JP2001504032A - 水処理法 - Google Patents

水処理法

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Abstract

(57)【要約】 化学的に還元可能な溶解した有機および無機汚染物質ならびに粒子形態またはコロイド形態の懸濁物質を含有する廃水を処理する方法。この方法には、鉄または第一鉄試薬により行われるレドックス還元を触媒する促進剤金属(例えば、Cu、Pd、Pt、Au、Ag、およびNi、あるいはこれらの金属の酸化物、硫化物、および他の不溶性化合物)の存在下で、廃水を、金属鉄もしくは第一鉄イオン(Fe2+)またはこれらの混合物と接触させるステップが含まれる。最終鉄酸化生成物として第二鉄イオン(Fe3+)が生成するため、懸濁したコロイド状および粒子状の固体の凝結および水相からの沈殿を同時に行うことが可能である。中心的な還元反応スキームのほかに、この系では、in-situで生成した第一鉄イオンおよび第二鉄イオンが関与した多数の二次的反応が起こるため、リン酸塩や硫化水素のような特定の標的汚染物質を同時に除去することが可能である。本発明に係る処理の最終的効果は、溶解状態、コロイド状態、または粒子状態で廃水流中に存在する広範にわたる炭素質、窒素質、および他の標的汚染物質が減少すること、ならびに反応および物理的プロセスが一般的には複雑に絡み合って、容易に生分解されない汚染物質の化学的変換(一般に「軟化」と呼ばれている)が起こることである。その結果、従来型の生物学的処理の前またはそれと並行して本発明の方法を実施すると、生物学的処理は、利用可能性が高まり、効率が向上し、設備投資および運転コストの両方の面で経済性が増大し、更に、最終的に廃棄される水は、環境からの要求により適合したものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】 水処理法 本発明は、水処理法に関し、特に、化学的に還元可能な溶解した有機および無 機汚染物質ならびに粒子形態またはコロイド形態の懸濁物質を含む廃水の処理方 法に関する。 本発明の方法は、木材工業、木質パネル工業、製紙用パルプ工業、および製紙 工業からの廃水、ならびに皮なめし工場、油廃棄物(例えば、モータ油やオリー ブ油の廃棄物)、染色工場、繊維工業、織物工業、および他の工業からの排出液 を処理するのに有用である。こうした廃液には、他の汚染物質に混ざって、高濃 度の高分子量複合有機汚染物質(一般に高分子と呼ばれる)が、高濃度の懸濁粒子 と一緒に含まれるため、標準的な生物学的処理法の単独利用によって処理するこ とは困難である。本発明に特異的な他の用途は、含窒素有機汚染物質およびハロ ゲン化有機汚染物質の還元開裂であり、この場合には従来型の生物学的方法によ って容易に汚染物質を除去することができる。本発明のもう1つの用途は、硝酸 塩、亜硝酸塩、リン酸塩のような無機種を、不溶性化合物の形態で化学的に閉じ 込めることによって除去することであり、この場合には沈殿させることによって 容易にこうした化合物を除去することができる。本明細書中に提示されている処 理の最終的効果は、廃水流中に存在する汚染物質の全体的負荷量を低下させるこ と、および容易に生分解されない汚染物質を、一般的には複雑なレドックス反応 を組合せることにより化学的に変換すること(一般に「軟化」と呼ばれる)であり 、その結果、脱窒素システムや活性スラッジシステムのような従来型の嫌気的お よび好気的生物学的処理法によって、より完全に、より効率的に、更に、より低 コストで廃水流が処理されるようになる。 木材処理、製紙などの工業的製造プロセスの様々な段階で、多量の水が利用さ れる。これらのプロセスにおいて、水の節約または再利用についての著しい改良 がなされてきたが、依然として所定量の廃水を系から放出させることが必要とな っている。加工プラントや製造プラントから流出するプロセス水は、多くの場合 、 着色、濁り、および臭気を有する液体であり、水、溶解した汚染物質、および懸 濁状熊の粒状物質から成っている。このようなプロセス流出液を多量に付近の放 流系や水域に廃棄すると、水域は汚染され、特に、水が不快な色や臭いを呈する ようになる恐れがある。 工業廃水の組成は、一般的には、極めて複雑であり、多くの場合、数十種、更 には数百種の異なる化学種が、溶解状態、コロイド状態、あるいは粒子状態で含 まれている。そのため、特定の排水流の全体的特性は、慣例的に、共通の特徴を 有する汚染物質のグループ全体(例えば、炭素質化合物、有機窒素、懸濁固体、 着色有機物、臭気有機物、ハロゲン化有機物、リン含有物、フェノール類など) の合計濃度および生物種に極めて有害な影響があるために特に測定対象に挙げら れる個々の汚染物質(例えば、種々の重金属など)の実際の濃度を示す一群の組成 パラメータを組合せて使用することによって測定される。これらの特性マーカの うちで酸化可能な炭素質有機汚染物質の全体的負荷量(いわゆる「排水強度」)が 、ほとんどの場合、水質汚染に関する最大の関心事となっているため、ほとんど の地域で極めて厳しい規制が行われている。特定の排水流中の酸化可能な炭素質 有機汚染物質の合計濃度は、慣例に従って、その化学的酸素要求量(COD)および 生物学的酸素要求量(BOD)によって特性付けされる。 水性サンプルの化学的酸素要求量(COD)は、存在する有機炭素質汚染物質全体 の少なくとも95%の酸化が保証される標準的な反応条件下で強力な化学酸化剤に より有機炭素質成分を化学的に酸化する際の酸素消費の尺度である。無機種の酸 化による妨害を最小限に抑えるための対策をとる場合、CODを利用すれば、所定 の水性流中に存在する有機炭素の合計濃度を比較的正確に記述することができる 。 水性サンプルの生物学的酸素要求量(BOD)は、好気性微生物培養により有機炭 素質成分を生物学的に酸化する際の酸素消費の尺度であり、所定の期間にわたり 水性サンプルを適切な微生物培養体に接触させる標準的な実験手順を用いて測定 される。生物学的酸化は比較的ゆっくりとしたプロセスであるため、得られるBO D値は、設定した接触時間に依存する。慣例的に接触期間は5日間に設定される ので、「5日間BODまたはBOD5」という表記がなされる。硫化物、第一鉄 イオン、窒素還元体(窒素型酸素要求量)などの無機種によって同時に起こる生物 学的酸化による妨害を最小限に抑えるための対策をとる場合、所定の水性流中に 存在する生分解可能な有機炭素の合計濃度の尺度としてBODを利用することがで きる。 上記の定義に基づくと、特定の廃水のCOD:BOD5比は、炭素質有機汚染物質の 全体と生分解可能な部分との比を表すことになるため、生分解性の尺度として使 用することが可能である。高いCOD:BOD5比は、活性スラッジ法などの従来型の 好気的生物学的処理法では処理しきれない難生分解性の炭素質有機物が高濃度で 存在することを意味する。 未処理の工業廃水に対する典型的なCOD値が、400〜15,000mg/Lの範囲にあるの に対して、対応するBOD5値は、80〜4,000mg/Lの範囲にある。これに対して、未 処理の都市下水に対する典型的なCOD値は、400〜800mg/Lの範囲にあり、BOD5値 は、150〜400mg/Lの範囲にある。典型的な工業廃水のCOD:BOD5比は、都市下水に 対する比2:1をはるかに上回るため、従来型の好気性生物学的方法により効果的 な後続処理ができるように工業プロセス水排出液を前処理するための目標となる ことは自明である。処理済みの都市排出液は、一般的には、およそ60mg/LのCOD 値および15mg/LCのBOD5値を有する(COD/BOD5=4:1)。 工業製造プロセスからのプロセス水を処理するために、従来型の生物学的処理 のほかに、様々な物理化学的方法が提案されてきた。こうした非生物学的な排出 液処理法、例えば、濾過法、紫外線、過酸化物、およびオゾンを用いた高度な酸 化法、逆浸透法、高分子電解質、石灰、または明署を用いた沈殿法、溶解空気浮 上法、炭素吸着法などは、溶解した汚染物質および粒状の汚染物質をこうした放 流系から除去するのに有効であるが、多くの場合、比較的狭い範囲の汚染物質だ けを処理するのに使用できるという点で部分的に有効であるか、あるいは工業プ ロセス水排出液、特に、多量の廃水が発生するプロセスからの排出液(例えば、 パルプ工場や製紙工場からの排出液)を処理するには法外な費用がかかる。大量 の化学試薬のコスト、高い保守コスト、およびしばしば使用範囲の制限される高 価な設備が必要となるため、こうして提案された解決策には関心が払われなかっ た。従って、高レベルの効率を有し、広範囲にわたる汚染物質を除去でき、しか も必要な投資や運転コストが低く抑えられる水処理法が考案されてきた。 欧州特許EP-A-0 151 120号には、水溶液から重金属を除去する方法が開示され ている。この方法には、水溶液中で系内に形成されるキャリヤ沈殿物と共に重金 属イオンを共沈させるステップが含まれる。 染料製造の分野では、水酸化第二鉄を沈殿させて「汚染物質を閉じ込める」こ とによって、汚染水を精製するという提案がなされている。1950年代には、金属 イオン用いて、水酸化第二鉄を凝結剤として系内で生成させた(Dr.H.Jung,Vi ersen,Ein Beitrag zur Reinigung der Abwasser der Textil und Lederingdus trie(Niersverfahren).Ber.Abwassertechn.Vergg 3(1952)95;H.L.Bendel,Gerf D as PISTA-Eisungverfahren zur Wasser und Abwasserreinigung 72(1951)231)。 この方法は、後に放棄された。 Korrespondenz Abwasser 3/87の238頁以降には、pH9においてFe(II)および水 酸化カルシウムを用いて、織物工業からの排出液を脱色する方法が記載されてい る。 「IAWQ 1996,“工業廃水の前処理”に関する第二回特別会議,1996年10月16〜 18日,アテネ,ギリシャ,H.Chuaら,“電気的凝結シーケンスパイプ反応器を 用いた織物染色および仕上げ処理廃水の脱色”」には、金属イオン電極を備えた 電解セルを用いて廃水中の染料を脱色することについて記載されている。この電 解機構では、脱色のために電流が利用される。 米国特許第5 198 118号には、黄銅(Cu,Zn)の入った反応器に廃水を通してから イオン交換カラムに通し、続いて逆浸透処理にかけるという処理方法が報告され ている。 米国特許第4 548 718号には、鉄と硫黄を併用して、金属シアン化物複合体お よび遊離シアン化物を処理する方法が開示されている。 米国特許第5 575 919号には、過酸化物の存在下で硫黄改質鉄触媒を用いてpH5 〜8.5で金属およびTOCを除去するための水処理法が提案されている。 米国特許第5 411 664号には、Mg、Cu、Ni、Feなどの多価金属の存在下でハロ ゲン化有機化合物を低減および分解するための生物学的方法が開示されている。 米国特許第4 194 973号では、pH5〜6.5において金属鉄を酸化することにより 系内で生成させたFe(II)を用いて、アリール−アゾまたはアリール−ニトロ発色 団を還元的に分解している。また、この方法ではクロムが沈殿する。この方法は 生物学的処理にかける前の前処理して利用されるものであり、脱色は行われるが 、廃水に由来する有機負荷量は減らない。 既に述べたように、排出液を処理するためのこうした様々な方法は、十分に有 効でないか、着色物、シアン化物、金属などの標的汚染物質に特に焦点を当てた ものがほとんどであるか、および/または商業的製造スケールで利用するには費 用がかかりすぎる。 本発明によれば、汚染物質を含有する廃水の処理方法が提供される。この方法 には、鉄による還元反応を促進する元素形態または化合物形態の促進剤金属の存 在下で水を鉄に接触させるステップと、それに続いて水相から懸濁固体を分離す るステップとが含まれる。 この場合、汚染水(特に、化学的に還元可能な溶解した有機および無機汚染物 質ならびに粒子形態またはコロイド形態の懸濁粒子を含有る汚染水)の処理方法 が提供されるが、この方法には、促進剤(例えば、鉄または第一鉄試薬により行 われるレドックス還元に対する触媒)として機能する促進金属(例えば、Cu、Pd、 Pt、Au、Ag、およびNi)の存在下において、水を、金属鉄もしくは第一鉄イオン( Fe2+)またはそれらの混合物に接触させるステップが含まれる。本発明の方法は 、還元可能な高分子物質を含有する水の処理に特に適している。促進金属は、廃 水中に存在する汚染物質との複合体形成および/または水相中への溶解を最小限 に抑えるために、すなわち、反応器からの損失を最小限に抑えるために、純粋な 固体金属の形態(例えば、削り屑、スクラップ、およびペレット)または金属の不 溶性化合物の形態(例えば、酸化物および硫化物)で存在させてもよい。また、Cu2+ 、Ag2+などの金属カチオンを適切な濃度で含有する水溶液を用いて金属鉄を前 処理することにより、金属鉄の表面上に薄いコーティング層として促進金属を析 出させてもよい。 鉄は、元素の鉄、鉄の化合物、または鉄を含有する鉱石もしくは天然鉱物の形 態であってよい。 本発明は、化学的還元が可能な溶解した有機および無機汚染物質ならびに粒子 形態またはコロイド形態の懸濁粒子を含有する廃水を処理するための効率的で実 用的な方法を提供する。このような廃水の例としては、皮なめし工場、染色工場 、繊維工業、織物工業、および製紙工業から放出されるプロセス水排出液ならび に油(例えば、モータ油、オリーブ油など)で汚染された水放流系が挙げられる。 こうした放流系中に存在する溶解した汚染物質は、多くの場合、複雑な化学構造 、大きな分子量、および酸化体の性質を有するため、通常、従来型の生物学的廃 水処理法では容易に処理されない。一方、このような排出液から、高負荷量で存 在することの多い粒状物質を濾過または沈降により除去するには、典型的には、 コストのかかる凝集助剤を使用することにより、小さな粒子を凝集させ、後続処 理で水相からより効率的に分離することのできる大きな凝集体への変換を促進す る必要がある。 本発明に従ってこれらの排出液を処理すると、複雑で高度に酸化された溶存汚 染物質は化学的に還元され、それと同時に、懸濁したコロイド状および粒状汚染 物質の凝集が起こる。この凝集体は、後続処理において、凝集助剤を追加使用す ることなく沈降または濾過により容易に除去される。この処理の全体的な結果と して、生成する水性流の炭素質および窒素質の合計負荷量は実質的に低下し、懸 濁固体の濃度は実質的に低下し、更に、ほとんどの場合、COD:BOD比は一般に低 下する(これは、生分解可能な残留汚染物質の負荷量が増大することを意味する) 。 本明細書中に記載の方法によって処理されたプロセス水流は、更なる処理を行 うことなく製造プロセスにおいて再循環および再使用するのに適した品質を有す ることも時々ある。このことは、大量の水を利用し、しかも溶解空気浮上法(DAF )のようなエネルギー消費の多い処理方法によってプロセス水の再循環が行われ ることの多い製紙工業には特に重要である。しかしながら、廃水流を最終的に自 然の水域に廃棄することを考えた場合、一般的には、従来型の生物学的処理法に より更に処理することが必要である。この場合には、本発明に係る方法を、生物 学的処理の前またはそれと並行して廃水流に適用すると、生物学的処理は、利用 可能性が高まり、効率が向上し、設備投資および運転コストの両方の面で経済性 が 増大し、更に、最終的に廃棄される水は、環境からの要求により適合したものと なる。 本発明の作用原理を特定のものに限定するものではないが、本発明の方法には レドックス系が関与し、この系において、金属鉄は、それ自体は第一鉄(Fe2+)に 、続いて第二鉄(Fe3+)に酸化される還元剤であり、一方、汚染分子上の特定の求 電子性(「電子親和性」)部位は、電子受容体として機能するために還元され、水 素イオン(H+)と電子の同時付加による汚染物質の部分的開裂を生じる機構が働く ものと考えられる。また、鉄または第一鉄イオンと接触する促進金属が存在する ことにより、鉄または第一鉄イオンから還元可能な汚染物質への電子移動に必要 な活性化エネルギーが減少し、反応速度が増大することになる。 全体的な反応スキームは、以下のように模式的に表現することが可能である。 ただし、R1R2は、2個の基R1およびR2の間で還元開裂を起こしうる有機分子であ る。 中間体鉄酸化生成物として過剰に生成する第一鉄イオン(Fe2+)は、溶解した物 質の更なる還元を促進することができる。実際に、硫酸第一鉄のような第一鉄塩 はそれ自体で、促進剤金属の存在下において汚染物質を化学的に還元するための 出発物質として使用することができる。 本発明の方法では、最初に、金属鉄を利用して、廃水中の還元可能な有機汚染 物質の還元開裂を行う。第二鉄イオン(Fe3+)の生成は、単に、金属鉄の還元作用 の二次的な結果にすぎないが、こうして生成した第二鉄イオンは、廃水中に存在 する懸濁したコロイド状および粒子状物質を除去するために便利に利用される。 このような懸濁粒子としては、例えば、木材および紙の粒子(木材処理工業およ び製紙工業から放出される排出液の場合)、ならびに皮革工業、染料工業、繊維 工業、織物工業などの他の工業から排出される粒状物質が挙げられる。特に重要 なことは、高分子汚染物質を還元することである。こうした懸濁粒子の除去は、 電荷の中和を介して、および/またはpH7〜8.5において容易に生成しかつ溶液 から沈殿する、廃水中に存在する不溶性水酸化第一鉄および水酸化第二鉄、なら びに他の金属の不溶性水酸化物による閉じ込めを介して行われる。結果として、 望ましからぬ金属イオン(特に、望ましからぬ重金属イオン)を、二次的効果とし て系から除去することができる。 本発明で使用できる促進剤金属は、通常、貴金属という用語で規定されるもの であり、具体的には、銀、ニッケル、金、白金、およびパラジウムが挙げられる が、重要な金属は、周期表の同じ族に含まれるけれども、通常、「貴金属」とは みなされない銅である。他の「貴金属」、例えば、ルテニウムまたはロジウムも 利用可能であるが、恐らく費用がかかりすぎて実用にならないであろう。他の金 属もまた、反応を促進する可能性がある。他の金属が好適であるか否かは、反応 に悪影響を及ぼさないことを最初に確認することによって試験することができる が、通常、こうした金属は有意な反応性をもつものであってはならない。こうし て有望な金属を鉄/鉄イオンに添加すれば、鉄単独の場合よりも優れた結果が得 られるか否かが分かるであろう。 活性化または促進金属は、元素の金属の独立した粒子の形態で、または後で説 明するように、鉄の表面またはその一部分をメッキすることにより導入すること もできるし、あるいは金属の化合物として導入することもできる。鉄の活性化を 促進する目的で使用可能な活性化金属の化合物としては、市販のものが多く利用 できる。しかしながら、こうした化合物は、最も好ましくは、不溶性化合物、特 に酸化物および硫化物である。単純な試験によって容易に確認できるか何らかの 疑いがもたれる場合を除いて、金属の特定の化合物形態が鉄を活性化できる可能 性を有するか、当業者にはよく分かるであろう。 一般的には、促進金属を1種だけ利用することになるであろう。なぜなら、2 種以上の促進金属が鉄を含めて互いに接触すると、最も低い分極ポテンシャルを 有するものを除いて金属が溶解する可能性があるからである。しかしながら、反 応系の異なるセクションで、あるいは同じ反応容器中においてさえも、異なる促 進金属を利用できる可能性がある。 促進金属と鉄との割合は、促進金属が元素の形態であるかまたは化合物の形態 であるかに依存することもある。通常、この比は、元素の形態で測られる金属の 量と系中に同じように元素として存在する鉄の量との比、すなわち、金属化合物 および第一鉄化合物の場合には、金属イオンと第一鉄イオンとの比によって評価 される。 元素の鉄の重量に基づいて元素の金属として見積もられる促進金属の量は、非 常に少ない量(触媒量)から、鉄を基準に50重量%を超える量まで、更には1:1の 量まで変化させることが可能である。こうした成分が固体の形態(例えば、元素 の形態)である場合、適切な因子として、接触の度合い、すなわち、促進金属と 接触する鉄の表面積を利用してもよい。上限のいかんにかかわらず、最終系にお いて有意量の鉄が存在しなければならないことは明らかである。 既に述べたように、促進金属の正確な機能について完全には分かっていない。 その作用は、一部分として、鉄の還元作用を増強すること、および一部分として 、元素の鉄→第一鉄→第二鉄の反応を促進することであると思われる。重要な点 は、促進剤が存在することによって、鉄/鉄イオンによる汚染物質の除去効率が 向上することである。 本発明による処理には、2段階(すなわち、反応を行う段階と、それに続いて 、凝集した固体粒子を分離する段階)のシーケンスが含まれる。これらの段階は 、空間的シーケンスまたは時間的シーケンス(それぞれ、連続処理またはバッチ 処理に相当する)で行ってもよい。固体粒子の除去は、ほとんどの場合、沈降に より行われる。それにもかかわらず、本発明の他の実施態様において、濾過法ま たは浮上法のような他の適切な固体分離技術を利用してもよい。 以下で説明するように、本発明の方法は、様々な工業プロセスから発生する広 範にわたる水放流系、更には、下水系などに放流される廃水に適用することがで きる。例えば、都市下水の処理、木材または木質パネル工業、製紙およびパルプ 工業、染料処理、繊維または織物工業、皮なめし工場、天然もしくは合成潤滑剤 または石油ベース製品あるいは食用油製品の製造で発生する排出液の処理を行う ために、本発明の方法を利用することができる。本発明の方法は、汚染物質の性 質およびその物理的形態に依存するため、すべての汚染水の処理において同等の 成果が得られるとはかぎらない。鉄に対する促進金属の割合もまた、1つの系に おいて特定の成果が得られるかを左右する可能性もある。しかしながら、一般的 には、本発明の系は、例えば第一鉄化合物または金属鉄を単独で使用する場合よ りも、廃水または汚染水の処理において、より大きな成果が得られるであろう。 特定の廃水に対しては、明らかに、できる限り最良の脱汚染を達成すべく、最も 適した操作条件を決定するための何らかの簡単な試験を行うことが必要な場合も ある。本発明の方法により実施される化学的還元の結果として生成する特定の物 質を併用して本発明の操作を行えば、廃水中に含まれるコロイド形態または粒子 形態の不活性懸濁物質のレベルまで、こうした懸濁物質を除去することも可能で ある。 本発明の処理剤の化学的性質が原因で、使用する操作条件のセット(例えば、 反応段階および固体分離段階におけるpH、操作温度、ならびに反応段階および固 体分離段階の継続時間)が、処理の全体的効率に著しい影響を及ぼす可能性があ る。実際には、利用する操作パラメータは、処理される特定の排出液に合わせて 選択しなければならないであろう。 反応段階において適用されるpHは、処理対象の廃水流の性質に依存して、強い 酸性から強いアルカリ性まで変化させることができる。実際の還元はpH9で行う ことが特に有用であろう。それにもかかわらず、固体分離段階では、水相中にお いて最小の溶解度を呈することが分かっている7〜8.5のpHを適用して固体分離を 行うことが好ましいはずである。反応および固体除去に要する接触時間は、流入 する廃水中に溶解した汚染物質および懸濁した汚染物質の正確な性質および濃度 に依存する。反応段階では、接触時間を1〜180分間に設定することにより良好な 成果が得られ、平均接触時間は5〜20分間であった。後続の固体分離のために利 用される保持時間は、実際に利用する技法にもよるが、5〜180分間に設定するこ とが可能である。固体分離法として沈降法を利用する本発明の特定の実施態様に おいて、典型的な沈降時間は20〜60分に設定される。利用する操作温度は、種々 の化学反応の速度、化学種の溶解性、溶液中の鉄および他の金属の化学種変化、 固体粒子の凝結速度、および分離に影響を与え、主に、流入する廃水流の温度に よって決定される。操作温度を5〜80℃に設定することにより良好な成果が得ら れた。 金属鉄および第一鉄イオンを十分に活用して還元可能な溶存汚染物質を還元す るためには、反応器からできる限り酸素を除去することが望ましいが、完全に酸 素を除去するための特別な対策をとる必要はない。こうした対策をとると、処理 プロセスのコストが大幅に増大するであろう。 紙の製造で発生したプロセス水を、再循環させる前に処理する場合のような特 定の用途に対して、ほとんどの場合、本発明の方法で単独処理するだけで十分と 思われるが、天然の放流系または水域に廃水流を廃棄する場合には、本発明の方 法に続いて(付近の都市下水処理施設の現場でもしくは離れた場所で)またはそれ と並行して、従来型の好気性および嫌気性の生物学的方法によって処理すること が必要なことが確かに多いと思われる。 本発明の典型的な実施態様において、本発明の方法は、生物学的処理の前に廃 水流を前処理するために適用される。操作モード(連続流動モードまたはバッチ モード)およびシステム構成に関連して処理を正確に実施するためには、流入す る廃水の性質および前処理の目的を考慮する必要がある。一般的には、適用可能 なシステム構成は多数存在する。 次に、添付の図面を参照しながら本発明を説明する。図1は、本発明の好まし い実施態様に従って生物学的処理の前に廃水を前処理するための連続流動プラン トの略図を示している。 図2は、本発明に係る処理がOUR(比較例5)に及ぼす影響をグラフで表したもの である。 本発明に従って処理される廃水は、工業生産プロセス中の様々な発生源から生 じたものであってよい。いくつかの廃水の部分的な組合せは、一般的には、水の 循環による完全な混合が保証される調整槽中で行われる。調整ステップ後の廃水 のpHは、一般的には8〜10である。 図1に示されている特定の処理の実施態様において、調整槽(図示せず)から送 出される水Aは、一連の4つのタンク10、11、12、13に誘導される。これらのタ ンクは、2つの反応器10および12、ならびにそれぞれの後に置かれた沈降タンク 11および13(前の反応器中で凝結された固体を沈降法により分離するためのタン ク)から成っている。以下の説明を簡潔にするために、タンク10,11を有す る第1の反応器−清澄器シーケンスを、一次処理段階または段階1と 呼ぶことにし、タンク12,13を有する第2のシーケンスを、主要処理段階ま たは段階2と呼ぶことにする。図1に示されているように、段階2の主要反応器 12には金属鉄の固定床タワーが含まれる。 供給材料は、最初に、一次反応器10(段階1)に誘導され、この一次反応器にお いて、段階2の最終清澄器13の底部から再循環された第一鉄イオンおよび第二鉄 イオンならびにタンク中に予め充填しておいた固体形態の促進剤(通常は元素の 金属形態のもの)と接触する。新たに供給された廃水を、促進剤金属の存在下で 、主要反応器12(段階2)から再循環された第一鉄イオンおよび第二鉄イオンと接 触させる一次反応段階を処理シーケンス中に導入することにより、還元反応を開 始することが可能となり、結果として、還元可能な流入汚染物質の化学的軟化、 新しく供給された廃水の中に存在するコロイド状および粒状の懸濁物質の凝結お よび除去、第一鉄イオンまたは第二鉄イオンと反応して不溶性化合物を形成する ことができ、かつ段階1の清澄器11中で沈降法により除去される特定の無機汚染 物質(例えば、硫化水素およびリン酸塩)の除去が行われる。このようにして、所 定のシステム構成をとることにより、主要反応器12(段階2)中で生成する第一鉄 イオンおよび第二鉄イオンの不必要な損失が防止されるため、段階2で供給され る金属鉄の還元能力および凝結能力は十分に利用される。その際、金属鉄は、主 要反応器に入る還元可能な有機汚染物質の還元開裂および二次的に重要になるこ とが多いと思われる粒状物質の凝結のために主に使用され、副反応における部分 的損失は回避される。一次反応タンク10からの送出物は第1の清澄器11に誘導さ れ、この清澄器において、凝結した固体の大部分は沈降し、スラッジの形態で系 から除去され、一方、透明な上澄み液は、主要反応器12(段階2)へ静かに注がれ る。 汚染物質と鉄および/または促進剤混合物との主要な接触は、主要反応器12( 段階2)の固定床タワー中で行われる。固定床には、削り屑、スクラップ、ピル、 または他のタイプのペレットの形態で金属鉄粒子が含まれる。このような鉄廃材 を使用することは、水処理法のコストを最小限に抑えるのに有利である。しかし ながら、鉄粒子は、比較的純粋なものでなければならない。適切な量の促進剤も また、固定床全体にわたり比較的一様に分布させた状態で、固定床中の金属鉄と 接触させる。 汚染物質を鉄/触媒混合物と接触させるために、鉄固定床を通過するように、 主要反応器からの液体を連続的にポンプで流動させる。この固定床は、鉄から還 元可能な汚染物質への電子流動の割合を高くすべく、鉄固定床と水性相との間の 良好な接触および十分に大きな界面が得られるようにデザインされる。 タワーから送出される水には、他の反応生成物に混じって、第一鉄イオンおよ び第二鉄イオン、ならびに摩擦により固定床から分離し、タワーから流出した少 量の未反応金属鉄および促進剤固体粒子が含まれる。これらの部分的に反応した 鉄化学種または完全に未反応の鉄化学種は、次に、バルクの液体中において汚染 物質の還元反応を促進する可能性がある。金属鉄は、タワー中で反応して溶解す るので、例えば、シードタンク14および15から定期的に補充される必要がある。 主要反応タンク12からの送出物は、最終清澄器13に誘導され、この清澄器におい て、凝結した懸濁固体である不溶性水酸化物は沈降し、一次反応器11(段階1)中 に再循環され、一方、透明な上澄み流13は後続の生物学的処理にかけられる。 図1に略図で示されている処理の構成には明確な操作上の利点があるにもかか わらず、これは本発明の方法の実現可能な1実施態様であるにすぎない。図1の 段階2は、主要反応器およびそれに続く沈降を示すものであるが、これもまた、 系の技術内容を簡潔にするために利用されたものとみなしうるものである。本発 明の更なる特定の実施態様では、調整タンクからの液体を再循環させる単一もし くは多数の鉄/促進剤固定床タワーの使用、またはこうした一連のタワーのカス ケードおよびそれに続く単一の清澄器の使用が含まれる。他のプロセス構成では 、濾過法、浮上法など、更にはそれらの組合せのような粒子除去方法が交互に利 用される。最後に、本発明の方法はまた、バッチ方式を繰り返す場合に適用して もよく、この場合には、反応タンク中に廃水を周期的に供給し、タワーを通過す るように所定の時間にわたり液体を再循環させることによって化学処理が行われ る。反応段階の終了時に、ポンプによるタワーを介した液体の流動を停止し、所 定の時間にわたり同じタンク中で固体沈降を行い、その後で、タンクの底部から スラッジを除去し、透明な上澄み液は上部から取り出すことによって、全サイ クルを完了する。 本発明の更なる特定の実施態様において、同一のユニット中で従来型の生物学 的処理法と並行して本発明の方法を適用してもよい。生物学的処理の前に別に前 処理を行う場合(これについては先に説明した)と同じように、流入する廃水の性 質および処理の目的に依存して多数の利用可能なシステム構成が存在する。 本発明の特定の実施態様において、固定床には、鉄および促進剤のほかに、微 生物バイオフィルムの取り付けおよび増殖を行うための基材となりうる十分な表 面積を有する適切な充填材料が含まれていてもよい。嫌気性条件下でシステムを 操作すると、複雑な酸化型汚染物質を還元することのできる嫌気性微生物の培養 体の増殖が促進されるため、同じユニット中で同時に化学的および生物学的還元 機構を機能させる利点が得られる。好気性条件下でこのようなタワーを操作する と、好気性微生物の培養体の増殖が促進されるので、鉄/促進剤系による汚染物 質の還元開裂と、生成したより生分解し易い汚染物質の生物学的酸化とを、同じ ユニット中で同時に行うことが可能になる。活性炭または他の多孔質吸収剤を微 生物支持媒体として利用する本発明の更なる特定の実施態様において、リグニン やセルロースのような複雑な汚染物質は、吸収剤の表面上に吸収される傾向を示 し、より長い時間にわたりタワー中に保持されるので、結果として、鉄/促進剤 混合物および微生物培養体との接触時間が増大し、恐らく、CO2や水のような最 終酸化生成物にまで、より完全に分解されるであろう。 廃水流中に存在する汚染物質の化学的な分解と生物学的な分解とを同時に行う ための本発明の更なる特定の実施態様は、鉄/促進剤固定床タワーを利用して、 従来型の生物学的処理シーケンス中の所定の段階(例えば、脱窒素タンクおよび 活性スラッジタンク)から得られる液体を再循環させて処理するものである。 次に、一連の実施例の中で本発明を説明する。実施例中で説明した観点に基づ いて、これらの実施例は4つの異なるクラスに分類することが可能である。 I.適切な従来型技術から得られた結果との比較。 II.異なるタイプの工業廃水に対する処理の可能性。 III.所定の範囲にわたる操作条件下におけるプロセスの利用可能性。 IV.後続のまたは並行した生物学的処理を促進するためのプロセスの実現。 以下に記載した実施例のまとめを、次の表に示す。 I.従来型技術から得られた結果との比較。 このクラスの実施例では、還元/凝結を行うために第一鉄(Fe2+)塩が使用され 、凝結だけを行うのために第二鉄(Fe3+)塩が使用される標準的で広範に利用され ている水精製法に、固体金属またはそれを含有する不溶性化合物の形態で促進剤 金属触媒を導入することによって、COD除去および処理廃水の生分解性のいずれ に関してもプロセス効率が向上することを示す。また、処理結果を、金属鉄を単 独で利用した場合に得られる結果と比較する。しかしながら、金属鉄の単独利用 は、当該技術分野において、標準的で汎用性のある水精製法として利用されてお らず、単に、特定の汚染物質を還元分解するためにだけ利用されている。この場 合、後続処理として沈殿または生物学的酸化によって汚染物質を除去することが 可能である。実施例1 ドラム濾過による標準的な一次処理の後で製紙工場から放出されたプロセス水 排出液のCODは、1,500mg/Lである。この廃水のサンプルを、本発明に従って、以 下に記載するように処理した。この廃水のサンプル200mLを3つの同等な容 器に入れ、それぞれの容器に、異なる量の第一鉄(Fe2+)塩および金属銅削り屑を 添加した(以下の表の結果を参照されたい)。容器に蓋をし、5分間振盪させた。 続いて、各容器中の溶液のpHを8.5に調節し、処理サンプルを20分間放置した。 この際に沈降が行った。各処理サンプルの上澄み層を分析し、以下の結果を得た 。 第一鉄イオンと金属銅との混合物を使用する本発明に係る処理(容器No.2)の方 が、第一鉄イオンまたは金属銅を単独で使用した場合(容器No.1およびNo.3)より も、もとの廃水からのCODの除去量が実質的に大きくなることは、実施例1から 明らかである。実施例2 出発原料として再生紙100%を利用する新聞紙工場から放出されるプロセス水 排出液は、ドラム濾過の後、灰色の濁った色、強力な臭気を有し、そのCODは1,6 50mg/Lである。この廃水流のサンプルを、以下に記載されているように、本発明 に従って金属鉄単独で処理した。 最初に、この廃水のpHを5.5に調節した。続いて、サンプル200mLを4つの同等 な密閉容器中に入れた。これらの容器にはそれぞれ、Cu、CuS、Ag、およびNiか ら成る群より選ばれる様々な促進剤金属または金属硫化物と一緒に鉄削り屑200g が入っていた。もう1つのサンプル200mLを、鉄削り屑200gだけが入っている5 つ目の同等な容器の中に入れた。2つの容器に蓋をし、20分間振盪させた後、各 容器中の溶液のpHを8.5に調節し、処理サンプルを20分間放置した。この際に沈 降が行った。沈降時間の終了時、上澄み層は、いずれのサンプルにおいても、無 臭、透明、しかもほとんど無色であった。各容器中において、以下のCOD除去効 率が達成された。 明らかに、本発明に係る促進剤金属を反応器に添加すると(容器No.1〜4)、結 果として得られるCOD除去効率は、金属鉄を単独で使用して得られたもの(容器No .5)よりも常に高い。促進剤の添加によって実際に得られた処理効果は、Ni(容器 No.4)のときわずかな効果から、CuおよびCuS(容器No.1〜2)のときの大きな効果 まで変化する。従って、利用する促進剤の性質もまた重要である。更に、純粋な 金属としてのCu(容器No.1)と硫化物としてのCu(容器No.2)とが同等な結果を呈し たことに注目する必要がある。しかしながら、CuSの方が、水に対する溶解性が 低く、廃水中に存在する汚染物質による錯化作用および可溶化作用に対する耐性 が強い。実施例3 木質パネル(合板、パーティクルボード、丸材など)を製造するプラントから放 出されるいくつかの排出液が組み合わさったものは、非常に濁った暗赤色の着色 溶液であり、そのCODは14,480mg/Lである。この排出液のサンプルを、本発明に 係る方法および従来技術に基づく標準的な処理方法で処理した。実施例3.1 最初に、廃水のpHを9.5に調節し、次いで、サンプル200mLを、鉄削り屑200gが Cu削り屑100gと一緒に入っている容器に入れた。容器に蓋をし、5分間振盪させ た後、溶液のpHを8.5に調節し、処理サンプルを20分間放置し、固体粒子を沈降 させた。沈降時間の終了時、上澄み溶液のCODは3,100mg/Lであり、未処理のサン プルのCODの79%が除去された。比較例3.2 廃水のpHを9.5に調節し、サンプル200mLを、実施例3.1のものと同等な3つの 容器に入れた。ただし、金属の鉄も銅もまったく含まれていなかった。第1の容 器に90mg/LのFeCl3を添加し、第2の容器に90mg/LのFeSO4を添加し、第3の容器 に金属鉄削り屑100gを添加した。これらの容器を密閉し、5分間振盪させた後、 溶液のpHを8.5に調節し、処理サンプル中の固体を20分間かけ て沈降させた。沈降時間の終了時、3つの容器中の上澄み溶液は、以下のCODを 有していた。 実施例3.1および3.2で得られた結果を比較することより、本発明に係る方法を 用いた場合、還元および/または凝結を行うための標準的な任意の形態の鉄を促 進剤の不在下で使用した場合よりも、もとの廃水からのCOD除去量がかなり大き くなるが明確になる。 更に、各サンプルに対して個々に測定された酸素摂取速度(OUR)から明らかな ように、促進剤の存在下で処理されたサンプルは、促進剤の不在下で処理された サンプルよりも、はるかに強い生物学的活性を呈した。従って、前者の方が容易 に生分解される汚染物質の濃度が高いことが分かる(実施例5を参照されたい)。 このことは、後続処理として、最終廃棄を行う前に、標準的な生物学的方法で廃 水を処理するうえで極めて重要である。なぜなら、本発明に係るサンプルの前処 理では、必要となる生物学的処理プラントが小型化するだけではなく、残存する 汚染物質がバイオマスによってより容易に同化されるようになり、最終的に廃棄 される放流系の品質が向上すると考えられるからである。実施例4 製紙工場から排出された廃棄物の混合サンプルは、以下の特性: COD=1,500mg/L BOD=475mg/L COD:BOD=3.1:1 を有するものであったが、このサンプルを本発明に従って処理した。実施例4.1 このサンプルのpHを10.5に調節した。銅削り屑15kgと混合された鉄削り屑50kg を含有する160L固定床タワーを備えた7m3タンクにサンプルを入れ、約25分間に わたり廃水をタワーに通して再循環させた。次に、溶液の色がFe3+の 生成に伴って褐色になるまで、約25分間の(接触時間)をかけてサンプルに空気を 送り込んだ。溶液を放置した。その際に沈降が起こった。上相は、無色透明かつ 無臭であり、以下の特性を有していた。 COD=470mg/L(69%除去) BOD=160mg/L(67%除去) COD:BOD=3:1比較例4.2 臭気を有する褐色の未処理廃水サンプル250mLをpH10.5に調節した。次に、こ のサンプルに90mg/LのFeSO4を添加した。混合物を25分間攪拌してから、更に25 分間空気を送り込んだ。続いて、混合物を放置した。その際に沈降が起こった。 その後、上相を回収した。得られた上相の特性は、次の通りであった。 COD=1,133mg/L(25%除去) BOD=130mg/L(73%除去) COD:BOD=8.7:1 また、この上相は黄色の着色を有していた。 この実施例から明らかになることは、浄水処理において最も広範に使用されて いる鉄の形態でありかつ還元と凝結の両方が可能であるFe(II)を適用した場合と 比較して、本発明に係る方法では、COD除去効率は高いがBOD除去効率は低いこと である。このことは、本発明に係る方法では、前者の方法よりも生分解性の低い 有機物が除去されるか、あるいはもとの廃水中に存在する非生分解性CODの大部 分が生分解性有機物に化学的に変換されるかのいずれかであることを示している 。いずれにしても、生物学的処理の前の前処理として両方の方法が利用されるの で、本発明に従って処理されたサンプルは、炭素質有機汚染物質の全体的負荷量 (COD)を低下させるだけではなく、Fe(II)塩を用いて標準的な方法で処理された サンプルよりも、生物学的処理に移行する前の生分解性有機物の割合が高くなる であろう(COD:BOD比は低くなる)。このため、生化学的処理プラントが小型化さ れ、プラント中のバイオマスがより効率的に利用されるようになる。実施例5 木質パネル製造プラントから排出される廃棄物の混合サンプルは、暗褐色に着 色し、臭気を有し、以下の特性: COD=14,480mg/L BOD=4,530mg/L を有するものであるが、これを本発明に従って処理した。実施例5.1: このサンプルのpHを10.5に調節した。銅削り屑100gと混合された鉄削り屑200g を含有する密閉容器中にサンプルを入れ、25分間振盪させた。次いで、25分間に わたりサンプルに空気を送り込んでから放置した。その際に沈降が起こった。こ の上相は、無色、透明、かつ無臭であった。比較例5.2: 臭気を有する暗褐色のサンプル250mLをpH10.5に調節し、次に、鉄も銅も入っ ていない実施例5.1のものと同等の2つの空の容器に入れた。第1の容器に45mg/ Lの量のFeSO4を添加し、第2の容器に45mg/LのFeCl3を添加した。2つの容器中 の溶液を25分間攪拌してから、更に25分間空気を用いて混合し、最後に20分問放 置した。その際に沈降が起こった。2つの容器中の上相を回収した。 実施例5.1(すなわち、Fe/Cu混合物を使用)および5.2(すなわち、Fe2+またはFe3+ のいずれかを単独使用)で処理された同量の清澄化サンプルを、3つの容器に 添加した(各容器中に異なる前処理サンプルを入れた)。これらの容器にはそれぞ れ、生物学的に活性な微生物培養物と一緒に、地方都市の下水処理プラントから 入手した都市下水(予め清澄化処理が施されたもの)200mLを入れておいた。予め 清澄化処理の施された都市下水200mLだけが入った第4の容器を、実験の標準と して使用した。4つの容器には他の食物を添加しなかったので、各サンプル中の バイオマスは、都市下水および3つの前処理済み工業廃棄物サンプルの中に存在 する汚染物質だけを消費することにより増殖可能である。実験は、4日間にわた って行った。その間、各サンプル中で増殖する微生物による酸素摂取の速度(OUR )を測定する標準的な方法を利用して、各反応器中のバイオマスの呼吸速度を毎 日測定した。この方法では、溶存酸素(DO)が指定のレベル(約6mg/L)になるまで 各反応器中の液相を酸素化し、続いて、水相中における生物学的活性 の結果としてのDO消費を時間を迫って測定する。次に、OUR(Oxygen Uptake Rate )を次のように計算する。 これらの実験の結果は、図2に示されている。この図は、前処理がOURに及ぼ す影響を示すものである。 曲線1aは、本発明に従って処理された廃水(実施例5.1)に対して得られたOURパ ラメータに相当し、曲線1bおよび1cはそれぞれ、従来型のFe(II)およびFe(III) 処理剤で還元/凝結処理を行ったサンプル(比較例5.2)に対して得られたパラメ ータを表している。最後に、塗りつぶされた部分は、ブランク中に単独で存在す る活性化都市スラッジに対して測定されたOURパラメータに相当する。 本発明に従った処理(触媒の存在下における金属鉄による還元開裂、およびin- situで生成したFe(III)による沈殿が関与する)の後で得られたOURが、Fe(II)ま たはFe(III)だけで処理された廃水に対して得られたものよりも大きいことは容 易に分かる。明らかに、本発明の方法に従って廃水処理を行うと、微生物の活性 が増大する。この原因は、高分子廃材を事前に化学的分解(還元開裂)処理にかけ た結果、微生物がより容易に食物として利用できるようになったためと考えられ る。II .異なるタイプの廃水に対する処理の可能性。 このグループの実施例では、本発明に係る方法が、汎用的な処理技術として利 用可能であること、すなわち、様々な発生源に由来する所定の範囲の工業廃水か ら、広範にわたる溶解および懸濁した有機および無機汚染物質(こうした汚染物 質の中には、ハロゲン化有機物、染料などのように構造があまりにも複雑であっ たり過度に酸化されていたりして標準的な好気性の生物学的処理方法では容易に 分解されないものもある)を除去するために利用可能であることを示す。実施例6 様々な発生源に由来する廃水200mLを、それぞれ銅削り屑100gと混合された鉄 削り屑200gの入った同等な容器に添加した。容器に蓋をし、5分間振盪させた後 、各容器中の溶液のpHを8に調節し、処理サンプルを20分間放置した。 その際に沈降が起こった。沈降時間の終了時、3つのサンプルの上澄み層を分析 したところ、以下の実施例中に記載した結果が得られた。実施例6.1 出発原料として再生紙100%を使用する新聞紙工場から放出される未処理のプ ロセス水排出液。 実施例6.2 木工品製造から放出される未処理のプロセス水排出液。 実施例6.3 合成モータ油および石油ベースモータ油で汚染された、ガソリンスタンドから 放出される洗液。 実施例6.4 ウール染色工場から放出される排出液。 実施例6.5 乳製品加工工場から放出される未処理のプロセス排出液。 比較してみた場合、還元および凝結の両方の目的で最もよく使用される鉄の形 態であるFe(II)を、この特定の未処理のプロセス排出液に適用しても、水相から の脂肪およびタンパク質の沈殿に関してまったく効果が得られなかったことが注 目すべき重要な点である。それとは逆に、本発明の方法を用いた場合、タンパク 質および脂肪をかなり沈殿させることが可能であった。このことは、処理後に懸 濁固体が大幅に減少したことから明らかである。実施例6.6 都市下水処理プラントに流れ込むいくつかの流入液が組合わさったもの。 実施例6.1〜6.6にまとめて示されているように、化学反応の複雑なネットワー クと、沈降などの物理的機構とを同時に作用させることにより、本発明に係る方 法を用いて、広範にわたる溶解および懸濁した炭素質汚染物質を水相から除去す ることができる。このことは、処理後にCODがかなり減少すること(実施例6.1〜6 .3、および6.5〜6.6)、処理後にCOD:BOD比が顕著に低下することから示唆される ように容易に生分解可能な炭素質有機物の割合が増大すること(実施例6.1、6.3 、6.5、6.6)、懸濁固体(実施例6.1〜6.6)、着色(実施例6.1、6.2、6.4、6.6)、 臭気(実施例6.1)、ハロゲン化有機物(AOX)(実施例6.2)、亜硝酸塩および硝酸塩( 実施例6.1、6.5、6.6)、およびリン酸塩(実施例6.1、6.2、6.3、6.5、および6.6 )が除去されることから分かる。特に重要なことは、除去の難しいもの、すなわ ち、特別な処理の必要なもの(例えば、着色、AOX、亜硝酸塩、硝酸塩、リン酸塩 など)が多数含まれる上記の汚染物質のいずれに対しても、それらを除去するプ ロセス効率が高いことである。更に、本発明の方法を用いると、ほとんどの微生 物に対して毒性を有するために生物学的方法では処理が極めて困難であり、世界 中のほとんどの地域でかなり厳しく規制されているフェノールを高い効率(50〜9 0%)で除去できる。実施例7 出発原料として再生紙100%を使用する新聞紙工場から標準的なドラム濾過に より一次処理された後で放出されるいくつかのプロセス水排出液の組合わさった ものを、反応段階を3つの異なるpH値で実施して本発明の方法により更に処理し た。 所定の廃水の3つのサンプル各200mLを、それぞれ銅削り屑100gと混合された 鉄削り屑200gの入った同等な容器に入れた。第1の容器ではpHを5.5に調節し、 第2の容器では7に、第3の容器では10.5に調節した。3つの容器に蓋をし、5 分間振盪させた後、各容器中の溶液のpHを8に調節し、処理サンプルを20分間放 置した。この際に沈降が起こった。沈降時間の終了時、3つのサンプルの上澄み 層を分析し、以下の結果を得た。 明らかに、反応段階で利用するpH値に関係なく、本発明に従って処理を行えば 、未処理の廃水のCOD、BOD、および着色のかなりの部分を除去することができ、 更に、COD:BOD比を減少させることができる(すなわち、廃水中の容易に生分解可 能な汚染物質の割合を増大させることができる)。実際のところ、利用した初期 サンプルがドラム濾過により前処理されており、CODの測定値に大きく寄与する 、未処理排出液中に存在する懸濁固体の大部分が既に除去されていたことを考慮 すると(未処理排出液中の懸濁固体=1,450mg/L、ドラム濾過後=260mg/L)、観測さ れた処理効率は予想外に高い。従って、この特定の実施例において、本発明の方 法は、主に、溶解した汚染物質に作用したことになる。実施例8 中密度ファイバボード(MDF)の製造工場(COD=12,710mg/L)から放出されるプロ セス水排出液を、反応段階を3つの異なる接触時間で実施して本発明の方法によ り処理した。 所定の廃水の3つのサンプル各200mLを、それぞれ銅削り屑100gと混合された 鉄削り屑200gの入った同等な容器に入れた。3つの容器に蓋をし、第1の容器で は5分間、第2の容器では25分間、第3の容器では1.5時間振盪させた。接触時 間の終了時、容器中の溶液のpHを8に調節し、処理サンプルを20分間放置し、沈 降により固体を分離させた。沈降時間の終了時、3つのサンプルの上澄み層を分 析し、以下の結果を得た。 上記の結果から明らかなように、処理効率は、予想通り、反応段階で利用した 接触時間と共に増大した。それにもかかわらず、非常に短い接触時間においてさ えも、50%を超えるCOD除去効率が得られる。このことは、金属促進剤の不存在 下で金属形態またはイオン形態の鉄で還元および/または凝結を行うために利用 される接触時間が典型的には数時間または数日であることを考慮すると、実際の ところ驚くべきことである。これは工業規模で適用する場合の技術上の観点から 大変に重要である。なぜなら、この方法は、より小型でより汎用性のあるプラン ト構成で実施することができるからである。実施例9 出発原料(COD=2,890mg/L)として再生紙100%を使用する新聞紙工場から放出 される未処理排出液を、反応段階を3つの異なる鉄:触媒比で実施して本発明の 方法により処理した。 最初に、廃水のpHを10.5に調節した。続いて、3つのサンプル各200mLを、そ れぞれ異なる量の銅削り屑と混合された鉄削り屑200gの入った同等な容器に入れ た。このときのFe:Cu比は、第1の容器では1.3:1w/w、第2の容器では2:1w/w、 第3の容器では4:1w/wであった。次に、容器に蓋をし、5分間振盪させた。接触 時間の終了時、容器中の溶液のpHを8に調節し、処理サンプルを20分間放置し、 沈降により固体を分離させた。沈降時間の終了時、3つのサンプルの上澄み層を 分析し、以下の結果を得た。 上記の結果から明らかなように、反応時に利用した鉄:促進剤比に関係なく、 処理終了時に観測されたCOD除去効率は同じである。従って、処理効率は、利用 した鉄:促進剤比によって制限されない。これは、実際上、促進剤に関する理論 、すなわち、系における促進剤金属の触媒機能を支持するものである。IV .後続のまたは並行した生物学的処理を促進するためのプロセスの実現。 このクラスの実施例では、本提案の処理と、後続処理または並行処理としての 好気性生物学的分解との併用を提示するとともに、様々な発生源の工業廃水の完 全処理のためにこれらを併用することの利点について説明する。実施例10 特に数種の乳製品を製造する食品加工工場の排出液処理プラントは、調整槽、 それに続く、従来型の生物学的処理が行われる活性スラッジライン(このライン には85m3の空気混入タンク、それに続く15m3の沈降タンクが含まれる)から成っ ている。この処理プラントは、その最大能力10m3/日で長年にわたり運転されて きた。流入廃水の平均的品質は、 COD=3,800mg/L BOD=1,430mg/L であり、処理後に得られる排出液の平均的品質は、 COD=65mg/L BOD=50mg/L であった。 最近、工場の生産規模が増大したため、排出液処理プラントに送られる廃水の 流量は2倍に増大し、20m3/日に達した。このプラントは、この新しい運転流量 よりもかなり下回った設計がなされていたので、処理廃水の品質はかなり悪化し 、実際上、この処理では、もはや、付近の河川に廃棄するための地域の排出液許 容限界値を満たすことができなかった。 この問題を解決するために、本発明に係る方法に手を加えて既存の処理プラン トに導入し、生物学的処理の前に流入廃水を前処理するようにした。調整タンク の隣に、鉄および銅の削り屑の混合物の入った1.5m3タワーを設置し、調整タン クからタワーまで廃液を6m3/hの速度で再循環させた。調整タンクからの排出液 を沈降タンクへ誘導し、生成した固体を分離した。更に、清澄化流を既存の生物 学的処理段階に供給した。この廃水を前処理にかけた結果、生物学的処理の段階 に入る前において、流入COD負荷量の60%が除去された。このプラントから最終 的に得られた排出液の品質は、 COD=50mg/L BOD=40mg/L であり、再び排出許容限界値を下回った。驚くべきことに、以前、半分の流入流 量のときに得られた値よりもわずかに良好な値が得られた。 結論として、本発明に係る方法に手を加えて性能の低下した排出液処理プラン トに導入し、生物学的処理の前に化学的前処理を行うことにより、プラントに流 入する廃水の流量を2倍にすることができた。それと同時に、既存の生物学的処 理段階に対して、場所をとり費用のかさむ拡張を行うことなく、同等の排出液品 質、実際には改良された排出液品質を得ることができた。本発明のこの特定の工 業規模の実施態様において、プロセス構成は、反応器とそれに続く沈降タンクだ けから成っていた。すなわち、図1の段階2だけから成っていた。実際には、プ ラント中の既存の調整タンクを反応タンクに置き換えた。 この実施例で処理された特定の廃水は、先に実施例6.5で記載したものである ことに注意する必要がある。これら2つの実施例の違いは、適用規模の違い、す なわち、実験規模(実施例6.5)と工業規模(本実施例)の違いである。本発明が良 好に適用できるのに対して、標準的なFe(II)処理を、この特定の廃水処理用途に 適用しても、主にタンパク質と脂肪の塊が懸濁状態で含まれる懸濁固体に対して 、無視しうる程度の効果しか得られなかった。実施例11 本発明の方法を、生物学的処理の前の前処理として利用するのではなく、既存 の生物学的処理ライン内の任意の位置で使用して、生物学的処理と並行して化学 的前処理を行ってもよい。 一連のパイロットプラント連続フロー実験の中で、合板およびパーティクルボ ード製造プラントから沈降による一時的清澄化を行った後で放出されるプロセス 水排出液を、脱窒素、活性スラッジ/清澄化、硝化、および最後に砂濾過から成 る完全な従来型生物学的処理ライン中で処理した。ただし、このライン中で、予 め長時間にわたり嫌気性脱窒素培養物を増殖させた。 鉄および銅の削り屑を含有するタワーを脱窒素タンク内に設置し、タワーを通 るようにタンク中で液体を連続的に再循環させ、化学的処理と生物学的処理を同 時に行えるようにした後、同じ実験を同等な運転条件下で繰り返した。脱窒素段 階で化学的処理タワーが存在する場合と存在しない場合について、砂濾過器から 流出した最終排出液の品質を、流入液の品質と比較すると、次の表のようになる 。 本発明に係る方法を既存の従来型処理プラントに導入し、流入する廃水中に存 在する汚染物質の化学的分解および生物学的分解を同時に行うと、プラントから 得られる最終排出液の品質が顕著に向上することは、これらの実施例から明らか である。特に、特別な標的とみなされ、一般に特別な処理が必要とされ、厳しい 規制の課せられた汚染物質であるフェノールおよびNH4-Nの除去量は、従来型の 生物学的処理法に本発明を導入した場合の方が、生物学的処理を単独で行うより もはるかに多い。 本発明のこの特定の実施態様において、導入したプロセス構成は、反応タワー だけから成る実現可能な最も単純なものである。硝化タンクは反応タンクとして 利用した。また、流入する廃水流は、伝統的な一次沈降により予め清澄化処理が 施されているため、生物学的処理シーケンス中に化学的処理を導入することによ り生じる余分な非生物学的スラッジの負荷量は、系中の生物学的スラッジと比べ てわずかであるので、既存の処理シーケンス中に更に清澄器を導入する必要はな い。実施例12 紙の製造では、極めて大量の水、典型的には、40〜75,000m3/日の水が使用さ れる。この製造で使用される新しい水は、典型的には、付近の河川または湖から 供給されるが、こうした河川または湖には、同時に、同じプラントの製造ライン からのプロセス水排出液が流れ込む。その結果、新しい水の供給に関連した運転 コストを最小限に抑えるために、それと同時に、製造用の新しい水の供給源とし て利用されるこうした水域の汚染を防止するために、中間処理を行った後でプロ セス水を再循環させることがこの工業にとって最も重要な課題となっている。再 循環を目的とした水処理には、典型的には、逆浸透、吸着などの費用のかかる処 理技術が必要となる。 出発原料として再生紙100%を利用する新聞紙工場から放出される未処理のプ ロセス水排出液のサンプル200Lを数時間放置して、固体沈降による一時清澄化処 理を行った。次に、このサンプルを、0.5L/hの速度で、図1に示されているもの と同等の構成を有する本発明に係る前処理に供給した。この後、脱窒素、活性ス ラッジ/清澄化、硝化、および最後に砂濾過から成る従来型生物学的処理ライン に供給した。ただし、このライン中で、予め長時間にわたり嫌気性脱窒素培養物 を増殖させた。図1に示されている4つのタンク(反応器2台および沈降タンク 2台)はそれぞれ4Lの容積をもち、主要反応タンク中のタワーは1Lであり、銅の 削り屑200gと混合された鉄の削り屑約600gが入っていた。 明らかに、本発明に係る前処理を従来型の排出液処理プラント(一次清澄化お よびそれに続いて二次処理が行われる)の一次清澄器と二次生物学的処理との間 に導入すると、実際に再循環させて製造に利用することのできる極めて高品質な 排出水が得られる。このようにすれば、生物学的処理段階からの排出水を再循環 できるようにするために一般に利用されるエネルギー消費量が多く通常は高価な 最終排出液仕上処理技術は必要でない。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成10年11月30日(1998.11.30) 【補正内容】 W/O 96/20137号では、パラジウム化鉄のバイメタル系と接触する排水中に 存在する塩化有機化合物から塩素を除去する方法が開示されている。 そこで、本発明は、廃水の処理方法を提供する。この廃水には、有機物及び/ 又は無機物の汚染物質が溶解され、並びに、コロイド形態及び/又は粒子形態の 懸濁物質を含んでいる。この処理方法は、(a)固体金属形状の鉄、第一鉄イオ ン及び/又は第一鉄含有天然鉱物と廃水とを接触させるステップと、それに続け て、(b)水相から懸濁固体を分離するステップとを有する方法において、ステ ップ(a)で、前記廃水は、鉄から溶解汚染物質への電子移動率を促進する促進 剤金属の存在化で鉄と接触し、ステップ(b)で、分離された懸濁固体は、ステ ップ(a)で形成された固体、及び前記廃水中に元から存在する懸濁固体を含む 反応段階において適用されるpHは、処理対象の廃水流の性質に依存して、強い 酸性から強いアルカリ性まで、例えば、pH4から11まで、変化させることがで きる。 反応段階では、接触時間を1〜180分間に設定することにより良好な成果が得ら れ、平均接触時間は4〜90分間であった。 請求の範囲 1.有機物及び/又は無機物の汚染物質が溶解され、並びに、コロイド形態及 び/又は粒子形態の懸濁物質を含んでいる廃水の処理方法であって、(a)固体 金属形状の鉄、第一鉄イオン及び/又は第一鉄含有天然鉱物と廃水とを接触させ るステップと、それに続けて、(b)水相から懸濁固体を分離するステップとを 有する処理方法において、 ステップ(a)で、前記廃水は、鉄から溶解汚染物質への電子移動率を促進す る促進剤金属の存在化で鉄と接触し、 ステップ(b)で、分離された前記懸濁固体は、ステップ(a)で形成された 固体、及び前記廃水中に元から存在する懸濁固体を含む、 処理方法。 2.前記固体金属鉄が、削り屑、トリミング屑、やすり屑、スクラップ、粉末 、ピル、もしくはペレットの形態であるか、または規則的もしくは不規則的な形 を有する多孔性もしくは非多孔性の粒子鉄の任意の他の形態である請求項2記載 の方法。 3.前記金属促進剤が、銅、銀、ニッケル、金、白金、またはパラジウムのう ちの1つである請求項1及び2のいずれか一項記載の方法。 4.前記金属促進剤が、鉄又は第一鉄イオンに接触する粒子形態の金属として 使用されるか、または金属鉄の表面上に析出させた金属層として使用される請求 項1〜のいずれか一項記載の方法。 5.前記金属促進剤が、硫化物、酸化物、または促進剤金属元素を含有する他 の不溶性化合物の形態で使用される請求項1〜のいずれか一項記載の方法。 6.廃水の流れが、前記促進剤金属の存在下で金属鉄と接触する前に、第一鉄 イオンおよび/または第二鉄イオンを用いた前処理にかけられる請求項1〜の いずれか一項記載の方法。 7. 前記第一鉄イオンおよび/または第二鉄イオンは、前記促進剤金属の存 在下で、 元素の鉄との反応からの流出液より誘導される請求項記載の方法。 8.前記廃水が都市下水である請求項1〜のいずれか一項記載の方法。 9.前記廃水が、製紙およびパルプ工業、木材または木質パネル工業、染料処 理、繊維および織物工業、皮なめし工場、天然もしくは合成潤滑油の製造または 石油関連工業あるいは食用油製造工場に由来するものである請求項1〜のいず れか一項記載の方法。 10.前記廃水が、還元可能な高分子物質を含有し、元素形態もしくは化合物 形態の促進金属の存在下で鉄と接触する請求項1記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),AU,BG,BR,B Y,CA,CN,CU,CZ,EE,HU,IL,JP ,KP,KR,LK,LT,LV,MK,MX,NO, NZ,PL,RO,RU,SG,SI,SK,TR,U A,US,VN 【要約の続き】 的プロセスが一般的には複雑に絡み合って、容易に生分 解されない汚染物質の化学的変換(一般に「軟化」と呼 ばれている)が起こることである。その結果、従来型の 生物学的処理の前またはそれと並行して本発明の方法を 実施すると、生物学的処理は、利用可能性が高まり、効 率が向上し、設備投資および運転コストの両方の面で経 済性が増大し、更に、最終的に廃棄される水は、環境か らの要求により適合したものとなる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.汚染物質を含有する廃水を処理する方法であって、 鉄による還元反応を促進する、元素状態または化合物状態の促進剤金属の存在 下で、廃水を鉄と接触させるステップと、 それに続いて、水相から懸濁固体を分離するステップと、 を含む方法。 2.使用する前記鉄が、固体金属、第一鉄イオン、または鉄含有天然鉱物の形 態である請求項1記載の方法。 3.前記固体金属鉄が、削り屑、トリミング屑、やすり屑、スクラップ、粉末 、ピル、もしくはペレットの形態であるか、または規則的もしくは不規則的な形 を有する多孔性もしくは非多孔性の粒子鉄の任意の他の形態である請求項2記載 の方法。 4.前記金属促進剤が、銅、銀、ニッケル、金、白金、またはパラジウムのう ちの1つである請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。 5.前記金属促進剤が、粒子形態の金属として使用されるか、または金属鉄の 表面上に析出させた金属層として使用される請求項1〜4のいずれか一項記載の 方法。 6.前記金属促進剤が、硫化物、酸化物、または促進剤金属元素を含有する他 の不溶性化合物の形態で使用される請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。 7.前記廃水を、酸性からアルカリ性までの範囲にあるpHにおいて前記鉄/前 記促進剤金属の系と接触させる請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。 8.前記廃水を、4〜11のpHにおいて前記鉄/前記促進剤の系と接触させる請 求項1〜7のいずれか一項記載の方法。 9.前記廃水を、2〜80℃の温度において前記鉄/前記促進剤の系と接触させ る請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。 10.前記廃水を、1〜180分間の接触時間にわたり前記鉄/前記促進剤の系と 接触させる請求項1〜9のいずれか一項記載の方法。 11.前記廃水を、4〜90分間の接触時間にわたり前記鉄/前記促進剤の系と 接触させる請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。 12.前記金属が金属鉄であり、流れが、第一鉄イオンおよび/または第二鉄 イオンを用いた前処理にかけられる請求項1〜11のいずれか一項記載の方法。 13.前記第一鉄イオンが、元素の鉄との反応からの流出液より誘導される請 求項12記載の方法。 14.生物学的処理法の前またはそれと並行して、汚染された廃水を部分的に 処理するために利用される請求項1〜13のいずれか一項記載の方法。 15.連続フローモードまたは反復バッチモードで操作されるシステム構成で 実施される請求項1〜14のいずれか一項記載の方法。 16.再循環させる前に個々のプロセス水流を処理するため、または最終廃棄 を行う前にいくつかの廃水流の組み合わさったものを処理するために利用される 請求項1〜15のいずれか一項記載の方法。 17.前記廃水が都市下水である請求項1〜16のいずれか一項記載の方法。 18.前記廃水が、製紙およびパルプ工業、木材または木質パネル工業、染料 処理、繊維および織物工業、皮なめし工場、天然もしくは合成潤滑油の製造また は石油関連工業あるいは食用油製造工場に由来するものである請求項1〜16の いずれか一項記載の方法。 19.前記廃水が還元可能な高分子物質を含有し、元素形態もしくは化合物形 態の銅または貴金属と組み合わされた鉄に9を超えるpHにおいて前記廃水を接触 させる請求項1記載の方法。
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