JP2001513279A - 周波数信号の等化装置、例えば衛星通信装置用の周波数信号の等化装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、周波数信号の等化装置、例えば衛星通信装置用の周波数信号の等化装置であって、チャネルフィルタ及びチャネルフィルタに後置接続された等化器を有する当該の等化装置に関する。等化器は、少なくとも部分的に超伝導性の反射―等化器（１８）であるように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】 周波数信号の等化装置、例えば衛星通信装置用の周波数信号の等化装置 本発明は、周波数信号の等化装置、例えば衛星通信装置用の周波数信号の等化装 置であって、チャネルフィルタ及びチャネルフィルタに後置接続された等化器を 有する当該の等化装置に関する。 技術水準 衛星回線を介して情報の伝送の際情報を高周波信号に変換し、これを伝送する ことが公知である。多数の情報を同時に伝送し得るため、伝送に適する全周波数 スペクトルの複数の選択可能な周波数帯域が情報伝送に使用される。当該の高周 波信号は、地上局から衛星へ、そして、衛星から受信機へ伝送される。ここで衛 星では伝送信号の変換及び増幅が行われる。それ自体必要な広帯域アンプは実現 不能であるので、信号は比較的狭い周波数バンドに分解され、それらの信号は増 幅され、それに引き続いて、出力信号に合成され、次いで伝送される。 ここで欠点となるのは狭帯域の周波数バンド内で低、中、高周波信号成分間で 所謂走行伝搬時間差を来すことである。上記の走行伝搬時間差は、信号の引き続 いての合成及び増幅の際信号誤りを生じる。 前記の伝搬遅延差を補償するためサーキュレータを有する等化器を介して信号 を導くことが公知である。サーキュレータでは、伝送すべき信号が入力結合され サーキュレータ内部で制御される反射により出力端子へ供給される。これにより 、信号の群伝搬時間が低減される、換言すれば１つの信号の低、中、高周波の信 号成分の伝送が比較的短い時間間隔をおいた伝送時間で行われる。Ｃ．Ｍ Ｋｕ ｄｓｉａ，Ｓｙｎｔｈｅｓｉｓ ｏｆ Ｏｐｔｉｍｕｍ Ｒｅｆｌｅｃｔｉｏｎ ―Ｔｙｐｅ Ｍｉｃｒｏｗａｖｅ Ｅｑｕａｌｉｚｅｒｓ，ＲＣＡ Ｒｅｖｉｅ ｗ，Ｓｅｐｔｅｍｂｅｒ１９９７，第５７１頁ｆｆ以降からは、例えば衛星通信 装置におけるマイクロ波等化器の使用が公知である。通常ここで短絡された後置 接続の２回路フィルタを有する中空導波体共振器又は誘電性共振器が使用される 。それらの共振器の有する欠点とするところは、それらの共振器は構成サイズ、 嵩張りが比較的大であり、従って、それらの共振器を多数の衛星通信装置、殊に 、衛星自体内に使用するには限界があることである。 更に、フィルタを、超伝導−平面形プレーナ技術で作製することは一般的に公 知である。それらのフィルタは、公知のフィルタ及び等化器に比して著しくスペ ース及び重量の節減ができる。 発明の利点 本発明の装置において、請求項１に特定された構成要件により得られる利点と するところは、スペース及び重量上の低減のほかに群伝搬時間のさらなる短縮が 達成されることである。等化器が少なくとも部分的に超伝導性の反射―等化器か ら成ることにより、そして、この反射―等化器は、有利に１つの平面形プレーナ サーキュレータ及び１つの超伝導性反射フィルタを有することにより、超伝導− 平面形プレーナ技術で使用されるコンポーネント部品に基づき、極めてわずかな 組込スペース上で信号の等化及び群伝搬時間の低減を行い得る。反射フィルタを 介しては、１つの所定の周波数バンドの伝送すべき信号の低及び高周波成分が次 のように重畳される、即ち、それの走行伝搬時間が中位ないし中波周波数信号成 分の走行伝搬時間に近似され、その結果、群伝搬時間の変化が劇的に低減される ように重畳される。 本発明の有利な発展形態が引用請求項における構成要件に示されている。 次に本発明を１つの実施例に即して、所属の図を用いて詳述する。 図１は、周波数信号の等化のための装置の平面略図である。 図２は、図１の装置の個々の構成部分の群伝搬時間の特性図である。 図３は、図１の装置全体の群伝搬時間の特性図であ る。 実施例の説明 図１には周波数信号の等化のための装置１０が示してある。装置１０は、チャ ネルフィルタ１２を有し、このチャネルフィルタ１２の入力端子１４には周波数 信号が加わる。チャネルフィルタの出力端子１６には等化器１８が接続されてい る。等化器１８は、サーキュレータ２０と、反射フィルタ２２を有する。サーキ ュレータ２０は、第１の端子２４を以て本発明フィルタ１２の出力端子１６に接 続されている。サーキュレータ２０の第２端子２６は、反射フィルタ２２に接続 されており、そして、出力端子２８には、等化された周波数信号が現れる。 チャネルフィルタ１２，サーキュレータ２０及び反射フィルタ２２も１つの超 伝導−平面形プレーナ技術で構成されている。平面形プレーナ技術での構成素子 の構成及び作用は、一般に公知であるのでここでは説明しない。チャネルフィル タ１２は、例えば８−回路フィルタである。反射フィルタ２２は、例えばマイク ロストリップ又はコプレーナフィルタであり、一方、サーキュレータ２０は、Ｙ −マイクロストリップサーキュレータである。 反射フィルタ２２は入力結合線路３０を有し、この入力結合線路３０は、サー キュレータ２０の端子２６に接続されている。更に、相互に結合されたプレーナ 共振器３２の少なくとも１つの対が設けられている。 入力結合線路３０は、サーキュレータ２０に、特にそれの端子２６にインピー ダンスマッチングされている。それにより、入力結合線路３０の開口幅への端子 ２６の開口幅のマッチングが行われる。その結果、反射特性に関し、最適の端子 移行部が得られる。それにより反射損失が回避される。 図１に示す装置は次のような機能を有する； 入力端子１４に加わる周波数信号は、チャネルフィルタ１４により帯域制限さ れる、換言すれば、たんに狭幅の周波数帯域のみがろ波される。入力信号は、例 えばＧＨｚ（マイクロ波）、例えば３．４〜４．２ＧＨｚである。この入力信号 から、チャネルフィルタ１２により、狭幅の周波数帯域がろ波される。フィルタ リングは、チャネルフィルタ１２の設計に応じて行われる。その狭幅の周波数帯 域は、装置１０の出力端子２８に後続するアンプに供給される。ろ波された狭幅 のチャネルフィルタの個々の周波数は、それの異なる周波数に基づき異なる走行 伝搬時間を有し、その結果増幅された出力信号へのそれの増幅及び引き続いての インピーダンス合成により、信号誤りを来すこととなる。而して、出力端子１６ に現れる周波数信号の低及び高周波数成分は公知のように、中波ないし中位周波 数成分より低速、緩慢である。総じて、ほぼ２０〜４０ｎｓの群伝搬時間差が生 じる。 図２には入力端子１４に加わる周波数信号の周波数成分の群伝搬時間が周波数 に関してプロットしてある。上方の実線は、チャネルフィルタ１２における群伝 搬時間を示す。明らかなように、３．８８５ＧＨｚにおける低いほうの周波数領 域と３．９２０ＧＨｚにおける高い方の周波数領域と、ほぼ３９００〜３９０５ ＧＨｚにおける周波数領域との間でほぼ１５ｎｓ（ほぼ２８〜４２ｎｓ）の走行 伝搬時間差がある。 個々の信号成分はサーキュレータ２０内に供給される。サーキュレータ２０を 介して周波数信号が端子２６に導かれ、そこから入力結合線路３０を介して平面 形プレーナ共振器３２に供給される。信号はプレーナ共振器３２により反射され 、入力結合線路３０及び端子２６を介して同じくサーキュレータ２０の共振器に 供給され、そこから、サーキュレータ２０の出力端子２８への反射が行われる。 複数部分信号の低、中、高周波成分に対して、反射フィルタ２２にて種々異な る反射条件が生じる。それにより、個々の部分周波信号の群伝搬時間、例えば図 ２中点線で示すような群伝搬時間が生じる。サーキュレータ２０と反射フィルタ ２２とから成る等化器１８は、次のように構成されている、即ち、低周波及び高 周波信号の走行伝搬時間が中波ないし中位周波信号成分の走行伝搬時間より小で あるように構成されている。周波数バンドについて考察すると、等化器１８の走 行伝搬時間は、チャネルフィルタ１２における下降する放物線を呈する領域では 上昇する放物線を有する。他方では、等化器１８における走行伝搬時間は、チャ ネルフィルタ１２における走行伝搬時間が上昇する放物線を呈する周波数領域で は下降する放物線を呈する。それの設計に基づき、図３に示す群伝搬時間の信号 が周波数に関して得られる。個々の周波数成分の走行伝搬時間の重畳により、周 波数に関して放物線状の特性経過が生じ、この放物線状の特性経過は群伝搬時間 差、換言すれば、最も低速の緩慢な走行伝搬時間と最も速い高速の走行伝搬時間 との間隔、ほぼ３ｎｓ（ほぼ３８〜ほぼ４１ｎｓ）の間隔を呈するものである。 明らかなように群伝搬時間差は装置全体１０の周波数の関数としてドラスチッ クに低減される。周波数信号の帯域幅に応じて、２ｎｓ以下の群伝搬時間を達成 できる。１つのチャネル内でのそれらの走行伝搬時間差は、後続の増幅及び出力 情報の合成の際有意の信号誤りを生じさせない。群伝搬時間のドラスチックな低 減のほかに、同時に超伝導-平面形プレーナ技術での装置１０の構成によりスペ ース及び重量上の節減が達成される。その種の装置は衛星通信装置の衛星にて使 用されるのに適する。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１１年２月３日（１９９９．２．３） 【補正内容】 請求の範囲 1. 周波数信号の等化装置、例えば衛星通信装置用の周波数信号の等化装置で あって、チャネルフィルタ（１２）及びチャネルフィルタに後置接続された等化 器（１８）を有し、前記等化器は、少なくとも部分的に超伝導性の反射―等化器 （１８）である当該の周波数信号の等化装置において、 チャネルフィルタ（１２）及び等化器（１８）は、プレーナ平面形に構成され ており、反射―等化器は、マイクロストリップフィルタ又はコプレーナ、共平面 形フィルタとして構成された超伝導性反射フィルタ（２２）を有することを特徴 とする周波数信号の等化装置、例えば衛星通信装置用の周波数信号の等化装置。 2. 等化器（１８）は平面形プレーナサーキュレータ（２０）を有することを 特徴とする請求項１記載の装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 1. 周波数信号の等化装置、例えば衛星通信装置用の周波数信号の等化装置で あって、チャネルフィルタ及びチャネルフィルタに後置接続された等化器を有す る当該の等化装置において、 等化器は、少なくとも部分的に超伝導性の反射―等化器（１８）であることを 特徴とする周波数信号の等化装置、例えば衛星通信装置用の周波数信号の等化装 置。 2. 等化器（１８）は平面形プレーナサーキュレータ（２０）及び入力結合さ れる超伝導性反射フィルタ（２２）を有することを特徴とする請求項１記載の装 置。 3. 反射フィルタ（２２）は、マイクロストリップフィルタであること特徴と する請求項１又は２記載の装置。 4. 反射フィルタ（２２）は、コプレーナ共平面形フィルタであること特徴と する請求項１又は２記載の装置。 5. 平面形プレーナサーキュレータ（２０）は、マイクロストリップサーキュ レータであることを特徴とする請求項１から４までのうちいずれか１項記載の装 置。 6. サーキュレータ（２０）における反射フィルタ （２２）の入力結合が入力結合線路（３０）を介して行われるように構成されて いることを特徴とする請求項１から５までのうちいずれか１項記載の装置。 7. 入力結合線路（３０）は、インピーダンスマッチングされていることを特 徴とする請求項１から６までのうちいずれか１項記載の装置。 8. 反射フィルタ（２０）は、少なくとも１つのプレーナ平面形共振器（３２ ）であることを特徴とする請求項１から７までのうちいずれか１項記載の装置。