JP2001513953A - レーダーを吸収する特性を有するケーシング - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明はレーダーを吸収する特性を有するケーシング（１）、例えば車両のレーダーセンサのためのケーシングに関している。このケーシングは導電性の粒子を有しており、この粒子のサイズは吸収すべきレーダービームの周波数に適合されている。ケーシング（１）は次の材料から成る。すなわち基本成分としてのプラスティックがガラス繊維によって強化されていないかまたは強化されており、選択的に無機物によって充填されており、添加物としてスチール繊維（２）をケーシング（１）に特有の導電率σが所定の値を有するような混合比で有する。

Description

【発明の詳細な説明】 レーダーを吸収する特性を有するケーシング 従来の技術 本発明は独立請求項の上位概念記載の構成を有する、レーダーを吸収する特性 を有するケーシングに関する。 マイクロ波領域のレーダービームを発生する装置または処理する装置のために 、少なくともその部分領域でレーダーを吸収する特性を有するケーシングを製造 しなければならない。金属またはプラスティックから成る通常のケーシングには このために、レーダーを吸収する特性を有するフォイルが貼付されている。 例えばヨーロッパ特許出願公開第０６８５３４０号明細書から、レーダー吸収 性のウィンドウカバーのために、複数の吸収性の層をウィンドウガラスに貼付す る手段が公知である。この場合層にはワイヤ状の電気的な導体路区間が設けられ ており、この導体路区間は入射するレーダービームの偏向に依存して相互に平行 に配置されており、その大きさおよび組み込み状態の点で吸収すべきレーダービ ームの周波数に適合されている。 レーダー技術ではケーシングに付加的な吸収層を貼付することは作業上きわめ て手間がかかり、複数のケ ーシング形態が存在する場合に実現が困難である。 本発明の利点 冒頭に述べた形式の、本発明の請求項１の特徴部分に記載の構成を有する実施 形態によるレーダーを吸収する特性を有するケーシングは、ケーシングが１回の 作業工程例えば射出成形技術により、強化剤および添加剤と基本成分とを混合し ながら製造できるので有利である。そのため複雑なケーシング形状であっても簡 単に成形でき、レーダーを吸収する特性が常に保証される。 有利な実施形態では、ケーシングは５０重量％までのガラス繊維による強化剤 と、５０重量％までの無機充填物質またはその混合物による充填剤または充填物 チール繊維の添加物とを有するプラスティックから有利には射出成形によって製 造される。これにより簡単にレーダーを吸収するケーシングが製造できる。ケー シングの導電率σには以下の物理的条件が含まれる。すなわち σ≒ωε₀ε_r ここでωはレーダービームの角振動数であり、ε_rはケーシング材料の誘電率数 であり、ε₀は電界定数である。 例えば吸収すべきレーダービームの周波数が１０ＧＨｚ以上である場合、１０ Ｓ／ｍの均一な導電率が得 られる。その際にプラスティック中のガラス繊維はほぼ２ｍｍ〜２０ｍｍの長さ を有する。 本発明の別の有利な実施形態では、付加的にケーシングの外側が金属化されて いる。これは例えば化学的または電気的に行われるか、または蒸着またはスパッ タリングにより行われる。 他の有利な実施形態は従属請求項に示されている。 図面 本発明のケーシングの実施例を図に即して説明する。 図１には自動車技術におけるレーダーセンサのためのケーシングの斜視図が示 されている。 図２にはケーシング材料中のスチール繊維の充填剤の基本図が示されている。 実施例の説明 図１には、ここには図示されていないレーダーセンサのためのケーシング１の 斜視図が示されている。この種のレーダーセンサは例えば車両の安全システムＡ ＣＣ（アダプティブクルーズコントロール）のモジュールの１つであり、車両と 他の車両との距離および相対速度、道路条件に関する情報を恒常的に処理する。 例えば周知の手段によりＦＭＣＷレーダー（周波数変調連続波レーダー）は車両 の前部領域の外側に配置されている。このレーダーはレーダービームを形成する ための発振器、ミキサ、増幅器、アンテナシステムと 、評価電子回路を備えた受信機とを有する。 図１に示されているケーシング部材の開口部にはアンテナ装置が組み込まれて おり、前方へビームを放射する。ここには後方のレーダービームの充分な吸収を 達成するために、明細書の冒頭で言及したプラスティック混合物が設けられてい る。図２にはプラスティックＰＡ６、ＰＡ６６またはＰＢＴから成る基本成分へ 添加されるスチール繊維の状態をわかりやすく示すために、複数のスチール繊維 ２が拡大されて示されている。この実施例ではスチール繊維は約２ｍｍ〜２０ｍ ｍの長さを有する。言及されたプラスティックＰＡ６（ポリアミド６）はモノマ ーであり、プラスティックＰＡ６６（ポリアミド６６）は２つのモノマーから成 っており、プラスティックＰＢＴはポリブチレンテレフタレートである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エゴン モースブルッガー ドイツ連邦共和国 Ｄ―70190 シュツツ トガルト ラントハウスシュトラーセ 116 (72)発明者 ベルンハルト ルーカス ドイツ連邦共和国 Ｄ―74395 ムンデル スハイム ゼールホーフェンシュトラーセ ４ (72)発明者 ゲオルク クラウス ドイツ連邦共和国 Ｄ―71336 ヴァイブ リンゲン プファーエッカー 21 (72)発明者 ディルク ランゲンハン ドイツ連邦共和国 Ｄ―71701 シュヴィ ーバーディンゲン ブレスラウアー シュ トラーセ 11

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 吸収すべきレーダービームの周波数に適合された寸法を有する導電性の 粒子を含む レーダーを吸収する特性を有するケーシングにおいて、 ケーシング（１）は次の材料から成る、すなわち 基本成分としてのプラスティックがガラス繊維で強化されていないかまたは強 化されており、選択的に無機充填剤を有しており、さらに添加剤としてスチール 繊維（２）が、ケーシングに特有の導電率σが以下の条件を有する混合比、すな わち σ≒ωε₀ε_r ここでωはレーダービームの角振動数であり ε₀はケーシング材料の誘電率数であり ε_rは電界定数である、 の混合比で含まれている、 ことを特徴とするレーダーを吸収する特性を有するケーシング。 ２． 吸収すべきレーダービームの周波数１０ＧＨｚの上方でケーシング（１ ）は均一な約１０Ｓ／ｍの導電率を有する、請求項１記載のケーシング。 ３． 約０〜５０重量％のガラス繊維（ＧＦ）および／または無機充填物質か ら成る強化剤と、約５〜２０重量％のスチール繊維（ＳＳ）から成る添加剤（２ ）とを有する、請求項１または２記載のケーシング。 ４． ケーシング（１）の基本成分としてのプラスティックはポリアミド６（ ＰＡ６）またはポリアミド６６（ＰＡ６６）である、請求項１から３までのいず れか１項記載のケーシング。 ５． ケーシング（１）の基本成分としてのプラスティックはポリブチレンテ レフタレート（ＰＢＴ）である、請求項１から３までのいずれか１項記載のケー シング。 ６． 添加剤のスチール繊維（２）は約２ｍｍ〜２０ｍｍの長さを有する、請 求項１から５までのいずれか１項記載のケーシング。 ７． ケーシング（１）の外側に金属層が電気的または化学的に施されている か、または蒸着またはスパッタリングにより施されている、請求項１から６まで のいずれか１項記載のケーシング。