JP2001514670A - 殺菌性/透過性増強タンパク質:結晶化、x線回折、3次元構造決定、合理的薬物設計、および関連タンパク質の分子モデリング - Google Patents

殺菌性/透過性増強タンパク質:結晶化、x線回折、3次元構造決定、合理的薬物設計、および関連タンパク質の分子モデリング

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、BPIの3次元構造を解決し、それによりそのタンパク質の3次元構造決定のための十分に高解像度のX線回折パターンの分析からのBPIの原子座標、ならびに適切なコンピュータアルゴリズムを有するコンピュータシステム上で分析されるコンピュータ読み取り可能媒体上に提供されたアミノ酸配列データおよび/またはX線回折データの使用に基づく合理的な薬物設計のための方法を提供する。そして、関連するタンパク質(BPI、LBP、CETP、およびPLTPを含む脂質結合および脂質転移タンパク質ファミリーを含む)に関する構造情報を生成する原子座標が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 殺菌性/透過性増強タンパク質:結晶化、X線回折、3次元構造決定、 合理的薬物設計、および関連タンパク質の分子モデリング これは、1997年6月20日に出願された米国特許出願第08/879,565号の一部継続 出願であり、これは、この全体が本明細書中に参考として援用される。 本発明は、一般に、タンパク質結晶化、X線回折分析、3次元構造決定、合理 的薬物設計および関連タンパク質の分子モデリングの分野に関する。本発明は、 殺菌性/透過性増強タンパク質(BPI)の3次元構造を解析し、そしてBPIタンパク 質産物の結晶化方法を提供する。結晶化BPIタンパク質産物は、X線回折技術に よって物理的に分析された。得られるX線回折パターンは、BPIの3次元構造を 決定するために有用であるように、十分高度に解析可能であり、そしてBPIにつ いての原子座標が得られた。本発明は、関連タンパク質の分子モデリングならび にBPIおよび関連タンパク質に関する模倣物およびリガンドの合理的薬物設計(RD D)のための、BPI座標の使用に関する。本発明はまた、BPIタンパク質またはそれ らのフラグメント、アナログ、およびその改変体、またはその関連タンパク質( 脂質転移タンパク質、またはそれらのフラグメント、アナログ、および改変体を 含む)の結晶形態を解析するための、BPIもしくはその一部の原子座標に関する。 本発明の開発の間に行われた研究の一部は、米国政府からの資金援助を受けた 。米国政府は、本発明において一定の権利を有する。 発明の背景 殺菌性/透過性増強タンパク質(BPI)は、哺乳動物の多形核白血球(PMNまたは好 中球)の顆粒から単離されたタンパク質である。多形核白血球は、微生物の侵入 に対する防御に不可欠な血球である。BPIは、強力な炎症応答を刺激するグラム 陰性細菌の外膜の主要な成分である、リポポリサッカライド(LPS)に結合するこ とが公知である。ヒトBPIタンパク質は、イオン交換クロマトグラフィー(Elsbac h,J.Bio.Chem.,254:11000(1979))またはE.coliアフィニティークロマトグラフィ ー(Welssら、Blood,69:652(1987))のいずれかと組み合わせて酸抽出することに よってPMNから単離されてきた。このようにして得られるBPIは、天然BPIとして 本明細書中で参照され、広域スペクトルのグラム陰性細菌に対する強力な殺菌活 性を有することが示されている。ヒトBPIの分子量は、約55,000ダルトン(55kD) である。ヒトBPIタンパク質全体のアミノ酸配列およびこのタンパク質をコード するDNAの核酸配列は、Grayら、J.Biol.Chem.,264:9505(1989)(本明細書中に参 考として援用される)の図1に報告されている。Grayらのアミノ酸配列は、本明 細書中に配列番号1で示される。米国特許第5,198,541号、EP0375724、およびWO 89/10486(PCT/US88/02700)は、BPIタンパク質(BPIホロタンパク質およびBPIのフ ラグメントを含む)をコードする組換え遺伝子およびそれらの発現のための方法 を開示する。 約25kDの分子量を有するBPIのタンパク質分解N末端フラグメントは、天然に 得られる55kDのヒトBPIホロタンパク質の全ての抗菌効果を本質的に保有する。( Ooiら、J.Biol.Chem.,262:14891-14894(1987))。N末端部分とは対照的に、単離 されたヒトBPIのタンパク質のC末端領域は、グラム陰性生物に対してごくわず かしか検出可能な抗菌活性を示さない。(Ooiら、J.Exp.Med.,174:649(1991))。 約23kDのN末端BPIフラグメント(「rBPI23」とも呼ばれる)は、組換え手段によ って産生され、グラム陰性生物に対する抗菌活性もまた有する。(Gazzano-Santo roら、Infect.Immun.60:4754-4761(1992))。BPIのN末端アナログ、rBPI21は、H orwitzら、Protein Expression Purification,8:28-40(1996)に記載されるよ うに産生される。 BPIの殺菌効果は、グラム陰性種に対して非常に特異的であることが報告され ている(例えば、ElsbachおよびWeiss,Inflammation:Basic Principles and Clin ical Correlates、Gallinら編、第30章、Raven Press,LTD(1992)において)。こ の報告された標的細胞特異性は、グラム陰性生物の外膜(またはエンベロープ)上 のLPSに対するBPIの強力な誘引の結果であると考えられた。BPIは、一般的に、 他の微生物(酵母を含む)および高等真核生物には非毒性であると考えられていた が、最近では、BPIタンパク質産物は、グラム陽性細菌、マイコプラズマ、マイ コバクテリア、真菌類、原生動物およびクラミジアに対する活性を示すことが発 見された。 BPIがグラム陰性細菌を殺傷する正確な機構は、依然として完全には解明され ていないが、BPIは、カチオン性BPIタンパク質とリポポリサッカライド上の負に 荷電した部位との間で静電気的および疎水的相互作用を介して細菌の表面とまず 結合するに違いないということが考えられる。細菌のLPSは、LPSが刺激する強力 な炎症応答(すなわち、最終的に不可逆的な内毒素ショックを生じ得る宿主炎症 細胞によるメディエーターの放出)のために、「内毒素」と呼ばれている。BPIは 最も毒性であり、かつ最も生物学的に活性なLPS成分であると報告されるリピド Aと結合する。 感受性のあるグラム陰性細菌において、BPI結合は、LPS構造を破壊すると考え られ、細胞外膜の透過性を改変し、そして最終的に細胞死を導く事象を開始する リン脂質およびペプチドグリカンを分解する細菌酵素の活性化を導く。(Elsbach およびWeiss、前出)。BPIは、2つの段階において作用することが提案されてい る。提案される第1の段階は、迅速な増殖停止、外膜を透過性にすること、なら びにリン脂質およびペプチドグリカンを加水分解する細菌酵素の選択的活性化に よって特徴付けられる致死に近い段階である。この段階における細菌は、血清ア ルブミンを補充した培地中での増殖によってレスキューされ得る(Mannionら、J. Clin.Invest.,85:853-860(1990))。第2の段階は、血清アルブミンによって覆す ことができない増殖阻害によって定義され、BPIに対する細菌の長期の暴露後に 生じることが提案され、広範な生理学的および構造的変化(内部の細胞質膜に対 する明らかな損傷を含む)によって特徴付けられる。 BPIのLPSに対する最初の結合は、おそらく、通常、Mg++およびCa++の結合を介 して外膜を安定化している、LPSのアニオン基への結合からもたらされる組織的 変化を導く。グラム陰性細菌の外膜へのBPIの付着は、アクチノマイシンDのよ うな疎水性薬剤に対して外膜を迅速に透過性にさせる。BPIの結合、続いてグラ ム陰性細菌の殺傷は、少なくとも一部は、LPSのポリサッカライド鎖長に依存し 、長いO鎖を有する「スムーズ」生物は、短いO鎖を有する「ラフ」生物よりも BPI殺菌効果により耐性である(Weissら、J.Clin.Invest.65:619-628(1980))。 グラム陰性細菌の外側のエンベロープを透過性にすることは、BPIの解離、高濃 度の 二価カチオンを必要とするプロセスおよび新たなLPSの合成の際に可逆的である( Weissら、J.Immunol.132:3109-3115(1984))。しかし、グラム陰性細菌の生存性 の減少(loss)は、エンベロープの統合性を修復するプロセスによって覆されず、 これは、殺菌作用が標的生物において誘導されるさらなる損傷によって媒介され 、この作用が細胞質膜に位置し得ることを示唆する(Mannionら、J.Clin.Invest. 86:631-641(1990))。この可能性の詳細な調査によって、モル濃度ベースのBPIに ついては、ポリミキシンBと少なくともほぼ同じ細胞質膜ベシクル機能阻害性で あるが、このようなベシクルの正確な機構およびインタクトな生物の研究に対す る関連性は、解明されなかったことが示された(In't Veldら、Infection and Im munity 56:1203-1208(1988))。 BPIは、リポポリサッカライド結合タンパク質および脂質転移タンパク質の遺 伝子/タンパク質ファミリーのメンバーであり、これらの現在公知の他のメンバ ーとしては、リポポリサッカライド結合タンパク質(LBP)、コレステロールエス テル転移タンパク質(CETP)およびリン脂質転移タンパク質(PLTP)が挙げられる。 BPIタンパク質産物(これらには、天然および組換え産生BPIタンパク質;BPIタ ンパク質の天然、合成、および組換え型の生物学的に活性なポリペプチドフラグ メント;BPIタンパク質の生物学的に活性なポリペプチド改変体またはそれらの フラグメント(ハイブリッド融合タンパク質および二量体を含む);BPIタンパク 質の生物学的に活性なポリペプチドアナログまたはそれらのフラグメントもしく は改変体(システイン置換アナログを含む);およびBPI由来ペプチドが挙げられ る)は、種々の有益な活性を有することが実証された。BPIタンパク質産物は、米 国特許第5,198,541号および同第5,523,288号(これらの両方が本明細書中に参考 として援用される)に記載されるように、グラム陰性細菌に対して殺菌性である ことが公知である。BPIタンパク質産物はまた、米国特許第5,523,288号および対 応国際公開WO95/08344(PCT/US94/11225)(これらは、本明細書中に参考として援 用される)に記載のように、グラム陰性細菌感染における抗生物質治療の有効性 を増強させることが公知である。BPIタンパク質産物は、米国特許第5,578,572号 および対応国際公開WO95/19180(PCT/US95/00656)(これらは、本明細書中に参考 として援用される)に記載されるように、グラム陽性細菌およびマイコプラズ マについて殺菌性であり、かつグラム陽性細菌感染における抗生物質の有効性を 増強することもまた公知である。BPIタンパク質産物は、米国特許第5,627,153号 および対応国際公開WO95/19179(PCT/US95/00498)に記載されるように、ならびに さらに1996年3月21日に出願された同時係属中の米国特許出願第08/621,259号(こ れはまた、1994年7月20日に出願された米国特許出願第08/504,841号の一部継続 出願であり、ならびに対応国際公開WO96/08509(PCT/US95/09262)およびWO97/040 08(PCT/US96/03845)である)(これは全て本明細書中に参考として援用される)に 抗真菌ペプチドについて記載されるように、抗真菌活性を示すことおよび他の抗 真菌剤の活性を増強することがさらに公知である。BPIタンパク質産物は、米国 特許第5,646,114号および対応国際公開WO96/01647(PCT/US95/08624)(これらは全 て本明細書中に参考として援用される)に記載されるように、抗原生動物活性を 示すことがさらに公知である。BPIタンパク質産物は、1996年8月9日に出願され た同時係属中の米国特許出願第08/694,843号および対応国際公開WO98/06415(PCT /US97/13810)(これらは全て本明細書中に参考として援用される)に記載されるよ うに、抗クラミジア活性を示すことが公知である。最後に、BPIタンパク質産物 は、1996年4月1日に出願された同時係属中の米国特許出願第08/626,646号(これ はまた、1994年8月14日に出願された米国特許出願第08/285,803の継続出願(こ れはまた、1993年3月12日に出願された米国特許出願第08/031,145号の一部継続 出願および対応国際公開WO94/20129(PCT/US94/02463)である)である(これは全て 本明細書中に参考として援用される))に記載されるように、抗マイコバクテリア 活性を示すことが公知である。 循環中に内毒素を有するヒトにおけるBPIタンパク質産物の効果(TNF、IL-6お よび内毒素における効果を含む)は、米国特許第5,643,875号および同第5,753,62 0号および対応国際公開WO95/l9784(PCT/US95/01151)(これらの全ては、本明細書 中に参考として援用される)に記載される。 BPIタンパク質産物はまた、(1996年5月10日に出願された同時係属中の米国特 許出願第08/644,287号および対応国際公開WO97/42966(PCT/US97/08016)(これら は本明細書中に参考として援用される)に記載されるように)ヒトの髄膜炎菌血症 、(同時係属中の米国特許出願第08/862,785号、1996年5月23日に出願された米国 特 許出願第08/652,292号の一部継続出願であり、現在は米国特許第5,756,464号、 および対応国際公開WO97/44056(PCT/US97/08941)(これらの全ては、本明細書中 に参考として援用される)に記載のように)ヒトにおける出血性外傷、(米国特許 第5,494,896号および対応国際公開WO96/30037(PCT/US96/02349)(これらの両方が 本明細書中に参考として援用される)に記載のように)熱傷、(米国特許第5,578,5 68号(これは本明細書中に参考として援用される)に記載のように)虚血/再灌流傷 害、および(1996年1月3日に提出された同じ出願番号の係属中の出願である、199 8年3月16日に出願された同時係属中の米国特許出願第08/582,230号(これはまた 、1994年10月5日に出願された米国特許出願第08/318,357号の継続出願)(これは また、1993年10月5日に出願された米国特許出願第08/132,510号の一部継続出願 である)である)および対応国際公開WO95/10297(PCT/US94/11404)(これらの全て は、本明細書中に参考として援用される)に記載されるように)肝臓切除のような 特定の疾患状態を処置するために有用であることもまた公知である。 BPIタンパク質産物は、米国特許第5,348,942号(本明細書中に参考として援用 される)に記載されるように、外因性ヘパリンの抗血液凝固活性を中和すること 、ならびに米国特許第5,639,727号(これは、本明細書中に参考として援用される )に記載のように、リウマチ様および反応性関節炎(rheumatoid and reactive ar thritis)のような慢性炎症性疾患を処置するため、および同時係属中の米国特許 出願第08/435,855号、同第08/466,624号、および同第08/466,826号、ならびに対 応国際公開WO94/20128号(PCT/US94/02401)(これらの全ては、本明細書中に参考 として援用される)に記載のように、新脈管形成を阻害するため、および悪性腫 瘍、眼の網膜障害、および子宮内膜症を含む新脈管形成関連障害を処置するため に有用であることもまた公知である。 BPIタンパク質産物は、米国特許第5,741,779号および対応国際公開WO97/42967 (PCT/US97/08017)(これらは、本明細書中に参考として援用される)に記載のよう に、抗トロンビン法における使用についても公知である。 米国特許第5,420,019号および同第5,647,834号ならびに対応国際公開WO94/183 23(PCT/US94/01235)(これらは全て本明細書中に参考として援用される)は、アミ ノ酸132位または135位におけるシステイン残基の別のアミノ酸での置換は、得ら れるBPIポリペプチドを二量体化およびシステイン付加物形成に対して耐性にさ せることを開示する。これはまた、BPIアミノ酸193位におけるN末端BPIフラグ メントの終結が、還元されたカルボキシ末端不均一性を有する発現産物を生じた ことを開示する。 上記に例示されるように、価値のある活性の多様性およびBPIタンパク質産物 の使用のために、BPIタンパク質産物に基づくかまたはそれを模倣する構造を有 し、かつ1つ以上の活性を有する新たな産物および/またはBPIタンパク質産物の 使用(抗菌剤(例えば、グラム陰性細菌(米国特許第5,198,541号および同第5,523, 288号;WO95/08344(PCT/US94/11225))およびグラム陽性細菌(米国特許第5,578,5 72号;WO95/19180(PCT/US95/00656))、真菌類(米国特許第5,627,153号;WO95/191 79(PCT/US95/00498))、マイコバクテリア(EP0690721;WO94/20129(PCT/US94/024 63))、およびクラミジア(WO96/01647(PCT/US95/08624))および内毒素結合/中和 剤(WO95/019784(PCT/US95/01151))を含む抗感染性産物として、ならびに外因的 に投与されたヘパリンの中和、慢性炎症性疾患状態の処置のための新脈管形成( 正常または病理的)の阻害、および血栓性障害の処置のための抗血液凝結剤およ び血栓崩壊剤(PCT/US97/08017)のためを含むヘパリン結合/中和産物(米国特許第 5,348,942号および同第5,639,727号;WO94/20128(PCT/US94/02401))としての使 用を含む)についての必要性が継続して存在している。BPIの生物学的または機能 的活性ならびにBPIの治療的および診断的使用に関する上記に列挙した参考文献 の全ては、本明細書中に参考として援用される。BPIに基づく新たな産物の問題 を解決するためおよびこの必要性を満たす1つの調査の方法は、BPIタンパク質 産物の結晶構造の決定である。 発明の要旨 本発明は、上記の問題を解決し、そしてBPIに基づく新規かつ有用な製品を命 名しそして作製する必要性を満たす。BPIの3次元構造を解明し、そしてそれに より3次元タンパク質構造を決定するために有用な十分に高解像度のX線回折パ ターンの分析からのBPIの原子座標(すなわち、構造座標)を提供することが本 発明の目的である。 殺菌性/透過性増強タンパク質(BPI)製品を発現し、精製し、そして結晶 化する方法を提供し、それにより結晶化されたBPIタンパク質を提供することが 本発明の目的である。 BPIのリガンド結合部位(例えば、脂質様またはヘパリン様分子)の原子の詳 細を明らかにするために、BPIタンパク質製品を模倣するための化合物の設計を 可能にするためのBPI結晶の構造座標の使用を提供することが本発明の目的であ る。 異なるBPIタンパク質または、そのフラグメント、アナログ、もしくは改変体 の結晶、あるいは関連するタンパク質(BPI関連脂質転移タンパク質またはその フラグメント、アナログ、もしくは改変体を含む)の結晶の結晶構造を解明する ために、本明細書中に記載されるようなBPI結晶の構造座標の使用を提供するこ とが本発明の目的である。 野生型BPIと比較して1つ以上の異なる特性によって特徴付けられるBPIの変異 体またはそのフラグメント、アナログ、もしくは改変体を提供することが、本発 明の目的である。これらの特性には、変化した表面電荷、変化した脂質結合ポケ ット、変化した特異性またはより高い活性が含まれる。BPI変異体は、BPIの脂質 およびヘパリン結合活性ならびに他の生物学的活性にとって最も重要なアミノ酸 を同定するために有用である。次いで、この情報により、BPIに基づく1つ以上 の異なる特性を有する新たな構造を設計することが可能になる。 本明細書中に記載されるBPI、またはそのフラグメント、アナログ、もしくは 改変体(変異体または共複合体を含む)、あるいはBPI関連脂質転移タンパク質 またはそのフラグメント、アナログ、もしくは改変体(変異体または共複合体を 含む)の構造座標および原子の詳細の使用を提供し、BPIの所望の特性(例えば 、物理的および薬理学的特性)を有するBPIに基づく新規な構造を設計、コンピ ュータにより評価、合成、および使用することが本発明の目的である。 関連するタンパク質のX線回折パターンは、3次元構造(十分な高解像度を有 する場合)を提供するために直接的に分析され得るが、本明細書中に提供される 結晶化BPIの原子座標は、構造決定のために使用され得る。本発明の方法によっ て得られ、そしてコンピュータ読み取り可能媒体上に提供されるX線回折パター ンは、電子密度マップを提供するために使用される。アミノ酸配列はまた、3次 元構造決定のために有用である。次いで、データは、相決定と組み合わせて(例 えば、複数同型置換(MIR)分子置換技術を使用して)使用され、適切なコンピ ュータシステムを使用してBPIの電子密度マップが生成される。次いで、本明細 書中に提供されるX線回折パターン、または原子座標からの逆作業(working ba ckwards)のいずれかの分析によって提供された電子密度マップは、適切なコン ピュータアルゴリズムを使用してフィッティングされ、BPIの二次、三次、およ び/または四次構造、ならびに/またはドメインを生成し、次いでその構造および /またはドメインは、BPIの全体的な3次元構造ならびに結合部位および/または 活性部位を提供するために使用される。 X線回折パターンからの座標を使用して、BPIならびにBPIタンパク質ファミリ ーの他のメンバーの3次元モデリングの使用を具体的に提供することもまた本発 明の目的である。座標およびアミノ酸配列は、分子モデリングのための1つ以上 のコンピュータプログラム中に入力される。このような分子モデリングプログラ ムは、その全体的な3次元構造に寄与するタンパク質の二次、三次、および/ま たは四次構造を反映する原子座標を生成し、そしてそのタンパク質の結合部位お よび/または活性部位に関連する情報を提供する。 BPIおよびBPIタンパク質ファミリーの他のメンバーの模倣物およびリガンドの 合理的な薬物設計(RDD)のための類似の分子モデリングの使用を具体的に提供 することは、本発明のさらなる目的である。薬物設計パラダイムは、タンパク質 の部位と相互作用することが予想される潜在的な模倣物およびリガンドを決定す るためのコンピュータモデリングプログラムを使用する。次いで、潜在的な模倣 物またはリガンドは、活性および/または結合のためにスクリーニングされる。B PI関連模倣物またはリガンドのために、スクリーニング方法は、公知の方法の工 程に従う、BPIの少なくとも1つの生物学的活性(例えば、抗微生物、LPS-結合/ 中和化、ヘパリン結合/中和化、および/または抗血栓活性)についてのアッセイ から選択され得る。同様に、LBP、CETP、またはPLTP関連模倣物またはリガンド については、このようなスクリーニング方法が、公知の方法の工程に従う、LBP 、CETP、またはPLTPの少なくとも1つの生物学的活性についてのアッセイから選 択 され得る。次いで、得られる模倣物またはリガンドは、本発明の方法によって提 供され、そして動物(ヒトを含む)におけるBPIによって調節される(またはLBP 、CETP、およびPLTPによって調節される)疾患を処置、阻害または予防するため に有用である。 従って、本明細書中に記載されるように、本発明は、BPIタンパク質または関 連タンパク質(BPI関連脂質転移タンパク質(例えば、LBP、CETP、またはPLTP) 、またはそのフラグメント、アナログ、もしくは改変体を含む)をモデル化する ための、BPIタンパク質、またはそのフラグメント、アナログ、もしくは改変体 の原子座標の使用を提供する。 本発明はまた、BPIタンパク質の原子座標の使用を提供し、ここで、BPIタンパ ク質は、表3に規定される少なくとも1つの結合ポケットのアミノ酸残基によっ て特徴付けられる結合部位を含み、そして/またはここで、BPIタンパク質は、BP Iの約17位〜約45位、約65位〜約99位、約142位〜約169位から選択される少なく とも1つのアミノ酸配列、またはそのアミノ酸配列の改変体によって特徴付けら れる結合部位、あるいは、BPIの約36位〜約54位、約84位〜約109位、または約14 2位〜約164位から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列、またはその配列の 改変体によって特徴付けられる結合部位を含む。 本発明は、BPIタンパク質、またはそのフラグメント、アナログ、もしくは改 変体、あるいはBPI関連脂質転移タンパク質、またはそのフラグメント、アナロ グ、もしくは改変体(例えば、リポポリサッカライド結合タンパク質(LBP)、 コレステロールトランスフェラーゼタンパク質(CETP)、またはリン脂質転移タ ンパク質(PLTP)、またはこれらのフラグメント、アナログ、もしくは改変体を 含む)を模倣する化学化合物をコンピュータにより設計するためのBPIタンパク 質の原子座標の使用を提供する。 本発明はまた、BPI関連脂質結合タンパク質、またはそのフラグメント、アナ ログ、もしくは改変体(例えば、殺菌性/透過性増強タンパク質(BPI)、リポポ リサッカライド結合タンパク質(LBP)、コレステロールエステルトランスフェ ラーゼタンパク質(CETP)、またはリン脂質転移タンパク質(PLTP)、またはこ れらのフラグメント、アナログ、もしくは改変体を含む)と結合し得る化学化合 物を設計するためのBPIタンパク質の原子座標の使用を提供する。 本発明は、脂質結合タンパク質(例えば、BPIタンパク質、リポポリサッカラ イド結合タンパク質(LBP)、コレステロールエステルトランスフエラーゼタン パク質(CETP)、またはリン脂質転移タンパク質(PLTP)、またはこれらのフラ グメント、アナログ、もしくは改変体を含む)の活性部位におけるリガンドのモ デルを設計するためのBPIタンパク質の原子座標の使用を提供する。 本発明は、抗菌性、抗真菌性、抗マイコバクテリア性、抗クラミジア性、抗原 生動物性、ヘパリン結合性、内毒素結合性、ヘパリン中和性、内毒素中和性、腫 瘍および内毒素細胞増殖の阻害、血管新生の阻害、抗炎症性、抗凝固性、および 抗血栓性からなる群から選択される少なくとも1つの活性を有する化合物を設計 するための殺菌性/透過性増強(「BPI」)タンパク質の原子座標の使用を提供す る。本明細書中で開示される座標は、原子座標の前述の使用の全てにとって適切 である。 本発明は、BPIタンパク質またはBPI関連脂質転移タンパク質の3次元モデリン グの方法を提供し、この方法は、(a)BPIタンパク質のX線回折測定からの3次 元原子座標を、コンピュータ読み取り可能形式で提供する工程;(b)適切なソ フトウェアプログラムを使用して工程(a)からのデータをコンピュータに入力 する工程;ならびに(c)可視化およびさらなるコンピュータ操作に適切なBPIタ ンパク質またはBPI関連脂質転移タンパク質の3次元構造表示を生成する工程を 包含し、ここで特にBPIタンパク質は、表3に規定される少なくとも1つの結合 ポケットのアミノ酸残基によって特徴付けられる結合部位を含むか、またはBPI タンパク質は、BPIの約17位〜約45位、約65位〜約99位、約142位〜約169位から 選択される少なくとも1つのアミノ酸配列またはその配列の改変体によって特徴 付けられる結合部位を含むか、またはBPIタンパク質は、表3において規定され る少なくとも1つの結合ポケットのアミノ酸残基によって特徴付けられる結合部 位、およびBPIの約36位〜約54位、約84位〜約109位、または約142位〜約164位か ら選択されるか、あるいは約36位〜約54位、約84位〜約109位、または約142位〜 約164位から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列、またはその配列の改変 体によって特徴付けられる結合部位を含む。 本発明は、BPIタンパク質、BPI関連脂質結合タンパク質、またはそのフラグメ ント、アナログ、もしくは改変体の原子モデルを提供するための方法を提供し、 この方法は、(a)上記BPIタンパク質、またはそのフラグメント、アナログ、も しくは改変体の結晶化形態での原子座標/X線回折データを記憶したコンピュー タ読み取り可能媒体を提供する工程であって、上記データは、上記BPIタンパク 質、そのフラグメント、アナログ、もしくは改変体の3次元構造をモデル化する のに十分である、工程;(b)コンピュータ上で上記コンピュータ中で実行され る少なくとも1つのサブルーチンを使用して、(a)からの原子座標/X線回折 データを分析して、上記BPIタンパク質、BPI関連脂質結合タンパク質、またはそ のフラグメント、アナログ、もしくは改変体の原子モデルを規定する原子座標デ ータ出力を提供する工程であって、上記分析は、データ処理および整理、自動索 引付け、強度スケーリング、強度マージング、振幅変換、切り捨て、分子置換、 分子アラインメント、分子洗練、電子密度マップ計算、電子密度修飾、電子マッ プ可視化、モデル構築、剛体洗練、位置洗練からなる群から選択される少なくと も1つのコンピュータアルゴリズムを使用する、工程;ならびに(c)上記BPIタ ンパク質、BPI関連脂質結合タンパク質、そのフラグメント、アナログ、もしく は改変体の少なくとも1つの3次元構造を規定する原子座標データを得る工程、 を包含し;特にここで、上記コンピュータ読み取り可能媒体はさらに、BPIまた は変異体の一次配列またはそのフラグメント、アナログ、もしくは改変体の少な くとも1つに対応するBPI、LBP、CETP、またはPLTPの少なくとも1つの構造ドメ インまたは機能的ドメインを含む核酸配列またはアミノ酸配列データに対応する データを記憶しており;そしてここで、上記分析工程がさらに、上記配列データ を分析する工程を包含する。 本発明は、BPIタンパク質、BPI関連脂質結合タンパク質、またはそのフラグメ ント、アナログ、または改変体の3次元構造の原子モデルデータを提供するため のコンピュータに基づくシステムを提供し、このシステムは、以下の要素を包含 する:(a)上記BPIタンパク質、またはそのフラグメント、アナログ、もしくは 改変体の原子座標/X線回折データを記憶した少なくとも1つのコンピュータ読 み取り可能媒体(CRM);(b)コンピュータにおいて実行した場合に、コンピュ ータに(a)からの原子座標/X線回折データを分析させ、上記BPIタンパク質、 BPI関連脂質結合タンパク質、またはそのフラグメント、アナログ、もしくは改 変体の原子モデルを規定する原子座標データ出力を提供する、少なくとも1つの 計算サブルーチンであって、上記分析が、データ処理および整理、自動索引付け 、強度スケーリング、強度マージング、振幅変換、切り捨て、分子置換、分子ア ラインメント、分子洗練、電子密度マップ計算、電子密度修飾、電子マップ可視 化、モデル構築、剛体洗練、位置洗練からなる群から選択される少なくとも1つ の計算サブルーチンを利用する、サブルーチン;ならびに(c)上記BPIタンパク 質、BPI関連脂質結合タンパク質、またはそのフラグメント、アナログ、もしく は改変体の3次元構造を実質的に規定する原子座標出力データを得るための検索 手段。 本発明は、BPIタンパク質、BPI関連脂質結合タンパク質、またはそのフラグメ ント、アナログ、もしくは改変体のリガンドのコンピュータ原子モデルを提供す るための方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)上記BPIタン パク質、またはそのフラグメント、アナログ、もしくは改変体の原子座標データ を記憶したコンピュータ読み取り可能媒体(CRM)を提供する工程;(b)上記BP Iタンパク質、BPI関連脂質結合タンパク質、またはそのフラグメント、アナログ 、もしくは改変体の潜在的なリガンドの原子モデルを生成するのに十分な原子座 標データを記憶したCRMを提供する工程;(c)コンピュータ上で、上記コンピュ ータにおいて実行される少なくとも1つのサブルーチンを使用して、(a)から の原子座標データおよび(b)からのリガンドデータを分析して、BPIタンパク質 、BPI関連脂質結合タンパク質、またはそのフラグメント、アナログ、もしくは 改変体の結合部位を決定し、そして上記BPIタンパク質、BPI関連脂質結合タンパ ク質、またはそのフラグメント、アナログ、または改変体の少なくとも1つのリ ガンドの原子モデルを規定する原子座標データを提供する工程であって、上記分 析が、データ処理および整理、自動索引付け、強度スケーリング、強度マージン グ、振幅変換、切り捨て、分子置換、分子アラインメント、分子洗練、電子密度 マップ計算、電子密度修飾、電子マップ可視化、モデル構築、剛体洗練、位置洗 練からなる群から選択される計算サブルーチンを利用する、工程;ならびに(d )上記BPIタンパク質、BPI関連脂質結合タンパク質、またはそのフラグメン ト、アナログ、もしくは改変体の上記少なくとも1つのリガンドの3次元構造を 規定する原子座標モデル出力データを得る工程。 本発明は、BPIタンパク質、BPI関連脂質結合タンパク質、またはそのフラグメ ント、アナログ、もしくは改変体の少なくとも1つのリガンドの原子モデルを提 供するためのコンピュータに基づくシステムを提供し、このシステムは、以下の 要素を包含する:(a)BPIタンパク質、そのフラグメント、アナログ、改変体の 原子座標データを記憶したコンピュータ読み取り可能媒体(CRM);(b)BPIタ ンパク質、BPI関連脂質結合タンパク質、またはそのフラグメント、アナログ、 もしくは改変体の潜在的なリガンドの原子モデルを生成するために十分な原子座 標データを記憶したCRM;ならびに(c)コンピュータ上で、(a)および(b)か らの原子座標データを分析して、BPIタンパク質、BPI関連脂質結合タンパク質、 またはそのフラグメント、アナログ、もしくは改変体の結合部位を決定し、そし てBPIタンパク質、BPI関連脂質結合タンパク質、またはそのフラグメント、アナ ログ、もしくは改変体の少なくとも1つの潜在的リガンドの原子モデルを規定す る出力データを提供するための少なくとも1つの計算サブルーチンであって、上 記分析が、データ処理および整理、自動索引付け、強度スケーリング、強度マー ジング、振幅変換、切り捨て、分子置換、分子アラインメント、分子洗練、電子 密度マップ計算、電子密度修飾、電子マップ可視化、モデル構築、剛体洗練、位 置洗練からなる群から選択される少なくとも1つの計算サブルーチンを利用する 、サブルーチン;ならびに(d)BPIタンパク質、BPI関連脂質結合タンパク質、 またはそのフラグメント、アナログ、もしくは改変体の上記少なくとも1つのリ ガンドの原子座標データを得るための検索手段。 BPIタンパク質、BPI関連脂質結合タンパク質、またはそのフラグメント、アナロ グ、もしくは改変体の上記少なくとも1つのリガンド。 本発明の他の目的は、以下の詳細な説明および本発明に関連する実施例から当 業者には明らかである。 図面の簡単な説明 図1 (A)ブーメラン形を示すBPIの残基1〜456のリボンダイアグラムである。 NH2末端ドメインを示す;COOH末端ドメインおよび2つのホスファチジルコリン 分子を示す。リンカーもまた示し、そしてジスルフィド結合をボールアンドステ ィック(ball-and-stick)モデルとして示す。(B)(A)を、分子の長軸のまわ りに70°回転した後の図。図は、MOLSCRIPT[P.Krauliz,J.Appl.Cryst.,24: 926(1991)]およびRASTER3D[E.A.MerritおよびM.E.P.Murphy,Acta Crystallo gr.,D50:889(1994);D.J.BaconおよびW.F.Anderson,J.Mo.Graphics,6:2 19(1988)]を使用して作成した。 図2 (A)図1BのNH2末端ドメインと同じ方向で示した新規なBPIドメイン折り たたみの模式図である。(B)全体的な位相幾何学的類似性を示すBPIのNH2およ びCOOH末端ドメインの重ね合わせ。残基1〜230および250〜456を示す。NH2末端 ドメインは、図1Aと同じ方向である。 図3 1.0σで輪郭をとり、そして洗練モデル上に重ね合わせた最終的な2.8Å M IRマップの電子密度である。示した領域は、BPIのNH2末端ドメインの脂質結合ポ ケット中にある。ホスファチジルコリンおよびそのまわりのタンパク質原子を示 す。 図4 (A)E.coliおよびS.typhimurium由来のホスファチジルコリンおよびLP Sの脂質A領域の共有結合構造。リン酸基はPで示す。[C.R.H.Raetz,Annu. Rev.Biochem,59:129(1990)]からの変更で改変した。(B)NH2末端ドメインに おける脂質結合ポケットを示すBPIの内部を介するスライス。タンパク質の表面 に接近可能な溶媒を、脂質の存在なしに計算し、タンパク質およびホスファチジ ルコリンの内部を示す。タンパク質残基を、ボールアンドステイックとして示す 。図は、MSP[M.L.Connolly,Science,221:709(1983);M.L.Connolly,J.Am .Chem.Soc.,107:1118(1985)]で作成した。 図5(A)および5(B)ヒトBPI、LBP、PLTP、およびCETPのアミノ酸配列である 。アラインメントは、CLUSTAL[D.G.HigginsおよびP.M.Sharp,Gene,73:2 37(1989)]で、哺乳動物由来の11個全ての公知のタンパク質配列[R.R.Schuman ら、Science,249:1429(1990);D.Draynaら、Nature,327:632(1987);R.Dayら 、J.Biol.Chem.,269:9388(1994);S.R.LeongおよびT.Camerato,Nucleic AcidsRes.,18:3052(1990);M.Nagashima,J.W.McLean,R.M.Lawn,J.Lipi d Res.,29:1643(1988);M.E.Pape,E.F.Rehber,K.R.Marotti,G.W.Mel chior,Artheriosclerosis 11:1759(1991);G.Suら、J.Immunol.,153:743(199 4);P.W.Grayら、J.Biol.Chem.264:9505(1989);Albersら、Biochem.Biophy s.Acta,1258:27(1995);X.C.Jiangら、Biochemistry,34:7258(1995);L.B. Agellonら、Biochemistry,29:1372(1990);X.C.Jiangら、J.Biol.Chem.,26 6:4631(1991)]を使用して行ったが、4個のヒト配列のみを示す。全てのタンパ ク質に完全に保存されている残基は、配列の下に*で示す。高度に保存されてい る残基は、・で示す。BPIの二次構造は、配列の上に示す。β鎖を、矢印で示す 。中央部βシートを成す鎖を、グレーの矢印で示す。βバルジおよび極度の捻り (twisting)のために、β鎖のいくつかは、古典的なH結合パターンまたはΦΨ 角度を示さない1つ以上の残基を有する;これらのブレイクは、鎖の上に^で示 す。αヘリックスを、筒として示し、そしてヘリックスBおよびB’における1 残基のブレイクを、垂直な点線で示す。水平な点線は、リンカー領域を示す。最 も高いLPS結合活性を有するBPIおよびLBP由来のペプチド(Littleら、J.Biol.C hem.268:1865(1994);Taylorら、J.Biol.Chem.270:17934(1995))を、太字斜 体で示す。ジスルフィド結合を、S-Sによって示す。NH2末端脂質の4Å以内にあ る原子を有する残基を、グレーの影をつけて強調する;COOH末端脂質の4Å以内 の残基を、黒四角内に白文字で示す。 図6 本発明を実施するために使用され得るコンピュータシステム102のブロッ クダイアグラムである。コンピュータシステム102は、バス104に連結したプロセ ッサ106を含む。バス104に同様に連結しているのは、主記憶装置108(好ましく は、ランダムアクセスメモリ、RAMとして実行される)および種々の補助記憶装 置110(例えば、ハードドライブ112、取り外し可能記憶媒体デバイス114)、コ マンドデバイス118、および可視化デバイス120である。取り外し可能記憶媒体11 6もまた含まれる。 詳細な説明 本発明は、BPIタンパク質産物を結晶化する方法を提供し、ここで、結晶は、 原子座標を含む、BPIタンパク質産物の三次構造の決定を可能にするために十分 な高分解能でX線を回折させる。三次構造(例えば、本明細書に記載のコンピュ ータ読み出し可能な媒体で提供されるような)は、BPI関連(およびLBP-、CETP- 、PLTP-関連)模倣物および/またはリガンドの合理的薬物設計に有用である。 詳細には、351位のアミノ酸セリンがアラニンに変更されている456アミノ酸配列 を含む、組換え非グリコシル化ヒトBPIアナログホロタンパク質を結晶化する方 法が提供される。三次構造は、BPI関連模倣物またはリガンドを形成および/ま たは合成するために有用である。このようなBPI関連模倣物またはリガンドは、B PI調節された疾患を処置、阻害、または予防することに有用である。 したがって、本発明は、真核生物細胞または組織のような適切なソースからの BPI産物を発現、精製、および結晶化する方法を包含する。本発明はまた、これ らの方法によって結晶化したBPIタンパク質産物を提供する。結晶化したBPIは、 高分解能回折パターンおよび分子モデリングに適切な原子座標を得るためにX線 回折技法によって分析される。 本明細書で使用される場合、「BPIタンパク質産物」または「BPIタンパク質」 は、天然および組換え産生したBPIタンパク質;BPIタンパク質の天然、合成、お よび組換えの生物学的に活性なポリペプチドフラグメント;ハイブリッド融合タ ンパク質およびダイマーを含む、BPIタンパク質またはそのフラグメントの生物 学的に活性なポリペプチド改変体;システイン置換したアナログを含む、BPIタ ンパク質またはフラグメントまたはその改変体の生物学的に活性なポリペプチド アナログ;およびBPI誘導されたペプチドを含む。治療または診断使用のためのB PIタンパク質産物は、当該技術分野で公知の任意の手段によって生成および/ま たは単離され得る。米国特許第5,198,541号(その開示は参考として本明細書に 援用される)は、rBPIといわれる(rBPI55または単にrBPI50ともいう)組換えBP Iホロタンパク質およびBPIの組換えフラグメントを含む、BPIタンパク質をコー ドする組換え遺伝子およびBPIタンパク質の発現方法を開示する。米国特許出願 第07/885,501号(現在は放棄された)、ならびにその一部継続出願の米国特許第 08/072,063号(1993年5月19日に出願され、1995年8月8日に米国特許第5,439,807 号として発行された)および対応するPCT出願第93/04752号(1993年5月19日に出 願された)(これらは全で参考として本明細書中に援用される)は、培養物中で遺 伝的に形質転換された哺乳動物宿主細胞で発現されそしてそこから分泌される組 換えBPIタンパク質産物の精製のための新規方法を開示し、そして安定な均質な 薬学的調製物への導入に適切な大量の組換えBPI産物をどのように産生し得るか を開示する。 BPIの生物学的に活性なフラグメント(BPIフラグメント)には、フラグメント 分子が、ホロタンパク質のアミノ末端アミノ酸、内部アミノ酸、および/または カルボキシ末端アミノ酸がないことを除いて、天然のヒトBPIホロタンパク質と 同じまたは類似のアミノ酸配列を有する生物学的に活性な分子が含まれる。この ようなフラグメントの限定されていない例には、Ooiら,J.Exp.Med.,174:649 (1991)に記載される約25ikDの天然ヒトBPIのN末端フラグメント、およびGazzan o-Santoroら,Infect.Immun.60:4754-4761(1992)に記載され、そしてrBPI23と いわれる天然ヒトBPIの1〜約193または199のN末端アミノ酸をコードするDNAの 組換え発現産物が含まれる。この刊行物では、151位のバリンが、GTCよりもGTG によって特定され、そして残基185が、リジン(AAGによって特定される)よりも グルタミン酸(GAGによって特定される)であることを除いて、Grayら,前出の 図1に記載のように、発現ベクターを、31残基シグナル配列および成熟ヒトBPI のN末端の最初の199アミノ酸を有する組換え発現産物(rBPI23)をコードするD NAのソースとして使用した。rBPI23について示されたことを除いて、および残基 417が、バリン(GTTによって特定される)よりもアラニン(GCTによって特定され る)であることを除いては、Grayら,前出の図1に記載される配列(配列番号1 および2)を有する組換えホロタンパク質(rBPI)もまた、産生されている。他 の例には、米国特許第5,447,913号、および対応するPCT出願第PCT/US95/03125号 (これらの開示は参考として本明細書に援用される)に記載されるようなBPIフ ラグメントのダイマー形態が挙げられる。好ましいダイマー産物には、ダ イマーBPIタンパク質産物が挙げられ、ここでモノマーは、BPIホロタンパク質の 約1〜175から約1〜199までのN末端残基を有するアミノ末端BPIフラグメント である。特に好ましいダイマー産物は、N末端残基1〜193を有するBPIフラグメ ントのダイマー形態であり、rBPI42ダイマーと命名される。 BPIの生物学的に活性な改変体(BPI改変体)には、BPIホロタンパク質または 生物学的に活性なそのフラグメントおよび少なくとも1つの他のポリペプチドの 少なくとも一部を含む組換えハイブリッド融合タンパク質、ならびにBPI改変体 のダイマー形態が挙げられるが、これらに限定されない。このようなハイブリッ ド融合タンパク質およびダイマー形態の例は、米国特許出願第07/885,911号(現 在放棄された)、およびその一部継続出願である1993年5月19日に出願されて199 7年7月1日に米国特許第5,643,570号として発行された米国特許出願第08/064,693 号、および1993年5月19日に出願された対応するPCT出願第US93/04754号(これら は全て、参考として本明細書に援用される)においてTheofanによって記載され 、そしてハイブリッド融合タンパク質を含み、これはアミノ末端にBPIタンパク 質または生物学的に活性なそのフラグメント、ならびにカルボキシ末端に免疫グ ロブリン重鎖の少なくとも1つの定常ドメインまたはその対立遺伝子改変体を含 む。一部またはすべてのリポ多糖結合タンパク質(LBP)を含む類似の形状のハ イブリッド融合タンパク質も、本発明での使用を意図する。 BPIの生物学的に活性なアナログ(BPIアナログ)には、1つ以上のアミノ酸残 基が異なるアミノ酸に置換されているBPIタンパク質産物が挙げられるが、これ に限定されない。例えば、米国特許第5,420,019号および1994年2月2日に出願さ れた対応するPCT出願第US94/01235号(これらの開示は参考として本明細書に援 用される)は、システイン残基が異なるアミノ酸に置換されるBPIのポリペプチ ドアナログおよびBPIフラグメントを開示する。本出願に記載される好ましいBPI タンパク質産物は、BPIホロタンパク質のN-末端アミノ酸のアミノ酸1から約193 または199をコードするDNAの発現産物であるが、ここでは残基数132でのシステ インがアラニンと置換されそしてrBPI21ΔcysまたはrBPI21と命名される。他の 例には、BPIアナログのダイマー形態が含まれる;例えば、1994年3月11日に出願 され、1995年9月5日に米国特許5,447,913として発行された米国特許出願第08/21 2,132号、および対応するPCT出願第PCT/US95/03125号(これらの開示は参考とし て本明細書に援用される)。 本発明の方法に従って有用な他のBPIタンパク質産物は、組換えまたは合成手 段によって産生されたBPIに由来するまたは基づくペプチド(BPI由来ペプチド) であり、例えば、1995年7月20日に出願された米国特許出願第08/504,841号、お よび1994年9月15日に出願されたPCT出願第PCT/US94/10427号(これは、1997年7 月29日に米国特許第5,652,332号として発行された1994年9月15日に出願された米 国特許出願第08/306,473号に対応する)、および1994年3月11日に出願されたPCT 出願第US94/02465号(これは、1998年3月31日に米国特許第5,733,872号として発 行された1994年3月11日に出願された米国特許出願第08/209,762号に対応し、こ れは、現在放棄されている1994年1月14日に出願された米国特許出願第08/183,22 2号の一部継続出願であり、これは、現在放棄されている1993年7月15日に出願さ れた米国特許出願第08/093,202号の一部継続出願であり(これに対応する国際出 願は、1994年3月11日に出願されたPCT出願第US94/02401号である)、これは、19 94年9月20日に米国特許5,348,942として発行された1993年3月12日に出願された 米国特許出願第08/030,644号の一部継続出願である)に記載され、これらのすべ ての開示は、参考として本明細書に援用される。 現在好ましいBPIタンパク質産物は、特に、rBPI23またはrBPI21のような約21 〜25kDの分子量を有する、BPIの組換え産生したN-末端フラグメント、またはこ れらのN-末端フラグメントのダイマー形態(例えば、rBPI42ダイマー)を含む。 さらに、好ましいBPIタンパク質産物は、rBPI50およびBPI由来ペプチドを含む。 BPIタンパク質産物の投与は、好ましくは、BPIタンパク質産物および薬学的に 受容可能な希釈剤、アジュバント、またはキャリアを含む薬学的組成物で行われ る。BPIタンパク質産物は、公知の界面活性剤、他の化学療法剤、または追加に 公知の抗菌剤なしで、または組み合わせて、投与され得る。BPIタンパク質産物 (例えば、rBPI50、rRBPI23)を含む1つの薬学的組成物は、0.1重量%のpoloxa mer 188(Pluronic F-68,BASF Wyandotte,Parsippany,NJ)および0.002重量 %のポリソルベート80(Tween 80,ICI Americas Inc,Wilmington,DE)を含む クエン酸緩衝化生理食塩水(5または20mMクエン酸塩、150mM NaCl、pH5.0) 中に1mg/mlの濃度でBPIタンパク質産物を含む。BPIタンパク質産物(例えば、 rBPI21)を含む他の薬学的組成物は、5mMクエン酸塩、150mM NaCl、0.2%polo xamer 188、および0.002%ポリソルベート80中2mg/mLの濃度でBPIタンパク質産 物を含む。このような組み合わせは、1994年2月2日に出願されたPCT出願第US94/ 01239号(これは、1996年1月30日に米国特許第5,488,034号として発行された、1 994年2月2日に出願された米国特許出願第08/190,869号に対応する)、および現 在放棄されている1993年2月2日に出願された米国特許出願第08/012,360号に記載 され、これらのすべての開示は、参考として本明細書に援用される。追加の処方 物は、現在放棄されている1995年1月13日に出願された米国特許出願第08/372,10 4号、現在放棄されている1995年9月19日に出願された08/530,599、ならびに1996 年1月12日に出願された08/586,133および対応するW096/21436(PCT/US96/01095) 中に提供される。 本発明のX線回折パターンは、現在、BPIの三次元モデリングに有用であるべき 十分に高い分解能であることが発見される。好ましくは、分解能は、1.5〜3.5Å 、 三次元モデリングは、これらのX線回折パターンからの回折座標を使用して行 われる。座標は、当該技術分野で公知のような、分子モデリングのための1つ以 上のコンピュータプログラムに入力される。このような分子モデリングは、少な くとも1つのBPIまたはそのフラグメントの三次構造に対応する原子座標を生成 するために、公知のX線回折分子モデリングアルゴリズムまたは分子モデリング ソフトウエアを利用し得る。 このようなプログラムへのX線回折パターンおよびアミノ酸配列の座標のエン トリーは、BPIまたはそのフラグメントの全体の原子座標を含む、タンパク質の 最も予想される二次、三次、および四次構造の算出を生じる。これらの構造は、 タンパク質の潜在的なまたは実際に活性なまたは結合部位を含む、BPIの予想さ れるかまたは実際の三次構造を決定するためのこのようなプログラムを使用して 、追加の算出によって組み合わされそして正確にされる。 リガンドまたは模倣物の理論的薬物設計に有用なこのような分子モデリング( および関連する)プログラムもまた、本発明によって提供される。薬物設計は、 異なる分子がBPIの種々の部位とどのように相互作用するかを算出するコンピュ ータモデリングプログラムを使用する。この手順は、BPIの潜在的なリガンドま たは模倣物もしくは少なくとも1つのそのフラグメントを決定する。実際のBPI- リガンド複合体または模倣物は、X線回折を使用して結晶化されそして分析され る。回折パターン座標は、リガンドが、BPIの特定の部位、または模倣物がBPIま たはそのフラグメントと類似の三次構造を有する場所に結合し、またはそのコン ホメーションを変化することを確認するために、リガンドとBPIまたは模倣物と の三次元相互作用を算出するために同様に使用される。 次いで、潜在的なリガンドまたは模倣物は、BPIに関連する活性についてスク リーニングされる。このようなスクリーニング方法は、天然のままのBPIの少な くとも1つの生物学的活性ついて選択される。 本発明の方法によって提供される、得られるリガンドまたは模倣物は、哺乳動 物(ヒトを含む)および鳥類のような動物において細菌感染を処置、スクリーニ ング、または抑制するために有用である。特定のBPIの模倣物またはリガンドは 、BPI供給源生物の他の種、亜属、または属からの他のBPIと同様に反応する。 生物学的に活性なBPIタンパク質も提供される。BPIタンパク質も、X線回折分 析に適切な結晶化タンパク質として提供される。X線分析によって得られるX線 回折パターンは、中程度から高程度の分解能、例えば、1.5〜3.5Åにある。これ らの回折パターンからの座標は、結晶化タンパク質の三次元モデリングに適切お よび有用である。 BPIの三次元モデリングの間、これらの座標は、原子座標として二次、三次、 および四次構造を生成するために、コンピュータモデリングプログラムにBPIア ミノ酸配列とともに入力される。これらの構造は、共に、BPIの三次構造を提供 する。次いで、算出されそして確認された三次構造は、BPIのリガンドまたは模 倣物あるいはそのフラグメントの理論的薬物設計に使用される。 したがって、BPIタンパク質の三次構造の決定は、広いベースの有用性を有す る。重要な構造エレメントの著しい配列同一性および保存は、特定の種、亜属、 属、または科のBPIタンパク質の中に存在すると予測される。したがって、1つ または少数のBPIタンパク質からの三次構造は、BPIの1つ以上の生物学的活性 (および/またはLBP、CETP、およびPLTPのような関連タンパク質の活性)を有 する治療剤を同定するために使用され得る。 タンパク質構造の決定 種々の技法は、タンパク質構造についての異なるおよび相補的な情報を与える 。一次構造は、タンパク質からのアミノ酸の直接決定によって、または対応する 遺伝子もしくはcDNAのヌクレオチド配列からのいずれかの、生化学的方法によっ て得られる。大きいタンパク質または凝集物の四次構造も、電子顕微鏡によって 決定され得る。タンパク質内の原子の配置についての詳細な情報を必要どする、 二次および三次構造を得るために、X線結晶学が好ましい。 X線結晶学によるタンパク質の三次構造を解明するための第1の必要条件は、 X線を強く回折する秩序ある結晶である。結晶学的方法は、X線が個々の分子の 構造が検出され得るようなパターンで回折される、X線のビームを、多くの同一 の分子の規則正しい反復のアレイに向ける。球状タンパク質分子の秩序ある結晶 は、不規則な表面を有する大きい球状の、または楕円形の物体であり、そしてそ の結晶は、個々の分子間で形成される大きな孔またはチャネルを含む。これらの チャネルは、通常は結晶の容量の半分以上を占め、これは、無秩序の溶媒分子で 満たされる。タンパク質分子は、2、3のみの小さい領域で互いに接触している 。これは、X線結晶学によって決定されたタンパク質の構造が、一般的に溶液中 のタンパク質と同じである1つの理由である。 結晶の形成は、pH、温度、タンパク質、濃度、溶媒の性質、および沈殿物、な らびにタンパク質に添加されたイオンまたはリガンドの存在を含む、多くの種々 のパラメータに依存的である。多くのルーチンの結晶化実験は、X線回折分析に 適切な結晶を与え得る少数の組み合わせについてすべてのこれらのパラメータの スクリーニングに必要とされ得る。結晶化ロボットは、多数の結晶化実験を再生 可能に組み立てる作業を自動化しそして速度を速め得る。 純粋および均質なタンパク質試料は、成功した結晶化に重要である。効率的な 発現ベクターにおいてクローニングされた遺伝子から得られるタンパク質は、少 数の精製工程で大量に均質にまで迅速に精製され得る。結晶化されるタンパク質 は、好ましくは、均質性の標準的基準に従って少なくとも93〜99%純粋である。 分子が、過飽和になった溶液から非常にゆっくりと沈殿される場合に、結晶が形 成する。タンパク質結晶を作成するために最も頻繁に使用される手順は、懸滴方 法であり、ここで1滴のタンパク質溶液は、小滴から塩またはポリエチレングリ コール溶液を含むより大きな容器への水の消失によって非常に徐々に過飽和にな る。 種々の結晶形態は、幾分秩序だてられ得、したがって種々の質の回折パターン を得る。原則として、タンパク質分子がより密接に詰め込まれ、その結果として 結晶が含む水が少ないほど、分子が結晶中でより秩序だてられるので回折パター ンがより良好である。 X線は、電子がより高い状態からより低いエネルギー状態に飛ぶ場合に放出さ れる、短波長での電磁放射である。実験室における従来のソースでは、X線は、 金属プレートのアノードが加速されている電子で衝撃され、それによって特定の 波長のX線、いわゆる単エネルギーX線を放出させる、高圧管によって生成され る。高圧は金属プレートを迅速に加熱し、したがってこれは冷却されなければな らない。効率的な冷却は、金属プレートが異なる部分が加熱されるように実験中 に回転する場合に、いわゆる回転アノードX線発生装置によって達成される。 より強力なX線ビームは、電子(または陽電子)が光の速度近くに進むシンク ロトロン貯蔵リング中で生成され得る。これらの粒子は、短ガンマ線から可視光 線までのすべての波長で非常に強力な放射を放出する。X線源として使用される 場合、適切な波長のウインドウ内の放射のみが、貯蔵リングからチャネリングさ れる。多波長X線ビームは、0.2〜3.5Åの波長でのX線放射によって可能にする 広いウインドウを有することによって生成される。 回折実験では、X線の狭いおよび平行ビームは、X線源から取り出し、そして 回折されたビームを生成するために結晶に向けられる。入射一次ビームは、タン パク質および溶媒の両方の分子に損傷を引き起こす。したがって、結晶は、通常 その寿命を延長するために冷却される(例えば、−220〜−50℃)。一次ビーム は、すべての可能な回折スポットを生成するために、多くの異なる方向から結晶 に衝突しなければならず、そして結晶は実験中にビームで回転する。 回折したスポットは、フィルム上に、古典的方法で、または電子検出器によっ てのいずれかで記録される。曝露されたフィルムは、スキャンニングデバイスに よって測定およびディジタル化されなければならず、電子検出器はシグナルを供 給するが、これはコンピュータにディジタル化した形態で直接検出する。電子領 域検出器(電子フィルム)は、回折データを集めそして測定するために必要な時 間を著しく減少させる。 X線源からの一次ビームが結晶に衝突する場合、X線のいくつかは、各原子上 の電子と相互作用し、そしてそれらに振動を起こさせる。振動電子は、X線の新 しい源として役立ち、これはほとんどすべての方向に放出され、散乱といわれる 。原子(およびしたがってその電子)が、結晶でのように、規則正しい三次元ア レイで配置される場合、振動電子から放出されるX線は、互いに干渉する。ほと んどの場合には、種々の方向から衝突するこれらのX線は、互いに相殺され;し かし、ある方向からのX線は、写真プレートまたは検出器でのパターンとして記 録され得る放射の回折されたビームを生成するために一緒に加える。 X線実験で得られる回折パターンは、回折を引き起こした結晶に関連する。隣 接面から反射されるX線は種々の距離を進み、そして距離の差がX線ビームの波 長と等しい場合に回折のみが生じる。この距離は、反射角に依存し、これは一次 ビームと面との間の角に等しい。 反射角(θ)と、面間の距離(d)と、波長(λ)との間の関係は、Braggの法 則:2s sinθ=λによって与えられる。この関係は、結晶において単位格子のサ イズを決定するために使用され得る。簡単にいえば、回折データのフィルム上の 位置は、各スポットを結晶による面の特定のセットに関連させる。Braggの法則 を使用することによって、これらの位置は、単位格子のサイズを決定するために 使用され得る。 結晶中の各原子は、X線をすべての方向に散乱し、そしてBraggの法則に従っ て、互いに明確に干渉する原子のみが、バックグラウンド以上の異なる回折スポ ットとして記録され得る回折されたビームを生じる。各回折スポットは、すべて の原子から出現する同じ回折角でのすべてのX線の干渉の結果である。例えば、 ミオグロビンのタンパク質結晶について、測定されている約20,000の回折された ビームのそれぞれは、分子中の約1500原子のそれぞれからの散乱したX線を含む 。このようなシステムから個々の原子についての情報を抽出するには、かなりの 計算を必要とする。このような問題を扱うために使用される数学的ツールは、フ ーリエ変換と呼ばれる。 フィルム上にスポットとして記録される各回折されたビームは、3つの特性に よって定義される:スポットの強度から測定し得る、振幅;X線源によってセッ トされる、波長;およびX線実験において失われる、位相。3つのすべての特性 は、回折されたビームを生じる原子の位置を決定するために、回折されたビーム のすべてに必要とされる。 より大きな分子については、タンパク質結晶学者らは、多重類質同形置換(MI R)(重金属散乱を含む)と呼ばれる方法を使用して多くの場合において位相を 決定しており、これは、結晶の単位格子への新しいX線散乱体の導入を必要とす る。これらの付加は、通常重原子(これらは回折パターンに著しく寄与するため )であり、そのためそれらの非常に多くがあるべきでなく(それらの位置が局在 され得るので);そして分子のまたは結晶格子の構造を変化すべきでなく、すな わち、結晶は類質同形であるべきである。類質同形置換は、通常、予め形成され たタンパク質結晶のチャネルに種々の重金属複合体を拡散させることによって行 われる。タンパク質分子は、重金属を結合し得るこれらの溶媒チャネルに側鎖( 例えば、SH基)を曝露する。金属タンパク質中の内因性軽金属を重金属に置換す ること(例えば、亜鉛を水銀に、またはカルシウムをサマリウムに)も可能であ る。 このような重金属は、タンパク質の軽原子(H、N、C、O、およびS)よりも多 くの電子を含むので、これらはX線をより強く散乱させる。したがって、すべて の回折されたビームは、すべての干渉が陽性(positive)ならば、重金属置換後に 強度を増加させる。しかし、実際には、いくつかの干渉は陰性(negative)であり ;結果として、重金属置換後、いくつかのスポットは、強度を測定可能に増加さ せ、他のものは減少させ、そして多くは検出可能な差を示さない。 回折されたスポット間の位相差は、重金属置換後の強度変化から決定され得る 。第1に、強度差は、結晶単位格子中の重原子の位置を推定するために使用され る。 これらの強度差のフーリエ総和は、重原子間のベクトルのマップ、いわゆる、パ ターソンマップを与える。これらのベクトルマップから、重原子の原子配置が推 定される。単位格子中の重金属の位置から、重金属を含むタンパク質結晶の回折 されたビームへの寄与の振幅および位相を算出し得る。 次いで、この知見は、重金属原子の不在下でタンパク質からの寄与の位相を見 いだすために使用される。重金属の位相および振幅とタンパク質単独の振幅との 両方が公知であるので、タンパク質および重金属(すなわち、タンパク質重金属 複合体)の振幅と同様に、1つの位相および3つの振幅が公知である。これから 、重金属およびタンパク質によって散乱されたX線の干渉は、これが増加的また は減殺的であるかどうかを知るために算出され得る。重金属の位相の知見ととも に、陽性または陰性干渉の程度は、タンパク質の位相の推定値を与える。2つの 異なる位相角が決定されそして等しく良好な解であるので、第2の重金属複合体 が使用され得、これも2つの可能な位相角を与える。これらのうちの1つのみが 2つのこれまでの位相角の1つと同じ値を有し;したがって、これは正確な位相 角を示す。実際には、2つを超える異なる重金属複合体が、通常、すべての反射 について合理的に良好な位相決定を与えるために作製される。各個々の位相推定 値は、測定された振幅における誤差から生じる実験誤差を含む。さらに、多くの 反射について、強度差は、1つの特定の異種同形置換後では非常に小さすぎて、 測定できず、そして他のものを試み得る。 タンパク質結晶からの回折データの振幅および位相は、結晶の繰り返し単位の 電子密度マップを算出するために使用される。次いで、このマップは、特定のア ミノ酸配列でポリペプチド鎖として解釈されなければならない。電子密度マップ の解釈は、データのいくつかの限定によってより複雑になる。まず第1に、マッ プ自体が、主として位相角の誤差のため、誤差を含む。さらに、マップの質が、 回折データの分解能に依存し、次に、これは結晶がどれくらい秩序だっているか に依存する。これは、生成され得る像に直接的に影響を及ぼす。分解能は、Å単 位で測定され;この数が小さいほど、分解能が高く、したがって、見られ得る詳 細の量がより大きい。 初期モデルを組み立てることは、試行錯誤のプロセスである。第1に、ポリペ プチド鎖が電子密度マップによる方法をどのように作り上げるかを決定しなけれ ばならない。得られる鎖トレースは、仮説を構成し、この仮説によってポリペプ チドの公知の配列に側鎖の密度を合わせようとする。合理的な鎖トレースが最終 的に得られている場合、初期モデルは、電子密度への原子の最良の適合を与える ように組み立てられる。コンピュータグラフィックスは、データを示すための鎖 トレースおよびモデルの組み立ての両方のために使用され、そしてモデルを操作 する。 初期モデルは、いくつかの誤差を含む。タンパク質結晶が十分に高い分解能( 例えば、3.5Åより良好)で回折するとすれば、ほとんどまたは実質的にすべて の誤差は、コンピュータアルゴリズムを使用するモデルの結晶学的洗練によって 除去され得る。このプロセスでは、モデルは、実験的に観察された回折振幅とモ デル(実際の分子の代わり)を含む仮説的結晶について算出された振幅との間の 差を最小にするように変更される。この差は、正確な一致については0.0および 完全な不一致については約0.59であるR因子(残留不一致)として表される。 一般に、R因子は、十分に決定されたタンパク質構造について、好ましくは0. 15と0.35との間である(例えば、約0.24〜0.28未満)。残留差は、データの誤差 および不完全さの結果である。これらは、種々の原因に由来し、タンパク質分子 のコンホメーションのわずかな変更、ならびに溶媒の存在についておよび結晶が 組み立てられる微晶質の配向の差についての両方の不正確な修正を含む。これは 、最終的モデルが、コンホメーションおよび配向の両方がわずかに異なる分子の 平均を表すことを意味する。 高分解能で洗練された構造では、通常、個々の残基の配向に主要な誤差はなく 、そしてアミノ酸配列が公知であるならば、原子位置の推定誤差は、通常、約0. 1〜0.2Åである。水素結合は、タンパク質内および結合したリガンドへの両方で 、信頼の高い程度で同定され得る。 当業者は、X線結晶学によって決定される1セットの構造座標が、標準誤差な しではないことを理解する。本発明の目的のために、表4に挙げられる構造座標 上に--骨格原子を使用して--重ねた場合、0.75Å以下のタンパク質骨格原子(N 、Cα、CおよびO)の二乗平均偏差を有するBPIタンパク質についての任意のセッ ト の構造座標は、同一とみなされる。 ほとんどのX線構造は、1.7Åと3.5Åとの間の分解能で決定される。この分解 能範囲での電子密度マップは、好ましくは、個々の原子が分解されない電子密度 の領域に公知のアミノ酸配列を適合させることによって解釈される。 アミノ酸配列は、正確なX線構造決定に好ましい。したがって、組換えDNA技 法は、X線構造研究に二重の影響力を有している。タンパク質が構造研究のため にクローニングされそして過剰発現される場合、X線研究に必要なアミノ酸配列 はまた、ヌクレオチド配列によって迅速に得られる。組換えDNA技法は、希タン パク質の豊富な供給だけでなく、ボーナスとしてそのアミノ酸配列も与える。 BPI精製および結晶化方法の概説 一般に、BPIタンパク質は、実施例1に記載のように精製される。得られるBPI は、結晶化に十分な純度および濃度である。次いで、BPIが単離され、そして生 物学的活性についておよび凝集(これは結晶化を妨害する)のないことについて アッセイされる。精製されたBPIは、好ましくは、還元または非還元ポリアクリ ルアミドゲル電気泳動(PAGE)(非還元はシステイン架橋の存在を評価するため に使用される)下で単一バンドとして流れる。 精製されたBPIは、好ましくは、以下の少なくとも1つの変動条件下で懸滴方 法を使用して結晶化される:pH、緩衝剤タイプ、緩衝剤濃度、塩タイプ、ポリマ ータイプ、ポリマー濃度、他の沈殿剤、ならびに精製および切断されたBPIの濃 度。例えば、CRYSTAL SCREEN(Hampton Research,Riverside,CA)のような市販 のキットで提供される方法を参照のこと。異なったサイズおよび形状の結晶は、 X線回折への適合性についてテストされる。一般的に、より大きな結晶がより小 さな結晶よりも良好な結晶学を提供し、そしてより厚い結晶がより薄い結晶より も良好な回折を提供する。 精製されたBPI 精製の結果は、必要に応じて、還元または非還元条件下でポリアクリルアミド ゲル電気泳動(PAGE)によって分析される。単一バンドが好ましくは得られる。 ジスルフィド含有BPIでは、切断されたBPIの分析が、切断されたタンパク質がジ スルフィド結合したダイマーを形成するかどうかを示すために、非還元条件下で あることが好ましい。アミノ酸配列はまた、公知の方法に従って決定され、また はさもなければ得られ得る。なぜなら、この配列が、分子モデリング技法を使用 して、本明細書に記載のように(結晶学的分析と組み合わせて)、切断されたタ ンパク質の三次元構造を決定することに重要であるからである。 結晶化の前に、精製されたタンパク質は、BPIタンパク質の1つ以上の公知の 生物学的活性についてテストされる。 生物学的活性が天然のままのタンパク質の活性を超えることが好ましい。好ま しい結果は、BPIタンパク質が天然のままの構造を保持することを示し、これは 、生物学的に活性な分子の三次元結晶構造を決定するために重要である。プロテ アーゼ切断部位を同定するために、精製されそして切断されたタンパク質は、公 知の技法を使用して配列決定され得る。例えば、Murtiら,Proc.Natl.Acad.S ci.USA 90:1523-1525(1993);Takimotoら(1992),前出を参照のこと、これらの 全体は参考として本明細書に援用される。 タンパク質結晶化方法 懸滴方法は、好ましくは、精製されたタンパク質を結晶化するために使用され る。例えば、Taylerら,J.Mol.Biol.226:1287-1290(1992);Takimotoら(1992 ),前出;CRYSTAL SCREEN,Hampton Researchを参照のこと。 精製されたタンパク質および沈殿物の混合物は、以下を含み得る: ・pH(例えば、4〜9); ・緩衝剤タイプ(例えば、リン酸、カコジル酸、酢酸、イミダゾール、Tris H Cl、HEPESナトリウム); ・緩衝剤濃度(例えば、10〜200mM); ・塩タイプ(例えば、塩化カルシウム、クエン酸ナトリウム、塩化マグネシウ ム、酢酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸カリウム、酢酸マグネシウム 、酢酸亜鉛、酢酸カルシウム); ・ポリマータイプおよび濃度(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)1〜5 0%、平均分子量200〜10,000); ・他の沈殿剤(塩:酒石酸K、Na、NH4SO4、NaAc、LiSO4、ギ酸Na、クエン酸Na 、ギ酸Mg、NaPO4、KPO4、NH4PO4;有機物:2-プロパノール;非揮発性:2-メチ ル-2,4-ペンタンジオール;および ・精製されたBPIの濃度(例えば、1.0〜100mg/ml)。 例えば、CRYSTAL SCREEN,Hampton Researchを参照のこと。 これらの結晶化条件の限定されない例は、以下のとおりである: ・精製されたタンパク質(例えば、約3〜4mg/ml); ・H2O; ・100mMカコジル酸緩衝剤および200mMの酢酸Mgで10〜14%ポリエチレングリコ ール(PEG)8000で緩衝化した沈殿物; ・約3.5〜8.5の全体のpH。 上記の混合物は、pH、緩衝剤タイプ;緩衝剤濃度、沈殿させる塩タイプまたは 濃度、PEGタイプ、PEG濃度、およびタンパク質濃度の少なくとも1つを変化させ ることによって使用およびスクリーニングされる。0.2〜0.7mmのサイズの範囲の 結晶は、1〜7日で形成される。これらの結晶は、1.5〜3.5Åのような少なくとも 3.5Åまで、またはその任意の範囲の値(例えば、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2. 0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、または3.0)の分解能に、 X線を回折し、3.0Å以下が好ましい。 タンパク質結晶 結晶は、1〜4日後に出現し、そして1週間以内に最大サイズに成長する。1つ から10個の結晶が1滴中に観察され、そして結晶形態は、例えば、二角錐(bipy ramidal)、偏菱形、および立方体(これらに限定されない)を生じ得る。初期 X線分析は、このような結晶が、中程度高いから高い分解能で回折することを示 す。1滴中でより少ない結晶が生成する場合、これらは非常に大きいサイズ、例 えば、0.4〜0.9mmであり得る。 X線結晶学方法および分子モデリング BPIについてこのように生成した結晶は、適切なX線源を使用してX線分析さ れる。回折パターンが得られる。結晶は、好ましくは、X線ビーム中で少なくと も10時間安定である。凍結した結晶(例えば、−220〜−50℃)はまた、より長 いX線曝露(例えば、24〜72時間)に使用され得、結晶は凍結した状態において X線に対して比較的より安定である。有用な反射の最大数を集めるために、複数 のフレームが、結晶がX線ビーム中で、例えば、24〜72時間回転される際に、必 要に応じて集められる。X線回折の分解能を増加させるために、より大きな結晶 (>0.2mm)が好ましい。あるいは、結晶は、シンクロトロン高エネルギーX線 源を使用して分析され得る。凍結した結晶を使用して、X線回折データは、本明 細書に示されるように、かなり詳細にBPIの三次元構造を解明するために十分な 、3.5Å以下の比較的高分解能で回折する結晶で集められる。 中度の分解能での天然のままおよび/または誘導体のX線回折データは、回転 するアノードX線源に載せた領域検出器に集められる。代わりのプログラムDENZ Oが、好ましくは、データ処理および換算のために使用される(Sawyerら編,Pro ceedings of CCP4 Study Weekend,pp.56-62,SERC Darsbary Lab.,UK(1993) )。 分解能は、必要に応じて、より大きな結晶、例えば、0.2mmを使用して改良さ れ、特に、適切な重金属誘導体(例えば、Hg、Pt、Pb、Ba、Cd、および/または La誘導体)の決定のために、データ収集をより効率的にする。 重金属誘導体は、例えば、同形置換方法によって、位相を決定するために使用 される。BPIの重原子同形誘導体は、構造が1つまたはいくつかの誘導体を使用 して解明される場合、X線結晶学に使用され、(合わせた場合)メリットの全体 の形状を改良する。誘導体は、例えば、CCP4パッケージ(SERC Collaborative C omputing Project No.4,Daresbury Laboratory,UK,1979)を使用することに よって、パターソンマップおよび/または交差位相差フーリエマップによって同 定される。 位相もまた、単一の重原子誘導体が与える位相不一致を破壊し得るX線散乱の 異常な分散成分の最適化によって得るまたは改良する。ある場合には、位相情報 は、天然のままのセットのデータの必要なしに、異常な分散位相化での多数の波 長(MAD位相化)の使用によって得られ得る。使用されるX線の波長は、この異 常な散乱を最適化するためにシンクロトロン源で選択され得る。この場合には、 誘導体化した結晶からのデータは、代表的には3つの波長で集められ、そのうち の2つは重原子散乱の吸収端に非常に近い。適切な重原子誘導体化結晶を得る1 つの方法は、タンパク質の公知のリガンドを誘導体化することである。 プログラムMLPHARE(Wolfら編,Isomorphous Replacement and Anomalous Sca ttering:Proceedings of CCP4 Study Weekend,pp.80-86,SERC Daresbury Lab .,UK(1991))は、必要に応じて、完全性(%)、分解能(Å)、Rr(%)、重原子濃 度(mM)、浸漬時間、重原子部位、位相化力(中心を外れた、中心の)の少なくと も1つを比較することによって、それに由来する重原子パラメータおよび位相の 洗練のために使用される(The Crystal Structure of diphtheria toxin,Choe ら,Nature 357:216-222(1992)からの類似の実施例として表1を参照のこと)。 重原子誘導体の付加は、認識可能な特徴を有するMIRマップを生成する。 初期位相は、3.2Åまで算出され、次いでプログラムDMにおいて溶媒フラット ニング、ヒストグラムマッチング、および/またはSayreの方程式を使用して、2 . よびMain,Acta Crystallogr.D 49:148−157(1993))。DM手順の概略化は、必 要に応じて、タンパク質エンベロープのバルクにおける連結性を改良するために 使用される。MIRおよび密度改変されたマップは両方とも、必要に応じて、その 後の段階で使用されて、十分な分解能および/または表面構造のモデリングを提 供する。 次いで、電子密度マップの概略化表示が、計算される。これらのマップは、適 切なソフトウエア、例えば、グラフィックスパッケージFRODO(Jonesら(1991)前 出)を使用して自動的にまたは手動的に編集されて、連続的Cαトレースを得る 。次いで、BPI配列は、トレースに沿ってアラインされる。最初に、理想化され たポリペプチド骨格の小片を、明確な二次構造(例えば、αヘリックス、βシー ト)を有する電子密度マップの領域に置いた。ポリアラニンモデルをタンパク質 について構築した後、密度がマップに存在する場所にアミノ酸側鎖を付加した。 次いで、BPIのアミノ酸配列を、異なる側鎖パターン(例えば、3つの連続的芳 香環)を有する領域について検査した。配列中のパターンがマップの領域に適合 することを見いだした場合、正確な側鎖を、現存するモデル上に組み立てた。最 終的に、認識可能な配列モチーフを含むフラグメントを、単一鎖に連結し、マッ プにアミノ酸配列のトレーシングを完了した。ンクロトロンX線源に載せたRAXIS 11C面積検出器(例えば、Marイメージングプ レート)上に収集し、そして適切な振動データ換算プログラム(DENZO,Sawyer ら編,Proceedings of CCP4 Study Weekend,pp.56-62,SERC DarsbaryLab.,UK (1993))を使用して処理した。これらのデータに対してシミュレートしたアニー リングのサイクルを、R因子洗練のための分子動力学についてのプラグラムX- (1987))。この洗練の後、実験的および2Fo-Fcマップを使用してFRODOで手動的 再組み立てを行った。モデルは、必要に応じて、TNT(Tronrudら,Acta Crystal logr.A 43:489-501(1987))のような最小二乗洗練プログラムを使用してさら に洗練され得る。 1つ以上の上記のモデル化工程が、BPIの分子3-Dモデルを提供するために行わ れる。BPIモデルがRamachandranプロットの認められない領域に残基がなく、そ して陽性3D-1Dプロファイルを与えることが好ましく(Luthyら,Nature 356:83- 85(1992))、これは、すべての残基が受容可能な環境にあることを示唆する(Kr aulis(1991),前出)。 多重同形置換位相決定を、BPIの三次元構造を解明するために使用した。次い で、この構造は、少なくとも1つの、BPI殺菌活性、または細菌毒性、複製、お よび/または感染を不活性化するのに重要な他の生物学的活性のBPIリガンドま たは模倣物の理論的薬物設計に使用される。 コンピュータ関連実施態様 BPIタンパク質(あるいは、LBP、CETP、またはPLTPのような関連タンパク質) のアミノ酸配列、および/またはBPIタンパク質(あるいは、LBP、CETP、または PLTPのような関連タンパク質)もしくはその一部のコンピュータ分子モデリング に有用なX線回折データは、それらの使用を容易にするために種々の媒体で「提 供」され得る。本明細書で使用される場合、製造物という場合であれば、これは 、例えば、本発明のBPIアミノ酸配列および/または原子座標/X線回折データ 、例えば、図5で提供されるアミノ酸配列、その代表的フラグメント、あるいは 図5のアミノ酸配列のアミノ酸フラグメントもしくはその改変体に少なくとも80 〜100%の全体同一性を有するアミノ酸配列を含む。このような方法は、当業者 がBPI関連タンパク質(そのサブドメインを含む)の三次元構造を分析および分 子モデリングすることを可能にする形態で、アミノ酸配列および/またはX線回 折データを提供する。 本実施例の1つの適用では、BPI(あるいは、LBP,CETP、またはPLTPのような 関連タンパク質)、またはその少なくとも1つのサブドメイン、本発明のアミノ 酸配列および/またはX線回折データは、コンピュータ読み出し可能な媒体に記 録される。本明細書で使用される場合、「コンピュータ読み出し可能な媒体」と は、コンピュータによって直接的に読みこみそしてアクセスし得る任意の媒体を いう。このような媒体には、フロッピーディスク、ハードディスク記憶媒体、お よび磁気テープのような磁気記憶媒体;光ディスクまたはCD-ROMのような光記憶 媒体;RAMおよびROMのような電気記憶媒体;ならびに磁気/光記憶媒体のような これらのカテゴリーのハイブリッドが挙げられるが、これらに限定されない。当 業者は、現在公知のコンピュータ読み出し可能媒体のいずれかが、本発明のアミ ノ酸配列および/またはX線回折データに記録しているコンピュータ読み出し可 能な媒体を含む製造物を生成するために使用され得る方法を、容易に認め得る。 本明細書で使用される場合、「記録される」とは、コンピュータ読み出し可能 媒体に情報を記憶するためのプロセスをいう。当業者は、本発明のアミノ酸配列 および/または原子座標/X線回折データ情報を含む製造物を生成するために、 コンピュータ読み出し可能媒体に情報を記録するための現在公知の方法のいずれ かに容易に採用し得る。 種々のデータ記憶構造は、本発明のアミノ酸配列および/または原子座標/X 線回折データに記録しているコンピュータ読み出し可能媒体を生成するために、 当業者に利用可能である。データ記憶構造の選択は、一般的に、記憶された情報 にアクセスするために選択された手段に基づく。さらに、種々のデータプロセッ サープログラムおよびフォーマットが、コンピュータ読み出し可能媒体について の本発明の配列およびX線データ情報を記憶するために使用され得る。配列情報 は、ワードプロセッシングテキストファイルで表され、WordPerfectおよびMICRO SOFT Wordのような市販のソフトウエアにフォーマットされ、またはASCIIファイ ルの形態で表され、DB2、Sybase、Oracleなどのようなデータベースアプリケー ションに格納され得る。当業者は、本発明の情報がそこに記録されているコンピ ュータ読み出し可能媒体を得るために、いくつものデータ処理構築フォーマット (例えば、テキストファイルまたはデータベース)を容易に採用し得る。 BPIまたは関連配列タンパク質および/またはX線回折データに基づく原子座 標を記憶しているコンピュータ読み出し可能媒体を提供することによって、当業 者は、BPIもしくは関連タンパク質、そのサブドメイン、模倣物、またはそのリ ガンドをモデル化するために配列および原子座標またはX線回折データに慣用的 にアクセスし得る。当業者がコンピュータ読み出し可能媒体で提供されるデータ にアクセスしそして分子モデリングおよび/またはRDDについて分析することを 可能にするコンピュータアルゴリズムは、公におよび市販で利用可能である。例 えば、Biotechnology Software Directory,MaryAnn Liebert Publ.,New York (1995)を参照のこと。 本発明は、システム、特にコンピュータに基づくシステムをさらに提供し、こ れは、本明細書に記載の配列および/または回折データを含む。このようなシス テムは、BPIもしくは関連タンパク質または少なくとも1つのそのサブドメイン について構造決定およびRDDを行うために設計される。限定されない実施例は、U NIXベースの、Windows NYまたはIBM OS/2オペレーティングシステムが作動するS ilicon Graphics IncorporatedおよびSun Microsystemsから利用可能なマイクロ コンピュータワークステーションである。 本明細書で使用される場合、「コンピュータに基づくシステム」とは、本発明 の配列および/またはX線回折データを分析するために使用されるハードウエア 手段、ソフトウエア手段、およびデータ記憶手段をいう。本発明のコンピュータ に基づくシステムの最小のハードウエア手段は、中央処理装置(CPU)、入力手 段、出力手段、およびデータ記憶手段を含む。当業者は、現在利用可能なコンピ ュータに基づくシステムのどれが、本発明での使用に適切であるかを、容易に認 め得る。モニターのような可視化デバイスは、必要に応じて、構造データを可視 化するために提供される。 上記のように、本発明のコンピュータに基づくシステムは、本発明のBPIもし くは関連タンパク質またはフラグメント配列および/または原子座標/X線回折 データを記憶しているデータ記憶手段、ならびに分析手段を支持および実行する ために必要なハードウエア手段およびソフトウエア手段を含む。本明細書で使用 される場合、「データ記憶手段」とは、本発明の配列または原子座標/X線回折 データを記憶し得るメモリー、あるいは本発明の配列またはX線データを記録し ている製造物にアクセスし得るメモリーアクセス手段をいう。 本明細書で使用される場合、「検索手段」または「分析手段」とは、標的配列 または標的構造モチーフをデータ記憶手段内に記憶された配列またはX線データ と比較するために、コンピュータに基づくシステム上で実行される1つ以上のプ ログラムをいう。検索手段は、特定の標的配列または標的モチーフに適合するBP Iもしくは関連タンパク質のフラグメントまたは領域を同定するために使用され る。種々の公知のアルゴリズムが公衆に開示され、そして検索手段を行うための 種々の市販のソフトウエアがあり、そして本発明のコンピュータに基づくシステ ムで使用され得る。当業者は、コンピュータ分析を行うための利用可能なアルゴ リズムまたは実行するソフトウエアパッケージのいずれか1つが、本発明のコン ピュータに基づくシステムにおける使用に適用され得ることを、容易に認識し得 る。 本明細書で使用される場合、「標的構造モチーフ」または「標的モチーフ」と は、任意の理論的に選択された配列、あるいは配列が、標的モチーフの折り畳み において形成される三次元立体配置または電子密度マップに基づいて選択される 配列の組み合わせをいう。当該技術分野で公知の種々の標的モチーフがある。タ ンパク質標的モチーフには、酵素活性部位、構造サブドメイン、エピトープ、機 能的ドメイン、およびシグナル配列が挙げられるが、これらに限定されない。入 力および出力手段についての種々の構造フォーマットは、本発明のコンピュータ に基づくシステムにおいて情報を入力および出力するために使用され得る。 種々の比較手段は、一部は原子座標/X線回折データに由来する構造モチーフ または電子密度地図を同定するために、標的配列または標的モチーフをデータ記 憶手段と比較するために使用され得る。当業者は、公衆に利用可能なコンピュー タモデリングプログラムのいずれか1つが、本発明のコンピュータに基づくシス テムのための検索手段として使用され得ることを容易に認識し得る。 本発明の実施態様の1つの適用を、図6に提供する。図6は、本発明を実行す るために使用され得るコンピュータシステム102のブロックダイアグラムを提供 する。コンピュータシステム102は、バス104に連結されたプロセッサー106を含 む。主記憶装置108(好ましくは、ランダムアクセスメモリー、RAMとして実行さ れる)および種々の補助記憶装置110(例えば、ハードドライブ112)、取り外し 可能媒体記憶デバイス114、コマンドデバイス118、および可視化デバイス120も バス104に連結される。取り外し可能記憶媒体116も含まれる。取り外し可能媒体 記憶デバイス114は、例えば、フロッピーディスクドライブ、CD-ROMドライブ、 磁気テープドライブなどを表し得る。そこに記録される制御論理および/または データを含む取り外し可能記憶媒体116(例えば、フロッピーディスク、コンパ クトディスク、磁気テープなど)は、取り外し可能記憶デバイス114に挿入され 得る。コンピュータシステム102は、一旦取り外し可能媒体記憶デバイス114に挿 入されると、取り外し可能記憶媒体116から制御論理および/またはデータを読 み出すために適切なソフトウエアを含む。 本発明のヌクレオチドまたは他の配列をコードするアミノ酸および/または原 子座標/X線回折データは、周知の方法で、主記憶装置108、または補助記憶デ バイス110、および/または取り外し可能記憶媒体116のいずれかに記憶され得る 。アミノ酸配列および/または原子座標/X線回折データにアクセスしそして処 理するためのソフトウエア(検索ツール、比較ツールなど)は、実行中主記憶装 置108にある。ユーザーコマンドは、キーボードのようなコマンドデバイス118に よって実行される。可視化デバイス120は、必要に応じて、構造データを可視化 するために使用される。 構造決定 1つ以上のコンピュータ工程、コンピュータプログラム、および/またはコン ピュータアルゴリズムを、図5からのアミノ酸配列データ(またはそのフラグメ ントもしくは改変体)および/または原子座標/X線回折データを使用して、BP Iまたは関連タンパク質の分子3-Dモデルを提供するために使用される。X線結晶 学では、X線回折データおよび位相は、次いでBPIタンパク質の三次元構造が組 み立てられまたはモデル化される電子密度マップを生成するために組み合わされ る。MIR位相決定を、BPIの三次元構造を解明するために使用した。次いで、この 構造は、BPIまたは関連タンパク質の模倣物またはリガンドのRDDおよびその関連 する生物学的活性について使用され得、これはタンパク質調節疾患に関連する。 密度修飾およびマップ解釈 電子密度マップを、X-PLORによって、あるいはCCP4コンピュータパッケージ(S ERC(UK)Collaborative Computing Project 4,Daresbury Laboratory,UK,19 79)からのもののようなプログラムを使用して、算出した。非結晶学的対称軸が 存在するならば、対称平均化のサイクルは、例えば、プログラムRAVE(Kleywegt およびJones,Baileyら編,First Map to Final Model,SERC Daresbury Labora tory,UK,pp59-66(1994))および漸進的なモデル拡大により、さらに使用され 得る。マップ可視化お。よびモデル組み立てのために、プログラムFRODOを使用 したか、あるいは、「O」のようなプログラム(Jones(1991),前出)を使用し 得る。 洗練およびモデル検証 剛体および位置洗練は、例えば、EnghおよびHuber(Acta Cryst.A47:392-400 ようなプログラムを使用して行われ得る。平均化したマップにおけるこの段階で のモデルがなお残基(例えば、サブユニット当たり少なくとも5〜10)を捉えて いないならば、捉えていない残基のいくつかまたはすべては、位置洗練およびモ デル組み立ての追加のサイクル中にモデルに組み込まれ得る。洗練手順は、より 低い分解能からのデータを使用して開始し得る(例えば、25−10Å〜10-3.0Å、 次いで12-6Å〜3.0-1.5Åからのより高い分解能データを含むように徐々に拡張 される)。一旦2.9と1.5Åとの間のデータが付加されると、個々の原子について のB値(温度因子ともいう)を洗練した。その後、水を、電子密度マップの手動 点検によって徐々に添加した。あるいは、ARP(LamzinおよびWilson,Acta Crys t.D49:129-147(1993))のようなプログラムは、結晶学的水を付加するために、 およびモデル中の間違った領域についてチェックするためのツールとして使用さ れ得る。プログラムPROCHECK(Lackowskiら,J.Appl.Cryst.26:283-291(199 ら,Nature 356:83-85(1992))、およびERRAT(ColovosおよびYeates Protein S cience,2:1511-19(1993))、ならびにX-PLORによって生成される幾何的分析を 使用して、誤差について構造をチェックした。FobsとFcalcとの間の非等方的ス ケーリングを、データの質および完全性の注意深い評価後に適用した。 プログラムDSSPを使用して、二次構造エレメントを割り当てた(Kabschおよび Sander,Biopolymers,22:2577-2637(1983))。SUPPOS(BIOMOL結晶学的コンピ ューティングパッケージから)のようなプログラムは、種々のモデルおよびモデ ルの一部の最小二乗重畳のいくつかまたはすべてについて使用され得る。プログ ラムALIGN(Cohen J.Mol.Biol.,190:593-604(1986))を使用して、BPIのNお よびC末端ドメインを上に重ねた。溶媒が接触可能な表面および静電ポテンシャ ルは、GRASP(Nichollsら(1991),前出)のようなプログラムを使用して、算出 され得る。 したがって、種々の生物からのBPIならびに関連タンパク質LBP、CETP、および 手順で解明され得る。これらのタンパク質の一部またはすべてについての部分検 索モデルは、BPIの構造を使用して構築され得る。回転および平衡移動関数は、 これらのモデルについての配向および位置を得るために使用され得る。対称平均 化はまた、RAVEプログラムを使用して行われ得、そしてモデル拡大はまた、捉え ていない残基を付加するために使用され、残基の総数の95〜99.9%を有するモデ で、適切な結晶学的R因子に洗練され得る。次いで、モデルデータは、理論的薬 物設計のような、さらなる分析での使用のためにコンピュータ読み出し可能な媒 体に記憶される。 模倣物またはリガンドの理論的設計 本明細書に記載のような、BPIタンパク質の結晶構造の決定は、タンパク質ま たは有機化合物を含む、新しいおよび特異的薬剤の設計のための基礎を提供する 。 いくつかのアプローチが、BPIまたは関連タンパク質と類似の関連活性を有す るタンパク質または有機アナログの理論的設計におけるBPIの結晶構造の使用の ために利用され得る。BPIポテンシャル結合部位構造のコンピュータ援用手動的 検査が、必要に応じて行われる。GRIDのようなソフトウエア(Goodford,J.Med .Chem.28:849-857(1985)、種々の官能基特徴を有するプローブとタンパク質表 面との間の可能性のある相互作用部位を決定するプログラム)の使用は、類似の 阻害タンパク質または化合物の構造を決定するために表面部位を分析するために 使用される。GRID計算は、プローブとして分子上の適切な阻害基(例えば、プロ トン化された一次アミン)とともに、適切なエネルギー等高線レベルでアクセス 可能な位置のまわりの潜在的なホットスポットを同定するために使用される。 本発明の診断または治療的BPIもしくは関連タンパク質調節リガンドは、脂質 、核酸、化合物、タンパク質、エレメント、抗体、糖類、同位体、炭水化物、画 像化剤、リポタンパク質、糖タンパク質、酵素、検出可能プローブ、および抗体 またはそのフラグメント、あるいはそれらの任意の組み合わせから選択される少 なくとも1つであるが、これらに限定されず、これらは、抗体標識に関しては検 出可能に標識され得る。このような標識には、酵素標識、放射性同位元素または 放射性化合物または元素、蛍光化合物または金属、化学発光化合物、および生物 発光化合物が挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、任意の他の公知 の診断または治療剤は、本発明の方法で使用され得る。次いで、適切な化合物は 、BPIタンパク質またはBPI模倣物の活性についてテストされる。 プログラムDOCK(KuntzらJ.Mol.Biol.,161:269-288(1982))は、活性部位 またはリガンド結合部位を分析するために使用され得、そして相補的立体特性 を有するリガンドを示唆する。薬学団仮説をテストしそしてスクリーニングにつ いて化合物を選択するために三次元データベースを検索するためのいくつかの方 法論が利用可能である。これらには、活性部位に既に配置された任意の数の化学 フラグメントに連結するための「スペーサー」として作用し得る環状化合物のデ ータベースを使用するプログラムCAVEAT(BaconらJ.Mol.Biol.,225:849-858( 1992))が含まれる。これは、当業者が、堅い結合に必要であることが既に公知 または疑いのあるフラグメントを連結するための数百の可能な方法を迅速に生成 することを可能にする。プログラムLUDI(BohmらJ.Comput.-Aid.Mol.Des.,6 :61-78(1992))は、水素結合および疎水性フラグメントの両方を置くための相互 作用部位のリストを決定し得る。次いで、LUDIは、フラグメントに4つまでの異 なる相互作用を連結するために約600リンカーのライブラリーを使用する。次い で、-CH2-および-COO-のようなより小さい「架橋」基は、これらのフラグメント を連結するために使用される。例えば、酵素DHFRについては、周知のインヒビタ ーであるメトトレキセートにおける重要な官能基の配置を、LUDIによって再生し た。RotsteinおよびMurcko,J.Med.Chem.,36:1700-1710(1992)も参照のこと 。 予備実験が、BPI(または関連)タンパク質、模倣物、またはフラグメントに 対するBPI(または関連)タンパク質によるリガンド(例えば、脂質リガンド) のKiを決定するために行われた後、BPIまたは関連タンパク質による阻害の時間 依存的性質(例えば、Henderson(Biochem.J.127:321-333(1972)の方法による )が決定される。 例えば、脂質リガンドおよびBPI模倣物を、緩衝液中でプレインキュベートす る。反応を、検出物質の添加によって開始する。アリコートを、適切な時間経過 をかけて取り出し、そして適切なクエンチング溶液のアリコートへの添加によっ てそれぞれをクエンチする。産物の濃度を、検出の公知の方法によって決定する 。時間に対する活性のプロットは、アッセイ期間にわたって直線に近づき得、そ して例えば、BPI模倣物の存在(Vi)または不在(Vo)の初速度についての値を 得るために使用される。誤差は、ヘンダーソンプロットにおいて両方の軸に存在 し、標準回帰分析を不適切にする(Leatherbarrow,Trends Biochem.Sci.15:4 55-4 58(1990))。したがって、Ki値は、競合阻害についてのヘンダーソンの式の改変 された型に適合することによってデータから得られる: ここで(Henderson(Biochem.J.127:321-333(1972)の表記を使用して): および この式は、最小二乗技法を使用する非直線回帰を行うSAS(SAS Institute Inc. ,Cary,North Carolina,USA)からのPROCNLINを使用して、Q=Ki((At+Ka)/Ka )の制約数での正の根について解く。必要に応じて、使用される反復方法は、テ イラー級数における導関数が、分析的に供給されるよりもむしろ反復のヒストグ ラムから推定されること以外は、ガウス−ニュートン方法に類似する、多変量正 割方法である。適切な収束基準は、必要に応じて、例えば、10-8未満の損失関数 の変化がある場合に使用される。 一旦調節化合物が見いだされると、共複合体、例えば、リガンドに複合化され たBPI模倣物の結晶学的研究が行われる。本明細書で使用される場合、共複合体 とは、化学実体または化合物との共有結合または非共有結合した、BPIタンパク 質、そのフラグメント、アナログ、または改変体をいう。限定されない実施例と して、BPI結晶を、0.01〜100mMインヒビター化合物中に2日間浸し、そしてX線 回折データを、回転アノードX線源を使用して面積検出器および/またはイメー ジプレート検出器(例えば、Marイメージプレート検出器)に集める。データを 子でマージする。模倣物の原子モデルを、差フーリエマップ(Fインヒビター複 合体 -F天然)に組み立てる。モデルは、10〜100サイクルのエネルギー洗練、100 〜10,000 l-fs工程の室温動力学、および/またはさらに10〜100サイクルのエネルギー洗 における収束に洗練され得る。調和拘束は、インヒビターの10〜15Åの半径内の 原子以外の、原子洗練のために使用され得る。R因子は、モデル、ならびに理想 的結合長および角度からのr.m.s.偏差について算出される。 活性の直接測定は、モデル化した模倣物化合物が、脂質リガンドに対する高親 和性インヒビターである確証をさらに提供する。BPIまたは関連タンパク質につ いて公知の生物学的活性についての適切な他のアッセイが使用され得る。 好ましくは、BPIまたは模倣物の構造の変化は、上記の電子密度マップでほと んどまたは全く生じない。Ki値は、模倣物タンパク質または有機化合物を評価す るために、既述の方法(Henderson(1972),前出)によって決定される。 BPIタンパク質の原子座標は、関連タンパク質の分子モデルおよびBPI模倣物の の生成に有用である。本明細書に開示されたBPIの解明された三次元構造から生 成された原子座標は、アミノ酸配列データ、X線回折データ、多重同形置換分子 置換技法からのX線回折データの組み合わせ、または他の位相決定技法のような 、追加の構造および/または物理化学的情報と組み合わせて、利用され得る。こ れらの組み合わせは、BPI関連脂質結合タンパク質、またはそれらのフラグメン ト、アナログ、または改変体を含む、BPIまたは関連タンパク質の二次、三次、 および/または四次構造および/またはドメインを生成するために有用な、他の 三次元座標データを生成するために使用され得る。これらの代替の座標セットは 、BPI関連脂質結合タンパク質、またはそれらのフラグメント、アナログ、また は改変体を含む、BPIまたは関連タンパク質の全体の三次元構造、ならびに結合 部位および/または活性部位を提供するために有用である。これらの代替の座標 セットはまた、BPIおよび他の関連タンパク質(他のBPI関連脂質結合タンパク質 を含む)の模倣物およびリガンドの理論的薬物設計のための分子モデリングコン ピュータに基づくシステムおよび方法に有用である。CLUSTAL(PC-Geneにおける 多重配列アラインメントプログラム)およびHomology module(Silicon Graphic s In corporatedワークステーションでのInsightIIにおける構造ベースの相同性 モデリングプログラム)を利用して、リポポリ多糖結合タンパク質(LBP)、コ レス テロールエステル転移タンパク質(CETP)、およびリン脂質転移タンパク質(PL TP)の分子モデル(および対応する三次元座標ファイル)を生成する。これらの ファイルを用いて、現存する変異体をマップし、そして新しいものを設計する。 本明細書に記載の結果は、BPIの結晶構造に基づいて、BPIまたは関連タンパク 質の堅い結合模倣物が、本発明によって提供されることを証明する。模倣物の生 物学的活性の臨床的関連レベルの証明もまた有用である。 動物モデル(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒヒ)における生物学的活性 について模倣物を評価することにおいて、投与の種々の経口および非経口経路が 評価される。このアプローチを使用して、生物学的活性が、例えば、構造決定お よびX線結晶学によって発見される模倣物を使用して、適切な動物モデルで生じ ることが予測される。 ここまでで本発明を一般的に記載したが、本発明が、例示として提供される以 下の実施例への参照によってより容易に理解され、そして本発明の限定を意図し ない。 実施例1:BPIを含むプラスミド(S351A)の結晶化構築のための調製および精製 BPIは、以下のようにBPIのDNA配列の遺伝子操作によって除去された349位のア スパラギンで単一のN-連結したグリコシル化部位を含む。グリコシル化がこの位 置で生じるために、アスパラギンは、配列Asn-X-Ser/Thr(ここで、Xは、プロリ ン以外の任意のアミノ酸であり得る)内で生じなければならない。N-連結グリコ シル化は、Asnをグルタミンのような他のアミノ酸に変化させることによって、 あるいはセリンまたはトレオニンを代わりのアミノ酸に変化させることによって 、排除され得る。後者の方策を使用して、セリンの代わりに351位にアラニンを 有するBPIを含むベクターを構築した。 BPI発現のためのプラスミドの構築 T3T7プラスミド(Clontech,Palo Alto,CA)にクローニングされたBPIをコー ドするcDNAを含むプラスミドpIC108を、哺乳動物細胞における非グリコシル化rB PIの発現のためのベクターの構築のための開始点として用いた。 最適化した哺乳動物発現ベクターへのBPIの挿入を可能にするために、単独のX hoI部位を、最初にpIC108中のBPI遺伝子の3'末端に付加した。2つのオリゴヌク レオチド:BPIのアミノ酸361〜370をコードするBPI-53(5' ACT GGT TCC ATG GA G GTC AGC GCC 3')およびコード配列の最後の4アミノ酸をコードするBPI-54( 5’GAC AGA TCT CTC GAG TCA TTT ATA GAC AA 3')を、この目的のために合成し 、終止コドン(TGA)、および終止コドンのすぐ下流にXhoI部位を導入する。こ れらのオリゴヌクレオチドを使用して、BPIのC-末端の280bpフラグメントをPCR 増幅し、そして遺伝子の3'末端にXhoI部位を導入した。増幅したフラグメントを 、NcoIおよびBglIIで切断し、そしてpIC108からの約4100bpのNcoI-BamHIフラグ メントにライゲートして、プラスミドpSS101を生成した。 BPIを有するプラスミド(S351A)の構築 次に、グリコシル化部位を、pSS101中のBPI遺伝子内の単独のXcmI部位から単 独のSphI部位までの領域を、以下に示すようなアラニンについてのコドン(GCC )に変化した351位のアミノ酸でセリンについてのコドン(TCC)を含むアニーリ ングしたオリゴヌクレオチドと置換することによって、除去した。 この工程は、プラスミドpSS102を生成した。 哺乳動物細胞において全長非グリコシル化ホロBPIの発現のためのベクターpIN G4322を構築するために、pSS102を、BstBIおよびXhoIで切断し、そして改変され たBPI配列を含む596bpフラグメントを精製し、そしてミコフェノール酸への耐性 をコードするgpt遺伝子、ヒトIgエンハンサー、ヒトサイトメガロウイルスプロ モーター(CMV)、およびマウス軽鎖3'非翻訳領域を含むpING4147からの大きなB stBI-XhoIフラグメントにライゲートした。そして、これは、BPI遺伝子のアミノ 酸132位のアラニンの代わりに天然のシステインについてのコドンを含むこと以 外は、米国特許第5,420,019号およびWO94/18323(PCT/US94/01235)(参考とし て本明細書に援用される)に記載のベクターpING4144と同一である。 非グリコシル化BPIの発現のための哺乳動物細胞の安定なトランスフェクション 哺乳動物細胞は、本明細書に記載のようなrBPIタンパク質アナログの産生のた めの好ましい宿主である。このような細胞は、発現したタンパク質の適切な分泌 、折り畳み、および翻訳後改変を可能にする。BPIタンパク質の産生のために現 在好ましい哺乳動物宿主細胞には、CHO-K1細胞(ATCC CCL61)、CHO-DG44細胞( Dr.Lawrence Chasin,Columbia Universityから得られたCHO Torontoのジヒド ロ葉酸還元酵素[DHFR]マイナス変異体)、CHO-DXB−11(Dr.Lawrence Chasin から得られたCHO-K1のDHFR-変異体)、Vero細胞(ATCC CRL81)、およびべビー ハムスター腎臓(BHK)細胞(ATCC CRL6281)のような線維芽腫起源の細胞、な らびにハイブリドーマSp2/O-Ag14(ATCC CRL1581)またはミエローマNSO(ECACC No.85110503)のようなリンパ腫起源の細胞が挙げられる。 哺乳動物細胞のトランスフェクションは、種々の方法によって達成され得る。 最も普通のアプローチのうちの2つには、その後細胞によって取り込まれる発現 ベクターDNAのリン酸カルシウム沈殿、ならびに強電場の生成によって生じる膜 の孔によって細胞にDNAを取り込ませるエレクトロポレーションが含まれる。ト ランスフェクトされた細胞についての選択は、その産物が選択条件下でトランス フェクトした細胞を生存および増殖させる遺伝子の発現ベクターへの組込みによ って容易になる。多くのこのような遺伝子が同定されており、特に、細菌Tn5 ne o遺伝子(抗生物質G418への耐性をコードする)およびEscherichis coliグアニ ンホスホリボシルトランスフエラーゼ(gpt)遺伝子(キサンチンの存在下でミコ フェノール酸(MPA)への耐性をコードする)(MulliganおよびBerg,Proc.Nat l.Acad.Sci.78:2072-2076(1981))、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)遺伝子(ヌ クレオシドの不在下でのDHFR-細胞の増殖およびメトトレキセートの漸増濃 度の存在下での遺伝子増幅を可能にする)、グルタミンシンセターゼ遺伝子(グ ルタミンなしでのグルタミン栄養要求体の増殖およびメチオニンスルホキシミン の存在下での遺伝子増幅を可能にする)、ならびにSalmonella tphimurium hisD 遺伝子およびE.coli trpB遺伝子(HartmanおよびMulligan,Proc.Natl.Acad .Sci.85:8047-8051(1988))(それぞれ、ヒスチジノールの存在下またはトリ プトファンなし(インドールの存在下)での増殖を可能にする)が挙げられる。 これらの選択マーカーの利用可能性は、最も高い可能な生産性を有する細胞株を 提供するために単独でまたは種々の組み合わせのいずれかで使用され得るので、 組換え産物を発現する哺乳動物細胞株の生成のための著しい可撓性を提供する。 pING4322でのCHO-K1細胞のトランスフェクション CHO-K1細胞株を、10%ウシ胎仔血清(FBS)を加えたHam F12培地中で維持した 。培地に、グルタミン/ペニシリン/ストレプトマイシン(Irvine Scientific ,Irvine,California)を補充した。 CHO-Kl細胞を、最初にPvuIで消化し、フェノール-クロロホルム抽出し、そし てエタノール沈澱した40μgのpING4322 DNAを用いるエレクトロポレーションに よりトランスフェクトした。エレクトロポレーションに続いて、細胞を24時間、 非選択性Ham F12培地中で回復させた。次いで細胞をトリプシン処理し、MPA(25 μg/mL)およびキサンチン(250μg/mL)を補充したHam F12培地中に約5×104 細胞/mlの濃度で再懸濁し、そして約104細胞/ウェルで96ウェル中にプレーティ ングした。トランスフェクトしていないCHO-K1細胞は、MPAによるピリミジン合 成の阻害に起因してこの培地中で増殖することができない。約2週間で、トラン スフェクトされた細胞からなるコロニーが96ウェル中に観察された。単一コロニ ーを含有するウェルからの上清を、BPI反応性タンパク質の存在について、標準 としてBPI23を用いて抗BPI ELISAにより分析した。このアッセイでは、ImmuIon- II 96ウェルプレート(Dynatech)を、アフィニティー精製したウサギ抗BPI23抗 血清を用いて、続いて上清サンプルを用いて予めコーティングし、そして検出を アフィニティー精製したビオチン化ウサギ抗BPI23抗血清を用いて、続いてペル オキシダーゼ標識したアビジンを用いて行なった。合計100個のコロニーを、 この様式においてスクリーニングした。表面の単離物を、24ウェルプレートに移 し、そして生産性を以下の通りに評価した。細胞を、24ウェルプレート中の10% FBSを補充したHam F12培地中でコンフルエンスになるまで増殖させた。一旦細胞 がコンフルエンスに到達したら、Ham F12培地を除去し、そして40μLのS-Sephar oseビーズ(Pharmacia)を加えた2mlのHB-CHO無血清培地(Irvine Scientific )を添加した。細胞を、7日間インキュベートし、その後、S-Sepharoseビーズ を除去し、そして10mM Tris緩衝液(pH7.5)中の0.1M NaClで洗浄した。Tris緩 衝液中の1.0M NaClの添加により、BPIを、ビーズから溶出させた。クローン37お よび91と称される最良のプロデューサーは、それぞれ、約17μg/mlおよび約14μ g/mlをこのアッセイにおいて分泌し、そしてそれぞれ、Research Cell Bank番号 C2020およびC2021として凍結した。精製したタンパク質を、以下の通りに結晶化 研究のために調製した。 非グリコシル化rBPIの生成および精製 結晶化研究のためのタンパク質を調製するために用いた宿主細胞は、上記の通 りにその内在性の31残基の分泌シグナルが先行するヒトBPIの456アミノ酸をコー ドするDNAを含むDNAベクターpING4322を用いて形質転換したCHO-K1細胞であった 。翻訳後分泌プロセシングの間に、シグナル配列残基は宿主細胞により除去され た。所望の発現産物である非グリコシル化rBPIは、ヒトBPIタンパク質における3 51位のアミノ酸セリンがアラニンで置換されている、ヒトBPI分子の生物学的に 活性な改変体であった。 5%ウシ胎仔血清(FBS)を補充したDME/F12培地中にトランスフェクトされたC HO-K1宿主細胞を1ビンあたり1.3×107細胞含んでいる、40個の回転ビンを調製 した。細胞を、3日間増殖させ、この時点で、500mlの新鮮な培地(2.5%FBSを 含むDME/F12)を、滅菌したS-Sepharose(Pharmacia,fast flow #17-0511-01,U ppsula,Sweden)のスラリー10ml(約8g)および酪酸ナトリウムの1M溶液1ml とともに添加した。2日後、S-Sepharoseを添加した古い培地を除去し、そして 新鮮な培地、S-Sepharose、および酪酸ナトリウムを各回転ビンに添加した。発 現されたタンパク質産物をS-Sepharoseを用いて収集するこのプロセスを、合 計3回の収集について繰り返し、そしてS-Sepharoseは、各収集物をプールする 間に除去した。組換えBPIタンパク質産物を捕捉するためのS-Sepharoseビーズの 使用は、米国特許第5,439,807号およびWO93/23540(PCT/US93/04752)に記載さ れている。 発現された非グリコシル化rBPIタンパク質を、最初にこのタンパク質をS-Seph arose樹脂から取り出し、続いて一連のQ-Sepharose(Pharmacia,fast flow #17 -0510-01)カラムおよびCM-Spherodex(Sepracor,#273431,Villeneuve la Gar enne,France)カラムでさらに精製および濃縮することにより、プールしたS-Se pharoseから精製した。精製後、タンパク質を、Sephacryl S-100(Pharmacia,h igh resolution #17-0612-01)カラムを利用して緩衝液交換した。 具体的には、各収集物からのプールしたS-Sepharose樹脂を、約15分間沈降さ せた。培地をデカンテーションにより除去し、そして沈降した樹脂を、約400ml の20mM MES(pH6.8)、150mM NaClを用いて3回洗浄した。各洗浄について、緩 衝液を添加し、混合物を穏やかに撹拌し、そして樹脂を約15分間再度沈降させた 。各緩衝液洗浄液を、デカンテーションにより除去した。次いで、ビーズを、40 0mlの酢酸ナトリウム/酢酸、150mM NaCl、pH4.0(酢酸緩衝液)を用いて洗浄し 、次いで2.5×50cm液体クロマトグラフィーカラム(BIORAD,Econocolumn,Rich mond,California)に注いだ。カラムを、カラム溶出物のA280吸光度の読み取り 値が緩衝液単独の読み取り値と等しくなるまで、約2リットルの400mM NaCl-酢 酸緩衝液(pH4.0)を用いで十分に洗浄した。カラムを、カラム溶出物のA280吸 光度が緩衝液単独の読み取り値と再度等しくなるまで、約600mlの600mM NaCl-酢 酸緩衝液を用いてさらに洗浄した。次いで、タンパク質を、約500mlの1.0M NaCl -酢酸緩衝液中でS-Sepharoseから溶出させた。 各収集物からのS-Sepharose溶出物をプールし、そして300mMのNaCl濃度まで希 釈した。次いで、希釈した物質を、12ml CM-Spherodexカラムに連結した100ml Q -Sepharoseカラムという連続配置である2つのカラムにロードした。両方のカラ ムを、新たな滅菌樹脂を用いて構築し、そして20mM MES(pH5.5)、200mM NaClを 用いて予め平衡化した。Q-Sepharoseカラムはサンプル物質中の全ての核酸を除 去するために役立ち、そしてタンパク質はこの樹脂には結合しない。約3リット ルのタンパク質含有物質をロードした後、Q-Sepharoseカラムを取り外し、そし てCM-Spherodexカラムを、溶出物のA280吸光度が緩衝液単独と同じになるまで洗 浄液を用いて洗浄した。タンパク質は、20mM MES、400mM NaCl(pH5.5)中で約1 80mlの容量でカラムから溶出した。次いで、この溶出した画分を、タンパク質濃 縮のためにより小さな(2ml)CM-Spherodexカラムに再度ロードし、そして結合 したタンパク質を、約12mLの容量における20mM MES、1.2M NaCl(pH5.5)の一工 程で取り出した。次いで、タンパク質を、20mMクエン酸ナトリウム、150mM NaCl (pH5.5)緩衝液を用いて予め平衡化した、150mlの発熱物質を含まないSephacry l S-100カラムに直接ロードした。カラム画分を、クーマシー染色(0.5%クーマ シーブリリアントブルーR、25%イソプロパノール、10%メタノール、10%酢酸 )したSDS-PAGEおよびウェスタン分析により分析した。ウェスタン分析を、1: 1000希釈のウサギ抗ヒトBPI抗血清を用いて行なった。非グリコシル化rBPIタン パク質を含んでいた画分をプールし、そしてクーマシー染色したSDS-PAGEにより 分析した場合に95%よりも高い純度である最終ロットとした。 このように調製および精製したタンパク質を、精製した非グリコシル化rBPIタ ンパク質の結晶化研究のために濾過および/または濃縮した。タンパク質サンプ ルを、必要に応じて0.2μmシリンジフィルター(Millipore Corp.,Bedford,MA )または0.2μm Nalgeneフィルター(Nalge Corp.,Rochester,NY)を用いて濾 過し、沈澱を除去した。タンパク質サンプルを、Centricon 10(Amicon Corp., Beverly,MA)またはCentriprep 10(Amicon Corp.,Beverly,MA)において濃 縮した。Centricon 10濃縮器については、J2-21 Beckman遠心分離機中のJA 20 ローター(Beckman,Fullerton,CA)を、6000rpmにて60分間用いた。Centripre p 10濃縮器については、J-6B Beckman遠心分離機中のスイングバケットローター を、3000rpmにて60分間用いた。本明細書中に記載さえた結晶化研究のために調 製された種々のタンパク質サンプルについての最終容量は、約0.1mL〜約1mLの 範囲であり、そしてタンパク質濃度は一般に約10mg/mLおよび約20mg/mLであった 。タンパク質溶液は、結晶化研究のために、約5mg/ml〜約50mg/mlに希釈また は濃縮され得る。 実施例2:結晶化されたBPIタンパク質の構造決定 本明細書中に提示されるのは、2.4Åの分解能での、BPIおよび2つの結合した リン脂質の結晶構造である。本発明者らのモデルは、LPS結合および脂質輸送タ ンパク質ファミリーについての初めての構造情報を提供し、そしてそのメンバー についての脂質結合の共通モデルを示唆する。 CHO細胞中で発現され精製された全長の非グリコシル化組換えヒトBPIを、室温 での懸滴蒸気核酸により結晶化させた。タンパク質濃度は8.5mg/mlであり、そし て結晶化緩衝液は、12%(w/v)PEG8000、200mM酢酸マグネシウム、および100mMカ コジル酸ナトリウム(pH6.8)を含んでいた。わずかに異なるセル寸法を有する 2つの結晶形態が、1非対称ユニットあたり1分子で、空間群C2において同じ 条件下で成長した。1型結晶は再現性があり、そしてa=185.0、b=37.2、c =84.3Å、およびβ=101.3°のセル寸法を有していた。2型結晶は稀なようで あり、そしてa=185.6、b=33.0、c=85.2Å、およびβ=101.6°のセル寸法 を有していた。 表1について、X線回折データを、Rigaku RU200回転アノードX線生成器に装 着したR-AXIS IICイメージングプレート領域検出器を用いて室温で収集した。デ ータを、DENZOおよびSCALEPACK[Z.Otwinski,Proceedings of CCP4 Study Wee kend:Data Collection and Processing,L.Sawyer,N.Isaacs,S.Baileys編(S ERC Daresbury Laboratory,Warrington,UK,1993),56頁]を用いて処理した 。1型結晶については、2.8Åに設定した天然のデータを、単一結晶から収集し 、これは全体として92.4%完全であった(最も外側の分解殻において平均I/σ(I )=2.3で84.9%完全)。2型についての2.4Åに対するネイティブデータセットを 、2つの結晶から収集し、そして全体として92.7%完全であった(最も外側の分 解殻において平均I/σ(I)=2.6で94.6%完全)。これらは信頼性を有して再現さ れ得るので、1型結晶を全ての重原子浸漬のために用いた。構造を、複数同形置 換(MIR)により説明した。重原子部位を、差分パターソンおよび差分フーリエ マップにより同定した。位相洗練を、0.57の平均良度指数(FOM)を生じる[Coll aborative Computational Project No.4,Acta Crystallogr.,D50:760(1994)]を 用いて行なった。MIRマップ(図3)を、DM[Collaborative Computationa l Project No.4、前出]を用いる溶媒平坦化(solvent flattening)、ヒストグ ラムマッチング、および位相拡張(phase extension)を含む密度修飾により改 良した。FRODO[T.A.Jones,J.Appl.Crystallogr.,11:268(1978)]を用いて部 分モデルを得た後、位相組合せを、SIGMAA[Collaborative Computational Proj ect No.4、前出](最終FOM=0.89)を用いて行なった。CMNPは、クロロ-Hg-ニ トロフエノールであり;DMMは、ジメチル水銀であり;PCMBSは、パラクロロ水銀 -ベンゼンスルホネートであり;TELAは、酢酸トリエチル鉛である。 表2は、モデル洗練および統計に関する。このモデルを、X-PLORとのシミュレ 46:585(1990)]およびマニュアルリビルディング(manual rebuilding)の繰返ure,355:472(1992)]計算についての洗練が始まる前に取っておいた。モデルを 、20.4%のR因子*(Rfree=32.6%)について2.8Åのデータを用いて洗練した 場合に、剛体最小化を2.4Åのデータセットに対して行なった(最小化後は3.5Å に大してR=29.8%)。シミュレートアニーリング、位置洗練、関連個別温度因 子洗練、およびマニュアルリビルディングのさらなるサイクルは、R因子を22.7 %まで低減させ、そしてRfree=31.3%であった(強度のカットオフなし)。全 体にわたる非等方性温度因子およびバルク溶媒補正を、Rfreeが改善を示した場 合に、観察された洗練に適用した。このモデルを、シミュレーションアニーリン グ削除マップを構造の全ての部分について計算することにより確認した。最終モ デルは、タンパク質の456残基の全て、良く整理された48個の水、および2分子 のホスファチジルコリンを含む。疎電子密度を有するバックボーン領域は、残基 148、232〜236、258〜260、および残基281〜311の間のループの部分を含む。ほ とんど密度が規定されていない側鎖は、アラニンへと切り捨てられた。このモデ ルを、プログラムPROCHECK[R.A.Laskowski,M.W.McArthur,D.S.Moss,J.M.T hornton, erg,Nature,356:83(1992)]、およびERRAT[C.ColovosおよびT.Yeates,Prote in Sci.,2:1511(1993)]調べた。 BPIは、135×35×35Åのおよその寸法を有するブーメラン型分子である(図1 、AおよびB)。これは、21残基のプロリンリッチリンカー(230位〜250位)に より連結される類似のサイズの2つのドメイン(NH2末端およびCOOH末端 )からなる。2つのドメインは、3つの構造単位を形成する;バレルが、タンパ ク質の各末端に見出され、そして中心のβシートはバレル間の界面を形成する。 2つのドメインの二次構造およびトポロジーは類似であり、タンパク質を偽二倍 対称(pseudo-twofold symmetry)とする。 各バレル(残基10〜193および260〜421)は、以下の順で3つの共通の構造エ レメントを含む:短いαヘリックス、5本鎖逆平行βシート、および長いヘリッ クス(図2A)。本発明者らは、これらのエレメントを、NH2末端ドメインにお けるヘリックスA、シートN、およびヘリックスB、およびCOOH末端ドメイ ンにおけるヘリックスA’、シートC、およびヘリックスB’と呼ぶ。シートN およびCは、それらの鎖の方向を変更し、これらのシートにおいて著しい曲線を 生じる一連のβバルジを有する。各々のドメインにおいて、長いヘリックスは、 シートの凹面に沿って存在し、βシート鎖に対して約60°のヘリックス軸を有す る。Cys135とCys175との間の単一のジスルフィド結合が、ヘリックスBをシート Nの最終鎖に固定する。NH2末端バレルとCOOH末端バレルとの間に位置し ているのは、NH2末端ドメインからの4つの鎖およびCOOH末端ドメインか らの3つの鎖からなる撚られた7本鎖の逆平行βシートである。この中心のシー トは、2つのドメインの間の界面を形成し、従ってβシート鎖の間の水素結合に より安定化されたいくつかのダイマーの界面を暗示する[M.Leeson,B.Henderso n,J.Gillig,J.Schwab,およびJ.Smith,Structure,4:253(1996);D.Ohlendorf ,W.F.Anderson,M.Lewis,C.O.Pabo,B.W.Matthews,J.Mol.Biol.,169:757(19 83);G.N.Reeke,J.W.Becker,G.M.Edelman,J.Biol.Chem.,250:1525(1975)]。 BPIの2つのドメインの構造類似性は、図2Bにおいて重ね合わせ[G.H.Cohen,J .Mol.Biol.,190:593(1986)]により示される。これらは、173°の回転により関 連し、そし169 Cα対の重ね合わせに基づく3.0Åの平方平均2乗偏差(rmsd)を 有する。これらの2つのドメインにより共有される構造は、他のタンパク質の折 り 畳みとは似ていない;いくつかの構造配置プログラム[N.N.AlexandrovおよびD. Fisher,Proteins,25:354(1996);D.Fisher,C.J.Tsai,R.Nussinov,Protein E ng.8:981(1995);L.Holm,C.Sander,Nucl.AcldsRes.,22:3600(1996)]は、任意 の公知の折り畳みに対して有意なマッチングを示さなかった。重ね合わせたドメ インの間の有意差は、NH2末端ドメインに残基45および96を、そしてCOOH末端ド メインに残基280および348を含有する2つのループ領域に見出される。これらの 差違は、機能的に重要であり得る。なぜなら、NH2末端ドメインにおける残基45 および96の周辺のループは、LPS結合および殺菌活性に関係しているからである (以下を参照のこと)。有意な配列同一性がないこと(<20%)からだけでなく 、それらの構造的差違からも、2つのドメインのこの構造的類似性は、予期しな いものであった。BPIのNH2末端ドメインはカチオン性であり、そしてインタクト なタンパク質の殺菌活性、LPS結合活性、およびLPS中和活性を保持する[A.H>Ho rwitzら,Protein Expr.and Purif.,8:28(1996);C.E.Ooi,J.Weiss,P.Elsbach ,B.FragioneおよびB.Mannlon,J.Biol.Chem.,262:14891-14894(1987);C.E.Ooi ,J.Weiss,M.E.DoerflerおよびP.Elsbach,J.Exp.Med.,174:649(1991)]。CO OH末端ドメインは、本質的に中性であり、そして制限されたLPS中和活性を示す [S.L.Abrahamsonら,J.Biol.Chem.,272:2149(1997)]。しかし、2つのドメイ ンの構造的類似性は、以前に検出されていない機能的類似性を反映し得る:各ド メインは、リン脂質に対する結合ポケットを含む。 アミノ酸配列が電子密度マップにおいて確証された後では、タンパク質の原子 では説明できない拡張された電子密度の2つの領域が残った。両方のドメインの 内部に見出されたこの密度は、複数同形置換(MIR)マップにおいて、タンパク 質密度の強度と類似の強度で存在し(図3)、そしてこれは配列合わせの後のFobs −Fcalcにおける優勢な特徴となった(1型および2型の両方の結晶)。結 晶化のために用いたサンプルのエレクトロスプレー質量分析法は、ほぼ等しい量 で522および787の相対分子量を有する2つの分子を示した。タンデム質量分析は 、ホスファチジルコリン頭部基を含有するホスホグリセリド、および1または2 のいずれかの1つの二重結合を有する18炭素アシル鎖である2つの種と一致した 。ホスファチジルコリン(図4A)は、真核生物細胞中に豊富であり、おそらくタ ン パク質を単離した細胞中のBPIと結合している。 2つの脂質は、NH2末端バレルおよびCOOH末端バレルと、中心のβシートとの 間に位置するブーメランの凹型表面上の大量の無極性ポケットにおいて結合して いる。NH2末端ドメインでは、ポケットへの入口は、ヘリックスAおよびBによ り形成される。後部および側部は、シートNおよび中心のシートにより形成され る。2つのアシル鎖は、約15Åをタンパク質の内部に挿入し、そして無極性側鎖 により取り囲まれる(図4B)。頭部基は、ポケットの入口に存在し、そして溶媒 に曝露される。COOH末端ドメインにおけるポケットは、わずかにより大きな開口 部を有し、類似の二次構造により形成される。ポケットの入口の付近に見出され る塩基性および酸性の側鎖は、両性イオン頭部基との静電的相互作用に利用可能 である。脂質がモデルから除去される場合、NH2末端ドメインにおけるポケット は、557Å2の溶媒に接近可能な表面積を有し[M.L.Connolly,Science,221:709 (1983);M.L.Connolly,J.Am.Chem.Soc.,107:1118(1985)]、そしてCOOH末端ドメ インにおけるポケットは、413Å2の面積を有する(合計970Å2)。両方のポケッ トにおける2つのアシル鎖についての電子密度の強度は類似し、そして単一のア シル鎖種がいずれのポケットにおいて優先的に見出されるのかを示さない。 本発明者らの構造における結合したリン脂質の発見は、BPIとLPSとの間の相互 作用の可能な部位を示唆する。図4Aに見られるように、ホスファチジルコリン およびLPSは、負に荷電したリン酸基および、その代表であるアシル鎖を含む、 いくつかの構造上の類似性を共有する。BPIの機能は、脂質であるLPSに結合する ことであり、そして脂質はBPIのポケットに結合されるので、LPSのアシル鎖が、 無極性ポケットに結合することは当然なようである。以下の観察は、彼の仮説を 支持する:i)脂質Aのアシル鎖は、BPIによる結合のために不可欠であることが 知られる[H.Gazzano-Santoroら、Infection and Immunity,63:2201(1995)];ii )BPIの結合ポケットは、他の脂質結合タンパク質の空洞を連想させる[L.Banasz akら、Adv.Protein Chem.,45:89(1994)];およびiii)BPIは、2つの脂質伝達タ ンパク質と有意な配列類似性を有する(以下を参照のこと)。 本発明者らが提唱したBPIとLPSのアシル鎖との間の相互作用の部位は、NH2末 端ドメインに焦点を合わせた以前の研究によって示唆される部位とは異なる。BP IのNH2末端ドメインを含むフラグメントは、全長タンパク質に関連して、同等ま たはより高い殺菌性およびLPS結合活性と共に同定されてきた[A.H.Horwitzら、P rotein Expression and Purification,8:28(1996);C.E.Ooi,J.Weiss,M.E. DoerflerおよびP.Elsbach,J.Exp.Med.,174:649(1991)]。12位を過ぎるかま たは169位と199位との間の残基が欠失された場合、1つのNH2末端フラグメント の活性が、減少された[C.CapodiciおよびJ.Weiss,J.Immunol.,156:4789(19 96)]。構造は、これらの欠失が、バレル(barrel)(ヘリックスAの初めおよびヘ リックスBの中央から終わりで)のエレメントに影響し、そしてその構造を有意 に変化させ得ることを示す。バレルは完全な活性を有する構造上の最小単位であ るようだが、このドメインの3つのより小さな領域は、有意なLPS結合、LPS中和 、および殺菌活性を保持する[R.G.Little,D.N.Kelner,E.Lim,D.J.Burkeお よびP.J.Conlon,J.Biol.Chem.,268.、1865(1994)]:残基17〜45(ヘリック スAのほとんど、およびシートNの第1のβ鎖)、残基82〜108(βヘアピン[BPI の残基82〜106]は、limulus抗LPS因子(LALF)の残基32〜51と限定された配列類似 性を示し、そしてLALF構造で見られる構造と類似の両親媒性βヘアピンを形成す ることが予想されてきた[A.Hoess,S.Watson,G.R.SilberおよびR.Liddingt on,EMBO 12:3351(1993)]。BPIのこの領域は、βヘアピンを形成するが、LALF中 でみられるループの厳密な両親媒性特徴は維持されず、そして構造上の重ね合わ せは、BPIの配列が、提唱された配列整列(シートNの第3鎖と第4鎖との間) 、および残基142〜169(ヘリックスBの部分の前に存在し、そしてヘリックスB の部分を含むセグメント)に関連する1つの残基によってシフトされなければな らない。これらの3つの領域は18の塩基性残基(および4つのみの酸性残基)を 含み、そしてNH2末端ドメイン(図1の左)上に正に荷電したチップ(tip)(これ は、LPSの負に荷電した基と好ましい静電気的相互作用を生成し得る)を形成す る。さらなる研究は、BPIのLPS結合および殺菌活性のための無極性ポケット、お よび正に荷電したNH2末端チップの相対的重要度を決定するために不可欠である 。 BPIは、決定された3次構造を有する噛乳動物LPS結合および脂質移入ファミリ ーの第1のメンバーである。BPIおよびLBPは、2つの脂質移入タンパク質、コレ ステロールエステル移入タンパク質(CEPT)およびリン脂質移入タンパク質(PLTP) に関連する[A.Tall,Annu.Rev.Biochem.,64:235(1995)]。BPIの2次構造を 有するヒトBPI、LBP、CETP、およびPLTPのアミノ酸配列の整列(図5AおよびB) は、構造上重要な残基が4つのタンパク質に保存されることを示す。単一のジス ルフィド結合を形成し、そしてBPIの機能に重大な意味をもつ2つのシステイン[ A.H.Horwitzら、Protein Expression and Purification,8:28(1996)]は、完全 に保存される。また、β鎖中の疎水性/親水性残基のパターンは、広範なシート のねじれの原因であるβバルジが、保存されることを示す。保存された配列は、 LPS結合のファミリーおよび脂質移入ファミリーのメンバーが、BPIの2つのドメ イン構造を共有し、そしてこれらの2つのドメインが、位相幾何学において類似 することを強く示唆する。 脂質移入タンパク質はまた、BPI中で見出された無極性結合ポケットを共有す るようである。目立った類似点は、本発明者らのBPIホスファチジルコリン構造 と以前の研究(CEPTがホスファチジルコリンの等モル量を同時精製し[A.Tall, Annu.Rev.Biochem.,64:235(1995)]、そして2つの個別の結合部位(1つは中 性脂質のための、別のものはリン脂質ための部位)を有する[S.Wang,L.Deng, R.W.MilneおよびA.R.Tall,J.Biol.Chem.,267:17487(1992)])ことを示す) との間に見出される。CETPおよびPLTPの公知のリガンド(コレステロールエステ ル、トリグリセリド、レチニルエステルおよびリン脂質)は全て、少なくとも1 つのアシル鎖(これは、BPI中のポケットに類似の無極性ポケットと結合し得る )を含み、このファミリー中に結合するリガンドの共通の態様を示唆する。内部 ポケット中のこれらの疎水性鎖の隔離は、脂質移入タンパク質の機能(すなわち 、水性環境における無極性リガンドの移入)に重大な意味をもち得る。従って、 BPIの構造は、血漿脂質移入タンパク質の作用を解明し、そしてBPIおよびLBPが 、どのようにLPSと相互作用するかについてのの可能性を提供する。 実施例3:BPIリガンドおよび模倣物の分子モデリング 本発明者らは、当該分野の技術(例えば、これは、種々のBPI関連タンパク質 およびペプチドを設計するためのWO94/20532(PCT/US94/02465を含む)に沿って、 本明細書中で示されるBPIのX線結晶構造から得られた情報を使用した。これら の構築物は、以下に示されるようなカテゴリーに分けられ得る。これらはペプチ ドおよびタンパク質を含み、タンパク質のフラグメント、アナログ、および改変 体を含む。なぜならそれらは、種々のドメインおよび部分が新規の分子を完成さ せるように集まり得る、種々の方法を最もよく記載しているからである。 1. 個々のペプチドドメイン:重複しているBPIペプチドデータは、BPIのN末 端ドメインが、少なくともBPIの1つ以上の生物学的活性(これは、例えば、抗 菌活性、抗真菌活性、抗ヘパリン活性および抗血管形成活性を含む)を有する少 なくとも3つの独立した機能性ドメインを含むことを示した。ドメインIは、ア ミノ酸残基約17〜約45の領域である;ドメインIIは、アミノ酸残基約65〜約99の 領域である;そしてドメインIIIは、アミノ酸残基約142〜約169の領域である。 これらのドメインから誘導される何百ものペプチド配列が合成され、これらは、 ドメイン誘導配列の付加、欠失および置換改変体を含む。さらなる改良によって 、これらのドメイン内(例えば、ドメイン11の90〜99残基内でおよびドメインII Iの148〜161残基内で)のより小さな「コア」領域が、高いレベルの活性をなお 保持することが同定されている。 これらのペプチドには、活性を最大に示すコンフォメーションを仮定してもし なくてもよい線状分子が含まれた。X線結晶構造データから、インタクトなタン パク質の状況外で構築される場合、BPIのセグメントが、当然これらのドメイン の3次構造を保持するように設計される。例えば、ドメインIおよびドメインII の両方ともが、分子の近位のチップ上の空間で互いに隣接して位置されるヘアピ ンループ構造を含む。対照的に、ドメインIIIは、ヘリックス+ターンであり、 そしてループではないが、ドメインの両末端からの広がりは、それらを共に連結 しているとみなされるほどに、互いに十分に近接して位置される。結果として、 ペプチドは、ジスルフィド安定化ドメイン模倣物を作製するために、合成ペプチ ドまたは組換えペプチド中の選択された残基をシステインと置換することによっ て、これらの構造を反映するように、設計され得る。このアプローチは、BPIの 実際の構造に基づくので、これは、BPIとLimulus変形細胞溶解因子(LALF)のよう なタンパク質の構造との間の推定整列に基づく他のグループのアプローチとは 異なる。これらの実施態様の例として、例示的なペプチドのシリーズが、以下に 列挙される。これは、N-およびC末端へ添加されるシステインと共に、インタク トなタンパク質中にみられる構造と類似の構造を仮定し得る:ドメインIから: 残基36〜54;ドメインIIから:残基84〜109、85〜108、86〜107、87〜106、88〜 105、89〜104、または90〜103;およびドメインIIから:残基142〜164。 2. ペプチドドメインハイブリッド:特定のペプチドドメインハイブリッド( これは、単一ドメインまたは配列の内部ドメイン組合わせからの同じ配列の反復 を含む)は、増強された活性を有することもまた証明されている。例えば、ドメ インIIとドメインIII誘導ペプチド(例えば、XMP.29:85〜99::148から161) との連結は、増強された生物学的活性を有する。興味深いことに、結晶構造にお けるこれらのドメインは、空間と密接に関連し、そしてペプチドXMP.29は、イン タクトなタンパク質といくつかの構造上の類似性を実際に共有する、ドメインII ::IIIハイブリッドを示し得る。X線構造に基づいて、おおよそ残基90〜103::1 46〜162からなるドメインII-IIIペプチドが構築される。このようなペプチドは 、タンパク質中で何が検出されようと、なおさらより密接に模倣し得る。 3.BPI「チップ」模倣物:上記で議論されるように、WO94/20532において発見 され、そして記載されるすべての3つのペプチドドメインの部分は、N末端フラ グメントの近位チップ上で一緒になる。結果として、BPI「チップ」模倣物は、 分子の最も極度なチップを本質的に「スライス」するが、重要なドメインエレメ ントを保存するように設計される。このようなスライスは、インタクトなタンパ ク質中に検出される疎水性ポケットが欠けているが、個々のセグメントの活性を 超える活性を示す。以下のセグメントは、3つのペプチドドメインのこのような 「スライス」を示し得る。しかし、ドメイン間の幾何学的条件を最良に保存する ために、適切な位置づけを保証するようにこれらの間の「リンカー」配列を挿入 することが、所望される。これらのセグメントを空間に固定することによって、 InsightII(Molecular Simulatlons,Inc.)のようなプログラムは、i)類似の構造 についてタンパク質データベースを探索すること、またはii)適切なリンカーを 新たに設計すること、によって可能なリンカー配列を同定し得る。この点に関し て、タンパク質分解に対して容易に影響を受けない残基(Ala、Ser.Glyなど) を利用すること、またはペプチド構造上に付加的な空間的制限を果す、Proのよ うなアミノ酸を利用することが所望され得る。例示的なペプチドは、ドメインI- II-III誘導エレメント:37〜54:90〜104:144〜162からなる。 同様に、上記に記載した環状ドメイン構造との類似性によって、残基37および 162が、タンパク質中で互いに近位で位置される事実は、環状チップ模倣物が、 システイン(例えば、Cys::38-54:90-104:144-161::Cys)とこれらの残基との 置換によって作製され得ることを示唆する。 4.伸長されたBPIのN末端ドメイン:BPIの3次構造は、N末端ドメインおよび C末端ドメインを形成する分子が、実施例2に記載されるような3つの構造単位 に分けられ得ることを示す。これらの単位のうちの2つは、それぞれ残基10〜19 3および260〜421によって形成されるN末端およびC末端「バレル」を示すが、 第3エレメントは、2つのバレル間に境界面を形成するような中央のβシート構 造である。興味あることは、BPI中の2つの結合したリン脂質が、2つのバレル 構造と中央のβシートとの間の空間を占有するという事実である。結果として、 組換えBPIタンパク質産物であるrBPI(これは、本質的に残基1〜193を含む)は 、完全な疎水性ポケットを形成するために必要な、いくつかの構造上の成分を欠 く。完全な疎水性ポケットを形成するために必要なほとんどの残基含む、残基1 から約260をコードする新しい分子が構築される。 5.rBPI21を固定するための変異体:BPIタンパク質産物のための1つの適用は 、溶液中のエンドトキシンについての親和性除去リガンドとしてのこれらの使用 である。例えば、カラムまたは膜マトリクス上に固定されているBPIタンパク質 は、これらの溶液を固定されたBPIタンパク質に単に通過させることによって、 エンドトキシン夾雑溶液からのエンドトキシンの除去を可能にする。上記に記載 されるいくつかのシステイン変異ペプチドは、この目的およびrBPI23のために有 用であり得る。あるいは、カラムまたは膜に対して、rBPI21のようなタンパク質 を安定に、容易に産生する選択的カップリングのために、システインが、N末端 またはC末端に付加され得、従って、固体支持体から離れて結合している「チッ プ」の部位特異的結合および選択的配向を可能にする。このような構築物は、BP Iタンパク質産物のC末端残基(例えば、rBPI(1〜193)の残基193)への短いリ ンカ ーセグメント(例えば、Gly-Gly-Gly-Ser)、続いてシステイン残基の付加によ って別に構築される。このような構築物は、残基1〜193のドメインの性質を提 供する、正確な折り畳みの高い可能性を有し、そして容易に結合可能である。同 様に、rBPI(l−193)Cと、他のチオール含有タンパク質または分子との間の新し い結合体のシリーズは、新しい分子を評価する目的のために作製される。 6.新しいN末端二量体分子:上記の分析の拡張として、N末端二量体分子の新 しいシリーズが、疎水性ポケットのより良い利点を得るように構築され得る。例 えば、C末端バレルをN末端バレルの別のコピーで置換することによって、2つ の機能性バレルおよび可能性のある2つの機能性疎水性ポケットを含むBPIのア ナログが作製される。1つのこのようなダイマーは、残基260〜456を、残基1〜1 93で置換することによって構築され得る。あるいは、他のより中央の位置は、β シート構造(ここで、対称性が、重複のための付加的なそしてより良い位置を指 示する)内で同定され得る。 7.C末端融合タンパク質:LBPおよびCETPのC末端ドメインは、CD14およびリポ タンパク質との相互作用を媒介するようである。同様に、BPIのC末端ドメインは 、LPS結合および中和活性を有する。結果として、BPI(または他のファミリーメ ンバー)のC末端バレルは、他のファミリーメンバーのバレルもしくはドメイン および/またはこれらの作用を変化/改変/増大させるための他のタンパク質と融 合され得る。 8.BPIファミリーメンバーの相同モデリング:BPI座標は、BPIタンパク質ファ アミリーの他のメンバーの分子モデルの産生に有用である。CLUSTAL(PC-Geneの 多重配列整列プログラム)および相同モジュール(SGIについてのInsightIIにお ける構造ベースの相同モデリングプログラム)を利用して、リポポリサッカライ ド結合タンパク質(LBP)、コレステロールエステル移入タンパク質(CETP)および リン脂質移入タンパク質(PLTP)の分子モデル(および対応する3次元座標ファイ ル)が、作製される。これらのファイルと共に、存在する変異体がマップされ、 そして新しい変異体が設計される。刊行されたデータ[Wangら、Biochemistry 30 :3484-3490,(1991)]は、CETPの3つの位置:残基48〜53、残基165、および残基 373〜379における挿入性の変化が、コレステロールエステル移入活性を著しく 損なわせたこと示す。CETPの残基48〜53および残基165は、それぞれBPIのドメイ ンIおよびドメインIIIと構造的に一致するので、BPIの機能性ドメイン構造は、 他のタンパク質ファミリーメンバーにまで及ぶ。同様に、N末端ドメインとC末端 ドメインとの間の対称性の効力によって、BPIのC末端チップ上の対応する残基 は、レセプターを認識することおよび/またはリポタンパク質と相互作用するこ とに関与するようである。 9.脂質ポケット変異体:BPI中の残基の詳細な複雑性(これらが、ポケットを 形成する)は、以下のように表3に記載される。表3の第1列目は、残基名およ び残基番号を示す。第2列目は、チエックされた残基(これらは、脂質結合によ って溶媒に接近し得る表面領域における変化を示す残基を示す)を示す。第3列 目は、4Åの脂質原子以内にいくつかの原子を有する残基を示すことでチェック された残基を示す。接触が脂質のヘッドグループ(head-group)に対してである場 合、残基は、ENTRYONLYの下の終わりに列挙される。第4列目は、3BPIおよび4 LBP配列(例えば、Ile68について、7配列のうちの3配列においてこの残基は、 Ileと類似する;他の4配列については、この残基はLeuである(第5列目もまた 参照のこと))における保存を示す。第5列目は、分析された7BPIおよびLBP配 列についての位置で、BPIまたはLBPに生じる代替残基を示す。第6列目は、十分 に保存され(特にN末端ドメインで)、そして比較的小さなために選択された残 基を使用して、ポケットをブロックするような変異についての残基を示す。示唆 された変異は、できるだけポケットのサイズを小さくするために、大きな側鎖に 対して全てである。 1 残基名および残基番号2 チェックされた残基は、脂質結合と溶媒接近可能な表面領域における変化を 示す。3 チェックされた残基は、脂質原子の4Å以内のいくつかの原子を有する(接 触が脂質のヘッドグループに対してである場合、この残基は、ENTRY ONLYの下の 終わりに示される。4 3BPI配列および4LBP配列(例えば、Ile68については、7配列のうちの3配 列においてこの残基は、Ileと類似する;他の4配列については、この残基はLeu である(注5を参照のこと))の保存を示す。5 分析された7BPIおよびLBP配列についての位置で、BPIまたはLBPに生じる代替 残基を示す。6 十分に保存され(特にN末端ドメインで)、そして比較的小さなために選択 された残基を使用して、ポケットをブロックするような変異についての残基を示 す。示唆された変異は、できるだけポケットのサイズを小さくするために、大き な側鎖に対して全てである 以下の略語が、タンパク質データバンク(「PDB」)、Brookhaven National L aboratory,Brookhaven,N.Y.によって確立された形式および使用法に従って、 表4において使用される。これらの座標は、PDB、IDコード1bplで寄託されてい る。本明細書中に記載されるBPIタンパク質の原子座標は、表4(本明細書62〜1 71頁)に表され、そして洗練統計はまた、表4の最後(本明細書172〜173頁)に 表される。表4は、米国特許出願第08/879,565号(1997年6月20日出願)の図6 (図6.1〜6.112)に対応する。 「原子型」は、その座標が測定される原子についていう。カラムの第1文字は 、原子を規定する。 「残基」は、当該分野で公知の標準的な3文字略語を使用するBPIタンパク質 配列中のアミノ酸をいう。 「#」は、残基数をいう。 「X、Y、Z」は、結晶学的に、測定される原子の3次元空間における原子の 位置を規定する。 「OCC」は、占有率値である。 「B」は、その原子の中心のまわりの原子の動きを測定する熱因子である。 10.有機模倣物(organomimetics) 本明細書中に記載されるBPIの分子モデリングは、「表面」模倣物のような有 機模倣物の調製に有用である。一例として、有機模倣物は「チップ」模倣物に基 づいて調製され、そこでは上記のようなチップの3次元座標が、「表面」(また は相補的ポケット)(その中に、コンピュータプログラムが同様な特徴を有する 有機分子を構築する)を作製するために使用される。 本発明の実施における多くの改変および変更が、前述の記載および現在好まし いその実施態様を考慮して、当業者に想到することが予想される。結果として、 本発明の範囲は、添付の請求項によって規定される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 キャロル,スティーブン エフ. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94596, ウォルナット クリーク,ミルトン アベ ニュー 1308 (72)発明者 エルゼンバーグ,デイビッド アメリカ合衆国 カリフォルニア 90024, ロサンゼルス,コムストック 342 【要約の続き】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.殺菌性/透過性増強(「BPI」)タンパク質をモデル化するための、BPIタン パク質、またはそのフラグメント、アナログ、もしくは改変体の原子座標の使用 。 2.殺菌性/透過性増強(「BPI」)関連脂質転移タンパク質をモデル化するため の、BPIタンパク質、またはそのフラグメント、アナログ、もしくは改変体の原 子座標の使用。 3.前記BPI関連脂質転移タンパク質が、リポポリサッカライド結合タンパク質( LBP)、コレステロールエステルトランスフェラーゼタンパク質(CETP)、または リン脂質転移タンパク質(PLTP)、またはこれらのフラグメント、アナログ、も しくは改変体である、請求項2に記載の使用。 4.前記BPIタンパク質が、表31に規定される少なくとも1つの結合ポケット のアミノ酸残基によって特徴付けられる結合部位を含む、請求項1〜3のいずれ かに記載の使用。 5.前記BPIタンパク質が、BPIの約17位〜約45位、約36位〜約54位、約65位〜約 99位、約84位〜約109位、約142位〜約164位、または約142位〜約169位から選択 される、少なくとも1つのアミノ酸配列、または該配列の改変体によって特徴付 けられる結合部位を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の使用。 6.前記BPIタンパク質が、表3に規定される少なくとも1つの結合ポケットの アミノ酸残基によって特徴付けられる結合部位、およびBPIの約17位〜約45位、 約36位〜約54位、約65位〜約99位、約84位〜約109位、約142位〜約164位、もし くは約142位〜約169位から選択される、少なくとも1つのアミノ酸配列、または 該配列の改変体によって特徴付けられる結合部位を含む、請求項1〜3のいずれ かに記載の使用。 7.殺菌性/透過性増強(「BPI」)タンパク質、またはそのフラグメント、アナ ログ、もしくは改変体を模倣するための化学化合物をコンピュータにより設計す るためのBPIタンパク質の原子座標の使用。 8.殺菌性/透過性増強(「BPI」)関連脂質転移タンパク質、またはそのフラグ メント、アナログ、もしくは改変体を模倣するための化学化合物をコンピュータ により設計するためのBPIタンパク質の原子座標の使用。 9.前記BPI関連脂質転移タンパク質が、リポポリサッカライド結合タンパク質 (LBP)、コレステロールエステルトランスフェラーゼタンパク質(CETP)、ま たはリン脂質転移タンパク質(PLTP)である、請求項8に記載の使用。 10.殺菌性/透過性増強(「BPI」)関連脂質結合タンパク質、またはそのフラ グメント、アナログ、もしくは改変体と結合し得る化学化合物を設計するための 、BPIタンパク質の原子座標の使用。 11.前記BPI関連脂質結合タンパク質が、リポポリサッカライド結合タンパク 質(LBP)、コレステロールエステルトランスフェラーゼタンパク質(CETP)、 またはリン脂質転移タンパク質(PLTP)、あるいはそのフラグメント、アナログ 、もしくは改変体である、請求項10に記載の使用。 12.脂質結合タンパク質の活性部位におけるリガンドのモデルを設計するため の、殺菌性/透過性増強(「BPI」)タンパク質の原子座標の使用。 13.前記脂質結合タンパク質が、殺菌性/透過性増強タンパク質(「BPI」)、 リポポリサッカライド結合タンパク質(LBP)、コレステロールエステルトラン スフェラーゼタンパク質(CETP)、またはリン脂質転移タンパク質(PLTP)、あ るいはそのフラグメント、アナログ、もしくは改変体である、請求項12に記載 の使用。 14.抗菌性、抗真菌性、抗マイコバクテリア性、抗クラミジア性、抗原生動物 性、ヘパリン結合性、内毒素結合性、ヘパリン中和化、内毒素中和化、腫瘍およ び内皮細胞増殖の阻害、血管形成の阻害、抗炎症性、抗凝固性、ならびに抗血栓 性からなる群から選択される少なくとも1つの活性を有する化合物を設計するた めの、殺菌性/透過性増強(「BPI」)タンパク質の原子座標の使用。 15.前記原子座標が表4に従う、請求項1〜14のいずれかに記載の使用。 16.殺菌性/透過性増強(「BPI」)タンパク質の3次元モデリングの方法であ って: (a)BPIタンパク質のX線回折測定からの3次元原子座標を、コンピュータ読 み取り可能形式で提供する工程; (b)適切なソフトウェアプログラムを使用して工程(a)からのデータをコ ンピュータに入力する工程; (c)可視化およびさらなるコンピュータ操作に適切なBPIタンパク質の3次元 構造表示を生成する工程、 を包含する、方法。 17.殺菌性/透過性増強(「BPI」)関連脂質転移タンパク質の3次元モデリン グの方法であって: (a)BPIタンパク質のX線回折測定からの3次元原子座標を、コンピュータ読 み取り可能形式で提供する工程; (b)適切なソフトウェアプログラムを使用して工程(a)からのデータをコ ンピュータに入力する工程; (c)可視化およびさらなるコンピュータ操作に適切なBPI関連脂質転移タンパ ク質の3次元構造表示を生成する工程、 を包含する、方法。 18.前記BPIタンパク質が、表3に規定される少なくとも1つの結合ポケット のアミノ酸残基によって特徴付けられる結合部位を含む、請求項16〜17のい ずれかに記載の使用。 19.前記BPIタンパク質が、BPIの約17位〜約45位、約36位〜約54位、約65位〜 約99位、約84位〜約109位、約142位〜約164位、または約142位〜約169位から選 択される、少なくとも1つのアミノ酸配列、または該配列の改変体によって特徴 付けられる結合部位を含む、請求項16〜17のいずれかに記載の使用。 20.前記BPIタンパク質が、表3に規定される少なくとも1つの結合ポケット のアミノ酸残基によって特徴付けられる結合部位、およびBPIの約17位〜約45位 、約36位〜約54位、約65位〜約99位、約84位〜約109位、約142位〜約164位、ま たは約142位〜約169位から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列、または該 配列の改変体によって特徴付けられる結合部位を含む、請求項16〜17のいず れかに記載の使用。 21.BPIタンパク質、またはそのフラグメント、アナログ、もしくは改変体の 原子モデルを提供するための方法であって: (a)該BPIタンパク質、またはそのフラグメント、アナログ、もしくは改変体 の結晶化形態での原子座標/X線回折データを記憶したコンピュータ読み取り可 能媒体を提供する工程であって、該データは、該BPIタンパク質、そのフラグメ ント、アナログ、もしくは改変体の3次元構造をモデル化するのに十分である、 工程; (b)コンピュータ上で該コンピュータ中で実行される少なくとも1つのサブ ルーチンを使用して、(a)からの原子座標/X線回折データを分析して、該BPI タンパク質、またはそのフラグメント、アナログ、もしくは改変体の原子モデル を規定する原子座標データ出力を提供する工程であって、該分析は、データ処理 および整理、自動索引付け、強度スケーリング、強度マージング、振幅変換、切 り捨て、分子置換、分子アラインメント、分子洗練、電子密度マップ計算、電子 密度修飾、電子マップ可視化、モデル構築、剛体洗練、位置洗練からなる群から 選択される少なくとも1つのコンピュータアルゴリズムを使用する、工程;なら びに (c)該BPIタンパク質、またはそのフラグメント、アナログ、もしくは改変体 の少なくとも1つの3次元構造を規定する原子座標データを得る工程、 を包含する、方法。 22.請求項21に記載の方法であって、前記コンピュータ読み取り可能媒体が 、図2〜20または表2のBPI配列または変異体一次配列、またはそのフラグメ ントの少なくとも1つに対応する、BPI、LBP、CETP、またはPLTPの少なくとも1 つの構造ドメインまたは機能的ドメインを含む核酸配列またはアミノ酸配列デー タに対応するデータをさらに記憶しており;そして前記分析工程が、該配列デー タを分析する工程をさらに包含する、方法。 23.BPIタンパク質、またはそのフラグメント、アナログ、もしくは改変体、B PI変異体、またはBPIフラグメントの3次元構造の原子モデルデータを提供する ためのコンピュータに基づくシステムであって、以下の要素: (a)該BPIタンパク質、またはそのフラグメント、アナログ、もしくは改変体 の原子座標/X線回折データを記憶した少なくとも1つのコンピュータ読み取り 可能媒体(CRM); (b)コンピュータにおいて実行した場合に、コンピュータに(a)からの原子 座標/X線回折データを分析させ、該BPIタンパク質、またはそのフラグメント 、アナログ、もしくは改変体の原子モデルを規定する原子座標データ出力を提供 する、少なくとも1つの計算サブルーチンであって、該分析が、データ処理およ び整理、自動索引付け、強度スケーリング、強度マージング、振幅変換、切り捨 て、分子置換、分子アラインメント、分子洗練、電子密度マップ計算、電子密度 修飾、電子マップ可視化、モデル構築、剛体洗練、位置洗練からなる群から選択 される少なくとも1つの計算サブルーチンを利用する、サブルーチン;ならびに (c)該BPIタンパク質、またはそのフラグメント、アナログ、もしくは改変体 の3次元構造を実質的に規定する原子座標出力データを得るための検索手段、 を包含する、システム。 24.BPIタンパク質、またはそのフラグメント、アナログ、もしくは改変体の リガンドのコンピュータ原子モデルを提供するための方法であって、 (a)該BPIタンパク質、またはそのフラグメント、アナログ、もしくは改変体 の原子座標データを記憶したコンピュータ読み取り可能媒体(CRM)を提供する 工程; (b)該BPIタンパク質、またはそのフラグメント、アナログ、もしくは改変体 の潜在的なリガンドの原子モデルを生成するのに十分な原子座標データを記憶し たCRMを提供する工程; (c)コンピュータ上で、該コンピュータにおいて実行される少なくとも1つ のサブルーチンを使用して、(a)からの原子座標データおよび(b)からのリガ ンドデータを分析して、BPIタンパク質、またはそのフラグメント、アナログ、 もしくは改変体の結合部位を決定し、そして該BPI、BPI変異体、またはそのフラ グメントの少なくとも1つのリガンドの原子モデルを規定する原子座標データを 提供する工程であって、該分析が、データ処理および整理、自動索引付け、強度 スケーリング、強度マージング、振幅変換、切り捨て、分子置換、分子アライン メント、分子洗練、電子密度マップ計算、電子密度修飾、電子マップ可視化、モ デル構築、剛体洗練、位置洗練からなる群から選択される計算サブルーチンを利 用する、工程;ならびに (d)該少なくとも1つのリガンドの該BPIタンパク質、またはそのフラグメン ト、アナログ、もしくは改変体の3次元構造を規定する原子座標モデル出力デー タを得る工程、 を包含する、方法。 25.BPI、BPI変異体、またはそのフラグメントの少なくとも1つのリガンドの 原子モデルを提供するためのコンピュータに基づくシステムであって、以下の要 素; (a)BPI、その変異体、またはフラグメントの原子座標データを記憶したコン ピュータ読み取り可能媒体(CRM); (b)BPI、変異体、またはフラグメントの潜在的なリガンドの原子モデルを生 成するために十分な原子座標データを記憶したCRM; (c)コンピュータ上で、(a)および(b)からの原子座標データを分析して 、BPIタンパク質、またはぞのフラグメント、アナログ、もしくは改変体の結合 部位を決定し、そしてBPIタンパク質、またはそのフラグメント、アナログ、も しくは改変体の少なくとも1つの潜在的リガンドの原子モデルを規定する出力デ ータを提供するための少なくとも1つの計算サブルーチンであって、該分析が、 データ処理および整理、自動索引付け、強度スケーリング、強度マージング、振 幅変換、切り捨て、分子置換、分子アラインメント、分子洗練、電子密度マップ 計算、電子密度修飾、電子マップ可視化、モデル構築、剛体洗練、位置洗練から なる群から選択される少なくとも1つの計算サブルーチンを利用する、サブルー チン;ならびに (d)BPIタンパク質、またはそのフラグメント、アナログ、もしくは改変体の 該少なくとも1つのリガンドの原子座標データを得るための検索手段、 を包含する、システム。
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