JP2001505180A - ゲラニルゲラニル−蛋白質トランスフェラーゼの抑制剤 - Google Patents

ゲラニルゲラニル−蛋白質トランスフェラーゼの抑制剤

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Abstract

(57)【要約】 開示した化合物は、インビボでのゲラニルゲラニル化により改変しうるCAAX型蛋白質の同族体であって、数種の蛋白質のゲラニルゲラニル化を選択的に抑制する。細胞複製にて重要な数種の蛋白質を改変するファルネシル蛋白質トランスフェラーゼに対する本化合物の活性が比較的低いため、たとえば或る種の癌および炎症疾患のようなゲラニルゲラニル化された蛋白質の機能により調節される病気を処置すべく、本発明による化合物の使用が可能になる。さらに本発明には、これらゲラニルゲラニル蛋白質トランスフェラーゼ型I抑制剤を含有する化学療法組成物およびその製造方法も含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】 ゲラニルゲラニル−蛋白質トランスフェラーゼの抑制剤 発明の背景 イソプレノイド生合成経路の中間体による蛋白質のプレニル化は新たな種類の 翻訳後の改変を示す[J.A.グロムセット、M.H.ゲルブおよびC.C.フ ァルンスワース(1990);トレンズ・バイオケミカル・サイエンス、第15 巻、第139〜142頁;W.A.マルテース(1990)、FASEBジャー ナル、第4巻、第3319〜3328頁]。この改変は典型的には、これら蛋白 質の膜局在および機能につき要求される。プレニル化された蛋白質は、CaaX (C、Cys;a、一般の脂肪族アミノ酸;X、他のアミノ酸)、XXCCもし くはXCXCを包含する特徴的なC−末端配列を有する。3種の翻訳後の処理工 程が、C−末端CaaX配列を有する蛋白質につき記載されている:すなわちC ys残基に対する15炭素(ファルネシル)もしくは20炭素(ゲラニルゲラニ ル)イソプレノイドの付加と、最後の3個のアミノ酸の蛋白質分解切断、および 新たなC−末端カルボン酸部分のメチル化[A.D.コックスおよびC.J.デ ル(1992a)、クリチカル・レビュ ー・オンコゲネシス、第3巻、第365〜400頁;C.M.H.ニューマンお よびA.I.マギー(1993)、バイオヒミカ・バイオフィジカ・アクタ、第 1155巻、第79〜96頁]。或る種の蛋白質は第4の改変をも有しうる:す なわちファルネシル化されたCysに対しN−末端側にある1個もしくは2個の Cys残基のパルミトイル化。XXCCもしくはXCXC型で終結する蛋白質は Cys残基におけるゲラニルゲラニル化により改変され、内蛋白質分解処理工程 を必要としない。XCXCで終結する或る種の哺乳動物細胞蛋白質はカルボキシ メチル化されるが、XXCC型で終結する蛋白質のプレニル化に続いてカルボキ シメチル化が起こるかどうか明瞭でない[S.クラーケ(1992)、アニュア ル・レビュー・バイオケミストリー、第61巻、第355〜386頁]。全ての プレニル化蛋白質にっきイソプレノイドの付加が第1工程であって、その後の工 程につき必要とされる[コックスおよびデル(1992a);A.D.コックスお よびC.J.デル(1992b)、カレント・オピニオン・セル・バイオロジー 、第4巻、第1008〜1016頁]。 蛋白質プレニル化を触媒する3種の酵素が記載されている: すなわちファルネシル−蛋白質トランスフェラーゼ(FPTアーゼ)、ゲラニル ゲラニル−蛋白質トランスフェラーゼ型I(GGPTアーゼ−I)、およびゲラ ニルゲラニル−蛋白質トランスフェラーゼ型II(GGPTアーゼ−II、RabG GPTアーゼとも呼ばれる)。これら酵素は酵母および哺乳動物細胞の両者に見 られる[クラーケ(1992);W.R.シェファーおよびJ.ライン(199 2)、アニュアル・レビュー・ジェネチックス、第30巻、第209〜237頁 ]。FPTアーゼおよびGGPTアーゼ−Iはα/βヘテロダイマー酵素であっ て、共通のαサブ単位を有する。βサブ単位は異なるが約30%のアミノ酸類似 性を有する[M.S.ブラウンおよびJ.L.ゴールドスタイン(1993)、 ネイチャー、第366巻、第14〜15頁;F.L.ツァング、R.E.ディー ル、N.E.コール、J.B.ギブス、B.ギロス、P.J.カセイおよびC. A.オマー(1994)、ジャーナル・バイオロジカル・ケミストリー、第26 9巻、第3175〜3180頁]。GGPTアーゼーIIは異なるαおよびβサブ 単位を有し、第3成分(REP、Rabエスコート蛋白質)と複合してα/β触 媒サブ単位に蛋白基質を供する。これら各酵素 はファルネシル ジホスフェートもしくはゲラニルゲラニルジホスフェートをイ ソプレノイド供与体として選択的に使用すると共に、蛋白基質を選択的に識別す る。FTPアーゼはSer、Met、Cys、GlnもしくはAlaで終結する CaaX含有蛋白質をファルネシル化する。GGPTアーゼ−IはLeuもしく はPheで終結するCaaX含有蛋白質をゲラニルゲラニル化する。FPTアー ゼおよびGGPTアーゼIについては、CaaXテトラペプチドが、蛋白基質と 酵素との相互作用につき必要とされる最小領域をなす。GGPTアーゼIIはXX CCおよびXCXC蛋白質を改変する。GGPTアーゼIIとその蛋白基質との間 の相互作用は一層複雑であって、識別につきC−末端アミノ酸の他に蛋白質配列 を必要とする。これら3種の酵素の酵素学的特性化は、或る種のものを選択的に 抑制しうるが他のものには殆ど抑制作用を示さないことを示している[S.L. モーアズ、M.D.シェーバー、S.D.モサー、E.ランズ、M.B.オハラ 、V.M.ガルスキー、M.S.マーシャル、D.L.ポンプリアーノおよびJ .B.ギブス、ジャーナル・バイオロジカル・ケミストリー、第266巻、第1 7438頁(1991)]。 蛋白質プレニル化の生物学および酵素学的な解析は、生理的過程を変化させう る抑制剤の開発につき新たな領域を開いた。プレニル化反応は遺伝的に各種の蛋 白質の機能につき重要であることが示されている[クラーケ(1992);コッ クスおよびデル(1992a);J.B.ギブス(1991)、セル、第65巻 、第1〜4頁;ニューマンおよびマギー(1993);シェファーおよびライン (1992)]。しばしば、この必要性はCaaX Cysアクセプタを蛋白質 がもはやプレニル化されえないよう突然変異させることにより実証される。得ら れる蛋白質はその中心的な生理活性を欠如する。これら研究は、プレニル化の抑 制剤がプレニル化蛋白質により調節される生理的反応を変化させうることを示す 遺伝的「原理の証明」を与える。 蛋白質ゲラニルゲラニルトランスフェラーゼ型I(GGTアーゼI)は、ゲラ ニルゲラニル基をプレニルドナーのゲラニルゲラニル ジホスフェートから、C −末端CAAX型(ここで「X」残基はロイシンもしくはフェニルアラニンであ る)を有する基質蛋白質のシステイン残基に転移させる[クラーケ(1992) ;ニューマンおよびマギー(1993)]。 GGTアーゼIの公知の標的は脳ヘテロトライマーG蛋白質およびRas関連の 小GTP結合性蛋白質(たとえばRhoA、RhoB、RhoC、CDC42H s、Rac1、Rac2、Rap1AおよびRap1B)のγサブ単位を包含す る[ニューマンおよびマギー(1993);コックスおよびデル(1992a) ]。蛋白質RhoA、RhoB、RhoC、Rac1、Rac2およびCDC4 2Hsは細胞形状の調節に役割を有する[A.J.リドレーおよびA.ホール( 1992)、セル、第70巻、第389〜399頁;A.J.リドレー、H.F .パターソン、C.L.ジョンストン、D.カイクマンおよびA.ホール(19 92)、セル、第70巻、第401〜410頁;G.M.ボコッホおよびC.J .デル(1993)、FASEBジャーナル、第7巻、第750〜759頁]。 RacおよびRap蛋白質は好中球活性化に役割を有する[ボコッホおよびデル (1993)]。 成長因子機能およびRas機能の活性化は腫瘍形成をもたらしうる。最近、R hoおよびRac蛋白質は、成長因子およびRas蛋白質により開始される細胞 内シグナルを伝達することが示された[G.C.プレンデルガストおよびJ.B .ギブス (1993)、アドバンスト・キャンサー・リサーチ、第62巻、第19〜64 頁;リドレーおよびホール(1992);リドレー等(1992)]。具体的に は、各実験はRhoおよびRac蛋白質の機能が、細胞形質転換を示唆する生物 学的パラメータである細胞形状変化および癌化を、Rasおよび成長因子がもた らすために要求されることを示した。RhoおよびRac蛋白質が機能するには ゲラニルゲラニル化を必要とするので、GGPTアーゼIの抑制剤はこれら蛋白 質の機能を阻止すると共に抗癌剤として有用であろう。 好中球活性化は人体炎症反応の1部である[C.ハスレット等、カレント・オ ピニオン・イミュノロジー、第2巻、第10〜18頁(1989)]。ゲラニル ゲラニル化されたRacおよびRap蛋白質がこの作用につき要求され[ボコッ ホおよびデル(1993);A.アボ等、ネイチャー、第353巻、第668〜 670頁(1991);U.G.クナウス等、サイエンス、第254巻、第15 12〜1515頁(1991);E.A.エクルンド等、ジャーナル・バイオロ ジカル.ケミストリー、第266巻、第13964〜13970頁(1991) ;M.T.クイン等、ネイチャー、第342巻、第198〜 200頁(1989)]、したがってGGPTアーゼIの抑制剤は抗炎症活性を 有するであろう。図面の簡単な説明 第1図。ヒトGGPTアーゼI βGGIサブ単位のクローン化に使用された 730bp PCR産生物のヌクレオチド配列。ヒトGGPTアーゼI βGG Iサブ単位は、本発明による化合物のインビトロ評価に用いられる組換ヒトGG PTアーゼIを作成すべく使用される。 第2図。中間体pRD566のヌクレオチド配列であって、これはヒトGGP TアーゼI βGGIの完全コード化配列を含むと共に、後にヒトFPTアーゼ −αサブ単位のコード化配列に翻訳結合してヒトGGPTアーゼIの発現を可能 にする。発明の要点 本発明は、インビボでのゲラニルゲラニル化により改変しうるCAAX型の蛋 白質の同族体を含む。これらCAAX同族体は数種の蛋白質のゲラニルゲラニル 化を抑制する。さらに、これらCAAX同族体は、従来記載されたCAAX同族 体[ヨーロッパ特許公開第0 535 731 A2号]とはゲラニル ゲラニル−蛋白質トランスフェラーゼ型Iの抑制剤として関連酵素Rasファル ネシル蛋白質トランスフェラーゼよりも強力である点において相違する。細胞複 製にて重要な数種の蛋白質に対してはファルネシル蛋白質トランスフェラーゼに よる改変活性は比較的低いので、ゲラニルゲラニル化蛋白質の機能により調節さ れる病気を処置すべく、本発明の化合物の使用が可能になる。さらに本発明には 、これらゲラニルゲラニル トランスフェラーゼ型I抑制剤を含有する化学療法 組成物およびその製造方法も含まれる。 本発明の化合物は下式により示される。 発明の詳細な説明 本発明の化合物は、酵素ゲラニルゲラニル蛋白質トランスフェラーゼ型Iによ って蛋白質がゲラニルゲラニル化されるのを抑制する。本発明の第1実施形態に おいて、ゲラニルゲラニル−蛋白質トランスフェラーゼ型I抑制剤は式Iによっ て示され: [式中、R1およびR2は独立して: (a)C2〜C8アルキル; (b)C2〜C8アルケニル; (c)C2〜C8アルキニル; (d)置換C1〜C8アルキル; (e)アリール; (f)置換アリール; (g)ヘテロアリール; (h)置換ヘテロアリール;および (i)天然アミノ酸の側鎖 から選択され; R3は1〜6個の炭素原子を有し、分枝鎖もしくは直鎖であって、未置換または フェニル基により置換されたアルキル、アルケニルおよびアルキニルから選択さ れ; X−Yは であり; ZはH2もしくはOである] 或いはその医薬上許容しうる塩である。 本発明の第2実施形態は式II: [式中、R1およびR2は独立して: (a)C2〜C8アルキル; (b)C2〜C8アルケニル; (C)C2〜C8アルキニル; (d)置換C1〜C8アルキル; (e)アリール; (f)置換アリール; (g)ヘテロアリール; (h)置換ヘテロアリール;および (i)天然アミノ酸の側鎖 から選択され; R3は1〜6個の原子を有し、分枝鎖もしくは直鎖であって、未置換またはフェ ニル基により置換されたアルキル、アルケニルおよびアルキニルから選択され; X−Yは であり; R4は: (a)C1〜C8アルキル; (b)C3〜C8アルケニル; (c)C3〜C8アルキニル; (d)置換C1〜C8アルキル; (e)アリール; (f)置換アリール; (g)ヘテロアリール;および (h)置換ヘテロアリール から選択され; ZはH2もしくはOである] により示される、式Iの化合物のプロドラグまたはその医薬上許容しうる塩であ る。 本発明の好適化合物は次の通りである: N−(2(R)−アミノ−3−メルカプトプロピル)−バリル−イソロイシル− ロイシン; N−(2(R)−アミノ−3−メルカプトプロピル)−バリル−イソロイシル− ロイシン メチルエステル; N−[5(S)−(2(R)−アミノ−3−メルカプトプロピルアミノ)−6( S)−メチル−2(R)−イソプロピル−3,4(E)−ヘプテノイル]−ロイ シン; N−[5(S)−(2(R)−アミノ−3−メルカプトプロピルアミノ)−6( S)−メチル−2(R)−イソプロピル−3,4(E)−ヘプテノイル]−ロイ シン メチルエステル; N−[2(S)−(2(S)−(2(R)−アミノ−3−メルカプトプロピルア ミノ)−3(S)−メチルペンチルオキシ)−3−メチルブタノイル]−ロイシ ン; N−[2(S)−(2(S)−(2(R)−アミノ−3−メルカプトプロピルア ミノ)−3(S)−メチルペンチルオキシ)−3−メチルブタノイル]−ロイシ ン メチルエステル またはその医薬上許容しうる塩。 本発明において、開示するアミノ酸は下記する慣用の3文字および1文字の記 号により表示される。 本発明の化合物は不整中心を有することがあり、ラセミ体、ラセミ混合物およ び個々のジアステレオマーとして存在することができる。光学異性体を含むこれ ら全ての可能な異性体が本発明に包含される。さらに本発明は、2個の同じ化合 物から誘導される本発明による化合物の全てのジスルフィドをも包含する。 各成分に変動因子(たとえばアリール、複素環、R1、R2など)が2回以上存 在する場合、それぞれに関する規定は他の存在の場合とは独立する。さらに置換 基または変動因子の組合せは、これら組合せが安定な化合物をもたらす場合のみ 許容される。 ここで用いる「アルキル」という用語は20個までの指定数の炭素原子を有す る、環式、分枝鎖および直鎖の飽和脂肪族炭化水素基を包含する。アルキル基の 例はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−およびt−ブ チル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロ ペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、2−メチルシクロプロピル、シク ロプロピルメチル、オクチル、ノニル、ノルボルニル、ウンデシル、ドデシル、 トリデシル、テトラデ シル、ペンタデシル、エイコシル、3,7−ジエチル−2,2−ジメチル−4− プロピルノニル、シクロドデシル、アダマンチルなどを包含する。 「シクロアルキル」という用語は3〜7個の炭素原子を有する炭化水素環を意 味する。シクロアルキル基の例はシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘプ チルなどである。 ここで用いる「アルケニル」という用語は分枝鎖および直鎖の両脂肪族炭化水 素基を包含し、これらは1個もしくは2個の二重結合を有すると共に20個まで の指定数の炭素原子を有する。アルケニル基の例はビニル、アリル、3−ブテニ ル、2−ペンテニル、3−ペンテニルなどを包含する。 ここで用いる「アルキニル」という用語は分枝鎖および直鎖の両脂肪族炭化水 素基を包含し、1個の三重結合を有すると共に20個までの指定数の炭素原子を 有する。アルキニル基の例は2−ペンチニル、ヘキシニルなどを包含する。 ここで用いる「アルコキシ」という用語は、酸素架橋を介し結合した上記個数 の炭素原子を有するアルキル基を示す。ここで用いる「ハロゲン」もしくは「ハ ロ」という用語はフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味する。 ここで用いる「アリール」は各環が7員までの安定な単環式、二環式もしくは 単環式の炭素環を意味し、少なくとも1個の環は芳香族である。この種のアリー ル要素の例はフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェ ニル、フェナンスリル、アンスリルもしくはアセナフチルを包含する。 ここで用いる「ヘテロアリール」という用語は安定な5員〜7員の単環式環ま たは安定な8員〜11員の二環式環を示し、不飽和であると共に炭素原子とN、 OおよびSよりなる群から選択される1〜4個の異原子とで構成される。複素環 は安定な構造を形成するように異原子もしくは炭素原子の位置で結合する。この 種の複素環式要素の例は限定はしないがベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、 フリル、イミダゾリル、インドリル、イソキノリニル、ピリジル、キノリニル、 チエニルなどを包含する。 アルキル、アルケニル、アリールもしくはヘテロアリールに適用される「置換 」という用語は、その成分がC1〜C6アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換 もしくは未置換アリール、置換もしくは未置換ヘテロアリール、−NO2、−S CF3、ハロゲン、−CO2H、−CO2−アルキル、−CNもしくは−CF3から 選択される1個もしくは2個の置換基を有するこ とを意味する。「置換アルキル」という用語は天然アミノ酸の側鎖を含まないと 理解される。 「天然アミノ酸の側鎖」という用語は天然アミノ酸のα−炭素に結合した置換 基を包含し、メチル、−CH2CONH2、−CH2CO2H、−CH2SH、−C H2CH2CO2H、4−イミダゾリルメチル、イソプロピル、−CH2CH2SC H3、ベンジル、ヒドロキシメチルなどを包含する。さらに、この用語はこれら 側鎖の酸化型、たとえばメチオニンスルホキシドもしくはメチオニンスルホンの 側鎖をも包含する。 本発明による化合物の医薬上許容しうる塩は、たとえば無毒性の無機酸もしく は有機酸から生成されるような本発明による化合物の慣用の無毒性塩類を包含す る。たとえば、この種の慣用の無毒性塩類は塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファ ミン酸、燐酸、硝酸などの無機酸から誘導される塩類、並びに酢酸、プロピオン 酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン 酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢 酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安 息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エ タンジスルホン酸、蓚酸、イセチオン酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸から作 成される塩類を包含する。 本発明による化合物の医薬上許容しうる塩は、塩基性部分を有する本発明の化 合物から慣用の化学法により合成することができる。一般に塩類は、遊離塩基を 化学量論量または過剰量の所望の塩形成性無機酸もしくは有機酸と適する溶剤中 または各種の溶剤の組合せ中で反応させることにより作成される。 本発明の化合物は慣用のペプチド合成技術および下記する他の方法により、構 成アミノ酸から合成することができる。ペプチド合成の代表的方法はたとえば次 の刊行物に開示されている:シュレーダー等、「ザ・ペプチド」、第I巻、アカ デミック・プレス(1965)またはボダンスキー等、「ペプチド・シンセシス 」、インターサイエンス・パブリッシャース(1966)またはマッコミー(編 )、「有機化学における保護基」、プレナム・プレス(1973)、またはバラ ニー等、「ザ・ペプチド:アナリシス、シンセシス、バイオロジー」、第2巻、 第1章、アカデミック・プレス(1980)、またはスチュワート等、「固相ペ プチド合成」、第2版、ピアス・ケミカル・カンパニー(1984)。これら刊 行物の教示を参考のためここに 引用する。下記する化学の説明および実施例で用いる記号は次の通りである: Ac2O 無水酢酸; Boc t−ブトキシカルボニル; DBU 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン; DMAP 4−ジメチルアミノピリジン; DME 1,2−ジメトキシエタン; DMF ジメチルホルムアミド; EDC 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジ イミド塩酸塩; HOBT 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物; Et3N トリエチルアミン; EtOAc 酢酸エチル; FAB 急速原子衝突; HOOBT 3−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアジン−4(3H) −オン; HPLC 高性能液体クロマトグラフィー; MCPBA m−クロルペルオキシ安息香酸; MsCl 塩化メタンスルホニル: NaHMDS ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド; Py ピリジン; THF トリフルオロ酢酸; THF テトラヒドロフラン。 本発明の化合物は、たとえばエステル加水分解、保護基の切除など文献公知ま たは実験部分で例示しうる他の標準的操作に加え下記する反応図式A〜Dに示さ れる各反応を用いて作成される。重要な結合形成反応およびペプチド改変反応は 次の通りである:反応A .標準的な溶液法もしくは固相法を用いる、アミド結合形成および保護基 切除。反応B .シアノ硼水素化ナトリウムまたは他の還元剤を用いる、アルデヒドによ るアミンの還元アルキル化による還元ペプチドサブ単位の作成。 これら反応を順次に用いて本発明の化合物を得ることができ、或いはこれらを 用いて各断片を合成し、その断片を次いで反応図式に記載されたアルキル化反応 により結合させることもできる。反応図式A 反応Aアミド結合を形成する残基のカップリング 反応図式B 反応B還元アルキル化による還元ペプチド サブ単位の作成 [式中、RAおよびRBは、先に定義したR1、R2もしくはR3であって、示した 反応条件に適合しうるその保護型、たとえばシステインのトリフェニルメチル( トリチル)保護側鎖を包含する。 X−Yがエテニレン単位である本発明の或る種の化合物は、反応図式Cに示し た反応順序を用いて作成される。反応図式Cはたとえばワインレブ型アミド形成 、グリニヤール反応、アセチル化、オゾン分解、ウィチッヒ反応、エステル加水 分解、ペプチドカップリング反応、メシル化、ペプチド保護基の切除、還元アル キル化など標準操作を用いるアルケン同配体の作成を要約し、これら標準操作は 文献公知であるか或いは実験部分で 例示する。重要な反応は次の通りである:Boc−アミノ−エノンから対応のs ynアミノ−アルコールへの立体選択性還元(図式C、工程B、部1)、および 三弗化硼素もしくは塩化亜鉛活性化有機−マグネシオ、有機−リチオもしくは有 機−亜鉛シアン化銅(I)SN2’立体特異性置換反応(図式C、工程G)。光 学的に純粋なN−Bocアミノ酸を出発物質として使用すると共にこれら2種の 重要な反応を用いることにより、最終生成物の立体化学は良好に規定される。図 式Cの工程Hにおいては、保護システナールおよび還元剤を用いてシステイン誘 導断片を付加する。最後にメチルエステルを鹸化し、保護基を切除する。これら 最終工程の順序は臨界的でないが、塩基加水分解を最後に行う場合は化合物が対 称ジスルフィドを実質的に形成することのみを付言する。反応図式C 反応図式C続き 本発明のオキサ同配体化合物は、図式Dに要約した経路により作成される。ア ミノアルコールをトリアルキルアミンの存在下にα−クロルアセチルクロライ ドでアセチル化してアミドを得る。その後にアミドをたとえばTHFのよう なエーテル溶剤中で脱プロトン試薬(たとえば水素化ナトリウムもしくはカリウ ムt−ブトキシド)と反応させるとモルホリノンを得る。次いで、塩化メチレ ン中における無水BOCおよびDMAP(4−ジメチルアミノピリジン)での化 合物の処理によってN−Boc誘導体を得る。R2L(ここでXLはたとえ ばBr-、I-もしくはCl-のような離脱基である)によるTHF/DME(1 ,2−ジメトキシエタン)における適する塩基、好ましくはNaHMDS[ナト リウムビス(トリメチルシリル)アミド]の存在下での化合物のアルキル化は 化合物を与え、これをNaHMDSで再処理し、次いでプロトン化して化合物 を得る。或いは、化合物6aはアルドール縮合法により化合物から作成する こともできる。すなわち、NaHMDSによる化合物の脱プロトンに続くカル ボニル化合物R56COの付加はアダクトを与える。化合物の脱水を、メシ ル化およびその後のDBU(1,8−ジアザビシク ロ[5.4.0]ウンデク−7−エン)により触媒される除去、またはピリジン 中でのオキシ塩化燐による化合物の直接的処理により行って、オレフィンを 得ることができる。次いで、化合物の接触水素化は化合物6aを与える。水性 THFにおける過酸化水素リチウムによる化合物の直接的加水分解は酸9bを 生成する。場合によっては、この変換を2段階法、すなわち塩酸中で化合物を 加水分解して化合物9aを得、次いでこれをBOC−ONもしくは無水BOCで 誘導化して化合物9bを得ることが一層効率的である。酸9bとアミノ酸のエス テルとの間のアミド結合形成を上記引例に例示された条件下で行って、誘導体 を得る。気体塩化水素による化合物10の処理および保護システイン誘導アル デヒド11および還元剤(たとえばシアノ硼水素化ナトリウム)での還元アルキ ル化は、化合物12を与える。保護基の切除により化合物13を得ると共に対応 する酸14への加水分解を、たとえばアルコールもしくは水性ミリウ(mili eux)におけるNaOHでの処理に続く希塩酸での慎重な酸性化のような標準 法により行う。アミノ−末端保護基の除去前にエステルを鹸化することもできる 。図式D 図式D(続き) 本発明の化合物は、数種の蛋白質の翻訳後処理の際の第1工程を触媒するゲラ ニルゲラニル蛋白質トランスフェラーゼを抑制する。これら化合物は哺乳動物( 特にヒト)のための医薬作用物質として有用である。これら化合物は、異常な細 胞増殖疾患および癌の処置に使用すべく患者に投与することができる。この種の 癌は限定はしないが成長因子刺激性の癌、たとえばerb B2などにより活性 化される乳癌、さらにRas調整性の癌、たとえば結腸癌、膵臓癌などを包含す る。本発明の化合物はさらにNAPDHオキシダーゼにより調整される炎症病、 すなわち組織損傷が食細胞(好中球、大食球、好酸球)により媒介されるような 病気の処置に使用すべく患者に投与することもできる。この種の炎症病はリュー マチ性関節炎、炎症性腸病、間質性肺水腫、心筋梗塞、嚢胞性線維腫などを包含 する。 本発明の化合物は哺乳動物(好ましくはヒト)に単独で、或いはより好ましく は医薬上許容しうるキャリヤもしくは希釈剤と組合せて、必要に応じたとえばア ラムのような公知のアジュバントと共に医薬組成物として標準医薬慣例にしたが い投与することができる。これら化合物は静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、肛門 内および局部経路の投与を含め経口的または非経口的 に投与することができる。 本発明による化学療法化合物を経口使用するには、選択された化合物をたとえ ば錠剤もしくはカプセルの形態で、或いは水溶液もしくは懸濁液として投与する ことができる。経口使用する錠剤の場合、一般的に使用されるキャリヤは乳糖お よびコーンスターチを包含し、たとえばステアリン酸マグネシウムのような滑剤 が一般に添加される。カプセル型で経口投与するには、有用な希釈剤は乳糖およ び乾燥コーンスターチを包含する。経口使用するのに水性懸濁液が必要とされる 場合は、活性成分を乳化剤および懸濁剤と組合せる。所望ならば、甘味料および /または香味料を添加することもできる。筋肉内、腹腔内、皮下および静脈内使 用については、一般に活性成分の無菌溶液を作成して溶液のpHを調整すると共 に緩衝するのが適している。静脈内使用については、溶解質の全濃度を調節して 製剤を等張性にすべきである。 さらに本発明は、治療上有効量の本発明による化合物を医薬上許容しうるキャ リヤもしくは希釈剤と共に或いはそれなしに投与することからなる或る種の癌お よび炎症疾患の処置に有用な医薬組成物をも包含する。本発明の適する組成物は 、本発明 の化合物と薬理学上許容しうるキャリヤ(たとえば7.4のpHレベルにおける 塩水)とからなる水溶液を包含する。これら溶液は、局部的ボルス注射により患 者の筋肉内血流に導入することができる。 本発明による化合物をヒト患者に投与する場合、一般に1日投与量は担当医に より決定され、投与量は一般に個々の患者の年齢、体重および感受性、並びに患 者の病状の程度に応じて変化する。 1例として、次の適する量の化合物を癌の処置を受ける哺乳動物に投与する。 投与は1日当たり約0.1〜約20mg/体重kg、好ましくは1日当たり0. 5〜約10mg/体重kgの量にて行われる。 他の例においては、次の適する量の化合物を炎症疾患の処置を受ける哺乳動物 に投与する。勿論、式Iの化合物の予防もしくは治療投与量の程度は、処置すべ き症状の性質もしくは程度および式Iの特定化合物とその投与ルートに応じて変 化する。一般に抗炎症に使用するには、投与は1日当たり約0.1〜約100m g/体重kg、好ましくは1日当たり0.5〜約10mg/体重kgの量にて行 われる。他方、或る場合はこれら範 囲外の投与量を使用することも必要である。 実施例 さらに本発明の理解を助けるため、実施例につき説明する。 用いた特定物質、種類および条件は単に本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲を 限定するものでない。 実施例にて示す標準的な後処理とは、溶剤抽出および10%クエン酸と10% 重炭酸ナトリウムと必要に応じブラインとによる有機溶液の洗浄を意味する。各 溶液は硫酸ナトリウムで脱水し、回転蒸発器で減圧蒸発させた。 実施例1 N−(2(R)−アミノ−3−メルカプトプロピル)−バリル−イソロイシル−ロイシン メチルエステルの作成 工程A N−(2(R)−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−トリフ ェニルメチルメルカプトプロピル)−バリル−イソロイシル−ロイシン メチルエステルの作成 慣用の溶液相ペプチド合成方法を用いて、トリペプチドエステルであるバリル −イソロイシル−ロイシン メチルエステルを合成した。このトリペプチドのト リフルオロ酢酸塩(360 mg、0.77ミリモル)を147mg(1.5ミリモル)の酢酸カリウムと共 に5mlのメタノールに溶解させ、670mg(1.5ミリモル)のN−Boc −S−トリチルシステナール[N−Boc−ロイシナールを作成するためのゴエ ル、クロールス、スチールおよびケステン、オーガニック・シンセシス、第67 巻、第69〜74頁(1988)の方法を用いて作成]を添加した。シアノ硼水 素化ナトリウム(47mg、0.75ミリモル)を添加し、混合物を1晩撹拌し た。この混合物をエーテルで希釈し、水と5%水酸化アンモニウムとブラインと で洗浄した。溶液を脱水し(硫酸ナトリウム)、次いで蒸発させて白色フォーム を得、これをクロマトグラフィー(塩化メチレン中の1→15%アセトン)によ り精製した。標記化合物を油状物質として得た。工程B N−(2(R)−アミノ−3−メルカプトプロピル)−バリル−イソロイシル−ロイシン メチルエステルの作成 工程Aに記載したように作成した保護プソイドペプチドの試料(728mg、 0.92ミリモル)を100mLの塩化メチレンに溶解し、50mLのTFAを 添加し、得られた黄色溶 液を直ちに0.80mL(5ミリモル)のトリエチルシランで処理した。45分 後、溶剤を蒸発させ、残留物をヘキサンと0.1%水性TFAとの間に分配させ た。水溶液を凍結乾燥させた。この物質をさらに逆相HPLC(5→95%アセ トニトリル/0.1%TFA/水)により精製して標記化合物を得た。 FAB質量スペクトル m/z=447(M+1)。 分析:C214244S・1.8TFAの計算値:C45.24,H6.75,N8.56。 実測値:C45.26,H6.77,N8.50。 実施例2 N−(2(R)−アミノ−3−メルカプトプロピル)−バリル−イソロイシル−ロイシン: 工程A N−(2(R)−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−トリフ ェニルメチルメルカプトプロピル)−バリル−イソロイシル−ロイシンの作成 実施例1、工程Aの生成物(60mg、0.076ミリモル)を1mLのメタ ノールに溶解させ、150μLの1N NaOHを添加した。1晩撹拌した後、 溶液を150μLの10%クエン酸で酸性化させ、生成物をエーテルで抽出した 。このエーテル溶液を水とブラインとで洗浄し、次いで脱水した(硫酸ナトリウ ム)。蒸発により標記化合物を固体として得た。工程B N−(2(R)−アミノ−3−メルカプトプロピル)−バリル−イソロイシル−ロイシンの作成 実施例1、工程Bの方法を用い、保護基をTFAおよびトリエチルシランで除 去して標記化合物を得た。FAB質量スペクトル、m/z=433(M+1)。 分析:C204044S・2TFAの計算値:C43.63,H6.41,N8.48。 実測値:C43.26,H6.60,N8.49。実施例3 N−[5(S)−(2(R)−アミノ−3−メルカプトプロピ ルアミノ)−6(S)−メチル−2(R)−イソプロピル−3,4(E)−ヘプテノニル]−ロイシン メチルエステルの作成 工程A 3(S)−N−t−(ブチルオキシ)カルボニルアミノ−2,6−ジメチル−5,6−ヘプテン−4−オンの作成 酢酸エチル(180mL)におけるN−t−(ブトキシ)カルボニル−L−バ リン(12g、55.2ミリモル)の低温(0℃)溶液に、N−メチルモルホリ ン(6.1mL、55.2ミリモル)とクロル蟻酸イソブチル(7.16mL、 55.2ミリモル)とを順次に添加した。得られた白色懸濁物を0℃にて15分 間撹拌し、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(5.39g、55.2 ミリモル)とN−メチルモルホリン(6.1mL、55.2ミリモル)とで処理 し、次いで室温にて1晩撹拌した。得られた混合物を水と10%クエン酸水溶液 とブラインとで順次に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、次いで 濃縮した。得られた油状物をヘキサン中の20%酢酸エチルで溶出させるシリカ ゲルにてクロマト グラフにかけた。適するフラクションの回収および濃縮により11.07g(7 3%)の対応アミドを得る。 1Lの3首丸底フラスコにマグネシウム切屑(44g、1.8モル)を入れ、 絶えず乾燥アルゴンを流しながら火焔乾燥させた。切屑をアルゴン雰囲気下でさ らに3〜4時間にわたり室温にて撹拌乾燥することにより活性化させた。新たに ナトリウムベンゾフェノンケチルから蒸留したテトラヒドロフラン(450mL )と臭化2−メチルプロペニル(50g、0.37モル)と沃素の結晶とを添加 した。この混合物を、僅かな還流が生ずるまで加熱器で緩和に加温した。加熱器 を外さずに加熱を中断し、混合物をアルゴン雰囲気下で1晩撹拌した。 テトラヒドロフラン(300mL)におけるN−t−(ブトキシ)カルボニル バリン−N,O−ジメチルヒドロキシルアミド(11g、42ミリモル)の低温 (−50℃)溶液にグリニヤール試薬を、−40℃未満の温度を維持しながら2 0分間かけて添加した。この混合物をゆっくり室温まで加温した。溶液をジエチ ルエーテルで希釈し、10%クエン酸水溶液で処理し、ブラインで洗浄し、硫酸 マグネシウムで脱水し、濾過し、次いで減圧濃縮した。残留油をヘキサン中の1 5%酢酸エチルで溶 出させるシリカゲル上でのクロマトグラフにかけた。適するフラクションの回収 および濃縮により標記化合物を得た。工程B 3(S)−N−t−(ブチルオキシ)カルボニルアミノ−4 (R)−アセトキシ−2,7−ジメチル−5,6−ヘプテンの作成 メタノール(150mL)における3(S)−N−t−(ブチルオキシ)カル ボニルアミノ−2,6−ジメチル−5,6−ヘプテン−4−オン(7.9g、3 0.9ミリモル)の低温(0℃)溶液に硼水素化ナトリウムを、ヘキサン中の2 0%酢酸エチルで溶出させるシリカゲル上でのtlcにより監視して反応が完結 するまで少しずつ添加した。得られた混合物を減圧濃縮した。残留物をジエチル エーテルに懸濁させ、順次に1M塩酸水溶液とブラインとで洗浄し、硫酸マグネ シウムで脱水し、濾過し、次いで減圧濃縮した対応のアルコールを得た。 さらに精製することなく、粗製アルコールと4−N,N−ジメチル−アミノピ リジン(95mg)とピリジン(15mL)とをジクロルメタン(40mL)に 溶解させ、0℃まで冷却し、次いで無水酢酸(15mL)で処理した。得られた 混合物を室 温にて2時間にわたり撹拌し、次いで減圧濃縮した。残留油をヘキサン中の20 %酢酸エチルで溶出させるシリカゲル上でのクロマトグラフにかけた。適するフ ラクションの回収および濃縮により酢酸塩を白色固体として得た。工程C 5(S)−N−t−(ブチルオキシ)カルボニルアミノ−4 (R)−アセトキシ−6−メチル−2,3−E−ヘプテン酸メチルの作成 ジクロルメタン(140mL)における3(S)−N−t−(ブチルオキシ) カルボニルアミノ−4(R)−アセトキシ−2,7−ジメチル−5,6−ヘプテ ン(9.47g、31.6ミリモル)の低温(−78℃)溶液に、絶えずオゾン の流れを青色が持続するまでバブリングさせた。この混合物をさらに5分間にわ たり撹拌し、アルゴンでパージして過剰のオゾンを除去した。次いで硫化ジメチ ル(23mL)を添加し、反応混合物を室温まで加温した。得られた混合物を− 78℃まで冷却し、次いで(カルボメトキシメチレン)−トリフェニルホスホラ ン(23.3g、69.6ミリモル)を添加した。この混合物を室温にて1晩撹 拌し、シリカゲル(20g)上で濃縮 した。得られた固体をヘキサン中の20%酢酸エチルで飽和されたシリカゲルの カラムに充填し、カラムを同じ溶剤混液で溶出させた。適するフラクションの回 収および濃縮によりヘプテン酸エステルを得た。工程D 5(S)−N−t−(ブチルオキシ)カルボニルアミノ−4 (R)−ヒドロキシ−6−メチル−2,3−E−ヘプテン酸の作成 テトラヒドロフラン(20mL)における5(S)−N−t−(ブチルオキシ )カルボニルアミノ−4(R)−アセトキシ−6−メチル−2,3−E−ヘプテ ン酸メチル(9.62g、29.24ミリモル)の溶液に、メタノール:水(3 :1v/v)における水酸化リチウム(5g)の飽和溶液を添加した。次いで混 合物を最少量のメタノール:水(3:1 v/v混液)の添加により均質となし 、2日間にわたり室温で撹拌した。得られた溶液を塩酸水溶液によりpH5まで 酸性化させ、減圧濃縮した。残留物をクロロホルム中の20%メタノールで溶出 させるシリカゲルの小プラグに通過させた。適するフラクションの回収および濃 縮により対応のヒドロキシ酸を得た。工程E 5(S)−N−t−(ブチルオキシ)カルボニルアミノ−4 (R)−ヒドロキシ−6−メチル−2,3−E−ヘプテノイル−ロイシン メチルエステルの作成 ジメチルホルムアミド(6mL)における5(S)−N−t−(ブチルオキシ )カルボニルアミノ−4(R)−ヒドロキシ−6(S)−メチル−2,3−E− ヘプテン酸(0.40g、1.39ミリモル)の溶液に、1−(3−ジメチルア ミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.40g、2.09ミリ モル)と1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(0.28g、2.09ミリ モル)とL−ロイシン メチルエステル塩酸塩(0.76g、4.18ミリモル )とジイソプロピルエチルアミン(0.68mL、3.9ミリモル)とを添加し た。得られた混合物を室温にて1晩撹拌し、減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル で希釈し、有機溶液を順次に水と10%クエン酸水溶液とブラインとで洗浄し、 硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、次いで濃縮した。次いで残留物をクロロホ ルム中の5%メタノールで溶出させるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィ ーにかけた。適するフラクションの回収および濃縮 により結合生成物を得た。工程F 5(S)−N−t−(ブチルオキシ)カルボニルアミノ−4 (R)−(メチルスルホニル)オキシ−6−メチル−2,3−E−ヘプテノイル−ロイシン メチルエステルの作成 ジクロルメタン(2mL)とピリジン(1mL)との混液における5(S)− N−t−(ブチルオキシ)カルボニルアミノ−4(R)−ヒドロキシ−6−メチ ル−2,3−E−ヘプテノイル−ロイシン メチルエステル(0.39g)0. 98ミリモル)の低温(−20℃)溶液に、塩化メタンスルホニル(0.5mL )を添加した。得られた混合物を0℃に1晩保ち、次いで減圧濃縮した。残留物 をジクロルメタンで希釈し、順次に飽和重炭酸ナトリウムとブラインとで洗浄し た。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物を酢酸エチ ルとヘキサンとの混液(8:2 v/v)で溶出させるシリカゲル上でのカラム クロマトグラフィーにかけた。適するフラクションの回収および濃縮によりメシ レートを得、これは−10℃での貯蔵につき安定であった。工程G 5(S)−N−t−(ブチルオキシ)カルボニルアミノ−6− メチル−2(R)−i−プロピル−3,4−E−ヘプテノイル−ロイシン メチルエステルの作成 テトラヒドロフラン(20mL、ナトリウムベンゾフェノンケチルから新たに 蒸留)におけるシアン化銅(I)(0.17g、1.9ミリモル)の低温(−7 8℃)懸濁物に、テトラヒドロフランにおける塩化i−プロピルマグネシウム( 0.94mL、2.0M、1.9ミリモル)の溶液を添加した。この混合物を均 質溶液が形成されるまで0℃にて撹拌した。溶液が形成した後、これを−78℃ まで冷却し、三弗化硼素エーテル化物(0.24mL、1.9ミリモル)を添加 し、得られた混合物を−78℃にて7分間撹拌した。テトラヒドロフラン(15 mL)における5(S)−N−t−(ブチルオキシ)カルボニルアミノ−4(R )−(メチルスルホニル)オキシ−6−メチル−2,3−E−ヘプテノイル ロ イシン メチルエステル(0.15g、0.31ミリモル)の溶液を上記混合物 に滴下した。得られた溶液を−78℃にて3時間撹拌し、飽和塩化アンモニウム 水溶液(pH8)で反応停止させ、ジエチルエーテ ルで希釈した。有機溶液をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過 し、次いで濃縮した。残留物をヘキサン中の60%酢酸エチルで溶出させるシリ カゲル上でのクロマトグラフにかけた。適するフラクションの回収および濃縮に より3,4−E−ヘプテノイル ロイシン メチルエステルを得た。工程H 5(S)−[2(R)−N−t−(ブチルオキシ)カルボニル アミノ−3(S)−トリフェニルメチルメルカプトプロピルア ミノ]−6−メチル−2(R)−i−プロピル−3,4−E−ヘプテノイル−ロイシン メチルエステル 酢酸エチル(10mL)とジクロルメタン(10mL)との混液における5( S)−N−t−(ブチルオキシ)−カルボニルアミノ−6−メチル−2(R)− i−プロピル−3,4−E−ヘプテノイル−ロイシン メチルエステル(82m g、0.19ミリモル)の低温(0℃)溶液に、絶えず無水塩化水素の流れを1 0分間にわたりバブリングさせた。混合物をキャップし、0℃にてさらに40分 間にわたり撹拌した。得られた溶液を次いでアルゴンの流れでバージし、減圧濃 縮して対応の塩酸塩を得た。 上記アミノ−ヘプテノイルアミド塩酸塩とN−t−(ブチルオキシ)カルボニ ル−S−トリフェニルメチル−L−システイン アルデヒド(223mg、0. 5ミリモル)とモレキュラシーブ(3A、粉末)とをメタノール(6mL)中で 合した。pHを室温にて酢酸の添加により5に調整し、シアノ硼水素化ナトリウ ム(19mg、0.3ミリモル)を添加し、混合物を室温にて1晩撹拌した。得 られたスラリーを濾過して濃縮した。残留物を酢酸エチルで希釈し、ブラインで 洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、次いで減圧濃縮した。残留物をヘ キサン中の10%酢酸エチルで溶出させるシリカゲル上でのクロマトグラフにか けて結合生成物を得た。工程I 5(S)−[2(R)−アミノ−3−メルカプトプロピルアミ ノ]−6−メチル−2(R)−i−プロピル−3,4−E−ヘプテノイル−ロイシン メチルエステルの作成 ジクロルメタン(1.4mL)とトリフルオロ酢酸(0.7mL)との混液に おける5(S)−[2(R)−N−t−(ブチルオキシ)カルボニルアミノ−3 (S)−トリフェニルメチルメルカプトプロピルアミノ]−6−メチル−2(R )−i− プロピル−3,4−E−ヘプテノイル−ロイシン メチルエステル(40mg、 54μモル)の溶液に、室温にてトリエチルシラン(34μL、21μモル)を 添加した。得られた溶液を室温にて1時間撹拌し、次いで減圧濃縮した。残留物 を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液(5mL)とヘキサン(2mL)との混液に 溶解させた。水層をヘキサンでさらに4回洗浄し、減圧下で撹拌して残留ヘキサ ンを除去し、次いで1晩にわたり凍結乾燥して所望の生成物をトリフルオロ酢酸 塩として得た。 分析C204133S・2.3CF3COOHの計算値:C45.36,H6.44,N6.20 。実測値:C45.22,H6.50,N6.49。 実施例4 5(S)−[2(R)−アミノ−3−メルカプトプロピルアミ ノ]−6−メチル−2(R)−i−プロピル−3,4−E−ヘプテノイル−ロイシンの作成 メタノール(50μL)における5(S)−[2(R)−アミノ−3−メルカ プトプロピルアミノ]−6−メチル−2(R)−i−プロピル−3,4−E−ヘ プテノイル−ロイシン メチルエステル(実施例3の生成物、2.62mg)3 .86μモ ル)の溶液に、水酸化ナトリウムの水溶液(15.5μL、1.00M)を添加 した。室温にて1時間にわたり静置した後、溶液をメタノールにより10mMま で希釈した。HPLC分析は、メチルエステルから対応する酸への完全変換を確 認した。 実施例5 N−[2(S)−(2(S)−(2(R)−アミノ−3−メル カプトプロピルアミノ)−3(S)−メチルペンチルオキシ)−3−メチルブタノイル]−ロイシン メチルエステルの作成 工程A N−(α−クロルアセチル)−L−イソロイシノールの作成 −78℃のCH2Cl2(500mL)におけるL−イソロイシノール(20g 、0.17モル)とトリエチルアミン(28.56mL、0.204モル)との 撹拌溶液に、塩化クロルアセチル(16.3mL、0.204モル)を5分間か けて添加した。冷却浴を外し、溶液を−20℃まで加温した。混合物をEt0A cで希釈し、順次に1M HClとブラインとで洗浄し、脱水した(Na2SO4 )。減圧蒸発させて標記アミド化合物を得た。 Rf=0.3,CH2Cl2:MeOH(95:5); 工程B 5(S)−[1(S)−メチル]プロピル−2,3,5,6−テトラヒドロ−4H−1,4−オキサジン−3−オンの作成 THF(125mL)におけるN−(α−クロルアセチル)−L−イソロイシ ノール(7.4g、0.038モル)の撹拌溶液に、0℃にてアルゴン下に水素 化ナトリウム(鉱油における60%分散物2.2g、0.055モル)をガス発 生を伴いながらゆっくり添加した。添加を完了した後、混合物を室温まで加温し 、16時間撹拌した。水(2.8mL)を添加し、溶剤を減圧蒸発させた。残留 物をCHCl3(70mL)に溶解させ、水と飽和NaCl溶液とで洗浄した。 有機層を脱水し(Na2SO4)、減圧蒸発させた。残留物をCH2Cl2:MeO H(96:4)で溶出させるシリカゲルを用いるクロマトグラフにかけて、標記 ラクタム化合物を白色固体として得た。 Rf=0.35,CH2Cl2:MeOH(95:5); 工程C N−(t−ブトキシカルボニル)−5(S)一[1(S)−メ チル]−プロピル−2,3,5,6−テトラヒドロ−4H−1,4−オキサジン−3−オンの作成 5(S)−[1(S)−メチル]プロピル−2,3,5,6−テトラヒドロ− 4H−1,4−オキサジン−3−オン(12.2g、0.0776モル)とDM AP(18.9g、0.155モル)とを塩化メチレン(120mL)に室温に てアルゴン下で溶解させた。無水Boc(33.9g、0.155モル)を撹拌 溶液にガス発生を伴いながら1度に添加し、混合物を室温にて16時間撹拌した 。溶剤を減圧蒸発させ、残留物を酢酸エチルに溶解し、順次に10%クエン酸と 5%NaHCO3と最後にブラインとで洗浄した。有機抽出物を脱水し(Na2S O4)、減圧蒸発させた。ヘキサン中の20%EtOAcで溶出させるシリカゲ ル上での残留物のクロマトグラフィーは標記化合物を白色固体として与えた。 Rf=0.75,EtOAc:ヘキサン(20:80);mp59-60℃ 分析:C13234Nの計算値:C60.68,H9.01,N5.44。 実測値:C60.75,H9.01,N5.58。 工程D N−(t−ブトキシカルボニル)−2(R)−(1−ヒドロキ シ−1−メチル)エチル−5(S)−[1(S)−メチル]プ ロピル−2,3,5,6−テトラヒドロ−4H−1,4−オキサジン−3−オンの作成 DME(6mL)におけるN−(t−ブトキシカルボニル)−5(S)−[1 (S)−メチル]プロピル−2,3,5,6−テトラヒドロ−4H−1,4−オ キサジン−3−オン(0.5g、1.94ミリモル)の溶液を−60℃まで冷却 し、Na HMDS(THF中1.0M、2.14mL、2.14ミリモル)の溶液を含有 するフラスコにカニューレを介しアルゴン下で−78℃にて移した。得られた混 合物を5分間撹拌し、アセトン(0.16ml、2.14ミリモル)を添加し、 −78℃にて4時間撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(2. 14mL)とブライン(4mL)と水(1mL)とで処理した。次いで、これを エーテル(210mL)で抽出した。抽出物を合して脱水し、濾過し、次いで蒸 発させて残留物を得た。フラッシュクロマトグラフィーによる残留物の精製は標 記化合物を油状物として与えた。 工程E N−(t−ブトキシカルボニル−2−イソプロピリデニル−5 (S)−[1(S)−メチル]−プロピル−2,3,5,6−テトラヒドロ−4H−1,4−オキサジン−3−オンの作成 ピリジン(20mL)におけるN−(t−ブトキシカルボニル)−2(R)− (1−ヒドロキシ−1−メチル)エチル−5 (S)−[1(S)−メチル]プロピル−2,3,5,6−テトラヒドロ−4H −1,4−オキサジン−3−オン(0.597g、1.26ミリモル)の溶液を 0℃まで冷却し、オキシ塩化燐(1.23mL)で処理し、次いで得られた混合 物を室温まで加温し、1晩撹拌した。この反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶 液(50mL)で処理し、塩化メチレンで3回抽出した。抽出物を合してブライ ン(15mL)で洗浄し、脱水し、濾過し、次いで蒸発させて残留物を得、これ をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して標記化合物を得た。 工程F N−(t−ブトキシカルボニル−2(S)−イソプロピル−5 (S)−[1(S)−メチル]プロピル−2,3,5,6−テトラヒドロ−4H−1,4−オキサジン−3−オンの作成 酢酸エチル(20mL)におけるN−(t−ブトキシカルボニル)−2−イソ プロピリデニル−5(S)−[1(S)−メ チル]−プロピル−2,3,5,6−4H−1,4−オキサジン−3−オン(0 .19g、0.63ミリモル)とPtO2(20mg)との混合物を、パール振 とう器にて54psiで5時間にわたり水素化した。反応混合物をセライトのパ ッドで濾過し、濾液を蒸発させて標記化合物を油状物として得た。 工程G N−(t−ブトキシカルボニル)−2(S)−[2(S)−ア ミノ−3(S)−メチル]ペンチルオキシ−3−メチル酪酸の作成 氷酢酸におけるN−(t−ブトキシカルボニル)−2(S)−イソプロピル− 5(S)−[1(S)−メチル]−プロピル−2,3,5,6−テトラヒドロ− 4H−1,4−オキサジン−3−オン(2.4g、7.2ミリモル)の溶液を濃 塩酸で処理し、1晩にわたり加熱還流させた。溶剤を減圧蒸発させ、残留物をト ルエン(50mL)およびアセトニトリル(50mL) で共沸脱水した。室温にて減圧下で1時間脱水した後、残留物を100mLの5 0%アセトン水溶液に溶解し、3.15gのBoc2Oを添加し、次いでpHを 1N NaOHにより約10に調整した。反応が完結した後、溶液をクエン酸で 酸性化させ、生成物を酢酸エチル中に抽出した。抽出生成物をCH2Cl2中の5 →10%MeOHで溶出させるシリカゲル上でのクロマトグラフィーにより精製 して標記化合物を得た。工程H N−(t−ブトキシカルボニル)−2(S)−[2(S)−ア ミノ−3(S)−メチル]−ペンチルオキシ−3−メチルブチリル−ロイシン メチルエステルの作成 DMF(3mL)におけるN−(t−ブトキシカルボニル)−2(S)−[2 (S)−アミノ−3(S)−メチル]−ペンチルオキシ−3−メチル酪酸(0. 200g、0.63ミリモル)とEDC(0.191g)1.0ミリモル)との 撹拌溶液に、室温にてHOOBT(163mg、1.0ミリモル)とロイシン メチルエステル塩酸塩(0.182g、1.0ミリモル)とを添加した。トリエ チルアミン(0.28mL、2ミリモル)を添加し、室温にて16時間にわたり 撹拌した後、反応 物をEtOAcで希釈し、水とブラインとで洗浄し、次いで脱水した(Na2S O4)。減圧下での蒸発およびEtOAc/塩化メチレン(0→20%)で溶出 させるシリカゲル上でのクロマトグラフィーにより標記化合物を得た。工程I N−[2(S)−(2(S)−(2(R)−アミノ−3−メル カプトプロピルアミノ)−3(S)−メチルペンチルオキシ)−3−メチルブタノイル]−ロイシン メチルエステルの作成 工程Hの生成物におけるt−ブトキシカルボニル保護基を、この化合物の 溶液を酢酸エチル中で塩化水素により処理して除去した。実施例1の方法を用い 、得られた塩酸塩を標記化合物まで変換させた。 分析 :C214334S・2.1TFAの計算値: C44.94,H6.75,N6.24。 実測値:C45.00,H6.64,N6.34。 実施例6 N−[2(S)−(2(S)−(2(R)−アミノ−3−メル カプトプロピルアミノ)−3(S)−メチルペンチルオキシ)−3−メチルブタノイル]−ロイシン; 実施例5からの適する中間体および実施例2の方法を用いて標記化合物を作成 した。 分析 :C204134S・2,0TFAの計算値: C44.30,H6.64,N6.43。 実測値:C44.28,H6.60,N6.45。 実施例7 ゲラニルゲラニル蛋白質トランスフェラーゼ型Iのインビトロ抑制 イソプレニル−蛋白質トランスフェラーゼの精製。全精製工程を4℃にて行っ た。牛脳からの脳葉を、50mMのトリス−Cl(pH8.0)と1mMのEG TAと1mMのMgCl2と5mMのジチオスレイトールと10μg/mLのア プロチニンと0.5mMの弗化フェニルメチルスルホニル(PMSF)と2μg /mLのアンチペインと2μg/mLのロイペプチンとを含有する分解緩衝液に てホモゲナイズした[M.D.シェバー等、ジャーナル・バイオロジカル・ケミ ストリー、第265巻、第14701頁(1990)]。細胞残骸と膜とを遠心 分離(10 000gで20分間に続く100 000gにて30分間)により 除去した。上澄液を、予め分解緩衝液と平衡 化させたDEAE−セファセルのカラム(30cm×20cm2)に直接充填し た。このカラムを同じ緩衝液で洗浄し、蛋白質を同じ緩衝液におけるNaClの 線状濃度勾配(0→500mM、1L+1L)で溶出させた。各フラクション( 20mL)を集め、種々異なるトランスフェラーゼ活性を有するものを別々に保 存した。この手順により、FTアーゼおよびGGPTアーゼIIをGGPTアーゼ Iから分割した。次いで各保存物をω−アミノオクチルアガロース カラム(3 0cm×4.9cm2)に施し、分解緩衝液におけるNaClの線状濃度勾配( 0→500mM、500mL+500mL)で溶出させた。FTアーゼとGGP Tアーゼ−IIとの両者を含有するフラクションを保存した。このようにして得ら れたGGPTアーゼ−I(「bGGPTアーゼ−I」と称する)を下記の分析に 用いた。 ヒトGGPTアーゼ−I βGG1サブ単位cDNAのクローン化 J.F.ムーマウおよびP.J.キャセイ(1992)、ジャーナル・バイオ ロジカル・ケミストリー、第267巻、第17438〜17443頁に記載され たようにして牛脳から精 製された約1nモルのGGPTアーゼ−IIを11%SDS−ポリアクリルアミド ゲルにおける電気泳動にかけ、ニトロセルロース紙に移した。次いでニトロセル ロース紙をポンソーSで染色して、サブ単位ポリペプチドの位置を決定した。4 8kDaおよび43kDaのバンドをニトロセルロース紙から切除し、ハーバー ド・マイクロケム社(ケンブリッジ、MA)に送って処理した。5種のβGGIサ ブ単位ペプチドの高信頼性の配列が得られた。これらペプチドの配列を下記に示 す: 2種の縮重オリゴヌクレオチド プライマ[GCTC−GGATCC−C−( A/G)AA−(A/G)TT−NGT−(A/G)TA−(T/C)TG−( A/G)A(配列番号:6)およびGTCG−GAATTC−ACN−AT(A /C/T)−GCN−TT(C/T)−TT(C/T)−GC(配列番号:7) ]を2種のβGGIサブ単位ペプチド配列[それぞれIFQYTNFEK(配列番 号:3)(アンチセンスオリゴ)およびTIAFFALSGLDMLD(配列番 号:1)]の部分に基づいて合成した。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)[R. K.サイキ、D.H.ゲルファンド、S.ストッフェル、S.J.シャーフ、R .ヒグチ、G.T.ホーン、K.B.ムリスおよびH.A.エルリッヒ(198 8)、サイエンス、第239巻、第437〜463頁]を、鋳型として牛脳cD NAライブラリーから得られたDNAを用いて行った[U.S.ホーゲル、R. A.F.ディクソン、M.D.シェバー、R.E.ディール、M.S.マーシャ ル、E.M.スコルニック、I.S.シガルおよびJ.B.ギブス(1988) 、ネイチャー、第335巻、第90〜93頁]。730bpのPCR生成物を分 離し、これはペプチドGSSYLGIPFNPSKの1部をコー ドする縮重オリゴヌクレオチド[GTAC−TCTAGA−GGN−AT(A/ C/T)−CCN−TT(T/C)−AA(T/C)−CC(配列番号:8)] にハイブリダイズした。このPCR生成物を第1図に示す(配列番号:9)。こ のPCR断片をPCRオリゴに存在するEcoRIおよびBamHI部位を利用 して切断し、pUC18にクローン化してpRD548を形成した。 βGGIサブ単位をコードするヒトcDNAを分離するため、pRD548にお けるコード化配列のN−末端部分を含む300bpのEcoRI−HindIII 断片を[32P」−標識し、これを用いてλgt11(クロネテク社)におけるヒ ト胎盤cDNAライブラリーおよびλmax1(クロンテク社)におけるヒト腎 臓cDNAライブラリーの両者から、それぞれ約106プラークをスクリーニン グした[N.E.コール、R.E.ディール、M.S.シェバー、E.ランズ、 D.D.ソダーマン、B.ヒー、S.L.ムーアス、D.L.ポンプリアーノ、 S.フェロ・ノビック、S.パワース、K.A.トーマスおよびJ.L.ギブス (1991)、ジャーナル・バイオロジカル・ケミストリー、第266巻、第1 8884〜18888 頁]。6種のcDNAクローンをヒト胎盤cDNAライブラリーから、7種をヒ ト腎臓cDNAライブラリーからそれぞれ分離した。λgt11ライブラリーか らのファージを分離し、cDNA挿入物をpUC18中にEcoRI断片として サブクローン化させた。λmax1ライブラリーからのクローンより得られたc DNA挿入物をファージミドとして切除した。ヒト胎盤cDNAライブラリーか らのクローン3から得られた1.55kbのcDNAを含有するプラスミドをp RD550と命名した。pRD550における挿入物は、N−末端36コドンを 除きβGGIの全コドンを含有する。ヒト腎臓cDNAライブラリーからのクロー ン27より得られた0.7kbのcDNAを含有するファージミドをpRD55 8と命名した。pRD558における挿入物はβGGIのN−末端123アミノ酸 をコードする。完全ヒトβGGIコード化配列を有するプラスミドを作成するため 次の手順を行った。PCRを、βGGI出発コドンよりも上流にあるBamHIお よびSca1部位を用いてpRD558にっき行った。このDNAをBamHI およびXho1で切断し、これはβGGIコード化配列をその内部で切断して0. 13kbの断片1を形成する。断片2はpRD550からの1.52kbのXh o1−EcoRI断片であっ て、Xho1部位の下流にコード化配列を有した。断片1および断片2をBam HIおよびEcoRI切断pUC18にクローン化させてpRD566を形成さ せ、これはヒトβGGIの完全コード化配列と3’−非翻訳配列とを有する。この 配列を第2図に示す(配列番号:10)。 大腸菌におけるヒトGGPTアーゼ−I(hGGPTアーゼ−I)の発現。大 腸菌にてヒトGGPTアーゼ−Iを発現させるため、クローン化ヒトβGGIサブ 単位cDNAと予めクローン化したヒトFTアーゼ−αサブ単位cDNA[C. A.オマー、A.M.クラール、R.E.ディール、G.C.プレンダーガスト 、S.パワース、C.M.アレン、J.B.ギブスおよびN.E.コール(19 93)、バイオケミストリー、第32巻、第5167〜5176頁]とを翻訳結 合オペロンで同時発現させた。大腸菌にて、プラスミドpT5T−hFPTアー ゼ−αはバクテリオファージT7プロモータからのC−末端Glu−Glu−P heエピトープタグを有するヒトα−サブ単位蛋白質を発現する。ヒトβGGI蛋 白質のコード化配列をpT5T−hFPTアーゼ−αにおけるα−サブ単位コー ド化配列の下流に次のようにクローン化させた。αのC−末端と βGGIサブ単位コード化配列のN−末端との間に配列CTを有する断片1(すな わち0.5kbのSpeI−XhoI断片)を、pT5T−hFPTアーゼαお よびpRD566を鋳型として用いる組換PCRにより作成した[R.ヒグチ( 1990)、PCRプロトコール:ガイド・ツー・メソッズ・アンド・アプリケ ーションス、M.A.イニス、D.H.ゲルファンド、J.J.スニンスキーお よびT.J.ホワイト編、第177〜183頁、アカデミック・プレス、サンジ エゴ]。pRD566からの断片2(すなわち1.52kbのXhoI−Eco RI断片)は、断片1に欠けていたβGGIコード化配列の部分を含有した。断片 3はpT5T−hFPTアーゼ−αからの6.2kbのSpeI(部分消化)− EcoRI断片であって、断片1にないαコード化配列の部分とpT5T−hF PTアーゼ−αからのベクターおよびプロモータ配列とを有した。断片1、2お よび3を互いに結合させて、次の構造を有するpRD577を作成した:RBS [内部塩基配列:(配列番号:11)]。ヒトβGGIサブ単位のコード化配列を 、Glu−Glu−Pheエピトープ タグ内にβGGIを発現するためのリボソ ーム結合部位(RBS)を有するαサブ単位コード化配列に翻訳結合させた。 ヒトGGPTアーゼ−Iを発現させるため、pRD577を大腸菌BL21( DE3)内で形質転換させて菌株RD578を形成させ、増殖させ、次いで0. 5mMのイソプロピル−β−D−チオガラクトシドで誘発させた[C.A.オマ ー、A.M.クラール、R.E.ディール、G.C.プレンダーガスト、S.パ ワース、C.M.アレン、J.B.ギブスおよびN.E.コール(1993)、 バイオケミストリー、第32巻、第5167〜5176頁に記載]。組換体、す なわちヒトGGPTアーゼ−I(「hGGPTアーゼ−I」と称する)を、ヒト FTアーゼにつき実質的に記載したようにαサブ単位にGlu−Glu−Phe エピトープ タグを結合するYL1/2抗体カラムおよび必要に応じモノQ H R5/5カラムを用いて細胞から精製した[C.A.オマー等(1993)]。 hGGPTアーゼ−IがモノQカラムから約0.25MNaClにて溶出した。 分子生物学操作。C−末端CAAXボックス突然変異体を作成するため、pU C−[L68]RAS1(term.)を制限酵素HincIIおよびNarIで 切断して、新たなC−末端配列を有するオリゴヌクレオチドを結合させうるベク ターを形成した。特記しない限り、CAAX配列に先立つアミノ酸はSLKであ る。命名を単純化するため、[L68]RAS1(term.)SLKCVLS [J.B.ギブス等、プロシーディング・ナショナル・アカデミー・サイエンス 、USA、第86巻、第6630頁(1989)]をRas−CVLSと称し、 この慣例を他の全ての突然変異体に使用する。FTアーゼの基質はRas−CV LSとした。GGPTアーゼ−Iの基質はRas−CAILとした。 トランスフェラーゼ分析。イソプレニル−蛋白質トランスフェラーゼ活性分析 を特記しない限り30℃で行った。典型的な反応物は次のものを含有した(50 μLの最終容積にて):[3H]ファルネシルジホスフェートもしくは[3H]ゲ ラニルゲラニルジホスフェート、Ras蛋白質、50mMのHEPES(pH7 .5)、5mMのMgCl2、5mMのジチオスレイトールおよびイソプレニル −蛋白質トランスフェラ ーゼ。この分析に用いたFPTアーゼはオマー等、(1993)に記載されたよ うに組換発現により作成した。酵素の不存在下で分析混合物を予め熱平衡化させ た後、イソプレニル−蛋白質トランスフェラーゼの添加により反応を開始させる と共に、所定時間間隔(典型的には15分間)にてエタノールにおける1M H Cl(1mL)の添加により停止させた。停止した反応物を15分間静置させた (沈澱過程を完結するため)。2mLの100%エタノールを添加した後、反応 物をワットマンGF/Cフィルターで減圧濾過し、フィルターを2mLずつの1 00%エタノールで4回洗浄し、シンチレーション液(10mL)と混合し、次 いでベックマンLS3801型シンチレーションカウンタで計数した。 抑制試験のため上記と同様に分析を行ったが、ただし抑制剤は100%ジメチ ルスルホキシドにおける濃厚溶液として作成し、次いで酵素分析混合物に20倍 希釈した。IC50値をKM濃度の近くで両トランスフェラーゼ基質を用いて決定 した。抑制剤IC50測定の不飽和基質条件は次の通りとした:FTアーゼ、65 0nM Ras−CVLS、100nMファルネシルジホスフェート;GGPT アーゼ−I、500nM Ras−CAIL、100nMゲラニルゲラニルジホ スフェート。第1表 本発明の化合物による蛋白質ゲラニルゲラニル化および蛋白質ファルネシル化の 抑制* 化合物 IC50(nM)* bGGPT hGGPT FPT アーゼI アーゼI アーゼ N−(2(R)−アミノ 1.9 23 800 −3−メルカプトプロピル) −バリル−イソロイシル −ロイシン; N−[5(S)−(2 21 70 (R)−アミノ−3− メルカプトプロピル アミノ)−6(S)− メチル−2(R)− イソプロピル−3,4(E) −ヘプテノイル]−ロイシン; N−[2(S)−(2 37 450 (S)−(2(R)− アミノ−3−メルカプト プロピルアミノ)- 3(S)−メチルペンチル オキシ)−3−メチル ブタノイル]−ロイシン; 註*:IC50は記載した分析条件下にてFTアーゼもしくはGGPTアーゼ −Iの50%抑制を示す試験化合物の濃度である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 111 C07K 5/08 C07K 5/08 5/083 5/083 A61K 37/02 // C12N 15/09 ZNA C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM, AU,BB,BG,BR,BY,CA,CN,CZ,E E,FI,GE,HU,JP,KG,KR,KZ,LK ,LR,LT,LV,MD,MG,MN,MX,NO, NZ,PL,RO,RU,SI,SK,TJ,TT,U A,US,UZ (72)発明者 グラハム,サミユエル・エル アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 式I: [式中、R1およびR2は独立して: (a)C2〜C8アルキル; (b)C2〜C8アルケニル; (c)C2〜C8アルキニル; (d)置換C1〜C8アルキル; (e)アリール; (f)置換アリール; (g)ヘテロアリール; (h)置換ヘテロアリール;および (i)天然アミノ酸の側鎖 から選択され; R3は1〜6個の炭素原子を有し、分枝鎖もしくは直鎖であって、未置換または フェニル基により置換されたアルキル、アルケニルおよびアルキニルから選択さ れ; X−Yはであり; ZはH2もしくはOである] を有するゲラニルゲラニル蛋白質トランスフェラーゼ型Iを抑制する化合物また はその医薬上許容しうる塩。 2. 式II: [式中、R1およびR2は独立して: (a)C2〜C8アルキル; (b)C2〜C8アルケニル; (c)C2〜C8アルキニル; (d)置換C1〜C8アルキル; (e)アリール; (f)置換アリール; (g)ヘテロアリール; (h)置換ヘテロアリール;および (i)天然アミノ酸の側鎖 から選択され; R3は1〜6個の原子を有し、分枝鎖もしくは直鎖であって、未置換またはフェ ニル基により置換されたアルキル、アルケニ ルおよびアルキニルから選択され; X−Yは であり; R4は: (a)C1〜C8アルキル; (b)C3〜C8アルケニル; (C)C3〜C8アルキニル; (d)置換C1〜C8アルキル; (e)アリール; (f)置換アリール; (g)ヘテロアリール;および (h)置換ヘテロアリール から選択され; ZはH2もしくはOである] を有する請求の範囲第1項に記載の化合物のプロドラグもしくはその医薬上許容 しうる塩。 3. N−(2(R)−アミノ−3−メルカプトプロピル)−バリル−イソロイ シル−ロイシン; N−(2(R)−アミノ−3−メルカプトプロピル)−バリル−イソロイシル− ロイシン メチルエステル; N−[5(S)−(2(R)−アミノ−3−メルカプトプロピルアミノ)−6( S)−メチル−2(R)−イソプロピル−3,4(E)−ヘプテノイル]−ロイ シン; N−[5(S)−(2(R)−アミノ−3−メルカプトプロピルアミノ)−6( S)−メチル−2(R)−イソプロピル−3,4(E)−ヘプテノイル]−ロイ シン メチルエステル; N−[2(S)−(2(S)−(2(R)−アミノ−3−メルカプトプロピルア ミノ)−3(S)−メチルペンチルオキシ)−3−メチルブタノイル]−ロイシ ン; N−[2(S)−(2(S)−(2(R)−アミノ−3−メルカプトプロピルア ミノ)−3(S)−メチルペンチルオキシ) −3−メチルブタノイル]−ロイシン メチルエステル であるゲラニルゲラニル−蛋白質トランスフェラーゼ型Iを抑制する化合物また はその医薬上許容しうる塩。 4. N−(2(R)−アミノ−3−メルカプトプロピル)−バリル−イソロイ シル−ロイシン; である請求の範囲第1項に記載の化合物またはその医薬上許容しうる塩。 5. N−(2(R)−アミノ−3−メルカプトプロピル)−バリル−イソロイ シル−ロイシン メチルエステル; である請求の範囲第2項に記載のゲラニルゲラニル−蛋白質トランスフェラーゼ 型Iを抑制する化合物のプロドラグもしくはその医薬上許容しうる塩。 6. 治療上有効量の請求の範囲第1項に記載の化合物と医薬上許容しうるキャ リヤとからなる医薬組成物。 7. 治療上有効量の請求の範囲第2項に記載の化合物と医薬上許容しうるキャ リヤとからなる医薬組成物。 8. ゲラニルゲラニル化の抑制を必要とする非ヒト患者にてゲラニルゲラニル 蛋白質トランスフェラーゼ型Iにより蛋白質のゲラニルゲラニル化を抑制するに 際し、患者に医薬上有効量の請求の範囲第6項に記載の組成物を投与することを 特徴とするゲラニルゲラニル化の抑制方法。 9. 癌の処置を必要とする非ヒト患者にて癌を処置するに際し、患者に医薬上 有効量の請求の範囲第6項に記載の組成物を投与することを特徴とする癌の処置 方法。 10. 癌の処置を必要とする非ヒト患者にて癌を処置するに際し、患者に医薬 上有効量の請求の範囲第7項に記載の組成物を投与することを特徴とする癌の処 置方法。 11. 炎症疾患の処置を必要とする非ヒト患者にて炎症疾患 を処置するに際し、患者に医薬上有効量の請求の範囲第6項に記載の組成物を投 与することを特徴とする炎症疾患の処置方法。 12. 炎症疾患の処置を必要とする非ヒト患者にて炎症疾患を処置するに際し 、患者に医薬上有効量の請求の範囲第7項に記載の組成物を投与することを特徴 とする炎症疾患の処置方法。
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