JP3001381B2 - 臓器移行性を有する多糖誘導体および薬物担体 - Google Patents

臓器移行性を有する多糖誘導体および薬物担体

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JP3001381B2
JP3001381B2 JP24853894A JP24853894A JP3001381B2 JP 3001381 B2 JP3001381 B2 JP 3001381B2 JP 24853894 A JP24853894 A JP 24853894A JP 24853894 A JP24853894 A JP 24853894A JP 3001381 B2 JP3001381 B2 JP 3001381B2
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上 和 泓 井
藤 照 臣 伊
口 隆 行 川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】発明の分野 本発明は、臓器移行性を有する新規な化合物および薬物
担体に関する。
【0002】背景技術 近年、多糖型水溶性高分子を担体として利用し、これに
薬物を化学結合させて特定器官へ薬物送達を行う試みが
なされている。このような薬物担体としては、例えば、
特願平4−234846号、PCT/JP94/003
22号、WO92/14759号に記載されるものが挙
げられ、これらは、他器官において副作用を有する薬物
または腫瘍における薬効の発現に限界のある薬物を効率
的に腫瘍に送達することができる。しかしながら、これ
らは、部位特異的移行性、特に臓器移行性、に関して
は、更に改善の余地を残すものであった。一方、臓器移
行性と関連して、シアリルルイスXがELAM−1と結
合すること(Phillips,M.L.,et al.(1990)Science 250,
1130-1132 )、好中球にシアリルルイスXが存在し、E
LAM−1と反応すること(Bevilacqua,M.P.,et al.(1
989)Science 243,1160-1165 )およびシアリルルイスX
が好中球浸潤を抑制すること(Mulligan,M.S.,et al.(1
993)J.Exp.Med.178,623-631 )が知られている。
【0003】
【発明の概要】従って、本発明は、臓器指向性を示す薬
物担体を提供することをその目的とする。
【0004】本発明による化合物および薬物担体は、下
記一般式(I)で表されるものである。 E−T−T−F (I) (上記式中、Eは、グルコース、フルクトース、マンノ
ース、フコース、ノイラミン酸、ウロン酸、ガラクトサ
ミン、グルコサミン、リボース、デオキシリボース、ア
ラビノースおよびキシロースから選択される単糖、もし
くはこれら単糖のN−もしくはO−アシル誘導体、O−
アルキル誘導体もしくはエステル誘導体を表すか、また
はこれら単糖もしくは単糖の誘導体の2〜6個からなる
オリゴ糖を表し、Tは、−CHCH(OCH
)m−(mは、1〜10の整数を表す)、−(CH
)n−(nは、2〜16の整数を表す)または下記基
(II)を表し、
【0005】
【化2】 (上記基中、Xは、−NHCOCH、−OHまたは−
NHを表す)Tは、−NH−、−NHCO−、−C
ONH−または−NHCONH−を表し、Fは、キトサ
ン、プルラン、デキストラン、マンノグルカン、ヘパリ
ン、ヒアルロン酸、およびコンドロイチン硫酸から選択
される多糖またはこれら多糖の誘導体を表す)
【0006】
【発明の具体的な説明】一般式(I)の化合物 前記一般式(I)において、Eは、グルコース、フルク
トース、マンノース、フコース、ノイラミン酸、ウロン
酸等のヘキソース、ガラクトサミン、グルコサミン等の
ヘキソサミン、リボース、デオキシリボース、アラビノ
ース、キシロース等のペントースから選択される単糖を
表すか、またはこれら単糖の2〜6個からなるオリゴ糖
を表す。ここで単糖はその誘導体であってもよく、上記
単糖のN−またはO−アシル誘導体、O−アルキル誘導
体、硫酸、リン酸等とのエステル誘導体などが挙げられ
る。
【0007】これら誘導体の具体例としては、ノイラミ
ン酸のN−および/またはO−アシル誘導体であるシア
ル酸(例えば、N−アセチルノイラミン酸)、ヘキソサ
ミンのN−アシル誘導体であるN−アセチルガラクトサ
ミン、N−アセチルグルコサミン、マンノースの6位水
酸基がリン酸化されたマンノース−6−リン酸、ガラク
トークの3位が硫酸化されたガラクトース−3−硫酸、
グルコースの6位がベンゾイル化された6−O−ベンゾ
イル−グルコース、N−アセチルグルコサミンの6位の
水酸基がカルボキシメチル化された6−O−カルボキシ
メチル−N−アセチルグルコサミン、グルコサミンの2
位のアミノ基がモノベンジル化された2−N−ベンジル
−グルコサミン等が挙げられる。
【0008】オリゴ糖とは、2〜6個(好ましくは2〜
4個)の上記単糖または単糖誘導体から構成される直鎖
状または分枝状のヘテロオリゴマーまたはホモオリゴマ
ーをいう。このようなオリゴ糖としては、例えば、シュ
ークロース、シアリルルイスA、シアリルルイスX、ラ
クトース、マルトース、ルイスX、硫酸化ルイスX等が
挙げられる。ここで「単糖」および「オリゴ糖」とは、
その糖分子が有する水酸基(好ましくはアノマー位の水
酸基)の水素原子が一つ除かれたものを意味するものと
する。
【0009】一般式(I)において、EとTとは、O
−α−グリコシド結合またはO−β−グリコシド結合に
よって結合しているが、結合はこのいずれであってもよ
い。
【0010】Tにおいてmは1〜10の整数を表し、
好ましくは2〜5である。また、nは2〜16の整数を
表し、好ましくは2〜8である。Tが前記基(II)を
表す場合に、基(II)の好ましい例としては、Xが水酸
基またはアセトアミド基であるもの、が挙げられる。
【0011】前記一般式(I)においては、Fは、キト
サン、プルラン、デキストラン、マンノグルカン、ヘパ
リン、ヒアルロン酸およびコンドロイチン硫酸等の多糖
を表すが、これら多糖はその誘導体であってもよく、例
えばこれらのカルボキシメチル誘導体(カルボキシメチ
ルキトサン、カルボキシメチルプルラン、カルボキシメ
チルデキストラン、カルボキシメチルアンノグルカン
等)、脱硫酸化誘導体(脱N硫酸化ヘパリン等)、ポリ
アルコール化誘導体(ポリアルコール化マンノグルカン
等)が挙げられる。カルボキシメチル誘導体の場合カル
ボキシメチル化度は0.5〜0.7が好ましい。
【0012】また、これら以外にも、更にカルボキシル
基またはアミノ基を有するように変換されたもの、およ
び後述する医薬化合物を担持させてなるものも多糖誘導
体に含まれるものとする。
【0013】医薬化合物が導入されていない多糖の分子
量は、10〜1,000kDが好ましく、40〜150
kDが特に好ましい。
【0014】ここで多糖およびその誘導体とは、これら
のうちTの形式に用いられた官能基(例えば、アミノ
基、カルボキシル基、水酸基等)が除かれたものを意味
するものとする。
【0015】本発明による一般式(I)の化合物の好ま
しい化合物群としては、Eが、グルコース、マンノー
ス、ガラクトース、フコース、ノイラミン酸、ガラクト
サミン、グルコサミン、シアル酸、N−アセチルガラク
トサミン、N−アセチルグルコサミンから選択される単
糖もしくはこれら単糖の誘導体、またはシュークロー
ス、シアリルルイスA、シアリルルイスX、ラクトー
ス、マルトース、ルイスXおよび硫酸化ルイスXから選
択される上記単糖もしくは単糖の誘導体の2〜4個から
なるオリゴ糖を表し、Fが、カルボキシメチルキトサン
もしくはカルボキシメチルプルランまたはこれらに医薬
化合物が担持されてなるものから選択される多糖誘導体
を表し、Tが−CHCH(OCHCH)m−
を表し、そしてTが−NH−または−NHCO−を表
すもの、が挙げられる。
【0016】また別の好ましい化合物群としては、Eお
よびFが前記と同様の内容を表し、Tが−(CH
n−を表し、Tが−CONH−を表すもの、が挙げら
れる。
【0017】また別の好ましい化合物群としては、Eお
よびFが前記と同様の内容を表し、Tが前記基(II)
を表し、Tが−NH−を表すもの、が挙げられる。
【0018】本発明による化合物は特定の臓器に移行す
る臓器移行性を有する。例えば、Eが、ガラクトース、
または非還元末端にガラクトースを有するオリゴ糖(例
えば、ラクトース等)であるときは、本発明による化合
物は肝臓に移行する。以下の理論に拘束されるわけでは
ないが、ガラクトースが肝臓のガラクトース/N−アセ
チルガラクトサミン認識レクチンに取り込まれたことに
よって臓器移行性を示すものと考えられる。なお、本明
細書において「臓器移行性」とは、後述する炎症部位移
行性および細網内皮系組織を回避する性質をも包含する
意味で用いられるものとする。
【0019】また、本発明による化合物は炎症部位移行
性を有する。例えば、Eが、細胞接着分子ELAM−1
と結合する糖であるときは、本発明による化合物は炎症
を呈している部位に移行する。特に、本発明による化合
物は、単に糖を投与する場合に比較して高い炎症部位移
行性が認められた。
【0020】更に、本発明による化合物は細網内皮系組
織を回避する性質を有する。例えば、Eが、N−アセチ
ルノイラミン酸であるときは、本発明による化合物は細
網内皮系組織である肝臓、脾臓等を回避する。
【0021】従って、本発明による化合物は特定の臓器
に抗腫瘍剤、抗炎症剤等の薬剤を送達する薬物担体とし
て用いることができる。
【0022】ここで、上記ELAM−1と結合する化合
物としては、例えば下記式(III )または(IV)で表さ
れる化合物が挙げられる。
【0023】
【化3】
【0024】
【化4】 (上記式中、Xは前記と同義であり、Yはシアル酸また
は−SOOHを表す)
【0025】上記式(III)において、Xが−COC
を表し、Yがシアル酸を表す化合物がシアリルルイ
スXであり、Xが−COCHを表し、Yが−SO
Hを表す化合物が硫酸化ルイスXである。また、上記式
(IV)においてXが−COCHを表し、Yがシアル
酸を表す化合物がシアリルルイスAである。
【0026】また、本発明による化合物は、上記のよう
な用途を勘案して更にその構造を修飾することができ、
これらの修飾された化合物、例えば多糖に医薬化合物が
担持されたものも、本発明による化合物に包含される。
【0027】医薬化合物は、直接担持されても、適当な
スペーサーを介して担持されてもよい。ここで、この
「スペーサー」は、生体内で医薬化合物を一定の望まれ
る速度で放出させる役割が果たせるものである。このよ
うなスペーサーの具体例としては、ペプチドが挙げられ
る。ペプチドは、アミノ酸数2〜10個のものが好まし
く、より好ましくは、2〜4個のものである。ペプチド
を構成するアミノ酸は、中性アミノ酸、塩基性アミノ
酸、酸性アミノ酸のいずれであってもよく、また脂肪族
アミノ酸でも芳香族アミノ酸であっても良い。また、ペ
プチド中に少くとも1個の異種アミノ酸が含まれている
方が好ましい。
【0028】ペプチドの配列は本発明においては特に限
定されるものではないが、例えば以下の配列が挙げられ
る: −Gly−Gly−Gly−DA・Tyr− −Gly−Phe−Gly−Gly−DA・Tyr− −Phe−Phe−Gly−DA・Tyr− (DA・Tyrはデアミノチロシンを表す)。
【0029】本発明による化合物に担持させることがで
きる医薬化合物としては、メトトレキサート(MT
X)、ドキソルビシン(DXR)、マイトマイシンC
(MMC)等の抗腫瘍剤、デキサメタゾン、インドメタ
シン等の抗炎症剤が挙げられるが、これらに限定される
ものではない。
【0030】化合物の製造 <一般式(I)の化合物> 本発明による一般式(I)の化合物は、例えば、式
(V): E−R (V) (式中、Eは前記Eの官能基を対応する保護基で保護
したものであり、Rは臭素原子、塩素原子、アルキル
チオ基、アシルオキシ基、−O−C(=NH)−CCl
を表す)の化合物と、式(VI): HO−T−R (VI) (式中、Tは前記と同義であり、Rは、臭素原子、
塩素原子、トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホ
ニルオキシ基を表す)の化合物とをグリコシド結合を生
じさせる反応条件化で反応させ、得られた化合物を脱保
護し、次いで反応に関与しない溶媒(例えば炭酸水素ナ
トリウム水溶液)中、アミノ基を有する多糖と室温〜7
0℃の温度で12〜180時間反応させることによって
得ることができる。
【0031】また、本発明による一般式(I)の化合物
は、前記式(V)の化合物と、式(VII ): HO−T−R (VII ) (式中、Tは前記と同義であり、Rは、−N、−
NHW(Wはアミノ基の保護基を表す)を表す)の
化合物とをグリコシド結合を生じさせる反応条件化で反
応させ、得られた化合物を脱保護し、次いで反応に関与
しない溶媒中、カルボキシル基を有する多糖と、縮合剤
の存在下0〜60℃の温度で2〜180時間反応させる
ことによって得ることができる。
【0032】更に、本発明による一般式(I)の化合物
は、上記式(V)の化合物と、式(VIII): HO−T−R (VIII) (式中、Tは前記と同義であり、Rは、−COOW
(Wはカルボキシル基の保護基を表す)を表す)の
化合物とをグリコシド結合を生じさせる反応条件化で反
応させ、得られた化合物を脱保護し、次いでカルボキシ
ル基を活性エステルに変換し、反応に関与しない溶媒
(例えば、炭酸水素ナトリウム水溶液)中、アミノ基を
有する多糖と0〜40℃の温度で2〜64時間反応させ
ることによって得ることができる。
【0033】また、本発明による一般式(I)の化合物
であって、Tが基(II)を表す化合物は、下記式(I
X)の化合物:
【化5】 (式中、EおよびXは前記と同義である)とアミノ基を
有する多糖とを反応に関与しない溶媒(例えば酢酸水溶
液)中、水素化シアノホウ素ナトリウム(NaBH
N)の存在下、室温〜80℃の温度で反応させることに
よって得ることができる。
【0034】「グリコシド結合を生じさせる反応」は、
例えば次の(a) 〜(d) のようにして行うことができる: (a) 糖のアノマー位の水酸基がハロゲンで置換されたハ
ロゲン化糖と脂肪族アルコールとを、反応に関与しない
溶媒(例えば、ジクロロエタン、塩化メチレン、ベンゼ
ン、トルエン)中で、活性化剤(銀シリケート、炭酸
銀、過塩素酸銀、銀トリフルオロメタンスルフォネート
などの銀塩、酸化水銀などの水銀塩、すず塩)の存在
下、反応させる(ブロム化糖は水酸基がアセチル化され
た糖を臭化水素/酢酸で処理することによって、またフ
ッ化糖はアノマー位の水酸基が無保護の糖をジエチルア
ミノスルファートリフルオロライドで処理することによ
って得ることができる)、(b) 水酸基がアシル化された
糖と脂肪酸アルコールとを、反応に関与しない溶媒(例
えば塩化メチレン、ジクロロエタン)中で、酸触媒(例
えば、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体(BF3
・Et2 O)、トリメチルシリルトリフルオロメタンス
ルフォネート(TMSOTf)、ピリジウムパラトルエ
ンスルホン酸(PPTS)など)の存在下、反応させ
る、(c) 糖のアノマー位の水酸基が無保護の糖を、1,
8−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセン
(DBU)、炭酸カリウムなどの塩基と、トリクロロア
セトニトリルとで処理して、イミデートとした後、酸触
媒(例えば、BF3 ・Et2 O、TMSOTf、PPT
Sなど)の存在下で、上記(b) と同様の条件で脂肪族ア
ルコールと反応させる、(d) 水酸基がアルキルチオ基に
変換された糖と脂肪族アルコールとを、活性化剤(例え
ば、N−ヨードスクシンイミド(NIS)/トリフルオ
ロメタンスルホン酸(TfOH)など)の存在下で反応
させる。
【0035】カルボキシル基を有する多糖であるカルボ
キシメチルキトサンは、キトサンをリゾチームによって
低分子化した後、水素化ホウ素ナトリウムによって還元
し、部分脱アセチル化反応を行って得ることができる。
【0036】また、カルボキシメチルプルランは、プル
ランとクロル酢酸とを水酸化ナトリウム水溶液中、0℃
〜室温の温度で、1〜24時間反応させることによって
得ることができる。カルボキシメチルデキストラン、カ
ルボキシメチルマンノグルカンも同様の方法で調製する
ことができる。
【0037】アミノ基を有する多糖は、カルボキシル基
を有する多糖を変換することによって得てもよい。例え
ば、カルボキシル基を有する多糖とHN−Z−NHW
(Wは前記と同義であり、Zは−(CH)p−
(p=1〜8)または−CH−(OCHCH)q
−(q=1〜6)を表す)で表される化合物とを縮合剤
の存在下、0〜60℃の温度で2〜180時間反応させ
ることによってアミノ基を有する多糖を得ることができ
る。
【0038】また、多糖をポリアルコール化したポリア
ルコール化誘導体は、多糖を過ヨウ素酸で酸化してジオ
ールを開裂した後、水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤
によって処理することにより得ることができる。
【0039】<医薬化合物の導入>本発明による多糖誘
導体には、医薬化合物を担持してなるものも含まれる。
薬物が導入されたアミノ基を有する多糖は、(1)カル
ボキシル基を有する薬物のカルボキシル基を活性エステ
ルに変換した後、アミノ基を有する多糖と反応に関与し
ない溶媒(例えば炭酸水素ナトリウム水溶液)中で反応
させることによって、(2)脱離基を有する薬物または
脱離基を有するよう変換された薬物とアミノ基を有する
多糖とを反応に関与しない溶媒(例えば炭酸水素ナトリ
ウム水溶液)中で反応させることによって、または
(3)ホルミル基を有する薬物またはホルミル基を有す
るように変換された薬物とアミノ基を有する多糖とを反
応に関与しない溶媒(例えば酢酸水溶液)中、水素化シ
アノホウ素ナトリウムの存在下、室温〜80℃で反応さ
せることによって、得ることができる。
【0040】薬物が導入されたカルボキシル基を有する
多糖は、カルボキシル基を有する多糖とアミノ基を有す
る薬物とを縮合剤の存在下で反応させることによって得
ることができる。
【0041】医薬化合物の導入は、一般式(I)の合成
に先立って上記のように多糖に導入する以外にも、前記
式(I)の化合物に直接導入することによっても行うこ
とができる。
【0042】医薬化合物はスペーサーを介して導入する
ことができる。スペーサーを介して医薬化合物を担持し
てなる多糖誘導体は、多糖にスペーサーが結合したも
の、または医薬化合物にスペーサーが結合したもののい
ずれを用いて上記のように合成してもよい。
【0043】
【実施例】本発明を以下の実施例によって更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。実施例中の化合物の番号は、後記する合成過程
を示すスキーム中に示された番号である。
【0044】実施例1 (1) 化合物1−1の合成 Carbohydrate Reserch, 212 ,277-281(1991)に記載され
る方法に従って合成した。
【0045】(2)化合物1−2の合成 ヘキサエチレングリコール(23.8g)を溶解した塩
化メチレン(200m1)溶液に、0℃でトリエチルア
ミン(14.1ml)、メタンスルフォニルクロライド
(6.52ml)を加え、同温度で1時間攪拌した。反
応液を塩化メチレンで希釈し、2%クエン酸および飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液により洗浄し、次いで乾燥し
て溶媒を減圧下留去した(23.7g)。続いて、その
残渣をメチルエチルケトン(300ml)に溶解し、臭
化リチウム(36.6g)を加え、1時間加熱還流下で
攪拌した。反応液を室温まで冷却し、析出物を濾別した
後、その濾液を飽和食塩水に加え、酢酸エチルおよび塩
化エチレンにより抽出した。抽出液を乾燥後、溶媒を留
去し、次いで残渣をシリカゲル(500g)を用いるカ
ラムクロマトグラフィー(塩化メチレン‐メタノール
20:1)にて精製することにより、化合物1−2(1
1.8g)を無色油状物として得た。
【0046】H−NMR(CDCl)δ:3.82
(2H,t,J=6.3Hz)、3.75−3.70
(2H,m)、3.70−3.64(8H,m)、3.
63−3.60(2H,m)、3.48(2H,t,J
=6.3Hz)。IR(CHCl):3500c
-1
【0047】(3) 化合物1−3と化合物1−4の合成 モレキュラーシーブズ3A(1.0g)を含むアセトニ
トリル(12ml)溶液に化合物1−1(761m
g)、化合物1−2(345mg)を加え、室温下で2
時間攪拌した後、−40℃でN‐ヨードスクシンイミド
(509mg)およびトリフルオロメタンスルホン酸
(21μl)を加え、同温度で2時間攪拌した。反応液
を濾過後、濾液をチオ硫酸ナトリウム水溶液および飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄し、次いで乾燥して
溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(150g、トルエン:アセトン:メタ
ノール500:200:7)にて精製することにより、
化合物1−3(368mg)と化合物1−4(357m
g)を得た。
【0048】化合物1−3;無色樹脂状物 [α] 25−11.7°(c1.15,CHCl) IR(CHCl):1745,1690cm-1 H−NMR(CDCl)δ:5.38(1H,dd
d,J=8.5,5.4,2,7Hz)、5.32(1
H,dd,J=8.5,2.0Hz)、5.10(1
H,d,J=8.5Hz)、4.66(1H,ddd,
J=12.7,9.7,4.6Hz)、4.30(1
H,dd,J=12.5,2.7Hz),4.09(1
H,dd,J=12.5,5.6Hz)、4.08−
4.02(2H,m)、3.90(1H,ddd,J=
11.0,5.4,3.7Hz)、3.81(2H,
t,J=6.3Hz)、3.80(3H,s)、3.7
0−3.59(18H,m)、3.48(2H,t,J
=6.3Hz)、3.46(1H,m)、2.61(1
H,dd,J=12.7,4.6Hz)、2.14,
2.14,2.04,2.03,1.88(each
3H,s)、1.98(1H,dd,J=12.9,1
2.4Hz)。
【0049】化合物1−4;無色油状物 [α] 20.5+3.0°(c1.02,CHCl) IR(CHCl):1745,1680cm-1 H−NMR(CDCl)δ:6.30(1H,d,
J=10.3Hz)、5.39(1H,dd,J=3.
2,2.4Hz)、5.31(1H,ddd,J=8.
3,3.2,2.4Hz)、5.23(1H,m)、
4.89(1H,dd,J=12.2,2.4Hz)、
4.61(1H,dd,J=10.7,2.4Hz)、
4.13(1H,qlike)、4.12(1H,d
d,J=12.2,8.3Hz)、3.89(1H,d
dd,J=10.3,5.6,4.4Hz)、3.85
−3.62(18H,m)、3.81(2H,t,J=
6.3Hz)、3.80(3H,s)、3.52(1
H,m)、3.48(2H,t,J=6.3Hz)、
2.44(1H,dd,J=12.7,4.4Hz)、
2.15,2.05,2.03,2.00,1.88
(each 3H,s)、1.90−1.84(1H,
m)。
【0050】(4) 化合物1−5の合成 化合物1−3(195mg)を溶解したメタノール
(2.0ml)溶液に、28%ナトリウムメトキシド‐
メタノール溶液(200μl)を加え、室温下で30分
間攪拌した。反応液を陽イオン交換樹脂(Dowex5
0wH+ )により中和した後、不溶物を濾去し、濾液を
減圧下濃縮した。次いで得られた残渣に1,4‐ジオキ
サン(2.5ml)と0.1N水酸化ナトリウム水溶液
(2.5ml)を加え、室温下で10分間攪拌した。そ
の後、陽イオン交換樹脂(Dowex50wH+ )によ
り中和し、不溶物を濾去し、濾液を減圧下濃縮し、高分
子ゲル(90cc)を用いるカラムクロマトグラフィー
(メタノール)にて精製することにより化合物1−5
(139mg)を無色粉末として得た。
【0051】[α] 27−3.3°(c1.11,Me
OH) IR(KBr):3375,1616cm-1 H−NMR(CDOD)δ:3.92(1H,
m)、3.86−3.81(2H,m)、3.80(2
H,t,J=6.3Hz)、3.78−3.55(24
H,m)、3.51(2H,t,J=6.1Hz)、
2.73(1H,dd,J=12.4,4.4Hz)、
2.00(3H,s)、1.74(1H,dd,J=1
2.4,11.7Hz)。
【0052】(5) カルボキシメチルキトサンの調製 特願平2−215803号に記載されるように市販のカ
ルボキシメチル‐キチンをリゾチームによって部分的に
加水分解し、NaBHによって非還元末端を還元し、
水酸化ナトリウム水溶液によって部分的に脱アセチル化
することによりカルボキシメチルキトサンを得た。
【0053】(6) シアル酸修飾カルボキシメチルキトサ
ン(化合物1)の合成 カルボキシメチルキトサン(100mg)と化合物1−
5(382mg)とを0.5%炭酸水素ナトリウム水溶
液(6ml)に溶解した後、炭酸水素ナトリウム(51
mg)を加え、60℃で160時間攪拌した。反応液を
99.5%エタノール(35ml)に加えて粗生成物を
析出させた後、その析出物を95%エタノール(40m
l×3回)、アセトン(40ml)およびジエチルエー
テル(40ml)の順で洗浄し、次いで減圧下乾燥した
(95mg)。続いて、粗生成物を10mlの水に溶解
した後、透析膜(スペクトラ/ポア社製:分子量排除限
界12000〜14000)を用いて、精製水(100
00ml)を外液として室温下で12時間透析した。透
析内液を99.5%エタノール(140ml)に加えて
目的物を析出させた後、その析出物を95%エタノール
(40ml)、アセトン(40ml)およびジエチルエ
ーテル(40ml)の順で洗浄し、次いで減圧下乾燥す
ることによりシアル酸修飾カルボキシメチルキトサン
(化合物1、47mg、ds:0.14、Neu含量:
14%)を得た(dsはレゾルシノール塩酸法により算
出した)。
【0054】実施例2 (1)化合物2−1の合成 化合物1−2(1.38g)、β‐D‐グルコースペン
タアセテート(2.34g)を溶解した塩化メチレン溶
液(40ml)に、0℃で3フッ化ホウ素ジエチルエー
テル錯体(1.48ml)を加え、同温度で12時間攪
拌した。反応液を塩化メチレンで希釈し、水および飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄し、次いで乾燥して
溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲル(1
50g)を用いるカラムクロマトグラフィー(塩化メチ
レン‐メタノール 50:1)にて精製することによ
り、化合物2−1(2.30g)を無色油状物として得
た。
【0055】[α] 25−12.5°(c1.21,C
HCl) IR(CHCl):1755cm-1 H−NMR(CDCl)δ:5.20(1H,d
d,J=9.8,9.5Hz)、5.08(1H,d
d,J=9.8,9.8Hz)、4.92(1H,d
d,J=9.5,7.8Hz)、4.61(1H,d,
J=7.8Hz)、4.26(1H,dd,J=12.
2,4.6Hz)、4.14(1H,dd,J=12.
2,2.4Hz)、3.94(1H,dt,J=11.
5,4.4Hz)、3.81(2H,t,J=6.3H
z)、3.77−3.60(21H,m)、3.48
(2H,t,J=6.3Hz)、2.09,2.05,
2.02,2.01(each 3H,s)。
【0056】(2)化合物2−2の合成 化合物2−1(1.08g)が溶解したメタノール(1
5ml)溶液に、28%ナトリウムメトキシド‐メタノ
ール溶液(200μl)を加え、室温下で30分間攪拌
した。反応液を陽イオン交換樹脂(Dowex50wH
)により中和した後、不溶物を濾去し、濾液を減圧下
濃縮した。次いで得られた残渣をシリカゲル(150
g)を用いるカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン
‐メタノール 6:1)にて精製することにより、化合
物2−2(755mg)を無色油状物として得た。
【0057】[α] 26−11.6°(c1.26,M
eOH) IR(CHCl):3450cm-1 H−NMR(CN+DO)δ:4.85(1
H,d,J=7.5Hz)、4.34(1H,dd,J
=12.0,2.5Hz)、4.25(1H,dd,J
=12.0,5.5Hz)、4.25(1H,dt,J
=11.0,5.0Hz)、4.22(1H,dd,J
=9.0,9.0Hz)、4.20(1H,dd,J=
9.0,9.0Hz)、4.01(1H,dd,J=
9.0,7.5Hz)、3.92(1H,ddd,J=
9.0,5.5,2.5Hz)、3.90(1H,d
t,J=11.0,5.0Hz)、3.77(2H,
t,J=6.0Hz)、3.72(2H,dd,J=
5.0,5.0Hz)、3.67−3.59(16H,
m)、3.55(2H,t,J=6.0Hz)。
【0058】(3) グルコース修飾カルボキシメチルキト
サン(化合物2)の合成 カルボキシメチルキトサン(100mg)と化合物2
(304mg)とを0.5%炭酸水素ナトリウム水溶液
(6ml)に溶解し、60℃で64時間攪拌した。反応
液を99.5%エタノール(35ml)に加えて粗目的
物を析出させた後、その析出物を95%エタノール(4
0ml×3回)、アセトン(40ml)およびジエチル
エーテル(40ml)の順で洗浄し、次いで減圧下乾燥
した(112mg)。
【0059】続いて、粗生成物を10mlの水に溶解し
た後、透析膜(スペクトラ/ポア社製:分子量排除限界
12000〜14000)を用いて、精製水(1000
0ml)を外液として室温下で12時間透析した。透析
内液を99.5%エタノール(140ml)に加えて目
的物を析出させた後、その析出物を95%エタノール
(40ml)、アセトン(40ml)およびジエチルエ
ーテル(40ml)の順で洗浄し、次いで減圧下乾燥す
ることによりグルコース修飾カルボキシメチルキトサン
(化合物2、90mg、ds:0.20、Glc含量:
11%)を得た(dsはフェノール硫酸法により算出し
た)。
【0060】実施例3 (1)化合物3−1の合成 化合物1−2(2.07g)、α‐D‐マンノースペン
タアセテート(3.51g)を溶解した塩化メチレン溶
液(60ml)に、0℃で3フッ化ホウ素ジエチルエー
テル錯体(2.94ml)を加え、室温下で48時間攪
拌した。反応液を塩化メチレンで希釈し、水洗し、乾燥
して溶媒を減圧下留去した。続いて得られた残渣をシリ
カゲル(330g)を用いるカラムクロマトグラフィー
(塩化メチレン‐メタノール 100:1)にて精製す
ることにより、化合物3−1(2.54g)を無色油状
物として得た。
【0061】[α] 27+26.9°(c1.09,C
HCl) IR(CHCl):1747cm-1 H−NMR(CDCl)δ:5.36(1H,d
d,J=10.0,3.4Hz)、5.29(1H,d
d,J=10.0,10.0Hz)、5.27(1H,
dd,J=3.4,1.7Hz)、4.61(1H,
d,J=1.7Hz)、4.30(1H,dd,J=1
2.0,4.6Hz)、4.14(1H,dd,J=1
2.0,2.2Hz)、3.81(2H,t,J=6.
3Hz)、3.71−3.64(20H,m)、3.4
8(2H,t,J=6.3Hz)、2.16,2.1
1,2.04,1.99(each 3H,s)。
【0062】(2)化合物3−2の合成 化合物3−1(2.07g)が溶解したメタノール(2
0ml)溶液に、28%ナトリウムメトキシド‐メタノ
ール溶液(150μl)を加え、室温下で20分間攪拌
した。反応液を陽イオン交換樹脂(Dowex50wH
)により中和した後、不溶物を濾去し、濾液を減圧下
濃縮した。続いて得られた残渣をシリカゲル(150
g)を用いるカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン
‐メタノール 6:1)にて精製することにより化合物
3−2(755mg)を無色油状物として得た。
【0063】[α] 26+30.8°(c1.00,M
eOH) IR(CHCl):3450cm-1 H−NMR(CN+DO)δ:5.38(1
H,br.s)、4.63(1H,dd,J=9.3,
9.3Hz)、4.56−4.52(2H,m)、4.
52(1H,dd,J=11.5,2.2Hz)、4.
37(1H,dd,J=11.5,5.9Hz)、4.
32(1H,ddd,J=9.3,5.9,2.2H
z)、4.07(1H,ddd,J=10.7,5.
1,3.7Hz)、3.80(2H,t,J=6.1H
z)、3.76(1H,ddd,J=10.7,5.
9,4.2Hz)、3.72−3.60(18H,
m)、3.58(2H,t,J=6.1Hz)。
【0064】(3) マンノース修飾カルボキシメチルキト
サン(化合物3)の合成 実施例2(3)に記載される方法と同様の方法によって
マンノース修飾カルボキシメチルキトサン(化合物3、
ds:0.20、Man含量:11%)を得た(dsは
フェノール硫酸法により算出した)。
【0065】実施例4 (1) 化合物4−1の合成 化合物1−2(345mg)、α‐D‐ガラクトースペ
ンタアセテート(586mg)を溶解した塩化メチレン
溶液(10ml)に、0℃で3フッ化ホウ素ジエチルエ
ーテル錯体(369μl)を加え、室温下で14時間攪
拌した。反応液を塩化メチレンで希釈し、水洗し、乾燥
して溶媒を減圧下留去した。続いて得られた残渣をシリ
カゲル(200g)を用いるカラムクロマトグラフィー
(塩化メチレン‐メタノール 20:1)にて精製する
ことにより、化合物4−1(473mg)を無色油状物
として得た。
【0066】[α] 21−4.8°(c1.03,CH
Cl) IR(CHCl):1749,1712cm-1 H−NMR(CDCl)δ:5.39(1H,d,
J=3.4Hz)、5.21(1H,dd,J=10.
5,8.1Hz)、5.02(1H,dd,J=10.
5,3.4Hz)、4.57(1H,d,J=8.1H
z)、4.17(1H,dd,J=11.2,6.6H
z)、4.13(1H,dd,J=12.2,6.8H
z)、3.96(1H,ddd,J=11.0,9.
8,4.2Hz)、3.91(1H,dd,J=6.
8,6.6Hz)、3.81(2H,t,J=6.3H
z)、3.75(1H,ddd,J=11.0,7.
1,4.2Hz)、3.70−3.62(18H,
m)、3.48(2H,t,J=6.3Hz)、2.1
5,2.06,2.05,1.99(each 3H,
s)。
【0067】(2)化合物4−2の合成 化合物4−1(1.73g)が溶解したメタノール(2
0ml)溶液に、28%ナトリウムメトキシド‐メタノ
ール溶液(150μl)を加え、室温下で20分間攪拌
した。反応液を陽イオン交換樹脂(Dowex50wH
)により中和した後、不溶物を濾去し、濾液を減圧下
濃縮した。続いて得られた残渣をシリカゲル(70g)
を用いるカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン‐メ
タノール6:1)にて精製することにより化合物4−2
(1.16g)を無色油状物として得た。
【0068】[α] 23.5−3.8°(c1.01,M
eOH) IR(CHCl):3450cm-1 H−NMR(CN+DO)δ:4.76(1
H,d,J=7.8Hz)、4.49(1H,d,J=
3.2Hz)、4.39(1H,dd,J=9.5,
7.8Hz)、4.38(1H,dd,J=11.2,
6.6Hz)、4.35(1H,dd,J=11.5,
6.1Hz)、4.25(1H,m)、4.13(1
H,dd,J=9.5,3.2Hz)、4.02(1
H,dd,J=6.6,6.1Hz)、3.93(1
H,ddd,J=10.7,6.1,4.4Hz)、
3.82(2H,t,J=5.9Hz)、3.74(1
H,m)、3.71−3.62(17H,m)、3.5
9(2H,t,J=5.9Hz)。
【0069】(3) ガラクトース修飾カルボキシメチルキ
トサン(化合物4)の合成 実施例2(3)に記載される方法と同様の方法によって
ガラクトース修飾カルボキシメチルキトサン(化合物
4、ds:0.23、Gal含量:13%)を得た(d
sはフェノール硫酸法により算出した)。
【0070】実施例5 (1) 化合物5−2の合成 2,3,4‐トリ‐O‐ベンジル‐1‐O‐パラニトロ
ベンジル‐フコピラノース(化合物5−1、α:β=3
6:64、875mg)、トリフルオロメタンスルホン
酸亜鉛(545mg)および化合物1−2(345m
g)をアセトニトリル(20ml)に溶解し、0℃でク
ロロトリメチルシラン(190μl)を加えた。同温度
で2時間攪拌後、反応液を塩化メチレンで希釈し、水お
よび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄し、次いで
乾燥して溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲル(7
0g)を用いるカラムクロマトグラフィー(トルエン‐
アセトン 7:1)にて精製することにより、化合物5
−2(444mg)をαグリコシド:βグリコシド=7
1:29の混合物(HNMRの積分比より)として得
た。
【0071】H−NMR(CDCl)δ:αグリコ
シド由来−7.41−7.26(15H,m)、4.9
8,4.74(each 1H,d,J=11.5H
z)、4.87,4.69(each 1H,d,J=
12.2Hz)、4.79,4.65(each 1
H,d,J=12.0Hz)、4.86(1H,d,J
=3.7Hz)、4.03(1H,dd,J=10.
3,3.7Hz)、3.94(1H,dd,J=10.
3,2.9Hz)、3.93(1H,q,J=6.6H
z)、3.80(2H,t,J=6.3Hz)、3.7
5−3.57(21H,m)、3.46(2H,t,J
=6.3Hz)、1.10(3H,d,J=6.6H
z)。βグリコシド由来−4.75(1H,d,J=
7.5Hz)、1.17(3H,d,J=6.3H
z)。
【0072】(2)化合物5の合成 化合物5−2(3.00g)が溶解したテトラヒドロフ
ラン(120ml)溶液に、パラジウム‐炭素(10
%、1.50g)を加え、中圧水素気流下(50ps
i)、室温下で12時間攪拌した。反応液より触媒を濾
別した後、濾液を濃縮し、残渣をシリカゲル(600
g)を用いるカラムクロマトグフラィー(塩化メチレン
ーメタノール 15:1)にて精製することにより、化
合物5(1.10g)を無色油状物として得た。
【0073】[α] 25−65.6°(c1.35,M
eOH) IR(CHCl):3570,3500cm-1 H−NMR(CDOD)δ:4.78(1H,d,
J=3.7Hz)、4.01(1H,q,J=6.6H
z)、3.80(2H,t,J=6.1Hz)、3.8
0(1H,m)、3.74(1H,dd,J=10.
0,3.2Hz)、3.70(1H,dd,J=10.
0,3.7Hz)、3.70−3.59(20H,
m)、3.51(2H,t,J=6.1Hz)、3.2
6(1H,m)、1.20(3H,d,J=6.6H
z)。
【0074】(3) フコース修飾カルボキシメチルキトサ
ン(化合物5)の合成 実施例2(3)に記載される方法と同様の方法によって
フコース修飾カルボキシメチルキトサン(化合物5、d
s:0.20、Fuc含量:10.5%)を得た(ds
はフェノール硫酸法により算出した)。
【0075】実施例6 (1)化合物6−1の合成 β‐D‐ガラクトサミンペンタアセテート(2.20
g)を、1,2‐塩化エチレン(30ml)に溶解した
後、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルフォネー
ト(1.19ml)を加え、50℃で1時間攪拌した。
室温下でトリエチルアミン(1.70ml)を加えた
後、溶媒を留去し、その残渣をシリカゲル(45g)を
用いるカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン‐メタ
ノール‐トリエチルアミン 40:1:4)にて精製す
ることにより、化合物6−1(1.90g)を粗生成物
として得た。
【0076】(2) 化合物6−2の合成 化合物1−2(1.62g)および化合物6−1(1.
90g)を、モレキュラーシーブズ4A(1.2g)を
含む1,2‐塩化エチレン溶液(12ml)に溶解した
後、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルフォネー
ト(870μl)を加え、50℃で1時間攪拌した。室
温下でトリエチルアミン(1.40ml)を加え、反応
液を濾過した後、濾液を塩化メチレンで希釈し、水洗
し、乾燥した後溶媒を留去した。続いて、残渣をシリカ
ゲル(150g)を用いるカラムクロマトグラフィー
(トルエン‐アセトン‐メタノール 500:300:
8)にて精製することにより、化合物6−2(2.95
g)を無色油状物として得た。
【0077】[α] 28−19.9°(c0.98,C
HCl) IR(CHCl):1745,1678cm-1 H−NMR(CDCl)δ:6.53(1H,d,
J=9.0Hz)、5.32(1H,br.d)、4.
99(1H,dd,J=11.2,3.4Hz)、4.
79(1H,d,J=8.5Hz)、4.25(1H,
ddd,J=11.2,9.0,8.5Hz)、4.1
8(1H,dd,J=11.2,6.6Hz)、4.1
8(1H,dd,J=11.2,6.8Hz)、3.9
0(1H,dd,J=6.8,6.6Hz)、3.87
(1H,m)、3.81(2H,t,J=6.3H
z)、3.75−3.59(21H,m)、3.47
(2H,t,J=6.3Hz)、2.16,2.05,
1.99,1.98(each3H,s)。
【0078】(3) 化合物6の合成 化合物6−2(2.20g)が溶解したメタノール(2
8ml)溶液に、28%ナトリウムメトキシド‐メタノ
ール溶液(200μl)を加え、室温下で20分間攪拌
した。反応液を陽イオン交換樹脂(Dowex50wH
+ )により中和した後、不溶物を濾去し、濾液を減圧下
濃縮した。続いて得られた残渣をシリカゲル(70g)
を用いるカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン‐メ
タノール6:1)にて精製することにより化合物6
(1.58g)を無色油状物として得た。
【0079】[α] 26−3.7°(c1.04,Me
OH) IR(KBr):3370,1661cm-1 H−NMR(CN+DO)δ:5.04(1
H,d,J=8.3Hz)、4.83(1H,dd,J
=10.5,8.3Hz)、4.46(1H,br.
d)、4.38(1H,dd,J=11.2,6.6H
z)、4.34(1H,dd,J=11.2,5.8H
z)、4.30(1H,dd,J=10.5,3.2H
z)、4.16(1H,dt,J=11.2,4.4H
z)、3.90(1H,dd,J=6.6,5.8H
z)、3.93(1H,dt,J=11.2,5.3H
z)、3.81(2H,t,J=6.1Hz)、3.7
2−3.62(18H,m)、3.59(2H,t,J
=6.1Hz)、2.16(3H,s)。
【0080】(4) Nアセチルガラクトサミン修飾カルボ
キシメチルキトサン(化合物6)の合成 実施例2(3)に記載される方法と同様の方法によって
Nアセチルガラクトサミン修飾カルボキシメチルキトサ
ン(化合物6)を得た。
【0081】実施例7 (1)化合物7−1の合成 β‐D‐グルコサミンペンタアセテート(14.0g)
を、1,2‐塩化エチレン(180ml)に溶解した
後、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルフォネー
ト(6.96ml)を加え、55℃で4時間攪拌した。
室温下でトリエチルアミン(10.1ml)を加えた
後、溶媒を留去し、その残渣をシリカゲル(200g)
を用いるカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン‐メ
タノール‐トリエチルアミン 200:1:1)にて精
製することにより、化合物7−1を粗生成物(11.8
g)として得た。
【0082】(2) 化合物7−2の合成 化合物7−1(1.85g)および化合物1−2(1.
56g)を、モレキュラーシーブズ4A(1.2g)を
含む1,2‐塩化エチレン溶液(12ml)に溶解した
後、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルフォネー
ト(835μl)を加え、50℃で1時間攪拌した。室
温下でトリエチルアミン(1.40ml)を加え、反応
液を濾過した後、濾液を塩化メチレンで希釈し、水洗
し、乾燥した後溶媒を留去した。続いて、残渣をシリカ
ゲル(150g)を用いるカラムクロマトグラフィー
(トルエン‐アセトン‐メタノール 500:300:
8)にて精製することにより、化合物7−2(2.45
g)を無色油状物として得た。
【0083】[α] 27−14.7°(c1.18,C
HCl) IR(CHCl):3622,1747,1678c
-1 H−NMR(CDCl)δ:6.61(1H,d,
J=9.3Hz)、5.11−5.10(2H,m)、
4.79(1H,d,J=8.5Hz)、4.26(1
H,dd,J=12.2,4.6Hz)、4.17(1
H,dd,J=12.2,2.4Hz)、4.10(1
H,m)、3.90(1H,m)、3.86−3.76
(2H,m)、3.81(2H,t,J=6.3H
z)、3.75−3.58(18H,m)、3.48
(2H,t,J=6.3Hz)、2.09,1.97
(each 3H,s)、2.01(6H,s)。
【0084】(3) 化合物7−3の合成 化合物7−2(13.0g)が溶解したメタノール溶液
(40ml)に、28%ナトリウムメトキシド‐メタノ
ール溶液(0.3ml)を加え、室温下で80分間攪拌
した。反応液を、陽イオン交換樹脂(Dowex50w
x8(H+ ))により中和した後、不溶物を濾去し、濾
液を減圧下濃縮した(10.2g)続いて、得られた残
渣(10.2g)をN,N′‐ジメチルホルムアミド
(50ml)に溶解し、ベンズアルデヒドジメチルアセ
タール(10.9ml)とd‐カンファースルホン酸
(125mg)を加え55℃で3時間減圧下(45mm
Hg)攪拌した。反応液を陰イオン交換樹脂(AG−1
(OH- ))により中和した後、不溶物を濾去し、濾液
を減圧下濃縮し、続いて残渣をシリカゲル(15g)を
用いるカラムクロマトグラフィー(トルエン‐アセトン
‐メタノール 200:300:10)にて精製するこ
とにより化合物7−3(7.57g)を無色非晶質とし
て得た。
【0085】[α] 28−55.4°(c1.04,C
HCl) IR(CHCl):3352,1666cm-1 H−NMR(CDCl)δ:7.52−7.47
(2H,m)、7.38−7.32(3H,m)、7.
15(1H,br.d,J=6.3Hz)、5.57
(1H,s)、4.75(1H,d,J=8.1H
z)、4.33(1H,dd,J=10.5,4.9H
z)、3.94−3.77(5H,m)、3.75(2
H,t,J=6.2Hz)、3.72−3.57(17
H,m)、3.45(1H,m,H−5)、3.44
(2H,t,J=6.2Hz)、2.07(3H,
s)。
【0086】(4) 化合物7−4の合成 J.Carbohydrate Chemistry, 10(4),549-560(1991) の記
載に従って合成した。
【0087】(5) 化合物7−5の合成 モレキュラーシーブズ4A(10g)を含む塩化メチレ
ン(20ml)に化合物7−3(636mg)と化合物
7−4(697mg)を加え、室温下で2時間攪拌した
後、0℃でジメチル(メチルチオ)スルフォニウムトリ
フレート(1.16g)を加え、同温度で30分間攪拌
した。反応液にメタノール(2ml)とトリエチルアミ
ン(1ml)を加えた後、その混合物を濾過し、濾液を
塩化メチレンで希釈し、有機層を水洗し、乾燥して溶媒
を留去した。続いて得られた残渣をシリカゲル(70
g)を用いるカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン
‐メタノール 50:1)にて精製することにより、化
合物7−5(896mg)を無色油状物として得た。な
お、H−NMRによる考察より、得られた化合物には
フコースがβグリコシド結合していると推定される化合
物が約6%混入していたが、これ以上精製することなく
次の工程へ進んだ。
【0088】IR(CHCl):1677cm-1 H−NMR(CDCl)δ:7.45−7.42
(2H,m)、7.39−7.24(18H,m)、
6.05(1H,d,J=8.1Hz)、5.50(1
H,s)、5.17(1H,d,J=3.7Hz)、
4.92(1H,d,J=8.3Hz)、4.91,
4.79,4.71,4.57(each 1H,d,
J=11.7Hz)、4.78,4.70(each
1H,d,J=11.5Hz)、4.33(1H,d
d,J=10.5,4.9Hz)、4.22(1H,d
d,J=9.5,9.5Hz)、4.11(1H,q,
J=6.3Hz)、4.04(1H,dd,J=10.
3,3.7Hz)、3.94(1H,dd,J=10.
3,2.7Hz)、3.78(2H,t,J=6.3H
z)、3.80−3.72(2H,m)、3.70−
3.58(20H,m)、3.56(1H,m)、3.
52−3.45(2H,m)、3.45(2H,t,J
=6.3Hz)、1.75(3H,s)、0.82(3
H,d,J=6.3Hz)。
【0089】(6) 化合物7−6の合成 モレキュラーシーブズ3A(20g)を含むテトラヒド
ロフラン溶液(60ml)に化合物7−5(5.20
g)を溶解し、室温下で2時間攪拌した後、水素化シア
ノホウ素ナトリウム(4.66g)を、ゆっくり加え
た。水素化シアノホウ素ナトリウムが完全に溶け終わっ
たのち、塩化水素‐エーテル溶液をガスの発生がおさま
るまで滴加し、15分間攪拌した。反応液を濾過し、濾
液を塩化メチレンで希釈した後、2N塩酸および2N水
酸化ナトリウム水溶液により洗浄し、次いで乾燥した後
溶媒を留去した。残渣を高分子ゲル(900cc)を用
いるカラムクロマトグラフィー(メタノール)およびシ
リカゲル(600g)を用いるカラムクロマトグラフィ
ー(塩化メチレン‐メタノール 50:1)にて精製す
ることにより、化合物7−6(4.02g)を無色非晶
質として得た。
【0090】[α] 28−50.8°(c0.51,C
HCl) IR(CHCl):3631,3450,1674c
-1 H−NMR(CDCl+DO)δ:7.41−
7.25(20H,m)、6.14(1H,d,J=
7.8Hz)、4.97(1H,d,J=3.7H
z)、4.95,4.61(each 1H,d,J=
11.2Hz)、4.84(1H,d,J=8.3H
z)、4.81,4.79,4.75,4.67(ea
ch 1H,d,J=11.7Hz)、4.62,4.
58(each 1H,d,J=12.2Hz)、4.
13(1H,q,J=6.3Hz)、4.06(1H,
dd,J=10.3,3.7Hz)、3.97(1H,
m)、3.95(1H,m)、3.84−3.57(2
3H,m)、3.78(2H,t,J=6.3Hz)、
3.52−3.41(3H,m)、3.45(2H,
t,J=6.3Hz)、1.66(3H,s)、1.1
4(3H,J=6.3Hz)。
【0091】(7) 化合物7−7の合成 J.Carbohydrate Chemistry, 8(2)265-283(1989) に記載
されるに従って合成した。
【0092】(8)化合物7−8の合成 モレキュラーシーブズ4A(2g)を含む塩化メチレン
溶液(6ml)に化合物7−7(400mg)および化
合物7−6(1.07g)を溶解し、室温下で2時間攪
拌した後、0℃で3フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体
(100μl)を加え、同温度で2時間攪拌した。反応
液を濾過した後、濾液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
で洗浄し、乾燥後溶媒を減圧下留去した。得られた残渣
を、シリカゲル(120g)を用いるカラムクロマトグ
ラフィー(塩化メチレン‐メタノール 30:1)にて
精製することにより、化合物7−8(460mg)を無
色粉末として得た。
【0093】[α] 28−34.0°(c0.63,C
HCl) IR(CHCl):1744,1688cm-1 H−NMR(CDCl)δ:7.97(2H,
m)、7.50(1H,m)、7.37(2H,m)、
7.36−7.22(20H,m)、6.23(1H,
m)、5.69(1H,ddd,J=9.3,5.6,
2.7Hz)、5.37(1H,dd,J=9.3,
2.7Hz)、5.21(1H,d,J=3.7H
z)、5.06(1H,br.d)、5.04(1H,
br.d)、4.97(1H,dd,J=10.0,
8.1Hz)、4.94,4.63(each1H,
d,J=11.7Hz)、4.90(1H,ddd,J
=12.0,10.3,4.7Hz)、4.81(1
H,d,J=7.8Hz)、4.81,4.70(ea
ch 1H,d,J=12.9Hz)、4.77,4.
75,4.57,4.44(each 1H,d,J=
12.2Hz)、4.74(1H,d,J=7.3H
z)、4.67(1H,dd,J=10.0,3.7H
z)、4.30(1H,dd,J=12.4,2.7H
z)、4.24(1H,dd,J=11.0,7.1H
z)、4.20(1H,m)、4.17(1H,dd,
J=11.0,7.3Hz)、4.10−4.05(2
H,m)、4.04(1H,m)、4.01(1H,
m)、3.98(1H,dd,J=12.4,5.6H
z)、3.94(1H,dd,J=7.3,7.1H
z)、3.91(1H,dd,J=10.0,4.7H
z)、3.87(1H,dd,J=10.3,2.4H
z)、3.87−3.73(5H,m)、3.79(2
H,t,J=6.3Hz)、3.75(3H,s)、
3.67−3.48(21H,m)、3.46(2H,
t,J=6.3Hz)、2.56(1H,dd,J=1
2.4,4.6Hz)、2.22,2.09,2.0
7,2.01,1.97,1.96,1.89,1.8
5(each 3H,s)、1.71(1H,dd,J
=12.4,12.0Hz)、1.10(3H,d,J
=6.3Hz)。
【0094】(9) 化合物7−9の合成 化合物7−8(200mg)を溶解したテトラヒドロフ
ラン(15ml)溶液にパラジウム‐炭素(10%、8
0mg)を加え、水素気流下、室温下で24時間攪拌し
た。反応液より触媒を濾別した後、濾液を濃縮し、残渣
を分取用薄層クロマトグラフィー(塩化メチレン‐メタ
ノール 8:1)にて精製することにより化合物7−9
(118mg)と化合物7−10(25mg)を得た。
【0095】化合物7−9;無色粉末 [α] 27−53.1°(c0.66,CHCl) IR(KBr):3450,1749,1665cm-1 H−NMR(CDCl+DO)δ:8.04(2
H,m)、7.59(1H,m)、7.48(2H,
m)、5.61(1H,m)、5.33(1H,dd,
J=9.3,2.7Hz)、5.06(1H,d,J=
2.7Hz)、5.05(1H,d,J=3.9H
z)、4.98(1H,dd,J=10.3,8.1H
z)、4.89(1H,ddd,J=12.0,10.
7,4.6Hz)、4.75(1H,d,J=8.1H
z)、4.66(1H,d,J=5.1Hz)、4.6
3(1H,dd,J=10.3,3.4Hz)、4.4
3(1H,dd,J=12.4,2.9Hz)、4.4
2−4.38(2H,m)、4.23(1H,dd,J
=11.0,6.8Hz)、4.15−3.90(7
H,m)、3.85(1H,m)、3.81(2H,
t,J=6.3Hz)、3.77(3H,s)、3.7
3−3.60(25H,m)、3.48(2H,t,J
=6.3Hz)、2.59(1H,dd,J=12.
7,4.6Hz)、2.24,2.11,2.06,
2.04,2.01,1.85(each 3H,
s)、2.14(6H,s)、1.71(1H,dd,
J=12.7,12.0Hz)、1.27(3H,d,
J=6.6Hz)。
【0096】化合物7−10;無色粉末 [α] 28−56.5°(c0.34,CHCl) IR(KBr):3452,1749,1663cm-1 H−NMR(CDCl+DO)δ:8.04(2
H,m)、7.59(1H,m)、7.48(2H,
m)、5.61(1H,m)、5.33(1H,dd,
J=9.1,2.7Hz)、5.07−5.04(2
H,m)、4.98(1H,dd,J=10.3,8.
3Hz)、4.89(1H,m)、4.74(1H,
d,J=8.3Hz)、4.66(1H,d,J=4.
9Hz)、4.63(1H,dd,J=10.3,3.
4Hz)、4.42(1H,dd,J=12.5,2.
9Hz)、4.39(1H,m)、4.39(1H,d
d,J=11.0,6.8Hz)、4.23(1H,d
d,J=11.2,6.8Hz)、4.16−3.89
(7H,m)、3.87−3.76(3H,m)、3.
78(3H,s)、3.75−3.57(23H,
m)、3.53(2H,q,J=7.1Hz)、2.5
9(1H,dd,J=12.7,4.4Hz)、2.2
4,2.14,2.14,2.11,2.06,2.0
5,2.01,1.86(each 3H,s)、1.
72(1H,dd,J=12.7,12.0Hz)、
1.26(3H,d,J=6.6Hz)、1.21(3
H,t,J=7.1Hz)。
【0097】(10)化合物7−11の合成 化合物7−10(14mg)を溶解したメタノール(2
ml)溶液に、3%ナトリウムメトキシド‐メタノール
溶液(400μl)を加え、室温下で30分間攪拌し
た。反応液を陽イオン交換樹脂(Dowex50w
+ )により中和した後、不溶物を濾去し、濾液を減圧
下濃縮した。次いで得られた残渣に0.1N水酸化ナト
リウム水溶液(2ml)を加え、室温下で10分間攪拌
した。その後陽イオン交換樹脂(Dowex50w
+ )によって中和し、不溶物を濾去し、濾液を減圧下
で濃縮し、高分子ゲル(20cc)を用いるカラムクロ
マトグラフィー(メタノール)にて精製することにより
化合物7−11(9mg)を無色粉末として得た。
【0098】[α] 27−39.6°(c0.33,M
eOH) IR(KBr):3400,1650cm-1 H−NMR(CDOD)δ:5.03(1H,d,
J=3.9Hz)、4.86−4.79(1H,m)、
4.52−4.49(2H,m)、4.03(1H,d
d,J=9.8,2.9Hz)、4.00(1H,d
d,J=12.2,3.4Hz)、3.95−3.49
(38H,m)、3.53(2H,q,J=7.1H
z)、3.45−3.40(2H,m)、2.81(1
H,dd,J=12.2,4.2Hz)、2.01,
1.97(each 3H,s)、1.83(1H,d
d,J=12.2,12.2Hz)、1.19(3H,
t,J=7.1Hz)、1.16(3H,d,J=6.
6Hz)。
【0099】(11)化合物7−12の合成 化合物7−9(220mg)が溶解したメタノール
(5.0ml)溶液に、28%ナトリウムメトキシド‐
メタノール溶液(200μl)を加え、室温下で30分
間攪拌した。反応液を陽イオン交換樹脂(Dowex5
0wH+ )により中和した後、不溶物を濾去し、濾液を
減圧下濃縮した。次いで得られた残渣に0.1N水酸化
ナトリウム水溶液(3.0ml)を加え、室温下で10
分間攪拌した。その後陽イオン交換樹脂(Dowex5
0wH+ )によって中和し、不溶物を濾去し、濾液を減
圧下濃縮し、高分子ゲル(200cc)を用いるカラム
クロマトグラフィー(メタノール)にて精製することに
より化合物7−12(150mg)を無色粉末として得
た。
【0100】[α] 27−39.4°(c0.66,M
eOH) IR(KBr):3460,1653cm-1 H−NMR(CDOD)δ:5.03(1H,d,
J=3.9Hz)、4.85−4.83(1H,m)、
4.52(1H,d,J=7.8Hz)、4.50(1
H,d,J=7.6Hz)、4.03(1H,dd,J
=9.5,2.9Hz)、4.00(1H,dd,J=
12.2,3.7Hz)、3.95−3.83(8H,
m)、3.81(2H,t,J=6.1Hz)、3.7
9−3.60(28H,m)、3.56(1H,dd,
J=9.5,7.8Hz)、3.51(2H,t,J=
6.1Hz)、3.50(1H,dd,J=9.0,
1.2Hz)、3.45−3.41(2H,m)、2.
80(1H,dd,J=12.4,4.4Hz)、2.
00,1.97(each 3H,s)、1.85(1
H,dd,J=13.3,11.5Hz)、1.16
(3H,d,J=6.6Hz)。
【0101】(12)シアリルルイスX修飾カルボキシメチ
ルキトサン(化合物7)の合成 カルボキシメチルキトサン(40mg)と化合物1(2
76mg、0.24mmol)とを0.5%炭酸水素ナ
トリウム水溶液(3ml)に溶解した後、炭酸水素ナト
リウム(20mg)を加え、60℃で160時間攪拌し
た。反応液を99.5%エタノール(35ml)に加え
て粗目的物を析出させた後、その析出物を95%エタノ
ール(40ml×3回)、アセトン(40ml)および
ジエチルエーテル(40ml)の順で洗浄し、次いで減
圧下乾燥した(58mg)。
【0102】続いて、粗生成物を10mlの水に溶解し
た後、透析膜(スペクトラ/ポア社製:分子量排除限界
12000〜14000)を用いて、精製水(1000
0ml)を外液として室温下で12時間透析した。透析
内液を99.5%エタノール(140ml)に加えて目
的物を析出させた後、その析出物を95%エタノール
(40ml)、アセトン(40ml)およびジエチルエ
ーテル(40ml)の順で洗浄し、次いで減圧下乾燥す
ることによりシアリルルイスX修飾カルボキシメチルキ
トサン(化合物7、47mg、ds:0.17、SLe
X含量:33%)を得た(dsはシアル酸の定量法であ
るレゾルシノール塩酸法にて求めた)。
【0103】実施例8 (1)化合物8−1の合成 化合物7−3(240mg)を溶解したN,N′‐ジメ
チルホルムアミド溶液(3ml)に、酸化バリウム(1
27mg)、水酸化バリウム8水和物(24mg)およ
びベンジルブロミド(90μl)を加え、室温下で12
時間攪拌した。反応液にメタノール(3ml)と28%
ナトリウムメトキシド‐メタノール溶液(150μl)
を加え、室温下で20分間攪拌した後、塩化エチレンで
希釈し、飽和食塩水にて洗浄し、次いで乾燥後溶媒を留
去した。続いて、得られた残渣をシリカゲル(30g)
を用いるカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン‐メ
タノール 50:1)にて精製することにより、化合物
8−1(233mg)を無色非晶質として得た。
【0104】[α] 27−13.4°(c1.03,C
HCl) IR(CHCl):3460,3340,1674c
-1 H−NMR(CDCl)δ:7.51−7.47
(2H,m)、7.42−7.22(8H,m)、6.
36(1H,d,J=8.1Hz)、5.57(1H,
s)、4.95(1H,d,J=8.1Hz)、4.9
0,4.66(each 1H,d,J=12.0H
z)、4.35(1H,dd,J=10.5,5.1H
z)、4.05(1H,dd,J=9.8,9.5H
z)、3.90(1H,m)、3.80(1H,m)、
3.77(2H,t,J=6.3Hz)、3.44(2
H,t,J=6.3Hz)、3.73−3.46(22
H,m)、1.95(3H,s)。
【0105】(2) 化合物8−2の合成 モレキュラーシーブズ3A(3g)を含むテトラヒドロ
フラン溶液(8ml)に化合物8−1(500mg)を
溶解し、室温下で2時間攪拌した後、水素化シアノホウ
素ナトリウム(650mg)を、ゆっくり加えた。水素
化シアノホウ素ナトリウムが完全に溶け終わったのち、
塩化水素‐エーテル溶液をガスの発生がおさまるまで滴
加し、10分間攪拌した。反応液を濾過し、濾液を塩化
メチレンで希釈した後、2N塩酸および2N水酸化ナト
リウム水溶液により洗浄し、次いで乾燥後溶媒を留去し
た。残渣を高分子ゲル(300cc)を用いるカラムク
ロマトグラフィー(メタノール)およびシリカゲル(1
50g)を用いるカラムクロマトグラフィー(塩化メチ
レン‐メタノール 50:1)により精製し、化合物8
−2(395mg)を無色非晶質として得た。
【0106】[α] 24−14.8°(c1.11,C
HCl) IR(CHCl):3460,3350,1674c
-1 H−NMR(CDCl)δ:7.38−7.24
(10H,m)、6.36(1H,d,J=7.3H
z,NH)、4.81(1H,d,J=8.3Hz)、
4.77,4.71(each 1H,d,J=11.
5Hz)、4.61,4.56(each 1H,d,
J=12.0Hz)、3.90(1H,m)、3.80
−3.72(5H,m)、3.77(2H,t,J=
6.3Hz)、3.71−3.57(19H,m)、
3.51(1H,m)、3.45(2H,t,J=6.
3Hz)、2.76(1H,br.s,OH)、1.9
6(3H,s)。
【0107】(3)化合物8−3の合成 モレキュラーシーブズ4A(1.5g)を含む塩化メチ
レン溶液(5ml)に化合物7−7(200mg)、化
合物8−2(370mg)を溶解し、室温下で2時間攪
拌した後、0℃で3フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体
(50μl)を加え、同温度で3時間攪拌した。反応液
を濾過した後、濾液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で
洗浄し、乾燥後溶媒を減圧下留去した。得られた残渣
を、シリカゲル(20g)を用いるカラムクロマトグラ
フィー(塩化メチレン‐メタノール30:1)にて精製
することにより、化合物8−3(272mg)を無色粉
末として得た。
【0108】[α] 23.5−21.8°(c0.38,
CHCl) IR(CHCl):3300,1751,1662c
-1 H−NMR(CDCl)δ:7.96(2H,
m)、7.53(1H,m)、7.38(2H,m)、
7.34−7.18(10H,m)、6.30(1H,
br.d,J=8.0Hz)、5.60(1H,dd
d,J=9.3,6.1,2.9Hz)、5.36(1
H,dd,J=9.3,2.7Hz)、5.04(1
H,dd,J=10.3,8.1Hz)、5.04(1
H,br.d)、5.03(1H,br.d)、4.8
8(1H,ddd,J=12.0,10.5,4.7H
z)、4.85(1H,d,J=7.8Hz)、4.7
6,4.67(each 1H,d,J=11.5H
z)、4.71(1H,d,J=6.1Hz)、4.6
6(1H,dd,J=10.3,3.7Hz)、4.5
9,4.51(each 1H,d,J=12.0H
z)、4.32(1H,dd,J=12.4,2.4H
z)、4.16(1H,dd,J=11.0,6.6H
z)、4.11(1H,dd,J=11.0,7.1H
z)、4.05(1H,qlike)、4.04(1
H,tlike)、3.97(1H,dd,J=12.
2,6.1Hz)、3.95−3.88(4H,m)、
3.84(1H,tlike)、3.79(2H,t,
J=6.3Hz)、3.75(3H,s)、3.70−
3.56(22H,m)、3.45(2H,t,J=
6.3Hz)、2.58(1H,dd,J=12.7,
4.7Hz)、2.22,2.11,2.01,1.9
6,1.96,1.85(each 3H,s)、2.
07(6H,s)、1.72(1H,dd,J=12.
7,12.0Hz)。
【0109】(4) 化合物8−4の合成 化合物2−3(310mg)を溶解したテトラヒドロフ
ラン(15ml)溶液にパラジウム‐炭素(10%、1
00mg)と1N塩酸(100μl)を加え、水素気流
下、室温下で3時間攪拌した。反応液より触媒を濾別し
た後、濾液を濃縮し、残渣を分取用薄層クロマトグラフ
ィー(塩化メチレン‐メタノール 20:1)にて精製
することにより化合物8−4(234mg)を無色粉末
として得た。
【0110】[α] 25−4.4°(c0.41,CH
Cl) IR(KBr):3500,1747,1664cm-1 H−NMR(CDOD)δ:8.07(2H,
m)、7.61(1H,m)、7.49(2H,m)、
5.64(1H,ddd,J=9.3,6.3,2.7
Hz)、5.34(1H,dd,J=9.3,2.7H
z)、5.13(1H,J=3.4Hz)、4.99
(1H,dd,J=10.0,8.1Hz)、4.97
(1H,m)、4.86(1H,d,J=8.1H
z)、4.75(1H,dd,J=10.0,3.4H
z)、4.51(1H,d,J=8.5Hz)、4.4
1(1H,dd,J=12.5,2.7Hz)、4.3
7(1H,dd,J=11.0,5.9Hz)、4.2
3(1H,dd,J=11.2,7.3Hz)、4.1
8(1H,dd,J=7.3,5.9Hz)、3.99
(1H,dd,J=12.5,6.3Hz)、3.96
(1H,tlike)、3.91(1H,m)、3.8
8(1H,m)、3.80(3H,s)、3.80(2
H,t,J=6.1Hz)、3.82−3.70(3
H,m)、3.68−3.55(21H,m)、3.5
0(2H,t,J=6.1Hz)、3.39(1H,
m)、2.58(1H,dd,J=12.5,4.9H
z)、2.26,2.14,2.12,2.07,2.
03,1.97,1.95,1.81(each 3
H,s)、1.54(1H,dd,J=12.5,1
2.5Hz)。
【0111】(5) 化合物8−5の合成 化合物8−4(390mg)が溶解したメタノール(6
ml)溶液に、3%ナトリウムメトキシド‐メタノール
溶液(600μl)を加え、室温下で30分間攪拌し
た。反応液を陽イオン交換樹脂(Dowex50w
+ )により中和した後、不溶物を濾去し、濾液を減圧
下濃縮した。次いで得られた残渣に1,4‐ジオキサン
(1ml)と0.1N水酸化ナトリウム水溶液(6.0
ml)を加え、室温下で10分間攪拌した。その後陽イ
オン交換樹脂(Dowex50wH+ )によって中和
し、不溶物を濾去し、濾液を減圧下濃縮し、高分子ゲル
(200cc)を用いたカラムクロマトグラフィー(メ
タノール)にて精製することにより化合物8−5(27
8mg)を無色粉末として得た。
【0112】[α] 24−12.2°(c1.02,M
eOH) IR(KBr):3446,1735,1655cm-1 H−NMR(CDOD)δ:4.50(1H,d,
J=8.3Hz)、4.45(1H,d,J=7.8H
z)、4.05(1H,dd,J=9.8,2.9H
z)、3.95−3.55(36H,m)、3.81
(2H,t,J=6.1Hz)、3.51(2H,t,
J=6.1Hz)、3.50(1H,m)、3.40
(1H,m)、2.79(1H,dd,J=12.9,
4.2Hz)、2.00,1.98(each 3H,
s)、1.87(1H,tlike)。
【0113】(6) シアリル‐N‐アセチルラクトサミン
修飾カルボキシメチルキトサン(化合物8)の合成 カルボキシメチルキトサン(40mg)と化合物8−5
(240mg)とを0.5%炭酸水素ナトリウム水溶液
(3ml)に溶解した後、炭酸水素ナトリウム(20m
g)を加え、60℃で160時間攪拌した。反応液を9
9.5%エタノール(35ml)に加えて粗目的物を析
出させた後、その析出物を95%エタノール(40ml
×3回)、アセトン(40ml)およびジエチルエーテ
ル(35ml)の順で洗浄し、次いで減圧下乾燥した
(42mg)。続いて、粗生成物を10mlの水に溶解
した後、透析膜(スペクトラ/ポア社製:分子量排除限
界12000〜14000)を用いて、精製水(100
00ml)を外液として室温下で12時間透析した。透
析内液を99.5%エタノール(140ml)に加えて
目的物を析出させた後、その析出物を95%エタノール
(40ml)、アセトン(40ml)およびジエチルエ
ーテル(40ml)の順で洗浄し、次いで減圧下乾燥す
ることによりシアリル‐N‐アセチルラクトサミン修飾
カルボキシメチルキトサン(化合物8、28mg、d
s:0.17、シアリル‐N‐アセチルラクトサミン含
量:29%)を得た(dsはシアル酸の定量法であるレ
ゾルシノール塩酸法にて求めた)。
【0114】実施例9 (1)化合物9−1の合成 化合物1−3(900mg)が溶解したジメチルホルム
アミド溶液(8ml)に、アジ化リチウム(81mg)
を加え、65℃で3時間攪拌した。反応液を室温まで冷
却した後、塩化エチレンで希釈し、飽和食塩水にて洗浄
し、次いで乾燥後溶媒を留去した。続いて、得られた残
渣をシリカゲル(70g)を用いるカラムクロマトグラ
フィー(塩化メチレン‐メタノール 50:1)にて精
製することにより、化合物9−1(810mg)を無色
油状物として得た。
【0115】[α] 21−16.0°(c1.07,C
HCl) IR(CHCl):2108,1745,1690c
-1 H−NMR(CDCl)δ:5.39(1H,dd
d,J=8.5,5.4,2.7Hz)、5.32(1
H,dd,J=8.5,2.0Hz)、5.10(1
H,d,J=9.3Hz)、4.86(1H,ddd,
J=12.2,9.8,4.6Hz)、4.30(1
H,dd,J=12.5,2.7Hz)、4.09(1
H,dd,J=12.5,5.4Hz)、4.08−
4.02(2H,m)、3.90(1H,ddd,J=
10.7,5.1,3.4Hz)、3.80(3H,
s)、3.69−3.60(20H,m)、3.46
(1H,ddd,J=10.7,6.6,3.4H
z)、3.39(2H,t,J=6.3Hz)、2.6
2(1H,dd,J=12.9,4.6Hz)、2.1
4,2.14,2.04,2.03,1.88(eac
h 3H,s)、1.98(1H,dd,J=12.
9,12.2Hz)。
【0116】(2)化合物9−2の合成 化合物9−1(100mg)が溶解したメタノール(5
ml)溶液に、リンドラー触媒(100mg)とパラト
ルエンスルホン酸−水和物メタノール溶液(25mg)
を加え、中圧水素気流下(50psi)、室温下で3時
間攪拌した。反応液より触媒を濾去し、濾液を減圧下濃
縮した後、残渣をシリカゲル(20g)を用いるカラム
クロマトグラフィー(塩化メチレン‐メタノール‐水
7:3:1)にて精製することにより、化合物9−2
(103mg)を無色油状物として得た。
【0117】[α] 23−12.4°(c1.01,C
HCl) IR(CHCl):1745,1688cm-1 H−NMR(CDCl)δ:7.78(2H,A
,J=8.1Hz)、7.16(2H,A
J=8.1Hz)、5.50(1H,d,J=9.0H
z)、5.39(1H,ddd,J=8.5,5.8,
2.9Hz)、5.32(1H,dd,J=8.5,
2.0Hz)、4.89(1H,ddd,J=12.
5,9.8,4.6Hz)、4.30(1H,dd,J
=12.5,2.7Hz)、4.12(1H,dd,J
=10.7,2.0Hz)、4.09(1H,qlik
e)、4.09(1H,dd,J=12.5,5.9H
z)、3.87(1H,ddd,J=11.0,4.
9,3.2Hz)、3.81(2H,t,J=5.0H
z)、3.82(3H,s)、3.74−3.60(1
8H,m)、3.52(1H,ddd,J=11.0,
6.5,2.5Hz)、3.23−3.13(2H,
m)、2.64(1H,dd,J=12.5,4.6H
z)、2.35,2.14,2.13,2.04,2.
02,1.88(each 3H,s)、1.93(1
H,dd,J=12.5,12.5Hz)。
【0118】(3) カルボキシメチルプルランの調製 特願平5−38635号に記載される方法(プルラン
(平均分子量:15万)とクロル酸とを1N水酸化ナト
リウム水溶液中で反応させる)によりカルボキシメチル
プルラン(カルボキシメチル化度:0.6)を得た。
【0119】(4) シアル酸修飾カルボキシメチルプルラ
ン(9)の合成 カルボキシメチルプルラン(50mg)と化合物9−2
(115mg)を溶解した水(2ml)とN,N′‐ジ
メチルホルムアミド(2ml)の混合溶液に、1‐エト
キシカルボニル‐2‐エトキシ‐1,2‐ジヒドロキノ
リン(EEDQ、610mg)を加え、60℃で160
時間攪拌した後、反応液を濃縮し、残渣に1N水酸化ナ
トリウム水溶液(5ml)を加えて、更に12時間攪拌
した。反応混合物を99.5%エタノール(35ml)
に加えて粗目的物を析出させた後、その析出物を95%
エタノール(40ml×3回)、アセトン(40ml)
およびジエチルエーテル(40ml)の順で洗浄し、次
いで減圧下乾燥した(63mg)。
【0120】続いて、粗生成物を10mlの水に溶解し
た後、透析膜(スペクトラ/ポア社製:分子量排除限界
12000〜14000)を用いて、精製水(1000
0ml)を外液として室温下で16時間透析した。透析
内液を99.5%エタノール(140ml)に加えて目
的物を析出させた後、その析出物を95%エタノール
(40ml×3回)、アセトン(40ml)およびジエ
チルエーテル(40ml)の順で洗浄し、次いで減圧下
乾燥することによりシアル酸修飾カルボキシメチルプル
ラン(化合物9、43mg、ds:0.12、シアル酸
含量:13.5%)を得た(dsはレゾルシノール塩酸
法により算出した)。
【0121】実施例10 (1)化合物10−1の合成 化合物7−6(750mg)が溶解したジメチルホルム
アミド溶液(3ml)に、アジ化ナトリウム(92.5
mg、1.42mmol)を加え、70℃で17時間攪
拌した。反応液を室温まで冷却した後、塩化メチレンで
希釈し、飽和食塩水にて洗浄し、次いで乾燥後溶媒を留
去した。続いて、得られた残渣をシリカゲル(150
g)を用いるカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン
‐メタノール 100:1)にて精製することにより、
化合物10−1(674mg)を無色非晶質として得
た。
【0122】[α] 26−31.0°(c1.07,C
HCl) IR(CHCl):3450,2106,1674c
-1 H−NMR(CDCl+DO)δ:7.41−
7.26(20H,m)、6.13(1H,d,J=
7.6Hz)、4.98(1H,d,J=3.4H
z)、4.95,4.61(each 1H,d,J=
11.5Hz)、4.84(1H,d,J=8.5H
z)、4.81,4.79,4.75,4.67(ea
ch 1H,d,J=11.7Hz)、4.62,4.
58(each 1H,d,J=12.2Hz)、4.
13(1H,q,J=6.6Hz)、4.06(1H,
dd,J=10.2,3.4Hz)、3.97(1H,
m)、3.95(1H,m)、3.85−3.77(2
H,m)、3.76−3.56(23H,m)、3.5
2−3.43(3H,m)、3.36(2H,t,J=
5.0Hz)、1.66(3H,s)、1.14(3
H,J=6.6Hz)。
【0123】(2)化合物10−2の合成 モレキュラーシーブズ4A(3g)を含む塩化メチレン
溶液(10ml)に化合物7−7(350mg)および
化合物10−1(542mg)を溶解し、室温で2時間
攪拌した後、0℃で3フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯
体(87μl)を加え、同温度で30分間攪拌した。反
応液を濾過した後、濾液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液で洗浄し、乾燥後溶媒を減圧下留去した。得られた残
渣を、シリカゲル(70g)を用いるカラムクロマトグ
ラフィー(塩化メチレン−メタノール 20:1)にて
精製することにより、化合物10−2(242mg)を
無色粉末として得た。
【0124】[α] 28−27.9°(c0.55,C
HCl) IR(KBr)2108,1745,1685cm-1 H−NMR(CDCl)δ:7.97(2H,
m)、7.50(1H,m)、7.49−7.16(2
2H,m)、6.25(1H,br.s)、5.59
(1H,ddd,J=9.3,5.6,2.7Hz)、
5.37(1H,dd,J=9.3,2.7Hz)、
5.22(1H,d,J=3.7Hz)、5.07(1
H,d,J=10.3Hz)、5.04(1H,d,J
=3.7Hz)、4.97(1H,dd,J=10.
0,8.1Hz)、4.92,4.63(each 1
H,d,J=11.7Hz)、4.90(1H,dd
d,J=12.0,10.5,4.6Hz)、4.81
(1H,d,J=8.1Hz)、4.74(1H,
d)、4.81,4.77,4.75,4.70,4.
58,4.44(each 1H,d,J=12.0H
z)、4.67(1H,dd,J=10.0,3.7H
z)、4.29(1H,dd,J=12.4,2.7H
z)、4.24(1H,dd,J=11.0,6.8H
z)、4.23(1H,q,J=6.6Hz)、4.1
6(1H,dd,J=11.0,7.3Hz)、4.0
8(1H,m)、4.08(1H,dd,J=10.
0,3.7Hz)、4.04(1H,m)、4.01
(1H,m)、3.98(1H,dd,J=12.4,
5.6Hz)、3.90(1H,m)、3.87(1
H,dd,J=10.0,2.7Hz)、3.87−
3.79(4H,m)、3.75(3H,s)、3.6
5(2H,t,J=5.1Hz)、3.65−3.48
(21H,m)、3.37(2H,t,J=5.1H
z)、2.56(1H,dd,J=12.7,4.6H
z)、2.22,2.08,2.07,2.01,1.
97,1.96,1.89,1.85(each 3
H,s)、1.71(1H,dd,J=12.7,1
2.0Hz)、1.10(3H,d,J=6.6H
z)。
【0125】(3) 化合物10−3の合成 化合物10−2(200mg)を溶解したメタノール
(15ml)溶液に、パラジウム‐炭素(10%、15
0mg)と0.5N塩酸(328μl)を加え、中圧水
素気流下(50psi)、室温下で12時間攪拌した。
反応液より触媒を濾別した後、濾液を濃縮し、残渣をシ
リカゲル(45g)を用いるカラムクロマトグラフィー
(塩化メチレン‐メタノール‐水 65:35:10
(下層))にて精製することにより化合物10−3(1
40mg)を無色粉末として得た。
【0126】[α] 25−58.3°(c0.52,C
HCl) IR(KBr):3420,1749,1663cm-1 H−NMR(CDOD)δ:8.05(2H,
m)、7.63(1H,m)、7.51(2H,tli
ke)、5.60(1H,ddd,J=9.3,5.
6,2.9Hz)、5.37(1H,dd,J=9.
3,2.7Hz)、5.17(1H,d,J=3.4H
z)、5.06(1H,d,J=3.9Hz)、4.9
8(1H,dd,J=10.0,8.3Hz)、4.9
1(1H,d,J=8.3Hz)、4.87(1H,
m)、4.86−4.81(1H,m)、4.60(1
H,dd,J=10.0,3.4Hz)、4.52(1
H,dd,J=10.5,5.9Hz)、4.45(1
H,d,J=8.5Hz)、4.41(1H,dd,J
=12.7,2.9Hz)、4.15(1H,dd,J
=10.5,8.5Hz)、4.09−3.99(4
H,m)、3.95(1H,dd,J=10.5,1
0.5Hz)、4.16(1H,dd,J=12.0,
4.9Hz)、3.85(1H,m)、3.84−3.
79(5H,m)、3.74(3H,s)、3.76−
3.62(22H,m)、3.42(1H,m)、3.
22(1H,ddd,J=13.7,6.1,4.6H
z)、3.15(1H,ddd,J=13.7,10.
0,5.1Hz)、2.58(1H,dd,J=12.
4,4.6Hz)、2.26,2.16,2.08,
2.07,2.04,1.99,1.97,1.81
(each 3H,s)、1.53(1H,dd,J=
12.4,12.2Hz)、1.27(3H,d,J=
6.8Hz)。
【0127】(4) シアリルルイスX修飾カルボキシメチ
ルプルラン(化合物10)の合成 カルボキシメチルプルラン(50mg)と化合物10−
3(184mg、0.124mmol)を溶解した水
(2ml)とN,N′‐ジメチルホルムアミド(2m
l)の混合溶液に、1‐エトキシカルボニル‐2‐エト
キシ‐1,2‐ジヒドロキノリン(EEDQ、610m
g)を加え、40℃で160時間攪拌した後、反応液を
濃縮し、残渣に1N水酸化ナトリウム水溶液(7ml)
を加えて、更に12時間攪拌した。反応混合物を99.
5%エタノール(35ml)に加えて粗目的物を析出さ
せた後、その析出物を95%エタノール(40ml×3
回)、アセトン(40ml)およびジエチルエーテル
(40ml)の順で洗浄し、次いで減圧下乾燥した(8
3mg)。
【0128】続いて、粗生成物を10mlの水に溶解し
た後、透析膜(スペクトラ/ポア社製:分子量排除限界
12000〜14000)を用いて、精製水(1000
0ml)を外液として室温下で16時間透析した。透析
内液を99.5%エタノール(140ml)に加えて目
的物を析出させた後、その析出物を95%エタノール
(40ml×3回)、アセトン(40ml)およびジエ
チルエーテル(40ml)の順で洗浄し、次いで減圧下
乾燥することによりシアリルルイスX修飾カルボキシメ
チルプルラン(化合物10、57mg、ds:0.1
3、シアリルルイスX含量:31%)を得た(dsはシ
アル酸の定量法であるレゾルシノール塩酸法にて求め
た)。
【0129】実施例11 (1) 化合物11−1の合成 化合物8−2(620mg)が溶解したジメチルホルム
アミド溶液(6ml)に、アジ化リチウム(83mg、
1.70mmol)を加え、70℃で12時間攪拌し
た。反応液を室温まで冷却した後、塩化メチレンで希釈
し、飽和食塩水にて洗浄し、次いで乾燥後溶媒を留去し
た。続いて、得られた残渣をシリカゲル(150g)を
用いるカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン‐メタ
ノール 70:1)にて精製することにより、化合物1
1−1(575mg)を無色非晶 質として得た。
【0130】[α] 26−14.3(c1.02,CH
Cl) IR(CHCl):2108,1674cm-1 H−NMR(CDCl)δ:7.37−7.26
(10H,m)、6.33(1H,br.s)、4.8
2(1H,d,J=8.3Hz)、4.77,4.71
(each 1H,d,J=11.5Hz)、4.6
1,4.57(each 1H,d,J=12.2H
z)、3.89(1H,m)、3.80−3.72(4
H,m)、3.71−3.57(22H,m)、3.5
1(1H,dt,J=9.5,4.9Hz)、3.36
(2H,t,J=5.1Hz)、2.15(1H,d,
J=2.2Hz,OH)、1.96,1.70(eac
h 3H,s)。
【0131】(2) 化合物11−2の合成 モレキュラーシーブズ4A(2g)を含む塩化メチレン
溶液(5ml)に化合物7−7(200mg)、化合物
11−1(350mg)を溶解し、室温下で2時間攪拌
した後、0℃で3フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体
(50μl)を加え、同温度で3時間攪拌した。反応液
を濾過した後、濾液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で
洗浄し、乾燥後溶媒を減圧下留去した。得られた残渣
を、シリカゲル(45g)を用いるカラムクロマトグラ
フィー(塩化メチレン‐メタノール15:1)により精
製して、化合物11−2(145mg)を無色粉末とし
て得た。
【0132】[α] 23.5−20.9°(c1.05,
CHCl) IR(CHCl):2100,1744,1682c
-1 H−NMR(CDCl)δ:7.96(2H,dl
ike)、7.53(1H,tlike)、7.38
(2H,tlike)、7.35−7.18(10H,
m)、6.32(1H,br.s)、5.60(1H,
ddd,J=9.3,6.1,2.7Hz)、5.36
(1H,dd,J=9.3,2.7Hz)、5.09−
5.00(3H,m)、4.89(1H,ddd,J=
12.0,10.7,4.6Hz)、4.85(1H,
d,J=8.3Hz)、4.77,4.67(each
1H,d,J=11.5Hz)、4.71(1H,
d,J=6.1Hz)、4.66(1H,dd,J=1
0.3,3.7Hz)、4.59,4.51(each
1H,d,J=12.0Hz)、4.31(1H,b
r.d)、4.16(1H,dd,J=11.0,6.
8Hz)、4.11(1H,dd,J=11.0,7.
3Hz)、4.05(1H,qlike)、4.04−
4.03(1H,m)、3.97(1H,dd,J=1
2.7,6.1Hz)、3.95−3.86(4H,
m)、3.84(1H,tlike)、3.78(2
H,t,J=6.3Hz)、3.75(3H,s)、
3.70−3.56(22H,m)、3.37(2H,
t,J=5.1Hz)、2.58(1H,dd,J=1
2.7,4.6Hz)、2.22,2.10,2.0
1,1.85(each 3H,s)、2.07,1.
96(6H,s)、1.72(1H,dd,J=12.
7,12.3Hz)。
【0133】(3) 化合物11−3の合成 化合物11−2(100mg)を溶解したメタノール
(10ml)溶液に、パラジウム‐炭素(10%、50
mg)と1N塩酸(99μl)を加え、水素気流下、室
温下で12時間攪拌した。反応液より触媒を濾別した
後、濾液を濃縮し、残渣をシリカゲル(20g)を用い
るカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン‐メタノー
ル‐水 65:35:10(下層))にて精製すること
により化合物11−3(65mg)を無色粉末として得
た。
【0134】[α] 26−3.4°(c1.04,CH
Cl) IR(KBr):3480,3420,1743,16
88cm-1 H−NMR(CDOD)δ:8.07(2H,dl
ike)、7.62(1H,tlike)、7.48
(2H,tlike)、5.63(1H,ddd,J=
9.5,5.9,2.7Hz)、5.36(1H,d
d,J=9.5,2.4Hz)、5.14(1H,d,
J=3.2Hz)、5.00(1H,dd,J=10.
0,8.3Hz)、4.88(1H,m)、4.85
(1H,d,J=8.3Hz)、4.73(1H,d
d,J=10.3,3.2Hz)、4.40(1H,
d,J=8.5Hz)、4.39(1H,dd,J=1
2.7,2.7Hz)、4.36(1H,dd,J=1
1.2,5.8Hz)、4.30(1H,dd,J=1
1.2,7.3Hz)、4.17(1H,tlik
e)、4.05(1H,m)、3.99(1H,dd,
J=12.2,5.9Hz)、3.97(1H,dd,
J=10.3,10.3Hz)、3.93(1H,
m)、3.89(1H,dlike)、3.83−3.
52(25H,m)、3.80(3H,s)、3.41
(1H,m)、3.23(1H,ddd,J=13.
2,7.1,3.9Hz)、3.11(1H,ddd,
J=13.2,5.9,3.4Hz)、2.58(1
H,dd,J=12.4,4.6Hz)、2.31,
2.14,2.12,2.07,2.03,1.97,
1.97,1.81(each 3H,s)、1.54
(1H,dd,J=12.5,12.0Hz)。
【0135】(4) シアリル‐N‐アセチルラクトサミン
修飾カルボキシメチルプルラン(化合物11)の合成 カルボキシメチルプルラン(40mg)と化合物11−
3(133mg)を溶解した水(1.6ml)とN,
N′‐ジメチルホルムアミド(1.6ml)の混合溶液
に、1‐エトキシカルボニル‐2‐エトキシ‐1,2‐
ジヒドロキノリン(EEDQ、490mg)を加え、4
0℃で160時間攪拌した後、反応液を濃縮し、残渣に
1N水酸化ナトリウム水溶液(6ml)を加えて、更に
12時間攪拌した。反応混合物を99.5%エタノール
(35ml)に加えて粗目的物を析出させた後、その析
出物を95%エタノール(40ml×3回)、アセトン
(40ml)およびジエチルエーテル(40ml)の順
で洗浄し、次いで減圧下乾燥した(48mg)。
【0136】続いて、粗生成物を10mlの水に溶解し
た後、透析膜(スペクトラ/ポア社製:分子量排除限界
12000〜14000)を用いて、精製水(1000
0ml)を外液として室温下で16時間透析した。透析
内液を99.5%エタノール(140ml)に加えて目
的物を析出させた後、その析出物を95%エタノール
(40ml×3回)、アセトン(40ml)およびジエ
チルエーテル(40ml)の順で洗浄し、次いで減圧下
乾燥することによりシアリル‐N‐アセチルラクトサミ
ン修飾カルボキシメチルプルラン(化合物11、40m
g、ds:0.13、シアリル‐N‐アセチルラクトサ
ミン含量:27%)を得た(dsはシアル酸の定量法で
あるレゾルシノール塩酸法にて求めた)。
【0137】実施例12 カルボキシメチルキトサン(50mg)を蒸留水10m
lに溶かし、ラクトース一水和物(C122211:H
O=360.31)313mgを加え、次いで反応液に
酢酸を加えてpH6.6に調整した。この反応液にNa
BHCN(95%、Mw=62.84)72mgを加
え、室温下で1週間攪拌した。反応液を透析膜(スペク
トラ/ポア社製:分子量カットオフ12,000〜1
4,000)を用いて、精製水を外液として4℃で2日
間透析した。透析内液は、さらにメンブランフィルター
(0.22μm)を通した。この溶出液を99.5%エ
タノール280mlに加え、生じた沈殿を95%エタノ
ール、アセトン、エーテルの順で洗浄し、減圧下乾燥す
ることによりラトクースの導入された化合物(51m
g)を白色非晶質として得た。ガラクトースを標準とす
るフェノール硫酸法によって定量したところ、ラクトー
スの置換度は0.15であった。
【0138】上記のラクトースの導入された化合物(2
0mg)を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液5mlに溶か
し、無水酢酸80μlを4回に分けて加え、室温下で一
晩攪拌した。反応液を透析膜(スペクトラ/ポア社製:
分子量カットオフ12,000〜14,000)を用い
て、精製水を外液として4℃で2日間透析した。透析内
液は、さらにメンブランフィルター(0.22μm)を
通した。この溶出液を99.5%エタノール150ml
に加え、生じた沈殿を95%エタノール、アセトン、エ
ーテルの順で洗浄し、減圧下乾燥することにより、ラク
トースが導入され、カルボキシメチルキトサンのアミノ
基がアセチル化された化合物(13mg)を白色非晶質
として得た。
【0139】実施例13 カルボキシメチルキトサン(100mg)を蒸留水10
mlに溶かし、マルトース一水和物(C122211・H
O=360.32)641mgを加え、次いで反応液
に希酢酸を加えてpH6.6に調整した。この反応液に
NaBHCN(95%、Mw=62.84)140m
gを加え、室温下で6日間攪拌した。反応液を透析膜
(スペクトラ/ポア社製:分子量カットオフ12,00
0〜14,000)を用いて、精製水を外液として4℃
で2日間透析した。透析内液は、さらにメンブランフィ
ルター(0.22μm)を通した。この溶出液を99.
5%エタノール300mlに加え、生じた沈殿を95%
エタノール、アセトン、エーテルの順で洗浄し、減圧下
乾燥することによりマルトースの導入された化合物(1
20mg)を白色非晶質として得た。グルコースを標準
とするフェノール硫酸法によって定量したところ、マル
トースの置換度は0.26であった。
【0140】上記のマルトースの導入された化合物(3
0mg)を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液3mlに溶か
し、無水酢酸120μlを4回に分けて加え、室温下で
一晩攪拌した。反応液を透析膜(スペクトラ/ポア社
製:分子量カットオフ12,000〜14,000)を
用いて、精製水を外液として4℃で2日間透析した。透
析内液は、さらにメンブランフィルター(0.22μ
m)を通した。この溶出液を99.5%エタノール15
0mlに加え、生じた沈殿を95%エタノール、アセト
ン、エーテルの順で洗浄し、減圧下乾燥することによ
り、マルトースが導入され、カルボキシメチルキトサン
のアミノ基がアチセル化された化合物(30mg)を白
色非晶質として得た。
【0141】実施例14 カルボキシメチルキトサン(50mg)を蒸留水10m
lに溶かし、マルトペンタオース(C305226=82
8.73)720mgを加え、次いで反応液に希酢酸を
加えてpH6.5に調整した。この反応液にNaBH
CN(95%、Mw=62.84)72mgを加え、室
温下で6日間攪拌した。反応液を透析膜(スペクトラ/
ポア社製:分子量カットオフ12,000〜14,00
0)を用いて、精製水を外液として4℃で2日間透析し
た。透析内液は、さらにメンブランフィルター(0.2
2μm)を通した。この溶出液を99.5%エタノール
250mlに加え、生じた沈殿を95%エタノール、ア
セトン、エーテルの順で洗浄し、減圧下乾燥することに
よりマルトペンタオースの導入された化合物(63m
g)を白色非晶質として得た。マルトテトラオースを標
準とするフェノール硫酸法によって定量したところ、マ
ルトペンタオースの置換度は0.12であった。
【0142】上記のマルトペンタオースの導入された化
合物(30mg)を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液3m
lに溶かし、無水酢酸120μlを4回に分けて加え、
室温下で一晩攪拌した。反応液を透析膜(スペクトラ/
ポア社製:分子量カットオフ12,000〜14,00
0)を用いて、精製水を外液として4℃で2日間透析し
た。透析内液は、さらにメンブランフィルター(0.2
2μm)を通した。この溶出液を99.5%エタノール
100mlに加え、生じた沈殿を95%エタノール、ア
セトン、エーテルの順で洗浄し、減圧下乾燥することに
より、マルトペンタオースが導入され、カルボキシメチ
ルキトサンのアミノ基がアチセル化された化合物(26
mg)を白色非晶質として得た。
【0143】実施例15 ラクトース一水和物の代わりにマルトトリオースを用い
た以外は、実施例12に記載される方法と同様の方法で
マルトトリオース導入カルボキシメチルキトサン複合体
を得た。
【0144】実施例16 ラクトース一水和物の代わりにセロビオースを用いた以
外は、実施例12に記載される方法と同様の方法でセロ
ビオース導入カルボキシメチルキトサン複合体を得た。
【0145】実施例17 ラクトース一水和物の代わりにキトビオースを用いた以
外は、実施例12に記載される方法と同様の方法でキト
ビオース導入カルボキシメチルキトサン複合体を得た。
【0146】実施例18 (1) カルボキシメチルキトサン‐ペプチド複合体の調製 実施例1(5) のカルボキシメチルキトサン(320m
g)を0.5%炭酸水素ナトリウム水溶液(32ml)
に溶解後、ジメチルホルムアミド(28ml)を加えて
均一な多糖溶液とした。一方、3‐(p‐ヒドロキシフ
ェニル)プロピオン酸(デアミノチロシン)(11m
g)を0.6mlのジメチルホルムアミドに溶解後N‐
ヒドロキシスクシンイミド(7.6mg)とN,N′‐
ジシクロヘキシルカルボジイミド(12.0mg)を加
え、室温下で2時間反応させて活性エステルとした。こ
の活性エステルを含む反応液の全量を上記の多糖溶液に
加え、4℃で18時間反応させた。反応液をエタノール
(256ml)中に加えて析出した沈殿を集め、減圧下
乾燥して280mgのカルボキシメチルキトサン‐デア
ミノチロシン複合体を得た。本複合体のデアミノチロシ
ンの含量は、紫外部(276nm)の吸光度分析から、
0.43%(重量%)であった。
【0147】上記複合体(120mg)を0.5%炭酸
水素ナトリウム水溶液(12ml)に溶解後、ジメチル
ホルムアミド(10.5ml)を加えて均一な多糖溶液
とした、一方、tert‐ブトキシカルボニル基(Bo
c基)で保護されたペプチドN‐Boc‐Gly・Gl
y・Gly‐OH(34mg)を0.9mlのジメチル
ホルムアミドに溶解後、N‐ヒドロキシスクシンイミド
(13.8mg)とN,N′‐ジシクロヘキシルカルボ
ジイミド(22.2mg)を加え、室温下で4時間反応
させて活性エステルとした。この活性エステルを含む反
応液の全量を上記の多糖溶液に加え、4℃で18時間反
応させた。反応液をエタノール(80ml)中に加えて
析出した沈殿を集め、減圧下乾燥して111mgのカル
ボキシメチルキトサン‐デアミノチロシン‐Gly・G
ly・Gly‐Boc複合体を得た。
【0148】(2) 9‐(ガラクトシル‐β)ノナン酸の
調製 R.U.Lemieux, D.R.Bundle, D.A.Bekerらの米国特許第4
238473(1980)に記載の方法に従って下記式
(X)の化合物を合成した。
【0149】
【化6】
【0150】この化合物(350mg)が溶解したメタ
ノール(5ml)‐テトラヒドロフラン(4ml)の混
合溶液に、1N水酸化ナトリウム水溶液(1.2ml)
を加え、室温下で18時間攪拌した。反応液を陽イオン
交換樹脂(Amberlite IR−120B(H+ ))により
中和した後、不溶物を濾去し、濾液を減圧下濃縮するこ
とにより目的物(327mg)を無色固体として得た。
【0151】m.p. 107.5−109℃ Anal. Calcd for C1528・1/3HO;C,5
1.74;H,8.11。 Found :C,51.76;H,8.25。 [α] 25−10.3°(c1.0,MeOH) IR(KBr):3420,1730,1740,16
35cm-1 H−NMR(CDOD)δ:4.20(1H,d,
J=8.0Hz)、3.89(1H,dt,J=8.
5,7.0Hz)、3.83(1H,d,J=3.5H
z)、3.69−3.78(2H,m)、3.53(1
H,dt,J=8.5,7.0Hz)、3.46−3.
52(2H,m)、3.45(1H,dd,J=9.
5,3.5Hz)、2.26(2H,t,7.0H
z)、1.66−1.55(4H,m)、1.44−
1.30(8H,m)。FAB−MS m/z:359
(M+Na+ )。
【0152】(3) ガラクトース導入カルボキシメチルキ
トサン‐ペプチド複合体の調製 カルボキシメチルキトサン‐デアミノチロシン‐Gly
・Gly・Gly‐Boc複合体(60mg)を0.5
%炭酸水素ナトリウム水溶液(6ml)に溶解後、ジメ
チルホルムアミド(5.3ml)を加えて均一な多糖溶
液とした。一方、9‐(ガラクトシル‐β)ノナン酸
(Gal‐O‐C16COOH)(60.6mg)を
1.2mlのジメチルホルムアミドに溶解後、N‐ヒド
ロキシスクシンイミド(21mg)とN,N′‐ジシク
ロヘキシルカルボジイミド(36mg)を加え、室温下
で18時間反応させて活性エステルとした。この活性エ
ステルを含む反応液の全量を上記の多糖溶液に加え、室
温下で3日間反応させた。反応液をエタノール(48m
l)中に加えて析出した沈殿を集め、減圧下乾燥して6
5mgのガラクトース導入カルボキシメチルキトサン‐
デアミノチロシン‐Gly・Gly・Gly‐Boc複
合体を得た。本複合体のガラクトース‐O‐C16
Oの含量はフェノール硫酸法で分析(吸光度490n
m)したところ5.6%(重量%)であった。再度同様
の条件でガラクトースの導入を行い、同複合体を49.
6mg(11%)得た。
【0153】上記複合体(47.6mg)を飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液(5ml)に溶解後、無水酢酸
(0.2ml)を加えて室温下で5時間N‐アセチル化
した。反応液を中和した後、エタノール(20ml)中
に加え、析出した沈殿物を集め減圧下乾燥して、43.
7mgのガラクトース導入N‐アセチルカルボキシメチ
ルキトサン‐デアミノチロシン‐Gly・Gly・Gl
y‐Boc複合体を得た。
【0154】(4) 薬物の導入 上記複合体(20mg)を0.5N塩酸(2ml)に溶
解後、30℃で16時間かけてBoc基の脱保護を行っ
た。反応液を中和後、エタノール(8ml)中に加え、
析出した沈殿物を集め減圧下乾燥して、15.8mgの
ガラクトース導入N‐アセチルカルボキシメチルキトサ
ン‐デアミノチロシン‐Gly・Gly・Gly‐NH
複合体を得た。
【0155】50.5mgのメトトレキサート(MT
X)をジメチルホルムアミド(1ml)に溶解後、N,
N′‐ジシクロヘキシルカルボジイミド(20.5m
g)を加え、4℃で17時間反応させ、その反応液にN
‐ヒドロキシスクシンイミド(9.2mg)とピリジン
(12.6ul)を加え室温下で5時間反応させてMT
Xの活性エステルを調製した。
【0156】他方、上記のガラクトース導入N‐アセチ
ルカルボキシメチルキトサン‐デアミノチロシン‐Gl
y・Gly・Gly‐NH複合体(15mg)を0.
5%炭酸水素ナトリウム水溶液(3ml)に溶解後、上
記のMTXの活性エステルを含む反応液340ulを加
えて、室温下で3時間反応させた。得られた反応液をエ
タノール(20ml)に加えて析出した沈殿物を集め減
圧下乾燥して、12.2mgのガラクトース導入N‐ア
セチルカルボキシメチルキトサン‐デアミノチロシン‐
Gly・Gly・Gly‐MTX複合体を黄色粉末とし
て得た。本複合体のMTX含量は、紫外部(308n
m)の吸光度分析から、13.5%(重量%)であっ
た。
【0157】実施例19 (1) カルボキシメチルキトサン‐ペプチド複合体の調製 実施例1(5) のカルボキシメチルキトサン(192m
g)を0.5%炭酸水素ナトリウム水溶液(19.2m
l)に溶解後、ジメチルホルムアミド(16.8ml)
を加えて均一な多糖溶液とした。一方、3‐(p‐ヒド
ロキシフェニル)プロピオン酸(デアミノチロシン)
(6.6mg)を0.36mlのジメチルホルムアミド
に溶解後N‐ヒドロキシスクシンイミド(4.56m
g)とN,N′‐ジシクロヘキシルカルボジイミド
(7.2mg)を加え、室温下で2時間反応させて活性
エステルとした。この活性エステルを含む反応液の全量
を上記の多糖溶液に加え、4℃で18時間反応させた。
反応液をエタノール(150ml)中に加えて析出した
沈殿を集め、減圧下乾燥して177mgのカルボキシメ
チルキトサン‐デアミノチロシン複合体を得た。本複合
体のデアミノチロシンの含量は、紫外部(276nm)
の吸光度分析から、0.37%(重量%)であった。
【0158】上記複合体(40mg)を0.5%炭酸水
素ナトリウム水溶液(4ml)に溶解後、ジメチルホル
ムアミド(3.5ml)を加えて均一な多糖溶液とし
た。他方、Boc基で保護されたペプチドN‐Boc‐
Gly・Phe・Gly・Gly‐OH(18mg)を
0.3mlのジメチルホルムアミドに溶解後、N‐ヒド
ロキシスクシンイミド(4.6mg)とN,N′‐ジシ
クロヘキシルカルボジイミド(7.4mg)を加え、室
温下で4.5時間反応させて活性エステルとした。この
活性エステルを含む反応液の全量を上記の多糖溶液に加
え、4℃で18時間反応させた。反応液をエタノール
(32ml)中に加えて析出した沈殿を集め、減圧下乾
燥して37.1mgのカルボキシメチルキトサン‐デア
ミノチロシン‐Gly・Gly・Phe・Gly‐Bo
c複合体を得た。本複合体のペプチドの含量は、紫外部
(258nm)の吸光度分析から、7.3%(重量%)
であった。
【0159】(2) ガラクトース導入カルボキシメチルキ
トサン−ペプチド複合体の調製 上記複合体(35mg)を0.5%炭酸水素ナトリウム
水溶液(5.25ml)に溶解後、ジメチルホルムアミ
ド(4.6ml)を加えて均一な多糖溶液とした。一
方、9‐(ガラクトシル‐β)ノナン酸(実施例
(2))(35.4mg)を0.7mlのジメチルホル
ムアミドに溶解後、N‐ヒドロキシスクシンイミド(1
2.3mg)とN,N′‐ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド(21mg)を加え、室温下で18時間反応させて
活性エステルとした。この活性エステルを含む反応液の
全量を上記の多糖溶液に加え、室温下で3日間反応させ
た。反応液をエタノール(28ml)中に加えて析出し
た沈殿を集め、減圧下乾燥して33.6mgのガラクト
ース導入カルボキシメチルキトサン‐デアミノチロシン
‐Gly・Gly・Phe・Gly‐Boc複合体を得
た。本複合体のガラクトース‐O‐C16COの含量
はフェノール硫酸法で分析(吸光度490nm)し、
7.2%(重量%)であった。上記複合体(32.4m
g)を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(4ml)に溶解
後、無水酢酸(0.16ml)を加えて室温下で5時間
N‐アセチル化した。反応液を中和した後、エタノール
(16ml)中に加え、析出した沈殿物を集め減圧下乾
燥して、32.9mgのガラクトース導入N‐アセチル
カルボキシメチルキトサン‐デアミノチロシン‐Gly
・Gly・Phe・Gly‐Boc複合体を得た。
【0160】(3) 薬物の導入 上記複合体(32.9mg)を0.5N塩酸(3.5m
l)に溶解後、37℃で16時間かけてBoc基の脱保
護を行った。反応液を中和後、エタノール(16ml)
中に加え、析出した沈殿物を集め減圧下乾燥して、3
2.6mgのガラクトース導入N‐アセチルカルボキシ
メチルキトサン‐デアミノチロシン‐Gly・Gly・
Phe・Gly‐NH複合体を得た。
【0161】上記複合体(20mg)を0.5%炭酸水
素ナトリウム水溶液(4ml)に溶解後、実施例18と
同様にして調製したMTXの活性エステルを含む反応液
400ulを加えて、室温下で3時間反応させた。得ら
れた反応液をエタノール(24ml)に加えて析出した
沈殿物を集め減圧下乾燥して、18.3mgのガラクト
ース導入N‐アセチルカルボキシメチルキトサン‐デア
ミノチロシン‐Gly・Gly・Phe・Gly‐MT
X複合体を黄色粉末として得た。本複合体のMTX含量
は、紫外部(308nm)の吸光度分析から、8.3%
(重量%)であった。また、本複合体におけるペプチド
に対するMTXのモル比は、1.1と算出された。
【0162】実施例20 (1) カルボキシメチルキトサン‐ペプチド複合体の調製 実施例1(5) のカルボキシメチルキトサン(160m
g)を0.5%炭酸水素ナトリウム水溶液(16ml)
に溶解後、ジメチルホルムアミド(14ml)を加えて
均一な多糖溶液とした。一方、3‐(p‐ヒドロキシフ
ェニル)プロピオン酸(デアミノチロシン)(16m
g)を0.8mlのジメチルホルムアミドに溶解後N‐
ヒドロキシスクシンイミド(11mg)とN,N′‐ジ
シクロヘキシルカルボジイミド(17.4mg)を加
え、室温下で2時間反応させて活性エステルとした。こ
の活性エステルを含む反応液の全量を上記の多糖溶液に
加え、4℃で18時間反応させた。反応液をエタノール
(128ml)中に加え、析出した沈殿を集め、減圧下
乾燥して135mgのカルボキシメチルキトサン‐デア
ミノチロシン複合体を得た。本複合体のデアミノチロシ
ンの含量は、紫外部(276nm)の吸光度分析から、
1.1%(重量%)であった。
【0163】上記複合体(100mg)を0.5%炭酸
水素ナトリウム水溶液(10ml)に溶解後、ジメチル
ホルムアミド(8.75ml)を加えて均一な多糖溶液
とした。一方、Boc基で保護されたペプチドN‐Bo
c‐Phe・Phe・Gly‐OH(47mg)を0.
5mlのジメチルホルムアミドに溶解後、N‐ヒドロキ
シスクシンイミド(11.5mg)とN,N′‐ジシク
ロヘキシルカルボジイミド(18.5mg)を加え、室
温下で3時間反応させて活性エステルとした。この活性
エステルを含む反応液の全量を上記の多糖溶液に加え、
4℃で18時間反応させた。反応液をエタノール(80
ml)中に加えて析出した沈殿を集め、減圧下乾燥して
64.2mgのカルボキシメチルキトサン‐デアミノチ
ロシン‐Gly・Phe・Phe‐Boc複合体を得
た。本複合体のペプチドの含量は、紫外部(258n
m)の吸光度分析から、13%(重量%)であった。
【0164】(2) ガラクトース導入カルボキシメチルキ
トサン−ペプチド複合体の調製 上記複合体(20mg)を0.5%炭酸水素ナトリウム
水溶液(2ml)に溶解後、ジメチルホルムアミド
(1.75ml)を加えて均一な多糖溶液とした。一
方、9‐(ガラクトシル‐β)ノナン酸(実施例
(2))(20.2mg)を0.4mlのジメチルホル
ムアミドに溶解後、N‐ヒドロキシスクシンイミド(7
mg)とN,N′‐ジシクロヘキシルカルボジイミド
(12mg)を加え、室温下で19.5時間反応させて
活性エステルとした。この活性エステルを含む反応液の
全量を上記の多糖溶液に加え、室温下で3日間反応させ
た。反応液をエタノール(16ml)中に加えて析出し
た沈殿を集め、減圧下乾燥して21mgのガラクトース
導入カルボキシメチルキトサン‐デアミノチロシン‐G
ly・Phe・Phe‐Boc複合体を得た。本複合体
のガラクトース‐O‐C16COの含量をフェノール
硫酸法で分析(吸光度490nm)したところ9.5%
(重量%)であった。
【0165】上記複合体(19mg)を飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液(2ml)に溶解後、無水酢酸(0.0
8ml)を加えて室温下で5時間N‐アセチル化した。
反応液を中和した後、エタノール(8ml)中に加え、
析出した沈殿物を集め減圧下乾燥して、17.5mgの
ガラクトース導入N‐アセチルカルボキシメチルキトサ
ン‐デアミノチロシン‐Gly・Phe・Phe‐Bo
c複合体を得た。
【0166】(3) 薬物の導入 上記複合体(16.8mg)を0.5N塩酸(3ml)
に溶解後、37℃で24時間Boc基の脱保護を行っ
た。反応液を中和した後、エタノール(8ml)中に加
え、析出した沈殿物を集め減圧下乾燥して、11.5m
gのガラクトース導入N‐アセチルカルボキシメチルキ
トサン‐デアミノチロシン‐Gly・Phe・Phe‐
NH複合体を得た。
【0167】上記複合体(11.5mg)を0.5%炭
酸水素ナトリウム水溶液(3ml)に溶解後、実施例1
8と同様にして調製したMTXの活性エステルを含む反
応液300ulを加えて、室温下で3時間反応させた。
得られた反応液をエタノール(18ml)に加え、析出
した沈殿物を集め減圧下乾燥して、10.8mgのガラ
クトース導入N‐アセチルカルボキシメチルキトサン‐
デアミノチロシン‐Gly・Phe・Phe‐MTX複
合体を黄色粉末として得た。本複合体のMTX含量を、
紫外部(308nm)の吸光度分析から求めたところ1
2.1%(重量%)であった。また、本複合体における
ペプチドに対するMTXのモル比は、0.96と算出さ
れた。
【0168】実施例21 (1)化合物21−1の合成 特願平1−180897号に記載の方法に従って合成し
た。
【0169】(2)化合物21−2の合成 化合物21−1(20.0g)をメタノール(80m
l)に溶解し、ジブチルスズオキシド(21.4g)を
加え、2時間加熱還流した。溶媒を減圧下留去し、残渣
にベンゼン(160ml)、パラメトキシベンジルクロ
ライド(28ml)およびテトラ−n−ブチルアンモニ
ウムブロミド(23.0g)を加え、1.5時間加熱還
流した。
【0170】次いで反応液を室温に戻した後、メタノー
ル(160ml)および28%ナトリウムメトキシド−
メタノール溶液(80ml)を加え、室温下で1時間撹
拌した。反応液より析出物を濾別した後、濾液を酢酸エ
チルで希釈し、飽和食塩水にて洗浄し、次いで乾燥して
溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲル(900g)
を用いるカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢
酸エチル−メタノール300:400:7)で精製する
ことにより、化合物21−2(18.8g)を無色結晶
として得た。
【0171】[α] 28 −8.9゜(c1.03,C
HCl) IR(CHCl):3332cm-1 H−NMR(CDCl)δ:7.30(2H,A
,J=8.3Hz)、6.90(2H,A
J=8.3Hz)、4.68(2H,s)、4.26
(1H,d,J=7.8Hz)、4.02(1H,
m),3.98(1H,br.s)、3.96(1H,
dd,J=11.7,6.3Hz)、3.82(1H,
m)、3.81(3H,s)、3.74(1H,dd,
J=9.5,7.8Hz)、3.59(1H,m)、
3.49(1H,tlike)、3.42(1H,d
d,J=9.5,3.4Hz)、1.07−0.95
(2H,m)、0.02(9H,s)。
【0172】(3)化合物21−3の合成 化合物21−2(4.45g)を溶解したピリジン(4
0ml)溶液に無水酢酸(20ml)を加え、室温下で
12時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣を酢酸
エチルで希釈した後、2%塩酸および飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液にて洗浄し、次いで乾燥して溶媒を減圧下
留去した(5.47g)。続いて、得られた残渣(5.
47g)を塩化メチレン(100ml)溶液に溶解した
後、水(5ml)および2,3−ジクロロ−5,6−ジ
シアノ−p−ベンゾキノン(DDQ、7.56g)を加
え、室温下で30分間撹拌した。反応液を塩化メチレン
で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウムにて洗浄し、次いで
乾燥して溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカ
ゲル(330g)を用いるカラムクロマトグラフィー
(n−ヘキサン−酢酸エチル 3:2)で精製すること
により、化合物21−3(4.20g)を無色粉末とし
て得た。
【0173】H−NMR(CDCl)δ:5.31
(1H,d,J=3.4Hz)、4.93(1H,d
d,J=10.0,7.8Hz)、4.43(1H,
d,J=7.8Hz)、4.19−4.10(2H,
m)、3.98(1H,m)、3.84−3.78(2
H,m)、3.55(1H,m)、2.48(1H,b
r.d)、2.16、2.11、2.04(each
3H,s)、0.98(1H,ddd,J=14.0,
10.5,6.8Hz)、0.89(1H,ddd,J
=14.0,10.0,5.1Hz)、0.00(9
H,s)。
【0174】(4)化合物21−4の合成 化合物21−3(13.8g)が溶解した塩化メチレン
(90ml)溶液に、ピリジン(16ml)および塩化
クロロアセチル(5.40ml)を加え、室温下で30
分間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈した後、2%
塩酸および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄し、
次いで乾燥して溶媒を減圧下留去した。得られた残渣を
シリカゲル(330g)を用いるカラムクロマトグラフ
ィー(n−ヘキサン−酢酸エチル 3:1)で精製する
ことにより化合物21−4(15.0g)を無色粉末と
して得た。
【0175】[α] 33 −8.8゜(c1.14,C
HCl) IR(CHCl):1753cm-1 H−NMR(CDCl)δ:5.39(1H,d
d,J=3.4,1.0Hz)、5.23(1H,d
d,J=10.5,8.1Hz)、5.08(1H,d
d,J=10.5,3.4Hz)、4.51(1H,
d,J=8.1Hz)、4.22(1H,dd,J=1
1.2,6.3Hz)、4.14(1H,dd,J=1
1.2,7.1Hz)、4.00(1H,m)、3.9
7(2H,s)、3.95(1H,tlike)、3.
58(1H,m)、2.16,2.06,2.05(e
ach 3H,s)、0.99(1H,ddd,J=1
3.9,10.7,6.6Hz)、0.92(1H,d
dd,J=13.9,10.3,5.1Hz)、0.0
2(9H,s)。
【0176】(5)化合物21−5の合成 化合物21−4(3.55g)を塩化メチレン(30m
l)に溶解し、三フッ化ホウ素ジエルエーテル錯体
(3.62ml)を加え0℃で5時間撹拌した。反応液
を塩化メチレンに希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液で洗浄し、乾燥後溶媒を減圧下留去した。得られた残
渣をシリカゲル(150g)を用いるカラムクロマトグ
ラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル 3:2)で精製
することにより化合物21−5(2.52g)を無色粉
末として得た。 IR(CHCl):1747cm-1 H−NMR(CDCl)δ:2−(トリメチルシリ
ル)−エチル基が除去されていることを確認した。
【0177】(6)化合物21−6の合成 化合物21−5(8.27g)を塩化メチレン(50m
l)に溶解し、トリクロロアセトニトリル(12.5m
l)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウ
ンデセン(323μl)を順次加えて、0℃で30分撹
拌した。反応液は減圧下濃縮した後、シリカゲル(45
0g)を用いるカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサ
ン−酢酸エチル 3:1)で精製し、化合物21−6
(9.10g)無色粉末として得た。
【0178】[α] 25 +103.8゜(c0.9
8,CHCl) IR(CHCl):1753,1676cm-1 H−NMR(CDCl)δ:8.69(1H,
s)、6.62(1H,d,J=3.4Hz)、5.5
6(1H,m)、5.50(1H,dd,J=10.
7,3.2Hz)、5.41(1H,dd,J=10.
7,3.4Hz)、4.45(1H,tlike)、
4.18(1H,dd,J=11.2,6.8Hz)、
4.10(1H,dd,J=11.2,6.6Hz)、
4.01(2H,s)、2.18、2.04、2.03
(each 3H,s)。
【0179】(7)化合物21−7の合成 モレキュラーシーブズ4A(3g)を含む塩化メチレン
(8ml)溶液に化合物21−6(1.24g)および
化合物10−1(480mg)を溶解し、室温で2時間
撹拌した後、0℃で三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯
体(97μl)を加え、同温度で2時間撹拌した。反応
液を濾過した後、濾液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
で洗浄し、乾燥後溶媒を減圧下留去した。得られた残渣
を、シリカゲル(120g)を用いるカラムクロマトグ
ラフィー(トルエン−アセトン−メタノール 200:
100:6)により精製して、化合物21−7(395
mg)を無色非晶質として得た。
【0180】[α] 30 −27.9゜(c0.97,
CHCl) IR(CHCl):2108,1753,1676c
-1 H−NMR(CDCl)δ:7.41−7.22
(20H,m)、6.01(1H,d,J=7.3H
z)、5.22(1H,d,J=3.2Hz)、5.1
4(1H,d,J=3.7Hz)、5.01(1H,d
d,J=10.3,8.1Hz)、4.96、4.7
5、4.73、4.40(each 1H,d,J=1
2.0Hz)、4.90(1H,d,J=7.1H
z)、4.83(2H,dlike)、4.79(1
H,dd,J=10.3,3.4Hz)、4.78、
4.69(each 1H,d,J=11.7Hz)、
4.55(1H,d,J=8.3Hz)、4.46(1
H,q,J=6.3Hz)、4.17(1H,dd,J
=8.3,8.1Hz)、4.15−4.08(2H,
m)、3.98(1H,dd,J=11.7,5.9H
z)、3.96(1H,dd,J=8.3,8.1H
z)、3.93(2H,s)、3.91−3.85(2
H,m)、3.81−3.76(2H,m)、3.69
−3.55(23H,m)、3.48−3.43(2
H,m)、3.37(2H,t,J=5.1Hz)、
2.01、2.00、1.88、1.77(each
3H,s)、1.17(3H,d,J=6.3Hz)。
【0181】(8)化合物21−8の合成 化合物21−7(210mg)が溶解したエタノール
(4ml)−塩化エチレン(1ml)溶液に、チオウレ
ア(58mg)および2,6−ルチジン(35.5μ
l)を加え、60℃で1時間撹拌した後、反応液を塩化
メチレンに希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗
浄し、乾燥後溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシ
リカゲル(40g)を用いるカラムクロマトグラフィー
(塩化メチレン−メタノール 40:1)で精製するこ
とにより化合物21−8(162mg)を無色非晶質と
して得た。
【0182】[α] 30 −29.6゜(c1.06,
CHCl) IR(CHCl):2108,1747,1676c
-1 H−NMR(CDCl)δ:7.41−7.24
(20H,m)、6.05(1H,d,J=7.3H
z)、5.19(1H,d,J=3.4Hz)、5.1
4(1H,d,J=3.7Hz)、4.95、4.8
2、4.70、4.68(each 1H,d,J=1
1.7Hz)、4.90(1H,d,J=7.3H
z)、4.83、4.78、4.74、4.42(ea
ch 1H,d,J=12.0Hz)、4.76(1
H,tlike)、4.53(1H,d,J=8.1H
z)、4.46(1H,q,J=6.3Hz)、4.1
7(1H,dd,J=8.3,8.1Hz)、4.14
−4.10(2H,m)、3.96(1H,m)、3.
95(1H,dd,J=8.3,8.1Hz)、3.9
3(1H,m)、3.87(1H,dt,J=11.
2,4.4Hz)、3.85(1H,dd,J=10.
7,3.2Hz)、3.79(1H,dd,J=10.
7,3.2Hz)、3.68−3.48(26H,
m)、2.38(1H,br.s)、2.08、2.0
2、1.92、1.76(each 3H,s)、1.
14(3H,d,J=6.3Hz)。
【0183】(9)化合物21−9の合成 化合物21−8(373mg)を溶解したジメチルホル
ムアミド(5ml)溶液に、三酸化硫黄ピリジン錯体
(398mg)を加え、55℃で1時間撹拌した。反応
液を濃縮した後、メタノール(5ml)に溶解し、陽イ
オン交換樹脂(Dowex 50w Na+ )を加え3
0分間撹拌した。不溶を濾去し、濾液を減圧下濃縮した
後、得られた残渣をシリカゲル(30g)を用いるカラ
ムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール
8:1)にて精製することにより化合物21−9(25
2mg)を無色非晶質として得た。
【0184】[α] 29 −38.2゜(c0.97,
CHCl) IR(CHCl):3450,2110,1747,
1670cm-1 H−NMR(CDOD)δ:7.44−7.22
(20H,m)、5.54(1H,d,J=3.7H
z)、5.33(1H,d,J=3.7Hz)、5.0
0(1H,dd,J=10.0,8.3Hz)、4.8
7、4.68、4.54(each 1H,d,J=1
1.5Hz)、4.81、4.79、4.71、4.5
5(each 1H,d,=12.0Hz)、4.76
(1H,dlike)、4.76(1H,m)、4.6
7(1H,d,J=8.3Hz)、4.45(1H,
d,J=8.1Hz)、4.37(1H,dd,J=1
0.0,3.7Hz)、4.17(1H,dd,J=1
1.0,8.1Hz)、4.04−3.91(7H,
m)、3.90(1H,dd,J=11.0,6.1H
z)、3.82(1H,m)、3.75(1H,br.
d)、3.71−3.56(22H,m)、3.46
(1H,m)、3.38(2H,tlike)、2.0
6、2.00、1.99、1.94(each 3H,
s)、1.22(3H,d,J=6.6Hz)。
【0185】(10)化合物21−10の合成 化合物21−9(160mg)を2%ナリトウムメトキ
シド−メタノール溶液(3.5ml)に溶解した後、室
温下で30分間撹拌した。水(0.5ml)およびドラ
イアイスを加えて10分間撹拌した後、反応液を濃縮
し、次いで残渣を高分子ゲル(200cc)を用いるカ
ラムクロマトグラフィー(メタノール)で精製すること
により化合物21−10(130mg)を無色粉末とし
て得た。
【0186】[α] 29 −54.8゜(c0.98,
CHCl) IR(CHCl):3450,2106,1668c
-1 H−NMR(CDOD)δ:7.42−7.22
(20H,m)、5.36(1H,d,J=3.9H
z)、4.89−4.81(6H,m)、4.77(1
H,d,J=11.7Hz)、4.64(1H,d,J
=12.0Hz)、4.57−4.54(3H,m)、
4.48(1H,d,J=7.8Hz)、4.41(1
H,d,J=8.3Hz)、4.16(1H,dd,J
=9.3,9.3Hz)、4.13−4.06(4H,
m)、4.00−3.91(4H,m)、3.79(1
H,m)、3.71−3.55(24H,m)、3.5
3(1H,m)、3.33(2H,t,J=5.1H
z)、2.01(3H,s)、1.15(3H,d,J
=6.6Hz)。
【0187】(11)化合物21−11の合成 化合物21−10(20mg)が溶解したメタノール
(4ml)溶液に、パラジウム−炭素(10%、40m
g)および1N塩酸(34μl)を加え、水素気流下
(1atm)、室温下で2時間撹拌した。反応液より触
媒を濾別した後、濾液を濃縮し、残渣をシリカゲル
(1.2g)を用いるカラムクロマトグラフィー(塩化
メチレン:メタノール:水:5:5:1)で精製するこ
とにより化合物21−11(10mg)を無色粉末とし
て得た。
【0188】[α] 29 −56.6゜(c0.33,
MeOH) IR(KBr):3418,1675cm-1 H−NMR(CDOD)δ:5.05(1H,d,
J=3.9Hz)、4.81(1H,m)、4.57
(1H,d,J=7.6Hz)、4.44(1H,d,
J=8.3Hz)、4.21(1H,dd,J=9.
5,3.2Hz)、4.19(1H,br.d)、4.
05(1H,dd,J=10.0,8.3Hz)、4.
04−3.99(4H,m)、3.93(1H,dd,
J=9.3,9.3Hz)、3.91(1H,dd,J
=12.0,2.4Hz)、3.84(1H,dd,J
=10.5,3.4Hz)、3.82(1H,m)、
3.80(1H,dd,J=9.3Hz,9.3H
z)、3.79−3.62(23H,m)、3.49
(1H,m)、3.42(1H,m)、3.22(1
H,ddd,J=13.5,6.1,4.4Hz)、
3.16(1H,ddd,J=13.5,5.6,4.
4Hz)、1.98(3H,s)、1.16(3H,
d,J=6.6Hz)。
【0189】(12)硫酸化ルイスX修飾CMプルラン
(化合物21)の合成 カルボキシメチルプルラン(30mg)および化合物2
1−11(67.5mg)を溶解した水(1.3ml)
およびN,N′−ジメチルホルムアミド(1.3ml)
の混合溶液に、1−エトキシカルボニル−2−エトキシ
−1,2−ジヒドロキノリン(366mg)と炭酸水素
ナトリウム(6.5mg)を加え、40℃で110時間
撹拌した後、炭酸水素ナリトウム(13mg)を更に加
え、反応液を濃縮した。反応混合物を99.5%エタノ
ール(35ml)に加えて粗目的物を析出させた後、そ
の析出物を95%エタノール(40ml×3回)、アセ
トン(40ml)、ジエチルエーテル(40ml)の順
で洗浄し、次いで減圧下乾燥した。
【0190】続いて、粗生成物を10mlの水に溶解し
た後、透析膜(スペクトラ/ポア社製:分子量排除限界
12000〜14000)を用いて、精製水(1000
0ml)を外液として室温下で16時間透析し、透析内
液を減圧下で凍結乾燥することにより硫酸化ルイスX修
飾カルボキシメチルプルラン(化合物21、28mg、
ds:0.03)を得た。
【0191】実施例22 (1)化合物22−1の合成 化合物21−2(2.78g)を溶解したピリジン(2
0ml)溶液にベンゾイルクロリド(20ml)を加
え、室温下で12時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮
し、残渣を酢酸エチルで希釈した後、2%塩酸および飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄し、次いで乾燥し
て溶媒を減圧下留去した。続いて、得られた残渣をシリ
カゲル(330g)を用いるカラムクロマトグラフィー
(n−ヘキサン−酢酸エチル 6:1)で精製すること
により化合物22−1(4.92g)を無色粉末として
得た。
【0192】[α] 30 +65.9゜(c1.10,
CHCl) IR(CHCl):1724cm-1 H−NMR(CDCl)δ:8.27,8.14,
8.05(each2H,dlike)、7.71−
7.65(4H,m)、7.59−7.52(6H,
m),7.12(1H,d,J=8.8Hz)、6.6
8(1H,d,J=8.8Hz)、5.97(1H,d
d,J=3.4,1.0Hz)、5.58(1H,d
d,J=10.0,8.1Hz)、4.71(1H,
d,J=8.1Hz)、4.71、4.51(each
1H,d,J=12.7Hz)、4.70(1H,
m),4.53(1H,dd,J=10.9,6.1H
z)、4.16(1H,tlike)、4.08(1
H,m),3.86(1H,dd,J=10.0,3.
4Hz),3.80(3H,s)、3.66(1H,
m)、1.02(1H,ddd,J=13.9,11.
0,6.6Hz)、0.95(1H,ddd,J=1
3.9,10.5,5.4Hz)、−0.01(9H,
s)。
【0193】(2)化合物22−2の合成 化合物22−1(4.20g)が溶解した塩化メチレン
(60ml)溶液に、水(3ml)および2,3−ジク
ロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン(DDQ、
4.02g)を加え、室温下で5時間撹拌した。反応液
を塩化メチレンで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウムにて
洗浄し、次いで乾燥して溶媒を減圧下留去した。得られ
た残渣をシリカゲル(150g)を用いるカラムクロマ
トグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル 4:1)で
精製することにより化合物22−2(4.20g)を無
色粉末として得た。
【0194】[α] 28 −1.2゜(c1.00,C
HCl) IR(CHCl):3520,1726cm-1 H−NMR(CDCl)δ:8.18−8.16
(2H,m)、8.07−8.03(4H,m),7.
63−7.55(3H,m),7.51−7.42(6
H,m)、5.77(1H,d,J=3.4Hz)、
5.35(1H,dd,J=10.0,7.8Hz)、
4.74(1H,d,J=7.8Hz)、4.60(1
H,dd,J=11.2,7.1Hz)、4.44(1
H,dd,J=11.2,6.1Hz)、4.15(1
H,tlike)、4.12(1H,m),4.04
(1H,m),3.65(1H,m),2.73(1
H,m),0.99(1H,ddd,J=13.9,1
1.0,6.6Hz)、0.92(1H,ddd,J=
13.9,10.5,5.3Hz)、−0.06(9
H,s)。
【0195】(3)化合物22−3の合成 化合物22−2(415mg)が溶解した塩化メチレン
(1.5ml)溶液に、ピリジン(300μl)および
塩化クロロアセチル(112μl)を加え、室温下で3
0分間撹拌した。反応液を塩化メチレンで希釈した後、
1%塩酸および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄
し、次いで乾燥して溶媒を減圧下留去した(5.47
g)。得られた残渣をシリカゲル(30g)を用いるカ
ラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル
6:1)で精製することにより化合物22−3(434
mg)を無色油状物として得た。
【0196】[α] 30 +30.6゜(c1.06,
CHCl) IR(CHCl):1770,1720cm-1 H−NMR(CDCl)δ:8.15(2H,dl
ike)、8.01−7.99(4H,m)、7.63
(1H,tlike)、7.60−7.55(2H,
m)、7.51(2H,tlike)、7.46−7.
42(4H,m)、5.83(1H,dlike)、
5.61(1H,dd,J=10.3,8.1Hz)、
5.43(1H,dd,J=10.3,3.4Hz)、
4.77(1H,d,J=8.1Hz)、4.67(1
H,dd,J=11.2,6.6Hz)、4.39(1
H,dd,J=11.2,6.8Hz)、4.25(1
H,tlike)、4.04(1H,ddd,J=1
1.0,9.8,5.6Hz)、3.91(1H,d,
J=15.3Hz)、3.84(1H,d,J=15.
3Hz)、3.64(1H,m)、0.96(1H,d
dd,J=13.9,11.0,6.6Hz)、0.9
0(1H,ddd,J=13.9,10.5,5.6H
z)、−0.067(9H,s)。
【0197】(4)化合物22−4の合成 化合物22−3(402mg)を塩化メチレン(5m
l)に溶解し、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体
(369μl)を加え0℃で5時間撹拌した。反応液を
塩化メチレンに希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
で洗浄し、乾燥後溶媒を減圧下留去した(354m
g)。続いて得られた残渣(354mg)を塩化メチレ
ン(50ml)に溶解し、トリクロロアセトニトリル
(2ml)および炭酸カリウム(41mg)を加えて、
室温下で20時間撹拌した。反応液を濾過し、濾液を減
圧下濃縮した後、シリカゲル(45g)を用いるカラム
クロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル5:
1)で精製し、化合物22−4(152mg)を無色粉
末として得た。
【0198】[α] 30 +103.8゜(c0.9
5,CHCl) IR(CHCl):1770,1728,1678c
-1 H−NMR(CDCl)δ:8.63(1H,
s)、8.13(2H,dlike)、7.99−7.
96(4H,m)、7.65(1H,tlike)、
7.60−7.50(4H,m)、7.46−7.40
(4H,m)、6.88(1H,d,J=3.7H
z)、6.01(1H,m,H−4)、5.88(1
H,dd,J=10.7,3.2Hz)、5.78(1
H,dd,J=10.7,3.7Hz)、4.79(1
H,tlike)、4.60(1H,dd,J=11.
2,6.8Hz)、4.40(1H,dd,J=11.
2,6.1Hz)、3.96(1H,d,J=15.4
Hz)、3.91(1H,d,J=15.4Hz)。
【0199】(5)化合物22−5の合成 化合物1−2(13.8g)を溶解したジメチルホルム
アミド溶液(50ml)に、アジ化ナトリウム(3.9
0g)を加え、70℃で12時間撹拌した。反応液を室
温まで冷却し、酢酸エチル(150ml)を加えた後、
析出物を濾別し、その濾液を減圧下濃縮した。残渣をシ
リカゲル(330g)を用いるカラムクロマトグラフィ
ー(塩化メチレン−メタノール 25:1)にて精製す
ることにより、化合物22−5(11.5g)を無色油
状物として得た。
【0200】IR(CHCl):2106cm-1 H−NMR(CDCl)δ:3.75−3.63
(20H,m)、3.62−3.60(2H,m)、
3.39(2H,t,J=5.1Hz)。
【0201】(6)化合物22−6の合成 モレキュラーシーブズ4A(1.5g)を含む塩化メチ
レン(5ml)溶液に化合物22−4(140mg)、
化合物22−5(191mg)を溶解し、室温下で2時
間撹拌した後、0℃で三フッ化ホウ素ジエチルエーテル
錯体(51μl)を加え、同温度で5時間撹拌した。反
応液を濾過した後、濾液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液で洗浄し、乾燥後溶媒を減圧下留去した。得られた残
渣を、シリカゲル(35g)を用いるカラムクロマトグ
ラフィー(塩化メチレン−メタノール 100:1)で
精製することにより、化合物22−6(134mg)を
無色非晶質として得た。
【0202】[α] 27 +16.5゜(c1.06,
CHCl) IR(CHCl):2108,1769,1730c
-1 H−NMR(CDCl)δ:8.16−8.13
(2H,m)、8.02−7.98(4H,m)、7.
45−7.40(9H,m)、5.84(1H,dd,
J=3.4,1.0Hz)、5.61(1H,dd,J
=10.3,8.1Hz)、5.44(1H,dd,J
=10.3,3.4Hz)、4.89(1H,d,J=
8.1Hz)、4.66(1H,dd,J=11.2,
6.6Hz)、4.38(1H,dd,J=11.2,
6.8Hz)、4.27(1H,tlike)、4.0
1(1H,m)、3.91,3.86(each 1
H,d,J=15.4Hz)、3.82(1H,m)、
3.68−3.58(14H,m)、3.54−3.5
1(2H,m)、3.47−3.43(2H,m)、
3.40−3.31(4H,m)。
【0203】(7)化合物22−7の合成 化合物22−6(230mg)を溶解したエタノール
(3ml)−塩化エチレン(1ml)溶液に、チオウレ
ア(106mg)と2,6−ルチジン(65μl)加
え、60℃で7時間撹拌した後、反応液を塩化メチレン
に希釈し、2%塩酸および飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液で洗浄し、乾燥後溶媒を減圧下留去した。得られた残
渣をシリカゲル(20g)を用いるカラムクロマトグラ
フィー(n−ヘキサン−酢酸エチル−メタノール 20
0:300:5)で精製することにより化合物22−7
(160mg)を無色非晶質として得た。
【0204】[α] 26.5 −0.9゜(c1.07,
CHCl) IR(CHCl):2108,1724cm-1 H−NMR(CDCl)δ:8.16、8.08、
8.04(each2H,dlike)、7.62、
7.59、7.57(each 2H,tlike)、
7.49、7.46、7.44(each 2H,tl
ike)、5.78(1H,d,J=3.2Hz)、
5.37(1H,dd,J=9.8,7.8Hz)、
4.87(1H,d,J=7.8Hz)、4.60(1
H,dd,J=11.5,6.8Hz)、4.43(1
H,dd,J=11.5,6.3Hz)、4.19−
4.14(2H,m)、4.00(1H,m)、3.8
4(1H,m)、3.67−3.58(14H,m)、
3.57−3.54(2H,m)、3.53−3.50
(2H,m)、3.46−3.43(2H,m)、3.
35(2H,t,J=5.1Hz)、2.88(1H,
d,J=6.0Hz)。
【0205】(8)化合物22−8の合成 化合物22−7(140mg)を溶解したジメチルホル
ムアミド(3ml)溶液に、三酸化硫黄ピリジン錯体
(75mg)を加え、45℃で12時間撹拌した。反応
液を濃縮した後、メタノール(3ml)に溶解し、陽イ
オン交換樹脂(Dowex 50w Na+ )を加え3
0分間撹拌した。不溶物を濾去し、濾液を減圧下濃縮し
た後、得られた残渣をシリカゲル(20g)を用いるカ
ラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール
8:1)で精製することにより化合物22−8(81m
g)を無色非晶質として得た。
【0206】[α] 25 +38.3゜(c0.70,
CHCl) IR(CHCl):2108,1724cm-1 H−NMR(CDOD)δ:8.14−8.11
(4H,m)、8.00(2H,dlike)、7.6
5、7.60、7.58(each 2H,tlik
e)、7.52、7.47、7.42(each 2
H,tlike)、6.11(1H,d,J=3.2H
z)、5.57(1H,dd,J=10.3,8.1H
z)、4.97(1H,d,J=8.1Hz)、4.9
5(1H,dd,J=10.3,3.4Hz)、4.4
9−4.45(2H,m)、4.39(1H,tlik
e)、3.96(1H,dd,J=11.7,4.2H
z)、3.77(1H,dd,J=11.7,4.9H
z)、3.67−3.55(14H,m)、3.51−
3.48(2H,m)、3.45−3.41(2H,
m)、3.39−3.33(4H,m)。
【0207】(9)化合物22−9の合成 化合物22−8(70mg)を3%ナトリウムメトキシ
ド−メタノール溶液(2ml)に溶解した後、室温下で
30分間撹拌した。水(0.2ml)とドライアイスを
加えて、10分間撹拌した後、反応液を濃縮し、次いで
残渣を高分子ゲル(90cc)を用いるカラムクロマト
グラフィー(メタノール)で精製することにより化合物
22−9(45mg)を無色非晶質として得た。
【0208】[α] 25.5 −7.4゜(c0.31,
CHCl) IR(CHCl):3450,2108cm-1 H−NMR(CDOD)δ:4.41(1H,d,
J=7.8Hz)、4.27(1H,dd,J=9.
8,2.9Hz)、4.19(1H,br.s)、4.
06(1H,m)、3.81−3.73(4H,m)、
3.73−3.61(20H,m)、3.59(1H,
m)、3.43−3.39(2H,m)。
【0209】(10)化合物22−10の合成 化合物22−9(37mg)が溶解したメタノール(7
ml)溶液に、パラジウム−炭素(10%、40mg)
と1N塩酸(175μl)を加え、水素気流下(1at
m)、室温下で1時間撹拌した。反応液より触媒を濾別
した後、濾液を濃縮し、高分子ゲル(90cc)を用い
るカラムクロマトグラフィー(メタノール)で精製する
ことにより化合物22−10(31mg)を無色粉末と
して得た。
【0210】[α] 27 −3.2゜(c0.56,M
eOH) H−NMR(CDOD)δ:4.42(1H,d,
J=7.8Hz)、4.27(1H,dd,J=9.
8,3.2Hz)、4.20(1H,br.d)、4.
07(1H,m)、3.82−3.62(23H,
m)、3.61−3.58(2H,m)、3.22−
3.17(2H,m)。
【0211】(11)ガラクトース−3−硫酸修飾カル
ボキシメチルプルラン(化合物22)の合成 カルボキシメチルプルラン(35mg)と化合物22−
10(51mg)を溶解した水(1.5ml)とN,
N′−ジメチルホルムアミド(1.5ml)の混合溶液
に、1−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−
ジヒドロキノリン(EEDQ、427mg)と炭酸水素
ナトリウム(7.5mg)を加え、40℃で110時間
撹拌した後、炭酸水素ナトリウム(15mg)を更に加
え、反応液を濃縮した。反応混合物を99.5%エタノ
ール(35ml)に加えて粗目的物を析出させた後、そ
の析出物を95%エタノール(40ml×3回)、アセ
トン(40ml)、ジエチルエーテル(40ml)の順
で洗浄し、次いで減圧下乾燥した。
【0212】続いて、粗生成物を10mlの水に溶解し
た後、透析膜(スペクトラ/ポア社製:分子量排除限界
12000〜14000)を用いて、精製水(10リッ
トル)を外液として室温下で16時間透析し、透析内液
を減圧下で凍結乾燥することによりガラクトース−3−
硫酸修飾カルボキシメチルプルラン(化合物22、32
mg、ds:0.10)を得た。
【0213】以上の実施例の化合物を表で示せば下記の
とおりである。
【0214】
【表1】
【0215】また、以上の実施例の合成過程をスキーム
として示せば下記のとおりである。
【0216】
【化7】
【0217】
【化8】
【0218】
【化9】
【0219】
【化10】
【0220】
【化11】
【0221】
【化12】
【0222】
【化13】
【0223】
【化14】
【0224】
【化15】
【0225】
【化16】
【0226】
【化17】
【0227】
【化18】
【0228】
【化19】
【0229】
【化20】
【0230】
【化21】
【0231】薬理試験 (1)臓器移向性(I) SD系雄性ラット(約200g)の頸静脈より1mg/
kgの投与量でHラベル化した本発明による化合物を
投与した。動物は1群3匹とし、投与後1、2、3分目
に頸静脈より約0.2mlの血液を採取し、遠心分離後
の血漿を精秤し、サンプルオキシダイザーで燃焼した。
次いで液体シンチレーションカウンターで放射活性を測
定し、血漿中濃度を算出した。
【0232】本発明による化合物を投与5分後に脱血致
死させ、主要臓器を摘出した。次いで各臓器を適当な大
きさに切り重さを精秤した後、放射活性を測定し、各臓
器中濃度を算出した。各臓器の分布クリアランスは、投
与5分後の臓器中濃度を5分までの血漿中濃度のAUC
(曲線下面積)で割ることによって求めた。本発明によ
る化合物を投与したときの各臓器のクリアランスは表2
に示される通りである。
【0233】
【表2】
【0234】(2)臓器移向性(II) ICR系雄性マウス(約30g)の右耳にアセトンに溶
解させたアラキドン酸を塗布し(50mg/mlを20
μl)、起炎直後に 125I標識した本発明による化合物
を尾静脈から1μg/kgになるように投与した。投与
後0.5、1、2、4、6時間目に採血し、脱血した
後、肺、脾臓、腎臓および肝臓を摘出した。各臓器内に
おける本発明による化合物の濃度は、γカウンターで放
射活性を測定し求めた。血漿中及び臓器中濃度推移のA
UC(曲線下面積)は台形法で求めた。未修飾のカルボ
キシメチルプルランと実施例9および10の化合物の各
臓器への移行性は下記表3に示される通りである。特異
的な移行性を評価するため、6時間までの各臓器と血漿
のAUCの比を比較した。その結果、実施例9の化合物
は細網内皮系組織である肝臓および脾臓を回避した。
【0235】 表 3 (AUC O-6h,組織)/(AUC 0-6h,血漿) 肺 脾臓 腎臓 肝臓 カルボキシメチルプルラン 0.18 1.99 0.15 1.24 実施例9の化合物 0.11 0.23 0.10 0.25
【0236】(3)炎症部位移向性(I) 炎症部位移行性は、例えば好中球の炎症部位への浸潤の
阻害活性によって評価することができ、この好中球の炎
症部位への浸潤の阻害活性は、好中球のマーカー酵素で
あるミエロペルオキシダーゼ(myeloperoxidase :以下
「MPO」とする)活性を測定することによって求める
ことができる(Bradley,P.P,et al.(1982)J.Invest.Der
matol.78,206-209)。測定は具体的には以下のようにし
て行った。
【0237】ICR系雄性マウス(約30g)の右耳に
IL−1βを皮内投与し(2ng/20μl生理食塩
水)、2時間後に本発明による化合物(実施例9、1
0)を適当な濃度で尾静脈内投与した。さらに4時間後
右耳の浮腫を起こしている部分をパンチ切断し、測定す
るまで−80℃で保存した。パンチ切断した耳介を1m
lの5mM EDTAおよび0.5% Cetyltr
imethylammonium bromideを含
む50mM リン酸緩衝液(pH6.0)中で細かく切
り刻んだ後、同じ緩衝液を3mlを加え、Polytr
onホモジナイザーで氷冷下20000min−1で3
分間ホモジナイズした。更に、凍結融解を3回繰り返
し、各溶解後に氷冷下で10秒間超音波処理した。30
00rpmで20分間遠心し、上清をマイクロチューブ
に移し、再度14000rpmで15分間遠心し、その
上清のMPO活性を測定した。MPO活性の測定は96
穴のプレートを用いて行ない、上清を25μl、3,
3′,5,5′−テトラメチルベンジジンを25μl
(ジメチルスルホキシドに溶解したものが終濃度で0.
16mMになる)、Hを200μl(0.08M
リン酸緩衝液(pH5.4)で希釈し、終濃度が0.2
4mM)の順で加え、37℃で5分間インキュベートし
た後、bovine catlaseを25μl(終濃
度13.6mg/ml)添加し反応を止めた。反応終了
後MTP−32マイクロプレートリーダー(コロナ社)
で660nmの吸光度を測定した。標準曲線の作製には
ヒト白血球由来MPOを用いた。結果は図1に示される
とおりである。
【0238】(4)炎症部位移向性(II) ICR系雄性マウス(約30g)の右耳にアセトンに溶
解させたアラキドン酸を塗布し(50mg/mlを20
μl)、起炎直後にH標識した本発明による化合物
(実施例7、10)を尾静脈から1mg/kgになるよ
うに投与した。投与後0.08、0.5、1、2、4、
6、8、12、24時間目に脱血し、右耳および左耳を
摘出した。両耳内濃度は、自動試料燃焼装置を用い、
HをHOとして回収した後、液体シンチレーションカ
ウンターで放射活性を測定し、本発明による化合物の濃
度を求めた。両耳内濃度推移のAUC(曲線下面積)は
台形法で求めた。結果は表4に示される通りである。実
施例7および10の化合物は、未修飾の多糖に比べ、炎
症を起こした右耳へのAUC0-24h が有意に増加してい
た。
【0239】 表 4 検 体 AUC 0-24h(%:投与量・hr/g・組織) 右 耳(a) 左 耳 血漿(b) (a/b) 糖修飾カルボキシメチルキトサン 実施例1の化合物 46.5 8.2 61.4 0.76 実施例7の化合物 126.7 15.4 124.4 1.02 糖修飾カルボキシメチルプルラン 実施例9の化合物 276.8 33.6 588.9 0.47 実施例10の化合物 692.2 24.6 368.4 1.88
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による化合物の好中球浸潤阻害活性を示
した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08B 37/08 C08B 37/08 A Z 37/10 37/10 // A61K 31/405 AAH A61K 31/405 AAH 31/505 ADU 31/505 ADU 31/57 ABE 31/57 ABE 31/70 31/71 (72)発明者 三 好 詩 郎 静岡県三島市安久206−1 田村ハイツ 5号 (72)発明者 菅 原 州 一 千葉県柏市西柏台2−1−1 シティパ ラス柏1018 (72)発明者 奥 野 哲 埼玉県三郷市早稲田8−5−18 (72)発明者 浜 名 洋 千葉県野田市山崎2694 ビューパレー野 田梅郷A−307号 (72)発明者 井 上 和 泓 千葉県船橋市松ヶ丘5−6−6 (72)発明者 伊 藤 照 臣 千葉県松戸市新松戸6−89 ライオンズ マンション新松戸104 (72)発明者 川 口 隆 行 東京都豊島区巣鴨1−15−2−A406 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08B 37/00 A61K 47/36 C08B 37/02 C08B 37/08 C08B 37/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)に記載の化合物。 E−T−T−F (I) (上記式中、Eは、グルコース、フルクトース、マンノ
    ース、フコース、ノイラミン酸、ウロン酸、ガラクトサ
    ミン、グルコサミン、リボース、デオキシリボース、ア
    ラビノースおよびキシロースから選択される単糖、もし
    くはこれら単糖のN−もしくはO−アシル誘導体、O−
    アルキル誘導体もしくはエステル誘導体を表すか、また
    はこれら単糖もしくは単糖の誘導体の2〜6個からなる
    オリゴ糖を表し、Tは、−CHCH(OCH
    )m−(mは、1〜10の整数を表す)、−(CH
    )n−(nは、2〜16の整数を表す)または下記基
    (II)を表し、 【化1】 (上記基中、Xは、−NHCOCH、−OHまたは−
    NHを表す) Tは、−NH−、−NHCO−、−CONH−または
    −NHCONH−を表し、Fは、キトサン、プルラン、
    デキストラン、マンノグルカン、ヘパリン、ヒアルロン
    酸、およびコンドロイチン硫酸から選択される多糖また
    はこれら多糖の誘導体を表す)
  2. 【請求項2】Eが、グルコース、マンノース、ガラクト
    ース、フコース、ノイラミン酸、ガラクトサミン、グル
    コサミン、シアル酸、N−アセチルガラクトサミンおよ
    びN−アセチルグルコサミンから選択される単糖もしく
    は単糖の誘導体、またはこれら単糖もしくは単糖の誘導
    体の2〜4個からなるオリゴ糖を表し、 Fが、カルボキシメチルキトサンまたはカルボキシメチ
    ルプルランを表す、請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】薬物担体である、請求項1または2に記載
    の化合物。
  4. 【請求項4】多糖の誘導体が医薬化合物を担持してなる
    ものである、請求項1〜3に記載の化合物。
  5. 【請求項5】前記医薬化合物が、メトトレキサート、ド
    キソルビシン、デキサメタゾン、インドメタシンから選
    択されるものである、請求項4に記載の化合物。
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