JP2001513547A - 情報担体として接着プラスターを備えた皮膚及び経皮投与のためのフラットシステム、及びそのプラスターの製造方法 - Google Patents

情報担体として接着プラスターを備えた皮膚及び経皮投与のためのフラットシステム、及びそのプラスターの製造方法

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JP2001513547A
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ベッヒャー、フランク
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、皮膚及び経皮治療投与形態で、情報担体としてプラスターを使用するシート状接着システムに使用する標識に関するものであり、プラスターが電子識別可能な暗号を備えていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 情報担体として接着プラスターを使用する、接着シート状皮膚及び経皮治療投
与形態用の標識、及びその製造工程。
【0002】 接着シート状システムは、数多くの疾患の治療法として知られており、多くの
治療分野(therapeutic application areas)において目覚ましい成功を収めてい る。
【0003】 このタイプのシステムは、リューマチ治療用プラスターまたは活性成分5−フ
ルオロウラシルを含む前癌症状治療用プラスターといった、表面(局所)作用を
有し、皮膚に適用するための表面作用システムとして以前から知られている。組
織的作用がある経皮治療システム(TTS)の重要性も増大している。それらの
利点は、例えば、活性成分を調整しつつ、比較的長期間にわたって皮膚を介して
送達することである。このタイプの経皮システムは、活性成分が外部に現れると
いう望ましくない事態を防止するため、不浸透性かつ非接着の裏打ち層を有する
【0004】 また、皮膚に接着させるのに必要な感圧性接着層を有する。この接着層が同時
に活性成分を含有していてもよい。さらに、剥離可能な保護層を備え、これは通
常、TTSの保管中に活性成分が損失するのを防止するため端部が接着されてい
る。
【0005】 医学的、及び薬理学的な研究の結果、特に、患者の投薬治療の可能性を向上さ
せるために、医学的使用のための新規の活性成分の組合せ及び投与形態が絶え間
なく開発され提案されている。オタワ大学、中でも同大心臓学会(the Heart Ins
titute)の研究が、ムシバンド他(Mussivand et al) ASAIOジャーナル19 95年版41:M253−M258に記載されているが、その中で、毎年2万5
千の新しい医薬品が市場で発売されていることが報告されている。
【0006】 近代の医療においては医師も患者も莫大な種類の医薬を使用するので、それら
の薬の中でかなりのものが今でも処方箋無しで入手可能である(例えば、リュー
マチ治療用プラスター、禁煙用ニコチンプラスター等)。多くの患者が、例えば
高い血圧を下げるためといった目的で、長期間の投薬に依存している。それ故に
、そのような患者はしばしば、一種類または複数種類の成分の作用を受けること
になる。そのように数多くの薬が使用されまた多くは不注意で誤用されることに
より起こる問題には、他の投薬成分または特定の消耗品(例えばアルコール)と
の間に起こり得る相互作用、及び患者体内の活性成分が有害なレベルに達すると
いうリスクを伴う副作用の増加が含まれる。時には、このことから深刻な問題が
生じる恐れもある。例えばアルコールの過剰摂取、またはドラッグの使用等の急
激な相互作用等によって患者が意識不明の昏睡状態になるなどして無力な状態に
陥った場合、手当てを施している救急医がその患者の服用している全ての医薬成
分や活性成分についての情報を得ることができない。そのような場合、患者の体
内で作用している有害な薬物の性質に関する情報を得るには血液を分析する以外
にないが、それには時間がかかりなおかつ精密機械を必要とするので、そのよう
な情報は緊急の場合では、全てではないにせよ間に合わないことが多い。その結
果、そのような場合では、医師が正確な診断を下し、解毒剤や、有害な活性成分
の影響を決定し、またはコントロールされたやり方ではその患者にとって活力を
与える医薬成分の摂取量を補充することはできない。同様にそのような場合に、
投薬の継続や薬剤変更の可能性が示されているかどうかを医師が判断できない。
活性成分プラスターの構成及び成分に関して正確な標識を付けなければならない
のは明らかである。そうすることにより、処理を必要とする際にそれらを純粋な
グレードにまで分類し、それらに応じて適宜処理を行い、または活性成分を回収
するために通過させることができるからである。
【0007】 現在ますます多種多様なシステムが市場に登場している。40を超える基本的
な活性成分のパターンが存在する。その観点から、特にパックインサート(pack
insert)からの情報及びその他の付随する情報が得られない時に、それぞれを総 合的に識別できるということが非常に重要な条件になる。
【0008】 ドイツ特許195 19 593 C1号明細書は、熱可塑性材料でできた裏打 ち層を備えた経皮治療システムを開示している。この可塑性材料は外側に配置さ
れた低融点熱可塑性物の積層体及び皮膚に面した高融点熱可塑性物の積層体から
成り、この裏打ち層には永久的識別暗号が設けられ、裏打ち層の表面特性、表面
の厚さまたは表面の粗さは場所によって異なり、また、この裏打ち層は、活性成
分を含んだ有効部分を持つ。この場合、本発明は圧力、熱、超音波または摩耗の
作用によって裏打ち層の暗号を製造するという要素から成る。
【0009】 周知の識別暗号を使用することによる便宜性に限度があることは、熱または圧
力の作用が多くの活性成分含有プラスターにとって有害になり得るという事実か
ら明らかである。加えて、プラスターの裏打ち層の表面特性を変えることによっ
て設けられる暗号の記憶容量(capacity)の範囲も比較的狭い。さらに、それを製
造するには、例えば加工(fabricating)システム等において追加的な仕上げ工程 が必要となる。
【0010】 上記オタワ大心臓学会による論文の開示内容は、経皮的エネルギー及び情報シ
ステムに関するものである。そのようなシステムのおかげで、インプラント、除
細動薬、循環系安定剤、バイオセンサー等を、遠隔操作接続システムを使用して
エネルギーと共に供給し、これらのインプラントによって生じる情報について監
視することができる。そのような装置及び方法の適用範囲は、しかしながら、固
定設備(stationary facilities)に限られ、不適当である。なぜなら、経皮治療 システムを識別するには、装置も技術全体も非常に複雑なものになるからである
【0011】 本発明は上記の技術水準から出発して、情報担体としてプラスターを使用する
経皮療法及び非経皮投与形態の双方に用いられる標識、及びその製造方法の提供
を目的とする。それにより本発明は、特性、量、リスク及び/または副作用に関
する情報を比較的幅広く容易に提供することができる。
【0012】 その目的は、プラスターが電子識別可能な暗号を備えた標識によって達成され
る。
【0013】 そのような暗号の利点は、周知の手段で実施または適用され、比較的大きな情
報記憶容量を持ち、すべての医師、薬局、救急車または病棟がそれぞれ所有しも
しくは携帯することが可能な、手に入り易い電子読取機で解読することができる
という点である。
【0014】 一実施例では、電子工学的に読み取り可能な、数字か文字またはバーコードの
形態で、プラスターの、皮膚と反対側に設けられた暗号を提示(provide for)し ている。例えば一般的な郵便切手のサイズの暗号フィールドに、比較的広い範囲
の情報テキストを記憶することもできる。その暗号は光学IR読み取り機を使用
すれば容易に解読される。
【0015】 しかしながら、プラスターの、皮膚と反対側に設けられた暗号が、例えば健康
保険事務所により加入者に交付されるカードに使用されるようなマイクロチップ
の形態であっても便利である。後者は、例えば、郵便切手の約半分の面積に相当
するサイズを持ち、低コストで製造できてプラスターに適用可能である。
【0016】 しかしながら、プラスターの、皮膚の反対側に設けた暗号が、銀行カードに設
けられた磁気ストリップに似た磁気ストリップの形態であってもよい。最後に、
そのコードが、患者の皮膚に適用する前またはその後にプラスターの表面に張り
付けられる接着フィルムの、接着剤の無い側に存在していてもよい。
【0017】 本発明の標識により、暗号に、プラスター内に存在する活性成分及び適宜他の
全材料の、性質及び量に関する情報が含まれるようになる。投与形態を識別する
目的で設けられた暗号には、しかしながら、例えば治療用の活性成分の副作用、
他の活性成分との禁忌性、及び特筆すべき性質等、さらに別の情報をも含めるこ
とができるという利点がある。最後に、分類、加工、埋め立て処理、または熱処
理等の処分に必要な情報を付与することも可能である。活性成分の過剰投与また
は急激な副作用等の危険な症状が明らかになった場合に解毒剤を投与するための
指示を含む暗号を使用するなどして、標識を補充することは非常に有益である。
【0018】 標識が特に効果的なのは、皮膚または経皮システムを使用中の人間に関する個
人データが符号化された形態で記憶できるという点である。特に、長期間薬を服
用していることでリスクを有する患者のアレルギーの存在、薬に対する不耐症等
、その人に特有の情報内容を暗号にデータとして入れておくことが可能になる。
【0019】 基本的なTTSのタイプの全体的な構造は、例えば、チェン(Y. W. Chien)の 「経皮治療システムにおける開発コンセプト及び実施("Developmental Concepts
and Practice in Transdermal Therapeutic Systems")」(編集:チェン、マー
セル・デッカー(Marcel Dekker)、ニューヨーク(1987)、p.25〜81) に記載されている。その暗号はTTSの活性成分含有層または活性成分非含有層
に存在していてもよい。
【0020】 望ましい実施例では、裏打ち層及び活性成分含有自己接着マトリックス層で構
成されるTTSの、裏打ち層に配置された分離層に暗号が含まれる。
【0021】 他の望ましい実施例では、裏打ち層及び活性成分含有自己接着マトリックス層
で構成されているTTSの、裏打ち層に暗号が含まれる。
【0022】 他の望ましい実施例では、TTSの裏打ち層と活性成分含有自己接着層との間
に配置されている分離層に暗号が含まれる。
【0023】 他の望ましい実施例では、裏打ち層、活性成分含有貯蔵層、活性成分の放出を
調節する薄膜、及び自己接着層で構成されているTTSの、裏打ち層面に配置さ
れた分離層に暗号が含まれる。
【0024】 他の望ましい実施例では、裏打ち層、活性成分含有貯蔵層、活性成分の放出を
調節する薄膜、及び自己接着層で構成されているTTSの、裏打ち層に暗号が含
まれる。
【0025】 他の望ましい実施例では、裏打ち層、活性成分含有貯蔵層、活性成分の放出を
調節する薄膜、及び自己接着層で構成されているTTSの、裏打ち層の下方に配
置された分離層に暗号が含まれる。
【0026】 クレーム1の前提部分によれば、包括タイプの標識を、製造する工程は、その
暗号を、製造中にプラスターに導入するかまたは適用するものとして定義される
。例えばスクリーン印刷、タンポン印刷またはその他の印刷工程で、暗号をプラ
スターに適用することは可能でしかも有効である。暗号を備えた自己接着担体を
使用しても、暗号をプラスターに適用することができる。
【0027】 最後に、プラスターの標識を製造するうえで有効な工程では、暗号を多層プラ
スターの分離層、活性成分含有層または外側被覆層に保存することを規定してい
ている。
【0028】 情報担体としてプラスターを使用する経皮治療及び非経皮投与形態双方に使用
される標識は、満足に、かつ早期に認識され得るとは限らない危険因子を除去す
るのに非常に有効な方法である。そのような危険因子は例えば、活性成分の組み
合わせから生じ、それらの成分は一緒に反応して有害な副作用を引き起こしたり
、TTSの損傷または過剰投与の結果としての初回通過効果と関連する。さらに
いえばアレルギー反応または有効期限の切れた活性成分を使用した結果から起こ
ることもある。そのような場合に本発明の標識があれば、深刻な合併症、特に生
命を脅かすような状態である場合に、医師は、特定の治療過程により、それを治
療することができる。
【0029】 この範囲において、本発明は何より早く最適な方法で記載の目的を達成するこ
とができる。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年2月21日(2000.2.21)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 皮膚及び経皮治療投与形態で、情報担体としてプラスター(pla
    ster)を使用したシート状接着システム用標識であり、プラスターが電子識別可 能な暗号(coding)を備えていることを特徴とする標識。
  2. 【請求項2】 プラスター面の暗号が、皮膚と反対側にバーコードの形態で設
    けられていることを特徴とする請求項1に記載の標識。
  3. 【請求項3】 プラスター面の暗号が、皮膚と反対側にマイクロチップの形態
    で設けられていることを特徴とする請求項1に記載の標識。
  4. 【請求項4】 プラスター面の暗号が、皮膚と反対側に磁気ストリップの形態
    で設けられていることを特徴とする請求項1に記載の標識。
  5. 【請求項5】 暗号が、患者の皮膚に適用前または後にプラスターの表面に貼
    りつけることのできる接着フィルムの、接着剤がついていない側に存在すること
    を特徴とする請求項1に記載の標識。
  6. 【請求項6】 暗号が、プラスター内に存在する活性成分の性質及び量に関す
    る情報を含有することを特徴とする請求項1〜5の少なくともいずれかに記載の
    標識。
  7. 【請求項7】 暗号が例えば、経皮活性成分の副作用、他の活性成分との禁忌
    性その他重要な特性に関する情報をさらに含むことを特徴とする請求項1〜6の
    少なくともいずれかに記載の標識。
  8. 【請求項8】 暗号が、危険な症状が明白に現れた場合の解毒剤投与の指示を
    含むことを特徴とする請求項1〜7の少なくともいずれかに記載の標識。
  9. 【請求項9】 暗号が、投与継続の妥当性に関する情報を含むことを特徴とす
    る請求項1〜5の少なくともいずれかに記載の標識。
  10. 【請求項10】 暗号が、処分に関連する構造及び組成についての情報、特に
    分類、成分の回収及び最終破壊のデータを含むことを特徴とする請求項1〜5の
    少なくともいずれかに記載の標識。
  11. 【請求項11】 暗号が、例えばアレルギーの存在及び薬剤への不耐症等に関
    して、患者に特有なデータの情報を含むことを特徴とする請求項1〜5の少なく
    ともいずれかに記載の標識。
  12. 【請求項12】 暗号を備えた自己接着担体を使用してプラスターに暗号を付
    与することを特徴とする、シート状接着システム用標識の製造工程。
  13. 【請求項13】 多層プラスター内の分離層、活性成分含有層または外側の被
    覆層に暗号を導入することを特徴とする、シート状接着システム用標識の製造工
    程。
JP2000507351A 1997-08-22 1998-08-04 情報担体として接着プラスターを備えた皮膚及び経皮投与のためのフラットシステム、及びそのプラスターの製造方法 Pending JP2001513547A (ja)

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