JP2001518075A - 新生血管形成の予防用および悪性疾患の治療用のキノゾリノン含有医薬組成物 - Google Patents

新生血管形成の予防用および悪性疾患の治療用のキノゾリノン含有医薬組成物

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、医薬上許容される担体と組み合わされた、有効成分としての医薬上有効量の式(I)[式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、および低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、R3は水素および低級アルケノキシよりなる群のメンバーである]を有する化合物またはその医薬上許容される塩を含めた、新生血管形成を緩和するための、および悪性疾患を治療するための組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 新生血管形成の予防用および悪性疾患の治療用の キノゾリノン含有医薬組成物 発明の分野および背景 本発明は、キノゾリノンを含有する組成物に関する。さらに詳しくは、本発明 は、一次腫瘍増殖、腫瘍の進行および転移の阻害を含めた、脈管形成−関連病の 治療用の、ならびに悪性疾患の治療用の、キノゾリノン誘導体を含有する組成物 に関する。 悪性疾患は腫瘍の増殖および拡大によって特徴付けられる。多数の因子がこの 病気の進行において重要である。これらの因子は、アポトーシス(プログラムさ れた細胞の死滅)、脈管形成のメカニズムを回避する腫瘍細胞の能力および転移 する悪性腫瘍の能力を含む。これらの因子のいずれか1つは治療介入の潜在的な 標的である。これらの因子のうちの2以上に影響できる治療は特に望ましいであ ろう。 脈管形成は複雑なプロセスであり、ここに、毛細血管は秩序だった配列の事象 で増殖する[J.FolkmanおよびM.Klagsbrun,Science,第235巻、442− 447頁(1987);J.FolkmanおよびY.Shing,J.Biol.Chem.,第267 巻、10931−10934頁(1992)]。脈管形成は以下のように悪性疾 患の発生および進行に関係する。腫瘍が一旦開始すると、腫瘍細胞集団の各増加 は、腫瘍に集中し、かつ細胞に酸素および栄養素を供給する新しい毛細血管の増 加に先行される[J.Folkman,Perspect in Biol.and Med.,第29巻,10− 36頁(1985),J.Folkman,J.Natl.Cancer Inst.,第82巻,4−6 頁(1989);N.Weidnerら,Amer.J.Pathol.,第143巻、401−40 9頁(1993)]。従って、伴う脈管形成プログラムが活性化されるのが妨げ られる限り、腫瘍は比較的無害に止まり、元のそれらの組織に限られる。腫瘍進 行における脈管形成−依存性過程は全ての病因の固形腫瘍によって共に保有され るので、腫瘍−関連脈管形成を阻害する能力は癌と戦うのに最も有望なアプロー チである[M.S.O'Reillyら、Cell,第79巻、3 16−328頁(1994)]。 実質的な実験的証拠は、腫瘍脈管形成が固形腫瘍の増殖および転移の基礎であ ることを支持する[J.Folkman,前掲、(1989);N.Weidnerら、前掲(199 3);M.S.O'Reillyら、前掲(1994);N.Weidnerら、E.Eng.J.Med.、第 324巻、1−8頁(1991)]。事実、固形腫瘍の大部分は、固形腫瘍にお けるその誘導が1以上の脈管形成因子によって媒介される新生血管形成の発生の 後まで臨床的に検出さえできない[J.Folkner、前掲(1987);J.Folkman およびY.Shing、前掲(1992)]。 さらに、脈管形成は、関節炎、感染、糖尿病性網膜症、慢性炎症、強皮症、血 管腫、水晶体後繊維増殖症および友血病関節における異常毛細血管増殖、延長さ れた月経および出血、および女性生殖系の他の障害を含めた、多数の他の病理学 的プロセスでも重要である[J.Folkman,Nature Medicie、第1巻、27−31 頁(1995);J.W.Millerら、J.Pathol.、第145巻、574−584頁 (1994);A.P.Adamidら,Amer.J.Ophthal.、第118巻、445−45 0頁(1994);K.Takahashiら、J.Clin.Invest.、93頁、2357−2 364(1994);D.J.Peacockら、J.Exp.Med.、第175頁、1135− 1138(1992);B.J.NickoloffらAmer.J.Pathol.、第44巻、82 0−828頁(1994);J.Folkman,Steroid Hormones and Uterine Bleedi ng、N.J.AlexanderおよびC.d'Areangues編、American Association for the Advancement of Science Press,ワシントンD.C.、米国、144−158頁 (1992)]。 従って、明らかに、脈管形成のメカニズムを特異的にブロックする新しいメカ ニズムは、多数の異なる病気の治療で医学的に有用である。脈管形成の基本的な メカニズムは以下の通りである。略言すれば、新しい脈管の新芽が細静脈の側面 から増殖すると、内皮細胞は基底膜を分解し、脈管形成源まで移動し、ルーメン を形成し、2つの新芽の先端を連結して毛細血管ループを生じ、新しい基底膜を 作成する[J.Folkman,Perspectives in Biology and Medicine、第29巻、1 −36頁(1985)]。 ECMの分解および再構築は脈管形成の必須の過程である。加えて、コラー ゲン、ラミニン、トロンボプラスチン、フィブロネクチンおよびSPARCのよ うな内皮細胞によって合成されたECM成分は内皮細胞の増殖、移動および形状 を調節するように機能する[J.Bischoff,Trends Cell Biol.、第5巻、69− 74頁(1995)]。発芽および管形成を受けているウシ大動脈内皮細胞(B AE)はI型コラーゲンおよびSPARCを合成する。I型コラーゲンはBAE 細胞の移動および組み立てを指示できる[M.L.Iruela-Arispeら,Lab.Invest .,第64巻、174−186頁(1991)。さらに、内因性I型コラーゲン は密集ヒト皮膚ミクロ血管内皮細胞による迅速な管形成を促進することが見出さ れた[C.J.JacksonおよびK.L.Jenkins,Exp.CellRes.、第192巻、319 −323頁(1991)]。そのように形成された管はルーメン空間でコラーゲ ンフィブリルを含有し、これは、内皮細胞が管構造に折り畳まれ、配列するのに フィブリルを使用することを示唆する。 脈管形成におけるコラーゲンの役割はいくつかのグループによって調査された 。I型およびIV型コラーゲンの合成の代謝阻害は漿尿膜(CAM)アッセイで 毛細血管形成を阻害する(Maragoudakis,M.E.ら,Int.J.Radiat Biol.、第 60巻、54−9頁、1991)。さらに、CAMで実験的に誘導された脈管形 成は、大量のコラーゲンの沈積が伴うことが判明した。コラーゲンゲル内の大動 脈外植体からの内皮細胞移動は、もしプロリンアナログであるシス−ヒドロキシ プロリンの存在下で増殖したならば、阻害され、再度、正常なコラーゲン合成に 対する必要性を示す(Nicosia,R.F.ら、In Vitro Cell Dev.Biol.、第27巻 A、961−6頁、1991)。 In vitro実験は、I型コラーゲンおよびカルシウム結合性蛋白質SPARC( 分泌蛋白質、酸性、システインが豊富)の共発現が、ウシ大動脈内皮細胞BAE Cが発芽する脈管形成を受けると開始されることを示唆する(Iruela-Arispe,M .L.ら、Arterioscler Thromb.、第11巻、805−15頁、1991)。VI II型コラーゲンは発芽の間にも合成され、内皮コード内の増殖する内皮細胞に 局所化されている。正常な腫瘍および実験的に誘導された脈管形成の組織学的調 査は、I型およびVIII型コラーゲンが内皮コードおよび管内に局所化される という証明を拡大した(Kittelberger,R.ら、Connect.Tissue Res.、 第24巻、303−18頁、1990)。BAECが脈管形成ヒアルロン酸(H A)オリゴ糖に露出されると、I型コラーゲンの合成は4−5倍上昇調節され、 VIII型コラーゲンの合成は12時間内に5.8倍増強されると報告されてい る。I型コラーゲンは内皮細胞移動を助けると考えられ、他方、VIII型コラ ーゲンは内皮細胞の移動および管形成に関与すると考えられている。 コラーゲンの生産に加えて、毛細血管を拡大するには、相互作用がECM成分 と周囲のマトリックス分子との間で起こらなければならず、これは新しい血管の ECM成分のための足場を供する[Brooks,P.C.ら、Cell、第79巻、115 7−1164頁(1994)]。脈管形成血管細胞において増強された発現を有 するヒト内皮細胞インテグリンα2β3でのこれらの細胞−マトリックス相互作用 誘導アポトーシスの破壊もまた生存シグナルを促進することが判明した。という のは、このインテグリンの阻害剤は計画されていないアポトーシスおよび新しく 形成された血管の崩壊を引き起こした。 脈管形成−関連病を治療するために、血小板第4因子、フマジリン誘導体AG M1470、インターフェロンα2a、トロンボスポンジン、血管静止ステロイ ド、およびアンジオスタチンを含めた脈管形成の前記メカニズムのいくつかの阻 害剤が研究されつつある[J.Folkman,前掲,(1995);M.S.O'Reillyら 、前掲(1994);V.Castleら、J.Clin.Invest.、第87巻、1883− 1888頁;D.Ingberら、Nature、第348巻、555−557頁]。これら のテストした化合物は全て不利を有する。例えば、エンドスタチンおよびアンジ オスタチンは蛋白質であり、従って、それらは、非経口投与されるための要件を 含めた、蛋白質の不利の全てを有する。従って、他の生理学的機能に悪影響する ことなく脈管形成の基礎となるメカニズムを選択的にブロックし、多くの異なる 経路によって投与し得る非蛋白質性阻害剤は極端に有用である。そのような阻害 剤は、病理学的過程の一部として脈管形成を含む、悪性疾患のような広く種々の 病気の治療で有用であろう。 前記したように、ECMの分解および再構築は脈管形成に必須のプロセスであ る。このようなプロセスはコラーゲンのようなECMの多数の成分の合成を含む 。コラーゲン代謝の多数のモジュレーターが脈管形成に対するそれらの効 果につき調べられている[Nakajima M.ら、Cancer Res.、第9巻、1698−1 706頁、1989;Turpeenniemi-Hujanen,T.ら、J.Natl.Cancer Inst.、 第75巻、99−103頁、1985;Monteagudo,C.ら、Amer.J.Pathol.、 第136巻、585−592頁、1990]。ニワトリヒナ胚における増殖する 毛細血管の退行は、L−アゼチジン−2−カルボン酸、シス−ヒドロキシプロリ ン、dL−3,4−デヒドロキシプロリンおよびチオプロリンのようなプロリン アナログによって誘導された。これらの化合物およびα,α−ジピリジル(プロ リルヒドロキシラーゼの阻害剤)は、全て、三重ラセン形成に干渉し、コラーゲ ン沈積を妨げる。β−アミノ−プロピオニトリル(コラーゲン架橋の阻害剤)も また抗−脈管形成であるが、β−メチル−d−キシロシド(グリコサミノグリシ ン沈積の阻害剤)は抗脈管形成活性を有しなかった[Herron,G.S.ら、J.Biol .Chem.、第261巻、2814−2818頁、1986;Reich,R.ら、Clin. and Exp.Metastasis、第13巻、134−140頁、1995]。脈管静止ス テロイドおよび/またはヘパリンとのコラーゲンモジュレーターの最適下用量の 共投与は脈管形成の阻害を増強した。 加えて、腫瘍自体、特に固形腫瘍は、腫瘍増殖を支持する脈管形成用のコラー ゲンの要件に加えて、継続した増殖および進行のためにコラーゲンの合成および 沈積に頼っている。固形腫瘍は2つの区別されるが相互に依存する区画:悪性細 胞自体および間質よりなり、これは増大したECMおよびI型コラーゲン合成に よる腫瘍増殖を支持する(Folkman,J.,Seminars in Cancer Biology,第3巻、 56−71頁、1992)。間質は腫瘍増殖に必須である。というのは、それは 栄養素、ガス交換および廃棄物の廃棄を得るために腫瘍によって要求される血管 供給を支持するからである。大量の腫瘍間質(いくつかの場合では90%まで) は間隙結合組織よりなる。この組織はI型およびIII型、フィブリン、フィブ ロネクチン、テナシン、エラスチンおよび硫酸化プロテオグリカンを含めた間隙 コラーゲンのような構造蛋白質を含む(Dvorak,H.F.,N.Eng.J.Med.、第3 15巻、1650−1659頁、1986;Yeo,T.K.、Diagnostic Immunopat hology中の「Tumor Stroma」、Colvin,R.B.ら編、Raven Press,New York,9 85−696頁)。コラーゲン形成の一般的阻害剤が腫 瘍増殖に対するそれらの効果につき調べられ、マウスにおける腫瘍増殖を阻害す ることが判明しているが、長期安全投与では余りにも毒性であるとことが判明し た。かくして、コラーゲンの合成および沈積の現在入手できる阻害剤は悪性疾患 に適しない。 加えて、脈管形成または腫瘍増殖に対するそれらの効果が調べられていないコ ラーゲンの合成および沈積の多くの他の阻害剤は一般に望ましくない。何故なら ば、それらはコラーゲン代謝経路につき特異性を欠くからである。かくして、多 くの現在入手可能な薬物は有害な副作用を有する。 例えば、コラーゲン生産繊維芽細胞の増殖を遅延させようとする試みにおいて 、細胞外マトリックスへのコラーゲン分泌を遅らせるコルヒチン[D.Kershenob ichら、N.Engl.J.Med.、第318巻、1709頁(1988)]のような細 胞傷害性薬物が使用されてきた[J.A.Casesら、Ann.Rhem.Dis.、46巻、7 63頁(1987)]。他の薬物は鍵となるコラーゲン代謝酵素の阻害剤として 作用する[K.Karvonenら、J.Biol.Chem.、第265巻、8414頁(199 0);C.J.Cunliffeら、J.Med.Chem.、第35巻、2652頁(1992) ]。しかしながら、これらの阻害剤のいずれも特異的タイプのコラーゲンの代謝 および沈積につき特異的効果を有しない。また、これらの薬物は、古典的補体経 路におけるClq、神経−筋肉接合終板のアセチルコリンエステラーゼ、コング ルチニンおよび肺界面活性剤アプロプロテインのような、他のウイルスコラーゲ ン様分子の生合成に干渉し得る。このような干渉および特異性の欠如は潜在的に ひどい悪影響を有し得る。 ニフェジピンおよびフェニトインのような、コラーゲン合成を阻害できる他の 薬物は同様に他の蛋白質の合成を阻害し、それにより、コラーゲン生合成経路を 非特異的にブロックする[T.Saloら、J.Oral Pathol.Med.、第19巻、40 4頁(1990)]。蛋白質合成の非特異的阻害の結果、薬物を患者に投与した 場合に、有害な副作用がもたらされかねない故に、再度、特異性の欠如はこれら の薬物の臨床的用途をかなり低下させる。 事実、β−アミノ−プロピオニトリルのようなコラーゲン架橋性阻害剤を含め た、臨床的に利用できる抗−繊維症薬物も非特異的である。不運にも、これ らのコラーゲン架橋性阻害剤の特異性の欠如は、結局は、長期間の使用の後にひ どい副作用の結果となる。これらの副作用は、ラスリティック(lathritic)症 候群、ならびに破壊された染色体異常誘発性を含む。後者の副作用は、エラスチ ン(もう1つの繊維状結合組織蛋白質)の架橋の破壊の結果である。加えて、こ れらの薬物のコラーゲン架橋阻害効果は二次的であり、従って、コラゲナーゼに よる分解前にコラーゲンがまず過剰生産されなければならない。かくして、コラ ーゲン自体の合成のタイプ特異的阻害剤が明らかに要求される。 このようなタイプ特異的コラーゲン合成阻害剤は、強皮症および移植片−対− 受容者病のようなある種の繊維症疾患の治療用に、米国特許第5,449,67 8号に開示されている。これらの疾患の双方は、ハロフギノンによって阻害され 得る過剰コラーゲン沈積に関連する。この特異的阻害剤は、医薬上有効量の式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニルおよ び低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] の医薬上活性な化合物を含む組成物である。この群の化合物のうち、ハロフギノ ンがこのような治療に特に効果的であることが判明した。 PCT特許出願第96/06616号は、さらに、これらの化合物が、血管平 滑筋細胞の増殖を予防することによって再狭窄を効果的に治療できることを開示 する。再狭窄は、血管損傷に応答しての患部血管のルーメン内の平滑筋細胞増殖 および細胞外マトリックス蓄積によって特徴付けられる[Choiら、Arch. Surg.、第130巻、257−261頁(1995)]。このような平滑筋細胞 増殖の他の1つの特質は、合成表現型に対する正常収縮性表現型からの表現型改 変である。I形コラーゲンは、ハロフギノンによってブロックされ得る、このよ うな表現型改変を支持することが示されている[Choiら、Arch.Surg.、第13 0巻、257−261頁(1995);PCT特許出願第96/006616号 ]。従って、ハロフギノンは、I型コラーゲンの合成をブロックすることによっ て、血管損傷後に平滑筋のこのような異常再分化を防止し得る。他のin vitro実 験は、ハロフギノンが3T3繊維芽細胞の増殖を阻害することもできることを示 す[米国特許第5,449,678号]。 しかしながら、ハロフギノンの該in vitro実験はそのin vivo効果を常には予 測しない。例えば、ハロフギノンは、米国特許第5,449,678号に証明さ れているごとく、in vitroで骨クロンドロサイトにおいてI型コラーゲンの合成 を阻害する。しかしながら、ハロフギノンで処理したニワトリは、骨破壊の増大 した速度を有すると報告されておらず、これは該効果がin vivoで観察されない ことを示す。従って、in vivoでのハロフギノンの正確な挙動はin vitro実験か ら正確には予測できない。 さらに、腫瘍の増殖および進行に関連する生理学的プロセスをブロックまたは 阻害するハロフギノンまたは他の関連キノリノンの能力は当該分野で知られてい ない。ハロフギノンはI型コラーゲンの合成に対する特異的阻害効果を有するこ とが知られているが、このような阻害は特にin vivoにて腫瘍進行を遅延または 停止させることが従前には示されていない。事実、脈管形成単独のメカニズムの 特異的阻害は、典型的には、悪性疾患の治療用に臨床的に使用されなかった。 悪性疾患の治療用の最も臨床的に利用できるアプローチは、増殖する細胞を活 動的に死滅させるために、化学療法または照射治療のような細胞傷害性療法に焦 点を当てる。不運にも、これらの療法は非癌細胞にとってはかなり毒性であり、 骨髄抑制、毛髪喪失および胃腸の乱れのようなひどい副作用を引き起こす。特に 、これらの療法は、全ての活動的に増殖する細胞を単純に死滅させるというより は、腫瘍細胞において特異的にアポトーシスを誘導することができ ない。しかしながら、アポトーシスの特異的誘導は、明らかに、無差別な細胞傷 害性を引き起こすことなく、癌細胞を選択的に死滅させるための重要なメカニズ ムである。従って、明らかに、アポトーシスを引き起こす医薬は悪性疾患の治療 でかなり有用であろう。 一次腫瘍増殖、腫瘍の進行および転移を含めた悪性疾患の治療は、かくして、 腫瘍の増殖および転移に要求される多数の異なるメカニズムを阻害する、または そうでなければそれに影響することによって、潜在的に作用し得る。従前に記載 されているこれらのメカニズムは、脈管形成、コラーゲンの沈積および正常アポ トーシスの不在を含む。不運にも、悪性疾患用の現在入手できる治療は、これら のメカニズムのうちの1つの阻害よりもむしろ細胞傷害性に焦点を当てる。確か に、現在入手できる治療のいずれもがこれらのメカニズムの全てを阻害すること はできない。 かくして、他の生理学的プロセスに実質的に悪影響することなく、特にin viv oで効果的であり、脈管形成を阻害できる、腫瘍の増殖、進行および転移の阻害 剤に対する広く認識された医学的要望がある。 発明の概要 予期せぬことに、後記実施例に記載するごとく、ハロフギノンがin vivoで腫 痘進行を遅延させまたは停止させることができることが判明した。特定の仮定に 拘束させるつもりはないが、ハロフギノンは多数の異なるメカニズムを通じて作 用することができる。例えば、ハロフギノンは、脈管形成を阻害することによっ て、ECM沈積をブロックすることによって、IV型コラーゲンの活性を阻害す ることによって、アポトーシスを誘導することによって、またはH19遺伝子発 現を阻害することによって、あるいは恐らくは、これらのメカニズムの組合せを 介して、作用することができるが、もう1つのメカニズムまたは複数のメカニズ ムも応答可能であろう。しかしながら、単一のメカニズムに限定されるのは望ま れるものではなく、また必要でもない。というのは、後記にて提示するin vivo データは明らかにin vivoにて腫瘍進行の阻害剤としてのハロフギノンの効果を 示すからである。 本発明の実施形態により、医薬上許容される担体と組み合わされた医薬上有効 量の化合物を含む、腫瘍を治療するための組成物が提供され、該化合物は式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシよりなる群のメンバーである] を有する群のメンバーである。 本発明のもう1つの実施形態により、医薬上許容される担体と組み合わされた 医薬上有効量の化合物を含む、新生血管形成を実質的に阻害するための組成物が 提供され、該化合物は式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシよりなる群のメンバーである] を有する群のメンバーである。 本発明のさらにもう1つの実施形態により、医薬上許容される担体と組み合わ された医薬上有効量の化合物を含む、腫瘍細胞のアポトーシスを誘導するた めの組成物が提供され、該化合物は式:[式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシよりなる群のメンバーである] を有する群のメンバーである。 本発明のさらにもう1つの実施形態により、医薬上許容される担体に医薬上有 効量の化合物を配合する工程を含むことを特徴とする、腫瘍を治療するための医 薬を製造する方法が提供され、該化合物は式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] を有する群のメンバーである。 本発明のさらにもう1つの実施形態により、医薬上許容される担体に医薬上有 効量の化合物を配合する工程を含むことを特徴とする、新生血管形成を実質 的に阻害するための医薬を製造する方法が提供され、該化合物は式:[式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] を有する群のメンバーである。 本発明のさらにもう1つの実施形態により、医薬上許容される担体に医薬上有 効量の化合物を配合する工程を含むことを特徴とする、腫瘍細胞においてアポト ーシスを誘導するための医薬を製造する方法が提供され、該化合物は式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] を有する群のメンバーである。 本発明のさらにもう1つの実施形態により、医薬上有効量の式:[式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] の化合物を含む、細胞外マトリックスの沈積によって可能となる細胞増殖を阻害 するための組成物が提供される。 本発明のさらにもう1つの実施形態により、医薬上有効量の式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] の化合物を含む、細胞移動を阻害するための組成物が提供される。 本発明のさらにもう1つの実施形態により、医薬上有効量の式:[式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] の化合物を含む、転移を阻害するための組成物が提供される。 前記実施形態の全てに関し、好ましくは、該化合物はハロフギノンである。 また、好ましくは、該腫瘍は乳癌、肺癌、膀胱癌、横紋筋肉腫、血管肉腫、結服 、前立腺または膵臓の腺癌、頸部の鱗状細胞癌、卵巣眼、悪性繊維状組織球癌、 皮膚癌、平滑筋肉腫、星状細胞腫、神経膠腫および肝細胞肉腫よりなる群から選 択される。より好ましくは、該乳癌は乳房の侵潤性管癌である。あるいは、かつ より好ましくは、該膀胱癌は膀胱癌腫である。また、あるいは、かつより好まし くは、該皮膚癌は悪性メラノーマである。 以後、「ハロフギノン」なる用語は、式: を有する化合物およびその医薬上許容される塩として定義される。該組成物は、 好ましくは、該化合物用の医薬上許容される担体を含む。 好ましくは、前記で言及した化合物の全ては、該式で定義した化合物自体、お よび/またはその医薬上許容される塩のいずれかであり得る。 図面の簡単な説明 添付の図面を参照し、例示としてのみ本発明をここに記載する。 図1A−1Lは、ハロフギノンによる、マウスまたはラットにおける癌の7つ の異なるモデルでの5つの異なる腫瘍のin vivo腫瘍増殖の阻害を示す。 図2Aおよび2Bは、ヒト平滑筋腫瘍細胞の3H−チミジン取り込みおよび増 殖に対するハロフギノンの効果を示す。 図3はハロフギノンの存在下におけるT50膀胱癌腫培養におけるIV型コラ ゲナーゼ活性の用量依存性阻害を示す。 図4はハロフギノンによるRT112および5376膀胱癌腫細胞系における H19遺伝子の発現の阻害剤である。 図5Aおよび5Bは、ハロフギノンの投与後の、膀胱腫瘍の周囲に由来する切 片におけるアポトーシスの誘導を示す。 図6A−6Dは、ハロフギノンの投与後の、腫瘍の中心から採取した切片にお けるアポトーシスの誘導を示す。 図7A−7Dはハロフギノンによる腫瘍細胞増殖の阻害を示す。 図8Aおよび8Bは、ウシ繊維芽細胞増殖因子(bFGF)の不在下または存 在下における、培養中に維持されたウシ大動脈内皮細胞への3H−チミジン取り 込みに対するハロフギノンの効果を示す。 図9Aおよび9Bは毛細血管様ネットワークへのウシ大動脈内皮細胞の組織化 に対するハロフギノンの阻害効果を示す。 図10Aおよび10Bは、I型コラーゲンゲルに包埋したラット大動脈環から のミクロ血管形成に対するハロフギノンの阻害効果を示す。 図11は、図10Aおよび10BのI型コラーゲン包埋ラット大動脈環を用い る、ミクロ血管形成に対するハロフギノンの阻害効果の用量依存性曲線である。 図12は、ハロフギノンの阻害効果の可逆性を示す。 図13は、ウシ角膜内皮細胞と共に内皮下細胞ECMへのスルフェート取り込 みに対するハロフギノンの効果を示す。 図14A−14Dは、ウシ角膜包埋内皮細胞によるECMへのスルフェート、 プロリン、リシンおよびグリシンの取り込みに対するハロフギノンの効果を比較 する。 図15A−15Dは、ラット糸球体間質細胞のECMへのスルフェートおよび グリシン取り込みに対するハロフギノンの効果を示す。 図16A−16Fは、マウスの眼におけるin vivo新生血管形成に対するハロ フギノンの阻害効果を示す。 図17は、インテグリンα鎖発現に呈するハロフギノンの効果に関するノーザ ンブロットを示す。 図18は、RT−PCRによって測定したβサブユニット発現に対するハロフ ギノンの効果を示す。 発明の簡単な説明 ハロフギノン、および拡張により、米国特許第3,320,124号に記載さ れ、特許請求されている関連キナゾリノン誘導体は、以下「パンスタシス(pans tasis)」という多数の区別される阻害メカニズムを介して、腫瘍の増殖、進行 および転移を明害する。これらのメカニズムは、限定されるものではないが、脈 管形成の阻害、ECM沈積の予防、IV型コラゲナーゼ活性の阻害、インテグリ ン発現の阻害、アポトーシスの誘導およびH19遺伝子発現の阻害を含む。 これらのメカニズムの特異的態様に関して、脈管形成およびECM沈積は従前 に記載されている。IV型コラゲナーゼは転移および細胞侵入に関与する重要な 金属プロテアーゼ酵素である。アポトーシスは、前記したように、悪性細胞にお いてブロックされるプログラムされた細胞死滅であり、これは従って「不滅」と も記載される。H19遺伝子は膀胱癌の初期段階に関連する腫瘍マーカー遺伝子 である。より具体的には、H19遺伝子は、組織分化が起こっている時の胎児発 生間にその発現がピークとなる発生学的に調節された遺伝子である。H19含有 領域内の染色体異常は、Wilms腫瘍、副腎皮質癌、胚芽腫、横紋筋肉腫、肺腫瘍 、栄養膜腫瘍および膀胱癌のような悪性疾患の初期段階に関連する[B.Tycko, Am.J.Path.、第144巻、431−439頁、1994;de Gr oot,N.ら、Trophoblast Res.、第8巻、2285−2302頁、1994;Rac hmilewitz,J.ら、Oncogene、第11巻、863−870頁、1995]。 パンスタシスの重要性は、ハロフギノンの作用メカニズムが活動的に細胞傷害 性であること無くして多くの異なる細胞増殖抑制活性を含むことである。そのよ うな細胞増殖抑制活性は、薬物耐性を生じるようではなく、また、非癌細胞に影 響することによって、有害な副作用を生じるようでもない。従って、ハロフギノ ンは活動的に細胞傷害性である癌に対する現在利用可能な療法から区別できる。 好ましい実施形態の説明 予期せぬことに、後記実施例に記載するように、ハロフギノンはin vivoで腫 瘍の進行を遅延させまたは停止させることが判明した。具体的メカニズムに関係 なく、後記にて提示するデータは、明らかに、腫瘍進行を阻害する時点における in vivoでのハロフギノンの効果を示す。 そのような知見は3つの理由で予期せぬことである。まず、in vitroでのハロ フギノンの挙動はin vivoでのその挙動に正確には対応しない。これは、in vivo およびin vitroにて骨軟骨細胞で観察されるハロフギノンの種々の効果によって 示される。ハロフギノンは米国特許第5,449,678号で示されるように、 in vitroで軟骨細胞におけるI型コラーゲンの合成を阻害する。しかしながら、 ハロフギノンで処理したニワトリは、骨破壊の増加した速度を有することは報告 されておらず、これは、該効果がin vivoでは観察されないことを示す。従って 、in vivoでのハロフギノンの正確な挙動は、常には、in vitro実験から予測す ることはできない。 第2に、ハロフギノンによる細胞増殖の阻害の唯一の従前に知られている例は 、血管損傷に応答して表現型が変化したようになった平滑筋細胞、または3T3 繊維芽細胞いずれかに関係するものであった[PCT出願第96/06616号 およびChoiら、Arch.Surg.、第130巻、257−261頁(1995)]。これ らの細胞は組織化無くして単純に増殖した。対照的に、脈管形成は高度に組織化 された血管構造の形成を含む。かくして、ハロフギノンがそのような脈 管形成を阻害できるという知見は新規であると共に非自明である。 さらに、後記にて与えられる実施例は、ハロフギノンが、in vivoならびにin vitroにて、細胞外マトリックスの沈積によって可能となる細胞増殖の阻害でも 有効であることを明らかに示す。コラーゲン沈積の阻害は特にin vivoでは従前 には示されていない。 加えて、本明細書中で提示するデータは、IV型コラゲナーゼ活性の、腫瘍マ ーカー遺伝子発現の、およびインテグリン発現の阻害の効果的な阻害剤であるこ とも示す。また、該データはハロフギノンが腫瘍細胞のアポトーシスを誘導でき ることも示す。ハロフギノンのこれらの効果は従前には示されていない。 かくして、先行技術はハロフギノンがin vivoで悪性疾患の治療で有用であろ うことを教示も示唆もしない。さらに、腫瘍進行を遅延させまたは停止させる、 細胞外マトリックスの沈積によって可能となる細胞増殖を阻害する、IV型コラ ゲナーゼ活性を阻害する、インテグリン発現を阻害する、およびアポトーシスを 誘導するハロフギノンおよび関連化合物の能力は新規であると共に非自明である 。in vivoにおいてこのような能力が示されるのは、ハロフギノンに対するin vi troおよびin vivoでの種々の応答を考えれば、特に予期せぬことである。 さて、その態様がより十分に理解され、認識されるように、以下の図面および 実施例におけるある好ましい実施形態と関連させて本発明を記載するが、本発明 はそれらの特定の実施形態に限定される意図のものではない。対照的に、全ての 別法、修飾および同等物は添付の請求の範囲によって定義される本発明の範囲内 に含まれる。かくして、好ましい実施形態を含む以下の図面および実施例は本発 明の実施を例示するために供され、示された詳細は例示的なものであり、本発明 の好ましい実施形態の例示的記載の目的のためだけのものであって、最も有用で あり、かつ処方的手法の、ならびに本発明の原理および概念的態様の記載を容易 に理解すると考えられるものを提供するために提示されると理解される。 以下の例示的実施例および図面を参照して本発明はより容易に理解することが でき、専らハロフギノンに言及するが、ここに出典を明示してその教示を本明細 書の一部とみなす米国特許第3,320,124号に記載され特許請求さ れている他のキナゾリノン誘導体は同様の特性を有するものと考えられる。 実施例1 ハロフギノンによるマウスおよびラットにおける腫瘍増殖の阻害 マウス、ラットおよびヒト起源の5つの異なるタイプの腫瘍の増殖の阻害を、 3つの異なる株のマウス、C3H、CD1−nu無胸腺およびC57BL/6マ ウス、およびラットのFischer株で、in vivoにて調べた。T50膀胱癌をC3H マウスに投与した。加えて、N−ブチル−N−4−ヒドロキシブチルニトロソア ミンをこれらのマウスの飲料水に添加することによって、膀胱癌をin situにて C3Hマウスにおいて誘導した。C57BL/6マウスをEHS肉腫細胞で接種 した。MCF−7乳癌またはメラノーマの攻撃的変種であるMDA435でヌー ドマウスを接種した。Fischerラットの脳に、1*105悪性繊維状組織球腫細胞 の懸濁液を定位注射した。予期せぬことに、ハロフギノンはこれらのin vivoモ デルで腫瘍の増殖および進行に対して有意な阻害効果を有することが示された。ハロフギノンによるT50膀胱癌の阻害 C3HマウスをT50膀胱癌細胞で接種する最初の実験のために、C3Hマウ スを各々6匹マウスの2つの群に分割した。T50膀胱癌細胞の注射の3日前お よびその後2週間の間、実験群は、10mg/kgまたは5mg/kgいずれか のハロフギノンを含有するダイエットを摂取させた。培養したT50細胞(化学 的に誘導したMBT2マウス膀胱癌のより攻撃的変種)を、トリプシン/EDT Aで解離して、増殖培地中の単一細胞懸濁液(106細胞/ml)に入れ、マウ スの背中の2つの部位に皮下接種した。右側には0.4*105細胞を摂取させ、 左側には2*105細胞を摂取させた。式V=LW2/2(ここに、Vは容量であ り、Lは長さであってWは幅である)を用い、2方向の腫瘍長さを測定すること によって腫瘍サイズを見積もった。第17日における実験の最後に、マウスを秤 量し、腫瘍を切り出し、腫瘍組織の試料を固定し、組織学的調査のために加工し た。実験の定量的結果を図1Aおよび1Bに、および5mg/kgの用量につき 表1に示す。ハロフギノンで処理しない(頂部)または 処理した(底部)代表的癌担持マウスの写真を図11に示す。代表的腫瘍を5m g/kgおよび10mg/kgの用量につき図1Cに示す。表2はハロフギノン の5mg/kgの用量および10mg/kgの用量の間の比較を示す。 5mg/kgハロフギノンを摂取させたC3HマウスにおけるT50腫瘍サイ ズは、図1Aおよび1Bに示すごとく、正常ダイエットで維持した対照マウスと 比較して、約70−80%だけ有意に低下した。ハロフギノンの抗−腫瘍効果は 、高腫瘍細胞用量(対照マウスでは5.0±3.07cm3およびハロフギノン 含有ダイエットで1.0±0.92cm3の容量)および低腫瘍細胞用量(対照 マウスで1.63±0.98cm3およびハロフギノン摂取マウスで0.29± 0.28cm3の容量)の双方で観察された。さらに、より低い腫瘍負荷のため 、ハロフギノン処理C3Hマウスの総じての体重は、未処理マウスの体重よりも 低かった(各々、24±3.3gおよび40±3.8g)。全てのマウスの5m g/kgに関するデータを表1に示す。 表2および図1Cに示すごとく、ハロフギノンを10mg/kgダイエットの 用量で投与した場合、より大きな阻害効果があった。 腫瘍を切り出し、秤量した場合に、同様の結果が得られた。これらの結果は、 明らかに、悪性疾患に対するハロフギノンの効果の用量依存性を示す。 次いで、初代T50膀胱癌腫の接種後にハロフギノンを投与して、ハロフギノ ンが依然として腫瘍の増殖および進行を阻害できるかを判定した。この目的で、 1×105のT50膀胱癌細胞を皮下注射し、腫瘍が出現し、約0.3cm直径 のサイズに達するまで(これは約8−10日要した)マウスを正常ダイエットに 維持した。次いで、該マウスに5mg/kgハロフギノンを含有するダイエット を摂取させ、腫瘍接種後18日および24日に腫瘍サイズを測定した。図1Dお よび1Eに示すごとく、腫瘍増殖は、腫瘍細胞注射後8−10日に与えた場合で さえ、ハロフギノンによって抑制された。事実、この群における腫瘍増殖の阻害 は、腫瘍細胞接種に2日先立ってハロフギノンを与えた場合に得られたものと同 様であった(各々、0.99±0.55cm3および0.59±0.43cm3、 n=8)。未処理群における腫瘍サイズは4.78±1.87cm3であった( 図1E)。 加えて、1日当たりマウスにつき1μgの量でハロフギノンを腹腔内投与し、 腫瘍細胞の注射は該日に開始した。第18日に腫瘍増殖のかなりの阻害が得られ (0.55±0.28cm3−対−2.09±0.86cm3、処理マウス−対− 対照マウス、n=8)(図1D)、一方、腫瘍サイズの約50%低下のみが第2 4日に観察された(図1E)。腫瘍細胞接種後27日に実験を終了した。この時 点で、各々、経口または腹腔内投与にてハロフギノンで処理したマウスの63% および71%と比較して、対照マウスの25%のみが生存した。腫瘍の出現後に 開始したダイエット中で与えたハロフギノンの生存効果は顕著さは低かった(3 8%のみ生き残ったマウス)。ハロフギノンによるin situ膀胱癌の阻害 膀胱癌をin situにてC3Hマウスで誘導した第2の実験において、C3Hマ ウスを各々6匹マウスの2つの群に分割した。両群にその飲料水を介して0.0 5%BHBN(N−ブチル−N−4−ヒドロキシブチルニトロソアミン)を摂取 させて癌を誘導し、それにより、ヒトにおける膀胱癌の発生に似させた。 実験群のマウスには5mg/kgハロフギノンを含有するダイエットを摂取させ 、他方、対照群(n=6)には0.05%BHBNを摂取させ、かつ正常ダイエ ットを与えた。26週間後、マウスを秤量し、腫瘍を切り出し、腫瘍組織の試料 を固定し、組織学的調査のために加工した。実験の結果を図1Fおよび1Gに示 す。 腫瘍のサイズの差異はヘマトキシリンおよびエオシンで染色した組織学的切片 で示され、図1Fa(対照マウス)および1Fb(ハロフギノン処理マウス)に 提示する。対照群では、膀胱腫瘍進行の全ての特徴的段階(形成異常、in situ 癌、侵入性癌)が、上皮層、基底膜および膀胱被膜を通じて腫瘍細胞のかなりの 侵入を受けた全てのマウスで観察された(図1G、A1およびA2)。対照的に 、ハロフギノン処理マウスでは、腫瘍形成の最初の段階(すなわち、形成異常) のみが明らかであった。基底膜を介する局所的細胞侵入が、膀胱被膜の貫通のな いただ1つの場合に観察された(図1G、B1およびB2)。26週間の間にハ ロフギノンで処理したマウスの体重は、恐らくは、対照群における腫瘍それ自体 の過剰重量のため、対照群からのマウスの体重よりも20−30%低かった。ハロフギノンによるEHS腫瘍の阻害 第3の実験では、C57BL/6マウスにEngelbreth-Holm-Swarm(EHS) 腫瘍を接種した。実験方法は以下の通りであった。まず、EHS腫瘍を担持する 他の動物を犠牲にし、腫瘍組織を切り出し、無菌条件下でミンチした。EHS腫 瘍は大量の基底膜成分によって特徴付けられる。0.2mlのPBS中の腫瘍組 織の懸濁液を、C57BL/6雄マウスの背中領域に皮下注射した。該マウスを 各々10匹マウスの2つの群に分割した。実験群の動物に、腫瘍注射に先立って 3日間およびその後3週間の間、5mg/kgハロフギノンを含有するダイエッ トを摂取させた。腫瘍サイズは、式V=LW2/2を用い、2方向の腫瘍長さ測 定によって見積もった。実験の最終日に、すなわち、腫瘍注射の20日後に、マ ウスを秤量し、腫瘍を切り出し、腫瘍組織の試料を固定し、組織学的調査のため に加工した。実験の定量的結果を図1Hおよび表3に示す。 ハロフギノンを摂取したC57BL/6マウスの腫瘍サイズは、図1Hに示す ように、各々、1.72±1.85cm3および8.15±4.88cm3の容量 である対照マウスと比較して約75%だけ低下した。ハロフギノンの抗−腫瘍効 果は、腫瘍負荷のため、対照マウスのほぼ1.6倍高い体重(33.3±2.4 9g)に対して、ハロフギノン摂取マウスのほとんど正常な体重(19.7±0 .47g)によって反映された。全てのマウスについてのデータを表3に示す。 ハロフギノンによる乳癌の阻害 第4の実験では、高度に攻撃的なヒト乳癌細胞(MDA435、非転移MCF −乳癌細胞系の攻撃的変種)をヌードマウスにマウス当たり1×106腫瘍細胞 にて皮下接種した。実験群(n=4)にはダイエット中にて5mg/kgハロフ キノンを摂取させ、他方、対照群(n=4)はレギュラーダイエットに維持した 。目に見える腫瘍は4−5週内に出現し、該マウスを15週後に犠牲にし、腫瘍 を切り出し、秤量した。各群内での高い変動にも拘わらず、ハロフギノン処理マ ウス(0.14±0.11g)−対−未処理対照マウス(0.65±0.45g )において腫瘍重量の有意な(p<0.024)低下があった。 もう1つの実験において、一日置きに、マウス当たり1μgの量でハロフギノ ンを腹腔内投与した。この実験では、CD1−nu無胸腺雌マウスにエスト ロゲン依存性非転移性親MCF−7ヒト乳癌細胞系を注射した。該細胞を1×1 07細胞/0.5mlの濃度でマウスの乳パッドに移植した。全ての動物に17 β−エストラジオール(0.72mg/ペレット、60−日放出、Innovation Re search of America)の徐放ペレットを移植した。対照マウスの腫瘍が約1cm3 の平均サイズに達したら(移植の約10週後)、腫瘍を切り出した(図1J)。 対照マウスおよび経口ハロフギノンで処理したマウスの外観は図1Kの写真のよ うに提示される。ハロフギノンによるメラノーマ腫瘍の阻害 第6の実験において、ヌードマウスをメラノーマ腫瘍で接種した。実験方法は 以下の通りであった。まず、106腫瘍細胞の懸濁液をヌードマウスの背中後方 領域に皮下注射した。該マウスを各々5匹の2つの群に分割した。実験群の動物 に一日置きにマウス当たり1μgのハロフギノンを腹腔内注射し、腫瘍の接種の 1週間前に開始し、接種後4週間の間注射した。対照マウスには生理食塩水を注 射した。結果を図1Lの写真に示す。 黒色の表面の大きなメラノーマ腫瘍が対照群の全てのマウスで観察された(− H)。ハロフギノンで処理した群では(+H)、全てのマウスは、黒色の表面メ ラノーマ腫瘍段階に達しなかったかなり小さな腫瘍を有した。かくして、腫瘍増 殖の有意な阻害が、ハロフギノンを摂取しなかった対照群と比較して、ハロフギ ノンで処理したマウスで達成された。ハロフギノンによる脳腫瘍の阻害 第6の実験では、Fischerラットを脳腫瘍で接種した。ハロフギノンの分子量 は低く、ハロフギノンは疎水性であるので、該分子は脳血液関門(BBB)を通 過できると予測された(実験結果によって支持される予測)。BBBは化学療法 エントリーを損なうという関心にも拘わらず、この関門は悪性病巣において選択 的に破壊され、従って、腫瘍は、隣接する正常脳よりも高用量の全身投与化学療 法を受けるであろう。しかしながら、動物およびヒト実験双方において、ほとん どの剤は、脳への転移に対するよりも全身腫瘍に対してより効果的 である。これは、恐らくは、脳腫瘍への化合物の不適切で遅い流入に関係する( 低下した血流および浮腫形成に由来する増加した間隙圧力および増加した間隙圧 力)。 テストした脳腫瘍は、系統的皮下移植によって同質遺伝子Fischerラットに維 持された、メチルコラントレン−誘導悪性繊維状組織球腫の末処理ラット腫瘍系 であった。定位脳接種のために、小さな動物定位装置を用い、腫瘍細胞懸濁液を 成体Fischerラット(体重180−200g)の右大脳半球に注射した。ゼロ参 照点としてのブレグマでは、定位座標はP=3.5;L=2;H=−4mmであ った。頭部を水平位置に保持し、注射の容量は2μlであった。ラット当たりの 注射した腫瘍細胞の数は105であった。 腫瘍細胞の接種に2日先立って開始して、10匹のラットにハロフギノン(1 6μg/ラット)の腹腔内注射を毎日接種させた。接種4日後に開始し、5mg /kgハロフギノンを腹腔内の代わりにダイエット中にて投与した。対照動物に は生理食塩水の腹腔内注射および正常ダイエットを摂取させた。腫瘍細胞の定位 注射後第9、11、13および15日に、各群の動物のうちの2匹をペントバル ビタールの過剰用量で犠牲とした。目に見える腫瘍塊を秤量し、脳を迅速に摘出 し、カッティングチャンバー中に入れ、3−mm厚みの対照切片に切断した。目 に見える腫瘍塊を秤量し、3次元で測定した。各群の2匹の動物の腫瘍を病理学 的調査のために加工した。 腫瘍サイズの最も顕著な減少が、未処理対応動物と比較して、各ハロフギノン 処理ラットで観察された。事実、8匹のハロフギノン処理ラットのうち4匹は、 80mm3(第9日)ないし260mm3(第13日)のサイズ範囲の腫瘍を有す る10匹の対照動物と比較して、ほとんど目に見えない腫瘍であった(1−8m m3)(表4)。ハロフギノンの抗−腫瘍効果は、依然生きていた処理ラットと比 較して、15日間未処理で放置した2匹のラットの死亡によって反映された。 ラットおよびマウスで行ったこれらの6つの別々の実験は、膀胱癌、乳癌、メ ラノーマ、EHS肉腫および脳腫瘍を含めた、非常に種々の悪性疾患に対して、 in vivoで腫瘍の増殖および進行をハロフギノンが阻害できることを示す。脳腫 瘍の増殖および進行を阻害するハロフギノンの能力は特に興奮する程である。と いうのは、脳血液関門は多くの抗−新生物薬物の脳への侵入を制限するからであ る。マウスにおいてのin situ膀胱癌実験についての26週間のような比較的長 期間のハロフギノンの投与は、増大した死亡率を引き起こさなかった。かくして 、ハロフギノンは非常に種々の癌で効果的かつ安全な処理を表し、その結果は先 行技術によって教示も示唆もされていない。 実施例2 ヒト平滑筋肉腫腫瘍細胞の増殖に対するハロフギノンの効果 ヒト平滑筋肉腫腫瘍細胞の増殖に対するハロフギノンの効果を調べた。平滑筋 肉腫腫瘍は豊富な細胞外マトリックスを有し、またよく血管化されている[A.F ernczyら,Cancer、第28巻、1004−1018頁(1971)]。それらの 増殖は、正常および悪性子宮筋相細胞[A.Zhangら、Endocrinology、第134 巻、1089−1094頁(1994);R.S.,Mangrulkerら、Biology of Rep roduction、第53巻、636−646頁(1995)]によって生産され、周 囲ECM[I.Vlodavskyら、Basement Membranes:Cellular and Molecular Aspe cts、D.H.RohrbachおよびR.Timpl編、Academic Press,Inc.、Orla ndo、フロリダ州、米国、327−343頁(1993)]に局所的に包埋され た増殖因子(すなわち、bFGF、HB−EGF)に依存すると考えられる。 ヒト平滑筋肉腫腫瘍の試料は記載されているごとく外科的子宮摘出を受けた婦 人から得た[R.S.Mangrulkerら、前掲]。ミンチした組織を20mlの冷ホモゲ ナイゼーション緩衝液:1M NaCl、10mM トリス(pH7.4)、1m M EDTA、1mM ベンズアミジン、0.1%CHAPS、0.01%アプ ロチニン(Sigma)、10μg/mlロイペプチン、1mM AEBSF[R.S.Ma ngrulkerら、前掲]に入れた。試料を2分間ホモゲナイズし、4℃で12000 ×gにて60分間遠心した。上清を10mMトリス(pH7.4)で1:5希釈し て、100mlの最終容量とし、0.45μmナイロンフィルターで濾過した。 細胞を平板培養し、DMEM+10%胎児ウシ血清中に維持した。細胞は多数継 代にわたって生きていたが、2または3継代で用いた。 増殖アッセイでは、細胞を200μlの培地(4.5g/Lグルコース、10 %胎児ウシ血清、1%グルタミン、1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含む DMEM)中、10,000細胞/ウェルにて、96−ウェルプレート中で平板 培養し、密集するまで2日間インキュベートした。接種後24時間に、濃度を増 加させてゆくハロフギノン(10−100ng/ml)を添加した。培地を0. 5%子ウシ血清、1μMインスリンおよび5μMトランスフェリンを含むDME Mに変更した。24時間後、試料(5−10μl)を添加し、さらに24時間後 、[3H]チミジン(1μCi/ウェル)を各ウェルに添加した。36−48時 間のインキュベーションの後に、細胞をメタノールで固定し、DNAを5%トリ クロロ酢酸で沈殿させた。細胞を150μl/ウェルの0.3N NaOHで溶 解させ、シンチレーションバイアルに移し、β−カウンターで計数した。図2A に示すように、[3H]チミジン取り込みの60−70%阻害剤が2.5ng/ mlハロフギノンで得られた。 次いで、HB−EGF(ヘパリン−結合性表皮細胞増殖因子)および血清−刺 激平滑筋肉腫細胞の増殖に対するハロフギノンの効果を調べた。平滑筋肉腫腫瘍 細胞を、0.5%FCSを含有する培地中での48時間のインキュベーションに よって増殖阻止した。次いで、細胞を、10ng/mlハロフギノンの 不在下または存在下で、10%FCSまたは10ng/ml HB−EGFいず れかに露出した(24時間)。次いで、[3H]チミジンを添加し、DNA合成 を36時間後に測定した。血清またはHB−EGF双方によって誘導された細胞 増殖の完全な阻害が、図2Bに示すように、ハロフギノンの存在下で観察された 。 実施例3 ハロフギノンによるI型コラーゲン遺伝子発現の阻害 子宮筋層および平滑筋肉腫細胞を同一患者から採取し、10%FCSを補足し たDMEM中の10cmプレートに平板培養した。細胞が80%密集に到達すれ ば、培地を48時間で無血清DMEM+0.1%BSAによって置き換え、洗浄 し、約37℃にて、約48時間、同一培地中の増大させる濃度のハロフギノンに 露出した。次いで、細胞を収穫し、I型コラーゲン遺伝子発現につきRNA抽出 およびノーザンブロット分析に付した。ハロフギノンは用量依存的にI型コラー ゲン遺伝子発現を阻害した(5.4および4.8kbにおける産物)。 実施例4 in vitroにおけるハロフギノンによるIV型コラゲナーゼ活性の阻害 腫瘍細胞はECMを消化する酵素を分泌し、細胞が隣接する組織を通って潜り 込み、他の組織に侵入するのを可能とする。多数の研究がマトリックス金属プロ テアーゼ(MMP)、特にIV型コラゲナーゼを腫瘍侵入および転移と結び付け てきた。IV型コラゲナーゼはユニークなmRNAによってコードされる2つの 72および92kDa蛋白質として出現する。 図3に示すように、T50膀胱癌細胞培養におけるMMP2(72kDaのI V型コラゲナーゼ)の活性のかなりの阻害が25ng/mlハロフギノンの存在 下で発揮され、他方、ほとんど完全な阻害が100mg/mlハロフギノンで得 られた。密集下細胞培養を無血清DMEM中で6−24時間インキュベートした 。コラーゲン分解活性を、ゼラチン含浸(1mg/ml、Difco、デトロイト、 ミシガン州)SDS−PAGE8%ゲルで測定した。略言すると、培 地試料を還元条件下で基質含浸ゲルで分離し、続いて2.5%トリトンX−10 0(BDH、イングランド)中で30分間インキュベートした。次いで、ゲルを 、pH7.5にて50mMトリス、0.2M NaCl、5mM CaCl2、 0.02% 13rij35(重量/容量)中、37℃で16時間インキュベー トした。インキュベーション時間の最後に、ゲルをメタノール/酢酸/水(30 :10:60)中の0.5%クーマシーG250(Bio-Radリッチモンド、カリ フォルニア州)で染色した。種々のバンドの強度を区画化されたデンシトメータ ー(Molecular Dynamicsタイプ300A)で測定した。 また、Boydenチャンバー侵入アッセイを用い、ハロフギノンはマトリケルEC Mを介する細胞侵入を阻害することが判明した(データは示さず)。このような 阻害は、従前に記載されているように、細胞増殖抑制活性を介してハロフギノン が腫瘍の増殖、進行および転移を阻害するパンスタシスメカニズムの一部として のIV型コラーゲン阻害の包含を支持する。実施例5 in vitro におけるハロフギノンによる腫瘍マーカー遺伝子発現の阻害 H19遺伝子は、組織分化が起こりつつある時に胎児発生の間にその発現がピ ークとなる発生学的に調節された遺伝子である。H19遺伝子は親により付与さ れ、母性対立遺伝子によってのみ発現される。また、H19遺伝子は、Wilms腫 瘍、副腎皮質癌、胚芽腫、横紋筋肉腫、肺癌、栄養膜腫瘍および膀胱癌のような 悪性疾患の初期段階に関連した腫瘍マーカー遺伝子でもある。実験方法は以下の 通りであった。 RT112および5376ヒト膀胱癌細胞系をハロフギノン(130ng/m l、接種後24時間および72時間に添加)の存在下で培養し、H19遺伝子の 発現はノーザンブロット分析(Nagler,A,ら、Arterioscler;Thromb.Vasc.Bi ol.、第17巻、194−202頁、1997)によって評価した。ハロフギノ ンへの露出の結果、図4に示すように、RT112および5376膀胱癌におけ るH19遺伝子の発現が実質的に低下した。この結果は、膀胱癌におけるハロフ ギノンの抗−腫瘍形成効果についての実施例1のin vivo実験を確 証する。 また、このような阻害は、前記したように、ハロフギノンが、細胞増殖抑制活 性を介して腫瘍の増殖、進行および転移を阻害するパンスチシスメカニズムの一 部としてのH19遺伝子発現の阻害の包含を支持する。 実施例6 in vivo におけるハロフギノンによるアポトーシスの誘導 アポトーシス、またはプログラムされた細胞死滅は、悪性細胞によって排除さ れた正常細胞内のメカニズムによって測定される。悪性細胞は、しばしば、アポ トーシスの不在のため「不滅」として記載される。ハロフギノンはin vivoで腫 瘍のアポトーシスを誘導することが示された。実験方法は以下の通りであった。 組織学的切片は実施例1からのマウスにおいてin situで誘導した膀胱癌腫の 周辺および中央領域から採取した。次いで、これらの切片を、デオキシヌクレオ チジルトランスフェラーゼ(TdT)標識技術[Holmgren,L.ら、Nat.Med.、 第1巻、149−153頁、1995]を用いて、断片化DNAのin situ標識 に付した。図5Bに示すように、かなり多数のアポトーシス細胞が、未処理対照 マウスに由来する腫瘍と比較して、経口ハロフギノン(10mg/kg)処理C 3Hマウスの膀胱腫瘍に由来する切片で観察された。染色の低度のかなりの差異 も壊死を受ける腫瘍の中央に由来する組織切片で観察された(図5A)。図6A および6Cは未処理マウスの腫瘍を示し、他方、図6Bおよび6Dは、ハロフギ ノン処理マウスの腫瘍を示す。アポトーシスは、図5Bに示すように、アポトー シスが生きた細胞の中央における単一細胞死滅によって特徴付けられる点で壊死 とは異なる。ハロフギノンに応答して観察された増大したアポトーシス指標は、 いくつかの最近開発された抗−腫瘍形成剤で観察された、前記抗−腫瘍形成剤に よるものであろう。 総じて、約10倍の大きさの増大したアポトーシス指標が、ハロフギノンを摂 取しなかった対照マウスと比較して、ハロフギノンを投与されたマウスから採取 した組織試料で観察された。このような阻害は、ハロフギノンが前記した ごとく細胞増殖抑制活性を介して腫瘍の増殖、進行および転移を阻害するパンス チシスメカニズムの一部としてのアポトーシスの誘導の包含を支持する。 実施例7 ハロフギノンによる細胞増殖の阻害 ハロフギノンの抗癌効果はi)コラーゲン合成およびマトリックス沈積(間質 支持体);ii)腫瘍形成;およびiii)腫瘍細胞増殖の直接的阻害剤に対す る効果に帰すことができる。in vitroに維持されたT50膀胱癌および他の腫瘍 細胞系の増殖に対するハロフギノンの効果を従ってテストした。細胞を、10% FCSを含有するDMEM中で接種した(24−ウェルプレートの16mmウェ ル当たり2000細胞)。増大させる濃度のハロフギノンを24時間後に添加し 、細胞を解離し、接種後の種々の日にコールターカウンターで計数した。結果は 以下の通りであった。 T50膀胱癌細胞の完全な阻害が、30ng/mlハロフギノンで得られ、2 5および10ng/mlではほとんどまたは全く効果がなかった(図7A)。ヒ ト・メラノーマ(A375)、前立腺(PC3)および乳癌(MDA231、M DA435)細胞の増殖は、25ng/mlの濃度までハロフギノンによって影 響されず、100ng/mlハロフギノンの存在下でのみ部分的に阻害された( 図7Bおよび7C)。同様に、ヒト骨髄系白血病細胞(HL60)およびマウス Bリンパ腫細胞(F32)に対するハロフギノンの小さな阻害効果があったに過 ぎない(図7D)。T50膀胱癌におけるハロフギノンの抗−腫瘍効果は、マト リックス沈積、脈管形成および腫瘍細胞増殖に対する組合せ効果によるものであ ろう。 実施例8 血管内皮細胞への3H−チミジン取り込みのハロフギノン−誘導阻害 血管内皮細胞の培養は従前に記載されているようにウシ大動脈から確立した[ D.Gospodarowiczら、Proc.Natl.Acad.Sci.、米国、第73巻、4120頁( 1979)]。ウシ大動脈内皮細胞を、10%CO2湿潤化インキュベータ ー中、37℃にて、10%子ウシ血清、50U/mlペニシリンおよび50μg /mlストレプトマイシンを補足したDMEM(1gグルコース/リットル)中 で平板培養した(4×104細胞/16mmウェル)。 平板培養から4日後、密集下細胞を、1ng/ml bFGFの不在下または 存在下で増大する濃度のハロフギノン(25−500ng/ml)に露出した。 次いで、3H−チミジン(1μCi/ウェル)をさらに48時間添加し、トリク ロロ酢酸不溶性物質に取り込まれた放射能を測定することによってDNA合成を アッセイした[M.Benezraら,Cancer Res.、第52巻、5656−5662頁 (1992)];I.Vlodavskyら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、第84巻 、2292−2296頁(1987)]。 図8AはbFGFの不在下で得られた結果を示し、他方、図8BはbFGFの 存在下で得られた結果を示す。図8Aおよび8Bで示されるように、3H−チミ ジン取り込みの50%阻害は、bFGF(1ng/ml)が培地に添加されたか 否かに拘わらず、100ng/mlハロフギノンで得られた。 実施例9 毛細血管様ネットワークへの内皮細胞の組織化 ハロフギノンははっきりとした構造への内皮細胞の組織化を妨げることが判明 し、これらの細胞が毛細血管様ネットワークに組織化するのを特異的に阻害した 。図9Aおよび9Bに結果を示す。 I型コラーゲンは成体スプラグ−ドーレイ(Sprague-Dawley)ラツトの尾腱か ら調製した。略言すれば、コラーゲン繊維は、滅菌した1/1000(v/v) 酢酸溶液(1gのコラーゲンにつき300ml)中、4℃で48時間ゆっくりと 撹拌することによって可溶化した。得られた溶液を滅菌した三重ケージを通して 濾過し、4℃で1時間、16,000gで遠心した。次いで、上清を1/10 DMEMに対して十分に透析し、4℃で貯蔵した。コラーゲンマトリックスゲル は、コラーゲン溶液のpHおよびイオン強度を同時に上昇させることによって得 た。この目的で、7容量のコラーゲン溶液を1容量の10X最小必須培地および 2容量の炭酸水素ナトリウム(0.15M)と素早く混合し た[R.F.NicosaおよびA.Ottinetti,LabInvest、第63巻、115−122 頁(1990)]。 ウシ大動脈内皮細胞を24−ウェルプレートの16mmウェルに接種し、24 時間増殖させ、密集下単層を得た。次いで、培地を取り除き、前記した冷コラー ゲン混合物0.4mlを細胞単層の頂部に注ぎ、37℃で10分間重合させた。 0.1μg/mlハロフギノンを含む(図9B)または含まない(図9A)bF GF(1ng/ml)およびヘパリン(1μg/ml)を含有する新鮮な培地( 0.6ml)を、コラーゲンがゲル化した後に添加した。内皮細胞単層の再組織 化をモニターし、Zeiss逆走コントラスト写真顕微鏡で写真をとった[R.Monesa noら、J.Cell Biol.、第97巻、1648−1652頁(1983)]。 図9Aは毛細血管様ネットワークへの内皮細胞の組織化を示す。このような組 織化は図9Bに示すようにハロフギノンによって阻害される。ハロフギノンはコ ラーゲンゲルへの内皮細胞の侵入および分岐し吻合する毛細血管様管のネットワ ークへのそれらの引き続いての組織化を完全に阻害した。 実施例10 ミクロ血管の形成 ハロフギノンはラットから採取した大動脈組織の環からのミクロ血管形成を阻 害することが示された。この効果はハロフギノンの除去に際して可逆的であるこ とも示された。結果を図10A、10B、11および12に示す。 胸大動脈は、断頭によって犠牲にした1月ないし2月齢SD(Sprague-Dawley) ラットから得た[R.F.NicosiaおよびA.Ottinetti,Lab.Invest.、第63巻 、115−122頁(1900)]。大動脈を直ちにPBSを含むペトリ皿に移 した。大動脈の回りの繊維脂肪組織を解剖顕微鏡下で注意深く摘出し、1mm長 の大動脈環を切片化し、PBS中で十分にすすいだ。 I型コラーゲン溶液(0.2ml)を各16−mmウェルに添加し、37℃で 15分間ゲル化させた。各大動脈環を移し、ゲルの中央に位置させ、さらに0. 4mlのコラーゲン溶液を該環の頂部に注意深く注いだ。ゲルが形成され た後、0.1μl/mlハロフギノンを含むまたは含まない無血清内皮細胞増殖 培地0.4mlを添加し、培地を一日置きに交換した。 図10Aは、新たに形成された分岐ミクロ血管が大動脈の再切片の端部から発 達し、ループおよびネットワークを生起する第10日における培養を示す。図1 0Bは一日置きに交換した0.1μg/mlハロフギノンで処理した同一培養を 示す。これらの条件下で、単細胞が大動脈環から周辺に向けて移動していたが、 ミクロ血管への配置はしなかった。 図11は増大する用量のハロフギノンにてのこの効果を定量的に示す。ミクロ 血管形成のほとんど完全な阻害剤は100ng/mlのハロフギノンで得られた 。完全な阻害は250ng/mlハロフギノンの存在下で観察された。図12に 示すように、この効果は第2日の薬物の除去に際して逆となった。このような除 去の結果、未処理大動脈環で観察されたものと同様のミクロ血管が得られた。 実施例11 培養した内皮細胞のECMへのスルフェート取り込みのハロフギノン阻害 図13および後記他の実施例に示すごとく、ハロフギノンはECM(細胞外マ トリックス成分)の沈積に対する阻害効果を有することが示された。 ウシ角膜内皮細胞の培養は、去勢ウシの目から確立し、従前に記載されている ように維持した[D.Gospodarowiczら、Exp.Eye Res.、第25巻、75−89 頁(1977)]。細胞を10%CO2湿潤化インキュベーター中にて37℃で 培養し、実験は初期(3−8)細胞継代にて行った。 スルフェート−標識ECM(過剰細胞マトリックス)の調製のために、角膜内 皮細胞を密集密度にて4−ウェルのプレートに接種し、4−6時間以内に、密に 並んだ増殖が阻止された細胞よりなる接触阻止された細胞単層を形成した。これ らの条件下、細胞は生きたままであり、2μg/mlハロフギノンの濃度までは それらの正常な単層形状および形態学的外観を保持した。接種の1日および5日 後にNa235S]O4(540−590mCi/ミリモル)を添加し(40μC i/ml)、培養を培地を変化させることなくインキュベートした。 接種後、種々の間隔にて、細胞層を0.5%トリトンX−100および20mM NH4OHを含有するPBSで溶解させ(5分間、室温)、続いてPBS中で 4回洗浄することによって、内皮細胞下ECMを露出させた[I.Vlodavskyら、 Cancer Res.、第43巻、2704−2711頁(1983);I.Vlodavskyら 、Proc.Natl.Acad.Sci.USA)第84巻、2292−2296頁(1987) ]。スルフェート標識物質の全量を測定するために、ECMをトリプシン(25 μg/ml、24時間、37℃)で消化し、可溶化した物質をβ−カウンターで 計数した。 図13は、1μg/mlハロフギノンによるスルフェート取り込みのほとんど 完全な阻害を示し、0.2μg/mlの該薬物の存在下で50%阻害が得られた (データは示さず)ことを示す。 実施例12 ウシ角膜内皮細胞のECMへの スルフェートプロリン、リシンおよびグリシンの取り込みの阻害 角膜内皮細胞を密集密度で接種し、前記実施例11に記載したように増殖させ た。Na2 35SO4(図14A)、3H−プロリン(図14B)、14C−リシン( 図14C)または14C−グリシン(図14D)いずれかの存在下、細胞をハロフ ギノンと共にまたはそれ無くして培養した。接種の8日後、実質的には前記実施 例11に記載したように細胞層を溶解させた。次いで、下に存在するECMをト リプシン処理して、実質的には前記実施例11に記載したように、標識物質の全 蛋白質への取り込みに対するハロフギノンの効果を測定するか、あるいはコラゲ ナーゼおよびトリプシンでの連続的消化に付して、コラゲナーゼ消化性蛋白質( CDP)および非コラゲナーゼ消化性蛋白質(NCDP)双方に対するハロフギ ノンの効果を評価した。 図14A−14Dが示すように、ハロフギノンはスルフェート、プロリン、リ シンおよびグリシンのCDPおよびNCDP双方への取り込みを阻害し、これは マトリックス沈積のかなりの阻害を反映する。コラーゲン以外のECM成分の沈 積に対するハロフギノンの阻害効果は、最もありそうなのは、ECMの 超分子構造への他の成分の組み立てにおけるコラーゲンの関与によるものらしい 。あるいは、ハロフギノンは、恐らくは、いくつかのECM成分の合成および沈 積に影響する、TGFβのような普通の転写因子またはサイトカインを介して、 コラーゲン以外のECM成分の合成に影響するのであろう。 実施例13 ラット糸球体間質細胞ECMへのスルフェートおよびグリシン取り込みの阻害 接種24時間後に、ラット糸球体間質細胞を密集するまで増殖させた。次いで 、該細胞を、Na2 35SO4(図15Aおよび15B)または14C−グリシン(図 15Cおよび5D)いずれかの存在下、ハロフギノンと共にまたはそれ無くして 培養した。接種8日後、細胞層を溶解させて、下に存在するECMを露出させ、 洗浄し、コラゲナーゼで消化して、図15Aおよび15Cに示したごとくに、C DP蛋白質に対するハロフギノンの効果を測定した。残存する物質をトリプシン で消化し、β−シンチレーションカウンターに付して、図15Bおよび15Dに 示したように、NCDP蛋白質に対するハロフギノンの効果を測定した。 スルフェート取り込みの約30%阻害がCDP蛋白質で観察され、他方、約7 0%阻害が200ng/mlハロフギノンの存在下でのNCDP蛋白質で観察さ れた。ハロフギノンによるECM沈積の阻害はその抗増殖活性によるものではな かったことに注意すべきである。というのは、薬物を高度に密集した非分裂性細 胞に添加されたからである。無機スルフェートは第一に硫酸化グリコサミノグリ カンに取り込まれ、コラーゲンには取り込まれなかったので、ハロフギノンは、 I型コラーゲン合成を阻害することによって、コラーゲンと特異的に相互反応し てECMを形成することが知られているヘパリン硫酸プロテオグリカンのように 、他のECMマクロ分子の組み立てに干渉し得る。 グリシン取り込みの約80%阻害が、50ng/mlハロフギノンの存在下で CDPおよびNCDP蛋白質双方で観察された。コラゲナーゼ−消化性ECM蛋 白質の沈積に対するハロフギノンの阻害効果は、スルフェート−標識マトリック スでよりもグリシン−標識マトリックスでより顕著であった。というの は、グリシンとは異なり、スルフェートは、コラゲナーゼによって消化されない グリコサミノグリカンに第一に取り込まれるからである。ECM沈積のかなりの 阻害が、露出された培養皿の鏡検によって支持され、これはハロフギノンの存在 下で生成した薄い層または層が生成しないことを明らかとした。 実施例14 in vivo 新生血管形成に対するハロフギノンの阻害効果 ハロフギノンはin vivoモデルで脈管形成を阻害することが示された。このよ うな阻害効果は、ECM成分の沈積によって可能となる細胞増殖を阻害するハロ フギノンの能力を示す。結果を図16Aおよび16B、ならびに後記の他の実施 例に与える。 ネズミ角膜脈管形成モデルを用いて、in vivoでのハロフギノンの阻害効果を 評価した。脈管形成因子bFGFを、徐放ポリマーで作成されたペレット中にて 、C57B1/6マウスの角膜ポケットに適用し、ハロフギノン(2μg/マウ ス/日)を5連続日腹腔内投与した(Kenyon,B.M.ら、Invest.Opthal.Visua l Sci.、第37巻、1625−1632頁、1996)。 手術後5日に、マウスをメトキシフルランで麻酔し、目を脱出させ、四肢血管 叢の基部からペレットまで伸びる新生血管形成ゾーンの最大血管長さ(VL)を スリットランプを介して直線レチクルで測定した。新生血管形成の近接周囲ゾー ン(CH)を360度レチクルで時計時間として測定した。目を第5日に写真に とり、スライドを用いて、平方ミリで表した新生血管形成の面積を測定した(Ke nyon,B.M.ら、Invest.Ophthal.Visual Sci.、第37巻、1625−1632 、1996)。 神経血管形成の面積は、以下の式: [式中、Aは面積であり、CHは新生血管形成の近接周辺ゾーンであって、VL は最大血管長さである] に従って計算した。 ハロフギノンを食物中(5mg/kg)にて、または点眼剤(100および2 00ng/ml、1日当たり3回適用)の形態で投与した。対照マウスはレギュ ラーダイエットを接種させた。各群は5匹のマウスを含んだ。手術7日後、角膜 をスリットランプバイオミクロスコピーによって調べて、新生血管応答を測定し 、写真をとった。脈管形成は、新生血管形成(CH)の近接周囲ゾーンのように 、四肢血管およびペレットからの新生血管形成の最大血管長さ(VL)としてm mにて測定した。 図16に示すごとく、角膜縁からペレットへの新生血管形成は対照マウスの目 で起こった(図16A)。ペレットに対する新生血管応答のかなりの阻害が経口 ハロフギノンを摂取したマウスで観察された(図16B)。対照群における新生 血管形成の平均面積は、経口ハロフギノンを摂取したマウスにおける0.15± 0.2mm2と比較して、1.59±0.25mm2であった(図16C)。 図16Cおよび16Dに示すように、ハロフギノンの1日3回の局所適用は、 100ng/ml(0.93=0.62mm2、p<0.001)および200 ng/ml(0.56±0.6mm2;p<0.001;〜95%阻害)双方に おいて新生血管形成の有意な阻害を生じた。未処理群で第10日に測定した新生 血管ゾーンは、ダイエット中にてハロフギノンを摂取したマウスにおける0.2 3±0.47(〜95%阻害;p<0.001)と比較して、4.92±1.9 6mm2であった(図16D)。 局所適用したハロフギノンの濃度を500および1000ng/mlまで増加 させ、1日当たり3回与えた。新生血管形成をbFGFペレットの移植後4、7 および10日に評価した。従前の実験と同様に、経口ハロフギノンは1000n g/ml(40−50%阻害)において局所投与されたハロフギノンよりも効果 的であった(〜70%阻害)。また、この高濃度のハロフギノンにおいてさえ、 目の局所的硬化または刺激はなかった。新しく形成された血管の退行が第10日 に観察された(図16E)。 腹腔内投与した(1μg/マウス/日)ハロフギノンの抗−脈管形成効果を、 投与の経口および局所様式の効果と比較した。ハロフギノン(腹腔内、第7日) は新生血管形成を未処理群の1.75mm2から0.63mm2(p<0.05) まで阻害し、これは同一実験における経口ハロフギノンの効果(0.65mm2 )と同様である。また、1つの実験において、ハロフギノンの抗−脈管形成効果 をC3Hマウスでテストし、結果はC57BLマウスで得られたものと同様であ った。 かくして、結果は、ハロフギノンが、経口または腹腔内投与した場合に共に効 果的である優れたかつ非毒性の抗−脈管形成化合物であることを示す。ハロフギ ノンは、もっともらしくは、所望の一定濃度を達成することなく洗浄されたこと より、点眼剤として局所適用された場合に効果が低かった。ハロフギノンは経口 投与された場合に抗−脈管形成効果を発揮する文献記載の最初の化合物であるよ うである。 実施例15 インテグリン発現の阻害 インテグリンは血管形成および脈管形成においてin vivoで機能することが示 されている。β1サブユニットに対する中和抗体の中和はウズラ胚の大動脈ルー メンの形成をブロックした(Drake,C.J.ら、in vivo.Dev.Dyn、第193巻、 83−91頁、1992)。同業者は、αvβ3が、血液血管増殖に必要であると いう証拠を提供してきた(Brooks,P.C.ら、Science)第264巻、569−5 71頁、1994)。αvβ3インテグリン複合体に対する抗体(LM609)は 血管増殖を阻害し、また、CAMアッセイにおけるFGF−2刺激もしくは腫瘍 −誘導脈管形成を阻害したが、予め存在する血管を破壊しなかった。抗−αvβ3 mAbが脈管形成を破壊するメカニズムはアポトーシスを含むようである。αv β3インテグリンまたはLM609モノクローナル抗体の環状RGDペプチドア ンタゴニストの単一血管内注射は、CAMへ移植されたヒト腫瘍の迅速な退行に 導く。αv遺伝子および従ってαvβ3インテグリンを発現しない腫瘍細胞は、そ の接着能力を喪失し、無胸腺ヌードマウスへの移植に際してかなり低下した腫瘍 形成性を示した。これらの細胞に対するαvcDNAの安定なトランスフェクシ ョンの結果、その腫瘍形成能力の十分な回復が得られる(Felding-Haberman,B. ら、J.Clin.Invest.、第89巻、2018−20 22頁、1992)。さらに、ハロフギノンは脈管形成および腫瘍増殖を阻害す ることが判明した。 従って、高度に攻撃的なMDA435ヒト乳癌細胞系においてαv、β3および β5インテグリンサブユニットの発現について、ハロフギノンの効果を調べた。 増大させる濃度の(10−400ng/ml)のハロフギノンの不在下(図17 、レーンAおよびB)または存在下で細胞を24時間(レーンC:400ng/ ml)、48時間(レーンD−G:各々、10、50、200および400ng /ml)または72時間(図17、レーンH:400ng/ml)培養した。全 RNAを抽出し、1.1%ホルムアルデヒド−アガロースゲル電気泳動に付し、 ナイロン膜に移し、αvに対応する32P−標識PCRプローブとハイブリダイズ させた。図17に示すように、48時間の乳癌細胞の10および50ng/ml ハロフギノンへの露出の結果、αvmRNAが上昇調節された(図17、レーン DおよびE)。この効果は高濃度(200−400ng/ml)のハロフギノン で最小であった(図17、レーンF−H)。次に、RT−PCRを用いて、MD A435乳癌細胞によるβ3およびβ5インテグリン鎖の発現に対するハロフギノ ンの効果を分析した。図18に示すように、ハロフギノンはβ3mRNAの発現 を用量依存的に阻害し、200ng/mlにおいてほとんど完全な阻害を生じた (図18、レーン1:対照;レーン2−5:各々、10、50、200および4 00ng/mlハロフギノンへの24時間露出)。対照的に、β5mRNAの発 現に対して効果はなかった。αvβ3インテグリン複合体は腫瘍脈管形成で重要な 役割を演じるので、ハロフギノンの抗−脈管形成効果は、部分的には、β3遺伝 子発現のその阻害によって媒介され得る。 実施例16 ハロフギノンの投与用の適当な処方 ハロフギノンは当該分野でよく知られた多数の方法にて対象に投与することが できる。以後、「対象」なる用語は、ハロフギノンが投与されたヒトまたは下等 動物をいう。例えば、投与は、局所(眼内、膣内、直腸、鼻孔内を含む)、経口 、または非経口、例えば、静脈内点滴または腹腔内、皮下または筋肉内注 射により行うことができる。 局所投与用の処方は、ローション剤、軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤、滴剤、液 剤、スプレー剤および散剤を含むことができるが、それらに限定されるものでは ない。通常の医薬担体、水性、粉末もしくは油性基剤、増粘剤等は必要であるか 、あるいは望ましいであろう。 経口投与用の組成物は、散剤もしくは顆粒剤、水中もしくは非水媒体中の懸濁 剤もしくは溶液剤、カシェ剤、カプセル剤または錠剤を含む。増粘剤、希釈剤、 フレーバー剤、分散助剤、乳化剤または結合剤は望ましいであろう。 非経口投与用の処方は、緩衝剤、希釈剤および他の適当に添加剤も含有するこ とができる滅菌水性溶液を含むことができるが、これらに限定されるものではな い。 投与は、徴候のひどさに、およびハロフギノンに対する対象の応答性に依存す る。当業者であれば、最適用量、投与方法および反復速度を容易に決定できるで あろう。 実施例17 悪性疾患の処置の方法 前記したように、ハロフギノンは、脈管形成を阻害することによって腫瘍の進 行の効果的な阻害剤であることが示された。以下の実施例は、ハロフギノンで悪 性疾患を治療する方法を例示するに過ぎず、限定的であることを意図するもので はない。 該方法は、前記実施例16に記載された医薬上許容される担体中にてハロフギ ノンを治療すべき対象に投与する工程を含む。ハロフギノンは、好ましくは、対 象から採取した試料中の特定の腫瘍マーカーの不在のように、所定の終点に到達 するまで、効果的な投与方法に従って投与される。 このような処置が効果的である腫瘍の例は、限定されるものではないが、乳癌 、小細胞胚癌のように肺癌、骨癌、膀胱癌腫のような膀胱癌、横紋筋肉腫、血管 肉腫、結腸、前立腺または膵臓の腺癌、頸部の鱗状細胞癌、卵巣眼、悪性繊維状 組織球腫、悪性メラノーマのように皮膚癌、平滑筋肉腫、星状細胞腫、 神経膠腫および肝細胞癌を含む。 実施例18 ハロフギノン含有試薬の製造方法 以下はハロフギノンを製造する方法の例である。まず、良好な医薬製造プラク ティスに従ってハロフギノンを合成する。ハロフギノンおよび関連キナゾリノン 誘導体を合成する方法の例は米国特許第3,338,909号に与えられる。次 に、再度、良好な医薬製造プラクティスに従って、前記実施例16に記載したよ うに、ハロフギノンを適当な医薬担体中に配合する。 限定された数の実施形態に関して本発明を記載してきたが、本発明の多くの変 形、修飾および他の適用をなすことができることは認識されよう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA, UG,UZ,VN (72)発明者 パインズ マーク イスラエル レホボット 76308 ピンス カー ストリート 12B (72)発明者 ネイグラー アーノン イスラエル エルサレム 74381 スデロ ット ヘルツル 46 (72)発明者 ブロダフスキー イスラエル イスラエル メバセレット ジオン 90805 アルベル ストリート 34 (72)発明者 ミヤオ ファ チュアン イスラエル エルサレム 91120 ハダシ ャー アイン―ケレム リムランド 14

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.医薬上許容される担体と組み合わされた医薬上有効量の化合物を含む、腫 瘍を治療するための組成物であって、該化合物が式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシよりなる群のメンバーである] を有する群のメンバーまたはその医薬上許容される塩である該組成物。 2.該化合物がハロフギノンまたはその医薬上許容される塩である請求項1記 載の組成物。 3.該腫瘍が乳癌、肺癌、骨癌、膀胱癌、横紋筋肉腫、血管肉腫、結腸、前立 腺または膵臓の腺癌、頸部の鱗状細胞癌、卵巣眼、悪性繊維状組織球腫、皮膚癌 、平滑筋肉腫、星状細胞腫、神経膠腫および肝細胞癌よりなる群から選択される 請求項1記載の組成物。 4.該乳癌が乳房の侵潤性管癌腫である請求項3記載の組成物。 5.該膀胱癌が膀胱癌腫である請求項3記載の組成物。 6.該皮膚癌が悪性メラノーマである請求項3記載の組成物。 7.医薬上許容される担体と組み合わされた医薬上有効量の化合物を含む、新 生血管形成を実質的に阻害するための組成物であって、該化合物が式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシよりなる群のメンバーである] を有する群のメンバーまたはその医薬上許容される塩である該組成物。 8.医薬上許容される担体と組み合わされた医薬上有効量の化合物を含む、腫 瘍細胞のアポトーシスを誘導するための組成物であって、該化合物が式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシよりなる群のメンバーである] を有する群のメンバーまたはその医薬上許容される塩である該組成物。 9.医薬上許容される担体に医薬上有効量の化合物を配合する工程を含むこと を特徴とする、腫瘍を治療するための医薬を製造する方法であって、該化合物が 式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] を有する群のメンバーまたはその医薬上許容される塩である該方法。 10.医薬上許容される担体に医薬上有効量の化合物を配合する工程を含むこ とを特徴とする、新生血管形成を実質的に阻害するための医薬を製造する方法で あつて、該化合物が式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] を有する群のメンバーまたはその医薬上許容される塩である該方法。 11.医薬上許容される担体に医薬上有効量の化合物を配合する工程を含むこ とを特徴とする、腫瘍細胞においてアポトーシスを誘導するための医薬を製 造する方法であって、該化合物が式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] を有する群のメンバーまたはその医薬上許容される塩である該方法。 12.医薬上有効量の式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] の化合物またはその医薬上許容される塩を含む、細胞外マトリックスの沈積によ って可能となる細胞増殖を阻害するための組成物。 13.医薬上有効量の式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] の化合物またはその医薬上許容される塩を含む、細胞移動を阻害するための組成 物。 14.医薬上有効量の式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] の化合物またはその医薬上許容される塩を含む、転移を阻害するための組成物。
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