JP2001513841A

JP2001513841A - 剥離剤

Info

Publication number: JP2001513841A
Application number: JP53824698A
Authority: JP
Inventors: アトキンソン，アラン，ウィリアム; ボンド，スチーブン，ピーター; ターランド，ダリル，アルフレッド
Original assignee: フェデラル−モウガルテクノロジーリミテッド
Priority date: 1997-03-05
Filing date: 1998-02-06
Publication date: 2001-09-04
Also published as: GB2322867B; DE69814051D1; DE69814051T2; GB2322867A; EP0965010A1; AU6220798A; GB9704560D0; WO1998039585A1; GB9802449D0; EP0965010B1

Abstract

(57)【要約】水性剥離剤は、全固体の３０〜９９重量％の化学的に剥離したバーミキュライト、及び全固体の１〜７０重量％の板状充填剤を含有する。そのような剥離剤は、特にガスケットと共に用いるのに適している。異方性剥離剤が形成され、それから他の材料を剥離することは容易である。

Description

【発明の詳細な説明】剥離剤本発明は、剥離剤に関する。本発明は、剥離剤により形成された層を有するガスケットにも関する。互いに接触している部品を互いに粘着しないようにすることが望ましい多くの場合が存在する。なぜなら、それら部品を剥がす操作により損傷が起きたり、不便なことがあるからである。剥離剤は、そのような部品の間に、粘着を防ぐために導入されている。或る場合には、剥離剤は粉末又は紙として与えることができるが、これは、例えばガスケットの場合には、必ずしも実用的にはならない。別の場合として、部品の上に噴霧して、その部品の上に剥離剤の薄い層を形成する有機溶媒系液体によって剥離剤を与えることができる。しかし、これは環境問題で望ましくない。例えば、二つの部品の間にガスケットを締め付ける場合に起きるような、部品を一緒にプレスした場合、それら部品が一緒に粘着する可能性は大きくなる。多くのガスケットは、弾力性材料又は密封を形成した時に変形する弾力性部分を有する。例えば、ガスケットは、シート状の芯、例えば鋼からなる芯に、その片側又は両側に黒鉛又はニトリルブタジエンゴムのような弾力性材料の被覆を付けたものからなる。或る場合には、その弾力性材料は、芯の表面上に閉じた経路に沿って伸びるビーズとして形成することができる。別の場合として、ガスケットは、そのガスケットの金属シートに形成された凹凸状の縁のような、その弾力性部分の変形によって密封を行う。或る場合には、ガスケットの弾力性材料又は部分が、そのガスケットが密封する部品に対して粘着する傾向がある。長い期間部品の間に締め付けられているガスケットの場合には特別な問題が起きる。一つの例は、エンジンブロックとエンジンヘッドとの間を密封する内燃機関のヘッドガスケットの場合である。エンジンの寿命中に、例えば、ヘッドガスケットを取り替えるためヘッドをブロックから取り外す必要が起きる。取り外す時、時々ガスケットがヘッド又はブロックに粘着していることが分かる。これは、新しいガスケットを取付けて、ヘッドを交換する前に、表面を奇麗に擦り落とさなければならないため、実際上望ましくない。従って、ガスケットが元のままで、エンジンブロックのヘッドから奇麗に取り外せることが望ましい。本発明の目的は、有機溶媒を用いる必要なく、ガスケットのような部品に容易に適用することができる剥離剤を与えることである。本発明の別の目的は、剥離剤の層を有するガスケットを与えることである。本発明によれば、水性剥離剤において、全固体の３０〜９９重量％の、化学的に剥離したバーミキュライト、及び全固体の１〜７０重量％の板状充填剤、を含有することを特徴とする剥離剤が与えられる。本発明による剥離剤は、噴霧等により、例えば、ガスケットの上に層を形成することにより容易に適用することができ、有機溶媒を使用する必要はない。本発明による剥離剤の層を、黒鉛被覆又はニトリルブタジエンゴム被覆円筒状ヘッドガスケットに適用した場合、そのガスケットはヘッド又はブロックに粘着せず、必要な時にそのガスケットを元のまま奇麗に取り外せることが判明している。或るガスケットは、銅の両側に重合体被覆のような密封用被覆を被覆したものから作られている。材料は、コイル被覆ライン上で形成するか、又は輸送又は貯蔵のため、コイル状に作ることができる。そのコイル中で密封用被覆がその隣の層に粘着することにより問題が起きる。これは、ブロッキングとして知られているかなりの損傷を起こすことがある。本発明による剥離剤の薄い層を適用することにより、ブロッキングを実質的に防ぐことができる。本発明による剥離剤は、プレスの加圧表面から材料を剥がし易くするために用いることもできる。剥離剤を加圧表面に適用するか、又はプレスされる材料に適用する。剥離剤を使用することにより、プレスされる材料の損傷を防ぐ。本発明による剥離剤は、異方性層を形成し、その層から他の材料を容易に剥がすことができる。「化学的に剥離したバーミキュライト」(Chemically-exfoliated vermiculite )(ＣＥＶ)は、バーミキュライト鉱石を処理し、それを水中で膨潤させることにより形成する。一つの可能な製造方法として、鉱石を飽和塩化ナトリウム溶液で処理し、マグネシウムイオンをナトリウムイオンと交換し、次に塩化ｎ−ブチルアンモニウムで処理してナトリウムイオンをｎ−Ｃ₄Ｈ₉ＮＨ₃イオンで置き換える。水で洗浄することにより膨潤が起きる。膨潤した材料を次に高剪断力にかけ、非常に細かい（５０μｍより小さい直径）バーミキュライト粒子の水性懸濁物を形成する。本発明による剥離剤では、板状充填剤を、タルク、二硫化モリブデン、六方晶形窒化硼素、石鹸石、パイロフィライト、粉砕熱剥離バーミキュライト、雲母、金属フレーク、フルオロ雲母、及び粉末黒鉛からなる群から選択するのが好ましい。剥離剤が、水、例えば、ヘッドガスケットの場合にはエンジン冷却剤によって除去させるのを防ぐため、本発明による剥離剤は、水による剥離剤の除去を防ぐため防水系を含んでいてもよい。好ましい防水系には、珪酸リチウム、カリウムシリコネート(potassium siliconate)、及びアルミニウムフレークが含まれる。アルミニウムフレークは、それが化学的に剥離したバーミキュライトを凝集しないように、ステアレートの薄い層で被覆してもよい。アルミニウムフレークは本発明による剥離剤に含有させてもよい板状充填剤なので、アルミニウムフレークに、防水系成分と、板状充填剤の全て又は一部分の両方として二重の働きをさせることができる。防水系は、剥離剤の全固体含有量の２９重量％を形成するのが適切であることが見出されている。防水系中の珪酸リチウム対カリウムシリコネートの比は、２０〜１．５：１、一層好ましくは１２〜８：１である（重量で、液体を含まない固体含有量による）。化学的に剥離したバーミキュライトに対する珪酸リチウムの比は、１：２〜４であるのが好ましい。剥離剤は、更にその剥離剤による基体の濡れを助ける表面活性剤を含んでいるのが好適である。特に適切な表面活性剤には、アルブライト・アンド・ウィルソン(Albright & Wilson)からのエンピラン(Empilan)ＫＡ５（商標名）のような、脂肪アルコールのような非イオン性合成表面活性剤が含まれる。表面活性剤は、０．０５体積％〜０．１５体積％の量で添加させるのが典型的である。剥離剤適用後、表面活性剤を燃焼除去するのが有利である。剥離剤の好ましい組成範囲は、全固体の４０〜６０重量％の化学的に剥離したバーミキュライト、及び全固体の６０〜４０重量％の板状充填剤からなる。一般に、板状充填剤は、それら板が平均厚さの少なくとも３倍の平均幅を有する。水性剥離剤は、剥離剤として種々の内容で用いることができるが、特に黒鉛被覆ガスケット又はニトリルブタジエンゴムで被覆されたガスケットのような、被覆ガスケットと共に用いるのに適している。従って、本発明は、弾力性材料又は部分を有するガスケットにおいて、前記弾力性材料又は部分の少なくとも一部分を覆う剥離剤層を有することを特徴とし、更に前記剥離剤が、全固体の３０〜９９重量％の化学的に剥離したバーミキュライト、及び全固体の１〜７０重量％の板状充填剤、を含有することを特徴とするガスケットを与える。剥離剤は、好ましくは２〜２０μの厚さ、一層好ましくは５〜１０μの厚さを有する。ガスケットは黒鉛で被覆されており、その黒鉛被覆の上に剥離剤が噴霧されているのが好ましい。別法として、例えば、ニトリルブタジエンゴムのような重合体でガスケットを被覆してもよい。次に、本発明を例示するために、実施例を与える。実施例１１００ｇの化学的に剥離したバーミキュライトスラリーを用いた〔ＷＲグレース・コンストラクション・プロダクツ(WR Grace Construction Products)、ミクロライト(Microlite)９２６級、水中固体７．５％〕。７．５ｇの二硫化モリブデン〔９９％＜２μｍ粉末、アルドリッチ・ケミカルズ(Aldrich Chemicals)〕を８５ｇの水に分散させたものを添加し、バーミキュライトスラリーと混合し、約０．１ｍｍ³の表面活性剤を添加し、７．５％の固体を含む水性剥離剤Ｉを形成した。用いた表面活性剤はエンピランＫＡ５であった。実施例２実施例１を繰り返した。但し７．５ｇのタルク〔ノルウェー・タルク（英国）社(Norwegian Talc（UK）Ltd.)、ＩＴ３００級〕を二硫化モリブデンの代わりに添加し、水性剥離剤Πを形成した。実施例３実施例１を繰り返した。但し７．５ｇの粉末黒鉛〔デビッド・ハート社(David Hart Ltd.)〕を二硫化モリブデンの代わりに添加し、水性剥離剤IIIを形成した。二種類の異なった黒鉛箔：ｉ）１０％のボーデン(Borden)Ｐ４１フェノール樹脂と一緒に剥離黒鉛をプレスすることにより作った箔（「Ｔ＆Ｎ箔」と呼ぶ）、及び ii）ＵＣＡＲカーボン社(UCAR Carbon Co．Inc.)から得た黒鉛箔（ＧＴＹ級）、を夫々慣用的空気補助スプレー銃を用いて、剥離被覆Ｉ、II及びIIIを夫々噴霧した。被覆厚さは５〜１０ｐｍの範囲にあった。次に噴霧した箔を炉中で６０℃で乾燥した。剥離剤被覆黒鉛箔の試験を、鋳鉄とアルミニウム板（直径５０ｍｍ、厚さ２０ｍｍ）の間に被覆黒鉛をボルトで締めることにより行なった。板は、アルミニウム板については０．２〜０．３μｍ、鋳鉄板については１．３〜１．５μｍの表面仕上げ深さに調節した。ボルトに３４Ｎｍのトルクを加え、１０．４３ＭＰａの試料応力を与えた（１０ｍｍボルト、ナット及び各側にワッシヤーを用い、潤滑油は与えなかった）。試料は、１５０℃及び２５０℃で加熱した後；トルクを加えた板を冷却剤／水（５０：５０）混合物中に先ず浸漬し、次に１５０℃及び２５０℃に加熱した後；被覆した箔を油中に浸漬し、トルクを１５０℃及び２５０℃で加えた後；及び緩く組立て、冷却剤／水中に浸漬し、トルクを加え、２５０℃に加熱した後；に試験（乾式）した。被覆を持たない対照試料も試験した。対照試料は、全て（２５０℃で乾燥加熱した場合を除く）解体する時、種々の程度に金属に粘着していた。これは、油中に浸漬した後に特に悪かった。或る場合には、ブロックをかなりの力で分離しなければならなかった。次の表は、低温及び高温での試験結果を示している。凡例：不可：試験組立体を解体するのにかなりの力が必要。可：どの表面でもその５０％以上に被覆が粘着。良：幾らか少量の粘着。優：実質的に完全に奇麗に剥がれ、箔の損傷はない。 −：試験されていない。両面にニトリルブタジエンゴムを被覆した鋼ガスケットも、それら表面に剥離剤IIIを噴霧した場合としない場合について試験した。ガスケットを黒鉛の例の場合と同様なやり方で締め付け、１２０℃で７２時間加熱した。剥離被覆を有するガスケットは優れた剥離を示したが、剥離被覆のないものは粘着し、試験組立体を解体するのにかなりの力を使用する必要があることが判明した。実施例４実施例４は防水系を含み、それは珪酸リチウム、カリウムシリコネート、及びアルミニウムフレークからなり、珪酸リチウムとカリウムシリコネートは水の中に入れてあった。配合物は次の通りであった：重量固体重量％ＣＥＶ（固体１５％） 860g 129g 36 珪酸リチウム 430g 43g 12 カリウムシリコネート 43g 17g 5 アルミニウムフレーク 43g 43g 12 黒鉛 129g 129g 36 水 1720g この配合物を噴霧し、乾燥することにより形成した剥離剤被覆は、水に対し抵抗性を持つことが判明した。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項【提出日】平成１１年５月３１日（１９９９．５．３１）【補正内容】請求の範囲１．弾力性材料又は部分を有するガスケットにおいて、前記ガスケットの前記弾力性材料又は部分の少なくとも一部分を覆う剥離剤層も有することを特徴とし、更に、前記剥離剤が全固体の３０〜９９重量％の化学的に剥離したバーミキュライト及び全固体の１〜７０重量％の板状充填剤からなることを特徴とするガスケット。２．剥離剤層が２〜２０μの厚さを有する、請求項２に記載のガスケット。３．剥離剤層が５〜１０μの厚さを有する、請求項２に記載のガスケット。４．板状充填剤が、タルク、二硫化モリブデン、六方晶形窒化硼素、石鹸石、パイロフィライト、粉砕熱剥離バーミキュライト、雲母、金属フレーク、フルオロ雲母、及び粉末黒鉛からなる群から選択されている、請求項１〜３のいずれか１項に記載のガスケット。５．剥離剤が、水によって剥離剤が除去されるのを防ぐため防水系も含む、請求項１〜４のいずれか１項に記載のガスケット。６．防水系が、珪酸リチウム、カリウムシリコネート、及びアルミニウムフレークを含む、請求項５に記載のガスケット。７．剥離剤が、表面活性剤も含む、請求項１〜６のいずれか１項に記載のガスケット。８．表面活性剤が非イオン性合成脂肪族アルコールを含む、請求項７に記載のガスケット。９．剥離剤が、全固体の４０〜６０重量％の化学的に剥離したバーミキュライト、及び全固体の６０〜４０重量％の板状充填剤を含む、請求項１〜８のいずれか１項に記載のガスケット。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者ターランド，ダリル，アルフレッドイギリス国，ウォリックシャー，ラグビイ，ビルトン，トラウブリッジウォーク 25

Claims

【特許請求の範囲】１．全固体の３０〜９９重量％の化学的に剥離したバーミキュライト、及び全固体の１〜７０重量％の板状充填剤を含有することを特徴とする水性剥離剤。２．板状充填剤が、タルク、二硫化モリブデン、六方晶形窒化硼素、石鹸石、パイロフィライト、粉砕熱剥離バーミキュライト、雲母、金属フレーク、フルオロ雲母、及び粉末黒鉛からなる群から選択されている、請求項１に記載の剥離剤。３．剥離剤が、水によって剥離剤が除去されるのを防ぐため防水系も含む、請求項１又は２に記載の剥離剤。４．防水系が、珪酸リチウム、カリウムシリコネート、及びアルミニウムフレークを含む、請求項３に記載の剥離剤。５．剥離剤が、表面活性剤も含む、請求項１〜４のいずれか１項に記載の剥離剤。６．表面活性剤が非イオン性合成脂肪アルコールを含む、請求項５に記載の剥離剤。７．剥離剤が、全固体の４０〜６０重量％の化学的に剥離したバーミキュライト、及び全固体の６０〜４０重量％の板状充填剤を含む、請求項１〜６のいずれか１項に記載の剥離剤。８．弾力性材料又は部分を有するガスケットにおいて、前記ガスケットの前記弾力性材料又は部分の少なくとも一部分を覆う剥離剤層も有することを特徴とし、更に、前記剥離剤が全固体の３０〜９９重量％の化学的に剥離したバーミキュライト及び全固体の１〜７０重量％の板状充填剤を含むことを特徴とするガスケット。９．剥離剤層が２〜２０μの厚さを有する、請求項８に記載のガスケット。１０．剥離剤層が５〜１０μの厚さを有する、請求項９に記載のガスケット。１１．剥離剤が、請求項２〜７のいずれか１項に記載のものである、請求項８〜１０のいずれか１項に記載のガスケット。