JP2001516579A - Hlaクラスii分子により提示されるmage−3ペプチド - Google Patents

Hlaクラスii分子により提示されるmage−3ペプチド

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、MAGE−3腫瘍関連遺伝子によりコードされるHLAクラスII結合ペプチド、並びにかかるペプチドをコードする核酸、およびそれに関連する抗体につき記載する。該ペプチドはCD4+Tリンパ球の活性と増殖を刺激する。MAGE−3遺伝子の発現により特徴づけられる症状の診断方法および治療方法と産物も提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明はHLAクラスII分子によりTリンパ球に結合し提示される腫瘍関連遺 伝子産物MAGE−3のフラグメントに関する。該ペプチド、かかるペプチドを
コードする核酸分子、ならびに関連抗体およびCD4+Tリンパ球は、とりわけ 診断および治療の分野において有用である。
【0002】 (発明の背景) 哺乳動物の免疫系が外来または異質の物質を認識し、反応する過程は複雑であ
る。その系の有用な局面はT細胞応答であり、それは一部、CD4またはCD8
細胞表面タンパク質のいずれかに陽性の成熟Tリンパ球からなる。T細胞はヒト
白血球抗原(「HLA」)または主要組織適合性遺伝子複合体(「MHC」)と
呼ばれるペプチドまたは分子の他の細胞上細胞表面複合体を介して他の細胞を認
識し、相互作用する。該ペプチドはより大きな分子から誘導され、該細胞により
処理加工されて、HLA/MHC分子をも提示する。メイル(Male)ら、Advanc
ed Immunology(J. P. リピンコット・カンパニー、1987)、特に第6〜1 0章参照。T細胞とHLA/ペプチド複合体の相互作用は制限されており、HL
A分子とペプチドの特異複合体に対する特異T細胞を必要とする。もし特異T細
胞が存在しなければ、パートナー複合体が存在したとしてもT細胞応答はない。
同様に、もし該特異複合体が存在しなければ、T細胞が存在しても応答は起こら
ない。上記のメカニズムは外来物質に対する免疫系の応答、自己免疫病理、また
、細胞性異常に対する応答に関与している。
【0003】 外来抗原に対するT細胞応答は細胞溶解性Tリンパ球およびヘルパーTリンパ
球双方を包含する。CD8+細胞毒性または細胞溶解性T細胞(CTL)とは、 それが活性化されたとき、HLAクラスI分子により提示される適切な抗原を提
示する細胞を溶解するT細胞である。CD4+Tヘルパー細胞はマクロファージ と抗原産生B細胞を刺激するサイトカインを分泌するT細胞であり、該B細胞は
細胞表面のHLAクラスII分子により適切な抗原を提示する。
【0004】 T細胞が外来物質を認識するメカニズムは癌にも関係している。自己由来のメ
ラノーマを対象とする多数の細胞溶解性Tリンパ球(CTL)クローンが記載さ
れている。幾つかの事例では、これらのクローンにより認識される抗原が特徴付
けされている。デ・プラエン(De Plaen)ら、Immunogenetics 40:360〜 369(1994)には、「MAGE」ファミリー(腫瘍特異抗原をコードする
遺伝子のファミリー)が記載されている。(PCT出願、PCT/US92/0
4354、1992年11月26日公開も参照されたい)。これら遺伝子の発現
産物はペプチドに処理加工され、それが次いで細胞表面上に提示される。これが
特異CTLによる腫瘍細胞の溶解に導く。該遺伝子は「腫瘍排除抗原前駆体」ま
たは「TRAP」分子をコードすると言われており、そこから誘導されるペプチ
ドは「腫瘍排除抗原」または「TRA」と呼ばれる。この遺伝子ファミリーのさ
らなる情報についてはトラバーサリー(Traversari)ら、Immunogenetics 35 :145(1992);バン・デル・ブルッゲン(Van der Bruggen)ら、Scien
ce 254:1643(1991)を参照されたい。米国特許第5,342,7 74号も参照されたい。
【0005】 米国特許第5,405,940号には、MAGEノナペプチドがHLA−A1
分子により提示されると開示している。特定のHLA分子に対する特定ペプチド
の特異性が既知であるならば、1つのHLA分子に結合し、他のものには結合し
ない特定のペプチドが予測される。異なる個体は異なる表現型をもつので、この
ことは重要である。結果として、特定のペプチドが特異HLA分子に対するパー
トナーであることを同定することが診断および治療の一部となり得る一方、これ
らは特定のHLA表現型をもつ個体にとって唯一関連するものである。この領域
の研究がさらに必要なのは、細胞の異常性が1個の特定のHLA表現型に限定さ れず、標的とした治療法が問題の異常細胞表現型について何らかの知識を必要と
するからである。
【0006】 米国特許第5,591,430号には、さらに単離されたMAGE−3ペプチ
ドがHLA−A2分子により提示されると開示している。したがって、ある1個 のTRAPは複数のTRAを産生することが可能である。
【0007】 上記の文献はHLAクラスI分子により提示される腫瘍排除抗原の単離および
/または特徴付けにつき記載している。これらのTRAはCD8細胞毒性Tリ
ンパ球(CTL)の活性化と増殖を誘導し、CTLがTRAをコードする腫瘍関
連遺伝子(例えば、MAGE遺伝子)を発現する腫瘍細胞を認識する。
【0008】 抗腫瘍免疫におけるCD4+Tリンパ球(ヘルパーT細胞)の重要性は動物モ デルにおいて証明されており、そこではこれらの細胞が共同作業およびエフェク
ター機能を発揮するのみならず、免疫記憶を維持するのにも重要である(総説;
トパリアン(Topalian)、Curr. Opin. Immunol. 6:741〜745、199 4)。さらに、これらの研究は腫瘍特異免疫性が劣るのは不適切なTヘルパー細 胞の活性化によるという論点を支持している。
【0009】 最近証明されたことは、チロシナーゼ遺伝子がHLAクラスII分子により提示
されるペプチドをコードし、そのペプチドがCD4+Tリンパ球を刺激することで
ある(トパリアン(Topalian)ら、1994;イー(Yee)ら、J. Immunol. 1 57:4079〜4086、1996;トパリアンら、J. Exp. Med. 183: 1965〜1971、1996)。
【0010】 今回発見されたことは、MAGE−3遺伝子がHLAクラスII結合ペプチドで あるさらなる腫瘍排除抗原をコードしていることである。これらのペプチドは、
HLAクラスII分子を有する抗原提示細胞により提示された場合、CD4+Tリン
パ球の活性化と増殖を効率的に誘導する。 本発明につき以下の記載により詳細に述べる。
【0011】 (発明の要約) 本発明はHLAクラスII分子に結合する単離されたMAGE−3ペプチドおよ びかかるペプチドの機能的変異体を提供し、該機能的変異体はMAGE−3ペプ
チド配列に対する1個または2以上のアミノ酸の付加、置換または欠失したもの からなる。本発明はまた、かかるペプチドをコードする単離された核酸分子、こ
れらの核酸分子を含む発現ベクター、これら核酸分子をトランスフェクトした宿
主細胞、およびこれらペプチドおよび該ペプチドとHLAクラスII抗原提示分子
との複合体に対する抗体を提供する。該ペプチドとHLAクラスII抗原提示分子
との複合体を認識するTリンパ球も提供される。前記分子を包含するキットとワ
クチン組成物もさらに提供される。これらはMAGE−3の発現を特徴とする疾
患の診断または治療に使用することができる。MAGEファミリーのポリペプチ
ドおよび核酸のメンバーは、有意な配列同一性および機能的相同性(例えば、腫
瘍抗原および前駆体として)を共有することが知られているので、本発明はMA
GE−3以外のMAGEファミリーメンバーから誘導されるHLA結合ペプチド
をも包含する。したがって、本明細書に含まれるMAGE−3 HLAクラスII 結合ペプチドについての開示、かかるペプチドを含む組成物、およびかかるペプ
チドの同定および使用法も、MAGE腫瘍関連抗原ファミリーの他のメンバーに
当てはまることが理解される。
【0012】 本発明の1側面によると、単離されたMAGE−3 HLAクラスII結合ペプ チドは、HLAクラスII分子に結合する配列番号2のアミノ酸配列のフラグメン
ト、または1個または2以上のアミノ酸の付加、置換または欠失を含むその機能 的変異体からなるものが提供される。1態様における単離されたペプチドは配列
番号11のアミノ酸配列、またはその機能的変異体を含む。特定の態様において
、単離されたHLAクラスII結合ペプチドは配列番号3、配列番号4、配列番号
9、および配列番号10からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む。好適な
態様において、単離されたペプチドは配列番号3、配列番号4、配列番号9、配
列番号10および配列番号11からなる群より選択されるアミノ酸配列からなる
。さらに好ましくは、単離されたペプチドは配列番号3および配列番号4からな
る群より選択されるアミノ酸配列からなる。特定の態様において、単離されたペ
プチドはエンドソーム標的シグナル、好ましくはヒト不変鎖Iiのエンドソーム
標的部分を含む。本発明の他の態様において、単離されたHLAクラスII結合ペ
プチドは非水解性である。好ましい非水解性ペプチドはD−アミノ酸を含むペプ
チド、−psi[CH2NH]−還元アミドペプチド結合を含むペプチド、−p si[COCH2]−ケトメチレン・ペプチド結合を含むペプチド、−psi[ CH(CN)NH]−(シアノメチレン)アミノペプチド結合を含むペプチド、
−psi[CH2CH(OH)]−ヒドロキシエチレン・ペプチド結合を含むペ プチド、−psi[CH2O]−ペプチド結合を含むペプチド、および−psi [CH2S]−チオメチレン・ペプチド結合を含むペプチドからなる群より選択 される。
【0013】 本発明の他の側面によると、単離されたMAGE−3 HLAクラスI−結合 ペプチドと単離されたMAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドを含む組成 物が提供される。特定の態様において、MAGE−3 HLAクラスI−結合ペ プチドとMAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドはポリトープポリペプチ ドとして結合される。他の態様において、組成物中の単離されたMAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドは配列番号11のアミノ酸配列またはその機能的
変異体からなる。好ましくは、組成物中の単離されたMAGE−3 HLAクラ スII−結合ペプチドは配列番号3、配列番号4、配列番号9、配列番号10およ
び配列番号11からなる群より選択されるアミノ酸配列からなる。より好ましく
は、単離されたMAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドは配列番号3およ び配列番号4からなる群より選択されるアミノ酸配列からなる。前記組成物の特
定態様において、単離されたMAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドはエ ンドソーム標的シグナルを含む。好ましくは、エンドソーム標的シグナルはヒト
不変鎖Iiのエンドソーム標的部分を含む。
【0014】 本発明の他の側面によると、前記MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチ ドのいずれかをコードする単離された核酸が提供される。好ましくは、該核酸は
配列番号13を含む。
【0015】 本発明のさらに他の側面によると、発現ベクターが提供される。該発現ベクタ
ーはプロモーターに作動可能に結合させた前記単離核酸のいずれかを含む。好適
な態様において、該核酸は配列番号13を含む。他の態様において、該発現ベク
ターはさらにHLA−DRB1/13分子をコードする核酸を含む。
【0016】 さらに本発明の他の側面によると、上記発現ベクターのいずれかをトランスフ
ェクトまたはいずれかでトランスフォームした宿主細胞が提供される。HLA−
DRB1/13分子を発現し、また上記発現ベクターのいずれかをトランスフェ
クトまたはいずれかでトランスフォームした宿主細胞が提供される。
【0017】 本発明の他の側面によると、MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドに 特異的なCD4+Tリンパ球でTリンパ球母集団を選択的に富化する方法が提供 される。該方法は単離したTリンパ球母集団を、該CD4+Tリンパ球で単離し たTリンパ球母集団を選択的に富化するのに十分な量の、MAGE−3 HLA クラスII−結合ペプチドとHLAクラスII分子との複合体を提示する剤と接触さ
せることからなる。特定の態様において、該剤は、MAGE−3タンパク質また
はそのHLAクラスII結合フラグメントと接触させた抗原提示細胞である。好適
な態様において、HLAクラスII分子はHLA−DRB1/13分子であり、該
MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドは配列番号3のアミノ酸配列から なるペプチド、配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号9のアミ
ノ酸配列からなるペプチド、配列番号10のアミノ酸配列からなるペプチド、お
よび配列番号11のアミノ酸配列からなるペプチドからなる群より選択される。
より好ましくは、該MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドは配列番号3 のアミノ酸配列からなるペプチドおよび配列番号4のアミノ酸配列からなるペプ
チドからなる群より選択される。前記方法の特定態様において、単離されたMA
GE−3タンパク質またはそのHLAクラスII結合ペプチドはエンドソーム標的
シグナルを含む。好ましくは、エンドソーム標的シグナルはヒト不変鎖Iiのエ
ンドソーム標的部分を含む。
【0018】 本発明のさらなる側面によると、MAGE−3の発現を特徴とする疾患の診断
法が提供される。該方法は対象から単離した生物学的サンプルをMAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドに特異的な剤と接触させ、該剤とMAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドとの間の相互作用を該疾患の決定因子として同定
することからなる。特定の態様において、該ペプチドは配列番号11のアミノ酸
配列、またはその機能的変異体からなる。好適な態様において、MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチド
、配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号9のアミノ酸配列から
なるペプチド、配列番号10のアミノ酸配列からなるペプチド、および配列番号
11のアミノ酸配列からなるペプチドからなる群より選択される。より好ましく
は、MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドは、配列番号3のアミノ酸配 列からなるペプチドおよび配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチドからなる
群より選択される。
【0019】 本発明の他の側面によると、HLAクラスII分子と複合体を形成するMAGE
−3 HLAクラスII−結合ペプチドの発現により特徴づけられる疾患の診断法 が提供される。該方法は対象から単離した生物学的サンプルを該複合体に結合す
る剤と接触させ、該複合体と該剤との間の結合を疾患の決定因子として同定する
ことからなる。幾つかの態様において、HLAクラスII分子はHLA−DRB1
/13分子、例えば、HLA−DRB1/1301またはHLA−DRB1/1
302などであって、MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドは配列番号 11のアミノ酸配列、またはその機能的変異体からなる。好ましくは、該MAG
E−3 HLAクラスII−結合ペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列からなる ペプチド、配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号9のアミノ酸
配列からなるペプチド、配列番号10のアミノ酸配列からなるペプチド、および
配列番号11のアミノ酸配列からなるペプチドからなる群より選択される。より
好ましくは、MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドは、配列番号3のア ミノ酸配列からなるペプチドおよび配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチド
からなる群より選択される。
【0020】 MAGE−3の発現により特徴づけられる疾患を有する対象を治療する方法が
本発明の他の側面において提供される。該方法は該疾患を改善するのに十分な量
のMAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドを対象に投与することからなる 。特定の態様において、該MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドは配列 番号11のアミノ酸配列、またはその機能的変異体からなる。好ましくは、該M
AGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列から なるペプチド、配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号9のアミ
ノ酸配列からなるペプチド、配列番号10のアミノ酸配列からなるペプチド、お
よび配列番号11のアミノ酸配列からなるペプチドからなる群より選択される。
より好ましくは、MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドは、配列番号3 のアミノ酸配列からなるペプチドおよび配列番号4のアミノ酸配列からなるペプ
チドからなる群より選択される。特定の態様において、該MAGE−3 HLA クラスII結合ペプチドはエンドソーム標的シグナル、好ましくは、ヒト不変鎖I
iのエンドソーム標的部分からなる。
【0021】 本発明のさらに他の側面によると、MAGE−3の発現により特徴づけられる
疾患を有する対象を治療する方法が提供される。該方法はMAGE−3 HLA クラスI−結合ペプチドおよび該疾患を改善するのに十分な量のMAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドを対象に投与することからなる。特定の態様にお
いて、該MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドは配列番号11のアミノ 酸配列、またはその機能的変異体からなる。好ましくは、該ペプチドは、配列番
号3のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号4のアミノ酸配列からなるペプ
チド、配列番号9のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号10のアミノ酸配
列からなるペプチド、および配列番号11のアミノ酸配列からなるペプチドから
なる群より選択される。より好ましくは、MAGE−3 HLAクラスII−結合 ペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチドおよび配列番号4のア
ミノ酸配列からなるペプチドからなる群より選択される。上記方法の特定態様に
おいて、MAGE−3 HLAクラスI−結合ペプチドおよびMAGE−3 HL
AクラスII−結合ペプチドはポリトープポリペプチドとして結合される。さらに
他の態様において、該MAGE−3 HLAクラスII結合ペプチドはエンドソー ム標的シグナル、好ましくは、ヒト不変鎖Iiのエンドソーム標的部分からなる
【0022】 本発明のさらに他の側面によると、MAGE−3の発現により特徴づけられる
疾患を有する対象を治療する方法が提供される。該方法は、HLAクラスII分子
とMAGE−3 HLAクラスII結合ペプチドとの複合体の存在を対象に選択的 に富化する剤を、該疾患を改善するのに十分な量、対象に投与することからなる
。好ましくは、HLAクラスII分子はHLA−DRB1/13分子、例えば、H
LA−DRB1/1301またはHLA−DRB1/1302などである。特定
の態様において、該MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドは配列番号1 1のアミノ酸配列、またはその機能的変異体からなる。好ましくは、該MAGE
−3 HLAクラスII−結合ペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列からなるペ プチド、配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号9のアミノ酸配
列からなるペプチド、配列番号10のアミノ酸配列からなるペプチド、および配
列番号11のアミノ酸配列からなるペプチドからなる群より選択される。より好
ましくは、MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドは、配列番号3のアミ ノ酸配列からなるペプチドおよび配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチドか
らなる群より選択される。特定の態様において、該剤はMAGE−3 HLAク ラスII−結合ペプチドを含む。好ましくは、該MAGE−3 HLAクラスII結 合ペプチドはエンドソーム標的シグナルを含む。好ましくは、エンドソーム標的
シグナルはヒト不変鎖Iiのエンドソーム標的部分を含む。
【0023】 MAGE−3の発現により特徴づけられる疾患を有する対象のさらなる治療法
が本発明の他の側面において提供される。該方法は該疾患を改善するのに十分な
量の自己由来CD4+Tリンパ球を対象に投与することからなり、その場合、C D4+Tリンパ球はHLAクラスII分子とMAGE−3 HLAクラスII結合ペプ
チドからなる複合体に対し特異的である。好ましくは、HLAクラスII分子はH
LA−DRB1/13分子、例えば、HLA−DRB1/1301またはHLA
−DRB1/1302などである。特定の態様において、該MAGE−3 HL AクラスII−結合ペプチドは配列番号11のアミノ酸配列、またはその機能的変
異体からなる。好ましくは、該MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドは 、配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号4のアミノ酸配列から
なるペプチド、配列番号9のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号10のア
ミノ酸配列からなるペプチド、および配列番号11のアミノ酸配列からなるペプ
チドからなる群より選択される。より好ましくは、MAGE−3 HLAクラスI
I−結合ペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチドおよび配列番 号4のアミノ酸配列からなるペプチドからなる群より選択される。
【0024】 本発明の他の態様によると、単離されたポリペプチドが提供される。該単離さ
れたポリペプチドは選択的にMAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドに結 合するが、その条件として単離されたポリペプチドはHLAクラスII分子ではな
いものとする。特定の態様において、単離されたポリペプチドは抗体であり、好
ましくはモノクローナル抗体である。他の態様において、単離されたポリペプチ
ドは、Fabフラグメント、F(ab)2フラグメントまたはMAGE−3 HL
AクラスII−結合ペプチドに対し選択的なCDR3領域を含むフラグメントから
なる群より選択される抗体フラグメントである。
【0025】 本発明のさらに他の側面によると、単離されたCD4+Tリンパ球が提供され る。単離されたCD4+Tリンパ球は選択的にHLAクラスII分子とMAGE− 3 HLAクラスII結合ペプチドからなる複合体に結合する。好ましくは、HL AクラスII分子はHLA−DRB1/13分子である。一部の態様において、該
MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドは配列番号11のアミノ酸配列、 またはその機能的変異体からなる。好ましくは、該MAGE−3 HLAクラスI
I−結合ペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号4 のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号9のアミノ酸配列からなるペプチド
、配列番号10のアミノ酸配列からなるペプチド、および配列番号11のアミノ
酸配列からなるペプチドからなる群より選択される。より好ましくは、MAGE
−3 HLAクラスII−結合ペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列からなるペ プチドおよび配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチドからなる群より選択さ
れる。
【0026】 本発明のさらに他の側面によると、単離された抗原提示細胞が提供される。単
離された抗原提示細胞はHLAクラスII分子とMAGE−3 HLAクラスII結 合ペプチドからなる複合体を含んでいる。好ましくは、HLAクラスII分子はH
LA−DRB1/13分子である。特定の態様において、該MAGE−3 HL AクラスII−結合ペプチドは配列番号11のアミノ酸配列、またはその機能的変
異体からなる。好適な態様において、該MAGE−3 HLAクラスII−結合ペ プチドは、配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号4のアミノ酸
配列からなるペプチド、配列番号9のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号
10のアミノ酸配列からなるペプチド、および配列番号11のアミノ酸配列から
なるペプチドからなる群より選択される。より好ましくは、MAGE−3 HL AクラスII−結合ペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチドおよ
び配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチドからなる群より選択される。
【0027】 MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドの機能的変異体を同定する方法 が本発明の他の側面により提供される。該方法によると、MAGE−3 HLA クラスII−結合ペプチド、MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドに結合 するHLAクラスII結合分子、およびHLAクラスII結合分子により提示される
MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドにより刺激されるT細胞が選択され
る。MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドの最初のアミノ酸残基を突然 変異に付し、変異体ペプチドを調製する。次いで、HLAクラスII結合分子への
変異体ペプチドの結合、およびT細胞の刺激作用が定量されるが、その際、HL
AクラスII結合分子への変異体ペプチドの結合およびHLAクラスII結合分子に
より提示される変異体ペプチドによるT細胞の刺激作用は、変異体ペプチドが機
能的変異体であることを示す。好適な態様において、MAGE−3 HLAクラ スII−結合ペプチドは配列番号11のアミノ酸配列を含んでなる。より好ましく
は、該ペプチドは配列番号3、配列番号4、配列番号9、配列番号10、または
配列番号11で示されるアミノ酸配列からなる。特定の態様において、該方法は
さらにMAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドによるT細胞の刺激作用と 機能的変異体によるT細胞の刺激作用を、機能的変異体によるT細胞の刺激作用
の有効性決定因子として比較する工程からなる。
【0028】 本発明はまた、上記医薬または本明細書全体に記載の医薬の1種または2以上
を含む医薬製剤を提供する。かかる医薬製剤は医薬的に許容し得る希釈担体また
は賦形剤を含んでもよい。 本発明のこれらの目的および他の目的を本発明の詳細な説明との関連でさらに
詳細に説明する。
【0029】 (図面の簡単な説明) 図1は、MAGE−3に特異的なCD4 T細胞系を得るために用いるプロト コールの図式である。 図2は、CD4-T細胞系B6およびF3が、組換えHis−MAGE−3タ ンパク質を処理加工した自己由来EBV−B細胞を認識したことを示すグラフで
ある。 図3は、外来性His−MAGE−3タンパク質でパルスした自己由来EBV
−B細胞のCD4+T細胞クローンによる認識が、抗−HLA DRモノクローナ
ル抗体により阻害されることを示すグラフである。 図4は、CD4+クローンB6/34、B6/37、F3/37およびF3/ 40による認識について、MAGE−3ペプチドのスクリーニング結果を詳細に
示すグラフである。 図5は、ペプチドRKVAELVHFLLLKYRA(MAGE−3111-126、配 列番号3)またはELVHFLLLKYRAREPV(MAGE−3115-130、 配列番号4)でパルスしたCD4’クローンB6/34およびB6/37EBV
−BによるTNFとINF−γ産生刺激を描出するグラフである。 図6は、ペプチドMAGE−3111-126またはMAGE−3115-130でパルスし
た自己由来EBV−B細胞がクローンB6/34およびB6/37の増殖を誘導
したことを示すグラフである。 図7は、ペプチドMAGE−3115-130に対するCD4’クローンB6/37 の応答がHLA−DRB1/1302に制限されることを示すグラフである。 図8は、MAGE−3115-130から誘導される末端切除ペプチドでパルスした 自己由来EBV−B細胞に対するクローンB6/37の反応性を示すグラフであ
る。 図9は、CD4T細胞クローン426/B6.37(抗−MAGE−3.DR
13)による末端切除MZ2EBVの認識を示す。 図10は、CTLクローン434/1(抗−MAGE−3.A1)による末端
切除MZ2EBVの認識を示す。 図11は、CTL434/1(抗−MAGE−3.A1)による末端切除MZ
2EBVの溶解を示す。 図12Aおよび12Bは、CD4T細胞クローン426/B6.37(抗−M
AGE−3.DR13)およびCTLクローン434/1(抗−MAGE−3.
A1)による形質導入MZ2−MEL.43の認識をそれぞれ示す。 図13は、不変鎖(Ii)とLAMP−1 MAGE−3融合タンパク質のレ トロウイルス構築物の模式図である。
【0030】 (発明の詳細な説明) 本発明はHLAクラスII分子により提示される単離されたMAGE−3ペプチ
ドを提供するが、該ペプチドはCD4+Tリンパ球の増殖と活性化を促進する。 本明細書において、かかるペプチドは「MAGE−3 HLAクラスII結合ペプ チド」および「HLAクラスII結合ペプチド」と呼称する。したがって、本発明
の1側面は配列番号11のアミノ酸配列を含む単離されたペプチドである。
【0031】 下記例はMAGE−3 HLAクラスII結合ペプチドであるペプチドの単離を 示す。これら例示のペプチドは配列番号1で示される核酸の処理加工された翻訳
産物である。当業者がそういうものとして認識するように、翻訳産物はMAGE
−3 HLAクラスII結合ペプチドとなり、それが提示のための最終形状に処理 されるが、該産物はMAGE−3 HLAクラスII結合ペプチドを包含する長さ の鎖長または配列のものであればよい。下記例に示すように、少なくとも10個
のアミノ酸であって、かつ、MAGE−3タンパク質(配列番号2)のアミノ酸
配列と同じ大きさのペプチドまたはタンパク質が適切に処理加工されて、HLA
クラスII分子により提示され、CD4+Tリンパ球を刺激するのに有効となる。 MAGE−3 HLAクラスII結合ペプチド、例えば、配列番号11のペプチド はそのいずれかの末端または両端に付加した1、2、3、4、5、6、7、8、
9、10個、または11以上のアミノ酸を有していてもよい。かかるペプチドの
抗原性部分は生理的条件下、HLAクラスII分子による提示のために切り出され
る。さらなるMAGE−3 HLAクラスII結合ペプチド、ならびにMAGEフ ァミリーHLAクラスII結合ペプチドは、当業者が本明細書の記載に従い同定す
ることができる。
【0032】 実施例に記載の手法を利用し、MAGEファミリーHLAクラスII結合ペプチ
ドを同定することができる。このように、例えば、正常供血者の樹枝状細胞など
の抗原提示細胞に組換えMAGEタンパク質(またはそのフラグメント)を導入
することができるが、その処理は、該細胞をMAGEポリペプチドと接触させる
か、または該細胞に対象のMAGEタンパク質発現用の核酸分子を導入すること
により行う。次いで、該抗原提示細胞を用い、MAGE HLAクラスII結合ペ プチドを認識する特異CD4リンパ球の活性化と増殖を細胞外で誘発することが
できる。該ペプチドの配列は、次いで、実施例記載のとおりに、例えば、CD4
リンパ球の活性化と増殖を刺激するのに用いたMAGEタンパク質のペプチドフ
ラグメントで細胞を刺激することにより決定することができる。あるいは、抗原
提示細胞にMAGEタンパク質から誘導されるペプチドを導入してもよい。例え
ば、HLAクラスII分子に結合する共通アミノ酸配列に基づき、候補HLAクラ
スII結合ペプチドであるMAGEファミリータンパク質から誘導されるペプチド
配列を予測することができる。この点に関しては、例えば、国際特許出願PCT
/US96/03182およびPCT/US98/01373を参照されたい。
このように選択されるペプチドを本明細書記載のアッセイ法に使用し、特異CD
4リンパ球の誘発とペプチドの同定が可能である。HLAクラスII結合ペプチド
を選択・試験する追加的な方法は技術上既知である。
【0033】 上述のように、本発明はMAGE−3 HLAクラスII結合ペプチドの機能的 変異体を包含する。本明細書にて使用する場合、「機能的変異体」またはHLA
クラスII結合ペプチドの「変異体」は、HLAクラスII結合ペプチドの一次アミ
ノ酸配列に1または2以上の修飾があり、かつ、本明細書に記載したHLAクラ
スIIおよびT細胞レセプター結合性を保持するペプチドである。MAGE−3 HLAクラスII結合ペプチドの機能的変異体を創製する修飾は、例えば、1)M
AGE−3 HLAクラスII結合ペプチドの機能的変異体の性質、例えば、発現 系におけるペプチドの安定性またはHLA−ペプチド結合などのタンパク質−タ
ンパク質結合の安定性を増強すること;2)MAGE−3 HLAクラスII結合 ペプチドに対し新たな活性または性質を与えること、例えば、抗原性エピトープ
の付加または検出可能な部分を付加すること;または3)同一または同様のT細
胞刺激性を生じる異なるアミノ酸配列を与えること;により実施される。MAG
E−3(同様にMAGEファミリー)HLAクラスII結合ペプチドに対する修飾
は該ペプチドをコードする核酸に対して実施可能であり、欠失、点突然変異、末
端切除、アミノ酸置換およびアミノ酸付加を包含する。あるいは、修飾は該ポリ
ペプチドに直接実施することも可能であり、例えば、切断、リンカー分子の付加
、ビオチンなど検出可能な部分の付加、脂肪酸の付加、アミノ酸を他のアミノ酸
に置換することなどである。変異体はペプチドのライブラリーから選択すること
も可能であり、それはランダムペプチドであっても、1以上の位置に置換を有す
るMAGEペプチドの配列に基づくペプチドであってもよい。例えば、ペプチド
・ライブラリーはHLAクラスII分子に結合したMAGEペプチドの複合体との
競合アッセイに使用することができる(例えば、MAGEペプチドを導入した樹
枝状細胞)。MAGEペプチドがHLAクラスII分子に結合するのと競合するペ
プチドについて配列決定し、他のアッセイ(例えば、CD4リンパ球増殖)に用
いてMAGEペプチドの機能的変異体としての安定性を決定することができる。
【0034】 修飾はMAGE HLAクラスII結合ペプチド・アミノ酸配列の全部または一 部を含む融合タンパク質、例えば、本明細書記載の不変鎖−MAGE−3融合タ
ンパク質などをも包含する。本発明はこのようにMAGE−3 HLAクラスII 結合ペプチドおよびヒト不変鎖(Ii)などのエンドソーム標的シグナルを含む
融合タンパク質を包含する。下記開示のように、ヒト不変鎖のエンドソーム標的
部分をMAGE−3へ融合することにより、MAGE−3が効率的にHLAクラ
スIIペプチドの提示経路に目標を定めることとなる。ヒト不変鎖の「エンドソー
ム標的部分」または他の標的ポリペプチドとは、第二のポリペプチドに融合また
は結合したときに、第二のポリペプチドのエンドソーム局在化を増加させる分子
の当該部分である。このように、エンドソーム標的部分はヒト不変鎖Iiなどの
標的ポリペプチドの全配列または小部分のみを含むものであってもよい。当業者
は標的分子のエンドソーム標的部分を容易に決定することができる。
【0035】 驚くべきことに、LAMP−1タンパク質のエンドソーム標的部分を融合して
も、HLAクラスIIペプチドの提示経路に対するMAGE−3の標的化が有意に
増大することはなかった。したがって、本発明はMAGE−3と、LAMP−1
ではないヒト不変鎖Iiとの融合タンパク質が、HLAクラスIIペプチドの提示
経路に効率的に目標を定めるという予期せざる知見を包含する。さらなるエンド
ソーム標的シグナルは当業者が同定し得るものであり、MAGE−3またはその
MAGE−3 HLAクラスII結合部分に融合し、次いで、HLAクラスIIペプ チドの提示経路に対する標的化について、極めて通常の実験手法によりテストす
ることができる。
【0036】 MAGE HLAクラスII結合ペプチドのアミノ酸配列は天然産または非天然 産由来のものであり、すなわち、それらは天然のMAGE HLAクラスII結合 ペプチド分子からなるか、あるいは修飾されたアミノ酸配列であって、それが提
示されたときに安定性を保持してヘルパーT細胞を刺激し、かつ、HLA DR B1/13分子などのHLAクラスII分子に結合する性質を保持する鎖長のもの
からなる。例えば、これに関連するMAGE−3 HLAクラスII結合ペプチド は、MAGE−3 HLAクラスII結合ペプチドとそれに無関係のアミノ酸配列 を含む融合タンパク質、配列番号3、4、9、10および11に示されたアミノ
酸配列の合成ペプチド、標識ペプチド、MAGE−3発現癌の対象から単離した
ペプチド、MAGE−3を発現する培養細胞から単離したペプチド、非ペプチド
分子に結合したペプチド(例えば、ある種の薬物送達システム)および配列番号
11のアミノ酸配列を含む他の分子であってもよい。
【0037】 好ましくは、MAGE HLAクラスII結合ペプチドは非水解性である。かか るペプチドを提供するために、非水解性ペプチドのライブラリーからMAGE HLAクラスII結合ペプチドを選択することができるが、例えば、1個または2
以上のD−アミノ酸を含むペプチドまたはアミノ酸に結合する1個またはそれ以
上の非水解性ペプチド結合を含むペプチドなどである。あるいは、CD4’Tリ
ンパ球を誘発するのに最適なペプチドを選択し、かかるペプチドを必要に応じて
修飾しプロテアーゼによる水解能力を減じることが可能である。例えば、タンパ
ク質分解開裂に対する感受性を決定するために、ペプチドを標識して細胞抽出物
または精製プロテアーゼと培養し、次いで単離してどのペプチド結合がタンパク
水解に感受性であるかを、例えば、ペプチドとタンパク分解フラグメントの配列
を決定することにより決定することができる。あるいは、潜在的に感受性のペプ
チド結合は、MAGE−3 HLAクラスII結合ペプチドのアミノ酸配列を一連 のプロテアーゼの既知開裂部位特異性と比較することにより同定することができ
る。かかるアッセイの結果に基づき、タンパク分解に感受性の個々のペプチド結
合は、ペプチドの生体外合成により非水解ペプチド結合に置換えることができる
【0038】 多くの非水解性ペプチド結合は、かかる結合を含むペプチドの合成手法と共に
技術的に既知である。非水解性結合は−psi[CH2NH]−還元アミドペプ チド結合、−psi[COCH2]−ケトメチレン・ペプチド結合、−psi[ CH(CN)NH]−(シアノメチレン)アミノペプチド結合、−psi[CH 2 CH(OH)]−ヒドロキシエチレン・ペプチド結合、−psi[CH2O]−
ペプチド結合、および−psi[CH2S]−チオメチレン・ペプチド結合を包 含する。
【0039】 ペプチドの非ペプチド類似体、例えば、安定化構造を備えたものまたは生分解
性を減じたものも考慮される。ペプチド疑似類似体は選択したMAGE−3 H LAクラスII結合ペプチドに基づき、1個または2以上の残基を非ペプチド部分
に置換えることにより調製することができる。好ましくは、非ペプチド部分はそ
の生来のコンホメーションを保持するか、または好ましい、例えば、生物活性な
コンホメーションを安定化するペプチドを可能とする。かかるペプチドは分子ま
たは細胞ベースの結合アッセイ法で試験し、コンホメーションおよび/または活
性に対する置換基の影響を評価することができる。ペプチドから非ペプチド疑似
類似体を調製する方法の一例が、ナッハマン(Nachman)ら、Regul. Pept. 57
:359〜370(1995)に記載されている。
【0040】 もし変異体が配列番号3、配列番号4、配列番号9、配列番号10または配列
番号11のアミノ酸配列に変化を含むものであるなら、同類アミノ酸置換を有す
るMAGE−3 HLAクラスII結合ペプチドの機能的変異体が典型的で好まし いであろう、すなわち、置換は当初のアミノ酸の性質、例えば、電荷、疎水性、
コンホメーションなどを保持する。アミノ酸の同類置換の例としては、以下のグ
ループ内でのアミノ酸の中でなされた置換を含む:(a)M、I、L、V;(b
)F、Y、W;(c)K、R、H;(d)A、G;(e)S、T;(f)Q、N
;および(g)E、D。
【0041】 MAGE−3 HLAクラスII結合ペプチドの機能的変異体を同定する他の方 法はストロミンガーおよびヴッヒェルプッフニヒ(Strominger and Wucherpfenn
ig)の公開PCT出願(PCT/US96/03182)に提供されている。こ
れらの方法はアミノ酸配列モチーフの展開に依存しており、それに対し潜在的な
エピトープを比較することができる。各モチーフはアミノ酸配列の限定されたセ
ットを描写し、そこで各(関係)位置での残基が(a)単一の残基に限定される
か、(b)制限された残基のセットの中で変わることを許されるか、または(c
)すべての可能な残基の中で変わることを許される。例えば、モチーフは、第1
位置の残基が、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、またはフェニル
アラニン残基のいずれか1つであること;第2位置の残基がヒスチジンであらね
ばならないこと;第3位置の残基がいずれのアミノ酸残基であってもよいこと;
第4位置の残基が、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルア
ラニン、チロシン、またはトリプトファン残基のいずれか1つであること;また
第5位置の残基がリジンであらねばならないことを特定する。
【0042】 MAGE−3 HLAクラスII結合ペプチドの機能的変異体に対する配列モチ ーフは、主要組織適合性遺伝子複合体HLA−DRタンパク質の結合ドメインも
しくは結合ポケットおよび/または本明細書記載のMAGE−3 HLAクラスI
I結合ペプチドのT細胞レセプター(「TCR」)接点を分析することにより開 発することができる。HLAクラスII結合ポケットの形成に関与する残基の詳細
な構造分析を提供することにより、MAGEペプチドがHLAクラスIIタンパク
質のいずれかに結合する配列モチーフを予測することが可能となる。
【0043】 これらの配列モチーフを探索、評価、またはデザインの基準として用いること
により、特定のHLA分子に結合する、また、T細胞レセプターと相互作用して
T細胞応答を誘導する、理に適った可能性を有する一連のペプチド(例えば、M
AGE HLAクラスII結合ペプチド、特に本明細書記載のMAGE−3ペプチ ド、およびその機能的変異体)を同定することが可能となる。これらのペプチド
は合成可能であり、本明細書記載の活性について試験することができる。これら
モチーフの用途は、純正配列相同性(抗原性として同一であるが、配列が全く異
なる多くのペプチドは除く)または無制限の「同類」置換(臨界高次保存部位に
おいて異なる多くのペプチドを含む)に対立するものとして、病気の治療に潜在
的に応用可能なペプチドを当業者が評価することのできる方法を表す。
【0044】 ストロミンガーおよびヴッヒェルプッフニヒ(Strominger and Wucherpfennig
)のPCT出願およびそこに引用された文献は、そのすべてが引用により取り込
まれるが、そこにHLAクラスIIペプチドの残基と接触するHLAクラスIIおよ
びTCRの結合ポケットを開示している。HLAクラスIIおよび/またはTCR
の結合ポケットに結合する見込みのある残基を一定のものとするか、あるいは特
定の置換のみを可能とすることにより、MAGE−3 HLAクラスII結合ペプ チドの機能的変異体をHLAクラスIIおよびT細胞レセプターに持続的に結合す
るように調製することができる。
【0045】 このように、さらにMAGEファミリーHLAクラスIIペプチド、特にMAG
E−3 HLAクラスII結合ペプチドおよびその機能的変異体を同定する方法が 提供される。一般に、MAGEタンパク質は上述の分析に付され、ペプチド配列
が選択され、次いで上記の試験に付される。MAGE−3に関して、例えば、該
方法はMAGE−3 HLAクラスII結合ペプチド、MAGE−3 HLAクラス
II結合ペプチドに結合するHLAクラスII結合分子、およびHLAクラスII結合
分子によって提示されたMAGE−3 HLAクラスII結合ペプチドにより刺激 されるT細胞を選択することからなる。好ましい態様において、MAGE−3 HLAクラスII結合ペプチドは配列番号11のアミノ酸配列を含んでなる。より
好ましくは、該ペプチドは配列番号3、配列番号4、配列番号9、配列番号10
または配列番号11のアミノ酸配列からなる。MAGE−3 HLAクラスII結 合ペプチドの最初のアミノ酸残基を変異させ、変異体ペプチドを調製する。該ア
ミノ酸残基は、上記ストロミンガーおよびヴッヒェルプッフニヒ(Strominger a
nd Wucherpfennig)のPCT出願に記述されたHLAとT細胞レセプター接合点
の原理に従い変異させることができる。変異体ペプチドを調製する方法はいかな
る方法も採用し得るが、例えば、変異体ペプチドの合成、変異核酸分子を用い変
異体ペプチドを組換えにより産生させる方法などである。
【0046】 変異体ペプチドがHLAクラスII結合分子に結合し、T細胞を刺激することは
、標準的手法に従い決定される。例えば、以下に例示するように、変異体ペプチ
ドはMAGE−3ペプチドに結合するHLAクラスII分子を含む抗原提示細胞と
接触させ、変異体ペプチドと抗原提示細胞との複合体を形成させることができる
。この複合体は次いでHLAクラスII結合分子により提示されるMAGE−3 HLAクラスII結合ペプチドを認識するT細胞と接触させることができる。T細
胞はMAGE−3の発現を特徴とする症状の対象から得ることができる。T細胞
による変異体ペプチドの認識は、TNFまたはIFNγ産生などのT細胞刺激の
指標を測定することにより決定することができる。同様の手法を他のMAGEフ
ァミリー HLAクラスII結合ペプチドの同定と特徴付けのために実施すること ができる。
【0047】 HLAクラスII結合分子に変異体ペプチドを結合させ、HLAクラスII結合分
子により提示される変異体ペプチドによりT細胞を刺激すると、変異体ペプチド
が機能的変異体であることが分かる。この方法はまた、MAGE−3 HLAク ラスII結合ペプチドによるT細胞の刺激と変異体ペプチドによるT細胞の刺激と
を、機能的変異体によるT細胞刺激の有効性を決定するものとして比較する工程
からなる。機能的変異体をMAGE−3 HLAクラスII結合ペプチドと比較す ることにより、T細胞刺激性の上昇したペプチドを調製し得る。
【0048】 前記いずれかの方法で調製したMAGE−3 HLAクラスII結合ペプチドの 変異体は、要すれば、配列決定してアミノ酸配列を決定し、かくしてかかる変異
体をコードするヌクレオチド配列を推定することができる。
【0049】 また、本発明の一部はMAGE HLAクラスII結合ペプチドまたはその変異 体をコードするこれら核酸配列および上記ヌクレオチド配列からなる核酸分子に
ストリンジェントな条件下にハイブリダイズする他の核酸配列である。本明細書
にて使用する場合、「ストリンジェントな条件」という用語は技術上周知のパラ
メーターをいう。核酸のハイブリダイゼーションパラメーターはかかる方法を集
約した、例えば、以下の文献に見出される。分子クローニング:実験室マニュア
ル;サムブルーク(J.Sambrook)ら、編纂、第2版、コールド・スプリング・ ハーバー・ラボラトリー・プレス、コールド・スプリング・ハーバー、ニューヨ
ーク、1989;または分子生物学における最新のプロトコール、オウスベル(
F.M. Ausubel)ら、編纂、ジョン・ウイリー・アンド・サンズ・インク、ニュー
ヨーク。より詳しくは、ストリンジェントな条件とは、本明細書にて使用する場
合、ハイブリダイゼーションバッファー(3.5×SSC、0.02%ファイコ
ール、0.02%ポリビニルピロリドン、0.02%ウシ血清アルブミン、25
mM NaH2PO4(pH7)、0.5%SDS、2mM EDTA)中、65℃
でハイブリダイゼーションすることをいう。SSCは0.15M塩化ナトリウム
/0.15Mクエン酸ナトリウム、pH7である;SDSはドデシル硫酸ナトリ
ウムである;また、EDTAエチレンジアミン四酢酸である。ハイブリダイゼー
ション後、DNAを転写した膜は室温にて2×SSCで洗浄し、次いで65℃で
0.1×SSC/0.1×SDSにて洗浄する。
【0050】 他にも使用し得る条件、試薬、等々があるが、これらも同程度のストリンジェ
ンシーに帰着する。当業者はかかる条件に習熟しており、それをここでは記載し
ない。しかし、理解すべきことは、当業者であれば、当該条件を操作することが
可能であって、その方法で本発明のMAGE HLAクラスII結合ペプチドをコ ードする核酸の相同染色体および対立遺伝子を明確に同定し得ることである。当
業者はまた、定法どおりに分離したかかる分子発現のための細胞とライブラリー
をスクリーニングすること、次いで関連する核酸分子を単離し、配列決定する方
法論に精通している。
【0051】 一般に、相同染色体および対立遺伝子は、MAGE−3 HLAクラスII結合 ペプチド(配列番号3、4、9、10または11など)またはかかるペプチドを
コードする核酸に対し、典型的には少なくとも50%のアミノ酸同一性および/
または少なくとも40%のヌクレオチド同一性をそれぞれ共有する。ある場合に
は、相同染色体および対立遺伝子は、少なくとも50%のヌクレオチド同一性お
よび/または少なくとも65%のアミノ酸同一性を共有し、さらに他の場合には
、少なくとも60%ヌクレオチド同一性および/または少なくとも75%のアミ
ノ酸同一性を共有する。前記核酸の相補鎖も本発明に包含される。
【0052】 MAGE HLAクラスII結合ペプチドをコードする核酸をスクリーニングす るに際し、核酸のハイブリダイゼーション、例えば、サザーンブロットまたはノ
ーザンブロットが32Pプローブと共に前記条件を用い実施し得る。MAGE H LAクラスII結合ペプチドをコードするDNAが最終的に転写された膜を洗浄し
た後、該膜をX線フィルム上に置き、放射活性シグナルを検出することができる
【0053】 本発明はまた、MAGE HLAクラスII結合ペプチドの同一アミノ酸残基を コードする代替コドン含有核酸配列の使用を包含する。例えば、本明細書に記載
のように、ペプチドRKVAELVHFLLLKYRA(配列番号3)はMAG
E−3 HLAクラスII結合ペプチドである。ロイシン残基(配列番号3のアミ ノ酸No.6、10、11および12)はコドンCUA、CUC、CUG、CU
U、UUAおよびUUGによりコードされる。6種のコドンはそれぞれロイシン
残基をコードする目的にとって等価である。このように、当業者に明らかなこと
は、ロイシンをコードするヌクレオチドトリプレットはいずれを採用してタンパ
ク質合成装置に指令しても、生体外または生体内でロイシン残基を組込むことが
できることである。同様に、配列番号3のMAGE−3 HLAクラスII結合ペ プチドを構成する他のアミノ酸残基をコードするヌクレオチドトリプレットは以
下のとおりである:CGA、CGC、CGG、CGT、AGAおよびAGG(ア
ルギニンコドン);AAAおよびAAG(リジンコドン);GUA、GUC、G
UGおよびGUU(バリンコドン);GAAおよびGAG(グルタミンコドン)
;CACおよびCAU(ヒスチジンコドン);UUCおよびUUU(フェニルア
ラニンコドン);およびUACおよびUAU(チロシンコドン)。他のアミノ酸
残基は同様に多様なヌクレオチド配列によりコードされてもよい。このように、
本発明は、遺伝子コードの縮重のために本来のMAGE HLAクラスII結合ペ プチド・コード核酸とはコドン配列において異なる変性核酸を包含する。
【0054】 また理解されることは、本発明は発現ベクターの配列の使用、並びに、宿主細
胞および細胞系へのトランスフェクトを包含することであり、これら細胞系は原
核細胞系(例えば、大腸菌)または真核細胞系(例えば、樹枝状細胞、CHO細
胞、COS細胞、酵母発現系および昆虫細胞における組換えバキュロウイルス発
現系)である。発現ベクターは、関連する配列、すなわち上記の配列がプロモー
ターに作動可能に連接していることを必要とする。ヒトHLA−DBR1/13
20分子がMAGE−3 HLAクラスII結合ペプチドを提示することが判明し ているので、発現ベクターはHLA−DBR1/13分子をコードする核酸配列
を含んでいてもよい。(他のMAGE HLAクラスII結合ペプチドについては 、異なるHLA分子を用いることができる)。ベクターが両方の配列を含んでい
る場合には、それを用いて、通常いずれか一方を発現しない細胞にトランスフェ
クトすることができる。MAGE−3 HLAクラスII結合ペプチドコーディン グ配列は、例えば、宿主細胞がすでにHLA−DBR1/13分子を発現してい
る場合、単独で使用することができる。勿論、2つのコーディング配列を含むベ
クターは要すればHLA−DBR1/13分子を発現しない宿主細胞中で使用す
ることができるので、使用し得る宿主細胞に特に制限はなく、MAGE−3 H LAクラスII結合ペプチドをコードする核酸はHLA−DBR1/13分子を発
現する抗原提示細胞中で使用することができる。本明細書にて使用する場合、「
HLA−DBR1/13分子」は以下のサブタイプを包含する:DRB1*13 01、DRB1*1302、DRB1*13031、DRB1*13032、DR B1*1304、DRB1*1305、DRB1*1306、DRB1*1307、
DRB1*1308、DRB1*1309、DRB1*1310、DRB1*131
1、DRB1*1312、DRB1*1314、DRB1*1315、DRB1*
316、DRB1*1317、DRB1*1318、DRB1*1319、DRB 1*1320、DRB1*1321、DRB1*1322、DRB1*1323およ
びDRB1*1324。
【0055】 本明細書にて使用する場合、「ベクター」は異なる遺伝子環境間の移送のため
にまたは宿主細胞での発現のために、そこに所望の配列を制限および連結反応に
より挿入し得る多くの核酸のいずれであってもよい。ベクターはRNAベクター
も利用し得るが、一般にはDNAから構成される。ベクターとしてはプラスミド
、ファージミド、およびウイルスゲノムを包含するが、これらに限定されるもの
ではない。クローニングベクターは宿主細胞中で複製可能なものであり、また、
さらに1または2以上のエンドヌクレアーゼ制限部位により特徴づけられるもの
であるが、該制限部位ではベクターが確定的な様式で切断され、そこに所望のD
NA配列を連接し、新しい組換えベクターが宿主細胞での複製能力を保持するよ
うにする。プラスミドの場合には、所望配列の複製は宿主細菌内でのプラスミド
のコピー数が増加するにつれて何度も起こるか、あるいは宿主が有糸分裂により
再生するまでは1宿主あたり1度のみ起こる。ファージの場合には、複製は溶菌
期には活発に起こり、また溶原期には消極的である。発現ベクターは、所望のD
NA配列を制限および連結反応により挿入し得るものであり、該DNA配列は調
節配列に作動可能に連結し、RNA転写物として発現し得るようにする。ベクタ
ーはさらに、細胞が該ベクターによりトランスフォームされているかいないか、
またはトランスフェクトされているかいないかの判定使用に適当な1個または2
以上のマーカーを含んでもよい。マーカーは、例えば、抗性物質または他の化合
物に対する抵抗性または感受性を増大または減少させるタンパク質をコードする
遺伝子、当該技術において既知の標準的アッセイ法によりその活性を検出し得る
酵素(例えば、β−ガラクトシダーゼまたはアルカリホスファターゼ)をコード
する遺伝子、およびトランスフォームまたはトランスフェクト細胞、宿主、コロ
ニーまたはプラーク(例えば、緑色蛍光タンパク質)の表現型に可視的に影響す
る遺伝子を包含する。好適なベクターは自己複製可能なベクター、および作動可
能に連結しているDNAセグメントに存在する構造遺伝子産物を発現し得るベク
ターである。
【0056】 好ましくは、発現ベクターは、MAGEファミリーポリペプチド(例えば、M
AGE−3)またはそこから誘導されるHLAクラスII結合ペプチドを該タンパ
ク質またはペプチド発現細胞のエンドソームに合わせた配列を含む。HLAクラ
スII分子は、HLAクラスII分子に対し他の分子への結合を妨げる不変鎖(Ii
)を含む。この不変鎖はエンドソーム内で切断され、それによってHLAクラス
II分子によるペプチドの結合を可能とする。したがって、MAGE−3 HLA クラスII結合ペプチドおよびその前駆体(例えば、MAGE−3タンパク質)は
エンドソームに合わせるのが好ましく、それによってMAGE−3 HLAクラ スII結合ペプチドがHLAクラスII分子に結合するのを増強する。分子をエンド
ソームに向かわせる標的シグナルは当該技術において既知であるが、これらのシ
グナルを好適に発現ベクターに組込ませ、エンドソーム標的シグナルを含む融合
タンパク質を産生するようにする。サンダーソン(Sanderson)ら(Proc. Nat’
l. Acad. Sci. USA、92:7217〜7221、1995)、ウー(Wu)ら
(Proc. Nat’l. Acad. Sci. USA、92:11671〜11675、199 5)およびトムソン(Thomson)ら(J. Virol.、72:2246〜2252、1
998)はエンドソーム標的シグナル(不変鎖Iiおよびリソソーム会合膜タン
パク質LAMP−1を含む)およびエンドソームおよび/またはリソソーム細胞
画室に抗原を方向づけるその用法について記載している。実施例に開示するよう
に、不変鎖−MAGE−3融合タンパク質が好ましい。
【0057】 不変鎖などのエンドソーム標的シグナルもまたMAGE−3タンパク質または
ペプチドに非ペプチド結合(すなわち、非融合タンパク質)を介して結合させ、
特異的にMAGE−3を標的とすること可能な接合体を調製することができる。
共有結合の特殊例は二官能性架橋分子を使用する場合のものも包含する。架橋分
子はホモ二官能性であってもヘテロ二官能性であってもよく、その分子の性質に
応じて結合される。ホモ二官能性架橋剤は2つの同じ反応性基を有する。ヘテロ
二官能性架橋剤は連続的接合反応を可能とする2つの異なる反応性基をもつもの
として定義される。種々のタイプの市場入手可能な架橋剤は1個または2以上の
以下の基と反応し得る;一級アミン、二級アミン、スルフヒドリル、カルボキシ
ル、カルボニルおよびカルボハイドレート。当業者は、結合すべき分子の化学的
性質および1個または複数個の結合の好ましい性質に基づき、過度の実験をする
ことなしにエンドソーム標的部分に結合する好適な分子を確認することができる
【0058】 本明細書にて使用する場合、コーディング配列および調節配列は「作動可能に
」結合されることをいうが、その場合、コーディング配列の発現または転写が調
節配列の影響下または制御下にあるようにそれらの配列を共有結合により結合す
る。該コーディング配列を機能的タンパク質に翻訳することが必要な場合、2つ
のDNA配列を作動可能に結合するというが、その場合、もし5’調節配列にお
けるプロモーターの誘導がコーディング配列を転写に至らしめ、また、もし2つ
のDNA配列間の結合の性質が(1)フレームシフト突然変異を誘導せず、(2
)コーディング配列を転写に向けるプロモーター領域の能力を阻害せず、または
(3)タンパク質に翻訳されるべき対応RNA転写物の能力を阻害しないならば
、という条件つきである。このように、プロモーター領域が当該DNA配列の転
写を果たし、得られる転写物が所望のタンパク質またはポリペプチドに翻訳され
るという条件のもとで、プロモーター領域はコーディング配列に作動可能に結合
される。
【0059】 遺伝子発現に必要な調節配列の細かい性質は種間または細胞型間で変わり得る
が、一般に必要により転写と翻訳それぞれの開始に関わる5’非転写および5’
非翻訳配列、例えば、TATAボックス、キャッピング配列、CAAT配列など
を含んでいる。特に、かかる5’非転写調節配列は作動可能に結合した遺伝子の
転写制御プロモーター配列を含むプロモーター領域を含む。調節配列は要すれば
エンハンサー配列または上流活性化配列を含んでいてもよい。本発明のベクター
は5’リーダーまたはシグナル配列を任意に含んでいてもよい。適切なベクター
の選択および設計は当業者の能力と判断内のものである。
【0060】 発現のために必要なすべての要素を含む発現ベクターは市販入手可能であり、
当業者既知である。例えば、サムブルーク(Sambrook)ら、分子クローニング:
実験室マニュアル、第2版、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・
プレス、1989を参照されたい。細胞は、MAGE−3 HLAクラスII結合 ペプチドをコードする非相同DNA(RNA)を細胞に導入することにより遺伝
子工学的に調製される。当該非相同DNA(RNA)は転写エレメントの作動可
能制御のもとに置き、宿主細胞中の非相同DNAの発現を可能とする。本明細書
に記載するように、かかる発現構築物はまた、エンドソーム標的シグナル、好ま
しくはヒト不変鎖またはその標的フラグメントをコードするヌクレオチド配列を
も任意に含む。
【0061】 哺乳動物細胞におけるmRNA発現の好適な系は、pRc/CMV(インビト
ロゲン、カールスバッド、CAから入手可能)などのものであって、選択可能な
マーカー、例えば、G418抵抗性を供与する遺伝子(安定的に移入された細胞
系の選択を容易にする)、およびヒトサイトメガロウイルス(CMV)エンハン
サー−プロモーター配列を含むものである。さらに、霊長類またはイヌ細胞系で
の発現に適しているのはpCEPベクター(インビトロゲン)であり、エプシュ
タイン・バー・ウイルス(EBV)を複製の起源として含み、多数コピー型染色
体外因子としてのプラスミドの維持を容易にする。もう一つの発現ベクターは、
ポリペプチド延長因子1αのプロモーターを含むpEF−BOSプラスミドであ
り、生体外での転写を効率的に促進する。該プラスミドはミシズマおよびナガタ
(Mishizuma and Nagata)(Nuc. Acids Res. 18:5322、1990)が記
載しており、そのトランスフェクション実験での使用については、例えば、デム
リン(Demoulin)(Mol. Cell Biol. 16:4710〜4716、1996)が開
示している。さらに他の好適な発現ベクターは、ストラットフォード−ペリコウ
デット(Stratford-Perricaudet)が記載しているアデノウイルスであり、この ものはE1およびE3タンパク質を欠いている(J. Clin. Invest. 90:62 6〜630、1992)。アデノP1A組換え体としてのアデノウイルスの使用
については、P1Aに対する免疫化のためのマウスへの皮内注射についてワーニ
アー(Warnier)らが記載している(Int. J. Cancer、67:303〜310、 1996)。
【0062】 本発明はまた、いわゆる発現キットを包含し、該キットは当業者が所望の発現
ベクターを調製することを可能とする。かかる発現キットは少なくとも2つの以
前に検討した物質の少なくとも個々に分割した部分からなる。他の成分は所望ど
おりに加えればよい。
【0063】 本明細書に記載するように、本発明は多くの用途を有し、その一部を本明細書
に記載する。以下の用途はMAGE−3 HLAクラスII結合ペプチドについて 記載するが、同様に他のMAGEファミリーHLAクラスII結合ペプチドの用途
についても当てはまる。第一に、本発明はMAGE−3 HLAクラスII結合ペ プチドの発現により特徴づけられる疾患を当業者が診断するのを可能にする。こ
れらの方法は生物学的サンプル中のMAGE−3 HLAクラスII結合ペプチド またはMAGE−3 HLAクラスII結合ペプチドとHLAクラスII分子との複 合体の発現を定量することからなる。ペプチドまたはペプチドとHLAクラスII
分子との複合体の発現は、該ペプチドまたは複合体に対する結合パートナー、例
えば、抗体などで検定することにより定量し得る。
【0064】 本発明はまた、MAGE−3 HLAクラスII結合ペプチドの発現により特徴 づけられる疾患の対象を当業者が治療することを可能とする。治療はMAGE−
3 HLAクラスII結合ペプチドとHLAクラスII分子との複合体を対象内に富 化する剤を投与し、次いでかかる複合体に特異的なCD4−Tリンパ球を投与す
ることからなる。前記治療に有用な剤はMAGE−3 HLAクラスII結合ペプ チドおよびその機能的変異体、かかるMAGE−3ペプチドを含むエンドソーム
標的融合タンパク質、かかるタンパク質およびペプチドを発現する核酸(該核酸
を含むウイルスを包含)、かかるペプチドとHLAクラスII分子との複合体(例
えば、HLA DRB1/1302)、MAGE−3 HLAクラスII結合ペプチ
ドとHLAクラスII分子との複合体を担持する抗原提示細胞などを包含する。本
発明はMAGE−3 HLAクラスII結合ペプチドに特異的なCD4’Tリンパ 球に対するTリンパ球の母集団を選択的に富化することを当業者に可能とする。
【0065】 MAGE−3 HLAクラスII結合ペプチドの単離はMAGE−3 HLAクラ
スII結合ペプチドをコードする核酸の単離を可能とする。核酸を用い、細胞外ま
たは原核もしくは真核宿主細胞内でMAGE−3 HLAクラスII結合ペプチド を産生させることができる。当業者周知の様々な方法を利用し、単離されたMA
GE−3 HLAクラスII結合ペプチドを得ることができる。例えば、発現ベク ターを細胞内に導入し、該ペプチドの産生を誘導するこができる。他の方法では
、mRNA転写物を細胞内にマイクロインジェクションするか、あるいは他の方
法で導入し、コードされたペプチドの産生を誘導することもできる。網状赤血球
ライゼート系などの細胞不含抽出液中mRNAの翻訳系を用い、ペプチドを産生
させることができる。本発明のMAGE−3 HLAクラスII結合ペプチドを含 むペプチド類は生体外で合成してもよい。当業者は単離されたMAGE−3 H LAクラスII結合ペプチドを得るために、既知ペプチド単離法を容易に使用する
ことができる。これらの方法は、免疫クロマトグラフィー、HPLC、サイズ排
除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーおよび免疫アフィニティ
クロマトグラフィーなどであるが、これらに限定されるものではない。これら単
離されたMAGE−3 HLAクラスII結合ペプチド、または該ペプチドとHL AクラスII分子、例えば、HLA−DRB1/13分子との複合体は、アジュバ
ントなどの物質と組合わせて、MAGE−3 HLAクラスII結合ペプチドの発 現により特徴づけられる疾患の治療に有用なワクチンを製造することができる。
さらに、ワクチンは細胞の表面上にMAGE−3 HLAクラスII結合ペプチド /HLA複合体を提示している細胞、例えば、樹枝状細胞、B細胞、非増殖性移
入体などから調製することができる。細胞をワクチンとして用いるすべての場合
において、これらはCD4+リンパ球を刺激するのに必要な成分の一方または両 方に対するコーディング配列をトランスフェクトした細胞であるか、またはトラ
ンスフェクションを必要とせずに両方の分子をすでに発現している細胞である。
ワクチンはまたMAGE−3 HLAクラスII結合ペプチドまたはその前駆体を コードする裸のDNAまたはRNAを包含し、それらは生体外で生産され、そし
て注射、粒子衝撃、鼻吸引および他の方法により投与される。「裸の核酸」型ワ
クチンは裸の核酸がコードする該ペプチドに特異的なCTLの生成を含む免疫応
答を刺激することが証明されている(Science 259:1745〜1748、1
993)。ワクチンはまたウイルス、リポソーム、または他の粒子(薬物送達に
有用なポリマー粒子を含む)にパッケージ化した核酸をも包含する。
【0066】 MAGE−3 HLAクラスII結合ペプチド並びにMAGE−3 HLAクラス
II結合ペプチドとHLAクラスII分子との複合体を用い、当該技術上周知の標準
的技法により抗体を生産することもできる。抗体生産の一般的原理について報告
している標準的参考文献は以下のとおりである:カッティ(Catty, D.)、抗体 、実際的方法、第1巻、IRLプレス、ワシントンDC(1988);クライン
(Klein, J.)、免疫学:細胞−非細胞識別の科学、ジョン・ウイリー・アンド ・サンズ、ニューヨーク(1982);ケンネット(Kennett, R.)ら、モノク ローナル抗体、ハイブリドーマ、生物分析の新次元、プレナム・プレス、ニュー
ヨーク(1980);キャンプベル(Campbell,A.)、モノクローナル抗体の技
術、実験室技法および生化学と分子生物学、第13巻(バードン(Burdon, R.)
ら、編纂)、エルスビアー・アムステルダム(1984);およびアイゼン(Ei
sen, H.N.)、微生物学、第3版、デイビス(Davis, B.I.)ら、編纂(ハーパー
・アンド・ロウ、フィラデルフィア)(1980)。
【0067】 このように、本発明の抗体は種々の方法、例えば、タンパク質、タンパク質の
フラグメント、該タンパク質またはそのフラグメントを発現する細胞および適切
なHLAクラスII分子などを動物に投与し、ポリクローナル抗体を誘導するなど
により調製される。モノクローナル抗体の産生は当該技術において周知の技法に
従う。本明細書に詳述するように、かかる抗体を用い、例えば、タンパク質を発
現する組織を同定すること、またはタンパク質を精製することができる。また、
抗体は特定の影像用標識試薬または抗癌剤、例えば、メトトレキセート、放射性
ヨード化化合物、リシンなどの毒物、他の細胞増殖抑制性または細胞溶解性薬剤
等々に結合することもできるが、これらに限定されるものではない。また、本発
明により調製される抗体は、好ましくは、本明細書に記載の当該ペプチド/HL
A複合体に特異的である。
【0068】 「疾患」または「症状」を本明細書にて用いる場合、MAGE−3 HLAク ラスII結合ペプチドが発現されている病的状態をいう。かかる疾患は癌、例えば
、メラノーマ、頭部、頚部、肺または食道の偏平上皮癌、結腸直腸癌、骨肉腫、
頭部または頚部の非偏平上皮癌、卵巣腫瘍、リンパ性白血病、膀胱癌、前立腺癌
などである。
【0069】 本開示に基づく幾つかの治療方法は、MAGE HLAクラスII結合ペプチド 提示細胞に対して対象免疫系の応答を誘導することを前提とする。かかる方法の
一つはMAGE−3 HLAクラスII結合ペプチドとHLAクラスII分子との複 合体に特異的な自己由来CD4+T細胞を、組織に表現型の異常細胞をもつ対象 に投与することである。かかるCD4+T細胞を細胞外で発生分化させることは 当業者の技術範囲内のことである。一般に、対象から採取した細胞のサンプル、
例えば、血液細胞を、該複合体を提示し、CD4-Tリンパ球を刺激する細胞と 接触させ、増殖させる。標的細胞はトランスフェクタント、例えば、COS細胞
、またはHLAクラスII分子を担持する抗原提示細胞、例えば、樹枝状細胞また
はB細胞である。これらのトランスフェクタントは対象のCD4+Tリンパ球と 組合わせたときに、その表面の所望の複合体を提示し、その増幅を刺激する。C
OS細胞は他の適切な宿主細胞同様、あまねく入手し得る。CD4+Tリンパ球 の特異産生については下記のとおりである。クローンとして増殖したCD4Tリ
ンパ球を次いで対象に投与する。CD4+Tリンパ球は対象の免疫応答を刺激し 、それによって所望の治療目的を達成する。
【0070】 上記治療法はすくなくとも幾つかの対象の異常細胞が関連のHLA/ペプチド
複合体を提示していることを前提とする。これは非常に簡単に定量することがで
きるが、それはこの分野の技術者が特定のHLA分子を提示する細胞の同定法に
、同様に、関連する配列、この場合はMAGE−3配列であるが、このDNAを
発現する細胞をいかに同定するかについて精通しているからである。
【0071】 前記の治療法が本発明により利用し得る唯一の治療形態という訳ではない。C
D4+Tリンパ球は様々な方法で生体内刺激することができる。その方法の一つ が該複合体を発現する非増殖性細胞を使用することである。この方法に使用する
細胞は通常該複合体を発現する細胞、例えば、樹枝状細胞または該複合体の提示
に必要な遺伝子の一方または両方をトランスフェクトした細胞である。チェン(
Chen)ら(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:110〜114、1991)
は治療プログラムにHPV−E7ペプチドを発現するトランスフェクト細胞の使
用についてこの方法を例示している。多様な細胞型が用い得る。同様に、対象の
遺伝子の一方または両方を担持するベクターを使用し得る。ウイルスまたは細菌
のベクターがとりわけ好ましい。例えば、MAGE−3 HLAクラスII結合ペ プチドをコードする核酸は、特定の組織または細胞型においてMAGE−3 H LAクラスII結合ペプチドの発現を指令するプロモーターおよびエンハンサーに
作動可能に結合することができる。該核酸は発現ベクター内に組込まれる。発現
ベクターは未修飾の染色体外核酸、プラスミド、またはMAGE−3 HLAク ラスII結合ペプチドをコードする核酸などの外来性核酸を挿入し得るように構築
または修飾したウイルスゲノムなどである。MAGE−3 HLAクラスII結合 ペプチドをコードする核酸はレトロウイルスゲノムに挿入してもよく、それによ
って該核酸が標的組織または細胞型のゲノムに組込まれるのを容易にする。これ
らの系において、対象の遺伝子は微生物、例えば、ワクチニアウイルス、レトロ
ウイルスまたは細菌BCG、およびその物質の事実上の「感染」宿主細胞により
担持される。得られる細胞は対象の複合体を提示し、自己由来CD4+T細胞に より認識され、次いで増殖する。
【0072】 同様の効果はMAGE HLAクラスII結合ペプチドをアジュバントと組合わ せてHLAクラスII提示細胞への生体内取込みを容易にすることにより達成され
る。もしMAGE−3 HLAクラスII結合ペプチドがHLAクラスII結合部分 より大きければ、それを要すれば処理加工してHLA分子のペプチドパートナー
を産生させることが可能である一方、TRAはさらにプロセシングする必要もな
く提示される。一般に、対象は皮内注射により有効量のMAGE−3 HLAク ラスII結合ペプチドを受ける。当該技術の標準的免疫化プロトコールに従い、最
初の投与に続きブースター投与を行う。
【0073】 MAGE−3 HLAクラスII結合ペプチドをHLAクラスII提示細胞に取込 ませ易くする好適な方法は、エンドソーム標的シグナルをクラスII結合ペプチド
含有MAGE−3ポリペプチドに結合させる(例えば、融合させる、接合させる
)ことによる。特に好ましいのはヒト不変鎖Iiを含むMAGE−3融合タンパ
ク質である。
【0074】 上記組成物またはプロトコールのいずれもが細胞溶解性Tリンパ球応答誘導の
ためにMAGE HLAクラスII結合ペプチドを含むことができる。例えば、以 下に説明するように、MAGE−3タンパク質は細胞中で処理加工されてHLA
クラスIとHLAクラスII両方の応答を生じる。数種のかかるペプチドがUS特
許5,585,461および5,591,430、並びにゴウグラー(Gaugler )ら(J. Exp. Med. 179:921〜930、1994)、バン・デル・ブル ーゲン(van der Bruggen)ら(Eur. J. Immunol. 24:3038〜3043、
1994)、およびハーマン(Herman)ら(Immunogenetics 43:377〜3 83、1996)に記載されている。HLAクラスIおよびクラスII分子に結合
するMAGE−3ペプチド(またはかかるペプチドをコードする核酸)を投与す
ることにより、Tヘルパー細胞とTキラー細胞が誘発され、免疫応答性が改善さ
れることになる。
【0075】 さらに、非−MAGE−3腫瘍関連ペプチドを投与し、HLAクラスIおよび
/またはクラスIIを介して免疫応答性を増大させることができる。癌細胞が1種
または2以上の腫瘍関連遺伝子を発現することは十分に立証されている。特定の
対象がさらなる腫瘍遺伝子を発現しているかどうか、そして前記のMAGE−3
組成物およびワクチンにおけるかかる遺伝子の発現産物から誘導されるHLAク
ラスIおよび/またはクラスII結合ペプチドを含んでいるかどうかを決定するこ
とは、当業者にとって通常の実験範囲内のことである。
【0076】 とりわけ好ましいのは、「ポリトープ」として知られる一連のエピトープをコ
ードする核酸である。該エピトープは連続したまたは重なり合った様式で並んで
おり(例えば、トムソン(Thomson)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92 :5845〜5849,1995;ギルバート(Gilbert)ら、Nature Biotechn
ol. 15:1280〜1284、1997、参照)、本来のフランキング配列を
もつものまたはもたないものとあるが、要すれば無関係のリンカー配列により隔
てられていてもよい。ポリトープは処理加工され、免疫応答を生成する免疫系に
より認識される個々のエピトープを生成する。
【0077】 このように、例えば、MAGE−3 HLAクラスII結合ペプチドは他の腫瘍 拒絶抗原からのペプチド(例えば、ハイブリッド核酸またはポリペプチドの調製
による)と、およびMAGE−3 HLAクラスI結合ペプチド(その一部を下 記掲載する)と組合わせ、「ポリトープ」を形成することができる。免疫応答を
誘発または増強するために投与し得る代表的な腫瘍関連ペプチド抗原は腫瘍関連
遺伝子およびコードされたタンパク質から誘導される;例えば、MAGE−1、
MAGE−2、MAGE−3、MAGE−4、MAGE−5、MAGE−6、M
AGE−7、MAGE−8、MAGE−9、MAGE−10、MAGE−11、
GAGE−1、GAGE−2、GAGE−3、GAGE−4、GAGE−5、G
AGE−6、BAGE−1、RAGE−1、LB33/MUM−1、PRAME
、NAG、MAGE−Xp2、MAGE−Xp3,MAGE−Xp4、チロシナ
ーゼ、脳グリコーゲンホスホリラーゼ、メラン−A、MAGE−C1、MAGE
−C2、NY−ESO−1、SSX−1、SSX−2(HOM−MEL−40)
、SSX−1、SSX−4、SSX−5、SCP−1およびCT−7などである
。例えば、腫瘍特異抗原性ペプチドは以下の表Iに掲載したものを含む。
【0078】
【表1】
【0079】 HLAクラスIおよびHLAクラスII結合ペプチドの他の例は当業者既知であ
り(例えば、クーリー(Coulie)、Stem Cells 13:393〜403、199 5、参照)、そこに記載のものと同様の方法で本発明において使用することがで
きる。当業者は分子生物学の標準的手法に従い、1種またはそれ以上のMAGE −3ペプチドおよび1種または2以上の前記腫瘍拒絶ペプチドからなるポリペプ チドまたはかかるポリペプチドをコードする核酸を調製することができる。
【0080】 このように、ポリトープは2種またはそれ以上の潜在的に免疫原性または免疫
応答性刺激ペプチドのグループであり、種々の配列で結合し合うことができる(
例えば、鎖状に連接する、部分的に重ね合わせる)。該ポリトープ(またはポリ
トープをコードする核酸)は標準的免疫プロトコールに従い、例えば、動物に投
与し、免疫応答の促進、増強および/または刺激におけるポリトープの有効性を
試すことができる。
【0081】 該ペプチドは直接またはフランキング配列を用いて互いに接合し、ポリトープ
を形成することができる。ポリトープをワクチンとして使用することは技術上周
知である(トムソン(Thomson)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92(1 3):5845〜5849,1995;ギルバート(Gilbert)ら、Nature Biot
echnol. 15(12):1280〜1284、1997;トムソンら、J. Immun
ol. 157(2):822〜826、1996;タム(Tam)ら、J. Exp. Med.
171(1):299〜306、1990)。例えば、タムは、MHCクラスI
およびクラスII結合エピトープ両方からなるポリトープは、マウスモデルにおい
て抗体と防御的免疫性を成功裏に生成したことを示した。タムはまた、エピトー
プの「ひも」からなるポリトープが処理加工されて個々のエピトープを生じ、そ
れがMHC分子により提示されて、CTLにより認識されることを証明した。こ
のように、エピトープの種々の数と組合わせを含むポリトープを調製し、CTL
による認識と免疫応答を増強させる有効性について試験することができる。
【0082】 腫瘍はセットの腫瘍抗原を発現し、その特定のサブセットのみが特定対象の腫
瘍に発現されるということが知られている。ポリトープは特定の対象に発現され
た腫瘍拒絶抗原のサブセットを提示するエピトープの異なる組み合わせに対応し
て調製することができる。ポリトープはまた腫瘍タイプにより発現されることの
知られている腫瘍拒絶抗原の広範囲スペクトルを反映させて調製することもでき
る。ポリトープはかかる治療を必要とする対象にポリペプチド構造として、また
は技術上既知の核酸送達システムを使用して導入することができる(例えば、オ
ールソップ(Allsopp)ら、Eur. J. Immunol. 26(8):1951〜1959
、1996)。アデノウイルス、ポックスウイルス、Ty−ウイルス様粒子、ア
デノ関連ウイルス、プラスミド、細菌、等々がかかる送達に用い得る。ポリトー
プ送達システムはマウスモデルにより試験し、該送達システムの有効性を決定す
ることができる。該システムはヒトの臨床試験でも試験することができる。
【0083】 免疫プロトコールの一部として、免疫応答を高める物質を癌ワクチンの核酸ま
たはペプチド成分と共に投与してもよい。かかる免疫応答高揚化合物はアジュバ
ントまたはサイトカインとして分類してもよい。アジュバントは抗原の受容部分
を刺激し(細胞外またはマクロファージ内)、マクロファージを活性化し、そし
てリンパ球の特定セットを刺激することにより免疫応答を高める。多様なアジュ
バントが当該技術上周知である;特別な例としては、MPL(スミスクライン・
ビーチャム)、サルモネラ・ミネソタRe595リポ多糖の精製と酸水解により
得られる同族体、QS21(スミスクライン・ビーチャム)、キリヤ・サポナリ
ア(Quillja saponaria)から精製された精製QA−21サポニン、DQS21 (PCT出願WO96/33739に記載)(スミスクライン・ビーチャム)、
ビタミンE,および生分解性油、例えば、スクワレンおよび/またはトコフェロ
ール、から調製される種々の油中水懸濁液などである。サイトカインはリンパ球
刺激性の結果として予防接種プロトコールにも有用である。かかる目的に有用な
多くのサイトカインが当業者既知であり、例えば、ワクチンの防御効果を増強す
ることが示されているインターロイキン−12(IL−12)(Science 268
:1432〜1434、1995)、GM−CSFおよびIL−18などである
【0084】 多数のさらなる免疫応答増強化合物が存在し、これらは予防接種プロトコール
に使用することができる。これらはタンパク質または核酸のいずれかの形態で提
供される同時刺激性分子を包含する。かかる同時刺激性分子はB7−1およびB
7−2(それぞれ、CD80およびCD86)分子を包含し、樹状細胞(DC)
上に発現され、T細胞上に発現されたCD28分子と反応する。この相互作用は
抗原/MHC/TCR刺激(シグナル1)T細胞に対し同時刺激を与え、T細胞
増殖とエフェクター機能を増大する。B7はまたT細胞上のCTLA4(CD1
52)と相互作用するが、CTLA4とB7リガンドを含む研究結果は、B7−
CTLA4相互作用が抗腫瘍免疫性とCTL増殖作用を増強すると述べている(
ツエン(Zheng)ら、Proc. Nat’l Acad. Sci. USA 95:6284〜628
9、1998)。
【0085】 B7は一般に腫瘍細胞上に発現されず、したがって、それらはT細胞にとって
有効な抗原提示細胞(APC)ではない。B7発現の誘導は腫瘍細胞がより効率
的にCTL増殖とエフェクター機能を刺激することを可能とする。B7/IL−
6/IL−12の同時刺激を組合わせると、T細胞母集団中のIFN−ガンマお
よびTh1サイトカインプロフィールを誘発して、さらに高揚したT細胞活性に
至らしめることが示されている(ガジェウスキー(Gajewski)ら、J. Immunol.
154:5637〜5648、1995)。B7による腫瘍細胞トランスフェク
ションは養子移入免疫療法に対する生体外CTL増殖に関連してワング(Wang)
らにより考察されている(J. Immunother. 19:1〜8、1996)。B7分 子に対する他の送達メカニズムは核酸(裸のDNA)免疫法(キム(Kim)ら、N
ature Biotechnol. 15:7:641〜646、1997)およびアデノとポッ
クスなどの組換えウイルス(ウエンドナー(Wendtner)ら、Gene Ther. 4:7 26〜735、1997)を含む。これらのシステムはすべてB7と他の選択し
た分子、例えば、本明細書にて考察した抗原または抗原のフラグメント(ポリト
ープを含む)またはサイトカインとの同時発現用発現カセットの構築と使用を可
能にする。これらの送達システムは生体外での適切な分子の誘導に、また生体内
予防接種の局面に対し使用することができる。抗−CD28抗体を生体外または
生体内でのT細胞の直接刺激に使用することも考えられる。
【0086】 リンパ球機能関連抗原−3(LFA−3)はAPCおよびある種腫瘍細胞上で
発現され、T細胞上で発現されたCD2と相互作用する。この相互作用はT細胞
IL−2とIFN−ガンマの産生を誘導し、B7/CD28同時刺激相互反応を
補完するが、それに置換わるものではない(パラ(Parra)ら、J. Immunol.、1
58:637〜642、1997;フェントン(Fenton)ら、J.Immunother.、 21:95〜108、1998)。
【0087】 リンパ球機能関連抗原−1(LFA−1)は白血球上に発現され、APCおよ
びある種腫瘍細胞上に発現されたICAM−1と相互作用する。この相互作用は
T細胞IL−2とIFN−ガンマの産生を誘導し、B7/CD28同時刺激相互
反応を補完するが、それに置換わるものではない(フェントンら、1998)。
LFA−1はB7について上に考察した種々の方法により予防接種プロトコール
に提供し得る同時刺激分子のさらなる例である。
【0088】 完全CTL活性化およびエフェクター機能はTh細胞CD40L(CD40リ
ガンド)分子およびDCにより発現されるCD40分子間の相互作用を介したT
h細胞の介助を必要とする(リッジ(Ridge)ら、Nature 393:474、19
98;ベンネット(Bennett)ら、Nature 393:478、1998;シェーン
ベルガー(Schoenberger)ら、Nature393:480、1998)。この同時刺
激シグナルのこのメカニズムはB7のアップレギュレーションとDC(APC)
による会合したIl−6/IL−12産生に関与しているようである。このよう
にCD40−CD40L相互作用はシグナル1(抗原/MHC−TCR)とシグ
ナル2(B7−CD28)との相互作用を補完する。
【0089】 DC細胞を直接刺激するために抗−CD抗体を使用すると腫瘍関連抗原への応
答を高めることが期待されるが、該抗原は通常炎症の環境外で遭遇するか、また
は非専門のAPC(腫瘍細胞)により提示される。この状況において、Th介助
およびB7同時刺激シグナルは提供されない。このメカニズムは、抗原パルスD
Cベース治療法の関係で、またはThエピトープが既知の腫瘍関連抗原前駆体内
に限定されていない状況において用いられる。
【0090】 本発明の治療用組成物を投与する場合、医薬的に許容し得る製剤として投与さ
れる。かかる製剤は常套的に医薬的に許容し得る濃度の塩、緩衝剤、保存剤、適
合し得る担体、アジュバントおよびサイトカインなどの補助的免疫増強剤、およ
び任意に他の治療剤を含有していてもよい。
【0091】 本発明の製剤は有効量投与する。有効量は、医薬製剤が単独またはさらなる用
量で所望の応答を刺激する量である。癌治療の場合、所望の応答で癌の進行を阻
害する。このことは疾患の進行を一時的に減速することをも含むが、より好まし
くは疾患の進行を永久に停止させることである。免疫応答を誘導する場合、所望
の応答とは、採用したMAGE−3免疫原に特異的な抗体またはTリンパ球が増
加することである。これら所望の応答は常套の方法によりモニターするか、本明
細書で考察した本発明の診断方法に従いモニターすることができる。
【0092】 本発明の治療用組成物を用いて免疫応答を刺激したい場合には、それは血清中
抗体価の増加、細胞毒性リンパ球のクローン性増殖、または他のある種所望免疫
性応答に至る体液性抗体応答の刺激を意味する。免疫原の用量は投与形態に応じ
て、1ナノグラム/キログラムないし100ミリグラム/キログラムの範囲で有
効であると思われる。好ましい範囲は体重1キログラム当たり500ナノグラム
と500マイクログラムの間であると思われる。絶対量は投与のために選択した
物質、投与が単回か複数回か、また、対象個々人のパラメーター、例えば、年齢
、身体状態、サイズ、体重および病状を含め、様々なファクターに依存する。こ
れらのファクターは当業者既知であり、通常の実験法を超えることなく処理し得
る。
【0093】 (実施例) 我々はHLAクラスII分子との関連で遺伝子MAGE−3によりコードされ、
T細胞により提示される抗原性ペプチドを同定した。その戦略は正常血液提供者
の樹状細胞に組換えMAGE−3タンパク質を装入し、それら抗原提示細胞を用
いて生体外での特異CD4リンパ球の活性化と増殖を誘導することからなる。そ
のプロトコールを以下の(A、B、C)および図1で説明する。
【0094】 A. ヒト血液のプロセシング 末梢血は地区血液バンクから標準バフィーコート製剤(非癌対象)として入手
した。末梢血単核細胞(PBMC)はリンホプレップ(ニコメッド・ファーマ、
オスロ、ノルウェー)上の遠心分離により単離した。血小板によるPBMCの汚
染を最少とするために、該製剤をまず室温、20分/1000rpmで遠沈した
。殆どの血小板を含む上層20〜25mlを除去したのち、遠沈管を室温で20
分/1500rpmで遠沈した。PBMCは2−アミノエチルイソチオウロニウ
ム(シグマ)処理ヒツジ赤血球でロゼット形成させ、T細胞から分離した。リン
パ球分離PBMCを、培養フラスコ中(ファルコン)、37℃で2時間、L−ア
スパラギン(0.24mM)、L−アルギニン(0.55mM)、L−グルタミ
ン(1.5mM)および1%自己由来血清を補填したRPMI 1640培地中 (完全培地)、2×106細胞/mlの濃度で付着させた。非付着細胞を廃棄し 、付着細胞を完全培地中、IL−4(100U/ml)およびGM−CSF(1
00ng/ml)の存在下培養した。培養物は2日目および4日目に培地5ml
を除き、IL−4(100U/ml)およびGM−CSF(100ng/ml)
を含む新たな培地を添加して培養した。5日目に、非付着細胞集団を富化樹枝状
細胞の供給源として用いた。
【0095】 ロゼット形成T細胞をNH4Cl(160mM)で処理してヒツジ赤血球を溶 解し、洗浄した。CD4−Tリンパ球をマグネットマイクロビーズ(ミルテニイ
・バイオテック、ドイツ)に結合した抗−CD8モノクローナル抗体を用いて、
製造業者推奨のダイナル・マグネットにより選別、負の選択によりロゼット形成
T細胞から単離した。
【0096】 B. サイトカイン ヒト組換えIL−2はバイオジェン(ジュネーブ、スイス)により供与された
。ヒト組換えIL−4、IL−6およびIL−12は我々の実験室で入手した。
ヒトIL−7はジェンザイム(ケンブリッジ、MA)から購入した。ヒト組換え
GM−CSFはサンド(サンド薬品(株)、バーゼル、スイス)から供与された
。ヒト組換えTNF−αはR&Dシステム(アビンドン、イギリス)から購入し
た。
【0097】 C. タンパク質補給と混合リンパ球−樹枝状細胞培養 組換えHis−MAGE−3タンパク質(Hisタグ保持MAGE−3)はス
ミス・クライン・コーポレーション製薬会社(リクセンザート、ベルギー)が製
造し、標準的クロマトグラフィー手法により精製した。自己由来樹枝状細胞は、
1%自己由来血清、IL−4(100U/ml)、GM−CSF(100ng/
ml)およびTNF−α(1ng/ml)補填RPMI培地中、組換えHis−
MAGE−3タンパク質(20μg/ml)の存在下、37℃、5%CO2中1 8〜20時間培養した。His−MAGE−3タンパク質−パルス樹枝状細胞を
洗浄し、1丸底マイクロウエル当たり104個ずつ、10%ヒト血清、L−アス パラギン(0.24mM)、L−アルギニン(0.55mM)およびL−グルタ
ミン(1.5mM)補填イスコブ培地200μl中、IL−6(1000U/m
l)およびIL−12(10ng/ml)の存在下、105個のCD4+Tリンパ
球に添加した。CD4-Tリンパ球はHis−MAGE−3タンパク質で新たに パルスした自己由来樹枝状細胞で弱く再刺激し、IL−2(10U/ml)およ
びIL−7(5ng/ml)補填培地中で増殖させた。
【0098】 実施例1:CD4T細胞系とMAGE−3特異クローンの取得 増殖途上のCD4T細胞を含む微量培養物について、His−MAGE−3タ
ンパク質でパルスした自己由来EBV−B細胞により刺激したときのTNFの産
生能を培養開始から35日間評価した;自己由来EBV−B細胞は、20μg/
mlのHis−MAGE−3タンパク質または陰性コントロールとしての卵アル
ブミン(シグマ)の存在下に18〜20時間培養した。本明細書でいうEBV−
B細胞とはエプシュタイン・バー・ウイルスで不死化したB細胞である。EBV
−B細胞は技術上標準的手法に従って調製した。タンパク質パルスEBV−B細
胞を洗浄し、1丸底マイクロウエル当たり5,000個ずつ、L−グルタミン、
L−アルギニン、L−アスパラギン、10%ヒト血清およびIL−2(25U/
ml)補填イスコブ培地150μl中、2,500個のCD4+Tリンパ球に添 加した。18〜20時間後、上清を採取し、以前に記載したTNF−感受性WE
HI164−13細胞に対する毒性を試験することによりTNF含量を評価した
。TNFを特異的に産生するCD4+細胞系(図2)は、刺激細胞として外来性 His−MAGE−3タンパク質でパルスした自己由来EBV−B細胞系および
支持細胞として同種異型EBV−B細胞(LG2−EBV)を用い、限界希釈に
よりクローン化した。CD4T細胞系は、His−MAGE−3タンパク質でパ
ルスした自己由来EBV−B細胞および50U/mlのIL−2補填培地中のL
G2−EBVで弱く再刺激することにより培養維持された。
【0099】 CD4T細胞クローンは、外来性His−MAGE−3タンパク質でパルスし
た自己由来EBV−B細胞に対する特異性につき試験した;EBV−B細胞(5
00,000/ml)はMAGE−3組換えタンパク質20μg/mlの存在下
、37℃で18〜20時間培養した。タンパク質パルスEBV−B細胞を洗浄し
、1丸底マイクロウエル当たり5,000個ずつ、L−グルタミン、L−アルギ
ニン、L−アスパラギン、10%ヒト血清およびIL−2(25U/ml)補填
イスコブ培地150μl中、2,500個のCD4+Tリンパ球に添加した。1 8〜20時間後、上清を採取し、TNFおよびIFN−γの分泌につき評価した
。IFN−γの産生はメジニックス・ダイアグノスティック−バイオソース(フ
ロイラス、ベルギー)からの試薬を用い、我々の実験室で開発したELISAア
ッセイにより測定した。簡単に述べると、アッセイは標準的ELISAであり、
細胞上清と培養するに先立って、プラスティック・マイクロタイタープレートの
ウエルにIFN−γ抗体を被覆させ、産生されたIFN−γ量を定量した。他の
IFN−γ ELISAアッセイ法を用いても産生されたIFN−γを測定する ことができた。数種のMAGE−3特異クローンはB6系から入手した(図3)
【0100】 MAGE−3エピトープはHLA−DR分子によりCD4クローンに提示され
る(図3):MAGE−3パルスEBV−B細胞は、MAGE−3特異CD4+ クローンと共に、1/20希釈で用いた保存−遊離モノクローナル抗体の連続的
存在下、8%CO2中、37℃24時間培養した。(HLA−DRに対する)モ ノクローナル抗体2B6は認識能を失ったが、一方、(HLA−A、B、Cに対
する)認識はモノクローナル抗体W6/32の存在下不変である。
【0101】 実施列2:MAGE−3 HLA−DR制限ペプチドの同定 これらCD4クローンにより認識されるMAGE−3ペプチドを同定するため
に、MAGE−3タンパク質配列の一部に対応する16アミノ酸のペプチドを合
成し、自己由来EBV−B細胞に導入し、その認識を試験した(図4および5)
。合成ペプチドはDMSO(メルク)に溶解し、最終濃度500μMまたは50
μMで用いた。EBV−B細胞(1丸底マイクロウエル当たり5,000個)は
異なるペプチドの存在下8%CO2内37℃で2時間培養した。CD4’クロー ンは次いで1ウエル当たり2,500細胞ずつ添加した。アッセイ培地はL−グ
ルタミン、L−アルギニン、L−アスパラギン、10%ヒト血清およびIL−2
(25U/ml)補填イスコブ培地であった。18〜20時間後、上清を採取し
、TNF−αおよびIFN−γの分泌につき評価した。IFN−γの産生はメジ
ニックス・ダイアグノスティック−バイオソース(フロイラス、ベルギー)から
の試薬を用い、我々の実験室で開発したELISA試験法(20〜4000pg
/ml)により測定した。
【0102】 一連の実験において、ペプチドは非生理的濃度500μMでスクリーニングし
た。非生理的濃度のペプチドはT細胞クローンの非特異活性化に導くことが可能
である。事実、ペプチドMAGE−3159-174(図4、ペプチド335;配列番 号6)は、500μMで用いたとき、クローンB6/34およびB6/37の活
性化を誘発したが、このペプチドは50μMで用いたときにこれらのクローンを
活性化するのに有効ではなかった(図5)。それに対し、ペプチドRKVAEL
VHFLLLKYRA(MAGE−3111-126;図4、ペプチド323;配列番 号3)およびELVHFLLLKYRAREPV(MAGE−3115-130;配列 番号4)は、生理的濃度で用いたとき、クローンB6/34およびB6/37に
よるTNF−αおよびIFN−γの産生を特異的に促進した。これら2種のペプ
チドはまたB6クローンの増殖を誘発することも可能であった(図6)。
【0103】 実施例3:MAGE−3特異CD4+クローンB6/34により利用されたH LA制限要素の決定 His−MAGE−3タンパク質でパルスした自己由来EBV−B細胞に応答
してのこれらCD4+クローンによるサイトカイン分泌はHLA−DRに限定さ れる。クローンB6/37により利用されたHLA制限要素をさらに明らかにす
るために、さらなるEBV−B細胞系をぺプチド提示に用いた。AUMA−EB
V、LB1555−EBV、GERL−EBVのHLA血清型が明らかにしたこ
とは、3種の細胞型すべてが共有するクラスII分子はHLA−DRB1/130
2に制限されたことである。さらに、ADET−EBVはMAGE−3115-130 ペプチドを有効に提示することが判明し、また、これら細胞のHLA血清型はH
LA−DRB1/1301であることが判明した。MAGE−3115-130でパル スしたときに、上記のように他の数種のEBV−B細胞系がクローンB6/34
およびB6/37を刺激する能力についてスクリーニングし、HLA−DRB1
/1301およびHLA−DRB1/1302両方が該ペプチドを提示し得るこ
とを確認し、あるいは他のHLA−DRB1/13提示分子を明らかにする。
【0104】 実施例4:B6/37クローンをなお刺激し得る最少ペプチドの決定 HLA−クラスI制限ぺプチドと違い、クラスII制限ペプチドはその鎖長が顕
著に変わり、そのアミノ末端およびカルボキシ末端双方で伸長を可能とする。我
々はペプチドMAGE−3111-126およびMAGE−3115-130の双方が、クロー
ンB6/34およびB6/37を特異的に刺激し、一方、ペプチドMAGE−3 107-122 およびMAGE−3119-134はこれらのクローンを活性化し得ないことを
証明した。したがって、MAGE−3115-126ペプチド(ELVHFLLLKY RA;配列番号9)がB6/34およびB6/37クローンの活性化にとって必
要な最少12アミノ酸モチーフである。期待どおりに、ペプチドMAGE−311 5-126 はクローンB6/37によるIFN−γの有意な産生を誘導する(図8) 。1個またはそれ以上の残基を欠失させ短くしたペプチドも作製した。短縮ペプ
チドの幾つか、例えば、MAGE−3116-126(配列番号10)およびMAGE −3117-126(配列番号11)もクローンB6/37によるIFN−γの産生を 誘導した(図8)が、減量したMAGE−3118-126(配列番号12)はIFN −γ有意量の産生を誘導しなかった。
【0105】 実施例5:MAGE−3融合タンパク質の調製と使用 MAGE−3タンパク質は、不変鎖(Ii)とのまたはリソソーム会合膜タン
パク質(LAMP−1)との融合タンパク質としてEBV B細胞系M22EB V(HLA A1 DR13)で発現させ、HLAクラスII分子におけるMAGE
−3誘導ペプチドの提示を標的とした。Ii MAGE−3を形質導入すると、 HLAクラスIIにおいてペプチドを提示したが、これはMAGE−3 DR13 エピトープと反応するCD4T細胞クローンLB1555CD4 426/B6 .37による認識により測定される。さらに、EBV B細胞でのIi MAGE
−3の発現はHLAクラスIにおけるペプチド提示に至ったが、これはMAGE
−3.A1特異CTLクローンLB705 434/1の活性化により定量され た。これに対し、MAGE−3−LAMP−1融合タンパク質の発現はHLA分
子においてMAGE−3ペプチドの提示を僅かに増強しただけであった。したが
って、IiをMAGE−3に結合してワクチンとして使用し、ILAクラスIお
よびクラスII両方においてMAGE−3誘導ペプチドの提示を誘導することがで
きる。
【0106】プラスミドと融合構築物のクローニング MAGE−3:MAGE−3 cDNAおよびペプチドを配列番号1および配 列番号2としてそれぞれ表示する。 ヒト不変鎖:ヒト不変鎖コーディングcDNAを含むIipSV51Lと命名
されたプラスミドはピーターズ博士(J. Pieters)からの恵与による(バーゼル
免疫学研究所、バーゼル、スイス、J. Cell Science 106:831〜846、
1993)。 LAMP1:プラスミドpCMV−sig E7−LAMP1はウー博士(T.
Wu)からの恵与による(ジョーン・ホプキンス大学、ボルチモア、MD、米国;
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92:11671〜11675、1995)。 pMFG:プラスミドpMFGはダノス博士(O. Danos)からの恵与による(
ソマティックス・テラピー・コーポレーション、アラメダ、CA、米国)。
【0107】pMFG−MAGE−3の構築 MAGE−3 cDNAはコーディング配列の5’および3’末端に適当な制 限酵素認識部位を導入した後、pMFGベクターに移入した。NcoI部位を5
’部位に、BgIII部位を3’部位にPCRにより導入した;その際、プライマ
ーとしてNcoI−センス:5’−TTTCCATGGCTCTTGAGCAG
AGGAGTCAGC−3’(配列番号14)およびBgIII−アンチセンス:
5’−CCCAGATCTTCACTCTTCCCCCTCTCTC−3’(配
列番号15)〔下線はNcoIとBgIIIに対する認識部位〕を使用した。PC
R産物をpCR2.1にクローン化し、標準法に従い配列決定した。NcoI−
BgIII増幅産物を酵素NcoIとBamHIで開裂したpMFGにクローン化
した。
【0108】pMFG−Ii.MAGE−3の構築 ヒト不変鎖ポリペプチド(hu−Ii;残基1〜80)のアミノ末端(細胞質
尾部およびトランスメンブラン領域)は、lipSV51Lを鋳型として用いる
PCRにより増幅した。以下のプライマーを用いた:hu−Iiセンス:5’−
TTTCCATGGATGACCAGCGCGAC−3’(配列番号16)およ
びhu−Iiアンチセンス:5’−TTTGGATCCGGAAGCTTCAT
GCGCAGGTTC−3’(配列番号17)〔下線はNcoIとBamHIに
対する認識部位〕。PCR産物をpCR2.1にクローン化し、標準法に従い配
列決定した。NcoI−BamHI増幅産物を酵素NcoIとBamHIで開裂
したpMFGにクローン化し、pMFG−Iiとした。
【0109】 末端切除Ii−cDNAの3’末端でATGコドンに置換わり、枠内にBam
HI部位をもつBgIII認識部位をMAGE−3 cDNAの5’−末端にPC Rにより導入した。その際、プライマーとして、BgIII−センス:5’−TT
AGATCTTGAGCAGAGGAGTCAGC−3’(配列番号18)お
よびBgIII−アンチセンス(配列番号15)〔下線はBgIIIに対する認識部 位〕を用いた。PCR産物(BgIII.MAGE−3.BgIII)をpCR2.1
にクローン化し、標準法に従い配列決定した。
【0110】 組換えプラスミドpMFG−IiをBamHIで再開裂し、BgIII.MAG E−3.BgIII増幅産物を適合末端に接合した。枠内右方向にMAGE−3 c
DNAを含む組換えプラスミドを制限フラグメント分析により同定した。
【0111】pMFG−Sig.MAGE−3.LAMP−1の構築 LAMP−1タンパク質のシグナルペプチドおよびLAMP−1のトランスメ
ンブラン・ドメインと細胞質尾部をコードするcDNAは、pCMV−sigE
7−LAMP1を鋳型として用いるPCRにより増幅した。LAMP−1のシグ
ナルペプチド用に設定されたプライマーは以下のとおりであった:Sigセンス
:5’−CCCCCATGGCGGCCCCCGGC−3’(配列番号19)お
よびSigアンチセンス:5’−GGGGGATCCTCAAAGAGTGCT
GA−3’(配列番号20)〔下線はNcoIとBamHIに対する認識部位〕
。このcDNA3’末端でのBamHI部位はBgIII.MAGE−3.BgIII
フラグメントの5’末端にBgIII部位をもつ枠内にある。増幅産物をpMFG にクローン化し、pMFG−Sigを調製した。
【0112】 LAMP−1のトランスメンブラン・ドメインと細胞質尾部の増幅用に設定さ
れたプライマーは以下のとおりであった:LAMP−1センス:5’−GGG GATCC TAACAACATGTTGATCCCC−3’(配列番号21)お
よびLAMP−1アンチセンス:5’−GGGAGATCTCTAGATGGT
CTGGGTCTGATAGCCGGC−3’(配列番号22)〔下線はBam
HIとBgIIIに対する認識部位〕。増幅産物は標準法に従い配列決定し、pM FG−Sigにクローン化し、シグナルペプチドとトランスメンブラン配列の結
合位置でユニークBamHI部位をもつプラスミドpMFG−Sig.LAMP
−1を得た。プラスミドpMFG−Sig.MAGE−3.LAMP−1を生成
させるために、BgIII.MAGE−3.BgIII cDNAから単離したBgIII
−BamHIフラグメントをBamHIで開裂したpMFG−Sig.LAMP
−1にクローン化した。このクローニング工程にて、アミノ酸240〜314を
コードするMAGE−3の3’末端が切除された。
【0113】細胞系、培地および試薬 フェニックスAMPHO細胞系(ノラン博士(Nolan)の恵与、スタンフォー ド大学、医学部、CA、米国)は高力価両種性レトロウイルス産生細胞系であり
、RSVプロモーターとpPGKヒグロ選択可能なマーカーとをもつモロニーG
agPol−IRES−Lyt2構築物で293T細胞を安定にトランスフェク
ションすることにより生成されたものである。これらの細胞には、次いで、CM
Vプロモーターにより駆動、ジフテリアトキシン抵抗遺伝子(pHED−7)で
同時選択したモロニー両種性エンベロープ遺伝子を安定的に移入した。この産生
性細胞系はヘルパーウイルス不含である。
【0114】 フェニックスAMPHO細胞を培養し、175cm2フラスコ中、10%加熱 不活化FCS、2mM L−グルタミン、100U/mlペニシリンおよび10 0μg/mlストレプトマイシン補填DMEM(ライフ・テクノリジー、ゲーン
ト、ベルギー)に継代した。
【0115】 MZ2−EBV B細胞系はメラノーマ対象MZ2のB細胞(HLA A1 A 29 DR0101 DR1302)からEBVでの感染により生成させた。同様
に、LG2−EBV B細胞系は非癌対象LG2(HLA A24 A32 DR7
DR14)から生成させた。MZ2−MEL.43は対象MZ2からのメラノ ーマ細胞系である。EBV形質転換B細胞系およびMZ2−MEL.43は、1
0%仔ウシ血清(FCS)、0.24mM L−アスパラギン、0.55mM L
−アルギニンおよび1.5mM L−グルタミン(AAG)補填イスコブ改変ダ ルベッコ(ID)培地中で培養した。
【0116】 細胞毒性T細胞クローンLB705CTL434/1をMAGE−3.A1エ
ピトープに向け、CD8+T細胞の初代培養で非癌対象LB705(HLA A1
A2)およびMAGE−3.A1ペプチドでパルスした照射自己由来PBL( 末梢血リンパ球)から生成させた。CD4T細胞クローンLB1555CD4 426/B6.37はMAGE−3.DR13エピトープを認識し、対象LB1
555DESA(HLA DR3 DR1302)のT細胞および精製MAGE−
3タンパク質と前培養した自己由来単球誘導樹枝状細胞の初代培養により同定し
た。T細胞クローンは、10%熱不活化ヒト血清(HS)、AAGおよび50U
/ml組換えヒトIL−2(rh IL−2)補填ID中、放射支持細胞(LG 2−EBV、プールしたヒトPBL)および特異的刺激細胞(CTL434/1
に対するMZ2−MEL−43、またはCD4T細胞クローン426/B6.3
7に対するMAGE−3タンパク質と前培養したDESA−EBV)の存在下に
培養した。
【0117】高力価MAGE−3コーディング組換えレトロウイルスの生成 MAGE−3コーディング・レトロウイルス・ベクタープラスミド、MFG−
MAGE−3、MFG−Ii.MAGE−3、MFG−Sig.MAGE−3.
LAMPおよびMGF−EGFP(増強グリーン蛍光タンパク質レポーターをコ
ード)をフェニックスAMPHOパッケイジング細胞にトランスフェクションに
より導入した。MGFレトロウイルス・ベクターはモロニー・マウス白血病ウイ
ルスから誘導され、薬物抵抗マーカーを欠いているか、挿入されたcDNA以外
の他の潜在的抗原性タンパク質を発現しない(リビエール(Riviere)、Proc. N
atl. Acad. Sci. USA 92:6733〜6737、1995)。トランスフ ェクション手法はグラハムおよびバン・デル・エブ(Graham and van der Eb) (
Virology 54:536〜539)のリン酸カルシウム−介在トランスフェクシ ョン・プロトコールの改良法である。
【0118】 トランスフェクションの24時間前、10.8×106フェニックスAMPH O細胞を75cm2組織培養フラスコ(ファルコン)中、細胞増殖培地14ml に塗布した。細胞を添加した後、フラスコを前後にゆるやかに振盪し、細胞をフ
ラスコ底部に均等に分散させた。細胞を37℃、5%CO2下で培養した。トラ ンスフェクション時、細胞が70〜80%の集密度に達したとき、培地を除き、
25mMクロロキン含有フェニックスAMPHO細胞増殖培地の新たなもの14
mlに置き換えた(シグマ・ケミカル(株)、セントルイス、MO、米国)。ト ランスフェクション・カクテルは50ml試験管内で、40μgのレトロウイル
ス・ベクタープラスミドDNAを水に加え、最終容量1575μlに希釈して調
製した。このDNA溶液に2M CaCl2(シグマ)225μlを加えた。次い
で、1800μlの2xHeBS(蒸留水に溶解した50mM HEPES、1 0mM KCl、12mMデキストロース、280mM NaClおよび1.5m
M Na2HPO4;0.2μフィルターで濾過し、−20℃で保存)を該DNA /CaCl2溶液に滴下し、自動ピペットで15秒間激しく泡立てた。DNA/ CaCl2/HeBS混合物を細胞上に直ちに滴下し、フラスコをゆるやかに渦 巻き状に回してDNA/CaPO4粒子の均一な混合を確実にした。細胞を37 ℃/5%CO2で7ないし9時間培養し、クロロキン含有培地を新鮮なフェニッ クスAMPHO細胞増殖培地と取り替えた。レトロウイルス上清収得の約24時
間前に、フェニックスAMPHO培地を除き、2.5%FCSのみを含有するE
BV細胞増殖培地(イスコブ培地)9mlにゆるやかに置き換えた。トランスフ
ェクションの48時間後、レトロウイルス上清を取得するために、細胞から培地
を除き、0.45μフィルターで濾過して細胞片を除去した。取得・濾過後、ウ
イルス含有培地を氷上に保ち、適当な容量に分割して15mlポリプロピレン管
に入れ、−80℃で保存した。MFG−EGFP移入したフェニックスAMPH
O細胞はトランスフェクションの有効性につきFACS分析により検定した。
【0119】EBV細胞系のレトロウイルス形質導入 EBV形質転換細胞は、該細胞を感染カクテル中に再懸濁し、遠心分離するこ
とにより感染させた。標的細胞を60nm組織培養プレート(ファルコン)にて
1.0×106細胞の密度で感染カクテル4ml中再懸濁した。該プレートはI EC遠心機ロータータイプ228にて、32℃、1200rcfで2時間遠心し
た。形質導入すべき各プレートに対し、注入カクテル4mlは、EBV細胞増殖
培地にてウイルス上清を1:2に希釈し、プロタミン硫酸塩(レオ)を最終濃度
6μg/mlとなるように添加し調製した。湿潤インキュベーター中37℃でさ
らに2時間培養した後、遠心し、細胞を標的細胞増殖培地4mlに移した。この
形質導入サイクルは細胞の塗布後直ちに実施し、24時間および48時間目で繰
り返した。感染EBV細胞は、3回目の感染サイクルの24時間後および48時
間後にFACS分析により、EGFPレポーター遺伝子の発現に対して検定した
【0120】インターフェロン−γの産生アッセイ 5000個のT細胞、LB705 CTL434/1、または3000個のT 細胞、クローンLB1555CD426/B6.37を洗浄し、丸底96穴プレ
ート中、10%HS、AAGおよび50U/mlのrhIL−2含有ID培地1
00μl中にて、5000個のレトロウイルス形質導入MZ2−EBVのEBV
B細胞、またはLG2−EBV B細胞の存在下に一夜培養した。同時培養はす
べて3回繰り返し実施した。培養上清50μlをIFN−γの存在につきELI
SA(IFN−γELISA、バイオソース)により検定した。要約して述べる
と、抗ヒトIFN−γAbで予め被覆したELISAプレートを洗浄し、培養上
清50μlおよびビオチニル化抗ヒトIFN−γAb(ID中1:1250、1
0%HS、AAG)と共に室温(RT)で2時間培養した。3回洗浄した後、プ
レートを1ウエル当たり50μlの西洋わさびペルオキシダーゼ接合ストレプト
アビジン(PBS/0.5BSA中1:3000)とRT、30分培養し、TM
B基質により検出し、H2SO4で反応を停止した。光学濃度を450nmで読み
取った。4000pg/mlのIFN−γを含むサンプルを1:2に希釈し、標
準として用いた。
【0121】細胞毒性アッセイ EBV B細胞1×106個をNa2 51CrO425μCiにて37℃、60〜9
0分間標識した。細胞を洗浄し、1×104個/mlに再懸濁した。コントロー ルアッセイにおいては、MAGE−3.A1ペプチドを1μMの濃度で細胞懸濁
液に加えた。LB705CTL434/1 T細胞を、V型96穴プレート中1 ウエル当たり1000個の標識標的細胞と、標的細胞に対するエフェクター比を
30ないし1および10倍希釈として培養した。4時間後、クロム放出(ER)
を1部100μl上清にて測定した。培地のみ、または1%トリトン中にて培養
した標的細胞を、それぞれ、最少(SR)および最大(MR)51Cr放出とみな
した。サンプル中の実験的51Cr放出百分比を (ER−SR/MR−SR)×100% として計算した。
【0122】T細胞クローンLB1555CD4 426/B6.37による形質導入EBV B細胞系の認識 M22EBVは、MFG Ii MAGE−3(MZ2EBV−Ii MAGE −3)、MFG SigMAGE−3 LAMP(MZ2EBV−SigMAGE
−3 LAMP)、MFG MAGE−3(MZ2 EBV−MAGE−3)また はMFG EGFP(MA2 EBV−EGFP)にて形質導入した。形質導入し
た細胞はMAGE−3.A1エピトープと反応するCD4T細胞クローンLB1
555CD4 426/B6.37の存在下に一夜培養した。該T細胞クローン はMZ2−EBV−Ii MAGE−3を認識し、ELISAで測定した培養上 清中のIFN−γ放出により定量された(図9)。それに対し、MZ2EBV−
SigMAGE−3 LAMPはIFN−γの弱い産生を誘導しただけであった 。コントロール・トランスフェクション体、MZ2 EBV−MAGE−3およ びMZ2 EBV−EGFP、およびLG2EBV(未開示)はCD4T細胞に より認識されなかった。これらの結果はIi MAGE−3がHLAクラスIIに よる提示のために処理加工される一方、MAGE−3タンパク質のみではHLA
クラスII抗原提示経路に達しないことを示している。
【0123】LB705CTL434/1による形質導入EBV B細胞系の認識 MZ2EBV−Ii MAGE−3およびMZ2EBV−SigMAGE−3
LAMPの両方が、一夜同時培養の後、MAGE−3.A1特異CTLクローン
LB705 CTL434/1により同程度に認識された(図10)。培養上清 中でのIFN−γ放出はELISAにより測定した。MZ2EBV−Ii MA GE−3はCTLのみによる高度のIFN−γ産生を引き出したが、このことは
Iiに融合したMAGE−3タンパク質の発現がHLAクラスI経路においてな
おプロセシングに導き得ることを示している。
【0124】 MAGE−3、IiMAGE−3、SigMAGE−3 LAMPまたはGF Pでレトロウイルスにより形質導入したMZ2−EBVのLB705CTL43
4/1による溶解につき、4時間の51Cr放出アッセイにおいて、種々のエフェ
クター対標的細胞(E/T)比にて試験した。並行して、MAGE−3.A1ペ
プチドをT細胞活性化のための陽性コントロールとして加えた。MZ2EBV−
Ii MAGE−3およびMZ2EBV−SigMAGE−3 LAMPは共にM
Z2EBV−MAGE−3同様に、LB705CTL434/1により溶解され
た。溶解の百分比はMAGE−3.A1ペプチド存在下での標的細胞溶解に等し
かった(図11)。
【0125】MZ2−MEL43によるHLAクラスIIにおけるMAGE−3誘導ペプチドの 提示 HLAクラスII分子におけるMAGE−3ペプチドの提示にIiが関与するの
をさらに確認するために、メラノーマ細胞系MZ2−MEL.43にMFG I i MAGE−3(MZ2−MEL.43−IiMAGE−3)またはMFG E
GFP(MZ2−MEL.43−EGFP)を形質導入した。MZ2−MEL.
43はMAGE−3タンパク質を内因性として発現するが、HLAクラスIIにお
いてMAGE−3誘導ペプチドを提示しない。しかし、MZ2−MEL.43を
MFG−Ii MAGE−3で形質導入すると、それが一夜同時培養後にはCD 4T細胞クローンLB1555CD4 426/B6.37により認識される( 図12A)。培養上清中のIFN−γ放出はELISAにより測定した。その結
果は、内因性に発現されたMAGE−3とは反対に、IiMAGE−3がHLA
クラスIIでの提示のために処理加工され得ることを示している。親および形質導
入したMZ2−MEL.43は共にCTLクローンLB705CTL434/1
を活性化した(図12B)が、これはHLAクラスI経路におけるMAGE−3
融合の提示を示すものである。
【0126】 本発明の他の側面は当業者に明瞭であり、ここに繰り返す必要はない。本明細
書に引用した文献はそれぞれその全文を引用により取り込む。 採用した用語および表現は説明の用語として使用したものであって、制限のた
めではなく、開示、記載された態様の均等物またはその部分を排除するような用
語および表現として用いる意図はない。種々の改変が本発明の範囲内で可能であ
ることが認められるべきである。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 MAGE−3に特異的なCD4 T細胞系を得るために用いるプロトコールの 図式である。
【図2】 CD4-T細胞系B6およびF3が、組換えHis−MAGE−3タンパク質 を処理加工した自己由来EBV−B細胞を認識したことを示すグラフである。
【図3】 外来性His−MAGE−3タンパク質でパルスした自己由来EBV−B細胞
のCD4+T細胞クローンによる認識が、抗−HLA DRモノクローナル抗体に
より阻害されることを示すグラフである。
【図4】 CD4+クローンB6/34、B6/37、F3/37およびF3/40によ る認識について、MAGE−3ペプチドのスクリーニング結果を詳細に示すグラ
フである。
【図5】 ペプチドRKVAELVHFLLLKYRA(MAGE−3111-126、配列番号3 )またはELVHFLLLKYRAREPV(MAGE−3115-130、配列番号 4)でパルスしたCD4’クローンB6/34およびB6/37EBV−Bによ
るTNFとINF−γ産生刺激を描出するグラフである。
【図6】 ペプチドMAGE−3111-126またはMAGE−3115-130でパルスした自己由
来EBV−B細胞がクローンB6/34およびB6/37の増殖を誘導したこと
を示すグラフである。
【図7】 ペプチドMAGE−3115-130に対するCD4’クローンB6/37の応答が HLA−DRB1/1302に制限されることを示すグラフである。
【図8】 MAGE−3115-130から誘導される末端切除ペプチドでパルスした自己由来 EBV−B細胞に対するクローンB6/37の反応性を示すグラフである。
【図9】 CD4T細胞クローン426/B6.37(抗−MAGE−3.DR13)に
よる末端切除MZ2EBVの認識を示す。
【図10】 CTLクローン434/1(抗−MAGE−3.A1)による末端切除MZ2
EBVの認識を示す。
【図11】 CTL434/1(抗−MAGE−3.A1)による末端切除MZ2EBVの
溶解を示す。
【図12A】 CD4T細胞クローン426/B6.37(抗−MAGE−3.DR13)の
認識を示す。
【図12B】 CTLクローン434/1(抗−MAGE−3.A1)による形質導入MZ2
−MEL.43の認識を示す。
【図13】 不変鎖(Ii)とLAMP−1 MAGE−3融合タンパク質のレトロウイル ス構築物の模式図である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年3月13日(2000.3.13)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項17
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項29
【補正方法】変更
【補正内容】
【請求項29】 MAGE−3の発現により特徴づけられる疾患の診断法で
あって、対象から単離された生物学的サンプルを配列番号2のアミノ酸配列フラ
グメントを含むMAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドに特異的な剤と接 触させ、該剤とMAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドとの間の相互作用 を該疾患の決定因子として同定することを含む、前記方法。
【手続補正書】
【提出日】平成13年3月8日(2001.3.8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 16/30 C12N 1/15 4H045 19/00 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/08 1/21 C12N 15/00 ZNAA 5/10 A61K 37/02 C12P 21/08 C12N 5/00 A (72)発明者 ハイアーマン, カルロ ベルギー王国 B−1090ブリュッセル、ラ ールビークラーン 103 (72)発明者 コルタルス, ユルゲン ベルギー王国 B−1090ブリュッセル、ラ ールビークラーン 103 (72)発明者 ショー, パスカル ベルギー王国 B−1200ブリュッセル、ア ベニュー ヒッポクラート 7459 (72)発明者 シュトローバント, ヴィンセント ベルギー王国 B−1200ブリュッセル、ア ベニュー ヒッポクラート 7459 (72)発明者 ブーン−ファロイア, ティエリー ベルギー王国 B−1200ブリュッセル、ア ベニュー ヒッポクラート 7459 (72)発明者 ファン デル ブリュゲン, ピエール ベルギー王国 B−1200ブリュッセル、ア ベニュー ヒッポクラート 7459 (72)発明者 ルイテン, ロザーリエ ベルギー王国 B−1200ブリュッセル、ア ベニュー ヒッポクラート 7459 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA12 BA36 BA45 CA04 DA02 EA04 GA05 GA11 HA11 HA15 4B064 AG27 CA10 CA19 CC24 DA05 DA14 4B065 AA92X AA94X AA94Y CA24 CA25 CA44 CA46 4C084 AA02 AA07 BA01 BA17 BA18 BA23 DC50 ZB262 4C087 AA01 AA02 BB37 ZB26 4H045 AA11 AA20 AA30 BA10 CA41 DA76 DA86 EA28 EA51 FA72 FA74

Claims (75)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 HLAクラスII分子に結合する配列番号2のアミノ酸配列の
    フラグメント、または1個または2以上のアミノ酸の付加、置換または欠失を含 むその機能的変異体を含む、単離されたMAGE−3 HLAクラスII結合ペプ チド。
  2. 【請求項2】 単離されたペプチドが、配列番号11のアミノ酸配列、また
    はその機能的変異体を含む、請求項1に記載の単離されたHLAクラスII結合ペ
    プチド。
  3. 【請求項3】 単離されたペプチドが、配列番号3、配列番号4、配列番号
    9、および配列番号10からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項
    2に記載の単離されたHLAクラスII結合ペプチド。
  4. 【請求項4】 単離されたペプチドが、配列番号3、配列番号4、配列番号
    9、配列番号10および配列番号11からなる群より選択されるアミノ酸配列か
    らなる、請求項2に記載の単離されたHLAクラスII結合ペプチド。
  5. 【請求項5】 単離されたペプチドが、配列番号3および配列番号4からな
    る群より選択されるアミノ酸配列からなる、請求項2に記載の単離されたHLA
    クラスII結合ペプチド。
  6. 【請求項6】 単離されたペプチドが、エンドソーム標的シグナルを含む、
    請求項1に記載の単離されたHLAクラスII結合ペプチド。
  7. 【請求項7】 エンドソーム標的シグナルが、ヒト不変鎖Iiのエンドソー
    ム標的部分を含む、請求項6に記載の単離されたHLAクラスII結合ペプチド。
  8. 【請求項8】 単離されたペプチドが、非水解性である、請求項1に記載の
    単離されたHLAクラスII結合ペプチド。
  9. 【請求項9】 単離されたペプチドがD−アミノ酸を含むペプチド、−ps
    i[CH2NH]−還元アミドペプチド結合を含むペプチド、−psi[COC H2]−ケトメチレン・ペプチド結合を含むペプチド、−psi[CH(CN) NH]−(シアノメチレン)アミノペプチド結合を含むペプチド、−psi[C
    2CH(OH)]−ヒドロキシエチレン・ペプチド結合を含むペプチド、−p si[CH2O]−ペプチド結合を含むペプチド、および−psi[CH2S]−
    チオメチレン・ペプチド結合を含むペプチドからなる群より選択される、請求項
    8記載の単離されたHLAクラスII結合ペプチド。
  10. 【請求項10】 単離されたMAGE−3 HLAクラスI−結合ペプチド と単離されたMAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドを含む、組成物。
  11. 【請求項11】 MAGE−3 HLAクラスI−結合ペプチドとMAGE −3 HLAクラスII−結合ペプチドが、ポリトープポリペプチドとして結合さ れる、請求項10に記載の組成物。
  12. 【請求項12】 単離されたMAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチド が、配列番号11のアミノ酸配列またはその機能的変異体を含む、請求項10に
    記載の組成物。
  13. 【請求項13】 単離されたMAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチド が、配列番号3、配列番号4、配列番号9、配列番号10および配列番号11か
    らなる群より選択されるアミノ酸配列からなる、請求項12に記載の組成物。
  14. 【請求項14】 単離されたMAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチド が、配列番号3および配列番号4からなる群より選択されるアミノ酸配列からな
    る、求項12に記載の組成物。
  15. 【請求項15】 単離されたMAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチド が、エンドソーム標的シグナルを含む、請求項13に記載の組成物。
  16. 【請求項16】 エンドソーム標的シグナルがヒト不変鎖Iiのエンドソー
    ム標的部分を含む、請求項15に記載の組成物。
  17. 【請求項17】 請求項1に記載のペプチド、請求項2に記載のペプチド、
    請求項3に記載のペプチド、請求項4に記載のペプチド、および請求項6に記載
    のペプチドからなる群より選択されるペプチドをコードする、単離された核酸。
  18. 【請求項18】 核酸が、配列番号13を含む、請求項17に記載の単離さ
    れた核酸。
  19. 【請求項19】 プロモーターに作動可能に結合させた請求項17に記載の
    単離された核酸を含む、発現ベクター。
  20. 【請求項20】 核酸が配列番号13を含む、請求項19に記載の発現ベク
    ター。
  21. 【請求項21】 HLA−DRB1/13分子をコードする核酸をさらに含
    む、請求項19または20に記載の発現ベクター。
  22. 【請求項22】 請求項19に記載の発現ベクター、請求項20に記載の発
    現ベクター、および請求項21に記載の発現ベクターからなる群より選択される
    発現ベクターでトランスフェクトまたはトランスフォームされた、宿主細胞。
  23. 【請求項23】 請求項19に記載の発現ベクターおよび請求項20に記載
    の発現ベクターの群より選択される発現ベクターでトランスフェクトまたはトラ
    ンスフォームされた宿主細胞であって、該宿主細胞がHLA−DRB1/13分
    子を発現する、宿主細胞。
  24. 【請求項24】 MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドに特異的な CD4+Tリンパ球でTリンパ球母集団を選択的に富化する方法であって、単離 したTリンパ球母集団を、該CD4+Tリンパ球で単離されたTリンパ球母集団 を選択的に富化するのに十分な量の、MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプ チドとHLAクラスII分子との複合体を提示する剤と接触させることを含む、前
    記方法。
  25. 【請求項25】 剤が、MAGE−3タンパク質またはそのHLAクラスII
    結合フラグメントと接触させた抗原提示細胞である、請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 HLAクラスII分子がHLA−DRB1/13分子であり
    、MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドが配列番号3のアミノ酸配列か らなるペプチド、配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号9のア
    ミノ酸配列からなるペプチド、配列番号10のアミノ酸配列からなるペプチド、
    および配列番号11のアミノ酸配列からなるペプチドからなる群より選択される
    、請求項24または25に記載の方法。
  27. 【請求項27】 HLAクラスII分子がHLA−DRB1/13分子であり
    、MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドが配列番号3のアミノ酸配列か らなるペプチド、および配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチドからなる群
    より選択される、請求項24または25に記載の方法。
  28. 【請求項28】 MAGE−3タンパク質またはそのHLAクラスII−結合
    ペプチドが、ヒト不変鎖Iiのエンドソーム標的部分を含む、請求項25に記載
    の方法。
  29. 【請求項29】 MAGE−3の発現により特徴づけられるる疾患の診断法
    であって、対象から単離された生物学的サンプルをMAGE−3 HLAクラスI
    I−結合ペプチドに特異的な剤と接触させ、剤とMAGE−3 HLAクラスII−
    結合ペプチドとの間の相互作用を、該疾患の決定因子として、同定することを含
    む、前記診断法。
  30. 【請求項30】 ペプチドが、配列番号11のアミノ酸配列、またはその機
    能的変異体を含む、請求項29の方法。
  31. 【請求項31】 ペプチドが、配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチド
    、配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号9のアミノ酸配列から
    なるペプチド、配列番号10のアミノ酸配列からなるペプチド、および配列番号
    11のアミノ酸配列からなるペプチドからなる群より選択される、請求項30に
    記載の方法。
  32. 【請求項32】 ペプチドが配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチドお
    よび配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチドからなる群より選択される、請
    求項30に記載の方法。
  33. 【請求項33】 HLAクラスII分子と複合体を形成するMAGE−3 H LAクラスII−結合ペプチドの発現により特徴づけられる疾患の診断法であって
    、対象から単離された生物学的サンプルを該複合体に結合する剤と接触させ、該
    複合体と該剤との間の結合を、疾患の決定因子として同定することを含む、前記
    診断法。
  34. 【請求項34】 HLAクラスII分子がHLA−DRB1/13分子であっ
    て、MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドが配列番号11のアミノ酸配 列、またはその機能的変異体である、請求項33に記載の方法。
  35. 【請求項35】 MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドが配列番号 3のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチ
    ド、配列番号9のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号10のアミノ酸配列
    からなるペプチド、および配列番号11のアミノ酸配列からなるペプチドからな
    る群より選択される、請求項34に記載の方法。
  36. 【請求項36】 MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドが配列番号 3のアミノ酸配列からなるペプチドおよび配列番号4のアミノ酸配列からなるペ
    プチドからなる群より選択される、請求項34に記載の方法。
  37. 【請求項37】 MAGE−3の発現により特徴づけられる疾患を有する対
    象を治療する方法であって、該疾患を改善するのに十分な量のMAGE−3 H LAクラスII−結合ペプチドを対象に投与することを含む、前記方法。
  38. 【請求項38】 MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドがエンドソ ーム標的シグナルを含む、請求項37に記載の方法。
  39. 【請求項39】 エンドソーム標的シグナルがヒト不変鎖Iiのエンドソー
    ム標的部分を含む、請求項38に記載の方法。
  40. 【請求項40】 MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドが配列番号 11のアミノ酸配列、またはその機能的変異体を含む、請求項38の方法。
  41. 【請求項41】 ペプチドが、配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチド
    、配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号9のアミノ酸配列から
    なるペプチド、配列番号10のアミノ酸配列からなるペプチド、および配列番号
    11のアミノ酸配列からなるペプチドからなる群より選択される、請求項40に
    記載の方法。
  42. 【請求項42】 ペプチドが、配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチド
    および配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチドからなる群より選択される、
    請求項40に記載の方法。
  43. 【請求項43】 MAGE−3の発現により特徴づけられる疾患を有する対
    象を治療する方法であって、MAGE−3 HLAクラスI−結合ペプチドおよ び該疾患を改善するのに十分な量のMAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチ ドを対象に投与することを含む、前記方法。
  44. 【請求項44】 MAGE−3 HLAクラスI−結合ペプチドおよびMA GE−3 HLAクラスII−結合ペプチドがポリトープポリペプチドとして結合 される、請求項43に記載の方法。
  45. 【請求項45】 MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドがエンドソ ーム標的シグナルを含む、請求項43に記載の方法。
  46. 【請求項46】 エンドソーム標的シグナルがヒト不変鎖Iiのエンドソー
    ム標的部分を含む、請求項45に記載の方法。
  47. 【請求項47】 MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドが配列番号 11のアミノ酸配列、またはその機能的変異体を含む、請求項43に記載の方法
  48. 【請求項48】 ペプチドが配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチド、
    配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号9のアミノ酸配列からな
    るペプチド、配列番号10のアミノ酸配列からなるペプチド、および配列番号1
    1のアミノ酸配列からなるペプチドからなる群より選択される、請求項47に記
    載の方法。
  49. 【請求項49】 ペプチドが配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチドお
    よび配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチドからなる群より選択される、請
    求項47に記載の方法。
  50. 【請求項50】 MAGE−3の発現により特徴づけられる疾患を有する対
    象を治療する方法であって、HLAクラスII分子とMAGE−3 HLAクラスI
    I結合ペプチドとの複合体の存在を対象に選択的に富化する剤を、該疾患を改善 するのに十分な量を対象に投与することを含む、前記方法。
  51. 【請求項51】 HLAクラスII分子がHLA−DRB1/13分子であり
    、MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドが配列番号11のアミノ酸配列 、またはその機能的変異体を含む、請求項50に記載の方法。
  52. 【請求項52】 ペプチドが配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチド、
    配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号9のアミノ酸配列からな
    るペプチド、配列番号10のアミノ酸配列からなるペプチド、および配列番号1
    1のアミノ酸配列からなるペプチドからなる群より選択される、請求項51に記
    載の方法。
  53. 【請求項53】 ペプチドが配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチドお
    よび配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチドからなる群より選択される、請
    求項51に記載の方法。
  54. 【請求項54】 剤がMAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドを含む 、請求項50に記載の方法。
  55. 【請求項55】 MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドがエンドソ ーム標的シグナルを含む、請求項54に記載の方法。
  56. 【請求項56】 該エンドソーム標的シグナルが、ヒト不変鎖Iiのエンド
    ソーム標的部分を含む、請求項55に記載の方法。
  57. 【請求項57】 MAGE−3の発現により特徴づけられる疾患を有する対
    象を治療する方法であって、該疾患を改善するのに十分な量の自己由来CD4+ Tリンパ球を対象に投与することからなり、ここで該CD4+Tリンパ球がHL AクラスII分子とMAGE−3 HLAクラスII結合ペプチドの複合体に対し特 異的である、前記方法。
  58. 【請求項58】 HLAクラスII分子がHLA−DRB1/13分子であり
    、該MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドが配列番号11のアミノ酸配 列、またはその機能的変異体を含む、請求項57に記載の方法。
  59. 【請求項59】 ペプチドが、配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチド
    、配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号9のアミノ酸配列から
    なるペプチド、配列番号10のアミノ酸配列からなるペプチド、および配列番号
    11のアミノ酸配列からなるペプチドからなる群より選択される、請求項58に
    記載の方法。
  60. 【請求項60】 ペプチドが、配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチド
    および配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチドからなる群より選択される、
    請求項58に記載の方法。
  61. 【請求項61】 MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドの機能的変 異体を同定する方法であって、 MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチド、MAGE−3 HLAクラスII−
    結合ペプチドに結合するHLAクラスII結合分子、およびHLAクラスII結合分
    子により提示されるMAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドにより刺激さ れるT細胞を選択し、MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドの最初のアミ
    ノ酸残基を変異して変異体ペプチドを調製し、 HLAクラスII結合分子への変異体ペプチドの結合、およびT細胞の刺激作用を
    定量することを含み、ここでHLAクラスII結合分子への変異体ペプチドの結合
    およびHLAクラスII結合分子により提示される変異体ペプチドによるT細胞の
    刺激作用が、変異体ペプチドが機能的変異体であることを示すものである、前記
    方法。
  62. 【請求項62】 MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドが配列番号 11のアミノ酸配列を含む、請求項61に記載の方法。
  63. 【請求項63】 さらにMAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドによ るT細胞の刺激作用と機能的変異体によるT細胞の刺激作用を、機能的変異体に
    よるT細胞の刺激作用の有効性決定因子として比較する工程を含む、請求項61
    に記載の方法。
  64. 【請求項64】 請求項1、2、3または4のいずれかに記載のポリペプチ
    ドに選択的に結合する単離されたポリペプチドであって、該単離されたポリペプ
    チドがHLAクラスII分子ではないことを条件とする、単離されたポリペプチド
  65. 【請求項65】 単離されたポリペプチドが抗体である、請求項64に記載
    の単離されたポリペプチド。
  66. 【請求項66】 抗体がモノクローナル抗体である、請求項65に記載の抗
    体。
  67. 【請求項67】 単離されたポリペプチドが、Fabフラグメント、F(a
    b)2フラグメントまたはMAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドに対し選
    択的なCDR3領域を含むフラグメントからなる群より選択される抗体フラグメ
    ントである、請求項64に記載の単離されたポリペプチド。
  68. 【請求項68】 HLAクラスII分子とMAGE−3 HLAクラスII結合 ペプチドの複合体を選択的に結合する、単離されたCD4+Tリンパ球。
  69. 【請求項69】 HLAクラスII分子がHLA−DRB1/13分子であり
    、MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドが配列番号11のアミノ酸配列 、またはその機能的変異体を含む、請求項68に記載の単離されたCD4+Tリ ンパ球。
  70. 【請求項70】 MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドが、配列番 号3のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号4のアミノ酸配列からなるペプ
    チド、配列番号9のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号10のアミノ酸配
    列からなるペプチド、および配列番号11のアミノ酸配列からなるペプチドから
    なる群より選択される、請求項69に記載の単離されたCD4+Tリンパ球。
  71. 【請求項71】 MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドが、配列番 号3のアミノ酸配列からなるペプチドおよび配列番号4のアミノ酸配列からなる
    ペプチドからなる群より選択される、請求項69に記載の単離されたCD4+T リンパ球。
  72. 【請求項72】 HLAクラスII分子とMAGE−3 HLAクラスII結合 ペプチドの複合体を含む、単離された抗原提示細胞。
  73. 【請求項73】 HLAクラスII分子がHLA−DRB1/13分子であり
    、MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドが配列番号11のアミノ酸配列 を含む、請求項72に記載の単離された抗原提示細胞。
  74. 【請求項74】 MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドが、配列番 号3のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号4のアミノ酸配列からなるペプ
    チド、配列番号9のアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号10のアミノ酸配
    列からなるペプチド、および配列番号11のアミノ酸配列からなるペプチドから
    なる群より選択される、請求項73に記載の単離された抗原提示細胞。
  75. 【請求項75】 MAGE−3 HLAクラスII−結合ペプチドが、配列番 号3のアミノ酸配列からなるペプチドおよび配列番号4のアミノ酸配列からなる
    ペプチドからなる群より選択される、請求項73に記載の単離された抗原提示細
    胞。
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