JP2001507935A - 非接着細胞への巨大分子の微量注入の方法および器機 - Google Patents

非接着細胞への巨大分子の微量注入の方法および器機

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Abstract

(57)【要約】 本発明は非接着部位に存在する細胞に対する細胞外物質の取り入れの方法に関する。ある具体例では、微量注入針を接着分子又は物質により非接着位に存在する細胞を固定化し使用できるようにする器機、又は、細胞内に核酸のような要望される注入を細胞接着を支援する表面共に使用して可能にする方法である。一般に、非接着細胞は細胞の染色体DNAni前記核酸に命令をくだすことのできる有効部位の核酸配列(DNA)を微量注入することにより変性させることが可能である。本発明はまた定義された方法にしたがって細胞の修飾の範囲内で、特に幹細胞のような未分化の細胞に、細胞での異常又は欠乏の置換若しくは正常化を有効にする遺伝子又は断片を含んでつくれれる可能性があり、細胞の注射により患者に使用される遺伝子治療の方法を提供する。正常化された核酸は遺伝的に正常化された未分化細胞を発生させ、その後の生理的病気の治療に有効な手段をあたえる。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の名称 非接着細胞への巨大分子の微量注入の方法及び器機発明の分野 本発明は生細胞への物質の分子的輸送の分野、及びこのこと、特に試験管内で 接着状態に存在するようにされることができる細胞への分子状物質の取り入れを 達成するための改良方法に関する。本発明はさらに、細胞に遺伝物質を導入する 方法として与えられるような、遺伝子治療の分野に関する。本発明はまた、本開 示で示される生細胞への分子状物質の微量注入の機械、改良した細胞生育性及び そこにおける取り入れられた物質の保持/発現を伴った細胞への物質導入のため の器機の分野に関する。発明の背景 生細胞への巨大分子(例えば、抗体、mRNA、DNA)の微量注入は分子レ ベルでの細胞生物学の研究における強力な手引であることが証明されている。マ ニュアル式微量注入法は二人微量注入技術の先駆者DiacumakosとGraessmannによ りそれぞれ独自に開発された(Diacumakos,E(1973);Graessmann,A(1970))。そ の方法は生細胞にガラス微量注入針を注入ではマイクロマニュピュレーターをを 使用している。微量注入針は針からサンプルを押し出させるシリンジ集合体に接 続される。生細胞へのサンプル溶液の流れは位相差顕微鏡によって典型的に視角 的にモニターされる。この方法において、 位相差の変化はサンプルが細胞内へ注入されたことを示す。この方法では注入を 行う人の高度なトレーニングが必要とされる;注入が十分に使用に耐えられるも のとなるまでのこのトレーニングの期間には数か月かかる。これらのマニュアル 式微量注入法は時間がかかり、最大注入速度は1時間あたり300〜500細胞 である。 半自動(Eppendorf)及び自動(Zeiss)微量注入システムはマ イクロマニュピュレーターと注入システムの間に電気的インターフェースが含ま れることが示されている。これらのシステムには技術者のトレーニング及び技能 をほとんど必要としないので、純粋なマニュアル式微量注入法より好まれている 。加えて、それらはより速い速度での細胞の注入(1時間あたり1,000細胞 以上)が可能である。 微量注入による程度の成功率(85〜95%の短期発現、細胞生育、30%ま での安定的発現細胞)での接着細胞への遺伝物質の取り入れが記載されている。 大きな接着細胞型(例えば、繊維芽細胞)へのマニュアル式微量注入法満足すべ き生存率(85〜100%)を生み出すことが報告されている。 微量注入技術は非接着卵細胞(直径100ミクロン)のプロヌークレイへの巨 大分子の注入がトランスジェニック動物生産のプロトコールの一部に応用され成 功している。これらの技術はまた、人間の非受精の治療の際の細胞質内精子注入 (ICSI)を行う際の卵への精子への注入に使用されてい る。しかしながら、これらの注入に使用される保持ピペット(10ミクロン)及 び微量注入針(1〜3ミクロン)の両方は微小な細胞(例えば、〜5−10ミク ロンの直径の造血幹細胞)への注入の使用には大きすぎる。 小さな通常の非接着細胞(例えば一次造血細胞)マニュアル式微量注入は、一 般に微量注入された細胞は小さなな数字の生存のパーセントしか示さない。例え ば、Graessmannら(PNAS 77:433-436,1980)ではラジヒトB細胞系は抗リンパ球 IgG、植物性結球凝集素(PHA)、又はコンカナバリンA(Con A)で 表面を覆われた組織培養プレートに接着することができたが、その小さな大きさ と弱さのため、その細胞系はDNAの有効な微量注入ができなかった。微量注入 は細胞融合により大きなポリカリオンが形成された場合のみに可能であった。 Diacumakosら(Exp.Cell Res.1981,131,73-77)はガラスカバースリップに対 するマウスリスロロイコーマ(MEL)細胞の接着の方法について述べている。 このことは、最初にコラーゲンによりカバースリップをコーティングし、続いて カバースリップをコンカナバリンA及び1−シクロヘキシル−3−(2−モルフ ォリノエチル)カルボ−ジイミジンp−トルエン−スルフォネートメチルエステ ルで順次コーティングすることによって達成された。この手法を使用した、ME L細胞への化学薬品の微量注入が報告された。Con Aは多様な方式で細胞に 影響を与えることができる(例えば、通 常のリンパ球において低用量で芽の形質転換及び核分裂を誘発する;高用量でリ ンパ球と増殖したリンパ性細胞の両方の成長を阻害する(McC1ain and Edelman ,1976);マイトティックHeLa細胞のCon A処理カバースリップの植え 付けは細胞周期のS期の移行を遅らせる(Brownら,1985))ので、幹/プロジ ェニター細胞への影響を評価しなければならない。 M.Graessmann及びA.Graessmann(Microinjecton and Organella Transplantat ion Techniquues,Academic Press Incorporated,London,1986において)ガラス 微小管を使用した一般的な微量注入手順について記載した(Methodes in Enzymo logy;101:48)。これらのガラス微小管は約0.5ミクロンの外径をもつことが 記載されている。接着状態で成長しない典型的な細胞型である、フレンド白血病 細胞への付着がコンカナバリンA及びグルタラルデハイドのようなリンカー分子 を使用することにより達成された。この方法を使用した、プラスチックペトリ皿 への付着が報告されている。 Y.Moriら(ヨーロッパ特許出願EP0463508A1は温度応答性重合体 化合物及びプラスチック及びガラスプレートに標的細胞を固定化するための細胞 接着物を使用した細胞内への物質の注入方法について述べている。チップでの直 径が1から2ミクロンのミクロキャピラリーピッペットが使用される。細胞接着 物質には以下の分子が含まれる:ゲラチン、レクチン、架橋オリゴペプチド、接 着タンパク質、正の 荷電重合体、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、プロテオグリカン、グ リコサミノグリカン及びトロンボスポンジン。 造血細胞への微量注入が非常に困難であることには二つの根本的な理由があり 、一次細胞(定義:試験管外環境(例えばヒト、マウス、その他の体内)から試 験管内培養にいからる形質転換作用なしに直接転移できる細胞)及び形質転換細 胞(定義:試験管外(例えば、細胞が白血病である)又は試験管内のいずれかで 起こるさらなる細胞分裂形質転換作用に対する未制限の潜在力をもつ細胞)の両 方が:(1)付着細胞の生物的特性に有意な影響を与えない方法での造血細胞の 固定には非常な困難性がある。例えば、PHA、Con A又はアメリカヤマゴ ボウマイトジェンようなレクチンを使った造血細胞の付着は記載されてはいるが 、上で記載のように、これらの試薬は造血細胞に影響を与えるマイトジェン、い くつかの場合は抑制物として広く知られている。したがって、この固定化細胞は おそらく固定化手段によって生物学的に修飾されいる。(2)造血細胞、特に一 次造血幹細胞(直径5〜7ミクロン)の小さなサイズのためそれらに対する注入 を非常に困難にさせる。市販のもので存在する微量注入針の典型的なものは内径 が約0.5ミクロンで、さらに外径が0.7〜1.0ミクロンの範囲にあるので 、このような針の注入で血液細胞に逆に好作用を及ぼすことは期待できない。外 径が0.1〜0.3ミクロンの微量注入針についていくつかの 報告がなされてきている。 非周期進行血液幹細胞への子孫細胞における長期の発現を許容する遺伝子の輸 送は引き続き遺伝子治療手段における主要な技術的挑戦である。電気穿孔法、リ ポソーム、レトロウイルス、及びアデノ会合ウイルスを含む非常に多くの方法が 記載されてきているが、これらは大きなスケールで型式のきまった巨大及び微小 分子の生細胞への転移を阻害する制限が存在し続けている。電気穿孔法及びリポ ソーム媒介配送の両方ともに細胞の重要な機能についての導入された遺伝子の安 定的な維持が確立できないことにより阻害を受けている、一方、組換えCタイプ レトロウイルスベクタ−及びアデノ会合ウイルスベクアターは非周期進行細胞へ の形質導入及び長期細胞型特異的遺伝子発現の維持の両方に効果がない。 周期進行ヒト前駆細胞及び長期培養開始細胞(LTC−ICS)のレトロ媒介 遺伝的修飾がいくつか報告されている。これらの造血幹細胞は報告によれば試験 管内である限定期間(報告では約2から6か月)造血を維持することができる。 遺伝子治療の長期間の有利さのため、この技術は未修飾(形質導入)子孫の未修 飾幹細胞と比較的迅速に置換した修飾前駆細胞由来の子孫細胞のような修飾幹細 胞集団による患者に対して繰り返した治療が必要に思われる。 薬剤耐性遺伝子(例えば、ビンクリスチン、タクソール及びドキソルビシンの ようないくつかの化学療法剤から細胞を保護するヒト多薬剤耐性1遺伝子、MD R−1)の髄又は末 梢血液CD34+細胞へのレトロウイルス媒介形質導入を含む臨床上の実験が報 告されてきている。CD34+抗体はすべての現在試験可能なヒト血液幹細胞及 び前駆細胞に標識する。しかしながら、レトロウイルス(Cタイプ)ベクター媒 介形質導入には形質導入を効果あるものにするために細胞が細胞周期を進行して いることを必要とする。処理されるある割合の細胞集団を典型的に構成している 静止、すはわち周期進行していない血液幹細胞は効果的な形質導入ができない。 したがって、レトロウイルス媒介遺伝子転移は幹細胞への転移のためとしては厳 密な意味で効果的な技術ではない。人体実験で移植に対してCD34+細胞を処 理するこの技術を使用した比較的低頻度(0.1〜1.0%)の遺伝子を標識し た末梢白血球の報告がある。ほかの研究では使用したレトロウイルス形質導入プ ロトコールがヒト再構成活性を失わせることが報告されている。 レトロウイルス導入転移遺伝子の発現が形質導入されたヒト又は霊長類前駆細 胞及び形質導入されたマウス幹/前駆細胞の子孫においてもかなりの頻度で抑え るられる(Challita and Kohn,1994:Akkinaら,1994:Luら,1994)。その結 果、レトロウイルスにより薬剤耐性遺伝子を持つように遺伝的に修飾された造血 幹細胞は薬剤耐性表現型を効力あるものとして示すさない可能性がある。この問 題点は、レトロウイルスベクター(最大8kb)でも重要だが、アデノ会合ウイ ルス(AAV)ベクター(最大4kb)に対してより緊急の 課題である。 針は外部物質を非接着細胞に導入、特に微量注入法を使用した導入の改良法及 び生理学的病気に対する治療にこれらの方法を使用する際の医学的技術課題とし て存在し続けている。 β1インテグリン(integrin)はフィブロネクチン、ラミニン、コラ ーゲン、エピリグリン、インバシン及び血管細胞接着分子−1(VCAM−1; Stuiver & O=Toole Stem Cell13:250-262,October1995)のような特別なリガン ドと認識する細胞接着受容体のインテグリン遺伝子群に属している。β1インテ グリンは細胞−細胞及び細胞細胞外マトリックス相互作用を媒介する(Stuiver & O=Toole,1995)。インテグリンのβサブユニットはリガンド結合及び細胞内シ グナル形質導入の両方に貢献している。β1(α4β1、α5β1及びα6β1)、β2 (α1β2及びαMβ2)及びβ3亜科α Bβ3)由来のいくつかのインテグリンのリ ガンド結合親和性は多種のステムリ(stimuli)よって調節されることが できる(Schwartz,M.A.,Schaller,M.D.,Ginsberg,M.H.(1995)Annu.Rev.Cell D ev.Biol.11:548-599(インテグリン:シグナル形質導入の明らかになる範例) )順に、インテグリンは別の細胞性機能にもまた影響を与えることができる。例 えば、β1サブユニットに対するモノクローナル抗体はT細胞増殖に対して負の シグナル効果誘導する(Schwartzら、1995)。 多くのタイプの細胞が細胞外マトリックス分子及び他の細 胞を含む多くの基質に細胞を接着させることに使用されるインテグリン族の細胞 表面分子を発現する。特定の基質と接着するインテグリンの発現する細胞の活性 化についてのいくつかの方法が報告されている。これらの方法には細胞と抗イン テグリン抗体、サイトカイン、細胞外マトリックスタンパク質(例えば、フィブ ロネクチン)及びペプチド又は断片、さらには脂質、2価陽イオン、及びボルボ ールエステルとのインキュベーションを含む。 多種の一次及び形質転換細胞系はインテグリン活性化抗体によって表面に固定 化されることが報告されている。一次細胞にはPHA刺激末梢血液T細胞芽(Wa yner and Kovak,1992)及び静止末梢血液リンパ球が含まれている(Arroyoら) 。固定化されたと報告された形質転換細胞系にはK562(ヒト赤白血病;Kova chら、1992)、U973(骨髄単球;Wayner and Kovak)、MO7e(Levesque) 、TF1(ヒト赤白血病;Levesque)、A373(メラノーマ細胞;Arroyoら) 、Jurkat(ヒトTリンパ球芽;Wayner and Kovak,1992)、Ramos( ヒトBリンパ球芽;Wayner and Kovak,1992)、及びST−1(ヒトBリンパ球 芽;Wayner and Kovak,1992)が含まれている。 いくつかの研究では抗インテグリン抗体及びペプチドのような他の試薬が細胞 の接着できるようになり、従って基質に対して接着するように活性化することが 報告されているが、そこには造血幹細胞のような接着状態で成長しない細胞の微 量注入のこの技術は使用されていない。この技術は、ほかのものと比較しても、 造血幹細胞でもっとも顕著であるが、接着状態で成長しない重要なタイプの細胞 への微量注入の使用をさまたげる。造血幹細胞を固定化する細胞表面インテグリ ンの使用はこの困難に打ち勝ち、これらの細胞に微量注入することを可能にする であろう。発明の開示 一つの観点では、本発明は遺伝物質、タンパク質、ペプチド、及び免疫グロブ リンをふくむ巨大及び微小分子を生細胞に対して効果的な導入を十分容易にする ために表面に非接着細胞を固定化する改良法を提供する。本発明は表面に非接着 細胞固定化するためにを使用することができる多くの種類の固定化技術を意図し ている。本発明においては、非接着細胞とは以下のように定義される。1)試験 管内で懸濁培養において定規的に維持される細胞。2)培養において接着状態で 定規的に維持されるが、意識的に分離され実験又は操作の目的で一定の期間件懸 濁液で培養させられる細胞。 ある具体例では、この方法はインテグリンのような表面に対する細胞表面発現 接着分子を保有した非接着細胞の接着が含まれている(図1A及び1B)。本方 法には次の事が含まれる:前記表面の接着分子による処理、及びインテグリン又 はCD44のような細胞表面発現接着分子を保有した前記非接着細胞に対する、 細胞表面発現接着分子を接着分子による処理された表面への結合を活性化する抗 体のような活性化分 子による処理。この方法はほかの非接着細胞にも微量注入法を行うために十分有 効な物質表面に接着をもらす(図1B)。 ある具体例では、非接着細胞は活性化抗体の使用無しで接着分子を含んだ表面 に接着することもできる(図1C)。このことは細胞タイプと接着物の選択に依 存する。本発明は、特別の観点においては、物質(例えばフィブロネクチン又は プロテアーゼ消化、組換え発現(例えば、レトロネクチン;CH−296)又は 合成ペプチドのいずれかで一部誘導されたフィブロネクチン分子)に対して細胞 表面発現接着分子に対する付加的なステムリなしに固定化する方法、すなわち先 行した活性化作業無しに微量注入を有効にさせることが可能なあるタイプの細胞 の、フィブロネクチンペプチド/断片への接着(例えば、U937、HUT−7 8細胞、造血幹細胞/前駆細胞)の方法の提供である。あるタイプの細胞(例え ば、造血幹細胞/前駆細胞)はフィブロネクチンのカルボキシル末端と微量注入 に十分耐えうる力で接着する。 実施例として含まれる接着分子の実施例は排除されない:フィブロネクチン、 コラーゲン、ラミニン、エピリグリン、インバシン、オステスポンジン、トロン ボスポンジン、プロテオグリカン、グリコサミノグリカン、ICAM及びVCA M−1、並びにそれにつてプロテアーゼ消化又は組換え発現で誘導された断片; 合成ペプチド(化学修飾あり、又はなし)、またはそれについてのオリゴ糖断片 。これらは、前記タンパク質及びペプチド又はそれについての断片は線状と環状 の 両方の断片を含んでいるとも予測される。 別の観点では、本発明は非接着細胞中への物質の輸送方法を提供する。具体的 には、方法は次の事が含まれる:接着表面の非接着細胞の固定化、及び微量注入 針を通した前記固定化非接着細胞への前記外部物質を含んだ溶液の微量注入(図 12B)。微量注入針は約0.05から約1ミクロン、または約0.05から約 0.5ミクロン範囲の外径をもつものとして今後記載されるであろう。 別の具体例では、表面に対する非接着細胞の固定化の方法は次のことを含んで いる:末端部分の内部穴の直径が約0.5から約2.5ミクロンの保持ピッペト による非接着細胞の固定化;及び保持ピッペトと一体化したシリンジを真空状態 にして、手動(例えば、EppendorfまたはZandler)又は動力装置(例えば、Worl d Precision Instrument)により、前記保持ピッペトの前記末端部分がが前記非 接着細胞に非常に接近するまで前記保持ピッペトに操作する(図12A)。ある 具体例では、保持ピッペトはデフォンブルン(DeFonbrune)微小炉を 使用して作製することができる。ピッペト作製の方法にしたがって、吸い口に組 み合わされたつかみに適合させるためにガラス微小管に、熱したフィラメントの 内部に位置する微小管から1〜5グラムの重量を吊すことができる適切な曲げを 作る。このような保持ピッペトを作製する場合、デフォンブルン微小炉には制限 されない。例えば、存在するすべての市販の針プラー(Sntter Instrument,Nari sige,Kopf)が本発明の一部としてここに記載されたようなピッペトを供給する 微小管を引っ張ることに使用できる。本発明の最高の具体例は、チップは微小炉 (デフォンブルン又はナリシゲ)により熱で磨きがかけられるべきである。 本発明の微量注入法は修飾された非接着細胞、特に生細胞又は生物学的機能の 損失なしに要望した分子含む造血幹細胞の集団の提供を導く。遺伝子治療のため の微量注入法を成功させるために必要そされる細胞数は約150から5,000 の幹細胞と見積もられる。 本発明はまたレトロウイルス及びAAVベクターによる輸送よる同様な輸送よ り効果的な、一次コード血液幹細胞の核に直接転移遺伝子又はインテグリンタン パク質のような付属タンパク質をともなった転移遺伝子の微量注入媒介輸送につ いて考慮する(図8)。調節要素及びイントロン/エクソン構造を含有するDN Aのような大領域のDNAが微量注入法による輸送可能な状態にさせることを考 慮する。このようなことは形質導入された幹細胞の子孫で頻繁に観察される異常 調節発現及び沈黙も回避するであろう。 本発明はまた転移遺伝子又は付属タンパク質をともなった転移遺伝子の輸送の 他の方法についても考慮する。例えば、イオントフォレシス、粒子衝撃、電気穿 孔、陽イオンリポソーム媒介トランスフェクション、ペプチド媒介遺伝子輸送( 例えば、ポリリシン)、レセプター媒介エンドサイトーシス、赤血球媒介トラン スフェクション、低張膨張、マイクロ プリッキング、及び細胞周辺培地への直接的な核の添加である。 別の観点では、本発明は生理学的病気の治療に用いられる遺伝子治療方法の提 供する(図5、6及び7)。実施例としは、このような生理学的な病気にはサラ シミア及びガンが含まれる。 発明の別の観点は非接着細胞内に外部物質を輸送するために特別に設定された 装置を供給する。ある具体例では、装置には外径が約0.05から約0.5ミク ロンの範囲の微量注入針が含まれる。 ある具体例では、斜めに切られたチップを持つ外径が約0.05から約0.5 ミクロンの範囲の微量注入針が含まれる。内部開口の寸法は本発明の具体例で針 の作製で使用されるガラス微小管の壁厚の収容に適応するものが使用できる。特 に、針は針が細胞注入法で使用されるときにプラスチック物質と接触している時 に簡単に分離することのないために十分な厚さの壁を持つチップを持つ針を結果 的に生じさせる注入針の作製に使用される場合の十分な壁厚を持つガラス微小管 を使用して作製されるであろう。 本発明で提供される注入針の具体例では、ガラス微小管はプラスチックよりも より軟弱な物質と接触している時に簡単に分離することのないこのような十分な 厚さ持つこのような針チップには十分な壁厚を持つ。針チップは今後粘着性のな い化合物(例えば、シリコン)で覆われるものとして定義さ れるだろう。 これらの具体例では細胞内化合物を張り付かせず、従って微量注入を通じて細 胞に被害を与える機会を減少させる針を供給す。他の具体例の針は外部と内部の 両方を非粘着物質(例えば、シリコン)覆われているであろう。これらの針は、 特にこれらの針が非常に小さい外径(0.05〜0.5ミクロン)の場合特に針 から粘性、濃縮した、又は粘着性巨大分子の運搬に有効であろう。 さらに別の観点では、本発明は化学療法から血液幹細胞及びそれらの子孫の保 護する方法を提供する。例として、これらの細胞はアリキルカ剤、アンスラサイ クリン、ビンカアルカロイド、エトポサイド、タクソール及び類似物又はそれら の複合物のような化学療法剤に対してそれらが耐性を獲得するような処理がなさ れる。化学療法から血液幹細胞及びそれらの子孫の保護は前記細胞に対するMG MT遺伝子及び/又はMDR−1遺伝子のような多薬剤耐性遺伝子を微量注入に より供給され、これらの修飾された細胞は患者に与えられる。MGMT遺伝子は 分離され、参考文献により、ここで教えられ、効果的に理解される文献に記載さ れている(Wangら、1996;Moritzら1995;Preussら1996)。MDR−1遺伝子も また文献、参考文献によりここで効果的に理解されI.Roninsonらに記載されてい る(Kocら、1996)。内部に誘導された核酸物質をもつ修飾ヒト血液幹細胞を豊 富に含んだ細胞集団が含まれる調製もた本発明の別の観点が含まれる。 固定化及び非接着細胞への外部物質の微量注入に有用な道具もまた提供される 。いくつかの具体例でこれらの道具は以下のものが含まれる:2つ以上の容器手 段を含むように調整された運搬手段;容器手段には外径が約0.05から約1ミ クロンの範囲の微量注入針が含まれる、及び運搬手段にはこれらの特徴をすべて 持った微量注入針が含まれる。道具には固定化表面(未コート及び接着物質コー トの両方が使用できる)、微量注入針、及び任意にクローニングリングを含むこ とができる。必要な場合には、細胞接着の活性化剤(例えば、細胞表面インテグ リンを活性化する抗体)が分離した容器に提供されることができる。前記道具に は微量注入後接着物質から細胞の分離に使用させる試薬(例えば2価陽イオン、 ペプチド、その他)また含んでもよい。 以前の技術により公表されているこれら技術と対照的に、本発明の方法及び器 具の適用ではつぎのことを行うことを理解すべきである、(1)多くの種類の一 次又は形質転換非接着細胞への微量注入を容易にする;及び(2)細胞の生物学 的活性(例えば、試験管内での遺伝的に修飾された造血幹細胞の再構築)に対す る逆効果がほとんどない状態での固定化、微量注入、微量注入された細胞の回収 を可能にする;及び(3)時間当たりのより多くの細胞の注入を可能にする半自 動又は自動微量注入装置による接着細胞の注入を可能にする。 別の観点では、本発明は細胞表面発現インテグリンを持つ非接着細胞内部へ外 部物質の微量注入のための道具を供給し、 この道具は以下のものが含まれる:接着物質で覆われた固定化表面、及び抗イン テグリンモノクローナル抗体(又は、他の同等のインテグリン活性)及び外径が 約0.1から約0.15ミクロンの範囲の微量注入針。この道具の他の具体例は ここで記載のとおりに、他の外径及び内径を持つ、又は多種の大きさが組合わさ れた微量注入針含んでいる。 ここで記載されている方法及び器機は遺伝子治療及び体細胞治療の手段として ヒト細胞への外部物質の転移に有用であることが予測される。 したがって、本発明のひとつの観点によれば、目的の治療薬剤をコードするD NAにより遺伝子工学処理された造血幹細胞、またはもっと一般的な非接着細胞 を含む構成物を提供する。この遺伝子工学処理された細胞は次に治療薬剤として 使用される。 それに沿って、本発明はまた以下の事項が含まれる遺伝子治療に反応性の生理 学的病気に対する治療のための遺伝子治療方法を提供する:遺伝的に修飾された ヒト造血幹細胞が豊富な構成物を注射により患者に与え、幹細胞は微量注入によ り運搬された遺伝物質を含んでいる(図7)。少なくとも約150から約5,0 00の生きた潜在的に短期的な造血幹細胞再構成のために十分な数の遺伝的修飾 された、又は未修飾造血幹前駆細胞により補足された、遺伝的修飾細胞含んだ細 胞の構成物が目的とする病気の処置及び又は治療を提供する。 本発明の別の観点に従うと、コードされている生体内産物を発現する細胞と共 に、標識又は治療薬剤をコードするDNAを含むように微量注入により遺伝子工 学処理された造血幹細胞が提供される。この特別な具体例では、DNAは細胞の 遺伝的欠如を治し、及び発現産物は細胞から分泌されないもの(例えば、ヘモグ ロビン)か分泌されるもの(例えば、ファクターVIII)のいずれかである。 本発明はまた造血幹細胞(hSCs)の治療効果を増加させる方法を導く。 別の具体例では、患者は、生体内で治療剤を発現することができるような治療 剤をコードするDNAで遺伝子工学処理されたhSCsを与えられる。上記に述 べたように、これらの遺伝子工学処理細胞はhSCs微量注入による生体外での 遺伝子工学処理されたhSCsを患者に与えることで提供される。 本発明のさらに別の観点によれば、以下の物が含まれる構成物が提供される( i)治療剤をコードするDNAで遺伝子工学処理されたhSCs及び(ii)患者 への投与に適した薬学的に許容される輸送体。 図面の簡単な説明 図1A及び図1B。図1Aは多様な非接着細胞の表面に存在するインテグリン を活性化する潜在的な機構を示している。図1Aでは、CD34+幹/前駆細胞 は表面のα5β1と同じようなα4β1の両方の表現で示される。接着分子はここで の 例でフィブロネクチンが使われている。α4β1はLDV含有ペプチド配列と結合 し、一方α5β1はRDG含有ペプチド配列と結合することを示している。フィブ ロネクチンのような物質に接着する場合に「丸型」の懸濁形態を示す細胞は、一 般に弱い結合形で接着する。細胞の物質に対する結合は微量注入針により容易に 離れさせられるため高速方法を採用する細胞の微量注入に対しては有効ではない 。ここで列挙されたものを含む様々な機構によるインテグリンの活性化は、リガ ンドに対する低い親和性状態から高い親和性状態(図1A)にインテグリンを変 更することによりフィブロネクチンに対する非常に強力な接着、及び細胞の伸展 を導く。より強力な親和力で結合する細胞は半自動及び自動微量注入法に耐える 。図1Bはある場合の、接着表面上の細胞の接着及び伸展が、細胞接着の以前、 または同時の活性化剤添加なしに起こることができることを示す。図1Cはフィ ブロネクチンのカルボキシル末端断片(RDV及びLDV認識部位を含む)対す るいかなる活性化剤の不在下での細胞の接着及び伸展能力を示す(Kimizukaら、 1991)。 図2A及び2B。表面に固定化された細胞が固定化表面から放出する方法。フ ィブロネクチンにより固定化された細胞(図2A)はペプチドによる競合、カル シウムによるインテグリン媒介接着の阻害、キレート化、トリプシン処理、又は ピッペトによる撹拌を含む多様な方法で放出できる可能性がある。細胞は結局は それらが伸展、接着形態を失った時点で 非接着状態に回復させることができ、より球形の非接着形状に戻る(図2B)。 図3は活性化されたインテグリン/フィブロネクチンによって固定化されてい るCD34+細胞によるミエロイド及びエリスロイドの両方のコロニー形成活性 の保持能力を示す(前方斜線バー)。CD34+細胞を固定化されたコンカバリ ンAによるコロニー形成活性もまた示されている(後方斜線バー)。左側に示さ れるものはエリスロイドバースト(BFU−E)コロニー形成である。両方の接 着方法はコントロールの非接着細胞のそれと有意な差異を示さなかった(白バー )。ミエロイド(CFU−GM)コロニー形成はコントロールと比較してインテ グリン/フィブロネクチン固定化細胞に対するコロニー形成において有意な減少 を示さない。対して、コンカバリンA固定化を伴った場合、ミエロイドコロニー 形成はコントロールに対して約50%しかなかった。小標準偏差はこのことがコ ントロール及びインテグリン/フィブロネクチンサンプルの両方に対して有意差 となっていいることを示している。 図4は蛍光細胞の数の時間推移を微量注入細胞に対するパーセンテージで示し ている。CD34+細胞(−■−及び−▼−)又はCD34+/CD38-/Th y−1lo細胞(−■−及び−▼−)は実施例で概略が説明されるインテグリン/ フィブロネクチン法で接着している。細胞は0.2ミクロン0.D.チップ及び 分子量150,000のFITC−デキ ストランを持つ針で注入された。一時間未満の点では注入後直ちに蛍光細胞を生 じさせる成功した注入の割合の査定を示している。これらのサンプルは細胞注入 後4時間、24時間、48時間以上の多くの時間まで引き続いて査定が行うわれ 、蛍光細胞の数は成功した全注入細胞数に対するのパーセンテージで示されてい る。この数が減少は次のことを反映している:(1)連続した蛍光顕微鏡による 蛍光の低下;(2)微量注入に伴う傷害による細胞の死亡;及び/又は造血幹/ 前駆細胞に対するFITC−デキストラン毒性の可能性。それぞれの細胞タイプ で2つの典型的な研究結果が示されている。 図5は多能性幹細胞から引き続くすべての造血幹細胞系に対するの複数の系統 図を示す。造血幹/前駆細胞に含まれるCD34+細胞はコード血液又は骨髄の 全単核細胞の0.1から1%を構成する。多能性幹細胞を記載するのに使用され ていた表現型もまた示されている。これらはCD34+、CD38-、CD45R a−/lo、CD71−/loThy−1loのすべての測定可能なヒトである細胞で 、それらの頻度の概算が単核細胞に対するパーセンテージで示されている。 図6は模式図により、染色体DNAおいて欠陥遺伝子、欠損又は突然変異を持 つ個体の完全な造血幹細胞系を示している(*は染色体DNA配列における突然 変異)。 図7は患者への遺伝的に修飾された幹細胞の導入の概略を示している(*=染 色体DNA配列における突然変異;■= 訂正遺伝子)。もし訂正DNAが多能性幹細胞に入れ及び導入されたDNAが成 長する事ができる造血組織ような子孫細胞に保持されれば、遺伝的に訂正された 細胞には完全な造血系統が含まれるであろう(すなわち、突然変異のすべての一 族及び段階)。 図8は微量注入法の利点を示している−それは、同一細胞内でのタンパク質( 丸)と一緒に存在する共運搬DNA(長方形)に対する能力である。この実施例 では、タンパク質は染色体DNAへDNA配列の融合を容易するものが選択され た。ここで示される実施例では配列及びタンパク質がマウス白血病ウイルス(レ トロウイルス)又はアデノ会合ウイスルのいずれかから選択される。 図9は染色体DNAで遺伝子欠陥(*)の訂正を意図するDNA配列を示し、 この場合には相同組み換えにおいて活性のあるタンパク質(丸)が訂正DNA配 列を共に注入されることを提案する。欠損又は突然変異配列を微量注入を通じて 供給された訂正複製物により置換するための目的は、最終的に以前に欠陥のある 対立遺伝子を修正する細胞を生じさせる。 図10A及び図10Bは抗体が不在の状態(すなわち、単純な培地、図10A )及びインテグリン抗体を活性化する抗β1、TS2/16.2.1(図10B )の存在下でフィブロネクチンに接着を通じてフィブロネクチン上の位置さたC D34+幹前駆細胞を示す。図10Aで見られるように、抗 体が不在の状態で接着した細胞はゆるしかつながれない。それらは球状の形態を 維持し、細胞の外表面の屈折性質は表面に面で接着するのではなく、むしろ一点 で単につながれることを示している。このことはインテグリン接着細胞の非常な 平らな形状と対比させられる(図10B)。これらの細胞は表面に強く結合し、 頻繁に細胞から生じる台を持ち、及び非固定化又はつながれた細胞に比較して高 度に広がっている。 図11は0.1ミクロンフィルターによるろ過の前後のいずれかのHindm /EcoRIで消化されたラムダ野生型DNAのアガロースゲル電気泳動のエチ ジウムブロミド染色結果を示す。少なくとも長さで21kbまでの大きさの物質 の損失の証拠はない。すべての断片(21kb断片を含む)は0.1ミクロンの 大きさのフィルターの穴を問題なく通過するので;このことは長さが21kb以 下の線状断片は約0.1ミクロン以上の注入針を問題なく通過することを強力に 示す。 図12A及び図12Bは微量注入手段。図12Aは細胞を安定させる保持ピッ ペトを使用する注入技術を示している。保持ピッペトにより安定させれば、(真 空吸入により)細胞は微量注入針により注入されることができる。微量注入針は 0.12μの標記の針で示されている。保持ピッペトは2−4μで標記で示され る(これらの直径(すなわち、0.12μ、2−4μ)実施例の目的のために選 択された)。図12Bは接着分子により培養皿の表面を処理することにより固定 化された細胞の微量注入のための注入技術を示している。この明細書で記載され た方法により接着された細胞は微量注入法に耐える。 図13−市販のものとして存在する1mgのmAB TS2/16.2.1/ mで処理されているフィブロネクチンコート皿でのU937細胞の接着/分離/ 伸展(−■−=接着細胞;−◆−=微小偽台状、突起又は伸展の細胞;−●−= ゆるい接着状態細胞)。 図14−市販のものとして存在するフィブロネクチンコート皿への接着後のU 937細胞の増殖(−■−=1mgのmAB TS2/16.2.1/mlで処 理さたれたU937細胞;−◆−=未処理U937細胞)mAB TS2/16 .2.1/mで処理さたれた生存可能U937細胞は96.4%;未処理U93 7細胞は95.8%。 図15−市販のTS2/16.2.1/m mABで処理されているフィブロ ネクチンコート皿のコード血液から分離されたCD34+細胞の接着及び伸展( −■−=接着細胞;−◆−=微小偽台状、突起又は伸展の細胞;−●−=ゆるい 接着状態細胞)。 図16−1mgのmAB TS2/16.2.1/mlの存在又は不在下でコ ード血液から分離されたCD34+細胞増殖及び生存性(−■−=mAB存在下 ;−◆−=コントロールのIgG mAb存在下)。mAB TS2/16.2 .1処理さたれたCD34+細胞=−●−;未処理=−▲−。 図17−1mAB TS2/16.2.1/mlの存在(−■−及び−○−) 又は不在下(−◇−及び−▲−)でレトロネクチン(−〇−及び−▲−)に対し てのフィブロネクチン(−■−及び−◇−)へのCD34+細胞の接着。 図18−クオート/ホウ素ケイ酸塩針によるU937細胞。クオート/ホウ素 ケイ酸塩針による注入の2時間、24時間、及び48時間後のU937細胞の生 存パーセント(線影バー=クオート、白バー=ホウ素ケイ酸塩)。 図19−クオート/ホウ素ケイ酸塩針によるCD34+7細胞。注入の2時間 、24時間、及び48時間後の生存パーセント(線影バー=クオート、白バー= ホウ素ケイ酸塩)。 図20−バージョン1.OBのホウ素ケイ酸塩針の大きさ分布データ。ホウ素 ケイ酸塩針外径(ミクロン単位)に対する頻度。 図21−バージョン1.0Qのクオート針の大きさ分布データ。クオート針外 径(ミクロン単位)に対する頻度。 図22A、図22B及び22B’−図22A−シリコン処理された針を組み込 みを示すフローチャート。シリコン処理された針の筒の中にサンプルを運ぶため の圧力装置を使用する。図22B及びB’−エアー及び他のガス泡はサンプルの 積載後シリコンチップから放出される。このことは、サンプル積載針のチップに ガラス、又は同様な素材のフィラメントを使用することで達成された。 図23−グリッド細胞皿。エストラマースタンプ又はマニ フォールド器機は接着物質から定義された島状の部分を希望する特別な方向に、 一回分の注入に適した数の細胞を放すことに使用される。実施例では、あらかじ め決められた特別な方向に接着物から定義された島状の部分は約1,000個の 細胞が適している。それぞれの細胞は約10から約20ミクロンごとに配置され る。その例では、スタンプは1mm×1mm直径の円形である。それぞれの1m mの島の細胞に注入された針と共に、1個以上の針が細胞から細胞を除去するた めに遠心分離される。ある具体例では、接着物質により覆われた幾何学的な表面 部分は細胞機能(例えば、増殖、分化、細胞産物の分泌)を調節するために細胞 の拡散の制限することを調節することができる。 図24A−24B−注入マニフォールド。一つの具体例のマニフォールド上面 図を示している。注入針1はマニフォールド2から伸びている。針の数及び針の 空間配置は使用者の要望する配置に従って変更でき、使用される締めた細胞皿の グリッド配置形式に一致するような針注入の図表を提供する。図24Bは注入マ ニフォールド側面図を示している。挿入3はマニフォールド2に連結している。 針1の1又は多針配置はマニフォールド2から伸びている。 図25−微量注入組み立てユニット。針1は組織培養皿5に接触するように位 置にする。金属フィラメント2は、逆側に音響システム3連結した抵抗カモニタ ー4と連結する。 図26−それぞれバージョン1.0及びBバージョン1. 0Qのホウ素ケイ酸塩(斜線バー)又はクオート針(斑点バー)を使用したU9 37細胞の生存性。 図27−それぞれバージョン1.OB及びバージョン1.0Qのホウ素ケイ酸 塩(斜線バー)又はクオート針(斑点バー)を使用したCD34+細胞の生存性 。 図28A及び図28B−バージョン1.0Bホウ素ケイ酸塩注入針の走査電子 顕微鏡写真A。図28B。バージョン1.0Qクオート注入針。 発明を実施するための最良の形態 微量注入法は具体例で非接着細胞及び外径が約0.05ミクロンから0.5ミ クロンの微量注入針を使用した本発明に従って実行される。いくつかの具体例に おける方法では表面上に非接着細胞の固定化、その後要望する外部物質を含ませ るための微量注入の方法が提供される。本発明はさらに細胞生存性の最小の損害 及び/又は損失を伴う培養表面から修飾細胞の除去を提供する。 本発明に従って提供される修飾細胞は以下の事を含む様々なことに応用するこ とができる:(a)実験室研究、(b)要望するタンパク質(例えば、モノクロ ーナル抗体の試験管内での生産のため、及び、(c)生理的病気に対する治療。 この点について、ここで開示された技術は遺伝子治療に使用できる。別の観点で は、本発明は遺伝的に修飾された細胞が豊富な細胞の調製を提供する。このよう な調製物は遺伝子治 療応答性生理的病気に苦しむ患者に注射により与えられ、そこにおいては遺伝的 に修飾された非接着細胞及びその子孫は治療剤を発現し、従って患者の生理的病 気を治療する。 微量注入法 ここにおいて使用される場合、「微量注入」および「微量注入すること」とは 非接着細胞内に外部物質を輸送することをについて述べたものである。ある具体 例では、この方法は下記に記載されるように微量注入針を使用する。方法のある 具体例では、発明による微量注入法は一般的に以下のとおりに進められる。クロ ーニングリングが組織培養皿のような固定化表面に付着する、クローニングリン グにより囲まれた皿の表面は、フィブロネクチンのような接着物質で覆われる。 覆われた固定化表面は、固定化表面に対して非接着細胞の固定化させることがで きる十分な時間及び温度で活性化抗インテグリンモノクローナル抗体の存在下で 、非接着細胞の混合物によってさらされる。別の例では、非接着細胞が接着の活 性化抗体又は他の活性化剤が無い状態で前記固定化表面に添加される。理想的な 針に効果的な量及び濃度の外部物質を含むサンプル溶液が積載される。固定化非 接着細胞を含んだ組織培養皿が顕微鏡の掲載台に乗せられ、同じ顕微鏡上に乗っ た、Narishigeが販売しているようなマイクロマニュピュレーター又は Eppendorfにより販売されているような電気制御マニュピュレーターに 微量注入針が設置される。SAS 10/2エアースクリュー始動微量注入/吸 引シリンジ又は自動Eppendorfトタンスジェクターのような器機は、サ ンプル溶液(たぶん蛍光標識を含む)を微量注入針から細胞の核への運搬に必要 な圧力を供給する。非接着細胞の核への挿入の後に、必要量のサンプル溶液が細 胞に注入される。運搬は位相差顕微鏡によりモニターできる。しかしながら、細 胞では観察できないようなこのような微量の運搬では光学顕微鏡によって識別さ れることは有効なことかもしれない。微量注入針の引き上げ後、外部蛍光物質の 核への運搬は蛍光検出機能を備えた顕微鏡により確認され、修飾細胞は続いて固 定化表面から分離される。 微量注入法は使用する装置に従って手動、半自動又は自動により行われる。手 動式微量注入手段は、すべてを位相差顕微鏡で観察できる、生きた細胞の核又は 細胞質区画の中にガラスマイクロピッペト(注入サンプルを積載)を導くマイク ロマニュピュレーターを含んでいる。注入針は針からサンプルを連続して押し出 す圧力を与える組合わされたシリンジに連結されている。針のチップは細胞に挿 入され、細胞へのサンプル溶液の流れに由来する位相差の光りは視覚的にモニタ ーされる。位相差の変化は細胞へサンプルの注入を示し、そこで注入針は細胞か ら除去される。半自動微量注入法は以下のように行われる:手動によるセッティ ングにより細胞の核に微量注入針を導かれる。このことは、Zバルブが、すはわ ち、自動的注入を実行する時に針が戻る垂直位置に設置することが行われる。Z バルブを設置すれば、針が核から引き抜 かれ、注入される細胞の核の位置の上部に位置する。自動化システムはその後始 動する。針が細胞核の中に導かれると同時に、圧力の律動が核への注入サンプル を放出する。注入が完了後、針が注入する細胞のすぐ上部に戻る。新たな細胞が その後据えられ、手順が繰り返される。 非接着細胞に微量注入される外部物質を含む溶液の容量は記載されるように最 高条件にすることができる。一般に、注入される容量は溶液を受け取る非接着細 胞核の体積当たり約2%から約5%を越えない。外部物質の濃度及び非接着細胞 の中に注入される物理的特性は微量注入の成功をもたらすことができる。発明に 従えば、温度、微量注入針の非接着細胞への貫入及び抜き取りの速度、微量注入 針チップの内径及び外径、針の内部圧力が増加する(注入サンプルの放出のため )時間の長さ、細胞を貫くときの針の軸、及び注入過程の期間中及びその後の両 方での針の内部圧力のような他の変数はそれぞれの細胞のタイプ他の変数が要求 される最高のものであるものに対しては、最高なものにしなければならない。微 量注入の期間中に使用される温度はおおよそ室温(22℃)から注入過程で使用 される顕微鏡の一部である過熱段階で使用される約37℃までの間で変更させる ことができる。非接着細胞の中へ注入される溶液の容量は他の事項の中でも非接 着細胞の容量したがって変化する。 細胞へのサンプル溶液の微量注入で使用される圧力は、微量注入針の内径及び チップの形態(例えば、先細の長さ及び 張り出し)及びサンプル溶液の濃度及び粘度に従って変化する。圧力はサンプル 溶液の流速及び注入法の後に最高の細胞生存性を提供するために決定されるもの を下回る運搬容量を維持するために有効な低い値にすべきである。 ここにおいて使用される場合、「微量注入針」という用語は、非接着細胞への 微量注入に使用されるホウ素ケイ酸塩、アルミナケイ酸塩又はクオーツガラス、 若しくは他のふさわしい素材が含まれる微小管を意味する。本発明の微量注入針 はSutter Instrument製のP−87、P−97、又はP−20 0モデルのような自動ピペットピュラーによって一般のガラス微小管から準備す ることができる。微量注入針は微小炉又は他の同様な器機を使用して手作業で準 備することもできる。本発明の微量注入針は外径が約0.5ミクロン以下、好ま しくは約0.25ミクロン以下、さらに好ましくは約0.05ミクロンから約0 .5ミクロンの範囲である。微量注入針の内部穴は微量注入針を通過して保存器 から非接着細胞へ巨大分子を通過させることができ、一般には約0.02〜0. 4ミクロンの直系である。 本発明において考慮される微量注入針は一般に使用した適する特別な熱フィラ メント、微小管の型(ガラス化合物及び内/外径)及び設定された器具(例えば 、熱、引っ張り力、及び引っ張りの速度)準備することができる。最終的な微量 注入針の大きさと形状は走査電子顕微鏡(SEM)、抵抗測定、泡圧力検査のよ うな様々な方法により決定することがで きる。 微量注入針の最終チップの外径(O.D.)、先細の長さ及び張り出しここに おいて記載の方法を使用することによって調整することができる。フィラメント またはレーザーの温度、フィラメントの大きさ、初期微小管内部穴内径(I.D .)、微小管構成物、熱にさらされる時間及びなまし速度のような考慮事項はす べて要望される特徴をもつ微量注入針を生産させるために必要なことに対して最 高の条件にすることができる。 本発明に従って実行される場合、外部物質を含む溶液を微量注入されている非 接着細胞は延長された期間生存し続け、及び外部物質を保有し発現するかもしな い、すなわち外部DNAを受け取った非接着細胞はDNAを複製しそのDNAに 関係したタンパク質を発現することができるようになる。 本発明の方法は外部物質の非接着細胞の核に対するだけの微量注入に制限され ない。例えば、外部物質は細胞質又は様々な他の細胞器官に注入することができ る。 ここにおいて使用される場合、「外部物質」という用語は、微量注入される非 接着細胞の外部にある完全なビリオン、DNA、RNA、タンパク質、小有機分 子、代謝物、巨大分子、細胞器官、プラスミドベクター、酵素、無機物質、染色 体、人工染色体、エピソームプラスミド及びその他の物質のことを述べている。 「非接着細胞」とは組織培養において接着して成長するも のに対して、懸濁培養で成長するものである。本発明で考慮される非接着型細胞 の例には一次及び形質変換B細胞(Bリンパ球)、T細胞(Tリンパ球)、造血 幹細胞、グラヌロサイト/好中球、骨髄芽球、赤芽球、及びその他を含んでいる 。 本発明でまた考慮される一次幹/前駆細胞はCD34+、CD34+/CD38- 、CD34+/lin-/Thy−1lo、CD34+/CD45Ra-lo/CD7 1-lo/Thy−1lo、CD34+/c−kitlo、CD34+/CD38-/CD 33-/CD19-/CD45Ra-/c−kitlo、CD34+/CD38-/C D45Ra-lo/CD71-lo/Thy−1lo、及びCD34+/CD38-/Th y−1loが含まれる。本発明で有用な形質変換造血幹細胞はU937及びKG− 1のような多種の細胞が含まれる。一次細胞とは試験管内の供給源から直接移動 させられるもので、すはわち、培養において無限の成長を提供するために操作又 は形質転換を行っていない細胞である。 本発明の微量注入法を実施するにあたり、次の4つの基準を考慮すべきである :(a)微量注入のための駆逐を最小限にするために非接着細胞を十分に接着す べきである、(b)微量注入された非接着細胞は生物学的活性に対する被害又は 減少を最小限に保って、接着した表面から移動できるようにすべきである、(c )固定化は一般に細胞の活性及び/又は分化の誘導を行うべきではない。このよ うなことは非接着細胞の副次的な生物学的活性に潜在的に干渉する事があるかも しれない。ほかに考慮すべきことは、微量注入法がそれ自身細胞の生存性又は生 物学的活性を逆に損なうことがないようにすべきである。 ここにおいて使用される場合、「固定化表面」とは非接着細胞が固定化又は接 着することができるプラスチック、ガラス、クオーツ又はその他の表面のことを 意味する。このような表面はスライド、ペトリ皿、プラスチック/組織培養板又 は皿、カバースリット、クロマトグラフ用樹脂、多孔性膜、保持ピペット及びそ の類似物を含むことができる。 「固定化すること」又は「固定化」によって非接着細胞が微量注入ができる十 分な力で固定化表面に接着又は結合する過程が意味される。このような過程には 減圧又は真空の保持ピペットにより非接着細胞の保持、レクチン又は結合剤によ る表面への非接着細胞の接着、直接的又は間接的のいずれかの抗原特異的なモノ クローナル抗体による細胞の接着、多種の活性化剤による非接着細胞のインテグ リン又は他の接着タンパク質のような接着分子を発現する細胞表面の活性化、抗 インテグリン抗体の活性化、サイトカイン、又は2価の陽イオン(例えばMg2+ )含む陽イオンの活性化が含まれる。別に、インテグリンのような接着分子を発 現する細胞は強力な接着のための追加的な活性化が必要ではない。固定化表面に 接着または保持された非接着細胞は「固定化非接着細胞」と言及される。 「レクチン」によりPHA及びCon Aのような物質を 意味する。レクチンは細胞の表面の特異的炭水化物と相互作用し、さらに、接着 を容易にすることで知られる植物及び動物タンパク質である。「結合剤」でグル タルアルデヒド及びコラーゲンのような物質を意味する。 ここにおいて使用される場合、「物質」又は「接着物」はフィブロネクチン、 コラーゲン、ラミニン、VCAMs、ICAMs、エピリグリン、インバシン、 オストスポンジン、トロンボスポンジン、ヒアルオン酸、プロテオグリカン、又 はその断片(組み換え分子)またはペプチド(未修飾又は化学的修飾)のような 素材を意味する。非接着細胞のインテグリンを発現する細胞表面は、自然状態ま たは抗インテグリンモノクローナル抗体のような試薬によりインテグリンが活性 化された状態のいずれかで物質または接着物と結合する。物質及び接着物は固定 化表面(又はある場合には特定の表面にマトリックス分子を接着させるのに使用 する結合物)に直接接着し、さらに固定化表面に非接着細胞を固定化させること ができる。接着物が固定化表面に接着した場合、結果生じる物は「接着物−表面 カップル」と名付けられる。 インテグリンは多くの細胞の表面で発現するタンパク様分子で、多種のマトリ ックス/細胞への媒介接着のような多くの生物学的機能を補助する。細胞表面で 発現するインテグリン細胞膜又は細胞表面に結合する細胞によって作られ、少な くともそれ自身の一部を細胞外に配置されるインテグリンである。このような細 胞表面発現インテグリンは例としてVL A−4(α4β1)及びVLA−5(α5β1)が含まれる。 N.L.KovackらはJ.Cell Biol.116:499-509,1992で細胞表面発現インテグリンが 抗インテグリン抗体により活性化され、その結果活性化された細胞表面発現イン テグリンは多種の物質に対する細胞性接着を助ける。 ここにおいて使用される場合、「抗インテグリン抗体」はインテグリンに結合 することができる抗体のこと言う。本発明に従えば、抗インテグリン抗体には、 例としてで、制限するものではないが、ポリクローナルと同様に、抗β1、8A 2、TS2/16.2.1、抗β2、抗β3、抗β1モノクローナル抗体が含まれ る。 細胞表面発現インテグリンはまた抗体、サイトカイン、2価の陽イオン及びペ プチドを含む他の方法で活性化できる。発明の固定化方法の一つを実施する場合 、細胞表面接着分子活性化剤及び接着物のふさわしい組み合わせが選択されるべ きである。結合することが知られているインテグリンと接着物の組み合わせは表 1で示される。 上記に記載のように、非接着細胞は、それ自身が表面に直接接触する(すなわ ち、共有結合)抗原特異的Mabsを通して表面に接着することができる。この ような抗原特異的Mabsには、例えば抗CD34、抗CD4及び抗VLA−4 、抗VLA−5が含まれる。 表面から固定化細胞の分離の方法は使用固定化方法に対応して選択される。接 着物で覆われた固定化表面に対し細胞表面インテグリン媒介固定化法が採用され た場合、細胞の分離はペプチド(例えば、フィブロネクチン由来)の競合、プロ テアーゼ処理(例えば、トリプシン)による放出、細胞分離バファーによる放出 、ヘパリン結合部位を阻害する多価陰イオン、インテグリン機能を阻害するCa2+ のような陽イオン、またはピペットによる単純な撹拌により達成される。細胞 が炭水化物のような固定化表面に直接、すなわち共有結合により結合する抗体へ の結合により固定化される場合は、細胞は上記の方法か抗体結合に対する過剰分 子、若しくは過剰抗体又抗体断片(Fabsのような)による競合のいずれかの 方法で分離が達成される。 発明の非接着細胞固定化方法の別の具体例が実行される場合は、保持ピペット が使用される。ここにおいて使用される場合、「保持ピペット」の用語は非接着 細胞表面に穴をあけたり障害を与える事なく非接着細胞の保持が可能になる約0 .5ミクロンから約2.5ミクロンの内部穴直径(開口)を持 つ微小管について述べられる。保持ピッペトの穴は非接着細胞を引き寄せ、保持 ピッペトの末端に固定化される力を提供する減圧下(真空)に置かれる。本発明 の保持ピッペトは実施例13に従って作製される。保持ピッペトはデフォンブル ン微小炉を使用して作製することも可能である。ガラス微小管の適切な曲げは組 合わされたホルダーのつかみに適合するように、約1から約5グラムの重りが熱 フィラメントの内側に位置する微小管から吊るされる。熱がガラスを軟化するた めに与えられ、結果として重りが微小管を直径が約1から約3ミクロンになるま で引っ張り、その地点約1から約3ミクロンの直径チップを持つ保持ピッペトか ら吊るされた重りから分離される。チップはその後熱フィラメントに近づき、そ してチップは熱により磨かれ、その結果開口部が約0.5から約2.5ミクロン の滑らかなチップが得られる。この保持ピペットは微量注入の間、細胞を保持す る真空を作り出すことに使用できる組合わされたシリンジに組み込まれることが できる。 このような保持ピッペトを作製する場合、デフォルンのデフォンブルン微小炉 に制限されない。例えば、市販されている針ピュラー(Sutter Inst ruments、Narishige、Kopf)が上記直径を持つまで微小管 の引っ張りに使用することができる。しかしながら、チップは微小炉により(デ フォンブルン又はNarishige)によりは熱による磨きが必要である。 一般的に、本発明で使用される保持ピッペトは保持ピッペトによって保持され た非接着細胞がピッペトに吸入されないために約2.5以下のO.D.を持つ。 保持ピッペトによる細胞壁の貫通を最小にするために、保持ピペットチップは火 による磨き又は適した滑らかさを持つようにしなければならない。Eppend orf又はZandlerの組合わされたシリンジのいずれかが注入期間中細胞 をその場に保持するするが、この過程で細胞膜を破裂させない保持ピッペトに真 空を作り出すためにデザインされている。 とげはピペットチップから取り除かなければならない。このことは一般的に火 による磨きによって行われる。火による磨き中に保持ピペットをふさがないよう に注意しなければならない。このことはなますのには十分だが保持ピッペトチッ プを融合させない、チップを約0.5から約2.5ミクロンまで熱する間、穏や かな流れの空気(又は挿入ガス)を保持ピペットを通過させることによって達成 することができる。 微量注入後の細胞生存性のモニターを容易にするために、DNAのような外部 物質を微量注入された非接着細胞は、蛍光染色体(例えば、FITC、Oreg on green、Rhodmine)結合デキストラン(多種の分子量分子、 例えば、150,000)、又は活性蛍光DNA染色(例えば、Hoechst 33342 yoyo dye)、グリーン蛍光タンパク質(GFP)、又はG FPレポーター遺伝子をコードするDNAのいずれかを共微量注入することがで きる。微量注入の前後使用される細胞培養状況により、微量注入された非接着細 胞は造血サイトカイン又はIL−3、IL−6、SCF及びFlt−3リガンド のような成長因子又は抗TGF−β抗体の中和のような他の薬剤により周期に進 入する。代わりに、むしろ周期化及び分化の誘導なしで生存可能な培養条件に細 胞を保っておくことが好まれる。微量注入後、固定化表面から分離した非接着細 胞は非接着特性を再び得て、非接着細胞として再び懸濁液中で増殖できるように なる。 本発明の微量注入の方法及び器機は実施例1に記載されている。 外部物質を含む貯蔵溶液は、表2の「サンプル」でしめしてあり、代表的なも のは緩衝化されている。 外部物質を含む貯蔵溶液は、表2の「サンプル」の典型としては、リン酸緩衝 化塩(PBS)、水及びTris−EDTA(TE)が含まれる。貯蔵溶液は受 け入れ細胞に直接微量注入されるか、または受け入れ細胞に直接微量注入される 前に第2のバファー溶液で希釈される。第2のバファー溶液の典型的なものとし てはHepes(50mM)、KC1(100mM)及びNaH2PO4(5mM )でPHが約7.2のものが含まれる。実際に細胞に注入された外部物質「サン プル」のmg/mlでの濃度が表2の「濃度」で示される。サンプルは細胞への 微量注入の前に、典型的にEppendorf小型遠心分離機を使用して約10 ,000から15, 000rpmで遠心分離、又は0.02mmまたは0.1mmの膜によるろ過及 び/又は透析された。 微量注入によりサンプル溶液を受け取った細胞には一次細胞又は形質転換細胞 (例えば、U937,TF−1細胞)(CD34+、CD34+/CD38-、C D34+/CD38+、及びCD34+/CD38-/Thy−1lo)が含まれる。 CD34発現細胞は免疫遺伝学的にへその緒の血液から精製された一次ヒト幹/ 前駆細胞である。CD34+/CD38-及びCD34+/CD38-/Thy−1lo 細胞集団は蛍光活性細胞選別(FACS)により分離された。CD34+細胞 のCD38-副次集団は接着マウス繊維芽細胞系のSwiss 3T3を意味す る3T3のより原始的な細胞の部分集合が含まれる。 細胞に微量注入されたサンプルの外部物質にはDNA(PCMV−β、Ph− GFP、pGreen Lantern(「pGreen」)、濃度の比率が1 :1のCMV−β/Ph−GFP)、蛍光重合体(PE−RAM、FITC−G AM、ラダミン−デキストラン、FITC−デキストラン)又はそれらの混合物 が含まれる。これら及び以前に記載されている他の外部物質の様々な組み合わせ については、示された細胞系に微量注入できた。 典型的なものとして組織培養皿及びペトリ皿の表面に細胞は「接着」分子(例 えば、フィブロネクチン「Fn」)により表面を処理する様々な方法によって固 定化された(表2)。 ある場合には、「活性化剤」(例えば、抗β1、インテグリンモノクローナル抗 体)8A2Ab(N.Kovacの8A2)及びTS2液(TS2/16.2. 1ハイブリドーマ細胞系からの上清状態、T.Springer、ATTC n o.HB−243)はフィブロネクチンコート皿上に固定化するそれぞれの細胞 の細胞表面発現インテグリンを活性化するために使用する抗β1インテグリンモ ノクローナル抗体である。Con A(コンカナバリンA)はそれぞれの細胞を 最初にグルタルアルデヒドで固定化表面を処理し、その後誘導された表面をまず Con Aでさらし、つぎにそれぞれの細胞をさらすことによりそれぞれの細胞 を固定化するために使用した。ビオチンCD34細胞固定はグルタルアルデヒド 誘導皿をビオチニル化抗CD34抗体及びそれぞれの細胞でさらすことで行われ た。 微量注入の前のクローニングリングの中の細胞数は一般的に約300から約2 000の間の範囲である。これらのうちの一つの分画は実際に微量注入される。 実験当たり微量注入された細胞数は表3の「細胞(#)」で示されるように約2 から約150の範囲で、微量注入が「良好(g)」または「不可(na)」で示 されている。「良好」な微量注入は次の細胞を提供する:(1)微量注入の間、 穏やかな膨張を示す;(2)受け取った溶液の容積が細胞を破壊するほど大きく ない;(3)微量注入針の差し抜きの直後に破壊を起こさない。これらの基準か らはずれた微量注入は「不可」とした。 細胞は、微量注入後、直後、4時間後、12−18時間後、48時間後および 72時間以上後検定及び視覚によるモニタリングを行った。微量注入した細胞の 数、大きさ、生存状態、及び/または色、蛍光の強度を位相差及び蛍光顕微鏡で 測定した。赤い蛍光がロダマイン微量注入細胞で、緑の蛍光が微量注入細胞でF ITCデキストラン又はGFP発現から見られた。時に、微量注入によるベータ ゲルの発現がxゲル染色で測定された。 微量注入は一般に熱した(約37℃)顕微鏡段階でのこなわれるが、ある場合 には室温(約20〜24℃)で行われた。接着物質覆われた固定化表面での一次 細胞又は形質転換組織の固定化に続いて様々な濃度の外部物質を含む貯蔵溶液の アリコートが固定化された細胞に微量注入された。微量注入針の0.D.の範囲 はは約0.9から約ミクロンから約1.1ミクロン(Eppendorfでは「 Femtotips」と示される)、約0.45から約0.60ミクロン(「f ine」と示される)又は特別な値(表2で示す)が調製され使用された。結果 の概略は表2及び3に記載する。 結果は非接着細胞及び、特にCD34+幹/前駆細胞集団由来の造血細胞にお いて、本発明の新たな微量注入法及び器機を使用したDNAを含む多種の巨大分 子が問題なく微量注入できる事を示す。遺伝的に修飾された細胞はそれらに微量 注入された遺伝的外部物質のそれぞれの産物を問題なく発現させた。 本発明のある具体例では、有効な量(一般に、微量注入される細胞核の容積の5 −10%以下)の外部物質核酸を含んだ貯蔵溶液を非接着細胞、より好ましくは 非接着細胞の細胞表面発現インテグリンの活性化及び接着物により固定化表面に 固定された造血幹細胞または他の造血細胞に微量注入した。微量注入は外径が約 0.20ミクロン以下、ある具体例では約0.05から約0.15ミクロンの間 の微量注入針を使用して完成された。 遺伝子治療 本発明は造血幹細(hSC)を形質導入する方法、従って(1)顕微注射によ ってhSCの核にDNA配列を直接伝達し、(2)hSCの染色質内への顕微注 射された形質導入遺伝子配列の融合、あるいはエピゾーム性ベクター又は人工ヒ ト染色体上での上記形質導入遺伝子の維持及びそのhSCの後代でそれらの配列 の持続、そして(3)プロモータ、エンハンサ、及び座制御領域(LCR)など の調節要素と導入された形質導入遺伝子の適切な長さを有し、細胞タイプに固有 の表現に必要はイントロン/エクソン構造を含んだ十分に大きな(15−25K b)形質導入遺伝子性DNA構成物、そして(4)DNA/蛋白質混合物で蛋白 質が遺伝子統合及び/又は向標的に寄与する注射サンプル内に含まれている混合 物の顕微注射、によるその直接遺伝子修正のこれまでとは別の方法を提供する( 図8及び9)。 本発明による方法で調製された遺伝子修正hSCはその修正されたhSCが長 期的再構成を目的としてヒトに伝達されると遺伝子治療目的に用いることができ る。 本発明によれば、外来物質の顕微注射によって修正された造血幹細胞を、限定 としてではなく例示として示すAIDS、癌、地中海貧血、貧血、アデノシン・ デアミナーゼ不全、ファンコーニ貧血、ゴーシェ病、ハーラー症候群、免疫不全 そして代謝性疾患などの種々の生理的不全の治療に用いるこ とができる。 本発明の適用対象として想定される生理的不全は遺伝子治療に対して反応を示 す。『遺伝子治療に反応を示す』という用語は、そうした不全に悩んでいる患者 がより改善された症候群あるいは診断などの治療的又は臨床的利点を得るという 意味である。 上に述べたように、本発明の1つの側面は遺伝子伝達のために細胞性媒体とし ての修正hSCの利用に関連している。遺伝子、又は形質導入遺伝子は、例えば 、治療法又はマーカー遺伝子や血液細胞の遺伝子欠損(例えば地中海貧血におけ る突然変異性ヘモグロビン遺伝子や鎌形細胞性貧血)を補正する遺伝子など、臨 床的に有用であればどんな遺伝子でも用いることができる。好ましくは、主要な ヒト細胞は血液細胞である。ここで用いられている『血液』という用語は上に述 べたようなすべての形態の血液細胞とその祖先あるいは前駆体を含んでいる。 従って、ひとつの実施の形態において、本発明は(i)患者のhSCへのその ヒト一次細胞の治療効果を増大させる生成物をコード表現するDNAセグメント を顕微注射するステップと、(ii)その患者への遺伝子修正されたhSCを導 入するステップとを含んだgSCの治療効果を増強する方法に向けられている。 DNAは患者の体内でその作用因子をつくりだし、そうした実施の形態によれ ば、その作用因子は組織サイト自体に表 現される。同様に、上にも述べたように,遺伝子的に加工されたhSCは特定の サイトに向かわせる必要はなく、本発明によれば、そうした加工hSCとその子 孫は系統的治療薬として機能し、例えば、望ましい治療薬は細胞から系統的に表 現、分泌される。 より具体的に言えば、(i)血液細胞の治療効果を増大させる生成物をコード 表現するDNA配列を患者のhSC内に顕微注射するステップと、(ii)ステ ップ(i)で得られた細胞をその患者に導入するステップで構成される、患者の 体内に導入されるhSCの治療効果を増大させる方法を提供する。 修正hSCを『向標的』させないとは、それらの遺伝子が修正されたhSCの 子孫であるその患者の形質導入された血液細胞がその患者の体内でその作用因子 をつくりだすように挿入されることを意味する(図7)。 修正されたhSCの子孫であり、本発明において用いることができる一次ヒト 血液細胞は、例えば、白血球、顆粒球、モノサイト、マクロファージ、リンパ球 、そして胎児性赤芽球などである。例えば、地中海貧血あるいは鎌状赤細胞性貧 血の患者から取り出して、適切なヘモグロビン遺伝子で遺伝子修正された幹細胞 は遺伝子的に補正された赤い血液細胞をつくりだす。 hSCによって伝達されるDNAは、例えば、その細胞の治療効果を直接的、 あるいは間接的に増強させるものであれ ば、どのDNAでもよい。また、hSCによって運ばれるDNAはそのhSCが 通常であれば発揮しないような治療効果を発揮させるものであればいずれのDN Aであってもよい。例えば血液細胞を遺伝子的に加工するために用いることがで きる適切なDNAの例としては、腫瘍壊死因子(TNF)、インターロイキン( インターロイキン1−12など)、グロビン遺伝子、DNA修繕遺伝子、薬品抵 抗性遺伝子、ファルコーニ貧血遺伝子及び抗HIV(ヒト免疫不全ウイルス)抵 抗性遺伝子などである。 ヒト細胞に形質導入するために用いられるDNAはその表現生成物がその細胞 から分泌されるものであればどんなものでも用いることができる。さらに、それ はその細胞内で保持される遺伝子生成物をコード表現するものであってもよい。 ヒト細胞はまた、後で詳細に述べるようなマーカーとして機能するDNAで遺伝 子的に加工することもできる。 1つの側面で、挿入される遺伝子はイン・ビボで形質導入された細胞のトラフ ィック及び生残の判定を可能にするマーカー遺伝子である。そうしたマーカー遺 伝子の実例としてはネオマイシン抵抗性(neoR)遺伝子、複数薬剤抵抗性遺 伝子、β−ガラクトシダーゼ、ジヒドロフォレート・リダクターゼ(DHFR) 及びクロラムフェニコール・アセチル・トランスフェラーゼなどである。 hSCはイン・ビトロで遺伝子的に加工される。例えば、細胞を患者から取り 出して幹細胞を単離し、治療因子をコー ド表現するDNAでイン・ビトロで遺伝子的に加工され、そうした遺伝子加工さ れたhSCをその患者に対して薬学的に受け入れ可能な基剤と共に再投与される 。こうした治療手順はイクス・ビボ処置と呼ばれる場合もある。 いくつかの実施の形態で、修正hSCの子孫は一次ヒト細胞であり、より好ま しくは適切な後代細胞内で親のhSC内に顕微注射された遺伝子的に異質な物質 の生成物を表現するヒト一次核形成血液細胞である。 薬学的に受け入れ可能な基剤は液体基剤(例えば、食塩水溶液)、あるいは期 待基剤、例えば生物学的に共存可能な、及び非免疫遺伝性物質の移植片である。 液体基剤を用いる場合、加工される細胞は系統的に導入されてよく、例えば、静 脈、皮下、腹膜内、患部内への直接投与、あるいは骨髄への直接投与などの方法 で導入されてよい。 マウス、大型動物、及びヒトを用いた調査結果から長期的再構成を目的として ヒトに伝達する必要がある多数の幹細胞の合理的な推測が可能になる。考慮され ている遺伝子治療は子供に対して実施されることが多いから、ここでの予測は体 重が小さい場合を想定して行われる。さらに、急速な移植と生残を確実に行うよ うにするために、かなりの数のマークされない、短期間再構成細胞を同時に伝達 する必要が生じる場合もあるが、ここでは少数の遺伝子修正、長期間再構成幹細 胞に重点を置いて説明する。 これら独立のマウスを用いた調査では100程度の骨髄 細胞を例(Spangrudeら、1988)、10個程度の骨髄細胞(Jon eら、1996)、あるいはたった1個の細胞(マウス細胞の20%再構成)( Osawaら、1996)など少数の細胞を使った事例しかない。重量だけを手 がかりとする直接測定が適切であるなら、マウスの場合に5個程度の細胞が平均 的再構成に必要であるとすれば、ヒトの子供の場合は5,000個程度の骨髄細 胞が必要となる。増大した寿命の測定も必要かどうかはまだ明らかにされていな い。 ヒトの骨髄移植の場合、通常伝達される最低量は体重1kgあたり1x103 個の核形成細胞で、これは体重25Kgの子供に対しては2.5x109個の細 胞に相当する。報告されている実験データとネコにおける造血のモデル化は幹細 胞頻度が1.7x196骨髄細胞でほぼ1であることを示している(Abkow itzら、1996)。この同じ頻度はヒトの骨髄の場合にもあてはまり、2. 5x109個の細胞の提供は1450個の幹細胞の提供に相当する。 子供は30ml程度の移植脊髄血液で再構成を示すと報告されており、これは 本来の造血性脊髄血液細胞の増殖能力が極めて高いことに起因するらしい(Ku rtsbergら、1996)。この体積にほぼ1.3−3 x109個の核形 成細胞であり、幹細胞頻度が105−106と仮定すると、これは150−3,0 00個の幹細胞があれば移植は成功することを意味している。 NOD/SCIDマウスへのヒト脊髄血液細胞の移植から報告されている証拠 はNOD/SICD再構成細胞(SRC)とヒト幹細胞との間には非常に密接な 関係があることを示唆している。SRCは104個のCD34細胞内に最大1ま での頻度で存在している(Serranoら、1996)。従って、30mlの 脊髄血液(3x107個の単核細胞を含んでおり、その1%はCD34である) は約30個のSRCを含んでいる。NOD/SIDマウスへのSRCの移植効果 は10%程度であるが、これは500個のSRCに相当する。 従って、上に述べた4つの計算例のすべては、幹細胞の必要数が約150−約 5,000個の範囲であることを示唆している。再構成が成功するかどうかは幹 細胞の提供ばかりでなく、短期後代細胞による急速な移植にも依存しているから 、幹細胞の必要量はこれらの計算値より低くなるであろう。 遺伝子性疾患に対する臨床効果を挙げるためには、一般的にはイン・ビボで存 在する幹細胞のかなりの部分の補正が必要になるであろう。このことは(うまく 形質導入された細胞だけが患者に移植されるように)移植の前に修正されたhS cをイン・ビトロで選択し、及び/又はその後で(内発性で未修正のhSCを犠 牲にして修正されたhSCをより多くするように)修正hSCをイン・ビボで選 択することによって達成されるであろう。このためには同じDNA構成物上に存 在する2つの独立した調節遺伝子:幹/後代細胞内で表現させるために対象とな る選択可能な遺伝子と必要な細胞タイプでの表現のために対象となる治療用遺伝 子(例えば、ADAやグロブリン)と共にhSCを移植する必要性を示唆してい る。 ヒト06メチルグアニンDNAメチルフェラーゼ(MGMT)遺伝子と共にh SCを形質導入すると、含窒素尿素タイプのアルキル化剤(例えば、1,3−b is(2−クロロエチル)−1−含窒素尿素;BCNU)で患者を簡単に処理す ることによって生き残った修正hSCのイン・ビボでの選択が可能になるかも知 れない。ほとんどの抗腫瘍形成剤(例えば、Taxol)は循環性造血後代細胞 に対して毒性を示して休止している造血性幹細胞を損なってしまうが、BCNU などの含窒素尿素などの使用も幹細胞に対してDNA破損性及び毒性効果を直接 発揮する。種々のアルキル化剤によってDNA内に誘発される06−アルキルグ アニンを取り除くことができると報告されている(Mitraら、1993)M GMTは造血性幹/後代細胞においては非常に低いレベルで表現されることが報 告されている(Wangら、1996;Monitzら、1995)。しかしな がら、細胞内で外発的に誘導されると、MGMTはBNCU、CCNU、デカル バジン、N−メチル−N=ニトロ−N’−含窒素グアニジン及びストレプトゾト シンに対して細胞抵抗性を付与すると報告されている(Preuseら、199 6;Spaninら 、1992)。例えば、マウスの幹細胞でMGMTを表現するとBCNU誘発造 血抑制に対して抵抗性を示すことが報告されている(Mazeら、1996)。 ヒト多薬剤抵抗性遺伝子’MDR−1)が形質導入された幹細胞のイン・ビボで の選択のために使用することが提案されているが、ヒト幹細胞がすでに構成的に MDR−1を表現することが報告されている(Chaudharyら、1991 )事実はMDR−1抵抗性薬剤(例えば,Taxol)によって形質導入された 細胞の増大が後代細胞のレベルで起きるのであって、幹細胞上でではないことを 示唆している。マークされた造血細胞に対するどの提案されたイン・ビボ選択( 例えば,CCNU)の場合もそうであるが、他の器官及び細胞に対して薬剤毒性 を最小限化することが必要である。最後に、MGMT形質導入遺伝子の表現自体 は、これまでにも報告されているように乳癌及びその他の癌に対する高容量ある いは反復的化学療法において用いられるBCNUなどの薬剤に対して造血細胞で の抵抗性を付与するはずである(Chabunerら、1993)。 他の側面で、遺伝子的に修正された造血性幹細胞を用いる遺伝子治療は以下の様 な要素を含む場合がある。1−10x103個の高度に増強された造血性幹細胞 をヒト脊髄血液から得て、一時的に不動態化する。これらの細胞の顕微注射によ って、細胞1個あたり1−3個のDNAがうまく融合するようにDNAと可能で あれば消化酵素を含んだ再生可能な体 積を伝達する。顕微注射された2つの調節された形質導入遺伝子を含むサイズが 15−25kbのDNAはそのまま融合される。幹細胞での表現を目的とする1 つの形質導入遺伝子はイン・ビトロでも(例えば、rsGFP、あるいは先頭が 切断された神経成長因子受容体;tNGF−R)、イン・ビボでも(例えば,M GMT)形質導入された幹細胞の選択を行う。治療用形質導入遺伝子(例えば、 ADA SCIDのためのADA、ヘモグロビン病変に対するグロブリン、化学 抵抗性に対するMDR−1)などが適切な造血性細胞内での表現の対象とされる 。 本発明は比較的大きな核酸の断片を細胞に導入するために用いることができる 。例えば、分子量が20kbから24kbのDNAの核酸配列が0.1ミクロン の開口部を通じて導入されている。従って、0.1ミクロンの開口部を有する本 発明の微細針がそうちた比較的大きな分子と共に用いられてきている。 比較的大型のDNAを0.1ミクロン・フィルターを通じてろ過することがで きる。加えて、現在の研究ではこれら比較的大きな分子の通過はその分子の一体 性を失わないまま達成されることが実証されている(図II)。 本開示では以下の略語が用いられている。 pCMV−β シトメガロウイルス(CMV)プロモータ/エンハンサ 配列の制御の下 でβ−ガル・レポータ遺伝子を表現するDNAプラスミ ド PE−RAM フィコクリスリン(フルオロクロムの一種)でラベルし たウサギ抗マウス免疫グロブリン FITC GAM 蛍光イソチオシアネート(フルオロクロムの一種)でラ ベルしたヤギ抗マウス免疫グロブリン phGFP CMVプロモータ/エンハンサ配列(C1on Tec hから入手)の制御下でヒト化赤変移緑蛍光蛋白質(G FP)を表現するDNA pGreen CMVプロモータ/エンハンサ配列(GIBCO−BR L提供)の制御下でヒト化赤変移GFPを表現するDN Aプラスミド(pGreen/ランタン) ローダミン−デキス デキストランに結合されたローグミン(フルオロクロム トラン の一種) FITCデキストラ デキストランに結合されたFITC ン CD34+CD38 FACSによって単離されたCD34-細胞のCD38 −Thy−1+ −Thy−1-(実際にはThy−1)サブポピュ レーション 3T3 スイス3T3線維芽腫−着生マウス線維芽腫細胞株 U937 ヒト骨髄腫単核細胞株、通常着生しない 8A2Ab及びTS フィブロネクチン被覆プレートへの抗βiインテグリン 2sup 媒介取り付け。8A2(N.Kovach)とTS2/ 16.2.1(T.Springer,ATCC)はヒ トβiインテグリンに固有のマウス・モノクローナル抗 体 hSC 造血性幹細胞 ここで用いられている物質は以下のようにして入手され た。PE−RAM(B−D、Bechton Dichinson)、phGF P(Clon Tech)、pGreen (Gibco)、ローグミン−デキ ストラン(Molecu1ar Probes)、FITC−デキストラン(S igma Chemica1 Co.及びMolecular Probes) 。pCMV−β及びFITC GAMは本開示に述べられているように調製され 、そして発明者の実験室で得られたものである。いつくかの物質はSigmaC hemica1 Companyから得られたものであ る。ここで述べられている細胞タイプはAmericanType Cu1tu re Co11ectionから得られたものである。 上に述べたことは、本発明による一定の手順を詳細に述べた以下の実施例を参 照することによってより理解できるであろう。これらの実施例は説明のためのも のである。それらは本発明の範囲や性格の限定を意図するものではない。 実施例1 不動態化CD34細胞へのFITC−デキストランの伝達 本実施例は比較的小さなサイズの分子を、成長可能性を有し、その分子の導入 中は不動体化されている生きた細胞に導入する上での本発明に利用可能性を示し ている。CD34細胞の精製と培養 単核骨髄及び臍帯血液細胞に0.5−1.0%の範囲で存在しているCD34 抗原はそべての測定可能なヒト造血幹及び後代細胞のすべてをマーキングする( 図5)。臍帯血液細胞は正常なヒト胎児伝達から得られ、単核細胞はPicol i−hypaque上での遠心分離によって精製される。CD34細胞はMil tenyi MiniMACS CD34 Mu1tisort Iso1at ion Kit(デキストランを介して免疫磁性粒子に結合されている抗CD3 4抗体による細胞の培養、(2)磁石に取りつけられたカラ ムを通じて通過させることによって磁性体でラベルされた細胞の単離、(3)デ キストラナーゼによる切断による磁性粒子からの細胞の放出、及び(4)磁石に 取りつけられたカラムを通じて通過させることによる磁性粒子からの細胞の単離 などのステップを含む)による免疫磁性選択によって分離された。その後に行わ れた異なったCD34エピトープを識別する別の抗CD34抗体を用いてのFA CS分析は、それらの細胞がCD34表現細胞に対して85−95%程度純水で あることを示した。精製された細胞は仔ウシ血清アルブミン(2%、StemC ell Technology)、インシュリン(10マイクログラム/ml) 、トランスフェリン(200マイクログラム/ml、ICN)、2−メルカプト エタノール(0.05mM、Sigma)、低密度リポプロテイン(40マイク ログラム/ml、Sigma)、及び20ng/mlヒトFlt−3リガンド( Peprotesh)、20ng/mlヒト・インタ−ロイキン−3[IL−3 、Peprotech)、及び20ng/mlヒト幹細胞因子(SCF、Pep rotech)[IMDM/F−3−s]を含むペン−ストレップ(それぞれ1 00単位及び50maikuroguramu/ml)で補強された血清を含ま ない培養液(修正ダルベッコ培養液(IMDM,Gibco))によって37度 、60%CO2の条件下で保持された。フィブロネクチン被覆表面の調製 6mmガラス・クローニング・リングをVaseline(R)を介して35 mm組織培養皿(Corning)に取りつけた。このクローニング・リングに よって囲まれた皿の表面をリン酸緩衝食塩水(PBS,Sigma)に50マイ クログラム/mlフィブロネクチン溶液(Boehringer Mannhe im,#1051−407)に混ぜたものを30−50マイクロリッターを付加 して、4℃の温度で一昼夜(あるいは、室温で45分間でもよい)で培養するこ とによってフィブロネクチンで被覆した。過剰なフィブロネクチンを含んだ溶液 は細胞付加の直前にクローニング・リングから除去された。フィブロネクチンで被覆した皿へのCD34細胞の付着 一昼夜培養した後、細胞をIMDM/F−s−S内で8x104細胞/mlの 濃度で調製した。この細胞含有培養液(約2000個の細胞を含む25マイクロ リッター)をTS12/16.2.1ハイブリドーマ細胞株(インテグリンβ1 −ヒトCD29をつくりだすATCC♯HB−243)で2日間調節した25マ イクロリッターの培養液(IMDM)と混ぜ合わせた。細胞/抗体混合物の50 マイクロリッターをフィブロネクチンで被覆した表面を取り囲む6mmガラス・ クローニング・リング内に入れた。細胞を抗体の存在下で6%のCO2の存在下 で37℃の温度で30分間以上フィブ ロネクチンに取り付けさせた。図10Aは活性化TS2/16.2.1抗体を追 加せずにフィブロネクチン表面上で培養された細胞の一例を示している。細胞は ゆるやかに取り付いていたが、顕微注射には耐えられないであろう。図10Bは 活性化TS2/16.2.1の存在下でフィブロネクチン表面で培養された細胞 の一例を示している。これらの細胞は多数のマイクロスパイクの存在下でより拡 散し、顕微注射プロセスに耐えることができるようである。その後、1mlのI MDM/F−3−5をクローニング・リング外で付加して、細胞とクローニング ・リングを含む35mmプレートを600rpmの回転速度で5分間(Beck man低速GS−6R遠心分離装置、振動バケット・ロータ、ブレーク・オフ) で回転させた。FITC−デキストランと共にCD34+細胞の顕微注射 薄壁ホウケイ酸・ガラス毛管(Sutter、12mmO.D.、0.94m m I.D)から自動化ピペット・プーラー(Sutter、P−87,3mm ボックス・フィラメント)を用いて作成した。走査電子顕微鏡(SEM)を用い て同じ条件で引き出された顕微注射針の外径を判定したが、その外径は0.17 −0.22ミクロンの範囲であった。 (以下の文章は完結しておらず、p42は欠落しています)実施例2 不動態化CD34+/THY−1lo原細胞へのFITC−デキストランの伝達 この実施例は外来分子の細胞、特に未成熟、未分化細胞への安定した組み込み のための本発明の有用性を実証するものである。原CD34+/THY−1lo細胞の精製 CD34+/THY−1lo細胞はほぼ1−4%のCD34+細胞でを含んでおり 、高度に原始的な造血細胞(長期培養開始細胞(LTC−IC)を多量に含んだ 細胞)の性質と同様の性質を示す。従って、それらは幹細胞の候補ポピュレーシ ョンである。これらの細胞を最初にCD34+細胞を免疫磁性分離し(Milt enyi Minimacs、実施例1参照)、その後PerCP−CD34( Beckton−Dickinson)、PE−CD38(Beckton−D ickinson),及びIFTC−Thy−1(Pharmingen)抗体 を用いての蛍光活性細胞選別によって精製した。細胞の選別は自動細胞沈殿装置 を有するBeckton−Dickinson FACSVantageを用い て行われた。これらの細胞の原始的な性質はCD45Ra-/CD71-フェノタ イプを表現するものが圧倒的過半数存在していることでさらに確かめられた。 細胞の培養、フィブロネクチン被覆皿の取り付け、FIT Cデキストランと共に細胞の顕微注射、モニタリング及びその後の培養は実施例 1に述べたのと同様に行われた。細胞をフィブロネクチンに取り付けて、その状 態でそれらの細胞は顕微注射中にはがれなかった。それぞれ推定2−10フェム トリッターの0.25%FITC−デキストランによって顕微注射された32C D34+/CD38-/Thy−1lo細胞(実験84、表2−3、図4)のうち、 9個の細胞は顕微注射39分後に蛍光陽性を示した。3つの蛍光性細胞は顕微注 射24時間後にも存在していた。 実施例3 顕微注射された不動態CD34+細胞による赤変移緑色蛍光蛋白質の表現 本実施例は蛋白質をコード表現する外来核酸配列の安定した細胞への組み込み と、その修正された細胞によるその蛋白質の表現のための本発明の有用性を示す ものである。これを行うにあたって、本実施例はまた、遺伝子治療技術としての 本発明の有用性についても実証する。 0.45ミクロン顕微注射針を用いることによって、緑色蛍光蛋白質(GFP )レポータ遺伝子表現が顕微注射から24−28時間後に不動体化されたCD3 4+細胞(6−8ミクロン直径)の5−15%に達成できた。細胞はシトメガロ ウイルス(CMV)プロモータ/エンハンサの制御下で不動態化された赤変移緑 色蛍光蛋白質を表現する50mg/マイ クロリッターpGreen LanternDNAプラスミド(Gibco B RL)を20−40フェムトリッターと共に顕微注射された。それらの細胞の残 りは顕微注射ーピペット誘発細胞損壊あるいは過剰量の伝達によって死んだ。 外径が0.2ミクロンの顕微注射針を用いることによって、不動態化されたC D34+細胞の5−15%で顕微注射後24−28じかんにGFP表現が達成さ れた。 実施例4 不動体化CD34+/CD38-/Thylo細胞の顕微注射による赤変移緑色蛍光 蛋白質の表現 CD34+/CD38-/Thy−1lo細胞を単離して実施例2で述べた手順に 従ってフィブロネクチンに取りつけた。70個の細胞を10ng/マイクロリッ ターのpGreen Lantern DNAを顕微注射緩衝液に溶かした溶液 の推定2−10フェムトリッターと共に顕微注射した(実験93、表2−3)。 0.17−0.22ミクロン外径の顕微注射針を用いた。GFP表現は顕微注射 から5時間後に8個の細胞で観察された。顕微注射から24時間後には、5個の 細胞がGFP表現に陽性反応を示した。 実施例5 インテグリン/フィブロネクチン、コンカナバリナの比較と及び打CD34に媒 介された取り付け 上に述べた不動態化の方法を、その強力にではあるが可逆的に非着生細胞、特 にCD34+を不動態化し、顕微注射に耐えられるようにする能力を比較した。 この調査では4つの条件を設定した。 (1)ICH−3(ビオチネート化)抗CD34mAB[100マイクログラ ム/ml](非常に弱い取り付け、相互顕微注射は困難) (2)ConA[100マイクログラム/ml](強力、取り付け、相互顕微 注射可能、自動顕微注射に耐える能力) (3)ポークウィード・ミトゲン[100マイクログラム/ml](弱い取り 付け) (4)フィブロネクチンへの抗b1インテグリンの取り付け(強力な取り付け 、相互顕微注射可能、自動化顕微注射に耐える能力) 2つの調査で、CD34+細胞のビオチニル化抗CD34モノクローナル抗体 で被覆したプレートへの取り付けについて調べた。これら2つの調査で、プレー トは最初にビオチニル化抗CD34mAbを加える前にグルタルアルデヒドで予 備被覆した(100マイクログラム/mlをPBSに溶かしたもno、ICH− 3構造体,CalTag)。1つの実験ではグルタルアルデヒドによる予備被覆 は行われなかった。細胞は最低限しか取りつかず(B)、『つばぎなわ』と呼ば れるタイプの取り付けであることを示した。これらの細胞は顕微注射には向かな かった。 同様の実験を(Con Aについて以下に述べるように)グルタルアルデヒド で予備的に被覆したレクチン・フィトロアッカ・アメリカーナ(ポークウィード ・ミトゲン、100マイクログラムをPBSに溶かしたもの、Sigma)につ いて行い、同様の結果を得た。CD34+細胞は最低のレベルでしか取りつかず 、顕微注射は不可能であった。 Con Aで被覆したプレートにはCD34+細胞が強力に取りついた。Co n Aで被覆したプレートは以下のように作成した。 1.グルタルアルデヒドで予備的に被覆 2.組織培養皿に取り付けたクリーニング・リングに2.5%グルタルアルデヒ ドを加えて、4℃の温度で一昼夜沈着させる。 3.消毒水で4回洗浄 4.Con A、9000マイクログラム/mlをPBSに溶かしたものを皿に 加えて37℃で1時間放置してから、COn Aを取り出す。 5.細胞をクローニング・リングに加えて、37℃で30分間培養してからプレ ートを回転するか、あるいは抗ベータ1インテグリン活性化抗体(TS2/16 .2.1ハイブリドーマ細胞株、ATCC♯HB−34、インテグリンβ1−ヒ トCD29と反応する)の存在下でフィプロネクチンで被覆したプレートに入れ る。ビオチニルヒ化ICH−3 結果はCD34+細胞の不動体化表面への弱い取り付きを示し、顕微注射は困 難ではあるが、可能であることが示された。Con A 結果はCD34+細胞が不動態化表面への強力な取り付きを示し、相互及び自 動化顕微注射は実行可能であった。ポークウィード・ミトゲン 不動態化表面へのCD34+細胞の弱い取り付きを示した。抗b1インテグリン抗体 結果はCD34+細胞の不動態化表面への強力な取り付きを示し、相互及び顕 微注射共に可能であった。 実施例6 937骨髄腫単核細胞の不動態化 本実施例では、形質導入細胞株、特にヒトU937骨髄腫単核細胞株を取り付 ける上での上に述べたインテグリン/フィブロネクチン不動態化方法の能力につ いて示す。これらの細胞は培養では懸濁細胞として継続的に成長する。U937 細胞をフィブロネクチンで被覆したプレート(我々の標準的な手順で作成したフ ィブロネクチン・プレート)に抗体の存在下で単に付加した場合は、フィブロネ クチンに細胞が多少取り付き、一定程度の相互顕微注射は可能であった。フィブ ロネクチンで被覆したプレートでの培養中、U937細胞を8A2あるいはTS 2/16.2.1のいずれかで培養した場合、取り付き量でのかなりの改善が認 められた。この場合も相互顕微注射はうまく行うことができた。 実施例7 TS2/16.2.1モノクローナル抗体の存在化での完全なヒト・フィブロネ クチンへの懸濁液培養細胞の取り付きと拡散 活性化抗インテグリンモノクローナル抗体(mAb)TS2/16.2.1が 存在している場合と存在していない場合の完全なヒト・フィブロネクチン(Fn )への3つの懸濁液成長細胞の取り付きとその後の拡散のメカニズムについて調 べた。これまでに調べられた細胞タイプはU937、ヒト骨髄腫単核細胞株、C EM、ヒトリンパ芽腫白血病細胞株、及びhSC,ヒト一次造血性CD34+脊 髄血液幹細胞である。 この一連の実験のためにヒトFn(Beckton−Dickinson,製 品#40457)で予備的に被覆した市販されている培養皿を用いた。用いられ たFnはその基質が皿上で乾燥されたので変性されたものである。U937細胞 をnAbの存在下で37℃の温度で皿に入れて、種々の期間での取り付きと拡散 を調べた。取り付いた細胞の数はクローニング・リング内の細胞を数を直接数え ることで判定し た。mAbの存在下で、U937細胞はFnに急速に取り付いた。ほぼ100% の細胞がmAbを添加してから20分以内に取り付いた。細胞突起、拡大、そし てマイクロシュートポディアがすぐ認められた(図13)。細胞拡張はしっかり した取り付きと関連しており、単純なつなぎなわではなかったので、顕微注射は うまく行えた。 CEM細胞及びhSC(図15)をTS2/16.2.1mAbの存在下でF nで被覆した皿に取り付けると、ほぼ100%の細胞がそれぞれ30分及び90 分以内に取り付いた。 これまでのところ、これらの細胞は活性化mAbが不在の場合はFnに対して 簡単には取り付かなかった。これはFnが立体的に存在していてもそうであった 。例えば、上にも述べたように、乾燥された変性Fnで予備被覆した皿について も調べられた。変性されてはいないが団粒化した状態でのFnもFnをPBSに 溶かしたもので皿を被覆して調製した。Fnの天然の立体配座を保持した被覆手 順も用いられ、この場合Fnは炭酸緩衝液内で被覆された。 実施例8 市販されているFN配列に基づくペプチドへの懸濁液成長細胞の取り付きと拡散 本発明は細胞の損壊を減らして表面への細胞の取り付きを促進するペプチド及 びペプチドの混合物(『カクテル』)の 使用のための本発明の有用性を実証するものである。着生分子(例えばフィブロ ネクチン)全体を使うかわりに、その分子の一部(遺伝子組換え表現あるいはプ ロテアーゼ消化でつくりだされたもの)、細胞表面着生分子を結合させる合成着 生ペプチドのカクテル(混合物)を用いて細胞が取り付くプレートの表面を被覆 することができる。 懸濁液成長細胞と取り付ける能力に関連してFnの種々の断片をテストした。 レトロネクチン(分子量=62,613;Rn)は市販されている(Pan V era Corp;製品#TAKT100A)遺伝子組換えヒトFn断片でRG D細胞結合領域(タイプIII反復)、高親和性結合サイト、及びCS−1サイ トをLDVアミノ酸配列を含んだ交互スプライスIIICS領域内に含んでいる (Kimizuka,Fら、1991)。RGD及びLDVアミノ酸配列はα4 β1及びα5β1インテグリンをそれぞれ結合させることは知られている。Rn はレトロウイルス遺伝子転移の効率を促進するために用いられている(Hane nbergら、1996)。 培養皿をPBSか炭酸緩衝液のどちらかで被覆した。U937をクローニング ・リング内の着生表面上に入れて、取り付き、拡散及び(mAb取り出し後の) 脱着を完全Fnの実験で述べたのと同じ手順で測定した。U937細胞はTS2 /16.2.1mAbの存在下でRnに結合し、完全なFnの場合より急速な取 り付きと拡散を示した。Rnでの細胞取 り付き及び拡散は活性化mAbが存在しない場合に起きた。本研究はRnでの取 り付きと拡散がmAbの不在化でより効率的に行われることを示した。同様の結 果はhSCをRnで取り付き拡散させた場合も得られた(図17)。 α4β1あるいはα1/β1インテグリンを表現する細胞の取り付きを行わせるた めに、皿を取り付きの標的となるアミノ酸配列(例えば、フィブロネクチン結合 α4/β1のCS−1領域からのアミノ酸のLDV配列を含む配列や、フィブロネ クチン結合α5/β1のRGDアミノ酸配列を含んだ配列)を含むペプチド(未修 正、あるいは細胞表面着生分子に対する親和性を増大させるため、あるいは培養 皿の被覆を容易にするために化学的に修正したもの)で被覆することも可能であ る。 実施例9 インテグリン/フィブロネクチン不動態化CD34+細胞による造血性コロニー 形成活性の保持 本実施例はCD34+などの未分化細胞タイプを遺伝子的に修正するための有 効なメカニズムを提供する上での本発明の有用性を示すものである。こうした方 法で、本実施例は動物に提供される細胞を用い、その細胞がその動物に対して未 分化の状態で提供され特定の遺伝子やあるいはその遺伝子の断片を含む状態で提 供される遺伝子治療を行う方法のための本発明の有用性を示すものでもある。 CD34+細胞を実施例1で述べたように免疫磁性的に精製した。第一の研究 では、インテグリン/フィブロネクチン不動態化CD34+細胞(不動態化状態 で一昼夜保持され、その後コロニー・アッセイのために取り出されたもの)のコ ロニー形成能力を細胞がインテグリン/フィブロネクチンで不動態化されなかっ た場合の培養条件と同様の条件下で保持されたCD34+と比較された(図3) 。インテグリン/フィブロネクチン不動態化のために、IMDM/F−3−S内 の2000個のCD34+細胞を等量のTS2/16.2.1ハイブリドーマ細 胞株で2日間調製したIMDM培養液と混合して、フィブロネクチンで予め被覆 した96ウェル・プレートに入れた。比較対象のウェルにはIMDM/F−3− Fだけに2000個のCD34+を入れた。翌日、細胞(不動態化された、ある いは比較対象)をウエルから回収して、1mlのMethoCult培養液(0 .9%メチルセルロース、30%仔ウシ胎児血清、1%仔ウシ血清アルブミン、 10−4M2−メルカプトエタノール、2mMのグルタミン、50ng/mlヒ トSCF、10mg/mlヒトCM−CSF、10ng/mlヒトIL−3及び 3単位/mlエリスロポエチン(StemCe11 Techno1ogies Inc.)を含む)の入った35mm皿に二組づつ入れ、その16日後に、C FU誘導コロニーの数を調べた。CFU−GM、CFU−G及びCFU−Mの総 数を合計してAmyeloidコロニーの数を調べ、不動態化細胞からのエリス ロイド・コロニー(BFUE−E)及びミエロイド・コロニーの両方の結果とも 非不動態化比較対象に対する割合として示した(図3)。第二の実験で、96ウ ェル・プレートの3ウェルを4℃で一昼夜培養して、その後水で4回洗浄して、 そして、100マイクログラム/コンカナバリン Aで2時間、37℃の温度で 被覆した。その後、過剰なフィブロネクチン及びConAを取り除いた。25マ イクロリッターIMDM/F−3−S内に2000個の細胞を入れたものを3つ のフィブロネクチンで被覆したウェルのそれぞれに加えた。また、50マイクロ タイターIMDM/F−3−S内に2000個の細胞を入れたものを未処理の3 つのウェル(比較対象)のそれぞれに加えた。一昼夜培養した後、細胞を各条件 (つまりインテグリン/フィブロネクチン、ConA、比較対象)のそれぞれの 2つのウェルの内の一方から取り出して、インテグリン/フィブロネクチン不動 態化細胞:183BFU−E,19CFU−GM、11GFU−GEMM、13 CFU−G、24CFU−Mを含んだ1mlのメチルセルロース内に入れた。C on A不動態化細胞の場合、155BFU−E、11GFU−GM、8CFU −GEMM、15CFU−G、17CFU−M。比較対象の細胞の場合:169 BFU−E、20CFU−GM、8CFU−GEMM、20CFU−G、27C FU−M。 第三の実験は第二の実験と同様の手順で行われた。不動態化されていない細胞 をインテグリン/フィブロネクチン及び Con A取り付け細胞:インテグリnn/フィブロネクチン:50BFU−E ,35CFU−G、MG又はM、1.5CFU−GEMM;Con A:65B FU−E、26CFU−G、GM又はM、CFU−GEMM;比較対象:52B FU−E,50CPU−G,GM、又はM、0.5CFU−GEMMと比較した 。 これら3つのインテグリン/フィブロネクチン不動態化研究の結果は不動態化 細胞と非不動態化細胞からそれぞれ誘導されたコロニーの数やサイズには大した 影響(抑制的にも刺激的にも)は認められなかった。Con Aを介して不動態 化された細胞では顆粒球/マクロファージ・タイプのコロニーが比較対象の非不 動態化細胞に対して50%程度減少した(図3)。実施例10 特定の細胞機能に対するTS2/16.2.1の影響 3つの異なった細胞パラメータ(成長可能性、増殖、そして原始的な幹細胞活 性の保持)に対するmAb露出の影響について調べた。U937細胞をmAbの 存在している場合と不在の場合の両方で市販されているFn被覆皿を播種した。 成長可能性はトリパン・ブルー排出で判定し、増殖についてはヘモサイトメータ で直接細胞を数えることによって判定した。mAbでの措置は細胞の成長性には 影響を及ぼさなかった。U937細胞の成長性はmAbが存在している場合(9 6.4%)と不在の場合(95.8%)との間に有意差はなかった。CEMとh SCでも同様の結果が得られた(図16)。U937細胞及びCEM細胞の増殖 はmAb露出には影響を受けなかった。細胞数増加の割合はmAbが存在する場 合と不在の場合とで同様であった(図14)。予備的な研究ではhSCは適切な サイトカイン・カクテルで刺激を与えた場合、mAbが存在していても比較対象 と同じ速度で増殖できることが示された(図16)。 NOD/SCID再構成アッセイを用いてhSC内の原始的造血性幹細胞での mAb露出及びその後のFn及びRnへの取り付け、放出の影響を調べた。本研 究は活性化mAbへの露出後のFnに対する取り付けも活性化mAbなしでのR nへの取り付きのいずれもNOD/SCID再構成活性の保持を可能にすること を示した。実施例11 着生基質からの細胞の切り離しのための種々の薬剤の使用 細胞切り離し手順のための必要条件 1)細胞に対して毒性がなく、細胞を損壊しないこと、2)分化やその他の生 物学的効果を開始させて細胞に幹細胞活性を失わせないこと、3)急速で効率的 に反応を行い、短時間に細胞の大部分を放出させること(図2)。これは治療的 作用の可能性を有する核酸配列を含むように修正された幹細胞を細胞プレートか ら動物に移す必要がある時に特に重要である。物理的及び/又は化学的破壊作用 による損壊効果をできるだけ少なくすることによって、成長性を保持した細胞の 数を最適化されるので、措置に提供される細胞の数が増大される。細胞の自発的な離脱 細胞の損壊をできるだけ少なくするようにして細胞を切り離すことが必要であ るから、活性化抗体を取り除いた後で細胞離脱のメカニズムについて調べた。市 販されているFnで被覆された皿(変性Fn)からのU937細胞の離脱は緩衝 液で洗浄することによってmAbを取り除いた後、自発的に起きた(図13)。 細胞のほぼ50%はmAb除去から24時間に離脱し、43時間後までにはほぼ 100%が離脱した。緩衝液流をピペットを介して細胞上にゆっくりと直接か けることによってより急速な放出が行われるであろう。U937細胞を天然の、 あるいは団粒化されたFn上に入れると、離脱はよりゆっくり起きた。 mAbの単純に除去した後、U937細胞及びhSCの離脱は起きなかった。 この効果はRnを炭酸緩衝液かPBS内のいずれで被覆するかには関係なく認め られた。 hSCはmAbの除去後の自発的離脱にはより抵抗性を示した。細胞の40% 程度だけがmAb除去後48時間以内にFnから自発的に離脱した(図15)。 しかしながら、これらの細胞は、上にU937に関して述べたのと同様にピペッ ティングによって効率的に放出することができた。フィブロネクチン配列に基づくペプチド配列を用いての細胞の切り離し 接着剤(例えばLDV又はRGB配列を含むペプチド類)内の標的とされるア ミノ酸配列に対応するペプチド配列(未修正あるいは細胞表面に表現された着生 分子に対する親和性を増大するために化学的に修正したもの)を不動態化状態か ら切り離すための放出剤として用いることができるのではないかと予想される。 この場合も、いくつかの着生/着生的相互作用を伴う細胞不動態化がペプチドの カクテルで最もうまく行われるのではないかと予想される。レトロネクチンが細 胞の取り付きを促進するために用いられる例として、以下の組成物を単独あるい は組み合わせで細胞を離脱させるために 用いることができる:つまり、1)LDV配列はフィブロネクチンに結合するα4 β1に影響を及ぼし、2)RGD配列はフィブルネクチンに結合するα5β1に干 渉する。 発明者による研究の結果では、LDV又はRGD配列を含んだペプチドはFn 及びRnからのhSCの離脱を促進することが示された。抗体を用いた細胞の切り離し 着生表面からの細胞の切り離しは着生分子と接着剤(例えば抗β1、抗α4、抗 −VLA−4、抗−CS−1抗体)との間の正常な相互作用を妨害する抗体によ って達成することができる。切り離しは着生分子と接着剤との間の正常な相互作 用に影響を与える可能性があるモノ−又はポリ−サッカロイド類(又は他の荷電 分子、例えば脂質、ポリアニオン及びポリカチオン)によって達成することがで きる。種々の薬剤を用いた細胞の切り離し 着生表面から細胞を切り離すために種々の薬剤を用いることができる。例えば 、1:ポリアニオンはヘバリン結合サイトへのヘパリン結合サイト(例えば、ヘ パリン、ヘパリン・スルフェート、他のポリサッカロイドなど)を破壊する可能 性がある、2:ある種の二価カチオン(例えば、カルシウム)−インテグリン機 能を破壊することが知られている、3:ある種のキレート化剤(例えば、EDT A又はEGTA)− インテグリン機能を破壊することが知られている、4:ディスインテグリン−最 初ヘビ毒から得られた天然発生可溶性蛋白質(Slobel,C.P.、199 7)で、インテグリン結合配列を含んでいる、5:上の組み合わせ。 実施例12 顕微注射針作成の方法 本実施例は本発明による顕微注射針作成に用いられる方法の概要を示すもので ある。当業者であれば容易に分かるように、この手順は多大な実験を繰り返さな くても異なった直径の針を作成するために用いることができる。 外形が0.2+/−0.02ミクロン程度のファイン・ガラス製顕微注射針を 自動ピペット・プーラー(Sutter、p−87、3mmボックス・フィラメ ント)を用いて薄壁ホウケイ酸・ガラス毛管から作成した。平均外径が0.12 ミクロン、0.15ミクロン、あるいは0.17ミクロンのより細かなガラスに よる顕微注射針を薄壁ホウケイ酸・ガラス毛管(Sutter、1.2..外径 、0.6mm内径)からSutterp−87ピペット・プラーを用いて作成し た。温度、引っ張り速度、及び圧力などのパラメータは各針サイズに合わせて最 適化した。引っ張り後の針の外径を迅速に制御するために、電解質を充填したサ ンプル針上で抵抗性の測定を行った。測定された抵抗性を較正曲線と比較して、 針先端の直径の妥当な推定値を得ることができる。SEMに よって検証が行われ、自動的に引き出された針が構造的な一体性と統一の取れた 先端形状を有していることが確認された。 実施例13 保持ピペットの作成 保持ピペットはDeFonbruneファイクロファージを用いて作成した。 ガラス毛管に適当な曲げをつけて、加熱フィラメント内側に位置する毛管から1 −5グラムを吊り下げることができるようなチャック・アセンブリ・ホルダーに 適合させるようにした。熱を加えてガラスを軟化させたところ、ガラス毛管を1 −3ミクロン直径にするような重りが形成され、その時点でそこから上記の重り が吊り下げられているガラス毛管の部分が破断して、後に1−3ミクロン径の先 端直径を有する保持ピペットが形成されて残った。その後先端を加熱フィラメン トに近付けて先端を加熱研磨したところ、開口部が0.5−2.5ミクロンの滑 らかな先端がもたらされた。この保持ピペットを注射針の先端に取り付けて、細 胞を顕微注射手順のための場所に保持する真空をつくりだすのに用いることがで きる。 そうした保持ピペットを作成する際、DeFonbruneマイクロファージ だけに限られない。例えば、毛管を上に述べた寸法に引っ張るために、いずれの 市販の針プーラー(Sutter Instruments,Narishig e,Kopf)を用いてもよい。しかしながら、先端は加熱研磨して、マイクロ フアージ(Deforbrune又はNarishige)を用いて保持ピペッ トに適度の曲げをつけなければならない。 実施例14 顕微注射及び保持ピペットを用いた顕微注射方法 本実施例は核酸を細胞のクロモソームDNA値遺伝子に導入するために本発明 による顕微注射技術を用いる方法を詳述するものである。特に、この技術は真空 を用いて細胞を安定させる保持ピペットを用いる。いくつかの実施の形態では、 ここで述べられる技術及びその変形例は遺伝子的に修正された細胞をより急速に 生産するために自動化することができる。 また、背後に物質を有し、さらに後で注入するために一定の場所に多数の細胞 を保持するのに十分なポートを有する注射チェンバーを用いることもできる。い くつかの実施の形態ではこのチェンバーは位相対照顕微鏡を用いた反転顕微鏡と 組み合わせて用いられる。 実施例15 ホウケイ酸又は石英針を用いた顕微注射後のU937細胞の成長可能性 1.石英針 実施例16 ボロオシリケート又は石英針を用いての骨髄液注入後の幹CD34+の成長可能 本実施例は骨髄液注入による成長可能な遺伝子的に修正された細胞を提供する 上での本発明の有用性を実証するものである。 1.石英針 2.ホウケイ酸針 石英注射針(バージョン1.0 Q−hSC:0.07ミクロン外径)及びホ ウケイ酸注射針(バージョン1.0B−hSC:0.25ミクロン外径)を用い て得られた成長性%データ。そうした針を用いてU937(図16及び26)と 一次ヒト造血性CD34+脊髄血液幹細胞(図19及び27)を注入した。そう した細胞は実施例1で述べたように注射用に調製された。幹細胞はデキストラン (検出可能な蛍光分子)と接合されたオレゴン・グリーンと共に核内部に注入さ れ、2、24及び48時間後の成長性%について調べた。成長性に関する研究に ついては図18及び19を、そして実験を行うために用いられた針の先端の外径 (走査電子顕微鏡)に関するデータについては図20と21をそれぞれ参照のこ と。図26と27に示すグラフを作成するために用いたデータに関しては表4、 5、6及び7を参照。図18と19は最初の実験で得られたデータを示している 。図26と27はこれらの実験と、同じ条件で行われたその後の研究との累積デ ータを示している。 バージョン1.0B及びバージョン1.0Q針は表2及び3に示すデータより かなり高い成長性を一貫して示す。なおこれらの新しいデータは表2及び3に示 すデータを裏付け、 拡張するするものである。表2と3に示すすべてのデータはCD34+細胞への 手作業による核注入を実行する際に集められたものであり、新しいデータはCD 34+及びU937細胞の両方への半自動核注入を行いながら得られたものであ る。細胞を損壊したり、細胞の成長可能性に重大な影響を及ぼすことなしに半自 動あるいは自動顕微注射方式を用いるのに十分に細胞を取りつけることが重要で 、そうすれば多数の細胞が短時間に注入されるからであろう。図18と図19に 示すデータは我々の従来の研究と、DNA及び蛋白質を遺伝子治療手順の一部と してCD34+の核内に伝達するために半自動及び自動的注入方式を用いること ができるという我々のこれまでの主張を裏付けるものである。 バージョン1.0B及びバージョン1.0Q針は、表2及び3に示すデータを 作成するために用いられたホウケイ酸針と比較して(DeFonbruneマイ クロフォージを用いてか、あるいは新しい針を引くために開発された別の針引っ 張りプログラムのいずれかを用いてつくられた従来のプロトタイプ針)と比較し て流れの点での改善が認められた。表2と3に示されるデータに示されるように 、従来のプロトタイプ針を用いて細胞を注入することはできるが、50回の注射 を行うために通常5本程度の針が必要であった。このプロトタイプ針は流動性に 関する問題を持っており、非常に簡単に差し込むことができる。バージョン1. 0Bとバージョン1.0Q針の場合、流動性は改善されるが、バージョン1.0 B針は通常針1本あたり50個以上の細胞を注入するために用いることができる 。バージョン1.0Q針は通常針1本あたり25個程度の細胞を注入するために 用いることができる。 実施例17 走査電子顕微鏡用の針の作成 針先端はSCD004Bal−Tecスパッター・コーターを用いて1mAで 120秒間金−パラジウムでスパッター・コーティングされた。この針先端をそ の後走査してPhillips525M走査電子顕微鏡を用いて15KVで写真 を撮った。外径測定を行い、0.046ミクロン・コート値を補正値として差し 引いた。図28は1.0B(28A)と1.0Q(28B)針の走査顕微鏡画像 の写真を示す。 上の測定値から得られた統計は以下の通りである。 実施例18 顕微注射技術の改良 うまく行く注射のモニタリング A.注射手順全体を通じての抵抗性測定は注射手順全体で針からの流れを観察 して、図5に示すような針ホルグーを調節することで行われた。 針内の流れが順調であれば、針先端直径に基づいて、針が細胞に入り込むまで 比抵抗性測定を行うべきである(図Brown K.T及びD.G.Flami ng:Advanced Micropipetted Techniques for Cell Phisiology,John Wiley and Sons,1992,p.157) B.核注入をモニターするためには、核に注入されるとその細胞を傷つけず、 細胞機能を損なわずに生きた細胞内で検出できる表現ベクターを入れる(例えば 、pCMV−GEP表現ベクター)。 C.核あるいは細胞質注入をモニターするためには、検出可能な分子(例えば 、デキストランと接合されたオレゴン・グリーン)を注入して、経時変化を追跡 する。 D.注射の成功を示す可聴信号を発生する音響装置をアセンブリに組み込むこ とも可能(図25)。注射針の改良 A.いくつかの場合、注射サンプルは石英やホウケイ酸にくっつきやすかった り、針がつまってしまったり、あるいは針を被覆して細胞内に注入したり分子を 希釈してしまう場合がある。平均外径が0.7ミクロンの石英バージョンも含め てこれら小さな針をシリコン化できるようにする手順を開発した。我々は形質導 入動物を発生させるために用いられるずっと大型の針のシリコン化の手順に従う ものである(DePamphilis,M.L,HermansS.A.,MA rtines−Salas,E.,Chalifour,L.E.,D.O., Cupo,D.Y.及びMiranda:”Microinjecting D NA into Mouse OVa to Study DNA Repli cation and DNA replication and Gene Expression and to Produce transgenic Animals”:Bio Techniques:6:662−680,1 988)。 注入ピペットはメキサメチルジシラザン(Piece)の小さなビーカーから 蒸気を満たしたデシケータ内で2−4日の時間をかけてシリコン化される。これ らの手順は注射針全体を被覆するシリコンの単分子層を作り出す。残念なことに 、現在我々が用いている小さな針の場合、この手順は注射針の毛管充填を不可能 にし、針の末端に気泡を発生させ、これらの気泡は追い出すことができない。我 々は、小さなガラス・フィラメントをつくることによって、この気泡を追い出し 、流れのよい針をつくりだすことができることを発見した(図22)。 B.Sutterマイクロピペット・ビベラーを用いて、 これらの針にビベルをつけることで、小さな幹細胞を注入するのに用いられた場 合にその成長率を改良することができる。 C.小さな針:バージョン1.0Q及び1.0B(下図参照)を使ったいくつ かの実験で、針のフレアが針の装填と針からのフローの両方にとって重要な役割 を演じる。石英針を引くためにP2000針プーラーを用いた。これは大きなフ レアを有する小型の針点端部をつくりだした。 バージョン1.0B(外径0.25ミクロン)針からの抵抗性測定値はバージ ョン1.0Q針(外径、0.07ミクロン)とほぼ同様であった。1.0Q針は 外径がずっと小さい。バージョン1.0Q針はバージョン1.0Bより大きなフ レアを有しており、適切な圧力が加えられた場合に流れも良いが、小さな外径( 0.07ミクロン)を有するホウケイ酸針はこの特定の注入装置でつくりだすこ とができる圧力を越えた圧力を必要とする。 1:フレア先端 2:バージョン1.0Q 3:形成されるフレア領域 4:バージョン1.0B フレアは針の流動性を決める重要な特性である。表10と12を参照して分か るように、石英注射針(バージョン1. 0Q)はホウケイ酸針(バージョン1.0B)より大きなフレアを有している。 ホウケイ酸針の場合のD1:D2の比率はいくつかの実施の形態では1:1.8 から約1:3の範囲である。石英針(バージョン1.oQ)はいくつかの実施例 で1:3から約1:18の範囲のD1:D2比率を有している。Lは図に置いて はフレア先端D1と直径D2との間の距離(長さ)を示している。表2で測定さ れた実際の針では、D1とD2との間の長さは1.3ミクロンであった。 約1:約20、あるいは約1:約2から約1:約10の範囲のD1:D2比率 は本発明のいくつかの実施の形態によるD1:D2幅比を提供する。他の面で、 本発明は幅が約1;約7、又は約1:約6、又は約1:約5、又は約1:約4、 又は約1:約3、又は約1:約2.5の比率を提供し、約1:1.5から約1: 2.5の範囲の比率は本発明の範囲内であろう。 D.顕微注射針の作成に用いられた毛管は内部フィラメントを有している。こ の内部フィラメントはとりわけ装填手順中の針の先端へのサンプルの流れを促進 する。装填プロセスは毛管の動きを増大させるフィラメントによっても助けられ る。小さな外形の注射針の装填時、その針はゆっくりと装填する必要がある。こ れによって、針の先端に気泡が生ずるのをできるだけ減らすことができる。気泡 が導入されると、それらは針から外に追い出すことができず、その針を取り替え る必要が生じる。D1:D2比率が生じると、有効に装填される針の数が増え、気泡の 導入頻度は減る。 E.小さな針の水和化も針の適切な装填を考える場合のひとつのファクターで ある。最適には、針はそれが液抜きされたのと同じ日に使われるべきである。針 の液抜きの準備にあたっては、毛管を真空に露出させて、その毛管から溶液を引 き出すようにしてもよい。例として、以下の流体を毛管を通じて引き出してもよ い。 1.ガラスを親水性にするためのDriCote(Fisher) 2.アセトン 3.ろ過70%エタノール−脱水 当業者に知られているその他の溶液を用いて毛管の液抜きを行ってもよく、ま たそれらの溶液を本発明の針の作成時に持ちいてもよい。 毛管をその後200℃で最大1時間焼成して、その後P98プーラーあるいは P2000プラー(両方ともSutter Instruments)を用いて 液抜きする。液抜きされたのと同じ日に用いられる針が流れに関しては最も良好 な性能を発揮する。時間が経つと、針の有用性が低下する。針は二日間保存した 後では流れが止まる。これは静電作用を通じて時間が経つと引き寄せられる特殊 な物質が原因であり、針を詰まらせてしまう。いくつかの例ではこれがあてはま るが、針の大部分は少なくとも部分的には(特に湿った状態で)水和化されるこ とによって、その性能を失ってしまうものと考えられる。時間が経つと、針に注 入サンプルを装填しようとすると、針の先端に気泡が多数発生する。これによっ て注入サンプルが流れない針が生じることになる。この技術では、気泡を追い出 すのに必要な圧力をつくりだすことはできない。しかしながら、針を200℃の 温度で1時間焼成することで、針の気泡をできるだけ少なくして、流動性を回復 することができる。実施例19 細胞注入ワーク・ステーション 本実施例は細胞の顕微注射で用いるための本発明のワーク・ステーションを定 義する。ここで述べられるものから多数の異なった構成のワーク・ステーション を考えることができるが、ここでは本発明から考えられる1つの具体的な構成に ついて説明する。1つの実施の形態で提供されるワーク・ステーションを図25 に示す。このワーク・ステーションは顕微鏡台を含んでいる。 自動注入装置を用いた顕微注射技術のひとつの必要条件はその注入装置はその 針をその細胞内にその細胞をつきでないで、さらに硬い組織培養プラスチックに 接触せずにどの程度の深さまで差し込むかについて決めなければならない。場合 によっては、組織培養皿の表面の不均一性から、針が組織培養プラスチックに触 れて、針を壊してしまう。こうした問題を回避するためにいくつかの方法が可能 である。 1.針が細胞より大きな何かに触れたことを示す圧力センサーをマイクロマニ ピュレータ内に配置する。 2.針の先端の組織培養皿に対する位置をモニターして、先端が組織培養皿の 表面と近づく度にマイクロマニピュレータの動作を停止させるレーザー、ソナー 、あるいはレーグー装置を設置する。 3.針が破壊しないで突き刺さることができる組成物で組織培養皿を一時的に 被覆する。この一時的なコーティングの 一部として細胞取り付け分子を用いることもできる。 実施例20 顕微注射プレート 実例A:Singhvi,R.A.Kumar,G.P.Lopez、G.N .Stephanopoulos,D.I.C.Wang,G.M.White sides及びD.E.Ingber:”Engineering CellS hape and Function”,Science 264:696−2 5 689(1994)。 この技術は金の表面を予め決めたアルカンチオールの自己集合単層をインプリ ントするためにエラストマー性スタンプ(ポリエチル−シロキサン)を用いる。 スタンプを透明にすることができないと、こうした方式に関連した問題が発生す る可能性がある(実例C、図23参照)。 実例B:注射針を含んだマニフォルドの場合と同じパターンで構成された外径 5010ミクロンの針を含むマニフォルドを着生分子を含む溶液の液滴を培養面 に滴下させるために用いる(図24)。その後、細胞を着生アイランド上に入れ てから、注射針を含んだマニフォルドを用いて細胞を注入する。 実例C:Mrksick,M.,L.E.Dike,G.M.Whitesi des:”Using Microcontact Printing to Pattern t he Attachment of Mammalian Cells to Self Assembled Monolayers of Alkanet hiolates on Transparent of Gold and Silver”Exp.Cell Res.235:305(1997)。 この技術は金及び銀の透明な薄膜を用いて注入をモニターするために位相対照 顕微鏡を用いることができるようにすることを除いて、実例Aの場合と同じ原理 を用いる。 実施例21 遺伝子療法 本実例は上に述べられた注射組成物と顕微注射技術を用いての遺伝子治療手順 で使用する上での本発明の有用性を実証するものである。同じ技術を用いて、レ トロウイルス、アデノウイルス、あるいはその他の基剤を用いないで細胞の核酸 内に核酸を導入するための別の方法が提供される。 幹細胞顕微注射の遺伝子治療への応用は以下の要素を含む。1−10 x 1 03の高度に増強された幹細胞を血液から入手して、一時的に不動態化する。こ れらの細胞の顕微注射によって再生可能な量を含んだDNAと場合によっては融 合酵素−1−3個のDNAのコピーを細胞に融合させる。サイズが15−25k bで2つの独立した調節形質導入遺伝子を含んだ顕微注射されたDNAが再構成 なしで融合され る。幹細胞内での表現を目標とする1つの形質導入遺伝子はイン・ビトロ(例え ば、rsGFP、又は先端が切断された成長因子レセプタ;tNG−R)あるい はイン・ビボ(例えばMGMT)での形質導入された幹細胞選択を行う。治療用 形質導入遺伝子(例えばADA SCID用のDNA、ヘモグロビン病態のため のグロビン、化学抵抗性に対するMDR−I)が適切な造血性細胞での表現の対 象とされる。 上記は本発明の具体的な実施の形態の詳細な説明である。本開示の分野の当業 者は本発明の範囲と精神を逸脱しないでここに開示された実施の形態の修正を行 うことが可能であることは容易に分かるであろう。ここで開示、権利請求されて いる組成物のすべては本開示に照らして過度の実験を行うことなしに作成、実行 できるものである。本発明の全範囲を添付する特許請求の範囲に詳述する。従っ て、これらの請求項と軽鎖移動床は本発明の権利が適用されるすべての範囲を不 当にせばめないように解釈されるべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // A61K 35/12 C12N 5/00 B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR ,KZ,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD, MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 非ウイルス媒介の細胞への巨大分子の取り込みの以下の方法を含む方法: 幹細胞又は前駆細胞を幹細胞又は前駆細胞が提供する表に細胞の接着を支え ることができる接着タンパク質断片を含むを含む表面への固定化。 修飾された幹細胞及び前駆細胞が豊富な群を提供するために固定化細胞に対 する分子の導入。 2. 細胞に造血幹細胞が含まれる請求項1の方法。 3. 表面がフィブロネクチン、コラーゲン、ラミニン、エピリグリン、インバ シン、オストスポンジン、トロンボスポンジン、プロテオグリカン、グリコサミ ノグリカン、UCAM、ICAM及びVCAM−1で構成される群から選択され た接着分子で処理されている請求項1の方法 4. 接着分子断片がフィブロネクチン断片である請求項3の方法 5. 細胞接着促進フィブロネクチン断片がレトロネクチン分子の請求項4の方 法。 6. 細胞に核酸が微量注入によって導入される請求項1の方法。 7. 分子が核酸で豊富な細胞群ががさらに遺伝的に修飾された細胞と定義され た請求項1の方法。 8. 核酸が治療剤をコードする配列を含む請求項1の方法。 9. 巨大分子がフレアー領域を持ち、前記フレアー領域が直径D1及び直径D 2のフレアーチップを所有し、D1:D2の比率が約1:2から約1:20で、 D1とD2の間の距離がLである微量注入針を使用する微量注入法により細胞に 誘導される請求項1の方法。 10. 集団の細胞への分子の取り込みの方法で以下の含む方法。 処理表面に供給される細胞接着分子又は断片を含む調製物による細胞の接着 に適する表面の処理; 前記処理表面に対する微量注入によって分離に抵抗することができる細胞の 接着を促進するのに十分な時間での非接着細胞の露出;及び 修飾細胞群を供給するための接着細胞への分子の導入1 11. 細胞に造血幹細胞が含まれる請求項10の方法。 12. 処理された細胞の表面に対する接着を可能にする発現したインテグリン を持つ処理細胞を提供するように処理された前記非接着細胞群である請求項10 の方法。 13. 前記処理表面がのフィブロネクチンの接着分子又は細胞接着断片で処理 された表面である請求項12の方法。 14. フィブロネクチンの細胞接着断片がレトロネクチンである請求項13の 方法。 15. 非接着細胞が治療剤遺伝子を含んだ造血幹細胞である請求項10の方法 。 16. 細胞注入の器機で、以下を含む器機。 フレアー領域及びフレアーチップを所有し、前記フレアーチップの外 径が約0.05ミクロンから約0.5ミクロンである微量注入針;及 び 生物接着分子の形式が固定化されている、細胞接 着可能な皿。 17. 固定化された形式が生物接着分子がない皿内の地域を含む請求項15の 器機。 18. 多数の微量注入針が安全に保持することができる多微小針マニフォール ドを含む請求項16の方法。 19. 次の物が含まれるキット。 2つ以上の容器手段を持った運搬手段。 第一の容器手段にはフレアーチップの穴の外径が約0.05ミクロン から約0.5ミクロンであるフレアー領域を持つ微量注入針を含む。 第2の容器手段には細胞接着分子又はその断片が含まれる。 20. 微量注入針のフレアーが外径が約0.05ミクロンから約0.15ミク ロンと定義される請求項19のキット。 21. 個々細胞の含有に適した直径を持つグリッド形式を含む細胞接着に適し た皿を含む請求項19のキット。 22.皿が壁に細胞の接着を可能にする接着分子を含んだ一連の壁を含むと定義 される請求項21のキット。 23. 分離剤を含んだ第3の保持手段を含む請求項19のキット。 24. 接着分子断片がフィブロネクチン、コラーゲン、ラミニン、エピリグリ ン、インバシン、オストスポンジン、トロンボスポンジン、プロテオグリカン、 グリコサミノグリカン、UCAM、ICAM及びVCAM−1で構成される群か ら選択された分子の断片である請求項21のキット。 25. 以下のものを含む多微量注入器機: 頭部を持つ微量注入針;及び フレアーチップの穴の外径が約0.05ミクロンから約0.5ミクロン であるフレアー領域を持つ多数の微量注入針。 ここにおいて前記多数の微量注入針はお互いに等間隔に配置され、前記微量注入 針頭部はグリッド方向に存在する。 26. 微量注入針が外穴径が約0.05ミクロンから約0.2ミクロンと定義 される請求項25の多微量注入器機。 27. 内部穴の直径が約0.5から約2.5ミクロンのチップを持つ保持ピペ ットが多数含まれる請求項25の多微量注入器機。 28. 96本の微量注入針を含む請求項25の多微量注入器機 29. グリッドの形状した、細胞の接着に適した細胞接着物質を含む請求項2 5の多微量注入器機 30. 細胞接着面に多数の穴が含まれる請求項29の多微量注入器機。 31. 多数の穴に接着分子が含まれる請求項30の多微量注入器機。 32. 接着分子がフィブロネクチンである請求項31の多微量注入器機。 33. フレアーチップD1及びレアー領域の末端D2を持 ち、D1:D2の比率がが約1:1.5から約1:20であるフレアー領域を持 つ針。 34. D1:D2の比率がが約1:2から約1:10である請求項33の針。 35. D1:D2の比率がが約1:2から約1:5である請求項33の針。 36. クオーツ針またはホウ素ケイ酸塩と定義される請求項33の針。 37. 細胞の生存性を副次的に失わせることなく、物質表面での接着細胞群の 方法で以下の事が含まれる。 前記細胞が分離できるのに十分な時間、前記表面の接着部位で接着細胞と 競合できるペプチドを含む調製物に対し接着物上の接着細胞群の露出;及び 物質からの前記接着細胞の分離、 ここで分離細胞の生存率は接着細胞群に対して約50%から約95%である。 38. 調製物がRGD、LDV又はそれらの複合した配列を持つペプチド又は ペプチドの混合物を含む請求項37の方法。 39. 接着細胞群が造血細胞である請求項38の方法
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