【発明の詳細な説明】
大豆中のリノレン酸の生産の抑制
発明の背景
大豆の種(すなわち、Glycine max L.Merr.)は、現在世界中で成長する最も
重要な脂肪種子作物の一つを現すと認識されている。このような種子は、植物油
の優秀な原料を提供するだけでなく、動物肉製品の代わりとしての蛋白質の原料
を提供する。
例えば、大豆種子から得られた豆腐及び豆乳は、中国及び東南アジアの人々のた
めの蛋白質の主要な源を提供する。
大豆油は重要な世界中の植物源と認められるが、普通の脂肪酸組成物と関連し
た香味及び安定性の問題はいくつかの応用において、誘因性をさせる。大豆油は
その主要成分として5種類の異なる脂肪酸を含有する。それらの5種類の脂肪酸
は、全脂肪酸の平均約11重量%のパルミチン酸(16:0)、平均約4重量%のステ
アリン酸(18:0)、平均約20重量%のオレイン酸(18:1)、平均約57重量%のリ
ノール酸(18:2)、平均約8重量%のリノレン酸(18:3)である。大豆油の香味に影
響を与える安定性の問題はその脂肪酸の酸化、特にリノレン酸(C18:3)成分の酸
化に起因している。
大豆油中の不飽和脂肪酸は酸化されやすいことが知られており、高度不飽和脂
肪酸、リノール酸及びリノレン酸はオレイン酸成分よりも急速に酸化されると認
められる。酸化された脂肪酸は、明らかに少なくともある程度に分解し揮発性の
香味を与える化合物を形成する。リノレン酸が、なぜ油の香味及び安定性に有意
に寄与するのかは明らかでない。しかし、異なる割合のリノレン酸を有する油の
配合物を用いた実験に基づいて、約1%以上のリノレン酸を含有する全ての油が
ある程度はこの性質を有すると思われる。45年以上の間、大豆油の香味及び安
定性の特性は大豆油の高いリノレン酸濃度に寄与してきた(Duttonら,J.Am.Oil Chem .Soc.
,28:115,1951)。
リノレン酸含有量による大豆油の香味及び安定性の問題の除去を試みるために
、
種々のアプローチが提案された。大豆植物油のこのような加工は、(1)金属キレ
ート化剤を加えるか酸素の存在しない中に充填することにより脂肪酸の能力を最
小化し、(2)選択的水素化により内在性リノレン酸を除去することを含む。上記
アプローチは完全に満足のいくものではない。このような付加的な工程は高価で
あり、時間がかかり、一般には完全に効果的でなく、しばしば、好ましくない副
産物を生成する。従って、リノレン酸含有量を抑制するための選択的水素化は油
の安定性をいくらか向上させ、また、これは天然の内生的に製造された大豆油中
には存在しない不飽和脂肪酸の位置的及び幾何学的異性体を生成する。
必要な加工技術の望ましくない面とともに、上記安定性及び香味の問題を適切
に解決することができないことは、ある程度は大豆の最終用途を縮小し、特に、
内在的に形成された油のこのようなアフタープロセシング技術が無効であるか経
済的に不適当であるか、又は消費者の態度が水素化の利用を思いとどまらせる。
主として、このようなアフタープロセシング技術の限界のため、及び食物源と
しての大豆油の世界的な重要性のために、大豆中のリノレン酸濃度を制御する遺
伝的メカニズムを理解するための試みのために長い年数、かなりの努力が費やさ
れた。実際に、この主題についての研究は少なくとも1949年に由来する。Ho
wellらによれば、5種類の異なる遺伝子が大豆中のリノレン酸濃度を制御してい
るだろうと考えられる(J.Am.Oil Chem.Soc.,26:126,1949)。生化学的メカニズ
ムの研究は、リノレン酸(C18:3)が第一のオレイン酸(C18:1)及び第二のリノレン
酸(C18:2)の連続的な不飽和化に起因することを示す。従って、少なくとも2種
類の異なる不飽和化酵素を制御する遺伝子が含まれる。今までのところ、大豆の
リノレン酸濃度を制御し得る遺伝子は完全には同定されておらず、関与する生化
学的経路は完全には解明されていない。
長い間の種々の研究が矛盾する結果を示すので、大豆中のリノレン酸生産の遺
伝のモードは時々不明瞭である。例えば、初期の研究は大豆中のリノレン酸は母
性的に制御されることを示している。後の研究は、遺伝のメカニズムが複雑であ
り、一部分は母性的に一部分は胎生的に制御されることを示している(Wilsonら
,"高収率、高蛋白質生殖質",R.A.Baldwin(Ed.),Proceedings of the World C
onference on Emerging Technologies in the Fats and Oils Industry,Am.Oil
Chem.Soc.,Champaign,Illinois,(1986))。従って、Wilsonらは、オレイン不
飽和化を制御する遺伝子は母性の親により制御されるが、リノール酸不飽和を制
御する遺伝子は胎生遺伝子型により制御されることを研究している。
また、大豆のリノール酸含有量が時々種子の成長する環境によって影響され得
ることが長い間認識されているので、混乱が生じる(Howellら,Agron.J.,45:526
,1953)。このような環境因子は、温度、光周期(すなわち日照時間)、地理的位置
及び定植年月日(planting date)を含む。
要約すると、長い年月の実質的な努力にもかかわらず大豆植物中のリノレン酸
含有量を制御する遺伝的メカニズムは完全には理解されていない。従って、リノ
レン酸の抑制された濃度により特徴づけられる大豆を提供するための遺伝的研究
はかなり複雑である。信頼のおける基礎におけるこの方法の努力の案内はない。
研究の努力は、成功の保証なしで大部分は実験に基づいている。
しかし、大豆のリノレン酸の濃度を制御する遺伝的メカニズムの理解の相対的
な欠乏にもかかわらず、長い年月の実質的な研究は内生的に形成された低濃度の
リノレン酸を有する大豆を分離するための試み、及び低濃度リノレン酸によって
特徴づけられる大豆の系統を開発するための遺伝的取り扱いを実施される。天然
の大豆生殖質におけるリノレン酸の最も低い濃度は、何人かの研究者によって4.
2重量%であることが発見された(Kleinman及びCavins,J.Am.Oil Chem.Soc.,59:
305A,1982)。Indian J.Agric.Res.
,1975,9(4):220-222,“Note On The Quality Constitue
nts Of Soybean(Glycine Max(L)(Merrill)Varieties”において、Tripathiらは
、例えば、大豆の脂肪酸含有量は、Oilseed Research Farm,Kalianpur,Kampur
,during Kharif,1970における12の大豆の変種に示されることを報告してい
る。リノレン酸含有量は0.0〜5.3重量%の間で変化することが報告されているが
、このような含有量はScholfield及びBullの式により計算される(Bailey,1945
,Industrial Oil and Fat Products,Interscience Publishers,Inc.,New Yo
rkに参照されるTripathiら)。一般に、Scholfield及びBullの方法論はヨウ素価
から脂肪酸組成を予測する。上記データポイントは上記線状予測について散乱し
、リノレン酸の1.5重量%の標準誤差が報告された。更に、上記方法は典型的な
大
豆油について線上で標準化された。上記式が突然変異により製造された典型的な
組成を有する油に適用されるという証拠はない。実際、上記式がこのような思料
に適用されると、それは驚くべきことである。また、Scholfield及びBullの式は
、脂肪酸組成を測定するときにガス液体クロマトグラフィーよりもかなりの誤差
を受けやすいと認識されている、ヨウ素−チオシアノーゲン法に準拠していた。
最初の地域で、Tripathiらに言及される12の大豆の変種の一般の利用可能性
は不確定である。出願人は、このような変種の試料を得るための試みを繰り返し
、それらの全ての成功を確実にはしていない。
第二に、また重要に、提供された試料に基づいて決定されたものは、Tripathi
らによって報告されたリノレン酸価及びガス液体によつて決定されたものの間に
相関がない。ガス液体クロマトグラフィーは、植物油の脂肪酸分析に用いられる
、最新で最も信頼ある分析のスタンダードであると認められている。以下の示す
。全ての得られた試料については、Tripathiらにより報告されたリノレン酸価と
ガス液体クロマトグラフィー(GLC)により得られた値との比較である。
1米国で生産され、USDA,Soybean Production Research,Stoneville,Mississippi
から得られた種子2
インドのNational Bureau of Plant Genetic Resources,New Delhiから得ら
れた種子
要約すると、出願人の発見に基づき、このような含有量をガス液体クロマトグ
ラフィーで測定した場合に非常に低いリノレン酸含有量を有するTripathiらによ
り言及される変種のいずれかを結論するための完全な基準はない。むしろ、上記
変種はどちらかといえばリノレン酸含有量をわずかに抑制させる典型的であるよ
うに見える。リノレン酸含有量は、Kleinmanらによって後に報告された天然の大
豆の生殖質発作(gerplasm accessions)の最小値を超える傾向にある。
大豆のリノレン酸を抑制させるためのハイブリダイゼーションの研究は少なく
とも1961年に由来する。Whiteらは、3.35重量%だけののリノレン酸により
得られるF2プラントを同定した(White,Quackenbush及びProbst,“大豆種子中
のリノレン酸の発生及び遺伝”,J.Am.Chem.Soc.,Vol.38,pges 113-117,1961)
。しかし、このレベルは発生を成功することを維持せず、従って、遺伝的制御の
証拠はない。
1975年の間に、本願出願人は、約5.5重量%のリノレン酸濃度を有する大
豆株を製造するために反復性の選択を利用した(Fette Seifen Anstrichm.,77:9
7101,1975)。Wilson及びBurtonは、N78-2245及びPI123440と命名された2種の
異なる系統を分離した。上記系統は、オレイン酸、リノール酸及びリノレン酸の
レベルについて選択された。この実験から、2種の遺伝系が発見された。1つは
主としてオレイン酸の不飽和化を支配し、2つ目はリノール酸の不飽和化を遺伝
的に作用する。上記2種の遺伝子座は低リノレン酸含有量を決定するらしい(Cro p Science
,21:788,1981)。
Wilcoxらは大豆をメタンスルホン酸エチル(ethyl methane sulfonate,EMS)
で処理し、C1640と命名された変異体を製造した(J.Am.Oil Chem.Soc.,61:9
7,1984)。リノレン酸の濃度は、平均3.4重量%であった。リノレン酸の特徴が
戻し交配により他の系統に移動し得ることが示された。
我々の通常に譲渡された米国特許第5,534,425号において、大豆は抑制された
内在性のリノレン酸含有量を形成すると開示されている。また、我々の通常に譲
渡された米国特許第5,530,183号において、大豆の変種9253は、抑制された内在
性のリノレン酸含有量を有する特徴的な油を提供することを開示している。
F.G.Dollearらは、Oil & Soap,15:263-264(1938)において、1936年にお
けるColumbia,MO,U.S.A.におけるDunfield品種栽培からの大豆油が非常に低い
ヨウ素価を有し、ヨウ素及びチオシアノーゲン価を用いて2.9%のリノレン酸エ
ステル含有量を計算したことを報告している。1937年に米国におけるLafaye
tteで成長した時、油は6.0%リノレン酸エステルと測定された。それらは、加熱
記録を設定した1936年から成長条件において変異に対する低リノレン酸エス
テルに起因する。J.Am.Oil Chem.Soc.,66:1622(1989)においてB.D.Rennieらは
高温がリノレン酸エステル含有量の低下を引き起こし得ることを示した。米国の
アイオワ州でDunfield品種を栽培した時、それはガス液体クロマトグラフィーで
検出されるように異常に低いリノレン酸エステル含有量を示す。
上記努力にもかかわらず、種子中に製造される内在的に製造された植物油中の
リノレン酸の更に遺伝的に制御された抑制を有する大豆の必要性が残存している
。
本発明の目的は、通常の田畑で成長する条件下で遺伝子制御の間、内在的に生
産された植物油中の抑制されたリノレン酸濃度を有する大豆種子であり、上記遺
伝子制御が新規な対立遺伝子に起因する大豆種子を提供することである。
本発明の目的は、遺伝子制御の間、内在的に生産された植物油中の抑制された
リノレン酸濃度を有する種子を自家受粉により製造しうる大豆植物であって、上
記遺伝子制御が新規な対立遺伝子に起因する大豆植物を提供することである。
本発明の目的は、遺伝子制御の間(説明したように)、更に抑制されたリノレン
酸濃度を示す粉砕及び抽出に続く大豆に由来する植物油であって、リノレン酸濃
度が内在的に形成された大豆種子油中で利用できるものよりも低い植物油を提供
することである。
本発明の他の目的は、種子中に存在する内在的に生産された植物油中でリノレ
ン酸生産を抑制し得る従来は未知の新規な同種接合劣性fan3fan3遺伝子対を大豆
中で提供することである。
本発明の他の目的は、単一の大豆植物中で、遺伝子制御下において組み合わせ
て発現を可能にすると思われる同種接合劣性遺伝子対(1)fan1fan1又はfan1(A5)f
an1(A5)、(2)fan2fan2、(3)fan3fan3を組み合わせることである。
本発明の更なる目的は、例えば、長い貯蔵安定性を必要とする、又は調理又は
又はフライ油を含む用途の際の厳密な条件に通常にさらされる、酸化型香料の開
発に対する必要な向上した抵抗性に用いるのに特に適した遺伝子制御下で抑制さ
れた内在的に生産されたリノレン酸含有量を含む大豆種子に由来する植物油を提
供することである。
上記及び他の目的、及び請求の範囲の発明の範囲、本質及び利用は、後述の詳
細な説明及び添付した請求の範囲から当業者に明らかであろう。
本発明の要約
内在的に生産された種子の植物油中の抑制されたリノレン酸含有量を発現する
ための同種接合劣性遺伝子対fan3fan3を有する大豆種子及び大豆植物が提供され
る。このようなfan3fan3遺伝子対はATCC受け入れ番号97812を有するA26
中に存在し、他の大豆植物に容易に移動し得る。
種子の内在的に生産された植物油中の抑制されたリノレン酸を示す大豆種子及
び大豆植物であって、リノレン酸含有量が同種接合劣性遺伝子対(1)fan1fan1又
はfan1(A5)fan1(A5)、(2)fan2fan2、及び(3)fan3fan3が一緒に存在することに起
因する大豆種子及び大豆植物、又は上記同種接合劣性遺伝子対を有する植物に由
来する大豆種子が提供される。上記劣性遺伝子対fan1(A5)fan1(A5)、fan2fan2、
及びfan3fan3の組み合わせは、ATCC受け入れ番号97813を有するA29
中に存在する。
大豆種子からの除去後に抑制されたリノレン酸含有量を有する植物油であって
、リノレン酸含有量が同種接合遺伝子対(1)fan1fan1又はfan1(A5)fan1(A5)、(2)
fan2fan2、及び(3)fan3fan3が一緒に存在することに起因する植物油が提供され
る。好ましい態様において、植物油のリノレン酸含有量は、遺伝子対(1)fan1(A5
)fan1(A5)、(2)fan2fan2、及び(3)fan3fan3が一緒に存在することに起因する。
好ましい態様の説明
米国において植物油生産のために通常に栽培され商業的に入手可能な大豆種は
、
通常の田畑成長条件下で得られる大豆種子中に、全脂肪酸含有量に基づきリノレ
ン酸を8重量%のオーダーで含む油を形成する。また、商業的に入手可能な大豆
種9253は、内在的な植物油中に、全脂肪酸含有量に基づき約2.5〜3.5重量%
の濃度でリノレン酸を製造する。このような大豆種は米国特許第5,530,183号明
細書に記載されている。しかし、遺伝子制御下で、種子の植物油中のリノレン酸
濃度を抑制し得る更なる大豆植物材料の必要性が残存している。
今、変異誘発を通じて、内在的に形成された種子の植物油中の抑制されたリノ
レン酸含有量を発現するための新規な同種接合劣性遺伝子対fan3fan3を有する大
豆植物を形成することが可能であることが経験的な研究を通じて見出された。
主題のfan3fan3遺伝子対の形成の間、好ましくはあらかじめ選択された地域に
おける栽培のための優れた農学的な特性を有する、通常の大豆の系統又は品種が
このような変異誘発にさらされ、fan3fan3遺伝子対の選択は、抑制されたリノレ
ン酸含有量についての植物表現型を観察し、確実なfan3fan3遺伝子対についての
種々の遺伝子座を突き止め確認するための遺伝研究を行うのと同時にそれに続く
発生の中で実施される。
大豆(Glycine max)L.Merr.の再生可能な植物細胞(例えば、種子、小胞子、卵
、花粉、栄養細胞部分)は、少なくとも一世代の間変異誘発処理にさらされ大豆
植物は細胞から再生され、少なくとも一つのそれに続く世代において大豆種子を
形成し、このような種子の内在的に形成された植物油中の抑制されたリノレン酸
を基準として選択が最初になされる。好ましくは、変異誘発は植物細胞が大豆種
子の形態である条件下で実施される。植物材料において実質的な遺伝的変異を創
造し得ると従来認められていた化学突然変異原の利用を通じて、良好な結果が得
られた。好ましい態様においては、メタンスルホン酸エチル(EMS)が化学突
然変異原として利用される。他の代表的な化学突然変異原は、N−ニトロソ−N
−メチルウレア(NMU)、アジ化ナトリウム、1−メチル−3−ニトロ−1−ニ
トロソクアニジン(nitrosoquanidine)(ニトロソクアニジン)等を含む。
種子を処理する好ましい態様においては、突然変異原の濃度及び暴露時間は、
約50%の生じた種子の生存率をもたらすように選択される。通常は、種子当た
り約1mlの変異原溶液を供給し、溶液を通気しながら種子を数時間浸す。次い
で種子を除去し、水で洗浄し、湿った田畑に植え、すぐに給水する。
他の通常の大豆種は通常表現型を変える能力を有し、その結果、内在的に形成
された植物油のリノレン酸含有量は、ガス液体クロマトグラフィーにより測定さ
れた全脂肪酸含有量に基づき約1.5〜5重量%まで抑制する。他の通常の大豆種
におけるリノレン酸生産に関するfan3fan3遺伝子対の発現の程度は、特定の範囲
内でのリノレン酸生産における顕著な抑制を通常導く高温に遭遇する環境条件に
よってかなり影響されることがわかった。
このようなfan3fan3遺伝子対はこのような抑制されたリノレン酸含有量を示す
ための同種接合劣性形態で供給されなければならない。更に、それはこのような
fan3fan3遺伝子対が、リノレン酸含有量の抑制について以前に報告された、fan1
fan1、fan1(A5)fan1(A5)、及びfan2fa2等の遺伝子とは異なる位置に存在すると
いう遺伝的研究を通じて証明された。例えば、fan3fan3遺伝子対を有する植物を
抑制されたリノレン酸含有量のためのこのような他の遺伝子を有する植物と交雑
させたとき、F1子孫は得られた植物の内在的に生産されたリノレン酸における
抑制したリノレン酸含有量の所望のレベルを示さず、このような所望の抑制され
たリノレン酸の特色は、必須のfan3fan3遺伝子対の成分が再結合の機会を提供さ
れるように、得られたF1子孫の以下の自家受粉に続く世代において明らかであろ
う。また、与えられた大豆植物におけるこのようなfan3fan3遺伝子対の存在はこ
のような植物を、このような同種接合劣性遺伝子対を有するとことが知られてい
るA26(後述する)と交雑し、このような特色についての遺伝モードを確認し
ながら、次の世代における抑制されたリノレン酸含有量についての表現型を観察
することにより確認できる。与えられた植物にfan3fan3が存在し、A26又は必
須の遺伝子対についての確認された源と交雑させた時、全ての子孫は分離なしに
次の世代において抑制されたリノレン酸含有量を示すだろう。
更に、通常の田畑における栽培条件で栽培した場合、種子の内在的に形成され
た植物油の抑制されたリノレン酸含有量に加え、他の通常の大豆植物における同
種接合劣性fan3fan3遺伝子対が、全脂肪酸含有量に基づき、植物油のパルミチン
酸(C16:0)成分の濃度を抑制し、植物油のステアリン酸(C18:0)成分の濃度を増加
し、植物油のオレイン酸(C18:1)成分の濃度を増加し、植物油のリノール酸
(C18:2)成分の濃度を抑制する傾向があることがわかった。
fan3fan3遺伝子対が単一の大豆植物中で以前に報告されている、抑制されたリ
ノレン酸を発現するための同種接合劣性遺伝子対(1)fan1fan1又はfan1(A5)fan1(
A5)、及び(2)fan2fan2と一緒になったときに、組み合わせにおけるこのような遺
伝子対の発現は天然において付加的であり、内在的なリノレン酸含有量の発現は
、大豆種子において従来報告されているものよりも低くなるという結果になる。
従って、植物油の得られたリノレン酸濃度は、初めに3種の劣性遺伝子対又は2
種の遺伝子対の組み合わせを供給する原料植物のいずれよりも低くなる。好まし
い態様においては、遺伝子対(1)はfan1(A5)fan1(A5)である。
同種接合遺伝子対(1)fan1fan1又はfan1(A5)fan1(A5)、(2)fan2fan2、及び(3)f
an3fan3が大豆植物中で一緒になり、通常の田畑栽培条件下で栽培されるとき、
得られた植物油中のリノレン酸濃度は全脂肪酸含有量に基づき通常1.3重量%未
満(例えば、約0.7重量%以上1.3重量%未満)であり、好ましくは1.1重量%以
下(例えば、約0.7重量%以上1.1重量%以下)である。通常、このような植物油
は更に、全脂肪酸含有量に基づき約9〜11重量%のパルミチン酸(C16:0)、約3.5
〜5.5重量%のステアリン酸(C18:0)、約28〜35重量%のオレイン酸(C18:1)、及
び約50〜56重量%のリノール酸(C18:2)を含有する。
fan1fan1遺伝子対は、Purdue大学で開発され、C1640と命名された中程度の低
いリノレン酸突然変異大豆系に存在する。J.Am.Oil Chem.Soc.,61:95(1984)を参
照されたい。C1640系は、通常全脂肪酸含有量に基づき約3.4重量%のリノレン酸
含有量を示す。C1640の種子は、James R.Wilcox,Department of Agronomy,Lill
y Hall,Purdue University,Lafayette,Indiana 47907,U.S.A.から公に入手する
ことができる。更に、2500個のC1640の種子をブダペスト条約の規約に従っ
て、1995年12月5日に12301 Parklawn Drive,Rockville,Maryland 20852,U.S
.A.のアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)に寄託し、受け入
れ番号97368が割り当てられた。
fan1(A5)fan1(A5)遺伝子対はfan1fan1遺伝子対と同じ部位にあると信じられ、
米国特許第5,534,425号明細書に通常に挙げられているA5として同定された変
異大豆系中に存在する。出願人は1983年にA5を開発し、環境に依存して植物
油中のリノレン酸濃度が約2.9〜4.1重量%を示すことを発見した。すなわち、変
異株A5は米国アイオワ州の植林では平均4.1重量%濃度のリノレン酸を生産し
、プエルトリコの植林では平均2.9重量%濃度のリノレン酸を生産した。米国の
5つの州を含む植林のシリーズにおいて、A5についての平均リノレン酸濃度は
3.8重量%であった。この系は、Crop Science 23:192(1983)で報告されたように
、メタンスルホン酸エチル(EMS)で変異誘発された大豆の子孫から選択され
た。A5(登録番号GP44)の種子は公に入手することができ、1983年からの
Committee for Agricultural Development,Iowa State University,Ames,Iowa 5
0011から配給されている。更に、2500個のA5の種子をブダペスト条約の規約に
従って1995年12月5日に12301 Parklawn Drive,Rockville,Maryland 20852,U
.S.A.のアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)に寄託し、AT
CC受け入れ番号97371が割り当てられた。
fan2fan2遺伝子対は、米国特許第5,534,425号明細書に通常に記載されている
ように親大豆株FA47437をメタンスルホン酸エチル(EMS)で処理することに
より創造された大豆変異株FA47437EMS中に存在する。FA47437EMS系は通常、平均
約5.7重量%濃度のリノレン酸を生産する。FA47437EMSの種子をブダペスト条約
の規約に従って1989年1月10日に12301 Parklawn Drive,Rockville,Maryland 20
852,U.S.A.のアメリカンタイプカルチャーコレクションに寄託し、ATCC受け
入れ番号40537が割り当てられた。更に925個のFA47437EMSの種子、及び1575個の
FA47437EMSの種子を1996年4月22に寄託した。FA47437EMSは時々A23と示され
る。
米国特許第5,534425号明細書に記載されたように、大豆A5を大豆FA47437EMS
と交雑し、fan1(A5)fan1(A5)遺伝子対及びfan2fan2遺伝子対の両方を含む子孫を
得た。例えば、上記遺伝子対の両方は、公に入手できる、9253、A16及びA1
7と命名された大豆中に存在する。すでに示したように、9253は通常に挙げられ
た米国特許第5,530,183号明細書に開示されており、約2.5〜3.5重量%の抑制さ
れたリノレン含有量を示す。2500個の9253の種子の寄託はブダペスト条約の
規約に従って1996年1月16日にアメリカンタイプカルチャーコレクション(AT
CC)になされ、ATCC受け入れ番号97415を受
けた。A16は通常に挙げられた米国特許第5,534,425号明細書中で議論されて
いる。A17は通常に挙げられた米国特許第5,534,425明細書及び5,557,037明細
書中で議論されている。A16及びA17の種子の寄託はブダペスト条約の規約
に従ってアメリカンタイプカルチャーコレクションになされ、それぞれATCC
受け入れ番号40538及び40539を受けた。625個のA16の種子を1989年1月10日
に寄託した。A16は、通常に挙げられている、本明細書に参考文献として組み
入れられる1996年5月24日に出願された出願番号08/656,017の主題を形成する。
625個のA17の種子を1989年1月10日に寄託し、追加の1175個のA17の種子
を1995年12月19日に寄託し、1325個のA17の種子を1996年4月22日に寄託した
。A17は、通常に挙げられている、本明細書に参考文献として組み入れられる
1996年5月24日に出願された出願番号08/656,016の主題を形成する。
同種接合劣性遺伝子対fan1fan1、fan1(A5)fan1(A5)、及びfan2fan2の存在は、
このような遺伝子対についての認識された原料である植物と交雑させ、fan3fan3
について以前に記載されたのと直接類似する方法で、以前に記載した次の世代に
おけるリノレン酸生産についての子孫の表現型を観察することにより確認するこ
とができる。それぞれの場合において本明細書に記載された遺伝子対(1)、(2)及
び(3)は、異なる遺伝子座に存在する。このような遺伝子対は個々に又は組み合
わせは、通常の植物飼育、それに続く選択による率直な方法で他の大豆生殖質に
容易に移動し得る。従って、必須の遺伝子対(すなわちfan3fan3)、又は2以上の
遺伝子対(すなわち、fan1fan1又はfan1(A5)fan1(A5)、fan2fan2及びfan3fan3)
が、簡単な自家受粉又は他の大豆系及び品種との異花受粉(すなわち、fan1fan1
又はfan1(A5)fan1(A5)、fan2fan2、及びfan3fan3)及びそれに続く所望の分離固
体の選択によって最初の植物の子孫中に供給される。
本発明の内在的に形成された植物油は、簡単な粉砕及び好ましくは粉砕及び抽
出(例えばヘキサンによる)による通常の方法により得られた大豆種子から得ら
れるか除去される。
本発明の大豆植物油は、抑制されたリノレン酸含有量のゆえに、向上した香味
が求められる工業及び食品の応用における利用に特に適している。例えば、油が
3種の同種接合劣性遺伝子対が一緒に存在する条件下で内在的に形成されるとき
、リノレン酸濃度が、料理又はフライ等の応用においてヒートトランスファー媒
体として良好に機能するために組み入れられる製品の寿命を延ばすために十分に
抑制し得る。いくつかの応用において、安定性を上昇するための水素化は不必要
であり、これは何人かの消費者が食餌において最小化することを好むトランス脂
肪酸を除去する。
本明細書で議論された脂肪酸濃度は他に述べたことを除き、H.F.Liskins及びJ
.F.Jackson(ed.)“Essenhal Oils and Waxes.Modern Methods of Plant Analys
is”,Vol.12,Springer-Verlag,Berlinの321-330ページに見られる"Organiza
tion of Rapid Analysis of Lipid in Many Individual Plants"においてE.G.Ha
mmondにより記述されているようにガス液体クロマトグラフィーの利用を通じて
測定された。全ての割合は重量により、種子から除去したオイルの全脂肪酸含有
量に基づく。分析の前に、3.4×106Paの水圧プレス中で種子を粉砕し、蒸留ヘキ
サンで更に抽出することにより植物油を得た。このような測定の間に、植物油中
に存在するグリセロールエステルをメタノール中のナトリウムメトキシドを用い
ることによりメチルエステルに変換し、該メチルエステルを分離しガス液体クロ
マトグラフィーにより定量し、特定する脂肪酸濃度を提供する。産業の通例の習
慣に従って脂肪酸の割合を表すとき、メチルエステルとしての脂肪酸の存在につ
いて、又は脂肪酸が内在的な油中に付着するグリセロールの不存在の調整はなさ
れない。
以下の実施例は、請求の範囲に記載された特定の説明として示される。しかし
、実施例に示される特定の詳細が本発明を限定するものでないと理解すべきてあ
る。
実施例1
A89-144003として命名された大豆の実験系の種子を変異誘発として選択した。
変異誘発を経験していない大豆系A89-144003の代表的な試料は、液体ガスクロマ
トグラフィーで測定したとき、以下の表Aに報告される脂肪酸プロフィールを示
すことがわかった。
表A
大豆系A89-144003は、BSR 101 x A1937の交雑からの選択として開発され高い
種子生産高、及び落葉病に対する中程度の耐性を有していた。他の大豆系又は品
種が同様に変異誘発を経験させるために選択され得る。
A89-144003系の2500個の成熟した種子の代表的な試料を、通気しながら室温で
8時間2.5リットルの蒸留水中に浸し、水を種子から排水した。次いで、上記種
子を、0.025Mメタンスルホン酸エチル(EMS)を含む2.5リットルの0.1Mリン
酸緩衝液に室温で9時間浸した。溶液を種子から排水し、種子を蒸留水で2回洗
浄した。次いで、ただちに上記湿潤した種子を米国アイオワ州エイムスの田畑に
まいた。このような種子の発芽から得られた植物はM1世代と考えられる。
以下の自家受粉を形成する種子をA89-144003EMSと命名した。得られた種子をプ
エルトリコの子孫作条(progeny row)にまき、M2植物を生産し、収穫しそれぞ
れの作条から個々に脱穀した。それぞれのM2植物において自家受粉により形成
された種子の5個の種子のバルク試料をガス液体クロマトグラフィーで測定し内
在的に形成された植物油の成分の脂肪酸濃度を測定した。
A89-144003EMS-81と命名されたM2植物は、植物油の顕著に抑制されたリノレ
ン酸のゆえに選択された。すなわち、M2世代のA89-144003EMS-81は、以下の表
Bに報告される脂肪酸プロフィールを示すことがわかった。
表B
従って、内在的に形成された植物油中のリノレン酸濃度は以下の変異誘発によ
り約4.7重量%にまで抑制した。プエルトリコで栽培されたM3植物において形
成されたM4種子においては、初めに94FA73と命名されたA89-144003EMS-81から
の更なる選択が以下の表Cに報告されるようにリノレン酸含有量の更なる抑制を
示すことがわかった。
表C
以下の世代において、以下の自家受粉種子が米国アイオワ州エイムスで生産さ
れ、A26と命名された。示された脂肪酸プロフィールを以下の表Dに報告した
。
表D 米国アイオワ州エイムスで遭遇する、より低い温度のゆえ、プエルトリコにつ
いて報告されるリノレン酸含有量はいくらか増加していることがわかる。それに
もかかわらず、このようなA26は、fan3fan3と命名された新規同種接合劣性遺
伝子対の制御下に抑制されたリノレン酸含有量を示した。このような遺伝子対は
遺伝的研究を通じて独立であり、以前に報告されている抑制されたリノレン酸含
有量を示す、fan1fan1、fan1(A5)fan1(A5)及びfan2fan2遺伝子対と異なる部位に
存在することが示された。表Dで報告されたように、米国アイオワ州エイムスで
生産されたA26の2500個の種子を、ブタペスト条約に規約に従って、1996年12
月2日に12301 Parklawn Drive,Rockville,Maryland 20852,U.S.A.のアメリカン
タイプカルチャーコレクション(ATCC)に寄託し、ATCC受け入
れ番号97812が割り当てられた。このような寄託の種子は、このような寄託を参
照する特許の許可に基づいて不可逆的に入手可能である。このようなfan3fan3遺
伝子対は、通常の植物育種技術の利用を通じて他の大豆生殖質に容易に伝達可能
であることが証明された。
実施例II
AX5711C04と命名された実験的大豆系の種子を、同種接合遺伝子対fan1(A5)fan
1(A5)及びfan2fan2の原料として選択した。AX5711C04中に存在するこのような遺
伝子対は、以前に議論した大豆9523、A16及びA17中に存在するものと
同一であると信じられている。祖先にA16を有するAX5711C04は、アイオワ州
大学においてS23-12とAX5629との交雑からの選択によりA16から得られ、植物
油中の抑制されたリノレン酸含有量と連関したA16よりも高い収量を有する。
米国アイオワ州のエイムスで栽培したとき、AX5711C04はfan1(A5)fan1(A5)及びf
an2fan2遺伝子対の発現にかんがみて約2.5重量%の平均のリノレン酸含有量を示
す。
同種接合劣性遺伝子対fan3fan3を含有するA26を、同種接合劣性遺伝子対fa
n1(A5)fan1(A5)及びfan2fan2を含有するAX5711C04と、米国アイオワ州エイムス
の近くで交雑した。得られたF1植物を収穫し、個々に脱穀し、得られたF2種子
をガス液体クロマトグラフィーにより脂肪酸含有量について分析した。それぞれ
の種子を、分析前に2つの部分に注意深く分けた。一方の半分の種子により分析
を行い、半分の種子は、得られた脂肪酸値により保証される場合の植林のために
残しておく。交雑から得られた5個のF2種子は、全脂肪酸含有量に基づき、1.5
7、1.57、1.59、1.75及び1.77重量%の抑制されたリノレン酸含有量を示すこと
がわかった。残りの半分の種子をペーパータオル上で発芽させ、得られた苗を米
国アイオワ州エイムスの近くの田畑に移植した。5個のF2植物を栽培し、自家
受粉し、個々に収穫して脱穀した。
以下の世代に続く交雑における上記植物の4種の子孫は、米国アイオワ州エイ
ムスの近くで栽培した場合、全脂肪酸含有量に基づき、1.14、1.17、1.23及び1.
31重量%のリノレン酸含有量を示すことがわかった。同じ植物からの更なる種子
を
分析したとき、最も低いリノレン酸含有量は全脂肪酸含有量に基づき、0.73、0,
95、0.98及び1.00重量%であった。
最も低いリノレン酸含有量を有する植物をA29と命名し、米国アイオワ州エ
イムス、及びプエルトリコで栽培した場合に最も低いリノレン酸含有量を生産し
続けることを確認した。このようなA29大豆は、同種接合劣性遺伝子対fan1(A
5)fan1(A5)、fan2fan2、及びfan3fan3を組み合わせて含有する。米国アイオワ州
エイムスにおける次の世代において田畑で生産されたA29の2500個の種子
をブダペスト条約の規約に従って1996年12月2日に12301 Parklawn Drive,Rock
ville,Maryland 20852,U.S.A.のアメリカンタイプカルチャーコレクション(
ATCC)に寄託し、受け入れ番号97813が割り当てられた。このような寄託の
種子は、このような寄託を参照する特許の許可に基づいて不可逆的に入手可能で
ある。しかし、A26及びA29の種子の入手可能性はその特許又は飼育者の権
利の法律に従っていずれかの政府の当局の下に、許可された権利に違反して請求
の範囲の発明を実施するための免許として説明されない。
A29により典型的に示される脂肪酸プロフィールを以下の表Eに示した。
表E
以前に示したように、同種接合劣性遺伝子対は、同様に非常に有利な抑制され
たリノレン酸含有量を示す、他の大豆の生殖質に容易に移動し得る。
好ましい態様を参照して本発明を詳述したが、当業者に明らかなように変化及
び変更がとられることが理解される。このような変化及び変更は、添付した請求
の範囲の領域及び範囲内で考えられる。
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フロントページの続き
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,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT
,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,
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,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,
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