JP2001512027A - 植物のストレス耐性および老化遅延 - Google Patents

植物のストレス耐性および老化遅延

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Abstract

(57)【要約】 本発明の新規な構築物と方法とは、植物における環境ストレスと老化とに対する耐性を改良する。植物ファルネシルトランスフェラーゼをコードする核酸が記載され、これらの核酸およびタンパク質を取り込んだトランスジェニック植物ならびに種子が記載される。また、発現された場合、植物の耐乾性を増強し、老化に対する耐性を改良し、かつ生長習性を改変するであろう、天然ファルネシルトランスフェラーゼのインヒビターを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 多くの高等植物は、それらの生活環のある段階で相対含水量の少なくとも一過
性の減少に遭遇し、結果として、多くの乾燥防御機構を進化させてきた。しかし
ながら、水分不足における変化が長引く場合、植物の生長と発育とへの影響は甚
大になりうる。乾燥、寒冷または塩ストレスによる含水量の減少は、植物生長お
よび農業における作物生産性を順に限定する植物細胞を回復できない障害を与え
うる。
【0002】 植物は、様々な形態学的変化および生理学的変化を伴って、有害な、乾燥、塩
分および寒冷条件に応答する。これらのストレスに対する植物耐性機構の我々の
理解は断片的であるが、植物ホルモンであるアブシジン酸(ABA)は、環境刺
激と植物応答との間の必須のメディエーターであることが提案されている。AB
A量は、水分不足に応答して増加し、外因的に投与されたABAは、水ストレス
により通常誘導される応答の多くを模倣する。一度ABAが合成されると、葉の
気孔の閉鎖を引き起こし、それにより蒸散を介する水分損失を減少させる。
【0003】 ABAを細胞応答に導く遺伝子の同定は、作物種における耐乾性を増強するた
めのこれらのレギュレーターを開発する可能性を広げる。原則として、これらの
ABAシグナル伝達遺伝子は、至適な植物生長と発育とを可能にする適当な制御
エレメントと組み合わされうる。したがって、これらの遺伝子は、一過性の環境
的な傷害に耐えるための作物の遺伝子の仕立てを可能にするだけでなく、さらに
、伝統的な作物が生育できる環境を広げるであろう。
【0004】 さらに、植物生長と植物発育とを制御する遺伝子機構はほとんど知られていな
い。植物の老化および生長習性などの他の代謝機構にさらに影響する遺伝子は、
広く多様な作物および園芸植物に有用でありうる。
【0005】 発明の要旨 本発明は、配列番号:1を含有した、ファルネシルトランスフェラーゼをコー
ドする単離核酸に関する。また、本発明により包含される核酸は、配列番号:1
の機能的同等物をコードする、かかるハイブリダイズ配列である。本発明は、さ
らに、これらの核酸によりコードされる産物のインヒビターを用いる、植物の耐
乾性の増強方法に関する。さらに、本発明は、光合成生物における調節機能の制
御;例えば、かかる生物における、生長習性、開花、種子生産、種子の発芽およ
び老化の制御などに関する。
【0006】 また、本発明は、ファルネシルトランスフェラーゼ(Fターゼ)タンパク質ま
たはその機能的同等物をコードする単離もしくは組換え核酸における改変による
、植物の耐乾性の増強方法に関する。Fターゼをコードする遺伝子(ERA1)
にハイブリダイズする核酸も、かかるハイブリダイズ核酸が該Fターゼタンパク
質の機能的同等物をコードする場合、本発明に包含される。また、本発明は、作
物植物におけるストレス耐性を改良するための、ERA1遺伝子およびその機能
的同等物の遺伝子操作による、植物の耐乾性の増強方法に関する。ERA1遺伝
子機能の欠損は、成熟植物レベルで耐乾性増強を与える。Fターゼ活性の欠損を
伴うera1変異体の性質は、例えば、ファルネシル化の阻害が植物におけるA
BA応答を増強することを説明する。
【0007】 さらに、本発明は、ファルネシルトランスフェラーゼ活性の阻害による、光合
成生物における老化の阻害に関する。得られた光合成生物は、青々としたままで
あり、組織生存能が長期間維持される。したがって、より青々とした植物および
老化の減少を提供する方法は、本発明の一部である。
【0008】 さらに別の態様において、植物の生長習性および開花誘導を改良する方法が提
供される。特定の環境条件下でのERA1遺伝子機能の欠損は、植物に生じる側
生枝の数の減少と花房あたりの花数の増加とをもたらす。
【0009】 また、本発明は、本新規調節配列に連結したDNA配列の発現の組織パターン
を制御する方法を提供するための、植物細胞の遺伝子工学に有用な調節配列に関
する。
【0010】 発明の詳細な説明 本発明は、植物の生長、生殖および老化を改変する、単離された核酸ならびに
これらの核酸によってコードされたタンパク質に関する。特に、本発明の構築物
は、配列番号:1を含有したファルネシルトランスフェラーゼ(Fターゼ)ポリ
ペプチドまたはその機能的同等物をコードする単離された核酸、およびこれらの
核酸によってコードされたFターゼポリペプチドまたはFターゼタンパク質を含
む。特に、本発明は、配列が配列番号:2であるタンパク質に関する。
【0011】 さらに、本発明は配列番号:1を含有した単離された核酸もしくはその機能的
同等物または両方の相補体に作動可能に連結されたプロモーター(ERA1プロ
モーター)を含有した核酸構築物を含む。植物に取り込まれたとき、ERA1プ
ロモーターは、植物の孔辺細胞で調節され、気孔を通して水の損失に影響するこ
とができる。このプロモーターは、配列番号:3を含有した核酸からなる(Fi
gure 3)。
【0012】 これらの構築物を取り込んでいる、トランスジェニック植物、種子、植物細胞
および組織もまた、本発明の一部である。したがって本発明の一側面として、a
)配列番号:3を含有した調節領域またはその機能的部分と、遺伝子産物をコー
ドする構造遺伝子を含有したDNA と、ポリアデニル化領域を含む3'非翻訳領域と
を含有したDNA 構築物で植物細胞を形質転換する工程;該細胞から、植物、光合
成生物または組織培養物を再生する工程;ならびに該植物、光合成生物または組
織培養物を、該プロモーターが該構造遺伝子の転写を誘導し、かつ該遺伝子産物
が発現されるような状態におく工程:の工程を含む、植物の細胞中における遺伝
子産物をコードする遺伝子の発現により、主に孔辺細胞で作用するプロモーター
の制御下で、遺伝子産物を製造する方法を提供する。
【0013】 この開示に関して「調節領域」または「プロモーター」という用語は、通常は
構造遺伝子のコード配列の上流(5'側)にあって、RNA ポリメラーゼおよび/ま
たは転写が正しい部位で始まるために必要な他の因子類の認識および結合部位を
提供することにより、該コード領域の発現を制御するDNA の配列をいう。「機能
的部分」または「機能的断片」という用語は、Fターゼタンパク質の活性に関し
て記載された条件下にERA構造遺伝子の転写を誘導する能力を保っている、本
発明のプロモーターの切形型配列をいう。
【0014】 本明細書に記述される構築物と方法は、限定されるものではないが、被子植物
(単子葉植物と双子葉植物)、裸子植物、胞子生成または栄養生殖植物、および
藍色植物(ラン藻類)を含む藻類を含めて、あらゆるタイプの植物および他の光
合成生物に適用できる。とりわけ好ましい植物は、トウモロコシ、コムギ、綿、
米、キャノーラ、サトウキビ、テンサイ、ヒマワリ、バレイショ、トマト、ブロ
ッコリー、ニンジン、レタス、りんご、プラム、オレンジ、レモン、バラなどの
商業的に価値のある作物を与える植物である。
【0015】 さらに、本発明の構築物と方法は、いかなる植物部分、プロトプラストまたは
光合成生物に由来する組織培養物にも適応させることができる。「植物部分」と
いう用語は、再生植物を生じさせることのできる植物の一部を含むものとする。
好ましい植物部分としては、根および苗条ならびにそれらの分裂組織部分が挙げ
られる。本発明に包含される他の植物部分は:葉、花、種子、上胚軸、胚軸、子
葉、子葉節、外植片、花粉、胚珠、分裂または胚組織、プロトプラストなどであ
る。トランスジェニック植物は、組織培養物またはプロトプラストを含む、これ
らの植物部分のいずれからも、および外植片からも再生できる。方法は植物の種
によって変わるだろう。
【0016】 本発明は、光合成生物のFターゼおよびその部分をコードする単離された核酸
(DNAとRNAの両方)を含有した組成物および構築物に関する。本発明は、
さらにFターゼプロモーターをコードする単離された核酸を含有した組成物およ
び構築物に関する。特に、アラビドプシス(Arabidpsis)由来のFタ
ーゼのβサブユニットをコードするERA1遺伝子と、ERA1遺伝子の転写を
調節する調節配列とを単離し、配列を決めた。光合成生物由来のFターゼをコー
ドする核酸およびこれらの核酸のホモログまたはアナログが本発明に包含される
【0017】 本発明は、さらに(a)配列番号:1の配列を有する核酸のような、Fターゼ
タンパク質もしくはポリペプチドをコードする核酸、または(b)前述の部分(
例えば、機能的なFターゼタンパク質をコードするのに必要な最少ヌクレオチド
を含有した部分にハイブリダイズする能力によって;またはFターゼのアミノ酸
配列を持つポリペプチドをコードする能力(例えば、配列番号:2、またはその
機能的同等物をコードする;例えば、配列番号:2に対して少なくとも80%の
配列類似性を有する植物細胞に取り込まれる時、配列番号:1と同じ様式で生長
習性、種子の発芽、および光合成生物中の代謝を促進するポリペプチド)によっ
て特徴づけられる単離されたおよび/または組換え核酸(DNAまたはRNA)
を用いる方法に関する。Fターゼの機能的同等物は、それゆえに、配列番号:2
でコードされたポリペプチドと少なくとも80%の類似アミノ酸配列および類似
の特性を有するか、あるいは実質的に同じように機能する。配列番号:2のよう
なFターゼポリペプチドをコードする核酸にハイブリダイズする核酸は、二本鎖
または一本鎖でありうる。配列番号:1の配列を有するDNAのようなDNAへ
のハイブリダイゼーションは、示された鎖またはその相補鎖へのハイブリダイゼ
ーションを含む。
【0018】 一態様として、配列番号:2などのFターゼとその機能的同等物との間のアミ
ノ酸配列類似率は、少なくとも約60%(≧60%)である。好ましい態様では、F
ターゼポリペプチドとその機能的同等物との間のアミノ酸配列類似率が少なくと
も約75%(≧75%)である。より好ましくは、Fターゼポリペプチドとその機能
的同等物の間のアミノ酸配列類似率が少なくとも約80%、さらに好ましくは、連
続的なアミノ酸が比較された時少なくとも約90%である。
【0019】 これらの基準を満たす単離および/または組換え核酸は、天然に存在するER
A1遺伝子の配列およびその一部と同じ配列を有する核酸または該天然遺伝子の
変異体を含有する。そのような変異体としては、1以上のヌクレオチドの付加、
欠失または置換によって相違する変異体、1以上のヌクレオチドが修飾されてい
る修飾核酸(例えばDNA またはRNA 類似体)、および1以上の修飾ヌクレオチド
を含有する突然変異体が挙げられる。
【0020】 DNA またはRNA を含むそれら核酸は、例えば非相補配列を有する核酸のハイブ
リダイゼーションを許さないように選択された高ストリンジェンシー条件または
中ストリンジェンシー条件でのハイブリダイゼーションによって検出され、単離
されうる。ハイブリダイゼーションの「ストリンジェンシー条件」とは、ある特
定核酸のもう一つの核酸へのハイブリダイゼーションを許す温度および緩衝液濃
度の条件を指す技術用語であり、ここに第一の核酸は第二の核酸と完全に相補的
であってもよいし、第一と第二の核酸が完全ではないある程度の相補性を共有し
てもよい。例えば、完全に相補的な核酸を相補性の低いものと識別する一定の高
ストリンジェンシー条件を使用できる。核酸ハイブリダイゼーションに関する「
高ストリンジェンシー条件」と「中ストリンジェンシー条件」は、Current Prot
ocols in Molecular Biology(Ausubel, F.M. ら編,Vol.1 ,Supplement 29 ,
1995までの増補を含む)の2.10.1〜2.10.16 頁(特に2.10.8〜11を参照されたい
)と6.3.1 〜6頁とに説明されている。ハイブリダイゼーションのストリンジェ
ンシーを決める正確な条件は、イオン強度、温度およびホルムアミドなどの不安
定化剤の濃度だけでなく、核酸配列の長さ、塩基組成、ハイブリダイズする配列
間のミスマッチ率、他の非同一配列内での配列の一部分の発生頻度などといった
要因にも依存する。したがって高または中ストリンジェンシー条件は実験的に決
定できる。
【0021】 高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション法では、(1)洗浄に低イオン
強度と高温の使用、50℃で0.015M NaCl/0.0015M クエン酸ナトリウム,pH7.0 (
0.1 ×SSC )と0.1 %ドデシル硫酸ナトリウム(SDS )など;(2)ハイブリダ
イゼーション中に42℃で50%(容積/容積)ホルムアミドと5×デンハルト液(
0.1 %重量/容積 高純度ウシ血清アルブミン/0.1 %重量/容積 フィコール
/0.1 %重量/容積 ポリビニルピロリドン)、pH6.5 の50mMリン酸ナトリウム
緩衝液および5×SSC の使用、または(3)0.2 ×SSC および0.1 %SDS 中にお
ける42℃での洗浄を伴う、50%ホルムアミド、5×SSC 、50mMリン酸ナトリウム
(pH6.8 )、0.1 %ピロリン酸ナトリウム、5×デンハルト液、超音波処理サケ
精子DNA (50μg/ml)、0.1 %SDS および10%デキストラン硫酸による42℃での
ハイブリダイゼーションの使用が可能である。中ストリンジェンシー条件は、ハ
イブリダイゼーションに50%ホルムアミドの代わりに25%ホルムアミドを使用す
る他は類似している。
【0022】 ハイブリダイゼーション条件を、ハイブリダイゼーションが起こらないストリ
ンジェンシーレベルから、ハイブリダイゼーションが初めて観察されるレベルま
で変化させることにより、与えられた配列を試料中の最も類似する配列とハイブ
リダイズさせる条件を決定できる。
【0023】 典型的な条件は、Krause, M.H.およびS.A. Aaronson (1991)Methods in Enz
ymology ,200 :546-556 に記述されている。また、Current Protocols in Mol
ecular Biology(前掲)中の、中または低ストリンジェンシー条件に関する洗浄
条件の決定法が記述されている、特に2.10.11 頁を参照されたい。洗浄は、通常
、ハイブリッドの相補性の最小レベルを決定するために条件が設定される工程で
ある。一般に、ある任意の選択されたSSC 濃度に関して、相同ハイブリダイゼー
ションだけが起こる最低温度から、ハイブリダイズする核酸間の1%のミスマッ
チは、融解温度Tmの1℃低下をもたらす。一般に、SSC 濃度が二倍になると、Tm
の約17℃上昇をもたらす。これらの指針を使用することにより、求めているミス
マッチのレベルに応じて、中または低ストリンジェンシーに関して洗浄温度を実
験的に決定できる。
【0024】 (a)配列番号:1として描かれた核酸のようなFターゼポリペプチドをコー
ドする核酸、(b)配列番号:1の相補体、(c)または(a)もしくは(b)
の部分〔(c) or a portion of (a) or (b)〕(
例えば、高または中ストリンジェンシー条件下)にハイブリダイズする能力によ
って特徴づけられる単離および/または組換え核酸は、さらに、日周(diur
nal)光サイクル下の側生の枝分かれの調節、またはABAに対する応答の調
節、または老化の調節のようなFターゼポリペプチドの少なくとも1つの機能的
な特徴を持つタンパク質またはポリペプチドをコードする。
【0025】 酵素アッセイ、相補性試験、または他の適した方法も、配列番号:2のアミノ
酸配列のポリペプチドまたはこのポリペプチドの機能的同等物などのポリペプチ
ドをコードする核酸の同定および/または単離の手順で使用されうる。ハイブリ
ダイズする核酸によりコードされるタンパク質またはポリペプチドの抗原性の性
質は、イムノブロット、免疫沈降、ラジオイムノアッセイなどのFターゼポリペ
プチドに結合する抗体を使用する免疫学的方法によって決定されうる。RAGE
(Rapid Amplification of Genomic DNA
Ends)を含むPCR方法論もFターゼ様タンパク質およびポリペプチドをコ
ードする核酸の存在を選抜および検出するため、並びにゲノムDNAからのその
ような核酸をクローニングするのを助けるために使用されうる。これらの目的に
対するPCR法は、Innis,M.A.,et al.(1990)PCR
Protocols:A Guide to Methods and App
lications,Academic Press,Inc.,San Di
ego,CA.によって開示されている。
【0026】 本明細書で述べられた核酸は、細胞、組織、植物の部分、植物および他の光合
成生物中に取り込まれるタンパク質またはポリペプチドの生産についての発明の
方法で使用される。一態様として、Fターゼポリペプチドのコード配列の全部若
しくは一部を含むDNA、または配列番号:2の配列を持つDNAにハイブリダ
イズするDNAは、適する宿主細胞中のコードされたポリペプチドの発現のため
のベクターに取り込まれる。Fターゼサブユニットまたはその機能的同等物から
なる、コードされたポリペプチドは、ファルネシルトランスフェラーゼ活性の能
力がある。本明細書で使われる「ベクター」という用語は、連結された他の核酸
を輸送できる核酸分子をいう。
【0027】 前記核酸の20以上の連続的なヌクレオチドからなるプライマーとプローブも
本発明の部分として含まれている。したがって、本発明のひとつの核酸は、Fタ
ーゼタンパク質をコードするDNAもしくは転写されたmRNAのヌクレオチド
の特異的な配列と同一または相補的である約20から約200以上のヌクレオチ
ドの特異的な配列を含有する。これらのプローブとプライマーとは、他の光合成
生物由来のFターゼをコードする核酸を同定および単離するのに使用されうる。
【0028】 本明細書にいう「単離された」核酸とは、その供給源(例えばそれは細胞内ま
たはライブラリーなどの核酸混合物中に存在する)のゲノムDNA または細胞RNA
の核酸から分離された核酸であり、さらなるプロセシングを受けていてもよい。
「単離された」核酸としては、本明細書中に記述する方法、類似する方法または
他の適当な方法で得られる核酸が挙げられ、本質的に純粋な核酸、化学合成法に
よって製造される核酸、生物学的方法と化学的方法の組み合わせによって製造さ
れる核酸、単離された組換え核酸などが含まれる。本明細書にいう「組換え」核
酸とは、組換えDNA 法によって製造された核酸であり、ポリメラーゼ連鎖反応(
PCR )および/または制限酵素を用いたベクターへのクローニングなどの人工的
な組換え法による方法で生成される核酸を含む。また「組換え」核酸は、天然の
細胞機構によって起こる組換え事象から得られるが、目的の組換え事象が起こり
うるようにまたはそのような組換え事象が起こりやすくなるように設計された核
酸を細胞に導入した後、選択されるものでもある。ある機能を持つポリペプチド
をコードする単離された核酸の一部は、例えば、Jasin,M.,et al
.,米国特許第4,952,501号明細書の方法などによって同定および単離
されうる。
【0029】 本発明のさらなる態様は、センス鎖を含有した標的分子に完全にまたは部分的
に相補的であって、かつ該標的分子とハイブリダイズできるアンチセンス核酸ま
たはオリゴヌクレオチドである。標的は、DNA またはそのRNA対応物でありう
る(すなわち、そこでDNAのT残基はRNA対応物のU残基である)。アンチ
センス核酸またはオリゴヌクレオチドは、細胞に導入されると、センス鎖によっ
てコードされる遺伝子またはセンス鎖から転写されるmRNAの発現を阻害しう
る。アンチセンス核酸は標準的な技術で製造できる。例えば、Shewmake
rら、米国特許第5,107,065号明細書を参照のこと。
【0030】 特定の一態様として、アンチセンス核酸またはオリゴヌクレオチドは、配列番
号:1の鎖の相補鎖の配列を有する核酸にハイブリダイズできる標的核酸(DN
AかRNAのどちらか)に全体的にもしくは部分的に相補的であり、かつそれと
ハイブリダイズできる。例えば、アンチセンス核酸またはオリゴヌクレオチドは
、配列番号:1のオープンリーディングフレームの鎖に示される配列を持つ標的
核酸もしくはFターゼの機能的同等物をコードする核酸に、またはハイブリダイ
ゼーションを可能にするのに十分であるこれらの核酸の一部に相補的でありうる
。一部分、例えば、16ヌクレオチドの配列は、タンパク質の発現を阻害するの
に十分でありうる。配列番号:1に相補的な25以上の連続的なヌクレオチドを
含有した断片もまた使用されうる。すなわち、ERA1遺伝子の、5’もしくは
3’非翻訳領域に相補的な、または翻訳開始コドンをオーバーラップする(5’
非翻訳および翻訳領域)アンチセンス核酸またはオリゴヌクレオチド、あるいは
機能的同等物をコードする遺伝子もまた有効でありうる。もう1つの態様として
、アンチセンス核酸は、全体的にもしくは部分的に相補的であり、Fターゼポリ
ペプチドをコードする標的核酸にハイブリダイズできる。
【0031】 本発明のアンチセンス核酸の他にも、遺伝子または転写のDNA:RNA複合
体中の二本鎖核酸に結合して安定な三重らせん含有核酸または三本鎖核酸を形成
することにより、Fターゼポリペプチドをコードする遺伝子またはその機能的同
等物の転写および/または発現を阻害するオリゴヌクレオチドを構築できる。Fr
ank-Kamenetskii ,M.D.およびMirkin,S.M.(1995)Ann. Rev. Biochem. 64 :
65-95 。このような本発明のオリゴヌクレオチドは、三重らせん形成の塩基対形
成規則と、Fターゼの遺伝子またはmRNAのヌクレオチド配列とを用いて構築
される。これらのオリゴヌクレオチドは、ERA1遺伝子の転写の阻害、該遺伝
子によって転写されるmRNAへの結合によるなど、多くの方法でFターゼ−型
活性をブロックできる。
【0032】 本発明は、本明細書で述べられた新規な核酸によってコードされたタンパク質
またはポリペプチドにも関する。本発明のタンパク質およびポリペプチドは、単
離および/または組み換えられうる。本明細書にいう「単離された」タンパク質
またはポリペプチドは、細胞中に存在するものを超えた状態にまで精製されたタ
ンパク質またはポリペプチドである。より好ましい態様として、それらは少なく
とも10%純粋;すなわち実質的に精製される。「単離された」タンパク質また
はポリペプチドは、以下に述べる方法、類似した方法または他の適した方法によ
って得られるタンパク質またはポリペプチドを含み、かつ本質的に純粋なタンパ
ク質もしくはポリペプチド、化学的な方法により生産されるタンパク質もしくは
ポリペプチドまたは生物学的方法と化学的方法との組合せによって生産されるタ
ンパク質もしくはポリペプチド、および単離された組換えタンパク質もしくはポ
リペプチドを含む。本明細書にいう「組換え」タンパク質またはポリペプチドは
、組換え核酸の発現によって生産されるタンパク質またはポリペプチドである。
【0033】 好ましい態様としては、少なくとも一つのFターゼの機能特徴を持つタンパク
質またはその一部;例えば、正常な側生の枝分かれ、小さな花/花房、種子の発
芽、または気孔の開口のような触媒活性作用、および結合機能および/または抗
原性の機能(例えば、天然由来のFターゼにも結合する抗体の結合)などが挙げ
られる。このように、これらのタンパク質は、植物起源のFターゼとして述べら
れ、例えば、天然由来のFターゼ、それらのタンパク質の変異体(例えば突然変
異体)および/またはそれらの一部を含む。このような変異体は、1以上のアミ
ノ酸残基の付加、欠失若しくは置換により異なる変異体、または1以上の残基が
修飾された修飾ポリペプチド、および1以上の修飾残基を含有した変異体が挙げ
られる。
【0034】 また、本発明は、前記に記載のFターゼの単離および/または組換え部分、と
りわけ、Fターゼタンパク質のβサブユニットに関する。該酵素が有する全機能
もしくは部分機能を有するか、または(全体的に、部分的に、または非機能的な
もののみ)を混合して合わせた場合、1以上の他のポリペプチドを任意に会合さ
せて、本発明のFターゼの少なくとも1つの機能的な特徴を有する機能性タンパ
ク質を再構築する、前記酵素の部分が作製されうる。
【0035】 ABAにより誘導される多数の遺伝子が同定されている。このことは、有害な
環境条件に対するABAにより誘導された耐性が複雑な多遺伝子事象であること
を示唆する。したがって、ABAに対する応答性の増加による異なる環境条件下
での植物の生存能を改善する、単一の遺伝子の同定と作物植物への導入とは、新
規であり、極めて有用である。
【0036】 ABA調節される植物のプロセスのより広範な制御物質となりうる遺伝子を同
定するために、多くの植物種に、遺伝子スクリーニングを適用して、植物のホル
モンに対する応答を変える変異を単離した。
【0037】 アラビドプシス種子におけるABA(era)への応答の増強を与える変異は
、通常野生型(対照;すなわち天然)の種子発芽を許容する濃度のABAでの種
子発芽のそれらの阻害能により同定された。これらのうち、1つのトランスファ
ーDNA(T−DNA)系〔era1−1、生態型 ワッシリュースキヤ(Wa
ssilewskija)〕と2つのニュートロン生成変異体〔era1−2お
よびera1−3、生態型 コロンビア(Columbia)〕を含む、era
1変異体クラスは、このクラスが通常の後吸収下で発芽効率の減少を示したため
、さらに興味深かった。ABA応答性を増強する変異は、原則として、より休眠
状態であるべきである。era1対立遺伝子における休眠は、4日の冷却期間に
より、解消される;era1発芽の効率は、種子を冷却した時間の長さにより増
加する。多くの植物種において、休眠状態を破って発芽をさせることは、春化お
よび長期間、湿性低温環境への曝露を要求する(Baskin and Bas
kin、1971)。era変異体の発芽プロファイルは、ABA誘導休眠状態
の増加に反映しうるであろう; 結果的に、これらの種子は、発芽するために、よ
り長い春化を要求する。この見解は、ABA生合成(aba1−1)および非感
受性変異体(abi1−1およびabi3−6)の両方でera1の二重変異体
の構築物にサポートされる。すべてのケースにおいて、二重変異体は、era1
に比べて休眠状態を減らし、era1種子で観察された休眠状態の増加は、AB
A合成または感受性に依存したことを示唆した。
【0038】 ABA応答変異体のスペクトルを広げることを除き、ABA感受性のネガティ
ブレギュレーターを同定するために、超感受性スクリーニングも用いた。すなわ
ち、これらの遺伝子機能の阻害は、ABA応答を増強する。これらの遺伝子の1
つ(ERA1)がクローニングされ、βサブユニットのヘテロ2量体タンパク質
であるファネシルトランスフェラーゼ(Fターゼ)をコードすることが示された
(Cutlerら、1996)。T−DNA挿入によるera1−1変異は、挿
入物に隣接する植物ゲノム領域の単離を可能にする。隣接領域をプローブとして
用い、野生型のcDNAとゲノムクローンを単離した。これらの配列解析は、3
.5kbのゲノムDNAを包含する遺伝子を記する。前記遺伝子は、Figur
e 1A〜 1Cにおいて下線を付された13イントロンを含み、era1−1中
のT−DNA挿入部位は、イントロン8にある。Era1cDNAで検索した野
生型DNA、era1−2およびera1−3のサザン(DNA)解析は、両方
の早期ニュートロン対立遺伝子がERA1座にまたがる欠失を含むことを表わし
た。早期ニュートロン変異は、アラビドプシスにおける小さな欠失を誘導し(S
hirleyら、1992)、そして、ERA1座にまたがる14kbプローブ
を用いた、つづくゲノム解析により、era1−2欠失の大きさが約7.5kb
であり、era1−3欠失がわずかに大きいことを決定した。したがって、全3
つのera1対立遺伝子は、同一の座でDNA破壊を含み、ERA座の同一性を
確認した。
【0039】 ERA1遺伝子における最も長いオープンリーディングフレーム(440アミ
ノ酸)の概念的な翻訳は、酵母、エンドウおよび哺乳類のプロテインファルネシ
ルトランスフェラーゼβサブユニット遺伝子に対して高い配列類似性を有するタ
ンパク質(Figure 2および4)を呈示した〔Goodmanら,198
8;Chenら,1991;Yangら,1993〕。ファルネシルトランスフ
ェラーゼは、2量体化し、COOH末端のCaaXモチーフ、該モチーフ中、C
はシステイン残基aaは通常脂肪族アミノ酸であり、Xは、システイン、セリン
メチオニンまたはグルタミン残基を示してもよい(SchaferおよびRin
e,1992)を含むタンパク質へのファルネシルピロリン酸(15炭素)の付
着を触媒する酵素を形成するαサブユニットとβサブユニットとからなる。両方
の植物βサブユニット遺伝子は、酵母および動物βサブユニット遺伝子には存在
しないCOOH末端付近に約50アミノ酸の領域を含む。
【0040】 酵母および哺乳類系において、Fターゼは、膜局在のための幾つかのシグナル
伝達タンパク質を修飾する。これは、Fターゼを介するタンパク質標的への親油
性ファルネシル側鎖の付着により達成される。ファルネシル基の付着は、標的の
全疎水性度における変化を引き起こし、タンパク質は、通常、他のシグナル伝達
分子と相互作用する膜に該タンパク質自体をつなぎとめるようにされる。era
1変異体におけるファルネシル化活性の欠損が種子のABAへの応答増強を導く
ことは、アラビドプシスにおける標的タンパク質がABAシグナルを弱めるため
に、膜に局在されなけらればならないことを示唆する。したがって、アラビドプ
シスにおけるファルネシル化は、ABA感受性のネガティブレギュレーターの正
常な機能に要求されるように思われる。
【0041】 つづく研究は、アラブドプシスにおけるERA1遺伝子機能の欠損が成熟植物
レベルで環境ストレス耐性の増強を付与することを示した。例えば、標準的な研
究室条件(24時間光、150μE m-2-1、30%湿度)の下、土壌で生育
させた野生型植物とera1変異植物との比較は、変異植物が生存能を維持する
ために、野生型植物ほど頻繁に水を要求しなかったことを示した(Figure
5)。変異植物と野生型植物とを開花がおこるまで生育させた場合、水やりを
止め、ストレスの徴候に関して、以後の日毎に植物を観察した。水分損失は、野
生型植物に比べ変異植物において顕著に減少した(Figure 6および7)
【0042】 era変異体の耐乾性の観察された増加がERA1遺伝子機能に関連するかど
うかを決定するため、(ERA1プロモーターの5kb断片をプロモーターのな
いGUS T−DNAプラスミドに挿入することにより作製された)レポーター
GUS遺伝子とのERA1プロモーター融合物を含むトランスジェニック植物を
構築した。トランスジェニック植物の解析は、アラビドプシスの表皮組織にER
A1が転写的に発現され、この発現が孔辺細胞特異的であることを示した。また
、ERA1の発現は、植物の分裂組織および根毛に顕著であった。ERA1の孔
辺細胞発現は、これらの細胞が植物による水蒸散の主要なレギュレーターである
、変異体の耐乾性と一致する。ERA1調節された気孔のコンダクタンスは、孔
辺細胞におけるERA1遺伝子の発現を要求するであろう。それゆえに、ERA
1遺伝子機能の欠損は、順に、より乾燥応答性の孔辺細胞の調節を導くABAに
対して、より応答する孔辺細胞をもたらす。したがって、高等植物、特に作物植
物におけるFターゼ発現または活性の改良は、植物における気孔コンダクタンス
と蒸散率とに甚大な影響を有するであろう。
【0043】 アラドプシスにおけるera1変異の性質は、ファルネシル化の阻害が植物に
おけるABA応答と作物種におけるこの酵素活性の変化とを促進するであろう。
作物植物におけるFターゼ活性の阻害は、多くの方法を介して達成されうる。例
えば、多様な作物種における同属ERA1遺伝子のアンチセンス技術を用いて、
Fターゼ活性を減少し、そうして耐乾性を増大させる。ERA1アンチセンスR
ANを孔辺細胞に特異的に生産することにより、era変異体表現型を模倣する
であろうレベルまで、合成されるFターゼの量を減少することができる。ERA
1プロモーターは、苗条分裂組織から根毛までの多くの範囲の異なる組織の多く
で調節される。特定の組織における発現を可能にするERA1プロモーターのエ
レメントを決定することにより、孔辺細胞などの1つの組織または細胞型のみに
対するアンチセンスERA1の発現を仕立てることが可能になる。
【0044】 植物におけるFターゼ活性を阻害する別法は、トランスジェニック植物におけ
るファルネシル化の特異的ペプチドインヒビターの生産である。哺乳類および酵
母系において、特異的なタンパク質へのファルネシル基の付着を可能にするカル
ボキシル末端標的配列(CaaX、式中、C=システイン、x=脂肪族性アミノ
酸、X=任意アミノ酸)は、明らかに定義されている。これらの標的配列を模倣
するペプチドが作製されており、これらの系における内因性標的タンパク質のフ
ァルネシル化を阻害することが示されている。さらに、CAIMは、アラビドプ
シスにおいて、イン・ビボでファルネシル化される。したがって、類似のインヒ
ビターは、高等植物に適用され、イン・ビボで競合的にFターゼを阻害すること
ができる。また、CaaXペプチドのDNA配列を合成し、それを孔辺細胞特異
的プロモーターに融合することにより、トランスジェニック植物におけるインヒ
ビターペプチドの発現を介して、これがなされうる。両方の方法において、適当
なプロモーターを用い、アンチセンスFターゼまたはペプチドインヒビターが特
異的に標的にされ、制御されうる。
【0045】 したがって、本発明は、配列番号:1に対するアンチセンスを含有もしくはコ
ードした核酸または前記アンチセンスの機能的同等物を含有した核酸に作動可能
に連結したプロモーターを含有した核酸構築物を調製する工程;ベクターに前記
核酸構築物を挿入する工程;前記ベクターにより、植物、組織培養物または植物
細胞を形質転換する工程;該植物を生育させる、または前記組織培養物または植
物細胞から植物を再生する工程を含み、ここで、耐乾性植物を生産する、耐乾性
植物の生産方法を提供する。核酸が、配列番号:1に相補的な25〜200以上
の連続的なヌクレオチド、配列番号:1の25以上の連続的なヌクレオチドから
なるオリゴヌクレオチドもしくはその相補鎖、またはファルネシルトランスフェ
ラーゼのペプチドインヒビターをコードする核酸からなる群より選ばれた、この
方法を用いうる。
【0046】 ABAに対して極めて感受性のある気孔調節に加え、era植物は、また、乾
燥条件下で老化の遅れを示し、これは、ファルネシル化が、アラビドプシスにお
いて乾燥誘導性の応答の多くを負に調節することを示す。通常の研究室条件下で
生育させたera植物は、黄変するのに長い時間かかる。変異植物は、野生型が
老化を起こして枯死した後も、長い間、緑で生き生きとしたままである。era
変異植物の脱離した葉は、野生型植物の脱離した葉ほど速く黄色くならない(F
igure 8)。発育的に同一である同じくらいの大きさの葉を、野性型およ
びera植物から取り、寒天を含有するペトリ皿上に置いた(実施例7参照のこ
と)。通常、野生型の葉は、約5日後にクロロフィルを失い始め、結局色が抜け
る。変異植物の葉は、2倍長く緑のままでいる。葉は、定常的に寒天と接触して
いるので、該葉は乾燥のストレスを受けず、era1変異体の老化の低下が乾燥
誘導性の現象でないことを示した。
【0047】 さらに、10時間 昼/16時間 夜のサイクル下では、植物のライフサイク
ルは、野生型植物(3ヶ月)の2倍になり得る。したがって、クロロフィル代謝
回転および老化シグナルは、era1変異体において変わるようである。例えば
、野生型植物および変異植物は、植木鉢で水を十分に与えた条件下で、野生型植
物の葉は老化(花がつく時期)し始めるであろう発育の段階まで生育した。この
とき、発育的に類似の葉を、老化誘導性マーカー遺伝子について、ノーザンブロ
ット解析によりアッセイした(実施例8)。野生型植物において、通常、転写が
老化中に誘導される2つの遺伝子SAG12およびSAG13は、era1変異
体において誘導されなかった(Figure 9)。さらに、CAB転写は維持
される(Figure 9)。これらを合わせた結果は、era1変異体におけ
る老化誘導プログラムが野生型植物に比べて遅延し、水ストレスが環境的要因で
ない条件下でさえ、植物におけるファルネシル化活性の欠損が老化の誘導の遅延
を引き起こすことを示す。
【0048】 老化および水分損失に対する影響に加え、era1変異体は、日周的な光サイ
クル下で生育させた場合、枝分かれおよび開花習性において差異を示す。連続的
な(24時間光/日)光の下、変異体の枝わかれのパターンは、野生型植物のそ
れとは異ならない。しかしながら、暗期を与えた場合、変異体は、野生型植物ほ
ど多くの側生枝を生じない。測定すると、1野生型植物当たり3.6の側生枝で
あるのに比べて、ファルネシル化活性を失った植物は、1植物当たり2.4の枝
しか生じなかった。これは、1植物当たり、側生枝の30%の減少を表す。
【0049】 開花も、同様にFターゼ活性の欠損により影響される。Fターゼ活性を欠く植
物は、1つの植物当たり、野生型植物(10〜15芽/花序)より多くの花をつ
ける(25〜30芽/花序)。したがって、平均、野生型植物よりも2倍多くの
花芽が変異体に存在する。
【0050】 機能変異体のera1欠損の、植物発育全体におけるこれらの多面発現性影響
は、ERA1遺伝子が、一群の植物の発育機能の同調的レギュレーターでありう
ることを示す。
【0051】 これまで、ABAシグナル伝達における役割を含む、高等植物におけるファル
ネシル化に対する機能は知られていなかった。Fターゼは、トマトおよびエンド
ウ等の多くの高等植物に見出されているため、この酵素は種の境界を越えて機能
を有することが明らかである。さらに、ファルネシルトランスフェラーゼ標的ペ
プチドの過剰産生、またはファルネシル化インヒビターの使用は、哺乳類および
酵母系におけるFターゼを完全に不活性化する。したがって、類似のインヒビタ
ーを、インビボでFターゼを不活性化するために高等植物に適用し得る。適当な
プロモーターを用いる両方の場合において、アンチセンスFターゼまたはペプチ
ドインヒビターは、特異的に標的とされ得、制御され得る。
【0052】 ファルネシル化欠損変異体は、外因性のオーキシンに対して超感受性でもある
。これらの変異体が、枝分かれの減少と、分裂組織の構成におけるわずかな変化
を示すことは、オーキシン調節の変化により説明され得る。したがって、この変
異体において他のホルモン機能が影響をうけ、これは、ABA経路に加え、他の
ホルモンにより調節される経路が、Fターゼ活性により制御されることを示す。
これらの結果は、ERA1 遺伝子が、異なるホルモンシグナル伝達分子の調節に
同調する分子メカニズムを提供することを示す。
【0053】 本発明によれば、本発明の範囲に含まれる植物は、植物界の高等および下等植
物である。成熟植物、実生および種子は、本発明の範囲に含まれる。成熟植物は
、実生以外の発育におけるいかなる段階の植物をも含む。実生は、非常に若く、
発育の初期段階の未熟植物である。植物部分、プロトプラストおよび組織培養物
も、本発明により提供される。
【0054】 トランスジェニック植物は、本発明の範囲に含まれ、era1変異により特徴
づけられる表現型を有する。トランシジェニック植物の種子は、本発明によりに
提供され、本発明の構築物を含む植物をより多く繁殖させるのに使用し得る。
【0055】 ABA仲介シグナル伝達を必要とする環境の悪条件に対する植物の応答を増強
するために、多くの作物植物におけるERA1機能を阻害し得る。高等植物にお
けるファルネシル化の制御は、このホルモンに対する、胚組織および葉菜組織の
両方の応答を調節する(カットラー(Cutler)ら、1996))。増大し
た感受性は、かわりに、環境ストレスに対する植物の保護の増大を付与する、ス
トレス条件に対する組織のより速い応答に転化される。これは、単一の遺伝子、
ERA1の制御しか必要としないため、この酵素の合成または活性を制御するこ
とにより、種々の植物におけるファルネシル化を制御することが可能であるはず
である。さらに、本明細書に記載の実験により、ABA応答を制御する遺伝子を
操作することによりABAシグナル伝達経路を改変することは、有害な水ストレ
ス条件に対する植物の応答を改善することが可能であることが明らかに示される
【0056】 本発明のトランスジェニック植物を作出するために、Fターゼをコードする遺
伝子、またはその機能的同等物をコードする核酸を含有する構築物と、プロモー
ターとを、当業者に知られ用いられる方法によりベクターに組み込む。プロモー
ターは、配列番号:3の全部または一部を含有しうる。構築物は、ターミネータ
ー等の、コード配列に作動可能に連結されるいかなる他の必要なレギュレーター
をも含む。また、アルファルファモザイクウイルスコートタンパク質mRNA由
来の非翻訳リーダー(ジョブリング(Jobling),S.A.およびゲール
ケ(Gehrke),L.(1987) Nature 325:622〜62
5)またはメイズクロロティック斑ウイルス(MCMV)リーダー(ロンメル(
Lommel),S.A.ら、(1991) Virology 81:382
〜385)等の5’リーダー配列を含むことは有益である。当業者は、種々の異
なる目的のために他のリーダー配列を適用することを認識するだろう。
【0057】 また、ターゲティング配列も、有用であり、本発明の構築物に組み込まれ得る
。ターゲティング配列は、通常、コード核酸配列のペプチド産物を、プラスチド
等の細胞内の所望の位置に仕向けるペプチドに翻訳され、ペプチドの移送が終了
した後、または移送と同時に、ペプチドから分離する。本発明に有用なターゲテ
ィング配列の例示としては、限定されないが、酵母ミトコンドリア前配列(シュ
ミッツ(Schmitz)ら、(1989) Plant Cell 1:78
3〜791)、タバコの病原関連遺伝子(PR−1)由来のターゲティング配列
(コーネリセン(Cornellisenら、(1986) EMBO J.
5:37〜40)、液胞ターゲティングシグナル(クリスピールズ(Chris
peels),M.J.およびレーケル(Raikhel),N.V.(199
2) Cell 68:613〜616)、ERまたはゴルジのもの等の分泌経
路配列(クリスピールズ(Chrispeels),M.J.(1991) A
nn.Rev.Plant Physiol.Plant Mol.Biol.
42:21〜53)が挙げられる。細胞小器官内配列も、また、内部部位、例え
ば、葉緑体のチラコイドに有用であり得る。セグ(Theg),S.M.および
スコット(Scott),S.V.(1993) Trends in Cel
l Biol.3:186−190。
【0058】 5’リーダー配列に加えて、ターミネーター配列も、通常、前記構築物に組み
込まれる。植物構築物において、3’非翻訳領域(3’UTR)は、一般に発現
プラスミドの一部であり、ポリA終結配列を含む。使用される終結領域は、比較
的互換性があるようであるので、一般に都合のよいものになるだろう。A.ツメ
ファシエンスのTi−プラスミド由来の、オクトピンシンターゼおよびノパリン
シンターゼ終結領域は、本発明の構築物でのかかる使用に好適である。
【0059】 本発明の核酸および構築物を導入して、改変されたゲノムを有するトランスジ
ェニック植物を生産するために、いかなる好適な技術をも使用し得る。メイズ等
のイネ科の植物には、マイクロインジェクタイル射撃法(例えば、サンフォード
(Sanford),J.C.らの米国特許第5,100,792号明細書(1
992)を参照のこと)を使用し得る。この態様では、ヌクレオチド構築物また
は該構築物を含むベクターを小粒子上にコーティングし、次いで、それを標的組
織(細胞)に、高速弾道貫通により導入する。ベクターは、該ベクターが導入さ
れる植物細胞における外来DNAの発現を可能にするいかなるベクターでもあり
得る。次いで、形質転換細胞を、植物の再生に適した条件下で培養すると、トラ
ンスジェニック植物の生産をもたらす。
【0060】 本構築物を保持するトランスジェニック植物は、限定されないが、抗生物質耐
性若しくは除草剤耐性等の適当な表現型マーカー、または開花誘導の時期を天然
植物の成長と比較した視覚的な観察を含む種々の方法を用い、目的の表現型につ
いて調べられる。
【0061】 核酸構築物を植物に挿入する他の公知の方法としては、アグロバクテリウム
介形質転換(例えば、スミス(Smith),R.H.ら、米国特許第5,16
4,310号明細書(1992)を参照のこと)、エレクトロポレーション(例
えば、カルビン(Calvin),N.、米国特許第5,098,843号明細
書(1992)を参照のこと)、レーザービームを用いる導入(例えば、カスヤ
(Kasuya),Tら、米国特許第5,013,660号明細書(1991)
を参照のこと)またはポリエチレングリコール等の試薬を用いる導入(例えば、
ゴールズ(Golds),T.ら、(1993)Biotechnology,
11:95−97を参照のこと)等が挙げられる。一般に、植物細胞は、ウィル
スベクター、エピソームベクター、Tiプラスミドベクター等の種々のベクター
により、周知の方法に従って形質転換されてもよい。核酸の植物細胞への導入方
法は、本発明の本質を構成するものではない。
【0062】 本発明の方法は、培養や再生を必要としないイン・プランタまたは種子形質転
換技術と共に使用し得る。これらの技術の例示は、ベッヒトールド(Becht
old),N.ら(1993) CR Acad. Sci. Paris/L
ife Sciences 316:118−93;チャン(Chang),S
.S.ら、(1990) アラビドプシス研究に関する第4回国際会議の要旨集
(Abstracts of the Fourth Internation
al Conference on Arabidopsis of Rese
arch、ウィーン、28頁;フェルドマン(Feldmann),K.A.お
よびマークス(Marks),D.M (1987) Mol. Gen. G
enet. 208:1−9;レドックス(Ledoux),L.ら、(198
5) Arabidopsis Inf. Serv. 22:1−11;フェ
ルドマン(Feldmann),K.A.(1992) Methods in
Arabidopsis Research (コンツ(Koncz),C.
、チュア(Chua)、N−H、シェル(Schell),J.) 274〜2
89頁;チー(Chee)らの米国特許第5,376,543号明細書に記述さ
れている。
【0063】 転写開始領域は、構成発現または調節発現を提供してもよい。ERA1プロモ
ーターに加えて、植物において機能的である多くのプロモーターが利用できる。
【0064】 植物の遺伝子発現のための構成的プロモーターとしては、限定されないが、ア
グロバクテリウム由来のオクトピンシンターゼプロモーター、ノパリンシンター
ゼプロモーター、またはマンノピンシンターゼプロモーター、カリフラワーモザ
イクウィルス(35S)プロモーター、ゴマノハグサモザイクウィルス(FMV
)プロモーター、およびタバコモザイクウィルス(TMV)プロモーターが挙げ
られる。また、植物での構成遺伝子発現は、グルタミンシンターゼプロモーター
(エドワーズ(Edwards)ら、(1990) PNAS 87:3459
−3463)、メイズスクロースシンセターゼ1プロモーター(ヤン(Yang
)ら、(1990) PNAS 87:4144−4148)、Riプラスミド
のTLDNAのRol−C遺伝子由来のプロモーター(サガヤ(Sagaya)
ら、(1989) Plant Cell Physiol. 30:649−
654)、およびpRVC−S−3Aプロモーターの師部特異的領域(アオヤギ
(Aoyagi)ら、(1988) Mol.Gen.Genet.213:1
79−185)によっても提供され得る。
【0065】 熱ショックプロモーター、リブロース−1,6−ビスリン酸(RUBP)カル
ボキシラーゼ小サブユニット(ssu)プロモーター、組織特異的プロモーター
等を、植物遺伝子の調節発現に使用し得る。発育調節性プロモーター、ストレス
誘導性プロモーター、創傷誘導性プロモーターまたは病原体誘導性プロモーター
も有用である。
【0066】 調節領域は、RUBPカルボキシラーゼssuプロモーター、分化シグナル、
または代謝産物等の場合のように、光等の物理的な刺激に対して応答性であり得
る。センスまたはアンチセンス方向の発現の時期および量は、生じた表現型に対
して明確な効果を有し得る。したがって、外来DNAの方向に結合する選択され
たプロモーター、およびゲノムにおけるベクターの組み込み部位は、誘導された
遺伝子の影響を決定するだろう。
【0067】 調節プロモーターの具体例としては、限定されないが、低温Kin1プロモー
ターおよび低温cor6.6プロモーター(ワン(Wang)ら、(1995)
Plant Mol.Biol.28:605;ワン(Wang)ら、(19
95) Plant Mol.Biol.28:619−634)、ABA誘導
プロモーター(マルコッテ・ジュニア(Marcotte Jr.ら、(198
9) Plant Cell 1:969−976);キイロショウジョウバエ
(Drosphilia melanogaster)の誘導性hsp70熱シ
ョックプロモーター(フリーリング(Freeling),M.ら、(1985
) Ann.Rev. of Genetics 19:297−323)等の
熱ショックプロモーター、B.ナプス(B.napus)由来の低温誘導性プロ
モーター(ホワイト(White),T.C.ら、(1994) Plant
Physiol.106:917)、エタノールにより誘導されるアルコールデ
ヒドロゲナーゼプロモーター(ナガノ(Nagano),R.T.ら、ミフリン
(Miflin),B.J.編、Oxford Surveys of Pla
nt Molecular and Cell Biology、第3巻、38
4〜438頁、オックスフォード・ユニバーシティー・プレス(Oxford
University Press)、オックスフォード 1986)、アラビ
ドプシス由来の師部特異的スクロースシンターゼASUS1プロモーター(マー
チン(Martin)ら、(1993) Plant J.4:367−377
)、ACS1プロモーター(ロドリゲス(Rodrigues)−ポーサダ(P
ousada)ら、(1993) Plant Cell 5:897−911
)、メイズ由来の22kDaゼインタンパク質プロモーター(ウンガー(Ung
er)ら、(1993) Plant Cell 5:831−841)、エン
ドウのps1レクチンプロモーター(ド ペーター(de Pater)ら、(
1993) Plant Cell 5:877−886)、インゲンマメ(P
haseolus vulgaris)由来のphasプロモーター(フリッシ
ュ(Frisch)ら、(1995) Plant J.7:503−512)
、leaプロモーター(トーマス(Thomas),T.L.(1993) P
lant Cell 5:1401−1410)、トマト由来のE8遺伝子プロ
モーター(コーデス(Cordes)ら、(1989) Plant Cell
1:1025−1034)、PCNAプロモーター(コスギ(Kosugi)
ら、(1995) Plant J. 7:877−886)、NTP303プ
ロモーター(ウェターリングズ(Weterings)ら、(1995) Pl
ant J. 8:55−63)、OSEMプロモーター(ハットリ(Hatt
ori)ら、(1995) Plant J. 7:913−925)、ジャガ
イモ由来のADP GPプロモーター(ミュラー(Muller)−ローバー(
Rober)ら、(1994) Plant Cell 6:601−604)
、大麦由来のMybプロモーター(ウィッセンバッハ(Wissenbach)
ら、(1993) Plant J. 4:411−422)、およびアラビ
ドプシス由来のプラストシアニンプロモーター(ボースト(Vorst)ら、(
1993) Plant J. 4:933−945)が挙げられる。
【0068】 ベクターは、宿主細胞のタイプに適した方法(例えば、形質転換、エレクトロ
ポレーション、トランスフェクション)によって細胞に導入され得る。本開示の
目的のために、本明細書では「〜で形質転換された」「形質転換体」「形質転換
」「〜でトランスフェクトされた」および「トランスフェクション」という用語
はすべて、当業者に公知の多くの方法の一つによる、細胞への核酸の導入をいう
。例えば、原核細胞の形質転換は、一般に、細胞を「コンピテント」にして外来
DNAを取り込むようにするためにその細胞を塩化カルシウムで処理した後、か
かるのDNAをそのコンピテント細胞と混合することによって達成される。また
、原核細胞は、組換えバクテリオファージベクターで感染させ得る。
【0069】 核酸は、個々の細胞タイプに応じて、ウイルス感染、細菌を介した転移(例え
ばアグロバクテリウムT−DNA送達系)、エレクトロポレーション、リン酸カ
ルシウム共沈殿、マイクロインジェクション、リポフェクション、核酸被覆粒子
の射撃または他の技術によって高等生物の細胞に導入し得る。トウモロコシやモ
ロコシ等の穀類には、例えばサンフォード(Sanford),J.C.らの米
国特許第5,100,792号明細書(1992)に記述されているようなマイ
クロプロジェクタイル射撃法を使用し得る。植物細胞の形質転換に有用な他のプ
ロトコルは、ゲルビン(Gelvin)ら、1992に記述されている。細胞の
形質転換またはトランスフェクションに好適なプロトコルは、サンブルック(S
ambrook)ら、1989にも見出される。本発明の核酸構築物は、上述の
ような特定の植物部分に、本明細書に記述する形質転換およびトランスフェクシ
ョン技術によって組み込み得る。
【0070】 形質転換植物細胞の同定を助けるために、本発明の構築物は、植物選択可能マ
ーカーをコードする遺伝子を含むようにさらに操作される。有用な選択可能マー
カーとしては、ゲンタマイシン、ハイグロマイシン、カナマイシン等の抗生物質
に対する耐性を付与する酵素が挙げられる。同様に、GUS(β- グルクロニダ
ーゼ)等の色変化によって、またはルシフェラーゼ等のルミネッセンスによって
同定できる化合物の生成を与える酵素も有用である。
【0071】 例えば、アンチセンスFターゼは、配列番号:3を含有したDNAに連結され
たERA1遺伝子の補体を、宿主細胞の一部となるウィルスのゲノムに組み込む
ことにより産生され得る。宿主細胞の感染により、アンセンスの転写を可能にす
る系の構成要素が宿主細胞に存在する。
【0072】 本発明のプロモーターによって制御されるアンチセンス遺伝子を含む細胞また
はプロトプラストが得られる場合、該細胞またはプロトプラストを全植物に再生
させる。次いで、形質転換細胞を植物の再生に適した条件下で培養すると、トラ
ンスジェニック植物の生産をもたらす。再生工程の方法論の選択は、重大な問題
ではなく、好適なプロトコルは、多種多様な植物、組織および他の光合成生物に
ついて利用できる。例えば、ゲルビン(Gelvin) S.B.およびシルパ
ールールト(Schilperoort) R.A.編、Plant Mole
cular Biology Manual、第2版、補巻1(1995) ク
ルワー・アカデミック・パブリッシャーズ(Kluwer Academic
Publishers)、米国マサチューセッツ州ボストン)を参照されたい。
【0073】 本構築物を保持するトランスジェニック植物は、限定されないが、上述のよう
な抗生物質耐性または除草剤耐性等の適当な表現型マーカー、またはそれらの生
長を同じ条件で天然植物の生長と比較した視覚的な観察を含む種々の方法を用い
て、目的の表現型について調べられる。
【0074】 本明細書において使用されるように、トランスジェニック植物という用語は、
ここに記述するように導入された、野生型(天然)植物または既知の変異体には
本来存在しないDNA若しくはRNAのいずれか、または天然に存在するDNA
の付加的なコピー若しくは逆方向コピーを含む植物を含む。トランスジェニック
植物は、単離核酸が導入されているもの、およびかかる変化を維持し、種子、栄
養生殖、細胞、組織またはプロトプラスト培養等から生成されたそれらの子孫を
含む。
【0075】 かかるトランスジェニック植物としては、一態様として、被子植物、単子葉類
と双子葉類の両方、であるトランスジェニック植物が挙げられる。トランスジェ
ニック植物としては、DNAが導入されたもの、および種子、栄養生殖、細胞、
組織またはプロトプラスト培養等から生成したそれらの子孫が挙げられる。
【0076】 種子は、再生植物から、または再生された植物とそれと同じ種の適当な植物と
の間の交雑種から得られうる。一方、植物部分をかかる植物部分の再生に適した
条件下に培養することによって、前記植物を栄養繁殖させ得る。
【0077】 本発明のさらに別の側面では、変化する環境条件に対する組織培養物またはプ
ロトプラストの応答を変化させる、ERA1プロモーターに作動可能に連結され
た改変ERA1核酸、またはアンチセンスを含有するDNAを含む、植物の組織
培養物およびプロトプラストが提供される。
【0078】 本発明の方法は、培養や再生を必要としないインプランタまたは種子形質転換
技術と共に使用し得る。これらの技術の例は、ベッヒトールド(Bechtol
d),N.ら(1993) CR Acad. Sci. Paris/Lif
e Sciences 316:118−93;チャン(Chang),S.S
.ら、(1990) アラビドプシス研究に関する第4回国際会議の要旨集(A
bstracts of the Fourth International
Conference on Arabidopsis of Resear
ch、ウィーン、28頁;フェルドマン(Feldmann),K.A.および
マークス(Marks),D.M (1987) Mol. Gen. Gen
et. 208:1−9;レドックス(Ledoux),L.ら、(1985)
Arabidopsis Inf. Serv. 22:1−11;フェルド
マン(Feldmann),K.A.(1992) Methods in A
rabidopsis Research (コンツ(Koncz),C.、チ
ュア(Chua)、N−H、シェル(Schell),J.) 274〜289
頁;チー(Chee)らの米国特許第5,376,543号明細書に記述されて
いる。
【0079】 態様 本発明の構築物および方法は、特に、水ストレスの段階下での植物組織の乾燥
の防止における商業的価値のある多くの用途を有する。Fターゼのインヒビター
を取り込んだ作物植物の遺伝子操作、または内因性植物Fターゼをコードする遺
伝子の不活性化は、かかる植物が一過的な環境ストレスに耐えることを可能にす
るであろうし、これらの植物が生育し得る環境を広げ得る。したがって、寒冷、
塩分および乾燥ストレスに対する作物植物の耐性を改良することは、かかる悪条
件下での植物の収穫量を向上し得る。
【0080】 また、本明細書に記載の技術は、植物の収穫時期と収穫量とを変えるために使
用し得る。例えば、Fターゼの過剰発現により、トウモロコシおよび他の穀類等
の作物の乾燥時間がより速くなりうるだろう。トウモロコシを乾燥させることは
、大量のプロパンガスの使用を必要とする。田畑で自然に乾燥する干し草等の作
物の乾燥時間は短縮され、それは、おそらく雨が該作物を劣化させることを少な
くするであろう。
【0081】 さらに、植物におけるファルネシル化の阻害は、葉を青々とした状態でより長
く維持し得、かつ果実を未熟なままで維持し得るように、該植物の老化プログラ
ムを制御するためにも使用し得る。例えば、ERA1のアンチセンス構築物また
はCaaXボックスインヒビタータンパク質構築物が、老化誘導プロモーターの
制御下に配置される場合、老化プログラムが開始されると、植物は、同時に老化
を阻害するであろうファルネシル化のインヒビターを誘導するであろう。結果と
して、植物は青々としたままか、果実が未熟なままとなるだろう。したがって、
植物は、葉菜部分、花または果実等の産物を、より長期で生産し続けうるであろ
う。したがって、園芸栽培者は、同じ品種の野生型植物が同じ条件下で老化する
が、青々としたままで、かつ生長し続ける植物を生産することができるであろう
。切り花は、より長く維持されうるだろう。あるいは、市場にとって農産物の寿
命が極めて重要となる青果産業のための重要な産物、果実は未熟なまま維持され
うるだろう。
【0082】 さらに、果実と野菜とにおけるFターゼの阻害は、しおれを低減し得る。した
がって、移送および船便輸送中の産物のしおれが、低減されうるだろう。商店の
棚の果実および野菜も、それらを新鮮で風味よく維持するために霧吹きをさほど
要求しないだろうし、キュウリ、リンゴおよびオレンジ等の産物に、それらが干
からびないようにワックスすることをさほど要求しないであろう。
【0083】 また、水やりがより少ないことは、作物、または果実と野菜とに対するカビお
よび細菌の攻撃が低減されるだろうことを意味するだろう。例えば、土壌から植
物の葉と果実とへの植物病原体の飛散により生じる、田畑での植物の病気は、阻
害されうるだろう。
【0084】 園芸分野において、多くの乾燥耐性品種が、造園のためおよび観賞用鉢植え植
物としての使用のために生産されうるだろう。特に価値のあるものは、家屋およ
びオフィスの内部または外部の観賞用の鉢植え用に使用され、たまの水やりで生
き延び得る植物の品種であろう。これは、忘れられた植物が日中、すぐに干から
びる乾燥した夏の何ヵ月かの間は特に、園芸愛好家にとって、かなりの恵みにな
るであろう。さらに、木々の下と他の日陰地域とにおいて生育する植物は、乾燥
条件と光の制限とをしばしば経験する。本明細書で提供される技術は、これらの
条件下でより良好に生存しうる植物の品種を提供することができる。
【0085】 さらなる態様では、園芸栽培者は、横方向への枝分かれ数および/または開花
数が、明/暗サイクルにより制御され得る植物の多くの用途を見いだし得る。よ
り長く、枝分かれしていない茎が市場上での有利さを与えるであろう植物の例と
しては、バラ、カーネーション、ユリ等が挙げられる。植物の花数または花芽数
を増やす能力も、大いに価値のある利点である。これらの形質は、また、農作物
の収穫をも容易にするような方法で収穫量を向上させ得る点で、多くの作物にと
って有用である。
【0086】 本明細書で提供される構築物および方法の別の利点は、ERA1プロモーター
が、葉の孔辺細胞において活性であるということである。ERA1遺伝子プロモ
ーターの一部は、ERA1遺伝子に対するアンチセンス核酸に融合し得るので、
Fターゼ活性は孔辺細胞においてのみ減少する。
【0087】 さらなる態様は、乾燥耐性形質の、植物、植物細胞および植物組織における形
質転換の選択可能なマーカーとしての使用である。植物における形質転換を検出
する1つの方法は:(a)配列番号:1に対するアンチセンスを含有した核酸に
または該アンチセンスの機能的同等物を含有する核酸に作動可能に連結したプロ
モーターを含有した核酸構築物を組み込むステップ;(b)植物、植物細胞また
は植物組織に該核酸構築物を挿入するステップ;(c)気孔が形成されるまで、
植物を生育または植物細胞若しくは植物組織から植物を再生させるステップ;お
よび(d)植物または再生植物を、植物が乾燥ストレスをうける条件下におくス
テップ;からなり、ここで、非形質転換植物と比較した、乾燥条件下における植
物の生存が形質転換の指標である。したがって、この技術は、選択可能な遺伝子
マーカー、すなわち、特に植物の選択と形質転換スキームとを組み合わせる際の
可視マーカーとして使用し得る。
【0088】 さらに、トランスジェニック植物にストレスを与えることに訴えることなく、
Fターゼ機能を欠損した植物の枝分かれ習性および/または開花習性は、野生型
植物のそれとは実質的に異なり、良好な形質転換のためのマーカーとして使用し
得る。この方法は、イン・プランタ形質転換技術が適用されている場合に、特に
有用であろう。日周光条件下において、トランスジェニック植物の苗条は、非形
質転換苗条のそれよりも、横方向の枝分かれが少ないであろう。これにより、選
択可能な抗生物質マーカーを使用せずに、Fターゼ活性の効果的な低減が示され
る。
【0089】 実施例実施例1:変異誘発条件 本研究に使用したアラビドプシス植物を、連続的な光の下、土壌、または寒天
を含むペトリ皿中で、他に記載(ハーグン(Haughn)およびソーマービル
(Somerville) 1986)のようにして生育させた。アラビドプシ
スの2つの別個の野生型を使用した:ミエロビッツのコロンビア〔Meyero
witz’s Colombia(Col)〕(レルヘ・シーズ(Lelhe
Seeds)、ドリッピング・スプリングズ(Dripping Spring
s)、テキサス州)およびワシリュウスキヤ〔Wassilewskija(W
s)〕(ABRC、オハイオ州立大学〔Ohio State Univers
ity)〕。T−DNA変異誘発種子をスクリーニングすることにより単離され
た変異体は、Wassilewskija系(background)であった
。これらは、オハイオ州立アラビドプシス種子ストック・コレクション(Ohi
o State Arabidopsis Seed stock colec
tion)(ABRCストック・ナンバー CS2606−2654)から得た
。T−DNA種子コレクションは、100の変異誘発された親由来の1200の
第4世代(T4)子孫の49プールを含有したものであった。変異誘発された親
は、T−DNAプラスミドを含む飽和アグロバクテリウム培地中で、野生型種子
(T1)を一晩インキュベートすることにより得られた。種子を、水中で洗浄し
、鉢に植えた。T2世代種子を、各植物から得て、カナマイシン耐性(T−DN
A上に保持される)について試験した。カナマイシン耐性植物は、T3世代に発
育させた。T4世代植物は、ストック・センターに提供した。各プールを、別個
にスクリーニングした。
【0090】 高速中性子照射種子をスクリーニングすることにより単離した変異体は、Me
yerowitz’s Colombia系であった。変異誘発した野生型種子
(N1)に、60Gyの高速中性子を照射し、次世代に生育させた。N2種子を
、1387 N1の親から生じた約11,000の種子のプールとして得た。こ
れらのプールのうち10個について、ABA超感受性変異体について、別々にス
クリーニングした。最初のスクリーニングでは、種子を4℃で保存し、吸収を行
わずにプレーティングした。すべての次の再スクリーニングのために、種子を、
4℃で1週間、0.3μM ABA上で吸収させ、明所で22℃にて5〜7日後
、子葉の出現を評価した。
【0091】実施例2:遺伝学的解析 変異株を、野生型に3回、戻し交配した。T−DNA変異体をWsに、高速中
性子変異体をMColに、戻し交配した。era表現型の分離の後、F2種子を
両0.3μM ABAに播種し、4℃で4日間吸収させた。吸収後、プレートを
、室温の明所に移した。発芽を、一週間、後吸収した実生中における膨張した子
葉の有無として判定した。分離後、各変異体に同型接合性の株を交配し、変異表
現型の1つを有する株を同定することにより二重変異体を確認した。本研究に使
用したabi3対立遺伝子は、abi3−6(ナンバラ(Nambara)ら、
1994)であり、abi1はabi1−1(クーンネーフ(Koornnee
f)ら、1982)である。era1−2対立遺伝子を、eraの親として使用
した。分離解析により、era1が、abi1の非感受性を一部抑制することが
示されたため、まず、F2植物について、3mM ABAに対する非感受性をス
クリーニングし、これらの植物のF3種子の3mM ABAに対する感受性につ
いて評価した。推定される二重変異体は、F4世代において試験された子孫であ
り、Abi1とEra1との両方についてDNA多型により確認した。era1
abi3二重変異体のために、F2種子を非感受性(0.3μM ABA)に
ついてスクリーニングし、成熟植物を、隆起した心皮および成熟していない未熟
な種子について評価した(ナンバラ(Nambara)ら、1994)。推定さ
れる二重変異株を、Abi3とEra1との両方についてDNA多型により確認
した。
【0092】実施例3:DNAおよびRNA解析 DNA抽出方法(デラポルタ(Dellaporta)ら、1983)および
RNA抽出方法(バーウォード(Verwoerd)ら、1989)は、記載の
通りとした。高ストリンジェンシーのサザンを、65℃で他に記載のようにして
行なった(サンブルック(Sambrook)ら、1989)。ゲノムライブラ
リーおよびcDNAライブラリーのスクリーニングのすべては、ゲルマン・バイ
オトレース(Gelman BioTrace)NT膜上で、製造者仕様書(ゲ
ルマン・サイエンシズ(Gelman Sciences))に従って行なった
。T12W変異体(era1−1)におけるT−DNAとゲノムDNAとの間の
挿入結合部位をクローニングするために、T12W DNAのライブラリーをγ
−ZAPII(ストラタジーン(Stratagene))で作製した。Eco
R1で消化し、右端(right border)(RB)T−DNAでプロー
ブしたT12W DNAのゲノムサザンブロットでは、3つのバンド(13Kb
、7.0Kbおよび8.0Kb)が生じた。他の制限酵素による次の解析では、
前記7Kbおよび8KbのバンドがT−DNAの挿入点を含み、植物DNAを隣
接すると確認された。これらの断片を、ゲノムDNAをEcoRIで消化するこ
とによりクローニングし、該DNAを、プレップ・セル(Prep Cell)
(ファルマシア(Pharmacia))を用いて分画した。RBをプローブと
して用い、プールした画分のサザン解析により前記7Kbおよび8Kbの断片を
含む画分を同定した。これらのプールを、γ−ZAPIIアームに、製造者の説
明書(ストラタジーン(Stratagene))に従ってライゲートした。4
0,000の組換え体のライブラリーをスクリーニングした。5つのポジティブ
プラークを同定し、クローン化挿入断片の切り出されたプラスミド型を、製造者
(ストラタジーン(Stratagene))に従って単離した。RBプローブ
とハイブリダイズするpL4BおよびpL7と称する2つのプラスミドを、さら
にキャラクタライズした。pBluescriptを用い、pL4B由来の2.
3Kb Ec oRI BamHI断片をサブクローニングして、かつpSC1
0と称し、pL7由来の1.3Kb HindIII BamHI断片をサブク
ローニングして、かつpSC11と称した。これらの2つのプラスミドは、隣接
植物ゲノムDNAに付着された約1.2KbのT−DNAを含む。pSC10を
、アラビドプシス cDNAライブラリー、PRL2 l−ZipLox(AB
RC、Stock CD4−7)をスクリーニングするためのプローブとして使
用した。5つのポジティブcDNAを同定し、最も長いcDNA挿入断片、pZ
L23を、さらに200,000のPRL2ファージをスクリーニングするのに
使用した。このスクリーニングから、より長いcDNA挿入断片、pZL51、
(1.35 Kb)を単離した。これらのクローンを、シークエンスし、部分消
化されたEcoR1野生型コロンビアゲノムDNAから作製された、30,00
0のγ−ZAPIIプラークをスクリーニングするのに使用した。このライブラ
リーの構築は、消化したDNAを分画しないことを除き、上述の通りとした。4
つのポジティブクローンを同定した。挿入断片を切り出し、pZL51クローン
を包含する6Kbの領域を完全にシークエンスした。このゲノム挿入断片、およ
びl−FIX ランスバーグ・エレクタ(Lansberg erecta)ゲ
ノムライブラリーから、類似の方法により単離した14Kbのゲノム挿入断片(
ABRC Stock CD4−8)を、高速中性子変異体(era1−2、e
ra1−3)における欠失の大きさを調べるためのプローブとして使用した。
【0093】実施例4:プロテインファルネシルトランスフェラーゼアッセイ 野生型および変異植物の無細胞抽出物をFターゼ源とし、かつ合成ヘプタペプ
チドを反応の基質として用い、ファルネシルトランスフェラーゼ(Fターゼ)ア
ッセイを行なった。ペプチドは、ゲネムド・バイオテクノロジーズ・インク(G
enemed Biotechnologies,Inc.)から購入した。ペ
プチドの適当な配列は、ランダル(Randall)ら(1993)のデータを
基にした;これらは、GGCCAIM(−CAIM)およびGGCCAIL(−
CAIL)であった。ペプチドの溶液を、10mM ジチオトレイトール(di
thiotreitol)(DTT)を含む100%ジメチルスルホキシド(D
MSO)中で調製し、DMSO無しの10mM DTTに希釈した。トランスフ
ェラーゼアッセイ用のFターゼの供給源は、3週齢の植物の芽由来の可溶性タン
パク質抽出物とした。野生型植物および変異植物の両方について、1g(生重量
)の芽を集め、50mM Hepes(pH7.5)、1mM MgCl2 、1
mM EGTA、5mM DTT、2μg/ml ロイペプチン、2μg/ml
アプロチニンおよび1mM PMSFを含む緩衝液中でホモジナイズした。細
胞の残渣と膜とを4 ℃、10,000gで10分間および100,000gで3
0分間、遠心分離により除去した。上清を取っておき、全可溶性タンパク質の定
量を、ブラッドフォード(Bradford)(1976)に従って行なった。
可溶性抽出物を30℃で、ペプチド基質と 3H−ファルネシルピロリン酸塩(ア
マシャム(Amersham))とともに、40分間インキュベートした。各反
応混合物は、下記成分:50mM Hepes(pH7.5)、5mM MgC
2 、5mM DTT、50μM ペプチド、0.5μM [ 3H]FPPおよ
び100μg/mlの可溶性タンパク質抽出物を、最終容量25μlで含んだ。
対照として、1つの反応物は、5分間煮沸しておいた可溶性抽出物を含んだ。E
DTAを終濃度50mMで加えることにより反応を終わらせた後、シリカゲル6
0薄層クロマトグラフィープレート(ミリポア(Millipore))にスポ
ットした。プレートを、n−プロパノール−水(7:3 v/v)により、4〜
5時間、展開した。プレートを乾燥させ、En 3Hance(ニュー・イングラ
ンド・ニュークリア(New England Nuclear))を噴霧し、
コダックX−OMAT ARフィルムに、−70℃で4日間曝した。
【0094】実施例5:ERA1−GSU遺伝子構築物およびトランスジェニック植物 ERA1プロモーターの5KbのEcoR1−HindIIIゲノム断片を、
プロモーターのないGUS T−DNAプラスミド(pBI121)に挿入する
ことにより、ERA1−GSU融合構築物を作製した。この構築物をアグロバク
テリウムLB4404株で形質転換した。アグロバクテリウムを、(0.8 O
.D.単位、595nm)まで成育させた後、水中で十分に洗浄し、細胞を10
%グリセロール中に再懸濁し、ついで、エレクトロポレーター内で、200オー
ム、25μF、2.5キロボルトで、パルスを与えた。次に、細胞を、アンピシ
リン(100μg/ml)を加えたLB培地にプレーテングし、28℃で2日間
成育させた。アンピシリン耐性形質転換体を、つづく植物形質転換実験に使用し
た。トランスジェニック植物を、植物を飽和アグロバクテリウム培地(0.8
O.D.単位、595nm)で減圧浸透させることにより作製した。野生型の植
物を、標準的な実験室条件下(25℃、150μE m-2-1、湿度、定常的
な光)で、それらが約5週で最初の抽だい(bolts)を生じるまで生育させ
た。茎を取り出し、植物をアグロバクテリウムの溶液中に浸し、減圧下(20ミ
リバール)に5分間置いた。減圧を解除した後、植物を土壌に移し、標準的な実
験室条件下で回復させた。植物は新しい花と種子をつけ、種子を2か月後に収穫
し、2週間乾燥した。個々の植物からの種子を、50μg/mlカナマイシンを
含む最小培地MSプレートに植えた。若いカナマイシン耐性の苗木を同定し、2
週間後に土壌に移し、種子のために生育させた。これらの種子を発芽させ、蛍光
性GUS基質イマジーン・グリーン(Imagene Green)(モレキュ
ラー.プローブス(Molecular Probes)、ユージーン(Eug
ene)、オレゴン州)を用い、GUS活性について実生を試験した。実生をG
US−緩衝液(50mM リン酸ナトリウム pH7.0、10mM EDTA
、0.1% Triton X−100、0.1%ナトリウムサルコシル(sa
rcosyl)、4mM イマジーン・グリーン(Imagene Green
)に2〜4時間、暗所で室温にて懸濁させることにより、アッセイを行なった。
赤いクロロフィル自己蛍光バックグラウンドにおいて黄色になるポジティブの蛍
光シグナルのための青色励起光を用い、顕微鏡下(25X)、実生を直接観察し
た。
【0095】実施例6:乾燥実験 6個の単一の野生型および6個のera1−2の実生を、4週間、定常光の下
、定常的に水やりをして、生育した(25℃、150μE m-2-1、70%
湿度、定常光)。次いで、土壌からの水分蒸発を遅らせるために植木鉢を錫箔で
覆い、植物と植木鉢とを計量した。このとき、もはや植物に水を与えず、毎日、
各植木鉢を計量した。実験の最後に、植物を取り出し、植木鉢をさらに2週間乾
燥させた後、計量して乾燥した土および植木鉢の重量を測定した。この重量を各
試料から差し引いた。
【0096】実施例7:脱葉における老化関連−変化 野生型コロンビアおよびera1−2変異体における、成熟したロゼットの葉
のクロロフィル含量を、これらのアラビドプシス植物から脱葉した後に比較した
。植物を、定常光(150μアインシュタイン/m2 ・秒)および温度(22℃
)下で生育させ、発育年齢(発芽後3週間)の類似物とした。このとき、発芽後
発育したいくつかの植物の5番目の葉を取り出し、ペトリ皿中、無機塩類を含む
0.8%寒天上に置いた。皿を密封し、22℃で、定常的な光(150μアイン
シュタイン/m2 ・秒)の下に、12日間置いた。写真を撮り、色の比較を0、
3、6、9および12日目に行なった。
【0097】実施例8:老化葉の選択された遺伝子における転写物量の測定 植物を定常的な光(150μアインシュタイン/m2 ・秒)および温度(22
℃)下で類似した発育年齢(発芽後4週間)まで生育させ、このとき、発芽後に
発育した第5番目のロゼットの葉を、変異体(era1−2)および野生型植物
から取った。3つの遺伝子(CAB、SAG12、SAG13)の発現について
、ノーザンブロット解析によりこれらの葉をアッセイした(植物の抽だい後、0
、4、8日)。CAB遺伝子は、光合成のための採光に関与するアラビドプシス
クロロフィル結合タンパク質をコードする。CABは、葉の緑色に必要であり、
植物中でのクロロフィル代謝回転の良好なマーカーである。野生型植物中のCA
Bは、いったん老化が誘導されると、転写物量の低下を示す。era1−2変異
体の老化葉では、転写物量の低下は観察されない。SAG12およびSAG13
は、老化中の分化発現によりクローン化されたアラビドプシス遺伝子である(S
AGは、老化活性化遺伝子を表わす)。両遺伝子の転写は、野生型アラビドプシ
ス植物の老化の開始中に誘導される。これらの遺伝子は、era1−2変異体で
は、同じ発育条件下では誘導されなかったことがわかった。
【0098】 参考文献 Baskin, JM and Baskin, CC (1971) Can J Bot 50:277. Chandler, PM and Robertson, M (1994) アブシジン酸により調節される遺伝子
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【図面の簡単な説明】
【図1】 Figure 1A〜1Cは、ERA1遺伝子の核酸配列(配列番号:1)を
示し、該配列中、イントロンは下線が付され、開始コドン(ATG)は、ヌクレ
オチド位置1〜3である。
【図2】 Figure 2は、ERA1タンパク質のアミノ酸配列(配列番号:2)で
ある。
【図3】 Figure 3A〜3Bは、ERA1プロモーターの核酸配列(配列番号:
3)を示す。
【図4】 Figure 4は、エンドウ(配列番号:4)と、酵母(配列番号:5)と
ラット(配列番号:6)とに由来するβサブユニットファルネシル化ドメインと
共に並記した、アラビドプシス〔Arabidopsis〕(Arab.)由来
のβサブユニットファルネシル化ドメイン(配列番号:2)である。アラビドプ
シスの配列と同一である残基をドットで示す。ダッシュは、空白を示す。アラビ
ドプシス遺伝子のアミノ酸の位置を右側に示す。
【図5】 Figure 5は、極度の乾燥条件下において、野生型(対照;すなわち、
天然)植物(左)と比較したera1−形質転換アラビドプシス植物(右)の写
真である。
【図6】 Figure 6は、不活性化または変異Fターゼ活性を有するアラビドプシ
ス植物〔M.コロンビア(Columbia)、era1〜2〕と対照(M.C
.対照、era1〜2対照)との含水量を比較したグラフである。
【図7】 Figure 7は、不活性化または変異Fターゼ活性を有するアラビドプシ
ス植物〔M.コロンビア(Columbia)、era1〜2〕と対照(M.C
.対照、era1〜2対照)との水分損失率を比較したグラフである。
【図8】 Figure 8は、対照(野生型)とera−2変異植物とに由来する葉の
老化の比較である。
【図9】 Figure 9は、対照(野生型)とera−2変異植物とに由来する葉に
おける転写量の比較である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年1月31日(2000.1.31)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【請求項35】 発育機能が耐乾性、老化の誘導、枝分かれおよび開花から
なる群より選ばれる、請求項6記載の単離核酸構築物。
【手続補正書】
【提出日】平成12年12月13日(2000.12.13)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 Figure 1Aは、ERA1遺伝子の核酸配列(配列番号:1)を示し、
該配列中、イントロンは下線が付され、開始コドン(ATG)は、ヌクレオチド
位置1〜3である。
【図2】 Figure 1Bは、ERA1遺伝子の核酸配列(配列番号:1)を示し、 該配列中、イントロンは下線が付されている。
【図3】 Figure 1Cは、ERA1遺伝子の核酸配列(配列番号:1)を示し、 該配列中、イントロンは下線が付されている。
【図4】 Figure 2は、ERA1タンパク質のアミノ酸配列(配列番号:2)で ある。
【図5】 Figure 3Aは、ERA1プロモーターの核酸配列(配列番号:3)を 示す。
【図6】 Figure 3Bは、ERA1プロモーターの核酸配列(配列番号:3)を 示す。
【図7】 Figure 4は、エンドウ(配列番号:4)と、酵母(配列番号:5)と ラット(配列番号:6)とに由来するβサブユニットファルネシル化ドメインと 共に並記した、アラビドプシス〔Arabidopsis〕(Arab.)由来 のβサブユニットファルネシル化ドメイン(配列番号:2)である。アラビドプ シスの配列と同一である残基をドットで示す。ダッシュは、空白を示す。アラビ ドプシス遺伝子のアミノ酸の位置を右側に示す。
【図8】 Figure 5は、極度の乾燥条件下において、野生型(対照;すなわち、 天然)植物(左)と比較したera1−形質転換アラビドプシス植物(右)の写 真である。
【図9】 Figure 6は、不活性化または変異Fターゼ活性を有するアラビドプシ ス植物〔M.コロンビア(Columbia)、era1〜2〕と対照(M.C .対照、era1〜2対照)との含水量を比較したグラフである。
【図10】 Figure 7は、不活性化または変異Fターゼ活性を有するアラビドプシ ス植物〔M.コロンビア(Columbia)、era1〜2〕と対照(M.C .対照、era1〜2対照)との水分損失率を比較したグラフである。
【図11】 Figure 8は、対照(野生型)とera−2変異植物とに由来する葉の 老化の比較である。
【図12】 Figure 9は、対照(野生型)とera−2変異植物とに由来する葉に おける転写量の比較である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U S,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ガセミアン,マジド カナダ国 オンタリオ エム4ワイ 1ア ール5 トロント,チャールズ ストリー ト ウェスト 1220−1230 (72)発明者 カットラー,シーン アメリカ合衆国 ニューヨーク 14051 ナイアグラ フォールズ,カレッジ スト リート 460 (72)発明者 ボネッタ,ダリオ カナダ国 オンタリオ エム4ワイ 1ジ ー1 トロント,ウェルズリー ストリー ト ウェスト 1414−1424

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号:1を含有してなる単離DNAまたはその機能的同
    等物。
  2. 【請求項2】 配列番号:1の20〜200の連続するヌクレオチドを含有
    してなる単離DNA。
  3. 【請求項3】 a)請求項2記載のDNAに高ストリンジェンシー条件下で
    ハイブリダイズする、または、 b)請求項1記載のDNAに対して80%の配列類似性を有する、または、 c)請求項2記載のDNAに相補的な配列を含有してなる、 単離核酸。
  4. 【請求項4】 配列番号:2を含有してなる単離タンパク質またはその機能
    的同等物。
  5. 【請求項5】 請求項2記載のタンパク質に対して80%の配列類似性を有
    するポリペプチド。
  6. 【請求項6】 a)プロモーター、および、 b)植物のファルネシルトランスフェラーゼのインヒビターをコードする核酸、
    を含有してなる単離核酸構築物。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の核酸構築物を含んでなるトランスジェニック
    植物。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のトランスジェニック植物の種子。
  9. 【請求項9】 請求項6記載の核酸構築物を含んでなる植物の部分。
  10. 【請求項10】 植物が単子葉植物である、請求項7記載のトランスジェニ
    ック植物。
  11. 【請求項11】 植物が双子葉植物である、請求項7記載のトランスジェニ
    ック植物。
  12. 【請求項12】 植物がブラッシカ スピーシーズ(Brassica s
    p)である、請求項11記載のトランスジェニック植物。
  13. 【請求項13】 請求項6記載の核酸構築物を含んでなる細胞または組織培
    養物。
  14. 【請求項14】 請求項15記載の細胞または組織培養物から再生される植
    物。
  15. 【請求項15】 同一の環境条件下での同一の品種の天然由来の植物と比較
    して、乾燥、塩および寒冷ストレスに対する改良された耐性を有する、請求項6
    記載の核酸構築物を含んでなる植物。
  16. 【請求項16】 ファルネシルトランスフェラーゼ活性の欠損をもたらすフ
    ァルネシルトランスフェラーゼをコードする遺伝子中に変異を有する植物。
  17. 【請求項17】 ファルネシルトランスフェラーゼ活性が、植物の形質転換
    により、またはトランスジェニック植物を生産するための、再生される植物の部
    分の形質転換により、種子中で阻害され、ここで該形質転換がファルネシルトラ
    ンスフェラーゼ活性の損失をもたらす、トランスジェニック植物の種子。
  18. 【請求項18】 a)高ストリンジェンシー条件下で、配列番号:1のヌク
    レオチド配列を持つDNAにハイブリダイズする単離核酸を含有し、ファルネシ
    ルトランスフェラーゼの活性に必要な産物をコードする核酸を植物細胞に移入し
    、その植物細胞から植物が再生される、核酸の移入工程、および、 b)該植物が該核酸を発現するように、該植物細胞から植物を再生する工程、 を含む植物中のファルネシルトランスフェラーゼのレベルを変化させる方法。
  19. 【請求項19】 核酸がアラビドプシス(Arabidopsis)ファル
    ネシルトランスフェラーゼ遺伝子のヌクレオチド配列を含有してなる請求項18
    記載の方法。
  20. 【請求項20】 a)配列番号:1に対するアンチセンスを含有してなる核
    酸に、または該アンチセンスの機能的同等物を含有してなる核酸に作動可能に連
    結されたプロモーターを含有してなる核酸構築物を調製する工程、 b)ベクターに核酸構築物を挿入する工程、 c)該ベクターにより、植物、組織培養物、または植物細胞を形質転換する工程
    、および d)該植物を生育させる、または該組織培養物若しくは該植物細胞から植物を再
    生する工程、 を含み、ここで耐乾性植物が生産される、耐乾性植物の生産方法。
  21. 【請求項21】 a)配列番号:1に対するアンチセンスを含有してなる核
    酸または該アンチセンスの機能的同等物を含有してなる核酸に作動可能に連結さ
    れたプロモーターを含有してなる核酸構築物を取り込むステップ、 b)植物、植物細胞または植物組織に該核酸構築物を挿入するステップ、 c)気孔が形成されるまで、該植物を生育または該植物細胞若しくは該植物組織
    から植物を再生するステップ、 d)植物または再生植物を、植物が乾燥ストレスをうける条件下におくステップ
    、 からなり、ここで非形質転換植物と比較した、乾燥条件下での植物の生存が形質
    転換の指標である、植物の形質転換の検出方法。
  22. 【請求項22】 内因性のファルネシルトランスフェラーゼの活性を阻害す
    る産物をコードする核酸を、植物または植物細胞へ導入する工程を含む、側生の
    枝分かれの低減方法。
  23. 【請求項23】 核酸が、配列番号:1に相補的な25〜200以上の連続
    するヌクレオチド、配列番号:1またはその相補体の25以上の連続するヌクレ
    オチドからなるオリゴヌクレオチド、およびファルネシルトランスフェラーゼの
    ペプチドインヒビターをコードする核酸からなる群より選ばれる、請求項22記
    載の方法。
  24. 【請求項24】 請求項22記載の方法によって生産される植物。
  25. 【請求項25】 請求項22記載の方法によって生産される植物の種子。
  26. 【請求項26】 内因性のファルネシルトランスフェラーゼの活性を阻害す
    る産物をコードする核酸を、植物または植物細胞へ導入する工程を含む、老化の
    遅延方法。
  27. 【請求項27】 核酸が、配列番号:1に相補的な25〜200以上の連続
    するヌクレオチド、配列番号:1またはその相補体の25以上の連続するヌクレ
    オチドからなるオリゴヌクレオチド、およびファルネシルトランスフェラーゼの
    ペプチドインヒビターをコードする核酸からなる群より選ばれる、請求項26記
    載の方法。
  28. 【請求項28】 請求項26記載の方法によって生産される植物。
  29. 【請求項29】 請求項26記載の方法によって生産される植物の種子。
  30. 【請求項30】 同一の環境条件下での天然由来の植物と比較して、植物中
    のファルネシルトランスフェラーゼ活性を阻害することにより、老化を遅延し、
    葉緑素レベルを維持し、側生の枝分かれを低減し、かつ植物中の花房あたりの花
    の数を増加させる方法。
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