JP2001510804A - 血管新生を阻害するための方法及び組成物 - Google Patents

血管新生を阻害するための方法及び組成物

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JP2001510804A JP2000503860A JP2000503860A JP2001510804A JP 2001510804 A JP2001510804 A JP 2001510804A JP 2000503860 A JP2000503860 A JP 2000503860A JP 2000503860 A JP2000503860 A JP 2000503860A JP 2001510804 A JP2001510804 A JP 2001510804A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は組織に付随する細胞に外来SLEDを与えることによる組織内の血管新生の阻害方法を提供する。外来SLEDの存在は一つには血管内皮細胞が組織内に広がる能力を妨げることにより組織内の血管新生を阻害する。また、本発明は腫瘍内のSLEDの存在をアッセイすることによる腫瘍の重さの決定方法も提供する。本発明の方法を容易にするために、本発明はSLEDの供給源を含む製薬学的組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】
本発明は血管新生を阻害するための方法及び組成物に関する。
【0002】
【発明の背景】
血管新生はそれにより新しい血管が形成される基本プロセスである。そのプロ
セスは組織中への血管内皮細胞の遊走、それに続くそのような内皮細胞の血管へ
の凝縮を含む。血管新生を血管新生剤により誘導することができ、またはそれは
自然条件の結果であってもよい。そのプロセスは生殖、発生及び創傷修復のよう
な様々な正常な身体活動に必須である。そのプロセスは完全には理解されていな
いが、それは毛細血管の主要な細胞である内皮細胞の増殖及び遊走を刺激する分
子及び抑制する分子の複雑な相互作用を伴う。正常状態では、これらの分子は数
年または数十年さえ続くことができる長い期間微小血管系を静止期に(すなわち
、毛細血管増殖なしに)保つようである。内皮細胞の転換期間は約1,000日
である。しかしながら、適切な状態で(例えば、創傷修復中)、これらの同じ細
胞はかなり短い期間内に迅速な増殖及び転換を遂げることができ、そしてこれら
の状況下では5日が典型的である(Folkman及びShing、J.Bio l.Chem .、267(16)、10931−34(1989);Folkm
an及びKlagsburn、Science235、442−47(198
7)。
【0003】 血管新生は正常状態で非常に調整されたプロセスであるが、持続する調整され
ていない血管新生により(「血管新生疾患とみなされる」)多数の疾病が誘導さ
れる。そのような疾病状態において、調整されていない血管新生は特定の疾病を
直接引き起こすかまたは存在する病的状態を悪化させる可能性がある。例えば、
目の血管新生は失明の最も一般的な原因として示されており、そして約20の眼
病の病状を引き起こす。関節炎のようなある種の先に存在する疾患では、新たに
形成された毛細血管は関節に侵入し、そして軟骨を破壊する。糖尿病では、網膜
中に形成された新しい毛細血管が硝子体液に侵入し、出血及び失明を引き起こす
【0004】 また、充実性腫瘍の増殖及び転移の両方も血管新生に依存する(Folkma
n、J.Cancer Res.、46、467−73(1986);Folk
man、J.Nat.Cancer Inst.、82、4−6(1989);
Folkman等、「Tumor Angiogenesis」、10章、pp
.206−32、The Molecular Basis of Cance 中、Mendelsohn等、編集(W.B.Saunders、1995)
)。例えば、直径2mmより大きくなる腫瘍はそれら自体の血液供給を獲得しな
ければならず、そして新しい毛細血管の成長を誘導することによりそうすること
が示されている。これらの新しい血管は腫瘍中に埋め込まれるようになった後、
腫瘍増殖のために必須の栄養分及び増殖因子並びに腫瘍細胞が血液循環に入り、
肝臓、肺または骨のような離れた部位に転移するための手段を与える(Weid
ner、New Eng.J.Med.、324(1)、1−8(1991))
。腫瘍を保有する動物において薬剤として用いる場合、血管新生の天然のインヒ
ビターは小さい腫瘍の増殖を妨げることができる(O’Reilly等、Cel 79、315−28(1994))。実際、いくつかのプロトコルにおいて
、そのようなインヒビターの施用により処置の中断後でさえ腫瘍退縮及び潜伏が
もたらされる(O’Reilly等、Cell88、277−85(1997
))。さらに、ある種の腫瘍に血管新生のインヒビターを与えることにより、他
の治療処方計画(例えば、化学療法)に対するそれらの反応を高めることができ
る(例えば、Teischer等、Int.J.Cancer57、920−
25(1994)を参照)。
【0005】 いくつかの血管新生インヒビターが血管新生疾患の処置における使用のために
現在開発中であるが(Gasparini、Eur.J.Cancer32A (14)、2379−85(1996))、これらの提示された阻害化合物のい
くつかと関係する不都合な点がある。例えば、スラミンは強力な血管新生インヒ
ビターであるが、抗腫瘍活性を与えるために必要な投与量で、ヒトにおいて深刻
な全身毒性を引き起こす。レチノイド、インターフェロン及び抗エストロゲン薬
のような他の化合物はヒト使用のために安全なようであるが、弱い抗血管新生作
用しかない。さらに他の化合物は製造するのが困難であるかまたは費用がかかる
可能性がある。これらの問題のために、血管新生を阻害するための方法及び組成
物に対する必要性が存在する。
【0006】
【発明の概要】
本発明は組織に付随する内皮細胞に外来SLED(抗血管新生タンパク質)を
与えることによる組織内の血管新生の阻害方法を提供する。外来SLEDの存在
は、一つには血管内皮細胞が組織内に広がる能力を妨げることにより、組織内の
血管新生を阻害する。また、本発明は腫瘍内のSLEDの存在をアッセイするこ
とによる腫瘍の予後の決定方法も提供する。本発明の方法を容易にするために、
本発明はSLEDの供給源を含む製薬学的組成物を提供する。
【0007】 本発明の方法及び組成物は血管新生と関係する疾病の受容者を処置するため及
び生殖機能と関係する血管新生を妨げるために臨床的に有用である。また、それ
らの方法及び組成物は腫瘍及び血管新生と関係する他の疾患の予後を評価するた
めに診断的にも有用である。さらに、それらの方法及び組成物は実験室環境にお
ける血管新生の研究のための有用な試薬である。本発明のこれら及び他の利点並
びにさらなる本発明の特徴は付随する図面から、そして以下の詳細な説明におい
て明らかである。
【0008】
【発明の詳細な記述】
本発明の方法に関連して、SLEDは強力な抗血管新生特性を有するタンパク
質であり、そしてそれは色素上皮由来因子(PEDF、Steele等、Pro c.Nat.Acad.Sci(USA)90(4)、1526−30(19
93))のあらゆる抗血管新生誘導体を含む。SLEDポリペプチドの一つの形
態(全長PEDF)を配列番号:1に記述するが;しかしながら、本発明はこの
代表的配列の使用に限定されない。実際、他のPEDF配列が当該技術分野にお
いて知られており(例えば、公開された国際特許出願WO 95/33480及 びWO 93/24529を参照)、そして遺伝子配列は異なる種及び個体間で 異なる可能性があり、この天然に存在する範囲の対立遺伝子変異は本発明の範囲
内に含まれる。さらに、あるいはまた、SLEDポリペプチドは代表的配列また
は別の天然に存在するSLEDポリペプチドから1個またはそれ以上の点突然変
異を含んでもよい。従って、SLEDポリペプチドは典型的に配列番号:1の全
部または一部に少なくとも約75%相同であり、好ましくは、配列番号:1の全
部または一部に少なくとも約80%相同であり(例えば、配列番号:1に少なく
とも約85%相同であり);より好ましくは、(配列番号:1の全部または一部
に少なくとも約95%相同であるように)SLEDポリペプチドは配列番号:1
の全部または一部に少なくとも約90%相同であり、最も好ましくは、SLED
ポリペプチドは配列番号:1の全部または一部に少なくとも約97%相同である
。実際、SLEDポリペプチドはエピトープ断片及びHis断片のような他のド
メインを含んでもよい(例えば、タンパク質は融合タンパク質であってもよい)
【0009】 本発明に関連して、SLEDポリペプチドは既知のPEDF配列またはその誘
導体の挿入、欠失または置換突然変異体であってもよくまたはそれらを含んでい
てもよい。好ましくは、あらゆる置換はそれがSLEDポリペプチドの生化学特
性を最低限にしか壊さない点において保存的である。従って、アミノ酸残基を置
換するために突然変異を導入する場合、正に荷電した残基(H、K及びR)を好
ましくは正に荷電した残基で置換し;負に荷電した残基(D及びE)を好ましく
は負に荷電した残基で置換し;中性極性残基(C、G、N、Q、S、T及びY)
を好ましくは中性極性残基で置換し;そして中性非極性残基(A、F、I、L、
M、P、V及びW)を好ましくは中性非極性残基で置換する。さらに、SLED
ポリペプチドは既知のPEDFタンパク質またはそのフラグメントの活性フラグ
メントであってもよい。実際、配列番号:1由来の欠失フラグメントが活性のあ
るSLEDポリペプチドであることが見いだされている。例えば、配列番号:1
の残基1〜20は分泌中に切断され、従って、SLED活性に必須でないと考え
られる。さらに、他の活性のあるSLEDポリペプチドは、配列番号:1の残基
44〜157(例えば、配列番号:1の残基45〜121)のような、配列番号
:1の残基21〜382由来の配列を含んでなる。もちろん、挿入、欠失または
置換突然変異はタンパク質のグリコシル化に影響を与える可能性があるが、SL
EDポリペプチドは本発明における使用のために必要な抗血管新生特性を保有す
るためにグリコシル化される必要はない。
【0010】 SLEDポリペプチドは、一つには、内皮細胞の遊走を減じ、従って、内皮細
胞が組織内に広がる能力を下げることにより血管新生を阻害する。従って、本発
明は内皮細胞に外来SLEDを与えることによるそのような細胞の遊走の阻害方
法を提供する。血管新生を減じることに加えて、本方法は腸管癒着症、クローン
病、アテローム性動脈硬化症、強皮症及び瘢痕性蟹足腫(例えば、ケロイド)の
ような内皮細胞遊走の刺激と関係する疾患を処置するために有用である。
【0011】 本発明の方法に従って、SLEDを目的の組織に付随する内皮細胞に与える。
そのような細胞は目的の組織を含んでなる細胞、組織中に導入される外来細胞ま
たは組織内でない隣接する細胞であってもよい。従って、例えば、細胞は組織の
細胞であってもよく、そしてSLEDが細胞に接触するようにインサイチューで
それらにSLEDを与える。あるいはまた、細胞は組織中に導入される細胞であ
ってもよく、その場合、細胞が組織中にそのように導入される前に(例えば、イ
ンビトロで)それらにSLEDを導入することができ、同様に組織への導入後に
インサイチューで導入してもよい。
【0012】 内皮細胞が付随する組織は内皮細胞の遊走または拡張を阻害する(例えば、血
管新生を阻害する)ことが所望されるあらゆる組織である。一つの用途として、
組織は目組織であってもよく、その場合、外来SLEDの存在は目の様々な疾患
と関係する新規な血管形成を阻害する。例えば、本発明の方法は目の損傷、低酸
素症、感染、手術、レーザー手術、糖尿病、網膜芽細胞腫または目の他の疾病も
しくは疾患を処置するために有用である。これに関連して、本方法は失明を防ぐ
かまたは様々な眼病と関係する視力の喪失を遅らせるために有用である。
【0013】 別の用途として、組織は皮膚組織であり、その場合、外来SLEDの存在はい
くつかの皮膚疾患と関係する血管新生を防ぐ。例えば、本発明の方法は乾癬、強
皮症、皮膚の腫瘍、感染の結果としての血管新生(例えば、ネコひっかき病、細
菌性潰瘍等)または他の皮膚疾患のような疾病及び疾患を処置するために有用で
ある。SLEDを皮膚に与える場合、皮膚の表面にまたは皮膚の表面下の皮膚組
織にそれを与えることができる。さらに、哺乳類の皮膚へのSLEDの導入は皮
膚の毛の発育を刺激することもできる。いかなる特定の理論により拘束されるも
のでないが、SLEDは毛包内に血管新生をもたらすことにより毛発育に影響を
与えると考えられる。
【0014】 一つの態様として、組織は腫瘍(例えば、癌性腫瘍)であり、その場合、本発
明の方法は腫瘍内の及び腫瘍への血管の成長を阻害する。腫瘍内の血管の成長を
阻害することにより、十分な栄養分及び酸素が腫瘍に供給されて一定の大きさを
越える増殖を助けることを妨げる。従って、本発明の方法は遺伝的素因(例えば
、BRCA−1突然変異保因者、p53突然を有するリー・フラウメニ患者等)
または外部発癌物質(例えば、タバコ、アルコール、工業溶剤等)の存在のため
にすでに存在する癌性細胞からの腫瘍の核形成を防ぐことができる。腫瘍形成を
防ぐことに加えて、本発明の方法は存在する腫瘍の増殖を遅らせることができ、
従って、それらをより容易に抑制し、切除することができる。この用途は手術を
するのが困難である腫瘍(例えば、脳または前立腺腫瘍)を処置するために非常
に有益である。さらに、存在する腫瘍内の血管の数を最小限に抑えることにより
、腫瘍が転移する可能性を減らす。腫瘍の処置において、腫瘍の増殖を制御する
ために、本方法を単独でまたは他の処置と共に用いることができる。実際、本発
明の方法を用いることにより、他の治療に対するいくつかの腫瘍の反応を高める
ことができる。例えば、本発明の方法を場合により化学療法または放射線処方計
画の前処置として用いてもよく(例えば、その前に約1週間)、そしてその間続
けてもよい。
【0015】 本発明の方法を他の組織に用いる場合、血管新生の防止により疾患の受容者は
効果的に処置される。従って、例えば、本発明の方法を血管の疾患(例えば、血
管腫及びアテローム性動脈硬化班内の毛細血管増殖)、筋肉疾患(例えば、心筋
血管新生または平滑筋内の血管新生)、関節(例えば、関節炎、血友病性関節等
)並びに血管新生と関係する他の疾患(例えば、オスラー−ウェバー症候群、プ
ラーク(plaque)血管新生、毛細血管拡張症、繊維性血管腫、創傷肉芽形
成(granularization)等)の処置の一部として用いることがで
きる。
【0016】 血管新生と関係する疾患及び症状を処置することに加えて、血管新生と関係す
る正常な生理状態の発生を調節するかまたは防ぐために血管新生の阻害を用いる
ことができる。従って、例えば、本発明の方法を産児制限として用いることがで
きる。本発明の方法に従って、卵巣または子宮内膜内のSLEDの存在により排
卵、胚の着床、胎盤形成等と関係する血管新生を減らすことができる。
【0017】 本発明の方法に関連して、SLEDを単独でまたは他の既知の抗血管新生因子
と共に与えることができる。例えば、インテグリン関与を妨げる抗体及びペプチ
ド、金属プロテイナーゼを阻害するタンパク質及び小分子(例えば、マーミスタ
ット(marmistat))、内皮細胞内のリン酸化カスケードを妨げる薬剤
(例えば、ハーバマイシン(herbamycin))、血管新生の既知の誘導
物質のドミナントネガティブ受容体、血管新生の誘導物質に対する抗体もしくは
それらの活性を妨げる他の化合物(例えば、スラミン)、または他の手段により
作用する他の化合物(例えば、レチノイド、IL−4、インターフェロン等)と
共にSLEDを用いることができる。実際、そのような因子は異なる機構により
血管新生を調節するので、他の抗血管新生剤と組み合わせてSLEDを用いるこ
とにより、所望される組織内の血管新生のより強力な(そして潜在的相乗作用を
有する)阻害の効能を高めることができる。
【0018】 本明細書において説明されるように、SLEDはタンパク質の因子である。従
って、1つのプロトコルとして、本方法は(例えば、適当な組成物内で)SLE
Dポリペプチドを細胞に与えることによりSLEDを与えることを含む。本発明
における使用のためのSLEDポリペプチドを得るためにあらゆる適当な方法を
用いることができる。生来SLEDを産生する組織からまたは様々なSLED産
生細胞(例えば、網膜芽細胞腫細胞系WER127)により馴化された培地から
多数の適当なSLEDポリペプチドを精製することができる。例えば、SLED
は全ての型の筋肉、脾臓の巨核球、繊維芽細胞、腎臓尿細管、小脳プルキンエ細
胞、毛包の脂腺(piliosebaceous glands)及び網膜細胞
により産生されることが知られている。天然に存在するSLEDの特に優れた供
給源は目から抽出される硝子体液及び房水である。これらの(または他の供給源
)のタンパク質抽出物からSLEDを精製するための1つのプロトコルは、30
kDa限外濾過膜を用いた濃縮/透析、続いて約65%ないし約95%の範囲の
硫酸アンモニウムでのタンパク質沈殿、続いて0.5M メチル−α−D−マン ノピラノシドでのヒラマメレクチンセファロースカラム、続いてPHARMAC
IA HiTrapヘパリンカラムからの0.5M NaClでの勾配/アイソク
ラチック溶出による。SLEDポリペプチドを精製するための他のプロトコルは
当該技術分野において知られている(例えば、公開された国際特許出願WO 9 5/33480及びWO 93/24529を参照)。配列番号:1により示さ れる天然のSLEDポリペプチドはSDS−PAGEにより約45kDaのタン
パク質として同定される。固相合成(例えば、Merrifield、J.Am .Chem.Soc .、85、2149−54(1963);Barany等、 Int.J.Peptide Protein Res .、30、705−73
9(1987);及び米国特許5,424,398を参照)によるような、標準
的な直接ペプチド合成技術を用いて(例えば、Bodanszky、Princ iples of Peptide Synthesis (Springer−
Verlag、Heidelberg:1984)中に要約されるように)他の
SLEDポリペプチドを合成することができる。もちろん、SLEDポリペプチ
ドの遺伝子は知られており(例えば、公開された国際特許出願WO 95/33 480及びWO 93/24529を参照;ジーンバンク受託番号U29953 も参照)、または本明細書に説明されるポリペプチド配列からそれらを推定する
ことができるので、標準的な組み換え方法によりSLEDポリペプチドを製造す
ることができる。
【0019】 他のプロトコルとして、目的の組織に付随する細胞にSLEDを明示する核酸
を含む発現カセットを導入することによりSLEDポリペプチドを目的の組織に
与えることができる。SLEDポリペプチドが、内皮細胞の遊走を阻害し、従っ
て、目的の組織内の血管新生を減じるために適当に組織内の内皮細胞に与えられ
るようにそれらの細胞はSLEDポリペプチドを生産し、分泌する。SLEDポ
リペプチドのコーディング配列は知られており(例えば、公開された国際特許出
願WO 95/33480及びWO 93/24529を参照;ジーンバンク受託
番号U29953も参照)、そして本明細書に説明されるポリペプチド配列から
別のものを推定することができる。従って、SLED発現カセットは典型的にこ
れらの既知の配列に相同なコーディング配列を用い、例えば、それらは少なくと
も穏やかなストリンジェンシー条件下で、より好ましくは中程度のストリンジェ
ンシー条件下で、最も好ましくは高いストリンジェンシー条件下で既知の配列の
少なくとも断片にハイブリダイズする(Sambrook等、Molecula r Cloning:A Laboratory Manual 、第2版、Co
ld Spring Harbor Press(1989)中に記述されるよ
うな穏やかな、中程度の、そして高いストリンジェンシーの定義を用いる)。
SLEDコーディング配列に加えて、発現カセットはプロモーターを含み、そし
て本発明に関連して、プロモーターは細胞内でSLED遺伝子の発現を導くこと
ができなければならない。多数のウイルスプロモーターがそのような発現カセッ
トにおける使用のために適切である(例えば、レトロウイルスのITR、LTR
、(ヘルペスウイルスIEp(例えば、ICP4−IEp及びICP0−IEp
)及びサイトメガロウイルス(CMV)IEpのような)前初期ウイルスプロモ
ーター(IEp)並びに他のウイルスプロモーター(例えば、後期ウイルスプロ
モーター、潜伏−活性プロモーター(LAPs)、ラウス肉腫ウイルス(RSV
)プロモーター及びマウス白血病ウイルス(MLV)プロモーター)。他の適当
なプロモーターはエンハンサー(例えば、ウサギβ−グロビン調節要素)のよう
な真核生物のプロモーター、構成的に活性のあるプロモーター(例えば、β−ア
クチンプロモーター等)、シグナル特異的プロモーター(例えば、TNFまたは
RU486に応答するプロモーターのような誘導性及び/または抑制プロモータ
ー、メタロチオニンプロモーター等)並びに腫瘍特異的プロモーターである。
【0020】 発現カセット内で、SLED遺伝子及びプロモーターは、プロモーターがSL
ED遺伝子の発現を導くことができるように機能的に連結される。この機能的連
結が保たれるかぎり、発現カセットはリボソーム侵入部位により隔てられた複数
の遺伝子のような1個より多くの遺伝子を含むことができる。さらに、発現カセ
ットは場合によりポリアデニル化配列、転写調節要素(例えば、エンハンサー、
サイレンサー等)または他の配列のような他の要素を含んでもよい。
【0021】 発現カセットは、細胞がその中に含まれるSLED遺伝子を発現するために適
当なように細胞中に導入されなければならない。あらゆる適当なベクターをその
ように用いることができ、それらの多くは当該技術分野において知られている。
そのようなベクターの例は(オリゴヌクレオチドまたはプラスミドのような)生
のDNAベクター、アデノ随伴ウイルスベクター(Berns等、Ann.N. Y.Acad.Sci .、772、95−104(1995))、アデノウイル
スベクター(Bain等、Gene Therapy、S68(1994)
)、ヘルペスウイルスベクター(Fink等、Ann.Rev.Neurosc .、19、265−87(1996))、パッケージされたアンプリコン(F
ederoff等、Proc.Nat.Acad.Sci.USA89、16
36−40(1992))、パピローマウイルスベクター、ピコルナウイルスベ
クター、ポリオーマウイルスベクター、レトロウイルスベクター、SV40ウイ
ルスベクター、ワクシニアウイルスベクターのようなウイルスベクター及び他の
ベクターを含む。目的の発現カセットに加えて、ベクターは例えば選択マーカー
(例えば、β−galもしくは毒素に対する耐性を与えるマーカー)、薬理学的
に活性のあるタンパク質、転写因子または他の生物学的に活性のある物質をコー
ドする遺伝子のような他の遺伝子要素を含んでもよい。
【0022】 いったん一定の型のベクターが選択されると、そのゲノムはバックグラウンド
ベクターとしての使用のために操作されなければならず、その後、それは外来ポ
リヌクレオチドを組み入れるように設計されなければならない。ベクターのゲノ
ムの操作方法は当該技術分野においてよく知られており(例えば、Sambro
ok等、上記を参照)、直接クローニング、組み換え酵素を用いた部位特異的組
み換え、相同的組み換え及び組み換えベクターを構築する他の適当な方法を含む
。このようにして、ベクターのあらゆる望ましい位置に発現カセットを挿入する
ことができる。
【0023】 用いられるベクターに適切なあらゆる手段により、SLED発現カセットを保
有するベクターを細胞中に導入する。多数のそのような方法が当該技術分野にお
いてよく知られている(Sambrook等、上記;Watson等、Reco mbinant DNA 、12章、第2版、Scientific Ameri
can Books(1992)も参照)。従って、リン酸カルシウム沈殿、電
気穿孔、リポソームによるトランスフェクション、遺伝子銃、微量注入、ウイル
スキャプシドによる導入、ポリブレンによる導入、プロトプラスト融合等のよう
な方法によりプラスミドを導入する。ウイルスベクターは細胞に感染することに
よりそれらに最もよく導入されるが;しかしながら、感染の形態はウイルスによ
り異なる可能性がある。
【0024】 SLED遺伝子が導入されている細胞を本発明の方法において一過性形質転換
体として用いることができる。あるいはまた、細胞がインビトロの細胞である場
合、適当な形質転換体を選択するために(ベクターが毒素に対して耐性を与える
遺伝子のような選択マーカーをコードする遺伝子も含有する場合)数回のクロー
ン選択にそれらを供することができる。
【0025】 細胞内で、SLED遺伝子は、細胞がSLEDポリペプチドを発現し、分泌す
るように発現される。標準的な分子生物学技術(例えば、ノーザンハイブリダイ
ゼーション、ウェスタンブロッティング、免疫沈降法、酵素免疫検定法等)によ
り遺伝子の成功した発現を評価することができる。SLED遺伝子の発現及びト
ランスフェクトした細胞からのSLEDの分泌を検出するための試薬は当該技術
分野において知られている(例えば、公開された国際特許出願WO 95/33 480及びWO 93/24529;Steele等、上記を参照)。
【0026】 目的の組織の位置により、目的の組織内の内皮細胞にSLEDを与えるために
適当なあらゆる方法でそれを与えることができる。従って、例えば、SLEDの
供給源(すなわち、本明細書に記述されるような、SLEDポリペプチドまたは
SLED発現カセット)を含有する組成物を体循環中に導入することができ、そ
れは目的の組織にSLEDの供給源を配送する。あるいはまた、SLEDの供給
源を含有する組成物を目的の組織に局所的に与えることができる(例えば、腫瘍
または皮膚間(intercutaneous)もしくは皮下部位内に薬物適用
量1回分として注入する、皮膚の表面の全部または一部に施用する、目の表面上
に滴下する等)。
【0027】 SLEDの供給源が(例えば、適当な組成物内の)SLEDポリペプチドであ
る場合、それは組織内の血管新生を阻害するために十分な濃度及び期間で与えら
れる。SLEDが天然で生産される場合、それは約250nM程の濃度で存在す
ることができる。SLEDは無毒であるので、それをはるかにより濃縮された形
態で組織に与えることができる。しかしながら、SLEDの効能を考えれば、約
50nMまたはそれ未満(例えば、約10nMまたはそれ未満)のような、はる
かに低い濃度でそれを本発明の方法において用いることができる。実際、あるプ
ロトコルにおいて、約2nMまたはそれ未満のSLEDが血管新生及び内皮細胞
遊走を効果的に阻害する。タンパク質を含んでなる組成物の配合により、所望さ
れる組織内の血管新生を遅らせるために十分な時間経過にわたってそれを与える
。あるプロトコルでは(例えば、SLEDが皮膚の表面または目に与えられる場
合)、繰り返された施用が抗血管新生効果を高め、そしてある用途ではそれが必
要とされる可能性がある。SLEDの供給源がSLED発現カセットである場合
、カセットを発現する細胞は有効量の(すなわち、組織における血管新生を阻害
するために十分な)タンパク質を生産する。
【0028】 本発明の方法を容易にするために、本発明はSLEDの供給源及び適当な希釈
剤を含んでなる薬理学的組成物を提供する。SLEDの供給源に加えて、組成物
は希釈剤を含有し、それは1つまたはそれ以上の薬理学的に許容しうる担体を含
む。賦形剤を含んでなる1つまたはそれ以上の薬理学的または生理学的に許容し
うる担体及び製薬学的に用いることができる製剤への活性化合物の加工を容易に
する任意の助剤を用いて本発明による使用のための製薬学的組成物を常法で調合
することができる。適切な調合は選択される投与の経路により決まる。従って、
全身注入のためには、SLEDの供給源を水溶液中、好ましくは生理学的に適合
したバッファー中に調合することができる。経粘膜投与のためには、透過する障
壁のために適切な浸透剤を調合に用いる。そのような浸透剤は当該技術分野にお
いて一般的に知られている。経口投与のためには、錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセ
ル剤、液体、ゲル、シロップ剤、スラリー、ジポソーム(diposomes)
、懸濁剤等への含有のために適当な担体とSLEDの供給源を合わせることがで
きる。吸入による投与のためには、適当な噴射剤を用いて、加圧容器またはネブ
ライザーからのエアゾール噴霧提示の形態でSLEDの供給源を都合よく送達さ
せる。注入による、例えば、薬物適用量1回分の注入または連続注入による、非
経口投与のためにSLEDの供給源を調合することができる。そのような組成物
は油性または水性ビヒクル中の懸濁剤、溶液または乳剤のような形態をとること
ができ、そして沈殿防止剤、安定剤及び/または分散剤のような配合剤を含有す
ることができる。皮膚への施用のためには、SLEDの供給源を適当なゲル、泥
膏、クリーム、軟膏または他の担体に調合することができる。目への施用のため
には、SLEDの供給源を水溶液中、好ましくは生理学的に適合したバッファー
中に調合することができる。また、SLEDの供給源を当該技術分野において知
られているもののような他の製薬学的組成物に調合してもよい。
【0029】 SLEDはいくつかの腫瘍にはないことが知られているので、本発明は腫瘍内
のSLEDの存在をアッセイすることによる腫瘍の予後の決定方法も提供する。
その方法は腫瘍から組織または体液を取り、そしてその組織または体液内のSL
EDの有無を検出することを含む。腫瘍内のより大きいSLED濃度は腫瘍が血
管新生を受けている可能性がより低いことと相関する。従って、腫瘍内のより高
いSLED濃度は腫瘍形成の比較的早期を表し、従って、楽観的徴候である。逆
に、与えられた腫瘍内のSLEDの欠如は腫瘍形成のより増悪期を表す。本方法
はPEDF遺伝子発現の存在のアッセイ(例えば、rtPCR、ノーザンハイブ
リダイゼーション、インサイチューハイブリダイゼーション等による)を用いる
ことができる。あるいはまた、本方法は分泌されたSLEDの存在のアッセイ(
例えば、免疫学的アッセイ、SLED精製及びPAGE分析等)を用いることが
できる。そのような腫瘍内のSLEDの存在を検出するための試薬は当該技術分
野において知られている(例えば、公開された国際特許出願WO 95/334 80及びWO 93/24529を参照)。
【0030】 当業者は前述の詳細な説明を理解した後に本発明を完全に実施することができ
ると考えられるが、以下の実施例はその特徴のいくつかをさらに示す。これらの
実施例は単に例示目的のために含まれるので、それらはあらゆる点で本発明の範
囲を限定すると解釈されるべきではない。
【0031】 細胞培養、タンパク質及びDNAの操作等のような、これらの実施例において
用いられる方法は当該技術分野においてよく知られている(一般的には、Sam
brook等、Molecular Cloning,A Laborator y Manual 、Cold Spring Harbor Laborato
ry、Cold Spring Harbor、NY(1989)を参照)。従
って、簡潔さのために、実験プロトコルを詳細に説明しない。
【0032】
【実施例】
実施例1 本実施例はSLEDが内皮細胞遊走を妨げることを示す。
【0033】 培養した内皮細胞、具体的には、ウシ副腎毛細血管、ヒト臍帯及びヒト皮膚微
小血管組織から単離された内皮細胞にSLEDを添加することにより、異なる血
管内皮細胞型の遊走を測定した。
【0034】 上下逆にした改良ボイデンチェンバー中のゼラチン化Nucleopore膜
(ウシ毛細血管細胞には5μmの孔径、そして他の細胞には8μmの孔径)上で
細胞を平板培養した。2時間後、チェンバーを再び上下逆にし、そして各々の上
のウェルに試験物質を添加した。具体的には、集団を培養培地のみ(コントロー
ル)、10ng/ml bFGF、2nM SLED(全長PEDF)、または1
0ng/ml bFGF(繊維芽細胞増殖因子)と10nM SLEDの両方のい
ずれかにさらした。次に、細胞を3−4時間遊走させた。この後、膜を固定し、
染色し、そして遊走した細胞の数を数えた。
【0035】 アッセイの結果を最大遊走のパーセンテージとして図1に示す(誤差棒は標準
誤差測定を表す、n=4)。示されるように、3つ全ての型の血管内皮細胞はb
FGFの存在下でほぼ100%の遊走を示した。しかしながら、SLEDの存在
下では、著しく低い遊走が見られた。これらの結果はSLEDが内皮細胞遊走を
阻害することを示す。PEDFタンパク質は培養した網膜芽細胞腫腫瘍細胞の神
経分化を誘導すること、小脳顆粒細胞の神経栄養因子及びグリア細胞の細胞分裂
抑制因子であることが知られているので(Taniwaki等、J.Neuro chem .、68、26−32(1997);Sugita等、J.Neros ci.Res .、49、710−18(1997);Tombran−Tink
等、Exp.Eye Res.、53、411−14(1991);Becer
ra、「Structure−Function Studies on PE
DF」、21章、Chemistry and Biology of Ser pins 中、Church等、編集(Plenum Press、1997))
、これらの結果は意外である。
【0036】 実施例2 本実施例はSLEDによる細胞遊走の阻害が内皮細胞に特異的であることを示
す。
【0037】 ヒト二倍体繊維芽細胞細胞系WI−38、ヒト包皮繊維芽細胞、血管平滑筋及
び正常ヒト好中球から得られた細胞を用いて繊維芽細胞または平滑筋の遊走を妨
げるSLEDの能力を試験した。
【0038】 SLEDの投与量が0.01nMから約50nMまでであり、そしてチェンバ
ーを上下逆にせずに遊走アッセイを実施したことを除いて、アッセイを実施例1
において示したように実施した。さらに、遊走の誘導物質は細胞型で異なった(
IL−8を1μg/mlで用い、そしてPDGFを250pg/mlで用いた)
。 この実験の結果を図2A−2Dに示す。これらの図に示されるように、SL
EDは細胞系のいずれの遊走も阻害しなかった。この結果はSLEDの抗遊走活
性が血管内皮細胞に特異的であることを示す。
【0039】 実施例3 本実施例はSLEDが内皮細胞遊走の最も強力なインヒビターの一つであるこ
とを示す。
【0040】 実施例1において略述したものに類似したプロトコルを用いて、ウシ副腎毛細
血管内皮細胞をbFGF、SLED及びいくつかの既知の抗血管新生因子にさら
した。50%の遊走を得るために必要な与えられた因子の量を決定し、ED50
してここに報告する。より小さいED50測定値はより強力な抗血管新生因子を表
す。表1に示されるこの実験の結果から、SLEDが非常に強力な抗血管新生因
子であることが示される。
【0041】 表1 薬剤 ED50(nM) SLED 0.1−0.5 トロンボスポンジン 0.5 エンドスタチン 3.0 アンギオスタチン 3.5 レチノイン酸 15 金属プロテイナーゼ−1の組織インヒビター 3500 カプトプリル 10,000 実施例4 本実施例はSLEDが既知の血管新生剤の血管新生活性を阻害することを示す
【0042】 実施例1において略述したものに類似したプロトコルを用いて、ウシ副腎毛細
血管内皮細胞を単独または0.1μg/ml SLEDと組み合わせた5つの既 知の血管新生剤にさらした。具体的には、aFGFを50ng/mlの濃度で用
い、bFGFを10ng/mlの濃度で用い、IL−8を40ng/mlの濃度
で用い、PDGFを250pg/mlの濃度で用い、そしてVEGFを100p
g/mlの濃度で用いた。
【0043】 アッセイの結果を図3に示す。示されるように、血管新生剤に関係なく、細胞
の遊走がSLEDにより著しく阻害された。これらの結果はSLEDによりもた
らされる血管内皮細胞遊走の阻害がbFGF誘導に特異的ではなく、SLEDが
これらの細胞の遊走を阻害するために一般的に作用することを示す。
【0044】 実施例5 本実施例はSLEDがインビボで血管新生を阻害することを示す。
【0045】 様々なタンパク質を含有する植込み錠をラットの無血管角膜中に移植した。植
込み錠はbFGFを含有するかまたはそれを欠き、そして植込み錠はSLEDま
たはコントロールとしてのウシ血清アルブミン(BSA)のいずれかも含有した
。7日後に、血管新生が起こったかどうかを示すためにラットの角膜を調べた。
【0046】 このアッセイの結果を表2に示す。示されるように、bFGFを欠く植込み錠
の注入からはいかなる血管新生も見られなかった。しかしながら、bFGFとB
SAを移植した全ての目において血管新生が見られた。しかしながら、bFGF
とSLEDの共注入はいずれの角膜においても血管新生をもたらさなかった。こ
れらの結果はSLEDがインビボで血管新生の強力なインヒビターであることを
示す。
【0047】 表2* 処置 bFGFを含まない bFGFを含む SLED(8nM) 0/3 0/3 BSA 0/2 4/4 *血管新生を有する角膜の数/試験動物の数として表される結果 実施例6 本実施例は全PEDFタンパク質以外のSLEDポリペプチドが活性のある抗
血管新生剤であることを示す。
【0048】 完全なPEDFタンパク質のトリプシン消化は配列番号:1のアミノ酸352
でタンパク質を切断し、タンパク質の約3−5kDaのカルボキシ末端部分を取
り除く(Becerra等、J.Biol.Chem270、25992−9
9(1995))。フラグメントを作製するためにこの方法を用い、そして(配
列番号:1のアミノ酸21−382に相当する)欠失したN−PEDFフラグメ
ントをヘパリンアフィニティークロマトグラフィーによりトリプシンから精製し
た。
【0049】 上に略述したものに類似したプロトコルを用いて、様々な濃度の全長PEDF
または欠失ペプチドを内皮細胞遊走に作用するそれらのそれぞれの能力に関して
アッセイした。欠失ペプチドに対して作製されたデータを図4に示す。全長PE
DFの活性(図3参照)とこれらのデータの比較により、両方のタンパク質が内
皮細胞遊走を阻害することに同様に強力であることが示される。これらの結果は
全長PEDF以外のペプチドが活性のあるSLEDポリペプチドであることを示
す。
【0050】 実施例7 本実施例は皮膚に施用した外来SLEDがそこでの毛の発育を促進することを
示す。
【0051】 本実施例では、確立されたマウスモデルを用いて毛の発育を誘導するSLED
の能力を調べる。具体的には、C57BL/6マウス系統において、皮膚の色の
変化はアナゲン(発育)、カタゲン(移行)またはテロゲン(休止)期にある皮
膚の生理と相関する(例えば、Jiang等、J.Invest.Dermat ol .、104、523−25(1995);Slominski等、J.In vest.Dermatol .、102、862−69(1994);Paus
等、Lab.Invest.、71、134−40(1994);及びPaus
等、Lab.Invest60、365−69(1989)を参照)。6また
は7週齢のC57BL/6マウスは桃色の皮膚を有し、休止期を表している。こ
れらのマウスの脱毛は毛の発育及び皮膚の黒ずみを引き起こす。
【0052】 毛の生育に対するSLEDの影響を試験するために、6または7週齢のC57
BL/6マウスを皮膚の色の欠如に関して調べてそれらの皮膚がテロゲン(休止
)期にあることを確かめる。この後、それらに麻酔をかけ、アナゲンを引き起こ
さないように(剃るよりむしろ)刈ることによりそれらの毛を除く。SLED発
現カセットを有するプラスミドを金粒子上に沈殿させる。同様に、β−ガラクト
シダーゼ発現カセットを有するコントロールプラスミドも金粒子上に沈殿させる
。(アナゲンを引き起こす可能性がある)皮膚への著しい外傷を避けるために、
マウスの調製した皮膚に遺伝子銃を用いて250psiでプラスミドを導入する
(例えば、Rakmilevich等、Proc.Nat.Acad.Sci. (USA)93、6291−96(1996)を参照)。
【0053】 遺伝子導入後毎週の間隔で、動物を屠殺し、そして投与した遺伝子産物の循環
レベルの存在をウェスタンブロッティングにより評価する。さらに、調製した及
びトランスフェクトした皮膚からの皮膚を免疫組織化学により皮膚内の遺伝子産
物の存在に関してアッセイする。また、皮膚の処置領域内の色の存在に関してマ
ウスを毎週視覚的に観察する。
【0054】 結果から、β−ガラクトシダーゼまたはSLED発現カセットの導入が動物に
おいて検出可能な産物をもたらすことが示される。しかしながら、β−gal発
現カセットでトランスフェクトした皮膚は未処置の皮膚より迅速にアナゲンへ移
らない。逆に、SLED発現カセットで処置した皮膚は未処置の皮膚より迅速に
色がつくようになる。それらの結果は皮膚への外来SLEDの導入が毛の発育を
促進することを示す。
【0055】 特許、特許出願及び公開を初めとする、本明細書に引用される参考文献の全て
は引用することにより全部本明細書に組み込まれる。
【0056】 本発明は好ましい態様を強調して記述されているが、好ましい態様の変形を用
いてもよいこと及び本明細書に具体的に記述されるものと別のやり方で本発明を
実施してもよいと考えられることは当業者に明らかである。従って、本発明は以
下の請求項により定義されるような本発明の趣旨及び範囲内に包含される全ての
改変を含む。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 内皮細胞の遊走を阻害するSLEDの能力を図式的に示す。
【図2A】 様々な投与量のSLEDが血管内皮細胞以外の細胞の遊走を阻害できないこと
を図式的に示すことにより血管内皮細胞に対するSLEDの特異性を示し、WI
−38細胞に関するデータを示す。
【図2B】 様々な投与量のSLEDが血管内皮細胞以外の細胞の遊走を阻害できないこと
を図式的に示すことにより血管内皮細胞に対するSLEDの特異性を示し、ヒト
包皮繊維芽細胞に関するデータを示す。
【図2C】 様々な投与量のSLEDが血管内皮細胞以外の細胞の遊走を阻害できないこと
を図式的に示すことにより血管内皮細胞に対するSLEDの特異性を示し、血管
平滑筋細胞に関するデータを示す。
【図2D】 様々な投与量のSLEDが血管内皮細胞以外の細胞の遊走を阻害できないこと
を図式的に示すことにより血管内皮細胞に対するSLEDの特異性を示し、好中
球に関するデータを示す。
【図3】 ある型のSLEDポリペプチド(全長PEDF)の抗血管新生活性を示す量反
応曲線である。
【図4】 ある型のSLEDポリペプチド(PEDFのフラグメント)の抗血管新生活性
を示す量反応曲線である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年1月21日(2000.1.21)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【発明の詳細な記述】 本発明の方法に関連して、SLEDは強力な抗血管新生特性を有するタンパク
質であり、そしてそれは色素上皮由来因子(PEDF、Steele等、Pro c.Nat.Acad.Sci(USA)90(4)、1526−30(19
93))のあらゆる抗血管新生誘導体を含む。SLEDポリペプチドの一つの形 態を 配列番号:1に記述するが;しかしながら、本発明はこの代表的配列の使用
に限定されない。実際、他のPEDF配列が当該技術分野において知られており
(例えば、公開された国際特許出願WO 95/33480及びWO 93/24
529を参照)、そして遺伝子配列は異なる種及び個体間で異なる可能性があり
、この天然に存在する範囲の対立遺伝子変異は本発明の範囲内に含まれる。さら
に、あるいはまた、SLEDポリペプチドは代表的配列または天然に存在するS
LEDポリペプチドから1個またはそれ以上の点突然変異を含んでもよい。従っ
て、SLEDポリペプチドは典型的に配列番号:1の全部または一部に少なくと
も約75%相同であり、好ましくは、配列番号:1の全部または一部に少なくと
も約80%相同であり(例えば、配列番号:1に少なくとも約85%相同であり
);より好ましくは、(配列番号:1の全部または一部に少なくとも約95%相
同であるように)SLEDポリペプチドは配列番号:1の全部または一部に少な
くとも約90%相同であり、最も好ましくは、SLEDポリペプチドは配列番号
:1の全部または一部に少なくとも約97%相同である。実際、SLEDポリペ
プチドはエピトープ断片及びHis断片のような他のドメインを含んでもよい(
例えば、タンパク質は融合タンパク質であってもよい)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】 本明細書において説明されるように、SLEDはタンパク質の因子である。従
って、1つのプロトコルとして、本方法は(例えば、適当な組成物内で)SLE
Dポリペプチドを細胞に与えることによりSLEDを与えることを含む。本発明
における使用のためのSLEDポリペプチドを得るためにあらゆる適当な方法を
用いることができる。生来SLEDを産生する組織からまたは様々なSLED産
生細胞(例えば、網膜芽細胞腫細胞系WER127)により馴化された培地から
多数の適当なSLEDポリペプチドを精製することができる。例えば、SLED
は全ての型の筋肉、脾臓の巨核球、繊維芽細胞、腎臓尿細管、小脳プルキンエ細
胞、毛包の脂腺(piliosebaceous glands)及び網膜細胞
により産生されることが知られている。天然に存在するSLEDの特に優れた供
給源は目から抽出される硝子体液及び房水である。これらの(または他の供給源
)のタンパク質抽出物からSLEDを精製するための1つのプロトコルは、30
kDa限外濾過膜を用いた濃縮/透析、続いて約65%ないし約95%の範囲の
硫酸アンモニウムでのタンパク質沈殿、続いて0.5M メチル−α−D−マン ノピラノシドでのヒラマメレクチンセファロースカラム、続いてPHARMAC
IA HiTrapヘパリンカラムからの0.5M NaClでの勾配/アイソク
ラチック溶出による。SLEDポリペプチドを精製するための他のプロトコルは
当該技術分野において知られている(例えば、公開された国際特許出願WO 9 5/33480及びWO 93/24529を参照)。天然のSLEDポリペプ チドはSDS−PAGEにより約45kDaのタンパク質として同定される。固
相合成(例えば、Merrifield、J.Am.Chem.Soc.、85 、2149−54(1963);Barany等、Int.J.Peptide Protein Res .、30、705−739(1987);及び米国特
許5,424,398を参照)によるような、標準的な直接ペプチド合成技術を
用いて(例えば、Bodanszky、Principles of Pept ide Synthesis (Springer−Verlag、Heidel
berg:1984)中に要約されるように)他のSLEDポリペプチドを合成
することができる。もちろん、SLEDポリペプチドの遺伝子は知られており(
例えば、公開された国際特許出願WO 95/33480及びWO 93/245
29を参照;ジーンバンク受託番号U29953も参照)、または本明細書に説
明されるポリペプチド配列からそれらを推定することができるので、標準的な組
み換え方法によりSLEDポリペプチドを製造することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】 完全なPEDFタンパク質のトリプシン消化はアミノ酸352でタンパク質を
切断し、タンパク質の約3−5kDaのカルボキシ末端部分を取り除く(Bec
erra等、J.Biol.Chem270、25992−99(1995)
)。フラグメントを作製するためにこの方法を用い、そして欠失したN−PED
Fフラグメントをヘパリンアフィニティークロマトグラフィーによりトリプシン
から精製した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ギリス,ポール・アール アメリカ合衆国イリノイ州60613シカゴ・ ノースマグノリア3737・アパートメントナ ンバー3 Fターム(参考) 4C084 AA02 BA44 DC50 ZA362 ZA922 ZB262

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組織内の血管新生の阻害方法であって、該組織に付随する内
    皮細胞に外来SLEDを該SLEDが該組織内の血管新生を阻害するために十分
    な条件下で与えることを含んでなる方法。
  2. 【請求項2】 内皮細胞遊走の阻害方法であって、該細胞に外来SLEDを
    該SLEDが内皮細胞遊走を阻害するために十分な条件下で与えることを含んで
    なる方法。
  3. 【請求項3】 哺乳類における毛の発育の刺激方法であって、該哺乳類の皮
    膚に付随する細胞に外来SLEDを該SLEDが該哺乳類の毛の発育を刺激する
    ために十分な条件下で与えることを含んでなる方法。
  4. 【請求項4】 腫瘍の増殖の阻害方法であって、該腫瘍の増殖が阻害される
    ように外来SLEDを該SLEDが該腫瘍内の及び該腫瘍への該内皮細胞の遊走
    を阻害するために十分な条件下で該腫瘍に付随する内皮細胞に与えることを含ん
    でなる方法。
  5. 【請求項5】 該細胞にSLEDと共に別の抗血管新生因子を与えることを
    さらに含んでなる、請求項1−4のいずれかの方法。
  6. 【請求項6】 該SLEDが該細胞に体循環により与えられる、請求項1−
    5のいずれかの方法。
  7. 【請求項7】 該SLEDが該細胞に局所的に与えられる、請求項1−5の
    いずれかの方法。
  8. 【請求項8】 SLEDの供給源及び適当な希釈剤を含んでなる薬理学的組
    成物。
  9. 【請求項9】 SLEDの該供給源がSLEDポリペプチドである、請求項
    8の薬理学的組成物。
  10. 【請求項10】 SLEDの該供給源がSLED発現カセットを含む遺伝子
    導入ベクターである、請求項8の薬理学的組成物。
  11. 【請求項11】 腫瘍内のSLEDの存在をアッセイすることによる腫瘍の
    重さの決定方法であって、その場合、腫瘍内のSLEDの欠如は該腫瘍の増悪期
    を表し、そして腫瘍内のSLEDの存在は早期を表す方法。
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Cited By (1)

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