JP2001509821A - 溶媒の存在下での過酸化水素によるオレフィン性化合物のエポキシ化方法 - Google Patents

溶媒の存在下での過酸化水素によるオレフィン性化合物のエポキシ化方法

Info

Publication number
JP2001509821A
JP2001509821A JP54779899A JP54779899A JP2001509821A JP 2001509821 A JP2001509821 A JP 2001509821A JP 54779899 A JP54779899 A JP 54779899A JP 54779899 A JP54779899 A JP 54779899A JP 2001509821 A JP2001509821 A JP 2001509821A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
hydrogen peroxide
epoxidation
weight
solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP54779899A
Other languages
English (en)
Inventor
フルトス エスクリグ,ピラール デ
マルティン ホセ,ミフエル カムポス
Original Assignee
レプソル キミカ,ソシエダ アノニマ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by レプソル キミカ,ソシエダ アノニマ filed Critical レプソル キミカ,ソシエダ アノニマ
Publication of JP2001509821A publication Critical patent/JP2001509821A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J21/00Catalysts comprising the elements, oxides, or hydroxides of magnesium, boron, aluminium, carbon, silicon, titanium, zirconium, or hafnium
    • B01J21/06Silicon, titanium, zirconium or hafnium; Oxides or hydroxides thereof
    • B01J21/063Titanium; Oxides or hydroxides thereof
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J29/00Catalysts comprising molecular sieves
    • B01J29/89Silicates, aluminosilicates or borosilicates of titanium, zirconium or hafnium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D301/00Preparation of oxiranes
    • C07D301/02Synthesis of the oxirane ring
    • C07D301/03Synthesis of the oxirane ring by oxidation of unsaturated compounds, or of mixtures of unsaturated and saturated compounds
    • C07D301/12Synthesis of the oxirane ring by oxidation of unsaturated compounds, or of mixtures of unsaturated and saturated compounds with hydrogen peroxide or inorganic peroxides or peracids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D303/00Compounds containing three-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom
    • C07D303/02Compounds containing oxirane rings
    • C07D303/04Compounds containing oxirane rings containing only hydrogen and carbon atoms in addition to the ring oxygen atoms

Abstract

(57)【要約】 酸素化された有機溶媒中のチタンアルコキシドおよび/又はチタノセンの溶液でシリカを含浸することによって製造された、シリカ支持されたチタン触媒を用いる、溶媒(好ましくはC1〜C8アルコール)の存在下での、過酸化水素によるオレフィン性化合物のためのエポキシ化方法。

Description

【発明の詳細な説明】 溶媒の存在下での過酸化水素によるオレフィン性化合物のエポキシ化方法技術水準 エチレンオキシド、プロピレンオキシド、グリシドール等のエポキシドは、広 範囲の生成物の製造における中間生成物である。例えば、エポキシドを加水分解 することにより、凍結防止剤流体の配合において、またはポリエステル等の縮合 重合体の製造においてモノマーとして用いられるグリコールを得ることができる 。エポキシド環の開裂重合によって生成されるポリオールは、ポリウレタンフォ ーム、シーラントエラストマー、ライニング等の製造において、広く用いられて いる。そのアルコールとの反応により、多数の用途において極性溶媒として用い られるグリコールエーテルが得られる。 オレフィン性不飽和化合物のエポキシ化は、広範囲の反応剤により行うことが できる。有機ヒドロペルオキシドによるオレフィンの液相でのエポキシ化は特に 興味深いものであり、用いられたヒドロペルオキシドから誘導されたアルコール を共生成物として与えるこれらの反応にもかかわらず、そのプロセスは産業的に 用いられている。他方、過酸化水素による触媒的なエポキシ化は、経済的な要素 のため、および効率的な触媒の欠如のため、成功したものとなってはいなかった 。しかしながら、80年代にイタリアのグループは、チタン原子が結晶格子の構 造中の場所を占めるMFI型の構造を有する微孔性の固体で、チタンシリカライ ト(silicalyte)と呼ばれる触媒を開発した(米国特許第4410501号、第 4666692号、第4701428号、第4824976号、および第483 3260号)。これらのチタンおよびシリカの化合物は、TS−1として知られ ており、溶媒の存在下または非存在下で、過酸化水素によるオレフィン性化合物 のエポキシ化のための効果的な触媒である。エポキシ化がアルコールまたは水等 のプロトン性の媒体中で行われる時、たとえエポキシドに対する特異性が高いと しても、動力学的および特異性の両方の理由のために、溶媒としてのメタノール の重要な量の使用が非常に重要である。このアルコールは、助触媒と考えられる (M.G.Clericiら、J.Catal.129、159(1991);M.G.Clericiら、 Green Chemistry、ACS Pub.Services、1996、第58頁中)。この溶媒 の使用は、それがプロピレンおよびメタノール間の最も近い沸点によって、生成 物に対する以降の精製段階を妨害するという事実のために、ポリプロピレンのエ ポキシ化において問題点を有する(ヨーロッパ特許出願第673935 A2) 。 たとえエポキシドに対する特異性が相対的に高いとしても、エポキシ化反応の 間に、オキシラン環の非選択的な切断が起こる。エポキシドに対する特異性を増 大させるために、これらの望ましくない副生物形成の原因となる触媒の表面酸性 サイトに対する中和化試薬で、その触媒を処理してもよい(米国特許第4824 296号、ヨーロッパ特許第230949号)。その後、ヨーロッパ特許出願第 712852 A1は、塩化リチウム、硝酸ナトリウム等の小量の非塩基性塩の 存在下でエポキシ化が行われるとき、この同様の効果を達成できることを示して いる。 他方、チタンシリカライト(5.6×5.3Å)の小さい孔サイズの結果とし て、嵩高い(voluminous)オレフィンがその活性サイトに到達することができな いため、これらの触媒でエポキシ化することができない広範囲のオレフィンが存 在する。これらの制限を避 けるために、何人かの著者は、例えばベータゼオライト構造(Tiβ)等の格子 中でのチタンによる、より大きい孔サイズのゼオライトの合成まで進んだ(スペ イン特許出願第9101798号、Camblorら、J.Chem.Soc.Chem.Commun., 第589頁(1992)中、および米国特許第5412122号)が、オキシラ ン環の切断を有利にする格子中の酸性サイト(アルミニウム)の存在により、エ ポキシドに対しては非常に低い特異性しか得られない。これらの問題により、何 人かの著者は、格子内にアルミニウムが存在しないTiβ化合物の合成を主張し ている(米国特許第5374747号および第5621122号、およびヨーロ ッパ特許第659685号、およびCamblorら、Chem.Commun.,第1339頁( 1996)中)が、それにもかかわらず、それは未だにエポキシドに対して非常 に低い特異性しか示さない。 市販の水溶液における過酸化水素の比較的高い価格、および濃縮溶液の輸送に おける困難性は、エポキシドおよび過酸化水素を得るための合同のプロセスにお いてこれらの触媒を使用するという提案を生み出した。このように、例えば、ヨ ーロッパ特許第526947号は、それにより、アルキルヒドロアントラキノン からなるレドックス系を用いて酸素または空気の反応により過酸化水素が「その 場で」製造され、且つ、一または数種の芳香族炭化水素、1以上の高沸点の極性 の有機化合物、および低分子量アルコール(メタノール)を含む特定の溶媒の混 合物およびチタンシリカライト触媒の存在下で、オレフィンと反応するエポキシ ドの製造方法を記載している。上記刊行物には、複合溶媒混合物を使用する明確 な理由は示されていないが、アルキルアントラキノンおよびアルキルヒドロアン トラキノンが、共通の溶媒中で低い溶解性を示し、決められた反応器の容積中で 生成できる過酸化水素の最大量を制限することは知ら れている。また、ヨーロッパ特許第549013号は、アルキルヒドロアントラ キノン・レドックス系の酸化プロセスから生じているH22を抽出するために、 水−アルコール溶媒の混合物を用いる、チタンシリカライトの存在下で過酸化水 素を用いるオレフィンのためのエポキシ化プロセスを記述している。上記で示さ れたように、用いられたアルキルヒドロアントラキノンは溶媒中で低い溶解性を 有し、それは、そのプロセスの商業的な有用性をかなり制限する。米国特許第5 463090号は、過酸化水素を含む複合反応混合物を与えるために、スルホン 酸置換基を有するアルキルヒドロアントラキノンの塩の酸化に基づくエポキシド 製造のための統合プロセスを記述している。酸化反応の生成物は、触媒としての チタンシリカライトの存在下で、オレフィンのエポキシ化において用いられる。 このように、異なる溶媒におけるアルキルヒドロアントラキノン塩の溶解性が、 その反応器のサイズを実質的に減少させると主張された。米国特許第52141 68号および第5384418号、およびヨーロッパ特許第568336号およ び第732327号は、酸素または空気による第二級アルコールの酸化により、 過酸化水素および対応するケトンを得るオレフィンのエポキシ化のためのプロセ スを記述している。得られる(またはその後の処理された)H22溶液は、触媒 としてのチタンシリカライト、および溶媒としてのメタノールを用いるオレフィ ンのエポキシ化において用いられる。これら全てのエポキシ化方法は、そのエポ キシ化段階で格子中にチタンを有するモレキュラーシーブ型触媒を用いるが、そ れらの合成における困難性のために、その触媒は非常に高い価格を有する。これ らの触媒は反応媒体中で速く不活性化されるため、産業におけるそれらの使用、 およびその再利用の容易化(ヨーロッパ特許第200260号)、またはその製 造方法の改良(ヨーロッパ特許第6 38362号)のために、不活性バインダーの使用が必要となり、これは用いら れた触媒における活性な段階を減少させる。 例えば、米国特許第3642833号、第3923843号、第402145 4号および第4367342号に言及されているように、シリカで支持されたチ タン触媒は、有機ヒドロペルオキシドによるオレフィンのエポキシ化において効 果的なことが知られている。一般に、これらの触媒は、過酸化水素によるオレフ ィンのエポキシ化に効果的でないと信じられている。しかしながら、特許WO9 4/23834号は、シリカおよびチタンをベースとする触媒、および広範囲の 化学的酸化反応、特に、過酸化水素または有機ヒドロペルオキシドによるオレフ ィンのエポキシ化におけるそれらの使用を記述している。これらの触媒は、例え ば、エポキシドに対して72%を越えない(特許WO94/23834号中の例 26を参照)という中位の特異性を示すにもかかわらず、ある実験的条件の下で 無定形のシリカをチタン弗化物で含浸する(impregnating)ことによって合成さ れる。 このように、現在の技術では、より経済的で、製造が容易で、再生させるのが 容易で、比較的高い温度で働くことができ、高い反応速度で、およびそれがメタ ノールの溶媒としての使用を必要としない、過酸化水素でオレフィン性不飽和化 合物をエポキシ化するための新しい活性で特異的な触媒を利用可能とすることの ニーズが感じられている。 我々は自身で、完全に予想外の方法で、本発明にしたがって製造されたシリカ 支持されたチタン触媒を用いることによって、先行技術におけるこれらの問題を 避けることができ、および/または最小化できることを見出した。発明の記述 本発明の主題は、比表面積50〜900m2/gのシリカを有機溶媒中のチタ ンアルコキシド(alkoxyde)またはチタノセン(titanocene)の溶液で含浸し、 次いで公知の手段、例えば濾過、デカンテーション、遠心分離、または蒸発によ り過剰な溶液を分離することによって製造された、シリカで支持されたチタン触 媒の存在下で、オレフィン性の不飽和化合物のための過酸化水素によるエポキシ 化方法である。このように単離された固体の触媒は、本発明に従うエポキシ化方 法において用い前に、所望により、乾燥方法、および好ましくは活性化前処理に 供してもよい。正確な前処理方法は、用いられるチタンアルコキシド、チタノセ ン、および溶媒の性質に依存するが、一般的には、前処理は、窒素、アルゴンま たは二酸化炭素等の不活性ガスの存在下で、または酸素を含むガス、例えば空気 等の存在下で、最初に製造された触媒の加熱における、不活性および酸化的な雰 囲気中での連続的な処理から成る。その前処理の機能は、含浸中で用いられた有 機チタン化合物の、対応するオキサイドへの変換である。したがって、例えばチ タンイソプロポキシドまたはチタンブトキシド等の触媒の初期成分は、その酸化 的または不活性雰囲気中で酸化チタン(titanium oxide)になる。前処理温度は 、臨界的ではなく、200〜1000℃の間で、および1〜48時間の間で変化 してもよい。 ノーマルな条件で液体であり、それらの分子中に1〜8個の炭素原子を含む、 分子中に少なくとも1個の酸素原子を含む化合物は、本発明に従うシリカの含浸 において有機溶媒として使用することが好ましい。例えば、適切な溶媒は、アル コールおよびグリコール、ケトン、エーテルおよびエステルである。エチレング リコール、およびプロピレングリコール等のグリコール;ジメチルケトンおよび メチルエチルケトン等のケトン;ジイソプロピルエーテル、メチルtert-ブチル エーテル、およびテトラヒドロフラン等のエーテル;酢酸メチルおよび酢酸ブチ ル等のエステルを用いることができる。特に好ましいものは、メタノール、エタ ノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、シクロヘキサ ノール、およびメチルおよびジメチルヘキサノール等の、1〜8個の炭素原子の アルコールである。 本発明によれば、含浸する溶液は、C1〜C8アルコール中0.05〜10モル /リットルの範囲のチタン濃度での、チタンアルコキシド溶液(1〜8個の炭素 原子を含むアルコキシド基で)、またはチタノセン溶液(5〜10個の炭素原子 のシクロペンタジエニルまたは置換シクロペンタジエニルで)を好ましくは含む べきである。その溶液のチタン濃度およびその量は、最終的な触媒におけるチタ ン濃度が約0.1〜10重量%の間に入るように選択されなければならない。含 浸は、1回のみ、またはいくつかの段階で行うことができるが、この後者の場合 、所望により、公知の方法で中間の乾燥および焼成(calcination)を伴っても よい。 不飽和オレフィン性化合物のエポキシ化において、触媒に対して、促進剤とし て、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムまたはカルシウム等 の少量のアルカリまたはアルカリ土類金属塩を組み込むことは好ましい。そうす るために、シリカは、水中または有機溶媒中の促進剤溶液で以前に含浸され、次 いで、そのシリカをチタン溶液で含浸するか、または、酸素化された有機溶媒中 で、促進剤およびチタン化合物の溶液でのシリカの含浸を一段階で行ってもよい 。用いられる促進剤の量は少量であり、一般に、0.01重量%〜1重量%の間 (個々の触媒100gあたりの促進剤の質量)において変化する。促進剤の機能 は、望ましくない生成物を 生じる可能性があり、および通常は触媒上の表面酸サイトにより触媒されるオキ シラン環の切断を防ぎ、且つ、エポキシドの形成に関するこの物質における特異 性を改善することである。 本発明に従って製造される触媒は、過酸化水素との反応によってオレフィン性 化合物の炭素−炭素二重結合の液相におけるエポキシ化に、特に適切である。 本発明に従ってエポキシ化できるオレフィン性化合物の炭素−炭素二重結合は 、下記式によって記述することができる。(式中、R1、R2、R3およびR4は、水素またはハロゲン原子、アルキル、アリ ール(aryl)、シクロアルキル、アリールアルキル基、またはカルボキシル、エ ステル、アンヒドロ、スルホニック、ニトリルまたはエーテル基であることがで きる。そのアルキル、シクロアルキル、アリールアリル(arylallyl)およびア リール基は、カルボキシル、エステル、スルホン酸、ニトリル、ハロゲン、ヒド ロキシルおよびケトン基をも含むことができる。我々の発明は、広範囲のオレフ ィン性化合物に適用できることが理解できる。一般に、非芳香性の二重結合を含 む全てのオレフィン性化合物を、過酸化水素でエポキシ化することが可能である 。 本発明に従って過酸化水素によるエポキシ化が可能なオレフィン性基の大きい グループは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブチレン、 1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘキサデセン等の2〜18個の炭素原子を含 むアルケンである。しかしながら、実際には、プロピレンおよびC4−オレフィ ンが好ましい 。 シクロアルケンおよび置換シクロアルケンは、本発明に従ってエポキシ化する ことが可能なオレフィン化合物の他の類を構成する。適切なシクロアルケンは、 例えば、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、およびシクロドデ センである。ジシクロペンタジエン、シクロオクタジエン、およびビニルシクロ ヘキセン等のそれらの分子中に1個を越える二重結合を有する環状オレフィン性 化合物を用いてもよい。例えばスチレン、ジビニルベンゼン等の、アリール性の 置換基を有するアルケンを用いてもよい。更に、それらの大きい体積のために、 他の微孔性の触媒ではエポキシ化されることができない、オレフィン性化合物( 例えばノルボルネン等)も包含される。 本発明に従って用いることができるオレフィン性化合物は、炭素−炭素二重結 合に直接にリンクされた、またはリンクしていない他の官能基を含むことができ る。例えば、アリルアルコールおよびそのエステル、臭化塩化アリル、アクリル およびメタアクリル酸およびそれらのエステル、フマル酸およびマイレン酸およ びそれらのエステル等である。 市販の約30重量%の水溶液の過酸化水素は、市場に出ている標準品であるが 、その比較的高い価格という欠点がある。しかしながら、本発明のプロセス主題 は、有機溶媒中の過酸化水素希釈化溶液を使用するという利点を有する。好まし い過酸化水素の濃度は、1〜15%の範囲内である。有機溶媒中のこれらの希釈 された過酸化水素溶液は、例えば、イソプロピル(isopropylic)アルコール、 1−フェニルエタノール、アルキルヒドロアントラキノン等の第二級アルコール の分子酸素による公知の方法に従う酸化によって、低い価格で得ることができる が、好ましくは、スペイン特許第960 3201号に記述されるように、過酸化水素の事前の精製または抽出なしに、オ レフィン性化合物のエポキシ化において直接に用いる。 エポキシ化のための反応温度は、好ましくは30〜140℃の間(より好まし くは60〜100℃間)であり、それは、非選択的な過酸化水素の分解を最小限 としつつ、短い反応時間でオレフィンをエポキシドへ選択的に変換させるのに充 分である。一般に、エポキシドの単離および精製段階において、反応器の出口で の生成物中の過酸化水素の存在に関連したリスクを避けるために、過酸化水素の 変換は出来る限り完全に、好ましくは90重量%を越え(above)、より好まし くは95重量%を越えて変換を行うことが有利である。最適の反応温度は、要素 の中でも、とりわけ、触媒の濃度、オレフィン性化合物の反応性およびその濃度 によって、および溶媒のタイプによって決定される。一般に、上記の変量に依存 して、10〜300分の間の滞留時間が適切である。反応は、反応混合物の成分 を液相で維持するために、大気圧で、または高圧(典型的には0.1〜10Mp aの間で)で行うことが好ましい。例えば、大気圧でエポキシ化反応温度より低 い沸点を有するオレフィン(例えばプロピレン)をエポキシ化するとき、プロピ レンを液相で維持するために充分な圧力で操作することが必要である。 本発明に従うエポキシ化反応は、例えば、触媒固定床、触媒粒子サスペンショ ンを有する攪拌タンク型の反応器等の適切な種類の反応器を用いて、不連続的に (discontinuously)、半連続的に、または連続的に行うことができる。金属の 触媒を用いて、過酸化水素でのエポキシ化を行うために、一般に公知の方法を用 いることができる。したがって、反応剤を、組み合わせ、または逐次的な方法で 、反応器に加えることができる。例えば、過酸化水素および/又は オレフィンは、増加的に(increasingly)反応器に加えることができる。 エポキシ化は、反応剤を溶解または分散させることができ、且つ反応温度の制 御を容易にすることができる適切な溶媒の存在下で、行われるべきである。好ま しい溶媒は、1−フェニルエタノール、2−フェニルエタノール等のC6〜C8芳 香族アルコール、またはメタノール、エタノール、n−ブタノール、ヘキサノー ル等のC1〜C6脂肪族アルコールであり、好ましくは2−メチル−2−プロパノ ールである。 一旦エポキシ化反応が所望の変換の程度に進行した際には、もし触媒が反応媒 体中で懸濁されて用いられているのであれば、濾過等の公知の異なる方法によっ て、それ以降の再利用のため触媒を反応混合物から分離することができる。反応 を連続的に行うとき、最適の活性および特異性レベルを維持するために、用いら れた触媒の全部または一部を定期的または連続的に再生させることが好ましい。 適切な再生技術は周知であり、それは焼成および溶媒による処理を含む。エポキ シドは、例えば、分別蒸留、抽出蒸留、液−液抽出等の公知の方法によって、触 媒の分離によって生じた反応混合物から分離することができる。 上記の記述によって、如何なる専門家も、本発明の本質的な特徴を確認し、そ の精神および目的から逸脱することなく、それを異なる条件下でのオレフィンの エポキシ化に適合させるために、変化および修正を導入することができる。 例1 以下の方法により、チタン触媒をシリカ上に製造した。 1.43gのイソプロピル オルトチタノエートを300mlの1−ヘキサノ ールに加え、攪拌下に置き、その混合物を150℃に加熱し、次いで9gのGrac eシリカ(210m2/gの比表面積、および1.43cm3/gの細孔体積)を 加え、その振盪および温度を2時間維持した。それを冷却させ、その製造におい て用いた溶媒で固体を洗浄することによって、それを濾過した。最後に、それを 500℃で5時間焼成した。例2 1−ヘキサノールに代えて溶媒として1−フェニルエタノールを用いた以外は 、例1と同様に進めて触媒を製造した。例3 1−ヘキサノールに代えて溶媒としてシクロヘキサノールを用いた以外は、例 1と同様に進めて触媒を製造した。この触媒をTi/SiO2と名付けた。比較例1 1−ヘキサノールに代えて溶媒として、非酸素化された溶媒たるトルエンを用 いた以外は、例1と同様に進めて触媒を製造した。比較例1b 特許WO 94/23834号の例1に記述された方法に従ってTiF4をチ タン前駆体として用いて、シリカ上にチタン触媒を製造した。その固体のチタン 含有量は、1.2重量%であった。この触媒をTiF4/SiO2と名づけた。比較例1c 米国特許第3923843号の例1に記述された方法に従ってTiCl4をチ タン前駆体として用いて、シリカ上にチタン触媒を製造した。この触媒をTiC l/SiO2と名付けた。その固体のチタン含有量は、1.2重量%であった。 この触媒をTiF4/Si O2と名づけた。例4〜7 例1〜3および比較例1の触媒を、過酸化水素による1−オクテンのエポキシ 化反応においてテストした。0.2モルのオレフィン、11gの1−フェニルエ タノール、および1gの触媒を反応器に導入した。その混合物を80℃に加熱し 、1−フェニルエタノール中の6重量%のH22溶液4gを、一滴づつ30分間 で加えた。過酸化水素の添加の開始から1時間の反応の後に得られた結果を、表 1に示すが、これから、触媒の合成における酸素化した有機溶媒を用いることの 必要性を推論することができる。表1 1−オクテンのエポキシ化反応(1時間)での挙動に対する、触媒の合成にお いて用いられた溶媒の効果(反応条件は、本文中) 例8 例3において製造した触媒を、TS−1上ではエポキシ化することができない 嵩高いオレフィンたるノルボルネンのエポキシ化において用いた。0.2のモル のオレフィン、10.4gのジグライム、および1gの触媒を反応器に導入した 。その混合物を80℃に加熱し、水中のH22の70重量%溶液の0.36gと 、4gのジ グライム(diglyme)とから得られる、過酸化水素溶液4.36gを30分間で 一滴づつ加えた。過酸化水素の添加の開始から1時間の反応の後に、93重量% の過酸化水素変換、および98重量%のエポキシドに対する特異性が得られた。例9 例3における触媒(Ti/SiO2)を、過酸化水素によるシクロヘキセンの エポキシ化反応においてテストした。0.2のモルのオレフィン、10.4gの ジグライム、および1gの触媒を反応器に導入した。その混合物を80℃に加熱 し、水中のH22の70重量%溶液の0.36gと、4gのジグライムとから得 られる、過酸化水素溶液4.36gを30分間で一滴づつ加えた。過酸化水素の 添加の開始から1時間の反応の後に、90重量%の過酸化水素変換、および77 重量%のエポキシドに対する特異性が得られた。表2。比較例9 比較例1において製造した触媒を用いた以外は、例9と同様に我々は進めた。 ここで得られ、表2において示した結果は、先行技術において用いられたそれら に比べて、本発明の触媒がより活性で、且つエポキシドに対して特異的であるこ とを示す。表2 80℃でのシクロヘキセンのエポキシ化(1時間の反応) 例9の反応条件 その他=3−シクロヘキセン−1−オール例10 触媒Ti/SiO2(例3に従って製造)を、過酸化水素による1−オクテン のエポキシ化においてテストした。0.2のモルのオレフィン、11gの2−メ チル−2−プロパノール、および1gの触媒を反応器に導入した。その混合物を 80℃に加熱し、1−フェニルエタノール中のH22の6重量%溶液の4gを3 0分間で一滴づつ加えた。過酸化水素の添加の開始から1時間の反応の後に、9 7重量%の過酸化水素変換、および95重量%のエポキシドに対する特異性が得 られた。表3。比較例10 比較例1bにおける触媒を用いた以外は、例10と全く同じ方法で1−オクテ ンのエポキシ化を行った。1時間の反応の後に得られた結果を、表3に示す。先 行技術(WO 94/23834)において用いられたそれらに比べて、本発明 の触媒は、より活性且つエポキシドに対して特異的である。比較例10b 比較例1cにおける触媒を用いた以外は、例10と全く同じ方法で、1−オク テンのエポキシ化を行った。1時間の反応の後に得ら れた結果を、表3に示す。先行技術において用いられたそれらに比べて、本発明 の触媒は、より活性且つエポキシドに対して特異的である。表3 1−オクテンのエポキシ化(1時間の反応) 例11の反応条件。 その他=オキシラン環の切断からの化合物(グリコールおよびエーテルグリコ ール) ACP=アセトフェノン例11 スペイン特許第9603201号の例11に記述されたように、1−フェニル (phenil)エタノールの酸化によって、過酸化水素溶液を製造した。4.24重 量%のH22含有量を有するこの溶液を、如何なる種類の前精製もなしで、1− オクテンのエポキシ化において用いた。0.2モルのオレフィン、11gの2− メチル−2−プロパノール、および例3に従って製造した1gの触媒を、反応器 に導入した。その混合物を80℃に加熱し、H22溶液6gを30分間で一滴づ つ加えた。過酸化水素の添加の開始からの1時間の反応で得られたH22の変換 は95重量%、エポキシドに対する特異性は97重量%であった。例12 Graceシリカ(Grace SP9.10214、比表面積301m2/g)から、3 0gの触媒を製造した。5.85gのイソプロピルオルトチタネートを900m lのシクロヘキサノールに加え、それらを攪拌下に置き、混合物を150℃に加 熱し、次いで30gのシリカを加えた。その振盪および温度を2時間維持した。 それを冷却させ、その製造において用いた溶媒で固体を洗浄することによって、 それを濾過し、最後に、それを500℃で5時間焼成した。この触媒を、過酸化 水素によるプロピレンのエポキシ化(epoxilation)反応においてテストした。 そうするために、バスケットを有する攪拌タンク不連続反応器を固体の触媒とと もに作動させるために用いて、12gをそのバスケットに導入し、および後者の 容積の残りをガラスビーズで満たした。次いで、192gの2−メチル−2−プ ロパノールと147.2gのプロピレンとの混合物を、攪拌下で、反応温度(7 0℃)に到達するように加熱した。その時点で、プロピレンが液相にあることを 確実にするために、34Mpaの圧力に到達するまで窒素を導入した。反応性の 混合物に、MBAおよび2−メチル−2−プロパノール中の3.2重量%の過酸 化水素の溶液104gを30分間で加えた。過酸化水素の添加の開始から1時間 の反応の後、96.5重量%のH22の変換、および92重量%のエポキシドに 対する特異性が得られた。
【手続補正書】 【提出日】平成13年2月8日(2001.2.8) 【補正内容】 明細書 溶媒の存在下での過酸化水素によるオレフィン性化合物のエポキシ化方法技術水準 エチレンオキシド、プロピレンオキシド、グリシドール等のエポキシドは、広 範囲の生成物の製造における中間生成物である。例えば、エポキシドを加水分解 することにより、凍結防止剤流体の配合において、またはポリエステル等の縮合 重合体の製造においてモノマーとして用いられるグリコールを得ることができる 。エポキシド環の開裂重合によって生成されるポリオールは、ポリウレタンフォ ーム、シーラントエラストマー、ライニング等の製造において、広く用いられて いる。そのアルコールとの反応により、多数の用途に おいて極性溶媒として用いられるグリコールエーテルが得られる。 オレフィン性不飽和化合物のエポキシ化は、広範囲の反応剤により行うことが できる。有機ヒドロペルオキシドによるオレフィンの液相でのエポキシ化は特に 興味深いものであり、用いられたヒドロペルオキシドから誘導されたアルコール を共生成物として与えるこれらの反応にもかかわらず、そのプロセスは産業的に 用いられている。他方、過酸化水素による触媒的なエポキシ化は、経済的な要素 のため、および効率的な触媒の欠如のため、成功したものとなってはいなかった 。しかしながら、80年代にイタリアのグループは、チタン原子が結晶格子の構 造中の場所を占めるMFI型の構造を有する微孔性の固体で、チタンシリカライ ト(sillcalyte)と呼ばれる触媒を開発した(米国特許第4410501号、第 4666692号、第4701428号、第4824976号、および第483 3260号)。これらのチタンおよびシリカの化合物は、TS−1として知られ ており、溶媒の存在下または非存在下で、過酸化水素によるオレフィン性化合物 のエポキシ化のための効果的な触媒である。エポキシ化がアルコールまたは水等 のプロトン性の媒体中で行われる時、たとえエポキシドに対する特異性が高いと しても、動力学的および特異性の両方の理由のために、溶媒としてのメタノール の重要な量の使用が非常に重要である。このアルコールは、助触媒と考えられる (M.G.Clericiら、J.Catal.129、159(1991);M.G.Clericiら、 Green Chemistry、ACS Pub.Services、1996、第58頁中)。この溶媒 の使用は、それがプロピレンおよびメタノール間の最も近い沸点によって、生成 物に対する以降の精製段階を妨害するという事実のために、ボリプロピレンのエ ポキシ化において問題点を有する(ヨーロッパ特許出願第673935 A2) 。 たとえエポキシドに対する特異性が相対的に高いとしても、エポキシ化反応の 間に、オキシラン環の非選択的な切断が起こる。エポキシドに対する特異性を増 大させるために、これらの望ましくない副生物形成の原因となる触媒の表面酸性 サイトに対する中和化試薬で、その触媒を処理してもよい(米国特許第4824 296号、ヨーロッパ特許第230949号)。その後、ヨーロッパ特許出願第 712852 A1は、塩化リチウム、硝酸ナトリウム等の小量の非塩基性塩の 存在下でエポキシ化が行われるとき、この同様の効果を達成できることを示して いる。 他方、チタンシリカライト(5.6×5.3Å)の小さい孔サイズの結果とし て、嵩高い(voluminous)オレフィンがその活性サイトに到達することができな いため、これらの触媒でエポキシ化することができない広範囲のオレフィンが存 在する。これらの制限を避けるために、何人かの著者は、例えばベータゼオライ ト構造(Tiβ)等の格子中でのチタンによる、より大きい孔サイズのゼオライ トの合成まで進んだ(スペイン特許出願第9101798号、Camblorら、J.Ch em.Soc.Chem.Commun.,第589頁(1992)中、および米国特許第541 2122号)が、オキシラン環の切断を有利にする格子中の酸性サイト(アルミ ニウム)の存在により、エポキシドに対しては非常に低い特異性しか得られない 。これらの問題により、何人かの著者は、格子内にアルミニウムが存在しないT iβ化合物の合成を主張している(米国特許第5374747号および第562 1122号、およびヨーロッパ特許第659685号、およびCamblorら、Chem .Commun.,第1339頁(1996)中)が、それにもかかわらず、それは未だ にエポキシドに対して非常に低い特異性しか示さない。 市販の水溶液における過酸化水素の比較的高い価格、および濃縮溶液の輸送に おける困難性は、エポキシドおよび過酸化水素を得るための合同のプロセスにお いてこれらの触媒を使用するという提案を生み出した。このように、例えば、ヨ ーロッパ特許第526947号は、それにより、アルキルヒドロアントラキノン からなるレドックス系を用いて酸素または空気の反応により過酸化水素が「その 場で」製造され、且つ、一または数種の芳香族炭化水素、1以上の高沸点の極性 の有機化合物、および低分子量アルコール(メタノール)を含む特定の溶媒の混 合物およびチタンシリカライト触媒の存在下で、オレフィンと反応するエポキシ ドの製造方法を記載している。上記刊行物には、複合溶媒混合物を使用する明確 な理由は示されていないが、アルキルアントラキノンおよびアルキルヒドロアン トラキノンが、共通の溶媒中で低い溶解性を示し、決められた反応器の容積中で 生成できる過酸化水素の最大量を制限することは知られている。また、ヨーロッ パ特許第549013号は、アルキルヒドロアントラキノン・レドックス系の酸 化プロセスから生じているH22を抽出するために、水−アルコール溶媒の混合 物を用いる、チタンシリカライトの存在下で過酸化水素を用いるオレフィンのた めのエポキシ化プロセスを記述している。上記で示されたように、用いられたア ルキルヒドロアントラキノンは溶媒中で低い溶解性を有し、それは、そのプロセ スの商業的な有用性をかなり制限する。米国特許第5463090号は、過酸化 水素を含む複合反応混合物を与えるために、スルホン酸置換基を有するアルキル ヒドロアントラキノンの塩の酸化に基づくエポキシド製造のための統合プロセス を記述している。酸化反応の生成物は、触媒としてのチタンシリカライトの存在 下で、オレフィンのエポキシ化において用いられる。このように、異なる溶媒に おけるアルキルヒドロアントラキノン塩の溶解性が、その反応器のサイズを実質 的に減少させると主張された。米国特許第5214168号および第53844 18号、およびヨーロッパ特許第568336号および第732327号は、酸 素または空気による第二級アルコールの酸化により、過酸化水素および対応する ケトンを得るオレフィンのエポキシ化のためのプロセスを記述している。得られ る(またはその後の処理された)H22溶液は、触媒としてのチタンシリカライ ト、および溶媒としてのメタノールを用いるオレフィンのエポキシ化において用 いられる。これら全てのエポキシ化方法は、そのエポキシ化段階で格子中にチタ ンを有するモレキュラーシーブ型触媒を用いるが、それらの合成における困 難性のために、その触媒は非常に高い価格を有する。これらの触媒は反応媒体中 で速く不活性化されるため、産業におけるそれらの使用、およびその再利用の容 易化(ヨーロッパ特許第200260号)、またはその製造方法の改良(ヨーロ ッパ特許第638362号)のために、不活性バインダーの使用が必要となり、 これは用いられた触媒における活性な段階を減少させる。 例えば、米国特許第3642833号、第3923843号、第402145 4号および第4367342号に言及されているように、シリカで支持されたチ タン触媒は、有機ヒドロペルオキシドによるオレフィンのエポキシ化において効 果的なことが知られている。一般に、これらの触媒は、過酸化水素によるオレフ ィンのエポキシ化に効果的でないと信じられている。しかしながら、特許WO9 4/23834号は、シリカおよびチタンをベースとする触媒、および広範囲の 化学的酸化反応、特に、過酸化水素または有機ヒドロペルオキシドによるオレフ ィンのエポキシ化におけるそれらの使用を記述している。これらの触媒は、例え ば、エポキシドに対して72%を越えない(特許WO94/23834号中の例 26を参照)という中位の特異性を示すにもかかわらず、ある実験的条件の下で 無定形のシリカをチタン弗化物で含浸する(impregnating)ことによって合成さ れる。 このように、現在の技術では、より経済的で、製造が容易で、再生させるのが 容易で、比較的高い温度で働くことができ、高い反応速度で、およびそれがメタ ノールの溶媒としての使用を必要としない、過酸化水素でオレフィン性不飽和化 合物をエポキシ化するための新しい活性で特異的な触媒を利用可能とすることの ニーズが感じられている。 我々は自身で、完全に予想外の方法で、本発明にしたがって製造されたシリカ 支持されたチタン触媒を用いることによって、先行技術におけるこれらの問題を 避けることができ、および/または最小化できることを見出した。発明の記述 本発明の主題は、比表面積50〜900m2/gのシリカを有機溶媒中のチタ ンアルコキシド(alkoxyde)またはチタノセン(titanocene)の溶液で含浸し、 次いで公知の手段、例えば濾過、デカンテーション、遠心分離、または蒸発によ り過剰な溶液を分離することによって製造された、シリカで支持されたチタン触 媒の存在下で、オレフィン性の不飽和化合物のための過酸化水素によるエポキシ 化方法である。このように単離された固体の触媒は、本発明に従うエポキシ化方 法において用いられる前に、所望により、乾燥方法、および好ましくは活性化前 処理に供してもよい。正確な前処理方法は、用いられるチタンアルコキシド、チ タノセン、および溶媒の性質に依存するが、一般的には、前処理は、窒素、アル ゴンまたは二酸化炭素等の不活性ガスの存在下で、または酸素を含むガス、例え ば空気等の存在下で、最初に製造された触媒の加熱における、不活性および酸化 的な雰囲気中での連続的な処理から成る。その前処理の機能は、含浸中で用いら れた有機チタン化合物の、対応するオキサイドへの変換である。したがって、例 えばチタンイソプロポキシドまたはチタンブトキシド等の触媒の初期成分は、そ の酸化的または不活性雰囲気中で酸化チタン(titanium oxide)になる。前処理 温度は、臨界的ではなく、200〜1000℃の間で、および1〜48時間の間 で変化してもよい。 ノーマルな条件で液体であり、それらの分子中に1〜8個の炭素原子を含む、 分子中に少なくとも1個の酸素原子を含む化合物は、本発明に従うシリカの含浸 において有機溶媒として使用することが好ましい。例えば、適切な溶媒は、アル コールおよびグリコール、ケトン、エーテルおよびエステルである。エチレング リコール、およびプロピレングリコール等のグリコール;ジメチルケトンおよび メチルエチルケトン等のケトン;ジイソプロピルエーテル、メチルtert-ブチル エーテル、およびテトラヒドロフラン等のエーテル;酢酸メチルおよび酢酸ブチ ル等のエステルを用いることができる。特に好ましいものは、メタノール、エタ ノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、シクロヘキサ ノール、およびメチルおよびジメチルヘキサノール等の、1〜8個の炭素原子の アルコールである。 本発明によれば、含浸する溶液は、C1〜C8アルコール中0.05〜10モル /リットルの範囲のチタン濃度での、チタンアルコキシド溶液(1〜8個の炭素 原子を含むアルコキシド基で)、またはチタノセン溶液(5〜10個の炭素原 子のシクロペンタジエニルまたは置換シクロペンタジエニルで)を好ましくは含 むべきである。その溶液のチタン濃度およびその量は、最終的な触媒におけるチ タン濃度が約0.1〜10質量%(重量%)の間に入るように選択されなければ ならない。含浸は、1回のみ、またはいくつかの段階で行うことができるが、こ の後者の場合、所望により、公知の方法で中間の乾燥および焼成(calcination )を伴ってもよい。 不飽和オレフィン性化合物のエポキシ化において、触媒に対して、促進剤とし て、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムまたはカルシウム等 の少量のアルカリまたはアルカリ土類金属塩を組み込むことは好ましい。そうす るために、シリカは、水中または有機溶媒中の促進剤溶液で以前に含浸され、次 いで、そのシリカをチタン溶液で含浸するか、または、酸素化された有機溶媒中 で、促進剤およびチタン化合物の溶液でのシリカの含浸を一段階で行ってもよい 。用いられる促進剤の量は少量であり、一般に、0.01質量%(重量%)〜1 質量%(重量%)の間(個々の触媒100gあたりの促進剤の質量)において変 化する。促進剤の機能は、望ましくない生成物を生じる可能性があり、および通 常は触媒上の表面酸サイトにより触媒されるオキシラン環の切断を防ぎ、且つ、 エポキシドの形成に関するこの物質における特異性を改善することである。 本発明に従って製造される触媒は、過酸化水素との反応によってオレフィン性 化合物の炭素−炭素二重結合の液相におけるエポキシ化に、特に適切である。 本発明に従ってエポキシ化できるオレフィン性化合物の炭素−炭素二重結合は 、下記式によって記述することができる。(式中、R1、R2、R3およびR4は、水素またはハロゲン原子、アルキル、アリ ール(aryl)、シクロアルキル、アリールアルキル基、またはカルボキシル、エ ステル、アンヒドロ、スルホニック、ニトリルまたはエーテル基であることがで きる。そのアルキル、シクロアルキル、アリールアリル(arylallyl)およ びアリール基は、カルボキシル、エステル、スルホン酸、ニトリル、ハロゲン、 ヒドロキシルおよびケトン基をも含むことができる。我々の発明は、広範囲のオ レフィン性化合物に適用できることが理解できる。一般に、非芳香性の二重結合 を含む全てのオレフィン性化合物を、過酸化水素でエポキシ化することが可能で ある。 本発明に従って過酸化水素によるエポキシ化が可能なオレフィン性基の大きい グループは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブチレン、 1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘキサデセン等の2〜18個の炭素原子を含 むアルケンである。しかしながら、実際には、プロピレンおよびC4−オレフィ ンが好ましい。 シクロアルケンおよび置換シクロアルケンは、本発明に従ってエポキシ化する ことが可能なオレフィン化合物の他の類を構成する。適切なシクロアルケンは、 例えば、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、およびシクロドデ センである。ジシクロペンタジエン、シクロオクタジエン、およびビニルシクロ ヘキセン等のそれらの分子中に1個を越える二重結合を有する環状オレフィン性 化合物を用いてもよい。例えばスチレン、ジビニルベンゼン等の、アリール性の 置換基を有するアルケンを用いてもよい。更に、それらの大きい体積のために、 他の微孔性の触媒ではエポキシ化されることができない、オレフィン性化合物( 例えばノルボルネン等)も包含される。 本発明に従って用いることができるオレフィン性化合物は、炭素−炭素二重結 合に直接にリンクされた、またはリンクしていない他の官能基を含むことができ る。例えば、アリルアルコールおよびそのエステル、臭化塩化アリル、アクリル およびメタアクリル酸およびそれらのエステル、フマル酸およびマイレン酸およ びそれらのエステル等である。 市販の約30質量%(重量%)の水溶液の過酸化水素は、市場に出ている標準 品であるが、それには比較的高い価格という欠点がある。しかしながら、本発明 のプロセス主題は、有機溶媒中の過酸化水素希釈化溶液を使用するという利点を 有する。好ましい過酸化水素の濃度は、1〜15%の範囲内である。有機溶媒中 のこれらの希釈された過酸化水素溶液は、例えば、イソプロピル(isopropylic )アルコール、1−フェニルエタノール、アルキルヒドロアントラキノン等の第 二級アルコールの分子酸素による公知の方法に従う酸化によって、低い価格で得 ることができるが、好ましくは、スペイン特許第9603201号に記述される ように、過酸化水素の事前の精製または抽出なしに、オレフィン性化合物のエポ キシ化において直接に用いる。 エポキシ化のための反応温度は、好ましくは30〜140℃の間(より好まし くは60〜100℃の間)であり、それは、非選択的な過酸化水素の分解を最小 限としつつ、短い反応時間でオレフィンをエポキシドへ選択的に変換させるのに 充分である。一般に、エポキシドの単離および精製段階において、反応器の出口 での生成物中の過酸化水素の存在に関連したリスクを避けるために、過酸化水素 の変換は出来る限り完全に、好ましくは90質量%(重量%)を越え(above) 、より好ましくは95質量%(重量%)を越えて変換を行うことが有利である。 最適の反応温度は、要素の中でも、とりわけ、触媒の濃度、オレフィン性化合物 の反応性およびその濃度によって、および溶媒のタイプによって決定される。一 般に、上記の変量に依存して、10〜300分の間の滞留時間が適切である。反 応は、反応混合物の成分を液相で維持するために、大気圧で、または高圧(典型 的には0.1〜10Mpaの間で)で行うことが好ましい。例えば、大気圧でエ ボキシ化反応温度より低い沸点を有するオレフィン(例えばプロピレン)をエポ キシ化するとき、プロピレンを液相で維持するために充分な圧力で操作すること が必要である。 本発明に従うエポキシ化反応は、例えば、触媒固定床、触媒粒子サスペンショ ンを有する攪拌タンク型の反応器等の適切な種類の反応器を用いて、不連続的に (discontinuously)、半連続的に、または連続的に行うことができる。金属の 触媒を用いて、過酸化水素でのエポキシ化を行うために、一般に公知の方法を用 いることができる。したがって、反応剤を、組み合わせ、または逐次的な方法で 、反応器に加えることができる。例えば、過酸化水素および/又はオレフィンは 、増加的に(increasingly)反応器に加えることができる。 エポキシ化は、反応剤を溶解または分散させることができ、且つ反応温度の制 御を容易にすることができる適切な溶媒の存在下で、行われるべきである。好ま しい溶媒は、1−フェニルエタノール、2−フェニルエタノール等のC6〜C8芳 香族アルコール、またはメタノール、エタノール、n−ブタノール、ヘキサノー ル等のC1〜C6脂肪族アルコールであり、好ましくは2−メチル−2−プロパノ ールである。 一旦エポキシ化反応が所望の変換の程度に進行した際には、もし触媒が反応媒 体中で懸濁されて用いられているのであれば、濾過等の公知の異なる方法によっ て、それ以降の再利用のため触媒を反応混合物から分離することができる。反応 を連続的に行うとき、最適の活性および特異性レベルを維持するために、用いら れた触媒の全部または一部を定期的または連続的に再生させることが好ましい。 適切な再生技術は周知であり、それは焼成および溶媒による処理を含む。エポキ シドは、例えば、分別蒸留、抽出蒸留、液−液抽出等の公知の方法によって、触 媒の分離によって生じた反応混合物から分離することができる。 上記の記述によって、如何なる専門家も、本発明の本質的な特徴を確認し、そ の精神および目的から逸脱することなく、それを異なる条件下でのオレフィンの エポキシ化に適合させるために、変化および修正を導入することができる。 例1 以下の方法により、チタン触媒をシリカ上に製造した。 1.43gのイソプロピル オルトチタノエートを300mlの1−ヘキサノ ールに加え、攪拌下に置き、その混合物を150℃に加熱し、次いで9gのGrac eシリカ(210m2/gの比表面積、および1.43cm3/gの細孔体積)を 加え、その振盪および温度を2時間維持した。それを冷却させ、その製造におい て用いた溶媒で固体を洗浄することによって、それを濾過した。最後に、それを 500℃で5時間焼成した。例2 1−ヘキサノールに代えて溶媒として1−フェニルエタノールを用いた以外は 、例1と同様に進めて触媒を製造した。例3 1−ヘキサノールに代えて溶媒としてシクロヘキサノールを用いた以外は、例 1と同様に進めて触媒を製造した。この触媒をTi/SiO2と名付けた。比較例1 1−ヘキサノールに代えて溶媒として、非酸素化された溶媒たるトルエンを用 いた以外は、例1と同様に進めて触媒を製造した。比較例1b 特許WO 94/23834号の例1に記述された方法に従ってTiF4をチ タン前駆体として用いて、シリカ上にチタン触媒を製造した。その固体のチタン 含有量は、1.2質量%(重量%)であった。この触媒をTiF4/SiO2と名 づけた。比較例1c 米国特許第3923843号の例1に記述された方法に従ってTiCl4をチ タン前駆体として用いて、シリカ上にチタン触媒を製造した。この触媒をTiC l/SiO2と名付けた。その固体のチタン含有量は、1.2質量%(重量%) であった。この触媒をTiF4/SiO2と名づけた。例4〜7 例1〜3および比較例1の触媒を、過酸化水素による1−オクテンのエポキシ 化反応においてテストした。0.2モルのオレフィン、11gの1−フェニルエ タノール、および1gの触媒を反応器に導入した。その混合物を80℃に加熱し 、1−フェニルエタノール中の6質量%(重量%)のH22溶液4gを、一滴づ つ30分間で加えた。過酸化水素の添加の開始から1時間の反応の後に得られた 結果を、表1に示すが、これから、触媒の合成における酸素化した有機溶媒を用 いることの必要性を推論することができる。表1 1−オクテンのエポキシ化反応(1時間)での挙動に対する、触媒の合成にお いて用いられた溶媒の効果(反応条件は、本文中) 例8 例3において製造した触媒を、TS−1上ではエポキシ化することができない 嵩高いオレフィンたるノルボルネンのエポキシ化において用いた。0.2モルの オレフィン、10.4gのジグライム、および1gの触媒を反応器に導入した。 その混合物を80℃に加熱し、水中のH22の70質量%(重量%)溶液の0. 36gと、4gのジグライム(diglyme)とから得られる、過酸化水素溶液4. 36gを30分間で一滴づつ加えた。過酸化水素の添加の開始から1時間の反応 の後に、93質量%(重量%)の過酸化水素変換、および98質量%(重量%) のエポキシドに対する特異性が得られた。例9 例3における触媒(Ti/SiO2)を、過酸化水素によるシクロヘキセンの エポキシ化反応においてテストした。0.2モルのオレフィン、10.4gのジ グライム、および1gの触媒を反応器に導入した。その混合物を80℃に加熱し 、水中のH22の70質量%(重量%)溶液の0.36gと、4gのジグライム とから得られる、過酸化水素溶液4.36gを30分間で一滴づつ加えた。過酸 化水素の添加の開始から1時間の反応の後に、90質量%(重量%)の過酸化水 素変換、および77質量%(重量%)のエポキシドに対する特異性が得られた。 表2。比較例9 比較例1において製造した触媒を用いた以外は、例9と同様に我々は進めた。 ここで得られ、表2において示した結果は、先行技術において用いられたそれら に比べて、本発明の触媒がより活性で、且つエポキシドに対して特異的であるこ とを示す。表2 80℃でのシクロヘキセンのエポキシ化(1時間の反応) 例9の反応条件 その他=3−シクロヘキセン−1−オール例10 触媒Ti/SiO2(例3に従って製造)を、過酸化水素による1−オクテン のエポキシ化においてテストした。0.2モルのオレフィン、11gの2−メチ ル−2−プロパノール、および1gの触媒を反応器に導入した。その混合物を8 0℃に加熱し、1−フェニルエタノール中のH22の6質量%(重量%)溶液の 4gを30分間で一滴づつ加えた。過酸化水素の添加の開始から1時間の反応の 後に、97質量%(重量%)の過酸化水素変換、および95質量%(重量%)の エポキシドに対する特異性が得られた。表3。比較例10 比較例1bにおける触媒を用いた以外は、例10と全く同じ方法で1−オクテ ンのエポキシ化を行った。1時間の反応の後に得られた結果を、表3に示す。先 行技術(WO 94/23834)において用いられたそれらに比べて、本発明 の触媒は、より活性且つエポキシドに対して特異的である。比較例10b 比較例1cにおける触媒を用いた以外は、例10と全く同じ方法で、1−オク テンのエポキシ化を行った。1時間の反応の後に得られた結果を、表3に示す。 先行技術において用いられたそれらに比べて、本発明の触媒は、より活性且つエ ポキシドに対して特異的である。表3 1−オクテンのエポキシ化(1時間の反応) 例11の反応条件。 その他=オキシラン環の切断からの化合物(グリコールおよびエーテルグリコ ール) ACP=アセトフェノン例11 スペイン特許第9603201号の例11に記述されたように、1−フェニル (phenil)エタノールの酸化によって、過酸化水素溶液を製造した。4.24質 量%(重量%)のH22含有量を有するこの溶液を、如何なる種類の前精製もな しで、1−オクテンのエポキシ化において用いた。0.2モルのオレフィン、1 1gの2−メチル−2−プロパノール、および例3に従って製造した1gの触媒 を、反応器に導入した。その混合物を80℃に加熱し、H22溶液6gを30分 間で一滴づつ加えた。過酸化水素の添加の開始からの1時間の反応で得られたH22の変換は95質量%(重量%)、エポキシドに対する特異性は97質量%( 重量%)であった。例12 Graceシリカ(Grace SP9.10214、比表面積301m2/g)から、3 0gの触媒を製造した。5.85gのイソプロピルオルトチタネートを900m lのシクロヘキサノールに加え、それらを攪拌下に置き、混合物を150℃に加 熱し、次いで30gのシリカを加えた。その振盪および温度を2時間維持した。 それを冷却させ、その製造において用いた溶媒で固体を洗浄することによって、 それを濾過し、最後に、それを500℃で5時間焼成した。この触媒を、過酸化 水素によるプロピレンのエポキシ化(epoxilation)反応においてテストした。 そうするために、バスケットを有する攪拌タンク不連続反応器を固体の触媒とと もに作動させるために用いて、12gをそのバスケットに導入し、および後者の 容積の残りをガラスビーズで満たした。次いで、192gの2−メチル−2−プ ロパノールと147.2gのプロピレンとの混合物を、攪拌下で、反応温度(7 0℃)に到達するように加熱した。その時点で、プロピレンが液相にあることを 確実にするために、34Mpaの圧力に到達するまで窒素を導入した。反応性の 混合物に、MBAおよび2−メチル−2−プロパノール中の3.2質量%(重量 %)の過酸化水素の溶液104gを30分間で加えた。過酸化水素の添加の開始 から1時間の反応の後、96.5質量%(重量%)のH22の変換、および92 質量%(重量%)のエポキシドに対する特異性が得られた。 請求の範囲 1.溶媒(solvents)の存在下、約50°〜140℃の範囲の温度での過酸化 水素によるオレフィン性化合物の炭素−炭素二重結合の液相における液相エポキ シ化方法であって、シリカで支持されたチタン触媒を使用し、その触媒が、比表 面積50〜900m2/gの範囲のシリカを、酸素化された有機溶媒中でチタン アルコキシドおよび/又はチタノセンの溶液で含浸し、次いで過剰の溶液および 溶媒を分離することによって製造されることを特徴とする方法。 2.前記酸素化された有機溶媒が、C1〜C8アルコールであることを特徴とす る請求項1に従う方法。 3.含浸によって、約0.01〜0.1質量%(重量%)(100gの触媒当 たりのアルカリまたはアルカリ土類金属の重さ)の範囲の量のアルカリまたはア ルカリ土類金属塩が、前記触媒に加えられることを特徴とする請求項1又は2に 従う方法。 4.有機溶媒中の約1〜15質量%(重量%)の範囲の濃度で過酸化水素溶液 を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに従う方法。 5.第二級アルコールを分子状酸素または空気で酸化することによって得られ る過酸化水素溶液を用いることを特徴とする請求項4に従う方法。 6.前記オレフィン性化合物がアルケンまたはシクロアルケンであることを特 徴とする請求項1〜5のいずれかに従う方法。 7.前記アルケンがプロピレンであることを特徴とする請求項6に従う方法。 8.前記シクロアルケンがシクロヘキセンであることを特徴とする請求項6に 従う方法。 9.前記オレフィン性化合物がアリルアルコールであることを特徴とする請求 項6に従う方法。 10.前記オレフィン性化合物がフマル酸またはマレイン酸、またはそのエス テル、無水物または混合物の一つであることを特徴とする請求項6に従う方法。 11.C6〜C9芳香族アルコールまたはC1〜C6脂肪族アルコールをエポキシ 化反応において溶媒として用いることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに 従う方法。 12.前記有機溶媒が、2−メチル−2−プロパノール、または2−メチル− 2プロパノールを含む有機溶媒の混合物であることを特徴とする請求項11に従 う方法。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.溶媒(solvents)の存在下、約50°〜140℃の範囲の温度での過酸化 水素によるオレフィン性化合物の炭素−炭素二重結合の液相における液相エポキ シ化方法であって、シリカで支持されたチタン触媒を使用し、その触媒が、比表 面積50〜900m2/gの範囲のシリカを、酸素化された有機溶媒中でチタン アルコキシドおよび/又はチタノセンの溶液で含浸し、次いで過剰の溶液および 溶媒を分離することによってによって製造されることを特徴とする方法。 2.前記酸素化された有機溶媒が、C1〜C8アルコールであることを特徴とす る請求項1に従う方法。 3.含浸によって、約0.01〜0.1重量%(100gの触媒当たりのアル カリまたはアルカリ土類金属の重さ)の範囲の量のアルカリまたはアルカリ土類 金属塩が、前記触媒に加えられることを特徴とする請求項1および2に従う方法 。 4.有機溶媒中の約1〜15重量%の範囲の濃度で過酸化水素溶液を用いるこ とを特徴とする請求項1〜3に従う方法。 5.第二級アルコールを分子状酸素または空気で酸化することによって得られ る過酸化水素溶液を用いることを特徴とする請求項4に従う方法。 6.前記オレフィン性化合物がアルケンまたはシクロアルケンであることを特 徴とする請求項1〜5に従う方法。 7.前記アルケンがプロピレンであることを特徴とする請求項6に従う方法。 8.前記シクロアルケンがシクロヘキセンであることを特徴とする請求項6に 従う方法。 9.前記オレフィン性化合物がアリルアルコールであることを特徴とする請求 項6に従う方法。 10.前記オレフィン性化合物がフマル酸またはマレイン酸、またはそのエス テル、無水物または混合物の一つであることを特徴とする請求項6に従う方法。 11.C6〜C9芳香族アルコールまたはC1〜C6脂肪族アルコールをエポキシ 化反応において溶媒として用いることを特徴とする請求項1〜10に従う方法。 12.前記有機溶媒が、2−メチル−2−プロパノール、または2−メチル− 2プロパノールを含む有機溶媒の混合物であることを特徴とする請求項11に従 う方法。
JP54779899A 1998-03-26 1998-03-26 溶媒の存在下での過酸化水素によるオレフィン性化合物のエポキシ化方法 Withdrawn JP2001509821A (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/ES1998/000078 WO1999048884A1 (es) 1998-03-26 1998-03-26 Procedimiento de epoxidacion de compuestos olefinicos con peroxido de hidrogeno

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006285483A Division JP2007031449A (ja) 2006-10-19 2006-10-19 溶媒の存在下での過酸化水素によるオレフィン性化合物のエポキシ化方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001509821A true JP2001509821A (ja) 2001-07-24

Family

ID=8302428

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP54779899A Withdrawn JP2001509821A (ja) 1998-03-26 1998-03-26 溶媒の存在下での過酸化水素によるオレフィン性化合物のエポキシ化方法

Country Status (8)

Country Link
US (1) US6160138A (ja)
EP (1) EP0987259B1 (ja)
JP (1) JP2001509821A (ja)
KR (1) KR100429675B1 (ja)
DE (1) DE69806155T2 (ja)
ES (1) ES2178825T3 (ja)
PT (1) PT987259E (ja)
WO (1) WO1999048884A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002273221A (ja) * 2001-01-15 2002-09-24 Maruzen Petrochem Co Ltd チタン含有固体触媒及びこれを用いたエポキシ化合物の製造法
JP2013523633A (ja) * 2010-03-25 2013-06-17 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 前処理されたエポキシ化触媒を使用してプロピレンオキシドを製造する方法
KR20180086232A (ko) * 2015-11-26 2018-07-30 에보닉 데구사 게엠베하 올레핀의 에폭시화 방법

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6369245B1 (en) * 1999-08-13 2002-04-09 Colorado State University Research Foundation Epoxidation of olefins
US6686483B2 (en) 1996-10-08 2004-02-03 Colorado State University Research Foundation Catalytic asymmetric epoxidation
WO1999052886A1 (en) 1998-04-16 1999-10-21 Colorado State University Research Foundation Kinetic resolution of olefins
DE19926725A1 (de) * 1999-06-11 2000-12-14 Basf Ag Verfahren zur Umsetzung organischer Verbindungen mit Wasserstoffperoxid
IT1313572B1 (it) * 1999-07-27 2002-09-09 Enichem Spa Procedimento per la preparazione di epossidi.
EP1074548B1 (en) * 1999-08-06 2006-01-11 Repsol Quimica S.A. A method for continuous production of propylene oxide and other alkene oxides
JP3920020B2 (ja) * 1999-12-24 2007-05-30 株式会社日本触媒 含酸素有機化合物製造用触媒および含酸素有機化合物の製造方法
EP1195368A3 (en) 2000-09-25 2002-05-15 Haldor Topsoe A/S Process for the catalytic selective oxidation of a hydrocarbon compound in presence of mesoporous zeolite
JP2002145872A (ja) * 2000-11-01 2002-05-22 Maruzen Petrochem Co Ltd エポキシ化合物の製造方法
US6485949B1 (en) 2001-01-29 2002-11-26 The United States Of America As Represented By The Secretary Of Agriculture Epoxidation of carbon-carbon double bond with membrane bound peroxygenase
EP1344747B1 (en) 2002-03-14 2012-02-08 Repsol Quimica S.A. Process to obtain hydrogen peroxide
DE10247495A1 (de) 2002-10-11 2004-04-22 Degussa Ag Verfahren zur Epoxidierung cyclischer Alkene
DE10247496A1 (de) 2002-10-11 2004-04-22 Degussa Ag Verwendung eines Absatzbeschleunigers bei der Epoxidierung
PT1443020E (pt) 2003-02-03 2010-04-08 Repsol Quimica Sa Processo integrado para oxidação selectiva de compostos orgânicos
US20050277542A1 (en) * 2004-06-14 2005-12-15 Kaminsky Mark P Catalyst regeneration process
KR100905678B1 (ko) 2005-02-18 2009-07-03 도쿠리쓰교세이호징 가가쿠 기주쓰 신코 기코 광학 활성 에폭시 화합물의 제조 방법, 및 상기 방법에사용하기 위한 착체 및 그의 제조 방법
CN103288991B (zh) * 2013-05-29 2015-10-28 西北师范大学 以环氧基为功能基团的共价连接载体及其制备方法
US10858456B1 (en) * 2019-06-12 2020-12-08 Chevron Phillips Chemical Company Lp Aqueous titanation of Cr/silica catalysts by the use of acetylacetonate and another ligand
US11242416B2 (en) 2019-06-12 2022-02-08 Chevron Phillips Chemical Company Lp Amino acid chelates of titanium and use thereof in aqueous titanation of polymerization catalysts

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4367342A (en) * 1969-04-02 1983-01-04 Shell Oil Company Olefin epoxidation
US3923843A (en) * 1972-03-13 1975-12-02 Shell Oil Co Epoxidation process with improved heterogeneous catalyst
IT1127311B (it) * 1979-12-21 1986-05-21 Anic Spa Materiale sintetico,cristallino,poroso costituito da ossidi di silicio e titanio,metodo per la sua preparazione e suoi usi
IT1187661B (it) * 1985-04-23 1987-12-23 Enichem Sintesi Catalizzatore a base di silicio e titanio ad elevata resistenza meccanica
ES2033693T3 (es) * 1986-01-28 1993-04-01 Eniricerche S.P.A. Un procedimiento para la exposidacion de compuestos olefinicos.
US5262550A (en) * 1992-04-30 1993-11-16 Arco Chemical Technology, L.P. Epoxidation process using titanium-rich silicalite catalysts
US5214168A (en) * 1992-04-30 1993-05-25 Arco Chemical Technology, L.P. Integrated process for epoxide production
FR2704159B1 (fr) * 1993-04-22 1995-06-09 Atochem Elf Sa Catalyseur solide à base de silice particulaire, comportant du titane, Procédé d'obtention, et utilisation dans l'époxydation d'oléfines.
US5374747A (en) * 1993-12-23 1994-12-20 Arco Chemical Technology, L.P. Epoxidation process and catalyst therefore
US5453511A (en) * 1993-12-23 1995-09-26 Arco Chemical Technology, L.P. Bis-piperidinium compounds
US5463090A (en) * 1994-10-27 1995-10-31 Arco Chemical Technology, L.P. Integrated process for epoxide production
US5646314A (en) * 1994-11-16 1997-07-08 Arco Chemical Technology, L.P. Process for titanium silicalite-catalyzed epoxidation
US5693834A (en) * 1995-03-15 1997-12-02 Arco Chemical Technology, L.P. Integrated process for epoxidation
JP3658790B2 (ja) * 1995-03-30 2005-06-08 住友化学株式会社 触媒及びオキシラン化合物の製造方法
US5753576A (en) * 1995-05-18 1998-05-19 Arco Chemical Technology, L.P. Regeneration of a titanium-containing molecular sieve
FR2743061A1 (fr) * 1995-12-27 1997-07-04 Atochem Elf Sa Procede d'obtention d'un solide a base de silice et de titane et utilisation de ce solide notamment dans l'epoxydation des olefines.

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002273221A (ja) * 2001-01-15 2002-09-24 Maruzen Petrochem Co Ltd チタン含有固体触媒及びこれを用いたエポキシ化合物の製造法
JP4694712B2 (ja) * 2001-01-15 2011-06-08 丸善石油化学株式会社 チタン含有固体触媒及びこれを用いたエポキシ化合物の製造法
JP2013523633A (ja) * 2010-03-25 2013-06-17 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 前処理されたエポキシ化触媒を使用してプロピレンオキシドを製造する方法
KR20180086232A (ko) * 2015-11-26 2018-07-30 에보닉 데구사 게엠베하 올레핀의 에폭시화 방법
KR102642647B1 (ko) 2015-11-26 2024-02-29 에보닉 오퍼레이션스 게엠베하 올레핀의 에폭시화 방법

Also Published As

Publication number Publication date
ES2178825T3 (es) 2003-01-01
KR100429675B1 (ko) 2004-05-03
KR20010012932A (ko) 2001-02-26
WO1999048884A1 (es) 1999-09-30
EP0987259B1 (en) 2002-06-19
EP0987259A1 (en) 2000-03-22
PT987259E (pt) 2002-11-29
US6160138A (en) 2000-12-12
DE69806155D1 (de) 2002-07-25
DE69806155T2 (de) 2003-02-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001509821A (ja) 溶媒の存在下での過酸化水素によるオレフィン性化合物のエポキシ化方法
US5214168A (en) Integrated process for epoxide production
US5262550A (en) Epoxidation process using titanium-rich silicalite catalysts
KR100714666B1 (ko) 프로필렌 옥사이드의 제조방법
EP0677518B1 (en) Integrated process for epoxide production
NL1012749C2 (nl) Titaan-bevattende siliciumoxydekatalysator.
EP1351947B2 (en) Epoxidation catalyst and process for the production thereof
US5840650A (en) Process of making a catalyst for producing oxirane compounds
WO1997034692A1 (fr) Catalyseurs et procede pour l'oxydation partielle des hydrocarbures
CA2117706A1 (en) Olefin epoxidation using a carbon molecular sieve impregnated with a transition metal
JP4225670B2 (ja) プロピレンオキシド及び他のアルケンオキシドの連続製造方法
RU2168504C2 (ru) Способ эпоксидирования с2 - с4 олефинов
JP4889865B2 (ja) チタン含有珪素酸化物触媒の製造方法
JP4325045B2 (ja) チタン含有珪素酸化物触媒の製造方法、該触媒及び該触媒を用いたオキシラン化合物の製造方法
WO2002066157A1 (fr) Procede de preparation d'un catalyseur a base d'oxyde de silicium contenant du titane
JP3788107B2 (ja) チタン含有珪素酸化物触媒、該触媒の製造方法及びプロピレンオキサイドの製造方法
EP1216998B1 (en) Process for producing oxirane compound
JP2007031449A (ja) 溶媒の存在下での過酸化水素によるオレフィン性化合物のエポキシ化方法
EP2859946A1 (en) Process for regenerating heterogeneous epoxidation catalysts and their use to catalyze epoxidation reactions
WO1999064376A1 (en) Oxidation process in the presence of carbon dioxide
KR900004926B1 (ko) 에피클로로히드린류의 제조방법
EP2859945A1 (en) Process for the preparation of a heterogeneous epoxidation catalyst
JPH11228553A (ja) チタン含有固体触媒及びオキシラン化合物の製造方法
WO2003101977A1 (en) Epoxidation process using a supported niobium oxide catalyst

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041019

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20050118

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20050228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050927

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20051226

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20060213

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060327

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060620

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061019

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20070709