JP2001502528A - ヒト顆粒球エールリヒア症の予防および診断のための組成物ならびに方法 - Google Patents

ヒト顆粒球エールリヒア症の予防および診断のための組成物ならびに方法

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Abstract

(57)【要約】 ヒト顆粒球エールリヒア症の予防、処置、および診断のための方法および組成物。aoHGEポリペプチド、その血清型変異体、そのフラグメント、およびその誘導体。これらを含む融合タンパク質および多量体タンパク質。aoHGEポリペプチド単独またはさらなる他の保護aoHGEポリペプチドを含むワクチン。組成物および方法に有用なDNA配列、組換えDNA分子、および形質転換宿主細胞。aoHGEポリペプチドに対して指向される抗体、およびポリペプチドまたは抗体を含む診断キット。

Description

【発明の詳細な説明】 ヒト顆粒球エールリヒア症の予防および診断のための組成物ならびに方法 本明細書は、米国特許法120条の下に、米国特許分割出願番号第60/027,180号 (1996年10月1日出願)の優先権を主張する。 本発明は、米国国立衛生研究所により支援された、助成金番号第AI 26815号、 同第AI 37993号、および同第AI 39002号の下で、政府の支持により行われた。合 衆国政府は、本発明に特定の権利を有する。 発明の技術分野 本発明は、ヒト顆粒球エールリヒア症(HGE)の病原性の研究、ならびに予防 、処置、および診断に有用な組成物および方法に関する。 より詳細には、本発明は、HGEの病原体(本明細書中で、「aoHGE」と称される )由来の、ポリペプチドおよびそれらをコードするDNA配列に関する。このよう なポリペプチドおよびDNA配列は、ヒトにおけるaoHGEの存在の検出、ヒト顆粒球 エールリヒア症およびaoHGE感染によって生じる関連疾患の診断、ならびにaoHGE 感染を予防するかまたはいくらかの期間重傷度を低減するのに効果的な免疫応答 の惹起に有用である。aoHGEポリペプチドに対して指向される抗体、抗体を含む ワクチンを含む組成物もまた、本発明の範囲内である。 本発明はまた、本発明のaoHGE、1つ以上のaoHGEポリペプチド、または抗体を 含むワクチンに関する。本発明のaoHGEポリペプチド、それらをコードするDNA配 列、または抗体を含む診断キットもまた、本発明の範囲内である。 本発明はまた、保護aoHGEポリペプチドおよび抗体を選択するための方法に関 する。前述のポリペプチド、DNA配列、および抗体を使用するための方法もまた 、本発明の範囲内である。 発明の背景 ヒトエールリヒア症は、Ehrlichia属のグラム陰性偏性細胞内細菌によって生 じる人畜共通感染を現している(J.S.Dumlerら、「Ehrlichial diseases of hum ans:emerging tick-borne infections」Clin.Infect.Dis.,20,1102〜10頁(19 95);J.DumlerおよびD.Walker,「Emergence of the Ehrlichioses as Human H ealth Probrems」Emerging Infectious Disease,2,18〜29頁(1996))。2つ の個別のヒトエールリヒア症は、米国において生じる:ヒト単球エールリヒア症 は、Ehrlichia chaffeensisによって生じ、特に単球に感染し、そしてヒト顆粒 球エールリヒア症は、顆粒球に感染する。 ヒト顆粒球エールリヒア症の原因病原体は、最近、まだ命名されていないEhri liChia属の細菌であると同定された。それは、しばしばE.microtiとしてか、ま たは「HGEの病原体」として称されている(S.R.Telfordら、「Perpetuation of the Agent of Human Granulocytic Ehrlichiosis In a Deer Tick-Rodent Cycle 」Proc.Natl.Acad.Sci.USA,93,6209〜6214頁(1996))。ヒト顆粒球エールリ ヒア症を生じるEhrlichiaは、本明細書中で「aoHGE」と称される。 多くの獣医学エールリヒア症は、過去数十年にわたって記載されているが、ヒ トエールリヒア症は、最近特徴づけられたのみである。E.chaffeensisは、1990 年に発見され、そしてHGEは、1994に最初に記載された(S.M.Chenら、「Identif ication of a Granulocytotropic Ehrlichia Species As the Etiologic Agent of Humnan Disease」J.Clin.Microbiol.,32,589〜595頁(1994)。1994年以来 、200を越えるケースのヒト顆粒球エールリヒア症が、主に上中西部および北東 部の州において考証されているが、北西部においてもまた考証されている(D.Wa lkerら、「Emergence of the Ehrlichioses as Human Health Problems」Emergi ng Infectious Diseases,2,18〜29頁(1996))。 ヒト顆粒球エールリヒア症は、広範な臨床症状に関連する。疾病は、インフル エンザ様症状(熱、筋肉痛、および頭痛を含む)、白血球減少症、貧血症、血小 板減少症、および上昇した血清トランスアミナーゼレベルによって、最も一般的 に特徴づけられる(J.Dulmerら、「Ehrlichial Diseases of Humans:Emerging T ick-borne In fections」Clin.Infect.Dis.,20,1102〜1110頁(1995))。症 状の領域は、診断未確定の無症状の感染から胃腸および肺出血ならびに死を含む 重篤な疾患の範囲である。さらに、ヒト顆粒球エールリヒア症のいくつかの場合 において、日和見感染が示されており、このことは改変された好中球機能ならび に後天的免疫応答における欠陥の可能性を示唆する(D.Walkerら、Emerging Inf ectious Diseases(前出))。エールリヒアDNAの、抗生物質で処置されない患 者における症状の発症後28日後のPCRによる検出は、細菌が宿主内に存続し得る ことを示唆する(D.Walkerら、Emerging Infectious Diseases(前出))。 ヒトエールリヒア症は、ダニ媒介感染である。多くの脊椎動物は、aoHGEに潜 在的に感染しているが、白色足(white-footed)マウス(Peromyscus leucopus )は、aoHGEについての主要な動物リザーバーとして同定されている(S.R.Telfo rd,IIIら、「Perpetuation of the Agent of Human Granulocytic Ehrlichios is In a Deer Tick-Rodent Cycle」Proc.Natl.Acad.Sci.USA,93,6209〜6214頁 (1996))。マダニベクターは、Ixodes ricinus複合体におけるIxodes scapula ris(Ixodes damminiとしてもまた称される)であることが示されている(S.ら 、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,93(前出))。マダニは、感染した宿主を摂食する ことによってaoHGEを獲得する。ヒトは、感染したマダニにかまれることによっ て感染する。予期できないことではないが、疾患は、ライム病およびバベシア症 (I.scapularisにもまた関連する疾患)が一般的である国の領域に流行している (L.A.Magnarelliら、「Cocxistence of antibodies To Tick-borne Pathogens o f Babesiosis,Ehrlichiosis and Lyme Borreliosis in Human Sera,J.Clin.Mi crobiol.,33,3054〜3057頁(1995))。Connecticutの固有の領域およびNew Yor kのWestchester Countryにおいて、回収されたマダニの50%までがaoHGEを有し 得、そして約20%が、B.burgdorferi(ライム病の病原体)に同時に感染し得る (D.Fish,未公開のデータ)。 ヒト顆粒球エールリヒア症の診断は困難である。最近の、急性感染を診断する ための最も決定的な方法は、生物、および末梢血スメアにおける顆粒球の原形質 内の特徴的な桑実胚の同定である。しかし、顆粒球の1%未満が感染され得、そ して患者は通常白血球減少を示すので、原形質内封入の検出は信頼できず、そし て実質的に多数の誤陰性診断をもたらす。 HL-60細胞におけるaoHGEの直接培養および患者血清を接種したマウスの末梢血 における顆粒球桑実胚の発症が最近報告されている(S.ら、(前出))。しか し、 これらの方法は、高価で大きな労働力を必要とし、そして未だ診断に使用されて いない。aoHGE特異的165リボソームDNA配列に基づくPCR分析は、いくらかの見込 みを示すが、また誤陽性および誤陰性の結果を産生し得る。PCRは、生存可能な 生物の存在を示さない。E.equi(aoHGEに密接に関連する)に感染した抗原細胞 として用いる免疫蛍光血清学は、aoHGEを診断するのにほどほどに成功している 。しかし、血清学試験は、未だ標準化されておらず、そして結果は研究室と市販 キットとの間で変化し得、そのことは誤陰性、およびより一般的には誤陽性結果 を生じる。 さらに、疾患はしばしば認識されない。なぜなら、マダニは小さく、そしてミ スをし易いからである。ライム病とは異なり、aoHGE感染は、特徴的な発疹を産 生しない。従って、診断的使用のためのaoHGEタンパク質を同定する緊急な必要 性が存在する。 ヒト顆粒球エールリヒア症のための確実な研究室モデルは開発されていない。 ヒト顆粒球エールリヒア症の病原性を研究するため、そして疾患を予防および診 断するための薬剤および方法を開発するため、ヒト疾患および選択されたaoHGE 抗原に対する免疫応答を模倣する対費用効果の高い動物モデルが要求される。 ヒト顆粒球エールリヒア症は、抗生物質治療が適時様式において開始される場 合、強力な致死的疾患である。マダニ感染の予防は不完全であり、そしてヒト顆 粒球エールリヒア症は、それが発症する場合見落とされ得るかまたは誤診断され 得るので、疾患に対するワクチンの必要性が存在する。ワクチンにおける使用の ためのaoHGEポリペプチドは、現在まで同定されていない。従って、aoHGEの抗原 、および保護性免疫応答を惹起し得る関連タンパク質の決定についての緊急の必 要性が存在する。 さらに、ヒト顆粒球エールリヒア症は、固有の領域において認識されたヒト健 康問題となり、そして疾患の発生率は、これから数年間にわたって上昇すること が予想される。ヒト顆粒球エールリヒア症は、Babesia microti(バベシア病の 病原体)およびBorrelia burdorferi(ライム病の病原体)を含む多数の異なる 病原体を有するマダニによって伝播される。ヒト顆粒球エールリヒア症の多数の 理解は、他のダニ媒介性感染、最も代表的にはライム病の誤診断をもたらす診療 症状への知見を提供し得る。 発明の開示 本発明は、aoHGE感染ならびにaoHGE感染によって生じるヒト顆粒球エールリヒ ア症および関連疾患を、研究、診断、予防、ならびに処置する手段を提供するこ とによって、上記に参照する問題を解決する。より詳細には、本発明は、aoHGE ポリペプチド、ポリペプチドをコードするDNA配列、ポリペプチドに対して指向 される抗体、ならびにaoHGEポリペプチド、DNA配列、および抗体を含む組成物お よび方法を提供する。 本発明はさらに、aoHGEもしくは本発明の1つ以上のaoHGEポリペプチドまたは 抗体を含む、単一あるいは多成分ワクチンを提供する。 本発明は、本発明のaoHGEポリペプチドをコードするDNA配列、これらのDNA配 列によって特徴づけられる組換えDNA分子、これらのDNA配列および分子で形質転 換された単細胞生物宿主、ならびに本発明のaoHGEポリペプチドおよび多成分ワ クチンを産生するために、これらのDNA配列、分子、および宿主を使用する方法 を提供する。本発明のDNA配列はまた、aoHGE感染およびヒト顆粒球エールリヒア 症の診断のための方法および手段に有利に使用される。 aoHGEポリペプチド、それらをコードするDNA配列、またはこれらのポリペプチ ドに対する抗体によって特徴づけられる診断手段および方法もまた、本発明の範 囲内である。これらの手段および方法は、ヒト顆粒球エールリヒア症およびaoHG E感染の検出に有用である。これらはまた、このような感染に対する処置の続く コースに有用である。本発明のワクチンを以前に接種された患者において、本明 細書中に開示される検出手段および方法はまた、追加免疫接種が適切であるかど うかの検出に有用である。 本発明はさらに、疾患の病原性の研究、ならびにaoHGE感染またはaoHGE感染に よって生じるヒト顆粒球エールリヒア症および関連疾患に対して処置した試験体 を保護し得るaoHGEポリペプチドおよび抗体のスクリーニングに使用するための 、ヒト顆粒球エールリヒア症についての免疫応答性の非ヒト哺乳動物モデルを提 供する。 最後に、本発明はまた、さらなるaoHGEポリペプチドの同定および単離のため の方法、ならびにこのようなポリペプチドを含む組成物および方法を提供する。 図面の簡単な説明 図1A〜Dは、aoHGE単離体NCH-1のE6ポリペプチドのDNAおよびアミノ配列を示 す(配列番号1および2)。 図2A〜Dは、aoHGE単離体NCH-1のE7ポリペプチドのDNAおよびアミノ配列を示 す(配列番号3および4)。 図3は、aoHGE単離体NCH-1の44kDaのタンパク質からの44-1ポリペプチドのア ミノ酸配列を示す(配列番号5)。 図4は、aoHGE単離体NCH-1の44kDaのタンパク質からの44-2ポリペプチドのア ミノ酸配列を示す(配列番号6)。 図5A〜Bは、aoHGE単離体NCH-1の44kDaタンパク質のDNA配列を示す(配列番号 10)。 図6は、aoHGE単離体NCH-1の44kDaタンパク質のDNA配列を示し(配列番号_) 、そして44-1および44-2ポリペプチドの位置を示す。 図7は、aoHGE単離体NCH-1の80kDaタンパク質からの80-1ポリペプチドのアミ ノ酸配列を示す(配列番号7)。×は、特徴的なクロマトグラムが得られなかっ たアミノ酸位置を示す。 図8は、血清における、aoHGE感染マウスからaoHGE-HL-60抗原の、マダニ媒介 性感染の10、17、および24日後の、ELISAおよびIFA抗体の力価を示す。力価は、 血清の少なくとも陽性2倍相互希釈(4マウス/間隔)として表される。 図9は、18のaoHGE患者からの血清サンプルの免疫ブロットの結果を示す。力 価1:80以上は、陽性と考えられた。ND:行わず。a:急性血清。c:回復期血清。 患者18について、2つの回復期血清が存在し、1つはマダニのかみつき後3週間 、および1つは6週間であった。 図10は、e6遺伝子を増幅するのに用いた5'および3'プライマーを示す(配列番 号8および9)。3'プライマーの下線部分は、挿入したXhoI部位を示す。5'プラ イマーの下線部分は、挿入したEcoRI部位を示す。 図11A〜Cは、aoHGE単離体NCH-1のeM4ポリペプチドのDNA配列を示す(配列番号 12)。 図12A〜Bは、aoHGE単離体NCH-1のeM4ポリペプチドのアミノ酸配列を示す(配 列番号_)。 図13A〜Bは、E5〜3Aと称されるDNA配列を示し(配列番号_)、これは、ゲノ ムaoHGE単離体NCH-1ライブラリーから、44kDa DNA配列に由来するオリゴヌクレ オチドプローブを用いて単離された(配列番号10)。 図14A〜Bは、E5〜3Bと称されるDNA配列を示し(配列番号_)、これは、ゲノ ムaoHGE単離体NCH-1ライブラリーから、44kDa DNA配列に由来するオリゴヌクレ オチドプローブを用いて単離された(配列番号10)。 図15A〜Bは、E5〜5Aと称されるDNA配列を示し(配列番号_)、これは、ゲノ ムaoHGE単離体NCH-1ライブラリーから、44kDa DNA配列に由来するオリゴヌクレ オチドプローブを用いて単離された(配列番号10)。 図16は、E5〜5Bと称されるDNA配列を示し(配列番号_)、これは、ゲノムaoH GE単離体NCH-1ライブラリーから、44kDa DNA配列に由来するオリゴヌクレオチド プローブを用いて単離された(配列番号10)。 図17A〜Cは、E5〜6と称されるDNA配列を示し(配列番号_)、これは、ゲノム aoHGE単離体NCH-1ライブラリーから、44kDa DNA配列に由来するオリゴヌクレオ チドプローブを用いて単離された(配列番号10)。 図18は、E5-3B DNA配列の、それぞれほぼヌクレオチド200〜400および600〜10 00と、44kDa DNA配列のほぼヌクレオチド400〜600および900〜1200との間の相同 性の領域を示すマトリックスプロットである。 図19は、E5-3B DNA配列の、ほぼヌクレオチド300〜650と、44kDa DNA配列のほ ぼヌクレオチド900〜1200との間の相同性の領域を示すマトリックスプロットで ある。 図20は、E5-3B DNA配列の約1000〜1400および1700〜1900ヌクレオチドと、44k Da DNA配列の約400〜600および900〜1300ヌクレオチドとの間の相同性の領域を 示す、マトリックスプロットである。発明の詳細な説明 本発明は、aoHGEポリペプチドおよびそれらをコードするDNA配列、これらのポ リペプチドに対する抗体、このポリペプチド、DNA配列、または抗体を含む組成 物、ならびにさらなるaoHGEポリペプチドおよび抗体を同定するための方法、な らびにヒト顆粒球エールリヒア症およびaoHGE感染によって生じる関連障害の検 出、処置、および予防のための方法に関する。 より詳細には、1つの実施態様において、本発明は、40kDa aoHGEポリペプチ ド、ならびにこのポリペプチドを含む組成物および方法を提供する。 別の実施態様において、本発明は、44kDa aoHGEポリペプチドおよびそれらの フラグメント44-1および44-2、ならびにこのポリペプチドおよびフラグメントを 含む組成物および方法を提供する。 別の実施態様において、本発明は、65kDa aoHGEポリペプチド、ならびにこの ポリペプチドを含む組成物および方法を提供する。 別の実施態様において、本発明は、80kDa aoHGEポリペプチドおよびその80-1 フラグメント、ならびにこのポリペプチドおよびフラグメントを含む組成物およ び方法を提供する。 別の実施態様において、本発明は、94kDa aoHGEポリペプチド、ならびにこの ポリペプチドを含む組成物および方法を提供する。 別の実施態様において、本発明は、105kDa aoHGEポリペプチド、ならびにこの ポリペプチドを含む組成物および方法を提供する。 別の実施態様において、本発明は、110kDa aoHGEポリペプチド、ならびにこの ポリペプチドを含む組成物および方法を提供する。 別の実施態様において、本発明は、115kDa aoHGEポリペプチド、ならびにこの ポリペプチドを含む組成物および方法を提供する。 別の実施態様において、本発明は、125kDa aoHGEポリペプチド、ならびにこの ポリペプチドを含む組成物および方法を提供する。 別の実施態様において、本発明は、E6ポリペプチド、ならびにこのポリペプチ ドを含む組成物および方法を提供する。 別の実施態様において、本発明は、コードされるE7ポリペプチド、ならびにこ のポリペプチドを含む組成物および方法を提供する。 別の実施態様において、本発明は、コードされるeM4ポリペプチド、ならびに このポリペプチドを含む組成物および方法を提供する。 別の実施態様において、本発明は、E5-3A、E5-3B、E5-5A、E5-5B、およびE5-6 DNA配列、ならびにそれらを含む組成物および方法を提供する。 前述の実施態様の各々の好ましい組成物および方法は、免疫原性aoHGEポリペ プチドによって特徴づけられる。本明細書中で使用される「免疫原性aoHGEポリ ペプチド」は、動物に投与された場合に、対応する抗体を誘発し得る任意のaoHG Eポリペプチドである。詳細には、免疫原性aoHGEポリペプチドは、本明細書中に 開示される方法に従って同定され得るさらなるaoHGEポリペプチドを含むことが 意図される。 前述の実施態様の各々の最も好ましい組成物および方法は、処置された動物に おいて、いくらかの期間の間、aoHGE感染を予防するかまたはその重症度を低減 させるのに効果的である免疫応答の形成を誘発するapHGEポリペプチドによって 特徴づけられる。 別の好ましい実施態様において、本発明は、aoHGE、本発明の1つ以上のaoHGE ポリペプチド、あるいはaoHGEまたは本発明のポリペプチドに対する1つ以上の 抗体を含むワクチンを提供する。 本発明によって提供されるaoHGEポリペプチドの全て、およびそれらをコード するDNA配列は、実質的にEhrlichia細菌またはそれらのフラグメントを含まず、 従って、所望でないEhrlichia成分での故意でない感染または汚染の危険性を伴 わずに種々の応用において使用され得る。従って、本発明aoHGEポリペプチドは 、aoHGE感染の診断および予防のための組成物および方法において特に有利であ る。 本明細書中で使用されるように、「実質的にEhrlichia細菌またはそれらのフ ラグメントを含まない」ポリペプチドは、aoHGE感染に感受性である動物に導入 した場合、血液または組織塗抹標本の顕微鏡試験によって、aoHGE特異的プライ マーを用いるPCR増幅によって、aoHGE特異的プローブとのインサイチュハイブリ ダイゼーションによって、またはaoHGE感染を検出する任意の他の方法によって 検出可能なEhrlichia細菌を全く産生できないポリペプチドである。あるいは、 それは、ポリクローナル抗aoHGE抗血清でプローブされたイムノブロットの単一 バンドとして検出可能なポリペプチドである。 別の好ましい実施態様において、本発明は、免疫優性aoHGEポリペプチドを提 供する。本明細書中で用いられるように、「免疫優性aoHGEポリペプチド」は、a oHGEでの感染によって誘発される抗体によって認識されるが、他の細菌での感染 によって誘発される抗体と実質的に反応性が低いaoHGEポリペプチド、またはそ れの誘導体を示す。本明細書中で用いられるように、aoHGEポリペプチドの「免 疫優性領域」は、aoHGE感染によって誘発される抗体によって認識されるが、他 の細菌での感染によって誘発される抗体と反応した場合の反応性が全長aoHGEタ ンパク質よりも実質的に低いaoHGEポリペプチド、またはそれの誘導体の領域を 示す。 本明細書中で用いられるように、「実質的に反応性が低い」は、ELISAまたは イムノブロットにおいて、aoHGEとは異なる細菌での感染によって誘発される抗 体を含む患者血清と反応させた場合、反応性のレベルが、aoHGEで感染した患者 からの血清との反応性のレベルより、少なくとも10倍低いことを意味する。より 好ましくは、免疫優性ポリペプチドは、aoHGEで感染した患者からの血清におけ る抗体とで生じる結合のレベルより少なくとも50倍低いレベルで結合される。最 も好ましくは、検出可能な結合は存在しない。 なお別の実施熊様において、本発明は、本発明のaoHGEポリペプチドに対する 抗体、およびこれらの抗体を含む薬学的に有効な組成物および方法を提供する。 この実施態様の抗体は、本発明のaoHGEポリペプチドと反応性であり、そしてaoH GE感染およびヒト顆粒球エールリヒア症に対する診断、処置、または保護に効果 的である抗体である。このような抗体は、種々の適用において有用であり得る。 これらの適用は、aoHGEの存在を検出すること、新規なaoHGEポリペプチドの発現 についてスクリーニングすること、新規なaoHGEポリペプチドを精製すること、a oHGEポリペプチドにブロックまたは結合すること、aoHGEまたはaoHGE感染細胞の 表面に分子を指向させること、そしていくらかの期間、aoHGE感染を予防するか またはその重篤度を低減させることを含む。 なお別の実施態様において、本発明は、本発明のaoHGEポリペプチド、DNA配列 、 または抗体によって特徴づけられる診断手段および方法に関する。 本発明はさらに、ヒトHGEについての免疫応答性非ヒト哺乳動物モデルを提供 する。実験用マウスモデル(本明細書中に記載)は、ヒトにおけるHGEを緊密に 模倣する臨床的特徴によって特徴づけられる。従って、マウスモデルは、aoHGE 感染およびヒト顆粒球エールリヒア症に対して保護するのに有効な、本発明の好 ましいaoHGEポリペプチドおよび抗体を選択するのに有用である。 本発明のさらなる実施態様は、生物学的サンプルにおけるaoHGEの存在を検出 するための新規な診断用アッセイである。本明細書中に提供されるアッセイは、 幼齢実験用マウスにおいてaoHGE感染を産生するための生物学的サンプルの能力 を試験する。好ましい実施態様において、幼齢マウスは、5日齢以下である。よ り好ましい実施態様において、このマウスは3日齢以下である。最も好ましい実 施態様において、このマウスは1日齢である。 本発明をさらに規定するために、以下の用語および定義が、本明細書中に提供 される。 本明細書中で用いられるように、「aoHGEポリペプチド」は、aoHGEのDNA配列 によってコードされるポリペプチドである。例えば、aoHGEポリペプチドとして は、aoHGEによって発現される40、44、65、80、94、110、115、または125kDaポ リペプチド(実施例I(後出)に記載される)、E6、E7、またはeM4ポリペプチド 、あるいはそれらのフラグメントまたは誘導体が挙げられる。本明細書中で用い られるように、「aoHGEポリペプチド」は、HGEを生じる任意の生物のDNA配列に よってコードされるポリペプチドを含む。 本明細書中で用いられるように、「40kDa aoHGEポリペプチド」は、Ehrlichia 細菌を実質的に含まないポリペプチドまたはそのフラグメントであって、そして 以下からなる群より選択されるポリペプチドを示す: (a)aoHGEで感染した動物からの血清と反応した後に、ウエスタンブロットの 単一のバンドとして出現する40kDa aoHGEタンパク質、およびその血清型改変体 ; (b)(a)の40kDa aoHGEポリペプチドからブロックとして得られる少なくと も8アミノ酸を含むフラグメント; (c)(a)または(b)の40kDa aoHGEポリペプチドの誘導体であって、この誘 導体は、(a)または(b)の対応するポリペプチドに対してアミノ酸配列が少な くとも80%同一である誘導体; (d)哺乳動物宿主のaoHGEでの感染によって作製される抗体と免疫学的に反応 性であり、この抗体が、(a)または(b)または(c)の40kDa aoHGEポリペプチ ドと免疫学的に反応性である、aoHGEポリペプチド; (e)aoHGEおよび(a)または(b)または(c)の40kDa aoHGEポリペプチドと 免疫学的に反応性である抗体を誘発し得る、aoHGEポリペプチド;ならびに (f)(a)または(b)または(c)の40kDa aoHGEポリペプチドでの免疫化に よって誘発される抗体と免疫学的に反応性である、aoHGEポリペプチド。 本明細書中で用いられるように、「44kDa aoHGEポリペプチド」は、Ehrlichia 細菌またはそのフラグメントを実質的に含まないポリペプチドであって、そして 以下からなる群より選択されるポリペプチドを示す: (a)配列番号_のアミノ酸配列を有する44kDa aoHGEタンパク質、およびその 血清型改変体; (b)配列番号5の44-1ポリペプチド; (c)配列番号6の44-2ポリペプチド; (d)(a)のポリペプチドをコードするDNA配列に、ストリンジェントな条件 下でハイブリダイズするDNA配列によってコードされるポリペプチド; (e)(a)〜(d)のポリペプチドのいずれか1つからブロックとして得られ る、少なくとも8アミノ酸を含む、フラグメント; (f)(a)〜(e)のポリペプチドの誘導体であって、この誘導体は、(a)〜 (e)の対応するポリペプチドに対してアミノ酸配列が少なくとも80%同一であ る、誘導体; (g)哺乳動物宿主のaoHGEでの感染によって作製される抗体と免疫学的に反応 性であり、この抗体が、(a)〜(f)のポリペプチドと免疫学的に反応性である 、aoHGEポリペプチド; (h)aoHGEおよび(a)〜(f)のポリペプチドと免疫学的に反応性である抗体 を誘発し得る、aoHGEポリペプチド;ならびに (I)(a)〜(f)のポリペプチドでの免疫化によって誘発される抗体と免疫 学的に反応性である、aoHGEポリペプチド。 本明細書中で用いられるように、「65kDa aoHGEポリペプチド」は、Ehrlichia 細菌またはそのフラグメントを実質的に含まないポリペプチドであって、そして 以下からなる群より選択されるポリペプチドを示す: (a)aoHGEで感染した動物からの血清と反応した後に、ウエスタンブロットの 単一のバンドとして出現する65kDa aoHGEタンパク質、およびその血清型改変体 ; (b)(a)の65kDa aoHGEポリペプチドからのブロックとして得られる少なく とも8アミノ酸を含むフラグメント; (c)(a)または(b)の65kDa aoHGEポリペプチドの誘導体であって、この誘 導体は、(a)または(b)の対応するポリペプチドに対してアミノ酸配列が少な くとも80%同一である、誘導体; (d)哺乳動物宿主のaoHGEでの感染によって作製される抗体と免疫学的に反応 性であり、この抗体が、(a)または(b)または(c)の65kDa aoHGEポリペプチ ドと免疫学的に反応性である、aoHGEポリペプチド; (e)aoHGEおよび(a)または(b)または(c)の65kDa aoHGEポリペプチドと 免疫学的に反応性である抗体を誘発し得る、aoHGEポリペプチド;ならびに (f)(a)または(b)または(c)の65kDa aoHGEポリペプチドでの免疫化に よって誘発される抗体と免疫学的に反応性である、aoHGEポリペプチド。 本明細書中で用いられるように、「80kDa aoHGEポリペプチド」は、Ehrlichia 細菌またはそのフラグメントを実質的に含まないポリペプチドであって、そして 以下からなる群より選択されるポリペプチドを示す: (a)aoHGEで感染した動物からの血清と反応した後に、ウエスタンブロットの 単一のバンドとして出現する80kDa aoHGEタンパク質、およびその血清型改変体 ; (b)配列番号7の80-1ポリペプチド; (c)(a)または(b)の80kDa aoHGEポリペプチドからブロックとして得られ る少なくとも8アミノ酸を含むフラグメント; (d)(a)〜(c)のポリペプチドの誘導体であって、この誘導体は、(a)〜 (c)の対応するポリペプチドに対してアミノ酸配列が少なくとも80%同一であ る、誘導体; (e)哺乳動物宿主のaoHGEでの感染によって作製される抗体と免疫学的に反応 性であり、この抗体が、(a)〜(d)のポリペプチドと免疫学的に反応性である 、aoHGEポリペプチド; (f)aoHGEおよび(a)〜(d)のポリペプチドと免疫学的に反応性である抗体 を誘発し得る、aoHGEポリペプチド;ならびに (g)(a)〜(d)のポリペプチドでの免疫化によって誘発される抗体と免疫 学的に反応性である、aoHGEポリペプチド。 本明細書中で用いられるように、「94kDa aoHGEポリペプチド」は、Ehrlichia 細菌またはそのフラグメントを実質的に含まないポリペプチドであって、そして 以下からなる群より選択されるポリペプチドを示す: (a)aoHGEで感染した動物からの血清と反応した後に、ウエスタンブロットの 単一のバンドとして出現する94kDa aoHGEタンパク質、およびその血清型改変体 ; (b)(a)の94kDa aoHGEポリペプチドからブロックとして得られる少なくと も8アミノ酸を含むフラグメント; (c)(a)または(b)の94kDa aoHGEポリペプチドの誘導体であって、この誘 導体は、(a)または(b)の対応するポリペプチドに対してアミノ酸配列が少な くとも80%同一である; (d)哺乳動物宿主のaoHGEでの感染によって作製される抗体と免疫学的に反応 性であり、この抗体が、(a)または(b)または(c)の94kDa aoHGEポリペプチ ドと免疫学的に反応性である、aoHGEポリペプチド; (e)aoHGEおよび(a)または(b)または(c)の94kDa aoHGEポリペプチドと 免疫学的に反応性である抗体を誘発し得る、aoHGEポリペプチド;ならびに (f)(a)または(b)または(c)の94kDa aoHGEポリペプチドでの免疫化に よって誘発される抗体と免疫学的に反応性である、aoHGEポリペプチド。 本明細書中で用いられるように、「105kDa aoHGEポリペプチド」は、Ehrlichi a細菌またはそのフラグメントを実質的に含まないポリペプチドであって、そし て以下からなる群より選択されるポリペプチドを示す: (a)aoHGEで感染した動物からの血清と反応した後に、ウエスタンブロットの 単一のバンドとして出現する105kDa aoHGEタンパク質、およびその血清型改変体 ; (b)(a)の105kDa aoHGEポリペプチドからブロックとして得られる少なくと も8アミノ酸を含むフラグメント; (c)(a)または(b)の105kDa aoHGEポリペプチドの誘導体であって、この 誘導体は、(a)または(b)の対応するポリペプチドに対してアミノ酸配列が少 なくとも80%同一である; (d)哺乳動物宿主のaoHGEでの感染によって作製される抗体と免疫学的に反応 性であり、この抗体が、(a)または(b)または(c)の105kDa aoHGEポリペプ チドと免疫学的に反応性である、aoHGEポリペプチド; (e)aoHGEおよび(a)または(b)または(c)の105kDa aoHGEポリペプチド と免疫学的に反応性である抗体を誘発し得る、aoHGEポリペプチド;ならびに (f)(a)または(b)または(c)の105kDa aoHGEポリペプチドでの免疫化に よって誘発される抗体と免疫学的に反応性である、aoHGEポリペプチド。 本明細書中で用いられるように、「110kDa aoHGEポリペプチド」は、Ehrlichi a細菌を実質的に含まないポリペプチドまたはそのフラグメント、および以下か らなる群より選択されるポリペプチドを示す: (a)aoHGEで感染した動物からの血清と反応した後に、ウエスタンブロットの 単一のバンドとして出現する110kDa aoHGEタンパク質、およびその血清型改変体 ; (b)(a)の100kDa aoHGEポリペプチドからブロックとして得られる少なくと も8アミノ酸を含むフラグメント; (c)(a)または(b)の110kDa aoHGEポリペプチドの誘導体であって、この 誘導体が、(a)または(b)の対応するポリペプチドに対するアミノ酸配列に少 なくとも80%同一である; (d)哺乳動物宿主のaoHGEでの感染によって作製される抗体と免疫学的に反応 性であり、この抗体が、(a)または(b)または(c)の110kDa aoHGEポリペプ チドと免疫学的に反応性である、aoHGEポリペプチド; (e)aoHGEおよび(a)または(b)または(c)の110kDa aoHGEポリペプチド と免疫学的に反応性である抗体を誘発し得る、aoHGEポリペプチド;および (f)(a)または(b)または(c)の110kDa aoHGEポリペプチドでの免疫化に よって誘発される抗体と免疫学的に反応性である、aoHGEポリペプチド。 本明細書中で用いられるように、「115kDa aoHGEポリペプチド」は、Ehrlichi a細菌を実質的に含まないポリペプチドまたはそのフラグメント、および以下か らなる群より選択されるポリペプチドを示す: (a)aoHGEで感染した動物からの血清と反応した後に、ウエスタンブロットの 単一のバンドとして出現する115kDa aoHGEタンパク質、およびその血清型改変体 ; (b)(a)の115kDa aoHGEポリペプチドからブロックとして得られる少なくと も8アミノ酸を含むフラグメント; (c)(a)または(b)の115kDa aoHGEポリペプチドの誘導体であって、この 誘導体が、(a)または(b)の対応するポリペプチドに対するアミノ酸配列に少 なくとも80%同一である; (d)哺乳動物宿主のaoHGEでの感染によって作製される抗体と免疫学的に反応 性であり、この抗体が、(a)または(b)または(c)の115kDa aoHGEポリペプ チドと免疫学的に反応性である、aoHGEポリペプチド; (e)aoHGEおよび(a)または(b)または(c)の115kDa aoHGEポリペプチド と免疫学的に反応性である抗体を誘発し得る、aoHGEポリペプチド;および (f)(a)または(b)または(c)の115kDa aoHGEポリペプチドでの免疫化に よって誘発される抗体と免疫学的に反応性である、aoHGEポリペプチド。 本明細書中で用いられるように、「125kDa aoHGEポリペプチド」は、Ehrlichi a細菌を実質的に含まないポリペプチドまたはそのフラグメント、および以下か らなる群より選択されるポリペプチドを示す: (a)aoHGEで感染した動物からの血清と反応した後に、ウエスタンブロットの 単一のバンドとして出現する125kDa aoHGEタンパク質、およびその血清型改変 体; (b)(a)の125kDa aoHGEポリペプチドからブロックとして得られる少なくと も8アミノ酸を含むフラグメント; (c)(a)または(b)の125kDa aoHGEポリペプチドの誘導体であって、この 誘導体が、(a)または(b)の対応するポリペプチドに対するアミノ酸配列に少 なくとも80%同一である; (d)哺乳動物宿主のaoHGEでの感染によって作製される抗体と免疫学的に反応 性であり、この抗体が、(a)または(b)または(c)の125kDa aoHGEポリペプ チドと免疫学的に反応性である、aoHGEポリペプチド; (e)aoHGEおよび(a)または(b)または(c)の125kDa aoHGEポリペプチド と免疫学的に反応性である抗体を誘発し得る、aoHGEポリペプチド;および (f)(a)または(b)または(c)の125kDa aoHGEポリペプチドでの免疫化に よって誘発される抗体と免疫学的に反応性である、aoHGEポリペプチド。 本明細書中で用いられるように、「E6ポリペプチド」は、Ehrlichia細菌を実 質的に含まないポリペプチドまたはそのフラグメント、および以下からなる群よ り選択されるポリペプチドを示す: (a)配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するE6タンパク質およびその血 清型改変体; (b)(a)のE6ポリペプチドからブロックとして得られる少なくとも8アミノ 酸を含むフラグメント; (c)(a)または(b)のE6ポリペプチドの誘導体であって、この誘導体が、 (a)または(b)の対応するポリペプチドに対するアミノ酸配列に少なくとも80 %同一である; (d)哺乳動物宿主のaoHGEでの感染によって作製される抗体と免疫学的に反応 性であり、この抗体が、(a)または(b)または(c)のE6ポリペプチドと免疫 学的に反応性である、aoHGEポリペプチド; (e)aoHGEおよび(a)または(b)または(c)のE6ポリペプチドと免疫学的 に反応性である抗体を誘発し得る、aoHGEポリペプチド;および (f)(a)または(b)または(c)のE6ポリペプチドでの免疫化によって誘発 される抗体と免疫学的に反応性である、aoHGEポリペプチド。 本明細書中で用いられるように、「E7ポリペプチド」は、Ehrlichia細菌を実 質的に含まないポリペプチドまたはそのフラグメント、および以下からなる群よ り選択されるポリペプチドを示す: (a)配列番号4に示されるアミノ酸配列を有するE7タンパク質およびその血 清型改変体; (b)(a)のE7タンパク質からブロックとして得られる少なくとも8アミノ酸 を含むフラグメント; (c)(a)または(b)のE7ポリペプチドの誘導体であって、この誘導体が、 (a)または(b)の対応するポリペプチドに対するアミノ酸配列に少なくとも80 %同一である; (e)哺乳動物宿主のaoHGEでの感染によって作製される抗体と免疫学的に反応 性であり、この抗体が、(a)〜(c)のE7ポリペプチドと免疫学的に反応性であ る、aoHGEポリペプチド; (f)aoHGEおよび(a)〜(c)のE7ポリペプチドと免疫学的に反応性である抗 体を誘発し得る、aoHGEポリペプチド;および (g)(a)〜(c)のE7ポリペプチドでの免疫化によって誘発される抗体と免 疫学的に反応性である、aoHGEポリペプチド。 本明細書中で用いられるように、「eM4ポリペプチド」は、Ehrlichia細菌を実 質的に含まないポリペプチドまたはそのフラグメント、および以下からなる群よ り選択されるポリペプチドを示す: (a)配列番号12のDNA配列によってコードされるアミノ酸配列を有するeM4ポ リペプチドおよびその血清型改変体; (b)(a)のポリペプチドからブロックとして得られる少なくとも8アミノ酸 を含むフラグメント; (c)(a)または(b)のポリペプチドの誘導体であって、この誘導体が、(a )または(b)の対応するポリペプチドに対するアミノ酸配列に少なくとも80% 同一である; (d)哺乳動物宿主のaoHGEでの感染によって作製される抗体と免疫学的に反応 性であり、この抗体が、(a)または(b)または(c)のE6ポリペプチドと免疫 学的に反応性である、aoHGEポリペプチド; (e)aoHGEおよび(a)または(b)または(c)のポリペプチドと免疫学的に 反応性である抗体を誘発し得る、aoHGEポリペプチド;および (f)(a)または(b)または(c)のポリペプチドでの免疫化によって誘発さ れる抗体と免疫学的に反応性である、aoHGEポリペプチド。 本明細書中で用いられるように、本発明のaoHGEポリペプチドの「血清型改変 体」(本明細書中で「改変体」とも称される)は、Tm未満の20〜27℃にて、本明 細書中に開示されるaoHGEポリペプチドをコードするDNA配列の任意の部分にハイ ブリダイズするDNA配列によって、その全体または一部において、コードされ得 る、任意の天然に存在するaoHGEポリペプチドである。 当業者は、aoHGEポリペプチドの血清型改変体が、任意の部分がポリメラーゼ 連鎖反応およびaoHGEポリペプチドをコードするDNA配列の任意の部分に由来する オリゴヌクレオチドプライマーを用いることによって増幅され得るDNA配列によ ってコードされるこれらのポリペプチドを含むことを理解する。 本明細書中で用いられるように、「保護aoHGEポリペプチド」は、動物に投与 される場合に、いくらかの期間、aoHGE感染またはHGEの重篤度を予防または低減 するのに有効な免疫応答を誘発し得る、任意のaoHGEポリペプチドである。重篤 な感染の予防または低減は、aoHGE感染の生理学的徴候(発熱、筋肉痛、関節痛 、貧血、白血球減少症、血小板減少症、好中球減少症、上昇した肝臓酵素レベル 、胃-腸管または肺大出血、およびaoHGE感染によって生じる他の障害を含む)に おける変化によって証明され得る。これは、処置した動物におけるaoHGEの減少 または非存在によって証明され得る。そして、処置した動物において食餌してい る感染マダニにおけるaoHGEのレベルにおける減少によって証明され得る。 当業者は、aoHGEポリペプチドをコードするDNAに由来するプローブおよびオリ ゴヌクレオチドプライマーが、aoHGEタンパク質のさらなる改変体を、他のaoHGE 単離体およびおそらく同様の他のリケッチア(これは本発明の方法および組成物 に有用である)から単離およびクローン化するために使用され得ることを理解す る。 本明細書中で用いられるように、「誘導体」aoHGEポリペプチドは、1つ以上 の物理的、化学的、または生物学的特徴が改変されているポリペプチドである。 このような変更は、以下を含むがこれらに限定されない:アミノ酸置換、修飾、 付加、または欠失;脂質化(lipidation)、グリコシル化、またはリン酸化のパ ターンにおける改変;ポリペプチドに存在するアミノ酸残基の遊離アミノ、カル ボキシ、またはヒドロキシ側鎖と、他の有機および無機分子との反応;および、 そのいずれかが、一次、二次、または三次構造における変化を生じ得る他の変更 。 本明細書中で用いられるように、「保護エピトープ」は、(1)保護抗体によ って認識されるエピトープ、および/または(2)動物を免疫化するのに使用さ れる場合、いくらかの期間の間、重篤なaoHGE感染またはHGEの予防または低減に 十分な免疫応答を誘発するエピトープである。再び、重篤な感染の予防または低 減は、aoHGE感染の生理学的徴候(発熱、筋肉痛、関節痛、貧血、白血球減少症 、血小板減少症、好中球減少症、上昇した肝臓酵素レベル、胃-腸管または肺大 出血、およびaoHGE感染によって生じる他の障害を含む)における変化によって 証明され得る。これは、処置した動物におけるaoHGEのレベルの減少または非存 在によって証明され得る。そして、処置した動物において食餌している感染マダ ニにおけるaoHGEのレベルにおける減少によっても証明され得る。保護エピトー プは、T細胞エピトープ、B細胞エピトープ、またはそれらの組合せを含み得る 。 本明細書中で用いられるように、「保護抗体」は、いくらかの期間、aoHGE感 染またはaoHGE感染もしくはHGEに関連する生理学的疾患のいずれか1つに対する 保護を付与する抗体である。 本明細書中で用いられるように、「T細胞エピトープ」は、抗原提示細胞によ ってT細胞に提示される場合、クローン拡大またはリンホカインもしくは他の免 疫刺激分子の発現のようなT細胞応答を生じるエピトープである。T細胞エピト ープはまた、細胞内aoHGE感染に影響し得る細胞障害性T細胞によって認識され るエピトープであり得る。強力なT細胞エピトープは、強力なT細胞応答を誘発 するT細胞エピトープである。 本明細書中で用いられるように、「B細胞エピトープ」は、特異的な抗体と反 応する抗原の最も単純な空間的高次構造である。 本明細書で用いられるように、ポリペプチドまたは抗体の「治療学的に有効な 量」は、動物に投与される場合に、いくらかの期間、重篤なaoHGE感染の予防ま たは低減に有効な免疫応答を誘発する量である。 本明細書中で用いられるように、「抗aoHGEポリペプチド抗体」(「本発明の 抗体」ともまた称される)は、本発明のaoHGEボリペプチドに対して指向される 抗体である。例えば、本発明の抗体は、aoHGEによって発現される40kDa、44kDa 、65kDa、80kDa、94kDa、110kDa、115kDa、125kDaポリペプチド(実施例I(後出 )に記載される)、E6、E7、もしくはeM4ポリペプチド、または前述のポリペプ チドのフラグメント、誘導体、もしくは血清型改変体に対して指向され得る。本 発明の抗aoHGEポリペプチド抗体は、aoHGEによって発現されるポリペプチドに対 して指向される抗体、またはそれらのフラグメントもしくは誘導体を含み、これ らは前述のポリペプチドのいずれか1つと免疫学的に交差反応する。最後に、本 発明の抗aoHGEポリペプチド抗体は、本明細書中に教示される方法にしたがって 同定された他のaoHGEポリペプチドに対して指向される抗体を含む。 本明細書中で用いられるように、「抗aoHGEポリペプチド抗体」は、本発明のa oHGEポリペプチドと免疫学的に反応し、そしてaoHGEもしくは本発明のaoHGEポリ ペプチドでの免疫化によって誘発されたか、または本発明のaoHGEポリペプチド とのその反応性によって単離もしくは同定されたかのいずれかのイムノグロブリ ン分子、またはその一部である。 抗aoHGEポリペプチド抗体は、インタクトなイムノグロブリン分子、またはイ ンタクトな抗原結合部位を含むイムノグロブリン分子の部分(F(v)、Fab、Fab' 、およびF(ab')2として当業者に公知のこれらの部分を含む)であり得る。抗aoH GEポリペプチド抗体はまた、保護抗体であることも理解されるべきである。 本明細書中に開示されるaoHGEポリペプチドは、哺乳動物宿主のaoHGEでの感染 によって作製される抗血清と免疫学的に反応性である。従って、これらは、ヒト 顆粒球エールリヒア症を診断する方法および組成物において、そして感染が進行 する間、aoHGEの免疫学的間隙を刺激する治療用組成物において有用である。 さらに、少なくともいくつかの理由で、本明細書中に開示されるaoHGEポリペ プチドが、aoHGEの保護表面タンパク質ばかりでない場合、ヒト顆粒球エールリ ヒア症に対する単成分および多成分ワクチンとして、特に有用である。この点に 関して、多成分ワクチンが好ましい。なぜなら、このようなワクチンは、複製成 分aoHGEによって提示される免疫原性をより密接に共通するように処方され得、 そしてこのようなワクチンは、単一のaoHGEポリペプチドのみを含むワクチンよ りも広範な領域保護を付与するようであるからである。 本発明に従う多成分ワクチンはまた、ヒト顆粒球エールリヒア症とは異なる疾 患(例えば、ライム病、ヒト単球エールリヒア症、バベシア症、ジフテリア、ポ リオ、肝炎、および麻疹)に対する免疫化に有用な他のワクチンを特徴づけるポ リペプチドを含み得る。このような多成分ワクチンは、代表的には、単一の組成 物に取り込まれる。 本発明の好ましい組成物および方法は、増強された免疫原性を有するaoHGEポ リペプチドを含む。このようなポリペプチドは、ポリペプチドまたはそのフラグ メントの天然の形態が、意図されるレシピエントにおける免疫原性特徴を増強す るように改変されるかまたは処置に供される。 多数の教示が入手可能であり、そして当業者に周知であり、これらは、過度の 実験を伴わずに使用され得、本明細書中に開示されるaoHGEポリペプチドの免疫 原性を増加させる。例えば、本発明のaoHGEポリペプチドは、ジニトロフェノー ル基またはアルサニル酸にカップリングすることによって、または加熱および/ もしくはSDSでの変性によって改変され得る。特に、ポリペプチドが化学的に合 成した小さなポリペプチドである場合、それらを免疫原性キャリアにカップリン グすることが所望され得る。もちろん、カップリングは、ポリペプチドまたはキ ャリアのいずれかが適切に機能する能力を妨害してはならない。カップリングス トラテジーにおけるいくつかの一般的な考察の概説については、Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,E.HarlowおよびD.Lane編 (1988)を参照のこと。 有用な免疫原性キャリアは、当該分野で周知である。このようなキャリアの例 は、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH);ウシ血清アルブミン(BSA)お よびオボアルブミンのようなアルブミン、PPD(ツベルクリンの精製タンパク質 誘導体);赤血球細胞;破傷風毒素;コレラ毒素;アガロースビーズ;活性炭 素:またはベントナイトである。 脂質化状態を改変するために、本明細書中に開示されるaoHGEポリペプチドの アミノ酸配列の改変もまた、それらの免疫原性を増加させるかまたはそれらが生 物学的特性を改変するために使用され得る方法である。例えば、ポリペプチドま たはそのフラグメントは、脂質部分の付加を指向させ得るシグナルおよび他の配 列を伴うかまたは伴わずに発現され得る。 以下の開示から明らかなように、ポリペプチドはまた、安定性を増加させるか または精製および調製に対して受け入れられる分子を付与する目的で調製され得 る。1つのこのような技術は、他のaoHGEまたは非aoHGE配列を含む融合タンパク 質として、ポリペプチドを発現するためのものである。 本発明に従って、aoHGEポリペプチドの誘導体は、種々の方法によって調製さ れ得、この方法は、天然のポリペプチドをコードするDNAのインビトロでの操作 、および続いて誘導体化DNA配列の化学合成、または発現されるアミノ酸配列の 化学的もしくは生物学的操作による改変したDNAの発現を含む。 例えば、誘導体は、1つ以上のアミノ酸の、異なる天然アミノ酸、アミノ酸誘 導体、または非天然アミノ酸との置換によって産生され得る。当業者は、保存的 置換が好ましいことを理解する。例えば、3-メチルヒスチジンはヒスチジンと置 換され得、4-ヒドロキシプロリンはプロリンと置換され得、5-ヒドロキシリジン はリジンと置換されるなど。 あまり保存的でないアミノ酸置換を生じることによって、所望の誘導体を、例 えば、電荷、立体配座、および他の生物学的特性における変化を生じることによ って、所望の誘導体もまた生じ得る。このような置換は、例えば、親水性残基の 疎水性残基との置換、システインまたはプロリンの別の残基との置換、小さな側 鎖を有する残基の暈高い側鎖を有する残基との置換、あるいは正味の正電荷を有 する残基の正味の負電荷を有する残基との置換を含む。 所定の置換の結果が確信を持って予想され得ない場合、誘導体を、本明細書中 に開示される方法に従って容易にアッセイして、所望の特性の存在または非存在 を決定し得る。特に、本発明の誘導体の免疫原性、免疫優性、および/または保 護性は、実施例に開示される方法を用いて、容易に決定され得る。 本発明の好ましい実施態様において、本明細書中に開示されるaoHGEポリペプ チドは、巨大な融合タンパク質の部分として調製される。例えば、本発明のaoHG Eポリペプチドは、そのN-末端またはC-末端で、異なる免疫原性aoHGEポリペプチ ド、非aoHGEポリペプチド、またはそれらの組合せに融合されて、aoHGEポリペプ チドを含む融合タンパク質を産生し得る。 本発明の好ましい実施態様において、aoHGEポリペプチドを含む融合タンパク 質が構築され、これは、aoHGEの複数の血清型改変体からのB細胞および/また はT細胞エピトープを含み、各改変体は、ポリペプチド内の位置またはエピトー プの配列に関して互いに異なる。より好ましい実施態様において、融合タンパク 質が構築され、これは、他のaoHGEポリペプチドに融合する1つ以上のaoHGEポリ ペプチドを含む。このような融合タンパク質は、本発明において、広範な領域の aoHGE単離体によって生じるヒト顆粒球エールリヒア症の処置および診断に特に 有効である。 本発明の別の好ましい実施態様において、aoHGEポリペプチドは、イムノグロ ブリンドメインのような部分に融合され、これは、安定性を増加し得、そしてポ リペプチドのインビボでの血漿半減期を延長し得る。このような融合は、過度の 実験をせずに、当業者に周知の方法にしたがって、例えば、米国特許第4,946,77 8号または米国特許第5,116,964号にしたがって調製され得る。融合の正確な部位 は、ポリペプチドが所望の生物学的活性を維持するかぎりは重要ではない。この ような決定因子は、本明細書中の教示に従って、または当業者に公知の他の方法 によって作製され得る。 aoHGEポリペプチドを含む融合タンパク質は、DNAレベルで、例えば、融合タン パク質をコードする核酸分子を構築すること、宿主細胞を分子で形質転換するこ と、融合タンパク質を発現するように細胞を誘導すること、および融合タンパク 質を細胞培養物から回収することによって産生されることが好ましい。あるいは 、融合タンパク質は、遺伝子発現後に、公知の方法に従って産生され得る。 aoHGEポリペプチドはまた、巨大な多量体分子の部分であり得、これは、組換 え的に産生され得るか、または化学的に合成され得る。このような多量体はまた 、アミノ酸以外の部分(脂質および炭水化物を含む)に融合または結合したポリ ペ プチドを含み得る。 好ましくは、多量体タンパク質は、同じ分子内で、ランダムにまたはそれらの 間のスペーサー(アミノ酸または他のもの)を伴うかのいずれかで反復される、 複数のT細胞もしくはB細胞エピトープまたはそれらの組合せからなる。 本発明の好ましい実施態様において、aoHGEはワクチンに組み込まれる。実施 例_および_に開示されるように、このようなワクチンで免疫化した動物は、ao HGE感染に対する保護を付与する抗体を産生する。 本発明の別の好ましい実施態様において、保護aoHGEポリペプチドでもある本 発明のaoHGEポリペプチドは、単成分ワクチンに組み込まれる。本発明のより好 ましい実施態様において、保護aoHGEポリペプチドでもある本発明のaoHGEポリペ プチドは、他の保護aoHGEポリペプチドを含む多成分ワクチンに組み込まれる。 さらに、多成分ワクチンはまた、他の疾患(例えば、ライム病、ヒト単球エール リヒア症、バベシア病、ジフテリア、ポリオ、肝炎、および麻疹のような)に対 する免疫化に有用な保護ポリペプチドを含み得る。このようなワクチンは、種々 の保護aoHGEポリペプチドに対する抗体を誘発するその能力によって、1つ以上 のaoHGEタンパク質を発現し得ないものでさえ、異なるaoHGE単離体の広いスペク トルを生じるようなヒト顆粒球エールリヒア症に対する保護に有効である。 多成分ワクチンは、種々の成分が共有結合される多量体分子の一部としてaoHG Eポリペプチドを含み得る。あるいは、複数の別々の成分を含み得る。例えば、 多成分ワクチンが調製され得、これは2つ以上のaoHGEポリペプチドを含む。こ こで、各ポリペプチドは、独立した細胞培養物から発現および精製され、そして ポリペプチドは、処方の前または間に結合される。 あるいは、多成分ワクチンは、ヘテロダイマーまたはテトラマーから調製され 得る。ここで、ポリペプチドはイムノグロブリン鎖またはその部分に融合してい る。このようなワクチンは、例えば、イムノグロブリン重鎖に融合した44kDa ao HGEポリペプチドおよびイムノグロブリン軽鎖に融合したE6 aoHGEポリペプチド を含み得、そして重鎖融合をコードするDNAおよび軽鎖融合をコードするDNAで宿 主細胞を形質転換することによって産生され得る。当業者は、選択された宿主細 胞が2つの鎖を適切に会合させ得るべきであることを理解する。あるいは、重鎖 および軽鎖の融合体は、別々の細胞株から産生され得、そして精製後に会合し得 る。 特定の成分を含む望ましさおよび各成分の相対比は、本明細書中に開示される アッセイ系を用いることによって、または当業者に公知の他の系を用いることに よって決定され得る。最も好ましくは、多成分ワクチンは、多数の保護aoHGEポ リペプチドのT細胞およびB細胞エピトープを含む。 本発明はまた、本発明のaoHGEポリペプチド(単独または組合せのいずれか) が、リポソーム輸送系を介して、それらの安定性および/または免疫原性を増強 するために、動物に投与され得ることを意図する。リポソームを介するaoHGEポ リペプチドの送達は、特に有利であり得る。なぜなら、リポソームは、処置した 動物における食細胞によって内部移行され得るからである。このような細胞は、 リポソームの摂取に基づいて、リポソーム膜を消化し、続いて強力な免疫応答を 誘発するのに必要な他の分子に関連して、免疫系に対するポリペプチドを提示す る。 リポソーム系は、任意の種々の単層ベシクル、多重膜ベシクル、または安定な 多層ベシクルであり得、そして当業者に周知の方法にしたがって、例えば、米国 特許第5,169,637号、同第4,762,915号、同第5,000,958号、または同第5,185,154 号にしたがって、調製および投与され得る。さらに、本発明のaoHGEポリペプチ ド、ならびに他の選択したaoHGEポリペプチドを、リポソームタンパク質のよう に、それらのリポソームへの結合を増強するために、発現することが所望され得 る。 本発明の任意のaoHGEポリペプチドは、薬学的に受容可能な塩の形態で使用さ れ得る。本発明のポリペプチドとの塩を形成し得る適切な酸および塩基は、当業 者に周知であり、そして無機酸および有機酸ならびに塩基を含む。 本発明にしたがって、本発明者らは、治療有効量のaoHGEポリペプチド、また はaoHGEポリペプチドを含む融合タンパク質もしくは多量体タンパク質で、aoHGE 感染をいくらかの期間予防または重症度を低減させるのに十分な様式において動 物を処置する工程を含む方法を記載する。このような方法において使用されるの に好ましいポリペプチドは、保護エピトープを含むものである。このような保護 エピトープは、B細胞エピトープ、T細胞エピトープ、またはそれらの組合せで あり得る。 本発明の別の実施態様に従って、本発明者らは、治療有効量のaoHGEポリペプ チド、またはaoHGEポリペプチドを含む融合タンパク質もしくは多量体タンパク 質を含む多成分ワクチンで、aoHGE感染をいくらかの期間予防または重症度を低 減させるのに十分な様式において動物を処置する工程を含む方法を記載する。再 び、このような方法における使用に好ましいポリペプチド、融合タンパク質、お よび多量体タンパク質は、B細胞エピトープ、T細胞エピトープ、またはそれら の組合せであり得る保護エピトープを含むものである。 これらの組成物方法における使用に最も好ましいポリペプチド、融合タンパク 質、および多量体タンパク質は、強力なT細胞およびB細胞エピトープの両方を 含むものである。理論に縛られずに、本発明者らは、これは、aoHGE感染を中和 するのに有効な高力価の抗体を刺激する最良の方法であると考える。このような 好ましいポリペプチドは、B細胞エピトープ(単数または複数)を認識する表面 イムノグロブリンを発現するB細胞によって内部移行され得る。次いで、B細胞 は抗原をプロセシングし、そしてそれをT細胞に提示する。T細胞はT細胞エピ トープ(単数または複数)を認識し、そして抗体に分化して血漿細胞を産生する B細胞を順に生じるリンホカインを増殖および産生することによって応答する。 従って、この系において、閉自己触媒周期が存在し、これはBおよびT細胞応答 の両方の増幅を生じ、aoHGEポリペプチドに対する高力価の抗体を含む強力な免 疫応答の産生を最終的に導く。 当業者はまた、本発明のaoHGEポリペプチドをTヘルパー細胞1型(TH1)(活 性化マクロファージを助ける)および/またはTヘルパー細胞2型(TH2)(抗 体応答を生成するB細胞を助ける)の産生を助ける形態において投与することが 利点であり得ることを理解する。強力なT細胞またはB細胞であるエピトープを 投与することの他、TH1またはTH2細胞の誘導はまた、ポリペプチドの投与の態様 によって助けられ得る。例えば、aoHGEポリペプチドは、特定の投薬量または特 定のアジュバントおよび免疫調節物質、例えば、インターフェロン-γもしくは インターロイキン-12(TH1応答)またはインターロイキン-4もしくはインターロ イキン-10(TH2応答)とともに投与され得る。 本発明の好ましいポリペプチドを調製するために、1つの実施態様において、 本発明のaoHGEポリペプチドの重複フラグメントは、本明細書中に記載のように 構築される。B細胞エピトープを含むポリペプチドは、種々の方法において、例 えば、(1)ポリペプチドに対して指向されるポリクローナル抗血清から保護抗 体を除去するかまたは(2)aoHGE感染を予防するかまたは重症度を低減するの に有効である免疫応答を誘発するそれらの能力によって同定され得る。 あるいは、ポリペプチドは、モノクローナル抗体を産生するのに使用され得、 これは、天然の動物を免疫化するのに使用された場合、aoHGE感染に対する保護 を付与するそれらの能力についてスクリーニングされる。一旦所定のモノクロー ナル抗体が保護を付与することが見いだされると、次いで、その抗体によって認 識される特定のエピトープが同定され得る。 T細胞エピトープの認識はMHC拘束性であるので、T細胞エピトープを含むポ リペプチドは、増殖を刺激するそれらの能力、ならびに/あるいはヒトの種々の HLA型から、C3Hもしくは他の実験マウスのリンパ節、脾臓、もしくは末梢血リン パ球から、または家畜から作製されるT細胞クローンによるサイトカイン産生に ついてそれらを試験することによってインビトロで同定され得る。異なるクラス II抗原を有する個体によって認識される複数のT細胞エピトープを含む組成物は 、幅広い領域の患者におけるヒト顆粒球エールリヒア症の予防および処置に有用 である。 本発明の好ましい実施態様において、B細胞を含むaoHGEポリペプチドは、強 力なT細胞エピトープを含む1つ以上の他の免疫原性aoHGEポリペプチドに融合 され得る。強力なT細胞およびB細胞エピトープの両方を有する融合タンパク質 は、aoHGEでの感染を中和するのに有効な高力価の抗体応答の誘発において、関 与し得る。 強力なT細胞エピトープはまた、非aoHGE分子によって提供され得る。例えば 、強力なT細胞エピトープは、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBcAg)に観察され ている。さらに、これらのセグメントのうちの1つのB型肝炎ウイルスの表面抗 原のセグメントへの結合(T細胞によってわずかに認識される)は、抗HBV表面 抗 原応答の主要な増幅を生じることが示されている(D.R.Milichら、「Antibody P roduction To The Nucleocapsid And Envelope Of The Hepatitis B Virus Prim ed By ASingle Synthetic T Cell Site」Nature,329,547-49頁(1987))。 それゆえ、なお別の好ましい実施態様において、aoHGEポリペプチドのB細胞 エピトープは、HBcAGのセグメントまたは強力なT細胞エピトープを含む他の抗 原に融合され、aoHGEに対する高力価の抗体応答を誘発し得る融合タンパク質を 産生する。さらに、本発明のaoHGEポリペプチドを幅広く認識されてもいる強力 な免疫源(例えば、破傷風毒素)に転結することは、特定の利点であり得る。 当業者によって、本発明のaoHGEポリペプチド、ならびにそれらを含む融合タ ンパク質および多量体タンパク質は、組換え手段、化学手段、またはそれらの組 合せによって調製され得ることは、容易に認識される。 例えば、ポリペプチドは、本明細書中に含まれる配列表に示されるようなaoHG E単離体NCH-1のDNA配列を用いて、組換え手段によって作製され得る。ポリペプ チドの血清型改変体をコードするDNAは、例えば、PCRおよび本明細書中に開示さ れる配列に由来するオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、さらにクローン化 され得る。 この点に関して、aoHGEポリペプチドをコードする遺伝子を、NCH-1株とは抗原 性が異なる単離体(すなわち、aoHGE NCH-1ポリペプチドが保護に効果的でないa oHGE単離体)から、本発明の方法および組成物に有用な幅広い領域の異なるエピ トープを得るために、単離することとが特に所望され得る。 オリゴヌクレオチドプライマーおよび本発明のaoHGEポリペプチドをコードす る遺伝子に由来する他核酸プローブもまた使用され得、aoHGEおよび本発明のDNA 配列に相同なDNA配列の領域を含み得るaoHGE関連リケッチアから他の関連するタ ンパク質を単離し、そしてクローン化し得る。さらに、本発明のDNA配列もまた 、PCR反応において使用され得、予測した感染サンプルにおけるaoHGEの存在を検 出する。 本発明のaoHGEポリペプチドが組み換え的に産生される場合、それらは、単細 胞宿主において発現され得る。当業者に周知のように、宿主において高発現レベ ルの外来DNA配列を得るために、配列は一般的に、選択された宿主に機能的であ る転写および翻訳発現調節配列に作動可能に連結される。好ましくは、発現制御 配列および目的の遺伝子は、選択マーカーをさらに含む発現ベクター中に含まれ る。 本発明のポリペプチドをコードするDNA配列は、シグナル配列をコードし得る かまたはコードし得ない。発現宿主が真核生物である場合、一般的に、シグナル 配列がコードされ、その結果成熟タンパク質が真核生物宿主から分泌されること が好ましい。 アミノ末端メチオニンは、本発明の発現したポリペプチドに提示され得るかま たはされ得ない。末端メチオニンが、発現宿主によって切断されない場合、所望 であれば、標準的な技術によって化学的に除去され得る。 広範な種々の発現宿主/ベクターの組合せは、本発明のDNA配列を発現するの に使用され得る。真核生物宿主に有用な発現ベクターとしては、例えば、SV40由 来の発現制御配列、ウシパピローマウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイ ルス、サイトメガロウイルス、およびレンチウイルスを含むレトロウイルスを含 むベクターが挙げられる。細菌宿主に有用な発現ベクターとしては、E.coli由来 ベクターのような、pBluescript、pGX-2T、pUCベクター、col El、pCR1、pBR322 、pMB9を含む細菌プラスミドおよびそれらの誘導体、PET-15 RP4のような幅広い 宿主範囲のプラスミド、ファージDNA(例えば、λファージ(λGT10およびλGT1 1)の多数の誘導体)、および他のファージ)のような細菌プラスミドが挙げら れる。酵母細胞に有用な発現ベクターとしては、2μプラスミドおよびその誘導 体が挙げられる。昆虫細胞に有用なベクターとしては、pVL941が挙げられる。 さらに、任意の広範な種々の発現制御配列(作動可能に連結された場合にDNA 配列の発現を制御する配列)が、これらベクターに使用され得、本発明のDNA配 列を発現する。このような有用な発現制御配列は、外来発現ベクターの構造遺伝 子と関連する発現制御配列を含む。有用な発現制御配列の例としては、例えば、 SV40またはアデノウイルスの初期および後期プロモーター、lac系、trp系、TAC またはTRC系、T3およびT7プロモーター、λファージの主要なオペレーターおよ びプロモーター領域、fdコートタンパク質の制御領域、3-ホスホグリセリン酸キ ナーゼまたは他の糖分解酵素についてのプロモーター、酸性ホスファターゼのプ ロモーター(例えば、Pho5)、酵母α接合系ならびに原核生物もしくは真核生物 細胞またはそれらのウイルスの遺伝子の発現を制御することが公知である他の構 成および誘導プロモーター配列、ならびにそれらの種々の組合せが挙げられる。 好ましい実施態様において、本発明のaoHGEポリペプチドをコードするDNA配列 は、lacプロモーターからの発現がIPTGによって誘導され得る発現ベクターλZAP II(Stratagene,La Jolla,CA)においてクローン化される。 別の好ましい実施態様において、本発明のaoHGEポリペプチドをコードするDNA は、インフレームで、グルタチオンS-トランスフェラーゼ融合タンパク質のよう なポリペプチドの高レベルの発現を可能にする発現ベクターに挿入される。従っ て、このような融合タンパク質は、ベクター配列によってコードされるアミノ酸 ならびにaoHGEポリペプチドのアミノ酸を含む。 広範な種々の単細胞宿主細胞は、本発明のDNA配列を発現するのに有用である 。これらの宿主としては、周知の真核生物および原核生物宿主、例えば、E.coli 、Pseudomonas、Bacillus、Streptomyces、真菌、酵母、Spodoptera frugiperda (SF9)のような昆虫細胞、CHOおよびマウス細胞のような動物細胞、COS1、COS7 、BSC1、BSC40、およびBMT10のようなアフリカミドリザル細胞、およびヒト細胞 、ならびに植物細胞の株が挙げられ得る。 もちろん、全てのベクターおよび発現制御配列が、本発明のDNA配列を発現す るのに十分等しく機能するのではないことが理解されるべきである。全ての宿主 が同様の発現系に十分等しく機能するわけでもない。しかし、当業者は、これら のベクター、発現制御配列、および宿主の間の選択を、過度の実験をせずに、そ して本発明の範囲から逸脱せずに行い得る。例えば、ベクターの選択において、 宿主が考慮されなければならない。なぜなら、ベクターはその中で複製されなけ ればならないからである。ベクターのコピー数、コピー数を制御する能力、もし あれば、組み込みを制御する能力、およびベクターによってコードされる任意の 他のタンパク質(例えば、抗生物質または他の選択マーカー)の発現もまた考慮 されるべきである。 発現制御配列の選択において、種々の要因もまた考慮されるべきである。これ らは、例えば、プロモーター配列の相対強度、その制御能力、および本発明のDN A配列とのその適合性、特に潜在的な二次構造に関する適合性を含む。単細胞宿 主は、選択したベクターとのそれらの適合性、本発明のDNA配列によってコード される産物の毒性、それらの分泌特徴、正確にポリペプチドを折り畳むそれらの 能力、それらの発酵または培養条件、および本発明のDNA配列によってコードさ れる産物のものからの精製の容易さの考慮によって選択されるべきである。これ らのパラメーター内において、当業者は、発酵または他の大量培養における本発 明のDNA配列を発現する、種々のベクター/発現制御配列/宿主組合せを選択し 得る。 本発明のDNA配列によってコードされるaoHGEポリペプチドを含む分子は、発酵 または細胞培養から単離され、そして以下を含む任意の種々の従来の方法を用い て精製され得る:HPLC、FPLC、などを用いる、順相または逆相のような液体クロ マトグラフィー;アフィニティークロマトグラフィー(例えば無機リガンドまた はモノクローナル抗体との);サイズ排除クロマトグラフィー;固定化金属キレ ートクロマトグラフィー;ゲル電気泳動など。当業者は、本発明の範囲から逸脱 せずに、最も適切な単離および精製技術を選択し得る。 さらに、aoHGEポリペプチドは、任意のいくつかの化学的技術によって作製さ れ得る。例えば、R.B.Merrifield,「Solid Phase Peptide Synthesis.I.The S ynthesis Of A Tetrapeptide」,J.Am.Chem.Soc.,83,2149〜54頁(1963)によ って元々記載され、固相合成技術を用いて調製され得るか、または溶液中の合成 によって調製され得る。ペプチド合成技術の要約は、E.GrossおよびH.J.Meinhof er,4 The Peptides:Analysis,Synthesls,Biology;Modern Techniques Of Pep tide And Amino Acid Analysis,John Wiley & Sons,(1981)、およびM.Bodan szky,Principles Of Peptide Synthesis,Springer-Verlag(1984)に見いださ れ得る。 代表的には、これらの合成方法は、1つ以上のアミノ酸残基の成長するペプチ ド鎖への連続付加を含む。しばしば、ペプチドカップリング剤が、この反応を容 易にするためにに使用される。本明細書中に記載される使用に適切なペプチドカ ップリング剤の詳説については、M.Bodansky(前出)を参照のこと。通常、第1 アミノ酸残基のアミノ基またはカルボキシ基のいずれかは、適切な選択的に除去 可能な保護基によって保護される。異なる保護基は、反応性側基(例えば、リジ ン)を含むアミノ酸に利用される。ペプチド合成の分野で公知であり、そしてそ の分野で従来の略語によって認識される種々の保護基は、T.Greene,Protective Groups In Organic Synthesis,Academic Press(1981)に見いだされ得る。 本発明の別の実施態様に従って、aoHGEポリペプチドに対して指向される抗体 が作製される。このような抗体は、本発明のaoHGEポリペプチドと免疫学的に反 応するイムノグロブリン分子またはその部分である。本発明の抗体は、aoHGEポ リペプチドを含む融合タンパク質および多量体タンパク質と免疫学的に反応する 抗体を含むことが理解されるべきである。 aoHGEポリペプチドに対して指向される抗体は、哺乳動物宿主のaoHGEでの感染 を含む種々の手段によって、または哺乳動物宿主の本発明のaoHGEポリペプチド での免疫化によって作製され得る。このような抗体は、ポリクローナルまたはモ ノクローナルであり得、モノクローナルであることが好ましい。ポリクローナル およびモノクローナル抗体を産生する方法は、当業者に周知である。このような 方法の概説については、Antiboodies,A Laboratory Manual(前出)およびD.E. Yeltonら、Ann.Rev.of Biochem.,50,657〜80頁(1981)を参照のこと。本発 明のaoHGEポリペプチドでの免疫反応性の決定は、当該分野で周知の任意のいく つかの方法(イムノブロットアッセイおよびELISAを含む)によって行われ得る 。 本発明の抗体はまた、異種(例えば、マウスおよびヒト)由来のイムノグロブ リン配列から、または同種由来の免疫グロブリン軽鎖および重鎖配列の部分から 形成されたハイブリッド分子であり得る。複数の結合特異性を有する分子、例え ば、当業者に公知の多数の技術のいずれか1つによって調製される二機能性抗体 であり得、この技術は以下を含む:ハイブリッドハイブリドーマの産生;ジスル フィド交換:化学架橋;2つのモノクローナル抗体の間のペプチドリンカーの付 加;2つのセットのイムノグロブリン重鎖および軽鎖の特定の細胞株への導入な ど。 本発明の抗体はまた、当該分野で公知の任意のいくつかの方法によって産生さ れる、ヒトモノクローナル抗体であり得る。例えば、ヒトモノクローナル抗体は 、ヒト細胞を不死化することによって、SCID-huマウスまたは「ヒト」抗体を産 生 し得る他の非ヒト動物によって、クローン化ヒトイムノグロブリン遺伝合いの発 現によって、ファージディスプレイによって、または当該分野で公知の任意の他 の方法によって産生され得る。 さらに、本発明の抗体を、毒素(例えば、ジフテリア、シュードモナス(pseu dononas)外毒素、リシンA鎖、ゲロニン(gelonin)など)、または抗生物質( 例えば、ペニシリン、テトラサイクリン、およびクロラムフェニコール)に結合 させることは利点であり得る。 要するに、当業者に本発明の教示が提供されれば、本発明の抗体の生物学的特 徴を変更するのに使用され得る種々の方法が利用可能であり、これは、安定性も しくは半減期、免疫原性、毒性、所定の抗体分子の親和性もしくは収率、を増加 または減少させる方法を含み、または特定の用途により適切であるものを付与し 得る任意の他の方法におけるものを変更するのに使用され得る種々の方法が利用 可能である。 当業者は、aoHGEポリペプチドに対する抗体が、ヒト顆粒球エールリヒア症お よびaoHGE感染に対する治療用および予防用組成物および方法における効用を有 し得る。例えば、感染マダニにおけるaoHGEのレベルは、本発明のaoHGEポリペプ チドで免疫化した動物の血液を食餌することを可能にすることによって減少され 得る。 本発明の抗体はまた、種々の他の使用を有する。例えば、それらは、aoHGE DN Aまたはタンパク質が存在し得る他のサンプルのいずれかから構築されたライブ ラリーにおいて、aoHGEポリペプチドの発現についてスクリーニングするための 試薬が使用される。さらに、それらの結合親和性の長所によって、本発明の抗体 はまた、所定のサンプルからポリペプチドを精製または除去すること、ポリペプ チド上の特異的なエピトープにブロックまたは結合すること、およびaoHGEの表 面に対して種々の分子(例えば、毒素)を指向させることに有用である。 本発明のaoHGEポリペプチドおよび抗体を、ヒト顆粒球エールリヒア症に対す る保護を付与するそれらの能力またはaoHGE感染の重症度を低減させるそれらの 能力についてスクリーニングするために、実験用マウスが動物モデルとして好ま しい。もちろん、aoHGEでの感染に感受性である任意の動物が有用であり、マウ スはaoHGE感染に感受性であるのみでなく、ヒトにおけるヒト顆粒球エールリヒ ア症に顕著に類似する疾患の臨床徴候にもまた影響され得る。さらに、aoHGEで 感染したマウスのマダニ伝達による体液性応答は、ヒト体液性応答に強度に類似 することが、見いだされている。従って、特定のaoHGEポリペプチドまたは抗aoH GEポリペプチド抗体をマウスに投与することによって、当業者は、過度の実験を せずに、ポリペプチドまたは抗体が本明細書中で請求される方法および組成物に 有用であるかどうか決定し得る。 本発明のaoHGEポリペプチドまたは抗体の動物への投与は、本明細書中に開示 される任意の方法または種々の他の標準的な手順によって達成され得る。このよ うな教示の詳細な議論については、Antibodies,A Labolatory Manual(前出) を参照のこと。好ましくは、ポリペプチドが使用される場合、薬学的に受容可能 なアジュバント(例えば完全または不完全フロイントアジュバント、RIBI(ムラ ミルジペプチド)、またはISCOM(免疫刺激複合体))とともに投与される。こ のようなアジュバントは、局所的な蓄積へと隔離することによって迅速な分散か らポリペプチドを保護し得るか、またはそれらは、宿主を刺激してマクロファー ジおよび免疫系の他の成分に走化性である因子を分泌する物質を含み得る。好ま しくは、ポリペプチドが投与される場合、免疫化スケジュールは、ポリペプチド の2以上の投与に関与し、数週間を超えて拡張される。 一旦、本発明のaoHGEポリペプチドまたは抗体が、スクリーニングプロセスに 有効であることが決定されると、ヒト顆粒球エールリヒア症を処置または防ぐた めの薬学的組成物および方法における治療有効量において使用され得る。 本発明の薬学的組成物は、種々の従來の蓄積形態におけるものであり得る。こ れらとしては、例えば、固体、半固体、および液体投薬形態が挙げられ、例えば 、錠剤、丸剤、散剤、液体溶液もしくは懸濁液、リポソーム、カプセル、坐剤、 注射液、および輸液が挙げられる。好ましい形態は、意図される態様の投与また は予防用適用に依存する。 このような投薬形態は、当業者に公知である薬学的に受容可能なキャリアおよ びアジュバントを含み得る。これらのキャリアおよびアジュバントとしては、例 えば、RIBI、SCOM、イオン交換剤、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レ シチン、血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝化物質(例えば 、リン酸塩類、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム)、植物性飽和脂肪 酸の部分的なグリセリド混合物、水、塩または電解質(例えば、硫酸プロタミン 、リン酸水素二ナトリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイドシリカ、三ケイ 酸マグネシウム)、ポリビニルピロリドン、セルロースベース物質、およびポリ エチレングリコールが挙げられる。局所的またはゲルベース形態についてのアジ ュバントは、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ポリ オキシエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコ ール、およびウッドワックスアルコールからなる群より選択され得る。 本発明のワクチンおよび組成物はまた、他の組成物を含み得るか、またはそれ らの免疫原性特徴を増強するかもしくは患者におけるそれらの寛容性を改良する ために供され得る。 本発明の抗体を含む組成物は、他の受動的免疫治療に使用されるものに類似で あり、そして当業者に周知である種々の投薬形態およびレジメによって投与され 得る。一般的には、aoHGEポリペプチドは、他の薬学的に重要なペプチドについ て使用されるもの(例えば、肝炎に対するワクチン)と類似の方法および組成物 を用いて、患者に処方および投与され得る。 任意の薬学的に受容可能な投薬経路(非経口、静脈内、筋肉内、病巣内、また は皮下注射を含む)は、ポリペプチドまたは抗体組成物を投与するのに使用され 得る。例えば、組成物は、任意の薬学的に受容可能な投薬形態において患者に投 与され得、これは、大量瞬時投与として静脈内に、または数時間、数日間、数週 間、または数ヶ月間にわたる連続注入によって、筋肉内(脊椎傍および関節周囲 を含む)、皮下、皮内、関節内、髄膜内、くも膜下腔内、病巣内、骨膜に、ある いは経口または局所的経路によって、患者に投与され得る。好ましくは、本発明 の組成物は、単位用量の形熊であり、そして通常は患者に筋肉内に投与される。 本発明のaoHGEポリペプチドまたは抗体は、一回でまたは一連の処置にわたっ て患者に投与され得る。投与および投薬レジメの最も効果的な態様は、免疫原性 のレベル、処置に使用される特定の組成物および/またはアジュバント、予測し た感染の重症度および過程、以前の治療、患者の健康状態および免疫化への応答 、 ならびに治療医の判断に依存する。 例えば、免疫適格性の患者において、より高度な免疫原性のポリペプチド、低 投薬量、および免疫化に必要な数である。同様に、ペプチドがアジュバントとと もに投与される場合、投薬量および必要な処置時間は低い。一般的には、投薬量 は、精製ポリペプチドの10μg〜100mgからなり、そして好ましくは、投薬量は 、10〜1000μgからなる。一般的には抗体についての投薬量は、0.5mg〜3.0gで ある。 本発明の好ましい実施態様において、aoHGEポリペプチドは、その免疫原性を 増加するために、アジュバントとともに投与される。有用なアジュバントとして は、RIBI、およびISCOM、単純な金属塩(例えば、水酸化アルミニウム)、およ びオイルベースのアジュバント(例えば、完全および不完全フロイントアジュバ ント)が挙げられる。オイルベースのアジュバントが使用される場合、ポリペプ チドは、通常、アジュバントとのエマルジョンで投与される。 なお別の好ましい実施態様において、aoHGEポリペプチドを含むタンパク質を 発現するE.coliは、当該分野で公知の方法にしたがって、非ヒト動物に、経口投 与され、aoHGE感染の重篤度を減少または低減する。例えば、単独または融合タ ンパク質もしくは多量体タンパク質の形態でaoHGEポリペプチドを発現する細菌 の好ましいレジメは、野生型マウスまたはaoHGEを有する他の動物によって消費 される動物食物とともに投与され得る。 このような細菌の摂取は、液性および細胞媒介性成分の両方を含む免疫応答を 誘導し得る。J.C.Sadoffら、「Oral Salmonella Tryphimurim Vaccine Expressi ng Circumsporozoite Protein Protects Against Malaria」Science,240,336 〜38頁(1988)およびK.S.Kimら、「Immunization Of Chickens With Live Esch ericia coli Expressing Eimeria acervulia Merozoite Recombinant Antigen I nduces Partial Protection Against Coccidiosis」、Inf.Immun.,57,2434〜4 0頁(1989);M.Dunneら、「Oral Vaccination Against Human granulocytic eh rlichiosis Using Salmonella Expressing OspA」、Inf.And Immun.,63:1611 (1995);E.Fikrigら、「Protection of Mice From Lyme Borreliosis By Oral Vaccination With Echerichia coli Expressing OspA」、J.Infec,Dis.,164:1 224(1991)を参照のこと。 さらに、このような動物を食餌するマダニにおけるaoHGE感染のレベルは、低 減または制限され、従って、次の動物への伝達を阻害し得る。 なお別の実施態様に従って、本発明の抗体ならびに本発明のaoHGEポリペプチ ド、およびそれらをコードするDNA配列は、aoHGEでの感染を検出するための診断 用薬剤として有用である。ポリペプチドは、aoHGEで感染した動物(ヒトを含む )において産生される抗体分子に結合し得、そして抗体は、aoHGEまたはその抗 原に結合し得る。 このような診断用薬剤は、使用のための説明書および他の適切な試薬もまた含 み得るキットに、好ましくは、ポリペプチドまたは抗体が結合されるかどうか検 出するための手段おいて含まれ得る。例えば、ポリペプチドまたは抗体は、抗体 に結合する場合のポリペプチドの検出、またはaoHGEもしくはその抗原に結合す る場合の抗体の検出を可能にする検出手段で標識され得る。 検出手段は、蛍光標識試薬(例えば、フルオレセインイソシアネート(FIC) 、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)など)、酵素(例えば、西洋ワサ ビペルオキシダーゼ(HRP)、グルコースオキシダーゼなど)、放射活性エレメ ント(例えば、ガンマ線放射を産生する125Iまたは51Cr)、または試験溶液中に 存在する電子との遭遇に基づいてガンマ線を産生するポジトロン(positron)を 放射する放射性エレメント(例えば、11C、15O、または13N)であり得る。結合 はまた、他の方法によって、例えば、アビジン-ビオチン複合体を介して検出さ れ得る。 検出手段の結合は、当該分野で周知である。例えば、ハイブリドーマによって 産生されるモノクローナル抗体分子は、培養培地において、放射性同位体含有ア ミノ酸の取り込みによって、代謝的に標識され得るか、またはポリペプチドは、 活性化官能基を介する検出手段に結合またはカップリングし得る。 本発明の診断用キットは、体液サンプル(例えば、血清、血漿、または尿)に おけるaoHGEまたは抗aoHGE抗体の量の存在を検出するために使用され得る。従っ て、好ましい実施態様において、本発明のaoHGEポリペプチドまたは抗体は、水 性媒体からの吸着にて、代表的に固体支持体に結合する。有用な固体マトリック スは、当該分野で周知であり、そして架橋デキストラン;アガロース;ポリスチ レン;塩化ポリビニル;架橋ポリアクリルアミド;ニトロセルロースまたはナイ ロンベース材料;マイクロタイタープレートのチューブ、プレート、またはウェ ルが挙げられる。本発明のポリペプチドまたは抗体は、溶液形態における診断用 試薬として、または実質的には乾燥粉末として(例えば、凍結乾燥形態において )使用され得る。 aoHGEポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対して指向される抗体は、 全体のaoHGEよりも大いに特異的な診断用試薬を提供し、従って、偽ポジティブ および偽ネガティブな結果と同じ落とし穴を軽減し得る。 特に、当業者は、感染した宿主において選択的に発現され、そして培養したao HGEにおいては選択的に発現されない本発明のaoHGEポリペプチド、およびこのよ うなポリペプチドに対して指向される抗体は、抗原として培養したスピロヘータ の溶解物を用いる診断方法方法によって検出されないサンプルにおける、抗原お よび抗体の検出を可能にする。 当業者は、それが1つ以上のaoHGEタンパク質からのエピトープおよびこのよ うなエピトープに対して指向される抗体を利用する検出試薬の調製おいて有利で もあり得ることを理解する。ヒト顆粒球エールリヒア症の後期段階に生じる抗体 を誘発する他のaoHGEポリペプチドからのエピトープと組み合わせてaoHGE感染に おける初期に抗体を誘発するaoHGEポリペプチドのエピトープを使用することは 、特に有利であり得る。異なる型であらわれる抗体と反応性である複数のエピト ープを含む診断用試薬は、感染のコースを介して抗aoHGE抗体の存在を検出し、 そして全ての段階でヒト顆粒球エールリヒア症を診断するのに有用である。 当業者また、それがaoHGEならびに同じマダニベクター(例えば、Borrelia bu rgdorferiおよびBabesia microti)において見いだされる他の病原体を検出する 診断試薬およびそれらの使用のための説明書を含む診断用キットを調製するのに 有利であり得ることを理解する。 本発明のポリペプチドおよび抗体、ならびにそれらを含む組成物および方法も また、本発明のaoHGEポリペプチドとのアミノ酸配列またはコンフォメーション の類似性を共有する所定の表面タンパク質を含み得るリケッチア(例えば、Ehrl ichia equiおよびEhrlichia phagocytophila)によって引き起こされる他の感染 体の検出、阻止、および処置に有用であり得る。 本発明がより理解され得るために、以下の実施例が示される。これらの実施例 は、例示の目的のみであり、そして任意の様式において本発明の範囲を制限する ように解釈されるべきではない。 実施例I-HGE についての動物モデルの開発 本発明者らは、HGEの病原体を調査するため、ならびにaoHGE感染および/また はヒト顆粒球エールリヒア症に対する処置および予防に有効な免疫応答を誘発す るそれらの能力について本発明のaoHGEポリペプチドおよび抗体をスクリーニン グするために、動物モデルとして実験用マウスを確立した。本発明者らは、操作 に利用可能な広範な免疫学的、生物学的遺伝学的パラメーターの理由で、使用す るマウスを選択した。 本発明者らは、種々の株のマウスの、HGE薬剤のNCH-1単離体での感染に対する 感受性を試験した。本発明者らは、感染を生じるマダニを介して、またはいくつ かの異なる経路によるシリンジ接種を介してマウスを接種した。(S.W.Barthold ら、J.Inf.Dis.,(印刷中)。)本発明者らは、最大遺伝ディスプレイを有し、 そして異なるH-2ハプロタイプを提示するマウスを選択した。これらの研究に使 用したマウスは、C3H/HeJ、C3H/HeN、およびC3H/Smn CIcrHsd/scidマウスを含み 、Jackson Laboratory(Bar Harbor,ME)、NCI Animal Production Program,Fr ederick Cancer reserch Center(Frederick,MD)、およびHarlan Sprague Daw ley,Inc.(Indianapolis,IN)から、それぞれ購入した。妊娠中の非近交系Cr1 :CD-1(ICR)マウスを、Charles River Breeding Laboratories(Wilmington,MA) から購入した。 aoHGE感染を生じるマダニのコースを調査するために、本発明者らは、5匹のa oHGE感染した若虫マダニを未処置のC3Hマウスに配置し、そして飽食まで食餌さ せた。全てのマウスは感染し、マダニ食餌後5〜10日で、末梢血スメアにおいて 可視化桑実胚を有した。本発明者らは、マダニ食餌後5、10、17、および24日に 検証される感染を有する4匹のマウスおよび4匹の年齢適合コントロールマウス を検死した。 全ての感染したマウスは、一過性の巨脾症を示し、そして本発明者らは、17お よび24日の全てのマウスからの末梢血および脾臓からaoHGEを培養し得た。全て の感染したマウスはまた、10日までに、aoHGEに対する検出可能な抗体を発生し た。 感染したマウスは、ヒトHGEにおいて記載されたもの(白血球減少症を含む) に類似の全白血球、顆粒球およびリンパ球における減少を伴う一過性血液異常性 、ならびに貧血症を発症した。桑実胚を顆粒球においてのみ見いだした。 全ての時点で、全ての感染マウスの脾臓および骨髄において顕著な血液新生が あり、そしてほとんどの感染マウスの肺は、抗原性刺激を示す血管周囲のリンパ 系小結節を示した。 マウスのシリンジ接種への感受性を評価するために、本発明者らは、3〜5週 齢のマウスを、腹腔内および皮下の両方で、aoHGE感染SCIDマウス由来の血液( 桑実胚を有する10%顆粒球)の0.1mlの連続希釈(未希釈、1:10、1:100、および 1:000)で接種した。本発明者らは、接種後7、14、17、および21日のマウスか ら血液を回収し、そして桑実胚についての末梢血スメアをaoHGE感染を確立する ために実験した。両経路によって接種したマウスは感染したが、それらは、i.p. 接種による感染により感受性であるようである。外用診断法(感染マウスにおけ る食餌させる未感染マダニにおけるaoHGE感染の出現)は、マウスが55日目まで の持続して感染が残っていたことを実証した。 別々の実験において、本発明者らは、シリンジ感染によってaoHGEで感染した マウスを、接種後5、10、30、および60日目に検死した。本発明者らは、桑実胚 の視覚化による感染、培養、PCR、およびマウス感染性を、各時点で評価した。 全てのマウスは、30日目に感染が残っていた。60日目に、桑実胚、PCR、または 培養アッセイによって検出し得た感染はなかった。しかし、あるマウスは60日目 に感染が残っていた(マウス感染性アッセイに基づく)。 これらの研究の結果は、マウス(マダニまたはシリンジ接種)は感染し、そし てヒトにおけるHGEに顕著に類似する疾患の臨床的徴候を発症したことを示した 。マウスは、接種後少なくとも55日間持続して感染が残っており、そして感染、 抗体陽転、および疾患の間の100%相関関係を有した。 本発明者らは、それゆえ、ヒトにおけるHGEについての本発明者らの動物モデ ルとして実験用マウスを選択した。なぜなら、1)少数の生物でのaoHGE感染に 感受性であり、2)持続性感染を発症し、そして3)HGEの血液学的な徴候の100 %の発生率を発症する、完全に免疫適合性の成体宿主であるからである。 実施例II-幼齢マウス感染性アッセイ マウス感染性アッセイが、感染性aoHGEの存在を検出するための最も感受的な アッセイであるということが明らかとなった本発明者らの観察に基づいて、本発 明者らは、種々の世代のマウスにおけるアッセイの感受性を比較した。本発明者 らは、4〜5匹のマウスのグループを、1日、3日、5日、1週、および3週齢 で、感染したSCIDマウスの血液の0.1mlでのi.P.感染によって接種し、そして接 種後10日目に、血球容量、脾臓重量、桑実胚、およびPCRによって感染を評価し た。 本発明者らは、1日および3日で播種したマウスが、より上の世代のマウスよ りも桑実胚を有する顆粒球の有意に高い割合を有することを発見した。全ての感 染マウスは、増大した脾臓重量を有していた。 本発明者らは、次に、本発明者らの幼齢マウス感染性アッセイの感受性を評価 した。本発明者らは、4匹の1日齢マウスのグループを、感染SCIDマウスの血液 の連続希釈物(未希釈、1:10および1:100)でi.p.で接種した。マウスは、増加 した脾臓重量および桑実胚の視覚化によって決定したように、全ての接種用量で 感染した。 本発明者らの結果に基づいて、本発明者らの幼齢マウス感染性アッセイは、ao HGE感染を診断するために現在用いられるアッセイより、有意に感受性である。 実施例III-免疫原性aoHGEポリペプチドの単離および配列決定 感染動物(ヒトを含む)における体液性応答を誘発するaoHGEポリペプチドを 同定するために、本発明者らは、aoHGE感染HL-60細胞の溶解物を、aoHGEに感染 した患者およびaoHGEに実験的に感染したマウスからの血清でプローブした。 A.aoHGE 感染HL-60細胞の調製 本発明者らは、いくつかの改変とともに、Goodmanらの以前に公開された方法 に従って、HL-60細胞においてaoHGE単離体NCH-1を増殖させた(J.L.Goodmanら、 「Direct Cultivation of the Causative Agent of Human Granulocytic Ehrlic hiosis」、N.Engl.J.Med.,334,209から215頁(1996))。 簡単には、本発明者らは、HL-60(アメリカンタイプカルチャーコレクション2 40-CCL)を、20%ウシ胎児血清を補充したIscoveの改変Dulbecco培地において、 抗生物質を添加せずに、5%二酸化炭素とともに37℃にて維持し、培養した。 本発明者らは、10mlの増殖したHL-60細胞を、70ml培養フラスコ中1mlあたり 1×107細胞の密度に、aoHGE単離体NCH-1で感染したマウスからの50μlの血液 または脾臓組織とともに接種した。本発明者らは、週に2回細胞を給餌すること によって1mlあたり5×106〜1.5×107細胞の細胞密度を維持した。通常、本発 明者らは、5mlの培養物を除去して廃棄し、そして等量の新鮮な培地を添加した 。細胞計数が1mlあたり5×102以下であるとき、本発明者らは、新鮮なHL-60細 胞を、最終濃度1×106に添加した。本発明者らは、HL-60細胞の感染を、DiffQu ick(Baxter,Miaml,FL)で染色した培養細胞の光学顕微鏡法によって確認した 。 B.患者血清 本発明者らは、Connecticut Agricultural Experimental StationでL.Magnare lliおよびHarvardでS.Telford由来のaoHGE患者から血清を入手した。本発明者ら は、26の回復期および/または急性血清サンプルを、末梢血スメアにおける顆粒 球桑実胚の同定に基づいてaoHGE感染を確認した18名の患者から入手した。全て の患者は、発熱、頭痛、倦怠感および白血球減少症、ならびに/または貧血を伴 うかもしくは伴わない血小板減少症を有した。ほとんどの場台において、ヒトao HGE血清を、感染の診断後2〜8週に入手した。 C.マウス血清 本発明者らは、以下のように抗aoHGE抗血清を調製した。本発明者らは、aoHGE 患者由来の末梢血で、天然のマウスに腹腔内に接種した。本発明者らは、未感染 のI.scapularisマダニ(S.Telford,Harvard School of Tropical Public Healt h,Cambridge,MA)を、感染マウスで飽食するように食餌することを可能にした 。本発明者らは、石膏を含むメッシュカバーをしたバイアルに飽食したマダニを 配 置し、そして室温にて、記載のように若虫に脱皮するまで維持した(S.R.Telfor dら、「Perpetuation Of The Agent Of Human Granulocytic Ehlichiosis In AD eer Tick-Rodent Cycle」、Proc.Natl.Acad Sci.USA,93,6209〜6214頁(199 6)。 本発明者らは、3〜4週齢のランダムな性別のC3H特異的病原体フリーマウス (Jackson Laboratories,Bar Harbor,ME)を、各マウスに500若虫を配置し、 そしてマダニを飽食するまで食餌させ得ることによって感染させた。本発明者ら は、マダニが飽食した後5日で開始し、1週間毎日血液スメアを作製した。全て のマウスは、マダニ食餌後5〜10日で、1つ以上の毎日の血液スメアにおいて種 々の顆粒球桑実胚を有した。 本発明者らは、前述のように接種したHL-60細胞において、感染後17および24 日後で感染マウスからの末梢血およびプールした脾臓ホモジネートとともに、ao HGEを培養し得た。本発明者らは、マダニ食餌後10、17、および24日で、血清を 得た。 当業者は、aoHGEの他の単離体(例えば、Yale単離体、RO1、Minnesota単離体 、または他の単離体)に対する抗血清を、同様の方法において調製し得る。 D.イムノブロット分析 本発明者らは、以下のようにイムノブロットのための溶解物を調製した。本発 明者らは、aoHGE単離NCH-1で感染したHL-60細胞を、2000rpmでペレット化し、そ してPBS中で2回洗浄した。本発明者らは、洗浄した細胞を、本来の容量の10分 の1で再懸濁し、100℃に5分間加熱し、ローディング緩衝液と混合し、そして1 0%SDS-ポリアクリルアミドミニゲル(Hoeffer)上に細胞を配置した。本発明者 らは、各レーンに25μgの全タンパク質をロードした。 本発明者らは、電気泳動によってタンパク質を分離し、そしてニトロセルロー スに転写した。本発明者らは、ストリップを、5%粉ミルクで1時間ブロックし 、そして1:100希釈の患者の血清(マウス血清については1:500)とともに1時間 インキュベートした。本発明者らは、二次抗体としてアルカリホスファターゼ結 合F(ab')2抗ヒトまたは抗マウスイムノグロブリンMもしくはG(Sigma)、および NBT-BCIPを用いて結合した抗体を検出した。 本発明者らは、未感染HL-60細胞の溶解物を使用して、コントロールとして同 一の様式において調製した。さらなるコントロールとして、本発明者らは、未感 染およびaoHGE NCH-1感染HL-60細胞の溶解物を、aoHGE感染を有さないボランテ ィア由来の血清でプローブした。 図9に示されるように、ヒト抗aoHGE抗血清中の抗体は、40、44、65、80、94 、105、110、115、および125kDaの分子量を有するaoHGEタンパク質と反応した。 マウス血清は、25、34、および35kDaの分子量を有するaoHGEタンパク質、なら びに40〜44kDaの間の分子量を有するタンパク質とさらに反応した。マダニの噛 みつきによって感染したマウス由来の血清は、80kDa aoHGEタンパク質と反応す るが、シリンジによって感染したマウス由来の血清は反応しなかった。 実施例IV-aoHGE タンパク質の特徴付け aoHGE感染個体の血清中の抗体によって認識される免疫原性aoHGEタンパク質を 特徴付けるために、本発明者らは、実施例IIIに記載のように実施したイムノブ ロットにおいて同定したタンパク質を配列決定した。 タンパク質配列決定を実施するために、第1に、本発明者らは、実施例IIIに 記載のように調製した感染HL-60細胞から、以下のように、aoHGEを精製した。 本発明者らは、いくつかの改変とともにHansonらによって記載されるようなレ ノグラフィン(renografin)密度勾配遠心分離によって、aoHGEを精製した(B.A .Hansonら、「Some Characteristics of Heavy and Light Bands of Rickettsia prowazekii on Renografin Gradients」、Infect.Immun.,34,596〜604頁(1 981);S.M.Chenら、「Identification of the Antigenic Constituents of Ehrl ichia chaffeensis」、Am.J.Trop.Med.Hyg.,50,52〜58頁(1994))。 簡単には、本発明者らは、HL-60細胞においてaoHGE(NCH-1単離体)を培養し 、1000mlのaoHGE感染HL-60細胞(少なくとも70%感染された細胞)を、1500rpm で10分間遠心分離し、PBS-グルコース(0.02%)に再懸濁し、そして同じ条件を 用いて再度遠心分離した。 本発明者らは、21ゲージ針で剪断することによって、HL-60細胞を溶解し、200 0rpmで10分間細胞細片をペレット化し、上清を回収し、そしてRNaseおよびDNase (最終濃度50μg/ml)とともにインキュベートして、任意のヒトDNAを取り出し た。42%および30%不連続レノグラフィン勾配(Hypaque 76,Nycomed Inc.,N. Y.)を用いて、本発明者らは、スイングバケットローター(Beckman,Fullerton ,CA)において22,000rpmで75分間、4℃にて超遠心分離した。本発明者らは、3 0%レノグラフィンと42%レノグラフィンとの界面でのバンドにおいてaoHGEを回 収した。本発明者らは、滅菌ピペットにおいて界面バンドを回収し、そしてSPGN (7.5%スクロース、3.7mM KH2PO4、および5mM 1-グルタミン)に溶解させ、13 ,000rpmでペレット化し、そして2μg/μlの濃度でSPGNに再懸濁した。本発明 者らは、懸濁液を-70℃にて貯蔵した。 重大な段階は、aoHGE細胞がインタクトなままであり、その結果、過剰のRNase およびDNaseとの続くインキュベーション(HL-60 RMAおよびDNAを除去するため )がaoHGEに影響しない間のHL-60細胞の十分な溶解である。 本発明者らは、以前に記載のような(J.Sambrookら、Molecular Cloning A L aboratory Manual ,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbo r,N.Y.(1989),p.18.60 ff.)SDS-ポリアクリルアミドゲル上の単一のバンド としてaoHGEタンパク質を単離した。 簡単には、本発明者らは、サンプル緩衝液(6.25mM Tris緩衝液(pH6.8)中の 5%2-メルカプトエタノール、10%グリセロール、2%SDS、および0.8%ブロモ フェノールブルー)に精製aoHGEを溶解させ、そして10分間100℃にて加熱した。 本発明者らは、純粋なaoHGEの1レーンあたり20μgを、分子量標準(Bio-Rad L aboratories,Hercules,CA)と電気泳動し、そしてComassie Blueで染色した。 本発明者らは、Yale Protein Purification and Analysis Facilityで、高速 液体クロマトグラフィー(HPLC)による自動化アミノ末端ペプチド配列決定のた めに80kDaバンドを切り出すことによって単離した。80kDaタンパク質のN末端ア ミノ酸配列(本発明者らは、80-1ポリペプチドと命名した)を、配列番号7に示 す。本発明者らは、Genetics Computer Group Program(University of Wiscons in Biotechnology Center,Madison,WI)を用いてGenBankの検索を行った。本 発明者らの検索は、80kDa aoHGEポリペプチドが、おそらくHSP-70熱ショックタ ンパク質ファミリーのメンバーであることを明らかにした。N末端アミノ酸配列 は、B.burgdorferi、E.coli(ECDNAK)、およびヒト(HSHSP70)熱ショックタン パク質70のN末端配列と相同である。データベースにおいて同定された最も緊密 な相同タンパク質は、B.burgdorferi HSP70である。 本発明者らはまた、44kDaバンドを切り出すことによって単離した。アミノ末 端ペプチドを配列決定する本発明者らの試みは成功せず、このことはアミノ末端 がブロックされるかもしれないことを示唆した。この問題を回避するために、本 発明者らは、44kDa aoHGEタンパク質の内部フラグメントを、トリプシン消化に よって作製した。1つのフラグメントのアミノ酸配列(44-1ポリペプチドと命名 する)を、配列番号5に示す。本発明者らは、44kDa aoHGE NCH-1タンパク質の 二次フラグメントを、44-2ポリペプチドと命名した。44-2ポリペプチドのアミノ 酸配列を、配列番号6に示す。図6は、を示す。 Genbank Databaseの検索は、44-1ポリペプチドが、Anaplasma marginaleの主 要な表面タンパク質2(MSP-2)のアミノ酸130〜138由来の領域と、約70%相同 であることを明らかにした。44-2ポリペプチドは、アミノ酸362〜372由来のMSP −2の領域と相同である。MSP-2タンパク質は、A.marginaleゲノムにおいて高度 な相同性を有する遺伝子の大きなファミリーの1つのメンバーである遺伝子によ ってコードされる。A.marginaleは、重要な獣医学赤血球寄生的(erythr0ParaSlt lc)病原体であり、そしてMSP-2は、A.・arglnale感染に対する保護を付与し得る (G.H.Palmerら、「The Immunoprotective Anaplasma marginale Major Surface Protein 2 Is Encordsd by A Polymorphic Multigene Family」、Infec.Immun. ,62,3808〜3816頁(1994);G.H.Falmerら、「Molecular Basis For Vaccine Development Against Anaplasmosis and Babesiosis」、Vet.Parasitol.,57,2 33〜253頁(1995)。MPS-2との相同性に基づいて、本発明者らは、44kDa aoHGE タンパク質は保護エピトープを含むと考えている。 当業者は、ヒト顆粒球エールリヒア症の検出、処置、もしくは予防、または疾 患の病原(pathenogenesis)の研究に有用である、他のaoHGEポリペプチド(NCH-1 単離体由来およびaoHGEの他の株由来)は、本明細書中に記載の方法に従って、 過度の実験をせずに単離および配列決定され得ることを理解する。 実施例V-44kDa タンパク質をコードするDNAの単離 実施例IVに記載のように得た44kDa aoHGEタンパク質、およびそのタンパク質 をコードするDNAの完全な配列を得るために、本発明者らは44-1および44-2 aoHG E NCH-1ポリペプチドのアミノ酸配列を使用して、ゲノムaoHGE DNA由来の44kDa aoHGE NCH-1タンパク質をコードするDNAのより大きな領域のPCR増幅のための、 合成縮重オリゴヌクレオチドプライマーを設計する。 当業者は、ゲノムaoHGE DNAが当該分野において公知の任意の種々の方法に従 って単離され得ることを認識する。例えば、J.Sambrookら、(前出)を参照のこ と。 当業者はさらに、44kDa aoHGEポリペプチドをコードするDNAの領域のPCR増幅 が、当該分野において公知の任意の種々の方法によって行われ得ることを認識す る。 PCR産物は、当該分野において公知のいずれかの方法に従って単離および精製 され得る。例えば、アガロースゲル電気泳動によって産物を単離し、そしてgene clean(BIO 101)を製造業者の説明書に従って用いて精製する。 これらの増幅産物を使用して、本発明者らは、aoHGE DNAのゲノムまたはcDNA ライブラリーをスクリーニングして、44kDaポリペプチドをコードする遺伝子を 得る。次いで、本発明者らは、当該分野において公知のいずれかの方法(例えば 、ジデオキシ鎖終結法)によって、単離したDNAを配列決定する。 あるいは、合成縮重オリゴヌクレオチドプライマーを、aoHGEのゲノムまたはc DNAライブラリーをスクリーニングするために直接使用し得る。 当業者は、過度の実験をせずに、本明細書中に記載の方法を用いて、他のaoHG EポリペプチドをコードするDNAを単離し得る。 実施例VI-免疫優性aoHGEポリペプチドの同定 免疫優性aoHGEポリペプチドを同定するために、本発明者らは、aoHGE NCH-1感 染HL-60細胞タンパク質(実施例IIIに記載のように調製した)の溶解物のイムノ ブロットを、証明されたE.chaffeensis感染を有する13の患者由来の20の血清を 用いて行った。Dr.J.G.Olson(CDC,Atlanta,GA)が、患者血清を親切に提供し た。40、44、65、および80kDa aoHGEタンパク質と反応したE.chaffensis血清は なかった。20のうちの1つの血清は110kDa aoHGEタンパク質と弱く反応し、そし て他の血清は120kDa aoHGEタンパク質と反応した。対照的に、aoHGEで感染した1 8の患者由来の血清は、全てのaoHGEタンパク質と反応した。これらの結果は、40 、44、および65kDa aoHGEポリペプチドは、免疫優性aoHGEポリペプチドであるこ とを示唆する。 本発明者らは、E.chaffensisを選択した。なぜなら、それは他の主要なヒトエ ールリヒア症(ヒト単球エールリヒア症)の原因物質であるからである。しかし 、当業者は、他の細菌感染由来の抗血清もまた使用され得ることを理解する。例 えば、aoHGE抗原とライム病の病歴を有する患者由来の血清との間のいくつかの 交差反応性が報告されている(G.P.Wormserら、「False-positive Lyme Disease Serology in Human Granulocytic Ehrlichiosis」、Lancet,347,981〜982頁 (1996)。 当業者はさらに、当該分野において周知の他の方法(例えば、IFAまたはELISA )もまた、免疫優性aoHGEタンパク質およびaoHGEタンパク質の免疫優性領域を、 過度の実験なしに、本明細書中の方法を用いて同定するために使用され得ること を理解する。 実施例VII-aoHGE ゲノム発現ライブラリーの構築 本発明者らは、aoHGEゲノムDNAライブラリーを、λZAP II(Stratagene)にお いて、以前に公開された方法(La Jolla,CA)(T.T.Lamら、Inf.Immun.,62,2 90〜298頁(1994))に従って構築した。簡単には、本発明者らは、ゲノムDNAを 、精製aoHGEから、フェノール/クロロホルム抽出によって抽出した。 ライブラリーを構築するために、本発明者らは、50μgのゲノムaoHGE DNAを ランダムに剪断し、S1ヌクレアーゼで平滑末端化し、そしてEcoRIメチラーゼでE coRI部位をメチル化した。次いで、本発明者らは、DNA分子の末端にEcoRIリンカ ーを連結し、EcoRIで切断し、そしてスクロース勾配によってフラグメントを精 製した。本発明者らは、1〜9kbのフラグメントを単離し、そしてEcoRI切断 したホスファターゼ処理したλZAP IIアームと1:1のモル比で5℃にて一晩連結 した。 本発明者らは、BB4細胞とともにパッケージ化DNAを配置し、一晩インキュベート し、そしてプラークを単離した。 当業者は、aoHGEの他の単離体のaoHGEゲノムDNA発現ライブラリーが、過度の 実験なしに、本明細書中に記載の方法に従って構築され得ることを理解する。 A.発現ライブラリーのスクリーニング 本発明者らは、aoHGEで感染したマウスおよびヒト由来の血清を有する発現ラ イブラリーをスクリーニングし、ヒトおよびマウスの両方において抗体応答を誘 発するaoHGE抗原をコードする遺伝子を同定した。このような抗原は、診断用試 薬として、そしてワクチンにおいて潜在的に有用である。 ライブラリーをスクリーニングするために、本発明者らは、picoBlue Immunos creening Kit(Stratagene)を使用した。本発明者らは、タンパク質産生を、組 換えプラークから、10mM IPTGで誘導し、そしてタンパク質を移して、ニトロセ ルロースフィルター上のプラークリフトを、当該分野で周知の方法に従って複製 した。 本発明者らは、lセットのプラークリフトを、Yale-New Haven Hospitalに入 院しそしてaoHGE感染を有すると診断された患者からのヒト血清とともにインキ ュベートした。本発明者らは、他のセットを、実施例IIIに記載のように調製し たマウス抗血清でプローブした。洗浄後、本発明者らは、フィルターを、1:50 00希釈のアルカリホスファターゼ結合ヤギ抗ヒト(または抗マウス)IgG抗体(O rganon Teknika Corp.,West Chester,PA)とともにインキュベートし、そして ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)(Stratagene)および5-ブロモ-4-クロロ-3 -インドリルホスフェート(BCIP)(Stratagene)を、発色のために使用した。 本発明者らは、ヒトおよびマウスaoHGE抗血清の両方と反応する7つのクローン を、さらなる研究のために同定した。 本発明者らはまた、精製した熱殺傷aoHGE(実施例IIIに記載のように調製した )で過剰免疫したマウス由来の血清を有するaoHGE発現ライブラリーをスクリー ニングした。本発明者らは、2つのさらなるクローンを同定し、これを、本発明 者らは、クローンeM3およびクローンeM4と銘々した。 実施例VIII-免疫原性aoHGE遺伝子のクローニング aoHGE NCH-1ゲノム発現ライブラリー(実施例VIIに記載のように調製した)の スクリーニングによって、ヒトおよびマウス抗血清と反応する7つのクローンを 明らかにした。 本発明者らは、pBluescriptプラスミドを、2つのクローン(クローンE6およ びE7)から、XL1-Blue E.coli細胞の感染によって切り出し、そしてR408ヘルパ ーファージで、製造業者の説明書に従って救助した。回収したプラスミドを使用 して、本発明者らは、T3およびT7ユニバーサルプライマーを使用して、プラスミ ドの最初の配列を得た。100〜300bpの最初の配列から、本発明者らは新規なプラ イマーを作製し、これを、本発明者らは使用して、本発明者らが全配列を得るま で、配列100〜300bpを伸張した。 あるいは、当業者は、DNAインサートにおけるネスティッドなセットの欠失を 、Erase-A-Base System(Promega,Madison,WI)において容易に作成し得(例 えば、SmaIを用いて5'平滑末端を作製し、そしてBstXIを用いて3'突出を作製す る)、次いで、サブクローンを、例えばSequense Kit(United States Biochemi cal Corp.,Cleveland,OH)を用いて配列決定し、そして全体の配列を、MacVec tor(International Biotechnology,Inc.,New Haven,CT)を用いて再構築す る。 クローンE6およびE7由来のプラスミドインサートのヌクレオチド配列を、Yale Protein Purification and Analysis Facilityによって、Circumvent Thermal Cycle Dideoxy DNA配列決定キット(New England Biolabs)を用いて決定した。 変性、アニール、および伸張のための条件は、それぞれ、94℃にて30秒間、55℃ にて20秒間、および72℃にて20秒間であった。 クローンE6由来のインサートのDNA配列の分析は、本発明者らが、少なくとも 1つの完全なオープンリーディングフレームを含むクローンを単離していること を明らかにした。クローンE6のDNA配列を、配列番号1に示す。推定アミノ酸配 列を、配列番号2に示す。本発明者らは、最初の完全なオープンリーディングフ レームを「e6」と命名した。本発明者らはこの遺伝子によってコードされるタン パク質を「E6」と命名した。 同様に、クローンE7由来のインサートのDNA配列の分析は、配列番号3に示さ れるDNA配列を有する部分的なオープンリーディングフレームを明らかにした。 推定アミノ酸配列を配列番号4に示す。本発明者らは、部分的なオープンリーデ ィングフレームを「e7」と命名し、そしてこの遺伝子によってコードされる抗原 を「E7」と命名した。 本発明者らは、GenBank(データ)の検索を、Genetics Computer Group Progr am(University of Wisconsin Biotechnology Center,Maduson,WI)を用いて 行った。本発明者らの検索は、本発明者らが、2つの新規なaoHGE抗原を単離し ていることを明らかにした。e6の配列は、A.marginale MSP-2とのいくつかの相 同性を示した。 同様の技術を使用して、本発明者らは、クローンeM3およびeM4由来のインサー トを単離し、そして配列決定した。クローンeM3由来のインサートのDNA配列の分 析は、本発明者らが部分的なリーディングフレームを単離していることを示した 。クローンeM3のDNA配列に由来するプローブを使用して、本発明者らは、完全な オープンリーディングフレームを、ゲノムaoHGEライブラリーから単離した。DNA 配列の分析は、それが、実施例IVに記載のように単離した44kDaタンパク質をコ ードしたことを明らかにした。図6は、44-1および44-2ポリペプチドの位置を示 す。44kDaタンパク質のDNAおよびアミノ酸配列を、それぞれ配列番号10および11 に示す。クローンeM4のDNA配列を、配列番号12に示す。推定アミノ酸配列を、図 12に示す。 クローンeM3のDNA配列に基づくオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、5 つのさらなるDNA配列を、aoHGEゲノムDNAをテンプレートとして用いて増幅した 。これらの配列(これを、E5-3A、E5-3B、E5-5A、E5-5B、およびE5-6と命名した )を、それぞれ図13〜17に示す。本発明者らは、配列E5-3B、E5-5B、およびE5-6 が、44kDaタンパク質の領域と実質的に相同な領域を有することを見いだした。 図18〜20に見られるように、44kDaタンパク質のヌクレオチド400〜600および900 〜1300(おおよそ)は、配列の間の相同性の領域を規定する。 これらの保存配列および44kDaタンパク質とA.marginaleのMSP-2タンパク質( これは、大きなファミリーの遺伝子の1つのメンバーによってコードされる) との間の相同性の発見に基づいて、本発明者らは、新規なaoHGE遺伝子ファミリ ーを見い出したと考える。これを「44kDa」遺伝子ファミリーと命名する。当業 者は、当該分野で周知の技術を使用して、本明細書に開示された配列に由来する プローブおよびプライマーを容易に合成し得、そして本発明の新規な44kDa遺伝 子ファミリーの他の交差ハイブリダイズメンバーのDNA配列を入手し得ることを 認識する。 実施例IX−E6 ポリペプチドの発現 本発明のaoHGE遺伝子を発現させるために、pGEX-2Tベクターを利用した。これ は、グルタチオンS-トランスフェラーゼ融合タンパク質としてのクローン化イン サートの発現を導き得る(J.Searsら、「Molecular Mapping of OspA-Mediated Immunity to Lyme Borreliosis」、J.Immunol.,147,1995〜2000頁(1991)を 参照のこと)。ベクターはまた、GTタンパク質の直後にトロンビン切断部位を含 み、従って、GT融合パートナーを含まない組換えタンパク質の回収を可能にする 。 最初にPCRを使用して、疎水性リーダーペプチドをコードする配列を欠くe6遺 伝子を増幅した。ポリペプチドが、確実に、リポタンパク質としてよりむしろ可 溶性融合タンパク質として発現されるように、その配列を欠失させることが選択 される。リポタンパク質は、細胞膜に固定されるか、または生合成の間または後 に細胞中の他の場所で凝集し得る。 サブクローニングを容易にするために、e6遺伝子を、さらなるEcoRI部位を有 する5'プライマーおよびXhoI部位を有する3'プライマー(配列番号8および9) を用いて増幅した。 R408ヘルパーファージを遺伝子のためのテンプレートとして用いて最初のファ ージコロニーから切り出した50ngのプラスミドDNAを使用した。 94℃にて1分間の最初のテンプレート変性、55℃にて1分間のアニーリング、 および72℃にて2分間の伸長を有する30サイクルの間、PCRを行った。 増幅した遺伝子産物を、EcoRIおよびXhoIで消化し、そしてPMXプラスミドの対 応する部位にクローン化した。次いで、連結混合物を使用して、Escherichia co li DH5αを、当業者に周知の方法に従って形質転換した。アンピシリンを補充し たLuriaブロスプレート上で、組換えプラスミドを含むコロニーを単離した。 グルタチオンS-トランスフェラーゼ融合タンパク質としてのe6遺伝子の発現を 、形質転換細菌を対数増殖期まで増殖させそして1mMイソプロピル-1-チオ-β- ガラクトシド(IPTG)を3時間添加することによって誘導した。 あるいは、aoHGE遺伝子をpET15bベクター(これは、一連の6アミノ末端ヒス チジンとの融合タンパク質としてのクローン化インサートの発現を導き得る)に サブクローン化した。 あるいは、当業者は、本発明のaoHGEポリペプチドが、当該分野で周知の技術 を用いて、融合パートナーを含まずに、組換え的に発現され得ることを理解する 。 当業者は、本発明の他のaoHGEポリペプチドを、過度の実験を要することなく 、上記の技術に従って、容易に発現させ得る。 実施例X−組換え融合タンパク質の精製 実施例IXに記載のようにタンパク質発現を誘導した後、本発明者らは、1%Tr itonを含むリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中にE.coliを配置し、そしてそれら を、超音波処理に供する。本発明者らは、グルタチオンS-トランスフェラーゼ-a oHGEポリペプチド融合タンパク質(GT-E6)を、細胞溶解物から以下のように精 製する。 800rpmにて8分間遠心分離することによって細胞上清およびペレットを分離し 、そして組換え融合タンパク質を含む上清を、製造業者の指示に従って、グルタ チオン-セファロース4Bカラム(Pharmacia)に通過させる。本発明者らは、融合 タンパク質を、カラムから、過剰のグルタチオンを含む溶液を用いて溶出させ、 そしてBradfordアッセイを用いて定量する。 さらに、グルタチオンS-トランスフェラーゼを含まないaoHGEタンパク質を精 製するために、グルタチオンS-トランスフェラーゼ融合タンパク質を、グルタチ オン-セファロース4Bカラムにロードし、トロンビンを添加して、組換えaoHGEタ ンパク質をGTから切断し、そして室温にて一晩インキュベートする。次いで、タ ンパク質を、50mM Tris-CaCl2-NaClで溶出させ、溶出物を抗トロンビンビーズで 処理し、そして13,000rpmにて遠心分離する。 pET15bベクター系において発現した組換え融合タンパク質を精製するために、 組換え融合タンパク質を含む上清を、ニッケルカラムに通過させ、そして融合タ ンパク質をカラムからEDTAで溶出させる。 E.coliにおいて可溶性ではないaoHGE抗原を精製するために、SDSを、0.1%の 濃度まで溶解物に添加して溶解性を増大させる。 当業者は、本発明の他のaoHGEポリペプチドが、過度の実験を要することなく 、これらの手順を用いて容易に精製され得ることを理解する。 実施例XI−本発明の組換えaoHGEポリペプチドに対する抗体の調製 本発明のaoHGEポリペプチドに対する抗体を以下のように作製する。マウス(F rederick Cancer Research Center,Frederick,MD)を、皮下に、完全フロイン トアジュバント(CFA)中の、実施例IXに記載のように発現したaoHGE融合タンパ ク質で免疫し、そして不完全フロイントアジュバント(IFA)中の同量の抗原で、1 4および28日めに、公開されたプロトコルに従って追加免役する。コントロール マウスを、同様の様式で、組換えグルタチオンS-トランスフェラーゼで免疫する 。 最後の追加免疫の14日後、本発明者らは、血清を、免疫した動物から回収し、 そしてそれを使用して、組換えaoHGEポリペプチドのSDS-PAGEゲルのウエスタン ブロットにハイブリダイズさせる。組換えaoHGEポリペプチドによって誘発させ た抗体を、イムノブロットおよびELISAによって検出する。 あるいは、当業者は、本発明のaoHGEポリペプチドに対する抗体が、マウスを 、本発明のaoHGEポリペプチドをコードするDNA配列を発現する細胞で免疫するこ とによって入手し得ることを認識する。 実施例XII−IFA およびELISAによる抗aoHGEポリペプチド抗体の検出 マダニ媒介性aoHGE感染マウスの血漿中の抗aoHGE抗体を、間接免疫蛍光アッセ イ(IFA)およびELISAによって以下のように検出した。 実施例IIIに記載のように、感染マウスから、血漿を、マダニ供与後5、10、1 7、および24日めに回収した。次いで、前述のように調製したaoHGE感染HL-60細 胞を抗原として用いるELISAおよび間接免疫蛍光アッセイ(IFA)において、血漿 を使用した。 A.IFA 感染および非感染(コントロール)HL-60細胞を、培養培地中に懸濁し、PBS中 で2回洗浄し、風乾し、そして冷アセトン中(−20℃にて10分間)で、12ウェル 個々の感染およびコントロールマウスに由来する血漿の系列2倍希釈物(1:40希 釈から開始)の20μl容量を、抗原コートスライドのウェルに配置し、湿潤チャ ンバにおいて37℃にて30分間インキュベートし、PBS中で3回洗浄し、次いで1:1 00希釈のフルオレセイン結合ヤギ抗マウス多価イムノグロブリン(Sigma,St.L ouls,MO)に浸した。次いで、スライドをインキュベートし、洗浄し、風乾し、 PBS-グリセロールで覆ってカバーガラスをかぶせ、そして蛍光顕微鏡下で検査し た。アッセイを行った各時点で、ネガティブコントロール抗原(非感染HL-60細 胞)およびネガティブコントロール血漿(未感染マウス)を含ませた。 B.ELISA aoHGEに対する特異的なIgMおよびIgG応答を検出および定量するために、以前 に記載された間接ELISAの変法を使用した(Rikihisa,Yら、「Clinical Histopat hological and Immunological Responses of Ponies to Ehrlichia Sennetsu an d Subsequent Ehrlichia risticii Challenge」、Infect.Immun.,56:_(1988 ))。 簡単には、2セットの96ウェルマイクロタイタープレート(Corning Glass Wo rks,Corning,NY)を、1×104個のaoHGE感染または非感染(コントロール)HL -60細胞でコートした。プレートを10%中性緩衝化ホルマリン中で固定し、PBS-T ween 20で洗浄し、次いで200μlのブロッキング緩衝液(PBS中3%ゼラチン、0 .5%Tween 20)で1時間ブロックした。血漿サンプルのPBS-1% BSAでの系列2 倍希釈物(1:80から開始)100μlを、各抗原コートウェルに添加し、そして1 時間室温にてインキュベートした。次いで、プレートを3回PBSTで洗浄し、そし て上記のようにPBS-1% BSAで1:12,000に希釈した、100μlの西洋ワサビペル オキシダーゼ結合ヤギ抗マウス多価イムノグロブリン(Sigma,St.Louis,MO) とともにインキュベートした。 最後に、基質(有機塩基中0.4% 3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン(TMB) およびクエン酸緩衝液中0.02%過酸化水素;Kirkegard and Perry Laboratories ,Inc.,Gaithersburg,MD)を各ウェルに添加し、暗所で25℃にて10分間インキ ュベートし、次いで反応を、等量の1N HClの添加によって停止した。各ウェル の450nmでの光学密度(OD)を、UV max ELISA reader(Dynatech Laboratories ,Alexandria,VA)を用いて測定した。 シグナル対ノイズ(S/N)比およびシグナル−ノイズ(S-N)値を、すべての血 漿サンプルの各希釈物について、それぞれ、感染細胞を含むウェルのODを非感染 細胞を含むウェルのODで除算および減算することによって決定した。カットオフ 点を、各希釈について、正常マウス血清(N=10)を試験し、そして平均および標 準偏差を決定することによって決定した(平均より3標準偏差だけ大きな値)。 異なるバッチの培養物を用いた場合、試験内変動は約15%であった。 図8に示されるように、aoHGE感染マウスの血漿中の抗aoHGE抗体を、IFAおよ びELISAによって、感染後10日ほどで検出した。応答は17日めでピークに達し、 そして24日めまでに減少した。 実施例XIII−組換えaoHGEポリペプチドを発現するE.coliでのマウスの能動免疫 組換えaoHGE NCH-1ポリペプチドが、ヒト顆粒球エールリヒア症に対して保護 性である免疫応答を誘発し得るかどうか決定するために、前述のように、タンパ ク質の発現をE.coliの培養物において誘導する。 次いで、マウスに、aoHGE NCH-1タンパク質を発現する生E.coliを注射し、そ して1週間追加免役する。コントロールとして、マウスに、ベクターpDC197-12 で形質転換したE.coliを注射する。前述のように、最後の追加免疫後にマウスか ら採血し、そしてイムノブロットを調製して、マウスが、組換えaoHGEポリペプ チドに対する抗体を合成しているかどうか決定する。 次いで、マウスをaoHGEの種々の単離株で免疫試験(challenge)して、能動免 疫が、一定の範囲のaoHGE単離株に対する保護免疫応答を誘発するかどうか決定 する。次いで、マウスを屠殺し、そして前述のような感染および疾患について評 価する。保護性aoHGEポリペプチドを、aoHGE感染または疾患を予防する能力によ って同定する。 当業者は、保護性aoHGEポリペプチドを、他の単離株から、本明細書に記載さ れる方法に従って同定し得る。 実施例XIV−精製組換えaoHGEポリペプチドでのマウスの能動免疫 精製組換えaoHGEポリペプチドでの免疫によって生じた免疫応答が、後の感染 および疾患の臨床的発現に対する完全な予防に十分であることを実証するために 、マウスを、実施例10に記載のように調製した精製組換えaoHGEポリペプチドで 免疫し、そして定期的に追加免役する。コントロールとして、マウスに精製グル タチオンS-トランスフェラーゼを注射する。最後の追加免疫後、マウスから採血 し、そして実施例IIIに記載のようにイムノブロットを調製して、マウスが組換 えタンパク質に対する抗体を合成しているかどうか決定する。次いで、マウスを aoHGEの種々の単離株で免疫試験し、そしてマウスを感染および疾患について評 価する。保護性組換えaoHGEポリペプチドを、aoHGE感染および疾患を予防する能 力によって同定する。 実施例XV−保護性抗体産生を誘発するaoHGEポリペプチドフラグメント--B細胞 エピトープの同定 保護性B細胞エピトープを含むaoHGEタンパク質の領域を同定する1つの方法 は、タンパク質のどの領域が、aoHGE感染に対する保護を付与するモノクローナ ル抗体によって認識されるかを決定することである。 aoHGEタンパク質のフラグメントを産生することから始まる。最初に、遺伝子 の部分を、EcoRIおよびBamH1部位を含むオリゴヌクレオチドプライマーを用いて 、PCR増幅する。次いで、これらのフラグメントを、pGEX-2Tに、インフレームで 、グルタチオンS-トランスフェラーゼタンパク質とともにクローン化する。次い で、E.coliを組換えプラスミドで形質転換し、そしてaoHGEポリペプチドフラグ メントのグルタチオンS-トランスフェラーゼ融合タンパク質としての発現を誘導 する。 次に、aoHGEフラグメント−グルタチオンS-トランスフェラーゼ融合タンパク 質または完全長aoHGEポリペプチド−グルタチオンS-トランスフェラーゼ融合タ ンパク質のいずれかを発現するE.coliからの全細胞抽出物とのイムノブロットを 調製する。次いで、イムノブロットを、aoHGE感染に対する保護を付与すること を以前に示されたモノクローナル抗体(実施例XVIIIを参照のこと)とともにイ ンキュベートする。 保護性モノクローナル抗体とフラグメントとの結合は、このフラグメントが保 護性(B細胞)エピトープを含むことを示す。本実施例は、このモノクローナル 抗体によって認識されるエピトープが、aoHGEタンパク質中の唯一の保護性エピ トープであることを必ずしも意味しない。モノクローナル抗体によって認識され るB細胞エピトープをコードする領域がまた、T細胞エピトープを含まないこと も意味しない。しかし、本実施例は、aoHGEタンパク質の保護性エピトープを同 定するために使用され得る1つの方法を例示する。 B細胞エピトープを含む、aoHGEタンパク質の領域を同定する別の方法は、aoH GEポリペプチド融合タンパク質を使用して、保護性ポリクローナル血清から抗体 を吸収することである。種々のT7-aoHGEまたはaoHGE-グルタチオンS-トランスフ ェラーゼ融合タンパク質が、カラムを構築するために、標準的な技術を用いて、 CnBr活性化セファロースに結合される。 実施例IIIと同様にポリクローナル抗aoHGE抗血清を調製する。 次いで、血清を、aoHGEポリペプチド−融合タンパク質カラムを通過させて、 融合タンパク質を認識する抗体を吸収させる。次いで、残留血清を使用して、マ ウスを前述のように受動免役する。 aoHGEで免疫マウスを免疫試験し、屠殺し、そして組織および血液を、感染お よび疾患について検査する。どんな融合タンパク質が保護性抗体を誘発し得るか を決定し得る。なぜなら、このような融合タンパク質(B細胞エピトープを含む )を認識する抗体を含むポリクローナルウサギ血清は、受動免役したマウスに保 護を付与する能力が消耗されているからである。 一旦、種々のエピトープを融合タンパク質の領域に位置決めすると、5〜35ア ミノ酸の短い合成ペプチドを用いてさらなる分析を行う。合成ペプチドの使用は 、各エピトープをさらに規定することを可能にする一方、融合タンパク質の非ao HGE部分に起因する変数を排除する。 実施例XIV-精製熱殺傷aoHGEでの能動免疫化 本発明のaoHGEポリペプチドが、aoHGE感染に対する保護に有効である免疫応答 を誘発し得たかどうか決定するために、本発明者らは、5匹のC3Hマウスを、背 中の皮下で、15μgの精製した死滅aoHGE(実施例IVに記載のように調製した) で、完全フロイントアジュバント(CFA)中で能動的に過剰免疫し、そして不完 全フロイントアジュバント(IFA)中の同量の抗原で、2カ月間隔で2回追加免 疫した。免疫化の前に、本発明者らは、精製aoHGEをPBSに対して透析し、そして 56℃にて1時間処理した。本発明者らは、5匹のコントロールマウスを、10μg のBSAで、同様の様式において免疫化した。 最後の追加免疫の14日後、本発明者らはマウスを出血させ、そして各動物から の血清を、aoHGE抗体について、aoHGE感染HL-60細胞の溶解物を実施例Iに記載の イムノブロットにおいてプローブすることによって試験した。aoHGE免疫化マウ スは、イムノブロットによって少なくとも1:2,000の血清希釈で検出可能な高力 価のaoHGE特異的抗体を有した。 本発明者らは、能動免疫化マウスおよび偽免疫化マウスを、シリンジおよびマ ダニ媒介性接種によってチャレンジした。シリンジ接種について、本発明者らは 、精製した死滅aoHGEで能動免疫したマウスを、aoHGEで2週間感染しているマウ ス由来の血液100μlでチャレンジした。次いで、本発明者らは、チャレンジの1 0日後にマウスを屠殺し、そしてaoHGE特異的16SリボソームDNAプライマーを用い て、PCRによってaoHGE感染について評価した(P.Pancholiら、「Ixodes dammini as Potential Vector of Human Granulocytic Ehrlichiosis」、J.Inf.Dis.,1 72,1007〜12頁(1995))。 全ての5匹のコントロールマウスは、血液中のaoHGE特異的DNAに基づいて、ao HGE感染を発症した。対称的に、aoHGE DNAは、精製した死滅aoHGEでワクチン接 種した5匹のマウス中4匹の血液において検出されなかった。 マダニ接種について、本発明者らは、aoHGEで2週間感染しているCD-1マウス 上で満腹まで食餌している、3〜4のaoHGE感染I.dammini若虫を配置した。マダ ニのaoHGE感染率は、唾液腺の視覚的観察によって、ホイルゲン反応を用いて決 定されたように、85%であった(S.R.Telfordら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,93, 6209〜6214頁(前出))。マダニは、免疫化マウスおよびコントロールマウスに おいて満腹まで飽食可能であった。 マダニが免疫化動物から落下した14日後に、本発明者らは、CO2でマウスを殺 傷し、そして心臓全採血によって血液を得た。本発明者らは、風乾しそして桑実 胚の存在についてDiffQuick(200高出力領域/スメア)で染色した血液スメアを 、試験し、そしてaoHGE感染好中球の割合を計算した。本発明者らは、1つ以上 の明らかな桑実胚の存在をポジティブとして考えた。 さらに、剖検において、本発明者らは、各マウスからの100μlの抗凝固血液 を、5mlの5×105〜1×106HL-60細胞/mlを含む培養フラスコに接種した。本発 明者らは、HL-60細胞のaoHGE感染を、接種2、3、4、および6週後で決定した 。 最後に、マウスを、aoHGE特異的16Sr DNA(前出)を用いて、PCRによりaoHGE について試験した。 表1に示されるように、9匹のコントロールマウスのうち5匹は、末梢好中球 において桑実胚を有し、9匹のコントロールマウスのうち6匹は、培養ポジティ ブであり、そして9匹のコントロールマウスのうち9匹は、血液中のaoHGE DNA についてPCRポジティブであった。 対称的に、免疫化マウスの血液スメアにおいて検出された桑実胚はなく(Fish er Exact Test、コントロールマウスと比較してP=0.015)、そして免疫化マウス からaoHGEは培養され得なかった(Fisher Exact Test、コントロールマウスと比 較してP=0.005)。9匹の免疫化マウスのうち5匹は、PCRポジティブであった( Fisher Exact Test、コントロールマウスと比較してP=0.041)。 ポジティブPCR結果は、部分的に、アッヤイの極度な感受性によって説明され 得る。定量的PCR研究において、本発明者らは、テンプレートとして使用した5 ×10-16gのaoHGE DNAを用いて、産物を検出した。aoHGEは、パルスフィールドゲ ル電気泳動において約700kbで移動する染色体を有する。1モルのaoHGEが約4.6 ×109g(7.0×106bp×660g/bp)の分子量を有することを推定することによって、 本発明者らは、1aoHGEが約7.6×10-16gの分子量(4.6×109g/モル-6.02×1022 生物/モル)を有することを計算し、本発明者らは、PCRアッセイが単一のaoHGE 生物を検出し得ることを推定する。 データは、CFA中の精製した死滅aoHGEでの能動免疫が、防護的免疫応答を惹起 することを示す。実施例XVII-交差防護的抗体を惹起するaoHGEポリペプチドエピトープの同定 能動免疫したマウスにおいて惹起された抗体(aoHGEの種々の単離体の間で共 有されるエピトープに対に指向される)は、aoHGEのこれらの種々の単離体での 感染に対する防護を付与する。どのaoHGEポリペプチドのエピトープが、このよ うな抗体を惹起し得るかを決定するために、本発明者らは、種々のaoHGEポリペ プチド融合タンパク質でマウスを免疫し、そして前述のようなaoHGEの種々の単 離体でマウスをチャレンジする。本発明者らは、C3Hマウスを種々のaoHGE単離体 で接種して、どれが感染性であるかを決定し、次いでaoHGEポリペプチド融合タ ンパク質で能動免疫されているマウスに、種々の感染性単離体を接種した。本発 明者らは、感染および疾患の徴候についてマウスを試験する。本発明者らは、ao HGEの多くの異なる単離体での感染に対する防護を付与することを示すエピトー プを囲むワクチンを設計する。 防護の有効期間を決定するために、本発明者らは、aoHGEポリペプチド融合タ ンパク質でマウスを免疫し、そして追加免疫する。次いで、本発明者らは、マウ スをaoHGEで感染させ、そして感染および疾患について、チャレンジの6カ月後 に評価する。 実施例XVIII-免疫化動物において食餌するマダニにおけるスピロヘータロードの 減少 B.burgdorferiでの以前の研究は、マウスの組換え0spAでの免疫化は、スピロ ヘータを、免疫化動物において食餌するマダニから排除し得ることを示している (E.Fikrigら、「Elimination of Borrelia burgdorferi from vector ticks fe eding on OspA immunized mice」、Proc.Natl.Acad.Scl.,89,5418〜5421頁(1 992))。従って、感染したマダニが本発明のaoHGEポリペプチドで免疫化した動 物において食餌する場合、aoHGEが殺傷されるかどうか決定するために、本発明 者らは以下の実験を行う。 本発明者らは、マダニ(実施例IIIに記載のようにaoHGEで感染した)を、GT( コントロール)、aoHGE-GT融合タンパク質で免疫したマウスに配置する。満腹ま で食餌させた後、マダニを水の上で自然に引き離す。満腹後の約10日目に、本発 明者らは、個々のマダニをPBS中にホモジナイズし、そしてスライド上にアリコ ートをスポットした。本発明者らは、スライドを風乾し、冷アセトン中で固定し 、そして直接または間接的免疫蛍光によってアッセイする。 直接免疫蛍光アッセイのために、本発明者らは、FITC結合抗aoHGE抗血清とと もにスライドをインキュベートし、カバーガラス下にマウントし、そしてZeiss 1スライドあたり約20フィールドにおける蛍光化細胞の数を計数することによっ て定量する。 当業者は、マダニにおけるaoHGEに対する本発明の他のaoHGEポリペプチドでの 免疫化の効果は、過度の実験をせずに、本明細書中に教示される方法を用いて容 易に決定され得ることを理解する。 実施例XIX-マウスの受動免疫化 抗aoHGE抗血清での受動免疫化が、aoHGE感染およびHGEに対する防護を付与し 得るかどうか研究するために、本発明者らは、以下のaoHGE免疫化研究を行った 。 本発明者らは、ポリクローナルマウス抗aoHGE抗血清を、完全フロイントアジ ュバント(CFA)中で実施例IVに記載のように調製した15μgの熱殺傷aoHGE溶解 物でC3Hマウスを接種することによって産生し、IFA中で同じ調製物で2回追加免 疫した。本発明者らは、正常血清を有する免疫化したコントロールマウスを。最 後の追加免疫の2週間後、本発明者らは、血清を採るために動物から採血した。 次いで、本発明者らは、3〜5匹の天然のマウスを、皮内に、PBS中で1:5に希 釈した200μlのaoHGE抗血清で、3つの別々の実験において受動免疫した。コン トロールマウスを、正常マウス血清で受動免疫した。受動免疫化の1日後、本発 明者らは、免疫化マウスおよびコントロールマウスを、2週間前にNCH-1単離体 に感染したマウスからの50μlの血液の腹腔内接種によって、そして3〜4匹の aoHGE感染マダニを用いるマダニ伝達によって、aoHGEでチャレンジした。マウ スを、PBSで1:5に希釈した200μlのaoHGE抗血清で、チャレンジの4、8、およ び12日後、追加免疫した。 チャレンジの14日後、本発明者らは、マウスを屠殺し、そしてそれらの血液お よび組織を、aoHGE感染および疾患の徴候について分析した。詳細には、本発明 者らは、コールターカウンター(Antech Diagnostics,Farmingdale,NY)にお いて、100μlの抗凝結血液を白血球減少症について評価した。本発明者らはま た、剖検において、各動物からの脾臓全体を取り出し、そして迅速に秤量した。 本発明者らは、桑実胚についての末梢血スメアの試験、HL-60細胞における培養 、および16S rDNA aoHGE特異的プライマーを用いるPCRによって感染を評価した 。 表2に示すように、桑実胚を、12匹の免疫化マウスのうち1匹と比較して、11 匹のコントロールマウスのうち7匹の血液スメアにおいて検出した(Fisher Exa ct Test、コントロールマウスと比較してP=0.008)。同様に、本発明者らは、ao HGEを、培養することによって、12匹の免疫化マウスのうち1匹と比較して、11 匹のコントロールマウスのうち7匹から回収した。 PCRを使用して、aoHGEを、12匹の免疫化マウスのうち4匹と比較して、11匹の コントロールマウスのうち10匹における血液から増幅した(Fisher Exact Test 、P=0.001)。しかし、本発明者らは、PCRポジティブである免疫化マウスは、末 梢血において、コントロールマウスより少ないaoHGEを有することを決定した。 連続希釈PCRを使用して、増幅したDNAを、コントロールマウスからの血清におい て、105〜108の希釈で識別し得た。一方、産物は、免疫化マウスの血清から、103 までの希釈で得られ得たのみであった。記されたように(前出)、本発明者ら は、PCRアッセイが、単一のaoHGE生物を検出し得ることを推定する。従って、受 動免疫化は、完全な防護を付与するか、またはaoHGE感染の重症度を低減した。 臨床的徴候の点から、コントロールマウスは、好中球減少症(3,240細胞/mm3 ±1,340 SDと比較して462細胞/mm3±280 SD)および巨脾症(0.12g±0.03 SDと 比較して0.27g±0.05 SD)をすが、防護マウスは示さない。実施例XX-抗aoHGEモノクローナル抗体での受動免疫化 aoHGE感染およびこのような感染によって生じる疾患に対する免疫性が、抗aoH GEモノクローナル抗体での受動免疫によって付与され得ることを決定するために 、本発明者らは、抗aoHGEモノクローナル抗体を、aoHGEで感染したマウスからの 脾臓細胞の、マウスP3X63Ag8骨髄腫細胞への融合によって、当業者に周知の方法 に従って調製する。次いで、本発明者らは、モノクローナルのアイソタイプを決 定し、そしてaoHGE免疫化研究のために、aoHGEと反応する抗体を選択する。 当業者は、aoHGEの他の単離体および個々のaoHGEタンパク質に対するモノクロ ーナル抗体が、本明細書中に記載の方法にしたがって作製され得ることを理解す る。 次いで、本発明者らは、マウスを、モノクローナル抗体産生細胞由来の上清で 受動免疫化し、そして動物をaoHGEでチャレンジする。次いで、本発明者らはマ ウスを屠殺し、そして血液および組織を、aoHGE感染および疾患の徴候について 試験する。 実施例XXI-組換えaoHGEポリペプチドに対する抗体での受動免疫化 組換えaoHGEポリペプチドで免疫した動物由来の抗血清が、防護を付与するか どうか決定するために、本発明者らは、マウスを、組換えaoHGEポリペプチドで 、または実施例IXに記載のように、E.coli発現組み換えaoHGEポリペプチドで免 疫化したマウス由来の血清で受動免疫する。次いで、本発明者らは、受動免疫化 マウスaoHGEを、前述のような免疫化の直後にチャレンジする。次いで、本発明 者らはマウスを屠殺し、そして血液および組織を、aoHGE感染および疾患の徴候 について試験した。 当業者は、防護的効果を検出するために、実験的条件を変更し得ることを理解 する。例えば、GTを含まない組換えポリペプチドでの免疫化によって抗血清を得 たり、力価がより高い場合、異なる時点で抗血清を回収したり、より多くの抗血 清で受動的免疫したり、aoHGEチャレンジ用量の減少させたり、または当該分野 で公知の他の手段により得る。 実施例XXII-防護的エピトープの決定 本発明者らは、どの防護的エピトープがフラグメントを含むかを決定するため に、aoHGEポリペプチドのフラグメントを発現する組換え遺伝子を構築する。最 初に、本発明者らは、各々の遺伝子の全ヌクレオチド配列を包含する200〜300bp の重複するフラグメントを、制限酵素消化によってか、またはPCRおよび制限エ ンドヌクレアーゼ認識配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーを用いる特異的 な配列の増幅によってのいずれかで、前述のように産生した。 次いで、本発明者らは、これらのフラグメントを、適切な発現ベクター、好ま しくはそこからフラグメントが融合タンパク質として発現されるベクターに、精 製を促進しそして安定性を増加させるために、クローン化する。例えば、遺伝子 フラグメントは、pGEMEX(Promega,Madison,WS)にクローン化し、そしてT7遺 伝子10融合タンパク質として発現され得る。このようなタンパク質は、不溶性で あり、従って不溶性ペレット画分の回収、続く尿素のような変性剤における可溶 化によって、容易に精製される。あるいは、フラグメントは、グルタチオンS-ト ランスフェラーゼ融合タンパク質として、上記のように発現され得る。次いで、 本発明者らは、適切な宿主細胞を形質転換し、そしてフラグメントの発現を誘導 する。 防護的B細胞エピトープを含むフラグメントを同定するための1つの方法は、個 々の精製フラグメントを使用して、上記のようにマウスを能動免疫することであ る。マウスのaoHGEでのチャレンジの後、本発明者らは、HL-60細胞における血液 および脾臓細胞培養物によって、および顆粒球桑実胚についての末梢血スメアの 試験によって、感染の存在を決定する。 防護的エピトープを同定する別の技術は、種々のフラグメントを使用して、マ ウスを免疫化し、aoHGEで感染したマダニがマウスにおいて食餌することを可能 にし、次いでフラグメントによって誘発される免疫応答が、マダニにおけるaoHG Eのレベルにおける減少を生じるに充分かどうか決定することである。このよう な応答を誘発する任意のエピトープは、それら自体が、続くaoHGEでの感染に対 する防護を付与するに十分でない場合でさえ、多成分ワクチンにおいて有用であ り得る。 一旦、種々のエピトープを融合タンパク質の特定の領域に配置すると、本発明 者らは、5〜35アミノ酸の短い合成ペプチドを用いてさらなる分析を行う。合成 ペプチドの使用は、各エピトープをさらに規定することを可能にする一方、融合 タンパク質の非aoHGE部分によって寄与される任意の変数を排除する。 実施例XXIII−多成分ワクチンの調製 本発明者らは、どの防護的エピトープが、防護的ポリペプチドがそれからクロ ーン化されている単離体以外の、aoHGEの単離体での引き続く感染に対して防護 する抗体を誘発し得るかを決定する。次いで、本発明者らは、これらのエピトー プのまわりにワクチンを設計する。aoHGEの他の単離体での感染に対する防護を 付与し得る防護的エピトープが存在しない場合、対応するaHGEポリペプチドをこ れらの単離体から単離することは、特に有利であり得る。次いで、いくつかの異 なるaoHGE単離体からの複数エピトープを含む多成分ワクチンが構築され得る。 従って、このようなワクチンは、種々の異なる単離体に対する防護を付与する抗 体を誘発する。 当業者は、本明細書中に記載の方法によって決定される防護的エピトープの知 見とともに、これらのエピトープを含む多成分ワクチン、および他の疾患、特に I.scapularisマダニによって伝達されることが公知のほかの疾患(例えば、ライ ム病およびバベシア病に対して防護的を示しているエピトープを容易に設計し得 ることを理解する。 実施例XXIV−T 細胞エピトープの同定 動物における、高力価中和抗体を含む体液性免疫応答の刺激は、T細胞およびB 細胞エピトープの両方を含む抗原によって促進される。T細胞エピトープを含む これらのポリペプチドを同定するために、本発明者らは、前述のように、完全フ ロイントアジュバント中のaoHGEでマウスを感染させる。プライム直後に、本発 明者らは、リンパ節を採取し、そしてインビトロでT細胞株を作製する。次いで 、これらのT細胞株を、限定希釈および軟寒天技術を用いてクローン化する。本 発明者らは、これらのT細胞クローンを使用して、T細胞エピトープを含むポリペ プ チドを決定する。T細胞クローンを、種々のポリペプチドおよび合成抗原提示細 胞で刺激する。T細胞クローンを、抗原提示細胞の存在下で、T細胞エピトープを 含むポリペプチドへ暴露することにより、T細胞を増殖させ、これを3H-チミジ ン取り込みによって測定する。本発明者らはまた、刺激したT細胞クローンによ るリンホカイン産生を、標準的な方法によって測定する。 ヒトT細胞によって認識されるポリペプチドのT細胞エピトープを決定するため に、本発明者らは、T細胞クローンを、複数のHLA型のaoHGE感染患者から単離し た。T細胞エピトープを、種々のポリペプチドでクローンを刺激することによっ て、そして3H-チミジン取り込みを測定することによって同定する。次いで、種 々のT細胞エピトープは、クラスII HLA抗原(例えば、DR、DP、およびDQ)と相 関する。相関を、種々のHLA遺伝子を発現するBリンパ芽球腫細胞株の利用によっ て行う。所定のT細胞クローンを、適切なBリンパ芽球腫細胞株およびaoHGEポリ ペプチドと混合する場合、B細胞は、T細胞に対してポリペプチドを提示し得る。 次いで、増殖を、3H-チミジン取り込みによって測定する。 あるいは、T細胞エピトープは、本発明の種々のaoHGEポリペプチドで免疫した マウス由来のT細胞の、天然のマウスへの養子移入によって、当業者に周知の方 法に従って同定され得る(例えば、M.S.DeSouzaら、「Long−Term Study of Cel l-Mediated Responses to Borrelia burgdorferi in the Laboratory Mouse」、 Infect.Immun.、61、1814〜22頁(1993)を参照のこと)。 次いで、本発明者らは、多成分ワクチンを、異なるT細胞エピトープに基づい て合成する。このようなワクチンは、異なるHLA型を有する幅広い領域の患者に おいてT細胞応答を惹起するのに有用である。 本発明者らはまた、他の免疫原性aoHGEポリペプチドにおいて、または非aoHGE ポリペプチドにおいてT細胞エピトープを刺激するものを同定し、そして本発明 のaoHGEポリペプチド由来のB細胞およびT細胞エピトープとともにこれらのエピ トープに基づいて、多成分ワクチンを設計する。 実施例XXV−T およびB細胞エピトープを含む融合タンパク質の構築 aoHGEポリペプチドのT細胞エピトープを同定した後、本発明者らは、これらの エピトープ、ならびに中和抗体によって認識されるB細胞エピトープを含む組換 えタンパク質を構築する。これらの融合タンパク質は、T細胞およびB細胞エピト ープの両方を含むことによって、表面イムノグロブリンを発現するB細胞によるT 細胞への抗原提示を可能にする。これらのT細胞は、表面イムノグロブリンを発 現するB細胞を順に剌激し、高力価の中和抗体の産生を導く。 本発明者らはまた、aoHGEポリペプチドから、他の抗原の強力なT細胞エピトー プにB細胞エピトープを含むことを決定したポリペプチドの領域を連結すること によって、融合タンパク質を構築する。本発明者らは、B型肝炎ウイルスコア抗 原のアミノ酸120〜140に相同なオリゴヌクレオチドを合成する。コア抗原のこの 領域は、強力なT細胞エピトープを含むことが示されている(D.R.Millichら(前 出))。次いで、オリゴヌクレオチドを、中和抗体によって認識されるB細胞エ ピトープをコードするDNAのセグメントの5'および3'末端に連結する。次いで、 組換えDNA分子を使用して、aoHGEポリペプチドからのB細胞エピトープおよびコ ア抗原からのT細胞エピトープを含む融合タンパク質を発現し、従ってポリペプ チドの免疫原性を増強する。 本発明者らはまた、aoHGEポリペプチドのエピトープならびに破傷風トキソイ ドタンパク質のエピトープを含む融合タンパク質を構築する。 本発明者らはまた、Salmonellaのフラジェリンタンパク質に取り込まれる種々 のaoHGEポリペプチドのB細胞エピトープを含むプラスミドを構築する。細菌フラ ジェリンは、細胞性および体液性応答の強力な刺激因子であり、そして防護的抗 原のためのベクターとして使用され得る(S.M.C.Newton,C.Jacob,B.Stocker、 「Immune Response To Cholera Toxin Epitope Inserted In Salmonella Flagel lin」、Science,244、70〜72頁(1989))。 本発明者らは、Salmonella muenchensのクローン化H 1-dフラジェリン遺伝子 を、超可変領域における唯一のEcoRV部位で切断する。次いで、本発明者らは、 ポリペプチドの防護的B細胞エピトープをコードする平滑末端化DNAを、T4 DNAリ ガーゼを用いて挿入する。次いで、組換えプラスミドを使用して、Salmonellaの 非フラジェリン株を、ワクチンとして使用するために、形質転換する。本発明者 らは、生きた細菌およびホルマリン殺傷細菌でマウスを免疫し、そして抗体産生 についてアッセイした。さらに、本発明者らは、脾臓細胞を、目的のペプチドに 対する増殖細胞応答について試験する。最終的には、本発明者らは、この因子で 免疫したマウスを、前述のようなaoHGEでチャレンジする。 本発明者らはまた、1つのaoHGEポリペプチドからのB細胞エピトープおよび異 なるaoHGEポリペプチドまたは他の免疫原性aoHGEポリペプチドからのT細胞エピ トープを含む融合タンパク質を構築する。さらに、本発明者らは、aoHGEポリペ プチドからのT細胞エピトープならびにaoHGEポリペプチドおよび/または他の免 疫原性aoHGEポリペプチドからのB細胞エピトープを含む融合タンパク質を構築す る。これらの融合タンパク質の構築を、当業者に周知の組換えDNA技術によって 達成する。融合タンパク質およびそれらに対する抗体を、aoHGEでの感染によっ て生じるヒト顆粒球エールリヒア症を検出、処置、および予防する方法および組 成物において使用する。 実施例XXVI-異なる単離体のaoHGEポリペプチドからのaoHGE融合タンパク質の構 本発明者らは、NCH-1とは異なるaoHGE単離体からのaoHGEポリペプチド内の防 護的エピトープを、タンパク質の重複フラグメントを産生すること、ならびにT 細胞およびB細胞エピトープの存在について、および/または本発明者らの動物 モデル系におけるaoHGE感染および疾患に対する防護を付与する能力について、 各々試験することによって同定する。次いで、本発明者らは、防護的エピトープ および互いに異なるアミノ酸配列の両方をコードするフラグメントを選択し、そ してこれらのフラグメントを使用して、両方の単離体からの防護的エピトープを 含むaoHGEポリペプチド融合タンパク質を構築する。このような融合タンパク質 は、幅広い範囲のaoHGE単離体に対する防護を付与する。 実施例XXVII-マウスのaoHGEポリペプチド融合タンパク質での経口免疫化 aoHGEポリペプチドでの経口ワクチン接種が、aoHGEによって生じるような感染 および疾患からマウスを防護するのに充分かどうか決定するために、本発明者ら は、aoHGEポリペプチド含有プラスミドを有するE.coliを30℃にて培養する。本 発明者らは、2時間温度を42℃まで上昇させることによって融合タンパク質の発 現を誘導し、次いで、遠心分離によって細菌を採集し、そして1×109細菌/mlの 濃度でPBS中に再懸濁する。 本発明者らは、この懸濁液を0.1ml使用して、マウスを経口接種する。接種は 、胃管栄養法によって、ボールチップ金属針を用いて行われ得る。本発明者らは 、マウスを、同量の細菌で、10、20、30、および40日で追加免疫する。本発明者 らは、コントロールマウスを、類似の様式において、p197-aoHGEポリペプチドプ ラスミドを欠如する細菌で接種する。本発明者らは、2回目および4回目の追加免 疫の7日後にマウスを採血させ、そしてaoHGEの抽出物においてイムノブロットを 、実施例1に記載のように行い、aoHGEポリペプチドに対する抗体を検出および定 量する。 最後の追加免疫の14日後、本発明者らは、aoHGEでの接種によってマウスをチ ャレンジし、そして感染および疾患について評価する。 本発明者らは、本発明の多数の実施態様を記載しているが、本発明者らの基本 的な構築は、本発明のプロセスおよび産物を利用する他の実施態様を提供するた めに変更され得ることは明らかである。それゆえ、本発明の範囲は、例示の目的 で提示されている特異的な実施態様によってではなく、添付の請求の範囲によっ て定義されることが理解される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 16/12 C07K 16/12 19/00 19/00 C12N 1/21 C12N 1/21 5/10 C12P 21/02 C C12P 21/02 21/08 21/08 G01N 33/53 D G01N 33/53 33/577 B 33/577 C12N 5/00 A (72)発明者 パーソールド,スティーブン ダブリュ ー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 95616, デイビス,インペリアル アベニュー 1915 (72)発明者 イジド,ジャコブ アメリカ合衆国 コネチカット 06524, ベサニー,カリントン ロード 567 (72)発明者 サン,ウェイ アメリカ合衆国 コネチカット 06511, ニュー ヘイブン,プロスペクト ストリ ート 470,アパートメント 5ビー

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ヒト顆粒球エールリヒア症(aoHGE)の病原体のポリペプチドをコードするDNA 配列を含む、単離された組換えまたは合成DNA分子であって、ここで該aoHGEポリ ペプチドが: (a)配列番号2のE6ポリペプチド; (b)配列番号4のE7ポリペプチド; (c)配列番号11の44kDaポリペプチド; (d)配列番号5の44-1ポリペプチド; (e)配列番号6の44-2ポリペプチド; (f)配列番号7の80-1ポリペプチド; (g)図12に示されるアミノ酸配列を有するeM4ポリペプチド; (h)ポリペプチド(f)を含む80kDaポリペプチド; (i)(a)〜(h)のいずれか1つのポリペプチドの血清型変異体; (j)(a)〜(i)のいずれか1つのポリペプチドからのブロックとして得ら れる少なくとも8アミノ酸を含むフラグメント。 (k)(a)〜(j)いずれか1つのポリペプチドの誘導体であって、該誘導体 が(a)〜(j)のポリペプチドに対応するアミノ酸配列に少なくとも80%同一で ある、ポリペプチドの誘導体; (i)哺乳動物宿主のaoHGEでの感染によって作製される抗体と免疫学的反応性 のポリペプチドであって、該抗体が(a)から(j)のポリペプチドのいずれか1 つと免疫学的に反応性である、ポリペプチド; (m)aoHGEおよび(a)〜(j)のポリペプチドのいずれか1つと免疫学的に反 応性である抗体を惹起し得るポリペプチド;および (n)(a)〜(j)のポリペプチドのいずれか1つで免疫化するとによって惹 起される抗体と免疫学的に反応性であるポリペプチド、 からなる群より選択される、単離された組換えまたは合成DNA。 2.aoHGEポリペプチドをコードするDNA配列を含む、単離された組換えまたは合 成DNA分子であって、ここで該ポリペプチドは:40kDa、44kDa、65kDa、80kDa、9 4kDa、105kDa、110kDa、115kDa、および125kDaポリペプチドからなる群より選択 され、aoHGE、血清型変異体、それらのフラグメントおよび誘導体に感染した動 物由来の血清と反応した後に、ウエスタンブロットの単一のバンドとして出現す る、単離された組換えまたは合成DNA分子。 3.前記ポリペプチドが保護エピトープを含む、請求項1または請求項2に記載 のDNA分子。 4.融合タンパク質をコードするDNA配列を含むDNA分子であって、ここで該融合 タンパク質が、請求項1、2、または40のいずれか1項に記載のDNA分子によっ てコードされるaoHGEポリペプチドを含む、DNA分子。 5.多量体タンパク質をコードするDNA配列を含むDNA分子であって、該多量体タ ンパク質が、請求項1、2、または40のいずれか1項に記載のDNA分子によって コードされるaoHGEポリペプチドを含む、DNA分子。 6.請求項1〜5のいずれか1項に記載のDNA分子を含む、発現ベクター。 7.請求項1〜5のいずれか1項に記載のDNA分子で形質転換した、宿主細胞。 8.前記DNA分子が前記宿主細胞のゲノムに取り込まれる、請求項7に記載の宿 主細胞。 9.前記宿主細胞が:E.coliの株;Pseudomonas、Bacillus;Streptomyces;酵 母、糸状菌;組織培養におけるヒト細胞を含む動物細胞;植物細胞;および昆虫 細胞からなる群より選択される、請求項7または8に記載の宿主細胞。 10.請求項1〜5のいずれか1項に記載のDNA分子によってコードされる、ポ リペプチド。 11.請求項10に記載のポリペプチドを産生するための方法であって、請求項 7〜9のいずれか1項に記載の宿主細胞を培養する工程を包含する、方法。 12.(a)配列番号2のE6ポリペプチド; (b)配列番号4のE7ポリペプチド; (c)配列番号11の44k-Daポリペプチド; (d)配列番号5の44-1ポリペプチド; (e)配列番号6の44-2ポリペプチド; (f)配列番号7の80-1ポリペプチド; (g)図12に示されるアミノ酸配列を有するeM4ポリペプチド; (h)ポリペプチド(f)を含む80kDaポリペプチド; (i)(a)〜(h)のいずれか1つのポリペプチドの血清型変異体; (j)(a)〜(i)のいずれか1つのポリペプチドからのブロックとして得ら れる少なくとも8アミノ酸を含むフラグメント。 (k)(a)〜(j)いずれか1つのポリペプチドの誘導体であって、該誘導体 が(a)〜(j)のポリペプチドに対応するアミノ酸配列に少なくとも80%同一で ある、ポリペプチドの誘導体; (l)哺乳動物宿主のaoHGEでの感染によって作製される抗体と免疫学的に反応 性のポリペプチドであって、該抗体が(a)〜(j)のポリペプチドのいずれか1 つと免疫学的に反応性である、ポリペプチド; (m)aoHGEおよび(a)〜(j)のポリペプチドのいずれか1つと免疫学的に反 応性である抗体を惹起し得るポリペプチド;および (n)(a)〜(j)のポリペプチドのいずれか1つで免疫化するとによって惹 起される抗体と免疫学的に反応性であるポリペプチド、 からなる群より選択される、aoHGEポリペプチド。 13.40kDa、44kDa、65kDa、80kDa、94kDa、105kDa、110kDa、115kDa、および1 25kDaポリペプチドからなる群より選択されるaoHGEポリペプチドであって、aoHG E、血清型変異体、それらのフラグメントおよび誘導体に感染した動物由来の血 清と反応した後に、ウエスタンブロットの単一のバンドとして出現する、aoHGE ポリペプチド。 14.前記ポリペプチドが保護エピトープを含む、請求項12、13、または4 1のいずれか1項に記載のaoHGEポリペプチド。 15.請求項12、13、または41のいずれか1項に記載のaoHGEポリペプチ ドを含む、融合タンパク質。 16.前記融合タンパク質が、各々がaoHGEの異なる単離体に由来する2つ以上 のaoHGEポリペプチドを含む、請求項15に記載の融合タンパク質。 17.請求項12、13、または41のいずれか1項に記載のaoHGEポリペプチ ドを含む、多量体タンパク質。 18.薬学的に受容可能なキャリアおよび:請求項12〜14のいずれか1項に 記載のポリペプチド;請求項15または16に記載の融合タンパク質;および請 求項17に記載の多量体タンパク質からなる群より選択される成分を含む、薬学 的組成物。 19.前記成分が免疫学的キャリアに架橋される、請求項18に記載の薬学的組 成物。 20.少なくとも1つのさらなる免疫原性aoHGEポリペプチドをさらに含む、請 求項18または19に記載の薬学的組成物。 21.少なくとも1つのさらなる非aoHGEポリペプチドをさらに含む、請求項1 8または19に記載の薬学的組成物。 22.aoHGE感染もしくはHGEを処置または予防するための方法であって、被験体 に、請求項18〜21のいずれか1項に記載の薬学的組成物を投与する工程を包 含する、方法。 23.請求項12、13、または41のいずれか1項に記載のポリペプチド;請 求項15または16のいずれか1項に記載の融合タンパク質;および請求項17 に記載の多量体タンパク質からなる群より選択される成分を含み、そしてまた、 該成分の抗体への結合を検出するための手段を含む、診断用キット。 24.請求項12、13、または41のいずれか1項に記載のポリペプチドに結 合する、抗体。 25.ポリクローナルである、請求項24に記載の抗体。 26.モノクローナルである、請求項24に記載の抗体。 27.請求項24〜26のいずれか1項に記載の抗体を含む、診断キット。 28.aoHGE感染を検出するための方法であって、疑わしい感染哺乳動物宿主の 体液を、請求項12、13、または41のいずれか1項に記載のポリペプチド、 請求項15または16に記載の融合タンパク質;および請求項17に記載の多量 体タンパク質と接触させる工程を包含する、方法。 29.請求項24〜26のいずれか1項に記載の抗体を含む、薬学的組成物。 30.ポリクローナル抗aoHGE抗体を含む、ワクチン。 31.モノクローナル抗aoHGE抗体を含む、ワクチン。 32.aoHGE感染を検出するための方法であって、哺乳動物宿主の体液を、請求 項24〜26のいずれか1項に記載の抗体と接触させる工程を包含する、方法。 33.aoHGE感染を処置または予防するための方法であって、被験体に、請求項 24〜26のいずれか1項に記載の抗体、請求項29に記載の薬学的組成物、ま たは請求項30または31に記載のワクチンを投与する工程を包含する、方法。 34.生物学的サンプル中のaoHGEの存在を検出するための方法であって、該サ ンプルを、請求項1、2、または40のいずれか1項に記載のDNA分子に由来す るプライマーを用いるPCR DNA分析に供する工程を包含する、方法。 35.サンプル中のaoHGEの存在を検出するための診断用キットであって、ここ で該キットが、請求項1または請求項2に記載のDNA分子に由来するプライマー を含む、診断用キット。 36.サンプル中のaoHGEの存在を検出するための方法であって、幼齢実験用マ ウスに該サンプルを接種する工程、および該マウスにおけるaoHGE感染を検出す る工程を包含する、方法。 37.前記幼齢マウスが5日齢未満である、請求項36に記載の方法。 38.前記幼齢マウスが1日齢未満である、請求項36に記載の方法。 39.図13に示されるE5-3A配列、図14に示されるE5-3B配列、図15に示されるE5 -5A配列、図16に示されるE5-5B配列、および図17に示されるE5-6配列からなる群 より選択されるDNA配列を含む、単離された組換えまたは合成DNA分子。 40.配列番号10および請求項39に記載のDNA配列からなる群より選択されるD NA配列に、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA配列を含む、単 離された組換えまたは合成DNA分子。 41.請求項40に記載のDNA分子によってコードされる、ポリペプチド。 42.医薬品の製造における: (a)請求項12〜14のいずれか1項に記載のポリペプチド; (b)請求項13または16に記載の融合タンパク質; (c)請求項17に記載の多量体タンパク質;および (d)請求項24〜26のいずれか1項に記載の抗体; からなる群より選択される成分の使用。
JP10516827A 1996-10-01 1997-09-30 ヒト顆粒球エールリヒア症の予防および診断のための組成物ならびに方法 Pending JP2001502528A (ja)

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