JP2001508413A - ダフナン類のジテルペンをベースとする農薬、特に殺虫剤組成物 - Google Patents

ダフナン類のジテルペンをベースとする農薬、特に殺虫剤組成物

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Abstract

(57)【要約】 本発明はダフナン類のジテルペンを少なくとも1種、あるいは、ダフナン類のジテルペンを少なくとも1種含む植物の抽出物を有効成分とする農薬組成物、特に殺虫剤組成物に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 ダフナン類のジテルペンをベースとする農薬、特に殺虫剤組成物 本発明は有効成分としてダフナン類のジテルペンから成る新しい農薬、特に殺 虫剤組成物に関する。また、本発明は、当該ジテルペン類の化学合成、あるいは 植物からの抽出による製造方法にも関する。 合成殺虫剤の多用は耐性の発現を促進し(1)、新たな殺虫剤の開発を必要と する。 植物も、同様に、様々な草食動物の攻撃から身を守るために多種の二次代謝物 を生合成している(2)。これらは生物活性と生分解性を合わせ持つ物質の重要 なプールを形成しているが、合成農芸化学化合物に匹敵する特性を持つものは少 ない。 これらの物質は、それ自身よりも有効な性質を持つ類似化合物を調製するため のモデルとして利用することが可能である(3)。 本発明のもととなっているのは、有用な農学的活性を持つ新化合物の同定を目 的としたスーダン国における野草のスクリーニングプログラムの一環として行わ れた研究である。このプログラムで分析した物質のうち、ラシオシフォンクラウ シアヌス(Lasiosiphon kraussianus)(Meisn.)(ジンチョウゲ科)の根のメタ ノール抽出物からダフナン類の2種のテルペン が同定された。これはエクスコエカリアトキシン、及びウィクストロトキシンD として知られるもので、以下の式で表現できる。 式中Rは、 −エクスコエカリアトキシンの場合は(E,E)−ノナ−1,3−ジエニル基を、 −ウィクストロトキシンDの場合はノナニル基をそれぞれ表す。 ラシオシフォンクラウシアヌスはアフリカ大陸に広く分布している(9)。中で もスーダン国西部のダールフールに多く、「コマ」(Komma)あるいは「マジリ ア」(Mahjiria)の名で呼ばれている。本発明のもとになった研究に使用された 根は、スーダン国、ジェベル・マラのメルタジェロ・ワジに位置する海抜1160メ ートルの地点で、ジェベル・マラ・フォレスト・サークルのK.Uhlag及びA.A. Adamにより採取された。サンプルは、スーダン国、ゴロルの当該サークルに保存 してある。 ラシオシフォンクラウシアヌスに関する詳細な調査はすでに行われており(10) 、根の抽出物の薬理学的研究からは、多種の白血病に対する興味深い結果が得ら れているが(4、5)、いまだ殺虫活性に関する報告はない。 ラシオシフォンクラウシアヌスの根や(6)、エクスコエカリアアガロラ(Excoe caria agalloa)(トウダイグサ科)(6)、グニジアランプランタ(Gnidia lam prantha)(ジンチョウゲ科)(7)のような他の植物にエクスコエカリアトキシ ンが存在することはすでに従来の技術として記述された。また、ウィクストロト キシンDがウィクストロエミモンチコラ(Wikstroemi monticola)(ジンチョウ ゲ科)のような植物に含まれることもすでに報告されている(8)が、ラシオシ フォンクラウシアヌスについての報告は今だない。 当該発明者によるラシオシフォンクラウシアヌス(Meisn.)の根のメタノール 抽出物及びそこから分離されたダフナン型の2種のジテルペン化合物に関する研 究から、これらの物質が、ある種の害虫の駆除に有効であることが明らかとなっ た。 害虫として、植物、あるいは植物の一部、土壌、住宅、あるいは公共施設、ま たは温血動物に存在する寄生虫、たとえばアブラムシ類や双翅目の昆虫が挙げら れる。これらは、農業分野、ならびに動物や人の健康、衛生における重要な寄生 虫である。 従って、本発明はダフナン類のジテルペンを少なくとも1種、あるいは、ダフ ナン類のジテルペンを少なくとも1種含む植物の抽出物を有効成分とする農薬組 成物、特に殺虫剤組成物に関する。 本発明におけるダフナン類とは、インジェナンのようなダフナン類似の物質を 言う。 本発明は、特に下記一般式(I)の化合物を少なくとも1種又は当該化合物を 含む植物の抽出物を有効成分とする殺虫剤組成物に関し: 式中、 −R1,R2,R3は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリル基、または、-O R16基(R16は1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複数の酸化、あるい はハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、あるいは環状のア ルキル基、アルケニル基、アリル基を表す)から選択し、又は、R1及びR2が共に 炭素(1)及び(2)と二重結合を形成してもよく、また、R1,R2及びR3が下式の 共通基を形成してもよく、 式中、R17は1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複数の酸化、ある いはハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、あるいは環状の アルキル基、アルケニル基、アリル基を表し、又は、R17が炭素(1)に環化し、 大環状ダフナンを形成してもよく、 −R11及びR12は水素原子、1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複数 の酸化、あるいはハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、あ るいは環状のアルキル基、アルケニル基、アリル基、または、-OR16基(R16は前 記と同一の意味を示す)から選択し、又は、R11及びR12が炭素(6)及び(7)と 二重結合、あるいは当該炭素(6)及び(7)間の-O-式エポキシド基を形成して もよく、 −R6及びR7は水素原子、1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複数の 酸化、あるいはハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、ある いは環状のアルキル基、アルケニル基、アリル基、または、-OR16(R16は前記と 同一の意味を示す)から選択し、又は、R6及びR7が炭素(1)及び(2)と二重結 合、あるいは当該炭素(1)及び(2)間の-O-式エポキシド基を形成してもよく 、 −R9は水素原子、=O型のケトン基、ケトンのオキシム型、アセタール型、ヘミ アセタール型、ヒドラゾン型、イミン型、アミナール型、もしくはチオアセター ル型誘導体、1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複数の酸化、あるい はハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、あるいは環状のア ルキル基、アルケニル基、アリル基、または、-OR16(R16は前記と同一の意味を 示す)から選択し、 −R10,R13及びR14は水素原子、1つまたは複数の二重結合、及び、1つまた は複数の酸化、あるいはハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖 状、あるいは環状のアルキル基、アルケニル基、アリル基、または、-OR16(R16 は前記と同一の意味を示す)から選択し、 −R15は水素原子、=O式ケトン基、ケトンのアセタール型、ヘミアセタール型 、ヒドラゾン型、イミン型、アミナール型、もしくはチオアセタール型誘導体、 1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複数の酸化、あるいはハロゲン化 された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、あるいは環状のアルキル基、ア ルケニル基、アリル基、または、-OR16基(R16は前記と同一の意味を示す)から 選択し、 −R5は水素原子、1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複数の酸化、 あるいはハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、あるいは環 状のアルキル基、アルケニル基、アリル基、または、-OR16(R16は前記と同一の 意味を示す)から選択し、 −R8は水素原子あるいは炭素(10)及び(11)との結合を表し、後者の場合、 炭素(9)と(11)との結合が置換されることにより、一般式(I)の化合物はイ ンゲナン型の構造をとり、 −R4は水素原子、あるいは1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複数 の酸化、あるいはハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、も しくは環状のアルキル基、アルケニル基、アリル基から選択する。 前記一般式(I)の化合物のうち、本発明において特に考慮されているのは以 下のものであり、 −R1,R2,R3は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリル基、または、-O R16(R16は1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複数の酸化、あるいは ハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、あるいは環状のアル キル基、アルケニル基、アリル基)から選択し、又は、R1及びR2が共に炭素(1 )及び(2)と二重結合を形成してもよく、また、R1,R2及びR3が下式の共通基 を形成してもよく、 式中、R17は1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複数の酸化、ある いはハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、あるいは環状の アルキル基、アルケニル基、アリル基を表し、又は、R17が炭素(1)に環化し、 大環状ダフナンを形成してもよく、 −R11及びR12は水素原子であるか、又は、炭素(6)及び(7)と二重結合、あ るいは当該炭素(6)及び(7)間の-O-式エポキシド基を表し、 −R6及びR7は水素原子であるか、又は、炭素(1)及び(2)と二重結合、ある いは当該炭素(1)及び(2)間の-O-式エポキシド基を表し、 −R9は水素原子、=O式ケトン基、ケトンのオキシム型、アセタール型、ヘミア セタール型、ヒドラゾン型、イミン型、アミナール型、もしくはチオアセタール 型誘導体であるか、アルキル基、アルケニル基、アリル基、または、-OR16基(R16 の意味は前記と同一)を表し、 −R10,R13及びR14は水素原子、または、-OR16基(R16の意味は前記と同一) を表し、 −R15は水素原子であり、 −R5は水素原子、あるいは、1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複 数の酸化、あるいはハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、 あるいは環状のアルキル基、アルケニル基、から選択し、 −R8は水素原子を表し、 −R4は水素原子、あるいは1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複数 の酸化、あるいはハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、も しくは環状のアルキル基、アルケニル基、アリル基から選択する。 前記化合物として、特にエクスコエカリアトキシン、ウィクストロトキシンD 、あるいはこれらを含有するラシオシフォンクラウシアヌス等の植物の抽出物が 挙げられる。 本発明の農薬組成物の有効成分である一般式(I)の化合物は、合成物、半合 成物、あるいは自然物であっても良い。 エクスコエカリアトキシンやウィクストロトキシンD等の自然化合物は、植物 、特に、下記の実施例で記述するようにラシオシフォンクラウシアヌスの根のメ タノール抽出物から得ることができる。 ラシオシフォンクラウシアヌスがウィクストロトキシンDを含有しているとい う記述は以前になかったので、本発明は特にラシオシフォンクラウシアヌスの根 からのウィクストロトキシンDの取得を目的とする。ラシオシフォンクラウシア ヌスの根からのウィクストロトキシンDの取得方法として、例えば下記の、 −植物組織から、溶剤などを用い、有効成分を抽出すること、 −あらゆる適当な純化処理により目的物質を純化すること、 から成る。 ここで用いることのできる純化処理として以下の方法が挙げられ、まず最初に 準備段階として、混和不能な複数の溶媒による分配、順相及び逆相吸着クロマト グラフィー、ゲルろ過等により前処理し、次に高性能液体クロマトグラフィー(H PLC)にて純物質を得る。 これらの化合物やその類似物質、誘導体は合成あるいは半合成によっても得る こともできる。 本発明の組成物は、有効成分のほかに、溶剤、湿潤剤、分散剤など、農薬及び 殺虫剤に通常使用されている賦形剤を一つ又は複数含んでもよい。 これらの組成物は、散布、噴霧など多様な使用が可能である、粉末、顆粒、縣 濁液、乳濁液、溶液、あるいは当分野で通常用いられるその他の剤形をとっても よい。 使用量は、使用される化合物の種類、組成、適用法、標的寄生虫の性質、さら に対象となる植物の種類や場所によって異なるが、一般的に、本発明の組成物は 重量比で5〜80%の有効成分を含んでもよい。 本発明は、当然ながら、一般式(I)の化合物を、農薬、特に殺虫剤として、 栽培植物における害虫の防除、あるいは農作物貯蔵施設、住宅、公共施設などの 衛生管理での利用に関する。 本発明のその他の利点や特徴は、以下に記述する一般式(I)の化合物の調製 例、及びそれらの農薬としての使用例で述べるが、本発明はこれら実施例に限定 されるものではない。 なお、以下の実施例に関して、図表を添付するが、 −図1は対象抽出物の粗画分の予備逆相式高性能液体クロマトグラフィー(HPL C)におけるクロマトグラムを、 −図2は分取後のエクスコエカリアトキシンの分析段階における逆相式高性能 液体クロマトグラフィー(HPLC)のクロマトグラムを示す。 I−材料及び方法 1)植物材料 まず根を切り取り、2週間乾燥後フランスへ輸送し、展開して室温(20℃)で 貯蔵した。次に根を粉砕し、粉末状にして使用した。 a)抽出 根の粉末100gを2lの三角フラスコに入れ、メタノール1200mlを加え2時間撹 拌後、1晩冷蔵庫中に放置した。減圧ろ過後、乾燥固形残渣をメタノール600ml で追加抽出した。これら2つの濾液を合わせ、減圧ロータリーエバポレーター( 40℃)で蒸発させた。濃縮した抽出物を最終的にメタノール25mlで溶解し、その うちの5mlを概略的な生物学的試験に使用した。 b)分画 メタノール抽出物(20ml)を水40mlに混和後、ジクロロメタン中に分配した( 60mlを2回)。活性が認められた非極性画分について、シリカゲルカラム(40cm x 2.5cm)でクロマトグラフィーを行った。使用したシリカゲルは80gで、粒径 は0.063〜0.125mm(120〜130ASTMメッシュ)、ジクロロメタンでコンディショニ ングを行った。溶出は、ジクロロメタンのグラジエントによるクロマトグラフィ ーで行い、ジクロロメタン/酢酸エチル/メタノール比が0/60/40(v/v)に なるまで、流量3ml/分で行った(機材はWaters、600型グラジエント形成機)。 溶出液をチューブ(18mm x 180mm)60本にそれぞれ16mlずつ分取した。すべて のチューブを薄層クロマトグラフィーで分析し、11画分に分画した。測定には、 Machery-Nagel社、Polygram sil G/UV 254、層厚0.25mmを使用 し、ヘキサン/酢酸エチルの混合液(30/70、v/v)で溶出、254nmのUV下で観 察した。殺虫活性は第3、第4、第9及び第10画分で認められた。 第9及び第10画分を合わせ、ゲルろ過にて再度クロマトグラフィーを行った( カラム:1.3m x 2.5cm。支持体:Pharmacia、Sephadex LH 20、粒径25〜100μm 、メタノールでコンディショニング。移動相:Gilson 301型ポンプにてメタノー ルを2ml/分で送液。検出:UVICORD LKB検出器、波長254nm。フラクションコレ クター:Foxy,isco)。溶出液をチューブ(13mm x 100mm)56本に7mlずつ回 収した。薄層クロマトグラフィーで分析後、チューブを6画分に統合した。生物 活性が第4画分で認められたため、この画分について逆相式高性能液体クロマト グラフィー(HPLC)で予備分析を行った(Waters 600,多溶媒送液システム、イ ンジェクター:U6K、検出器:Waters 990、フォトダイオードアレイ検出器、カ ラム:μ-BONDAPAK C18 Waters(30cm x 7.5mm、粒径:10μm、カラム温度:45 ℃)、コンピュータ:NECAPCIII、プロッター:Waters 990)。アイソクラチッ ク分析は以下の条件で行った。流量:3.7ml/分、移動相:メタノール/水(74 /26、v/v)。各ピークは手動で分取した。 2)昆虫及びダニ 問題となることの多い昆虫(Aphis gossypii(Glov)、Myzus persicae(Sulz )、Drosophila melanogaster(Meig)、Spodoptera littoralis(Boisd)、Sit ophilus granarius L、及びダニ(Tetrannychus urticae(Koch))を使用した。これらを一定の条件下で飼育した(20±2℃、 相対湿度60±10%、暗/明、8時間/16時間)。A.gossypiiはキュウリの実生 上で、M.persicaeはソラマメ上で、Drosophilaは半合成培地上で、S.granariu sはコムギ上で、S.littoralisは半合成飼料上で、また、T.urticaeはインゲン マメ上でそれぞれ飼育した。 3)生物学的試験 a)A .gossypii及びM.persicaeに対する活性 試験は直径2.7cmのディッシュ中で行った。ディッシュに半固形寒天ゲルを充 填し、キュウリ(M.persicaeについてはソラマメ)の葉のディスクを寒天上に 配置した。処置の2ないし3時間前に成虫15匹を各ディッシュに入れ、順化させ た。各用量につき2ディッシュを使用した。各試料を脱イオン水/アセトン、80 /20(v/v)にて5段階に希釈した(等比率)。各濃度の試料(対照はアセトン /水)を0.5ml、マイクロ噴霧器にてディッシュ2個に直接噴霧した後、ディッ シュを前記の飼育条件下に置いた。 噴霧後24時間目(A.gossypii)あるいは48時問目(M.persicae)に死亡虫数 を数えた。昆虫が横臥、あるいは仰臥位にあった場合、腹側に肢を折り曲げた状 態にあった場合、脱水が認められた場合、及び/あるいは筆で触っても反応しな い場合に死亡しているとみなした(11)。死亡率は、以下の試験も含めて、アボ ットの式で補正した。また、LC50値はプロビット分析(12)により専用のソフト (13)で計算した。 b)ショウジョウバエに対する活性培地への混和 総合的な毒性試験には高さ7cm、直径4.2cmの小フラスコを使用した。各フラス コに半合成培地35g(ふすま、2.2l、砂糖260ml、ビール酵母130ml、酢70ml、エ チルパラベン20ml、水580ml)を注入、圧縮した。各試験は2回反復した。各フ ラスコの培地に、各濃度の試料1mlを混和した(対照はアセトンと水)。処置後 2〜3時間目に(アセトンが蒸発するまでの時間)、0ないし3日齢の成虫15匹( 雌10匹、雄5匹)を各フラスコに入れ、綿栓をしたのち飼育条件下に置いた。対 照群で何匹かの幼虫が蛹化した時点(約13日後)で成虫をフラスコより除去した 。成虫の数を1日おきに2週間数えた(7回)。羽化率は対照群に対して計算し た。また、LC50値は前記の方法で計算した。 −局所試験 直径9cmのペトリディッシュをエチルエーテルで洗浄後、ディッシュ内に寒天 ゲル(寒天10g/lに小量の蜂蜜を添加)の小ブロックを設置した。昆虫を2.5分 間冷却し、各濃度の試料(対照はメタノール)0.3μlを自動マイクロアプリケー ター(Burkard manufacturing co.ltd.,UK)で胸部に塗布した。各群とも10匹 を用い、3回反復した。処置後、被験昆虫を飼育環境に戻した。1、2、4、6 、24、及び48時間後の死亡率を計算した。 −接触による適用 ろ紙入りあるいはろ紙なしの直径9cmのペトリディッシュを用いた。両方の場 合は、各濃度の試料(対照はメタノール)1ml を各ディッシュに加えた。溶媒の蒸発後、前記の小ブロック飼料と被験昆虫30匹 をディッシュに入れた。各群とも3回反復試験し、処置後1、2、4、6、24、 及び48時間目の死亡率を計算した。 c)Spodoptera littoralis に対する活性局所適用 3齢幼虫(35±10mg)を使用した。各濃度の試料(対照はメタノール)0.5μl を各幼虫の胸部に局所的に塗布した。処置後、非処置培地の入った直径2.7cmの ディッシュに幼虫を1匹ずつ入れ、飼育条件下に戻した。各群とも被験幼虫10匹 及び対照1匹を用い、2回反復した。死亡率は24及び48時間後に計算した。昆虫 の成長や発育に対する効果は、新たな成虫の出現をもって数量化した。 −経口適用 被験昆虫(3齢幼虫)を飼料抜きで24時間飼育した。半合成飼料(水3.2l、 寒天80g、トウモロコシ粉末300g、コムギの芽126g、ビール酵母134g、キャベツ の葉200g、アスコルビン酸18g、安息香酸4.2g、エチルパラベン7.2g、塩類10g、 ビタミン類30g、フマギリン5g、ホルムアルデヒド1.5ml、綿実油アマニ油8ml) の小ブロック1つ1つに各濃度の試料(対照はメタノール)を0.25μl適用した 。溶媒の蒸発後、直径2.7cmのディッシュに処置小ブロックを1つずつ設置し、 幼虫に与えた(各濃度に対して、幼虫10匹)。非処置飼料を24時間後に与えた。 処置後24及び48時間目に死亡率を計算した。 被験昆虫は、成長及び発育に対する効果を記録する為に、新たな成虫が現れるま で観察した。 d)Sitophilus granarius に対する活性局所適用 試験には15日齢の成虫を用いた。各濃度の試料(対照はメタノール)を0.5μl 、各個体の胸部にマイクロアプリケーターで局所的に塗布した。各群とも、処置 昆虫25匹を高さ7cm、直径4.2cmの小フラスコに小量のコムギと共に入れ、フラ スコの口をガーゼで閉鎖した。コントロールを含む各群とも2回反復試験した。 急性毒性については、24、48及び72時間後に死亡率を計算した。また、昆虫の 発育に対する効果については、2週間後に成虫をフラスコより除去し、新たに生 じた個体数を8週間にわたり数えた。新たに生じた個体の総数を前記と同様にコ ントロールと比較した。 e)Tetranychus urticae に対する活性成ダニに対する活性 本試験にはアブラムシ類について行ったものと実質的に同様の方法を用いた。 高さ2.7cm、直径4.5cmのディッシュに半固形寒天ゲルを注入し、その上にインゲ ンマメの葉のディスクを設置した。各ディッシュに成ダニ30匹を処置の3時間前 に入れ、順化させた。各濃度に対して、2ディッシュを用いた。各濃度の試料( 対照はメタノール)0.5mlを両ディッシュに直接噴霧した 後、飼育条件下に戻した。24及び48時間後に死亡率を計算した。 −卵に対する活性 前記のディッシュ中で成ダニ20匹を48時間飼育した後、成虫を除去し、虫卵数 を数えた。各濃度につき、2ディッシュを用いた。各濃度の試料(対照はメタノ ール)0.5mlを両ディッシュに直接噴霧した後、飼育条件下に戻した。非孵化卵 数及び死亡幼ダニ数を7日間数えた。 4)分光学的分析 a)質量分析 トリプルステージ四重極質量分析計Nermag R30−10(Quad Service、Poissy、 France)を用い通常スペクトル(MS)又はフラグメントイオンスペクトル(MS-M S)を分析した。イオン源の条件は以下のとおりである。温度130℃、フィラメン ト電流50μA、電子エネルギー95eV、反応ガスとしてNH3及びND3、イオン源室圧 力10-4Torr。フラグメントイオンスペクトルは衝突エネルギー20eV、衝突ガスと して7x10-2Torrのアルゴンを用い、2段目の四重極で計測した。試料の導入には ポジティブモードあるいはネガティブモードデソープション化学イオン化を用い た。 b)核磁気共鳴分析 エクスコエカリアトキシン及びウィクストロトキシンDの両化合物を1HNMR(Va rian Gemini、300MHz)にて分析した。溶 媒としてCDCl3を、内部標準としてCHCl3(7.27ppm)を用いた。 II−結果 1)粗抽出物の活性 前記のラシオシフォンクラウシアヌス(Lasiosiphonkraussianus)(Meisn. )(ジンチョウゲ科)の根のメタノール抽出物を用いた試験で、昆虫5種、ダニ 1種に対する、様々な適用法における殺虫活性を分析することが出来た。噴霧試 験では、抽出物24μlを蒸留水576μlに混和した希釈液を0.5ml直接昆虫に噴霧し た。前記の他の試験、即ち飼料培地への混和、接触、局所適用、及び殺ダニ試験 においては、濃縮抽出物を無希釈で直接使用した。 下表1に昆虫、及びダニに対する粗抽出物の効果を示す。 表1 粗抽出物はAphis gossypiiに対し24時間で83.3%、Drosophila melanogaster に対し、培地への混和で100%、接触適用で93%、そしてT.urticaeの卵に対し て41.7%の殺生率を示し、有効性が確認された。一方、S.littoralis及びS.gr anariusに対しては全く効果が認められなかった。 2)粗抽出物の画分の活性 抽出物の画分のうち、シリカゲルでクロマトグラフィーを行った非極性画分に 活性が認められた。生物学的試験では、各画分をアセトン2ml中に溶解し、その 24μlを蒸留水576μlに加えた。作製した溶液0.5mlをA.gossypiiに噴霧した。 複数の画分(第3、第4、第9及び第10画分)で有意な殺虫活性が認められた。 sephadex LH-20カラムでクロマトグラフィーを行った結果、第4画分に活性が認 められた。この画分を逆相式高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)で予備分析 した。そのクロマトグラムを図1に示す。各ピークを手動で分取し、濃縮後溶媒 2ml中に溶解した。活性の認められたピークの保持時間は28.84及び53.90分であ った。両画分について、同定及びA.gossypii、M.persicaeN並びにD.melanoga sterの3種の昆虫に対するより詳細な活性試験を行った。 3)エクスコエカリアトキシン及びウィクストロトキシンDの同定、及び特徴付 質量分析(MS及びMS-MS)及びNMRスペクトル分析により、これら両活性化合物 は以下の一般式で表されるダフナン型の骨格を持つジテルペンであることが明か になった。 式中Rは、 −エクスコエカリアトキシン{[α]D+61.0(c=0.190CH2Cl2)}については(E,E )−ノナ−1、3−ジエニル基を、 −ウィクストロトキシンD{[α]D+17.3(c=0.643CH2Cl2)}についてはノナニル基 をそれぞれ表す。 これら化合物の分子量は、NH3-DCI-MSによる分析の結果、エクスコエカリアト キシンについては528、ウィクストロトキシンDについては532であった(ポジテ ィブモードにおいてm/z529及び533のイオンはMH+型、ネガティブモードにおい てm/z528及び532のイオンはM-oであった)。ポジティブモードのND3-DCIスペク トルにおいてもm/z533及び537のイオンが認められ、前記の分子量を確認できた 。さらに、両化合物中に置換可能な水素原子3個が認められた。 これらの化合物の推定される構造に関するさらなる情報及び証拠を得る目的で 、MH+イオンあるいはM-oイオンのフラグメント イオンのスペクトル分析を行った。ポジティブモードでは、例えば、MH+の衝突 による開裂は、2つの形態をとることが明かとなった。即ち、一つは、RCO+構造 (Rは側鎖を表す)を持つm/z151イオン(エクスコエカリアトキシン)あるいは m/z155イオン(ウィクストロトキシンD)を生じる場合、もう一つはRCO2H分子 1個の消失により両化合物ともm/z361イオンを生じる場合である。1HNMRスペクトル分析により、文献(8)に報告されているのと同一のスペクト ルデータが得られた。 4)比較試験 エクスコエカリアトキシン及びウィクストロトキシンDを広く知られている殺 虫剤で、Aphis gossypii及びDrosophila melanogasterに対し濃度依存的効果の ある、デルタメトリン及びメトミールと比較した。下表2にエクスコエカリアト キシン、ウィクストロトキシンD、デルタメトリン及びメトミールのLC50(μg/ ml)を示す。 表2 両天然化合物は、A.gossypiiに対して同様の活性を示した。メトミールのLC5 0 は2.03μg/mlであり、18.7及び17.0μg/mlのエクスコエカリアトキシン及び ウィクストロトキシンDに比べおよそ9倍高い活性を示した。両天然化合物及び メトミールのM.persicaeに対する活性はいずれもA.gossypiiに対するものより 低かった。メトミールはウィクストロトキシンDより7倍、エクスコエカリアト キシンより11倍高い活性を示した。 両天然化合物はD.melanogaster(培地への混和)に対しても同様の活性を示 したが、メトミールに比べ活性はおよそ2倍高かった。この結果は、これら両化 合物が持続性に優れていることを示している。 被験昆虫は、生じうる多様な活性や両天然化合物と市販の他の化合物との差異 を検証するために、無作為に選択した。生物学的試験の結果から、両化合物は昆 虫により異なった活性を示すことが明かになった。すなわち、両化合物はA.gos sypii、M.persicae、及びD.melanogasterに対しては活性を持つが、S.littor alis及びS.granariusに対しては全く活性を示さなかった。このことは、ダフナ ン型のジテルペンがある種の選択性を持っており、従って、総合的な昆虫保護計 画において何らかの役割を担うと思われる有用な生物に対するリスクを軽減しう ることを示す。両化合物が天然物質であり、従って、他の従来の農薬に比べ環境 中で、より早く分解されるであろうこともこれを支持するものである。 既存の研究により、本植物の根のメタノール抽出物が、リンパ球性白血病p-38 8(5)または他の疾患(14)に対して効果があることが明かにされている。また 、本抽出物の毒性は、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、さらにウサギの摘出回腸 あるいは心臓について調べられている(14)。マウスに対する急性毒性に関する 研究によれば、経口及び腹腔内投与によるLD50値はそれぞれ27.1及び330mg/kg と評価された。慢性毒性試験によれば、ラットに6カ月間この抽出物を摂食させ ても、何らの臨床的な毒性兆候は認められず、また、死後検査の際にも重要な病 変は全く認められなかった。このことから、当該抽出物2mg/kgの経口投与はマ ウス、ラット、及びウサギに対して毒性を示さないと、結論づけることができる 。特定の昆虫に効果があり、生分解性で、しかも環境に及ぼす影響の少ない新し い殺虫剤が求められている ことを考慮すると、これらの結果は、本発明の化合物の有用性を支持するもので ある。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成11年1月6日(1999.1.6) 【補正内容】 請求の範囲 1. ダフナン類のジテルペンを少なくとも1種、あるいは、ダフナン類のジテ ルペンを少なくとも1種含む植物の抽出物を有効成分とする農薬組成物、特に殺 虫剤組成物において、下記一般式(I): 式中、 −R1,R2,R3は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリル基、または、-O R16(R16は1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複数の酸化、あるいは ハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、あるいは環状のアル キル基、アルケニル基、アリル基を表す)から選択し、又は、R1及びR2が共に炭 素(1)及び(2)と二重結合を形成してもよく、また、R1,R2及びR3が下式の共 通基を形成してもよく、 式中、R17は1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複数の酸化、ある いはハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、あるいは環状の アルキル基、アルケニル基、アリル基を表し、又は、R17が炭素(1)に環化し、 大環状ダフナンを形成してもよく、 −R11及びR12は水素原子、1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複数 の酸化、あるいはハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、あ るいは環状のアルキル基、アルケニル基、アリル基、または、-OR16基(R16は前 記と同一の意味を示す)から選択し、又は、R11及びR12が炭素(6)及び(7)と 二重結合、あるいは当該炭素(6)及び(7)間の-O-式エポキシド基を形成して もよく、 −R6及びR7は水素原子、1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複数の 酸化、あるいはハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、ある いは環状のアルキル基、アルケニル基、アリル基、または、-OR16基(R16は前記 と同一の意味を示す)から選択し、又は、R6及びR7が炭素(1)及び(2)と二重 結合、あるいは当該炭素(1)及び(2)間の-O-式エポキシド基を形成してもよ く、 −R9は水素原子、=O式ケトン基、ケトンのオキシム型、アセタール型、ヘミア セタール型、ヒドラゾン型、イミン型、ア ミナール型、もしくはチオアセタール型誘導体、1つまたは複数の二重結合、及 び、1つまたは複数の酸化、あるいはハロゲン化された官能基を含んでも良い直 鎖状、分岐鎖状、あるいは環状のアルキル基、アルケニル基、アリル基、または 、-OR16基(R16は前記と同一の意味を示す)から選択し、 −R10,R13及びR14は水素原子、1つまたは複数の二重結合、及び、1つまた は複数の酸化、あるいはハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖 状、あるいは環状のアルキル基、アルケニル基、アリル基、または、-OR16基(R16 は前記と同一の意味を示す)から選択し、 −R15は水素原子、=O式ケトン基、ケトンのアセタール型、ヘミアセタール型 、ヒドラゾン型、イミン型、アミナール型、もしくはチオアセタール型誘導体、 1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複数の酸化、あるいはハロゲン化 された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、あるいは環状のアルキル基、ア ルケニル基、アリル基、または、-OR16基(R16は前記と同一の意味を示す)から 選択し、 −R5は水素原子、1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複数の酸化、 あるいはハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、あるいは環 状のアルキル基、アルケニル基、アリル基、または、-OR15(R16は前記と同一の 意味を示す)から選択し、 −R8は水素原子あるいは炭素(10)及び(11)との結合を表し、後者の場合、 炭素(9)と(11)との結合が置換されることにより、式(I)の化合物はインゲ ナン型の構造をとり、 −R4は水素原子、あるいは1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複数 の酸化、あるいはハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、も しくは環状のアルキル基、アルケニル基、アリル基から選択し、 の化合物を少なくとも1種又は当該化合物を含む植物の抽出物を有効成分とす ることを特徴とする農薬組成物、特に殺虫剤組成物。 2. 請求項2記載の組成物において、一般式(I)、 式中、 −R1,R2,R3は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリル基、または、-O R16(R16は1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複数の酸化、あるいは ハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、あるいは環状のアル キル基、アルケニル基、アリル基)から選択し、又は、R1及びR2が共に炭素(1 )及び(2)と二重結合を形成してもよく、また、R1,R2及びR3が下式の共通基 を形成してもよく、 式中、R17は1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複数の酸化、ある いはハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、あるいは環状の アルキル基、アルケニル基、 アリル基を表し、又は、R17が炭素(1)に環化し、大環状ダフナンを形成しても よく、 −R11及びR12は水素原子であるか、又は、炭素(6)及び(7)と二重結合、あ るいは当該炭素(6)及び(7)間の-O-式エポキシド基を表し、 −R6及びR7は水素原子であるか、又は、炭素(1)及び(2)と二重結合、ある いは当該炭素(1)及び(2)間の-O-式エポキシド基を表し、 −R9は水素原子、=O式ケトン基、ケトンのオキシム型、アセタール型、ヘミア セタール型、ヒドラゾン型、イミン型、アミナール型、もしくはチオアセタール 型誘導体であるか、アルキル基、アルケニル基、アリル基、または、-OR16基(R16 の意味は前記と同一)を表し、 −R10,R13及びR14は水素原子、または、-OR16基(R16の意味は前記と同一) を示し、 −R15は水素原子であり、 −R5は水素原子、あるいは、1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複 数の酸化、あるいはハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、 あるいは環状のアルキル基、アルケニル基、から選択し、 −R8は水素原子を表し、 −R4は水素原子、あるいは1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複数 の酸化、あるいはハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、も しくは環状のアルキル基、アルケニル基、アリル基から選択し、 の化合物を少なくとも1種又は当該一般式(I)の化合物を含む植物の抽出物 を有効成分とすることを特徴とする組成物。 3. 上記請求項の何れか記載の組成物において、エクスコエカリアトキシン及 びウィクストロトキシンDの化合物あるいはこれらを含有する植物の抽出物から 選択した少なくとも一つを有効成分とすることを特徴とする組成物。 4. 上記請求項の何れか記載の組成物において、有効成分はラシオシフォンク ラウシアヌスの抽出物であることを特徴とする組成物。 5. 上記請求項の何れか記載の組成物において、更に、殺虫剤に通常使用され ている賦形剤を一つ又は複数含有することを特徴とする組成物。 6. ダフナン類のジテルペン、あるいは、ダフナン類のジテルペンを少なくと も1種含む植物の抽出物、及び請求項2又は請求項3で定義された一般式(I) の化合物を、農薬、特に殺虫剤として、栽培植物における害虫の防除、あるいは 農作物貯蔵施設、住宅、公共施設の処理での利用。 7. ラシオシフォンクラウシアヌスの根から取得した実質的に純粋であるウィ クストロトキシンD。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 コルマン アルベル フランス、パリ エフ―75013、ルーナシ ョナル、126 (72)発明者 バラ アビル エルクヒヂル アーメド スーダン、エルギュナイド (72)発明者 ジュクロ パール エンリ フランス、パリ エフ―75015、スクエア ーデスノエッテス、2 (72)発明者 ケルホアス ルシエン フランス、ヴァーセルス エフ―78000、 ケミドゥコードン、4

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. ダフナン類のジテルペンを少なくとも1種、あるいは、ダフナン類のジテ ルペンを少なくとも1種含む植物の抽出物を有効成分とする農薬組成物、特に殺 虫剤組成物。 2. 請求項1記載の組成物において、下記一般式(I): 式中、 −R1,R2,R3は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリル基、または、-O R16基(R16は1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複数の酸化、あるい はハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、あるいは環状のア ルキル基、アルケニル基、アリル基を表す)から選択し、又は、R1及びR2が共に 炭素(1)及び(2)と二重結合を形成してもよく、また、R1,R2及びR3が下式の 共通基を形成してもよく、 式中、R17は1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複数の酸化、ある いはハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、あるいは環状の アルキル基、アルケニル基、アリル基を表し、又は、R17が炭素(1)に環化し、 大環状ダフナンを形成してもよく、 −R11及びR12は水素原子、1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複数 の酸化、あるいはハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、あ るいは環状のアルキル基、アルケニル基、アリル基、または、-OR16基(R16は前 記と同一の意味を示す)から選択し、又は、R11及びR12が炭素(6)及び(7)と 二重結合、あるいは当該炭素(6)及び(7)間の-O-式エポキシド基を形成して もよく、 −R6及びR7は水素原子、1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複数の 酸化、あるいはハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、ある いは環状のアルキル基、アルケニル基、アリル基、または、-OR16基(R16は前記 と同一の意味を示す)から選択し、又は、R6及びR7が炭素(1)及び(2)と二重 結合、あるいは当該炭素(1)及び(2)間の-O-式エポキシド基を形成してもよ く、 −R9は水素原子、=O式ケトン基、ケトンのオキシム型、アセタール型、ヘミア セタール型、ヒドラゾン型、イミン型、ア ミナール型、もしくはチオアセタール型誘導体、1つまたは複数の二重結合、及 び、1つまたは複数の酸化、あるいはハロゲン化された官能基を含んでも良い直 鎖状、分岐鎖状、あるいは環状のアルキル基、アルケニル基、アリル基、または 、-OR16基(R16は前記と同一の意味を示す)から選択し、 −R10,R13及びR14は水素原子、1つまたは複数の二重結合、及び、1つまた は複数の酸化、あるいはハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖 状、あるいは環状のアルキル基、アルケニル基、アリル基、または、-OR16基(R16 は前記と同一の意味を示す)から選択し、 −R15は水素原子、=O式ケトン基、ケトンのアセタール型、ヘミアセタール型 、ヒドラゾン型、イミン型、アミナール型、もしくはチオアセタール型誘導体、 1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複数の酸化、あるいはハロゲン化 された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、あるいは環状のアルキル基、ア ルケニル基、アリル基、または、-OR16基(R16は前記と同一の意味を示す)から 選択し、 −R5は水素原子、1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複数の酸化、 あるいはハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、あるいは環 状のアルキル基、アルケニル基、アリル基、または、-OR16(R16は前記と同一の 意味を示す)から選択し、 −R8は水素原子あるいは炭素(10)及び(11)との結合を表し、後者の場合、 炭素(9)と(11)との結合が置換されることにより、式(I)の化合物はインゲ ナン型の構造をとり、 −R4は水素原子、あるいは1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複数 の酸化、あるいはハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、も しくは環状のアルキル基、アルケニル基、アリル基から選択し、 の化合物を少なくとも1種又は当該化合物を含む植物の抽出物を有効成分とす ることを特徴とする組成物。 3. 請求項2記載の組成物において、一般式(I)、 式中、 −R1,R2,R3は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリル基、または、-O R16(R16は1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複数の酸化、あるいは ハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、あるいは環状のアル キル基、アルケニル基、アリル基)から選択し、又は、R1及びR2が共に炭素(1 )及び(2)と二重結合を形成してもよく、また、R1,R2及びR3が下式の共通基 を形成してもよく、 式中、R17は1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複数の酸化、ある いはハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、あるいは環状の アルキル基、アルケニル基、 アリル基を表し、又は、R17が炭素(1)に環化し、大環状ダフナンを形成しても よく、 −R11及びR12は水素原子であるか、又は、炭素(6)及び(7)と二重結合、あ るいは当該炭素(6)及び(7)間の-O-式エポキシド基を表し、 −R6及びR7は水素原子であるか、又は、炭素(1)及び(2)と二重結合、ある いは当該炭素(1)及び(2)間の-O-型のエポキシド基を示し、 −R9は水素原子、=O式ケトン基、ケトンのオキシム型、アセタール型、ヘミア セタール型、ヒドラゾン型、イミン型、アミナール型、もしくはチオアセタール 型誘導体であるか、アルキル基、アルケニル基、アリル基、または、-OR16基(R16 の意味は前記と同一)を表し、 −R10,R13及びR14は水素原子、または、-OR16基(R16の意味は前記と同一) を表し、 −R15は水素原子であり、 −R5は水素原子、あるいは、1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複 数の酸化、あるいはハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、 あるいは環状のアルキル基、アルケニル基、から選択し、 −R8は水素原子を表し、 −R4は水素原子、あるいは1つまたは複数の二重結合、及び、1つまたは複数 の酸化、あるいはハロゲン化された官能基を含んでも良い直鎖状、分岐鎖状、も しくは環状のアルキル基、アルケニル基、アリル基から選択し、 の化合物を少なくとも1種又は当該一般式(I)の化合物を含む植物の抽出物 を有効成分とすることを特徴とする組成物。 4. 上記請求項の何れか記載の組成物において、エクスコエカリアトキシン及 びウィクストロトキシンDの化合物あるいはこれらを含有する植物の抽出物から 選択した少なくとも一つを有効成分とすることを特徴とする組成物。 5. 上記請求項の何れか記載の組成物において、有効成分はラシオシフォンク ラウシアヌスの抽出物であることを特徴とする組成物。 6. 上記請求項の何れか記載の組成物において、更に、殺虫剤に通常使用され ている賦形剤を一つ又は複数含有することを特徴とする組成物。 7. ダフナン類のジテルペン、あるいは、ダフナン類のジテルペンを少なくと も1種含む植物の抽出物、及び請求項2又は請求項3で定義された一般式(I) の化合物を、農薬、特に殺虫剤として、栽培植物における害虫の防除、あるいは 農作物貯蔵施設、住宅、公共施設の処理での利用。 8. ラシオシフォンクラウシアヌスの根から取得した実質的に純粋であるウィ クストロトキシンD。
JP52528698A 1996-12-04 1997-12-03 ダフナン類のジテルペンをベースとする農薬、特に殺虫剤組成物 Pending JP2001508413A (ja)

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