JP2001514685A - 多価炭水化物分子 - Google Patents

多価炭水化物分子

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Abstract

(57)【要約】 部分的に保護された多糖の、単一のグリコシル化剤もしくはグリコシル化剤の混合物(すなわち組み合わせライブラリー)を用いるグリコシル化による多価炭水化物分子の合成方法が開示される。一代替方法は、そのアグリコンが強アルカリ性条件下でエーテル結合により部分的に保護された多糖と結合され得るハロゲンを運搬する配糖体を利用する。後者の反応の生成物が、単一のグリコシル化剤もしくはこうした作用物質の混合物(=ライブラリー)でのさらなるグリコシル化にかけられ得る。新規の生じる多価炭水化物分子は、疾患の予防および治療双方のための抗感染薬(抗菌薬、駆虫薬)、ならびに生物薄膜の形成を予防するもしくはこれを分裂させるかのいずれかのための作用物質として使用されうる。

Description

【発明の詳細な説明】 多価炭水化物分子 発明の分野 本発明は、炭水化物もしくは組み合わせ(combinatorial)炭水化物ライブラリ ーを適するマトリックスに結合することによる、多価オリゴ糖分子を包含する新 規多価炭水化物分子の製造法に関する。組み合わせ炭水化物ライブラリーは、重 合体支持(polymer-supported)ならびに古典的な溶液の方法論を使用して得られ ることができ、これらはグリコシル化剤にさらに変換されうる。このグリコシル 化剤がその後、高分子量マトリックスに結合されて、脱保護の後、多価炭化水素 分子を優れた収率で生じさせる。当該マトリックスはヒトもしくは動物の受領体 (recipients)でいかなる免疫学的もしくはアレルギーの反応を導き出さない。こ うした多価分子は細菌の定着により引き起こされる感染症を予防し、そしてこれ ゆえに食物、例えば感染性疾患にかかる機会を減少させるための乳児の処方およ び幼児の食物、口腔衛生製品、ならびに消毒薬、洗浄剤、石鹸、脱臭剤、点耳薬 および鼻スプレーのような他の製品で使用されうる。 当該多価炭水化物分子は、それらが薬剤耐性を引き起こすことを期待されない ため、細菌感染症の治療でさらに使用されうる。さらに、こうした炭水化物の多 価分子は、炭水化物を結合する部位へのそれらの強い着生(adherence)によって 生物薄膜(biofilm)を分裂させるもしくは生物薄膜形成を予防することができ、 そして従って生物薄膜が関与するところはどこでも応用を有する。 発明の背景 天然に糖脂質、糖タンパク質およびプロテオグリカンに存在するオリゴ糖は生 物学的系における多様な機能の原因とされている(ヴァルキ(Varki,A.)、Glyco biology 3、97(1993)を参照)。これらの機能の普遍性はこの時点で未知である とは言え、ヒトの治療薬、およびとりわけ重要なヒトの感染症の予防薬としての それらの可能な使用のためそれらを即座に実務上重要にするオリゴ糖の特性が存 在する。予防の目的上、これらの多価炭水化物分子は、食品添加物、歯科用洗浄 剤、口内洗浄剤、点耳薬、軟膏および類似の作用物質として使用され得る。炭水 化物基質の結合による組織への着生により仲介される定着により引き起こされる 感染症がこれらの予防薬の標的である。 一例として、こうした着生は、細菌もしくは寄生虫のアドヘシンによる上皮細 胞への病原体の結合によるヒト上皮への病原体の接着(adhesion)である。アドヘ シンは、定着された組織中の上皮細胞に表示される糖脂質および糖タンパク質の オリゴ糖(炭水化物)部分への特異的結合親和性を示すタンパク質である。宿主 細胞への付着(attachment)が感染過程の初期事象であるため、糖脂質もしくは糖 タンパク質のオリゴ糖部分を模倣するオリゴ糖による結合の妨害は感染症を予防 (ゾフ(Zopf,D.)、ロス(Roth,S.)Lancet 347、1017(1996)を参照)もしくは抑 制する。こうした付着は、炭水化物が病原体上に配置され、そして従って宿主の タンパク質への結合がこの炭水化物により仲介される場合にもまた発生する。か ように、母乳に天然に存在する炭水化物(アニアンソン(Anianson,G.)、アンデ ルソン(Andersson,B.)、リントシュテット(Lindstedt,R.)とスヴァンボルグ( Svanborg,C.)、Microbial Pathogenesis 8、315を参照)は、乳児に感染症に対 する保護を提供する。炭水化物は、 感染症に対する保護に加え、抗生物質および薬物に対する病原体の抵抗性を大き くすることのため治療することがますますより困難となる感染性疾患の治療に利 用されうる。 個々の天然のオリゴ糖は通常それらの受容分子に弱く結合するため、個々のオ リゴ糖は効果的な治療のために実行不可能に大量で使用されなければならない[ ゾフ(Zopf,D.)、ロス(Roth,S.)Lancet 347、1017(1996)を参照]。この問題は 炭水化物の多価分子で克服される。なぜなら、こうした分子は強い結合をもたら す複数の接触により受容分子を結合するからである。これらの多価分子は炭水化 物結合部位をきつく占有し、そして感染過程が従って中断される。組み合わせ多 価オリゴ糖分子は、最強の結合体(binder)およびそれらの組み合わせを、特定の 微生物の正確な結合要件のいかなる先立つ知識なしにその特定の病原性細菌に利 用することを可能にするというさらなる利点を有する。当該マトリックス分子は 、この目的に適する免疫応答を導き出さない生物適合性素材、例えば乳児の食物 のためのデンプン、または歯科用軟膏のためのカラギーナンのようなゲル形成オ リゴ糖、または生物薄膜の分裂もしくは除去のための類似の足場構造であるべき である。しかしながら、全部のマトリックスが全部の応用に考慮され得る。生物 薄膜は、しばしば、微生物の感染性の特性、埋込まれた生物工学装置の破損、な らびに、石油パイプラインのような工学的建造物ならびに市水および工業用プラ ントの水取入れ口の不調の原因である。 関連技術の記述 当該多価炭水化物分子はグリコシル化多糖と定義される。単糖、オリゴ糖およ び他の小分子アグリコンのグリコシル化のための多くの方法が 当該技術分野で既知である。グリコシルは、重合体鎖の2単糖単位あたり多くて 1個のグリコシルという平均頻度で多糖鎖に沿って散在されるべきである。グリ コシルは直鎖状および分枝状双方の一般式[単糖]nのオリゴ糖由来であり、こ こでn=1〜5。 オリゴ糖は、長年溶液の方法論、より最近は酵素を使用する方法、そして溶液 (Oligosaccharides Coming of Age,Chemical & Engineering News、62-66、19 96年9月23日号を参照)もしくは固体状態のいずれかでの重合体支持法により合 成されており(シュミット(R.R.Schmidt)、キンジ(W.Kinzy)、Adv.Carbohydr .Chem.Biochem.50、21(1994);トシマ(K.Toshima)、タツタ(K.Tatsuta)、C hem.Revs.93、1503(1993);ウィットフィールド(D.M.Whitfield)、ダグラス( S.P.Douglas)、Glycoconjug.J.13、5(1996);カーン(S.H.Khan)、オニール( R.A.O’Neill)、編、Modern Methods of Carbohydrate Synthesis、ハーウッ ド アカデミック パブリッシャーズ(Harwood Academic Publishers)、(1996) を参照)、そしてこれらの方法は刊行物、特許および総説に詳細に記述されてい る。オリゴ糖ライブラリーの製造法は、最近、グラフトコポリマー中のポリエチ レングリコール[リャン(R-Liang)、ヤン(L.Yan)、レバッハ(J.Loebach)らSci ence 274、1520(1996)]およびジオキシキシリルリンカーを含むポリエチレング リコール(クレピンスキ(Krepinsky)らの名義での特許第5,616,698号 のもとで1997年4月1日公布のため1994年10月1日に申請された米国特許出願第 08/179,096号を参照)での重合体支持合成を使用して記述されている 。オリゴ糖もしくはオリゴ糖ライブラリーは、トリクロロアセトイミダートもし くはスルホキシドのような当該技術分野で公知の方法論、多数の 刊行物、特許、総説および学術会議(第212回ACS国内会議(212thACS Nationa l Meeting)、1996年8月25〜29日米国フロリダ州オーランド、で発表されたPoly mer-Supported Synthesis of Oligosaccharides、クレピンスキ(J.J.Krepinsky )を参照)に記述される方法によりグリコシル化剤に変換されうる。本明細書で 引用される参考文献の全部は引用により本明細書に組み込まれる。 発明の要約 本発明は、一局面において、 a)第一反応体として最低1個の単糖単位を有する最低1種の炭水化物を、保 護基により部分的に保護された多糖誘導体でありかつ重合体鎖の2個の連続する 単糖単位あたり最低1個の遊離ヒドロキシル基を有する第二反応体と反応させて 、多糖誘導体の遊離ヒドロキシル基と炭水化物のアノマー炭素との間に結合を形 成すること; b)保護基を除去すること;そして c)固形物を精製すること を含んで成る多価炭水化物分子の製造方法を提供する。 本発明はまた、 a)最低1種の炭水化物もしくは炭水化物のライブラリーのアノマー炭素に適 する脱離基を装備された当該炭水化物もしくは炭水化物ライブラリーからグリコ シル化剤を形成すること; b)このグリコシル化剤をアシル保護基で部分的に保護された多糖との反応に かけることであって、後者は不完全なアシル化もしくは完全なアシル化および穏 やかな不完全なアシル加水分解により当該多糖から合成され、この反応でグリコ シル化剤と部分的に保護された多糖との間の 配糖体結合が形成され、この結合は脱保護条件下で切断され得ず; c)全保護基を除去すること;そして d)多価炭水化物分子を精製すること の段階を含んで成る多価炭水化物分子の製造方法も提供する。 あるいは、グリコシルはつなぎ鎖により多糖のヒドロキシル基に結合され得る 。例えば、こうしたつなぎ鎖は、 a)最低1種の炭水化物もしくは炭水化物のライブラリーのアノマー炭素に適 する活性化する脱離基を装備された当該炭水化物もしくは炭水化物ライブラリー からグリコシル化剤を形成すること; b)当該グリコシル化剤を、ハロゲノアルカンの配糖体を生じる非ジェミナル ヒドロキシハロゲノアルカンとの反応にかけること; c)ハロゲノアルカンの配糖体を、強塩基性条件下に多糖それ自体もしくは部 分的に保護されたとの縮合反応にかけることであって、この反応において、グリ コシル化剤に結合されたリンカーと多糖との間のエーテル結合が形成され、この 結合ならびに配糖体結合は後の操作の間に切断され得ず; d)全保護基を除去すること; e)多価炭水化物分子を精製すること:そして、必要とされる場合は、 f)こうした多価分子を付加的なグリコシル化にかけること の段階を含んで成る手順により得られることができる。 われわれは、今や、選択された保護基で部分的に、好ましくは25から85%まで 保護されたマトリックスのグリコシル化が、そのマトリックスの制限された溶解 性に適合された液相化学の条件下で実施され得ることを見出した。われわれはま た、水不溶性デンプンのようなマトリックス の適する部分的保護が、アシル無水物および対応する酸を使用するアシル化条件 下で、もしくは例えばアセチル基のようなアシル保護基での網羅的保護、次いで 塩基の影響下での保護基の部分的無作為除去を含んで成る2段階で達成されるこ とも見出した。われわれは、さらに、このグリコシル化が、その中で部分的に保 護されたマトリックスが可溶性である溶媒、好ましくは双極性溶媒、そして最も 好ましくはジオキサン、アセトニトリルおよびジメチルホルムアミドから成る群 から選択される溶媒中で満足に実施されることを見出した。グリコシル化の進行 は、好ましくは赤外分光測光法およびNMR分光学ならびに多価炭水化物分子の 酸加水分解物(アルジトールアセテート)のガス−液体クロマトグラフィーによ りモニターされ得る。 これらの方法は、新規の固体の水溶性多価炭水化物分子を合成することを可能 にする。その成分は多数の食物の標準的部分である。さらに、多価炭水化物分子 は、新生児および非常に幼い子(very small children)の抗感染保護の既知の供 給体(provider)である天然の多価グリコシル化カゼインに類似である(アニアン ソン(Anianson,G.)、アンデルソン(Andersson,B.)、リントシュテット(Lindst edt,R.)とスヴァンボルグ(Svanborg,C.)、Microbial Pathogenesis 8、315を 参照)。マトリックスとしてカゼインの代わりに多糖を利用することの利点は、 多糖が受領体の免疫系のいかなる妨害も完全に欠くことである。 これらの新規多価炭水化物分子(PCM)は、グリコシル化反応を使用して天 然の供給源からのデンプンから製造される物質と定義され、そして、それらは、 そこに炭水化物分子が重合体の2個の単量体単位あたり1個の炭水化物ないし重 合体の50個の単量体単位あたり1個の炭水化 物単位という頻度でグラフトされる元のデンプンの重合体鎖の存在を特徴とする 。炭水化物は、単独もしくはいずれかの組み合わせの単糖、または単独もしくは いずれかの組み合わせのオリゴ糖、あるいは単糖およびオリゴ糖の組み合わせの いずれかであってよい。こうした多価炭水化物分子は、元の重合体が水に可溶性 であったか不溶性であったかに無関係に水溶性である。 糖は、自明のこととして、最低2個の単糖単位から形成されるオリゴ糖もしく は単糖のいずれかであってよい。オリゴ糖の還元単糖単位もしくは単糖は、脱離 基もしくはその誘導体の付着を可能にするように適して誘導体化されなくてはな らない。糖は、後のグリコシル化に適する物質に精巧に作り上げられることが可 能でなくてはならない。グリコシル化は標準的な液相化学の条件下で実施され、 これは当該技術分野で公知であり、かつ、もちろん単糖単位およびそれらの関連 する結合、ならびに保護基の性質に依存性である。保護基は定義された目的上適 するとみられるものであり、そして、好ましくは、アセチルのようなC2−C7ア シル基、レブリニルのようなケトアセチル、ピバロイルのような分枝状鎖アシル 、およびベンゾイルのような芳香族アシルから選択されてよい。こうした基は塩 基性試薬での処理により除去されることができ、また、その生成物は溶媒、好ま しくはある水と混和できる有機溶媒との沈殿反応により精製されることができる 。全部の他の局面において、実施される反応の条件は溶液の化学からの確立され たプロトコルに従う。これらのプロトコルへの言及はより早期に記述される。将 来確立されうる溶液の化学のプロトコル、および酵素を使用するプロトコルが同 様に適用できるであろう。 グリコシル化反応をモニターすることは、好ましくは赤外もしくはNMR分光 測光法、またはグリコシル化の生成物の酸加水分解後に得られるアルジトールア セテートのガス−液体クロマトグラフィーにより容易に達成されることが見出さ れている。生成物の脱保護は利用される保護基に依存し、そして脱保護方法は当 該技術分野で公知である。典型的にはこれは塩基性試薬での処理により達成され る。 当該多価炭水化物分子は多くの応用で使用されることがてき、これらは、細菌 感染症の予防を高める食物成分(例えば乳児の処方および幼児の食物)、口腔衛 生製品、早期の小児の中耳炎のような細菌感染症により引き起こされかつ現在利 用可能なより少なく毒性の作用物質での治療を必要とする疾患のための治療薬、 生物薄膜を分裂させるもしくは生物薄膜形成を予防するための製品、癌、関節炎 および嚢胞性線維症のような慣習的手段で治療不可能な疾患のための糖治療薬(g lycotherapeutics)中を含んで成る。有用性は上の応用に制限されない。 好ましい態様の記述 本発明がより良好に理解されうるために、態様が今や付随する反応スキームに 関してただ例として記述されるであろう。本発明の好ましい一形態においては、 単一のグリコシルもしくはグリコシルのライブラリーが、配糖体結合により多様 な多糖ヒドロキシル基に無作為に(しかし再現可能に)結合されうる。 グリコシル化条件は当該技術分野で公知であり、そしてそれらは後の実施例で 記述されるもののいずれかから選択されてよい。こうした反応は、グリコシル化 剤が、関与する基、通常は反応の立体化学的結果を制御する隣接する官能基を装 備される場合に良好なアノマー特異性を与え る。こうした関与する基の好ましい例は、アセチルおよびベンゾイル基のような エステル基、ならびにアセトアミド基のようなアミド基(amicid groups)を包含 する。反応(この反応は薄層クロマトグラフィーによりモニターされ得る)が完 了しそしてその後中和した後に、溶媒を真空中で乾燥まで蒸発させ、そしてグリ コシル化された部分的に保護された重合体から残余の試薬および溶媒を除去する ためのエタノールとの粉砕により精製する。グリコシル化剤の全部のヒドロキシ ル基を保護基で保護し、これらは、好ましくは、アセチルのようなC2−C7アシ ル基、レブリニルのようなケトアセチル、ピバロイルのような分枝状アシル鎖、 およびベンゾイルのような芳香族アシルから選択されうる。こうした基は塩基性 試薬での処理により除去されることができ、そしてある水と混和できる有機溶媒 での沈殿反応により精製されうる。全部の他の局面において、実施される反応の 条件は古典的な溶液の化学からの確立されたプロトコルに従う。これらのプロト コルへの言及はより早期に記述される。将来確立されうる溶液の化学のプロトコ ル、および酵素を使用するプロトコルが同様に適用できるであろう。 実施例 以下の実施例は本発明を具体的に説明するのに使用される。それらはそれをい ずれかの方法で制限すると解釈されるべきでない。全部の部分およびパーセンテ ージは別の方法で示されない限り重量である。全部の略語および頭字語は当該技 術分野における標準的な意味を有する。これらの実施例の後に、一組の反応の連 続が構造式により具体的に説明される。これらは、連続および文書の記述中の対 応する数字の参照により同定される。 実施例1 グリコシル化デンプンの合成 多糖(例えばデンプン)を部分的に保護し(例えばアシル化、例えばアセチル 化)、それを、後のグリコシル化に、当該技術分野で公知の方法およびそれに同 等ないずれかの他の方法が利用されうるように有機溶媒に可溶性にする。 部分的にアセチル化されたデンプン(1)の合成 無水酢酸−酢酸(1:4.5)中の商業的に入手可能なトウモロコシデンプン( 0;1.25g)の10%の活発に攪拌された懸濁液をアルゴンの雰囲気下に還流した 。反応混合物は3時間で澄明になりかつ顕著に粘性となった。反応をもう1時間 継続し、そしてそれを、反応混合物を攪拌下に水(150mL)中に注ぐことにより クエンチした。沈殿された多糖を室温で24時間そのままにさせた。白色沈殿を濾 過分離し、蒸留水で洗浄して僅少の酢酸を除去し、エタノールで洗浄し、そして 高真空中50℃で乾燥して1.8g[34.4%(滴定により測定される)アセテート]の (1)を与えた。ヌジョール中での赤外スペクトルは、1738cm-1の強い吸収バン ドすなわちエステルカルボニル基の特徴的な伸縮バンド、および3400〜3500cm-1 の領域にヒドロキシル吸収バンドを表わした。このアセチル化デンプンは、室温 でジオキサンおよびN,N−ジメチルホルムアミド中で十分な溶解性を示した。 過−O−アセチル化(per-O-acetylated)デンプンの合成 酢酸(1:4.5)中の商業的に入手可能なトウモロコシデンプン(0)(0.5g )の10%の活発に攪拌された懸濁液をアルゴン雰囲気下に還流した。反応を44時 間継続し、そしてそれを、反応混合物を攪拌下に水(60 mL)中に注ぐことによりクエンチした。沈殿された多糖を室温で24時間浸出させ た。沈殿を濾過分離し、蒸留水で洗浄して僅少の酢酸を除去し、次いでエタノー ルで洗浄し、そして高真空中50℃で乾燥して0.83g(92%;43.75%アセテート( 滴定により測定される))を与えた。ヌジョール中での赤外スペクトルは、1754 cm-1の強い吸収バンドすなわちエステルカルボニル基の特徴的な伸縮バンドを表 わしたが、しかし3400〜3500cm-1の領域にヒドロキシル吸収バンドを表わさなか った。 過−O−アセチル化デンプンの部分的脱アセチル化 ジオキサン(10mL)中の過−O−アセチル化デンプン(0.2g)の溶液に水性水 酸化ナトリウム(1N;230μL)を添加し、そして濁った溶液を室温で16時間攪 拌した。この溶液をおよそ5mLに濃縮し、そしてエタノール(88%;15mL)を室 温で添加した。形成された沈殿を濾過分離し、水、次いでエタノールで洗浄し、 そして高真空中室温で50℃で乾燥した。赤外スペクトル(ヌジョール)は、1746 cm-1の吸収(エステルカルボニル)、および3482cm-1のより幅広いバンド(ヒド ロキシル基)を表わした。 実施例2 イミダート法を使用するラクトシルデンプン(3)の合成 乾燥ジオキサン(15mL)中の部分的にアセチル化されたトウモロコシデンプン (1)、(300mg、ジアセチル−1,4−結合されたグルコース残基として1.219 mmol)および過アセチル化ラクトーストリクロロアセトイミダート(2)、(1. 427g、1.828mmol)の混合物を室温で1時間攪拌して重合体が完全に溶解したこ とを確実にした。その後、トリエチルシリルトリフラート(55μL、0.244mmol) を5分以内に1滴ずつ添 加し、そして攪拌を室温で3時間継続した。反応をジイソプロピルエチルアミン (100μL)でクエンチし、そして揮発性物質を真空中で除去した。残渣をエタノ ール(75mL)とともに粉砕し、白色固形物を濾過分離し、エタノールで洗浄しか つ乾燥して(3)(614mg)を生じた。アルジトールアセテート法を使用する脱 アセチル化物(3)のGC分析(実施例5を参照)は、3.2個のグルコース残基 毎に1個のラクトース分子の存在を示した。 実施例3 スルホキシド法を使用するラクトシルデンプン(5)の合成 乾燥ジオキサン(4.5mL)中の部分的にアセチル化されたトウモロコシデンプ ン(82mg、ジアセチル−1,4−結合されたグルコース残基として0.333mmol) および過アセチル化ラクトースフェニルスルホキシド(4)、(370mg、0.497mm ol)の懸濁液を室温で1時間攪拌した。生じる溶液に無水トリフル酸(triflic a nhydride)(42μL、0.248mmol)を添加し、そして反応を室温で1時間攪拌した 。その後、ジイソプロピルエチルアミンおよび4滴の水を添加し、揮発性物質を 蒸発により除去し、そして残渣をエタノール(20mL)とともに粉砕した。固形物 を濾過分離し、エタノールで洗浄しかつ乾燥して(5)(112mg)を帯黄色白色 粉末として生じさせた。アルジトールアセテート法を使用する脱アセチル化物( 5)のGC分析(実施例5を参照)は、5.5個のグルコース残基毎に1個のラク トース分子の存在を示した。 実施例4 ライブラリーでグリコシル化されたデンプンの合成 乾燥ジオキサン(10mL)中の、部分的にアセチル化されたトウモロコ シデンプン(1)、(200mg、ジアセチル化された1,4−結合されたグルコース 残基として0.813mmol)、ならびに過ベンゾイル化α−D−マンノピラノシルト リクロロアセトイミダート[(6)、301mg、0.406mmol]、過ベンゾイル化β− D−ガラクトピラノシルトリクロロアセトイミダート[(7)301mg、0.406mmol ]および過ベンゾイル化β−D−キシロピラノシルトリクロロアセトイミダート [(8)(246mg、0.406mmol)]、(合計:1.218mmol)の等モル混合物の混合 物を、室温で1時間攪拌して重合体が完全に溶けることを確実にした。その後ト リエチルシリルトリフラート(37μL、0.163mmol)を5分以内に1滴ずつ添加し 、そして攪拌を室温で4時間継続した。反応をジイソプロピルエチルアミン(70 μL)でクエンチし、そして揮発性物質を真空中で除去した。残渣をエタノール (50mL)とともに粉砕し、白色固形物を濾過分離し、エタノールで洗浄しかつ乾 燥して9(253mg)を生じた。水性水酸化ナトリウム(1N)を使用する脱保護の 後、グリコシル化されたデンプンを水性トリフルオロ酢酸(2N)中110℃で2時 間加水分解し、かつ還元単糖を分離し、そして展開溶媒混合物として酢酸エチル −ピリジン−水(10:4:3)を使用するシリカゲルG60TLCプレート(メル ク(Merck))上での真正の試料との比較により同定した。Rf:ガラクトース0.29 、グルコース0.35、マンノース0.41、キシロース0.54。 実施例5 ラクトシル化トウモロコシデンプンの脱アセチル化 水性水酸化ナトリウム溶液(7.5mL、pH12.5)中の3(100mg)の懸濁液を室 温で16時間攪拌した。澄明なわずかに黄色の溶液をその後酢酸でpH5に中和し 、そしてエタノール(30mL)を添加した。形成された 沈殿を濾過分離し、エタノールで洗浄しかつ乾燥して白色粉末(10)、(49mg )を与えた。ヌジョール中での赤外スペクトルは1378cm-1に吸収バンドを示さず 、従って全部のアセテートが除去されたことを確認した。室温での水中での溶解 性は10mg/mLであった。D2O中1H NMR(δ、ppm):4.44(J1,2=7.48Hz 、1H、H−1、β−ガラクトシド);4.53(1H、H−1)、4.67(J1,2=7 .40Hz、1H、H−1)、4.93(J1,2=7.43Hz、1H、H−1):最後の3個の 信号はラクトースのβ−グルコシドのものである。β−ラクトシドの3個の異な る信号は、ラクトシドについての最低3個の異なる位置の多様性を示す。 実施例6 ラクトシルオキシエチルデンプン(12)の合成 保護されていないデンプンを、強塩基の存在下、以下のように製造されたハロ アルキル配糖体2−クロロエチルβ−過−O−アセチル化ラクトシド(11)で 誘導体化した。すなわち、0℃に冷却された、乾燥ジクロロメタン(10mL)中の 過アセチル化ラクトースイミダート(1.09g、1.4mmol)および2−クロロエタノ ール(105mg、1.3mmol)の溶液にBF3.Et2O(40mg、0.28mmol)を添加した 。冷却浴を除去し、反応温度を上昇させ、そして反応混合物を室温で2時間攪拌 した。ジイソプロピルエチルアミンを中性まで添加し、揮発性物質を真空中蒸発 により除去し、そして残渣をジクロロメタンに溶解しかつシリカゲルカラム(80 g、ジクロロメタン中2%メタノール)でのクロマトグラフィーにかけた。過ア セチル化ラクトシド(11)が早期画分(683mg、75%)に溶出された。 デンプンの誘導体化を以下のように実施した。50%水性水酸化ナトリ ウム(0.7mL)中の乾燥トウモロコシデンプン(50mg、グルコース残基として0.3 08mmol)の溶液に、アセトン(1mL)および固形物(11)(240mg、0.343mmol )を添加した。反応混合物を16時間還流した。アセトンを真空中で除去し、そし て残存する溶液を蒸留水で2mLに希釈しかつ酢酸でpH7に中和した。エタノー ル(6mL)の添加が12(54mg)を沈殿させた。アルジトールアセテート法のガ ス液体クロマトグラフィーは、47個のグルコース残基あたり1個のラクトースと いう頻度を示した。 実施例7 アルジトールアセテートのガス−液体クロマトグラフィー 酸加水分解(2Mトリフルオロ酢酸、100℃で2時間)後に得られた還元糖をア ルジトールアセテートへの転化により定量した。これは、ダウエックス(Dowex) 50x8(H+)を使用して過剰のホウ水素化ナトリウムを中和したことを除き 記述された(アルベルシャイム(Albersheim,P.)、ネヴィンズ(Nevins,D.J.) 、イングリッシュ(English,P.D.)、カール(Karr,A.)、Carbohydr.Res.5、34 0(1967))とおりに調製した。サンプルを、HP−3396インテグレータに接 続されたヴァリアン(Varian)3400ガスクロマトグラフ装置を用いて溶融シリ カキャピラリーカラムAT−225、15m×0.53mm直径(オールテック(Alltech) )で分析した。以下のオーヴン温度プログラムを使用した。すなわち、130℃1 0分間の初期温度、次いで240℃まで2℃/分の速度での増大、この温度を10分 間維持した。注入器および検出器の温度は250℃に維持し、ヘリウムをキャリヤ ーガスとして使用した:流速10mL/分。過−O−アセチル化アルジトールはスプ リットレスモードを使用して注入し、そして水 素炎イオン化検出器で検出した。過−O−アセチル化ガラクチトールに対する過 −O−アセチル化グルシトールの比を使用してラクトシル化の程度を算出した。 当業者は、本発明の多くの改変および変法が上の教示に照らして可能であるこ とを認識するであろう。従って、付属として付けられる請求の範囲の範囲内で、 本発明は特別に記述されたとおりよりほかに実施されてよいことが理解されるべ きである。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成11年3月4日(1999.3.4) 【補正内容】 請求の範囲 1.a)第一反応体として最低1個の単糖単位を有する最低1種の炭水化物を、 保護基により部分的に保護されたデンプン誘導体でありかつ重合体鎖の2個の連 続する単糖単位あたり最低1個の遊離ヒドロキシル基を有する第二反応体と反応 させて、デンプン誘導体の遊離ヒドロキシル基と炭水化物のアノマー炭素との間 に結合を形成すること; b)保護基を除去すること;そして c)固形物を精製すること を含んで成る、多価炭水化物分子の製造方法。 2.炭水化物が、単糖もしくは単糖の混合物;またはオリゴ糖もしくはオリゴ糖 の混合物;あるいは単糖およびオリゴ糖の混合物である、請求の範囲1の方法。 3.保護基がアシル基である、請求の範囲1の方法。 4.保護基がC2−C7アシル基である、請求の範囲1の方法。 5.保護基が、アセチル、レブリニル、ピバロイルおよびベンゾイル基から選択 される、請求の範囲1の方法。 6.炭水化物がグリコシルトリクロロアセトイミダートもしくはグリコシルスル ホキシドを含んで成る、請求の範囲1の方法。 7.精製段階が再結晶を含んで成る、請求の範囲1の方法。 8.反応が、赤外分光測光法、NMR分光学および/もしくはアルジトールアセ テートのガス−液体クロマトグラフィーにより完了についてモニターされる、請 求の範囲1の方法。 9.a)最低1種の炭水化物もしくは炭水化物のライブラリーのアノマー炭素に 適する脱離基を装備された当該炭水化物もしくは炭水化物ライ ブラリーからグリコシル化剤を形成すること; b)このグリコシル化剤をアシル保護基で部分的に保護された多糖との反応に かけることであって、後者は不完全なアシル化もしくは完全なアシル化および穏 やかな不完全なアシル加水分解により当該多糖から合成され、この反応でグリコ シル化剤と部分的に保護された多糖との間の配糖体結合が形成され、この結合は 脱保護条件下で切断され得ず; c)全保護基を除去すること;そして d)多価炭水化物分子を精製すること の段階を含んで成る、多価炭水化物分子の製造方法。 10.多価炭水化物分子のヒドロキシル基への結合が、 a)最低1種の炭水化物もしくは炭水化物のライブラリーのアノマー炭素に適 する活性化する脱離基を装備された当該炭水化物もしくは炭水化物ライブラリー からグリコシル化剤を形成すること; b)当該グリコシル化剤を、ハロゲノアルカンの配糖体を生じる非ジェミナル ヒドロキシハロゲノアルカンとの反応にかけること; c)ハロゲノアルカンの配糖体を、強塩基性条件下にデンプンもしくは部分的 に保護されたデンプンとの縮合反応にかけることであって、この反応において、 グリコシル化剤に結合されたリンカーとデンプンとの間のエーテル結合が形成さ れ、この結合ならびに配糖体結合は後の操作の間に切断され得ず; d)保護基の全部を除去すること; e)多価炭水化物分子を精製すること:そして、必要とされる場合は、 f)こうした多価炭水化物分子を付加的なグリコシル化にかけることにより得 られるつなぎ鎖による、請求の範囲1の方法。 11.炭水化物が、単糖もしくは単糖の混合物;またはオリゴ糖もしくはオリゴ 糖の混合物:あるいは単糖およびオリゴ糖の混合物である、請求の範囲10の方 法。 12.保護基がアシル基である、請求の範囲10の方法。 13.保護基がC2−C7アシル基である、請求の範囲10の方法。 14.保護基が、アセチル、レブリニル、ピバロイルおよびベンゾイル基から選 択される、請求の範囲10の方法。 15.グリコシル化剤がグリコシルトリクロロアセトイミダートもしくはグリコ シルスルホキシドを含んで成る、請求の範囲10の方法。 16.精製段階が再結晶を含んで成る、請求の範囲10の方法。 17.反応が、赤外分光測光法、NMR分光学および/もしくはアルジトールア セテートのガス−液体クロマトグラフィーにより完了についてモニターされる、 請求の範囲10の方法。 18.その上で単糖もしくは単糖の混合物、オリゴ糖もしくはオリゴ糖の混合物 ならびに単糖およびオリゴ糖の混合物から成る群から選択される炭水化物が、多 糖の2ないし50個の単量体単位あたり1個の炭水化物という頻度でグラフトされ るデンプンを含んで成る、水溶性多価炭水化物分子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU,ID ,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN,Y U,ZW (72)発明者 ルペスク,ニクリナ カナダ・オンタリオ エム6シー 1エム 5・トロント・ヒースデイルロード5ビー

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.a)第一反応体として最低1個の単糖単位を有する最低1種の炭水化物を、 保護基により部分的に保護された多糖誘導体でありかつ重合体鎖の2個の連続す る単糖単位あたり最低1個の遊離ヒドロキシル基を有する第二反応体と反応させ て、多糖誘導体の遊離ヒドロキシル基と炭水化物のアノマー炭素との間に結合を 形成すること; b)保護基を除去すること;そして c)固形物を精製すること を含んで成る、多価炭水化物分子の製造方法。 2.炭水化物が、単糖もしくは単糖の混合物;またはオリゴ糖もしくはオリゴ糖 の混合物:あるいは単糖およびオリゴ糖の混合物である、請求の範囲1の方法。 3.保護基がアシル基である、請求の範囲1の方法。 4.保護基がC2−C7アシル基である、請求の範囲1の方法。 5.保護基が、アセチル、レブリニル、ピバロイルおよびベンゾイル基から選択 される、請求の範囲1の方法。 6.炭水化物がグリコシルトリクロロアセトイミダートもしくはグリコシルスル ホキシドを含んで成る、請求の範囲1の方法。 7.精製段階が再結晶を含んで成る、請求の範囲1の方法。 8.反応が、完了について、赤外分光測光法、NMR分光学および/もしくはア ルジトールアセテートのガス−液体クロマトグラフィーによりモニターされる、 請求の範囲1の方法。 9.a)最低1種の炭水化物もしくは炭水化物のライブラリーのアノマー炭素に 適する脱離基を装備された当該炭水化物もしくは炭水化物ライ ブラリーからグリコシル化剤を形成すること; b)このグリコシル化剤をアシル保護基で部分的に保護された多糖との反応に かけることであって、後者は不完全なアシル化もしくは完全なアシル化および穏 やかな不完全なアシル加水分解により当該多糖から合成され、この反応でグリコ シル化剤と部分的に保護された多糖との間の配糖体結合が形成され、この結合は 脱保護条件下で切断され得ず; c)全保護基を除去すること;そして d)多価炭水化物分子を精製すること の段階を含んで成る、多価炭水化物分子の製造方法。 10.多価炭水化物分子のヒドロキシル基への結合が、 a)最低1種の炭水化物もしくは炭水化物のライブラリーのアノマー炭素に適 する活性化する脱離基を装備された当該炭水化物もしくは炭水化物ライブラリー からグリコシル化剤を形成すること; b)当該グリコシル化剤を、ハロゲノアルカンの配糖体を生じる非ジェミナル ヒドロキシハロゲノアルカンとの反応にかけること; c)ハロゲノアルカンの配糖体を、強塩基性条件下に多糖それ自体もしくは部 分的に保護されたとの縮合反応にかけることであって、この反応において、グリ コシル化剤に結合されたリンカーと多糖との間のエーテル結合が形成され、この 結合ならびに配糖体結合は後の操作の間に切断され得ず; d)保護基の全部を除去すること; e)多価炭水化物分子を精製すること;そして、必要とされる場合は、 f)こうした多価炭水化物分子を付加的なグリコシル化にかけることにより得 られるつなぎ鎖による、請求の範囲1の方法。 11.炭水化物が、単糖もしくは単糖の混合物;またはオリゴ糖もしくはオリゴ 糖の混合物:あるいは単糖およびオリゴ糖の混合物である、請求の範囲10の方 法。 12.保護基がアシル基である、請求の範囲10の方法。 13.保護基がC2−C7アシル基である、請求の範囲10の方法。 14.保護基が、アセチル、レブリニル、ピバロイルおよびベンゾイル基から選 択される、請求の範囲10の方法。 15.グリコシル化剤がグリコシルトリクロロアセトイミダートもしくはグリコ シルスルホキシドを含んで成る、請求の範囲10の方法。 16.精製段階が再結晶を含んで成る、請求の範囲10の方法。 17.反応が、赤外分光測光法、NMR分光学および/もしくはアルジトールア セテートのガス−液体クロマトグラフィーにより完了についてモニターされる、 請求の範囲10の方法。 18.その上で単糖もしくは単糖の混合物、オリゴ糖もしくはオリゴ糖の混合物 ならびに単糖およびオリゴ糖の混合物から成る群から選択される炭水化物が、多 糖の2ないし50個の単量体単位あたり1個の炭水化物という頻度でグラフトされ る多糖を含んで成る、水溶性多価炭水化物分子。 19.多糖がデンプン、カラギーナン、キサンタンガムおよびアガーから成る群 から選択される、請求の範囲18に特許請求されるような分子。 20.多糖がデンプンである、請求の範囲18に特許請求されるような分子。
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JP2005036163A (ja) 糖質が結合した高分子材料

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