JP2001515794A - 切り屑を除去する機械加工用の工具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 この工具は、ホルダー本体と締結手段（１３）とを含むホルダー（１１）の前記ホルダー本体と前記締結手段とが、両者間の少なくとも一部に、切削インサートポケット（１４）を備えたスロット（１６）を画定しており、ネジ手段（１７）が前記締結手段を動かして前記締結手段と前記ホルダー本体とを係合させるようになっており、上側面（１８）と下側面（２９）とを含む切削インサート（１２、１２’）が、前記締結手段（１３）によって前記切削インサートポケット（１４）内に締め付けられる。前記締結手段及び／または工具ホルダーが、前記ネジ手段（１７）に影響を受けずに少なくとも一方向に前記締結手段の動きを限定する部品（４０、４１）を備える。前記手段（４０）が、前記インサートポケット（１４）の最大大きさを決定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 発明の技術分野 本発明は、独立項の前段に記載するように、切り屑を除去する機械加工、好ま
しくは溝切り加工及び／または突っ切り加工用の工具に関する。

【０００２】 先行技術 国際出願ＷＯ９６／１７７０６に、上記形式の工具が記載される。切削インサ
ートとそのホルダーとが協動する溝面を備え、溝面の上側面は一般的にＶ形状で
あり、下側面は波形である。切削インサートがインサートポケットの下側締付面
に間違って挿入されこと、すなわち切削工具の波形が座部(seat)に挿入され、し
かし切削インサートの横方向に向かって間違って配置されることが、所定のモー
メントで起こる。スウェーデン特許Ａ１−１７２０８０３号に、インサートポケ
ットの最小大きさを決めた上記形式の工具がさらに記載されている。

【０００３】 発明の目的 本発明の目的は、好ましくは薄いホルダーまたは薄い切削インサート用の厳密
な工具を提供することである。 本発明の他の目的は、締結アームが塑性変形することを防止できる工具を提供
することである。

【０００４】 さらに、本発明の目的は、切削インサートが間違って位置出しされることがな
い工具を提供することである。 また、本発明の目的は、機械加工の際に切削インサートの捩じれが回避できる
工具を提供することである。 これら及び他の目的は、図面を参照した従属項に定義されるような工具によっ
て達成される。

【０００５】 発明の詳細な説明 図１〜図５に示される工具１０は、ホルダー１１と切削インサート１２を含む
。ホルダー１１は、ホルダーと一体化されたアーム１３がインサートポケット１
４の上側１５を形成する形式である。このアームは、ネジ手段１７及びスロット
１６によって、支軸２７の回りを移動できる。スロット１６は切削インサートポ
ケットで終結する。このスロットは、アーム１３を動かすネジ１７を越えて、切
削インサートの長さ方向に適切な距離延在する。図３のＡに示されるように、こ
のネジ手段１７は、長く延びたスロット１６の中間に実質的に備えられる。この
ネジ１７は、中心軸ＣＬを有するネジ穴４５に装着される。突き合わせ面３４は
スロット１６の下側境界線に関連して設けられ、この面３４が切削インサートの
その長さ方向の停止部を形成する。上側１５は、切削インサートに向かって集中
する逃げ面を備え、一般的にＶ字形状の横断面である。この逃げ面は１２０℃か
ら１６０℃の範囲にある互いに鈍角の内角を形成する。第２の逃げ面が切削イン
サートと中央接触を避けるために、第１の逃げ面のあいだに設けられる。このア
ームは切削インサートポケットの下側１９の向かって切削インサートを締結する
。この下側には、互いに分離された多くの溝２６が形成され、この溝は横断面で
実質的に台形通路を示す。この溝は長く伸び下側１９の全体に沿って延在する。
突っ切りとして工具を使用するときに送り方向となる方向Ｆ、及び長さ方向旋削
用の工具として使用したときの送り方向の方向を図２に示す。方向ＦとＬとの間
の角度σは、９０°±１５°にできる。さらに、溝２６は、鋭いかまたは丸みを
帯びた遷移部を介して、溝の底に接続する二つの逃げを備える。この逃げは互い
に鋭角を形成する。

【０００６】 切削インサート１２は、上側面１８、下側面２９並びにそれらと繋がる側面２
０、２１、２２、２３を含み、側面２２、２３及び上側面１８との間の交差線が
切れ刃２４、２５を形成する。切削インサートは、好ましくは切削インサートポ
ケットよりも、第２の逃げのために、いくぶん大きくする。インサートの刃２４
の長さは、上側面１８と下側面２９との間の切削インサートの高さより短くする
。上側面は二つの逃げを備え、上記内角に実質的に相当する外角を備えた下側面
２９に向かって集中する。下側は互いに分離された多くのリッジ３０により形成
される。このリッジは横断面で実質的に波状の曲線を形成し、線に沿って波を打
つ。リッジは長く伸び且つ下側２９の全体に沿って延在する。リッジ３０は、底
３１に接触して接続される二つの逃げを備える。この逃げは互いに鋭角を成す。

【０００７】 これまでのところは本発明は先行技術に類似する。しかしながら、本発明にし
たがう工具は、さらに、外側にネジが切られたスリーブまたは調整ネジ４０と、
環状部材またはスペーサー４１、ワッシャー４２とを備え、それら全てが、ネジ
１７の軸に対して実質的に対称的に配置する。ネジ１７の軸は、実質的にスロッ
ト１６に垂直である。調整ネジ４０は、環状の形状であり且つその自由端にフラ
ンジを備え、ホルダーの付随するネジ穴４４に嵌め込まれる。この調整ネジのフ
ランジ４３とこのネジ穴の肩部とが、インサートポケットの最大大きさを規定す
る。好ましくはスペーサー４１は、スリーブ４０の周囲のスロット１６に配置さ
れる金属の環状リングである。装着された位置のスロット１６の幅は、Ｅで示さ
れる。スペーサー４１の厚みはＴで示され、幅Ｅより薄く距離Ｓである。距離ま
たは間隙Ｓは、ネジ１７が締めつけられる際に、アーム１３を弾性的に所定の範
囲まで変形することが可能である。ワッシャー４２を備えることは、ネジ１７の
シャンクをホルダーの穴とネジ止め嵌合することが可能であるが、しかし締結す
る際に、ネジの頭がスリーブ４０に到達することが止められる。混同を避けるた
めに、スペーサー４１の初期直径は、ワッシャー４２の初期直径より大きい。

【０００８】 本発明にしたがう工具の組み立ては次のように行う。スペーサー４１は、スロ
ット床４６のスロット１６の中心線ＣＬと一直線状に並べる。このスペーサーは
、スロットから工具の外側に張り出すために支持されず、且つインサートポケッ
トまで広がらないだけでなく干渉もされない。その後、調整ネジ４０が、スペー
サーを貫通し穴４４内にネジ止めされて、そしてアーム１３の上側位置を決定す
ることになる。調整ネジのフランジ４３がアーム１３に環状の肩に突き当たった
とき、アームに力が加わりスロットが幾分締め込まれる。参照する固定及び非固
定型(the type "Go/No go") のインサートがポケットに挿入され、そして非固定
部が挿入されずに固定部だけが挿入されまで調整ネジが締めつけられる。調整ネ
ジは、好ましくネジ固定手段を備え、それらの誤った移動を回避する。その後、
ネジ１７が、ワッシャー４２を貫通して挿入され、そして穴４５に装入され幾分
締めつけられる。これは好ましくは工具製造業者側で行う。ネジが締めつけられ
ていなく、ポケットがその最大大きさであるとき、切削インサートポケット１４
は、アーム１３に誘起される弾性エネルギーを開放することによって、広げられ
る。そうすることで、切削インサートはホルダーと直線状に並ぶことができ、且
つ協動するリッジ３０と溝２６とが互いに締付されるようになる。その後この締
付によって案内されて切削インサートは、インサートの内側刃面２３が、突き当
て面３４に対して突き当たるまで、挿入される。その後、アーム１３の逃げが切
削インサートの協動する逃げに対して突き当てられ、それによって、リッジが溝
に対して固く押しつけられるような態勢にネジ１７がなる。インサートの破損ま
たはアームの永久歪みを生じるアーム１３の締めすぎを避けるために、調整スペ
ーサー４１を使用する。すなわち、ネジ１７が締めつけられインサートがしっか
りと締結されたとき、さらに、フランジ４３と協動する肩部との間で距離Ｓが中
に押し込められるまで、ネジは締めつけることができる。その位置で、スロット
の天井４７が、スペーサーと突き当たり、すなわち、ネジの締めすぎを防止でき
る。インサートを交換するときまたは割り出しをするときには、ネジ１７だけが
緩められ、間隙Ｓが図３に示される位置に再現される。

【０００９】 図６に、本発明にしたがう代わりの工具１０の実施態様を示し、工具のホルダ
ー１１’はホルダー１１’を締結するに適切な分離した板１３’を備える。この
場合、支軸２７’は、二つの側壁または面４８、４９によって形成される。切削
インサートは、アームに誘起される弾性エネルギーを持たないのを除き、上記の
ような方法で締結される。したがって、このようなエネルギーはスペーサーの外
側周囲で軸方向に付加できるスプリングによって与える。

【００１０】 幾つかの場合では、例えば、アームが非常に安定であるならば、スペーサー４
１を除外可能であることは理解しうる。また、ネジ１７の頭がワッシャー４２よ
り大きな直径である場合は、その時はワッシャー４２を除くことができる。 本発明にしたがう工具は次の利点が備わる。すなわち、ポケットにインサート
を位置出しする際に締結アームの塑性変形に対する安全性、インサート上での最
適固定力によって締結具の破損または永久歪みを回避できること、及びネジに過
大トルクが加わった場合でもトラブルのない固定機構である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１は、本発明にしたがう工具の側面図を示す。

【図２】 図２は、工具を上面図で示す。

【図３】 図３のＡは、工具の別の側面を示し、緩めた位置での部分断面図であり、図３
のＢは、締結された位置の工具を示す。

【図４】 図４は、前面図でホルダーを示す。

【図５】 図５は、工具に使用される切削インサートを前面図で示す。

【図６】 図６は、本発明にしたがう別の実施態様を、一部断面の側面図で示す。

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ホルダー本体と締結手段（１３、１３’）とを含むホルダー
   （１１、１１’）の前記ホルダー本体と前記締結手段とが、両者間の少なくとも
   一部に、切削インサートポケット（１４）を備えたスロット（１６）を画定して
   おり、 ネジ手段（１７）が前記締結手段を動かして前記締結手段と前記ホルダー本体
   とを係合させるようになっており、 上側面（１８）と下側面（２９）とを含む切削インサート（１２、１２’）が
   、前記切削インサートポケット（１４）内に締め付けられる、 切り屑を除去する機械加工、好ましくは溝切り加工及び／または突っ切り加工用
   の工具であって、 前記締結手段及び／または工具ホルダーが、前記ネジ手段（１７）に影響を受
   けずに少なくとも一方向に前記締結手段の動きを限定する部品（４０、４１）を
   備え、且つ 前記手段（４０）が、前記インサートポケット（１４）の最大大きさを決定す
   る、 ことを特徴とする工具。
2. 【請求項２】 前記締結手段の動きを限定する前記部品が、外側にネジ溝を
   付けたスリーブ（４０）を含み、且つ前記ネジ手段（１７）の中心軸（ＣＬ）に
   関して実質的に対称に配置することを特徴とする請求項１記載の工具。
3. 【請求項３】 前記スリーブは環状形状であり且つ自由端部にフランジ（４
   ３）を有し、前記フランジがホルダー本体内の付随するネジ穴（４４）に嵌め込
   まれることを特徴とする請求項２記載の工具。
4. 【請求項４】 スペーサー手段（４１）をスロット（１６）内に配置し、前
   記締結手段（１３、１３’）の過剰な締付を回避することを特徴とする請求項１
   〜３のいずれか１項に記載の工具。
5. 【請求項５】 前記スペーサー手段（４１）を、前記スリーブ（４０）の回
   りに配置することを特徴とする請求項４に記載の工具。
6. 【請求項６】 前記スリーブ（４０）と前記スペース手段（４１）とを、前
   記ネジ手段（１７）の中心軸（ＣＬ）に関して実質的に対称に配置することを特
   徴とする請求項１〜５のいずれか１項に記載の工具。
7. 【請求項７】 前記ネジ手段（１７）の中心軸（ＣＬ）が、前記スロット（
   １６）に実質的に垂直であることを特徴とする請求項１〜６のいずれか１項に記
   載の工具。
8. 【請求項８】 前記ネジ手段（１７）が、延在するスロット（１６）の中間
   に実質的に備えられることを特徴とする請求項１〜７のいずれか１項に記載の工
   具。