【発明の詳細な説明】
管体内でレーザ溶接プローブをセンタリングする方法および装置
本件出願は、「損傷した管体を補修する方法および装置(Method and Apparatu
s for Repairing Damaged Tubes)」という名称に係る1993年2月17日付米
国特許出願第08/018,644号(現在は米国特許第5,430,270号)の一部継続出願で
ある「損傷した管体を補修する回転装置(Rotating Apparatus for Repairing Da
maged Tubes)」という名称に係る1994年2月7日付米国特許出願第08/192,5
56号(現在は米国特許第5,514,849号)の一部継続出願である「高出力レーザ溶
接装置用回転光ファイバカプラ(Rotating Fiber Optic Coupler for High Powe
r Laser Welding Applications)」という名称に係る1995年3月27日付米
国特許出願第08/410,714号の一部継続出願である。この米国特許出願第08/410,7
14号についてのみ優先権主張を行なう。発明の簡単な説明
本発明は、一般的には、加圧水原子炉発電所での蒸気発生器の管体のような熱
交換器における管体の補修に関し、より詳しくは、補修作業中に熱交換器の管体
内でレーザ溶接プローブをセンタリングする技術に関する。発明の背景
加圧水炉サイクルを使用する原子力発電所では、熱は、核燃料の核分裂から原
子炉内で放出される。熱は、原子炉冷却剤と呼ばれる液体を連続的に循環させる
ことにより原子炉から除去される。冷却剤は、原子炉内で加熱された後、一般に
蒸気発生器と呼ばれる熱交換器に流入し、ここで熱を放出して原子炉に戻り、再
び加熱される。蒸気発生器では、原子炉冷却剤は、蒸気タービンの駆動に使用さ
れる二次冷却水を加熱する。蒸気は、蒸気タービンを出た後、凝縮されて蒸気発
生器に戻され、原子炉冷却剤により再び加熱される。原子炉−蒸気発生器の冷却
剤ループは一般に一次ループと呼ばれ、また、蒸気発生器−タービンのループは
通常二次ループと呼ばれる。
蒸気発生器は一般に外筒/管体形式の熱交換器であり、一次冷却剤は熱交換器
の管体の内部を通り、二次冷却水は管体の外面上を通って熱交換器の外筒内に収
容される。原子炉冷却剤から二次冷却水への熱伝達は、管体のほぼ全長に亘って
生じる。管体の端をシールして原子炉冷却剤と二次冷却水との混合を防止するた
め、管体の端は、管体端を受け入れるための貫通孔が設けられた平板からなる管
体シートに連結される。管体の端は、管体シートにシール溶接されるか、孔内で
拡大されて、シール継手を形成する。管体シートの周縁部は、蒸気発生器の外筒
および原子炉冷却水ボックスに対してシールされる。
通常、蒸気発生器は、管体全体が垂直方向に配置されており、直流またはリタ
ーンフローの形式のものである。直流形式の蒸気発生器では、管体は真直ぐであ
り、その両端が管体シートに連結されている。原子炉冷却剤は、蒸気発生器の頂
部で水ボックスに流入し、管体を通って流れ、かつ蒸気発生器の底部で水ボック
ス内に収集される。より一般的なものはリターンフロー形式の蒸気発生器である
。このものは、管体が逆「U」形であり、その両端が、蒸気発生器の底部の同じ
管体シートに連結されている。管体シートの下の水ボックスは、管体入口を収容
する管体シート部分を、出口を収容する管体シート部分から有効にシールすべく
配向された仕切り板を有している。この態様では、原子炉冷却剤は、水ボックス
の入口部分に流入し、逆「U」形管体を通って水ボックスの出口部分へと流れる
。直流形式の蒸気発生器またはリターンフロー形式の蒸気発生器のいずれの場合
でも、管体は非常に長く、その長さ方向に沿った支持が必要である。これは、管
体の長さ方向に沿った種々の位置で、熱交換器内に支持板を設けることにより行
なわれる。支持板は管体が通る孔を有し、支持板の周縁部は蒸気発生器の外筒に
連結されている。
管体の取付けを容易にし且つ管体と外筒とが別々に熱膨張できるようにするた
め、支持板の孔は、支持板に対して管体が摺動できるように過大なサイズになっ
ている。しかしながら、孔は、管体の充分な水平支持が行なえ且つ作動中に管体
の過度の振動を防止するのに足りる小ささのものである必要がある。かくして、
支持板と管体との間には間隙が形成されている。これらの間隙には、蒸気発生器
の作動中に発生する屑片および腐食生成物が集積し、間隙の腐食が促進される。
また、前述の管体と管体シートとの継手も、間隙での腐食を引き起こす虞のある
間隙を有している。
蒸気発生器の管体は、最終的に漏洩または重大な薄壁化をもたらす数種類の腐
食機構を受け易い。これらの腐食機構として、一次冷却水による応力腐食割れ、
二次側粒界腐食、二次側粒界応力腐食割れおよび二次側消耗がある。一次側劣化
は、一般に、拡大移行領域、内列Uベンドおよび管体支持位置等の高引張り残留
応力が生じる箇所に生じる。二次側劣化は、管体と管体シートとの間隙、管体支
持板と管体との境界部、振動防止バーの境界部およびスラッジパイル領域等の不
純物が集中して腐食部位を形成する箇所に生じる。これらの腐食誘発問題に対す
る現在の解決技術として、蒸気発生器の交換、劣化管体の栓塞、管体内面の電気
めっき及び劣化管体のスリーブ装着等がある。
蒸気発生器の交換は、多大なコストが必要であり及び数カ月または数年に亘る
発電所の停止を含む劇的な解決法であり、発電所の長期停止に付随して収入も失
われる。劣化管体の栓塞は管体の稼働を不能にし、蒸気発生器の効率を低下させ
る。管体を栓塞できるか否かは、各蒸気発生器の作動経験に基づいて計算した「
栓塞限度」に基づいて定められる。「栓塞限度」が消尽している場合に、更に管
体を栓塞すると、蒸気発生器の能力を低下させ、従って発電所全体の定格を下げ
、低出力で運転しなければならない。
ニッケルで蒸気発生器の管体を電気めっきすることによって、管体を稼働状態
に維持できる。また、ニッケルめっきは小さな漏洩をシールし且つこれ以上の劣
化を防止するが、管体の構造的一体性を復元することはできない。従って、電気
めっきは、早期に検出された極く小さい割れ(クラック)にのみ有効であり、こ
れに限定されることから、管体の強度が大幅に損なわれる前に補修を行なわなく
てはならない。
スリーブ装着はより費用の嵩む解決技術であるが、管体を稼働状態に維持でき
る。スリーブ装着は、蒸気発生器管体の内径より僅かに小さい外径をもつ短い管
状スリーブを、蒸気発生器管体の損傷部分内に挿入し、スリーブを管体に溶接す
ることにより行なわれる。スリーブは管体と同じ材料で作られており、実際には
管体の損傷部分を置換するものである。従って、この補修方法では、管体の構造
的一体性が復元される。一般に、スリーブ装着は、蒸気発生器の「栓塞限度」に
近づいたときに行なわれる。
William E.Pirlの1991年11月19日に発生した米国特許第5,066,846号
(この米国特許は本件明細書に援用する)には、スリーブ装着の1つのアプロー
チが開示されている。この米国特許では、スリーブは、管体内に配置されるレー
ザビーム溶接ヘッドを用いて管体に溶接される。レーザ源からのレーザエネルギ
は、光ファイバケーブルを介して溶接ヘッドに導かれ、ここで、傾斜ミラーがビ
ームをスリーブ内面に反射する。溶接ヘッドはスリーブの一端近くの管体に沿う
軸線方向の一位置で回転し、レーザビームは、スリーブ/管体の境界の回りの小
さい周方向帯域で、スリーブを溶融させるのに充分な熱を管体に供給する。この
方法により行なわれる溶接は、当業界で一般にガス溶接(autogeneous weld)と
呼ばれるもので、溶接作業中にスリーブの母材および管体が溶融され、溶加材は
全く付加されない。次に、溶接ヘッドはスリーブの他端に位置決めされ、べつの
ガス溶接が行なわれる。
この方法でのスリーブ装着は管体の構造的一体性を復元できるが、多くの欠点
も有している。第1に、スリーブは必然的に管体通路の内径を減少させ、蒸気発
生器が稼働状態におかれたときに管体を通る冷却剤の流れに対し大きな圧力降下
を与える。また、補修箇所が例えば管体シートにおけるような管体の下部に位置
する場合には、この最初のスリーブの位置より上方に位置する管体劣化箇所をそ
の後に補修することが妨げられる。なぜならば、既に装着されているスリーブを
通して他のスリーブを挿入することは不可能だからである。また、溶加材を付加
することなくスリーブの端に高品位のすみ肉溶接を行なうことは非常に困難なた
め、スリーブの両端でのガス溶接部は、通常、管体の端から引っ込んだ位置で行
なわれる。これらの溶接部はスリーブの端から引っ込んでいるので、スリーブの
端と溶接部との間の領域におけるスリーブと管体との間には間隙が生じる。また
、溶接部自体は小さい周方向帯域を有するので、帯域間のスリーブの外部領域は
管体との間に間隙を形成する。割れまたはピンホールのような補修を必要とする
管体の損傷は、水がこの間隙に流入することを可能にする。これらの間隙領域は
、蒸気発生器が稼働されたときに種々様々な腐食を受け易い。
スリーブを使用することなく、管体内に連続ガス溶接を行なって損傷した管体
を補修しようとする試みがなされているが、これらの努力は失敗に終わっている
。なぜならば、ガス溶接を使用すると、損傷を招いた腐食が、傷を生じさせる酸
化表面および空隙を残すからである。溶接工程で溶加材を使用する場合、ガス溶
接に付随する傷および空隙の発生を防止する脱酸剤および粘度調整剤を溶加材に
含有させることができる。また、溶加材の使用により管体壁を補強でき、これに
より、損傷した管体の壁と新しい溶接堆積部との完全な構造的置換を行なうこと
ができる。
かくして、PWR発電所の更なる要求に合致する優れた解決技術が要望されて
いることは明白である。ひとたび管体栓塞限度が消尽されかつ多量(全管体の1
0%以上)のスリーブが装着されるようなことがあると、管体劣化が、最終的に
、蒸気発生器の交換、発電所の出力低下または停止の決定を招くことになる。従
って、経済的コストで、発電所寿命の終時まで長期の管体寿命を提供できる別の
補修技術が要望されている。
米国特許第5,430,270号および第5,514,849号には、PWR発電所の管体寿命を
経済的に延長できる技術が開示されている。本件出願人が所有する米国特許第5,
430,270号には、熱交換器管体の内面をクラッド溶接する技術が開示されている
。本件出願人が所有する米国特許第5,514,849号には、同期回転装置を使用して
熱交換器管体の内面をクラッド溶接する改善技術が開示されている。同期回転装
置内には、レーザ溶接プローブが配置される。正確な溶接作業を遂行するには、
レーザ溶接プローブを所定位置(一般には、中心位置)に維持する必要がある。
この目的は本来的に達成が困難であり、異なるサイズの管体に単一のレーザ溶接
プローブを使用する場合にはより一層達成が困難である。異なるサイズの管体は
必ずしも異なる熱交換器管体に限定されるものではなく、スリーブ補修した管体
の場合のように、同じ熱交換器管体でも異なる内周をもつことがある。
従来技術では、構造体内で装置のセンタリングを行なうのに、ばね付勢形式の
パッド、ホイールまたはレバーが使用されている。米国特許第5,514,849号に開
示の同期回転装置に適用すると、このような技術は回転抵抗すなわち牽引力を発
生し、従って、レーザ溶接プローブシステムの回転速度および安定性に影響を与
える。
上記観点から、管体内でレーザ溶接プローブのセンタリングを行なう優れた技
術を提供することが強く望まれている。この技術は、管体内での溶接ヘッドの半
径方向位置を維持すると同時に、溶接ヘッドの円滑な回転を可能にする低牽引力
のセンタリング方法を提供できるものでなくてはならない。また、この技術は、
単一のレーザ溶接プローブを、異なる内周をもつ単一または複数の管体に使用で
きるものでなくてはならない。発明の概要
本発明は、管体の内面を溶接する装置を含んでいる。この装置は、管体の内面
内に配置される形状を有するレーザ溶接プローブ本体を有している。流体圧力に
基づいて作動するセンタリング機構を使用して、レーザ溶接プローブ本体と管体
の内面との間に形成される環状空隙内でレーザ溶接プローブ本体を実質的にセン
タリングする。一実施形態では、センタリング機構は1組のシールを用いて実施
される。他の実施形態では、センタリング機構は、流体圧力に応答して環状空隙
内でレーザ溶接プローブ本体をセンタリングすべく作動する1組のセンタリング
ボールを用いて実施される。流体圧力は、レーザ溶接作業中に使用されるシール
ドガスを用いて発生させることができる。
本発明は、管体内でレーザ溶接プローブ本体をセンタリングする効率的な技術
を提供する。このセンタリング作業は、重要なレーザ溶接精度を向上させる。こ
の技術により回転抵抗または牽引力を最小にでき、従って、レーザ溶接プローブ
システムの回転速度および安定性が確保される。本発明は、その単一の溶接装置
を、周囲長さの異なる種々の管体に使用できる点でも優れている。図面の簡単な説明
本発明の本質のより良き理解のため、添付図面に関連して述べる以下の詳細な
説明を参照されたい。
第1図は、加圧水原子炉発電所に使用される一般的な蒸気発生器を示す側断面
図である。
第2図は、蒸気発生器管体内に配置されかつ溶加材として予配備形ワイヤコイ
ルを使用するレーザ・クラッド溶接補修装置の一実施形態を示す断面図である。
第3図は、管体支持板の近くで蒸気発生器管体内に配置されたレーザ・クラッ
ド溶接装置の他の実施形態を示す簡単化された断面図である。
第4図は、蒸気発生器管体内に配置されかつクラッド溶接すべき領域上に直接
予配備される溶加材ワイヤコイルを使用するレーザ・クラッド溶接補修装置の他
の実施形態を示す断面図である。
第5図は、本発明に従って使用される回転装置の側面図である。
第6図は、第5図の回転装置の回転スリーブの端に配置される回転溶接ヘッド
を示す側断面図である。
第7図は、ウェッジプリズムを使用するレーザエネルギ方向修正組立体を示す
側面図である。
第8図は、本発明に使用される他の回転装置を示す側面図である。
第9図は、第8図の回転装置の回転スリーブの端に配置される回転溶接ヘッド
を示す側断面図である。
第10図は、カットした光ファイバケーブルを使用するレーザエネルギ方向修
正組立体を示す側面図である。
第11図は、湾曲光ファイバケーブルを使用するレーザエネルギ方向修正組立
体を示す側面図である。
第12図は、第5図の装置に使用できる光カプラを示す側面図である。
第13図は、第12図の光カプラの固定光学組立体を示す拡大側面図である。
第14図は、第12図の光カプラの回転ケーブルインターフェース組立体を示
す拡大側面図である。
第15図は、安全光ファイバおよび対応する安全光ファイバフォトセルを有す
る回転ケーブルインターフェース組立体を示す拡大側面図である。
第16図は、非回転保護シースを備えた回転スリーブの端に配置された回転溶
接ヘッドを示す側断面図である。
第17図は、本発明の一実施形態による自動センタリングルーザ溶接プローブ
を示す側面図である。
第18図は、本発明の一実施形態による自動センタリングレーザ溶接プローブ
の他の実施形態を示す側面図である。
第19図は、本発明の一実施形態による自動センタリングレーザ溶接プローブ
の他の実施形態を示す側面図である。
第20図は、本発明の「センタリングボール」が引込み位置にあるところを示
す側面図である。
第21図は、本発明の「センタリングボール」が突出位置にあるところを示す
側面図である。
幾つかの図面において、同類の部品には同じ参照番号が使用されている。発明の詳細な説明
本発明は、熱交換器または物質搬送システム等の任意の用途に使用できる、腐
食または損傷を受けた小径管体の補修に適用できる。本発明の装置および作業に
ついて以下に述べる詳細な説明には、例えば、加圧水原子炉発電所サイクルに使
用される蒸気発生器として知られている特殊な熱交換器を使用する。
第1図は、リターン形式のの一般的な蒸気発生器を示す。尚、幾つかの図面の
全てに亘って、同類の部品には同じ参照番号が使用されている。全体を参照番号
10で示す蒸気発生器は、外筒12、管体の束14、管体シート16および水ボ
ックス18を有している。図面の明瞭化のため1本のみの「U」形管体20を示
すが、管体の束14は数千本の個々の管体20で構成できることを理解すべきで
ある。仕切り板22が、水ボックス18を第1入口セクション24と出口セクシ
ョン26とに区画している。作動に際し、熱い原子炉冷却剤が、ノズル28を通
って入口セクション24すなわち水ボックス18内に流入する。入口セクション
24から、冷却剤は、管体20を通って水ボックスの出口セクション26へと流
れ、ノズル30を通って原子炉(図示せず)に戻される。二次冷却水が、ノズル
40を通って外筒12に流入し、管体20との接触により加熱される。二次冷却
水が加熱されると、沸騰して蒸気を発生し、該蒸気は、蒸気発生器10の頂部の
ノズル42、44を通って外筒12から出る。このようにして発生した蒸気は蒸
気タービン(図示せず)に導かれ、ここで発電機(図示せず)を駆動すべく膨張
される。
蒸気発生器内で、管体20は、シール溶接により管体シート16に連結される
か、管体シート16の管体孔内で管体を拡大することにより管体シート16に連
結される。管体20を通す孔が設けられた管体支持板50が、外筒12内で種々
の高さに配置されている。管体支持板50の孔は管体20の外径より僅かに大き
く、管体20が支持板50内で垂直方向に摺動できるようになっている。この相
対摺動可能性は、蒸気発生器10が作動されて作動温度にゆっくり加熱されると
きに生じる種々の熱膨張を吸収するのに必要である。前述のように、支持板50
と管体20との間に形成される間隙並びに管体シート16への管体20の取付け
部に存在する間隙は腐食を受け易く、これが管体20を劣化させ、最終的には管
体の破裂すなわち故障を招く。
ここで第2図を参照すると、レーザ・クラッド溶接補修装置の一実施形態の断
面図が示されている。この図面は、小径管体の内部をクラッド溶接すべく本発明
を使用するときの全体を示すものである。蒸気発生器管体20は、管体支持板5
0を通る部分が示されている。一般に、管体20の外面と支持板50の孔の内径
との間の間隙は、約0.008〜0.015インチである。かくして、間隙腐食が生じるこ
とは明白である。この実施形態では、補修装置が蒸気発生器管体内に配置され、
補修装置は溶加材として、予配備形ワイヤコイルを使用する。
レーザ100は、損傷した管体20を溶接するための熱源である。レーザ10
0は、溶接に一般的に使用されている任意の形式のものでよいが、Nd:YAGレーザ
がより一般的である。本発明者が使用しているこのようなレーザの一例は、2,40
0ワットの出力を発生するHobart Laser Products社のモデル2400である。レ
ーザ100は、該レーザ源100により発生されたレーザ出力を溶接ヘッド20
0に案内する光ファイバ102に連結されている。
溶接ヘッド200は、円筒状の回転本体202を有している。本体202内に
は、該本体202の軸線に対して所定角度に配向されたミラー204が収容され
ている。後述のように、ミラー204の代わりに、方向変換光学素子を使用する
こともできる。本体202内には、レーザビームのための2つの通路が穿設され
ている。第1通路203は本体202の軸線に対して同心状であり、本体の下面
から入ってミラー204の表面で終端している。第2通路205は本体202の
周囲から半径方向に穿孔されており、これもミラー204の表面で終端している
。この態様で、本体202の底部に入るレーザビーム光はミラー204から半径
方向に反射されて、管体20の内面に向かって外に出る。
本体202の底部は回転継手206に連結されている。回転継手206は、上
方回転部分208および下方回転部分210を有し、溶接ヘッド200の本体2
02がその軸線を中心として回転できるようにしている。回転継手206の静止
部分210には、回転ヘッド駆動モータ212が連結されている。駆動モータ2
12は、溶接ヘッド200の作動中に本体202を回転させるのに必要な回転力
を付与する中空軸を備えた小型電気モータまたは空気圧モータである。
モータ212の底部は、レーザ源100に連結され且つ光ファイバ102を収
容している可撓性ケーブル214に連結されている。駆動モータ212が電気モ
ータである場合には、ケーブル214には、モータ212に給電するための導電
線(図示せず)が収容される。
溶接ヘッド200を駆動するのに空気圧モータを使用する場合には、ケーブル
214には、モータ212に給電するための空気圧管体(図示せず)が収容され
る。また、溶接分野の当業者には容易に理解されようが、ケーブル214には、
最終溶接を向上させるためのアルゴンまたはヘリウムのようなシールドガス供給
用導管(図示せず)を含めることができる。シールドガスは専用管体または導管
を通して供給することもできるが、殆どの場合には、光ファイバケーブル、ワイ
ヤ導管およびスリーブの間のギャップを通して強制供給される。この場合、ガス
は、溶接部位に向かってガスを導くための孔を溶接ヘッド200に穿けることに
より分配される。
モータ212は中空軸を有するので、レーザエネルギは、モータ212および
回転継手206を通ってミラー204に到達できる。モータ212の中空軸内に
は合焦レンズ213、215が取り付けられている。これらのレンズは、レーザ
エネルギが管体20の内面上に集中されるように、通路の焦点距離を調節できる
。当業者に知られた種々の方法を使用してレンズ213とレンズ215との間の
距離を調節し、焦点距離を調節できるようにすることにより、種々の内径の管体
内
で同じ溶接ヘッド200を使用することができる。
溶接ヘッド本体202の頂部には、リング状ベアリング220が取り付けられ
ている。ベアリング220は、相対回転できるように本体202に対して回転可
能に連結されている。回転ベアリング220および駆動モータ212にはリーフ
スプリング222が連結されており、該リーフスプリング222の遠位端にはシ
ュー224が取り付けられている。リーフスプリング222は、シュー224を
、溶接ヘッド200の中心軸線から半径方向外方に押圧する。シュー224は管
体20の内壁と係合して、溶接ヘッド200が作動される間に、溶接ヘッド20
0を管体20内でセンタリングする機能を有する。しかしながら、シュー224
と管体20との間の摩擦は比較的小さいので、溶接ヘッド200は管体20内で
容易に軸線方向に移動でき、このため、溶接ヘッド200を正確に位置決めして
溶接作業を行なうことができる。
溶接ヘッド本体202の頂部且つリング状ベアリング220内には、溶接ワイ
ヤ送りモータ230も取り付けられている。溶接ワイヤ送りモータ230は、自
動車工業等におけるガス/ヘリアーク溶接に使用されている。従って、これらの
構造および作動は、当業界で広く知られている。送りモータ230は中空軸およ
び複数の摩擦ホイール232を有し、該摩擦ホイール232は、溶接ワイヤを把
持して、これを中空軸を通して直線的に送り出す。摩擦ホイール232の回転軸
線は、溶接ヘッド本体202の回転軸線から僅かにオフセットしている。従って
、溶接ヘッド本体202が回転されると、摩擦ホイール232は、ホイールの接
線方向係合面間に保持された溶接ワイヤに直線運動を伝達する。送りモータ23
0の中空軸は、溶接ワイヤガイド234と整合するようにして、モータ230の
下縁部で終端している。
溶接ワイヤガイド234は、溶接ヘッド本体202を通る穿孔通路である。ガ
イド234への上方の入口は本体202の上面の中心に位置しており、ガイド2
34の下方の出口は、レーザビーム通路205の半径方向出口の直ぐ上で、本体
202の側面に設けられている。この態様で、ガイド234を通って送られる溶
接ワイヤは、溶接部位に導かれる。溶接ヘッド200の上方に溶接ワイヤ240
が示されている。
溶接ワイヤ240は、管体20と同じ材料で作られる。好ましくは、管体材料
よりもクロム含有量が高いInconel(登録商標)合金を使用して、腐食割れに対
する感受性を低下させる。Inconel(登録商標)合金625、52または72を使用し、
かつシリコンおよびチタンのような脱酸剤および粘度調節剤を含有させることが
できる。
溶接ワイヤ240は、管体20の内径にほぼ等しい外径をもつコイルとして予
成形される。コイル状溶接ワイヤ240と管体20の内面との間の摩擦力によっ
て、溶接ワイヤ240は、溶接ヘッド200の作動中に所定位置に保持される。
溶接ワイヤ240の下端は、ワイヤ送りモータ230の摩擦ホイール232を
通ってガイド234内に入り、本体202の側部から出て溶接部位に導かれる。
溶接ヘッド200は、管体20内で補修部位に位置決めされる。溶接ヘッド20
0は、光ファイバからのレーザエネルギを半径方向に方向転換し、管体20の内
壁に当たるようにする。
本発明による管体補修を行なうのに使用される手順および作動を以下に説明す
る。最初に、コイルの外径が管体20の内径にほぼ等しくなるようにして、溶接
ワイヤ240をコイル状にする。溶接ワイヤ240の下端をコイルの中心に向く
ように曲げ、次に、コイルが管体20内に挿入されたときに管体20の中心線上
に位置するように、下方に曲げる。次に、溶接ワイヤのコイルを管体20内に挿
入し、意図する溶接補修部位より僅かに上方の位置まで押し込む。コイルは、管
体20の内径より僅かに小さい外径をもつ可撓性中空ホースを用いて、コイル形
状を変形させることなく管体内に移動させることができる。
ワイヤコイルを配置したら、ワイヤ送りモータ230が最初に挿入されるよう
にして、溶接ヘッド200を管体20内に挿入する。次に、溶接ヘッド200が
補修部位に配置されるまで、ケーブル214を管体20内に送り込むことにより
、溶接ヘッド200を管体20内に押し込む。溶接ヘッド200が適正位置に到
達したならば、予め配置されているコイル状溶接ワイヤ240の端をワイヤ送り
モータ230の中心内に送り込み、摩擦ホイール232と係合させる。溶接ワイ
ヤのコイルは、溶接ヘッド200の頂部に取り付けられたシリンダ内に配置して
、溶接ヘッドおよび溶接ワイヤの両者が同時に管体20内に挿入されるように構
成
することもできる。
溶接を開始するため、電力または空気圧のいずれかの動力を、溶接ヘッド本体
202を回転させる駆動モータ212に供給する。溶接ヘッド本体202が回転
すると、ワイヤ送りモータ230が、ワイヤガイド234を通してワイヤ240
を管体20の内壁に向かって送り込む。同時に、レーザ源100のスイッチが入
れられ、レーザエネルギが、光ファイバ102およびミラー204を介して管体
20の内壁に伝達される。ケーブル214を引っ張ることにより、溶接ヘッド2
00が管体20内で軸線方向に移動される。或いは、当業者に良く知られている
態様で溶接ヘッド本体202とリング状ベアリング220とを正確にねじ連結す
ることにより、溶接作業中に、溶接ヘッド本体202を均一に軸線方向に前進さ
せることもできる。かくして、溶接ヘッド本体202が回転すると、管体20の
母材が溶融され、同時に溶接ワイヤ240が溶接部位に送り込まれる。溶接ワイ
ヤは溶融されて、クラッド溶接を形成する。
ここで第3図を参照すると、レーザクラッド溶接装置の他の実施形態の簡単化
した断面図が示されている。この実施形態では、前述の溶接ワイヤ240の代わ
りに、溶加材からなる薄シート250が使用される。このシートに使用される溶
加材には、溶接ワイヤ240について前述したように、脱酸剤および粘度調節剤
を含有させることができる。溶加材のシート250は厚さが約0.025インチであ
り、かつ補修すべき管体セクションの長さと一致する長さをもつ中空シリンダの
形状に曲げられる(溶加材の厚さは、所望の堆積量すなわちクラッド厚さに基づ
いて決定される)。このようにして形成されるシリンダの外径は管体20の内径
にほぼ等しく、従って、シリンダは、ワイヤコイルについて前述したのと同じ態
様で、予配備することもできる。
シリンダが予配備されたならば、管体20内に溶接ヘッド200を挿入して、
同じ態様で溶接を行なう。この結果得られる溶接は、管体の内径を僅かに0.050
インチだけ増大させる均一クラッディングを形成する。溶接の溶込み深さは約0.
022インチであり、この結果、クラッド厚さは0.047インチとなり、薄シート25
0と管体20との間には優れた接合がなされる。0.047インチのクラッド厚さは
、0.042インチの公称厚さを有する管体20の元の壁厚および構造的一体性を完
全に
復元させる。溶込み深さおよびクラッド厚さは、選択される溶接パラメータ(レ
ーザ出力、移動速度、ピッチ、箔厚さ等)により制御される。
ここで第4図を参照すると、本発明の第3実施形態が示されている。第4図は
、蒸気発生器管体内に配置されかつクラッド溶接すべき領域上に直接予配備され
る溶加材のコイルを使用するレーザクラッド溶接補修装置の別の実施形態を示す
簡単化した断面図である。この実施形態では、溶接ヘッド200は中空ねじロッ
ド300を有し、該ねじロッド300の頂部には、ミラー204が所定角度(例
えば45°)に取り付けられている。ロッド300は、雌ねじが設けられた円形
の上端板302に螺合している。ロッド300の下端は、駆動モータ212のア
ーマチャ304として機能する。上端板302は、ガイドロッド310を介して
ワッシャ形下端板306に連結されている。下端板306および上端板302は
、リーフスプリング222およびシュー224により管体20内の所定位置に保
持される。ガイドロッド310は「T」形断面を有し、かつ中央フランジが溶接
ヘッド装置200の中心に向かって半径方向内方を向くようにして、ロッド30
0の軸線に平行に配置される。モータ212のステータ312は、ガイドロッド
310の縁部を受け入れる各側に長手方向溝314を有している。モータアーマ
チャ304は、ケーブル204に取り付けられた回転継手206に取り付けられ
ている。
作動に際し、溶接ワイヤ240のきつく巻かれたコイルが、管体20内で、ク
ラッド溶接すべき領域の直ぐ上に予配備される。次に、ミラー204がワイヤ2
40の頂部より僅か上方に位置するようにして管体20内に挿入される。レーザ
エネルギが溶接ヘッド200に供給されかつモータ212が付勢されると、ロッ
ド300およびミラー204が回転して、レーザエネルギを溶接ワイヤ240の
コイル上に指向させる。また、ロッド300が上端板302内に螺合すると、溶
接ビームが、回転モータと同期する速度でコイル状ワイヤを通って軸線方向下方
に移動される。ロッド300の軸線方向移動に適合するため、モータステータ3
12はガイドロッド310に沿って摺動するが、ガイドロッド310の縁部と係
合する溝314により、回転することは防止される。かくして、レーザビームが
回転しかつ管体20内で軸線方向に移動して、ワイヤ240を管体20の内面に
溶融させ、均一なクラッド溶接を形成する。
第5図は、損傷した管体20の補修に回転装置320を使用する、本発明の別
の実施形態を示す図面である。この実施形態では、第2図〜第4図の実施形態で
使用された回転ヘッド駆動モータ212およびこれに付随する回転継手206が
多数の回転要素にとって代わられている。より詳しくは、回転溶接ヘッド322
は回転スリーブ324の端に配置されている。回転駆動機構325がスリーブ3
24を回転させる。
回転駆動機構325は、溶加材受容器328および溶加材供給システム330
を備えた溶加材組立体326を同期回転させる。溶加材受容器328は、溶接す
べき溶加材を保持する。一般に、溶加材受容器328は、溶加材ワイヤのリール
の形態をなしている。溶加材供給システム330は、溶加材を受け入れ、該溶加
材を、回転スリーブ324内の溶加材通路内に供給する。回転スリーブ324お
よび溶加材組立体326は同期して回転するので、溶加材が絡み合うことはない
。
溶加材供給システム330は、溶加材組立体のスリップリングを介して給電さ
れる。ワイヤ送りモータの速度は、種々のワイヤ送り速度を与えてクラッド厚さ
を制御するため、およびレーザ出力レベル、移動速度、回転ピッチおよび他のフ
ァクタの変化を調節できるようにするため、変えることができる。
回転装置320はまた、ガス供給源338に連結されるガスカプラ336を有
している。回転スリーブ324は、回転光ファイバケーブル340を有している
。レーザ334は、固定光ファイバケーブル343にエネルギを供給する。レー
ザエネルギは、固定光ファイバケーブル343から、光カプラ342(この好ま
しい実施形態は後述する)を介して回転光ファイバケーブル340に伝達される
。
回転装置320は、軸351に取り付けられた軸線方向駆動システム350に
より、その長手方向軸線に沿って移動される。回転スリーブ324を所定位置に
案内するのにガイドローラ349を使用できる。回転装置駆動機構325、軸線
方向駆動システム350および溶加材供給システム330の作動を制御するのに
コンピュータ制御装置353が使用される。より詳しくは、コンピュータ制御装
置353は、回転装置駆動機構325の速度、軸線方向駆動システム350の位
置および溶加材供給システム330の溶加材供給速度を設定するのに使用される
。
回転装置320の作動は、回転溶接ヘッド322の拡大断面図である第6図を
参照することにより、より完全に理解されよう。回転溶接ヘッド322は、溶加
材通路386を形成する本体380を有している。「ワイヤ導管」とも呼ばれる
溶加材通路386は、回転スリーブ324の長さ方向に形成されている。溶加材
388は、溶加材供給システム330から、溶加材通路386を通って本体孔3
94へと押し出される。レーザエネルギが本体孔394を通って供給され、溶加
材388を溶接する。ガス導管389が溶接ヘッド322にシールドガスを供給
する。ガス導管389は、ガスを多数の位置の孔394に分配する分配チャンネ
ル(図示せず)で終端するのが好ましい。
また、第6図は、回転溶接ヘッド322の本体380内に配置される回転光フ
ァイバケーブル340を示している。回転光ファイバケーブル340は、回転ス
リーブ324の長さ方向に延びていて、スリーブ324に取り付けられている。
回転光ファイバケーブル340は、レーザエネルギ方向修正組立体392で終
端している。本発明の前述した実施形態では、レーザエネルギ方向修正組立体3
92をミラー204の形態で開示した。組立体392は、光学的組立体として形
成することもできる。第7図には、入力レンズ組立体396、ウェッジプリズム
397および出力レンズ組立体398を備えた別のレーザエネルギ方向修正組立
体392が開示されている。ウェッジプリズム397はレーザエネルギの方向を
変える機能を有している。ウェッジプリズム397は、ミラー204から得られ
るよりも高いレーザエネルギ出力を供給する。
レーザエネルギは、非直交角度で、受け面に向けられるのが好ましい。従来技
術の装置は、レーザエネルギが直交態様で表面に衝突するようにしてレーザエネ
ルギを表面に指向させるミラーを使用している。この形態では、反射するレーザ
エネルギが、入射レーザエネルギを混乱させてしまう。また、光学素子の損傷を
防止するため慣用技術で除去しなければならないプルームおよびスパッタが発生
する。レーザエネルギが、第7図に示すように、溶接すべき表面20に対して例
えば45°の角度で衝突するときには、反射レーザエネルギが入射レーザエネル
ギを混乱させることはない。
第8図は本発明の他の実施形態を示す。第8図の実施形態は、第5図の実施形
態に全体として一致するが、回転スリーブ324内に固定内部管体402が配置
されている点で異なっている。固定した内部管体402は、回転スリーブ324
Aが回転している間に、固定光ファイバケーブル343を静止状態に維持できる
。換言すると、第5図の実施形態とは異なり、第8図の光ファイバケーブルは回
転しない。光ファイバケーブルが回転しないため、第5図の光カプラ342は不
要になる。この代わり、固定した内部管体支持体404が使用される。
第9図は、第8図の装置に使用される回転溶接ヘッド322Aを示すものであ
る。第9図には、固定内部管体402内に配置された固定光ファイバケーブル3
43が示されている。回転スリーブ324Aは、固定内部管体402の回りで回
転する。回転スリーブ324Aは、ガス導管389を有している。回転スリーブ
324Aは、溶加材通路として機能する、機械加工溝386A(破線で示す)を
有している。溶加材通路386Aは、回転スリーブ324Aの長さ方向に延びて
いる。溶加材通路はまた、回転スリーブ324Aの長さ方向に延びた小さい管体
として形成することもできる。この実施形態では、レーザエネルギ方向修正組立
体392は回転スリーブ324Aと一緒に回転しかつ静止光ファイバケーブル3
43からのレーザエネルギを受ける。
第10図には、方向修正組立体392Aの別の実施形態が示されている。この
実施形態では、光ファイバケーブル343Aは、その出力端405が斜めに切断
され、ウェッジを形成している。この構造は、第7図に示したウェッジプリズム
と同じ効果を奏する。この実施形態は、これまでウェッジプリズムまたはミラー
を必要としたレーザエネルギ方向修正が行なえる。レーザビームは非直交角度で
光ファイバ343Aを出て、合焦レンズ406を通って溶接部位に指向される。
この設計の長所は、光学素子(すなわち、コリメータレンズ、中間合焦レンズ、
ウェッジプリズム)の個数を低減でき、従って、各インターフェースでのエネル
ギ損および光学ヘッドの全体的コストを低減できることである。
第11図は、別のレーザエネルギ方向修正組立体392Bを示す。この実施形
態では、表面20に対する予選択された非直交角度を得るため、光ファイバケー
ブル343Bが曲げられている。光ファイバケーブル343Bからのレーザエネ
ルギ出力は、合焦レンズ408を通って、表面20上の溶接部位に指向される。
方向修正組立体のこの実施形態は、光学素子の個数を低減でき、これによりエネ
ルギロスも低減される。
第5図〜第11図の実施形態は、Hobart Laser Products,Inc.(Livermore,
カリフォルニア州)から市販されている1064ナノメートルの波長をもつHob-art2
400Wattレーザを用いて実施された。本発明に使用される光ファイバケーブルは
、可撓性金属シース内に収容される融解石英ファイバで形成するのが好ましい。
ファイバは、レーザビームの表面吸収を防止しかつ伝達性を高めるため反射コー
ティングで被覆される。光ファイバケーブルは、600〜800ミクロンのスポットサ
イズを有するもので構成できる。回転スリーブ324は、ステンレス鋼または可
撓性金属管体で形成できる。
回転スリーブ324は、0.5インチの外径および0.370インチの内径をもつスリ
ーブにより実施される。溶加材通路386は、溶接ワイヤのサイズにより決定さ
れる。溶加材通路386のサイズは、溶接ワイヤの直径より数千分の1インチ大
きいことが好ましい。一般に使用されるワイヤ直径として、0.020、0.025、0.03
0および0.035インチがある。
ガスカプラ336は静止保持されかつスリーブ324はカプラ336を通って
自由に回転することができる。ガスカプラ336は、スリーブ324の回転を可
能にすると同時にカプラ336内にガス圧力を維持するためのO-リングを有し
ている。スリーブ324には、ガスがガス供給源338からスリーブ324の内
部へと流れ得るようにする孔が設けられている。ガスは、ガス導管389を通っ
て溶接ヘッド322に供給される。専用のガス導管389を用いる代わりに、光
ファイバケーブル340と、溶接ワイヤ導管386と、スリーブ324との間に
ギャップを設けることもできる。
回転装置駆動機構25はステッパモータで構成するのが好ましい。駆動機構3
25は、ギアまたはベルト等の慣用技術を介して回転スリーブ324および溶加
材組立体326に連結される。
軸線方向駆動システム350は、軸線方向351に取り付けられたステッパモ
ータを用いて実施される。水平運動すなわち平面運動は、軸351を手動位置決
めすることにより達成される。或いは、軸351は、回転装置320を任意の選
択管体20に位置決めできる動力駆動形平面移動装置(図示せず)内に配置でき
る。
溶加材供給システム330は、既存の溶接機に一般に使用されているものでよ
い。例えば、本発明は、ASTRO ARC Inc.(Sun Valley,カリフォルニア州)から
市販されているASTRO ARCワイヤフィーダを用いて実施された。溶加材供給シス
テム330に給電するのに、Poly-Scientific(Blackburg,バージニア州)から
市販されているモデルAC4598スリップリングが使用された。
第7図のレーザエネルギ方向修正組立体392は、標準レンズを用いて実施さ
れた。入力レンズ組立体396はレーザ光ビームを平行にして、平行ビームを形
成する。入力レンズ組立体396は、ウィンドウ・レンズ396A、−20mmf.l.
レンズ396Bおよび+10mmf.l.レンズ396Cを有している。ウェッジプリズ
ム397は、平行化されたビームを10〜60°、好ましくは20〜45°、最
も好ましくは約30°曲げて、曲げられかつ平行化されたビームを形成する。曲
げられかつ平行化されたビームは、+20mmf.l.レンズ398Aおよびウィンドウ
・レンズ398Bに導かれる。出力レンズ組立体398は、非常に高いエネルギ
密度をもつ小径の、合焦平行化ビームを形成する。ビームは溶接部位で最大熱エ
ネルギを供給し、これにより溶加材および母材の一部を制御された態様で溶融す
る。レーザエネルギ方向修正組立体392は、故障がない2400ワットの連続出力
で使用される。ミラーを使用する従来技術の装置は、一般に1000ワットのレーザ
エネルギに制限される。
第9図の固定内部管体402は、ステンレス鋼で形成するのが好ましい。第9
図の回転管体324Aは、ステンレス鋼で形成するのが好ましい。固定内部管体
402と回転管体324Aとの間には、商業的に入手可能なN-ylon(登録商標)
またはTeflon(登録商標)ベアリングが使用される。
第12図〜第14図は、本発明に使用できる光カプラ342を示す。第15図
は、光カプラ342の1つの特徴についての別の実施形態を示す。
第12図(および第5図)に示すように、光カプラ342、固定光ファイバケ
ーブル343と、回転光ファイバケーブル340を収容する回転スリーブ324
との間のインターフェースを形成する。光カプラ342は、固定光学組立体452
および回転ケーブルインターフェース組立体454を支持するベース板450を
有している。
最初に、第13図に示す固定光学組立体452に留意されたい。固定光学組立
体452は、管体または1組の独立マウントとして実施される光ソケット組立体
460を有している。好ましくは、固定光学組立体452はコリメータレンズ組
立体462を有し、該コリメータレンズ組立体462は、第1ビーム拡散低減レ
ンズ464、光行差低減球面レンズ466、第2ビーム拡散低減レンズ468お
よびコリメータレンズ470を有している。また、固定光学組立体452は、好
ましくは合焦レンズ472を有している。固定光学組立体452の光学的機能は
、レーザビーム482の光エネルギを平行化しかつ合焦することである。当業者
には知られているように、この目的のために種々の光学的形態を使用できる。
光学組立体452は、好ましくは、独立した軸線方向および同心状整合を与え
る位置決め装置を有する。第13図には、光ソケット組立体460の軸線方向取
付け段474が示されている。軸線方向取付け段474は、回転光ファイバケー
ブル340および固定光ファイバケーブル343により定められる軸線に沿って
軸線方向整合装置476と一緒に位置決めできる。軸線方向整合装置476は、
アキシャルギアまたはアナログ構造を調節するねじとして実施され、これらの多
くは当業者には知られたものである。
第13図にはまた、回転光ファイバケーブル340および固定光ファイバケー
ブル343により定められる軸線に対して横方向の軸線に沿って位置決めされる
横方向支持体478が示されている。軸線方向取付け段474を特定の横方向(
すなわち同心方向)に位置修正するのに、横方向整合装置480を使用すること
ができる。横方向整合装置480は、アキシャルギアまたは均等構造を調節する
ねじとして実施できる。
ここで第14図を参照すると、本発明の回転ケーブルインターフェース組立体
454の一実施形態が示されている。固定光ファイバ組立体452により作られ
る合焦されかつ平行化されたレーザビーム482が、インターフェース受入れ構
造487により受けられる。回転光ファイバケーブル340が、インターフェー
ス受入れ構造487内でかつ回転ケーブルインターフェース組立体454の軸線
に沿って配置されている。回転光ファイバケーブル340は、石英ガラスのクラ
ッディングを備えた融解石英ガラスモノフィラメントファイバで形成されている
。回転スリーブ324は、ポリマーコーティング、バッファ層およびポリエチレ
ンカバーを備えた保護金属シースで構成できる。
回転ケーブルインターフェース組立体454は、第1インターフェース支持体
484および第2インターフェース支持体486を有し、両支持体はベース板4
50に連結されている。第1インターフェース支持体484および第2インター
フェース支持体486は、整合管体504により包囲された取付けスリーブ50
0を支持するのに使用される。整合管体504は、インターフェース支持体48
4、486にそれぞれ配置された1組のベアリング506A、506B内で回転
する。整合管体504はギア510により駆動される。整合管体504の位置は
、1組の整合ねじ508A、508B、508C、508Dにより調節できる。
本発明の一実施形態では、整合管体504の各端に4つの整合ねじ508が設け
られている。
その名前が示す通り、整合管体504は、光ファイバ340の位置を入射レー
ザビーム482と整合させるのに使用される。好ましくは、整合精度は、取付け
スリーブ500内に配置されたモニタキャビティ502を用いて測定される。モ
ニタキャビティ502には、フォトセル512が光学的に連結される。フォトセ
ル512は、キャビティ502内の光量に比例する電圧を発生する。電圧(出力
)信号は、導体516上のスリップリング514に導かれる。スリップリング5
14は、フォトセル512の出力に一致する信号を発生するデジタル電圧計のよ
うな機器(図示せず)の静止部片に接続されている。光ファイバ340から出る
光レベルがあらゆる回転位置について最小(光ファイバ340の出力は最大)に
なるとき、適正な軸線方向および同心方向の整合が達成される。かくして、整合
ねじ508を調節してこの結果を達成できる。軸線方向整合装置476および横
方向整合装置480を使用して、粗調節を行なうことができる。
第15図は、本発明に従って使用できる回転ケーブルインターフェース組立体
454Aの別の実施形態を示す。本発明のこの実施形態は、安全光ファイバ52
0を有している。安全光ファイバ520は、溶接温度での反射光をモニタする。
反射光は、安全光ファイバ520を介してフォトセル検出器に伝達され、ここで
分析される。モニタリングされた光レベルが正常な作動と一致しない場合には、
レーザエネルギが遮断される。このモニタリング装置の使用は、光学素子内の反
射光エネルギによる光学的損傷を最小にする。
静止溶接装置に安全光ファイバ520を使用することは知られているが、本発
明は、回転溶接装置に安全光ファイバ520を組み込む。より詳しくは、回転ス
リーブ324は追加の光ファイバ520を支持している。この追加の光ファイバ
520は、回転スリーブ324の長さ方向に延び、回転溶接ヘッド322で終端
している。回転スリーブ324の反対側端で、安全光ファイバ520は、この実
施形態ではモニタキャビティ502内に配置された安全光ファイバフォトセル5
22で終端している。安全光ファイバフォトセル522からの出力信号は、第2
導体524を介してスリップリング514に伝達される。次に、スリップリング
からの信号が、パワー伝達光ファイバ488に関連して説明したように、機器の
静止部片により分析される。
第15図は、回転スリーブ324を非回転保護シース530内に収容できるこ
とを示している。回転スリーブ324と非回転保護シース530との間には、ベ
アリング532を配置できる。シース530は、回転スリーブ324及びこの中
に配置された回転光ファイバケーブル340への損傷および摩擦を防止する保護
カバーを形成する。シース530はまた、軸線方向駆動機構がシース530を直
接把持でき、これにより、回転光ファイバケーブル340が所望の軸線方向位置
に配置されるようにする。
第16図は、非回転保護シース530内に収容された回転溶接ヘッド322を
示している。回転溶接ヘッド本体380と非回転保護シース530との間には、
ベアリング532を配置するのが好ましい。
典型的な実施形態では、ベアリング532は、回転溶接ヘッド322内で、回
転スリーブ324の長さ方向に沿って約12インチ毎に設けられる。或いは、回転
スリーブ324と非回転保護シース530との間に、グリースまたは重油潤滑を
使用できる。非回転保護シース530は、ステンレス鋼編組補強体を備えたナイ
ロンまたはプラスチックで形成できる。
非回転保護シース530の多くの変更が可能である。例えば、第16図にはガ
ス導管389が示されている。ガス導管389は省略し、ガスを、回転スリーブ
324と非回転保護シース530との間に形成される空隙534を通して搬送す
ることができる。この態様では、ガス供給ヘッドは、回転溶接ヘッド322に設
けられる。
第17図は、本発明の一実施形態による自動センタリングレーザ溶接プローブ
600Aを示す。自動センタリングレーザ溶接プローブ600Aは、全体として
、前に説明した溶接ヘッド200および回転溶接ヘッド322と同じであるが、
自動センタリングの特徴を有している。自動センタリングの特徴により、より正
確な溶接作業が行なえる。また、自動センタリングの特徴により、単一のレーザ
溶接プローブ600を、種々の周長の管体に使用することが可能になる。更に、
本発明の自動センタリング技術は、本願明細書に開示する種々の回転装置に使用
できる。
第17図は、自動センタリングレーザ溶接プローブ600Aが、空隙394を
備えたレーザ溶接プローブ本体601を有していることを示している。空隙39
4は、第9図および第16図に関連して前述した形式のものである。より詳しく
は、空隙394は、レーザエネルギがこれを通ることを可能にし、これにより、
レーザエネルギを使用して前述の態様でレーザ溶接作業を遂行できる。自動セン
タリングレーザ溶接プローブ600Aはまた、本体601に配置された1組のシ
ール602A、602Bを有している。これらのシール602は管体603の内
面に当接し、
これにより、レーザ溶接プローブ本体601と、管体603の内面と、シール6
02との間に圧力領域604を形成している。後述のように、本発明は、シール
602を用いることなく実施することもできる。
更に後述するように、流体が、流体ポート605を通って圧力領域64内に導
入される。流体とは、液体またはガスであると定義する。どの実施形態でも、流
体は、圧力領域604内に圧力を発生し、この圧力は、プローブ本体601が管
体603内でセンタリングされたとき、プローブ本体601のあらゆる側面上に
等しく作用する。プローブ本体601が、その中心がずれた位置に配置された場
合には、管体603に最も接近して配置されたプローブ本体601の側面に大き
な圧力が作用する。逆にいえば、管体603の壁面から最も離れて配置されたプ
ローブ本体601の側面に作用する圧力領域604の圧力は小さくなる。この結
果、プローブ本体601の一方の側面に作用する高い圧力領域と、反対側の低い
圧力領域との相対圧力差により、プローブ本体601が管体603の中心に向か
って押しやられ、プローブ本体601の全側面に等しい圧力が作用するようにな
る。本発明の全ての実施形態は、この基本的自動センタリング圧力の原理に基づ
いている。
シール602は、ゴムまたは弾性を有する他の物質で実施できる。下記の本発
明の実施形態に示すように、シール602は必ずしも使用する必要はない。また
、後述のように、流体ポート605は、レーザ溶接プローブ本体601を包囲す
るシースに形成することができる。本発明は、レーザ溶接プローブの静止形実施
形態または回転形実施形態のいずれにも使用できる。
第18図は、本発明の「センタリングボール(centering ball)」の簡単化した
例を示す。この実施形態では、自動センタリングレーザ溶接プローブ600Bが
、前述の形式の孔394を備えたレーザ溶接プローブ本体601を有している。
自動センタリングレーザ溶接プローブ600Bは、1組のボール付勢形式の流体
ポート606を有している。以下に示すように、低圧状態にある間、各センタリ
ングボール608は、これが、本体601の外周または流体ポート606が形成
されたシースの外周内に位置するようにして、ボール付勢形流体ポート606内
に内にある。高圧状態では、各センタリングボール608はそれぞれのボール付
勢形流体ポート606から突出して、管体の内面と係合する。第18図は、引っ
込んでいる3つのボール(608A、608B、608C)および突出した1つ
のボール(608D)を示している。突出位置では、ボールは、第17図に関連
して説明したように、管体内でのレーザ溶接プローブ本体601のセンタリング
と一致する均等圧力に移動する。
第18図の実施形態は、シール602を使用するものではないことに留意され
たい。また、第18図の実施形態は、センタリングボール608が流体ポート6
06内で自由に移動するため、回転装置に使用するのに理想的であることに留意
されたい。
第19図は、本発明の他の実施形態による自動センタリングレーザ溶接プロー
ブ600Cを示す。本発明のこの実施形態は、第16図の装置に自動センタリン
グの機能を付加したものであることに留意されたい。これを達成するため、非回
転保護シース530に流体ポート605が形成されている。第19図は、また、
1組のシール602A、602Bがシース530に取り付けられていることを示
している。
第19図はまた、レーザ溶接プローブ本体601Cに形成された流体供給ポー
ト612の形態をなす流体導管を示している。流体供給ポート612はガス導管
389に連結されている。かくして、本発明のこの実施形態では、流体圧力はガ
ス圧力の形態である。
この実施形態では、レーザ溶接プローブ本体601Cが回転するため、流体供
給ポート612が回転経路内にガスを噴射する。ガスは圧力領域を充満する。ガ
スはまた、シース530と溶接プローブ本体601Cとの間の空隙534内に自
由に流入する。ガスは、前述の態様で流体圧力を発生し、プローブ本体601C
を中心に維持する。
第20図は、本発明の「センタリングボール」実施形態の断面図である。この
実施形態では、レーザ溶接プローブ本体601Dが静止しており、回転シース6
20がプローブ本体601Dを包囲している。回転シース620は、管体601
内に比較的きつく嵌合される。シース620は1組のボール付勢形流体ポート6
06を有している。各ポート606内には、センタリングボール608が配置さ
れている。各センタリングボール608はプローブ本体601Dに当接しており
、従って各センタリングボールはシース620の外周内に有効に位置している。
流体通路624の形態をなす流体導管を使用して、プローブ本体601Dとシー
ス620との間に形成される空隙534内に流体が噴射される。本発明のこの実
施形態はシールを使用しないことに留意されたい。
第20図に示す実施形態では、比較的低い流体圧力が存在し、このため、各セ
ンタリングボール608はそれぞれのポート606内にある。これに対し、第2
1図では、流体通路624を通して流体を噴射させることにより、比較的高い流
体圧力が発生される。この結果、センタリングボール608は、管体610に当
接してこれを押す突出位置にある。本発明の前の実施形態と同様に、比較的高い
流体圧力によって、センタリングボール608が、プローブ本体601Dの中心
位置に一致する均衡位置に移動される。
第20図および第21図に示すように、ボール付勢形流体ポート606は、比
較的高い流体圧力状態でボールがポート606から出ることを防止し、かつ比較
的低い流体圧力状態でボールが落下してプローブ本体601Dに当接できるよう
にする傾斜面を有している。保持リング、止めねじ、打曲げ縁部または他の良く
知られた保持技術を使用することもできる。この実施形態の長所は、溶接ヘッド
601Dのセンタリングに必要な流量を低減できることにある。なぜならば、比
較的高い圧力状態ではボール608が流体をシールし、従って、シース620と
管体610Dとの間の環状空隙内に流体が漏出しないからである。この実施形態
の他の長所は、ボール608があらゆる方向に自由に回転でき、このため抵抗が
比較的小さいことにある。
第21図の管体610Dは、第20図の管体610より大きい周囲を有する。
従って、第20図および第21図は、異なる周囲をもつ管体に、単一のプローブ
本体601Dを如何にして使用できるかを示すものである。
本発明は、管体内でレーザ溶接プローブ本体をセンタリングする効率的技術を
提供する。このセンタリング作業は、重要なレーザ溶接精度を向上させる。本発
明の技術は、回転抵抗または牽引力を最小にでき、従って、レーザ溶接プローブ
システムの回転速度および安定性が確保される。本発明の単一装置を管体周囲の
異なる種々の管体に使用できることは優れた長所である。
当業者であれば、本発明の全装置がもたらす多くの利益を理解できるであろう
。その最も基本的な機能において、本発明は、損傷した管体を補修する簡単かつ
容易な方法を提供する。かくして、本発明は、蒸気発生器を大きく分解すること
なく、蒸気発生器管体の補修を行なうことを可能にする。このため、本発明は、
蒸気発生器管体の栓塞の必要性を最小にし、かつ栓塞により生じる蒸気発生器能
力の損失を最小にする。
本発明の特定実施形態に関する上記説明は、例示および説明のためになされた
ものである。従って上記説明は、本発明をここに開示した正確な形態と完全同一
なものに制限するものではなく、上記教示の観点から多くの変更をなし得ること
は明らかである。本発明の実施形態は、本発明の原理およびその実際の用途を最
良に説明するために選択および説明され、これにより、当業者は、本発明および
意図する特定用途に適した種々の変更がなされた種々の実施形態を最も良く利用
できるであろう。本発明の範囲は、請求の範囲の記載およびその均等物により定
められるものである。