JP2001502502A - アンテナアレーと空間処理を使用したデシジョン有向復調のための方法及び装置 - Google Patents

アンテナアレーと空間処理を使用したデシジョン有向復調のための方法及び装置

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Abstract

(57)【要約】 ワイヤレス通信システムの基地局において、復調の一部である交代射影ループで使用するための基準信号(631)を生成するための方法及び装置であり、基準信号(631)は、周波数オフセットと振幅変動の影響を最小化するために緩和され、基地局はアンテナ(110.1−110.4)のアレーを含んでいる、そのような方法と装置。交代射影ループは同一チャンネル干渉が存在する状況において復調を行い、時整列及び/又は周波数オフセットについての修正を含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】 アンテナアレーと空間処理を使用した デシジョン有向復調のための方法及び装置 関連出願についての説明 本出願は、ここで参考資料として取り上げる「アンテナアレーと空間処理を使 用した通信システムのパラメータを見積もるための方法及び装置」と題する、同 時出願、共同所有、同時係属特許出願に関係しており、これより以下、「我々の パラメータ見積もり発明」として言及するものとする。 I.発明の背景 A.発明の属する技術的分野 本発明の分野はワイヤレス(無線)通信である。厳密には、本分野では、同一 チャンネル干渉が存在する状況において、周波数オフセットの修正と整列を始め とする復調を行うために、ワイヤレス通信システムにおいてアンテナアレーと空 間信号処理を使用する。 B.背景 空間処理 ワイヤレス通信システムのユーサーは通常、無線トランシーバーを装備したセ ルラー電話やデータモデムのような遠隔ターミナルを使用してシステムにアクセ スする。このようなシステムは、一般的には1つ又はそれ以上の無線基地局を有 し、各局は「セル」として知られる地理的な区域を対象範囲としている。遠隔タ ーミナル及び基地局は、通話の開始、通話の受信、及び情報の一般伝送のための プロトコルを有している。 このようなシステムでは、スペクトルの割り当てられた部分は周波数、時間、 コード、又はそれらの組み合わせによって区別することのできる通信チャンネル に分割される。これら通信チャンネルの各々を、本願では「従来型チャンネル」 と呼ぶことにする。完全2重化通信リンクを提供するためには、通常、いくつか の通信チャンネルを基地局からユーザーの遠隔ターミナルへの通信(ダウンリン ク)用に使用し、他のチャンネルをユーザーの遠隔ターミナルから基地局への通 信(アップリンク)用に使用する。そのセル内では、無線基地局は、各遠隔ター ミナル毎に異なる従来型チャンネルを使用することにより、多数の遠隔ターミナ ルと同時に通信することができる。 我々は、先に、このようなシステムのスペクトル効率性を上げるためにアンテ ナアレーを伴う空間処理について開示している。1991年12月12日出願の 「多数アクセスワイヤレス通信システム」と題する米国特許出願番号第07/8 06,695号(1996年5月7日発行の米国特許第5,515,378号)、 1994年4月28日出願の「アンテナアレーを校正するための方法及び装置」 と題する米国特許出願番号第08/234,747号(1996年8月13日発 行の米国特許5,546,909号)、1994年8月1日出願の「高スペクト ル効率高容量アクノレジメント無線ページングシステム」と題する米国特許出願 番号第08/283,470号、1995年1月20日出願の「高スペクトル効 率高容量のワイヤレス通信システム」と題する米国特許出願番号第08/375 ,848号(ひとまとめにして「我々の審査中の特許出願」)を参照されたい。こ こでの概念は、単一のアンテナではなくてアンテナアレーを使用し、その上でア ンテナで受信する信号を処理することにより通信の質を上げることである。アン テナレーはまた、従来型チャンネルに対して空間的な多重化を加えることにより スペクトル効率を上げるあげるために使用することができ、これにより数人のユ ーサーが同時に同じ従来型チャンネル上で通信を行うことが可能となる。我々は 、これを空間分割多数アクセスという意味でSDMAと呼んでいる。このように 、周波数分割多重化(FDMA)を例にとれば、SDMAを用いれば、数カ所の 遠隔ターミナルが同一周波数のチャンネルすなわち同じ従来型のチャンネル上で 、単一セルの1カ所以上の基地局と交信可能となる。同様に、時分割多重化(T DMA)とSDMAでは、数カ所の遠隔ターミナルが、同一周波数のチャンネル でしかも同一タイムスロットすなわち同じ従来型のチャンネル上で、単一セルの 1カ所以上の基地局と交信可能となる。SDMAは同様にコード分割多重化アク セ ス(CDMA)とも併用することができる。 本発明が取り扱う普遍的な問題点は、1カ所以上の干渉源からの干渉がある状 況において、特定源からの特定信号若しくは複数信号を首尾良く受信して復調す ることのできるワイヤレス通信システムを設計することである。多くの場合、特 にセルラー通信システムの場合には、干渉信号は実際には同じ通信システムの他 のソースから出ており、従って「同一の」変調フォーマットを有している。この ような干渉は、同一チャンネル上における他の信号からの予想できる様々な干渉 の内の一つであり、「同一チャンネル」干渉と呼ばれる。本発明では、他の干渉 やノイズはもとより、このような同一チャンネル干渉が存在する状況下で信号を 復調することについて提示している。このようなシステムが評価される根拠とな る長所は、干渉源の強度に比較して所要信号をどれほど良好に拾うことができる かという点である。 我々の審査中の特許にあるように、本発明は1つのワイヤレス通信システムに 対しアンテナを多数に増やし、これにより、各バージョンが同一チャンネル信号 の全てに干渉とノイズを合わせた複合構成から成る、各信号の多数のバージョン を導入することである。アンテナを多数にすると、対象の信号の干渉する同一チ ャンネル信号に対する振幅と位相両方における関係は、アンテナは互いにある距 離分だけ離れており、しかも場合によっては種々のソースも又離れている、とい うこの2つの地理的な理由により、各アンテナ信号(m機のアンテナシステムに おけるm個の信号のそれぞれ)毎に異なる。セルラー通信システムへのアプリケ ーションにおいて、受信用に多数のアンテナを使用することは、種々の基地局の アンテナは一緒には配置されておらずソースもまたそうであるという事実の上に 成り立っている。 m機のアンテナにおける(複素数値の)m個の信号を空間処理することには、 対象の各信号毎に、アンテナ信号の重み付けした合計を求めることが含まれる。 複素数値の重みは、ここで「重みベクトル」と呼ぶベクトルにより表される。よ り一般的な場合として、受信アンテナ信号を一時的に等化することが必要となる こともあるが、その場合には対象の各信号毎の重み付き合計よりもむしろアンテ ナ信号のコンボリューションの合計を求める。すなわち、重み付きベクトルは、 線形時間不変等化状態に対し、複素数値のインパルス応答のベクトルに一般化さ れる。本発明の目的に合わせて、「重み付きベクトル」という用語は、一時的な 等化を含んでいるかどうかによって、複素重みのベクトル又はインパルス応答の ベクトルの何れかに対して用いる。 我々の審査中の特許に説明されている技術の内のいくつかを始めとして、いく つかの技術が、アンテナアレーを使用し、入手可能な若しくは見積もられた空間 情報を使用しながら、同一チャンネル干渉の存在する状況下で信号を受信するた めに提示されてきた。本発明の方法は、事前の空間情報を必要とせず、一時的情 報、特に入ってくる信号の変調フォーマットを利用する。「他の」変調フォーマ ットの干渉信号がある状況下でその変調フォーマットを利用することは比較的容 易で、これを行うための方法は数多く知られている。本発明の方法は、対象の信 号が特定の変調フォーマットを持っていることを利用し、このような干渉がある 場合のみならず、「同一の」変調フォーマットを有する干渉信号がある場合にお いても作動するものである。即ち、同一チャンネル干渉が存在する場合にもとい うことである。 先行技術では、同一チャンネル干渉がある場合に信号を分離させて復調すると いうことと、特定の変調フォーマットを有することを利用するということを行っ ている。それらは、出版された論文、例えば、SPIE会誌「信号処理アルゴリ ズム、アーキテクチャ、及びインプリメンテーションの進歩、第5回」(F・ラ ック他)、2296巻(カリフォルニア州サンディエゴ)、230−241ページ 、1994年7月、にあるA・バン・ダー・ヴィーンとA・ポールライによる「 移動体通信における優れたアンテナアプリケーションのための定係数因数分解技 術」、第5回IEEEデュアルユーステクノロジーとアプリケーションについて の年次会議会誌、1995年5月、にある、S・タルワーとA・ポールライによ る「アンテナアレーに受信される多数の同一チャンネルデジタル信号を見積もる ための再帰アルゴリズム」、信号、システム及びコンピュータに関する第27回 アジロマー会議の会誌、第1巻349−342ページ、1993年、にある、S ・タルワー,M・ヴィバーグ、A・ポールライによる「アンテナアレーに着信す る多数の同一チャンネルデジタル信号のブラインド見積もり」、信号処理に関す る IEEE会報、第43巻12番2920−2927ページ、1995年12月、 にある、A・L・スインドルハースト、S・ダース、J・ヤンによる「デシジョ ン有向ビームフォーマーの分析」に提示されている。以下により詳細に説明する が、出版されている技術は、実装に問題があるため実用に適していない。即ち、 信号の「現実の」特性を考慮に入れていないということである。 これらの先行技術は、それらが、対象の信号のあらゆる見積もりが実際の信号 が持っていることが知られているある変調フォーマット或いは他の構造的特性を 持つように強制するという理由から、「特性復元技術」と呼ばることもある。例 えば、「定係数」技術は、定振幅を有する変調体系を用い、その特性を利用する ものであるということが知られている。上記の実装問題に加えて、定係数技術は 横軸振幅変調(QAM)のような定係数でない一般的な変調体系に対しては応用 できない。 本発明の方法と装置も又特性復元性のものであるが、「有限アルファベット」 を有するような体系等、変調体系の分類上広範にわたって応用できる。これらは 、ある特定の期間中の信号の振幅と位相がいくつかの有限なオプションのセット の内の1つを占める変調フォーマットである。多くのデジタル変調技術にはこの 特性がある。このような信号値にある不確定さは全ていつも、唯一同期性と有限 アルファベットの内のどの記号が送信されたかに依る。好適実施例では、π/4 差分横軸位相偏移キーイング(π/4DQPSK)を使用しているが、本発明は 何れの有限アルファベット変調に対しても応用できる。 既知のデジタル変調体系で送信されるp通りの元の信号からm通りの受信アン テナ信号を与えるためにm機のアンテナのアレーを使用している先行技術の特性 復元技術は、以下の段階、即ち、 a)信号に対するいくつかの多重分離重みベクトルから出発して、着信アンテ ナデータから対象の信号の新しい見積もりを形成し、 b)送信された記号の見積もりを得るため信号の新しい見積もりを復調し、 c)送信された記号の見積もりから、実際に送信された信号(即ち、既知の変 調フォーマットを有する信号)の最も近い見積もりである基準信号を形成し、そ して、 d)基準信号が入手できたら、信号に対する必要な空間多重分離重みベクトル を求める、即ち、基準信号に最も類似する、アンテナに受信される信号の組み合 わせに対する解を求める(再びステップ1)、 という段階を再帰的に実行して、対象の特定信号を分離させ復調させる。 この手法では、ある始点から開始して、送信された記号の「非常に良好な」セ ットと、空間多重分離重みの「非上に良好な」セットとを入手し、それをアンテ ナ出力に適用して基準信号の「非常に良好な」見積もりを生成するまで、反復す ることになる。 これらの段階を行う先行技術には、上に挙げた参考事項が含まれる。多重分離 重みのセットを複素ベクトルwrとしてとらえた場合に、その再帰は、wrについ ての見積もりで開始して、これを基準信号空間に投影して基準信号のより良好な 見積もりを得て、更に基準信号のそのより良好な見積もりをwr空間に射影して wrのより良好な見積もりを得、基準信号の「非常に良好な」見積もりを生成す る「非常に良好な」wr、が入手できるまで、wr空間と基準信号空間の間を行き つ戻りつするのというところから、その再帰は文字通り「交互射影」と呼ばれる こともある。 wr空間であろうと基準信号空間であろうと、開始値をまず最初に求めること が必要である。当業者にとっては自明のことだが、基準信号が正しく見積もられ れば次のwrも正しく見積もることができ、またその逆に、wrが正しく見積もら れれば基準信号も正しく見積もることができるので何れの値でも十分用を足すわ けである。交互射影方法に関しての先行技術文献は、ESPRITやMUSIC 等の先行技術的方法を用いてのある見積もり値で開始して、この見積もり値を全 体的な再帰に対する開始点として用いることを提案している。開始用のwrを得 るための方法は他にも知られているものがある。例えば、よく知られた最大比を 開始用のwrと組み合わせる方法や、開始用wrを得るためのよく知られた主要コ ンポーネントコピー手法を使うこともできる。このような手法を用いると、大抵 、最も強い信号に収斂してしまうような開始wrが得られる。このように、最終 目的がいつも干渉のセットの中から最も強い信号を拾い出すことであるのならば 、このような手法も役に立つ。しかしながら、このような先行技術的手法では、 強 度の同一チャンネル干渉を有する場合がそうであるように、搬送波対干渉(C/ I)比が低い場合には、概して効果を発揮しない。 我々のパラメータ見積もり発明は、必ずしも最も強い信号ではない信号を抽出 し、しかも強い同一チャンネル干渉がある状況で効果を発揮する、開始用wr見 積もりを見つけるための手法を開示している。 更に、開始用のwrを使用し、次に交互射影を実行するための先行技術による 手法では、適切に作動するためには、まず何れかの周波数オフセットを修正する ことと、まず時間内に整列(同期化)することが必要である。 周波数オフセットの問題については以下のように説明できる。一般的な無線周 波数(RF)受信機では、元のRF信号は、通常クリスタル発振器及び/又は周 波数シンセサイダーにより生成されるローカル周波数基準を使用して混ぜ合わさ れ、その位相と振幅が変調フォーマットにより設定されている予測可能なパター ン周りに変化する基本帯域信号を生成する。信号には周波数オフセット要素が残 留しないことが理想的であり、このようなオフセットは、例えば、ローカル発振 器の周波数が信号を発信するのに使用される発振器の周波数と微妙に異なること に起因するものである。ハンドセットから基地局へ送信する移動体通信において は、無線信号の周波数はハンドセットのローカル発振器により生成され、一方信 号をダウンコンバートするために使用される周波数基準は基地局の別のローカル 発振器により生成される。基地局のローカル発振器は通常、性能が非常に良好で はあるが、残留信号の中には依然周波数オフセットがあるのが常である。 整列問題は、基地局において送信される信号及び受信される信号の記号の開始 時刻を厳密に一致させることである。整列を実行するための手法は先行技術にも 数多くある。このような手法では、しばしば、対象のバーストに組み入れられた 既知のトレーニングシーケンスを使用することもある。これらのトレーニングシ ーケンスは、特定の相関(又はコンボリューション)特性を持つように選定され る。その技術分野においてはよく知られているように、相関(又はコンボリュー ション)作用を使用して、タイムオフセットを求めることができる。このような 手法に伴う問題点は、高い同一チャンネル干渉がある場合には、うまく働かない ということである。 我々のパラメータ見積もり発明では、強い同一チャンネル干渉が存在する状 況でも作動する、開始時整列と間始周波数オフセットを見つけるための手法を開 示している。 開始用重みベクトルを求める問題と、開始整列と周波数オフセット問題とに加 えて、先行技術の交互射影方法はまた、進行中の時整列(同期化)問題と周波数 オフセット問題に苦しんでいる。第1に、基準信号から次のwrの見積もりに行 く段階が、基準信号とアンテナで受信される信号を時間内に正しく整列させるこ とに非常に敏感である。仮にそれらが誤った並び方をすると、評価されるwrは 役に立たないものとなる。その上、基準信号から次のwrベクトルでのより良好 な見積もりへの射影を行う段階では、射影に使用する基準信号と解釈しようとし ている実際の信号の周波数との間に小さな周波数差が存在するのが普通である。 このようなオフセットはwr見積もりを完全に狂わせてしまう。位相空間におい ては、このような小さな周波数の差が時間経過と共に累積され、数個の記号が送 信されただけでもその後にサイクルの大部分が累積されることになる。このよう に、どんな位相を特定信号に対して用いるべきかということに関しては、複素数 値の解決方法では全く関係が断たれてしまう。このように、実行中の基準信号か ら新しいwrを生成するというストレートな解決策は小さな周波数オフセットに 対して非常に敏感である。 このように、当該技術については、周波数オフセットと時整列問題に鈍感で、 しかも同一チャンネル干渉が高レベルな状況においても正常に作動する、変調及 び信号分離手法が必要とされている。また当該技術では、時整列と、同一チャン ネル干渉が高レベルな状況においても正常に作動する、そのような進行時を基本 とした周波数オフセット推定を含むことによって、交互射影手法を改良させるこ とも必要とされている。このように、当該技術では、このような交互射影方法に おいて基準信号を生成(して信号基準空間に投影)する段階を改良することが必 要とされており、このように改良することによって、このような基準信号の周波 数オフセットや整列問題が低減される。 周波数オフセットは、基本的に、アルファベットの記号間で異なる位相を含ん でいる有限アルファベット変調フォーマットにおける問題である。これには、全 ての位相偏移キーイング(PSK)システム並びに多数のQAMシステムが含ま れる。またAMとQAMシステムを始めとして、振幅エラーに敏感な変調フォー マットも存在する。このようなシステムに対しての交互射影システム段階では、 振幅エラークリープが問題となるであろう。即ち、基準信号と実際の信号の間の 振幅エラーを考慮にいれないと誤った結果が生じかねないということである。従 って、当該技術では、このような交互射影方法において基準信号を生成(して信 号基準空間に射影)する段階を改良することが必要とされているわけであって、 このように改良することによって、このような基準信号の周波数オフセットや整 列問題が低減する。 本発明の方法及び装置はこれらの問題に悩まされることはない。我々の方法に は、上述の問題的状況において、概念的信号ではなくて実際の信号に近い信号を 射影することが含まれる。この方法は、全ての有限アルファベット変調フォーマ ットに対して応用できる。 周波数オフセット、時整列、及び/又は振幅オフセットエラーに鈍感な、より 良好な信号を創造することは、変調時に用いられる交互射影方法に対してのみな らず、多くの適合ろ過処理やデシジョンフィードバック等化システム等のような 基準信号の創造が必要とされる全ての信号処理に対して適用することができる。 II.発明の概要 A.発明の目的 本発明の目的は、符号間干渉が存在する状況において、周波数オフセットと時 整列問題に対して比較的鈍感な、変調のための方法及び装置を提供することにあ る。 本発明の別の目的は、時整列と、同一チャンネル干渉が存在する状況において も正常に作動する、そのような進行時ベースの周波数オフセット見積もりを含む 改良された交互射影手法を提供することにある。 本発明のまた別の目的は、周波数オフセットと整列問題を低減させた、基準信 号を生成するための改良された方法を提供することにある。 本発明の更に別の目的は、振幅オフセットを低減させた、基準信号を生成する ための改良された方法を提供することにある。 発明の概観 本発明の上記及び他の目的は、基準信号を生成するために基地局で実行される 方法に対して提供されるものであるが、この基地局は、アンテナのアレーを含ん でいる少なくとも1カ所の基地局と、少なくとも1カ所の遠隔ターミナルを含ん でいるワイヤレス通信システムの一部である。基準信号は、有限記号アルファベ ットを有する変調体系により記号ポイントで変調される。アレーの各アンテナは 対応する受信信号を受信するが、受信信号は全て受信信号ベクトルを形成してお り、各受信信号は送信を行っている全遠隔ターミナルからの信号を含んでいる。 この方法は、空間重みベクトルを使用して、受信信号ベクトルから遠隔ターミナ ルコピー信号を分離させる信号コピー操作を含んでおり、各サンプルポイント毎 に、(a)遠隔ターミナルコピー信号から変調体系を有する架空信号をし、開始 記号ポイントに架空信号があると開始記号ポイントにおいて遠隔ターミナルコピ ー信号と等化されるようになっている、そして(b)この架空基準信号を前記タ ーミナルコピー信号に向けて緩和して、基準隔ターミナル転送信号を生成する。 ある1つの実施例では、前記変調体系のアルファベットには、異なる振幅を有す る記号が含まれており、緩和段階では、架空信号の振幅を遠隔ターミナルコピー 信号の振幅に向けて緩和する。別の実施例では、変調体系には位相偏移キーイン グが含まれており、緩和段階では、架空信号の位相を遠隔ターミナルコピー信号 の位相に向けて緩和する。 アンテナのアレーを含んだ少なくとも1つの基地局と少なくとも1つの遠隔タ ーミナルを含むワイヤレス通信システムにおいて、特定の遠隔局により送信され る変調信号を復調させるための、基地局が実行する方法についても開示されてい る。変調信号は、有限記号アルファベット変調体系により変調されているものと 仮定する。アンテナのアレーの各々別個のアンテナは、対応する受信信号を受信 するが、全受信信号は受信信号ベクトルを形成している。各受信信号には、送信 中の全遠隔ターミナルからの信号が含まれる。この方法には、受信信号をダウン コンバートする段階、即ち、受信信号ベクトルの時整列と周波数オフセットを見 積もることと、受信信号ベクトルから遠隔ターミナルコピー信号を分離するため に初期空間重みベクトルを使用することであって、分離には見積もられた時整列 と周波数オフセットを使用して時整列と周波数オフセットを修正し訂正されたタ ーミナルコピー信号を形成することが含まれている、そのような初期空間重みベ クトルを使用することと、復調信号を生成するために修正されたターミナルコピ ー信号を復調することとが含まれ、更にそれから(a)復調された信号から基準 信号を合成すること、基準信号に依存する指定された費用関数を最小化すること により新しい空間重みベクトルを計算すること、そして(b)分離用の初期空間 重みベクトルの代わりに最後に求められた新しい空間重みベクトルを使用して、 上記の分離と復調の段階を繰り返すことという段階を少なくとも1回は行うこと が含まれる。復調された信号は次に出力される。 ある変更例では、分離する段階には、訂正された信号ベクトルを形成するため に受信信号ベクトルへの修正として見積もられた時整列と周波数オフセットを用 いることと、特定の遠隔ターミナルに対応する初期空間重みベクトルを使用して 修正済みの信号ベクトルから修正されたターミナルコピー信号を分離することと が含まれている。 別の変更例では、分離する段階には、特定の遠隔ターミナルに対応する初期空 間重みベクトルを使用して、受信信号ベクトルから特定の遠隔ターミナルに対応 するターミナルコピー信号を分離することと、訂正されたターミナルコピー信号 を形成するために前記特定のターミナルコピー信号への修正として見積もられた 時整列と周波数オフセットを適用することとが含まれる。 III.図面の簡単な説明 図1は、本発明の装置の好適な実施例のアーキテクチャを示す。 図2は、本発明の好適実施例において同期化を行うために使用されるバースト の図解を示す。 図3は、本発明の好適実施例で使われるSYNCHバーストの振幅(大きさ) を示す。 図4は、本発明の好適実施例による整列方法のフローチャートを示す。 図5は、初期整列及び周波数オフセット見積もり装置の好適実施例で勘案され る整列ウインドウとSYNCHバーストのサブセットである。 図6は、復調方法のフローチャートである。 図7は、図6のステップ629の詳細なフロー線図である。 IV.好適実施例の説明 A.システムのアーキテクチャ 本発明の様々な好適及び代替実施例は、「パーソナル携帯電話システム」(P HS)、ARIB標準、バージョン2(RCR STD−28)を使用するセル ラーシステムに組み込むためのものである。厳密には、本発明の様々な好適及び 代替実施例は、「我々の復調発明」の好適実施例と組み合わせて取り入れられる ものである。 PHSシステムは、真時分割2重化(TDD)を伴う8スロット時分割多元ア クセスシステム(TDMA)である。このように、8タイムスロットは、4送信 (TX)タイムスロットと4受信(RX)タイムスロットに分けられている。好 適実施例で使用されるPHSシステムの周波数帯は1985−1918.1MH zである。8タイムスロットの各々は625マイクロ秒の長さである。PHSシ ステムは、呼び出し開始が起こる制御チャンネル用に専用の周波数とタイムスロ ットを持っている。一旦リンクが確立されると、呼び出しは標準通信用のサービ スチャンネルに渡される。通信は、フルレートと呼ばれる毎秒32kビット(k bps)の速さで何れのチャンネルでも発生する。PHSは、またハーフレート (16kbps)及びクォーターレート(8kbps)通信もサポートする。 好適実施例におけるPHSでは、「バースト」は単一のタイムスロット期間中 に空中を越えて送受信される有限持続時間RF信号と定義される。「グループ」 は4TXと4RXタイムスロットの1セットと定義される。グループは、常に第 1TXタイムスロットで始まり、その持続時間は8x0.625=5マイクロ秒 である。ハーフレートやクォーターレート通信をサポートするために、PHS規 格は「PHSフレーム」を4グループとして定義しており、それは即ち、8タイ ムスロットの4完全周期である。ここに述べる実施例では、フルレート通信のみ がサポートされており、従ってこの説明中では、「フレーム」という語はPHS 用語のグループと同じである。即ち、フレームとは4TX及び4RXタイムスロ ットで5マイクロ秒長ということである。フルレート未満の通信を組み込むため に本願で述べる実施例をどのように変更するのかについての詳細は、当業者には 明らかであろう。 論理チャンネルは、遠隔ターミナルと基地局との間で、それを通してメッセー ジが交換される概念的なパイプである。2タイプの論理チャンネル、即ち通信リ ンクの開始を担当する論理制御チャンネル(LCCH)と進行中の通信を担当す るサービスチャンネル(SCH)が存在する。本発明の好適実施例は、サービス チャンネルの通信に適用される。ここでは、何れであっても特定遠隔ターミナル と基地局は別個のフレームであるタイムスロットのバーストで通信を行う。 フレームタイミングとはフレームの開始と停止タイミングである。呼び出し開 始中に、遠隔ターミナルは、基地局の同報通信制御チャンネル(BCCH)と呼 ばれる制御チャンネルを聴いて、基地局のフレームタイミングに自身を同調させ る。通話を開始するに当たって、基地局と遠隔ターミナルは、制御チャンネル上 で通信して、サービスチャンネル用のタイムスロットと周波数を確立する。一旦 特定のサービスチャンネルが承認を得ると、基地局と遠隔ターミナルはそのサー ビスチャンネルにつき同期作動(“SYNCH”)モードに入り、その間に各々 は相手に既知の同期作動バースト(“SYNCH”バースト)を送る。 本発明の方法及び装置の好適実施例は、このSYNCHバーストを使用して、 時整列の初期見積もりとこの周波数オフセットの初期見積もりを求める。これは 実際問題として、遠隔ターミナルのRF周波数は、基地局搬送波に対して±5k Hz以上程度のオフセットとなるかもしれないから必要なのである。初期空間処 理重みベクトルもまたSYNCHモード中に求められる。 一旦整列と周波数オフセットが見積もられると、通信用の「ノーマル」モード に入る。ノーマルモードの間は、本発明の方法と装置は周波数オフセットと整列 につき補償を継続し、引き続き周波数オフセット、整列及び重みベクトルの見積 もりを更新する。 PHSシステムは、基本帯域信号に対してπ/4差分横軸位相偏移キーイング (π/4DQPSK)変調を使用する。ボーレートは192キロボーである。即 ち、毎秒192,000の記号がある。 配置空間は、複素数値(同相成分Iと直角位相成分Q)の基本帯域信号によっ てスウィープアウトされた複素配置である。π/4DQPSKについては、信号 配置空間は、便宜上、(1、0)として示されるI=1(正規化済み)及びQ= 0で開始して単位円の周り45度毎の配座点から成る。実際には、配座点は、周 波数オフセットに起因する干渉、多重経路、追加ノイズ、遅い回転によって、ま たシステムの無線受信機や送信機の周波数応答や非線形度により、理想のものか ら偏移している。差分空間は記号から記号への位相の変化を示す複素空間である 。即ちそれは、先の配置空間点により各配置空間点を割ることにより形成される 差分信号によってスウィープアウトされた複素空間である。π/4DQPSKに ついて、理論上の差分空間信号は、+π/4、−π/4、+3π/4、−3π/ 4の位相の4点のみから成る。実のところ、実際の差分空間信号は干渉、ノイズ 、チャンネルのひずみ、周波数オフセット、時整列の問題のせいで歪んでいる。 好適実施例で使用されるPHSシステムにおいては、RF信号はスペクトル形 状をとり、普通は累乗平方根や累乗余弦ろ過の形をとる。合成基本帯域信号は、 各記号持続時間中の瞬時の問に架空配座点のみを通過する。好適実施例では、基 本帯域信号は、ボーレートの8倍の速さでサンプリングされる。即ち、サンプリ ングレートは、記号毎に8サンプルにつき1.536MHzとなる。正しい復調 のために、本発明の方法と装置は、各記号毎の8サンプルの内どれが、瞬時の架 空配座点に対して時間内に最も接近するかを見積もる。架空配座点に対して最も 接近するサンプルを見つける処理を「サンプル整列」と呼ぶ。 本発明の装置の好適実施例のアーキテクチャを図1に示す。複数のm機のアン テナ、101.1、...、101.mを使用するが、ここにmは4である。これ らアンテナの出力は、搬送波周波数(約1.9GHz)から最終的な中間周波数 (IF)384kHzまで3段階で、RXブロック105.1、...、105. mによりアナログで混ぜ台わされて下げられる。この信号は、次にアナログ対デ ジタル変換器109.0、...、109.mにより1.536MHzでデジタル 化(サンプル採取)される。信号の実数部分のみがサンプリングされる。このよ うに、複 素フェーザー表記法では、ディジタル信号は、−384kHzでの写像と共に3 84kHzで複素数値のIF信号を保有するものとして視認化される。最終的な 基本帯域までのダウンコンバートは、毎秒1.536メガサンプルの実数のみの 信号に384kHz複素フェーザーを掛けることによりデジタル的に行われる。 これは、複素数シーケンス1、j、−1、−jを掛けるのと同じことで、こちら は符号変更とリバイニングを使用して簡単に実行される。その結果は、複素数値 の基本帯域信号プラス−2x384=−768kHzでの写像を有する複素数信 号となる。この不本意な負の周波数写像はデジタル的にろ過され、1.536M Hzでサンプリングされた複素数値の基本帯域信号を生成する。好適な実施例で は、グレイチップインコーポレーション社のGC2011Aデジタルフィルター 113.1、...、113.mデバイスを各アンテナ出力毎に1つ使用しており 、ダウンコンバートとデジタルろ過を実行するが、デジタルろ過は有限インパル ス応答(FIR)ろ過手法を使用している。適切なFIRろ過係数を求めるのは 、当業者には自明の標準的手法を用いて行われる。 各アンテナGC2011Aデジタルろ過装置113からは、タイムスロット毎 に1つの、4つのダウンコンバートされた出力が出される。4タイムスロットの 各々毎に、4機のアンテナからの4つのダウンコンバートされた出力が、本発明 による、更に処理するためのデジタル信号プロセッサ(DSP)装置117に送 られる。好適実施例では、4機のモトローラDSP56301DSPを受信タイ ムスロット毎に1機使用している。 本願では以下の表記法を使用する。 z1(t)、z2(t)、....、zm(t)はそれぞれ、ダウンコンバート後の、即 ち基本帯域の、第1、第2、...、第mアンテナ要素の複素数応答とする。これ らは、z(t)のi番目の行がzi(t)であるm個のベクトルz(t)で表さ れる。z(t)のN個のデジタルサンプルはz(T)、z(2T)、...、z(NT )で示され、ここでTはサンプリング周期である。簡略化及び便宜上、サンプル 周期は1に正規化され、z(t)(及び他の信号)は、継続時間tの関数若しく はサンプリングされた信号の何れかを示し、この場合については当業者の一般技 術内容から明らかであろう。z(t)のN通りのサンプルは、マトリックスZ= [z (1)|z(2)|、...、|z(N)]として表される。p個の個別ソース( 遠隔ターミナル)からのp通りの複素数値の同一チャンネル信号s1(t)、s2( t)、..、sp(t)がアンテナアレーに送信されるものと仮定する。この場合、 m個のアンテナアレー要素におけるzi(t)、i=1、...、mは、それぞれ、ノ イズや他の干渉を含めたこれらp個の信号のある組み合わせである。特定の組み 合わせは幾何学形状と伝播によって決まる。同一チャンネル信号はp個のベクト ルs(t)で表され、そのk番目の要素は複素数sk(t)となる。 信号sk(t)を模範に採ると、 sk(t)=Σnk(n)g(t−nTs)となり、 ここに、合計Σnは、データバッチ又はバーストの全n値に対するインデクスn に亘り、{bk(n)}はk番mの遠隔ターミナルより送信される記号シーケンス であり、Tsは記号周期、そしてg(t)は使用される全ての送信フィルタ(複数 の場合もある)、伝播チャンネル、全ての受信フィルタ(複数の場合もある)の 効果を組み合わせたインパルス応答を表す。g(t)は便宜上単位エネルギーと される。好適実施例では、記号周期Tsは、サンプリング周期Tの整数倍数Lと され、ここに、L=8である。Tは1に対して正規化されるので、Ts=L=8 である。複素数値の記号bk(n)はある有限アルファベットΩに属する。PH S実施例のπ/4DQPSK変調に対しては、 Ω={1、exp±jπ/4、exp±jπ/2、expjπ、exp±j3π /4}であり、何れのk又はnについても、差分信号dk(n)=bk(n)/bk (n−1)の位相は有限アルファベット{±π/4、±3π/4}に属する。 マトリックスSがZにおけるs(t)の同一のN個のサンプルに対応する列を 有するものとして表すと、多重分離の目的はある見積もりSを生成することであ る。線形見積もりが行われる。即ち、 となり、ここにWrは「重みマトリックス」と呼ばれるmxpのマトリックスで あり、Wr Hは複素共役転置行列、即ちWrのエルミート転置行列である。Wrにお ける添え字rは「受信機」を意味し、送信ではなくて受信を扱っていることを表 す。Wrのk番目の列、m個のベクトルWrkはk番目の信号sk(t)に対す る「重みベクトル」と呼ばれる。このように、sk(t)の見積もりは、 となる。 この発明では、j≠kとして、遠隔ターミナルjからの他の信号が存在する、 即ち同一チャンネル干渉が存在する状況において、ある特定の遠隔ターミナルk から送信される信号をどのように復調するかについて説明している。便宜上、表 記法は簡略化しており、記号kは暗示的である。当業者には、この1つの信号に ついての演算を、上記のマトリックス方程式に示す一式の演算を使用して、他の (p−1)信号からの信号に対して繰り返せることは自明であろう。 我々が言う「信号コピー」演算とは、 を意味しており、重みベクトルwrを使用しながら、m個の受信信号z(t)の (t中の)サンプルからの特定の信号の特定サンプルを見積もるためのものであ る。 「基準信号」は、必要条件とされる変調構造を有する信号である。即ち、その 信号構造とは、 sR(t)=Σnb(n)g(t+ε−nTs) であり、ここにεはタイミングエラーである。好適実施例の場合には、sR(t )はπ/4DQPSK波形である。 B.SYNCHモード演算 SYNCHモードにおける目的は、対象の信号についての複素数値の重みベク トルwrの初期見積もりを入手することと、整列とオフセット周波数オフセット の初期見積もりを入手することである。本発明の方法(及び装置)は、信号の有 限アルファベット特性を利用する整列及び周波数オフセット見積もり技法を使用 する。ここでは対象の特定信号につき詳細に説明しており、受信される他の信号 は同一チャンネル干渉である。同一チャンネル信号の何れを受信するのにもこの 詳細は明らかに当てはまり、例えばマトリックス表記法を使用するなどして、同 時に全ての同一チャンネル信号を受信するための方法をどのように説明するかは 、 当業者には明白であろう。 好適実施例で使用されるSYNCHバーストは既知のフォーマットを有する。 図2は、同期化を行うために使用されるバーストの図解である。尚、SYNCH バーストはいくつかのフィールドを有しており、バーストの全フィールドでもそ の何れかのフィールドでも、或いはフィールドの一部でも自由に使用してよい。 第1フィールドはプリアンブルと呼ばれ、特定周期のビットシーケンスである。 この特定フィールドのフーリエ変換(FFT計算を用いて見積もられる)は、3 つの強い正弦波成分があることを示しており、ある代わりの実施例ではこの事実 を使用している。好適実施例は、費用関数特に二乗エラーを求め、最適化法、特 に最小二乗最適化を使用して、費用関数を最小化するパラメータ値を求める。他 の費用関数と最適化方法も本発明の範囲を逸脱することなく使用できる。このよ うにして求められる第1パラメータは時整列、即ち最小の費用関数を出す(サン プル数で表される)タイムシフトである。一旦時整列が見積もられると、それを 用いて初期wrと周波数オフセットに関係する費用関数を求め、次に最適化方法 を使用して初期wrと周波数オフセット見積もり値を求める。 時における位置は大凡知ることができる。第1好適実施例では、最初は、バー ストの時における位置は±2記号(±16サンプル)内であることが知られてい ると仮定され、整列はバーストの位置をこの32サンプルのウインドウ内で見積 もっている。単一のSYNCHが整列に使用され、第1に時における大まかな位 置を見積もり、次に時におけるより正確な位置を見積もる。一旦整列が確定する と、同一のSYNCHバーストを使用して周波数オフセット及び初期重みベクト ルwrを見積もる。代わりの実施例では、より遅いプロセッサが見積もりに使用 され、従って計算の時間がより際どく、合わせて3つのバーストが使用される。 2つのバーストが整列に関して使用され、第1に時における大まかな位置を見積 もり、第2に時におけるより正確な位置を見積もる。一旦整列が確定すると、遅 いプロセッサを用いた第3実施例では、第3のSYNCHバーストを使用して、 周波数オフセトと初期の重みベクトルwrを見積もる。 時整列評価について、これより更に詳しく説明する。複素数値のデータではな くて、振幅のみをこのために使用する。図3は、SYNCHバーストの振幅(大 きさ)を示している。予測されるように、異なる周波数オフセットを有するいく つかのこのようなSYNCHバーストを見ると、この振幅信号(振幅対時間)は 異なる周波数オフセットを持つSYNCH信号バースト間で、著しく変わるわけ ではないことが観察される。広義においては、この実施例で用いられる既知の特 性はSYNCHバーストの既知のビットシーケンスであるが、狭義においては、 振幅信号が特定の実行における時整列を求める際に利用される周波数オフセット で著しく変化するものではないというのは既知の特性である。振幅特性が周波数 オフセットと共に変わる場合に対して、他の方法の変形例は当業者にとっては明 らかであろう。 図4は、第1好適実施例による方法のフローチャートを示している。この方法 はダウンコンバートされたm個の信号のバーストz1(t)、...、zm(t)と共 にステップ401で開始し、ここにm=4.960複素数値のサンプルが各アン テナでとられる。信号はボーレートの8倍でオーバーサンプリングされるので、 ステップ403では、因数4でデシメートされ記号毎に2サンプルの周波数まで に落とされる。 この方法ではバーストの一部分のみが使用される。好適実施例で、図3に示す 典型的なバーストの振幅について述べると、SYNCHバーストのPREAMB LEフィールド(サンプル番号6−67)の中間当たりで始まる単一区域を使用 して、バーストのサブセットを形成する。図4のフローチャートでは、ステップ 405がサブセットの入手である。サブセット構造の他の変形例では、区域数は 何れでもよく、実際にバースト全体を使用してもよい。 重みベクトルと整列を求めるためのループが、ここステップ407で開始され るが、ここでは時間オフセット以内であると仮定している。このループにおける 重みベクトルは、ステップ409でウインドウ内の時間オフセットを求める目的 で計算される。各アンテナ毎に1つとして、4コピーの入信信号(及びサブセッ ト)がある。これら信号の「サブセット」を複素数値の行ベクトルで示すが、各 行ベクトルは特定のアンテナにするサブセットの時間サンプルである。mxNマ トリックス|Z|2が、m機のアンテナでの信号のそれぞれのサブセットに対応 する時間サンプルの二乗振幅であるとしよう。即ち、|z|2(t)はm個のベ クトルであって、そのi番目の要素は|Zi(t)|2で、時間サンプルtでの i番目のアンテナでの信号サブセットの二乗振幅であると定義され、ここにtは 考えられているサブセットより大きい。 そこで、 |Z|2=[|z|2(1)|z|2(2)...|z|2(N)] と定義する。 これら|z(t)|2の線形組み合わせを「実数値の」重みw1、w2、...wmで 考えて、この線形組み合わせを既知のSYNCHバーストにおける同一のサブセ ットの「既知の」二乗振幅に対して比較する費用関数を形成する。図5は、ウイ ンドウ501内のSYNCHバースト503に対する区域511から成るサブセ ットと、基準SYNCHバースト505に対して対応する区域507のサブセッ トを示している。基準SYNCHバースト、即ち信号は、読み出し専用メモリ( ROM)に保存される。サブセット507における基準SYNCHバーストの二 乗振幅を|sr2(t)で表し、行ベクトル|sr2を区域507の基準バース ト505の二乗振幅のサンプルとする。即ち、 |sr2=[|sr(1)|2|sr(2)|2...|sr(N)|2] である。 m個の列ベクトルwrを、その要素として実数値の重みw1、w2、...wmを持 つものとして定義する。|z|2(t)に関する「信号コピー」演算を「コピー 信号」wr T|z|2(t)を確定するものと定義する。そうすると、ステップ4 09での最適化は、既知の|sr2(t)に対して(あるノルムにおいて)でき る限り接近したコピー信号wr T|z|2(t)を生み出すwrを見つけることであ る。好適実施例においては、費用関数 は最小化される。このようなJを最小化するwrを見いだす最適化技法は、当業 者にはよく知られている。例えば、G.H.ゴラブとC.F.バンローンによる 「マトリックス計算」(バルチモア第2版、ジョン・ホプキンズ大学出版、19 89年)、B.N.ダタによる「数値線形代数学及び応用例」(カリフォルニア州 パシフィックグローブ、ブックス/コール1995年(6.10節))、或いはW . H.プレス他による「Cにおける数のレシピ」(第2版、イギリス、ケンブリッ ジのケンブリッジ大学出版、1992年(10章))を参照されたい。 このような方法に関する文献は、式J=(b−Ax)H(b−Ax)という費 用関数を用いてマトリックス最適化の問題を解いている。本事例に対する適合化 に当たっては、bT=|Sr2、AT=|z|2、xT=wrの置換を行う。ここで 「一般的」ベクトルという意味で用いられる表記法b(及びAとx)は、本願の 他の箇所で使用される記号bk(n)、b(n),bO(n)等とは全く関係がない。 2通りの代わりの方法が、最適化の問題を解決するための2通りの異なる実行 例で使用される。第1番目の方法は、共役傾斜法である。これは、f(x)=1 /2xHAx−xHbを最小化する。その関数はx=inv(A)bに対し−1/ 2xHinv(A)b=inv(A)bという最小値を有し、ここにinv(A )はAの一般逆行列である。最小化はサーチ方向pkのセットを生成することに より行われる。インデクスkで示される各段階において、量akはf(x+akk )を最小化するものと分かり、xk+1はxk+akkに等しく設定される。ベク トルpkは、関数f(.)が{p1、p2、...pk}により範囲を定められるベク トル空間全体に亘り最小化されるように選定される。 以下は、共役傾斜を使用しながら一般逆行列を見いだすための手順である。 x=0; sk=b; k=1:4に対し rk=skH; もし(k−1)なら pk=rk; l_r=rk(:)Hk(:); でなければ rkOldLen2=l_r; l_r=rk(:)Hk(:); bk=l_r/rkOldLen2; pk=rk+pkk; 終了 qk=PkA; ak=l_r/qk(:)Hk(:); x=x+akk; sk=sk−akk; 終了 一般逆行列を見いだすために使われる第2の方法は、方程式Ax−bのシステ ムのL2ノルムを最小化する、即ち J=(b−Ax)H(b−Ax) を最小化する一般逆行列を正式に計算することによるものである。 Jを最小化するxの値は、(AHA)-1Hbであり、Jの最小値はbHbb−bH (P−I)bであるが、ここにP=A(AHA)-1HはAの射影マトリックス と呼ばれ、(AHA)-1HはAの一般逆行列である。 共役傾斜法についてのこの手法の利点は、この最適化が、bの異なる値(この 発明においてはsref)につき幾度も計算する必要が生じた場合でも、Aの一般 逆行列(AHA)-1Hの計算はbに依存せず、従って何れのAについても1度だ け行えばよく、本発明の場合で言えば受信信号zにつき1度だけでよいというこ とである。共役傾斜を使用する場合に、各最小化は、Aとb双方を含む同一の計 算が必要になる。 好適実施例では、適合的正規化が計算の各段階で用いられる。これにつき、正 規化された誤差項(bHbにより正規化)が使用される。これは費用関数を正規 化し、J’を使って表すと、 J’=J/bHb=1−bH(P−I)b/bHb となるので、J’を最小化することは、bH(P−I)b/bHbを最大化するこ とに等しい。数値的及び安定性の理由から、本発明の好適実施例では、一般逆行 列の確定はスケールファクター内に対して実施される。Pと、ひいては(P−I )は、このようなスケールファクターに対しては不変である。このようなスケー ルファクターを計算する必要を回避するために、好適実施例では、比較の理由か らJの計算の必要性が生じたならいつでも、J’の値を代わりに求めて比較す る。例えば、以下のステップ411と421を参照されたい。 一般逆行列の計算においてこのようなスケールファクターが使用される結果と して、ベクトルXとひいては重みベクトルがこのスケールファクターに対して定 められる。このスケールファクターを明示的に計算する必要を回避するために、 全基準信号、この場合には|sr|がこのスケールファクターに対し定義される 。本発明の特定のアプリケーションは、信号コピー演算に使用するために求めら れる重みベクトル用であり、基準信号を確定し比較するために、全基準信号及び 信号コピー演算は矛盾の無い結果を出すためにこのスケールファクターに対して 正規化される。 フローチャートに戻るが、一旦重みが計算されると、J’の式での見積もり二 乗エラーがステツプ411で計算される。このエラーは、ステップ413でこの wrについてのタイミングオフセットと共に格納される。又ステップ415では 、エラーがこのループの全オフセットにつき計算されたかどうかを判断するため にチェックが行われるが、これはデシメーションのせいで、4サンプル毎に行わ れる。結果が否なら、ステップ417で、決められたオフセットにデシメーショ ンファクター4が加えられる。即ち、ウインドウ507が4でシフトされ、ステ ップ419及び409で新しい重みのセットが再度確定される。ステップ411 では、新たなオフセットについての新たなエラーが求められる。このようにして 、合計9回のトライアルが繰り返される。このように、4サンプルで分割される 9個のオフセットの関数としてエラーが確定すると終了となる。ステップ421 では、最小二乗J’を算出するオフセットwrが選択されコースオフセット見積 もりが出される。 方法は次に、粗見積もりの4個のサンプル内での整列見積もりを求める第2ル ープに移る。好適実施例では、同じSYNCHバーストを使用する(ステップ4 23)。代わりのやり方では、第2のSYNCHバーストが、必要となる計算能 力を抑制するために使用される。 求められた粗整列をステップ425で使用して、SYNCHバースト期間中に アンテナに受信されるデータを修正する。受信されたデータはステップ427で 再びデシメートされて、区域511に対応してサブセットが求められる。これよ りループが再び開始されるが、これは粗整列選択用に4サンプル毎に考えたのと は異なり、ここでは精密な整列を確定する4サンプル内を当たるということ以外 は上記の粗整列確定ループと同様である。最終的な整列は、粗整列と精密整列見 積もりを加えることによって、ステップ447で確定する。 この段階では、初期の時整列は既に見積もられている。今度はこれを使用して 初期周波数オフセット及び重みベクトルパラメータを見積もる。再度、同じSY NCHバーストが使用される。利用できる計算能力が制限される代わりの実施例 では、周波数オフセットと重みベクトルwrを見積もるために、追加のSYNC Hバーストを使用することができる。 整列|zi(t)|2、i=1、...、mを求める際には、アンテナでの信号のサ ブセットの二乗振幅が使用され、wrは実数値要素を持っていた。周波数オフセ ット見積もり及びwr確定には、アンテナ信号のサブセットの完全複素数値のデ ータzi(t)、i=1、...、mが使用され、wrは複素数値となる。バーストはス テップ449で受信され、ステップ447で確定した整列見積もりを使用して、 ステップ451で整列タイミングオフセットに対し修正される。信号は4の因数 でデシメートされ、サブセットはステップ453で抽出される。主要な見積もり ループがこれより開始される。周波数オフセットにつき5つの値がループの初期 に使用される。5つのポイントそれぞれの間の差がデルタと称され、開始時には 2048Hzに設定される。5つのポイントは−4096Hz、−2048Hz 、0、+2048Hz、+4096Hzである。異なるやり方では異なる値を使 用してもよい。主要ループは、最小二乗エラーを与える周波数シフトが算出され る点を除けば、時整列見積もりについての上記の説明と全く同じである。z(t )=[z1(t)z2(t)...zm(t)]Tと定義すると、 Z=[z(1)z(2)...z(N)] となる。 これらzi(t)’と複素数重みw1、w2、...、wmの組み合わせを考えてみる。 周波数オフセット修正後のサブセット507における基準SYNCHバーストを sr(t)と表し、行ベクトルsrを周波数オフセットにより修正された区域50 7における基準バースト505の大きさのサンプルとする。即ち、 sr=[sr(1)sr(2)...sr(N)] である。 周波数シフトは、各複素数値のサンプルを周波数オフセットに対応する位相シフ トを掛けることにより適用される。m個の複素列ベクトルはwr=[w12...wm ]と定義する。次のステップ457での最適化は、既知及び修正された周波数 オフセットsr(t)に(あるノルムで)できる限り近いコピー信号wr Hz(t )を算出するwrを見い出すことである。好適実施例では、費用関数 は、最小化される。このようにして、5つの周波数オフセットのそれぞれにつき この費用関数を最小化する重みwrが求められる。前のように、一般逆行列法が 使用されるとき、重みwrは定数内で求められる。当業者には、この場合sr(t )も又一貫性の精神に則りそのスケーリングで定義されることは明らかであろう 。これら重みベクトルwrのそれぞれに対し(J’として正規化された)二乗見 積もりエラーがステップ461で求められ、次に最小エラーを出す周波数オフセ ットが選択される。これを、Coarse_Offset_Freqと呼ぶ。中 央付近にあり、1024ヘルツのデルタでの最後の再帰において最小エラーを与 えたCoarse_Offset_Freqを含んでいる3つの値につき2等分 探索が行なわれる。即ち、重みとエラーは(Coarse_Offset_Fre q−delta)と(Coarse_Offset_Freq+delta)、 即ちCoarse_Offset_Freq周りの2つの追加的な周波数オフセ ット値に対し求められ、2等分探索を使用して、最小二乗エラーを与える周波数 オフセットが、{(Coarse_Offset_Freq−delta)、Co arse_Offset_Freq、(Coarse_Offset_Freq +delta)}のセットから選択される。デルタはこれより2等分され、新た な2等分探索が開始される。デルタを2等分にするというこの2等分探索ループ は、デルタが周波数オフセットに対して必要とされる精密度より小さくなるまで 続けられる。好適実施例ではこれは16Hzである。 2通りの代わりの方法を用いて周波数オフセットを求めることもできる。これ らの技法、傾斜法並びに補間法は、計算上より効率的であると言える。傾斜法で は、エラー関数曲線対周波数オフセットがスムーズでしかも典型的に2つまたは 場合によっては3つの極小値を表していることを利用する。従って、主要な極小 値を見つけるのは、良く知られた傾斜最小化技法を使用すると非常に簡単で、1 〜2回の反復しか必要としない。2等分探索法で使用されたものと同一の主要な 見積もりループを使用して、傾斜探索ループを開始する前に最小値を概算する。 補間法は4次多項式を使用する。最も小さい平方という意味で、主要な極小値の 付近のエラー関数曲線に「最も」合う多項式を求めることにより周波数オフセッ トを求める。この方法には2つのループを含む。第1のループは大凡の最小値を 確定する。この際、−4000Hz、−2000Hz、0Hz、2000Hz、 4,000Hzに対応して5つのエラーポイントが計算され、最小エラーを出す オフセットとなる大凡の見積もりが出される。第2ループでは、大凡の見積もり 値周りの4つの正確なエラー値が、大凡の見積もり値±1500Hz及び大凡の 見積もり値±750Hzとして大凡の見積もり値の周りに確定される。これら4 つの値は大凡の見積もり値と共に4次多項式に合うように使用される。導関数及 び多項式に対する3つの根が次に求められる。周波数オフセットパラメータの見 積もり値は、大凡の見積もり値に最も接近している非複素数根である。 このように初期周波数オフセット及び初期重みベクトルが求められる。こうし て、単一のSYNCHバースト内で、初期整列、周波数オフセット、重みベクト ルwrという3つのパラメータの全てが見積もられる。先に述べたように、十分 な計算能力が無い場合の代わりの実施例では、これらのパラメータは2又は3個 のSYNCHバーストにおいて求めることもできる。 これでSYNCHモードを終了する。遠隔ターミナルと基地局は合意し、これ よりノーマルモードに入ることになる。SYNCHモードで確定された量は、本 発明の方法と装置が周波数オフセットと整列に補償を続ける間のノーマルモード に対しての開始条件として用いられる。オフセットと整列についての値はノーマ ルモード中に更新される。 C.ノーマルモード処理 以下は、対象の特定信号に対して複素数値重みベクトルwrを見積もり、且つ 進行中ベースで信号を復調するための、本発明の方法及び装置の好適実施例につ いての説明である。これがノーマルモードの最終目的であり、その方法はフレー ム毎に繰り返される再帰的ループを含む。まずノーマルモードに入り、wr及び SYNCHモードから得た整列と周波数オフセットの初期見積もりで再帰的ルー プを開始する。進行ベースで、wr及び先行フレーム上での同一信号の処理から 入手した整列と周波数オフセットの見積もりを始めることでループを開始する。 ノーマルモードについてはこれより図6のフローチャートを参照しながら説明 する。ここでは対象の特定信号についてのみ詳しく説明しており、他の受信信号 は同一チャンネル干渉である。同一チャンネル信号の何れを受信するのにもこの 詳細は明らかに適用でき、例えばマトリックス表記法を使用するなどして、同時 に同一チャンネル信号を受信するための方法をどのように説明するかは、当業者 には明白であろう。 先行フレームから、或いは開始時にはSYNCHモード見積もりからの何れか からのwrの値(図6のステップ602)で開始する。wrOで示されるwrの開始 値が与えられると、このwrOをダウンコンバートされた受信信号ベクトルz(t )(符号601で示す)と共に使用して、初期信号コピー演算により対象の信号 の見積もりを生成し、初期コピー信号 として表される信号の見積もり605を生成する。 ステップ607は最後のフレームからの周波数オフセット或いは、これが最初 のフレームであればSYNCHモードからの周波数オフセットを使用して、周波 数オフセットに対し初期のコピー信号605を修正する。周波数が修正された初 期コピー信号609は、これよりステップ611において使用され、新たな周波 数オフセット差異見積もり及び整列見積もりを算出する。その結果としての周波 数オフセット差異及び整列見積もり613は、見積もりフィルター617におい て、先行するフレームからの見積もり615或いはこれが最初のフレームの場合 にはSYNCHモード見積もりと組み合わせられて、更新された周波数オフセッ ト及び整列見積もり619を生成する。代わりの実施例では、2つ以上の先行す るフレームからの周波数オフセット及び整列見積もりを使用するフィルターを用 いることができる。 本発明の好適実施例は、次のフィルター演算617、 Offset_to_use=Offset_last_frame +ρOffset_new_difference Alignment_to_use=ρAlignment_last_frame +(1-ρ)Alignment_new を使用しており、ここに定数ρは遠隔ターミナルの代表的な周波数オフセット及 び整列ドリフトを観察することにより経験的に求められたものである。特定のや り方においてはρ=0.8が使用されている。フィルター演算617の目的は、 フレームからフレームへの修正からの周波数オフセット及び整列において変化を 抑制し、これにより強い干渉信号の存在でこれらの量の見積もりが混乱すること の無いようにすることである。 ステップ621は、周波数オフセット及び整列の見積もりを使用して、入力信 号データz(t)を修正して、z(t)の修正されデシメートされたバージョン を生成するが、これはzN(t)で表され、図6のフローチャート上で623の 符号が付いている。デシメーションは、バースト毎に120サンプルとなる、記 号毎に1つのzN(t)を与えるために8の因数により行われる。 デシメーションと周波数修正ステップ621のデシメーション部分は、正確な 記号回数に対する整列において最も近いポイントのみを保存することから成る。 周波数修正は時間に大凡の位相を掛けて見積もりの精度内で残りの周波数を調整 することから成る。 これらzN(t)サンプルは、今度は、再帰ループ内で復調し、重みベクトル を見積もって、他のバーストに或いは次のフレーム用のwrOとして使用するため に使われる。 ステップ625では、中間コピー信号627が、開始時にはwrOであるwrの 一番良い見積もり635によって、zN(t)から生成される。wrが更新され N(t)で表される、デシメートされ修正されたコピー信号627が生成される 。このようにステップ625の演算は、 となり、開始時にはwrN=wrOである。この信号コピー演算625は、デシメー ション後の今は、元の960信号サンプルの8分の1が各バーストに含まれるだ けなので、初期のコピー演算603よりも更に効率良く行うことができる。 修正されたコピー信号627はステップ629で復調され、復調ビットストリ ーム630とsR(t)で示される基準信号を生成する。ステップ629では、 修正済みのコピー信号及び既知の変調フォーマットの有限アルファベット特性を 使用して、zN(t)に整合する周波数であるところの基準信号sR(t)を生成 する。即ち、基準信号631の周波数オフセットはz信号の周波数オフセットに 十分に近いので、それを使ってwrNで示すwrの新しい値の解を確実に求めるこ とができる。定義により、sR(t)、即ち基準信号631は必要とされる有限ア ルファベット特性を有する。 基準信号sR(t)(図6の631)は不確定残留周波数オフセット及び不確定 整列等の問題に悩まされることはないので、これよりzN(t)と共に使用して 、wrのより良い見積もりであるwrNを求めることができる。これはステップ6 33で実行される。このようにwr面上への射影については、多くの方法が先行 技術においても知られている。最終目的は、wrN HN(t)が基準信号sR(t )にできる限り近くなるようなwrNに対する解を求めることである。好適実施例 では、最小二乗最適化法を使用し、wrのノルムに関する制約が加えられている 。このように、解決される最適化の問題は、費用関数 を最小化するwrNを確定することであり、ここにδはある定数である。好適実施 例では凡そ0.2という値が使用されている。 ループはこれより繰り返され、wrNのこの新しい値635をステップ625用 に使用し、次いで新しい基準信号を求めるために新しいコピー信号を求める。こ のループは「Num」回繰り返されるが、好適実施例ではNum=2である。N um回反復した後に、復調された信号630が、そのバーストに対する対象の特 定信号用の受信記号ストリームとして使用され、wrN即ち重みベクトル635が 次のバーストに対しステップ625で新しいコピー信号を計算するために使用さ れるか、又はフレームの終了時か若しくは以下に説明するバーストモードでの作 動中である場合には、wrNは次のフレームに対してwrOに等しくセットされ、時 間と周波数オフセットは先の見積もりでろ過され、ステップ607と次のフレー ム用のフィルター617に送られる。 本発明の好適実施例では、代わりの射影ループは、処理中のバーストに対し重 み見積もりと復調ループ625/629/633だけを繰り返す。周波数オフセ ットと整列はこのバーストに対し1回だけ見積もられる。本発明の別の実施例で は、図6のフローチャートは、wrN(アイテム635)即ちステップ633にお いて生成された新しい重みベクトルがステップ603に送られ、改良されたコピ ー信号を生成し、それが次に使用されて改良された周波数オフセットと整列の見 積もりを生成するという点で変更が加えられているが、その処理は先に説明した 実施例のように続く。 受信バースト中に生成された重み見積もりは、アンテナのアレーを使用して、 送信用に使用することができる。ある1つの実施例では、受信重みベクトルwr は、その特定の論理チャネル上でのノーマルモード通信のための送信重みベクト ルとして使用される。またある代わりの実施例では、受信重みベクトルwrの複 素共役は送信重みベクトルとして使用される。 フレームが終了(又はバーストモードのバーストが終了)すると、本方法はス テップ603に戻り、終了フレームのwrNは新規フレーム用のwrOになり、ルー プの全過程が繰り返される。先のフレームの周波数オフセット及び整列の見積も りが、ステップ617のようなろ過と共に、初期周波数オフセット修正ステップ 607及び見積もりフィルター617のために使用される。 周波数オフセット見積もり及び整列 ステップ611は、整列及び周波数オフセットを見積もるステップである。本 発明の方法と装置は、信号の有限アルファベット特性を利用し、しかも干渉が強 い(搬送波対干渉比が低い)特に同一チャネル高干渉の状況にあっても正常に作 動する、整列及び周波数オフセット見積もり技法611を使用する。 初期コピー演算603、そしてそれに引き続く初期周波数オフセット修正60 示されるものとして考える。複素数値のシーケンス{bc(n)}を等間隔のサ ンス{bN(n)}で表されるこのシーケンスと複素数値の信号の列627との 間のサンプル期間の差に注意されたい。bN(n)は記号ポイントであり、オー プルと次のサンプルとの間の位相差信号について考える。bC(n)を仮定され た先の配座点bC(n−L)におけるサンプルで割って形成される「差分」スト リームをdC(n)と表す。{dC(n)}は、その位相が1つの信号サンプルから 1ボー記号(Lサンプル)離れた信号までの位相偏移であるところの信号シーケ ンスである。即ち、 dC(n)=bC(n)/bC(n-L)⇒∠dC(n)=∠bC(n)-∠bC(n-L) である。 先行技術のπ/4DQPSK復調では、架空の差分配座点における複素数値dC (n)の4分円が復調デシジョンである。複素平面の4つの4分円を、第1、 第2、第3、第4の4分円に対しそれぞれΦ1、Φ2、Φ3、Φ4とする。4分円は 復調に十分用を足すことが、π/4DQPSK信号の有限アルファベット特性の 主要な意義であり、架空の場合では、ある架空の差分配座点で∠dC(n)=±π/4 又は±3π/4である。信号の有限アルファベット特性をこれより活用する。dC (n)が最も近い架空差分配座点に対して緩和されたものである架空の差分信 号dcideal(n)が求められる。即ち、 dC(n)?Φi⇒∠dcideal(n)=(2i−1)π/4、i=1,2,3 又は4 である。 “fa”(有限アルファベットにつき)でdc(n)とdcideal(n)の間の 関係を表す。即ちdcideal(n)=fa{dC(n)}である。復調ステップ62 9では、その後の点は通常、既に記号点に接近しており、従って差分信号サンプ ルは 比較的架空のπ/4DQPSK配座点に近い。これは“fa”演算の場合に限っ たことではない。整列二乗エラーeA2(n)=|dC(n)−dcideal(n)|2 を差分点とその最も接近した架空差分配座点の間の(複素平面における)距離 の二乗と定義する。データのデシメーションはまだ行われていないので、記号点 に近くないサンプル点では、エラー「距離」は比較的大きいであろう。 本発明の実施例においては、{dC(n)}を明示的に決めるのではなく、むし ろ各dC(n)の角度が、 ∠dC(n))=∠[bC(n)bC *(n−L)] であるという事実を使用する。 複素平面(j2=−1)上で[bC(n)bC *(n−L)]=χRe(n)+jχIm (n)とする。そうすると信号|χRe(n)|+j|χIm(n)|?Φ1即ち第 1の4分円、はdcideal(n)の場合に、正規化されると、1/√2+j1/√ 2となる。好適実施例で使用される整列二乗エラーeA2(n)は、 eA2(n)=(|χRe(n)|−1/√2)2+(|χIm(n)|−1/√2 )2 である。 これにより信号を復調する必要が回避される。これより、時整列パラメータに 対応し且つ関連した費用関数が形成される。この実施例では、この費用関数は、 となり、これは整列χの関数としての、バーストの全サンプルに対しての全エラ ー距離の合計である。本方法では、整列点χminとして最小のJχを有する点を 選ぶ。中間絶対エラーのような他の費用関数を代わりに使用してもよい。 この実施例では、χminはボ一点付近のLサンプル点内の整列であるが、SY NCHバーストを使用する第1の実施例では、整列全体が求められる。整列全体 は、技術上良く知られている標準的な技法を使用してフレーミングビットを調べ ることによりχminから容易に求められる。 このように一旦χminが定まると、データを整列させるために整列パラメータ 見積もりχminを使用して周波数オフセットパラメータの見積もりへと進む。 d’C(n)とd’cideal(n)は、それぞれ、χminによる整列後の、差分点dC (n)とdcideal(n)を示す。即ちd’C(n)=dC(n+χmin)でd’ci deal (n)=dcideal(n+χmin)である。先に述べ、且つ以下に説明するよ うに、現実のやり方は、d’C(n)とd’cideal(n)を明示的に求めること を含んでいない。位相エラーを、 eP(n)=∠d’C(n)−Zd’cideal(n) と示す。 費用関数をサンプルに亘る位相エラーeP(n)の平均として定義する。本発 明の方法は、復調を明示的に必要とせずにこれを求める。 b’C(n)をbC(n)の整列バージョンと定義する。第1の段階は[b’C (n)b’C *(n−L)]を求めることである。これより、Φi即ち[b’C(n )b’C *(n−L)]が存する4分円を求める。次に[b’C(n)b’C *(n− L)]がどの4分円に存するかによって、Φ1、2、3、4それぞれにつき−π /4、−3π/4、3π/4、π/4だけ[b’C(n)b’C *(n−L)]を回 転させる。これにより、∠[b’C(n)b’C *(n−L)]は移動して−π/4 からπ/4の間の範囲内となる。この回転した[b’C(n)b’C *(n−L)] を複素平面ではP’(n)=PRe’(n)+jPIm’(n)と示す。 eP(n)を計算するための方法は、フェーザーを掛け算すると位相角度が加 わるという事実を用いる。合計位相を求めるためには、正位相寄与と負位相寄与 とを分ける必要がある。これらの各々につき、もしそうしなければ結果は係数2 πになってしまうので、フェーザーを掛け算してカウンター経由で2πの倍数が いくらあるかを記録する。最終的な合計位相は、正位相寄与合計引く負位相寄与 合計である。これについての手順は以下の通りである。 a_pos=1; a_neg=1; c_pos=0; c_neg=0; n=1、...、N/Lにつき サンプリングレートの知識を使えば、この平均位相角度エラーは、周波数オフ セットの必要な見積もりへと変換できる。これは位相(∠)計算の回数を最小限 にするために行うのであり、なぜなら逆タンジェント演算は好適実施例で使用さ れるDSPでは費用がかかるからである。 この見積もりが、復調の間に、周波数オフセット用の信号を修正するために使 用されるときには、周波数オフセット見積もりではなくて、むしろ平均位相角度 自身が使用される。 復調段階 ステップ629は復調ステップである。π/4DQPSK信号を復調するため の技法は当該技術分野ではよく知られている。このような先行技術の1つは、次 に続くサンプル間に比率信号を生成して、次に続く記号間の位相差の4分円を識 別することである。これらの位相差の4分円で送信記号が確定する。このような 先行技術の技法には2つの大きな欠陥がある。第1には、引き続く記号間の比率 をとるにも、比率をとるために使用されるこれら記号の両方にノイズと歪みがあ る状況においてであり、ひいてはその比率では元の信号よりもノイズと歪みがよ り大きくなってしまう。第2の欠陥は、送信される記号についての「ハードな」 (即ち、取り消せない)デシジョンを形成することである。そのハードデシジョ ンに基づきπ/4DQPSK基準信号を生成すると、信号配置の(典型的に緩慢 な)回転として視認化できる、残留周波数オフセットを含まない基準信号へと立 ち至り、このような基準信号はステップ633においてwr空間への再射影に使 用できなくなる場合もある。 本発明の復調方法はこれら2つの問題を同時に解決する。それは、必要とされ る既知の有限アルファベット特性を有し、且つ残留周波数オフセットに起因する 配置の(典型的に緩慢な)回転を追跡する基準信号631を生成する。次に、実 際の信号の次のサンプルと先行技術の技法に付随して発生したノイズ振幅を低減 する基準信号との間の位相差を調べることにより、復調デシジョンが下される。 この方法は、π/4DQPSKで決定された信号の架空の位相偏移により第1 に進められた基準信号を生成するものとして概念化することができる。次に、概 念的に進められたこの架空信号が、実際の信号に向けてゆっくりと緩和(即ち、 ろ過)され、顕著な位相(即ち、周波数)オフセットの累積に影響されないよう にする。 る。多くの従来からの復調方法同様に、本方法は、bN(n)を先のサンプルbN (n−1)で割ることにより得られる「差分」ストリームd(n)を形成するこ とにより始まる。これにより、その位相が、1つの信号から次の信号までの位相 シフトである信号シーケンスが生成される。即ち、 d(n)=bN(n)/bN(n-1)⇒d(n)=∠bN(n)-∠bN(n-1) であり、ここに∠は位相である。先行技術のπ/4DQPSK復調においては、 複素数値のd(n)の4分円がデシジョンである。即ち、再度、複素平面のi番 目の4分円をΦiで示すと、 ∠d(n)?Φi⇒∠d(n)=(2i−1)π/4 であり、ここに、i=1、2、3、又は4である。その4分円が復調に十分役立 つことが、π/4DQPSK信号の有限アルファベット特性の主要な意義であり 、理想的には∠d(n)=±π/4若しくは±3π/4である。 復調ステップ629の最終目的は、復調することと基準信号を生成することの 両方である。基準信号はt=nTで記号bR(n)と表されるものとする。この ような基準信号を生成する従来のやり方は、開始時においてその位相が信号62 7の記号bN(n)の位相と同じである基準信号で開始されるものであった。開 始時は便宜上ゼロに設定される。即ち、 ∠bR(O)=∠bN(O) である。 次に、後続の各デシジョンに対し、∠bR(n)は、π/4DQPSK体系が 要求するように、正確に±π/4若しくは±3π/4だけ進められる。便宜上| bR(0)|=1に設定すると、従来の手法では、∠d(n)?Φiの場合にはbR (1)=bR(0)exp[jπ/4]となる。これに伴う問題点は、d(n)が 、 的鈍感ということである。この単純なやり方でbR(n)(及びひいては基準信号 は完全に位相がずれる。このように、位相ワインダップとして周知されている累 積エラー問題が発生する。一般的に、位相ワインダップ問題に苦しむ基準信号は 、交代射影ループで重みベクトルを見積もるのにはふさわしくない。 本発明の方法及び装置は、上の「従来型」復調方法に修正を加えることによっ て、位相ワインダップを回避する。位相ワインダップは緩慢で、従ってこれまで 順調に復調が行われてきたと仮定すると、どの特定時点(即ちnである特定値) においても、bR(n)とbN(n)の間の位相差は小さい。 図7は、図6の復調ステップ629を詳しく示すフロー線図である。必要な基 準信号記号を得るに当たって、これよりフィルターを使ってbR(n)の位相を bN(n)の位相に向けて少しだけ移動させる。これにつき、理想化された基準 信号記号を有する「理想化された」基準信号が求められる(図7のステップ62 9.1)。理想化された基準信号記号をbideal(n)で表す。 bideal(0)=bN(0) として、dideal(n)をbN(n)/bR(n−1)と定義する。ステップ62 9.2は、dideal(n)に基づき従来通りの復調デシジョンを行うことによるbid eal (n)の位相の計算を示している。次に、このデシジョンを使用して2つの段 階を経てbideal(n)が確定する。第1の段階では、位相は次のように求めら れるが、即ち∠dideal(n)?Φiであるなら、 ∠bideal(n)=ZbR(n−1)+(2i−1)π/4 と設定する。 次に、図7のステップ629.3に示すように、bideal(n)の位相がbN(n )の位相に向けて以下、 ∠bR(n)=∠bideal(n)−γ(∠bideal(n)−∠bN(n)) のように緩和されるが、γは小さいパラメータとする。いくつかの操作を加える と、これは、 ∠bR(n)=α∠bideal(n)+(1−α)∠bN(n) と記すことができ、ここにα=1−γは通常1に近いパラメータである。好適実 施例では、α=0.8(概値)である。ステップ629.3の出力は図6のステ ップ629の出力630に対応している。ステップ629.4は、ステップ62 9.3の∠bR(n)からの基準信号sR(n)の構成を示している。 上記の単純なフィルターは、好適実施例では、基準信号631の「架空の」位 相をコピー信号627の位相に向けて少しだけ緩和するために使用される。パラ メータαは、含むべき架空位相の数がいくつかを示している。普遍的な原理は、 架空信号が実際の信号と架空信号との間の差の一部だけ修正されるということで ある。本発明の代替実施例では、他のより複雑なフィルターを使用することもで きる。実際の信号と架空の信号との間の位相の差はゼロミーンノイズにより変造 され、周波数オフセットに起因する部分はこのノイジーな差異信号に対するDC オフセットを表しており、しかも必要な差異信号である。本発明の実行する際の 普遍的な原理は、この差異信号をローパスフィルターに掛けてDCオフセットを 生成することである。ここに説明した好適実施例では、単純な線形フィルターを 使用している。ノイズ成分を取り除くために、必要に応じより複雑なフィルター を構築する方法は、当業者には明らかであろう。 好適実施例のやり方では、基準信号生成時に明示的なデシジョンを行う必要は ない。尚、再度∠dideal(n)=∠[bN(n)bR *(n−1)]である。bR( 0)=bN(0)/|bN(0)|に成るように正規化を行い、n>0に対し[b N(n)bR *(n−1)]=χRe(n)+jχIm(n)とする。基準信号を生成する ためのやり方は以下のプログラムに要約される。 復調必要時、実際のデシジョンは、上で計算されたχRe(n)とχIm(n)か ら抽出できる。 重み確定段階 ステップ633でwrNを求めるに当たって、解決された最適化の問題は、費用 関数、 を最小化するwrNを求めることであり、ここにδはある定数である。この問題は 下記費用関数を最小化する問題へと公式化することができる。 (b−Ax)H(b−Ax) 本事例に当てはめるために、bT=SR、AT=zN、xT=wrNのように代入を 行う。表記法b(及びAとx)はここでは、本願のほかの箇所使用されているbK (n)、b(n)、bO(n)等と全く関係のない「一般的な」ベクトルの意味で使 用される。尚、また、DT=[AT|diang(ζ2)]でg=[b|0]のように代入 を行うと、 (g−Dx)H(g−Dx)=(b−Ax)H(b−Ax)+xdiang(ζ2)xH と表すことができる。 このように、費用関数Jを最小にするWrNを求めるという問題は、標準最小二 乗最小化問題として述べることができる。好適実施例では、共役傾斜法がこの最 小化のために使用されるが、ここではSYNCHモード中の開始時整列を求める ための共役傾斜法の説明を参照されたい。代替実施例では、wrNは一般逆行列を 求めることにより確定される。直接的一般逆行列に関する詳細についても、SY NCHモード中の開始時整列を求めるための方法の説明を参照されたい。 他の変調体系及び追加的な時空処理 本発明の好適実施例はπ/4DQPSK変調を使用する。本発明にとって重要 な特性は、変調体系の振幅と位相が有限アルファベットの一部であり、次の記号 との間の位相差が有限アルファベットの1つであるということである。このよう な交代変調体系をカバーする詳細を修正することは当業者には自明のことであろ う。 同様に、このような信号コピーのような演算の空間処理を時間等化を含むよう に修正するこには、重みベクトルの要素がインパルス応答である必要があり、そ れ故、信号コピー及び同様の演算における単純な掛け算はコンボルーションとな る。このような時空処理を含むように実施例を変更することは、当業者にとって は自明のことであろう。 D.復調用の装置 図1に示す本発明の装置の好適実施例の構造について、これよりより詳しく説 明する。m機のアンテナ101.0、101.2、...101.mのm個の出力 103.1、103.2、...、103.m(好適実施例ではm=4)が受信さ れ、アナログで混ぜ合わされ、3段階で、搬送波周波数(約1.9GHz)から 384kHzの最終中間周波数(IF)に下げられる。これは、m個のRXブロ ック105.1、105.2、...105.mで実行され、信号107.1、1 07.2、...107.mを生成するが、これらが次に1.536MHzでA/ D変換器109.1、109.2、...109.mによりデジタル化(サンプリ ング) され実数値の信号111.1、111.2、...111.mを生成する。基本帯 域への最終的なダウンコンバートは、グレイチッップ社製のGC2011Aデジ タルフィルター装置であるブロック113.1、113.2、...113.mに よりデジタルで実行される。ダウンコンバーターはまた時間多重分離を実行して 、4つの出力を生成する。例を揚げると、第1のダウンコンバーター113.1 は、その出力が115.1.0、115.1.1、115.1.2、115.1 .4であるが、受信タイムスロット0、1、2、3のそれぞれにつき1つとなっ ている。タイムスロット信号のそれぞれは、それぞれのダウンコンバーターによ り、以後の処理での必要に合わせてスケール調整される。信号処理のためこのよ うなスケール調整をどのように実行するかは当業者には自明であろう。このよう に、何れのタイムスロットについても、m個の信号が生成され、これらはz1(t )、z2(t)、...、zm(t)であって、即ちそれぞれ第1、第2、...、第m番 目のアンテナの複素数値の応答である。0番目のタイムスロットについては、こ れらは信号115.1.0、115.2.0、115.3.0、115.4.0 として示される。 このように、何れのタイムスロットについても、本装置はm機のアンテナのそ れぞれに対し1つの受信機を含み、各受信機はデジタイザーを含んでおり、m機 の受信機の出力は対応するアンテナ要素の応答である。RXブロック103、A /Dブロック109、そしてダウンコンバーターブロック113は共に、特定実 施例においてm機の受信機となっているが、他の何れの受信用装置を代用しても よい。 何れのタイムスロットについても、初期重みマトリックス、周波数オフセット 及び時整列パラメータを求めるSYNCHモード処理と、周波数オフセット及び 時整列確定、周波数オフセット及び整列修正、信号コピー演算、重みベクトル確 定、デシメーション、ろ過、復調を行うノーマルモード処理とは、タイムスロッ ト毎に1つのDSPにより実行される。4つの受信タイムスロット0、1、2、 3用の4つのDSPは、各々ブロック117.0、117.1、117.2、1 17.3として示されている。それぞれはモトローラ社のDSP56301であ る。結果として復調された信号は119.0、...、119.3として示されて い る。 このように本装置は、周波数オフセット確定、整列確定、周波数オフセット修 正、整列修正、信号コピー演算、重みベクトル確定、デシメーション、ろ過、復 調のための手段はもとより、他にも初期重みマトリックス、周波数オフセット及 び時整列パラメータ確定用の装置を含んでいる。 本発明を好適実施例に関して説明してきたが、これらの実施例は説明のための ものに過ぎない。好適実施例に関してはいかなる制限を意図するものでも暗示す るものでもない。数多くの変更や修正が、本発明の真の精神と際立ったコンセプ トの範囲を逸脱することなく行われるであろうことは予測されることであり、本 発明の範囲はここに添付する請求の範囲により定義づけられることを意図するも のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 パリッシュ ディヴィッド エム アメリカ合衆国 カリフォルニア州 94024 ロス アルトス アレクサンダー ウェイ 1624

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.アンテナのアレーを含む少なくとも1つの基地局と、遠隔ターミナルのセッ トの内の少なくとも1つの遠隔ターミナルとを含むワイヤレス通信システムに おいて、基準遠隔ターミナル送信信号を生成するために特定の遠隔局により送 信される変調信号を復調する方法であって、前記方法は前記少なくとも1つの 基地局において実行され、前記変調信号は記号点で有限記号アルファベットを 有する変調体系により変調され、前記アンテナのアレーの各個別のアンテナは 対応する受信信号を受信し、全受信信号は受信信号ベクトルを形成し、各受信 信号は送信中のセットの内の全遠隔ターミナルからの信号を含んでいる、その ような方法において、 a)サンプルを含んでいる特定ターミナルコピー信号を形成するために、受信 信号ベクトルから、特定の遠隔ターミナルに対応する空間重みベクトルを使用 して特定の遠隔ターミナルに対応する遠隔ターミナル信号を分離する段階と、 b)各記号点に対して、 i)特定ターミナルコピー信号から架空の信号を構築する段階であって、前記 架空信号は前記変調体系を有し、前記架空信号の振幅と位相は前記ターミナル コピー信号の振幅と位相から求められ、架空信号は初期記号点において初期記 号点における前記ターミナルコピー信号と等しくなるようにセットされる、そ のような架空の信号を構築する段階と、 ii)架空基準信号を前記ターミナルコピー信号に向けて緩和し、基準遠隔タ ーミナル送信信号を生成する段階と、 から成ることを特徴とする方法。 2.前記変調体系のアルファベットが異なる振幅を有する記号を含んでおり、前 記緩和する段階が前記架空信号の振幅を前記ターミナルコピー信号の振幅に向 けて緩和し、基準遠隔ターミナル送信信号を生成することを特徴とする、上記 請求項1に記載の方法。 3.架空信号bidealの振幅|bideal(n)|を前記ターミナルコピー信号bN (n)の振幅|bN(n)|に向けて緩和する前記段階が、基準遠隔ターミナ ル送信 信号bR(n)の振幅|bR(n)|を、 |bR(n)|=α|bideal(n)|+(1−α)|bN(n)| ここに0<α<1 として計算することに相当することを特徴とする上記請求項2に記載の方法。 4.前記変調体系のアルファベットは異なる位相を有する記号を含んでおり、し かも前記緩和する段階が架空信号の位相を前記ターミナルコピー信号の位相に 向けて緩和し、基準遠隔ターミナル送信信号を生成することを特徴とする、上 記請求項1に記載の方法。 5.架空信号bidealの位相∠bideal(n)を前記ターミナルコピー信号bN( n)の位相∠bN(n)に向けて緩和する前記段階が、基準遠隔ターミナル送 信信号bR(n)の位相∠bR(n)を、 ∠bR(n)=α∠bideal(n)+(1−α)∠bN(n) ここに0<α<1 として計算することに相当することを特徴とする上記請求項4に記載の方法。 6.前記変調体系が位相偏移キーイングであることを特徴とする、上記請求項4 に記載の方法。 7.前記変調体系がQAMであって、しかも前記アルファベットの各記号が別個 の位相を有することを特徴とする、上記請求項4に記載の方法。 8.アンテナのアレーを含む少なくとも1つの基地局と、遠隔ターミナルのセッ トの内の少なくとも1つの遠隔ターミナルとを含むワイヤレス通信システムに おいて、基準遠隔ターミナル送信信号を生成するために特定の遠隔局により送 信される変調信号を復調する方法であって、前記方法は前記少なくとも1つの 基地局において実行され、前記変調信号は有限記号アルファベットを有する変 調体系により変調され、前記アンテナのアレーの各個別のアンテナは対応する 受信信号を受信し、全受信信号は受信信号ベクトルを形成し、各受信信号は送 信中のセットの内の全遠隔ターミナルからの信号を含んでいる、そのような方 法において、 a)受信信号ベクトルをダウンコンバートする段階と、 b)受信信号ベクトルの時整列と周波数オフセットを見積もる段階と、 c)受信信号ベクトルから、特定の遠隔ターミナルに対応する初期空間重みベ クトルを使用して、特定の遠隔ターミナルに対応する遠隔ターミナル信号を分 離する段階であって、前記分離は見積もられた時整列と周波数オフセットを使 用して時整列と周波数オフセットに対して修正を行うことを含んでおり、更に 前記分離は修正されたターミナルコピー信号を形成する、そのような分離する 段階と、 d)復調信号を生成するために修正されたターミナルコピー信号を復調する段 階と、 e)少なくとも1回 e.1)復調信号から基準信号を合成し、 e.2)前記基準信号に依存している規定の費用関数を最小化することによ り、新しい空間重みベクトルを計算し、 e.3)ステップ(c)において初期の空間重みベクトルの代わりに最後に 確定した新しい空間重みベクトルを使用して、ステップ(c)と(d)を実 行する段階と、 f)復調信号を出力する段階と、 から成ることを特徴とする方法。 9.前記ステップ(e.3)がステップ(b)を実行することを更に含んでいる ことを特徴とする、上記請求項8に記載の方法。 10.前記ステップ(c)が、 c.1)修正信号ベクトルを形成するために、受信信号ベクトルに対し、修正 として時整列と周波数オフセットを適用する段階と、 c.2)特定の遠隔ターミナルに対応する初期空間重みベクトルを使用して、 修正信号ベクトルから修正ターミナルコピー信号を分離させる段階と、 を更に含んでいることを特徴とする、上記請求項8に記載の方法。 11.前記ステップ(c)が、 c.1)特定の遠隔ターミナルに対応する初期空間重みベクトルを使用して、 受信信号ベクトルから特定の遠隔ターミナルに対応する特定のターミナルコピ ー信号を分離する段階と、 c.2)修正ターミナルコピー信号を形成するために、前記特定のターミナル コピー信号に対し、修正として見積もられた時整列と周波数オフセットを適用 する段階と、 を更に含んでいることを特徴とする、上記請求項8に記載の方法。 12.アンテナのアレーを含む1つ又はそれ以上の基地局と遠隔基地局のネット 内の1つ又はそれ以上の遠隔ターミナルを含むワイヤレス通信システムの基地 局において実行される復調方法において、前記方法は復調された遠隔ターミナ ル送信信号を生成するために特定の基地局により送信される変調信号を復調す るためのものであり、前記変調信号は有限記号アルファベットを有する変調体 系により変調され、アレーの各個別のアンテナは対応する受信信号を受信し、 全受信信号は受信信号ベクトルを形成し、各受信信号は送信中のセットの内の 全遠隔ターミナルからの信号を含んでいる、そのような方法において、 a)受信信号ベクトルをダウンコンバートする段階と、 b)特定の遠隔ターミナルコピー信号を形成するために、受信信号ベクトルか ら引き出された信号ベクトルから、特定の遠隔ターミナルに対応する遠隔ター ミナル信号を分離する段階と、 c)特定のターミナルコピー信号から架空の基準信号を求める段階と、 d)架空の基準信号から空間重みベクトルを求める段階と、 e)(b)、(c)、(d)の段階を少なくとも1回行う段階であって、段階(b )は段階(d)で確定した最新の空間重みベクトルを用いて行う、そのような 段階とから成り、 更に、段階(d)において架空の基準信号から特定のターミナルコピー信号へ 向けて緩和された緩和基準信号を使用する段階から成る改良点をも含む交代射 影ループを含んでいることを特徴とする方法。 13.アンテナのアレーを含む1つ又はそれ以上の基地局と遠隔基地局のネット 内の1つ又はそれ以上の遠隔ターミナルを含むワイヤレス通信システムの基地 局において実行される復調方法において、前記方法は復調された遠隔ターミナ ル送信信号を生成するために特定の基地局により送信される変調信号を復調す るためのものであり、前記変調信号は有限記号アルファベットを有する変調体 系により変調され、前記記号のいくらかは異なる位相を有し、アレーの各個別 のアンテナは対応する受信信号を受信し、全受信信号は受信信号ベクトルを形 成し、各受信信号は送信中のセットの内の全遠隔ターミナルからの信号を含ん でいる、そのような方法において、 a)受信信号ベクトルをダウンコンバートする段階と、 b)特定の遠隔ターミナルコピー信号を形成するために、受信信号ベクトルか ら引き出された信号ベクトルから、特定の遠隔ターミナルに対応する遠隔ター ミナル信号を分離する段階と、 c)特定のターミナルコピー信号から架空の基準信号を求める段階と、 d)架空の基準信号から空間重みベクトルを求める段階と、 e)(b)、(c)、(d)の段階を少なくとも1回行う段階であって、段階(b )は段階(d)で確定した最新の空間重みベクトルを用いて行う、そのような 段階とから成り、 更に、受信信号の時整列と周波数オフセットを見積もる段階と、段階(d)に おいて周波数オフセットと時整列に対し既に修正されている修正基準信号を使 用する段階とから成る改良点をも含む交代射影ループを含んでいることを特徴 とする方法。 14.前記段階(d)で使用された修正された基準信号の位相が、架空の基準信 号の位相から特定のターミナルコピー信号の位相に向けて緩和されていること を特徴とする、上記請求項10に記載の方法。 15.少なくとも1つの基地局と遠隔ターミナルのセットの内の少なくとも1つ の遠隔ターミナルとを含むワイヤレス通信システムのための基地局において基 準信号を生成するための装置において、特定の遠隔局により送信される信号は 記号点において有限記号アルファベットを有する変調体系により変調され、基 地局はアンテナのアレーを有し、各アンテナは対応する受信信号を受信し、全 受信信号は受信信号ベクトルを形成し、各受信信号は送信中のセットの内の全 遠隔ターミナルからの信号を含んでいる、そのような装置において、 a)受信信号ベクトルから、送信中の特定の遠隔ターミナルに対応する遠隔タ ーミナル信号を分離するための手段であって、前記分離手段は特定の遠隔ター ミナルに対応する空間重みベクトルを使用して、サンプルから成る特定のター ミナルコピー信号を形成する、そのような手段と、 b)基準遠隔ターミナル送信信号を生成するための復調器であって、 i)特定のターミナルコピー信号から架空信号を構築するための手段であっ て、前記架空信号は前記変調体系を有し、架空信号の振幅と位相は前記ター ミナルコピー信号の振幅と位相から求められ、架空信号は初期記号点におい て初期記号点における前記ターミナルコピー信号と等くなるようにセットさ れる、そのような手段と、 ii)架空基準信号を前記ターミナルコピー信号に向けて緩和し、基準遠隔 ターミナル送信信号を生成するための手段と、 から成る復調器と、 から成ることを特徴とする装置。 16.前記変調体系のアルファベットが異なる振幅を有する記号を含んでおり、 しかも前記緩和手段が架空信号の振幅を前記ターミナルコピー信号の振幅に向 けて緩和し、基準遠隔ターミナル送信信号を生成することを特徴とする、上記 請求項15に記載の装置。 17.架空信号bideal(n)の振幅|bideal(n)|を前記ターミナルコピー 信号bN(n)の振幅|bN(n)|に向けて緩和するための前記手段が、基準 遠隔ターミナル送信信号bR(n)の振幅|bR(n)|を、 |bR(n)|=α|bideal(n)|+(1−α)|bN(n)| ここに、0<α<1、 として計算するための手段を含んでいることを特徴とする、上記請求項16に 記載の装置。 18.前記変調体系のアルファベットが異なる位相を有する記号を含んでおり、 しかも前記緩和手段が架空信号の位相を前記ターミナルコピー信号の位相に向 けて緩和し、基準遠隔ターミナル送信信号を生成することを特徴とする、上記 請求項15に記載の装置。 19.架空信号bideal(n)の位相∠bideal(n)を前記ターミナルコピー信 号bN(n)の位相∠bN(n)に向けて緩和するための前記手段が、基準遠隔 ター ミナル送信信号bR(n)の位相∠bR(n)を、 ∠bR(n)=α∠bideal(n)+(1−α)∠bN(n) ここに、0<α<1、 として計算するための手段を含んでいることを特徴とする、上記請求項18に 記載の装置。 20.前記変調体系が位相偏移キーイングであることを特徴とする、上記請求項 18に記載の装置。 21.前記変調体系がQAMであって、しかも前記アルファベットの各記号が別 個の位相を有することを特徴とする、上記請求項18に記載の装置。 22.ワイヤレス通信システムにおいて、復調遠隔ターミナル送信信号を生成す るために特定の遠隔局により送信された変調信号を復調させるための装置にお いて、前記システムは少なくとも1つの基地局と遠隔ターミナルのセットの内 の少なくとも1つの遠隔ターミナルとを含み、前記基地局はアンテナのアレー を含み、前記装置は前記少なくとも1つの基地局にあり、前記変調信号は有限 記号アルファベットを有する変調体系により変調され、アンテナのアレーの各 個別のアンテナは対応する受信信号を受信し、全受信信号は受信信号ベクトル を形成し、各受信信号は送信中のセットの内の全遠隔ターミナルからの信号を 含んでいる、そのような装置において、 a)受信信号ベクトルをダウンコンバートするためのダウンコンバーターと、 b)受信信号ベクトルの時整列と周波数オフセットを見積もるための手段と、 c)受信信号ベクトルから、特定の遠隔ターミナルに対応する遠隔ターミナル 信号を分離するための手段であって、前記分離手段は特定の遠隔ターミナルに 対応する初期空間重みベクトルを使用し、しかも前記分離手段は見積もられた 時整列と周波数オフセットを使用して時整列と周波数オフセットに対し修正を こなうための手段を含んでおり、前記分離手段は修正ターミナルコピー信号を 形成する、そのような分離するための手段と、 d)復調信号を生成するために、修正ターミナルコピー信号を復調するための 復調器と、 e)復調信号から基準信号を合成する手段と、 f)前記基準信号に依存する規定の費用関数を最小化することによって新しい 空間重みベクトルを計算するための手段と、 から成ることを特徴とする装置。
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