JP2001516224A - アミロース含有量が低下した澱粉 - Google Patents

アミロース含有量が低下した澱粉

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Abstract

(57)【要約】 特別なアミロース特性を示す澱粉を含んで成っていてそれぞれが低下した老化傾向または低下した硬化傾向を示す食品、特に注ぎ込み可能食品またはベーカリー食品(例えばいろいろなパン)。

Description

【発明の詳細な説明】 アミロース含有量が低下した澱粉 発明の分野 本発明は、それぞれ老化(retrograde)または硬化(stale) に対し低下した傾向を示す食品、特に注ぎ込み可能な食品またはベーカリー製品 (例えばいろいろなパン)に関する。本発明はまた変性澱粉代替物(modif ied starch replacers)にも関する。本発明はまた植物の 品種改良方法および植物の品種改良で用いるに適したいろいろなプローブ(pr obes)にも関する。本発明はまた改良高比ケーキ用小麦粉(high ra tio cake flours)および高比ケーキ用小麦粉を製造する改良方 法にも関する。特に、本発明は、アミロース含有量、アミロース品質、アミロー ス結晶特性、加工履歴および/または植物源に関連した特別な品質を有する澱粉 を基とする食品、方法および加工に関する。この製品は澱粉を基としていて、注 ぎ込み可能であるか或はスプーンですくうことができる食品またはペーストから ベーカリー製品、例えばいろいろなパンおよびケーキなどに及ぶ範囲の製品であ る。 序論 澱粉 澱粉は、世界で最も重要な食糧用作物の主要な貯蔵産物であり、これは穀類の 種(例えば小麦、トウモロコシおよび米)、豆類(例えばエンドウ豆)、そして 塊茎および根作物、例えばジャガイモおよびヤムいもなどに多量に存在する。 澱粉はエネルギー貯蔵として働く不溶な粒(grains or g ranules)の形態で高級植物内に貯蔵される。澱粉粒は通常異なる2種類 の重合体:即ちアミロース[本質的に線状鎖のα(1−4)連結α−D−グルコ ピラノシル残基]およびアミロペクチン[高分枝鎖α(1−4)連結α−D−グ ルコピラノシル残基を含んで成り、この分枝鎖はα(1−6)連結によって生じ る]を含んで成る。 アミロースとアミロペクチンは一緒になって澱粉の乾燥重量の97−99%を 構成する。他の少量成分には脂質(主に穀類の澱粉中に存在)、蛋白質および微 量元素(例えば燐)が含まれる。アミロース 下記の2つの結晶形態のアミロースを同定することができる:いわゆる「A」 および「B」形態である。この「B」形態は室温で老化している間に生成する一 方、「A」形態は他の条件下で成長し得る(例えば50℃を越える温度)。「A 」形態は、また、アミロースの鎖が短い[これを本明細書で用いる場合、これは 、アミロースの分子量分布が「A」型の結晶が優先的に生成するに充分なほど小 さいことを定義する]場合にも生成し得る。「A」形態および「B」形態の両方 ともアミロースの二重螺旋が規則的に平行に詰め込まれることに基づき結晶を形 成しているが、形態が異なると単位セル(unit cells)が異なり、そ の詰め込みによって水の位置に有意な差がもたらされると考えている[「A」結 晶の場合に螺旋と螺旋の間に存在する水分子の数は4であるのとは対照的に「B 」形態の場合には36である]。 アミロースが有する分枝鎖は非常に限られている(数千のグルコース単位当た りに約1個の分枝点)。分子量は典型的に約105−106である。アミロペクチ ンはアミロースよりもずっと分枝していて、典型的に はグルコース単位の5%がα(1−6)連結分枝点を有していてα(1−4)連 結鎖に連結している。その分子量はアミロースのそれよりもずっと高く、典型的 には108を越える。 澱粉が異なるとアミロース含有量も異なる。ジャガイモの澱粉およびタピオカ の澱粉に含まれるアミロースの含有量(それぞれ21%および17%)は典型的 にトウモロコシの澱粉および小麦の澱粉の場合に見られる28%よりもずっと低 い。 アミロースは脂質と複合している可能性があり、この場合、脂質の分子はアミ ロースの単一螺旋内に位置する。そのような複合体を螺旋包含複合体(heli cal inclusion complexes)と呼び、それらがアミロー スの結晶挙動、老化および硬化に重要な影響を与え得ることをここに見い出した 。 以下に記述するようにアミロースはまた異なるモルフィック(morphic )形態でも存在する。澱粉粒構造 澱粉粒の大きさおよび形状は植物源に伴って変わる。例えば、ジャガイモの澱 粉粒は大きく(直径で100μmに及ぶ)て楕円形である一方、米の澱粉粒はよ り小さく(直径で多くとも10μm)でずっと角張っている。小麦および大麦の 澱粉粒は二頂サイズ分布を示す:即ちA型粒は大きく(直径約10−30μm) そしてB型粒は小さい(直径約5μm)。澱粉粒は全部複雑な構造を有していて 、1を越えるレベルで構造オーダー(structural order on more than one level)を含有する。 澱粉粒を光学または電子顕微鏡で検査すると「成長環(growth rings)」と呼ばれる明白な同心環が見られる(図1参照)。このような 環は交互に存在する半結晶性組成物の環と非晶性組成物の環から成っていて、1 200−7000Åの範囲で多様である。この成長環の相対サイズは成育条件、 特に光条件によって変わる可能性がある。ある種では、絶えまない光条件下で成 育させると成長環がなくなり得る。 半結晶性の環は交互に存在する結晶性薄層と非晶性薄層の積み重ねで構成され ている(また図1を参照)。これらの薄層はアミロペクチンの束が放射状に配列 することで生じ、上記束は分枝点の数が多い領域(非晶性薄層)とアミロペクチ ンの短鎖セグメントが二重螺旋を形成している領域(結晶性薄層−例えばKainum aおよびFrench(1972),Biopolymers,11:2241-2250を参照)を含有する。 上記束の大きさは全ての植物源、変異体および野生型澱粉で一定(約90Å) であると見られるが、この束の中に存在する非晶性薄層と結晶性薄層の相対度合 は多様であり得る。例えば、ろう状(waxy)および部分ろう状(parti al waxy)変異澱粉は比較的厚い非晶性薄層および/または比較的薄い結 晶性薄層を示す一方、アミロースが存在すると結晶性薄層の相対的厚さが増大す る(図2参照)。変異澱粉 天然に存在する澱粉の種類の数は多大であることから、植物品種改良者はいろい ろな形態の選択的品種改良技術および遺伝操作を適用して、ある範囲の変異澱粉 を発生させてきた。 例えば、アミロース合成酵素(類)[しばしば集合的に粒結合澱粉シンターゼ (granule bound starch synthase)(GBSS )またはWx蛋白質(類)と呼ぶ]の活性がなくなる 突然変異または遺伝変性によりアミロースを含まない[ろう状]澱粉が得られる 。このような変異体に含まれる澱粉粒はアミロペクチンのみを含有する。このよ うな変異体(そしてそれから得られる澱粉)は、それぞれ、ろう状変異体および ろう状澱粉として知られている。2倍体草(例えば大麦およびトウモロコシ)で は、異なる数多くのろう状変異体が確認されている。ろう状変異体はまた稲およ びジャガイモでも同定されている。 しかしながら、倍数体植物では、複数の異なるGBSS(Wx蛋白質)イソ酵 素がアミロース合成に寄与し得る。例えば、通常の小麦はアロヘキサプロイド( allohexaploid)(AABBDD)であり、3種類のイソ型のWx 蛋白質(GBSS)をコード化する座が3つ(Wx−A1、Wx−B1およびW x−D1)存在していて、3種類の染色体の各々に1つづつ存在している。アミ ロースを産出しない自発性ろう状変異体では上記3つの座全部に劣性変異を同時 に起こさせる必要があり(極めて起こり難いことである)、そのような小麦変種 はまだ同定されていない[A、BおよびDゲノムの各々のWx座に無効(非機能 的)対立遺伝子を持つ系統のハイブリッド形成によってろう様小麦が作り出され てはいるが]。 小麦に含まれる3種類のイソ型のGBSS(Wx)は高分子量(HMW)蛋白 質と低分子量(LMW)蛋白質に分離可能であり、AゲノムがHMWのWx蛋白 質をコード化しそしてBおよびDゲノムがLMWのWx蛋白質の混合物をコード 化する(Makamura他(1992),日本.J.Breed.42:681-685)。 このいろいろなGBSS酵素は、阻害剤に対して差別的な感受性を示 し得、差別的な安定性を示し得、差別的なインビボ半減期を示し得、差別的な特 異的活性を示し得、そして/または基質(類)もしくはエフェクター分子に対し て差別的な親和性を示し得る。それらは異なる細胞区分室内で作用を示す可能性 があり、例えば澱粉粒の中または上、可溶相中、または粒と可溶相の間の界面に 局在し得る。それらは異なる副活性を示す可能性があり、かつ異なる多酵素複合 体と会合している可能性がある。それらは澱粉粒と差別的な相互作用を示し得、 差別的な温度感受性を示し得、かつ粒水含有量(grain water co ntent)に対して差別的な応答を示し得る。それらはまた異なるエフェクタ ー(effector)結合部位を含有している可能性もある。 このような異なる構造的、化学的および/または生化学的特性のいずれかまた は全部が同族アミロース産物の量および品質が異なることに関連している可能性 があり、それによって、いろいろなモルフィック形態のアミロースがもたらされ 得る。このようにアミロースのモルフィック形態が異なると、とりわけ、分子量 (または重合度)、分枝度および/または度合、澱粉でない他の多糖類(例えば ペントサン)に関する会合活性(associative activity) または親和性、そしてインビボ合成の部位に関して異なる可能性がある。このよ うにアミロースの品質的に異なる形態を本明細書ではモルフィック形態と呼ぶ[ 即ち、それらはこの上に記述した多型結晶形態(「A」および「B」形態)に相 当せず、むしろ全く異なるレベルのコンプレキシティー(complexity )を表すものである]。 上記3種類のWx蛋白質の中の2つが消失した結果としてアミロース含有量が 有意に低下した(約20%まで)小麦変種を同定した。このよ うな品種のいくつかではWx−A1およびWx−B1座が不活性で、活性なのは Wx−D1座のみである。このような品種を「部分ろう状変異体」と表示し、そ れから単離した澱粉を「部分ろう状変異澱粉」と表示した(Nakamura他,(1993 )Plant Breeding;111:99-105参照)。 本明細書で用語「部分ろう状変異澱粉」を用いる場合、この用語を、(a)ろ う状の(Wx)座または遺伝子の1つ以上が変異を起こした結果として澱粉粒の アミロース含有量が低下している(完全にはなくなっていないが)こと、および /または(b)少なくとも1つの機能的Wx遺伝子と一緒に1つ以上のWx無効 対立遺伝子(例えばWx−A1b、Wx−B1bおよび/またはWx−D1b) が存在していること、および/または(c)二重(double)無効Wx対立 遺伝子が存在していること、のいずれかを伴う全ての植物源(小麦を包含)から 得られる澱粉を包含するいくらか幅広い意味で用いる。 従って、ある種の部分ろう様変異澱粉が含有するアミロース含有量は野生型対 照に比較して低下している可能性がある。しかしながら、ある種の部分ろう状変 異澱粉[特に二重無効系統(double nulllines)ではなく単一 無効系統から得られる澱粉]では、例えば活性のあるWx遺伝子(類)が残存し ていることから用量補充(dosage compensation)が起こる などの結果としてアミロースのレベルは変化しないままであり得る。後者の場合 のアミロース(および/またはアミロースモリフィック形態の分布/プロファイ ル)は野生型澱粉に存在するアミロースと品質的に(単に量的ではなく)異なる 可能性がある。 そのような変異澱粉は、例えば1つ以上のWx座または構造遺伝子が 変異を起こすことなどでWx蛋白質の量が低下した(なくならないで)時に起り 得る。部分ろう状変異澱粉は、大部分のケースで、複数のイソ型のWx蛋白質の 中の1つ以上(全部ではなく)が不活性になったか或は存在しない品種が産出す る澱粉である。小麦の場合の部分ろう状変異澱粉は、3種類のWxイソ型(Wx −A1、Wx−B1およびWx−D1)の中の1つまたは2つが不活性になった か或は存在しない品種から得られる澱粉であり得る。 用語「変異澱粉」を本明細書で用いる場合、植物が産出する澱粉の特性が変わ るような様式で操作を受けた植物源が産出した全ての澱粉を定義することを意図 する。そのような操作は任意の遺伝操作または品種改良技術で遂行可能である。 例えば、遺伝操作には突然変異誘発(部位に向けた突然変異誘発を包含)、挿入 突然変異誘発、遺伝子欠如または置換、トランスポゾン突然変異誘発、フレーム シフト突然変異の導入、またはmRNA翻訳を減衰させる(またはなくさせる) アンチセンスDNA技術の使用が含まれ得る。 他の技術には、環境(遺伝ではない)操作(例えば成長を調節する組成物の投 与、源である植物を成育させている間の水利用、温度および/または光条件の調 節)を基とする技術が含まれる。 用語「変異澱粉粒」は必要な変更を加えて解釈されるべきである。澱粉のゼラチン化 澱粉を水の存在下で加熱すると澱粉は不可逆的秩序−無秩序変化(ゼラチン化 と呼ぶ)を起こす。その粒が膨潤し、水を吸収し、結晶度を失ってアミロースを 滲出することが観察される。この粒の非晶質領域が膨潤する結果として結晶領域 の表面から澱粉鎖が取り除かれ、それによって、 結晶の秩序が乱れる。このような除去過程の結果としてアミロースおよびアミロ ペクチン成分に螺旋の展開および水和が起こる。 このようなゼラチン化過程は吸熱を伴い、このような吸熱は示差走査熱量計で 測定可能で、それの重要なパラメーターはゼラチン化エンタルピーおよびゼラチ ン化吸熱幅である(例えばDonovan(1979),Biopolymers,18:263-275を参照) 。 澱粉に適用する如き用語「ゼラチン状」を本明細書で用いる場合、澱粉粒内の アミロース/アミロペクチン複合体が秩序のある状態であるのに比較してこれら の成分が無秩序であることを定義することを意図する。用語「ゼラチン化」もそ れに相当して解釈されるべきである。 従って、上記用語を本明細書で用いる場合、これは、ゼラチン化が不完全であ る(例えばいろいろな押出し加工および蒸気処理などで起こる如き)状態および /またはゼラチン化が限定された(過剰量ではなく)水の存在下で進行した状態 を包含する。澱粉の老化 未変性の澱粉は半結晶性構造を有しているが、これはゼラチン状になる間にあ る程度または完全に失われる。次の熟成中、そのゼラチン状になった材料は秩序 をある程度取り戻し、この過程が老化(retrogradation)として 知られる。この過程は、「B」形態のアミロース結晶が時間と共にゆっくりと生 成することで特徴づけられ、これは貯蔵時にせん断モジュラス(shear m odulus)が増大することと相互に関係付けられる。熟成時に結晶度が進展 することは、また、50−60℃で吸熱変化(endothermic tra nsition)が起こることを伴い、これはアミロペクチンが結晶化すること で 生じる。このようなアミロペクチンの結晶化は可逆的であるが、アミロースの結 晶化は可逆的でない。 老化は、パンの硬化(「干からびて堅くなること」)、そして澱粉を基とする 食品増粘剤、スープ、グレービー、ソースおよび同様な製品の凝結(setti ng)に関連している。それによって、また、澱粉を基とするクリーム、ゼリー およびドレッシングの相分離、離液および/または構造的破壊がもたらされる。 それは数多くの状況下で食品産業の主要な問題になっている。 伝統的な料理法では、ソース、スープなどの増粘で未変性の小麦粉および澱粉 (例えば小麦粉、トウモロコシ粉)が用いられている。調理時、澱粉の成分が水 液中でゼラチン状になって膨潤することで増粘効果をもたらす。このようにして 作られた食品は、それを新鮮な状態で用いると非常に満足される食品質を示す。 しかしながら、澱粉が貯蔵している間に冷えると老化を起こして固体状のマトリ ックス(matrix)を形成することで食品が凝結を起こす。消費前に加熱を 行うことでそれをある程度逆にすることは可能であるが、新しく調製した製品の 食品質が完全に回復することはない。 そのような挙動は大部分の産業的に調製される食品にとって満足されるもので はない(多くの家庭状況では受け入れられても)。そのような場合、一般的には 、周囲温度または冷えた状態で安定な製品を液体のままにしておくことで典型的 な老化特性を示さないようにしておく必要がある。 この問題は、アミロースを全く含有しない小麦粉および澱粉、即ちいわゆる「 ろう状」穀類を用いることで取り扱われてきた。2倍体草(例 えば大麦およびトウモロコシ)では、GBSS活性を示さない(その結果として アミロースを含まない澱粉を産出する)変異体が一般的で、充分に特徴づけられ ており、ろう状小麦変異体を作り出す時にもかなり興味が持たれている(Nakamu ra他,(1995),Mol Gen Genet;248,253)。そのような変異体小麦変種は現在の ろう状トウモロコシ澱粉の用途全部で利用されるであろうと期待されている。し かしながら、そのような材料は望ましくなく長くて繊維質の質感(long,s tringy texture)を有する。従って、通常はそれらに化学的変性 、誘導化または置換(アセチル化など)が行われていて、それによって、要求さ れる官能性がもたらされてはいるが、そのような澱粉は数多くの国で添加剤(「 化学変性した澱粉」)として明言する必要があり、有意数の消費者は未変性の代 替物であると理解する方を好むであろう。そのような化学的に変性された澱粉を 本明細書では変性澱粉と呼ぶ。 ここに、老化特性を制御すべき特定の食品用途で部分ろう状澱粉(一般的には 完全ろう状澱粉であると思われていなかった如き)が特別な利点を示すことを予 想外に見い出した。特に、ろう状澱粉を基とする製品が示す不利な感覚刺激性( organoleptic)および質感特性を示さない非老化性(non−re trograding)食品の製造で部分ろう状小麦澱粉の使用を利用できるこ とを見い出した(例えば、これらは繊維質でなく、粘液質でなくかつ低い度合の 弾性を示し得る)。 用語「非老化性」を本明細書で用いる場合、老化速度が例えば製品を1日以上 貯蔵(例えば冷貯蔵、例えば約1−10℃で貯蔵)しても凝結が起こらない(即 ち注ぎ込み可能であるか或は実質的に液体のままである)ようなレベルにまで実 質的に低下しているゼラチン状の澱粉を含有 する製品を定義することを意図する。本発明の液状または注ぎ込み可能な非老化 性製品は、典型的に、ゼラチン化を5℃で行っても30分間にわたって粘度の上 昇を実質的に全く示さない。 用語「非硬化性」を本明細書で用いる場合、ゼラチン状澱粉を含有していて干 からびて堅くなるのが抑制されているか、遅いか或は実質的に干からびない製品 を定義することを意図する。 発明の要約 本発明に従い、 (a)部分ろう状変異澱粉を含有し(またはから成り)、そして/または (b)30%未満のアミロース含有量、例えば 5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、1 5%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、2 4%、25%、26%、27%、28%または29%; 未満のアミロース含有量を有するゼラチン状の澱粉を含んでいて、例えば注ぎ込 み可能であるか、液状であるか或はスプーンですくうことができる非老化性食品 を提供する。 別の面において、 (a)結晶性薄層と非晶性薄層を有していて非晶性薄層の厚みが野生型澱粉のそ れに比較して厚くなっている変異澱粉粒から誘導され、そして/または (b)40%重量/重量の澱粉溶液をDSCで測定して約6、7、8、9、10 、11、12、13、14、15、16、17、18、19、 20、21、22、23、24または25J/gのゼラチン化エンタルピーを示 し、そして/または (c)40%重量/重量の澱粉溶液をDSCで測定して15、16、17、18 、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30 、31、32、33、34、35、36、37、38、39または40℃のゼラ チン化吸熱幅を示し、そして/または (d)野生型澱粉のゼラチン化エンタルピーに比較して高いゼラチン化エンタル ピーを示す変異澱粉であり、そして/または (e)野生型澱粉のゼラチン化吸熱幅に比較して狭いゼラチン化吸熱幅を示す変 異澱粉であり、そして/または (f)野生型澱粉粒のかさ密度に比較して低いかさ密度を有する変異澱粉粒から 誘導された、 ゼラチン状の澱粉を含んで成る非老化性食品(例えば請求の範囲第1項で定義す る如き)を提供する。 また、澱粉のアミロースが (a)それの20%重量/重量以上(例えば21%、22%、23%、24%、 25%、26%、27%、28%、30%、31%、32%、33%、34%、 35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、 44%、45%、46%、47%、48%、49%または50%重量/重量以上 )が脂質と会合するように脂質と会合しており、そして/または (b)例えば、 (i)アミロースが低下した老化傾向を示し、そして/または (ii)澱粉粒のかさ密度が対応する多型形態に比較して低下しており、そ して/または (iii)澱粉のゼラチン化エンタルピーがこの上で定義した通りであり、 そして/または (iv)澱粉のゼラチン化吸熱幅がこの上で定義した通りである、ように モノ−、ジ−またはオリゴモルフィックであり、そして/または (c)食品中の澱粉でない多糖類(例えばペントサン)と一緒に無益および/ま たは競合会合(futile and/or competing assoc iations)を形成していて、上記食品が非老化性であるように結晶化(例 えば「B」形態になる)傾向が低下しており、そして/または (d)AmyBを有意量では含有しておらず、そして/または (e)AmyA、AmyBまたはAmyDのいずれか1つから成り、そして/また は (f)AmyA、AmyBまたはAmyDのいずれか2つから成り、そして/また は (g)AmyDまたはAmyAとAmyDの組み合わせから成り、そして/または (h) (i) 500−1000(例えば、約750);または (ii) 1500−2500(例えば、約2000);または (iii) 2700−3200(例えば、約3000);または (iv) 4500−5500(例えば、約5000);または (v) 5500−6000(例えば、約5700);または (vi) 6000−6500;または (vii) 6500−7000;または (viii) 7000−7500;または (ix) 7500−8000;または (x) 8000−8500;または (xi) 8500−9000;または (xii) 9000−9500;または (xiii) 9500−10000;または (xiv) 10000−11000;または (xv) 11000−12000;または (xvi) 12000−13000;または (xvii) 13000−14000;または (xviii) 14000−15000;または (xix) 15000−17000のピーク重合度を示すモルフィック形態を 含有するか或はから成り、そして/または (i)分枝鎖の数が平均で (i) 2本未満、または (ii) 3本未満、または (iii) 4本未満、または (iv) 5本未満、または (v) 6本未満、または (vi) 7本未満、または (vii) 8本未満、または (viii) 9本未満、または (ix) 10本未満、 であるように分枝しているモルフィック形態を含有するか或はから成り、そして /または (j)分枝アミロースのモル分率が (i) 5%未満、または (ii) 10%未満、または (iii) 15%未満、または (iv) 20%未満、または (v) 25%未満、または (vi) 30%未満、または (vii) 35%未満、または (viii) 40%未満、または (ix) 45%未満、または (x) 50%未満、または (xi) 55%未満、 であるモルフィック形態を含有するか或はから成り、そして/または (k)(i)結晶化して本質的にモノモルフィック(例えばA形態)の結晶を生 成し、そして/または (ii)5℃でインキュベーションを行っている間にA形態の結晶が優先的に生 成し、そして/または (iii)結晶化中に生成するB形態結晶に対するA形態結晶の比率が老 化が抑制されるか或は起こらないような比率である、 ような重合度および/または分枝度を有するモルフィック形態を含有するか或は から成り、そして/または (l)アミロースのいろいろなモルフィック形態(例えばAmyA、A myBおよび/またはAmyD、またはそれらの種変異体または同族体)の化学量 論が乱れている変異澱粉から誘導され、そして/または (m)脂質と会合しているアミロースの量が野生型澱粉に比較して増大している 変異澱粉から誘導され、そして/または (n)アミロースの異なるモルフィック形態の数が野生型澱粉に比較して減少し ている(例えばモルフィック形態が1つまたは2つの)変異澱粉から誘導され、 そして/または (o)アミロースが澱粉でない多糖類(例えばペントサン)に対して示す親和力 が野生型澱粉に比較して高い変異澱粉から誘導され、そして/または (p)アミロースの重合度が野生型澱粉に比較して低い変異澱粉から誘導され、 そして/または (q)分枝度が野生型澱粉に比較して低い変異澱粉から誘導され、そして/また は (r)分枝度が野生型澱粉に比較して高い変異澱粉から誘導され、そして/また は (s)分枝アミロースのモル分率が野生型澱粉に比較して高い変異澱粉から誘導 され、そして/または (t)分枝アミロースのモル分率が野生型澱粉に比較して低い変異澱粉から誘導 され、そして/または (u)アミロースがA型結晶を形成する度合が野生型澱粉に比較して高い(B型 結晶を形成する度合が野生型澱粉に比較して低い)変異澱粉から誘導され、そし て/または (v)短鎖アミロースを含有し(またはから成り)、そして/または (w)アミロースが非老化性を示すに充分な度合にまで脂質(例えばモノグリセ ライド)と一緒に螺旋包含複合体を形成しているアミロースを含有する(または から成る)、 ゼラチン状の澱粉を含んで成る非老化性食品(例えばこの上で定義した如き)も 提供する。 また、澱粉が、 (a)アミロースシンターゼ活性がある程度低下した植物源、および/または (b)Wx変異植物源、および/または (c)Wx無効対立遺伝子を有する植物源、および/または (d)Wx二重無効対立遺伝子を有する植物源、および/または (e)変性GBSSイソ酵素活性プロファイルを示す植物源、および/または (f)Wx−B1遺伝子(またはそれの種変異体/同族体)の発現が低下してい るか或は起こらずそして/またはWx−D1遺伝子(またはそれの種変異体/同 族体)の発現が他の染色体(類)上のWx遺伝子(類)のそれに比較して増加し ている倍数体(例えば4倍体または6倍体)植物変種である植物源、および/ま たは (g)澱粉粒の形態と構造(morphologies)の範囲が狭くなってい る(例えば澱粉粒がモノ分散またはオリゴ分散(oligodisperse) である)変異植物源、および/または (h)部分ろう状変異植物源、および/または (i)小麦のBゲノム(またはそれの種変異体/同族体)に関連したWx調節蛋 白質に変異を持つ変異植物源、 から得られたものであるゼラチン状の澱粉を含んで成る非老化性食品(この上で 定義した如き)も提供する。 好適には、植物源に含まれる1種以上のGBSSイソ酵素(類)の活性が低下 しているか或はなくなっている。別法として、2種以上のGBSSイソ酵素類の 活性が低下しているか或はなくなっていてもよい。従って、活性を示すか或は発 現するGBSSイソ酵素は1種類のみであり、好適には活性を示すか或は発現す るGBSSイソ酵素は2種類のみである。 また、澱粉に物理的(例えばせん断、超音波またはイオン化放射線)、生化学 的[例えば酵素、例えばアミロース分解(amylolytic)]および/ま たは化学的[例えば加水分解または化学的スパイキング(spiking)、例 えば澱粉でない多糖類(例えばペントサン)、脂質(例えばモノグリセリライド )または蛋白質を用いた化学的スパイキング]処理を (a)非老化性になるに充分なほど、そして/または (b)澱粉でない多糖類(例えばペントサン)と澱粉由来アミロースの間の非生 産的会合(non−productive association)がアミロ ース結晶化(例えば「B」形態への)の度合が低下するか或は起こらないように 助長され、そして/または (c)アミロースの鎖の長さがそれが非老化性を示すようになるに充分なほどそ して/またはアミロースの結晶化(例えば「B」形態になる)の度合が低下する か或は起こらなくなるように澱粉でない多糖類(例えばペントサン)とアミロー スの間の非生産的会合を助長するに充分なほどおよび/またはアミロースがゼラ チン化後に結晶化する能力を低下さ せるか或はなくさせる度合まで短くなるに充分なほど、 受けさせたものであるゼラチン状の澱粉を含んで成る非老化性食品(例えばこの 上で定義した如き)も提供する。 このような澱粉は、 (a)Aゲノム、または (b)Bゲノム、または (c)Dゲノム、または (d)AおよびBゲノム、または (e)AおよびDゲノム、または (f)BおよびDゲノム、 上のGBSSをコード化する遺伝子の発現が低下しているか或は起こらない6倍 体小麦変種から入手可能である。 好適には、Bゲノム上のGBSSをコード化する遺伝子の発現を低下させるか 或は起こらないようにする。 好適な態様では、Dゲノム上のGBSSをコード化する遺伝子の発現が他の染 色体(類)上の遺伝子(類)のそれに比較して増大している6倍体小麦変種から 澱粉を得る。 別の面において、本発明は、アミロースがジ−もしくはオリゴモルフィックで あり、各モルフィック形態が(a)この上に挙げた値から選択されるピーク重合 度を示し、そして/または(b)この上に挙げた値から選択される平均鎖数を有 するように分枝しており、そして/または(c)この上に挙げた値から選択され る分枝アミロースモル分率を示す、ゼラチン状の澱粉を含んで成る非老化性食品 (例えばこの上で定義した如き)を提供する。 また、アミロースがジ−もしくはオリゴモルフィックであり、ピーク重合度およ び/または分枝度および/または分枝分子モル分率が実質的に同一、同様または 同じである、ゼラチン状の澱粉を含んで成る非老化性食品(例えばこの上で定義 した如き)も提供する。 この食品は、好適には、 (a)ベビーフード、または (b)ベーカリー製品[例えばパン、酵母添加品(yeasted goods )またはケーキ]、または (c)ベーカリーが供給する製品(例えばカスタードまたはベーカリー詰物また はトッピング)、または (d)こねもの(batter)、または (e)ブレッディング(breading)、または (f)セリアル(cereal)、または (g)糖菓、または (h)風味または清涼水乳液、または (i)果物詰物、または (j)グレービー、スープ、ソースまたは食品増粘剤、 (k)凍結、冷却または周囲温度で安定なグレービー、スープ、ソースまたは食 品増粘剤、または (l)低温殺菌、乾留またはUHT処理グレービー、スープ、ソースまたは食品 増粘剤、または (m)オートミールまたはオートミール成分、または (n)肉製品、または (o)ペットフード、または (p)薬剤または栄養剤(nutraceutical)、または (q)ジャガイモ製品、または (r)乳製品(例えばデザートまたはヨーグルト)、または (s)サラダドレッシング、または (t)スナックまたはクラッカー、または (u)スプレッド、または (v)パスタ製品(例えばヌードル)、 である。 植物源は穀類(例えば小麦、米、大麦またはトウモロコシ)、豆類(例えばエ ンドウ豆)、塊茎または根(例えばジャガイモ)であってもよい。 別の面において、本発明は、非老化性食品(例えばこの上で定義した如き)を 製造する方法を提供し、この方法に下記の工程を含める: (a)先行する請求の範囲のいずれか1項で定義する如き特性を示す所望の遺伝 子型、表現型、澱粉または澱粉粒型に関して植物系統をスクリーニングして所望 の特性を示す植物系統を選択するか、或は (a’)植物の変異誘発(例えば挿入変異誘発またはアンチセンスDNA技術を 使用)を起こさせることで先行する請求の範囲のいずれか1項で定義する如き特 性を示す澱粉または澱粉粒型をもたらす所望の遺伝子型を生成させ、そして次に 、 (b)工程(a)または工程(a’)で選択した植物系統から品種改良した植物 から抽出した澱粉を含んで成る非老化性食品を調合する。 また、本発明は上記方法(例えば本明細書の上で定義した如き)で入手可能な (またはそれで製造された)食品も意図する。 また、高比ケーキ用小麦粉を製造する方法も意図し、この方法に、ゼ ラチン状でない以外は本明細書で定義する如き澱粉を含んで成る小麦粉を加熱す ることを含める。 また、高比ケーキ用小麦粉を製造する方法も意図し、この方法に、ゼラチン状 でない以外は本明細書の上で定義した通りである小麦粉を塩素ガスで処理するこ とを含める。 また、本発明の方法で入手可能(またはそれで製造された)高比ケーキ用小麦 粉も意図する。 別の面において、本発明は、高比ケーキ用小麦粉ミックスの調製でゼラチン状 でない(他の点ではこの上で定義した通りである)澱粉を含んで成る小麦粉を用 いることを意図する。 別の面において、本発明は、ゼラチン状でない以外はこの上に定義した通りで ある澱粉を含んで成る高比ケーキ用小麦粉ミックスを意図する。 別の面において、本発明は、この上で定義した如きゼラチン状でない澱粉を変 性澱粉代替物として含む組成物(例えば小麦粉)またはこの上で定義した如きゼ ラチン状でない澱粉を含んで成る変性澱粉代替物の使用を意図する。 また、本明細書で定義する如き澱粉を含んで成る非硬化性食品[例えばパン、 小型ロールパン、ハンバーガー(burger bun)、サンドイッチ]も意 図する。 また、本明細書の上で定義した如き澱粉を変性澱粉代替物として用いる工程を 含む食品製造方法も意図する。 また、植物(例えば穀類、例えば小麦または豆類、例えばエンドウ豆)の品種 改良方法も意図し、この方法に、この上で定義した如き特性を示す所望の遺伝子 型、表現型、澱粉または澱粉粒型に関して植物をスクリ ーニングする工程を含める。 別の面において、本発明は、この上に記述した方法で用いるに適したヌクレオ チドまたは抗体(例えばモノクローナル抗体)プローブに関する。 別の面において、本発明は、植物(例えば穀類、例えば小麦または豆類、例え ばエンドウ豆)のWx遺伝子型の決定で用いるに適したヌクレオチドプローブ( 例えばこの上で定義した如き)に関する。 別の面において、本発明は、Wx−A1、Wx−B1またはWx−D1(また はそれの種変異体/同族体)に特異的なヌクレオチドプローブ(例えばこの上で 定義した如き)に関する。 本発明は、また、例えば本発明の方法で用いるWx−A1、Wx−B1または Wx−D1蛋白質(またはそれの種変異体/同族体)に特異的な抗体(例えばモ ノクローナル抗体)も意図する。 また、植物(例えば穀類、例えば小麦または豆類、例えばエンドウ豆)のGB SSプロファイルの決定で用いるに適したヌクレオチドまたは抗体(例えばモノ クローナル抗体)プローブも意図する。 別の面において、本発明は、植物(例えば穀類、例えば小麦または豆類、例え ばエンドウ豆)を品種改良する方法に関し、この方法に、この上で定義した如き 抗体またはヌクレオチドプローブを用いた探求を行うことで植物をスクリーニン グする工程を含める。 本発明は、また、この上で定義した如き澱粉を含んで成っていて凍結解凍に安 定な食品も意図する。 別の面において、食品の増粘方法に関し、この方法に、 (a)他の点ではこの上で定義した如き非ゼラチン状の澱粉を含んで成 る組成物(例えば小麦粉)を添加し、 (b)この澱粉をゼラチン状にして上記食品の粘度を高める、 工程を含める。 また、この上で述べた方法で入手可能な(で製造された)増粘を受けた食品も 包含する。 本発明は、また、食品(例えば焼いた食品、例えばパン、例えばハンバーガー またはサンドイッチ)の硬化を遅らせる方法も意図し、この方法に、本明細書に 定義する如き澱粉を用いて食品を調合する工程を含める。 本発明は、また、食品の老化を遅らせる方法も意図し、この方法に、本明細書 の上で定義した如き澱粉を用いて食品を調合する工程を含める。 また、他の点では本明細書の上で定義した如き非ゼラチン状の澱粉を含んで成 る脱水フードベース(food base)も意図する。 別の面において、本発明は、他の点では本明細書の上で定義した如き非ゼラチ ン状の澱粉を含んで成るインスタンタイザブル(instantisable) フードベース[例えばルー、例えばルーブランク(roux blanc)]に 関する。 発明の説明 本発明に従い、(a)部分ろう状変異澱粉を含有し(またはから成り)、そして /または(b)30%未満のアミロース含有量、例えば5%、6%、7%、8% 、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、 18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、 27%、28%または29%未満のアミロース含有量を有するゼラチン状の澱粉 を含んで成る注ぎ込み可能な 非老化性食品を提供する。 このアミロース含有量は、好適には、澱粉がゼラチン状になってアミロペクチン 連続(アミロース連続ではなく)系を形成するに充分なほど低い。 本発明の澱粉を、好適には、小麦粉の一部、小麦粉の画分または小麦粉の抽出物 として提供する。 別の面において、本発明は、結晶性薄層と非晶性薄層を有していて非晶性薄層 の厚みが野生型澱粉のそれに比較して厚くなっている変異澱粉粒から得られるゼ ラチン状の澱粉を含んで成る注ぎ込み可能な非老化性食品を提供する。 別の面において、本発明は、40%重量/重量の澱粉溶液をDSCで測定して 約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、 19、20、21、22、23、24または25J/gのゼラチン化エンタルピ ーを示すゼラチン状の澱粉を含んで成る注ぎ込み可能な非老化性食品を提供する 。 別の面において、本発明は、40%重量/重量の澱粉溶液をDSCで測定して 5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18 、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30 、31、32、33、34、35、36、37、38、39または40℃のゼラ チン化吸熱幅を示すゼラチン状の澱粉を含んで成る注ぎ込み可能な非老化性食品 を提供する。 別の面において、本発明は、野生型澱粉のゼラチン化エンタルピーに比較して 高いゼラチン化エンタルピーを示す変異澱粉であるゼラチン状の澱粉を含んで成 る注ぎ込み可能な非老化性食品を提供する。 ゼラチン化エンタルピーの上昇は澱粉粒中のアミロース量の低下に関連してい る。 別の面において、本発明は、野生型澱粉のゼラチン化吸熱幅に比較して狭いゼ ラチン化吸熱幅を示す変異澱粉であるゼラチン状の澱粉を含んで成る注ぎ込み可 能な非老化性食品を提供する。 ゼラチン化吸熱幅が狭いことは澱粉粒中のアミロースのレベルが低いことに関 連している。 別の面において、本発明は、野生型澱粉粒のかさ密度に比較して低いかさ密度 を有する変異澱粉粒から得られるゼラチン状の澱粉を含んで成る注ぎ込み可能な 非老化性食品を提供する。 如何なる理論でも範囲を限定することを望むものではないが、澱粉粒中のアミ ロースとアミロペクチンの詰め込み効率が良い(その結果としてかさ密度が比較 的高い)ことは、少なくともある程度ではあるが、多分散アミロースモルフィッ ク形態の詰め込みに関する利用性に依存すると考えている。しかしながら、ゼラ チン状でない澱粉粒における詰め込み効率が良い(それによって粒のかさ密度が 比較的高い)ことはゼラチン化後のアミロース結晶化(それによって老化がもた らされる)の効率が高いことと相互に関係していることをここに認識した。 従って、澱粉粒のアミロース/アミロペクチン詰め込みが比較的「緩い」(そ れによって澱粉結晶のレベルでかさ密度が低い)変異澱粉はゼラチン化後に向上 した老化特性を示す。そのような澱粉粒はまた向上した膨潤特性を示し、これは 例えば特定の高比ケーキ用小麦粉および他の用途(例えばヌードル製造)などで 有用である。 別の面において、本発明は、澱粉のアミロースがそれの20%重量/ 重量以上(例えば21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、 28%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、 38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、 47%、48%、49%または50%重量/重量以上)が脂質と会合するように 脂質と会合しているゼラチン状の澱粉を含んで成る注ぎ込み可能な非老化性食品 を提供する。 アミロースが脂質と会合すると、このようなアミロースはゼラチン化後に効率 良く結晶化せず、その結果として、そのようなアミロースを含有する澱粉は向上 した老化特性を示す。 別の面において、本発明は、澱粉のアミロースが(i)アミロースが低下した 老化傾向を示しそして/または(ii)澱粉粒のかさ密度が相当する多型形態に 比較して低下しておりそして/または(iii)澱粉のゼラチン化エンタルピー がこの上で定義した通りでありそして/または(iv)澱粉のゼラチン化吸熱幅 がこの上で定義した通りであるようにモノ−、ジ−またはオリゴモルフィックで あるゼラチン状の澱粉を含んで成る注ぎ込み可能な非老化性食品を提供する。 用語「モノモルフィック」をアミロースに適用する場合、これは、例えば分子 量、分枝特性、澱粉でない多糖類(例えばペントサン)に関する会合親和力(a ssociative affinities)および結晶化特性から選択され る物理化学属性を実質的に共有する種類のアミロース分子を表すことを意図する 。 別法としてか或は加うるに、用語「モノモルフィック」は、また、通常のGB SSイソ酵素[例えば小麦中のA、BまたはD染色体上のWx遺伝子に相当する Wx遺伝子、例えば他の植物源に存在する他の染色体 上に位置し得る種変異体または同族体がコード化するイソ酵素]が合成する種類 のアミロース分子も表し得る。本明細書ではそのようなアミロースモルフィック 形態をそれぞれAmyA、AmyBおよびAmyDで表す。 本明細書で用いる如き用語「同族体」を遺伝子または蛋白質に適用する場合、 進化論的に関係した遺伝子または蛋白質を定義することを意図する。進化論的関 係は配列(蛋白質または核酸いずれかの配列)を比較することで決定可能である 。一般的には、関連した遺伝子および蛋白質は高い度合の配列類似性(例えば5 0%、60%、70%、80%、90%または95%を越える配列類似性)を示 すであろう。ある場合には、同族遺伝子は明確にクロスハイブリッド形成し、選 択的(または厳格な)ハイブリッド形成条件下のハイブリッド形成アッセイで同 定可能である。同族蛋白質は免疫学的に交差反応性を示し得る。 用語「種変異体」は、1つの有機体に存在する所定遺伝子または蛋白質に対する 対照物(別の有機体に存在する)を定義することを意図する。そのような種変異 体は配列および/または機能的類似性で同定可能である。それらは例えば核酸ハ イブリッド形成アッセイ(このアッセイで種変異体は明確にクロスハイブリッド 形成し得る)そして/または免疫学的アッセイ(このアッセイで所定蛋白質の種 変異体はこの種変異体の1つに対して生じる抗体と交差反応し得る)などで同定 可能である。種変異体は、好適には、50%、60%、70%、80%、90% または95%を越える配列類似性を示す。 用語「ジモルフィック」および「オリゴモルフィック」は、それぞれ、アミロ ースモルフィック形態を2種類または限定された(老化を起こす 澱粉に存在するそれに比較して)範囲で含有するアミロース集団を表すと、必要 な変更を加えて解釈されることを意図する。 別の面において、本発明は、澱粉のアミロースが澱粉でない多糖類(例えばペ ントサン)と一緒に無益および/または競合会合を形成していて食品が非老化性 であるように結晶化(例えば「B」形態になる)傾向が低下しているゼラチン状 の澱粉を含んで成る注ぎ込み可能な非老化性食品を提供する。澱粉でない多糖類 は食品に由来し得るか或は澱粉源と会合している可能性がある(例えば小麦粉に 存在している可能性がある)。 このような無益および/または競合相互作用は、食品またはゼラチン状澱粉を 前以て処理する必要なく起こり得る。しかしながら、ある場合には、そのような 相互作用を助長する目的で物理的、化学的および/または生化学的前処理を行う 必要がある。例えば、ゼラチン状の澱粉にせん断力または他の処理(以下を参照 )を受けさせる必要があり得る。 別の面において、本発明は、澱粉のアミロースがモノモルフィック、ジモルフ ィックまたはオリゴモルフィック(本明細書で定義する如き)であるゼラチン状 の澱粉を含んで成る注ぎ込み可能な非老化性食品を提供する。 別の面において、本発明は、AmyA、AmyBまたはAmyD(本明細書で定 義する如き)のいずれか1つから成るゼラチン状の澱粉を含んで成る注ぎ込み可 能な非老化性食品を提供する。 別の面において、本発明は、澱粉のアミロースがAmyA、AmyBまたはAm yD(本明細書で定義した如き)のいずれか2つから成るゼラチン状の澱粉を含 んで成る注ぎ込み可能な非老化性食品を提供する。 別の面において、本発明は、澱粉がAmyDまたはAmyAとAmyD(本明細 書で定義する如き)の組み合わせから成るゼラチン状の澱粉を含んで成る注ぎ込 み可能な非老化性食品を提供する。 別の面において、本発明は、澱粉のアミロースが(i)500−1000(例 えば、約750);または(ii)1500−2500(例えば、約2000); または(iii)2700−3200(例えば、約3000);または(iv)45 00−5500(例えば、約5000);または(v)5500−6000(例 えば、約5700);または(vi)6000−6500;または(vii)650 0−7000;または(viii)7000−7500;または(ix)7500−8 000;または(x)8000−8500;または(xi)8500−9000; または(xii)9000−9500;または(xiii)9500−10000;ま たは(xiv)10000−11000;または(xv)11000−12000; または(xvi)12000−13000;または(xvii)13000−1400 0;または(xviii)14000−15000;または(xix)15000−17 000のピーク重合度を示すゼラチン状の澱粉を含んで成る注ぎ込み可能な非老 化性食品を提供する。 ピーク重合度は、所定のモルフィック形態集団に最大頻度で存在する重合度で ある。 別の面において、本発明は、澱粉のアミロースが分枝鎖の数が平均で(i)2 本未満、または(ii)3本未満、または(iii)4本未満、または(iv) 5本未満、または(v)6本未満、または(vi)7本未満、または(vii) 8本未満、または(viii)9本未満、または(ix)10本未満であるよう に分枝しているゼラチン状の澱粉を含 んで成る注ぎ込み可能な非老化性食品を提供する。 別の面において、本発明は、澱粉のアミロースに含まれる分枝アミロースのモ ル分率が(i)5%未満、または(ii)10%未満、または(iii)15%未満 、または(iv)20%未満、または(v)25%未満、または(vi)30%未満 、または(vii)35%未満、または(viii)40%未満、または(ix)45% 未満、または(x)50%未満、または(xi)55%未満であるゼラチン状の澱 粉を含んで成る注ぎ込み可能な非老化性食品を提供する。 別の面において、本発明は、澱粉のアミロースが(i)結晶化して本質的にモ ノモルフィック(例えばA形態)の結晶を生成し、そして/または(ii)5℃ でインキュベーションを行っている間にA形態の結晶が優先的に生成し、そして /または(iii)結晶化中に生成するB形態結晶に対するA形態結晶の比率が 老化が抑制されるか或は起こらないような重合度および/または分枝度を示すゼ ラチン状の澱粉を含んで成る注ぎ込み可能な非老化性食品を提供する。 別の面において、本発明は、澱粉のアミロースがアミロースのいろいろなモル フィック形態(例えばAmyA、AmyBおよび/またはAmyD)の化学量論が 乱れている変異澱粉から得られたものであるゼラチン状の澱粉を含んで成る注ぎ 込み可能な非老化性食品を提供する。 別の面において、本発明は、澱粉のアミロースが、脂質と会合しているアミロ ースの量が野生型澱粉に比較して増大している変異澱粉から得られたものである 、ゼラチン状の澱粉を含んで成る注ぎ込み可能な非老化性食品を提供する。 別の面において、本発明は、澱粉のアミロースがアミロースの異なる モルフィック形態の数が野生型澱粉に比較して減少している(例えばモルフィッ ク形態が1つまたは2つの)変異澱粉から得られたものであるゼラチン状の澱粉 を含んで成る注ぎ込み可能な非老化性食品を提供する。 別の面において、本発明は、澱粉のアミロースがアミロースが澱粉でない多糖 類(例えばペントサン)に対して示す親和力が野生型澱粉に比較して高い変異澱 粉から得られたものであるゼラチン状の澱粉を含んで成る注ぎ込み可能な非老化 性食品を提供する。用語「ペントサン」は、アラビノキシラン類およびヘテロキ シラン類を包含する技術用語である。 別の面において、本発明は、澱粉のアミロースがアミロースの重合度が野生型 澱粉に比較して低下している変異澱粉から得られたものであるゼラチン状の澱粉 を含んで成る注ぎ込み可能な非老化性食品を提供する。 別の面において、本発明は、澱粉が分枝度が野生型澱粉に比較して低い変異澱 粉から得られたものであるゼラチン状の澱粉を含んで成る注ぎ込み可能な非老化 性食品を提供する。 別の面において、本発明は、澱粉のアミロースが分枝度が野生型澱粉に比較し て高い変異澱粉から得られたものであるゼラチン状の澱粉を含んで成る注ぎ込み 可能な非老化性食品を提供する。 別の面において、本発明は、澱粉が分枝アミロースのモル分率が野生型澱粉に 比較して高い変異澱粉から得られたものであるゼラチン状の澱粉を含んで成る注 ぎ込み可能な非老化性食品を提供する。 別の面において、本発明は、澱粉のアミロースが分枝アミロースのモル分率が 野生型澱粉に比較して低い変異澱粉から得られたものであるゼラチン状の澱粉を 含んで成る注ぎ込み可能な非老化性食品を提供する。 別の面において、本発明は、澱粉のアミロースがアミロースがA型結 晶を形成する度合が野生型澱粉に比較して高い(B型結晶を形成する度合が野生 型澱粉に比較して低い)変異澱粉から得られたものであるゼラチン状の澱粉を含 んで成る注ぎ込み可能な非老化性食品を提供する。 別の面において、本発明は、澱粉がアミロースシンターゼ活性がある程度低下 した植物源から得られたものであるゼラチン状の澱粉を含んで成る注ぎ込み可能 な非老化性食品を提供する。 アミロースシンターゼ活性はGBSSに由来する活性であり得る。これは正味 のアミロースシンターゼ活性であり得るか或は1種以上のイソ酵素が示す活性で あり得る。ある場合には、正味のアミロースシンターゼ活性は変化しないかもし れないが、それでも植物源は、1つのイソ酵素が抑制されるか或は不活性になる ことで異なるイソ酵素の活性が補足的に高くなることが誘発される場合にはある 程度抑制されたアミロースシンターゼ活性を示す可能性がある。 別の面において、本発明は、澱粉がWx変異植物源から得られたものであるゼ ラチン状の澱粉を含んで成る注ぎ込み可能な非老化性食品を提供する。 別の面において、本発明は、澱粉がWx無効対立遺伝子を有する植物源から得 られたものであるゼラチン状の澱粉を含んで成る注ぎ込み可能な非老化性食品を 提供する。 用語「無効対立遺伝子」をWx座または遺伝子に適用する場合、Wx遺伝子の 発現(例えば転写、翻訳または転写後のレベルにおいて)が直接または間接的に 遮断されるか或は減衰する変異を定義することを意図する。従って、そのような 無効対立遺伝子は、Wx遺伝子のいずれか(例えばそれのコード化または調節領 域)内に存在し得るか或はWx遺 伝子の発現を直接または間接的に制御する調節遺伝子内に存在し得る。好適な態 様における無効対立遺伝子は、Wx構造遺伝子に変異(類)[例えば欠失変異( 類)および/またはフレームシフト変異(類)]が起こることでもたらされた機 能的でない遺伝子産物(類)であると定義する。 別の面において、本発明は、澱粉がWx二重無効対立遺伝子を有する植物源か ら得られたものであるゼラチン状の澱粉を含んで成る注ぎ込み可能な非老化性食 品を提供する。 別の面において、本発明は、澱粉が変性BGSSイソ酵素活性プロファイルを 示す植物源から得られたものであるゼラチン状の澱粉を含んで成る注ぎ込み可能 な非老化性食品を提供する。このイソ酵素プロファイルは複数の異なるGBSS 酵素の各々が示す相対活性である(例えば所定の植物源に存在するWxA−1、 WxB−1およびWxD−1蛋白質またはそれの種変異体/同族体などが示す相 対活性)。 別の面において、本発明は、澱粉がWx−B1遺伝子の発現が低下しているか 或は起こらずそして/またはWx−D1遺伝子の発現が他の染色体(類)上のW x遺伝子(類)のそれに比較して増加している倍数体(例えば4倍体または6倍 体)植物変種である植物源から得られたものであるゼラチン状の澱粉を含んで成 る注ぎ込み可能な非老化性食品を提供する。 別の面において、本発明は、澱粉が澱粉粒の形態と構造の範囲が低下している (例えば澱粉粒がモノ分散またはオリゴ分散である)変異植物源から得られたも のであるゼラチン状の澱粉を含んで成る注ぎ込み可能な非老化性食品を提供する 。 別の面において、本発明は、澱粉が部分ろう状変異植物源から得られたもので あるゼラチン状の澱粉を含んで成る注ぎ込み可能な非老化性食品を提供する。 好適には、植物源に存在する1種以上のGBSSイソ酵素(類)の活性を低下 させるか或はなくさせる。2種以上のGBSSイソ酵素の活性を低下させるか或 はなくさせてもよく、そして/または活性を示すか或は発現するGBSSイソ酵 素を1種類のみにする。 特に好適な態様では、活性を示すか或は発現するGBSSイソ酵素を1種類の みにする。 別の面において、本発明は、澱粉に物理的(例えばせん断)、生化学的(例え ば酵素)および/または化学的(例えば加水分解)処理を非老化性になるに充分 なほどか、澱粉でない多糖類(例えばペントサン)とアミロースの間の非生産的 会合がアミロース結晶化(例えば「B」形態への)の度合が低下するか或は起こ らないように助長されるか、或はアミロースの鎖の長さがそれが非老化性を示す に充分なほどそして/またはアミロースの結晶化(例えば「B」形態になる)の 度合が低下するか或は起こらないように澱粉でない多糖類(例えばペントサン) とアミロースの間の非生産的会合を助長するに充分なほどそして/またはアミロ ースがゼラチン化後に結晶化する能力が低下するか或はなくなる度合まで短くな るに充分なほど受けさせたものであるゼラチン状の澱粉を含んで成る注ぎ込み可 能な非老化性食品を提供する。 本発明の澱粉は、AゲノムまたはBゲノムまたはDゲノムまたはAおよびBゲ ノムまたはAおよびDゲノムまたはBおよびDゲノム上のGBSSをコード化す る遺伝子の発現が低下しているか或は起こらない6倍 体小麦変種から入手可能である。 好適には、Bゲノム上のGBSSをコード化する遺伝子の発現を低下させるか 或は発現が起こらないようにする。 この澱粉を、好適には、Dゲノム上のGBSSをコード化する遺伝子の発現が 他の染色体(類)上の遺伝子(類)のそれに比較して増大している6倍体小麦変 種から得る。 別の面において、本発明は、アミロースがオリゴモルフィックであり、各モル フィック形態が(a)この上に挙げた値から選択されるピーク重合度を示し、そ して/または(b)この上に挙げた値から選択される平均鎖数を有するように分 枝しており、そして/または(c)この上に挙げた値から選択される分枝アミロ ースモル分率を示す、ゼラチン状の澱粉を含んで成る注ぎ込み可能な非老化性食 品を提供する。 別の面において、本発明は、アミロースがジ−もしくはオリゴモルフィックで あり、ピーク重合度および/または分枝度および/または分枝分子モル分率が実 質的に同一、同様または同じであるゼラチン状の澱粉を含んで成る注ぎ込み可能 な非老化性食品を提供する。 この食品は、好適には、ソース、スープ、食品増粘剤または詰物である。 植物源は好適には穀類(例えば小麦、米、大麦またはトウモロコシ)、豆類、 塊茎または根(例えばジャガイモ)である。 別の面において、本発明は、注ぎ込み可能な非老化性食品を製造する方法を提 供し、この方法に下記の工程を含める:(a)先行する請求の範囲のいずれか1 項で定義する如き特性を示す所望の遺伝子型、表現型、澱粉または澱粉粒型に関 して植物系統をスクリーニングし、(b)工程 (a)で同定した所望特性を示す植物系統を選択し、(c)工程(b)で選択し た植物系統から品種改良した植物から抽出した澱粉を含んで成る注ぎ込み可能な 非老化性食品を調合する。 別の面において、本発明は、高比ケーキ用小麦粉を製造する方法を提供し、こ の方法に、ゼラチン状でない以外はこの上で定義した如き澱粉を含んで成る小麦 粉を加熱することを含める。 別の面において、本発明は、高比ケーキ用小麦粉を製造する方法を提供し、こ の方法に、ゼラチン状でない以外はこの上で定義した如き澱粉を含んで成る小麦 粉を塩素ガスで処理することを含める。 別の面において、本発明は、小麦粉の使用を意図し、ここでは、高比ケーキ用 小麦粉ミックスの調製で用いる小麦粉にゼラチン状でない以外はこの上で定義し た通りの澱粉を含める。 また、本発明は、ゼラチン状でない以外はこの上で定義した通りである澱粉を 含んで成る高比ケーキ用小麦粉ミックスも提供する。 別の面において、本発明は、この上で定義した如きゼラチン状の澱粉を変性澱 粉代替物として含む組成物(例えば小麦粉)の使用を意図する。 別の面において、本発明は、この上で定義した如き澱粉を含んで成る非硬化性 食品[例えばパン、小型ロールパン、ハンバーガー、サンドイッチ]を提供する 。 別の面において、本発明は、食品の製造方法を提供し、この方法に、この上で 定義した如き澱粉を変性澱粉代替物として用いる工程を含める。 別の面において、本発明は、植物(例えば穀類、例えば小麦または豆類、例え ばエンドウ豆)の品種改良方法を提供し、この方法に、この上で定義した如き特 性を示す所望の遺伝子型、表現型、澱粉または澱粉粒 型に関して植物をスクリーニングする工程を含める。 別の面において、本発明は、本発明の品種改良方法で用いるに適したヌクレオ チドまたは抗体(例えばモノクローナル抗体)プローブを提供する。 別の面において、本発明は、植物(例えば穀類、例えば小麦または豆類、例え ばエンドウ豆)のWx遺伝子型の決定で用いるに適したヌクレオチドプローブ( 例えばこの上で定義した如き)を提供する。 別の面において、本発明は、Wx−A1、Wx−B1またはWx−D1に特異 的なヌクレオチドプローブ(例えばこの上で定義した如き)をする。 別の面において、本発明は、例えば本発明の品種改良方法で用いるWx−A1 、Wx−B1またはWx−D1蛋白質に特異的な抗体(例えばモノクローナル抗 体)を提供する。 別の面において、本発明は、植物(例えば穀類、例えば小麦または豆類、例え ばエンドウ豆)のGBSSプロファイルの決定で用いるに適したヌクレオチドま たは抗体(例えばモノクローナル抗体)プローブを提供する。 別の面において、本発明は、植物(例えば穀類、例えば小麦または豆類、例え ばエンドウ豆)を品種改良する方法を提供し、この方法に、本発明の抗体または ヌクレオチドプローブを用いた探求を行うことで植物をスクリーニングする工程 を含める。 別の面において、本発明は、この上で定義した如き澱粉を含んで成っていて凍 結解凍に安定な食品を提供する。 実施例 いくつかの実施例を言及することで本発明をここにより詳細に記述する。本実 施例は単に説明の目的であり、決して制限を意図するものでない。 実施例1 下記の処方で白ワインとマッシュルームのソースを製造した: Ike*小麦粉 8.00 水 47.26 白ワイン 10.40 細断して軽くいためた玉ねぎ 10.00 スライスしたマッシュルーム 8.00 バター 5.54 ダブルクリーム 3.96 砂糖 1.50 脂肪粉末 1.50 植物油 1.50 白ワインビネガー 1.00 塩 0.90 にんにく粒 0.20 乳酸 0.15 マッシュルーム風味 0.03 乾燥パセリ 0.03 白こしょう 0.02 バターアシッド 0.01 *IKEは、Kansas State Universityが生 産していて自由に利用できるハードレッドウインター小麦変種(hard re d winter wheat variety)であり、これは機能的Wx− D1遺伝子を除いて無効のWx−A1およびWx−B1対立遺伝子を有する。こ れは、例えばSeeds and Crops Digest,the Research News section,1997年1月 などに記述されている。 乾燥材料を全部冷水に分散させ、ワイン、油、ビネガーおよびバターを加えた 後、この混合物を撹拌しながら沸騰にまで持って行くことで澱粉をゼラチン状に した。次に、このソースをSilverson(商標)ミキサーで1分間強力混 合し、クリームと乳酸を加え、Silverson(商標)混合を4分間行うこ とで、脂質球の微細な分散液を達成する。次に、玉ねぎ、マッシュルームおよび パセリを加えた後、このソースをガラスジャーに充填した。これに蓋をして、そ れを90℃の水浴に1時間保持することで低温殺菌した後、冷却して周囲温度で 貯蔵した。 1カ月貯蔵した後のソースは滑らかで注ぎ込み可能であった。鳥肉片を175 ℃のオーブンで1時間調理する時の媒体として上記製品を用いた時、この製品は 滑らかで適度な粘度を有していた。比較実施例1 Ike小麦粉の代わりに変性澱粉[Colfl 67(商標)]を2.00% 用いそしてそれに相当して水の量を調整する以外は実施例1に記述した処方に従 って白ワインとマッシュルームのソースを製造した。貯蔵後のソースは滑らかで 注ぎ込み可能であった。 比較実施例2 Ike小麦粉の代わりに標準小麦粉を6.00%用いる以外は実施例1に記述 した処方に従って白ワインとマッシュルームのソースを製造し た。このソースは貯蔵後に固体状のゲルを形成し、ジャーから取り出すのは困難 であった。 実施例2 下記の処方でマッシュルームソースを製造した: Ike小麦粉 6.00 水 82.45 スライスしたマッシュルーム 10.00 ダブルクリーム 2.50 マッシュルーム濃縮液 2.25 クリーム粉末 1.00 ナトリウムカゼイネート 1.00 風味剤 0.05 粉砕した白こしょう 0.02 最初に乾燥材料を冷水と一緒に混合した後、それにマッシュルーム濃縮液を混 合した。この混合物を撹拌しながら85℃に加熱することで澱粉をゼラチン状に した。次に、クリームとマッシュルームを加えた。次に、この製品を缶に充填し 、120℃で1時間レトルトする(retorting)ことで殺菌し、水中で 冷却した後、周囲温度で貯蔵した。 1週間貯蔵した後、缶を開けてソースを検査した。これの注ぎ込みは容易で滑ら かであり、そして再加熱して味見した時、新しく調製したスープに典型的な良好 で明瞭な風味を有していた。 比較実施例3 Ike小麦粉の代わりに標準小麦粉を6.00%用いる以外は実施例2に記述 した処方に従ってスープを調製した。このスープは貯蔵後に固 体状のゲルを形成し、缶から取り出すのは困難であった。 比較実施例4 Ike小麦粉の代わりに変性澱粉を2.00%用いそしてそれに対応して水の 量を調整する以外は実施例2に記述した処方に従ってスープを調製した。貯蔵後 のスープの注ぎ込みは容易で滑らかであった。しかしながら、これを加熱して味 見すると、これは望ましくないオフフレーバー(off−flavour)を示 した。 実施例3 下記の処方に従ってパスタ用のトマトソースを製造した: Ike小麦粉 3.25 水 37.51 缶詰のトマト 25.00 トマトピューレ 15.00 細断した玉ねぎ 6.00 ピューレにした玉ねぎ 4.00 白ワイン 3.00 砂糖 3.00 塩 1.20 植物油 1.00 にんにく粒 0.50 オリーブ油 0.25 パセリ 0.06 タイム 0.06 オレガノ 0.04 黒こしょう 0.02 乾燥材料を全部冷水中で混合した後、それにワイン、油およびトマトピューレ を混合した。このソースを85℃に加熱することで澱粉をゼラチン状にした後、 トマト、ハーブおよび玉ねぎを加えた。温度を85℃に戻した後、このソースを ガラスジャーに充填して、90℃の水浴中で1時間低温殺菌した。このサンプル を冷却して周囲温度で貯蔵した。 1カ月後に評価した時点で、上記ソースはどろどろしていて注ぎ込み可能な粘 ちょう度を示し、自然な赤色を有していて、離液の兆候を全く示さなかった。加 熱して味見した時、これはきれいで澱粉臭くない(non−starchy)風 味を有していた。 比較実施例6 Ike小麦粉の代わりに変性澱粉を2.00%用いそしてそれに対応して水の 量を調整する以外は実施例3に記述した処方に従ってソースを調製した。貯蔵後 のソースの注ぎ込みは容易で滑らかであった。しかしながら、これは深い赤色を 有していて澱粉臭く、風味は実施例3で調製したソースよりもきれいでなかった 。 比較実施例7 Ike小麦粉の代わりに標準小麦粉を3.25%用いる以外は実施例3に記述 した処方に従ってソースを調製した。このソースは、貯蔵後、注ぎ込み可能では あったが、離液の明らかな兆候を示した。これはまたより澱粉臭く、風味は実施 例3で調製したソースよりもきれいでなかった。 実施例4 ケーキ用小麦粉として用いる目的でIke小麦粉を製粉した。澱粉の 膨潤能力を高める目的で小麦粉の一部を乾燥加熱処理した。次に、下記の処方に 従って高比ケーキを製造した: 未処理のIke小麦粉 100 砂糖 120 高比ショートニング[Dexo(商標)] 75 全卵 80 牛乳 60 脂肪と砂糖をHobart(商標)ミキサーで一緒にクリーム状にし、撹拌し ながら卵を加えた後、それに小麦粉と牛乳を穏やかに混合した。 このこねものを計量して、8インチの丸型ケーキ用容器に400g入れた。この ケーキを180℃で25分間焼いた。焼いた後のケーキはそれの形状を保持して いて、壊れなかった。 実施例5 Ike小麦粉の全部を加熱処理する以外は実施例4に記述した手順に従ってケ ーキを焼いた。実施例4で調製したケーキに比較して体積と内部構造が向上した 。 比較実施例8 Ike小麦粉の代わりにケーキ用の標準小麦粉を用いる以外はこの上の実施例 4および5に記述した手順に従ってケーキを製造した。このケーキは壊れ、容認 されるものでなかった。 比較実施例9 Ike小麦粉の代わりに塩化(chlorinated)高比ケーキ用小麦粉 を用いる以外はこの上の実施例4および5に記述した手順に従ってケーキを製造 した。このケーキは全ての点で実施例5で製造したケー キに匹敵していた。 実施例6 質量が5kgの小麦粉水分散液をHobal蒸気ジャケット付き容器内で調製 した。小麦粉の添加率を混合物中の澱粉固体含有量が5%になるように選択した 。かき面式パドルを用いてその生成物を加熱過程中穏やかに撹拌した。このサン プルの温度を95℃にまで高めて5分間保持することで澱粉をゼラチン状にした 。次に、質量が1.5kgのサンプルをCompudomixerに取り付けら れている「Tweedy」型混合用ボウルに移した。この「Tweedy」ボウ ル(通常はドウの混合で用いられる)には円柱形のチャンバが含まれている。上 記Compudomixerに取り付けられている下方のギアボックスで駆動す るスパイラルローター(spiral rotor)で混合を達成する。このサ ンプルはせん断を受けて混合用容器の壁に取り付けられている3個のバッフルプ レート固定具に突き当たる。上記Compudomixerを用いてサンプルへ のエネルギー入力量および速度を調整した。 この熱い生成物を0−60kJ/kgの範囲を包含する仕事入力(work input)レベルになるまで2kJ/kg/分の固定仕事入力率で混合した。 上記混合用ボウルの温度を循環水浴で混合試験全体にわたって80℃に維持した 。質量が60gのサブサンプルをある間隔で取り出して、それに流動学的試験と 老化試験(プラスチック製ポットに貯蔵)を5℃の温度で23時間行った。サブ サンプリングを行った後、混合を行っている間のサンプルへの仕事入力率が一定 に維持されるように仕事入力率の設定および仕事レベルを再プログラムした。 この生成物を5℃の温度で23時間冷蔵貯蔵した後に取り出した。ア ミロースの老化/ゲル化速度が最大限になるように温度を選択した。アミロペク チンの老化はそれが起こる速度が長時間にわたって遅いとして特徴づけられる。 主観的な可視評価そしてRheometrics Fluids Spectr ometer(RFS)を用いた客観的流動学的試験を行う前1時間にわたって 上記ポットを周囲温度(20℃)と平衡状態にした。 標準小麦粉とIKE小麦粉の間の主観的比較の結果を下記の表に要約する。 表1:5℃で23時間貯蔵した後の「老化」小麦粉ペーストの特性 仕事入力 標準小麦粉 IKE小麦粉(kJ/kg) 0 堅く凝結したゲル、 濃厚なペースト、 切断時に壊れて固まりになる 最小限のせん断で分散 10 凝結したゲル 滑らかで注ぎ込み可能な シロップ 20 より弱いゲル 低粘度で注ぎ込み可能な シロップ 30 非常に弱くて切断時に 低粘度で注ぎ込み可能な 壊れてペースト状になる シロップ 40 スプーンでジャーから 低粘度で注ぎ込み可能な すくい出す時に壊れた シロップ 50 注ぎ込み可能なシロップ 非常に低粘度のシロップ 60 滑らかで注ぎ込み可能な 非常に低粘度のシロップ シロップ 標準的な小麦粉を用いた生成物は、せん断後にはゲル化していなかったが、一 晩冷蔵貯蔵すると凝結した堅いゲルを生成した。このゲルの強さは仕事入力を増 大させると低下することを確認した。しかしながら、 このような生成物の場合、ジャーを穏やかなに振とうすることで注ぎ出すことが できる生成物を得るには、最良でも多少40kJ/kgの桁の仕事入力が必要で あった。それとは対照的に、部分ろう状IKEを基とする生成物は、せん断を受 けなくても、凝結した堅いゲル(これはゲル化する標準小麦粉に特徴的である) を生成しなかった。この生成物は凝結したように見えたが、非常に粘性のあるペ ーストの粘ちょう度を示すとして記述可能であろう。これは切断時に対応する標 準小麦粉の場合のようには壊れないで、「きれいな切断」縁を与えた。最低の仕 事入力設定である10kJ/分で注ぎ込み可能な生成物が得られ、仕事入力をず っと低くしてもまた注ぎ込み可能なソース製品が得られるであろう。 RFSを用いて、5℃の温度で貯蔵した後の生成物が示す流動特性を測定した 。混合を行っている間のエネルギー入力が貯蔵製品の粘度に対して与える影響を 図3に示す。「せん断を受けていない」生成物は可視的には極めて異なるように 見えるが、類似した粘度値を与えた。部分ろう状産物が混合中のエネルギー入力 に対して示す感受性の方が「標準」小麦粉のそれよりも高いことは上記データか ら明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CN,CU,CZ,EE,GE,GW,HU,ID,I L,IS,JP,KG,KP,KR,KZ,LC,LK ,LR,LT,LV,MD,MG,MK,MN,MX, NO,NZ,PL,RO,RU,SG,SI,SK,S L,TJ,TM,TR,TT,UA,UZ,VN,YU (72)発明者 フイチエツト,コリン・スタンリー イギリス・ケンブリツジ シービー1 3 エイジエイ・セジウイツクストリート13 (72)発明者 フオージ,チヤールズ・ダグラス イギリス・ケンブリツジ シービー4 6 ゼツトジー・ミルトン・ジオークス37

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. ゼラチン状になった澱粉を含んでいて注ぎ込み可能であるか、液状であ るか或はスプーンですくうことができる非老化性食品であって、該澱粉が植物源 から誘導されたものであるが澱粉粒のアミロース含有量が低下している(完全に はなくなっていないが)食品。 2. (a)繊維質でなく、そして/または (b)粘液質でなく、そして/または (c)低い度合の弾性を示す、請求の範囲第1項記載の食品。 3. 該植物源がある程度抑制されたアミロースシンターゼ活性を示す請求の 範囲第1項または第2項記載の食品。 4. 該澱粉が部分ろう状変異澱粉である請求の範囲第1から3項いずれか1 項記載の食品。 5. 該変異澱粉が遺伝的または環境的操作を受けた植物から得たものである 請求の範囲第4項記載の食品。 6. 該植物が1種以上のBGSSイソ酵素の活性が低下するか或はなくなる ように遺伝的に操作されたものである請求の範囲第5項記載の食品。 7. 該植物が水利用、温度、肥料または光を調節することによる環境的な操 作を受けたものである請求の範囲第5項記載の食品。 8. 該澱粉が穀類(例えば小麦、米、大麦またはトウモロコシ)、豆類(例 えばエンドウ豆)、塊茎または根(例えばジャガイモ)から選択される植物源か ら得たものである先行する請求の範囲のいずれか1項記載の食品。 9. 該植物源が、 (a)Aゲノム、または (b)Bゲノム、または (c)Dゲノム、または (d)AおよびBゲノム、または (e)AおよびDゲノム、または (f)BおよびDゲノム、 上のGBSSをコード化する遺伝子の発現が低下しているか或は起こらない小麦 変種である請求の範囲第8項記載の食品。 10. 該食品が、 (a)ベビーフード、または (b)ベーカリーが供給する製品(例えばカスタードまたはベーカリー詰物また はトッピング)、または (c)果物詰物、または (d)グレービー、スープ、ソースまたは食品増粘剤、 (e)凍結、冷却または周囲温度で安定なグレービー、スープ、ソースまたは食 品増粘剤、または (f)低温殺菌、乾留またはUHT処理グレービー、スープ、ソースまたは食品 増粘剤、または (g)オートミールまたはオートミール成分、または (h)ぺットフード、または (i)乳製品(例えばデザートまたはヨーグルト)、または (j)サラダドレッシング、または (k)スプレッド、 である先行する請求の範囲のいずれか1項で定義した食品。 11. 請求の範囲第1−9項いずれか1項で定義した非ゼラチン状澱粉を変 性澱粉の代替物として含んで成る組成物(例えば小麦粉)または請求の範囲第1 −9項いずれか1項で定義した非ゼラチン状澱粉を含んで成る変性澱粉代替物の 使用。 12. 請求の範囲第1−9項いずれか1項で定義した澱粉を含んで成る非硬 化性食品(例えばパン、小型ロールパン、ハンバーガー、サンドイッチ)。 13. 食品の製造方法であって、請求の範囲第1−9項いずれか1項記載の 澱粉を変性澱粉の代替物として用いる工程を含む方法。 14. 食品の増粘方法であって、 (a)他の点では請求の範囲第1−9項いずれか1項で定義した如き非ゼラチン 状の澱粉を含んで成る組成物(例えば小麦粉)を添加し、 (b)該澱粉をゼラチン状にして該食品の粘度を高める、 工程を含む方法。 15. 請求の範囲第14項記載の方法で入手可能な(で製造された)増粘さ れた食品。 16. 食品(例えば焼いた食品、例えばパン、例えばハンバーガーまたはサ ンドイッチ)の硬化を遅らせる方法であって、請求の範囲第1−9項いずれか1 項で定義した澱粉を用いて該食品を調合する工程を含む方法。 17. 食品の老化を遅らせる方法であって、請求の範囲第1−9項いずれか 1項で定義した澱粉を用いて該食品を調合する工程を含む方法。 18. 他の点では請求の範囲第1−9項いずれか1項で定義した如 き非ゼラチン状の澱粉を含んで成る脱水フードベース。 19. 他の点では請求の範囲第1−9項いずれか1項で定義した如き非ゼラ チン状の澱粉を含んで成るインスタンタイザブルフードベース(例えばルー、例 えばルーブランク)。
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