JP2001514299A - 原油の全酸価を低減させるためのプロセス - Google Patents

原油の全酸価を低減させるためのプロセス

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JP2001514299A JP2000507761A JP2000507761A JP2001514299A JP 2001514299 A JP2001514299 A JP 2001514299A JP 2000507761 A JP2000507761 A JP 2000507761A JP 2000507761 A JP2000507761 A JP 2000507761A JP 2001514299 A JP2001514299 A JP 2001514299A
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バーデン・ロビー・ジュニア
ブラム・ソール・チャールズ
オームステッド・ウィリアム・ネアガード
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    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10GCRACKING HYDROCARBON OILS; PRODUCTION OF LIQUID HYDROCARBON MIXTURES, e.g. BY DESTRUCTIVE HYDROGENATION, OLIGOMERISATION, POLYMERISATION; RECOVERY OF HYDROCARBON OILS FROM OIL-SHALE, OIL-SAND, OR GASES; REFINING MIXTURES MAINLY CONSISTING OF HYDROCARBONS; REFORMING OF NAPHTHA; MINERAL WAXES
    • C10G29/00Refining of hydrocarbon oils, in the absence of hydrogen, with other chemicals
    • C10G29/06Metal salts, or metal salts deposited on a carrier

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Abstract

(57)【要約】 本発明には、石油フィード中のカルボン酸の量を低減させるための方法が含まれる。この方法は、(a)該石油フィードに、第VB族、第VIB族、第VIIB族、および第VIII族の金属からなる群より選ばれる金属の油溶性または油分散性化合物を含んでなる触媒物質を、該石油フィード中の金属量が少なくとも約5wppmとなるように添加するステップと、(b)該石油フィードを、約400〜約800°F(約204.44〜約426.67℃)の温度および約大気圧〜約1000のpsig(約6996.33kPa)の圧力のリアクタ中において実質的に水素の不在下で該触媒物質と共に加熱するステップと、(c)水と二酸化炭素の合計分圧が約50psia(344.75kPa)未満に保持されるように、該石油フィードおよび該触媒物質の入った該リアクタを不活性ガスでスイープするステップと、を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、油中に存在するカルボン酸、特にナフテン酸の量に基づく数である
原油の全酸価(TAN)を低減させるための方法に関する。
【0002】 発明の背景 原油またはそのフラクション中に比較的高レベルの石油酸、例えば、ナフテン
酸が存在することは、製油業者だけではなく、より最近では製造業者にとっても
問題である。本質的には、多かれ少なかれほとんどすべての原油中に存在するこ
れらの酸は、腐食性であり、装置の故障を起こす傾向があり、更に、高い維持費
や、これらの酸が存在しない場合に比べてかなり頻繁な定期修理が必要となり、
製品の品質を低下させ、しかも環境処理問題を引き起こす。
【0003】 転化または吸収によるナフテン酸の除去について扱った文献は、特許および出
版物の両方を含めて、非常に多く存在する。例えば、ナフテン酸を、除去可能か
またはそれほど腐食性でないなんらかの他の材料、例えば、塩、に変換するため
に多種の水性物質を原油または原油フラクションに添加することができる。ナフ
テン酸を除去するのための他の方法も周知であり、具体的は、ゼオライト上への
吸収が挙げられる。このほかに、ナフテン酸の問題を克服するためによく行われ
る方法の1つとしては、比較的高いナフテン酸濃度に晒されるであろう製油所の
装置または製造業者の装置で高価な耐食性合金を使用することが挙げられる。も
う1つの一般的な実施手順としては、高いTANの原油とより低いTANの原油
とをブレンドすることが挙げられる。しかしながら、後者の原油は前者の原油よ
りも著しく高価である。Lazarらの1つの参考文献(米国特許第1,953,
353号)には、大気圧下および600〜750°F(315.6〜398.9℃
)の条件下で行われる抜頭原油または留出油のナフテン酸分解についての教示が
なされている。しかしながら、それは単にCOを唯一のガス状非炭化水素ナフ
テン酸分解生成物として認識するだけであって、反応妨害物質の蓄積を回避する
ことに対する対策はとられていない。
【0004】 このほかに、米国特許第2,921,023号には、酸化モリブデン担持シリカ
/アルミナ触媒を用いた水素化によって重質石油フラクションからナフテン酸を
除去することについての記載がある。より詳細には、このプロセスでは、有機混
合物中に含まれる硫黄化合物の存在下で、硫黄化合物に影響を及ぼすことなく、
オキソ化合物および/またはオレフィン系化合物、例えば、ナフテン酸、を優先
的に水素化する。これは、約450〜600°F(232.2〜315.6℃)の
温度において可逆水(reversible water)含有量が約1.0w t%未満の酸化モリブデン含有触媒の存在下で、有機混合物に水素を作用させる
ことによって行われる。触媒の寿命は、再生処理によって長くなる。
【0005】 WO96/06899には、炭化水素油から本質的にナフテン酸を除去するた
めのプロセスが記載されている。このプロセスには、1〜50バール(100〜
5000kPa)および100〜300℃(212〜572°F)の条件下で、
アルミナ担体上にNi‐MoまたはCo‐Moを担持してなる触媒を用いて、未
蒸留であるかまたはナフサフラクションが留去された原油を水素化する処理が含
まれる。この明細書には、反応ゾーン中に水素をポンプ送液するとの記載がある
。水および二酸化炭素の分圧を制御することについては言及されていない。
【0006】 米国特許第3,617,501号には、全原油を精製するための一体型プロセス
についての記載があるが、TAN低減についての説明はない。このプロセスの第
1のステップでは、担体物質上に担持された1種以上の金属を含んでなる触媒を 用いて、全原油フラクションであってよいフィードの水素処理が行われる。好ま
しくは、金属は金属酸化物または金属硫化物であり、具体的には、アルミナまた
は少量のシリカを含有するアルミナなどの好適な担体物質上に担持されたモリブ
デン、タングステン、コバルト、ニッケル、および鉄である。触媒は、固定床、
スラリー床、または流動床リアクタの形態で利用することが可能である。スラリ
ー操作に関連して、触媒の粒子サイズ、フィード中の触媒濃度、および非担持触
媒(すなわち、担体を含有しない触媒)の使用については、いずれも言及されて
いない。
【0007】 英国特許第1,236,230号には、気体水素を添加せずに担持水素処理触媒
を用いて処理することにより石油留出油フラクションからナフテン酸を除去する
ためのプロセスが記載されている。水および二酸化炭素の分圧を制御することに
ついては言及されていない。
【0008】 米国特許第4,134,825号、同第4,740,295号、同第5,039,3
92号、および同第5,620,591号には、元素の周期表の第IVB族、第V
B族、第VIB族、第VIIB族、および第VIII族から選ばれる金属の油溶
性または油分散性化合物から、公称粒子サイズ1ミクロンを有する高分散非担持
触媒を調製すること、および該触媒を適用して、全原油または抜頭石油原油など
の重質フィードの水素化転化アップグレーディングを行うことについての教示が
ある。これらの特許は、参照により本明細書に組み入れる。これらの特許中にお
いて、水素化転化とは、重質成分およびコークプレカーサ(すなわち、コンラド
ソン炭素)の少なくとも一部分を、より低沸点の化合物に変換するために、水素
の存在下で行われる触媒プロセスとして定義付けられている。プロセス条件に関
してこれらの文献で引用された最も広い範囲は、フィードストックの重量を基準
に、温度が644〜896の°F(339.9〜480°C)の範囲、水素分圧 が50〜5000psig(446.08〜34576.33kPa)の範囲、お
よび触媒金属量がl0〜2000wppmの範囲である。これらの文献は重質フ ィードの転化アップグレーディングを指向するものであり、該触媒を使用してナ
フテン酸などのカルボン酸を選択的に分解することが可能であることについては
言及されていない。
【0009】 このような酸を除去するためのもう1つの方法としては、不活性ガスで反応ゾ
ーンをスイープしながら、少なくとも約400°F(204.44℃)、好まし くは少なくとも約600°F(315.56℃)の温度で処理することにより、 処理に固有であるかまたは処理中に形成される妨害物質を除去することが挙げら
れる。しかしながら、この手法には、留出油フラクション中および軽油フラクシ
ョン中に見られるナフテン酸の一部分が揮発するという欠点がある。こうしたナ
フテン酸は、熱処理時にフラッシュする。更に、この方法では処理温度が高すぎ
て、パイプスチル炉にかける前にこうした酸を分解することが望まれる下流での
処理、すなわち、約550°F(287.78℃)以下の温度における処理に適 用することができない可能性がある。
【0010】 従って、依然として、低コストでかつ製油所に適した形で、原油中またはその
フラクション中の石油酸濃度をゼロにするかまたは少なくとも実質的に低減させ
ることが必要とされている。このような技術は、TAN値が約2以上である原油
またはフラクションに特に好適であろう。TANとは、ASTM D−664法
で測定した場合、油1.0グラム中に含まれる有機酸を中和するのに必要なKO
Hのミリグラム数である。
【0011】 発明の概要 本発明は、全原油中および原油フラクション中のカルボン酸を分解するための
方法に関する。本発明には、石油フィード中のカルボン酸の量を低減させるため
の方法が含まれる。この方法は、(a)該石油フィードに、第VB族、第VIB
族、第VIIB族、および第VIII族の金属からなる群より選ばれる金属の油
溶性または油分散性化合物を含んでなる触媒物質を、該石油フィード中の金属量
が少なくとも約5wppmとなるように添加するステップと、(b)該石油フィ
ードを、約400〜約800°F(約204.44〜約426.67℃)の温度お
よび約大気圧〜約1000psig(約6996.33kPa)の圧力のリアク タ中において実質的に水素の不在下で該触媒物質と共に加熱するステップと、(
c)水と二酸化炭素の合計分圧が約50psia(約344.75kPa)未満 に保持されるように、該石油フィードおよび該触媒物質の入った該リアクタを不
活性ガスでスイープするステップと、を含む。
【0012】 TANとは、油中のすべての酸性成分を中和するのに必要な塩基のミリグラム
単位での重量として定義付けられる。
【0013】 減圧ボトムの転化とは、沸点1025°F(551.67℃)を超える物質か ら沸点1025°F(551.67℃)未満の物質への転化として定義付けられ る。
【0014】 発明の詳細な説明 本発明を用いると、全原油(重質原油を含む)、およびそのフラクション、例
えば、減圧ガス油フラクション、抜頭原油フラクション、常圧残油フラクション
、減圧残油フラクション、および減圧ガス油フラクションなど、の石油フィード
中に含まれるカルボン酸(例えば、ナフテン酸)が除去または分解される。本発
明の方法は、石油フィードのTANを少なくとも約40%低減させる。
【0015】 このプロセスは、約400〜約800°F(約204.44〜約426.67℃
)、より好ましくは約450〜約750°F(約232.22〜約398.89℃
)、最も好ましくは約500約〜約650°F(約260.00〜約343.33
℃)の温度で行われる。圧力は、約大気圧〜約1000psig(約大気圧〜約
6996.33kPa)、好ましくは約15psig〜約500psig(約2 04.75〜約3548.83kPa)、最も好ましくは約30psig〜約30
0psig(約308.18〜約2169.83kPa)である。プロセスで使
用される触媒の量は、1種または複数種の触媒金属として計算した場合、処理さ
れる石油フィードを基準に百万分の1重量部(wppm)を単位として、少なく
とも約5、好ましくは約10〜約1000wppmの範囲である。
【0016】 都合のよいことに、本発明のプロセスの間、約30%未満のボトムの転化が起
こり、更に都合よく約20%未満のときもある。ここで、減圧ボトムとは、10
25°F(551.67℃)を超える沸点を有する炭化水素物質として定義付け られる。
【0017】 触媒の粒子サイズは、約0.5〜約10ミクロン、好ましくは約0.5〜5ミク
ロン、最も好ましくは約0.5〜2.0ミクロンの範囲である。触媒は、第VB族
、第VIB族、第VIIB族、または第VIII族金属の油溶性または油分散性
化合物およびそれらの混合物などのプレカーサから調製される。本明細書中では
、該プレカーサを触媒物質とも記す。好適な触媒金属および金属化合物は、参照
により本明細書に組み入れる米国特許第4,134,825号に開示されている。
油溶性化合物としては、例えば、モリブデンナフテネートのようなナフテン酸の
金属塩が挙げられる。油分散性化合物としては、例えば、リンモリブデン酸およ
び七モリブデン酸アンモニウムが挙げられる。これらの物質は、最初に水中に溶
解され、次に油中水型混合物として油中に分散される。この場合の水相の液滴サ
イズは、約10ミクロン未満である。
【0018】 理想的には、触媒プレカーサ濃縮物を最初に調製する。このとき、油溶性また
は油分散性金属化合物(1種または複数種)をプロセスフィードの一部分とブレ ンドし、触媒金属を少なくとも約0.2wt%、好ましくは触媒金属を約0.2〜
2.0wt%含有する濃縮物を形成する。例えば、参照により本明細書に組み入 れる米国特許第5,039,392号または同第4,740,295号を参照された
い。得られるプレカーサ濃縮物は、プロセスで直接使用するか、または使用前に
最初に金属硫化物濃縮物もしくは活性化触媒濃縮物に変換することができる。
【0019】 触媒プレカーサ濃縮物は、300〜400°F(148.89〜204.44℃
)において10〜15分間にわたり、(濃縮物を調製するために使用されるフィ
ードの一部分に添加された)元素硫黄または硫化水素を用いて処理することによ
って、金属硫化物濃縮物に変換することができる(例えば、参照により本明細書
に組み入れる米国特許第5,039,392号、同第4,479,295号、および
同第5,620,591号を参照されたい)。
【0020】 金属硫化物濃縮物は、触媒を形成するのに十分な時間にわたり600〜750
°F(315.56〜398.89℃)で加熱することによって、触媒濃縮物に変
換することができる(例えば、米国特許第5,039,392号、同第4,740,
295号、および同第5,620,591号を参照されたい)。濃縮物の触媒は、
濃縮物の油成分から誘導される炭化水素質マトリックス上に分配されたナノスケ
ールの金属硫化物部位から成る。全体的な粒子サイズを変化させることは可能で
あるが、粒子サイズは、0.5〜10ミクロンの範囲内、好ましくは約0.5〜5
.0ミクロンの範囲内、より好ましくは0.5〜2.0ミクロンの範囲内である。
【0021】 本発明のプロセスのために、プレカーサ濃縮物、金属硫化物濃縮物、または触
媒濃縮物を利用することが可能である。いずれの場合においても、フィード中で
所望の金属濃度、すなわち、少なくとも約5wppm、好ましくは約10〜10
00wppmの濃度が得られるように、石油フィードを濃縮物と混合する。プレ
カーサ濃縮物または金属硫化物濃縮物を使用する場合、TAN転化リアクタ中の
プロセスの加熱ステップにおいて、約0.5〜10ミクロン、好ましくは0.5〜
5ミクロン、最も好ましくは0.5〜2.0ミクロンの粒子サイズを有する触媒が
形成される。
【0022】 好ましい金属としては、モリブデン、タングステン、バナジウム、鉄、ニッケ
ル、コバルト、およびクロムが挙げられる。例えば、こうした金属のヘテロポリ
酸を使用することができる。モリブデンは、本発明のプロセスに特に好適である
。好ましいモリブデン化合物は、モリブデンナフテネート、モリブデンのジチオ
カルバメート錯体(例えば、参照により本明細書に組み入れる米国特許第4,5 61,964号を参照されたい)、リンモリブデン酸、およびモリブデンのホス ホロジチオエート錯体(例えば、R.T.Vanderbilt Compan
yから供給されるモリブデンジ(2‐エチルヘキシル)ホスホロジチオエートで
あるMOLYVAN(登録商標)‐L)である。
【0023】 本発明のプロセスを実施するのに有用な他の小粒子触媒としては、石油コーク
スを制御下で燃焼させることにより得られる金属リッチな灰が挙げられる(例え
ば、参照により本明細書に組み入れる米国特許第4,169,038号、同第4, 178,227号、および同第4,204,943号を参照されたい)。アルミナ の処理から得られる赤泥のように本明細書中に記載の粒子サイズ制約条件を満足
する微粉砕鉄ベース材料を使用することもできる。
【0024】 石油フィード中の有機酸の量を低減させるための本発明のプロセスは、水素を
添加せずに行われる。
【0025】 カルボン酸の分解により生じる水蒸気および二酸化炭素は、残存するカルボン
酸の分解に対する妨害物質として作用する。水は特に強力な妨害物質である。従
って、プロセスに送られるフィードに水が含まれる場合、実質的にすべての水を
除去するためにプレフラッシュステップを使用してもよい。更に、反応ゾーンに
おける水および二酸化炭素の分圧が約50のpsia(約344.75kPa) 未満、好ましくは約30psia(約206.85kPa)未満、より好ましく は約20psia(約137.9kPa)未満、最も好ましくは約10psia (約68.95kPa)未満、特に約5psia(約34.48kPa)未満に 保持されるように、フィードと共にプロセスに入る痕跡量の水、ならびにカルボ
ン酸の分解の過程で生成する水および二酸化炭素をパージしなければならない。
実質的にすべての水とは、本明細書中で使用する場合、当業者に周知の方法によ
って除去可能な程度に多くの量の水を意味する。
【0026】 理論に束縛されることを望むものではないが、本発明のプロセスの条件下にお
いてカルボン酸の分解で生成する水のほとんどは、無水物中間体の生成に関与し
(水の関与する可逆反応)、これが原因で、酸分解に及ぼす水の妨害作用が現れ
ると思われる(式A)。
【0027】
【化1】
【0028】 以下の実施例に示されているようには、水はカルボン酸分解速度に対して強力
な妨害作用を有する可能性がある。二酸化炭素も同様に妨害物質であるが、その
程度はかなり低い。
【0029】 本発明のプロセスに対して要求される条件下においてカルボン酸の分解により
水の圧力が増大する可能性があることを示すために、次のような仮想的な場合を
想定した。すなわち、本発明で設定された温度の範囲内で熱処理することによっ
て全原油のTANが5.3から0.3まで低下し、分解された酸1モルに対して水
0.5モルが生成する場合を想定した。水に対する分圧の計算値が、リアクタ圧
力および使用する不活性スイープガス(例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、メ
タン)速度の関数として図1に示されている。本発明のプロセスに要求される圧
力の範囲内で運転した場合、45psia(310.28kPa)程度の高い水
の分圧が酸の分解だけから得られることに注目されたい。従って、ドライフィー
ドを用いてプロセスを開始し、水の圧力が所定のレベル内に保たれるようにスイ
ープガス速度を保持することが特に好ましい。
【0030】 プロセスの観点から見ると、触媒は、処理済みの原油中に残存させるか(金属
のタイプおよび濃度にもよるが)、または濾過のような従来の手段によって除去
することが可能である。
【0031】 次の実施例は、本発明を具体的に説明するものであるが、本発明はこれにより
なんら制限されるものではない。
【0032】 この研究で使用したフィードストックは、チャド産のKome原油とBolo
bo原油とのブレンドであった。このブレンドを脱塩処理にかけ、更に、バルク
の水を除去するために、窒素パージを行って230°F(110℃)まで加熱し
た。表1に性質を示す。
【0033】
【表1】
【0034】 実施例1: この実施例は、300cc(300ml)攪拌オートクレーブリアクタ中で行
った。リアクタは、仕込み原油に対してバッチモードで運転した。ガスをオート
クレーブに通して流動させ、反応ゾーン中の妨害物質の濃度を制御した。
【0035】 Kome/Boloboブレンド100gをリアクタに仕込み、ヘリウムでフ
ラッシュし、次に、攪拌しながら625°F(329.44℃)まで加熱し、6 25°F(329.44℃)で60分間処理した。冷却させてからリアクタ液を 送出し、TAN含量を測定した(ASTM D664、TAN=mgKOH/g
原油または生成物油)。
【0036】 実施例2: 実施例1を繰り返した。ただし、Kome/Boloboブレンド100gお
よびMOLYVAN(登録商標)‐L 0.62g(リアクタフィード中のMo
を500wppmとするのに十分な量)をリアクタに仕込んだ。この化合物は、
R.T.Vanderbilt Companyから供給されたモリブデンジ(
2‐エチルヘキシル)ホスホロジチオエートであり、Moを8.1%含有する。
【0037】 実施例3: 実施例2を繰り返した。ただし、液体の評価を行う前に、リアクタ生成物を濾
過し、触媒固形分を回収した。
【0038】 実施例4: 実施例2を繰り返した。ただし、水を1.0wt%含有するフィードで行われ
る運転を反映すべく、リアクタに水を供給した。
【0039】
【表2】
【0040】 表2に記載の実施例から分かるように、痕跡量のモリブデンを油溶性モリブデ
ン化合物として調製して添加することにより、水素を添加せずに比較的マイルド
な熱条件下でTAN分解速度を増大させることができる(実施例2および3を実
施例1と比較されたい)。更に、TAN転化に対して水が妨害作用を呈すること
が分かる(実施例2および3を実施例4と比較されたい)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明のプロセスに対して、リアクタの圧力および不活性ガスのスイ
ープ速度の関数として水分圧の計算値を表したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),AU,BR,C A,CN,ID,JP,KR,MX,NO,RU,SG (72)発明者 ブラム・ソール・チャールズ アメリカ合衆国 ニュージャージー州 08820 エジソン ワトソン コート イ ースト4 (72)発明者 オームステッド・ウィリアム・ネアガード アメリカ合衆国 ニュージャージー州 07974 マーリー ヒル ガリソン ドラ イブ200

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石油フィード中のカルボン酸の量を低減させるための方法で
    あって、 (a)該石油フィードに、第VB族、第VIB族、第VIIB族、および第V
    III族の金属からなる群より選ばれる金属の油溶性または油分散性化合物を含
    んでなる触媒物質を、該石油フィード中の金属量が少なくとも約5wppmとな
    るように添加するステップと、 (b)該石油フィードを、約400〜約800°F(約204.44〜約42 6.67℃)の温度および約大気圧〜約1000psig(約6996.33kP
    a)の圧力のリアクタ中において実質的に水素の不在下で該触媒物質と共に加熱
    するステップと、 (c)水と二酸化炭素の合計分圧が約50psia(約344.75kPa) 未満に保持されるように、該石油フィードおよび該触媒物質の入った該リアクタ
    を不活性ガスでスイープするステップと、 を含む方法。
  2. 【請求項2】 前記触媒物質が、全原油、抜頭原油、常圧残油、減圧残油、
    減圧ガス油、およびそれらの混合物からなる群より選ばれる石油フィード中に調
    製された、油溶性または油分散性金属化合物の触媒プレカーサ濃縮物を含む、請
    求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記触媒物質が、全原油、抜頭原油、常圧残油、減圧残油、
    減圧ガス油、およびそれらの混合物からなる群より選ばれる石油フィード中に調
    製された、油溶性または油分散性金属化合物の金属硫化物濃縮物を含む、請求項
    1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記金属硫化物濃縮物が、前記金属硫化物が分散されている
    前記石油フィードから誘導される炭素質固体と会合した状態で金属硫化物成分を
    含んでなる0.5〜10ミクロン触媒粒子の分散物を形成するのに十分な温度お
    よび時間で加熱される、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記触媒物質が、前記石油フィードから誘導される炭素質固
    体と会合した状態で金属硫化物成分を含んでなる0.5〜10ミクロン触媒粒子
    の分散物である、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記金属が、モリブデン、タングステン、バナジウム、鉄、
    ニッケル、コバルト、クロム、およびそれらの混合物からなる群より選ばれる、
    請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記油溶性または油分散性金属化合物が、タングステンまた
    はモリブデンのヘテロポリ酸である、請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記油溶性または油分散性金属化合物が、リンモリブデン酸
    、モリブデンナフテネート、およびモリブデンジアルキルホスホロジチオエート
    からなる群より選ばれる、請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 水と酸化炭素の前記合計分圧が約5psia(約34.48
    kPa)未満である、請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記加熱ステップの前に、前記石油フィードから実質的に
    水が除去される、請求項1に記載の方法。
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