JP2001514300A - 原油の全酸価を低減させるためのプロセス - Google Patents
原油の全酸価を低減させるためのプロセスInfo
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Abstract
Description
原油の全酸価(TAN)を低減させるための方法に関する。
酸が存在することは、製油業者だけではなく、より最近では製造業者にとっても
問題である。本質的には、多かれ少なかれほとんどすべての原油中に存在するこ
れらの酸は、腐食性であり、装置の故障を起こす傾向があり、更に、高い維持費
や、これらの酸が存在しない場合に比べてかなり頻繁な定期修理が必要となり、
製品の品質を低下させ、しかも環境処理問題を引き起こす。
版物の両方を含めて、非常に多く存在する。例えば、ナフテン酸を、除去可能か
またはそれほど腐食性でないなんらかの他の物質、例えば、塩、に変換するため
に多種の水性物質を原油または原油フラクションに添加することができる。ナフ
テン酸を除去するための他の方法も周知であり、具体的には、ゼオライト上への
吸収が挙げられる。このほかに、ナフテン酸の問題を克服するためによく行われ
る方法の1つとしては、比較的高いナフテン酸濃度に晒されるであろう製油所の
装置または製造業者の装置に高価な耐食性合金を使用することが挙げられる。も
う1つの一般的な実施手順としては、高いTANの原油とより低いTANの原油
とをブレンドすることが挙げられる。しかしながら、後者の原油は前者の原油よ
りも著しく高価である。Lazarらの1つの参考文献(米国特許第1,953
,353号)には、大気圧下および600〜750°F(315.6〜398.
9℃)の条件下で行われる抜頭原油または留出油のナフテン酸分解についての教
示がなされている。しかしながら、それは単にCO2を唯一のガス状非炭化水素
ナフテン酸分解生成物として認識するだけであって、反応妨害物質の蓄積を回避
することに対する対策はとられていない。
カ/アルミナ触媒を用いた水素化によって重質石油フラクションからナフテン酸
を除去することについての記載がある。より詳細には、このプロセスでは、有機
混合物中に含まれる硫黄化合物の存在下で、硫黄化合物に影響を及ぼすことなく
、オキソ化合物および/またはオレフィン系化合物、例えば、ナフテン酸、を優
先的に水素化する。これは、約450〜600°F(232.2〜315.6℃
)の温度において可逆水(reversible water)含有量が約1.
0wt%未満の酸化モリブデン含有触媒の存在下で、有機混合物に水素を作用さ
せることによって行われる。触媒の寿命は、再生処理によって長くなる。
めのプロセスが記載されている。このプロセスには、1〜50バール(100〜
5000kPa)および100〜300℃(212〜572°F)の条件下で、
アルミナ担体上にNi‐MoまたはCo‐Moを担持してなる触媒を用いて、未
蒸留であるかまたはナフサフラクションが留去された原油を水素化する処理が含
まれる。この明細書には、反応ゾーン中に水素をポンプ送液するとの記載がある
。水および二酸化炭素の分圧を制御することについては言及されていない。
スについての記載があるが、TAN低減についての説明はない。このプロセスの
第1のステップでは、担体物質上に担持された1種以上の金属を含んでなる触媒 を用いて、全原油フラクションであってよいフィードの水素処理が行われる。好
ましくは、金属は金属酸化物または金属硫化物であり、具体的には、アルミナま
たは少量のシリカを含有するアルミナなどの好適な担体物質上に担持されたモリ
ブデン、タングステン、コバルト、ニッケル、および鉄である。触媒は、固定床
、スラリー床、または流動床リアクタの形態で利用することが可能である。スラ
リー操作に関連して、触媒の粒子サイズ、フィード中の触媒濃度、および非担持
触媒(すなわち、担体を含有しない触媒)の使用については、いずれも言及され
ていない。
媒を用いて処理することにより石油留出油フラクションからナフテン酸を除去す
るためのプロセスが記載されている。水および二酸化炭素の分圧を制御すること
については言及されていない。
9,392号、および同第5,620,591号には、元素の周期表の第IVB
族、第VB族、第VIB族、第VIIB族、および第VIII族から選ばれる金
属の油溶性または油分散性化合物から、公称粒子サイズ1ミクロンを有する高分
散非担持触媒を調製すること、および該触媒を適用して、全原油または抜頭石油
原油などの重質フィードの水素化転化アップグレーディングを行うことについて
の教示がある。これらの特許は、参照により本明細書に組み入れる。これらの特
許中において、水素化転化とは、重質成分およびコークプレカーサ(すなわち、
コンラドソン炭素)の少なくとも一部分を、より低沸点の化合物に変換するため
に、水素の存在下で行われる触媒プロセスとして定義付けられている。プロセス
条件に関してこれらの文献で引用された最も広い範囲は、温度が644〜896
の°F(339.9〜480℃)の範囲、水素分圧が50〜5000psig(
446.08〜34516.33kPa)の範囲、およびフィードストックの重
量基準で、触媒金属量がl0〜2000wppmの範囲である。これらの文献は 重質フィードの転化アップグレーディングを指向するものであり、該触媒を使用
してナフテン酸などのカルボン酸を選択的に分解することが可能であることにつ
いては言及されていない。
理中に形成される妨害物質を除去するため不活性ガスで反応ゾーンをスイープし
ながら、少なくとも約400°F(204.44℃)、好ましくは少なくとも約
600°F(315.56℃)の温度で処理することが挙げられる。しかしなが
ら、この手法には、留出油フラクション中および軽油フラクション中に見られる
ナフテン酸の一部分が揮発するという欠点がある。こうしたナフテン酸は、熱処
理時にフラッシュする。更に、この方法では処理温度が高すぎて、パイプスチル
炉にかける前にこうした酸を分解することが望まれる下流での処理、すなわち、
約550°F(287.78℃)未満の温度における処理に適用することができ
ない可能性がある。
フラクション中の石油酸濃度をゼロにするかまたは少なくとも実質的に低減させ
ることが必要とされている。このような技術は、ASTM D‐664法により
測定した場合のTANが約2mgKOH/gm油以上である原油またはフラクシ
ョンに特に好適であろう。
方法に関する。本発明には、石油フィード中のカルボン酸の量を低減させるため
の方法が含まれる。この方法は、(a)該石油フィードに、第VB族、第VIB
族、第VIIB族、および第VIII族の金属からなる群より選ばれる金属の油
溶性または油分散性化合物を含んでなる触媒物質を、該石油フィード中の金属量
が少なくとも約5wppmとなるように添加するステップと、(b)該石油フィ
ードを、約400〜約800°F(約204.44〜約426.67℃)の温度
および15psig〜1000のpsig(204.75〜6996.33kP
a)の水素圧力のリアクタ中において該触媒物質と共に加熱するステップと、(
c)水と二酸化炭素の合計分圧を約50psia(約344.75kPa)未満
に保持するのに十分な速度で、該石油フィードおよび該触媒物質の入った該リア
クタを水素含有ガスでスイープするステップと、を含む。
リウムのミリグラム単位での重量として定義付けられる。(ASTM D‐66
4法を参照されたい。)
ら沸点1025°F(551.67℃)未満の物質への転化として定義付けられ
る。
えば、減圧ガス油フラクション、抜頭原油フラクション、減圧残油フラクション
、常圧残油フラクション、抜頭原油フラクション、減圧ガス油フラクションなど
、の石油フィード中に含まれるカルボン酸(例えば、ナフテン酸)が除去または
分解される。本発明の方法は、石油フィードのTANを少なくとも約40%低減
させる。
℃)、より好ましくは約450〜約750°F(約232.22〜約398.8
9℃)、最も好ましくは約500約〜約650°F(約260.00〜約343
.33℃)の温度で行われる。水素圧力は、約大気圧〜約2000psig(大
気圧〜約13891.33kPa)、好ましくは約15psig〜約1000p
sig(約204.75〜約6996.33kPa)、最も好ましくは約50p
sig〜約500psig(約446.08〜約3548.83kPa)である
。プロセスで使用される触媒の量は、1種または複数種の触媒金属として計算し
た場合、処理される石油フィードを基準に百万分の1重量部(wppm)を単位
として、少なくとも約5、好ましくは約10〜1000、最も好ましくは約20
〜約500wppmの範囲である。
約1025°F(551.67℃)を超える沸点を有するフラクション、の約4
0%未満が、約1025°F(551.67℃)未満の沸点を有する物質に転化
され、より好ましくは、約30%未満の減圧ボトムの転化が起こる。
ミクロン、最も好ましくは約0.5〜2.0ミクロンの範囲である。触媒は、第
VB族、第VIB族、第VIIB族、または第VIII族金属の油溶性または油
分散性化合物およびそれらの混合物などの本明細書中では、触媒物質とも記され
る、プレカーサから調製される。好適な触媒金属および金属化合物は、参照によ
り本明細書に組み入れる米国特許第4,134,825号に開示されている。油
溶性化合物としては、例えば、モリブデンナフテネートのようなナフテン酸の金
属塩が挙げられる。油分散性化合物としては、例えば、リンモリブデン酸および
七モリブデン酸アンモニウムが挙げられる。これらの物質は、最初に水中に溶解
され、次に油中水型混合物として油中に分散される。この場合の水相の液滴サイ
ズは、約10ミクロン未満である。
は油分散性金属化合物(1種または複数種)をプロセスフィードの一部分とブレ ンドし、触媒金属を少なくとも約0.2wt%、好ましくは触媒金属を約0.2
〜2.0wt%含有する濃縮物を形成する。例えば、参照により本明細書に組み
入れる米国特許第5,039,392号または同第4,740,295号を参照
されたい。得られるプレカーサ濃縮物は、プロセスで直接使用することができ、
または使用前に最初に金属硫化物濃縮物もしくは活性化触媒濃縮物に変換するこ
ともできる。
℃)において10〜15分間にわたり、(濃縮物を調製するために使用されるフ
ィードの一部分に添加された)元素硫黄または硫化水素を用いて処理することに
よって、金属硫化物濃縮物に変換することができる(例えば、参照により本明細
書に組み入れる米国特許第4,479,295号、同第5,039,392号、
および同第5,620,591号を参照されたい)。
°F(315.56〜398.89℃)で加熱することによって、触媒濃縮物に
変換することができる(例えば、米国特許第5,039,392号、同第4,7
40,295号、および同第5,620,591号を参照されたい)。濃縮物の
触媒は、濃縮物の油成分から誘導される炭化水素質マトリックス上に分配された
ナノスケールの金属硫化物部位から成る。全体的な粒子サイズを変化させること
は可能であるが、粒子サイズは、0.5〜10ミクロンの範囲内、好ましくは約
0.5〜5.0ミクロンの範囲内、より好ましくは0.5〜2.0ミクロンの範
囲内である。
媒濃縮物を利用することが可能である。いずれの場合においても、フィード中で
所望の金属濃度、すなわち、少なくとも約5wppm、好ましくは約10〜10
00wppmの濃度が得られるように、石油フィードを濃縮物と混合する。プレ
カーサ濃縮物または金属硫化物濃縮物を使用する場合、TAN転化リアクタ中の
加熱ステップにおいて、約0.5〜10ミクロン、好ましくは0.5〜5ミクロ
ン、最も好ましくは0.5〜2.0ミクロンの粒子サイズを有する触媒が形成さ
れる。
ル、コバルト、およびクロムが挙げられる。例えば、こうした金属のヘテロポリ
酸を使用することができる。モリブデンは、本発明のプロセスに特に好適である
。好ましいモリブデン化合物は、モリブデンナフテネート、モリブデンのジチオ
カルバメート錯体(例えば、参照により本明細書に組み入れる米国特許第4,5
61,964号を参照されたい)、リンモリブデン酸、およびモリブデンのホス
ホロジチオエート錯体(例えば、R.T.Vanderbilt Compan
yから供給されるモリブデンジ(2‐エチルヘキシル)ホスホロジチオエートで
あるMOLYVAN(登録商標)‐L)である。
スを制御下で燃焼させることにより得られる金属リッチな灰が挙げられる(例え
ば、参照により本明細書に組み入れる米国特許第4,169,038号、同第4
,178,227号、および同第4,204,943号を参照されたい)。アル
ミナの処理から得られる赤泥のように本明細書中に記載の粒子サイズ制約条件を
満足する微粉砕鉄ベース材料を使用することもできる。
酸の分解に対する妨害物質として作用する。水は特に強力な妨害物質である。従
って、プロセスに送られるフィードに水が含まれる場合、実質的にすべての水を
除去するためにプレフラッシュステップを使用してもよい。更に、反応ゾーンに
おける水および二酸化炭素の分圧が約50psia(約344.75kPa)未
満、好ましくは約30psia(約206.85kPa)未満、より好ましくは
約20psia(約137.9kPa)未満、最も好ましくは約10psia(
約68.95kPa)未満に保持されるように、フィードと共にプロセスに入る
痕跡量の水、ならびにカルボン酸の分解の過程で生成する水および二酸化炭素を
パージしなければならない。実質的にすべての水とは、本明細書中で使用する場
合、当業者に周知の方法によって除去可能な程度に多くの量の水を意味する。
る水および二酸化炭素の発生源は、以下に示す式によって説明することができる
ように思われる。水素によりカルボン酸が還元されると、還元された酸1モルあ
たり2モルまでの水(式A)または還元された酸1モルあたり1モルまでの水(
式B)を生じる可能性がある。還元と拮抗しうる熱反応は、分解された酸1モル
あたり1/2モルの水を生じる(式C)。
な妨害作用を有する可能性がある。二酸化炭素も同様に妨害物質であるが、その
程度はかなり低い。
水の圧力が増大する可能性があることを示すために、次のような仮想的な場合を
想定した。すなわち、本発明で設定された温度の範囲内で熱処理することによっ
て全原油のTANが5.3から0.3まで低下し、分解された酸1モルに対して
水1.25モルが生成する場合を想定した。水に対する分圧の計算値が、リアク
タ圧力およびスイープガス速度(すなわち、水素含有ガスの速度)の関数として
図1に示されている。72psia(496.44kPa)程度またはそれ以上
の高い水の分圧が酸の分解だけから得られることに注目されたい。従って、ドラ
イフィードを用いてプロセスを開始し、水の圧力が所定のレベル内に保たれるよ
うにスイープガス速度を保持することが特に好ましい。
のタイプおよび濃度にもよるが)、または濾過のような従来の手段によって除去
することが可能である。
のうち、熱分解条件下でコークを生じる成分に関する。ビスブレーキングのよう
な熱プロセスでは、生成物中のコンラドソン炭素は、フィード中に含まれるコン
ラドソン炭素と比較して増大する。この効果は表2の比較例5に示されている。
本発明のプロセスに対する条件の範囲内で、コンラドソン炭素の成長または増加
を完全に抑制することが可能であり、更に、コンラドソン炭素成分を非コンラド
ソン炭素成分に転化させることが可能である。好ましくは、コンラドソン炭素の
転化率は、0〜5%、より好ましくは5〜20%、最も好ましくは10〜40%
の範囲にあろう。
なんら制限されるものではない。
Kome原油とBolobo原油とのブレンドであった。他方は、ベネズエラ産
の極重質のCampo‐1‐Bare原油であった。いずれも使用前にバルクの
水を除去するために窒素パージにより230°F(110℃)まで加熱した。
は、仕込み原油に対してバッチモードで運転した。反応ゾーンにおいて、一定の
水素分圧を保持し、水および二酸化炭素の圧力を制御するように、水素をオート
クレーブに通して流動させた。
‐L*(8.1wt%Mo)0.61グラムをリアクタに仕込み、水素でフラッ シュし、次に、室温において水素で350psig(2514.58kPa)ま
で加圧した。その後、リアクタ送出口で背圧レギュレータを用いて圧力を350
psig(2514.58kPa)に保持しながら、0.1リットル/分の速度
でオートクレーブへの水素フローの送入を開始した。次に、攪拌しながら、62
5°F(329.44℃)までリアクタを加熱し、625°F(329.44℃
)および350psig(2514.58kPa)の状態を60分間保持した。
水素および水**の分圧の計算値は、それぞれ、329psia(2268.46
kPa)および13psia(89.64kPa)であった。250°F(12
1.11℃)まで冷却した時点で、リアクタをベントし、水素でフラッシュし、
通常、室温においてガスである炭化水素を含む軽質の炭化水素生成物を回収した
。その後、リアクタ油を送出し、リアクタのベント時に回収された液体炭化水素
と合わせ、そのブレンドの全酸価(TAN)を、ASTM D‐664法により
測定した。ただし、TAN=mgKOH/グラム原油(または生成物油)である
。TANの測定値は0.43であった。
る。 **分解された酸1モルあたり最大で1.25モルの水が生成すると仮定する。
obo原油ブレンドを625°F(329.44℃)で加熱したときに得られる
TAN転化度を示す。実施例#1の手順を繰り返した。ただし、MOLYVAN
(登録商標)‐Lは省き、30psig(308.18kPa)のリアクタ圧力
において不活性ガスをスイープさせて運転を行った。リアクタ生成物のTANは
3.40であった。
の水の分圧を20psia(137.9kPa)未満にして、Kome/Bol
obo原油のTANが分解されることを示している(表2)。このような処理を
行うと、同等な時間および温度において熱処理だけによって達成されるTAN(
実施例#2)よりも実質的により大きく低減したTANが得られる。
e原油であった。Moは、次の方法で調製された触媒プレカーサ濃縮物として供
給した。フィッシャー試薬等級のリンモリブデン酸8gを含む溶液を、脱イオン
水92g中に溶解し、次に、Autoclave Engineer製の300
ccMagnedrive Autoclave中において、176°F(80
℃)で攪拌しながら、溶液10gをCampo‐1‐Bare原油90g中に注
入した。176°F(80℃)で10分間攪拌した後、オートクレーブを窒素で
スイープし、温度を300°F(148.89℃)まで上昇させて水を除去した
。得られたプレカーサ濃縮物には、0.45wt%のMoが含まれていた。
mpo‐1‐Bare原油99.43gおよびプレカーサ濃縮物0.57gをオ
ートクレーブに仕込んだ。リアクタを水素でフラッシュし、次に、硫化水素を用
いて50psig(446.08kPa)まで加圧した。350〜400°F(
176.67〜204.44℃)で攪拌しながら10分間加熱した時点で、水素
を用いてリアクタ圧力を300psig(2169.83kPa)まで増大させ
、更に、0.12リットル/分(380SCF/B)でオートクレーブへの水素
の流入を開始した。リアクタガス送出ラインで背圧レギュレータを使用すること
により圧力を保持した。攪拌しながら120分間反応させたところ、温度は72
5°F(385.00℃)まで上昇した。リアクタ中の水の分圧の計算値は、5
.5psia(37.92kPa)であった(分解された酸1モルあたり水が1
.25モル生じると仮定した)。250°F(121.11℃)の間にリアクタ
をベントして大気圧にし、リアクタ中に残存している油を180〜200°F(
82.22〜93.33℃)で濾過することにより、触媒含有残査0.03gを
除去した。濾過したリアクタ油を、運転および後続のベントステップの間にリア
クタから取り出された軽質の液体と一緒にした。一緒にされた液体生成物は、9
6.9gの重量であり、0.10のTAN(mgKOH / gブレンド)を有し 、コンラドソン炭素が15.9wt%含まれていた。
Pa)の圧力で運転を行い、0.033g/分の速度で水をリアクタに供給した
。運転中、リアクタ中の水の分圧は、約92psia(634.34kPa)で
あった。触媒含有残査0.05gと、0.43のTANを有しコンラドソン炭素
15.4wt%を含有する生成物液体ブレンド96.4gとを回収した。
てアルゴンを用い、300psig(2169.83kPa)で実験を行った。
0.63のTANを有しコンラドソン炭素17.9wt%を含有する生成物液体
ブレンド97.4gを回収した。リアクタ中の水の分圧は、約92psia(6
34.34kPa)であった。
有するリアクタ仕込物を供給すべく、原油98.86gおよびプレカーサ濃縮物
1.14gをリアクタに仕込んだ。0.12リットル/分(380SCF/B)
の水素でスイープしながら、750°F(398.89℃)、300psig(
2169.83kPa)の条件で62分間運転を行った。リアクタ中の水の分圧
が55psia(379.22kPa)となるように、0.017g/分の速度
でリアクタに水を供給した。触媒残査0.05gと、0.31のTANを有しコ
ンラドソン炭素15.2wt%を含有する生成物液体ブレンド97.3gとを回
収した。
トル/分(780SCF/B)であり、その結果、リアクタ中の水の分圧は26
psia(179.27kPa)となった。触媒残査0.04gと、0.12の
TANを有しコンラドソン炭素15.4wt%を含有し104°F(40℃)に
おける動粘度が918センチストークである生成物液体ブレンド96.8gとを
回収した。 Campo‐1‐Bare原油を用いた実施例の概要(表3)
の比較から、TAN転化に対して水が妨害作用を示すことが分かる。この場合、
水の分圧が55から26psiaに(379.22から179.27kPaに)
低下したために、TANは0.31から0.12まで減少した。実施例#4と実
施例#5との比較から分かるように、本発明のプロセスに従って触媒と水素を併
用すると、所定の水の分圧において、水素および触媒の不在下で熱処理すること
によって得られる以上に高いTAN変換率が得られる。
た。この試験では、所定の条件下で石油材料の蒸発および熱分解を行った後、生
成した残留炭素の量を測定する。試験結果は、コンラドソン残留炭素試験(試験
方法D189)を使用して得られる結果と同等である。
イープ速度の関数として水分圧の計算値を表したものである。
1に記載されているように、元々あるかまたは処理中に形成される妨害物質を除
去するため不活性ガスで反応ゾーンをスイープしながら、少なくとも約400°
F(204.44℃)、好ましくは少なくとも約600°F(315.56℃)の
温度で処理することが挙げられる。しかしながら、この手法には、留出油フラク
ション中および軽油フラクション中に見られるナフテン酸の一部分が揮発すると
いう欠点がある。こうしたナフテン酸は、熱処理時にフラッシュする。更に、こ
の方法では処理温度が高すぎて、パイプスチル炉にかける前にこうした酸を破壊
分解することが望まれる下流での処理、すなわち、約550°F(287.78 ℃)未満の温度における処理に適用することができない可能性がある。
5.4wt%を含有する生成物液体ブレンド96.4gとを回収した。
有するリアクタ仕込物を供給すべく、原油98.86gおよびプレカーサ濃縮物 1.14gをリアクタに仕込んだ。0.12リットル/分(380SCF/B)の
水素でスイープしながら、750°F(398.89℃)、300psig(2 169.83kPa)の条件で62分間運転を行った。リアクタ中の水の分圧が 55psia(379.22kPa)となるように、0.017g/分の速度でリ
アクタに水を供給した。触媒残査0.05gと、0.31のTANを有しコンラド
ソン炭素15.2wt%を含有する生成物液体ブレンド97.3gとを回収した。
Claims (10)
- 【請求項1】 石油フィード中のカルボン酸の量を低減させるための方法で
あって、 (a)該石油フィードに、第VB族、第VIB族、第VIIB族、および第V
III族の金属からなる群より選ばれる油溶性または油分散性金属化合物を含ん
でなる触媒物質を、該石油フィード中の金属量が少なくとも約5wppmとなる
ように添加するステップと、 (b)リアクタ中において該石油フィードを、約400〜約800°F(約2
04.44〜約426.67℃)の温度および約15psig〜約1000ps
ig(204.75〜6996.33kPa)の水素圧力下、該触媒物質と共に
加熱するステップと、 (c)水と二酸化炭素の合計分圧が約50psia(約344.75kPa)
未満に保持されるように、該石油フィードおよび該触媒物質の入った該リアクタ
を水素含有ガスでスイープするステップと、 を含む方法。 - 【請求項2】 前記触媒物質が、全原油、抜頭原油、常圧残油、減圧残油、
減圧ガス油、およびそれらの混合物からなる群より選ばれる石油フィード中に調
製された、油溶性または油分散性金属化合物の触媒プレカーサ濃縮物を含む、請
求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 前記触媒物質が、全原油、抜頭原油、常圧残油、減圧残油、
減圧ガス油、およびそれらの混合物からなる群より選ばれる石油フィード中に調
製された、油溶性または油分散性金属化合物の金属硫化物濃縮物を含む、請求項
1に記載の方法。 - 【請求項4】 前記金属硫化物濃縮物が、前記金属硫化物が分散されている
前記石油フィードから誘導される炭素質固体と一緒になった金属硫化物成分を含
んでなる0.5〜10ミクロン触媒粒子の分散物を形成するのに十分な温度およ
び時間で加熱される、請求項3に記載の方法。 - 【請求項5】 前記触媒物質が、前記石油フィードから誘導される炭素質固
体と一緒になった金属硫化物成分を含んでなる0.5〜10ミクロン触媒粒子の
分散物である、請求項1に記載の方法。 - 【請求項6】 前記金属が、モリブデン、タングステン、バナジウム、鉄、
ニッケル、コバルト、クロム、およびそれらの混合物からなる群より選ばれる、
請求項1に記載の方法。 - 【請求項7】 前記油溶性または油分散性金属化合物が、タングステンまた
はモリブデンのヘテロポリ酸である、請求項1に記載の方法。 - 【請求項8】 前記油溶性または油分散性金属化合物が、リンモリブデン酸
、モリブデンナフテネート、およびモリブデンジアルキルホスホロジチオエート
からなる群より選ばれる、請求項1に記載の方法。 - 【請求項9】 水と酸化炭素の前記合計分圧が約30psia(約206.
85kPa)未満である、請求項1に記載の方法。 - 【請求項10】 前記加熱ステップの前に、前記石油フィードから実質的に
水が除去される、請求項1に記載の方法。
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