JP2001510165A - タンパク質の核トラフィッキングを調節するための方法および組成物 - Google Patents

タンパク質の核トラフィッキングを調節するための方法および組成物

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JP2001510165A JP2000502786A JP2000502786A JP2001510165A JP 2001510165 A JP2001510165 A JP 2001510165A JP 2000502786 A JP2000502786 A JP 2000502786A JP 2000502786 A JP2000502786 A JP 2000502786A JP 2001510165 A JP2001510165 A JP 2001510165A
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ロバート ゼット. フローキーウィッツ,
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サイブレックス コーポレイション
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Abstract

(57)【要約】 FGF−2の高分子量形態を含む核タンパク質の、核へのトラフィッキングを調節するための方法および組成物が提供される。約29kDである核トラフィッキング成分は、FGF−2に結合し、そして核局在化を調節するとして同定されている。29kDおよびFGF−2の結合のインヒビターが提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、一般に、線維芽細胞増殖因子のような核タンパク質のトラフィッキ
ングに関し、そして特に、核輸送を調節する細胞性因子およびそのインヒビター
に関する。
【0002】 (発明の背景) 多くのタンパク質は、細胞表面レセプターに結合することによって媒介される
、細胞増殖、分化、およびシグナル伝達による炎症における効果を及ぼす。血液
凝固形成を開始または必要とする因子のような、さらに他のタンパク質は、血液
中で酵素的に作用する。これらの作用は、一般に、ある環境下で、正常なプロセ
スの一部であるが、あるタンパク質の作用およびその後のシグナリングの効果を
限定または阻害することが所望され得る。例えば、メラノーマ細胞で作用するF
GF−2(線維芽細胞増殖因子2または塩基性線維芽細胞増殖因子)のような増
殖因子によって促進される腫瘍増殖は、有害であり、そしてしばしば致死に至る
。さらに、FGF−2によって媒介される腫瘍発生において、その核への輸送は
、おそらく必要条件である。
【0003】 FGF−2は、4つの異なるイソ型として発現され、そのうちの3つは、核に
輸送されるが、第4のものは分泌の非古典的経路によって搬出される。線維芽細
胞増殖因子2(FGF−2)の異なるイソ型が異なる細胞コンパートメントに局
在化するという発見は、トラフィッキングパターンを変化させる治療を開発する
ための機会を提供する。例えば、核へ移動するFGF−2の量を減少させること
は、腫瘍細胞の増殖を遅延または停止させ得る。したがって、FGF−2または
他のタンパク質の核トラフィッキングに特異的なインヒビターの同定は、治療適
用に有用であることを証明し得る。
【0004】 本発明は、核トラフィッキングの成分および核輸送のインヒビター、特に、望
ましくない増殖および炎症の制御、ならびに他の関連の有利点を可能にする、F
GF−2の核輸送のインヒビターを開示する。
【0005】 (発明の要旨) 本発明は、一般に、核局在化のインヒビター、および核局在化を破壊または阻
害する方法を提供する。1つの局面では、細胞において核タンパク質の核局在化
を阻害する方法が提供され、この方法は、核トラフィッキング成分のインヒビタ
ーの有効量を投与し、それによって核タンパク質の核局在化を阻害する工程を包
含する。好ましい実施態様では、核タンパク質は、FGF−2の高分子量形態で
ある。
【0006】 他の局面では、FGF−2の高分子量形態の核局在化を阻害する方法が提供さ
れ、この方法は、FGF−2と核トラフィッキング成分との間の結合のインヒビ
ターの有効量を投与し、それによってFGF−2の高分子量形態の核局在化を阻
害する工程を包含する。好ましい実施態様では、核トラフィッキング成分は、F
GF−2のN末端領域に結合する約29kDタンパク質(本明細書において、以
下、ヘルメチンという)である。
【0007】 他の好ましい局面は、FGF−2の高分子量形態の核局在化のインヒビターで
あり、ここで、インヒビターは、(a)FGF−2の高分子量(HMW)形態の
核局在化を阻害し;(b)FGF−2の18kD形態の搬出を阻害せず;そして
(c)FGF−2のHMW形態と核トラフィッキング成分との間の結合を阻害す
る。1つの実施態様では、核トラフィッキング成分はヘルメチンである。好まし
い実施態様では、インヒビターは、本質的に、配列番号2に示されるような残基
29〜50(すなわち、図5に示される残基−4〜−27)に含まれる18アミ
ノ酸からなる。
【0008】 好ましい局面は、HIV−1のtatタンパク質の核局在化のインヒビターで
あり、ここで、インヒビターは、(a)tatタンパク質の核局在化を阻害し;
そして(b)tatとヘルメチンとの間の結合を阻害する。
【0009】 他の局面では、細胞からの核タンパク質の搬出を増強するための方法が提供さ
れ、この方法は、核トラフィッキング成分のインヒビターの有効量を投与し、そ
れによってタンパク質の搬出を増強する工程を包含する。ある実施態様では、核
タンパク質は、tatまたはHMW FGF−2である。
【0010】 インヒビターを含む薬学的組成物も提供される。
【0011】 本発明のこれらおよび他の局面は、以下の詳細な説明および添付の図面を参照
して明らかになる。さらに、種々の参考文献を以下に記載し、これらはある手順
または組成物(例えば、プラスミドなど)をより詳細に記載し、したがってその
全体が参考として本明細書に援用される。
【0012】 (発明の詳細な説明) 本発明を記載する前に、本明細書で使用される特定の用語を定義することが、
本発明の理解に有用である。
【0013】 本明細書で使用される場合、「核タンパク質」は、核で見いだされるタンパク
質またはポリペプチドである。本明細書に開示される目的について、活性プロセ
スによって(すなわち、単に受動拡散によってではない)核に侵入する核タンパ
ク質が、興味深い。
【0014】 本明細書で使用される場合、「核トラフィッキング」は、タンパク質またはポ
リペプチドが、一般に細胞質から核に移動するプロセスである。トラフィッキン
グは、少なくとも3つの局面を含む:核標的化、トラフィッキング成分と核タン
パク質との間の相互作用のプロセス;核搬入、核膜を横切って核タンパク質を移
行するプロセス;ならびに核局在化、タンパク質の位置、残留、および機能。
【0015】 本明細書で使用される場合、「核トラフィッキング成分」は、核トラフィッキ
ング経路で機能する細胞性因子、代表的にはタンパク質である。これらの因子は
、経路の任意の工程で機能を発揮し得る。例えば、核トラフィッキング成分は、
それ自体を核に局在化しないかもしれないが、むしろ核膜または核孔に核タンパ
ク質を送達するように作用する。本発明の状況内で、核トラフィッキング成分に
は、野生型タンパク質およびネイティブなタンパク質配列の他の改変体(対立遺
伝子を含む)が挙げられる。簡単にいえば、このような改変体は、天然の多型か
ら生じ得るか、または組換え方法論によって合成され得、そして1つ以上のアミ
ノ酸置換、挿入、欠失などによって野生型タンパク質とは異なり得る。例えば、
改変体が合成の結果である場合、アミノ酸置換は、保存的である傾向があり、す
なわち、極性、非極性、芳香性、荷電などのアミノ酸の群内のアミノ酸の置換で
ある。しかし、改変体がネイティブなタンパク質またはポリペプチドの本質的な
機能を保持する限り、改変体が、非保存的置換および本発明の範囲を越えない他
の変異を含み得ることは理解されるべきである。改変体は、好ましくは、少なく
とも90%アミノ酸配列同一性を有し、そしてある実施態様では、ネイティブな
タンパク質のアミノ酸配列と92%、95%、または97%以上の同一性を有す
る。
【0016】 上記のように、本発明は、一般に、核トラフィッキングの成分、およびFGF
−2のような核タンパク質のトラフィッキングパターンを変更する方法に関し、
この方法は、トラフィッキング経路のインヒビターを投与する工程を包含する。
好ましいインヒビターは、核タンパク質と1つ以上のトラフィッキング成分との
間の結合または相互作用を阻止または破壊する。核タンパク質の移行を阻止また
は減少させることによって、細胞機能は破壊され得る。例えば、FGF−2が核
へ移行することを阻止する場合、FGF−2の搬出は増加する。本明細書に記載
される場合、トラフィッキング成分は、核トラフィッキング経路内で機能する細
胞成分またはその改変体である。このような成分は、核に輸送されるFGFまた
は他のタンパク質に結合することに基づいて同定され得、および/または候補成
分を過剰または過小発現する細胞内で核輸送を測定するアッセイに基づいて同定
され得る。トラフィッキング成分および核タンパク質の相互作用を妨げる化合物
は、種々の適用で使用され得、これには、核局在化を阻害すること、FGFのよ
うな核タンパク質のタンパク質トラフィッキングを調節すること(インビトロま
たはインビボ)、更なるトラフィッキング成分を同定すること、および核トラフ
ィッキングに関連する種々の症状を処置することが挙げられる。
【0017】 (A.FGF−2) ヒトゲノムにおいて、単一の遺伝子がFGF−2をコードする。しかし、少な
くとも4つのイソ型のセットが、単一のmRNA転写物から産生される。イソ型
は、4つの異なる開始コドンからの翻訳の開始によって生成される(図1)。本
明細書で使用される場合、FGF−2の「N末端領域」とは、高分子量形態で見
いだされるATG(図1で下線を引いた)の5’がコードするアミノ酸をいう。
図1に示すように、開始部位の1つのみが、古典的AUG(メチオニン)コドン
で生じ;ほかの3つは、CUG(ロイシン)コドンで生じる。SDS−PAGE
によって、イソ型は、24、23、22(3つの高分子量形態)、および18k
Dの見かけの分子量を有する。
【0018】 イソ型は、細胞局在化パターンが異なる。3つの高分子量(HMW)形態は、
もっぱら核内に局在し、そして細胞表面または細胞外環境に出現しない。したが
って、FGF−2は細胞表面レセプターに結合することによって細胞増殖を刺激
するが、18kD形態のみ、細胞から搬出される。
【0019】 核に局在化するタンパク質は、連続した塩基性アミノ酸の短い連続を一般的に
有し、これは、核局在化配列(核移行シグナルともいう)として機能すると考え
られる。18kD FGF−2に存在しないアミノ酸からなる、N末端領域のF
GF−2の3つの記載された高分子量形態のアミノ酸配列の研究は、アルギニン
(すなわち、塩基性)残基の高い割合を表すが、塩基性残基の連続する伸長を示
さない。それにもかかわらず、本明細書に示すように、N末端領域は、核局在化
に必要である。HMW FGF−2のN末端領域の一部分が欠失される場合、タ
ンパク質は、核に局在化しないが、その代わりにある程度は、細胞の外に搬出さ
れる。さらに、N末端領域は、他のタンパク質を核局在化させる(Quarto
ら,J.Cell.Physiol.147:311,1991)。したがって
、ΔSLで欠失したアミノ酸のような、N末端領域または亜領域は、他のタンパ
ク質を核局在化させるために使用され得る。
【0020】 (B.他の核タンパク質) 多くの他のタンパク質は、核において見いだされ、そしてしばしばそこに優先
的に局在化する。これらのタンパク質には、以下のものが挙げられる(候補核局
在化配列は、括弧内である;番号付けしたアミノ酸は成熟タンパク質内の位置を
いう):SV40 T抗原(Pro126LysLysArgLysValGlu )(配列番号12);アフリカツメガエル核質、ポリオーマラージT抗原(Pr
279ProLysLysAlaArgGluVal)(配列番号13);c− myc(Pro120AlaAlaLysArg−ValLysLeuAsp)( 配列番号14);アデノウイルスE1A(Lys281ArgProArgPro )(配列番号15);酵母matα2(Lys3IleProIleLys)(配
列番号16);c−erb−A(Gly22LysArgLysArgLysSe
r)(配列番号17);Ser127Lys−ArgValAlaLysArgL ysLeu(配列番号18);Ser181HisTrpLysGln−LysA rgLysPhe)(配列番号19);c−myb(Pro521LeuLeuL ysLysIleLysGln)(配列番号20);p53(Pro316Gln ProLysLysLysPro)(配列番号21);ヌクレオリン(Pro27 7 GlyLysArgLysLys−GluMetThrLysGlnLysG lu−ValPro)(配列番号22);HIV tat(Gly48Arg−L
ysLysArgArgGlnArgArgArgAlaPro)(配列番号2
3);転写因子(例えば、TATA−結合タンパク質;jun;fos;SP−
1)、およびホルモンレセプター(例えば、グルココルチコイドレセプター)。
【0021】 核に局在化するさらに他のタンパク質は、種々の方法によって同定され得る。
例えば、タンパク質は、代謝的に標識され得、そして核タンパク質は、単離され
そしてPAGE、HPLC、または他の利用可能な検出技法によって特徴づけら
れ得る。免疫学的検出方法はまた、核に局在化されるタンパク質を同定するため
に使用され得る。
【0022】 (C.核トラフィッキング成分) 上記のように、FGF−2のHMW形態を含む核タンパク質の核へのトラフィ
ッキングを媒介する細胞成分が本明細書で開示される。トラフィッキング成分は
、何らかの天然に存在する因子、代表的には単一のタンパク質またはポリペプチ
ド、または、一本鎖ポリペプチドおよびマルチマータンパク質、もしくはその改
変体を含む、細胞内で合成されたトラフィッキング成分の複合体であり得る。改
変体は、トラフィッキング成分のフラグメントまたは一部であり得、および/ま
たはネイティブなトラフィッキング成分で見られない追加の配列(例えば、Nま
たはC末端)を含み得る。改変体には、天然に存在する対立遺伝子、天然に存在
する変異体、および遺伝子操作した変異体が含まれる。代表的には、改変体は、
1つ以上のアミノ酸置換を有するが、あるいは、またはさらに、付加、欠失、N
もしくはC末端での修飾、または修飾されたアミノ酸を含み得る。
【0023】 一般に、改変体は、天然に存在する変異(例えば、疾患のある個体から)の精
製および単離、組換え方法、ならびに化学的修飾を含む種々の手段のいずれかを
使用して調製し得る。このような改変体を操作するための技法および方法は周知
である(例えば、Sambrookら Molecular Cloning:
A Laboratory Approach,CSH Press,198
9;Ausubelら Current Protocols in Mole
cular Biology,Greene Publishing,1995
を参照のこと)。候補インヒビターを検出するためのアッセイで使用した場合、
トラフィッキング成分は、好ましくは、機能的である。インヒビターとして使用
した場合、トラフィッキング成分は、核輸送機能が可能であるべきではないが、
細胞成分の機能の妨害が可能であるべきである。
【0024】 このような成分は、本明細書で核トラフィッキング成分といい、単独で、また
は複合体の一部としてのいずれかで、核タンパク質に結合し得る。成分は、1つ
の特定の核タンパク質、いくつかの核タンパク質、またはすべての核タンパク質
に結合し得る。さらに、結合は、調節された様式であり得、すなわち、結合はと
きどき生じるが、いつも生じるわけではない。調節は、トラフィッキング成分ま
たは核タンパク質のいずれかの翻訳後修飾、細胞質での残留のために機能する結
合タンパク質の分解などによって媒介され得る。
【0025】 (1.核トラフィッキング成分の同定および単離) 核タンパク質の輸送を調節する核トラフィッキング成分を同定するために、最
初のスクリーニングは、核タンパク質および特に核局在化配列(NLS)に結合
する化合物を同定するために行われ得る。このような成分は、協同的にまたは競
合的に機能して核輸送に影響を及ぼし得る。本発明の状況内では、核トラフィッ
キング成分と核タンパク質との分子間の相互作用が、本明細書に記載のアッセイ
またはタンパク質−タンパク質相互作用を検出するための等価なアッセイの1つ
を使用して検出され得る場合、核トラフィッキング成分は、核タンパク質に「結
合する」。このようなアッセイには、酵母ツーハイブリッドクローニング/発現
系、タンパク質の免疫共沈降、タンパク質アフィニティー精製技法、アンチセン
スの発現、核移行のインビトロ再構成などの使用が挙げられる。タンパク質アフ
ィニティー精製およびアンチセンス発現アッセイは、このような方法が、異なる
生理学的条件下で所定のタンパク質を核に輸送することが公知である任意の細胞
から調製された抽出物から相互作用を検出するために使用され得、そして多サブ
ユニット複合体を検出するために使用され得る点で、ある利点を有する。
【0026】 核タンパク質に結合するトラフィッキング成分を同定することにおける使用の
ためのタンパク質アフィニティーマトリクスは、任意の適切な支持体および当業
者に公知の種々の方法のいずれかを使用して調製され得る。例えば、核タンパク
質の少なくとも一部を含む融合タンパク質は、標準的技法を使用して調製され得
、そして市販の系(例えば、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)遺
伝子融合タンパク質系;Pharmacia LKB Biotechnolo
gy,Uppsala,Sweden)において使用され得る。このような融合
タンパク質を生成するために、核タンパク質またはその一部をコードするDNA
フラグメントを、pGEX−4T−3(Pharmacia LKB Biot
echnology)のような適切な発現ベクターにサブクローニングして、タ
グ(例えば、GST)および核タンパク質配列を含む融合タンパク質を発現し得
るプラスミドを生成し得る。細菌(例えば、DH5α)を、組換えプラスミドで
形質転換し、そして融合タンパク質の発現を、任意の適切な方法(例えば、IP
TGの添加)によって誘導する。次いで、抽出物を調製し、そして融合タンパク
質を、タグ配列を使用して精製し得る。例えば、GST融合タンパク質を、グル
タチオン−Sepharose(登録商標)(Pharmacia LKB B
iotechnology)を使用して精製し得る。次いで、融合タンパク質を
、標準的プロトコルを使用して、アフィニティーマトリクス(例えば、グルタチ
オン−Sepharose(登録商標)ビーズに連結する)を調製するために使
用し得る。
【0027】 トラフィッキング成分についてのスクリーニングにおける使用のための細胞抽
出物を、正常または罹患した組織試料、患者から単離されたガン細胞、および種
々の細胞株(例えば、COS、BHK、CHO、HeLa、293、NS−1、
およびHep G2細胞)を含むがこれらに限定されない任意の細胞タイプから
調製し得る。このような抽出物は、一般に、当業者に周知の方法を使用して調製
され得る。例えば、細胞を、メチオニンおよび/またはシステインを含まない培
地中において、35S−メチオニンおよび/または35S−システインで代謝的に標
識し得る。次いで、細胞を、任意の適切な技法を使用して洗浄および溶解し、そ
して抽出物を、不溶性物質から(例えば、遠心分離によって)澄明にし得る。ト
ラフィッキング成分についてスクリーニングするために、抽出物を、次いで、マ
トリクス結合した融合タンパク質とインキュベートする。抽出物の残りから融合
タンパク質に結合するタンパク質を分離するための1回以上の洗浄工程の後、結
合したタンパク質を溶出し得る。SDS−PAGEまたは類似の分析を使用して
、融合タンパク質に結合し得るタンパク質の分子量を推定する。マトリクス結合
した融合タンパク質に結合したまま(しかし、マトリクス単独またはマトリクス
結合したタグ配列には結合しない)のタンパク質を、核タンパク質に結合すると
いう。いくつかの場合では、不溶性物質もまた、評価され得る。
【0028】 免疫沈降はまた、もしくはあるいは、核トラフィッキング成分を同定するため
に使用され得る。簡単にいえば、核タンパク質を発現する細胞は、短い期間で代
謝的に標識される。この標識を追跡し、そしてその後、細胞抽出物を核タンパク
質に結合する抗体とインキュベートする。抗体は、モノクローナル、モノクロー
ナル抗体の混合物、またはポリクローナル抗体調製物であり得る。免疫複合体を
、適切な方法によって収集する。例えば、抗体に結合したタンパク質は、二次抗
体単独または固体基材もしくはSepharose(登録商標)のようなビーズ
に連結された二次抗体によってか、第1の抗体がビオチン標識される場合、ビー
ズに連結したストレプトアビジンによってか、固体基材またはビーズに連結した
プロテインAまたは等価なFc結合タンパク質によってか、あるいは他の周知の
手段によって沈殿する。免疫沈降を行うための方法は周知である(例えば、Co
liganら,Current Protocols in Immunolo
gy,Greene Publishing Associates,1991
を参照のこと)。抗体に結合したタンパク質を、代表的にはゲル電気泳動によっ
て分析する。核タンパク質に結合する標識した細胞性タンパク質を、例えば、分
子量によって特徴づける。コントロール抗体によってではなく、抗核タンパク質
抗体によって沈殿した標識したタンパク質は、核タンパク質に結合すると考えら
れる。
【0029】 核タンパク質に結合するタンパク質を検出するための他の方法は、同様にまた
は上記の技法に加えて行われ得る。例えば、核タンパク質またはそのフラグメン
トを、発現ライブラリーにおけるプローブとして使用し得る。核タンパク質に結
合するポリペプチドを発現するクローンは、候補トラフィッキング成分をコード
し、精製され、そして特徴づけられる。これらのクローニングした配列を、次い
で、完全なコード領域を単離するために使用し得る。
【0030】 核タンパク質に結合する核トラフィッキングタンパク質を検出する他のアッセ
イは、酵母ツーハイブリッド結合系である。簡単にいえば、ツーハイブリッド系
では、DNA結合ドメイン−核タンパク質の融合物(例えば、GAL4−FGF
−2融合物)を構築し、そして選択可能なマーカー遺伝子に連結したGAL4結
合部位を含む細胞にトランスフェクトする。GAL4活性化ドメインに融合され
たcDNAのライブラリーも構築し、そして同時トランスフェクトする。cDN
A−GAL4活性化ドメイン融合物におけるcDNAがFGF−2と相互作用す
るタンパク質をコードする場合、選択可能マーカーが発現される。次いで、cD
NAを含む細胞が増殖し、構築物を単離しそして特徴づける。
【0031】 核トラフィッキング成分を同定するためのさらに他の手段は、アンチセンスの
発現を使用して成分の発現をブロックし、核輸送を変更する、細胞ベースのアッ
セイである。核輸送を阻止または減少させるアンチセンスを含むクローンを、標
準的技法によって単離し、インサートを特徴づけ、そして全長クローンを単離し
得る。簡単にいえば、発現ライブラリーを、好ましくは発現がRNAの相補物を
生じるように、cDNAから構築する。このようなライブラリーを構築するため
の方向性(directional)クローニング方法は、当該技術分野で周知
である。さらに、任意の偶然の翻訳を減少させるために、すべての3つのリーデ
ィングフレーム中の停止コドンは、ベクタープロモーターとcDNAとの間に位
置し得る。細胞が核トラフィッキング成分に対するアンチセンスを発現する場合
、核タンパク質は、他の細胞コンパートメントに搬出され得るか、または広くゆ
きわたり得る。
【0032】 細胞における核タンパク質の位置を同定するための任意の方法を使用し得る。
このような方法には、抗体染色、細胞標識および分画、ならびに少なくともFG
F−2の場合には馴化培地中のタンパク質の検出が挙げられる。核トラフィッキ
ングが破壊されるならば、アンチセンスベクターを細胞ライセートから回収し、
そして細菌中で増殖する。選択のその後のラウンドを行って、原因となるアンチ
センスベクターをさらに富化および精製し得る。次いで、アンチセンスインサー
トを、DNA配列分析を含む種々の方法のいずれかによって特徴づける。
【0033】 これらの方法の多くにおいて、細胞が、トランスフェクション後に核タンパク
質を発現し、そのため核タンパク質の高い発現レベルを達成し、検出を容易にす
ることが好ましい。FGF−2について、天然に搬出した18kDタンパク質は
、変異したAUGコドンを含むFGF−2発現構築物で、検出可能または適切な
レベルを発現しない細胞をトランスフェクトすることによって抑制され得る。ト
ランスフェクションを、SV40 oriを含むベクターをCOS細胞またはラ
ージT抗原を発現する他の細胞中にトランスフェクトしたような、一過性発現系
を使用して便利に行う。好ましくは、アンチセンスは核トラフィッキングを破壊
するが、細胞性タンパク質の分泌または細胞膜における提示に影響を及ぼさない
。他の細胞トラフィッキングパターンにおける破壊の程度を評価するために、容
易に検出可能な分泌および膜タンパク質は同時発現され得る。生存性アッセイの
ような他のアッセイも行われ得る。
【0034】 あるいは、核トラフィッキング成分を、インビトロ再構成アッセイにおいて同
定し得る。簡単にいえば、細胞から核を精製し、そしてFGF−2のような核タ
ンパク質、および核トラフィッキング成分のソースとして作用する種々の細胞質
抽出物と反応させる。核タンパク質の核への移行を、蛍光、通常のタンパク質同
定技法、抗体染色などによってモニターし得る。
【0035】 (2.核トラフィッキング成分の特徴づけ) 同定の方法にかかわりなく、1つ以上の核タンパク質に結合するタンパク質を
、単離し、そして分析およびその後の同定に供し得る。一般に、部分的アミノ酸
配列を決定し、そして公知のタンパク質配列との配列マッチを行うか、または配
列を含むクローンを標準的組換えDNA技法およびクローニング手順(例えば、
縮重プローブのライブラリーへのハイブリダイゼーション、抗体の生成、および
発現ライブラリーを免疫スクリーニングすること、または配列の増幅)によって
単離するかのいずれかである。特異的相互作用の検証を、抗トラフィッキング成
分抗体を使用するトラフィッキング成分および核タンパク質の免疫共沈降、イン
ビトロタンパク質−タンパク質結合アッセイ、ELISA、または他の方法を含
む、いくつかの方法のうちの1つによって行い得る。
【0036】 部分アミノ酸配列は、種々の方法によって得られ得る。一般に、目的のタンパ
ク質を、従来のプロトコルを使用する電気泳動によって精製する。アミノ酸配列
を、一般に、自動化手順を使用するエドマン分解化学作用によって決定する。プ
ロテアーゼ切断を使用して、配列分析のためのペプチドを単離し得る。アミノ酸
配列を確立するための他の手段には、マススペクトロメトリー同定などが挙げら
れる。このような技法は、当業者に公知である(例えば、Ausubelら,前
出を参照のこと)。
【0037】 ヘルメチンまたは他の核トラフィッキング成分をコードするDNA分子は、R
T−PCR、部分アミノ酸配列に基づく縮重プローブでのcDNAまたはゲノム
ライブラリーのスクリーニング、発現ライブラリーの抗体スクリーニングなどの
ような、種々の方法の1つを使用して単離され得る。これらの方法は、部分また
は完全アミノ酸配列を決定する場合に適切である。タンパク質が同定されるが、
配列データが利用可能でないならば、タンパク質をコードするDNA分子がさら
に得られ得る。適切な方法は、発現ライブラリーのリガンドスクリーニングであ
る。したがって、標識された核タンパク質を使用して、発現ライブラリーをプロ
ーブする。ライブラリーを構築するためのプロトコルおよびスクリーニングは周
知である。他の適切な方法もまた使用され得る。次いで、DNA分子は、DNA
配列分析にかけられ得る。
【0038】 単離された核酸分子は、本明細書に記載されたもののような、種々の方法で使
用され得る。「単離された核酸分子」とは、個別のフラグメントの形態において
か、または実質的に純粋な形態で少なくとも1度(ポリヌクレオチド分子が通常
に存在する染色体を含む)ソース細胞から分離されているより大きな核酸構築物
の成分としての、ポリヌクレオチド分子をいう。核酸分子は、DNA、RNA、
ヌクレオチドアナログ、またはこれらのいくつかの組み合わせを含む、広範なヌ
クレオチドからなり得る。
【0039】 宿主細胞(例えば、細菌、酵母、マウス、ヒト)におけるヘルメチンのような
核トラフィッキングタンパク質の発現を使用して、大量のタンパク質を産生し得
る(以下を参照のこと)。これらの調製物は、タンパク質の標準的生化学的分析
を容易にする。同様に、タンパク質は、本明細書に記載のインビトロ結合アッセ
イで使用され得る。いくつかの実施態様では、タンパク質は、細胞に注入される
か、またはそうでなければ送達され得る。
【0040】 関連タンパク質についての遺伝子は、核酸分子またはそのフラグメントを使用
して、ライブラリーにおけるプローブとしてか、または増幅のためのプライマー
を設計するために、単離され得る。密接に関連した遺伝子は、一般に、ヌクレオ
チド配列について75%を超えて同一、および好ましくは80%、85%を超え
て同一、および最も好ましくは90%を超えて同一である。あるいは、密接に関
連した遺伝子は、ネイティブな二重鎖のTmより約25℃〜30℃低い温度でハ
イブリダイズする(例えば、65℃にて5×SSPE、0.5%SDS、5×デ
ンハート溶液、または等価の塩/温度条件;一般に、Sambrookら,Mo
lecular Cloning: A Laboratory Manual
,第2版,Cold Spring Harbor Press,1987;A
usubelら,Current Protocols in Molecul
ar Biology,Greene Publishing,1987を参照
のこと)。関連タンパク質を発見するために、緩やかなアニーリング条件が使用
され得る。低ストリンジェンシーハイブリダイゼーションは、Tmより約40℃
低い温度の条件を利用し、そして高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション
は、Tmより約10℃低い温度の条件を利用する。(条件については、Samb
rookら,前出;Ausubelら,前出を参照のこと)。核トラフィッキン
グ成分についての遺伝子は、種々の種から単離され得る。密接に関連した種につ
いては、ヒト配列またはその一部は、ゲノムまたはcDNAライブラリーにおい
てプローブとして利用され得る。ハイブリダイゼーションのストリンジェンシー
についてのガイドラインは、Sambrookら,前出および他の周知のソース
から獲得され得る。他の方法は、あるいは、非ヒト種から核トラフィッキング遺
伝子を単離するために使用され得る。これらの方法には、種々の領域からの縮重
プライマーを使用する増幅、発現ライブラリーの抗体プロービングなどが挙げら
れるが、これらに限定されない。遺伝子配列を、アミノ酸類似性および/または
核酸類似性によってホモログとして同定する。一般に、アミノ酸類似性が好まし
い。候補遺伝子は、本明細書に記載の機能性アッセイの1つによって検証され得
る。
【0041】 さらに、DNA分子から発現されたペプチドまたは全タンパク質は、抗体を惹
起するための免疫原として使用され得る。抗体は、タンパク質の単離、タンパク
質(アンタゴニスト)活性の阻害、またはタンパク質(アゴニスト)活性の増強
のために使用され得る。同様に、本明細書に記載のアッセイのいくつかは、抗体
の開発によって容易にされる。
【0042】 本発明の状況内では、抗体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗
イディオタイプ抗体、抗体フラグメント(例えば、Fab、およびF(ab’) 2 、Fv可変領域、または相補性決定領域)を含むと理解される。抗体は、一般 に、10-7M以上、好ましくは10-8M以上のKdで結合するならば、特異的と して受け入れられる。モノクローナル抗体または結合パートナーの親和性は、当
業者によって容易に決定され得る(Scatchard,Ann.N.Y.Ac
ad.Sci.51:660−672,1949を参照のこと)。
【0043】 簡単にいえば、ポリクローナル抗体調製物は、ウサギ、マウス、またはラット
のような種々の温血動物で容易に生成され得る。代表的には、動物に、キーホー
ルリンペットヘモシアニンのようなキャリアタンパク質に好ましくは結合された
、タンパク質またはペプチドを用いて免疫する。投与経路には、通常はアジュバ
ント(例えば、フロイント完全または不完全アジュバント)中での、腹腔内、筋
肉内、眼内、または皮下注射が含まれる。特に好ましいポリクローナル抗血清は
、バックグラウンド以上の少なくとも3倍であるアッセイでの結合を示す。血清
を収集し、そしてそのままで使用されるかまたはさらに分画される。
【0044】 モノクローナル抗体もまた、従来の技法を使用してハイブリドーマ細胞株から
容易に生成され得る(米国特許RE32,011号、同4,902,614号、
同4,543,439号、および同4,411,993号を参照のこと;Ant
ibodies:A Laboratory Manual,Harlow a
nd Lane(編),Cold Spring Harbor Labora
tory Press,1988も参照のこと)。簡単にいえば、ラットまたは
マウスのような動物に、代表的には、フロイント完全または不完全アジュバント
のようなアジュバント中の、タンパク質またはペプチドを注射する。動物は、通
常、脾臓および/またはリンパ節の採取前にブースター免疫を受ける。次いで、
細胞を、好ましくは、適切なミエローマ細胞株との融合によって不死化して、モ
ノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマを生成する。適切なミエローマ細胞
株には、例えば、NS−1(ATCC No.TIB 18)、およびP3X6
3−Ag8.653(ATCC No.CRL 1580)が挙げられる。好ま
しい融合パートナーは、内因性抗体遺伝子を発現しない。融合後、細胞を、選択
的増殖条件下で培養し、そして免疫原と反応する抗体の存在について従来の技法
によってスクリーニングする。あるいは、他の技法もまた、モノクローナル抗体
を構築するために利用され得る(Huseら,Science 246:127
5−1281,1989;Alting−Meesら、Strategies
in Molecular Biology 3:1−9,1990;組換え技
法を記載、を参照のこと)。FabおよびFvフラグメントのような、抗体の一
部またはフラグメントをまた、従来の酵素切断または組換えDNA技法を利用し
て構築し得、抗体の単離された可変領域を得る。一旦適切な抗体が得られると、
これらは、当業者に周知の多くの技法によって単離または精製され得る(Har
lowおよびLane,前出を参照のこと)。
【0045】 本発明の状況内で、核タンパク質およびトラフィッキング成分のいずれかまた
は両方における結合部位の境界を描くことは有用であり得る。境界は、タンパク
質の欠失改変体を構築するために標準的プロトコルを使用すること、およびこれ
らのタンパク質を使用してインビトロで結合アッセイを行うことによって決定さ
れ得る。例えば、タンパク質の1つは、固体支持体に付着され得、そして他のタ
ンパク質の標識されたペプチドは結合についてアッセイされ得る。ELISA形
式またはウエスタン形式が、このアッセイに適合され得る。
【0046】 核タンパク質に結合するタンパク質がインビボで核移行を調節または影響を及
ぼす能力をさらに評価するために、トラフィッキング成分または核成分の活性を
変化しそして効果を測定する。特定の核またはトラフィッキングタンパク質の減
少した発現を有する細胞は、変異誘発のような、標準的技法を使用して調製され
得る。増強された発現を有する細胞は、タンパク質を含む適切な構築物でのトラ
ンスフェクションによって調製され得る。
【0047】 (3.核トラフィッキング成分、ヘルメチンタンパク質) FGF−2の核輸送を媒介することに関与するようであるトラフィッキング成
分を検出するために、2つの異なる融合タンパク質が特に有用であり得る。1つ
のこのようなタンパク質は、FGF−2の18kD配列(配列番号29および2
5)を含み、そしてもう1つは、FGF−2の高分子量(HMW)(24、23
、および22kDの分子量)イソ型において存在するN末端アミノ酸ドメインの
みを含む(図1;配列番号1を参照のこと)。FGF−2の18kD形態を含む
融合タンパク質は、上記のように調製され得、そして核トラフィッキング機構の
成分を同定するための結合アッセイで使用され得る。
【0048】 より大きなイソ型がもっぱら核に局在化するので、N末端ドメインと相互作用
するタンパク質は、核局在化に関与するようであり、したがって細胞外環境への
HMW FGF−2の搬出をネガティブに調節し得る。このように、核局在化の
インヒビターは、タンパク質搬出を増強する。
【0049】 トラフィッキング成分を検出するための1つのアッセイを、簡単に記載する。
細胞抽出物を、HMWイソ型を発現し核に輸送する任意の細胞(例えば、COS
細胞)から調製する。このような細胞は、35S−トランス標識(ICN,Inc
.,Irvine CA)の100μCi/mlを補充したシステイン/メチオ
ニンを含まないDMEM中で数(例えば、4)時間のインキュベーションによっ
て代謝的に標識される。標識後、細胞単層を、適切な緩衝液(例えば、25mM
Tris pH 8.0および150mM NaCl)で洗浄し、そして非イ
オン性デタージェント(例えば、NP−40、デオキシコール酸、Triton
X−100)、例えば、NTEN緩衝液(20mM Tris pH 8.0
、100mM NaCl、1mM EDTA、0.5% NP−40;Kali
nら Cell 64:521−532,1991)で溶解する。4℃にて15
分間のマイクロ遠心分離は、一般的に、不溶性物質の抽出物を澄明にするために
十分である。
【0050】 マトリクス結合した、FGF−2配列を含む融合タンパク質は、COS細胞抽
出物に存在する一連の異なるFGF結合タンパク質に結合する(図2を参照のこ
と)。HMW FGF−2のN末端配列は、18kD、29kD、52kD、6
5kD、70kD、および85kDの見かけの分子量を有するタンパク質に結合
する。さらに、N末端ドメインの一部を欠くΔSL FGF−2への29kDタ
ンパク質の結合は顕著に減少する(図3)。18kD配列は、70kD、45/
50kD、および35kDの見かけの分子量を有するタンパク質を結合し、そし
てさらに29kDタンパク質が、N末端ドメインに特異的であることを示す。さ
らに、ΔSLは、代謝的パルス標識、追跡、および免疫沈降を使用して、トラン
スフェクトされたCOS細胞からヘルメチン(約29kDタンパク質)を同時免
疫沈降しない。
【0051】 特に、29kDタンパク質は、FGF−2の核トラフィッキングに関与するよ
うである。また、FGF−2搬出のネガティブレギュレーターとして作用するよ
うである。これらのプロセスにおける29kDタンパク質の関与の程度は、29
kDタンパク質の発現のない細胞に29kDタンパク質をコードする遺伝子を導
入すること、温度感受性変異体を構築すること、誘導性プロモーターの制御下で
29kDタンパク質を発現させること、ヘルメチンmRNAに対するアンチセン
スを導入することなどによって、評価され得る。このような評価を行うための適
切なプロトコルは、当業者に公知である。
【0052】 上記のように、FGF−2の高分子量形態に結合するトラフィッキング成分で
ある29kDタンパク質は、同定および単離されている。本明細書で使用される
場合、「ヘルメチン」は、このタンパク質についてのもう1つの名称である。部
分アミノ酸配列を決定し(Leu−His−Thr−Glu−Gly−Asp−
Lys−Ala−Phe−Val−Asp−Phe−Leu−Asn−Asp−
Glu−Ile−Lys−Glu−Glu−Arg−Lys−Ile−Gly−
Lys(配列番号3))、そして公開データベースに問い合わせた。ヘルメチン
は、TAP、tat−関連タンパク質、(PRF 2110369A;Yuら,
J.Virol.69:3007,1995);YL2、マウスtat−関連タ
ンパク質(PRF 2012336A;Luoら,J.Virol.68:38
50,1994);HA−結合タンパク質、ヒアルロン酸に特異的に結合するタ
ンパク質(DebおよびDatta,J.Biol.Chem.271:220
6,1996);p32、スプライシング因子タンパク質に関連するタンパク質
(PIR A40041;GenBank M69039;Krainerら,
Cell 66:383,1991);およびp32、核エンベロープタンパク
質のサブアセンブリに見いだされるタンパク質(Nikolakakiら,J.
Biol.Chem.271:8365,1996)として種々に公知の、公知
のタンパク質に関連することが見いだされた。部分配列のアラインメントを図4
に示す。
【0053】 ヘルメチンまたは他の核トラフィッキング成分をコードするDNA分子は、R
T−PCR、部分アミノ酸配列に基づく縮重プローブでのcDNAまたはゲノム
ライブラリーのスクリーニング、発現ライブラリーの抗体スクリーニングなどの
ような、種々の方法の1つを使用して、容易に単離され得る。これらの方法は、
部分または完全アミノ酸配列を決定する場合に適切である。次いで、DNA分子
は、DNA配列分析にかけられ得る。核酸分子は、本明細書に記載のもののよう
な、種々の方法で使用され得る。さらに、ヘルメチンのDNAまたはアミノ酸残
基配列は、本明細書に記載のように変異され得る。
【0054】 DNAコード配列からのヘルメチンの発現は、タンパク質の標準的生化学的分
析を容易にするために使用され得る。さらに、DNA分子から発現されたペプチ
ドまたは全体のタンパク質は、免疫原として使用されて有用な抗体を惹起し得る
。関連タンパク質は、プローブとしてまたは増幅のためのプライマーを設計する
ために核酸分子を使用して単離され得る。関連タンパク質を発見するために、緩
やかなアニーリング条件が使用され得る(条件については、Sambrookら
,前出;Ausubelら,前出を参照のこと)。
【0055】 (D.核タンパク質とトラフィッキング成分との間の結合のインヒビター) (1.インヒビター) 候補インヒビターは、細菌、真菌類、植物、寄生虫、化学物質のライブラリー
、ランダムペプチドなどのような、種々のソースから単離または調達され得る。
候補インヒビターはまた、核成分に競合結合するが核局在化を媒介しないペプチ
ドまたはトラフィッキング成分の改変体であり得る。インヒビターにはまた、核
トラフィッキング成分のmRNAに対するアンチセンス;成分のプロモーター活
性のインヒビター;FGF−2のN末端ペプチドまたはペプチド模倣物;ΔSL
で欠失したアミノ酸のペプチドまたはこのペプチドの模倣物;およびヘルメチン
の結合部位の模倣物が挙げられる。インヒビターはまた、X線結晶学から決定し
たタンパク質構造に基づいて、理論的に設計され得る(Livnahら,Sci
ence 273:464,1996を参照のこと)。
【0056】 化学化合物のライブラリーはまた、容易に生成される。例えば、化学ライブラ
リーのカタログを生成する方法は記載されており(PCT公開公報WO 94/
08051;米国特許5463564;GB特許2291708;PCT公開公
報WO 96/21859;GB特許2297551;米国特許5574656
;PCT公開公報WO 97/00244;PCT公開公報WO 97/039
31;およびPCT公開公報WO 97/09344を参照のこと)、そして本
明細書に開示されるように有用である。
【0057】 好ましい実施態様では、インヒビターは、結合または解離を引き起こすことを
阻止することによって、核タンパク質およびトラフィッキング成分の結合を妨害
する。インヒビターは、直接的または間接的に作用し得る。好ましい実施態様で
は、インヒビターは、コンビナトリアル化学(「コンビケム」)ライブラリーに
由来する小分子である。他の好ましい実施態様では、インヒビターは、細胞に対
して細胞傷害性ではなく、従来のERおよびゴルジ媒介分泌経路を介するタンパ
ク質の分泌を阻害せず、核タンパク質特異的(例えば、FGF−2特異的)であ
り、細胞に容易に浸透し得(例えば、小分子)、そして非免疫原性である。
【0058】 他の好ましい実施態様では、インヒビターは、ドミナントネガティブ様式にお
いて作用する核トラフィッキング成分のペプチドサブフラグメントである(Ba
llら,Current Biology 7:71.1997;Curren
t Biology 6:84,1996を参照のこと)。ペプチドインヒビタ
ーは、好ましくは、宿主細胞にトランスフェクトされたまたは感染したベクター
から発現する(以下を参照のこと)。
【0059】 他の好ましい実施態様では、インヒビターはリボザイムである。リボザイムは
、部位特異的認識のため、および標的RNAにおける特異的部位を切断するRN
A切断酵素活性のための、「アンチセンス」リボヌクレオチド配列を有するRN
A分子である。あるリボザイムの調製および使用は、Cechら(米国特許4、
987、071)に記載される。他の実施態様では、部位特異的認識配列および
RNA切断酵素活性を有する酵素的DNA分子(「デオキシリボザイム」)はま
た、本発明によれば有用なインヒビターである(例えば、Joyceら,公表さ
れた国際出願WO 96/17086を参照のこと)。DNAを認識しそして切
断するリボザイムはまた、インヒビターとして有用であり、そしてJoyce(
米国特許5,580,967号および同5,595,873号、ならびに公表さ
れた国際出願WO 95/31551)によって記載される。リボザイムおよび
デオキシリボザイムは、好ましくは、宿主細胞に導入されたベクターから発現さ
れる。
【0060】 他の実施態様では、インヒビターは、核トラフィッキング成分をコードするm
RNAに相補的であるアンチセンスRNAまたはDNAである。特定のmRNA
分子に関するアンチセンス核酸は、コードされたタンパク質のタンパク質発現を
阻害することが示されている。アンチセンス配列は、好ましくは、宿主細胞への
トランスフェクションおよびアンチセンスの発現に適切なベクターに挿入される
【0061】 他の好ましい実施態様は、ヘルメチンに対するプロモーターのインヒビターの
ような、核トラフィッキング成分のプロモーター活性のインヒビターを包含する
。真核生物プロモーターは、RNAポリメラーゼおよび転写ユニットの制御に関
与する他のタンパク質に結合した配列を含む。このようなインヒビターは、転写
を制御する1つ以上の因子の結合を破壊または阻止し得、転写を減少または停止
させる。
【0062】 他の好ましい実施態様では、インヒビターは、核局在化を減少または阻害を阻
止することによって核タンパク質の搬出を増強する。本明細書で議論するように
、少なくともいくつかの核タンパク質は、核局在化が損傷する場合、より大きな
程度まで搬出される。
【0063】 (2.インヒビターの同定についてのアッセイおよび基準) 核局在化のインヒビターは、本明細書に記載のアッセイのようなアッセイによ
って容易に同定される。このようなアッセイには、タンパク質−タンパク質結合
の阻害を検出するためのアッセイ(ヘルメチン/FGF−2またはそのフラグメ
ントを使用する)、極めて近接する場合蛍光を生じる2つの発色団を使用する近
接アッセイ、および核局在化の阻害を決定するためのアッセイ(例えば、FGF
−2またはヘルメチンを使用する)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】 簡単にいえば、1つの好ましいアッセイでは、核タンパク質を発現する細胞は
、候補インヒビターで処理され、そして処理された細胞の核において検出される
タンパク質の量は、コントロール細胞の核において検出される量と比較される。
これらのアッセイのいずれかにおいて、インヒビターなしで行われるアッセイと
比較してインヒビターを用いて行われるアッセイにおいて核で検出されるタンパ
ク質の量の統計学的に有意な減少があるならば、化合物は核移行を阻害する。治
療的に有用であるために、インヒビターは、好ましくは、20%以上核移行を減
少させる。種々の好ましい実施態様では、インヒビターは、少なくとも35%、
または少なくとも50%、または少なくとも65%、およびさらにより好ましく
は80%以上核移行を減少させる。用量依存的方法でそのように行うことも好ま
しい。候補インヒビターはまた、当該技術分野で公知のアッセイおよび方法を使
用して、類似の様式で治療での効力についてアッセイされ得る。
【0065】 本明細書に記載のアッセイのいずれかにおいて、テスト細胞は、天然にまたは
タンパク質をコードする組換えDNA分子の導入後に、核タンパク質またはトラ
フィッキングタンパク質を発現し得る。トランスフェクションおよび形質転換プ
ロトコルは、当該技術分野で周知であり、そしてCaPO4媒介トランスフェク ション、エレクトロポレーション、ウイルスベクターでの感染、DEAE−デキ
ストラン媒介トランスフェクションなどが挙げられる。核タンパク質およびトラ
フィッキングタンパク質の両方の組換え発現が好ましい。
【0066】 上記のようなネイティブな核タンパク質の使用の代わりとして、キメラタンパ
ク質(すなわち、容易に検出可能なリポータータンパク質またはタンパク質フラ
グメントと核タンパク質またはそのフラグメントの融合物)が使用され得る。テ
スト細胞はまた、疾患、ウイルスでの感染などの結果としていずれかのタンパク
質を発現し得る。タンパク質は、天然に、「欠損」タンパク質のトランスフェク
ションによって、または同時トランスフェクションによって、同時発現され得る
。さらに、本明細書に記載のアッセイについて、発現は安定または一過性であり
得る。
【0067】 組換えベクターから発現されるタンパク質は、ネイティブなアミノ酸配列、改
変体配列(例えば、対立遺伝子)、またはタンパク質の検出を補助するために設
計された融合タンパク質の配列を有し得る。例えば、FGF−2およびペプチド
タグの融合タンパク質、またはヘルメチンおよびペプチドタグの融合物が、構築
され得る。あるいは、タンパク質において核局在化を与える領域は、検出におい
て補助するためのリポーター分子(例えば、GFP)に融合され得る。
【0068】 ペプチドタグは、好ましくは、通常、抗体または他の分子によって認識される
ネイティブなタンパク質に由来する、短い配列である。このようなペプチドタグ
には、FLAG(登録商標)、Glu−Gluタグ(Chiron Corp.
,Emeryville,CA)KT3タグ(Chiron Corp.)、T
7遺伝子10タグ(Invitrogen,La Jolla,CA)、T7主
要キャプシドタンパク質タグ(Novagen,Madison,WI)、およ
びHSVタグ(Novagen)が挙げられる。タグを含む融合タンパク質が核
にトラフィッキングされる限り、他の類似の系が使用され得る。
【0069】 タグの他に、またはタグの代わりに、他のタイプのタンパク質またはペプチド
が使用され得る。例えば、グルタチオン−S−トランスフェラーゼまたは酵素活
性を特定する配列は、核タンパク質に融合され得る。このような酵素には、β−
ガラクトシダーゼ、チオレドキシン、アルカリホスファターゼなどが挙げられる
。これらの酵素のそれぞれの活性は、容易にアッセイされる。あるいは、タンパ
ク質は、利用可能な抗体を使用して同定され得る。
【0070】 上記の核タンパク質をコードするDNA分子は、ライブラリースクリーニング
、PCR増幅、およびクローニングのような従来の方法によって得られ得るか、
またはヒトおよびマウスDNAプローブのATCC/NIH貯蔵所から得られ得
る。これらのタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、一般に、GenBa
nk、EMBLデータベース、または種々の刊行物から利用可能である。あるい
は、DNA分子は、発現についてその後にコドンを最適化するDNA配列の使用
によって生成され得る。
【0071】 発現に使用される他の細胞タイプ、ベクター、プロモーター、および他のエレ
メントが、周知の原理に従って容易に置き換えられ得ることが認識される。最小
限、タンパク質をコードする配列を含むベクター構築物は、標的細胞において活
性であるプロモーター配列を有さなければならない。必要に応じて、および好ま
しくは、構築物は、エンハンサー、転写ターミネーター、ポリ(A)シグナル配
列、細菌または哺乳動物複製起点、および選択可能マーカーを含む。このような
ベクターは、トランスフェクトされた細胞の種または組織タイプに適切であるよ
うに選択される。細胞は、哺乳動物、鳥類、昆虫、または酵母を含む他の真核生
物細胞であり得;または起点において原核生物であり得る。
【0072】 本発明を行うために適切な哺乳動物細胞には、特に、COS(ATCC No
.CRL 1650)、BHK(ATCC No.CRL 6281)、CHO
(ATCC No.CCL 61)、HeLa(ATCC No.CCL2)、
293(ATCC No.1573)、NS−1(ATCC No.T1B18
)、およびHep G2(ATCC No.HB 8065)が挙げられる。原
核生物細胞は、代表的には、E.coli(例えば、DH5α、JM105、M
M294cI+)である。発現のための宿主酵母細胞は、周知である。
【0073】 広範な種々のプロモーターが、本発明の状況内で使用され得る。プロモーター
の選択は、少なくとも一部は、トランスフェクションについてレシピエント細胞
株に依存する。例として、上記のSV40プロモーター、MoMuLV LTR
、RSV LTR、アデノウイルスプロモーター、およびサイトメガロウイルス
(CMV)前初期プロモーターまたは後期プロモーターのようなプロモーターが
使用され得る。TETオン/オフ系(Clontech Life Techn
ologies,Palo Alto,CA)および、メタロチオネイン遺伝子
プロモーターのような誘導性プロモーターが使用され得る。標的細胞において活
性化される限り、組織特異的または細胞タイププロモーターもまた使用され得る
。例えば、免疫グロブリンプロモーター、α−フェトプロテインプロモーター、
γおよびαクリスタリンプロモーター、α−アクチンプロモーター、ガン胎児性
抗原プロモーター、前立腺特異的抗原プロモーター、およびチロシナーゼプロモ
ーターは、開示されるように有用である。好ましいプロモーターは、高レベルで
タンパク質を発現する。
【0074】 エンハンサー、転写ターミネーター、および選択可能マーカーは、当該技術分
野で周知であり、そしてまた開示された本発明の状況内で使用され得る。エンハ
ンサー配列は、使用されるプロモーター領域の一部として含まれ得るか、または
ベクター構築物中にどこかに含まれ得る。CMV−IE、RSV LTR、SV
40、および他のもの由来のエンハンサーが使用され得る。
【0075】 転写ターミネーターは、RNAポリメラーゼ媒介された転写を停止する配列で
ある。ポリ(A)シグナルは、終結配列内に含まれ得るか、または別々に組み込
まれ得る。
【0076】 選択可能マーカーはまた、本明細書に記載の構築物に含まれ得る。選択可能マ
ーカーには、形質転換された細胞を同定させ、そして好ましくは特定の条件下で
増殖を有利にする宿主細胞において表現型を与える任意の遺伝子が含まれる。細
菌について適切な選択可能マーカーは周知であり、そしてアンピシリン、カナマ
イシン、およびテトラサイクリンについての耐性遺伝子を含む。哺乳動物細胞に
適切な選択可能マーカーには、ハイグロマイシン、ネオマイシン、宿主における
欠損を補う遺伝子(例えば、チミジンキナーゼおよびTK-細胞)、および当該 技術分野で周知の他のものが挙げられる。
【0077】 一旦適切なテスト細胞が構築または調達されると、インヒビターは、細胞ベー
スのスクリーニングアッセイによって同定され得る。細胞ベースのアッセイにお
いて核局在化を検出するためのアッセイには、核タンパク質またはタグ配列に対
する抗体を使用する核タンパク質の局在化パターンについての抗体染色、リポー
ター分子の酵素活性の局在化を決定すること、核タンパク質(例えば、FGF−
2、tat)の搬出、細胞形態の変化などが挙げられる。上で議論したように、
他のアッセイには、核移行のインビトロ再構成、フローサイトメトリーによる検
出、または共焦点顕微鏡などが挙げられる。
【0078】 あるいは、または候補インヒビターのさらなる評価として、阻害アッセイは、
核タンパク質とトラフィッキング成分との間の結合の程度をアッセイすることに
よって行われ得る。1つの例では、両方のタンパク質を内因的にまたはトランス
フェクション後に発現する宿主細胞は、候補インヒビターで処理される。これら
の2つのタンパク質の結合は、種々の異なる方法によって測定され得る。例えば
、いずれかのタンパク質に対する抗体を使用する共沈殿は、相互作用の破壊のた
めにゲル電気泳動によってアッセイされる。
【0079】 あるいは、核タンパク質およびトラフィッキング成分の結合のインヒビターを
同定するためのインビトロアッセイは、単離されたタンパク質を使用して行われ
得る。単離された成分は、好ましくは、組換え発現によって得られ、そして標準
的方法論によって精製される。このようなアッセイでは、単離された成分は、候
補インヒビターの存在または不在下で、任意の必要な補因子とともに、混合され
る。核タンパク質およびトラフィッキング成分の結合の程度が、次いで測定され
る。
【0080】 このアッセイは、ELISAまたはELISAスタイル形式で便利に行われ得
る。簡単にいえば、トラフィッキング成分は、96ウェルプレートのウェルに付
着される。候補インヒビターを含むまたは含まない核タンパク質は、ウェルに添
加され、そしてインキュベートされる。結合していないタンパク質を洗い流し、
そして核タンパク質は、例えば、本明細書に記載のように標識された抗体によっ
て検出される。このアッセイにおける変更が使用され得、したがって本発明の範
囲内である。例えば、アッセイ成分は、Biocoreチップまたは類似の固相
検出デバイスに付着され得る。本明細書で開示されるアッセイ成分のいずれかは
、使用者の便宜のためのキット中に容易に含まれ得る。
【0081】 (E.投与および使用) 上記のように、核移行のインヒビターは、種々の治療および診断状況および方
法内で使用され得る。例えば、核移行インヒビターは、種々の症状を処置または
予防すること、血管形成を促進するためにFGFの搬出を増加さえること、およ
び核へのFGF移行を減少させ、それによってガン増殖を減少させることに有用
である。さらに、開示されたインヒビターの使用は、ウイルス(例えば、HIV
またはEBV)感染を限定または根絶し得る。当該技術分野で使用される場合、
「処置」とは、一般に、徴候の減少あるいは疾患または症状の進行の遅延または
停止をいう。処置とは、徴候が減少し得ること、または疾患または症状の進行が
停止または遅延され得ることを意味する。処置されるべき細胞は、治療的有効投
与量でインヒビターと接触される。接触することは、局所処置によって、特異的
キャリアによる送達、または血管供給によるなどのような、エクスビボまたはイ
ンビボでの細胞のインキュベーションによって行われ得る。
【0082】 インヒビターは、局所、局部、静脈内、および全身適用に適切な薬学的組成物
中に処方され得る。時間放出処方物も所望される。1つ以上のインヒビターの有
効濃度は、適切な薬学的キャリアまたはビヒクルと混合される。有効であるイン
ヒビターの濃度または量は、投与の際に、徴候を改善しまたは疾患を処置する量
の送達を必要とする。代表的には、組成物は、単回用量投与用に処方される。治
療的有効濃度および量は、本明細書に記載のような、公知のインビトロおよびイ
ンビボ系においてインヒビターをテストすることによって、経験的に決定され得
;ヒトまたは他の動物についての投与量は、次いで、それから外挿され得る。
【0083】 投与に適切な薬学的キャリアまたはビヒクルには、投与の特定の態様に適切で
あることが当業者に公知の任意のキャリアが含まれる。さらに、インヒビターは
、組成物中の単一の薬学的に活性な成分として処方され得るか、または他の活性
成分と合わされ得る。本発明の組成物は、液体、半液体、または固体形態中で、
種々の異なる経路、例えば、経口、非経口、静脈内、皮内、皮下、または局所的
による投与のために調製され得る。投与の好ましい態様は、処置される徴候に基
づく。皮膚病学的および眼科学的な徴候は、代表的には、投与の全身、皮内、ま
たは筋肉内態様によって処置される。局部投与が好ましい。
【0084】 経口、皮内、皮下、または局所適用に使用される溶液または懸濁液は、以下の
成分のいずれかを含み得る:注射用水、生理食塩溶液、固定油、ポリエチレング
リコール、グリセリン、プロピレングリコール、または他の合成溶媒のような、
滅菌希釈剤;ベンジルアルコールおよびメチルパラベンのような、抗菌剤;アス
コルビン酸および重亜硫酸ナトリウムのような、抗酸化剤;エチレンジアミン四
酢酸(EDTA)のような、キレート化剤;酢酸塩、クエン酸塩、およびリン酸
塩のような、緩衝剤;および塩化ナトリウムまたはデキストロースのような張性
の調節のための薬剤。非経口調製物は、ガラス、プラスチック、または他の適切
な物質から作成されるアンプル、ディスポーサブルシリンジ、または複数回投与
バイアルに封入され得る。
【0085】 静脈内投与されるならば、適切なキャリアには、生理学的食塩水またはリン酸
緩衝化食塩水(PBS)、グルコース、ポリエチレングリコール、およびポリプ
ロピレングリコールのような粘稠化および可溶化剤、ならびにそれらの混合物が
挙げられる。リポソーム懸濁液も、薬学的に受容可能なキャリアとして適切であ
り得る。これらは、当業者に公知の方法に従って調製され得る。
【0086】 インヒビターは、時間放出処方物またはコーティングのような、体からの迅速
な排出に対してそれを保護するキャリアとともに調製され得る。このようなキャ
リアには、移植およびマイクロカプセル化した送達システム(これらに限定され
ない)のような制御放出処方物、ならびにエチレンビニル酢酸、ポリ無水物、ポ
リグリコール酸、ポリオルトエステル、ポリ乳酸、および他のもののような生分
解性、生体適合性ポリマーが挙げられる。例えば、組成物は、市販で入手可能な
外科手術スポンジのような、スポンジを使用して外科手術中に適用され得る(例
えば、米国特許3,956,044および4,045,238を参照のこと)。
【0087】 インヒビターは、望ましくない副作用の不在下で治療的に有用な効果を及ぼす
ために十分な量で、薬学的に受容可能なキャリアに含まれる。副作用の数および
程度が、処置されるべき症状に依存することが理解される。例えば、ある毒性の
および望ましくない副作用は、腫瘍のような生命を脅かす病気を処置する場合に
、許容され、より軽度の障害を処置する場合に許容されない。組成物中のインヒ
ビターの濃度は、その吸収、不活性化、および排出速度、投与スケジュール、お
よび投与される量、ならびに当業者に公知の他の要因に依存する。
【0088】 インヒビターは、1回で単回用量で投与され得るか、または時間間隔をあけて
投与されるべき多数のより少ない用量に分割され得る。処置の正確な投与量およ
び期間が、処置される疾患の関数であり、そして公知のテストプロトコルを使用
してあるいはインビボまたはインビトロテストデータからの外挿によって、経験
的に決定され得ることが理解される。濃度および投与量値がまた、緩和されるべ
き症状の重篤度とともに変化し得ることに留意すべきである。任意の特定の被験
体について、特異的投与レジメが、個体の要求および組成物の投与を投与または
指図するヒトの専門的判断に従って、時間にわたって調節されるべきであること
、ならびに本明細書に記載の濃度範囲が、例示のみであり、そして請求された組
成物の範囲または実施を限定することを意図しないことがさらに理解される。
【0089】 以下の実施例は、例示によって提供され、そして限定によるものではない。
【0090】 (実施例) (実施例1)GST−FGF−2融合タンパク質の調製 この実施例では、FGF−2とのN末端グルタチオンS−トランスフェラーゼ
(GST)融合物を構築する。次いで、融合タンパク質を、アフィニティーカラ
ムクロマトグラフィーで使用して、FGF−2と相互作用するタンパク質または
タンパク質複合体を同定する。
【0091】 FGF−2の18kDイソ型およびFGF−2のアミノ末端ドメインを含む発
現ベクターを、以下のように調製する。18kDイソ型の配列を、プラスミド1
8dxによって提供する(FlorkiewiczおよびSommer,Pro
c.Acad.Sci.USA 86:3978−3981,1989)。この
ベクターは、18kD FGF−2のATG翻訳開始コドンの上流の配列につい
て欠失し、したがって、18kD FGF−2のみ発現する。ヒトFGF−2の
18kDイソ型をコードするDNAフラグメント(配列番号3)を増幅し、そし
てpGEX−4T−3(Pharmacia LKB Biotechnolo
gy,Uppsala,Sweden)におけるNotI制限部位にサブクロー
ニングする。正方向および逆方向増幅プライマー(NotI部位に二重下線)は
以下の配列を有する:
【0092】
【化1】
【0093】 増幅条件は、94℃にて5分間の1サイクル;94℃にて1分間、45℃にて
5分間、72℃にて1分間の8サイクル;94℃にて1分間、55℃にて1分間
、72℃にて1分間の25サイクル;次いで、72℃にて5分間の1サイクルで
ある。pGEX−47−3のNotI部位へのクローニングの際、得られるプラ
スミド(pGEXF18)は、GST/FGF−2融合タンパク質:NH2−G ST−FGF−2−COOHをコードする。
【0094】 プラスミドpGEXF43を構築して、FGF−2の高分子量(HMW)イソ
型に独特のアミノ末端伸長をコードする。24kDa HMW FGF−2イソ
型のアミノ末端52残基を、p43と呼ばれる発現ベクターからのEcoRI/
XbaIフラグメント上で単離する(FlorkiewiczおよびSomme
r,Proc.Natl.Acad.SCi.USA 86:3978−398
1,1989)。このフラグメントをpUC19に挿入し、そしてXhoI+S
alIでの切断によって再単離する。XhoI部位は、24kDaイソ型につい
てのCUG翻訳開始コドンの6ヌクレオチド5’側に位置する。52残基アミノ
末端ドメインの配列を、配列番号4に提供する。XhoI/SalIフラグメン
トを、XhoI切断したpGEX−4T−3にライゲートする。インサートの配
向を、SalI切断によって決定する。得られるプラスミドは、インフレーム翻
訳のNH2−GST−アミノ末端ドメイン−COOHをコードする。
【0095】 プラスミドpGEXFΔSLを、N末端領域の18アミノ酸を欠くFGF−2
のHMWイソ型をコードするように構築する。ΔSL変異体を、オリゴヌクレオ
チドによる変異誘発によって構築した。オリゴマー、5’−CATGGTCCC
TGCCCCGCCCCGGCC−3’(配列番号28)を、全長FGF−2
cDNAを含む一本鎖ファージミドベクターにアニールして、Gly(FGF−
2のMet開始コドンから−22残基)とPro(−4残基)との間のコドンが
ループアウトするヘテロ二重鎖を形成する(図5を参照のこと、四角で囲んだア
ミノ酸はpΔSLで欠失する)。標準的方法論を使用して、第2の相補鎖を合成
しそして細菌を形質転換する。ΔSL変異体を、DNA配列分析によって確認し
た。pΔSLから発現されたHMWイソ型は、トランスフェクトされたCOS細
胞から搬出される(図6)。図6では、代謝的に標識されたCOS細胞トランス
フェクタントからのFGF−2タンパク質を、抗FGF−2抗体で免疫沈降する
。21kDaおよび20/19kDaタンパク質は、内部欠失したHMW形態で
ある。示すように、これらのイソ型は、培地画分で見いだされる。
【0096】 ΔSLからのインサートを、XhoIでの切断によって切り出し、そしてpG
EX−4T−3に挿入してpGEXΔSLを形成する。
【0097】 融合タンパク質を調製するために、細菌(DH5α)を融合プラスミドで形質
転換し、そしてIPTG(0.2mM)で3時間誘導する。抽出物を調製し、そ
して融合タンパク質を、製造業者によって記載のようにグルタチオン−Seph
arose(登録商標)(Pharmacia LKB Biotechnol
ogy)を使用して精製する。精製した融合タンパク質を、10mMグルタチオ
ンでビーズから溶出する。
【0098】 (実施例2)トラフィッキング成分の同定 代謝的に標識した抽出物をCOS細胞から調製し、そしてFGF−2に結合す
る細胞成分の同定に使用する。COS細胞(100mmプレート、80%コンフ
ルエント)を、35S−トランス標識(ICN,Irvine,CA)の100μ
Ci/mlを補充したシステイン/メチオニンを含まないDMEM中で4時間代
謝的に標識する。標識後、細胞単層を、25mM Tris pH 8.0、1
50mM NaClを含む緩衝液で洗浄する。細胞を、記載(Kaelinら
Cell 64:521−532,1991)のように2.0ml NETN緩
衝液(20mM Tris pH 8.0、100mM NaCl、1mM E
DTA、0.5% NP40)で溶解した。この細胞抽出物を、4℃にて15分
間マイクロ遠心分離によって不溶性物質から澄明にする。他の細胞タイプを、C
OS細胞と置き換え得る。
【0099】 グルタチオンSepharose(登録商標)ビーズ(100μl)を、NT
EN+0.5%粉ミルクを含む緩衝液中の精製したGST−FGF−2融合タン
パク質(25μg)で、4℃にて30分間揺らしながら充填する。代謝的に標識
したCOS細胞抽出物(0.5ml)を、25μLの充填したビーズとともに4
℃にて1時間インキュベートする。結合したタンパク質を有するSepharo
se(登録商標)ビーズをペレットにし、そして冷NTEN緩衝液で4回洗浄す
る。結合したタンパク質を、SDS−Laemmliゲル試料緩衝液で溶出し、
そして70℃にて20分間インキュベートする。溶出したタンパク質を、12%
PAGEで分画する。
【0100】 図2に示すように、非特異的バックグラウンドを、GST単独(GST 4T
)および関連のないGST融合タンパク質(GST R2)に結合する代謝的に
標識されたCOS細胞タンパク質に対応するレーンで検出する。しかし、多くの
COS細胞タンパク質は、GST43(HMW FGF−2イソ型に独特の配列
、pGEXF43)に特異的に結合し、そしてGST18kDa FGF−2(
pGEXF18)に結合しないようである。GST43について、少なくとも6
つのタンパク質バンドが特異的なようである。同定されたタンパク質バンドは、
直接的相互作用または相互作用するタンパク質複合体を示し得る。GST43を
使用して同定したバンドは、18、29、52、65、70、85kDaの見か
けの分子量を有する。GST 18kDa FGF−2を使用して検出したCO
S細胞タンパク質バンドは、約35、45/50、および70kDaである。す
べての場合に検出されたタンパク質バンドのパターンは再現性がある。FGF−
2のHMWイソ型がトランスフェクトしたCOS細胞から搬出されないので、こ
のドメインと相互作用するタンパク質は、HMW FGF−2タンパク質搬出を
ネガティブに調節し、そして細胞内残留および/または核局在化に関与するよう
である。
【0101】 別々の実験において、グルタチオンSepharose(登録商標)ビーズ(
100μl)を、上記のように精製したGST−ΔSLまたは精製したGST−
43b融合タンパク質のいずれかで充填する。標識された細胞抽出物を、GST
−ビーズ、GST−ΔSLビーズ、またはビーズなしとの4℃にて1時間のイン
キュベーション、次いで遠心分離よるビーズの除去によって、予め澄明にする。
これらの3つの澄明にした抽出物(それぞれ0.5ml)を、次いで、30μl
のGST−4Tビーズ、GST−43bビーズ、またはGST−ΔSLビーズと
ともに4℃にて1時間インキュベートする。結合したタンパク質を有するSep
harose(登録商標)ビーズをペレットにし、そして冷NTEN緩衝液で5
回洗浄する。結合したタンパク質を、2×SDS−Laemmliゲル試料緩衝
液で溶出し、そして70℃にて20分間インキュベートする。溶出したタンパク
質を、12%PAGEで分画する。
【0102】 図3A(COS細胞抽出物)および図3B(SK−Hep細胞抽出物)に示す
ように、29kDaタンパク質は、FGF−2のN末端に特異的に結合する。さ
らに、これらのタンパク質は、部分的に欠失したN末端(ΔSL)よりもインタ
クトのN末端(43b)に優先的に結合する。
【0103】 (実施例3)インヒビターについての高処理能力スクリーニングアッセイ 高処理能力スクリーニングアッセイを、48ウェル形式で行う。この実施例で
は、FGF−2を発現するCOS細胞を、核局在化の候補インヒビターでスクリ
ーニングする。
【0104】 トランスフェクションの日に、サブコンフルエントからコンフルエントのCO
S細胞を、0.25%トリプシンでの37℃にて5〜10分間の処理によってフ
ラスコから取り出す。剥離した細胞を遠心分離によって収集し、そしてPBSで
1回洗浄する。COS細胞を、DMEM培地中150,000細胞/mlに再懸
濁する。DEAE−デキストラン溶液中のプラスミドDNA(p363、FGF
−2のHMW形態のみをコードする)を、細胞に最終濃度2μg/mlの濃度ま
で添加し、そして細胞を37℃にて30分間インキュベートする。次いで、細胞
を遠心分離し、そして100μMクロロキンを含む培地を添加する。クロロキン
をその後除去し、そして細胞を48ウェル組織培養プレート(Corning)
中20,000細胞/ウェルで播種する。細胞を、48時間インキュベートし、
そのときに培地を除去し、そして100mM炭酸ナトリウム溶液を、約1分間添
加する。炭酸ナトリウム溶液を除去し、そして細胞を、0.5%FBSおよび2
5μg/mlヘパリンを含む培地で洗浄する。
【0105】 テスト化合物の添加の約20〜24時間後に、細胞上清を、標準的ELISA
ベースのアッセイを使用してFGF−2の存在についてアッセイする。簡単にい
えば、96ウェル半領域(COSTAR #369096)ELISAプレート
を、3μg/mlの濃度で抗FGF−2モノクローナル抗体で37℃にて2時間
コーティングする。培養上清試料を、プロテアーゼインヒビターを含む等容量の
緩衝液で希釈し、そしてELISAプレートに添加して2〜6℃にて一晩のイン
キュベーションする。次いで、ウェルを洗浄し、ビオチン化した抗FGF−2ポ
リクローナル抗体(R&D Systems)を、次いで、ストレプトアビジン
−HRPおよび発色団基質を添加する。FGF−2の量を、FGF−2標準曲線
からの内挿によって算出する。
【0106】 (実施例4)FGF−2の細胞培養、トランスフェクション、および代謝的
標識 この実施例は、核局在化が破壊される場合にFGF−2搬出を検出する方法を
記載する。
【0107】 COS−1細胞(ATCC CRL 1650)を、10%ウシ胎児血清、2
mM L−グルタミン、1mMピルビン酸ナトリウム、100nM非必須アミノ
酸、および50μg/mlゲンタマイシンを補充したDMEM中、48ウェルプ
レートで一晩培養する。次いで、COS−1細胞を、トランスフェクション緩衝
液(140mM NaCl、3mM KCl、1mM CaCl2、0.5mM MgCl2、0.9mM Na2HPO4、25mM Tris、pH 7.4 )中2μg/mlのCsCl精製したプラスミドDNAでトランスフェクトする
。各ウェルに、トランスフェクション緩衝液中の300μlのDNAを添加する
。細胞を、37℃にて30分間インキュベートし、そして緩衝液をアスピレート
する。100μmクロロキンを補充した温培地を、1.5時間添加する。この培
地を除去し、そして細胞を完全培地で2回洗浄する。次いで、細胞を40〜48
時間インキュベートする。18kD FGF−2の発現を阻害するための変異し
たAUGコドンを有する、HMW FGF−2をコードするプラスミド(p36
3)を、選択可能マーカーのネオマイシンホスホトランスフェラーゼを含むpM
AMneo(Clontech,Palo Alto,CA)で同時トランスフ
ェクトする。2μgのp18dxを、10μgのpMAMneoと同時トランス
フェクトする場合、70%を超えるトランスフェクトした細胞は、免疫蛍光顕微
鏡によって決定した場合、FGF−2およびneoの両方を発現する。
【0108】 上清が免疫沈降される場合、DNAトランスフェクションの40〜48時間後
に、COS−1細胞を、1mlのメチオニンおよびシステインを含まないDME
M中100μCiの35S−メチオニンおよび35S−システイン(トランス35S−
標識、ICN Biomedicals,Irvine,CA)で15分間代謝
的にパルス標識する。標識後、細胞単層を、過剰の(10mM)非標識メチオニ
ンおよびシステインを補充したDMEMで1〜2分間1回洗浄する。次いで、細
胞を表示した長さの時間、2mlのこの培地中で培養する。表示した培養物につ
いて、追跡培地に、表示した濃度でインヒビターを補充する。
【0109】 上清がELISAによってアッセイされる場合、トランスフェクションの40
〜48時間後、培地を細胞からアスピレートする。細胞を、250μlの0.1
M 炭酸Na、pH 11.4で1〜2分間1回洗浄し、そしてすぐにアスピレ
ートする。高塩溶液を代わりに使用する。炭酸緩衝液を除去し、そして細胞を、
0.5%FBS+25μg/mlヘパリンを含む培地で洗浄する。0.5%FB
Sおよび25μg/mlヘパリンを含む培地を添加する。次いで、細胞を、表示
した長さの時間インキュベートする。表示した培養物について、追跡培地は、イ
ンヒビターを補充される。HCG−αまたは他の非ヘパリン結合タンパク質をコ
ードするベクターでトランスフェクトした細胞について、炭酸洗浄液およびヘパ
リンを省く。
【0110】 (実施例5)免疫沈降およびウエスタンブロット分析 細胞および馴化培地画分を、400μlの溶解緩衝液(1%NP−40、0.
5%デオキシコール酸、20mM Tris pH 7.5、5mM EDTA
、2mM EGTA、0.01mM フェニルメチルスルホニルフルオリド、1
0ng/ml アプロチニン、10ng/ml ロイペプチン、10ng/ml
ペプスタチン)を、15分間マイクロ遠心機での遠心分離による澄明化後に培
地画分に添加すること以外は、本質的には既述(Florkiewiczら,G
rowth Factors 4:265−275,1991;Florkie
wiczら,Ann.N.Y.Acad.Sci.638:109−126)の
ように免疫沈降のために調製する。細胞または培地画分を、モルモット抗FGF
−2免疫血清(1:200)と21℃にて40分間インキュベートする。Gam
maBindTMG Sepharose(登録商標)(Pharmacia L
KB Biotechnology,Uppsala,Sweden)を添加し
、さらに30分のインキュベーションする。免疫複合体を、マイクロ遠心分離に
よってペレットし、溶解緩衝液で3回および氷冷免疫沈降洗浄緩衝液(0.15
M NaCl、0.01M リン酸Na pH 7.2、1%デオキシコール酸
、1%NP−40、0.1%ドデシル流酸ナトリウム)で4回洗浄する。免疫複
合体を、SDSゲル試料緩衝液(125mM Tris、pH 6.8、4%S
DS、10%グリセロール、0.004%ブロモフェノールブルー、2mM E
GTA)中に溶出し、そして12%SDS−PAGEによって分離する。ゲルを
、蛍光光度分析のために処理し、乾燥し、そして−70℃にてX線に曝露する。
ネオマイシンホスホトランスフェラーゼを免疫沈降する場合、ウサギ抗NPT抗
体(5Prime−3Prime,Boulder,CO)を使用する。
【0111】 ウエスタンブロット分析について、タンパク質を、25mM 3−[ジメチル
(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]−2−ヒドロキシプロパン硫酸、pH 9
.5、20%メタノールを含む冷緩衝液中、0.4ampで90分間、12%S
DS−PAGEゲルからニトロセルロースメンブラン(孔サイズ0.45μm)
にトランスファーする。メンブランを、10mM Tris、pH 7.5、1
50mM NaCl、5mM NaN3、0.35%ポリオキシエチレン−ソル ビタンモノラウレート、および5%脱脂粉乳(Carnation Co.,L
os Angeles,CA)中、室温にて1時間ブロックする。メンブランを
、ブロッキング緩衝液中0.3μg/mlで適切な抗体または免疫血清と4℃に
て16時間インキュベートする。インキュベーション後、メンブランを、150
mM NaCl、500mM リン酸ナトリウム pH 7.4、5mM Na
3、0.05%ポリオキシエチレン−ソルビタンモノラウレートを含む緩衝液 を10交換して室温にて洗浄する。次いで、メンブランを、1μg/ml ウサ
ギ抗マウスIgG(H+L、affinipure,Jackson Immu
no Research Laboratories,West Grove,
PA)を含むブロッキング緩衝液中で、室温にて30分間インキュベートする。
その後、メンブランを、上記の1Lの緩衝液で洗浄し、そして15μCi125I −プロテインA(ICN Biochemicals,Costa Mesa,
CA)を含む100mlのブロッキング緩衝液中で1時間インキュベートし、そ
して1lの緩衝液で洗浄する。放射シグナルを、オートラジオグラフィーによっ
て可視化する。
【0112】 上記から、本発明の特定の実施態様が例示の目的について本明細書に記載され
るが、種々の改変が、本発明の意図および範囲から逸脱せずに行われ得ることは
、明らかである。したがって、本発明は、添付の請求の範囲以外によっては限定
されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、FGF−2のN末端の配列である。ヒト24kDa、23kDa、2
2kDa、および18kDaイソ型についての開始コドンに下線を引く。
【図2】 図2は、代表的な固定した核タンパク質への結合、溶出、およびSDS−PA
GE後のCOS細胞タンパク質のオートラジオグラムである。レーン1および5
は、FGF−2に関連のないGST融合タンパク質を充填したGSTビーズに結
合したままの代謝的に標識したCOS細胞抽出物内のタンパク質を示し;レーン
2および6は、GSTを充填したビーズに結合したタンパク質を示し;レーン3
および7は、GST−FGF−2 N末端領域で充填したビーズに結合したタン
パク質を示し;レーン4および8は、18kD FGF−2を充填したビーズに
結合したタンパク質を示す。29kDaタンパク質を示す。分子量マーカーを、
左側および右側に沿って示す。
【図3】 図3は、代表的な固定した核タンパク質への結合、溶出、およびSDS−PA
GE後のCOS細胞タンパク質のオートラジオグラムである。レーン1、4、お
よび7は、Glutathione Sepharose(登録商標)ビーズに
結合する代謝的に標識されたCOS細胞抽出物中のタンパク質を示し;レーン2
、5、および8は、GST−43b充填したビーズに結合するタンパク質を示し
;レーン3、6、および9は、GST−ΔSL充填したビーズに結合するタンパ
ク質を示し;レーン11は、総タンパク質を示す。34kDaおよび29kDa
タンパク質を示す。分子量マーカーを、左側に沿っておよびレーン9と11との
間に示す。
【図4】 図4は、ヘルメチン(配列番号3);PIR A40041(配列番号4);
GB M69039(配列番号5);PRF 2110369A(配列番号6)
;PRF 2012336A(配列番号7)のアラインメントである。
【図5】 図5は、高分子量FGF−2イソ型のN末端アミノ酸配列(配列番号8〜10
)および18kD FGF−2(配列番号11)の始めを示す。ボックスは、p
ΔSLから発現される産物において欠失したアミノ酸を描く。
【図6】 図6は、ΔSLプラスミドでトランスフェクトした標識したCOS細胞の免疫
沈降のオートラジオグラムを示す。C、細胞;M、培地。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細胞において核タンパク質の核局在化を阻害する方法であっ
    て、核トラフィッキング成分のインヒビターの有効量を投与し、それによって該
    核タンパク質の核局在化を阻害する工程を包含する、方法。
  2. 【請求項2】 FGF−2の高分子量形態の核局在化を阻害する方法であっ
    て、核トラフィッキング成分のインヒビターの有効量を投与し、それによって該
    FGF−2の高分子量形態の核局在化を阻害する工程を包含する、方法。
  3. 【請求項3】 FGF−2の高分子量形態の核局在化を阻害する方法であっ
    て、FGF−2と核トラフィッキング成分との間の結合のインヒビターの有効量
    を投与し、それによって該FGF−2の高分子量形態の核局在化を阻害する工程
    を包含する、方法。
  4. 【請求項4】 前記核トラフィッキング成分が、FGF−2のN末端領域に
    結合する約29kDタンパク質である、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記核トラフィッキング成分がヘルメチンである、請求項3
    に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記FGF−2の高分子量形態が、配列番号1、8、9、1
    0に示されるアミノ酸配列またはその改変体を含む、請求項3に記載の方法。
  7. 【請求項7】 FGF−2の高分子量形態の核局在化のインヒビターであっ
    て、該インヒビターが、 (a)該FGF−2の高分子量(HMW)形態の核局在化を阻害し; (b)FGF−2の18kD形態の搬出を阻害せず;そして (c)該FGF−2のHMW形態と核トラフィッキング成分との間の結合を阻
    害する、 インヒビター。
  8. 【請求項8】 前記核トラフィッキング成分がヘルメチンである、請求項7
    に記載のインヒビター。
  9. 【請求項9】 前記インヒビターが、図5(配列番号8)に示される残基−
    4〜−27から本質的になる、請求項7に記載のインヒビター。
  10. 【請求項10】 HIV−1のtatタンパク質の核局在化のインヒビター
    であって、該インヒビターが、 (a)tatタンパク質の核局在化を阻害し;そして (b)tatとヘルメチンとの間の結合を阻害する、 インヒビター。
  11. 【請求項11】 請求項7〜10のいずれか一項に記載の核局在化のインヒ
    ビター、および生理学的に受容可能な賦形剤を含む、薬学的組成物。
  12. 【請求項12】 細胞からの核タンパク質の搬出を増強する方法であって、
    核トラフィッキング成分のインヒビターの有効量を投与し、それによって該タン
    パク質の搬出を増強する工程を包含する、方法。
  13. 【請求項13】 前記核タンパク質が、tatまたはHMW FGF−2で
    ある、請求項12に記載の方法。
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