JP2001505796A - 吸収物品のための液体取得層 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は衛生ナプキン、パンティライナー、おむつ又はそれらの類似物品の如き吸収物品（２００；３００）のための液体取得層（１）に関し、それがキャリヤー層（２）を含み、互いから分離されかつ二つの繊維端を有する個々の繊維（３，４）がキャリヤー層（２）と各個々の繊維（３，４）の間の取付角度αでキャリヤー層（２）に対して一繊維端を取り付けられている。個々の繊維（３，４）は少なくとも第１繊維タイプ（３）及び第２繊維タイプ（４）を含む。本発明は本発明による液体透過性カバー層（２０１；３０１）を有する吸収物品（２００）、及び本発明による液体取得層（１；４０１；５０１）を有する液体取得物品をさらに含む。

Description

【発明の詳細な説明】 吸収物品のための液体取得層 技術分野： 本発明は衛生ナプキン、失禁プロテクター、おむつ、パンティライナー、ベッ ドプロテクター又はそれらの類似物品の如き吸収物品のための液体取得層に関し 、それはキャリヤー層を有し、互いから分離されかつそれぞれが二つの繊維端を 有する別個の繊維がキャリヤー層と各別個の繊維の間の取付角度αでキャリヤー 層に対して一繊維端を取付られているものである。また、本発明はその液体取得 層を与えられた吸収物品に関する。 発明の背景： 使用中使用者の体と接触することを意図される、ここで意図したタイプの吸収 物品のための液体取得層の柔軟性及び乾燥性について大きな要求がなされている 。 しかしながら、使用中乾燥状態を維持すると同時に柔らかい織物状表面を有す る液体取得層を達成することは難しいことがわかっている。 吸収物品のための液体取得層として不織布材料又は他の同種の織物材料を使用 するときの一つの問題はカバー層が湿潤されるとき材料の繊維構造が液体を吸収 することである。一定量の液体は下にある吸収構造へと下方に案内されず、その 代わり液体受入カバー層に残ったままである。液体受入カバー層は体に対して直 接接触しているので、かかる物品は最初の湿潤後、湿潤した不快な装着感として 知覚される。さらに、皮膚と直接接触している湿潤表面は皮膚炎症及び感染の危 険を増大する。 液体の一部分が織物カバー層に残る主な理由はかかる織物材料が通常材料の平 面に沿って向けられた繊維又は繊維フィラメントを用いた不規則な形状を有する 繊維構造からなるためである。これは繊維の毛管作用によって排せつされた体液 が材料の平面方向で繊維構造に沿って分布されることを意味する。また、繊維毛 管によって吸収されない液体は材料の平面における繊維構造に沿って案内され、 繊維間の気孔に集められ、そこで液体はさらに内側の材料に分布されることなく 残ったままである。これらの要因はカバー層に一定量の液体を残し、使用者の最 も近くに湿潤表面を作る。 材料平面に沿って主に向けられる繊維を有する、本不織布材料による別の問題 は例えば湿潤性の如き特性に差異を示す異なるタイプの繊維を利用することによ って湿潤方向を制御する可能性が制限されることである。さらに、湿潤方向を制 御する可能性は繊維の位置及びそれらの設計に関して制限される。 特に使用中控え目に装着する今日の衛生ナプキン及びパンティライナーに関し て、別の問題は液体吸収構造を得ると同時に使用者の最も近くで乾燥表面を維持 するために、かかる物品は本質的に異なる特性を示す多数の層から作られること である。これはかかる物品がかなり嵩高くなり、そのために不快で軽率なものと して知覚されることが多いことを意味する。多数の層を有するさらなる欠点はこ れらの使い捨て物品のための材料消費が多く、それが高い製造コスト及び高い原 材料の使用を生じることである。 ＵＳ ３９６７６２３から、キャリヤー材料としてせん孔されたプラスチック 層からなる液体透過性カバー層を使用し、その上に湿潤剤で処理された繊維が適 用されて柔らかい毛羽立った表面を作ることが知られている。個々の繊維は使用 中使用者に向かって上方に向けられるように配向され、約５ｍｍの長さである。 繊維は使用者に向かって上方に向けられているので、柔らかい毛羽立つた表面が 作られる。しかしながら、繊維から内側の吸収体への液体移動が劣るという問題 は解決されずに残ったままであり、その結果初期湿潤後使用者の最も近くの表面 で湿潤したままである。 ＥＰ ０９３００５５２は吸収物品のためのカバー層に関し、そのカバー層は プラスチックフィルムからなり、それは少なくとも一つの側上で一緒に融解され ずかつプラスチックフィルムに向かう角度で取り付けられている繊維でカバーさ れている。かかる構造を得るために、繊維は例えばフロック加工によってプラス チックフィルム上の溶融されたフィルム定着層に対してそれらの繊維端の一つを 取り付けられてもよい。プラスチックフィルムは材料が液体透過性になるように せん孔されることができる。繊維は０．３〜２．５ｍｍの長さであり、厚さは層 がどのくらい柔らかくされるべきかによって変化してもよい。例えばビスコース 、綿、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、及びポリアミドの如き様 々な繊維を使用してもよい。材料平面中に、結果としてカバー層の表面に沿って 液体が分布する危険はこの公知のカバー層で最小にされる。さらに、カバー層は 使用者の最も近くで柔らかい表面を有する。しかしながら、乾燥表面を達成する という問題は層が吸収物品上で液体透過性表面材料として使用されるときこの公 知のカバー材料に残ったままである。 発明の概要： 液体取得表面が柔らかく湿潤後も乾燥表面を示す、例えばパンティライナーの 如き液体取得物品のため又は吸収物品のために意図される液体透過性カバー層の ための液体取得表面を達成するという問題は本発明によって実質的に除去される 。 従って、吸収物品のための柔らかく皮膚に優しい織物状液体取得層は本発明に よって達成され、その層は構造体の下方に液体を案内し、これによって使用者の 最も近くで乾燥表面を維持する能力を有する。 本発明による液体取得層はキャリヤー層を有し、キャリヤー層に対して互いか ら分離されかつそれぞれが二つの繊維端を有する別個の繊維がキャリヤー層と各 個々の繊維の間の取付角度αで取り付けられている。液体取得層は個々の繊維が 少なくとも第１繊維タイプ及び第２繊維タイプを含むことを主に特徴とする。繊 維は不織布中に一緒に結合されないが、代わりに角度が繊維と下にあるキャリヤ ー材料の間に生じるように配向されるので、異なる繊維の特性、例えば異なる繊 維の液体案内能力を利用するカバー層を設ける可能性を増大する。 好ましい例によれば、第１繊維タイプの繊維は第２繊維タイプの繊維より長い 。第１繊維タイプの繊維は１．５−５ｍｍの長さであることが好適であり、一方 第２繊維タイプの繊維は０．３−１．５ｍｍの長さであることが好適である。繊 維長さは例えばそれらの液体吸収能力の如き他の繊維特性に依存する。さらに、 繊維長さは液体取得層がどのタイプの吸収物品を意図しているかに依存する。な ぜならば、尿及び月経血はとりわけ粘度及び表面エネルギーに関して互いに異な るからである。これは繊維長さが乾燥性及び柔軟性に関して最適な液体取得層を 達成するために適応されなければならないことを意味する。 一つの例によれば、長い繊維は短い繊維より疎水性である。使用中使用者の皮 膚の近くに位置される長い繊維は短い繊維より疎水性であるので、皮膚と短い液 体吸収繊維の間で距離が作られる。従って、親水性繊維は疎水性繊維より低い体 液と接触する接触角度を有する繊維によって構成される。親水性繊維は例えばセ ルロース、ビスコース、ポリエステル又は湿潤剤で処理された疎水性繊維（例え ば湿潤剤で処理されたポリオレフィン繊維）によって構成されてもよい。長い疎 水性繊維は例えば未処理のポリオレフィン繊維によって構成される。この例によ る利点は体の最も近くの表面が繰り返し湿潤が起こるときも乾燥状態に保たれ、 液体取得層の平面に沿った液体分布がほとんど除去されることである。 別の例によれば、長い繊維より微細な毛管（即ち、小さな孔径）を有する短い 繊維によって繊維タイプの液体吸収能力の違いが得られる。従って、大きい毛管 を有する長い繊維を持つ領域から微細な毛管を有する短い繊維への液体勾配が作 られる。それによって液体は短い繊維を持つ領域で主に吸収され、それは使用者 の最も近い表面は乾燥したままであることを意味する。この例による利点は両繊 維タイプが同じ材料によって構成されうることであり、それによって液体吸収能 力の違いが孔径の違いを示す繊維タイプによって得られる。繊維領域の液体吸収 ／液体案内能力を制御するさらに別の可能性は長い繊維を持つ領域より高い繊維 密度を有する短い繊維を持つ領域によって達成される。この結果として、微細な 外部キャビティ（即ち、外部毛管）が短い繊維を持つ領域において作られ、結果 としてそれらの幾らかがこれらの領域における繊維間で高い液体吸収／液体案内 能力を生じる。 別の例によれば、二つの繊維タイプは異なるジオメトリーを有する。例えば、 第２繊維タイプはＷＯ ９３／０１７７９に記載された繊維の如き枝別れした横 断面を有する繊維によって構成される。繊維は枝別れした横断面を有するので、 キャビティが作られる。即ち、繊維間に外部毛管が作られ、それが増大した液体 吸収能力を生じる。 第２繊維タイプは湿潤されると崩壊（即ち、収縮）する繊維によってさらに構 成されてもよい。かかる液体取得表面の湿潤が起こるとき、使用者と液体吸収繊 維の間の距離が改良される。繊維のジオメトリー構造はもちろん他の形状を採用 してもよく、それが結果として使用者と液体吸収繊維の間の距離を増大し、かつ ／又は第２繊維タイプの液体吸収／液体案内能力を改良してもよい。第１繊維タ イプは例えばポリオレフィン繊維又は目的のために好適な他の繊維の如き疎水性 繊維によって構成されることが好ましい。 さらに別の例によれば、繊維タイプは剛性の違いを示す。長い繊維を有する第 １繊維タイプは第２繊維タイプより低い剛性を示すので、使用者に対して柔らか い表面が作られると同時に硬くて短い繊維が液体取得層に安定性を与える。従っ て、使用中物品にしわが付く危険は最小化される。これは物品が快適な装着感を 有することを意味し、物品のしわ形成のため使用者のパンティに体液が漏出する 危険がほとんど除去される。 一つの例によれば、キャリヤー層と各個々の繊維の間の角度αは３０−９０° である。 一つの例によれば、キャリヤー層と各個々の繊維の間の角度αは約９０°であ るが、もちろん異なる繊維間でわずかに変化してもよい。かかる例による利点は 体液が吸収構造中に下方にまっすぐな方向で案内され、それに応じて物品を湿潤 していると知覚する危険が最小化されることである。 別の例によれば、キャリヤー層と各個々の繊維の間の角度αは３０−７０°で ある。この例によって、表面は使用後も清潔で乾燥した視覚外観を維持する。な ぜならば短い湿潤繊維は使用者が上から衛生ナプキンを観察するとき見えないか らである。 一つの例によれば、カバー層は第１繊維タイプの繊維の部分及び第２繊維タイ プの繊維の部分を含む規則的な交互パターンを有する。カバー層は異なる長さの 繊維を持つ領域を含み、そこで長い繊維が高く持ち上げられたバリヤーを作るの で、皮膚と液体吸収繊維の間で距離が作られる。さらに、液体は使用中使用者に 対して直接接触しているカバー層の表面を横切って広がることを防止される。交 互パターンは製造及び使用のために有利な列、チェック、又は別のパターンで配 置されてもよい。さらに、短い繊維の割合に対する長い繊維の割合は繊維密度及 び交互パターンの寸法と同様にカバー層の表面を横切って変化してもよい。上述 のパターン構造の選択に影響するファクターは例えば液体吸収能力の如き繊維タ イプの特性である。キャリヤー材料の特性も重要である。さらに、物品がどのタ イプの液体を吸収することを意図されるかは極めて重要である。前述したように 尿及び月経血は例えば粘度及び表面エネルギーに対して差異を示す。低下した表 面湿潤性及び増大した柔軟性を示す様々なタイプの物品のための液体透過性カバ ー層はそれに応じてパターン構造を変化する可能性によって有利に得られてもよ い。 物品は湿潤部位の周囲の領域内で（即ち、体液が最初に到達する物品の股部分 の領域内で）迅速に液体で飽和されるので、好ましい例によるカバー層のキャリ ヤー層は第１繊維タイプの繊維の独立された領域及び第２繊維タイプの繊維の実 質的に連続的な領域を有する規則的な交互パターンを示す。液体吸収繊維を持つ 連続的な領域は物品の液体取得層の湿潤領域から残りの部分への液体の移動を容 易にする。従って、液体取得層が漏出の危険を伴って湿潤領域内で液体で飽和さ れる危険が除去される。 別の例によれば、カバー層は例えば物品の縦方向に沿った列パターンで異なる 繊維タイプの連続領域を有する。この例においても、液体が物品の端部分に向か って外側に分布され、液体で飽和された湿潤部位の周囲の領域が結果として漏出 する危険が除去される。 別の例によれば、カバー層のキャリヤー層全体は第１繊維タイプの繊維と第２ 繊維タイプの繊維の両方を含み、それらはキャリヤー層の表面全体を横切って均 一に分布される。このようにして表面全体が短い繊維と長い繊維のそれぞれを横 切って有する材料が達成される。かかる例による利点はカバー層が製造しやすい ことである。なぜならば、同時進行(synchronization)の問題が全く起こらない からである。かかる例によるさらなる利点はカバー層が使用中であっても乾燥し て見えることである。なぜならば、短い液体吸収繊維は長い疎水性繊維によって 隠れるからである。 さらなる例は第１繊維タイプの独立された領域及び第２繊維タイプの独立され た領域を有するカバー層を含む。この例は液体がカバー層に残る危険が除去され るとき、例えば下にある吸収構造がカバー層から液体を有効に排出するとき有利 であるかもしれない。かかる例による別の利点はカバー層における液体分布が低 下されることである。 さらに、本発明はカバーに包囲された吸収体を含む、衛生ナプキン、パンティ ライナー、おむつ、又はそれらの類似物品の如き吸収物品を含み、カバーの少な くとも一部は液体透過性カバー層からなる。液体透過性カバー層はキャリヤー層 を含み、それに対して互いに分離されかつそれぞれが二つの繊維端を有する個々 の繊維がキャリヤー層に対して一つの繊維端を取り付けられている。カバー層と 各個々の繊維の間で取付角度が生じる。個々の繊維は少なくとも第１繊維タイプ 及び第２繊維タイプを含み、第１繊維タイプの繊維は第２繊維タイプの繊維より 長い。さらに、第１繊維タイプの繊維は第２繊維タイプの繊維より疎水性である 。 さらに別の例によれば、物品の液体透過性カバー層は股領域内のカバー層が主 として第１繊維タイプの繊維を有するように設計される。従って、液体透過性カ バー層は股領域内において主として短い親水性繊維を有し、一方カバー層は二つ の端部分において主として長い疎水性繊維を有する。これによって、使用中物品 の股領域内にだけ湿潤領域を有するカバー層が得られる。 物品の同様の例によれば、液体透過性カバー層は股領域の中央部分が第２繊維 タイプの繊維を少なくとも実質的に含み、股領域の二つの縁部分が第１繊維タイ プの繊維を少なくとも実質的に含むように設計される。さらに、カバー層は二つ の端部分内で第１繊維タイプの繊維を主として含む。この例は前述のものと同様 であるが、液体透過性カバー層が物品の縁部分全体に沿って股領域の中央部分に おける繊維より長くかつ疎水性である繊維を含むので、これは液体が物品の側縁 上に広がり、さらに使用者のパンツに漏出する危険がほとんど除去される。 さらに別の例は小さな吸収能力だけが必要であるパンティライナー又は同種吸 収物品によって構成される。この例によれば、液体取得層中のキャリヤー層は液 体不透過性であり、従って物品の裏材料を構成する。本発明によれば、互いから 分離されている個々の繊維は使用中使用者に接触することを意図される。液体不 透過性キャリヤー層の側に対してキャリヤー層と各個々の繊維の間で取付角度を 伴って繊維の二つの端のうちの一つで取り付けられる。個々の繊維は第１繊維タ イプ及び第２繊維タイプを少なくとも含み、第１繊維タイプの繊維は第２繊維タ イプの繊維より長い。さらに、短い繊維は液体吸収性であるが、長い繊維は液体 吸収性でない。長い繊維を有する領域は使用中使用者と短い液体吸収繊維の間の 高く持ち上げられたバリヤーとして作用する。この例による利点はカバー層にお ける短い繊維が液体を吸収する能力を有することであり、それはさらなる吸収構 造が全く必要でないことを意味する。従って、これらの物品のための材料消費は 減らされ、それは結果として低い製造コスト及び少ない原材料の使用になる。か かる物品によるさらに別の利点はそれらが薄く、従って快適かつ自由な装着感を 持つことである。 図面の簡単な説明： 以下において、本発明を添付図面に示された図を参照しながらより詳細に記載 する。 図１は本発明による液体取得層の横断面を示す。 図２は使用中使用者の方に面することを意図される、本発明によるカバー層を 有する衛生ナプキンを示す。 図３は使用中使用者の方に面することを意図される、本発明による別の衛生ナ プキンを示す。 図４は本発明による液体取得層の別の横断面を示す。 図５は本発明による液体取得層のさらに別の横断面を示す。 好ましい例の詳細な記述： 図１に示された液体取得層１は繊維３，４が取り付けられているキャリヤー層 ２からなる。繊維３，４はそれらの端の一つでキャリヤー層２上に取り付けられ 、一方他の自由端はキャリヤー層から離れて向けられ、個々の繊維はキャリヤー 層に対して角度αで取り付けられている。取付角度は示された例では約９０°で あるが、もちろん異なる繊維間で幾分変化してもよい。 繊維は例えばフロック加工によってキャリヤー材料に取り付けられ、それによ って一つの繊維端が溶融された繊維定着層に対して取り付けられる。繊維３，４ は第１繊維タイプ３及び第２繊維タイプ４からなる。第１繊維タイプ３の繊維は 第２繊維タイプ４の繊維より長い。二つの繊維タイプ３，４の繊維長さは例えば 繊維の湿潤性の如き繊維タイプの他の特性に適応させることが好適である。 好ましい例によれば、第１繊維タイプ３の繊維長さは０．３ｍｍ〜１．５ｍｍ であり、第２繊維タイプ４の繊維長さは１．５ｍｍ〜５ｍｍである。第１繊維タ イプ３は例えばポリエチレン又はポリプロピレンの如きポリオレフィン繊維によ って構成されてもよい。第２繊維タイプ４は第１繊維タイプ３の繊維より高い液 体案内能力を示す全てのタイプの繊維によって構成されてもよい。従って、第２ 繊維タイプ４は例えばセルロース、ビスコース又はポリエステル繊維によって構 成されてもよい。第２繊維タイプ４は例えば界面活性化合物で処理された繊維の 如き湿潤剤で処理された繊維、又は湿潤性を増大するために別の方法で処理され た繊維によってさらに構成されてもよい。液体案内／液体吸収能力は微細な毛管 を有する繊維（即ち、第１繊維タイプの繊維より小さい孔径を有する繊維）によ って構成される第２繊維タイプ４によって増大されてもよい。第２繊維タイプ４ のために好適な繊維のさらなる例は例えばＷＯ ９３／０１７７９に開示された 繊維の如き枝分れした繊維である。微細な外部毛管は枝別れした繊維間で作られ るので、増大した液体吸収能力が得られる。第２繊維タイプ４のために好適な繊 維の別の例は使用者間で良好な距離を作る繊維及び湿潤時に崩壊（即ち、収縮） する繊維の如き液体吸収繊維である。良好な距離及び／又は増大した液体吸収及 び液体案内能力をそれぞれ生じる他のジオメトリー形状はもちろん第２繊維タイ プ４の繊維として適用可能である。 キャリヤー層２は単一材料層であってもよく、あるいは多層積層体からなって もよい。図１に示されたキャリヤー層２は底部層６及び繊維定着層５を有する多 層積層体によって構成され、それに繊維３，４はそれらの端の一つで取り付けら れている。底部層６は繊維定着層５より高い融点を有し、例えばHDPE、ポリプロ ピレン又は目的のために好適な別の材料からなる。繊維定着層５は例えばLDPE、 LLDPE、又は目的のために好適な他の材料を含み、それらは底部層６中の材料よ り低い融点を示す。繊維定着層５は例えばポリビニルアルコールのゲル又はポリ アクリル酸のゲルの如き水を吸収する能力を有するゲルからなってもよい。 キャリヤー層２は親水性不織布の如き編織繊維布によって構成されてもよい。 さらにキャリヤー層２は表面（例えばフォームの吸収体又は十分な結合性を有す る他のいずれかのタイプの吸収体上の表面）によって構成されてもよい。繊維３ ，４は溶融された繊維定着層上に適用されることによって、又は例えばホットメ ルト、親水性接着剤又は目的のために好適な他の接着剤の如き接着剤によってキ ャリヤー層２に取り付ける。さらに、溶融された状態で押し出された繊維はキャ リヤー層２上に適用されてもよく、それによって接着剤に対する必要性を除去す る。取付方法は本発明にとって主要な特徴ではないが、キャリヤー表面に対する 一定角度で繊維を固定（定着）する公知の方法をいずれも使用することができる 。図２に示された衛生ナプキン２００は本発明による液体透過性カバー層２０１ 、液体不透過性カバー層２０５、及びカバー層の間に包囲された吸収体２０６を 含む。液体不透過性カバー層２０５はプラスチックフィルム、疎水性化された繊 維布、これらの材料の積層体、又は使用のために好適ないずれかの同種材料を含 み、それは使用中使用者から離れて面することを意図される衛生ナプキンの側上 に置かれる。 カバー層２０１，２０５の間に包囲された吸収体２０６はセルロース毛羽パル プの一つ又は幾つかの層から通常作られる。セルロース毛羽パルプは吸収中液体 含有ゲルを形成しながら多量の液体を化学結合する種類の高吸収性ポリマー材料 の粒子又は繊維と混合されてもよい。さらなる成分を吸収体中に含ませて吸収体 ２０６の特性を改良してもよい。かかる成分の例は結合繊維、形状安定化成分な どである。カバー層２０１，２０５は吸収体の周囲全体で吸収体２０６より大き な衛生ナプキンの平面範囲を有する。カバー層２０１，２０５の突出部分２０８ は例えば接着、溶接、又は別の方法で吸収体２０６の周囲で相互接続される。 液体透過性カバー層２０１は図１に示された液体取得層１と同様の構成を有し 、上部に繊維２０３，２０４が取り付けられるキャリヤー層２０２を有する。繊 維２０３，２０４はそれらの端の一つをキャリヤー層２０２に対して取り付けら れ、他の自由端をキャリヤー層から離れて向け、それによって別個の繊維がキャ リヤー層から角度αで配置される。取付角度は約９０°であるが、もちろん異な る繊維間で幾分変化してもよい。カバー層２０１はキャリヤー層２０２が材料を 通るせん孔を有するため、又はキャリヤー層が例えば編織布材料の如き液体透過 性材料によって構成されているため液体透過性である。さらに、吸収体２０１が 十分な結合性を示す場合には、それはキャリヤー層２０２を構成してもよく、そ れによって個々の繊維は使用中使用者と密着する吸収構造の側に直接取り付ける 。液体透過性カバー層の表面は規則的な交互パターンを有する。規則的な交互パ ターンは長い繊維２０３の独立された領域及び短い繊維２０４の連続的な領域を 含む。 図３に示された衛生ナプキン３００は図２の衛生ナプキンと本質的に同じ構成 を有する。従って、衛生ナプキン３００は第１の液体透過性カバー層３０１と第 ２の液体不透過性カバー層３０５の間に包囲された吸収体３０６を有する。 衛生ナプキン３００は幅広い端部分３０９，３１０及びその間に位置された狭 い股領域３１１を伴った砂時計形状である。股領域３１１は二つの縁部分３１８ ，３１９及びその間に位置された中央部分３２０をさらに有する。股領域３１１ の中央部分３２０は使用中衛生ナプキンに排せつされる体液のための受入表面と して作用することを意図される衛生ナプキンの部分である。さらに、吸収体３０ ６は二つの縦方向の凹形状に弯曲された側縁３１２，３１３及び二つの横方向の 凸形状に弯曲された端縁３１４，３１５を有する。二つのカバー層３０１，３０ ５は衛生ナプキン３００の平面において吸収体３０６よりわずかに大きい範囲を 有し、カバー層３０１，３０５の突出部分３０８は相互接続して吸収体３０６の 周囲に連続縁を形成する。吸収体３０６の股部分３１１において側部フラップ３ １６，３１７は縦方向側縁３１２，３１３のそれぞれから突出する。側部フラッ プはカバー層３０１，３０５の部分によって形成され、従って側部フラップ３１ ６，３１７のそれぞれは液体透過性材料の層及び液体不透過性材料の層からなる 。側部フラップ３１６，３１７は使用中使用者のパンティの脚縁の周囲で折りた たむことができることを意図されている。 液体透過性カバー層３０１は図１及び２に記載されたカバー層１，２０１と同 様の方法で作られる。従って、液体透過性カバー層３０１はキャリヤー層３０２ を有し、その上に繊維３０３，３０４が取り付けられている。繊維３０３，３０ ４はキャリヤー層に対してそれらの端の一つを取り付けられ、他の自由な端がキ ャリヤー層から離れて向けられ、それによって個々の繊維がキャリヤー層に対し て角度αで配置される。二つの端部分３０９，３１０において及び股領域の縁部 分３１８，３１９内で、液体透過性カバー層３０１は主として第１繊維タイプ３ ０３の繊維を有する。それとは逆に股領域の中央部分３２０は主として第２繊維 タイプ３０４の繊維を有する。キャリヤー層を通るせん孔によって、又は例えば 不織布の如きそれ自体液体透過性のカバー材料によって構成されるキャリヤー層 ３０２によって、液体透過性を示すカバー層３０１が作られる。 図４に示された液体取得層４０１は図１に示された液体取得層１と同様の構成 を有する。従って、液体取得層４００はキャリヤー層４０２を有し、その上に繊 維４０３，４０４が取り付けられている。繊維４０３，４０４はそれらの端の一 つを取り付けられ、一方他の端はキャリヤー層から離れて向けられ、それによっ て個々の繊維はキャリヤー層に対して角度αで配置される。取付角度は約９０° であるが、もちろん個々の繊維間で幾分変化してもよい。繊維は例えばフロック 加工によってキャリヤー材料に取り付けられ、それによって繊維端の一つはキャ リヤー層４０２に対して取り付けられる。繊維４０３，４０４はさらに第１繊維 タイプ４０３及び第２繊維タイプ４０４からなり、第１繊維タイプ４０３の繊維 は第２繊維タイプ４０４の繊維より長い。繊維タイプ４０３，４０４はキャリヤ ー層４０２の全表面を横切って均一に分布される。キャリヤー層４０２はプラス チックフィルム又は多層積層体からなる。さらに、キャリヤー層４０２は不織布 又は他の編織布、フォーム材料又は本発明のための好適な別の材料からなっても よい。キャリヤー材料の全表面は第１繊維タイプ４０３の繊維及び第２繊維タイ プ４０４の繊維の両方の均一な分布を有する。 図５に示された液体取得層５０１は図１及び４に示された液体取得層１，４０ ０と同様の構成を有する。従って、液体取得層５００は図４に示されたキャリヤ ー層４０２の如きキャリヤー層５０２を有し、その上に繊維５０３，５０４が取 り付けられている。繊維５０３，５０４はそれらの端の一つを取り付けられ、一 方他の自由な端をキャリヤー層５０２から離れて向けられ、それによって個々の 繊維５０３，５０４はキャリヤー層５０２から離れて角度αで配置される。個々 の繊維５０３，５０４とキャリヤー層５０２の間の角度αは３０−７０°、好ま しくは約４５°である。９０°より小さい個々の繊維とキャリヤー層５０２の間 の角度αによって、長い繊維５０３は液体取得層５００を上から見たとき短い繊 維５０４を隠す。 上述の例では、本発明を衛生ナプキンに関して記載したが、前述のように本発 明はもちろん失禁プロテクター、おむつ、パンティライナー、ベッドカバー、シ ートカバーなどに対しても適用可能である。 本発明はさらに上述の例の全ての考えられる組合せに関し、添付の請求の範囲 内で他の例にも適用可能である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，Ｓ Ｄ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ， ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，Ｆ Ｉ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ， ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，Ｍ Ｗ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ， ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 1．衛生ナプキン、おむつ、失禁プロテクター、パンティライナー、ベッドカ バー、シートカバー又はそれらの類似物品の如き吸収物品のための液体取得層（ １）であって、前記取得層がキャリヤー層（２）を含み、前記キャリヤー層が第 １表面及び第２表面を有し、前記取得層が個々の繊維（３，４）をさらに含み、 それぞれの繊維が二つの繊維端を有し、キャリヤー層（２）と各個々の繊維（３ ，４）の間の取付角度αで前記キャリヤー層（２）の前記第１表面に対して一つ の繊維端を取り付けられ、前記個々の繊維（３，４）が互いから分離されている 場合において、個々の繊維（３，４）が少なくとも第１繊維タイプ（３）と第２ 繊維タイプ（４）を含むことを特徴とする液体取得層。 2．キャリヤー層（２）が液体透過性であることを特徴とする請求の範囲１記 載の液体取得層。 3．第１繊維タイプ（３）の繊維が第２繊維タイプ（４）の繊維より長いこと を特徴とする請求の範囲１又は２記載の液体取得層。 4．第１繊維タイプ（３）の繊維が１．５ｍｍ〜５ｍｍの長さであること、及 び第２繊維タイプ（４）の繊維が０．３ｍｍ〜１．５ｍｍの長さであることを特 徴とする請求の範囲１，２又は３記載の液体取得層。 5．キャリヤー層（２）と各個々の繊維（３，４）の間の取付角度αが３０° 〜９０°であることを特徴とする請求の範囲１〜４のいずれか記載の液体取得層 。 6．第２繊維タイプ（４）の繊維が第１繊維タイプ（３）の繊維より親水性で あることを特徴とする請求の範囲１〜５のいずれか記載の液体取得層。 7．第２繊維タイプ（４）の繊維が枝分かれした横断面を有し、それによって 第２繊維タイプ（４）の繊維が外部毛管を有することを特徴とする請求の範囲１ 〜６のいずれか記載の液体取得層。 8．第２繊維タイプ（４）の繊維が湿潤されると崩壊し、その結果として第２ 繊維タイプ（４）の繊維の高さが湿潤されると減少することを特徴とする請求の 範囲１〜７のいずれか記載の液体取得層。 9．第２繊維タイプ（４）の繊維が第１繊維タイプ（３）の繊維より剛いこと を特徴とする請求の範囲１〜８のいずれか記載の液体取得層。 10．液体取得層（２）が第１繊維タイプ（３）の繊維の独立された領域及び第 ２繊維タイプ（４）の繊維の実質的に連続的な領域を有する交互パターンを有す ることを特徴とする請求の範囲１〜９のいずれか記載の液体取得層。 11．液体取得層（２）が第１繊維タイプ（３）の繊維の独立された領域及び第 ２繊維タイプ（４）の繊維の独立された領域を有することを特徴とする請求の範 囲１〜９のいずれか記載の液体取得層。 12．液体取得層（２）が二つの繊維タイプ（３，４）の繊維の連続的な領域を 有することを特徴とする請求の範囲１〜９のいずれか記載の液体取得層。 13．液体取得層（１）がキャリヤー層（２）の全表面を横切って第１繊維タイ プ（３）の繊維と第２繊維タイプ（４）の繊維の両方の均一分布を有することを 特徴とする請求の範囲１〜９のいずれか記載の液体取得層。 14．衛生ナプキン、失禁プロテクター、パンティライナー、おむつ又はそれら の類似物品の如き吸収物品であって、それがカバーに包囲された吸収体（２０６ ）を含み、カバーの少なくとも一部が液体透過性カバー層（２０１）からなり、 前記カバー層（２０１）がキャリヤー層（２０２）を含み、前記キャリヤー層が 第１表面及び第２表面を有し、前記カバー層（２０１）が個々の繊維（２０３， ２０４）をさらに含み、それぞれの繊維が二つの繊維端を有し、キャリヤー層（ ２０２）と各個々の繊維（２０３，２０４）の間の取付角度αで前記キャリヤー 層（２０２）の前記第１表面に対して一つの繊維端を取り付けられ、前記個々の 繊維（２０３，２０４）が互いから分離されている場合において、個々の繊維（ ２０３，２０４）が少なくとも第１繊維タイプ（２０３）及び第２繊維タイプ（ ２０４）を含むことを特徴とする吸収物品。 15．第１繊維タイプ（２０３）の繊維が第２繊維タイプ（２０４）の繊維より 長いことを特徴とする請求の範囲14記載の吸収物品。 16．第１繊維タイプ（２０３）の繊維が第２繊維タイプ（２０４）の繊維より 疎水性であることを特徴とする請求の範囲１４又は１５に記載の吸収物品。 17．二つの端部分（３０９，３１０）及びそれらの間に位置される股領域（３ １１）をさらに有する、請求の範囲１４〜１６のいずれか記載の吸収物品におい て、股領域（３１１）における液体透過性カバー層（３０１）が主として第２繊 維タイプ（３０４）の繊維を有すること、及び端部分（３０９，３１０）におけ る液体透過性カバー層（３０１）が主として第１繊維タイプ（３０３）の繊維を 有することを特徴とする吸収物品。 18．股領域（３１１）内の二つの縁部分（３１８，３１９）及びそれらの間に 位置される中央部分（３２０）をさらに有する請求の範囲１７記載の吸収物品に おいて、股領域（３１１）の中央部分（３２０）内の液体透過性カバー層（３０ １）が主として第２繊維タイプ（３０４）の繊維を有すること、及び股領域（３ １１）の縁部分（３１８，３１９）が主として第１繊維タイプ（３０３）の繊維 を有することを特徴とする吸収物品。 19．キャリヤー層（２）が液体不透過性であることを特徴とする請求の範囲１ 記載の液体取得層を含む、パンティライナー、ベッドカバー、シートカバー又は それらの類似物品の如き液体取得物品。