JP2001506595A - ミオシンとインテグリンとの間の相互作用の調節 - Google Patents

ミオシンとインテグリンとの間の相互作用の調節

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ミオシンと膜タンパク質の細胞質ドメイン(詳細には、インテグリンのβ-サブユニットのリン酸化された細胞質ドメイン)との間の直接的な相互作用を記載する。本発明は、ミオシンへのインテグリン結合をブロックする薬剤を同定する方法、生物学的および病理学的プロセスを調節するためにミオシンへのインテグリン結合をブロックする薬剤を使用する方法を提供し、そしてミオシンへのインテグリン媒介結合をブロックし、そしてそれによって関連する細胞のまたは細胞成分の運動を調節する薬剤を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 ミオシンとインテグリンとの間の相互作用の調節 関連出願 本出願は、1996年11月21日に出願された米国仮出願第60/031,665号、1997年3 月28日に出願された米国仮出願第60/042,093号に対する優先権を主張し、その両 方は、その全体が本明細書中に参考として援用される。 発明の分野 本発明は、細胞骨格成分とインテグリンとの相互作用に関する。特に、ミオシ ンとβ3インテグリンの細胞質ドメインとの間の新規の相互作用が発見され、そ してインテグリン細胞質尾部と細胞性タンパク質との間の直接的相互作用を同定 する方法が記載される。 発明の背景 インテグリンは、細胞外マトリックスタンパク質および別の細胞への接着を媒 介するαβヘテロダイマーのファミリーである(Clarkら、Science(1995)268:2 33-239)。インテグリンはまた、一連の中間体タンパク質を介してアクチン細胞 骨格に結合し、そして従って、細胞外マトリックスと細胞内細胞骨格との間の結 合およびその関連した運動機構を提供する。このような膜貫通性結合は細胞移動 に必要とされる。多くの生物学的応答は、胎児発育、止血、血餅退縮、有糸分裂 、新脈管形成、炎症、免疫応答、白血球ホーミングおよび活性化、食作用、骨吸 収、腫瘍増殖および転移、アテローム性動脈硬化症、再狭窄ならびに創傷治癒を 含むインテグリン媒介接着および細胞移動に、少なくともある程度まで依存する 。 インテグリンファミリーのメンバーは、また、シグナル変換に関与する。これ は、中から外へのシグナル変換と呼ばれる細胞活性化に応答する細胞表面インテ グリンの接着親和性の変化により証明される。さらに、インテグリン媒介接着に 続く細胞内シグナル経路に対する効果が観察され、外から中へのシグナル変換と 呼ばれる。 インテグリンファミリーは、15の関連する公知のαサブユニット(α1、α2 、α3、α4、α5、α6、α7、α8、α9、αE、αV、αIIb、αL、α M、およびαX)、そして8の関連する公知のβサブユニット(β1、β2、β3 、β4、β5、86、β7、およびβ8)からなる。Luscinskasら、FASEB J., 8:929-938(1994)。インテグリンαおよびβサブユニットが、図1で示されるよ うな種々の対形成で存在することは公知である。インテグリンリガンドの特異性 は、αおよびβサブユニットの特定の対形成により決定されるが、いくつかのイ ンテグリンが同じリガンドに接合することが公知のように、いくつかの重複性が 存在する。 A.公知の細胞骨格タンパク質とインテグリンとの相互作用 種々の細胞骨格タンパク質およびシグナリングタンパク質への、インテグリン の非改変αサブユニットおよびβサブユニット細胞質ドメインの結合が、記録さ れている。S.Dedharら、Curr.Opin Cell Biol.8:657-669(1996)。形態学的研 究はこれら多くのタンパク質は、インテグリンがクラスター形成し、そして細胞 外マトリックスおよび細胞骨格タンパク質の両方と結合する焦点接着に集中され ることを示す。I.Knezevlcら、J.Biol.Chem.271(27):16416-16521(1996)。 例えば、タリン、235kDビンキュリン、およびアクチニン結合タンパク質は、 固相結合アッセイにおいて、αIIbおよびβ3の細胞質ドメインに結合する。I.K nezevicら、同上。固相結合分析における、β1およびβ3の細胞質ドメインへ の100kDビンキュリン結合タンパク質であり、そしてアクチニン連結タンパク質 であるαアクチニンの結合がまた観測されている。C.A.Oteyら、J.Biol.Chem .268(28);21193-21197(1993);およびC.A.Oteyら、J.Cell Biol.111:721-729 (1990)。結合研究は、β1の細胞質ドメインと、215kDのSH2ドメイン含有ビンキ ュリンおよびアクチニン結合タンパク質である、テンシンとの間の相互作用を証 明した。S.Linら、Mol.Biol.Cell 7 Supp.389a,Abstract 2259(1996)。 別の細胞骨格関連タンパク質はまた、インテグリンと相互作用する。195kDミ オシンおよび中間フィラメント結合タンパク質であるスケレミンは、β1および β3細胞質ドメインの膜隣接領域に結合する。K.B.Reddyら、Mol.Biol.Cell .7 Supp.385A,Abstract 2237(1995)。これらの著者らは、スケレミンがミオシ ンおよび中間フィラメントをβインテグリンに結合し得ることを示唆した。 パキシリン、ビンキュリン結合シグナリングタンパク質はまた、β1インテグ リンの細胞質ドメインに結合する。M.D.Schallerら、J.Cell Biol.130:1181 -1187(1995)。β1パキシリン会合が直接的であるか非直接的であるかは、未だ 公知でないが、パキシリンは、チロシンキナーゼpp125 FAKの基質であり、チロ シンキナーゼpp125 FAKにより、基質としてチロシンがリン酸化されるとして仮 定された。アクチニン結合タンパク質フィラミンは、インビトロにおいてβ2イ ンテグリンサブユニットの細胞質尾部に結合し、インビボにおいてβ2インテグ リンと共免疫沈降され、そして共局在化されることが示されている。C.P.Shar maら、J.Immunol.154;3461-3470(1995)。 セリン/スレオニンキナーゼのミオシン軽鎖キナーゼファミリーに関係すると して同定された208kDインテグリン結合タンパク質もまた、報告されている。Wal kerら、Mol.Biol.Cell 7 Supp.385A、Abstruct2235(1995)。このキナーゼは α−アクチニンおよびミオシンを含むタンパク質複合体の一部分であると言われ ているが、キナーゼがインテグリンの細胞質尾部と直接か、またはタンパク質複 合体を通して会合するかどうかは明確ではなかった。 上記の細胞骨格タンパク質は、精製タンパク質またはペプチドを用いてインテ グリンサブユニットの細胞質ドメインと相互作用することが示されているが、こ れら相互作用が細胞内でどのように生じるか、またはこれら相互作用がどのよう に制御されるかは、公知でない。さらに、記載されたインテグリン/細胞骨格相 互作用は、今までのところリン酸化チロシン依存的様式で生じない。 B.インテグリンβサブユニットの細胞質ドメインのチロシンリン酸化 多くのアゴニストによって誘導される血小板凝集は、β3細胞質尾部において チロシン残基のリン酸化を生じる。Lawら、J.Biol.Chem.271.10811-10815(1 996)。ある観点において、両方のチロシン残基のリン酸化は、あるシグナリン グタンパク質の結合に必要であったが、一方、別のシグナリングタンパク質は、 モノリン酸化型の後に結合した。さらに、αvβ3でトランスフェクトした細胞 によるビトロネクチンへの接着は、β3サブユニットの強固なチロシンリン酸化 を誘導する。Blystoneら、J.Biol.Chem 271:31458-31462(1996)。 研究は、チロシンを含有するβ1、β2およびβ3の細胞質ドメインの配列が 、通常のインテグリン/細胞骨格相互作用に重要であることを示している。例え ば、CHO細胞へトランスフェクトしたβ3におけるチロシン747へのアラニンの置 換は、β3媒介細胞伝搬を消滅させ、予め確立させた接着プラークへのαIIbβ 3の補充をブロックし、そしてフィブリノーゲンコート粒子の内部移行を媒介す るαIIbβ3の能力を減少させた。J.Ylanneら、J.Biol.Chem.,270,9550-9 557,(1995)。 Ylanneら(同上)により報告されたさらなる実験は、チロシン759のアラニン での置換が細胞伝搬、および接着プラークへのαIIbβ3の補充を減少させ、一 方、この配列を含有するカルボキシル末端側ペンタププチドの欠失は、インテグ リンの機能に対するさらにより明白な効果を有することをさらに示した。これら の著者らは、インテグリン媒介細胞伝搬は、インテグリン媒介細胞伝搬に不可欠 である因子が、残基757で切断されたβ3またはアラニンにより置換されたβ3 のチロシン743をもつインテグリンのどちらとも結合し得ないために、生じない ことを結論づけた。 β1およびβ2含有インテグリン中の相同なドメイン中の点変異はまた、これ らの変異が、焦点接着A.A.Reszkaら、J.Cell Biol.117:1321-1330(1992)、 およびインテグリン活性化M.L.Hibbsら、J.Exp.Med.174:1227-1238(1991) をそれぞれ減少させることによりインテグリン−細胞骨格相互作用に影響するの で機能を調節する。同様にチロシンキナーゼは、αIIbβ3の細胞骨格付着を調 節することに不可欠であることが見い出された。Schoenwaelderら、J.Biol.Ch em.269(51):32479-32487(1994)。 全体として、2つのチロシンと、β3細胞質ドメインの残基747〜762の「細胞 接着調節ドメイン」または「CARD」との間の相互作用が、インテグリンβ3の接 着機能の調節に不可欠であることが報告された。Liuら、PNAS 93:11819〜1182 4(1996)。CARD由来の16アミノ酸配列は、インテグリンβ3尾部の「ビジネスエ ンドを係合する」細胞内タンパク質−タンパク質相互作用と競合することにより 、固定化フィブリノーゲンへのHELおよびECV304細胞の接着を阻害した。しかし 、CARDと相互作用する細胞質タンパク質の同一性は、依然として確立されるべき であると言われた。 C.ミオシン 血小板形質膜は、短いアクチンフィラメント、アクチン結合タンパク質、スペ クトリン、ビンキュリンおよび種々の他のタンパク質から構成される膜骨格とし て公知である格子様構造によりコートされているが、まだ全ては同定されていな い。Foxら、J.Biol.Chem.268(34):25973-25984(1993)。細胞質側において、 骨格は、細胞質アクチンフィラメントのネットワークと会合するようである。膜 骨格は、脂質二重層をコートし、そして細胞外糖タンパク質と細胞内細胞骨格エ レメントとの両方と会合する。Foxらは、GPIIb−IIIaが膜骨格成分の再分布を誘 導し、そして血小板におけるインテグリン誘導運動事象の調節における段階とし てシグナリング分子と会合することを示唆した。 ミオシンは、アクチンと相互作用して収縮または運動を引き起こす、収縮性の タンパク質である。用語「ミオシン」とは、アクチンフィラメントを転位置させ 得るか、または、固定されたアクチンフィラメント上の小胞もしくは他の輸送物 を転位置させ得る分子モーターの(少なくとも11クラスからなる)多様なスー パーファミリーを広くいう。全てのミオシンにおけるある特徴は、アクチンに可 逆的に結合する能力、そしてMgATPを加水分解する能力である。図5およびJ.R .SellersおよびH.V.Goodson、Protein Profile 2:1323〜1339(1995)を参照の こと。 精製されているミオシンの全ての型は、多量体であり、そして少なくとも3つ の機能的ドメイン、すなわち、頭部、頚部、および尾部を保有するようである。 頭部、すなわち運動ドメインは、ヌクレオチド結合部位およびアクチン結合部位 を含み、そしてミオシンスーパーファミリーの最も保存された領域である。頚部 ドメインは、軽鎖サブユニットの結合により安定化される、重鎖由来の長い単一 αらせん状鎖からなる。アクチンを転位置させ得るようにミオシンを係留するよ うに作用する尾部領域は、全ての領域のうち、最も多様な1次配列であり、そし て細胞または細胞小器官膜へ特定のミオシンイソ型を係留させるように作用し得 る。細胞内部でのミオシンクラスター形成は、膜上またはアクチンフィラメント 自体の上で起こり得ることが示唆されている(Titus、Trends in Cell Biology 7 :119(1997))。しかし、ミオシン尾部と細胞(cytocellular)構造との間の相互 作用の、正確な生化学的メカニズムは、これまで記載されていない。 発明の要旨 本発明は、収縮性タンパク質であるミオシンが、β3インテグリンサブユニッ トの細胞質ドメインに結合するという発見に一部基づいている。この会合の発見 は、インテグリン細胞質ドメインにおけるチロシン残基のリン酸化に関する実験 に基づいていた。詳細には、インテグリン-ミオシン相互作用は、代表的には、 インテグリン細胞質ドメインにおける1つ以上のチロシン残基のリン酸化に関連 する。しかし、ホスホチロシン残基を含まない相互作用は、本発明の範囲から除 外されない。 この発見に基づいて、本発明は、インテグリンβサブユニットの細胞質ドメイ ンのペプチドフラグメントを提供し、そしてこれは、情報伝達タンパク質および インテグリン細胞質ドメインに直接結合する細胞骨格タンパク質を同定するため に使用され得る。好ましい実施態様において、インテグリンに対するミオシンタ ンパク質の結合が検出される;しかし、他の細胞骨格タンパク質または他の情報 伝達パートナーに対するインテグリンの結合もまた、意図される。これらのペプ チドフラグメントはまた、リン酸化依存性様式においてインテグリン細胞質ドメ インに結合するタンパク質を同定するためにチロシンリン酸化され得る(一リン 酸化または二リン酸化のいずれか)。しかし、このようなペプチドは、本明細書 中に開示される方法において有用であるためにリン酸化を必ずしも必要としない 。 本発明は、以下の工程を包含する、ミオシンとインテグリンとの相互作用をブ ロックまたは調節する薬剤を同定するための方法を含む:a)インテグリンのβ サブユニットのリン酸化した細胞質ドメインを含むペプチドを、ミオシンおよび 薬剤とインキュベートする工程、およびb)上記薬剤が、上記ペプチドに対する ミオシンの結合をブロックするかまたは調節するかどうかを決定する工程。 本発明はまた、インテグリンと細胞骨格タンパク質との会合を調節、減少、ブ ロック、および刺激する方法を提供する。インテグリン/細胞骨格の会合をブロ ックする薬剤は、インテグリン媒介細胞骨格付着を必要とする生物学的および病 理学的プロセスを調節するために用いられ得る。例えば、このような方法および 薬剤は、細胞の付着または接着、移動、増殖および分化、ならびに血餅退縮を調 節するために使用され得る。このような細胞作用に関与する病理学的プロセスは 、血栓症、炎症、腫瘍転移、創傷治癒および上記のその他のものを含む。 本発明はさらに、インテグリン媒介細胞骨格の会合を必要とする病理学的プロ セスの重篤度を軽減する方法もまた提供する。リン酸化は、インテグリンと特定 の細胞骨格との会合に必要とされので、インテグリン/細胞骨格の会合をブロッ クする薬剤(例えば、チロシンリン酸化をブロックする薬剤およびリン酸化チロ シンを脱リン酸化する薬剤)、ならびに別の方法でインテグリン-ミオシン結合を 妨げる薬剤が、治療方法で用いられ得る。 図面の簡単な説明 図1は、αおよびβインテグリンサブユニットの対形成を示す。 図2は、種々のインテグリンサブユニットの細胞質ドメインを示す。 図3は、血小板タンパク質に対するβ3ペプチドの結合を示す。A)示された ペプチド(1μM)でプローブしたファーウェスタンブロット。200kDバンドは、二 リン酸化されたβ3ペプチドによって、特異的に認識される。90kDバンドに対す るペプチドの結合は、非特異的であった。B)二リン酸化されたβ3ペプチド( 1μM)および種々の濃度のフェニルホスフェート(0〜100μM)でプローブした ファーウェスタンブロット。ペプチド結合は、50〜100mMフェニルホスフェート により破壊され、このことは、ペプチドが、ホスホチロシン依存性様式により20 0kDタンパク質を結合することを示した。C)トロンビン誘導血小板凝集に続き 、β3は細胞骨格画分に優先的に再分配される。 図4は、精製血小板ミオシンに対するβ3ペプチドの結合を示す。A)抗ミオシ ンイムノブロット。レーン1は、10μgの精製血小板ミオシンを含み、そしてレー ン2は、10μgの総血小板溶解産物を含む。B)示されたペプチド(1μM)でプ ローブしたファーウェスタンブロット。精製された血小板ミオシンは、二リン酸 化されたβ3ペプチドによって特異的に認識される。レーン1は、10μgの精製血 小板ミオシンを含み、そしてレーン2は、10μgの総血小板溶解産物を含む。 図5A〜5Bは、200kDのβ3結合タンパク質活性が、血小板細胞骨格画分で沈降し たことを示す。 図6A〜6Cは、精製血小板ミオシンに対するβ3ペプチドの結合を示す。 図7A〜7Dは、制御されたタンパク質分解により切断された精製血小板ミオシン に対する二リン酸化されたβ3の結合を示す。 図8A〜8Bは、変異β3を発現する細胞のフローサイトメトリー分析および血餅 退縮能力を示している。 好ましい実施態様の詳細な説明 I.一般的説明 以下の考察は、本発明の一般的説明および本明細書中で用いられる特定の用語 の定義を示す。 β3の細胞質ドメイン内のホスホチロシン結合モチーフの存在は、このインテ グリン尾部のチロシンリン酸化が、ホスホチロシン結合情報伝達タンパク質Shc およびGrb2の細胞膜への補充を容易にすることを示唆する。Philipsら(1996)を 参照のこと。本発明者らは、β3インテグリン尾部のチロシンリン酸化および脱 リン酸化が、類似の様式で、細胞骨格とのインテグリンの会合を調節し得ること を発見した。 II.特定の実施態様 A.単離されたペプチド 本発明は、インテグリンのβサブユニットの細胞質ドメインに相当する単離さ れたペプチド、ならびにインテグリン細胞質ドメインの対立遺伝子改変体および 細胞質ドメインの保存的アミノ酸置換体を提供する。好ましいペプチドは、イン テグリンの細胞質ドメイン由来の配列を含み、ここでチロシン残基は、代表的に はNPXYモチーフを含むドメインでリン酸化されている(Filardoら(1995)J.Cell. Biol.130:441〜50)。このようなペプチドは、約5、10、13、15、17、18、19、20 、23、25、30、35、40、45、50以上のアミノ酸長である。最も好ましい実施態様 は、本質的に、以下の配列を有するβ3の残基740〜762に対応する二リン酸化さ れたペプチドからなる:D-T-A-N-N-P-L-Y(PO3)-K-E-A-T-S-T-F-T-N−I-T-Y(PO3) -R-G-T-COOH(配列番号)。 本発明のペプチドは、天然に存在しているインテグリンの対立遺伝子改変体の 細胞質ドメインに相当するペプチドを含む。この変異体は、上記で具体的に記載 した改変体とはわずかに異なるアミノ酸配列を有するペプチドを生じる。対立遺 伝子改変体は、上記のものとはわずかに異なるアミノ酸配列を有するが、ミオシ ンと会合する必須の能力をなお有する。 本明細書中で使用されるように、ペプチドは、物理的、機械的または化学的方 法が、異なる1次アミノ酸配列を有するペプチドから、またはペプチドが天然の 細胞供給源由来であるかもしくは適切な宿主細胞において組み換えにより発現さ れるならば細胞成分から、ペプチドタシパク質を取り出すために用いられる場合 、単離されたといわれる。当業者は、単離されたペプチドを得るために、標準的 精製方法を容易に使用し得る。 本発明のペプチドは、さらに、天然に存在するインテグリンの細胞質ドメイン に相当するペプチドと比較して、保存的アミノ酸置換を有するペプチドを含む。 本明細書中で使用されるように、保存的アミノ酸置換とは、ペプチドがミオシン に結合する能力に悪影響を与えない、アミノ酸配列の変更をいう。置換、挿入ま たは欠失は、変更された配列が、ペプチドがミオシンと結合するのを妨げる場合 、ペプチドに悪影響を与えるといわれる。例えば、ペプチドの全体的な荷電、構 造または疎水性/親水性特性は、ペプチドの活性に悪影響を与えずに、変更され 得る。従って、ペプチドのアミノ酸配列は、ペプチドがミオシンと会合する能力 に悪影響を与えずに、例えば、ペプチドをより疎水性または親水性にするために 変更され得る。 通常、所定のインテグリンもしくは保存されたアミノ酸の置換を有するペプチ ドの対立遺伝子改変体に対応するペプチドは、天然に存在するヒトのインテグリ ン細胞質ドメインと、少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、なおよ り好ましくは少なくとも約90%、そして最も好ましくは95%のアミノ酸配列の同 一性を有するアミノ酸配列を有する。このような配列に関する同一性または相同 性は、必要であれば、配列の整理およびギャップの誘導後、本明細書中で、規知 のペプチドと同一である候補配列中のアミノ酸残基の割合として定義され、そし て最大パーセントの相同性を達成し、配列同一性の部分としての任意の保存され た置換は考慮しない。ペプチド配列へのN末端、C末端、または内在性の伸長、欠 失、もしくは挿入は、相同性に影響を及ぼすとして解釈されるべきではない。 従って、本発明のペプチドには、以下のものが挙げられる:Peptidel、すなわ ちβ-1、β-2、β-5、β-6もしくはβ-7に由来するペプチド1と関連するペプチ ドとして開示されるアミノ酸配列を有する分子;Peptidelの少なくとも約13,15, 20もしくは23アミノ酸残基の連続した配列を有するフラグメント、または天然に 存在するβ3の747位および759位に見られる両方のチロシン残基を含む、β-1、 β-2、β-5、β-6およびβ-7に由来に対応するペプチドで、;少なくとも一つの アミノ酸残基が、開示された配列のN末端、もしくはC末端に、またはそれらの内 部に挿入されるような配列のアミノ酸配列改変体;別の残基により置換された、 開示された配列のアミノ酸改変体もしくは上記で定義されたそれらのフラグメン ト。意図された改変体は、例えば、相同組換え、部位特異的変異誘発もしくはPC R変異誘発、ならびに他の動物種(ウサギ、ラット、マウス、ブタ、ウシ、ヒツ ジ、ウマ、およびヒトではない霊長類種を含むがこれらに限定されない)による 予め決定された変異を含む変異体;ならびにペプチドが、置換、化学的、酵素的 、もしくは天然に存在するアミノ酸とは異なる部分での他の適切な手段(例えば 、酵素または放射性同位体のような検出可能な成分)により改変された誘導体を さらに含む。 B.インテグリンペプチドをコードする核酸分子を含むrDNA分子 本発明は、配列をコードするペプチドを含む組換えDNA分子(rDNA)をさらに提 供する。本明細書では、rDNA分子はインサイチュで分子操作に供されるDNA分子 である。rDNA分子を生成する方法は当該分野で周知であり、例えば、Sambrookら 、Molecular Cloning(1989)を参照のこと。好ましいrDNAにおいて、ペプチドを コードするDNA配列は、発現調節配列および/またはベクター配列に作動可能に 連結される。 本発明の配列をコードするペプチドの一つに対するベクターおよび/または発 現調節配列の選択は、当該分野で周知であるように、所望の機能的な性質(例え ば、タンパク質発現、および形質転換される宿主細胞)に直接依存して作動可能 に連結される。本発明により意図されるベクターは、少なくとも複製への指向ま たは宿主染色体への挿入および好ましくは、rDNA分子中に含まれる配列をコード するペプチドの発現も可能である。 作動可能に連結された、ペプチドをコードする配列の発現を制御するために使 用される発現調節エレメントは、当該分野で周知であり、プロモーター、構成プ ロモーター、分泌シグナル、および他の制御エレメントを含むが、これらに限定 されない。好ましくは、誘導性プロモーターは、宿主細胞の培地中の栄養分に応 答するように容易に調節される。 一つの実施態様において、ペプチドをコードする核酸分子を含むベクターは、 原核生物のレプリコン、すなわち、組換えDNA分子の自律的な複製ならびに維持 に指向する能力を有するDNA配列を、原核生物の宿主細胞中(例えば、細菌の宿 主細胞、それのトランスフェクタント)で染色体外に含み得る。このようなレプ リコンは当該分野で周知である。加えて、原核生物のレプリコンを含むベクター はまた、遺伝子(この発現は薬剤耐性のような検出可能なマーカーを与える)を 含む。代表的な細菌性薬剤耐性遺伝子は、アンピシリンまたはテトラサイクリン 耐性を与える遺伝子である。 原核生物のレプリコンを含むベクターはまた、細菌の宿主細胞(例えば、E.col i)で、ペプチドをコードする遺伝子配列の発現(転写ならびに翻訳)を指向し得 る、原核生物のプロモーター、またはウイルスのプロモーターをさらに含み得る 。プロモーターは、RNAポリメラーゼの結合および起こるべき転写を可能にするD NA配列により形成される発現調節エレメントである。細菌宿主と適合するプロモ ーター配列は、代表的に、本発明のDNAセグメントの挿入に簡便な制限部位 を含むプラスミドベクター中に提供される。代表的なこのようなベクタープラス ミドは、Biorad Laboratories,(Richmond,CA)より入手可能なpUC8,pUC9,pBR322, およびpBR329、Pharmacia Piscataway,N.J.より入手可能なpPLおよびpKK223であ る。 真核生物細胞に適合する発現ベクター、好ましくは脊椎動物細胞に適合する発 現ベクターはまた、ペプチドをコードする配列を含むrDNA分子を形成するために 使用され得る。真核生物発現ベクターは、当該分野で周知であり、そしていくつ かの商業的供給源から入手される。代表的には、このようなベクターは所望のDN Aセグメントの挿入のための簡便な制限部位を含んで提供される。代表的な、こ のようなベクターは、PSVLおよびpKSV-10(Pharmacla)、pBPV-1/pML2d(Internati onal Biotechnology,Inc)、pTDT1(ATCC,#31255)、本明細書中で記載されるベク ターpCDM8、ならびに真核生物発現ベクターなどである。 本発明のrDNA分子の構築に使用される真核生物細胞発現ベクターは、真核生物 細胞中で有効な選択マーカー(好ましくは、薬物耐性選択マーカーである)をさ らに含み得る。好ましい薬剤耐性マーカーは、ネオマイシン耐性(すなわち、ネ オマイシンホスホトランスフェラーゼ(neo)遺伝子の発現を生じる遺伝子である( Southernら、J.Mol.Anal.Genet.1:327-341,1982))。あるいは、選択マーカーが 別のプラスミド上に存在し得、そして二つのベクターは宿主細胞の同時トランス フェクションにより導入され、そして選択マーカーに適した薬物存在下で培養す ることにより選択される。 C.外因的に供給されるペプチドコード核酸分子を含む宿主細胞 本発明は、本発明のペプチドをコードする核酸分子で形質転換された宿主細胞 をさらに提供する。宿主細胞は、原核生物または真核生物のいずれかであり得る 。ペプチドの発現に有用である真核生物細胞は、細胞株が細胞培養法に適合する こと、ならびに発現ベクターの増殖およびペプチド産物の発現と適合する限りは 制限されない。好ましい真核生物の宿主細胞は、酵母、昆虫、および哺乳動物細 胞(好ましくは脊椎動物細胞(例えば、マウス、ラット、サルに由来するもの、 もしくはヒトの線維芽細胞株))を含むが、これらに制限されない。好ましい真 核 生物宿主細胞には、チャイニーズハムスターの卵巣(CHO)細胞(CCL61としてATCC から入手可能)、NIHスイスマウスの胚細胞NIH/3T3(CRL1658としてATCCから入手 可能)、ハムスター乳仔の腎臓細胞(BHK)ならびに真核生物の組織培養細胞株など が含まれる。 任意の原核生物宿主は、ペプチドをコードするrDNA分子を発現するために使用 され得る。好ましい原核生物宿主はE.coliである。 本発明のrDNA分子に適切な細胞宿主の形質転換は、周知の方法により達成され 、代表的に、使用されるベクターの型および使用される宿主系に依存する。 原核生物の宿主細胞の形質転換に関しては、エレクトロポレーションおよび塩 処理法が、代表的には使用され、例えば、Cohenら、Proc.Natl.Sci.USA 69:2110 ,1972;ならびにManiatisら、Molecular Cloning.A Laboratory Manual,Cold Spr ing Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor N.Y.(1982)を参照のこと。rDNAs を含むベクターでの脊椎動物細胞の形質転換に関しては、エレクトロポレーショ ン、カチオン性脂質または塩処理法が代表的には使用され、例えば、Grahamら、 Viro1.52:456,1973;Wiglerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 76:1373-76,1979を参照 のこと。 首尾良く形質転換された細胞(すなわち、本発明のrDNA分子を含む細胞)は、 周知の技術により同定され得る。例えば、本発明のrDNAの誘導から生じた細胞は クローン化されて、単一コロニーを産生し得る。これらのコロニーに由来する細 胞は回収され得、溶解され、ついでこれらのDNA内容物を、Southern,J.Mol.Biol .98:503,1975,もしくはBerentら、Biotech.3:208,1985に記載されるような方 法を用いて、rDNAの存在について試験され得るか、またはこの細胞に由来するタ ンパク質は、免疫学的な方法によりアッセイされ得る。 D.rDNA分子を使用したペプチドの生成 本発明は、本明細書中に記載されたペプチドコード核酸分子の一つを使用する 、ペプチドを生成する方法をさらに提供する。一般的な意味において、本発明の ペプチドの組換え形態の生成は、代表的には以下の工程を包含する: 第一に、ペプチドをコードする核酸分子を入手する。次いでペプチドコード核 酸分子は、上記のように、適切な制御配列と一緒に作動可能な連鎖に配置され、 ペプチドコード配列を含む発現単位を形成する。発現単位は適切な宿主を形質転 換するために使用され、そして形質転換された宿主は、ペプチドの生成が可能な 条件下で培養される。必要に応じて、ペプチドは、培地または細胞から単離され ;ある程度の不純物が許容され得るいくつかの例において、タンパク質の回収お よび精製は必要とされ得ない。 前記の工程はそれぞれ種々の方法で行われ得る。例えば所望のコード配列は、 ゲノムフラグメントから得られ得、そして適切な宿主に直接用いられ得る。種々 の宿主細胞で作動可能な発現ベクターの構築は、上記のような適切なレプリコン および制御配列を用いて成し遂げられる。制御配列、発現ベクター、および形質 転換方法は遺伝子の発現に用いられる宿主細胞の型に依存し、そして詳細は以前 に考察された。普通に利用可能ではない場合、切り出し可能な遺伝子を提供し、 これらのベクターに組み込むため、適切な制限酵素部位がコード配列の端に付加 され得る。当業者は、当該分野において公知である任意の宿主/発現系を、本発 明にもとづくペプチド生産のためのペプチドコード配列とともに用いるために、 容易に適合させ得る。組換えペプチドのチロシン残基は、標準的な手順を用いて リン酸化され得る。 E. ミオシンとインテグリンとの相互作用を調節する薬剤を同定する方法。 本発明の別の実施態様は、ミオシンのような細胞骨格タンパク質とインテグリ ンの会合を、減少またはブロックする薬剤を同定するための方法を提供する。詳 細には、インテグリン、またはチロシンリン酸化βサブユニット細胞質ドメイン (本明細書中に開示されるPeptide 1のような)を含むインテグリンペプチドは 、試験される薬剤の存在下、および非存在下で、溶液中の、または固相支持体に 付着されたミオシンのような細胞骨格タンパク質と混合される。インテグリンペ プチドまたはペプチドが、細胞骨格タンパク質と会合し得る条件下で混合した後 、その薬剤がインテグリンと細胞骨格タンパク質の会合を減少または妨害するか どうかを決定するため、二つの混合物は分析され、そして比較される。インテグ リンと細胞骨格タンパク質の会合を減少または妨害する薬剤は、試験薬剤を含む サ ンプル中に存在する会合物の量を減少させるものとして同定される。 インテグリンとミオシンのような細胞骨格タンパク質との会合の調節を生じる アッセイは、インテグリン−ミオシン相互作用を検出またはモニターする任意の 利用可能な手段を利用し得る。このような方法としては、インテグリン−ミオシ ン会合を直接モニターすること、または透過可能にした血小板を用いた場合に提 示されるような第二指標をモニターすること(Pumigiiaら、(1992)Biochem J.28 6:441-9)が挙げられる。このような検出方法は、Harlowら、Antibodies:A Labo ratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,1988に開示されるように、広く 利用可能である。例えば固相アッセイは、どちらがの結合相手が、固相支持体に 付着されている場合に広く利用される。そのような結合アッセイの場合、代表的 に、チロシンリン酸化βサブユニット細胞質ドメイン由来のインテグリンまたは ペプチドは、標識され、そして固相支持体に付着したミオシンとともにインキュ ベートされる。任意の標識(これには放射活性、酵素、蛍光または他の色素標識 が挙げられるが、これらに限定されない)が用いられ得る。適切なインキュベー ションの後、遊離したインテグリンまたはペプチドは、結合形態で存在するもの と分離され、そして遊離したまたは複合体化していない標識の量は、特定の薬剤 のインテグリンまたはインテグリンペプチドに結合する能力、またはインテグリ ンまたはインテグリンペプチドとミオシンとの会合を妨害する能力の尺度である 。別の形式では、適切なインキュベーションおよび洗浄の後、結合標識の量は、 特定の薬剤のインテグリンまたはインテグリンペプチドに結合する能力、または インテグリンまたはインテグリンペプチドとミオシンとの会合を妨害する能力の 尺度として用いられる。 インテグリンまたはチロシンリン酸化βサブユニット細胞質ドメインを含むイ ンテグリンペプチドと、ミオシンのような細胞骨格タンパク質との相互作用を調 節する薬剤のスクリーニングに有用な別の技術は、インテグリンまたはβサブユ ニット細胞質ドメインを含むインテグリンペプチドに適切な結合親和性を有する 化合物用の高処理能力スクリーニングの使用である。このような高処理能カスク リーニング系は、欧州特許出願第84/03564号に記載されるように、広く利用可能 である。簡単に記載すると、多数の異なる小ペプチド試験化合物が、固体支持体 上(例えばプラスチックピン上、またはいくつかの他の表面上)に合成される。 ペプチド試験化台物は、インテグリン、またはチロシンリン酸化βサブユニット 細胞質ドメインを含むインテグリンペプチドと反応させられ、そして洗浄される 。結合したインテグリンまたはインテグリンペプチド(これはβサブユニット細 胞質ドメインを含む)は、次いで当該分野で周知の方法によって検出される。精 製したインテグリンまたはインテグリンペプチド(これはβサブユニット細胞質 ドメインを含む)はまた、前述の薬剤スクリーニング技術の使用のためのプレー ト上に直接被膜され得る。さらに非中和抗体は、ペプチドを捕獲するため、およ び固相支持体上にそれを固定化するために使用され得る。 代わりのアッセイ形式としては、競合スクリーニングアッセイ(これはインテ グリンまたはチロシンリン酸化βサブユニット細胞質ドメインを含むインテグリ ンペプチドに特異的に結合し得る中和抗体が、インテグリンもしくはインテグリ ンペプチドと結合することについて試験化合物または薬剤と競合する)の使用が 挙げられる。特に有用な抗体は、リン酸化チロシン残基を含むPeptide 1のよう なインテグリンβサブユニット細胞質ドメインを含む小ペプチドに対して惹起さ せられた抗体である。この様式において、抗体は、インテグリンまたはペプチド と競合的に結合する薬剤の能力を検出するのに使用され得る。 本明細書中で用いられるように、インテグリンまたはペプチドがミオシンと会 合することを、薬剤の存在が減少または妨害する場合、その薬剤はインテグリン またはインテグリンペプチド/ミオシン会合を減少またはブロックすると述べら れる。一つのクラスの薬剤はインテグリンまたはインテグリンペプチドに結合す ることにより上記会合を減少させるか、またはブロックし、一方、別のクラスの 薬剤はミオシンのインテグリン結合ドメインに結合することによって上記会合を 減少させるか、またはブロックする。他のクラスの薬剤としては細胞質ドメイン のリン酸化をブロックするか、または細胞質ドメインを脱リン酸化するものが挙 げられる。 上の方法でアッセイされる薬剤は、無作為に選択されるか、または合理的に選 択もしくは設計され得る。本明細書中に使用されるように、インテグリンのミオ シンとの会合に関与する特異的な配列を考慮せずに無作為に薬剤が選択される場 合、その薬剤は無作為に選択されると述べられる。無作為に選択された薬剤の例 には化学的ライブラリー、ペプチド組合せライブラリー、または生物の増殖ブロ スの使用がある。本明細書中で用いられるように、薬剤の作用と関連した標的部 位および/またはその構造を考慮に入れた非無作為性に基づいて薬剤が選択され る場合、その薬剤は合理的に選択または設計されると述べられる。上記のように 、インテグリン/ミオシン相互作用をブロックする薬剤について作用の2つの部 位が存在する:インテグリンβサブユニットのチロシンリン酸化細胞質ドメイン またはインテグリンとの相互作用を担うミオシンドメインである。インテグリン /ミオシン複合体対の接触部位を構成するペプチド配列を利用することによって 、薬剤は合理的に選択されるか、または合理的に設計され得る。例えば、合理的 に選択されたペプチド薬剤は、アミノ酸配列がインテグリンのチロシンリン酸化 細胞質ドメインまたはミオシン上のインテグリン接触部位と同一であるペプチド であり得る。 本発明の薬剤は、実施例のように、ペプチド、小分子、ビタミン誘導体および 炭水化物であり得る。ペプチドアナログは、製薬業界において、鋳型ペプチドの 性質と類似の性質を有する非ペプチド薬物として、一般的に用いられている。こ れらの非ペプチドプチ化合物のタイプは、ペプチドの模倣物(peptide mimetic )またはペプチド模倣物(Peptidomimetic)と呼ばれる(Fauchere,J.(1986)Adv .Drug Res.15:29;VeberおよびFreidinger(1985)TIN Sp.392;ならびにEvansら、( 1987)J.Med.Chem.30:1229、これらは本明細書中において参考として援用される) 。当業者は、本発明の薬剤の構造的性質に関して、制限がないということを容易 に認識し得る。本発明の薬剤の一つのクラスは、そのアミノ酸配列がインテグリ ンβサブユニットのチロシンリン酸化細胞質ドメインのアミノ酸配列に基づいて 選択されたペプチド薬剤である。上記の方法による所望のペプチドの組換え発現 に加えて、本発明のペプチド薬剤は、当業者において公知のように、標準固体相 (または液層)ペプチド合成方法を用いて調製され得る。 本発明の薬剤の別のクラスは、インテグリンのチロシンリン酸化細胞質ドメイ ンの重要な部位、またはミオシンのインテグリン結合ドメインと免疫反応性であ る抗体である。抗体薬剤は、抗原性領域として抗体による標的化が意図される、 インテグリンβサブユニット細胞質ドメインの抗原性領域である部分を含むペプ チドでの、適切な咄乳動物被験体の免疫化によって得られる。このようなペプチ ドは、好ましくはPeptide 1である。重要な領域は、インテグリンとミオシンの 会合に関与する接触部位を含む。これにはPeptide 1のリン酸化チロシン残基を 取り囲むか、または含む抗原性部位が挙げられる。 抗体薬剤は、ペプチドハプテン単独(これが十分な長さである場合)、または適 切なキャリヤーと結合されたペプチドハプテン(所望される場合、または免疫源 性の増強が必要な場合)を用いた適切な免疫化プロトコールにおける、適切な哺 乳動物宿主の免疫化によって、調製される。BSA、KLH、または他のキャリアータ ンパク質のようなキャリアーを有する免疫原性結合物を調製する方法は、当業者 において周知である。いくつかの状況において、カルボジイミド試薬を用いた直 接結合が有効であり得る;他の場合には、Pierce Chemical Co.,Rockford,ILに よって提供されるような、架橋剤がハプテンへの接近性を提供するために望まれ 得る。ハプテンペプチドは、例えばキャリアーとの連結を促進するように、シス テイン残基でアミノ末端またはカルボキシ末端のいずれかを伸長されるか、また はシステイン残基を散在させられ得る。免疫原の投与は、一般的に当該分野で理 解されるように、適切な期間にわたり、そして適切なアジュバントを使用して、 注射により一般に行われる。免疫化スケジュールの間、抗体の力価は、抗体形成 の妥当性を決定するために測定される。 このような方法で産生されたポリクローナル抗血清は、いくつかの適用に十分 であり得る一方、薬学的組成物については、モノクローナル調製物の使用が好ま しい。所望のモノクローナル抗体を分泌する、不死化された細胞株は、一般的に 公知であるように、KohlerおよびMilsteinの標準的な方法、またはリンパ球もし くは脾臓細胞の不死化を成し遂げる改変を用いて調製され得る。所望の抗体を分 泌する、不死化された細胞株は、イムノアッセイ(ここで、抗原はペプチドハプ テンであるか、またはインテグリン、もしくはそれ自身のシグナリング複合体で ある)によってスクリーニングされる。所望の抗体を分泌する、適切に不死化さ れた細胞株が同定される場合、細胞は、インビトロ、または腹水中の産生のいず れかによって、培養され得る。 次いで、所望のモノクローナル抗体が、培養上清、または腹水上清から回収さ れる。モノクローナル抗血清、または免疫学的に重要な部分を含むポリクローナ ル抗血清のフラグメント、ならびにインタクトな抗体にアンタゴニストとして用 いられ得る。Fab、Fab'のような、F(ab')2フラグメントの免疫学的に反応性のフ ラグメントの使用は、特に治療的な状況において、これらのフラグメントが、一 般的に、イムノグロブリン全体よりも免疫原性が低い場合に、しばしば好ましい 。 抗体、またはフラグメントはまた、組換え手段による、現在の技術を用いて産 生され得る。特に、レセプターの所望される領域に結合する領域はまた、複数の 種類の起源を有するキメラの状況において、産生され得る。 このように、産生される抗体は、インテグリンとミオシンの結合のモジュレー ターとして有用であるだけでなく、シグナリングに媒介されるインテグリンの検 出、およびインテグリン関連シグナリングタンパク質の精製に有用でもある。 F. ミオシン−インテグリン相互作用を調節する薬剤の使用。 背景の章で提供されたように、インテグリンは、細胞内シグナリング、細胞付 着、細胞凝集、および細胞移動において重要な役割を果たす。インテグリンと、 ミオシンのような細胞骨格成分との相互作用を、調節、減少、または妨害する薬 剤は、インテグリンの機能および活性に関連した、生物学的および病原性の過程 を調節するために使用し得る。 インテグリンとミオシンの両方は、細胞移動を媒介する役割を果たすことが公 知である。結合親和性を増加させ、細胞骨格の連結を促進するインテグリンαII bβ3の細胞質ドメインにおける変異は、フィブリノーゲン基質上の移動速度を 減少させることが示された。Huttenlocherら、J.Cell Biol.134;1551-1562(1996 )。類似の所見が、抗酸球のα4β1媒介移動において、報告されている。Kuijper sら、J.Exp.Med.178:279-284(1993)。好酸球は、循環白血球の小部分しか代表し ないが、多数の病原性条件(喘息、アトピー性皮膚反応、寄生動物の侵入、およ びいくつかの遅延型過敏反応)における主な炎症性浸潤因子である。Kuijpersら 、J.Exp.Med.178:279-284(1993)。β1インテグリン欠損マウスは、血球細胞移 動の 欠損を有する。Hirschら、Nature 380:171(1996)。これらの研究は共に、インテ グリンが細胞移動において重要な役割であることを示した。興味深いことに、特 にβ3インテグリンはしばしば、黒色腫細胞のような高度な運動性細胞において 発現する。Albedaら、Cancer Res.50:6757-6764(1991)。 異なるミオシンクラス自身が、媒介細胞の運動性において、異なる役割を果た し、そして単一のミオシンでは細胞移動に十分応答性ではないと考えられている 。力は、細胞の正面の膜突起を伸長させるように生成されねばならず、そして背 部においてもまた、細胞体が前方へ伸長されるように産生されねばならない。細 胞移動の単純化された仮説において、ミオシンIが移動細胞の前部において仮足 の伸長に関与していると考えられているが、一方、ミオシンIIを基とした収縮が 細胞の背部で生じる(Lauffenburgerら、1996,84;359-369)。インテグリンはまた 、細胞内で差示的に発現される。これは、細胞移動が、細胞正面におけるインテ グリンの一時的な活性化によって調節されており、続いて細胞背部において不活 化が起こる、と仮定されている。Huttenlocherら、J.Cell Biol.134;1551-1562( 1996)。細胞骨格の連続的な再構成は、細胞運動性にとって必要である。なぜな ら、細胞が移動するに従い、細胞は形を変えるからである。本発明は、インテグ リン尾部のチロシンリン酸化が、インテグリン−ミオジン結合の結合および解離 を調節し得、そしてこのような方法で、細胞運動性を調節し得ることが可能であ ることを示す。それゆえ、インテグリン−ミオシン相互作用に基づいて細胞の移 動に影響を与える薬剤はまた、腫瘍転移または慢性炎症のような、病理学的な細 胞の移動を制御し得る。 本明細書において用いられるように、被験体は、その哺乳動物が、インテグリ ンによって媒介される病理学的、または生物学的過程の調節を必要とする限り、 任意の哺乳動物であり得る。用語「哺乳動物」は、哺乳綱に属する個体を意味す る。本発明は、ヒト被験体の処置に特に有用である。 本明細書中に用いられるように、インテグリンまたはインテグリンシグナルに よって媒介される、生物学的または病理学的プロセスは、広範な種々の細胞事象 をいう(ここで、インテグリンは、ミオシンのような細胞骨格成分に結合する)。 生物学的過程の例として、基質および他の細胞との細胞性付着または接着、細胞 凝集、細胞移動、細胞増殖、および細胞分化が挙げられるが、これらに限定され ない。 本明細書中で用いられるように、インテグリンのミオシンへの直接の相互作用 に関する句、「病理学的状態(pathological state)」または「病理学的状態(pat hological condition)」は、以下を含むがこれらに限定されない。血栓症、炎症 、新脈管形成、腫瘍転移、創傷治癒(これにはやけど創傷のような皮膚創傷、皮 膚移植によるドナー部位の創傷、皮膚鬱血、褥そう鬱血、静脈鬱血、および糖尿 病潰瘍が挙げられる)、急性冠状動脈血栓症候群、心筋梗塞、不安定狭心症、抗 療性アンギナ、血栓崩壊性治療後または冠状血管形成術後に生じる閉塞性冠状血 栓症、血栓媒介性脳血管症候群、塞栓発作、血栓発作、一過性虚血性発作、静脈 血栓症、深静脈血栓症、肺塞栓、凝固障害、汎発性血管内凝固症候群、血小板減 少性紫斑病、閉塞性血栓血管症、ヘパリン誘導性血小板減少症に関連する血栓性 疾患、体外循環に関連する血栓性合併症、心臓のもしくは他の静脈内カテーテル 法、大動脈内バルーンポンプ、冠状動静脈ステントまたは心臓弁のような器具使 用に関連する血栓性合併症、および補綴デバイスの装填を必要とする状態。 本明細書中で用いられるように、用語「細胞運動性の障害」は、以下に関連し た状態に関連する。精子運動性、炎症、感染に対する耐性、免疫機能、自己免疫 疾患、創傷修復、腫瘍、免疫疾患、および痙攣性疾患、ならびに胃腸痙攣、およ び妊娠に関連した収縮などの疾患。 病理学的過程とは、有害な影響を産生する生物学的過程の範疇をいう。例えば 血栓症は、血小板の有害な付着および凝集をいい、一方転移とは、腫瘍細胞の有 害な移動および増殖をいう。これらの病理学的過程は、インテグリンの、ミオシ ンのような細胞骨格成分との関連を、減少または妨害する薬剤を用いて調節し得 る。 本明細書中に用いられるように、ある薬剤が病理学的過程の程度または重篤度 を減少させる場合、その薬剤は病理学的過程を調節するといわれる。例えば、あ る薬剤が、血小板の付着または凝集を減少させる場合、その薬剤は血栓症を調節 するといわれる。 G. 病理学的状態を処置する方法。 本発明の薬剤は、単独、または特定の病理学的過程を調節する他の薬剤との組 合せによって、提供され得る。例えば、インテグリンと細胞骨格との結合を妨害 することにより血栓症を軽減する本発明の薬剤は、これは他の抗血栓症剤と組み 合わせて投与され得る。本明細書において使用されるように、2つの薬剤が同時 に作用するような方法において、その2つの薬剤が同時に投与、または独立して 投与された場合、2つの薬剤が組み合わされて投与されるという。 本発明の薬剤は、非経口、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、経皮的、または口 腔内を介して投与され得る。かわりに、または同時に経口経路によって投与され 得る。投与量は、被験体の年齢、健康、および体重に依存し、もしあれば同時の 処置の種類、頻繁な処置の種類、および所望の効果の性質に依存する。 さらに本発明は、インテグリン/細胞骨格結合物を妨害する1つ以上の薬剤を 含む組成物を、提供する。個々の要求が変化するが、各組成物の最適な有効量の 範囲の決定は、当業者の範囲内である。代表的な投与量は、0.1〜100μg/kg体重 を含む。好ましい投与量は、0.1〜10μg/kg体重を含む。最も好ましい投与量は 、0.1〜1μg/kg体重を含む。 薬学的に活性な薬剤に加えて、本発明の組成物は、活性組成物を作用部位に送 達するために薬学的に用いられ得る調製物を加工することを、容易にする賦形剤 および補助物を含む、薬学的に受容可能なキャリアーを適切に含み得る。非経口 投与に適切な処方には、水溶性形態、たとえば水溶性塩での活性化合物の水溶液 が挙げられる。さらに、活性化合物の懸濁液は、適切な油性注射用懸濁剤として 、投与され得る。適切な親油性溶媒またはビヒクルには、脂肪油(例えばゴマ油) 、または合成脂肪酸エステル(例えば、オレイン酸エチル、もしくはトリグリセ リド)が挙げられる。水溶性注射用懸濁剤には、カルボキシメチルセルロースナ トリウム、ソルビトール、および/またはデキストランを含む懸濁剤の粘度を増 加させる薬剤が含まれ得る。適切には懸濁剤は安定化剤をも含み得る。リポソー ムもまた、細胞内に送達する薬剤をカプセル化し得る。 本発明に従った全身的な投与における薬学的処方物は、腸内投与、非経口投与 、または局所的な投与で処方され得る。事実、活性成分の全身的投与を達成する た め、処方物の3つの型が全て、同時に用いられ得る。 経口投与における適切な処方には、硬ゼラチンカプセル、または軟ゼラチンカ プセル、丸剤、錠剤(これには被膜錠剤が含まれる)、エリキシル剤、懸濁剤、シ ロップ、または吸入剤、およびその徐放形態も含まれる。 本発明の方法を行う場合、本発明の化合物は単独あるいは組み合わせて、また は他の治療的薬剤もしくは診断的薬剤と組み合わせて用いられ得る。特定の好ま しい実施態様において、本発明の化合物は、抗凝血剤、血栓溶解剤、または他の 抗血栓剤(これには血小板凝集阻害剤、組織プラスミノーゲン活性化剤、ウロキ ナーゼ、プロウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、ヘパリン、アスピリン、もし くはワルファリンが挙げられる)のような、一般的に受け入れられている医学的 業務に従ったこれらの状態のために処方される代表的な他の化合物と共に同時投 与され得る。本発明の化合物は、インビボで、通常は、ヒト、ヒツジ、ウマ、ウ シ、ブタ、イヌ、ネコ、ラット、およびマウスのような哺乳動物において、もし くはインビトロにおいて利用され得る。 実施例 実施例1 血小板ミオシンとチロシンリン酸化β3細胞質ドメインペプチド との間の特異的な相互作用の同定 以前の研究で、αIIbβ3(GPIIb−IIIa)の下位集団が凝集した血小板におけ る細胞骨格に移動することが確立された。J.E.B.Foxら、J.Biol.Chem.268;2597 3(1993)。αIIbβ3の細胞骨格への再分配の程度が血小板凝集の程度と相関して いるので、β3のチロシンリン酸化がαIIbβ3再分配に対する影響を有するか否 かを決定した。血小板を、0.1U/mlトロンビンの撹拌を伴う添加によって凝集す るように誘導し、そしてTriton X-100溶解緩衝液で溶解した。不溶性ペレットの 上清画分のいずれかからの溶解物を2Dゲル分析に供し、そしてβ3リン酸化の 割合((基底リン酸化を減じた)/サンプル中に存在するβ3の全量)を、5つの 別々の実験の濃度測定によって決定した。実施例2に記載した可溶化条件下で、 全β3タンパク質の約34%(P=0.002)が凝集の際に細胞骨格画分と会合し、これ は以前の研究と一致していた(図3C)。顕著なことに、αIIβ3の約5%だけが非 刺激血小板の細胞骨格に見い出された。抗ホスホチロシンイムノブロットの濃度 測定によって、チロシンリン酸化β3の約72%(P=0.018)が細胞骨格画分に再分 配することが示された。従って、チロシンリン酸化β3は、2倍を超える確率で 細胞骨格と会合するようになるようである(P=0.018)。このことは、凝集した血 小板の表面上のリガンド占有レセプターを細胞骨格/収縮装置(contractile ap paratus)内への連結における、このβ3修飾についての中心的な役割を果たすこ とを示し得る。 β3の細胞質ドメインのチロシンリン酸化が血小板凝集の際に生じるので、本 発明者らは、チロシンリン酸化β3尾部に特異的に会合する細胞骨格タンパク質 を同定することを試みた。SDS-PAGE上で流した血小板タンパク質を、ニトロセル ロースに移し、そしてインテグリン細胞質尾部の配列を含む種々のビオチン化ペ プチドでプローブした。このファーウェスタンアプローチを用いて、β3細胞質 ドメインの残基740〜762に対応するペプチドの、血小板溶解物の200kDタンパク 質への直接の結合が観察された(図3A)。この結合は、両方のチロシン残基(Tyr −747およびTyr-759)がリン酸化された場合にのみ、生じた。一つがリン酸化さ れたβ3ペプチド、Glanzmannの血小板無力症変異(S752P)を含む二リン酸化β3ペ プチド、および同様の間隔でホスホチロシン残基を含む非関連ペプチドはすべて 、ファーウェスタンブロットにおいて200kDタンパク質には結合しなかった。こ のタンパク質の豊富さおよびサイズによって、これがミオシン重鎖であることが 示唆された。実際、最初の実験によって、血小板から精製したミオシンが、ファ ーウェスタンで脱リン酸化β3ペプチドに非常に特異的な様式で結合したことが 実証された(図4B)。これらの結果によって、血小板凝集の際のβ3のチロシンリ ン酸化がαIIβ3の、凝集した血小板の細胞骨格における収縮タンパク質ミオシ ンへの直接結合を誘発し得ることが示唆される。 実施例2 ミオシンがインテグリン結合リガンドであることの検証 A.実験手順 血小板溶解物の調製 健常なボランティアからの血液を使用する日に採取し、そして洗浄した血小板 を、0.6U/mlアピラーゼおよび50ng/mlプロスタグランジン12(最終濃度)が採取溶 液に存在したことを除いて以前に記載されたように(16)調製した。刺激前に、 血小板(約4〜8×108/ml)を、他に言及がなければ、1時間、37℃でTyrodes-HE PES緩衝液(12mM NaHCO3、138mM NaCl、5.5mMグルコース、2.9mM KCl、10mM HEP ES pH7.4、1mM CaCl2、0.5mM MgCl2、中でインキュベートした。次いで、0.5ml の血小板サンプルを、37℃で全血光血小板凝集計(lumiaggregometer)中で撹拌 し、そして種々のアゴニストおよび条件を試験した。血小板溶解物が調製されな かった場合、バナジン酸を含む4×非還元Laemmliサンプル緩衝液(37mM Tris p H6.8、11.8%(v/v)グリセロール、2.36%(w/v)SDS、2mMオルトバナジン酸ナト リウム、および0.002%(w/v)ブロモフェノールブルー(最終濃度))を凝集直後に 添加し、そしてサンプルを5分間煮沸した。 二次元ゲル分析について、血小板を、等量の氷冷2×Triton X-100溶解緩衝液 (1%(v/v)Triton X-100、100mM NaCl、20mM Tris HCl pH7.0、2mMエチレンジ ニトリロ四酢酸、2mM[エチレンビス(オキシエチレンニトリロ)]−四酢酸、20 μg/mlアプロチニン、1mMフエニルメチルスルホニルフルオリド、200μMロイペ プチン、4mMオルトバナジン酸、2mMベンザミジン、50μg/mlジイソプロピルフル オロホスフェート、5mMピロリン酸ナトリウム(最終濃度))の添加による凝集直 後に溶解した。次いで、溶解物を、6分間で15,000×gで遠心分離して、凝集中 に生成した任意のTriton X-100不溶性物質を除去した。上清を保存し、そして10 0μlの2×RIPAをペレットに添加し、そして20分間Branson 5120 Sonicatorで 超音波処理して、ペレットを再可溶化した。非還元サンプル緩衝液(上記のとお り)を各サンプル(上清および再可溶化ペレット)に添加し、そして5分間煮沸 した。 リガンドブロット分析について、血小板をRIPA緩衝液(1%(w/v)Triton X-10 0、1%(w/v)デオキシコール酸、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム、5mMエチレンジ ニトリロ四酢酸、20mM Tris pH7.5、5mMオルトバナジン酸ナトリウム、1mMフェ ニルメチルスルホニルフルオリド、75μg/mlロイペプチン、20μg/mlアプロチ ニン(最終濃度))中に溶解する。リガンドブロットにおける上清および細胞骨格 画分の分析について、血小板をTriton X-100緩衝液(1%(v/v)Triton X-100 、137mM NaCl、2mMエチレンジニトリロ四酢酸、20mM Tris pH8、5mMオルトバナ ジン酸ナトリウム、1mMフェニルメチルスルホニルフルオリド、75μ/mlロイペ プチン、20μ/mlアプロチニン(最終濃度))に溶解し、そして細胞質アクチンフ ィラメントを、15600×gで、15分間4℃での遠心分離により沈降させた。 ホスホペプチド合成 β3の細胞質領域からなるペプチドを、固相Fmoc化学を用いてSynPep社によっ て合成させた。ペプチドを水に溶解し、そして必要に応じて希釈した。 リガンドブロット分析 血小板溶解物またはミオシンタンパク質分解消化物をLaemmliサンプル緩衝液 中で煮沸し、SDS-PAGE上で流し、そしてニトロセルロースへ移す。ブロットを、 4℃で手短にHEPESブロット緩衝液(HBB)(25mM HEPES、25mM NaCl、5mM MgCl2 および1mMジチオトレイトール)で湿らせた。移ったタンパク質を、HBB中の6Mグ アニジンHClによって4℃で10分間変性させ、そしてグアニジンHCl(HBB中の3M 、1.5M、0.75M、0.38M、および0.19Mならびに0MのグアニジンHClに関して、各10 分間のインキュベーション)の2倍希釈により再生する。ブロットを4%ウシ血 清アルブミンを含むHBB中で一晩4℃でブロックし、そして0.5%ウシ血清アルブ ミン含有HBB中の1μMビオチン化ペプチドで3時間室温でプローブする。TBS/0. 01% NP40中で4℃で3回洗浄後、ペプチド反応性のバンドを、ブロットを西洋 ワサビペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジン中でインキュベートすること、 およびECL検出を使用することによって可視化する。 ヒト血小板からのミオシンの精製 ミオシンを、ヒト血小板から、J.L.DanielおよびJ.R.Sellers、Methods Enzym ol.215:78-88(1992)に記載のように精製した。 固相結合アッセイ Immulon 4プレートを血小板ミオシンで4℃で一晩コーティングした。プレー トをTBS 0.01%Brij中で洗浄し、4%BSA/TBS 0.1%Tween(TBST)でブロッキング し、そして10μMビオチン化ペプチドとともに3時間室温でインキュベートした 。プレートをインキュベートし、結合したペプチドをペルオキシダーゼ基質(AB TS)を用いて650nmでプレート読み取り機(Molecular Devices)を用いて検出し た。 リガンドブロットプロトコル リガンドブロットプロトコルを、リン酸化インテグリン細胞質尾部ペプチドと 細胞溶解物中のタンパク質との間の直接の相互作用を検出するために、開発した 。Crowleyら、J.Biol.Chem.271:1145-1152(1996)を参照のこと。基本的なリ ガンドブロッティング方法論は、以前には、インテグリン細胞質ドメイン(リン 酸化されているかまたはされていない)に結合するタンパク質の発見に応用され ていない。SDS-PAGE上で分離するタンパク質をニトロセルロースに移し、グアニ ジンHClで還元条件下で変性させ、そして上記のように還元条件でのグアニジンH Clの希釈によって徐々に再生した。次いで、ブロットを、一晩ブロッキングし、 そしてビオチン化ホスホペプチトでプローブし、ストレプトアビジンHRPで検出 し、そして化学発光体を使用して可視化した。 β3の740〜762残基に対応するリン酸化ペプチドを合成し、そしてアミノ末端 でビオチンに結合させた: (ペプチド1) ビオチン−D-T-A-N-N-P-L-Y(PO3)K-E-A-T-S-T-F-T-N-I-T-Y( PO3)-R-G-T-COOH。 コントロールペプチドを同一配列でリン酸化をせずに合成した: (ペプチド2) ビオチン−D-T-A-N-N-P-L-Y-K-E-A-T-S-T-F-T-N-I-T-Y-R-G- T-COOH。 b3へのタンパク質結合の生理学的な重要性を試験するために、752位のセリン がプロリンに変化するように変異を受けた、二重にリン酸化されたペプチドを使 用した。この変異は、グランツマンの血小板無力症を伴う患者には天然に存在し 、 そして血小板凝集における欠陥を生じることが公知である。Y.-P.Chenら、Proc. Natl.Acad.Sci.,89:10169-10173(1992): (ペプチド3) ビオチン−D-T-A-N-N-P-L-Y(PO3)-K-E-A-T-P-T-F-T-N-I-T-Y (PO3)-R-G-T-COOH。 T細胞レセプターζ鎖ITAM配列に基づく無関係の二重にリン酸化されたペプチド もまた合成した: (ペプチド4) ビオチン-Q-Q-G-Q-N-Q-L-Y(PO3)-N-E-L-N-L-G-R-R-E-E-Y(PO 3)-D-V-L-D-K-R-R-G-R-COOH。 血餅退縮アッセイ 血餅退縮実験を、微細な改変を伴って、Chenら((1995)Blood、86:2606-15) によって記載されるように行った。手短には、細胞をトリプシン処理し、2回洗 浄し、そしてダルベッコの改変イーグル培地+25mM HEPESに再懸濁した。5×106 細胞を含む0.5mlの細胞懸濁液を0.1mlのフィブロネクチン枯渇血漿と、Sigmaco teで処理した12×70mmガラス管中で混合した。いくつかの実験において、チロシ ンキナーゼインヒビターであるゲニステインを250μMにまで添加した。フィブリ ン凝集を1U/mlトロンビンを添加することによって形成させ、そして37℃で2〜 3時間にわたって退縮させた。血餅退縮の程度を、血餅を取り出して、そして重 量測定することによって測定した。 B.ミオシンがインテグリン結合リガンドであることの検証 200kDタンパク質がリン酸化β3の血小板細胞骨格への結合を媒介する役割を果 たすか否かを決定するために、本発明者らは、このタンパク質が、Triton X-100 血小板溶解物の細胞骨格画分で単離されたか否かを決定した。血小板をRIPA緩衝 液において溶解し、そして上記のように上清とペレット画分とに遠心分離した。 細胞溶解物、上清、およびペレット画分の全体の容量が等しいロード(細胞溶解 物および上清のロードと比較して5倍に富化した)を、7.5%SDS-PAGE上で流し、 ニトロセルロースに移し、そして再生および1μM二リン酸化β3ペプチド(A)で プローブしたか、または1μg/ml抗ミオシン抗体(B)でプローブした。 図5Aに示すように、殆どの200kD β3結合タンパク質活性は、血小板細胞骨格 画分と沈降し、二リン酸化β3ペプチド結合活性は、上清には殆ど残存しなかっ た。トロンビン凝集血小板の細胞骨格を調製した場合、本発明者らはまた、200k Dタンパク質がほとんど排他的にTriton X-100不溶性細胞骨格に分配されたこと を見出した。これらの観察に基づけば、200kD二リン酸化β3結合タンパク質が血 小板細胞骨格に欠くことのできない成分であるようであった。まとめると、この 細胞骨格分配および見かけ上の分子量によって、200kDタンパク質が血小板ミオ シンの重鎖であることが示唆された。図5Bに示すよ.うに、ミオシンは、二リン 酸化β3結合タンパク質と同様の電気泳動移動度を有し、そしてTriton X-100溶 解血小板の上清とペレット画分との間に同様の分配を示した。 ミオシンが二リン酸化β3結合タンパク質であることを検証するために、ミオ シンを血小板から精製し、そしてこの活性について試験した(図6A)。ミオシン重 鎖は、血小板溶解物における200kDタンパク質と同様のペプチド結合特異性を示 すことが見い出された(図4Bおよび図6B):これは、二リン酸化β3ペプチドに 結合するが、非リン酸化β3にも二重にリン酸化されたS572Pβ3にも、CD3ζITAM にも(それぞれ、ペプチド2、3、4)結合しなかった。図6Bにおいて、10μg の精製血小板ミオシン(レーン1)および血小板溶解物(レーン2)を二リン酸 化β3ペプチド(1μM)でプローブした。一つがリン酸化されたβ3ペプチドは 、このアッセイでは200kDタンパク質に結合しないことが見い出された。同様の ペプチド結合特異性もまた、固相アッセイにおいて見い出された。このアッセイ では、血小板ミオシンを、プレート上にコーティングし、そして種々のビオチン 化ペプチドの結合を西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジンで酵素 学的に検出した。 β3ホスホチロシンがβ3のミオシンとの相互作用に必要とされることをさらに 確立するために、フェニルホスフエート(ホスホチロシン結合部位に対して競合 することが公知の化合物)を用いた(Glenneyら(1988)J Immunol Methods.109 :277-85を参照のこと)。10mMフェニルホスフェートは、再生ブロットにおいて、 精製されたミオシンへの二リン酸化β3ペプチドの結合を完全に阻害した(図6)。 このことは、β3-ミオシン相互作用は、これらの結合条件下で実際にホス ホチロシン依存性であったことを示す。結合の特異性をさらに実証するため、お よび非特異的荷電の効果を除外するために、チロシン747および759がグルタミン により置換されたβ3ペプチドはまた、精製されたミオシンに結合できなかった 。これらの観察をまとめると、200kDタンパク質がミオシン重鎖であると同定さ れ、そしてβ3細胞質ドメインペプチドとのその直接相互作用が、ホスホチロシ ン依存性であることが実証される。 血小板を含むほとんどの細胞型に見出される従来のミオシン(II型)は、2つ の重鎖および2対の軽鎖からなる六量体分子である。ミオシンIIのコイルドコイ ル尾部領域は、自己会合してミオシンフィラメントを形成する。従って、本発明 者らは、二重リン酸化されたβ3インテグリン尾部が、血小板から精製されたミ オシンIIに結合することを見出した。続いての実験では、本発明者らは、ペプチ ドがまた、骨格筋ミオシンにも結合することを見出した。 実施例3 ジホスホ-β3ペプチドは、ミオシンの尾部領域に結合する。 二リン酸化β3の結合を担うミオシンのドメインを決定するために、精製した 血小板ミオシンを、制御されたタンパク質分解により、Sellersら(1988,Bioch emistry,27:6977-82)の方法に従って切断し、そして得られたフラグメントを リガンドブロット分析に供した。パパインでのミオシンの切断は、単一頭部の可 溶性サブフラグメント-1(S1)および不溶性コイルドコイル桿状フラグメントを 生じ、一方、キモトリプシンでの切断は、二重頭部重鎖メロミオシンおよびコイ ルドコイル軽鎖メロミオシンを生じる。これらのブロテアーゼを用いた消化物を 、10μlアリコートを1mM PMSF中に図7に示した指定された時間に取り出した後 、SDS-PAGEにより分離した。クーマシーブルー染色により、予測された加水分解 産物が得られた(図7A、C)。リガンドブロット分析(図7B、D)は、二重リン酸化 されたβ3ペプチドが、パパイン消化物の桿状部分(図7B)およびキモトリプシ ン消化ミオシン中の軽鎖メロミオシンフラグメント(図7D)に結合することを示 した。二リン酸化β3は、未変性の重鎖メロミオシンに結合しなかった。非リン 酸化β3ペプチドも二リン酸化S752P β3ペプチドも、これらのミオシンフラグメ ントのいずれにも結合しなかった。キモトリプシン軽鎖ミオミオシンフラグメン トおよびパパイン切断により生じた桿状部分は、両方とも、ミオシンのコイルド コイル尾部領域内に重複する配列を含む。このデータは、この領域が、二リン酸 化細胞質β3ドメインの結合を担うことを示す。 実施例4 β3細胞質ドメイン内のチロシン残基は、 トランスフェクトしたCHO細胞中のβ3依存性血餅退縮に重要である。 β3の細胞質ドメインがホスホチロシン依存性様式でミオシンと相互作用する という上記のインビトロでの観察を考慮して、β3依存性収縮プロセスにおける β3細胞質ドメインチロシン残基の役割を、充分に樹立されたCHO細胞発現系(O' Tooleら(1990)Cell Regul.1:883-93およびYlanneら(1993)J Cell Blol.12 2:223-33を参照のこと)を用いて評価した。両方の細胞質チロシン残基がフェニ ルアラニンへと変異しているβ3 cDNAでトランスフェクトしたCHO細胞を、フィ ブリン血餅を収縮させる能力について試験した。野生型β3でトランスフェクト したCHO細胞が、内因性αV鎖とともに細胞表面にβ3を発現し得ることが以前に 示されている(Ylanneら(1993)J Cell Biol.122:223-33)。次いで、これらの αVβ3保有CHO細胞は、血餅を退縮させ得、これは、血小板におけるαIIbβ3依 存性血餅退縮を模倣すると考えられているプロセスである。Y(747,759)F変異 を示すCHO細胞がこのアッセイに用いられた場合、生じた血餅の重量は、野生型 トランスフェクタントで観察された重量よりも60±12.5%(P=0.0024)多かった (図8Bを参照のこと)。この血餅重量の増加は、血餅を収縮させる能力の減少を直 接反映する。野生型トランスフェクタントとY(747,759)Fトランスフェクタン トとの間で観察される血餅退縮の相違は、αVβ3特異的抗体であるLM609を用い てこれらの細胞のFACS分析により確証された場合のαVβ3発現レベルにおける相 違に起因しなかった(図8A)。 図8Aでは、偽トランスフェクトCHO細胞(i)または野生型β3でトランスフェク トした細胞(ii)もしくはY(747,759)F β3でトランスフェクトした細胞(iii)を 、コントロールのマウスIgG(太線)またはLM609(細線)とともにインキュベー ト し、そしてフローサイトメトリーにより分析した。LM609染色についてのメジア ンチャンネルは、偽トランスフェクタントについて3.59、野生型β3については 108.41、およびY(747,749)F β3については113.42であった。 チロシンキナーゼインヒビターであるハービマイシンA(herbimycin A)を、 血小板媒介血餅退縮を阻害するその能力のため、ミオシン結合におけるβ3リン 酸化の役割をアッセイする別の手段として用いた。広範なスペクトルのチロシン キナーゼインヒビターであるゲニステインでの、野生型β3 CHO細胞トランスフ ェクタントの処理はまた、血餅退縮を約40%阻害した(データは示さず)。これら のデータは、タンパク質のチロシンリン酸化が、好結果な血餅退縮のために重要 であることを示唆する。 以前の研究者は、β3およびαIIbで同時トランスフェクトしたCHO細胞を用い て、有核細胞において観察された血餅退縮が、αIIbβ3依存性ではなく大部分αV β3依存性であることを決定したが、他の研究者は、最近、この結果に疑問を抱 き、その代わりに、αIIbβ3がまたこのプロセスにおいて重要であるようである という知見を得た(Lymanら(1997)J.Biol Chem.272:22538-47)。図8に示し たデータは、β3 cDNAのみでトランスフェクトしたCHO細胞を用いた。αIIbβ3 の存在が結果に影響を及ぼすか否かを評価するために、類似の実験を、変異体お よび野生型のβ3 cDNAならびにαIIbで同時トランスフェクトしたCHO細胞で行な った。これらの細胞は、αVβ3およびαIIbβ3の両方をその表面に発現し、そし て本質的に同じ結果が得られた:Y747,759Fβ3を保有する細胞は、野生型β3 を発現する細胞と比較した場合、フィブリン血餅を退縮する能力の約50%の減少 を示した。従って、血餅退縮プロセスに対するαVβ3対αIIbβ3の寄与にもかか わらず、このデータは、β3内のチロシン残基が、この事象において重大な役割 を果たすことを示す。 実施例5 他のミオシン結合相互作用 血小板における新規のクラスのミオシンの存在は、正式に調査されていなかっ た。しかし、本発明は、全ての型および亜型のミオシンを含むが、血小板で発現 されるものには限定されない。前記の技術の使用により、インテグリンβサブユ ニットがまた、他のまたは新規のミオシンイソ型に結合するのか否か(そしてそ のインテグリンβサブユニットはどれか)、およびミオシンは他のリン酸化イン テグリンβサブユニットまたはNPXYモチーフを共有する他のタンパク質の細胞質 ドメインに結合するか否か(そしてそのミオシンはどれか)が容易に確証され得 る。ミオシン-インテグリン結合自体は、接着タンパク質を血小板および他の細 胞における収縮装置に接続するための一般的機構を示し得る。 上記に示すように、二リン酸化β3インテグリン尾部のペプチドは、ミオシン のコイルドコイル尾部領域に結合する。ミオシンIIクラスのメンバーは、全ての 動物細胞に見出され、そして多くの共通の構造的特性を共有する。配列および機 能的相違に基づいて、ミオシンは、以下のサブクラスに分けられる:1)骨格筋お よび心筋のミオシンII、ならびに2)平滑筋および非筋肉のミオシンII。細胞にお いて差別的に発現される非筋肉ミオシンIIについて少なくとも2つの遺伝子(す なわち、IIAおよびIIB)が存在する。ミオシンIIAは、血小板、リンパ球、好中 球、および刷子縁腸細胞において優先的に見出される亜型であり、一方、ニュー ロン組織は主にミオシンIIBを発現する。本発明者らはまた、二リン酸化β3ペプ チドが、骨格筋ミオシンIIに結合することを見出した。従って、インテグリン尾 部は、ミオシンIIファミリーの共通構造エレメントに結合し、そして血小板ミオ シンにだけは結合しないようである。 上記のように、他のインテグリン細胞質尾部は、NPXYモチーフ(すなわち、β 1、β5、β6、およびβ7)を保有し、それゆえ類似の様式でミオシンスーパーフ ァミリーのメンバーに結合すると考えられる。同様に、このモチーフを有する他 のタンパク質は、ミオシンスーパーファミリーのメンバーおよび関連タンパク質 に結合すると予想される。この結合は、リン酸化されたチロシン残基の改善を必 要とするかもしれないし、必要としないかもしれない。例えば、Zambranoら,J .Biol.Chem 272:6399-6405(1997)は、Fe65タンパク質と、このモチーフを有す るβアミロイド前駆体タンパク質との間の、リン酸化とは独立した相互作用を考 察する。 実施例6 ミオシンとインテグリンとの間の相互作用を調節する薬剤を同定する方法 ミオシンとインテグリンとの間の相互作用を調節する薬剤は、インテグリンの βサブユニットのリン酸化された細胞質ドメインを含むペプチドを、試験される 薬剤の存在下でミオシンとともにインキュベートすることにより単離される。ペ プチドとミオシンとの間の相互作用を阻害または妨害する薬剤は、ペプチド-ミ オシン相互作用の調節、減少、または阻害により同定される。ペプチドとミオシ ンとの間の相互作用の、薬剤媒介性の定性的または定量的な相違を検出するため に利用可能な任意の手段が用いられ得る。例えば、上記のリガンドブロット手順 を用いる。この形式では、血小板溶解産物、精製ミオシン、またはミオシンタン パク質分解性消化物が、Laemmtiサンプル緩衝液中で煮沸され、SDS-PAGEに流さ れ、そしてニトロセルロースに移される。ブロットを、HEPESブロット緩衝液(H BB)(25mM HEPES、25mM NaCl、5mM MgCl2+1mMジチオトレイトール)中で4℃ にて短時間湿らせる。移したタンパク質を、HBB中の6MグアニジンHClにより4 ℃にて10分間変性させ、そして2倍希釈のグアニジンHCl(それぞれ、HBB中で3 M、1.5M、0.75M、0.38M、および0.19M、および0MのグアニジンHClとの10分間の インキュベーション)により再生する。ブロットを、4%ウシ血清アルブミン含 有HBB中で4℃にて一晩ブロッキングし、そして試験される3つの薬剤の存在下 または非存在下で、0.5%ウシ血清アルブミン含有HBB中の1μMビオチン化ペプ チドで室温にて3時間プローブする。TBS/0.01% NP40中で4℃にて3回洗浄し た後、ブロットを西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジン中でイン キュベートし、そしてECL検出を用いることにより、ペプチド反応性バンドを可 視化する。インテグリンとミオシンとの間の相互作用の調節は、薬剤の存在下で のミオシンまたはミオシンフラグメントへのビオチン化ペプチドの検出された結 合の減少または増加により検出される。 別の形式では、Immulon 4プレートが、血小板ミオシンで4℃にて一晩コート される。プレートを、TBS 0.01% Brijで洗浄し、4% BSA/TBS 0.1% Tween(TB ST)中でブロックし、そして10μMビオチン化ペプチドとともに室温にて3時間イ ンキュベートした。結合したペプチドとともにインキュベートしたプレートは、 プレートリーダー(Molecular Devices)を用いて650nmにてペルオキシダーゼ基 質(ABTS)を用いて検出された。インテグリンとミオシンとの間の相互作用の調 節は、薬剤の存在下でミオシンまたはミオシンフラグメントに対するビオチン化 ペプチドの検出された結合の減少または増加により検出される。 本発明を、上記の実施例を参照して詳細に記載したが、本発明の精神から逸脱 することなく、種々の改変がなされ得ることが理解される。従って、本発明は、 以下の請求の範囲によってのみ制限される。本出願において言及された全ての引 用特許、出願および刊行物は、これによりその全体が参考として本明細書に援用 される。さらに、1996年11月18日に出願された特許出願第08/753,038号は、これ によりその全体が本明細書に援用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 29/00 A61P 35/00 35/00 C07K 14/78 // C07K 14/78 A61K 37/02 (31)優先権主張番号 08/975,653 (32)優先日 平成9年11月21日(1997.11.21) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.細胞におけるインテグリンとミオシンとの直接的な相互作用を調節する方法 であって、該細胞におけるミオシンとインテグリンとの相互作用を調節する薬剤 を該細胞に投与する工程を包含する、方法。 2.相互作用のレベルが、前記細胞におけるインテグリンのミオシンへの結合を 増大することによって増大される、請求項1に記載の方法。 3.相互作用のレベルが、前記細胞におけるインテグリンのミオシンへの結合を 減少させることによって減少される、請求項1に記載の方法。 4.インテグリンのミオシンとの直接的な相互作用をブロックする方法であって 、インテグリンと、該インテグリンのミオシンへの結合をブロックする薬剤とを 接触させる工程を包含する、方法。 5.前記薬剤が、前記インテグリンのβサブユニットのリン酸化された細胞質ド メインへの選択的かつ競合的結合によって、該インテグリンのミオシンへの結合 をブロックする、請求項4に記載の方法。 6.前記薬剤が、ミオシンへの選択的かつ競合的結合によって、前記インテグリ ンの該ミオシンへの結合をブロックする、請求項4に記載の方法。 7.前記薬剤が、前記インテグリンのβサブユニットの細胞質ドメインのリン酸 化をブロックする、請求項4に記載の方法。 8.前記薬剤が、ペプチド模倣物である、請求項1から7のいずれかに記載の方 法。 9.前記インテグリンが、β-1、β-2、β-3、β-5、β-6およびβ-7サブユニッ トからなる群から選択されるβサブユニットを含む、請求項1から7のいずれか に記載の方法。 10.前記インテグリンがβ-3インテグリンを含む、請求項9に記載の方法。 11.前記薬剤が、前記インテグリンのβサブユニットの細胞質ドメインを脱リ ン酸化する、請求項8に記載の方法。 12.前記薬剤が、リン酸化されたペプチドである、請求項9に記載の方法。 13.前記リン酸化されたペプチドが、インテグリンのβサブユニットの細胞質 ドメインに由来する、請求項12に記載の方法。 14.前記リン酸化されたペプチドが、Peptide 1のアミノ酸配列ならびにその フラグメントおよび改変体のアミノ酸配列を含む、請求項12に記載の方法。 15.前記ブロックすることが、インテグリン発現細胞に対して、細胞の凝集、 付着、接着、移動、増殖および分化からなる群から選択されるインテグリン媒介 活性を減少させる、請求項9に記載の方法。 16.前記ブロックすることが、インテグリン発現細胞の細胞の凝集を減少させ る、請求項9に記載の方法。 17.請求項9に記載の方法を含む、ミオシンへの直接的なインテグリン付着に よって媒介される病理学的状態の重篤度を減少させる方法。 18.前記病理学的状態が、血栓症、炎症、新脈管形成、腫瘍転移および創傷か らなる群より選択される、請求項17に記載の方法。 19.前記創傷が、火傷創傷、皮膚移植片に由来するドナー部位創傷のような皮 膚創傷、および皮膚褥瘡、静脈鬱血および糖尿病性潰瘍からなる群から選択され る、請求項18に記載の方法。 20.インテグリンのミオシンとの相互作用を調節する薬剤を同定するための方 法であって: a)該インテグリンのβサブユニットのリン酸化された細胞質ドメインを含むペ プチドをミオシンとともに、そして薬剤とともにインキュベートする工程、およ び b)該薬剤が、ミオシンの該ペプチドへの結合を調節するかどうかを決定する工 程、 を包含する、方法。 21.前記インテグリンのβサブユニットのリン酸化された細胞質ドメインを含 む前記ペプチドが、β-1、β-2、β-3、β-5、β-6、およびβ-7サブユニットか らなる群から選択される、請求項20に記載の方法。 22.前記インテグリンがβ-3インテグリンを含む、請求項21に記載の方法。 23.前記ペプチドが、Peptide 1のアミノ酸配列ならびにそのフラグメントお よび改変体のアミノ酸配列を含む、請求項20に記載の方法。 24.本質的にPeptide 1のアミノ酸配列、ならびにミオシンおよびそのペプチ ド模倣物とのインテグリンの相互作用を調節するために効果的のままであるその フラグメントおよび改変体のアミノ酸配列からなる薬剤。 25.前記アミノ酸配列の1以上のチロシン残基が、不可逆的にリン酸化されて いる、請求項24の記載の薬剤。 26.病理学的状態を処置するための方法であって: 請求項20に従って選択された薬剤の投与を含み、 前記状態が、急性冠状動脈血栓症候群、心筋梗塞、不安定狭心症、抗療性アン ギナ、血栓崩壊性治療後または冠状血管形成術後に生じる閉塞性冠状血栓症、血 栓媒介性脳血管症候群、塞栓発作、血栓発作、一過性虚血性発作、静脈血栓症、 深静脈血栓症、肺塞栓、凝固障害、汎発性血管内凝固症候群、血小板減少性紫斑 病、閉塞性血栓血管症、ヘパリン誘導性血小板減少症に関連する血栓性疾患、体 外循環に関連する血栓性合併症、心臓のもしくは他の静脈内カテーテル法、大動 脈内バルーンポンプ、冠状動静脈ステントまたは心臓弁のような器具使用に関連 する血栓性合併症、および補綴デバイスの装填を必要とする状態からなる群から 選択される、方法。 27.前記薬剤が、請求項1から7のいずれかに記載の薬剤である、請求項26 に記載の方法。 28.αIIbβ3のミオシンへの結合に対して調節効果を有する、投与されたペプ チドの結果として血栓が収縮する、請求項26に記載の方法。 29.病理学的状態を処置する方法であって: 請求項20に従って選択された薬剤の投与を含み、 該状態が、細胞運動性の障害と関連する障害からなる群から選択される、方法 。 30.前記薬剤が、請求項1から7のいずれかに記載の薬剤である、請求項29 に記載の方法。 31.前記細胞運動性の障害が、精子運動性、炎症、感染に対する耐性、免疫機 能、自己免疫疾患、創傷修復、ガン、免疫疾患、ならびに胃腸痙攣および妊娠に 関連する収縮のような痙性疾患および障害からなる群から選択され、そして関連 する状態に関連する、請求項29に記載の方法。 32.前記ブロックすることが、ミオシンと前記インテグリン細胞質ドメインの NPXYモチーフとの間の相互作用をブロックする、請求項4に記載の方法。 33.被験体において再潅流傷害を阻害または逆転するための方法であって、そ れを必要とする被験体に、ミオシンとインテグリンとの相互作用を減少させる薬 剤の有効量を投与する工程を包含する、方法。 34.前記薬剤が、1以上の他の活性成分と同時投与される、請求項1〜7、2 4、26、28、29、31、32または33のいずれかに記載の方法。
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