JP2001510991A - Alarm関連ペプチドおよび核酸ならびにそれらを用いた診断 - Google Patents

Alarm関連ペプチドおよび核酸ならびにそれらを用いた診断

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Abstract

(57)【要約】 本発明者らはプレセニリン1に結合する能力に基づいてALARMまたはδカテニンと命名した新規の蛋白質を同定した。ALARMはarmリピートを4コピー含み、ほとんどすべてが脳組織において発現される。

Description

【発明の詳細な説明】 ALARM 関連ペプチドおよび核酸ならびにそれらを用いた診断 関連出願の相互参照 本出願は、1996年12月2日に申請した米国仮特許出願第60/031,556号の優先権 を主張するものであり、この仮特許出願はその全体が本明細書に組み込まれる。 連邦政府の助成金を受けた研究に関する声明 本発明は、国立衛生研究所により授与されたAG06601の政府助成金により行わ れた。米国政府は本発明に対して特定の権利を有する。 発明の背景 本発明は、アルツハイマー病に関与する蛋白質の一般的分野に属する。 アルツハイマー病の発症に関与する様々な遺伝子および遺伝子産物が同定され ている。この疾病に特徴的な神経炎性病斑はβアミロイド(Aβ)でできており、 これはβアミロイド前駆蛋白質(βAPP)に由来する長さ40〜43アミノ酸のオリ ゴペプチドである。家族性アルツハイマー病の症例の一部は、βAPPをコードす る遺伝子中の変異を伴う。家族性アルツハイマー病の別の症例は、他の2つの遺 伝子座、プレセニリン1およびプレセニリン2の変異を伴う。 発明の概要 本発明は、プレセニリン1との相互作用に基づいてALARMまたはδカテニンと命 名された、今までに記述されていない蛋白質の発見に基づく。ALARMはarmadillo (arm)-プラコグロビン-βカテニン蛋白質ファミリーのメンバーに著しい配列の 類似性を示す。さらに、ALARM転写物は、脳組織にほぼ完全に限定されている。 本明細書に提供(または相互参照)する特定のヒトALARM配列に加え、本発明 に関連する分子には、これらの配列および関連ポリペプチドの断片、非ペプチド 性類似体(non-peptide mimetics)、ならびに核酸配列が含まれる。本発明は、 ALARMポリペプチドに対する抗体も含む。これらのポリペプチドおよびそれらを コードする核酸は、様々な診断および治療の用途に使用できる。 本発明の1つの局面は、たとえば、図1に示すヒトALARMポリペプチドのような 哺乳類由来のALARMポリペプチドなどのような、実質的に純粋な脊椎動物ALARMポ リペプチドを特徴とする。 「蛋白質」および「ポリペプチド」とは、長さまたは翻訳後修飾(例、グリコ シル化またはリン酸化)に関わらず、アミノ酸の任意の鎖を意味する。 ポリペプチドには、組換えポリペプチド、天然ポリペプチド、および合成ポリ ペプチド、ならびにプレ蛋白質またはプロ蛋白質であるポリペプチドも含まれる が、これらに限定されるわけではない。 調製品の純度を確認する1つの方法は、乾燥重量パーセントによる。一般に、 有用な調製品は、重量(乾燥重量)パーセントで少なくとも60%が関心のある化 合物、すなわちALARMポリペプチドである。調製品は重量パーセントで、好まし くは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくと も99%が関心のある化合物である。純度は、例えばカラムクロマトグラフィー、 ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、またはHPLC分析のような適当な標準的方法 によって測定できる。「成熟したヒトALARM」は図1に示すアミノ酸配列である。 成熟したヒトALARMと実質的に同一なポリペプチドは、図1のALARMポリペプチ ドのアミノ酸配列と、少なくとも85%、好ましくは90%、および最も好ましくは 95%または99%同一のアミノ酸配列を持つ可能性がある。ポリペプチドの配列の 同一性を評価するときには、参照ポリペプチド配列の長さは一般に少なくとも16 アミノ酸、好ましくは少なくとも20アミノ酸、より好ましくは少なくとも25アミ ノ酸、および最も好ましくは35アミノ酸である。核酸では、参照核酸配列の長さ は一般に少なくとも50ヌクレオチド、好ましくは少なくとも60ヌクレオチド、よ り好ましくは少なくとも75ヌクレオチド、および最も好ましくは110ヌクレオチ ドである。 配列の同一性は、配列分析ソフトウェア(例えば、53705ウィスコンシン州マ ジソン、ユニバーシティアベニュー1710、ウィスコンシン大学バイオテクノロジ ーセンター、遺伝コンピューターグループの配列分析ソフトウェアパッケージ) を用いて測定できる。 参照配列と100%未満同一であるポリペプチド配列の場合は、同一でない位置 は、参照配列の保存的置換であることが好ましいが、必ずしも必要ではない。保 存的置換には、通常、以下の群内での置換が含まれる:グリシンおよびアラニン ;バリン、イソロイシン、およびロイシン;アスパラギン酸およびグルタミン酸 ; アスパラギンおよびグルタミン;セリンおよびスレオニン;リジンおよびアルギ ニン;ならびにフェニルアラニンおよびチロシン。 特定のポリペプチドが、一定の長さの参照ペプチドに対して特定のパーセント の同一性を持つという場合には、同一性のパーセントは、参照ペプチドに対する 割合である。したがって、長さ100アミノ酸の参照ポリペプチドに50%同一のペ プチドは、参照ポリペプチドの一部で長さ50アミノ酸の部分と完全に同一な50ア ミノ酸のポリペプチドであり得る。また、参照ポリペプチドの全長に渡って50% 同一な、長さ100アミノ酸のポリペプチドでもあり得る。もちろん、同一の基準 に当てはまるポリペプチドは他にも多数あると考えられる。 ALARMの1つまたは複数のドメインに対応するポリペプチドも、本発明の範囲内 である。したがって、ALARMの少なくとも1つの抗原決定基を含むポリペプチド、 ALARMポリペプチド中の42アミノ酸のarmリピートを少なくとも1コピー含むポリ ペプチド、またはALARMのβAPP結合領域を含むポリペプチドも特徴とする。好ま しいポリペプチドは、通常の生理的条件下で可溶性のポリペプチドである。 本発明のポリペプチドは、例えばマーカーポリペプチドまたは融合パートナー のような別のポリペプチドと融合して発現されてもよい。例えば、ポリペプチド を、細菌によって発現された蛋白質の精製を容易にするためにヘキサヒスチジン タグと、または真核細胞で発現された蛋白質の精製を容易にするためにヘマグル チニンタグと融合できる。 別の局面では、本発明は第1および第2の部分を含む実質的に純粋なポリペプチ ドも特徴とする;第1の部分はALARMポリペプチドを含み、該第2の部分は検出可 能なマーカーを含む。第1の部分は、全長のALARMまたはその1つもしくは複数の ドメインのいずれかであり得る。第1の部分は、融合蛋白質を作るために無関係 な蛋白質またはポリペプチド(すなわち、融合パートナー)に融合される。 また本発明はALARMポリペプチドを含む薬学的組成物も含む。 本発明のさらに別の局面は、ALARMポリペプチドをコードする組換え核酸を特 徴とする。1つの好ましい態様において、その核酸は可溶性ALARMポリペプチドを コードする。 また本発明は上述のALARMまたはALARM関連ポリペプチドの1つまたは複数のド メ インに対応するポリペプチドをコードする単離核酸を特徴とする。ALARMをコー ドするヌクレオチドは、例えば図1のヌクレオチド366〜2636のような、図1に示 す核酸を含み得る。また、配列が変化したり削除されたりした形のALARMをコー ドする核酸配列も、本発明の範囲内である。 「単離核酸」というのは、それが由来する生物の天然ゲノム中では直接隣接し ているコード配列の両方(5'末端のものと3'末端のもの)とは直接隣接していな い核酸を意味する。したがって、組換え核酸は、コード配列に直接に隣接する5' 非コード配列(例、プロモーター)の一部またはすべてを含むことができる。し たがって、この用語は、例えばベクターに;レトロウイルスのように自律的に複 製するプラスミドもしくはウイルスに;または原核生物もしくは真核生物のゲノ ムDNAに組み込まれた組換えDNANまたは他の配列とは独立して別個の分子として 存在する(例、PCRまたは制限エンドヌクレアーゼ処理により生産されるcDNAま たはゲノムDNA断片)組換えDNAを含む。また、別のポリペプチド配列をコードす るハイブリッド遺伝子の一部である組換えDNAも含む。 ヒトALARM配列と実質的に同一の核酸配列は、図1のALARMポリペプチドのアミ ノ酸配列に少なくとも85%、好ましくは90%、および最も好ましくは95%または 99%同一であるヌクレオチド配列を持つ。核酸の場合、参照核酸配列の長さは、 一般には少なくとも50ヌクレオチド、好ましくは少なくとも60ヌクレオチド、よ り好ましくは少なくとも75ヌクレオチド、および最も好ましくは110ヌクレオチ ドである。 また、融合蛋白質を作るために、ALARMの部分またはその一部(例、1つまたは 複数のドメイン)が無関係の蛋白質またはポリペプチド(すなわち融合パートナ ー)に融合されたハイブリッド蛋白質をコードする核酸も本発明の範囲内である 。 核酸は、純度の問題として、または天然に発生しない分子であるDNA中に含め ることにより単離できる。例えば、このDNAは、それが由来する生物の天然ゲノ ム中では直接隣接している配列の両方(5'末端のものと3'末端のもの)には直接 隣接していない。したがって、組換え核酸は、コード配列に直接に隣接する5'非 コード配列(例、プロモーター)の一部またはすべてを含むことができる。他の 例は 、ベクターに;自律的に複製するプラスミドもしくはウイルスに;または原核生 物もしくは真核生物のゲノムDNAに組み込まれた組換えDNA、または他の配列とは 独立して別個の分子として存在する(例、PCRまたは制限エンドヌクレアーゼ処 理により生産されるcDNAまたはゲノムDNA断片)組換えDNAである。また、別のポ リペプチド配列をコードするハイブリッド遺伝子の一部である組換えDNAも含む 。 本発明の核酸は、例えば分泌配列のように分泌を促進するポリペプチドに融合 されたALARMポリペプチドをコードする核酸を含む。このような融合蛋白質は、 通常はプレ蛋白質と呼ばれる。分泌配列は宿主細胞によって除去され、成熟した 蛋白質となることができる。不活性なプレ蛋白質を生産するようにポリペプチド 配列に融合された成熟ALARMをコードする核酸も、本発明の範囲内である。プレ 蛋白質は、不活化する配列を除去することにより、活性型の蛋白質に転換できる 。 また本発明は、ALARMポリペプチドをコードする核酸に対してストリンジェン トな条件下でハイブリダイズする核酸も含む。「ストリンジェントな条件」とは 、チャーチ緩衝液(7% SDS、0.5% NaHPO4、1mM EDTA、1% BSA)中で50℃でハイ ブリダイズし、50℃で2xSSCで洗浄することを意味する。ハイブリダイズする核 酸のハイブリダイズ部分は、好ましくは長さが20、30、50、または70塩基である 。好ましくは、ハイブリダイズする核酸のハイブリダイズ部分は、ALARMポリペ プチドをコードする核酸の一部の配列に95%または98%同一である。上述の種類 のハイブリダイズする核酸は、クローニング用プローブ、プライマー(例、PCR プライマー)、または診断用プローブとして使用できる。好ましいハイブリダイ ズする核酸は、天然型ALARMが持つ生物活性の一部または全てを持つポリペプチ ドをコードする。ハイブリダイズする核酸は、本明細書に記述されるALARM遺伝 子の1つによってコードされるスプライシング変異体でもよい。したがって、本 明細書に記述されるALARMの種々の型よりも短いまたは長い蛋白質をコードする 可能性がある。ハイブリダイズする核酸は、ALARMに関連する蛋白質(例、本明 細書に記述されるALARM遺伝子に比較的高度の同一性を持つ部分を含む遺伝子に よってコードされる蛋白質)をコードする可能性もある。 「核酸」という用語は、cDNA、ゲノムDNA、および合成(例、化学合成)DNAを 含めた、RNAおよびDNAの両方を含む。核酸は二本鎖または一本鎖の可能性がある 。一本鎖の場合、核酸はセンス鎖またはアンチセンス鎖の可能性がある。 さらに別の局面では、本発明は本発明の核酸を含むベクターを特徴とする。1 つの好ましい態様では、本発明の核酸は発現用の適切な位置にある。 「発現用の位置」とは、選択されたDNA分子が、該配列の転写および/または 翻訳を指向する一つもしくは複数の配列要素と隣接して位置しており、該配列要 素が選択されたDNAの転写および/または翻訳を制御できる(すなわち、選択さ れたDNAが該配列要素と機能的に結合されている)ことを意味する。そのような 機能的に結合された要素は、ALARMポリペプチドの生産を促進するために使用で きる。 さらに別の局面では、本発明は上述のALARM配列をコードする核酸を含む形質 転換細胞を特徴とする。 「形質転換細胞」とは、組換えDNA技術により、(本明細書で使用されるよう な)ALARMポリペプチドをコードするDNA分子が、その細胞(またはその祖先)に 導入された細胞を意味する。 本発明は、ALARM蛋白質またはポリペプチドに特異的に結合する精製抗体をも 特徴とする。 「精製抗体」とは、乾燥重量で少なくとも60%抗体となるまで、天然では会合 している蛋白質および天然に発生する有機分子が除かれた抗体を意味する。好ま しくは、調製品は乾燥重量で少なくとも75%、より好ましくは少なくとも90%、 および最も好ましくは少なくとも99%、抗体である。 「特異的に結合する」とは、例えばALARMポリペプチドのような特定の抗原を 認識し、結合して、複合体を形成する抗体で、天然でALARMを含むような、例え ば生体試料のような試料中の他の分子は実質的に認識せず、結合しない抗体を意 味する。 本発明は、例えばヒト被験者のような哺乳類中で、ALARM蛋白質の変異型が原 因となる疾病を発生する可能性、傾向、または感受性の上昇を診断する方法も特 徴とする。同じ方法は、例えばヒトのような哺乳類が疾病の原因となる蛋白質の 変異型を将来の世代に伝達する能力を診断するためにも使用できる。この方法に は、その哺乳類のDNAを分析してALARM蛋白質の遺伝子の変異型の存在または欠如 を決定することが含まれ、そのような変異が存在すれば可能性が上昇することを 意 味する。好ましくはDNAは、例えばポリメラーゼ連鎖反応のようなDNA増幅によっ て分析し、本明細書で使用し説明する一本鎖立体配座多型(SSCP)テクニックを使 用するか、または直接DNA配列を決定して、DNA中の変異を同定する。 別の局面では、本発明はALARM転写物を含む細胞にアンチセンスALARMオリゴヌ クレオチドを投与することを含む、ALARM遺伝子発現の阻害方法を含む。 本発明は、試料にALARMポリペプチドを接触させることを含む、例えばヒトか ら採取した試料のような試料中でプレセニリン1を検出する方法も含む。この試 料は、例えば脳脊髄液であってもよい。 別の局面では本発明は、ヒトの被験者中で、ALARMと相互作用する蛋白質の変 異型が原因となっている疾病を診断する方法を含む。この方法には、ヒト被験者 からの液体試料を分析してALARMと相互作用する蛋白質の存在または欠如を決定 する。 本発明はさらに、ヒト被験者中で、ヒトALARM蛋白質の変異型が原因となる疾 病を発症する、または将来の世代に伝達する可能性の上昇を診断する方法も含む 。この方法には、その被験者のDNAを分析してALARM蛋白質の遺伝子の変異型の存 在または欠如を決定することが含まれ、そのような変異が存在すれば疾病伝達の 可能性が上昇していることを意味する。この方法には、例えば被験者のDNAの増 幅、DNA配列の決定、または一本鎖立体配座多型の同定が含まれうる。 本発明は例えばDNAオリゴヌクレオチドのような実質的に精製された一本鎖オ リゴヌクレオチドを含むプローブまたはプライマーも含み、このオリゴヌクレオ チドは、ヒトALARMの変異型をコードする遺伝子の6ヌクレオチドの一本鎖部分で 、変異の一部または全体を含む部分の配列と同一の領域を含む。 また別の局面では、本発明は試料にALARM蛋白質またはALARM抗体を接触させ、 ALARM蛋白質または抗体が試料の成分に結合するかどうかを決定することによる 、生物試料中でALARMを含む複合体を検出する方法を含む。 また別の局面では、本発明は、試料にALARMを接触させ、その試料がALARMに結 合するプレセニリン1を含むかどうかを決定することによる、試料中のプレセニ リン1の異なるレベル、例えば低下または異なるレベル、を診断する方法を含む 。 特に定義しないかぎり、本明細書で使用される全ての技術および科学的用語は 、本発明が属する技術分野の当業者が一般に理解するものと同一の意味を持つ。 本発明の実施または試験には、本明細書に説明する方法および材料と類似または 同等なものを使用することもできるが、好ましい方法および材料は本明細書に記 述されている。本明細書に記載される出版物、特許出願、特許、および他の参考 文献は全て、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。相違がある場合 は、定義を含め本明細書が優先する。さらに、材料、方法、および実施例はあく まで例証的なものであり、制限するものではない。 本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および請求の範囲から明ら かになると思われる。 図面の簡単な説明 図1A〜1EはヒトALARM蛋白質の推定されるヌクレオチド配列およびアミノ酸配 列を図式的に表したものである。 図2はALARMarmリピートおよびそのショウジョウバエarm配列に対する相同性を 図式的に表したものである。 図3はALARMおよびpp120アミノ酸配列を図式的に表したものである。 図4はALARMおよびγカテニンアミノ酸配列を図式的に表したものである。 詳細な説明 アルツハイマー病に関与する蛋白質をコードする遺伝子で以前に記述されたも のには、アルツハイマー病の特徴であるAβ病斑中に見られるポリペプチド断片 を生じさせる細胞性蛋白質として単離されたβAPP(Selkoe,Ann.Rev.Cell Bi ol.10:373,1994に総説)、および家族性アルツハイマー病の症例で変化してい る細胞性遺伝子として同定されたプレセニリン1およびプレセニリン2(Sherring tonら、Nature 375:754,1995;Levy-Lahadら、Science 259:970,1995;Rogaevら 、Nature 376:207,1995)がある。 βAPP、プレセニリン1、およびプレセニリン2はすべて膜貫通蛋白質をコード する。βAPPがコードする蛋白質はタイプIの膜貫通セグメントを1つ持つが(Sel koe、前記)、プレセニリン1およびプレセニリン2ポリペプチドは推定される膜 貫通セグメントを7つ持つ(Sherringtonら、前記、1995;Levy-Lahadら、Scienc e 269:973,1995;Rogaevら、前記)。さらに、プレセニリン1および2は線虫C.エ レガ ンス(C.elegans)のsel-12遺伝子と相同であり、この遺伝子は同様に推定される 膜貫通セグメントを7つ持つ蛋白質をコードする(Leviatanら、Nature 377:351 ,1995;Grantら、Genetics 143:237,1996)。sel-12遺伝子はタイプI膜貫通蛋 白質をコードするlin-12遺伝子座の欠損のサプレッサーとして同定された(Sund aramら、Genetics 135:765,1993;Yochemら、Nature 335:547,1988)。この類 似性も考慮して、βAPP蛋白質がプレセニリン1またはプレセニリン2遺伝子産物 に結合するというモデルが提唱された(Dewjiら、Science 271:159,1996)。 しかし、本発見までは、プレセニリン1およびプレセニリン2遺伝子の産物がど のようにお互いに相互作用するか、他の蛋白質と相互作用をするか、または既知 のシグナル伝達径路に関与しているかどうかは、ほとんど知られていなかった。 本発明者らは酵母のツーハイブリッドシステムを用いて、プレセニリン1の単一 の親水性ループ領域との相互作用を根拠として、新規のヒト蛋白質を同定した。 この相互作用性蛋白質には、ショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)(Rigg lemanら、Genes Develop.3:96,1989)のarmadillo(arm)遺伝子で最初に記述さ れたアミノ酸リピート配列が複数コピー含まれている。その後、armリピートを 持つ蛋白質は、プラコグロビン、βカテニン、およびp120(Peiferら、J.Cell Biol.118:681,1992;Reynoldsら、Oncogene 7:2439,1992)を含む他のいくつ かの蛋白質でも同定された。このファミリーの他のメンバーは接着結合に局在す るので、この新しい蛋白質は接着結合関連arm(adherens-junction linked arm )蛋白質という意味でALARMと命名された。または、カテニン蛋白質ファミリー の既知のメンバーと相同性を持つので、δカテニンと呼ぶこともできる。 以前から、armファミリーのメンバーには2つの機能が知られている。まず、ar mがWntシグナル伝達径路に関与していることを示唆する様々な生物からの証拠が ある。様々な生物のWnt相同体は、動物の発生中のシグナル伝達機能と関与して いる。一般に、Wntは細胞の群が近隣細胞と同じ種類の細胞となるように機能す る。したがって、ショウジョウバエではWnt相同体であるwingless(wg)は近隣細 胞群でengrailedの発現を維持するように作用する(DiNardoら、Nature 332:604 ,1988;Martinez-Ariaら、Development 103:157,1988)。同様に、ショウジョ ウバエの胚にwgを添加すると、arm蛋白質の量が上昇する(Rigglemanら、Cell 6 3:54 9,1990)。この相互作用は、frizzled(Dfz)遺伝子ファミリーのメンバーにコー ドされる細胞表面受容体にwgが結合することによって仲介される(Bhanotら、Na ture 382:225,1996)。Wngシグナル伝達径路に関与している他のショウジョウ バエ遺伝子には、dishevelled(dsh)およびzeste-white 3(zw3)がある(前記Bhan otら参照)。 アフリカツメガエル(Xenopus laevis)の胚では、βカテニンの異所性発現によ り、Wntファミリーの一部のメンバー中の変異によって誘導されるものと同様な 表現型が得られる(Gugerら、Dev.Biol 172:115-25)。哺乳類細胞では、Wnt-1 が発現されるとβカテニンおよびプラコグロビンが蓄積する(Hinckら、J.Cell Biol.124:729,1994)。 βカテニンは転写因子LEF-1と複合体も形成し、この複合体は核に局在する(B ehrensら、Nature 382:638,1996)。したがって、遺伝的および生化学的研究を 組み合わせることにより、armファミリーメンバーがWnt経路において細胞表面か ら核への形質導入シグナルに関与している可能性が示唆される。 armファミリーが関与しているとされる第2の機能は、細胞接着の促進である。 プラコグロビン、βカテニン、およびp120はすべて、カドヘリンと呼ばれるカル シウム依存性細胞間接着蛋白質の細胞質ドメインと会合する(Danielら、Mol Ce ll.Biol.15:4819,1995;Shibamonoら、J.Cell.Biol.128:949,1995)。p12 0はE-カドヘリンのカルボキシ末端を介してE-カドヘリンと会合すると考えられ る(Shibamotoら、前記)。同様に、arm蛋白質は細胞の細胞質表面に局在し、ア クチンと共に存在する(Rigglemanら、Cell 63:549,1990)。 本発明はarmファミリーメンバーがアルツハイマー病の病理に関与しているこ とを初めて示唆するものである。ALARM ポリペプチド、蛋白質、および核酸の配列 本発明は図1のヌクレオチド配列にコードされるALARMに機能的に関連するALAR M蛋白質およびポリペプチドを含むが、これらに限定されるわけではない。機能 的に関連する蛋白質およびポリペプチドには、例えばプレセニリン1に結合する 能力のようなALARMの機能的特徴を共有する任意の蛋白質またはポリペプチドが 含まれる。そのような機能的に関連するALARMポリペプチドには、本明細書に説 明される ALARM配列によってコードされるアミノ酸配列内のアミノ酸残基の付加または置 換で、サイレントな変化を誘導し、したがって機能的に同等な遺伝子産物を生産 するものが含まれるが、これらに限定されるわけではない。アミノ酸の置換は、 関与する残基の極性、電荷、溶解度、疎水性、親水性、および/または両親媒性 に基づいて行うことができる。 例えば、非極性(疎水性)アミノ酸には、アラニン、ロイシン、イソロイシン 、バリン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、およびメチオニンが 含まれる;極性の中性アミノ酸にはグリシン、セリン、スレオニン、システイン 、チロシン、アスパラギン、およびグルタミンが含まれる;正に荷電した(塩基 性)アミノ酸にはアルギニン、リジン、およびヒスチジンが含まれる;および負 に荷電した(酸性)アミノ酸にはアスパラギン酸及びグルタミン酸が含まれる。 本発明のALARMポリペプチドおよび蛋白質は、ALARMポリペプチドをコードする 核酸配列を変化させて生産することができる。無作為な変異をALARM DNAに導入 (当業者に周知の無作為な変異誘発技術を使用)して、得られた変異ALARM蛋白 質の活性を試験することもできるが、ALARMコード配列に部位特異的変異誘発( 当業者に周知の部位特異的変異誘発技術を使用)を行い、変異ALARMを作製する こともできる。 例えばプレセニリン1に結合する能力などの機能が変化したALARMポリペプチド 変異体をデザインするためには、保存された位置と可変位置との区別をすること が有用である。保存された位置は、他の生物のその位置のALARM蛋白質のアミノ 酸が、ヒトALARM蛋白質中の位置と同じであるものである。 ALARM機能を保つためには、保存された残基を変化させないことが好ましい。 さらに、非保存残基の変化は、好ましくは、例えば塩基性アミノ酸が異なる塩基 性アミノ酸で置換されるような保存的置換である。機能の変化した変異体を生産 するためには、可変および/または保存された位置で非保存的置換を行うことが 好ましい。保存された位置または可変位置での欠失も、変化した機能の変異体を 生産するために使用できる。 ALARMコード配列に他の変異を導入して、選択した宿主細胞中での発現、例、 スケールアップした発現に、より適したALARMを作製することもできる。例えば 、N -グリコシル化の可能性のある部位を改変または削除して、例えばN-グリコシル 化を過剰に行うことが既知の酵母宿主からの回収および精製を容易にした、均一 な産物の発現を実現することができる。この目的のためには、1つまたは複数の グリコシル化認識配列(N-X-SまたはN-X-T)の第1または第3番目のアミノ酸の片 方または両方の種々のアミノ酸置換、および/または1つまたは複数のそのような 認識配列の第2番目の位置のアミノ酸の欠失が、修飾された3ペプチド配列のグリ コシル化を予防すると考えられる(例、Miyajimaら、Embo J.5:1193,1986参照 )。 好ましいALARMポリペプチドは、プレセニリン1ポリペプチドに結合するポリペ プチドまたはその変異体である。特定のALARMポリペプチドまたはその変異体が プレセニリン1に結合するかどうかを決定する際には、本明細書または参照の出 版物中に開示される任意の解析法を使用できる。好ましいALARMポリペプチドお よび変異体は、本明細書に説明される全長の成熟したヒト型ALARMの活性の20% 、40%、50%、75%、80%または90%を持つ。通常そのような比較は、比較する 分子を同じ濃度にして行われる。また、比較は得られる最大の刺激の50%に到達 するために必要な蛋白質またはポリペプチドの量にも基づいて行うこともできる 。 ALARMの一部(例、1つまたは複数のドメイン)が、融合蛋白質を作るために無 関係な蛋白質またはポリペプチド(すなわち、融合パートナー)に融合された、 融合蛋白質も本発明に含まれる。融合パートナーは、精製、検出、または可溶化 を容易にしたり、または他の何らかの機能を提供したりするために選択された部 分で良い。一般に融合蛋白質は、ALARMの全体または一部をコードするヌクレオ チド配列が、融合パートナーをコードするヌクレオチド配列にインフレームで結 合したハイブリッド遺伝子を発現して、製造される。 一般に本発明に係るALARM蛋白質は、適当な発現媒体中のALARMをコードするDN A断片(例、本明細書に説明されるALARM DNA)の全体または一部により、宿主細 胞を形質転換(トランスフェクション、形質導入、または感染)することによっ て生産できる。適切な発現媒体には、プラスミド、ウイルス粒子、およびファー ジが含まれる。昆虫細胞には、バキュロウイルス発現ベクターが適している。発 現媒体全体またはその一部は、宿主細胞のゲノムに組み込まれることができる。 場合によっては、例えばLACSWITCH(登録商標)誘導可能発現系(Stratagene社 、 カリフォルニア州ラホヤ)のような誘導可能発現ベクターを使用することが望ま しい場合がある。 分子生物学分野の当業者は、様々な発現系のうちの任意のものが、組換え蛋白 質を提供するために使用できることを理解すると思われる。使用される宿主細胞 そのものは、本発明に特に重要なわけではない。ALARM蛋白質は、原核宿主(例 、大腸菌(E.coli)または枯草菌(B.subtilis))または真核宿主(例、サッカロ マイセス(Saccharomyces)もしくはピヒア(Pichia);哺乳類細胞、例、COS、NIH 3T3、CHO、BHK、293、もしくはHeLa細胞;または昆虫細胞)で生産できる。 蛋白質およびポリペプチドは植物細胞でも生産できる。植物細胞の場合、ウイ ルス発現ベクター(例、カリフラワーモザイクウイルスまたはタバコモザイクウ イルス)およびプラスミド発現ベクター(例、Tiプラスミド)が適している。そ のような細胞は、様々な機関から入手できる(例、American Type Culture Coll ection、メリーランド州ロックランド;例、Ausubelら、「分子生物学の最新プ ロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)」,John Wiley & Son s,New York,1994も参照)。形質転換またはトランスフェクションの方法およ び発現媒体の選択は、選択した宿主系によって異なる。形質転換およびトランス フェクションの方法は、例えばAusubelら(「分子生物学の最新プロトコール(C urrent Protocols in Molecular Biology)」,John Wiley & Sons,New York, 1994)に記述されている。発現媒体は、例えば、「クローニングベクター:実験 室マニュアル(Cloning Vectors:ALaboratory Manual)」(P.H.Pouwelsら、19 85、Supp.1987)などに提供されるものから選択することができる。 発現媒体を含む宿主細胞は、選択した遺伝子の活性化、選択した遺伝子の抑制 、形質転換体の選択、または選択した遺伝子の増幅に必要なように調節した、通 常の栄養培地中で培養することができる。 好ましい発現系の1つは、pMAMneo発現ベクター(Clontech社、カリフォルニア 州パロアルト)でトランスフェクトした、マウス3T3線維芽宿主細胞である。pMA Mneoは、デキサメタゾンで誘導可能なMMTV-LTRプロモーターに結合したRSV-LTR エンハンサー、哺乳類系での複製を可能にするSV40複製起点、選択可能なネオマ イシン遺伝子、ならびにSV40のスプライシングおよびポリアデニル化部位を提供 す る。ALARM蛋白質をコードするDNAは、発現を可能にする方向でpMAMneoベクター に挿入される。組換えALARM蛋白質は以下に説明するようにして単離する。pMAMn eo発現媒体と併用できる他の好ましい宿主細胞には、COS細胞およびCHO細胞(そ れぞれATCC寄託番号CRL 1650およびCCL 61)が含まれる。 ALARMポリペプチドは、融合蛋白質として生産できる。例えば、発現ベクターp UR278(Rutherら、EMBO J.2:1791,1983)を用いてlacZ融合蛋白質を作製できる 。pGEXベクターを用いて、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)との融合蛋白 質として外来ポリペプチドを発現できる。一般に、そのような融合蛋白質は可溶 性で、グルタチオン-アガロースビーズに吸着した後、遊離グルタチオンの存在 下で溶出することによって、溶解した細胞から容易に精製できる。pGEXベクター はトロンビンまたはXa因子プロテアーゼ切断部位を含むように設計されているの で、クローニングされた標的遺伝子産物を、GST部分から切り離すことができる 。 昆虫細胞の発現系では、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperd a)細胞中で増殖するオートグラファ・カリフォルニカ(Autographa californic a)核多角体病ウイルス(AcNPV)が外来遺伝子の発現のためのベクターとして使 用される。ALARMコード配列は、このウイルスの非必須領域(例えばポリヘドリ ン遺伝子)中に個々にクローニングし、AcNPVプロモーター、例えばポリヘドリ ンプロモーターの制御下に置くことができる。ALARMポリペプチドまたは蛋白質 をコードする遺伝子の挿入が成功すると、ポリヘドリン遺伝子が不活化し、封入 されていない組換えウイルス(すなわち、ポリヘドリン遺伝子にコードされる蛋 白質性コートを欠失しているウイルス)が生産される。その後、これらの組換え ウイルスを用いて、挿入された遺伝子が発現されるスポドプテラ・フルギペルダ (Spodoptera frugiperda)細胞を感染させる(例、Smithら、J.Virol.46:584 ,1983;Smith、米国特許第4,215,051号参照)。 哺乳類の宿主細胞では、いくつかのウイルスベースの発現系が利用できる。ア デノウイルスを発現ベクターとして使用する場合には、ALARM核酸配列をアデノ ウイルス転写/翻訳制御複合体、例、後期プロモーターおよび3つに分かれたリ ーダー配列、に連結することができる。その後、このキメラ遺伝子をインビトロ またはインビボ組換えによってアデノウイルスゲノムに挿入することができる。 ウイ ルスゲノムの非必須領域(例、E1またはE3領域)に挿入されると、感染宿主中で 生存可能でALARM遺伝子産物を発現する能力のある組換えウイルスが得られる( 例、Logan,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:3655,1984参照)。 挿入された核酸配列が効率的に翻訳されるためには、特定の開始シグナルも必 要な場合がある。これらのシグナルには、開始コドンATG及び隣接配列が含まれ る。それ自身の開始コドンおよび隣接配列を含めた天然のALARM遺伝子またはALA RMcDNA全体が適当な発現ベクターに挿入される場合は、追加の翻訳制御シグナル は不要である可能性がある。その他の場合は、おそらく開始コドンATGを含めた 外来性の翻訳制御シグナルが提供されなくてはならない。さらに、挿入物全体の 翻訳を保証するために、所望のコード配列の読み枠と開始コドンの位相は一致し なくてはならない。これらの外因性翻訳制御シグナルおよび開始コドンは、天然 および合成の両方の、種々の起源であり得る。発現率は、適当な転写エンハンサ ー要素、転写ターミネーターを含めることによって高めることができる(Bittne rら、Methods in Enzymol.153:516,1987)。 また、挿入配列の発現を変化させたり、特定の望ましい様式で遺伝子産物を修 飾およびプロセッシングする宿主細胞を選択することができる。蛋白質産物のそ のような修飾(例、グリコシル化)およびプロセッシング(例、切断)は、蛋白 質の機能に重要な場合がある。異なる宿主細胞は、翻訳後プロセッシングならび に蛋白質および遺伝子産物の修飾の、特徴的および特異的な機構を持っている。 発現される外来蛋白質が正しい修飾およびプロセッシングを受けるように、適当 な細胞株または宿主系を選択することができる。この目的のために、一次転写物 の適当なプロセッシング、遺伝子産物のグリコシル化およびリン酸化のための細 胞機構を備えている真核宿主細胞を使用することができる。そのような哺乳類の 宿主細胞には、CHO、VERO、BHK、HeLa、COS、MDCK、293、3T3、WI38、および特 に脈絡叢細胞株があるが、これらに限定されるわけではない。 または、安定的にトランスフェクトした哺乳類細胞株でALARM蛋白質を生産す ることができる。哺乳類細胞の安定なトランスフェクションに適したベクターが いくつも公開されており(例えばPouwelsら(前記)参照)、そのような細胞株 を作製する方法も公開されている(例えばAusubelら(前記))。1つの例では 、ジヒ ドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)遺伝子を含む発現ベクター中に、ALARM蛋白質をコ ードするcDNAをクローニングする。このプラスミド、およびそれゆえにALARM蛋 白質コード遺伝子の宿主細胞の染色体への組み込みは、細胞培養の培地に0.01〜 300μMメトトレキセートを入れることで選択できる(前記Ausubelらに記述され ている)。この優性選択は、大部分の種類の細胞で実施できる。 トランスフェクトされた遺伝子のDHFRを介した増幅によって、組換え蛋白質の 発現は上昇され得る。遺伝子増幅を持つ細胞株の選択方法は、Ausubelら(前記 )に記述されている;一般にそのような方法には、培地中に含まれるメトトレキ セートの量を徐々に上昇させて、長時間培養することが含まれる。この目的のた めに一般的に使用されるDHFRを含む発現ベクターには、pCVSEII-DHFRおよびpAdD 26SV(A)が含まれる(前記Ausubelらに記述されている)。安定的にトランスフェ クトされた細胞株のDHFR選択またはDHFRを介した遺伝子増幅のために好ましい宿 主細胞には、上述の任意の宿主細胞、または好ましくはDHFR欠損CHO細胞株(例 、CHO DHFR-細胞、ATCC寄託番号CRL 9096)が含まれる。 他の選択系には、それぞれ、tk、hgprt、またはaprt細胞と使用できる単純ヘ ルペスウイルスチミジンキナーゼ、ハイポキサンチン-グアニンホスフォリボシ ルトランスフェラーゼ、およびアデニンホスフォリボシルトランスフェラーゼ遺 伝子があるが、これらに限定されるわけではない。さらに、ミコフェノール酸に 対する抵抗性を付与するgpt(Mulliganら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:207 2,1981)、アミノグリコシドG-418に対する抵抗性を付与するneo(Colberre-Ga rapinら、J.Mol.Biol.150:1,1981);およびヒグロマイシンに対する抵抗性 を付与するhygro(Santerreら、Gene 30:147,1981)も利用できる。 または、発現される融合蛋白質に特異的な抗体を利用して、任意の融合蛋白質 を容易に精製できる。例えば、Janknechtら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88: 8972,1991に記述される系を利用すると、ヒト細胞株で発現された非変性の融合 蛋白質を容易に精製できる。この系では、関心のある遺伝子のオープンリーディ ングフレームが、6つのヒスチジン残基からなるアミノ末端タグに翻訳により融 合するように、その遺伝子をワクシニア組換えプラスミドにサブクローニングす る。組換えワクシニアウイルスが感染した細胞の抽出物をNi2+ニトリロ3酢酸-ア ガ ロースカラムにかけ、ヒスチジンタグの付いた蛋白質をイミダゾールを含む緩衝 液で選択的に溶出する。 または、ALARMまたはその一部を免疫グロブリンFcドメインに融合することが できる。そのような融合蛋白質は、アフィニティーカラムで容易に精製できる。 ALARM蛋白質およびポリペプチドは、トランスジェニック動物でも発現できる 。ALARM発現トランスジェニック動物を作製するためには、マウス、ラット、ウ サギ、モルモット、ブタ、ミニブタ、ヤギ、例えばヒヒ、サル、およびチンパン ジーのような非ヒト霊長類を含めるがこれらに限定されるわけではない任意の種 の動物が使用できる。 当技術分野において公知の任意のテクニックを用いてALARM導入遺伝子を動物 に導入し、トランスジェニック動物のファウンダー株を製造できる。そのような 技術には、前核マイクロインジェクション(米国特許第4,873,191号);レトロ ウイルスを介した生殖細胞系への遺伝子導入(Van der Puttenら、Proc.Natl. Acad.Sci,USA 82:6148,1985);胚幹細胞への遺伝子ターゲティング(Thomps onら、Cell 56:313,1989);および胚の電気穿孔(Lo,Mol.Cell.Biol.3:18 03,1983)があるが、これらに限定されるわけではない。 本発明は、全ての細胞中にALARM導入遺伝子を持つトランスジェニック動物、 および一部の細胞に導入遺伝子を持つが全部の細胞には持たない、すなわちモザ イク動物を提供する。導入遺伝子は単一の導入遺伝子またはコンカテマー、例え ば頭同士または頭と尾が縦に連結したもの、として組み込まれることができる。 導入遺伝子は特定の種類の細胞に選択的に導入され、活性化され得る(Laskoら 、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:6232,1992)。そのような細胞種特異的活性 化に必要な調節配列は、関心を持つ特定の細胞の種類により異なるが、当業者に は明らかであると思われる。 ALARM導入遺伝子が内因性ALARM遺伝子の染色体部位に組み込まれることが望ま しい場合には、遺伝子ターゲティングが好ましい。簡単に述べると、そのような 技術が使用される際には、染色体配列との相同組換えを介して内因性遺伝子のヌ クレオチド配列に組み込まれその機能を破壊するように、内因性ALARM遺伝子に 相同ないくつかのヌクレオチド配列を含むベクターを設計する。導入遺伝子は特 定 の種類の細胞に選択的に導入され、その細胞種でのみ内因性ALARM遺伝子を不活 化することもできる(Guら、Science 265:103,1984)。そのような細胞種特異 的不活化に必要な調節配列は、関心を持つ特定の細胞の種類により異なり、当業 者には明らかであると思われる。 一旦トランスジェニック動物が作製されたら、標準的な技術を利用して組換え ALARM遺伝子の発現を解析できる。最初のスクリーニングは、動物組織の分析に サザンブロット分析またはPCR技術を用いて、導入遺伝子の組み込みが起こった かどうかを解析することにより実施できる。トランスジェニック動物から得た組 織試料のノーザンブロット分析、インサイチューハイブリダイゼーション分析、 およびRT-PCRを含むがこれらに限定されるわけではない技術を用いて、トランス ジェニック動物の組織中の導入遺伝子のmRNA発現レベルも評価できる。ALARM遺 伝子発現組織の試料は、ALARM導入遺伝子産物に特異的な抗体を用いて、免疫細 胞化学的にも評価できる。 一旦組換えALARM蛋白質が発現されたら、これを単離する。分泌型は培地から 単離できるが、非分泌型は宿主細胞から単離しなくてはならない。蛋白質はアフ ィニティークロマトグラフィーで単離できる。1つの実施例では、抗ALARM蛋白質 抗体(例、本明細書に説明するようにして作製された)をカラムに結合させ、AL ARM蛋白質の単離に使用する。アフィニティークロマトグラフィーの前のALARM蛋 白質含有細胞の溶解および分画は、標準的な方法(例、前記Ausubelら参照)で 実施できる。または、ALARM蛋白質の単離のために、例えばALARM-マルトース結 合蛋白質、ALARM-βガラクトシダーゼ、またはALARM-trpE融合蛋白質のようなAL ARM融合蛋白質を作製し、使用することもできる(例、前記Ausubelら参照;New England Biolabs社、マサチューセッツ州ビバリー)。 一旦単離されたら、必要に応じて、例えば標準的なテクニックを用いて高速液 体クロマトグラフィーなどによって、組換え蛋白質をさらに精製することができ る(例、Fisher,「生化学および分子生物学の実験室テクニック(Laboratory T echniques In Biochemistry And Molecular Biology)」、WorkおよびBurdon編 、Elsevier,1980参照)。 本発明のポリペプチド、特に短いALARM断片は、化学合成(例、「固相ペプチ ド 合成(Solid Phase Peptide Synthesis)」,第2版、1984、The Pierce Chemica l Co.,イリノイ州ロックフォードに記述される方法による)によっても製造で きる。 ポリペプチド発現および精製のためのこれらの一般的技術は、有用なALARM断 片または類似体(本明細書に説明された)の製造および単離にも使用できる。 本発明はまた、ALARMと相互作用しALARMの機能に関係している蛋白質をも特徴 とする。これらの相互作用性蛋白質をコードする遺伝子も本発明に含まれる。相 互作用性蛋白質は、当業者に公知の方法を用いて同定できる。適当な方法の1つ は、インビボで蛋白質の相互作用を検出する「ツーハイブリッドシステム」であ る(Chienら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88:9578,1991)。この方法を実施 するためのキットはクローンテック社(Clontech(カリフォルニア州パロアルト ))から発売されている。抗ALARM抗体 ヒトALARM蛋白質およびポリペプチド(または免疫原性断片もしくは類似体) を用いて、本発明に有用な抗体を作製することができる;そのようなポリペプチ ドは組換えまたはペプチド合成テクニックにより生産できる(例、「固相ペプチ ド合成(Solid Phase Peptide Synthesis)」前記;Ausubelら、前記参照)。一 般に、前記Ausubelらに記述されるようにして、ペプチドをKLHのような担体蛋白 質に結合し、アジュバントと混合し、宿主哺乳動物に注射できる。抗体はペプチ ド抗原アフィニティークロマトグラフィーにより精製できる。 特に、ALARM蛋白質またはポリペプチドの注射によって、種々の宿主動物を免 疫できる。宿主動物には、ウサギ、マウス、モルモット、ラットが含まれる。免 疫反応を強化するために、宿主の種によって、フロイントアジュバント(完全お よび不完全)、水酸化アルミニウムのような無機質ゲル、リゾレシチンのような 表面活性物質、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油乳剤、KL H(スカシガイのヘモシアニン)、ジニトロフェノール、ならびに有用な可能性 のあるBCG(カルメット・ゲラン桿菌(bacille Calmette-Guerin))およびコリ ネバクテリウム・パルヴム(Corynebacterium parvum)のようなヒトアジュバント を含むがこれらに限定されることのない、種々のアジュバントを用いることがで きる。ポ リクローナル抗体は、免疫された動物の血清由来の不均質な抗体分子群である。 本発明の範囲内の抗体には、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ヒト 化抗体またはキメラ抗体、一本鎖抗体、Fab断片、F(ab')2断片、およびFab発現 ライブラリーを用いて生産した分子が含まれる。 特定の抗原に対する均質な抗体群であるモノクローナル抗体は、上述のALARM 蛋白質および標準的ハイブリドーマ技術(例、Kohlerら、Nature 256:495,1975 ;Kohlerら、Eur.J.Immunol.6:511,1976;Kohlerら、Eur.J.Immunol.6:292 ,1976;Hammerlingら、「モノクローナル抗体とT細胞ハイブリドーマ(Monoclon al Antibodies and T Cell Hybridomas)」,Elsevier,NY,1981;前記Ausubel ら、参照)を用いて調製できる。 特に、モノクローナル抗体は、Kohlerら、Nature 256:495,1975、および米国 特許第4,376,110号;ヒトB細胞ハイブリドーマテクニック(Kosborら、Immunol ogy Today 4:72,1983;Coleら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:2026,1983) 、およびEBV-ハイブリドーマテクニック(Coleら、「モノクローナル抗体と癌療 法(Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy)」,Alan R.Liss,Inc.,pp.7 7-96,1983)に記述されるような連続培養細胞株によって抗体分子が生産される 任意の技術によって得られる。そのような抗体は、IgG、IgM、IgE、IgA、IgDを 含む任意の免疫グロブリンクラスならびにその任意のサブクラスに属する可能性 がある。本発明のMabを生産するハイブリドーマは、インビトロまたはインビボ で培養できる。インビボで高い力価のmAbが生産できるため、これは、現在好ま しい製造方法になっている。 一旦生産されたら、例えばAusubelら(前記)に記述されるような、標準的な 方法によってウエスタンブロットまたは免疫沈降分析により、ポリクローナル抗 体またはモノクローナル抗体が特異的にALARMを認識することを試験する。 好ましくは、本発明の抗体は、高度に保存された領域の外に存在し、電荷を持 つ残基の頻度が高いといった基準で抗原性を持つ可能性が高いと思われるALARM 蛋白質断片を用いて、生産される。1つの特定の実施例では、そのような断片はP CRの標準的方法で作製され、その後PGEX発現ベクターにクローニングされる(Au subelら、前記)。融合蛋白質は、大腸菌(E.coli)で発現し、前記Ausubelらに 記述 されるようにして、グルタチオンアガロースアフィニティーマトリックスを用い て精製される。 抗血清は、好ましくは少なくとも3回の追加注射を含む一連の注射で作製され る。抗血清の親和性または特異性が低いという、潜在的問題を低下させることが 望ましい場合もある。融合蛋白質が関与する場合には、各タンパク質に対して2 つまたは3つのALARM融合蛋白質を作製し、各融合蛋白質を少なくとも2羽のウサ ギに注射する。 抗血清が、組換えALARM蛋白質、またはグルココルチコイド受容体、CAT、ルシ フェラーゼのような対照蛋白質を免疫沈降させる能力について検査する。 抗体を用いて、例えば診断アッセイの一部として生体試料中のALARMの検出を 行うことができる。また抗体は、ALARMの発現または局在に対する候補化合物の 効果を測定するためのスクリーニングにも使用できる。さらに、そのような抗体 を記述されている遺伝子治療法と併用して、例えば、患者に導入する前に正常お よび/または操作したALARM発現細胞を評価することもできる。そのような抗体は また、異常なALARM活性を阻害するための方法に使用することもできる。 また、適当な抗原特異性を持つマウス抗体分子の遺伝子と、適当な生物活性を 持つヒト抗体分子をスプライシングすることによって「キメラ抗体」(Morrison ら、Proc.Natl.Acad.Sci.,81:6851,1984;Neubergerら、Nature,312:604, 1984;Takedaら、Nature 314:452,1984)を生産するために開発されたテクニッ クも使用することができる。キメラ抗体は、マウスMab由来の可変領域およびヒ ト免疫グロブリンの定常領域を持つような、異なる部分が異なる動物種由来であ る分子である。 または、単鎖抗体の生産のために記述された方法(米国特許第4,946,778号; および米国特許第4,946,778および4,704,692号)を採用して、ALARM蛋白質また はポリペプチドに対する単鎖抗体を生産することもできる。単鎖抗体は、アミノ 酸ブリッジを介してFv領域のH鎖断片とL鎖断片とを連結させて、単鎖ポリペプチ ドを得ることにより形成される。 特定のエピトープを認識して結合する抗体断片は、既知の方法で作製できる。 例えば、そのような断片には、抗体分子のペプシン消化で生産されるF(ab')2断 片 、およびF(ab')2断片のジスルフィド結合を還元して作られるFab断片などが含ま れるが、これらに限定されるわけではない。または、所望の特異性を持つモノク ローナルFab断片を迅速に容易に同定するために、Fab発現ライブラリーを作製す る(Huseら、Science 246;1275,1989)こともできる。 次には、ALARMに対する抗体を用いて、当業者に周知の技術を用いて、ALARMの 一部に類似した抗イディオタイプ抗体を作製できる(Greenspanら、FASEB J.7: 437,1993;Nissinoff,J.Immunol.147:2429,1991参照)。例えば、ALARMに結 合してALARMリガンドの結合を競合阻害する抗体を用いて、ALARMのリガンド結合 ドメインに類似しており、それによりALARMのリガンドに結合しこれを中和する 抗イディオタイプを生産することができる。そのような中和性の抗イディオタイ プ抗体またはそのような抗イディオタイプ抗体のFab断片は、治療法に使用する ことができる。ALARM オリゴヌクレオチド診断および治療剤 オリゴヌクレオチド治療剤は、DNAもしくはRNAまたはそのキメラ混合物、誘導 体、もしくは修飾型、一本鎖または二本鎖であり得る。オリゴヌクレオチドは、 例えば、分子の安定性、ハイブリダイゼーション等を改善するために、塩基部分 、糖部分、またはリン酸骨格を修飾することができる。オリゴヌクレオチドには 、ペプチド(例、インビボで宿主細胞受容体を標的とするため)、または細胞膜 (例えば、Letsingerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:6553,1989;Lemaitre ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:648,1987;国際公開公報第88/09810号に記述) もしくは血液脳関門(国際公開公報第89/10134号参照)を通した輸送を促進する 薬剤、またはハイブリダイゼーションをトリガーとする切断剤(例、Krolら、Bi oTechniques 6:958,1988参照)、またはインターカレート剤(例、Zon,Pharm .Res.5:539,1988参照)のような他の追加グループを含んでもよい。この目的 のために、オリゴヌクレオチドは、例えばペプチド、ハイブリダイゼーションを トリガーとする架橋剤、輸送剤、またはハイブリダイゼーションをトリガーとす る切断剤のような別の分子と結合することができる。 オリゴヌクレオチドは、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウ ラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン 、5-(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチ ル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチル-アミノメチルウラシル、ジヒドロウラ シル、β-D-ガラクトシルキューオシン、イノシン、N6-イソペンテニルアデニ ン、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルア デニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-アデニ ン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチ ル-2-チオウラシル、β−D-マンノシルキューオシン、5'-メトキシカルボキシ メチルウラシル、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデ ニン、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン(wybutoxosine)、シュー ドウラシル、キューオシン、2-チオシトシン、5-メチル-2-テオウラシル、2-チ オウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチ ルエステル、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、5-メチル-2-チオウラシル、2-(3-アミ ノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、および2,6-ジアミノプリ ンを含むがこれらに限定されることはない群より選択される修飾塩基部分を、少 なくとも1つ含む可能性がある。 オリゴヌクレオチドは、アラビノース、2-フルオロアラビノース、キシルロー ス、およびヘキソースを含むがこれらに限定されることはない群より選択される 修飾糖部分を少なくとも1つ含む場合がある。 さらに別の態様では、オリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエート、ホスホロ ジチオエート、ホスホルアミドチオエート、ホスホルアミデート、ホスホルジア ミデート、メチルホスホン酸、アルキルホスホトリエステル、およびフォルムア セタール、およびこれらの任意の骨格の類似体からなる群より選択される修飾リ ン酸骨格を少なくとも1つ含む。 さらに別の態様では、オリゴヌクレオチドは、αアノマーオリゴヌクレオチド である。αアノマーオリゴヌクレオチドは、相補的なRNAと特異的な二本鎖ハイ ブリッドを形成するが、通常のβユニットとは異なり、この鎖は互いに平行な方 向を向いている(Gautierら、Nucl.Acids Res.15:6625,1987)。このオリゴ ヌクレオチドは2'-0-メチルリボヌクレオチド(Inoueら、Nucl.Acids Res.15: 6131,1987)またはキメラRNA-DNA類似体(Inoueら、FEBS Lett.215:327,1987 )で ある。 本発明のオリゴヌクレオチドは、例えば自動DNA合成機(Biosearch、Applied Biosystemsなどから市販されているようなもの)を使用することにより、当技術 分野で公知の標準的な方法によって合成できる。例えば、ホスホロチオエートオ リゴヌクレオチドはSteinら(Nucl.Acids Res.16:3209,1988)の方法によっ て合成でき、メチルホスホン酸オリゴヌクレオチドはコントロールされたポアガ ラスポリマー支持体を使用して調製できる(Sarinら、Proc.Natl.Acad.Sci. USA 85:7448,1988)。 核酸分子は、インビボでALARMを発現する細胞、例えば、脳、心臓、腎臓、肺 、子宮、内皮細胞、線維芽細胞、および骨髄ストロマ細胞、に送達されなくては ならない。DNAまたはRNAを細胞に送達するために、いくつかの方法が開発された ;例えば、分子を組織の部位に直接注射することができる、または所望の細胞を 標的とするように設計(例、標的細胞の表面に発現される受容体または抗原に特 異的に結合するペプチドまたは抗体に結合)された修飾分子を全身に投与するこ ともできる。 内因性mRNAの翻訳を抑制するために十分な分子の細胞内濃度が、即座に達成さ れない場合、好ましい方法は、強力なpol IIIまたはpol IIプロモーターの制御 下にオリゴヌクレオチドを置いた組換えDNA構築物を使用することである。その ような構築物を使って患者の標的細胞をトランスフェクトすると、内因性ALARM 転写物と相補的な塩基対が形成され、それによってALARM mRNAの翻訳を阻害する ために十分な量の一本鎖RNAが転写されると考えられる。例えば、細胞が取り込 みRNAの転写を指示するように、ベクターをインビボに導入することができる。 そのようなベクターは、転写されて所望のRNAを生産するかぎり、エピソームと して残っても、染色体に組み込まれてもよい。 そのようなベクターは当技術分野で標準的な組換えDNA技術により作製できる 。ベクターはプラスミド、ウイルス、または当技術分野で公知の他のもので、哺 乳動物細胞における複製および発現に使用されるものでよい。このRNAをコード する配列の発現は、哺乳動物、好ましくはヒト細胞で作用することが当技術分野 で知られている任意のプロモーターによることができる。そのようなプロモータ ーは 誘導性でも構成性でも良い。そのようなプロモーターには、SV40初期プロモータ ー領域(Bernoistら、Nature 290:304,1981);ラウス肉腫ウイルスの3’の長 い末端反復配列(LTR)に含まれるプロモーター(Yamamotoら、Cell 22:787-797, 1988);ヘルペスチミジンキナーゼプロモーター(Wagnerら、Proc.Natl.Acad .Sci.USA 78:1441,1981);またはメタロチオネイン遺伝子の調節配列(Brin sterら、Nature 296:39,1988)が含まれるが、これらに限定されるわけではな い。 組織部位、例えば、脳、腎臓または心臓細胞、に直接導入できる組換えDNA構 築物の調製には、任意の種類のプラスミド、コスミド、YAC、またはウイルスベ クターを使用することができる。または、所望の組織に選択的に感染するウイル スベクターを使用することができ(例、脳にはヘルペスウイルスベクターを使用 できる)、この場合、別の経路(例、全身)で投与を行うことができる。 または、ALARM遺伝子の調節領域(すなわち、ALARMプロモーターおよび/また はエンハンサー)に相補的なデオキシリボヌクレオチド配列に、体内の標的細胞 におけるALARM遺伝子の転写を予防する3重らせん構造を形成させることにより、 内因性ALARM遺伝子発現を低下させることができる(Helene,Anticancer Drug D es.6:569,1981;Heleneら、Ann.N.Y.Accad.Sci.660:27,1992;およびMaher ,Bioassays 14:807,1992)。ALARM と相互作用する蛋白質の同定 本発明は、ALARMと相互作用する蛋白質をも特徴とする。例えば、ALARM蛋白質 またはALARMを含む融合蛋白質を用いて、試料中のプレセニリン1の存在を検出す ることができる。ALARMと相互作用する膜貫通蛋白質、細胞内、または細胞外蛋 白質を同定するためには、蛋白質間相互作用を検出するために適した任意の方法 が使用できる。使用できる従来からの方法には、免疫沈降時の共沈、架橋、なら びに細胞溶解物または細胞溶解物から得た蛋白質の勾配またはクロマトグラフィ ーカラムによる共精製、およびALARMを用いて溶解物中でALARMと相互作用する蛋 白質を同定することが含まれる。これらのアッセイには、ALARMポリペプチドは 全長ALARM、ALARMの可溶性細胞外型、またはその他の適当なALARMポリペプチド でよい。単離されたら、そのような相互作用をする蛋白質を同定し、クローニン グし、 その後、標準的な技術と共に使用して、それが相互作用する蛋白質であることを 同定することができる。例えば、ALARMと相互作用する蛋白質のアミノ酸配列の 少なくとも一部は、エドマン分解法などのような当業者に周知の技術を用いて確 認できる。得られたアミノ酸配列は、その相互作用性蛋白質をコードする遺伝子 配列のスクリーニングに使用できるオリゴヌクレオチド混合物の作製の指標とし て使用できる。スクリーニングは、例えば、標準的なハイブリダイゼーションま たはPCR法により実施できる。オリゴヌクレオチド混合物の作製およびスクリー ニングのための方法は周知である(Ausubel、前記;および「PCRプロトコール: 方法および応用の手引き(PCR Protocols:A Guide to Methods and Application s)」,1990,Innisら編、Academic Press,Inc.,NewYork)。 さらに、ALARMと相互作用する蛋白質をコードする遺伝子を直接同定するため の方法も使用できる。これらの方法には、例えば、標識したALARMポリペプチド またはALARM融合蛋白質、例えば、酵素、蛍光色素、発光蛋白質、またはIgFcド メインなどのマーカーと融合したALARMポリペプチドまたはドメイン、を用いて 、抗体をプローブとして用いたλgt11ライブラリーの周知のスクリーニング法と 同様な方法を使った、発現ライブラリーのスクリーニングが含まれる。 以下に説明される、プレセニリン1との相互作用に基づくALARM蛋白質の同定に 使用される方法(Chienら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88:9578,1991も参照 )は、ALARMと相互作用する他の蛋白質の検出にも使用できる。この方法の実施 のためのキットは、Clontech社(カリフォルニア州パロアルト)から販売されて いる。 簡単に述べると、そのようなシステムを用いて、2つのハイブリッド蛋白質を コードするプラスミドを作製する。1つのプラスミドは、ALARMポリペプチドもし くは蛋白質、またはALARM融合蛋白質をコードするヌクレオチド配列に融合した 、転写活性化蛋白質のDNA結合ドメインをコードするヌクレオチド配列を含み、 もう一つのプラスミドは、cDNAライブラリーの一部としてこのプラスミドに組み 入れられた未知の蛋白質をコードするcDNAに融合された、転写活性化蛋白質の活 性化ドメインをコードするヌクレオチド配列を含む。DNA結合ドメインの融合プ ラスミドおよびcDNAライブラリーは、調節領域に転写活性化因子の結合部位を含 むレポー ター遺伝子(例、HBSまたはlacZ)を含む酵母(Saccharomyces cerevisiae)の株 に形質転換する。いずれのハイブリッド蛋白質のみでも、レポーター遺伝子の転 写を活性化できない:DNA結合ドメインのハイブリッドは、活性化機能を提供し ないし、活性化ドメインのハイブリッドは、活性化因子の結合部位に局在できな いためである。この2つのハイブリッド蛋白質の相互作用によって、機能的な活 性化蛋白質が再構成され、レポーター遺伝子の発現が誘導され、これはレポータ ー遺伝子産物の解析によって検出される。 ツーハイブリッドシステムまたは関連した方法は、「おとり」遺伝子産物と相 互作用する蛋白質の活性化ドメインライブラリーのスクリーニングに使用できる 。制限するためではなく例示のために述べると、ALARMをおとり遺伝子産物とし て使用できる。ゲノム全体またはcDNA配列を、活性化ドメインをコードするDNA に融合する。このライブラリーおよびDNA結合ドメインに融合したおとりALARM遺 伝子産物のハイブリッドをコードするプラスミドで、酵母レポーター株を同時形 質転換し、得られた形質転換体からレポーター遺伝子を発現するものをスクリー ニングする。例えば、ALARMまたはALARMの1つのドメインのようなおとりALARM遺 伝子配列を、GAL4蛋白質のDNA結合ドメインをコードするDNAに翻訳によって融合 するように、ベクターにクローニングすることができる。これらのコロニーを精 製し、レポーター遺伝子発現を担うライブラリープラスミドを単離する。その後 DNA配列決定を用いて、ライブラリープラスミドにコードされる蛋白質を同定す る。 おとりALARM遺伝子産物と相互作用する蛋白質を検出するための細胞株のcDNA ライブラリーは、当技術分野で日常的に実施される方法を用いて作製できる。例 えば、本明細書に記載されている特定のシステムによると、GAL4の転写活性化ド メインに翻訳によって融合するように、cDNA断片をベクター中に挿入できる。こ のライブラリーと、おとりALARM遺伝子-GAL4融合プラスミドとで、GAL4活性化配 列を含むプロモーターによって支配されるlacZ遺伝子を含む酵母の株を、同時形 質転換する。GAL4転写活性化ドメインに融合されたcDNAにコードされる蛋白質で 、おとりALARM遺伝子産物と相互作用するものは、活性GAL4蛋白質を再構成し、 それによってHIS3遺伝子の発現を誘導する。その後、これらの株からHIS3を発現 するコロニーを精製し、これを用いて、当技術分野で日常的に使用される方法に よっ て、おとりALARM遺伝子と相互作用する蛋白質を生産および単離できる。 さらに、ALARM核酸配列を用いて、ある症状または疾病を発生する可能性の上 昇を示すようなALARM遺伝子の多型を同定する、遺伝子分析も使用できる。ALARM 核酸配列の変化を伴う疾病の診断 本明細書に開示する本発明は、まず問題の疾病を引き起こすALARMの遺伝的欠 損を同定し、その後、変異配列を含むハイブリダイゼーションプローブまたはPC R増幅プライマーのいずれかを用いた解析法を考案することによる、種々の疾病 の診断にも関する。 特定の疾病に伴う特定のALARM変異を同定した後、その情報を用いて、その特 定の疾病について他の個人をスクリーニングするための診断的手段として有用な オリゴヌクレオチドを設計できる。 オリゴヌクレオチドはハイブリダイゼーションプローブまたはPCR増幅のプラ イマーの形になり得る。そのようなハイブリダイゼーションプローブは6から10, 000ヌクレオチド(好ましくは13から20ヌクレオチド)のサイズで、PCRプライマ ーは10から1000ヌクレオチド(好ましくは18から25ヌクレオチド)の範囲である 可能性がある。 そのようなスクリーニングのいずれかによって、常染色体優性の疾病の一部の 患者に変異があるが、統計的に有意なサンプルの疾病を持たない個体では変異が 見られないことが判明した場合、任意の被験者のDNA上にその変異が存在すれば 、常染色体優性のALARM蛋白質関連疾病のある形態を発生する遺伝的傾向がある ことを示すことになると考えられる。変異配列を含むオリゴヌクレオチドは、疾 病のその形態に関して個体をスクリーニングするための診断的手段として有用で あると考えられる。このオリゴヌクレオチドに基づき、さらに正常な配列を持つ 第2のオリゴヌクレオチドを含む遺伝的スクリーニング試験は、その変異のホモ 接合(およびしたがって疾病を発症する宿命のもの)のみならず、その変異のヘ テロ接合(およびしたがってこの疾病形質のキャリア)の検出にも役立ち得る。 また遺伝的スクリーニング試験は、常染色体劣性のALARM関連疾病を持つ個体 の同定、および/または複合ヘテロ接合体の同定にも使用できる。後者の場合、 各々が疾病遺伝子の異なるコピーに影響を与える2つの異なる変異が、同胞群の 患者中 に存在する。2つの変異の各々が、1人の親に由来する。本発明の用途 本発明のALARM蛋白質および核酸には、種々の用途がある。例えば、試料中のA LARM結合プレセニリン1の量を決定するために、ALARMポリペプチドを用いること ができる。 また、ALARM抗体は、哺乳動物によって生産されるALARMのレベルをモニターし たり、また哺乳動物中のALARMの細胞内局在性を決定するために免疫検定に使用 することもできる。 さらに、ALARMポリペプチドおよびALARM抗体の両方とも、ALARMに結合する別 の蛋白質を同定するためにも使用できる。 また、ALARM核酸は、ALARM核酸配列中に変異を持つ個体を同定するための診断 薬として、ヒト5番染色体を同定するためにも使用できる。さらに、ALARM核酸お よびポリペプチド配列は、分子量マーカーとして、およびALARM配列の発現を阻 止するためにも使用できる。 実施例 本発明は、以下の実施例でさらに説明されるが、これらの実施例は請求の範囲 に説明される本発明の範囲を制限するものではない。以下の実施例はヒトALARM 核酸およびポリペプチドの特徴を明らかにするものである。 実施例1.ALARM核酸およびポリペプチドの一次構造 酵母ツーハイブリッドシステムを使って、ヒト脳cDNAライブラリーから、プレ セニリン1のループ領域に結合するcDNAを同定した。 PCRを使ってプレセニリン1のループ領域を増幅したが、この領域は、それぞ れ5'または3'末端におけるEcoRIおよびBamHI部位によって規定され、プレセニリ ンのアミノ酸260〜400位をコードするものである。PCR産物およびベクターPAS2- 1DNAをこれらの2つの制限酵素で消化し、その後、連結した。得られた構築物は 、配列分析によって確認し、ループ構築物と命名した。 標準的な手順を用いて、ループ領域に結合する蛋白質をコードする脳cDNAを同 定した。簡単に述べると、酵母ツーハイブリッド実験の対照用プラスミドDNAは 、pCL1(全長Gal 4)、pVA3-1(P53からGal 4結合ドメイン)、pTD1-1(SV40ラ ージ T抗原から活性化ドメイン)、pLAM 5'-1(ヒトラミンCからBD)を含むMATCHM AKER IIキット(Clontech社)のものだった。 プラスミドDNAを酵母株190に導入した。株190は、まずループプラスミドおよ びヒト脳cDNAライブラリー(Matchmakerライブラリー)で形質転換した。各々の 場合に、形質転換体の選択は、適当な選択培地上で行った。 単一の十分に隔離されたコロニーから、相互作用するcDNAを含むと推定される コロニーのプラスミドDNAを、標準的な方法で単離した。その後、このプラスミ ドDNAを用いて大腸菌(E.coli)を形質転換し、そこからプラスミドDNAを調製し た。 ループ領域をおとりとして用いて、ツーハイブリッド検定で8つのコロニーが 同定された。再度スクリーニングを行ったところ2つのコロニーは陽性で、同一 のインサートを持つことが分かった。 「捕捉された蛋白質」とループ領域との間の相互作用がツーハイブリッドシス テムの人工産物ではないことを確認するため、インサートをインビトロで転写お よび翻訳し、得られた蛋白質がループ-グルタチオンS-トランスフェラーゼ蛋白 質に結合する能力を試験した。 pGex-4T-1またはその組換え体の1つで形質転換された大腸菌(E.coli)を新し く一晩培養したものを、LB-Ampで1:10に希釈し、A600が0.6〜1.0に達するまで、 37℃で2時間振盪しながらインキュベートした。最終濃度が0.1mMになるようにIP TGを添加し、培養物をさらに3時間インキュベートした。細胞をPBSで1度洗い、 微量遠心チューブ中で、プロテアーゼ阻害剤(PMSF、アプロチニン、ロイペプチ ン、ペプスタチン)を含むPBS 1mに再懸濁し、その後、弱い超音波処理を行って 溶解した。PBS中のトリトンX-100を最終濃度が1%になるように加えた。溶解産物 を4℃で20分間回転させ、その後4℃で14,000で10分間遠心した。 上清を、あらかじめPBSで洗ってある20μlの50%(v/v)グルタチオン-セファロ ースと共に4℃で15〜30分間振盪させた。遠心後、ビーズをPBSで3回洗った。 インビトロ翻訳は、Promega社(ウィスコンシン州マジソン)のTNTキットを用 いて行った。簡単に述べると、プラスミドDNA 1〜2μgを、反応容量50μl中で 、25μlのTnTウサギ網状赤血球溶解産物、2μl反応緩衝液、1μl T7 TNAポリ メラーゼ、2μlメチオニンを含まないアミノ酸混合物、4μl 35S-メチオニン 、1μl Rn asinおよびH2Oと混合した。反応液は30℃で2時間インキュベートした。 インビトロで翻訳された蛋白質は、結合緩衝液(10mM Tris-HCl,pH8.0;200mM NaCl;5mM EDTA,0.5% NP-40,1mM DTT,3mg/ml BSA、およびプロテイナーゼ阻 害剤)中で20μlのプロテインAアガロースと混合し、4℃で1時間振盪させた。あ らかじめ透明にした上清に抗体を添加し(1:200)、4℃で2時間振盪し、その後、2 0μlのプロテインAアガロースを添加してさらに2時間振盪した。ビーズを4回洗 った。 グルタチオン-セファロースビーズに結合したGST融合蛋白質は、結合緩衝液( 10mM Tris-HCl,pH8.0;200mM NaCl;5mM EDTA,0.5% NP-40,1mM DTT,3mg/ml BS A、およびプロテイナーゼ阻害剤)で洗い、インビトロで翻訳された35S-標識蛋 白質の一部と4℃で1時間、結合緩衝液中で振盪した。ビーズを結合緩衝液中で5 回洗い、サンプル緩衝液中で煮沸した。その後、溶出された蛋白質をSDS-PAGEで 分析した。捕捉された蛋白質のループ-グルタチオン-S-トランスフェラーゼ蛋白 質への結合が観察され、捕捉された蛋白質が酵母ツーハイブリッドシステムの人 工産物ではないことが確認された。 その後、捕捉された蛋白質をコードするDNAの配列を決定した。配列解析は、G CG配列解析プログラムを用いて行った。 捕捉された蛋白質は、図1に示すDNA配列を持ち、図1に示すアミノ酸配列の蛋 白質をコードすることが示された。この蛋白質は、最初にショウジョウバエ(Dro sophila melanogaster)arm遺伝子で同定され、その後カテニンファミリーのメン バーで同定された、armリピートを4コピー含む。カテニンファミリーのメンバー は接着結合に関与しているので、この新しい蛋白質は接着結合関連arm蛋白質(a dherens-junction linked arm protein)としてALARM、またはδカテニンと命名 された。ALARM蛋白質におけるarmリピートの存在、および元々のarmリピートに 対するその類似性は、図2に示されている。ALARM配列のarmリピートは、i、ii、 iii、およびivと表示されている。リピートiiは最もarmと相同性が高く、70%相 同であり、リピートiiiは最も相同性が低く、31%相同である。 armリピートを含む同定された蛋白質のうちで、ALARMは、元々チロシンキナー ゼpp60srcの基質として同定された蛋白質であるpp120(Staddonら、J.Cell Bio l.130:369,1995)に対して最も相同性が高い。pp120の相同性は図3に示されて いる。全体として、ALARMはpp120に対して60.8%の類似性および43.3%の同一性を 持つ。 ALARMとγカテニンとの配列を整列させたものが、図4に示されている。全体と して、ALARMとγカテニンは52.3%の類似性および32.1%の同一性を持つ。 染色体マッピング試験では、ALARMをコードするDNA配列と相同なDNA配列は、5 番染色体にマップされることが判明した。 実施例2.ALARM RNA配列の組織局在性 ALARM配列が転写される組織を決定するために、いくつかのヒト組織からポリA+ RNAを単離した。 RNAは標準的な手法を用いてヒト組織から単離された。RNAハイブリダイゼーシ ョンはClontech ExpressHyb溶液を用いて行った。簡単に述べると、ExpressHyb 溶液を60℃まで加熱した。60℃で連続的に振盪しながら30分間、ナイロンメンブ レンに5mlのExpressHyb溶液をハイブリダイズさせた。変性したALARMDNA(ラン ダムプライマー伸長法により32Pで標識)を、最終放射活性が106cpm/mlになるよ うに、5mlの新しいExpressHybに添加し、60℃で1時間ハイブリダイゼーション を行った。ブロットを室温で30〜40分間連続的に撹拌しながら洗浄溶液1で数回 洗い、その後、洗浄溶液2で連続的に500Cで振盪しながら1回新しい溶液に交換し 、40分間洗った。その後、ブロットを-70℃で2枚の増感紙を用いてX線フィルム に露出した。 サイズが6kbの強くハイブリダイズするバンドが脳組織で検出され、また7kbお よび4kbの弱いバンドも検出された。膵臓では6kbの弱い程度から中程度のハイブ リダイズするバンドが検出された。心臓組織では、検出可能な転写物はほとんど 観察されず、骨格筋、腎臓、肝臓、胎盤、または肺ではハイブリダイゼーション は検出されなかった。これらのデータは、ALARM発現がほぼ脳組織に限定されて いることを示す。 実施例3.ALARMペプチドに対する抗体の作製と、ALARM抗血清を用いた 共免疫沈降の共沈実験 抗ALARMポリクローナル抗体は、標準的な方法を用いて、ALARM蛋白質のカルボ キシ末端の14残基に対応するYETSHYPASPDSWVという配列を持つ14アミノ酸の合成 ペプチドを、ウサギに注射して生産した。抗ALARM抗体は、図1に示すALARMのア ミノ末端の100アミノ酸を含むGST融合蛋白質に対しても生産した。これらのペプ チドに対して生産された抗体は、約130kDaのサイズで移動する蛋白質を検出した 。 ALARMがカドヘリンまたはβアミロイド前駆蛋白質(βAPP)に結合するかどう かを決定するため、ALARMおよびそれぞれの蛋白質の各々を用いた免疫沈降の共 沈実験に抗ALARM血清を用いた実験を行った。ALARMおよびカドヘリン蛋白質がイ ンビトロで共に発現された場合、抗ALARM血清は、カドヘリン蛋白質を沈降させ た。抗ALARM抗血清は、単離された脳組織でもカドヘリンを免疫沈降させた。こ れは、ALARMとカドヘリンが直接相互作用をすることを示唆している。さらに、 カドヘリンは接着結合に観察されるため、これはALARMもこの組織に局在するこ とを示す。 抗ALARM血清は、βAPP前駆体ペプチドとALARMが共にインビトロで発現された ときに、βAPP前駆体ペプチドも共沈させた。この結果は、ALARMとAPPβ蛋白質 が直接に結合すること、およびALARMはAβペプチドの作製に関与している可能性 があることを示唆する。 実施例4.ALARMポリペプチドの細胞内局在性 実施例3に説明されたようにして単離した抗ALARM抗体を用いて、胎生18日ラッ トの脳から培養されたニューロンでALARM発現を調べる免疫局在試験を行った。 ラット脳は、主にニューロンの細胞体で染色が観察された。この観察されたパタ ーンは、プレセニリン1で報告されている発現パターンと一致している。実施例5.ALARMハイブリダイゼーションプローブを用いた診断アッセイ 上述のように、変化したALARM発現を持つと疑われる細胞(例、脳細胞)の試 料において、ALARM mRNAを検出するために、本発明のALARMコード配列の一部ま たは全てを含む核酸プローブが用いられる。使用されるプローブは、ALARMコー ド配列に対してアンチセンスの、一本鎖DNAまたはRNA(好ましくはDNA)である 。これは合成または組換えDNA法で生産され、放射性トレーサーまたはその他の 標準的な検出手段によって標識される。このプローブは15から全長ALARMコード 配列まで含み、好ましくは少なくとも30ヌクレオチドの長さを持つ。このアッセ イ法は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件を用いて、インサイチ ューハイブリ ダイゼーションまたはノーザン分析の標準的な方法で実行する。対照のハイブリ ダイゼーションアッセイ法は、試験試料と同じ種類の組織由来の正常細胞または 組織切片、および/または既知の組織または細胞株由来の細胞、またはALARM転写 レベルが既知の組織切片を用いて、平行して行う。正常な上皮細胞で観察される レベルと比較して、プローブに対するハイブリダイゼーションのレベルが変化し ている細胞は、神経病的状態を示す可能性が高い。ハイブリダイゼーションの量 は、生検スライドのインサイチューハイブリダイゼーションアッセイの放射能に 露出した乳剤の粒子を計数するというような標準的な方法、またはノーザンブロ ットX線フィルムの濃度計スキャンで定量する。または、特にハイブリダイゼー ションのレベルの差が劇的である場合には、試験結果と対照アッセイの結果との 比較は、定量的ではなく相対的になる。 実施例6.ALARM抗体を用いた診断アッセイ法 ALARM特異的な抗体は、標準的なポリクローナルまたはモノクローナル法によ って、精製した天然に発生するALARM;組換えALARM;または天然型ALARMに反応 する抗体を誘導するALARMの抗原性断片(例、上述のペプチド)を免疫原として 使用して、生産する。後者の断片は、合成もしくは組換え法、またはALARMのタ ンパク分解性消化によって、生産することができる。必要ならば抗原性断片は、 標準的な方法によってKLH(上述)のようなその断片の免疫原性を高める分子に 連結される。このようにして生産したポリクローナルまたはモノクローナル抗体 は、精製した組換えALARMもしくは天然のALARMを用いて、または上述のようにし て、スクリーニングし、ALARMと特異的に免疫複合体を形成するものを選択する 。 このようにして生産した抗体は、患者が神経病的状態を持つ兆候である、正常 細胞に比べてALARMの存在が変化している、細胞、組織、または生体液を検出す る診断法に使用される。試験する試料は、組織生検の固定した切片、疑われる組 織から得た細胞調製品、または脳脊髄液のような生体液サンプルでよい。上述の 方法やサンドイッチELISAを含め、免疫アッセイの標準的な方法が使用できる。 同じ種類の組織の正常細胞と比較して、このアッセイで試験した細胞のALARM蛋 白質の発現レベルが変化していたら、試験された細胞は、神経病的状態を持って いる可能性が高い。抗ALARM抗体を用いて、ALARMと相互作用する他の細胞成分、 例えば 、プレセニリン1、カドヘリン、またはβAPP蛋白質、のALARM結合活性の変化も 検出される。抗ALARM抗体は、当技術分野で公知の免疫共沈降を用いてこれらの 蛋白質を検出するために使用される。 実施例7.ALARMとの相互作用に基づく治療薬の、スクリーニングおよび使用 内因性ALARM遺伝子の発現または活性が変化している、すなわちダウンレギュ レーションされている、細胞をスクリーニング手段として用いて、ALARM遺伝子 の発現または活性を上昇させる化合物または治療戦略が同定される。 インビトロで、細胞を候補化合物で処理し、ハイブリダイゼーションアッセイ (例、ノーザン解析)または免疫アッセイのいずれかで、ALARM発現の量を決定 する。特定の化合物がALARM発現を上昇させることが判明したら、この化合物で 処理することにより適当な動物モデルにおいてインビボで神経病的状態の発症が 予防されるかどうか、さらに試験する。適当な動物モデルは、ALARM遺伝子が誘 導可能プロモーターの制御下で発現される、上述の方法を用いて作製されたトラ ンスジェニックモデルである。 ALARM発現または活性の両方を上昇(例、プレセニリン1またはβAPPに対する 結合を促進)させる効果のある化合物は、正常細胞に比較してALARM発現が上昇 した状態の治療に役立つ潜在的治療法となる。そのような化合物の臨床的有用性 のさらなる評価は、神経病的状態の治療のための薬剤の毒性および臨床的有効性 を評価する標準的方法に従う。 他の実施例 本発明はその詳細な説明と関連して説明されてきたが、上述の説明は、添付の 請求の範囲によって定義される、本発明の範囲を明らかにするためのもので、そ れを制限する意図はないことを理解する必要がある。他の局面、利点、および修 正は、以下の請求の範囲内である。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成10年7月1日(1998.7.1) 【補正内容】 【図1】 【図1】【図1】【図1】【図1】【図2】【図3】【図4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/47 C12N 1/15 16/18 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12Q 1/68 A 1/21 G01N 33/53 D 5/10 C12P 21/02 C C12Q 1/68 21/08 G01N 33/53 C12N 15/00 ZNAA // C12P 21/02 5/00 A 21/08 A61K 37/02

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.実質的に純粋なALARMポリペプチド。 2.図1に示されるアミノ酸配列と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含む 、請求項1記載のポリペプチド。 3.図1に示されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む 、請求項1記載のポリペプチド。 4.図1に示されるアミノ酸配列を含む、請求項1記載のポリペプチド。 5.ヒトALARMの抗原決定基を含む、請求項1記載のALARMポリペプチド。 6.ALARMポリペプチドをコードする単離核酸。 7.図1に示されるヒトALARMポリペプチドの配列に少なくとも85%同一である配 列を持つポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、請求項6記載の単 離核酸分子。 8.ヌクレオチド配列がプレセニリン1に結合するポリペプチドをコードする、請 求項7記載の核酸分子。 9.図1に示すポリペプチドをコードする、請求項6記載の核酸分子。 10.図1に示すヌクレオチド配列を含む、請求項6記載の単離核酸分子。 11.図1に示す核酸配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、請 求項6記載の単離核酸分子。 12.請求項6記載の組換え核酸を含むベクター。 13.請求項6記載の組換え核酸を含む細胞。 14.請求項1記載のALARMポリペプチドに選択的に結合する抗体。 15.請求項1記載のALARMポリペプチドを哺乳動物に投与することにより製造され る抗体。 16.ALARMペプチドの免疫原性断片を哺乳動物に投与することにより製造される 抗体。 17.アンチセンスALARMオリゴヌクレオチドの、ALARM転写物を含む細胞への投与 を含む、ALARM遺伝子発現の阻害方法。 18.請求項1記載のポリペプチドを試料に接触させることを含む、該試料中のプ レセニリン1の検出方法。 19.試料がヒト由来である、請求項18記載の方法。 20.試料が脳脊髄液由来である、請求項19記載の方法。 21.ALARMと相互作用する蛋白質の変異型が原因である疾病を、ヒト被験者にお いて診断する方法であって、ALARMと相互作用する該蛋白質の有無を決定するた めに、該ヒト被験者由来の体液試料の分析を含む方法。 22.請求項1記載のALARM蛋白質を試料に接触させ、該試料中の成分にALARM蛋白 質が結合するかどうかを決定することを含む、生体試料中のALARM含有複合体を 検出する方法。 23.請求項14記載の抗体を試料に接触させ、該試料中の成分にALARM抗体が結合 するかどうかを決定することを含む、生体試料中のALARM含有複合体を検出する 方法。 24.ALARMを試料に接触させ、該試料中にALARMに結合するプレセニリン1が存在 するかどうかを決定することを含む、プレセニリン1のレベルの変化を診断する 方法。
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