JP2001509880A - 汚染された金属部片の再利用方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 この発明は、放射性元素、特にα線放射物質によって汚染されている金属部片の再利用方法に関する。その場合、金属部片から溶融体とスラグが形成され、スラグは次に溶融体から分離される。この発明によれば、溶融体及びスラグが形成される前に放射性元素が酸化される。このために、汚染された金属部片はある時間の間金属部片の融点以下の温度で酸素を含む雰囲気にさらされる。

Description

【発明の詳細な説明】 汚染された金属部片の再利用方法 この発明は、放射性元素、特にα線放射物質で汚染されている金属部片からそ の溶融体とスラグを形成し、この溶融体からスラグを分離して、汚染された金属 部片を再利用する方法に関する。 原子力設備の解体の際に或いはまた運転の際に、汚染された金属性、特に鉄を 含んだスクラップが大量に発生するが、このようなスクラップは再利用もしくは 除去する必要がある。このようなスクラップを溶融汚染除去により処理すること はよく行われている。このようなスクラップは放射性元素として、例えばウラン 、トリウム、超ウラン元素及び／又はアルカリ土金属のようなα線放射性物質を 含んでいる。 溶融汚染除去を内容とする方法はドイツ特許出願第３３１８３７７号公開明細 書により公知である。この方法においては汚染された金属が溶融され、その際形 成される溶融体にスラグ化促進剤が添加される。その際、溶融体の上にスラグが 浮いて形成される。金属部片の汚染の要因となる放射性元素（例えば、ウラン、 ネプツニウムやプルトニウム）はスラグ内に集まる。即ち、これらの元素の濃度 はスラグ内において増大するが、その濃度は溶融体においては減少する。これは 、このような元素のスラグにおける溶解性が溶融体における溶解性より大きいこ とに起因する。それ故、溶融体の汚染除去が達成される。スラグは後に溶融体の 表面からはぎ取られる。スラグの嵩は溶融体とスラグの全体の嵩に比較して小さ い。この小さいスラグの嵩だけは最終貯蔵所に送られなければならない。従って 、この場合最終貯蔵所は比較的小さな容量しか必要としない。その嵩が明らかに スラグの嵩より大きい金属溶融体は汚染除去されており、従って再使用が可能と なる。例えば金属部片をこの汚染除去された金属から製作することができる。 この公知の溶融汚染除去により金属部片の汚染の原因となる元素は金属溶融体 から殆ど除去されるにもかかわらず、なおこの汚染除去の程度をさらに上げるこ とが望ましい。 この発明の課題は、放射性汚染された金属部片を、その溶融体から金属部片の 放射性汚染の要因となる元素を今までよりも大幅に除去して、再利用する方法を 提供することにある。即ち、より多量（嵩もしくは質量）の放射性元素を溶融体 から除去し、スラグに取り入れようとするものである。 この課題は、この発明によれば、溶融体及びスラグを形成する前に放射性元素 が酸化されることによって解決される。 これにより、スラグに溶解されるべき放射性元素は酸化物として存在し、その スラグにおける溶解性は酸化されない元素の溶解性より驚くべき程大きいという 利点が得られる。その結果、好ましいことに、汚染の要因となる元素の明らかに 増大された成分が金属溶融体から取り除かれる。金属溶融体、従ってまた例えば それから作られた金属部片はこれによって充分に汚染除去されている。金属部片 は、その場合、無制限に使用することができる。 例えば放射性元素の酸化のためには、汚染された金属部片が酸素を含む雰囲気 にある時間の間金属部片の融点以下の温度に保持される。この温度は、しかしな がら、一方では酸化の間に溶融体が生ずることなく、他方ではできるだけ完全な 酸化が行われるようにするために、できるだけ高く、即ち融点より僅かに低くな ければならない。酸化プロセスは、即ち、高温であればある程、それだけ良好に 進行する。 専ら放射性元素だけでなく、全ての汚染された金属部片が酸化プロセス処理を 受けるようにすることにより、このプロセスは好ましいことに簡単化される。放 射性元素は金属部片の表面に付着しているから、これらの元素の完全な酸化が保 証されている。その場合、金属部片自体を構成している金属の比較的僅かな部分 もまた酸化されることは、それに続く溶融汚染除去に障害にならない。元素の酸 化物は、その場合、溶融の際に好ましいことにスラグ中に入り込む。 酸素を含む雰囲気は例えば乾燥した或いは湿った空気とすることができる。そ の場合、好ましいことに、特別な酸素を含む雰囲気を用意する必要がない。 金属部片が酸化のために酸素を含む雰囲気に金属部片の融点以下の温度に保持 される時間は、例えば１０分乃至６０分の長さとすることができる。このような 時間で放射性元素の充分に完全な酸化が保証されている。 汚染除去されるべき金属部片は例えば鉄及び／又は銅を含むことができる。 この発明による方法によれば、溶融汚染除去でもって金属部片について明らか に改善された汚染除去率が得られるという利点がある。汚染除去された金属溶融 体から作られた金属部片は、その場合、なんらの制約なしで使用することができ る。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ホフマン、ローラント ドイツ連邦共和国 デー―90542 エッケ ンタール ベーリングシュトラーセ １ア ー

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．放射性元素、特にα線放射物質によって汚染されている金属部片から溶融体 とスラグを形成し、このスラグを溶融体から分離して、汚染された金属部片を再 利用する方法において、溶融体及びスラグが形成される前に放射性元素が酸化さ れることを特徴とする汚染された金属部片の再利用方法。 ２．放射性元素の酸化のために汚染された金属部片が酸素を含む雰囲気にある時 間の間金属部片の融点以下の温度に保持されることを特徴とする請求項１記載の 方法。 ３．酸素を含む雰囲気が乾燥した或いは湿った空気であることを特徴とする請求 項２記載の方法。 ４．時間が１０分乃至６０分の長さであることを特徴とする請求項２又は３の１ つに記載の方法。