【発明の詳細な説明】
義歯安定化組成物
発明の背景
通常の取り外し可能な義歯、歯板などは適当なプレート又は床に据え付けられ
た歯からなる。義歯接着剤又は安定化材は義歯と歯茎又は組織の間のクッション
又はガスケットを与えるため、及び義歯と歯茎又は組織の間の隙間を埋めるため
に使用される。
美感的に気に入り且つ使用容易な、改良された保持特性を有する義歯接着組成
物の開発のために、数年に亙りかなりの努力がなされてきた。義歯接着製品と通
常関連する欠損を減ずるための試みにおいて、合成及び天然ポリマー及びガムが
単独で、組み合わせて、及び種々の接着剤及び他の物質と組み合わせて使用され
ている。
低級アルキルビニルエーテル−マレイン酸コポリマー及びその塩は義歯接着組
成物の使用について当該技術において公知である。このような開示としては、Ge
rmanらの米国特許第3,003,988号(1961年10月10日発行);Kumarらの米国特許第4,
980,391号(1990年12月25日発行);Holevaらの米国特許第5,073,604号(1991年12月
17日発行)及びClarkeの米国特許第5,525,652号(1996年6月11日発行)がある。
吸収性繊維及び接着剤を与える、架橋されたアルキルビニルエーテル−マレイ
ン酸コポリマーからなる技術も教示されている。例えば、無水マレイン酸のコポ
リマーと架橋剤の反応による水不溶性、水膨張性繊維の製造法を開示するBashaw
らの米国特許第3,983,095号(1976年9月28日発行);無水マレイン酸のエステル
及び場合によりグリコールで架橋されたビニルエーテルコポリマーを含有する接
着組成物を開示するSellersの米国特許第2,866,775号(1958年12月30日発行);セ
ルロース繊維、ポリ(メチルビニルエーテル-コ-マレエート)コポリマー及びポリ
オールを含有し、これらの成分全てが化学的に結合されている吸収性繊
維を示するBarcusらの米国特許第5,049,235号(1991年9月17日発行)がある。重
ね義歯接着組成物も、例えばHomanらの米国特許第4,880,702号(1989年11月14日
発行)及びAltwirthのヨーロッパ特許出願0,353,375(1990年2月7日公開)に開示
されている。上記の技術並びに他の技術にも拘わらず、改良された保持性及び美
感を与える義歯安定化組成物の必要性がなお存在する。
本発明によれば、有機架橋剤と共有結合で少々架橋された低級アルキルビニル
エーテル−マレイン酸コポリマーの部分塩、及び場合により非接着性自立層を含
有する義歯接着組成物は、慣用の義歯接着剤に対して、十分に長い期間に亙り優
れた保持性及び義歯安定性を与えることが見出された。特に、該組成物は、慣用
の義歯接着剤と同じか又はより良好な義歯保持性を維持しながら、唾液洗落し(
salivary washout)への高い抵抗性を示す。この付加された唾液洗落し抵抗性は
より長い義歯保持性及び安定性となる。低級アルキルビニルエーテル−マレイン
酸コポリマーの部分塩の共有結合的架橋の低いレベルは、低級アルキルビニルエ
ーテル−マレイン酸コポリマー又はその部分塩を利用する他の技術から本発明を
区別するものと思われる。
発明の要約
本発明は、低級アルキルビニルエーテル−マレイン酸コポリマーの部分塩を含
有し、部分塩コポリマーはその約50%〜約95%が1種以上の金属カチオンで
中和されたカルボキシル基を含有し、その際該部分塩コポリマーは有機架橋剤で
共有結合的に架橋されており且つ金属カチオンで中和される前の有機架橋剤とカ
ルボキシル基のモル比は約0.1%〜約30%である、義歯接着組成物に関する
。これらの組成物は、場合により少なくとも1種の非接着性自立層を含有する。
発明の詳細な記載
本発明の義歯接着組成物は有機架橋剤で共有結合的に架橋された低級アルキル
ビニルエーテル−マレイン酸コポリマーの部分塩を含有する。接着組成物は義歯
上の撒き散らされ、湿らされ、ついで口腔中に挿入される粉末の形態であること
ができる。組成物は種々の慣用のデリバリービヒクルと組み合わせ、義歯に適用
し且つ口腔に挿入される液体又はペーストを形成することができる。
また、組成物は非接着性自立層を含有することができる。これらの接着組成物
は完全に湿らせ、義歯に塗付される。接着成分の非接着性自立層への付着は、そ
の除去において義歯から剥ぎ取られる組成物を与える。本発明の必須及び任意成
分の詳細な記述は以下に与えられる。低級アルキルビニルエーテル−マレイン酸コポリマーの部分塩
低級アルキルビニルエーテル−マレイン酸(AVE/MA)コポリマーは下記繰り返し
構造単位から本質的になる:
式中、RはC1からC4のアルキルラジカルを表わし、nはコポリマーの分子中
の構造単位の繰り返しの発生数を表わす1より大きな整数である。コポリマーの
特徴として、nは、25°でメチルエチルケトン中で測定されたコポリマーの比
粘度が1.2より大きくなるように、十分大きい。
低級アルキルビニルエーテルマレイン酸ポリマーは、低級アルキルビニルエー
テルモノマー、例えばメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ジビニル
エーテル、プロピルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルなどと無水マレ
イン酸とを共重合体させて、容易に酸コポリマーに加水分解される、対応する低
級アルキルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマーを生成させることにより
、容易に得られる。一般に、得られるコポリマーは1:1コポリマーである。無
水物及び酸形態の両方が商業的供給者から入手可能である。例えば、ISP Techno
logies Inc.(ISP)は高分子遊離酸形態(I)及び対応する無水物形態を、それそれ
GANTREZ S系列及びGANTREZ AN系列としてGANTREZの商品名で提供する。前者の酸
系列ではGANTREZ S-97が特に適しており、後者の無水物系列ではGANTREZ AN-149
(比粘度1.5から2.5)、GANTREZ AN-169(比粘度2.6から3.5)及びGANTREZ AN-179
(比粘度3.5から5.0)コポリマーが特に適している。これ
らのコポリマーは、ここにその全体が参考として合体されるProsiseの米国特許
第5,395,867号(1995年3月7日発行)に記載されている。無水物コポリマーを水
に溶解させると、無水物結合が分裂して高い極性の高分子遊離酸(I)が形成され
る。従って、酸形態よりも比較的高価でない無水物形態を、酸のための便利で且
つ安価な先駆体として使用することができる。無水物と酸の加水分解比率を高め
る為に、昇温を有利に採用することができる。
無水物形態のコポリマーが本発明において特に有用である。前記共有結合的架
橋は有機架橋剤による無水物の開環により行われる。酸形態のコポリマーは昇温
で且つポリマーからの水の除去のもとに、無水物へ変換されうる。
本発明において有用な低級アルキルビニルエーテル−マレイン酸(“AVE/M”)
ポリマーは部分的コポリマー塩である。部分塩形態のコポリマーは、コポリマー
のカルボン酸基の中和に利用される少なくとも1つのタイプの金属カチオンを含
有する。適当な金属カチオンは1価、多価(即ち、2価及び3価の金属カチオン)
又はそれらの混合物であることができる。このようなカチオンとしては、カルシ
ウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、アンモニウム、亜鉛、ストロンチ
ウム、アルミニウム、鉄、及びそれらの混合物がある。亜鉛、ストロンチウム、
マグネシウム、鉄、アルミニウム、カルシウム及びナトリウム、及びそれらの混
合物が好ましい。亜鉛、鉄、及びカルシウムが最も好ましい。低級ビニルエーテ
ル−マレイン酸ポリマーの部分塩はここにその全体が参考として合体されるHole
vaらの米国特許第5,073,604号(1991年12月17日発行)Kumarらの米国特許第4,980,
391号(1990年12月25日発行);及びClarkeの米国特許第5,525,652号(1996年6月1
1日発行)に記載されている。
コポリマー塩は混合又は未混合、又はその両方であることができる。ここで使
用される用語「未混合ポリマー塩」とは、カチオンが同一ポリマー上で、他のエ
ステル官能基又は非特定カチオンと未混合であり、残りのカルボキシル基が未反
応である低級アルキルビニルエーテル−マレイン酸ポリマーの塩をいう。
ここで使用される用語「混合ポリマー塩」とは、種々のカチオンが同一ポリマ
ー上で互いに混合されるか、又は他の官能基と混合される低級アルキルビニルエ
ーテル−マレイン酸ポリマーの塩をいう。
本コポリマーの塩の形態は、水性媒体中でAVE/M酸無水物ポリマーと少なくと
も1つのタイプの金属カチオン、例えばカルボン酸の反応体の典型的な官能基、
例えば水酸化物、アセテート、ハライド、ラクテートなどを有する亜鉛、ストロ
ンチウム、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、アルミニウム、
鉄又はアンモニウム化合物との相互反応により造ることができる。好ましい態様
においては、亜鉛の酸化物、カルシウムの水酸化物及び鉄の硫化物が使用される
。水酸化亜鉛は商業的に入手できないから、反応体としてのその使用は容易であ
り、特に水に実質的に不溶であるが粒状表面で水酸化亜鉛に水和される粒状酸化
亜鉛の水性スラリーを使用することにより商業的に達成される。
得られるAVE/Mコポリマーの部分塩中の金属カチオンの合計は、約0.1%〜
約75%の範囲のアルミニウム、鉄、亜鉛、ストロンチウム、カルシウム、ナト
リウム、マグネシウム、カリウム、アンモニウム、及びそれらの混合物からなる
群から選ばれる金属カチオンの中和を与えるのに十分であるべきである。得られ
る部分コポリマー塩は約5%〜約50%の範囲で遊離酸を含有する。
好ましい部分コポリマー塩は、反応した初期カルボキシル基の約10%〜約6
5%、好ましくは約5%〜約45%、最も好ましくは約10%〜約30%の亜鉛
;及び反応した初期カルボキシル基の約10%〜約75%、好ましくは約25%
〜約60%、最も好ましくは約40%〜約60%のカルシウムを含有する。また
、反応した初期カルボキシル基の約0.1%〜約10%、好ましくは約0.5%
〜約5%、最も好ましくは約0.5%〜約3%の鉄を含有する部分コポリマー塩
が好ましい。反応した初期カルボキシル基の約1%〜約20%、好ましくは約1
%〜約15、最も好ましくは約1%〜約10のナトリウムを含有する部分コポリ
マー塩も好ましい。
毒性、刺激性又は汚染性副生物を形成するカチオンは避けるべきであるか、ま
たは高分子塩最終生成物からこのような副生物を除去及び無くすことを保証する
ために与えられる特別の用心及び処理をすべきである。使用される特定の化合物
は、実質的に純粋な、実質的に脱白(off-white)のコポリマー塩最終生成物の取
得を本質的に保証するために、実質的に純粋であるべきである。部分塩コポリマ
ーは接着組成物の少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも20重量%の量
で、本発明組成物に使用される。有機架橋剤
有機架橋剤はコポリマーの無水マレイン酸部分との反応により少なくとも部分
的に化学的に合体されるので、もはや自由な状態で且つ接着剤中の架橋基として
働く。適当な有機架橋剤としては、ポリオール、ポリアミン、及び少なくとも2
つの混合官能基を有する化合物がある。これらのクラスの化合物の各々は、コポ
リマーのカルボキシル基と共有結合的に架橋しうる少なくとも2つの官能基、例
えばポリオール、-ヒドロキシル;及びポリアミン、-1級又は2級アミンを有す
る。
ここで適当なポリオールは、炭素、水素及び酸素から本質的になる有機分子で
あり、2つ以上の-OH基を有する。広範で種々のポリオールがここでは有用で
あるが、好ましいポリオールはジオール、特に水溶性ジオールである。好ましい
ジオールはポリエチレングリコール、アルカンジオール、ポリエチレン-ポリプ
ロピレンブロックコポリマー、ポロキサマーなどからなる群から選ばれる。
より好ましい態様においては、ポリオールは種々の分子量を有することができ
るポリエチレングリコール(通常"PEG"として公知)である。ポリエチレングリコ
ールは式:HO(CH2CH2O)nH(式中、nは4より大きいか、等しい)を有す
る。PEG化合物は商品名Carbowaxとして商業的に入手可能であり、Union Carbide
より販売されている。これらの物質の好ましい態様は約200〜約1000の平
均分子量を有する市販のPEG系列に見出される。約200〜約600の平均分子
量を有するPEGがより好ましい。約300の平均分子量を有するPEGがここでの使
用には最も好ましい。
ここでの使用に適するポリアミン化合物としては、1級又は2級ポリアミン、
好ましくはC12−C18のジアミン、例えばポリオキシエチレン化1,12-ドデ
カンジアミンがある。成分の割合
有機架橋剤と部分塩コポリマーのカルボキシル基の割合は、ここでは有機架橋
剤官能基と部分的コポリマー塩のカルボキシル基のモル比により記述される。従
って、ここで使用されるときは、"有機架橋剤のモル比"についてのパーセンテー
ジは、中和前に部分的コポリマー塩のカルボキシル基と共有結合的に架橋され、
このような官能基のいくつかはついで2つに分割されうる有機架橋剤官能基のモ
ル比をいう。
有機架橋剤とカルボキシル基のモル比は約0.1%〜約30%、好ましくは約
1%〜約20%、最も好ましくは約2%〜約10%である。理論に拘束されない
が、有機架橋剤とコポリマーの割合は本接着剤発明において架橋密度を調節する
ために非常に重要であると思われる。上記の範囲は比較的一定の低い架橋密度を
維持することが好ましことが考慮される。
低い共有結合架橋密度、多価金属カチオンとの共存非共有結合架橋及び有機架
橋剤の適度の鎖長さは本発明を特徴づける幾つかの物理的性質を与える。第1に
、コポリマーは水不溶性であり、改変商業的接着性ブロックテストでの洗い落と
しにおいて高い接着引っ張り強度を維持しながら制限された水の摂取を示す。第
2に、乾燥したとき、接着性コポリマーは脆いフレークを形成する。接着性コポ
リマーはかなりの凝集強さを有しない(即ち、該コポリマーは成形適性及び/又
は剥離性である、乾燥形態で又は湿気による活性化後に高い凝集性塊を形成しな
い)。該コポリマーは微細粉末に容易に粉砕され、該粉末から湿気により活性化
され及び/又は慣用の義歯接着剤デリバリービヒクルと組み合わせ、所望の製品
形態にされる。第3に、湿気による活性化後、接着コポリマーはしばしば改良さ
れた展延性及び潤滑性を提供する。非接着性自立層
本発明の義歯接着組成物は少なくとも1つの非接着性自立層を含有する。非接
着性自立層は、水及び/又は唾液の存在において、強度を維持し且つ接着組成物
へ結合性を与えるための能力により特徴づけられる。非接着性自立層は、ポリエ
ステル、ポリプロピレン、ナイロン、レーヨン、ポリエチレンオキシド、セルロ
ースアセテート、セルロース誘導体、布、繊維状羊毛、紙、プラスチック、皮、
微結晶性ワックス、合成繊維、天然繊維及びそれらの混合物などのような物質を
包含することができる。セルロース誘導体、ポリエステル、ポリプロピレン、ナ
イロン、レーヨン、布、紙、微結晶性ワックス、及びそれらの混合物が好ましい
。ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、レーヨン、布及び紙が最も好まし
い。、
非接着性自立層は、本発明の接着組成物に強度及び/又は結合性を与えるため
に適するいかなる物理的形態であることができる。このような物理的形態として
は、不織の、織られた、連続の、チョップされたもの、及びそれらの組み合わせ
を包含する。また、非接着性自立層は当該技術において通常知られているいかな
る方法によっても形成することができる。このような方法としては、非ボンド、
スプレーボンド、スパンボンド、ニードルパンチ、カード、熱ボンド水絡ませ(t
hermal bonded hydroentangled)、熔融吹き込み、開口プリントボンド、ニード
ル、湿式堆積、乾式堆積、それらの組み合わせがある。他の接着成分
本発明の組成物は他の接着成分を含有することもできる。これらの接着成分は
、もし存在する場合は、安全且つ接着有効量で使用される。ここで使用される用
語「安全且つ接着有効量」とは、使用者への毒性、口腔組織への損傷及び義歯材
料の改変がなく、口腔の板及び隆起への義歯の接着を与えるのに充分な量を意味
する。
適当な接着組成物としはて、粘着性の塊を形成させるために湿気に曝すと膨張
し得る性質を有する水溶性親水性コロイド又はポリマーがある。このような接着
物質としては、天然ゴム、合成高分子ゴム、義歯安定化組成物に通常使用され且
つ本AVE/MAコポリマーと混和しうる接着物質、合成ポリマー、粘液接着性ポリマ
ー、親水性ポリマー、サッカライド誘導体、セルロース誘導体、及びそれらの混
合物がある。このような物質の例としては、カラヤガム、グアガム、ゼラチン、
アルギン、ナトリウムアルギネート、トラガカンス、チトサン、ポリエチレング
リコール、アクリルアミドポリマー、カルボポール、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルアセテート、ポリアミン、ポリ4級化合物、ポリブテン、シリコーン、
エチレンオキシドポリマー、ポリビニルピロリドン、カチオン性ポリアクリルア
ミドポリマーがある。しかしながら、配合物に使用される有機架橋剤は同一配合
物中に付加的接着剤が含有されるべきではない。
メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロースのようなセルロース誘導体が好ましい。
カルボキシメチルセルロース及びナトリウムカルボキシメチルセルロースが最も
好ましい。一般に、他の接着成分は組成物の約0重量%〜約70重量%、好まし
くは約10重量%〜約50重量%、最も好ましくは約20重量%〜約40重量%
のレベルで存在させることができる。他の成分
1種以上の毒性的に許容しうるい可塑剤を本発明の組成物中に包含させること
もできる。ここで使用される用語「毒性的に許容しうる」とは、人及び/又は下
等動物へ投与するための毒性プロフィールにおいて適する物質を記述するために
使用される。本発明組成物に使用することのできる可塑剤としては、ジメチルフ
タレート、ジエチルフタレート、ジオクチルフタレート、グリセリン、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、Igepal、Gafac、ソルビトール、トリ
クレシルホスフェート、ジメチルセバケート、エチルグリコレート、エチルフタ
リルエチルグリコレート、o-及びp-トルエンエチルスルホンアミド、及びそれら
の混合物がある。可塑剤は組成物の約0重量%〜約70重量%、好ましくは約0
.1重量%〜約30重量%のレベルで存在させることができる。
義歯接着組成物は義歯接着剤及び/又はバイオ接着剤としても使用することが
でき、経口又は局所投与に適する1種以上の治療活性剤を含有することができる
。ここで使用される字句「経口又は局所投与に適する」とは、口腔のような身体
の口内表面を通して吸収されるとき又は皮膚の表面に塗布されるときに、医薬的
に活性である薬剤をいう。治療活性剤は組成物の約0重量%〜約70重量%のレ
ベルで存在させることができる。
これらの組成物において有用な治療活性剤はとしては、抗菌剤、例えば、ヨー
ド、スルホンアミド、ビスビグアニド、又はフェノール性物質;抗生物質、例え
ばテトラサイクリン、ネオマイシン、カナマイシン、メトロニダゾール、又はク
リンダマイシン;抗炎症剤、例えばアスピリン、アセタミノフェン、ナプロキセ
ン及びその塩、イブプロフェン、ケトロラック、フルビプロフェン、インドメタ
シン、シメチジン、オイケノール、又はヒドロコルチゾン;歯用脱感剤、例えば
硝酸カリウム、塩化ストロンチウム又は弗化ナトリウム;美感剤、例えばリドカ
イン又はベンゾカイン;抗黴剤;芳香物質、例えば樟脳、ユーカリ油、及びアル
デヒド誘導体、例えばベンツアルデヒド;インスリン;ステロイド;及び抗潰瘍
剤がある。治療のある種の形態において、同じ供与システムにおけるこれらの薬
剤の組み合わせは最大の効果を得るために有用であると認められる。従って、例
えば抗菌剤及び抗炎症剤は組み合わせ効果を与えるために単一デリバリーシステ
ムにおいて組み合わせることができる。
本発明の義歯接着組成物は乾燥した義歯に粘着する被覆を含有することもでき
、もし存在するならば、少なくとも1つの非接着性自立層を含有する義歯接着組
成物の1つの側に配置されるであろう。接着層としての使用に適する組成物とし
ては、ポリブテン、シリコーン、ゴム、ペトロラタム、天然ポリマー、合成ポリ
マー、及びそれらの混合物がある。接着層は組成物の約0重量%〜約70重量%
、好ましくは約0.5重量%〜約20重量%のレベルで存在させることができる
。
他の適当な成分としては、着色剤、防腐剤、例えばメチル及びプロピルパラベ
ン;増粘剤、例えば二酸化珪素;及びデリバリービヒクル、例えば液状ペトロラ
タム、ペトロラタム、鉱油、及びグリセリンがある。ポリエチレングリコール、
二酸化珪素、ペトロラタムが好ましい。着色剤、防腐剤、増粘剤及びデリバリー
ビヒクルは組成物の約0重量%〜約20重量%のレベルで存在させることができ
る。
本発明の組成物は香味、芳香及び/又は感覚利益を与える1種以上の成分を含
有することもできる。適当な成分としては、天然又は人工甘味剤、メントール、
メチルラクテート、冬緑油、ペパーミント油、スペアミント油、葉アルコール、
並びにクーラント 3-1-メトキシプロパン-1,2-ジオール、及びパラメタンカルボ
キシアミド剤、例えばここにその全体が参考として合体されるWatosonらの米国
特許第4,136,163号に記載のN-エチル-p-メンタン-3-カルボキシアミドがある。
これらの薬剤は組成物の約0重量%〜約50重量%のレベルで存在させることが
できる。組成物の調製方法
本発明の組成物は下記の方法又はそれらの組み合わせにより製造することがで
きる。ここで使用される用語「混合物」とは、溶液、スラリー又は懸濁液をいう
。
低級アルキルビニルエーテル無水マレイン酸コポリマーは上記の商品名で商業
的供給者から得られるか、又は低級アルキルビニルエーテルモノマーと無水マレ
イン酸の共重合により、容易に酸コポリマーへ加水分解されうる、対応する低級
アルキルビニルエーテル-無水マレイン酸コポリマーを生成させることにより得
ることができる。
AVE/MAの共有結合的架橋はコポリマーの無水マレイン酸単位のエステル化によ
り達成される。溶液法では、有機架橋剤を含有する適当な溶剤中に低級アルキル
ビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーを分散させる。反応は昇温で行われ
る。水性媒体では、約45℃〜約100℃の温度範囲を使用することができる。
温度は約65℃〜約100℃の範囲が好ましく、約85℃〜約95℃が最も好ま
しい。ポリマーはエステル化中又は後に中和することができる。また、ポリマー
はエステル化中又は後にポリオールと共に多価金属イオンにより架橋することが
できる。得られたポリマーは強制通風機械的対流オーブン又はドラムドライヤー
中で乾燥することができる。乾燥後、粘稠なポリマーは脆いフレークにされ、こ
れは上記したように乾燥表面から容易に剥ぎ取ることができ、さらに微粉末に粉
砕することができる。
AVE/MAコポリマー又はその塩の共有結合的架橋は、コポリマー又はその塩と有
機架橋剤との固形混合物の硬化中に行わせることができる。硬化は慣用の加熱要
素又はマイクロウエーブ源で達成することができる。慣用の加熱要素では、約9
0℃〜約150℃の温度範囲が好ましい。約110℃〜約130℃の温度範囲が
最も好ましい。溶液法後にコポリマーを硬化させることが好ましい。理論に拘束
されないが、硬化プロセス中に酸無水物は未中和カルボキシル基から形成され、
従って、調整された有機架橋剤による酸無水物のエステル化が起こるものと思わ
れる。
非接着性自立層を含有する組成物において、接着成分(もし存在するならば、
部分塩コポリマー及び他の接着成分)は種々の方法を用いて非接着性自立層上に
被覆することができる。これらは下記の方法を包含する:(a)非接着性自立層を
水で湿らせ、接着成分粉末を湿った層へ均一にシフトさせ、ついで該層を再度湿
らせる;(b)接着成分を水及び/又は他の溶剤に溶解させ、得られた混合物を該
層に被覆する;(c)Gantrez処理中に生成される混合物で層を被覆する;(d)
層が形成されるときに接着成分を層に混和する;及び(e)接着成分を水及び/
又は他の溶剤に溶解させ、得られた混合物を該層で湿らせ/被覆し、粉末形態の
1種以上の接着成分を湿った/被覆された層へ均一にシフトさせ、場合により混
合物及び/又は水で再度湿らせ/被覆する;(f)工程(e)の方法を数回繰り返す
;及び(g)上記(a)から(f)の方法を組み合わせる。
上記したように、接着成分は水及び/又は他の溶剤、及び層を覆っている、得
られた混合物に溶解されることができる。AVE/MAポリマー用の溶剤としては、水
及び/又はアルコール、例えばメタノール、プロパノール、イソプロパノール、
エタノール、ブタノール、1,4-ブタンジオール、シクロヘキサノール、及びジエ
チレングリコール;エーテル又はエーテルアルコール、例えばテトラヒドロフラ
ン、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル
エーテル、ジオキサン、及びエチルエーテル;エステル、例えばメチルアセテー
ト、エチルアセテート及びsec-ブチルアセテート;アルデヒド、ケトン又はケト
ン-アルコール、例えばベンツアルデヒド、ホルムアルデヒド溶液、メチルエチ
ルケトン、ジアセトンアルコール、アセトン、シクロヘキサノン、メシチルオキ
シド、及びメチルイソブチルケトン;ラクタム又はラクトン、例えばN-メチル-2
-ピロリドン、N-ビニル-2-ピロリドン、2-ピロリドン、及びブチロラクトン;炭
化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ミネラルスピリット
、ミネラルオイル、及びガソリン;塩素化炭化水素、例えば四塩化炭素、クロロ
ベンゼン、クロロホルム、二塩化エチレン、塩化メチレン;ニトロパラフィン、
例えばニトロエタン、及びニトロメタン;メルカプタン、例えばチオフェノール
及び2-メルカプト-1-エタノール、及びその他のもの、例えば酢酸、ピリジン及
びジメチルホルムアルデヒドがある。
AVE/MAポリマー用の好ましい溶剤は水、メタノール、プロパノール、イソプロ
パノール、テトラヒドロフラン、酢酸メチル、ベンツアルデヒド、ホルムアルデ
ヒド溶液、メチルエチルケトン、ジアセトンアルコール、N-メチル-2-ピロリド
ン、N-ビニル-2-ピロリドン、ジメチルホルムアミド及びそれらの混合物である
。可塑剤として通常使用される化合物もAVE/MAポリマー用溶剤として使用するこ
とができる。このような可塑剤としては、ジメチルフタレート、ジエチルフ
タレート、ジオクチルフタレート、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、Igepal CO-630、Gafac RE-610、ソルビトール、トリクレシ
ルホスフェート、ジメチルセバケート、エチルグリコレート、エチルフタリルエ
チルグリコレート、及びp-トルエンエチルスルホンアミドがある。
接着組成物に場合により含有されうるカルボキシメチルセルロース(CMC)
のような他の接着剤用の溶剤としては、水及び水混和性溶剤、例えばエタノール
及びアセトンの混合物がある。低濃度の溶液は40%までのアセトン及び/又は
50%までのアルコールで造ることができる。使用することができる他の溶剤と
してはエタノールアミン;エチレングリコール;グリセロール;1,2,6-ヘキサン
トリオール;モノ-、ジ-及びトリアセチン;1,5-ペンタンジオール;ポリエチレ
ングリコール(分子量600以下);プロピレングリコール;及びトリメチロール
プロパンがある。
水及び/又は他の溶剤中に接着成分を溶解させることにより接着組成物が調製
される場合、プロセスの種々の態様としては、AVE/MA接着剤を1種以上のAVE/ME
ポリマー用溶剤に溶解させる;任意接着剤を適当な溶剤に溶解させ、得られた混
合物を非接着性自立層に被覆し、ついで場合により1種以上の接着剤を被覆され
た層にシフトさせる、ことを包含する。層の被覆は、押し出し、ドクターブレー
ド、スプレー、浸漬などの当該技術において通常知られている技術により達成す
ることができる。
上記手段の1つにより接着成分が層に堆積された後、層は乾燥される。ついで
、義歯接着組成物は、リングローラー又はマイクロクラッカー又は他の適当な手
段を通過させることにより機械的に柔軟化される。ついで、組成物は液圧プレス
又はフラットロール又は他の適当な手段で滑らかにプレスされる。ついで、組成
物は義歯の形にダイカットされる。これらの形は組成物の義歯への適用を容易に
することができる。
下記の実施例は本発明の範囲内の好ましい態様をさらに記載し且つ実証するも
のである。これらの実施例は単に説明の目的にのみ与えられているものであり、
本発明を限定するものと解すべきではなく、本発明の精神及ぴ範囲を逸脱するこ
となく、その多くの改変が可能である。実施例 I
内蔵粘度計を有する高トルクミキサーを備えた2リットル樹脂製反応ケテル中
に、室温で2.85gのポリエチレングリコール(PEG)300及び1252.
95gの純水,USP,を入れる。パドル攪拌具により300rpmで約5分間混合する
。15.00gのポリ(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸)(MVE/MA
)コポリマー又はGantrez AN169を、コポリマーが良く分散されるまで、ゆっく
りと加える。温度調節された水浴により樹脂製反応ケテルを90℃に加熱する。
エステル化及び加水分解反応の完結(反応バッチが明らかに透明になり、粘度の
増加を示す)まで、85℃〜95℃の間の反応温度及び300rpmの一定攪拌速
度を維持する。
別に、ビーカー中で、4.20gの水酸化カルシウム及び225gの純水,USP
,を含有するスラリーを調製する。エステル化及び加水分解反応の完結後に、ス
ラリーを樹脂製反応ケテルにゆっくりと加え、中和及び架橋反応の完結(不溶性
水酸化カルシウムが消失し且つ1:10(v/v)希釈液のアリコート中で測定され
たpHに上がることにより示される)まで混合される。得られた溶液の典型的な
pHはほぼ5.4である。仕上げバッチの鮮明度は透明である。
得られた溶液を浅いステンレススチール製乾燥トレイへ移し、反応媒体(水)
を蒸発させ且つポリマーから水を除去させるのに十分な時間、60で強制通風機
械的対流オーブン中で乾燥させる。乾燥後、同じオーブン中で、約120で約2
時間コポリマーを硬化させる。コポリマーは脆いフレークを形成する。平均粒度
及び粒度分布を定めるために適当なスクリーンを用いて、スピードローターミル
のような粉砕装置中で該フレークを微粉末に粉砕する。典型的には、0.12m
m又は0.08mmのスクリーンが使用される。得られた接着性コポリマーは、
PEG300で共有結合的に架橋されたMVE/MAコポリマーの60%中和部分カルシ
ウム塩である。PEG:COOHモル比は5%である。
少なくとも1種の非接着性自立層を有する組成物において、58インチ×20
インチの非接着性自立層を水で湿らせる。150gの接着性成分(90gのCa
MVE/MAコポリマー及び60gのカルボキシメチルセルロース)を層上に均一に被
覆し、該層を水で再度湿らせる。層を乾燥させる。義歯接着組成物をリングロ
ーラーにより機械的に柔らかくし、ついで液圧プレス上で滑らかにする。組成物
を義歯型ウエハにカットする。該ウエハを湿らせ、義歯に塗付する。このウエハ
は、義歯から剥ぎ取られ、その場で義歯を保持し、にじみ出ず、そして食物が義
歯と歯茎の間に突き刺さるのを防止することを助ける粘稠なシールを形成する。
本発明で有用な実施例Iの変形としては下記のものがある:
(a)2.85gのPEG300を4.09gのポリプロピレングリコール425で置
き換える;
(b)4.20gの水酸化カルシウムを4.62gの水酸化ナトリウムで置き換
える;
(c)2.85gのPEG300を1.93gの1,12-ドデカンジアミンで置き換え
る;
(d)硬化プロセスの削除
実施例 II
高トルクミキサーを備えた2リットル樹脂製反応ケテル中に、1477.95
gの純水及び2.85gのPEG300を入れる。パドル攪拌具により300rpmで
約5分間混合する。固体物がよく分散されるまで、4.20gの水酸化カルシウ
ムをゆっくり加える。ついで、15.00gのMVE/MAコポリマー又はGant
rez AN169を、コポリマーが良く分散されるまで、ゆっくりと加える。温度調節
された水浴により樹脂製反応ケテルを90℃に加熱する。エステル化及び加水分
解反応の完結(反応バッチが明らかに透明になり、粘度が増加を示す)まで、8
5℃〜95℃の間の反応温度及び300rpmの一定攪拌速度を維持する。溶液の
典型的なpHはほぼ5.4である。この溶液化学は無水マレイン酸のエステル化
及び加水分解、並びにそれぞれ水酸化カルシウム及びカルシウムイオンによるマ
レイン酸部分の中和及び架橋からなる。
実施例Iと同じ乾燥、硬化及び粉砕手法を繰り返す。得られた接着性コポリマ
ーはPEG300で共有結合的に架橋されたMVE/MAコポリマーの60%中和部分カ
ルシウム塩が生じる(PEG:COOHモル比は5%である)。非接着性自立層を
製造する手法が、実施例Iに記載のように繰り返される。
本発明で有用な実施例IIの変形としては下記のものがある:
(a)表IIに記載の置き換え
(b)表IIIに記載のように、PEGの平均分子量を変える置き換え(註:PEG:COO
Hモル比は5%に維持)
実施例 III
高トルクミキサーを備えた2リットル樹脂製反応ケテル中に、1413.59
gの純水及び11.41gのPEG300を入れる。パドル攪拌具により300rpm
で約5分間混合する。Gantrez AN169から造られた75.00gのMVE/MA
コポリマーの60%中和部分カルシウム塩を、塩が完全に水和される前に分散さ
れるような適当な速度で加える。温度調節された水浴により樹脂製反応ケテルを
90℃に加熱する。塊が見えなくなるまで、85℃〜95℃の間の反応温度及び
300rpmの一定攪拌速度を維持する(1〜3時間)。
実施例Iと同じ乾燥、硬化及び粉砕手法を繰り返す。得られた接着性コポリマ
ーはPEG300で共有結合的に架橋されたMVE/MAコポリマーの60%中和部分カ
ルシウム塩である(PEG:COOHモル比は5%である)。非接着性自立層を製
造する手法が、実施例Iに記載のように繰り返される。
実施例IV
表IVに記載した、金属カチオン及び反応した部分塩AVE/MAコポリマーの
初期カルボキシル基の対応するパーセントは、PEGで架橋されたAVE/MA
コポリマーの混合部分塩を配合するために実施例I−IIIの方法に利用すること
ができる。2価の金属カチオンについては、適当な金属酸化物、水酸化物、炭酸
塩又は炭酸水素塩を使用することができる。3価の金属カチオンについては、硫
酸塩が好ましい。
実施例I−IVで製造された接着性コポリマーは、接着性コポリマーと慣用の義
歯接着剤デリバリービヒクルとの組み合せにより、粉末、クリーム又は液状形態
の義歯接着組成物を配合するために使用することができる。組成物は義歯に塗付
され、ついで義歯は口腔中に挿入される。接着性コポリマーは実施例Iに記載の
手法により少なくとも1つの自立層に配給することができる。
実施例V−IX (a)カルボキシメチルセルロース
(b)47.5%のカルシウム及び17.5%の亜鉛で中和され且つPEGで共有結合的に架
橋されたメチルビニルエーテル−マレイン酸部分塩。PEG:COOHモル比=5%。
(c)60%のカルシウム及び17.5%の亜鉛で中和され且つPEGで共有結合的に架橋
されたメチルビニルエーテル−マレイン酸部分塩。PEG:COOHモル比=5%。
(d)47.5%のカルシウム、17.5%の亜鉛及び0.5%の第二鉄で中和され且つPEGで
共有結合的に架橋されたメチルビニルエーテル−マレイン酸部分塩。PEG:COOHモ
ル比=4%。
(e)65%のナトリウムで中和され且つPEGで共有結合的に架橋されたメチルビニ
ルエーテル−マレイン酸部分塩。PEG:COOHモル比=10%。
実施例V−IXの接着性成分は0.1〜15gの二酸化珪素を含有することもで
きる。
実施例V−IXは次のように調製される。58インチ×20インチの非接着性自
立層を水で湿らせる。150gの接着性成分(90gのCa MVE/MAコポリマー
及び60gのカルボキシメチルセルロース)を層上に均一に被覆し、該層を水で
再度湿らせる。層を乾燥させる。義歯接着組成物をリングローラーにより機械的
に柔らかくし、ついで液圧プレス上で滑らかにする。組成物を義歯型ウエハにカ
ットする。該ウエハを湿らせ、義歯に塗付する。このウエハは、義歯から剥ぎ取
られ、その場で義歯を保持し、にじみ出ず、そして食物が義歯と歯茎の間に突き
刺さるのを防止することを助ける粘稠なシールを形成する。
実施例X
粉末形態の義歯接着組成物は下記成分を一緒にブレンドすることにより製造す
ることができる:
w/w%
A カルボキシメチルセルロースナトリウム 58.9
MVE/MA/PEGコポリマーの47.5%Ca/17.5%Zn部分塩 40.0
PEG:COOHモル比=5%
二酸化珪素,コロイド状 1.0
ペパーミント香味油 0.1
B カルボキシメチルセルロースナトリウム 28.9
MVE/MA/PEGコポリマーの60%Ca部分塩 70.0
PEG:COOHモル比=5%
二酸化珪素,コロイド状 1.0
ペパーミント香味油 0.1
C カラヤガム 40.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 28.9
MVE/MA/PEGコポリマーの60%Ca部分塩 30.0
PEG:COOHモル比=5%
二酸化珪素,コロイド状 1.0
ペパーミント香味油 0.1
D カルボキシメチルセルロースナトリウム 65.0
MVE/MA/PEGコポリマーの47.5%Ca/17.5%Zn/
0.5%Fe(III)部分塩 33.9
PEG:COOHモル比=4%
二酸化珪素,コロイド状 1.0
ペパーミント香味油 0.1
E カルボキシメチルセルロースナトリウム 25.0
カラヤガム 25.0
MVE/MA/PEGコポリマーの65%ナトリウム部分塩 49.0
PEG:COOHモル比=10%
二酸化珪素,コロイド状 1.0 実施例XI
クリーム形態の義歯接着組成物は下記成分を一緒にブレンドすることにより製
造することができる:
香味油を0.1%〜0.5%(w/w)のレベルで組成物中に混入することもできる
。
実施例XII
液状形態の義歯接着組成物は下記成分を一緒にブレンドすることにより製造す
ることができる: 香味油を0.1%〜0.5%(w/w)のレベルで組成物中に混入することもでき
る。
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(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),CA,CN,CZ,H
U,JP,PL,RU,SK
(72)発明者 ギルデイ−ウィバー,キンバリー アン
アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナチ、
リバー、ロード 3682