JP2001513649A - 反β−作用薬の素質の喘息患者の診断 - Google Patents

反β−作用薬の素質の喘息患者の診断

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、β−作用薬の定期的投与に対する負の応答を有することがありそうな個人を同定するための新規な方法を提供する。この発明は又、この目的のために有用なキットをも提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 反β−作用薬の素質の喘息患者の診断 政府の援助 本発明の開発は、U10HL51831、U10HL51834、U10 HL51843、U10 HL51810、U10H L51823およびU10HL51845の番号の下に合衆国国立衛生研究所(NIH)に部分的 に援助された。合衆国政府は、本発明に一定の権利を有し得る。 発明の背景 中間的に作用するβ−作用薬の吸入は、世界で最も共通して処方される喘息治 療である。β−作用薬は、細胞上のβ2−アドレナリン性受容体を刺激し、それ によって、環状アデノシン一リン酸(cAMP)のレベルの上昇を生じる細胞内 経路を活性化することによって、その効果を生じる。次いで、上昇した細胞内c AMPレベルは、巨視的効果を細胞内に生じて、気管支気道の平滑筋を弛緩させ 、線毛振動の頻度を上昇させ、粘液粘度を低下させる。気管支気道を拡張するの にβ−作用薬が効果的であることは、急性喘息エピソードに対する治療と長期の 喘息管理療法との双方としての、それらの広く普及した投与へと導いている。 β−作用薬療法の安全性に関する懸念は、何年間にもわたって定期的に発生し ている(例えば、Taylor et al.,Med.Clin.N.America 80:719,1996;Giunt i et al.,Eur.Respir.J.8:673,1995;Barrett et al.,Am.J.Respir.Cr it.Care Med.151:574,1995;Devoy et al.,Chest 107:1116,1995;McFadde n,Ann.Allergy Asthma Immunol.75:173,1995;Crane et al.,Thorax 50:85 ,1995;McFadden,J.Allergy Clin.Immunol.95:41,1995に総説)。特に長 期β−作用薬投与のプロトコルについて、β−作用薬投与と罹患率上昇との間に 関連があり得るとの報告は、β−作用薬療法に対する多くの論争に拍車をかけた 。この論争を解決し、喘息患者へのβ−作用薬の投与に付随する有害または有益 な効果の危険性を特定する必要性が存在する。 発明の要約 本発明は、β−作用薬療法の安全性をめぐる論争を解決し、β−作用薬の規則 的投与に対する副作用の危険性がある喘息患者の集団を特定する。特に、本発明 は、β2−アドレナリン性受容体遺伝子の特定の対立遺伝子を有する喘息患者は 、長期β−作用薬療法に対して負の応答を有する可能性が比較的高いという発見 を提供する。本発明は、β−作用薬による治療に対する有害な応答の危険性があ る個体を特定する方法を提供し、そのような方法の実施に役立つ診断キットも提 供する。 本発明の方法の好適実施態様では、ゲノム核酸のサンプルが個体から提供され 、β2−アドレナリン性受容体遺伝子の第1および第2の対立遺伝子を、該ゲノ ム核酸サンプル中に特定し、第1および第2β2−アドレナリン性受容体遺伝子 の対立遺伝子が第16残基でArgをコードしているいかなる個体をも、長期β −作用薬投与に対する副作用の危険性があるとして分類する。ゲノムサンプル中 にβ2−アドレナリン性受容体遺伝子の対立遺伝子を特定する個々の方法は、本 発明の範囲を限定するものではない。しかし、好適な特定方法は、対立遺伝子特 異的なポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の手法を包含し、配列決定手法を指定す る。 本発明の実施によって提供される好適なキットは、本発明の方法を実施するの に役立つ試薬を包含し、該試薬は、使用を容易にするために容器内にまとめて組 み合わされる。 図面の説明 図1は、ヒトβ2−アドレナリン性受容体タンパク質の一次アミノ酸配列、お よび公知の多型部位を示す。9ヶ所の多型部位が示されていて;黒で示したもの は、同じ残基をコードする異なる遺伝子の対立遺伝子を表わすが、代替アミノ酸 でラベルした白のものは、残基の置換を招く遺伝子の対立遺伝子を表わす。 図2は、BAGSの6患者のβ2-アドレナリン性受容体の第16残基での遺伝 子型解析を表わすアガロースゲルの写真である。 図3は、パネルAおよびBを有し、規則的に計画されたか、または必要に応じ てのアルブテロール投与を受けた喘息患者の、それぞれ、午前および午後のピー ク呼気流量(PEFR)を示す。各パネルでは、結果がβ2-アドレナリン性受容 体の遺伝子型によってプロットされている。β2-アドレナリン性受容体Arg1 6変異型について同型接合である喘息患者からのデータは、菱形で区切った実線 (規則的投与を受けた患者)、または方形で区切った灰色の線(応需的投与を受 けた患者)のいずれかとしてプロットされているが;規則的投与を受けたGly 16同型接合体からのデータは、三角で区切った淡灰色の線としてプロットされ ており;Arg16/Gly16異型接合体からのデータは、X印で区切られた 淡灰色の線としてプロットされている。 配列の記載 SEQ ID NO:1は、β2-アドレナリン性受容体のアミノ酸配列を表わす。SEQ ID NO:1では、Arg、Gln、ValおよびThrが、それぞれ第16、27、 34および164位に定位されている。公知の遺伝子多型は、これらの位置にそ れぞれGly、Glu、MetおよびIleを有するβ2-アドレナリン性受容体 を生産する(図1参照)。 SEQ ID NO:2は、SEQ ID NO:1のタンパク質をコードするヒトβ2-アドレナリ ン性受容体遺伝子を表わす。SEQ ID NO:1に関して上記したArg16−>Gl y多型は、SEQ ID NO:2の第1633位でAをGで置き換えることによって形成 することができ;Gln27−>Glu多型は、第1666位でのCをGで置き 換えることによって形成することができる。 好適実施態様の説明 β2-アドレナリン性受容体に対するヒト遺伝子は、クローニングされていて( Koblika et al.,Proc.Nat.Acad.Sci.USA 84:46,1987)、大規模に研究さ れている。一般的な集団では9個の遺伝子多型が特定されており、うち4個は、 アミノ酸置換を招く(残り5個は、サイレント変化である)(図1参照;またRe ihsaus et al.,Am.J.Respir.Cell.Mol.Biol.8;334,1993も参照)。本発 明は、図1に示した「Arg16−>Gly」多型に関する。 喘息におけるArg16−>Gly多型のいかなる意義も特定するために、様 々な研究が着手されている(総説については、Liggett、第21章、The Genetics of Asthma[Liggettら編]、Marcel Dekker,NY,1996を参照されたい)。Ar g16またはGly16対立遺伝子のいずれかと喘息との一般的関連は、何も観 察されていない(Reihsaus et al.,Am.J.Respir.Cell.Morl.Biol.8:334 ,1993)。また、Arg16およびGly16タンパク質は、作用薬と拮抗薬に 対して同等の親和性を有し、通常はG2に結合することが示されている(Green e t al.,Biochemistry 33:9414,1994)。 本発明以前に観察された、Arg16とGly16との対立遺伝子間の唯一の 相違は、β−作用薬投与に応答してのGly16対立遺伝子のダウンレギュレー ションの増強であった(Green et al.,Biochemistry 33:9414,1994)。この所 見は、この分野の一専門家を促して、次の結論に至らせた: 「Gly16変異体は、作用薬で促進される最高度のダウンレギュレーション を生じさせるが、[Arg16変異体]に比して、全体的に低下した水準の発現 を示すことが予測されると思われる。この筋書きの下で、基底気管支運動の緊張 が減少するか、または気管支の機能亢進が増大する可能性があり...。β−作 用薬に対する応答性も、[Gly16の]多型が内在する喘息患者では抑制され 得る...。長期作用薬療法の際は、タキフィラキシーの潜在性は、Gly16 変異型で最高であると思われる...。喘息におけるβ−作用薬の「濫用」と有 害な結果との関連性を示唆する報告があるからには、何人かの個体では、タキフ ィラキシーが発生し得ると考えるのが賢明であると思われる」。 (引用は省略;Ligget、第21章、The Genetics of Asthma[Liggerら編]、Marc el Dekker,NY,1996、470ページ)。このように、本発明以前は、ヒトβ2-アド レナリン性受容体におけるArg16−>Gly多型に関する知見の状態は、G ly16対立遺伝子を有し得る個体は、長期β−作用薬療法に応答して、より多 くのタキフィラキシーに悩まされる可能性があり、そのため、β−作用薬投与に 対する有害な応答に、より敏感であり得る。 驚異的にも、本発明は、その逆が真であって;ヒトβ2-アドレナリン性受容体 のGly16対立遺伝子を有する個体は、実は、β−作用薬投与に対する有害な 応答に、より敏感でないという発見を提供する。本発明によれば、Arg16対 立遺伝子について同型接合である個体は、Gly16同型接合体またはGly1 6/Arg16異型接合体のいずれよりも、β−作用薬に対する有害な応答を有 する可能性が高い。 実施例2に記載したとおり、本発明者らは、規則的な、および応需的なアルブ テロール投与に対する応答を試験する研究に参加した被験者179名のβ2-アド レナリン性受容体遺伝子型を解析した(Drazen et al.,New Eng.J.Med.335: 841,1996、引用により本明細書に組み込む;実施例1も参照されたい)。この 研究は、「軽度の喘息の患者では、アルブテロール吸入の規則的な使用からは、 この薬物の必要に応じた規則的な使用から派生するものを超える有害な効果も有 益な効果も派生しない」と結論した(Drazen et al.、前掲)。しかし、研究参 加者のβ2-アドレナリン性受容体の遺伝子型を本発明者らが調べたときは、まっ たく異なる結論に達した。図2は、本発明者らの所見を示す:Arg16β2-ア ドレナリン性受容体の2コピーの対立遺伝子を有する個体は、規則的なβ−作用 薬療法を16週間受けた後に、ピーク呼気流量(PEFR)の有意な減少を示し た。Gly16同型接合体およびArg16/Gly16異型接合体は、この効 果を示さなかった。応需的な方式でβ−作用薬投与を受けたArg16同型接合 体は、より控えめなPEFRの減少を示し、これらは一時的であるにすぎなかっ た。 長期β−作用薬療法に対する不都合な応答と、(2コピーの)Arg16β2- アドレナリン性受容体対立遺伝子の存在との間の相関を立証することによって、 本発明は、そのような不都合な応答の危険性がある喘息患者を特定する方法を提 供する。全く簡単なことに、患者が有するβ2-アドレナリン性受容体対立遺伝子 を特定するよう、彼らをスクリーニングし;Arg16について同型接合である ものを感受性ありとして特定する。利用できるいかなる方法も、患者のβ2-アド レナリン性受容体の遺伝子型を探知するのに用いることができる(例えば、実施 例2および3を参照されたい;Current Protocols in Human Genetics,John Wi ley & Sons,Unit 9に記載の方法も参照されたい。引用により本明細書に組み込 む)。 例えば、各患者のβ2-アドレナリン性受容体遺伝子(両対立遺伝子)の関連す る領域は、公知の手法に従って直ちに配列決定することができる。これに代えて か、または追加して、変性勾配ゲル電気泳動、対立遺伝子特異的ポリメラーゼ連 鎖反応(PCR)、対立遺伝子特異的ハイブリダイゼーション、対立遺伝子特異 的結合増幅(例えばEnglish et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 9:260,1994 、引用により本明細書に組み込む)、一本鎖配座多型解析、制限フラグメント長 多型解析のような手法、その他の配列多型を識別するのに役立ついかなる手法を 用いてもよい。対立遺伝子特異的PCRの手法、例えば増幅耐性突然変異系(A RMS)、または増幅後の配列決定は、多型検出の好適な方法である。好適なハ イブリダイゼーション法は、シリカチップアレー上でのオリゴヌクレオチドとの ハイブリダイゼーションを包含する(例えば、Hacia et al.Nature Genetics 1 4:441,1996を参照、引用により本明細書に組み込む;Nature Genetics 14:367 ,1996も参照されたい)。 本発明は、長期β−作用薬投与に対する不都合な応答に感受性である喘息患者 を特定するためのキットも提供する。好適なキットは、対立遺伝子特異的PCR の手法に役立つ反応成分を含む。例えば、特に好適なキットは、Arg16およ びGly16対立遺伝子を増幅かつ識別できるプライマーセットを含み、緩衝液 、熱安定性逆転写酵素、対照鋳型等々を含んでもよい。これに代わる好適なキッ トは、必ずしも対立遺伝子特異的ではない増幅試薬を、配列決定試薬と併せて含 む。 実施例 実施例1 軽度の喘息の患者における規則的に計画されたアルブテロール投与と、必要に応 じてのそれとの有益および有害な効果の分析(Drazen et al.,NEJM 335:841,1 996を参照されたい、引用により本明細書に組み込む) 材料および方法 患者の募集:表1に示す基準によって定義したとおりの軽度の喘息の患者を、 既存の研究集団から広告によって募集した。適格の患者を6週間の一重盲検なら し期間に入れ、その間患者は、規則的な方式でプラシーボ吸入器を用い(1日4 回、二度の吸入)、公開ラベルのアルブテロールの補足的な一服を応需的に摂取 した。ならし期間中は、2週間の間隔で3回患者を評価したが、その時点では、 多数の基準の検討によって、喘息の制御を査定した。 *FEV1は、1秒間の強制呼気量を意味し、PC20は、FEV1を20%減少させるのに要 するメタコリンの濃度を意味する。+ FEV1は、気管支拡張剤の施療なしの少なくとも8時間後に測定した。 患者の選別:患者は、6週間を超えて喘息が臨床的に安定的であり、プラシー ボ吸入器の規則的使用(Chronology記録装置によって監視)と、ピーク流量(Min i-Wrightピーク流量計(Clement Clarke,Columbus、米国オハイオ州)を用いて 1日2回)、および1日1回日記に喘息の症状を記録できることとによって示さ れるとおり、研究の手順に応じられることを立証したならば、無作為に投与群に 割り当てた。割り当てた投与は、規則的な方式で吸入されるアルブテロール(1 日4回、二度の吸入)プラス応需的なアルブテロール、または規則的な方式で吸 入されるプラシーボ(1日4回、二度の吸入)プラス応需的なアルブテロールの いずれかからなった。アルブテロールおよびプラシーボ吸入器は、寛大にもSche ring-Plough(Memphis、米国テネシー州)により供給された。患者は、規則的に 計画された吸入を、午前のピーク流量の記録後の午前中、晩い午後の日中、およ び夜間のピーク流量の記録後の就寝時に行なうよう指示された。また、規則的に 計画された晩い午後の吸入と夜間のピーク流量の記録との間に少なくとも4時間 を見込むよう指示された。 患者への投与:その後16週間にわたり、患者に盲検投与を与えつつ、ピーク 流量と患者が記録した症状とを通じて、また2〜3週ごとに計画された来診の際 にも、喘息の制御を毎日監視した。無作為化された投与期間の終了時には、すべ ての患者を、4週間の禁断期間中のプラシーボ吸入によって一重盲検投与に切り 換えたが;この間、患者は、公開ラベルのアルブテロールを必要に応じて用い続 けた。 7種類の結果の指標;すなわち症状の記録、生活の質、気管支拡張剤吸入に応 じての1秒間の強制呼気量(FEV1)の変化、FEV1を20%下げるのに要す るメタコリンの濃度(PV20)、喘息の増悪、および治療の失敗を監視した:結 果の主要な指標であるピーク流量は、患者がMini-Wrightピーク流量計を用いる ことによって1日2回測定し;3回の努力のうち最良のものを記録した。患者は 、自分の喘息の症状、および毎日用いた補充アルブテロールの服用数を記録した 。喘息の症状は、0が無症状を、3が重い症状を表わす4点尺度で記録した。喘 息特異的な生活の質の評点は、別の研究者が確認した器具を用いて、来診の際に 記録した(Juniper et al.,Thorax 47:76,1992)。気管支拡張剤吸入に対する 肺活量測定での応答を決定するために、メタコリンに対する応答性を試験しなか ったときは、15分前とアルブテロールの2回の吸入後との間のFEV1の差を 来診の際に測定し(かつ改善の百分率として記録し)た。 患者には、すべての来診の前は少なくとも8時間、研究用医薬の摂取を控えさ せた。メタコリンについてのPC20を測定するため、噴霧器(モデル646、De VilbissHealth Care,Somerset、米国ペンシルバニア州)、および較正した線 量計(S&M Instruments,Dovestown、米国ペンシルバニア州)を用いてメタコリ ンエーロゾルを生成した。メタコリンについてのPC20は、標準的手順(Tashki n et al.,Am.Rev.Respir.Dis.145:301,1992)によって決定した。喘息の 増悪は、各来診の際に監視した;すなわち、患者に自分の喘息制御について問診 し、 すべての喘息増悪を記録した。喘息増悪は、下記のうち一つまたはそれ以上:4 8時間中の24時間につき8回またはそれ以上の補充β−作用薬投与の一服とい う基線使用を超える増加、48時間中の24時間につき16回またはそれ以上の 補充β−作用薬の服用、またはならし期間中の最良の3日間の平均(午前および 夜間)から35%またはそれ以上のピーク流量の低下を伴う、咳、胸の緊迫感ま たは喘鳴の症状の増加として定義した。喘息の増悪があり、増加した用量のβ− 作用薬を投与された患者が、適切に応答しなかったならば−すなわち、増悪の基 準を満たし続けたならば、投与は失敗したと見なした。そのような患者には、そ の担当の医師が決定したとおりに、短いクールのプレドニソンを投与し;データ は採集し続け、(治癒過程対治療の方法に従って)試験に残留させた。 標準化および品質保証の手法:すべての臨床研究室の試験−すなわち、肺機能 の測定、アレルギーについての皮膚試験、メタコリン攻撃、および生活の質の査 定−を、ネットワーク全体に標準化した機器および手順の仕様によって各センタ ーで実施した。ネットワークに参加する作業員は、集めたデータをネットワーク に用いることができる前に、ネットワークに関するすべての技量での熟練および 均質性を確保するための試験を受け、資格検定に合格しなければならなかった。 肺活量測定試験(Collins Eagle 2肺活量計,Quincy、米国メリーランド州)の 結果は、メタコリン攻撃についてのそれを含めて、すべて、ただ一人のネットワ ーク員によって確認された。ピーク流量計は、各来診の際に肺活量計と対比して 試験し、以前に確立された性能標準を満たし得なかったならば、交換した。配布 したデータ入力システムは、各臨床センターがそのデータをデータ調整センター にインターネット越しに直接提出するのを可能にした。データ調整センターは、 データを2回目に入力して確認した。 コンプライアンス:各患者には、多重アラームを備えたディジタル腕時計を与 えて、投与に対するコンプライアンスを改善した。加えて、Chronology記録装置 を無作為に割り当てた計量吸入器とともに用いて、吸入器使用のデータおよび時 間の電子的記録を与えた。 統計的解析:サンプルサイズ算出のための結果の主要変数として、午前のピー ク流量を選んだ。最低200名の患者が、群間の毎分25リットルの差を80% の統計的検出力で検出するのを可能にした。無作為化された患者250名を募集 するという目標は、脱落率が20%未満であろうとの仮定に基づいて確立した。 このサンプルサイズは、FEV1における0.19リットルの差、およびメタコ リンについてのPC20値における0.70の二倍希釈を検出する、80%の統計 的検出力も与えた。 患者の日記票からの応答変数−すなわち、ピーク流量値、医薬の使用、および 喘息の症状−は、毎週平均化した。大半の応答変数の長期的性質のため、混合効 果線形モデルを適用した(Vonesh et al.,Biometrics 43:617,1987;Laird et al.,Stat.Methods Med.Res.1:225,1992);この取組み方は、1回の来診 で得られたデータだけでなく、得られたすべてのデータを用いるのを可能にした 。各応答変数について、ならし期間の最後の4週間、投与期間の最初の5週間、 投与期間の残余の11週間、および禁断期間についての切片および勾配に分節化 線形モデルを当てはめた。無作為化した投与の5週後の「突破点」は、Searsら が報告した喘息増悪の率(Sears et al.,Lancet 336:1391,1990)に基づいて 選んだ。 結果の尺度のそれぞれについて、値は、ならし期間の終点、二重盲検投与期間 の終点、および禁断期間の終点についてのモデルから算出した。統計的モデルは 、研究の開始前に決定し、そのため、データ解析の際に他のモデルは考慮しなか った。フィッシャーの直接確率計算法を用いて、投与の失敗の率に関して群を比 較した。患者の安全性を確保するため、無作為化した患者のほぼ40%が試験ま たは同意の撤回を完了した後に、暫定的解析を実施した;この解析の結果として 、統計的有意を示すと考えられるP値は、0.05から最終的解析に対する0. 03へと低下した(Pocock,Biometrics 38:153,1982;Geller et al.,Biometr ics 43:213,1987)。 結果 登録および保持:応募した被験者のうち、255名が6週間のならし期間の終 点で登録に適格であり、二重盲検投与を受けるよう無作為に割り当てた(表2) 。監視した指標のいずれに関しても、投与群間に有意差は皆無であった。無作為 化した投与および禁断の期間中に、25名の被験者一計画した投与の群の10名 、 および必要に応じた投与の群の15名−が試験から脱落した。230名の患者が 全試験を完了した。 *FEV1は、1秒間の強制呼気量を、PC20は、FEV1を20%減少させるのに要するメ タコリンの濃度を意味する。1 +-の値は、別途表示されない限り、+−SDを意味する。2 計画的な群の少数民族の患者の59%が黒人であり、応需的な群で65%が黒 人であった。3 値は、ならし期間の最後の4週間の平均を表す。4 ピーク流量変動率は、([夜間ピーク流量−午前ピーク流量]/夜間ピーク流 量x100)として算出した。5 喘息症状は、無症状に対する0から無能力にする症状に対する3まで、患者が 毎日格付けした。** この特徴は、ならし期間の第6週から測定した。6 喘息特異的な生活の質の質問票を、臨床センター来診の際に患者が完成した。1 .0の評点は、喘息が生活の質全体に影響しないことを示し;2.0の評点は、患者 の生活が喘息によって「少し制限される」ことを;3.0の評点は、「多少の制限 」があったことを;7.0の評点は、「全的制限」があったことを示す。7 値は、中央値および四分位数間領域である。8 データは、ならし期間の第2〜4週からの平均である。 コンプライアンス:規則的な方式での積極的であるか、またはプラシーボによ るかの吸入される医薬の使用に対するコンプライアンスは、Chronology投与記録 、および日記票の解析が示す限りで、80%を上回った。患者の臨床センターへ の計画された来診3172件のうち、26件が失敗し、99%を超えるコンプライア ンスの率となった。 喘息の増悪:喘息は、積極的な投与期間中に24回(計画された投与群で11 回、応需的な投与群で13回)、禁断期間中に4回(各群で2回)増悪した。2 8回の増悪は、計画された投与の群の患者12名、および応需的な群の患者11 名で発生した。 投与の失敗:無作為投与の16週の期間中に患者11名で(計画された投与の 群で5名、応需的な群で6名)、また禁断期間中に2名で(いずれも計画された 投与の群)失敗したと見なされた。喘息のために救急室への3件の来院があった (計画された投与の群で2件、応需的な群で1件であった)。試験の際に喘息で 入院した患者は皆無であり、誰も死亡しなかった。二つの投与群間でのいかなる 事象の率でも、有意差は皆無であった。 薬効の成果:各患者群について実施した回帰分析から導かれた限りでの、肺機 能(午前ピーク流量、夜間ピーク流量、流量の変動率、FEV1、β−作用薬応 答性、およびPC20によって示される)、ならびに喘息の症状(補充用β−作用 薬計量投与吸入器の使用数、日記の評点、および生活の質の評点)を表3に示す 。モデルによって予測された、サンプルの平均と比較した限りでの値のグラフ表 示は、統計的モデルによる優れた適合の良さを示した(データは示さず)。二つ の投与群間で、午前ピーク流量に有意差は皆無であった(表3)。アルブテロー ルの平均的使用は、計画的使用の群では1日あたり9.3回の服用であり、応需 的投与の群では1日あたり1.6回の服用であったが、医薬の追加的使用は、ピ ーク流量の変動率、FEV1、補充アルブテロールの使用、喘息症状、生活の質 、またはPC20の差へと導くことはなかった。 群間では、二つの有意差が見出された。一方は、投与期間の終点から禁断期間 の終点までの夜間ピーク流量の変化であり;平均の夜間ピーク流量が、計画され た投与の群では毎分17.7リットル低下したが、応需的な群では毎分1.3リ ットル増加した。他方の有意差は、ならし期間と投与期間との間の気管支拡張剤 の応答の変化においてであった(表3)。アルブテロールの投与に対するFEV1 の応答は、計画された投与の群では10.7%の改善から12.5%の改善へ と増大し、応需的な投与の群では10.7%の改善から9.2%の改善へと減少 した。表3に示されるとおり、群内での多数の、小さいが統計的に有意な変化が 、様々な投与期間の間で注目された。投与が失敗したと見られる被験者を排除し た後に集められたデータが、治癒過程対治療の方法の使用とともに派生するそれ と基本的に同じである、解析の結果を示す。 *値は、表2が、モデルから推計するよりはむしろ、平均データを含むため、表 2のそれとは異なる。1 FEV1は、1秒間の強制呼気量を、PC20は、FEV1を20%減少させるのに要する メ タコリンの濃度を意味する。2 P値は、投与期間の終点での応答の、禁断期間の終点でのそれとの群内比較に ついてである。3 P値は、投与期間の終点から禁断期間の終点までの応答の変化の群間での比較 についてである。4 ピーク流量変動率は、([夜間ピーク流量−午前ピーク流量]/夜間ピーク流 量x100)として算出した(Martin et al.,Am.Rev.Respir.Dis.143:351 ,1991)。5 P値は、投与期間の終点での応答の、ならし期間の終点でのそれとの群内比較 についてである。** 気管支拡張剤の応答は、第4週でのならし期間の際、および第20週での積極 的投与期間の際に最後に測定した。6 P値は、ならし期間の終点から投与期間の終点までの応答の変化の群間での比 較についてである。7 採点体系の説明については、表2の脚注を参照されたい。8 P値は、ならし期間の終点での応答の、禁断期間の終点でのそれとの群内比較 についてである。 これらの結果は、軽度の喘息の患者における吸入アルブテロールの規則的使用 が、喘息制御に対する有害な効果を一般的に伴うことはないことを示す。 実施例2 β2−アドレナリン受容体対立遺伝子のβ−作用薬投与の結果との相関関係材 料と方法: 一般に:本研究において分析された患者は、米国国立心臓、肺及び血液研究所 の喘息臨床研究ネットワーク(ACRN)が後援しているβ−作用薬研究(BAG Sと呼ばれる)の関係者であった。この研究の結果は、New England Journal of Medicine(Drazen等,NEJM335:841,1996)に公表されており;この論文の材料と 方法及び結果の節は、実施例1において再現されている。上記のように、この研 究は、全体的に見て、負の効果は軽い喘息に対するアルブテロールの規則的投与 と関係しないと結論した。 我々は、研究関係者のβ2−アドレナリン受容体遺伝子(この蛋白質の残基16 をコードしている)の遺伝子型を研究することによりBAGS試験の結果を更に 分析することを決定した。我々は、179〜255被験者について、各遺伝子型 を決定するための材料を得ることができた。残りの被験者は、遺伝子型分類に参 加することを拒否し又は該分類にて分類できなかった。 ARMSアッセイ:β2−アドレナリン受容体遺伝子多形(SEQ ID NO:2のヌク レオチド1633におけるA→G置換に対応する)(A→G)(これは、この蛋白質 におけるArg16→Glyというアミノ酸変化を生じる)を検出するのに用い たプライマーは:ヌクレオチド1612〜1633に対応する野生型のフォワー ドプライマーA1(5'-GCCTCTTGCTGGCACCCAA-AA-3'[SEQ ID NO:3])であり(但し 、3’末端から2番目の塩基(下線を引いてある)は、TからAに変え、多形特異 的なフォワードプライマーA2(5'-GCCTTCTTGCTGGCACCCAAG-3'[SEQ ID NO:4]) は、3’末端の最後のヌクレオチドにおいて野生型と異なる(太字で示す)、リバ ースプライマーRev(5'-AGGATAACCTCATCCGTAAGG-3'[SEQ ID NO:5])は、相補 鎖のヌクレオチド2483〜2503に対応する。 β2−アドレナリン受容体遺伝子多形(SEQ ID NO:2のヌクレオチド1666に おけるC→Gという置換に対応する)(これは、この蛋白質におけるGln27→ Gluというアミノ酸変化を生じる)に対して用いたプライマーは:野生型のフ ォワードプライマーB1(ヌクレオチド1645〜1666に対応するが、3’ 末端から2番目の塩基がGからAに変化した5'-CCGGACCACGACGTCACGCAAC-3'[SEQ ID NO:6])(多形特異的なフォワードプライマーB2(5'-CCGGACCACGACGTCACGCAA G-3'[SEQ ID NO:7])は、野生型プライマーと3’末端において異なっている( 太字で示す))及びリバースプライマーRevであった。 各試料のゲノムDNAのPCRによる増幅は、各アッセイについての2つの反 応:野生型のプライマー(A1及びREV)を用いるもの及びヌクレオチド166 33における多形の検出のための多形(A2及びRev)対立遺伝子特異的なプラ イマーセット並びに野生型プライマー(B1及びRev)及びヌクレオチド166 6における多形検出のための多形対立遺伝子特異的なプライマーセット(B2及 びRev)を用いるものを別々に含んだ。両多形検出アッセイは、ヒトβ−グロ ビンプライマーセットを陽性対照としてPCR反応混合物中に含んだ。これらの β−グロビンのプライマーは:ヌクレオチド43〜62に対応するフォワードプ ライマーBGl(5'-GCTGTCATCACTTAGACCTC-3'[SEQ ID NO:8])(Genbank受託番号 L48217)であり、リバースプライマーBG2(5'-CAGACGAATGATTGCATCAG-3'[SEQ I D NO:9])は、相補鎖上のヌクレオチド766〜785に対応した(Genbank受託 番号L48217)。 各PCR反応は、5μlのテンプレートDNA(頬細胞溶解物又は100〜2 00ngの血液ゲノムDNA)、PCR緩衝液II(Perkin Elmer)、1.5mMの MgCl2(Perkin Elmer)、12.5pモルの各プライマー、400μMのdN TP(Perkin Elmer)、0.625ユニットのTaqポリメラーゼ(AmpliTaqポリ メラーゼ、Perkin Elmer)、0.05ユニットのパーフェクトマッチPCRエン ハンサー(Stratagene)を全容積25μl中に含んだ。PCRの条件は:94℃5 分間の初期ホットスタートであり、ホットスタート後温度を80℃に維持してこ の期間中にdNTP及びTaqポリメラーゼを加えた。この後に、94℃で1分 間、58℃で1分間、72℃で1分間の35サイクルを行い、最後に、72℃で 5分間の伸長時間を続けた。薄い壁の96マイクロウェルプレート(Costar)を増 幅用に鉱油と共に、PTC−100サーマルサイクラー(マサチューセッツ、Watertown在 、MJ Research)にて用いた。増幅後、約20μlの反応混合物を、2.0%のア ガロースゲル上での電気泳動により分離して、分析のためにエチジウムブロミド で染色した。 結果 図3は、我々が我々のBAGS被験者の遺伝子型分析において達成した結果の 一例を示している。この残基に関する全体的所見は、下記の表4にまとめたβ2 −アドレナリン受容体残基16である:これらのデータは、Arg16についての0.405の対立遺伝子頻度を示して おり、この集団の約16%がこの対立遺伝子に関してホモ接合であることが期待 できよう。 BAGS関係者のβ−アドレナリン受容体遺伝子型を決定したので、我々は、 次に、BAGSデータを再分析し、それを、種々の処理グループにおいて個人の 遺伝子型により階層化した。我々の結果を図3に示す。見られるとおり、Arg 16についてホモ接合である個人は、吸入β−作用薬の定期的使用に対する有害 な応答を有した(プラシーボ「ラン−イン」期間の最後と「投与中止」期間の最 後との間の22.5LPMの最大流量の減少により示される)。対比してみると 、必要な時にβ−作用薬処理を受けたArg16ホモ接合体は、この間隔にわた る最大流量の僅かの増加を有した。定期的に計画されたβ−作用薬処理を受けた Gly16ホモ接合体及びArg16/Gly16ヘテロ接合体は、如何なる副 作用も示さなかった。これらのデータは、β2−アドレナリン受容体の16位の 遺伝子型が、定期的に計画されたβ−作用薬処理に対する患者のありそうな応答 に関して強力な予言的情報を与えることを示している。定期的に計画されたアル ブテロール処理の後の最大流量の変化は、ラン期間の最後と投与中止期間の最後 との間の間隔にわたって、Arg16対立遺伝子についてホモ接合である個人に おいて、Gly16/Gly16又はArg16/Gly16遺伝子型を有する ものと比較して有意に異なっていた(AM PEFRについて、p=0.001 9; PM PEFRについて、p=0.0009)。 我々は、我々が分析したすべてのβ−作用薬感受性のArg16ホモ接合体は 又、Gln27についてもホモ接合であるが、他のGln27ホモ接合体は、β −作用薬に対する有害な応答を有しなかったということに注意する。従って、我 々は、Gln27が、それ自身、有害なβ−作用薬応答に対する影響の受け易さ の指標であることはありそうにないということを結論する。 実施例3 β2−アドレナリン受容体対立遺伝子を検出する好適方法 一般に: 当業者により容易に認められるであろうが、本発明により、β−作用薬投与に 対する負の応答を受け易い患者を同定するためには、様々な技術の何れを用いて β2−アドレナリン受容体対立遺伝子を検出してもよい。この実施例は、可能な 方法のある好適な例を与えることだけを意図しており、本発明の範囲を制限する ことを意図するものではない。 温度勾配ゲル電気泳動: 一般に:β2−アドレナリン受容体遺伝子多形の検出のための温度勾配ゲル電 気泳動法は、記載されている(Reihsaus等,Am.J.Respir.Cell.Mol.Biol.8:334,1 993,参考として本明細書中に援用する)。基本的に、ポリアクリルアミドゲル中 での変性溶剤の勾配を用いて、配列中唯一つの塩基対のみが異なる核酸断片を分 離する(例えば、Wartell等,Nuc.Acids Res.18:2699,1990を参照されたい。参 考として本明細書中に援用する)。 ゲル電気泳動: アクリルアミドゲルを含むガラス板をアルミニウム加熱ブロ ックにサンドイッチになるように、伝統的な垂直ゲル装置を改変して、温度勾配 ゲル電気泳動を垂直アクリルアミドスラブゲル装置を用いて行うことができる。 ブロック中の導管は、循環液体に、上端から下端までの又は一側面から他側面ま での温度勾配を確立させる。上端から下端まで横切って走る導管を用いて、電気 泳動の移動と同方向に温度勾配を確立する。DNA移動と垂直の勾配を作るには 、この液体を両側面に沿って流す。粘着性のパイプテープを用いて、ガラスに面 していないブロックの表面を断熱する。後部ブロックは、張り出した緩衝液チャ ンバーにより形成される空間内のゲルユニットの主要垂直支持体に対して位置さ せる。両加熱ブロックは、U字型プレキシグラス片上に位置を占め、これらは、 それらを下部電解質チャンバー内の緩衝液の上に維持する。2つのサーモスタッ ト付の液体サーキュレーター(Haake Inc.)を用いて高温及び低温を制御する。 加熱ブロックにより生成された温度勾配を、好ましくは、水サーキュレーター の少なくとも2つの温度設定(例えば、32℃/28℃及び44℃/18℃)にお ける直線性及び均一性についてチェックする。サーミスタープローブ(±0.5 ℃)をゲルに挿入して、ゲル温度を、種々の深さ及び水平位置において測定する ことができる。すべての温度設定について、ゲル中の勾配は、好ましくは、ブロ ックにカバーされる領域内で直線的且つ均一である。適当なパーセントのアクリ ルアミドゲルは、標準的プラクティスにより決定される。かかるゲルは、変性溶 剤(例えば、0.5M TBE、7.0M 尿素、40%ホルムアミドu/u)中 で製造すべきであり、標準的手順によってゲルをロードする。 熱安定性の計算: DNAらせんコイル伝達のモデルを用いて、DNA断片の 熱変性作用を計算することができる(Wartell等,Nuc.Acids Res.18:2699,1990 及びそこで引用されている参考文献を参照されたい)。所定のDNA配列につい ての溶融曲線の予想に加えて、この計算は、DNA配列中の塩基対についての溶 融プロフィルをも示すことができる。溶融プロフィルは、所定温度で配列のn番 目の塩基対が溶融する可能性Θ(n)を示す。一連の温度における溶融プロフィル の三次元ディスプレーから、共同して溶融するドメインの長さと位置を可視化す ることができる。これらの溶融プロフィルの計算は、鎖の解離がごくわずかであ ることを仮定している。 最隣接スタッキングパラメーターを、McCampbell等(Biopolymers 28:1745,19 89)及びGotoh及びTagashira(Biopolymers 20:1033,1981)から得ることができる 。他のすべてのパラメーター例えばループエントロピー因子、鎖解離パラメータ ー等 を、McCampbell等(Biopolymers 28:1745,1989)から得ることができる。最初の 溶融ドメインだけが関係する場合には、これらの解離パラメーター及びループエ ントロピーなる語は、理論と実験の比較に有意の影響を及ぼさない。上記のパラ メーター基準において用いられる溶剤条件に対する計算を標準化するために外挿 を必要としてよい。例えば、0.02M Na+中で測定したGotoh及びTagashir aのパラメーターを、TAT及びTGC(AT及びGC塩基対の平均Tm)のスケーリン グにより、0.1M Na+に外挿することができる(Vologodskii等,J.Biomole Struct.Dynam.2:l31,1984)。 対立遺伝子特異的PCR: 一般に: 本発明を実施するためにβ2−アドレナリンレセプター遺伝子多形 を同定するための一つの好適な方法は、3’の殆どのヌクレオチドがArg16 対立遺伝子又はG1y16対立遺伝子についてミスマッチであるプライマーを用 いるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行うことである(Newton等,Nuc.Acids.Res. 17:2503,1989を参照されたい。参考として本明細書中に援用する;実施例2も 参照されたい)。次いで、PCR反応条件を、生成物のバンドがプライマーとテ ンプレートがマッチしたときにのみ生成されるように調節する。 Arg16及びGly16のβ2−アドレナリンレセプター対立遺伝子の検出 のための有用なPCRプライマー及び条件は、記載されている(Turki等,J.Clin. Invest.95:1635,1995、参考として本明細書中に援用する;実施例2も参照され たい)。この論文に記載されているように、対立遺伝子特異的なPCRは、適当 な条件下で、テンプレートとプライマーの最も3’側でのマッチがPCR生成物 の生成に必要である(即ち、ミスマッチは、生成物を生じない)という前提に基づ いている。対立遺伝子特異的なPCR反応は、例えば、下記のように行うことが できる: ゲノムDNAを、例えば、2mlの末梢血液から、利用可能な任意の技術例え ばセチルメチルアンモニウムブロミド分離技術によって単離する(Jones等,Natur e 199:280,1963)。PCR反応を、100μlの容積にて、〜500ngのゲノ ムDNAを用いて行う。核酸46(アミノ酸16)の2つの多形を描写する好適な プライマー対は、i)5'-CTTCTTGCTGGCACCCAATA-3'(センス)(SEQ ID NO:10)及び 5'-CCAATTTAGGAGGATGTAAACTTC-3'(アンチセンス)(SEQ ID NO:11);ii)又は同じ アンチセンスプライマー及び5'-CTTCTTGCTGGCACCCAATG-3'(センス)(SEQ ID NO: 12)を含む。これらのプライマーを用いて生成されたPCR生成物のサイズは 、913bpである。ポリメラーゼVent exo(-)(New Engl and Biolabs,Inc.,マサチューセッツ 、Beverly在)を、これらの反応に用いることができる。反応緩衝液は、好 ましくは、製造業者からのこれらのポリメラーゼと一緒に含まれているものであ る。温度サイクルは、好ましくは、98℃で30秒、66〜68℃で45秒及び 72℃で45秒(30サイクル)であり、20μlのPCR反応物を1%アガロー スゲル上で電気泳動して、エチジウムブロミド染色及び紫外線照明により可視化 することができる。 対立遺伝子特異的PCR技術は、PCR生成物の直接的ジデオキシ配列決定法 により、好ましくはPCRで用いたものとは異なる配列決定用プライマーを用い て確認することができる。更に、野生型β2ARcDNA又は多形に対応する変 異したcDNAよりなるプラスミドを、対立遺伝子特異的PCR研究のために、 正の及び負の対照用テンプレートとして用いることができる。 ハイブリダイゼーション研究: 一般に: ヌクレオチド配列の違いは、通常、適当な条件下でのオリゴヌクレ オチドハイブリダイゼーションにより検出することができるということは、長い こと認められてきた。最近、Hall等(Lancet 345:1213,1995,参考として本明細 書中に援用する)は、かかる技術を用いて、β2−アドレナリン受容体遺伝子にお いて異なる配列を検出することが確実にできるということを示した。彼らが教示 するように、β2−アドレナリン受容体遺伝子を含むゲノムDNAの試料を、フ ィルター例えばHybondフィルター上に固定化することができる。好適方法におい て、β2−アドレナリン受容体遺伝子の関連部分(即ち、残基16に対応するヌク レオチド46を含む部分)をPCRにより増幅してそのPCR生成物をこのフィ ルターに付加する。次いで、このフィルターを過剰の未標識プライマーとハイブ リダイズさせる(非特異的反応を「ブロック」するため)。続いて、このフィルタ ーを、 標識したプライマーに高緊縮条件下で曝露する。このプライマーは、Gly16 又はArg16対立遺伝子とハイブリダイズするが、用いたハイブリダイゼーシ ョン条件下ではこれらとハイブリダイズしないようにデザインされている。好適 具体例においては、続いて、このフィルターから付加物を取り除き、他の対立遺 伝子と反応するプライマーと再ハイブリダイズさせる(又は、複製フィルターを 調製して並行して反応させる)。 制限断片長多形: RFLP技術は、長いこと、集団中の配列の差異を同定するための人気のある 方法であった(例えば、Current Protocols in Human Genetics,John Wilcy & S onsの単元2.7を参照されたい。参考として本明細書中に援用する)。β2−ア ドレナリン受容体遺伝子は、523位にβan/部位(蛋白質中のアミノ酸17 5に対応する)を含み、これは、多形である(Ohe等,Tharax 50:353,1995参照)。 この多形がArg16→Gly多形との連鎖を示すことは示されていないが、標 準的技術を本発明の実施において用いられるように用いて、かかる連鎖が存在す るならば、それを容易に検出することができよう。 蛋白質アッセイ β2−アドレナリン受容体多形の存在は又、β2−アトレナリン受容体蛋白質の Arg16及びGly16バージョンを区別することのできる蛋白質アッセイに よっても検出することができる。例えば、何れかの変異物に特異的なモノクロー ナル抗体を用いてウエスタンブロットを行うことができよう。ウエスタンブロッ ト技術は、当業者に周知である。 実施例4 長期のβ−作用薬療法に対する有害な応答に影響を受け易い個人を同定するため のキット 当業者には明らかとなるであろうが、本発明の方法の実施において有用な試薬 を、便利に、一緒に、キットに集めることができる。例えば、対立遺伝子特異的 なポリメラーゼ連鎖反応研究のためのプライマーセットを単一容器内に一緒に提 供することができる。 実施例3で述べたように、β2−アドレナリン受容体対立遺伝子は、3’−の 殆どのヌクレオチドが一の対立遺伝子とはハイブリダイズするが他とはミスマッ チであるプライマーの使用により互いに区別することができる。実施例2及び3 は、特別の有用なプライマーセットを記載しているが、当業者は、一のプライマ ーセットがβ2−アドレナリン受容体対立遺伝子(例えば、Arg16変位物をコ ードする対立遺伝子)から増幅生成物を生成し且つ異なるプライマーセットが他 の対立遺伝子(例えば、Gly16変位物をコードする対立遺伝子)から増幅生成 物を生成しさえすれば、正確なプライマー配列の変異物が本発明の精神又は範囲 から離れることなく作られ得るということを容易に認めるであろう。好適な対立 遺伝子特異的なPCRキットは又、他のPCR試薬例えば緩衝液、塩溶液、dN TP、Arg16β2−アドレナリン受容体対立遺伝子を含む対照用DNA、G ly16β2−アドレナリン受容体対立遺伝子を含む対照用DNA及び/又はD NAポリメラーゼをも包含する。好ましくは、DNAポリメラーゼは、熱安定性 である。かかるキットは、適宜、使用のための指示を含む。 当業者は、相同なプライマーを含むキットは、隣接してハイブリダイズしたプ ライマーは、それらの末端残基がハイブリダイズされたときにのみ一緒にライゲ ートされるという前提に基づくライゲーション増幅反応用に調製することができ るということを認めるであろう(English等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 9:630,19 94参照。参考として本明細書中に援用する)。ライゲーション増幅キットに随意 に含まれる更なる試薬には、緩衝液、塩、リガーゼ(好ましくは、熱安定性のリ ガーゼ)、ATP、Arg16β2−アドレナリン受容体対立遺伝子を含む対照用 DNA、Gly16β2−アドレナリン受容体対立遺伝子を含む対照用DNA、 及び/又は使用のための指示が含まれる。 プライマーを含むキットは又、望ましくは、複数の対立遺伝子特異的なプライ マーセットを含まないで、残基16をコードするβ2−アドレナリン受容体遺伝 子の一領域を増幅する単一のプライマーセットのみを含むように調製することが できる。好適なかかるキットは又、PCR試薬及び/又は配列決定用試薬をも含 む。 好ましくは、ジデオキシ配列決定用試薬を用いる(Sambrook等,Molecular Cloni ng:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Prcss,Cold Spring Harbor,ニューヨーク、1989,第13章参照。参考として本明細書中に援用する)。好適 なジデオキシ配列決定用試薬は、例えば、配列決定用プライマー(β2−アドレナ リン受容体遺伝子増幅生成物に又はこの生成物がクローン化されるベクターにハ イブリダイズする)、dNTP、ddNTP、緩衝液、塩、及び/又は指示を含 む。好適具体例において、dNTPは、単独で又は3種類のdNTPのセットで ある混合物にて与えられる。好適なキットは又、更に(又は、別法として)、検出 試薬例えば放射性又は蛍光試薬を含むことができる。特に好適なキットは、デザ インされた遺伝的アナライザーであり、蛍光タグを付けたプライマーを含む。 ある好適なキットは又、他のβ2−アドレナリン受容体対立遺伝子(例えば、他 の位置にある対立遺伝子)を区別するための試薬をも含む。 他の具体例 当業者は、前記は単に本発明のある好適な具体例の詳細な説明であるというこ とを容易に認めるであろう。上記の手順、技術及び組成物の種々の変更及び改変 は、当業者には明らかとなろうし、これらは、後記の請求の範囲により包含され るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 チンチリ,バーノン エム. アメリカ合衆国 17002 ペンシルベニア, エリザベスタウン,チャーチ ロード 2925 (72)発明者 マーティン,リチャード ジェイ. アメリカ合衆国 53711 ウィスコンシン, マディソン,アイバンホー サークル 5791 (72)発明者 フォード,ジーン ジー. アメリカ合衆国 07103 ニュージャージ ー,ニューアーク,ラトガーズ ドライブ 48 (72)発明者 フィッシュ,ジェイムズ イー. アメリカ合衆国 19035 ペンシルベニア, グラッドウィン,モンティセロ ドライブ 1526 (72)発明者 ブーシェイ,ホーマー アメリカ合衆国 94127 カリフォルニア, サンフランシスコ,エル ベラノ ウェイ 35

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.定期的なβ−アゴニスト投与に対する有害な応答の影響を受け易い個人を同 定する方法であって、下記のステップを含む当該方法: i)ゲノム核酸試料を個人から用意し; ii)該試料中で、その個人のβ2−アドレナリン受容体遺伝子の第1及び第2 の対立遺伝子を同定し;そして iii)その個人を、もしβ2−アドレナリン受容体遺伝子の第1及び第2の対立 遺伝子の両方がβ2−アドレナリン受容体蛋白質の残基16にArgをコード しているならば、定期的なβ−作用薬投与に対する有害な応答を受け易いとし て分類する。 2.同定のステップが、変性ゲル電気泳動、対立遺伝子特異的ポリメラーゼ連鎖 反応増幅、一本鎖コンホメーション多形分析、制限断片長多形分析及び対立遺伝 子特異的ハイブリダイゼーションよりなる群から選択する技術を使用する、請求 項1に記載の方法。 3.同定のステップが、第1のβ2−アドレナリン受容体対立遺伝子の第1の部 分及び第2のβ2−アドレナリン受容体遺伝子の第2の部分を同定することを含 み、該第1及び第2の部分がそれぞれβ2−アドレナリン受容体蛋白質の残基1 6をコードする配列を含む、請求項1に記載の方法。 4.同定のステップが、更に、前記の部分のヌクレオチド配列を決定することを 含む、請求項3に記載の方法。 5.決定のステップが、自動化配列決定分析を構成する、請求項4に記載の方法 。 6.同定のステップが、前記の第1の部分を、β2−アドレナリン受容体蛋白質 の残基16にArgをコードする配列を増幅するが残基16にGlyをコードす る配列を増幅しないプライマーセットを用いて増幅することを含む、請求項3に 記載の方法。 7.同定のステップが、前記の第1の部分を、β2−アドレナリン受容体蛋白質 の残基16にGlyをコードする配列を増幅するが残基16にArgをコードす る配列を増幅しないプライマーセットを用いて増幅することを含む、請求項3に 記 載の方法。 8.プライマーセットが、SEQ ID NO:3を含むヌクレオチド配列を有する第1の プライマー及びSEQ ID NO:5を含むヌクレオチド配列を有する第2のプライマー を含む、請求項6に記載の方法。 9.プライマーセットが、SEQ ID NO:4を含むヌクレオチド配列を有する第1の プライマー及びSEQ ID NO:5を含むヌクレオチド配列を有する第2のプライマー を含む、請求項7に記載の方法。 10.下記を含むキット: ヒトβ2−アドレナリン受容体遺伝子の第1の部分にハイブリダイズするよう に選択したプライマーの第1のセット(この第1の部分は、該ヒトβ2−アドレナ リン受容体の16位をコードする配列を、ポリメラーゼ連鎖反応で用いたときに 、該プライマーの第2のセットが、16位がArgの場合には該部分を増幅する が16位がGlyの場合には増幅しないような仕方で含む);及び ヒトβ2−アドレナリン受容体遺伝子の該第1の部分に、ポリメラーゼ連鎖反 応で用いたときに、該プライマーの第2のセットが、16位がGlyの場合には 該部分を増幅するが16位がArgの場合には増幅しないような仕方でハイブリ ダイズするように選択したプライマーの第2のセット、 プライマーの第1のセット及び第2のセットは、一容器内に一緒に用意する。 11.増幅用緩衝液、水、DNAポリメラーゼ、ヒトβ2−アドレナリン受容体 の16位にArgをコードする第1のヒトβ2−アドレナリン受容体遺伝子を含 む第1の対照用DNA、ヒトβ2−アドレナリン受容体の16位にGlyをコー ドする第2のヒトβ2−アドレナリン受容体対立遺伝子を含む第2の対照用DN A、使用のための指示、及びこれらの組合せよりなる群から選択する構成要素を 更に含む、請求項10に記載のキット。 12.下記を含むキット: ヒトβ2−アドレナリン受容体遺伝子に、ポリメラーゼ連鎖反応で用いたとき に、プライマーセットが該ヒトβ2−アドレナリン受容体遺伝子の一部分を増幅 し、その部分がヒトβ2−アドレナリン受容体の残基16をコードする配列を含 むような仕方でハイブリダイズするように選択したプライマーセット;及び 該増幅した部分のヌクレオチド配列を決定するための試薬、 該プライマーセット及び試薬は、一容器内に一緒に配置する。 13.前記の試薬を、前記の増幅した部分の断片に、ヒトβ2−アドレナリン受 容体の残基16をコードする前記の配列を横切る伸長を与えるような仕方でハイ ブリダイズする配列決定用プライマー、DNAポリメラーゼ、dNTP、緩衝液 及びこれらの組合せよりなる群から選択する、請求項12に記載のキット。 14.前記の配列決定用プライマーを自動化遺伝子分析機での使用のために蛍光 標識してある、請求項12に記載のキット。 15.増幅用緩衝液、水、DNAポリメラーゼ、ヒトβ2−アドレナリン受容体 の16位にArgをコードする第1のヒトβ2−アドレナリン受容体遺伝子を含 む第1の対照用DNA、ヒトβ2−アドレナリン受容体の16位にGlyをコー ドする第2のヒトβ2−アドレナリン受容体対立遺伝子を含む第2の対照用DN A、使用のための指示、及びこれらの組合せよりなる群から選択する構成要素を 更に含む、請求項12に記載のキット。 16.下記を含むキット: ヒトβ2−アドレナリン受容体の残基16をコードする配列を含むヒトβ2−ア ドレナリン受容体遺伝子の一部分にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプラ イマー(該オリゴヌクレオチドは、該配列がArgをコードする場合には、該配 列がGlyをコードする場合よりも、該部分に対して一層高い親和性を有する) ;及び ヒトβ2−アドレナリン受容体の残基16をコードする配列を含むヒトβ2−ア ドレナリン受容体遺伝子の一部分にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプラ イマー(該オリゴヌクレオチドは、該配列がGlyをコードする場合には、該配 列がArgをコードする場合よりも、該部分に対して一層高い親和性を有する) 。
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