JP2001503978A - 標的化された細胞障害性細胞 - Google Patents

標的化された細胞障害性細胞

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Abstract

(57)【要約】 腫瘍、HIV抗原および他の疾患細胞に向けられたイムノトキシンを発現し、そして分泌する哺乳動物細胞を開示する。好適な細胞にはリンパ球およびニューロンを含む。

Description

【発明の詳細な説明】 標的化された細胞障害性細胞 発明の背景 1.発明の分野 本発明は、一般的に微生物学および免疫療法の分野に関する。より詳細には、 抗体依存性でしかも細胞性免疫を提供する、抗原に特異的な細胞障害性細胞に関 する。 2.関連分野の説明 抗体および細胞性免疫は、様々な機構を使用して宿主を腫瘍の増殖およびウイ ルス感染から防御する。抗体免疫は、特に抗体依存的な殺細胞を通して病原体の 中和に作用する(Stitesら、1994)。T−細胞性免疫は、2つのT−細胞サブセッ トの機能を利用する:リンホカインの分泌によるヘルパーT−細胞の効果を媒介 して他のエフェクター細胞を活性化するヘルパーT細胞、およびレセプターが媒 介するアポトーシスを引き金として標的細胞を殺す細胞障害性T細胞(Berke,199 4;YoungおよびLiu,1988)。 オンコプロテインおよび細胞分化抗原のような、細胞表面上に優先的に発現す る抗原数の増加が腫瘍細胞について確認され、そしてこれらは癌治療において標 的とする細胞を選択的に破壊するための有力なマーカーを提供することができる (UrbanおよびSchreriber,1992;PastanおよびFitzGerald、1991;Boonら、1994)。 腫瘍免疫療法に関する2つの基本的な方法が探究されてきた:腫瘍細胞に対する 毒性および細胞溶解活性の抗体依存的な標的化(Vitettaら、1987;Waldmann,1991 ;Dohlstenら、1994)、および腫瘍に対する細胞性免疫応答の増大(Perezら、1985 ;Gro ssら、1989;Govermanら、1990;Rosenberg,1991;Eshharら、1993;Hwuら、1993) 。抗体依存性免疫療法は、インビトロならびにインビボで腫瘍を効果的に破壊す ることが示されたが、これを成功裏に使用するための主な障害は、抗体または抗 体複合体の充実性腫瘍への接近が限定されている点である(Jain,1989;Shockley ら、1992;ReithmullerおよびJohnson,1992)。このような場合は、癌細胞への接 近が限られているので、抗体依存性の免疫療法は、標的とする腫瘍を完全に破壊 することができない。この種の免疫療法を成功させるためには、抗体または抗体 複合体を腫瘍内部へ成功裏に送達する手段を見い出ださなければならない。 サイトカイン遺伝子の導入によりT-リンパ球を刺激または改質するために、 あるいは抗体/T細胞レセプターの細胞性抗−腫瘍活性を増大させるように、か なりの努力もなされた(Rosenbergら、1988;Rosenbergら、1990;Kawakamiら、199 4)。しかしこの種の養子的細胞性免疫療法の使用の限界は、特異的な細胞障害性 リンパ球を得ることが難しい点にある(Rosenbergら、1988;Rosenbergら、1990;K awakamiら、1994)。特異的な細胞障害性リンパ球を得ることができなければ、非 特異的な細胞障害が起こり、そして許容できない副作用を患者にもたらす。 癌およびウイルス感染を治療するために天然に存在するトキシンの使用は、現 在では範囲が大変限られている。植物およびバクテリアは、中でも哺乳動物細胞 を殺すことができる最も効力のあるトキシンである防御的トキシンを産生する; すなわち、1または数個の分子で哺乳動物細胞を殺すに十分である(Yamaizumiら 、1978;Chenら、1955)。例えば植物はリシン、アブリン、ゲロニンおよびサポリ ンを産生する。バクテリアトキシンには、シュードモナス(Pseudomonas)エキソ トキシンA(PEA) およびジフテリアトキシンがある。PEAのようなトキシン分子は、サイトゾル中 の伸長因子-2(EF-2)の不活性化を介してタンパク質合成を遮断することにより細 胞を殺す(PastanおよびFitzGerald,1992)。不幸なことには、これらおよび他の 植物またはバクテリアトキシンの治療的使用は、トキシンの細胞障害性効果が腫 瘍細胞またはウイルスに感染した細胞のような特定の種類の細胞に限定されず、 その結果、非特異的な細胞および組織の死により患者に対して許容できない副作 用または危険をもたらすかもしれない、という事実から大変限定されている。さ らに、現在ではこのようなトキシンは全身的に注入されなければならず、血流お よび体内から極めて迅速に排除されなければならない。多くの治療的使用のため には、トキシンが系に長期間留まって、例えば転移性腫瘍細胞の処置におけるよ うな他の処置により除去または殺されない標的細胞を「捕捉」することが望まし い。 癌およびウイルス性疾患を防御するために行われている膨大な研究努力から、 このような死に至る疾患を処置する新規方法が必要であることは明らかである。 特に接近が限定されている充実性腫瘍内部の細胞のような標的細胞に対する細胞 障害性の特異性を向上させ、そしてトキシンが系に「スカベンジャー」として存 在し続けることができ、しかも同時に患者に対する有害な副作用および危険性を 減らす処置法から受ける恩恵は大きいと思われる。 発明の要約 本発明は、免疫療法の分野における驚くべき改良を提供することにより、これ らの限界を克服することを探求するものであり、この改良では、患者自身の細胞 または他の哺乳動物細胞を利用してイムノトキシンを生 成し、そして分泌させ、そして標的とする疾患の処置において治療的または予防 的薬剤として作用するように、その細胞を患者に再注入することができる。本発 明は、イムノトキシンが合成的に調製され、そして次に患者に注入される従来の イムノトキシン療法に優るいくつかの改良点を提供する。例えばトキシンを抗体 分子に化学的に架橋結合してイムノトキシンを生成する従来の手段とは対照的に 、本発明の実施においては、イムノトキシンが細胞培養で生産され、そして都合 よく培養基から単に濾過、遠心およびクロマトグラフィーにより精製され得る。 従来のイムノトキシンが持つ別の難点は、それらが患者の循環から急激に排除さ れるので、多回投与が必要であり、かなりの副作用を起こさずに血中の治療的レ ベルを維持することを難しくしている。対照的に本発明の実施では、イムノトキ シンを生産する細胞が患者体内で生存可能であり、そして単回の注入で数週間か ら数カ月の間、イムノトキシンを生産する。 ある一定の広い観点では、本発明は細胞障害性T−リンパ球、ニューロンのよ うな哺乳動物細胞、またはイムノトキシンを発現そして分泌する他の哺乳動物細 胞とみなし得る。イムノトキシンは好ましくは、リーダー配列をコードする核酸 配列を含んで成るベクターによりコードされ、その発現は、発現したトキシンが 患者、すなわち宿主細胞を傷つける前にイムノトキシンの分泌を細胞から分泌小 胞内に向かわせる。いったんイムノトキシンが分泌されると、細胞障害性の効果 はイムノトキシンの抗体成分により認識される抗原を発現している細胞に主に限 定され、そして親細胞(これは通常、高レベルの抗原を発現しない)は生存して 残り、そしてイムノトキシンを発現し続ける。 細胞障害性T−細胞(キラー細胞)は、当該技術分野では外来抗原を 認識し、そしてその抗原を提示している細胞を殺す能力を有する細胞性免疫応答 に関与する免疫系細胞として知られている。イムノトキシンは、当該技術分野で は、抗体成分またはドメインが標的細胞上に提示されている抗原を認識し、そし て特異的に結合し、例えばこれによりトキシンをその特定の細胞種に向けるよう な、抗体成分とトキシン成分の融合体または複合体として知られている。本明細 書で使用するように、「発現そして分泌する」とは、本発明の細胞障害性T−細 胞または他の哺乳動物細胞が、イムノトキシンをコードする遺伝物質のセグメン トを含み、しかもその遺伝物質が宿主細胞の翻訳機構(すなわちリボソーム)に よりポリペプチドイムノトキシン生成物に翻訳され、そしてさらにこのイムノト キシンが宿主細胞から輸送されて、細胞外中膜に分泌されることを示す。本発明 の実施において、イムノトキシンをコードする遺伝物質は、DNAベクターまた はRNAベクターを含んで成ることができ、あるいはこの物質は宿主細胞の遺伝 物質中に組み込まれてもよい。 本発明のイムノトキシンは、抗体成分およびトキシン成分を含んで成ると考え られ、本明細書では単一プロモーターから同時発現(co-expressed)すると例示さ れている。しかし、本発明のイムノトキシンは、別個のプロモーターから発現さ れる2種以上のmRNAメッセージとして発現されることもでき、その翻訳産物 は次に細胞中で、あるいは分泌過程で、または後に集成される。イムノトキシン の抗体ドメインは、本発明の特定の態様では抗−腫瘍抗体ドメインを含んで成る ことができ、あるいは特定の態様では抗ウイルス抗体ドメインを含んで成ること ができ、あるいはさらに別の特定の態様ではT−ヘルパー細胞の特別なサブセッ トの抗−Tヘルパー細胞抗体ドメインを含んで成ることができる。例え ば、イムノトキシンはHER2抗原、Lym-1抗原、増殖因子またはホルモンレセプタ ー、あるいは腫瘍細胞中で過剰発現されることが知られている他の任意の抗原と 免疫反応することができる。抗−ウイルスイムノトキシンは、gp120抗原のよう なHIV抗原、またはインフルエンザウイルス、ヘルペスウイルス、エプスタイ ン−バールウイルスまたは単の任意のウイルス抗原と免疫反応することができる 。別の態様では、抗−Tヘルパー細胞イムノトキシンは、自己免疫疾患に関与す るT−ヘルパー細胞の特別なサブセットと免疫反応することができる。本発明の 実施に使用される好適なトキシンは、限定するわけではないが、シュードモナス (Pseudomonas)エキソトキシンAのようなシュードモナス(Pseudomonas)エキソト キシン、リシンA、ジフテリアトキシ、またはそれらの細胞障害性および輸送活 性を有する一部分、アブリン、ゲロニン、サポリン、あるいはそのコーディング 遺伝子を利用できる任意の他のトキシンを含む。 特定の広い観点では、本発明はイムノトキシンを発現し、そして分泌する細胞 障害性T−リンパ球またはニューロンのような哺乳動物細胞を含んで成ることが でき、ここで細胞は、医薬的に許容できるキャリアー溶液中に分散されている。 この溶液は、筋肉内または静脈内に注射可能であるか、あるいは吸入に適するこ とができるか、あるいは当該技術分野で周知の他の投与手段に適している。句「 医薬的に許容できる」とは、動物またはヒトに投与した時にアレルギーまたは同 様の悪い反応を生じない組成物を称し、そして限定するわけではないが任意のす べての溶剤、媒質、等張剤等を含む。医薬的に活性な物質にそのような媒質およ び薬剤を使用することは、当該技術分野で周知である。任意の従来の媒質ま たは薬剤が有効成分と適合性でなはい場合を除いて、その治療用組成物中での使 用が意図される。補足的な有効成分も、組成物に包含することができる。 別の広い観点では、本発明はベクターを用いてトランスフェクトされる動物細 胞、リンパ球、細胞障害性リンパ球またはニューロンとして記載することができ 、そのようなベクターはプロモーターと操作的に連結された核酸配列を含んで成 り、そしてこの核酸配列は1種以上のリボソーム結合部位ならびにリーダー配列 およびイムノトキシンを含んで成る融合タンパク質、ならびにポリアデニレーシ ョン部位のような真核細胞遺伝子の発現に必要なすべての遺伝シグナルをコード する。本発明のこの態様では、ベクターから発現されるイムノトキシンは、リー ダー配列により支配されるように、リンパ球の小胞体にトランスロケートさせる 。したがって、リーダー配列はイムノトキシンのトキシン成分の発現前に発現さ れ、そして好ましくはプロモーターから発現される第1コーディング領域である 。ベクターは、当該技術分野で周知な任意の適当な発現ベクターでよく、その中 にリーダーおよびイムノトキシン遺伝子が挿入され、そしてプラスミド、アデノ ウイルス、レトロウイルスまたはアデノー随伴ウイルスベクターのようなウイル スベクター、コスミドあるいは当該技術分野で周知の他の種類のベクターである ことができる。さらに、ベクターはリポソームまたは脂質複合体に付随する裸の DNAまたはRNA分子を含んで成ることができ、あるいはベクターはレセプタ ーが媒介する遺伝子導入により、電気穿刺法により、または当該技術分野で周知 な他の機械的、電気的または化学的手段により細胞中に導入され得る。上記のベ クターから発現されるイムノトキシンは、HER2またはLy m-1抗原のような腫瘍付随抗原、またはHIV抗原もしくはさらにHIV gp120抗原の ようなウイルス付随抗原、または特定のT−ヘルパー細胞サブセットに付随する 抗原と反応することができる。特定の態様では、宿主の動物細胞またはリンパ球 は、例えば上記のような細胞が医薬的に許容できるキャリアーに分散される時、 薬理学的組成物を含んで成ることができる。 本発明は、広い観点で腫瘍細胞を殺す方法としても記載することができ、この 方法は腫瘍細胞を細胞障害性T−細胞またはニューロンのような動物細胞か分泌 されるイムノトキシンと接触させることを含んで成り、ここでイムノトキシンの 抗体部分が腫瘍細胞の抗原を認識する。好ましくは腫瘍細胞はHER-2またはLym-1 、あるいは他の腫瘍付随抗原を過剰発現し、そして腫瘍細胞はB細胞リンパ腫、 胸部、卵巣、胃または脳腫瘍細胞、あるいは正常細胞と比べて表面抗原を過剰発 現することが知られている他の腫瘍細胞でよい。特定の好適な態様では、腫瘍細 胞は動物個体中のものであり、そしてより好ましくはヒト個体中のものであり、 さらにヒト癌患者のものであり、そしてこの動物細胞が医薬組成物中で個体に投 与される。本発明はまた広い観点では、抗−腫瘍細胞イムノトキシンを発現する 細胞障害性T−細胞を個体に投与することを含んで成る、個体中の腫瘍細胞、ま たは転移性腫瘍細胞を抑制する方法として記載する。 また本明細書に記載するイムノトキシンは、ニューロンまたは他の脳細胞によ り発現、そして分泌されることもできる。この態様の融合タンパク質は、ペプチ ドシグナル配列、抗体ドメインおよび細胞障害性成分を含んで成るものとして記 載することができ、ここで抗体ドメインは、 脳腫瘍細胞に付随する抗原と免疫反応性であり、そしてここで脳細胞によるイム ノトキシンの生産および分泌は、上記のように宿主の脳細胞に悪影響を及ぼさな い。この態様は、例えば残存する腫瘍細胞または転移に対してイムノトキシンを 長期発現させるために、自家イムノトキシンを発現するニューロンを、腫瘍の外 科的切除後の脳に直接移植することができる点で、特に効果的であることを意図 している。 広い観点では、本発明は細胞を細胞障害性T細胞または他の哺乳動物細胞から 発現されるイムノトキシンと接触させることを含んで成るウイルスに感染した細 胞を殺す方法としても記載することができ、ここでイムノトキシンの抗体部分が ウイルスに感染した細胞により発現される抗原を認識する。本態様の実施におい て、細胞障害性T細胞は、医薬溶液内でウイルスに感染した細胞を有する動物個 体またはヒト個体に投与することができる。特定の広い観点では、本発明は、医 薬溶液を個体に投与することを含んで成る個体中のHIV感染を抑制する方法と して記載され、ここで溶液は抗−HIVイムノトキシンを発現し、そして分泌す る細胞障害性T-細胞を含んで成る。 広い観点では、本発明はまた、特別な種類のT-ヘルパー細胞を殺す方法とし て記載することもでき、ここで特別な種類のT-ヘルパー細胞は自己免疫疾患に 関与し、そしてイムノトキシンの抗体部分は、T−ヘルパー細胞の特定のセット により特異的に発現される抗原を認識する。例えばある種のT−ヘルパー細胞の サブセットは、例えばリーマチ関節炎または全身性エリトマトーデスのような症 状に於いて過剰に反応し得る。本発明は、この症状に関与する特別な細胞だけを 標的とすることができ、そして残りの免疫系は完全なままである点で、全免疫系 を抑制す る治療に優る利点を提供する。例えばリーマチ関節炎の場合に、さらに加えられ る利点は、例えばイムノトキシンを生産する細胞が、関節のような症状を有する 部位に直接注入できるという点である。この態様の実施において、細胞障害性リ ンパ球またはイムノトキシンを生産する細胞は、医薬組成物内で動物個体、最も 好ましくはT−ヘルパー細胞の特別なサブセットが関与する自己免疫症状を有す るヒト患者に投与される。 本発明はまた広い観点において、組換えイムノトキシンの生産法として記載さ れ、この方法はリーダー配列およびイムノトキシンをコードする発現ベクターを 用いてトランスフェクトされた哺乳動物細胞を得る工程を含んで成る。発現ベク ターの哺乳動物細胞への導入に際し、あるいは細胞の発現ベクターを用いた細胞 のトランスフェクションに際し、イムノトキシンは細胞から発現され、そして培 養基に分泌される。この方法の実施において、リーダー−イムノトキシン構築物 は、CMVプロモーターまたはさらに所望の誘導性プロモーターを含め、当該技術 分野で周知の種々のプロモーターから発現され得る。細胞がイムノトキシンを発 現するために効果的な条件で培養される時、リーダーは発現されたイムノトキシ ンを細胞の小胞体または分泌小胞に向けることができる。イムノトキシンを生産 する方法は、さらにイムノトキシンを培養基から分離する工程を含んで成る。そ のような方法は、イムノトキシンの化学合成、または大腸菌(E.coli)のようなバ クテリア中での発現に優る種々の利点を提供する。例えば、大量のイムノトキシ ンを連続的な細胞培養により生産することができ、そして当該技術分野で周知な 種々の方法により培養基から容易に分離することができる。さらに、バクテリア 中の哺乳動物遺伝子の発現は、中でタンパク質が正しく折り畳まれず、そして不 活性かもしれない不溶性の封入体を生じる。本発明は、活性なイムノトキシンが 標準的な技法により培養基から容易に分離できる利点を提供する。これらの分離 されたイムノトキシンは、市販商品用に包装され、そしてインビトロの応用に、 または研究用に、あるいは全細胞では望ましくない注入療法に使用することがで きる。 図面の簡単な説明 以下の図面は本明細書の一部を形成し、そしてさらに本発明の特定の観点を実 証するために含む。本発明は、このような1つ以上の図面と本明細書に与える特 別な態様の詳細な記載とを組合わせて参照することにより、より良く理解され得 る。 図1。抗−HER2/トキシン発現ベクター構造の略図的表示。この発現ベクターで あるpCMV-sFv23e-PE40は、すべてCMVプロモーターの制御下に、PEA(ATCC)のPE40 配列(ドメインIIおよびIII)に融合したリーダー配列を持つ抗HER2 sFv23e遺伝子 (Batraら、1992;Kasprzykら、1992;Birdら、1988;Mararscoら、1993)を含む 。組換えレトロウイルスシャトルベクターであるLNCX-sFve23/PE40は、sFve23/P E40遺伝子が内部CMVプロモーターにより駆動され、そしてネオマイシン−耐性(n eo)遺伝子がLTRにより駆動される。 図2。分泌されたsFv23e-PE40融合トキシンのADP-リボシレーション活性。MOL T-sFv23e-PE40およびMOLT-対照の培養基が回収され、そして既に記載されたよう にADP-リボシレーションに供した(CollierおよびKandel,1971;Chenら、1995)。 精製したPEAタンパク質は、既に記載されたように尿素により変性させ(Collier およびKandel,1971)、そして次にADP-リボシレーションアッセイに使用した。 与えられた試料の平均シ ンチレーションカウントは、バックグラウンドレベルを差し引いた後に二連の測 定値から算出した。黒色カラムは示した濃度でのPEA活性を表す。無地カラムはM OLT-4対照からの培養基;MOLT-sFv23e-PE40からの培養基(sFv23e-PE40-1);アミ コンフィルターにより濃縮後のMOLT-sFv23e-PE40からの培養基(sFv23e-PE40-2) を示す。 図3A。HER2を過剰発現する腫瘍細胞(SKOV-3、N-87)、およびHER2を低く、ま たは非検出レベルで発現する対照細胞系(MCF-7およびNIH3T3)を、96−ウェルプ レートに播いた(1×105ml)。24時間インキューベーションした後、0.3mlのMolt -sFv23e-PE40(クローン1および2)またはMolt-対照細胞(5×105ml)をプレー トの各ウェルに加え、そして62時間同時培養を続けた。次にこの同時培養で死ん だ細胞を、トリパンブルー染色により採点し(Chenら、1995)、そして選択的な殺 細胞の割合を、Molt-対照細胞と同時培養した腫瘍細胞中で死んだ細胞(3%) の割合を引いた後に示す。 図3B。親の23e抗体を示した濃度で、Molt-sFv23e-PE40(クローン1)およびS KOV3腫瘍細胞の同時培養に加えた時の、細胞障害性の抑制パーセント。 図4A。腫瘍細胞(N87)(5×106ml)を、無胸腺症/Nuマウスの脇腹に皮下注射 し、そして16日間生育させた。Molt-sFv23e-PE40またはMolT-対照細胞をPBSで洗 浄し、そして細胞数をカウントした後に培養基に再懸濁した。腫瘍外植片を有す るマウスを、2群に無作為に割り当てた:1日目に処置群(7マウス)にMolt-sFv 23e-PE40(0.2ml中の1×107)を投与し、そして対照群(5マウス)にはMolt-対 照細胞(0.2ml中の1×107)を投与し、続いて1週間毎に6週間注射した。腫瘍の 直径を3〜5 日毎にカリパス測定し、そして腫瘍容積を式により算出した:腫瘍容積=(幅) 2×長さ/2(Osborneら、1985)。処置群の平均腫瘍容積(実線で繋がれた黒色 菱形)および対照群(点線で繋がれた無地の菱形)を示す。処置および対照群と の間の成長曲線の差異は、Manova試験によりアッセイしたように統計的に有為( P=0.009)であった。 図4B。図4Aに記載するような処置(無地の菱形)および対照(無地の四角 )群の生存を示す。 図5。抗−gp120/トキシン発現ベクターの該略図。HIV-特異的キラー細胞を 作成するために、HIV-1感染細胞の表面上に発現するHIV-gp120のCD4-結合部位を 認識する、中和ヒトモノクローナル抗体(f105)を使用した。PEAのドメインII( 膜二重層をわたってトランスローケーションするための)およびドメインIII(E F-2のアデノシン ジホスフェート(ADP)-リボシレーションのための)をコードす る遺伝子(PE40)を、F105のκ鎖遺伝子に融合した。生成したビシストロニックベ クター(bicistronic vector)(pCMV-Fab105-PE40)は、リーダーシグナル配列の前 、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターの制御下にFd鎖(VH+CHI)、イ ンターナル リボソーマルエントリーサイト(IRES)およびκ-PE40キメラ遺伝子を 含む。LNCX-Fab105-PE40組換えレトロウイルスシャトルベクターでは、Fab105/P E40キメラ遺伝子が、内部CMVプロモーターから発現し、そしてNeo遺伝子がLTRか ら発現する。この構築物を、制限酵素消化により同定し、そしてDNA配列分析 により確認した。 図6A。ELISAにより検出された分泌したFab105-PE40融合タンパク質の抗原結 合活性。HIV−1 gp120に対する正の結合活性は、Jurkat-Fab105-PE40の培地中 で検出されるが、Jurkat-対照の培地中には有意な結合 活性は観察されなかった。黒色カラムは、Jurkat-Fab105-PE40の培養基(Fab105 -PE40);Jurkat-対照の培養基(Jurkat)。白抜きカラム:示した濃度の精製した F105抗体(0.8〜0.1μg/ml)によるHIV-1 gp120に対する正の結合活性。 図6B。分泌したFab105-PE40のADP-リボシレーション活性(DPM)。Jurkat-Fab 105-PE40およびJurkat-対照細胞の培養基を、ADP-リボシレーションアッセイに 供した。黒色カラムは:Jurkat-Fab105-PE40の培養基(Fab105-PE40-1);アミコ ン濾過により濃縮したJurkat-Fab105-PE40の培養基(Fab105-PE40-2);Jurkat-対 照の培養基(Jurkat)。白抜きカラム:示した濃度の精製したPEA(反応あたり0.5 〜40ng)により測定したFab105-PE40のADP-リボシレーション活性。 図7A。形質導入したリンパ球による、インビトロHIV-1感染細胞に対する選 択的細胞障害性。親のJurkat細胞を、研究用株HIV-1ウイルス(IIIB)および2つ の初代の患者単離物(INMEおよびTPO)で感染させ、そして逆転写(RT)活性をRT 活性が安定水準に達するまで3〜4日毎に測定した。次にHIV-1が感染したJurka t細胞を、12-ウェルのCostar-Transwellフィルター組織培養プレートのトップチ ャンバーに置き、そして1:1(HIV感染細胞:Jurkat-Fab105-PE40またはJurkat- 対照細胞)(白抜きカラム)、および1:10(黒色カラム)の比率で、Jurkat-Fab105 -PE40またはJurkat-対照細胞をボトムチャンバーに置いた。トップチャンバー中 のHIV-1感染細胞の生存細胞数を、同時培養の72時間後に計数し、そして殺細胞 の割合はJurkat-対照細胞と同時培養した感染細胞の生存細胞数と比較した時の 、Jurkat-Fab105-PE40と同時培養した感染細胞の生存数の割合として表す。 図7Bは、形質導入したLAK細胞の選択的殺細胞。ヒトLAKは、末梢血リンパ球 をriL-2およびPHAを補足した培養基中で48時間インキューベーションすることに より作成した。LAK細胞には、トランスフェクトされたパッケージ細胞系(PA317) と24時間、同時培養することによりFab105-PE40遺伝子を形質導入し、続いて数 日増殖させた。形質導入されたLAK細胞を、HIV-1(IIIB)の研究用株からのHIV-1 感染細胞および2つの初代患者株(INMEおよびTPO)と72時間同時培養し、そして 殺細胞の割合を上記のように表す。白抜きカラム:1:1の比率のHIV−1感染 細胞:形質導入またはmock−形質導入LAK細胞。黒色カラム:1:10の比率のHIV -1感染細胞:形質導入またはmock-形質導入LAK細胞。 図7C。HIV-1感染の阻害動力学。患者の初代HIV-1単離物(WEAU)で感染させた親 のJurkat細胞を、Jurkat-Fab105-PE40またはJurkat-対照細胞と、1:1、1: 5および1:10の比率で同時培養した。同時培養物中のRT活性は、同時培養後 3〜4日毎に監視した。 説明的態様の記載 本発明は、抗体の特異性、トキシンの際立つ効力、およびホーミングおよび組 織浸透のようなリンパ球のエフェクター細胞特性を組み合わせた新しい種類の細 胞障害性を提供し、これにより抗体依存性で、しかも細胞性の免疫療法の利点を 提供する。細胞障害性リンパ球は標的を認識するだけでなく、主要組織適合性(M HC)-依存的様式で標的細胞を殺すための効力のある分子を生産する。さらに、記 載する細胞は生じたムノトキシンにより悪影響を受けない。驚くべきことには、 細胞障害性リンパ記載は生存し続けるだけでなく、どのようにも傷つけられるこ とはない。 本発明はまた、イムノトキシンを発現し、そして分泌する細胞障害性細胞とし ても記載され、イムノトキシンはリーダーシグナル配列、免疫学的に活性な抗体 ドメイン(これは標的細胞に特異的な抗原を認識する)、およびサイトトキシン を含んで成る。記載する本発明の細胞により生産されるイムノトキシンは、それ らの標的細胞および組織に対して高い特異性を有するので、非標的細胞または組 織との非特異的な毒性相互作用は検出されない。細胞は持続して最高3カ月以上 、イムノトキシン分子を生産することができる。 本発明のイムノトキシンを分泌する細胞に関するさらなる観点は、患者への安 全性の理由から、細胞をネガティブ選択マーカーを用いて設計できる点である。 ガンシクロビルの存在中ではネガティブ選択を提供する単純ヘルペスウイルスチ ミジンキナーゼ遺伝子(HSK-tk)の2つのタンデムコピーのような(Ishibashiら、 1993)マーカー遺伝子を、細胞を形質導入するために使用する組換えベクターに 組み込むことにより、形質導入した細胞は、必要ならば選択的に破壊することが できる。これにより、悪い副作用が発生すれば臨床医がイムノトキシンを生産す る細胞を選択的に破壊することが可能となる。 新しい標的化するトキシンタンパク質を生産し、そして分泌できるこの新たな 種類の細胞障害性細胞は、トキシンのタンパク質トラフィッキング(protein tra fficking)および殺細胞機構の知識に基づき設計された。シュードモナス(Pseudo monas)エキソトキシンAのようなトキシン分子は、細胞性のタンパク質合成を遮 断し、そしてこれによりサイトゾル中の延長因子-2(EF-2)を不活性化することに より細胞を殺し(Vitettaら、1987;Waldman,1991;Dohlstenら、1994;Yamaizumi ら、1987;Hwan gら、1987;Siegallら、1989;Pastanら、1992)、トキシン分子が細胞を殺すため にサイトゾル中に位置しなければならないことを示している。本発明は、リーダ ーシグナル配列を使用して細胞を遺伝的に改質して標的化するトキシンを生産、 そして分泌させることによりこの特性を利用する(WalterおよびLingappa,1986) 。続いて、新たに合成した、標的化するトキシンを小胞体(ER)の管腔に同時翻訳 的(cotranslationally)にトランスロケートし、そして次に細胞から分泌させる 。トキシンを発現する細胞は、サイトゾル中で合成された融合トキシンとEF-2と の相互作用がERおよび分泌小胞の膜脂質二重層により遮断されるので、生きたま ま存在するはずである。分泌された標的化トキシンは、インターナライズされ、 そしてサイトゾル中に放出された後、標的とする細胞に選択的に結合し、そして 破壊する(Vitettaら、1987;Waldmann,1991;Dohlstenら、1994;Yamaizumiら、198 7;Hwangら、1987;Siegallら、1989;Pastanら、1992)。しかし、分泌されトキシ ンは、細胞表面上に標的抗原を欠くためにトキシンを発現する細胞を殺すことは できない。遺伝的に改質された細胞は、標的とする細胞に対する効力および選択 的な細胞障害性を有し、この方法がウイルス感染、癌および自己免疫疾患の処置 に広い応用を有することを示している。 本発明のこの方法は、ウイルス感染、特にHIV-1感染を処置するための治療的 応用に使用するすることができ、ここで形質導入されたリンパ球がホームバック し、そして抗−HIV/トキシンをリンパ組織および器官、HIV-1感染の主な貯蔵器 に分泌する(Pantaleoら、1993;Embretsonら、1993)。このように、局所的に生 成される比較的高レベルの標的化トキシンは、抗体/トキシンタンパク質の全身 性投与と比較して、無細 胞ビリオンの中和およびHIV-1感染細胞の破壊により効果的であり得る(Chaudhar yら、1988)。本発明の方法は、腫瘍細胞の表面上に選択的に発現する抗原数が増 えることが抗体により確認されたので(PastanおよびFitzGera1d,1992;Walterお よびLingappa,1986;Waldmann,1991)、腫瘍のような他の標的を選択的に破壊する ためにも使用できる。例えば、形質導入した細胞障害性細胞が分泌する標的化ト キシンにより胸部癌細胞を認識し、そして破壊することができる。 本発明の特定の態様では、リューマチ関節炎のようなある種の自己免疫疾患お よび反応の処置にも有用である。この種の疾患はしばしば、過剰反応性T−ヘル パー細胞の特別なサブセットにより悪化する。本発明は、悪性のT−細胞だけに イムノトキシンを向けることにより、そのような細胞を特異的に抑制する方法を 提供する。これにより、標的化したイムノトキシンは抗体と交叉反応しないTヘ ルパー細胞の他のサブセットを含む個体の免疫応答機構の他の要素には影響を及 ぼさないので、全免疫系が抑制される自己免疫疾患の治療に優る利点を提供する 。この態様の実施において、悪性のT−ヘルパー細胞種を個体から単離し、そし て当該技術分野で周知な抗体産生の標準的な技法により、T−ヘルパー細胞のサ ブセットに対する特異的抗原を認識する抗体を産生するために使用することがで きる。次にこの抗体は、本明細書に記載するようにイムノトキシンベクターを生 成するために使用し、そして次にこのベクターを、例えばTヘルパー細胞に対し て標的化したイムノトキシンを分泌するリンパ球を形質導入するために使用する 。この形質導入された細胞は、患部をさらに良く標的とするために、関節のよう な炎症部位に直接注入することもできる。まとめると、抗体依存性で、しかも細 胞性の免 疫療法の特徴を持つこの新たな種類の抗原−特異的細胞障害性細胞および融合タ ンパク質は、ウイルス感染、癌および自己免疫疾患および反応の処置に広い応用 を有することができる。 本明細書で示すように、形質導入された細胞障害性細胞は、インビトロおよび インビボで標的とする癌細胞に対して効力および選択的な細胞障害性を有するこ とが見いだされた。抗体の特異性をトキシン分子の効力およびリンパ球のエフェ クター細胞特性と組み合わせることに加えて、これらの細胞は明らかな非特異的 な毒性無しにインビボで特異的な抗−腫瘍活性を有することが示されている。腫 瘍浸透リンパ球(TIL)はインビトロで急速に増殖し、そして再注入した後に腫瘍 部位に再循環し、そして局在することができるため、本発明の1つの観点はTIL または他のリンパ球の使用である(Perezら、1985;Grossら、1989;Govermanら、1 990;Rosenbergら、1991;Eshharら、1993;Hwuら、1993;Rosenbergら、1988;Rosen bergら、1990;Kawakamiら、1994;Bolhuisら、1991;Topalianら、1989;Barthら、 1990)。形質導入されたTILの腫瘍−ホーミング特性は、それらが抗体/毒素を腫 瘍組織に送達する媒介物として機能することを可能にするだけでなく、腫瘍組織 中で標的化トキシンのプロデューサーとしても機能することを可能にする。ほと んど検出することが不可能な腫瘍のミクロ転移を、患者に戻した時にこれらの標 的化された細胞障害性細胞により選択的に破壊でき、免疫の見張りとして作用す ることは特に興味深い。イムノトキシン イムノトキシン技法は、十分に進歩しており、そして抗体研究の当業者には周 知である。イムノトキシンは、抗体成分が別の薬剤、特に細胞 障害性、あるいはそうでなければ細胞を殺すか、または細胞の増殖または細胞分 化を抑制する能力を有する抗細胞性薬剤と連結された薬剤である。抗細胞性薬剤 の例には、化学療法剤および放射性同位体ならびにサイトトキシンがある。化学 療法剤の例は、ステロイドのようなホルモン;シトシン アラビノシド、フルオ ロウラシル、メトトレキセートまたはアミノプテリンのような代謝拮抗物質;ア ントラサイクリン;マイトマイシンC;ビンカ アルカロイド;デメコルチン; エトポシド;ミトラマイシン;またはクロラムブシルまたはメルファランのよう な抗腫瘍性のアルキル化剤がある。 好適なイムノトキシンはしばしば、少し例示するだけでもA鎖トキシン、リボ ソーム不活性化タンパク質、α−サリシン、アルペルギリン、レストリクトシン 、胎盤リボネクレアーゼのようなリボネクレアーゼ、アンギオゲニン、ジフテリ アトキシンまたはシュードモナス(Pseudomonas)エキソトキシン、サポリン、ゲ ロニンまたはアブリンのような植物−、菌類−またはバクテリアーに由来するト キシンを含む。本発明の重要な要素は、リンパ球または他の哺乳動物細胞中でト キシンが抗体と遺伝的に同時に発現されることである。したがって、使用するの に好適なトキシンはコーディング遺伝子が周知であり、そして分子生物学の標準 的な技法により発現ベクター中に挿入できるものである。実際に本明細書に開示 するそのようなトキシンの使用は、特許請求する本発明の範囲および精神に包含 されるだろう。 例えば、生物的に活性なリシンA鎖は、今ではクローン化され、そして発現さ れているので(O'Hareら、1987;Lambら、1985;Hallingら、1985)、リシンAまた はそれより小さい、あるいはそうでなければそれでも 適当なトキシン活性を現す変異体ペプチドを本発明の実施に使用できる。さらに 、リシンA鎖は今ではすでにクローン化されているという事実により、部位特異 的突然変異誘発法の応用が可能であり、これを通してリシンA鎖の誘導ペプチド を容易に調製し、そしてスクリーニングし、そしてさらに本発明と関連して使用 するために有用な部分を得ることができる。モノクローナル抗体の作成 抗体を調製し、そして特性を決定するための手段は、当該技術分野では周知で ある(例えば、抗体:ア ラボラトリーマニュアル(Antibodies :A Laboratory Man ual )、コールドスプリングハーバーラボラトリー、1988を参照にされたい:これ は引用により本明細書に編入する)。 モノクローナル抗体(MAbs)を作成する方法は、一般的にポリクローナル抗体を 調製するための系と同じ系に準じて始める。簡単に説明すると、ポリクローナル 抗体は、動物を特別な種類のT−ヘルパー細胞のような免疫原性組成物を用いて 、本発明に従い免疫感作し(抗原組成物および使用する手順に依存して、事前に 免疫寛容化をするか、またはしない)、そして免疫感作した動物から抗血清を回 収する。抗血清の生産には、広い範囲の動物種を使用することができる。典型的 に抗血清の生産に使用される動物は、ウサギ、マウス、ラット、ハムスター、モ ルモットまたはヤギである。ウサギは血液容量が比較的大量であることから、ウ サギがポリクローナル抗体の生産のために好ましく選択される。 当該技術分野では周知であるように、上記組成物はその免疫原性が変動するか もしれない。それゆえに、ペプチドまたはポリペプチド免疫原をキャリアーと結 合させることより行われ得るように、宿主免疫系を追 加免疫することが多い。キャリアーの例および好適なキャリアーはカギアナカサ ガイヘモシアニン(KLH)およびウシ血清アルブミン(BSA)である。オボアブミン、 マウス血清アブミンまたはウサギ血清アブミンのような他のアブミンもキャリア ーとして使用することができる。ポリペプチドをキャリアータンパク質に結合さ せる手段も同様に当該技術分野では周知であり、そしてグルタルアルデヒド、m- マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスシンイミドエステル、カルボジイミドお よびビスジアゾ化ベンジジンがある。 また当該技術分野で周知なように、特定の免疫原組成物の免疫原性は、アジュ バントとして知られている免疫反応の非特異的な刺激物により増強させることが できる。アジュバントの例および好適なアジュバントは、フロインドアジュバン ト[死んだマイコバクテリウム チューバークロシス(Mycobacterium tuberculos is )を含有する非特異的な免疫応答の刺激物]、不完全フロインドアジュバント および水酸化アルミニウムアジュバントがある。 ポリクローナル抗体を生産するために使用する免疫原組成物の量は、免疫原の 性質ならびに免疫感作に使用する動物に依存する。免疫原を投与するためには、 様々な経路を使用できる(皮下、筋肉内、経皮内、静脈内および腹腔内)。ポリ クローナル抗体の生産は、免疫感作後に免疫感作した動物を種々の時点で採血す ることにより監視できる。第2の、追加免疫注射を与えてもよい。追加免疫およ び滴定は、適当な力価に達するまで繰り返す。所望のレベルの免疫原性が得られ た時、免疫感作した動物から採血し、そして分離した血清を保存し、かつ/また は動物はモノクローナル抗体を生産するために使用することができる。 MAbは、米国特許第4,196,265号明細書(引用により本明細書に編入する)に例 示されるように、周知の技法の使用を通して容易に調製できる。典型的には、こ の技法には適当な動物を選択した免疫原組成物(例えば精製または部分精製した T−ヘルパー細胞表面タンパク質、ポリペプチドまたはペプチド)、あるいは他 の望ましい抗原性組成物を用いて免疫感作することが関与する。免疫感作組成物 は、抗体産生細胞を剌激するために効果的な様式で投与する。マウスおよびラッ トのような齧歯類は好適な動物であるが、ウサギまたはヒツジの細胞も可能であ る。ラットを使用する場合はいくつかの利点があるが(Goding,1986,pp60-61)、 マウスが好ましく、BALB/cマウスは最も日常的に使用され、そして一般的により 高い割合で安定な融合を与えるので最も好ましい。 免疫感作後、抗体産生について可能性を持つ体細胞、特にBリンパ球(B細胞 )をMAb作成プロトコールで使用するために選択する。これらの細胞は、生検 脾臓、扁桃またはリンパ節、あるいは抹消血液試料から得ることができる。脾臓 細胞および抹消血細胞が好ましく、前者はそれらに形質芽球段階に分化している 抗体産生細胞の供給源が多いため、そして後者は抹消血が入手し易いからである 。しばしば動物パネルを免疫感作し、そして最高の抗体力価を持つ動物の脾臓を 取り出し、そして脾臓リンパ球をシリンジで脾臓を均一化することにより得る。 典型的には、免疫感作したマウスからの脾臓は、約5X107〜2X108のリンパ球 を含む。 免疫感作した動物に由来する抗体を産生するBリンパ球を、次に不滅骨髄腫細 胞、一般的には免疫感作された動物種と同じ種の細胞と融合する。ハイブリドー マー産生融合法に使用するために適する骨髄腫細胞系 は、好ましくは非−抗体生産性であり、高い融合効率を有し、そして所望する融 合細胞(ハイブリドーマ)だけの増殖を支持する特定の選択培地中で増殖するこ とができないようにする酵素欠損を有する。 当業者には周知なように、任意の数の骨髄腫細胞を使用することができる(God ing,pp65-66,1986;Campbell,pp75-83,1984引用)。例えば免疫感作した動物がマ ウスの場合、P3-X63/Ag8,X63-Ag8.653,NS1/1.Ag 41,Sp210-Ag14,FO,NSO/U ,MPC-11,MPC11-X45-GTG 1.7およびS194/5XXO Bulを使用することができ;ラッ トならば、R210.RCY3,Y3-Ag 1.2.3,IR983Fおよび4B210を使用することができ ;そしてU-266,GM1500-GRG2,LICR-LON-HMy2およびUC729-6はすべて、ヒト細胞 の融合に関連して有用である。 1つの好適なマウス骨髄腫細胞は、NS-1骨髄腫細胞系(P3-NS-1-Ag4-1とも称す る)であり、これはNIGMSヒューマン ジェネティック ミュータント セル レポジ ットリー(Human Genetic Mutant Cell Repository)から、細胞系保管番号GM3573 を請求することにより容易に入手可能である。使用できる別のマウス骨髄腫細胞 系は、8-アザグアニン-耐性マウスのマウス(mouse/murine)骨髄腫SP2/0非-プロ デューサー細胞系である。 抗体産生脾臓またはリンパ節細胞と骨髄腫細胞のハイブリッド作成法は、通常 、細胞膜の融合を促進する(化学的または電気的)薬剤(1つ、または複数)の 存在中で、体細胞を骨髄腫細胞と2:1の比率で混合するが、その比率は約20:1 〜約1:1でそれぞれ変動してよい。センダイウイルスを使用する融合法は、Ko hlerおよびMilstein(1975:1976)により、そして37(重量/重量)%ポリエチレン グリコール(PEG)のようなPEGを使用する融合法はGefterら(1977)により記載され た。電気的に誘導す る融合法の使用も適当である(Goding,pp71-74,1986)。 融合法は通常、約1X10-6〜1X10-8の低頻度で生存能のあるハイブリッドを 生成する。しかし、生存能があるために、融合したハイブリッドは親の非融合細 胞(特に通常は、不確定に分化し続ける非融合の骨髄腫細胞)から選択培地中で 培養することにより分化するので、これは問題にはならない。選択培地は、一般 的に組織培養培養基中でヌクレオチドのデノボ合成を遮断する薬剤を含むもので ある。薬剤の例および好適な薬剤は、アミノプテリン、メトトレキセートおよび アザセリンである。アミノプテリンおよびメトトレキセートは、プリンおよびピ リミジンの両方のデノボ合成を遮断し、一方、アザセリンはプリン合成のみを遮 断する。アミノプテリンまたはメトトレキセートが使用される場合、培地にはヒ ポキサンチンおよびチミジンをヌクレオチドの供給源として補足する(HAT培地) 。アザセリンを使用する場合、培地にはヒポキサンチンを補足する。 好適な選択培地はHATである。ヌクレオチドサルベージ回路を操作できる細胞 だけがHAT培地で生き残ることができる。骨髄腫細胞は、サルベージ回路の鍵と なる酵素(例えば、ヒポキサンチン ホスホリボシルトランスフェラーゼ:HPRT)が 欠損しており、そして生き残ることができない。B細胞はこの回路を操作できる が、それらは培養中に限られたライフスパンを有し、そして一般的には約2週間 で死ぬ。したがって、選択培養中で生き残ることができる細胞は、骨髄腫および B細胞から形成されたこのようなハイブリッドだけである。 この培養は、特異的なハイブリドーマが選択されるハイブリドーマの集団を提 供する。典型的には、ハイブリドーマの選択は細胞をマイクロ タイタープレート中で単一−クローン希釈により培養し、続いて個々のクローン の上清を所望の反応性について試験する(約2〜3週間後)ことにより行う。こ のアッセイは、放射線免疫検定法、酵素免疫検定法、細胞障害性アッセイ、プラ ークアッセイ、ドット免疫結合アッセイ等のように感度があり、簡便かつ迅速で ある。 次に選択したハイブリドーマを連続希釈し、そして個々の抗体産生細胞系にク ローン化し、このクローンが次に不確定に増殖してMAbを提供する。この細胞系 は、2つの基本的方法でMAb産生に関して使用することができる。ハイブリドー マの試料は、元の融合のための体細胞および骨髄腫細胞を提供するために使用し た種類の組織適合性動物に注射することができる(多くは腹腔)。注射された動物 は、融合した細胞ハイブリッドにより特異的なモノクローナル抗体を分泌する腫 瘍を発生する。血清または腹水のような動物の体液を穿刺してMAbを高濃度で 提供することができる。個々の細胞系は、インビトロでも培養することができ、 ここでMAbは自然に培養基中に分泌し、ここから高濃度で得ることができる。 いずれかの手段で産生されたMAbは、所望により濾過、遠心およびHPLCまたはア フィニティクロマトグラフィーのような種々のクロマトグラフィー法を使用して さらに精製することができる。イムノアッセイ 本発明の実施において使用されるイムノアッセイには、限定するわけではない が、米国特許第4,367,110号明細書(二重モノクローナル抗体サンドウィッチアッ セイ)および米国特許第4,452,901号明細書(ウエスタンブロット)に記載されてい る方法を含む。他のアッセイには、標識リガンドの免疫沈降法およびインビトロ およびインビボの免疫細胞化学法 を含む。 イムノアッセイは、最も単刀直入な意味で、結合アッセイである。特定の好適 なイムノアッセイは、様々な種類の酵素を連結した免疫吸着アッセイ(ELISA)な らびに当該技術分野で周知の固相支持体イムノアッセイである。最も好ましいの は、Doellgastら(1993,1994)および米国特許第4,668,621号明細書に記載されたE LISAである。組織切片を使用する免疫組織化学的検出法および放射線免疫検定法 も特に有用である。しかし、検出はそのような技法に限定されず、そしてウエス タンブロッティング、ドットブロッティング、FACS分析等も使用できる。 ELISAの1例では、本発明の抗体、すなわちイムノトキシンの生産に使用する 抗体は、ポリスチレンマイクロタイタープレート中のウェルのような、タンパク 質親和性を現す選択された面上に固定化される。次に標的とする抗原(1つ、ま たは複数)を含むと疑われる生物試料(これ自体が検出可能な標識に連結し得る )をウェルに加える。結合および洗浄して非特異的に結合した免疫複合体を除去 した後、結合した抗原(1つ、または複数)の量を測定することができる。 あるいは、主免疫複合体内で結合することになる第1に加えた成分を、主抗体 と結合親和性を有する第2の結合リガンドにより検出することができる。このよ うな場合には、第2の結合リガンドは、検出可能な標識に連結させることができ る。第2の結合リガンドは、それ自体が抗体であることが多く、これはしたがっ て「第2」抗体と呼ばれ得る。主免疫複合体は、第2免疫複合体の形成が可能と なるために効果的な条件下、および十分な時間、標識された第2の結合リガンド または抗体と接触させる。この第2免疫複合体は、次に一般的には洗浄されて任 意の非特異 的に結合した標識化第2抗体またはリガンドを除去し、そして第2免疫複合体中 に残る標識を次に検出する。この種のELISAは、簡単な「サンドウィッチELISA」 である。 さらなる方法には、第2工程法による主免疫複合体の検出を含む。主抗体に対 して結合親和性を有する抗体のような第2結合リガンドを、上記のように第2の 免疫複合体を形成するために使用する。洗浄後、第2免疫複合体を、第2抗体に 対する結合親和性を有する第3結合リガンドまたは抗体と、ここでも免疫複合体 (第3免疫複合体)の形成が可能となるために効果的な条件下、および十分な時 間、第2抗体に結合親和性を有する第3の結合リガンドまたは抗体と接触させる 。第3のリガンドまたは抗体を検出可能な標識に連結させ、このように形成され た第3免疫複合体の検出を可能にする。この系は、所望によりシグナル増幅を提 供することができる。 別のELISAの例では、標的抗原(1つまたは複数)を含むと疑われる試料をウ ェル表面に固定化し、そして次に本発明の抗体またはイムノトキシンと接触させ る。結合させ、そして洗浄して非特異的に結合した免疫複合体を除去した後、結 合した抗原(1つまたは複数)を検出する。最初の抗体が検出可能な標識に結合 している場合、この免疫複合体を直接検出することができる。ここでも、免疫複 合体は、第1イムノトキシン抗体(1つまたは複数)との結合親和性を有する第 2抗体を使用して検出でき、第2抗体が検出可能な標識に結合している。 タンパク質またはペプチドが固定化される別のELISAには、検出に抗体競合の 使用が関与する。このELISAでは、標識した抗体をウェルに加え、結合させ、そ してそれらの標識の手段により検出する。未知の試料 中の標的抗原(1つまたは複数)の量は、次に試料を標識化した抗体と、被覆ウ ェルを用いてインキューベーションする前または最中に混合することにより測定 する。試料中の標的抗原(1つまたは複数)の存在は、ウェルに結合するために 利用できるイムノトキシン抗体(1つまたは複数)の量を減少させ、そして最終 的なシグナルを減らす。 採用する形式にかかわりなく、ELISAはコーティング、インキューベーション または結合、洗浄して非特異的結合種を除去し、そして結合した免疫複合体を検 出するという共通な特徴を有する。これらは以下のように説明されている: 抗原または抗体を用いるプレートのコーティングにおいて、一般的にはプレー トのウェルを抗原または抗体溶液と一緒に、一晩または特定時間インキューベー ションする。プレートのウェルは、次に洗浄されて不完全に吸着した物質を除去 する。次にウェルの任意に残る利用可能な面を、試験抗血清に関して抗原的に中 性である非特異的タンパク質で「コート」する。これらにはウシ血清アルブミン (BSA)、カゼインおよび粉末ミルク溶液が含まれる。このコーティングは、固定 化面上の非特異的吸着部位をブロッキングすることを可能とし、したがって抗血 清の表面への非特異的結合により引き起こされるバックグラウンドを下げる。 おそらくELISAでは、直接法よりは第2または第3の検出手段を使用すること がより一般的である。すなわちタンパク質または抗体をウェルに結合させた後、 バックグラウンドを下げるために非反応性物質を用いてコーティングし、そして 洗浄して非結合物質を除去し、固定化表面を対照抗原および/または試験する生 物試料と、免疫複合体(抗原/抗体)形成が起こることを助けるような条件下で 接触させる。次に免疫複合体 の検出には、標識した第2結合抗体リガントまたは抗体、あるいは第2結合リガ ンドまたは抗体を、標識した第3抗体または第3結合リガンドと組み合わせて要 する。 「免疫複合体(抗原/抗体)形成が起こることを助けるような条件下」とは、 抗原および抗体をBSA、ウシガンマグロブリン(BGG)およびリン酸塩緩衝溶液(PBS )/Tweenのような溶液で希釈することを含む。このような添加剤は、非特異的バ ックグラウンドの減少を助ける傾向がある。「適当」な条件には、効果的な結合 を可能にする温度および十分な時間も意味する。インキューベーション工程は、 典型的には約1〜2〜4時間であり、温度は好ましくは25°〜27℃の範囲である か、あるいは約4℃等で一晩でもよい。 ELISAでのすべてのインキューベーション工程後、接触した表面は非−複合化 物質を除去するように洗浄する。好適な洗浄法には、PBS/Tweenまたは硼酸バッ ファーのような溶液を用いた洗浄を含む。特異的な免疫複合体を、試験試料と始 めに結合した物質との間で形成し、そして続いて洗浄した後、一様な時間(分) での免疫複合体の生成を測定することができる。 検出手段を提供するために、第2または第3抗体は、検出を可能にする結合し た標識を有するだろう。好ましくは、これは適当な発色基質とインキューベーシ ョンすると色を生じる酵素であろう。すなわち、例えば第1または第2免疫複合 体をウレアーゼ、グルコースオキシダーゼ、アルカリホスファターゼまたは過酸 化水素−結合抗体と接触させ、そして一定期間、しかもさらなる免疫複合体形成 の発生に好ましい条件下でインキューベーションすることが望ましい(例えば、 室温で2時間、PB S-TweenのようなPBS-含有溶液中でインキューベーション)。 標識した抗体とインキューベーションし、そして続いて非結合物質を除去する ために洗浄した後、例えばウレアおよびブロモクレゾールパープル、または酵素 標識としてペルオキシダーゼを使用する場合は、2,2'-アジノ-ジ-(3-エチル-ベ ンズチアゾリン-6-スルホン酸[ABTS]およびH2O2のような発色基質とインキュー ベーションすることにより標識の量を定量する。定量は、例えば可視スペクトル 分光光度計を使用して発色の程度を測定することにより行う。プロモーターおよびエンハンサー 哺乳動物細胞中でタンパク質をコードする遺伝子の転写を制御するプロモータ ーおよびエンハンサーは、多数の遺伝的エレメントから成る。細胞性機構は、各 エレメントにより運ばれる調節情報を集め、そして統合して、種々の遺伝子が転 写調節の別個の、しばしば複雑なパターンを展開させる。 本明細書で使用するプロモーターという用語は、RNAポリメラーゼIIの開始 部位の周辺に集まった転写制御モジュール群を称する。どのようにプロモーター が組織されるかについて多くの考察が、HSVチミジンキナーゼ(tk)およびSV40初 期転写単位を含む数種のウイルスプロモーターの分析から導き出される。このよ うな実験は、より最近の研究で増えたが、プロモーターは、各々が約7〜20bpの DNAから成る別個の機能的モジュールから成り、そして転写アクチベータータ ンパク質用の1つ以上の認識部位を含む。各プロモーター中、少なくとも1つの モジュールが、RNA合成の開始部位を配置するように機能する。この最も知ら れている例はTATAボックスであるが、哺乳動物末端デオキシヌクレオチ ジルトランスフェラーゼ遺伝子用のプロモーターおよびSV40後期遺伝子用のプロ モーターのように、プロモーターにTATAボックスが欠けているものもあり、開始 部位自体に重複する別のエレメントが開始の位置を定めるように補助する。 さらにプロモーターエレメントは、転写開始の頻度を調節する。典型的には、 これらは開始部位の30〜110bp上流に位置するが、多数のプロモーターが最近、 開始部位の下流にも機能的エレメントを含むことが示された。エレメント間の間 隔は柔軟であるので、プロモーター機能は互いにエレメントが逆転または移動し た時も保存される。tkプロモーターでは、エレメント間の間隔は活性が下がり始 めるまで、最高50bp離して増加することができる。プロモーターに依存して、個 々のエレメントが共同的に、または独立して機能して転写を活性化することがで きるらしい。 エンハンサーは、同じDNA分子の遠位に配置されたプロモーターからの転写 を増大する遺伝エレメントとして検出された。遠い距離にわたって作用する能力 は、原核生物転写調節の古典的研究においては先例がなかった。後の研究で、エ ンハンサー活性をもつDNA領域が大変プロモーターに似て組織されることが示 された。すなわち、それらは多くの個別のエレメントから成り、その各々が1つ 以上の転写タンパク質に結合する。エンハンサーとプロモーターとの間の基本的 な区別は、操作性である。エンハンサー領域は、全体として遠位で転写を剌激す ることができなければならない;これはプロモーターまたはその成分エレメント には当てはまらない。一方、プロモーターは特定部位および特定の方向でRNA 合成の開始を支配する1つ以上のエレメントを持たなければなら ないが、エンハンサーはこれらの特性が欠けている。この操作的差異を除けば、 エンハンサーおよびプロモーターは、大変類似する存在である。それらは、細胞 中で転写を活性化するという同じ遺伝的機能を有する。それらはしばしば重複ま たは連続し、大変類似するモジュラー組織を有することが多いようである。まと めると、これらの考察は、エンハンサーおよびプロモーターは相同的な存在であ り、これらの配列に結合する転写アクチベータータンパク質は、細胞性の転写機 構に基本的には同様に相互作用することを示唆している。 以下は、イムノトキシン構築物と組み合わせて使用できるウイルスプロモータ ー、細胞性プロモーター/エンハンサーおよび誘導性プロモーター/エンハンサ ーの一覧である。さらに任意のプロモーター/エンハンサーの組み合わせ(AS P ER真核プロモーターデーターベースEPDB)も、遺伝子療法のプロトコールにおい てイムノトキシン融合遺伝子の発現を駆動するために使用できる。 プロモーターおよびエンハンサーの使用 当該技術分野では、コーディング配列をプロモーターの制御下に持って行くた めに、タンパク質の転写読み取り枠の転写開始部位の5'末端を、選択したプロ モーターの「下流」(すなわち3’の)約1〜約50ヌクレオチドの間に配置する 。さらに、真核細胞での発現を意図する場合は、適当なポリアデニレーション部 位(例えば5’−AATAAA−3’)がもし元のクローン化セグメント中に含 まれていなかったならば、典型的には共役輸送タンパク質を含む転写単位中に組 み込むことが望ま しい。典型的には、ポリA付加部位を、タンパク質の終止部位の「下流」約30〜 2000ヌクレオチドで、転写終止前の位置に置く。組換えベクター 哺乳動物細胞中で使用するために、発現ベクター上の制御機能はしばしばウイ ルス性物質により提供される。例えば通常使用されるプロモーターは、サイトメ ガロウイルス(CMV)、ポリオーマ、アデノウイルス2、そして最も多くはシミア ンウイルス40(SV40)に由来する。SV40ウイルスの初期および後期プロモーターは 、両方がSV40ウイルスの複製起点も含む断片としてウイルスから容易に得られる ので、特に有用である(Fiersら、1978)。ウイルスの複製起点に位置するHindIII 部位からBglIへ延びる約250bpの配列を含むならば、より小さいまたは大きいSV4 0の断片も使用できる。さらに、そのような制御配列が宿主の細胞系に適合性が あるならば、所望の遺伝子配列に通常付随するプロモーターまたは制御配列を利 用することも可能であり、そして望ましいことが多い。 複製起点は、ベクターがCMV、SV40または他のウイルス(例えばポリオーマ、ア デノ、VSV、BPV)起源に由来するような外因性の起点を含むように構築すること により、あるいは宿主細胞の染色体複製機構によるいずれかで提供され得る。も しベクターが宿主細胞の染色体に組み込まれるならば、後者で十分なことが多い 。発現ベクターの構築 PEA(ATCC)のアミノ酸253〜613をコードするDNA断片を、抗−HIV-1 gp120ヒ ト モノクローナル抗体F105のκ遺伝子に枠内で融合した。Fd-IRES-κ-F105を 含むビシストリックな発現ベクターを予め構築し(Chenら、1994)、そして発現ベ クターpCMV-Fab105-PE40(図5)を構築する ために使用した。生成したビシストリックな発現ベクターであるpCMV-Fab105-PE 40は、FdF105遺伝子/インターナルリボソームエントリーサイト(IRES)配列/k1 05-PE40融合遺伝子を、CMVプロモーターの制御下に含む。この発現ベクターを、 制限酵素消化により同定し、そしてDNA配列分析により確認した。 この発現ベクター中、1つのmRNAがCMVプロモーターの制御下で転写され 、そして2つの遺伝子産物が1つのmRNAから独立して翻訳される。第1のFd 105遺伝子の翻訳は、cap-依存的であり、そして第2のκ-PE40融合遺伝子はIRES の制御下でcap-依存的様式で翻訳される。ベクター構造に関するより詳細な説明 は以下に記載する。IRES を使用するFab105用のビシストリックな発現ベクターの構築 Fab105断片の重鎖および軽鎖の同時発現(co-expression)は、2つの独立したC MVプロモーターを使用するFab105発現ベクターから行った(Chenら、1994)。2つ の同一のCMVプロモーター配列を持つFab105発現カセットの同時発現ベクターは 、さらにインターナルリボソームエントリーサイト(IRES)配列を含むために改質 された。EMCVに由来するIRESを、レトロウイルスおよび他のベクター中で2種以 上の遺伝子の効率的な同時発現のために使用した。この種の発現ベクターでは、 1つのmRNAが上流プロモーターの制御下で転写され、そして2つの遺伝子産 物が、1つのmRNAから独立して翻訳される。第1遺伝子の翻訳はcap-依存的 であり、そして第2遺伝子はIRESの制御下でcap-依存的様式で翻訳される。 インターナルリボソームエントリーサイト(IRES)配列を使用するビシストリッ クなFab105発現ベクターは、2つの同一のCMVプロモーターを使 用する発現ベクターから以下のように構築した:脳心筋炎ウイルス(EMCV)由来の IRES配列は、プライマー(5'-TTTGCTAGCGGTATTATCATCGTG-3'(配列番号1)さらにNheI クローニング部位を含む;5'-TTTGCGGCCGCGAATTAATTCCGGTTA-3'(配列番号2 )さらにNot 部位を含む)を使用して、pCITE-2aのプラスミド(ノボジェン:Novo gen、マジソン、ウィスコンシン州)からPCR(商標)で増幅させた。約515bpのIR ES DNA断片は、アガロースゲルから精製し、そしてNheI/NotIを用いて切断した 。 独特なNheIクローニング部位を、IRESを持つビシストリックな発現ベクターに 挿入するために、HIV-1 gp120のCD4-結合部位に対するヒト中和化モノクローナ ル抗体2.1Hの軽(ラムダ)鎖断片を、ハイブリドーマのcDNAからPCR(商標)で増 幅し、そして配列決定した(Bagleyら、Molecular Immunology,31:1149-1160,199 4)。この2.1Hの軽-鎖断片を次にNhe I/XbaIを用いて切断し、そしてゲル−精製 した。このNhe I/XbaI−切断2.1H軽鎖およびNot I/NheI切断-IRES DNA断片を 、Not I/XbaIpCMV-Fab105に3ピースライゲーションによりクローン化した。サ イトメガロウイルス(CMV)プロモーターの制御下にF105のFd、IRESおよび2.1H軽 鎖配列を含む生成した構築物であるpCMV-F105-IRES-2.1Hを、同定し、そしてD NAシークエンシングにより確認した。このpCMV-Fd105-IRES-2.1Hプラスミドを 次にNhe およびXba で消化し、そしてベクターDNA断片をアガロースゲルか ら回収した。F105のκ-鎖DNA断片は、プライマー 5'-GGTTGCTAGCATGGAAACCCCAGCGCAG-3'(配列番号3) 5'-AAAATCTAGATTAACACTCTCCCCTGTTGAA-3' (配列番号4)を使用してpCMV-Fab1 05からPCR(商標)で増幅した。約760bpの増幅したκ鎖 断片を、Nhe およびXba を用いて消化し、そしてアガロースゲルから精製した 。次にこのNhe I/XbaI−切断pCMV-Fd105-IRES-2.1Hおよび-κDNA断片を一緒 にっなぎ、そして宿主大腸菌(E.Coli)中で形質転換した。Fd/IRES/κ遺伝子を CMVプロモーターの制御下に含む生成したビシストロニックな発現ベクターであ るpCMV-Fab105-1は酵素消化により同定し、そしてさらに実験に使用した。Fab105-PE40 融合タンパク質のビシストロニックな発現ベクターの構築 アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)から得たPEA遺伝子は、3つ の機能的ドメインを含む:ドメインI、細胞−認識;ドメインII、トランスロケ ーションドメイン(アミノ酸(aa)残基253〜404);およびドメインIII、触媒ドメ イン(405〜613のaa)(PastanおよびFitzGerald,Science.254:1173-1177,1992) 。PEAのアミノ酸253〜613をコードする配列を含有するBglII/EcoRI断片を、プラ スミドpJH8(ATCC)から切り出し、そしてpSP72ベクター(ストラタジーン)にクロ ーン化した(pSP-PE40)。Not 部位を断片に組み込むために、さらなるNot 部位 をもつPEAのアミノ酸残基253〜258に対応するプライマー、 (5'-TTGCGGCCGCGAAAGGCGGCAGCCTGGCCGCG-3' (配列番号5) およびアミノ酸330〜324に対応する逆プライマー (5'-GCGGATCGCITCGCCCAGGT-3' (配列番号6)を、アミノ酸253〜3 30を増幅させるために使用し、そして次に増幅したDNAをNot I/SalIを用い て消化した。PEAの配列aa308〜613を含有するSal I/XbaI−DNA断片を切断し 、そしてpSP-PE40ベクターから精製した。aa253/308のNot I/SalI断片およびaa 308/613をコードするSal I/XbaI DNA断片を、次にpCMV-sFv23e-SのNot I/X baI 部位に3ピースライゲー ションによりクローン化した。PE40(ドメインIIおよびIII)配列を含有するNot /XbaI DNA断片を、pCMV-sFv23e/PE40から切断し、そしてκ鎖遺伝子をpCMV-F ab105-IベクターからPCR(商標)で増幅してNhe I/NotI部位を組み込んだ。生成 したFab105-PE40用のビシストロニックな発現ベクターは、Nhe I/NotI-切断κ- 鎖/Not I/XbaI-切断PE40/Nhe I/XbaI−切断pCMV-Fab105-Iの3ピースライ ゲーションにより構築した。このベクターを制限酵素消化により同定し、そして DNAシークエンシングにより確認した。放射線標識化および免疫沈降 一過性発現のために、COS細胞はリポフェクチンを使用して20μgのプラスミド DNAp CMV-Fab105-PE40またはベクターpRc/CMVを用いてトランスフェクトし(C henおよびCompans,1991)、そして200μCiの35S−システインを用いてトランス フェクション後、60〜72時間の様々な時間で放射線標識した。形質導入したJurk at細胞(5×106)を、200μCiの35S-システインを用いて様々な時間、放射線標 識した。培養基および細胞溶解物は、抗-PEAおよび-ヒトIgGの混合物と免疫沈降 した。試料は、還元条件下でSDS-ポリアクリルアミドゲルで電気泳動により分析 し(ChenおよびCompans,1991)、そして次にPhosphoimager(モレキュラーダイナミ ック:Molecular Dynamic)を使用して視覚化した。細胞の形質導入およびPCR(商標)増幅 Jurkat細胞、CD4+ヒトT-リンパ球を、pCMV-Fab105-PE40を用いて電気穿孔によ りトランスフェクトし、そしてG418(800μg/ml)を含有する培地中で2〜3週間 選択した(Chenら、1994)。ゲノムDNAは記載されているように(Maniatisら、1986 )、細胞から抽出した。以下のオリゴヌクレ オチドをPCR(商標)反応に使用した:A対: 5'-TTATTGCTAGCGTCGACCTTCGCG ATGTACGGGCCAG-3' (配列番号7)および 5'-GGTACCGAATTCTCTAGAACAAGATITGG GCTC-3'(配列番号8)B対: 5'-GGTAGGCCTCAGGTGCAGCTGCAGGAG-3'(配列番号9)および 5'-TTTGCTAGCGGTATTATCATCGTG-3'(配列番号10)C対: 5'-TTTGCGGCCGCGAATTAATTCCGGTTA-3'(配列番号11)および 5'-TTTAAGATCTCCACACTCTCCCCTGTTGAAGCT-3'(配列番号12) D対:5'-TTGAATTCGGAGGTGGCGGAAGTCACCCTGGCGCGGAGTTC-3' (配列番号13)および5'-TTTATCGATTCTAGATTACGGCGGTTTGCC GGGCTG-3' (配列番号14)。PCR(商標)生成物は、アガロースゲル で分析した。酵素−結合免疫吸着アッセイおよびADP-リボシレーションアッセイ ELISAは、HIV-1 gp120-被覆プレート中で、いたるところに記載されているよ うに行った(Chenら、1994、引用により本明細書に編入する)。簡単に説明すると 、HIV-1 gp120-被覆プレートを、Jurkat-Fab105-PE40またはJurkat-対照からの 培養基とインキューベーションし、続いて抗-ヒトIgG(シグマ)と反応させた。 図7Aに示すように、分泌したFab105-PE40は、HIV-1 gp120に対する特異的結 合活性を有する。さらに結合活性を測定するために、他の抗体を使用してELISA を行った。Elisaマイクロタイタープレートを10μgの組換えHIV-1 gp120(アメリ カン バイオテクノロジーズ社:American BioTechnologies Inc.)で被覆した。プ レートは1%BSAを含有するTBSTバッファーでブロックした。Jurkat-Fab105-PE4 0またはJurkat-対照培養基をプレートに加えた。TBST中で1:1,000倍希釈したヤ ギ抗-ヒト免疫グロ ブリン(シグマ)または抗-PEA(GIBCO BRL)を次にウェルに加え、続いてTBST-1% BSA中で1:1000倍希釈した抗-ヤギIgG-ペルオキシダーゼ結合体(シグマ)を加えた 。陽性の結合活性は抗-ヒトIgGまたは抗-PEAのいずれかを使用してJurkat-Fab10 5-PE40の培養基から検出したが;Jurkat-対照培養基中には有意な結合活性を見い だせなかった。細胞培養およびHIV-1感染 細胞障害性細胞の殺細胞活性を調査するために、細胞を分離するが高分子は分 離しない12-mm直径で0.4-μM-孔サイズのCostar-Transwellフィルターを12-ウェ ルプレートに置き(コスター社:Coatar Corp.、ケンブリッジ、マサチューセッ ツ州)、そして同時培養アッセイに使用した。親のJurkat細胞を研究用株HIV-1 ウイルス(IIIB)、またはJurkat細胞を感染させることができ、そしてUAB(バ ーミンガム、アラバマ州)のF.GaoおよびG.Shaw博士から得た2つの初代患者単離 物(INMEおよびTPO)で感染させた。逆転写酵素は、RTが安定水準に達するまで 3〜4日毎に測定した。HIV-1感染したJurkat細胞を、次にトップ−チャンバー 中に置き、そしてJurkat-Fab105-PE40またはJurkat-対照細胞をボトムチャンバ ーに種々の比率で置いた。トップチャンバー中のHIV-1感染細胞の生存細胞数は 毎日計数した。殺細胞活性は、Jurkat-Fab105-PE40と同時培養した生存感染細胞 の割合を、Jurkat-対照と同時培養した生存感染細胞と比較してパーセントで表 した。形質導入した細胞のHIV-1 RT生産に及ぼす効果を調査するために、初代HI V-1単離物(WEAU)を親のJurkat細胞を感染させるために使用した。感染6日後 、感染したJurkat細胞培養からの培養基中に高レベルのRT活性を検出した。次に これらの感染細胞を、PBSで洗浄し、RPMI-1640培地/10%ウシ血清中に5×105/ mlの 細胞密度で再懸濁させた。感染したJurkat細胞を次にJurkat-Fab105-PE40または Jurkat-対照と幾つかの異なる割合で混合した。RTアッセイはすでに記載したよ うに行った(Poieszら、1980)。標的−特異的細胞障害性細胞の構築 腫瘍−特異的細胞障害性細胞は、抗-HER2/トキシン発現ベクターをヒトリン パ球に形質導入することにより作成した。新しく合成された融合トキシンと、EF -2とのサイトゾル中での相互作用は、ERおよび分泌小胞の脂質二重膜により遮断 されるので、遺伝的に改質した細胞は生存して残り、そして標的化した抗体/ト キシンを発現、そして分泌した。分泌した抗体−トキシン融合タンパク質は、次 に標的とする腫瘍細胞のサイトゾル中でインターナライズし、そして放出された 後、標的細胞を認識しそして破壊した。しかし標的化したトキシンタンパク質は 、細胞表面上に標的抗原を欠く形質導入したトキシンを発現する細胞は殺さなか った。すなわち、抗体依存性で、しかも細胞性の細胞障害性の両方の特徴を持つ 新たな種類の細胞障害性細胞は、癌および他の疾患の治療のための広い応用を有 するだろう。 HIV-特異的細胞障害性細胞は、抗-HIV gp120/トキシン発現ベクターをヒトの リンパ球に形質導入することにより生成された。遺伝的に改質された細胞は、標 的化した抗体/トキシンを発現し、そして分泌し、これは標的とするHIV-1感染 細胞を認識し、そして特異的に殺す。この抗原−特異的な細胞障害性細胞は、標 的化したトキシンのプロデューサーとして、ならびにキャリアーとして機能し、 すなわち抗体依存性で、しかも細胞性の免疫療法の利点を組み合わせる。標的−特異的リンパ球のタンパク質合成速度 細胞性のタンパク質合成が、抗体/トキシンタンパク質を発現している細胞中 で遮断されるかどうかを決定するために、Jurkat-Fab105-PE40、Jurkat-対照細 胞、MOLT-SFv23e-PE40またはMOLT-対照の3H-ロイシン取り込み速度を調査した。 Jurkat-Fab105-PE40またはJurkat-対照(0.5×106)をRPMI 1640培地を用いて洗浄 し、そして10%FBSを含有する1mlのRPMI 1640培地に再懸濁した。3H-ロイシン (ICNファーマシューティカルズ社:ICN Pharmaceuticals Inc.、1mCi/ml)を、 4μCi/mlの最終濃度で培地に加え、37℃で1時間インキューベーションし、続 いてPBSで3回洗浄して取り込まれなかった3H-ロイシンを除去した。沈殿し、ト リクロロ酢酸(TCA)で洗浄した後、ペレットを4mlのシンチレーション液(Scin tiVerse BD、フィッシャー:Fisher)に再懸濁し、そしてシンチレーションカウン ター(LSベックマン)で計数した。Jurkat-Fab105-PE40およびJurkat-対照細胞に は同等レベルの3H-ロイシン取り込みがあった。標的−特異的リンパ球のチミジン取り込み速度 DNA合成速度は、チミジン取り込みを測定することにより決定した。Jurkat -Fab105-PE40、Jurkat-対照細胞、MOLT-F105-PE40またはMOLT-対照細胞をRPMI-1 640で洗浄し、そしてRPMI-1640/10%FBSに0.5×106mlの密度で再懸濁した。次に 細胞に、0.8μg/mlの最終濃度で1時間、PHAを加えるか、または加えなかった。 10μCiの(メチル-3H)-チミジン(ICNファーマシューティカルズ社、1mCi/ml)を 各細胞培養に加え、そして37℃で12時間インキューベーションした。細胞を3回 洗浄し、そして100μlの0.5%SDSを用いて可溶化した。可溶化した細胞溶解物を 、次に4mlのシンチレーション液に加え、そしてシンチレーションカウンターで 計 数した。Jurkat-Fab105-PE40またはJurkat-対照において3H-チミジン取り込みの 有意差はなかった。さらに、両方の細胞系はトリパンブルー排除により測定した 時に95%より高い生存能であった。またJurkat-Fab105-PE40またはJurkat-対照 細胞は、類似の増殖曲線を有した。Jurkat-Fab105-PE40細胞は、4カ月間にわた り観察した期間中、正常な増殖で生存能を維持した。 以下の実施例は、本発明の好適な態様を含む。当業者は、以下の実施例に開示 されている技法が、発明者により本発明の実施に十分に機能すること見いだされ た技術を表すと考えるべきであり、したがってその実施の好適な様式を構成する と考えることができる。しかし当業者は、本発明の開示から、多くの変更を開示 した具体的態様に加えることができ、そして同じまたは類似の結果を本発明の精 神および範囲から逸脱することなく得ることができると考えるべきである。 実施例1 抗-腫瘍細胞障害性細胞 以下の実施例は、胸部、卵巣、胃および他の癌のような種々のヒト腫瘍中に過 剰に発現する、上皮増殖因子ファミリーの膜貫通タンパク質であるHER-2(Kingら 、1985;Slamonら、1989;Wenら、1992;Hynes、1993;Mussら、1994)に特異的な細 胞障害性細胞の構造および使用を示す。モノクローナル抗体23eに由来する軽鎖 可変領域に連結した重鎖可変領域を含んで成る抗-HER2単鎖抗体(sFv)は、HER-2 の細胞外ドメインに高い親和性の結合活性を有し、しかも結合後に効率的にイン ターナライズされることが分かった(Batraら、1992;Kasprzykら、1992;Birdら 、1988;Marascoら、1993)。この実験では、リーダーシグナル配列を持つsFv23 e遺伝子を、サイトメガロウィルス(CMV)プロモーターの制御下で、PEAのドメイ ンII(トランスローケーション)およびIII(触媒性)(アミノ酸253〜613)をコ ードする短縮化遺伝子(PE40)と枠内融合するために使用した(Rosenbergら、1988 ;Rosenbergら、1990;Kawakamiら、1994;Garyら、1984;Alluredら、1986)(図1 )。このベクター、pCMV-sFv23e-PE40は、抗-HER2sFv-PE40融合トキシンを哺乳 動物細胞中で発現し、そして分泌する。 HindIIIクローニング部位を含むさらなるシグナルリーダー配列を持つsFv23e 遺伝子の増幅用の前部プライマーを合成した: (5'-TTAAGCTTATGAAACATCTGTGG TTCTTCCTTCTCCTGGTGGCAGCTCCCAGATGGGTCCTGTCCGACGTCCAGCTGACC-3'(F-1)(配 列番号15)およびさらなるNot クローニング部位を持つ逆プライマー(5'-TT TGCGGCCGCGGAGACGGTGACCGTGGT-3'(配列番号16)を、さらなるシグナルリーダ ー配列を持つsFv23e遺伝子を増幅するために使用した。次にリーダー配列断片を 持つsFv23e遺伝子を、プラスミドpRc/CMV(インビトロゲン:Invitrogen)のHindII I/Not 部位にクローン化し、そして生成したベクターをpCMV-sFv23e-Sと命名し た。PEAのアミノ酸(aa)253〜613をコードする配列を含有するBglII-EcoRI断片を 、プラスミドpJH8(ATCC)から切り出し、そしてpSP72ベクター(ストラタジーン) にクローン化した(pSP-PE40)。この断片にNot 部位を取り込むために、さらにN ot 部位を持つ253〜263aaに対応するプライマー(5'-CCCGCGGCCGCGCCGTCGCCGAG GAACTC-3'(F-2)(配列番号17)、 およびアミノ酸330〜322に対応する逆プライマー(5'-GCGGATCGCTTCGCCCAGGT-3' (配列番号18)を使用して、アミ ノ酸253〜322をコードするDNA断片を増幅し、そして増幅したDNAをNot I/ SalI で切断した。PEAのアミノ酸322〜613をコードするSal I/XbaI DNA断片を 切断し、そしてpSP-pE40ベクターから精製した。アミノ酸253/322のNot I/SalI 断片およびアミノ酸322/613のSal I/XbaI断片を、3ピースライゲーションによ りpCMV-sFv23e-SのNot I/XbaI部位にクローン化した。生成した構造物を制限酵 素消化により同定し、そしてDNA配列分析により確認した。 哺乳動物細胞が抗体/トキシン融合タンパク質を生産できるかどうかを決定す るために、COS細胞をpCMV-sFv23e-PE40 DNAを用いてトランスフェクトし、そし て免疫蛍光染色法により分析した。細胞を抗-sFv23e(Batraら、1992;Kasprzykら 、1992;Birdら、1988;Marascoら、1993)、または抗-PEA(Gibco-BRL)抗体のいず れかと共にインキューベーションした時、強い陽性の染色が、トランスフェクト した細胞の細胞質中、特に核周辺のゴルジ領域で観察され、トランスフェクトし た哺乳動物COS細胞が高レベルの抗-HERSsFv/PE40融合タンパク質を発現したこと を示している。この染色パターンは、典型的な分泌タンパク質パターンに似てい る(Chenら、1994)。蛍光−陽性細胞は、正常な形態を示し、そして98%以上のト ランスフェクト細胞には対照細胞に類似する生存能があった。ベクターだけでト ランスフェクトし、そして抗-sFv23eおよび-PEA抗体の混合物で染色した対照細 胞では、有意な染色は観察されなかった。 融合タンパク質の発現は、放射線標識および免疫沈降分析によりさらに調査し た。COS細胞をpCMV-sFv23e-PE40 DNAまたは対照ベクターを用いてトランスフェ クトし、そして60時間後、トランスフェクトした細胞を35S-システインで4時 間、放射線標識した(ChenおよびCompans,1991) 。約70kdの抗体−トキシン融合タンパク質は、形質導入した細胞の培養基から、 抗-sFv23eまたは抗-PEA抗体のいずれかにより免疫沈降し、続いてSDS-PAGEによ り分析した。対応するタンパク質バンドは対照細胞からは見いだされなかった。 これらの結果からは、哺乳動物細胞が抗体/トキシン融合タンパク質を生産でき ることが証明された。 HER-2に特異的な細胞障害性細胞は、次にpCMV-sFv23e-PE40をヒトTリンパ球( Molt-4細胞)に形質導入し、続いてG418選択(Chenら、1994)により生成した。ヒ トTリンパ球は、検出できないレベルのHER-2タンパク質を発現する(Potterら、 1989;Pressら、1990)。G418-耐性細胞を取り出し、そしてサブクローン化し、そ してさらにそれらの生物学的特徴およびタンパク質発現を分析した。パルス−チ ェース放射線標識実験では、融合タンパク質が形質導入細胞で生産され、そして 分泌されることが示された。 ゲノムPCR(商標)分析を使用して、発現ベクター遺伝子が組み込まれたかど うかを検出した。ゲノムDNAをMOLT-sFv23e-PE40およびMOLT-対照細胞から単 離し(Maniatisら、1986)、そしてPCR(商標)増幅を行った。sFv23e DNA断片(約 770bp)、PEA DNA断片のドメインII(約450bp)またはドメインIII(約610bp)は、 形質転換したMOLT-sFv23e-PE40細胞のゲノムDNAから特異的に増幅されたが、対 照細胞からは増幅されなかった。さらに、MOLT-sFv23e-PE40の培養基中に有意な ADP−リボシレーション活性が検出されたが、対照細胞の培養基中にはバックグ ラウンドレベルのADP-リボシレーション活性が見いだされただけであり、分泌さ れた融合タンパク質がトキシン酵素活性を有することを示している。精製したPE A(GIBCO-BRL)の活性と比較した時、0.5μgより多くのPEAタンパク質 が、MOLT-sFv23e-PE40から24時間/1×106細胞/mlで生産された。 MOLT-sFv23e-PE40の幾つかの生物学的特徴を調査した。第一に、MOLT-sFv23e- PE40およびMOLT-対照の細胞増殖速度および生存能を調査し、明らかな差異がな かった。第二に、MOLT-sFv23e-PE40およびMOLT-対照のDNA合成速度は、PHA(0 .8μg/ml)刺激の有無にかかわらず、3H−チミジン取り込みにより測定した時に 同様であった。第三に、MOLT-sFv23e-PE40およびMOLT-対照のタンパク質合成速 度は、3H-ロイシン取り込みにより測定した時にほぼ同一であった。このように 、形質導入したMOLT-sFv23e-PE40細胞は、それらの基本的な生物学的特徴を維持 していた。 形質導入した細胞が、標的とする腫瘍細胞に対して選択的な細胞障害性を現す かどうかを決定するために、同時培養実験を行った。異なるレベルのHER2を発現 している細胞系を、MOLT-sFv23e-PE40およびMOLT-対照リンパ球と一緒に62時間 同時培養した。有意な殺細胞が、MOLT-sFv23e-PE40と同時培養したHER-2を過剰 に発現する腫瘍細胞(SKOV-3およびN-87)(Batraら、1992;Kasprzykら、1992;Bi rdら、1988;Marascoら、1993;Krausら、1987)で観察されたが、MOLT-sFv23e-PE4 0とHER-2を低レベルで発現する腫瘍細胞(MCF-7およびNIH/3T3)(Di Fioreら、198 7)との同時培養では、少ない割合の細胞が殺されただけであった(図3A)。MOLT -対照細胞は、HER-2を高く、または低く発現するいずれの腫瘍細胞に対しても有 意な効果をおよぼさなかった。したがって、MOLT-sFv23e-PE40と同時培養したHE R2過剰発現腫瘍細胞のタンパク質合成は、選択的に抑制された。親の23e抗体も 、濃度依存的様式で細胞障害性を抑制することを示した(図3B)。まとめると、 これらの結果は形質導入されたリンパ球が標的とする癌細胞に選択的な細胞障害 性を有することを示し ている。 形質転換したリンパ球であるMOLT-sFv23e-PE40および対照リンパ球を、プラス ミドDNAのトランスフェクション、続いてG418選択により生成した(Chenら、1 994)。ゲノムDNAを細胞系から記載されているように抽出した(Maniatis,1986 )。PCR(商標)反応に使用したオリゴヌクレオチドを、以下に掲げる:A対:; F-1および 5'-TTTAAGATCTACAGGAGACGGTGACCGTGG-3'(配列番号19)B対:F -2、および 5'-TTGCGGCCGCGAAAGGCGGCAGCCTGGCCGCG-3'(配列番号5) C対: 5'-GGTACCGAATTCTCTAGAGGCGACGTCAGCITCAGC-3' (配列番号20)および5'-TTAATTGCGGCCGCTTACTTCAGGTCC TCGCG-3'(配列番号21)。PCR(商標)で増幅したDNA断片は、 アガロースゲルで分析した。 実施例2 抗-腫瘍細胞障害性細胞のインビボ活性 実施例1に記載した形質導入した細胞の抗-腫瘍活性を、さらにヌードマウス モデルで決定した。HER-2タンパク質を過剰発現し、そしてヌードマウスの皮下 腫瘍でも増殖するヒトの胃癌細胞系であるN87(Batraら、1992;Kasprzykら、1992 ;Birdら、1988;Marascoら、1993)を使用した。養子形質導入した(adoptive tran sduced)細胞が腫瘍組織に侵潤する能力を調査した。N87癌腫外植片を有する無胸 腺マウスに、MOLT-sFv23e-PE40細胞を尾−ベール注射により投与した。48時間後 、マウスを屠殺し、そして腫瘍組織の低温切片を調製し、そして杭-PEA抗体、続 いて抗-ヤギIgG結合体(シグマ)を用いて染色した。MOLT-sFv23e-PE40を注射した マウスの腫瘍組織の末梢脈管領域には有意な蛍光染色が観察され たが、Molt-対照細胞を注射した動物では観察されなかった。正常組織(肝臓、 肺、腎臓および心臓)に対する明らかな細胞障害性は顕微鏡下で観察されなかっ た。腫瘍の増殖および動物の生存に及ぼす効果を次に測定した。MOLT-sFv23e-PE 40またはMolt-対照細胞(0.5〜1.0×107)を、N87腫瘍外植片を持つマウスの静脈 に、毎週、6週間注射した。形質導入した細胞の投与は、腫瘍外植片の増殖を強 く遅らせた(図4A)。Molt-対照を注射したマウスは70日以内に死亡したが、M OLT-sFv23e-PE40を注射したマウスは観察した期間中、生存した(図4B)。そ のようにトランスフェクトした細胞は、有意に腫瘍の増殖を抑制し、動物の生存 を延ばした。 実施例3 組換え抗-HIV-1トキシン融合タンパク質の発現 HIV-1特異的細胞障害性細胞を作成するために、HIV-1感染細胞の表面上に発現 するHIV-1 gp120のCD4-結合部位に対する中和化ヒトモノクローナル抗体(F105)( Sodroskiら、1986;Lifsonら、1986)を使用した(Marascoら、1993;Thaliら、1991 ;Chenら、1994)。PEAのドメインII(二重層膜を通るトランスロケーションのた めに)およびドメインIII(EF-2のアデノシン ジホスフェート(ADP)-リボシレー ションのために)をコードする遺伝子(PE40)(Grayら、1984;Alluredら、1986;Sie gallら、1989)を、F105のκ鎖遺伝子(Chenら、1994)に融合した。続いて、Fd鎖( VH+CH1)、インターナル リボソーム エントリーサイト(IRES)およびκ-PE40キメ ラ遺伝子を含むビシストリックな発現ベクター(pCMV-Fab105-PE40)を構築した( 図5)。 HIV-1感染細胞に特異的な細胞障害性細胞は、抗体/トキシン発現ベ クターをCD4+JurkatヒトT-リンパ球に形質導入し、続いてG418選択により生成 した。G418−耐性細胞を選び出し、そしてサブクローン化し、そしてゲノムのポ リメラーゼ連鎖反応(PCR(商標))を使用して、Fab105-PE40遺伝子が細胞に取 り込まれたかどうかを検出した。図6Aに示すように、CMVプロモーター-Fd、Fd -IRES、IRES-κ鎖およびトキシンドメインIII DNA断片は、形質導入したJurkat から単離したゲノムDNAから特異的に増幅された。Fdおよびκ-PE40タンパク質の 両方は、Jurkat-Fab105-PE40の培養基から、抗-ヒトIgGまたは抗-PEA抗体のいず れかにより免疫沈降し、Fdおよびκ-PE40鎖の2つの断片がFab断片に一緒に集成 することを示している。このように、生存能のある形質導入されたリンパ球は、 培養基中に抗体-PE40分子を生産し、そして分泌できる。 分泌したFab-PE40の抗原結合活性は、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)によ り調査した。gp120に対する陽性の結合活性は、Jurkat-Fab105-PE40の培養基中 で検出されたが、Jurkat−対照では特異的な結合活性は検出されなかった。精製 した親のF105抗体(Chenら、1994)の連続希釈物の結合能を比較することにより、 約0.6〜0.7μg/mlのFab105-PE40分子がJurkat-Fab105-PE40(24時間/1×106細胞/ ml)から生産された。Fab105-PE40のトキシン酵素活性は、ADP-リボシレーション アッセイを使用して調査した。Jurkat-Fab105-PE40の培養基中に有意なADP-リボ シレーション活性が検出されたが、対照細胞の培地中にはバックグラウンドレベ ルのADP-リボシレーション活性が見いだされただけであった。精製したPEAのADP -リボシレーション活性を比較した時、約0.8μg/mlのPEAタンパク質がJurkat-Fa b105-PE40(24時間/1×106細胞/ml)から生産された。 Jurkat-Fab105-PE40の幾つかの生物学的特徴を調査した。Jurkat-Fab 105-PE40およびJurkat−対照の細胞増殖速度および生存能を調査した時、差異は 無視できた。さらにJurkat-Fabl05-PE40およびJurkat-対照のDNA合成速度は 、PHA(0.8μg/ml)の刺激の有無で、3H−チミジンの取り込みにより測定した時に 同様であった。Jurkat-Fab105-PE40およびJurkat−対照のタンパク質合成速度も 、3H-ロイシン取り込みにより測定した時にほぼ同一であった。このように、形 質導入したJurkat-Fab105-PE40細胞は、それらの基本的生物機能を維持していた 。HIV-1 感染細胞の選択的細胞障害性 HIV-1感染細胞に対する殺細胞活性およびウイルス逆転写酵素(RT)生産に及 ぼす効果を調査するために、同時培養アッセイを使用して形質導入したJurkat-F ab105-PE40細胞のHIV-1感染に対する選択的細胞障害性を評価した。細胞障害性 細胞の殺細胞活性を調査するために、親のJurkat T-リンパ球をHIV-1研究用株( IIIB)または2つの初代HIV-1単離物(INMEおよびTPO)でそれぞれ感染させ、そし て次に12ウェルのCostar-Transwellフィルター培養プレート中で数種の異なる比 率でJurkat-Fab105-PE40およびJurkat-対照と同時培養した。トップチャンバー 中の生存可能なHIV-1感染細胞を計数し、そして非生存細胞の割合を図7Aに示 す。IIIB株または初代HIV-1単離物で感染させた細胞を有意に殺すことが、Jurk at-Fab105-PE40と同時培養で観察されたが、Jurkat-対照では観察されなかった 。非感染の親のJurkat細胞への悪影響は観察されなかった。 同時培養物中のウイルス感染をさらに観察するために、親のJurkat細胞をHIV- 1患者初代単離物(WEAU)で6日間感染させ、PBSで3回洗浄し、そして次にJurkat -Fab105-PE40またはJurkat-対照と、異なる比率で同 時培養した。同時培養中のHIV-1感染は、ウイルスRT活性を測定することにより 3〜4日毎に監視した。図7Bに示すように、Jurkat-Fab105-PE40との同時培養 で低レベルのRTが期間中観察されるだけであったが、Jurkat-対照との同時培 養では有意により高レベルのRTが検出された。標的とするHIV-1感染細胞に対 するJurkat-Fab105-PE40の割合を上げて使用する時、HIV-1のより強い抑制が観 察された。Jurkat-Fab105-PE40は、同時培養したHIV-1に感染していないJurkat および他のリンパ球にはいかなる悪影響もなかった。すなわちJurkat-Fab105-PE 40は、恐らく選択的な細胞障害性およびFab105-PE40融合タンパク質の中和化活 性により、選択的にHIV-1感染を効果的に抑制した。 実施例4 B-細胞系統−特異的キラー細胞の作成 最近、正常および悪性B−細胞の細胞表面上に存在するHLA-Dr抗原の多形変異 体を認識する独特なマウスモノクローナル抗体であるLym-1が作成された(Epstei nら、1987;Huら、1995)。この抗体であるLym-1は、際立ってB-細胞特異的であ り、正常のBリンパ球に比べた時にリンパ腫細胞へのアビディティが有意に増し ている。123I-標識化Lym-1を用いた放射線造影実験では、リンパ腫の部位への選 択的な局在化、ならびに腫瘍部位を検出する能力が実証された(Epsteinら、1985 ,1987;DeNardoら、1987;1988a;1988b;Huら、1989)。組織切片の免疫化学的検出 および放射線造影により示されるような、Lym-1抗体のT-細胞または他の正常細 胞および組織への結合を証明するものはなかった(Epsteinら、1987)。まとめる と、抗体Lym-1は悪性B-細胞に特異的であることが示され、そしてB-系統の悪 性腫瘍のための標的化療法に使用できる。 Lym-1抗体の特異性を利用するために、B-系統白血病/リンパ腫細胞に特異的 なキラー細胞を、キメラ遺伝子を用いて形質導入することにより作成した。形質 導入した細胞は、B-系統白血病/リンパ腫細胞を認識し、そして殺す。具体的 にはLym-1抗体の抗体の可変領域遺伝子をクローン化し、単-鎖抗体(sFv)遺伝子 と集成させた。sFv-Lym遺伝子は、PEAのドメインII−III配列に枠内融合し、そ して哺乳動物発現ベクターにクローン化した。 sFv-Lym/トキシン融合タンパク質を生産し、そして分泌できる特異的な細胞 障害性T-リンパ球は、リーダーシグナルペプチドを持つsFv-Lym/トキシン遺伝 子をヒトT-リンパ球に形質導入することにより作成した。分泌した抗体/トキ シン分子のB-細胞結合およびトキシン触媒活性は、ADP-リボシレーションアッ セイおよびフローサイトメトリー分析により示された。形質導入した細胞障害性 細胞のB-細胞白血病/リンパ腫細胞に対する選択的な細胞障害性は、インビト ロで観察された。結果は、定めた特異性を持つこの新たな種類の細胞障害性細胞 が、B-系統の悪性腫瘍および他の癌の治療に広い応用を有し得ることを示して いる。抗体/トキシン融合タンパク質の構築および発現 モノクローナル抗体Lym-1のcDNA遺伝子を、カリフォルニア大学サンディエゴ 校のA.Epstein博士から得た(Epsteinら、1987)。VHおよびVLcDNA遺伝子をそれ ぞれPCR(商標)で増幅させ、そして次にゲル−精製した。次に延長(extension)PC R(商標)は、VHおよびVLをsFvに集成するために使用した。生成したsFv−Lym タンパク質は、リーダーシグナルペプチド配列を持つポリペプチドにより連結さ れた、抗体Lym-1の軽鎖 および重鎖可変領域から成る。ATCCから得たPEAのの遺伝子は、3つの機能的ド メインを含む:ドメインI、細胞−認識;ドメインII、トランスローケーション ドメイン(アミノ酸(aa)残基253-404);およびドメインIII、触媒ドメイン(aa405 −613)(Pastan,1992)。 具体的には、抗体Lym-1の可変領域遺伝子を、PCR(商標)反応の鋳型として既 に記載のように使用した(Chenら、1994)。さらなるシグナルペプチドリーダー配 列およびHindIIIクローニング部位を持つVH-Lymの前部プライマー5'-TTAAGCTTC ATATGGAACATCTGTGGTTCTTCCTTCTCCTGGTGGCAGCTCCCAGATGGGTCCTGTCC-3'配列番号2 2(F-1))、およびさらなるインターチェインリンカー配列を持つ逆プライマー 5'-GCTCCCACCACCTCCGGAGCCACCGCCACCTGCAGAGACGTGACCCAGAGT-3',(配列番号2 3)を使用して、リーダーシグナルペプチド配列を持つVH遺伝子を増幅した。 さらなるインターチェインリンカー配列を持つVL-Lymの前部プライマー5'-GGTG GCGGTGGCTCCGGAGGTGGTGGGAGCGGTGGCGGCGGATCTGAGCTTCGTGAATGACCCAGTCTCCA-3'配 列番号24、およびさらなるNot クローニング部位を持つ逆プライマー 5'-AA AGCGGCCGCACGTTTGATCTCCAGCTTGGT-3' 配列番号25(F-2)を使用して、リーダーシグナルペプチド配列を持つVH遺伝子 を増幅した。次にPCR(商標)で増幅させたVHおよびVL DNA断片は、延長PCR( 商標)によりプライマーF-1およびF-2を使用してsFv-Lymに集成させた。リーダー 配列断片を持つsFv-Lymを、プラスミドpRc/CMV(インビトロゲン)のHindIII /Not 部位にクローン化し、そして生成したベクターをpCMV-sFV-Lymとして消化した 。B−系統白血病/リンパ腫に特異的な細胞障害性細胞の作成 B−系統細胞に特異的な細胞障害性細胞は、融合抗体/トキシン発現ベクター の形質導入により作成した。この遺伝子導入および選択法は、すでに記載した(C henら、1994,1995)。簡単に説明すると、MoltまたはSupTのようなヒトT-細胞を 、抗体/トキシン発現DNAを用いて電気穿孔によりトランスフェクトし、そし てG418を含有する培養基中で選択した。G418-耐性細胞は2〜3週間後に選択さ れ、そしてサブクローン化した。組換えタンパク質発現を測定するために、形質 導入した細胞を放射線標識し、そして前述のように免疫沈降させた。次に試料を SDS-PAGEにより分析し、その後にPhosPhoImagerにより視覚化した。 形質導入したリンパ球に由来するゲノムDNAのPCR(商標)分析を使用して、抗 体/トキシン遺伝子が形質導入したリンパ球のゲノム中に組込まれたかどうかを 決定した。ゲノムDNAを形質導入したリンパ球から標準的方法により抽出した(Ma niatisら、1986)。sFv-LymおよびPEAトキシン遺伝子に対応するPCR(商標)反応 に使用したオリゴヌクレオチドを以下に掲げる:A対:;プライマーF-1および5'- TTTAAGATCTACAGGAGACGGTGACCGTGG-3'(配列番号26);B対:F-2および5'-TTGCG GCCGCGAAAGGCGGCAGCCTGGCCGCG-3'(配列番号27);C対:5'-GGTACCGAATTCTCTAG AGGCGACGTCAGCTTCAGC-3'(配列番号28)および5'-TTAATTGCGGCCGCTTACTTCAGGT CCTCGCG-3'(配列番号29)。PCR(商標)生成物は、アガロースゲル電気泳動 により分析した。組込まれたsFv-Lym/トキシンをコードするDNAを有するリンパ 球ゲノムは、以下のようにPCR(商標)プライマー対を用いて3種のサイズ特異的 なバンドを生じると予想される:約770bpのsFv-Lym DNA断片、約450bpのPEAドメ インIIおよび約610bpのP EAドメインIII。 哺乳動物細胞中での抗体/トキシン発現を調査するために、一過性発現アッセ イを行った。COS-1細胞をカバースリップ上で増殖させ、そしてリポフェクチン を使用することにより5μgの抗体/トキシン発現プラスミドDNAを細胞にトラン スフェクトした(ChenおよびCompans、1992)。48時間インキューベーションした 後、細胞を固定し、そして抗−トキシン抗体(Gibco-BRL)、続いて蛍光結合体を 用いて染色した。強い陽性の蛍光染色がトランスフェクトした細胞中で観察され たが、対照細胞では有意な染色が見られなかった。蛍光染色は、細胞質全体およ び核周辺ゴルジ領域に位置し、典型的な分泌タンパク質の染色パターンを表した 。抗体/トキシンタンパク質を発現しているトランスフェクトした細胞が、それ らの正常な形態も維持することを示し、哺乳動物細胞が生存しているままで抗体 /トキシン分子を生産できることを示唆している。分泌された組換え抗体/トキシン融合タンパク質のB-細胞結合およびトキシン 触媒活性 分泌された抗体/トキシン融合タンパク質が抗原結合活性を維持するのかどう かを決定した。フローサイトメトリー分析を、Rajiのような悪性B-細胞系で行 った。Raji細胞(1×106)(ATCC)を抗体/トキシン融合タンパク質の様々な連続 希釈物と、4℃で30分間インキューベーションし、そして次に抗-マウスIgG抗体 結合物または抗-PEA抗体とインキューベーションし、続いて標識した抗体結合体 (シグマ)と一定期間およびさらに免疫複合体形成の発生を与える条件下でイン キューベーションした(例えば、PBS-TweenのようなPBSを含有する溶液中で、室 温にて2時間のインキューベーション)。Molt-4、SupTのようなT細胞系を、陰 性対照として使用した。陽性の結果は、リンパ球により生産された抗体/トキシ ン融合タンパク質がB-細胞に結合できることを示している。 実施例5 脳細胞による標的化トキシンの生産 TGF-PE40融合トキシンを発現するプラスミドDNAを、正常なニューロン中にリ ポソームカプセル化を介してトランスフェクトし、そしてTGF-PE40融合トキシン がニューロンから生産され、そして分泌される。腫瘍外植のヌードマウスモデル では、トランスフェクトしたニューロンがトランスフェクションの1カ月後にTG F-PE40融合タンパク質を発現することが見いだされる。 TGF-PE40プラスミドDNAは、組織培養中の脳腫瘍細胞および腫瘍外植ヌード マウスモデルにもトランスフェクトする。トランスフェクトした腫瘍細胞は、TG F-PE40を発現することが見いだされ、これは増幅された細胞障害性で周辺の腫瘍 細胞に死をもたらす(すなわち、トランスフェクトした細胞は多くの周辺腫瘍細 胞を殺すことができる)。これは、標的化したトキシンが局所的に使用されて、 選択的な殺細胞能を生成、そして増幅させることができ、これは癌および自己免 疫疾患の処置に、そして特に脳癌の処置に広い意味を持つ。例えば腫瘍を脳から 切除した後に、プラスミド/リポソームを患者の脳に投与する。生産されたイム ノトキシンは、次に投与されなければ別の腫瘍に成長するまで検出されない手術 後に残った腫瘍を標的とし、そして破壊することができる。したがって本発明は 、脳腫瘍を処置するために有力な治療を提供する。 実施例6 自己免疫疾患または反応に付随する、種類に特異的な キラー細胞T-ヘルパー細胞の作成 Tリンパ球を形質導入して、それらが自己免疫疾患または関節炎のような反応 に伴うT−ヘルパー細胞のサブセットに特異的に付随する抗原を認識することが できるイムノトキシンを生成するように、約200cc/試料の血液試料を患者から 採血した。リンパ球は血液試料から単離し、そしてJandaら、臨床微生物学マニ ュアル(Manual of Clinical Microbiology)、第5版、アメリカ微生物学会、ワ シントン、DC、第19章、第137頁:(引用により本明細書に編入する)に例示 されるような標準的手順に従い、適当な条件下で培養する。この様式で、約1011 個のリンパ球が約2週間後にカルチャーから単離できる。 単離した培養したリンパ球は、それらが所望の種類のTヘルパー細胞と免疫反 応性であるサイトトキシンを生産し、そして分泌するように形質導入する。次に これらのリンパ球は、約109リンパ球の用量が送達されるように、医薬的に許容 できるキャリアー中で宿主患者に再注入または注射して戻すことができる。用量 は2週間から6カ月または所望の範囲の間隔で再投与することができる。投与の ために選択する部位は、処置する症状に適するように変化することができる。例 えば、関節の炎症性関節炎の場合は、用量を関節に投与することが望ましい。皮 下、筋肉内、皮内または他の部位を適当であるとして使用することができる。 ※ ※ ※ 本明細書に開示し、そして特許請求するすべての組成物および方法は、本開示 から不適当な実験を行うことなく作成し、そして実施することができる。本発明 の組成物および方法は、好適な態様として記載してきたが、当業者には組成物お よび/または方法、ならびに本明細書に記載し た方法の工程または工程の順序に、本発明の概念、精神および範囲から逸脱する ことなく変更を加えることができることが明らかだろう。より具体的には、化学 的および物理的の両方で関連している特定の薬剤は、本明細書に記載の薬剤と置 き換えても、同じまたは同様の結果を達成することができることは明らかだろう 。当業者には明らかなすべてのそのような置換および修飾は、添付の請求の範囲 により定められるように、本発明の精神、範囲および概念の中にあると見なす。 参考文献 以下の参考文献、それらが提供する例示的手順または本明細書の説明を補足す る他の詳細は引用により本明細書に編入する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 31/18 A61P 35/00 35/00 43/00 105 43/00 105 C12N 5/00 B C12N 5/10 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.イムノトキシンを発現し、そして分泌する哺乳動物細胞。 2.さらに細胞障害性リンパ球に特定される、請求の範囲第1項に記載の哺乳動 物細胞。 3.さらにニューロンに特定される、請求の範囲第1項に記載の哺乳動物細胞。 4.上記イムノトキシンが抗−腫瘍抗体ドメインを含んで成る、請求の範囲第1 項に記載の哺乳動物細胞。 5.上記抗−腫瘍抗体ドメインがHER2抗原と免疫反応性である、請求の範囲第3 項に記載の哺乳動物細胞。 6.上記抗体ドメインがLym-1抗原と免疫反応性である、請求の範囲第3項に記 載の哺乳動物細胞。 7.上記イムノトキシンの抗体ドメインがウイルス抗原と免疫反応性である、請 求の範囲第1項に記載の哺乳動物細胞。 8.上記ウイルス抗原がHIV抗原である、請求の範囲第7項に記載の哺乳動物 細胞。 9.上記イムノトキシンの抗体ドメインがT−ヘルパー細胞と免疫反応性である 、請求の範囲第2項に記載の細胞障害性T−リンパ球。 10.上記イムノトキシンがシュードモナス(Pseudomonas)エキソトキシン、ジ フテリアトキシン、リシンA、アブリン、ゲロニンまたはサポリントキシンの1 つ以上のドメインである、請求の範囲第1項に記載の哺乳動物細胞。 11.上記イムノトキシンが、シュードモナス(Pseudomonas)エキソトキシンド メインを含んで成る、請求の範囲第1項に記載の哺乳動物細胞。 12.医薬的に許容できるキャリアー溶液中に分散された請求の範囲第1項に記 載の哺乳動物細胞。 13.発現ベクターでトランスフェクトされた哺乳動物細胞であって、該ベクタ ーがリーダー配列およびイムノトキシンを含んで成る融合タンパク質を発現し、 そして該リーダーが該イムノトキシンを該細胞の小胞体に向かわせる、上記哺乳 動物細胞。 14.上記ベクターがプラスミドである、請求の範囲第13項に記載の細胞。 15.上記ベクターがウイルスベクターである、請求の範囲第13項に記載の細 胞。 16.上記イムノトキシンが、腫瘍に付随する抗原と免疫反応する、請求の範囲 第13項に記載の細胞。 17.上記イムノトキシンが、ウイルスに付随する抗原と免疫反応する、請求の 範囲第13項に記載の細胞。 18.上記イムノトキシンが、T-ヘルパー細胞に付随する抗原と免疫反応する 、請求の範囲第13項に記載の細胞。 19.上記ウイルスに付随する抗原がHIVに付随する抗原である、請求の範囲 第17項に記載の細胞。 20.上記HIVに付随する抗原がgp120抗原である、請求の範囲第19項に記 載の細胞。 21.上記腫瘍に付随する抗原がHER2抗原である、請求の範囲第16項に記載の 細胞。 22.上記腫瘍に付随する抗原がLym-1抗原である、請求の範囲第16項に記載 の細胞。 23.さらに細胞障害性リンパ球に特定される、請求の範囲第13項に記載の細 胞。 24.さらにニューロンに特定される、請求の範囲第13項に記載の細胞。 25.医薬的に許容できるキャリアー中に分散された、請求の範囲第13項に記 載の細胞を含んで成る薬理学組成物。 26.癌細胞を殺す方法であって、該癌細胞を哺乳動物細胞から分泌されるイム ノトキシンと接触させることを含んで成り、ここで該イムノトキシンの抗体部分 が該癌細胞の抗原を認識するものである上記方法。 27.上記哺乳動物細胞が細胞障害性リンパ球である、請求の範囲第26項に記 載の方法。 28.上記癌細胞がHER-2を過剰発現する、請求の範囲第26項に記載の方法。 29.上記哺乳動物細胞がニューロンである、請求の範囲第26項に記載の方法 。 30.上記癌細胞がLym-1を過剰発現する、請求の範囲第26項に記載の方法。 31.上記癌細胞が、胸部、卵巣または胃癌細胞である、請求の範囲第28項に 記載の方法。 32.上記癌細胞が脳癌細胞である、請求の範囲第26項に記載の方法。 33.上記癌細胞が動物個体であり、そして該哺乳動物細胞が該個体に医薬的組 成物中で投与される、請求の範囲第26項に記載の方法。 34.上記個体がヒト癌患者である、請求の範囲第33項に記載の方法。 35.ウイルスに感染した細胞を殺す方法であって、該細胞を細胞障害 性T-細胞から発現されたイムノトキシンと接触させることを含んで成り、ここ で該イムノトキシンの抗体部分が該ウイルスに感染した細胞により発現される抗 原を認識する、上記方法。 36.上記細胞障害性T-細胞が医薬的溶液中で、ウイルスに感染した細胞を有 する動物個体に投与される、請求の範囲第35項に記載の方法。 37.上記個体がヒトである、請求の範囲第36項に記載の方法。 38.医薬溶液を個体に投与することを含んで成る該個体中のHIV感染を抑制 する方法であって、該溶液が抗-HIVイムノトキシンを発現し、そして分泌す る細胞障害性T-細胞を含んで成る上記方法。 39.抗-腫瘍細胞イムノトキシンを発現する細胞障害性T-細胞を個体に投与す ることを含んで成る該個体中の腫瘍細胞の増殖を抑制する方法。 40.組換えイムノトキシンを生産する方法であって、 発現ベクターでトランスフェクトした哺乳動物細胞を得、ここでベクターはリー ダー配列およびイムノトキシンを含んで成る融合タンパク質を発現し、そしてリ ーダーがイムノトキシンを細胞の小胞体に向け、そして 該細胞が該イムノトキシンを発現するために効果的な条件下で培養する、 工程を含んで成る上記方法。 41.さらに上記イムノトキシンを単離する工程を含んで成る、請求の範囲第4 0項に記載の方法。
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