JP2001511246A - 試料採取器具及び試料採取方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 試料採取器具（１０）は、長手方向軸の一部に沿って中空のチューブ部材（１２）が外接した細長の発泡部材（１５）を有する。中空のチューブ部材（１２）は、発泡部材（１５）が外接部に沿って圧縮されるように、発泡部材（１５）の圧縮されていない部分の断面積より小さい断面積を有する。

Description

【発明の詳細な説明】 試料採取器具及び試料採取方法 発明の属する技術分野 本発明は、診断検査用に試料の採取及び供給を行うための器具に関し、特に診 断検査用に唾液の採取及び供給を行うための器具に関する。本発明の器具は、PC R用のDNAテンプレートを分離できる試料採取マトリックスに対する採取試料の供 給に特に有効である。 発明の背景 診断検査用に試料を採取し供給するために、種々の方法と器具が用いられてい る。唾液試料を採取する従来の方法の１つは、綿棒を用いる方法である。唾液試 料は、綿棒が検査器具に接触することによって供給される。また試料を綿棒から 洗出させることも可能である。 診断検査用生検試料採取のために、例えば試料吸収手段を有する構成のごとく の試験管を含む種々の器具が報告されている。かような器具の例として、米国特 許第4,123,224号,第5,000,193号,第5,022,409号,第5,260,031号,第5,268,148号, 第5,283,038号,第5,339,829号,第5,376,337号,第5,380,492号,第5,393,496号， 第5,479,937号および第5,494,646号明細書が挙げられる。 発明の要約 本発明は、診断検査用の試料を採取し、供給する簡単な器具を提供する。本発 明によれば、試料採取器具は、長手方向軸と圧縮されていない断面積とを有する 細長の発泡部材と、該発泡部材に外接するチューブ部材よりなり、その発泡部材 の長手方向軸部分（発泡部材の長手方向の一端部又は両端部を除く部分）が中空 のチューブ部材に外接している。中空のチューブ部材の中空断面積は、当該チュ ーブ部材に外接した部分に沿って発泡部材が圧縮されるように、発泡部材の圧縮 前の断面積よりも小さくなっている。 本発明による試料採取器具は、唾液を採取し、PCR検査用のDNAテンプレートを 分離できるDNA採取マトリックスに試料を供給するのに特に有効である。さらに 、好適な実施例においては、試料採取器具の発泡部材が、より確実で正確に試料 を提供する。 本発明は、又、PCR用のDNAテンプレートを得る方法を提供する。この方法は、 前述の試料採取器具を用い、患者の口腔中に試料採取器具の一端を挿入し、発泡 部材中に唾液を吸収させ、試料採取器具の上記端部を採取マトリックスに接触さ せて唾液試料を供給し、採取マトリックス上で乾燥させ、次にPCRのために試料 からDNAを分離するステップを含む。 本発明による試料採取器具は、法医学的な父子鑑定用DNA検査、RNA検査、抗体 検査、特定薬物検査及びその他類似の診断検査に供する唾液試料を提供するため に使用出来る。 図面の簡単な説明 図１は、本発明の一実施例による試料採取器具を示す等角投影図である。 図２は、図１の試料採取器具の長手方向軸に沿った断面図である。 図３は、診断検査用に試料を配置することが出来るマトリックス採取器具を示 す平面図である。 好適な実施例を含む発明の詳細な説明 添付された図面を参照し、本発明による試料採取器具を説明する。図１と図２は 、本発明の実施例を示しており、試料採取器具１０は、発泡の細長片（発泡部材 ）１５を内包する中空のチューブ部材１２を用いて構成されている。発泡部材１ ５は長軸に沿ってチューブ１２に挿入圧縮されている。試料採取器具１０の端部 においては、発泡部材１５がチューブ１２より突出している。発泡部材１５の突 出部は、検査に供する試料を吸収する主採取部である。通常、発泡部材１５は、 チューブ１２の平均直径の約25％から125％に等しい距離だけチューブの終端か ら突出させる。チューブ１２が円形断面でない場合、断面の最大寸法を用いて、 この目的のための平均直径を推定する。他の例として、チューブ径により異なる が、通常、管端から約0.125インチから0.625インチの距離だけ発泡部材を突出さ せるようにする。このチューブの一端からの発泡部材の突出距離は圧縮されてい ない断面の直径と等しいことが好ましい。発泡部材１５は好ましくは図示するよ うにチューブ１２の両端から突出させる。但し、試料を好便に採取するために発 泡部材１５をチューブ１２の一端からのみ突出させることが要求されることがあ り、適用例によっては、発泡部材を一端のみに突出させることが望ましい。 発泡部材１５は種々の吸収性発泡材料により製作出来る。この発泡部材は、な めらかなスキン層を有する成型発泡部ではなく、気泡構造を露呈させるように形 成し、所望の寸法に切断することが好ましい。発泡部材材料としては、例えば、 発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレン、発泡塩化ビニール、発泡エチルビニルア セテート、発泡ポリエチレン／エチルビニルアセテート、発泡ポリエステル及び 発泡ポリエーテルが好適であって、また吸収材Porex^TM、シリコン及び発泡ラテ ックスも使用することができる。唾液採取用に特に適した発泡材は、HYDRASORB^R の商品名で販売されている米国マサチューセッツ州Avitar社製の発泡ポリウレタ ンである。 発泡ポリウレタンは、１インチ長当たり約６０以上の均一な気泡数を有するこ とが好ましく、１インチ長当たり約８０から１２０の気泡数であればさらに好ま しい。 前記発泡部材が外接するチューブ１２は、発泡部材１５を圧縮して保持し、試 料採取及び供給時に操作するのに十分な長さを有する適当な材料により製作出来 る。通常のストロー用に使用される代表的な材料、例えば、紙管及びポリウレタ ン、ポリエチレン、ポリエステル、ビニールまたは他のプラスチック製チューブ は、チューブ１２に用いる部材として適している。かようなストローは又経済的 であり、採取器具の製造、取り扱い及び使用に適した直径を有している。チュー ブの断面が円であれば好都合である。但し、四角又は三角形の断面を有するチュ ーブも使用可能である。 本発明による試料採取器具の個々の寸法は、所望の試料量並びに試料採取・供 給時の装置の操作方法に応じて変更することが出来る。マニュアルで使用する場 合、器具のチューブ長は約１インチから５インチで、チューブ断面の平均径は約 0.12インチから0.5インチであることが好ましく、チューブ長が約1.5インチから 3.5インチで、断面の平均径が約0.18インチから0.38インチであればさらによい 。特に有効な採取器具１０は、長さが3.0インチで直径が0.22インチの円形断面 の中空チューブ１２を有している。細長の発泡部材15は3.5インチの長さと一辺0 .25インチの正方形断面とを有する様に予め切断してある。この発泡部材１５を 圧縮してチューブ１２に挿入し、チューブの両端から各々0.25インチ突出させる 。この器具は、いずれかの端部を使用して試料を採取するか、或いは両端部を使 用して２種類の試料を採取することが出来る。チューブは器具を使用時に保持す るのに好便である。唾液は発泡部材中に１５秒程度吸い込ませることにより採取 することが出来る。スライド又は薄膜又は他の器具上に発泡部材を押し当てるこ とによって唾液を供給し、診断検査に供することが出来る。その際、チューブ部 に圧力をかけて発泡部材を圧縮し、その圧力で試料の供給を促進することが出来 る。 本発明による試料の採取器具は唾液試料を採取し、PCR用にDNAを分離するマト リックス採取を行うマトリックス器具２０（図３）上に試料を点滴出来る。採取 マトリックスを試料を点滴するために囲んだ例えば円形の領域２５を有するカー ド形式で供給すると便利である(図３参照)。唾液採取後、発泡部材を円内に押し つけて試料を点滴し、点適後試料を乾燥させる。そしてDNAを点滴試料から分離 し、PCR技法を用いて分析をする(例えば、Cheng他、米国科学アカデミー会報（P roc．Natl.Acad.Sci.USA.）91:5695-5699又はWright他、臨床微生物学誌（J.Cli n.Microbiol.）32:464-468参照)。採取マトリックスには、通常の紙マトリック ス又は好ましくはニュハンプシャー州03431、キーン市（keene）のScheicher＆S chuell社がIsoCode^TMの名前で販売している採取マトリックスを使用する。 本発明による採取器具は、診断検査又はDNA、RNA、抗体、薬物等の特定用試料 を供給するために使用出来る。 以上、好ましい実施例を参照して本発明を詳述してきたが、本明細書と図面を 考慮すれば、当業者が特許請求範囲に規定した範囲と精神から外れることなく修 正と改良を実施できることは了解されるであろう。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．細長の発泡部材と該発泡部材に外接する中空のチューブ部材とを含んでな り、該発泡部材の前記長手方向の一端部又は両端部を除く部分に沿って前記中空 のチューブ部材が外接し、前記発泡部材が前記外接した部分に沿って圧縮される ように、前記中空のチューブ部材の断面積が前記発泡部材の圧縮前の断面積より 小さいことを特徴とする試料採取器具。 ２．前記中空のチューブ部材が紙またはプラスチック製であることを特徴とす る請求項１に記載の試料採取器具。 ３．前記発泡部材は、発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレン、発泡塩化ビニー ル、発泡エチルビニルアセテート、発泡ポリエチレン／エチルビニルアセテート 、発泡ポリエステル及び発泡ポリエーテルより成る群から選択された材料を含ん で成ることを特徴とする請求項１に記載の試料採取器具。 ４．前記発泡部材は、発泡ポリウレタンを含んで成ることを特徴とする請求項 １に記載の試料採取器具。 ５．前記発泡部材は、該発泡部材の圧縮前の断面の平均直径の約25％から約12 5％に等しい距離だけ前記チューブ部材の一端から突出していることを特徴とす る請求項１に記載の試料採取器具。 ６．前記中空のチューブ部材は、約1.0インチから約5.0インチまでの長さを有 することを特徴とする請求項１に記載の試料採取器具。 ７．前記中空のチューブ部材は、約0.12インチから約0.5インチまでの直径を 有することを特徴とする請求項１に記載の試料採取器具。 ８．前記中空のチューブ部材は、約1.5インチから約3.5インチまでの長さを有 することを特徴とする請求項１に記載の試料採取器具。 ９．前記中空のチューブ部材は、約0.18インチから約0.38インチまでの直径を 有することを特徴とする請求項１に記載の試料採取器具。 １０．細長の発泡部材と該発泡部材に外接する中空のチューブ部材とを含んで なり、該発泡部材の前記長手方向軸の一端部又は両端部を除く部分に沿って前記 中空のチューブ部材が外接し、前記発泡部材が前記外接した部分に沿って圧縮さ れるように、前記中空のチューブ部材の断面積が前記発泡部材の圧縮前の断面積 より小さい試料採取器具を用意し、該試料採取器具の一端を患者の口腔に挿入し て前記発泡部材に唾液を吸収させ、前記患者の口腔より前記試料採取器具を取り 出し、吸収した唾液を含んだ前記試料採取器具の一端を採取マトリックスに接触 させて該マトリックス上に唾液試料を点滴し、次の分析のために前記マトリック ス上で点滴唾液を乾燥させるステップを含むことを特徴する、診断検査のために 患者から唾液試料を採取する方法。 １１．前記試料採取器具の前記発泡部材は、該発泡部材の圧縮前の断面の平均 直径の約25％から約125％に等しい距離だけ前記チューブ部材の一端より突出し ていることを特徴とする請求項１０に記載の方法。 １２．前記試料採取器具の前記中空のチューブ部材は、約1.0インチから約5.0 インチまでの長さを有していることを特徴とする請求項１０に記載の方法。 １３．前記試料採取器具の前記中空のチューブ部材は、約0.12インチから約0. 5インチまでの平均直径を有していることを特徴とする請求項１０に記載の方法 。 １４．前記試料採取器具の前記中空のチューブ部材は、約1.5インチから約3.5 インチまでの長さを有していることを特徴とする請求項１０に記載の方法。 １５．前記試料採取器具の前記中空のチューブ部材は、約0.18インチから約0. 38インチまでの平均直径を有していることを特徴とする請求項１０に記載の方法 。 １６．前記試料採取器具の前記発泡部材は、発泡ポリウレタンを含んで成るこ とを特徴とする請求項１０に記載の方法。