JP2001511742A - 容器と折断密封体の組立体及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 容器（１）が通路開口部（５）を備えた面（４）を有し、該開口部（５）が折断密封体（２１）によって密封された前記容器（１）とプラスチック製の前記折断密封体（２１）の組立体であって、前記容器（１）の面（４）に対して折断密封体（２１）が接合領域を有し、この接合領域は通路開口部（５）の周縁の回りに距離をおいて位置し、その接合は、容器（１）と折断密封体（２１）のいずれか一方の接合面を、破断可能な接合がそれらの間に形成されるような温度に加熱することによって得られる。従って、ほぼ完全になめらかな折断面を得ることができ、また開口部の大きさは所定の寸法に維持される。

Description

【発明の詳細な説明】 容器と折断密封体の組立体及びその製造方法 本発明は容器とプラスチック製の折断密封体の組立体に関し、その容器は通路 開口部を有する面を有し、この開口部は折断密封体によって密封されている。 このような容器とプラスチック製の折断密封体の組立体は公知である。この種 の組立体は、とりわけ、無針注射器、点眼器、及びアンプルなどに使用されてい る。この場合、折断密封体は搬送中や貯蔵中に容器の中身が汚染されるのを防ぐ ために用いられている。さらに、折断密封体は使用前に簡単に除去できなければ ならない。 国際出願公開ＷＯ９６／２４３９８号明細書により、排出口を有するアンプル がナットによって無針注射器のハウジングに固定されている無針注射器が知られ ている。キャップ状の折断密封体がナットの外端部に締結され、キャップの内部 にはアンプルの排出口を覆う弾性シールが設けられている。 米国特許第５，２２１，０２９号では、折断密封体を有する計量具用の一体成 形プラスチックキャップが開示されている。この公知のキャップの場合、斜めの 溝がキャップの外周に刻まれており、その結果、強度が減じられた領域が局所的 に形成され、その領域に沿って折断密封体を折り取ることができる。 米国特許第４，５６６，６１３号は、２つの折断領域のある円錐端部を具備し た類似の計量具について開示している。 上述の米国特許による器具では、折断領域が容器の周面に対してわずかに入り こんだ位置にあるように予め決められており、その結果、折り取り作業によって できた突起などが容器のこの面から突出せず、従って容器が人や動物の体や植物 に対して押し当てられたときや近づけられたときのけがの危険性が少なくなる。 しかしながら、これら公知の組立体の欠点は、折断面がなめらかではなく鋭い 尖端などを含むように連続しているため、折り取り作業時に形成された折断面を 人の指が軽く触れるだけで、折断密封体を除去する人を簡単に傷つけてしまう。 さらに、この種の突起は、無針注射器の場合などがそうであるが、折り取り作業 の後で容器が皮膚に押し当てられたとき、処置すべき物体の皮膚を傷つける原因 となり得る。 また、上記米国特許による計量具のさらなる欠点は、容器の通路開口部がこの 開口部から縁部に向かって広がる凹部に通じていることである。これは注入され る媒体が開口部からこの凹部の壁部に沿って流れてしまい、その結果、注射位置 が正確な位置ではなくなってしまうため、無針注射器にとっては好ましくない。 このため、さらに圧力（面積単位当たりのpressure）が不十分なため、注射が全 くできなくなる危険性がある。 米国特許第５，２２１，０２９号が開示する折断密封体のその他の欠点は、溝 を後処理機械加工によって作製するため、その加工に多大な労力を要し、コスト の増大につながる。 従って、本発明の目的は、使用者に対する安全性が改善された容器と折断密封 体の組立体を提供することである。 本発明のその他の目的は、折り取り作業後の折断領域には突起が全く含まれず 、そのため、折断密封体を除去する人や使用者つまり消費者のけがの危険性が減 少するような種類の組立体を提供することである。 本発明のさらなる目的は、容器の排出口の正確な位置と大きさが維持され、か つ折断領域によって邪魔されることのない種類の、無針注射器に使用する組立体 を提供することである。 本発明の上記形式における容器及び折断密封体の組立体は、折断密封体の容器 の面に対する接合領域が通路開口部の周縁の回りに距離をおいて位置し、容器と 折断密封体のいずれかの接合面を、両者の間において折り取ることのできる接合 部を形成する温度に加熱することによって、両者の接合が得られること、を特徴 とする。 もし、容器と折断密封体の一方の接合面だけが、２つの完成部品からあるいは 一方の部品の製造途中で、接合面の溶融によって液状先端部或いは（高）粘性物 質の先端部が他方の固体の部品の面と接触する温度まで加熱されれば、組立体の 通常の取り扱いの途中では十分な強度を保つにもかかわらず、簡単に折り取るこ とができ、折り取られた断面にはすぐれた滑らかさを有するような接合が両者間 に形成されることが判明した。その結果、折断作業の間や容器の折断面を、例え ば、処置される人あるいは動物に押し当てたときの怪我のリスクが減少する。さ らに、折断領域が容器の通路開口部に近接してはいないので、開口部の大きさは 、折断作業の間も変わらず元の大きさが維持される。 既述の通り、これは容器と折断密封体の組立体が一工程では形成できず、むし ろ一方の完成部品たとえば容器から始めて、これを他方の製造中の部品たとえば 折断密封体に接合するか、あるいは、２つの完成部品から始めて一方の部品のみ の接合面を所望の温度に加熱することを意味している。その温度が使用される物 質に左右されることは明らかであろう。 第一の可能性に対する好適な工程の例として言及すべきは、とりわけ射出成形 及び押し出し成形であり、射出成形は無針注射器のような重要な用途にとってよ り適している。折断密封体は射出成形によって完成品の容器に接合するのが好ま しい。もし容器が正確に定められた容積を必要とするならば、容器も射出成形に よって製造するのが好ましい。 接合の性質は正確には知られていないが、容器と折断密封体のプラスチック材 料の分子は折断面をくまなく横断するようには延在しておらず、その結果、折断 密封体を折り取るには分子を若干壊し離すだけで済むので、なめらかな折断面が 得られると推定される。 折断密封体を製造するのに使用されるプラスチック材料は当業者には容易に選 択できる。しかしながら、本発明による組立体の意図された用途を鑑み、そのプ ラスチックは、不浸透性で強度と靱性のあるプラスチック材料から選択されるの が好ましい。 特に好適と証明された材料は、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）である 。これは、ＰＥＴが強度のあるプラスチック材料であるため予想外なことである 。さらに、この材料は本質的に透明であるという利点があり、その結果、薬品の 場合に要求されるように、容器の中身を容易に透視することができる。 折断密封体の折り取り易さを増すために、従来技術で周知のように局部的に壁 厚を減らすことにより、折断密封体の強度を接合位置で弱くすることが好ましい 。 特に好適な実施形態によれば、組立体は無針注射器用のカートリッジであり、 容器は、処置対象物の皮膚に押し当てるため、通路開口部を備えた実質的に平ら な接触面を有し、折断密封体は円筒状要素であり、その一方の端部は通路開口部 の回りに或る距離をおいて容器に接合されている。 無針注射器のカートリッジあるいはアンプルとして使用するには、例えばスリ ーブあるいはリングのような円筒状要素が折断密封体として使用され、この要素 は本発明による接合方法によって容器の平坦な前面に接合される。折断密封体を 取り付けた後、計量される液体の容器への充填を可能とするためにこの種の要素 は必要である。容器に充填した後、他端は永久密閉要素によって密閉される。折 断密封体を折り取る結果として通路開口部（この用途の場合、約０．３ｍｍの直 径を有している）の大きさが変化するリスク並びにこれに伴う注射の際に生じる あらゆる不都合を防ぐために、接合面すなわち折断領域は開口部から距離を置い た位置にある。 米国特許第４，４４８，３２４号から、多段射出成形方法による容器用の裂開 式カバーを製造すること自体はすでに知られている。しかしながらこの場合には 、裂開線と開口部は距離を置いていない。 また本発明は、容器とプラスチック製の折断密封体の組立体の製造方法に関す るものでもあって、容器は通路開口部を備えた面を有し、この開口部は折断密封 体によって密封され、この方法は、容器と折断密封体のいずれかの接合面が、破 断可能な接合を通路開口部の周縁の回りに距離をおいて形成する温度に加熱され ることを特徴とするものである。 本発明による方法の好適な実施形態は従属請求項１０〜１３にて記載される。 本発明は、添付の図を参照して以下に説明する。本発明における唯一の図は、 無針注射器に使用するための、本発明による折断密封体を備えた容器の好適な実 施形態を示す概略拡大断面図である。 ５：１縮尺の本図において、参照番号１は、ＰＥＴから射出成形された薬物用 の容器を示している。容器１は、円筒状中央部２を含み、この円筒状中央部は長 手方向に見て切頭円錐状の頂部３と一体で、その頂面に接触平面４が画成される 。この接触平面４の中心に通路開口部５がある。さらに、容器１には拡径端部６ が設けられており、この端部６の内側にはねじ溝７が設けられている。この端部 ６ は無針注射器の駆動機構（図示せず）に螺着することができる。容器１内にはプ ランジヤ（図示せず）が設けられており、このプランジャは注入の間駆動機構に よって移動される。 ＰＥＴでできた折断密封体２１はこの容器１に射出成形される。この折断密封 体２１は２つの円筒部２３、２４それぞれから形成された本体２２を含み、２つ の円筒部２３、２４はそれぞれ合体し、且つ異なる径を有している。本体２２の 端部２５は、開口部５と同心的に、しかしその周縁からは距離を置いて、容器１ の面４上に射出成形され、そこに接合領域が形成され、それに沿って折断密封体 を折り取ることができる。従って、折断密封体を折り取ることによって形成され た折断領域は開口部５から距離をおくと共に面４と同一面に位置しており、この ことは無針注射器の動作にとって本質的に重要である。 折り取り作業を容易にするため、円筒部２３の壁厚は容器に隣接したその端部 ２５で薄くなり、図示した実施例の円筒部２３の外径は徐々に小さくなり、その ため、折断操作の間にその壁を変形させる必要はない。本体２２の他端部は外部 肉厚部２６を含み、この外部肉厚部２６は折断作業時により良いグリップを提供 する。スリーブ２４の内径はこの端部で徐々に大きくなるため、容器１が充填さ れた後、永久栓あるいは類似部材（図示せず）によって端部を容易に密閉できる 。 折断密封体２１が折り取られた後、完全になめらかな面４が現れ、その結果、 折り取り作業時と薬剤注入時の両方でけがの危険性を最小に抑えることができる ことが判明した。 本発明は上記の通り、無針注射器に使用される折断密封体を備えた容器に関し て説明がなされたが、本発明による容器と折断密封体の組立体はすべての目的、 特に使用者の安全性に適していることが理解されるであろう。 ＰＥＴを用いる代わりとして、十分な強度と靱性を有する（つまり、高いＥ− 係数(E-modulus)を有する）すべての透過性のプラスチックも使用可能である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，Ｓ Ｄ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ， ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，Ｆ Ｉ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ， ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，Ｍ Ｗ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ， ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ (72)発明者 ベッカーズ，ヘンリクス，アントニウス, マリア オランダ・ジーエイチ ミエルロ エヌエ ル―5751・ビショップ ヴァン ミエルロ ストラート 108 (72)発明者 ウェストン，テレンス，エドワード イギリス・サフォーク アイピー21 ５エ ヌジー・アイ・ストラッドブローク・ピク シー グリーン・ソーンリー

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．容器（１）が通路開口部（５）を備えた面（４）を有し、該開口部（５）が 折断密封体（２１）によって密封される前記容器（１）及びプラスチック製の前 記折断密封体（２１）の組立体であって、 前記折断密封体（２１）の前記容器（１）の前記面（４）に対するその接合領 域は、前記通路開口部（５）の周縁の回りに距離をおいて位置し、前記接合は、 前記容器（１）と前記折断密封体（２１）のいずれかの接合面を、それらの間に 破断可能な接合を形成する温度に加熱することによって得られることを特徴とす る組立体。 ２．前記折断密封体（２１）の前記接合面が加熱されることを特徴とする請求項 １に記載の組立体。 ３．前記折断密封体（２１）の前記容器（１）に対する前記接合は前記折断密封 体（２１）を前記容器（１）に射出成形することによって得られることを特徴と する請求項１または２のいずれか１項に記載の組立体。 ４．前記容器（１）は射出成形によって製造されることを特徴とする請求項１か ら３のいずれか１項に記載の組立体。 ５．少なくとも折断密封体（２１）はポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）で 製造されることを特徴とする請求項１から４のいずれか１項に記載の組立体。 ６．前記組立体は無針注射器用のカートリッジであって、前記容器（１）は、処 置対象物の皮膚に押し当てるための、前記通路開口部（５）を備えた実質的に平 らな接触面（４）を有し、前記折断密封体（２１）は円筒体（２２）であり、前 記円筒体（２２）の一方の端部は前記通路開口部（５）の回りに距離をおいて前 記容器（１）の前記接触面（４）に接合されていることを特徴とする請求項１か ら５のいずれか１項に記載の組立体。 ７．前記円筒体（２２）の他方の端部は前記容器（１）の充填後に永久的に密封 されるように閉塞されていることを特徴とする請求項６に記載の組立体。 ８．前記円筒体（２２）の壁厚は前記容器（１）の方向に向けて薄くなっていく ことを特徴とする請求項１から７のいずれか１項に記載の組立体。 ９．容器（１）が通路開口部（５）を備えた面を有し、前記通路開口部（５）が 折断密封体（２１）によって密封された、容器（１）及びプラスチック製の折断 密封体（２１）の組立体の製造方法であって、 前記容器（１）及び折断密封体（２１）のいずれかの接合面を、前記通路開口 部の周縁の回りに距離をおいて前記容器（１）及び前記折断密封体（２１）の間 に破断可能な接合を形成する温度に加熱することを特徴とする製造方法。 １０．前記折断密封体（２１）が加熱されることを特徴とする請求項９に記載の 製造方法。 １１．前記折断密封体（２１）は、前記折断密封体（２１）を前記容器（１）に 射出成形することによって前記通路開口部（５）の回りの前記容器（１）の前記 面（４）に接合されることを特徴とする請求項９または１０のいずれか１項に記 載の製造方法。 １２．前記容器（１）は射出成形によって製造されることを特徴とする請求項９ から１１のいずれか１項に記載の製造方法。 １３．前記折断密封体（２１）はポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）で製造 されることを特徴とする請求項９から１２のいずれか１項に記載の製造方法。