JP2001505510A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】 明細書
【発明の名称】自転車のシート
【特許請求の範囲】
【請求項1】 乗り手の臀部を受ける第1の支持部および第2の支持部と、
上記第1および第2の支持部に連結された前部と、
乗り手が上記第1および第2支持部に座って足踏み動作を行なっているとき、上記第1および第2の支持部の各々に、少なくとも略垂直平面内に成分を有する実質的に独立した弓形の動きをさせるための上記第1および第2の支持部と上記前部との間にあるヒンジとを備えたことを特徴とする支持装置。
【請求項2】 上記第1および第2の支持部は縦方向の溝によって分離されていることを特徴とする請求項1に記載の支持装置。
【請求項3】 上記ヒンジは、上記第1の支持部と前部との間にある第1のヒンジと、上記第2の支持部と前部との間にある第2のヒンジからなることを特徴とする請求項1に記載の支持装置。
【請求項4】 上記支持装置は、上記第1および第2支持部と上記前部と上記ヒンジとを含む一体形シェルを含み、上記ヒンジは上記2つの支持部と前部との間の遷移部分によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の支持装置。
【請求項5】 上記シェルには、このシェルを覆う被覆材が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の支持装置。
【請求項6】 上記支持装置はこの支持装置を物品に接続するための接続手段を有し、この接続手段は、上記前部の前端と上記ヒンジとの間で、上記前部に連結されて、上記ヒンジの撓む動きおよび上記第1及び第2の支持部の弓形の動きに干渉しないことを特徴とする請求項1に記載の支持装置。
【請求項7】 上記接続手段は接続レールを備えていることを特徴とする請求項6に記載の支持装置。
【請求項8】 上記接続レールは、上記シェルの形成時に上記接続レールの一部を上記シェル内に埋め込むことによりシェルに結合されていることを特徴とする請求項7に記載の支持装置。
【請求項9】 両支持部分は、乗り手の坐骨領域と臀部領域とを受けるためにカップ形状をしていることを特徴とする請求項1に記載の支持装置。
【請求項10】 上記前部は先端を切り取ったノーズ部からなることを特徴とする請求項1に記載の支持装置。
【請求項11】 上記前部は上記先端を切り取ったノーズ部の長さを延長するために柔軟な詰め物材を含んでおり、使用中、この柔軟な詰め物材は、乗り手が接触すると形がつぶれることを特徴とする請求項1に記載の支持装置。
【請求項12】 ノーズ部と後部とを有し、軟質材料で形成された単一シェルと、
上記後部にあって、上記後部を2つの別々の支持部に分割する溝とを備え、
上記2つの支持部分はそれぞれ、上記シェルを形成している軟質材料が撓むことによって上記ノーズ部および互いに対して独立して動くことができ、上記2つの別個の支持部と上記ノーズ部との間の遷移部は、乗り手が座って自転車のペダルを漕いでいるとき、上記2つの別々の支持部に、実質的に独立した動きをさせるためのヒンジを形成していることを特徴とする自転車のシート。
【請求項13】 上記単一シェルの上面を覆う緩衝外皮層を含んでいることを特徴とする請求項12に記載の自転車のシート。
【請求項14】 上記シェルは上面と下面とを有し、複数のリブが上記下面から突出していることを特徴とする請求項12に記載の自転車のシート。
【請求項15】 取り付けレールが上記シェルの下面に結合されていることを特徴とする請求項12に記載の自転車のシート。
【請求項16】 上記取り付けレールは上記支持部の下方位置まで延びており、この取り付けレールと各支持部との間にばねが設けられていることを特徴とする請求項15に記載の自転車のシート。
【請求項17】 上記ばねはコイルばねであり、上記取り付けレールと上記シェルとに接続されていることを特徴とする請求項16に記載の自転車のシート。
【請求項18】 上記ばねは、上記取り付けレールと一体であり、この取り付けレールの湾曲あるいは屈曲した部分によって形成されていることを特徴とする請求項16に記載の自転車のシート。
【請求項19】 上記ノーズ部は、上記取り付けレールの前部を上記シェルに固定するために上記取り付けレールの前部を受けるアンダーカットを有することを特徴とする請求項12に記載の自転車のシート。
【請求項20】 上記2つの支持部の動きを制限するために停止手段が設けられていることを特徴とする請求項12に記載の自転車のシート。
【請求項21】 ノーズ部と、
上記ノーズ部に連結されると共に、第1の支持部と第2の支持部とを有する後部支持部と、
上記第1および第2の支持部それぞれが、上記ノーズ部および互いに対して実質的に独立して動くことを許容するヒンジとを備え、独立した弓状の動きは、乗り手が上記第1および第2の支持部に座って自転車のペダルを漕いでいるとき、少なくとも、略垂直な平面内に成分を有しており、
また、上記第1および第2の支持部の動きの量を制限するための停止手段が設けられていることを特徴とする自転車のシート。
【請求項22】 シートを自転車に取り付けるための取り付けレールを備えており、上記停止手段は上記取り付けレールの両端部を備え、上記両端部は上記第1および第2の支持部から離間すると共に、これら第1および第2の支持部の下方に位置していることを特徴とする請求項21に記載の自転車のシート。
【請求項23】 ノーズ部と、
乗り手の臀部を受けるための後部を備え、
上記ノーズ部と後部は上面と下面とを有し、
また、上記下面に結合された取り付けレールと、
上記取り付けレールの前部をシートに保持するために上記取り付けレールの前部を受けるノーズ部内の切り欠きと、
上記後部が自由で上記取り付けレールに接続されないように上記下面の略中央部で上記取り付けレールを上記下面に固定する固定手段と
を備えていることを特徴とする自転車のシート。
【請求項24】 上記固定手段は上記取り付けレールを上記下面に締め付けるためのブラケットとボルトとナットを備えていることを特徴とする請求項23に記載の自転車のシート。
【請求項25】 上記ボルトは上記ナットとブラケットとを受けるためにシェルに埋め込まれ、上記ブラケットしたがって上記取り付けレールをシートに結合することを特徴とする請求項24に記載の自転車のシート。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は支持装置に関し、より詳しくは自転車のシートに関する。
【0002】
本発明は私の国際出願PCT/AU96/00273及び私の国際出願PCT/AU94/00284に開示されたシートの改良あるいは変形である。これらの国際出願の内容はこの言及によりこの明細書に組み込まれている。
【0003】
本発明は,第1の側面によると、
乗り手の臀部を受ける第1の支持部および第2の支持部と、
上記第1および第2の支持部に連結された前部と、
乗り手が上記第1および第2支持部に座って足踏み動作を行なっているとき、上記第1および第2の支持部の各々に、少なくとも略垂直平面内に成分を有する実質的に独立した弓形の動きをさせるための上記第1および第2の支持部と上記前部との間にあるヒンジとを備えたことを特徴とする支持装置にあると言える。
【0004】
本発明のこの側面によると、人が支持部に座って足踏み動作を行なっているとき、例えば、自転車に乗っているときなど、上記両支持部の独立した弓形つまり弧状の動きによって快適さが与えられると共に、その人へエネルギーが戻される。さらに、上記量支持部の動きによって、摩擦が低減され、これが擦れを低減する。
【0005】
好ましくは、上記第1および第2の支持部は縦方向の溝によって分離される。しかしながら、他の実施においては、上記第1および第2の支持部は、細い縦方向のヒンジ部材によって連結することができ、これにより、上記第1および第2の支持部は1つの支持部材に形成され、上記縦方向のヒンジは上記第1および第2の支持部の独立した弧状の動きを許容する。
【0006】
好ましくは、上記ヒンジは、上記第1の支持部と前部との間にある第1のヒンジと、上記第2の支持部と前部との間にある第2のヒンジからなる。
【0007】
好ましくは、上記支持装置は、上記第1および第2支持部と上記前部と上記ヒンジとを含む一体形シェルを含み、上記ヒンジは上記2つの支持部と前部との間の遷移部分によって形成されている。
支持装置が一体形シェルを含んでいる本発明の実施形態において、ヒンジを含むこの一体形シェルは、好ましくは、ナイロン6,6ポリカーボネート、ポリエチレン等の弾性プラスチックからなり、上記第1および第2支持部がヒンジの撓みによって弧の方向に動くことができ、また、材料の弾性によって、足踏み(ペダリング)動作中に付加が取り除かれるにつれて第1および第2支持部がそれらの初期位置に戻ろうとすることになる。
【0008】
好ましくは、上記シェルには、このシェルを覆う被覆材(upholstery)が設けられている。
【0009】
好ましくは、上記支持装置はこの支持装置を物品に接続するための接続手段を有し、この接続手段は、上記前部の前端と上記ヒンジとの間で、上記前部に連結されて、上記ヒンジの撓む動きおよび上記第1及び第2の支持部の弓形の動きに干渉しないのが好ましい。
【0010】
好ましくは、上記接続手段は接続レールを備えている。
【0011】
一実施形態において、上記接続レールは、上記シェルの形成時に上記接続レールの一部を上記シェル内に埋め込むことによりシェルに結合されている。他の実施においては、レールは、シェルに取り付けられているかシェルと一体に形成された固定部材によってシェルに結合される。さらに別の実施においては、上記レールはシェルと一体に形成される。
【0012】
好ましくは、両支持部分は、乗り手の坐骨領域と臀部領域とを受けるためにカップ形状をしている。
【0013】
好ましくは、上記前部は先端を切り取ったノーズ部からなる。
【0014】
一実施形態においては、上記前部は、上記先端が切り取られたノーズ部の長さを延長するために軟らかい詰め物材を含んでいる。この実施形態では、上記軟らかい詰め材は乗り手が当たるとつぶれるだけである。であるから、この前部は、従来の自転車のシートが長いノーズ部を有しているような外観を呈するが、乗り手を垂直方向に支持する機能は殆どないか全くない。この実施形態では、上記前部は、シート上の乗り手の安定と中央に位置するのを補助する横方向支持機能を提供する。
【0015】
本発明は自転車のシートに存するとも言える。この自転車のシートは、
ノーズ部と後部とを有し、軟質材料で形成された単一シェルと、
上記後部にあって、上記後部を2つの別々の支持部に分割する溝とを備え、
上記2つの支持部分はそれぞれ、上記シェルを形成している軟質材料が撓むことによって上記ノーズ部および互いに対して独立して動くことができ、上記2つの別個の支持部と上記ノーズ部との間の遷移部は、乗り手が座って自転車のペダルを漕いでいるとき、上記2つの別々の支持部に、実質的に独立した動きをさせるためのヒンジを形成している。
【0016】
好ましくは、この自転車のシートは、上記単一シェルの上面を覆う緩衝外皮層を含んでいる。
【0017】
好ましくは、上記シェルは上面と下面とを有し、複数のリブが上記下面から突出している。
【0018】
好ましくは、取り付けレールが上記シェルの下面に結合されている。
【0019】
本発明の一実施形態においては、上記取り付けレールは上記支持部の下方位置まで延びており、この取り付けレールと各支持部との間にばねが設けられている。
【0020】
上記ばねはコイルばねとすることができ、このばねは上記取り付けレールと上記シェルとに接続される。
【0021】
他の実施においては、上記ばねは、上記取り付けレールと一体であり、この取り付けレールの湾曲あるいは屈曲した部分によって形成されるかもしれない。
【0022】
好ましくは、上記ノーズ部は、上記取り付けレールの前部を上記シェルに固定するために上記取り付けレールの前部を受けるアンダーカットを有する。
【0023】
好ましくは、上記2つの支持部の動きを制限するために停止手段が設けられる。
【0024】
好ましくは、上記停止手段は、上記取り付けブラケットの端部からなり、これらの端部はシェルの下面から離間している。
【0025】
本発明のさらなる側面は、
ノーズ部と、
上記ノーズ部に連結されると共に、第1の支持部と第2の支持部とを有する後部支持部と、
上記第1および第2の支持部それぞれが、上記ノーズ部および互いに対して実質的に独立して動くことを許容するヒンジとを備え、独立した弓状の動きは、乗り手が上記第1および第2の支持部に座って自転車のペダルを漕いでいるとき、少なくとも、略垂直な平面内に成分を有しており、
また、上記第1および第2の支持部の動きの量を制限するための停止手段が設けられていることを特徴とする自転車のシート
に存すると言うこともできる。
【0026】
好ましくは、上記自転車のシートはこのシートを自転車に取り付けるための取り付けレールを備えており、上記停止手段は上記取り付けレールの両端部を備え、上記両端部は上記第1および第2の支持部から離間すると共に、これら第1および第2の支持部の下方に位置している。
【0027】
さらなる側面において本発明は、
ノーズ部と、
乗り手の臀部を受けるための後部を備え、
上記ノーズ部と後部は上面と下面とを有し、
また、上記下面に結合された取り付けレールと、
上記取り付けレールの前部をシートに保持するために上記取り付けレールの前部を受けるノーズ部内の切り欠きと、
上記後部が自由で上記取り付けレールに接続されないように上記下面の略中央部で上記取り付けレールを上記下面に固定する固定手段と
を備えていることを特徴とする自転車のシート
に存すると言える。
【0028】
好ましくは、上記固定手段は上記取り付けレールを上記下面に締め付けるためのブラケットとボルトとナットを備えている。
【0029】
好ましくは、上記ボルトは上記ナットとブラケットとを受けるためにシェルに埋め込まれ、上記ブラケットしたがって上記取り付けレールをシートに結合する。
【0030】
さらなる側面において、本発明は、
流体を収容するためのチャンバを形成する膨脹可能なハウジングを備えた支持装置であって、
使用者がこの支持装置によって支持されて動くと、上記ハウジングの一部分から別の部分へと上記流体が動かされて、上記ハウジングの上記一部分がその形状および/または形態を変えることができ、また、上記別の部分への流体の流れは、この別の部分にその形状および/または形態をその別の部分における流体の変化に応答して変えさせることを特徴とする支持装置
にあると言える。
【0031】
このように、本発明のこの側面に係る支持装置の場合、使用者がこの支持装置によって支持されて使用者が動くと、流体がある部分から他の部分へと動かされて支持装置の形状を変化させ、支持を容易に行えるようにする。一実施形態では、
この支持装置は自転車のシートである。自転車のシートの場合、使用者がペダルを踏んでいるとき、脚や臀部の動きがシートのある部分の圧力を増大させるため、流体がその部分から、圧力がより小さい他の部分へと移動させられる。その結果、その部分が拡張するので、自転車に乗車中、使用者から与えられる圧力が減っても、使用者とのいくらかの接触は維持され使用者を支持することは維持される。使用者がペダルを漕いでいるとき流体は基本的には前後に移動し、その結果、シートの一部分がつぶれ、続いて、ペダルを踏んでいる間流体が前後に動くので再び膨らむ。こうして、シートのいろいろな部分が使用者の体重でつぶれたり、あるいは拡張してシートの使用者との接触を維持するとともに、使用者が自転車のペダルを踏んでいるときの使用者の模擬的な動きを維持する。
【0032】
好ましくは、上記ハウジングは、流体をハウジング内に入れるための流体入口をハウジング内に備えている。
【0033】
好ましくは、上記ハウジングは剛性部分を含んでおり、使用者がシート上で動いている間このハウジングが拡張したりつぶれたりすることができるにもかかわらずハウジングの全体的な形状は維持される。
【0034】
上記ハウジングは、形を変える1つのチャンバーであってもよい。しかしながら、好ましくは、上記ハウジングは、流体通路によって結ばれた2つのハウジング部分を含んでおり、流体がハウジングの一部分からハウジングの別の部分へと動くとき、この流体は上記流体通路を通って流れ、これにより上記流体をハウジングの特定の部分へと向かわせてハウジングのそれらの部分を拡張させる。流体通路の箇所を選択することにより、ハウジングの様々の箇所を、シートの用途あるいは使用者のニーズに応じて、他の箇所よりも多くあるいは少なく拡張させることができる。
【0035】
好ましくは、上記ハウジングはゴム、伸縮性プラスチック、あるいは同様な伸縮性材料等々のエラストマー材料から作られていて、上記流体がこのハウジングの一部分から他の部分へと動くときにハウジングを収縮できるようにしている。
【0036】
好ましくは、上記シートは上記ハウジングを支持するためのベースプレート(基板)を有する。
【0037】
好ましくは、上記ベースプレートは上記シートを物品に取り付けるための取り付け手段を有する。
【0038】
好ましくは、上記取り付け手段は1対のレールを備えている。
【0039】
好ましくは、上記シートは自転車のシートであるが、他の実施においては、シートはラウンジチェア等の椅子のシートであってもよく、あるいは、治療用、リハビリテーション等の医療用途器具、あるいは引き具(harness)のための器具であってもよい。
【0040】
図1および図6を参照すると、一体形シェル11を持つ自転車シート10が示されている。シェル11は縦長の溝16で分けられた第1の支持部分12と第2の支持部分14を含んでいる。シェル11はまた、シート10のノーズ部分を形成する前部18を含んでいる。そして前部18は支持部分12と14に一体に連結されている。
【0041】
ノーズ部分18と支持部分12と14は第1のヒンジ20と第2のヒンジ22とによって結合されている。それらのヒンジは、ノーズ部18と支持部12と14とも一体であり、ノーズ部18と支持部12および14の間の遷移部によって形成されている。
【0042】
シェル部11は被覆材25で覆われている(図3,4,5,6参照)場合があり、被覆材25は従来の詰め物材からなる。
【0043】
ヒンジ20とヒンジ22がシェル11の残りの部分と統合された形の、本発明の好ましい実施形態において、シェルは曲がりやすい材質、例えばナイロン6,6やポリカーボネート、ポリエチレン等のプラスチック材料から形成されている。これは溝16と、ノーズ部18から支持部12と14までの遷移部との組合せによる効果により、ノーズ部つまり前部18に対して支持部12と14がヒンジ部20と22を支点として柔軟に動くようにするためである。しかし、他の実施形態では、ヒンジ20と22は、硬い素材からなる、切り離された前部18と支持部12および14を接続する、適切な柔軟性を持つ材質から構成される可能性がある。さらになお他の実施形態では、縦溝16ではなく、薄く狭い縦長のヒンジ線(図示されていない)が支持部12と14の間に設けられる場合もある。そのため、支持部12と14は、これらを接続する縦長のヒンジ回りに独立して動くことができながら、支持部12と14は事実上1つの部材として構成される。
【0044】
支持部12と14はお互いに関して鏡像であり、図3から6で表す断面図からも明白なように、くぼみ30があるので略茶碗状にくぼんだ形状をしており、漕ぎ手の座骨に近い臀部の一部を気持ち良く受け止められる。また、図2で明らかなように部分12と14は、前部18と比較してわずかに上方に傾斜している。
【0045】
支持部分12と14は、シェル11の下面に複数の一体リブ27を備えている。リブ27は支持部分12と14の後端からヒンジ20と22の後方位置まで伸びており、図3および4で明らかに見てとれる。
【0046】
図3から6で最も良くわかるように、部分12と14は(図3と4では部分12のみが示されている)、くぼみ30を囲う枠32を有する。枠32は、下方に湾曲する外エッジ33を有する。また、図2に示されるように、シート10には接続レール40が連結されている。レール40はヒンジ20と22と、ノーズ部18の先端42との間に接続されている。レール40はノーズ部18のみに限られており、ヒンジ22の動きや支持部12と14の動きに干渉しない。このように、レール40が自転車に結合され、シート10が(既知の方法で)自転車にしっかり固定されておれば、前部18は十分に静止が保たれ、支持部12と14は前部18に対して柔軟に動くヒンジ20と22の働きにより、動くことができる。
【0047】
図4で最も良く示されるように、シェル11にはヒンジ20と22の前方に厚さが拡大された部分50があり、また、ノーズ部18の先端42で厚さが拡大された部分52がある。厚さが拡大された領域50と52はレール40をシェル11に確実に固定するために、レール40を受け止める突起を提供する。以下、レール40をシェル11に接続する好ましい方法を、図15から22を参照して、説明する。
【0048】
図6で最も良く示されるように、ノーズ部18は、逆U字の断面形状であるのが好ましく、支持部12と支持部14のそれぞれのくぼみ30の間で、盛り上がった部分19を構成する。図12と4で良く示されるように、ノーズ部18はヒンジ20と22から下方に角度がつけられている。
【0049】
漕ぎ手が図1から6までの自転車シートに座りペダルを漕ぎ始めると、漕ぎ手の臀部の動きが、ヒンジ20と22を支点とする、支持部12と14の独立した大まかな振動を交互に発生させる。その振動により、図2中の矢印Aで示されるように、支持部12と14が弓状に動く。弓状の動きは主に、自転車の長軸に平行な略鉛直の平面内にあり、そのため、弓状の動きはほとんどの成分がその鉛直面内にある。しかし、図5の矢印Bで示されるような、支持部12と14の横方向の動きもいくらか起こり得るので、弓状の動きは、自転車の長軸に直角な略鉛直の面内の成分も持っている。このため、自転車の長軸に直角な面内の弓状の動きは、自転車の長軸に水平な面内の弓状の動きに比べれば小さい要素である。
【0050】
支持部12と14の弓状の動きは、漕ぎ手がペダルを漕ぐ際に心地よい支持感を与え、また、ヒンジ20と22で与えられるバネ作用、つまり、撓みにより、漕ぎ手にいくらかのエネルギーを戻す。ヒンジ20と22で与えられるバネ作用は漕ぎ手が動くごとに、支持部12と14を最初の位置に押し戻そうとする。このように、漕ぎ手は自転車を漕ぐのにエネルギーが十分な方法で、快適に支えられる。
【0051】
図1から6の実施形態の中では、シート10は、溝16をのぞいて、既存の先端の長いシートと同じ外観をもつ。もし、シートが極度の使用に耐えうるために、溝16が被覆材で覆われていれば、図1から6の使用中の実施形態は、ノーズ部の先端が下方向に曲がっている点を除いて、既存のノーズの長い皮革製の自転車シートであるように見える。
【0052】
図7および図8において示されている発明の実施形態は、図1から図6までの実施形態と同様の全体的な外観を有しており、図1から図6と同様に構成されている。ただし、シェル11の前部18は、先端を切り取ったノーズ部18の形態になっており、このノーズ部18は、図1から図6におけるノーズ部18よりもはるかに短い。図7および図8の実施形態において、被覆材25aはシート10の前部21においてはるかに厚く、事実上前部21の長さを引き延ばしているので、前部21は図1から図6までのノーズ部18と同じ外観を有している。しかしながら、図7および図8の実施形態においては、上記ノーズ部18に近接して前部21の長さを引き延ばしている上記被覆材25aは、非常に柔らかい素材、例えば柔らかい発泡素材あるいはスポンジ素材、バンパー(nerf)タイプの素材、ポリエチレンなどの素材でできているので、使用者がその上にいかなる重さをかけてもすぐにつぶれてしまう。このように、図7および図8における前部21は、垂直方向には、ほとんどあるいは全く支持をせず、従って、乗り手がペダルを踏むときに、乗り手の柔らかい生体組織への圧力を低減する。図7および図8の実施形態における柔らかい被覆材25aの目的は、従来のシートの外観を与えると同時に上記ノーズ部18の支持機能を低減し、さらにその結果、柔らかい生体組織への圧力を低減することにある。
【0053】
図7および図8の発明の実施形態における前部21は、乗り手が中心位置に来るようなある基準面を提供しているため、乗り手は上記前部21に対して支持部12および14上で正しく中央に乗ることができる。また、この前部21は、乗り手がシートに座るときおよびコーナリングするときに、乗り手に横方向の安定性をいくらか与える。しかしながら、図7および図8の発明の実施形態において、前部21によって与えられる全体的な支えは、それ以前の実施形態において与えられる全体的な支えよりかなり小さくなるようにされており、非常に柔らかい被覆材25aは、基本的に負荷を支持する機能を形成しないように、重さがかけられるとつぶれるようになっている。そのため、上記被覆材25aは、自転車のノーズ部によって通常生じる体の擦れを少なくする。
【0054】
上記前部21に、先端を切り取ったノーズ部18および比較的厚いけれどもさらに柔らかい被覆材25aを含んでいること以外は、図7および図8における自転車のシートは、図1から図6までのシートとまったく同じように機能する。
【0055】
図9および図10は本発明の第3の実施形態を示しており、この実施形態もまた図1から図6と同様である。ただし、本実施形態においては前部18は、図7および図8のものと実質上同じ先端を切り取ったノーズ部18の形態をとる。しかしながら、本実施形態においては、図7および図8の長く延びた柔らかい被覆材は設けられていないため、図9および図10から明らかなように、シートは非常に短いノーズ部を持つシートの外観を有している。
【0056】
図11から図14においては、図示されているように、被覆材25が設けられ、この被覆材は図1から図6における被覆材25と同様、図9から図10のシェル11の輪郭にほぼ沿っている。
【0057】
図9から図14の実施形態において、リブ27は後部55から先端部42まで上記シェル11の全長にわたって延びている。支持部12および14は、図1から図6までの実施形態においてよりも僅かに幅広い。
【0058】
図9から図14の実施形態の支持部12および14のヒンジ20および22は、図1から図6の実施形態とまさに同じ方法で動く。
【0059】
図15から図22は、取付レール40を自転車のシート10のシェル11に接合する好ましい方法を示している。図15においては、プレート70が提供され、レール40は上記プレート70に接続されている。上記プレート70はシェル11にボルトで固定、あるいは接着剤で接着することができる。または、上記シェル11の成形の間、上記ヒンジ20および22と上記ノーズ部18の先端部42との間で上記シェル11に埋め込むことができる。
【0060】
図16は上記レール40の僅かに異なる形態を示している。図16において、上記レール40は、U字形のトランジション41を有するただ一つの部品から成っている。上記レール40の両端部には、丸いプレート43が設けられている。このプレート43は、シェル11が成形されるとき、上記シェル11に埋め込むことができる。
【0061】
図17は、図3および図4において示されている実施形態と同様の実施形態を示している。図17において、上記レール40は、横向きに突出した端部47を有し、この端部47は分厚い部分50に収容される。端部47は、シェル11が成形されるとき上記分厚い部分50に埋め込んでもよく、あるいは、端部47を収容するために穴を上記分厚い部分50に設けてもよい。上記U字形のトランジション41は、分厚い部分52内のスロットに収容され得る。
【0062】
上記分厚い部分50と52との距離およびレール40の大きさは、上記レール40が所定の位置に設置されたとき、上記レール40を上記シェル11上の所定の位置に確実にしっかりと保持するために、上記レール40が軽く引っ張られた状態におかれるような距離および大きさである。
【0063】
図18は、ノーズ部18にはほぼ円柱状の2つのボス59がモールドされている実施形態を示しているが、その実施形態において、これらのボス59は、上記レール40の端部47を収容するための穴61を備えている。上記レールのトランジション41は、上記ノーズ部18の前部42にあるスロット74に収容され得る。
【0064】
図19は、図18の実施形態によるノーズ部18およびレール40の側面図であり、上記スロット74における上記トランジション部41の位置をより明確に示している。本実施形態において、上記スロット74内で上記レール40のトランジション部41を所定の位置にしっかりと保持するために、留め具75は、上記ノーズ部18の折返し部18’を貫いて設置される。
【0065】
図20は、単にレール40の異なる実施形態を示しており、本実施形態において、レールは、図17、図18および図19における端部47の方向とは反対方向に内側へ曲げられた端部47’を備えている。本実施形態において、上記トランジション41は、前の実施形態におけるようなU字形というよりむしろ角張っている。脚47’は成形の間に上記シェル11に埋め込まむことができる。
【0066】
図21はさらなる実施形態を示しており、本実施例においては、上記シェル11が形成されるとき、植込みボルト80が上記シェル11に埋め込まれ得る。上記植込みボルト80は、ねじ山83を持ったスリーブ82を有する。上記植込みボルト80は、所定の位置に上記植込みボルトをしっかりと設置するために上記シェル11を突き刺すプロング87のついた基部85も有している。上記レール40は、その自由端にねじ山40’を備えており、上記ねじ山40’は、上記スリーブ82内のねじ山83にねじ込まれる。
【0067】
図22はさらなる実施形態を示しており、レール40はノーズ部18と同じ素材で、ノーズ部18と一体に形成されている。本実施形態において、上記レール40は一体型の脚65を有し、それらの脚65は上記シェル11に上記レール40を接合するために上記レール40と上記ノーズ部18との間で延びている。
【0068】
図1の実施形態は、より高性能な用途のために滑らかでこぎれいなデザインになっており、比較的軽いであろうが、図9はむしろレクリエーションのために横幅が広くしてあるように設計されている。
【0069】
図23乃至36は、本発明の第4実施形態を示しており、この実施形態において、同じ参照番号は前述のものと同じ部分を示している。
【0070】
これまでの実施形態におけるのと同様に、シートは、射出成形プラスチック材、例えば、ナイロン6,6あるいはポリプロピレンなどの弾性材料のシェル11からなる。被覆材25は、この後でより詳細に述べるように、シェル11の上面11aの上に設けられる。
【0071】
上記シェル11は、スロット16によって分けられた後部臀部支持部12および14と前面ノーズ部18とを有する。ここでも、一体成形ヒンジが支持部12および14とノーズ部18との間の領域20および22において形成されている。これにより、既に述べたのと同様に、支持部12および14は、互いに対して、かつ、ノーズ部18に対して独立したアーチ状つまり弓状の動きをとることができる。
【0072】
支持部12および14は、領域30において少し皿状になっており、部分19および上方外周端110に向かって隆起している。この外周端は、後部支持部12および14の境界を定めている。形状については、さらに十分に説明を行い、後で説明される断面図から明らかになる。
【0073】
図24および25から明らかなように、シェル11はまた、上方外周端110から下端部132までシートの外縁を延びる下方に突き出たスカート部112を含んでいる。図29および31に示されるように、スカート部112は、シートの側面において最も高くなり、図32に示されるように、後部において少し低くなり、図31に示されるように、ノーズ部18の前面部において最も低くなっている。
【0074】
図25および26から明らかなように、シェル11の下面11bは、下方に突出するリブ114を有する。リブ114は、全体的に湾曲した形状となっており、支持部12および14の夫々について、最も外側のリブ114'(図26参照)は、中央リブ114''より幾分長く、そして、その中央リブ114''は、最も内側のリブ114'''よりも幾分長い。
【0075】
図26に示されるように、取付けレール40は、ナット116とブラケット118によって下面11bに固定されている。ボルト117はシェル11に嵌め込まれ、ナット116を受ける。(図31に最もよく示されるように)。シェル11は、切り欠き部分120を有し、その切り欠き部分は、後でより詳細に説明されるように、レール40の前部122を収容して、レール40の前部122をシェル11に保持する。
【0076】
ブラケット118は、レール40をシェル11の下面11bに固定する。上記ブラケット118は、レール40を収容し、かつ、レール40をシェル11に固定するための湾曲部分126を有していてもよい。上記シェルの下面11bはまた、レール40を正確に位置決めするためのガイド突起あるいはガイド溝145a(図28)を有していてもよい。レール40について、図34乃至36を参照しながらさらに十分説明する。
【0077】
図27乃至29は、図23のシートの横断面図であり、シートおよびそのシートを乗せて使用する自転車の長手方向に対して横方向のノーズ部18および支持部12および14の曲りを示している。
【0078】
図27、28および29から明らかに分かるように、シェル11の下端部132は、下面11bにステップ130が形成されている。ステップ130が、被覆材25を収容するので、被覆材はシェル11の下端部132(図28参照)の周りを覆いながらも、シェル11の下面11bと同じ平面の状態を維持できる。これが、表面積を増やすことによって被覆材25をシェル11に固定するのを補佐し、また、被覆材25がシェル11の下面11bと同一の高さでない場合によくあることであるが、被覆材を下端部132から円く丸めているシートの下方に何らかの接触が起きる可能性を防止する。
【0079】
被覆材25は、自身が外皮となるポリウレタンによって形成されるのが好ましい。このポリウレタンは、成形の工程で、シェル11に接着またはつながり、発泡して所望の形になり、自転車のシートに緩衝作用を与える。ポリウレタンの被覆材25の外面は、所望のテクスチャをつけられた堅い外皮を形成している。したがって、シェル11と被覆材の成形は、単一の作業工程で形成することができる。一方、被覆材25を分けて形成し、別の工程でシェル11に接続することもできる。さらにまた、被覆材は、2つの作業工程の組み合わせであってもよい。例えば、緩衝材は成形工程において形成し、成形された緩衝材に外カバーすなわち外皮を接着させて、被覆材25を完成させることができる。成形工程あるいは別の接着工程においてシェル11に被覆材25を接着させるのとは別に、被覆材25は、シェルにステープルで留めたり、あるいは、シェル11に固定したりすることができる。
【0080】
図29はまた、停止部材を構成するレール40の後部145のすぐ上に配置された分厚い領域147を示している。この分厚い部分147は、図29に示されるように、少し曲がっていて、シェル11の下面11bの上に補強区域を与えるようになっている。これにより、シートが底について、端部145に接触した場合に、この分厚い領域147が、下面11bと端部145との接触のためにシェル11が破損したり、シェル11が磨耗したりしようとするのに対して抵抗する力を提供する。通常、この分厚い領域147は、端部145に沿ったストリップの形で構成されており、図29に示されるように、端部145のすぐ上に配置されている。
【0081】
図30は、シートの側面図を示している。図30から明らかなように、シートは通常少し傾斜した姿勢をとるように位置付けされている。レール40は、連結部141を有し、この連結部は、自転車のクランプアセンブリに連結して、シートを自転車に接続する。クランプアセンブリは、シートのアーチ型の調節を考慮しているので、図30に示されるその姿勢から、乗り手の要求に応じてより傾斜した姿勢からさほど傾斜しない姿勢まで、シートの角度と位置を調節することができる。通常、レースなどのより高性能な乗車には、より傾斜した姿勢が用いられ、傾斜の小さいものはより娯楽的で快適な乗車に使用される。
【0082】
図30はまた、参照番号200で示される自転車に取付けられたシートを示している。自転車200は、スリーブあるいは中空ソケット203、中央フレーム部材204、そして下向きに傾斜し、かつ、後方に延びるフレーム部材205を有するフレーム201を含んでいる。自転車のその他のフレーム構成部品や構成部分は図30に示されていない。スリーブ203は、入れ子式に支柱207を収容するようになっており、この支柱は、ナットとボルト209によって定位置に固定できるようになっている。このナットとボルトが、スリーブ203のフランジ部分211を締めて、スリーブ203を支柱207のまわりに固定する。支柱207は、箇所141においてレール40と係合するクランプアセンブリ209を支持している。このクランプアセンブリ209は定位置に圧締め固定されて、支柱207の上部のカップ状支持部分210上に据えられる。ボルト212とナット213は、支持部分210とクランプ209を貫通して、レール40にクランプ209を固定し、また、クランプ部分209を支持部分210上に位置決めする。ボルト212を弛めることによって、レール40を、矢印Hの方向にクランプ209内を前後に移動させることができ、また、クランプ209は、カップ状部分210の表面215において少し回転できるようになって、図30に示されるシート10を自転車フレーム201に対して望ましい方位に位置決めできる。
【0083】
図31から33は、夫々、線D−D、E−E,F−Fから見た断面図であり、シートとシートが取付けられる自転車の縦軸方向から見た、先端部18と支持部12、14の形状を示している。
【0084】
図31は、シェル11内の孔124に嵌め込まれたボルト117を示す。ボルト117は、ブラケット118がレール40に締め付けられ、噛み合わされるようナット116を受け、レール40をシェル11に固定する。図31はまた、シェルのノーズ部18が、レール40の前部122を受けるためのスロット、またはソケットの形をした切り欠き部(アンダーカット)120を有することを示す。このように、レール40の前部122は、切り欠き部120内にしっかり固定され、レール40の後部は、ブラケット118でシェル11に固定される。こうすることでレール40は、自転車に取付けられるよう、シェル11にしっかりと固定される。
【0085】
図32,33は支持部12の皿形の輪郭、及びその輪郭がその部分の上方外周端110に向かい、上方へと上昇していくことを示す。上昇部19もまた、明確に示されている。
【0086】
図32,33に示されるように、取付けブラケット118は後方に向かって伸びる自由端部145を有する。自由端部145は、シェル11の下面11bから間隔をおいて置かれている。この後部つまり自由端部145は、部分12,14相互の、そしてノーズ部18に対する撓む動きの量を制限する停止部材を形成している。そうすることで、乗り手が自転車をこぎ、でこぼこ道を走行するときのように、かなりの高負荷が部分12,14に加えられても、停止部材がなければ、部分12,14が、ヒンジ20,22の周りをシートが永久的に歪められたり、壊れたりするまで動くところを、本発明では端部145が部分12,14に隣接する下面11bと接することで、部分12,14の動きを制限し、シートの永久的な歪みと破損を防ぐ。端部145がシェル11の下面11bから間隔をおいてあることは、図29にも明確に示されている。こうして、図29に示すように、図29の矢印M方向の部分12,14の動きが、端部145によって制限される。端部145と下面11bの間の間隔は、部分12,14に要求される動きの量と、これらの部分が作られる材料次第で変わる。
【0087】
前述の実施形態が示すように、皿型の窪み30は、乗り手の体重の大半を支える人体の坐骨部を受けるように作られている。ノーズ部18はあまり多くの体重を支えるようには作られておらず、通常は上昇部19から下方へと向かっている。ノーズ部18は、例えば角を曲がるとき、内腿と接触することで、中心位置を保ち、安定させる効果を与えるよう作用する。支持部12,14から突出部へのシェル11の遷移部分によって形成されるヒンジを中心とする撓む動きを調整するよう、リブ114を設置してもよい。リブのサイズと長さを増すことは堅固さを増し、したがって、ヒンジ20,22により得られる撓む動きの量を減らす。さらに、自転車とシートの縦軸に対するリブの方向を変えることで、支持部12,14の性質や弧状の動きは、シートとシートが据えられる自転車の縦軸に平行な面内での、通常の弧状の動きから、シートとシートが据えられる自転車の縦軸を横断する面内の、より横方向の弧状の動きに変えることが出来る。その撓む動きはシェルのデザインや材料によっても決められる。競技用に、部分12,14の撓む動きからより速いエネルギー還元を得るためには、より固いシート、また、レクリエーション用に快適さを増すには、より撓むシートを使えばよい。撓みの方向は、使い方次第でも変わる。弧状の動きは、競技用にはより直線的(即ち、シートと自転車の縦方向)だが、レクリエーション用としては、より横断的(即ち、シートの縦軸の横断面内)である。
【0088】
シートは被覆材25がなくても使用できる。この場合、シェル11には滑り防止に好適に、上面11aに織地仕上げが施される。
【0089】
前述したように、シェル11は射出成形で作られるのが最も都合がよく、シートを堅固にするため、または、部分12,14の弧状の動きの特徴を変えるために、ガラスファイバー等プラスチック添加物を加えても良い。
【0090】
図34から36は、レール40をより詳細に示す。
【0091】
図34から35に示すように、レール40はシェル11の切り欠き部120内で受けられる前部122を有する。前部122は、略半円形で、そこから一対の下方と外側に曲がった遷移部151が伸びている。一対の平行な連結レール141が遷移部151から後方へ、上方伸張部153まで伸びている。一対の上方伸張部153は、一対の後方に、そして微かに上方に傾いた部分157へと伸びている。これらの部分157は、外方伸張部159へと向かい、外方伸張部159は、停止部材を形成する端部145へと伸びる。選択的に、部分159と145は、連続的に曲がった輪郭を作ることも出来る。
【0092】
レール部分141は、自転車にシートを固定するため、自転車の締付け装置に連結される、取付けレール40の部分である。。
【0093】
部分157は、シェル11の下面11bに接するアバットメント部を形成する。アバットメント部は締付けブラケット118で噛み合わされて、前述のように取付けレール40の後部をシェル11に固定する。
【0094】
図37,38,39は、図23から35により説明されたシートと同様の、本発明のさらなる実施形態を示す。シートは、上述の実施形態と同様に作られた一体のシェル11を有す。シートは一体のヒンジ部と前述の他の特徴を持つ。しかし、図の簡易さのため、シェルは、図37から39に概略的にしか示されていない。取付けレール40は、ナット/ブラケット装置180によってシェル11の下面に連結されている。取付けレール40は、さらにシートの後部へ臀部支持部12,14の下部まで伸びている点で、前述の実施形態と異なっている。支持部12,14の下の取付けレール40の両端40”の間には、コイルばね182が置かれている。コイルばね182は、シェル11にボルト183で連結される。ボルト183は、シェル11に作られた孔にねじ込んでもよいし、シェル11に埋め込んでもよく、ナット(図示せず)をボルトを繋いで、コイルばね182を所定箇所に固定する。コイルばね182の下端は、取付けレール40の端40”にボルト/ナット装置184で連結されている。
【0095】
シートは図23から35の実施形態で述べられたように、機能するが、ばね182が支持部12,14の動きを微かに弱め、また、ペダルをこいでいる動作の間、支持部12,14の戻りを容易にするという点で異なっている。
【0096】
図38の側面図では、レール40の前部が、図37で示されているのとは、少し違った方法でシェル11に固定されていることを示している。図38では、レール40は、シェル11にボルト/ナット装置186で繋げられているループつまり鳩目185を通っている。
【0097】
図40の背面図では、支持部12,14の間の溝16が、撓む性質で、美観目的のためだけに配されたブリッジ部187を備えることを示す。ブリッジ部187は、支持部12,14の動きに変化や影響を与えることなく、それらが前述のように動くことを可能とする。
【0098】
図41は、図37と同様のさらなる実施形態を示す。図41では、ばね182は、レール40と一体に形成された一体ばね190に置きかえられている。レール40は鋼鉄材で作られてもよい。ばね190を形成するレール40の曲部は、前述のコイルばね182と同様のばね効果を持つ。レール40はシェル11の前部に図39に関して述べられたのと同様の方法で連結され、ばね部190の端192は、シェル11と一体を成す突起196の孔194に置かれることで、シェル11に固定される。
【0099】
図42は、図41の実施形態の、溝16がない場合の背面図を示す。溝16がない場合、支持部12,14は連続しているが、シェル11の可撓性により、それらは独立して動くことが出来る。
【0100】
図43は本発明の別の実施形態による自転車のシート210を示す。シート210は、基板212を備えており、その基板には、一対のレール214が溶接されるか、あるいは固定されていて、シート210がよく知られる方法で自転車に固定されるのを可能にする。基板212は、膨張性で中空のハウジング216を支えている。ハウジング216は、エラストマー素材からつくられていて、その内部に流体を注入することにより膨張する際には、伸びるのが望ましい。入口弁218がハウジング216に設けられていて、従来の自転車ポンプあるいは他の適当な加圧された流体発生源によって、流体がハウジング216内へ注入されるようになっている。
【0101】
ハウジング216は、ブリッジ通路220によってつなげられた2つの部分、216aと216bから成る。部分216aと部分216bは乗り手の臀部の一部を収める。乗り手がペダルをこぎ、部分216aあるいは部分216bのうちの一方に他方より多くの圧力がかかると、流体、好ましくは空気が、ブリッジ通路220によって、ブリッジ通路220を通って一方部分216aから他方部分216bへと動く。
【0102】
図43に示される構成は、図23から図43に示されるシートの上に、椅子張りつまり被覆材、あるいはクッションとして設置してもよい。
【0103】
図44に示されるように、部分216bは、自転車のペダルをこいでいる間、部分216bにかかる乗り手(図示せず)の追加重量により、わずかに圧縮されてへこんでいる。従って、部分216b中の流体は、ブリッジ通路220を通って部分216aへと流れ込み、部分216aは部分216bから流れ込んできた流体によってさらに膨張する。このようにして、部分216bに圧力がかけられると、乗り手の圧力を受けて、部分216bはわずかにへこむ。また、部分216aには自転車の運転中は減圧された圧力がかかっているので、ペダルをこぐ動作中、乗り手を支え続けられるように、部分216aは膨張することができる。このように、乗り手がペダルを踏む間、流体が一方の部分216aから他方の部分216bへと押され、また部分216bから部分216aへと戻されるにつれて、部分216aおよび部分216bは、基本的には順番にへこみ、膨張する。流体が部分216aから部分216bへと移動するため、シートは幾分シーソーのように乗り手とともに動く。このような動きは、乗り手がペダルをこぐにつれてシートが形を変えるため、乗り手にとって快適であり、また、ペダルをこぐ動作中、シートは加圧、減圧されるにつれて、基本的に膨張し、へこむため、ペダルをこぐ動作中、乗り手の支えとなる。
【0104】
好ましくは、ハウジング216は、リブ付け、気泡構造、支持フレームなど(図示せず)の補強材により補強されているため、ハウジング210を膨張させるために入り口弁218に空気が吹き込まれると、ハウジング210は、基本的には図43に示される形に膨張する。流体が部分216aおよび部分216b間を移動すると、部分216aおよび部分216bは膨張し、(図44に示すように)図43中の配置と比較して寸法が大きくなるようになっているが、図43中に示されるような、その部分の大体の外形は維持する。つまり、部分216a、部分216bは、部分216aおよび部分216bにおいて圧力が高まると、単に全体的に、球状あるいはそれに類する形状に変形するというよりもむしろ、基本的には寸法が大きくなるのであって、拡大する間も外形は維持する。
【0105】
図45は、本発明の一実施形態を示している。本実施形態においては、シート220は、自転車のシートというよりもむしろ通常のラウンジ・シートあるいはカー・シートなどの形状であり、ハウジング210’がシート220内に設けられていて、図43により説明されたように作用する。本実施形態においては、ハウジング210’の外形は図43に示されるものとは異なることもあるが、乗り手がシート上で位置をシフトさせると、流体はハウジング210’の一方から他方へと移動する。それゆえに、動きが図43によって説明されるのとほぼ同じである間は、ハウジングは拡大、縮小する。
【0106】
図46には、さらに別の実施形態が示されているが、本実施形態においては、図43に示されるのとはシートの形状がわずかに異なっている。図46の実施形態においては、シート210''は骨盤領域230および2つの側部232を備え、側部232が乗り手の身体の座骨部分のための支持部を形成する。骨盤部分230は、図43によって説明されるのと基本的には全く同様に、流体が側部232間を移動するのための通路を形成する。
【0107】
このように、図46中の実施形態においては、通路230は、図43中の通路220とは基本的に異なる位置にある。通路を異なる位置に設けることによって、ハウジング210、210’あるいは210''のある部分からハウジングの別の部分への流体の移動の性質が変化して、シート上の乗り手が動く間、ハウジングの様々な部分の膨張特性あるいは拡張特性をわずかに変化させることができる。
【0108】
図43へ戻って、例えば、図43中点線で示され、符号220’で示される位置に通路220を設けたのであれば、流体移動中にシートの前部の方へより多くの空気が入れられて、基本的にはシートの後部よりシートの前部をわずかに大きく膨張させる。このことが、外形特性をわずかに変化させ、その結果、ペダルをこいでいる間の支持の性質を変化させる。
【0109】
図47は本発明のさらなる実施形態を示す。図47中の実施形態においては、シート240は、縦方向の溝244で分けられた一対の臀部支持部242を備えている。角部244が、2つの臀部支持部242をつなげているため、臀部支持部242間に溝が含まれていることを除けば、シートはほぼ従来の自転車のサドルの形状になっている。ヒンジ部246は、臀部支持部242と角部244との間に設けられており、ヒンジ部246は、ばね金属、ばねプラスチック材料あるいはポリマーなどのばね素材でできている。図48に示されるように、臀部支持部242が角部244に対してある角度で上向きに傾斜しているために、乗り手がシートに座っているとき、使用者の体重および/あるいは圧力を受けて、臀部支持部242がばね素材ヒンジ246の周りを軸回転する。
【0110】
シート240は、ばね金属素材あるいはばねプラスチック材料からつくられてもよく、そのような実施形態においては、ヒンジ部246はシート240の一体部分に過ぎず、臀部支持部242および角部244間の遷移領域により形成される。しかしながら、他の実施形態においては、臀部支持部242および角部244は、アルミニウム板あるいはスチール板などの非ばね素材でできていて、臀部支持部242は、ばねスチールあるいはばねプラスチック材料などから形成されるヒンジ部246によって角部244とつなげられていてもよい。
【0111】
使用者が、図47の自転車のシートに座っているとき、図48中矢印Aで示されるように下向きに、また図49中矢印Cで示されるようにわずかに側方に向かって、臀部支持部242は動こうとする。図49の臀部支持部242の割れ目は、使用者がシートに座っている間の臀部支持部242部のわずかな横方向の動きを示すために、誇張されている。乗り手がペダルをこいでいる間、臀部支持部242の一方が加圧され、続いて減圧されて臀部支持部242のもう一方が加圧されると、臀部支持部242は、図50中矢印DおよびEで示されるように上下方向に動こうとするため、使用者がペダルをこぐ間、臀部支持部242は、基本的に、櫂あるいはシーソーのような動きをする。
【図面の簡単な説明】
添付した図面に参照して、好ましい本発明の実施形態が例示される。添付した図の内容は、
図1は本発明を実施した自転車シートの斜視図である。
図2は図1の自転車シートの側面図である。
図3は図1のIII−III線断面図である。
図4は図1のIV−IV線断面図である。
図5は図1のV−V線断面図である。
図6は図1のVI−VI線断面図である。
図7は本発明の2番目の実施形態による自転車シートの斜視図である。
図8は図7のシートの側面図である。
図9は本発明の3番目の実施形態による自転車シートの斜視図である。
図10は図9のシートの側面図である。
図11は図9のXI−XI線断面図である。
図12は図9のXII−XII線断面図である。
図13は図9のXIII−XIII線断面図である。
図14は図9のXIV−XIV線断面図である。
図15,16,17,18,19,20,21,22は好ましい本発明の実施形態の自転車シートを自転車に接続するための様々な取付けレールの図である。
図23は本発明のさらなる実施形態の平面図である。
図24は図23の実施形態の正面図である。
図25は図23の実施形態の背面図である。
図26は図23の実施形態の下面図である。
図27は図23のA−A線断面図である。
図28は図23のB−B線断面図である。
図29は図23のC−C線断面図である。
図30は図23の実施形態の側面図である。
図31は図23のD−D線断面図である。
図32は図23のE−E線断面図である。
図33は図23のF−F線断面図である。
図34は図23の実施形態の中で使用されている取付けレールの斜視図である。
図35は図34の取付けレールの正面図である。
図36は図34の取付けレールの側面図である。
図37は本発明の、更に別の実施形態を図示したものである。
図38は図37の実施形態に、図示された変更を加えたものの側面図である。
図39は図37の実施形態の底面図である。
図40は図37の実施形態の背面図である。
図41は別の実施形態の側面図である。
図42はさらに別の実施形態の背面図である。
図43は本発明の最初の実施形態における自転車シートを図示したものである。
図44は図43の実施形態で異なった外形であるときの図である。
図45は本発明の別の実施形態を図示したものである。
図46は本発明の別の実施形態を示している。
図47は本発明の更に別の実施形態を図示したものである。
図48は図47の実施形態の側面図である。
図49は図47の実施形態が異なる外形であるときの平面図である。
図50は図47の実施形態の側面斜視図である。
【発明の名称】自転車のシート
【特許請求の範囲】
【請求項1】 乗り手の臀部を受ける第1の支持部および第2の支持部と、
上記第1および第2の支持部に連結された前部と、
乗り手が上記第1および第2支持部に座って足踏み動作を行なっているとき、上記第1および第2の支持部の各々に、少なくとも略垂直平面内に成分を有する実質的に独立した弓形の動きをさせるための上記第1および第2の支持部と上記前部との間にあるヒンジとを備えたことを特徴とする支持装置。
【請求項2】 上記第1および第2の支持部は縦方向の溝によって分離されていることを特徴とする請求項1に記載の支持装置。
【請求項3】 上記ヒンジは、上記第1の支持部と前部との間にある第1のヒンジと、上記第2の支持部と前部との間にある第2のヒンジからなることを特徴とする請求項1に記載の支持装置。
【請求項4】 上記支持装置は、上記第1および第2支持部と上記前部と上記ヒンジとを含む一体形シェルを含み、上記ヒンジは上記2つの支持部と前部との間の遷移部分によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の支持装置。
【請求項5】 上記シェルには、このシェルを覆う被覆材が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の支持装置。
【請求項6】 上記支持装置はこの支持装置を物品に接続するための接続手段を有し、この接続手段は、上記前部の前端と上記ヒンジとの間で、上記前部に連結されて、上記ヒンジの撓む動きおよび上記第1及び第2の支持部の弓形の動きに干渉しないことを特徴とする請求項1に記載の支持装置。
【請求項7】 上記接続手段は接続レールを備えていることを特徴とする請求項6に記載の支持装置。
【請求項8】 上記接続レールは、上記シェルの形成時に上記接続レールの一部を上記シェル内に埋め込むことによりシェルに結合されていることを特徴とする請求項7に記載の支持装置。
【請求項9】 両支持部分は、乗り手の坐骨領域と臀部領域とを受けるためにカップ形状をしていることを特徴とする請求項1に記載の支持装置。
【請求項10】 上記前部は先端を切り取ったノーズ部からなることを特徴とする請求項1に記載の支持装置。
【請求項11】 上記前部は上記先端を切り取ったノーズ部の長さを延長するために柔軟な詰め物材を含んでおり、使用中、この柔軟な詰め物材は、乗り手が接触すると形がつぶれることを特徴とする請求項1に記載の支持装置。
【請求項12】 ノーズ部と後部とを有し、軟質材料で形成された単一シェルと、
上記後部にあって、上記後部を2つの別々の支持部に分割する溝とを備え、
上記2つの支持部分はそれぞれ、上記シェルを形成している軟質材料が撓むことによって上記ノーズ部および互いに対して独立して動くことができ、上記2つの別個の支持部と上記ノーズ部との間の遷移部は、乗り手が座って自転車のペダルを漕いでいるとき、上記2つの別々の支持部に、実質的に独立した動きをさせるためのヒンジを形成していることを特徴とする自転車のシート。
【請求項13】 上記単一シェルの上面を覆う緩衝外皮層を含んでいることを特徴とする請求項12に記載の自転車のシート。
【請求項14】 上記シェルは上面と下面とを有し、複数のリブが上記下面から突出していることを特徴とする請求項12に記載の自転車のシート。
【請求項15】 取り付けレールが上記シェルの下面に結合されていることを特徴とする請求項12に記載の自転車のシート。
【請求項16】 上記取り付けレールは上記支持部の下方位置まで延びており、この取り付けレールと各支持部との間にばねが設けられていることを特徴とする請求項15に記載の自転車のシート。
【請求項17】 上記ばねはコイルばねであり、上記取り付けレールと上記シェルとに接続されていることを特徴とする請求項16に記載の自転車のシート。
【請求項18】 上記ばねは、上記取り付けレールと一体であり、この取り付けレールの湾曲あるいは屈曲した部分によって形成されていることを特徴とする請求項16に記載の自転車のシート。
【請求項19】 上記ノーズ部は、上記取り付けレールの前部を上記シェルに固定するために上記取り付けレールの前部を受けるアンダーカットを有することを特徴とする請求項12に記載の自転車のシート。
【請求項20】 上記2つの支持部の動きを制限するために停止手段が設けられていることを特徴とする請求項12に記載の自転車のシート。
【請求項21】 ノーズ部と、
上記ノーズ部に連結されると共に、第1の支持部と第2の支持部とを有する後部支持部と、
上記第1および第2の支持部それぞれが、上記ノーズ部および互いに対して実質的に独立して動くことを許容するヒンジとを備え、独立した弓状の動きは、乗り手が上記第1および第2の支持部に座って自転車のペダルを漕いでいるとき、少なくとも、略垂直な平面内に成分を有しており、
また、上記第1および第2の支持部の動きの量を制限するための停止手段が設けられていることを特徴とする自転車のシート。
【請求項22】 シートを自転車に取り付けるための取り付けレールを備えており、上記停止手段は上記取り付けレールの両端部を備え、上記両端部は上記第1および第2の支持部から離間すると共に、これら第1および第2の支持部の下方に位置していることを特徴とする請求項21に記載の自転車のシート。
【請求項23】 ノーズ部と、
乗り手の臀部を受けるための後部を備え、
上記ノーズ部と後部は上面と下面とを有し、
また、上記下面に結合された取り付けレールと、
上記取り付けレールの前部をシートに保持するために上記取り付けレールの前部を受けるノーズ部内の切り欠きと、
上記後部が自由で上記取り付けレールに接続されないように上記下面の略中央部で上記取り付けレールを上記下面に固定する固定手段と
を備えていることを特徴とする自転車のシート。
【請求項24】 上記固定手段は上記取り付けレールを上記下面に締め付けるためのブラケットとボルトとナットを備えていることを特徴とする請求項23に記載の自転車のシート。
【請求項25】 上記ボルトは上記ナットとブラケットとを受けるためにシェルに埋め込まれ、上記ブラケットしたがって上記取り付けレールをシートに結合することを特徴とする請求項24に記載の自転車のシート。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は支持装置に関し、より詳しくは自転車のシートに関する。
【0002】
本発明は私の国際出願PCT/AU96/00273及び私の国際出願PCT/AU94/00284に開示されたシートの改良あるいは変形である。これらの国際出願の内容はこの言及によりこの明細書に組み込まれている。
【0003】
本発明は,第1の側面によると、
乗り手の臀部を受ける第1の支持部および第2の支持部と、
上記第1および第2の支持部に連結された前部と、
乗り手が上記第1および第2支持部に座って足踏み動作を行なっているとき、上記第1および第2の支持部の各々に、少なくとも略垂直平面内に成分を有する実質的に独立した弓形の動きをさせるための上記第1および第2の支持部と上記前部との間にあるヒンジとを備えたことを特徴とする支持装置にあると言える。
【0004】
本発明のこの側面によると、人が支持部に座って足踏み動作を行なっているとき、例えば、自転車に乗っているときなど、上記両支持部の独立した弓形つまり弧状の動きによって快適さが与えられると共に、その人へエネルギーが戻される。さらに、上記量支持部の動きによって、摩擦が低減され、これが擦れを低減する。
【0005】
好ましくは、上記第1および第2の支持部は縦方向の溝によって分離される。しかしながら、他の実施においては、上記第1および第2の支持部は、細い縦方向のヒンジ部材によって連結することができ、これにより、上記第1および第2の支持部は1つの支持部材に形成され、上記縦方向のヒンジは上記第1および第2の支持部の独立した弧状の動きを許容する。
【0006】
好ましくは、上記ヒンジは、上記第1の支持部と前部との間にある第1のヒンジと、上記第2の支持部と前部との間にある第2のヒンジからなる。
【0007】
好ましくは、上記支持装置は、上記第1および第2支持部と上記前部と上記ヒンジとを含む一体形シェルを含み、上記ヒンジは上記2つの支持部と前部との間の遷移部分によって形成されている。
支持装置が一体形シェルを含んでいる本発明の実施形態において、ヒンジを含むこの一体形シェルは、好ましくは、ナイロン6,6ポリカーボネート、ポリエチレン等の弾性プラスチックからなり、上記第1および第2支持部がヒンジの撓みによって弧の方向に動くことができ、また、材料の弾性によって、足踏み(ペダリング)動作中に付加が取り除かれるにつれて第1および第2支持部がそれらの初期位置に戻ろうとすることになる。
【0008】
好ましくは、上記シェルには、このシェルを覆う被覆材(upholstery)が設けられている。
【0009】
好ましくは、上記支持装置はこの支持装置を物品に接続するための接続手段を有し、この接続手段は、上記前部の前端と上記ヒンジとの間で、上記前部に連結されて、上記ヒンジの撓む動きおよび上記第1及び第2の支持部の弓形の動きに干渉しないのが好ましい。
【0010】
好ましくは、上記接続手段は接続レールを備えている。
【0011】
一実施形態において、上記接続レールは、上記シェルの形成時に上記接続レールの一部を上記シェル内に埋め込むことによりシェルに結合されている。他の実施においては、レールは、シェルに取り付けられているかシェルと一体に形成された固定部材によってシェルに結合される。さらに別の実施においては、上記レールはシェルと一体に形成される。
【0012】
好ましくは、両支持部分は、乗り手の坐骨領域と臀部領域とを受けるためにカップ形状をしている。
【0013】
好ましくは、上記前部は先端を切り取ったノーズ部からなる。
【0014】
一実施形態においては、上記前部は、上記先端が切り取られたノーズ部の長さを延長するために軟らかい詰め物材を含んでいる。この実施形態では、上記軟らかい詰め材は乗り手が当たるとつぶれるだけである。であるから、この前部は、従来の自転車のシートが長いノーズ部を有しているような外観を呈するが、乗り手を垂直方向に支持する機能は殆どないか全くない。この実施形態では、上記前部は、シート上の乗り手の安定と中央に位置するのを補助する横方向支持機能を提供する。
【0015】
本発明は自転車のシートに存するとも言える。この自転車のシートは、
ノーズ部と後部とを有し、軟質材料で形成された単一シェルと、
上記後部にあって、上記後部を2つの別々の支持部に分割する溝とを備え、
上記2つの支持部分はそれぞれ、上記シェルを形成している軟質材料が撓むことによって上記ノーズ部および互いに対して独立して動くことができ、上記2つの別個の支持部と上記ノーズ部との間の遷移部は、乗り手が座って自転車のペダルを漕いでいるとき、上記2つの別々の支持部に、実質的に独立した動きをさせるためのヒンジを形成している。
【0016】
好ましくは、この自転車のシートは、上記単一シェルの上面を覆う緩衝外皮層を含んでいる。
【0017】
好ましくは、上記シェルは上面と下面とを有し、複数のリブが上記下面から突出している。
【0018】
好ましくは、取り付けレールが上記シェルの下面に結合されている。
【0019】
本発明の一実施形態においては、上記取り付けレールは上記支持部の下方位置まで延びており、この取り付けレールと各支持部との間にばねが設けられている。
【0020】
上記ばねはコイルばねとすることができ、このばねは上記取り付けレールと上記シェルとに接続される。
【0021】
他の実施においては、上記ばねは、上記取り付けレールと一体であり、この取り付けレールの湾曲あるいは屈曲した部分によって形成されるかもしれない。
【0022】
好ましくは、上記ノーズ部は、上記取り付けレールの前部を上記シェルに固定するために上記取り付けレールの前部を受けるアンダーカットを有する。
【0023】
好ましくは、上記2つの支持部の動きを制限するために停止手段が設けられる。
【0024】
好ましくは、上記停止手段は、上記取り付けブラケットの端部からなり、これらの端部はシェルの下面から離間している。
【0025】
本発明のさらなる側面は、
ノーズ部と、
上記ノーズ部に連結されると共に、第1の支持部と第2の支持部とを有する後部支持部と、
上記第1および第2の支持部それぞれが、上記ノーズ部および互いに対して実質的に独立して動くことを許容するヒンジとを備え、独立した弓状の動きは、乗り手が上記第1および第2の支持部に座って自転車のペダルを漕いでいるとき、少なくとも、略垂直な平面内に成分を有しており、
また、上記第1および第2の支持部の動きの量を制限するための停止手段が設けられていることを特徴とする自転車のシート
に存すると言うこともできる。
【0026】
好ましくは、上記自転車のシートはこのシートを自転車に取り付けるための取り付けレールを備えており、上記停止手段は上記取り付けレールの両端部を備え、上記両端部は上記第1および第2の支持部から離間すると共に、これら第1および第2の支持部の下方に位置している。
【0027】
さらなる側面において本発明は、
ノーズ部と、
乗り手の臀部を受けるための後部を備え、
上記ノーズ部と後部は上面と下面とを有し、
また、上記下面に結合された取り付けレールと、
上記取り付けレールの前部をシートに保持するために上記取り付けレールの前部を受けるノーズ部内の切り欠きと、
上記後部が自由で上記取り付けレールに接続されないように上記下面の略中央部で上記取り付けレールを上記下面に固定する固定手段と
を備えていることを特徴とする自転車のシート
に存すると言える。
【0028】
好ましくは、上記固定手段は上記取り付けレールを上記下面に締め付けるためのブラケットとボルトとナットを備えている。
【0029】
好ましくは、上記ボルトは上記ナットとブラケットとを受けるためにシェルに埋め込まれ、上記ブラケットしたがって上記取り付けレールをシートに結合する。
【0030】
さらなる側面において、本発明は、
流体を収容するためのチャンバを形成する膨脹可能なハウジングを備えた支持装置であって、
使用者がこの支持装置によって支持されて動くと、上記ハウジングの一部分から別の部分へと上記流体が動かされて、上記ハウジングの上記一部分がその形状および/または形態を変えることができ、また、上記別の部分への流体の流れは、この別の部分にその形状および/または形態をその別の部分における流体の変化に応答して変えさせることを特徴とする支持装置
にあると言える。
【0031】
このように、本発明のこの側面に係る支持装置の場合、使用者がこの支持装置によって支持されて使用者が動くと、流体がある部分から他の部分へと動かされて支持装置の形状を変化させ、支持を容易に行えるようにする。一実施形態では、
この支持装置は自転車のシートである。自転車のシートの場合、使用者がペダルを踏んでいるとき、脚や臀部の動きがシートのある部分の圧力を増大させるため、流体がその部分から、圧力がより小さい他の部分へと移動させられる。その結果、その部分が拡張するので、自転車に乗車中、使用者から与えられる圧力が減っても、使用者とのいくらかの接触は維持され使用者を支持することは維持される。使用者がペダルを漕いでいるとき流体は基本的には前後に移動し、その結果、シートの一部分がつぶれ、続いて、ペダルを踏んでいる間流体が前後に動くので再び膨らむ。こうして、シートのいろいろな部分が使用者の体重でつぶれたり、あるいは拡張してシートの使用者との接触を維持するとともに、使用者が自転車のペダルを踏んでいるときの使用者の模擬的な動きを維持する。
【0032】
好ましくは、上記ハウジングは、流体をハウジング内に入れるための流体入口をハウジング内に備えている。
【0033】
好ましくは、上記ハウジングは剛性部分を含んでおり、使用者がシート上で動いている間このハウジングが拡張したりつぶれたりすることができるにもかかわらずハウジングの全体的な形状は維持される。
【0034】
上記ハウジングは、形を変える1つのチャンバーであってもよい。しかしながら、好ましくは、上記ハウジングは、流体通路によって結ばれた2つのハウジング部分を含んでおり、流体がハウジングの一部分からハウジングの別の部分へと動くとき、この流体は上記流体通路を通って流れ、これにより上記流体をハウジングの特定の部分へと向かわせてハウジングのそれらの部分を拡張させる。流体通路の箇所を選択することにより、ハウジングの様々の箇所を、シートの用途あるいは使用者のニーズに応じて、他の箇所よりも多くあるいは少なく拡張させることができる。
【0035】
好ましくは、上記ハウジングはゴム、伸縮性プラスチック、あるいは同様な伸縮性材料等々のエラストマー材料から作られていて、上記流体がこのハウジングの一部分から他の部分へと動くときにハウジングを収縮できるようにしている。
【0036】
好ましくは、上記シートは上記ハウジングを支持するためのベースプレート(基板)を有する。
【0037】
好ましくは、上記ベースプレートは上記シートを物品に取り付けるための取り付け手段を有する。
【0038】
好ましくは、上記取り付け手段は1対のレールを備えている。
【0039】
好ましくは、上記シートは自転車のシートであるが、他の実施においては、シートはラウンジチェア等の椅子のシートであってもよく、あるいは、治療用、リハビリテーション等の医療用途器具、あるいは引き具(harness)のための器具であってもよい。
【0040】
図1および図6を参照すると、一体形シェル11を持つ自転車シート10が示されている。シェル11は縦長の溝16で分けられた第1の支持部分12と第2の支持部分14を含んでいる。シェル11はまた、シート10のノーズ部分を形成する前部18を含んでいる。そして前部18は支持部分12と14に一体に連結されている。
【0041】
ノーズ部分18と支持部分12と14は第1のヒンジ20と第2のヒンジ22とによって結合されている。それらのヒンジは、ノーズ部18と支持部12と14とも一体であり、ノーズ部18と支持部12および14の間の遷移部によって形成されている。
【0042】
シェル部11は被覆材25で覆われている(図3,4,5,6参照)場合があり、被覆材25は従来の詰め物材からなる。
【0043】
ヒンジ20とヒンジ22がシェル11の残りの部分と統合された形の、本発明の好ましい実施形態において、シェルは曲がりやすい材質、例えばナイロン6,6やポリカーボネート、ポリエチレン等のプラスチック材料から形成されている。これは溝16と、ノーズ部18から支持部12と14までの遷移部との組合せによる効果により、ノーズ部つまり前部18に対して支持部12と14がヒンジ部20と22を支点として柔軟に動くようにするためである。しかし、他の実施形態では、ヒンジ20と22は、硬い素材からなる、切り離された前部18と支持部12および14を接続する、適切な柔軟性を持つ材質から構成される可能性がある。さらになお他の実施形態では、縦溝16ではなく、薄く狭い縦長のヒンジ線(図示されていない)が支持部12と14の間に設けられる場合もある。そのため、支持部12と14は、これらを接続する縦長のヒンジ回りに独立して動くことができながら、支持部12と14は事実上1つの部材として構成される。
【0044】
支持部12と14はお互いに関して鏡像であり、図3から6で表す断面図からも明白なように、くぼみ30があるので略茶碗状にくぼんだ形状をしており、漕ぎ手の座骨に近い臀部の一部を気持ち良く受け止められる。また、図2で明らかなように部分12と14は、前部18と比較してわずかに上方に傾斜している。
【0045】
支持部分12と14は、シェル11の下面に複数の一体リブ27を備えている。リブ27は支持部分12と14の後端からヒンジ20と22の後方位置まで伸びており、図3および4で明らかに見てとれる。
【0046】
図3から6で最も良くわかるように、部分12と14は(図3と4では部分12のみが示されている)、くぼみ30を囲う枠32を有する。枠32は、下方に湾曲する外エッジ33を有する。また、図2に示されるように、シート10には接続レール40が連結されている。レール40はヒンジ20と22と、ノーズ部18の先端42との間に接続されている。レール40はノーズ部18のみに限られており、ヒンジ22の動きや支持部12と14の動きに干渉しない。このように、レール40が自転車に結合され、シート10が(既知の方法で)自転車にしっかり固定されておれば、前部18は十分に静止が保たれ、支持部12と14は前部18に対して柔軟に動くヒンジ20と22の働きにより、動くことができる。
【0047】
図4で最も良く示されるように、シェル11にはヒンジ20と22の前方に厚さが拡大された部分50があり、また、ノーズ部18の先端42で厚さが拡大された部分52がある。厚さが拡大された領域50と52はレール40をシェル11に確実に固定するために、レール40を受け止める突起を提供する。以下、レール40をシェル11に接続する好ましい方法を、図15から22を参照して、説明する。
【0048】
図6で最も良く示されるように、ノーズ部18は、逆U字の断面形状であるのが好ましく、支持部12と支持部14のそれぞれのくぼみ30の間で、盛り上がった部分19を構成する。図12と4で良く示されるように、ノーズ部18はヒンジ20と22から下方に角度がつけられている。
【0049】
漕ぎ手が図1から6までの自転車シートに座りペダルを漕ぎ始めると、漕ぎ手の臀部の動きが、ヒンジ20と22を支点とする、支持部12と14の独立した大まかな振動を交互に発生させる。その振動により、図2中の矢印Aで示されるように、支持部12と14が弓状に動く。弓状の動きは主に、自転車の長軸に平行な略鉛直の平面内にあり、そのため、弓状の動きはほとんどの成分がその鉛直面内にある。しかし、図5の矢印Bで示されるような、支持部12と14の横方向の動きもいくらか起こり得るので、弓状の動きは、自転車の長軸に直角な略鉛直の面内の成分も持っている。このため、自転車の長軸に直角な面内の弓状の動きは、自転車の長軸に水平な面内の弓状の動きに比べれば小さい要素である。
【0050】
支持部12と14の弓状の動きは、漕ぎ手がペダルを漕ぐ際に心地よい支持感を与え、また、ヒンジ20と22で与えられるバネ作用、つまり、撓みにより、漕ぎ手にいくらかのエネルギーを戻す。ヒンジ20と22で与えられるバネ作用は漕ぎ手が動くごとに、支持部12と14を最初の位置に押し戻そうとする。このように、漕ぎ手は自転車を漕ぐのにエネルギーが十分な方法で、快適に支えられる。
【0051】
図1から6の実施形態の中では、シート10は、溝16をのぞいて、既存の先端の長いシートと同じ外観をもつ。もし、シートが極度の使用に耐えうるために、溝16が被覆材で覆われていれば、図1から6の使用中の実施形態は、ノーズ部の先端が下方向に曲がっている点を除いて、既存のノーズの長い皮革製の自転車シートであるように見える。
【0052】
図7および図8において示されている発明の実施形態は、図1から図6までの実施形態と同様の全体的な外観を有しており、図1から図6と同様に構成されている。ただし、シェル11の前部18は、先端を切り取ったノーズ部18の形態になっており、このノーズ部18は、図1から図6におけるノーズ部18よりもはるかに短い。図7および図8の実施形態において、被覆材25aはシート10の前部21においてはるかに厚く、事実上前部21の長さを引き延ばしているので、前部21は図1から図6までのノーズ部18と同じ外観を有している。しかしながら、図7および図8の実施形態においては、上記ノーズ部18に近接して前部21の長さを引き延ばしている上記被覆材25aは、非常に柔らかい素材、例えば柔らかい発泡素材あるいはスポンジ素材、バンパー(nerf)タイプの素材、ポリエチレンなどの素材でできているので、使用者がその上にいかなる重さをかけてもすぐにつぶれてしまう。このように、図7および図8における前部21は、垂直方向には、ほとんどあるいは全く支持をせず、従って、乗り手がペダルを踏むときに、乗り手の柔らかい生体組織への圧力を低減する。図7および図8の実施形態における柔らかい被覆材25aの目的は、従来のシートの外観を与えると同時に上記ノーズ部18の支持機能を低減し、さらにその結果、柔らかい生体組織への圧力を低減することにある。
【0053】
図7および図8の発明の実施形態における前部21は、乗り手が中心位置に来るようなある基準面を提供しているため、乗り手は上記前部21に対して支持部12および14上で正しく中央に乗ることができる。また、この前部21は、乗り手がシートに座るときおよびコーナリングするときに、乗り手に横方向の安定性をいくらか与える。しかしながら、図7および図8の発明の実施形態において、前部21によって与えられる全体的な支えは、それ以前の実施形態において与えられる全体的な支えよりかなり小さくなるようにされており、非常に柔らかい被覆材25aは、基本的に負荷を支持する機能を形成しないように、重さがかけられるとつぶれるようになっている。そのため、上記被覆材25aは、自転車のノーズ部によって通常生じる体の擦れを少なくする。
【0054】
上記前部21に、先端を切り取ったノーズ部18および比較的厚いけれどもさらに柔らかい被覆材25aを含んでいること以外は、図7および図8における自転車のシートは、図1から図6までのシートとまったく同じように機能する。
【0055】
図9および図10は本発明の第3の実施形態を示しており、この実施形態もまた図1から図6と同様である。ただし、本実施形態においては前部18は、図7および図8のものと実質上同じ先端を切り取ったノーズ部18の形態をとる。しかしながら、本実施形態においては、図7および図8の長く延びた柔らかい被覆材は設けられていないため、図9および図10から明らかなように、シートは非常に短いノーズ部を持つシートの外観を有している。
【0056】
図11から図14においては、図示されているように、被覆材25が設けられ、この被覆材は図1から図6における被覆材25と同様、図9から図10のシェル11の輪郭にほぼ沿っている。
【0057】
図9から図14の実施形態において、リブ27は後部55から先端部42まで上記シェル11の全長にわたって延びている。支持部12および14は、図1から図6までの実施形態においてよりも僅かに幅広い。
【0058】
図9から図14の実施形態の支持部12および14のヒンジ20および22は、図1から図6の実施形態とまさに同じ方法で動く。
【0059】
図15から図22は、取付レール40を自転車のシート10のシェル11に接合する好ましい方法を示している。図15においては、プレート70が提供され、レール40は上記プレート70に接続されている。上記プレート70はシェル11にボルトで固定、あるいは接着剤で接着することができる。または、上記シェル11の成形の間、上記ヒンジ20および22と上記ノーズ部18の先端部42との間で上記シェル11に埋め込むことができる。
【0060】
図16は上記レール40の僅かに異なる形態を示している。図16において、上記レール40は、U字形のトランジション41を有するただ一つの部品から成っている。上記レール40の両端部には、丸いプレート43が設けられている。このプレート43は、シェル11が成形されるとき、上記シェル11に埋め込むことができる。
【0061】
図17は、図3および図4において示されている実施形態と同様の実施形態を示している。図17において、上記レール40は、横向きに突出した端部47を有し、この端部47は分厚い部分50に収容される。端部47は、シェル11が成形されるとき上記分厚い部分50に埋め込んでもよく、あるいは、端部47を収容するために穴を上記分厚い部分50に設けてもよい。上記U字形のトランジション41は、分厚い部分52内のスロットに収容され得る。
【0062】
上記分厚い部分50と52との距離およびレール40の大きさは、上記レール40が所定の位置に設置されたとき、上記レール40を上記シェル11上の所定の位置に確実にしっかりと保持するために、上記レール40が軽く引っ張られた状態におかれるような距離および大きさである。
【0063】
図18は、ノーズ部18にはほぼ円柱状の2つのボス59がモールドされている実施形態を示しているが、その実施形態において、これらのボス59は、上記レール40の端部47を収容するための穴61を備えている。上記レールのトランジション41は、上記ノーズ部18の前部42にあるスロット74に収容され得る。
【0064】
図19は、図18の実施形態によるノーズ部18およびレール40の側面図であり、上記スロット74における上記トランジション部41の位置をより明確に示している。本実施形態において、上記スロット74内で上記レール40のトランジション部41を所定の位置にしっかりと保持するために、留め具75は、上記ノーズ部18の折返し部18’を貫いて設置される。
【0065】
図20は、単にレール40の異なる実施形態を示しており、本実施形態において、レールは、図17、図18および図19における端部47の方向とは反対方向に内側へ曲げられた端部47’を備えている。本実施形態において、上記トランジション41は、前の実施形態におけるようなU字形というよりむしろ角張っている。脚47’は成形の間に上記シェル11に埋め込まむことができる。
【0066】
図21はさらなる実施形態を示しており、本実施例においては、上記シェル11が形成されるとき、植込みボルト80が上記シェル11に埋め込まれ得る。上記植込みボルト80は、ねじ山83を持ったスリーブ82を有する。上記植込みボルト80は、所定の位置に上記植込みボルトをしっかりと設置するために上記シェル11を突き刺すプロング87のついた基部85も有している。上記レール40は、その自由端にねじ山40’を備えており、上記ねじ山40’は、上記スリーブ82内のねじ山83にねじ込まれる。
【0067】
図22はさらなる実施形態を示しており、レール40はノーズ部18と同じ素材で、ノーズ部18と一体に形成されている。本実施形態において、上記レール40は一体型の脚65を有し、それらの脚65は上記シェル11に上記レール40を接合するために上記レール40と上記ノーズ部18との間で延びている。
【0068】
図1の実施形態は、より高性能な用途のために滑らかでこぎれいなデザインになっており、比較的軽いであろうが、図9はむしろレクリエーションのために横幅が広くしてあるように設計されている。
【0069】
図23乃至36は、本発明の第4実施形態を示しており、この実施形態において、同じ参照番号は前述のものと同じ部分を示している。
【0070】
これまでの実施形態におけるのと同様に、シートは、射出成形プラスチック材、例えば、ナイロン6,6あるいはポリプロピレンなどの弾性材料のシェル11からなる。被覆材25は、この後でより詳細に述べるように、シェル11の上面11aの上に設けられる。
【0071】
上記シェル11は、スロット16によって分けられた後部臀部支持部12および14と前面ノーズ部18とを有する。ここでも、一体成形ヒンジが支持部12および14とノーズ部18との間の領域20および22において形成されている。これにより、既に述べたのと同様に、支持部12および14は、互いに対して、かつ、ノーズ部18に対して独立したアーチ状つまり弓状の動きをとることができる。
【0072】
支持部12および14は、領域30において少し皿状になっており、部分19および上方外周端110に向かって隆起している。この外周端は、後部支持部12および14の境界を定めている。形状については、さらに十分に説明を行い、後で説明される断面図から明らかになる。
【0073】
図24および25から明らかなように、シェル11はまた、上方外周端110から下端部132までシートの外縁を延びる下方に突き出たスカート部112を含んでいる。図29および31に示されるように、スカート部112は、シートの側面において最も高くなり、図32に示されるように、後部において少し低くなり、図31に示されるように、ノーズ部18の前面部において最も低くなっている。
【0074】
図25および26から明らかなように、シェル11の下面11bは、下方に突出するリブ114を有する。リブ114は、全体的に湾曲した形状となっており、支持部12および14の夫々について、最も外側のリブ114'(図26参照)は、中央リブ114''より幾分長く、そして、その中央リブ114''は、最も内側のリブ114'''よりも幾分長い。
【0075】
図26に示されるように、取付けレール40は、ナット116とブラケット118によって下面11bに固定されている。ボルト117はシェル11に嵌め込まれ、ナット116を受ける。(図31に最もよく示されるように)。シェル11は、切り欠き部分120を有し、その切り欠き部分は、後でより詳細に説明されるように、レール40の前部122を収容して、レール40の前部122をシェル11に保持する。
【0076】
ブラケット118は、レール40をシェル11の下面11bに固定する。上記ブラケット118は、レール40を収容し、かつ、レール40をシェル11に固定するための湾曲部分126を有していてもよい。上記シェルの下面11bはまた、レール40を正確に位置決めするためのガイド突起あるいはガイド溝145a(図28)を有していてもよい。レール40について、図34乃至36を参照しながらさらに十分説明する。
【0077】
図27乃至29は、図23のシートの横断面図であり、シートおよびそのシートを乗せて使用する自転車の長手方向に対して横方向のノーズ部18および支持部12および14の曲りを示している。
【0078】
図27、28および29から明らかに分かるように、シェル11の下端部132は、下面11bにステップ130が形成されている。ステップ130が、被覆材25を収容するので、被覆材はシェル11の下端部132(図28参照)の周りを覆いながらも、シェル11の下面11bと同じ平面の状態を維持できる。これが、表面積を増やすことによって被覆材25をシェル11に固定するのを補佐し、また、被覆材25がシェル11の下面11bと同一の高さでない場合によくあることであるが、被覆材を下端部132から円く丸めているシートの下方に何らかの接触が起きる可能性を防止する。
【0079】
被覆材25は、自身が外皮となるポリウレタンによって形成されるのが好ましい。このポリウレタンは、成形の工程で、シェル11に接着またはつながり、発泡して所望の形になり、自転車のシートに緩衝作用を与える。ポリウレタンの被覆材25の外面は、所望のテクスチャをつけられた堅い外皮を形成している。したがって、シェル11と被覆材の成形は、単一の作業工程で形成することができる。一方、被覆材25を分けて形成し、別の工程でシェル11に接続することもできる。さらにまた、被覆材は、2つの作業工程の組み合わせであってもよい。例えば、緩衝材は成形工程において形成し、成形された緩衝材に外カバーすなわち外皮を接着させて、被覆材25を完成させることができる。成形工程あるいは別の接着工程においてシェル11に被覆材25を接着させるのとは別に、被覆材25は、シェルにステープルで留めたり、あるいは、シェル11に固定したりすることができる。
【0080】
図29はまた、停止部材を構成するレール40の後部145のすぐ上に配置された分厚い領域147を示している。この分厚い部分147は、図29に示されるように、少し曲がっていて、シェル11の下面11bの上に補強区域を与えるようになっている。これにより、シートが底について、端部145に接触した場合に、この分厚い領域147が、下面11bと端部145との接触のためにシェル11が破損したり、シェル11が磨耗したりしようとするのに対して抵抗する力を提供する。通常、この分厚い領域147は、端部145に沿ったストリップの形で構成されており、図29に示されるように、端部145のすぐ上に配置されている。
【0081】
図30は、シートの側面図を示している。図30から明らかなように、シートは通常少し傾斜した姿勢をとるように位置付けされている。レール40は、連結部141を有し、この連結部は、自転車のクランプアセンブリに連結して、シートを自転車に接続する。クランプアセンブリは、シートのアーチ型の調節を考慮しているので、図30に示されるその姿勢から、乗り手の要求に応じてより傾斜した姿勢からさほど傾斜しない姿勢まで、シートの角度と位置を調節することができる。通常、レースなどのより高性能な乗車には、より傾斜した姿勢が用いられ、傾斜の小さいものはより娯楽的で快適な乗車に使用される。
【0082】
図30はまた、参照番号200で示される自転車に取付けられたシートを示している。自転車200は、スリーブあるいは中空ソケット203、中央フレーム部材204、そして下向きに傾斜し、かつ、後方に延びるフレーム部材205を有するフレーム201を含んでいる。自転車のその他のフレーム構成部品や構成部分は図30に示されていない。スリーブ203は、入れ子式に支柱207を収容するようになっており、この支柱は、ナットとボルト209によって定位置に固定できるようになっている。このナットとボルトが、スリーブ203のフランジ部分211を締めて、スリーブ203を支柱207のまわりに固定する。支柱207は、箇所141においてレール40と係合するクランプアセンブリ209を支持している。このクランプアセンブリ209は定位置に圧締め固定されて、支柱207の上部のカップ状支持部分210上に据えられる。ボルト212とナット213は、支持部分210とクランプ209を貫通して、レール40にクランプ209を固定し、また、クランプ部分209を支持部分210上に位置決めする。ボルト212を弛めることによって、レール40を、矢印Hの方向にクランプ209内を前後に移動させることができ、また、クランプ209は、カップ状部分210の表面215において少し回転できるようになって、図30に示されるシート10を自転車フレーム201に対して望ましい方位に位置決めできる。
【0083】
図31から33は、夫々、線D−D、E−E,F−Fから見た断面図であり、シートとシートが取付けられる自転車の縦軸方向から見た、先端部18と支持部12、14の形状を示している。
【0084】
図31は、シェル11内の孔124に嵌め込まれたボルト117を示す。ボルト117は、ブラケット118がレール40に締め付けられ、噛み合わされるようナット116を受け、レール40をシェル11に固定する。図31はまた、シェルのノーズ部18が、レール40の前部122を受けるためのスロット、またはソケットの形をした切り欠き部(アンダーカット)120を有することを示す。このように、レール40の前部122は、切り欠き部120内にしっかり固定され、レール40の後部は、ブラケット118でシェル11に固定される。こうすることでレール40は、自転車に取付けられるよう、シェル11にしっかりと固定される。
【0085】
図32,33は支持部12の皿形の輪郭、及びその輪郭がその部分の上方外周端110に向かい、上方へと上昇していくことを示す。上昇部19もまた、明確に示されている。
【0086】
図32,33に示されるように、取付けブラケット118は後方に向かって伸びる自由端部145を有する。自由端部145は、シェル11の下面11bから間隔をおいて置かれている。この後部つまり自由端部145は、部分12,14相互の、そしてノーズ部18に対する撓む動きの量を制限する停止部材を形成している。そうすることで、乗り手が自転車をこぎ、でこぼこ道を走行するときのように、かなりの高負荷が部分12,14に加えられても、停止部材がなければ、部分12,14が、ヒンジ20,22の周りをシートが永久的に歪められたり、壊れたりするまで動くところを、本発明では端部145が部分12,14に隣接する下面11bと接することで、部分12,14の動きを制限し、シートの永久的な歪みと破損を防ぐ。端部145がシェル11の下面11bから間隔をおいてあることは、図29にも明確に示されている。こうして、図29に示すように、図29の矢印M方向の部分12,14の動きが、端部145によって制限される。端部145と下面11bの間の間隔は、部分12,14に要求される動きの量と、これらの部分が作られる材料次第で変わる。
【0087】
前述の実施形態が示すように、皿型の窪み30は、乗り手の体重の大半を支える人体の坐骨部を受けるように作られている。ノーズ部18はあまり多くの体重を支えるようには作られておらず、通常は上昇部19から下方へと向かっている。ノーズ部18は、例えば角を曲がるとき、内腿と接触することで、中心位置を保ち、安定させる効果を与えるよう作用する。支持部12,14から突出部へのシェル11の遷移部分によって形成されるヒンジを中心とする撓む動きを調整するよう、リブ114を設置してもよい。リブのサイズと長さを増すことは堅固さを増し、したがって、ヒンジ20,22により得られる撓む動きの量を減らす。さらに、自転車とシートの縦軸に対するリブの方向を変えることで、支持部12,14の性質や弧状の動きは、シートとシートが据えられる自転車の縦軸に平行な面内での、通常の弧状の動きから、シートとシートが据えられる自転車の縦軸を横断する面内の、より横方向の弧状の動きに変えることが出来る。その撓む動きはシェルのデザインや材料によっても決められる。競技用に、部分12,14の撓む動きからより速いエネルギー還元を得るためには、より固いシート、また、レクリエーション用に快適さを増すには、より撓むシートを使えばよい。撓みの方向は、使い方次第でも変わる。弧状の動きは、競技用にはより直線的(即ち、シートと自転車の縦方向)だが、レクリエーション用としては、より横断的(即ち、シートの縦軸の横断面内)である。
【0088】
シートは被覆材25がなくても使用できる。この場合、シェル11には滑り防止に好適に、上面11aに織地仕上げが施される。
【0089】
前述したように、シェル11は射出成形で作られるのが最も都合がよく、シートを堅固にするため、または、部分12,14の弧状の動きの特徴を変えるために、ガラスファイバー等プラスチック添加物を加えても良い。
【0090】
図34から36は、レール40をより詳細に示す。
【0091】
図34から35に示すように、レール40はシェル11の切り欠き部120内で受けられる前部122を有する。前部122は、略半円形で、そこから一対の下方と外側に曲がった遷移部151が伸びている。一対の平行な連結レール141が遷移部151から後方へ、上方伸張部153まで伸びている。一対の上方伸張部153は、一対の後方に、そして微かに上方に傾いた部分157へと伸びている。これらの部分157は、外方伸張部159へと向かい、外方伸張部159は、停止部材を形成する端部145へと伸びる。選択的に、部分159と145は、連続的に曲がった輪郭を作ることも出来る。
【0092】
レール部分141は、自転車にシートを固定するため、自転車の締付け装置に連結される、取付けレール40の部分である。。
【0093】
部分157は、シェル11の下面11bに接するアバットメント部を形成する。アバットメント部は締付けブラケット118で噛み合わされて、前述のように取付けレール40の後部をシェル11に固定する。
【0094】
図37,38,39は、図23から35により説明されたシートと同様の、本発明のさらなる実施形態を示す。シートは、上述の実施形態と同様に作られた一体のシェル11を有す。シートは一体のヒンジ部と前述の他の特徴を持つ。しかし、図の簡易さのため、シェルは、図37から39に概略的にしか示されていない。取付けレール40は、ナット/ブラケット装置180によってシェル11の下面に連結されている。取付けレール40は、さらにシートの後部へ臀部支持部12,14の下部まで伸びている点で、前述の実施形態と異なっている。支持部12,14の下の取付けレール40の両端40”の間には、コイルばね182が置かれている。コイルばね182は、シェル11にボルト183で連結される。ボルト183は、シェル11に作られた孔にねじ込んでもよいし、シェル11に埋め込んでもよく、ナット(図示せず)をボルトを繋いで、コイルばね182を所定箇所に固定する。コイルばね182の下端は、取付けレール40の端40”にボルト/ナット装置184で連結されている。
【0095】
シートは図23から35の実施形態で述べられたように、機能するが、ばね182が支持部12,14の動きを微かに弱め、また、ペダルをこいでいる動作の間、支持部12,14の戻りを容易にするという点で異なっている。
【0096】
図38の側面図では、レール40の前部が、図37で示されているのとは、少し違った方法でシェル11に固定されていることを示している。図38では、レール40は、シェル11にボルト/ナット装置186で繋げられているループつまり鳩目185を通っている。
【0097】
図40の背面図では、支持部12,14の間の溝16が、撓む性質で、美観目的のためだけに配されたブリッジ部187を備えることを示す。ブリッジ部187は、支持部12,14の動きに変化や影響を与えることなく、それらが前述のように動くことを可能とする。
【0098】
図41は、図37と同様のさらなる実施形態を示す。図41では、ばね182は、レール40と一体に形成された一体ばね190に置きかえられている。レール40は鋼鉄材で作られてもよい。ばね190を形成するレール40の曲部は、前述のコイルばね182と同様のばね効果を持つ。レール40はシェル11の前部に図39に関して述べられたのと同様の方法で連結され、ばね部190の端192は、シェル11と一体を成す突起196の孔194に置かれることで、シェル11に固定される。
【0099】
図42は、図41の実施形態の、溝16がない場合の背面図を示す。溝16がない場合、支持部12,14は連続しているが、シェル11の可撓性により、それらは独立して動くことが出来る。
【0100】
図43は本発明の別の実施形態による自転車のシート210を示す。シート210は、基板212を備えており、その基板には、一対のレール214が溶接されるか、あるいは固定されていて、シート210がよく知られる方法で自転車に固定されるのを可能にする。基板212は、膨張性で中空のハウジング216を支えている。ハウジング216は、エラストマー素材からつくられていて、その内部に流体を注入することにより膨張する際には、伸びるのが望ましい。入口弁218がハウジング216に設けられていて、従来の自転車ポンプあるいは他の適当な加圧された流体発生源によって、流体がハウジング216内へ注入されるようになっている。
【0101】
ハウジング216は、ブリッジ通路220によってつなげられた2つの部分、216aと216bから成る。部分216aと部分216bは乗り手の臀部の一部を収める。乗り手がペダルをこぎ、部分216aあるいは部分216bのうちの一方に他方より多くの圧力がかかると、流体、好ましくは空気が、ブリッジ通路220によって、ブリッジ通路220を通って一方部分216aから他方部分216bへと動く。
【0102】
図43に示される構成は、図23から図43に示されるシートの上に、椅子張りつまり被覆材、あるいはクッションとして設置してもよい。
【0103】
図44に示されるように、部分216bは、自転車のペダルをこいでいる間、部分216bにかかる乗り手(図示せず)の追加重量により、わずかに圧縮されてへこんでいる。従って、部分216b中の流体は、ブリッジ通路220を通って部分216aへと流れ込み、部分216aは部分216bから流れ込んできた流体によってさらに膨張する。このようにして、部分216bに圧力がかけられると、乗り手の圧力を受けて、部分216bはわずかにへこむ。また、部分216aには自転車の運転中は減圧された圧力がかかっているので、ペダルをこぐ動作中、乗り手を支え続けられるように、部分216aは膨張することができる。このように、乗り手がペダルを踏む間、流体が一方の部分216aから他方の部分216bへと押され、また部分216bから部分216aへと戻されるにつれて、部分216aおよび部分216bは、基本的には順番にへこみ、膨張する。流体が部分216aから部分216bへと移動するため、シートは幾分シーソーのように乗り手とともに動く。このような動きは、乗り手がペダルをこぐにつれてシートが形を変えるため、乗り手にとって快適であり、また、ペダルをこぐ動作中、シートは加圧、減圧されるにつれて、基本的に膨張し、へこむため、ペダルをこぐ動作中、乗り手の支えとなる。
【0104】
好ましくは、ハウジング216は、リブ付け、気泡構造、支持フレームなど(図示せず)の補強材により補強されているため、ハウジング210を膨張させるために入り口弁218に空気が吹き込まれると、ハウジング210は、基本的には図43に示される形に膨張する。流体が部分216aおよび部分216b間を移動すると、部分216aおよび部分216bは膨張し、(図44に示すように)図43中の配置と比較して寸法が大きくなるようになっているが、図43中に示されるような、その部分の大体の外形は維持する。つまり、部分216a、部分216bは、部分216aおよび部分216bにおいて圧力が高まると、単に全体的に、球状あるいはそれに類する形状に変形するというよりもむしろ、基本的には寸法が大きくなるのであって、拡大する間も外形は維持する。
【0105】
図45は、本発明の一実施形態を示している。本実施形態においては、シート220は、自転車のシートというよりもむしろ通常のラウンジ・シートあるいはカー・シートなどの形状であり、ハウジング210’がシート220内に設けられていて、図43により説明されたように作用する。本実施形態においては、ハウジング210’の外形は図43に示されるものとは異なることもあるが、乗り手がシート上で位置をシフトさせると、流体はハウジング210’の一方から他方へと移動する。それゆえに、動きが図43によって説明されるのとほぼ同じである間は、ハウジングは拡大、縮小する。
【0106】
図46には、さらに別の実施形態が示されているが、本実施形態においては、図43に示されるのとはシートの形状がわずかに異なっている。図46の実施形態においては、シート210''は骨盤領域230および2つの側部232を備え、側部232が乗り手の身体の座骨部分のための支持部を形成する。骨盤部分230は、図43によって説明されるのと基本的には全く同様に、流体が側部232間を移動するのための通路を形成する。
【0107】
このように、図46中の実施形態においては、通路230は、図43中の通路220とは基本的に異なる位置にある。通路を異なる位置に設けることによって、ハウジング210、210’あるいは210''のある部分からハウジングの別の部分への流体の移動の性質が変化して、シート上の乗り手が動く間、ハウジングの様々な部分の膨張特性あるいは拡張特性をわずかに変化させることができる。
【0108】
図43へ戻って、例えば、図43中点線で示され、符号220’で示される位置に通路220を設けたのであれば、流体移動中にシートの前部の方へより多くの空気が入れられて、基本的にはシートの後部よりシートの前部をわずかに大きく膨張させる。このことが、外形特性をわずかに変化させ、その結果、ペダルをこいでいる間の支持の性質を変化させる。
【0109】
図47は本発明のさらなる実施形態を示す。図47中の実施形態においては、シート240は、縦方向の溝244で分けられた一対の臀部支持部242を備えている。角部244が、2つの臀部支持部242をつなげているため、臀部支持部242間に溝が含まれていることを除けば、シートはほぼ従来の自転車のサドルの形状になっている。ヒンジ部246は、臀部支持部242と角部244との間に設けられており、ヒンジ部246は、ばね金属、ばねプラスチック材料あるいはポリマーなどのばね素材でできている。図48に示されるように、臀部支持部242が角部244に対してある角度で上向きに傾斜しているために、乗り手がシートに座っているとき、使用者の体重および/あるいは圧力を受けて、臀部支持部242がばね素材ヒンジ246の周りを軸回転する。
【0110】
シート240は、ばね金属素材あるいはばねプラスチック材料からつくられてもよく、そのような実施形態においては、ヒンジ部246はシート240の一体部分に過ぎず、臀部支持部242および角部244間の遷移領域により形成される。しかしながら、他の実施形態においては、臀部支持部242および角部244は、アルミニウム板あるいはスチール板などの非ばね素材でできていて、臀部支持部242は、ばねスチールあるいはばねプラスチック材料などから形成されるヒンジ部246によって角部244とつなげられていてもよい。
【0111】
使用者が、図47の自転車のシートに座っているとき、図48中矢印Aで示されるように下向きに、また図49中矢印Cで示されるようにわずかに側方に向かって、臀部支持部242は動こうとする。図49の臀部支持部242の割れ目は、使用者がシートに座っている間の臀部支持部242部のわずかな横方向の動きを示すために、誇張されている。乗り手がペダルをこいでいる間、臀部支持部242の一方が加圧され、続いて減圧されて臀部支持部242のもう一方が加圧されると、臀部支持部242は、図50中矢印DおよびEで示されるように上下方向に動こうとするため、使用者がペダルをこぐ間、臀部支持部242は、基本的に、櫂あるいはシーソーのような動きをする。
【図面の簡単な説明】
添付した図面に参照して、好ましい本発明の実施形態が例示される。添付した図の内容は、
図1は本発明を実施した自転車シートの斜視図である。
図2は図1の自転車シートの側面図である。
図3は図1のIII−III線断面図である。
図4は図1のIV−IV線断面図である。
図5は図1のV−V線断面図である。
図6は図1のVI−VI線断面図である。
図7は本発明の2番目の実施形態による自転車シートの斜視図である。
図8は図7のシートの側面図である。
図9は本発明の3番目の実施形態による自転車シートの斜視図である。
図10は図9のシートの側面図である。
図11は図9のXI−XI線断面図である。
図12は図9のXII−XII線断面図である。
図13は図9のXIII−XIII線断面図である。
図14は図9のXIV−XIV線断面図である。
図15,16,17,18,19,20,21,22は好ましい本発明の実施形態の自転車シートを自転車に接続するための様々な取付けレールの図である。
図23は本発明のさらなる実施形態の平面図である。
図24は図23の実施形態の正面図である。
図25は図23の実施形態の背面図である。
図26は図23の実施形態の下面図である。
図27は図23のA−A線断面図である。
図28は図23のB−B線断面図である。
図29は図23のC−C線断面図である。
図30は図23の実施形態の側面図である。
図31は図23のD−D線断面図である。
図32は図23のE−E線断面図である。
図33は図23のF−F線断面図である。
図34は図23の実施形態の中で使用されている取付けレールの斜視図である。
図35は図34の取付けレールの正面図である。
図36は図34の取付けレールの側面図である。
図37は本発明の、更に別の実施形態を図示したものである。
図38は図37の実施形態に、図示された変更を加えたものの側面図である。
図39は図37の実施形態の底面図である。
図40は図37の実施形態の背面図である。
図41は別の実施形態の側面図である。
図42はさらに別の実施形態の背面図である。
図43は本発明の最初の実施形態における自転車シートを図示したものである。
図44は図43の実施形態で異なった外形であるときの図である。
図45は本発明の別の実施形態を図示したものである。
図46は本発明の別の実施形態を示している。
図47は本発明の更に別の実施形態を図示したものである。
図48は図47の実施形態の側面図である。
図49は図47の実施形態が異なる外形であるときの平面図である。
図50は図47の実施形態の側面斜視図である。
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