JP2001508555A - コンタクトレンズを保存するための組成物および方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 コンタクトレンズ保存用の組成物は、コンタクトレンズ表面に水和層を形成するのに有効な量のポリアニオン性成分(好ましくは水溶性ポリアニオン性成分)を含有する液体媒体から成る。この組成物は、２５℃における粘度が５０ｃｐｓ未満であり、オスモル濃度が少なくとも約２００ｍＯｓｍ／ｋｇであり、好ましくはｐＨが約６〜９の範囲内にある。

Description

【発明の詳細な説明】 コンタクトレンズを保存するための組成物および方法 発明の背景 本発明は、コンタクトレンズに有用な組成物および方法に関する。とりわけ本 発明は、コンタクトレンズを保存するための組成物および方法に関する。本発明 は、ポリアニオン性成分を含有する組成物を供する。 現在の工業的なコンタクトレンズ包装方法は、１枚のコンタクトレンズをガラ ス製バイアルに入れ、そのバイアルに塩類溶液を入れ、バイアルに蓋をして封止 した後、レンズを加熱滅菌する、というものである。この方法は、デイリーディ スポーザブル（１日で使い捨てる）レンズに対しても行われる。確かにこの包装 方法によって、デイリーディスポーザブルレンズを使用する利点の一つである、 毎日新しいレンズを装用することによる快適性が達成される。しかし、１日の終 わりに、不快、疲労および刺激という症状が、デイリーディスポーザブルレンズ の装用者によく見られる。そのような症状を解消または軽減するために、快適性 向上剤および／または潤滑剤をレンズ保存媒体に加えることが非常に望ましい。 それにより、レンズ装用可能時間も延長することができる。このことは、デイリ ーディスポーザブルレンズの消費者にとって重要である。 現在の包装方法では加熱滅菌を行うので、通常用いられる潤滑剤、例えばポリ ビニルアルコール(ＰＶＡ)、ポリエチレングリコール(ＰＥＧ)、ヒドロキシプロ ピルメチルセルロース(ＨＰＭＣ)は、それらの物理化学的不安定性の故に不適当 である。適当な潤滑剤は、コンタクトレンズ表面に水和層を形成し得るように、 水およびコンタクトレンズ表面に対する親和性が高くなければならない。例えば 、水溶液中のＨＰＭＣは加熱すると水和の水を失い、その結果、レンズ表面に対 する潤滑性を失う。 Bhagatの米国特許第５４６０８３４号には、生理学的涙液組成物中に使用する セルロースポリマーの使用が開示されている。しかし、該特許は、そのようなセ ルロースポリマーを、コンタクトレンズ保存媒体に関して潤滑剤を供するために 使用することは開示していない。 デイリーディスポーザブルコンタクトレンズ用の新規なコンタクトレンズ保存 系を供することが有利である。 発明の概要 ポリアニオン性成分を含有する新規組成物およびその使用方法を見出した。す なわち、本発明により、ポリアニオン性成分を、コンタクトレンズを提供（disp ensing）前に包装する溶液中に使用する。 驚くべきことに、ポリアニオン性ポリマーであるカルボキシメチルセルロース (ＣＭＣ)は、コンタクトレンズ表面に水和層を形成して、どのようなコンタクト レンズにも、独特の有効な潤滑性を付与するものであるが、これは、その潤滑作 用を低下することなくコンタクトレンズと共に問題なく加熱滅菌できることがわ かった。すなわち、ＣＭＣは、コンタクトレンズを包装する媒体用の理想的な潤 滑剤である。 水溶液中のＣＭＣは、ＨＰＭＣとは異なり、加熱により水を失うことがなく、 レンズ表面に水和層を形成し、水溶液の表面張力を低下することはない。更に、 ＣＭＣはタンパク質−リゾチームに対する結合親和性が高い。それ故、ＣＭＣは 、レンズ表面にタンパク質沈積物が生成するのを防止および／または遅延する。 すなわちＣＭＣはレンズ装用者に更なる利益をもたらす。 本発明の組成物は単純で、容易かつ安価に製造および使用でき、顕著な利点を 供する。成分が好ましくは水溶性であるので、デイリーディスポーザブルコンタ クトレンズの潤滑方法の実施のために、成分を非常に簡単に使用できる。ポリア ニオン性成分を含有する保存媒体が想定される。本発明は、コンタクトレンズを 保存したガラスまたはプラスチック製容器から取り出した時のコンタクトレンズ の潤滑性を改善する。そのようなレンズは、現在は等張塩類溶液中に包装されて いる。 本発明の広い一態様においては、液体媒体およびポリアニオン性成分を含有す る組成物を供する。ポリアニオン性成分は液体媒体中に、コンタクトレンズ表面 に水和層を形成するのに有効な量、好ましくは組成物に対し少なくとも０．０１ ％ｗ／ｖの量で存在する。好ましくは、組成物の粘度は２５℃において５０ｃ ｐｓ未満、オスモル濃度は少なくとも約２００ｍＯｓｍ／ｋｇである。より好ま しくは、組成物のｐＨは、眼科学的に許容し得るように約６〜８または９の範囲 にある。 ある材料が哺乳動物(好ましくはヒト)の眼に入っても眼の顕著な損傷または障 害を起こさないならば、その材料は「眼科学的に許容し得る」。 ポリアニオン性成分およびその前駆体は、好ましくは、遅延放出成分として作 用しない。すなわち、組成物およびその液体含有前駆体中の他の成分の放出を実 質的に(制御され、または実質的に予め決定された時間の間)遅延しない。換言す れば、本発明におけるポリアニオン性成分は、潤滑性付与に有効であり、好まし くは、本発明において遅延放出成分として使用しない。 液体媒体は好ましくは水を含有し、ポリアニオン性成分は好ましくは水溶性で ある。 本明細書において、「ポリアニオン性成分」とは、個別のアニオン電荷を１個 以上有する化学種、例えばイオン荷電種(例えばイオン荷電ポリマー材料)を意味 する(すなわち、そのような化学種は個別のアニオン電荷を１個以上有する)。好 ましくは、ポリアニオン性成分は、複数のアニオン電荷を有するポリマー材料お よびその混合物から成る群から選択する。特に有用なアニオン性成分は、アニオ ン性セルロース誘導体、アクリル酸から誘導されるアニオン性ポリマー(アクリ ル酸、アクリレートなど、およびそれらの混合物から誘導されるポリマーを包含 することを意図する)、メタクリル酸から誘導されるアニオン性ポリマー(メタク リル酸、メタクリレートなど、およびそれらの混合物から誘導されるポリマーを 包含することを意図する)、アルギン酸から誘導されるアニオン性ポリマー(アル ギン酸、アルギネートなど、およびそれらの混合物から誘導されるポリマーを包 含することを意図する)、アミノ酸のアニオン性ポリマー(アミノ酸、アミノ酸塩 など、およびそれらの混合物のポリマーを包含することを意図する)など、およ びそれらの混合物から選択する。有用なポリアニオン性成分は、アニオン性セル ロース誘導体およびその混合物から選択するもの、とりわけカルボキシメチルセ ルロースである。カルボキシメチルセルロースは、カルボキシメチルセルロー スの塩を包含する。好ましくは、ポリアニオン性化合物は、カルボキシメチルセ ルロースナトリウムである。 本発明の範囲は、コンタクトレンズ保存方法を含む。そのような方法は、本明 細書中に記載のようにポリアニオン性成分を含有する液体媒体にコンタクトレン ズを浸漬することを含んで成る。 更に、処理するコンタクトレンズおよび／または処理済レンズ装用者に、１種 またはそれ以上の更なる利点および／または改善点を供するために、本発明の有 用な組成物に１種またはそれ以上の他の成分を加え得る。 このような、および他の本発明態様は、特に以下の詳細な説明、実施例および 請求の範囲を参照すると、より明らかになるであろう。 発明の詳細な説明 本発明の組成物は、すべての種類のコンタクトレンズに対して適用できる。好 ましくは、本発明の組成物を、デイリーディスポーザブルレンズと共に包装する 。そのようなコンタクトレンズは、どのような材料または材料組み合わせから成 っていてもよく、どのような適当な形状を有していてもよい。 本明細書に記載のように機能し、保存するコンタクトレンズまたはコンタクト レンズ装用者に実質的な有害作用を示さないならば、どのような適当なポリアニ オン性成分を本発明に従って使用してもよい。ポリアニオン性成分は、好ましく は、使用濃度で眼科学的に許容し得る。ポリアニオン性成分は好ましくは、３個 またはそれ以上のアニオン(または陰)電荷を有する。ポリアニオン性成分がポリ マー材料である場合、ポリマー材料の各反復単位が個別のアニオン電荷を有する ことが好ましい。特に有用なアニオン性成分は、水溶性のもの、例えば本発明に 有用な水性液体媒体(例えばポリアニオン性成分を含有する水性液体媒体)中に使 用濃度で可溶であるものである。特に有用なポリアニオン性化合物は、包装した コンタクトレンズの最終滅菌中に減少しないものである。 特に有用な種類のポリアニオン性成分は、複数のアニオン電荷を有する１種ま たはそれ以上のポリマー材料である。その例は、以下のものを包含する： 金属カルボキシメチルセルロース 金属カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース 金属カルボキシメチルスターチ 金属カルボキシメチルヒドロキシエチルスターチ 加水分解したポリアクリルアミドおよびポリアクリロニトリル ヘパリン 下記化合物１種またはそれ以上のホモポリマーおよびコポリマー： アクリルおよびメタクリル酸 金属アクリレートおよびメタクリレート アルギン酸 金属アルギネート ビニルスルホン酸 金属ビニルスルホネート アミノ酸、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸など アミノ酸の金属塩 ｐ−スチレンスルホン酸 金属ｐ−スチレンスルホネート ２−メタクリロイルオキシエチルスルホン酸 金属２−メタクリロイルオキシエチルスルホネート ３−メタクリロイルオキシ−２−ヒドロキシプロピルスルホン酸 金属３−メタクリロイルオキシ−２−ヒドロキシプロピルスルホネート ２−アクリルアミド−２−メチルプロパンスルホン酸 金属２−アクリルアミド−２−メチルプロパンスルホネート アリルスルホン酸 金属アリルスルホネートなど。 本発明におけるポリアニオン性成分はしばしば、対イオン(とりわけ、非イオ ン化ポリアニオン性成分が電気的に中性となるように、個別のアニオン電荷と同 等数の複数の個別カチオン)と組み合わさって、非イオン化状態(例えば固体状態 )で存在し得る。例えば、本発明における非イオン化ポリアニオン性成分は、 酸形態で、および／または１種もしくはそれ以上の金属との組み合わせとして存 在し得る。ポリアニオン性成分は好ましくは眼科学的に許容し得るので、非イオ ン化ポリアニオン性成分に関与する金属も、使用濃度で眼科学的に許容し得るこ とが好ましい。特に有用な金属は、アルカリ金属、アルカリ土類金属(例えばカ ルシウムおよびマグネシウム)、およびそれらの混合物を包含する。非イオン化 ポリアニオン性成分中の対イオンを供するのに、ナトリウムが非常に有用である 。Ｈ⁺および金属カチオン以外のカチオンと組み合わせた非イオン化状態のポリ アニオン性成分も、本発明に使用し得る。 特に有用なポリアニオン性成分は、アニオン性セルロース誘導体、アクリル酸 から誘導されるアニオン性ポリマー(アクリル酸、アクリレートなど、およびそ れらの混合物から誘導されるポリマーを包含することを意図する)、メタクリル 酸から誘導されるアニオン性ポリマー(メタクリル酸、メタクリレートなど、お よびそれらの混合物から誘導されるポリマーを包含することを意図する)、アル ギン酸から誘導されるアニオン性ポリマー(アルギン酸、アルギネートなど、お よびそれらの混合物から誘導されるポリマーを包含することを意図する)、アミ ノ酸から誘導されるアニオン性ポリマー(アミノ酸、アミノ酸塩など、およびそ れらの混合物のポリマーを包含することを意図する)、およびそれらの混合物か ら選択する。非常に有用なポリアニオン性成分は、アニオン性セルロース誘導体 およびその混合物から選択するもの、とりわけカルボキシメチルセルロースであ る。 ポリアニオン性成分の使用量は、本明細書に記載のように機能するのに有効な 量である。好ましくは、ポリアニオン性成分は本発明の組成物中に少なくとも０ ．０１％ｗ／ｖの量で存在する。ポリアニオン性成分が本明細書に記載のように 機能するならば、その使用量は本発明にとって重要な事項ではない。また、ポリ アニオン性成分の使用量は、多くの因子、例えば使用するポリアニオン性成分の 種類によって変化し得る。更に、ポリアニオン性成分を過剰量使用するのは避け ることが好ましい。なぜなら、それは不経済および不必要であり得、消毒済コン タクトレンズの装用者に悪影響を及ぼすことがあり得るからである。好ましくは 、 ポリアニオン性成分を少なくとも約０．０１％ｗ／ｖまたは少なくとも約０．０ ５％ｗ／ｖないし約５％ｗ／ｖまたは約２％ｗ／ｖまたは約１％ｗ／ｖの量で使 用する。 本発明においてポリアニオン性成分として有用な材料の多くは、遅延放出成分 として従来用いられているものである。材料の潤滑性向上作用は、遅延放出成分 としての作用とは実質的に異なり、独立したものであることに注意すべきである 。 本発明において有用な液体媒体は、処理またはケアするレンズに実質的な悪影 響を及ぼさず、本発明によるレンズ処理を可能とし、または促進するものを選択 する。液体媒体は好ましくは水性である。特に有用な水性液体媒体は、塩類液か ら誘導されるもの、例えば従来の塩類溶液または従来の緩衝塩類溶液である。組 成物とコンタクトレンズとの接触段階、例えばコンタクトレンズ包装において、 水性液体媒体のｐＨは好ましくは約６〜９または１０、より好ましくは約６〜８ 、より一層好ましくは約７．５である。液体媒体の浸透圧は、好ましくは眼科学 的に許容し得るレベル、例えば少なくとも約２００ｍＯｓｍ／ｋｇ、より好まし くは約２００〜４００ｍＯｓｍ／ｋｇの範囲である。 ポリアニオン性成分を含有する液体媒体の粘度は、好ましくは２５℃で５０セ ンチポイズ(ｃｐｓ)未満、より好ましくは２５℃で約２５または２０ｃｐｓ未満 である。 水性液体媒体のｐＨを確実に所望の範囲内に保つために、水性液体媒体は少な くとも１種の緩衝剤成分を含有し得る。いずれの適当な緩衝剤成分を使用しても よいが、該成分を、ポリアニオン性成分に実質的な悪影響を及ぼさないように選 択することが好ましい。緩衝剤成分は無機であることが好ましい。本発明におい てアルカリ金属およびアルカリ土類金属緩衝剤成分を使用することが有利である 。 更に、起こり得る眼の刺激を回避するために、本発明の有用な液体媒体のオス モル濃度(浸透圧の尺度)は、少なくとも約２００ｍＯｓｍ／ｋｇ、好ましくは約 ２００〜３５０または４００ｍＯｓｍ／ｋｇの範囲にあることが好ましい。特に 有用な態様においては、液体媒体のオスモル濃度または浸透圧は、眼(とりわけ ヒトの眼)の体液の浸透圧に実質的に相当する。 前駆液体媒体の他成分と適合性で、眼を損傷し得る有害または毒性作用を有さ ないものならば、いずれの適当な眼科学的に許容し得る浸透圧成分を使用しても よい。有用な浸透圧成分の例は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトール 、デキストロース、グリセリン、プロピレングリコール、およびそれらの混合物 を包含する。一態様においては、浸透圧成分を無機塩およびその混合物から選択 する。 眼科学的に許容し得る浸透圧成分の使用量は、非常に広範であり得る。一態様 においては、浸透圧成分は液体媒体中に、製剤に対して約０．５〜０．９％ｗ／ ｖの範囲の量で存在することが好ましい。 眼科学的に許容し得る無機塩浸透圧成分の例は、アルカリ金属塩化物およびア ルカリ土類金属塩化物、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム および塩化マグネシウムである。 本発明における有用な液体媒体は、１種またはそれ以上の更なる成分を含有し 得る。そのような更なる成分は、少なくとも１種の有益なまたは所望の性質を液 体媒体に付与または供するものを選択する。そのような更なる成分は、１種また はそれ以上のコンタクトレンズケア組成物中に従来使用されている成分から選択 し得る。そのような更なる成分の例は、清浄剤、湿潤剤、栄養剤、金属イオン封 鎖剤、増粘剤、コンタクトレンズコンディショニング剤、抗酸化剤などを包含す る。そのような更なる成分はそれぞれ、有益なまたは所望の性質を液体媒体に付 与または供するのに有効な量で、液体媒体中に存在し得る。例えば、そのような 更なる成分は、それが他の(例えば従来の)コンタクトレンズケア生成物中で用い られる場合と同程度の量で、本発明に有用な液体媒体中に存在し得る。 有用な金属イオン封鎖剤の例は、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、アル カリ金属ヘキサメタホスフェート、クエン酸、クエン酸ナトリウムおよびそれら の混合物を包含する。 有用な増粘剤の例は、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロ ース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールおよびそれらの混合物を包 含する。 有用な抗酸化剤の例は、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、Ｎ− アセチルシステイン、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトル エンおよびそれらの混合物を包含する。 以下の実施例は、本発明を制限することなく、本発明の特定の態様を説明する ものである。 実施例１ 下記組成を有する溶液を、成分を混合することによって調製する： ナトリウムカルボキシメチルセルロース(ＵＳＰ) ０．２％（ｗ／ｖ） 塩化ナトリウム(ＵＳＰ) ０．７５％(ｗ／ｖ) 塩酸または水酸化ナトリウム ｐＨ７．４に調節する ホウ酸(ＮＦ) ０．１５％(ｗ／ｖ) 精製水(ＵＳＰ) Ｑ.Ｓ.（体積を調節する） コンタクトレンズを包装したい場合は、それをレンズ保存に適当な従来のレン ズ容器に入れる。コンタクトレンズおよびその保存溶液を加熱滅菌する場合は、 供するコンタクトレンズを、加熱滅菌に耐え得るプラスチック製容器に包装して いる。コンタクトレンズおよびその保存溶液をガンマ線照射により滅菌する場合 は、プラスチック製容器が好ましい。好ましくは１０ｍｌの溶液をレンズ容器に 入れる。しかし、より少ない量の溶液を用いてもよい。包装を封止し、加熱処理 またはガンマ線照射処理する。レンズを包装から取り出して、直接にヒトの眼に 装着し得る。 すなわち、合成または天然の水溶性ポリアニオン性成分(例えば上記種類のポ リマー)をコンタクトレンズ潤滑有効量で含有するコンタクトレンズ保存媒体製 剤を使用して、コンタクトレンズを有効に潤滑化できるので、眼に装着時のレン ズは装用者に快適である。この保存媒体は、デイリーディスポーザブルレンズに 特に有益である。 実施例２ 下記組成を有する溶液を、成分を混合することによって調製する： ナトリウムカルボキシメチルセルロース(ＵＳＰ) ０．５％（ｗ／ｖ） 塩化ナトリウム(ＵＳＰ) ０．６２％(ｗ／ｖ) ホウ酸 ０．２％(ｗ／ｖ) 塩化カリウム(ＵＳＰ) ０．１４％(ｗ／ｖ) 塩化カルシウム二水和物(ＵＳＰ) ０．０２％(ｗ／ｖ) 塩化マグネシウム六水和物(ＵＳＰ) ０．００６％(ｗ／ｖ) 水酸化ナトリウム(ＮＦ) ｐＨ７．６に調節する 精製水 Ｑ.Ｓ.（体積を調節する） この溶液を、実施例１と同様に使用する。 実施例３ 溶液にビタミンＢ−１２を０．０００８５％ｗ／ｖ更に加えることを除いては 、実施例２の手順を繰り返す。 この溶液を用いて、実施例２の溶液を用いた場合と実質的に同様の結果を得る 。しかも、本実施例３の溶液は、顕著なバラ色を呈する。 実施例４ 下記組成を有する溶液を、成分を混合することによって調製する： ナトリウムカルボキシメチルセルロース(ＵＳＰ) ０．２％（ｗ／ｖ） 塩化ナトリウム(ＵＳＰ) ０．７５％(ｗ／ｖ) ホウ酸(ＮＦ) ０．１５％(ｗ／ｖ) 塩酸または水酸化ナトリウム ｐＨ７．４に調節する 精製水(ＵＳＰ) Ｑ.Ｓ.（体積を調節する） デイリーディスポーザブルコンタクトレンズの輸送、(使用前の)保存、および 提供に有用な従来のデイリーディスポーザブルコンタクトレンズ包装材に、ある 量の上記溶液とデイリーディスポーザブルコンタクトレンズとを入れる。次いで 、包装品を加熱またはガンマ線照射により最終的に滅菌する。包装から取り出す までレンズを包装中に保持し、取り出して直接眼に装着し、安全かつ快適に装用 する。 この溶液は、新しいソフトコンタクトレンズおよび硬質ガス透過性コンタクト レンズ、例えばデイリーディスポーザブルコンタクトレンズを提供するための保 存媒体として有効で、無毒性、非刺激性であり、快適性に寄与する(眼に穏やか で潤滑性にする)。 いくつかの特定の例および態様に関して本発明を説明したが、本発明はそれら に制限されるものではなく、以下の請求の範囲内で多様に本発明を実施できると 理解すべきである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，ＬＳ，Ｍ Ｗ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ， ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，Ｅ Ｓ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＧＷ，ＨＵ，ＩＤ ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ， ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，Ｍ Ｇ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ， ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ，Ｙ Ｕ，ＺＷ (72)発明者 ジアボ，アンソニー・ジェイ・ジュニア アメリカ合衆国92630カリフォルニア州レ イク・フォレスト、アベニダ・ヌベス 21241番

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．コンタクトレンズの提供に適当なコンタクトレンズ保存溶液であって、 液体媒体；および ヒトの眼に対する該溶液の潤滑性、細胞毒性を向上するのに有効な量で上記液 体媒体中に存在するポリアニオン性成分 から成り、粘度が２５℃で５０ｃｐｓ未満であり、オスモル濃度が少なくとも２ ００ｍＯｓｍ／ｋｇである溶液。 ２．ポリアニオン性成分を少なくとも０．０１％ｗ／ｖの量で含有する請求項 １記載の溶液。 ３．ポリアニオン性成分を少なくとも０．０１％ｗ／ｖで、２．０％ｗ／ｖ以 下の量で含有する請求項１記載の溶液。 ４．ポリアニオン性成分を少なくとも０．１％ｗ／ｖで、１．０％ｗ／ｖ以下 の量で含有する請求項１記載の溶液。 ５．液体媒体が水を含有し、溶液が有効量の浸透圧調節成分および有効量のｐ Ｈ緩衝成分を含有し、溶液のｐＨが約６〜９の範囲にある請求項１記載の溶液。 ６．組成物に顕著な着色を施すのに有効な量のビタミンＢ−１２を更に含有す る請求項１記載の溶液。 ７．液体媒体が水を含有し、ポリアニオン性成分が水溶性であり、ポリアニオ ン性成分は複数のアニオン電荷を有するポリマー材料およびその混合物から成る 群から選択する請求項１記載の溶液。 ８．ポリアニオン性成分は、アニオン性セルロース誘導体、アクリル酸から誘 導されるアニオン性ポリマー、メタクリル酸から誘導されるアニオン性ポリマー 、アルギン酸から誘導されるアニオン性ポリマー、アミノ酸から誘導されるアニ オン性ポリマー、およびそれらの混合物から成る群から選択する請求項１記載の 溶液。 ９．ポリアニオン性成分は、カルボキシメチルセルロースおよびその混合物か ら成る群から選択する請求項７記載の溶液。 １０．コンタクトレンズを提供する前に保存する方法であって、 水含有液体媒体と、溶液の潤滑性を向上するのに有効な量の水溶性ポリアニオ ン性成分とを含有し、粘度が２５℃で５０ｃｐｓ未満、オスモル濃度が少なくと も約２００ｍＯｓｍ／ｋｇ、ｐＨ範囲が約６〜９である溶液に、コンタクトレン ズを浸漬し； その溶液およびレンズを包装し； 包装した溶液およびレンズを滅菌する ことを含んで成る方法。 １１．ポリアニオン性成分は、カルボキシメチルセルロースおよびその混合物 から成る群から選択する請求項１０記載の方法。 １２．ポリアニオン性成分の量が少なくとも０．０１％ｗ／ｖであり、２．０ ％ｗ／ｖ以下である請求項１０記載の方法。 １３．ポリアニオン性成分の量が少なくとも０．１％ｗ／ｖであり、１．０％ ｗ／ｖ以下である請求項１０記載の方法。 １４．コンタクトレンズの入った、提供に適当な包装品であって、 液体媒体と、溶液の潤滑性を向上するのに有効な量のポリアニオン性成分とを 含有する溶液； コンタクトレンズ；および 上記溶液およびコンタクトレンズを保持するための容器手段 を含んで成る包装品。 １５．容器手段はガラス製バイアルである請求項１４記載の包装品。 １６．溶液の汚染を防止する封止手段を更に含んで成る請求項１４記載の包装 品。 １７．ポリアニオン性成分の量が少なくとも０．０１％ｗ／ｖであり、２．０ ％ｗ／ｖ以下である請求項１４記載の包装品。 １８．ポリアニオン性成分の量が少なくとも０．１％ｗ／ｖであり、１．０％ ｗ／ｖ以下である請求項１４記載の包装品。