JP2001518485A - オートホービックヘアスプレー組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ヘアスプレー組成物においてオートホービック挙動を誘発するかまたは高めるための、ヘアスプレー組成物中の添加剤としての少なくとも０．５重量％の水の使用。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 発明の分野 本発明はヘアスプレー組成物に関する。本発明はより詳細には、オートホービ
ック（ａｕｔｏｐｈｏｂｉｃ）ヘアスプレー組成物、即ち、乾燥時にヘアスプレ
ー組成物を収縮させ、それによってヘアスプレー組成物の保持および感触を向上
させるポリマーのようなある種の添加剤を組み込んだヘアスプレー組成物に関す
る。

【０００２】 発明の背景および先行技術 従来のヘアスプレー配合物はエタノールを基剤とし、従って、毛髪に高度湿潤
系を形成する。毛髪繊維上にエアゾール液体粒子が凝集し、次に、エタノールが
蒸発して固体ポリマー残留物を残すことによって、繊維−繊維結合の網状構造に
導く。結合配列がヘアスタイルを所定のスタイルに保持する。高度湿潤系に一般
的であるように、毛髪にスプレーされた配合物の液体粒子形態は、繊維の周囲に
おいてほぼ対称であり、接触角は０度か、または０度に近い。

【０００３】 しかし、堅さ、こわばり感、べとつき、または不自然感のような否定的感覚の
知覚に現れる、ポリマーによる毛髪の被覆における望ましくない結果が存在する
。

【０００４】 米国特許第４８７１５２９号は、乾燥時に収縮するヘアスプレー組成物を生じ
る、特殊なシリコーンコポリオールを使用する、エタノール溶媒を基剤とするヘ
アスプレー組成物を開示している。これは、組成物の大きい液体粒子を形成し、
繊維間に大きい接合部位を生じる「オートホービック効果」として、記載されて
いる。このような付着物の局在性は、より強い結合およびより高度の保持を付与
すると記載されている。

【０００５】 米国特許第４８７１５２９号において、ＳＩＬＷＥＴ（登録商標）Ｌ−７６０
２（Ｕｎｉｏｎ Ｃａｒｂｉｄｅから入手可能）、ポリアルキレンオキシド基が
Ｓｉ−Ｃ結合によってシロキサン主鎖に結合しているポリエチレンオキシド改質
ジメチルポリシロキサンによって、オートホービック効果が得られる。ＳＩＬＷ
ＥＴ（登録商標）Ｌ−７６０２は下記の一般式：

【０００６】

【化４】 で示される一般的な種類の「アルキル側鎖」型コポリオールである。

【０００７】 ＳＩＬＷＥＴ（登録商標）Ｌ−７６０２において、特に、ｎ＝０、ｍ≧１、お
よびＺはメチル基である。

【０００８】 本明細書において「アルキル側鎖」シリコーンコポリオールは、ポリアルキレ
ンオキシド基が、それらが結合しているシリコーン主鎖の長さに沿って、しばし
ば任意に、種々の部位に散在しているのが見られる、結果として「櫛状」構造を
有する、シリコーンコポリオールである。

【０００９】 発明の要旨 我々は、米国特許第４８７１５２９号における試験に使用されたガラススライ
ドに対して、実際の毛髪繊維におけるオートホービックヘアスプレー配合物の作
用形式を調べた。米国特許第４８７１５２９号の記載に反して、オートホービッ
ク効果に重要なのは有機シリコーンコポリマーの分子構造でないことを我々は見
い出した。一方、ポリマーが有機シリコーンコポリマーであることさえ重要でな
いことを見い出した。

【００１０】 これは、先行技術において認識されていなかった。最初に、米国特許第４８７
１５２９号において、試験された他のジメチコンコポリオールが、それらの種々
の分子量および特性にもかかわらず組成物をオートホービックにしなかったとい
う点において、シリコーンコポリオールＳＩＬＷＥＴ（登録商標）Ｌ−７６０２
が特殊であると記載されている。

【００１１】 そうではなく、毛髪繊維におけるオートホービック特性はヘアスプレー配合物
中の水の含有に大きく依存することを我々は見い出した。

【００１２】 米国特許第４８７１５２９号は、水が存在する場合でも、その系における水の
最少限の量を勧めており、これは毛髪に渦巻き状のものを放出する傾向があると
記載しているので、これは驚くべきことである。

【００１３】 有利なことに、本発明によって水を含有することによって、持続性のある毛髪
保持を付与し、しかも、堅さおよび不自然感のような否定的感触を減少させる、
特に効果的なオートホービックヘアスプレー配合物を製造することができる。

【００１４】 さらに、本発明は、ヘアスプレーにおけるシリコーンコポリマーまたは他のオ
ートホービックヘアスプレー添加剤の選択に関して、より高い配合融通性を付与
する。

【００１５】 さらに、ヘアスプレーの揮発性有機含有物に関する法律が制定されたことによ
り、比較的高い含水量を有する系を処方することがますます要望されている。

【００１６】 従って、第一の局面において、本発明は、ヘアスプレー組成物のオートホービ
ック挙動を誘発するかまたは高めるための、ヘアスプレー組成物中の添加剤とし
ての少なくとも０．５重量％の水の使用を開示する。

【００１７】 第二の局面において、本発明は、ヘアスプレー組成物のオートホービック挙動
を誘発するかまたは高めるための、ヘアスプレー組成物中の添加剤としての少な
くとも０．５重量％の水を使用であって、該組成物が、少なくとも０．５重量％
の水の他に、 ａ） ０．５〜１０重量％のヘアスプレー樹脂； ｂ） ０〜５０重量％のエアゾール噴射剤；および ｃ） ０．０５〜２重量％のオートホービックヘアスプレー界面活性剤またはポ
リマーであって、少なくとも０．５重量％の水と共にオートホービック挙動を示
し、および （ｉ） 式（Ｉ）：

【００１８】

【化５】 ［式中、ｍおよびｎは０〜５０の整数であり；ｘおよびｙはコポリオールに少な
くとも６００の分子量を与えるように選択される整数であり；Ｚは水素またはＣ _１〜４ アルキル基である］ で示されるアルキル側鎖シリコーンコポリオール； （ｉｉ） 式（ＩＩ）：

【００１９】

【化６】 ［式中、ｎはコポリオールに少なくとも６００の分子量を与えるように選択され
る整数であり；ｘおよびｘ’は１〜１２の整数であり；ａ、ａ’、ｂ、ｂ’は０
〜５０の整数であり；Ｒは水素またはＣ_１〜４アルキル基である］ で示されるジメチコンコポリオール； （ｉｉｉ） 式（ＩＩＩ）：

【００２０】

【化７】 ［式中、ｘおよびｎはコポリオールに少なくとも５００の分子量を与えるように
選択される整数であり；ｙは１〜１２の整数であり；ａおよびｂは０〜５０の整
数である］ で示されるポリジメチコンコポリオール； （ｉｖ） アルキルエトキシレート；および （ｖ） フッ素界面活性剤； から成る群から選択されるオートホービックヘアスプレー界面活性剤またはポリ
マー； を含んで成ることを特徴とする前記使用を開示する。

【００２１】 第三の局面において、本発明は、 ａ） ０．５〜１０重量％のヘアスプレー樹脂； ｂ） ０〜５０重量％のエアゾール噴射剤；および ｃ） 少なくとも０．５重量％の水；ならびに ｄ） 前記に定義された式（ＩＩ）のジメチコンコポリオール、前記に定義され
た式（ＩＩＩ）のポリジメチコンコポリオール、アルキルエトキシレート、およ
びフッ素界面活性剤から成る群から選択される、０．０５〜２重量％のオートホ
ービックヘアスプレー界面活性剤またはポリマー； を含んで成るヘアスプレー組成物を提供する。

【００２２】 （発明の詳細な説明） ヘアスプレー樹脂 本発明の組成物に使用されるヘアスプレー樹脂は、ヘアスプレー組成物の揮発
性成分の蒸発後に、フィルムを形成し、使用者の毛髪を所定のスタイルに保持し
得るものでなければならない。

【００２３】 ヘアスプレー樹脂は既知の市販品であり、ポリマーを性質においてカチオン、
アニオン、両性、またはノニオン（非イオン性）にする成分を含有する多くの樹
脂状ポリマーが商業的に入手可能である。最適な噴霧適性を付与するために、ヘ
アスプレー組成物に使用されるポリマーは一般に、５，０００〜１００，０００
、より好ましくは１０，０００〜５０，０００の数平均分子量を有する。ポンプ
スプレーの使用に関しては、１０，０００〜５０，０００の数平均分子量を有す
るヘアスプレー樹脂が一般に使用される。

【００２４】 樹脂の量は、ヘアスプレー組成物の０．５〜１０重量％、好ましくは１．５〜
６重量％である。

【００２５】 アニオンヘアスプレー樹脂の例は、酢酸ビニルおよびクロトン酸のコポリマー
；酢酸ビニル、クロトン酸、およびビニルネオデカノエートのようなα分岐鎖飽
和脂肪族モノカルボン酸のビニルエステルのターポリマー；エタノールまたはブ
タノールのような１〜４個の炭素原子を有する飽和アルコールによって５０％エ
ステル化されている、メチルビニルエーテルおよび無水マレイン酸のコポリマー
（モル比約１：１）；および、アニオン基を有する成分としてアクリル酸または
メタクリル酸を有する、アクリルコポリマー、ターポリマー等；および、１〜２
２個の炭素原子を有する１種またはそれ以上の飽和アルコールとアクリル酸また
はメタクリル酸とのエステル、例えば、メチルメタクリレート、エチルアクリレ
ート、エチルメタクリレート、ｎ−ブチルアクリレート、ｔ−ブチルアクリレー
ト、ｔ−ブチルメタクリレート、ｎ−ブチルメタクリレート、ｎ−ヘキシルアク
リレート、ｎ−オクチルアクリレート、ラウリルメタクリレート、およびベヘニ
ルアクリレート；１〜６個の炭素原子を有するグリコール、例えばヒドロキシプ
ロピルメタクリレートおよびヒドロキシエチルアクリレート；スチレン；ビニル
カプロラクタム；酢酸ビニル；アクリルアミド；アルキル基において１〜８個の
炭素原子を有するアルキルアクリルアミドおよびメタクリルアミド、例えば、メ
タクリルアミド、ｔ−ブチルアクリルアミドおよびｎ−オクチルアクリルアミド
；および他の相溶性不飽和モノマーである。１つの特定の例は、メタクリル酸、
ｎ−ブチルアクリレートおよびエチルアクリレートの乳化重合ターポリマー（例
えば、重量％比３１：４２：２７）である。他の特定の例は、Ｕｌｔｒａｈｏｌ
ｄ（登録商標）８（アクリレート／アクリルアミドコポリマーのＣＴＦＡ−Ｃｏ
ｓｍｅｔｉｃ， Ｔｏｉｌｅｔｒｉｅｓ ａｎｄ Ｆｒａｇｒａｎｃｅ Ａｓｓ
ｏｃｉａｔｉｏｎによる名称）である。

【００２６】 ｔ−ブチルアミノエチルメタクリレートのようなモノマーから誘導されるカチ
オン基、およびアクリル酸またはメタクリル酸のようなモノマーから誘導される
カルボキシル基を有することができる両性ポリマーも、本発明に使用することが
できる。両性ヘアスプレー樹脂の１つの特定の例は、Ｎａｔｉｏｎａｌ Ｓｔａ
ｒｃｈ ａｎｄ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎによって市販され
ているＡｍｐｈｏｍｅｒ（登録商標）である。

【００２７】 ノニオンヘアスプレー樹脂の例は、Ｎ−ビニルピロリドンのホモポリマー、お
よびＮ−ビニルピロリドンおよび酢酸ビニルのような相溶性ノニオンモノマーの
コポリマー、およびエチルアクリレート、ブチルメタクリレートおよびメチルメ
タクリレートのターポリマーである。種々の重量平均分子量においてＮ−ビニル
ピロリドンを含有するノニオンポリマー、例えば、ＩＳＰ（前ＧＡＦ Ｃｏｒｐ
ｏｒａｔｉｏｎ）によって商品名ＰＶＰ Ｋ−９０として市販されている約６３
０，０００の平均分子量を有するＮ−ビニルピロリドンのホモポリマー、および
商品名ＰＶＰ Ｋ−１２０として市販されている約１，０００，０００の平均分
子量を有するＮ−ビニルピロリドンのホモポリマーが、ＩＳＰ Ｃｏｒｐｏｒａ
ｔｉｏｎから商業的に入手可能である。

【００２８】 カチオンヘアスプレー樹脂の例は、アミノ官能アクリレートモノマー、例えば
低級アルキルアミノアルキルアクリレートまたはメタクリレートモノマー、例え
ばジメチルアミノエチルメタクリレートと、相溶性モノマー、例えば、Ｎ−ビニ
ルピロリドン、ビニルカプロラクタム、またはアルキルメタクリレート、例えば
メチルメタクリレートおよびエチルメタクリレート、アルキルアクリレート、例
えばエチルアクリレートおよびｎ−ブチルアクリレートとのコポリマーである。

【００２９】 Ｎ−ビニルピロリドンを含有するカチオンポリマーは、商品名Ｃｏｐｏｌｙｍ
ｅｒ ８４５およびＣｏｐｏｌｙｍｅｒ ９３７（平均分子量約１，０００，０
００の、Ｎ−ビニルピロリドンとｔ−ブチルアミノエチルメタクリレートのコポ
リマー）、および商品名Ｇａｆｑｕａｔ（登録商標）７５５および７５５Ｎ（硫
酸ジメチルを、Ｎ−ビニルピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートの
コポリマーと反応させることによって生成される、平均分子量約１，０００，０
００の、第四級アンモニウムポリマー）のように、ＩＳＰ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉ
ｏｎから商業的に入手可能である。

【００３０】 ある種の樹脂に関しては、溶解性／分散性を高めるために、いくつかの酸根を
中和する必要がある。好適な中和剤の例は、２−アミノ−２−メチル−１，３−
プロパンジオール（ＡＭＰＤ）；２−アミノ−２−エチル−１，３−プロパンジ
オール（ＡＥＰＤ）；２−アミノ−２−メチル−１−プロパノール（ＡＭＰ）；
２−アミノ−１−ブタノール（ＡＢ）；モノエタノールアミン（ＭＥＡ）；ジエ
タノールアミン（ＤＥＡ）；トリエタノールアミン（ＴＥＡ）；モノイソプロパ
ノールアミン（ＭＩＰＡ）；ジイソプロパノール−アミン（ＤＩＰＡ）；トリイ
ソプロパノールアミン（ＴＩＰＡ）；およびジメチルステアラミン（ＤＭＳ）を
包含する。米国特許第４８７４６０４号に記載されているように、ヘアスプレー
樹脂がカルボキシル基を有する場合に、ラウラミドプロピルジメチルアミンのよ
うな長鎖アミン中和剤が使用されうる。中和剤の量は、約０．００１〜約１０重
量％である。

【００３１】 水 本発明の組成物は水を含有し、これは、オートホービック効果を生じるのに重
要であることを我々が見い出した。０．５重量％未満の含水量においては、明確
な効果が得られない。

【００３２】 含水量の上限は、本発明に重要ではないが、含水量が高すぎる場合に、毛髪に
べとつき感を与えるヘアスプレー配合物の傾向によって一般に決められる。しか
し、ヘアスプレーの揮発性有機含有物に関する法律が制定されたことによって、
比較的高い含水量の系を処方することがますます要望されている。従って、最高
３０重量％、さらには４５〜５５重量％の含水量が適切である。

【００３３】 エタノールを基剤とするエアゾール固着スプレーに関する一般的な含水量は、
２〜１０重量％、好ましくは２〜６重量％である。「スタイル形成」スプレーに
関しては一般に、より高い含水量が好ましく、含水量は一般に、５〜１５重量％
、好ましくは５〜１０重量％である。

【００３４】 本発明による水の使用によって、いかにオートホービック効果を誘発するかま
たは高めるのかは、解明されていない。いかなる理論にも縛られるわけではない
が、水の存在が、オートホービックヘアスプレーポリマーに関係する界面変化を
生じさせると考えられる。

【００３５】 オートホービックヘアスプレー界面活性剤またはポリマー 前記式（Ｉ）の例示アルキル側鎖シリコーンコポリオールは、米国特許第４８
７１５２９号に記載されており、例えば、シリコーンコポリオールＳＩＬＷＥＴ
（登録商標）Ｌ−７６０２である。米国特許第４８７１５２９において、シリコ
ーンコポリオールＳＩＬＷＥＴ（登録商標）Ｌ−７６０２が、試験された他のジ
メチコンコポリオールが組成物をオートホービックにしなかったという点におい
て、特殊であると述べられている。これに反して、本発明の発明者らは、ヘアス
プレー組成物におけるオートホービック特性は、ＳＩＬＷＥＴ（登録商標）Ｌ−
７６０２に特有ではないことを見い出した。

【００３６】 前記式（ＩＩ）のジメチコンコポリオールは、交互のポリアルキレンオキシド
およびシリコーンブロックの存在により、「ＡＢＡ」型コポリマーと指称される
場合がある。これらは、「アルキル側鎖」型コポリマーではない故に、ＳＩＬＷ
ＥＴ（登録商標）Ｌ−７６０２と異なる性質のものである。

【００３７】 同様に、前記式（ＩＩＩ）のポリジメチコンコポリオールは、（ＡＢ）ｎ型コ
ポリマーと指称される場合がある。これらも「アルキル側鎖」型ではない。

【００３８】 式（ＩＩ）および（ＩＩＩ）のコポリオールの分子量は、５００〜５０，００
０であるのが好ましい。

【００３９】 式（ＩＩ）の好適なジメチコンコポリオールは、Ｒが水素であり、ａが０であ
る、約２０００の分子量を有する、ＯＳｉ Ｓｐｅｃｉａｌｔｉｅｓによって市
販されているＳＩＬＳＯＦＴ（登録商標）９００、および、それぞれＴＥＧＯＰ
ＲＥＮ（登録商標）３０１２および５８３０としてＧｏｌｄｓｃｈｍｉｄｔによ
って市販されている物質である。

【００４０】 式（ＩＩＩ）の好適なポリジメチコンコポリオールが、米国特許第４２４２４
６６号に記載されている。例えば、ａおよびｂが両方とも０より大きく、約１５
０，０００の分子量を有する、ＯＳｉ ＳｐｅｃｉａｌｔｉｅｓによってＳＩＬ
ＳＯＦＴ（登録商標）４８７として市販されている物質である。

【００４１】 特に意外なことに、オートホービックヘアスプレーポリマーが有機シリコーン
コポリマーであることが重要ですらないことを本発明の発明者らは見い出した。
ある種の界面活性剤も、水と共にこの挙動を示すことが明らかにされた。

【００４２】 本発明の組成物においてオートホービック挙動を示すことが見いだされたアル
キルエトキシレートの例は、式（ＩＶ）： Ｃ_ｎＨ_２ｎ＋１（ＯＣＨ_２ＣＨ_２）_ｘＯＲ （ＩＶ） ［式中： ｎは５〜２０、好ましくは８〜１８、最も好ましくは１２〜１４の整数であり
； ｘは３〜５０、好ましくは３〜３０の整数であり；および Ｒは水素またはＣ_１〜４アルキル基、例えばメチルであり、好ましくは水素で
ある］ で示されるアルキルエトキシレートである。

【００４３】 例えば、２５モルのエチレンオキシドによってエトキシル化されている、ヤシ
脂肪アルコール（Ｃ_８〜Ｃ_１８、主としてＣ_１２〜Ｃ_１４）であるＧＥＮＡＰＯ
Ｌ（登録商標）Ｃ−２５０（Ｈｏｅｃｈｓｔ Ｃｅｌａｎｅｓｅから入手可能）
、および、５モルのエチレンオキシドによってエトキシル化されているＣ_９〜Ｃ _１１ アルコールであるＤＯＢＡＮＯＬ（登録商標）９１−５（Ｓｈｅｌｌから入
手可能）である。

【００４４】 フッ素界面活性剤は、分子の疎水性セグメントがフッ素を有する界面活性剤で
ある。疎水性セグメントの少なくとも１個の水素原子がフッ素を有する。疎水性
物質は、完全にフッ素化（過フッ素化）されていても部分的にフッ素化されてい
てもよい。従来の界面活性剤と同様に、フッ素界面活性剤もアニオン、カチオン
、両性およびノニオンの４つのタイプに分類することができる。それらの構造的
特徴が、Ｅｒｉｃ Ｋｉｓｓａによって“Ｆｌｕｏｒｉｎａｔｅｄ Ｓｕｒｆａ
ｃｔａｎｔｓ − Ｓｕｒｆａｃｔａｎｔ Ｓｃｉｅｎｃｅ Ｓｅｒｉｅｓ Ｖ
ｏｌ．５０”、Ｍａｒｃｅｌ Ｄｅｋｋｅｒ Ｉｎｃ．，１９９４，Ｃｈａｐｔ
ｅｒ １に記載されている。

【００４５】 本発明の組成物において、オートホービック挙動を示すことが見い出されたフ
ッ素界面活性剤の例は、式（Ｖ）：

【００４６】

【化８】 ［式中、Ｒ_ｆはフッ素含有疎水性物質である］ で示される、Ｄｏｗ／３ＭによってＬ１３５６４として市販されている物質であ
る。

【００４７】 製品形態 本発明のヘアスプレー組成物は、エアゾールまたは非エアゾール形態において
スプレーとして配合することができ、従って、噴射剤装填エアゾール容器、また
は噴射剤を使用せずに操作されるポンプスプレー容器から、吐出させることがで
きる。

【００４８】 ヘアスプレー組成物を加圧エアゾール容器から吐出させる場合に、エアゾール
噴射剤を組成物に含有しなければならない。この噴射剤は、容器から他の物質を
放出し、ヘアスプレーの特徴を形成するのに寄与する。

【００４９】 噴射剤ガスは、エアゾール容器に従来使用されるどのような液化性ガスであっ
てもよい。好ましくは噴射剤またはそれらの混合物の密度は、ヘアスプレー濃度
より低く、従って、純粋な噴射剤が容器から放出されない。好適な噴射剤の例は
、単一で、または混合して使用される、ジメチルエーテル、プロパン、ｎ−ブタ
ンおよびイソブタンである。噴射剤の他の例は、窒素、二酸化炭素、および圧縮
空気である。

【００５０】 噴射剤ガスの量は、エアゾール技術において既知の一般的要因によって決めら
れる。ヘアスプレーに関して、噴射剤の量は一般に、全組成物の約３〜約５０％
、好ましくは約５〜約４５％、最適には約３５〜４５％である。

【００５１】 任意成分 本発明の組成物は、ヘアスプレーに一般に使用される他の成分を含有すること
ができる。これらの他の成分は、消泡剤、タンパク質、加湿剤、酸化防止剤、香
料、抗微生物剤、および日焼け防止剤を包含する。これらの各成分は、その目的
を果たすのに有効な量で存在する。

【００５２】 包装 本発明のヘアスプレー配合物は、所望であれば、噴射剤を使用せずに操作され
るポンプスプレー容器に包装される。あるいは、従来法によって密閉され、次に
噴射剤を装填される、好適な加圧性容器に、組成物を装填することもできる。

【００５３】 下記実施例は、本発明の実施態様をより詳しく例示する。

【００５４】 全ての部、パーセンテージおよび割合は、他に指定されない限り、重量による
ものである。

【００５５】

【表１】

【００５６】

【表２】

【００５７】

【表３】 １） オクチルアクリルアミド／アクリレート／ブチルアミノエチルメタクリレ
ートコポリマー、Ｎａｔｉｏｎａｌ Ｓｔａｒｃｈから入手。 ２） ｔ−ブチルアクリレート／エチルアクリレート／メタクリル酸コポリマー
、 ＢＡＳＦから入手。 ３） ポリジメチコンコポリオール、（ＡＢ）ｎ型、ＯＳｉ Ｓｐｅｃｉａｌｉ
ｔｉｅｓから入手。 ４） プロポキシル化ジメチコンコポリオール、（ＡＢＡ）型、 Ｏｓｉ Ｓｐｅｃｉａｌｉｔｉｅｓから入手。 ５） エトキシル化ジメチコンコポリオール、（ＡＢＡ）型、Ｏｓｉ Ｓｐｅｃ
ｉａｌｉｔｉｅｓから入手。 ６）〜１０） ジメチコンコポリオール、（ＡＢＡ）型、Ｎｉｈｏｎ Ｕｎｉｋ
ｅｒから入手。 １１）、１２） ジメチコンコポリオール、（ＡＢＡ）型、Ｇｏｌｄｓｃｈｍｉ
ｄｔから入手。 １３） フッ素界面活性剤、Ｄｏｗ／３Ｍから入手。 １４） ２５モルのエトキシレートを有するヤシ脂肪アルコール。 １５） ５モルのエトキシレートを有するＣ_９〜Ｃ_１１アルコール。

【００５８】 オートホービック挙動の評価 米国特許第４８７１５２９号（第７欄、第３３行〜第６８行）は、ヘアスプレ
ー組成物のフィルムをガラススライドの表面に広げる、オートホービック効果を
評価する試験、および、観察される乾燥時の特性を記載している。

【００５９】 しかし、毛髪繊維は、ガラススライドと異なる表面特性を有する。毛髪繊維自
体における組成物挙動の光学顕微鏡試験によって、オートホービック系のより正
確な特徴決定を成し得ることを我々は見い出した。従来の系は毛髪繊維の高度湿
潤を示す。これらの系において、繊維−繊維接合部に付着した固体（ヘアスプレ
ー樹脂を含む）が、繊維の長さに沿って、接合物の中心から有意に拡散される。
これと対照的に、オートホービック系は繊維−繊維接合部における付着を局在さ
せ、接合部の外側の繊維領域の被覆を減少させる。これは、低湿潤系によって形
成される付着と一致し、即ち、液体が、繊維との高接触角を作る。交差毛髪繊維
における乾燥オートホービック系の高接触角液体粒子形態を、拡大レンズによっ
て観察することができる。下記の方法によって、実施例１〜２３の配合物をオー
トホービック挙動に関して評価した。

【００６０】 試験される各実施例を、３５％ＣＡＰ４０（炭化水素噴射剤）と一緒にアルミ
ニウム缶中で加圧して、ヘアスプレーを形成した。

【００６１】 良好な状態のスパニッシュヘア（Ｓｐａｎｉｓｈ ｈａｉｒ）にスプレーする
ことによってスプレーを評価した。交差形成において、粘着テープを使用して、
黄銅フレームに毛髪繊維を配置した。直立位置の缶を使用して、２０ｃｍの距離
から、１〜２秒噴射（１−２ ｓｅｃｏｎｄ ｂｕｒｓｔ）によって、交差繊維
にスプレーした。

【００６２】 次に、繊維に付着したヘアスプレーの液体粒子を、４倍拡大レンズを有するカ
メラを使用して撮影した。カメラをビデオレコーダーにつなぎ、全ての実験を記
録し、保管した。乾燥するまで、より詳しくは３０秒〜５分間にわたって、液体
粒子をモニターした。

【００６３】 ヘアスプレーが毛髪上で「丸くなる」ことを示す形状変化を観察することによ
って、オートホービック効果を評価した。最初に、液滴が毛髪繊維にのった際に
、液体粒子が対称であり、零の接触角を有する。この初期挙動は、従来の系にも
一般的である。しかし、従来の系に関しては、液体粒子が乾燥時に対称を維持し
、結果的に、乾燥した際に繊維全体に均質な被膜を残す。一方、オートホービッ
ク系に関しては、約３０秒後に、液体粒子の形が変化し始め、非対称になり、接
触角が増加する。

【００６４】 前記評価の結果、実施例１〜２３が全て、オートホービック系に特徴的な高接
触角液体粒子形態を示すことが分かった。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ) ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ， ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，Ｄ Ｋ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ， ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，Ｌ Ｖ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ， ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，Ｕ Ｚ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ (72)発明者 プラント，イボンヌ・クリステイーン イギリス国、マージーサイド・シー・エイ チ・63・３・ジエイ・ダブリユ、ウイラ ル、ベビントン、クオリー・ロード・イー スト、ユニリーバー・リサーチ・ポート・ サンライト気付（番地なし) (72)発明者 ポリウカ，ロバート イギリス国、マージーサイド・シー・エイ チ・63・３・ジエイ・ダブリユ、ウイラ ル、ベビントン、クオリー・ロード・イー スト、ユニリーバー・リサーチ・ポート・ サンライト気付（番地なし) (72)発明者 ルー，ジヤン−フランソワ フランス国、エフ−60881・ル・ムー・セ デクス、ボワト・ポスタル・139、ゾー ヌ・アンデユストリエル・ドウ・ル・ム ー、ユジヌ・エ・ラボラトワール・ドウ・ コンピエーニユ、エリダ・フアベルジユ気 付 (72)発明者 テンプル，ジヨン イギリス国、ロンドン・イー・シー・４・ ピー・４・ビー・キユー、ブラツクフライ アーズ、ピー・オー・ボツクス・68、ユニ リーバー・ハウス、ユニリーバー・ユー・ ケー・セントラル・リソーシズ気付 Ｆターム(参考） 4C083 AB051 AC011 AC102 AC171 AC182 AC642 AC812 AD072 AD092 AD152 AD161 AD162 BB01 BB49 CC33 DD08 DD27 EE07 EE28

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ヘアスプレー組成物においてオートホービック挙動を誘発す
   るかまたは高めるための、ヘアスプレー組成物中の添加剤としての少なくとも０
   ．５重量％の水の使用。
2. 【請求項２】 ヘアスプレー組成物においてオートホービック挙動を誘発す
   るかまたは高めるための、ヘアスプレー組成物中の添加剤としての少なくとも０
   ．５重量％の水の使用であって、該組成物が、少なくとも０．５重量％の水の他
   に、 ａ） ０．５〜１０重量％のヘアスプレー樹脂； ｂ） ０〜５０重量％のエアゾール噴射剤；および ｃ） ０．０５〜２重量％のオートホービックヘアスプレー界面活性剤またはポ
   リマーであって、該界面活性剤またはポリマーが、少なくとも０．５重量％の水
   と共にオートホービック挙動を示し、および （ｉ） 式（Ｉ）： 【化１】 ［式中、ｍおよびｎは０〜５０の整数であり；ｘおよびｙはコポリオールに少な
   くとも６００の分子量を与えるように選択される整数であり；Ｚは水素またはＣ _１〜４ アルキル基である］ で示されるアルキル側鎖シリコーンコポリオール； （ｉｉ） 式（ＩＩ）： 【化２】 ［式中、ｎはコポリオールに少なくとも６００の分子量を与えるように選択され
   る整数であり；ｘおよびｘ’は１〜１２の整数であり；ａ、ａ’、ｂ、ｂ’は０
   〜５０の整数であり；Ｒは水素またはＣ_１〜４アルキル基である］ で示されるジメチコンコポリオール； （ｉｉｉ） 式（ＩＩＩ）： 【化３】 ［式中、ｘおよびｎはコポリオールに少なくとも５００の分子量を与えるように
   選択される整数であり；ｙは１〜１２の整数であり；ａおよびｂは０〜５０の整
   数である］ で示されるポリジメチコンコポリオール； （ｉｖ） アルキルエトキシレート；および （ｖ） フッ素界面活性剤； から成る群から選択されるオートホービックヘアスプレー界面活性剤またはポリ
   マー； を含んで成ることを特徴とする前記使用。
3. 【請求項３】 ヘアスプレー組成物であって、 ａ） ０．５〜１０重量％のヘアスプレー樹脂； ｂ） ０〜５０重量％のエアゾール噴射剤；および ｃ） 少なくとも０．５重量％の水；ならびに ｄ） 請求項２に定義された式（ＩＩ）のジメチコンコポリオール、請求項２に
   定義された式（ＩＩＩ）のポリジメチコンコポリオール、アルキルエトキシレー
   ト、およびフッ素界面活性剤から成る群から選択される、０．０５〜２重量％の
   オートホービックヘアスプレー界面活性剤またはポリマー； を含んで成るヘアスプレー組成物。
4. 【請求項４】 オートホービックヘアスプレー界面活性剤またはポリマーが
   、Ｒが水素であり、ａおよびａ’がそれぞれ０である式（ＩＩ）のジメチコンコ
   ポリオールである、請求項３に記載の組成物。
5. 【請求項５】 ヘアスプレー樹脂が１．５〜６重量％の量で存在する、請求
   項３または４に記載の組成物。
6. 【請求項６】 水が２〜１５重量％の量で存在する、請求項３〜５のいずれ
   かに記載の組成物。
7. 【請求項７】 エアゾール形態においてスプレーとして配合され、３〜５０
   重量％のエアゾール噴射剤をさらに含んで成る、請求項３〜６のいずれかに記載
   の組成物。
8. 【請求項８】 エアゾール噴射剤が、ジメチルエーテル、プロパン、ｎ−ブ
   タン、イソブタン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項７
   に記載の組成物。
9. 【請求項９】 非エアゾール形態においてスプレーとして配合され、エアゾ
   ール噴射剤を使用せずに操作されるポンプスプレー容器に包装される、請求項３
   〜６のいずれか１項に記載の組成物。