JPH10500688A - ファルネシル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤 - Google Patents
ファルネシル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、ファルネシル−タンパク質トランスフェラーゼ(FTアーゼ)を阻害し、腫瘍遺伝子タンパク質Rasのファルネシル化を抑制する化合物を提供する。本発明は更に、本発明の化合物を含有する化学療法用組成物、並びにファルネシル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害方法及び癌治療方法も提供する。
Description
【発明の詳細な説明】発明の名称
ファルネシル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤発明の背景
ras遺伝子は、結腸直腸癌、外分泌性膵臓癌、及び骨髄性白血病を含めた多
くのヒト癌において活性状態で見出される。Rasの作用の生物学的及び生化学
的研究はRasがG−調節タンパク質のように機能することを示しており、なぜ
ならRasは原形質膜に局在してGTPと結合し、それによって細胞をトランス
フォームすると考えられるからである(J. Gibbs等, Microbi
ol.Rev. 53, pp.171−286, 1989)。癌細胞中のR
asの形態は突然変異しており、この変異によって前記タンパク質は正常細胞中
のRasと区別される。
Rasの膜局在には少なくとも三つの翻訳後修飾が関与し、三つの修飾はいず
れもRasのC末端において生起する。RasのC末端は、「CAAX」もしく
は「Cys−Aaa1−Aaa2−Xaa」ボックス(Aaaは脂肪族アミノ酸、
Xaaは任意のアミノ酸)と呼称される配列モチーフを有する(Willums
en等, Nature310, pp.583−586, 1984)。上記
モ
チーフを有する他のタンパク質には、RhoなどのRas関連GTP結合タンパ
ク質、菌類の接合因子、核lamins、及びトランスデューシンのγサブユニ
ットが含まれる。
イソプレノイドファルネシルピロホスフェート(FPP)によるRasのファ
ルネシル化はin vivoでCysにおいて生起し、その結果チオエーテル結
合が形成される(Hancock等, Cell 57, p.1167, 1
989; Casey等, Proc. Natl. Acad. Sci.
USA 86, p.8323, 1989)。加えて、Ha−Ras及びN−
Rasは、C末端Cysファルネシル受容体近傍のCys残基におけるチオエス
テル形成を介してパルミトイル化される(Gutierrez等, EMBO
J. 8, pp.1093−1098, 1989; Hancock等,
Cell 57, pp.1167−1177,1989)。Ki−Rasはパ
ルミテート受容体Cysを欠く。RasのC末端の最後の3個のアミノ酸はタン
パク質分解によって除去され、新たなC末端ではメチルエステル化が生起する(
Hancock等, 同誌)。菌類の接
合因子及び哺乳動物の核laminsには同等の修飾ステップが施される(An
deregg等, J. Biol. Chem. 263, p.18236
, 1988; Farnsworth等, J. Biol. Chem.
264, p.20422, 1989)。
in vivoでのRasのファルネシル化の抑制がロバスタチン(Merc
k & Co., Rahway,NJ)及びコンパクチン(Hancock等
, 同誌; Casey等, 同誌; Schafer等, Science
245, p.379, 1989)を用いて証明されている。上記薬物は、H
MG−CoAレダクターゼ、ポリイソプレノイド産生のための律速酵素、及びフ
ァルネシルピロホスフェート前駆体を阻害する。前駆体としてファルネシルピロ
ホスフェートを用いるファルネシル−タンパク質トランスフェラーゼはRasの
ファルネシル化の原因となることが判明している(Reiss等, Cell
62, pp.81−88, 1990; Schaber等, J. Bio
l. Chem. 265,pp. 14701−14704, 1990;
Schafer等, Science 249, pp.1133
−1139, 1990; Manne等, Proc.Natl. Acad
. Sci. USA 87, pp.7541−7545, 1990)。
ファルネシル−タンパク質トランスフェラーゼを阻害し、それによってRas
タンパク質のファルネシル化を抑制すれば、正常細胞を癌細胞にトランスフォー
ムするRasの能力を遮断できる。本発明の化合物はRasのファルネシル化を
抑制し、それによって、後段に示すように優勢な(dominant)負のRa
s機能抑制因子として機能し得る可溶性Rasを生成させる。癌細胞中の可溶性
Rasは優勢な負の抑制因子となり得るが、正常細胞中の可溶性Rasは抑制因
子とはならない。
細胞質ゾルに局在し(Cys−Aaa1−Aaa2−Xaaボックス膜ドメイン
不在)、かつ活性化された(GTPアーゼ活性低下、GTPとの結合維持)形態
のRasは、膜結合Rasの機能に対する優勢な負のRas抑制因子として機能
する(Gibbs等, Proc. Natl.Acad. Sci. USA
86, pp.6630−6634, 1989)。正常なGTPアーゼ活性
を有する細胞質ゾル局在形態のRasは抑制因子として機能し
ない。Gibbs等, 同誌には、アフリカツメガエル卵母細胞及び哺乳動物細
胞における上記のような結果が示されている。
Rasのファルネシル化を遮断するべく本発明の化合物を投与すると、膜中の
Rasの量が減少するのみでなく、Rasの細胞質ゾルプールが生じる。活性な
Rasを有する腫瘍細胞では、上記細胞質ゾルプールは膜結合Rasの機能に対
するもう一つの拮抗物質として機能する。正常なRasを有する正常細胞では、
Rasの細胞質ゾルプールは拮抗物質として機能しない。ファルネシル化の抑制
が完全には達成されず、他のファルネシル化タンパク質はその機能を維持し得る
。
ファルネシル−タンパク質トランスフェラーゼの活性は、化合物の投与量を調
節することによって低下させたり完全に阻害したりすることができる。化合物の
投与量の調節によってファルネシル−タンパク質トランスフェラーゼ酵素の活性
を低下させることは、前記酵素を用いる他の代謝過程への干渉に起因して場合に
よっては生起する望ましくない副作用の回避に有用である。
上記化合物とその類似体は、ファルネシル−タンパク質
トランスフェラーゼの阻害剤である。ファルネシル−タンパク質トランスフェラ
ーゼはファルネシルピロホスフェートを用いて、Rasその他の細胞タンパク質
のCysチオール基をファルネシル基と共有結合させて修飾する。HMG−Co
Aレダクターゼの阻害によってファルネシルピロホスフェートの生合成を抑制す
ると、Rasのin vivoでの膜局在を遮断し、かつRasの機能を抑制す
ることができる。ファルネシル−タンパク質トランスフェラーゼの阻害は、通常
のイソプレン生合成抑制因子の場合に比較してより特異的に生起し、かつより少
ない副作用しか伴わない。
以前、CAAX配列と共に、アミノ末端残基としてシステインを有するテトラ
ペプチドがRasのファルネシル化を抑制することが証明された(Schabe
r等, 同誌; Reiss等, 同誌; Reiss等, PNAS 88,
ppp.732−736, 1991)。しかし、上記テトラペプチドがプロ
リンなどの環状アミノ酸残基も有する場合は環状アミノ酸を有しないテトラペプ
チドに比較して甚だしく低い抑制活性しか有しないことが開示された(Reis
s等, 1991)。テトラペプチド
抑制因子は、Rasファルネシル−トランスフェラーゼ酵素の代替基質として機
能しつつ抑制を行ない得、または純粋に競合的な抑制因子であり得る(Univ
ersity of Texasの米国特許第5,141,851号)。
最近、或る種のファルネシル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤が細胞内
でRas腫瘍タンパク質のプロセシングを選択的に遮断することが証明された(
N. E.Kohl等, Science 260, pp.1934−193
7, 1993; 及びG. L. James等, Science 260
, pp.1937−1942, 1993)。
従来技術において開示されているファルネシル−タンパク質トランスフェラー
ゼ阻害剤の一つに、プレニル化されたタンパク質のCAAXモチーフを模倣する
ベンゾジアゼピン誘導体が有る(James等, 上掲誌)。この化合物は強力
なFPTアーゼ阻害剤である。しかし、James等が開示している化合物は、
無損傷細胞におけるファルネシル化の抑制因子としては比較的低い活性しか有し
ないカルボン酸である。このような化合物を癌細胞の、トランスフォームされた
表現型の抑制に有用なものとするには、
C末端カルボキシレートをエステル化しなければならない。このようなプロドラ
ッグ利用は、FPTアーゼ阻害剤の薬物動態学的及び薬力学的解析に付加的な変
数を追加することによって、前記阻害剤の臨床適用を甚だしく複雑化する。
従って本発明は、ファルネシル−タンパク質トランスフェラーゼを阻害し、腫
瘍遺伝子タンパク質Rasのファルネシル化を抑制する非タンパク質化合物を開
発することを目的とする。本発明は更に、本発明の化合物を含有する化学療法用
組成物、及び本発明の化合物を製造する方法の開発も目的とする。
本発明は、これまでに開示されたベンゾジアゼピンFPTアーゼ阻害剤のC末
端ジペプチド部分は除去されていながら有意のFPTアーゼ阻害活性は保持して
いる、ベンゾジアゼピン構造を有するFPTアーゼ阻害剤を提供することも目的
とする。このような阻害剤はカルボン酸部分を欠き、従ってプロドラッグ開発の
必要性に関連する不都合を伴わない。発明の概要
本発明は、ファルネシル−タンパク質トランスフェラーゼ(FPTアーゼ)を
阻害し、腫瘍遺伝子タンパク質Ra
sのファルネシル化を抑制するベンゾジアゼピン類似体、本発明の化合物を含有
する化学療法用組成物、及び本発明の化合物を製造する方法を包含する。驚くべ
きことに、本発明の非ペプチジル類似体は従来公知のテトラペプチド類似体に匹
敵し得るFPTアーゼ阻害活性を示すことが判明した。
本発明の化合物は、式I
によって表わされる。発明の詳細な説明
本発明の化合物は、ファルネシル−タンパク質トランスフェラーゼの阻害及び
腫瘍遺伝子タンパク質Rasのファルネシル化の抑制に有用である。一具体例に
おいて、本発明のファルネシル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤は、式I
〔式中
R1はH及びC1 〜4アルキルの中から選択され、
R2はH、非置換または置換C1 〜4アルキル、非置換または置換C3 〜6シクロア
ルキル、非置換または置換複素環、及び非置換または置換アリールの中から選択
され、その際置換基は
a)C1 〜4アルコキシ、
b)アリールまたは複素環、
c)ハロゲン、
d)HO、
e)
及び
f)−SO2R6
の中から選択され、
R3、R4及びR5は独立にH、C1 〜4アルキル及びハロゲンの中から選択され、
ただしR2がHの時R3はH以外であり、
R6はC1 〜4アルキルまたはアラルキルであり、
XはOまたはH2である〕の化合物またはその医薬に許容可能な塩もしくはジス
ルフィドである。
より好ましい具体例では、本発明のファルネシル−タンパク質トランスフェラ
ーゼ阻害剤は、式I
〔式中
R1はC1 〜4アルキルであり、
R2はH、非置換または置換C1 〜4アルキル、非置換または置換C3 〜6シクロア
ルキル、及び非置換または置換アリールの中から選択され、その際置換基は
a)C1 〜4アルコキシ、
b)アリールまたは複素環、
c)ハロゲン、
d)HO、
e)
及び
f)−SO2R6
の中から選択され、
R3、R4及びR5は独立にH、C1 〜4アルキル及びハロゲンの中から選択され、
ただしR2がHの時R3はH以外であり、
R6はC1 〜4アルキルまたはアラルキルであり、
XはOまたはH2である〕の化合物またはその医薬に許容可能な塩もしくはジス
ルフィドである。
本発明の特定化合物として、
3−[2(S)−アミノ−3−メルカプトプロピオニル−N−メチルアミノ]−
2,3−ジヒドロ−2−オキソ−5−フェニル−1H−1,4−ベンゾジアゼピ
ン、
3−[2(S)−アミノ−3−メルカプトプロピオニル−N−メチルアミノ]−
2,3−ジヒドロ−2−オキソ−5−(2−ナフチル)−1H−1,4−ベンゾ
ジアゼピン、
3−[2(S)−アミノ−3−メルカプトプロピオニル−N−メチルアミノ]−
2,3−ジヒドロ−2−オキソ−5−(1−ナフチル)−1H−1,4−ベンゾ
ジアゼピン、
3−[2(S)−アミノ−3−メルカプトプロピオニル−N−メチルアミノ]−
7,8−ジメチル−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−5−フェニル−1H−1,
4−ベンゾジアゼピン、
3−[N−2(S)−アミノ−3−メルカプトプロピオニル−N−メチルアミノ
]−2,3−ジヒドロ−6−ナフチルメチル−2−オキソ−1H−1,4−ベン
ゾジアゼピン、
3−[2(S)−アミノ−3−メルカプトプロピオニル−N−メチルアミノ]−
2,3−ジヒドロ−2−オキソ−5−(8−キノリニル)−1H−1,4−ベン
ゾジアゼピン、
及び
3−[2(S)−アミノ−3−メルカプトプロピオニル−N−メチルアミノ]−
2,3−ジヒドロ−2−オキソ−5−(2,3−ジメチルフェニル)−1H−1
,4−ベンゾジアゼピン、
またはその医薬に許容可能な塩もしくはジスルフィドが挙げられる。
好ましい本発明の化合物は、阻害剤3−[2(S)−アミノ−3−メルカプト
プロピオニル−N−メチルアミノ]−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−5−フェ
ニル−1H−1,4−ベンゾジアゼピン
またはその医薬に許容可能な塩もしくはジスルフィドである。
本発明の化合物は、不斉中心を有してラセミ化合物、ラセミ混合物として、ま
た個々のジアステレオマーとして存在し得、光学異性体を含めたあらゆる可能な
異性体は本発明に含まれる。本発明は、二つの同じ化合物から派生した、特許請
求した化合物のジスルフィドも総て包含する。任意の構成要素が任意の可変部分
(例えばアリール、複素環、アルキル、アリール等)を2個以上有する場合、そ
れらの定義は互いに独立である。また、置換基/または可変部分の組み合わせは
、安定な化合物をもたらすようなもののみ
が使用可能である。
本明細書中に用いた「アルキル」という語は、特定数の炭素原子を有する分枝
鎖状と直鎖状との両方の飽和脂肪族炭化水素基を包含するものとする。「アルコ
キシ」という語は、示した数の炭素原子が酸素橋を介して結合しているアルキル
基を意味する。本明細書中に用いた「ハロゲン」または「ハロ」という語は、フ
ルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを意味する。
本明細書中に用いた「アリール」という語は、各環が7員以下であり、少なく
とも1個の環は芳香環である任意の安定な単環、二環または三環炭素環を意味す
るものとする。上記のようなアリール要素の例には、フェニル、ナフチル、テト
ラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニル、フェナントリル、アントリルまた
はアセナフチルが含まれる。
本明細書中に用いた「複素環」という語は、炭素原子と、N、O及びS(O)m
(mは0、1または2)の中から選択された1〜4個のヘテロ原子とから成る
飽和または不飽和の安定な5〜7員単環、安定な8〜11員二環、または安定な
11〜15員三環である複素環を意味し、このように定義した複素環のうちのい
ずれかがベンゼン環と縮合し
た任意の二環基も包含する。複素環は、安定な構造の創出を実現する任意のヘテ
ロ原子または炭素原子において結合し得る。上記のような複素環要素の例には、
アゼピニル、ベンズイミダゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾフラザニル
、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンソフリル、ベンゾチアゾリル、ベ
ンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、クロマニル、シンノリニル、ジヒドロベン
ゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベ
ンゾチオピラニルスルホン、フリル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミ
ダゾリル、インドリニル、インドリル、イソクロマニル、イソインドリニル、イ
ソキノリニル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、モ
ルホリニル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、2−
オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、ピペ
リジル、ピペラジニル、ピリジル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリル、
ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノキサ
リニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノ
リニル、チアモルホリニル、チアモルホ
リニルスルホキシド、チアゾリル、チアゾリニル、チエノフリル、チエノチエニ
ル及びチエニルが非限定的に含まれる。
本発明の化合物の医薬に許容可能な塩には本発明の化合物の、例えば無毒の無
機または有機酸から形成される通常の無毒塩が含まれる。このような通常の無毒
塩の例には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸等といっ
た無機酸から得られる塩、及び酢酸、プロピオン酸、琥珀酸、グリコール酸、ス
テアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マ
レイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サ
リチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスル
ホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、蓚酸、イセチオン酸、トリフ
ルオロ酢酸等といった有機酸から製造される塩が含まれる。
本発明の化合物の医薬に許容可能な塩は、塩基性部分を有する本発明の化合物
から通常の化学的方法で合成可能である。塩は通常、遊離塩基を所望の塩を形成
する化学量論量または過剰量の無機または有機酸と、適当な溶媒または
様々な溶媒の組み合わせ中で反応させることによって製造する。
本発明の化合物は、医薬の分野で良く知られた方法、及び後述する付加的な方
法によって合成可能である。標準的なベンゾジアゼピン合成方法は、例えばB.
E. Evans等, J. Med. Chem. 31, p.2235
, 1988及びM. G. Block等,J. Org. Chem. 5
2, p. 3232,1987に開示されている。これらの研究の教示は本明
細書に参考として含まれる。
化学的操作の説明において、また後出の実施例中で用いた略号は次のとおりで
ある。
Ac2O 酢酸無水物
Boc t−ブトキシカルボニル
BOP ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスホン酸
塩化物
CAN 硝酸第二セリウムアンモニウム
CBz ベンジルオキシカルボニル
DBU 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−
エン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DME 1,2−ジメトキシエタン
DMF ジメチルホルムアミド
EDC 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カ
ルボジイミド塩酸塩
HOBT 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物
Et3N トリエチルアミン
EtOAc 酢酸エチル
FAB 高速原子衝撃
HOOBT 3−ヒドロキシ−1,2,2−ベンゾトリアジン−4
(3H)−オン
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
KHMDS カリウムビス(トリメチルシリル)アミド
MCPBA m−クロロペルオキシ安息香酸
MsCl メタンスルホニルクロリド
NaHMDS ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド
PMB p−メトキシベンジル
Py ピリジン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
Tr トリチル即ちトリフェニルメチル
本発明の化合物は、参考文献から知られる、または実験操作中に一例として用
いたエステル加水分解、保護基の分離(cleavage)等といった他の標準
的操作に加え、反応図式A及びBに示したようにして製造する。
〔式中、R1、R2、R3、R4及びR5は先に規定したとおりであり、示した反応
条件と相容性であるその保護形態、例えばシステインのトリフェニルメチル(ト
リチル)保護側鎖を包含する〕。
反応図式Aに示した本発明の化合物の製造では特に、アミノベンゾジアゼピン
へのシステイン残基の結合はアミド結合を介して実現する(可変部分XがO)。
この図式から知見されるように、ベンゾジアゼピンに結合した窒素はシステイン
残基結合前に任意にアルキル化し得る。典型的には、最終的に得られるジアステ
レオマー生成物混合物は当業者に良く知られたクロマトグラフィー技術で分離可
能である。しかし、そのような異性体分離が可能でなかったとしても、本発明の
化合物はそのラセミ混合物も治療に有用であると理解される。
反応図式Bに示した本発明の化合物の製造では、アミノベンゾジアゼピンへの
システイン残基の結合は還元アミド結合を介して実現する(可変部分XがH2)
。
本発明の化合物はファルネシル−タンパク質トランスフェラーゼを阻害し、腫
瘍遺伝子タンパク質Rasのファルネシル化を抑制する。本発明の化合物は哺乳
動物用、特
にヒト用の薬物として有用である。本発明の化合物は、癌の治療に用いるべく患
者に投与し得る。本発明の化合物で治療し得る癌の種類の例には、結腸直腸癌、
外分泌性膵臓癌、及び骨髄性白血病が非限定的に含まれる。
本発明の化合物は哺乳動物、好ましくはヒトに単独で、または好ましくは標準
的な医薬調製法に従い医薬に許容可能なキャリヤもしくは稀釈剤と、場合によっ
てはミョウバンなどの公知のアジュバントと組み合わせて医薬組成物の形態で投
与し得る。本発明の化合物は経口投与、または静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、
直腸内及び局所投与を含めた非経口投与が可能である。
本発明による化学療法用化合物を経口使用する場合は、選択した化合物を例え
ば錠剤もしくはカプセル剤、または水性の溶液剤もしくは懸濁液剤の形態で投与
し得る。経口使用用錠剤の場合、通常用いられるキャリヤにはラクトース及びコ
ーンスターチが含まれ、またステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤が通常添加
される。カプセル剤形態での経口投与に有用な稀釈剤には、ラクトース及び乾燥
コーンスターチが含まれる。経口使用のために水性懸濁液が必要である場合は、
活性成分を乳化剤及び懸濁化剤と配合す
る。所望であれば、何らかの甘味剤及び/または着香料を添加してもよい。筋肉
内、腹腔内、皮下及び静脈内使用のためには普通活性成分の滅菌溶液を調製する
が、この溶液のpHは適宜調節及び緩衝するべきである。静脈内使用の場合は溶
質の総濃度を、製剤が等張性となるように制御するべきである。
本発明は、医薬に許容可能なキャリヤまたは稀釈剤を伴ってまたは伴わずに治
療有効量の本発明の化合物を投与することを含む癌治療に有用な医薬組成物も包
含する。適当な本発明の組成物には、本発明の化合物と、pHレベルが例えば7
.4である食塩液などの医薬に許容可能なキャリヤとを含有する水溶液が含まれ
る。この溶液は患者の筋肉内血流中に、局所的ボーラス注射(local bo
lus injection)によって導入し得る。
本発明による化合物をヒトの患者に投与する場合、1日当たりの投与量は通常
処方医によって決定されるが、この投与量は通常個々の患者の年齢、体重及び応
答、並びに患者の症状の重篤度に従って変化する。
適用の一例では、癌の治療を受けている哺乳動物に適量の化合物を投与する。
1日当たりの投与量は体重1kg当
たり約0.1〜約60mg、好ましくは0.5〜約40mgとする。実施例
本発明を更に理解する一助として実施例を示す。特定の使用物質、種及び条件
は本発明を更に良く説明するものとして採用してあり、本発明の合理的範囲を限
定するものではない。実施例1 3−[N−2(S)−アミノ−3−メルカプトプロピオニル−N−メチル]アミ ノ−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−5−フェニル−1H−1,4−ベンゾジア ゼピン(化合物1)の製造 ステップ1
:2,3−ジヒドロ−1−[4−メトキシベン
ジル]−2−オキソ−5−フェニル−1H−
1,4−ベンゾジアゼピンの製造
2,3−ジヒドロ−2−オキソ−5−フェニル−1H−1,4−ベンゾジアゼ
ピン(13.43g; 57mmol; Mark G. Bock等がJou
rnal of Organic Chemistry, Vol. 52,
pp.3232−3239, 1987に述べてい
るように製造)と、4−メトキシベンジルクロリド(12.6ml; 62.5
mmol)と、炭酸カリウム(15.7g; 114mmol)とをN,N−ジ
メチルホルムアミド(130ml)に加えた混合物をアルゴン雰囲気下に60℃
で一晩加熱した。得られたスラリーを濃縮し、残留物を酢酸エチル及び水で処理
した。有機抽出物を分離し、ブラインで2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱
水し、濾過し、真空下に濃縮した。残留物を、1:1の酢酸エチル及びヘキサン
で溶離するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーに掛けた。適当な画分を
回収及び濃縮して2,3−ジヒドロ−1−[4−メトキシベンジル]−2−オキ
ソ−5−フェニル−1H−1,4−ベンゾジアゼピンを得た。ステップ2
:(±)3−アジド−2,3−ジヒドロ−1−
[4−メトキシベンジル]−2−オキソ−5
−フェニル−1H−1,4−ベンゾジアゼピ
ンの製造
乾燥アルゴン雰囲気下に、2,3−ジヒドロ−1−[4−メトキシベンジル]
−2−オキソ−5−フェニル−1H−1,4−ベンゾジアゼピン(5.33g;
15mmo
l)を無水テトラヒドロフラン(THF; 100ml)に溶解させた無色透明
の冷(−78℃)溶液に、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドのトルエン
溶液(33ml; 0.5M; 164mmol)を5分掛けて添加した。得ら
れた深紅色の溶液を−78℃で20分間攪拌し、2,4,6−トリイソプロピル
ベンゼンスルホニルアジド(5.79g; 18.7mmol)をTHF(20
ml)に溶解させた溶液で2分間処理した。得られた薄い金色の溶液を−78℃
で10分間攪拌し、4mlの氷酢酸で処理した。混合物を室温まで加温し、更に
1.5時間攪拌した。混合物をジクロロメタン(500ml)で稀釈し、水、重
炭酸ナトリウム水溶液及びブラインで逐次洗浄した。分離した有機溶液を無水硫
酸マグネシウムで脱水し、濾過し、真空下に濃縮した。残留物を、クロロホルム
中の1.5%メタノールで溶離するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー
に掛けた。適当な画分を回収及び濃縮して標記アジド化合物を得た。ステップ3
:(±)3−アミノ−2,3−ジヒドロ−1−
[4−メトキシベンジル]−2−オキソ−5
−フェニル−1H−1,4−ベンゾジアゼピ
ンの製造
(±)3−アジド−2,3−ジヒドロ−1−[4−メトキシベンジル]−2−
オキソ−5−フェニル−1H−1,4−ベンゾジアゼピン(5.03g; 12
.6mmol)と、トリフェニルホスフィン(4.3g; 16.4mmol)
と、水(2.3ml; 12.6mmol)とをTHF(80ml)に加えた溶
液を室温で一晩攪拌した。得られた混合物をシリカゲル(20g)上へと濃縮し
、残留物を、クロロホルム中の5%メタノールで飽和させたシリカゲルのカラム
上に装填した。クロロホルム中の5%メタノールで溶離して標記アミノ化合物を
得た。ステップ4
:(±)3−[N−カルボベンジルオキシ]ア
ミノ−2,3−ジヒドロ−1−[4−メトキ
シベンジル]−2−オキソ−5−フェニル−
1H−1,4−ベンゾジアゼピンの製造
(±)3−アミノ−2,3−ジヒドロ−1−[4−メトキシベンジル]−2−
オキソ−5−フェニル−1H−1,4−ベンゾジアゼピン(3.2g; 8.6
mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン(1.8ml; 10mmol)と
、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(150m
g)とをジクロロメタン(43ml)に加えた冷(0℃)溶液にクロロ蟻酸ベン
ジル(1.48ml; 10mmol)を添加した。得られた溶液を室温で2時
間撹拌し、重炭酸ナトリウム水溶液及びブラインで逐次洗浄し、無水硫酸マグネ
シウムで脱水し、濾過し、真空下に濃縮した。残留物を、ジクロロメタンで溶離
するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーに掛けた。適当な画分を回収及
び濃縮して標記ベンゾジアゼピンを得た。ステップ5
:(±)3−[N−カルボベンジルオキシ−N
−メチル]アミノ−2,3−ジヒドロ−1−
[4−メトキシベンジル]−2−オキソ−5
−フェニル−1H−1,4−ベンゾジアゼピ
ンの製造
乾燥アルゴン雰囲気下に、(±)3−[N−カルボベンジルオキシ]アミノ−
2,3−ジヒドロ−1−[4−メトキシベンジル]−2−オキソ−5−フェニル
−1H−1,4−ベンゾジアゼピン(1.0g; 1,98mmol;ジクロロ
メタンとベンゼンとの混合物に溶解させることによって脱水し、減圧下に濃縮し
、かつP2O5上で真空下に貯蔵)をTHF(27ml)に溶解させた冷(−7
8℃)溶液にナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドのTHF溶液(2.4
ml; 2.4mmol)を添加し、−78℃で1時間攪拌した。ヨードメタン
(0.37ml; 4mmol; 脱水し、かつ新たに活性化した塩基性アルミ
ナの小塊(small plug)に通すことによってヨウ化水素を除去)を添
加し、混合物を−78℃で1時間、室温で2時間攪拌した。得られた溶液をジエ
チルエーテルで稀釈し、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水し、濾
過し、真空下に濃縮した。残留物を、ヘキサン中の40%酢酸エチルで溶離する
シリカケル上でのカラムクロマトグラフィーに掛けた。適当な画分を回収及び濃
縮して標記メチル化化合物を得た。ステップ6
:(±)3−[N−カルボベンジルオキシ−N
−メチル]アミノ−2,3−ジヒドロ−2−
オキソ−5−フェニル−1H−1,4−ベン
ゾジアゼピンの製造
(±)3−[N−カルボベンジルオキシ−N−メチル]アミノ−2,3−ジヒ
ドロ−1−[4−メトキシベンジル]−2−オキソ−5−フェニル−1H−1,
4−ベンゾジアゼピン(0.78g; 1.5mmol)をアセトニ
トリル(4.4ml)と、水(1.6ml)と、硝酸アンモニウムセリウム(IV
)(4.0g)との混合物中に懸濁させた懸濁液を5分間激しく攪拌した。得ら
れた透明なオレンジ色の溶液を室温で20分間攪拌し、これを酒石酸カリウムナ
トリウムの飽和溶液(52ml)と、水(35ml)と、酢酸エチル(250m
l)との混合物に滴下し加えた。得られた混合物を室温で1.5時間攪拌し、有
機抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、真空下
に濃縮した。残留物を、クロロホルム中の2%メタノールで溶離するシリカゲル
上でのカラムクロマトグラフィーに掛けた。適当な画分を回収及び濃縮して標記
化合物を得た。ステップ7
:(±)2,3−ジヒドロ−2−オキソ−3−
N−メチルアミノ−5−フェニル−1H−1,
4−ベンゾジアゼピン臭化水素酸塩の製造
(±)3−[N−カルボベンジルオキシ−N−メチル]アミノ−2,3−ジヒ
ドロ−2−オキソ−5−フェニル−1H−1,4−ベンゾジアゼピン(293m
g; 0.73mmol)をジクロロメタン(6ml)に溶解させた溶液に、酢
酸中の30% HBr 2mlを添加した。得ら
れた溶液を室温で2時間攪拌し、無水ジエチルエーテル(80ml)で処理した
。溶液から沈澱した淡黄色の固体を濾別し、ジエチルエーテル(3×20ml)
で洗浄し、2時間真空乾燥した。得られた粗生成物を、それ以上精製せずに次の
ステップに用いた。ステップ8
:3{N−[2(S)−N−t−(ブチルオキ
シ)カルボニルアミノ−3−S−トリフェニ
ルメチルメルカプトプロピオニル]−N−メ
チル}アミノ−2,3−ジヒドロ−2−オキ
ソ−5−フェニル−1H−1,4−ベンゾジ
アゼピンの製造
0℃において、(±)2,3−ジヒドロ−2−オキソ−3−N−メチルアミノ
−5−フェニル−1H−1,4−ベンゾジアゼピン(42mg; 121μmo
l)と、N−Boc−S−トリチル−L−システイン(142mg; 306μ
mol)と、ジイソプロピルエチルアミン(76μl; 436μmol)とを
無水ジクロロメタン(2ml)に加えた混合物をビス(2−オキソ−3−オキサ
ゾリジニル)ホスフィン酸塩化物(77.2mg; 303μmol)で処理し
、これを一晩0℃に維持した。得られた
溶液をジクロロメタン(20ml)で稀釈し、重炭酸ナトリウム水溶液及びブラ
インで逐次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物
をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーに掛けた。適当な画分を回収及び
濃縮して、必要なジアステレオマー生成物の1:1混合物を得た。ステップ9
:3−[N−2(S)−アミノ−3−メルカプ
トプロピオニル−N−メチル]アミノ−2,
3−ジヒドロ−2−オキソ−5−フェニル−
1H−1,4−ベンゾジアゼピン(化合物
1)の製造
室温において、3{N−[2(S)−N−t−(ブチルオキシ)カルボニルア
ミノ−3−S−トリフェニルメチルメルカプトプロピオニル]−N−メチル}ア
ミノ−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−5−フェニル−1H−1,4−ベンゾジ
アゼピン(65mg; 82μmol)をジクロロメタン(3ml)に溶解させ
た溶液に、トリフルオロ酢酸(1ml)を添加した。得られた濃黄色の溶液を、
トリエチルシラン(82μmol以下)を滴下し加えることによって無色となる
まで滴定した。生成物混合物を濃縮し、
トリフルオロ酢酸の0.1%水溶液(20ml)及びヘキサン(20ml)で分
配した。有機層をデカンテーションによって除去し、水性層をヘキサンで繰り返
し抽出した(4回)。水溶液を一晩凍結乾燥し、残留物(36mg;ジアステレ
オマーの1:1混合物)を、95:5から5:95まで(50分直線状勾配)の
0.1%トリフルオロ酢酸水溶液及び0.09%トリフルオロ酢酸アセトニトリ
ル溶液で溶離するC−18 Vydacタンパク質−ペプチドカラム(1in.
)上での高速液体クロマトグラフィーに掛けた。各ジアステレオマーの純画分を
回収及び凍結乾燥して、早く溶離されたものと遅く溶離されたものと、2種の純
粋なジアステレオマーを得た。
C19H20N4O2S・1.25CF3COOH・0.25H2Oの元素分析
計算値: C 50.10; H 4.25; N 10.87
実測値(遅く溶離された方の異性体):
C 50.12; H 4.28; N 10.91実施例2 3−[N−2(S)−アミノ−3−メルカプトプロピオニル]アミノ−2,3− ジヒドロ−2−オキソ−5−フェニ ル−1H−1,4−ベンゾジアゼピン(化合物2)の製造 ステップ1
:(±)3−[N−カルボベンジルオキシ]ア
ミノ−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−5−
フェニル−1H−1,4−ベンゾジアゼピン
の製造
(±)3−[N−カルボベンジルオキシ−N−メチル]アミノ−2,3−ジヒ
ドロ−1−[4−メトキシベンジル]−2−オキソ−5−フェニル−1H−1,
4−ベンゾジアゼピン(0.58g; 1.15mmol; 実施例1のステッ
プ5で製造)を、アセトニトリル(3.3ml)と、水(1.2ml)と、硝酸
アンモニウムセリウム(IV)(3.1g)との混合物中に懸濁させた懸濁液を5
分間激しく攪拌した。得られた透明なオレンジ色の溶液を室温で20分間攪拌し
、これを酒石酸カリウムナトリウムの飽和溶液(40ml)と、水(27ml)
と、酢酸エチル(190ml)との混合物に滴下し加えた。得られた混合物を室
温で1.5時間攪拌し、有機抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウム
で脱水し、濾過し、真空下に濃縮した。残留物を、クロロホルム中の2%メタノ
ールで溶離するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーに
掛けた。適当な画分を回収及び濃縮して標記化合物を得た。ステップ2
:(±)2,3−ジヒドロ−2−オキソ−アミ
ノ−5−フェニル−1H−1,4−ベンゾジ
アゼピン臭化水素酸塩の製造
(±)3−[N−カルボベンジルオキシ]アミノ−2,3−ジヒドロ−2−オ
キソ−5−フェニル−1H−1,4−ベンゾジアゼピン(293mg; 0.7
3mmol)をジクロロメタン(6ml)に溶解させた溶液に酢酸中の30%
HBr 2mlを添加した。得られた溶液を室温で2時間攪拌し、無水ジエチル
エーテル(80ml)で処理した。溶液から沈澱した淡黄色の固体を濾別し、ジ
エチルエーテル(3×20ml)で洗浄し、2時間真空乾燥した。得られた粗生
成物を、それ以上精製せずに次のステップに用いた。ステップ3
:3N−[2(S)−N−t−(ブチルオキ
シ)カルボニルアミノ−3−S−トリフェニ
ルメチルメルカプトプロピオニル]アミノ−
2,3−ジヒドロ−2−オキソ−5−フェニ
ル−1H−1,4−ベンゾジアゼピンの製造
室温において、(±)2,3−ジヒドロ−2−オキソ−
アミノ−5−フェニル−1H−1,4−ベンゾジアゼピン臭化水素酸塩(146
mg; 0.44mmol)と、N−Boc−S−トリチル−L−システイン(
223mg;0.48mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン(84μl;
0.48mmol)とを無水N,N−ジメチルホルムアミド(5ml)に加え
た混合物を1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩
酸塩(93mg; 0.48mmol)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
(66.5mg; 0.49mmol)で処理し、室温で一晩攪拌した。得られ
た溶液を真空下に濃縮し、残留物を酢酸エチル及び水に溶解させた。有機抽出物
をブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。残留
物を、ヘキサン中の60%酢酸エチルで溶離するシリカゲル上でのカラムクロマ
トグラフィーに掛けた。適当な画分を回収及び濃縮して、必要なジアステレオマ
ー生成物の1:1混合物を得た。ステップ4
:3−[N−2(S)−アミノ−3−メルカプ
トプロピオニルアミノ]−2,3−ジヒドロ
−2−オキソ−5−フェニル−1H−1,4
−ベンゾジアゼピン(化合物2)の製造
室温において、3N−[2(S)−N−t−(ブチルオキシ)カルボニルアミ
ノ−3−S−トリフェニルメチルメルカプトプロピオニル]アミノ−2,3−ジ
ヒドロ−2−オキソ−5−フェニル−1H−1,4−ベンゾジアゼピン(170
mg; 0.24mmol)をジクロロメタン(3.4ml)に溶解させた溶液
にトリフルオロ酢酸(1.7ml)を添加した。得られた濃黄色の溶液を、トリ
エチルシラン(53μmol以下)を滴下し加えることによって無色となるまで
滴定した。生成物混合物を濃縮し、トリフルオロ酢酸の0.1%水溶液(20m
l)及びヘキサン(20ml)で分配した。有機層をデカンテーションによって
除去し、水性層をヘキサンで繰り返し抽出した(4回)。水溶液を一晩凍結乾燥
し、残留物(73mg)を、95:5から40:60まで(45分直線状勾配)
の0.1%トリフルオロ酢酸水溶液及び0.09%トリフルオロ酢酸アセトニト
リル溶液で溶離するC−18 Vydacタンパク質−ペプチドカラム(1in
.)上での高速液体クロマトグラフィーに掛けた。各ジアステレオマーの純画分
を回収及び凍結乾燥して、早く溶離されたものと遅く溶離されたものと、2種の
純粋なジアステレオマーを得た。
C18H18N4O2S・1.45CF3COOH・0.45H2Oの元素分析
計算値: C 47.56; H 3.89; N 10.61
実測値(早く溶離された方の異性体):
C 47.61; H 4.02; N 10.24実施例3 Rasファルネシルトランスフェラーゼのin vitro阻害
ウシ脳由来のファルネシル−タンパク質トランスフェラーゼ(FTアーゼ)を
、DEAE−Sephacel(Pharmacia; 0→0.8M NaC
l勾配溶離)、N−オクチルアガロース(Sigma; 0→0.6M NaC
l勾配溶離)及びモノQ HPLCカラム(Pharmacia; 0→0.3
M NaCl勾配)上でのクロマトグラフィーに掛けた。3.5μMのRas−
CVLS、0.25μM [3H]FPPを用い、指示された化合物を部分精製
ウシ酵素調製物または組み換えヒト酵素調製物と共にインキュベートした。組み
換えヒト酵素は、C. A. Omer, A. M. Kral,R. E.
Diehl, G. C. Prender
gast, S. Powers, C. M. Allen, J. B.
Gibbs及びN. E. Kohl, Biochemistry 32,
pp. 5167−5176, 1993に述べられているように調製した。下
記表1に掲げたFTアーゼデータは、Pompliano等, Biochem
istry 31, p.3800, 1992に記載されているRasのファ
ルネシル化をin vitroで抑制する能力を試験化合物が有することを示し
ている。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
AM,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CN,C
Z,EE,FI,GE,HU,IS,JP,KG,KR
,KZ,LK,LR,LT,LV,MD,MG,MN,
MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SG,SI,S
K,TJ,TM,TT,UA,US,UZ
(72)発明者 カルバーソン,ジエイ・クリストフアー
アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・
07065、ローウエイ、イースト・リンカー
ン・アベニユー・126
(72)発明者 グラハム,サミユエル・エル
アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・
07065、ローウエイ、イースト・リンカー
ン・アベニユー・126
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.式I 〔式中 R1はH及びC1 〜4アルキルの中から選択され、 R2はH、非置換または置換C1 〜4アルキル、非置換または置換C3 〜6シクロア ルキル、非置換または置換複素環、及び非置換または置換アリールの中から選択 され、その際置換基は a)C1 〜4アルコキシ、 b)アリールまたは複素環、 c)ハロゲン、 d)HO、 e) 及び f)−SO2R6 の中から選択され、 R3、R4及びR5は独立にH、C1 〜4アルキル及びハロゲンの中から選択され、 ただしR2がHの時R3はH以外であり、 R6はC1 〜4アルキルまたはアラルキルであり、 XはOまたはH2である〕の化合物またはその医薬に許容可能な塩もしくはジス ルフィド。 2.式I 〔式中 R1はC1 〜4アルキルであり、 R2はH、非置換または置換C1 〜4アルキル、非置換または置換C3 〜6シクロア ルキル、及び非置換または置換アリールの中から選択され、その際置換基は a)C1 〜4アルコキシ、 b)アリールまたは複素環、 c)ハロゲン、 d)HO、 e) 及び f)−SO2R6 の中から選択され、 R3、R4及びR5は独立にH、C1 〜4アルキル及びハロゲンの中から選択され、 ただしR2がHの時R3はH以外であり、 R6はC1 〜4アルキルまたはアラルキルであり、 XはOまたはH2である〕を有することを特徴とする請求項1に記載の化合物ま たはその医薬に許容可能な塩もしくはジスルフィド。 3.3−[2(S)−アミノ−3−メルカプトプロピオニル−N−メチルアミノ ]−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−5−フェニル−1H−1,4−ベンゾジア ゼピン、 3−[2(S)−アミノ−3−メルカプトプロピオニル−N−メチルアミノ]− 2,3−ジヒドロ−2−オキソ−5 −(2−ナフチル)−1H−1,4−ベンゾジアゼピン、 3−[2(S)−アミノ−3−メルカプトプロピオニル−N−メチルアミノ]− 2,3−ジヒドロ−2−オキソ−5−(1−ナフチル)−1H−1,4−ベンゾ ジアゼピン、 3−[2(S)−アミノ−3−メルカプトプロピオニル−N−メチルアミノ]− 7,8−ジメチル−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−5−フェニル−1H−1, 4−ベンゾジアゼピン、 3−[N−2(S)−アミノ−3−メルカプトプロピオニル−N−メチルアミノ ]−2,3−ジヒドロ−6−ナフチルメチル−2−オキソ−1H−1,4−ベン ゾジアゼピン、 3−[2(S)−アミノ−3−メルカプトプロピオニル−N−メチルアミノ]− 2,3−ジヒドロ−2−オキソ−5−(8−キノリニル)−1H−1,4−ベン ゾジアゼピン、 及び 3−[2(S)−アミノ−3−メルカプトプロピオニル−N−メチルアミノ]− 2,3−ジヒドロ−2−オキソ−5−(2,3−ジメチルフェニル)−1H−1 ,4−ベンゾジアゼピン の中から選択された化合物またはその医薬に許容可能な塩 もしくはジスルフィド。 4.3−[2(S)−アミノ−3−メルカプトプロピオニル−N−メチルアミノ ]−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−5−フェニル−1H−1,4−ベンゾジア ゼピン であることを特徴とする請求項1に記載の化合物またはその医薬に許容可能な塩 もしくはジスルフィド。 5.医薬用キャリヤ、及び該キャリヤ中に分散した治療有効量の請求項1に記載 の化合物を含有する医薬組成物。 6.ファルネシル−タンパク質トランスフェラーゼを阻害する方法であって、前 記阻害を必要とするヒト以外の哺乳動物に治療有効量の請求項5に記載の組成物 を投与することを含む方法。 7.癌を治療する方法であって、前記治療を必要とするヒト以外の哺乳動物に治 療有効量の請求項5に記載の組成物を投与することを含む方法。
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