JP2001512678A - 新規なポリメラーゼの単離および同定 - Google Patents

新規なポリメラーゼの単離および同定

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JP2001512678A JP2000506322A JP2000506322A JP2001512678A JP 2001512678 A JP2001512678 A JP 2001512678A JP 2000506322 A JP2000506322 A JP 2000506322A JP 2000506322 A JP2000506322 A JP 2000506322A JP 2001512678 A JP2001512678 A JP 2001512678A
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dna
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カレン,ウォルター
マチュア,エリック,ジェイ.
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ディベルサ,インコーポレーテッド
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    • C12N9/12Transferases (2.) transferring phosphorus containing groups, e.g. kinases (2.7)
    • C12N9/1241Nucleotidyltransferases (2.7.7)
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、様々な好極限性原核生物に由来する精製した熱安定酵素を提供する。この酵素は、ポリメラーゼ活性を有し、鋳型として相補的ポリヌクレオチド鎖を用いてデオキシヌクレオチドをポリヌクレオチド鎖の3′末端に付加することによるDNA合成を触媒するのに用い得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 〔発明の分野〕 本発明は、新規に同定されたポリヌクレオチド、そのようなポリヌクレオチド
によってコードされるポリペプチド、そのようなポリヌクレオチドおよびポリペ
プチドの使用、ならびにそのようなポリヌクレオチドおよびポリペプチドの製造
および単離に関する。さらに詳細には、本発明のポリペプチドはポリメラーゼと
して同定されている。
【0002】 〔発明の背景〕 好熱菌は、高度に活性で熱安定性な酵素の供給源としてかなり注目されている
。近年、現在知られている極めて好熱性で有機力源生物である真正細菌の大部分
が単離され特性決定されている。Thermotoga属に属するこれらの細菌は、種々の
炭水化物を代謝する発酵性微生物である[Huber, R.およびStetter, K.O., Ball
owsら編, The Procaryotes, 第2版, Springer-Verlaz, New York, 3809-3819頁(
1992)]。
【0003】 Huberら, 1986, Arch. Microbiol. 144:324-333には、細菌Thermotoga mariti
maの単離が記載されている。T. maritimaは、厳密には嫌気性で棹形の、発酵性 で超好熱性の真正細菌であり、55℃から90℃の間で増殖し、最適増殖温度が約80
℃である。この真正細菌は、イタリアおよびアゾレス諸島の地熱によって温めら
れた海底から単離されている。T. maritimaの細胞は、鞘様の構造を有し、単毛 性の鞭毛発生を有する。T. maritimaは、ムレインおよび脂肪酸含有脂質、ジフ テリア毒素耐性延長因子2、RNAポリメラーゼサブユニットタパーン、ならびに 抗生物質に対する感受性を有するために、真正細菌界に分類される。
【0004】 現在までのところ、古細菌の生育圏から同定される大部分の生物は好熱菌また
は超好熱菌なので、古細菌もまた、好熱性酵素の豊富な供給源であると考えられ
る。
【0005】 〔発明の概要〕 本発明は、ポリヌクレオチド、およびそれによってコードされる、ポリメラー
ゼ酵素として同定されているポリペプチドを提供する。本発明の1つの態様によ
れば、新規な酵素、ならびにその活性な断片、類似体および誘導体が提供される
【0006】 本発明の別の態様によれば、本発明の酵素をコードする単離された核酸分子が
提供され、それにはmRNA、DNA、cDNA、ゲノムDNA、ならびにそのような酵素の活
性な類似体および断片が含まれる。
【0007】 本発明の別の態様によれば、配列番号1、3、5、7、9および11内のDNAに よって発現される成熟ポリペプチドをコードする単離された核酸分子が提供され
る。
【0008】 本発明のさらに別の態様によれば、組換え技術によるそのようなポリペプチド
の製造方法であって、本発明の酵素をコードする核酸配列を含む組換え原核性お
よび/または真核性宿主細胞を、該酵素の発現を促進する条件下で培養し、続い
て該酵素を回収することを含む該方法が提供される。
【0009】 本発明のさらに別の態様によれば、DNAを重合化するための、そのような酵素 またはそのような酵素をコードするポリヌクレオチドの使用方法が提供される。
【0010】 本発明のさらに別の態様によれば、本発明の核酸配列に特異的にハイブリダイ
ズするのに十分な長さの核酸分子を含んでなる核酸プローブも提供される。
【0011】 本発明のさらに別の態様によれば、科学的研究に関連するin vitroでの目的の
ための、例えば、他の生物由来の類似の酵素をコードするであろう類似の配列を
同定するためのプローブを作製するための、そのような酵素またはそのような酵
素をコードするポリヌクレオチドの使用方法が提供される。
【0012】 本発明のこれらの態様および他の態様は、本明細書中の教示から当業者には明
らかなはずである。
【0013】 〔図面の簡単な説明〕 図面は本発明の実施形態を説明するものであり、請求の範囲に包含される本発
明の範囲を限定しようとするものではない。配列決定は378型自動DNAシーケンサ
ー(Applied Bipsystems, Inc.社製)を用いて行った。
【0014】 〔好ましい実施形態の説明〕 「遺伝子」なる用語は、ポリペプチド鎖の作製に関与するDNAのセグメントを 意味する。これは、コード領域の前にある領域および後ろに続く領域(リーダー
およびテイラー)、ならびに個々のコードセグメント(エキソン)の間の介在配
列(イントロン)を含む。
【0015】 コード配列は、RNAポリメラーゼが該コード配列と別のコード配列の2つを一 つのmRNAへと転写する場合、その別のコード配列とは「作動可能に」連結されて
おり、そのmRNAは、両方のコード配列に由来するアミノ酸を有する一つのポリペ
プチドへと翻訳される。それらのコード配列は、発現した配列が最終的に所望の
タンパク質を生じるようにプロセシングされる限り、互いに隣接している必要は
ない。
【0016】 「組換え」酵素とは、組換えDNA技術によって生産される酵素、つまり、所望 の酵素をコードする外因性DNA構築物によって形質転換された細胞から産生され る酵素をいう。「合成」酵素とは、化学合成によって作製されたものである。
【0017】 特定の酵素のDNA「コード配列」または特定の酵素を「コードするヌクレオチ ド配列」とは、適切な調節配列の制御下におかれた場合に転写され酵素へと翻訳
されるDNA配列である。「プロモーター配列」とは、細胞内でRNAポリメラーゼを
結合し、下流(3′方向)コード配列の転写を開始させることができるDNA調節 領域である。プロモーターはDNA配列の一部である。この配列領域は、その3′ 末端に開始コドンを有する。プロモーター配列は、エレメントがバックグラウン
ドを上回る検出可能なレベルでの転写を開始するのに必要とする最小数の塩基を
含む。しかし、RNAポリメラーゼがこの配列と結合し、転写が開始コドン(プロ モーターを有する3′末端)で開始した後、転写は3′方向へと下流に進行する
。プロモーター配列の内部には、転写開始部位(ヌクレアーゼS1を用いるマッピ
ングにより簡便に定められる)ならびにRNAポリメラーゼの結合に関与するタン パク質結合ドメイン(コンセンサス配列)が見出される。
【0018】 本発明は、鋳型として相補的ポリヌクレオチド鎖を用いてデオキシヌクレオチ
ドをポリヌクレオチド鎖の3′末端に付加することによるDNA合成を触媒する、 精製された熱安定酵素を提供する。精製された酵素の一例は、本明細書中で「Am
monifex degensii KC4」と呼ぶ生物に由来するポリメラーゼであり、Ammonifex
degensii KC4はグラム陰性で化学合成無機力源無機栄養性の真正細菌であり、非
常に高い温度最適性を有する。Ammonifex degensii KC4は中大西洋海嶺(Middle
Atlantic Ridge)からの深海単離物中で発見された。Ammonifex degensii KC4は 低塩培地中で70℃およびpH7.0にて最適に増殖する。この例示の酵素を図1に示 す。
【0019】 配列番号1をコードするポリヌクレオチドはもともと、後記するようにAmmoni
fex degensii KC4由来のゲノム遺伝子ライブラリーから回収された。それは、86
7個のアミノ酸残基からなるタンパク質をコードするオープンリーディングフレ ームを含む。
【0020】 1つの実施形態において、本発明の配列番号1の代表的なポリメラーゼは、SD
S-PAGEゲル電気泳動によって測定した場合に約95.6キロダルトンの分子量、およ
びこの遺伝子のヌクレオチド配列からの推定分子量を有する。この精製された酵
素は、所望のDNAを重合化するのに用い得る。本発明のポリメラーゼ酵素は、非 常に高い熱安定性を有し、Bacillus stearothermophilus由来のポリメラーゼと 最も近い相同性を有し、その場合のアミノ酸レベルでの同一性は56%で類似性は
75%である。
【0021】 本発明の1つの態様によれば、図1〜6および配列番号1、3、5、7、9お
よび11の推定アミノ酸配列を有する成熟酵素をコードする単離された核酸分子(
ポリヌクレオチド)が提供される。
【0022】 本発明は、図1〜6(配列番号1、3、5、7、9および11)に開示のポリメ
ラーゼ酵素をコードする単離された核酸分子に加えて、実質的に類似する配列も
提供する。単離された核酸配列は次の場合に実質的に類似しているものとする:
(i)後記するストリンジェントな条件下で配列番号1とハイブリダイズできる
場合;または(ii)配列番号1に対して縮重するDNA配列をコードする場合。縮 重DNA配列は配列番号2のアミノ酸配列をコードするが、ヌクレオチドコード配 列内で改変(variation)を有する。本明細書で用いる場合、「実質的に類似する 」とは、本発明の配列に対して同じような同一性を有する配列をいう。実質的に
類似するヌクレオチド配列は、ハイブリダイゼーションまたは配列比較によって
同定できる。実質的に類似する酵素配列は次の1つ以上によって同定できる:タ
ンパク質分解による切断、ゲル電気泳動、および/またはミクロシーケンシング
。ポリメラーゼ酵素をコードする核酸分子を単離するための1つの手段は、当分
野で認められている手法を用いて、天然の、もしくは人工的に設計されたプロー
ブによりゲノム遺伝子ライブラリーを釣り上げることである(例えば、Current
Protocols in Molecular Biology, Ausubel F.M.ら(編) Green Publishing Comp
any Assoc. and John Wiley Interscience, New York, 1989, 1992を参照された
い)。当業者であれば、配列番号1またはその断片(少なくとも10個の連続する
ヌクレオチドを含み、かつ標的配列と少なくとも70%相補性なもの)が特に有用
なプローブであることが理解されるであろう。この目的のための他の特に有用な
プローブは、配列番号1の配列にハイブリダイズ可能な断片(すなわち、少なく
とも10個の連続するヌクレオチドを含み、かつ標的配列と少なくとも70%相補性
なもの)である。
【0023】 本明細書中に開示する特定の核酸配列にハイブリダイズする核酸配列について
は、ハイブリダイゼーションは低めのストリンジェンシー、中程度のストリンジ
ェンシーの条件下、さらにはストリンジェントな条件下で行ってもよい。オリゴ
ヌクレオチドのハイブリダイゼーションの一例として、まず固定化変性核酸を含
むポリマー膜を、0.9M NaCl、50mM NaH2PH4、pH7.0、5.0mM Na2EDTA、0.5% SD
S、10×Denhardtおよび0.5mg/mlポリリボアデニル酸を含む溶液中で45℃で30分 間プレハイブリダイズする。次に、この溶液に約2×107cpm(比活性4〜9×10 8 cmp/μg)の32P末端標識オリゴヌクレオチドプローブを添加する。12〜16時間
インキュベートした後、該膜を0.5%SDSを含有する1×SET(150mM NaCl、20mM
Tris塩酸塩、pH7.8、1mM Na2EDTA)中で室温で30分間洗浄し、続いて新規に調 製した1×SET中でオリゴヌクレオチドプローブのTm−10℃で30分間洗浄する。 次に、ハイブリダイゼーションシグナルの検出のために、該膜をオートラジオグ
ラフィー膜にさらす。
【0024】 核酸ハイブリダイゼーション反応において、特定レベルのストリンジェンシー
とするのに用いる条件は、ハイブリダイズする核酸の性質に応じて変わる。例え
ば、核酸のハイブリダイズ領域の長さ、相補性の程度、ヌクレオチド配列の組成
(例えば、GC対AT含量)および核酸の種類(例えば、RNAかDNAか)がハイブ
リダイゼーション条件を選択する上で考えられる。さらに考慮することは、核酸
の一方が例えば膜の上に固定されているか否か、ということである。
【0025】 徐々に高くなるストリンジェンシー条件の一例は次のとおりである:2×SSC /0.1%SDS、ほぼ室温(ハイブリダイゼーション条件);0.2×SSC/0.1%SDS、
ほぼ室温(低ストリンジェンシー条件);0.2×SSC/0.1%SDS、約42℃(中程度
ストリンジェンシー条件);および0.1×SSC、約68℃(高ストリンジェンシー条
件)。洗浄はこれらの条件の中の1つだけ(例えば、高ストリンジェンシー条件
)を用いて行ってもよく、あるいはこれらの条件の各々(例えば、それぞれ10〜
15分ずつ)を上記に挙げた順番で用いて行い、記載の工程のいずれかまたは全部
を繰り返してもよい。しかし、上記で述べたように、最適条件は用いる特定のハ
イブリダイゼーション反応に応じて変わるものであり、経験的に決定できる。
【0026】 本明細書中で用いられる用語としての「同一性」とは、基準ポリヌクレオチド
(配列番号1)と同一の塩基をある割合(%)で含むポリヌクレオチド配列をいう。 例えば、基準ポリヌクレオチドと少なくとも90%同一であるポリヌクレオチドは
、該基準ポリヌクレオチドを構成する塩基の90%と同一なポリヌクレオチド塩基
を有しており、該ポリヌクレオチド配列を構成する塩基の10%は異なる塩基を有
していてもよい。
【0027】 本発明はまた、変化がサイレント変化であるように基準ポリヌクレオチドとは
異なるポリヌクレオチドに関し、例えば、その変化は該ポリヌクレオチドによっ
てコードされるアミノ酸配列を変えないようなものである。本発明はまた、基準
ポリヌクレオチド(配列番号1)によってコードされる酵素においてアミノ酸の
置換、付加、欠失、融合および末端切断をもたらすヌクレオチドの変化に関する
。本発明の好ましい態様において、これらの酵素は、基準ポリヌクレオチドによ
ってコードされる酵素と同じ生物学的作用を保持する。
【0028】 そのようなプローブは、該プローブの同定を容易にするために、解析によって
検出可能な試薬で標識してもよく、好ましくはそのような試薬で標識することも
理解される。有用な試薬としては、放射能、蛍光色素または検出可能な生成物の
形成を触媒できる酵素が挙げられるが、これらに限定されない。したがって、こ
れらのプローブは、別の動物供給源由来のDNAの相補性コピーを単離するのに、 あるいはそのような供給源を関連配列についてスクリーニングするのに有用であ
る。
【0029】 本発明は、実質的に純粋なポリメラーゼ酵素を提供する。「実質的に純粋な」
という用語は、本明細書中では、天然では結合している他のタンパク質、脂質、
炭水化物、核酸、および他の生物学的物質を実質的に含まない分子、例えばポリ
ぺプチド(例えば、ポリメラーゼポリペプチドまたはその断片)を説明するのに
用いられる。例えば、実質的に純粋な分子(例えばポリペプチド)は対象の分子
の(乾燥重量で)少なくとも60%であり得る。ポリペプチドの純度は標準的な方
法を用いて決定でき、その方法としては、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(例
えば、SDS-PAGE)、カラムクロマトグラフィー(例えば、高速液体クロマトグラ
フィー(HPLC))およびアミノ末端アミノ酸配列解析が挙げられる。
【0030】 本発明に含まれるポリメラーゼポリペプチドは、図1〜6(配列番号2、4、
6、8、10および12)に示すポリメラーゼのアミノ酸配列の1つ、例えばAmmoni
fex degensii KC4のアミノ酸配列(配列番号2)を有し得る。ポリメラーゼポリ
ペプチド(例えばAmmonifex degensii KC4から単離したもの)はDNAを重合化す ることにより特性決定できる。
【0031】 本発明にはまた、配列番号2の1つ(例えば、配列番号4)のようなポリメラ
ーゼポリペプチドの配列と「実質的に同一」な配列を有するポリペプチドも包含
される。「実質的に同一」なアミノ酸配列とは、基準配列とは同類アミノ酸置換
によってのみ、あるいはポリペプチドが少なくとも1つのポリメラーゼ特異的活
性もしくはポリメラーゼ特異的エピトープを保持する限り1つ以上の非同類置換
、欠失もしくは挿入によってのみ異なる配列である。ここで、同類アミノ酸置換
としては、例えば、1個のアミノ酸の同じクラスの別のものによる置換(例えば
、1個の疎水性アミノ酸の置換、例えば、イソロイシン、バリン、ロイシンもし
くはメチオニンの別のものによる置換;または1個の極性アミノ酸の別のものに
よる置換、例えば、アルギニンのリシンによる置換、グルタミン酸のアスパラギ
ン酸による置換、もしくはグルタミンのアスパラギンによる置換)が挙げられる
。例えば、ポリメラーゼポリペプチドから1個以上のアミノ酸を欠失させて、該
ポリペプチドの生物学的活性を有意に変えずにその構造の修飾を生じさせること
ができる。例えば、ポリメラーゼの生物学的活性に必要ではないアミノ末端また
はカルボキシル末端のアミノ酸を取り除くことができる。そのような修飾は、よ
り小さな活性ポリメラーゼポリペプチドの開発をもたらし得る。
【0032】 本発明に包含される他のポリメラーゼポリペプチドは、配列番号2、4、6、
8、10および12(例えば、配列番号12)のポリメラーゼのいずれかのようなポリ
メラーゼポリペプチドのアミノ酸配列に少なくとも50%同一なアミノ酸配列を有
するポリペプチドである。アミノ酸配列の相同性の決定において比較される長さ
は、例えば少なくとも15個のアミノ酸とすることができ、例えば、少なくとも20
個、25個または35個のアミノ酸である。相同性は標準的な配列解析ソフトウエア
(例えば、Genetics Computer Group(University of Wisconsin Biotechnology
Center, 1710 University Avenue, Madison, WI 53705)のSequence Analysis
Software Package;Ausubelら、前掲も参照されたい)を用いて測定できる。そ のような手法およびアルゴリズムとしては、例えば、BLASTプログラム(Basic L
ocal Alignment Search Tool at the National Center for Biological Informa
tion)、ALIGN、AMAS(Analysis of Multiply Aligned Sequences)、AMPS(Pro
tein Multiple Sequence Alignment)、ASSET(Aligned Segment Statistical E
valuation Tool)、BANDS、BESTSCOR、BIOSCAN(Biological Sequence Comparat
ive Analysis Node)、BLIMPS(BLocks IMProved Searcher)、FASTA、Interval
s & Points、BMB、CLUSTAL V、CLUSTAL W、CONSENSUS、LCONSENSUS、WCONSENSUS
、Smith-Watermanアルゴリズム、DARWIN、Las Vegasアルゴリズム、FNAT(Force
d Nucleotide Alignment Tool)、Framealign、Framesearch、DYNAMIC、FILTER 、FSAP(Fristensky Sequence Analysis Package)、GAP(Global Alignment Pr
ogram)、GENAL、GIBBS、GenQuest、ISSC(Sensitive Sequence Comparison)、
LALIGN(Local Sequence Alignment)、LCP(Local Content Program)、MACAW (Multiple Alignment Construction & Analysis Workbench)、MAP(Multiple
Alignment Program)、MBLKP、MBLKN、PIMA(Pattern-Induced Multi-sequence
Alignment)、SAGA(Sequence Alignment by Genetic Algorithm)およびWHAT-I
Fが挙げられる。
【0033】 本発明はまた、少なくとも1つのポリメラーゼ特異的活性またはエピトープを
保持するポリメラーゼポリペプチドの断片を包含する。ポリメラーゼの活性は、
DNAの重合化を調べることによりアッセイできる。例えば少なくとも8〜10個の アミノ酸を含むポリメラーゼポリペプチド断片は、例えば、ポリメラーゼ特異的
抗体の産生における免疫原として用い得る。この断片は、例えばポリメラーゼ間
で保存されているアミノ酸配列を含むことができ、このアミノ酸配列はポリメラ
ーゼ間で保存されているアミノ酸を含み得る。そのような断片は、図1−Xにお
いて見られるポリメラーゼの配列を比較することによって容易に同定できる。そ
れらのペプチド免疫原としての使用に加えて、上記のポリメラーゼ断片は、サン
プル中のポリメラーゼ特異的抗体の存在を検出するためのイムノアッセイ(例え
ばELISA)において使用し得る。
【0034】 本発明のポリメラーゼポリペプチドは、幾つかの標準的方法のいずれかを用い
て得ることができる。例えば、ポリメラーゼポリペプチドは、標準的な組換え発
現系内で産生してもよいし(後記を参照)、化学的に合成してもよいし(この方
法は小さなポリメラーゼペプチド断片に限られると思われる)、またはそれらを
天然で発現する生物から精製してもよい。
【0035】 本発明はまた、上記のポリメラーゼポリペプチドをコードする単離された核酸
分子ならびにその断片を提供する。例えば、配列番号1、3、5、7、9および
11のいずれかをコードする核酸が本発明に包含される。これらの核酸は、天然に
存在するヌクレオチド配列、または遺伝子コードの縮重のために天然に存在する
ポリメラーゼをコードする核酸の配列とは異なるが同一のアミノ酸をコードする
配列を含み得る。本発明の核酸は、DNAもしくはRNAヌクレオチド、またはその組
合せもしくは修飾体を含み得る。例示的な本発明の核酸を配列番号1に示す。
【0036】 「単離された核酸」とは、それが由来する生物の天然に存在するゲノム中に存
在する場合には通常直隣接している5′および3′隣接配列とは直隣接していな
い核酸(例えばDNAまたはRNA分子)を意味する。したがって、この用語は、例え
ば、ベクター(例えば、プラスミドまたはウイルスベクター)に取り込まれてい
る核酸、異種細胞のゲノムに(または同種細胞のゲノムではあるが、天然に存在
する部位とは異なる部位に)取り込まれている核酸、および分離した分子として
存在する核酸(例えば、PCR増幅または制限酵素消化によって生じるDNA断片、ま
たはin vitro転写により生じるRNA分子)を説明するものである。この用語はま た、例えば融合タンパク質の製造において用い得る別のポリペプチド配列をコー
ドするハイブリッド遺伝子の一部を形成する組換え核酸を説明する。
【0037】 本発明の核酸分子は、ポリメラーゼ遺伝子産物(例えば、ポリメラーゼRNAお よびポリメラーゼポリペプチド)の産生のための標準的な方法において鋳型とし
て用い得る。さらに、ポリメラーゼポリペプチド(およびその断片)をコードす
る核酸分子および関連する核酸、例えば、(1)ポリメラーゼポリペプチドまた
はその断片(例えば、少なくとも10個、12個、15個、20個または25個のヌクレオ
チドを含む断片)をコードする核酸に相補的な、または該核酸にハイブリダイズ
する配列を含む核酸、および(2)ポリメラーゼポリペプチドまたはその断片(
例えば、少なくとも10個、12個、15個、20個または25個のヌクレオチドを含む断
片)をコードする核酸に相補的な配列にハイブリダイズする配列を含む核酸、は
それらのハイブリダイゼーション特性が注目される方法において用い得る。例え
ば、以下にさらに詳細に記載するように、そのような核酸分子は、次の方法にお
いて用い得る:ポリメラーゼ核酸を合成するためのPCR法;サンプル中のポリメ ラーゼ核酸の存在を検出するための方法;新規なポリメラーゼファミリーメンバ
ーをコードする核酸を同定するためのスクリーニング法。スクリーニング法にお
いて有用なオリゴヌクレオチドプローブは長さが10〜約150ヌクレオチドである 。さらに、そのようなプローブは、好ましくは長さが10〜約100ヌクレオチドで あり、さらに好ましくは長さが10〜約50ヌクレオチドである。
【0038】 本発明はまた、配列番号1、3、5、7、9および11のほかにポリメラーゼポ
リペプチドファミリーのメンバーをコードする核酸分子を同定するための方法を
包含する。これらの方法では、サンプル(例えば、ポリメラーゼポリペプチドを
コードする核酸を含む、cDNAライブラリーのような核酸ライブラリー)をポリメ
ラーゼ特異的プローブ(例えば、ポリメラーゼ特異的核酸プローブ)でスクリー
ニングする。ポリメラーゼ特異的核酸プローブは、ポリメラーゼポリペプチドを
コードする核酸またはそれに相補的な配列に特異的にハイブリダイズする核酸分
子(例えば、DNAもしくはRNAヌクレオチド、またはそれらの組合せもしくは修飾
体を含む分子)である。「ポリメラーゼ特異的プローブ」なる用語は、本発明の
方法に関しては、他の酵素をコードする核酸またはその相補的配列よりも検出可
能な高い程度で、ポリメラーゼポリペプチドをコードする核酸またはその相補的
配列に結合するプローブをいう。
【0039】 本発明はポリメラーゼ特異的核酸プローブの作製を容易にする。そのようなプ
ローブを得るための方法は、図1に示すアミノ酸配列に基づいて設計できる。こ
のプローブは少なくとも10個、例えば、15個、25個、35個、50個、100個または1
50個のヌクレオチドを含むことができ、いくつかの標準的な方法(例えば、Ausu
belら、前掲、を参照)のいずれかを用いて作製できる。例えば、好ましくは、 プローブは、PCR増幅法を用いて作製される。この方法では、ポリメラーゼ保存 配列(図1を参照)に対応するプライマーが設計され、これはポリメラーゼ特異
的アミノ酸を含み得る。そして、得られるPCR産物がcDNAライブラリーのような 核酸ライブラリーをスクリーニングするためのプローブとして用いられる。
【0040】 本発明のポリメラーゼ酵素のコード配列は、例えばAmmonifex degensii KC4の
ゲノムDNAライブラリーを調製し、該ライブラリーをポリメラーゼ活性を有する クローンについてスクリーニングすることにより同定した。そのようなゲノム遺
伝子ライブラリーの構築方法は当業界では周知である。例えば1つの手段は、Am
monifex degensii KC4から単離したDNAを物理的破壊によって切断(shearing)す ることを含む。切断されたDNAの少量をアガロースゲル上で調べて、このDNAの大
部分が所望のサイズ範囲内(約3〜6kb)にあることを確認する。次に、このDN
Aをヤエナリ(Mung Bean)ヌクレアーゼを用いて平滑末端化し、37℃でインキュ
ベートし、フェノール/クロロホルム抽出を行う。次に、このDNAをEcoRIメチラ
ーゼを用いてメチル化する。次に、T4 DNAリガーゼの使用によりEcoRIリンカー を平滑末端に連結し、4℃でインキュベートする。次いで、この連結反応を停止
させ、DNAをEcoRI制限酵素でカットバックする。次に、このDNAを当業界で公知 の手法(例えば、Maniatis, T.ら, Molecular Cloning, Cold Spring Harbor Pr
ess, New York, 1982;引用によりその全文を本明細書に組み入れる)に従って ショ糖勾配でサイズ分画する。
【0041】 次に、プレートアッセイを行って、そのDNAをおよそ濃度で得る。次に、連結 反応を行い、連結反応物の1μlをパッケージングしてライブラリーを構築する 。パッケージングは、例えば、EcoRIで切断してある精製(λgt11ファージアー ムおよびEcoRIリンカーを結合させた後でEcoRIで切断してあるDNAの使用により 起こるものであってもよい。このDNAと(λgt11アームとはDNAリガーゼにより連
結される。次に、連結したDNAを感染性ファージ粒子にパッケージングする。パ ッケージングされたファージを用いて大腸菌(E. coli)培養物を感染させ、感 染細胞を寒天プレート上に広げて、何千個もの個々のファージプラークを持つプ
レートを得る。次に、このライブラリーを増幅する。
【0042】 本発明の全長遺伝子の断片は、cDNAまたはゲノムライブラリーのためのハイブ
リダイゼーションプローブとして用いて、全長DNAを単離すること、および該遺 伝子に対して高い配列類似性または同様の生物学的活性を有する他のDNAを単離 することができる。このタイプのプローブは、少なくとも10個、好ましくは少な
くとも15個、さらに好ましくは少なくとも30個の塩基を有し、例えば少なくとも
50個またはそれ以上の塩基を含み得る。このプローブはまた、全長転写体に対応
するDNAクローン、ならびに調節領域、プロモーター領域、エキソンおよびイン トロンを含む完全遺伝子を含むゲノムクローンの同定にも用い得る。
【0043】 単離された核酸配列および他の酵素は、次いで、本発明の酵素に特徴的な生物
学的活性の保持について測定することができ、例えば酵素のポリメラーゼ活性を
検出するためのアッセイで行われる。そのような酵素としては、ポリメラーゼの
末端切断型、ならびに欠失改変体や挿入改変体のような改変体が含まれる。
【0044】 本発明のポリヌクレオチドはDNAの形態であってもよく、そのようなDNAとして
はcDNA、ゲノムDNAおよび合成DNAが挙げられる。このDNAは二本鎖であっても一 本鎖であってもよく、一本鎖の場合、コード鎖であっても非コード(アンチセン
ス)鎖であってもよい。成熟酵素をコードするコード配列は、図1〜6に示すコ
ード配列と同一であってもよいし、あるいは、遺伝子コードの重複または縮重の
ために異なるコード配列ではあるが図1〜6(例えば配列番号1)のDNAと同じ 成熟酵素をコードするものであってもよい。
【0045】 図1(配列番号1)の成熟酵素をコードするポリヌクレオチドとしては、該成
熟酵素のコード配列のみ;該成熟酵素のコード配列と追加のコード配列(例えば
、リーダー配列またはプロタンパク質配列);該成熟酵素のコード配列(および
、場合により追加のコード配列)と非コード配列(例えばイントロン)もしくは
該成熟酵素のコード配列の5′側および/もしくは3′側の非コード配列;を挙
げることができるが、それらに限定されない。
【0046】 したがって、「酵素(タンパク質)をコードするポリヌクレオチド」なる用語
は、該酵素のコード配列のみを含むポリヌクレオチド、ならびに追加のコード配
列および/または非コード配列も含むポリヌクレオチドを包含する。
【0047】 本発明はさらに、図1(例えば、配列番号2)の推定アミノ酸配列を有する酵
素の断片、類似体および誘導体をコードする、上記のポリヌクレオチドの改変体
に関する。このポリヌクレオチドの改変体は、上記ポリヌクレオチドの天然に存
在する対立遺伝子改変体であってもよいし、上記ポリヌクレオチドの天然には存
在しない改変体であってもよい。
【0048】 したがって、本発明は、図1に示すものと同じ成熟酵素をコードするポリヌク
レオチド、ならびに図1の酵素の断片、誘導体もしくは類似体をコードするその
ようなポリヌクレオチドの改変体を包含する。そのようなヌクレオチド改変体と
しては、欠失改変体、置換改変体および付加もしくは挿入改変体が含まれる。
【0049】 上記で示したように、このポリヌクレオチドは、図1に示すコード配列の天然
に存在する対立遺伝子改変体であるコード配列を有することができる。当業界で
知られているように、対立遺伝子改変体とは、1個またはそれ以上のヌクレオチ
ドの置換、欠失または付加を有し得るが、コードする酵素の機能を実質的に変化
させない、ポリヌクレオチド配列のもう一つの形態である。
【0050】 本発明はまた、成熟酵素のコード配列が、該酵素の発現および宿主細胞からの
分泌に役立つポリヌクレオチド配列(例えば、該細胞からの酵素の輸送を調節す
るように機能するリーダー配列)に同じ読み枠で融合され得るポリヌクレオチド
を含む。リーダー配列を有する酵素はプレタンパク質であり、該酵素の成熟形態
を形成するために宿主細胞によって切断されるリーダー配列を有し得る。このポ
リヌクレオチドはまた、成熟タンパク質と追加の5′側アミノ酸残基からなるプ
ロタンパク質をコードしてもよい。プロ配列を有する成熟タンパク質はプロタン
パク質であり、そのタンパク質の不活性型である。プロ配列が切断されると、活
性な成熟タンパク質が残る。
【0051】 したがって、例えば、本発明はポリヌクレオチドは、成熟酵素、プロ配列を有
する酵素、またはプロ配列とプレ配列(リーダー配列)の両方を有する酵素をコ
ードし得る。
【0052】 本発明はさらに、上記の配列との間に少なくとも70%、好ましくは少なくとも
90%、さらに好ましくは少なくとも95%の同一性がある場合には、上記の配列に
ハイブリダイズするポリヌクレオチドに関する。本発明は特に、ストリンジェン
トな条件下で上記のポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドに
関する。本明細書中で用いる場合、「ストリンジェントな条件」という用語は、
配列間に少なくとも95%、好ましくは少なくとも97%の同一性がある場合にだけ
ハイブリダイゼーションが起こることを意味する。好ましい実施形態において上
記したポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドは、図1のDNA によってコードされる成熟酵素と実質的に同じ生物学的機能または活性を保持す
る酵素をコードする。
【0053】 あるいはまた、このポリヌクレオチドは、本発明のポリヌクレオチドにハイブ
リダイズし、それに対して上記のような同一性を有し、かつ活性を有しても有し
なくてもよい、少なくとも15個の塩基、好ましくは少なくとも30個の塩基、さら
に好ましくは少なくとも50個の塩基を有し得る。例えば、そのようなポリヌクレ
オチドは、配列番号1のポリヌクレオチドのための、例えば該ポリヌクレオチド
を回収するためのプローブとして、あるいはPCRプライマーとして用いることが できる。
【0054】 したがって、本発明は、配列番号1の酵素をコードするポリヌクレオチドに対
して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも90%の同一性、さらに好ま
しくは少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド、ならびにその断片に
関するものであり、その断片とは、そのようなポリヌクレオチドによってコード
される酵素に対する少なくとも30個の塩基、好ましくは少なくとも50個の塩基を
有する。
【0055】 本発明はさらに、図1〜6の推定アミノ酸配列を有する酵素、ならびにそのよ
うな酵素の断片、類似体および誘導体に関する。
【0056】 図1の酵素についていう場合、「断片」、「誘導体」および「類似体」なる用
語は、そのような酵素と本質的に同じ生物学的機能または活性を保持する酵素を
意味する。したがって、類似体とは、プロタンパク質部分の切断によって活性化
されて活性な成熟酵素を生じるプロタンパク質を含む。
【0057】 本発明の酵素は、組換え酵素、天然酵素または合成酵素であってもよく、好ま
しくは組換え酵素である。
【0058】 図1の酵素の断片、誘導体または類似体は、(i)1個またはそれ以上のアミ
ノ酸残基が同類または非同類アミノ酸残基(好ましくは同類アミノ酸残基)で置
換されていて、そのような置換されたアミノ酸残基が遺伝子コードによってコー
ドされてもされなくてもよいもの、(ii)1個またはそれ以上のアミノ酸残基が
置換基を含むもの、(iii)成熟酵素が、該酵素の半減期を増大させる化合物の ような別の化合物(例えば、ポリエチレングリコール)と融合されているもの、
または(iv)リーダーもしくは分泌配列、成熟酵素の精製に用いられる配列また
はプロタンパク質配列のような追加のアミノ酸が成熟酵素に融合されているもの
、であり得る。そのような断片、誘導体および類似体は、本明細書中の教示から
、当業者の範囲内であるとみなされる。
【0059】 本発明の酵素およびポリヌクレオチドは、単離された形態で、好ましくは均質
になるまで精製されて提供されることが好ましい。
【0060】 「単離された」なる用語は、物質がその元来の環境(例えば、それが天然に存
在する場合には、天然の環境)から取り出されていることを意味する。例えば、
動物生体内に存在している天然のポリヌクレオチドまたは天然の酵素は単離され
たことにはならないが、天然系で共存する物質の幾つかまたは全部から分離され
た同じポリヌクレオチドまたは酵素は単離されたことになる。そのようなポリヌ
クレオチドはベクターの一部であったとしても、および/またはそのようなポリ
ヌクレオチドまたは酵素は組成物の一部であったとしても、そのようなベクター
または組成物はその天然の環境の一部ではないので、単離されていると言える。
【0061】 本発明の酵素は、図1〜6の酵素(特に成熟酵素)、ならびに図1〜6の酵素
に対して少なくとも70%の類似性(好ましくは少なくとも70%の同一性)を有す
る酵素、さらに好ましくは図1〜6の酵素に対して少なくとも90%の類似性(さ
らに好ましくは少なくとも90%の同一性)を有する酵素、さらにより好ましくは
図1〜6の酵素に対して少なくとも95%の類似性(好ましくは少なくとも95%の
同一性)を有する酵素を含み、さらには通常は少なくとも30個のアミノ酸、さら
に好ましくは少なくとも50個のアミノ酸を含むそのような酵素の部分も含む。
【0062】 当業界で公知のように、2つの酵素の間の「類似性」は、一方の酵素のアミノ
酸配列およびその同類アミノ酸置換を第2の酵素の配列と比較することによって 決定される。核酸およびアミノ酸配列における類似性は、当業界で周知の手法お
よびアルゴリズムによって決定できる。そのような手法およびアルゴリズムとし
ては、例えば、BLASTプログラム(Basic Local Alignment Search Tool at the
National Center for Biological Information)、ALIGN、AMAS(Analysis of M
ultiply Aligned Sequences)、AMPS(Protein Multiple Sequence Alignment)
、ASSET(Aligned Segment Statistical Evaluation Tool)、BANDS、BESTSCOR 、BIOSCAN(Biological Sequence Comparative Analysis Node)、BLIMPS(BLoc
ks IMProved Searcher)、FASTA、Intervals & Points、BMB、CLUSTAL V、CLUST
AL W、CONSENSUS、LCONSENSUS、WCONSENSUS、Smith-Watermanアルゴリズム、DAR
WIN、Las Vegasアルゴリズム、FNAT(Forced Nucleotide Alignment Tool)、Fr
amealign、Framesearch、DYNAMIC、FILTER、FSAP(Fristensky Sequence Analys
is Package)、GAP(Global Alignment Program)、GENAL、GIBBS、GenQuest、I
SSC(Sensitive Sequence Comparison)、LALIGN(Local Sequence Alignment)
、LCP(Local Content Program)、MACAW(Multiple Alignment Construction &
Analysis Workbench)、MAP(Multiple Alignment Program)、MBLKP、MBLKN、
PIMA(Pattern-Induced Multi-sequence Alignment)、SAGA(Sequence Alignme
nt by Genetic Algorithm)およびWHAT-IFが挙げられる。
【0063】 改変体酵素、すなわち「断片」、「類似体」または「誘導体」酵素と基準酵素
とは、どのような組合せで存在してもよい1個またはそれ以上の置換、付加、欠
失、融合および末端切断によりアミノ酸配列が異なり得る。
【0064】 中でも好ましい改変体は、同類アミノ酸置換によって基準とは異なるものであ
る。そのような置換は、ポリぺプチド内の所与のアミノ酸を同様の特性を有する
別のアミノ酸で置換するものである。同類置換として典型的に見られるのは、脂
肪族アミノ酸Ala、Val、LeuおよびIleの中の1つの別のものによる置き換え、ヒ
ドロキシル残基SerとThrの入れ代え、酸性残基AspとGluの交換、アミド残基Asn とGlnの間の置換、塩基性残基LysとArgの交換、;および芳香族性残基PheとTyr の置き換えである。
【0065】 最も好ましいものは、それが変化する基準のポリペプチドと同じ生物学的機能
および活性を保持する改変体である。
【0066】 本発明の酵素の断片または部分は、対応する全長酵素をペプチド合成により製
造するのに用い得る。したがって、この断片は、全長酵素を製造するための中間
体として用い得る。本発明のポリヌクレオチドの断片または部分は、本発明の全
長ポリヌクレオチドを合成するのに用い得る。
【0067】 また、本発明は、本発明のポリヌクレオチドを含むベクター、本発明のベクタ
ーで遺伝子操作された宿主細胞、および組換え技術による本発明の酵素の生成に
関する。
【0068】 宿主細胞は、本発明のポリヌクレオチドを含むベクターで遺伝子操作(形質導 入、形質転換、またはトランスフェクト)する。このようなベクターは、例えば 、クローニングベクターまたは発現ベクターでもよい。ベクターは、例えば、プ
ラスミド、ウイルス粒子、ファージなどの形態でよい。操作された宿主細胞は、
プロモーターを活性化したり、形質転換体を選択したりまたは本発明の遺伝子を
増幅したりするのに適するように慣用の栄養培地を改変したもので培養すること
ができる。温度、pHなどの培養条件は、発現について選択した宿主細胞に対し
て従来から使用しているものであり、当業者には明らかである。
【0069】 本発明のポリヌクレオチドは、組換え技術によって酵素を生成するために用い
ることができる。つまり、このポリヌクレオチドは、例えば、酵素を発現するた
めの種々の発現ベクターのいずれに含まれても良い。このようなベクターとして
、染色体DNA配列、非染色体DNA配列、および合成DNA配列(例えば、SV40の誘導体
);細菌プラスミド;ファージDNA;バキュロウイルス;酵母プラスミド;プラス
ミドとファージDNAとの組合せから誘導されたベクター;ワクシニア、アデノウ イルス、鶏痘ウイルスおよび仮狂犬病などのウイルスDNAが挙げられる。しかし 、その他のベクターも、宿主中で複製可能かつ生存可能である限り使用できる。
【0070】 適切なDNA配列は、様々な方法でベクターに挿入することができる。一般的に 、DNA配列は、当該分野において公知の方法によって適切な制限エンドヌクレア ーゼ部位に挿入される。そのような方法およびその他の方法は、当業者の範囲内
にあるとみなされる。
【0071】 発現ベクター中のDNA配列は、適切な発現制御配列(プロモーター)と作動可能 に結合してmRNA合成を指令する。そのようなプロモーターの代表的な例として、
LTRまたはSV40プロモーター、大腸菌lacまたはtrp、ファージλPLプロモーター 、および、原核細胞、真核細胞またはそれらのウイルス中で遺伝子の発現を制御
することが知られているその他のプロモーターが挙げられる。また、発現ベクタ
ーは、翻訳開始のためのリボソーム結合部位、および転写ターミネーターも含む
。また、ベクターは、発現を増幅するための適切な配列を含んでいても良い。
【0072】 さらに、発現ベクターは1つ以上の選択マーカー遺伝子を含んで、形質転換し
た宿主細胞を選択するための表現型特徴(例えば、真核細胞培養物においてはジ ヒドロ葉酸リダクターゼ耐性もしくはネオマイシン耐性、または大腸菌において
はテトラサイクリン耐性もしくはアンピシリン耐性)を付与ことが好ましい。
【0073】 上記したような適切なDNA配列、および適切なプロモーターまたは制御配列を 含むベクターを用いて適切な宿主を形質転換し、宿主にタンパク質を発現させる
ことができる。
【0074】 適切な宿主の代表例として、大腸菌、Streptomyces、枯草菌(Bacillus subtil
is)などの細菌細胞、酵母などの菌類細胞、Drosophila (キイロショウジョウバ エ)S2およびSpodoptera Sf9などの昆虫細胞、CHO、COSまたはBowesメラノーマな
どの動物細胞、アデノウイルス、植物細胞などが挙げられる。適切な宿主の選択
は、本明細書の教示から当業者の範囲内にあるとみなされる。
【0075】 特に、本発明は、概ね上記した配列を1つ以上含む組換え構築物も含む。この
構築物は、本発明の配列が順方向または逆方向に挿入されたプラスミドまたはウ
イルスベクターなどのベクターを含む。この実施形態の好ましい態様において、
この構築物は更に、例えば該配列に作動可能に連結したプロモーターなどの調節
配列を含む。多数の適切なベクターおよびプロモーターが当業者に知られており
、市販されている。例として以下のベクターが挙げられる、細菌型:pQE70、pQE
60、pQE-9(Qiagen)、pBluescript II(Stratagene)、pTRC99a、pKK223-3、pDR540
、pRIT2T(Pharmacia)、真核生物型:pXT1、pSG5(Stratagene)、pSVK3、pBPV、pM
SG、pSVLSV40(Pharmacia)。しかし、その他のプラスミドまたはベクターも、宿 主において複製可能かつ生存可能であれば使用できる。
【0076】 プロモーター領域は、CAT(クロラムフェニコールトランスフェラーゼ)ベクタ ー、または選択マーカーを有する他のベクターを用いて、あらゆる所望の遺伝子
から選択できる。2つの適切なベクターはpKK232-8およびpCM7である。名称のあ
る特定の細菌プロモーターには、lacI、lacZ、T3、T7、gpt、λPR・PLおよびtrp
プロモーターが含まれる。真核生物プロモーターには、CMV前初期、HSVチミジン
キナーゼ、初期および後期SV40、レトロウイルス由来LTR、ならびにマウスメタ ロチオネイン-Iが含まれる。適切なベクターおよびプロモーターの選択は当業者
の水準内にある。
【0077】 さらなる実施形態において、本発明は、上記構築物を含む宿主細胞に関する。
宿主細胞は、哺乳動物細胞などの高等真核細胞、もしくは酵母細胞などの下等真
核細胞でもよいし、または宿主細胞は細菌細胞などの原核細胞でもよい。構築物
は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE-デキストラン媒介トランス フェクション、またはエレクトロポーレーションによって宿主細胞内に導入でき
る(Davis, L., Dibner, M., Battey, I., Basic Methods in Molecular Biology
, (1986))。
【0078】 宿主細胞中の上記構築物を従来どおりに用いて、組換え配列にコードされる遺
伝子産物を産生できる。あるいはまた、通常のペプチド合成装置によって、本発
明の酵素を合成的に生成できる。
【0079】 成熟タンパク質は、適切なプロモーターの制御下で、哺乳動物細胞、酵母、細
菌またはその他の細胞において発現できる。無細胞翻訳系を用いても、本発明の
DNA構築物から誘導したRNAを用いてそのようなタンパク質を産生することができ
る。原核生物宿主および真核生物宿主と共に使用するのに適したクローニングベ
クターおよび発現ベクターは、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory
Manual,第2版, Cold Spring Harbor, N.Y., (1989)に記載されており、その開 示は参照により本明細書に組み入れる。
【0080】 高等真核生物による本発明の酵素をコードするDNAの転写は、ベクターにエン ハンサー配列を挿入することによって高まる。エンハンサーは、プロモーターに
作用してその転写を高めるDNAのcis作用性エレメントであり、通常約10〜300bp である。例として、複製起点の後期側(bp100〜270)にあるSV40エンハンサー、サ
イトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側にあるポ
リオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハンサーが挙げられる。
【0081】 一般に、組換え発現ベクターは、複製起点および宿主細胞の形質転換を可能に
する選択マーカー(例えば、大腸菌のアンピシリン耐性遺伝子およびS.cerevisia
e TRP1遺伝子、ならびに高度発現遺伝子由来のプロモーター)を含んで下流構造 配列の転写を指令する。そのようなプロモーターは、とりわけ3−ホスホグリセ
レートキナーゼ(PGK) などの解糖酵素、α因子、酸性ホスファターゼ、または熱
ショックタンパク質をコードするオペロンから誘導できる。異種構造配列は、翻
訳開始配列および翻訳終結配列と、ならびに好ましくは翻訳された酵素の分泌を
指令できるリーダー配列と適切に読み枠を合わせてアセンブリされる。場合によ
り、異種配列は、所望の特性(例えば、発現される組換え産物の安定化または簡 易精製)を付与するN-末端識別ペプチドを含む融合酵素をコードしてもよい。
【0082】 細菌に使用できる有用な発現ベクターは、所望のタンパク質をコードする構造
DNA配列を適切な翻訳開始シグナルおよび翻訳終結シグナルと共に、機能的プロ モーターと作動可能に読み枠を合わせて挿入することによって構築できる。この
ベクターは、1つ以上の表現型選択マーカーおよび複製起点を含んで、該ベクタ
ーを確実に維持し、必要であれば宿主内で増幅を起こす。形質転換のために適し
た原核生物宿主には、大腸菌、枯草菌、Salmonella typhimurium(ネズミチフス 菌)、ならびにPseudomonas属、Streptomyces属、およびStaphylococcus属に属す
る種々の種が挙げられるが、選択次第でその他のものも用いることができる。
【0083】 非限定的な代表例として、細菌に使用できる有用な発現ベクターは、選択マー
カー、および周知のクローニングベクターpBR322(ATCC37017)の遺伝子エレメン トを含む市販のプラスミド由来の細菌の複製起点を含む。そのような市販のベク
ターとしては、例えば、pKK223-3(Pharmacia Fine Chemicals, Uppsala, Sweden
)およびGEM1(Promega Biotec. Madison, WI, USA)が挙げられる。これらpBR322 の「バックボーン」部分を、適切なプロモーターおよび発現させようとする構造配
列と組み合わせる。
【0084】 適切な宿主株を形質転換し、該宿主株を適切な細胞密度まで増殖させた後、選
択したプロモーターを適切な手段(例えば、温度変化または化学誘導)により誘導
し、細胞を更に培養する。
【0085】 細胞は、典型的には、遠心分離によって回収され、物理的または化学的手段に
より破壊され、得られた粗抽出物は更に精製するために保持する。
【0086】 タンパク質の発現に用いる微生物細胞は、いずれの慣用的方法によっても破壊
でき、これには、凍結溶解サイクリング、超音波処理、機械的破壊、または細胞
溶解剤の使用などが含まれ、このような方法は当業者に周知である。
【0087】 また、種々の哺乳動物細胞培養系を用いても、組換えタンパク質を発現できる
。哺乳動物発現系の例としては、Gluzman, Cell, 23:175(1981)に記載のサル腎 臓線維芽細胞のCOS-7系、および適合するベクターを発現可能なその他の細胞系(
例えば、C127、3T3、CHO、HeLaおよびBHK細胞系)が挙げられる。哺乳動物発現ベ
クターは、複製起点、適切なプロモーターおよびエンハンサー、ならびにあらゆ
る必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライス供与部位、スプ
ライス受容部位、転写終結配列、およびに5’隣接非転写配列を含む。SV40のス
プライス部位およびポリアデニル化部位に由来するDNA配列を使用して、所望の 非転写遺伝子エレメントを得ることができる。
【0088】 硫酸アンモニウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交
換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用
クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイ
トクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーなどの方法によって、
組換え細胞培養物から酵素を回収し精製することができる。必要に応じてタンパ
ク質リフォールディング工程によって、成熟タンパク質の立体配置を完成できる
。最後に、最終的な精製工程において高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用い
ることができる。
【0089】 本発明の酵素は、天然精製産物、または化学合成法の産物、または組換え技術
によって原核生物宿主または真核生物宿主(例えば培養中の細菌細胞、酵母細胞 、高等植物細胞、昆虫細胞および哺乳動物細胞)から生成されるものである。組 換え生産法で使用する宿主に応じて、本発明の酵素はグリコシル化されてもされ
なくてもよい。本発明の酵素はまた、開始メチオニンアミノ酸残基を含んでいて
もいなくてもよい。
【0090】 本発明の酵素は、その酵素活性が必要または所望されるあらゆる目的のために
用い得る。好ましい実施形態において、酵素は、相補的なポリヌクレオチド鎖を
鋳型として使用して、ポリヌクレオチド鎖の3'末端にデオキシヌクレオチドを付
加するDNA合成を触媒するために用いられる。
【0091】 好ましい実施形態において、本発明の酵素は、熱に対して安定で、熱耐性を有
し、DNAを重合する熱安定酵素である。即ち、該酵素は70℃までの温度に短時間(
即ち5〜30秒)または長時間(例えば数分から数時間)さらされると再生し活性を取
り戻し、最適温度が60℃より高い。
【0092】 この酵素、それらの断片もしくは他の誘導体、それらの類似体、またはそれら
を発現する細胞は、それらに対する抗体を生成するための免疫原として使用でき
る。これらの抗体は、例えば、ポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体でも
ありえる。本発明はまた、キメラ抗体、一本鎖抗体、ヒト化抗体、Fabフラグメ ント、またはFab発現ライブラリーの産物も含む。そのような抗体およびフラグ メントの作製のためには、当該分野で公知の種々の方法が使用できる。
【0093】 本発明の配列に対応する酵素に対して生成された抗体は、該酵素を動物に直接
注射することによって、または該酵素を動物(好ましくは、非ヒト動物)に投与す
ることによって得られる。そのようにして得られた抗体は酵素自体を結合させる
。このようにして、酵素の一断片のみをコードする配列でも、天然酵素全体を結
合する抗体を作製するために使用できる。そしてそのような抗体は、酵素を発現
する細胞から該酵素を単離するために使用できる。
【0094】 モノクローナル抗体の作製のためには、連続した細胞系培養によって生成され
る抗体が得られるあらゆる技術を用いることができる。例として、ハイブリドー
マ法(KohlerおよびMilstein、1975, Nature, 256:495-497)、トリオーマ(trioma
)法、ヒトB細胞ハイブリドーマ法(Kozborら、1983, Immunology Today 4:72)、
ならびにヒトモノクローナル抗体を生成するためのEBV-ハイブリドーマ技術(Col
eら, 1985, Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, Inc.,
pp. 77-96)が挙げられる。
【0095】 一本鎖抗体の作製のために記載された技術(米国特許第4,946,778号)を用いて 、本発明の免疫原性酵素産物に対する一本鎖抗体を作製できる。また、トランス
ジェニックマウスを用いて、本発明の免疫原性酵素産物に対するヒト化抗体を発
現できる。
【0096】 本発明の酵素に対して生成された抗体は、他の生物およびサンプルから同様の
酵素をスクリーニングするために使用できる。そのようなスクリーニング技術は
当該分野で公知である。そのようなスクリーニングアッセイの1つは、例えば“
Methods for Measuring Cellulase Activities”(Methods in Enzymology, Vol.
160, pp. 87-116)に記載されている(これはその全体が参照により本明細書に組
み入れられる)。また、抗体はプローブとして、上記または他の生物から作製さ れた遺伝子ライブラリーをスクリーニングして上記活性または交差反応活性を同
定するために用いることもできる。
【0097】 上記系で生成したポリペプチドの単離および精製は、個々の系に適した慣用の
方法によって行うことができる。例えば、分離用クロマトグラフィー、およびモ
ノクローナル抗体またはポリクローナル抗体などの抗体を用いた免疫学的分離を
使用できる。
【0098】 本明細書で用いる「抗体」という用語は、無傷の免疫グロブリン分子、ならびに
ポリメラーゼポリペプチドのエピトープに結合可能な免疫グロブリン分子のフラ
グメント(Fab、Fab'、(Fab')2、Fv、およびSCAフラグメントなど)を指す。これ らの抗体フラグメントは、それらが由来する抗体の抗原(例えば、ポリメラーゼ 抗原)に選択的に結合できる能力をある程度維持しており、当該分野で周知の方 法を用いて作製できる(例えば、HarlowおよびLane、前掲を参照)。また、更に以
下のように記載されている。
【0099】 (1) Fabフラグメントは、抗体分子の一価の抗原結合フラグメントからなり、
抗体分子全体を酵素パパインで消化して、無傷のL鎖とH鎖の一部とからなるフ
ラグメントを生成することによって作製できる。 (2) 抗体分子のFab'フラグメントは、抗体分子全体をペプシンで処理した後還
元して、無傷のL鎖とH鎖の一部とからなる分子を生成することによって得られ
る。このように処理した抗体分子1つ当たり2つのFab'フラグメントが得られる
。 (3) 抗体の(Fab')2フラグメントは、抗体分子全体を酵素ペプシンで処理し、 その後還元せずに得られる。(Fab')2フラグメントは、2つのジスルフィド結合 によって固定された2つのFab'フラグメントからなる二量体である。 (4) Fvフラグメントは、2本の鎖として発現されたL鎖可変部およびH鎖可変
部を含む遺伝子操作されたフラグメントと定義される。 (5) 一本鎖抗体(「SCA」)は、適切かつ可変的な(flexible)ポリペプチドリンカ ーに連結したL鎖可変部およびH鎖可変部を含む遺伝子操作した一本鎖分子であ
る。
【0100】 本発明において使用する「エピトープ」という用語は、ポリメラーゼポリペプチ
ドなどの抗原上の抗原決定基を指し、ポリメラーゼ特異的抗体などの抗体のパラ
トープがこれと結合する。抗原決定基は、通常、アミノ酸または糖側鎖などの化
学的に活性な表面分子群集からなり、特定の3次元構造特性および特定の電荷特
性を有していてもよい。
【0101】 上記したように、ポリメラーゼ特異的抗体を作製するために使用できる抗原に
は、ポリメラーゼポリペプチド(例えば、図1〜Xに示すいずれかのポリメラー ゼ)、ペプチドフラグメントが含まれる。動物を免疫化するのに使用するポリペ プチドまたはペプチドは、標準的な組換え法、化学的合成法、または精製法によ
り得られる。当該分野で周知のように、免疫原性を高めるために、抗原を担体タ
ンパク質と結合できる。一般的に使用される担体としては、キーホールリンペッ
トヘモシアニン(KLH)、チログロブリン、ウシ血清アルブミン(BSA)、および破傷
風トキソイドが挙げられる。結合したペプチドはその後、動物(例えば、マウス 、ラット、またはウサギ)を免疫化するために使用される。このような担体に加 えて、抗原と共に周知のアジュバントを投与して、強い免疫応答を誘導し易くで
きる。
【0102】 ポリメラーゼ特異的ポリクローナルおよびモノクローナル抗体は、例えば、ポ
リメラーゼポリペプチド(例えば、抗体を生じさせるポリメラーゼポリペプチド(
またはその断片))を含むマトリックスと結合させ、そこから溶出させることによ
って精製できる。抗体を精製および濃縮するための別の方法は、当該分野におい
て周知であり、本発明のポリメラーゼ特異的抗体を用いて行うことができる(例 えば、Coliganら, Unit 9, Current Protocols in Immunology, Wiley Intersci
ence, 1994を参照)。
【0103】 ポリメラーゼ特異的抗原に対応する抗イディオタイプ抗体も、本発明に含まれ
、標準的な方法を用いて作製することができる。これらの抗体はポリメラーゼ特
異的抗体に対して作られ、従ってポリメラーゼ特異的エピトープを模倣する。
【0104】 分子対(例えば、抗体-抗原対または核酸対)のメンバーは、他の非特異的分子 とよりも互いと高い親和性によって結合する場合に、互いに「特異的に結合」する
と言う。例えば、抗原に対して作られ、非特異的タンパク質よりも該抗原とより
効率的に結合する抗体は、該抗原と特異的に結合しているといえる。(同様に、 核酸プローブは、塩基対合相互作用により核酸標的と特異的な二重らせんを形成
する場合(上記参照)、該標的と特異的に結合しているといえる)。
【0105】 本発明は、以下の実施例を参照してさらに記載されるが、本発明はこれらの実
施例に限定されないことが理解すべきである。全ての部または量は特に記載がな
い限り重量ベースで示す。
【0106】 本発明の一態様において、図1〜6に示すようなポリメラーゼ酵素を生成する
方法が提供される。この方法は、核酸の発現を可能にする条件において酵素(配 列番号2、4、6、8、10、12)をコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞を培 養し、該核酸によってコードされた酵素を単離することを含む。宿主細胞の培養
方法は、実施例に記載されており、当業者には公知である。
【0107】 以下の実施例を理解し易くするために、頻繁に用いる特定の方法および/また は用語について記載する。
【0108】 「プラスミド」は小文字のpの前および/または後ろに大文字および/または数字
を続けて示される。本明細書で用いる出発プラスミドは、市販のものか、一般的
に自由に入手可能なもの、または公開されている方法によって入手可能なプラス
ミドから構築できるものである。さらに、記載されているプラスミドと等価のプ
ラスミドが当該分野において知られており、当業者には明白である。
【0109】 DNAの「消化」は、DNA内の特定の配列のみに作用する制限酵素によるDNAの触媒 切断を指す。本明細書中で用いる種々の制限酵素は市販のものであり、それらの
反応条件、補助因子、およびその他の要件は当業者に公知なものを用いた。分析
の目的のためには、典型的に、約20μlの緩衝液中で、1μgのプラスミドまた はDNA断片を約2単位の酵素と共に使用する。プラスミド構築のためにDNA断片を
単離する目的のためには、典型的に、大容量中で5〜50μgのDNAを20〜250単位 の酵素で消化する。個々の制限酵素に対する適切な緩衝液および基質の量は、製
造元により特定されている。インキュベーションの時間は通常37℃で約1時間で
あるが、供給元の説明書に従って変えても良い。消化後、反応を、ポリアクリル
アミドゲル上で直接電気泳動し、所望の断片を単離する。
【0110】 切断断片のサイズ分離は、一般的に、例えば、Goeddel, D.ら, Nucleic Acids
Res., 8:4057(1980)に記載されている8%ポリアクリルアミドゲルを用いて行 われている。
【0111】 「オリゴヌクレオチド」は、化学的に合成され得る一本鎖ポリデオキシヌクレオ
チド、または二本の相補的なポリデオキシヌクレオチド鎖のいずれかを指す。こ
のような合成オリゴヌクレオチドは、5'リン酸を有していても有していなくて もよい。5'リン酸を有していない合成オリゴヌクレオチドは、キナーゼの存在 下においてATPでリン酸を加えない限り、他のオリゴヌクレオチドと連結しない 。合成オリゴヌクレオチドは脱リン酸化されていない断片と連結する。
【0112】 「連結」は、2つの二本鎖核酸断片の間にホスホジエステル結合を形成するプロ
セスを指す(Maniatis, T.ら, Id., p.146)。特に記載しない限り、連結は、公知
の緩衝液および条件を用いて、ほぼ等モル量の連結させようとするDNA断片0.5μ
g当たり10単位のT4 DNAリガーゼ(「リガーゼ」)を用いて行うことができる。
【0113】 特に記載しない限り、形質転換は、Sambrook, FritschおよびManiatis, 1989 の方法に記載されているように行った。以下の実施例は、本発明を例示するため
のものであり、本発明を限定するものではない。実施例に記載する方法は、本発
明の特定の態様を行う上で典型的に採用されるものであるが、当業者に公知のそ
の他の方法も用いることができる。実施例に記載する実験を行う上で以下の材料
および方法を用いた。
【0114】実施例1 DNAの単離およびライブラリーの構築 サンプルから遺伝子ライブラリーを作製するために使用する方法を以下に概説
する。
【0115】DNAの単離 IsoQuick法を製造者(Orca, Research Inc., Bothell、ワシントン州)の説明
書に従って行う。
【0116】DNAの切断 25G2又針(double-hub needle)および1-cc注射器で約500回DNAを力強く押 したり引いたりする。
【0117】 少量(0.5μg)を0.8%アガロースゲルに載せて調べ、DNAの大部分が所望のサ
イズの範囲内(約3〜6kb)であることを確認する。
【0118】DNAの平滑末端化 以下のものを加える: 水: 最終体積405μlとする 45μl: 10×ヤエナリ(Mung Bean)緩衝液 2.0μl: ヤエナリ・ヌクレアーゼ(150u/μl) 37℃にて15分間インキュベートする。 フェノール/クロロホルム抽出を1回行う。 クロロホルム抽出を1回行う。 1mlの氷冷エタノールを加えて沈殿させる。 10分間氷上に載せる。 微量遠心分離器(microfuge)の中で30分間高速にてスピンを行う。 70%エタノール1mlで洗浄する。 微量遠心分離器の中で10分間高速でスピンを行い、乾燥させる。
【0119】DNAのメチル化 TE26μl中にDNAを静かに再懸濁する。 以下のものを加える: 4.0μl 10×EcoR Iメチラーゼ緩衝液 0.5μl SAM(32mM) 5.0μl EcoR Iメチラーゼ(40u/μl) 37℃にて1時間インキュベートする。
【0120】平滑末端の保護 メチル化反応物に以下のものを加える: 5.0μl 100mM MgCl2 8.0μl dNTPミックス(dGTP, dATP, dTTP, dCTPをそれぞれ2.5mM) 4.0μl Klenow(5u/μl) 12℃にて30分間インキュベートを行う。 450μl 1×STEを加える。 フェノール/クロロホルム抽出物を1回行う。 クロロホルム抽出を1回行う。 1mlの氷冷エタノールを加えて沈殿させ、10分間氷上に静置する。 微量遠心分離器の中で30分間高速にてスピンを行う。 70%エタノール1mlで洗浄する。 微量遠心分離器の中で10分間高速でスピンを行い、乾燥させる。
【0121】アダプター連結 EcoR Iアダプター(ストラタジーン社のcDNA合成キットのもの)8μl中にDNA
を静かに再懸濁する。 以下のものを加える: 1.0μl 10×連結緩衝液 1.0μl 10mM rATP 1.0μl T4 DNAリガーゼ(4u/μl) 4℃にて2日間インキュベートする
【0122】アダプターのリン酸化 70℃にて30分間加熱して連結反応を停止する。 以下のものを加える: 1.0μl 10×連結緩衝液 2.0μl 10mM rATP 6.0μl 水 1.0μl ポリヌクレオチドキナーゼ(PNK) 37℃にて30分間インキュベートする。 水(31μl)および10×STE(5μl)を加える。 セファクリルS-500スピンカラムでサイズ分画を行う(画分1〜3をプールす る)。 フェノール/クロロホルム抽出を1回行う。 クロロホルム抽出を1回行う。 氷冷エタノールを加えて沈殿させる。 氷上に10分間載せる。 微量遠心分離器の中で30分間高速にてスピンを行う。 70%エタノール1mlで洗浄する。 微量遠心分離器の中で10分間高速でスピンを行い、乾燥させる。 TE緩衝液10.5μlに再懸濁する。 プレートアッセイは行わない。代わりに、水を使用せずにDNA(2.5μl)を使 用すること以外は上記のようにアームに直接連結する。
【0123】ショ糖勾配(2.2ml)サイズ分画 サンプルを10分間65℃に加熱する。 ショ糖勾配(2.2ml)に静かに負荷する。 ミニ超遠心分離器で、45K、20℃にて4時間スピンする(ブレーキなし)。 20G針で勾配試験管の底に穴をあけ、この針からショ糖を流出させて画分を収
集する。ファルコン2059試験管の中に最初の20滴を集め、次に1滴の画分を10個
(1-10とラベルした)収集した。各1滴の体積は約60μlである。 各画分5μlを0.8%アガロースゲル上で泳動させて、サイズを調べる。 画分1〜4(約10〜1.5kb)をプールし、別の試験管に画分5〜7(約5〜0.5
kb)をプールする。 氷冷エタノール1mlを加えて沈殿させ、氷上に10分間静置する。 微量遠心分離器の中で30分間高速にてスピンする。 70%エタノール1mlで洗浄する。 微量遠心分離器の中で10分間高速でスピンを行い、乾燥させる。 TE緩衝液(10μl)の中に各々再懸濁する。
【0124】λアームへのテスト連結 プレートアッセイを行って適度な濃度にする。標準物(既知濃度のDNAサンプ ル)と共にサンプル0.5μlをエチジウムブロミド含有アガロース上にスポットす
る。紫外線光に当てて観察し、標準物と比較した濃度を評価する。画分1〜4=
>1.0μg/μl。画分5〜7=500ng/μl。 以下の連結反応物(5μl反応物)を用意し、4℃にて一晩インキュベートする
【0125】
【表1】
【0126】テストパッケージングおよびプレーティング 製造者のプロトコールに従って連結反応物をパッケージングする。 SM緩衝液(500μl)でパッケージング反応を停止し、この連結により生じたパ
ッケージング物をプールする。 適当な宿主(OD600=1.0)で各々(1.0μl)の力価を検定する[XLI-Blue MRF
]。 宿主200μl(mM MgSO4中)をファルコン2059試験管に加える。 パッケージングしたファージ1μlを接種する。 37℃にて15分間インキュベートする。 48℃の上層寒天約3mlを加える。 [150μlのIPTG(0.5M)および300μlのX-GAL(350mg/ml)を含むストック50
ml] 100mmのプレートに広げ、37℃にて一晩インキュベートする。
【0127】ライブラリーの増幅(各ライブラリーから5.0×105個の組換え体) 宿主細胞(OD600=1.0)3.0mlを2つの50ml円錐形試験管に加える。 円錐形試験管1本につき2.5×105pfuで接種する。 37℃にて20分間インキュベートする。 上層寒天を各試験管に加えて最終体積45mlとする。 5枚の150mmプレートにその試験管を分ける。 37℃にて6〜8時間、あるいはプラークがおよそピンヘッドの大きさになるま
でインキュベートする。 SM緩衝液8〜10mlを上層して4℃にて一晩置く(可能であれば、静かにゆらす
)。
【0128】ファージの回収 各プレートからSM緩衝液を50ml円錐形試験管にあけて、ファージ懸濁液を回収
する。 クロロホルム3mlを加え、力強く振盪し、室温にて15分間インキュベートする
。 2Krpmにて10分間遠心分離して細胞破砕物を除去する。 上清を滅菌フラスコにあけ、クロロホルム500μlを加える。 4℃にて保存する。
【0129】増幅したライブラリーの力価の検定 段階希釈物を調製する。 10-5=SM緩衝液1ml中の1μl増幅ファージ。 10-6=SM緩衝液1ml中の103希釈物(1μl)。 2つの試験管に200μlの宿主(10mM MgSO4中)を加える。 10-6希釈物10μlを一方に接種する(10-5)。 10-6希釈物1μlを他方に接種する(10-6)。 37℃にて15分間インキュベートする。 48℃の上層寒天約3mlを加える。 [150μlのIPTG(0.5M)および375μlのX-GAL(350mg/ml)を含むストック50
ml] 100mmのプレートに広げ、37℃にて一晩インキュベートする。 ZAP IIライブラリーを切出し、製造者(ストラタジーン社)のプロトコール従
ってpBluescriptライブラリーを作製する。
【0130】実施例2 活性化仔ウシ胸腺DNAポリメラーゼアッセイ クローンを画線培養して単離する。 1.LB/Amp/Meth/Kan培地5mlに単離したクローンを接種する。 2.濁るまで増殖させる。 3.LB/Amp/Meth/Kanの培地50mlに接種する。 OD600が0.7〜0.9になるまで増殖させ;最終濃度1mMのIPTGで3時間、培養を誘
導し、 4500RPMにて20分間遠心分離して上清を捨て、 ペレットを20mM Tris(pH8.0、3ml)中に再懸濁して1分間ずつ2回超音波処
理にかけ、 超音波処理物1mlを4℃にて30分間微量遠心分離にかけ、 超音波処理上清(1μl)を取り出して、0.5mlエッペンドルフ試験管の中の以 下の活性化仔ウシ胸腺反応カクテル10μlに加えた: 5ユニット/mlの活性化仔ウシ胸腺DNA(ファルマシア27-4575-01) 1mM DTT 40mg/ml BSA 50uM dATP, 50uM dCTP, 50uM dGTP, 5uM dTTP 50mM Tris pH7.6 5mM MgCl2 50μCi/ml H3-dTTP。
【0131】 水を加えて所定体積とする。 70℃にて10〜30分間インキュベートする。 試験管を冷却して反応を停止させる。 サンプルをワットマンDE-81ろ紙(カタログ番号3658-323)にスポットする。
【0132】 完全に乾燥する。 ろ紙を2×SSCで2分間ずつ5回洗浄する。 最後に100%エタノールで洗浄して残った水の大部分を除去する。 フィルターを完全に乾燥させる。 シンチレーションカウンターを使用してH3‐dTTPの取り込みをカウントする 。
【0133】 ポリメラーゼによるヌクレオチドの取り込みは、バックグラウンドの少なくと
も5倍まで、カウントに比例する(Maki H.ら、J. Biol. Chem. (1988) 263:657
0-6578およびTaborら、米国特許第4795699号)。
【0134】実施例3 PCRスクリーニング Thermococcus litoralis, Pyrococcus GB-D(Deep Vent)およびPyrococcus fur
iosus由来のポリメラーゼ配列をスキャンして保存領域を決定した。以下の核酸 配列を同定し、対応するアミノ酸配列を用いて縮重オリゴヌクレオチドプライマ
ーを得て、これを下流のスクリーニングに使用した。 Thermococcus litoralis: 37-45, 1045-1051 Pyrococcus GB-D(Deep Vent): 37-45, 1042-1049 Pyrococcus furiosus: 37-45, 505-512
【0135】 以下の対応アミノ酸配列を用いて縮重オリゴヌクレオチドプライマーを作製し
た。 YIYALLK/RDD WYC/SKECAE これらのプライマーを順方向Poldgen1および逆方向Poldgen2で標識した。 順方向Poldgen 1 (26mer): 5'-TAC/TATA/TTAC/TGCTCTC/TCTCAA/GAGATGA-3' 逆方向Poldgen 2 (23mer): 5'-TCA/TGCA/GCAC/TTCC/TTTACAA/GTACCA-3' これらのプライマーを用いて潜在的なポリメラーゼ遺伝子をゲノムDNA(鋳型D
NA)から直接増幅した。
【0136】 100μl PCR条件: 1μl 順方向Poldgen1(500ng/μl中) 1μl 逆方向Poldgen2(500ng/μl中) 1μl 25mM dNTP混合物 1μl 鋳型DNA(約100ng/μl) 1μl TaqPlusポリメラーゼ(ストラタジーン社) 10μl 10×低塩反応緩衝液(ストラタジーン社) 85μl 水
【0137】
【表2】
【0138】 PCR産物(両生物からの1.4kbのバンド)をフェノールクロロホルム抽出(Mani
atis参照)し、TAクローニング系を用いてpGemT PCRクローニングベクター(Pro
mega社)へクローニングした。その際、以下の連結反応を使用した。
【0139】 0.5μl pGemTクローニングベクター(50ng/μl) 2μl PCR産物(約1000ng/μl) 2μl rATP(10mM) 2μl 10×T4リガーゼ緩衝液 1μl T4リガーゼ 12.5μl 水 4℃にて一晩インキュベートする。
【0140】 上記反応物(2.5μl)をXL1-Blue MRF'コンピテント細胞(ストラタジーン社 )に移した。 1.4kb PCR産物も、適当な制限酵素を用いて制限分析にかけた。 制限分析により潜在的クローンを確認し、配列決定を行った。 配列のBLASTXおよびBLASTNデータベース比較により、これらの配列が他の生物
由来の既知のポリメラーゼの核酸配列に相同であるかを示した。次に、この既知
のポリメラーゼ遺伝子の両端に増幅プライマーを作製し、ゲノムDNAの増幅反応 に使用して、この生物から完全長ポリメラーゼ遺伝子を引き出そうとした。これ
らのプライマーは、制限部位、および該遺伝子の下流プロセッシングのための新
しいリボソーム結合部位を含む。
【0141】PCR条件 1μl 順方向プライマー(250ng/μl) 1μl 逆方向プライマー(250ng/μl) 1μl 25mM dNTP 1μl 鋳型DNA(100ng/μl) 1μl Taqポリメラーゼ 10μl 10×Taq緩衝液 85μl 水
【0142】
【表3】
【0143】遺伝子ライブラリーのスクリーニング 上記反応にて作製されたPCR産物(縮重プライマーを使用)を用いて長い「ラ ンオフ(run-off)」一本鎖DNAプローブを作製した(P32をラベルとして使用)
。 一本鎖のP32標識プローブを用いてゲノムライブラリーをスクリーニングした
。これらのスクリーニングのハイブリダイゼーション条件は、Maniatis(水性溶
液の最大ストリンジェンシー;ローリング・ハイブリダイゼーション・チャンバ
ー68℃)に従った。 次に、全ての陽性クローンを切出してpBluescript SKに挿入し、配列決定した
【0144】実施例4 発現 陽性クローンを同定し、上記方法によりゲノムライブラリーから単離した。次
に、これらのクローンから得たDNAを鋳型として100ul PCR反応に用いた。まず本
発明の酵素をコードするDNAを、該DNAを含むpBluescriptベクターからPCR法によ
り増幅した。つぎに増幅した配列をpQEベクターに挿入して、本明細書中に記載 するプロトコールに従って該酵素を発現させた。
【0145】 pQEベクター(Qiagen社、カリフォルニア州チャッツワース)は、抗生物質耐 性(Ampr)、細菌の複製起点(ori)、IPTG-調節可能プロモーターオペレーター
(P/O)、リボソーム結合部位(RBS)、6-Hisタグおよび制限酵素部位をコード
する。
【0146】 pQEベクターを適当な制限酵素で消化する。増幅した配列をそれぞれのpQEベク
ターに連結し、RBSをコードする配列と読み枠を合せて挿入した。次に連結混合 物を使用して、エレクトロポレーションにより大腸菌株M15/pREP4(Qiagen社) を形質転換した。M15/pREP4はプラスミドpREP4の複数コピーを含み、これは、la
cIリプレッサーを発現しかつカナマイシン耐性(Kanr)を与える。形質転換体を
、これらがLBプレート上で増殖する能力により同定し、アンピシリン/カナマイ
シン耐性コロニーを選択した。プラスミドDNAを単離し、制限分析により確認し た。所望の構築物を含むクローンを、Amp(100μg/ml)およびKan(25μg/ml)の両 方を添加したLB培地中の液体培養で一晩(O/N)増殖させた。O/N培養物を用いて
1:100〜1:250の比で大規模培養を行った。細胞を、光学濃度600(O.D.600)が
0.4〜0.6になるまで増殖させた。つぎに、IPTG(「イソプロピル-B-D-チオガラ クトピラノシド」)を最終濃度1mMになるように加えた。IPTGは、lacIリプレッ サーを不活性化することにより、P/Oをクリアーにし、遺伝子発現を増強する。 細胞を更に3〜4時間増殖させた。つぎに、遠心分離により細胞を収穫した。
【0147】 以上の教示により、本発明の多くの修飾および改変が可能である。従って、添
付の請求の範囲内において、本発明は特に記載したもの以外にも実施することが
可能である。本発明は、上記詳細な説明に言及して記載されてきたが、上記記載
は本発明の範囲を例示するためのものであって、これを限定するものではないこ
とを理解されたい。添付した請求の範囲内には、本発明の他の態様、利点、およ
び修飾が含まれる。本明細書中に記載した全ての出版物、特許出願、特許、およ
び他の引用は、それらの全文が引用により本明細書中に組み込まれるものとする
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、Ammonifex degensii由来のDNAポリメラーゼ(3py1)のヌクレオチド および推定アミノ酸配列を示す。
【図2】 図2は、Pyrolobus fumarius由来のDNAポリメラーゼ(1PY2)のヌクレオチド および推定アミノ酸配列を示す。
【図3】 図3は、Archaeoglobus lithotrophicus由来のDNAポリメラーゼ(5PY1)のヌ クレオチドおよび推定アミノ酸配列を示す。
【図4】 図4は、Metallosphaera prunae由来のDNAポリメラーゼ(23PY1)のヌクレオ チドおよび推定アミノ酸配列を示す。
【図5】 図5は、Desulfurococcus由来のDNAポリメラーゼ(29PY1)のヌクレオチドお よび推定アミノ酸配列を示す。
【図6】 図6は、Aquifex VF-5由来のDNAポリメラーゼ(34PY1)のヌクレオチドおよび
推定アミノ酸配列を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 G01N 33/53 M 9/12 D G01N 33/53 33/566 C12N 15/00 ZNAA 33/566 5/00 A Fターム(参考) 4B024 AA11 AA20 BA10 CA03 CA09 CA20 DA06 GA14 GA19 GA27 HA13 HA14 4B050 CC01 CC03 DD02 EE01 LL03 LL05 4B065 AA01X AA01Y AA26X AA57X AA58X AA72X AA88X AA90X AB01 AC14 BA02 BA05 BB01 BC01 CA29 CA46 4H045 AA11 AA30 CA11 DA76 EA50 FA72

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号2、4、6、8、10および12からなる群から選ばれ
    るアミノ酸配列を有する実質的に純粋なポリペプチド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のポリペプチドをコードする単離されたポリ
    ヌクレオチド配列。
  3. 【請求項3】 (a)配列番号1、3、5、7、9および11; (b)TがUであってもよい配列番号1、3、5、7、9および11; (c)(a)および(b)に相補的な核酸配列;および (d)長さが少なくとも15塩基であり、かつ中程度から高度にストリンジェン
    トな条件下で配列番号1、3、5、7、9または11のアミノ酸配列をコードする
    DNAにハイブリダイズする(a)、(b)または(c)の断片; からなる群から選ばれる単離されたポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 原核生物から単離されたものである、請求項2に記載のポリ
    ヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
  6. 【請求項6】 プラスミドである、請求項5に記載のベクター。
  7. 【請求項7】 ウイルス由来である、請求項5に記載のベクター。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載のベクターで安定に形質転換された宿主細胞
  9. 【請求項9】 原核生物のものである、請求項8に記載の宿主細胞。
  10. 【請求項10】 真核生物のものである、請求項8に記載の宿主細胞。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載のポリペプチドまたはその断片に結合する
    抗体。
  12. 【請求項12】 ポリクローナルである、請求項11に記載の抗体。
  13. 【請求項13】 モノクローナルである、請求項11に記載の抗体。
  14. 【請求項14】 (a)配列番号2、4、6、8、10および12に示すアミノ
    酸配列に少なくとも70%同一であるアミノ酸配列を含む酵素;および (b)(a)の酵素と相同な少なくとも30個の連続したアミノ酸残基を含む酵
    素; からなる群から選ばれる酵素。
  15. 【請求項15】 (a)請求項8に記載の宿主細胞を培養し; (b)請求項8に記載の宿主細胞から前記DNAによってコードされるポリペプ チドを発現させ;そして (c)該ポリペプチドを単離する; 工程を含む、ポリペプチドの製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項5に記載のベクターで細胞を形質転換またはトラン
    スフェクトして、該細胞が、該ベクター内に含まれるDNAによってコードされる ポリペプチドを発現するようにする工程を含む、細胞の作製方法。
  17. 【請求項17】 (a)配列番号2、4、6、8、10および12に示すアミノ
    酸配列の群から選ばれるアミノ酸配列を含む酵素をコードするポリヌクレオチド
    ; (b)(a)のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチド;および (c)(a)または(b)のポリヌクレオチドの少なくとも15塩基を含むポリ
    ヌクレオチド; からなる群から選ばれるメンバーに対して少なくとも70%の同一性を有する単離
    されたポリヌクレオチド。
  18. 【請求項18】 配列番号1、3、5、7、9および11からなる群から選ば
    れる領域に対応する核酸標的領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプロ
    ーブ。
  19. 【請求項19】 長さが10から約150ヌクレオチドである、請求項18に記載 のプローブ。
  20. 【請求項20】 長さが10から約100ヌクレオチドである、請求項18に記載 のプローブ。
  21. 【請求項21】 長さが10から約50ヌクレオチドである、請求項18に記載の
    プローブ。
  22. 【請求項22】 長さが10から約30ヌクレオチドである、請求項18に記載の
    プローブ。
  23. 【請求項23】 長さが10から15ヌクレオチドである、請求項18に記載のプ
    ローブ。
  24. 【請求項24】 前記標的領域内に存在する10個の連続するヌクレオチドか
    らなる標的配列に少なくとも70%相補的な10個の連続する塩基からなるセグメン
    トを含む、請求項18に記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
  25. 【請求項25】 検出可能に標識されている、請求項18に記載のプローブ。
  26. 【請求項26】 前記検出可能な標識が、放射性同位元素、蛍光性化合物、
    生物発光性化合物、化学発光性化合物、金属キレート化剤または酵素からなる群
    から選ばれる、請求項25に記載のプローブ。
  27. 【請求項27】 配列番号2、4、6、8、10および12に示すポリペプチド
    に結合する抗体。
  28. 【請求項28】 ポリクローナルである、請求項27に記載の抗体。
  29. 【請求項29】 モノクローナルである、請求項27に記載の抗体。
  30. 【請求項30】 検出可能に標識されている、請求項27に記載の抗体。
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