JP2001503550A - 振動するランドおよび溝を有する光ディスク - Google Patents

振動するランドおよび溝を有する光ディスク

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JP2001503550A JP52027798A JP52027798A JP2001503550A JP 2001503550 A JP2001503550 A JP 2001503550A JP 52027798 A JP52027798 A JP 52027798A JP 52027798 A JP52027798 A JP 52027798A JP 2001503550 A JP2001503550 A JP 2001503550A
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Abstract

(57)【要約】 光ディスクにおいて、ID領域は複数個のアドレス情報を含み、かつ凹凸信号で予め記録され、かつ案内トラックに隣接する内周側または外周側に約1/2トラックピッチずらした2つの組から構成され、情報記録領域は、半径方向に単一の周波数で振動する溝とランドとから構成され、溝およびランドは案内トラックの1周毎に切り替わる。wビットの情報が1周期の振動に含まれる場合には、ID領域と情報記録領域との間の情報未記録領域は、w/10ビット以上および/またはwビット以下の長さを持つように構成され、これにより映像信号のような連続する情報データを記録する際に、振動振動から正確にクロックを発生させることにより連続的に記録を行うことができ、さらにフォーマット効率を向上させることができるので、より大きな容量のフォーマットが達成される。

Description

【発明の詳細な説明】 振動するランドおよび溝を有する光ディスク 技術分野 本発明は光ディスクのフォーマットに関し、より具体的には、書換可能な光デ ィスクに関する。 技術背景 光ディスクは、映像、音声、および計算機用のデータのようなソフトウェアを 記録するための媒体として、最近非常に広く用いられている。特に、光ディスク の記録密度を向上する期待が最近高まってきており、そのため、そのような期待 に応えることに適した光ディスクのフォーマットの開発が強く望まれている。 現在の「130mm書換型光ディスク」のフォーマットを以下に説明する。 130mm書換型光ディスクのフォーマットは、「JIS X 6271」に 定められている。このフォーマットとしては、ディスク上に連続した溝がスパイ ラル状に形成され、信号を記録するトラックとしてこの溝の間のランドが用いら れるA形フォーマットと、ディスク上にサンプル用のマークを形成し、サンプル サーボ方式によりトラッキング制御を行うB形フォーマットとが挙げられる。 A形フォーマットにおいて情報データを記録するトラックは、ウォブル(微少 振動)がないトラックであり、情報データはランド(溝の間)にのみ記録される 。A型フォーマットにおいて、ユーザデータ容量が512バイトである場合の標 準ユーザデータフォーマットを図14に示す。図に示した数字は各信号に配分さ れるバイト数(B)を指す。512Bのユーザーバイトには誤り訂正符号、再同 期バイト、および制御用バイトが追加されるため、データ領域は650Bの容量 を有することになる。データ領域の信号を記憶するセクタにおいては、セクタの 先頭を示すセクタマーク(SM)、クロック再生の同期をとるためのVFO領域、 セクタのアドレスを示すID領域、ID領域の先頭を示すアドレスマーク(AM )のようなプリレコードされたアドレス領域、データを書き換えるためのオフセ ッ ト検出領域(ODF)、レーザ出力の検査に用いるALPC、および後続のセクタ に重ならないための15Bのバッファ領域のような他の領域を付加する必要があ る。その結果、セクタ容量の合計は746Bとなる。512Bのユーザデータ容 量に対してバッファ領域は15Bであり、冗長度は約2.9%である。容量をさ らにより大きくするためには、できる限り冗長度を縮小することが望まれる。 このような従来の書換型光ディスクにおいては、ウォブルのない案内トラック 上に情報を記録する場合、通常、光ディスク装置が持っている固有のクロックを 使用することにより情報が処理されている。しかし、光ディスクに情報を記録再 生する際の回転変動や偏心等の影響により、実際のセクタ長が理想的なセクタ長 からずれ、これにより固有のクロックによりカウントされるクロック数に増減が 生じてしまうのが事実である。例えば、クロック数が減少したときには、セクタ 内に情報を完全に記録しきれなくなり、次のセクタにまたがってオーバーフロー してしまう可能性がある。このため、予めクロック減少分を考慮してバッファ領 域を設け、セクタ長を長めにしておく。このため、冗長度が増し、ユーザデータ 容量が犠牲になる。 これらに加えて、映像データおよび音声データのような時間的に連続するデー タの記録を行う場合には、セクタのアドレスを一旦確認した後に記録する従来方 式では、セクタアドレスを確認できなかったときに、再度アドレスを確認し直し てから記録を行うために時間がかかり、連続するデータを記録することができな くなる。セクタのアドレスを再確認せずに以前のアドレスからセクタのアドレス を予測してデータの記録を行う他の方式では、セクタ長を固有のクロックにより カウントする時の誤差が累積し、さらにカウント値のずれが大きくなる。 特に、アドレス検出精度が低下する可能性があるランド・溝記録方式における 中間アドレス法では、映像データおよび音声データの連続記録における上記問題 点がさらに深刻になり得る。 さらに、将来的には、書換可能領域においてより狭いトラックピッチにいくつ かの異なるデータ領域を有する光ディスクの場合には、光ディスクのフォーマッ トは、互いにすべて互換性があるものでなければならない。 発明の開示 本発明は上記の問題点に鑑みて案出され、本発明の目的はトラッキング制御ま たはクロック生成を安定に行える信頼性の高い記録再生装置を容易に得られるフ ォーマットを有する光ディスク、およびそのような光ディスクを安定して製造す る装置を提供することにある。 さらに、ROM領域(リードイン領域)と書換可能領域との両方を含む光ディ スクにおいて、本発明の目的は、書換可能領域の先端部で情報データを処理する 安定なクロックを生成し、正確に情報データを記録することができる光ディスク のフォーマットを提供することにある。また、それぞれデータ容量が異なるいく つかの種類の光ディスクの互換性を容易に達成することも本発明の目的である。 これらのおよび他の目的を達成するため、本発明の光ディスクの第1の局面は 、案内トラック上に構成された各複数のセクタにおいてID領域、情報記録領域 、およびID領域と情報記録領域との間の情報未記録領域を有し、ID領域は、 複数のアドレス情報を含み、かつ凹凸信号で記録され、かつ案内トラックに隣接 する内周または外周トラック方向に約1/2トラックピッチずらした2つの組か ら構成され、情報記録領域は半径方向に単一の周波数でウォブル(微少振動)す る溝とランド(溝の間)で構成され、かつ溝とランドとは案内トラックの1周ご とに切り替わる光ディスクに関する。 本発明の光ディスクの第2の局面は、ウォブルの1周期に含まれる情報がwビ ットである場合に、ID領域と情報記録領域との間の情報未記録領域が、w/1 0ビット以上の長さおよび/またはwビット以下の長さを有する光ディスクに関 する。 本発明の光ディスクの第3の局面は、情報記録領域において記録されるべき情 報が、ウォブルの周波数の所定の移送から開始する光ディスクに関する。 本発明の光ディスクの第4の局面は、セクタがウォルブの周波数の整数倍の長 さを有し、案内トラックの1周ごとに整数個のセクタが含まれる光ディスクに関 する。 本発明の光ディスクの第5の局面は、案内トラック上に構成された複数個のセ クタごとに形成されたID領域と情報記録領域とを有し、ID領域は複数個のア ドレス情報を含み、凹凸信号で記録され、情報記録領域は半径方向に単一の周波 数でウォルブ(微少振動)する溝とランド(溝の間)により構成され、溝とラン ドとは案内トラックの1周ごとに切り替わり、セクタはウォルブの周期の整数倍 の長さを有し、案内トラックの1周ごとに複数個のセクタが含まれ、ウォルブの 案内トラックの1周ごとの初期位相は情報ビットの±nビット以内であり、最終 位相は±mビットであり、これらの関係はn<=m(n、mは自然数)である光 ディスクに関する。 本発明の光ディスク製造装置の第1の局面は、ID領域の信号を発生するID 信号発生手段と、ID領域以外の部分の信号を発生する所定信号発生手段と、単 一の周波数でウォルブ信号を発生するウォルブ信号発生手段と、所定のタイミン グのゲート信号を与えるタイミング信号発生手段と、ID信号または所定信号の いずれかを選択する第1信号選択手段と、2組の内周側および外周側にほぼ1/ 2トラックピッチだけID領域をずらす偏向信号を出力する偏向信号発生手段と 、ウォルブ信号または偏向信号のいずれかを選択する第2信号選択手段と、第2 信号選択手段の出力を受け取って光スポットを偏向させる偏向手段と、光ディス クの1回転ごとにウォルブ信号の位相をリセットするリセット手段とを備えてい る。 本発明の光ディスク装置の第2の局面は、ID信号または所定信号のいずれか を有効にする第1信号選択手段と、タイミング信号を受け取ることにより光スポ ットの大きさを変更する光スポット径調整手段と、タイミング信号によってウォ ルブ信号を有効/無効にするにするON/OFF制御手段と、ON/OFF制御 手段の出力を受け取って光スポットを偏向させる偏向手段と、光ディスクの1回 転ごとにウォルブ信号の位相をリセットするリセット手段とを備えている。 本発明の光ディスクの第6の局面は、少なくともトラック1周分の長さを有す る情報が凹凸のピット列で形成されたROM領域と、少なくともトラック1周分 の長さを有する書換可能領域とが混在し、ROM領域と書換可能領域との間には 少なくともトラック1周分の情報未記録領域が形成されており、書換可能領域は 、半径方向にウォルブするスパイラル状または同心円状の案内トラックを有し、 ROM領域はスパイラル状または同心円状の凹凸ピット列から形成され、情報未 記録領域の書換可能領域側の一部またはすべての領域が、連続的または間欠的に 半 径方向にウォルブするスパイラル状または同心円状の案内トラックを持つ遷移領 域を有する光ディスクに関する。 本発明の光ディスクの第7の局面は、ROM領域がリードイン領域であり、R OM領域のトラックピッチToおよび書換可能領域のトラックピッチTwは以下 の関係:To>=Twを有する光ディスクに関する。 図面の簡単な説明 図1は、本発明の第1の実施形態の光ディスクにおいて、溝とランドとが切り 替わるフォーマット構造を示す図である。 図2は、本発明の第1の実施形態の光ディスクにおけるセクタフォーマットの 詳細図である。 図3は、情報データと案内トラックのウォルブとの位相関係を示す図である。 図4は、本発明の第1の実施形態の光ディスクの概略図である。 図5は、本発明の第1の実施形態の光ディスクにおいて、情報を記録する光デ ィスク装置のブロック図である。 図6(a)は、本発明の第2の実施形態の光ディスクにおいて、1/2トラッ クピッチずらしたID領域の構成図である。 図6(b)は、本発明の第2の実施形態の光ディスクにおけるウォルブの位相 ずれを説明する図である。 図7は、本発明の第2の実施形態の光ディスクにおけるセクタフォーマットの 詳細図である。 図8(a)は、本発明の第3の実施形態の光ディスクにおいて、ランドおよび 溝か独立したアドレスを有するID領域の構成図である。 図8(b)は、本発明の第3の実施形態の光ディスクにおいて、ウォルブの位 相ずれを説明する図である。 図9は、本発明の第4の実施形態に係る光ディスクの製造装置の構成図である 。 図10は、本発明の第5の実施形態に係る光ディスクの製造装置の構成図であ る。 図11は、本発明の第6の実施形態の光ディスクにおいて、再生専用ROM領 域、書換可能領域、および情報未記録領域の関係を示す図である。 図12は、ROM領域と書換可能領域との間の遷移領域の拡大図である。 図13は、本発明の第7の実施形態の光ディスクにおいて、再生専用リードイ ン領域、情報未記録領域、書換可能領域、およびリードアウト領域の関係を示す 図である。 図14は、従来の光ディスクのフォーマットの例を示す図である。 本発明を実施する最良の形態 本発明の実施形態を以下に説明する。 実施形態1 図4は、本発明の第1の実施形態に係る光ディスクの概略図である。 図4に示すように、光ディスクの案内トラックは情報を記録再生する時に光学 ヘッドが追従できるようになっており、1回転する毎に溝(実線)とランド(点 線)とが切り替わるように設計されている。1回転中に複数個のセクタを持ち、 セクタはID領域、情報記録領域、および情報未記録領域から構成されている。 図面で示している案内トラックはスパイラル状であるが、同心円状であってもよ く、逆向きのスパイラルであっても良い。1回転中のセクタ数も任意である。 図1は、本発明の第1の実施形態の光ディスクにおいて、溝とランドとが切り 替わる部分を示す。ID領域はアドレス情報をそれぞれ含むID1、ID2、I D3、ID4の4つの部分からなり、ID1とID2、ID3とID4がそれぞ れペアになり、約1/2トラックピッチの距離だけ案内トラックから内周側また は外周側にずれている。案内トラックはまた、光学ヘッドのトレース方向に対し て直角方向にウォブルしている。 光ディスクの1回転毎のセクタ数がk(k>1)個の場合に、内周側から外周 側に動いて連続記録再生する光学ヘッドの動作を説明する。光学スポットが情報 記録領域のランド#n−1にある場合には、ID領域のID1とID2(#n+ k)およびID3とID4(#n)を連続的にトレースした後、光学スポットは 情報記録領域の溝#nに入り、記録再生を行う。以降、光ディスクが1回転して 戻ってきたとき、光学スポットは情報記録領域の溝#n+k−1からID領域を 通過し、情報記録領域のランド#n+kの部分に入り、記録再生を行う。 図2は、本発明の第1の実施形態の光ディスクのセクタフォーマットの詳細図 である。1セクタの容量は、ID領域、情報未記録領域、および情報記録領域を 含めて2697Bである。実際には、情報は情報記録領域に記録されるが、情報 記録領域は、ガード1領域(20B)、VFO領域(35B)、PS領域(3B)、デ ータ領域(2418B)、PA領域(1B)、およびガード2領域(52B)からな る。このうち、特に2418Bのデータ領域は、SY領域(2B)およびデータ 1、データ2、・・・、データ26(それぞれ91B)の26組から構成される 。データ領域は誤り訂正符号を含み、実際のユーザ容量は2048Bである。I D領域は、ID1(46B)、ID2(18B)、ID3(46B)、およびID4( 18B)からなる。また、情報未記録領域は、ミラー領域(2B)、ギャップ領域 (10B)およびバッファー領域(25B)からなる。 ID1からID4はセクタのアドレスを認識するために設けられ、続いて来る 案内トラックが溝かランドかを認識することも可能である。未記録領域のうち、 ミラー領域およびギャップ領域は記録時のレーザパワーを調整する領域である。 また、バッファー領域は、光ディスク回転変動または光ディスク偏心による情報 データの時間軸方向のずれを調整するために設けられている。バッファー領域は 25Bを有し、2048Bのユーザデータに対して冗長度は約1.2%である。 ガード1領域およびガード2領域は、情報データの繰り返し記録によるデータの 始終端での劣化から記録媒体を保護するためのものである。VFO領域は再生時 に再生クロックを作成するPLL回路の動作を助けるために設けられている。P S領域は情報データの始端を示し、PA領域はディジタル変調に基づく規則に従 って、復調するときに記録される情報の終端データを一義的に決定する。 図3は、本発明の第1の実施形態の光ディスクにおいて、情報データおよび案 内トラックの位相関係を示す。図3においては、ウォブルの位相が0である場合 、情報データビット列の最初のビットであるビット1に対して記録が開始される 。図面の例では位相は0であるが、この位相は任意の位相であっても良い。 図5は、本発明の第1の実施形態の光ディスクにおいて、情報を記録する光デ ィスク装置のブロック図である。図5の光ディスク装置を参照しながら、実際の 光ディスクへの情報データの記録動作を以下に説明する。 図5において、参照番号50は光ディスク、51は入力I/F、52は誤り訂 正符号化器、53はディジタル変調器、54は付加信号発生器、55は多重化器 、56は半導体レーザ変調器、57は光学ヘッド、58はヘッドアンプ、59は TE(トラッキングエラー信号)検出器、5aはヘッド駆動器、5bはID検出 器、5cはタイミング発生器、5dはウォブル信号検出器、そして5eはライト クロック発生器である。 入力I/F51を通して、ディジタル化された音声データ、映像データ、計算 機用データ、および他の重要な情報が入力される。入力データは、誤り訂正符号 発生器52に入力され、誤り訂正符号が計算され入力データに付加される。 一方、光学ヘッド57は光ディスク50に情報を記録するための目標セクタを 見つけるために、光スポットを光ディスク50上のID領域、情報未記録領域、 および情報記録領域に順次トレースされる。すなわち、光学ヘッド57は光ディ スク50にほぼ一定パワーのレーザ光を照射する。その反射光は強度変化を有し 、光学ヘッド上の受光素子により光電変換され、再生信号(RF信号)が検出さ れる。再生信号は微弱な信号なのでヘッドアンプ58により増幅され、次いでT E検出器59、ID検出器5b、およびウォブル信号検出器5dに入力される。 TE検出器に入力された信号は、その信号を基に光ディスクの溝またはランドが トラッキングされているかどうかをトラッキングし、そして検出したTE信号、 および位相TE信号、およびランド/溝の位相情報がヘッド駆動器5aに入力さ れる。ヘッド駆動器5aはそれらの信号から光スポットを光ディスク50にトラ ッキングするための駆動信号を光学ヘッド57に送る。その結果、光スポットは 光ディスク50の案内トラックを正確にトレースすることが可能になる。 このようにトラッキングが作動した状態で、ID検出器5bに入力した信号は 0または1の二値化、すなわちディジタル化される。二値化されたディジタル信 号列から、まず、目標とするセクタのアドレスを検索する。加えて、得られた4 つのアドレス値により、ランドから溝へまたは溝からランドへの切り替え方法が わかり、従ってトラッキングにおいてランドか溝かの位相信号としても用いるこ とができる。 以上のように動作した結果、ID検出器56によりアドレスを検出したタイミ ングをタイミング発生器5cに送ると、タイミング発生器5cは誤り訂正符号発 生器52、ディジタル変調器53、付加信号発生器54、および多重化器55を 所定の時間に動作させるために、各種タイミング信号を作成して送出する。 通常、タイミング発生器5cは固定のクロックを使用して各種信号を作成する が、本発明の光ディスク50では、案内トラックからウォブル信号を検出し、特 定の周波数の信号を取り出せるために、この信号から光ディスク50の回転に同 期したクロックを作成することができる。つまり、図5のヘッドアンプ58から の出力信号を受け取ったウォブル信号検出器5dは、その信号から特定の周波数 のウォブル信号を例えばバンドパスフィルタを通して抜き取る。抜き取った信号 はライトクロック発生器5eに送られる。ライトクロック発生器5eでは、PL L回路により回転に同期したクロック信号が作られる。 ライトクロック発生器5eで作成された光ディスク50の回転に同期したクロ ックはディジタル信号発生器53、付加信号発生器54、多重化器55、および タイミング信号発生器5cに送られる。 誤り訂正符号化器52からの出力信号つまり情報データおよび誤り訂正符号デ ータを受け取ったディジタル変調器53は、特定の規則に基づいて元の0と1と が連続するデータを一義的に別の0と1が連続するデータに置き換える。ディジ タル変調器53からの出力は多重化器55に入力される。一方、付加信号発生器 54は、図2で示したデータ領域以外のガード1領域、VFO領域、PS領域、 ガード2領域等に対する信号を発生する。PA領域に対する信号は、通常、ディ ジタル変調の特定の規則に基づいているため、ディジタル変調器53で発生する 。データ領域のSY信号の発生は付加信号発生器54でもディジタル変調器53 でも可能である。付加信号発生器54からの出力は多重化器55に入力される。 多重化器55に入力された2つの信号はタイミングの調整がされて、半導体レー ザ変調器56に入力される。半導体レーザ変調器56では、光学ヘッド57に搭 載されている半導体レーザの出力を変調するための駆動信号を作成し、光学ヘッ ド57に送る。 所定の出力値を持った光ビームが光学ヘッド57から光ディスク50に照射さ れ、光ディスク50に情報データが記録される。 従来のように、情報データを固定のクロックにより処理して記録動作を行なう と、光ディスクの回転に同期していないため、最悪の場合、情報データが決めら れたセクタ長の中に記録されない可能性があった。しかし、案内トラックがウォ ブルまたは振動する本発明の光ディスクを用いることによって、上述のように回 転に同期したクロックを使うことができる。その結果、確実に所定のセクタ内に 情報データを記録できるようになった。 また、ウォルブ信号から作成されるクロックは、実際にはクロック信号を作成 するPLL回路の性能上、ウォルブの位相からのずれを生じる。セクタの情報未 記憶領域の長さは、ウォルブの位相ずれを考慮して以下のように決定される。 ウォルブ信号にはノイズが含まれるため、ウォルブ信号から作成されるクロッ クには位相ずれが生じる。ウォルブ信号のC/Nを15dB、およびウォルブ信 号からクロックを作成するPLL回路のバンド幅を1kHzと仮定し、ウォルブ 信号に含まれるノイズ成分が通常分布であり、さらにウォルブ信号が固定スライ スによって二値化できなくなる確率が10万分の1になるノイズレベルまで考慮 すると仮定し、さらにウォルブの1周期に入る情報ビット量をwビットと仮定す ると、最小位相ずれは0.15wビットど計算される。一方、最大位相ずれを約 ±w/2ビットに押さえることは容易である。これにより、セクタの記録クロッ クのずれを吸収する情報未記憶領域の長さを0.1wビット以上wビット以内に 制御することができる。 ウォブルの一周期に含まれる情報データ量を93ビットと仮定して計算すれば 、+方向および−方向にずれる可能性があるので、情報未記録領域の長さは約w /10=9.3ビット以上93ビット以内で良い。 しかしながら、本実施態様ではさらに信頼性を高めるために、未記録領域つま りバッファー領域のデータ容量を適正値の約2倍、すなわち25B=200ビッ トに設定した。適正値の25Bの約2倍のデータ容量でも、2048Bのユーザ データ容量に対して約1.2%であり、従来の2.9%と比較してかなり低い値 である。 この時、図2で示したセクタフォーマットでは、セクタ全体は2697Bであ り、各々のセクタには93ビットの232ウォルブ周期がある。さらに、1トラ ックはセクタの整数倍から構成されている。従って、セクタ毎にかつトラック1 周毎にウォブル位相が完結するため、記録再生装置の設計が簡易になる。さらに 、トラック毎にウォブルの位相が変わってしまうという問題も解消される。 記録される情報データが音声データまたは(動画)映像データの場合、連続し て発生する情報を処理し記録しなければならない。しかし、セクタ毎にID領域 のアドレスを確認しながら記録を行うと、アドレスを検出できなかった時、連続 して入力されるデータを完全に記録しきれなくなる。また、アドレスを検出でき なかった時に、前のセクタのアドレスから予測して記録することも可能であるが 、固定クロックのカウント値に基づいて予測を行うために、光ディスクの回転変 動により、カウント値に誤差が累積する。その結果、当該セクタに記録されるべ きデータが、連続するセクタにまたがってしまう可能性がある。 しかし、本発明の第1の実施形態の光ディスクのフォーマットでは、ウォブル 信号を基準として用いるため、上記の課題は容易に解決できる。図3で示したよ うに、ウォブル信号の位相0を基準に記録開始点をセクタ毎に決定すれば、ウォ ブル信号の検出ミスがない限り、アドレス検出ができなくても連続記録が可能で ある。加えて、各セクタにおいてクロックのカウント値が累積することが生じな い。 各領域では、所定のデータ配分は任意である。図2におけるセクタフォーマッ トのデータ量およびデータ配分も単なる一例であり、これに限定されるものでは ない。 以上説明したように、本発明の第1の実施形態の光ディスクによれば、音声デ ータおよび(動画)映像データのような連続する情報データを記録する際、各セ クタに付与されたID領域のアドレスを検出できなかった時でも、ウォルブ信号 から確実にクロックを発生させることにより連続記録ができ、従来以上の大容量 化が実現できるフォーマットを提供することが可能である。 実施形態2 図6(a)は、本発明の第2の実施形態の光ディスクにおけるL/G(ランド と溝との両方で情報を記録再生する)方式での光ディスクのアドレス領域を示す 。図6(a)の光ディスクにおいては、ID領域におけるアドレス情報が2組に なっており、内周側または外周側に1/2トラックピッチだけ距離がずれている 。凹凸信号の幅は、情報記録領域における溝およびランドの幅に略等しい。溝お よびランドはトラック1周毎に入れ替わる。ID領域は2つの部分IDaとID bとからなり、それぞれアドレス情報を含み、案内トラックから内周側または外 周側にトラックピッチの約1/2の距離だけずれている。すなわち、隣り合う溝 およびランドは、1つのアドレスを共有している。案内トラック(情報記録領域 )は光学ヘッドのトレース方向に対して直角方向(半径方向)にウォルブしている 。 図6(b)は、本発明の第2の実施態様の光ディスクにおいて、各トラック毎 に溝とランドとが切り替わる点でのウォルブの位相ずれを説明する。ウォルブは 各セクタの整数倍の周期を有し、トラックは1周毎に整数個のセクタを有してい る。従って、光ディスクの1周においては、ウォルブの位相は連続するはずであ るが、製造時の光ディスクの回転変動等の影響により、光ディスクの1回転とデ ータ処理の基準としてのクロックとの間でずれが生じ、ウォルブの位相は完全に 一致しなくなる場合がある。従って、ウォルブの位相の中で、ウォルブ開始の初 期位相とトラック1周後の最終位相とを所定の値に設定しなければならない。 案内トラックの1周毎のウォルブの初期位相を情報ビットの±nビットとし、 最終位相を情報ビットの±mビットとすると、回転変動の影響がなく精度が安定 であるのは初期位相であり、回転変動の影響を最も受けるのは最終位相であるの で、n≦mの関係が成立する。 初期位相に関しては、トラック1周毎にリセットすることにより、位相ずれの 蓄積がなくなるようにしている。従って、通常、初期位相は情報ビットの±1ビ ット以内に調整される。 最終位相mの条件を以下に説明する。 できあがった光ディスクにおいて溝と隣接する溝との間の中間のランド(ラン ドはカットされていない)を光スポットがトレースする場合において、ウォルブ の周波数をω、溝をカットする際のずれをθ、隣接する溝における位相ずれを− θとする。位相ずれのない理想的な状態において得られるウォルブ信号をA・C OSωTとすると、位相すれを有する実際のウォルブ信号は、 A・COS(ωt+θ)+A・COS(ωt−θ)=2A・COSθ・COSωt となる。つまり、ウォブル信号が位相ずれ分(COSθ)により変調された信号 となってしまう。その結果、回路動作上で不都合を生じてしまう可能住が生じる 。そこで、可能な限りこの位相ずれを減らし、位相ずれが累積しないようにする 必要がある。その位相ずれθが周期の1/10以内であれば、 (COSθ)<=(COS(2π/10))=0.81 であり、元の信号レベルが確保されており、位相ずれは十分許容できる範囲内で ある。すなわち、ウォルブの1周期を情報ビットのwビットとすると、ウォルブ 信号の品質が事実上十分となる最終位相mとの関係は、 m≦w/10 となる。 ここでは、ウォルブ信号の初期位相を、ID領域の前部と情報記録領域との境 界で0に調整しているが、例えば、ID領域の後部と情報記録領域との境界のよ うな別の場所であっても良い。 本発明の第2の実施形態の光ディスクのセクタフォーマットの詳細を図7に示 す。この図は、上述した第1の実施形態の光ディスクのフォーマットを示す図2 と基本的に同じである。異なるところは、ガード1領域(20+I B)、ガード 2領域(55−I B)、ギャップ領域(10+j/16 B)、およびバッファ領域 (25−j/16 B)である。ここでは、Iは0から7までの整数であり、jは 0から16までの整数であり、Iおよびjはランダムに選択され、ガード1領域 、ガード2領域、ギャップ領域、およびバッファー領域の長さは記録の度に変化 する。この結果、繰り返し記録による記録媒体の劣化を防止でき、記録回数が改 善される。 以上説明したような本発明の第2の実施形態の光ディスクによれば、案内トラ ックの1周には整数個のセクタが含まれ、セクタ長はウォルブの周期の整数倍に 設定され、ウォルブの初期位相および最終位相は所定の精度内であるので、記録 再生時にはウォルブの位相が一致するため、光ディスクのトラッキング制御およ びクロック生成を安定化させることができる。 実施形態3 図8(a)は、本発明の第3の実施形態の光ディスクにおけるL/G(ランド および溝の両方で情報を記録再生する)方式の光ディスクのアドレス情報を示す 。図8(a)の光ディスクにおいては、ID領域のアドレス情報はランドおよび 溝にそれぞれ独立して付与されており、ランドおよび溝の中央部に位置している 。隣接するトラックからのクロストークを抑制するために、ID領域における凹 凸信号のピット幅は溝またはランドのピット幅よりも狭くなっている。 図8(b)は、本発明の第3の実施形態の光ディスクにおいて、トラックの1 周毎における溝とランドとの切り替え点でのウォルブの位相ずれを説明している 。ウォルブはセクタ毎に複数倍の周期を有し、トラックは1周毎に整数個のセク タを有している。従って、光ディスク1周では、ウォルブの位相は連続になるが 、製造時の光ディスクの回転変動のような影響により、光ディスクの1回転とデ ータ処理の基準となるクロックとの間でずれが生じ、そのためウォルブ位相は完 全に一致しない。従って、ウォルブ位相の中では、ウォルブ開始時の初期位相と トラック1周後の最終位相とを所定の値に設定しなければならない。 案内トラックの各周毎のウォルブの初期位相を情報ビットの±nビットとし、 最終位相を情報ビットの±mビットと仮定すると、回転変動の影響がなく精度が 安定なのは初期位相であり、回転変動の影響を最も受けるのは最終位相であるの で、n≦mの関係が成立する。 初期位相に関しては、トラック1周毎にリセットすることにより、位相ずれの 蓄積がなくなるようにしている。従って、通常、初期位相は情報ビットの±1ビ ット以内に調整される。 第2の実施形態の光ディスクと同様に、ウォルブの1周期を情報ビットのwビ ットと仮定すると、最終位相mとの関係はm≦w/10となる。 以上説明したように、本発明の第3の実施形態の光ディスクによれば、ID領 域のアドレスはランドおよび溝にそれぞれ独立して付与されており、案内トラッ クの1周に整数個のセクタが含まれ、セクタ長はウォルブの周期の整数倍に設定 されており、ウォルブの初期位相および最終位相は所定の精度であるので、ウォ ルブ位相は記録再生時で一致し、光ディスクのトラック制御およびクロック生成 を安定化させることができる。 実施形態4 図9は、本発明の第4の実施形態に係る光ディスクの製造装置を示す。この光 ディスク製造装置は、図6(a)および図6(b)において説明した、ID領域 において2組のアドレス情報を有し、1/2トラックピッチの距離だけ内周側ま たは外周側にずらした光ディスクを製造することを目的としている。 この光ディスク製造装置を用いて、実際の光ディスクのカッティング動作を以 下に説明する。図9において、参照番号150は光ディスク原盤、151は光学 ヘッド、152はスピンドルモータ、153は一回転信号検出器、154はスピ ンドルモータ回転制御器、155はリセット信号発生器、156は基準クロック 発生器、157はレーザ出力変調器、158は送り制御器、159はウォブル信 号発生器、160は第1信号選択器、161はタイミング信号発生器、162は 所定信号発生器、163はID信号発生器、164は第2信号選択器、165は 偏向信号発生器、166は偏向器である。 光ディスク原盤150にID情報および案内トラックの溝(ランド)を形成す るため、スピンドルモータ152に取り付けられた光ディスク原盤150を回転 させ、半径方向に送り制御をかけながら、光学ヘッド151は出力変調されたレ ーザ光を発光させ、光ディスク原盤150に照射する。 より詳細には、スピンドルモータ152の回転を制御するために、スピンドル モータ回転制御器154は、スピンドルモータ152からの回転に伴った信号( 例えば周波数発生信号)を受け取って、その信号を基準クロック発生器156か らのクロックと比較して、スピンドルモータの回転速度および位相を調整する。 しかし、スピンドルモータ152の応答特性、光ディスク原盤150の偏心等の 影響により、基準クロックにビット単位で正確に一致させることは一般的に難し い。 一方、光学ヘッド151から出力されるレーザ光出力の変調は次のように行わ れる。ID領域の信号は、ID信号発生器163から出力される。ID信号発生 器163で生成された信号は、基準クロック発生器156から出力されたクロッ クを基に、このクロックに同期して、0または1のディジタルデータ列として出 力される。ID信号発生器163は、1回転に同期したリセット信号をリセット 信号発生器155から受け取って、1回転毎に同期させる。ID信号発生器16 3からの出力は第1信号選択器160に入力される。 溝の形成時に、所定のデータが所定信号発生器162から得られる。通常、溝 の形成時にレーザを発光させる一方、ランドではレーザ光を発光させない。従っ て、出力信号は一回転毎に切り替わり、レーザは1回転毎に点滅(出力大/小) を繰り返す。 所定信号発生器162からの信号も第1信号選択器160に入力される。第1 信号選択器160からの出力信号はタイミング信号発生器161の出力によって 、2つの入力信号のどちらを出力するかを選択する。IDIからID4のアドレ ス領域において、ID信号発生器163からの信号を選択し、それ以外の領域で は所定信号発生器162からの信号を選択する。タイミング信号発生器161は 、基準クロック発生器156から出力された基準クロックと、リセット信号発生 器155からの出力されたリセット信号を受け取り、各種信号を選択するタイミ ング信号を作成して出力する。第1信号選択器160からの出力信号を受け取っ て、レーザ出力変調器157は所定の強度のレーザ光が光学ヘッド151から出 力されるように、光学ヘッド151に信号を送出する。その結果、光学ヘッド1 51は所定の出力値でレーザ光を発光し、光ディスク原盤150に照射する。 案内トラックへのウォルブの発生は、ウォルブ信号発生器159からのウォル ブ信号が用いられる。ID領域では、偏向信号発生器165の偏向信号を用いる ことによって1/2トラックピッチだけアドレスをずらす。ウォルブ信号および 偏向信号は、第2信号選択器164によるタイミング信号発生器からの信号によ って選択される。第2信号選択器164の出力は偏向器166に接続される。偏 向器166は、ID領域において1/2トラックピッチだけ光スポットを偏向さ せ、ID領域以外の領域では半径方向に光ビームまたはスポットを振動させ、こ れにより溝をウォルブ(振動)させる。光学ヘッド151は、送り制御器158 の信号により1回転でトラックピッチの部分に対応した距離だけ半径方向に移動 する。 以上のようにして、光ディスク原盤150はカッティングされるが、スピンド ルモータ152の回転とウォブル信号発生器159の出力信号との位相が回転変 動または光ディスク原盤150の偏心等の影響によってずれる。そこで、1回転 毎にウォブル信号の初期位相を揃えるため、一回転信号検出器153からの出力 信号をもとにリセット信号発生器155がウォブル信号発生器159を1回転毎 にリセットする。その結果、光ディスク原盤150の実際の回転に応じて、ウォ ブル信号の位相を1周毎に1回、特定の場所で正確に揃えることができ、これに より位相ずれが累積してしまう可能比を取り除くことができる。 実施形態5 図10は、本発明の第5の実施形態に係る光ディスクの製造装置を示す。この 光ディスク製造装置は、図8(a)および図8(b)において説明したような、 ID領域のアドレス情報をランドおよび溝の中央部分にそれぞれ独立して有する 光ディスクを製造することを目的にしている。 図10においては、本発明の第4の実施形態における光ディスクの製造装置の 構成を示す図9と異なる点についてのみ以下で説明する。 図9と異なる点は、ON/OFF制御器200および光スポット径調整器20 1である。ON/OFF制御器200は、ウォルブ信号発生器159の信号を制 御し、ID領域以外の案内トラックをウォルブさせる。光スポット径調整器20 1は、液晶などを使って、光学定数の開口率NAを変化させ、光スポットの有効 径を可変させる。 図10を参照しながら、実際の光ディスクのカッティング動作の概要を以下に 説明する。第4の実施形態における光ディスク製造装置と同じ操作の説明は省略 する。 ID信号発生器163からのID領域の信号が、第1の信号選択器160に入 力される。 所定信号発生器162からの溝を形成するための所定の信号が第1信号選択器 160に送られる。第1信号選択器160からの出力信号は、タイミング信号発 生器161の出力によって選択される。IDIからID4のアドレス領域におい ては、ID信号発生器163からの信号が選択され、他の領域では、所定信号発 生器162からの信号が選択される。 第1信号選択器160からの出力信号を受け取って、レーザ出力変調器157 は所定の強度のレーザ光が光学ヘッド151から出力されるように、光学ヘッド 151に信号を送出する。この結果、光学ヘッド151は所定の出力値でレーザ 光を発光し、光ディスク原盤150に照射される。 案内トラックにおいてウォルブを発生させるため、ウォルブ信号発生器159 からのウォルブ信号が用いられる。ウォルブ信号はON/OFF制御器200に 送られ、タイミング信号発生器161からの信号によってID領域以外の領域で ウォルブ信号がオンにされる。ON/OFF制御器200の出力は、偏向器16 6に接続される。偏向器166はID領域以外の領域で光スポットを半径方向に 振動させ、溝をウォルブさせる。さらに、タイミング信号発生器161からの信 号により、光スポット径制御器201はID領域において光スポットを小さくす るように制御する。光学ヘッド151は送り制御器158からの信号によって1 回転でトラックピッチ分だけの距離を半径方向に移動させる。 このようにして、光ディスク原盤150がカッティングされるが、スピンドル モータ152の回転およびウォルブ信号発生器159の出力信号の位相が、光デ ィスク原盤150の回転変動または偏心の影響によりずれてしまう。そこで、1 回転毎にウォルブ信号の初期位相を揃えるため、一回転信号検出器153からの 出力信号に基づいてリセット信号発生器155が1回転毎にウォルブ信号発生器 159をリセットする。この結果、光ディスク原盤150の実際の回転によって 、ウォルブ信号の位相は1回転毎に所定の位置に正確に揃えられ、これにより位 相ずれが蓄積してしまう可能性が除去される。 実施形態6 図11は、本発明の第6の実施形態の光ディスクにおいて、再生専用ROM領 域、情報を書き換えることができる書換可能領域、および情報未記録領域の関係 を示す。 図11に示すように、再生専用ROM領域、情報を書き換えることができる書 換可能領域、およびROM領域ど書換可能領域との間の中間に設けられた情報未 記録領域があり、情報未記憶領域の書換可能領域側の一部または全ての領域に遷 移領域が設けられている。ROM領域と書換可能領域との間の遷移領域の拡大図 を図12に示す。遷移領域の構成は2種類考えられる。1つは、図12に示す遷 移領域のように、アドレス領域であるIDを含まず、ウォルブ信号を含む連続案 内トラックから構成される。もう1つは、書換可能領域のように、アドレス領域 であるID領域を含む構成である。いずれの場合でも、記録処理のための処理ク ロックを生成することができる。 例えば、セクタ#0に情報を記録する場合、情報未記録領域のうちの遷移領域 (溝)に光スポットをトラッキングさせた後、RF信号から得られるウォブル信 号を基に記録処理するためのクロックを得ることができる。但し、ここでは光ス ポットの移動方向は矢印方向(図面左から右)と仮定している。遷移領域に光ス ポットを引き込むために、遷移領域の長さは少なくとも1トラック分必要となる 。なぜなら、光ディスクの回転中に、入射角が特定できないからである。 図12では、遷移領域がトラック3周分あり、1回転毎に溝とランドが切り替 わる。遷移領域における溝とランドとの切り替えスポットはID領域の先頭を内 周側に延長した部分であってもいいし、ID領域の最後部を内周側に延長した部 分であっても構わない。あるいは、溝とランドが切り替わらなくてもよい。 セクタ#0はランドトラックから始まることは必ずしも必要ではなく、溝トラ ックから始まってもよい。 上述のように、本実施形態の光ディスクによれば、情報未記録領域の書換可能 領域側の一部または全ての部分に遷移領域を設けることにより、書換可能領域の 先頭部であるセクタ#0において溝から安定に記録クロックを生成することがで きる。 実施形態7 図13は、本発明の第7の実施形態の光ディスクにおいて、再生専用リードイ ン領域、遷移領域を含む情報未記憶領域、書換可能領域、およびリードアウト領 域の関係を示す図である。 ここでは、再生専用のROM領域であるリードイン領域のトラックピッチTo と書換可能領域のトラックピッチTwとは、To>=Twの関係になるように設 定している。つまり、データ容量の異なる幾つかの光ディスクにおいて、リード イン領域のトラックピッチを一定にしておく一方、データ容量を変えるために書 換可能領域のトラックピッチを変更できるようにしておく。この結果、書換可能 領域のデータ容量が一番小さくなる場合にはTo=Twとなり、書換可能領域の 容量が増える場合には、書換可能領域のトラックピッチTwが狭くなる。 以上説明したように、本実施形態の光ディスクにおいては、リードイン領域の トラックピッチToと書換可能領域のトラックピッチTwとを、To>=Twの 関係になるように設定することにより、書換可能領域におけるデータ容量が異な る光ディスクであっても、最初に再生するリードイン領域のトラックピッチは同 じであるので、容易に再生することができる。加えて、再生した制御情報に従っ て書き換え領域のトラックの特性を知ることにより、トラックの特性に応じてト ラッキング制御が達成され、互換性が保証される。 産業上の利用可能性 本発明により、データ蓄積容量が向上した光学データ記録ディスクにおける所 定の使用方法が見いだされる。従って、音楽および映像データのような一般的な コンピュータデータの量が増えた場合であっても、光ディスクに納めることがで きる。さらに、セクタアドレスを決定する固定クロックを使用しないので、本発 明により連続的な映像および音声データを光ディスク上に記録することができる 。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成10年12月15日(1998.12.15) 【補正内容】 請求の範囲 1.案内トラック上に複数個のセクタを備え、該各セクタは、ID領域(ID 1、ID2、ID3、ID4)、情報記録領域(ガード1、VFO、PS、データ 、PA、ガード2)、および該ID領域と該情報記録領域との間に設けられた情 報未記録領域(ミラー、ギャップ、バッファ)を有し、該情報記録領域は、該案 内トラックに対して半径方向に単一の周波数で振動する溝とランドとを備えた光 ディスクにおいて、 該ID領域は凹凸信号で記録され2つの組から構成される複数個のアドレス情 報を含み、各組は該案内トラックに隣接する内周および外周トラックのいずれか 一方の方向に約1/2トラックピッチずれており、該溝とランドとは該案内トラ ックの1回転毎に切り替わることを特徴とする、光ディスク。 2.前記振動する溝およびランドの1周期に記録される情報がwビットである 場合に、前記ID領域と前記情報記録領域との間の前記情報未記録領域が少なく とも(i)w/10ビット以上か(ii)wビット以下の長さを有する、請求の 範囲第1項に記載の光ディスク。 3.前記記録領域の情報が、前記振動の周波数の所定の位相から開始する、請 求の範囲第1項に記載の光ディスク。 4.各セクタは前記振動の周波数の整数倍に対応する長さを有し、整数個の前 記検出器は案内トラックの1回転毎に含まれている、請求の範囲第1項に記載の 光ディスク。 5.案内トラック上に複数個のセクタを備え、該各セクタはID領域(ID1 、ID2、ID3、ID4)および情報記録領域(ガード1、VFO、PS、デ ータ、ガード2)を有し、該ID領域は複数個のアドレス情報を含み、かつ凹凸 信 号で記録され、該情報記録領域は該案内トラックに対して半径方向に単一の周波 数で振動する溝およびランドを備え、 該溝およびランドは該案内トラックの1回転毎に切り替わり、各該セクタは該 振動の周波数の周期の整数倍に対応した長さを有し、該案内トラック1周毎に整 数個の該セクタが含まれ、該案内トラックの1回転毎の初期振動位相が情報ビッ トの±nビット以内であり、最終位相が±mビット以内であり、ここでnおよび mは自然数であり、nはm以下であることを特徴とする、光ディスク。 6.前記ID領域における複数個のアドレス情報が2つの組から構成され、各 組は、該案内トラックに隣接する内周および外周トラックのいずれか一方の方向 に前記溝とランドとの間で約1/2ピッチずれている、請求の範囲第5項に記載 の光ディスク。 7.前記ID領域における複数個のアドレス情報が前記案内トラック上に配置 されている、請求の範囲第5項に記載の光ディスク。 8.前記振動の周波数の1周期が情報ビットのwビットを含み、最終位相mの 値がm<=w/10ビット以内である、請求の範囲第5項に記載の光ディスク。 9.ID領域の信号を発生するID信号発生手段(163)と、該ID領域以 外の部分の信号を発生する所定信号発生手段と、単一周波数の振動信号を発生す る振動信号発生手段と、所定のタイミングのゲート信号を発生するタイミング信 号発生手段(161)と、ID信号および該所定信号を受け取って該タイミング 信号により該2つの入力信号のどちらかを有効にする第1信号選択手段(160 )とを備えた光ディスク製造装置において、 該ID領域をトラックの内周側に溝とランドとの間で約1/2トラックピッチ ずらす偏向信号を出力する偏向信号発生手段(165)と、振動信号および偏向 信号の出力を受け取って該タイミング信号により2つの入力信号のどちらかを有 効にする第2信号選択手段(162)と、該第2信号選択手段の出力を受け取っ て光スポットを偏向させる偏向手段(166)と、光ディスク(150)の1回 転毎に該振動信号の位相をリセットするリセット手段(155)とを備えたこと を特徴とする、光ディスク製造装置。 10.ID領域の信号を発生するID信号発生手段(163)と、該ID領域 以外の部分の信号を発生する所定信号発生手段と、単一周波数の振動信号を発生 する振動信号発生手段と、所定のタイミングのゲート信号を発生するタイミング 信号発生手段(161)と、ID信号および該所定信号を受け取って該タイミン グ信号により2つの入力信号のどちらかを有効にする第1信号選択手段(161 )とを備えた光ディスク製造装置において、 該タイミング信号を受け取って光スポットの大きさを変更する光スポット径調 整手段(201)と、該タイミング信号により前記振動信号を有効/無効にする ON/OFF制御手段(200)と、該ON/OFF制御手段(200)の出力 を受け取って光スポットを偏向させる偏向手段(166)と、該光ディスク(1 50)の1回転毎に該振動信号の位相をリセットするリセット手段(155)と を備えたことを特徴とする、光ディスク製造装置。 11.少なくともトラック1周分の長さを有し、凹凸のピット列から形成され た情報を有するROM領域と、少なくともトラック1周分の長さを有する情報を 書き換えることができる書換可能領域と、該ROM領域と該書換可能領域との間 に設けられて少なくともトラック1周分の長さを有する情報未記録領域とを有し 、該書換可能領域は半径方向に振動するスパイラル状または同心円状の案内トラ ックを有し、該ROM領域はスパイラル状または同心円状の凹凸のピット列を有 する光ディスクにおいて、 該情報未記録領域の書換可能領域側の少なくとも一部の領域が連続的または間 欠的に半径方向に振動するスパイラル状または同心円状の案内トラックを持つ遷 移領域を有し、ここで該ROM領域のトラックピッチToと該書換可能領域であ る溝とランドとの間のトラックピッチTwとがTo>=Twの値を有する、光デ ィスク。 【手続補正書】 【提出日】平成11年8月23日(1999.8.23) 【補正内容】 請求の範囲 1.案内トラック上に複数個のセクタを備え、該各セクタは、ID領域(ID 1、ID2、ID3、ID4)、情報記録領域(ガード1、VFO、PS、デー タ、PA、ガード2)、および該ID領域と該情報記録領域との間に設けられた 情報未記録領域(ミラー、ギャップ、バッファ)を有し、該情報記録領域は、該 案内トラックに対して半径方向に単一の周波数で振動する溝とランドとを備えた 光ディスクにおいて、該ID領域は凹凸信号で記録され2つの組から構成される 複数個のアドレス情報を含み、各組は該案内トラックに隣接する内周および外周 トラックのいずれか一方の方向に該溝とランド間の約1/2トラックピッチずれ ており、該溝とランドとは該案内トラックの1回転毎に切り替わることを特徴と する、光ディスク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),CN,ID,JP,K R,MX,SG (72)発明者 佐藤 勲 大阪府寝屋川市成田東が丘36―12

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.案内トラック上に複数個のセクタを備えた光ディスクであって、各該セク タは、ID領域、情報記録領域、および該ID領域と該情報記録領域との間に設 けられた情報未記録領域を有し、該ID領域は、複数個のアドレス情報を含み、 かつ凹凸信号で記録され、かつ該案内トラックと隣接する内周および外周トラッ クのいずれか一方の方向に約1/2トラックピッチずらした2つの組から構成さ れ、 該情報記録領域は該案内トラックに対して半径方向に単一の周波数で振動する 溝とランドとから構成され、該溝とランドとは該案内トラック1周毎に切り替わ る、光ディスク。 2.前記振動する溝およびランドの1周期に記録される情報がwビットである 場合に、前記ID領域と前記情報記録領域との間の前記情報未記録領域が少なく とも(i)w/10ビット以上か(ii)wビット以下の長さを有する、請求の 範囲第1項に記載の光ディスク。 3.前記記録領域の情報が、前記振動の周波数の所定の位相から開始する、請 求の範囲第1項に記載の光ディスク。 4.各セクタは前記振動の周波数の整数倍に対応する長さを有し、整数個の前 記検出器が案内トラックの1回転毎に含まれている、請求の範囲第1項に記載の 光ディスク。 5.案内トラック上に複数個のセクタを備えた光ディスクであって、各該セク タは、ID領域および情報記録領域を有し、該ID領域は複数個のアドレス情報 を含み、かつ凹凸信号で記録され、該情報記録領域は該案内トラックに対して半 径方向に単一の周波数で振動する溝およびランドを備え、該溝およびランドは該 案内トラックの1回転毎に切り替わり、各該セクタは該振動の周波数の周期の整 数倍に対応した長さを有し、該案内トラック1周毎に整数個の該セクタが含まれ 、該案内トラックの1回転毎の初期振動位相が情報ビットの±nビット以内であ り、最終位相が±mビット以内であり、ここでnおよびmは自然数であり、nは m以下である、光ディスク。 6.前記ID領域における複数個のアドレス情報が2つの組から構成され、各 組は、該案内トラックに隣接する内周および外周トラックのいずれか一方の方向 に約1/2ピッチずれている、請求の範囲第5項に記載の光ディスク。 7.前記ID領域における複数個のアドレス情報が前記案内トラック上に配置 されている、請求の範囲第5項に記載の光ディスク。 8.前記振動の周波数の1周期が情報ビットのwビットを含み、最終位相mの 値がm<=w/10ビット以内である、請求の範囲第5項に記載の光ディスク。 9.ID領域の信号を発生するID信号発生手段と、該ID領域以外の部分の 信号を発生する所定信号発生手段と、単一周波数の振動信号を発生する振動信号 発生手段と、所定のタイミングのゲート信号を発生するタイミング信号発生手段 と、ID信号および該所定信号を受け取って該タイミング信号により該2つの入 力信号のどちらかを有効にする第1信号選択手段と、該ID領域をトラックの内 周側および外周側に約1/2トラックピッチずらす偏向信号を出力する偏向信号 発生手段と、振動信号および偏向信号の出力を受け取って該タイミング信号によ り2つの入力信号のどちらかを有効にする第2信号選択手段と、該第2信号選択 手段の出力を受け取って光スポットを偏向させる偏向手段と、光ディスクの1回 転毎に該振動信号の位相をリセットするリセット手段とを備えた光ディスク製造 装置。 10.ID領域の信号を発生するID信号発生手段と、該ID領域以外の部分 の信号を発生する所定信号発生手段と、単一周波数の振動信号を発生する振動信 号発生手段と、所定のタイミングのゲート信号を発生するタイミング信号発生手 段と、ID信号および該所定信号を受け取って該タイミング信号により2つの入 力信号のどちらかを有効にする第1信号選択手段と、該タイミング信号を受け取 って光スポットの大きさを変更する光スポット径調整手段と、該タイミング信号 により前記振動信号を有効/無効にするON/OFF制御手段と、該ON/OF F制御手段の出力を受け取って光スポットを偏向させる偏向手段と、該光ディス クの1回転毎に該振動信号の位相をリセットするリセット手段とを備えた光ディ スク製造装置。 11.少なくともトラック1周分の長さを有し、凹凸のピット列から形成され た情報を有するROM領域と、少なくともトラック1周分の長さを有する情報を 書き換えることができる書換可能領域と、該ROM領域ど該書換可能領域との間 に設けられて少なくともトラック1周分の長さを有する情報未記録領域とを有し 、該書換可能領域は半径方向に振動するスパイラル状または同心円状の案内トラ ックを有し、該ROM領域はスパイラル状または同心円状の凹凸のピット列を有 し、該情報未記録領域の書換可能領域側の少なくとも一部の領域が連続的または 間欠的に半径方向に振動するスパイラル状または同心円状の案内トラックを持つ 遷移領域を有する、光ディスク。 12.遷移領域の案内トラックは、少なくとも1個の溝およびランドを備えて いる、請求の範囲第11項に記載の光ディスク。 13.遷移領域の長さは少なくとも前記案内トラック1周分の長さと等しい、 請求の範囲第11項に記載の光ディスク。 14.ROM領域はリードイン領域である、請求の範囲第11項に記載の光デ ィスク。 15.前記ROM領域のトラックピッチToと前記書換可能領域のトラックピッ チTwとがTo>=Twの値を有する、請求の範囲第14項に記載の光ディスク。
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