血性心不全、卒中
    、心筋梗塞、神経性末梢血管疾患、閉塞性末梢血管疾患、および偏頭痛よりなる
    群から選ばれた心血管系疾患の発病のリスクを決定するものである、請求項16
    に記載の方法。
  42. 【請求項42】 該診断および予後の目的が、高血圧、欝血性心不全、卒中
    、心筋梗塞、神経性末梢血管疾患、閉塞性末梢血管疾患、および偏頭痛よりなる
    群から選ばれた心血管系疾患の臨床経過を予測するものである、請求項16に記
    載の方法。
  43. 【請求項43】 該診断および予後の目的が、肥満および糖尿病よりなる群
    から選ばれた疾患の臨床経過を予測するものである、請求項16に記載の方法。
  44. 【請求項44】 該診断および予後の目的が、肥満および糖尿病よりなる群
    から選ばれた疾患の発病のリスクを決定するものである、請求項16に記載の方
    法。
  45. 【請求項45】 患者における心血管疾患、肥満または糖尿病の診断方法で
    あって、工程: (A)核酸ハイブリダイゼーションが可能な条件下で、オリゴヌクレオチドと該
    患者の生物学的試料から得られた相補的な標的ポリヌクレオチドとをインキュベ
    ートし、該オリゴヌクレオチドはβアドレナリン受容体分子を含むポリヌクレオ
    チドに特異的にハイブリダイズするポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を含み
    、その際、該オリゴヌクレオチドと該患者から得られた該標的ポリヌクレオチド
    との間の核酸ハイブリダイゼーションは、該患者でβアドレナリン受容体活性に
    影響を及ぼす多型の検出を可能とし、 (B)該オリゴヌクレオチドと該患者から得られた該標的ポリヌクレオチドとの
    間でハイブリダイゼーションを起こさせ、ついで (C)該多型の存在を検出し、その際、該多型の検出は心血管系疾患、肥満およ
    び糖尿病から選ばれる疾患の診断である を含む方法。
  46. 【請求項46】 該βアドレナリン受容体がβ1アドレナリン受容体である
    、請求項45に記載の方法。
  47. 【請求項47】 該βアドレナリン受容体がβ2アドレナリン受容体である
    、請求項45に記載の方法。
  48. 【請求項48】 該オリゴヌクレオチドが該多型を含む、請求項45に記載
    の方法。
  49. 【請求項49】 該多型がSer49多型である、請求項45に記載の方法
  50. 【請求項50】 該多型がGly49多型である、請求項45に記載の方法
  51. 【請求項51】 該多型がGly389多型である、請求項45に記載の方
    法。
  52. 【請求項52】 該多型がArg389多型である、請求項45に記載の方
    法。
  53. 【請求項53】 該多型がArg16多型である、請求項45に記載の方法
  54. 【請求項54】 該多型がGly16多型である、請求項45に記載の方法
  55. 【請求項55】 該多型がGln27多型である、請求項45に記載の方法
  56. 【請求項56】 該多型がGlu27多型である、請求項45に記載の方法
  57. 【請求項57】 該多型がVal34多型である、請求項45に記載の方法
  58. 【請求項58】 該多型がMet34多型である、請求項45に記載の方法
  59. 【請求項59】 該多型がThr164多型である、請求項45に記載の方
    法。
  60. 【請求項60】 該多型がIle164多型である、請求項45に記載の方
    法。
  61. 【請求項61】 Gly49多型である、β1アドレナリン受容体分子中の
    多型。
  62. 【請求項62】 Arg389多型である、β1アドレナリン受容体分子中
    の多型。
  63. 【請求項63】 βアドレナリン受容体分子中に少なくとも一つの多型部位
    を同定することを含む、心血管系疾患、肥満、および糖尿病よりなる群から選ば
    れた患者における疾患の診断または予後方法。
  64. 【請求項64】 該βアドレナリン受容体がβ1アドレナリン受容体である
    、請求項63に記載の方法。
  65. 【請求項65】 該βアドレナリン受容体がβ2アドレナリン受容体である
    、請求項63に記載の方法。
  66. 【請求項66】 該オリゴヌクレオチドが該多型を含む、請求項63に記載
    の方法。
  67. 【請求項67】 該多型がSer49多型である、請求項63に記載の方法
  68. 【請求項68】 該多型がGly49多型である、請求項63に記載の方法
  69. 【請求項69】 該多型がGly389多型である、請求項63に記載の方
    法。
  70. 【請求項70】 該多型がArg389多型である、請求項63に記載の方
    法。
  71. 【請求項71】 該多型がArg16多型である、請求項63に記載の方法
  72. 【請求項72】 該多型がGly16多型である、請求項63に記載の方法
  73. 【請求項73】 該多型がGln27多型である、請求項63に記載の方法
  74. 【請求項74】 該多型がGlu27多型である、請求項63に記載の方法
  75. 【請求項75】 該多型がVal34多型である、請求項63に記載の方法
  76. 【請求項76】 該多型がMet34多型である、請求項63に記載の方法
  77. 【請求項77】 該多型がThr164多型である、請求項63に記載の方
    法。
  78. 【請求項78】 該多型がIle164多型である、請求項63に記載の方
    法。
  79. 【請求項79】 β1アドレナリン受容体分子またはβ2アドレナリン受容体
    分子中の多型を検出するためのキットであって、 (A)β1アドレナリン受容体分子またはβ2アドレナリン受容体分子の領域を増
    幅するためのプライマーを収容した第一の容器、および (B)該多型を検出するためのプライマーを収容した第二の容器 を含むキット。
  80. 【請求項80】 該検出プライマーが固相支持体に結合している、請求項7
    9に記載のキット。
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