JP3265425B2 - リン酸化三糖セリン、硫酸化・リン酸化三糖セリンおよびそれらの合成方法 - Google Patents

リン酸化三糖セリン、硫酸化・リン酸化三糖セリンおよびそれらの合成方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なリン酸化三
糖セリンまたは硫酸化・リン酸化三糖セリンおよびそれ
らの合成方法に関する。
【0002】
【従来技術】細胞外マトリックスの主要成分であるプロ
テオグリカン(PG)は、細胞間の情報伝達に重要な役
割を持つことで近年注目されている。構造的にはPG
は、コアタンパク質とそこから枝状に延びる直鎖のグリ
コサミノグリカン(GAG)から構成されている。GA
G鎖は、二糖当たりの硫酸基0〜3個を持つ繰り返し単
位により、ヘパリン、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫
酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸に分類されている。
GAGは、コアタンパク質に結合した「共通四糖部分」
(Xyl−Gal−Gal−GlcA)と、ウロン酸と
アミノ糖の二糖単位が非還元側に続く「繰り返し二糖領
域」からなる。生合成においてGAGは、コアタンパク
質のセリン(Ser)水酸基を起点として対応するUD
P糖と糖転移酵素により順次非還元側に単糖単位で糖鎖
を延ばして行くと考えられている。繰り返し二糖領域は
ヘキソサミン(α−GlcNAcとβ−GalNAc)
の種類によってヘパリン型とコンドロイチン型に分類さ
れ、それらの生合成過程における仕分け機構(還元末端
五番目の異なる二種の糖転移制御)は未だ解明されてい
ない。
【0003】生化学情報の担い手は、主に繰り返し二糖
領域にある。特に、糖鎖を構成している単糖の水酸基や
アミノ基の立体配置や糖の結合位置、加えてこれらを修
飾している硫酸基の数と位置のバリエーションが膨大な
量の情報伝達を可能にしている。糖鎖の修飾は硫酸基が
メインであり、GAGの一種であるヘパリンを中心にそ
の位置特異性と機能の発現の関連の研究が盛んに行われ
ている。リン酸基の存在の発見は比較的最近のこと(例
えば、T.R.Oegema Jr,E.L.Kraft,G.W.Jourdian and T.
R.Van Valen,J.Biol.Chem.,259,1720 (1984).K.Sugahar
a,Y.Ohi,T.Harada,P.de Waard and J.F.Vliegenthart,
J.Biol.Chem.,267,6027(1992).)である。このことは、
リン酸基が天然から糖を単離する際に脱落し易かったた
めと分かっている。また、GAGにおけるリン酸基の存
在は、前記リン酸基の存在の発見後、その位置は還元末
端(セリン水酸基に結合)のキシロース(Xyl)の2
位に限定されていることは確認されたが、生化学的な意
義は未だ解明されていない。
【0004】リン酸化糖の生化学的な意義については、
フランソン(Franssson)らの報告から、前記仕分け機
構を含めた糖鎖の伸長に何らかの影響を与えているもの
と推測される〔J.Moses,Å,Oldberg,F.Cheng and L.Å,
Fransson,Eur.J.Biochem.,248,521(1997)〕。こうした
中で、天然から抽出した純粋な硫酸化糖は、既にヘパリ
ンの抗血液凝固作用を持つ医薬品として市販されている
し、GAGの多彩な生化学的機構の解明といった分野で
多量の需要がある。GAG糖鎖の生合成機構やその制御
機構が明らかになれば、バイオ技術を駆使して効率的な
前記医薬品を含めて多くの新製品の開発に貢献できると
考えられ、更なるバイオ関連の技術の発展をもたらすこ
とは明らかである。しかし、前記したように天然からの
単離中にリン酸基は脱落し易く、天然からの抽出によっ
て得られる純粋なリン酸化糖だけでは前記需要を賄うに
は不十分である。従って、前記リン酸化糖を化学的に合
成できれば、前記酵素による反応による糖鎖伸長のメカ
ニズムの解明に大きな貢献をすることになり、その結
果、バイオ技術を駆使した効率的な医薬品製造や多くの
新製品の開発に貢献できることは明らかである。
【0005】これまで、GAG還元末端リン酸化オリゴ
糖の合成については2つのグループからの報告がある。 1.JacquinetらはGAG還元末端リン酸化二糖および
四糖セリルグリシンの合成について報告している。しか
し、このものはセリンのアミノ基がアセチル化されてお
り、完全な天然型ではない〔S.Rio,J.-M.Beau and J.-
C.Jacquinet,Carbohydr.Res.,255,103(1994)〕。 2.Nilssonらは2〜4糖を合成しているが、メチルグ
リコシドであり非天然型である〔M.Nilsson,J.Westman
and C.-M,Svahn,J.Carbohydr.Chem.12,23(1993)〕。こ
れらの報告ではいずれも、リン酸基と硫酸基とを同時に
持ち合わせた糖鎖を得ていない。
【0006】本発明者は、一般式2で示す天然型の単糖
セリン(1)および二糖セリン(2)および(3)の合
成方法を既に開発している〔Bioorganic & Medicinal C
hemistry Letters,1911-1914, 9(1999):以下、文献
A〕。
【0007】
【化5】
【0008】該方法は、反応式4〔(4)〜(12)で
示される化合物〕で示されるように、先ずグリカン伸長
およびリン酸化に先だって、Xyl(キシロース)−S
er(セリン)結合を形成する方法を採用する新しい合
成方法を採用している。
【0009】
【化6】
【0010】Xylの水酸基を保護するために、D−キ
シロースの全ての水酸基をDMAP(4,4−ジメチル
アミノピリジン)の存在下で、レブリン酸無水物によ
り、レブリノイル化する〔化合物(4):式中R=Levは
レブリノイル基であり、Lev=MeCO(CH2)2CO)〕であ
る。化合物(4)をCH2Cl2溶液中でTiCl4によ
り対応する塩素化物(5)(式中R=Cl)に変換する。塩
素化物(5)を、Ag0Tf(トリフルオロメタンスル
ホン酸銀)の存在下で、1,2−ジクロロエタン中で0
℃で、公知のN−Z−serine benzyl ester(6)〔N.O
no,T.Yamada,T.Saito,K.Tanaka,A.Kaji,Bull.Chem.Soc.
Jpn.,51,2401(1978)〕と、直ちにカップリング反応させ
る。こうすることにより、所望のβ−結合xylosyl成分
(7、R1,R2,R3すべてLev)が独占的に66%の収
率で得られる。この結果から、レブリノイルエステル基
は、XylのO−2に対する優れた隣接基効果があるこ
とを示している。このことは、レブリノイルエステルに
類似のモノクロロアセチル基を用いた2,3,4-tri-O-chlo
roacetyl-D-xylosyl chloride およびL-seryl-glycine
のカップリング反応の例ではアノマー混合物が生成する
ことからも理解される。
【0011】その後、前記化合物(7)の全てのレブリ
ノイル基はH2NNH2・AcOHによって全て取り除か
れ、トリオール(8)が95%の収率で得られる。
【0012】Nilssonのグループは、メチルキシロシド
のO-4位置での、ジブチルスタニレンアセタールを経由
する位置選択的クロロアセチル化を報告している。
【0013】本発明者は、上記方法はキシロシルセリン
(xylosyl serine)(8)にも適用できることを証明し
ている。クロロアセテート(9)は位置選択的に得るこ
とができる〔1)Bu2SnOとジオキサンとの還流工
程、2)ClCH2COCl/CH2Cl2との反応工程の2ステップに
よる。収率62%〕。化合物(9)のO-3位置に対す
る、アセチルクロライドによる位置選択的アセチル化に
よって化合物(10)が得られる(収率80%)。化合
物(10)のOH−2残基は、市販されているジベンジ
ルN,N−ジイソプロピルホスホルアミダイト〔Dibenz
yl N,N-diisopropyl phosphoramidite=Isop2NP(OBn)2
によるリン酸化、およびその後のmCPBA(m-chloroperbe
nzoic acid)による酸化により所望のジベンジルリン酸
化物(11)が収率88%で得られる。化合物(11)
のクロロアセチル基を、H2NNH2・AcOHでの化学
基選択的除去によって、更にグルコシル化されるアクセ
プター(12)を生成する(収率88%)。
【0014】リン酸基で置換し、硫酸基置換または硫酸
基非置換のGal−Xyl−Ser生成物を得るため
に、本発明者は、それぞれの目的に合うように適切に設
計された糖供与体であるガラクトシルドナーを反応式5
〔化合物(13)〜(17)〕で示されるガラクトシル
ドナーの合成及びGal-Xyl-Ser配列へのカップリング手
法により合成した。
【0015】
【化7】
【0016】市販のメチル 1−チオ−β−D−ガラク
トピラノシドの一級ヒドロキシ基は、t-ブチルジフェニ
ルシリルクロライド(TBDPS=t-BuPh2Si-)により位置選
択的に保護され、トリオール(13)(反応式5におけ
るものを示す、以下(14)〜(17)も同じ)が得ら
れる(収率92%)。後の脱シリレーションの間に不所
望のアシル基の転移を避けるために、本発明者は残りの
ヒドロキシル基の保護基として立体的にかさ高いp−メ
チルベンゾイルエステル(MBz)を採用した。この様
にして、ピリジン中においてp−メチルベンゾイルクロ
ライドによるアシル化により重要なガラクトシル供与体
(14)が得られる(86%収率)。化合物(12)お
よび(14)の縮合剤であるNIS-TfOH(NIS=N-ヨードコ
ハク酸イミド)の働きによるカップリングにより52%
の収量でβ−結合二糖(15)が得られ、その際18%
のα異性体の生成を伴う。シリル基は、酢酸の存在下に
テトラブチルアンモニウムフルオライドにより除去さ
れ、化合物(16)が85%の収率で得られる。
【0017】進行中のXyl−SerおよびGal−X
yl−Ser配列を保護して、化合物(11)を水素化
分解条件(Pd/C,H2)およびケン化(Et3N-MeOH-H2O)条
件にさらした。粗生成物は、ゲル浸透カラム(LH-20,1
%炭酸アンモニウム)およびイオン交換樹脂〔AG(登
録商標)50W-X8(Na+)〕により精製し、Xyl(2p)
−Ser(1)(一般式2)を78%の収率で得た。
【0018】次いで、化合物(16)を、水素化分解
(Pd/C,H2)およびケン化〔1)Et3N-MeOH-H2O,2)N
aOH水溶液〕により、Gal−Xyl(2P)−Se
r(2)(一般式2)(収率82%)に変換し、次い
で、前記精製手段で精製した。他方、化合物(16)の
O−6の遊離ヒドロキシル基は硫酸化され〔1)SO3
・Me3N/DMFで50〜60℃で処理,2)〔AG
(登録商標)50W-X8(Na+)〕化合物(17)を90%の
収率で得た。脱保護基を化合物(2)の製造と同様の方
法により行った。粗生成物は、ゲル浸透カラム(LH-20,
1%AcOH)、次いで前記と同様のイオン交換樹脂に
より、最終的にGal(6S)−Xyl(2P)−Se
r(3)(一般式2)を収率59%で得た。前記得られ
たすべての化合物は、400MHzを用いた1H−NMRおよ
びESI−MS〔エレクトロスプレーイオン化法(試料
溶液を微細な帯電液滴としてイオン化する質量分析
法)〕により同定された。
【0019】前記文献は、天然型のリン酸化糖およびそ
の生成法を説明している。これらの糖のカップリング反
応は、糖鎖の逐次的伸長に重要な示唆を与える。しかし
一般に、糖鎖の伸長に及ぼす保護基、リン酸基、硫酸基
などの影響、作用・効果は実際に合成を試行錯誤で行う
ことによってしか得られないところに、糖鎖の合成の難
さがある。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、完全
な自然型のリン酸化三糖セリンおよび硫酸化・リン酸化
三糖セリンを提供すること、および前記三糖セリンを合
成する方法を確立することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、一般式
1で表される、硫酸化・リン酸化三糖セリンである。
【0022】
【化8】
【0023】(ただし、式1中±は、R1、R2が、H
(−)であるかSO3Na(+)であるかを表し、R1
またはR2はSO 3 Naである。
【0024】本発明の第2は、式1(式中Allはアリ
ル基)で表されるベンジリデン基により保護された糖供
与体と式2で表される受容体成分とをカップリングさ
せ、式3の化合物を得、次いで、式3のアリル基を除去
して式4の化合物を得、式4の化合物の受容体成分に糖
供与体となる式5のチオガラクトシドをカップリングさ
せリン酸化三糖体6を得、これを水素化分解およびケン
化処理してβ−Gal(1→3)β−Gal(1→4)
−β−Xyl(2−OPO3Na2)Ser(A)を反応
式1により製造する方法である。
【0025】
【化9】
【0026】本発明の第3は、式6のリン酸化三糖体を
スルホン化、水素化分解およびケン化処理してβ−Ga
l(6−SO3Na)(1→3)β−Gal(1→4)
−β−Xyl(2−OPO3Na2)Ser(B)を反応
式2により製造する方法である。
【0027】
【化10】
【0028】本発明の第4は、糖供与体として脱離基O
C(=NH)CCl3を有する式7の化合物を受容体で
ある式2の化合物にカップリングさせ、式8の化合物を
得、次いで、t-ブチルジフェニルシリル基を選択的に除
去して化合物9を得、化合物9にスルホン化、水素化分
解およびケン化処理してβ−Gal(1→3)β−Ga
l(6−SO3Na)(1→4)−β−Xyl(2−O
PO3Na2)Ser(C)を反応式3により製造する方
法である。
【0029】
【化11】
【0030】本発明者は、糖供与体、受容体の化学構造
を工夫するところまでさかのぼってリン酸化三糖セリン
を製造する方法を確立することにより、また、糖供与
体、受容体の化学的構造を工夫するところまでさかのぼ
って位置選択的に硫酸基が導入されるような化学構造の
リン酸化三糖セリンが得られる製造方法を確立すること
によって前記課題を解決したものである。
【0031】
【本発明の実施の態様】本発明を詳細に説明する。本発
明のリン酸化三糖セリンおよび硫酸化・リン酸化三糖セ
リンの合成のプロセスの特徴は、前記本発明者が公表し
ている二糖セリンまでの製法が、リン酸化および硫酸化
・リン酸化三糖セリンを製造する際の二糖セリンまでの
製法に適用できなかったことである。従って、前記した
ように、リン酸化三糖セリンおよび硫酸化・リン酸化三
糖セリンの合成のプロセスの確立には、単糖、二糖の糖
供与体、受容体の化学構造を工夫するところまでさかの
ぼなければならなかったところにある。前記本発明の特
徴および前記工夫については、具体的には、実施例に記
載の反応工程から理解されるであろう。
【0032】
【実施例】実施例1 β−Gal(1→3)β−Gal(1→4)−β−Xy
l(2−OPO3Na2)Ser〔化合物(A)〕の製造
方法。 前記反応式1において、式1〔式1中Allはアリル
基:F. Goto and T. Ogawa, Tetrahedron Lett.,33(35)
5099(1992)〕で表されるベンジリデン基により保護さ
れた糖供与体(98.1mg、258μmol)と式2
(公知化合物:前記文献A)で表される受容体成分(9
8.5mg、129μmol)の1,3−ジクロロエタ
ン(1.4mL)溶液に乾燥モレキュラーシーブスAW30
0(MSAW300)(200mg)を加え、室温で50分間撹拌し
た。この懸濁液を−20℃に冷却し、活性剤であるNIS
(N-ヨードコハク酸イミド(174.1mg,774μmol)とTfO
H(トリフルオロメタンスルホン酸(13.6μL,155μmo
l)のCH2Cl2(1.2mL)−ジエチルエーテル(1.2mL)の
混合溶液を加えた。30分後に反応液をクロロホルムで
希釈して、適当量の飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加
えた。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、ハイポ
水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシュ
ウムで乾燥、ろ過後、溶媒を減圧蒸留した。残渣をゲル
ろ過(LH−20,2.8φ×65cm,クロロホルム
−メタノール1:1)で分離後、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(C-200,5.5g,トルエン−酢酸エチル
5:1〜1:1)で精製し、式3の化合物(52.1mg,37
%)を得た。 式3の化合物 Rf 0.33 (トルエン−酢酸エチル 1:1) 〔α〕D −17.4°(c 1.38、クロロホルム) 元素分析 計算値(C5762NPO19) C:62.46,H:5.70,N:1.28,P:2.83 実測値 C:62.50,H:5.74,N:1.27,P:2.77
【0033】式3の化合物のアリル基を除去して化合物
4を得る。触媒量のイリジウム錯体(〔Ir(COD)(Ph2Me
P)2〕PF6)をTHF(テトラヒドロフラン)(2.5mL)に
懸濁させ、水素置換して赤色が消失するまで撹拌した。
その後、脱気、アルゴン置換を行い、式3の化合物(9
9.6mg,90.9μmol)のTHFの溶液(4mL)を加え、室
温で撹拌した。2時間後氷冷しながら、水(1.5mL)、炭
酸水素ナトリウム(305.5mg,3.64mmol)、ヨウ素(46.1
mg,181.8μmol)を順次加え撹拌した。30分後反応液
をクロロホルムで希釈して、有機層をハイポ、飽和食塩
水で洗浄し、無水硫酸マグネシュウムで乾燥、ろ過後、
溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(C-200,5.5g,トルエン−酢酸エチル5:2
〜1:5)で精製し、式4の化合物(91.1mg、95%)を
得た。 式4の化合物 Rf 0.30(トルエン−酢酸エチル 1:5) 〔α〕D +25.7°(c 0.785,クロロホルム) 元素分析 計算値 (C5458NPO19) C:61.42,H:5.52,N:1.33,P:2.93 実測値 C:61.34,H:5.63,N:1.29,P:2.99
【0034】式4の化合物と式5(公知化合物:前記文
献A)の化合物から式6の化合物を得る。受容体成分と
しての式4の化合物(97.5mg,92.3μmol)と糖供与体と
しての式5のチオガラクトシド(96.5mg,120μmol)の
1,2-ジクロロエタン(2mL)溶液に乾燥モレキュラー
シーブスAW300(MSAW300)(120mg)を加え、室温で40
分間撹拌した。この懸濁液を−20℃に冷却し、活性剤
であるNIS(N-ヨードコハク酸イミド(124.6mg,553.8μ
mol)とTfOH(トリフルオロメタンスルホン酸(8.1μ
L,92.3μmol)のCH2Cl2(1mL)−ジエチルエーテ
ル(1mL)の混合溶液を加えた。30分後にクロロホルム
で希釈して、適当量の飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を
加えた。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、ハイ
ポ水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシ
ュウムで乾燥、ろ過後、溶媒を減圧蒸留した。残渣をゲ
ルろ過(S-X1,2.8φ×89cm,、トルエン)で分離後、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(C-200,5.5g,トル
エン−酢酸エチル5:1〜1:1)で精製し、混合物
(113.6mg)を得た。これをTHF(2mL)に溶解
し、酢酸(35.8μL、627μmol)とBu4NF(テトラブ
チルアンモニウムフルオリド)の1規定THF溶液(0.
31mL.313μmol)を加えて室温で撹拌した。10時間後
クロロホルムで希釈、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシュ
ウムで乾燥、ろ過後、溶媒を減圧蒸留した。残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(C-200,5.5g,トルエ
ン−酢酸エチル3:1〜1:2)で精製し、式6の化合
物(52.1mg,37%)を得た。 式6の化合物 Rf 0.40 (トルエン−酢酸エチル1:3) 〔α〕D +81.90(c 1.27、クロロホルム) 元素分析 計算値(C84H86NPO27) C:64.16,H:5.51,N:0.89,P:1.97 実測値 C:64.06,H:5.58,N:0.96.P:1.96
【0035】式6の化合物から化合物(A)を得る。式
6の化合物(7.7mg、4.9μmol)のメタノール(2ml)溶
液に触媒量の10%バラジウム−炭素を加え、水素雰囲気
下室温で16時間撹拌した。不溶物をろ別し、溶媒を減
圧留去した。残渣をメタノール(1ml)に溶解し、トリ
エチルアミン(0.5ml)、水(0.5ml)を加えて室温で5
日間撹拌した。減圧留去した残渣をゲルろ過(LH−20,
1.4φ×20cm、1%酢酸)で精製し、目的の化合物
(A)(1.7mg、49%)を得た。 目的化合物(A) Rf 0.20 (n−ブタノール−酢酸−水1:1:1) 〔α〕D −14.10゜(c 0.17、水)
【0036】実施例2 β−Gal(6−SO3Na)(1→3)β−Gal
(1→4)−β−Xyl(2−OPO3Na2)Ser
〔化合物(B)〕の製造方法。 式6の化合物の合成までは実施例1に同じ。
【0037】式6の化合物から化合物(B)を得る。式
6の化合物(12.2mg、7.8μmol)のジメチルホルムアミ
ド(1mL)溶液に三酸化イオウ・トリメチルアミン錯体
(29.2mg、0.210mmol)を加え、50〜60℃に保ち6
時間撹拌した。溶液をそのままゲルろ過(LH−20,2.8
φ×65cm、クロロホルム−メタノ−ル1:1)で精製
し、硫酸化物(13.9mg)を得た。このメタノール(2m
l)溶液に触媒量の10%バラジウム−炭素を加え、水素
雰囲気下室温で2日間撹拌した。不溶物をろ別し、溶媒
を減圧留去した。残渣をメタノール(2ml)に溶解し、
ナトリウムメトキシドの0.1 Mメタノール溶液(0.25m
l)を加えて室温で18時間撹拌した。さらに同溶液
(0.08ml)を加えて室温で6時間撹拌した。50%酢酸
で中和し、減圧留去した残渣をゲルろ過(LH−20,
1.4φ×20cm、1%酢酸)で2回精製し、目的化
合物(B)(1.3mg、59%)を得た。 目的化合物(B) Rf 0047 (n−ブタノール−酢酸−水1:1:1) 〔α〕D −13.80(c 0.13、水)
【0038】実施例3 β−Gal(1→3)β−Gal(6−SO3Na)
(1→4)−β−Xyl(2−OPO3Na2)Ser
〔化合物(C)〕の製造方法。 I.先ず、前記反応式3で示される反応の原料である式
7の化合物を製造する方法を反応式6にしたがって説明
する。
【0039】
【化12】
【0040】式10の化合物から式11の化合物を得る
式10の化合物〔公知化合物:F. Goto and T. Ogawa,
Tetrahedron Lett., 33(35) 5099 (1992)〕(54.1g,16
5mmol)をトルエン(400ml)とTHF(400ml)に懸濁
させ、酸化n−ジブチルすず(49.6g,199mmol)を加
え、水分分離装置を装着し6時間加熱還流した。放冷後
溶媒を留去し、残渣にTHF(400ml)、テトラn−ブ
チルアンモニウムブロミド(5.31g,16.5mmol)、アリ
ルブロミド(210ml,2.48mol)を加え30分間加熱還流
した。放冷後トリエチルアミン(350ml)を加え、溶媒
を留去し、残渣にピリジン(300ml)と無水酢酸(300m
l)を加え、室温で一晩撹拌した。この溶液に破砕氷(1
00g)を加え数時間撹拌した。反応液をクロロホルムで
希釈して、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽
和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、
ろ過後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(C−200,1200g,ヘキサン−
酢酸エチル1:1〜1:5)で精製し、式11の化合物
(58.4g、72%)を得た。 式11の化合物 Rf 0.64 (トルエン−酢酸エチル1:3) 融点 (ヘキサン−酢酸エチルから再結晶) 〔α〕D +23.60(c 1.52、クロロホルム) 元素分析 計算値(C22H28010) C:58.39,H:6.26 実測値 C:58.38,H:6.25
【0041】式11の化合物から式12の化合物および
式13の化合物を得る式11の化合物(590.6mg、1.31m
mol)をメタノール(4ml)に溶解し、トリエチルアミン
(2ml)、水(2ml)を加えて室温で16時間撹拌した。
減圧留去した残渣をジメチルホルムアミド(8ml)に溶
解し、イミダゾール(216.6mg、3.18mmo1)とt−ブチ
ルクロロジフェニルシラン(0.55ml、2.11mmol)を加え
19時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、炭酸
水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。
有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で
順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、溶
媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(C−200,40g,トルエン−酢酸エチル2
0:1〜1:1)で精製し、式12の化合物(670.6m
g、85%)と式13の化合物(77.0mg、10%)を得た。 式12の化合物 Rf 0.65 (トルエン−酢酸エチル 2:1) 融点 (ヘキサンー酢酸エチルから再結晶) 〔α〕D +3.960(c 0.91、クロロホルム) 元素分析 計算値(C34H42SiO8) C:67.29,H:6.69 実測値 C:67.41,H:7.02 式13の化合物 Rf 0.39 (トルエン−酢酸エチル 2:1) 〔α〕D −13.20(c 1.145、クロロホルム) 元素分析 計算値(C32H40SiO8) C:68.04,H:7.15 実測値 C:67.77,H:7.18
【0042】式12の化合物から式14の化合物を得る
式12の化合物(497.3mg、0.819mmol)をピリジン(5m
l)に溶解し、塩化p−メチルベンゾイル(0.32ml、2.4
6mmol)と触媒量のジメチルアミノピリジンを加えて室
温で一晩撹拌した。この溶液にメタノール(1ml)を加
え4時間撹拌した。反応液をクロロホルムで希釈し、炭
酸水素ナトリウム水溶液を加え、有機層を飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥、ろ過後、溶媒を減圧留去した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(C−20
0,50g,ヘキサン〜ヘキサンー酢酸エチル 2:1)
で精製し、式14の化合物(576.4mg、97%)を得た。 式14の化合物 Rf 0.50 (ヘキサン−酢酸エチル 2:1) 〔α〕D +33.50(cl.55、クロロホルム) 元素分析 計算値(C42H48SiO9) C:69.58,H:6.69 実測値 C:69.66,H:6.69
【0043】式14の化合物から式15の化合物を得る
触媒量のイリジウム錯体〔Ir(COD)(Ph2MeP)2P
F6〕をTHF(5ml)に懸濁させ、水素置換して赤色が消失
するまで撹拌した。その後。脱気、アルゴン置換を数回
行い、化合物14(346.2mg、0.478mmol)のTHF(6
mL)を加え、室温で一晩撹拌した。氷冷して水(7.2m
l)、炭酸水素ナトリウム(1.52g、18.1mmol)、ヨウ素
(242mg、0.95mmol)を順次加え撹拌した。30分後反
応液をクロロホルムで希釈して、有機層をハイポ、飽和
食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過
後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(C−200,12g,ヘキサン−酢酸
エチル 30:1〜1:1)で精製し、式15の化合物
(322.7mg、99%)を得た。 式15の化合物 Rf 0.48 (ヘキサン−酢酸エチル1:1) 〔α〕D −0.230(c 1.72、クロロホルム) 元素分析 計算値(C39H44SiO9・0.1H20) C:67.89,H:6.47 実測値 C:67.89,H:6.45
【0044】式15の化合物と式16の化合物から式1
7の化合物を得る式16の化合物〔公知化合物:P.H.Am
vam-Zollo and P.Sinay,Carbohydr.Res.,150,199(198
6)〕(195.9mg、0.398mmol)と式15の化合物(169.5
mg、0.247mmo1)のジクロロメタン(10ml)溶液に乾燥
モレキュラーシーブスAW300(1.2g)を加え、室温で35
分間撹拌した。この懸濁液を−200℃に冷却し、トリ
フルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(50μL、
0.28mmol)を加えた。2時間で連続的に80℃まで昇温
させ、反応液をクロロホルムで希釈して、適当量の飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。不溶物をろ別し、
クロロホルムで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥、ろ過後、溶媒を減圧留去した。残渣をゲ
ルろ過(S−X1,2.8φ×89cm、トルエン)で分
離後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(C−30
0,10g,ヘキサン−酢酸エチル 4:1〜1:3)
で精製し、式17の化合物(108.8mg、43%)を得た。 式17の化合物 Rf 0.26 (ヘキサン−酢酸エチル1:1) 〔α〕D +26.40(c 1.12、クロロホルム) 元素分析 計算値(C53H62SiO8・0.5H20) C:62.15, H:6.21 実測値 C:62,24,H:6.16
【0045】式17の化合物から式18の化合物を得る
式17の化合物(312.0mg、0.307mmol)のアセトニトリ
ル(20mL)と水(5mL)の溶液に硝酸二アンモニウムセ
リウム(843mg、1.54mmol)を加え、0℃で50分間撹
拌した。この溶液にクロロホルムと適当量の飽和食塩水
を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水
で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、溶媒
を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(C−200,25g,ヘキサン−酢酸エチル
4:1〜1:5)で精製し、化合物18(260.5mg、93
%)を得た。式18の化合物はそれ以上精製せず、その
まま次の反応に用いた。 式18の化合物 Rf 0.18 (ヘキサン−酢酸エチル 1:1)
【0046】式18の化合物から式7の化合物(反応式
3の原料化合物)を得る式18の化合物(260.5mg、0.2
87mmol)のジクロロメタン(6mL)溶液にトリクロロア
セトニトリル(1.6mL)を加え0℃に冷却し、撹拌しつ
つ1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン
を1滴を加え、同温で30分、室温で20分間撹拌し
た。反応液は直接シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(C−200,60g,ヘキサン−酢酸エチル 10:
1〜1:1)で精製し、化合物7(279.3mg、93%)を
得た。式7の化合物(反応式3)はそれ以上精製せず、
そのまま次の反応に用いた。 式7の化合物 Rf 0.39,0.29 (ヘキサン−酢酸エチル 1:1)
【0047】式7の化合物と式2の化合物から式8の化
合物を得る糖供与体として脱離基としてOC(=NH)
CCl3を有する式7の化合物(57.6mg、54.7μmol)と
受容体として化合物2のジクロロメタン(2mL)溶液に
乾燥モレキュラーシーブスAW300(150mg)を加
え、室温で35分間撹拌した。この懸濁液を−20℃に
冷却し、活性剤としてTMSOTf(トリメチルシリル
トリフルオロメタンスルホネート)(7μL、38μmol)
を加えた。1時間で連続的に−10℃まで昇温させ、反
応液にトリエチルアミン(2滴)と適当量の飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで希釈した。
不溶物をろ別し、クロロホルムで抽出した。有機層を飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、溶媒を減圧
留去した。残渣をゲルろ過(S−X1,2.8φ×89
cm、トルエン)で分離後、シリカゲルカラムクロマト
グラフィー(C−300,3g,トルエンー酢酸エチル
6:1〜2:1)で精製し、式8の化合物(5.5mg、
9%)を得た。 式8の化合物 Rf 0.41 (トルエン−酢酸エチル 1:1)
【0048】式8の化合物から式9の化合物を得る式8
の化合物(5.5mg、3.3μmol)のテトラヒドロフラン(1
mL)溶液に酢酸(4μL)と1NのBu4NF(テトラブチ
ルアンモニウムフルオリド)(33μL)を加え、室温で
一晩撹拌した。この溶液を直接ゲルろ過(LH−20,
2.8φ×65cm、クロロホルム−メタノール)で分
離後、シリカゲルプレート(トルエン−酢酸エチル
1:3)で精製し、式9の化合物(4.7mg)を定量的に
得た。 式9の化合物 Rf 0.38 (トルエン−酢酸エチル 1:3)
【0049】式9の化合物から目的化合物(C) 式9の化合物(4.7mg、3.3μmol)のジメチルホルムア
ミド(1mL)溶液に三酸化イオウ・トリメチルアミン錯
体(16.1mg、0.116mmol)を加え、50〜60℃に保ち
一晩撹拌した。さらにトリメチルアミン錯体(25.9mg、
0.187mmol)を加え、2.5時間後溶液をそのままゲル
ろ過(LH−20,2.8φ×65cm、クロロホルム
−メタノール 1:1)で精製した。生成物をイオン交
換樹脂小カラム(AG50W、メタノール−水 8:
1)でイオン交換を行い、粗硫酸化物(8.9mg)を得
た。このメタノール(2mL)溶液に触媒量の10%パラ
ジウム−炭素を加え、水素雰囲気下室温で一晩撹拌し
た。不溶物をろ別し、溶媒を減圧留去した。残渣をゲル
ろ過(LH−20,1.4φ×20cm、1%酢酸)で
精製した。この濃縮物をメタノール(1.6mL)と水(0.8
mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.8mL)を加えて室
温で2日間撹拌した。減圧留去した残渣をゲルろ過(L
H−20,1.4φ×20cm、1%酢酸)で精製し
た。一部のアシル基が残存していたので、これを水(1m
L)に溶解し、0.5Nの水酸化ナトリウム溶液(0.1m
L)を加えて室温で3時間撹拌した。50%酢酸で中和
し、減圧留去した残渣をゲルろ過(LH−20,1.4
φ×20cm、1%酢酸)で精製し、目的の化合物
(C)(0.7mg、26%)を得た。 目的化合物(C) Rf 0.12 (n−ブタノール−酢酸−水 1:1:1)
【0050】ここに、前記目的化合物のNMR物性(40
0MHzを用いた1H NMR;シフト値はppm,基準はDHO=
4.65ppm,測定は重水中25℃で行った。)データ(な
お、プロトンについては、例えばGal2−3の如く表
示し、これは還元末端から2番目のガラクトース残基の
3位のプロトンを意味する。)、およびESI−MS
(エレクトロスプレーイオン化法)データをまとめて記
載する。 I,NMR物性 化合物A 4.49(Xyl1−1)、3.77(Xyl1−2)、
3.63(Xyl1−3)、3.82(Xyl1−4)、
3.33(Xyl1−5a)、4.00(Xyl1−5
e)、4.42(Gal2−1)、3.56(Gal2
2)、3.70(Gal2−3)、4.07(Gal2
4)、3.59(Gal2−5)、3.54〜3.72
(Gal2−6)、4.49(Gal3−1)、3.47
(Gal 2−2)、3.54(Gal2−3)、3.80
(Gal2−4)、3.54〜3.72(Gal2−5,
6)、4.15(Serα)、3.94(Serβ)。 化合物B 4.45(Xyl1−1)、3.72(Xyl1−2)、
3.59(Xyl1−3)、3.78(Xyl1−4)、
3.30(Xyl1−5a)、3.97(Xyl1−5
e)、4.39(Gal2−1)、3.52(Gal2
2)、3.64(Gal2−3)、4.09(Gal2
4)、3.56(Gal2−5)、3.62〜3.68
(Gal2−6)、4.45(Gal3−1)、3.46
(Gal2−2)、3.53(Gal2−3)、3.81
(Gal2−4)、3.77(Gal2−5)、4.03
(Gal2−6)、4.16(Serα)、3.91,
4.04(Serβ)。 化合物C 4.50(Xyl1−1)、3.78(Xyl1−2)、
3.63(Xyl1−3)、3.83(Xyl1−4)、
3.35(Xyl1−5a)、4.02(Xyl1−5
e)、4.46(Gal2−1)、3.58(Gal2
2)、3.73(Gal2−3)、4.15(Gal2
4)、3.85(Gal2−5)、4.10(Gal2
6)、4.50(Gal3−1)、3.49(Gal2
2)、3.55(Gal2−3)、3.81(Gal2
4)、3.55〜3.68(Gal2−5,6)、4.
17(Serα)、3.96,4.04(Serβ)。
【0051】質量分析データ 化合物A ESI(negative):m/z 640・5(M−H)-,(pos
itive):m/z 664.2(M+Na)+,686.3
(M+2Na−H)+。 化合物B ESI(negative):m/z 720.3(M−H)-,74
2.2(M+Na−2H)-,(positive):m/z 76
6.1(M+2Na−H)+,788.2(M+3Na
−2H)+,810.1(M+4Na−3H)+。 化合物C ESI(negative):m/z 742.0(M+Na−2
H)-,764.2(M+2Na−3H)-,(positiv
e):m/z 788.0(M+3Na−2H)+,810.
0(M+4Na−3H)+
【0052】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、新規なオ
リゴ糖を提供するものであり、オリゴ糖のライブラリー
を豊富化することによって、GAGの生合成機構の解明
や新しい医薬品の開発を始めとする生化学・医学・薬学
分野へ効果がもたらされる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07H 15/04 REGISTRY(STN) CAPLUS(STN) CA(STN) CAOLD(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式1で表される硫酸化・リン酸化三
    糖セリン。 【化1】 (ただし、式1中±は、R1、R2が、H(−)である
    かSO3Na(+)であるかを表し、R1またはR2は
    SO 3 Naである。
  2. 【請求項2】 式1(式中Allはアリル基)で表され
    るベンジリデン基により保護された糖供与体と式2で表
    される受容体とをカップリングさせ、式3の化合物を
    得、次いで、式3のアリル基を除去して式4の化合物を
    得、式4の受容体に糖供与体となる式5のチオガラクト
    シドをカップリングさせリン酸化三糖体6を得、これを
    水素化分解およびケン化処理してβ−Gal(1→3)
    β−Gal(1→4)−β−Xyl(2−OPO3
    2)Ser(A)を反応式1により製造する方法。 【化2】
  3. 【請求項3】 式6のリン酸化三糖体を硫酸化、水素化
    分解およびケン化処理してβ−Gal(6−SO3
    a)(1→3)β−Gal(1→4)−β−Xyl(2
    −OPO3Na2)Ser(B)を反応式2により製造す
    る方法。 【化3】
  4. 【請求項4】 糖供与体として脱離基OC(=NH)C
    Cl3を有する式7の化合物を受容体である式2の化合
    物にカップリングさせ、式8の化合物を得、次いで、t-
    ブチルジフェニルシリル基を選択的に除去して化合物9
    を得、化合物9に硫酸化、水素化分解およびケン化処理
    してβ−Gal(1→3)β−Gal(6−SO3
    a)(1→4)−β−Xyl(2−OPO3Na2)Se
    r(C)を反応式3により製造する方法。 【化4】
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