JP2001518455A - 単純疱疹ウイルスの処置のための免疫原性の複合ポリペプチド - Google Patents

単純疱疹ウイルスの処置のための免疫原性の複合ポリペプチド

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JP2001518455A
JP2001518455A JP2000513800A JP2000513800A JP2001518455A JP 2001518455 A JP2001518455 A JP 2001518455A JP 2000513800 A JP2000513800 A JP 2000513800A JP 2000513800 A JP2000513800 A JP 2000513800A JP 2001518455 A JP2001518455 A JP 2001518455A
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ジマーマン,ダニエル・エイチ
ローゼンタール,ケネス・エス
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セル−サイ・コーポレーシヨン
ノースイースタン・オハイオ・ユニバーシテイーズ・カレツジ・オブ・メデイシン
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Abstract

(57)【要約】 単純疱疹ウイルス(HSV−1)のICP27タンパク質からの322−332ペプチド(H1)のような単純疱疹ウイルス特異的な抗原ペプチド、およびマウスのインビトロ試験でTH1様の応答を導き出すβ−2M(aa35−50)のようなT細胞結合リガンド(TCBL)からのペプチドを含有するように化学的に合成されたペプチド構築物は、HSVでの攻撃に対して保護的であった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
((1)発明の分野) 本発明は、単純疱疹ウイルス(HSV)に曝露された、もしくはこれによる感
染症の危険のある患者の免疫系を活性化するのに有用な免疫原性組成物を形成す
るのに使用され得るペプチド複合体(peptide conjugate)に関する。より具体的 には、本発明は、直接に共有結合された、もしくは連結基(linking group)を介 する、単純疱疹ウイルス特異的ペプチドおよび免疫調節ペプチドの双方を含有す
る免疫原性の複合ペプチド(conjugated peptide)、ならびに、単純疱疹ウイルス
の治療、予防もしくは診断における、こうしたペプチド複合体を含有する組成物
および診断製品、ならびにこれらを使用する方法に関する。
【0002】 ((2)発明の背景) 単純疱疹ウイルスタイプ1(HSV−1)およびその緊密なよく似たもの(cou
sin)、単純疱疹ウイルスタイプ2(HSV−2)は、唇の近くで見出される普遍
的な口唇ヘルペスおよびまた陰部ヘルペスのような多様な良性疾患を引き起こす
。単純疱疹ウイルスはまた、眼(例えば、盲目につながる潜在性を伴う角結膜炎
)、脳(例えば脳炎)の感染に際して重大な疾患も引き起こし得る。新生児、A
IDS患者もしくは移植患者のような免疫抑制される個人がとりわけ攻撃を受け
やすい。免疫無防備状態の個人および新生児のHSV感染は、播種性かつ生命を
脅かす疾患につながり得る。多くのウイルスと異なり、ある個人がHSVに感染
すれば、ウイルスはニューロン中で潜伏状態のままであり、そしてストレスもし
くは免疫抑制により再活性化され得、そして再発性疾患を引き起こし得る。
【0003】 単純疱疹ウイルスのワクチンは、初発感染を予防するための予防薬、ならびに
再発性疾患を予防もしくは改善するための治療の双方としての使用に対する潜在
性を有する。HSVの予防もしくは治療のためのワクチンは現在利用可能でない
。生菌ワクチンの開発は、HSVが潜伏感染を確立しそして潜在的に細胞の腫瘍
性転化を促進する能力を有するために妨げられてきた。生存弱毒化ワクチン、死
菌ワクチンおよびサブユニットワクチンの有効性は、保護細胞媒介性の免疫応答
を導き出すことの困難により問題にされてきた。
【0004】 細胞性免疫、ならびにとりわけ細胞傷害性Tリンパ球(CTL)および遅延型
過敏症(DTH)応答は、HSVの制御に重要である。これらの応答は、適切な
活性化後にCD4およびCD8 T細胞により開始されるTH1型の免疫応答に
包含される。CD8 T細胞は、MHCI分子により提示される8〜9アミノ酸
のペプチドを認識し、そして感染した細胞のCTL殺傷の標的となる。しかしな
がら、これらおよび他のCTLエピトープ含有ペプチドでの免疫感作は、まれに
保護的免疫を導き出す。なぜならこれらのペプチドは、認識されかつ免疫系に提
示されるのに小さすぎるからである。こうしたペプチドをワクチンとして使用す
るためには、ペプチドは、それを免疫系に対しより見えるものとすることができ
る様式で修飾もしくは提示されなければならない。理想的には、この修飾もしく
は提示の様式は、それ自身免疫系に見えないべきであり、そして当該ペプチドに
対する適切なT細胞および免疫系全体の発達を助長すべきである。
【0005】 T細胞応答は、活性化に応答して産生されるサイトカインの特徴により分類さ
れ得る。T1(TH1:CD4 T細胞およびTC1:CD8 T細胞)応答は
、インターフェロン−γ、インターロイキン−2、リンホトキシンαの産生、マ
ウスでのIgG2a産生の優先的刺激、およびDTH反応の誘発に関連する。T
2(TH2およびTC2)応答は、インターロイキン−4、インターロイキン−
10の産生、体液性応答の優先的刺激、IgG1産生、およびT1応答の阻害に
関連する。T2応答の刺激は感染性疾患を悪化させることができ、これら疾患は
保護的T1応答により制御される。
【0006】 伝統的に、小ペプチドは、免疫応答を導き出すために担体タンパク質に結合さ
れなければならない。しばしば、KLHのような大型タンパク質が使用される。
しかしながら、不均質の(不純な)KLHはより均質の調製物より良好な免疫応
答を生じることが観察された。にもかかわらず、これらの複合体は、T2に関連
した応答の産生を促進する傾向があり、そして、抗体がペプチドおよび担体双方
に対して発生される。
【0007】 この応答を、主としてもしくは本質的に、マウスIgG2aもしくはヒトIg
G3に向ける他の方法、すなわちTH1に関連した経路を見出すことが望ましい
であろう。担体は、応答を所望されない方向に向けているべきでないことが、本
発明者の一人により以前に提案され、また、KLH分子がこの応答をTH2の方
向に主に向けているようであるため、別の担体が考慮されるべきであると結論さ
れた。同様に、費用、製造の容易さ、および安定性のような他の因子が考慮に入
れられる必要がある。
【0008】 主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスIのβ−2−ミクログロブリンタ
ンパク質由来のT細胞結合リガンド(TCBL)(とりわけ、下で「β−2M
38−50」もしくは、あるいは「ペプチドJ」と称されるアミノ酸位置aa3
8−50で)に複合化された(conjugated)ヒト結核菌(M.tuberculo
sis)ペプチドでの以前の血清学的研究は、TH1様の応答を誘発した。一方
、MHCIIβ2 135−149(ペプチドG)のような、しかしTCBLを使
用する類似のペプチド構築物は、TH2様の応答を誘発した(ジンマーマン(Z
immerman)ら、Vacc.Res.5:103−118、1995)。
【0009】 一般に、適当なT細胞リガンドを用いる、複合ポリペプチドへの抗原ペプチド
の組込みは、明確なT細胞応答を導き出すことができる。当該構築物中に組込ま
れるT細胞結合リガンドは、その応答がTH1応答かもしくはTH2応答か、ま
たは混合された応答か、あるいは主にこれらの応答の一者もしくは他者であるの
かどうかを決定することができる。いずれかの特定の疾患を引き起こす微生物に
ついては、いずれかのもしくは双方の型の応答が望ましいかもしくは好ましいか
も知れない。しかしながら、TH1(DTH)型の応答の導出は、成熟した抗体
応答に関連する、TH2応答よりむしろTH1(例えばDTH)応答により通常
は成功裏に解消される感染性病原体に対してとりわけ有用であることが期待され
るとみられる。複合ポリペプチドの技術は、小ペプチドに、大型のタンパク質担
体を伴わずに適切なTH1応答(適切な場合には、もしくは/およびTH2応答
)を導き出させることにおいて有効である。
【0010】 本発明者の一人は、以前に、ペプチドエピトープへのT細胞結合リガンドの付
加が免疫応答の性質(すなわち、TH1もしくはTH2)を変え得ることを報告
した。ある複合ポリペプチド由来の抗体は、慣習的なペプチド−KLH複合体(c
onjugate)を使用することにより製造される抗体が奏するよりも良好に、天然の 分子を認識することができた。
【0011】 異種複合体(heteroconjugate)により誘導される抗体がより幅広い特異性を有 し、その結果それらが線状の形態のものだけでなく、天然の分子中にあるペプチ
ドエピトープを認識したことが示された。いくつかの場合には、KLHに複合さ
れたペプチドの使用は、天然の分子中のエピトープを認識することが可能でなか
った。従って、初発感染を予防するのに有効であるとみられるHSVのワクチン
、ならびに、HSVに関連する頻繁な再発性疾患に罹っている個体の治療法を提
供することが高度に望ましいとみられる。
【0012】 (発明の要約) 本発明は、一緒に共有結合された最低2種のT細胞特異的結合ペプチドを含ん
で成るある複合ポリペプチドに関し、ここで、第一のペプチドは1個の特定のク
ラスもしくはサブクラスのT細胞に結合しかつ主にT1もしくはT2型の応答を
導き出し、そして、第二のペプチドは単純疱疹ウイルス特異的抗原ペプチドであ
り、また、ここで、当該ポリペプチドはそれを必要とするヒトに投与される場合
にTH1関連抗体を導き出すことが可能である。
【0013】 本発明の複合ペプチドでT細胞特異的結合分子として使用されるペプチドは、
ヘルパーT細胞(TH)、サプレッサーT細胞(TS)、細胞傷害性Tリンパ球
(CTL)などのような特定のクラスもしくはサブクラスのT細胞に特異的にも
しくは少なくとも優先的に結合し、かつ、免疫系をHSV特異的抗原ペプチドに
対する主にT1型の免疫応答に向ける、分子の部分もしくはこうした部分の類似
物であるペプチドである。これらの複合ポリペプチドは、米国特許第5,652
,342号で、本発明者の一人により、より一般的に開示されたもの(「異種機
能性の(heterofunctional)細胞性免疫学的試薬」とその中で称されている)のよ
うな、幅広いスペクトル抗体を誘導するがしかし所望のT1特異性を付加的に提
供するという、他の複合ペプチドで以前にみられた利点を提供する。
【0014】 とりわけ、本発明は、単純疱疹ウイルスによる感染症の治療もしくは予防のた
めのワクチン中の免疫原として有効な免疫原性の複合ポリペプチドを提供し、前
記ポリペプチドは、式P1−x−P2もしくはP2−x−P1により表わされ、ここ
でP1は、ICP27タンパク質、糖タンパク質B、リボヌクレオチド還元酵素 、ICP4、ICP34.5、糖タンパク質Eおよび糖タンパク質Fから成る群
から選択される単純疱疹ウイルスタイプ1もしくはタイプ2からの単純疱疹ウイ
ルス特異的な抗原ペプチドを表わし;P2は、あるクラスもしくはサブクラスの T細胞への結合を促進しかつ主にTH1型の免疫応答をペプチドP1に向ける免 疫タンパク質の一部分である免疫調節ペプチドを表わし;そして、xは、共有結
合もしくは二価のペプチド連結基を表わし、これは切断可能もしくは非切断可能
でありうる。
【0015】 本発明はまた、ヒト被験者において、単純疱疹ウイルスすなわちHSVのタイ
プ1もしくはタイプ2に対して、感染に対する免疫を導き出すためのこうした複
合ポリペプチドを含有する製薬学的に有効な組成物にも関する。本発明の複合ポ
リペプチドに加え、こうした組成物は、適する免疫学的アジュバントもまた包含
してよく、そして好ましくは包含することができる。
【0016】 同様に、本発明は、上に定義されるような複合ポリペプチドの治療上もしくは
予防的に有効な量を、それを必要とするヒト患者に投与することにより、HSV
感染症を治療もしくは予防するための、こうした複合ポリペプチドおよびそれを
含有する製薬学的に有効な組成物の使用に関する。
【0017】 本発明はまた、HSVによる個体での感染症(活動性もしくは潜伏性)の存在
を診断するための診断アッセイにも関し、ここで、診断されるべき個人からのT
細胞が、上の式P1−x−P2もしくはP2−x−P1に対する複合ポリペプチドと
混合され、そしてその後、前にHSVでプライムされた(primmed)T細胞と複合 ポリペプチドとの間の反応を検出する。当該複合ポリペプチドは反応の検出を助
長するように標識されうる。
【0018】 本発明は、今や、以下の説明および好ましい態様として、ならびに付随する図
面の助けを借りて、さらに詳細に記述されるであろう。
【0019】 HSV免疫T細胞は、投薬を受けたことのない(niave)もしくは非免疫T細胞 に比較して、複合ポリペプチドの存在下で異なって挙動するとみられるか、もし
くは、さもなければ異なるとみられることが期待される。
【0020】 (発明の詳細な記述および好ましい態様) 上記および下記に開示され、かつ、本明細書に記述される実験で使用されるよ
うなペプチドについては、そのアミノ酸配列が、以下のような一文字表記もしく
は3文字の同定記号により示される。すなわち
【0021】
【表1】
【0022】 本明細書で明記されるアミノ酸配列のいずれにおいても、所望の生物学的活性
に悪影響を及ぼさない特定のアミノ酸の変化が企図されかつ本発明の範囲内にあ
ることが理解されるべきである。好ましい抗原ペプチドの目的の領域は高度に保
存されるとは言え、天然の、および自発的に発生するアミノ酸の変化がとりわけ
企図される。いくつかの場合には、上に与えられた指針内かつ下により詳細に論
考される、その配列が、HSVの2種もしくはそれ以上の天然のおよび自発的に
発生する変異体に対応する、ペプチドの混合物を使用することが有利でありうる
【0023】 なおさらに、当該技術分野で十分認識されるとおり、例えば特異的結合部位を
提供するため、あるいは、ペプチドの放射活性のもしくは放射性同位体または蛍
光の標識を導入する目的上、特定のアミノ酸置換をなすことがしばしば有利であ
る。例えば毒素および薬物のような、当該技術分野で公知のような、他の型の同
定標識で標識を付けること(tagging)もまた、本発明の複合ペプチド中にもしく はそれとともに有利に包含されうる。こうした「設計された」アミノ酸配列もま
た、本発明の抗原ペプチドの範囲内にある。
【0024】 加えて、N末端およびC末端のアミノ酸が、遊離の酸(アミノもしくはカルボ
キシル基)、またはその塩、エステル、エーテル、もしくはアミドとして存在し
うることもまた認識されている。とりわけ、C末端のアミド末端基、およびNも
しくはC末端でのアセチル化、例えばミリスチルなどは、当該ペプチドの免疫学
的特性に影響を及ぼすことなく有用なことがよくある。
【0025】 本発明の複合ポリペプチドのペプチドP1およびP2(下で定義されるとおり)
は、例えばメリフィールド(Merrifield,R.B.)、1963、J
.of Am.Chem.Soc.、85:2149−2154により記述され
るような固相ペプチド合成のような、タンパク質を合成するための慣習的方法に
より製造され得る。遺伝子工学技術により本発明の新規複合ペプチドもしくはそ
のペプチド成分を製造することもまた、本発明の範囲内および当該技術の熟練内
にある。
【0026】 本発明の複合ポリペプチドは、式 P1−x−P2 (I)もしくは P2−x−P1 (II) により表わされうる。
【0027】 上式において、P1は、単純疱疹ウイルスのタンパク質からの単純疱疹ウイル ス特異的抗原ペプチドを表わす。この抗原ペプチドは、好ましくは、以下の単純
疱疹ウイルスのタンパク質ICP27、糖タンパク質B、リボヌクレオチド還元
酵素、ICP4、ICP34.5、糖タンパク質Eおよび糖タンパク質Fの一か
ら選択されるものである。単純疱疹ウイルスタイプ1もしくはタイプ2のICP
27タンパク質、および単純疱疹ウイルスタイプ1の糖タンパク質B(gB)が
とりわけ好ましい。
【0028】 P2は、あるクラスもしくはサブクラスのT細胞への結合を促進しかつ主にT H1型の免疫応答をペプチドP1に向けることができる、免疫タンパク質の一部 分である免疫調節ペプチドを表わす。
【0029】 xは、共有結合、または切断可能なもしくは非切断可能な二価のペプチド連結
基を表わす。
【0030】 好ましい抗原ペプチドP1は、単純疱疹ウイルスタイプ1(HSV−1)のI CP27タンパク質のアミノ酸残基322ないし332(LYRTFAGNPR
A)(配列番号1)(下でペプチドH1と称されうる)を含んで成るペプチド、
HSV−1のICP27タンパク質のアミノ酸残基AEIDYATLGVGV(
配列番号2)(下でペプチドH2と称されうる)を含んで成るペプチド;HSV
−1のICP27タンパク質のアミノ酸残基448ないし456(DYATLG
VGV)(配列番号3)を含んで成るペプチド;HSV−1の糖タンパク質Bか
らのアミノ酸残基498ないし505(SSIEFARL)(配列番号4)(下
でペプチドB1と称されうる)を含んで成るペプチド、HSV−1の糖タンパク
質Cからのアミノ酸残基128ないし139(DRRDPLARYGSR)(配
列番号5)を含んで成るペプチドを包含する。
【0031】 加えて、HSV−2の糖タンパク質Dからの、例えば、残基9ないし21(L
KMADPNRFRGKD)(配列番号7)、残基8ないし23(SLKMAD
PRNRFRGKDLP)(配列番号8)もしくはアミノ酸残基1ないし30(
KRALADASLKMADPNRFRGKDLPVLDQLTD)(配列番号
6)(ボシュ(Bosch)ら、J.Virol.61:3607、1987;
ウェイジャー(Weijer)ら、J.Virol.62:501、1988を
参照)のような、配列番号6の残基1ないし30から取られる約10から約30
個までの連続するアミノ酸残基を含んで成るペプチドもまた、ペプチドP1とし て有効に使用されうる。
【0032】 HSV特異的抗原ペプチドは、保護的T細胞応答を導き出すことが見出された
HSVタイプ1もしくはタイプ2のタンパク質のいずれかから選ばれうる。タイ
プ1およびタイプ2の双方で見出されるICP27タンパク質がとりわけ興味深
い。
【0033】 ICP27は、HSVの初期(early)核タンパク質であり、これは保護的T細 胞応答を導き出すが、しかし保護的抗体応答を導き出さない。ラウス(Rous
e)らは、T細胞応答の25%までが、自然の感染の間にICP27に向けられ
ることを示した。ICP27タンパク質は主にTH1応答を導き出す(マニカン
(Manickan E)らおよびラウス(Rouse B.)1995、J.
Virol.69:4711−4716)。HSVの核タンパク質として、IC
P27タンパク質はまた、それが突然変異を受ける免疫学的選択下にあるはずが
ないことにおいて有利である。とりわけ、aa322−332のペプチドは、B
alb/cマウスからの細胞傷害性T細胞により認識される(H2d主要組織適
合群)。(バンクス(Banks)ら、J.Virol.67:613−616
、1993)。核抗原として、ICP27タンパク質およびそのペプチドは、保
護的抗体応答を導き出すことができない。
【0034】 しかしながら、ICP27のaa322−332のペプチド(H1)は、それ
自身中でかつ独力で免疫応答を誘導するのに不十分である。
【0035】 アミノ酸残基aa448ないし456のICP27タンパク質のペプチドはま
た、これらの著者、例えば、ラウス(Rouse)らにより、T細胞エピトープ
を含有するCTLペプチドとしても同定され、そして、ペプチドP1として使用 され得る。
【0036】 目的の別のHSV特異的抗原ペプチドは、HSV−1からの糖タンパク質B(
gB)のaa498ないし505のペプチドである。このペプチドは、ネストさ
れた(nested)重なり合う合成ペプチドのライブラリーを、感染していない細胞の
標的細胞への転換について試験することにより、細胞傷害性T細胞リンパ球(C
TL)標的として同定された(ハンケ(Hanke)ら、J.Virol.65
:1177−1186、1991)。細胞をペプチドとともにインキュベーショ
ンし、そしてその後、HSV−1での感染により免疫にされたマウス中に存在す
るCTLで攻撃した。
【0037】 ペプチド498−505は、以下の配列(配列番号4) Ser Ser Ile Glu Phe Ala Arg Leu を有する。
【0038】 また免疫原性だがしかしより小さく強力であるより長いペプチド497−50
7もまた使用されうる。すなわち Thr Ser Ser Ile Glu Phe Ala Arg Leu
Glu Phe (配列番号8) gBペプチドは、前者のペプチドがH−2Kbマウス(例えばC57B1/6 )で免疫学的応答を導き出す一方、後者はBalb−Cマウスで応答を導き出す
ことにおいて、ICP27ペプチドと異なる。
【0039】 より一般的には、文献、例えば、ケレ(Koelle)ら、J.Virol.
68:2803−2810、1994;コース(Cose)ら、J.Virol
.69:5844−5852、1995;ハイリゲンハウス(Heiligen
hause)ら、Eye、9:89−95、1995;ダムホフ(Damhof
)ら、Arch.Virol.130:187−193、1993;ヴァクスマ
ン(Wachsman)ら、Vaccine、10:447−454、1992
(これらの開示はそっくりそのまま本明細書に組み込まれる)に記述されるよう
な、糖タンパク質gBおよびgDからのペプチドは、CTLおよび保護的応答を
導き出しうる。こうしたT細胞エピトープ含有ペプチドすなわちP1が保護的抗 体応答を導き出さない場合でさえ、産生される抗体は、ビリオンおよび感染した
細胞表面に結合することが可能であるはずであり、そして従って治療的および免
疫学的活性のみならずしかしまた免疫学的診断的アッセイに関しても本発明の複
合ポリペプチドにおいて有用であるとみられる。
【0040】 本発明においては、抗原ペプチドP1がT細胞結合ペプチドP2に複合される。
主にTH1型の免疫応答と関連するいかなるT細胞結合ペプチドも、本発明でペ
プチドP2として使用されうる。より具体的には、ペプチドP2は、好ましくは、
T細胞へのその結合を促進する免疫タンパク質の部分から選ばれる。好ましい一
例は、β−2−ミクログロブリンからのペプチドJ(β−2M 35−50)で
あり(パーラム(Parham)ら、1983、J Biol Chem.25
8:6179;ジンマーマン(Zimmerman)ら)。他の関連するβ−2
Mペプチドは、米国5,652,342により完全に記述されるとおり、アミノ
酸残基24ないし58およびアミノ酸残基58ないし84を包含する。本発明の
複合ポリペプチドのペプチドP2として使用されうる他のペプチドの例は、共通 に譲渡された米国特許第5,652,342号に見出されることができ、その開
示はそれの引用によりそっくりそのまま本明細書に組み込まれる。これらもしく
は他の適するT細胞結合ペプチドの選択のための指針は、その中ならびにジンマ
ーマン(Zimmerman)らの論文で論考される。例えば、B7(フリーマ
ン(Freeman)ら、Science 262:909);B70(アズマ
(Azuma)ら、1993、Nature 366:76);GL1(ハスコ
ック(Hathcock)ら、1993、Science 262:905);
CD58(アルラナンダム(Arulanandam)ら、1993、Proc
.Natl.Acad.Sci.90:11613)、CD40(ファン・エッ
セン(van Essen)ら、1995、Nature 378:620);
およびICAM−1(ベッカー(Becker)ら、1993、J.Immun
ol.151:7224)のような既知の分子が挙げられうる。P2として他の 潜在的に有用な免疫原性ペプチドは、例えば、a.a.残基223−229もし
くは223−230を含んで成るMHCクラス1α3ドメイン(ペプチドE、サ
ルター(Salter)ら、Nature、345:41、1990);インタ
ーロイキンIβ、残基163−171(ネンコニ(Nenconi)ら、J.I
mmunol.139:800、1987);MHCクラスII β2ドメイン、
a.a.135−149(コニッヒ(Konig)ら、Nature 356:
796、1992);カマロタ(Cammarota)ら、Nature 35
6:799、1992)を包含する。読者はさらなる詳細についてこれらの文献
の論文に参照させられる。
【0041】 本発明の複合ポリペプチドは、抗原性の特異的ペプチドP1をT細胞結合ペプ チドP2に直接結合すること、または、ペプチドP1およびP2を慣習的技術によ る、もしくは、より具体的には前述の米国5,652,342(その開示はそれ
の引用によりそっくりそのまま本明細書に組み込まれる)に詳細に記述されるよ
うな、連結基を介して結合することにより製造されうる。xが二価の連結基を表
わす場合には、それは例えばグリシン−グリシンのような1個もしくはそれ以上
のアミノ酸、または、例えば、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチ
オ)プロピオネート(SPDP)、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシ
スクシミドエステル(MBS)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピ
ル)カルボジイミド(EDC)のような二官能性の化学連結基、またはペプチド
を連結するのに普遍的に使用されるいずれかの他の試薬から構成されうる。再度
、引用が、さらなる詳細について、米国6,562,342の開示になされる。
【0042】 連結基は、一般に、使用の条件下で非切断可能であることができるが、しかし
ながら、切断可能な基もまた、複合ペプチドがその標的T細胞に結合した後にペ
プチドP1もしくはペプチドP2を分離することが望ましい場合には、使用されう
る。例えば、連結基xは、酵素的に切断可能であるものでありうるか、もしくは
、切断が、例えばUV放射への曝露を包含する光活性化によるように誘導されう
る。
【0043】 本発明の免疫原性複合ペプチドは、HSVに対する免疫応答(後に続く実施例
で示されるような)を導き出し得、その応答は、TH1に特徴的な抗体IgG2
a(マウス)もしくはIgG3(ヒト)の多数の例、および/またはDTH応答
により証明されるとおり、所望のTH1に向けられ得る。
【0044】 抗原ペプチドP1およびT細胞結合ペプチドP2の順序は、通常、臨界的でなく
、そして逆にすることができる。例えば、第一のペプチド=P1かつ第二のペプ チド=P2の場合には、複合ペプチドは順序P1−x−P2もしくはP2−x−P1 を有しうる。また、ペプチドP1およびペプチドP2は相互に直接結合されうる(
すなわち、xが直接のペプチド結合である)一方、いくつかの場合には、小リン
カー配列もしくはより大きなヘテロリンカー分子が、2種のペプチドを結合する
のに有利に使用されうる。例えば、スペーサーとして、1個もしくは数個、約5
個まで、好ましくは約3個までの、グリシンのような中性アミノ酸が、ペプチド
を連結するのに使用されうる。好ましいスペーサーペプチドはGGGであるが、
しかしながら、スペーサーはより大きくもしくはより小さく作成されることがで
き、そして、アミノ酸グリシンのほかにも他の分子を包含するように変えられう
る。ヘテロリンカーの例として、例えば、N−スクシンイミジル−3−(2−ピ
リジルチオ)プロピネート(SPDP)、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒド
ロキシスクシミド(MBS)、ならびに前述の米国特許第5,652,342号
に開示されるものを制限なしに包含する、ペプチドを連結するのに使用される他
の試薬のいずれも挙げられうる。ペプチドP1およびP2が直接に結合されない
場合、連結基は、一般に、かつ、好ましくは、いずれかの二価の連結基であるこ
とができる。連結基は、切断可能でありうるか、または、生理学的条件下もしく
は適切な誘因により非切断可能でありうる。
【0045】 複合ポリペプチド中のアミノ酸の総数はとりわけ臨界的でないとは言え、実際
的局面から、いずれのアミノ酸スペーサーもしくはリンカーも包含するアミノ酸
の最小数は、十分な抗原提示および免疫原性を得るために、一般に最低約15も
しくは16、好ましくは最低約20であることができる。さらに、合成技術によ
る製造の容易さの実際的考慮から、アミノ酸の最大数は、しばしば、約100未
満、好ましくは約70より大きくない、とりわけ約50より大きくないことがで
きる。しかしながら、複合ポリペプチドが遺伝子工学技術により製造されうる場
合には、ずっとより大きな分子が有用でありうる。
【0046】 本発明の複合ポリペプチド、例えばP1としてペプチドJ(β−2M、38− 50)およびP2としてペプチドH1が、HSVによる感染を予防するためのT H1に向けられた免疫応答のための予防的ワクチンとして免疫応答を指図するの
に、または、ウイルス負荷量を低下させそしてHSVによる感染症を制御もしく
は治療するために、おそらく他の治療とともに、HSVに感染した人でのTH1
に向けられた免疫応答のための治療的ワクチンとして免疫応答を指図するのに、
使用されうる。当該複合ポリペプチドははまた、HSVによる感染を予防するた
めにTH1、TH2もしくは混合TH1/TH2に向けられた免疫応答を誘導す
る予防的ワクチンとして免疫応答を指図するのに、または、ウイルス負荷量を低
下させそしてHSVによる感染を制御もしくは治療するために、おそらく他の治
療とともに、HSVウイルスに対するTH1、TH2もしくは混合TH1/TH
2に向けられた免疫応答を誘導する治療的ワクチンとして免疫応答を指図するの
にも使用されうる。
【0047】 本発明の複合ポリペプチドは、予防的もしくは治療的のいずれかでワクチンと
して使用されうる。予防的に提供される場合、当該ワクチンは、HSVのいかな
る証拠にも先立って提供される。本発明のワクチンの予防的投与は、哺乳動物で
HSV疾患を予防もしくは弱毒化するのに役立つはずである。好ましい一態様に
おいて、HSVについての危険の大きいヒトが、本発明のワクチンで予防的に治
療される。治療的に提供される場合、当該ワクチンは、HSV抗原に対する患者
自身の免疫応答、そして、これゆえに疾患の制御を高めるように提供される。
【0048】 免疫原性の複合ポリペプチドが純粋なもしくは本質的に純粋な形態で投与され
ることが可能である一方、それを製薬学的組成物、製剤(formulation)もしくは 製剤(preparation)として提示することが好ましい。
【0049】 臨床的およびヒトの使用の双方のための本発明の製剤は、1種もしくはそれ以
上の製薬学的に許容できる担体および場合によっては他の治療薬成分と一緒に、
上述されたような複合ポリペプチドを含んで成る。担体(1種もしくは複数)は
、製剤の他の成分と適合性であるという意味において「許容でき」なくてはなら
ず、また、その受領体に対し有害であってはならない。当該製剤は、便宜的には
、単位投与剤形で提示されることができ、また、製薬学的技術で公知のいずれか
の方法により製造されうる。
【0050】 一般に、当該製剤は、有効成分を、液体担体もしくは微細に分割された固体担
体または双方との連合に均一にかつ緊密にもたらすこと、そしてその後、必要な
場合は、生成物を所望の製剤に造形することにより製造される。
【0051】 例えば、静脈内、筋肉内、皮下、腹腔内、鼻、経口、直腸、膣などのような、
いずれかの投与経路に適する製剤が使用されうる。一般に、当該製剤は、受領体
の血液と好ましくは等張である溶液とともに、有効成分の滅菌水性溶液を含んで
成ることができる。こうした製剤は、便宜的には、固体の有効成分を、塩化ナト
リウム(例えば、0.1〜2.0M)、グリシンなどのような生理学的に適合性
の物質を含有する水中に溶解すること、そして、水性溶液を生じさせるために生
理学的条件と適合性の緩衝されたpHを有すること、そして溶液を滅菌にするこ
とにより、製造されうる。これらは、単位もしくは複数の用量の容器、例えば、
封止されたアンプルもしくはバイアル中に存在しうる。
【0052】 本発明の製剤は安定剤を組み込みうる。具体的に説明する安定剤は、それだけ
でもしくは混合状態としてのいずれかで使用されうる、ポリエチレングリコール
、タンパク質、糖、アミノ酸、無機酸および有機酸を包含する。これらの安定剤
は、使用される場合には、好ましくは、免疫原の1重量部分あたり約0.1ない
し約10,000重量部分の量で組み込まれる。2種もしくはそれ以上の安定剤
が使用されることになる場合は、それらの総重量は、好ましくは、上に明記され
た範囲内にある。これらの安定剤は、適切な濃度およびpHの水性溶液中で使用
される。こうした水性溶液の特定の浸透圧は、一般に、約0.1ないし3.0オ
スモルの範囲に、好ましくは約0.3ないし約1.2の範囲にある。当該水性溶
液のpHは、約5.0ないし約9.0の範囲内、好ましくは6〜8の範囲内にあ
るよう調節される。本発明の免疫原の処方においては抗吸着剤が使用されうる。
【0053】 付加的な製薬学的方法が、作用の持続時間を制御するのに使用されうる。制御
放出製剤は、当該複合ポリペプチドと複合体を形成するもしくはこれを吸収する
ポリマーの使用により達成されうる。制御された送達は、適切な巨大分子(例え
ば、ポリエステル、ポリアミノ酸、ポリビニルピロリドン、エチレンビニルアセ
テート、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースもしくはプロタミン硫
酸)および巨大分子の濃度、ならびに放出を制御するための組込みの方法を選択
することにより果たされうる。制御放出製剤により作用の持続時間を制御する別
の可能な方法は、ポリエステル、ポリアミノ酸、ヒドロゲル、ポリ(乳酸)もし
くはエチレンビニルアセテートコポリマーのようなポリマー素材の粒子中に当該
複合ポリペプチドを組み込むことである。あるいは、これらの作用物質をポリマ
ー粒子中に組み込む代わりに、これらの素材を、例えばコアセルベーション技術
、もしくは界面重合により製造されるマイクロカプセル、例えばそれぞれヒドロ
キシメチルセルロースもしくはゼラチンマイクロカプセルおよびポリ(メチルメ
タクリレート)マイクロカプセル中、または、コロイド薬物送達系、例えばリポ
ソーム、アルブミン微小球体、マイクロエマルジョン、ナノ粒子、およびナノカ
プセルもしくはマクロエマルジョン中に閉じ込めることが可能である。
【0054】 経口製剤が所望される場合は、当該組成物は、乳糖、ショ糖、デンプン、タル
ク、ステアリン酸マグネシウム、晶質セルロース、メチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース、グリセリン、アルギン酸ナトリウムもしくはとりわけアラ
ビアゴムのような典型的な担体と組み合わせられうる。これらの担体は、同様に
、他の腔、例えば、鼻、直腸などを介して投与されるように製造するために使用
されうる。
【0055】 本発明の複合ポリペプチドは、キットの形態、単独、もしくは上述されたよう
な製薬学的組成物の形態で供給されうる。
【0056】 ワクチン投与は慣習的方法により実施され得る。例えば、免疫原性ポリペプチ
ドが、生理的食塩水もしくは水のような適する希釈剤、または完全もしくは不完
全アジュバント中で使用され得る。当該免疫原は、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮
下などのような、抗体産生に適切ないずれかの経路により投与され得る。免疫原
は、一度、あるいは、例えばCD4+もしくはCD8+ T細胞および/またはH
SV抗原に対して向けられる抗体の有意の力価が得られるまで、定期的間隔で投
与されうる。とりわけ、本発明の抗原性ポリペプチドは、TH1関連抗体および
TH1免疫応答の他の局面を導き出す。非免疫細胞に対する免疫細胞の存在は、
免疫原で間欠的に投与されたT細胞に応答してのサイトカイン分泌、リンパ増殖
、細胞活性化マーカー、細胞傷害性、もしくは変えられた代謝を測定することに
よりインビトロで、または、インビボで当該複合ポリペプチドを使用するDTH
により評価されうる。抗体が、慣習的イムノアッセイを使用して血清中で検出さ
れうる。
【0057】 上に示されたとおり、本発明のワクチンの投与は、予防的もしくは治療的のい
ずれであってもよい。予防的に提供される場合、当該免疫原は、とりわけ発生の
重大な危険にある患者では、いずれかの証拠に先立ち、もしくはHSVによるい
ずれかの症状に先立ち提供される。当該免疫原の予防的投与は、ヒトでの疾患H
SVを予防もしくは弱毒化するのに役立つ。治療的に提供される場合、当該免疫
原は、疾患の発生に(もしくはその後)、または当該疾患のいずれかの症状の発
生時に提供される。当該免疫原の治療的投与は疾患を弱毒化するのに役立つ。
【0058】 本発明はまた、それを必要とするヒト患者に、式(I)のポリペプチドのよう
な本発明の複合ポリペプチドの治療上有効な量を投与することによる、単純疱疹
ウイルス(HSV)の治療もしくは予防方法にも関する。
【0059】 本発明により、免疫応答は、少なくとも、主に、TH1に特徴的な抗体IgG
2a(マウス)およびおそらくそれによりIgG3(ヒト)の例により明示され
るとおり、少なくとも所望のTH1応答に向けられる。これらのペプチドは、し
かしながら、TH1の導き出された免疫応答に加え、TH2免疫応答、そしてと
りわけ混合TH1/TH2免疫応答を導き出しうる。
【0060】 本発明は、従って、抗原性の複合ポリペプチドを提供し、これは、HSVを中
和しそしてHSVに感染した細胞を殺すための免疫応答を導き出すための強力な
ワクチンを提供する。従って、本発明のワクチンは、HSVについて危険にさら
された、もしくはHSV−1およびHSV−2を包含するHSVに曝露された患
者を免疫感作するのに使用され得る。
【0061】 慣習的な固相ペプチド合成もしくはペプチド合成のための他の慣習的な手段に
より製造されうる当該複合ポリペプチドは、しかしながら、当該ペプチドはまた
遺伝子工学技術によっても製造されうる。本発明のペプチドをコードするDNA
配列は、組換え遺伝子技術についての公知の技術のいずれかにより製造され得る
。例えば、引用が、米国5,142,024中の組換えタンパク質およびペプチ
ドの開示、ならびその中に挙げられる文献の本体になされ得、その開示はこれの
引用により本明細書に組み込まれる。
【0062】 従って、本発明はまた、前に記述されたとおり、その後の直接連結もしくは連
結基を介する連結のための抗原ペプチドもしくは免疫調節ペプチドをコードする
、または、より好ましくは、上述されたような式P1−x−P2もしくはP2−x −P1の複合ポリペプチドをコードする、核酸配列の全部もしくは一部を含んで 成る組換えDNA分子、およびベクターも提供する。本発明での使用に適する発
現ベクターは、当該核酸配列に操作上連結された最低1個の発現制御要素を含ん
で成る。この発現制御要素は、当該核酸配列の発現を制御かつ調節するようにベ
クター中に挿入される。発現制御要素の例は、lac系、ファージλのオペレー
ターおよびプロモーター領域、酵母のプロモーター、ならびに、ポリオーマ、ア
デノウイルス、レトロウイルスもしくはSV40由来のプロモーターを包含する
がしかしこれらに制限されない。付加的な好ましいもしくは必要とされる操作上
の要素は、リーダー配列、終止コドン、ポリアデニル酸化シグナル、ならびに、
その宿主系での当該核酸配列の適切な転写およびその後の翻訳に必要なもしくは
好ましいいずれかの他の配列を包含するがしかしこれらに制限されない。必要と
されるもしくは好ましい発現制御要素の正しい組み合わせが選ばれた宿主系に依
存することができることが、当業者により理解されることができる。発現ベクタ
ーは、当該宿主系での当該核酸配列を含有する発現ベクターの移入(transfer)お
よびその後の複製に必要な付加的要素を含有すべきであることが、さらに理解さ
れることができる。こうした要素の例は、複製開始点および選択可能なマーカー
を包含するがしかしこれらに制限されない。こうしたベクターが、慣習的方法(
例えば、“Current Protocols in Molecular
Biology”、ジョン ワイリー アンド サンズ(John Wiley
and Sons)、ニューヨーク州ニューヨーク、中のアウスベル(Aus
ubel)ら、(1987)を参照)を使用して容易に構築されるか、もしくは
商業的に入手可能であることが、当業者によりさらに理解されることができる。
【0063】 本発明の別の局面は、その中に、上述されたような免疫原性の複合ポリペプチ
ドをコードする核酸配列の全部もしくは一部を含有する組換え発現ベクターが挿
入された宿主生物体に関する。本発明により包含される核酸配列で形質転換され
た宿主細胞は、動物、植物、昆虫および酵母細胞のような真核生物、ならびに大
腸菌(E.coli)のような原核生物を包含する。それにより遺伝子を運搬す
るベクターが細胞中に導入されうる手段は、微小注入、電気穿孔、形質導入、ま
たは、DEAE−デキストラン、リポフェクション、リン酸カルシウム、もしく
は当業者に既知の他の手順(例えば、“Molecular Cloning.
A Laboratory Manual”、コールド スプリング ハーバー
プレス(Cold Spring Harbor Press)、ニューヨー
ク州プレインビュー中のサンブルック(Sambrook)ら(1989)を参
照)を使用するトランスフェクションを包含するがしかしこれらに制限されない
【0064】 好ましい一態様においては、真核生物細胞中で機能する真核生物発現ベクター
が使用される。こうしたベクターの例は、レトロウイルスベクター、ワクシニア
ウイルスベクター、アデノウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクター、鶏痘
ウイルスベクター、pCDNA3(インヴィトロジェン(Invitrogen
)、カリフォルニア州サンディエゴ)のようなプラスミド、もしくはバキュロウ
イルス移入(transfer)ベクターを包含するがしかしこれらに制限されない。好ま
しい真核生物細胞系は、COS細胞、CHO細胞、HeLa細胞、NIH/3T
3細胞、293細胞(ATCC番号CRL1573)、T2細胞、樹状細胞、単
球もしくはエプスタイン−バーウイルスで形質転換されたB細胞を包含するがし
かしこれらに制限されない。NIH/3T3、COS−7、CHO、293細胞
(ATCC番号CRL1573)、T2細胞、樹状細胞もしくは単球のような哺
乳動物細胞が、当該タンパク質の適正なプロセシングおよび修飾を確実にするた
めに、一般に好ましい。
【0065】 宿主細胞により発現される組換えタンパク質は、粗ライセートとして得られる
ことができるか、もしくは、分別沈殿法(differential precipitation)、分子ふ
るいクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、等電点電気泳動、ゲ
ル電気泳動、アフィニティおよび免疫アフィニティクロマトグラフィーなどを包
含しうる、当該技術分野で既知の標準的タンパク質精製手順により精製され得る
。(例えば、“Current Protocols in Molecula r Biology” ジョン ワイリー アンド サンズ(John Wil ey and Sons)、ニューヨーク州ニューヨーク、中のアウスベル(A
usubel)ら、(1987)を参照)。免疫アフィニティクロマトグラフィ
ーの場合には、組換えタンパク質は、抗原ペプチドに特異的な抗体をそれに結合
した樹脂を含有するカラムを通る通過により精製されうる(“Current
Protocols in Molecular Biology” ジョン
ワイリー アンド サンズ(John Wiley and Sons)、ニュ
ーヨーク州ニューヨーク、中のアウスベル(Ausubel)ら、(1987)
)。
【0066】 例として、組換え発現ベクターを使用して製造されるワクチンが使用されうる
。ワクチンをある個人に提供するために、免疫原性の複合ポリペプチドの全部も
しくは一部をコードする遺伝子配列が、上述されるような発現ベクター中に挿入
され、そして、免疫にされるべき哺乳動物に導入される。前述のワクチンで使用
されうるベクターの例は、欠損レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクタ
ー、ワクシニアウイルスベクター、鶏痘ウイルスベクター、もしくは他のウイル
スベクター(マリガン(Mulligan,R.C.)、(1993)Scie nce 260:926−932)を包含するがしかしこれらに制限されない。
その核配列を運搬するウイルスベクターが、HSVのいずれかの証拠に先立つか
、もしくはHSVに悩まされる哺乳動物での疾患の進行を媒介する(mediate)た めのいずれかで、哺乳動物に導入され得る。
【0067】 哺乳動物へのウイルスベクターの投与方法の例は、細胞のエクスビボでのウイ
ルスへの曝露、または冒されている組織中へのレトロウイルスもしくはウイルス
のプロデューサー(producer)細胞株の注入、またはウイルスの静脈内投与を包含
するがしかしこれらに制限されない。投与されるべき免疫原性の複合ポリペプチ
ドをコードする適切な核酸配列を運搬するウイルスベクターの量は、ウイルス粒
子の力価を基礎とする。例として、投与されるべき免疫原の範囲は、哺乳動物、
好ましくはヒトあたり約106ないし約1011個のウイルス粒子でありうる。免 疫後に、ワクチンの有効性が、特定のサイトカイン産生もしくは疾患の後退によ
り評価されるような、抗原を認識する抗体もしくは免疫細胞の産生により評価さ
れ得る。当業者は、CTLリンパ増殖などのような前述のパラメータを評価する
ための慣習的方法を知っているとみられる。
【0068】 さらに、本発明の複合ポリペプチド、およびそれをコードするDNA配列は、
米国5,593,972(その開示はそれの引用によりそっくりそのまま本明細
書に組み込まれる)に開示されるような遺伝子免疫感作(genetic immunization)
技術で使用されうる。遺伝子免疫感作技術により、ヌクレオチド配列が調節配列
に操作上連結されて、その核酸分子が投与される個体の細胞での発現を可能にす
る。生じる細胞がその後、予防的もしくは治療的免疫感作に使用されうる。
【0069】 本発明の方法においてワクチンとして使用される場合、当該ワクチンは、最も
便宜的には注入により、筋肉内に、表皮内に、非経口で、経口でもしくは皮下に
宿主中に導入され得る。普遍的な液体もしくは固体のベヒクルのいずれかが使用
されることができ、それらは宿主に許容できかつ宿主に対するいかなる有害な副
作用もしくはワクチンに対するいかなる不利益な影響も有しない。生理学的pH
、例えばpH6.8ないし7.4、好ましくはpH7で、リン酸緩衝生理的食塩
水(PBS)が、単独でもしくは適するアジュバントとともに担体として使用さ
れうる。免疫原性ポリペプチドの濃度は、動物での前臨床試験で約0.2mlの
ような、一般に約0.1から1mlまで、そしてヒトで約1mlのような約0.
5mlから約2mlまでの臨床的溶媒の体積中に、注入あたり約25μg/kg
のような約0.1から200μg/kgまで変動しうる。複数の注入が最初の注
入後に必要とされることができ、そして、複数の注入が与えられる場合は、約2
から4週間まで、例えば動物で約2週間、およびヒトで約8週間の間隔で与えら
れうる。
【0070】 本発明のワクチン中の免疫原性ポリペプチドの好ましい濃度は、10から25
μg/kgまでの範囲にあることができるが、しかしながら、より高用量が必要
とされるように投与されうる。
【0071】 以下は、本発明の複合ポリペプチドの多様な態様についての応用の例示である
が、しかし、本発明は以下に記述される実施例に制限されないことが理解される
【0072】 実施例 I.ペプチド これらの試験で使用された複合ポリペプチドの1種のT細胞結合ペプチドP2 は、β−2ミクログロブリン、aa35−47、ペプチドJ(下線をつけられて
示される)の領域を包含し、そして、MHCクラスI様の作用のためのスペーサ
ーを包含するよう改変された ペプチドJ DLL KNG ERI EKV EGG C−アミド(配列番号
9) 抗原ペプチドP1およびペプチドJとの複合は、合計で3個のグリシン残基の ため、C末端のシステインの代わりに用いられた1個の付加的なグリシンのスペ
ーサーを含有した。従って、当該複合ポリペプチド(J−H1)は、以下の式 DLL KN GER IEK VEG GGL YRT FAG NPR A (配列番号10) ここで、下線をつけられた部分はペプチドH1を表わす、 を有した。同様に、ポリペプチド(J−H2)が、式 DLL KN GER IEK VEG GGA EID YAT LGV GV (配列番号11) をもち製造される。
【0073】 本発明に従って製造され得る、もしくは対照としての他の代表的ポリペプチド
を、以下の表1に示す。
【0074】
【表2】
【0075】 当該ペプチドは、FMOC処置および最初の8残基のための二重カップリング
(double coupling)プロトコルを使用して合成されうる。通常、当該ペプチドは 、アミドの形態としてのカルボキシル末端をもち製造される。当該ペプチドは調
製HPLCを使用して精製されることができ、そして分析的HPLC、アミノ酸
分析および質量分析光度計(mass spectrophotometer)により分析されうる。当該
ペプチドは、HPLCの基準により95%より大きく、通常は98%より大きく
純粋であるべきである。乾燥ペプチドを乾燥剤とともにガラスバイアル中で−2
0℃で保存する。 II.複合ポリペプチドの製造 複合ポリペプチドは、いかなる複合化段階(conjugation step)も伴わない単一
ペプチドとして、または、チオエーテル法もしくは当業者に既知のいずれかの他
の複合方法を使用することによるペプチドP1およびペプチドP2の複合により、
合成されうる。
【0076】 以下の試験のための製剤は、約1000μg/mlのペプチドを含有するよう
に調節され、そして融解の準備ができているアリコートで凍結されて(−20℃
)保存され、そしてアジュバント(例えば、ミョウバン、MPL、ICFA、Q
S21、SF59、SAF−1)および/もしくは担体(例えばリポソームもし
くはノヴァソーム(Novasome))と共同して投与されうる。とりわけ、
当該ペプチドは、ノヴァソーム(Novasome)アジュバント中で乳化され
うる。例えば、ハンター(Hunter)のタイターマックス(TiterMa
x)(CYTRX)のような他のアジュバントもまた使用されうる。 III.免疫感作、抗血清の収集および処理 マウス試験動物を使用する腹腔内攻撃モデルを、HSV疾患の優勢な提示は腹
腔内でないとは言え、選択した。なぜなら、疾患の再現可能な経過がウイルス攻
撃後に発生するからであり;症状が容易に検出されかつ疾患の経過が質的に評価
され得るために、ウイルス攻撃の用量が十分に定義され得かつ腹腔内注入により
容易に送達され得るからであり;そして、生存の適切なパラメータが容易に評価
されうるからである。免疫機能の研究もまた、試験ワクチンに対する応答をさら
に特徴づけるために、インビトロで実施されうる。 ICP27のペプチドH1についての手順A 一連の実験で、3週齢のBalb/c雌性マウス(タコニック ファームズ(
Taconic Farms)、ニューヨーク州ジャーマンタウン)の群(群あ
たり12匹)を、以下の予定に従って免疫しそして試験放血した。予定A:第0
および14日に免疫、そして2週間後、各群の9匹のマウスを、腹腔内に投与さ
れた致死用量(<LD50)のHSV(H129臨床株)で穏やかに攻撃する。こ
の点に関して、幼若Balb/cマウスは、疾患の定義された経過を示し、それ
は、腹部腫脹、嗜眠、対麻痺から、1ないし2週以内の死亡まで進行する。従っ
て、ワクチン投与の有効性が容易に決定されうる。
【0077】 以下の表2は、試験されたペプチドに関して各群を同定する。
【0078】
【表3】
【0079】 *12匹のマウスの群を示されたとおり2群に分割した。 ペプチドの用量は、基礎として100μgのJH1を使用して、モル濃度を基礎
として決定した(0.033μモル/動物) **3匹の感染したがしかし生存しているマウスは、DTHもしくは天然に免疫感
作にされた抗血清に利用可能であった。
【0080】 各免疫感作は、33nモルの複合ポリペプチドもしくは複合されない抗原ペプ
チドH1(JH1ワクチンの100μgに同等)から成った。ペプチドを、ノヴ
ァソーム(Novasome)リポソームアジュバント(50v/v%)と混合
した。マウスを、接種の間の2週間の間隔を伴い2度免疫感作した。付加的な2
週間の後、マウスの大部分は、HSV−1のEKN臨床株での腹腔内攻撃を受領
した。マウスを毎日症状について評価した。DTHの評価を、HSV−1攻撃を
受領しなかった3匹のマウスで最初のワクチン投与6週間後に実施した。血液を
、免疫感作前およびウイルス攻撃前にELISA研究のため選択されたマウスか
ら得た。結果を、症状について(毎日を基礎とする)図1に、また、ワクチン投
与かつ致死より下(sub-lethal)の攻撃後の生存について図2に示す。
【0081】 図1では、症状を、 1−非特異的な軽度の症状 2−腹部の軽度の腫脹 3−腹部の有意の腫脹および倦怠 4−無能力化(incapacitation) 5−死亡 のように毎日得点をつけた。
【0082】 図1から、以下の結論が引き出されうる。すなわち 1.ワクチン投与されない(NO VAC)マウスは、攻撃後第10日まで軽度
の症状を表わし、この時点でそれらは腹部の有意の腫脹および倦怠に苦しめられ
た。1匹のマウスのみが回復した。 2.JH1ワクチン投与されたマウスは疾患から保護され、そして2匹のマウス
のみが有意の症状を示し、これらのマウスのうち1匹が死亡した。 3.H1ペプチド、GH1もしくはLH1複合ペプチドでワクチン投与されたマ
ウスは、感染の経過を通じてより重症の症状および死亡を表わした。 4.H1ペプチド、GH1もしくはLH1複合ポリペプチドでのワクチン投与は
疾患の症状を悪化させるようであった。
【0083】 図2から、最大の生存が、ワクチン投与されない、およびJH1ワクチン投与
されたマウスについて観察されたことがみられる。H1ペプチド、GH1もしく
はLH1複合体でのワクチン投与は疾患の症状を悪化させるようであった。
【0084】 DTH応答を、最後の免疫感作後4週間に、ワクチン投与されたマウス、およ
び3匹の疾患から回復したワクチン投与されないHSVで攻撃されたマウス(C
)について評価した。右耳介の腫脹を、紫外線で不活性化されたHSVの注入後
48時間に測定し、そして緩衝液で注入されていた左耳介と比較した。結果を図
3に示す。
【0085】 別の一連の平行実験で、Balb/c雌性マウス(n=9)を、上述されたH
SV−1攻撃実験についてと同一のプロトコルに従い、H1ペプチド、またはJ
H1、GH1もしくはLH1複合ポリペプチドでワクチン投与した。図3からみ
られるとおり、DTHが、炎症により誘発された発赤により質的に観察され、ま
た、ワクチン投与されないHSV−1で攻撃されたマウス(C)およびJH1で
ワクチン投与されたマウスについて定量的に測定されたが、しかし、GH1、L
H1もしくはH1ペプチドでワクチン投与されたマウスについてはされなかった
【0086】 上述されたと類似の試験を実施した。Balb/cマウス(4週齢)(n=6
)を、ワクチン投与しなかった(NO VAC)か、または、H1ペプチドもし
くは示された複合ポリペプチドでワクチン投与しかつ2週間後に再ワクチン投与
した。マウスをその後、2週間後にLD50のHSV−1で攻撃した。症状を、 1−非特異的な軽度の症状 2−腹部の軽度の腫脹 3−腹部の有意の腫脹および倦怠 4−無能力化 5−死亡 のように毎日得点をつけた。
【0087】 結果を、症状について図4に、生存について図5に、そしてDTHについて図
6に示す。
【0088】 ワクチン投与されないマウス、およびH1ペプチド、GH1もしくはLH1異
種複合体でワクチン投与されたマウスは、重症の症状および死亡を表わした。し
かしながら、JH1でワクチン投与されたマウスは疾患の症状および死亡から保
護された(図4および5を参照)。
【0089】 DTH応答を、ワクチン投与されたマウス、および3匹の疾患から回復したワ
クチン投与されないHSVで攻撃されたマウス(Ctrl)について、最終免疫
感作4週間後に評価した。
【0090】 この実験で使用されたプロトコルは図3のものとわずかに異なった。右耳介の
腫脹を、紫外線で不活性化されたHSVの注入前ならびに24、48および96
時間後にマイクロメーターにより測定し、そして、感染していないベロ細胞抽出
物で注入した左耳介と比較した。結果を図6に示す。
【0091】 図6から、DTHが、ワクチン投与されないHSV−1で攻撃された(C)お
よびJH1でワクチン投与された群のマウスの全部について、炎症により誘発さ
れた発赤により質的かつ量的に各日に観察されたことがみられる。若干の腫脹が
、GH1、LH1もしくはH1ペプチドでワクチン投与されたマウスの数匹(し
かし全部でない)について観察されたが、しかし、発赤はされなかった。
【0092】 上の結果から、複合ポリペプチド(ここで、T細胞結合ペプチドがTh1型の
免疫応答を主に導き出す、例えばペプチドJ)での免疫が、HSV−1での腹腔
内感染の後に疾患および死亡からの保護を提供することが理解される。
【0093】 抗原ペプチド、例えばペプチドH1に対する抗体応答はELISAにより検出
不可能である。
【0094】 本発明の複合ポリペプチドで免疫感作にされたマウスは、HSV−1に対する
DTH応答についての能力を発達する。
【0095】 抗原ペプチド単独も、LH1複合ポリペプチド(T細胞結合ペプチドLは主に
TH2型の応答を導き出すことを特徴とする)も、GH1複合ポリペプチドも、
保護を導き出さず、そして、実際、HSV攻撃の後に、悪化された疾患および死
亡率を有しうる。これらのポリペプチドはDTH応答を導き出さなかった。
【0096】 保護およびDTH応答の導出は、本発明の複合ポリペプチドでの免疫感作がT
H1のT細胞応答を刺激すること、および、T細胞応答が保護に十分であること
を示す。
【0097】 これらの試験は、従って、HSVに対する抗原ペプチドに対するTH1型の免
疫応答を導き出すT細胞特異的結合ペプチドを共有結合することもしくは複合す
ること(conjugating)が、TH1型のT細胞応答の発生を高めかつ促進しうるこ とを確証する。これらの研究は、この免疫応答が感染性の攻撃からの保護を導き
出すのに十分であり得ることを示す最初のものであると考えられる。 糖タンパク質BのペプチドB1についての手順B 単純疱疹ウイルスの治療のための有効なワクチンとしての本発明の複合ペプチ
ドの有効性をさらに確立するために、HSV−1もしくはHSV−2双方で見出
される糖タンパク質BのT細胞エピトープ(aa498−505、SSIEFA
RL)であるHSVのエピトープB1(ハンケ(Hanke)ら、J.Viro
l.65:1177−86;およびボンニュ(Bonneau)ら、Virol
ogy 195:62−70を参照)を選択し、そして上述されたようなペプチ
ドJもしくはペプチドGもしくはペプチドLのいずれかを用いて評価した。すな
わち、上の表1に記述されたような複合ペプチドGB1、JB1およびLB1を
、Balb/cマウスの代わりに、C57BI6マウスを、B1複合ペプチドも
しくは複合されないB1ペプチド(配列番号4)でワクチン投与したことを除き
、前に記述されたと同一条件下で試験した。生存の結果を表7に示す。B1ペプ
チドもしくは複合ペプチドLB1で免疫感作にされたマウスは、HSV−1攻撃
から保護されず(第8日後、それぞれ9中0、もしくは9中1の生存)、そして
、事実、B1およびLB1で免疫感作にされたマウスは、対照(ワクチン投与さ
れない)マウスより悪く進行した(fared)(第8日後に9中2の生存)。
【0098】 対照的に、複合ペプチドGB1もしくはJB1でワクチン投与されたマウスは
、それぞれ55.5%(9中5)および44.4%(9中4)の生存を有し、部
分的保護を暗示する。
【0099】 図6に関連して前に記述されたような3匹の攻撃されない免疫感作にされたマ
ウスで実施されたDTH試験では、JB1複合ペプチドワクチンで免疫感作にさ
れたマウスおよびHSVで攻撃された生存するマウスのみがDTH応答を表わし
た。GBワクチン投与されたマウスおよびBペプチドでワクチン投与されたマウ
スはDTH応答を表わさなかった。
【0100】 ワクチン投与されかつ攻撃されないマウス、ワクチン投与されかつ攻撃された
マウス、およびワクチン投与されずかつ攻撃されたマウスの抗体応答を、ELI
SAアッセイにより測定した。血清を、最初の免疫感作7週間後もしくはウイル
ス攻撃2週間後に得た。B1ペプチドもしくは感染した細胞の抽出物を抗原とし
てELISAプレートに結合した。結果を表3に示し、そして2もしくは3匹の
マウスから採取されたプールされた血清から取った。この結果を、関連しない抗
原に対して得られた吸光度を差し引くことにより、非特異的応答について補正し
た。
【0101】
【表4】
【0102】 表3に報告された結果から、特異的抗体が複合ペプチドワクチンでの免疫感作
後に検出されなかったことがみられる。また、ウイルス抗原全体に対する応答で
の有意差が、免疫感作されないマウスについて観察されなかった。
【0103】 ウイルス攻撃に際してJB1ワクチンで予備免疫感作されたマウスについての
B1ペプチドに対する大きな応答は、免疫感作のプライム−ブースト(prime-boo
st)機構、すなわち抗体産生と矛盾しない。
【0104】 ポリペプチドJH1およびGH1での試験の結果がポリペプチドJB1および
GB1での結果と比較される場合、GH1ポリペプチドでの保護の欠如に比較し
て、GB1ポリペプチドによりもたらされる保護が、ペプチドJ複合ポリペプチ
ドの双方が保護を与えた一方、B細胞(Th2)およびT細胞(Th1)応答双
方を導き出すペプチドGの結果でありうることが推測される。同様に、B1ペプ
チドがCTLエピトープおよびB細胞エピトープ双方を表わすと考えられる。
【0105】 従って、当業者は、上の結果を考慮して、HSV抗原ペプチドのエピトープの
性質を基礎として、標的細胞の発現、および、TCBLが向けられる応答の性質
、保護的免疫の型、そして、従って、本発明の複合ポリペプチドおよびそれを基
礎とするHSVに対するワクチンを形成するためのTCBLおよび抗原ペプチド
の最も適切な組み合わせを決定することができるであろう。
【0106】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 HSV−1での腹腔内攻撃後のワクチン投与されないおよびワクチン投与され
たマウス(HSV−1のICP27からの抗原ペプチドを基礎とした複合ポリペ
プチド、もしくは抗原ペプチド単独を使用して)の、ウイルス攻撃後の症状の状
態の結果(攻撃後日数に対する平均症状得点)をプロットするグラフである。
【図2】 図1で示された研究で使用されたと同一のワクチン投与されたおよびワクチン
投与されないマウスの、ウイルス攻撃後の生存の結果(攻撃後日数に対する生存
体(survivors)の%)をプロットするグラフである。
【図3】 図1に示された研究で使用されたような、3匹の生存するワクチン投与されな
いマウスおよびワクチン投与された攻撃されないマウスのそれぞれ3匹について
の遅延型過敏症(48時間後の腫脹のようなDTH応答)の結果をプロットする
グラフである。
【図4】 図1に類似の、しかし、LD50のHSV−1でワクチン投与されたおよびワク
チン投与されないマウスの攻撃後の第二の試験処置におけるグラフである。
【図5】 図2に類似の、しかし図4を調製するのに使用されたマウスの生存についての
グラフである。
【図6】 図4を調製するのに使用された、ワクチン投与されないおよびワクチン投与さ
れたマウスについての腫脹(%)としての遅延型過敏症(DTH)応答のグラフ
である(複合ポリペプチドもしくは抗原HSVペプチド単独のいずれかを使用す
る)。
【図7】 ワクチン投与されないおよびワクチン投与されたマウスについての生存パーセ
ント対時間(攻撃後日数)のグラフである(HSV−1の糖タンパク質Bからの
抗原ペプチドを基礎とした複合ポリペプチド、もしくは抗原ペプチド単独を使用
する)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/035 C07K 14/47 14/47 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,HR ,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 ローゼンタール,ケネス・エス アメリカ合衆国オハイオ州44333アクロ ン・ハーベストドライブ320 Fターム(参考) 4C084 AA02 BA23 NA14 ZB332 4C085 AA03 BA79 BB11 4H045 AA10 AA30 BA15 BA16 BA17 BA18 BA42 BA53 DA86 EA29 EA31 EA53

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単純疱疹ウイルスによる感染症の治療もしくは予防のための
    ワクチン中の免疫原として有効な免疫原性の複合ポリペプチドであって、前記ポ
    リペプチドが式P1−x−P2もしくはP2−x−P1により表わされ、 式中、P1が、ICP27、糖タンパク質B、リボヌクレオチドレダクターゼ 、ICP4、ICP34.5、糖タンパク質Eおよび糖タンパク質Fから成る群
    から選択される、単純疱疹ウイルスタイプ1もしくはタイプ2のタンパク質から
    の単純疱疹ウイルス特異的抗原ペプチドを表わし; P2が、T細胞の1種のクラスもしくはサブクラスへの結合を促進する免疫タ ンパク質の一部でありかつ主にTH1型の免疫応答をペプチドP1に向ける免疫 調節ペプチドを表わし;そして xが、共有結合、または切断可能なもしくは非切断可能なペプチド連結基を表
    わすポリペプチド。
  2. 【請求項2】 ペプチドP1が、 LYR TFA GNP RA (配列番号1) AEI DYA TLG VGV (配列番号2) DYA TLG VGV (配列番号3) および SSI EFA RL (配列番号4) から成る群から選択される、請求項1に記載の複合ポリペプチド。
  3. 【請求項3】 ぺプチドP2が、 DLL KNG ERI EKV E (配列番号19) およびNGQ EEK AGV VST GLI (配列番号20) から成る群から選択される、請求項1に記載の複合ポリペプチド。
  4. 【請求項4】 DLL KNE GER IEK VEG GGL YRT FAG NPR A (J−H1) (配列番号10) DLL KNG ERI EKV EGG GSS IEF ARL (J−B
    1) (配列番号16)および NGQ EEK AGV VST GLI GGG SSI EFA RL (
    G−B1) (配列番号17) から成る群から選択される、請求項1に記載の複合ポリペプチド。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の複合ポリペプチド、および製薬学的に有効
    な担体を含んで成る、単純疱疹ウイルスの治療もしくは予防で有効な組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の複合ポリペプチドの治療上有効な量を、そ
    れを必要とする患者に投与することを含んで成る、単純疱疹ウイルスの治療もし
    くは予防方法。
  7. 【請求項7】 個体からのT細胞を請求項1で定義されるような式P1−x −P2もしくはP2−x−P1により表わされる複合ポリペプチドと混合すること 、そしてT細胞と複合ペプチドとの間の反応を検出することを含んで成る、単純
    疱疹ウイルスによる、個体での活動性もしくは潜伏性の感染症の存在の診断方法
  8. 【請求項8】 複合ポリペプチドが、前記反応の検出を助長するために検出
    可能な種で標識されている、請求項1の方法。
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